議案第24号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
太田秀子 委員長 異議なしと認め、議案第24号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時24分
再 開 午後1時25分
――――――――――――――
○
太田秀子 委員長 委員会を再開いたします。
最後に、札幌市
火葬場・墓地の
あり方基本構想の策定についてを議題とし、資料に基づき、
理事者から説明を受けます。
◎高木
生活衛生担当部長 私から、札幌市
火葬場・墓地の
あり方基本構想(案)についてご説明させていただきます。
お配りしている資料は、資料1の
基本構想(案)の概要版、資料2の
基本構想の冊子でございます。
それでは、資料1の概要版に沿ってご説明させていただきます。
資料1の左上、第1章の
基本構想の概要です。
まず、
構想策定の背景につきましては、図1の札幌市の
人口ピラミッドのとおり、最も人口の多い世代である団塊の世代の
平均余命が約15年とされております。また、少子化によって
子ども世代の人口が少ないことや、
高齢単身世帯が増加しているという
社会環境の変化に伴い、グラフの下にあります行政の問題、市民の不安のところですが、
火葬件数が増加して火葬まで何日も待たされるようになる、後継ぎがいないため、お墓が放置される、
高齢単身者が孤立死によって無縁仏になってしまうなどの問題が、今後、深刻化することが予測されます。
その下の囲みの部分になりますが、このような
死亡者数が非常に多くなった社会、いわゆる
多死社会の到来に伴う
問題解決と葬送、この言葉は、この
基本構想では、人が亡くなってから葬儀と火葬を行い、その遺骨を納めたお墓や納骨堂などを管理していく一連の行為として定義しておりますが、この葬送に関する市民の不安の解消が必要であるため、この
基本構想を策定するものであります。
次に、その下の
基本構想の位置づけについてですが、団塊の世代が寿命を迎え、
多死社会が本格化する15年後の2034年を見据え、葬送に関する将来の目指す姿とその実現に向けた施策の
方向性を示すものであります。また、特徴としましては、亡くなった方の尊厳を保つ視点から、
火葬場や墓地の運営や整備に関することのみならず、納骨後のお墓の
適正管理を促す
無縁墓対策なども進めてまいります。さらに、生前のうちから葬送のことを自分事として考え、行動してもらうきっかけとするため、65歳以上の老年期と、自分の親世代が老年期を迎える世代、いわゆる壮年期を主な対象として、葬送に関する
意識醸成を進めてまいります。
次に、その下の第2章の
基本構想の
ビジョンについてです。
これは、さきにご説明した
社会環境の変化を踏まえ、葬送に関する将来の目指す姿を示したものです。将来の目指す姿としまして、みんなが尊厳ある葬送を実現できるまち、サブタイトルとして、葬送に不安なく、安心して暮らし続けるためにとして、
多死社会においても可能な限り希望する葬送を実現できる状態をあらわしています。
その下には、目指す姿の具体的なイメージとしまして、左側に市民の意識が変わり行動している、右側に行政と
事業者による安定的な環境が整備されている状態を示しております。
右上に移りまして、第3章の札幌市の葬送を取り巻く状況についてであります。
ここでは、上から1葬送に対する意識、2
火葬場、3墓地の三つの分野に分けまして、
ビジョンを実現するに当たって障壁となる点をまとめております。
まず、1の葬送に対する意識ですが、図3の終活に対する
意識調査結果のとおり、終活のことを、人生をよりよく過ごすことにつながると重要性を理解している人が約75%である一方、終活を実践している人は約25%と低いことから、終活の実践に向けた意識づけが必要と考えられます。
次に、2の
火葬場ですが、札幌においては、1984年から稼働している
里塚斎場と2006年から稼働している
山口斎場の2施設で火葬を受け付けておりますが、図4の
年間火葬件数のグラフのとおり、2018年度の
火葬件数は約2万800件で、常に2施設の稼働が必要な水準までふえている状況にあります。さらに、2054年度には約1.6倍の3万3,000件程度まで
