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令和 3年大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会−08月18日-記録

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  1. 札幌市議会 2021-08-18
    令和 3年大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会−08月18日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 3年大都市税財政制度災害対策調査特別委員会−08月18日-記録令和 3年大都市税財政制度災害対策調査特別委員会            札幌市議会大都市税財政制度災害対策調査特別委員会記録            令和3年8月18日(水曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時     ―――――――――――――― ○阿部ひであき 委員長  ただいまから、大都市税財政制度災害対策調査特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、小竹委員からは、欠席する旨、届出がありました。  それでは、議事に入ります。  大都市財政の実態に即応する財源拡充についての要望(通称〜「青本」)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎福西 財政局長  本日は、大都市財政の実態に即応する財源拡充についての要望、いわゆる青本要望につきまして、その原案をご審議いただきたいと存じます。  お手元にお配りいたしました要望文案でございますが、さきに行われました指定都市税制担当課長会議及び財政担当課長会議において協議し、作成したものでございます。  今後の日程といたしましては、本日ご審議をいただいた後、指定都市財政担当局長会議におきまして最終案を決定いたしまして、その後、本委員会でご報告をさせていただくこととしております。  なお、具体的な要望活動につきましては、現時点ではまだ確定しておりませんが、例年でございますと、幹事市におきまして、各政党や総務省などの関係機関に対し要望を行いますほか、各市の税財政関係特別委員会委員の方々による党派別要望を行っていただいたところでございます。  それでは、要望文案の具体的な内容につきまして、担当部長からご説明をさせていただきますので、ご審議のほど、よろしくお願いいたします。 ◎中澤 財政部長  大都市財政の実態に即応する財源拡充についての要望通称青本の原案につきまして、お手元の資料に沿ってご説明をさせていただきます。  まず、資料の表紙を1枚おめくりいただきますと、左のページに目次がございます。要望事項全体を重点要望事項とそれ以外の要望事項に分けまして、それぞれに税制関係財政関係要望を掲載しております。  また、右のページには前文を掲載しておりまして、1枚おめくりをいただきますと、大都市の厳しい財政状況を図表などで示しております要望の背景を掲載しております。さらに1枚おめくりいただきますと、要望内容全体を一覧できますように、1ページから4ページにかけまして全ての要望を一旦掲載しました後、6ページ以降で各項目についての説明を加えてございます。  最後に、32ページ以降に、指定都市の実態・課題などを図表などで示した資料編を掲載してございます。  そのうち、私からは、前文、要望の背景、重点要望事項要望事項のうち財政関係分、そのほか、資料編についてご説明をさせていただきます。税制関係分につきましては、後ほど、税政部長からご説明をいたします。
     それでは、恐れ入りますが、最初のページまでお戻りいただきまして、右側のページをご覧ください。要望書の前文を掲載してございます。  ここでは、大都市財政需要に対して財政税制上の措置が不十分であること、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症対策をはじめ、防災・減災対策推進に多額の費用が見込まれるなど、財政運営が極めて厳しい状況に置かれていることを述べてございます。また、そのような中でも、指定都市が圏域における中枢都市として、先駆的かつ先導的役割を果たすことが不可欠であり、緊急かつ重要な施策を積極的に推進していくため、国、都道府県市町村役割分担事務権限を明確にした上で、適切な財源措置される重要性を述べてございます。  