委 員 小 形 香 織 委 員 太 田 秀 子
委 員 長 屋 いずみ 委 員 佐 藤 綾
委 員 千 葉 なおこ
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開 議 午後1時
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○中村たけし 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、藤田委員からは、小須田委員と交代する旨、届出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第8款 消防費 第1項 消防費について質疑を行います。
◆小須田ともひろ 委員 私からは、消防の広域連携に関して、2点ほどお伺いいたします。
初めに、
消防指令業務の共同運用についてであります。
我が会派の村山議員が、平成30年第3回定例市議会の
決算特別委員会におきまして、札幌圏内の江別市、千歳市、恵庭市、北広島市の各消防本部及び石狩市、当別町、新篠津村で構成される
石狩北部地区消防事務組合消防本部の6消防本部で、
消防指令業務を共同運用した場合の経費の算出及び課題の抽出を目的として、平成29年度に実施した
外部委託調査の結果について質問いたしました。
それによりますと、各消防本部でそれぞれ整備していた
消防指令センターを1か所に統合し、共同整備することで、整備費と維持管理費の削減が可能であるとの結果でありました。
また、実現に向けた課題として、
具体的システム機器構成の検討や、障害発生時の
バックアップ体制など、専門的な知見に基づき構築する必要があるほか、消防本部が独自に行ってきた
消防部隊運用の統一を図る必要があるとのことでした。そして、この調査結果を踏まえて、各消防本部間で
共同指令センターを設置することに合意され、実施に向けた準備を進めるとの答弁をいただきました。
消防指令業務の共同運用は、行政上の効果のほか、災害の情報を
共同指令センターで一元的に掌握することで、これまで以上に迅速な
消防本部相互の応援体制が確保されることから、
住民サービスの向上が期待されるところであります。
そこで、質問ですが、現在までの指令業務の共同運用に向けた進捗についてお伺いいたします。
◎小嶋 警防部長 指令業務の共同運用に向けた進捗についてお答えします。
消防本部間の合意に基づき、平成31年3月に
構成市町村長及び
石狩北部地区消防事務組合の管理者間で、
札幌圏消防通信指令業務の共同運用に関する基本協定書を締結したところであります。
これによりまして、改めて、令和7年度に、札幌圏6消防本部で
共同指令センターを札幌市消防局庁舎に設置することとなったのであります。あわせて、
共同指令センターに関する具体的事項を協議するため、構成される6消防本部の長を委員とした
札幌圏消防通信指令委員会を設置したところであります。
今年度は、
システム構成や機器仕様の基本設計を行い、来年度は、システム及び関連する工事の実施設計、そして、令和4年度から工事を開始する予定であり、令和7年度の運用開始に向けて、引き続き、
札幌圏消防通信指令委員会において協議、検討しながら進めてまいります。
◆小須田ともひろ 委員 指令業務を共同運用し、システムを一元化することで、経費的に大きなメリットが期待できるということですけれども、一方で、
共同指令センターの想定は、圏域面積が3,540キロ平方メートルと約3倍、圏域人口が235万人と約1.2倍に拡大すると聞いております。このため、万が一、
システム障害が発生した場合は、受ける影響が圏域全体へ広がることから、確実な
バックアップ体制を構築する必要があります。
消防部隊の運用については、各消防本部がそれぞれで定めている出動指令のルールについて、例えば、火災の出動の指令ですと、札幌市は住宅、店舗、高層建物など、建物形態に応じて細分化をしているところでございますが、ほかの消防本部では区別がないなどの違いがあることから、今後、統一したルールを作成する必要があると聞いております。
そこで、質問ですが、今年度の基本設計において、共同運用への課題解決に向けた検討内容をお伺いいたします。
◎小嶋 警防部長 基本設計で検討いたしました指令の共同運用に向けた課題と検討状況についてお答えします。
まず、
システム障害への対策につきましては、主要な装置、電源及び
通信ネットワークを全て二重化し、安定した運用を確保いたします。
さらに、
システム障害時に業務を継続できる機能を有し、持ち運びができる可搬型の代替機器を設置するなど、確実に指令業務を継続できるよう、検討中であります。
次に、消防部隊の運用につきましては、各消防本部でそれぞれ定めている火災や救急などの
出動種別ごとに指令の統一を図る必要があるため、6消防本部間で協議、検討を進めているところであります。
これらの課題につきましては、令和3年度の実施設計におきまして、システムの仕様を決定することと並行して、6消防本部で統一した部隊運用の要領策定を目指します。
◆小須田ともひろ 委員 引き続き、しっかりとした検討をしていただくと同時に、システムの整備によって、これまで以上に消防本部間の連携が強化されることに期待をしたいと思います。
次に、
近隣消防本部との合同訓練についてお伺いいたします。
消防本部間の相互応援では、異なる消防本部の部隊が連携協力し、活動することとなります。しかしながら、消防は、本部ごとに使用している機材や活動方法が違うということで、異なる消防本部が連携して活動するのは想像以上に難しいのではないかと思います。こうした連携をスムーズに行うためには、何よりも、訓練を通じて、お互いの使用機材や活動方法を知り、共に技術水準を高めていくことが重要でございます。
札幌市では、火災件数の減少に伴う消防隊員の経験不足を補うため、新たな
消防訓練装置の整備をしたと認識しております。この装置が訓練で使われている映像を拝見いたしました。実際に装置内部で木製のパレットを燃やすことで、火災現場と同様の炎や煙、熱を再現し、放水によって視界を失う状況や、熱気の吹き返し状況、さらには急激に燃え広がる
フラッシュオーバーの予兆を体験できる装置となっておりました。
限りなく実際の現場に近い環境での訓練を行うことで経験値を上げ、各種能力を身につけ、火災で逃げ遅れた人の迅速な救出や、
消防隊員自身がけがをするような事故の防止が期待できると、この装置を使うことでそういったものが期待できるとお聞きいたしました。
さらに、この訓練装置を用いた近隣の消防本部との合同訓練を行うことで、有事の際の対応力強化につながるという観点から、合同訓練の見直しについては、近隣12市町村で共有する将来像とその取組をまとめたさっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョンの一事業として、構成市町村と実施に向けた協議を進めていると、昨年の
予算特別委員会で伺ったところでございます。
そこで、質問ですが、新たな
消防訓練装置を用いた
近隣消防本部との合同訓練について、現在の取組状況をお伺いいたします。
◎村井 消防学校長 私のほうから、
近隣消防本部との合同訓練についてお答えいたします。
まず、今年度に整備した
消防訓練装置については、本年1月28日に消防学校の敷地内に設置が完了し、現在、指導に当たる職員の習熟度を高める訓練を行っているところでございます。
近隣消防本部との合同訓練については、令和元年度から、さっぽ
ろ連携中枢都市の構成本部である江別、千歳、恵庭、北広島、小樽の各市及び石狩北部、岩見沢、南空知の各
消防事務組合と協議を重ね、これら八つの消防本部全てから参加の意向が示されたところでございます。
これにより、令和2年4月に、さっぽ
ろ連携中枢都市圏ビジョンの連携事業である消防の連携・協力の推進の一環として位置づけられたところでございます。
今後の具体的な計画としましては、令和3年11月に2回実施し、1回当たり20人、合計40人の消防職員を受け入れる予定であり、その後も、各消防本部と調整しながら、計画的に実施していく予定でございます。
◆小須田ともひろ 委員
近隣消防本部との合同訓練に向けて具体的に動き出したというご答弁でした。
これから
人口減少社会を迎える中では、行政にかかるコストを極力抑えていかなければならず、広域的な行政事務は避けて通れない課題となります。それが、消防にとっては、指令業務の共同運用であり、
近隣消防本部との合同訓練になるのではないかと思います。
こうしたことから、消防の広域連携は、行政コストの低減のみならず、有事の際の対応力強化にもなりますので、引き続き、消防の広域連携を推進していただきますことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
◆岩崎道郎 委員 私からは、消防局における無人航空機、いわゆるドローンの活用について、2点伺います。
まず初めに、ドローンの運用状況についてですが、最近、大規模な自然災害が発生している中において、人の立ち入れない場所ですとか、なかなか危険な場所においてドローンを有効活用するというところを様々な場所で目にしているところです。
質問に当たって、
インターネットで、消防、ドローンという形で検索をしてみますと、消防庁のほうでも、ドローンの
エースパイロット、トップガンをつくろうではないか、こんな記事も目にしておりましたので、本当に全国的にドローンが災害の現場、消防の現場において有効活用されているのだな、そして、災害対応に欠かせない機材の一つになっているのだろうなと認識をしているところです。
現在、札幌市の消防局で保有するドローンについては、2019年に
総務省消防庁から無償使用を受け、積雪寒冷地における飛行性能など、約1年にわたる調査研究が行われ、暫定運用を経て、2020年10月から正式運用の開始に至ったと承知をしております。
このちょうど2019年に消防庁から無償使用を受ける直前、本
定例会予算特別委員会、2019年のときに私からドローンについて質問をさせていただいたという経緯もありまして、この運用について、期待を込めて見守ってきたところであります。
昨年は、札幌市消防学校での操縦訓練を視察させていただきまして、このときは、まだ届いたばかりで、これがどんなことができるのか、消防学校の皆さんもこの機体について勉強しているという状況でした。実際に飛んでいる姿も見させていただいて、期待が膨らんだのですが、先月、私の地元でもあります南区八剣山で行われました山岳救助の訓練も視察をさせていただきました。何名かの議員も見ていたので、このドローンの有効性は共に感じてくれているのかなというふうに思います。
特に、山岳救助におけるドローンは、空撮映像をタイムリーに伝送することで、行方不明者の情報を迅速に収集する様子を見ることができました。訓練ですので、その方がどこにいらっしゃるか、ある程度分かっています。ただ、現在、
