札幌市議会 2020-03-24
令和 2年第一部予算特別委員会−03月24日-04号
令和 2年第一部
予算特別委員会−03月24日-04号令和 2年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第4号)
令和2年(2020年)3月24日(火曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 32名(欠は欠席者)
委 員 長 池 田 由 美 副委員長 松 原 淳 二
委 員 武 市 憲 一 欠 委 員 三 上 洋 右
委 員 高 橋 克 朋 委 員 山 田 一 仁
欠 委 員 細 川 正 人 委 員 よこやま 峰子
委 員 飯 島 弘 之 委 員 阿 部ひであき
委 員 小 竹 ともこ 委 員 松 井 隆 文
委 員 村 松 叶 啓 委 員 小 田 昌 博
委 員 小須田ともひろ 委 員 小 野 正 美
委 員 ふじわら 広昭 委 員 桑 原 透
委 員 山 口 かずさ 委 員 中 村 たけし
委 員 成 田 祐 樹 委 員 うるしはら直子
委 員 たけのうち有美 委 員 田 島 央 一
委 員 國 安 政 典 委 員 福 田 浩太郎
委 員 小 口 智 久 委 員 竹 内 孝 代
委 員 森 山 由美子 委 員 村 上 ひとし
委 員 田 中 啓 介 委 員 佐々木 明 美
委 員 佐 藤 綾 委 員 石 川 さわ子
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開 議 午前10時
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○池田由美 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
三上洋右委員、細川委員からは欠席する旨、北村委員からは阿部委員と、前川委員からは竹内委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第4款 環境費 第1項
環境計画費、第2項
清掃事業費及び議案第20号 札幌市廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。
◆
森山由美子 委員 私からは、さっぽ
ろヒグマ基本計画について質問をいたします。
札幌市では、市民生活の安全確保を図りながら、ヒグマと共生することを目指して、平成29年3月にさっぽ
ろヒグマ基本計画を策定し、
市街地侵入抑制策に力を入れているところですが、今年度は、市街地への出没事例が多く見られました。特に南区の簾舞・藤野地区の住宅街において、問題個体が出没し、最終的に駆除に至ったことが
全国ニュースで報じられるなど、マスコミでも大きく取り上げられました。
また、私の地元の西区でも、
小別沢地区の家庭菜園に繰り返しヒグマが出没し、トウモロコシやプラムなどを荒らしたという事案がありました。
我が会派では、当時、早速、出没事例の多かった簾舞・藤野地区に行き、
連合町内会長や農家の方、家庭菜園が荒らされたり、玄関前まで熊が来たなど、被害に遭った方たちとお会いし、様々なお話を伺ってまいりました。
内容は、日頃、ヒグマの出没には慣れていたつもりだったが、今回ばかりは怖くて家を出ることを控えていたという方や、家庭菜園をされている方たちの中でも、電気柵を設置していた方は被害がなかったという事例があり、町内会からも家庭菜園を行う際は電気柵の設置を進めるなどの話がありました。
また、一番多かった要望が、地域に最新の情報を提供してほしいとのことでした。事態の収束までに時間がかかる中、出没状況や市が対応している方針や動きなどが報道を通してしか伝わってこないことで、詳しい状況が分からず不安だったとのことでしたので、昨年の第3回定例市議会の我が会派の代表質問において、出没対応中も地域との情報共有を密接に進めることと提言いたしました。
今回のことで、改めて、来年度以降も引き続き
ヒグマ対策を徹底していくことの重要性を実感したところです。
今後の対策でポイントの一つになることは、ヒグマに対する認識だと考えます。これまでのヒグマの認識は、基本的に、人への警戒心が強く、人を避けて行動しており、めったに人前に姿を見せることはないというものでありましたが、最近のヒグマの出没状況を見ていると、ヒグマの行動が以前とは変化してきているということをより強く意識しながら対処していく必要があると思います。
このような状況に対し、令和2年度の予算案では、新たに
家庭菜園用電気柵の購入補助や、大
規模生息調査が盛り込まれるなど、札幌市としての
ヒグマ対策の強化を図っていく姿勢がうかがえますが、一時的な単発の取組で終わることのないよう、今年度の経験を計画にも反映させ、継続的に
ヒグマ対策を進めていっていただきたいと考えます。
そこで、質問ですが、今回の予算案に盛り込まれている大
規模生息調査は、令和3年度にさっぽ
ろヒグマ基本計画を改定するための調査と聞いておりますが、今年度の
ヒグマ出没対応を踏まえ、計画改定時に検討が必要な課題についてどのようなことが考えられるか、お伺いいたします。
◎菅原
環境管理担当部長 今年度の出没対応を踏まえた計画改定時の検討課題につきましてお答えいたします。
専門家によりますと、近年、市街地へのヒグマの出没が増えている背景としまして、
市街地周辺の山林でヒグマが繁殖している実態があり、人里近くで成長した個体の中で、人やまちへの慣れが進んでいる可能性があります。
また、高齢化や人口減少が進む地域では、
市街地周辺におきまして、手入れの行き届かない緑地等が増えていることも出没増加の一因と指摘されております。
このため、来年度に実施を予定しております大
規模生息調査の結果を踏まえまして、より効果的な
草刈り地点を選定していくなど、これまで行ってきた
市街地侵入抑制策を一層充実させていく必要があると考えております。
さらに、昨年のような問題個体が出没した場合に、地域住民の不安を和らげるための情報共有の在り方や
被害防止対策など、ヒグマの出没場所や行動に応じて本市が取るべき対策につきましても検討が必要であると考えております。
また、
ヒグマ対策は広域的に行う必要がありますが、本市の計画改定と同じ時期に
北海道ヒグマ管理計画も改定が予定されておりますことから、北海道とも連携を図りながら検討してまいりたいと考えております。
◆
森山由美子 委員 ヒグマの行動が以前と変わってきているとしたら、それに応じて対策も変えていく必要があります。
計画の改定に当たっては、今年度の出没で明らかになった課題について、北海道をはじめ、関係者と認識を共有しながら検討を進めていっていただきたいと思います。
その際、基本的には専門家の意見を伺いながら議論を進めていくことになると思いますが、市街地への
侵入抑制策を効果的に推進していくためには、ヒグマが出没する地域住民の理解と協力が欠かせません。
そのためには、今年度、問題個体が出没をしたときにどのような影響や問題があったのか、一番目の当たりにし、実際に体験した現地の住民の方たちの意見を大いに参考にすべきと考えます。
そこで、質問ですが、今回の経験で得られた教訓を生かし、今後の
ヒグマ対策をより実効性のあるものにしていくためには、計画改定の議論において、地域住民の意見も伺いながら検討を進めるべきと考えるがいかがか、お伺いいたします。
◎菅原
環境管理担当部長 計画改定の議論におきまして、地域住民の意見を伺いながら検討を進めるべきではないかとの質問につきましてお答えいたします。
計画改定の具体的な体制や手順につきましては、これから検討することとなりますが、専門家によります議論に加えまして、
ヒグマ出没という問題に直面しております地域住民の皆さんの意見や要望をしっかりとお伺いしますことは、次期計画を実効性のあるよりよいものとするために重要であると認識しております。
また、
ヒグマ対策に向けました
住民参加意識のさらなる向上にもつながることが期待されると考えております。
したがいまして、委員のご指摘のとおり、出前講座の機会やアンケートの実施なども含め、様々な場面で地域住民の意見や要望を伺いながら検討してまいりたいと考えております。
◆
森山由美子 委員 最後に、要望ですが、昨年の夏のような市街地に問題個体がまた現れることのないように、市街地への
侵入抑制策を推進していくことがとても重要ですが、それでも問題個体が現れたときの対応は常に備えておく必要があります。そのためには、ヒグマの出没が多い地域の住民がどのような問題意識を持ち、どのような対策を求めているのか、ニーズの把握に努め、計画の中にしっかりと反映させることで、将来にわたって今回の教訓が引き継がれていくようにしていくことを求めたいと思います。
また、来年度から実施する電気柵の購入補助については、電気柵の普及を一層進めさせ、問題個体の出没を抑制するための取組になると期待をしております。
今年度、ヒグマの出没が多かった地域はもちろんのこと、それ以外の地域でも普及が進むよう、啓発や周知に取り組んでいただくことを求めて、私の質問を終わります。
◆佐藤綾 委員 私からは、
温暖化対策の取組について、二つほどお伺いいたします。
昨年12月のCOP25で、各国が可能な限り最も高い野心を持って現行の
温室効果ガス削減目標を引き上げることが求められました。
今年11月のCOP26の開催国であるイギリスの
マートン特使は、NHKのインタビューで、日本の2013年比で26%の削減目標について、より高い目標を持って会議に参加してほしいと述べ、日本の
石炭火発推進に疑問を呈しています。
2018年、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんの気候のための
学校ストライキ行動がきっかけとなり、世界の若者が
スクールストライキや
グローバル気候マーチに呼応し、日本でも29以上の自治体で若者が主体となり行動しています。
そうした若い世代の行動は、自治体に
気候非常事態宣言を働きかける活動ともなっています。長野県白馬村では、高校生たちの署名を集めての要望をきっかけに、村を挙げて環境問題に取り組む原動力となり、昨年12月には、長崎県壱岐市、神奈川県鎌倉市に続き、日本で3番目に
気候非常事態宣言を出しています。宣言は、現在、22の自治体に広がっています。
本市では、2月28日の第11次札幌市
環境審議会の第4回会議に、仮称)札幌市
気候変動対策行動計画の素案が資料として出され、札幌市
エネルギービジョン、札幌市
温暖化対策推進計画、
札幌市役所エネルギー削減計画を統合し、改定するものとし、2050年の
CO2削減目標を引き上げ、実質ゼロにするゼロ
カーボン都市を掲げるとしています。
現在、85自治体で2050年までに
二酸化炭素排出実質ゼロを表明しており、本市でも市長が市議会にて目指すと答弁されています。この表明は、北海道では古平町に続き2番目です。
また、2030年目標を2010年比で28%削減から引上げ45%削減とするなど、国際的な視野に立った目標としています。
この素案では、
再生可能エネルギー導入については、2030年に市内の電力消費のうち、
再生可能エネルギー消費量が5割となることを目指すとしています。
北海道は、自然に恵まれ、
再生可能エネルギーの宝庫でもあります。本市としても、道内で連携し、利活用を広げるとしており、札幌市の取組は大変注目され、他の自治体や企業、家庭での推進にも大きな影響を及ぼすものです。
そこで、質問いたします。
市役所や区役所をはじめ、学校や文化施設など市有施設では、
太陽光パネルなどを設置するなどしているところもありますが、施設全体の電力を賄うほどの発電量はなく、電力を購入しています。この購入している電力について、
カーボン発電によるものではなく、
再生可能エネルギーで調達するべきと考えますが、今後の取組や見通しについてお伺いいたします。
◎大平
環境都市推進部長 再生可能エネルギーの導入拡大と市有施設への
再生可能エネルギー由来の電気の調達に関する質問でございます。
札幌市がゼロカーボンを目指すに当たりましては、まずは、市有施設も含め、市内で使用する
エネルギー量を減らすことに加えて、必要な
エネルギーを賄うために、
再生可能エネルギーの導入を進めていくことが必要であると認識をしております。
このため、市有施設における
再生可能エネルギーの導入に当たっては、市域全体の
再生可能エネルギーの供給量を増やすことを第一に考え、学校施設を中心に、
太陽光発電などの
再生可能エネルギー設備の設置を優先的に進めてきているところであります。
◆佐藤綾 委員 やはり、役所内で
再生可能エネルギーを使っているということをアピールしていくということは、市民にとてもよいことだと思うのですね。ぜひ、他自治体での先進的な取組を見ながら、環境都市さっぽろにふさわしく進めていただきたいと思います。
次に、
CO2削減への補助金などの取組についてお聞きいたします。
世界的に深刻な影響を及ぼす温暖化への対策推進のためには、しっかりとした予算措置が必要だと考えます。しかし、本市の
エネルギー対策費は、2018年度は約4億7,000万円、2019年度が約3億5,000万円、2020年度予算が約1億9,900万円と、年々減らしています。
2月の代表質問で、
エネルギーecoプロジェクト補助金など予算を減らしたことについて、1件当たりの設置費用の低下状況などから見直したとの答弁、すなわち、価格が下がったので、1件当たりの助成額を下げ、予算を減らしたということでした。
本市は、寒冷地であることから、住宅など建物における
環境エネルギー性能を上げること、
再生可能エネルギー導入を広げるなど、
補助金制度が活用されています。申込み件数が予定を上回るものもありますが、中には予定数まで申込みがされないものもあるとお聞きしています。
そこで、質問いたします。
設置費用が値下がりしたので1件当たりの補助金を下げたとのことですが、設置費用が下がった分、補助金を受けられる施工や取組、件数を増やし、家庭での省エネ、費用対効果とともに
温暖化対策に有効であること、その意義などの周知を広げ、市民の活用を図るべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎大平
環境都市推進部長 家庭向けの補助制度についてお答えをいたします。
この補助制度は、
再生可能エネルギーや
省エネルギー機器の導入拡大を目的として、平成20年度に導入したものであり、社会情勢の変化や市民ニーズに合わせ、適宜、見直しを行いながら運用してきているところであります。
来年度につきましては、これまでの機器ごとの補助実績や今後の普及見込み、さらに、設置費用の低下の状況等を踏まえまして、対象機器や補助件数、補助単価の見直しを行うとともに、災害時の備えに関する市民の関心の高まりを受けて、蓄電池の補助件数の拡充を図ったところであります。
今後は、この補助制度に加え、新たに
民間事業者の活力を生かした市有施設の屋根等への
太陽光発電の設置や、
太陽光発電を備えたゼロ
エネルギー住宅の普及など、効果的な普及促進策を進めることで、さらなる
再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでいきたいと考えております。
◆佐藤綾 委員 本市の
CO2排出は、家庭で多くて、札幌市
エネルギービジョン・札幌市
温暖化対策推進計画進行管理報告書の2017年度速報値では、家庭での
二酸化炭素排出量は全国と比べて4割多いことが示されています。
家庭での
CO2削減が重要ですが、家庭での取組を広げるには、やはり、販売店や工務店、施工業者への周知と協力が欠かせないと思います。お店や業者から提案されることで、市民が検討する視野と選択肢が広がりますし、助成金があると取り入れることを考えるきっかけとすることができるのではないでしょうか。
目標を引き上げた本市の
温暖化対策に見合うよう、
環境エネルギー対策費などへの予算措置を引き上げていくべきです。
また、
CO2削減には、ごみの抑制や資源循環も大切な課題です。
プラスチック海洋汚染が問題となっており、レジ袋などの制限が進められていますが、プラ製品は消費者が買わざるを得ない状況ですから、消費者とともに、作る側、売る側の意識や取組も重要です。
本市も、
プラごみ発生・排出抑制に向けた取組を事業者と連携するとしております。店頭での
レジ袋削減の取組は始められていますが、市側からだけではなく、市民や事業者からもアイデアを出してもらい、双方で意義を高め合う取組とすることなど、工夫と啓発も含めた施策にしていくべきと申し上げまして、質問を終わります。
◆小須田ともひろ 委員 私からは、ヒグマの
市街地侵入抑制策について質問させていただきます。
先ほど森山委員とのやりとりの中で、来年度のヒグマの抑制策についてお話がありましたので、私のほうからは、来年度から新たに実施する電気柵の
購入補助事業について質問させていただきます。
この
購入補助事業につきましては、昨年、熊が出没し、大きなニュースになりました特に簾舞や藤野地区の地元の方々からも非常に関心が高い事業となっております。私のほうにも、これまで
無料貸出制度を利用して電気柵の効果を実感された方々から、いつから申込みができるのかですとか、手続はどうしたらいいかというようなお話がありました。この補助制度を利用して電気柵を導入したいという方々も、何人か、私のほうにも質問を寄せてきているような状況であります。
今後は、この補助制度を使って家庭菜園の電気柵の普及が進んでいけばというふうに思っておりますが、この電気柵の購入補助につきまして、補助内容や応募方法などをどのような制度とする考えか、また、応募の受付開始時期などについて、併せてお伺いいたします。
◎菅原
環境管理担当部長 電気柵購入補助の制度と受付開始時期につきましてお答えいたします。
家庭菜園用電気柵につきましては、貸出制度により、ヒグマの出没が想定される地域の住民の方にその効果を理解していただいているところでありますが、費用負担の面から、購入に結びつかないケースも見られる状況がございました。
このため、電気柵の購入に係る負担を軽減し、さらなる普及を図ることを目的としまして、購入金額の2分の1、最大2万円を補助することを想定しております。
具体的な応募方法や受付開始時期の詳細につきましては、今後検討してまいりますが、利用者の方には、電気柵を購入する前に申し込みいただくこととし、その際に、補助の要件や手続の流れ、電気柵の効果など、疑問や相談があれば、しっかりと説明し、ご理解いただけるよう対応してまいりたいと考えております。
また、ヒグマを引きつける作物が実る前に電気柵を設置する必要があるため、貸出事業と同様に、6月頃から家庭菜園への設置を行っていただけるよう、広報や受付時期を検討してまいりたいと考えております。
◆小須田ともひろ 委員 貸出しのほうとも併せて、今年は雪解けがちょっと早まっていますので、補助を利用したいという方々にとっても利用しやすい時期などの検討を進めてもらいたいと思います。
また、購入補助で電気柵の導入が進みましても、ヒグマに対して十分な効果を得るためには、正しく設置し、適切に維持管理を行う必要があります。
過去には、電気柵を設置していたにもかかわらず、設置状況に、設置の仕方に問題があったため、ヒグマに作物を荒らされたといった事例もあったと聞いております。
そこで、2点目ですが、この補助額について、どのような考え方で上限額を2万円に設定したのか、また、電気柵を導入した方に対しては、その効果がしっかりと発揮されるよう、正しく設置、管理を行っていただくための働きかけも必要と考えますがいかがか、あわせて伺います。
◎菅原
環境管理担当部長 補助上限額の考え方につきましてお答えいたします。
現在、札幌市で貸出事業に使用している1セット100メートルの電気柵や
ホームセンター等で市販されている電気柵のセットの価格がおおむね4万円でありますことから、その2分の1の2万円を上限といたしました。
また、
家庭菜園用電気柵の貸出制度を利用した方への聞き取り調査では、
自己負担額が2万円までなら購入するという回答が6割を占めていましたことから、一定程度の動機づけが働くものと期待しております。
次に、正しく設置管理を行っていただくための働きかけにつきましてお答えいたします。
委員のご指摘のとおり、電気柵の効果を発揮するためには、ヒグマが柵の下をくぐれないように、ワイヤーの高さを調整したり、雑草と接触して漏電することのないよう草刈りをするなど、正しく設置や管理を行っていく必要がございます。
このため、
購入補助制度と併せまして、利用者への現地でのアドバイスを専門業者に委託することとし、電気柵の設置や維持管理が適切に行われるよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆小須田ともひろ 委員 電気柵につきましては、
地域ぐるみで設置を促進することで、より効果を高めることができると思います。
電気柵購入補助制度につきましては、市民が利用しやすい制度とするとともに、制度が始まる前に地域住民への周知もしっかりと行っていただくことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
◆田島央一 委員 私からも、若い世代と協力した
ヒグマ対策の展開について触れていきたいと思います。
昨年の
決算特別委員会で我が会派のうるしはら直子議員も取り上げておりましたヒグマとの共生に向けた
草刈り活動の展開について、順次、質問をしていきたいと思います。
ヒグマ対策においては、緩衝帯の整備が大変重要であるとの認識はされているものの、地域住民が主体となって行うための人材確保が課題でもあります。
そのような中、昨年8月30日には、札幌市と藻岩高校の生徒が協力して藤野地区の
草刈り活動を行ったことは大変画期的であり、今後も高校生など若い世代が地域の問題に積極的に取り組んでいくことが重要だと考えております。
そこで、お伺いしますが、昨年8月30日の藻岩高校の生徒による
草刈り活動以外でも、札幌市において高校生など若い世代と協力した
ヒグマ対策の事例はあるのか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎菅原
環境管理担当部長 高校生などの若い世代と協力した
ヒグマ対策の事例につきましてお答えいたします。
地域で行う
ヒグマ対策を継続的な活動にしていくためには、委員がご指摘のとおり、若い世代の参加を促進していくことが重要と認識しております。
このため、これまでも毎年8月に
石山地区まちづくり協議会が
酪農学園大学の学生と協力して実施しております
豊平川河畔林の
草刈り活動を支援してきたところであります。
また、ヒグマの研究者らで構成されるヒグマの会との共催により、ヒグマとの共生をテーマとした
啓発イベント、ヒグマックスを今年度3回開催したところでありますが、この運営には、
酪農学園大学と北海道大学の学生に加え、藻岩高校と啓成高校の生徒たちにも関わっていただきました。
特に、昨年12月にエルプラザで開催したイベントでは、藤野地区の
草刈り活動に参加した藻岩高校の生徒たちから、
草刈り活動の意義や効果をポスターにまとめて発表していただいたところであります。
これにより、若い世代の来場者にも、
ヒグマ対策の担い手になれるという意識が芽生えるきっかけになったのではないかと考えております。
◆田島央一 委員
酪農学園大学や北大などを含めて、若い世代の人たちを巻き込んで、今、取組が進んでいるということを理解いたしました。
藻岩高校の生徒たちの取組については、2月7日に藻岩高校で開催された総合探究授業の発表会においても紹介されていましたが、生徒たちには、自らが地域の問題解決のために関わっていくという自負が感じられ、大変頼もしい印象を持ちました。
次世代を担う若い若者たちが、ぜひヒグマ問題について持続的に取り組んでいただきたいと考えております。
そこで、お伺いしますが、次年度に向けて若い世代と協力した
ヒグマ対策をさらに展開していくべきと考えますが、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎菅原
環境管理担当部長 若い世代と協力した
ヒグマ対策のさらなる展開につきましてお答えいたします。
ヒグマの出没が多い地域の小学校を対象として実施してきましたヒグマ講座につきまして、令和2年度から、中学校や高校にも対象を広げ、ヒグマが市街地に出没する背景や課題、ヒグマとの共生に向けた札幌市の取組への理解を深めてまいります。
また、地域におきまして
草刈り活動を実施する際には、昨年協力いただいた藻岩高校や
ヒグマ出没地に近い南陵高校など、近隣の高校にも協力を呼びかけてまいります。
さらに、
草刈り活動へ参加した高校生たちによるヒグマフォーラムや地域の出前講座などの場におきまして、活動の意義やヒグマとの共生について発表していただくなど、高校生たちが自ら地域の課題と向き合い、取組の成果を発信できる機会を設けてまいります。
このような高校生たちと協力した一連の取組が、同世代の多くの若者たちに共感や活動意欲を育み、地域の
ヒグマ対策へのさらなる参加に結びつくことを期待しております。
今後も、少子高齢化の進む地域において、
ヒグマ対策が継続的に展開できるよう、
草刈り活動やフォーラムなど、様々な場面で若い世代が活躍できる機会を積極的に設け、一層の協力を促してまいりたいと考えております。
◆田島央一 委員 対象を拡大して理解をどんどん広めていくという札幌市の取組を理解いたしました。
ヒグマの出没の多い地域では、少子高齢化が進んでいるところが多いため、草刈りなどの
侵入抑制策を行いたくても、なかなかできないといった声があると承知をしております。
高校生にとっても、地域の問題解決に貢献し、住民から喜んでもらえるというような体験は、様々な学びが得られ、とても貴重な機会でもあると考えております。
草刈り活動が、より多くの世代を巻き込みながら、多くの地域で持続的に展開していけるよう、高校や大学に呼びかけていってもらいたいという点を要望して、私からの質問を終わります。
◆小口智久 委員 私からは、PCB廃棄物の適正処理について質問をいたします。
負の遺産と言われますPCB、ポリ塩化ビフェニル化合物は、ストックホルム条約により、令和10年までに処理することとなっております。
そういう中、高濃度PCBを含むトランスやコンデンサーの国で定めた北海道事業エリアでの処理期限は、残り約2年、令和4年3月までとなりました。このような火急を要する案件に対し、札幌市がどのように対策、取組を考えておられるのか、何点か確認をさせていただきたいと思っております。
これまで、福田委員をはじめ、我が会派は、PCB廃棄物処理の難しさについて、様々指摘してまいりました。例えば、PCBを使用している事業所の数が多いこと、国の処理方針が決まらなかった経緯から、長期間保存し、保管場所が不明となっているものがあること、処理費用が高いことなどといった問題点に関し、立入検査の強化や指導、また、電気保安協会などの団体との連携や、処理費用制度の周知、運搬費の節約についてなど、広範囲にわたり質疑してまいりました。
PCBという油状の物質は、熱分解しにくく、化学的に安定な性質を有することから、トランス、コンデンサーなど電気機器の絶縁油、また、熱媒体等、様々な用途で使用されてきました。
しかし、昭和43年のカネミ油症事件を発端に、極めて強い毒性があることがわかり、国は、昭和40年代後半にPCBの新規使用及び製造、販売を中止しました。さらに、30年もたった後の平成13年には、やっとPCB特別措置法を制定し、全国を五つの事業エリアに分け、PCB廃棄物の適正処理の推進を始めました。ところが、処理に遅れが生じたことなどから、平成24年に法改正が行われ、処理期限が延長されております。
そのような中、保管中のPCB油が漏えいし、自然界に放出されるという最悪の事故も起こってまいりました。
このような事故を二度と起こさないためにも、事業所に向けて様々な働きかけを行っているとは思いますが、先ほど申し上げたとおり、保有する事業者が多い上、PCB廃棄物の処理に多額な費用を負担していただくため、これらを保管する事業者に対し十分な理解と協力を得ることが重要です。
そこで、質問ですが、市は、これまでにPCB廃棄物対策をどのように進めてきたのか、また、現在の状況について具体的にお答えいただきます。
◎吉田 清掃事業担当部長 PCB廃棄物のこれまでの対策及び現在の状況につきましてお答えをいたします。
まず、1点目のこれまでの対策についてでございます。
PCB廃棄物につきましては、保管をする事業者に届出義務がございますが、未届けの事例なども多いことから、広く調査をし、把握する必要がございます。