火葬件数が増加すると予測されていることから、今後、
火葬場の改修を行うとしても、施設の休止ができない状況となっております。また、
火葬場が休場している友引日の翌日や午前中に火葬が集中するという
火葬件数にピークがある現在の状況も踏まえ、対応を検討する必要があります。
最後に、3の墓地ですが、
市営霊園は3カ所ありますが、
墓じまいなどで返還された区画を不定期に再公募する以外、
墓地供給は
民間霊園主体となっています。表5のとおり、約4万7,000基のお墓のうち、外観上の判定で約2%、
墓地管理システムという台帳上の判定で約14%もの
使用者が不明となっている
無縁疑いの墓が発生しております。
また、
市営霊園では、
使用開始時のみ、お金をいただき、基金として積み立てて運用益で
維持管理を行ってきましたが、近年の低金利と修繕費の増加により、
基金残高が減ってきていることから、新たな財源が必要な状況です。
また、
民間墓地においては、従来の墓石型から、家族以外の遺骨と一緒になる合葬墓や木を墓標とする樹木葬などへニーズが変化していることに対応する必要があります。
次に、資料の裏面をごらんください。
左上の第4章の
基本目標と施策の
方向性ですが、第3章で示した現状を踏まえ、
ビジョンを実現するための
長期的視点に立った三つの
基本目標を掲げ、それぞれの目標にぶら下がる形で施策の
方向性を示しております。
基本目標1は、葬送について考え行動する市民の意識を醸成しますであり、施策の
方向性〇アのとおり、市民に対して、葬送の準備をすることの意義や
必要性を広めていくものであります。
基本目標2は、
多死社会においても
安定運営可能な
火葬場を実現しますであり、〇エのとおり、
多死社会においても遺族に寄り添った
火葬場運営を維持しつつ、〇オのとおり、ハード・ソフトの両面から最適な
運営体制を構築していくものであります。
基本目標3は、
少子高齢社会に対応した持続可能な墓地を実現しますであり、〇ケの
無縁墓対策、〇コの老朽化している
市営霊園の改善などを進めていくものであります。
その下の第5章は、葬送に関する
取り組みを進める上での市民・
事業者・行政のかかわり方をまとめております。市民は、
多死社会の問題を理解し、自分事として考え、準備し、身近な人と共有すること。
事業者は、ここでは
葬送関連事業者を指しますが、行政との協働による市民の
葬送支援、
火葬業務の円滑化や
墓地ニーズの多様化への対応などであります。行政は、市民に対しての葬送に関する
意識醸成と
火葬場の
安定運営、身寄りのない方の遺骨などの対応となります。
以上、ここまでが
基本構想の骨格をまとめた部分になります。
次に、右上の第6章ですが、これまでの第5章までで示した
基本構想をどのように進めていくかをまとめた部分であります。
第4章で示した三つの
基本目標と、それぞれにぶら下がる施策の
方向性に基づき、短期的に検討することを示しております。
表題の後ろに◆のあるものは、既に
調査検討に着手しているものであります。
1段目の
意識醸成については、〇Aの葬送に関する市民の
ニーズ把握と、〇Bの葬送に関する
情報提供を通じて、市民への働きかけを進めていきます。
2段目の
火葬場については、〇Cの
里塚斎場の整備というハードの検討、〇Dの
友引開場や〇Eの
予約システムの導入による
火葬ピークの平準化など、
多死社会への対応の検討を進めます。
3段目の墓地については、〇Iの無縁墓の対策、〇Nの
財源確保のための新たな
管理料制度の検討などを進めます。
その下にある協議体の設置ですが、第5章で示した各主体が連携して活動するための場として設置するものであります。市民への
意識醸成の
実施主体にもなるもので、構成員には
葬祭業者や
墓地経営者などの市民が葬送のことで接する
事業者も想定しており、実効性のある
意識醸成を行うことができると期待しております。
最後に、右下になりますが、この
基本構想に基づく
取り組みを具体化した計画としまして、運営計画というものを
基本構想策定から2年後に策定する予定であり、
火葬場や墓地に関するさまざまな
取り組みを進め、みんなが尊厳ある葬送を実現できるまちを目指してまいります。
○
太田秀子 委員長 それでは、質疑を行います。
◆村山拓司 委員 私からは、構想に掲げられた三つの目標のうち、市民の
