提案説明を求めます。
秋元市長。
(
秋元克広市長登壇)
◎市長(秋元克広) ただいま上程をされました諸案件の説明に当たりまして、まず、台風21号による影響が残る9月6日午前3時7分に発生し、全道に大きな被害をもたらしました平成30年
北海道胆振東部地震により亡くなられた方々に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
この地震は、最大震度6弱の揺れを東区で記録するなど、本市において、これまで経験したことのない大きなものであり、
地震発生直後から、
市内各地で家屋の損壊や道路陥没、断水等の被害が発生し、
市内全域に及んだ停電は、復旧までに多大な時間を要しました。
本市におきましては、
地震発生後、直ちに
災害対策本部を立ち上げ、全ての避難場所の開設と、医療機関や
ライフライン施設における電源維持のための燃料の確保等を指示するとともに、被害の状況把握やその応急対応に当たったほか、市民生活や都市機能の回復に向け、全力で取り組んでまいりました。
地震発生翌日の7日には、1万人を超える方々が避難を余儀なくされましたが、8日には、
市内全域で停電が復旧したほか、水道や
交通機関等の
ライフラインもほぼ復旧し、多くの市民の皆様が日常生活を取り戻されています。
一方、甚大な被害を受けた清田区の里塚地区を初め、市内各所において、今後の生活に不安を感じている方も多数おられますほか、宿泊施設の
予約キャンセルが相次ぐなど、本市の観光や経済に大きな影響を与えているところであります。
今議会では、後ほどご説明させていただきますが、これらの被害の復旧等に係る
補正予算を提出しております。
今後、被災された方々が以前のような元気を取り戻し、札幌のまちがこの大きな困難を乗り越えていけるよう、
市議会議員の皆様のご協力もいただきながら、全庁を挙げて取り組んでまいります。
また、このたびの地震による被害を受けまして、本市として速やかな復旧、復興を最優先に取り組むため、JOC、
日本オリンピック委員会とともに招致を進めてきた2026
冬季オリンピック・パラリンピックにつきましては、
立候補ステージに進まないことで、IOC、
国際オリンピック委員会、JOC、本市の3者で合意し、IOCから、その旨の声明文が公表されたところであります。
それでは、平成29年度決算を中心とする諸案件につきまして、逐次、提案の趣旨とその概要をご説明申し上げます。
私が市長に就任してから3年4カ月ほど経過しましたが、これまでの間、市民の皆様、そして
市議会議員の皆様を初めとする多くの方々のお力添えをいただきながら市政を運営してまいりました。この場をおかりいたしまして、深く感謝申し上げる次第であります。
3年前、私は、市長就任に当たり、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街と世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街の二つの未来の札幌の姿を描きました。これらの実現に向けて、私が任期中に取り組む
まちづくりや
行財政改革を札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2015にまとめ、特に、経済と子育て、そして女性の活躍を
市政運営上の喫緊の課題と捉え、
予算編成の重点分野に位置づけて
取り組みを推進してまいりました。
経済の分野につきましては、観光振興の強化として、
アジア諸国における札幌の魅力発信や、日本新三大夜景に選ばれたことに着目をした夜間観光の推進などにより、平成29年度の来
札観光客数は1,500万人を超えたほか、
外国人宿泊者数も250万人を超え、ともに過去最多となりました。
また、札幌の顔である都心では、10月にグランドオープンする
市民交流プラザを初め、民間再開発を積極的に推進しているところであります。3月には、
北海道新幹線札幌駅の
ホーム位置の決定を受け、札幌駅交流拠点の整備に向けて本格的に始動したほか、新たな
MICE施設を中島公園駅周辺地区に整備する方針を決定するなど、今後も、民間投資を誘発しながら、都市の活力や魅力があふれるまちを目指してまいります。
子育ての分野につきましては、集中して
保育所整備を行った結果、この4月に、いわゆる国定義での待機児童ゼロを達成したところであります。引き続き、保育を望む保護者が安心して必要な
保育サービスを受けられるように
取り組みを進めてまいります。
また、3月には、札幌市子どもの