このため、札幌市では、平成17年度から経済センサス活動調査のデータなどを基に、PCB廃棄物の保管状況について調査、指導を行い、処理を促してまいりました。
平成29年度からは、国が作成いたしましたPCB廃棄物の掘り起こし調査マニュアルに基づき、電気事業法による自家用電気工作物の設置者や、家屋課税台帳による対象建築物の所有者計約1万1,000事業者に対して調査を行い、現時点では約7,000事業者から回答を受けております。
これを基に、2名の専任調査員が電話による確認や現地への立入調査などを行い、保管状況を把握してまいりましたが、今年度からは、4名に増員し、体制を強化しているところでございます。
次に、現在の状況についてでございます。
これまでの掘り起こし調査において回答のございました7,000事業者のうち、保管していないと回答した事業者が4,400、保管していると回答した事業者が500、保管しているかどうか分からないと回答した事業者が2,100、未回答が4,000となっております。
保管していると回答した500のうち、375事業者について確認が済んでおり、その保管台数は、トランス115台、コンデンサー342台、安定器1万1,375台でございます。
このトランスとコンデンサーのうち、約4割が高濃度のもので、あと2年で処理期限となり、全量が高濃度である安定器はあと3年で期限を迎えることとなります。
未届け事業者に対する掘り起こし調査においては、連絡がつかない事業者などもおり、苦慮しているところではございますが、引き続き保管していると回答した事業者の残りの確認作業を進めますとともに、保管状況が判明していない事業者につきましても、調査、指導を進め、適正処理に向けて取り組んでまいります。
◆小口智久 委員 今、対策の現在の状況はわかりました。
しかしながら、環境汚染や市民の皆様に健康被害が起きないよう、市内の事業者に対して引き続き適正処理に向けた指導を続けていただきたいと思います。
昨日、東区でも停電がございまして、ニュースで、北電の職員が電柱に登って、トランス、6,600ボルトを100ボルトに下げるような装置を触っていましたけれども、トランスとかそういうものが身の回りには多いなと感じました。
話が戻りますけれども、保管期間が長きにわたり、倉庫などに眠っている場合も想定されるため、その掘り起こしは容易ではないと思いますが、保管中の漏えい事故が過去にあった以上、抜けがないよう、あらゆることを想定し、調査を推進していただきたいと思います。
なお、先ほどの答弁にありました施設数の中には、各区の庁舎や体育館など市が所有する施設も含まれていると思いますが、当然、市は事業者の模範となるべきであります。さらに、国が定めたPCB廃棄物処理基本計画でも、保管事業者等に対して一日も早い処理を求めるため、地方公共団体は率先して早期に処理を進めることが求められております。
そこで、質問ですが、市有施設におけるPCB廃棄物の現在の状況について具体的にお答えいただきます。
◎吉田 清掃事業担当部長 市有施設における現在の状況についてというご質問でございます。
現在調査中のものもございまして、今後増えてくる可能性がございますが、市有施設において保管中のPCB廃棄物は、現時点でトランス32台、コンデンサー127台、安定器239台、合計398台となっております。
なお、参考ではございますが、本年2月末までに処理を行った高濃度PCB廃棄物は、トランス136台、コンデンサー157台、安定器1万4,997台、合計1万5,290台でございます。
PCB廃棄物は、機器の種類による大きさや重量の違いもあり、一概には言えませんが、現時点で処理済みのものが多いことから、ある程度処理が進んでいるものと認識してございます。
委員がご指摘のとおり、市は率先して早期処理を進める立場にあり、当然、期限までに適正処理を終える責務がございます。このため、これまで行ってきた文書による通知に加え、昨年度からは、庁内向けに説明会を開催して、より一層の早期処理を促してきたところでございます。
今後も引き続き、庁内周知を徹底するとともに、各施設における処理状況の進捗管理を行い、期限が迫っている高濃度PCB廃棄物はもとより、7年後に期限を迎える低濃度PCB廃棄物も含め、全庁を挙げてしっかりと取り組んでまいります。
◆小口智久 委員 ただいまの答弁でも、市有施設における現在の状況や市の取組は分かりました。
本年1月22日の読売新聞九州版によりますと、北九州事業エリアでは、約2年前にトランス、コンデンサーの処理期限を迎えたのですけれども、その後の調査で約80件も高濃度のPCB廃棄物が見つかり、既に処理施設の解体が進んでいるため、処理の見通しが立っていないという報道がございました。
負の遺産という意味では、アスベストも似たようなものでありますが、注意喚起しても、いまだ発見されております。アスベスト処理とは違い、PCB処理施設というものは、期限を過ぎると解体されてしまいます。
我が札幌市は、事業者の模範となるよう、確実にPCB廃棄物の適正処理を行うことは言うまでもなく、さらに、市内の関係事業者に対して、引き続き適正処理に向けた指導を続けていただきたいと思います。
私は、前職におきましてPCB調査をしておりましたので、この処理の難しさは重々承知しておりますけれども、PCBが海洋や地中などに放出されますと、環境汚染ばかりでなく、動物や魚を介して人が摂取する危険性がございます。
環境首都・札幌の名に恥じないよう、残された時間は少ないですが、全庁を挙げて取り組むことを要望し、私からの質問を終わります。
◆ふじわら広昭 委員 私は、2項目質問いたします。
1項目めは、ごみの排出マナー改善に向けた取組について、2項目めは、新駒岡清掃工場についてです。
初めは、1項目めのごみの排出マナー改善に向けた取組についてです。
最初の質問は、ごみステーションに関する苦情件数についてです。
札幌市では、ごみの排出方法、ごみステーションの管理などに関する基本的な事項について、2008年、平成20年3月環境局長決裁による札幌市ごみステーションの設置及び清潔保持等に関する要綱に定めていますが、この要綱において、第4条で市民の責務として、市が定める収集方法等に示された排出方法に従い、ごみの排出を行わなければならないとなっております。
また、共同住宅の所有者などの責務として、ごみの分別区分、排出日時、排出場所、排出方法、ごみ保管場所などを居住者に周知するとともに、違反する居住者に対しては直接指導を行うこととしております。
また、第3条では、札幌市の責務が定められております。
市民や共同住宅の所有者などに、札幌市のごみ出しルールを守って排出するよう定めていますが、ごみの排出方法が大きく変更となりました2009年、平成21年の新ごみルール開始から10年が経過をし、市民にもルールは浸透してきている一方、ごく一部に、ルールがよく分からない、守らない市民もおります。
また、町内会などが設置をしております共用ごみステーションと共同住宅の専用ごみステーションでは、排出状況などに違いがあるのではないかと思います。
そこで、質問ですが、ごみステーションの排出状況の現状や、ごみ排出マナーに関する苦情の件数はどのようになっているのか、最初に伺います。
◎吉田 清掃事業担当部長 ごみステーションの排出状況の現状及びごみ排出マナーに関する苦情件数につきましてお答えをいたします。
札幌市では、ごみの排出状況を把握するため、ごみステーションの容量に対し、ルール違反のごみが1割未満のごみステーションを良好、1割以上5割未満を悪い、5割以上を極めて悪いに分類してございます。
今年の2月現在で、市内約5万4,000カ所のごみステーションのうち、主に町内会などが設置しております共用ごみステーションは約2万5,300カ所あり、そのうち、排出状況が極めて悪いは0.3%の77カ所、悪いは2.0%の496カ所ございますが、残りの97.7%、約2万4,700カ所の共用ごみステーションは良好に管理していただいているものでございます。
また、共同住宅の専用ごみステーションは約2万8,900カ所あり、そのうち、排出状況が極めて悪いは0.5%の154カ所、悪いは3.0%の879カ所ございますが、残りの96.4%、約2万7,900カ所の専用ごみステーションは良好に管理していただいております。
清掃事務所で受けたごみの排出マナーに関する苦情件数でございますが、平成30年度は2,708件で、そのうち、共同住宅に関するものは1,921件、70.9%となっており、令和元年度は、2月末現在、1,891件で、そのうち、共同住宅に関するものは1,228件、64.9%となってございます。
◆ふじわら広昭 委員 それぞれ共用ごみステーション、専用ごみステーションの市がある程度の目安としている極めて悪い、あるいは、悪い、良好という状況について、部長のほうから答弁がありました。
一方、共同住宅の専用ごみステーションでは、共用ごみステーションの約2倍に当たる1,000カ所で極めて悪い、あるいは悪いというのがあり、共同住宅のごみ排出マナーに関しても、約2倍の1,200件程度の苦情があるということでありました。
共同住宅のごみ排出マナーの改善策として、入居者に対して、直接、普及啓発を行う必要もありますが、所有者などへも入居者への指導について積極的に働きかけるべきと思います。
札幌市は、新ごみルールの導入に合わせて、さっぽろごみパト隊を配置することにより、排出マナー改善に向けて取り組んでおり、地域からもごみパト隊への期待は大きいと聞いております。
そこで、質問ですが、ごみ排出マナー改善に向けてごみパト隊がどのような活動をしているのか、また、ごみパト隊が行っている共同住宅の所有者などへの働きかけについても併せて伺います。
◎吉田 清掃事業担当部長 ごみパト隊の活動及びごみパト隊が行っている共同住宅所有者等への働きかけについてというご質問でございます。
ごみパト隊は、ごみステーション管理の負担軽減を図るため、ごみステーション問題の改善に向け、地域との連携役として様々なサポートを行っております。
具体的には、環境美化に関する地域のリーダーとして活動していただいているクリーンさっぽろ衛生推進員の方々や、町内会長と連携し、地域の懇談会に積極的に参加するなど、ごみの適正分別や減量リサイクルの推進、ごみステーション問題の改善に関する情報提供や意見交換を行っております。
また、ごみステーションにつきましては、通常、1週間から10日に1回程度、パトロールを実施し、ルール違反のごみがあれば、回収して開封調査を行い、排出者が特定できた場合は個別指導を行っております。
排出状況があまり良好ではないごみステーションにおきましては、利用する世帯数を少なくすることで排出マナーの向上が図られることから、地域の実情に応じまして、共同住宅の所有者や管理会社に働きかけて、専用ごみステーションの設置を促進してまいりました。
また、共同住宅の所有者等に対しましては、啓発チラシの掲示や入居者への直接指導などを依頼し、ごみ排出マナー改善に向けて協力を求めているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 ごみパト隊が地域と連携をしながら、地域に寄り添ってしっかり取り組んでいるということや、ごみ排出マナーの改善が図られない共同住宅については、所有者などへの協力を呼びかけているということでありました。
次は、これまでの普及啓発についてでございます。
ごみの排出マナーの改善には、市民や共同住宅の管理会社の協力は不可欠でありますが、地域に密着しているごみパト隊の活動のほかにも、札幌市としてごみ排出マナーの改善に取り組んでいると思います。
そこで、質問ですが、ごみ排出のマナー改善に向けて、札幌市としてこれまでどのような啓発、普及を行ってきたのか、伺いたいと思います。
◎吉田 清掃事業担当部長 これまでの普及啓発につきましてお答えをいたします。
ごみ排出マナー改善に向けては、市民の方々に適切な分別や排出方法などを十分に理解していただくことが必要と認識しております。
このため、ごみ減量キャンペーンを実施し、市民に広く呼びかけを行っているほか、ごみ分けガイドや収集日カレンダーの作成、出前講座、クリーンミーティングの実施、さらには、スマートフォンのごみ分別アプリの配信などにより、様々な普及啓発を行っております。
ごみ収集日カレンダーは、毎年、市内全世帯に配布しており、ごみ分けガイドにつきましても、市民により一層分かりやすいよう内容を改訂し、昨年度、全世帯に配布したところでございます。
各区のクリーンさっぽろ衛生推進協議会と共催で実施しておりますクリーンミーティングは、町内会や小学校に直接出向き、年間250回程度開催し、約2万人に対して普及啓発を行っております。
また、共同住宅入居者のごみ排出マナー改善に向けましては、管理会社や不動産関連団体と共同住宅ごみ排出マナー改善対策連絡協議会を設置し、キャンペーンや重点指導など、マナー改善に取り組んでまいりました。
昨年10月には、同協議会で作成した普及啓発用ポスターを不動産関連団体に加盟している管理会社などに共同住宅の共用部への掲示を依頼しているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 いろいろな取組について報告がありましたけれども、特に、不動産関係団体と連携して、管理会社などへも働きかけているということでありました。また、この課題については、共同住宅のごみ排出マナーが悪い中、その改善対策として、さらに管理会社や所有者に積極的に協力を呼びかけていくよう求めておきたいというふうに思います。
次の質問は、新たな普及啓発の取組についてです。
ごみ出しルールの周知は、地道に継続していくことも重要ですが、周知方法を工夫していくことも必要であると思います。
先ほど、共同住宅のごみ排出マナーが悪いという答弁がありましたけれども、以前から居住している市民の中にもいるかもしれませんが、特に転出入が多い共同住宅などでは、札幌市に転入したばかりでごみ出しルールが分からずに出されてしまうことが、その後のごみ出しルールに大きく影響しているのではないかと思うところであります。
また、札幌市内に居住する外国人市民の数は、平成29年から30年ぐらいにかけては、毎年約1,000人ずつ増加しておりますけれども、最近、今年度は直近で1,500人も増えております。2020年、令和2年の3月1日時点で札幌市内に居住する、住所登録をしている外国人数は1万4,904人となっており、日本語を理解できない方や、ごみの排出ルールを理解できない方への周知も必要と思うわけであります。
そこで、質問ですけれども、共同住宅などへの転入者や外国人市民への対応を含め、新たに進めている普及啓発について伺いたいと思います。
◎吉田 清掃事業担当部長 新たな普及啓発の取組についてのご質問でございます。
転出入者の多い共同住宅等への対応といたしましては、町内会などが行っている集団資源回収に共同住宅の入居者が参加できるよう、平成30年度から清掃事務所が町内会と共同住宅所有者等のコーディネートを行う中で、ごみステーションへの違反排出抑制や分別意識の向上へつなげる取組を始めたところでございます。
また、新たに契約者が多いこの2月、3月に不動産会社にご協力をいただいて、段ボール等の排出ルールについて記載した、プラスチック製ではない紙製のファイルを契約時に配布していただいたところでございます。
若い世代に向けては、今年度、スマートフォンのごみ分別アプリにおいて、集団資源回収の検索画面追加や分別の検索機能を充実するといった改善を行っております。
このほか、外国人市民への対応につきましては、近年、ベトナム人の増加が著しいことから、既存の英語、中国語、韓国語に加えまして、この1月に新たにベトナム語対応のごみ分けガイドを作成したところでございます。
今後も、市民の方々に適切な分別や排出方法などを理解していただき、ご協力いただけますよう、引き続き、ごみ排出マナー改善に向けた普及啓発に真摯に取り組んでまいります。
◆ふじわら広昭 委員 要望を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
ごみの排出マナー改善に向けては、日頃から市民にごみの分別について関心を高めてもらうことが重要であり、特効薬はありませんけれども、地道な取組を継続しつつ、新たな啓発にも取り組んでいく必要があると思います。
特に、冒頭に部長から答弁をいただきました専用ごみステーションの中では、私は、特に中心部のところが悪い状況ではないかというふうに思います。
中心部には、あるいはまた、大学のある近くなどを含めて、今後は、特に賃貸住宅に対して、しっかりとしたオーナーや管理会社、管理人に対する協力要請を行いながら、居住者へのごみ出しのマナー、ルールをしっかり協力いただくような取組をしていくべきだというふうに思います。
このような中で、やらされているという感じだけでは、大人も子どももそうでありますけれども、やはり、物事というのはなかなか前進しないわけであります。そういう意味では、楽しみながらというか、そうしたことも含めて市民に幅広く協力を求めていくと。
例えば、4月に入りますと、市内にたくさんあります大学には、道内外から多くの方が住居を転居してくるわけです。やはり、大学のサークル、高校のサークルなどにも呼びかけて、コンサル会社のアドバイスなども受けながら、例えば、仮称ごみの分別コンテストみたいなものを行いながら、大学でのそうした取組が一翼を担っていく、それを全体に広げていくという、そうした取組が私は今後必要になってくるのではないかなというふうに思いますので、この業務化には、また縦割りの中で限界がありますので、環境局として、しっかりとして、ごみの排出マナーをさらに市民にご協力をいただくという視点で、環境局全体として、今申し上げたような分別コンテストというものを企画して、実行していただきたい。引き続き今後もこの課題について取り上げていきたいと思いますので、皆さんの取組を期待申し上げておきたいというふうに思います。
次は、新駒岡清掃工場の関係についてでございます。
駒岡清掃工場の整備事業については、この間も議会の中で質疑を行ってまいりましたけれども、昨年の6月の議会の中で、約873億円の債務負担行為を設定して今後の準備に備えていくということが議会でも議論をされてきたわけであります。
私も、そのことについて取り上げまして、清掃工場、破砕工場、設計費などを含めて約560億円、約20年間の運営・維持管理費で約310億円ということが、村田部長から答弁がありまして、さらに、その事業の内訳について確認しましたところ、560億円の施設整備のうちに清掃工場は約476億円、破砕工場は84億円を札幌市として設定しているというような答弁がありました。
私は、どこの企業が受注しても、札幌市として、中立、公平、透明性、客観性を持った入札をすべきだということを昨年の決算議会の中でも指摘してきたところであります。
このような中で、約870億円の債務負担行為が設定される状況の中で、前後をして、昨年の2月になるのでしょうか、第1回目の駒岡清掃工場更新事業者選定委員会というのが設置をされて、以降6回、今年の2月7日まで開催をされてきたわけであります。
この中では、昨年の2019年、令和元年の8月1日に新駒岡清掃工場の入札の公告がされました。そして、何回か開かれまして、12月3日には、それぞれ参加をする企業、グループから、入札提出書類の締切期限の12月3日に資料の提出を締め切って、今年の2月7日に提案書に関するヒアリングと審査を行い、また、入札価格の開札も行い、2月18日には落札者の決定及び公表が行われてきたわけであります。
そこで、最初の質問は、先ほど申し上げました昨年の2月から開かれました第6回になります検討委員会の議事録の作成及び確認は誰が行っているのか、また、この議事録は、最終的な完成版と理解してよいのか、初めに伺いたいと思います。
◎村田 施設担当部長 事業者選定委員会の議事録の作成につきましては、選定委員会の実施に係るアドバイザリー業務の受託者が作成しまして、選定委員会の委員及び事務局で確認の上、確定したものでございます。
したがいまして、今回ご確認いただいた議事録につきましては、完成版という認識で構わないと思います。
◆ふじわら広昭 委員 それでは、そちらからコンサル会社との契約書の写しを提出いただいておりますけれども、その中に著作権はという項目がありまして、成果報告書に関する全ての著作権は委託者に譲渡すること、いわゆる札幌市にこれを譲渡するということになっておりますけれども、そういう意味では、今後、議会が求めた資料は全て出していただけるということで理解してよろしいでしょうか。
◎村田 施設担当部長 私ども的には、著作権は、今お話のありましたとおり、市のほうとしてはいただく形になるのですが、今回のメーカーの資料等々につきましては、何と言ってもメーカーの技術的なノウハウ等々がありますので、公表できる部分とできない部分があるということでございます。
◆ふじわら広昭 委員 それでは、公表できる部分は提出していただくということで理解してよろしいですか。
◎村田 施設担当部長 今後とも、今は提案書という形で出てきているわけなのですけれども、メーカーいわく、提案書そのものが技術的ノウハウというところがございます。したがいまして、現段階におきましては、その提案書を提出ということになると難しいということになっています。
◆ふじわら広昭 委員 私は、提案書とは言っていませんよ。契約書にある成果報告書に関するということで提出できるのか、提出してくださいということを確認しているのです。
◎村田 施設担当部長 現段階では、私どものところにも提案書の比較しか来ていないものですから、今後とも、そういうものを精査した上で、これから第2回定例会がございまして、そこで審議していただいて、最終的に議決を得るというためには、様々な資料を作っていかなければならないと思いますので、精査した上で、公表できるものはさせていただきたいと思っています。
◆ふじわら広昭 委員 それはおかしいんじゃないですか。
札幌市は、8月1日ぐらいでしたか、公告をした際に、様々な入札の条件について設定しておりますけれども、その条件を設定するに当たって、事前にコンサル会社に、この入札契約書に具体的に書いてある様々な資料を作らせているわけでありますけれども、その中でも、部長の言うように、百歩譲って、企業の秘密とか、あるいは特許と言ったとしても、特許はオープンにされていて、何年間はそれを利用することができない、そういう状況になっているわけでありまして、コンサル会社に作成させた成果報告書については、市がしっかりと委託者に譲渡するとなっているんですけれども、では、これはいつ譲渡されるのですか。
今の部長の答弁では、まだ全く譲渡されていないと。譲渡されていないんだったら、なぜ、全てコンサル会社に丸投げで様々な仕様書を作ってもらったというふうに理解せざるを得ないのですけれども、そのように理解してよろしいんですか。
◎吉岡 副市長 質問の趣旨は、コンサル会社が議事録の業務の補佐をやっているので、その成果品は出せないのかということで、それは、今、委員のご指摘のとおり、その成果については市のほうで受領しますので、公表できるところでございますけれども、部長が、ちょっと今、混同しながらお話をして恐縮なところがございましたけれども、手を挙げてきている応募者の中の資料で、技術提案に係るもの、あるいは、個別のノウハウに係るもので、提案者として開示されては困るというものについては、当然、開示できないわけでございますけれども、それ以外のものについては、委員がご指摘のとおり、公開すべきものは公開させていただきたいと思っております。
◆ふじわら広昭 委員 では、副市長の答弁を確認させていただいて、後日、必要な書類については提出を求めていきたいというふうに思います。
そこでもう一点、最終的にこの成果物が札幌市に全て委譲されるのは、譲渡されるのは、部長、いつになるのですか、明確に言ってください。
◎村田 施設担当部長 一応、業務期間は3月末ということでございますので、一応、我々のところには、そのぐらいの時期に届く予定になってございます。
◆ふじわら広昭 委員 今、では、3月末までに来るというふうに確認をさせていただきます。
次の質問は、入札価格の得点算定式、また、DBOという方式を札幌市は今回採用しておりますけれども、改めて、入札価格の得点算定式に10乗という方式を定めた理由について伺います。
また、DBO方式を採用した理由についても、あわせて伺いたいと思います。
◎村田 施設担当部長 本算定式、価格式の採用についてでございますけれども、これにつきましては、全国の清掃工場建設時の先進事例を参考に検討し、選定したものでございます。
本算定式は、高度な技術提案への期待と、品質を保ちつつも価格競争を働かせ、価格についても一定の低減が期待できる、技術と価格のバランスのとれた提案を引き出す算定式でありますことから、今回、選定したものでございます。
また、本算定式は、自らの価格、各事業者さんが自分の価格点を判断することができますことから、今回提案いただいた全ての入札参加者から技術と価格のバランスに配慮した高度な技術提案を提出いただけたと認識しているところでございます。
次に、DBO方式の採用につきましてでございますけれども、導入可能性調査の結果をもとに検討しておりまして、本市の負担額が最小であり、経済性に優れている、他都市のごみ処理施設で導入実績が多い、
民間事業者の参加意欲が高く、競争性が確保できる、本市が所有権を有することで事業への積極的な関与と影響力を発揮することができるという理由でございまして、採用を決定したものでございます。
◆ふじわら広昭 委員 それでは、確認いたしますけれども、10乗方式に決めたのは、技術力を重視するため、また、DBO方式に決めたのは、競争性を高めるためというふうに理解してよろしいですか。
◎村田 施設担当部長 そうですね。
価格式については、まず、私たちの基本的な考えとしましては、要するに、価格で競争していただくというよりも、まずは技術力を第一に考えたいということで、こういう式を選定させていただいたところでございます。
DBOにつきましては、競争性、当然、そういうこともありますけれども、やはり、設計から建設、それから、運営まで一括で事業者さんにやっていただけるという、そういう全体のメリットも大きいということも考えまして、これを採用したということでございます。
◆ふじわら広昭 委員 次の質問に移りますけれども、次は、地域への貢献という評価項目もありますけれども、地域貢献の中では、市内企業や資材調達、また、市民雇用の提案をどのような基準で審査したのか、伺いたいと思います。
◎村田 施設担当部長 地域貢献につきましては、落札者決定基準に基づきまして、審査の視点であります市内企業の活用、それから、市内からの資材の調達、それから、地元人材の雇用などを大きく考慮した上で、提案内容について、各選定委員の方々が独自に審査をしていただいたものということでございます。
◆ふじわら広昭 委員 以前にもそちらに求めた資料の中には、いわゆる地域貢献の中で、元請は別にして、1次下請、2次下請について、具体的な企業名はちょっと定かではありませんけれども、そうした企業との取引、購入の予定を求める資料があったと思うのですけれども、その中でいきますと、3者があったのですけれども、具体的な会社名は今の時点では必要ありませんけれども、そちらからいただいている、動物の名前でいきますと三つつけているのですけれども、どこが一番地域への貢献で市内企業の協力とか資材の調達とか、また、市民の雇用という意味ではどういう順番になっているのですか。
◎村田 施設担当部長 はっきりここで、どこの業者、どこがどうだというお話はなかなか難しいのですが、一応、今回、事業者選定委員会が公表した内容としましては、イヌグループ、ヘビグループ、トリグループというグループ名がありまして、この中では、イヌグループとヘビグループにつきましては、地域への貢献が高い提案を行っているという評価を事業者選定委員会の中ではしています。
◆ふじわら広昭 委員 それは、市内企業や資材調達、市民雇用を含めたということで理解してよろしいでしょうか。
◎村田 施設担当部長 そのとおりでございます。
◆ふじわら広昭 委員 その中には、三つの応札に参加した企業の中には、間違って1次下請、2次下請しか書かないところに例えば元請の金額も入れているというようなことはないのですね。それを確認したいと思います。
◎村田 施設担当部長 私ども事務局も、その辺は丁寧に確認させていただいておりますので、そういうことはないと判断しております。
◆ふじわら広昭 委員 私は、先ほども申し上げたように、どのような基準で審査をするか、審査の角度はいろいろあるかと思います。私どもは、議会の中で、やはり、本州企業が札幌市の仕事を受注しても、しっかりと賃金、労務賃を払っていただくというか、そうしたことも評価の対象にしていくべきではないかなというふうに考えているわけです。
