札幌市議会 2020-12-08
令和 2年(常任)総務委員会−12月08日-記録
令和 2年(常任)
総務委員会−12月08日-記録令和 2年(常任)
総務委員会
札幌市議会総務委員会記録
令和2年12月8日(火曜日)
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開 会 午後0時58分
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○村松叶啓 委員長 ただいまから、
総務委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
それでは、議事に入ります。
最初に、議案第21号 札幌市
火災予防条例の一部を改正する条例案を議題といたします。
質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第21号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 異議なしと認め、議案第21号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後0時59分
再 開 午後1時
――――――――――――――
○村松叶啓 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第2号 令和2年度札幌市
一般会計補正予算(第9号)中関係分を議題といたします。
質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第2号中関係分を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 異議なしと認め、議案第2号中関係分は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時
再 開 午後1時1分
――――――――――――――
○村松叶啓 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第18号 札幌市
都市公園条例の一部を改正する条例案を議題といたします。
質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第18号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 異議なしと認め、議案第18号は、可決すべきものと決定いたしました。
次に、札幌市
動物園条例に関する
市民動物園会議からの提言内容についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎佐藤 環境局長 環境局では、札幌市が考える動物園、水族館の普遍的な姿を定めるとともに、平成31年、2019年の3月に策定しました
円山動物園基本方針「ビジョン2050」の取組を将来にわたって推進する
動物園条例の制定に向け、検討しているところでございます。
本日は、附属機関である
市民動物園会議から、札幌市に対しまして、札幌市
動物園条例に関する提言書が、昨日、手交されましたので、その提言内容についてご報告をさせていただきます。
それでは、詳細につきましては、お手元に配付しました資料に基づき、
円山動物園長から説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
◎加藤
円山動物園長 それでは、札幌市
動物園条例の提言内容につきましてご説明をさせていただきます。
資料、札幌市
動物園条例に関する提言書の概要についてをご覧ください。
まずは、資料の左上、条例の必要性、意義についてでございます。
大きく五つの視点から提言をいただいております。
1点目には、
動物園等の
社会的役割についてでございます。
提言書では、動物園及び水族館その他の
動物展示施設、これをまとめまして
動物園等と表記しておりますが、これらは、動物の調査研究、繁殖技術などを有する施設でございまして、多くの方が訪れ、展示や教育活動を通じて様々なメッセージを発信することができる施設といたしまして、
生物多様性の保全への寄与が強く求められるということとされております。
2点目でございますが、良好な動物の福祉の確保につきまして、動物にとって心身ともに良好な環境を提供する取組は、野生から切り取って野生動物を飼育、展示している
動物園等には必要不可欠なものであるということとなっております。
3点目といたしましては、日本国内には、
動物園等の活動に関しまして、
生物多様性の保全と
動物福祉を両立させるということが読み取れる法令がなく、これらを明確にする必要があるということでございます。
4点目といたしまして、
生物多様性保全という札幌市の政策目標を達成していくために、札幌市としての
動物園等のあるべき姿を示し、保全を目的とした
動物園等の取組の維持・向上や市民意識の醸成を図るとともに、
円山動物園の取組を推進することが必要となるということでございます。
最後に、5点目といたしまして、
円山動物園の取組につきまして、昨年、基本方針「ビジョン2050」を策定いたしましたが、これに基づき、将来にわたって安定的かつ着実に運営していくための根拠法規として条例化すべきだということが提言されているところでございます。
続きまして、条例の構成及び盛り込むべき内容についてご説明いたします。
この
動物園条例は、先ほどご説明した条例の必要性を踏まえまして、
円山動物園についてのみを対象として規定するものではなく、札幌市が考える
動物園等のあるべき姿を示し、
動物園等の役割や
動物福祉に関する基本理念及び取組を定めるものとなってございます。
また、
動物園等のあるべき姿をさらに具現化するため、
円山動物園につきましては具体的な取組項目が盛り込まれているとともに、
生物多様性の保全に寄与する取組を推進する施策が盛り込まれているところでございます。
なお、概要資料では、
動物園等のあるべき姿を定めた項目につきまして、黄色の網かけをして強調させていただいているところでございます。
次に、左側中段の条例の概念図でございますが、こちらに基づきまして条例が目指すものをご説明させていただきます。
左上の動物園、水族館の活動というところから、反時計回りに矢印に従ってご説明いたします。
円山動物園を含む動物園、水族館は、国内外の
動物園等と連携協力しながら条例に示す取組を行いまして、地球上の生き物の保全に貢献したり、市民に対して、自然を感じる機会、様々なことを学ぶ機会、豊かな人間性を育む機会などを提供してまいります。市、市民、事業者は、そうした
動物園等の取組を理解し、支援、協働しながら、野生動物の保全、ひいては
生物多様性の保全へ貢献し、自然と人が共生できる持続可能な社会の実現に寄与していくことを目指す条例といたしてございます。
なお、
動物園等の活動を支援する仕組みといたしまして、後ほどご説明をいたしますけれども、登録制度や基金といった取組も盛り込まれているところでございます。
以下、条例に盛り込むべき内容として、前文、第1章から第6章までの構成で提言をいただいているところでございます。
まず、前文についてでございますけれども、条例を制定する経緯や条例本文には表現し切れない内容を記述するために前文を設けるべきであり、
生物多様性の保全を運営目的とする背景や
動物福祉に関する考え方などを記載すべきというご提言をいただいているところでございます。
続いて、第1章は、総則となってございまして、条例の目的、用語の定義、基本理念、市、市民、事業者の責務が盛り込まれているところでございます。
一つ目の条例の目的でございますが、現在及び将来世代のために野生動物を保全し、自然と人が共生できる持続可能な社会の実現に寄与することといたしまして、そのために、
動物園等の活動の基本理念や責務等を明らかにするものということになってございます。
続いて、資料の右側に移ります。
上段ですが、まず、定義でございます。
この条例の最も肝となる
動物園等、もしくは
動物福祉に関することを定義することとなっております。また、野生動物、累代飼育といった
動物園等の活動における用語や、
生息域内保全、
生息域外保全などの
生物多様性に関する用語についても定義をすることとなっております。
動物園等につきましては、主に野生動物を飼育展示し、繁殖及び累代飼育を目指し、野生動物の保全に関する研究及び教育を通じて
生物多様性の保全に寄与する施設ということとされてございます。
これを少し詳しく申し上げますと、主に野生動物を飼育展示しとされているのは、羊や鶏といった家畜だけを飼育展示している牧場のようなところは含まれないということでございます。また、繁殖及び累代飼育を目指しとされているのは、単に飼育をするだけではなく、自ら種を絶やさないように繁殖し、他施設と連携して何代にもわたって繁殖し、累代飼育に取り組むことが必要だということでございます。また、単に展示をするだけではなく、教育や
調査研究活動を通じて市民に
生物多様性の保全の重要性を伝えていくのが
動物園等であるという考え方から、このような提言になっているところでございます。
動物福祉の定義でございますが、
科学的指標を用いて客観的に判断される動物の身体的及び心理的な状態を言うということにされてございます。これは、国際的にも広く共有されているアニマルウエルフェアの定義と同義に扱うべきという考え方から、よくもなる、悪くもなる動物の全般的な状態として捉えるものとなっているところでございます。
また、