これらを踏まえ、地方財源総額確保するとともに、都市税源拡充を図ることなどにより、大都市の実態に即応した税財政制度を確立することを強く要望することとしてございます。  次に、1枚おめくりいただきますと、要望の背景を掲載してございます。  左のページでは、大都市特有財政需要により、指定都市の人口1人当たり歳出額が大きいことや、大都市特例事務に係る税制上の措置が不足していることを数値とグラフで示しております。また、右のページには、指定都市では人口1人当たり地方債現在高や実質公債費比率などが高く、財政状況が厳しいため、大都市の特性に合った税財政制度の構築が必要であることを示してございます。  続きまして、財政関係分重点要望事項について、各項目詳細説明ページをご覧いただきながらご説明をさせていただきます。  13ページをお開きください。  まず、1項目め国庫補助負担金の改革でございます。  国と地方役割分担見直しを行った上で、地方が担うべき分野については、国庫補助負担金を廃止し、所要額を全額税源移譲することなどを求めるものでございます。また、税源移譲されるまでの間、地方が必要とする国庫補助負担金総額確保するとともに、地方にとって自由度が高く活用しやすい制度とすることを要望するものでございます。  次に、おめくりいただきまして、15ページ、2項目め国直轄事業負担金の廃止でございます。  国と地方役割分担見直しを行った上で、国が行うこととされた国直轄事業については地方負担を廃止すること、また、現行の国直轄事業地方へ移譲する際には、所要額を全額税源移譲することなどを求めるものでございます。  次に、おめくりいただきまして、17ページ、3項目め地方交付税必要額確保臨時財政対策債の廃止でございます。  地方交付税は、地方固有財源でありますことから、一方的な削減は行わないこと、また、大都市特有財政需要を反映させるなど、必要額確保することを求めてございます。加えまして、新型コロナウイルス感染拡大を契機として、経常的に見込まれる財政需要についても、地方財政計画に適切に反映し、必要な財政措置を行うよう要望しているものでございます。  なお、地方財源不足の解消は、地方交付税法定率引上げによって対応することとし、臨時財政対策債は廃止することなどについても要望しております。  続きまして、重点要望事項以外の要望項目のうち、財政関係分について説明させていただきます。  29ページをお開きください。  まず、1項目め国庫補助負担金超過負担の解消でございます。  国庫補助負担金の改革がなされるまでの間、存続する国庫補助負担金について、超過負担の解消を図ることを求めるものでございます。  次に、右側、30ページ、2項目め地方債制度の充実でございます。  令和3年度までとされております公共施設等適正管理推進事業債について、恒久的な措置とするとともに、対象外とされている公用施設も対象とすることを要望しますほか、公的資金借入れ条件の改善などについても要望するものでございます。  以上が、財政関係分要望事項でございます。  最後に、資料編でございます。  33ページをご覧ください。  ここでは、指定都市の実態について掲載しております。  大都市は、人口や商業活動集積性都市機能や産業の高次性都市圏の中核を担う中枢性など、日本経済を牽引する役割を担っております。その一方で、過密や集中による都市的課題大都市特有財政需要があるにもかかわらず、必要な歳入が確保されておらず、厳しい財政状況にあることを、データを活用しながら説明しております。 ◎大柿 税政部長  私からは、税制関係分につきましてご説明させていただきます。  まず、重点要望事項でございますが、税制関係につきましては3項目ございます。  7ページにお戻りいただいてよろしいでしょうか。  初めに、項目1 真の分権型社会の実現のための国・地方間の税源配分の是正についてでございます。  ここでは、真の分権型社会の実現のため、複数の基幹税からの税源移譲を行い、国と地方役割分担に応じた税の配分とするよう求めております。  具体的には、国・地方間の税の配分をまずは5対5とし、さらに、国と地方役割分担を抜本的に見直した上で、その新たな役割分担に応じた税の配分となるよう、地方税配分割合を高めていくことを要望するものでございます。  次に、9ページをご覧いただきたいと思います。  項目2 大都市特有財政需要に対応した都市税源拡充強化についてでございます。  こちらは、都市税源である消費・流通課税法人所得課税について、大都市特有財政需要に対応するため、その配分割合拡充するよう要望するものでございます。  次に、11ページでございます。  項目3 事務配分の特例に対応した大都市特例税制の創設についてでございます。  道府県から移譲されている事務につきまして、指定都市の市民は、その指定都市から行政サービスを受ける一方で、その経費道府県税として負担しており、受益と負担関係ねじれが生じております。