そういう意味では、言える範囲には限界があるのかもしれませんけれども、どのような基準で、今、部長が言ったように、審査員の人に審査をしてくださいということで審査を求めたのか、その辺の基準について伺いたいと思います。
◎村田 施設担当部長 地域貢献についての評価でございますけれども、資料自体は、委員はご存じだと思うのですが、金額等を記載する内訳があります。それから、金額だけではなくて、いわゆる自由記載で、例えば、地元の人材をこれだけ採用しますとか、これから7年後には完全に地元の人を使ってやりますとか、各メーカーさんがいろいろな提案をされて、総合的に、どの会社、事業者さんが一番いいか、何点つけるかというような個々の判断で点数をつけているということでございまして、決して、金額のみで評価をしているわけではなくて、総合的に評価しているということございます。
◆ふじわら広昭 委員 総合的なというのは、いいところもあるし、ちょっとグレーゾーンのところもあるのですが、これは、今言ったような基準ということでありますので、そのうち、資料を提出していただきたいというふうに思います。
次の質問は、破砕工場における危険物除去の審査基準、例えば、リチウム電池は携帯とか時計などにも使われておりますけれども、こうしたものは、機械などで踏みつけると発火する危険性が高いわけであります。こうしたリチウム電池などを含めた危険物が搬入されたものを、目視をして整理していくのか、また、きちっと破砕工場の指定された場所に広げて手選別などをしていくのか、こうしたものの基準はどうなっているんでしょうか。
これは、三、四年ぐらい前になりましょうか、もう仕事が終了する間際に発寒の破砕工場に運ばれてきたものを山積みにしていったために、そこから発火をして、破砕工場が1年以上使えなくなったということがあるのですけれども、そうした安全面から、こうした危険物の除去というか、仕分けについてはどのような基準で審査をされていったのか、伺いたいと思います。
◎村田 施設担当部長 破砕工場におけます危険物の除去につきましては、いわゆる落札者決定基準に基づきまして、施設の安全性という審査項目において、各選定委員がそれぞれの提案内容を比較しながら、適切な危険物の除去が行われるか等の視点で審査を行ったものでございます。
入札参加者3グループともに、最近、大変問題になっておりますリチウムイオン電池の選別等々につきまして、発火監視装置の充実、それから、発火時の消火の対策、それから、いわゆるリチウムイオン電池の手選別、これは事前に行う形になると思うのですけれども、そういうものを強化しまして、あとは、コンベアー等々を難燃性の材質にするというような提案があって、これらを審査したところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 そういう提案があったことはわかりますけれども、どういう審査基準でこれを審査していったのか。
審査をするのは6名の有識者の皆さんであるわけでありますけれども、第4回目の検討委員会の議事録を見ましても、リチウム電池は入る前提なのか、入らない前提なのかということがこの議事録からは読み取れないわけですよね。入る前でシステムを構築したほうが高い評価になるのか、あるいはまた、そうした対応というのは過剰設備として評価をしていくのか、その辺がこの議事録から読み取れないのですけれども、これはどういうふうに理解したらよろしいでしょうか。
◎村田 施設担当部長 評価の基準というと、6名の方々が評価をされるわけなので、その方々がどういう形で評価されたかというのは、私もそこまで理解していないのですけれども、基本的には、リチウムイオン電池がもうすぐに入るという前提のもとに私どもも運営を行っていかなければならないので、その対策ということを踏まえた評価はここに盛り込まれているというふうに判断しております。
◆ふじわら広昭 委員 第4回目の4ページのところで、ある委員からそういう事例を示されてどうなのかというときに、事務局は、そのものに対して了解をしたということなのだけれども、これはどういうふうに了解をしたというふうに理解をしたらいいのか、改めて伺いたいと思います。
◎村田 施設担当部長 さっき、議事録は確定版とは言ったのですが、若干漏れていたのかもしれませんけれども、ここのところに書いてある、委員が言ったことに対し、一応、了解したということは、この後、ちょっとやりとりがあったと思うのですけれども、イオン電池が入る前提だということでございます。
◆ふじわら広昭 委員 議事録には、正確にやりとりを記載してもらわなければ、議会としては、検討委員会でどういうやりとりをして、事務局である札幌市に見解を求められたらどういう答弁をしたのか、回答したのかということがわからなければ、事実関係をしっかり確認することができない。
最初の部長からの答弁で、この議事録は完成版だというふうに理解をして、私も受けとめておりますので、そういう方向で今後も対応していきたいというふうに思います。
次の質問は、高効率発電の関係です。
これは、以前から、新駒岡清掃工場を建設する準備段階から、私ども議会には、新駒岡清掃工場は高効率発電にしっかりと取り組んでいくのだと、幾度となく説明を受けてきたわけであります。
具体的には、夏は発電に特化することで現状の約2倍、冬は現状の約3倍の余熱供給を見込むというふうにしているところであります。
そちらからの資料などでは、そうしたことを踏まえて1万3,500キロワット以上の発電を目指すということでありましたけれども、入札参加者からはどのような発電量が示されたのか、伺いたいと思います。
◎村田 施設担当部長 発電量についてのご質問でございます。
委員からお話のありました1万3,500キロワットにつきましては、基本計画において諸元として設定した数値でございまして、いわゆる要求水準書としてのものではございませんが、各社から提案いただきました発電量につきましては、いずれも1万3,500キロワット以上の提案となっておりまして、高いレベルの提案であったということでございます。
◆ふじわら広昭 委員 1万3,500キロワット以上というのは、具体的にどのぐらいのレベルだったのか、教えてください。
◎村田 施設担当部長 これも、各メーカー個別のいわゆる技術、ノウハウに関わる情報ということでございまして、今の段階では非公開とさせていただいております。ご理解のほどをよろしくお願いいたします。
◆ふじわら広昭 委員 いや、全く理解できませんね。例えば、第2回目の検討委員会、あるいは第3回目の検討委員会においては、発電量について、最大化もしくは最適化という違いが明確になっていないまま検討がされてきたように、議事録を読む限りは読み取れるわけであります。
また、第3回目では、発電量の義務化などは契約書で示し、次回に協議となっておりますけれども、第4回目の検討委員会の協議の議事録を見ますと、そうしたことが一行も全く載っていないんですけれども、これはどのように検討されて基準を示したのか、改めて伺いたいと思います。
◎村田 施設担当部長 本当であれば、ここのメーカーはこのぐらいというようなお話をできれば大変よろしいのですが、単にタービンの発電の出力と言いますけれども、例えば、数万キロワットのタービンの出力だということになりますと、ここに送る蒸気のボイラーの性能、温度だとか圧力だとか蒸気量だとか、その辺もメーカーサイドであれば容易にその性能が分かってしまうということでございます。
今、うちに提案いただいたものは、一応、この清掃工場の最先端の技術を各社がしのぎを削って出していただいているところでございまして、そこで、例えばですけれども、1万5,000キロワットのところと、1万7,000キロワットのところがあったら、それだけでボイラーの圧力と蒸気の量はこのぐらいでというのが分かって、うちよりも進んでいるのだなと、遅れているのだなということが容易に理解できるというような状況でございまして、現段階ではその辺のことは公開できないというのがメーカーの見解でございます。
◆ふじわら広昭 委員 それでは、各メーカーに求めたのは、最大化なのか、あるいは最適化なのか、それはどちらですか。
◎村田 施設担当部長 これも非常に難しい状況でございまして、ごみのカロリーというのは一定ではございません。ですから、最高でいきますと、ごみのカロリーは、例えばですけれども、1,500キロカロリーから2,500カロリーまであると、最高だと2,500キロカロリーで計算すれば最大で出る。しかし、私どもで言うと、大体平均ということなので、今の話で言うと、最高というよりは、平均化というか、適正化というところが正しいのかと思います。
◆ふじわら広昭 委員 平均化ということは、最適化ということでよろしいんですか。
◎村田 施設担当部長 一応、そういうことです。
◆ふじわら広昭 委員 それでは、後日、またその資料を求めておきたいと思います。
次に、以前、そちらから説明を受けて、今のやりとりの中でも1万3,500キロワット以上ということでありますけれども、これは、国の補助金をもらうための基準は、最低1万3,500キロワットをクリアしなかったら補助金がもらえないと。いわゆる23%以上の高効率発電をするためには、札幌市としては1万3,500キロワットをクリアしなければならない。当然、今回応募してきたメーカーは、そうした技術は持っておりますけれども、私ども議会としては、それは最大化なのか、最適化なのか、そうしたことをはっきり確認しなければならないわけであります。
そこで、改めて部長に質問いたしますけれども、この高効率発電をするためには、いろいろなノウハウもあるんでしょうけれども、それは別にして、札幌市は、この高効率発電の中で何を最も重視をする考えなのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎村田 施設担当部長 今、いわゆる国の補助金、交付金というお話がございましたが、現在、国の交付金の要綱というのは、私どもの施設のレベルで言うと、
エネルギー回収率という形で示されておりまして、これがいわゆる23%以上ということでございます。
基本的に、今回、提案のあった3メーカーにつきましては、全て
エネルギー回収率は23%以上をクリアされている提案だったということでございます。我々も、これは重要だと思っているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 私が求めているのは、23%以上の
エネルギー回収がなかったら国の補助の対象にならないんですよということをもう申し上げているんです。私は、この高効率発電の取組の中で札幌市は何を一番重視しているのか、そこのことを、今、求めているんです。
◎村田 施設担当部長 発電に特化すると、私どもの駒岡清掃工場の場合は、発電のほかに冬場の熱供給という大きな使命を背負っているものですから、これは当然大事だと。冬場はそうなのですけれども、夏場については、できるだけ発電をして、当然、所内では使うし、それから、余った余剰電力については逆送をしたいと。
昨今では、FITという固定価格買取制度がありますので、割と高い価格で買い取っていただけますので、そういうところは大変重要視していきたいというふうに思っています。
◆ふじわら広昭 委員 答えていないと思うんですよね。分からなくて答えていないのか、意図的に答えをしないのか。
以前、私どもがそちらから説明を受けてきたのは、今回の入札でも書かれておりますけれども、いわゆる余剰電力、売電ですね。工場内で使い切った以外のものは北電に買い取ってもらうのだということを強調されているわけですよね。
議会としては、それぞれ発電する中でどれだけ余剰電力を各社が発電できるのか、そういうところも注目しなければなりません。
そういう意味では、部長、後日、この売電、余剰電力が3社はどのくらいの量であったのか、これを示していただきたいと思いますけれども、よろしいですか。
◎村田 施設担当部長 余剰電力と言いましても、先ほど申し上げたとおり、冬場と夏場では全然違いますし、委員がご指摘のとおり、当然、余剰になるものについては売電となります。北電だけではないのですけれども、そういうところに、固定価格の場合は北電等になりますけれども、そういうところに売ってまいりたいと思っております。
それで、今後、落札事業者等についての説明資料には、その辺も明確にさせていただきたいと思っています。
◆ふじわら広昭 委員 私は、検討委員会の中でそれぞれ提案された会社がどのようなものを提出してきたのかということをきちっと比較できなければ、それが果たして妥当性があるのかどうかということを確認できないわけです。
改めて、冬は、蒸気をつくって真駒内の団地に暖房を送るということは理解します。しかし、余剰電力、売れる可能性のある電力というのは、その3社がどういう数字を市に提案してきたのか、そこを聞いているわけですから、出していただけますね。
◎村田 施設担当部長 私も出せますと言いたいところなのですが、これも先ほどの繰り返しになりますが、いわゆる発電出力がわかって、所内電力が大体2,000から3,000ということがあったら、それ以上は全部売電だということになってしまいますから、そういう意味では、発電出力イコール売電も、どれだけ売れるのか、売れないのかというのは技術的ノウハウの一部ということでございまして、現状では公開することができないということでございます。
◆ふじわら広昭 委員 もう公表もしているんだし、例えば、そういうようなものを5月の末から6月にかけての第2回定例会で、議会運営委員会は本会議招集日の1週間前ですよ。1週間前にいろいろな資料が来て、我々は皆さんのようなスタッフがたくさんいないわけですから、1人で資料を分析していかなければならないのです。早目にしっかりそうしたものをもらわなければ、今回の検討が十分されたのかということが確認できないんですよ。
さっきの部長の答弁では、3月末にもコンサル会社に委託した全ての資料が来るということでありますから、4月上旬には出していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎平木 環境局長 提案内容等に関してのご質問でございますけれども、先ほど部長のほうからも答弁をさせていただきましたところでございますけれども、提案内容については、その部分、部分にも事業者の皆様独自の企業の技術的なノウハウ、秘密に関するような情報も含まれてございまして、そういったものについては非公開とさせていただいておりますということをご理解いただきたいと思います。
なお、第2回の定例議会に、契約案件についてご審議いただくご提案をさせていただく際には、どのような資料をお出しできるのかということは検討させていただきたいと思っているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 そういう答弁では納得できないですよね。別に、発電する方法を教えてくださいと言っているわけではなくて、それぞれ各メーカー独自のノウハウに基づく発電で、どのくらいの余剰電力がつくられるのか、そこだけを教えてくださいということで、何も企業秘密だとか何か問題になることではないと思いますけれども、改めて伺いたいと思います。
◎平木 環境局長 お出しをする情報の中身と企業独自のノウハウというところについてでございますけれども、一律にお出しできる、できないというわけにもいかないところもあるかと思いますけれども、事業者の皆様に確認をしながらということになるかと思いますが、ご提示をするというお約束はできないものということでございます。
なお、先ほど出ておりました今回のアドバイザリー業務の成果物との関係で申し上げましても、そちらのほうにも、もし技術的なノウハウ等に関わるようなものがあれば、お出しできないものもあるかというふうに考えているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 私は、ノウハウを示してくださいというのではなくて、そのノウハウをもって、どれだけの発電量が、余剰電力がつくられるのですかということを聞いているのです。もう一度、答弁をお願いいたします。
◎平木 環境局長 繰り返しになって申し訳ございませんが、そのことをお答えする、あるいはお知らせをすることによって技術的なノウハウに触れることになるのかどうかというのも確認しながら対応させていただきたいと思ってございます。
◆ふじわら広昭 委員 検討委員会がどのような検討をされたかは、まだ議事録から十分に読み取れませんけれども、ある程度の結果が出ているわけですね。議会で議会承認を受ける前の手続まで行っているわけですから。そうしたら、そういうことはしっかり示せるのではないですか。
副市長、どう思いますか。
◎吉岡 副市長 ご指摘、ご懸念の視点としては理解をするところでありますけれども、先ほど来ご答弁申し上げておりますとおり、私どもが要求している諸元、水準を満たす提案があって、それぞれ評価されている、それは私どもが設定したハードルを超えているものであると。それに関して、どのような数字であったのかということについては、現時点の当局側の考えとしては、それぞれのノウハウに関するものなので、個別なもののご提示を求められていることについては、今、局長からお答えしたとおり、応じられないところもございますけれども、各メーカーに確認の上、できるところは公開したいと思っているという答弁でありました。
しかしながら、部長が先ほど来答弁しているとおり、その数値自体がメーカーのノウハウ、特徴を表すことになってしまうので、なかなか難しいところがあるということを申し上げているところでございます。
したがいまして、委員がご要望の各メーカーの各数値について詳細を出せということについては、現時点の考え方としては難しいというふうに考えているということでございます。
決定したものについて、どういったものかということについては、そのうち、諸元、設計能力等々、そういったものについては公表していくというものでございます。
◆ふじわら広昭 委員 今までも、この質問をするに当たって、こういう資料を欲しい、提出してくださいと言ったら、各メーカーはことごとくこれを拒否しているのですよ。では、いつの時点で出してくれるという保障が、副市長、あるのでしょうか。
◎吉岡 副市長 まさにおっしゃるとおりでありまして、メーカーに聞いて、出しては困るということであれば、私どもとしては出せないということになってくるということでございます。
◆ふじわら広昭 委員 そういうことであれば、6月の議会に、5億円以上の案件ということで議会承認が必要になりますけれども、先ほど申し上げたように、約870億円の債務負担行為が設定をされておりますので、十分な資料がないと、審議もできないし、議会での承認というのも難しくなる可能性も出てくるのではないかなというふうに思うわけであります。ぜひとも早く出していただきたい、このことをまず求めておきたいと思います。
次は、各専門分野の先生が6人いらっしゃるわけでありますけれども、それぞれ専門分野の先生ですから、清掃工場の建設などに当たって経験のある先生もいるし、そうでない方もいらっしゃるかもしれません。そういう中で、私は、それぞれでヒアリングや提案された内容を採点していく上では、それぞれの専門分野の皆さんから、様々な角度から意見を出し合う、そうした場があってもよいのではないかなというふうに思っているわけでありますけれども、そうしたことはこの議事録の中から全く読み取れないわけでありますけれども、どのように理解したらよろしいのでしょうか。
◎村田 施設担当部長 選定委員会におきましては、いわゆる一般的な知識の共有化を図るための意見交換ということは行っております。ただ、議事録のことで申し上げますと、やはり、その議事録の中も、専門的ノウハウにかかわる部分については、大変申し訳ないですけれども、除外させていただいているという状況でございますので、ご理解いただければと思います。
◆ふじわら広昭 委員 私は、何も専門的なことを求めているのではなくて、その6人の先生が、札幌市の示した条件に、応募してきた3社がどのような提案をしてきて、どのような意見交換をして、専門分野の先生から、これはこうですよねとか、そういう意見交換をされたのかということがなかったら、そこの分野にあまり精通しない人は平たく言うと分からない場合もあるんで、やはり、しっかりとした判断ができない場合もあると思うのですよね。
そういう場が、本来であれば第5回目に私は行われるというか、2月7日のヒアリング、技術点、価格点の公表の前に、こうした意見交換というものが行われるべきだというふうに思うわけでありますけれども、こうしたことも議事録の中である委員の方から求められていますけれども、それをどのように取り扱うのかということも、一切、議事録の中に載っていない。それは企業秘密でも何でもないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎村田 施設担当部長 委員がご指摘のとおり、やはり、いろいろな方がいらっしゃいまして、専門外の方もいらっしゃいますので、情報の共有化をするための意見交換というのは行っているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 そちらから提出いただいた各先生方の点数表というのがありますけれども、この中でも、施設の安心・安定稼働の中では、基本性能の維持、処理システムの信頼性という項目があって、配点が各5点となっているわけでありますけれども、私は、これをずっと眺めていきますと、基本性能の維持と処理システムの信頼性というのは、ある意味では表裏一体のものだというふうに思います。
検討委員会の座長の講評の中にもいろいろコメントがありますけれども、私は、それぞれの評価を見て、非常に疑問が残るところであります。
そこで、座長が示しました内容の事項を見ていきますと、評価をした上で、受注した会社に対して、さらなる
エネルギー回収効率といいますか、発電をしっかりしていただきたいという趣旨の文章があります。
読み上げますと、処理対象物の安定処理、提案された発電効率、余剰電力の達成に努めるとともに、運転計画の創意工夫により、さらなる
エネルギー回収に努めていただきたいと。
これは、いろいろな解釈ができるのですけれども、例えば、受注した会社が十分に
エネルギー効率などを含めたこの文章の中に意味されたものがあまりないので、さらに努めるようにとも読み取れるものになるわけです。
ですから、私は、検討委員会の中でのそうした議論の中で、余剰電力の数値なども出してくださいというふうに言っているのですけれども、ここの解釈の違いもあるかもしれませんけれども、部長、ここの文章のくだりはどのように受けとめているんでしょうか。
◎村田 施設担当部長 ここは、一応、総評という形で載せさせていただいているものでございまして、今回、落札候補者になった事業者さんが逆に言うと劣っているとか、そういうものではないというふうに判断をしてございます。今後とも、こういうことは必ず必要なもので、今後ともますます努力していただきたい、そういう趣旨でございます。
◆ふじわら広昭 委員 私は、劣っているとか、そういうのではなくて、3者がどういったような余剰電力などの量をきちっと数値化して提出してきたのか、そうでなければ、議会の中で本当に駒岡の新清掃工場で高効率発電が達成できるのか、そうしたことを確認するために資料を求めているわけであります。
改めて副市長にも申し上げますけれども、やはり、こういう必要な審査をするために必要な書類を出さないということは、議会がしっかりとしたチェックを果たすことができないということにもつながります。私は、特許だとか、そうした特殊なものを出してくれとは言っていませんので、数値とかそういうようなものはそれぞれの技術の結果として、しっかりとメーカーが取り組んだ形での数値でありますので、それは何も秘密でも公にできないというものでもないと思いますので、しっかりと提出するようにしていただきたい。
最後に申し上げますけれども、いずれにしても、6回の検討委員会の中で、事務局でこの検討を今後していくということで受け取っているものとか、そうせざるを得ないものの表現がありますけれども、それに対して、各委員の提言に対して、では、このように判断していきますとか、こういう判断でご理解くださいとか、そういうものが全く、各委員から出された次回の検討委員会の中にもない。
こういう議事録は本当に正確なものなのかどうなのかということは、議会としては大きな関心を持っているところであります。
私は、冒頭に申し上げましたように、やはり、公平性、中立性、透明性、客観性をしっかり持った入札でなければだめだというふうに思いますので、副市長、しっかりと環境局を指導していただいて、資料の提出をしていただくように求めて、質問を終わります。
◆石川さわ子 委員 私からは、持続可能な社会やその担い手づくりを目指した環境教育について、何点か伺いたいと思います。
札幌市におきましては、2018年3月、第2次札幌市環境基本計画を策定し、国連の持続可能な開発目標、SDGsの達成に向けて、環境保全の側面から率先して取り組むと明記をするとともに、札幌の環境の将来像として、次世代の子どもたちが笑顔で暮らせる持続可能な都市、環境首都・札幌と定め、その柱立ての一つに環境施策の横断的、総合的な取組の推進を掲げ、環境教育・環境学習の推進を打ち出しております。
2019年3月には、札幌市環境教育・学習基本方針を改定し、その基本理念として、みらいを想い、みんなを思い、真剣に考え行動できる環境市民を育てることを掲げております。
今や、温暖化や自然破壊など、地球環境の悪化はより深刻化をし、一刻を争って取り組むべき課題となっていることは言うまでもありません。
環境問題においては、解決に向けて身近な生活の中から行動を起こせる課題が多く、以前から、グローバルに考え、ローカルに行動することの重要性、必要性が強く言われておりまして、一人一人の行動が求められていると思います。
札幌市において、誰一人取り残さないを基本理念にまとめられたSDGsの目標を取り入れながら、環境教育・環境学習に取り組むに当たっては、いろいろな場面や機会において、子どもから大人までのたくさんの人々が参加し、ともに取り組めるものとすべきというふうに考えます。
こうした取組を進めていくに当たりましては、家庭、地域、市民活動団体、事業者などの様々な担い手がそれぞれの活動に共感し、ともに行動することが重要だというふうに考えます。また、環境市民を育てていくためには、事業者や中間支援組織によるサポートも効果的でありまして、学びの場や活動の機会において、それらを行政が積極的につないでいくことも重要と考えるところです。
そこで、質問でありますが、持続可能な社会づくりを目指し、環境市民を育てるためには、学校のみならず、様々な世代の様々な主体が連携できる環境教育・環境学習を進めていくべきというふうに考えますが、どのように取り組んでおられるのか、また、今後どのように取り組むのか、伺います。
◎大平
環境都市推進部長 環境教育の現在の取組と今後についてお答えいたします。
昨年3月に改定いたしました札幌市環境教育・環境学習基本方針では、持続可能な社会の実現に向けて、市民一人一人が生涯にわたって継続して環境問題に取り組むことができるよう、大人を含めた幅広い世代を対象として、環境教育・環境学習を推進することとしております。
具体的な取組といたしましては、例えば、環境プラザでは、市民向けの環境保全に関する講座や環境相談の実施、環境活動を行う個人や団体への活動場所の提供など、幅広い世代の環境活動がより広がるよう支援をしてきたところであります。
さらに、今年度は、こうした取組に加え、環境問題に関心を持つ幅広い世代が参加でき、意見交換を行う札幌市みんなの気候変動ゼミ・ワークショップを8回にわたり開催したところ、市民活動団体や企業のCSR担当、一般市民の方々を含め、100名近くの参加があり、参加者同士がつながり、ネットワークをつくり上げ、実践に移す動きも見られました。
今後も、幅広い世代や主体がつながる多様な場や機会の創出を行い、様々な主体による環境活動の取組をさらに広げていきたいと考えております。
◆石川さわ子 委員 環境問題をきっかけにワークショップを8回行って、ネットワークづくりが進められているということを今お聞きいたしました。
このように、多くの参加者が行動を起こすきっかけの場となり、さらに参加者がつながることは大変すばらしいことだというふうに思います。札幌市の役割としては、私は、そういう機会や場をつくり、自発的な行動の後押しをすることだというふうに思いますので、今後も積極的な取組を期待しております。