科学的指標を用いて客観的に判断するというところは、動物を見て、喜んでいるとか元気そうといった人間の主観ではなく、どういう環境を提供すると動物の行動や体の生理的な状態がどうなるか、科学的に検証された知見に基づいて判断すべきという考えに基づくものでございます。
続きまして、基本理念でございますが、三つ掲げてございます。一つ目は、
動物園等が
生物多様性の保全を目的に運営するとともに、良好な動物福祉を確保するというものでございます。これは、必要性の三つ目に掲げられていた保全と
動物福祉の両立が明確になった法令がないというものを受けているものでございます。二つ目は、
動物園等の活動は、自然や
生物多様性を認識し、豊かな人間性を育む機会を提供することを基本とすること、三つ目は、
動物園等の活動が市民との協働を基本とすることでございます。
次に、市の責務でございますが、
動物園等を支援する総合的な施策の策定や、市が設置・運営する
動物園等を適正に運営していくこととされてございます。
そして、市民・事業者の責務です。
生物多様性の保全活動は社会全体で支えていくべきという考え方から、市民、事業者においては、
動物園等が行う保全活動への理解や支援をするとともに、自分たちができる
生物多様性の保全に向けた活動を日常生活あるいは事業活動で実践していくものとされているところでございます。市民や事業者の皆さんに対して、そのための知識や情報を提供していくのは
動物園等になるわけでございます。
続いて、第2章の
動物園等でございますが、市が考える
動物園等が
生物多様性の保全のために実施すべき事柄を規定するもので、保全のための措置、良好な
動物福祉の確保、活動情報の公表の三つが盛り込まれているところでございます。
続いて、第3章の登録につきましては、ここは登録制度になってございます。
第2章に定める
動物園等の取組を行う施設を公的に認め、その施設の保全活動を支援するために任意の登録制度を盛り込むべきことが提言されてございます。
支援の内容といたしましては、施設名や取組を公表すること、また、保全活動を行うために必要な飼育や繁殖などの技術的な助言や事業費の支援が盛り込まれているところでございます。
続きまして、第4章は、
円山動物園について定める章でございます。
ここでは、第2章に定める
動物園等が実施すべき事柄をさらに具現化し、
円山動物園が行わなければならない事項を定めております。
一つ目は、運営方針及び実施計画の策定でございます。次に、良好な動物福祉の確保であり、そのために、
動物福祉に関しまして検討する委員会を設置し、その委員会で
動物福祉規程を策定し、運用していくことなどが盛り込まれているところでございます。
一つ飛ばしまして、四つ目の動物の飼育及び教育活動における原則といたしまして、野生動物に直接接触するタッチングや餌を介して触るなど、いわゆる触れ合いは原則行わない、また、動物に服を着せたり、人間と同じような行動をさせるといった、いわゆる擬人化は原則として行わないということが盛り込まれているところでございます。これは、野生動物と人間の間には一定の距離感が必要でございまして、
触れ合い体験や擬人化によって野生動物が身近に感じられる反面、安易な餌づけなどにより野生動物に近づき過ぎることで人間との間にあつれきが生じるおそれがあるため、
円山動物園ではやるべきではないという考え方に基づいて盛り込まれたものでございます。
次に、九つ目の人材の確保及び人材の育成の項目でございますが、質の高い獣医療や飼育管理を行っていくためには、これらを実現する人材の確保と育成が重要であることから、既に導入している
動物専門医の採用の根拠を明記するとともに、獣医師について
円山動物園に勤務する専門職として採用することについてご提言をいただいているところでございます。
続いて、第5章は、基金でございます。
市民や事業者からの寄附金を積み立て、
生物多様性の保全活動に生かしていけるようにするための基金の設置についてご提言をいただいているところでございます。
積立金の使途といたしましては、
円山動物園の保全や
動物福祉向上のための動物収集、
施設改修等、また、第3章の登録制度における支援の原資が想定されているところでございます。
最後の第6章の
市民動物園会議ですが、今回の提言をいただいた附属機関である
市民動物園会議は、これまで
円山動物園の運営方針のみを審議の対象としてまいりましたが、この条例の制定以降は、条例の推進に関する事項も加えまして、設置根拠も
附属機関設置条例から変更いたしましてこの
動物園条例に位置づけることが適当であるというご提案をいただいているところでございます。
以上が、同条例に盛り込むべき内容の提言内容でございます。
条例に盛り込むべき事項は以上でございますが、最後に付帯意見として三つの意見が付されておりますので、こちらもご説明をいたします。
まず、1点目でございますが、
動物福祉条例の検討についてでございます。
動物福祉については、検討部会の議論の中で、今回の条例で定義する
動物園等に該当する施設だけではなく、そのほかの施設も取り組むべきではないか、この条例で全体の
動物福祉向上を目指すべきではないのかという意見がございました。
これにつきまして、検討部会では、今回制定する条例は、あくまでも
動物園条例であるとともに、動物を飼育するあらゆる施設を対象にすると、
生物多様性の保全を目的に運営するという理念が一律に当てはまらない施設もございますことから、今回の検討においてはあくまでも
動物園等の定義に当てはまる施設を対象にすべきという整理がなされたところでございます。
しかしながら、やはり、動物のことを考えると、市内全域の
動物取扱業者も
動物福祉の向上を図る必要があると考えられるため、市内にある
動物取扱業者全てを対象とする条例について、別途、検討すべきとのご意見をいただいたところでございます。
2点目は、本条例につきまして、罰則も含めた規制の必要性や、札幌市における
動物園等の
ブランド化を図るためにも、登録要件の水準を厳しくするなど、条例の実効性を高めるために定期的な見直しを行うことについてご意見をいただきました。
三つ目といたしましては、条例制定後は、市民に対して分かりやすく伝わる広報、
普及啓発活動を行ってほしいとの意見でございます。
以上が提言書の概要でございますが、最後に、今後についてご報告をいたします。
当初予定していた動物園の役割や
動物福祉に関する規定以外にも、例えば、登録ですとか、基金ですとか、幅広く具体的なご提言をいただきました。この内容を踏まえまして、市役所庁内において関係施策との関連性なども整理をいたしまして、具体的な制度設計を行った上で、できるだけ早く条例素案を調整いたします。条例素案につきましては、再度、
総務委員会にご説明させていただきまして、
パブリックコメントを経て、2021年度内に条例議案をお諮りしたいと考えているところでございます。
○村松叶啓 委員長 それでは、質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
ここで、
理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時18分
再 開 午後1時19分
――――――――――――――
○村松叶啓 委員長 委員会を再開いたします。
最後に、札幌市
気候変動対策行動計画(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎佐藤 環境局長 札幌市では、平成27年、2015年3月に策定しました札幌市
温暖化対策推進計画に基づき、持続可能な低炭素社会に向けた
温暖化対策を推進してきたところでございますが、計画策定以降、
国連サミットでの持続可能な開発目標、SDGsの採択や、新たな
気候変動対策における世界的な枠組みであるパリ協定の発効など、国際的に脱炭素社会に向けて大きな動きがございました。
こうした中、札幌市では、本年第1回
定例市議会におきまして、秋元市長が、2050年の
温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、2030年の排出量についても高い削減目標を掲げて取り組んでいく考えを表明したところでございます。
また、本年の10月26日には、
菅内閣総理大臣が、2050年の脱炭素社会の実現を目指すことを宣言し、今後、我が国においてもその動きが加速するものと見込まれます。
このたび、札幌市としまして、持続可能な脱炭素社会の実現に向けまして、具体的な施策や取組を盛り込んだ札幌市
気候変動対策行動計画(案)を取りまとめましたので、本日、ご報告させていただきます。
詳細につきましては、お手元に配付しました資料に基づきまして、
環境都市推進部長から説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
◎菅原
環境都市推進部長 それでは、札幌市
気候変動対策行動計画(案)につきまして、お手元のA3判の計画案の概要によりましてご説明させていただきます。
資料の左上、1 計画の位置づけと目的をご覧ください。
一つ目は、本計画は、持続可能な脱炭素社会の構築に向けて
気候変動対策を推進するために策定するものとなります。
二つ目は、現行の札幌市
温暖化対策推進計画、札幌市
エネルギービジョン及び
札幌市役所エネルギー削減計画の三つを統合の上、
地域気候変動適応計画としても新たに位置づけるものとなります。
三つ目は、本計画では、2050年の目標と札幌市のあるべき姿を設定し、2030年の目標とその達成に向けた取組等を示すものとなります。
次に、2