スマートフォンなどで遭難者がどこにいるということも分かると思いますので、かなり近い状態での訓練だったと見受けました。ドローンが飛んで行って、間もなくその遭難されているという想定の方を見つけることを、私もこの目で、画像で見ることができました。
そして、当然、非常に訓練された隊員の皆さんがそこに向かって行って救助されてくるという、本当に生々しい、そして、自然環境の中で、この日は幸いにも天気がよかったので環境もよかったとは思うのですけれども、改めて、この救助の隊の一員として、一部としてドローンが活動している姿を見て、さらなる期待を高めているところであります。
そこで、最初の質問ですが、消防局が保有するドローンの運用体制及び今年度の活動状況について伺います。
◎小嶋 警防部長 ドローンの運用体制と活動状況についてお答えします。
まず、運用体制についてであります。
ドローンは、
緊急消防援助隊の情報収集用の資機材であります。そのため、大規模災害時の派遣部隊として指定されていることや、市内の災害におきまして、全域に対応できる庁舎配置であることを勘案して、
南消防署川沿水槽隊を運用隊に選定したところであります。選定と並行しまして、新たに6名の操縦員を養成し、昨年の10月1日より正式運用を開始、現場の消防隊が運用することで、年間365日の対応が可能となったのであります。
次に、活動状況についてであります。
令和2年度は、現在までのところ、火災や山岳救助など、7件の災害に出動し、
赤外線カメラによる残り火の確認、火種の確認ですけれども、残り火の確認や、山岳での
行方不明者捜索などを実施し、迅速、的確な災害対応に効果的な役割を果たしているものと認識しております。
また、委員に視察いただきました
山岳救助訓練をはじめ、札幌市
総合防災訓練や南区のさっぽろ湖で実施した北海道警察との
災害対応訓練など、操縦技術の向上や関係機関との連携強化に向けた訓練についても積極的に実施しているところであります。
◆岩崎道郎 委員 次に、今後のドローンの活用についても伺いたいと思います。
今後、ドローンを活用していくということがもちろん目指されているのだと思うのですけれども、このドローンを取り巻く環境というのが非常に素早くて、2019年に私が質問をしたときからまだ2年しかたっていないのですけれども、このドローンを取り巻く環境、そして、さらにその性能の向上というものは、本当に目を見張るものがあります。
ドローンを長くうまく使うためには、やはり、軽量化、バッテリーを長くもたせるということが重要ですので、軽量化をすること、さらには、消防で使うものですから耐久性も非常に求められますが、こういったものもかなり進化しているところです。
そして、消防で使う最も重要なパーツである通常のカメラですとか赤外線のカメラ、この解像度も2年前から比べると本当に比べ物にならないほど進歩しているということを、私の知っている方で、ドローンの協会に勤めていて、講師もされている方がいらっしゃいますので、この方からお話を聞きますと、本当に2年前とは全然比べ物にならないよと、非常にいいものだよというふうに言っていました。
さらに、今申し上げた搭載するバッテリーですけれども、このバッテリーが飛行時間を大きく左右しますが、このバッテリーも、
スマートバッテリーというものが、搭載されておりまして、自分自身で、今、バッテリーをたくさん使って飛ぶべきなのか、それとも、今はなぎで、風にも乗っているので、あまりバッテリーを使わなくてもいいのかということを自分で判断しながらバッテリーを消費していくというものなので、これによっても非常に飛躍的に飛行時間が延びているというふうに聞いております。
一方で、ドローンの活用方法についての進歩も著しく、災害対応で言えば、例えば、夜間飛行、そして目視外の飛行、これは訓練のときにも少し見させていただきました。GPSで飛んでいますので、飛んでいる映像を見ながら、自分の機体がどこを飛んでいるかということを確認しながら、機体を実際に目で見ないで飛ばすということ、こういったこともかなり広がっております。
そして、消防のお話だけではなく、多くの皆さんがもうご存じかと思いますが、風景を撮影する、本当に今までは見られなかったような風景をドローンで見ることができる、そして、農業の現場でもたくさん使われているということは北海道内でもかなり報じられているところでありますので、ちょっと大げさかもしれませんけれども、これらのことを通して、ドローンは空の産業革命とまで言われているそうでございます。ですので、今後の活用方法としては、あらゆる可能性があるのではないかなというふうに感じているところです。
そこで、次の質問ですが、消防局における今後のドローンの活用について伺います。
◎小嶋 警防部長 今後のドローンの活用についてお答えします。
現在の運用体制の基本要件でありますが、安全面を最大限に考慮し、飛行範囲につきましては、離陸地点から半径500メートル以内で、かつ、ドローンを目視できる範囲内とし、運用時間も日の出から日没までとしております。
一方で、各種訓練や実際の災害対応を通じた経験が蓄積されることにより、ドローンを運用する部隊のレベルも段階的に向上しているところであります。これと併せまして、ドローンを操縦する隊員の計画的な養成も進め、将来的には、飛行範囲や運用時間等、運用体制の拡充を視野に入れる必要があると考えているところであります。
今後も、ドローンを取り巻く環境の変化を適宜捉えながら、より効果・効率的な運用体制の検討を行い、災害対応におけるドローン活用の拡充を進めてまいりたいと考えております。
◆岩崎道郎 委員 実際の訓練の場面を見させていただいて、ドローンを操縦される隊員の皆さんの、本当に誇りを持ってというか、プロフェッショナルの表情を見させていただいていますし、その運用の状況も見させていただいたので、今後ますます期待を高めているところですけれども、一方で、今、答弁があったように、夜間飛行ですとか、目視外飛行ですとか、人の建物の周りを飛ぶという、これは
産業用ドローンの話ですけれども、これが消防と合うかどうかは今後の話なのかもしれませんが、免許制を検討されているというお話も聞いております。
そうなってくると、やはり隊員の皆さんの養成というときにも、その免許に向けての取組が必要になってきますので、そういったところはしっかりと組織の中で養成を行っていただきたいなというふうにも思っております。
そして、もう一つ、今月は
東日本大震災から10年の節目ということで、たくさんの映像を皆さんは目にしたと思います。10年前にこのドローンがあったら何ができただろうか、私は、この質問を前にして、かなり想像しました。例えば、屋上で救助がなくてSOSというマークだけ出して待っている人に、何か物資だけでも届けることができないだろうか、火災がまだ起こっている
原子力発電所で何か起きているときに、ドローンだったら飛んで行って何かできなかったのだろうか、こんなことをたくさん想像しました。
今はまだその段階にはないのかもしれませんが、一人でも多くの命や大切なものを守るためにドローンにできることがあるのであれば、ぜひそれを追求していっていただきたいと思います。
そして、今、自動運転が非常に優秀になってきていて、先ほど冒頭にお話しした協会のインストラクターの方のお話ですと、今やもう、操縦の技術よりも、むしろ、その自動運転をしたりとかするアプリケーションをよく理解しているか、そして、法令をしっかり理解しているか、この二つに今は絞られてきていると思うというようなお話も伺っておりますので、そういったところに注目をしていただきたいと思います。
そして、最後に、実は、このドローンのメーカー、作っていらっしゃるところはかなり限られておりまして、競争にならないぐらい
トップブランドが全て一人勝ちという状況になっております。新しい機材を、先ほど冒頭に申し上げたカメラですとか
赤外線カメラ、いいものがどんどん今はできているよ、こういうお話を聞くと、今ある機材に外側の機材をつければしっかり活用できるのではないかなというふうに思いがちなのですが、実は、やはりメーカーさんもご商売ですので、新しい機械を作るためには、本体のコンピューターの性能がしっかりしていなければ、それは互換性がないということも聞いております。お金がかかる話ですので、一概には言えないと思うのですけれども、やはり、できるだけいい性能のものを用意していただきたいと思いますし、今使っていらっしゃるブランドだけではなく、これはシェアが大きいので、性能もいいので、それをしっかり使っていただくことはもちろんですが、今後に向けては、今使っていらっしゃらないメーカーのものですとか、本当に安価で信頼性の高いものが実際にないのかどうか、こういったものの調査に向けても気配りを行っていただきたいというふうに思っておりますので、期待を込めて、この質問を終わらせいただきます。
◆くまがい誠一 委員 私からは、
映像通報システムの導入についてと、持続可能な
札幌市民防災センターについて質問させていただきます。
初めに、
映像通報システムの導入についてでございます。
前職で医療現場での勤務が長かったこと、そして、消防団の一員であることからも、ここ数年にわたり、119番通報を受け付けるためのシステムである
消防指令システムの新たな機能について、興味を持って研究し、本市における導入状況について注目してきたところでございます。
そうした中、昨年、運用を開始したNET119
緊急通報システムの導入によって、音声による通報が困難な方でも、
スマートフォンから簡単な操作で通報できることが可能になり、昨年1年間で、従来から運用しているメールでの119番通報が可能なメール119と合わせて8件の通報があり、通報の
バリアフリー化が進んでいると実感しているところでございます。
NET119
緊急通報システムは、
スマートフォン等の携帯端末から、
インターネット機能を利用し通報するシステムですが、ほかにも、
スマートフォンと
インターネットを使って火災や緊急現場の映像を消防に送信することができる
映像通報システムというものがございます。
映像通報システムは、通報者、もしくは現場にいる第三者に接続用のアドレスを
ショートメッセージで送信し、アクセスしていただくことで、ビデオ通話が可能になる仕組みであり、既に一部の都市で運用が開始されたところもあるとのことでございました。
そうしたことから、昨年7月から本格的に運用を開始した神戸市を訪れ、
映像通報システム、ここではLive119という名前がつけられておりましたが、
システム開発を行った企業にて、実際の通報から映像に映し出され、救助が開始される過程等を視察させていただき、デジタル技術の進歩により、より正確な情報を画像とともに伝えることができるなど、緊急通報のレベル向上に寄与するツールとして大いに期待されるものと実感したところでございます。
我が会派として、この
映像通報システムの導入について、令和2年第1回