このねじれを是正するため、道府県から指定都市税源移譲するための大都市特例税制を創設するよう要望するものでございます。  次に、要望事項でございますが、税制関係につきましては6項目ございます。  まず、22ページをご覧いただきたいと思います。  項目1 消費・流通課税の充実でございます。  消費・流通課税につきましては、市町村への配分割合が図にございますように3.2%と極めて低い現状にあるため、その拡充要望するものでございます。  次に、23ページでございます。  項目2 所得課税の充実のうち、個人住民税についてでございます。  税収が安定しております個人住民税は、市町村基幹税目であることから、国・地方間の税源配分の是正を図る中で、より一層の充実を図るよう要望するものでございます。  次に、24ページでございます。  項目3 所得課税の充実のうち、法人住民税についてでございます。  法人所得課税市町村への配分割合につきましては、左下の図にございますように4.5%と極めて低いことから、国・地方間の税源配分の是正により、その拡充を図るよう要望するものでございます。  次に、25ページでございます。  項目4 固定資産税安定的確保についてでございます。  こちらは4点ございまして、市町村の重要な基幹税目である固定資産税につきまして、公平かつ簡素な税制を目指すとともに安定的な確保を図ること、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置等として、売上げが減少した中小事業者等に対する償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税等軽減措置が講じられましたが、国の経済対策については、固定資産税軽減措置等を用いないこと、償却資産に対する固定資産税制度は堅持すること、土地の負担調整措置については、現行の商業地等据置特例を早期に廃止すること、以上を要望するものでございます。  次に、27ページでございます。  項目5 定額課税見直しについてでございます。  こちらは、相当期間にわたって税率が据え置かれている定額課税につきまして、社会状況の変化を踏まえ、適切な見直しを行うよう要望するものでございます。  最後に、28ページでございます。  項目6 税負担軽減措置等整理合理化についてでございます。  こちらは、税負担軽減措置租税特別措置のうち、課税の均衡上、適当でないものや、主として国の施策により地方税に影響を及ぼすものなどにつきまして、一層の整理合理化を進めるよう要望するものでございます。 ○阿部ひであき 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆小須田ともひろ 委員  新型コロナウイルス感染症などにより発生する新たな財政需要に係る提案内容についてお伺いいたします。  昨年度の青本地方交付税必要額確保臨時財政対策債の廃止の項目では、新型コロナウイルス感染症による臨時的な財政需要については、地方財政計画歳出特別枠を設けること、その必要額確保に当たっては、地方交付税別枠加算を設けるなどにより対応すべきとの記載がありました。  今年度の同じ項目には、新型コロナウイルス感染拡大を契機として、経常的に見込まれる財政需要についても、地方財政計画に適切に反映するなど、必要な財政措置を行うべきであるという記載となっております。  そこでまず、確認ですが、昨年度の要望文にありました臨時的な財政需要についてはどのように手当てをされたのか、伺います。また、今回の文案に、経常的に見込まれる経費についても必要な財政措置を行うべきであると入れた理由についても併せてお聞きいたします。 ◎中澤 財政部長  臨時的な財政需要に対する手当てについて、それから、経常的な経費について財政措置要望する理由についての2点のご質問でございました。  まず、臨時的な財政需要に対する手当てについてでございますが、新型コロナウイルス感染症対策に係る令和2年度の臨時的な財政需要につきましては、主に医療提供体制の構築などにつきましては、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金、こちらにより手当てをされまして、また、地方が単独で行う経済対策などにつきましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などにより手当てをされたところでございます。  令和3年度につきましては、国の令和2年度第3次補正予算で、地方単独事業に係る臨時的な財政需要は一旦措置されましたけれども、今後の感染状況によって発生します臨時的な財政需要については、別途措置される必要があるというふうに認識をしてございます。  