次に、その下の青枠のJOCに対する提案ですが、本委員会や
スポーツ界、
学識経験者などで組織する
開催概要計画検討委員会での約1年にわたる議論を経て
開催概要計画を作成しました。そして、2016年11月、
開催概要計画をもとに作成した
開催提案書をJOCに提出いたしました。
次に、緑枠のIOCとの
非公式協議でございますが、昨年11月に
対話ステージに参加し、IOCやJOCなどとともに、
実務者協議や
平昌オリンピック・
パラリンピックの
オブザーバープログラム参加などにより、計画の
ブラッシュアップを図ってまいりました。
最後に、紫色の
地元関係者との
意思確認といたしまして、7月15日に
意見交換会を開催し、JOCや
地元関係者との協議により、
まちづくりの関係から2030年大会のほうがよりよい環境が整うこと、
招致戦略上、10月の
対話ステージ終了まで招致時期の
最終判断を行わないことなどを確認いたしました。
次に、資料2をごらんください。
こちらは、
IOC声明文公表までの経緯及び2030年に向けた
取り組みの方向性であります。
まず、左側の1の
IOC声明文公表までの経緯をごらんください。
先ほど資料1でご説明したとおり、7月15日にJOC、
地元関係者との
意見交換会を開催した後、8月1日に本委員会にご報告をさせていただくとともに、IOC、
JOC等と
事務レベルで協議、
情報交換を行ってまいりました。
そのさなか、9月6日未明の
北海道胆振東部地震発生を受け、9月12日には、IOCの
バッハ会長から
市長宛てに震災のお見舞いと
復興支援に向けた書簡が寄せられたことから、札幌の
被災状況を
バッハ会長に直接説明するため、
竹田会長とともに町田副市長が
ローザンヌに出向き、
バッハ会長との3者会談を行ったところです。その3者会談では、震災の状況も含め、IOCが札幌市を2026年大会の
候補都市リストに入れないこと及び2030年大会に向けた対話を継続することについて合意に至ったところです。
この3者合意を踏まえ、2030年に向けた
基本的姿勢として、資料の左側の下段に3者それぞれの立場での声明、発言を記載しております。まず、IOCについてですが、IOCが公式に発表した声明文の中では、2030年大会へ向けた緊密な対話を継続するという表記がなされております。次に、JOCについてですが、3者会談後のメディアに対する
囲み取材の冒頭において、JOCの
竹田会長から、札幌の2030年招致に全面的に協力したいとのお言葉をいただいております。最後に、札幌市については、北海道、札幌が震災から復興した後には、IOC、JOCの支援を受けながら、改めて、2030年大会に向けて
取り組みを進めていきたいとの
市長コメントを発出いたしました。
次に、資料の右側の2の2030年に向けた取組の方向性をごらんください。
2030年大会の招致に向けては、大きく二つの
取り組みを行ってまいります。一つ目は、2026年
大会招致に向けて作成した
開催概要計画の再構築、二つ目は、
大会招致を現実のものとするための
招致体制の確立と
機運醸成活動でございます。
上の計画の再構築に向けた
取り組みでは、次の三つの方向性を考えております。
まず、一つ目は、2026年大会の
対話ステージなどでIOCと協議をしていく中で明らかとなった
施設整備や
大会運営などにおけるさまざまな課題に対し、JOCや
関係自治体、
競技団体などと協議を進めてまいります。
二つ目として、さきの震災で
ブラックアウトが発生し、安心・安全な
大会開催に向けて新たな課題への対応が必要となったことから、
停電対策などについて、国や北海道と連携を図りながら検討を進めていきたいと考えております。
最後に、三つ目ですが、大会の開催が世界に貢献するとともに、
少子高齢化に対応した新しい札幌の
まちづくりを進めていくため、SDGsへの貢献や
共生社会の実現に向けた
取り組みを計画に盛り込んでいきたいと考えております。
続いての
取り組みである
招致体制の確立と
機運醸成活動につきましても、三つの方向性で取り組んでまいります。
まず、一つ目ですが、国や経済界などと連携して、
大会招致委員会の
立ち上げを含む
オールジャパン体制を早期に築き、
全国レベルでの
招致活動を展開していきたいと考えております。それに加え、
国際冬季競技連盟や国との連携を図りながら、
招致体制の強化に努め、我が国における
スポーツ国際戦略の一翼を担っていきたいと考えております。
二つ目には、2026年大会の
招致活動を通じ、IOCやJOCなどの関係者と人脈や
信頼関係を築いてまいりましたが、今後も、これを維持し、より強固なものとするために
取り組みを進めてまいります。
そして、最後になりますが、
招致活動の成功に向けては、
市民支持を得ることが何よりも不可欠なことから、
出前講座などによる
開催概要計画の丁寧な説明はもちろん、
子どもたちに対する
オリパラ教育、SNSの活用などによる
機運醸成活動といった
取り組みを進めていきたいと考えております。
最後に、資料3をごらんください。
こちらの資料は、2030年
オリンピック・
パラリンピック冬季競技大会開催都市決定までの
想定スケジュールであり、2026年
招致プロセスを参考に仮置きしているものとなっております。
初めに、上段のIOC、JOCの動きをごらんください。
2019年度の欄に灰色で示されているとおり、2026年大会の
開催都市は、6月に
ローザンヌで行われる
IOC総会にて決定することとなっております。また、その右ですが、2020年度には東京で、2021年度には北京で
オリンピック・
パラリンピックが開催されます。2030年大会の
招致プロセスは2021年度ころから始まることが想定されており、2023年度の秋には2030年大会の