定例会予算特別委員会において質問したところ、調査研究を進めていくと答弁されておりました。その調査の一環として、今年度から運用を開始している先行導入都市に運用状況等の調査を実施したとお伺いしております。
そこで、質問でございますが、先行導入都市への調査結果についてお伺いいたします。
◎小嶋 警防部長 先行導入都市の調査結果についてお答えします。
現時点で、東京消防庁をはじめ、二つの政令指定都市を含む全国で15の消防本部で導入され、運用を開始しているところであります。
導入の効果でありますが、消防隊が到着する前に災害規模の把握が可能になることや、迅速な現場対応につながっているとお聞きしております。
また、救急出動の通報では、あらかじめ作成した正しい応急処置方法の動画を通報者の端末に送信する機能もありますので、それを活用することで、指令管制員が口頭で行っていた応急処置の指導につきましては、映像を確認しながら、より正確に行うことが可能になるといった効果があることも判明したところであります。
一方、課題としましては、回線状況によっては、映像が一時的に不安定になる場合があるほか、
映像通報システムに接続する通報者の方々は慌てている場合が多く、冷静に
スマートフォンの接続操作ができない場合もあることが分かりました。
また、映像を受信する指令管制センターでは、指令管制員を1名専従させる必要があり、119番通報がふくそうしたときに対応が難しくなるなどの課題があることも判明したところであります。
◆くまがい誠一 委員 災害現場の把握や緊急現場での口頭指導に活用し、一定の効果が期待できる一方、回線状況や円滑な接続等に課題があることが分かりました。
映像通報システムの接続には、通報者の端末が
スマートフォンであることが必要でございますが、総務省の発行している令和2年版情報通信白書によると、
スマートフォンの個人保有率は、令和元年で67.6%であり、前年から2.9ポイント増加しております。
また、本市における令和2年中の119番通報のうち、携帯電話からの通報は約46.3%で、前年から2.4ポイント増加していると聞いております。これらのことを踏まえると、
映像通報システムを活用することができる
スマートフォンからの119番通報は、今後、さらに増えていくことと考えられます。
そのような情勢を踏まえて、消防局では、先ほどの質疑でもございましたが、令和7年度から札幌圏6消防本部で運用をすることとしている
共同指令センターの基本設計を今年度行い、導入機器や
システム構成を設計する中で、
映像通報システムの導入についても検討されたと伺っております。
そこで、質問でございますが、導入について検討された結果についてお伺いさせてください。
◎小嶋 警防部長 システムの導入についての検討状況をお答えします。
基本設計の中で、
共同指令センターでは、管轄するエリアが拡大し、山間部や農村部からの通報で住所が特定できない通報が増えることが予想され、
映像通報システムにより場所の特定にも活用することができるとされたところであります。
こうしたことを踏まえますと、
共同指令センターと同時に整備をし、
消防指令システムと密接に連携させることで、指令管制員の負担を増やすことなく運用することが可能となり、整備費も低く抑えられるというメリットもあります。
また、委員のご指摘のとおり、
スマートフォンからの119番通報が今後もますます増えていくことが予想されます。さらには、安定した映像伝送が可能と見込まれます5G回線の普及につきまして、情報通信白書によりますと、令和7年時点で、契約回線の46%が5Gになると予測されており、映像を送信する環境がより向上していくことが期待されます。
これらのことから、札幌圏6消防本部の消防長が委員となっています
札幌圏消防通信指令委員会におきまして、
共同指令センターの運用開始に合わせ、
映像通報システムの導入を推進する方向で検討を始めたところであります。
◆くまがい誠一 委員
共同指令センターの運用開始と同時に
映像通報システムの導入を推進していく方向で検討を始めたというご答弁でございました。デジタル技術の進歩とともに、この緊急通報の選択が、今後、広がることを期待しております。
要望を述べさせていただきます。
昨今、デジタルトランスフォーメーションやデジタル・ガバメント実行計画など、市民の利便性の向上に重点を置き、行政の在り方そのものをデジタル前提として見直すことが進められております。
そうした中、この
映像通報システムが導入されることで、災害時の被害低減等に効果があり、また、
スマートフォンを使った119番通報も増加し、このシステムを活用できる環境が整っていくことが予想されることから、この
共同指令センターの運用に合わせ、
映像通報システムが遅滞なく導入、運用開始されることができるよう、入念な準備をしていただくことをお願いいたします。
今後も引き続き、
消防指令システムにおける最新の機能についてのさらなる調査研究を行い、大切な思い出や尊い命を奪う災害の被害を減らし、市民の安全・安心につなげていただくことをお願いし、次の質問に移らせていただきます。
続きまして、持続可能な
札幌市民防災センターの運営について質問させていただきます。
実は、前川議員がこちらに来て、ぜひお伺いしたいと希望しておりましたが、念願かなわずでございましたので、私から質問させていただきます。
札幌市民防災センターは、平成15年に開館して以降、平成23年の
東日本大震災、平成30年の胆振東部地震の発生による市民の防災意識の高まりを受けて、来館者も年々増加しておりました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、昨年3月からの臨時休館や入館制限などにより、現在は来館者が減少しておりますが、以前は、年間約7万人も来館しており、高い人気を誇る市有施設でございます。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の前は、外国人も多く来館しており、平成30年度は2,225人もの外国人が来館され、これは10年前の約8倍の規模と伺っております。
そこで、質問ですが、
札幌市民防災センターに外国人の来館者が急増している背景には理由があると考えますが、消防局はどのように認識しているのか、お伺いいたします。
◎川本 総務部長
札幌市民防災センターの外国人来館者の増加理由についてお答えいたします。
札幌市民防災センターに来館する外国人については、香港からの来館者が約半数を占めております。香港からの来館者が多い理由でございますが、香港には同様の災害体験施設がないことから、香港の旅行会社がツアーに
札幌市民防災センターでの災害体験を組み込んでいるためと分析をしております。
外国人にとっては、地震大国、災害大国の日本で災害を疑似体験し、防災について理解を深めることが観光目的の一つになっていると認識をしているところでございます。
◆くまがい誠一 委員 災害を疑似体験し、防災を学ぶことが観光資源になっているという答弁であったかと思います。
観光資源という観点で市民防災センターを見ますと、この施設が所在する南郷7丁目エリアには、外国人観光客が多く訪れるアサヒビール園もあり、付近一帯を観光スポットとしてにぎわいを創出し、インバウンド需要を取り込むことができると考えます。
そこで、質問でございますが、市民防災センターの体験型学習施設としての情報発信はもとより、観光資源としての潜在的な価値をより広く発信するとともに、付近の集客施設と連携することが非常に重要な取組と考えますが、消防局としてどのように考えるのか、お伺いいたします。
◎川本 総務部長 観光資源としての情報発信及び付近の集客施設との連携についてお答えいたします。
市民防災センターの情報発信については、報道機関へのプレスリリースによる広報をはじめ、広報さっぽろへの掲載や、
インターネットを活用した情報発信を行っております。
最近の事例では、本年1月15日から21日まで開催いたしました阪神・淡路大震災パネル展については、公式ホームページやツイッターにより広く情報発信を行った結果、報道機関から取材をいただき、テレビでも紹介をされたところでございます。
なお、例年は3月に、市民防災センターで
東日本大震災に関するパネル展を開催しておりますけれども、本年は、
東日本大震災から10年目を迎える節目の年であることから、危機管理対策室と連携いたしまして、市役所本庁舎及び札幌駅前通地下歩行空間で、防災写真パネル展を開催したところでございます。
今後も、時宜を得たイベントばかりではなく、来館者へのアンケート結果を踏まえたイベントを企画し、ニーズにかなう情報発信を行っていく考えでございます。
また、観光資源としての情報発信については、札幌市民はもとより、観光客を含めて、一人でも多くの方に、災害の疑似体験を通じて防災についての理解を深め、災害に備える行動に結びつけたいと考えており、観光資源という観点も加えつつ、積極的に情報発信を行っていく考えでございます。
消防局といたしましても、付近の集客施設等と連携した取組が非常に重要と考えており、さらに、付近の集客施設との連携に加えて、同様の体験型学習施設であります青少年科学館や、防災学習施設であります千歳市にある、そなえーると連携する取組にも着手してまいりたいと考えております。
◆くまがい誠一 委員 観光資源という観点からも、また積極的に取り組んでいかれるという答弁であったかと思います。
防災の学びの場として、また、観光施設としてのニーズがますます高まっている中、市民防災センターのリニューアルを令和4年度に実施する予定と伺っております。消火体験コーナー及び煙避難体験コーナーを、リニューアルによって、より実践的で臨場感あふれる体験施設としてレベルアップを図ると伺っておりますが、この事業に必要な予算として、5,200万円が債務負担行為として設定されております。
市民防災センターは、防災に関する学びの場として必要不可欠であり、観光資源としても重要な施設でございます。しかし、札幌市のあらゆる市有施設に言えることでございますが、持続可能な施設運営、つまり、稼ぐという視点も忘れてはなりません。例えば、防災グッズ、お土産、または記念品等の販売や、付近の集客施設との間の周遊観光の展開によるインバウンド需要の取り込みなど、様々な稼ぐ取組によって、市民防災センターを貴重な防災の学び場として、魅力ある観光資源として、次世代に引き継ぐことが可能になると考えます。
稼ぐ取組に当たっては、関係部局との連携を図りながら検討を進めていただくことを要望し、私からの質問を終わらせていただきます。
◆佐藤綾 委員 私からは、コロナ禍での救急隊の対応に関連して、何点かお伺いいたします。
最初に、感染拡大時の搬送と困難事例についてお聞きします。
昨年の3定で、10月に新型コロナウイルス感染拡大での救急隊の感染防止対策や困難事例の増加などについて質問いたしましたが、その後、再拡大となりました。昨年春から9月までの期間については、困難事例が増えて、受入れ照会4回以上が前年度比で2倍近く、現場滞在時間が30分以上で4回以上の照会が前年度比で2倍以上となっておりました。
