札幌市議会 2020-10-05
令和 2年(常任)経済観光委員会−10月05日-記録
しかしながら、両病院が対応できる病床が満床になったときや、その他の理由により、受入れが困難になった場合には、当院が最終的にこれらの妊婦を受け入れる役割を担っているところでございます。
また、当
院かかりつけの妊婦が
新型コロナウイルス感染陽性と診断された場合においても、当院での出産に備え、しっかりと受入れを行っているところでございます。
今回購入を予定しております
分娩監視装置は、母体と胎児をモニタリングする装置でございまして、出産には必要不可欠な
医療機器のため、
新型コロナウイルスに感染した妊婦の受入れに備えて確保した個室に設置するものでございます。
今後も引き続き、必要な
医療機器の導入等を行いながら、総合周産
期母子医療センターとしての機能を充実させるとともに、
新型コロナウイルスに感染した妊婦さんへもしっかりと対応してまいりたい、このように考えてございます。
◆林清治 委員 ありがとうございます。
今の答弁で、
コロナ禍においても、
かかりつけの妊婦または他院から回ってきた妊婦を含めて、しっかり受け入れていくということをご答弁いただいたところであります。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、妊婦さんは、自分が感染したらどうしよう、胎児に影響があったらどうしようなど、不安を抱えているという声も多く聞かれるところであります。
安心して子どもを出産するため、
新型コロナウイルスに感染した患者への対応とともに、市内の
医療提供体制における
市立札幌病院が果たすべき機能の維持に今後とも努めていただくことをお願い申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
また、今回の
補正予算では、
院内感染防止対策の一環で、
各種システムの整備が盛り込まれており、その中で、
外来診療案内表示システム整備が挙げられております。
院内感染防止対策では、この
院内感染防止用診察室の整備を鋭意進めているというふうに聞いておりますが、さらなる対策が必要であり、今回、
案内表示システムの
補正予算を計上しているというふうに思っております。
そこで、次の質問ですが、この
システムを整備することとした背景はどのようなものなのか、伺いたいと思います。
◎日高
経営管理部長 外来診療案内表示システムを導入する背景についてでございます。
市立札幌病院では、従前から
事前予約診療を実施しているところでございますが、1日1,000名程度の外来患者が来院することから、これら外来患者が待合のために滞留し、
外来診察室付近での密集、密接が避けられない状態となっているのが正直なところでございます。
当院では、待合の椅子の間隔を空けるなどして、患者様に一定の距離を保って診察を待つよう促してはいるものの、診察室からの呼出しが届く範囲に患者さんが集中する状況が生じており、密状態の抜本的な解消には至っていないところでございます。
このような状況を踏まえまして、
外来診察室付近の密状態を緩和する取組を強化することとし、
院内感染防止の一層の徹底を図る観点から、今回の
外来診療案内表示システムを整備することとしたものでございます。
◆林清治 委員
外来診療における待合患者の密状態を緩和するための
システムであるということでありました。
市立札幌病院では、これまで、一人も
院内感染者を発生させておらず、感染予防が徹底されていると理解しておりますが、これからインフルエンザの流行期を迎えることも考えると、より一層の
感染防止対策を講じていく必要があります。
そこで、今回導入を予定している
システムが、有効に機能し、
院内感染防止の一助になることが肝要であると考えております。
そこで、次の質問ですが、現在想定している
システムの内容と、
案内システム導入により、市民にとってどのような効果がもたらされるのか、伺いたいと思います。
◎日高
経営管理部長 今回の
外来診療案内表示システムの内容と効果についてでございます。
今回導入を予定している
外来診療案内表示システムは、
外来診療の受付時に一人一人の患者様に番号を発行し、診察室から離れた
待合スペース等に設置するモニターや患者の
スマートフォンに番号を表示して、診察が近づいていることを知らせる仕組みを考えているところでございます。
この
システムにより、患者様は、診察室から離れた場所にいても診察の順番が近づいたことを知ることができるため、呼出しを聞くために
診察室付近で待つことが必ずしも必要ではなくなり、院内の空いている場所や、場合によっては、院外でも待つことが可能となります。
このため、
診察室付近の密状態の緩和が期待されるほか、患者様は、自分の診察が近づくまで、より自由に過ごすことが可能となるとともに、番号で診察室へ案内されるため、プライバシーへの配慮も図られることから、患者様への
サービスアップにも資するものというふうに考えているところでございます。
新型コロナウイルス感染症の終息がなかなか見通せない中、今回の
システム導入を通じて、
感染防止対策をさらに強化し、地域の医療機関を支える
市立札幌病院の役割をなお一層果たしてまいりたい、このように考えているところでございます。
◆林清治 委員 ありがとうございます。
今ご答弁のあったとおり、この機器が本当に早く導入されて、患者さんというか、病院の利用者の皆さんにも、安心して病院にかかれるように、しっかりと体制を取っていただきたいなというふうに思います。
最後になりますけども、今回の質問で触れたこの
分娩監視装置や
外来診療案内表示システムの導入により、
院内感染対策や市民の利便性が向上するというふうに思うところではございますが、いまだ感染終息は見通せず、今後も長期的な視点に立った医療体制の強化が必要になってくるというふうに考えております。
以前にも我が会派でも触れておりますが、
市立札幌病院が十分に
公的医療機関としての役割を果たすため、本市として必要な予算措置を講じることを、重ねて、我々としては、会派として要望しまして、今回の私の質問を終わらせていただきます。
○
前川隆史 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第10号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 異議なしと認め、議案第10号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時10分
再 開 午後1時11分
――――――――――――――
○
前川隆史 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第8号 令和2年度札幌市
一般会計補正予算(第6号)中関係分を議題といたします。
質疑を行います。
◆松井隆文 委員 私からは、今回の議案の経済費中商工費中観光費にあります
集客交流促進費追加の中の
観光施設利用促進費についてお伺いをいたします。
まず、この
観光施設利用促進事業についてですけれども、この事業は、観光客の誘客、そして周遊の促進を図るということで、今年の8月に
市内観光施設の入場料を無料化したというものを、来年2月の1か月にも実施するというものであります。
8月に対象となっていた施設から、
野外美術館が冬季休館する札幌芸術の森と、冬期間の通行止めとなる藻岩山の
観光自動車道、これは外れるということでありますけれども、この8月に実施した
観光施設利用促進事業は、報道によりますと、利用者の約8割が市民であったと。遠方の旅行を控え、地元の
観光施設を訪れたということでありますけれども、非常に多くの市民や観光客が利用し、札幌の夏を楽しんでいただいたというふうに感じているところであります。
そこで、まず質問ですが、この8月に実施されました
観光施設利用促進事業について、各施設の
利用実績、また、その評価についてお伺いをいたします。
◎石川 観光・
MICE推進部長 観光施設利用促進事業の夏の実績とその評価についてでございます。
観光・
MICE推進部関連の各施設の
利用実績の速報値につきましては、
藻岩山ロープウエーは、利用人数が約17万人、前年同月比163.5%、さっぽ
ろ羊ケ丘展望台は同じく約10万2,000人、122.3%、さっぽ
ろテレビ塔展望台は同じく約4万7,000人、93.7%、
大倉山展望台は同じく約14万6,000人、219.7%となったところでございます。
各施設からは、市民・道民の利用割合が7割から9割であったとの報告がございまして、
新型コロナウイルス感染症の影響下において、身近で観光を楽しむ機会の創出につながったものと考えているところでございます。
また、利用者によって、SNS等を通じて、それぞれの
観光施設が札幌の魅力として発信されるなど、将来の誘客にもつながる効果があったものと考えているところでございます。
◆松井隆文 委員 ただいまの答弁によりますと、各施設において、かなりの利用者数、また、前年比でもパーセンテージがかなり伸びていると、その中の多くが札幌市民であったということでありました。大変たくさんの方々の利用があって、また、SNS等による広がり、そういったものから、将来の誘客促進につながる事業だったということでございました。
今回、これらの
観光施設を初めて訪れた方、あるいはまた、久しぶりに訪れたという市民の方もたくさんいらっしゃると思いますが、改めて、この事業を通じて札幌のよさというのを実感していただいた方々、大勢いたというふうに思われますし、意義のある取組であったというふうに思います。