次に、経常的な経費についても必要な財政措置をするよう盛り込んだ理由についてでございます。  臨時的な財政需要のみならず、新型コロナウイルス感染症を契機として発生した経常的な経費もございますことから、今回の文案に盛り込んだところでございます。  具体的には、保健所におきます感染症対応を行う人員体制のさらなる強化、あるいは新型コロナウイルス感染症の影響により前倒しして整備したGIGAスクール構想に係る運用経費、こういったものがございまして、こうしたものに対して必要な財政措置がなされることを求めるものでございます。 ◆小須田ともひろ 委員  臨時的な財政需要は、地方財政計画ではなく、地方創生臨時交付金包括支援交付金などで手当てをされたとのことでした。また、新型コロナウイルス感染症を契機に発生した経常的な経費につきましては、ウィズコロナアフターコロナ社会を見据えて必要なものであり、財政措置についてしっかりと訴えていっていただきたいと思います。  さらに、こうした新型コロナウイルス感染症を契機に発生したもの以外にも、グリーン社会の実現やデジタル・ガバメントの確立、防災・減災、国土強靱化など、自治体が対応すべき新たな財政需要は多いものと考えます。これらの新規の財政需要もある中で、どのように必要な財源確保していくのか、お伺いいたします。 ◎中澤 財政部長  新たな需要に対する必要な財源確保についてお答えをいたします。  去る6月18日に示されました国の経済財政運営と改革の基本方針2021におきまして、2024年度まで、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、2021年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するとされてございまして、地方一般財源総額については確保される見込みというふうに考えてございます。  しかしながら、委員がご指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響によりますものを含めて、今後、見込まれる新規の需要は多く、2021年度地方財政計画の実質的な同水準の確保により、それらの財政需要を賄えるかどうかは不透明であるというふうにも考えてございます。  何らかの地方財政措置がなされなければ、地方が単独で持ち出すということになりますので、必要な需要については、この青本の中でも国に対して財政措置を求めているところでございまして、今後も、様々な機会を捉えて要望をしてまいりたいと考えております。  あわせて、札幌市におきましても、今後増加していく財政需要に対応するため、財政基盤の強化としまして、企業誘致や再開発をはじめとする税源の涵養に資する取組を引き続き推進しまして、市税を中心とした一般財源確保に努めますほか、基金残高の適切な管理によりまして、必要な財源確保を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆小須田ともひろ 委員  国の補助金財政措置を求めていくことはもちろんのこと、足腰の強い財政基盤を築くことにより、市民が安心して暮らせるまちとなるよう、しっかりとした財政運営を行っていただきたいと思います。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、臨時財政対策債について伺います。  6月14日のこの調査特別委員会において、今年度の地方財政計画における臨時財政対策債増加の要因について質問しました。歳出総額はほぼ変わらないものの、歳入については地方税や国税で大幅な減収が見込まれ、結果として臨時財政対策債増加したとの答弁があったところです。  臨時財政対策債は、普通交付税振り替わりであり、重要な財源の一つではありますが、地方自治体が国に代わって借金をしているもので、後年度に交付税措置されるとしても、市債残高増加の一因であることには変わりありません。  そこで、質問ですが、先日、今年度の普通交付税臨時財政対策債発行可能額が決定となりましたが、その決定内容を改めて伺います。 ◎中澤 財政部長  令和3年度の普通交付税臨時財政対策債発行可能額決定内容についてお答えいたします。  今年度の普通交付税は1,076億円、臨時財政対策債発行可能額は638億円、これらを合わせました広義の普通交付税は、総額で1,714億円となっておりまして、こちらは過去最高の額となったところでございます。  昨年度と比較をいたしますと、普通交付税については40億円の増加、それから、臨時財政対策債発行可能額は183億円の増と、こちらは大きな増加となっておりまして、それらを合わせました合計では223億円の増加となったところでございます。  