11月から第2波以上の拡大となり、11月1日から1月末までの3か月間で235人の方が亡くなり、8,236人の陽性者が出ました。その間、北海道と札幌市医師会は、11月に医療崩壊の危機感を示し、12月14日には医療緊急事態を宣言するなど、医療機関や介護施設等でのクラスターが多発し、医療が逼迫する状況となりました。
お聞きいたしますが、医療の逼迫により、救急搬送にも大きな影響があったと考えます。11月からの感染拡大時の困難事例数、事案の内容などをお伺いいたします。
また、3定の質問では、保健所や医師会、病院と連携して救急搬送を強化していく旨のご答弁がありました。再拡大となった11月からの救急搬送の対応の状況をお伺いいたします。
◎坂上 救急担当部長 救急搬送において受入先医療機関がなかなか決まらない、いわゆる受入れ困難事案ということですけれども、まず、受入れ困難事案の事例数ということでございますが、委員がご認識のとおり、特に11月にはその傾向が顕著となりまして、昨年と比べまして約2.5倍の事案が発生したところでございます。
具体的に申し上げますと、
総務省消防庁に報告しております4回以上受入れ確認を行ったという事案ですけれども、11月中、470件ほどございました。昨年同期11月では178件で、2.6倍という数字になってございます。この数字につきましては、12月、1月、2月と入りまして、現在ではやや改善されてきているといった状況にございます。
次に、受入れ困難事案の内容についてでございますけれども、令和2年度の第3回定例市議会の
決算特別委員会でもご答弁申し上げましたとおり、やはり、せき、発熱、呼吸苦など、新型コロナウイルス感染症と似た症状を訴える傷病者につきましては、医療機関の選定に時間を要する傾向にございます。
極端な一例を申し上げますと、発熱を訴える高齢者からの救急要請でしたけれども、医療機関が決定するまで20回程度、受入れ確認を実施したという事案がございました。
次に、3点目でございますが、感染拡大時の対応についてということでございますが、さきのご答弁に引き続きまして、受入れ困難事案の発生状況だとか概要につきまして、札幌市保健所と随時情報を共有しているところでございます。また、このほか、これに加えまして、適宜、札幌市保健福祉局と連名による文書を発出いたしまして、市内の関係医療機関に対し、救急医療体制の確保について依頼をしてきたところでございます。
引き続き、この状況を注視しながら、関係機関と連携し、円滑な救急業務の推進に努めてまいりたいと考えております。
◆佐藤綾 委員 冬場は転倒の事故なんかも多くなりますし、大変な状況だったのだろうなということも想像いたします。
困難事例の増加は、搬送される市民も不安であったでしょうし、なかなか受入先が決まらないと、救急隊も患者さんの急変などを心配しながらの搬送であったと思います。第3波では、クラスターや市中感染が増え、1日百数十人という感染が続きました。救急車内、また、署内での細心の注意を払い感染防止対策を行っていることは3定での質疑でお聞きしておりますが、万全の対策をしていても感染する場合があり、症状が出てからの対応では感染を広げてしまうおそれもあります。
質問いたしますが、万が一、救急に従事する職員で感染が判明した場合、影響が大きいのではないかと考えます。その影響と対応についてお伺いいたします。
◎坂上 救急担当部長 救急隊員が新型コロナウイルス感染症に感染した場合の影響と対応についてでございますが、感染に伴う欠員によりまして、市内の救急隊数が維持できなくなると、救急隊が救急現場に到着するまでの時間が長くなるなど、市民生活に影響が生じるものと認識しております。
そのような影響が生じないよう、感染に伴い欠員が生じた場合には、消防署内で救急隊員として指名を受けている者の勤務日を調整するなどしまして欠員分を補い、救急隊数を維持することとしております。
◆佐藤綾 委員 例年増加してきた救急の出動件数は、今年度は、新型コロナウイルスの影響があったのか、昨年度より減少しているそうですが、受入れ病院の決定に時間がかかるという状況では、搬送に余裕がなくなる懸念もあります。
ただいまご答弁いただいたように、いろいろ調整はされるということですけれども、また、市中感染もあります。対策をしていたにもかかわらず、どこから感染したのか分からない事例も多く、無症状でも感染している懸念から、薄野で無症状者への定期的なPCR検査を行ってきて効果も出ているところです。無症状で感染を広げるのがこのウイルスの特徴です。
救急隊は、陽性か否か不明な方を搬送するわけですから、常に危険にさらされています。救急隊員がPCR検査を受け、陰性と判明している場合と、検査を受けずに不明な場合では、業務上の隊員の動きや、隊員一人一人の物理的・精神的負担についても軽減されるなど、変わってくるのではないかと考えます。
そこで、PCR検査についてお聞きします。
市長は、予防的観点から、定期的なPCR検査を介護施設や療養病床等医療機関で職員などへ行うこととしました。定期的なPCR検査の有効性についてどうお考えか、伺います。
◎川本 総務部長 定期的なPCR検査の有効性についてお答えいたします。
クラスターが発生しやすい高齢の方や基礎疾患をお持ちの方が集団で生活をしているようないわゆる高齢者施設におきましては、これらの施設の職員が月1回ほどの定期的なPCR検査を受けるということは、クラスター対策として感染を早期に発見し、重症化リスクの高い方への感染の広がりを未然に防ぐ予防的な措置として有効性があるというふうに認識をしております。
◆佐藤綾 委員 予防的には有効だということですけれども、変異ウイルスが本市でも確認されましたけれども、感染力が2倍、3倍と報告され、イギリスやイタリアなどで再度のロックダウンとなるなど、感染拡大は深刻です。日本各地でも変異株が発生し、国は解析を急いでいますが、本市でも広がっている可能性が懸念されています。
日本医師会有識者会でPCR検査の利用推進の提言をまとめた宮地勇人東海大学医学部教授は、消防や警察など、公共性の高い仕事に就くエッセンシャルワーカーについては、全員に定期的に検査をしていくべきだとの考えを示しております。
専門家からのこうした提言についてどう捉えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
◎川本 総務部長 日本医師会のコメントについてどう捉えているのかについてお答えさせていただきます。
日本医師会のコメントといいますか、そこについては全体のお話、それから、さらに位置づけ、時期などについて掌握しておりませんので、一般的なお話をさせていただきたいと思います。
委員がご指摘のとおり、消防職員を広い意味で医療従事者と捉えて、PCR検査体制の一層の充実を図りまして、検査対象として広げていくべきだというふうな考えだというふうに推察をしているところでございます。
◆佐藤綾 委員 ワクチン接種も始まっておりますけれども、まだ、いつまでにできるのか見通せない状況です。救急隊の方は、医療従事者と捉えて検査を広げていくといったことが有効ではないかというお考えでございました。
政府分科会の尾身会長は、ワクチンだけでは感染を抑えられない、PCR検査を繰り返し行っていくことが大事だと発言しています。
隊員は、感染の危険と隣り合わせであり、また、自らが搬送する市民や病院への感染をさせないよう、公私なく心を砕いています。約5分に1回出動しているという本市の救急隊員は、大変なプレッシャーの中で従事しているわけです。病院等、介護施設で感染を広げないよう、職員等のPCR検査に補正予算もついたところですし、病院へ出入りがある救急隊ですから、定期的なPCR検査を行うことが望ましいと考えます。
お聞きしますが、専門家の提言にあるように、特に救急隊員は定期的なPCR検査をすべきですが、どうお考えでしょうか。
◎川本 総務部長 現在、消防局といたしましては、全ての傷病者が新型コロナウイルス感染症の可能性があると想定し、全ての救急出動において、マニュアルに基づいた隊員の感染防止対策を徹底しております。
また、国立感染症研究所や保健所の知見及び助言等を職員研修により共有し、感染リスクを軽減する適切な救急活動について周知をしてきたところでございます。
このような救急出動時の対策に加え、保健所の専門医などから助言をいただき、職場の感染防止策を講じているほか、職務外においても、手洗い、マスクの着用、3密の回避など、基本事項を常に意識し、感染予防に努めております。
一方で、他の政令市消防本部におきましても、救急隊員への定期的なPCR検査は実施していない現状であることなどから、消防局といたしまして、現時点で直ちに救急隊員への定期的なPCR検査を行う状況にはないと考えております。
しかしながら、今後も感染状況の動向や最新の感染予防策をしっかりと注視しつつ、適宜、保健所等の専門家のアドバイスをいただきながら、感染防止に万全を尽くしてまいります。
◆佐藤綾 委員 ほかの自治体で感染があったところの所長さんがお話しされていたのですけれども、マスクなどもして、これだけ感染対策をしていて署内で広がったのは大変恐ろしいということもおっしゃっておりました。救急隊と市民の安全と安心につながることでもありますので、保健所と検討し、救急に従事する職員へのPCR検査を実施していくべきと申し上げまして、私の質問を終わります。
○中村たけし 委員長 以上で、第1項 消防費の質疑を終了します。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時54分
再 開 午後1時56分
――――――――――――――
○中村たけし 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を行います。
◆うるしはら直子 委員 私からは、大きく2項目、水害時などの学校等施設の避難確保計画についてと、地震への備えについて質問をいたします。
質問に入ります前に、今月3月11日で
東日本大震災から10年が経過いたしました。お亡くなりになられた多くの方々に哀悼の意を表しますとともに、今もなお避難生活をされている被災された方々、また、避難所で生活をされている方に心からお見舞いを申し上げます。
この災害のことを決して忘れることなく教訓として生かさせていただく、本日はそうした気持ちで質問をさせていただきます。
初めに、学校等施設の避難確保計画について伺います。
我が会派では、地球温暖化に伴う異常気象により台風や大雨が頻発化する現状において、社会全体で洪水に備える水防災意識社会の再構築を進めていくことが重要であることを提言してまいりました。また、大雨などによる大規模河川や中小河川の氾濫による浸水や洪水災害に備えた河川整備や、水防災対策の強化、また、市民への避難周知などについても重ねて質問をしてきたところです。