気候変動対策に係る国内外の動向についてです。
2015年9月に、国連で持続可能な開発目標、SDGsが採択されました。これは、人間活動に起因する気候変動や
エネルギーなどの諸問題を国際社会が協働して解決に取り組んでいくための目標となります。
また、2015年12月にはパリ協定が採択されました。パリ協定では、地球の平均気温の上昇を産業革命以前との比較で2度未満に抑える、さらには、1.5度に抑える努力を追求するため、今世紀後半に世界全体の
温室効果ガスの人為的な排出量と吸収量の均衡を達成する
温室効果ガス排出を実質ゼロとする目標が示されています。
さらに、2018年10月には、IPCCから「1.5
℃特別報告書」が公表され、気温上昇を1.5度に抑えるためには、2050年前後に
二酸化炭素排出量を実質ゼロとする必要があると指摘されています。
続きまして、3 旧計画等の総括についてです。
札幌市域の
温室効果ガス排出量は、2012年をピークに減少しており、今後は、電気やガスなど
CO2排出の少ない
エネルギーへの転換、住宅の高断熱・高気密化、市内、道内の
再生可能エネルギーの利用拡大、市役所における
再生可能エネルギーの導入拡大などをさらに進めていく必要があります。
次に、4 2050年の目標と本市のあるべき姿をご覧ください。
本計画では、脱炭素社会の実現に向けた世界の潮流や深刻化する気候変動の影響等を踏まえ、札幌の恵まれた環境を次世代に引き継いでいくとともに、国際社会として積極的に役割を果たしていくため、札幌市域における2050年の
温室効果ガス削減目標を
温室効果ガス排出量を実質ゼロとすること、すなわちゼロカーボンと設定いたします。2050年のあるべき姿としましては、心豊かにいつまでも安心して暮らせるゼロ
カーボン都市「環境首都・SAPPORO」を掲げ、
エネルギーを自給自足する災害にも強い
住宅建築物が普及し、道内の豊富な
再生可能エネルギーが活用され、災害時にも活用できる
電気自動車や
燃料電池自動車が普及している姿などを描いています。
次に、右上に移りまして、計画の取組の方向につきましては、第1に、無駄な
エネルギー消費を減らし、効率よく使う
エネルギーの有効利用を図ること、その上で、どうしても必要な
エネルギーは
再生可能エネルギーへと
エネルギー転換を図っていくこととしています。
取組推進の視点としましては、一つ目は、SDGsの視点から、
気候変動対策や
エネルギー施策の推進が経済、社会に対しても効果をもたらすことを示して、全ての主体による連携・協働の取組を促進すること、二つ目は、国が提唱する
地域循環共生圏の創造を踏まえ、道内の豊富な
再生可能エネルギーや資源を生かし、
二酸化炭素の排出削減や経済循環を推進すること、三つ目は、2050年を見据えた取組として、
政令指定都市の移行期を中心に集中して整備された公共施設や民間ビルなどの更新時期を逃さず、
省エネルギー化や
再生可能エネルギーの導入に向けた対策を強化することを挙げています。
次に、5−1 2030年の目標と達成に向けた取組(市民・事業者編)についてですが、これは、市民、事業者、札幌市が協働により目指す市域全体の目標を示すものです。
本計画では、2050年のゼロ
カーボン都市実現に向けて、札幌市として
温室効果ガス削減の取組を強めていく姿勢を明らかにするため、2030年の目標として、
温室効果ガス排出量を2016年比55%削減と定めています。
次に、裏面に移りまして、左上の主な取組ですが、五つの施策を設定し、施策ごとに札幌市が進める主な取組と2030年の成果指標を示しています。
省エネにつきましては、ゼロ
エネルギー住宅とゼロ
エネルギービル、いわゆるZEHとZEBの推進に取り組み、ZEH、
ZEB相当以上の
省エネ性能を持つ新築住宅や建築物の割合を80%とすることなどを目指します。
再エネにつきましては、建築物等や地域への
再生可能エネルギー導入の推進などに取り組み、市内電力消費量に占める
再生可能エネルギーの割合を50%とすることを目指します。
移動につきましては、
電気自動車や
燃料電池自動車といったゼロエミッション自動車の普及促進などに取り組み、市内自動車台数に占める次世代自動車の割合を60%とすることを目指します。
資源につきましては、省資源・資源循環の推進や森林等の保全・創出・活用の推進に取り組み、市内ごみ焼却量を39万2,000トンとすることなどを目指します。
行動につきましては、分野横断的な取組として、ライフスタイルの変革と技術革新を推進してまいります。
次に、5−2 2030年の目標と達成に向けた取組(市役所編)をご覧ください。
これは、市役所が事業者の立場で目指す目標となります。
市役所につきましては、自ら排出量の削減に率先して取り組む姿を市民、事業者へ示していくため、2030年目標として、
温室効果ガス排出量を2016年比60%削減と定めています。
右上に移りまして、市役所編における主な取組と2030年の成果指標を示しています。
本日は、省エネ、再エネ、移動の三つの施策のみご説明いたします。
省エネにつきましては、市有建築物の新築や改築時などにZEB化に取り組み、
ZEB相当以上の
省エネ性能を持つ新築や改築建築物の割合を80%以上とすることを目指します。
再エネにつきましては、民間事業者による市有施設や未利用地への太陽光発電設備の導入促進、地域新電力による市有施設への電力供給の検討、市有施設への環境配慮型電力契約の導入や、使用電力を
再生可能エネルギー100%に切り替えるRE100化モデル事業の検討などを進め、市有施設の電力消費量に占める
再生可能エネルギーの割合を80%にすることを目指します。
移動につきましては、公用車の次世代自動車への転換を進め、公用車台数に占める次世代自動車の割合を63%とすることを目指します。
次に、6 気候変動の影響への適応策をご覧ください。
国が行った影響評価を参考にしながら、札幌市に影響があると思われる6分野、具体的には下の表に示した自然災害、産業・経済活動・都市生活、健康、水環境・水資源、自然生態系及び農業を選定し、各関係部局が現在実施している取組の集約・整理を行っています。今後は、取組の有効性等を検証しながら適応策の充実に努めてまいります。
最後に、資料には記載してございませんが、今後のスケジュールとしましては、本日お示しした計画案について12月16日から
パブリックコメントを実施した上、年度内の計画策定を目指してまいりたいと思っています。
○村松叶啓 委員長 それでは、質疑を行います。
◆川田ただひさ 委員 私から、いろいろ質疑をさせていただきたいと思います。
先ほどご説明いただきました札幌市
気候変動対策行動計画(案)ということで、いろいろと、
再生可能エネルギーをいかに生かした形でCO2対策をしていくかということでお話をいただいたところでございますが、やはり、私としては、原発も含めて、CO2削減だけでなく、市民生活の
エネルギーの確保を、広い観点から、様々な
エネルギーがミックスされたベストミックスの体制が必要だと思っているところでございます。このたびの計画案については、国の
エネルギーに対する考え方と連動したものとすべきであるところですが、国と目指す方向が一致していれば、計画の推進に当たって、国補助など、国費の有効活用も期待できるはずでございます。
そこで、お伺いいたしますけれども、計画案で示されている取組のうち、特に市有施設への
再生可能エネルギーの導入を進める上で、国費の活用をどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎菅原
環境都市推進部長 市有施設への
再生可能エネルギー導入に当たっての国費の活用につきましてお答えいたします。
環境省は、2050年に
二酸化炭素排出を実質ゼロとすることを宣言した自治体、いわゆるゼロカーボンシティーの動きを後押しするため、
再生可能エネルギーの導入拡大を支援することとしております。そのため、令和3年度概算要求には、平常時の
温室効果ガス排出抑制に加えて、災害時にも
エネルギー供給が可能な
再生可能エネルギー設備の公共施設への導入を支援する事業が盛り込まれているところであります。この事業では、民間事業者が自治体に初期費用の負担を求めずに公共施設へ太陽光発電設備を設置する場合には、補助の採択を受けやすい仕組みとなっております。
今回の計画案では、民間事業者を活用して、学校等、市有施設への太陽光発電設備を導入する事業を盛り込んでおり、事業者がこの補助を事業費の一部に充てて実施することも想定しております。当該事業をはじめとして、国の補助制度の活用を図りながら、計画案の取組を推進していきたいと考えております。
◆川田ただひさ 委員 先ほどの答弁の中でも、学校施設への太陽光発電設置についていろいろと民間の活力を生かしていくというお話でございました。
札幌市では、これまでも市立の学校施設で太陽光発電設置を進めてきたところです。しかし、北海道胆振東部地震のブラックアウトの際に、非常用電源として活用できなかった学校もかなりの数があったとも聞いているところであります。そういうことでは、いろいろ太陽光パネルや
再生可能エネルギーを使っても、災害時において活用できるものをこれから使っていったとしても、やはり意味のないものになってしまうわけでありまして、これまで設置した学校施設の太陽光発電設備は、CO2削減効果がどの程度出ていて、災害時を含めて、電源として有効に機能したのかどうなのか、この点についてお伺いしたいと思います。
また、今後進める民間事業者を活用した設置方式とは、具体的にどのような仕組みであり、これまで設置した太陽光発電設備と比べてCO2削減効果や災害時の対応の面で違いがあるのか、併せてお伺いいたします。
