札幌市議会 > 2020-03-03 >
令和 2年第 1回定例会−03月03日-05号
令和 2年(常任)財政市民委員会−03月03日-記録

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  1. 札幌市議会 2020-03-03
    令和 2年(常任)財政市民委員会−03月03日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 2年(常任財政市民委員会−03月03日-記録令和 2年(常任財政市民委員会            札幌市議会財政市民委員会記録            令和2年3月3日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時43分     ―――――――――――――― ○中村たけし 委員長  ただいまから、財政市民委員会を開会いたします。  報告事項ですが、本日審査を行います陳情第8号の提出者から資料の提出がございましたので、お手元に配付しております。  それでは、議事に入ります。  陳情第8号 エカシフチのための温泉付き公的ホーム早期実現を求める陳情を議題といたします。  陳情第8号は、本日が初審査ですので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時44分       再 開 午後1時57分     ―――――――――――――― ○中村たけし 委員長  委員会を再開いたします。  それでは、質疑を行います。 ◆ふじわら広昭 委員  今の陳情札幌市が今後つくろうとしているアイヌ施策推進計画にぜひ反映してほしいという視点から、何点か質問をしたいと思います。  まず、世界にはいろいろな民族が存在をしておりますけれどもアイヌ民族権利回復は、他の国の民族に比べて非常におくれているというふうに私ども民主市民連合認識をしております。そうした上に立って、先ほど陳情者には具体的な陳情のイメージや規模などをお伺いいたしました。  そこで、質問でございますが、札幌市としては、先ほど陳情者への質問でありましたが、札幌市として市内アイヌ民族方々人数を把握しているのか、また、今回の陳情内容は国のアイヌ政策推進交付金対象となるのか、まず、この点について最初に伺いたいと思います。
    丹尾 市民生活部長  1点目の札幌市内アイヌ民族人数につきましては、陳情者のほうからもご説明がございましたけれども直近では、平成29年度に北海道北海道アイヌ生活実態調査実施しているところでございます。この中で、アイヌ民族方々人数振興局ごとに公表しておりまして、札幌市を含む石狩振興局管内では、調査にご協力いただけたアイヌ民族の方が743人という調査結果が出ているところでございます。  続きまして、2点目の国のアイヌ政策推進交付金対象になるかどうかという点でございますけれども、このアイヌ政策推進交付金につきましては、ほかの法令等において国の補助等支援が行われている事業に対しましては交付をしないものとされておりまして、公営住宅ですとか老人ホームにつきましては、国の補助介護保険が入っていることから交付金対象外とされているところでございます。したがいまして、住まい老人ホームとしての機能を持たせた公的ホーム設置に関しては、交付金対象とはならないものと考えております。  ただ一方、アイヌの人々と地域住民との交流の場の整備アイヌ民族高齢者コミュニティー活動への支援などは、アイヌ政策推進交付金対象とされているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  平成29年度に北海道が行った調査で、石狩振興局管内では743人の方からアイヌ民族であるという申告を受けたということでありますけれども先ほども石井さんのほうからお話を聞きましたけれども、まだまだ札幌市内やこの石狩振興局管内にはたくさんのアイヌ民族の方がいらっしゃると思うんですけれども、やはり、自分が名乗り出ることなどによって、いろいろな差別や偏見を、ご本人はもとより、家族などが受けることを懸念して自分アイヌ民族だということを申告しない、そうした方も、たくさんまだいらっしゃるのではないかなというふうに思うわけであります。  そうした状況の中で、調査はしているけれども、今、部長のほうから報告のありました743人というのが、直近石狩管内札幌市も含めた人数ということで受けとめたいというふうに思いますけれども、そうしたこともありながらも、札幌市では、道内各地から、学校に行く、就学や、また仕事の就業などで人が集まってきており、道内アイヌ協会では札幌アイヌ協会の会員が一番多いのではないか札幌に多いのではないかというふうなことも、お話を伺っているところであります。  