開催都市が決定する見込みとなってございます。
それでは次に、北海道、札幌市の動きとしまして、中段に
オレンジ色で示されている
開催概要計画の再構築の欄をごらんください。
開催概要計画(案)の公表に向けては、関係する自治体などとの協議や有識者の方々にご意見をいただきながら、2026年の
対話ステージで明らかとなった課題への対応等について検討を行ってまいります。
開催概要計画(案)の公表時期は、2019年度の欄に赤色で示されておりますが、
対話ステージが始まる2年前としており、2026年大会のときに比べて1年前倒しで公表したいと考えております。
開催概要計画(案)の公表後は、
市民意見の募集や
出前講座を行い、市民の意向を確認していくとともに、東京2020の
開催状況などを踏まえた計画の
ブラッシュアップを行い、2021年度には改めて計画を公表したいと考えております。
招致プロセスでは、IOCとの協議結果を計画に反映させ、
立候補ファイルの策定、保証書の取得に向けた
ステークホルダーとの協議を行ってまいります。
次に、下の段に目を転じていただきまして、黄色で示されている
招致体制の確立と
機運醸成活動の欄をごらんください。
オールジャパン体制の確立のために、国等との協議や全国の経済界との連携を強化していき、
招致プロセスが本格的にスタートする2021年度初頭には
大会招致委員会を設立し、
対話ステージの開始までには
国会決議、
閣議了解を取得できるよう働きかけを行い、その後は、
招致レースを勝ち抜くための
国際プロモーション活動を行ってまいります。
また、最下段になりますが、2030年大会の
開催都市が決定するまでには、2019年に
ラグビーワールドカップ、2020年に
東京オリンピック・
パラリンピックといった
国際大会が開催され、札幌市も開催地の一つとなっております。加えて、2022年は、1972年
札幌オリンピックから50年の節目の年となります。これらの機会に
機運醸成活動を一層進めていくことや、IOCとの
人脈形成、東京2020スポンサーとの連携を進めてまいります。
○しのだ江里子 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
松井隆文 委員 私からは、ただいまのご報告について、何点か質問させていただきます。
まず初めに、本年7月15日にJOCの橋本副会長を招いて開催されました
地元関係者との
意見交換会では、我が会派もこれまで主張してきましたとおり、IOCやJOCとの
信頼関係を維持することが重要だという観点から、9月まで
対話ステージに残るという結論に至ったところであります。一方、2030年のほうが環境が整うという出席者の認識ではありましたけれども、それにもかかわらず
対話ステージには残るという結論であったことから、市民にとってはわかりづらいものでした。しかし、
オリンピックは、IOCが主催する
国際大会でありまして、IOC、JOCとの良好な関係を抜きにして
招致実現は困難であり、戦略的な
招致活動を展開する観点から、やむを得ない判断であったというふうに理解するところであります。
その後、9月6日に発生した
北海道胆振東部地震への対応が札幌市にとって最優先となりまして、
招致活動の継続が困難となる中、IOC、JOC及び札幌市との3者で協議した結果、ただいまのご説明にありましたとおり、IOCが札幌市を2026年大会の
候補都市リストに入れない結論に至ったということであります。
そこで、最初の質問ですが、IOCやJOCとの
信頼関係を重視した姿勢というものが今回の結論に至るに当たってどう生かされたのか、その認識について伺います。
◎佐藤
招致推進部長 今回の3者合意に至るに当たり、IOC、JOCとの
信頼関係がどう生かされたのかという観点でのご質問にお答えしたいと思います。
昨年11月にJOCとともに
対話ステージに参加して以来、IOCとは
実務者協議を重ね、札幌の状況について
情報共有を進めてきたほか、本年2月の
平昌大会では、現地で市長がIOCの
バッハ会長と会談の機会を得るなど、さまざまなレベルで
人脈形成を図り、
信頼関係を構築してきたところです。
そうした中、9月6日に
北海道胆振東部地震が発生いたしまして、その直後には
バッハ会長が札幌の
被災状況を心配されているとの情報が入りまして、9月12日には
市長宛てのお見舞いの書簡が到達するなど、札幌の
震災状況をIOCに大変気にかけていただいたところでございます。そこで、JOCの
竹田会長からは、札幌の
震災状況を
バッハ会長に直接伝えることが重要だとの助言がありまして、JOCの調整を通じてIOCからスイスの
ローザンヌで3者会談を行いたいとの打診をいただきまして、9月17日に実施する運びとなったところです。
また、この会談の結果、3者により2030年大会に向けた
対話継続を合意し、さらに、その後のIOCの声明の中で、将来の
大会招致への札幌の決意に対する感謝の意思が示されたことは、従来から築いてまいりましたIOC、JOCとの
信頼関係によりまして導かれた成果であり、また、札幌に対するIOCの期待感のあらわれと認識しているところでございます。
◆
松井隆文 委員 我が会派が主張してまいりましたIOC、JOCとの
信頼関係重視の結果として、今回の
ローザンヌでの3者会談に結びつき、そして、2030年大会に向けての
対話継続という結論が3者合意の形で出されたことは、大きな成果であったというふうに考えるところであります。
また、本委員会の冒頭におきまして、
スポーツ局長から、2030年大会の招致と、本日、明確に議会への
協力依頼を述べられまして、今後、札幌市として招致に向けた