貧困対策計画を策定いたしました。この計画に基づき、社会的に孤立する傾向にある子どもや家庭を早期に把握し、必要な支援につなげる仕組みを構築するなど、今後も悩みや不安を抱える
子どもたちの支援を充実してまいります。
女性の活躍の分野につきましては、就労や子育てにおいて、さまざまな不安を抱える女性を支援する窓口である、ここ
シェルジュSAPPOROの10月開設に向け、準備を進めております。今後も、女性の活躍を支えるため、特に男性の働き方改革や企業の意識改革を促すなど、女性が生き生きと輝き、その能力を存分に発揮できる環境整備を進めてまいります。
残された任期もあとわずかとなりましたが、先人たちが築き上げた、人々を魅了してやまないまち札幌のさらなる飛躍を目指して、全力を挙げて市政の運営に取り組んでまいりますので、引き続き、市民の皆様、そして
市議会議員の皆様のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、平成29年度各
会計決算につきまして、その概要をご説明させていただきます。
平成29年度は、
アクションプランに盛り込んだ
取り組みを着実に計上することに加え、
アクションプラン策定後の喫緊の課題に対応するための
取り組みについても
スピード感を持って予算化するとともに、平成31年度までの収支の見通しを示す
中期財政フレームに基づく
予算編成を行うことにより、将来世代に過度な負担を残さないよう配慮した予算といたしました。そして、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街の二つの未来の札幌の実現に向け、着実に前進していく予算として、私の施政方針の四つの
まちづくりの柱である、雇用を生み出す力強い街、女性が輝き
子どもたちが健やかに育つ街、いつまでも安心して暮らせる街、魅力と活力にあふれた暮らしやすい街に沿った
取り組みを中心に編成いたしました。
この予算の執行に当たりましては、収入においては、常にその状況を把握し、増収に向けて鋭意努力するとともに、可能な限り早期収入に努め、支出においては、庁内や他団体との連携を図りながら、職員一人一人の創意工夫と努力により、効率的かつ合理的な執行と経費の節減に努めたところであります。
この結果、各会計とも、予算に計上した事業につきましては、ほぼ所期の目的を達成することができたと考えております。
本市の財政状況につきましては、
地方交付税への依存度は依然として高く、また、
義務的経費である
社会保障関連経費や市債の償還費の伸びが見込まれるなど、今後も予断を許さない状況が続くことが予想されます。このような状況の中でも、私が描く未来の札幌の姿の実現に向けて、
アクションプランにおける
まちづくりの
取り組みや
行財政運営の
取り組みを着実に実施してまいりたいと考えております。
次に、主要な事業の執行結果につきまして、
アクションプランの体系に沿いまして、その概要をご説明いたします。
第1に、暮らし・コミュニティについての施策の成果であります。
互いに支え合う地域福祉が息づく街の実現に向けた施策につきましては、
特別養護老人ホームにおける多床室の
居住環境向上のため、4施設256床の改修補助を行ったほか、高齢者の
生活支援、介護予防に向けて、
生活支援コーディネーターや
介護予防センターの体制を強化いたしました。
また、障がい児の
通所支援事業所の活動を支援するための
地域支援マネジャーを増員するとともに、新たに発達障がい者の
支援事業所の活動を支援するための
地域支援マネジャーを配置し、障がいのある方が地域で必要なサービスを受けることができる環境の整備を進めました。
さらに、妊娠後の流産などにより子どもに恵まれない不育症の方への医療費の助成を新たに開始し、子どもを望む方の
経済的負担の軽減を図りました。
次に、誰もが生涯現役で活躍できる街の実現に向けた施策につきましては、増加する
保育ニーズに対応するため、
私立保育所や
認定こども園などの整備に対する補助等により、
アクションプランの計画を大幅に上回る1,246人分の定員増を実現するとともに、
子育て世帯を経済面から支援するため、3歳未満の第2子の保育料の無償化を実施したほか、
私立保育所の運営に対する補助を見直し、保育士の処遇改善を支援いたしました。
また、厚別区の区保育・
子育てセンターとなる、ちあふる・あつべつの平成31年度の供用開始に向けた
基本実施設計を行うなど、保育の量の拡充と質の向上に
取り組みました。