その大きな理由ですけれども、社会福祉費増加などによりまして基準財政需要額増加した一方で、新型コロナウイルス感染症の影響などを受けまして、法人市民税法人税割個人市民税所得割が減少いたしまして、基準財政収入額が減少したことなどによりまして、基準財政需要額基準財政収入額の差引きである財源不足が拡大したためということでございます。 ◆たけのうち有美 委員  社会福祉費増加による基準財政需要額増加高齢化社会の進展によるもので、必要な需要が見られているものと思います。一方、基準財政収入額の減少については、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものということであり、一刻も早く元の日常に戻るための取組を進めていかなければならないと思います。また、臨時財政対策債の金額は638億円で、昨年度からは183億円も増加しているとのことです。  そこで、質問ですが、この臨時財政対策債の額について、札幌市としてはどのように評価しているのか、伺います。 ◎中澤 財政部長  臨時財政対策債決定額の評価についてのご質問でございました。  今年度の臨時財政対策債発行可能額につきましては、全国総額で申しますと、前年度比で74.5%と大きな増加となった中で、札幌市については40.2%の増加にとどまったということにはなっておりますが、過去最大の金額となったところでございます。  臨時財政対策債指定都市への配分割合は大きく、札幌市におきましても臨時財政対策債市債残高に占める割合が大きくなっております中で、こうした多額の発行可能額となったことは大きな問題であるというふうに認識しております。  今年度の臨時財政対策債増加は、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、地方税などが大幅な減収になると見込まれたことで、地方全体の財源不足が拡大したということが主な要因でございます。  しかしながら、地方財源不足の解消は、本来、臨時財政対策債ではなく、地方交付税法定率引上げ措置されるべきものでございますので、臨時財政対策債の廃止に向けまして、この青本、あるいは先日ご審議いただいた白本などを通じまして、引き続き、国のほうに訴えてまいりたいと考えてございます。 ◆たけのうち有美 委員  臨時財政対策債増加率は全国の伸びよりも低かったとはいえ、この金額は楽観視できないと考えます。2019年度の一般会計市債残高に占める臨時財政対策債の残高の割合は48.6%で、50%を超えるのも時間の問題ではないかと思います。臨時財政対策債は、元利償還金が後年次に交付税措置されることとなっていますが、市で借金をしていることには変わりありません。臨時財政対策債に頼る財政運営は、将来世代への負担が先送りとされることになってしまうことから、地方交付税法定率引上げなどによって、国が責任を持って対応すべきと考えます。  今後も、引き続き、白本や青本臨時財政対策債の廃止について国に訴え続けていっていただくことを要望して、私からの質問を終わります。 ◆くまがい誠一 委員  私からは、公共施設等適正管理推進事業債についてお伺いいたします。  今年度の要望文には、令和3年度までとされている公共施設等適正管理推進事業債について、恒久的な措置とすべきとあります。私自身、2030年は札幌市として一つのターニングポイントであると考え、今後10年のまちづくりというものは非常に重要であると考えます。また、この10年間で50年後を見通せる社会を構築し、子や孫の世代にスムーズに引き継いでいかねばならない、そう強く感じるところでございます。  一方で、ここ数年のうちに、本市の人口は減少に転じると見込まれると同時に、施設インフラの更新時期を一斉に迎えようとしており、人口に合わせて公共施設インフラを適正な規模にするよう管理が必要であります。  こうした状況の中で、この公共施設等適正管理推進事業債が今年度限りとされているのは非常に問題であると感じており、この要望文のとおり、我々としても恒久的な措置とすべきと考えております。  そこで、確認でございますが、公共施設等適正管理推進事業債を恒久的な措置とすべきと要望する理由についてお伺いいたします。 ◎中澤 財政部長  公共施設等適正管理推進事業債について、恒久的な措置要望する理由についてお答えいたします。  公共施設等適正管理推進事業債は、全体の延べ床面積が減少する集約化事業複合化事業、それから、公共施設社会基盤施設長寿命化事業、また、施設転用事業といった事業に活用できる地方債でございます。  この事業債交付税措置率は、集約化複合化事業においては50%、それから、長寿命化事業におきましては、財政力に応じて30%から50%でございまして、財源の面から有利な起債であると認識してございます。