意識醸成について伺います。
先日、
里塚斎場を視察した際のご説明で、
火葬件数の大幅な増加や
市営霊園における無縁墓の増加など、今後、
火葬場や墓地に関する問題が深刻化するおそれがあると伺いました。また、以前、終活関連の事業を視察するために横須賀市や福岡市を訪れた際においても、無縁仏が増加している状況を目の当たりにしており、
多死社会が到来することによって起こるさまざまな問題に対応することの重要性を痛感しました。
さきの決算特別
委員会において、我が会派の伴委員が
基本構想を策定することとしたきっかけと
火葬場・墓地行政における位置づけについて質問しておりましたが、今回策定される
基本構想は、この
多死社会に伴うさまざまな問題に対応するためのものであり、私もこの
基本構想と今後の施策を注視しています。
このたび、学識経験者などから成る検討
委員会での議論を終えられ、取りまとめられた構想案を拝見しますと、第4章で示されている三つの
基本目標は、葬送について考え行動する市民の意識を醸成しますが一つ目に掲げられており、最も重要なものとして位置づけられていることがうかがえます。
そこで、質問ですが、
基本目標に市民の意識を醸成することを掲げられている意義について伺います。
◎高木
生活衛生担当部長 基本目標に
意識醸成を掲げている意義についてでありますが、
多死社会の到来は免れることができないものであり、十分な対策を行わなければ、葬送に関する問題や市民の不安が深刻化することは避けられないものと考えております。加えて、死というものは、いずれ誰にでも訪れるものであり、葬送に関する問題は、全ての市民に関係する重要な事柄でありますが、これまで積極的には取り組んでこなかった分野でもあります。
これらのことから、市民が葬送に不安なく安心して暮らし続けられるようにするためには、
多死社会の到来による問題をしっかりと理解した上で、葬送のことを自分事として捉え、そして行動する意識の醸成が必要と認識しております。また、
多死社会の到来に伴う問題の解決に向けまして、行政が
火葬場の機能を最大限発揮するためには、
取り組みへの理解と協力を得ることが必要であることからも、市民への
意識醸成は重要と認識しております。
以上のことから、市民の葬送に関する
意識醸成を
基本構想における
基本目標の一つとして位置づけているものであります。
◆村山拓司 委員 一人一人が、生前のうちから葬送のことを考え、準備をし、身近な人と共有するという意識を醸成することで、
ビジョンとして掲げる、みんなが尊厳ある葬送を実現できるまちを目指していくということですが、
意識醸成に取り組むことは私も大事なことだと思います。
しかしながら、
火葬場や墓地などの葬送に関することは、先ほどの答弁にもあったように、市の施策としてこれまで積極的に触れてこられなかった分野でもありますし、一般的には、縁起でもないなどと否定的に捉えられることが多い話題でもありまして、行政としてどこまで取り組んでいけるのかという思いもあります。
そこで、質問ですが、行政が市民の
意識醸成を進めるに当たっての課題は何だと考えておられるのか、さらに、その課題にどのように対応していくつもりなのか、伺います。
◎高木
生活衛生担当部長 意識醸成を進めるに当たっての課題と対応についてでありますが、
意識醸成は、できるだけ多くの市民にさまざまな機会を通じて働きかけていくことが必要と考えております。しかしながら、現状では、行政が葬送のことで市民と接する機会は、親族が亡くなって火葬するときや
市営霊園に納骨するときなど、限定的となっていることが課題と認識しております。
そこで、
基本構想を策定した後に、
葬祭業者や
墓地経営者など市民が葬送のことで接する
事業者のほか、葬送関連NPOなどとの連携の場として協議体を設置し、例えばパネル展などの
取り組みを展開していくことで、
意識醸成のための機会をふやしていく予定であります。さらには、協議体に参画した
事業者においては、実践した
取り組み内容についてそれぞれの業界内で情報共有してもらうことで、
意識醸成の
取り組みが波及していくことになると期待しているところであります。
◆村山拓司 委員
基本構想の策定後に、協議体を通じて、
事業者と連携して