そこで、質問ですが、今回、2月の実施に向け、市民や観光客がより安心して利用できるようにするため、その課題認識についてお伺いをいたします。
◎石川 観光・
MICE推進部長 2月の実施に向けた課題認識についてでございます。
夏の
観光施設利用促進事業では、週末や、時間帯によっては混雑が生じたことや、事前の混雑情報を
ホームページ等で発信したものの、利用者には十分伝わらなかった等の課題があると認識してございます。
次は、冬期間における実施となるため、降雪などの天候によって利用が制限される施設について、
開館状況等の分かりやすい情報発信や、利用者が屋外待機する際の対策等が必要であると認識してございます。
今後、これらの課題について、各
施設管理者と協議を行いまして、市民や観光客が安心して楽しめるよう、必要な対策を講じてまいりたいというふうに考えてございます。
◆松井隆文 委員 ありがとうございます。
ただいま答弁いただいたとおり、時間帯とか、また曜日等によっては、どうしても混雑をしたり、密になったりと、そういったこと、また、次は冬という時期的な問題からしても、やはり、冬季は降雪があったり、屋外でお客様が並ぶといった、そういった様々な状況において課題が見えているということで、まだ時間はありますので、この2月の実施に向けて、しっかりと準備をするということが大事だということを求めておきます。
この2月の実施時も、多くの市民、また観光客が利用するというふうに思われますけれども、9月19日からイベントの開催制限も緩和されるといった中で、人の動きもさらに拡大していくのではないかというふうに思われるところであります。
今後、この
新型コロナウイルス感染症の状況にもよりますけれども、2月の実施時には、市民だけでなく、道内外からも多くの観光客が来てもらうような取組になることと思いますが、そこで、質問させていただきます。
冬のいわゆる閑散期に向けて、この取組をどのように道内外の観光客への誘客につなげていくのか、その点についてお伺いいたします。
◎石川 観光・
MICE推進部長 冬の閑散期に向けた
道外観光客の誘客ということでございます。
8月の実施では、
新型コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえまして、夏の
市内宿泊促進キャンペーンと同様に、道外に向けた
プロモーション活動を控えたところでございます。
現在、Go
Toトラベルが、東京を含む全国を対象としている状況を踏まえまして、2月の実施に向けては、
感染症拡大状況を十分に注視しながら、道内外問わず、誘客を行う考えでございます。
具体的には、冬の
市内宿泊促進キャンペーンなどの
観光需要喚起策と連携した
プロモーションを行いまして、この
観光施設利用促進事業を
誘客ツールの一つとして活用することで、道内外からの効果的な誘客につなげてまいりたいというふうに考えてございます。
◆松井隆文 委員 ありがとうございます。
まさに、
コロナウイルスの状況というものもしっかり注視しながらということでありますけれども、この2月の取組、また、この
観光施設の
利用促進事業だけではなくて、ほかの様々な観光の施策と言わば有機的にしっかりリンクさせて、道内外の観光客の誘客、これをしっかりとつなげていっていただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。
◆田島央一 委員 私のほうからは、
市内宿泊促進キャンペーン事業について、順次お伺いをしたいと思います。
まず、実施時期についてですが、冬の
宿泊キャンペーンの開始時期について、新聞記事では12月との報道もあったと承知しておりますが、今回の提案では、2月予定となっております。
宿泊割引の実施時期については、戦略的に設定すべきであると考えており、現在の
宿泊需要の低下を踏まえると、できるだけ早く事業を開始する必要性があるのかと考えます。
そこで、お伺いしますが、
市内宿泊促進キャンペーンの実施時期に対する札幌市の所見をお伺いします。
◎石川 観光・
MICE推進部長 市内宿泊促進キャンペーンの実施時期の考え方でございます。
冬期間の
観光需要を下支えしてまいりましたインバウンドの回復が当面は見込めないことや、国のGo
Toトラベルが1月末で終了することなどから、この冬の閑散期の需要喚起を図るため、冬の
促進キャンペーンにつきましては、2月からの実施を予定しているところでございます。
一方、宿泊業界からは、夏の
宿泊促進キャンペーンが終了しました9月以降は稼働率が再び低下する中、できるだけ早い段階で
観光需要の喚起策を実施してほしいとの強い要望をいただいているところでもございます。
こうしたことから、冬の
キャンペーンの実施時期につきましては、2月の実施を基本としながらも、市内の
宿泊需要の動向などを総合的に勘案した上で柔軟に判断してまいりたいというふうに考えてございます。
◆田島央一 委員 承知をしました。
今、柔軟に考えていくということで、2月から開始ではあるが、1月の状況、12月だとかの状況を見てということの判断だということで理解をいたしました。
多分、Go Toで来られる方が、その時期、どういうふうな動きになるのか、ほかの地域での状況で、また変わってくると思いますんで、
先ほど答弁いただいた柔軟に対応していくということは、必要な考え方かなと思っております。
それでは次に、
市内宿泊促進キャンペーンの制度内容についてですが、夏の
宿泊割引では20万人泊分の予算であったが、今回の冬の
宿泊割引では倍増の40万人泊分の予算が提案されております。
コロナ禍で落ち込んだ
観光需要を回復させるため、インパクトのある事業規模であると感じております。
そこで、お伺いをしますが、
市内宿泊促進キャンペーンの
対象者数の設定に対する札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 市内宿泊促進キャンペーンの
対象者数というご質問でございます。
夏の
キャンペーンでは、Go
Toトラベル開始前の1か月間の需要喚起を目指しておりましたけれども、冬の
キャンペーンにおきましては、Go
Toトラベル終了後にも
宿泊需要を継続させるため、2月からの2か月間の利用期間を設定したものでございます。
また、夏の
宿泊割引が1か月間で20万人泊分をほぼ完売させた実績を考慮いたしまして、冬の
宿泊割引では2か月間で40万人泊分の予算案を提出させていただいたところでございます。
なお、
宿泊者向け飲食店に使えますクーポンについても、
対象者数を夏と同数の40万人泊分といたしまして、今回は
宿泊割引とクーポンをセットとすることによりまして、
キャンペーンの魅力がより高まり、
観光需要を喚起する効果が十分に期待できるものと考えているところでございます。
◆田島央一 委員 承知をしました。
今回の
キャンペーンとクーポンですね、クーポンはセットでということで理解をいたしました。
夏のときとは、ちょっと、制度が若干違ってくるような形になると思いますが、非常にこれは魅力的な取組であると私も感じておりますし、実は、夏にも私、使わせていただいて、
市内宿泊をさせていただきました。
本当に、
宿泊施設が、いろんなサービスがあるので、そこで使えたり、ほかのところでも使えたりということがありますので、それを使って、さらに
経済波及効果をどんどん広げていかなければならないのかなと思っております。
また、道内の方もなかなかこの
キャンペーンを知らなくて、来てみたら、こんなに札幌市はサービスをしているんだと驚いている声も聞かれましたので、ぜひとも、今回は宣伝をしっかり道内でもして、それがあるんだったら、もっと来ようというようなところの取組も進めていただきたいなとも思っております。
それでは、
コロナウイルスの
感染状況がこの後どのようになるかは不透明でありますが、
コロナウイルス感染が第3波の段階に入った場合に
キャンペーンを継続するのか否かの判断も重要であると考えます。
コロナウイルスが完全に終息しない中、様々なことに配慮をして事業を進めるべきと考えます。
そこで、お伺いしますが、
ウィズコロナにおける本事業の推進に対する札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 ウィズコロナでの事業推進についてということでございました。
本事業は、
コロナ禍で大きな影響を受けた
宿泊事業者をはじめといたしました
観光関連事業者の業績回復を図るため、
宿泊需要を喚起するものでありますが、その推進に当たりましては、
感染状況を十分に注視しながら進めていく必要があるというふうに考えてございます。
したがいまして、
参加事業者に新
北海道スタイルなどの
感染防止対策を徹底していただくことはもちろんのこと、例えば、国の
緊急事態宣言で
外出自粛等の制限が発令された場合には、諸般の事情に鑑みながら、事業を中止することもあり得るというふうに考えているところでございます。
◆田島央一 委員 承知をしました。
そういったことがないのが一番でありますが、そういった備えもしているということで理解をいたしました。
今回の
市内宿泊促進キャンペーン事業については、非常に期待も大きいところでありますし、市民中心で、なかなか
札幌市内に泊まることがなかった人が、また泊まっていただくことによっての経済効果もあります。