洪水災害時は、何よりもまず、迅速に安全な場所に避難することが大原則であることは言うまでもありません。また、豪雨や地震などで堤防が決壊した場合は、崩れた場所が一気に広がり、勢いよく水が流れ出して、短時間で人や建物を襲うため、逃げ遅れてしまうと、多くの人命が奪われ、甚大な被害につながることにもなります。
特に、集団での避難においては、素早い的確な避難判断が必要で、そのためには事前の入念な避難計画をしっかりと立てておき、いざというときの避難方法を把握し、身につけておくことが命を守る重要な鍵になると考えます。
2020年第3回定例市議会の我が会派の岩崎議員の代表質問において、平日の日中に洪水災害が起きた際に、指定緊急避難場所として指定されていない学校にいる児童生徒などは災害時にどこへ避難するのか、また、登下校中や通勤中の避難手段の確保などについて質問をいたしました。これに対し、町田副市長のほうから、円滑かつ迅速な避難には、関連部局が連携し、学校施設などの要配慮者施設において、水害時の避難確保計画の作成に取り組んでいくとの答弁をいただいたところです。
そこで、最初の質問ですが、児童福祉施設も含めた学校等の施設のうち、水防法等に基づき避難確保計画を作成する必要がある施設の数と、現時点における作成状況について伺います。
◎永澤 危機管理対策部長 学校等の施設の避難確保計画の作成状況についてお答えいたします。
札幌市内には、学校施設として小学校や中学校、幼稚園、特別支援学校、保育所などの児童施設を合わせて1,450の施設がございます。このうち、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内に立地し、札幌市地域防災計画において避難確保計画の作成が義務づけられている施設は636施設になります。
これまで、関係部局と連携して避難確保計画の作成に取り組んでまいりました。その結果、現時点において、札幌市立の施設については、全ての施設が避難確保計画の作成を終えているところです。そのほか、私立や道立の施設等を含めますと、全体で610施設、進捗率96%となっており、残りの施設につきましても、鋭意、作成に向けた取組を進めているところです。
◆うるしはら直子 委員 避難確保計画の作成の状況については理解をいたしました。
ただいまお聞きしました進捗状況については、正直に申し上げまして、全ての施設で計画が作成されるまでには時間がかかるのではないかと懸念していたのですが、短時間で、短期間で順調に進んでいるということで、大いに評価をさせていただきます。特に、学校施設においては全て作成が終わったということで、大変安心をいたしました。
一方で、避難確保計画は、気象情報などの把握、避難経路の確保や避難誘導といったかなり専門的な知識も必要で、それぞれの施設ごとの地理的要因や災害リスクも踏まえた内容に常にしておく必要があります。
計画作成に向けては、危機管理対策室として技術的な支援を行っていると聞いておりますが、計画作成義務のある施設は600を超える数があるということですので、適切な支援がきちんと行われ、作成された計画が災害時にうまく活用できる内容になっているのかが危惧されるところです。
そこで、質問ですが、各施設管理者が適正な避難確保計画を作成するためにどのような技術的支援を行っているのか、伺います。
◎永澤 危機管理対策部長 避難確保計画の作成支援の取組についてお答えいたします。
まず、計画作成の準備といたしまして、札幌市のホームページで、参考となる国土交通省や北海道の情報を紹介するとともに、昨年9月には、避難確保計画の作成要領を作成するなど、技術的支援を行っているところです。
計画の作成段階において分からない内容があった場合は、電話や電子メールで丁寧に対応する体制としております。提出された計画につきましては、危機管理対策室や教育委員会などにおいて記載内容の確認を行っており、不備がある場合は改善点を指摘した上で、見直しをお願いしております。
今後も、全ての施設が適切な避難確保計画を作成できるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
◆うるしはら直子 委員 様々な角度で支援をしているということが分かりました。
現在、作成段階である施設への支援と併せて、多くの施設が計画を作成していることから、その支援についても多大な労力と時間が必要と思いますが、災害時における人の命に関わる重要な計画でありますので、引き続き、丁寧な対応を行っていただくことをお願いいたします。
また、6月にはリアルタイムな災害情報をさっぽろ防災ポータルという新たなホームページに集約する予定ですが、これに合わせ、そなえのトップ画面にさっぽろ防災ポータルのアイコンを設定し、リアルタイムな災害情報にアクセスできるよう改善を行う予定です。
◆丸山秀樹 委員 この防災アプリそなえのトップ画面について、私も求めさせていただきました。今は時計台のマークが入っているところだと思うのですけれども、4月から、このトップ画面に、発令中の気象情報や避難所に関する情報も新たに表示していただく改善ができるということで、これについては大変評価をさせていただきたいというふうに思います。
また、6月からは、このトップ画面にリアルタイムな情報を集約したさっぽろ防災ポータルにつながるアイコンも新たに設置していただけるということでございました。市民は、防災アプリそなえをインストールするだけでさっぽろ防災ポータルも利用できるということにもつながってまいりますので、今、5万件以上になっているかと思いますけれども、ダウンロード数も大幅に増加していくことにも期待をしたいと思っているところでもあります。
新しい防災支援システムは、複数の媒体に同時に情報発信が可能と、先ほどの答弁の中でも説明がございました。災害情報伝達手段の多重化、多様化につきましては、市民への的確な情報伝達のために必要とされ、国も積極的に推し進めているところでもあります。
私は、
スマートフォンの利用率が高い若い世代に向けては、SNSなどの媒体への情報伝達が有効ではないかと考えており、さらなる情報伝達の手段の多重化の余地があるのではないかと思っているところでもあります。
そこで、質問ですが、新しい防災支援システムから、どのような情報伝達手段へ情報発信を行う予定なのか、また、情報伝達手段の多重化について、今後どのように考えているのかをお伺いたします。
◎永澤 危機管理対策部長 システムと連携して情報発信する媒体についてのご質問にお答えいたします。
新たな防災支援システムからは、防災アプリそなえ以外にも、携帯電話への緊急速報メール、国や北海道、報道機関等に災害情報を提供するLアラート、新たに立ち上げるさっぽろ防災ポータルへ、気象情報や避難に関する情報など、災害情報を一斉送信する予定です。
さらに、SNSへの情報発信として、今回、新たにツイッターに危機管理対策室のアカウントを作成し、システムからツイッターにも災害情報などを発信していく予定です。日ごろ、アプリを使い慣れている方はそなえから、ツイッターを使い慣れている方はツイッターから情報を得るなど、様々な媒体へ発信することにより、より多くの方が災害情報を得る機会が増えることになりますので、今後も情報伝達手段の多重化、多様化を進めてまいりたいと考えております。
◆丸山秀樹 委員 若者への発信など、ツイッターなども通じて、様々な情報発信の手段を多重化していくというお話であったというふうに思います。
最後に、要望をさせていただきたいと思います。
昨年もお願いをさせていただいたところでございますが、今後、小・中学校で1人1台のタブレットが導入をされることになっているかと思います。この防災アプリそなえを活用した防災授業の実現をぜひお願いできればと思っているところでございます。この防災アプリそなえが中に入ることによって、地域との関わり、地域の中で学ぶ機会、今、様々されていらっしゃると思いますけれども、そうしたことをこの防災アプリを通じて学ぶ機会にも大きくつながっていき、地域を知り、地域の安全、また、どこが危ない場所であるのかといったようなDIGをさらに有効活用していく手段にもなろうというふうに思います。
ぜひとも教育委員会との調整をしていただきますことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆長屋いずみ 委員 私からは、本市の防災対策に係り、5点、質問をさせていただきます。
本市では、市内で直下型地震が起きた際の被害想定の見直しを13年振りに行っております。私たちは、北海道胆振東部地震を経験しました。防災対策は、市民にとって、力を入れてほしい政策の一つでもあり、市民生活にも直結する重要事項です。
中でも、私は、液状化の情報はとても重要だと考えております。液状化とは、一見、硬そうな地盤が地震の揺れで液体状になることです。その結果、地上の建物や道路などが沈下したり傾いたりするだけではなく、水道管が浮き上がり断水するなど、ライフラインへの影響も甚大です。
胆振東部地震で、清田区里塚地区では、液状化による地盤沈下で多数の住宅被害が発生しました。北区、東区でも広範囲にわたる道路の陥没がありました。私が居住している北区では、電柱が傾いたり、住宅周辺の凹凸やマンホールなどの地中構造物が浮き上がり、交通障害を引き起こす危険性もありました。液状化は、そういった被害を起こすこと、また、そのような地域であることなど、日常から意識している必要性も痛感しました。
札幌市は、地震被害想定に生かすため、災害の検証と新たな知識によって地域防災計画へ反映し、今後の災害対応に万全を期す必要があるとしております。とても重要な取組だと思いました。
そこで、最初の質問ですが、新たに見直された地震の規模などによって液状化の危険度がどのように変わったのか、お伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 地震の規模などによる液状化の危険度についてお答えいたします。
液状化の危険度を評価する際には、その地域において想定される震度や土質、地下水位の高さなどが影響します。震度につきましては、これまで行った断層の調査結果など、最新の研究成果や、蓄積されてきた地震観測データなどに基づき検討を行いましたが、揺れの大きさ、範囲については、あまり変わらないという結果となっております。
土質や地下水位の状況につきましては、ボーリング調査により得られた詳細なデータに基づいて算出しており、新たな被害想定の見直しでは、約6,000本の調査資料を追加し、より詳細な検討を行っております。
なお、北海道胆振東部地震で液状化が発生した里塚地区における対策工なども反映したものとなっております。
これらの調査資料に基づき検討した結果、地域全体としては、液状化の発生する可能性が高い地域は減少しているところです。
◆長屋いずみ 委員 液状化の危険度については、全体で減少しているとのことです。液状化による建物被害は増加しております。