このように、私は、札幌市も頑張った取組をされているというふうに思いますけれども、2019年9月にニューヨークで開催されました国連気候行動サミットでは、皆さんもご存じのように、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんをはじめとする若者たちが、地球
温暖化対策に向け、世界中の指導者たちが行動を本格化させる緊急性と指導者の責任について力強くメッセージを発信されておりました。
グレタさんが1人で始められた議会前での座り込みの抗議行動は、未来のための金曜日と訳されるフライデーズ・フォー・フューチャーとして、今や世界中の若者たちに広がっております。
札幌市におきましても、市内の高校生がこの活動に賛同し、Fridays for future Sapporoとして、昨年10月から街頭アピールなど、市内で自発的に活動を始めております。
また、中学生、高校生たちがSDGsの普及に向けた独自のゲーム開発や発信を行うなど、若者からの気候変動対策やSDGs推進に向けた活動が広がっているとも聞いているところであります。
このような若い世代の自発的な発信や活動の広がりは、若者はもちろん、全ての世代や多様な主体への波及にもつながることから、行政としても、こうした活動を積極的に支援していくべきと考えているところです。
そこで、質問でありますが、このような若い世代による活動を札幌市としてはどのように捉えておられるのか、また、今後どのように支援をしていくおつもりか、伺います。
◎大平
環境都市推進部長 若い世代の活動に対する認識と今後の支援についてお答えをいたします。
近年、札幌市でも、大学生によるフェアトレードの商品開発や、高校生においても、SDGsやフェアトレードの普及活動のほか、市民が集うイベントにおいて、企業と連携して食品ロス対策や気候変動対策を呼びかけるなど、若い世代の活動が広がってきております。
これからの社会を支える若い世代が将来にわたる様々な課題を自分事として捉え、自ら行動するこうした取組が広がっていくことに大変大きな力を感じているところであります。
既に活動を行っている若い世代からは、さらなる活動の場や機会を望む声もありますことから、今後は、企業などの様々な主体と連携・協働しながら活動できる場づくりや、広くその活動が伝わるよう情報発信を行うなど、若い世代の活動がさらに広がるよう支援を行っていきたいと考えております。
◆石川さわ子 委員 イベントなどを利用して気候変動対策を呼びかけるなど、中高生や大学生有志の積極的な環境活動が多彩に広がっているということを理解いたしました。
グレタさんのように、地球環境の問題解決に向けて社会や行政に対して意見を発信する若者は、私はこの身近な札幌にもたくさんいるというふうに思っております。身近な気づきを行動に移して、体験したことを発信しながら、そうした彼らが環境リーダー的な存在になっていくことを私は期待しております。
また、企業など様々な主体と連携し、協働していくとのことでありますが、既に自発的に活動を始められている若者の皆さんのみならず、興味のある方たちがともに取り組む活動の場づくりがさらに広がるように、今後も積極的に取り組んでいただくことをまず求めておきたいと思います。
このように、中学生、高校生、そして大学生など若い世代の方たちの活動が大変広がっておりますが、さらにその先の将来の札幌を担う次世代として、小学生から中学生にかけての環境教育・環境学習も大変重要だというふうに思います。
学校教育においては、学習指導要領が改訂され、小学校では2020年から、中学校では2021年から全面実施となりますが、この新たな指導要領では、子どもが主体的、対話的で深い学びができるよう、例えば、自然の大切さなどを学ぶに当たって、体験活動を重視し、家庭や地域社会との連携を継続していくよう工夫することが示されております。
一方、小・中学生に対する環境教育において、環境局では、教育委員会と連携し、エコライフレポートやこども環境コンテストなど、様々な取組を行ってきたというふうに認識しておりますが、次年度には小学生や中学生を対象とする環境教育ワークショップを行うというふうにも聞いておりまして、学校教育とは違った場を活用した新たな取組について注目をしているところであります。
異常気象による災害が頻繁に発生しておりますし、また、プラスチックの海洋汚染が大きな社会問題となるなど、環境問題を中心に、これまで私たちが体験したことのない課題に直面しておりまして、持続可能な社会の実現に向けましては、その担い手づくりにこれまで以上に力を入れていくべきだというふうに考えるところです。
そこで、質問でありますが、次世代を担う小学生、中学生が自主的、積極的に環境保全活動等に取り組んでいくことができるよう、環境局として今後どのような取組を進めていくのか、伺います。
◎大平
環境都市推進部長 次世代を担う小・中学生に対する今後の取組についてお答えいたします。
環境教育は、感性豊かで様々なことが吸収できる小・中学生を対象として進めることが重要であり、これまでも、環境副教材の作成、活用や、児童生徒に身近なエコ行動を促すエコライフレポートの実施など、知識の普及から環境行動の実践支援まで、幅広く継続して行ってきているところであります。
持続可能な社会の実現に向けたSDGsの取組が社会全体に普及しつつある中、来年度は、これらの取組に加え、将来を担う子どもたちにもSDGsの視点を取り入れた新たな環境教育の取組として、小・中学生を対象としたワークショップを実施する予定であります。
このワークショップでは、子どもたちの目線で身近な環境問題やSDGsについて考えるとともに、他の人の意見を受け入れながら自分の考えを整理していく経験を通じて、将来の様々な課題に対して、ともに考えて行動できる人を育てていくことを目的としています。
こうしたワークショップの成果も踏まえながら、札幌市環境教育・環境学習基本方針の基本理念である、みらいを想い、みんなを思い、真剣に考え行動できる環境市民が育つよう、環境教育の充実を図っていきたいと考えております。
◆石川さわ子 委員 最後に、要望を申し上げたいと思いますが、今のご答弁にもありましたエコライフレポートは、学年に合わせて取り組みやすいように工夫をされておりまして、例えば、使っていない部屋の電気のスイッチは消すなど、できたことを簡単にチェックできる大変優れた取組だというふうに私は認識しております。
これは、学校を通して長年取り組んでおりますけれども、こうした身近な活動がSDGsの目標達成につながっているということを子どもたちが知ることは、子どもたちにとって、大きな発見であり、喜びだというふうに感じるところであります。今後、小・中学生対象のワークショップも行っていくということであり、大変期待もするところであります。
子どもたちが、こうした環境問題を通していろいろな意見を聞きながら自分の考えをまとめることは大変すばらしい取組であり、私たち大人もそこから学ぶべきものがたくさんあると思います。
日本は、京都議定書を批准しているにもかかわらず、石炭火力発電の増設等を進めていることで、世界の中でも今や環境後進国と新聞で報じられております。若者が自分の国である日本を見て、グレタさんが地球
温暖化対策の強化を国際社会や各国政府に訴えたように、自発的に行動を起こしたことは自然なことだというふうに思います。
そういう様子を小学生や中学生が見て、楽しく考えを共有しながらつながって、そして発信などの活動をしていけるように、今後も、行政が同じ場で共感し、ともに活動しながら、それらの後押しなどの支援をしていただけるように強く求めて、私の質問を終わります。
○池田由美 委員長 以上で、第1項
環境計画費等の質疑を終了いたします。
次に、第7款 土木費 第6項 公園緑化費中環境局関係分、議案第3号 令和2年度札幌市駐車場会計予算及び議案第22号 札幌市都市公園条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。
◆うるしはら直子 委員 私からは、円山動物園における類人猿館の改修について質問いたします。
円山動物園では、先月3日に、絶滅危惧種であるボルネオオランウータンの子どもが生まれております。インドネシアから来園した母親のレンボーは、4年ぶり3回目の出産ということもあり、非常に安定した育児をしているようで、安心しているところです。
また、誕生から10日後になる2月13日には、早くも類人猿館において一般公開が始まりましたが、親子の絆や、お母さんにしっかりしがみついてお乳をもらっている赤ちゃんの愛くるしさには、多くの市民が癒やされ、その成長の様子を楽しみにされているとお聞きしております。
しかしながら、今回の新型コロナウイルス拡大防止策の一環として、今月1日から臨時休園を余儀なくされ、また、今月末までに休園期間が延長となったことで、オランウータンの親子を応援している市民は非常に残念に感じていることと思います。
そうした中でも、この閉園期間中には、円山動物園の公式ツイッターや札幌市のユーチューブチャンネルでは、臨時休園企画として、「今日の円山動物園」と題した動物の愛らしい動画が毎日配信されていまして、この中で、少し成長した赤ちゃんとほほ笑ましい親子の姿をまた見られることを、こういった時期だからこそ、私も含め、多くの市民が楽しみにしているところでもあります。
また、子どもの名前につきましては、今月20日から愛称募集の市民投票が開始されており、4月には愛称が決定するとのことですので、一日も早い再開が望まれるところです。
さて、円山動物園の類人猿館では、この親子も含め、現在3人、オランウータンは1頭、2頭ではなくて何人と数えるということでしたので、あえてそのように表現させていただきますが、現在は3人のオランウータンが飼育、展示されています。
そして、類人猿館につきましては、野外施設は約10年前の2008年に改築していますが、屋内施設については、1977年に建設したままであり、非常に老朽化が進んでいます。
こうしたことから、今回の予算案では、屋内施設の充実を図るため、類人猿館改築工事の実施設計が計上されており、改築する屋内施設は現在の場所に建設すると伺っております。
そうしますと、オランウータンの親子は、工事期間中、現在暮らしている場所にいられなくなってしまうと思いますが、市民が引き続き円山動物園でオランウータンの親子を見続けることができるのか、大変心配しているところです。
また、3人のオランウータンの姿が見られない期間があるならば、その間、オランウータンはどこで飼育されるのかということも気がかりです。
そこで、質問ですが、新施設完成までの建築スケジュールと改築中のオランウータンの飼育・展示方法について伺います。
◎加藤 円山動物園長 類人猿館の建築スケジュールと改築中の飼育・展示方法についてお答えをいたします。
まず、建築のスケジュールでございますが、今年度につきましては、設計に向けた各種の必要要件や、オランウータンが快適に過ごすための機能面での最低条件を整備しているところでございます。
来年度につきましては、その条件に基づいて基本・実施設計を行うとともに、工事の実施に向けて動物の引っ越しを行います。
工事の着手ですが、2021年度を予定しておりまして、2022年度中のオープンを目指しているところでございます。
次に、改築中の飼育・展示方法についてでございます。
新しい類人猿館は、今、委員のお話にもありましたとおり、現在地で建て替えることとしております。このことから、改築工事中は、円山動物園で暮らしている雄の弟路郎と雌のレンボー、そして、その子どもの3人につきましては、一時的に引っ越しをする必要がございます。
このうち、雌のレンボーとその子どもにつきましては、円山動物園の中にあります動物病院の一部を軽易な改修を行うだけで居住に耐え得るということでございますので、病院内にある屋内及び屋外の施設で飼育をすることとしております。
なお、通常であれば、動物病院の飼育施設は非公開でございますけれども、母子にとって毎日が退屈な生活にならないよう、そして、来園者の皆様に親子の仲むつまじい姿をご覧いただけるように、時間を限定して公開するというようなことを検討しているところでございます。
また、雄については、力が非常に強いので、強固な施設が必要なのですけれども、円山動物園には、残念ながらこれに耐え得る施設が現在はございません。このことから、雄につきましては、改築工事中に、一時的にほかの動物園に飼育預託をする予定としており、当園の飼育担当者が様子を見に行きやすく、また、来園者の皆様も弟路郎に会いに行きやすい施設で、今、調整を行っているところでございます。
◆うるしはら直子 委員 建設のスケジュールとその間のオランウータンたちの飼育・展示方法についてはわかりました。様々な配慮がされているということでございますが、2016年に同じ母親、レンボーと父親、弟路郎の間に生まれた子どものハルトが生後8カ月で残念ながら病気で亡くなってしまったことも記憶に残っているところでございます。
ぜひとも、オランウータンにできるだけ負担のかからないよう、十分に配慮していただきたいと思います。
次に、新施設について伺います。
ここ数年間に円山動物園で新たに建設したホッキョクグマ館やゾウ舎は、国際的な動物福祉の基準を満たす施設となっているほか、動物たちの本来の姿や行動を様々な角度から観察することが可能であり、展示サインにおいても、従来の施設以上に充実したものになっていると感じております。
これらの施設と比較をしますと、現在の類人猿館については、年月が経過し、老朽化が進んでいること以上に、本来は木の上で一生のほとんどを暮らすオランウータンの生活を保障するための絶対的な高さが足りていない環境にあるといったことがあります。
円山動物園は、動物園の重要な役割の一つである環境教育という点から、動物本来の生息地の現状や環境問題に対して、来園者が理解を深め、保全のための行動を起こすきっかけとなる施設づくりを目指しているものと理解しています。
また、欧米など諸外国との信頼関係の下で行われていますブリーディングローン、希少動物繁殖のための動物園間での貸し借りのことですが、こうしたことを続けていく上で、近年は動物本来の動きができる飼育環境や広さの確保など、動物福祉の観点が日本の動物園にも求められているところでもあります。
そうしたことからも、新しいオランウータン舎は、マレー語で森の人、オーランは人、ウータンは森を意味する彼ら本来の生活がしっかりと保障され、オランウータンが生き生きと暮らす様子を来園者が見ることができるものになることを非常に期待しているところであります。
そこで、質問ですが、既に(仮称)新オランウータン館新築工事ということで、基本・実施計画の実施事業者がプロポーザル選考によって決定したようでありますが、類人猿館の改築に当たってどのような施設を目指しているのか、その考え方や施設のイメージについて伺います。
◎加藤 円山動物園長 類人猿館の改築の考え方と新施設のイメージについてでございます。
今日の動物園は、動物福祉の向上を図ることが必須でございますことから、彼らが安全・安心で幸せに暮らせる施設とすることを主眼に置いております。新しい施設は、動物の生態を考慮いたしまして、本来の能力や行動が発現できるような施設を目指すこととしております。
また、動物園の重要な役割でございます環境教育についてしっかり行うことができるよう、施設全体が地球環境の学びの場となるように工夫をしてまいります。
具体的には、木の上で生活を基本としますオランウータンが高い場所で行動できるよう、最低でも8メートルの高さを確保するとともに、つかまったり、ぶら下がったりして移動できる設備を設けるなど、できる限り生息地を模したような施設を考えてございます。
また、環境教育につきましては、オランウータンを通じて地球環境問題についてしっかりと伝えられるよう、動物の展示方法やサイン表示などを工夫、充実してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、オランウータンたちが幸せに、快適に暮らせるような施設であるとともに、来園者の皆さんが地球環境について学んでいただくようなことができる施設を建設してまいりたいと思います。
◆うるしはら直子 委員 イメージについてはわかりました。
動物たちにとっても、また、子どもたちも市民も楽しめる施設になりそうで、私もとても楽しみです。
最後に、要望です。
現在、円山動物園の入園料の見直しに関して、今委員会に関係する条例の改正案が提案されているところです。生き生きとした動物の行動を見ることができるように、今ある施設の中で、動物福祉の充実を図るための施設づくりをしていくには費用が必要となります。こうしたことからも、道内でも値上げをやむなく決めた動物園もあります。
こうしたことを踏まえると、市民の負担もやむを得ないものもあると考えますが、そのために来場者が減少してしまうことも懸念されます。今後、市民はもちろん、観光で訪れる方にとってもより一層魅力的な動物園とするよう、動物園側の新たな努力や取組も必要となってくると思います。新たな施設への期待も大きいところです。
これからも、多くの方々に愛され、親しまれる円山動物園の運営と、ますますの改革を図っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。
○池田由美 委員長 以上で、第6項 公園緑化費中環境局関係分等の質疑を終了いたします。
ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後0時24分
再 開 午後1時30分
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○松原淳二 副委員長 委員会を再開いたします。
次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中まちづくり政策局関係分の質疑を行います。
◆阿部ひであき 委員 私からは、旧白石区役所跡地の利活用について伺いたいと思います。
私は、これまで、旧白石区役所跡地の利活用について取り組んできており、4年前になりますけれども、平成28年の第3回定例市議会の代表質問において、利活用候補の一つとして、白石警察署、それから、第2児童相談所、動物愛護センター、これらを本跡地に集約して整備することを提案しつつ、今後、この跡地についてどのようになるのかということの質問をさせていただいたところであります。
また、令和元年第3回定例市議会第一部
決算特別委員会においては、平成28年度以降の検討状況についても伺ったところであります。
その際の答弁は、庁内の意見を聞きながら、公的利用の可能性を幅広く模索しているとのことであり、公的利用を検討している具体的な施設として、私が提案した三つの施設に係る検討状況が示されましたけれども、いずれも結論には至っておりませんでした。
しかし、今般、動物愛護センターにつきましては、今月16日の保健福祉局の
予算特別委員会において、動物管理センター八軒本所近隣の駐車場で新設する方向での考えが示されたところであります。
また、第2児童相談所については、先日、3月19日の北海道新聞にて、区役所跡地の近隣の、これまたすぐ近くでありますけれども、水道局白石庁舎跡地、こちらを建設候補地としているということで話が出ていたところであります。
そこで、まずは、区役所跡地の利活用に係る現在の検討状況について伺います。
◎芝井 政策企画部長 区役所跡地の利活用に係る現在の検討状況についてお答えを申し上げます。
白石区役所につきましては、2016年に現在の場所に移転をしており、4年近くが経過している状況でございます。この間、埋蔵文化財などの各種調査を行いつつ、並行して利活用の検討を行ってまいりましたが、本区役所跡地が、交通利便性が比較的よく、大規模な整形地であるという特性を踏まえまして、まずは公共利用を優先的に、かつ、なるべく早く土地利用を図るべく検討をしてまいりました。
利活用検討は、庁内の利用意向や議会議論などを踏まえて、幅広い視点から進めてきたところでございます。
まず、区役所跡地近隣の区体育館などの公共施設は、いずれも20年以上の耐用年数が残っており、具体的な更新計画がない状況でございます。
次に、動物愛護センターにつきましては、ご質問の中にもありましたけれども、八軒本所隣接地で新設する方向でございます。
さらに、白石警察署につきましては、北海道警察に本跡地に関する情報を提供しているものの、具体的な更新計画は示されていない状況でございます。
最後に、第2児童相談所についてでありますけれども、本跡地を含む市内の複数候補地で検討を進めてまいりましたが、相談所に求められる位置や面積、機能と、先ほど申し上げましたこの跡地の特性を総合的に勘案して、この土地以外の候補地でも必要な機能を備えた整備が可能であると考えているところでございます。
こうしたことから、財産価値を発揮させつつ、民間活力を生かした土地利用によるまちづくりを行うべく、一括して売却を行う考えでございます。
◆阿部ひであき 委員 ただいまの答弁において、区役所跡地については、民間活力による土地活用を行っていくという考えが示されたところであります。
私は、平成28年11月の区役所移転後、区役所跡地が、その後、毎年、雪堆積場として利用されている状況を見て、現在の利用状況が今後常態化するのではないか、この辺についても大変危惧をしていたところでもあり、早期に利活用すべきであると考えているところでもあります。
また、そのような中で、白石警察署については、施設の老朽化や立地面の課題があり、移転、建て替えによってこれらの課題解決が図られるのではないかと考えておりましたけれども、これも、北海道のほうのサイドで白石警察署の話が一向に具体化しないということでありますので、非常に残念なところであります。
しかしながら、いつまでも、やはり、これはもう4年も経過していますし、放っておくわけにもいきません。早期の利活用に向けた検討を進めていくべきという考えは私にとって変わりのないところであります。
そこで、質問ですが、区役所跡地については、どのような方法で利活用を行っていくのか、また、利活用を進めるに当たっては、地域の声を大事にすることが第一だと私は考えることから、地域の意向をどのように反映していくのか、本市の考えを伺います。
◎芝井 政策企画部長 土地利活用の方法と地域の意向の反映の方法についてお答えを申し上げます。
この区役所跡地につきましては、区の拠点として長年にわたって利用されてきたことや、地域からの要望などを踏まえて、跡地利活用が地域の活性化につながるよう、広く市民に開かれ、利便性の向上に寄与する機能を取り入れていきたいと考えております。
そのため、一定の条件を示した上で、民間の知見を生かした提案を幅広く募る公募提案型入札、いわゆるプロポーザル方式を導入して売却を行う計画でございます。
次に、地域の意向の反映の方法についてでありますけれども、区役所跡地の売却におきましては、これまで札幌市で行った公募提案型入札による事例を踏まえて、公募・売却条件の設定や、提案審査の過程において地域の意向を反映させる方法について検討を進めていきたいと考えております。
◆阿部ひであき 委員 最後に、指摘でありますけれども、私も、公募提案型入札というのは、提案内容と経済性をバランスよく評価できる方法ではあるかというふうに思いますけれども、先ほども述べさせていただきましたが、事業を進める上で、地域の声を大事にすることが第一であり、公募提案型入札の実施に当たっては、地域の意向を反映する方法をしっかりと検討していただかなければならないということをまず一つ指摘したいと思います。
そしてまた、区役所跡地をいつまでも空けておくことがないように、地域の活性化につながるような利活用を進めていただかなければならないというふうに思います。
ただ、今回の件は、何よりも、都心部においての、いろいろとこういう事業のものというのは、多く動いてくるところがありますけれども、やはり、都心部以外の各区における様々な市有建設物はどのようにあるかという配置の部分というのは、札幌市としてもいろいろな提案の中で非常に見えないものがあるなというふうにも思います。
あと、何よりも、都心部以外のところの市の将来像とか、そうしたものがちょっと抜け落ちているのではないかというのは率直に感じております。
ですから、やはり、今回の事例を参考にしながら、今後の跡地利用の在り方といったものも、市の将来像と一緒にして、今後それぞれの区における地域の活性化、こうしたものにつながるような取組というものをもう一つ視野に入れていただかなければならない、このことを指摘して私の質問を終わります。
◆うるしはら直子 委員 私からは、2019年度から新規に実施していますAIを活用した公共事業の最適化に関する研究について質問します。
札幌市では、公共事業分野の将来的な担い手不足などの課題を解決する仕組みを、AIの技術を活用して、具体的には、除排雪、ごみ収集について、3カ年かけて調査研究を進めていくという説明を受けています。全国的に人手不足が大きな課題となっており、市の経済観光局が毎年行っている調査においても、約半数の企業が経営上の問題点に人手不足を挙げています。
除排雪については、雪積載場までの運搬距離が年々増加し、現場ではダンプトラック等の運転手確保に苦労していると聞いており、このままでは安定的な除排雪体制を維持できなくなる可能性もあります。
また、ごみ収集については、共同住宅専用のごみステーションなどが年々増加し、収集の作業量も増加していると聞いています。
生産年齢人口の減少により、今後さらなる人手不足が懸念される中、市民サービスを維持・向上させていくためには、作業の効率性を上げることが必要不可欠です。
AI技術は、医療における病理画像診断や自動運転など、様々な分野で実証実験が行われ、コールセンターの自動応答のように実用化が進んでいる分野もあって、業務効率化や担い手不足の解消につながることが期待されています。
また、行政の業務におきましても、翻訳システムによる窓口での外国人対応や道路の路面画像からひび割れを自動検出するシステムについて、他の政令市や道内でも実証実験を行う動きがあるなど、全国でAIの研究が進んでいます。
そこで、質問ですが、今年度の研究の進捗状況についてまず伺います。
◎芝井 政策企画部長 AIを活用した公共事業の最適化に関する研究について、今年度の進捗状況についてお答えをいたします。
本事業は、現に担い手不足が課題となっている除排雪やごみ収集といった労働集約型の市民サービスについて、AI技術を活用し、作業効率の向上などを目指す研究を3年程度かけて行うものでありまして、AI研究の第一人者であります中島秀之氏が学長を務める札幌市立大学に委託して実施をしております。
まず、除排雪に関しましては、排雪現場からの運搬距離の低減を目指すため、AI技術を活用して、市内に分散している雪堆積場のシーズンを通じた最適な使い方を導き出すものでありまして、今年度は、システム化の基礎となるこれまでの日報データによる分析を進めているところでございます。
また、ごみ収集に関しましては、収集経路の最適化を目指し、今年度は、除排雪と同様に日報データの分析を実施しております。
加えまして、ごみ収集車1台に位置情報とステーションごとの積載量を計測するセンサーを設置して、実際のごみ収集作業の見える化を図るとともに、AI技術により、複数台の収集車を配置した場合の基礎的なシミュレーションを行っているところでございます。
◆うるしはら直子 委員 ただいまの答弁で、今回の研究につきましては、AIの先駆的な研究により経済産業大臣賞を受賞しています札幌市立大学の中島学長の下で研究を行っているということで、我が会派としましても、今後、本市がICT活用戦略を進め、多様な分野でもAIを活用していく、そういったことにも広がるのではないかと期待を寄せているところであります。
また、今年度の研究は、どちらの分野でも日報などの既存のデータを活用しているところでありますけれども、AI、人工知能は、人間が処理できないほどの大量の学習量をこなす能力があると認識しています。
例えば、チェスや将棋は、AIの技術が発達し、10万回を超える大量の対局記録を学習させることで、現在は人間の能力を超えるプログラムが開発されています。
つまり、AIの仕組みを支えているのはこのビックデータであり、どれだけ多くのデータを学習させることができるかが、まず、今回の研究の鍵を握っていると考えるところです。
そこで、データの集積も含め、来年度はどのような研究を行っていく考えかを伺います。
◎芝井 政策企画部長 来年度の研究内容についてお答えいたします。
まず、除排雪に関しましては、各区の土木センターへのヒアリングを実施し、作業の詳細な流れなどを把握するとともに、過去の気象データも加えて、排雪作業量との関係性などの分析を深める予定でございます。