あと、私の母の実家が旅館をやっていまして、やっぱり各自治体、ここは札幌市ではないんですが、各自治体の取組によって、やっぱり宿泊者数というのは相当大きく増えたというような状況を聞いております。
やっぱり支援の策があったときには、どーんと、やっぱり人が増えてということがありますんで、そこに対する業界全体の要望も非常に高いものがあるから、
先ほど答弁の中で業界団体から前倒ししてもやってほしいという声があるのは非常に理解ができます。
そういったこともあるんで、1問目でお答えがありました基本は2月からということではありますが、前倒しするということも柔軟に考えていくという答弁もありましたんで、ぜひとも状況に合わせた取組を進めていただきたいなと思っております。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
次は、
ウインタースポーツ普及振興費の補正についてお伺いをしていきます。
本市においては、
ウインタースポーツ普及振興に資するため、
スキー場リフト料金の助成や、
スキー学習の実施を下支えする取組を進めてきたと承知をしております。
このうち、
リフト料金の助成については、昨年の第2回
定例市議会において、それまでスキー場での
スキー学習が始まる小学3年生を対象にしていたものを、小学校の3年生から6年生までに拡大し、
ウインタースポーツの裾野拡大に取り組まれてきたとしております。
また、
市立中学校の
スキー学習の実施率は、平成20年度には3割を切るところまで落ち込んでおりましたが、インストラクターを派遣して
スキー学習を支援することによって、近年は9割近くまで回復していると聞いており、
ウインタースポーツの普及振興につながっているものと一定の評価をしております。
このような中、第5弾となる
新型コロナウイルス感染症対策において、
ウインタースポーツ普及振興費に、
スキー場リフト料金助成の拡大と、
スキー学習における3密対策のバス増便に対する支援が盛り込まれ、
補正予算としても計上されることとなりました。
そこでまず、質問ですが、この
補正予算で
ウインタースポーツ普及振興費を追加する目的と経緯についてお伺いします。
◎田中 スポーツ部長
ウインタースポーツ普及振興費追加の目的と経緯についてでございます。
今回の補正のうち、まず、
リフト料金の助成につきましては、スキー場との情報交換の場におきまして、昨シーズンの末から大幅に来客数が減少し、今期も同様に厳しい見通しであるとのお話をお聞きしたところでございます。
このため、今季に限りまして、対象を市内全ての小・中学生に拡大することで、
コロナ禍における運動機会を確保しつつ、スキー場の利用促進を図ることにしたものでございます。
また、
スキー学習の支援に関しましては、行き帰りのバス内での密を避けるためにバスを増便する必要があるものの、新たな費用負担が生じるため、多くの学校から
スキー学習自体を断念せざるを得ないという声が寄せられていたところでございます。
そこで、
スキー学習の機会を確保するために、市の教育委員会とも調整を重ねまして、バスの増便に伴う費用の増加分について支援することとしたものでございます。
こういった取組によりまして、比較的に密を避けやすい屋外スポーツでもあるスキーに親しむ機会を提供することによりまして、
コロナ禍におけます子どもたちの運動機会の確保につなげてまいりたいと考えているところでございます。
◆田島央一 委員 承知をしました。
これまで、スポーツ局のほうで取り組んでこられて、一度下がったスキー授業の実施状況が9割近くまで改善したという経過もありながらの今回の支援策だというふうに理解をいたしました。
確かに、外で学習する機会でもありますんで、ぜひともこういう機会をしっかり確保できるような後押しが、一番できればいいなと思っております。
あと、これは、スキー授業の支援というところもありますが、バス事業者の需要も相当落ち込んでおりますんで、そこを支援するという意味合いもあると思いますんで、一石二鳥と言ってしまえば、そういう形になりますが、本当にいい効果を出していただきたいなと思っております。
それでは、次の質問に移ります。
今回の
ウインタースポーツ普及振興費の補正については、
コロナ禍における子どもたちの運動機会の確保につながるものと理解をいたしました。
私としても、
コロナ禍ではなくとも、ただでさえ運動機会の減る冬期間において、子どもたちの健全な心身発達のため、
ウインタースポーツの機会を広く確保することが重要だと思います。
今回の
補正予算では、
スキー学習のバス増便支援は市立学校のみを対象とし、
札幌市内の道立学校は対象外になると聞いております。道立学校を所管する北海道におきましても、
コロナ禍における修学旅行などの支援策として教育旅行支援事業というバス増便支援事業を実施しており、この事業を適用すれば、道立学校においても
スキー学習が取り組みやすくなるとも考えます。
そこで、お伺いしますが、この事業を進めるに当たって、北海道と連携して取り組むことも効果的ではないかと思いますが、その点について、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎田中 スポーツ部長 北海道との連携についてお答えいたします。
スキー学習におけるバス増便の支援につきましては、札幌らしい特色ある学校教育のテーマに雪を掲げる札幌市といたしまして、
コロナ禍にあっても
スキー学習が実施されるように取り組む必要があるものと考えまして、市の教育委員会と調整しながら事業を構築したところでございます。
委員がご指摘のとおり、この事業を進めるに当たりまして、北海道と連携することができれば、より多くの学校で
スキー学習の機会が確保され、ひいては、
コロナ禍におけます子どもたちの運動機会の確保にもつながることが期待できるところでございます。
このため、道立高校を所管いたします北海道との情報共有を進めまして、
スキー学習の機会が失われることのないよう働きかけてまいりたいと考えているところでございます。
◆田島央一 委員 承知をしました。
札幌市立の学校で全てスキー授業をやっているわけではないんですが、話を聞くと、藻岩高校と私の地元にある新川高校と、授業のほうをしていると承知をしておりますんで、ぜひとも、そこだけでなく道立の部分も、広く、やはり対象となっていけば一番いいんじゃないかなと思っております。
最後に、要望をさせていただきますが、2030年の冬季オリンピック・パラリンピックの招致を目指す札幌として、その招致活動に市民の理解をいただくためには、広く市民の皆様に
ウインタースポーツに親しんでもらうことが殊のほか重要であると考えます。
今後、我が党の道議も通じて、北海道のほうに対して働きかけをしていきたいなと思っておりますし、札幌市としても、改めて北海道に働きかけていくことを求めて、私からの質問を終わらせていただきます。
◆小口智久 委員 私からは、ワークフェスさっぽろ事業と
市内宿泊促進キャンペーン事業について、順次質問をさせていただきます。
まず、ワークフェスさっぽろ事業についてですけれども、さきの第3回
定例市議会の代表質問で、
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた雇用対策について質問をしたところ、ワークフェスさっぽろの開催等、求職者に寄り添った切れ目のない支援を継続するとの答弁をいただきました。
令和2年8月の札幌圏の有効求人倍率は、0.80倍と1割を割り込み、前年同月と比較いたしますと、0.35ポイント悪化し、8か月連続で前年同月を下回っております。
企業からの求人が激減している状況の中、
コロナ禍の影響により、生活様式だけではなく、企業の採用活動や合同企業説明会もオンラインへの移行が進んでおります。
オンラインによる就職活動は、自宅から気軽に参加できるというメリットがある一方、日常生活でパソコンの利用が少ないシニア世代の方、インターネット環境のない方が求職活動に参加することは困難であり、企業の生の声を聴く機会が失われることが懸念されております。
また、オンライン面接は、対面型とは勝手が違い、求職者と企業の採用担当者、双方ともにお互いの細かい表情や熱意などが伝わりにくいという点があると伺っております。
こうした状況の中、ワークフェスさっぽろ事業において、オンライン型ではなく、あえて対面型の合同企業説明会を開催することは、求職者と企業の接点を創出するものであり、有意義な機会であると考えます。
そこで、質問ですが、今回の合同企業説明会について、求職者等に対して有効な支援とするため、
コロナウイルス感染症の拡大防止の観点も踏まえ、どのように運営をしていくのか、伺います。
◎小野塚 雇用推進部長 合同企業説明会の運営方法についてということでございます。
まず、入場前の検温ですとか、飛沫
感染防止対策等を講じるのはもちろんでございますけれども、一度に大人数が集まらないように、11月と2月、それぞれ4日間の開催とすることによりまして、参加者を分散させるほか、会場のレイアウトにつきましても、ソーシャルディスタンスを確保するなど、
コロナウイルス感染症の拡大防止には最大限の注意を払いまして開催したいと考えてございます。
また、各企業の説明ブースとは別の会場に面接ブースを設けまして、採用選考に直接つなぐことで、早期に再就職に結びつくように工夫して運営してまいる予定でございます。
さらに、参加者の方々には、就業サポートセンターの求職登録をしていただくこととしておりまして、合同企業説明会の終了後にも個別支援を継続できるように、効果的な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
