今後、
人口減少社会を迎え、また、
公共施設や
インフラの
老朽化が進む中で、長期間にわたって
施設の
集約化や
複合化、あるいは
長寿命化といった
事業が必要でございますので、
財政負担の軽減の面からも、
札幌市として
制度の
恒久化を求めているところでございます。
◆くまがい誠一
委員 今、ご答弁がございましたような理由から、市としても、
公共施設等適正管理推進事業債について
恒久化を求めているということであり、しっかりと
要望を行い、ぜひ実現していただきたいと存じます。
次に、
区役所や
消防署などの
公用施設についても、
災害対策等において重要な
役割を担うことから対象とすべきという部分についてお伺いいたします。
区役所や
消防署は、災害時に、区の
災害対策本部や
応急拠点などに活用される重要な
施設であります。近年では、
自然災害の
激甚化が懸念されているところでございますが、例えば、3年前に起きた北海道胆振東部地震の際、民間ビルでは停電が起きていたところも多くございましたが、この市役所の本庁舎や
区役所は、非常用電源が働き、災害対策の拠点としてしっかりと
役割を担っておりました。災害対策に重要な
公用施設の更新や
長寿命化は、ひいては市民の命を守ることにもつながると思います。
そこで、質問でございますが、そのような重要な
施設にもかかわらず、現在は、この
公共施設等適正管理推進事業債の対象となっていないところでございますが、この
公用施設に拡大されるとどのようなメリットがあるのか、お伺いします。
◎中澤
財政部長 公用施設に拡大された場合のメリットについてお答えいたします。
札幌市では、平成29年に策定しました
札幌市市有建築物及び
インフラ施設等の
管理に関する基本的な方針におきまして、中長期的な
公共施設の再構築に向けて、
区役所、保健センターなどの
公用施設や児童会館、区民センター、図書館などの
公共施設について、機能の
集約化や
複合化を目指しているところでございます。
区役所や保健センターなど、行政目的のために
札幌市が直接使用する
公用施設につきましては、本来、自主
財源で整備するものとされておりますので、
集約化や
複合化の
事業でありましても、この
公共施設等適正管理推進事業債の対象とはなっていないところでございます。
今後、
札幌市において、
区役所、保健センター、区民センターなどの
複合化による建て替えを進めていくことを考えますと、
公用施設に対象が拡大されますことで、全体の
延べ床面積が既存の
施設よりも縮小する
集約化・
複合化事業については、
札幌市の実質的な
財政負担を抑制することが可能であるというふうに認識してございます。
◆くまがい誠一
委員 行政主体が直接使う
公用施設といっても、その機能は職員の執務室というだけにはとどまらず、災害時には拠点となるなど大事な
役割を持っております。
札幌市は、1972年の
札幌オリンピックや政令
指定都市移行を契機に大きく開発されたまちであり、これから建て替えが始まる中央
区役所をはじめとして、この時期に建設され、
老朽化が進んでいる
施設は数多く、今後、更新の時期を迎えるところでございます。
今後の
札幌市の
まちづくりを進めていく上で、また、
国土強靱化の観点からも、
公用施設、
公共施設を問わず、中長期的に
長寿命化や
複合化を図っていくことが重要となるため、
公共施設等適正管理推進事業債の
恒久化や
公用施設への対象拡大について強く
要望していくことを求め、私からの質問を終わります。
◆佐々木明美
委員 私からは、
要望項目の
税制関係について、
固定資産税などの減税に関連して、2点質問いたします。
はじめに、
財源拡充要望資料の25
ページの
固定資産税の
安定的確保の(2)で、この間、
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の
税制上の
措置として、売上げが減少した
中小事業者等に対する
償却資産及び
固定資産税等の
軽減措置が講じられてきました。
新型コロナウイルス感染症の影響を長期に受けている中小
事業者にとってみれば、
償却資産や
事業用家屋などに係る固定資産等の
軽減措置は、
事業継続をしていく上で大事な支援です。
そこで、質問ですが、売上げが減少した
中小事業者等に対する
償却資産及び
事業用家屋に係る
固定資産税等の
軽減措置について、本市への申請者数と軽減税額は幾らか、また、中小
事業者といっても幅があるが、どのような規模の
事業者から申請が多かったのか、伺います。
◎大柿
税政部長 まず、1点目の売上げが減少した
中小事業者等に対する
償却資産及び
事業用家屋に係る
固定資産税等の
軽減措置について、本市への申請者数と軽減税額は幾らかについてでございます。