◎菅原
環境都市推進部長 学校施設の太陽光発電設備について、
二酸化炭素の削減効果と災害時の電源としての活用につきましてお答えいたします。
まず、
二酸化炭素の削減効果ですが、太陽光発電設備は、導入した学校の電気使用量のうち5%から10%程度を賄い、化石燃料由来の電気の使用を抑えており、一般家庭330世帯に相当する
二酸化炭素排出量の削減となっているところであります。
次に、災害時の電源としての活用ですが、北海道胆振東部地震のブラックアウトの際には、避難所となった施設の8割で、容量の制約はありながらも、携帯電話の充電やテレビの電源として利用できたことから、被災時の情報収集に役立ったものと考えております。
なお、残りの2割の施設では、災害時の使用方法が分からなかったという理由などで、残念ながら利用することができなかったところであります。
次に、同じく学校施設の太陽光発電設備について、民間事業者を活用した設置方式の仕組みと、この仕組みでの
二酸化炭素削減効果や災害時対応でのこれまでとの違いにつきましてお答えいたします。
民間事業者を活用した設置方式とは、学校等市有施設の屋上などを貸し出して、太陽光発電設備を民間事業者の負担で設置する、いわゆる屋根貸し事業であります。この事業では、市が太陽光発電設備を設置した民間事業者と発電した電力を購入する契約を結び、使用した分に応じて料金を支払うものであります。また、市が使用した分以外は、民間事業者が他に売却することができる仕組みとなっております。
次に、
二酸化炭素の削減効果につきましては、民間事業者を活用した場合も施設ごとの発電規模は変わりませんが、設置に係る初期費用の財政的負担を要さないことから、今後、学校等市有施設への設置がより進み、全体として大きな削減が期待できるものと考えております。
また、災害時対応につきましては、民間事業者を活用した場合におきましても、今までと同様に、停電時に使用できる電気容量に制約があるものと想定しております。
◆川田ただひさ 委員 先ほど、使い方が分からなかったであるとか、やはり、設置するだけでは、結果的に、災害時も含めて、全く使えないものになってしまうということでございます。すなわち、当然、CO2削減は必要でありますが、やはり、電気というのは、そういったときも含めて、基本的なインフラ整備ということではとても重要な部分になるわけであって、永続的にできるもので、かつ、CO2削減につながるという効果そのものを求めていかなければいけないというふうに私としては考えているところであります。
そこで、災害時の話も含めてなんですが、非常時において、僅かな電力量しか使用できないということでは、私としては事業としての有効性に疑問を感じる部分もあるわけでございますが、その点についてどのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。
◎菅原
環境都市推進部長 災害時における太陽光発電設備の有効性につきましてお答えいたします。
災害時の停電対策としましては、北海道胆振東部地震のブラックアウトを契機に、札幌市避難所基本計画を見直し、学校などの避難所に可搬型発電機の備蓄を行ったところであります。そのため、太陽光発電設備を設置している避難所では、可搬型発電機に加え、太陽光発電設備も一緒に使うことで、より多くの電気の使用が可能となるものであります。
今後も、市有施設への太陽光発電設備の設置を進めていく中で、事業者を選定する際には、災害時に使用できる電気容量などの災害対応を配慮した提案も求めていきたいと考えております。
◆川田ただひさ 委員 先ほど回答がありましたように、やはり、一番重要なことは、そこの選定の部分も含めて、しっかりと災害時でも使えるようにしていくと。やはり、前回の胆振東部地震においても、太陽光を使えるところであっても、例えば体育館の照明であるとか、そういったところまで使えるかといったら、そうではないと。また、これがもし冬だとしたら、その容量では当然足りないということもあるので、その有効性というものはしっかりと踏まえた形でCO2削減も含めて取り組んでいただきたいと思っているところでございます。
そこで、最後の質問になるところでありますが、学校施設への太陽光発電設備に限らず、計画案における各取組について、単に実施しただけでは私は駄目だと思っているわけでございます。これは、なぜかといえば、ただ単に、製品の仕様書だけの容量で、果たしてきちんとそれは有効性があるものかどうなのか、こういったことも検証していかなければならないし、実際にどの程度CO2の削減につながったのか、このこともきちんと検証していかなければいけないというふうに考えているところでございますが、どのようにそういった検証も含めた対応をするのか、お伺いいたします。
◎菅原
環境都市推進部長 計画案の各取組による
二酸化炭素削減効果の検証につきましてお答えいたします。
計画案におきましては、目標達成に向けて着実に取組を推進するため、定期的に進行管理を行うこととしております。具体的には、毎年度、
温室効果ガスの排出量のほか、成果指標の達成状況及び各取組の進捗状況等につきまして分析、検証を行い、報告書としてまとめ、公表することとしております。
◆川田ただひさ 委員 一応、排出量であるとか、毎年、検証するという回答だったわけでございます。
ただ、やはり、数値データを作るときに、その製品の仕様書で計算するであるとか、そういったことがないように、しっかりと、空中の部分も含めて、多角的な部分で検証していただき、本当の意味でこの計画書が意味のあるものになるように、私は心からお願いしたいと思っているところでございます。
あと、最後にもう一つ、国の補助もいただきながら太陽光パネルも含めて事業を行うわけでありますから、私としては、特にこの太陽光パネルも、海外産の部品も多いというのも聞いているわけでありまして、やはり、国産の部品も含めた形で、国内の経済の活性化という部分も、または、
再生可能エネルギーの技術の向上という意味も込めて、ぜひとも、国産を中心に使用していただくこと、このことが私としては必要だと思っておりますので、そのこともお願い申し上げまして、私の質疑を終了いたします。
◆岩崎道郎 委員 私からも、ただいま示されています札幌市
気候変動対策行動計画(案)について、何点か質問させていただきたいと思います。
さきの臨時国会におきましても、カーボンニュートラルですとかゼロカーボンというキーワードがよく耳にされまして、報道も多くされてきたところだと思います。国では、2050年までに
温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標を実現するため、再エネの主力電源化の議論を本格化させているところだと認識しています。
我が会派でも、これまで、脱炭素社会の実現に向けて、実効性のある
再生可能エネルギー施策の必要性を指摘し、市域への
再生可能エネルギーの導入拡大や、市有施設への太陽光発電の導入などを求めてきたところです。
そこで、最初の質問ですけれども、計画案では、市民、事業者が目指す成果指標として、市内の電力消費量に占める
再生可能エネルギーの割合を2030年に50%とする高い目標を掲げておりますが、どのように市民、事業者による取組を促していくのか、伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 再生可能エネルギーの利用拡大に向けた市民や事業者による取組の促進につきましてお答えいたします。
昨年度、地球温暖化に関する市民アンケートを実施したところ、
気候変動対策のために自身の暮らしや習慣を変えていくことが必要であると答えた人が多かった一方で、電力会社を選ぶときに
再生可能エネルギーの導入状況を考慮すると答えた人は少ないという状況でありました。この結果から、多くの市民は、日々の暮らしの中で、
気候変動対策を意識して行動する必要性は感じながらも、それが
再生可能エネルギーを積極的に利用するといった行動までにはつながっていないことが分かりました。
そのため、まずは、
再生可能エネルギー由来の電力を選んで利用するという一人一人の行動が
温室効果ガスの排出削減につながり、
気候変動対策に効果をもたらすことへの理解が大切であり、その上で、電力会社ごとの
再生可能エネルギーの導入割合など、
温室効果ガス排出の少ない電力を選択するために役立つ情報の提供が必要と考えております。こうしたことを、市のホームページをはじめとする様々な機会やメディアを通じて、市民や事業者へ分かりやすく伝えることによって、
再生可能エネルギーの利用拡大を促してまいります。
◆岩崎道郎 委員 今のご答弁にあったように、私も市民も事業者も、暮らしの中で
再生可能エネルギーを積極的に利用する、これがCO2の削減に効果的であるという理解はしているんだというふうに思うんですが、やはり、設備のことですとか、コストの部分ですとか、分からないことも数多くあって、そういった意味で、やっぱり、一般に、まだ広がっている状況にはないんだというふうに認識をしています。
そういったところで、この計画案の中にも示されていますけれども、まずは市役所自らが率先して
再生可能エネルギーの導入を進めること、そして、市民、事業者へPRすることが必要であるというふうに私も考えているところです。我が会派でも、さきの第3回
定例市議会の代表質問において、他都市の先進事例も示しながら、ゼロカーボンに向けて、市有施設の
再生可能エネルギーの利用拡大に力を注ぐべきであると提言をしたところです。
そこで、次の質問ですけれども、市有施設の