取り組みを進めていくことは理解いたしましたので、次に、2030年大会に関する質疑をさせていただきます。
先ほど、3者合意により2030年に向けて対話を継続するという結論が出されたことは大きな成果だと申し上げました。しかしながら、2030年大会に向けて緊密な対話を継続するという言葉をいただいたからといって、厳しい言い方ではありますけれども、2030年
招致レースをそれで一歩リードしたと安易に考えてはならないものではないかというふうに思うところであります。これまで、この
世界最大の祭典をかち取るために、そうそうたる都市がしのぎを削ってきたことは歴史が証明するところでありまして、2030年大会につきましても、
オリンピック開催の栄冠を手にするためには、まずは何より札幌の本気度をしっかりと内外に示していくことが重要であります。また、
オリンピックの
開催都市は、100人を超える
IOC委員による選挙により決定されるものであることから、一人一人の
IOC委員から理解を得るためにも、これまで築いてきたIOCとの
信頼関係を維持することはもちろん、さらに強固にしていかなければならないというふうに考えるところであります。
そこで、質問ですが、2030年大会の勝機というものについて、改めて札幌市の認識を伺いたいと思います。
また、
大会招致を実現するために、IOCとの
信頼関係をどのように強固にしていくのかという点についてもあわせて伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいま二つご質問いただきましたので、まず、最初の2030年大会の勝機の認識についてお答えさせていただきます。
2030年大会につきましては、既に欧米の
有力都市が関心を示しているとの報道が一部でありまして、厳しい
招致レースになるものと考えております。
しかしながら、IOCの
バッハ会長からは、かねてより、
冬季競技の伝統を持つ都市で
冬季オリンピックを開催したいという考えとともに、札幌もそのような都市の一つであるとの見解が示されており、札幌のポテンシャルを高く評価いただいているものと認識しております。加えて、
アジア大会などで積み上げてきた
国際大会の高い
開催能力を強みとし、2026年
招致活動で培われてきたIOCとの
ネットワークなどをより強固なものにしながら、2030年大会の
招致レースに勝ち抜けるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、二つ目のIOCとの
信頼関係の強化についてであります。
今回、
バッハ会長から、2030年に向けて緊密な対話を継続するとのメッセージをいただきましたことから、
開催概要計画の
ブラッシュアップに向け、IOCとはもちろんのこと、例えば、ニセコでの
アルペン競技に関する
国際スキー連盟関係者とも
実務者協議を継続し、IOCや
国際競技連盟と強固な
信頼関係を築いてまいりたいと考えております。加えて、さきの
代表質問での答弁のとおり、
震災対応が落ちついた段階で、
秋元市長と
バッハ会長との会談の機会をできるだけ早くつくるよう努力いたしまして、その会談を通じてIOCとの
信頼関係をより強固なものにしたいと考えているところです。
◆
松井隆文 委員 ただいまの答弁にございましたとおり、札幌が有する
国際大会の高い
開催能力に加えまして、2026年
招致活動で培われてきたIOCとの
ネットワークという点につきましては、2030年に向けて一定のアドバンテージになるものというふうには考えます。しかしながら、必ずや2030年大会をかち取るということであれば、繰り返しになりますけれども、
招致レースでは札幌の本気度をしっかりと示していただかなければならないということを肝に銘じていただきまして、JOCと緊密にタッグを組み、IOCとの
信頼関係をより強固なものにしていっていただきたいと思います。
これに加えまして、今後の
招致活動に当たりましては、冒頭、札幌市から招致に向けた協力の依頼をいただきました議会での議論を通じるなど、さまざまな機会を捉えまして市民に
オリンピック・
パラリンピックの
開催意義を丁寧に説明することのほか、震災後の
インバウンド対策も含め、
招致活動を通じて札幌の元気な姿を世界にアピールすることにもしっかり取り組んでいただきたい、このことをあわせて要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆
岩崎道郎 委員 私からは、2030年招致に向けた
市民支持の確保について、3点ほど質問させていただきたいと思います。
まず初めに、
機運醸成活動についてです。
先ほどの資料の説明でも
機運醸成には言及がされておりましたので、そのことについて少し確認させていただきます。
冬季オリンピック・
パラリンピック招致について、震災の状況を踏まえたIOCやJOCとの協議の結果、札幌市は、2026年大会の
招致活動を終え、2030年大会に向けた対話を継続することとなりました。IOC、JOCと良好な関係を保っていることは前の質問の中でもありましたけれども、そういった関係をしっかり保った上で、
まちづくりの観点からも、2030年の招致のほうが好ましいとその目標をシフトしたことについては、我が会派としても一定の理解をしているところであります。今回、2026年に向けて経験してまいりました
招致活動をしっかりと振り返りながら、4年間、ある意味では
猶予期間をいただいたというふうにも考えることができると思いますので、その
招致期間がより有意義なものになるよう、十分検討し、新しい
招致活動を進めていただきたいと考えています。
これまでの2026年招致を振り返り、改めて感じることは、やはり、市民の皆さんが