意識醸成を行っていくとのことでありました。
この
基本構想は、葬送に関する
意識醸成を盛り込んで積極的に手がけていく行政計画ということで期待してはいますが、やはり、葬送に対しての考え方や希望する葬送の形は人それぞれであるため、
意識醸成を進めることは難しい部分ではないかと感じております。
先ほどの答弁によると、葬送のことで市民と接する機会が限定的であるため、機会をふやすことが課題とのことでありましたが、市民参加の機会の一つであるパブリックコメントについて、工夫することで、市民の関心を高め、意識の醸成につなげることができるのではないかと思います。
そこで、質問ですが、パブリックコメントをより有効なものとするため、どのような工夫ができると考えられるのか、伺います。
◎高木
生活衛生担当部長 パブリックコメントの工夫についてでありますが、パブリックコメントで配布する資料を、単に
基本構想を要約したものとするのではなく、
多死社会の到来に伴う問題やその解決に向けて
意識醸成を進めていくことなど、
基本構想のポイントを強調したわかりやすいものとする予定であります。また、できるだけ多くの市民が関心を持ち、手にとっていただけるよう、資料の表紙は
多死社会という
基本構想のキーワードを強調したデザインといたします。
さらに、資料の配布場所は、区役所やまちづくりセンターのみならず、
市営霊園のほか、先ほど答弁いたしました協議体の構成員となる予定の
葬祭業者や民間霊園、葬送関連のNPOなどにも協力いただき、可能な限り多くの市民の目に触れるようにいたします。そして、家族や親族が集まる年末年始を含む時期にパブリックコメントを実施いたしまして、まずは、身近な人と話し合い、共有するきっかけとしていただきたいと考えております。
◆恩村健太郎 委員 私からは、札幌市
火葬場・墓地の
あり方基本構想(案)に関して、先日視察いたしました
里塚斎場について幾つか質問いたします。
里塚斎場は、1984年に完成し、火葬
サービスの提供を開始いたしました。その後、20年以上、休むことなく稼働してきましたが、老朽化に伴い、2007年から2年間にわたる大規模改修を行い、2009年からは
高齢者や障がいのある方にも配慮した誰もが使いやすい施設として生まれ変わりました。
しかし、築35年ということで、雨漏りや外壁の浮きといった建物の老朽化の問題や、火葬炉が30炉に対して収骨室が8室と相対的に少ないことから、混雑時には収骨するまでに待ち時間が発生するといった問題もあると伺っております。
また、
里塚斎場と
山口斎場での2018年度の
火葬件数は合計2万件を超え、二つの斎場が稼働していなければ、対応し切れない状況となっているため、今後、施設の休止を伴う改修は困難であるとの現状もお聞きいたしました。今後、人口の多い団塊の世代が寿命を迎え、亡くなる方がふえる、いわゆる
多死社会が到来すると、
火葬件数はさらに増加し、さきに述べた問題が深刻化するおそれがあるのではないかと危惧するところです。
今回の
基本構想案では、札幌市の
年間火葬件数の推移において、2054年度には約3万3,000件の最大値を迎えることが予測されたところですが、
火葬件数のピークを迎える前に、施設の諸
問題解決に向けた検討をしておく必要があるのではないかと考えます。
そこで、一つ目の質問ですが、
里塚斎場の今後の整備についてどのように考えているのか、伺います。
◎高木
生活衛生担当部長 里塚斎場の今後の整備についてでありますが、
里塚斎場の今後の整備をどうするか検討するに当たり、まずは、現施設が、あとどのくらいの期間、使用可能なのかを把握するため、柱、壁などの建物の構造部分や火葬炉、その他設備などの耐用年数調査を現在行っているところであります。
来年度は、この結果を踏まえまして、
里塚斎場の有効活用を基本として、休止しないで火葬炉の更新などの大規模改修ができるのか、それとも建てかえなければならないのか、建てかえる場合には、いつ、どこに、どんな規模の施設とするのかなど、さまざまな整備手法を洗い出しいたします。そして、それぞれの手法について、整備費用、運営費用、
利用者への影響などを評価し、高い評価のものを絞り込む予定であります。さらに、それらの絞り込んだものの中から、最適な整備手法を選び出し、2021年度に策定する運営計画に盛り込んでまいります。