そこで、次の質問ですが、新しい被害想定において、液状化による建物被害が増えたその理由をお伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 液状化による建物被害が増えた理由についてお答えいたします。
液状化による建物被害が増えた理由につきましては、液状化が発生する危険度はあまり変わっていませんが、液状化による被害を算定する手法を変更したことが主な要因です。具体的には、建物被害の想定に当たり、これまでの手法から、
東日本大震災における建物被害の実績に基づき、より実際の被害に即した算定手法に変更したことにより、増加したものです。
◆長屋いずみ 委員 建物の被害想定も見直されたとのことです。
そこで、質問です。
建物に関する被害想定はどのような観点で見直され、前回と比較してどのような変化になったのか、お伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 建物被害における見直しの観点と前回との比較についてお答えいたします。
建物被害につきましては、過去の災害を踏まえた研究成果など、最新の知見に基づく見直しを行っており、国の中央防災会議における手法を基本とし、積雪寒冷地である札幌市の特性を考慮したものとなっております。具体的には、積雪寒冷地における建物の強さを考慮した揺れによる被害、
東日本大震災を踏まえた液状化による被害のほか、土砂災害や火災について被害想定を行っています。
今回の検証結果といたしましては、液状化による建物被害が増加しているものの、揺れによる建物被害などは大きく減少しており、結果として、建物被害は約半数となっております。
例えば、建物被害が最も大きくなる月寒背斜に関連する地震では、全壊する棟数は約3万6,000棟から1万5,000棟に減少し、半壊する棟数は約8万1,000棟から約4万2,000棟に減少し、合わせますと約11万7,000棟から約5万7,000棟に半減する結果となっています。
◆長屋いずみ 委員 今回の地震被害想定では、建物同様に死者数の想定についての変化が大きいと感じております。
そこで、質問ですが、地震被害の死者数の想定について、想定方法と結果についてお伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 被害者のうち、死者数の想定方法とその結果についてお答えいたします。
地震による死者数の算定は、揺れによる建物倒壊による被害、土砂災害による被害、火災による被害、転倒物、落下物による被害を想定しております。
今回の想定におきましては、建物倒壊が大きく減少したことから死者数も減少しており、死者数が最も多くなると想定される月寒背斜に関連する地震が冬の早朝に発生した場合、約8,200人から約4,900人と約4割減少する結果となっております。
◆長屋いずみ 委員 地震に備えるためには、液状化マップの活用は重要だと考えます。
そこで、質問ですが、今回の見直しによる新たな液状化マップの市民周知について、いつまで、どのようにされるのか、お伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 新たな液状化マップの市民周知についてお答えいたします。
液状化の危険度などを知ることは、市民が災害に備えるために重要と認識しており、これまでも、液状化の危険度が掲載された地震防災マップを全戸配布するなど、市民周知に努めてきたところです。
今年度の地震被害想定の見直しに伴い、来年度に地震防災マップの見直しも行いますことから、説明会や出前講座、ホームページなど、様々な方法で液状化の危険度について周知に努めてまいりたいと考えております。
◆長屋いずみ 委員 日本列島は、四つのプレートの衝突部にあり、世界の地震の10%、世界の活火山の7%が日本に集中しております。
東日本大震災からこの10年を振り返ると、熊本・大分地震をはじめ、胆振東部地震、今年2月には、
東日本大震災を起こした東北地方太平洋沖地震の余震も起き、地震が断続的に起こり、活動期に入っていると専門家は言います。今までのように、大地震は突然起こり得ることを念頭に入れておくことが必要だと感じます。生活や都市機能に大きな影響を与えるため、事前に把握していることがとても重要だと考えております。市民への分かりやすい周知を求めて、私の質疑を終わります。
◆小田昌博 委員 私からは、大きく3項目、集中対策期間における北海道との協議について、災害時における業務継続と燃料の手配について、災害情報の収集について質問させていただきます。
初めに、北海道が今月7日まで独自に設定してきた集中対策期間における取組について、北海道とどのように協議をしてきたのか、また、札幌市がどのような姿勢で協議に臨んできたのか、1項目め、3点伺います。
道内では、昨年10月下旬から徐々に感染が拡大し、このことを受け、北海道では、同月28日から、感染症対策に集中的に取り組む集中対策期間を設定し、当初は2週間という設定でありましたが、なかなか感染の抑え込みが効かず、年内には3度の延長が決定、さらに、年明け以降、新規感染者数のピークを脱してからも2度延長され、結果的に4か月以上続くことになりました。期間延長が何度も繰り返され、多くの市民や事業者は、終わりが見えないことに不安を抱き、また、自粛疲れ、対策疲れを感じたことと思います。
その中でも、特に営業時間の短縮を継続して求められた飲食店経営者は、対策延長の都度、協力支援金の給付はあったものの、店舗によっては、損失補填には十分ではない金額で経営的に厳しいといった声や、出口が見えないために、将来的な営業の計画も立てられず、大変苦しい生活を強いられてきた事業者の声もあり、私も、新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会でも質問してまいりました。
現在は、集中対策期間が終了となったとはいえ、市内の社会経済活動が対策期間前の水準にまで回復するにはしばらく時間がかかることが予想されます。これまで、北海道が対策期間の延長や、新たな対策を打ち出す際には、札幌市が社会経済活動の中心的地域であり、全道の感染状況に与える影響が大変大きいことを鑑みて、事前に札幌市に対して情報提供や協議の場が設定されてきたと思います。
そこで、一つ目の質問です。
北海道との協議も含め、集中対策期間の対策決定に係るプロセスはどのようなものであったのか、お伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 集中対策期間における北海道との協議、対策決定のプロセスについてお答えいたします。
市内における感染症対策の検討に当たっては、これまでも、感染状況を踏まえ、市長の指示の下、北海道と適宜協議したところです。
とりわけ、集中対策期間中においては、北海道と札幌市の保健所部門や、経済部門などの事務方が一堂に会して協議する場を何度も設け、時々の感染状況を分析しながら、対策の期間や内容などについて議論してきたところです。
また、状況に応じて、市長と知事が直接電話等により対策を協議するなど、最終的には札幌市も同意した上で、北海道が集中対策期間の延長や、期間到来後の対策内容について決定し、それに沿って札幌市が市民への行動変容の呼びかけや、飲食店における感染防止対策、集団感染の発生防止対策などを講じてきたところです。
◆小田昌博 委員 特措法上、市民や事業者に対する協力要請の権限は都道府県知事にありますので、最終的には北海道が決定した措置内容や期間に沿って対策を進めていくことについては私自身も理解をいたしますが、この点においては、秋元市長、そして担当の町田副市長も大変ご苦労されたことと思います。しかしながら、札幌市内の感染状況や市内の事業者が置かれている窮状について最も理解しているのは、市民や事業者に一番近い札幌市であることから、対策の検討に当たっては、北海道に対してしっかりと物申していくことが重要であると考えるとともに、市民や事業者の皆さんが納得感を持って感染対策を確実に実践していただくためには、対策の検討、議論の経緯、経過を丁寧に説明し、透明性を確保することも必要と考えます。
そこで、二つ目の質問です。
新型コロナウイルス感染症の対策決定に当たっては、札幌市の状況を踏まえたものとなるよう、札幌市が責任を持って北海道に主張していくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 札幌市の状況を踏まえた対策となるよう主張していくことについてお答えいたします。
北海道との協議においては、市内感染状況や、事業者の経営状況等、専門家や関係団体からヒアリングした内容など、札幌市を取り巻く状況について、細かく北海道に情報提供してきました。その上で、対策についても、札幌市の状況を踏まえたものとなるよう、具体的な対策内容を提案するなど、積極的に協議してきたところであります。
今後も、感染対策を検討する際には、北海道に対し、必要な主張を行ってまいりたいと考えております。
◆小田昌博 委員 これまでの対策については、札幌市としても必要な主張を行い、それを踏まえた上で、最終的には札幌市と北海道の双方合意の上で決定されたという答弁でした。
これまでという今の答弁でしたが、これから札幌の主張というのは何を主張していくのか、ここも聞きたいところですが、今日は集中対策期間の協議に対しての質問ですので、今後の委員会で聞いていきたい、このように思っているところです。
メディアでの報道ですが、北海道との関係性において否定的な意見もありますが、今後も、札幌市の実情や考えについては積極的に北海道に伝え、議論は大事ですので、徹底的に行っていただきたく、そのとき、そのときで最善の対策を導き出してほしいということをここで求めておきます。
そして、決定した対策について、市民の皆さんに丁寧に説明をし、ご協力をお願いすることは札幌市として当然重要な役目であります。昨年11月のような感染拡大局面において、市民の皆さんの関心や警戒度合いも高い中で、行政からの呼びかけが非常に重要な場面で、行動変容のお願いなど、様々な情報発信は、感染拡大防止の取組として大きな効果があるものと思います。
しかし、このたびの集中対策期間のように期間更新が繰り返され、長期間に及んでしまった場合には、市民の皆さんが自分の頑張りは本当に効果があるのか、このまま対策を続けて終わりが来るのだろうかと、実践してきた感染対策を継続することに疑問や不安を抱くことは当然の反応であります。
市民の皆さんが士気を低下させることなく感染対策へのご協力を続けていただくため、呼びかけを続け、そして、支援することは、札幌市として最大限やるべきであり、先日の代表質問において、我が会派から、今後は、3密の回避だけではない、場面、場面に応じた感染防止対策が求められており、感染状況の様々な分析を加えた上で、必要な感染防止対策や行動変容のお願いを市民に分かりやすく伝えていくということが重要と考えます。