◆小口智久 委員 感染症の拡大防止対策に最大限の注意を払うのはもちろん、採用に至らなかった場合は、就業サポートセンターの活用等により、きめ細やかに就職支援を行っていただきたいと思います。
続いて、この合同企業説明会と同時に開催されるテレワーク機器の展示体験会についてお伺いいたします。
札幌市が今年実施した緊急調査によりますと、
新型コロナウイルス感染症への対応として、テレワークを実施した事業者は、3月の17%から、5月には37%へと倍増しているとのことです。
しかし、民間調査結果では、
緊急事態宣言が解除された後の首都圏において、テレワークの実施率が低下し、本市においても同様の傾向が見られるのではないかと推察しております。
テレワークは、感染症対策だけでなく、通勤時間の削減や業務効率の向上、個々の希望に応じた働き方の実現など、労働者側にとって多くのメリットがありますが、業務管理や人事評価の困難さのほか、コミュニケーションへの支障などの課題が指摘されており、テレワークの継続を困難にした一因と考えられます。
さらに、家庭の通信環境等が脆弱であった、家庭環境により集中できなかったなど、今回テレワークに取り組んだことで労働者側の課題も明らかになり、企業に対するテレワーク導入支援と併せて、従事する労働者に向けた支援についても、これまで以上に積極的に取り組むべきと考えております。
そこで、質問ですが、テレワークを新たな働き方の一つとして定着させるため、労働者への支援を今後どのように取り組んでいくつもりなのか、伺います。
◎小野塚 雇用推進部長 テレワークに係る労働者向けの支援についてということでございます。
札幌市では、このたびの
コロナ禍の影響に対応いたしまして、中小企業等を対象といたしましたテレワーク等導入補助金の大幅な拡充を通じまして、テレワーク導入を推進してきたところでございます。
さらに、今回
補正予算案として提出しておりますテレワーク機器の展示体験会では、労働者向けといたしまして、在宅勤務やモバイルワークの留意点等についてのセミナーを開催したりですとか、ウェブ会議
システムなど代表的なアプリの体験コーナーを設置することといたしております。これによりまして、テレワークへの理解が一層進むことを狙いとしているところでございます。
また、ご指摘のとおり、企業等におけるテレワークにつきましては、労働者側の課題というものが明らかになってきているところでございます。
札幌市のテレワーク等導入補助金を活用した企業へのヒアリングですとか、今回のワークフェスさっぽろにおけますアンケート等によりまして、参加者の生の声を的確に把握し、テレワーク定着に向けた効果的な支援策について検討してまいりたいと考えてございます。
◆小口智久 委員
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、今後さらに、在宅勤務などテレワークでの就労を希望する労働者が増えていくことが予想されます。
就業者が希望する働き方を実現するだけでなく、テレワークを導入する企業等においては、就業規則等を整備するなど、安心して働くことができるよう、導入から定着に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
続きまして、
市内宿泊促進キャンペーン事業について伺います。
今回の
キャンペーンは、「さぁ!サッポロ夏割」に続く第2弾となります。
夏割は、どうみん割とGo
Toトラベルの隙間を埋めるように、スピード感を重視して、短時間で制度設計を行い、切れ目なく支援を行うことを狙ったものでありました。しかし、国の
キャンペーンであるGo
Toトラベルが予定より早期に始まったことで、札幌市独自の
キャンペーンである夏割と実施期間が重なり、全国的に感染症が増加傾向の中、現場は混乱したのではないかと考えます。
私自身、市民の方々に、どうみん割、次は夏割、次にGo
Toトラベルと、
宿泊キャンペーンが切れ目なく続きますので楽しみにしてくださいと言っていた手前、こうした重なってしまった現状に戸惑いを感じたことを覚えております。
冬割の
キャンペーンを実施するに当たり、夏割の
キャンペーンでの様々な経験と反省を生かし、さらに魅力ある札幌を市民の皆様に知っていただき、利用していただけるよう、効果的な制度にすることが肝要であり、前回の取組をしっかりと検証すべきと考えます。
そこで、質問ですが、夏の
宿泊促進キャンペーンの実績と評価について伺います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 夏の
市内宿泊促進キャンペーン事業の実績と評価についてでございます。
まず、実績につきましては、一泊5,000円を割り引く
宿泊割引では、20万人泊分のうち、約19万7,000人泊分となります98.5%の
利用実績があったところでございます。
また、飲食などで使えます宿泊者向けクーポンにつきましては、実際に使用した金額につきましては、集計中ではございますけれども、40万人泊分のうち、約39万8,000人泊分となります99.5%を配付したところでございます。
また、評価につきましては、割引額が大きく、シンプルな制度としたことなどから、
利用実績が極めて高かったことや、前年比3割以下に落ち込んだ稼働率が
キャンペーン期間中は5割前後まで回復したとの報告があるなど、
宿泊事業者を中心とした幅広い
観光関連事業者の経営を一定程度下支えすることができたものというふうに考えてございます。
◆小口智久 委員 今答弁がありました宿泊、またクーポン券、98.5%と99%超えということで、また、3割ぐらいまで運営が下がっていたものが5割まで回復したということで、一定の効果があったということでございます。
我が会派は、6月の要望書提出、さらに、7月の
経済観光委員会において、
コロナ禍の中、札幌市民が札幌観光を行うこと、言わば観光消費の域内循環の重要性を主張してまいりました。夏割の
キャンペーンでは、市民ニーズに合致し、経済の域内循環やシビックプライドの醸成につながるなど、その効果を高く評価しております。
そこで、質問ですけれども、夏の
宿泊促進キャンペーンにおける市民利用の実績と、市民利用が促進されたことによって、どのような効果があったと認識しているのか、伺います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 夏の
市内宿泊促進キャンペーンの市民利用の実績とその効果についてでございます。
宿泊割引の市民利用につきましては、居住地が明らかになっております約16万2,000人泊分のうち、約7万2,000人泊分となります45.1%の
利用実績がありまして、多くの市民に利用していただいたところでございます。
これは、
コロナ禍におけます遠方への旅行が敬遠される中、ふだんは宿泊しない近場の市内ホテルを利用する非日常的な体験を望む市民が多かったことなどによるものと推測されるところでございます。
市民利用が促進されたことによりまして、感染拡大の影響で大きく落ち込んだ
観光需要の回復に一定の効果をもたらしただけではなく、市民が札幌観光の魅力を再発見するきっかけとなったというふうに考えているところでございます。
◆小口智久 委員 最後、要望になります。
今、利用者、分かっている範囲ですけれども、市民の利用が45.1%ということで、市民の方々の魅力再発見ということができたということでございます。
10月から、国のGo
Toトラベルの対象に東京都発着の旅行が追加されるなど、客足が次第に増えてきたと、
観光施設の方も、私も聞いているんですけれども、また、インバウンドの回復が見込まれない中、本格的に観光客が戻るまでにはしばらく時間がかかるという状況でございます。
この冬割が実施される2月というのは、Go
Toトラベルも終わり、観光業界は閑散期となります。
ウインタースポーツや雪まつりなど、札幌ならではの冬の楽しみ方を発信し、夏割よりもさらに大勢の皆様に冬割を活用していただけるように取り組んでいただくことを要望して、私からの質問を終わります。
◆村上ひとし 委員 先ほど、リフト代の学校の助成で質疑がありましたけれども、1点お伺いしたいと思うんですが、今年度限りの助成ということであったと思うんですけれども、私は、今年度限りではなくて、来年度以降も継続する必要があるんじゃないかなと思いますけれども、いかがですか。
◎田中 スポーツ部長 現在の
リフト料金の助成の関係についてでございます。それを来年度もというお話でございます。
先ほどご答弁差し上げましたけれども、今回の経緯につきましては、スキー場の情報交換の場で、なかなか来客数が減少して今季も同様に厳しい状況であるといったことを踏まえまして、さらには、
コロナ禍における運動期間の確保という観点から実施したものでございます。
来年度につきましては、そのコロナの状況等もございますけれども、基本的には、コロナの状況であるとか、その他の状況を含めて判断してまいりたいというふうに考えております。
◆村上ひとし 委員 いや、そのとおりだと思うんですよね。
昨シーズンから大幅にスキー客が減って、スキー場も大変だと。それから、子どもの
コロナ禍での運動不足も、これも深刻だと思います。
それから、バスの助成についても、学校で
スキー学習をなかなか行うことができない状況下にある。3密の課題ですね。
これは、コロナ危機はしばらく継続する可能性もありますし、そういった意味では、今お答えがありましたけれども、昨シーズンもスキー場の利用客が大幅に減っている状態だったり、あるいは、子どもの運動不足の解消が必要だということがあれば、助成を今までどおり、今年度と継続する可能性はあるということでいいですか。