オリンピック・
パラリンピックの開催に夢や希望を持つことが非常に重要であろうと思います。前回のこの委員会の質疑でも私は言及いたしましたが、前回の1972年大会に向けたときの映像は、本当にわくわくする、これからまちが大きく変わっていくなといったものがうまく表現されておりましたので、恐らく、当時の市民の皆さんは、札幌市で
オリンピックが開かれることに大きな楽しみや希望を抱いたのではないかというふうに感じております。
ですから、今回の
機運醸成活動も、時代は大きく変わっていますが、そのことを学びながら、市民の皆さんをしっかり取り込む活動をしていかなければいけないと思います。先日の
秋元市長の
代表質問の答弁においても、SNSの活用などにも言及がありました。さまざまな層にしっかりと届ける意味でも、悪い意味ではなく、手段を選ばず、さまざまな手段を講じていろいろな人に届けるような
招致活動になればいいなと思っているところです。
2030年大会の招致に向けては、今、4年間の猶予ができたと言いましたが、逆に言いますと、時間が結構長く、間延びをしてしまったり息切れをしてしまってはそれこそ
余り意味がなくなりますので、しっかりと息の長い活動、そして、適切な時期を捉えて
機運醸成活動を行っていくことが重要だと考えています。
そこで、質問ですが、今後の
招致活動に市民を巻き込んでいくに当たり、どの
タイミングに照準を合わせて機運を高めていこうとお考えなのか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまのどの
タイミングに照準を合わせて機運を高めていくのかというご質問に対してお答えいたします。
オリンピック・
パラリンピック招致に向けましては、
市民理解を得ていくことが何よりも重要でありますことから、まずは、将来世代に過度な負担を残さない持続可能な
開催概要計画を多くの市民の皆様に丁寧に説明してまいりたいと考えております。あわせて、未来を担う
子どもたちに世界平和や
共生社会の実現といった理念を学んでもらうため、
オリンピック・
パラリンピック教育を充実させていくほか、スキージャンプワールドカップに多くの人々に来ていただくための
取り組みを行うなど、
冬季競技を観戦する文化の醸成にも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
今後、2019年には2026年大会の
開催都市が決定され、それ以降、2030年大会の
招致レースが本格化する予定であり、ちょうどその時期に東京2020大会が札幌においても開催されます。そこで、その
タイミングを一つの
ターゲットといたしまして、例えば、
ライブサイトの設置など、多くの市民の皆様がまち中で
競技観戦を楽しみ、大会の感動と興奮を共有できるような
取り組みを積極的に展開し、
オリンピック・
パラリンピックの魅力を体感していただくことで
招致機運を高揚させたいと考えております。
◆
岩崎道郎 委員 今、
子どもたちということに言及がありました。これまでのさまざまな
招致活動や札幌の冬の
スポーツの
取り組みにおいては、
ウインタースポーツ塾などにも本当に多くの皆さんが応募してくださっていて、一定程度以上にすごく成果があるのかなと。そして、彼らや彼女らは、この
オリンピック・
パラリンピックの時代にもしかすると選手になるかもしれないという非常にいい
取り組みだったのだろうと思っております。一方で、
子どもたち以外の人たちにどんなふうに届けていくのかというところは非常に重要でして、世代を分けて、
ターゲットをうまく見きわめて、それに応じた
招致活動、
機運醸成を図っていただくことが重要なのかなというふうに思っております。
次に、
開催経費についても、1点伺いたいと思います。
2020年の
東京オリンピック・
パラリンピックについては、この間、お金の問題がさまざまに報じられています。先日、2017年度までの5年間で国が支出した関連経費が約8,011億円に上っていたことが会計検査院より明らかにされまして、組織委員会が公表していた
開催経費1兆3,500億円と東京の関連経費8,100億円を加えると、総コストは3兆円に達する可能性もあると報じられていました。これは、
まちづくりなど関連するさまざまなところも全部積み上げての数字ということですので、実際には違うという声も聞いているところでございますが、やはり、市民や国民の皆さんにとっては、
オリンピックにかかわるお金がこれだけかかるのかと、ただただ思うところなのかなというふうに思っております。これは、札幌の招致に向けても、恐らく、市民の皆さんに理解をいただくためには非常に重要な観点になるであろうと考えているところです。
しかし、見える数字は全て見せていくということが何よりも大切だと思っています。何せ、私も
オリンピックのレガシーを色濃く残す南区真駒内を中心に活動していますので、
まちづくりが変わるというところも期待していますが、ただ、いたずらにお金がかかることがいいことなのかどうかとなると、市民の中では違う意見もあるだろうと思いますので、なるべく公表していくべきではないかと思っております。
そこで、質問ですけれども、2030年大会に向けた
開催概要計画では、直接的ではない関連経費もあわせて市民に公表していくべきと考えていますがいかがか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの直接的ではない関連経費もあわせて公表すべきではないかというご質問に対してお答えしたいと思います。
札幌市では、これまで、
オリンピック・
パラリンピックの開催に当たり、使用する施設の整備費や
大会運営費については、東京2020大会の