また、建設局が検討を進めております排雪現場と堆積場のマッチングの最適化プログラムとの連動についても検討をしていく予定であります。
次に、ごみ収集に関しましては、収集事業者の協力を得まして、中央区全域の容器包装プラスチックごみを対象として、収集車全てにセンサーを設置し、実際の収集経路など、より詳細なデータを新たに追加して分析を深めた上で、交通情報を加えたシミュレーションを行う予定でございます。
今後も、作業の効率化と担い手不足の解消につながるよう、AIが持つ学習能力などを最大限に生かして研究を進めてまいりたいと考えております。
◆うるしはら直子 委員 データ収集など、また、研究の流れについては理解をいたしました。
最後に、要望を申し上げます。
除排雪やごみ収集といった公共事業は、市民が生活する上でなくてはならない公共サービスです。これからますます高齢化が進む中で、よりきめ細やかな市民に寄り添った対応を望む声も多くあります。当たり前のことではありますけれども、人間がこれまで培ってきた熟練の経験や技術も非常に重要であり、また、人の手でなくてはできない作業、人と人との関わりが必要である仕事もたくさんあります。
そしてまた、AIによって正確で迅速に処理や判断ができるといったこともあり、効率化を目指す上では、そうした人の技術とAIの技術が融合してこそ、最大の効果を発揮すると考えます。
AIの技術を最大限に活用し、除排雪やごみ収集の現場で働く方々の一助となるようなプログラムの開発に向けて研究を深めていっていただくよう要望を申し上げまして、私の質問を終わります。
◆
森山由美子 委員 私からは、区役所窓口等におけるキャッシュレス決済の導入についてと、連携事業における行政以外の主体の参加についての2項目について質問をいたします。
初めに、区役所窓口等におけるキャッシュレス決済の導入について質問をいたします。
これまで、我が会派は、大胆な行財政改革の推進を繰り返し訴えてまいりました。さきの前川議員の代表質問においても、行政の効率化について質問し、新しい取組について答弁もいただいたところでございます。特に、ICTの積極的な活用による行革の推進、また、特に市民との関係が深い区役所などの窓口におけるサービス向上への取組なども委員会等を通じて、繰り返し要望、主張してまいりました。
そこで、今日は、そうしたこれまでの議論を踏まえて、区役所窓口等におけるキャッシュレス決済の導入について伺います。
我が国は、現金主義であり、キャッシュレス決済の後進国と言われて久しいですが、現在、国を挙げてキャッシュレス決済の導入が進められております。特に、昨年10月1日の消費税率引上げに伴う需要平準化対策として、店舗等におけるキャッシュレス決済に対し、ポイント還元が行われていることが功を奏しております。
一般社団法人キャッシュレス推進協議会が行ったアンケート調査の結果では、ポイント還元事業実施前に27%程度であったキャッシュレス決済の比率が本年1月10日現在で約34%と、わずか数カ月で大きく上昇しているとのことです。
このように、買い物などの市民生活において、キャッシュレス決済は着実に浸透してきております。
一方で、札幌市においても、区役所や市税事務所などで住民票などの各種証明書を取得する際、手数料の支払いを要する場面がありますが、キャッシュレス決済の進展の動きに行政が追随できているのかどうかという点に関心を持っているところです。
そこで、質問ですが、現在、区役所や市税事務所における各種証明書発行手数料の支払いに関し、キャッシュレス決済の導入状況や利用比率はどうなっているのか、また、その状況をどのように受け止めているのか、お伺いをいたします。
◎渡邉 ICT戦略推進担当部長 キャッシュレス決済の導入状況と利用比率についてのご質問でございます。
区役所や市税事務所の窓口におきましては、全国的にも比較的早い時期と言える平成23年8月から、SAPICAの電子マネーによる手数料の支払いを可能にしているところでございます。
しかしながら、今年度におけるSAPICAの電子マネーによる決済につきましては、全体の支払いのうち、およそ1.6%にとどまっております。昨今のキャッシュレス決済の進展を踏まえますと、まだまだこれを伸ばしていく必要があるということを認識しているところでございます。
◆
森山由美子 委員 利用可能なキャッシュレス決済手段がSAPICA1種類であること、また、その利用比率は僅少であるとのことでした。キャッシュレス決済を導入する意義は、市民の利便性向上はもちろんのこと、現金の受渡しや管理に要する手間、コストを大幅に削減し、社会を効率化することにあり、行政においても活用する意義は大きいものと考えます。
そのためには、キャッシュレス決済比率を高めることが肝要であり、目下のところ、札幌市の行政手続の決済においては、期待する効果は出ていないのではないでしょうか。
一方、他都市の状況を見ると、キャッシュレスFUKUOKAを合い言葉に、官民連携で取組を進めている福岡市の取組が目に留まります。
福岡市では、各種証明書発行窓口等において、交通系ICカードによる決済のほか、QRコードによる代表的な決済手段であるLINE Payを利用することができます。
そこで、質問ですが、札幌市の窓口においても、キャッシュレス決済の導入効果を高める観点から、利用できる決済手段の多様化を図る必要があると考えますが、その予定があるのか、伺います。
◎渡邉 ICT戦略推進担当部長 決済手段の多様化の予定についてでございます。
既に、キャッシュレス決済手段の多様化につきましては検討を進めてございまして、今年の秋を目途に実現を図ってまいりたいと考えてございます。
一般的に、キャッシュレス決済には、SAPICAのようなICカードのほか、クレジットカード、スマートフォンを用いたQRコードによる決済手段がございまして、さらに、これらの決済手段ごとに複数の事業者が存在しているところでございます。
こうした決済手段や事業者によって利用者層の傾向が異なるということから、より多くの市民にご利用いただくために、幅広い決済手段等を導入できるよう検討しているところでございます。
◆
森山由美子 委員 多様な決済手段を導入するということは、誠に結構なことと思います。しっかりと準備を進めていただきたいと思います。
最後に、決済手段を多様化することで、区役所窓口等におけるキャッシュレス決済比率をどこまで高めようとしているのか、その目標について伺って、この質問は終わります。
◎渡邉 ICT戦略推進担当部長 キャッシュレス決済比率の目標についてでございます。
多様な決済手段を導入いたしまして、その積極的な周知を図ることで、民間店舗等におけるキャッシュレス決済比率と同等程度にすることを目指してまいりたいと考えてございます。
また、区役所や市税事務所の窓口にとどまらず、札幌市の行政手続や関連施設にも広くキャッシュレス決済が浸透するよう、関係部署に働きかけてまいりたいと考えてございます。
◆
森山由美子 委員 次に、連携事業における行政以外の主体の参加について、3点質問をさせていただきます。
まず初めに、学生による課題解決プログラムの実施状況についてです。
札幌市においては、ここ数年のうちに人口減少に転じる見込みであります。特に、生産年齢人口の減少は消費市場の縮小にもつながることから税収減になり、社会保障は今後も負担増加が予想されることから、行財政がより硬直化し、行政サービスの質の低下が懸念をされます。
そのため、札幌市としては、人口減少の緩和を目指し、魅力あるまちづくりを進めるため、札幌市版人口ビジョン・総合戦略となるさっぽろ未来創生プランを策定し、各種施策を進めているほか、今年度からは、近隣の11市町村とさっぽろ連携中枢都市圏を形成し、様々な連携事業を進めているところです。
特に、連携する市町村の特徴を生かしながら、密接な連携と役割分担のもとに事業を進めるという連携中枢都市圏の取組は、今後ますます複雑化・多様化するであろう行政課題の解決に向け、新たな発想の転換と活力を見出すきっかけになると考えます。
これからの時代、さきに述べた行政課題に対応していくためには、行政だけで取り組むのではなく、多様な主体の参加を促すことで、より効果を高めることができるのではないでしょうか。
そうした考えの下、さっぽろ連携中枢都市圏ビジョンを見るとき、行政以外の参加主体として、学生や企業と連携した取組が盛り込まれていることに着目できます。これらの取組を通じて、学生の若い感性やまちづくりへの熱い思いを取り入れていくことや、企業の社会貢献活動とのコラボレーションなどを行うことは、圏域としての取組がより効果的になるだけではなく、取組の幅や深みが増していくのではないかと思うところです。
そこで、質問ですが、まず、学生が参加する学生による課題解決プログラムについて、今年度、どのような事業を実施したのか、伺います。
◎芝井 政策企画部長 学生による課題解決プログラムの本年度の実施状況についてお答えをいたします。
本プログラムは、さっぽろ連携中枢都市圏における若年層の地元定着意識の醸成などを図るため、地域課題と学生とのマッチングを行い、学生の自由な発想による地域課題の解決策の検討、実施を行うものでございます。
今年度は、複数の大学から計20名程度の学生が参加をして、各市町村から示された課題などを勘案の上、チームを組んで地域に赴き、課題を抱える人たちとの交流を図りながら解決策の実践などを行ってまいりました。
具体的には、千歳市における商店街の魅力を発信できる仕組みづくりや、さっぽろ女性応援festaへの参画などを通じたワーク・ライフ・バランスの推進に関する検討など、計6市町における多様な課題に取り組んで、地域と若者をつなぐ土壌づくりへの第一歩になったものと考えております。
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森山由美子 委員 商店街の活性化やワーク・ライフ・バランスなど、学生の課題認識による取組は、ほかの連携都市だけの実践にとどまらず、現在の、そして今後の札幌市の課題解決にもつながります。ついては、札幌圏域の若い世代間の意見交換や情報共有ができる場を設定していくべきと考えます。
今後も、若い力による地域課題の解決や活性化、さらには継続的な地域との関わりに大きな期待を寄せるところです。どうか、近隣の市町村はもちろん、多様な参加主体とも密接に連携しながら、さらなる取組につながるよう進めていただきたいと思います。
次に、企業との連携や今後の方向性について伺います。
さっぽろ連携中枢都市圏ビジョンにおいては、企業によるまちづくり活動の促進として、企業と圏域とで協定を締結するという取組が盛り込まれており、報道等によると、昨年7月に圏域の全12市町村と15社の企業とで包括連携協定を締結したと聞いているところです。
しかしながら、単に協定を締結しただけでは連携した取組とは言い難く、その協定に基づき具体の取組をしてこそ、圏域としてはもちろん、企業としてもメリットが生ずることになるのではないかと思います。
あわせて、圏域の魅力をさらに高めるためには、学生や企業のような行政以外の主体の参加を促すような取組を積極的に進めていく必要があるものと考えます。
そこで、質問ですが、この包括連携協定に基づいて実施した具体の取組があれば、その内容について伺います。また、今後どのような視点を持って多様な主体との連携を進めていこうと考えているのか、併せて伺います。
◎芝井 政策企画部長 パートナー企業と連携した取組の内容と今後の取組の視点についてお答えをいたします。
さっぽろ連携中枢都市圏におきましては、全市町村が昨年7月に、札幌市のパートナー企業のうち、15社と合計11の包括連携協定を締結したことで、広域的な官民連携を促進する新たな枠組みが整ったものと考えております。
これまでに、長沼町や千歳市の農産物を使用した商品開発、販売や、災害時の物資供給などに関する協定の圏域内の全市町村への拡大などを進めましたほか、現在、高齢者の運転免許証の自主返納支援への協力に関する協議をしているなど、各市町村や圏域の実情に応じた連携の取組の企画実施を行っているところでございます。
このような民間企業をはじめとする多様な主体との連携の推進に当たりましては、魅力ある圏域の地域づくりをともに行っていくという共通認識の下で、丁寧かつ継続的な対話を重ね、ウィン・ウィンとなれる関係を構築していくことが最も重要であると考えているところでございます。
今後も、このような視点を大切にしながら、圏域の魅力、活力や住民サービスのさらなる向上に向けて、多様な主体との連携を積極的に推し進めていきたいと考えております。
◆
森山由美子 委員 こういった取組が進んでいくことにより、圏域の魅力アップや持続可能な行政サービスを民間企業の協力を得て進めることができると期待をするところでございます。
最後に、要望を申し上げます。
昨年11月、札幌市では、パートナー企業との意見交換会も開催されたようであります。この取組は、札幌市のみならず、企業にとっても非常に有益な意見交換の場になったのではないかと推察をいたします。
企業にとっても、今や、労働力確保は喫緊の課題であり、人材定着のための連携強化、シニア雇用の促進、さらにはICT等を活用した多様な働き方に関する情報共有は大事です。ついては、一つ目の要望として、連携中枢都市圏としても意見交換の場を定期的に持ってもらいたい。また、この事業を充実させる上で、全国の連携中枢都市圏の取組もぜひ参考にして取り入れることで、圏域内全体の相乗効果を図ってもらいたい。中には、姫路市のように、地域資源を用いた研究開発で地域ブランド事業を圏域で進め、首都圏で販売したり、圏域外の企業誘致を進めるためのパンフレットを作成し、圏域内での企業立地につなげようとする動きも出てきております。
製造、加工、販売の分野のみならず、飲食店などの他業種とのマッチングなども含め、圏域内の特産品に付加価値をつけ、生かすことができれば、広域連携ならではの新たな産業振興スタイルを創出することができるのではないかと考えます。
さっぽろ連携中枢都市圏には、星を散りばめられたイメージのよいロゴもあるので、そのロゴを有効活用できれば、新たな展開に弾みとなるのではないでしょうか。
連携事業は、これからの10年間の札幌市の未来を描く上で欠かせない取組の事業であり、それは、行政機関の連携のみならず、行政以外の主体の参加によって、より多くの分野での可能性が広がると申し上げ、私の質問を終わります。
◆小口智久 委員 私からは、LEED認証についてと水素
エネルギーの利活用についての2項目について、順次、質問をいたします。
まず、LEED認証についてですけれども、我が会派では、国連で採択された持続可能な開発目標であるSDGsの重要性とその普遍性を様々な場面において注目し、推進を繰り返し述べてまいりました。
この主張が結実し、おととしの6月に札幌市は内閣府からSDGs未来都市に選定され、昨年6月には国内の認定機関からフェアトレードタウンにも認定されております。
さらに、さきの代表質問において、我が会派の前川議員は、気候変動について質問をし、秋元市長からは、2050年には温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すことが表明されました。
気候変動については、政府のSDGs実施方針の優先課題の一つと明示されております。なぜならば、気候変動による環境への影響は、豪雨災害ばかりでなく、昆虫が越冬し、また、有機物が変性するということから、感染症のリスクも高まるという世界からの学者の指摘もございます。したがいまして、気候変動は、SDGsの取組を根底から崩しかねないからでございます。
ですから、寒冷地で
エネルギー消費の大きい札幌で脱炭素社会を目指すことを表明した意義は非常に大きく、評価に値します。
そして、今年に入ってから、SDGsの理念とも合致する環境面や持続可能性を評価する認証制度のLEEDにおいて、都市を対象とした部門で最高評価のプラチナを日本の都市として初めて取得したことが札幌市より発表されました。
環境に関する認証制度としては、以前、札幌市が取得していた民間企業などによく見られるISO14001環境マネジメントシステムや、国土交通省が開発に関わった建物やエリア開発を評価するCASBEE、また、イギリスのBREEAMなどが知られております。
そこで、質問ですが、今回、札幌市がLEED認証を取得することにした理由について伺います。
◎芝井 政策企画部長 LEED認証を取得した理由についてお答えいたします。
SDGsが目指す持続可能な社会の実現に向けて、企業などにおける環境や社会への取組などが重視をされており、これらの取組により、投資先を選ぶ、いわゆるESG投資も注目されているところでございます。
また、これらの取組を評価するものとして、アメリカで開発されましたLEEDの認証を取得する建物や都市が国際的に広がっておりまして、その数は世界で約170カ国、4万7,000件に上っている状況でございます。
主なものといたしまして、アマゾンなどの世界的な企業がLEED認証を受けた都市やビルに事務所を置いており、また、オリンピック関連で申し上げますと、ローザンヌのIOC本部のオリンピックハウスが建物でプラチナ認証を受けており、さらに、東京2020大会の選手村であります晴海フラッグにつきましては、エリア開発のカテゴリーでLEED認証を受けているところでございます。
このような世界的に環境を重視する動向やLEEDの認知度を踏まえて、今後さらに激しさを増す都市間競争を勝ち抜いていくために、札幌の都市としての優位性を客観的にアピールできる有効な手段となりますLEEDの取得に取り組むこととしたものでございます。
◆小口智久 委員 ただいまの答弁で、LEEDは、アマゾンなどの大企業やIOCのオリンピックハウスも取得し、また、取得国数も170カ国で、4万7,000件と非常に数も多いということで国際的なネームバリューを持っていること、また、都市間競争力を評価するための制度で、ほぼ世界標準に近いものであるということは理解しました。
このように、国際的に広く認知されているLEEDで札幌市が最高ランクの評価をされたということは大変喜ばしいことですが、どのような点が評価されたのか、また、評価された点を今後どのようにして札幌の強みとして生かしていくのかを考えることが重要だと考えます。
また、国内外から注目される世界都市として地位を築き上げていくための手段としても、今回の認証を大いに活用すべきと考えます。
そこで、質問ですが、今回のLEED認証で、札幌市はどのような点が高く評価されたのか、また、LEED認証の今後の活用方策について伺います。
◎芝井 政策企画部長 LEED認証の札幌に対する評価と今後の活用方策についてお答えいたします。
まず、LEEDの評価につきましては、
エネルギー、水、廃棄物、自動車使用に関する交通や人に着目した五つの評価項目がありまして、加えて、環境や健康分野の計画の有無によるベーススコアで構成されているところでございます。
札幌市の評価につきましては、特に1人当たりの温室効果ガス排出量や生活用水の使用量が少ないといったことなどから、
エネルギーや水、さらには交通の項目で高い評価を受けて、プラチナ評価に至ったところでございます。
今回、札幌市がLEED認証で得ましたプラチナは、アメリカのワシントンD.C.やシカゴなどの世界的な大都市と並ぶ最高評価でありまして、世界都市さっぽろに向けたまちづくりを進める上で大きな意義があると考えているところでございます。
このため、今後、企業やMICE誘致の推進と、それから、冬季オリンピック・パラリンピックの招致などでLEED認証を活用したシティプロモートを積極的に展開して、インバウンド需要や民間投資につなげたいと考えているところでございます。
◆小口智久 委員 様々な答弁をいただきましたけれども、先ほどの1点目で質問したESG投資は、環境に力を与えている、一生懸命仕事をしているところに対して投資をしましょうということで、これが、今、世界の投資家の流れだということでございますけれども、今の2番目の答弁でもございましたけれども、このように、すばらしい環境に取り組んでいる都市ということをLEEDという認証を使って、様々、オリパラもそうですけれども、MICEもしっかりとPRするものにしていっていただければと思います。
世界の流れとしては、環境への投資、地球
温暖化対策というものは、もはやコストではなく、世界都市間競争力の源泉だというふうにも言われております。世界都市として注目され、様々な事柄で札幌のまちが選ばれるよう、この国際的な流れをしっかりと捉え、維持・向上に取り組んでいただきたいと思います。
さらに、LEED認証の
エネルギーの分野で高く評価された1人当たりの温室効果ガス排出量が少ないことを踏まえますと、特に世界が取組を進める脱酸素社会の実現に向けた取組を加速させる必要がございます。
現状の社会状況に鑑みれば、脱炭素社会への道のりは容易ではなく、着実に省
エネルギーを推進するとともに、
再生可能エネルギー等のCO2を排出しないよう、転換を図っていかなければならないと考えます。
そのためには、太陽光などで得た電気
エネルギーを蓄える技術が必要ですが、その一つとして、水素
エネルギーの活用があり、我が会派でもこれまで取り上げてまいりました。
そこで、次の項目の質問といたしまして、水素
エネルギーの利活用についてお伺いをいたします。
我が党は、2015年に、党内の省エネ社会推進本部に水素社会形成推進小委員会を設置し、次世代の
エネルギーとして注目されている水素
エネルギーの利用拡大を推進しております。
国も、脱炭素イノベーションの一つとして水素
エネルギーの普及を推進しており、水素社会実現に向けて世界をリードしていく考えのもと、2017年に水素基本戦略を策定し、2030年に燃料電池自動車を80万台、燃料電池バスを1,200台普及させるなど、具体的目標を掲げております。
また、先ほども答弁でございましたけれども、東京2020オリンピック・パラリンピックでは、選手村となる晴海フラッグにて、水素を活用したまちづくりが進められているほか、燃料電池バスを約100台導入する等の計画が進行しております。世界に日本の技術と水素の有用性をアピールするということとしているわけでございます。
札幌市においても、2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致や、世界に誇れる環境首都を目指すためには、コストが高いといった課題はあるものの、水素
エネルギーの活用をより一層図っていくべきであると考えます。
札幌市は、来年度予算で水素
エネルギー利活用事業を計上し、
再生可能エネルギーを活用した水素サプライチェーン、これは、原料調達、また、水素を製造する、また、特殊コンプレッサーによる水素の圧縮、そして、輸送、高圧容器による貯蔵、また、危険物に属さない水素吸蔵合金による貯蔵、また、それを利用したものまでの体制の構築に向けて調査検討を進めることとしております。
その中には、2022年頃に向け、新たな水素ステーションと水素を燃料とした建物に電気や熱を供給する燃料電池、つまり、燃料電池コジェネレーションシステムを設置したモデル街区の整備も併せて検討するものと聞いております。
そこで、質問ですが、このモデル街区の整備に当たって、どのような課題があると考えているのか、伺います。
◎村瀬 プロジェクト担当部長 水素
エネルギーの利活用に係りますモデル街区の整備における課題についてでございます。
まず、1点目として、モデル街区の整備に当たりましては、
民間事業者のノウハウや創意工夫などを活用する官民の連携が効果的と考えておりまして、水素
エネルギーの取組に関心が高く、長期に渡って施設運営をしていただける
民間事業者と協力していくことが必要であります。
次に、2点目として、モデル街区におきましては、燃料電池を導入した民間の集客施設と水素ステーションを整備することが有効と考えておりまして、これらの面積を数千平方メートルというふうに想定しまして、これを確保できる場所をこの一、二年の間に決める必要があります。以上が課題ということでございます。
◆小口智久 委員 ただいま答弁がありましたけれども、モデル街区というものは、晴海フラッグでもそうなのですけれども、やっぱり、郊外ではなくて、多くの人が目にすることができて、また、市民や企業に水素
エネルギーのPRを兼ねることができるような場所が望ましいと考えます。そうした場所で取組を進めることが、SDGsや、パリ協定の目標年である2030年に向けて水素
エネルギーを拡大することにつながり、また、冬季オリンピック・パラリンピック招致を進めるに当たっても、札幌市が脱炭素社会を目指すという姿勢を示していくことができるのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、モデル街区の整備については、どのような場所を検討対象と考えているのか、伺います。
◎村瀬 プロジェクト担当部長 モデル街区の整備場所についてお答えいたします。
考慮すべき視点として、大きく3点挙げられますけれども、まず1点目は、現在、水素ステーションは豊平区の1カ所で運営されていることを踏まえまして、市内各方面から利用しやすい配置とするとともに、想定面積を満足します、現在、更地か、更地となる可能性のある場所であることでございます。
次に、2点目としましては、水素ステーションは、燃料電池自動車のみではなく、将来的には、燃料電池バスの利用も視野に入れているため、幹線道路に面している場所であることが望ましいというふうに考えております。
最後に、3点目ですが、現状では水素
エネルギーの認知度が低いことから、モデル街区を多くの市民や事業者に実際に見て、理解を深めていただくことが重要と考えておりまして、地下鉄などの公共交通機関の利用人口が多く、集客力が見込める場所であることということでございます。
◆小口智久 委員 最後に、要望でございます。
私も、水素サプライチェーンの一部分の仕事をしていたことがございまして、モデル街区ができるのだなということを考えますと、やっぱり、今まで頑張ってきて、本当に感慨深いものを感じるところでございます。
この寒冷地である札幌市で水素
エネルギーを活用するモデル街区整備は、
再生可能エネルギーの普及を推進するために重要であり、しっかりと課題を解決し、取組を進めてほしいと思います。
今後も、国などの行政機関や企業との連携を密にして、遅滞なく事業を進めていただくことを要望して、質問を終わります。
○松原淳二 副委員長 以上で、第1項 総務管理費中まちづくり政策局関係分の質疑を終了いたします。
最後に、第7款 土木費 第4項 都市計画費、第5項 都市開発費中まちづくり政策局関係分及び議案第23号 札幌市北3条広場条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。
◆田島央一 委員 私からは、北海道新幹線トンネル掘削土受入候補地の事前調査に関する意見募集の集計結果について、順次、質問をさせていただきます。
昨年の7月、8月に続き、11月にも手稲区の金山地区でトンネル掘削土受入候補地の事前調査に関する説明会が開催され、参加された住民からは、受入候補地とすることについての不安や懸念の声が多く上がったと承知をしております。
その後の取組として、鉄道・運輸機構と札幌市は、説明会に参加できなかった方などへ情報提供を行い、併せて意見を募集したとのことであります。
これまで説明会に参加された多くの住民の反対の意思を示されていることに鑑みると、意見募集を行わずとも住民の理解が得られていないのは明白であるというような状況にあると思われます。
そこで、お伺いしますが、こういった状況の中で、なぜ意見募集を実施したのか、目的や方法、改めて札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎浅村 新幹線推進室長 意見募集の実施の目的や方法というご質問でございます。
前回、11月に合わせて4回の説明会を実施いたしまして、約700人の方にご出席をいただいておりますが、説明会の案内対象としております地域、金山、稲穂、星置南、それから、手稲本町の一部である約7,700世帯の全ての住民の皆様が来られている状況ではないというふうに認識をしております。
加えまして、7月、8月に説明会を実施した際に、参加できなかった住民の皆様に対して意見を聞く機会をつくるように強く要望をいただいたところでございます。
こうしたことから、今回のご意見募集については、説明会案内対象の地域住民の皆様全世帯に、前回、11月の説明会の資料、それから、説明会でいただいた意見などに対しまして、鉄道・運輸機構及び札幌市の考え方、見解について情報提供するということとともに、出席ができなかった方、ご意見を頂戴できなかった方も含めて、地域住民の皆様から幅広く意見を募集したいという趣旨で実施をしているものでございまして、受入れに関して賛否を問うというものではございません。