◆恩村健太郎 委員
火葬件数の増加に対応するための
里塚斎場の施設整備を具体化するには、まだ時間がかかることは理解いたしました。
この施設に関する問題のほかに、友引の日が休場日であることから、その翌日が混雑すること、そして、告別式を朝の時間帯に行う風習があるため、午前中に火葬が集中するという特徴があると伺いました。このため、火葬が集中して混雑がひどいときには、火葬の受け付けまで長い間待たされ、バスの中で待機するということが既に起こっているとのことでした。
火葬場に行きながら中に入れず、バスで待機するということは、遺体を待たせる忍びなさはもとより、遺品の整理も含め、さまざまな手続もあるご遺族の方々にとって時間を浪費することにもなりかねません。この問題につきましても、今後、
火葬件数の増加に伴い、深刻化するおそれがあるため、施設整備と並行して解消に向けた検討をしていかなければならないと考えます。
そこで、二つ目の質問ですが、友引の日の翌日と午前中の混雑緩和への対応について伺います。
◎高木
生活衛生担当部長 友引翌日と午前中の混雑緩和への対応についてでありますが、混雑を緩和するための対応としましては、
予約システムの導入と
友引開場の二つを検討してまいります。
予約システムは、現在、到着順としている火葬の受け付けについて、時間帯当たりの予約受け付け枠を設定し、
葬祭業者がインターネットを通じて事前に混雑状況を確認した上で、希望する火葬日時を予約できる仕組みのことであります。
友引開場は、
里塚斎場と
山口斎場の両方とも休場している友引日についても、開場するものであります。
これらによりまして、混雑時と平常時の
火葬件数を平準化する効果が期待できると考えております。
◆恩村健太郎 委員 友引の日の翌日と午前中の混雑緩和への対応について、今後とも検討していかれるということについて理解いたしました。
しかし、友引の日の開場や
予約システムの導入は、ただ導入しただけでは十分な効果を発揮することはできないのではないでしょうか。
予約システムは、新しい仕組みであるため、導入時に混乱が発生する
可能性があることも考えられ、また、友引の日の開場につきましては、いまだに友引の日に火葬を避ける人が多くいる中で、どの程度の利用があるのかといった問題もあるように感じます。
そこで、三つ目の質問ですが、
予約システムの導入や友引の日の開場を行う場合の課題について伺います。
◎高木
生活衛生担当部長 予約システムの導入や
友引開場を行う場合の課題についてであります。
予約システムについては、既に多くの政令市で導入されていますが、札幌市で導入するに当たっては、午前中に火葬が集中しているという現状や、冬期間の道路状況によって予約時間帯に到着できない
可能性があることなどを踏まえた予約受付枠の設定が必要と考えております。このことから、現在、
システムの構築に向けた調査を行っているところであり、その結果をもとに、
葬祭業者から意見を聞くなどして、より使いやすいものとなるよう検討を進めていく予定であります。
友引開場については、2018年度に札幌市が行った友引日に火葬を行うことに関するアンケートでは、いいと思う、いいとは思わない、わからないの三つの回答数がほぼ同じであり、現状で友引日に開場したとしても十分な利用が見込めない状況であります。このことから、
友引開場ということについて、市民にどのように認識していただくかが課題と考えております。
◆恩村健太郎 委員 最後に、要望いたします。
高齢化が進展し、
死亡者数の増加が予想される中、この
基本構想の中でも多くの課題が記載されています。今後、万が一、災害による大規模停電などのトラブルや施設の老朽化による火葬炉の停止など、さまざまな理由で人の一生の最期を円満に送り出すことができないといった事態は避けなければなりません。
多死社会の到来を見据え、現時点においても発生しつつあるさまざまな問題に対処しつつも、他都市では小規模な
火葬場を幾つか持っているところもあるというふうに聞いております。今後は、他都市の事例も研究し、札幌市としても、
山口斎場と
里塚斎場のみで対応し切れるのか、さらには第3の施設の建設など、バックアップ体制を整えるべき必要があるのかどうかといったことも含め、幅広い視点に立って、速やかに具体的な対応策を講じていただきたいと思います。