◎田中 スポーツ部長
先ほど答弁したとおり、
コロナ禍の状況であるとか、その他、いろいろな状況を踏まえて判断してまいりたいというふうに考えております。
◆村上ひとし 委員 これ、私、以前もスポーツ局の皆さんに質問をさせていただいて、そのときには、拡充は検討していないということでありましたけれども、今回は、このような状況下で拡充をするということはすばらしいことだというふうに思いますし、ぜひ、子どものスポーツに取り組むということも、スポーツ局で大いに支えていくという点からも、来年度も継続をすべきだと思いますし、教育委員会ともよく協議をしていただきたいというふうに思います。
ぜひ、来年度以降も同様のリフト代の助成をしていただけるよう要請をいたしまして、終わります。
○
前川隆史 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第8号中関係分を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 異議なしと認め、議案第8号中関係分は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時52分
再 開 午後1時53分
――――――――――――――
○
前川隆史 委員長 委員会を再開いたします。
最後に、令和元年8月24日に発生した札幌もいわ山ロープウェイ搬器衝突事故後の対応状況に関する報告についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎芝井 観光・MICE担当局長 令和元年8月24日に発生いたしました札幌
藻岩山ロープウエーの搬器衝突事故につきましては、同じく令和元年9月30日の
経済観光委員会で、事故の状況や当面の対応策などについてご説明をさせていただきました。
その後、札幌振興公社におきまして、安全管理体制の改善計画をまとめ、様々な取組を推進してまいりましたので、本日は、その改善計画の内容とその実施状況についてご報告をさせていただきます。
今後も、札幌市の観光施策の中で札幌振興公社が担っている役割の重さと、出資者としての札幌市の責任を踏まえながら、指導・監督を行ってまいりたいと考えております。
それでは、概要につきまして、観光・
MICE推進部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のほどをお願いいたします。
◎石川 観光・
MICE推進部長 札幌
藻岩山ロープウエー搬器衝突事故後の対応につきまして、お手元にお配りいたしました資料に沿ってご報告をさせていただきます。
まず、1の事故の概要についてでございます。
事故の概要につきましては、昨年の
経済観光委員会でもご説明申し上げましたが、改めて、簡単にご説明させていただきます。
まず、事故状況でございますが、株式会社札幌振興公社が所有、運営いたします札幌
藻岩山ロープウエーにおきまして、令和元年8月24日の18時42分、運行中に過負荷検出装置が過電流を検知いたしまして、非常ブレーキが作動してロープウエーが停止いたしました。この停止の反動で、2台ある搬器、いわゆるゴンドラが大きく前後に揺れまして、搬器の上部が支柱構造体下部に接触したものでございます。
事故当時は、下りの1号搬器は乗務員1名、上りの2号搬器は乗客64名と乗務員1名が乗車しておりましたが、このうち、下り1号搬器の乗務員1名と上り2号搬器の乗客6名が負傷いたしました。乗客1名が半月板損傷の重傷、残り6名が軽傷でございました。
事故の原因でございますが、非常ブレーキが作動した原因は、過電流制御装置にアンバランスが発生したことと、過負荷検出装置が誤作動を起こしたことによるものでございます。
また、停止後に搬器が大きく揺れ、支柱に衝突した原因は、ブレーキの制動距離が過少に設定されていたことによるものでございます。
次に、2の事故後の指導状況についてでございます。
まず、北海道運輸局に対しましては、札幌振興公社が9月13日に原因究明と再発防止対策に関する報告書を提出いたしまして、翌日の試験運行を経て、9月15日に運行を再開いたしました。
その後、安全管理体制についての検討及び北海道運輸局との調整を経まして、本年2月7日に安全管理体制及び利用者への周知に関する報告書を提出いたしました。
札幌市の対応といたしましては、事故翌日の8月25日に、原因解明と利用者の安全確保、速やかな情報提供につきまして、口頭で指示したほか、9月20日には、利用者の安全を最優先とした運行や関係機関への速やかな報告、安全管理体制に万全を期すること、さらには、きめ細やかな情報発信などにつきまして、文書で指導しております。
また、10月2日に開催された同社の取締役会におきましても、経済観光局長から、安全管理体制に万全を期すことや、市民、観光客への丁寧な情報発信等を改めて求めたほか、事故に関し、何らかの形で責任を取るべきであることを指摘いたしました。
また、札幌市に対しましても、北海道運輸局へ提出いたしました安全管理体制及び利用者への周知に関する報告書が本年2月7日に提出されております。
その後、ロープウエーにつきましては、本年3月16日から4月24日までは、点検、整備のため、運休いたしまして、非常用ブレーキの分解整備や電気点検、制動試験等を実施したほか、利用者の増加が見込まれます
観光施設利用促進事業、いわゆる
観光施設無料
キャンペーンの開始前となります7月31日には、予備原動機による救助訓練を実施しておりまして、その都度、札幌市にも報告があったところでございます。
続きまして、3の機器交換・調整についてでございます。
非常停止の原因となる誤作動を起こしました過負荷検出装置の交換は9月4日に、それと、停止時に搬器が大きく揺れた原因となりましたブレーキの制動距離の調整につきましては9月5日に、それぞれ完了いたしております。
また、安全に万全を期すため、本年1月には電気制御装置の基板を交換しております。
次に、4の安全管理対策の改善計画とその実施状況についてでございます。
こちらは、本年2月に振興公社が北海道運輸局に提出いたしました安全管理体制及び利用者への周知に関する報告書に記載した課題とそれに対する改善策につきまして、現在までの実施状況をまとめたものでございます。
各改善内容の項目の先頭に、既に実施しているものには丸、検討・準備段階にあるものには三角の記号を記載しておりまして、20項目のうち、19項目は実施済みで、検討・準備段階にあるものは1項目となっております。
実施内容につきまして、主なものを抜粋してご説明させていただきます。
まず、(1)の整備実施体制の強化についてでございます。
課題といたしまして、部品交換や機器調整などのメーカーへの委託に際し、作業内容や役割分担の確認が不十分であったことや、各種設備を調整する際の基準値が明確化されておらず、調整作業の必要性について十分に認識していなかったといった点がございました。
これに対します改善内容といたしましては、工事、点検などの発注時に、あらかじめ作業項目などを確認して契約書に明記するとともに、振興公社の職員が作業に立ち会い、作業内容や結果を確認することといたしました。
また、各種設定数値や作業要領を盛り込んだ整備マニュアルを作成いたしましたほか、制動試験の際は、目視による点検に加えまして、必要に応じて係員が搬器に乗車して揺れの状態を確認することとしております。
(2)アの社内安全管理体制の強化につきましては、安全統括管理者への報告や指示の伝達が適切に行われていなかったほか、内部監査が形式化し、現場の実態が適切に把握されていなかったことなどが明らかになりました。
これに対しましては、コンプライアンス意識の徹底を図るため、全社員を対象としたコンプライアンス研修を実施することといたしております。
また、安全管理体制強化のため、常勤の取締役を安全統括管理者に選任したほか、安全統括管理者と現場職員が参加する技術安全会議を開催し、施設整備、安全管理に関する情報共有を図ることといたしました。
続きまして、イの事故対応体制の明確化につきましては、事故発生時に責任者が不在だったことに加えまして、役割分担についての理解不足や、緊急連絡網の不備により、初動対応における混乱や、メーカーや関係機関への連絡、報告の遅れが生じました。
これにつきましては、事故発生時対応マニュアルを改定いたしまして、初期対応の指揮命令系統を明確化し、管理職を常時配置し、事故発生時は運行管理者と共に事故対応を行う体制としたほか、毎日始業時に役割分担を確認し、周知徹底を図ることとしております。
ウの負傷者の把握・対応についてでございます。
体調不良の乗客がいたにもかかわらず、救急車の手配が遅れたことや、乗客の状況把握に関する訓練を行っていなかったという課題がございました。
これに対しましては、事故発生時の乗客把握記録要領を定め、乗客誘導訓練を実施したほか、負傷者がいる場合には、程度にかかわらず、速やかに救急車を要請することといたしました。
次に、(3)の専門人材の採用・教育についてでございます。
索道整備に関します経験・知識不足から、電気設備に関してはメーカー任せとなっていたことから、索道メーカーが開催する研修の受講者を拡大するほか、電気技能・知識を持つ技術系職員を計画的に採用することとしております。
なお、こちらに記載している改善内容の1項目めが、検討・準備段階にあるものとなっておりますが、これは、