開催経費が立候補当初から大幅にふえたという反省も踏まえ、かかる経費は極力広い範囲で計上し、スポンサー収入やチケット収入、それから、IOCからの負担金などの財源及び札幌市の負担額もあわせてきめ細かく試算し、広く市民に公表してきたところでございます。
一方、現在、東京2020大会の関係で議論されているいわゆる関連経費につきましては、札幌に置きかえてみても、交通インフラなどハード的なものから観光PRなどソフト的なものまで実に幅広く、さまざまな経費が想定されます。これらの
まちづくり経費については、何を関連する経費とすべきかどうかという難しさはあるものの、今後策定される札幌市の政策的な事業に係る中期実施計画等も考慮しながら、市民の皆様にできる限りわかりやすく全体像を説明していきたいと考えております。
いずれにいたしましても、2030年大会の招致に向けては、財政面についての透明性をより一層確保することで、市民の信頼確保に引き続き努めてまいりたいと考えております。
◆
岩崎道郎 委員 ただいま、最後に透明性という言葉がありました。それが何よりかなというふうにも思います。やはり、市民の皆さんが主役となって札幌市としてお呼びする
オリンピックですので、市民の皆さんにしっかりと透明性を持って情報を公開していくべきだと思います。そして、お金のことですから、高くなっていくことに対する
市民理解はなかなか難しいのですけれども、お示ししたものから下がっていくことに関しては市民も非常に喜ぶと思いますので、まずはかかりそうなものはしっかりと示していくことが実は大事なのかなと。
同時に、先ほどの説明にもありましたSDGsへの貢献、そして、バリアフリーなどということも出てきています。もしかすると、
オリンピックには直接関係ないかもしれませんが、
パラリンピックがありますし、まちがバリアフリー化されていくことは
まちづくりにも関連していくので、そういったところにかかるお金はしっかりお示しして、市民にも理解していただく必要があるのかなと思います。
次に、市民への意向確認についても伺います。
今、財政問題は市民の一番の関心事なので、経費削減と積極的な情報公開を求めているところですが、これまでの
取り組みを見ますと、市民にしっかりと公式にアンケートをとったのが2014年10月で、その後、マスコミやさまざまな団体のアンケートはあったかと思いますけれども、札幌市が主体となって行ったアンケートはこれだけでした。
我が会派としては、これまで、市民の皆さんの意向を調査し、確認するべきではないかということを常々申し上げてきたところです。これに関しても、今回は少し時間がありますので、言い方はちょっと悪いかもしれませんが、たとえマイナスの要素によって皆さんの意見がそれほどたくさん賛成に回らなくても、勇気を持って、まずは2030年に向けて市民の皆さんの意見をしっかりと確認してみることも大事なのかなというふうに思っているところです。
そこで、次の質問ですが、2030年大会の招致に当たり、市民の意向をどのように把握しようとしているのか、そのお考えを伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの市民の意向をどのように把握しようとしているのかという質問にお答えしたいと思います。
委員がご指摘のとおり、
オリンピック・
パラリンピック招致に当たりましては、市民の皆様からの理解が何よりも大切であり、市民の皆様の意向を確認しながら進める姿勢が重要であると認識しております。
そこで、従前同様、
開催概要計画の情報提供を丁寧に行いつつ、市民の皆様の意向確認についても、どういった方法がいいのか、本委員会においてさまざまなご意見を賜りながら検討していきたいと考えております。
◆
岩崎道郎 委員 我々議員も、もちろん地域に出向いてオリパラの意義、市民の皆さんの意見をしっかり収集していきたいと思っています。
実は、先日、市民の皆さんと話をしたときに、
東京オリンピックの話題になりまして、比較的楽しみにしていると。なぜ楽しみなのかというと、やはり、日本で行われる
オリンピックだから、東京で行われるからだと。では、札幌大会はどうだろうねと言うと、余り関心がないという答えだったのです。ちょっと驚きました。
これは、今るる申し上げてきた
機運醸成や市民の皆さんに情報がしっかりと伝わっていないことのあらわれなのかなというふうに思っておりますので、やはり、札幌市民の皆さんが喜んで呼びたいという
オリンピックに向けて
招致活動を進めていただきますようお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。
◆小口智久 委員 私からは、2030年
冬季オリンピック・
パラリンピック招致に向けた
取り組みについて質問いたします。
まず、国と連携した
招致体制の強化についてでございますが、このたび、本定例市議会で、我が会派の竹内議員より、これまで行ってきた
招致活動の経験を踏まえ、2030年
冬季オリンピック・
パラリンピック招致をかち取るためには、IOC、JOCとの連携体制の構築はもちろん、国、自治体、関係団体等が一丸となって、
オールジャパン体制で戦略的に活動を進めることが重要であり、今後どのように進めていくのかとの質問をいたしました。
秋元市長からは、ヨーロッパ地域において、IOCを初め、さまざまな
国際冬季競技連盟などとの人脈を形成することに加え、緊密な連携体制を構築することが極めて重要である、また、国において、
スポーツ国際戦略に基づく海外誘致拠点の整備に向けた検討が進められていることから、その
取り組みへの共同参画も含め、国との連携を図りながら
招致体制の強化に努め、国と一体となって
冬季オリンピック・