本市へ申請があった法人及び個人の数は、頭数でいきますと4,486件となってございます。また、軽減税額については、
固定資産税が約36億3,000万円、都市計画税が約6億1,000万円の計42億4,000万円となってございます。
次に、2点目のどのような規模の
事業者からの申請が多かったのかについてでございます。
まず、今回の
軽減措置の対象となる中小
事業者とは、資本金の額、または出資金の額が1億円以下の法人、または常時使用する従業員の数が1,000人以下の個人となってございます。
法人・個人別の申請者数につきましては、法人は3,990法人で全体の89%、個人は496人で全体の11%となっております。
また、法人について、資本金の規模別申請者数を見ますと、資本金1,000万円以下の
事業者が法人全体の61%、1,000万円を超え5,000万円以下の
事業者は法人全体の23%、5,000万円を超える
事業者は法人全体の6%となってございます。
◆佐々木明美
委員 ただいま、申請の件数並びにその額、規模について報告をいただきました。
帝国データバンクの調査によりますと、全国での新型コロナウイルス関連倒産は、8月16日現在で1,886社と報道され、長期化する新型コロナウイルスの影響で、今後、さらに増えることが予測されます。税金を減額する
措置は、
事業者への直接支援となり、歓迎されています。しかし、
固定資産税は
指定都市において市税収入の約4割を占めるということですから、自治体にとっても痛手です。国の
経済対策について、国税や国庫
補助金等で実施するべきと思います。
あわせて、本市の申請は、個人も含めて4,486件となっており、8割は法人からの申請で、個人からの申請は496件と少ない傾向にあると感じました。コロナ禍で、長期に疲弊している全ての
事業者が対象となる
措置を国に求めるべきです。
次に、28
ページにある
税負担軽減措置等の
整理合理化についてです。
地方税の
税負担軽減措置及び国税の
租税特別措置等の一層の合理化を進めるとし、新築住宅に係る
固定資産税の
軽減措置をはじめとして、抜本的な
見直しを行うというものです。
そこで、質問ですが、資料では、
令和元年度の
地方税法における
固定資産税・都市計画税の
税負担軽減措置等による減収見込額が示されていますが、昨年まで示されていた
個人住民税などの減収見込額が掲載されておりません。これは、全国ベースの数値が把握できなくなったとのことですが、それでは、
札幌市分として把握されている数値があれば伺います。
◎大柿
税政部長 個人住民税などの
札幌市分の減収額についてでございます。
直近2年で把握している算出可能な一部の減収額になりますが、
札幌市分としては、生命保険料控除などによる
個人市民税の減収額は、
令和元年度分は約25億4,000万円、平成30年度分は約24億8,000万円でございます。
また、
札幌市分の
固定資産税・都市計画税の減収額は、
令和元年度分は約37億8,000万円、平成30年度分は約35億8,000万円でございます。このうち、新築住宅に係る税額の
軽減措置でございますが、
令和元年度分は約24億3,000万円、平成30年度分は約23億円でございます。
◆佐々木明美
委員 今、示された数字でも、本市の減収額が増額していることは分かりましたが、国の資料によって、各自治体が減収見込額などを把握できなくなるという不透明さは、国にただしていくべきだと申し上げます。
今後、住宅ストックが充足されてきたので、新築住宅に係る
固定資産税の減額
措置等を見直すとありますが、これまで、新築住宅の
固定資産税の支援は、住宅を建てやすくする大きな支援となっていたからこそ、住宅の充足につながったと考えます。
この施策は、住宅を建て、長く住み続けることにつながり、市民のニーズに応える施策でもありました。そのことは、今後も市民から求められています。市民の減税をすることによって、本市の税収が減るということが問題であり、国の責任によって市民ニーズに応えていただき、機械的な
見直しは行わないよう求めて、質問を終わります。
◆千葉なおこ
委員 私からは、重点
要望、15、16
ページの
国直轄事業負担金の廃止について数点お伺いします。
資料の16
ページには、
国直轄事業に対する全国の
指定都市の
負担が
事業名ごとに国と
道府県等を通じてと二つ載せられております。特に、国に対して直接支出しているもの、国道、港湾ですが、国道が36%、そして港湾が33.3%と高い
負担割合が見て取れます。
そこで、質問いたします。
本市が
負担している
国直轄事業はどのようなものが含まれておりますか、また、どの程度の額を
負担しているのか、併せてお伺いいたします。
◎中澤
財政部長 札幌市が
負担します
国直轄事業負担金の内容と金額についてお答えいたします。