アイヌ高齢者が暮らす温泉つきホームを建設することは、現状交付金対象にならないということでございましたけれども、一方、札幌市においても高齢アイヌ民族方々がふえてきており、エカシフチと呼ばれるアイヌ民族長老方々みずからが、身につけたアイヌ文化を後世に伝えていくという場の必要性は非常に高く、伝承活動によっては、数日にわたる儀式など、短期間の滞在をしながら行ったほうが効率的な活動も想定されるところであります。また、札幌市では、現在、札幌アイヌ施策推進計画改定に向けた議論を行っていると報告を受けておりますけれども、そこで、質問ですが、今回の陳情を踏まえると、必要に応じ、望ましいのは長期的なものでありますけれども、最低でも短期的な滞在も可能な人材育成ができる場など、次の計画反映すべき内容も含まれているのではないか、そういった部分については、何らかの形で計画に盛り込み、早くできるものから実現を目指すべきと思うわけでありますけれどもいかがお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎丹尾 市民生活部長  人材育成ができる場の計画への反映実現についてお答えいたします。  陳情趣旨にございますアイヌ民族長老による文化継承活動につきましては、札幌アイヌ施策推進計画施策目標であるアイヌ伝統文化継承に資するものと考えられますことから、交付金を活用した事業実施可能性について検討してまいりたいと考えております。  なお、実施時期につきましては、交付金などの必要な財源を確保するため、地域計画に具体的な事業内容や経費を盛り込みまして、交付金対象事業としてあらかじめ国の認定を受ける必要があるなど、さまざまな課題はございますけれども、できるものから早期実現してまいりたい、このように考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  今、前向きともとれる答弁がありましたけれども、いずれにしても、この札幌アイヌ施策推進計画が、アイヌ民族代表の方や有識者、市民代表の方も含めた検討委員会の中で、本格的にこれから議論がされるというふうに私ども理解をしているわけであります。そうした計画は、現計画と同様に10年間の計画であると思われますけれどもアイヌ文化を後世に伝えていく場の設置という陳情趣旨を勘案して、改定される計画の早い段階で実現をされるよう検討を進めていただきたいというふうに思っております。  また、ことしの4月には、先住民族尊厳の尊重を掲げた場として、白老に民族共生象徴空間ウポポイが開設される予定になっておりますけれども、ここはアイヌ民族歴史を学ぶ施設となると思うわけでありますけれども、やはり、札幌に住んでいるアイヌ民族の皆さんが、陳情趣旨のような文化芸術、または食の問題を含めた幅広いアイヌのさまざまな優位性というものをそこで後世に伝えていく必要があるというふうに思います。  そういう意味では、2007年に採択された先住民族権利に関する国連宣言について、日本政府賛成票を投じておりますけれども陳情に指摘されるような日常生活にかかわる問題というのは、国も含めて、まだまだなおざりにされているのではないかなというふうに思うわけであります。そういう意味では、北海道、とりわけ札幌は、多くのアイヌ民族が住んでいるということからも、多文化共生の先進地となり得るような具体的な検討を、札幌市もしっかりと実現に向けて取り組むことを強く求めて、質問を終わります。(傍聴席から拍手) ○中村たけし 委員長  傍聴者に申し上げます。拍手は禁止されていますので、ご静粛にお願いします。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、簡潔に質問をさせていただきたいというふうに思います。  先ほど質疑がありましたように、アイヌ高齢の方が暮らす住まいとしての温泉つきホームの建設については、現在の法律や交付金制度の枠組みの中では難しい問題があるということは理解をいたしましたが、私も陳情者の気持ちは受けとめたいというふうに思っております。  一方、陳情では、先住民族アイヌ誇りを持って継承活動をする場の確保についても求めているところでございます。  そこでまず、お伺いをいたしますが、札幌市において現在行っているアイヌ文化継承に関する取り組みについて伺いたいというふうに思います。 ◎丹尾 市民生活部長  現在行っておりますアイヌ文化継承に関する取り組みについてお答えいたします。  札幌アイヌ施策推進計画におきましては、伝統文化担い手育成支援を掲げているところでございます。具体的には、アイヌ文化体験講座などを通じ、刺しゅう木彫りなどアイヌ伝統文化体験者をふやすとともに、若い世代への文化伝承等支援するために、例えば、ベテラン講師経験の浅い講師と一緒に体験講座を運営いたしまして経験の浅い講師スキルアップを図るなど、事業実施を通じて後継者育成を行っているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  今のお答えによりますと、文化体験講座などを通じて、ベテランの方と、また経験の浅い方がアイヌ文化継承に関する取り組みを行ってきたということでございました。  