新型コロナウイルスの影響によりまして、今年度受講予定でありました研修が中止になったほか、有識者とのアドバイザー依頼交渉が進められなかったことによるものでございまして、研修につきましては、代替措置として社内で技術研修を実施しております。
続きまして、(4)広報関係でございます。
観光客への運休の周知が不十分だったことや、報道機関への速やかな情報提供ができなかったことを踏まえまして、ロープウエーの運行情報を分かりやすく提供するために、ホームページを改善し、市内の
宿泊施設で多言語の案内表示を行う体制を整備したほか、利用者及び報道機関への情報提供に関するマニュアルを整備いたしました。
続きまして、(5)の代替輸送の手配についてでございます。
事故発生時は、自社のマイクロバスによりまして、乗客を山麓駅まで輸送したものの、多くの利用者がいた中腹駅の混雑が続いたことや、代替輸送の検討に時間を要したことなどから、あらかじめバス会社と調整し、緊急時はバスにより代替輸送を行う体制を整備したほか、運休の長期化が見込める場合には、タクシーの
観光自動車道料金を無料とすることといたしました。
最後に、5の職員の処分状況についてでございます。
本年2月7日に安全管理体制及び利用者への周知に関する報告書が北海道運輸局に受理されたことを受けまして、3月19日付で今回の事故に関する職員の処分を行っております。
表に記載してありますとおり、課長職、係長職、一般職の各1名を出勤停止、課長職1名を減給、常務執行役員及び係長職の各1名を譴責、代表取締役社長と常務取締役のほか、部長職1名及び係長職2名を訓告としております。
○
前川隆史 委員長 それでは、質疑を行います。
◆松井隆文 委員 ただいまの
藻岩山ロープウエーの事故の対応についての報告を受けまして、安全管理体制の確立について、私から質問させていただきたいというふうに思います。
まず、この藻岩山は札幌有数の観光スポットということでありますけれども、この事故におきまして、その一連の対応というものは、マスコミにも連日大きく取り上げられておりました。藻岩山の観光ブランドというのを損ねる結果になってしまったということは、大変残念に思うところであります。
この事故の重大性を認識して、二度とこういった事故を起こさないよう、あらゆる対策を講じていただきたいという観点から、質問をさせていただきます。
藻岩山ロープウエーを所有、運営する株式会社札幌振興公社から今年2月に出されたこの報告書では、数多くの改善点というものが掲げられております。
その中でも、現場の職員の専門的な知識の欠如、これは改善すべき重要な問題点の一つであるというふうに考えております。メーカー任せの整備、点検が当たり前になっていたということは、職員に専門的な知識があれば防げたものではないかというふうにも感じるところであります。
札幌振興公社にとって、専門的な人材の育成は、迅速かつ継続的に取り組むべき重大な課題であるというふうに思うところであります。
そこで、質問ですが、この事故後、専門人材の育成をどのように進めてきたのか、伺います。
またあわせて、今後の具体的な育成計画についても伺いたいと思います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 専門人材の育成についてでございます。
索道整備などに係る社員の技術水準を向上させる目的で、メーカーの協力を得まして、新たな整備マニュアルを作成し、社内教育に活用しておりますほか、機械の構造やメンテナンスに関します技術的なアドバイスを受けながら、人材育成に取り組んでいるところでございます。
今年度は、メーカーや索道協会が開催いたします技術研修への参加や、有識者によります現場教育も予定しておりましたけれども、
コロナ禍の影響により実施できなかったことから、状況の好転を待ちまして実施する予定となってございます。
また、人材育成に加えまして、今年4月には、電気設備に関する経験が豊富な社員を設備担当の係長に登用するなど、中長期的な視点で専門人材の採用と登用を計画的に進めていくこととしてございます。
◆松井隆文 委員 今、今後の育成計画については、その実効性が上がるように、札幌市としてもしっかりと実施内容の確認というものを行っていっていただきたいというふうに思うところでありますが、今回の事故では、この
藻岩山ロープウエーの運営について、挙げられておりますように、多くの課題が明らかになったわけですが、今回の事故というものは、藻岩山の問題だけというふうには捉えてはいけないというふうにも考えております。
札幌振興公社は、
藻岩山ロープウエーのほか、大倉山のジャンプ競技場のリフトの運営といったものも行っております。こちらも、大変公共性の高い施設として、利用者の安全性をより高める責任があるものと考えております。
両者とも同じ索道事業でありまして、共通する課題が多いというふうに思われますことから、この藻岩山の事故を教訓に、大倉山の安全管理体制もしっかり見直すべきではないかというふうに考えるところであります。
そこで、質問ですが、今回の事故を契機にいたしまして、大倉山ジャンプ競技場のリフト運営のほうに係る安全管理体制、こちらはどのように改善させたのかを伺います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 大倉山ジャンプ競技場のリフトの安全管理体制についてでございます。
藻岩山ロープウエーと施設規模や運用方法の違いはありますものの、藻岩山の検証に基づきます改善内容につきましては、保守点検レベルの向上の取組や事故発生時対応マニュアルの改定など、大倉山リフトに取り入れられるものは全て実施し、安全性の向上に取り組んでいるところでございます。
さらに、藻岩山と大倉山の担当者が、安全管理体制につきまして、相互に内部監査を実施することによりまして、緊張感を持ちながら、互いの安全管理体制を高め合うなど、組織全体としての水準強化を図っているところでございます。
◆松井隆文 委員 今日のこの委員会の中で、先ほど
観光施設の
利用促進事業といった中でも誘客の話が出てまいりましたけれども、やはり、この藻岩山、そして大倉山といった、札幌市にとって大変重要な施設であるというふうに考えておりますので、繰り返しになりますけれども、この事故の重大性というものを認識して、二度とこうした事故を起こさないように、あらゆる対策を講じていただきたいということを改めて申し上げまして、私からの質問を終わります。
◆林清治 委員 私からも、この
藻岩山ロープウエー事故について質問させていただきたいと思います。
実は、昨年の第3回定例会代表質問で、私は、この問題について代表質問をさせていただいたところであります。
そのときの答弁に対する確認も含めて、今日、また質問させていただきますが、まず1点目は、振興公社に対する市の指導の在り方について質問いたしました。
そのときの答弁としては、運行管理体制の強化や丁寧な観光客対応について指導を徹底するとのことでありました。82%を超える高い出資比率を持つ札幌振興公社への市の監督責任は重いと考えております。
そこで、最初の質問ですが、市は、振興公社への指導・監督責任をどのように考えているのか、改めて伺うとともに、事故後に振興公社に対してどのような指導を行ってきたのかを伺います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 札幌市は、出資団体につきまして、事業計画及び執行状況など、その運営状況を適切に把握し、必要な指導・調整を行うものでございますことから、札幌振興公社に対して、安全で快適な施設運営を行うとともに、藻岩山の魅力向上を進めていくよう指導・調整を行っていく立場にあるものと認識してございます。
事故後、札幌振興公社に対しましては、文書や取締役会を通じまして、安全管理体制の充実などについて指導を行った上で、その後策定された改善計画の進捗状況を確認してまいりました。
また、利用客の利便性向上や夜景観光の推進などにつきまして、適宜、意見交換や調整を行ってございまして、最近では、
新型コロナウイルス感染症への対応につきまして、状況確認、情報交換を行っているところでございます。
◆林清治 委員 また、続きまして、同じく昨年の代表質問で、もう一点、
観光施設が一定期間休止する際の周知の在り方というものも質問させていただきました。
答弁では、札幌市が持つ発信手段を活用するほか、観光事業者と連携し、きめ細やかな対策を講じるとのことでありましたが、観光客への休止情報の発信、これは、施設側が行うことはもちろんでありますが、札幌市が持つ広報媒体やネットワークを活用することもより効果的であると考えております。
また、休止の際に迅速に対応できるよう、あらかじめ具体的な準備をしていくことが必要と考えております。
そこで、次の質問ですが、今後、市内の
観光施設が一定期間休止する場合の周知について、市ではどのような備えをしているのか、伺いたいと思います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 観光施設の休止情報の周知についてでございます。
観光施設が一定期間休止する場合には、市民や観光客に向けまして広く発信するため、施設の協力を得ながら、ホームページやSNS、観光案内所のほか、多くの
観光関連事業者が参加するメーリングリストを活用して情報発信を行うこととしてございます。
加えまして、休止などの情報を
観光関連事業者や観光客に広く行き渡らせるため、観光協会や宿泊業界などの業界団体、公共交通事業者など、札幌市が有するネットワークを活用して周知する体制も整えているところでございます。