パラリンピック招致を行うとの答弁がございました。
そこで、質問ですが、国と連携した
招致体制の強化をどのように進めていこうと考えているのか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの国と連携した
招致体制の強化についてのご質問にお答えしたいと思います。
このたび、IOC、
国際オリンピック委員会の
バッハ会長から、2030年
冬季オリンピック・
パラリンピックの招致に向けて今後も札幌と対話を継続するとのメッセージをいただいたことから、
開催概要計画の
ブラッシュアップに当たりましては、IOC実務者などとさまざまな協議を継続的に行ってまいりたいと考えているところです。これに加え、例えば、
アルペン競技会場に予定されているニセコエリアにおきまして、コースの公認を取得したり、ワールドカップなどの
国際大会の実績を積み上げたりするために、国際スキー連盟、FISなどと調整が必要になってくるところです。
そこで、札幌市としては、これらの関係団体との協議にも資するよう、一般財団法人自治体国際化協会、CLAIRと調整し、来年4月からCLAIR派遣職員がヨーロッパ諸国を所管するパリ事務所へ赴任することが予定されているところでございます。一方、国では、
スポーツ国際戦略に基づき、さまざまな国際
スポーツ組織との
ネットワーク構築や国際動向などの情報収集を目的にヨーロッパエリアへの海外拠点整備の検討を進めているところでありまして、札幌市がこの海外拠点へ共同参画することなどについて、現在、国に打診しているところでございます。
いずれにいたしましても、国との連携を図りながら、
オリンピックを初めとするさまざまな
国際大会の
招致体制の強化に努めることで、我が国における
スポーツ国際戦略の一翼を担ってまいりたいと考えているところです。
◆小口智久 委員 次に、SDGsへの貢献に向けた
開催概要計画の再構築について伺います。
国連の持続可能な開発目標、SDGsについては、我が党の綱領にもあります生命、生活、生存を最大に尊重する人間主義と合致するため、その推進に力を入れており、このたびの定例市議会の
代表質問においてもSDGsの目標達成とオリパラ招致の
取り組みに関する質問を行いました。市長からは、今後進める
開催概要計画の再構築に当たっては、SDGsや心のバリアフリーを初めとする
共生社会の実現に向けた具体的な
取り組みを積極的に盛り込むことで、世界に貢献する
オリンピック・
パラリンピックモデルを構築したいとの答弁をいただいております。
そこで、質問ですが、SDGsへの貢献に向け、
開催概要計画をどのように再構築しようとしているのか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまのSDGsへの貢献に向けた
開催概要計画の再構築についてのご質問にお答えしたいと思います。
オリンピック・
パラリンピックの開催は、
スポーツの実施によりSDGsの目標に掲げられる健康の増進に貢献することや、
スポーツの国際展開により平和と公正に貢献することが想定され、まさにそれ自体がSDGsに掲げる社会課題の解決に資するものと認識しております。
そうした中、東京2020組織委員会では、開催計画におきまして、例えば、会場建設における再生材の活用や、省エネルギー性能の高い設備や機器等の最大限の導入などの
取り組みにより、SDGsが掲げる住み続けられる
まちづくりや気候変動対策という目標にも貢献するとしております。
そこで、2030年に向けて札幌市の
開催概要計画を再構築していく際には、東京2020組織委員会のこうした
取り組みはもちろん、今後の技術革新や価値観の変化などを捉えた新たな
取り組みを積極的に盛り込むことで、世界に貢献する
オリンピック・
パラリンピックモデルを構築してまいりたいと考えております。
◆小口智久 委員 我が札幌も9月6日に震災に遭いましたが、札幌で地震があったというニュースが世界に流れ、日本は、地震活動が活発化しているというお話もございますので、それについても質問したいと思っております。
オリンピック・
パラリンピックでは、既存施設の最大限の活用といった点がございます。1972年の札幌大会で使用した施設など、今、活用を考えているジャンプ台や体育館など古い施設がございますが、耐震性について調べているものがあれば教えていただきたいと思います。
◎山田
スポーツ部長 既存体育施設の耐震についてのご質問でございましたが、一般的に、建物の耐震につきましては震度6強以上の地震に耐え得る基準といたしまして、昭和56年に大きく改正されている新耐震基準がございます。昭和56年以前に建てられた建築物について、札幌市におきましては、平成10年代に耐震診断を実施しているところでございます。その結果、例えば昭和46年に建築しております月寒体育館につきましては、平成15年に耐震改修工事が済んでおります。それから、開会式や閉会式の会場となる札幌ドームやつどーむについては、新耐震基準でつくられておりますことから、新しい耐震基準を満たしております。
なお、耐震につきましては、今回の震災を受けまして、常日ごろより建築部門とも連携・協議しながら、今後とも引き続きこういった基準をしっかりと堅持していくようにしてまいりたいと考えております。
◆小口智久 委員 最後に、要望でございます。
2030年
オリンピック・
パラリンピックに向けて、
招致活動が継続となりました。時間的には、先ほど岩崎委員からお話がありましたように、4年間の準備期間ということで、少し時間をもらったわけでございます。その間には、
ラグビーワールドカップ2019、また、2020
オリンピック・
パラリンピックなど、国際競技大会が行われます。