再生可能エネルギーの利用拡大について、計画案にはどのように反映をされているのか、伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 市有施設への
再生可能エネルギーの利用拡大につきましてお答えします。
札幌市役所は、市域の
温室効果ガスの約6%を排出する市内最大級の事業者であり、自ら排出量の削減に率先して取り組む姿勢を市民、事業者へ示していくことが重要であると認識しております。また、市役所で使用する
エネルギーの8割が電力であることから、市有施設における
再生可能エネルギーの利用拡大を図ることが
温室効果ガスの排出削減にとって有効であります。
これを具体的に進める方法として、環境配慮型電力契約とRE100化モデル事業の検討を計画案に盛り込んだところであります。
◆岩崎道郎 委員 さきの代表質問の私たちの考え方が盛り込まれているということは理解をいたしました。
今、ご答弁にもありましたその中身について少し伺いたいと思います。
市有施設での取組について、計画案に新たに盛り込まれました環境配慮型電力契約とRE100化モデル事業の検討に関して具体的な部分を確認させてください。
まず、環境配慮型電力契約についてですが、具体的にどのような形で電力契約に環境への配慮を取り入れる制度なのか、また、この制度を導入する意義や期待される効果について伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 環境配慮型電力契約の仕組みと意義や効果につきましてお答えいたします。
環境配慮型電力契約は、環境配慮契約法に基づき、国や地方公共団体などが実施する電力契約に際し、価格に加えて環境性能を含めて評価する仕組みであります。具体的には、発電の際にどれだけの
二酸化炭素を排出したかを示す
二酸化炭素排出係数や、供給する電力に
再生可能エネルギーが含まれる比率などを点数評価し、一定点数未満の電力会社に入札の参加資格を与えない、いわゆる裾切り制度が国から示されているところであります。
このように、市有施設の電力契約に新たに環境配慮の視点を取り入れることによって電力会社の対応を促すことの意義は大きいと考えております。環境配慮型電力契約の導入後は、電力会社の
再生可能エネルギーの供給力や
二酸化炭素排出係数などの推移を見ながら、裾切り基準を徐々に引き上げていくことで、電力会社の環境配慮への取組をさらに促すとともに、市有施設への
再生可能エネルギーの利用を拡大し、
二酸化炭素排出量の削減につなげていきたいと考えております。
◆岩崎道郎 委員 札幌市は、本当に数多くの市有施設を有していると思いますので、そういった意味では、電力会社に対して札幌市というのは大口の顧客でもあると言えると思いますので、そこはしっかりと業者の方々と協議をしながら、より環境配慮が進むように進めていただきたいと思っています。
そこで、当然のことながら、たくさんの施設でやっていただくのが削減効果も大きいんだろうというふうに思っているんですけれども、そういった導入に向けて進めていく中で、当該契約の適用施設の範囲についてどのように考え、また、いつごろから導入するおつもりなのか、伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 環境配慮型電力契約の適用範囲と導入時期につきましてお答えいたします。
まず、適用範囲につきましては、契約電力量が多く、国からもモデルケースとして示されております一般競争入札に付する施設からの導入を検討しております。その後、指定管理者が電力契約を行う体育館などの市民利用施設につきましても、指定管理契約の更新の機会を捉えるなどして、順次、導入を拡大していきたいと考えております。
次に、導入時期につきましては、札幌市では10月から翌年9月までの電力契約を行う施設が多いことから、それらの契約に間に合うように準備を進め、来年度からの実施を目指したいと考えております。
◆岩崎道郎 委員 それでは、次に、市有施設の使用電力を
再生可能エネルギー100%に切り替えるRE100化モデル事業についてですが、これは、最近、環境省をはじめ、一部省庁や自治体で取組が見られるようになった事業だと聞いております。
そこで、質問ですけれども、札幌市が現状を把握している範囲で、RE100化モデル事業について全国でどういった導入事例があるのか、確認させてください。
◎菅原
環境都市推進部長 RE100化モデル事業の導入事例につきましてお答えいたします。
まず、東京都では、昨年度より都庁舎の電力を
再生可能エネルギー100%としたほか、今年度からは、電力会社を介して家庭の太陽光発電などの電力を学校など一部の都の施設で利用しております。次に、横浜市では、今年度より、ごみ焼却施設で発電した電力などを利用し、市役所新庁舎におきまして使用する電力を全て
再生可能エネルギーに切り替えており、今後はさらに対象施設を拡大する予定としております。また、京都府福知山市では、太陽光発電、小水力発電などの電力を、庁舎や学校のほか、福知山城や美術館、博物館などの文化施設にも導入し、
再生可能エネルギーの地産地消をPRしております。
こうした事例のほか、東京都の大田区や世田谷区、国立市でも電力を
再生可能エネルギーに切り替える事業が進められております。
◆岩崎道郎 委員 今の文化施設に導入するというのは、非常にいい取組だなというふうに今感じました。あと、観光施設でも、例えば、やはり、旅行者の方が自分たちのためにライトアップしてそのまちの電力を使っていると思うと、何か心苦しいというようなムーブメントも、最近、でき始めているのかなというふうにも思うので、そういったところも検討が必要かなと今感じたところです。
ただいまの答弁にあったように、東京都や横浜市という大きな都市でもこういった取組を進めている、ゼロカーボンの先進都市であるというふうにも聞いておりますので、そういったところで進めているというところでありますから、ゼロカーボンシティーを宣言した札幌市としてもぜひ進めていくべきかなというふうに思っています。
そこで、最後の質問ですが、他都市の事例も踏まえて、札幌市としてRE100化モデル事業の実施に向けて今後どのように検討を進めていくのか、伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 RE100化モデル事業の実施に向けた検討につきましてお答えいたします。
札幌市は、自ら
再生可能エネルギーの電力を率先して利用している姿をPRすることで、市民、事業者への取組を促すとともに、電力会社に対しても
再生可能エネルギーの供給拡大の必要性を意識づける効果があると考えております。
今後は、各電力会社の
再生可能エネルギーの供給力や他都市における導入事例の詳細などにつきまして調査を行いながら、対象施設の選定も含めて検討を進めていきたいと考えております。
◆岩崎道郎 委員 質問の中でもるる言わせていただきましたけど、やはり、札幌市、行政が旗を振っていくことで、電力会社の皆さんもそういった取組を前に進めていることになると思いますし、市民の皆さんもそこの意識を高めて活動につながっていくものだというふうに思っていますので、ぜひ、先頭を切って頑張っていただきたいと思いますし、同時に、先ほど観光の話を少しさせていただきましたけれども、札幌市は、どんな政令市よりも、やはり、都市と自然の調和というものが最もすばらしい地域だというふうに自負もしておりますので、こういった環境に配慮した取組というのを全国どこよりも先頭を切って進めていくことが札幌の魅力向上にもつながるというふうに感じていますので、ぜひ取組を進めていただくようお願いして、私の質問を終わります。
◆竹内孝代 委員 私からも、札幌市
気候変動対策行動計画(案)について質問をさせていただきます。
今回の計画は、今年の第1回
定例市議会の我が会派の代表質問の答弁で、秋元市長から、ゼロカーボンシティーの宣言をされたことを受けまして、脱炭素社会に向けた新たな計画であるというふうに認識をしております。また、このたびの代表質問におきましても、今後の取組についての質問に対して、市長からは力強い答弁もあるなど、我が会派として本市の取組を高く評価させていただき、私どもも、引き続きSDGsの理念に基づく取組を推進していく決意であります。
このたびの計画を拝見いたしますと、全体的にどれもかなりやらないと達成ができない、そういった成果指標がずらりと並んでおり、脱炭素社会の達成にはハードルが高いという印象があります。札幌市では、
電気自動車や
燃料電池自動車の導入が思うように進んでいないという状況もある上、
再生可能エネルギーの導入については送電網の受入れ問題もあります。また、水素
エネルギーの普及については足踏み状態で時間を要しており、
二酸化炭素削減に向けた課題はとても多いと思われます。
我が会派は、これまで、ゼロ
エネルギー住宅建築物、ZEH、またZEBについて積極的に取り組むように訴えてきており、第3回
定例市議会の代表質問においても、札幌市が率先して市有施設へZEBを導入するように要望したところであります。これらのZEHやZEBの取組というのは、積雪寒冷地である札幌市が脱炭素社会に向けて取り組むためにはとても重要な施策と考えております。
計画では、市内において、ZEH相当以上の
省エネ性能を持つ新築住宅の割合が2016年の54%から2030年には80%に、また、集合住宅、ZEH−Mについては2016年の0%から80%にすると高い目標が掲げられております。これらは、非常に高い目標と言わざるを得ず、この目標を達成するためにはこれまで以上に積極的に取り組んでいかなければならないというふうに思います。
