◆村上ひとし 委員 いろいろ質疑されておりますけれども、結局は、国の大きな流れの中で起こっていることなのかなというふうに私は思わざるを得ません。具体的に言うと、市有施設の削減だとか、公務員の削減というこの間の大きな流れの中で、
小学校も中学校も統廃合を進めていく、そして、このたびの方針の中で
幼稚園も再編、縮小していくということだろうと思うのです。
それで、
子どもは減っていくんだということや、
私立幼稚園等が一定の役割も果たしていただいているだとか、いろいろありましたけれども、特別な支援を必要とする幼児の数だとか、あるいは、
子どもの発達だとか成長に不安を抱えているお父さんやお母さんもいらっしゃる、これも、私は、減少するというよりは、これからもっとふえる可能性が高いだろうと思っております。また、私立の
幼稚園や、あるいは保育園、
小学校で勤めている先生方も、いろんな悩みを持って
子どもと接している。そういう中で、やはり、今、市立の
幼稚園の役割をどう展開していくのかと、そう考えると、私は、縮小ということになりますと、やはり、市の担ってきた役割だとか責任は大きく後退するものだというふうに思います。
そこで、1点目にお伺いをいたしますけれども、今回閉園を検討している園に在籍している園児は、どういう地域から通園している傾向があるのか、お伺いをいたします。
◎
長谷川 児童生徒担当部長 閉園を検討している園の園児が住んでいる地域についてというご質問でございますけれども、
市立幼稚園の再編に当たりましては、
定員充足率や周辺の
幼稚園等の
受け入れ状況、現在通園している幼児の状況等も確認しながら検討を進めてまいりました。
その結果によりますと、閉園を検討している4園の園児につきましては、9割を超える方が園と同じ区から通園している状況となっております。
◆村上ひとし 委員 厚別のあつべつきた
幼稚園も対象になっていますけれども、厚別というのは、市内でもコンパクトな区でありまして、今、私立の
幼稚園もバスなんかを運用しているわけですけれども、私ね、積極的にバスの運行なども図って、より、厚別であれば広範囲のところから来やすいようなサービスを充実させるといった積極的な検討も必要だと思うんですけれども、バスの運行なんかは検討されたんですか。
◎
長谷川 児童生徒担当部長 幼稚園の送迎バスについての検討状況でございますけれども、送迎バスにつきましても導入について検討いたしましたけれども、安全に乗りおりできるような駐車スペースの確保ですとか、または費用面等のさまざまな条件整備、これについて確認したところ、現状では、なかなか簡単には実現することが難しいというふうな判断をしたところでございます。
◆村上ひとし 委員 先ほどの質疑で、住民へ今後の説明をしていく計画なんかもお話がありましたけれども、私は、当然ながら、もし閉園ということになるのであれば、地域はもちろんですけれども、この間、関係、連携を深めている周辺の
幼児教育施設などへの影響は大きいと思いますけれども、その点のお考えはどのように認識しているのか、お伺いをいたします。
◎
長谷川 児童生徒担当部長 閉園する園の周辺の地域ですとか、また、私立等の教育施設に対する影響についてということでお答えいたします。
閉園を検討しております園の周辺の地域で
幼稚園を希望する幼児につきましては、近隣の
幼児教育施設に就園が可能かどうか精査したところ、今のところ、
十分対応が可能な状況と判断しております。また、地域の
保護者からの
教育相談につきましても、
小学校等を相談拠点として活用するなど、利便性の向上を図る
取り組みを検討しております。
近隣の
幼児教育施設に対しましては、新たな体制の5園が拠点となり、
市立幼稚園の教員を派遣して研修の機会を拡充したり、幼保小連携の
取り組みを推進したりするなど、地域における
幼児教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
◆村上ひとし 委員
研究実践園の役割を発揮する上で、
地域バランスをとっていくことや効率的な
幼稚園運営に支障が出てくるんじゃないかと思いますけれども、そのような懸念はないんですか。
◎
長谷川 児童生徒担当部長 閉園することによりまして
研究実践園の役割に支障が出る懸念はないかというご質問でございますが、繰り返しになりますけれども、
市立幼稚園につきましては、札幌市全体の
幼児教育の質の向上を狙いとした
研究実践園として位置づけ、その機能に関しましては、