特に、先日の調査特別委員会でも触れましたが、感染リスクの高い飲食の場においては、店舗側がどんなに対策を講じても、来店客が対策を徹底しなければ感染は防ぎようがないことから、今後は、利用者への呼びかけが特に重要となってきます。
以上を踏まえて、最後の質問です。
今回の集中対策期間において、市民の皆さんに行動変容をお願いするに当たり心がけてきた点はどのようなことか、また、今後も到来が想定される第4波、第5波とも言われるものがやってきた際には、どのような点に力を入れて呼びかけを行っていくのか、特に飲食店の利用者向けの取組も含めて、お考えを伺います。
◎永澤 危機管理対策部長 行動変容の呼びかけについてお答えします。
まず、一つ目、集中対策期間中の呼びかけで心がけてきた点につきましては、多くの市民に感染対策の協力を得るためには、正確な情報発信と具体的な行動変容の呼びかけが必要と認識しております。
今回の集中対策期間は長期に及んだことから、市民の感染対策の意識が低下しないよう、その時々の疫学調査の結果に基づく感染傾向や、リスクが高い場面、行動等を具体的に示しながら、行動変容を呼びかけてきたところです。
また、クリスマスや年末年始等、人の集まる季節的行事が多いシーズンと重なったことから、街頭放送や大型ビジョンを活用した注意喚起なども積極的に行ってきたところです。
次に、いわゆる第4波、第5波の際に力を入れる点についてお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の発生から1年が経過し、これまで、年度末、年度初めの就職、人事異動等に伴う人の往来や年末年始の帰省など、人の動きが増えることに伴い感染が拡大することと、飲食を伴う場における感染リスクが高いことが分かってきました。
これからは、基本的な感染対策は徐々に浸透してきたことから、さらにその徹底をお願いするとともに、人の移動が増える時期に前もって注意喚起や行動変容を呼びかけてまいりたいと考えております。
具体的には、今月15日から、各区役所窓口におきまして、市外転入者に対し、感染予防に関するチラシを配布しており、また、市内企業に対しても、入社や人事異動による着任日の柔軟な対応のほか、歓送迎会等の自粛を要請したところです。
また、飲食の場においては、店舗側の感染防止策の徹底を引き続きお願いするとともに、利用者側の感染対策が極めて重要であると認識していることから、市内の約1万5,000の飲食店に対し、来店客に感染予防を啓発するポスターや卓上POPを配布したところです。
今後も、大型連休前には重点的な呼びかけを行うなどにより、新型コロナウイルス感染症の再流行の波をできるだけ小さく抑え込むことで、市民生活や社会経済活動への影響を最小限に留められるよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆小田昌博 委員 ここからは、感染者数が一定の落ち着きを見せ、集中対策期間も終わり、感染拡大防止から経済活動へとフェーズが変わってきます。しかしながら、これから春先になり、人の移動もあり、次の波のことも想定していかなければならないと同時に、感染防止と経済活動という、これまで以上に札幌市の対応が多岐になってまいります。
今までは、行動変容を一つ例に挙げても、感染拡大防止のためのお願いと、個人活動も含めて行動に対してのお願いにもなってきます。
調査特別委員会の中で、マスクをつけての会食のことについて質問いたしましたが、先ほど申し上げたとおり、個人活動等がこれから活発になっていきます。そこで、どのように感染防止策を打ち出していくのか、先ほどの答弁では、各店舗に来店客に感染予防を啓発するポスターやPOPを配布しているとのことですが、果たしてそれだけで十分でしょうか。これは店側へのお願いであり、利用する側へのお願いをどのように市として周知していくかということが重要であると考えます。ここについての対応をどの部局がどのように行っていくのかをしっかりと明確化していただくことをここで求めておきます。
今は、一定の落ち着きを見せているだけであり、収束しているわけではありません。これから、危機管理対策室として、関係部局がさらに一体となり、新たな行動変容のお願いを示していただくことを求めて、1項目めの質問を終わります。
2項目めは、災害時における業務継続と燃料の手配について、2点伺います。
初めに、業務継続計画についてです。
東日本大震災の発生から今月11日で10年、北海道胆振東部地震の発生から2年が経過いたしました。現在、国内では、南海トラフ巨大地震の発生が予測されており、道内では、太平洋沖の日本海溝、千島海溝沿いの巨大地震による津波の被害が示されました。地震は、いつか必ず発生するものであると考えますが、胆振東部地震の発生時、私の地元の東区は大きな被害となりました。東15丁目線をはじめ、早期に復旧することができました。
地震直後は、様々な防災関連の品物を購入したりなど、市民の皆さんの意識も高まったと思われますが、少し防災意識の低下が心配されるところであり、災害の記憶を風化させることなく、日々、自然災害によりどのような被害が想定されているのかを実感し、災害のリスクに対して必要な対策を充実させる努力を怠ることなく、確実に進めることが重要であると強く感じているところであります。
現在、札幌市では、地震に関する最新の研究成果に基づき地震被害想定の見直しを進めており、地震の規模や液状化の危険度、さらには建物被害や人的被害について検証や見直しが行われています。
今後は、想定される被害の状況や、北海道胆振東部地震といった過去の災害の教訓を踏まえ、地域防災計画や業務継続計画の見直しを早期に実施することが求められており、
東日本大震災のような大規模な災害が発生してもスムーズに災害対応を行うことができる体制を整備していかなければなりません。
一つ目の質問です。
まずは業務継続計画の見直しについて、具体的な検討内容についてお伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 業務継続計画の見直しの具体的な検討内容についてお答えいたします。
計画の見直しに当たっては、新たな地震被害想定に基づき、非常時優先業務やその遂行に必要となる職員配置といった執行体制の確立、さらには執務環境の確保について検討を行う必要があります。
非常時優先業務につきましては、水道や下水道といったインフラの維持、区役所窓口などの通常業務と被災者の救助、避難所の運営などの応急業務に関して見直しを行います。執行体制の確立については、従事可能な職員数の把握、執務環境の確保については、電力や職員用備蓄の確保状況などを考慮した見直しを行います。
見直しに際しましては、北海道胆振東部地震の検証結果や対応状況、新型コロナウイルス感染症対策も踏まえ、新たな業務の必要性など、様々な視点から検討を行っていきたいと考えております。
◆小田昌博 委員 業務継続計画の検討内容については理解しましたが、北海道胆振東部地震などの過去の災害の教訓や、新型コロナウイルス感染症対応といった新たな課題に対しても確実に対応できるよう、十分な検討を行っていただくよう、ここでお願いをしておきます。
検討結果につきましては、業務継続計画に早期に反映することで、大規模な災害が発生した場合においても、円滑に災害対応を行う体制を整備する必要があります。
二つ目の質問です。
業務継続計画の見直しについて、今後の見直しスケジュールについて、お伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 業務継続計画に関する今後の見直しのスケジュールについてお答えいたします。
業務継続計画の見直しは、地域防災計画に基づいて行う必要があることから、まずは、新たな地震被害想定の結果に基づき、地域防災計画の全面的な見直しを行い、その見直し結果に基づき、非常時優先業務や業務執行体制について、関連部局と順次協議を行っていきます。
業務継続計画の見直しは、可能な限り地域防災計画の見直しと並行して行い、早期に完成できるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
◆小田昌博 委員 業務継続計画の見直しは、できる限り早急に行っていただくよう、強く求めるものであります。
続きまして、災害時における燃料手配について質問いたします。
実際に災害が発生した場合は、計画に基づき確実な対応を行うためには、企業や防災関係機関との協力体制の充実は必要不可欠であることは言うまでもありません。
北海道胆振東部地震の対応に関する検証報告書では、災害対応に関する企業との協力協定がうまく運用できなかったこと、特に、燃料の手配に苦慮した点が課題として整理されています。燃料の手配については、行政の災害対応の活動や、冬季であれば市民の生命に関わる問題であり、我が会派においても、今後、より一層の対策の推進が必要であるとの認識の中で質問いたします。
北海道胆振東部地震の教訓を踏まえ、燃料手配に関する課題改善に向け、これまでどのように取り組んできたのか、お伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 北海道胆振東部地震における課題改善に向けた燃料手配の改善の取組状況についてお答えいたします。
北海道胆振東部地震における大規模停電を受け、停電時の燃料供給体制の強化は、今後、災害に強いまちづくりを行うためには重要と認識しております。
札幌市では、以前から、災害時の優先給油に関する協力協定を札幌地方石油業協同組合と締結しておりますが、北海道胆振東部地震の際には、この協定が円滑に機能しないなどの課題が見つかりました。これらを踏まえ、給油を受ける各施設について、平時から必要な情報を共有できるよう、札幌地方石油業協同組合と調整を行ってきたところです。
また、災害時における協力要請から支援を受けるまでの具体的な事務手順等の見直しに向けて検討も行うなど、さらに協定の実効性を高めるための取組を進めているところです。
◆小田昌博 委員 これまでの取組内容についての答弁がありましたが、災害時における燃料の供給体制を強化するためには、平時からの関係性の構築が非常に重要であると考えます。
国においても、最新の防災基本計画の修正において、燃料については、あらかじめ石油販売業者と燃料の優先供給について、協力協定の締結を推進するとともに、平時から受注機会の増大などに配慮するよう努めるものとすることが明記されています。
我が会派では、これまで予算編成に向けた政策重点要望において、災害時の燃料供給協定を締結している石油販売業をはじめとする地元の官公需適格組合及びその組合員事業者に対しては、災害時にスムーズな連携を図り、迅速に対応するためにも、平時から取引を行うことが重要であり、十分に配慮することを要望してまいりました。
質問です。
これらの要望や国の防災基本計画の方針を踏まえ、災害時における円滑な燃料手配に向け、今後どのように対応していくのか、伺います。
◎永澤 危機管理対策部長 災害時における燃料手配の円滑化に向けた今後の対応についてお答えいたします。