それでは、計画に記載をされていますZEH、ZEBについて、順次、質問をさせていただきます。
まず、ZEHについてですが、計画に定めた目標について、54%から80%にするというのはそれほど難しい数値には見えないのかもしれませんが、実際のところ、新築の80%がZEHというのは、ほとんどの工務店がZEHを建てることができるようにならないと達成は難しいのではないかと考えます。昨年度の工務店へのアンケート調査の結果によりますと、ZEHを建設した経験があるのは23%程度であり、工務店の人材不足や施主のニーズが少ないなどの回答も多く、普及に対する課題が浮き彫りになっております。
計画では、札幌版次世代住宅の普及、光熱費等で見える化、また、市民への啓発や情報提供により
省エネ性能の高い住宅の選択を促す、こういったことで2030年に新築の80%でZEHを目指すというふうにしておりますが、住宅関連事業者に積極的に取り組んでいただくような施策が必要かと考えます。
そこで、初めの質問ですが、ZEHが
二酸化炭素削減に果たす役割はどの程度なのか、また、このZEHに対する目標、新築80%についてどのように考えて設定したものなのか、そして、実現するためにはどのような取組を考えておられるのか、伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 ZEHが
二酸化炭素削減に果たす役割と目標、札幌市の目標達成のための取組につきましてお答えいたします。
札幌市内の家庭における
エネルギー消費の多くは暖房と給湯によるものであり、住宅をZEHにすることで2割以上削減できることから、
二酸化炭素削減に重要であると考えております。そのため、2030年における新築住宅のZEHの目標は、国の第5次
エネルギー基本計画を踏まえ、80%としたものであります。
今後も、国が行っておりますZEHの補助制度や札幌市の札幌版次世代住宅の補助制度を活用するとともに、ZEHによる経済性や快適性を市民に紹介し、住宅関連の団体などの協力もいただきながら普及を図ってまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 新しい国の基準によりますと、太陽光発電を設置しなくても、
省エネ性能が向上すればZEH Orientedとなり、ZEHの件数は単純に増えるというふうに思いますが、やはり、太陽光発電を戸建て住宅に設置してもらい、Nearly ZEH以上の普及を目指すことが札幌市内の
再生可能エネルギー導入にもつながることから、引き続き、こういった設置についても進めるよう求めます。
また、目標が高いことから、ZEHに対して、工務店、また市民への支援など、札幌市として今後何か対策を検討していただきたい、こういったことも求めたいと思います。
次に、集合住宅のZEH、いわゆるZEH−Mについて質問させていただきます。
計画では、2030年に新築の80%がZEH−Mという目標を掲げておられます。現在、札幌市内では、建設されているものも含め、ZEH−Mに該当するのは、今年の3月末で9棟というふうに認識をしておりますけれども、札幌市全体として見るとほとんど建っていないという印象があります。また、新築の分譲マンションは、国の支援やニーズもあることから、ある程度ZEH−Mが進んでいるとしても、大半を占める賃貸住宅は、省エネ基準すら達成していない建物が多いというふうにお聞きしております。このような中で、2030年に80%という目標は非常に高いのではないかと考えます。
そこで、次の質問ですが、ZEH−Mの普及に向けた現在の取組状況、また、今後の対応について伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 ZEH−Mの導入に向けた現在の取組状況と今後の対応につきましてお答えいたします。
ZEH−Mにつきましては、賃貸住宅の場合、入居者の光熱費の削減効果はあるものの、建築費が増えることから、オーナーによる投資にはつながりにくい状況にあります。また、国のZEH−Mへの建築費の補助制度があるものの、地場の設計事務所ではノウハウが少ないこともあり、建築数は増えておりません。
これらの状況を受けまして、今年度より、集合住宅の省エネ対策として、企業向けに、ZEH−Mの設計費に対し、最大100万円の定額補助制度を開始したところであり、これまでの申請は1件となっております。
今後は、設計費の補助制度による事業者への後押しのほか、建築主や入居者に分かりやすく光熱費等で
省エネ性能を見える化する仕組みや、市内でのZEH−M事例の紹介をすることで、広く市民の認知度を高め、今後の普及につなげていきたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 様々な課題から、札幌市としても対策をしてきたということでありますけれども、やはり、賃貸の集合住宅というのは、借手が、部屋の広さ、家賃や利便性、また、新築かどうかなどの視点を考慮して住宅を選択するものと思われますので、今後は、
省エネ性能も光熱費を考えると大切な要素である、こういったことを市民にも分かりやすく伝えていくことが必要ではないかというふうに思います。また、実際に80%となるには、より大胆な対策が必要と思われますので、ぜひとも、補助の拡充など、積極的に取り組んでいただくことを求めます。
次に、ZEBについてですが、札幌市内では、最近では月寒グリーンドームの跡地に建設されました商業施設において、50%省エネを実現するZEB Readyの建物が建ったというふうにお聞きしました。これにより、札幌市内には新築・改修時にZEBを実現している建物が7棟となり、最近は年に数棟がZEBになっている状況ではないかと考えます。
建築物がZEBを実現するには、一般的に1次
エネルギーの削減が50%以上となる必要があることから、住宅よりもさらに対応が厳しいものというふうに認識しております。せめて、各区に複数の建物がZEH−MやZEBとして毎年建設されて、市民にZEH−M、ZEH、ZEBという言葉が認知されていくようにならないと普及はかなり遠いのではないかと考えます。また、ビルのオーナーにとっては建設費を抑えて家賃を低くする、こういったことで借手を確保することが当然になっておりますので、さらなる投資を呼び込むには、ESG投資や省エネビルの優位性など、市として積極的に応援する仕組みが必要ではないかと考えます。
そこで、次の質問ですが、ZEBの普及に向けた現在の取組状況、また、目標達成に向けての今後の対応について伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 ZEBの普及に向けた現在の取組状況と、目標達成への今後の対応につきましてお答えいたします。
ZEBは、初期費用が必要であるものの、光熱費の削減による着実な投資回収が見込めるとともに、環境への取組による企業価値の向上にもつながるものであります。
今年度は、企業向けにZEBの設計費に対する最大300万円の定額補助を始めたところであり、これまで3件の申請がありました。市内の企業などを対象にした省エネの取組に関するアンケートでは、ZEBにつきまして、自社の環境活動として関心がある、費用対効果があれば投資したいという回答もあり、少しずつではありますが、関心が高まっているところであります。
今後は、これまでコロナ禍でできなかった設計事務所やビルオーナー向けの講習会を行っていくとともに、光熱費等の見える化などにより、ZEBの価値を建築主等に分かりやすく示すことで普及につなげてまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 補助の申請状況ではZEBの設計支援が3件というただいまの答弁をお聞きしますと、ニーズが少しずつ出てきているのかなというふうに思います。しかし、このままでは80%を達成するというのが難しいところだなという印象を受けます。また、都心部の再開発などを考えますと、より大規模な施設が積極的にZEBを目指していただかないと、結果的に2030年の80%は達成しないのではないかと考えます。都心の再開発とも連携をして、積極的に取り組んでいただくことを求めます。
次に、市有施設のZEB化について伺います。
市役所編によれば、市有建築物について、新築・改築において
ZEB相当以上の
省エネ性能を持つ建築物の割合を2030年に80%以上という目標を定めておられますけれども、実際にはZEBが1棟も建設されていない状況と認識をしております。道内の市町村でも庁舎建設時には積極的にZEB化を目指しておりますけれども、本市の市有施設こそ、全てZEBにするぐらい率先して取り組むべきではないかと考えております。
そこで、質問ですが、市有施設における今後のZEBの予定、さらには、目標達成への取組について伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 市有施設における今後のZEBの予定、さらには、目標達成に向けた取組につきましてお答えします。
市有施設におきまして率先してZEBに取り組むことは、地場の設計事務所や建築事業者の経験やノウハウとなり、民間への波及にもつながるものと考えております。
現在、建て替え事業を進めている中央区役所では、ZEBの認証取得を予定しているところであります。今後は、市有施設の建て替えなどにおいて、ZEBを含む省エネや
再生可能エネルギーの導入を図るための庁内推進体制を構築し、新築・改築時におけるZEB化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 庁内推進体制を整備して積極的に進めるという力強いご答弁でした。