また、今回の事故を受けまして、事故や自然災害の発生時に、情報収集や連絡調整、広報等を常に円滑に進められるよう、初動対応における実施すべき事柄を再確認し、適宜、部内共有を図っているところでございます。
◆林清治 委員 今答弁いただきました。
本当に、昨年の8月24日土曜日、事故が起きて、翌月曜日から何度も、私、石川部長や担当課長のほうに、どうした、これはどうなっている、あれはどうなっていると、しつこいぐらい、ちょっといろいろ聞いたり、お話をさせていただいた部分もございました。
その中でも随分申し上げてはおりましたが、本当に、最初の市の対応、これはもう悪いと言わざるを得ない状況でございました。
振興公社自体の対応も、本当に、市民または観光客、利用客の皆さんから言われる部分は、悪い話ばかりが多かったのかなというふうに思います。
そうした部分で、この1年たって、先ほど来、振興公社からの報告または市の対応を含めて聞いておりましたが、1年ですから、当然、その反省を踏まえて、しっかり対応はできているということは理解するところでありますが、やはりこの後、例えば、また5年、10年たったときに、同じ事故は起きるとは思いませんけれども、また何かそういうような突発事故が起きたときに、じゃ、振興公社がどのような体制を取れるのか、札幌市がどのような監督・指導ができるのか、このことがやっぱり一番重大になってくると思うんですね。
今回のこの昨年の事故を教訓に、今後にどう生かしていくのか。本当に、この
藻岩山ロープウエー、札幌市の観光の一つの大きな基盤であると。または、ほかの
観光施設においても、どのようなことが起きるか分からない。
そうした状況の中で、しっかりと、この経済観光局、観光・MICE推進部だけではなくて、局全体で問題意識を持ちながら、現場やこういう事態に対応できる体制をしっかりとつくっていただきたいと思うし、当然、また皆さんも人事異動を含めて部署が替わります。
新しく担当される皆さんにもしっかりこの事故の教訓を伝えていっていただいて、対応できるようにしていただきたいなと、そのことだけ申し上げて、質問を終わらせていただきます。
◆小口智久 委員 私からは、職員の安全意識の向上について質問をいたします。
ロープウエー事故につきましては、令和元年の第3回
定例市議会の代表質問において、我が会派の好井議員が、今回の事故を重く受け止め、観光都市さっぽろとして信頼回復にしっかり取り組むべきであると指摘し、市長からは、ロープウエーの運行に当たっては、安全性の確保が最優先になる、札幌振興公社には、運行管理体制を強化し、事故の再発防止に万全を期すよう徹底してまいりたいとの答弁をいただいております。
さらに、昨年9月30日の
経済観光委員会において、我が会派のわたなべ委員は、安全運行に対する認識や観光客に対するおもてなしの意識に欠けていたことが原因と指摘しております。
人を乗せ、輸送する索道事業は、安全が最優先されなければなりません。今回の事故は、メーカー任せの施設管理や事故直後の運行再開など、索道事業者の課題が多かったと考えます。今後、事故を未然に防ぐためには、索道事業の責任の重さを理解することが必要不可欠です。
そこで、質問ですが、事故から1年が経過する中、職員の意識改革がどのように進められたのか、伺います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 職員の意識向上についてでございます。
事故後の検証により明らかになりましたメーカーへの依存や安全意識の希薄化、役割分担の理解不足といった様々な課題を踏まえまして、安全管理に関わる方向性や行動規範を定めました安全方針を見直すとともに、これを共有し、実践するための社内教育に取り組んでいるところでございます。
さらに、安全意識を定着させるため、弁護士を講師とするコンプライアンス研修を毎年実施することといたしまして、初年度の令和元年度は、全社員117名が参加したところでございます。
安全意識の向上につきましては、粘り強く取り組んでいくことが必要でありまして、今後も継続的に実施状況を確認していくこととしてございます。
◆小口智久 委員 方針の見直し、そしてまた、教育ということでのコンプライアンス教育を毎年やっていくということでございます。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
今回の事故で明るみになった課題というものは、様々な決まり事が形骸化していたことが一因であり、再発防止には、常に問題意識を持ちながら仕事をすることが重要です。
さらに、先ほど質問した個々の職員の意識改革を行い、現場の職員の意見を取組に反映させることも、改善計画の実効性を高めることにつながります。そのためには、管理責任者と現場担当者とのフランクな対話、細かいことでも報告しやすい風通しのよい環境づくりが大切です。
そこで、質問ですが、現場の技術者などが意見を言いやすい仕組みづくりについて、振興公社では、どのような対策が講じられているのか、伺います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 現場職員の意見の反映についてでございます。
安全管理の水準を高め、事故を未然に防ぐ仕組みを有効に機能させていくためには、現場の意見を取り入れ、改善に生かしていくことが重要でございまして、札幌振興公社におきましては、社員から集めたヒヤリ・ハット情報を分析し、対策を検討した結果を、安全への取組として、今年5月に全社員と共有したところでございます。
また、常勤取締役であります安全統括管理者と現場の施設運営課職員が参加いたしまして、毎月2回開催する技術安全会議を新たに設置しておりまして、会議において、施設整備や安全管理に関する情報共有を図るとともに、現場の意見を取りまとめることとしているところでございます。
◆小口智久 委員 最後、要望をさせていただくんですけれども、今、まずヒヤリ・ハット情報共有、また、毎月2回の統括会議等、様々行っていくということでございますけれども、同じ轍を踏まないために、私がこれまで経験してきた安全対策を踏まえて、また要望をしていきます。
まずは、ソフト的な対策です。
業務では、日々の業務内容を記す日報を記入していくと思いますけれども、業務日報の備考欄には、個々人が自分なりに気づいた点、また、業務上のポイント、安全上のポイントなどを毎日必ず書くことが有効です。
往々にして、この備考というか、所感のところは、特になしみたいなことで、ずっと書く方が多いんですけれども、このようなところから、形骸化、マンネリ化が始まっていきます。私も、非常につらい、この日報の毎日記入だったんですけれども、これが本当に気づきになって、本当に、自分を、また会社を助けたということがございました。
常に新たな視点で問題意識を持ち、安全意識を醸成することで、人の命を預かるという原点に立ち返っていただきたいと思います。
さらに、上長には、職員から出てきた問題点を職員全体のものとして共有する、先ほどありましたけれども、そういうことで緊張感も保たれるというふうに思います。
次に、ハード的な対策です。
現代社会が抱える課題として、技術承継が難しいという、そういう問題がございます。
特に、制御系というものは、ブラックボックス化してきており、メーカーの技術者でも対応が不能となっている状況があるということを認識すべきでございます。
メーカーに頼り切りにならず、自己防衛力が必要であり、そのためにも、日々のデータをしっかり残し、グラフ化すること、解析することは、会議の場でも安全対策に有効なツールとなります。得たデータにより、揺らぎなのか、傾向なのかを判断し、その上で経年劣化等を判断する材料にするなど、見える化の工夫が大切です。
最後に、事故というものは、ヒューマンエラーが原因となっていることが多いため、作業者が誤った操作をしないように配慮して設計するという考え方のフールプルーフ、これは、例えばバッテリーが誤った向きに入らないように加工するとか、そういうことでございます。
そして、もう一つあります。
これは、今回のことに関係するんですけれども、故障や誤操作によるトラブルが発生することをあらかじめ想定し、トラブルが起こっても致命的な事故や障害にならないよう設計するフェールセーフ、これらについて、2段、3段の磨きをかけていかなければなりません。
命を預かるという仕事の大前提に基づき、安全性を追求、改善し、惰性、慢心を排した職場環境を目指していただくことを要望し、私の質問を終わります。
◆村上ひとし 委員 私は、事故原因と、それと現場の職員の体制に関して、2点質問をさせていただきます。
まず最初に、1点目の事故原因でございますけれども、緊急停止したのは過負荷検出装置に原因があり、その交換で対処をしたということでありましたけれども、過負荷検出装置にどのような不良、不具合があったのか、原因究明がなされるべきであると思います。
そこで、お伺いをいたしますけれども、原因の究明作業において、札幌振興公社と日本ケーブル株式会社との間でどのようなやり取りがあったのか、お伺いをいたします。
◎石川 観光・
MICE推進部長 原因究明におけるメーカーとのやり取りについてということでございました。
今回の事故につきましては、ロープウエーメーカーでございます日本ケーブル株式会社に検証を依頼しておりまして、その結果、過負荷検出装置の誤作動が緊急停止の原因であるとの結論に至ったものでございます。