     今後、人口減少社会を迎え、また、公共施設インフラ老朽化が進む中で、長期間にわたって施設集約化複合化、あるいは長寿命化といった事業が必要でございますので、財政負担の軽減の面からも、札幌市として制度恒久化を求めているところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  今、ご答弁がございましたような理由から、市としても、公共施設等適正管理推進事業債について恒久化を求めているということであり、しっかりと要望を行い、ぜひ実現していただきたいと存じます。  次に、区役所消防署などの公用施設についても、災害対策等において重要な役割を担うことから対象とすべきという部分についてお伺いいたします。  区役所消防署は、災害時に、区の災害対策本部応急拠点などに活用される重要な施設であります。近年では、自然災害激甚化が懸念されているところでございますが、例えば、3年前に起きた北海道胆振東部地震の際、民間ビルでは停電が起きていたところも多くございましたが、この市役所の本庁舎や区役所は、非常用電源が働き、災害対策の拠点としてしっかりと役割を担っておりました。災害対策に重要な公用施設の更新や長寿命化は、ひいては市民の命を守ることにもつながると思います。  そこで、質問でございますが、そのような重要な施設にもかかわらず、現在は、この公共施設等適正管理推進事業債の対象となっていないところでございますが、この公用施設に拡大されるとどのようなメリットがあるのか、お伺いします。 ◎中澤 財政部長  公用施設に拡大された場合のメリットについてお答えいたします。  札幌市では、平成29年に策定しました札幌市市有建築物及びインフラ施設等の管理に関する基本的な方針におきまして、中長期的な公共施設の再構築に向けて、区役所、保健センターなどの公用施設や児童会館、区民センター、図書館などの公共施設について、機能の集約化複合化を目指しているところでございます。  区役所や保健センターなど、行政目的のために札幌市が直接使用する公用施設につきましては、本来、自主財源で整備するものとされておりますので、集約化複合化事業でありましても、この公共施設等適正管理推進事業債の対象とはなっていないところでございます。  今後、札幌市において、区役所、保健センター、区民センターなどの複合化による建て替えを進めていくことを考えますと、公用施設に対象が拡大されますことで、全体の延べ床面積が既存の施設よりも縮小する集約化複合化事業については、札幌市の実質的な財政負担を抑制することが可能であるというふうに認識してございます。 ◆くまがい誠一 委員  行政主体が直接使う公用施設といっても、その機能は職員の執務室というだけにはとどまらず、災害時には拠点となるなど大事な役割を持っております。札幌市は、1972年の札幌オリンピックや政令指定都市移行を契機に大きく開発されたまちであり、これから建て替えが始まる中央区役所をはじめとして、この時期に建設され、老朽化が進んでいる施設は数多く、今後、更新の時期を迎えるところでございます。  今後の札幌市のまちづくりを進めていく上で、また、国土強靱化の観点からも、公用施設公共施設を問わず、中長期的に長寿命化複合化を図っていくことが重要となるため、公共施設等適正管理推進事業債恒久化公用施設への対象拡大について強く要望していくことを求め、私からの質問を終わります。 ◆佐々木明美 委員  私からは、要望項目税制関係について、固定資産税などの減税に関連して、2点質問いたします。  はじめに、財源拡充要望資料の25ページ固定資産税安定的確保の(2)で、この間、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策税制上の措置として、売上げが減少した中小事業者等に対する償却資産及び固定資産税等軽減措置が講じられてきました。  新型コロナウイルス感染症の影響を長期に受けている中小事業者にとってみれば、償却資産事業用家屋などに係る固定資産等の軽減措置は、事業継続をしていく上で大事な支援です。  そこで、質問ですが、売上げが減少した中小事業者等に対する償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税等軽減措置について、本市への申請者数と軽減税額は幾らか、また、中小事業者といっても幅があるが、どのような規模の事業者から申請が多かったのか、伺います。 ◎大柿 税政部長  まず、1点目の売上げが減少した中小事業者等に対する償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税等軽減措置について、本市への申請者数と軽減税額は幾らかについてでございます。  