募集方法につきましては、説明会資料にあわせてご意見を自由に記載できる用紙を各戸郵送いたしまして、2月20日までに募集をするという形で実施をしているところでございます。
◆田島央一 委員 説明会案内対象全世帯への情報提供及び意見募集を実施したとのことであって、きめ細かにそういった対応をされたということは理解をいたしました。
また、2月20日に意見募集期間を終えて鉄道・運輸機構及び札幌市において集計作業のほうが実施をされているところかと思います。
そこで、お伺いをしますが、この意見募集でどのような結果であったのか、また、具体的にどのような意見があったのか、また、結果について、どのように公表していくのか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎浅村 新幹線推進室長 意見募集の実施結果と今後の公表方法等についてでございます。
今回の意見募集におきましては、1,000件を超える多様な意見を頂戴しているところでございます。
現在、内容について整理、分析をしているところでございますが、結果の公表まで少しお時間をいただきたいというふうに考えております。
なお、整理、分析の途中ではございますけれども、これまでの説明会同様、金山の受入候補地における立地状況ですとか、土砂災害発生の可能性、それから、重金属等に対する影響などへの不安、ご懸念の声が多く寄せられているところでございます。
公表につきましては、こうした主なご意見と、それに対する鉄道・運輸機構及び札幌市の考え方などを含めまして、内容を整理して、準備が整い次第、札幌市のホームページにおいて速やかに公表する予定でございます。
◆田島央一 委員 ホームページで公表するということで、速やかにということですから、作業ができ次第、ぜひとも早目に公開をしていただければと思います。
実施結果によれば、前回の説明会同様、いろいろな意見をお寄せいただいた住民の多くは、対策土の扱いに対して不安や懸念を抱いて、金山地区を受入候補地として進めることについて反対の意向が示されているのではないかと思われます。この状況の中で、金山地区を受入候補地として進めていくのは難しいのではないかと思わざるを得ない状況にあると考えております。
そこで、お伺いをしますが、この結果について、札幌市としてはどのように受け止めているのか、また、これを受けて、今後の受入候補地としての適否を誰が、いつ、どのように判断していくのか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎浅村 新幹線推進室長 ご懸念の声が多く寄せられたことに対する受け止め、それから、今後の進め方についてのご質問でございます。
いただいたご意見の多くにつきましては、受入候補地とすることに対するご不安、ご懸念の表れであるというふうに認識しておりまして、これについては真摯に受け止めたいというふうに思っております。
対策土の受入地の確保につきましては、市民の安全・安心が確保されることが大前提でございまして、地域住民をはじめ、市民の皆様のご理解なくしてはその先には進めないものというふうに認識しております。
今回いただいた意見を精査するとともに、これまでに実施した説明会でのご意見、さらには、現在進めております新たな受入候補地の選定作業状況も踏まえ、鉄道・運輸機構とともに協議いたしまして、できるだけ早期に今後の方向性を判断していきたいというふうに考えております。
今後も引き続き、北海道新幹線の札幌開業に遅れが生じないよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
◆田島央一 委員 いろいろなご意見がありましたが、市民の安心・安全が第一であり、鉄道・運輸機構及び札幌市においては、地域の実情をよく理解していただいて、拙速に物事を進めるようなことがないように、慎重に判断をしてもらいたいと思います。
また、加えて、北海道新幹線の開業工程に影響が出ないように、新たな受入候補地の選定についても精力的に進めていただければと思います。
その2点に加えまして、対策土の取扱いについて、科学的知見に基づいた、正しく、分かりやすい情報提供についても札幌市として取り組んでいただきたいと思います。
今、新型コロナウイルスのことで、非常にいろいろな情報が飛び交って、何が正しいのだかよく分からないというところは、この間、ずっと報道を見ていても、1カ月前に言っていたことがちょっと違うだとか、そういったことが多く出てきていますし、化学的な物質にどの程度危険性があるのかとかも含めていろいろなことを言う方がいらっしゃいます。
先ほどの答弁の中で、いろいろな意見をまとめてホームページにも出していくということがありましたので、ここまでは正しいよとか、見方によってはこういった形にしていけば安全ですよだとかも含めて、しっかり情報提供を行うような形で取組を進めていただきますよう要望しまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
次は、新幹線乗り入れによるJR札幌駅の駅舎拡大について、順次、お伺いをしていきます。
JR札幌駅の駅舎拡大は、北海道新幹線延伸に伴う在来線11番ホームの新設のために必要なもので、駅舎が北側に6メートルほどせり出すことになります。
駅舎に隣接する札幌駅北口広場には、幅が約8メートルの東西通路があるが、駅舎の拡大によって、最も狭いところで約4メートルほどのボトルネックができる見込みと承知をしております。
このことについては、1月31日の都市計画審議会において審議がなされており、札幌駅北口の都市計画変更については既に認められている状況にあります。
一方で、審議会の委員からは、ボトルネックの解消や、広場通路部分への上屋、屋根みたいなものを設置することなどについて引き続き検討するよう意見が出されており、米田都市計画担当局長より、課題解決に向けて様々な対応方法を検討する旨の回答がなされたと承知をしております。
私は、新幹線開業に向けた動きとして、札幌駅南口では、駅前広場の改修や、北5西1・西2地区の再開発について具体的な検討が進められているが、札幌駅北口については、具体的な検討が見えない状況にあることを心配しております。
札幌駅北口は、JR在来線、地下鉄、2030年度末に開業する北海道新幹線の利用だけでなく、路線バス、タクシー、観光バスの乗り場もあり、交通結節広場として、人々が集い、憩うことができる場所としての機能が備わっていくことが重要だと考えております。
そこで、お伺いしますが、JR札幌駅の駅舎拡大に伴う札幌駅北口の広場改修についての考え方と検討内容について、札幌市の所見をお伺いします。
◎坪田 総合交通計画部長 JR札幌駅の駅舎拡大に伴います北口広場の改修の考え方と検討内容についてお答えをいたします。
北口広場の改修に当たりましては、歩行者通行の快適性や滞留機能の確保が大変重要であると考えているところでございます。
現在、改修の内容や実施主体などについて、関係機関と検討を進めているところであり、具体的には、上屋の連続設置によります歩行快適性の確保、通路の新設による経路の複数化、アトリウムと呼んでおります地下通路と広場をつなぐ階段の出入口の一部改修によりますボトルネックの緩和と滞留空間の確保など、複数の対応案を検討しているところでございます。
◆田島央一 委員 通行機能だけでなくて、滞留空間の確保に向け、経路の複数化やアトリウムの一部改修、上屋の設置などについて検討を進めるとのことであると承知いたしました。
そこで、次に、北口広場改修の実施方法についてお伺いをしていきます。
北海道新幹線の札幌駅への乗り入れについては、新幹線事業を行う鉄道・運輸機構からJR北海道が委託を受けて行うと聞いておりますが、中でも、JR札幌駅の駅舎拡大の工事は来年度には着手する予定であります。その駅舎拡大の工事に当たっては、北口駅前広場に工事関係車両が乗り入れることになり、進入路を確保するために噴水などの撤去も必要になるとのことであります。
そこで、お伺いをしますが、JR札幌駅の駅舎拡大に伴う札幌駅北口広場の改修についての費用負担の考え方について、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。
◎坪田 総合交通計画部長 札幌駅北口広場の改修の費用負担の考え方についてお答えをいたします。
札幌駅北口の改修については、単に原状に復旧するのではなく、新たなデザインとなります駅舎との調和や広場に求められる機能を再検証して、その内容を決定する考えでございます。
その際の費用負担の考え方を申し上げますと、駅舎拡大工事で広場施設を取り壊した場合の復旧や、アトリウムの改修のように、新幹線整備に伴って損なわれる広場機能を回復するための改修工事については、原因者である事業者側に費用負担を求める考えでございます。
◆田島央一 委員 原因者であるところに求めていくということで、承知をいたしました。
最後に、要望をさせていただきます。
札幌駅前の南北それぞれの広場は、2030年度末の新幹線で札幌に訪れるお客様が最初に降り立つ道と札幌の顔となるべき場所であり、おもてなしの気持ちが感じられるような整備となるよう、しっかりと検討を行うよう求めて、私からの質問を終えたいと思います。
◆小口智久 委員 私からは、我が会派が医療の観点から取り組んでいる医療ジェット、いわゆるメディカルウイングの丘珠空港での利活用について質問をいたします。
メディカルウイングは、平成23年から25年にかけて、延べ12カ月間、北海道で研究運航の実施、その実績が評価され、平成29年7月から国内で初めて実用化されました。
北海道と札幌市が連携して作成した丘珠空港の利活用に関する検討会議報告書においても、丘珠空港の役割の一つに、道内医療を支える空港が位置づけられており、メディカルウイングの活用について報告されております。
広大な北海道において、高度専門医療機関が集積している札幌市と地方を短時間で結び、重症患者の負担を大きく軽減することが可能であり、まさに札幌市に立地する丘珠空港でなければ発揮できない重要な役割であると社会的に認知されております。
しかしながら、丘珠空港は、冬期間、降雪で滑走路長が不足するため、利用範囲が限られるといった点があります。
そこで、質問ですが、平成29年7月からこれまでの間に道内で運用されているメディカルウイングの実績はどうだったのか、伺います。
併せて、夏期間、冬期間別の丘珠空港での運用実績についても伺います。
◎浅村 空港担当部長 メディカルウイングのこれまでの運用実績についてお答えをいたします。
平成29年からこれまで3年間の道内での実績については、全件で言いますと76件、そのうち、札幌市内の医療機関へ患者を搬送した実績については63件となっております。
この63件のうち、丘珠空港を搬送先空港とした件数については44件ございまして、4月から11月までの夏期におきましては42件、それから、12月から3月までの冬期におきましては2件ございます。
なお、冬期における2件につきましては、それぞれ12月と3月ということで1回ずつ実績がございますが、このときには、滑走路の上に雪がなかったことから、丘珠空港に搬送できた結果となってございまして、それ以外の冬期については新千歳空港への搬送となってございます。
◆小口智久 委員 ただいまの答弁で、冬期間は丘珠空港がほとんど利用されていないということでございました。
メディカルウイングは、悪天候でも比較的安定した運航を可能とし、さらに、短時間で搬送でき、患者の負担を軽減できる搬送機関でございますが、目的地である札幌市内の病院からほど遠い新千歳空港を活用しなければならないため、利便性の低さを改善することは必然と考えます。
昨年9月に開かれた総合交通政策調査特別委員会の場において、我が会派からは、冬期間にメディカルウイングを活用するための課題などについてお聞きしましたが、札幌市からは、滑走路長や除雪体制など、様々な課題があるとの回答でした。その後も、札幌市は、丘珠空港の将来像の検討の中で医療の役割について検討を重ねているとのことですが、そろそろ具体的な動きが必要な時期に来ていると考えます。
そういった中、本年2月6日の報道では、患者の搬送や災害被害に対応する航空拠点として、医療用小型機と防災ヘリの格納庫を新設する計画をしているという記事がございました。
それを札幌市に確認いたしますと、これは2年前に報告された丘珠空港の利活用に関する検討会議の案を載せたもので、必ずしも計画が策定されているわけではないということでございました。
私自身も、この新聞記事のフライングには少しがっかりしたんですけれども、近年の異常気象の発生に鑑みますと、石狩市内にある札幌市の消防ヘリの拠点を丘珠空港に移転し、災害時の体制強化を図ることが望ましいと考えます。
そこで、質問ですが、丘珠空港におけるメディカルウイングの通年での運用と札幌市消防ヘリの拠点化に向けて札幌市は積極的に進めるべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
◎浅村 空港担当部長 丘珠空港におけます医療・防災機能の強化の取組についてお答えいたします。
現在、開催しております札幌丘珠空港利活用検討委員会の場におきましても、丘珠空港における医療・防災機能の役割については、重要な項目の一つでありまして、早期に機能を強化すべきであるという意見が出されているところでございます。
令和2年度につきましては、この丘珠空港における医療・防災機能の強化につきまして、メディカルウイングの通年運用に向けた課題への対策案の検討、そして、札幌市消防ヘリ拠点化の具体的な候補地を比較検討するなど、取組を着実に進めていきたいと考えております。
◆小口智久 委員 最後に、要望でございます。
昨今、震災や豪雨災害が頻発化し、さらに新型コロナウイルスなどの感染症など、医療、防災は、いつ、何どき必要となるか分かりません。そのときになって慌てることがないよう、医療・防災体制の充実の一つとして、丘珠空港でのメディカルウイングの通年運用、消防ヘリの拠点化について、国、道との連携を強化して、早期の実施を要望して、質問を終わります。
◆村上ひとし 委員 私は、アクセス道路について質問をさせていただきます。
アクセス道路の、主に地下構造について質問をさせていただきたいと思います。
コロナウイルスの感染が拡大したということで、北海道では、今時点で3,800億円を超える経済的な損失があるというふうに言われておりますし、それらに伴う国の今後の財政出動が果たして幾らに膨れ上がっていくのかということについても、非常に、あらゆる意味で心配せざるを得ないと思います。
というのは、そのことによって国民的な様々なサービスの切捨て、あるいは負担増につながっていくことがあるのではないかというようなことを懸念している国民も少なからずいらっしゃるというふうに思います。
ですから、全国各地で、今、不要不急の大型の公共工事は、私は、厳しく見直していくべきであるというふうに思うわけです。
ですから、札幌のアクセス道路についても、最も費用負担の少なく、かつ、建設工事等の期間も短く、周辺環境にも影響がないという、そして、即効性があらゆる点で期待できる交差点の整備、右折ラインの新設などを優先すべきだというふうに考えるわけであります。
私、立場上、いろいろな市民とお話しさせていただきますけれども、先日、清田の方とお話をした際に、清田の交通網の充実を何とかしてほしい、新幹線もできれば延伸してほしい、しかし、今、札幌が進めようとしているアクセス道路に1,000億円を超えるお金がかかるのかということに愕然としたと、もっと清田区民のことを考えた交通政策をやってくれないのかということをおっしゃられました。
私も全く同感でありますし、アクセス道路の計画内容そのものを知れば知るほど、市民は、特に清田や豊平などの市民は、極めて異議を唱えていくことになるだろうというふうに思われます。
そんな中、市民意見の中で、今回、地下構造案が札幌も北海道もいいだろうということで国にも回答したようでありますけれども、そうした中、市民意見として、浸水の被害を懸念する意見がありました。
私は、これは尊重していくべき意見だと思うわけであります。北海道新聞の記事などによりますと、そうした市民意見も出されておりましたけれども、今後は、構造が正式に決定された後、札幌市による都市計画変更手続や開発局の環境影響評価を経て、国交省がさらに費用対効果に取り組んでいくということであります。
そこで、最初にお伺いをいたします。
地球温暖化に伴う豪雨が増加する中、地方小委員会では、地下構造における洪水の危険性について、どのような意見が出され、検討をされたのか、また、今後の対応はどのようにするのか、お伺いをいたします。
◎坪田 総合交通計画部長 浸水に対します懸念についてどのような議論がなされたのかという点について、まずお答えいたします。
まず、都心アクセス道路の検討会につきましては、令和2年3月2日に国と北海道、札幌市の3者で実施をしております。この際に、国より、創成トンネルや他のトンネルにおける浸水対策事例の情報共有があり、札幌市からは、創成トンネルにおけます安全設備などの設置事例について情報共有を行うとともに、都心アクセス道路の地下構造案においても、今後、これらの事例を基に安全対策の検討が必要となることが議論されたところでございます。
トンネル整備におきましては、利用者の安全確保は最重要なポイントであることから、都市計画の説明会などの場を通じまして、市民の皆様に安全対策についてお伝えしていくことが重要であるというふうに認識しているところでございます。
◆村上ひとし 委員 国の小委員会での主な意見の資料の中で、最近の豪雨の事象等を踏まえ、雨水、下水等の災害時の計画を関係機関と調整しておく必要があるのではないかという委員からの意見が出されたということを書いているのですね。
それで、今後の対応としては、河川管理者や下水管理者等の関係機関との協議を行い検討する予定だということであります。
そして、浸水対策の事例について、札幌市から3枚ほどの浸水対策に関する事例の資料が添付されています。
この資料の中には、道路の排水ポンプ、これは現在の創成トンネルに設置されているものだと思うのですけれども、そうしたポンプや警報表示器や水深の表示をする装置などが事例として出されております。
そこで、次にお伺いしますけれども、なぜ創成トンネルの浸水対策の事例を紹介しているのか、また、現在の創成トンネルは、そもそもどのような事業として行われたものなのか、お伺いをいたします。
◎坪田 総合交通計画部長 まず、創成トンネルを事例として紹介したということでございますけれども、今、創成川通を都心アクセス強化道路軸として検討している中におきまして、都心部におけます創成川通を2カ所、アンダーパスがあったところを連続化した事業を札幌市で行ったという事例がございましたので、そのことについてご紹介をしたものでございます。
そうした意味におきましては、創成トンネルで実施しておりますことが、例えばトンネルに浸入いたしました雨水を排水するために、降雨強度に対応いたしました排水設備などを設置しているということもございますので、そういったようなハード的な対策とあわせて、今後、ハード、ソフト両面で対策を行いながら安全の確保をしていくということが重要であるというふうに考えているところでございます。
◆村上ひとし 委員 2カ所のアンダーパスをつなぐ事業だったということでありますね。
そもそも、当時の事業名がアンダーパス連続化事業ということでありました。つまり、アンダーパスなんですよ。そして、そこに設置したポンプであるということであります。
アンダーパスと言えば、大体、鉄道だとか、それから道路の下を通すためのものであり、これをアンダーパスというふうに言っております。
この間、地下構造については、河川そのものの水位が上昇し、水があふれることで起こる外水氾濫と、下水道などの排水能力を超える量の大雨が降って、マンホールなどから水が逆流し、道路に水があふれ出すなどして起こる内水氾濫についての二つの洪水の危険性を我が党は繰り返し指摘をしてまいりました。
そこで、お伺いをいたしますけれども、創成トンネルに設置されている排水ポンプはどの程度の降雨量に対応できる能力を持っているのか、お伺いをいたします。
◎坪田 総合交通計画部長 創成トンネルにおきます排水設備の能力についてでございますけれども、設計降雨強度につきましては、1時間当たり60ミリを想定しているものでございます。
◆村上ひとし 委員 1時間当たり60ミリを想定したものだということであります。
そこで、その降雨量が今の全国的に増加傾向の大雨についてどうなのかということと、それからもう一つは、私は外水氾濫ということも先ほど示しました。この外水氾濫というのは、川が氾濫して起こる洪水であります。このことに対してどういう対応であるのかという点では、1時間当たり60ミリというのが果たして適切なのかということも検証しなければならないというふうに思うわけです。
この川の問題は後ほど触れますけれども、排水ポンプというのは、短い距離のアンダーパスであれば、ある程度の対策にはなると言われております。しかし、排水ポンプの能力を上回る降雨というのが既に全国各地で起こっていて、相当、水没する事例があるようであります。
路面監視カメラ、これはCCTVと言われておりますけれども、この設置と、冠水センサーに連動した自動通報装置や路面冠水情報板などの設置には相当の費用を要すると。2,000万円から3,000万円もかかるということで、小さな自治体では、アンダーパスの危険性を回避するために、これらの装備を整備しなさいと言われても、なかなか整備ができないという自治体もあるわけであります。
近年のゲリラ豪雨や記録的な大雪など、想定を超えた異常気象が既に起こっております。また、毎年、道路の管理の延長、それから、管理施設が増え、それに加え、既存施設の老朽化も進んでおります。したがいまして、必要となる道路の維持管理も年々増大しているわけであります。
今、まさに新たな道路の建設に1,000億円もの巨費を投じるより、維持管理にシフトすべき時代であると思います。
そこで、次に質問をいたしますけれども、今後、道路や橋梁などを整理する際には、急速な地球温暖化の影響で、経験のない豪雨による甚大な被害が、毎年、日本のみならず世界中で発生している事態を直視して評価し、判断すべきだと思いますが、認識をお伺いいたします。
◎坪田 総合交通計画部長 先ほども、河川の氾濫などもあるのではないかということでご指摘をいただいていたところでございますけれども、先ほど答弁申し上げました降雨強度に対応するということと、河川が洪水をした場合というところにつきましては、条件が異なりますので、単純に比較はできないものではないかなというふうに思ってございます。
いずれにいたしましても、創成トンネルでもハード整備を行いましたけれども、緊急時には通行止めの措置を取るなどのソフト的な対策案も両面で重要ではないかというふうに考えてございますので、引き続き、都心アクセス道路の検討に当たりましては、そういった視点も含めまして検討を進めてまいりたいと思ってございます。
◆村上ひとし 委員 北海道開発局は、2018年の道内の時間当たり30ミリを超える短時間雨量が30年前の実に1.9倍となったということを受けて、短時間に降る強い雨の発生頻度は急速に増加傾向にあるということで、総雨量が72時間で400ミリを想定する新しい豊平川氾濫時のシミュレーションを作成しております。
この数値は、何度も言ってきましたけれども、72時間で406ミリというのは、これは、世界中、日本も含めてですけれども、いろいろなところで起こっている数値なのですね。ですから、それは、相当重く捉えて対応すべきだと。しかも、集中豪雨の危険性は北海道が最も高いと言われているのですよ。地域や気候が違うなんていうことではないんです。
そこで、集中豪雨により豊平川の堤防が決壊して、都心部の浸水被害が発生する危険性が増しているわけです。開発局と道、札幌市の3者で構成されているこの間の札幌都心アクセス道路検討会議での本市の役割は、検討の段階において市民への情報提供と合意形成に取り組むというふうにされてきました。
私は、短期間集中豪雨や地震の発生頻度が増加傾向であることが明らかであるのに、迫りくる自然災害の影響を考慮せず、市民への情報提供と合意形成に急ぐ本市の姿勢は問題であることも、この間、指摘をしてまいりました。
しかも、この地下構造案を秋元市長が高く評価しております。国から、地下構造案でいくのがオーケーかどうかということを打診されて、札幌市は、地下構造案を優れた案として、ぜひ進めてほしいという内容の文書まで提出しております。
これは、世界と日本各地での災害の教訓から学ぼうとしない姿勢だと言わざるを得ません。我が国の都市の多くは、河川の氾濫によりつくり出された平野部に立地をしているため、水害を受けやすいという宿命を負ってきました。特に、地球温暖化に伴う集中豪雨や河川の氾濫によって、各地で重大な被害が多発しているわけであります。つまり、水害は避けられない。したがって、たとえ、幾ら整備をしても、整備水準を上回る洪水が発生する可能性をゼロにすることは不可能であります。洪水による2次災害のリスクは相当の確率で発生すると見るべき時代であります。
また、地下構造の場合でありますけれども、避難方向は基本的に地上へ向かう開口部のみに限定されます。したがって、水の流入経路と人の避難経路が重なるわけであります。水は、高いところから低いところに一気に、しかも短時間に勢いよく流れ込むことから、避難する時間的な余裕は極めて少ないと思われます。
また、全国でも、豊平川の急流という特殊性を踏まえれば、地下構造は極めて危険な道路になり、集中豪雨の多発する時代に、創成トンネルと直結することで約5キロものトンネルを造るべきではないわけであります。
そこで、次は、ハザードマップについてお伺いをいたします。
札幌市は、このように洪水から身を守ろうということで、各区、地域のハザードマップについて、市民に広く普及をしているところであります。
そこで、創成トンネルの入り口、南側の入り口付近は南6条くらいから始まるのでしょうか、この創成トンネルの入り口のハザードマップによる浸水深はどの程度になっているのか、お伺いをいたします。
◎坪田 総合交通計画部長 今、手元に南側の入り口付近の浸水深の資料がございませんので、お答えすることができません。
◆村上ひとし 委員 ハザードマップの中央区・南区版を見ますと、ちょうど創成トンネルが地下に入り込んでいく南6条あたりの水深は、大人の膝までつかる程度、床下までの浸水、0.5メートル未満というところが多いんですね。ところが、道路になると、1段上がっているんですよ。道路になると、大人の腰から1階の軒下までつかる程度、床上が浸水すると、0.5メートルから3メートル未満の浸水が想定されるということになっております。
そこで、ハザードマップで危険が示されている地域に対して、地下構造の道路をつくることの認識についてお伺いをいたします。
◎坪田 総合交通計画部長 ハザードマップで危険が記されているところに建設をする是非ということであろうかというふうに思いますけれども、先ほど委員も触れられておりました、豊平川の堤防が決壊した場合にといいますのは、開発局の水害のシミュレーションでは、3日間で406ミリの降雨があった場合ということでありまして、その際には豊平川の堤防が決壊をするということがシミュレーションの結果として示されたものでございます。
そういった意味におきましては、堤防が決壊したときに市街地が水につかるということになりますと、それぞれの道路などは通行止めをしなければならないというようなことになろうかと思いますので、そういった場合には、ソフト的な対策を効果的に組み合わせていくというような必要があるのではないかというふうに思ってございます。
◆村上ひとし 委員 坪田部長、内水氾濫で地下などに水が浸水した場合は、それこそポンプで水を抜くということである程度復旧することができるというふうに言われております。これが内水氾濫なのですね。
ところが、外水氾濫というのは、先ほど申し上げましたとおり、川が氾濫するわけであります。しかも、豊平川の特徴というのは、全国でも、都心部を流れる川としては極めて急流で、流れが速いんです。ですから、堤防を破壊する力も大きいと同時に、石や土砂を運搬する力も大きいんです。つまり、一旦、外水氾濫、川の堤防が決壊、破堤をして水が流出し始めますと、それはもう、水だけではないんですね。しかも、豊平川から創成トンネルの南側の入り口というのは、極めて豊平川と近い関係にありますから、大量の土砂や石などが侵入してくることになるんです。簡単に復旧することは恐らくできないでしょう。