ラグビーワールドカップについては、日本には根づき切れていないラグビーですが、「4年に一度じゃない。一生に一度だ。」とのインパクトのある横断幕、その他の催しなど、やれることはやるということで機運を盛り上げ、
スポーツの世界大会を楽しむ土壌づくりを行っていることは承知しております。その結果は、オリパラの
機運醸成にもつながっていくと思われますので、重要な
取り組みではないかと思っております。
そして、2020
オリンピック・
パラリンピックについての
取り組みとしては、国でも、
共生社会の実現に向けて、社会のあり方が大きく変わる機会であり、心のバリアフリーの推進について参考にすることが大変多いと私も考えております。その中でも、我が会派が力を入れている
オリパラ教育の項目にはボランティアマインド、障がい者理解などがあり、大切な人間教育と思われます。今後は、この点も重視していただき、オリパラの
機運醸成、招致の準備に当たるよう要望して、私からの質問を終わります。
◆田中啓介 委員 私からも、報告資料に基づいて質問させていただきます。
まず、資料1の右下に、
地元関係者の
意思確認の結果、2030年大会のほうがよりよい環境が整うとありますが、このよりよい環境とは何か、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまの2030年大会のほうがよりよい環境が整うとは具体的にどういうことかというご質問にお答えしたいと思います。
本年3月末に北海道新幹線札幌駅の位置が決定いたしまして、今後、札幌駅周辺の
まちづくりが2030年に向かって加速していくこととなり、2026年は駅前再開発などによって建設工事の真っ最中となります。加えて、倶知安駅周辺では、新幹線の高架工事や駅舎建設が佳境を迎えることとなり、2026年にはこうした中で世界中の皆様をお迎えしなければならない状況となります。こうした背景から、2030年であれば、道内のインフラが整い、新幹線や駅前再開発で生まれ変わった新たな札幌のまちで
オリンピック・
パラリンピックを開催できるという点がまず挙げられます。
また、2030年大会までには少し時間がございますことから、ジュニア世代の育成ができることや、ニセコ地区において
国際大会の実績を積むことができるといった点も挙げられます。
7月15日の
地元関係者による
意見交換会では、このような点を踏まえまして、総じて2030年のほうがさまざまな環境がより整うということとなったところでございます。
◆田中啓介 委員 今、部長が幾つか紹介されていたことは、本当に全ての市民にとってよりよい環境と言えるのでしょうか。多くの市民が
オリンピックや
パラリンピックを歓迎していることが一番よい環境というふうに言えるのではないでしょうか。
オリンピックの開催には莫大な費用がかかり、本当に重要な問題です。どの
オリンピックのアンケートについても、財政的な不安というものが常に一番に挙げられております。先ほど岩崎委員も紹介していましたが、東京五輪・
パラリンピックの推進体制や費用をチェックする東京都の都政改革本部の調査チームが、9月29日、大会の総費用が3兆円を超える可能性があることを明らかにいたしました。立候補時点では約7,300億円でしたが、大会が近づくにつれて費用が膨れ上がり、当初の4倍以上になっております。
そこで、次の質問ですけれども、資料2の右側にある2030年に向けた取組の方向性の中で、
開催概要計画の再構築の(1)主な検討課題に、そり競技会場、アルペン会場、スピードスケート場や選手村などの
施設整備に係る見直し及びさらなる
開催経費の削減等とありますが、どこをどう削減するお考えか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 資料に例示しているそり競技会場などをどう見直して、どのように経費を削減していくかという観点でのご質問にお答えしたいと思います。
まず、一つ目のそり競技会場についてですが、
平昌大会後は、日本国内で冬季に稼働している施設がなくなりましたことから、我が国におけるそり競技のあり方も踏まえまして、国内外の既存施設を活用する広域開催というものをJOCとともに
競技団体等と協議してまいりたいと考えております。それから、アルペン会場については、ニセコにおける既存ゲレンデを最大限に活用し、新たな開発が最小限になることを基本としつつ、ニセコ町、倶知安町とともに、施設所有者や
競技団体と協議しながら、競技コースを検討していきたいと考えております。スピードスケート場については、将来を見据えた無駄のない施設のあり方などを勘案しまして、仮設も含めた適切な観客席数の確保について帯広市と協議し、
競技団体からの助言を得ながら検討していきたいと考えております。選手村については、将来を見据えた地域の
まちづくり計画と連動した選手村の構築や、ホテル等の既存施設を活用したブースについても検討していきたいと考えているところです。
ただいま申し上げた見直しの観点というのは、前回の本調査特別委員会でもご説明いたしましたけれども、ニューノームにも示されていた
まちづくりとの連動や、既存施設を極力活用して費用を抑えていこう、それから、将来に向けてレガシーというものをしっかりと考えて計画をつくっていくのだといった観点からの見直し項目になっております。この結果としてどれだけの金額がということは今明示することはできませんけれども、
開催経費の縮減というところに必ず貢献していくと考えているところです。
◆田中啓介 委員 今、部長が紹介されたそれぞれの部分で削減していくということを含めて、本当にそれだけで削減していけるのか。まさに、今までの
オリンピックは、実際に近づくにつれて、みんな、当初の計画、当初の予算が膨らんでいっているという現実があります。