本市へ申請があった法人及び個人の数は、頭数でいきますと4,486件となってございます。また、軽減税額については、固定資産税が約36億3,000万円、都市計画税が約6億1,000万円の計42億4,000万円となってございます。  次に、2点目のどのような規模の事業者からの申請が多かったのかについてでございます。  まず、今回の軽減措置の対象となる中小事業者とは、資本金の額、または出資金の額が1億円以下の法人、または常時使用する従業員の数が1,000人以下の個人となってございます。  法人・個人別の申請者数につきましては、法人は3,990法人で全体の89%、個人は496人で全体の11%となっております。  また、法人について、資本金の規模別申請者数を見ますと、資本金1,000万円以下の事業者が法人全体の61%、1,000万円を超え5,000万円以下の事業者は法人全体の23%、5,000万円を超える事業者は法人全体の6%となってございます。 ◆佐々木明美 委員  ただいま、申請の件数並びにその額、規模について報告をいただきました。  帝国データバンクの調査によりますと、全国での新型コロナウイルス関連倒産は、8月16日現在で1,886社と報道され、長期化する新型コロナウイルスの影響で、今後、さらに増えることが予測されます。税金を減額する措置は、事業者への直接支援となり、歓迎されています。しかし、固定資産税指定都市において市税収入の約4割を占めるということですから、自治体にとっても痛手です。国の経済対策について、国税や国庫補助金等で実施するべきと思います。  あわせて、本市の申請は、個人も含めて4,486件となっており、8割は法人からの申請で、個人からの申請は496件と少ない傾向にあると感じました。コロナ禍で、長期に疲弊している全ての事業者が対象となる措置を国に求めるべきです。  次に、28ページにある税負担軽減措置等整理合理化についてです。  地方税税負担軽減措置及び国税の租税特別措置等の一層の合理化を進めるとし、新築住宅に係る固定資産税軽減措置をはじめとして、抜本的な見直しを行うというものです。  そこで、質問ですが、資料では、令和元年度の地方税法における固定資産税・都市計画税の税負担軽減措置等による減収見込額が示されていますが、昨年まで示されていた個人住民税などの減収見込額が掲載されておりません。これは、全国ベースの数値が把握できなくなったとのことですが、それでは、札幌市分として把握されている数値があれば伺います。 ◎大柿 税政部長  個人住民税などの札幌市分の減収額についてでございます。  直近2年で把握している算出可能な一部の減収額になりますが、札幌市分としては、生命保険料控除などによる個人市民税の減収額は、令和元年度分は約25億4,000万円、平成30年度分は約24億8,000万円でございます。  また、札幌市分の固定資産税・都市計画税の減収額は、令和元年度分は約37億8,000万円、平成30年度分は約35億8,000万円でございます。このうち、新築住宅に係る税額の軽減措置でございますが、令和元年度分は約24億3,000万円、平成30年度分は約23億円でございます。 ◆佐々木明美 委員  今、示された数字でも、本市の減収額が増額していることは分かりましたが、国の資料によって、各自治体が減収見込額などを把握できなくなるという不透明さは、国にただしていくべきだと申し上げます。  今後、住宅ストックが充足されてきたので、新築住宅に係る固定資産税の減額措置等を見直すとありますが、これまで、新築住宅の固定資産税の支援は、住宅を建てやすくする大きな支援となっていたからこそ、住宅の充足につながったと考えます。  この施策は、住宅を建て、長く住み続けることにつながり、市民のニーズに応える施策でもありました。そのことは、今後も市民から求められています。市民の減税をすることによって、本市の税収が減るということが問題であり、国の責任によって市民ニーズに応えていただき、機械的な見直しは行わないよう求めて、質問を終わります。 ◆千葉なおこ 委員  私からは、重点要望、15、16ページ国直轄事業負担金の廃止について数点お伺いします。  資料の16ページには、国直轄事業に対する全国の指定都市負担事業名ごとに国と道府県等を通じてと二つ載せられております。特に、国に対して直接支出しているもの、国道、港湾ですが、国道が36%、そして港湾が33.3%と高い負担割合が見て取れます。  そこで、質問いたします。  本市が負担している国直轄事業はどのようなものが含まれておりますか、また、どの程度の額を負担しているのか、併せてお伺いいたします。 ◎中澤 財政部長  札幌市が負担します国直轄事業負担金の内容と金額についてお答えいたします。  