そのことも踏まえて検討していくべきだと思いますし、ソフト面での対策などでは済まない状況になるということであります。
そこで、ハザードマップを見ますと、都市型水害について知るという項目がありまして、大規模な洪水以外にも、都市は、舗装された道路や宅地が多く、降った雨が地中に浸透しにくいため、川や水路、下水道に一気に水が集まる場合があると、次のような危険があるので注意しましょうというふうに書いているんですけれども、その一つが、低地やアンダーパスでは、車が立ち往生し、水没する危険があるため、大雨のときは通らないようにしましょう。それから、地下が浸水すると、水圧でドアが開かない。これは車も同様であります。一気に水が流れ込む、外の様子が分からず逃げ遅れるなど、命の危険があるため、早目の避難が必要ですというふうに書いてあるわけです。
そこで、命の危険があるところに最も危険となる約5キロにも及ぶトンネルを掘ることは、私は市の役割としては避けるべき判断をするべきだと思いますがいかがか、お伺いいたします。
◎坪田 総合交通計画部長 大雨時の対応ということであろうかと思いますけれども、創成トンネルもそうでございますし、市内にございますアンダーパスもそうでございますけれども、電光表示によりまして、緊急時に通行止めの措置をする対応をしているところでございます。
そういった意味では、危険性が迫ってくる場合には、早目、早目に、通行止めの措置などをすることによりまして命を守ることが最も重要ではないかというふうに考えているところでございます。
◆村上ひとし 委員 私は、冒頭にも、日本をはじめ、全世界で異常気象によって集中豪雨が多発する被害が起こっているような話もいたしましたし、それから、老朽化したインフラの対策にも非常に自治体が苦慮している。その中で、各自治体では、今あるアンダーパスの対策すら打てないところがあるんですよ。しかし、対策を取るから造るということは、私は賢明な判断だとは思わないんです。これだけ異常な気象が起こっている。そして、国が管理する豊平川についても、近年、全国的に計画規模を超える洪水が頻発していることなどから、恐らく一昨年でしょうか、整備計画の見直しに国も着手しているんです。現在、有識者による計画流量等の議論が行われているということでありますから、国のほうも、豊平川の危険性からいろいろ専門家の意見も聴取をしているということであります。
それらをきちっと踏まえた上で、どういう道路が安全性が高いのか、そして、費用負担の問題でもどうなのかということを、私は今、皆さんが、北海道や国任せにしないで検討をすべきだというふうに思います。
少なくとも、今後、様々な形で市民にも、整備形態が最終的に決定した段階には、市民にとって不利益な情報、つまり、皆さんは、この間、建設するのに有利な情報は小さいものでも大きく住民に説明をしてきましたけれども、集中豪雨で約5キロの創成川通の下のトンネルが果たしてどうなるのかということも市民に正しく情報を提供すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○池田由美 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時11分
再 開 午後3時30分
――――――――――――――
○池田由美 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆小田昌博 委員 私から、大きく3項目質問いたします。
一つ目に丘珠空港について、二つ目に都心
エネルギーアクションプランについて、三つ目に都心アクセス道路についてです。
初めに、丘珠空港についてお伺いいたします。
3点ほど伺います。
丘珠空港は、都心から近く、利便性の高い空港であり、我が会派としては、長きにわたり、さらなる利活用が、札幌市のみならず、北海道全体の経済活性化、観光振興を促すことを主張、提言してきたところでございます。
平成22年に航空会社が撤退しまして、年間利用者数は11万人までになったこともありました。しかし、北海道エアシステムが丘珠空港へ拠点を移し、路線を集約、その後にフジドリームエアラインズがリージョナルジェット機を使用して丘珠空港に就航したことから、年々、搭乗者が増加してきているものと認識しております。
そこで、一つ目の質問ですが、直近の丘珠空港の利用状況として、昨年度及び今年度の航空会社別の搭乗率及び丘珠空港における全路線の搭乗者数についてお伺いいたします。
◎浅村 空港担当部長 丘珠空港におけます直近の搭乗率及び搭乗者数についてお答えをいたします。
昨年度、平成30年度でございますけれども、搭乗率は北海道エアシステム、通称HACと申しますが、この路線が79.0%、それから、フジドリームエアラインズ、通称FDAと申しますが、この路線が68.7%となってございます。
今年度につきましては、2月までのデータでございますが、HAC路線が78.8%、それから、FDA路線が67.8%となってございます。
また、丘珠空港におけます全路線の搭乗者数でございますが、昨年度が1年間通しまして26万4,380人となってございます。今年度につきましては、これも2月までの実績でございますけれども、25万6,134人となってございまして、昨年度の2月までの搭乗者数が24万5,371人でございましたので、1万763人の増加となっているところでございまして、4.4%の伸びとなってございます。
なお、HAC、FDAともに、搭乗率自体は昨年並みでございましたが、今年度は、FDAにおける運航便数が昨年度よりも増加しておりますことから、全体の搭乗者数が増加となってございます。
◆小田昌博 委員 搭乗者数は、2月末時点では昨年度を上回っている状況であるということでございます。
2月末時点ですから、今後に目を向けますと、FDAにつきましては、搭乗率が67.8%であったことから、搭乗者数が伸びる余地は十分にあると考えられます。
また、HACにおいては、この4月より新機材3機が、順次、更新導入され、座席数もこれまでの36席から48席に増えることから、さらなる搭乗者の増加も期待されるところです。
一方で、多くの札幌市民や就航先の方々に、丘珠空港の利便性の高さや、どこの都市に就航しているかなど、まだまだ知られていないのではないかと、私自身、感じております。
本年度予算計上分ですが、過去の予算の使い方も、利用促進等として丘珠空港を知ってもらうための予算も大きな割合だと思いますが、今までの踏襲では限界が見えているのではないかと考えております。
また、札幌市民や、特に丘珠空港があります東区の住民がどれだけ空港を利用して利便性のよさを分かってもらい、利用したいと思っている方がどれぐらいいるのかということなのですけれども、その原因としては、認知度の向上というものが挙げられると思います。
そこで、二つ目の質問です。
丘珠空港の認知度向上のため、来年度において、どのような利用促進策を実施しようと考えているのかをお伺いいたします。
◎浅村 空港担当部長 来年度におきます利用促進策についてお答えいたします。
これまでにおきましては、例えば、地下歩行空間におきます大型壁面広告ですとか、情報誌などへの広告掲載が中心でございましたが、来年度は、こうした取組のほかに新たな視点を加えて、より効果的な利用促進策を実施していきたいというふうに考えております。
具体的には、例えば、社会に対して影響力のある、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる方々にも丘珠空港を利用してもらって、フェイスブックやツイッターといったSNSなどで情報発信をしていただくことですとか、丘珠空港路線を活用した新たな旅行商品を旅行代理店に積極的に企画していただくよう促すことなど、様々な取組を検討しているところでございます。
いずれにいたしましても、民間事業所による多様なアイデアも生かしながら、利用促進に資する取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。
◆小田昌博 委員 来年度は、新しい観点から利用促進策を実施するということでした。
ぜひとも攻めの姿勢で、民間業者には頼り過ぎず、札幌市としても積極的に関わりを持ち、ぜひ成果が出てほしいというふうに思っております。
一方で、仮に認知度が向上されたとしましても、既存路線を利用するだけにとどまりまして、さらなる利活用には新しい路線を就航させることが必要不可欠の課題であると考えます。
昨年10月に札幌市が公表した丘珠空港の将来像の素案においても、路線の拡充は掲げられています。丘珠空港の道内路線は北海道航空ネットワークの拠点としての役割を果たすのはもちろんのことですが、本州等と結ぶ道外路線をさらに拡充し、利用者を増やし、利便性が高いことから、観光ビジネス等、交流人口の増大につなげることで、札幌市も、就航先も活力を高めていくということになります。
そこで、質問です。
市長公約となっている新規路線誘致について、丘珠空港の一層の活性化を図るため、着実に進める必要があると考えますが、新たな道外路線の誘致に向けてどのように取り組んでいくのかを伺います。
◎浅村 空港担当部長 新たな道外路線の誘致につきましてお答えいたします。
丘珠空港に就航しております航空会社のうち、いわゆるHACにつきましては、委員がご指摘のとおり、所有している全ての機材3機が来月以降、順次、更新される予定になってございまして、新機材の導入に伴いまして、1機当たりの座席数が増えまして、HAC全体の輸送能力が高まっていくということになってございます。
一方、フジドリームエアライン、FDAにおきましては、今年度、3機の機材を新たに導入いたしておりまして、新規路線の開設を進めているところでございます。
こうした中、今年2月の報道によりますと、FDA社長の発言として、神戸空港の発着枠の拡大が実現された際には、新規路線の候補として丘珠空港を挙げているとの意向が示されているところでございます。
こうした動きを捉えまして、航空会社に対して新規路線に向けた要望を行うとともに、利用促進策と連動させて需要を喚起するなど、道外路線の誘致に向けまして鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
◆小田昌博 委員 HACに関しましては道内路線の輸送能力の向上、FDAにおいては新規路線の開設を目指しているということで、その中に丘珠空港が挙げられているということで、明るい話題であります。
市としても、今後も情報収集などをしっかりとお願いしたいというふうに思います。
札幌市では、丘珠空港の利活用を進めるべく検討を行っているところですが、利用促進等をしっかりと実行していくことで、札幌市民や東区民の周辺住民をはじめとする市民の関心を高めていかなければなりません。
昨年度から開かれている札幌丘珠空港利活用検討委員会もあと1回の開催となりますけれども、委員会の中でまとめられた意見を基に、市としても将来像を固めていくということになります。委員会で取りまとめられたことをしっかり反映し、将来像を示していただきたいと思います。
市内にある利便性の高い交通インフラである丘珠空港の利用を市民に呼びかける利用促進策は、他空港での取組を研究した上で、様々な手法を積極的に実施すること、そして、新規路線の誘致についても一層取組を進めていただくことを求めまして、1項目めの質問を終わります。
次に、2項目めの都心
エネルギーアクションプランの今後の取組についてお伺いします。
先日説明を受けた来年度予算の概要には、都心
エネルギーアクションプランに関する取組として、これまでも進めてきた熱導管の整備に加え、新たに誘導推進制度の構築、地域新電力事業の検討という三つの事業が記載されていました。
これらの中で、誘導推進制度は、都心
エネルギーマスタープランで設定した低炭素、強靱、健康、快適に関する取組を、建物の更新の機会を捉えて誘導していく仕組み、また、地域新電力は、電力利用における大幅な低炭素化を図るために、都心エリア外から
再生可能エネルギー由来の電力を調達して供給する取組であり、いずれも
民間事業者との連携が不可欠となります。
そこで、一つ目の質問です。
誘導推進制度と地域新電力事業について、来年度はそれぞれどのような取組を行っていくのか、お伺いいたします。
◎稲垣 都心まちづくり推進室長 都心
エネルギーアクションプランに基づく事業のうち、誘導推進制度と地域新電力事業の来年度の取組についてお答えをいたします。
まず、誘導推進制度についてですが、この制度は、都心部の一定規模以上の建築行為を対象として、計画段階で、建物の省エネ化、地域熱供給への接続利用、低炭素な電力の利用などの取組について協議、調整する仕組みを確立するものでございます。
制度の運用開始は令和4年度からを想定しておりまして、来年度は、協議、調整に用いる評価シートの作成、具体のモデルケースを通じたシミュレーションなどを行ってまいります。
次に、地域新電力事業についてですが、この事業は、令和4年度から都心エリアへ電力を供給することを目指しておりまして、札幌市のほか、
エネルギー事業者等の地域の関係者と事業を立ち上げることを想定しております。
来年度は、電力の調達先と供給先について条件設定しながら、事業収支のシミュレーションなどを進めた上で、関係者と事業化に向けた調整を進めてまいります。
◆小田昌博 委員 ただいまの答弁によりますと、誘導推進制度に関しては、評価シートの作成とシミュレーションを行うということでありましたけれども、これらに関しては、実効性のあるものになるよう、しっかりと検討していただきたいと思います。
一方で、地域新電力事業に関してですけれども、まだ事業収支のシミュレーションの段階とのことですが、札幌市も事業に参画するという点について、次の質問に入ります。
電力の小売自由化や
再生可能エネルギーの需要の高まりといったことを背景に、民間を主体として様々な形で地域新電力事業が展開されている中で、あえて札幌市が主体となる必要性があるのか、慎重な判断が必要であると考えます。
そこで、質問です。
都心の地域新電力事業に札幌市が主体として関わる理由についてお伺いいたします。
◎稲垣 都心まちづくり推進室長 都心の地域新電力事業に札幌市が主体として関わる理由についてのお尋ねでございます。
札幌市が関わる理由としましては、主に2点挙げられます。
1点目としましては、都市における新電力事業の方針として、札幌市の環境
エネルギー施策に基づき、低炭素な都市の実現を目的として取り組むことを明確に打ち出す必要があるためでございます。
また、もう一点は、先ほど答弁いたしました誘導推進制度の運用を開始することで、将来的に都心において低炭素な電力の需要が高まることが想定されますことから、地域新電力事業に札幌市も関与し、必要な電力の安定的な供給を担保する必要があるためでございます。
以上の認識のもと、当該事業を展開することで、都心の低炭素で持続可能なまちづくりを実現してまいりたいと考えております。
◆小田昌博 委員 ただいま、都心の地域新電力に札幌市が関わる必要性ということで答弁をいただきました。
実現に向けまして、事業内容、事業規模に加えて、事業性の確保など、事業計画でまず明らかにすることが必要であり、また、札幌市のような大都市における地域新電力の設立は、これまで、ほとんど例がないことから、目的を明確にする必要もあります。
環境首都・札幌を宣言して10年以上が経過しております。その実現に向けて、低炭素で持続可能なまちづくりを先導し、戦略的に発信していくことが重要であります。そのための仕組みや事業スキームについては、官民連携の中で協力を得られるものとなるよう、しっかりと検討していただきたいと思います。
今後、具体化されていく事業の全体像を引き続き確認していきたいということを述べて、2項目めの質問を終わります。
最後に、3項目めの都心アクセス道路、創成川通について、2点お伺いいたします。
都心アクセス道路は、これまで、国の段階評価で、地下、高架など構造案の比較が行われてきましたが、2月末の国の第三者委員会におきまして、地下整備案を採用することが了承され、3月9日に国土交通省道路局が地下整備案を正式に決定した旨が公表されました。
決定された地下整備案は、地下トンネルが雪の影響を受けないため、冬期の速達性や定時性といったことが確保できることに加えて、騒音や景観への影響が小さく、さらに、沿道用地の支障を回避する案であり、オープンハウス来場者の市民の意見として多かったものが反映した決定であると考えております。
都心アクセス道路が整備されることは、医療、防災体制、こういったことの強化がなされ、安全・安心な暮らしや物流面でも安定性が増し、観光においてもスムーズな移動ができることで、経済活性化の効果も期待するところであります。
また、国の有識者からは、都心アクセス道路は災害などで鉄道が止まった場合の代替輸送道路にもなるということや、札幌駅にできる新しいバスターミナルとつながるメリットが大きいなど、整備を期待する意見も出されております。
このように、国の第三者委員会の議論を経て、都心アクセス道路の必要性が認められまして、地下整備案で進める方針が決定したわけでありますから、これからスピード感を持って新規事業に取り組んでいただきたいというふうに思います。
そこで、一つ目の質問です。
都心アクセス道路の事業化に向けて、国との役割分担をしっかりと認識し、手続を着実に進めていく必要がありますが、今後どのように進めるものなのか、見通しについてお伺いいたします。
◎坪田 総合交通計画部長 都心アクセス道路の事業化に向けた今後の見通しについて、お答えをいたします。
今後は、必要に応じて、都市計画変更や環境影響評価の手続を行うこととされており、まず、都市計画変更につきましては、来年度、手続を開始する予定であり、その役割としては、国は埋設物管理者などの関係機関との協議や、都市計画図書の作成を担当し、札幌市は、住民に対する説明や案の縦覧、都市計画審議会への諮問を行うものでございます。
また、環境影響評価については、法律や条例に基づく延長などの要件には該当しない見込みでありますが、沿道環境に配慮し、国が自主的な調査を行う予定と聞いているところでございます。
◆小田昌博 委員 新年度より、札幌市において都市計画変更の手続に入るということでした。
周辺住民の方は、当然ながら関心を示しております。創成川通沿いに会社がある経営者の方より、地下に決まったということをお伝えに行きましたけれども、町内会も含めて、やはり、沿道の用地に支障がないかということを非常に心配しておりました。市として住民の方に説明をしていくということでありますので、ぜひとも丁寧に行っていただければというふうに思います。
次に、高速道路ネットワークと北海道との連携についてお伺いいたします。
北海道全体を見ますと、それぞれの地方都市と札幌市は、高速道路ネットワークが結ばれる中で、広域医療、農業、漁業の振興、物流など、北海道の発展には欠かせないものであります。これまでも、北海道は、各地域のニーズに対応すべく、道として高速道路の必要性を訴え、実現に向けて取組をしていると認識をしております。
札幌市におきましては、道都としての道内経済の中心であるだけでなく、高度医療、観光等において、全道を牽引する役割を担っていることから、高速道路ネットワークが札幌都心部としっかりとつながっていることが重要であり、都心アクセス道路整備は、創成川通及び市内の渋滞を解消するということだけを目的としたものではないということは明らかであります。
そこで、二つ目の質問です。
都心アクセス道路の事業化に向けて、全道的な効果を十分に意識していくべきと考えますが、今後、北海道とどのように関わり、連携していくのかをお伺いします。
◎坪田 総合交通計画部長 北海道との連携についてお答えをいたします。
都心アクセス道路の実現に向けた北海道との関係につきましては、これまでも、検討会を開催し、北海道、国、札幌市で連携してきたところであり、加えて、都心アクセス道路を含む高速道路ネットワークの整備促進についても、北海道と連携協力しながら活動を進めているところでございます。
北海道が進めております食と観光を支える道路ネットワーク整備と北海道新幹線整備が相互に連携し、その効果を全道に波及させるためにも、都心アクセス道路が必要不可欠であるとの共通認識の下、今後も引き続き、早期事業化に向けて、これらの取組について、北海道と緊密に連携していく考えでございます。
◆小田昌博 委員 これまでも、アクセス道路実現に向けて、国、北海道、札幌市の3者合同で検討会を開いてきているということでした。
広い北海道が高速道路ネットワークで整備されてきていますが、札幌都心部に入ったところで渋滞が起きてしまい、時間がかかってしまうことの解消をはじめ、さきに述べたように、医療、観光、物流の面で格段に利便性が向上されます。
答弁でもありましたよう、道と国としっかりと連携をお願いするところであります。
都心アクセス道路の整備目標は2030年度末を見据えているということですが、同時期には、北海道新幹線札幌延伸、また、冬季オリンピック・パラリンピック招致等も考慮すると、残された時間は決して多いわけではありません。
札幌市として、まず、都市計画変更の手続を進めていただき、早期事業化に向けて取り組んでいただきたいということを求めて、私の全ての質問を終わります。
◆成田祐樹 委員 私からは、苗穂駅周辺のまちづくりについて、主に交通施策について簡潔に質問をしたいと思います。
まず最初に、苗穂駅周辺における歩行者ネットワークのバリアフリー化についてです。
苗穂駅周辺については、平成30年度の新駅舎開業や駅前の再開発事業、そして、道路整備などが着実に進んでおり、これらのまちづくりによって、札幌の魅力と活力の向上を先導する高次な都市機能が集積する拠点として、地区全体における歩行者数や自動車数が増加することが予想されています。
特に、歩行者に関して言いますと、まちづくりによって、駅周辺に病院や福祉施設といった障がい者や高齢者などの利用が想定される施設が増加することから、駅周辺地区内において、誰もが安全で快適に移動できる歩行者空間の整備が必要と考えています。
一方、令和元年の2定における代表質問において、我が会派から、バリアフリー化のさらなる推進について質問をしたところ、札幌市からは、地下鉄駅のエレベーター増設に加えて、重点的にバリアフリー整備を進める交通結節点や整備路線の拡充など、さらなる充実に取り組むとの答弁がありました。
そこで、質問ですが、将来的な歩行者の安全確保を見据えて、苗穂駅周辺において、どのようにバリアフリー化を進めていくのか、お伺いをしたいと思います。
◎坪田 総合交通計画部長 苗穂駅周辺における歩行者ネットワークのバリアフリー化についてお答えいたします。
昨年より、学識経験者や関係団体から成る検討委員会において、バリアフリーの整備計画である基本構想の改定に着手したところでございます。
苗穂駅周辺については、旧駅舎や周辺の状況から、この基本構想においては、駅の南側のみを重点整備地区に位置づけて、これまでバリアフリー化を進めてきたところでございます。
一方、駅の北エリアは、平成30年の駅舎移転を契機に、まちづくりがより活発になってきたことに加え、自由通路で南北を往来する歩行者数が以前に比べて増加している状況を踏まえ、駅の北エリアについても、新たな構想で重点整備地区に指定をし、苗穂駅周辺の一体的なバリアフリー化に鋭意取り組んでいく考えでございます。
◆成田祐樹 委員 北側のほうを重点整備地区に指定する方向ということで、ぜひ進めてほしいと思います。
特に、開業してから1年ちょっとぐらいたちましたけれども、やはり、かなり利用する方のパターンが増えてきたなと。特に、キャリーを持った観光客のグループ、そういった方が、多分、サッポロビール園やアリオ札幌のほうに向かってきているというような風景を見ることができるようになりました。
また、近隣で、多分、南北がつながったことによって、ベビーカーを押している方が買い物に南の方から北に来たりということで、かなり、その辺の大部分に関しては利用者の様々な形態が出てきたので、ぜひ、このバリアフリー化について進めていただきたいというふうに思っております。
次に、北8条通と東8丁目・篠路通との交差点の渋滞対策についてお伺いしたいと思います。
先ほどは、バリアフリー化についてお答えをいただきましたが、自動車の部分については、ネットワーク道路としての苗穂駅連絡通の整備が進められるなど、地域において、回遊性や利便性を向上する取組が行われていると認識しています。
しかしながら、この地域には、大型商業施設のアリオ札幌が建ち、市内でも有数の観光施設であるサッポロビール園があります。このサッポロビール園には、私は学生時代にバイトで長らく通っていたんですが、当時と比べると、タクシーや車で訪れる市民や観光客がかなり増えたなというふうに感じています。それによって、現在においては、周辺の道路がかなり混雑してきたなと感じているところです。
また、苗穂駅移転を機として、さらにまちづくりが進む中で、この地域に様々な施設が集積し、交流人口が増加することで、より混雑することを懸念しているところです。
このあたりの点については、平成29年の第1回定例議会の代表質問でも、苗穂駅周辺の渋滞に関して、私のほうから触れさせていただきました。
その地域の中でも、特に主要な幹線道路である北8条通と東8丁目・篠路通の交差点は、先ほど申し上げた施設から都心方向に向かう車が多いこともあり、休日の午後には、北8条通の西向き車線において車の列ができるなど、混雑が激しく、この地域での交通上の課題となっている箇所でもあります。
また、北8条通と東8丁目・篠路通については、ともにバス路線となっており、路線バスと高速バスを合わせると10路線ものバスがこの交差点を通過しています。
以上のことから、バスの定時性を確保する上でも、特に当該交差点の混雑緩和は重要になるのではないでしょうか。
そこで、質問ですが、苗穂駅周辺地区のまちづくりの効果を高めるためにも、この交差点の渋滞対策についてしっかり行っていく必要があると考えますが、市の見解をお伺いしたいと思います。
◎坪田 総合交通計画部長 北8条通と東8丁目・篠路通との交差点の渋滞対策についてお答えをいたします。
当該交差点につきましては、平成29年に札幌市が行った交通量調査において、北8条通の西向き車線で、休日の午後に最大280メートルの渋滞長を確認しているところであり、委員のご指摘のとおり、札幌市といたしましても、地域における課題であると認識しているところでございます。
当該交差点におきましては、既成市街地ということもあり、沿道に堅牢な建物が立地をし、また、道路には電線共同溝などの地下埋設物もあることから、これらを考慮しつつ、関係機関とも協議を進めながら、混雑緩和に向けて実現可能な対応策を検討してまいりたいと考えてございます。
◆成田祐樹 委員 あの周辺は、公園があったり、商業施設があったり、ビルがあったりと、いろいろと障壁となるものがあるのは認識しておりますが、ぜひそういったところを、調整できるところは調整して進めていただきたいと思っております。
これは以前に質問させていただきましたが、やはり、苗穂駅が移転して再開発が進んでいること、また、創成東地区の開発が進んでいることによって、周辺は非常にマンションが増えてきている、また、商業施設が増えてきております。それによって、この交差点も含めて、周辺が非常に活気を帯びている、逆に言うと、そういった車の台数が増えているということも勘案しまして、今後もぜひまちづくりに対してご配慮願うことをお願いしまして、質問を終わりたいと思います。
◆ふじわら広昭 委員 私は、2項目、質問いたします。
1項目めは、大通東1丁目・東2丁目街区のまちづくりについて、2項目めは、北5条西1丁目・西2丁目の再開発についてです。
初めは、1項目めの大通東1丁目・東2丁目街区のまちづくりのうち、大通東1丁目のまちづくりの検討状況についてです。
私は、これまでも、予算及び
決算特別委員会において、大通東1丁目の再開発事業を取り上げてまいりました。昨年10月の第3回定例市議会
決算特別委員会では、大通東1丁目の再開発に向けた関係地権者で構成されている協議会での検討状況を質問し、協議会では事業化の判断には至っていないとの答弁を受け、私は、事業化の継続協議とともに、札幌市にもまちづくり部局としてやれることから取り組むことを求めてきたところであります。
そこで、質問ですが、大通東1丁目街区の再開発について、札幌市及び関係地権者の協議会、それぞれのその後の検討状況について、初めに伺います。
◎稲垣 都心まちづくり推進室長 大通東1丁目街区の再開発に向けた検討状況についてお答えをいたします。