戸建て住宅につきましては、購入した住宅がZEHであること、また、
省エネ性能については、建て主が十分に理解していないということも聞きます。これは、工務店、住宅メーカーが説明できていないことが大きな要因と思われますが、今後、この建築物省エネ法の改正により、令和3年度から戸建て住宅での建築業者から建て主への
省エネ性能の説明などが実施されますので、市民の住宅への省エネ意識も高まるのではないかと考えております。
また、建築物省エネ法では、非住宅の
省エネ性能の適合義務が300平方メートル以上に拡大されることも盛り込まれており、中規模の建築物の
省エネ性能が向上するものと期待をされておりますが、ゼロカーボンシティーを目指す札幌市としては、法に頼らず、市独自に補助を活用するなど、より積極的に対策が必要であると考えます。
さらには、ZEBは、
エネルギー消費量を抑えるだけではなく、快適性や知的生産性といった職場環境の質を向上させる上、耐用年数も伸びることから、市有建築物については、費用対効果だけではなく、持続可能な社会インフラとしてZEBを推進することも重要であります。これらの申し上げました対策もぜひとも検討していただきまして、ゼロカーボンシティーの実現をより目指していただくことを求めて、私の質問を終わります。
◆太田秀子 委員 私も、5点質問させていただきます。
昨年12月のCOP25で、ドイツのNGOが発表したレポート、世界気候リスク・インデックスというのがありましたけれども、私は、それを見てとても驚きました。2018年に最も気候関連災害によって被害を受けた国のランキングで、日本は第1位でした。2018年だけで、日本における気候関連災害の死者数が1,282人、経済損失は約4兆円の被害をもたらしている、そういう内容でした。さらに、気温上昇が続けば、現在と比較にならない脅威がもたらされることになる、そう危惧されていました。
札幌市
気候変動対策行動計画(案)によりますと、日本国内では平均気温の上昇が世界より速いペースで進行しており、さらに、道内、札幌市内は世界や日本よりももっと速いペースで上昇すると書かれています。気候の変化により、将来、本市で起こり得る影響も書かれていますけれども、大雨による水害、土砂災害の発生のみならず、熱中症や食中毒のリスク増大、気温や水温の上昇で水中の細菌類の増加や感染症のリスクの増大、そして、経済への影響は、21世紀末には、降雪量の減少により、さっぽろ雪まつりの雪像制作コストは2.2倍になる、さっぽろオータムフェストは、強雨が増加し、2日間イベントを中止した場合、経済損失は30億円程度になるであろうと書かれています。
まず、このような本市の現状から、地球
温暖化対策が本市にとって緊急課題であること、今後、市としては、継続的な取組になりますし、お金もかかりますから、多くの市民に理解してもらい、札幌市
気候変動対策行動計画を一緒に実行していこうと、そういう立場に立ってもらうことが大事だと思います。
私は、テレビでですけど、ドイツで、小学生に学校の授業として環境教育をしている報道を見ました。気候変動がどのようなメカニズムで生じ、それを抑えるためにどのような取組を行う必要があるのかを自ら考えて行動するためには、やはり、教育が欠かせないと感じたところです。
そこで、伺いますけれども、本市も、小・中学生を対象にエコライフレポートの取組をしていますが、その内容と効果を伺います。
また、高校生や大学生などにも、ぜひ気候変動について考えてもらう機会をつくることが必要だと思うんですけれども、現在どのような取組を行っているのかを伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 まず、エコライフレポートの内容と効果につきましてお答えいたします。
エコライフレポートは、使わない部屋の明かりを消すなど、家庭内で身近にできる環境配慮行動を記載したチェック表を活用して、子どもたちに地球環境を意識し、具体的に実践するよう働きかけていくものであり、夏休みと冬休み前に小・中学生に配付し、休み明けに取組結果の報告を受けております。今年度の夏休みエコライフレポートは、全児童生徒数の94%に当たる約12万5,000人が取り組んでおり、この取組結果を1か月分に換算しますと、
二酸化炭素削減量は約1,478トンで、約6,300世帯が排出する
二酸化炭素の量に相当します。さらに、児童生徒が家庭での声かけ役となることにより、本人だけではなく、家族も地球環境に配慮した行動を意識することで実践が広がるという効果も期待できるものであります。
次に、高校生や大学生が気候変動を考える機会につきましてお答えします。
気候変動を自分のこととして捉え、自ら行動するためのきっかけづくりとしまして、昨年度は、全8回にわたる札幌市みんなの気候変動ゼミ・ワークショップを開催しましたところ、およそ90名の参加者のうち、半数を中・高・大学生が占め、多くの若者が参加しました。このワークショップを通して、気候変動やSDGsに関する自らの活動をラジオやSNSで発信したり、企業と連携して食品ロス削減に向けた取組を企画・運営するなど、これからの社会を担う若い世代を中心に活動が広がり始めたところであります。
今年度は、新型コロナウイルス感染症予防の観点からオンライン形式で9月から開催しておりますが、市民に加えて、全国から合計130名近くの参加登録があり、毎回約50名が参加しております。今後も、こうした取組を通じて、高校生や大学生など、若い世代が気候変動について自ら考え、行動につなげていく機会を提供してまいりたいと考えております。
◆太田秀子 委員 改めて、伺いましたら、本当に感動するような中身で、自ら考えて行動するということが、子どもたちにも、その家族にも広がっているということが分かって、とてもうれしい答弁を今伺いました。この子どもたちや学生たちは、一緒にこの
温暖化対策に取り組んでくれるためにも、2030年のCO2を2016年度比55%削減するというこの目標は、現在の私たちの果たすべき責任だと思うんです。目標を残すことになれば、この札幌市
気候変動対策行動計画の本気度が問われると思います。
6月に、国際
エネルギー機関、IEAが発表した研究発表がありまして、経済回復では、持続可能なリカバリー、グリーンリカバリーが経済成長につながると試算していました。今後3年間、世界中で
再生可能エネルギーや省エネ、
電気自動車の購入補助などに3兆ドル、日本円に直すと約312兆円ほどですけれども、それを全世界につぎ込めば、世界のGDPは年平均1.1%増える、雇用は900万人規模で回復し、それから、
温室効果ガスは45億トンの削減が可能だとしています。企業は、収益とともに社会的責任が求められて、国や自治体はコストが増大するということを受け入れる覚悟が求められるということであろうと私は思いました。
本市の高い目標ですけれども、気候変動を抑制する取組は、このIEAが言うように、雇用の増加と地域振興のステップとなり、将来的に
再生可能エネルギーが地域に根づいた
エネルギーとなり、住民や自治体が主導的に利用して、先ほど京都のお話がありましたけれども、やはり地産地消になることが大事だと思うんです。
先ほど、計画の中には、将来、降雪量が減って雪まつりの経費がかさむと書いてあることをお話ししましたけれども、やはり、そうならないための計画にしなければなりません。
そこで、伺いますけれども、積雪寒冷な本市では、地域に根づいた
エネルギーとして雪を有効活用していくべきだと考えますけれどもいかがか、伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 エネルギーとしての雪の有効活用につきましてお答えいたします。
札幌市では、モエレ沼公園のガラスのピラミッドなど4施設におきまして雪氷熱
エネルギーを使った設備が導入され、雪利用の可能性を示すことができているほか、道内外からの多くの施設見学があり、普及啓発の役割も果たしているところであります。
一方で、これらの施設では、冷房利用を行うための機械設備が必要となるほか、冬に貯蔵した雪が夏まで残るように、断熱性能を備えた一定規模の貯蔵施設が必要となるなど、費用対効果や技術の面でまだ課題があると認識しております。
今後につきましては、引き続き、施設を活用した普及啓発を行っていくとともに、課題を解消できるような民間の最新技術の動向にも注視していきたいと考えております。
◆太田秀子 委員 本市の経済観光局の産業振興ビジョンでも、今後の成長が期待される分野として環境が重点化されています。積雪寒冷地関連技術など環境
エネルギー分野の技術開発及び市場販路の拡大を支援する、こういう基本施策も掲げています。国立環境研究所は、省エネ技術というのは、一般的には従来の技術よりも初期費用が高いけれども、導入される技術の耐用年数全体で考えると十分に経済的だ、長期的な視点を持つことが重要だと言っています。
環境は、市民の生活や健康、本市の将来にとって重大な問題です。当初は割高になってしまっても、低炭素や脱炭素社会が当たり前になっていくためには、一定程度のお金がかかるのは必要なことです。やはり、目先のコストにとらわれないで、グリーンリカバリーが経済成長につながるという視点で思い切った予算をつけるべきだと要望しておきます。
計画案の目標に向かう取組推進の視点には、さっぽろ連携中枢都市圏などを活用して、道内各地域との連携を基に、道内の豊富な
再生可能エネルギーや資源を生かして推進すると書いてあります。取組の方向は、2050年には、市内で使用する