そこで、再質問でありますけれども札幌市として、現計画10年間における継承活動に関する取り組み結果をどのように評価しておられるのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、あわせてお尋ねをいたします。 ◎丹尾 市民生活部長  継承活動に関する取り組み評価と今後の取り組みについてのご質問でございます。  現計画10年間における継承活動に関する取り組み結果の評価につきましては、先ほど答弁した文化体験講座を初めといたしまして、雪まつりアイヌ文化交流センターでのイベントなどを通じ、アイヌ民族の方にとってはみずから継承してきた文化を披露する機会がふえたこと、また、小・中・高校生向け体験プログラムをふやしまして若い世代アイヌ文化体験を広げていること、こういったことでアイヌ文化継承という目的に向けて一定程度は前進したものと考えているところでございます。  しかしながら、後継者育成はまだまだ十分とは言えない、このように認識しておりまして、今後につきましては、今回の陳情ですとか、関係団体からのご要望ども踏まえ、どのような取り組みが可能かを検討いたしまして、現在改定を予定している新しい計画のほうに反映してまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  結果に対する評価と今後の取り組みについては承知をいたしました。  繰り返しになりますけれどもアイヌ文化にかかわるアイヌ民族方々高齢化をしてきているということがございます。どうか、その貴重な技術、知識をしっかりと後世に引き継ぐために、札幌市としても、後継者育成に関する事業を行っていただいて、アイヌ文化継承に努めていただくことを求めまして、質問を終わります。(発言する者あり) ○中村たけし 委員長  ご静粛に願います。 ◆佐藤綾 委員  私からも、2点ほど質問をさせていただきます。  一つ目に、アイヌ民族住宅支援についてはどういった施策があるのか、お伺いいたします。 ◎丹尾 市民生活部長  札幌市としてのアイヌ民族方向け住宅施策についてでございます。  アイヌ民族の方を含めまして、市民対象とした住宅施策としては、国の補助を受けまして、低額所得者向け公的賃貸住宅である市営住宅のほか、所得に応じまして家賃の一部を補助する高齢者向け優良賃貸住宅などの制度実施しているところでございます。また、アイヌ民族の方の居住環境の改善を図るため、国や道の補助を受けまして、昭和52年より札幌アイヌ住宅新築資金等貸付制度実施しているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  アイヌ民族への支援については住宅貸付金しかないということでございましたけれども先ほど説明者の方からも、アイヌ民族が受けてきた迫害、土地を取り上げられた上に、差別されて文化尊厳が奪われたことなどについてお聞きしました。国連で採択された先住民族権利宣言は、先住民族の全ての人権と基本的自由の十分な享受の権利差別からの自由、自決権自治権、それを補償する土地や領域、資源の権利、言語、文化、雇用や就学での格差是正を求めています。  2点目の質問ですが、アイヌ施策推進法では文化継承や観光に偏っており、民族権利と補償という面では十分ではないと思いますけれども、市の見解はいかがか、お伺いいたします。 ◎丹尾 市民生活部長  アイヌ施策推進法が制定されました経緯につきましては、国会におきまして、政府のほうでも、我が国が近代化する過程で、法的にはひとしく国民でありながらも差別をされ、貧窮を余儀なくされたアイヌ方々が多数に上ったという歴史的事実について、厳粛に受けとめているという答弁があったものと認識しており、札幌市といたしましても同様の認識を持っているところでございます。  アイヌ施策推進法制定に際しましては、アイヌ民族の方専用の老人ホーム整備などを求める声もあったと伺っておりますけれども、残念ながら、現状、法や交付金制度への反映には至っていないものと認識しているところでございます。  こうした点につきましては、アイヌ民族の方全体にかかわることでもございますので、国政での今後の議論の動向を私どもとしては注視をしてまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  アイヌ文化継承していくには、高齢化しているエカシフチから学ぶことが大変重要かと思います。  高齢になるとみずからの移動が難しくなるため、文化継承のため、若い人も来ることができるホームが欲しいという要望は十分理解できますし、エカシフチの負担も少なく伝承する機会となるかと思います。住宅施策支援については少なく、国、道とも連携してこうした陳情を受けることができるように検討すべきだと考えます。  継承は時間との闘いでもあるため、より早い対策が必要だと述べまして、私の質問を終わります。 ◆石川さわ子 委員  私からも、質問をさせていただきます。  