自由民主党による要望や、国の防災基本計画の内容にあるとおり、平時からの関係性の構築は、まさに災害対応において、実効性を向上させるため肝要な取組であり、この取組を推進することは、札幌市の災害対応力の向上につながるものと認識しております。
特に、消防局庁舎や保健所の入っているWEST19など、災害対応の指揮命令を行う施設は、災害時においても安定的に燃料が供給され、停電時などにおいても、非常用発電機の運転などにより、平時と変わらない体制を維持することが求められます。
そのため、災害時において、燃料供給に関する協力協定の実効性を確保するため、これらの施設の一部を対象に、停電時や休日夜間においても円滑に燃料供給できる団体と随意契約を行うこととし、来年度から運用を始める予定です。
今後につきましても、協力協定を締結している団体とのさらなる連携を図るなど、災害時における円滑な燃料手配に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
◆小田昌博 委員 災害対応においては、平時から関連する企業とパートナーとしての協力関係の構築が重要であります。
今回の札幌市の取組は、要望に応えていただいたものと評価できるものであり、今後についても、行政、企業がしっかりと連携し、災害に強いまちづくりに向け、全力を挙げて取り組んでいただきたいことを求めて、2項目めの質問を終わります。
最後に、3項目め、災害情報の収集について、端的に2点伺います。
災害が発生した場合や予見される場合には、正確な情報を収集し、市役所内部はもとより、防災関係機関と共有した上で初期の対応を行うとともに、市民への伝達も速やかに行うことが求められ、この一連の流れを円滑に進めることが、結果として被害をより小さくすることにつながるものと考えています。
したがって、先ほど質問をしました地震をはじめ、災害が頻発化、激甚化していると言われている中にあって、速やかに災害対応を行うには、災害時における情報の取扱いがこれまで以上に重要な要素となってきます。
近年、情報分野における技術の進歩は非常に早く、災害情報の収集という視点で捉えても、非常時にも効果的に活用できるツールが新たに登場している現状の中で、災害に利用できる情報やその入手手段は多種多様化されており、今後、一層充実が図られていくことに期待をしているところであります。
そこで、一つ目の質問になります。
このように、災害情報に関する外部環境が著しく変化する中にあって、札幌市では、情報収集の在り方についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 災害情報収集の在り方についてお答えいたします。
災害発生時には、被害状況などを速やかに把握し、初期対応につなげる必要があることから、今後、開発される新たなツールも含め、可能な限りの手段を用いて情報収集に努め、市内部はもとより、防災関係機関と情報を共有することが重要であると認識しております。
そのため、初期対応に遅延を発生させず、限られた時間の中で必要な情報の共有を図るよう、各局においては、その専門性により情報の必要性を判断した上で、災害対策本部会議や防災支援システムなどを通して報告することを求めているところです。
◆小田昌博 委員 情報は、各局において、その必要性を鑑みた上で選別し、共有することが必要である事柄のみ本部会議などで報告され、初期対応を行うという答弁でございました。そうであれば、災害により、情報収集の手段が限定的になることも想定されることから、これまでの手法にこだわることなく、常に新たな情報収集手段の検討を行い、複数の手段を導入していくことが必要不可欠になってくるのではないかと考えます。
二つ目の質問です。
今後、これまで以上に情報収集の手段を多様化していく必要があると考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎永澤 危機管理対策部長 情報収集手段の多様化についてお答えいたします。
近年、技術の進歩が早く、写真や映像がデジタルへと置き換わり、大量のデータが入手可能になるとともに、その精細化が進むなど、収集できる情報の量も質も絶えず変化しております。
緊急を要する災害時において、有用となる情報の種類や、その収集方法などについては、平常時から考慮しておく必要があることから、国等の動向を踏まえながら、常に最新の状況を把握できるよう、準備を進めてまいりたいと考えております。
◆小田昌博 委員 技術の進歩により、収集していく情報にも変化があるという答弁でした。
災害時には、対策本部が立ち上げられ、各部局が一体となり対応に当たりますが、初期対応と、ただいま質問いたしました情報収集が重要になると考えます。例えば、昨秋、ドローンが正式運用になったときから、ヘリコプターとドローンを総合的に組み合わせることで、災害初動における空からの情報収集活動を本市単独でも拡充できるよい機会であると可能性を感じております。
今ある機材を最大限に活用していく現場の消防局と、災害本部が立ち上がって調整機能の役目をする危機対策管理室が、地上や上空のみならず、地下、水脈などの情報収集活動ができる体制の早期構築をしていただくよう求めておきます。
札幌の災害対応能力のより一層の向上を願う立場として、災害初動における空からの情報収集について、答弁にもありましたように、有用な情報について多様化を目指していくことと、緊急時の情報収集能力を高めておくことは必須だと考えます。
このことは、2項目めでの質問の中にありました地域防災計画と密接であります。今回は、概念上の質問となりましたが、今後は、消防局、危機管理対策室のみならず、他の部局にまたがる話でありますので、引き続き、関心を持って当たっていくことを申し述べて、私の全ての質問を終わります。
◆太田秀子 委員 私からは、避難所における感染対策と備蓄物資について、2点質問をいたします。
まず、避難所運営マニュアルに基づく訓練の実施状況と、訓練結果を踏まえたマニュアルの見直しについてです。
本市は、昨年6月、避難所運営マニュアルに感染症対策に関する事項を追加しました。訓練などを通じて見直しを行っていくことが必要だと私は思います。
そこで、質問いたします。
感染症対策に関する事項を追加した後、マニュアルの確認訓練を行ったと聞いていますけれども、どのような訓練を実施し、また、その訓練結果を踏まえて、マニュアルをどう見直したのかを伺います。
◎永澤 危機管理対策部長 避難所運営マニュアルに基づく訓練の実施状況、マニュアルの見直しについてお答えいたします。
昨年6月に公表した避難所運営マニュアル、新型コロナウイルス感染症への対応に係る補足事項は、コロナ禍における避難所運営を適切に行うため、受付での検温や消毒、滞在スペースにおける世帯間の間隔の確保などを定めたものです。
このマニュアルに基づき、昨年7月17日に市民活動プラザ星園において、各区の職員を対象とした避難所の開設及び運営訓練を実施いたしました。
この訓練では、職員の個人装備の確認のほか、発熱者等が利用する臨時受付や、感染症室の設定、動線の区分けなど、感染症対策を取り入れた避難所運営の一連の行動を確認いたしました。訓練当日は、広く報道機関に公開するとともに、感染症対策における専門家の指導の下、実施するなど、マニュアルの実効性を検証することができたものと認識しております。
訓練を実施した結果、臨時受付での症状確認の必要性や、感染症室利用者に対する避難所滞在中の注意事項説明の不足など、課題が判明したことから、これらを検証し、昨年8月に運営マニュアルの見直しを行ったところです。
◆太田秀子 委員 区の職員の方たちを対象にして、専門家の指導も受けたのだと。そこで課題が判明したので、それを生かしていったということでありました。
職員の皆さんは、いろいろ異動もありますので、やはり、こういう訓練は、検証もですけれども、繰り返し行っていただいて、皆さんのものにしていただくというのが大事だなと、今、伺っていて思いました。引き続き、ぜひ訓練や検証を繰り返していただいて、マニュアルを更新していっていただきたいと思いました。
次に、要配慮者向けの備蓄物資の整備についてです。
国はコロナ禍で、市町村に対して、避難所におけるマスクや消毒液などについて、必要個数を想定した上で、確保するようにと促しています。また、従来から言われておりますけれども、慣れない避難所での生活は、特に女性や高齢者などにとって大変なことが多く、配慮が必要となります。
ここで、伺いますが、女性など配慮が必要な方向けの備蓄物資について、どのようなものを、どのような想定に基づき備蓄しているのかを伺います。
◎永澤 危機管理対策部長 配慮が必要な方向けの物資の備蓄についてお答えいたします。
女性向けとして従来から備蓄している昼用の生理用品に加え、新たに夜用の生理用品を購入いたしました。また、子ども用、大人用の紙おむつを各サイズそろえたほか、乳児用に通常品とアレルギー対応の粉ミルク等を備蓄しているところです。これら生活必需品の備蓄物資につきましては、避難所以外に滞在する被災者も含めた人数の2日分を想定し、準備を進めているところです。
そのほか、妊産婦や要介護高齢者向けとして、各避難所に5台、段ボールベッドを備蓄しております。また、身体障害者用トイレが未整備の避難所には、手すりや背もたれのついた簡易トイレを備蓄しているところです。
今後も、配慮の必要な方が安心して避難できるよう、必要な物資の検討をしていきたいと考えております。
◆太田秀子 委員 今まであった生理用品なども、その夜用も購入したとか、紙おむつも大人用も各サイズそろえたということでありました。段ボールベッドのお話がありましたけれども、段ボールベッドを使ったら、その後の血栓のでき方が全然違うですとか、それから床からの寒さや、ほこりなどでアレルギーの方がとても大変というのも改善されているというデータも見ましたので、ぜひ、5台ということでしたけれども、ぜひ、備蓄するものとしてもうちょっと増えたらいいかなと感じました。
住民が避難を余儀なくされる場合、避難所は被災者のよりどころとなり、在宅で不自由な暮らしを送る被災者の支援拠点となります。特に、避難所では、被災者も、こんなときだからということで、身体的、生活上の困難を抑え込んで我慢することになりがちです。そうしますと、命と健康を守るために大変不自由なことになりますので、必要な支援を受けることをちゅうちょすべきではないと私は思います。
そのためにも、やはり、引き続き、必要な備蓄物資、また数量なども検討を進めていただいて、充実を図っていただきたい、それを求めて、私の質問を終わります。
○中村たけし 委員長 以上で、第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、3月22日月曜日午後1時から、市民文化局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後3時26分...