さらに、児童虐待の防止に向けて、
児童相談所の
相談支援力の強化や在宅での支援の充実を図ったほか、
特別支援教育に関する相談の増加に対応するため、
教育センターの
教育相談員を増員いたしました。
加えて、
性的マイノリティーに関する支援を進めたほか、多世代交流ができる
子ども食堂など、地域における子どもの
居場所づくりの
取り組みを支援するとともに、結婚を望む若者を後押しするため、出会いの機会を創出いたしました。
そのほか、
地下鉄南北線さっぽろ駅のコンコースに
アイヌ文化を発信する空間の整備を進めるとともに、平成22年度から休止していた
平岸配水池敷地内の
テニスコートの再整備を進めたほか、地下鉄駅の
利便性向上を図るため、エレベーターやエスカレーターの整備を行うなど、誰もが安心して地域で生活するための
環境づくりを行いました。
次に、地域の課題を地域の力で解決する街の実現に向けた施策につきましては、
町内会活動などの
地域コミュニティーに対する支援を引き続き実施する中で、新たに住民参加の
きっかけづくりに着目した
取り組みを始めたほか、
子どもたちがさまざまな冬のスポーツに触れることができる
ウインタースポーツ塾を開始し、札幌らしい豊かな暮らしの実現に
取り組みました。
今後とも、社会全体で子どもを育むとともに、誰もが安心して暮らせるように、市民それぞれが自立し、お互いを尊重し合いながら社会に参加できる
環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
第2に、産業・活力についての施策の成果であります。
北海道経済の成長をけん引する街の実現に向けた施策につきましては、市内大学の先進的な研究を生かし、地元企業の研究開発の活性化や企業誘致に向けた講演会、調査を行うなど、
医療関連産業の市内への集積を目指した
取り組みを進めました。
次に、国内外の活力を取り込む街の実現に向けた施策につきましては、
情報通信技術であるICTを官民で活用するための基盤を構築するとともに、人工知能などの先端技術の活用や札幌駅前通地下歩行空間におけるICTインフラの整備を進めるなど、市内IT産業の活性化に
取り組みました。
また、企業の立地促進を図るため、これまでの補助制度による支援に加え、工場等の立地に適する市内の未利用地の調査を新たに実施したほか、国際会議や学会などのMICEの受け入れ基盤を強化するため、新たな
MICE施設の整備基本計画の策定に着手するとともに、MICE誘致のための補助金を増額するなど、雇用創出と経済活性化に向けた
取り組みを進めました。
さらに、2回目となる札幌国際芸術祭2017を8月6日から10月1日までの57日間にわたり開催したことに加え、オリンピックミュージアムを活用したオリンピック・パラリンピック教育の推進等を通じて、
冬季オリンピック・パラリンピック招致の機運醸成につながる
取り組みを行うとともに、招致及び開催に伴う財政負担に備えるため、オリンピック・パラリンピック基金への造成を行ったほか、冬季スポーツ関連施設の配置の検討を行い、国内外から人の流れを呼び込むための環境整備を進めました。
次に、産業分野の人材を育む街の実現に向けた施策につきましては、将来を担う創造性豊かな人材を育成するため、授業に用いるタブレットパソコンの導入を引き続き進めるとともに、市立高校の魅力を高めるため、地域や企業との連携を推進する市立高校コンシェルジュを配置いたしました。
また、女性が輝く
まちづくりを推進するため、官民協働のさっぽろ女性応援会議を設置し、女性一人一人の希望に応じた活躍を社会全体で応援するための新たな施策の検討を行いました。
さらに、高齢者の雇用促進に向けた企業セミナーや仕事体験会、求人開拓を実施するとともに、シルバー人材センターの体制強化により高齢者の社会参加を促進するなど、誰もが活躍できる社会の実現に向けた
取り組みを進めました。
今後とも、地域経済を元気にし、札幌の未来を担う若い世代が安心して働ける雇用の場を創出していくとともに、札幌の魅力を国内外へ発信する
取り組みを進めてまいりたいと考えております。
第3に、低炭素社会・エネルギー転換についての施策の成果であります。
自然と共生する環境負荷の少ない街の実現に向けた施策につきましては、都心を除く地下鉄駅周辺などの地域交流拠点等において、にぎわいや交流を創出する空間整備を誘導するための補助制度を創設したほか、歩行者と自転車との共存を推進するため、自転車駐輪場の整備等を行いました。