そういう観点で質問したいのですが、同じ2030年に向けた取組の方向性の(2)震災を踏まえた新たな課題への対応で、バックアップ電源の確保策など鋭意検討を進めていくとあります。このバックアップ電源とは何を指しているのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
◎佐藤
招致推進部長 ただいまのバックアップ電源とは何を指しているのかということについてのご質問にお答えしたいと思います。
札幌、北海道の強靱化に向けて、オリパラという観点とは限りませんけれども、北本連系設備の増強や分散型電源の配置を北海道電力などに要請いたしまして、それらを踏まえた上で、オリパラ開催に向けては、競技施設や選手村、国際放送センターなどへの電力供給の二重化や非常用電源の整備などを検討していきたいと考えております。
◆田中啓介 委員 先ほど小口委員からは耐震化ということが言われておりましたけれども、今回の震災による停電で影響を受けたスケートリンクについて、日本アイスホッケー連盟が調査いたしまして、北海道内のスケートリンク17カ所のうち、札幌の場合は4カ所あったことが明らかになっております。
オリンピック会場の候補になっている月寒体育館は、復旧までに最悪で2から3週間かかるとしております。また、
オリンピック会場の候補になっております帯広市所有の屋内スピードスケート場の明治北海道十勝オーバルは、7月にオープンしましたが、胆振東部地震による停電で氷の下の配線が浮き出たところもあり、再度、ゼロからのリンクづくりをしなければならなくなりました。こちらは11月に大会があるために1週間で復旧いたしましたが、修復には一から氷をつくり直すしかなく、通常であれば2カ月かかると言われております。
そういう中で、今、部長はメディアセンターとおっしゃっておりましたが、それ以外の、さまざまな競技会場、選手村、
オリンピック会場のバックアップ電源の配置についてはどのようにお考えなのか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 施設に対するバックアップ電源をどう考えていくかということですが、現時点では、課題認識はございますけれども、実際にそういったものをどうつくっていくかについて、IOCの専門家の皆様からも助言をいただきながら計画化していくという状況になっております。
◆田中啓介 委員 課題認識は持っているので、今後、計画化していきたいということだと思います。
そこで、自家発電などのバックアップ電源を各会場に配備するとなったら多額の費用が必要になってくると思いますが、こちらについては、今どれだけの費用がかかるとお考えなのか、伺います。
◎佐藤
招致推進部長 具体的な費用についてというご質問でしたが、それは、前段でご答弁を差し上げましたとおり、
立候補ファイルの策定に向けてどのようなものが必要かということについてこれから検討していくことになりますので、現時点ではそういった数字を持ち合わせておりません。
◆田中啓介 委員 例えば本庁舎の自家発電は、工事費を含めて2.9億円だったとお聞きしております。これに加えて毎年の維持費もかかり、とても費用がかかることがわかっていて、経費削減と言いますが、むしろ費用がかかることも想定されています。
そこで、質問ですが、バックアップ電源の対策、また工事費、その後の維持費も莫大な費用になりますけれども、その費用も全て開催地負担とお考えなのか、伺います。
◎石川
スポーツ局長 IOCとの協議の中では、これまで、9月6日の震災が起きる前までも、
オリンピック関連施設はバックアップ電源を整備するという基準になっておりました。ただ、それは、その競技施設がある地域で瞬電した場合に備え、必ず電力の二重化配線をすること、さもなければ、大会期間中だけ仮設でレンタルの大きな発電機を設置し、それで回していくというようことが
オリンピックなり大規模競技をやる場合のバックアップ電源の考え方です。その中で、特に費用がかかる非常用発電機をレンタルしてくるという部分については、仮設となりますから、東京2020もそうですが、我々の
開催概要計画の中では組織委員会負担の原則でやることになっております。
ただ、これまで積み上げてきた電力供給のイレギュラーな部分については、今回の9月6日の震災においてオール北海道で
ブラックアウトしてしまうようなことまでは想定していませんでしたので、今後、オリパラを開催する上でも、さらには、それだけではなく、道民、市民の
震災対応という意味でも、北本連系であったり火発の分散配置の要請ということはオリパラに限らずしていかなければならない分野であると認識しているところであります。
◆田中啓介 委員 ぜひ、そういう経費についても広く市民に公表していただきたいと思います。
資料2の左側の2030年大会に向けた
基本的姿勢ですが、北海道、札幌が震災から復興した後には改めて2030年大会に向けて
取り組みを進めたいとありますが、現段階では、札幌市としていつまでに復旧できるのかというめどが立っているわけではないと思います。まさに、今、市民が一番望んでいることは、札幌市として震災の復旧、復興に全力を挙げてほしいということではないでしょうか。また、正確な情報を市民に知らせて、場面、場面で市民の意見を聞き、また、尊重して判断していくべきと申し上げて、質問を終わります。
○しのだ江里子 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○しのだ江里子 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後4時1分...