まず初めに、地権者から成る再開発協議会での検討状況からお答えをさせていただきたいと思いますが、再開発の事業化に向けた協議会の検討を支援するため、札幌市といたしましては、関係地権者と現在も、随時、情報交換を行っているところでございます。
しかしながら、現時点におきましても、協議会として事業化の判断には至っておらず、具体のスケジュール等は見出せない状況でございます。
次に、札幌市としての検討状況についてでございますが、当街区の再開発の事業化を推し進めるために、平成29年度に札幌市で取りまとめました推進計画では、大通公園の延長線上に再開発事業を通じて新たなオープンスペースを創出することを位置づけております。
これを踏まえまして、札幌市といたしましては、この新たなオープンスペースが有効に活用されますよう、現在は、様々な事例を参考といたしまして、備えるべき機能や活用方法などについて調査検討を進めているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 協議会の検討は変わっていないけれども、札幌市としては、オープンスペースに関わる検討を実施して、その機能や活用の在り方について検討を進めているという答弁がありました。
前回の質問からおおむね半年しかたっていないため、大きな進展がないことは理解をいたしますけれども、この件については引き続き注視をしていきたいと思います。
次の質問は、大通東2丁目の市有地における再開発について伺います。
大通東2丁目については、札幌市が土地を貸付け、事業者が施設を整備、運営することとして、公募プロポーザルを実施し、昨年3月にホテルや美術館の提案を行ったニトリホールディングスが最優秀提案者に選出されています。
私は、前回の
決算特別委員会において、公募プロポーザル後のスケジュールについて質問をし、ニトリホールディングスが2020年1月末までに基本計画書の策定を終える予定との答弁がありました。
しかしながら、先ほど確認した大通東1丁目の開発が予定よりも遅れていることに伴い、大通東2丁目にも何らかの影響がないのか、懸念をしているところであります。
そこで、質問ですが、大通東1丁目の開発の遅れにより、大通東2丁目の事業スケジュールに影響がないのか、伺いたいと思います。
◎稲垣 都心まちづくり推進室長 大通東1丁目の開発の遅れに伴う大通東2丁目の事業スケジュールの影響についてのお尋ねでございます。
大通東2丁目の土地利用に当たりましては、東1丁目の再開発と相互に連携し、創成東地区のまちづくりの起点にふさわしい空間形成を図るべきと考え、昨年度に実施しました公募プロポーザルにおきましても、東1丁目の再開発推進計画を踏まえた提案を求めたところでございます。
そのため、東2丁目の事業を進めるに当たりましては、東1丁目の再開発の動向を勘案することも必要であると認識しております。
以上の考えの下、事業予定者でありますニトリホールディングスと事業スケジュールについて昨年末から協議を行った結果、基本計画の作成に向けた検討期間を2021年、来年の3月まで延長し、事業を継続することを確認したところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 答弁では、大通東1丁目の開発の進捗を踏まえて、大通東2丁目のスケジュールもおおむね延長するということでありました。
答弁によれば、スケジュールの延長は、開発に変更はないとのことでございますけれども、大通東1丁目の進捗が見通せない状況であります。
このようにスケジュールの遅れが続いてはいるものの、私は、両街区の再開発を具体化して進める必要性は変わらないと認識をするところであります。
そこで、改めて確認の意味で質問をいたしますが、大通東1丁目・東2丁目のまちづくりを通じ、札幌市として特に何を実現していきたいのか、その考えを伺いたいと思います。
◎稲垣 都心まちづくり推進室長 大通東1丁目・東2丁目街区のまちづくりを通じ、実現を目指すことについての市としての考えというお尋ねでございます。
両街区におきましては、創成川を介した東西市街地の連携強化に資する新たな象徴空間としてのオープンスペースの創出と大通公園から東方向への魅力ある景観の形成が特に重要になってくると考えております。
また、両街区における新たな開発を通じ、多様な都市機能の集積や回遊性の向上を図り、創成東地区のまちづくりを牽引していく拠点を形成することも求められていると認識しております。
以上を踏まえ、札幌市といたしましても、両街区のまちづくりの進展に向けて、引き続き関係者と十分な連携を図りながら検討を進めてまいります。
◆ふじわら広昭 委員 要望を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
大通東1丁目・東2丁目街区の取組では、答弁にもありましたとおり、相互に連携を図り、創成東地区のまちづくりの拠点にふさわしい空間形成を目指すことを、これまでも要望してきたところであります。
民間事業者による開発のため、事業化に向けては様々な課題があるものと推察しますが、この街区でのまちづくりは、大通周辺にとっても重要な取組の一つであることから、札幌市には、そのような観点も踏まえ、大通東1・2丁目のまちづくりを着実に進めていくように要望しておきたいと思います。
次は、2項目めの北5条西1丁目・西2丁目の再開発についてです。
最初の質問は、再開発準備組合設立後の進捗状況についてです。
昨年10月の
決算特別委員会においても本件について質問しましたが、昨年の11月には、地権者であります札幌市とJR北海道グループで再開発準備組合が設立され、具体的な検討作業が進められているものと思います。
冬季オリンピック・パラリンピック招致を見据え、2029年秋までにこのプロジェクトを完成させるためには、残り約10年弱という期間の中で、スピード感を持って事業を推進していくことが非常に重要と言えます。
そこで、質問ですが、北5条西1丁目・西2丁目の再開発準備組合設立後の進捗状況について、まず伺います。
◎高橋 札幌駅交流拠点推進担当部長 北5西1・西2の再開発準備組合設立後の進捗状況についてお答えいたします。
再開発準備組合におきましては、昨年12月に事業コンサルタントを選定し、その後、事業計画や施設計画などの検討のほか、環境影響評価に向けた準備を進めているところです。また、コンストラクションマネジメント業務につきまして、2月に業者を選定し、コストの削減、工期の短縮の手法などについて検討を進めているところです。
加えまして、不動産鑑定業務につきましても、同じく2月に業者を選定し、対象地区における現在の土地・建物の評価額を調査しているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 答弁で、事業コンサルの選出やコストダウンや不動産鑑定士を入れての土地価格の準備をしているということでございますけれども、昨年11月の再開発準備組合の設立記者会見を報道されたテレビや新聞等を見ておりますと、JR北海道の島田社長は、東京の渋谷スクランブルスクエア並みの高さを目指したいという発言もしております。昨年11月に開業しました渋谷スクランブルスクエアは、地上47階建てで、高さは約230メートルにもなる超高層ビルであります。
一方、北5条西1丁目・西2丁目は、市内で極めてポテンシャルの高い場所でもあり、土地の高度利用と都市機能強化を図る必要がありますが、札幌に見合った適正な規模及び周辺市街地との調和などを十分に配慮すべきと考えるところであります。
また、この再開発では、国の都市再生特別地区などの緩和型土地利用計画制度を活用するものと思いますが、法定容積率を超えた大規模な開発を行うのであれば、それに応じたまちづくりへの貢献があってもしかるべきと言えるところであります。
そこで、質問ですが、北5条西1丁目・西2丁目再開発において、具体的にどのような公共貢献を考えているのか、伺いたいと思います。
◎高橋 札幌駅交流拠点推進担当部長 北5西1・西2再開発における公共貢献についてお答えいたします。
委員のご指摘のとおり、大規模な開発に当たっては、その規模に見合ったまちづくりへの貢献が重要であると認識しております。
本開発におきましては、都市再生特別地区の適用を想定しており、都市再生緊急整備地域の方針に掲げている交通結節機能の強化を図ることとして、バスターミナルの整備がその中でも特に重要な貢献であると考えております。
また、そのほかの公共貢献メニューとしましては、都心における開発誘導方針に定めております質の高いオープンスペースの整備や重層的な歩行者ネットワークの形成、低炭素化の推進なども求められる要素であると考えております。
◆ふじわら広昭 委員 バスターミナルの整備ですとか質の高いオープンスペースなどなどについての公共貢献が必要だという回答でありました。
札幌駅周辺では、北5西1・西2のほかに、北4条西3丁目などにおいても再開発に向けた動きが加速をしております。北4西3では、昨年5月に地権者により再開発準備組合が設立され、現在は北5西1・西2同様、大規模な施設計画を検討していることが報じられております。
札幌駅南口周辺において、これら大規模な開発がほぼ同時並行で進むことから、南口エリア全体で調和のとれたまちづくりを実現していくことが重要と言えます。
新年度予算においても、札幌駅交流拠点まちづくり推進費3億3,300万円の中に、街区間連携に関わる経費が計上されております。
そこで、質問ですが、この街区間連携において具体的にどのような検討を進めるのか、伺いたいと思います。
◎高橋 札幌駅交流拠点推進担当部長 街区間連携の検討内容についてお答えいたします。
委員のご指摘のとおり、南口周辺で進んでいる再開発はほぼ同時並行で進んでいくことから、個々のプロジェクト間の連携・調整を図っていくことが不可欠であるものと認識しております。
具体的には、開発の規模や景観、町並み、
エネルギーネットワークなどにおける連携方策について、それぞれの開発の計画段階から調整を図っていきたいと考えております。
その検討に当たりましては、北海道、札幌の国際競争力を牽引する拠点を形成する上で、より広い視点からアプローチしていくことが重要であることから、有識者による検討会議を設置し、議論を重ねてまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 プロジェクトの連携、また、国際的な位置づけの中での取組などがありますけれども、これから再開発をしていく上では極めて重要なところでありますので、2点の要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
北5条西1・西2丁目や北4条西3丁目の再開発では、事業採算性の確保を図ることは当然でありますが、今後の札幌のまちづくりに大きなインパクトを及ぼす再開発となるだけに、JR札幌駅周辺のまちづくりにどのような貢献を行うのかが非常に重要であると思います。
特に、北5条西1・西2丁目は、札幌市も地権者の一員ですが、同じ地権者でもありますJR北海道グループに対しても、まちづくりの観点を今まで以上に認識してもらえるよう、さらに取り組むことを求めて、質問を終わります。
◆石川さわ子 委員 私からは、丘珠空港について伺いたいと思います。
まず、仮に滑走路を延伸する場合の事業費等の情報について伺っていきたいと思います。
丘珠空港の今後についての本市の取組としまして、2018年度は北海道と札幌市とで設置した検討会議がまとめた利活用に関する報告書を基に、関係者会議や住民説明会の開催、市民アンケート等を実施し、2019年度は、丘珠空港の将来像素案を示し、オープンハウス型の住民説明会やワークショップ、そして、丘珠空港利活用検討委員会を開催してきております。
この委員会は、札幌市が丘珠空港の将来像の案を作成するに当たって意見を取りまとめるために、専門家の委員と公募も含めました市民委員の皆さんが協議をする会議でありまして、先ほど言及がありましたが、現在は3回目まで終了しておりまして、私もこの会議を傍聴してきております。
この間、札幌市は、住民説明会などで様々な意見等を聴取してきておりますが、そうした意見の中では、空港の利用活性化に慎重な方はもとより、積極的な方でありましても、人口減少や財政状況を考えますと、滑走路の延伸などを行うことの費用対効果について懸念がある方は少なくないと思っております。
まちづくりに関わる大事なことを検討するときには、費用とそれに見合う効果があるのかどうかを市民が考えることができるように、分かりやすく情報を提供することが重要であることは言うまでもなく、いわゆる市民が主役のまちづくりであります。
私は、2019年第3回定例会の
決算特別委員会におきまして、(仮称)丘珠空港の将来像をまとめるに当たっては、費用対効果を市民目線で考えることの重要性から、滑走路延伸などに係る事業費の詳細な情報提供を求めました。
担当部長からは、丘珠空港の利活用に関する検討会議報告書で算出された事業費の内訳について情報提供を進めるという答弁がありました。
そこで、1点目の質問でありますが、事業費の内訳について、どのような情報を提供してこられたのか、伺います。
◎浅村 空港担当部長 丘珠空港に関しまして、滑走路延伸の案に関わる事業費の内訳について、どのようなものを提供してきたかというご質問についてお答えいたします。
滑走路延伸の案のケースごとに想定されます空港本体の工事、それから、道路や下水道等の移設、さらには、用地の確保及び支障物件の移設等に係る費用について、それぞれ概算費用を算出いたしまして、それについて情報提供を行っているところでございます。
◆石川さわ子 委員 今の答弁では、概算事業費がどれぐらいかという数字はおっしゃっておりませんでしたけれども、滑走路を1,800メートルとする場合は、98億円または290億円、2,000メートルに延伸の場合は335億円または532億円と、以前も申し上げましたが、やはり試算の幅が非常に広いというふうに思います。
私は、今月16日の
予算特別委員会の財政局の質疑におきまして、将来見込まれる建設事業費として、今後15年間に着手すると見込んでいる大型事業はどういう事業かということを確認いたしました。
丘珠空港の整備は、事業決定をしておりませんので、当然、まだ見えてはいませんが、一方、第3回目の利活用検討委員会での資料によりますと、2020年度以降の丘珠空港の利活用に関する取組の想定スケジュールというものが示されておりまして、1,800メートルに延伸する場合は、事業計画の決定以降、翌年には用地取得が始まり、4年後には整備工事、そして、決定から6年程度で滑走路の供用開始というふうに示されております。
しかし、高さの関係で、水平表面に係る建物や鉄塔等の支障物件の移転が必要となった場合には、2,000メートルに延伸する場合と同じで、供用開始まで10年以上かかる可能性があるというふうに書いてありました。
札幌市の財政運営は、扶助費のみならず、公共施設の更新事業等の増加により、それでなくても大変厳しい状況で、長期的な財政見通しとしては、学校や市営住宅等の更新においては、規模を適正化するなどにより、負担を平準化するとともに、基金や市債の残高を管理するなどして、駒岡清掃工場の更新や新MICE施設、オリンピック・パラリンピックに関わる施設の整備、北海道新幹線の建設負担金等を計上したというふうになっておりますが、そこにさらに丘珠空港整備を仮に盛り込むとすれば、札幌市の財政を圧迫するのではないかというふうに市民が不安に思うのは、私は当然のことだというふうに思います。
市民としましても、便利になったらいいというふうには思う反面、果たして財源は大丈夫なのかという懸念がありまして、そういった情報提供も私は必要だというふうに考えるところです。
もちろん、滑走路の整備費用の負担率は、国が85%で残りが北海道と市というふうには聞いておりますが、市民は、税金の使い道というふうに見ておりまして、国費が投入されるのであれば、国の財政の窮状に鑑みれば、なおさら慎重にするべきだというふうに考えます。
また、検討委員会でも言及されておりましたが、仮に滑走路が延伸された場合、騒音や排ガス等の緩衝機能、防風雪機能、緑化による景観向上等のために整備された滑走路周辺の空港緑地が部分的に失われるなどの影響も出てくるというふうに考えます。
そこで、2点目の質問でありますが、仮に滑走路を延伸した場合、空港緑地の消失に伴う再整備等に向けた事業費はどの程度と想定しているのか、伺います。
◎浅村 空港担当部長 空港緑地の再整備に係る事業費についてお答えをいたします。
滑走路を延長するというふうにした場合には、整備の規模に応じて、隣接している丘珠空港緑地の一部に影響が生じるということは認識しているところでございます。現在は、空港本体の利活用の方向性について議論をしておりまして、丘珠空港緑地の取扱いを含みます周辺のまちづくりを検討する段階ではございません。このため、再整備の事業費については算出していない状況でございます。
◆石川さわ子 委員 今の段階では、空港本体の検討で、まちづくりのことを検討する段階ではないという理由で事業費は見ていないと、今、ご説明があったというふうに思います。
高さの関係で、水平表面に係る支障物件の移転が必要になった場合など、場合分けで事業の内訳を試算したんだというふうに先ほどおっしゃいました。こうした考え方でされていると思うのですけれども、まちづくりということと大変密接な関係があります空港緑地については、空港本体の整備に伴ってどういう影響が出てくるのかということも、私は、試算をして、情報として提供していくべきだというふうに考えます。
この丘珠空港緑地は、札幌市が1998年度に策定した丘珠空港周辺のまちづくり構想の中で、空港周辺のまちづくりにおける基本的な課題として位置づけられておりまして、滑走路を100メートル延長した際に、180億円を投じて2001年度から15年かけて整備をしてきたものであります。
整備に当たっては、丘珠空港連絡会議や周辺地域での意見交換会並びに説明会などを開催しながら、札幌市が何回も市民へ情報提供しながら進めてきたものであります。
検討委員会でも、専門委員の方が延伸のデメリットとして費用をかけてつくった空港緑地が一部使用できなくなることについて情報を出すべきだという意見を述べておられました。空港緑地が一部失われることや、その代替をどうするのかなどについて、市民にとっては大変重要な情報であるというふうに思います。
この空港緑地の形状が変わっていくのであれば、先ほども申し上げましたが、その影響をしっかりと検討し、市民への情報提供を進めることをここで求めておきます。
次に、地元住民への生活環境の影響について伺います。
この間、丘珠空港の利活用が検討課題となるたびに、札幌市が生活環境の悪化に対する住民の不安の声を重く受け止めているという認識を伺ってまいりました。
騒音などを地元住民が不安に感じている現状を理解するためには、私は想像力が必要だというふうに考えます。
検討委員会の中で、航路直下に住んでおられる公募委員の方が地域の騒音についての考えを委員長から問われたときに、リアルな騒音の実態を説明するために、着陸直前の航空機の高度を行政からあらかじめ聞き取って発言をしておりました。
滑走路からわずか1キロメートルぐらいのJR百合が原駅前にある4階建てマンションの真上を飛行機のおなかがつっかえるように飛んでいるとその公募委員の方がおっしゃった光景は、私も何度も見ておりますが、そのマンションの真上を飛ぶ航空機の高度は地上から100メートルから160メートルということでした。
これを少し補足しますと、函館便とか釧路便の機種であるサーブが100メートルでありまして、静岡便等のERJ170ですと160メートルということです。
この100メートルという数字でありますけれども、これは、およそ33階ぐらいの建物かと思いますが、この近くで言いますと、大通ビッセの北洋大通センターとか、ANAクラウンプラザホテル札幌、元の全日空ホテルの高さにちょうど匹敵するぐらいの高さのところをサーブが飛んでいるということです。
JR百合が原駅前の4階建てマンションから滑走路に向かって200メートルぐらいのところに百合が原公園という大きな公園があります。この百合が原公園は、市民の憩いの場でありまして、子どもから高齢者までが訪れており、デイサービスを利用している高齢者の方々もよく見かけるところです。2018年度の公園の中にある温室の利用者は6万5,000人で、公園の広い敷地内を市民はゆっくりと自然を探索するなど、楽しんでおられます。
そこで、質問でありますが、航空機は、百合が原公園では地上からどれぐらいの高さを飛行しているのか、伺います。
◎浅村 空港担当部長 百合が原公園におきます飛行高度についてお答えをいたします。
平成30年度に行いました航空機騒音調査業務における航路調査の結果によりますと、百合が原公園付近での航空機の高度は、機種ですとか天候の状況によって異なりますが、離陸時におきましては250メートルから450メートル程度、着陸時には70メートルから140メートル程度の高度でございます。
◆石川さわ子 委員 離陸と着陸の高度に大きく差があるということでありますが、以前、100メートル延長の議論をしていたときに、着陸の場合、百合が原公園方面からが65%で、伏古方向からは35%という資料が、気象資料からの推定値として札幌市から提出されておりました。
また、機種によって高度は違うということでありますけれども、今、70メートルというふうにサーブの高さをおっしゃったのですけれども、地上から70メートル、わずか70メートルですが、ちなみに、市役所の軒高が78メートルということなので、それよりも低いところをHACの飛行機が飛んでいるということであります。
また、そのあたりではとっくに着陸体制というふうになっておりますから、どんどん高度が下がって、大きな機体が迫ってくるという光景は、私は大変恐怖を感じます。
このように、日頃暮らしている生活の場の上空70メートルとか100メートルのところを航空機が飛んでいる地域の住民は、日々、機体を下から見上げ、怖いと感じ、墜落事故の不安も常につきまとっているというふうに聞いております。
こういう現実を踏まえ、仮に延伸し、増便になるとどういうことになるのかということを想像しながら、地元の方々の不安の声を受け止めていただきたいと思います。
また、先ほど、4階建ての百合が原駅前のマンションの話をしましたが、そのすぐ横に百合が原小学校があります。子どもと教師を合わせて約600人が校舎の中で学んでおります。ここでは、航空機が通過をするときに、教室で先生の声が聞こえなくなるということです。ですから、夏は窓を開けられないというふうに聞いております。
そこで、質問でありますが、航空機の進入表面の範囲に百合が原小学校が入っているのではないかというふうに思いますが、百合が原小学校の真上を航空機が飛ぶことについて札幌市はどのように考えているのか、伺います。
◎浅村 空港担当部長 百合が原小学校上空での飛行についてお答えをいたします。
一般的に、飛行ルートは、就航先や離着陸時の風向き等によって変わるものでございますけれども、航空機の旋回時などにおきまして、百合が原小学校の上空も飛行することがあるということは認識しております。
航空機の運航に当たりましては、周辺地域への生活環境の保全に関する配慮は重要であるというふうに考えております。
◆石川さわ子 委員 丘珠空港の周辺、滑走路のそばに、百合が原小学校のみならず、高齢者施設ですとか病院、それから、幼稚園もありますし、住宅も札幌市の都市計画に沿って大変密集をしてきております。
1998年から2019年にかけて、空港周辺の九つのまちづくりセンター地域での世帯数の増加は、以前の質問で39%増加しているということも確認してきました。
このように、丘珠空港の周辺では、公的な建物ですとか住宅が大変密集をしておりまして、私は、小学校の上空を旋回では飛ぶこともあるやもしれないというお話がありましたが、飛ぶことは回避すべきだというふうに考えております。
また、航空機は、落下等の大事故のみならず、部品の落下の危険性もあるというふうに聞いておりまして、現在、1日当たり夏の期間では最大30便の状況でありますけれども、資料によりますと、1,800メートルに延伸をした場合、72便飛ぶことも計算上は可能だというふうにありまして、地域住民の不安が増大していくというふうに思います。
また、繰り返し申し上げておりますが、ジェット機の騒音が大変うるさく、これ以上の増便はやめてほしいという声が寄せられているところでもあります。
しかし、航路直下を外れると、こうした不安を抱える当事者の声は理解されがたい現状があるのではないかというふうに危惧をします。
札幌市としては、市民が安心して暮らすことができる環境をしっかりと守っていただきたいというふうに思います。
先ほども、検討会議が全4回のうち3回まで開催されているという話がありましたけれども、この委員会としての滑走路延伸についての方向性を4回目で出そうとしているというふうに思うのですが、議論の中で専門委員の方が、これまで市が用意をしてきた資料の取扱いについても、環境基準を守ればいいのだという結構乱暴な扱いになっている、また、地域住民は騒音などの不安が増すので納得できないというふうに指摘もしております。客観的な委員の方の指摘ですから、私は、そのまま札幌市としては受け止めていただきたいと思います。
騒音につきましては、昨年、2019年第3回定例会の
決算特別委員会でも質問をいたしましたが、空港周辺の8カ所での騒音測定結果では、騒音レベルの
エネルギー総量を評価した値は環境基準値以内ですが、最大値は基準値をはるかに超えており、日中に、特に滑走路に近い直下の地元住民の方たちが耳で聞いている騒音は、まさにこうした最大値であるということを押さえていただきたいと思います。
そこで、質問でありますけれども、丘珠空港利活用案についての今後の市民への情報提供についてでありますが、さらなる情報提供と意見交換をどのように行っていくのか、また、丘珠空港の将来像案をまとめるに当たって、不安を抱える市民の声をどのように反映するのか、伺います。
◎浅村 空港担当部長 今後の市民への情報提供、それから、意見交換、それから、不安をお持ちの方を含めた市民の方々の声を受け止めということについてお答えいたします。
平成30年度におきましては、空港周辺地域での住民説明会や1万人アンケートなどを通じまして、空港の様々な利活用策の案について議論を行ったところでございまして、今年度は、JR札幌駅やチ・カ・ホでのオープンハウス型市民説明会や利活用検討委員会などを通じまして、将来像の素案の内容を提示しまして意見交換を行ってきたところでございます。
来年度は、これまでの調査検討や議論を踏まえまして、丘珠空港の将来像の案を取りまとめた上で、夏頃から主に空港周辺地域の方々を対象にした説明会などを実施いたしますほか、市民に対しましても幅広く情報提供して意見聴取を行っていきたいというふうに考えております。
また、説明会等を通じまして丁寧な情報提供を行いまして、不安をお持ちの方も含めた幅広い方々からの声を受け止め、意見交換を行いながら、利活用の在り方について理解を得てまいりたいと考えております。
◆石川さわ子 委員 要望を申し上げて終わりにしたいと思いますが、今年、国と羽田空港が東京都心を低空飛行する羽田新飛行ルートの運用を計画しております。実機飛行の試験では、住宅街の上空200メートルのところを飛行し、威圧感のある轟音がとどろいているということであります。
丘珠空港とは航空機の機体も便数も全然違うわけでありますが、仮に丘珠空港が延伸をすると、より大きな機種の飛行が可能となるかもしれないということで、私は人ごとではないというふうに思っております。
札幌市は、これまで、現在の生活環境を悪化させないとして、いわゆる地元案を尊重してきたというふうに思います。しかし、仮に滑走路の延長をするという方針を示し、増便になると、騒音が環境基準値を超えないとしても、地元でどういう環境悪化が起きるのかということについて把握することができるように、今日は具体的にお話ししたつもりであります。
今後におきましても、丘珠空港の将来像案をまとめるに当たりましては、騒音など生活環境の悪化を不安視する住民の声を重く受け止め、意見を反映することを強く求めます。
また、住民説明会等を行っていくことをお聞きいたしましたけれども、本日お話しいたしました検討委員会での専門委員の方の意見をしっかり受け止めて、丁寧に意見交換することを強く求めて、私の質問を終わります。
○池田由美 委員長 以上で、第4項 都市計画費等の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、明日3月25日水曜日午前10時から、子ども未来局及び教育委員会関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後4時44分...