次に、エネルギー効率の高い持続可能な街の実現に向けた施策につきましては、次世代自動車の購入や燃料電池自動車向けの水素ステーションの設置を支援したほか、市有施設に太陽光発電施設を設置するとともに、都心における自立分散型エネルギーネットワークの構築を支援するなど、環境負荷を低減した持続可能なまちの構築に
取り組みました。
今後とも、環境首都・札幌として循環型社会への
取り組みなどを進めてまいりたいと考えております。
第4に、戦略を支える都市空間についての施策の成果であります。
世界都市として魅力と活力あふれる街の実現に向けた施策につきましては、大通東1街区の再開発の事業化に向けた調査を行うなど、創世交流拠点における公共空間のあり方を検討するとともに、都心部及びその周辺において、土地の高度利用と都市機能の更新を図るため、民間再開発事業を推進したほか、災害に強い都市を構築するため、市内の民間建築物や木造住宅の耐震改修工事などに対する補助を継続しました。
また、
市民交流プラザの整備や、北4東6周辺地区の再開発事業における中央体育館の移転、建てかえを進めたほか、利用者のニーズに合わせた市有施設の整備を行いました。
さらに、誰もが利用しやすいユニバーサルデザインタクシーの普及促進を図るとともに、路面電車の低床車両の導入を進めるなど、公共交通機関の
利便性向上に向けて
取り組みました。
今後とも、民間投資を呼び込む再開発事業を促進するなど、世界都市、道都としての都市整備を行ってまいりたいと考えております。
以上、平成29年度各会計の事業執行の概要についてご説明いたしましたが、議案第1号から第7号までの各
会計決算につきましては、決算書のほかに、歳入歳出決算事項別明細書、決算説明書その他の決算に関する書類及び
監査委員審査意見書を添付しておりますので、詳細につきましては、これらを対照、検討の上、ご認定をいただきたいと存じます。
また、議案第6号及び第7号には、剰余金の処分案が含まれておりますので、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
以上で、各
会計決算の説明を終わりまして、次に、
補正予算その他の諸案件の説明に入らせていただきたいと存じます。
初めに、議案第31号から第34号までは、9月上旬に本市を襲いました平成30年
北海道胆振東部地震及び台風21号による被害の復旧等に係る平成30年度予算の補正に関する議案であります。
まず、議案第31号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)であります。
歳入歳出予算の補正項目は、一連の災害に伴い、年度内に新たに予算措置の必要が生じたものであります。
これは、甚大な被害を受けた道路、学校等の市有施設や民間の福祉施設の復旧に加え、公園等における倒木の処理等を行うとともに、住宅の全壊、半壊等の被害に遭った市民の皆様に対し、災害援護資金の貸し付け等を実施するほか、国内外の方々の北海道・札幌観光に対する不安を払拭するため、海外メディアやSNS等の幅広い媒体を活用した観光プロモーションの強化に取り組むなど、一連の災害からの復旧、復興に要する経費を追加するものであります。
以上によります一般会計歳入歳出予算の補正総額は109億8,040万円となり、この財源といたしましては、国庫支出金等の特定財源90億3,327万5,000円を充て、差し引き19億4,712万5,000円の一般財源につきましては、繰越金を充てるものであります。
次に、債務負担行為の補正でありますが、先ほどご説明いたしました災害援護資金の貸し付けについて、利用者の負担軽減のための利子補給を行うため、債務負担行為を設定するものであります。
議案第33号 平成30年度札幌市
高速電車事業会計補正予算は、地震により破損した地下鉄駅等の復旧に係る経費を追加するとともに、早期の契約が必要な転轍器用減速機等の購入について債務負担行為を設定するものであります。
議案第34号 平成30年度札幌市
下水道事業会計補正予算は、地震により破損した下水道管路の復旧に係る経費を追加するものであります。
なお、これらの補正に伴う市債の整理を行うため、議案第32号 平成30年度札幌市
公債会計補正予算を提出しております。
次に、議案第8号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)であります。
歳入歳出予算の補正項目は、年度内に新たに予算措置の必要が生じたものであります。