エネルギー量の全体量を省エネで減らして、化石燃料を減らして、そして道内の
再生可能エネルギーの割合が大きく増える表になっていました。
そこで、伺いますが、
温室効果ガス排出量の実質ゼロを実現するためには、
再生可能エネルギー由来の電力の利用拡大に加え、
二酸化炭素、CO2の吸収量を確保することが重要と考えますが、どのように取組を進めていくのかを伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 再生可能エネルギー由来の電力の利用拡大と
二酸化炭素の吸収量の確保に向けた取組につきましてお答えいたします。
まず、
再生可能エネルギー由来の電力の利用拡大の取組ですが、計画案では、市内の電力消費量に占める
再生可能エネルギーの割合を2030年には50%まで高めることを成果指標の目標値に設定し、
再生可能エネルギー由来の電力の利用拡大を図ることとしております。この目標値の達成に向けては、従来から進めている一般家庭や市有施設等への太陽光発電設備の設置に加え、風力発電など道内の
再生可能エネルギーを、札幌市におきまして幅広く活用を図っていくことが必要と考えております。
こうした取組を、国における送電網ルールの見直しなど、
再生可能エネルギーの主力電源化に向けた施策との連携を図りながら積極的に展開してまいりたいと考えております。
次に、
二酸化炭素の吸収量の確保に向けた取組ですが、
二酸化炭素の吸収源としましては、森林や農地など様々なものがありますが、その中でも森林は特に大きな役割を果たすものであります。そのため、木を植えて、育てて、使って、また植えるといった森林資源の循環を推進することで、森林が持つ
二酸化炭素の吸収機能を維持していくことが大切であると認識しております。
こうした観点から、計画案には、市民や事業者等と連携して手入れがされていない森林の間伐や植樹などを行う森づくりの促進のほか、民間の住宅や建築物及び市有施設における道産木材の利用の促進に向けた検討などの取組を盛り込んだところであります。
これらにつきまして、関係部局と連携し、
二酸化炭素の吸収量の確保に努めてまいりたいと考えております。
◆太田秀子 委員 取組推進の方向で、札幌市内の
再生可能エネルギーで賄う量というのも増えるという方向で示されています。地域の特性を踏まえて、地域に根づいた
エネルギーの開発もしながら、今、森林のお話もありましたけれども、産業を興すということも考えながら、
再生可能エネルギーを札幌市でも増やしていくことが大事だと思っています。
2016年4月の電力小売全面自由化以降、誰もが自由に電力会社を選べるようになりました。これにより、自ら太陽光発電設備を設置しなくても、家庭や事業所で使う電力を
再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることができます。CO2削減に積極的に参加することができる一つの方法になります。
経済産業省は、今お話にありましたとおり、送電線の利用を、これまでの先に接続していた事業者の電力を優先して送電線に乗せるというルールから、
再生可能エネルギー電力のほうを火力発電の電力より優先して流せる、こういう再エネ優先というふうに改める検討をしているところです。これが施行されるのを待ってから本市の事業をつくるというのではなくて、そうなったときには速やかに移行できるように取り組んでいただきたいと思います。
また、本市の取組の効果を高めるために、本市は、環境省が行っている省エネ住宅や省エネビルを建設する際に、市民や事業者に、直接、補助を行う制度があると聞いていますので、この制度を使いやすいように進めること、また、
再生可能エネルギー由来の電力を市民に積極的に使ってもらうために、先ほど市民アンケートのお話がありましたけれども、自ら使っていこうと市民の皆さんに思ってもらうような学習会をするなど、今からぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
計画には、都心部について、都市機能が高度に集積し、高密度に立地した業務系ビルを主体に多くの
エネルギーが消費され、
二酸化炭素排出量が突出して大きいエリアであると分析されています。都心部での
再生可能エネルギー導入については、地域新電力事業を立ち上げ、道内の
再生可能エネルギー発電事業との連携に取り組む、また、都心
エネルギーアクションプランでは、都心の低炭素化に向けて、建物建て替え時などの省エネビルへの誘導、地域新電力による再エネ電力の利用拡大などが取組目標になっています。やはり、都心部での取組もとても重要になります。
そこで、伺いますけれども、特に、現在計画されています都心部に多くのビルが建つ再開発事業の動向は、2030年の目標達成に大きく影響しますが、再開発と連動して都心部のCO2削減をどのように進めるのか、伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 都心部の
二酸化炭素排出の削減に向けた再開発と連動した取組につきましてお答えいたします。
都心部は、都市機能が高度に集積しておりまして、今お話にもありましたとおり、
二酸化炭素排出量が突出して大きいエリアであり、その削減に取り組むことは、市域全体の
二酸化炭素の排出削減を進める上で大変重要であると認識しております。
札幌市では、都心
エネルギープランに基づき、再開発事業などによる建て替えに合わせて、都心部のビルが排出する
二酸化炭素の削減を進めることとしております。その対策の一つとして、再開発事業者に対し、計画段階での札幌市との協議を求め、省エネ化に加え、地域熱供給や
再生可能エネルギーの導入といった
二酸化炭素の排出削減に結びつく取組を評価する新たな制度の導入を検討しております。この制度による評価結果の公表や、評価の高い建築物を対象とする表彰、支援などを通じて、今後の再開発事業につきまして、
二酸化炭素の排出削減を重視する方向へと誘導を図ることを考えており、制度の推進に向けて、所管するまちづくり政策局との連携に努めてまいりたいと考えております。
◆太田秀子 委員 このたびの定例会の議案でも、北1西5など、都市計画変更された区域内の条例改正案が出されていますけれども、既に計画されている再開発事業は、都心中心に広範囲に及びます。お話がありました新たな制度を導入して誘導していくということはもちろん賛成なんですけれども、今後の再開発ということなんですけれども、今も既に計画されてどんどん進んでいるものもたくさん建つんですけれども、そこに入っていく、事務所として使うのか、商業施設になるのか、たくさんの施設が、一つのビルに入りますからね、そういうところで今計画されているものも、新たな制度を待たないで、皆さんに低炭素にしてもらいたいんだということで取り組んでいただきたいなと思うんですよね。今後何十年も使われるビルになるんですから、その一つ一つが、やはり、建設の過程で低炭素化に資するものにならなければ、この2030年までの計画とかプランに反すると思うんです。計画中の再開発事業にも改めて適用していただきたい、そういう話合いをしてもらいたいと申し上げます。
最後の質問ですけれども、経済観光局の産業振興ビジョン、まちづくり政策局の都心アクションプランのことなどを伺いました。計画の推進に当たっては、多くの部局が関わることになると思いますが、部局間の連携をどのように図っていくのかを伺います。
あわせて、計画は、2021年から2030年まで、9年間の計画になっています。2030年の数値目標がありますけれども、その間の数値目標が設定されていません。先ほど検証について答弁されておりましたけれども、改めて、どのように2030年までの計画の進行管理を行っていくのかを伺います。
◎菅原
環境都市推進部長 計画の推進に当たっての部局間の連携と進行管理につきましてお答えします。
計画につきましては、
温室効果ガス排出量の削減実績や成果指標の達成状況等につきまして、毎年度、分析・評価を行い、札幌市環境審議会など外部の意見も伺いながら進行管理を行い、報告書として公表することを考えております。
また、進行管理の中で、関係部局の取組の進捗状況や取組を進める上での課題なども把握しながら、適宜、部局間の連携を図ってまいります。さらに、国の
気候変動対策の動向や札幌市の計画の進捗状況などを踏まえ、おおむね5年後をめどに計画の見直しにつきましても検討するなど、2030年の目標の達成に向けて計画を着実に推進してまいりたいと考えております。
◆太田秀子 委員 高い目標の達成には、やはり、横の連携、つまり部局間の連携をこれまで以上に強めていくことが必要です。まず、2030年という目標達成の期日が示されているのですから、やはり、年1回の進行管理だけではなくて、ふだんから担当者間の連携を図ってほしいと申し上げます。
温暖化の原因となる
CO2排出量の多い国の順が、中国、アメリカ、インド、ロシア、日本です。国連事務総長は、COP25の会見で、取組を強化すべき国としてこの5か国を名指ししました。地方自治体が率先して地域の課題に取り組む、本市で言えば、まず2030年の目標を達成していく、そういうことが国を動かす大きな力になります。ぜひ、十分な予算をつけていただいて、部局連携も強めていただいて目標達成に取り組んでいただくよう求めて、私の質問を終わります。
○村松叶啓 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○村松叶啓 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後2時33分...