札幌市が国に対して直接支出しております負担額は、道路事業で約8億4,700万円、具体的には、国道230号における改築事業、あるいは国道12号における電線共同溝事業などでございます。  また、北海道を通じて負担しているものとしましては、空港整備事業で約1億8,700万円でございまして、具体的には、新千歳空港の誘導路新設などや、あるいは丘珠空港の滑走路端安全区域整備に係る測量設計でございます。  公園整備事業については、平成26年度以降は負担金が発生してございません。  なお、それぞれの負担額につきましては、その年度に行われる事業次第で増減があるものでございます。 ◆千葉なおこ 委員  国直轄事業負担金制度は、平成22年、2010年に維持管理費の地方負担については廃止となっておりますが、新築・改築分については、依然、地方負担するということで、国の事業によっては、今後も自治体が多額の負担を強いられることになるのかと思います。  札幌市においては、都心アクセス道路、最初は1,000億円と言われておりましたけれども、現在は全事業費が1,200億円、うち札幌市の負担は240億円です。240億円あれば、長引くコロナ禍で大変な市民、中小事業者や若者、子育て世代に使えば、どんなによいかなというふうに私は思います。  次の質問に移ります。  15ページのなお書きで、国直轄事業負担金が廃止されるまでの間、地方の意見や財政状況が反映されるよう、計画段階から地方と十分に協議を行い、合意形成できる制度とし、また、その際には、詳細な説明と速やかな情報提供を行うべきであると求めておりますが、現在、国直轄事業の計画段階での協議などはどのように行っておりますか、伺います。 ◎中澤 財政部長  事業の計画段階での協議についてお答えいたします。  国土交通省におきましては、社会資本整備審議会道路分科会の北海道地方委員会が置かれておりまして、そこで、直轄事業につきまして計画段階評価が行われ、地域の意見を聞きながら、事業の必要性の検討などが行われているところでございます。  また、例年、道路の直轄事業に関しましては、北海道開発局と意見交換の場が設けられておりまして、直轄事業の進め方について、情報提供、あるいは意思疎通を図っているところでございます。当年度の事業内容や翌年度以降の事業の方向性について説明を受けまして、札幌市としての意見を伝えているところでございます。 ◆千葉なおこ 委員  これまで長い間、重点要望として、国直轄事業負担金の廃止を求めてきているわけですが、一方で、地方負担がなくなることによって生じる影響についてです。  これまで、大型公共事業の際には、何年もかけて、国、道との話合いの場、そして、議会報告の場、市民の皆さんの意見などをお聞きするための住民説明会、オープンハウスや都市計画審議会での審議などが行われてきました。  そこで、質問いたしますけれども、国直轄事業負担金が廃止された場合でも、市民・地元意見の反映や住民の意見表明の場については当然必要だと思いますけれども、本市のお考えを伺います。 ◎中澤 財政部長  負担金が廃止された場合の住民意見の反映の場の必要性についてお答えいたします。  国直轄事業負担金が廃止をされ、全て国の費用負担事業を行うこととなったとしましても、計画段階から地域の意見を聴取することや、地域住民や道路利用者へのアンケートやヒアリングなどといった意見聴取の場は、今後も必要であるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、この青本にございますように、国直轄事業の実施に当たりましては、住民の意見を含め、地方の意見が反映されますよう、計画段階から地方と十分に協議を行い、また、その際には詳細な説明と速やかな情報提供を行うよう、引き続き要望を続けてまいりたいと考えてございます。 ◆千葉なおこ 委員  自治基本条例にも書かれておりますが、まちづくりは市民が主体であることが基本ですから、その点についても国にしっかりと届けていただきたいと思います。  負担金が廃止された場合、整備水準が低い自治体に資金が回りにくくなることや国への依存度が高まる、そういった懸念などが言われておりますが、そもそも地元が本当に望んでいる事業なのか、コロナ禍で、これまでのように大型開発、新規事業優先で進めていいのかが問われております。指定都市負担金廃止を強く要望することで、国による不要不急な大型公共事業見直し、その機会につながるのではないかと考えます。 ○阿部ひであき 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○阿部ひであき 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後1時48分...