札幌市におきましては、アイヌ民族先住民族であるとの認識のもと、2010年9月、アイヌ施策推進計画策定し、さまざまな施策を行ってきていることに一定評価をするところであります。  アイヌ民族生活をしていた土地を強制的に奪われ、狩猟、漁労、採集を禁止された歴史を踏まえ、アイヌ民族が多く暮らしているこの札幌市においては、なぜアイヌ民族誇りが尊重されるまちを実現しなくてはならないのかということについて理解を促進し、ともに生きるための施策をさらに充実すべきというふうに考えるところです。  私は、先ほど陳情者の方にアイヌ食文化について伺いましたが、アイヌ文化というと、舞台での踊りや歌ですとか、あるいは、カルチャースクールでの刺しゅう木彫りなどを思い浮かべることが多いと思いますが、アイヌ文化は、アイヌ生活してきた営みそのもの全てというふうに聞いているところです。また、山や川、海、土地と一体化したその自然観は、現代の環境問題に示唆を与えるものというふうに捉えております。  このたびの陳情の訴えのとおり、アイヌ長老生活する場所を学びの場所とすることは、若者を初め、誰もがアイヌ文化アイヌ民族自然観などを学び、それらを継承することにつながる大変重要なことと考えます。アイヌ文化継承、とりわけ担い手育成については、現行のアイヌ施策推進計画では、実施に当たり検討を要する施策として、講師場所確保等に対する支援を行いますと記されております。しかし、国の交付金事業では、アイヌ文化体験交流などは多様にありますが、それをなりわいにして、しっかりアイヌ文化継承する人材育成については課題があるというふうに私は考えております。  現計画計画期間は、2010年から10年間であり、社会情勢の変化を踏まえ、また、新たなアイヌ政策推進交付金の創設も受け、2021年度からの次期札幌アイヌ施策推進計画について、アイヌの方も委員として参画している札幌アイヌ施策推進委員会検討をされているところであります。この間の課題についても、ここにおいて検討されるというふうに期待をするところです。  そこで、伺いますが、次期札幌アイヌ施策推進計画策定に当たって、アイヌ施策推進委員会では、アイヌ文化後継者人材育成についてどのような検討がなされているのか、伺います。 ◎丹尾 市民生活部長  アイヌ施策推進委員会における後継者育成検討状況についてお答えいたします。  アイヌ文化継承は、大きな課題認識しておりまして、現在の札幌アイヌ施策推進計画におきましても、委員からご紹介がありましたように、具体的な施策一つとして支援に取り組んできたところでございます。  次期計画策定に当たりまして、札幌アイヌ施策推進委員会では、アイヌ文化継承推進施策の柱の一つとして位置づけるなど、これまで以上に重点的に取り組むべきではないかというご提言もいただいているところでございます。  アイヌ文化継承につきましては、市としても力を入れて取り組むべきと考えておりまして、今回の陳情ですとか、アイヌ民族方々からのご要望などを踏まえ、今後、アイヌ施策推進委員会などにおいてさらに議論を深めながら、新しい計画へと反映してまいりたい、このように考えております。 ◆石川さわ子 委員  人材育成課題であるというふうに受けとめておるということで、また、これまで以上に重点的に取り組むべきという、そういう議論委員会の中で行われているということを確認いたしました。  現在、ピリカコタンにはチセという住居がありますけれども、そこで、やはり、生活というものは行われておりません。陳情の方がおっしゃっていたホームというのは、そこに住まいながら人材育成する、文化継承していける、そういう場を望んでいるんだというふうに私は捉えるところです。そうした場をぜひともつくっていただいて、アイヌ文化を受け継ぎたいと思う人誰もが、希望すればなりわいとできるような、そういう取り組みをぜひとも進めていただきたいと思います。  次期アイヌ施策推進計画にいろいろな課題を盛り込んでいただきたいという指摘は、きょう、さまざまな委員からもございましたけれども、ぜひとも、きょうの委員の意見も踏まえて、アイヌ施策推進委員会での議論を深めていただくことを強く求めまして、私の質疑を終わります。 ○中村たけし 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○中村たけし 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  ここで、陳情第8号の取り扱いについてお諮りします。  取り扱いは、いかがいたしますか。  (「継続」と呼ぶ者あり) ○中村たけし 委員長  それでは、陳情第8号を継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○中村たけし 委員長  異議なしと認め、陳情第8号は、継続審査とすることと決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時21分...