また、友引の日の開場につきましても、これまで休みであった日に火葬を行うということから、火葬に関連する業務の従事者に対する負担の増加が懸念されるところです。市民に対する
サービスだからこそ、一度開始すると、もとに戻すことは非常に難しいため、しっかりと
火葬業務に関連する
事業者の意向を把握した上で、慎重な検討をしていただきたいと思います。
◆くまがい誠一 委員 私からは、
基本目標3の墓地に関する施策のうち、今後大きな問題になると思われる無縁墓についてお伺いいたします。
先日、里塚霊園を視察で訪れた際、ブルーシートで覆われた墓が散見されました。これらの多くは、昨年の北海道胆振東部地震で倒れた墓のうち、修理を予定しているが、石材店に修理の依頼が殺到しているため、手が回らず、応急的にシートで覆っている墓だとお聞きしました。
一方、倒れてシートもかけられていない墓や、大きくずれたままの墓石も見られました。これらの中にも、石材店の修理待ちとなっている墓はあると思いますが、修繕される当てのない、墓地
使用者が不在の無縁墓も一部に含まれているのではないかと思います。里塚霊園を含め、札幌の
市営霊園には約4万7,000件の墓があり、その中には無縁化が疑われる墓が相当数あるとのことですが、倒れたままの墓が無縁墓であれば、今後も放置されたままとなり、景観の悪化や樹木の繁茂など、霊園管理上も非常に問題であると思います。
そこで、質問ですが、昨年の地震で倒れるなど大きな被害を受け、現在も放置されたままの墓はどのくらいあるのか、また、そのうち、無縁化が疑われる墓はどのくらいあると見込んでいるのか、お伺いいたします。
◎高木
生活衛生担当部長 放置されたままの墓の数と無縁化が疑われる墓の数についてでありますが、まずは、現在も放置されたままの墓の数については、ことし5月から7月にかけて倒壊状況を調査した結果、倒れたり、墓石が大きくずれたままの墓が約1,000件ありました。墓の修繕については、墓地
使用者みずからが行うものであることから、修繕を促す文書を9月から10月にかけて送付しております。
次に、無縁化が疑われる墓の数についてでありますが、札幌市では、墓石が倒れたり、ずれたまま、あるいは、草木が伸びたまま長年放置されていると思われる墓で、かつ、墓地
使用者も不明となっているものを無縁墓として定義しているところであります。
先ほどの約1,000件の墓のうち、送付した文書が宛先不明により約400件返戻されており、これらは無縁化が疑われることから、現在調査しているところであります。
◆くまがい誠一 委員 今、ご説明があったとおり、大きな被害がある墓が今後400件も放置されてしまうのであれば、問題であると思います。
使用者の所在を調べ、速やかに修繕してもらうよう依頼する必要があるかと思います。
また、
基本構想の第3章の墓地の現状においては、地震被害とは別に、
市営霊園の全
使用者約4万7,000件のうち6,000件余りは、住所変更や相続等の手続がなされず、既に連絡先不明となっているところですが、これらもいずれ無縁墓になっていく
可能性が高いと思います。したがって、今後は、この6,000件の
使用者についても調査し、無縁墓の予備軍を減らしていく
取り組みが必要と思います。
無縁墓を特定する具体的な手順については
基本構想の第6章に記されており、保健所では既に着手もしているとのことですが、この手順には戸籍調査も含まれており、その工程は非常に煩雑のようであります。
そこで、二つ目の質問ですが、これまでに行った無縁墓の特定作業においてどのような課題があったか、また、それを踏まえて、今後どのように取り組んでいくつもりか、お伺いいたします。
◎高木
生活衛生担当部長 無縁墓の特定における課題と今後の
取り組みについてでありますが、墓地
使用者の連絡先が不明となっている6,000件のうち、先行して約900件の調査をことし1月から3月にかけて手がけましたけれども、戸籍調査で
使用者の所在が判明したものは半数ほどでありました。所在が判明しない残りの半数については、既に
使用者が亡くなり、親族を捜すため、さらに何回も戸籍を取り寄せるケースや、親族が墓の管理を拒んだことから、別の親族を捜すといった再調査を必要とするケースがほとんどであります。