幼児教育施設や市民からの
ニーズも高い状況となっております。
一方で、
子ども・
子育て支援新制度や
幼児教育の
無償化等により
定員充足率が低下する中、
市立幼稚園の役割である研究実践に適した幼児の
集団規模の維持が困難になっている園も生じているのが実態でございます。
こうしたことを踏まえまして、このたびの再編に当たりましては、隣接した2区を1園でカバーできるよう
地域バランスを考慮するとともに、
研究実践園としての機能について、全市的な観点から強化できるよう検討を進めてまいりました。具体的には、再編を契機に限られた人材を5園に集約することで、
幼児教育の
実践研究を充実させ、
研究実践園の機能である
幼児教育施設への働きかけや、
教育相談体制について全市的に拡充を図ることとしたものでございます。
今後も、公立の
幼稚園としての役割、機能を強化することで、札幌市の
幼児教育を牽引し、
子どもたちが健やかに育つことができる
環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
◆村上ひとし 委員 きょう出ている
市立幼稚園の今後の
在り方に関する方針(案)の本書22ページの2
市立幼稚園の再編の(1)の下のほうにありますけれども、そこでは、2005年からどういう検討をされてきたのかということなんかが書いていますけれども、2005年策定の札幌市
幼児教育振興計画で検討した際に、必要最小限の園数規模として、17園の体制から各区1園配置を基本としたというふうに書いていますよね。
そこで、この必要最小限というのは、つまり、これだけはどうしても必要である、あるいは、これ以上は減らせないという限度だと私は思いますし、辞書を引いてもそういう意味合いで書いていると思うんですよね。ですから、このとき、
教育委員会の皆さんは限界だと判断した、つまり1区1園が限界だということですよ。そういう判断ではなかったのかどうか、お伺いをいたします。
◎
長谷川 児童生徒担当部長 当時の17園から10園にしたときの判断のことについてのご質問かと思いますけれども、当時、この17園から10園に再編する際には、今ご指摘がありましたように、この各区1園の体制で
幼児教育を振興していこうということで計画を立てました。
しかし、先ほどご説明しましたように、国の動きの中で、
子ども・
子育て支援新制度や今回の
幼児教育の
無償化等、
幼児教育にかかわる施策が非常に目まぐるしく変わってまいりましたので、そうしたことを踏まえまして、今回、9園から5園に新たに再編し、今後10年間をこの体制で振興していきたいと考えております。
また、最初にお話ししたように、この10年間の中でも、また世情を勘案しながら検討を進めていきたいと考えております。
◆村上ひとし 委員 つまり、今後も、必要最小限とかという言葉は使うけれども、もっと少なくなる可能性もあるということですよね、検討の中では。
必要最小限というふうに何度も使う可能性があるということですか、これからも。
◎
長谷川 児童生徒担当部長 今回の再編に当たりましては、必要最小限ということではなくて、今ある9園の人材を集約いたしまして、この5園をもって、まずは札幌市全体の
幼児教育を振興していきたいというふうに考えております。
◆村上ひとし 委員 17園から各区1園になるときに、いろんな
関係者が、必要最小限、1区に1園がやっぱり限度だろうということで認識して理解した人はたくさんいると思いますよ。ですから、私は、そういう意味では、当時の1区1園と判断した、それからさらに縮小していくということはあり得ないというふうに思います。
今後、必要な教員の計画的な採用についても質疑がありましたけれども、しかし、2003年から新規採用されてこなかったわけですよ。そのことが、教員の高齢化が課題だということになっていますけれども、こんなことは当たり前に想像できたことだと思うのです。
ですから、今後、必要な教員の計画的な採用をするということでありますけれども、結局は、2005年当時から二つの区を1園で担うことが想定されていたのだという疑念を抱かざるを得ないということを申し上げて、質問を終わります。
○
松井隆文 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
松井隆文 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午前10時48分...