過負荷検出装置を新品に取り替えた後の検証では、規定の数値で正常に過負荷を検出しておりまして、適正に安全装置が作動しておりまして、現在は正常に機能していることを確認できているところでございます。
なお、北海道運輸局に提出いたしました改善計画の中では、再発の可能性がある部品につきましては、不測の事態に速やかに対応できるよう、予備品として保管しておくことといたしておりまして、事故の原因となった過負荷検出装置につきましては、既に予備品を確保しているところでございます。
◆村上ひとし 委員 通常、自動車でも電気製品でも、販売してからトラブルが発生しますと、いわゆるリコールという形でメーカーが回収して、原因を明らかにするのはもちろんですけれども、メーカーでも誤作動を起こした要因が完全に解明されていないということだと思うんですけれども、2015年以降に同様の非常停止をするというトラブルが5回くらいあったというふうに聞いており、そのとき、公社は、安全装置が作動したため、事故ではないということでありました。
それが、昨年の8月24日に、ゴンドラが、過負荷を検知して非常停止して、そして、鉄塔に衝突するという事故に至りました。
そういう点では、1回ではないんですよね。複数回にわたって緊急停止をしたということでありますから、その原因の、誤作動を起こしたということが、今なおメーカーのほうでも完全に解明していないということであります。
装置そのものは交換をされているということでありましたので、安全性には問題がないという判断だと思うんですけれども、根本的な再発防止策がされたのかどうかという点では気になる部分でありますので、原因究明にはまだ時間がかかるというふうに解釈したほうがいいと思います。
そういうことで、徹底して誤作動の原因をメーカーの協力も得ながら探っていくということは必要だというふうに思いますので、その点については、引き続き、メーカーと一体的に連絡、連携も強めるようなことであるようなので、やる必要があるということを申し上げておきたいと思います。
2点目は、現場の職員の体制づくりに関してであります。
先ほど、専門人材の育成については、メーカーの協力も得たり、あるいは、電気関係の設備でしょうかね、専門性のある職員を係長職にしていくなどというお話がありました。
そうした中で、お伺いをいたしますけれども、事故当時の現場職員の体制自体がどうだったのか。
また、事故の反省を踏まえて、どのような職員の体制に変えたのか。
将来的には、どのような職員体制にしていくお考えなのか、お伺いをいたします。
◎石川 観光・
MICE推進部長 現場職員の体制整備についてでございます。
昨年8月の事故当時、ロープウエーの運行管理を所管する施設管理課につきましては、課長1名、係長1名、一般職5名の合計7名の体制でありまして、このうち、技術職員は4名ということになっておりました。
事故後につきましては、北海道運輸局に提出いたしました改善計画に基づきまして、本年4月1日付で、施設管理課の一般職で、電気設備の実務経験を約20年有する職員1名を係長職に登用いたしますとともに、ロープウエーの運行管理の経験が豊富な一般職員を人事異動によりまして1名増員し、8名体制にしたところでございます。
今後につきましても、電気技能、それから知識を主に習得した技術系職員の採用を年齢構成に配慮しながら計画的に進めまして、最終的には、施設管理課の社員全員を技術系職員にすべく、ただいま組織強化に努めることとしているというところでございます。
◆村上ひとし 委員 札幌が8割以上出資しているわけですから、安全の担保という点では、やはり職員の体制の充実と専門性の向上というのは極めて重要だというふうに思いますんで、あまり、年齢の幅が大き過ぎると、技術と専門性のはざまというものが出てきてしまうので、やっぱり計画的にその専門性を持った職員を採用したり、育成するということが、極めて重要になると思いますんで、その辺りは、市がしっかり公社とも関係を深める中で、市のほうで積極的に職員育成に取り組んでいただきたいということを申し上げて、終わります。
◆石川さわ子 委員 私からも、株式会社札幌振興公社の安全管理体制に関しまして質問をさせていただきます。
事故から1年間が経過しましたけれども、やはり安全管理体制が最重要項目かなというふうに、今日の質疑を通しても感じているところであります。
藻岩山は、皆さんもご存じのように、年間70万人以上の市民や観光客が訪れる札幌市有数の観光スポットでありまして、特に夜景の人気は、近年人気が高まっているところだと思います。
こうした中で、昨年8月に起きましたロープウエーの衝突事故に、市民の皆さん、多くが大変驚きまして、札幌市の観光行政にも大きなイメージダウンがあったというふうに思い、大変残念に思っているところであります。
やはり、市民や観光客の信頼を回復するためには、再び二度と事故を起こさないよう、十分な対策を講じる必要があると思います。
報告の中でありましたけれども、今年の2月、公社が安全管理体制及び利用者への周知に関する報告書を北海道運輸局に提出しておりまして、そこには、具体的な改善計画が示され、今回の説明資料にもたくさんの項目が掲げられております。
大きな事故を起こした今後の改善ということは当然でありますけれども、私は、まずは会社自体の意識改革を徹底して行いまして、安全に関して、しっかりとした方針を打ち出すことが必要であるというふうに感じているところです。そうした方針の下、会社や社員の意識を変えた上で、観光都市さっぽろにふさわしい事業運営を行っていただきたいと強く思うところであります。
そこで、質問でありますが、札幌振興公社は、安全に関する方針をどのように打ち出しておられるのか、伺います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 安全に関する基本方針についてお答えをいたします。
札幌振興公社におきましては、鉄道事業法の規定によりまして、国土交通省に届出をしております索道事業安全管理規程におきまして、行動規範としての安全方針を定めてきたところでございます。
この安全方針につきましては、今回の事故の課題を踏まえまして、内容の見直しを行ったところでございまして、その基本方針として、これまでの安全を最優先にした輸送の確保といった要素に加えまして、一人一人が索道輸送のプロフェッショナルとして誇りと責任を持ち、凡事徹底の精神を忘れないことを新たに位置づけたものでございます。
さらに、運転事故、インシデント、労働災害ゼロといった安全に関する具体的な目標を明確にしたほか、重点的に行う取組として、整備実施体制や事故対応体制の強化を設定するなど、より分かりやすく、実効性の高い方針になったと考えているところでございます。
◆石川さわ子 委員 ロープウエーですとか、ゴンドラ、リフトなどを索道ということでありますけれども、空中に渡したロープにつり下げた輸送用機器にたくさんの人や貨物を載せ、輸送をするものであります。
今ご答弁がありましたが、安全第一に加えて、お一人お一人がプロフェッショナル意識をしっかりと持つということを改めて見直したということでありますが、こうしたことをしっかりと行うということで、人命を預かる索道事業に当たって、安全・安心を最優先に行っていただきたいというふうに考えるところであります。
次に、具体的な取組について伺います。
実際に事故が起きた場合には、どんな場合にでも、初期対応がとても重要であるというふうに言われておりまして、今回の事故では、初動対応における様々な課題が指摘をされております。
こうした反省点を踏まえまして、事故対応への体制の明確化など、改善計画が策定されたとのことでありますけれども、この中では様々な取組が掲げられておりまして、説明がありました。
事故というものは、絶対に起こしてはならないわけでありますが、万一起きてしまった場合には、迅速かつ適切に対応できるよう、平常時から訓練をしておくことが大変大事だと思います。
そこで、質問でありますが、事故発生を想定した訓練をどのように実施しているのか、伺います。
◎石川 観光・
MICE推進部長 事故発生を想定した訓練の実施についてお答えをいたします。
このたびの事故を受けまして、札幌振興公社が策定いたしました安全管理対策の改善計画におきましては、負傷者の把握やその対応、北海道運輸局などへの連絡といった初期対応に係る課題を踏まえまして、定期的な救助訓練に加えて、より実践的な訓練も実施することとしたところでございます。
具体的には、乗客の救助訓練の際に、事後の傷病等の発症に備えて乗客全員の連絡先を把握することや、関係機関への通報を一連の流れで行う訓練を併せて実施するものでございます。
今後は、事故発生時に迅速かつ的確に対応できるよう、訓練を積み重ね、改善を図ることによりまして、組織内に定着を図っていくこととしているところでございます。
◆石川さわ子 委員 実際の事故を想定しての訓練を行っておられるということでありました。コロナの感染拡大ということも踏まえて、そうした訓練には生かしていただきたいと思います。
最後、要望になりますけれども、今日、繰り返し意見があったと思いますが、人命を預かる事業は、やはり安全が第一だというふうに思います。
公社におきましては、今後、想定外のことも含めまして、事故やトラブルがないよう、機器の点検など安全管理を徹底し、札幌の観光に札幌市と共に取り組んでいけるように、札幌市においては、指導・監督を行い、出資者である責任を果たしていくことを強く求めまして、私の質問を終わります。
○
前川隆史 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後2時41分...