札幌市が国に対して直接支出しております
負担額は、道路
事業で約8億4,700万円、具体的には、国道230号における改築
事業、あるいは国道12号における電線共同溝
事業などでございます。
また、北海道を通じて
負担しているものとしましては、空港整備
事業で約1億8,700万円でございまして、具体的には、新千歳空港の誘導路新設などや、あるいは丘珠空港の滑走路端安全区域整備に係る測量設計でございます。
公園整備
事業については、平成26年度以降は
負担金が発生してございません。
なお、それぞれの
負担額につきましては、その年度に行われる
事業次第で増減があるものでございます。
◆千葉なおこ
委員 国直轄事業負担金制度は、平成22年、2010年に維持
管理費の
地方負担については廃止となっておりますが、新築・改築分については、依然、
地方が
負担するということで、国の
事業によっては、今後も自治体が多額の
負担を強いられることになるのかと思います。
札幌市においては、都心アクセス道路、最初は1,000億円と言われておりましたけれども、現在は全
事業費が1,200億円、うち
札幌市の
負担は240億円です。240億円あれば、長引くコロナ禍で大変な市民、中小
事業者や若者、子育て世代に使えば、どんなによいかなというふうに私は思います。
次の質問に移ります。
15
ページのなお書きで、
国直轄事業負担金が廃止されるまでの間、
地方の意見や
財政状況が反映されるよう、計画段階から
地方と十分に協議を行い、合意形成できる
制度とし、また、その際には、詳細な
説明と速やかな情報提供を行うべきであると求めておりますが、現在、
国直轄事業の計画段階での協議などはどのように行っておりますか、伺います。
◎中澤
財政部長 事業の計画段階での協議についてお答えいたします。
国土交通省におきましては、
社会資本整備審議会道路分科会の北海道
地方小
委員会が置かれておりまして、そこで、直轄
事業につきまして計画段階評価が行われ、地域の意見を聞きながら、
事業の必要性の検討などが行われているところでございます。
また、例年、道路の直轄
事業に関しましては、北海道開発局と意見交換の場が設けられておりまして、直轄
事業の進め方について、情報提供、あるいは意思疎通を図っているところでございます。当年度の
事業内容や翌年度以降の
事業の方向性について
説明を受けまして、
札幌市としての意見を伝えているところでございます。
◆千葉なおこ
委員 これまで長い間、重点
要望として、
国直轄事業負担金の廃止を求めてきているわけですが、一方で、
地方負担がなくなることによって生じる影響についてです。
これまで、大型公共
事業の際には、何年もかけて、国、道との話合いの場、そして、議会報告の場、市民の皆さんの意見などをお聞きするための住民
説明会、オープンハウスや都市計画審議会での審議などが行われてきました。
そこで、質問いたしますけれども、
国直轄事業負担金が廃止された場合でも、市民・地元意見の反映や住民の意見表明の場については当然必要だと思いますけれども、本市のお考えを伺います。
◎中澤
財政部長 負担金が廃止された場合の住民意見の反映の場の必要性についてお答えいたします。
国直轄事業負担金が廃止をされ、全て国の費用
負担で
事業を行うこととなったとしましても、計画段階から地域の意見を聴取することや、地域住民や道路利用者へのアンケートやヒアリングなどといった意見聴取の場は、今後も必要であるというふうに考えております。
いずれにいたしましても、この
青本にございますように、
国直轄事業の実施に
当たりましては、住民の意見を含め、
地方の意見が反映されますよう、計画段階から
地方と十分に協議を行い、また、その際には詳細な
説明と速やかな情報提供を行うよう、引き続き
要望を続けてまいりたいと考えてございます。
◆千葉なおこ
委員 自治基本条例にも書かれておりますが、
まちづくりは市民が主体であることが基本ですから、その点についても国にしっかりと届けていただきたいと思います。
負担金が廃止された場合、整備水準が低い自治体に資金が回りにくくなることや国への依存度が高まる、そういった懸念などが言われておりますが、そもそも地元が本当に望んでいる
事業なのか、コロナ禍で、これまでのように大型開発、新規
事業優先で進めていいのかが問われております。
指定都市が
負担金廃止を強く
要望することで、国による不要不急な大型公共
事業の
見直し、その機会につながるのではないかと考えます。
○
阿部ひであき 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
阿部ひであき 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後1時48分...