これは、来年3月の2019ワールドパラノルディックスキーワールドカップ札幌大会に対する開催費補助を追加するとともに、平成28年度及び平成29年度に実施した臨時福祉給付金事業の財源として概算交付された国庫支出金のうち、超過受け入れ分について返還金を追加するものであります。
以上によります一般会計歳入歳出予算の補正総額は1億1,900万円となり、この財源といたしましては、特定財源の繰入金2,200万円を充て、差し引き9,700万円の一般財源につきましては、繰越金を充てるものであります。
次に、繰越明許費でありますが、これは、札幌市資料館のリノベーションにつきまして、工法の変更による事業の進捗のおくれにより、年度内の執行が困難と予想されますことから、事業費の一部を翌年度に繰り越すために設定するものであります。
次に、債務負担行為の補正でありますが、国の地方税共通電子納税システムの導入に伴う本市の税収納管理システム等の改修につきまして、早期の契約が必要であることから、債務負担行為を設定するものであります。
議案第9号 平成30年度札幌市
介護保険会計補正予算は、平成29年度に交付された国庫支出金及び道支出金のうち、超過受け入れ分について返還金を追加するものであります。
議案第10号 札幌市
個人番号利用条例の一部を改正する条例案は、生活保護法の一部改正により、生活保護世帯の子どもの大学等への進学を支援する進学準備給付金の支給制度が創設されたことに伴い、生活に困窮する外国人に対する進学準備給付金の支給に関する事務を、新たに個人番号を利用することができる事務に追加するなどの改正を行うものであります。
議案第11号 札幌市税条例の一部を改正する条例案は、東京23区内から本市に本社機能の移転を行う企業のさらなる誘致を図るため、当該企業が新設した事務所等に係る固定資産税の軽減措置を拡充する等のものであります。
議案第12号 札幌市
幼保連携型認定こども園の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例案は、既存の保育所の
幼保連携型認定こども園への移行を促進するため、移行の際の設備基準の特例を設けるものであります。
議案第13号 札幌市
児童福祉施設条例及び
札幌市区保育・
子育て支援センター条例の一部を改正する条例案は、新たに厚別区にちあふる・あつべつを設置するとともに、豊園乳児保育園、澄川乳児保育園及び山の手乳児保育園を廃止し、美園保育園及び山の手保育園の定員を増員する等の改正を行うものであります。
議案第14号 札幌市
子ども医療費助成条例の一部を改正する条例案は、本市の子ども医療費助成事業につきまして、新たに小学2年生の通院を助成対象に加えるとともに、小学2年生の入院のうち、生計維持者に市町村民税が課税される場合の助成内容を拡充し、これらに係る自己負担額を初診時一時負担金のみとするものであります。
議案第15号 札幌市
養護老人ホーム及び
特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例案は、
養護老人ホームの運営等の基準を定める厚生労働省令の一部改正に伴い、本市における
養護老人ホームの職員の配置の基準を緩和するものであります。
議案第17号 札幌市
建築基準法施行条例の一部を改正する条例案は、建築基準法の一部改正に伴い、木造の特殊建築物の外壁等に係る制限を緩和するとともに、1年を超えて使用する仮設建築物の許可申請等に係る手数料を定める等の改正を行うものであります。
議案第18号
札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案は、学校規模適正化により、児童に良好な教育環境を提供するため、上野幌小学校及び青葉小学校を統合し、新たに小学校1校を設置するとともに、常盤小学校及び石山東小学校を統合し、新たに小学校1校を設置するものであります。
次に、議案第19号から第25号までは、いずれも工事請負契約締結の件であります。
これらは、
市営住宅の新築・改築工事並びに中央小学校、東白石小学校及び羊丘小学校の改築工事等に係る7件の工事請負契約につきまして、一般競争入札により、各議案記載の請負業者が契約の相手方となりましたので、このたび、それぞれ請負契約を締結しようとするものであります。
議案第26号 財産の処分の件は、工業団地事業用地として取得した東雁来7条3丁目の土地につきまして、社会状況等の変化により、将来利用する予定がなくなったことから、一般競争入札で落札した売り払い対象者に処分をするものであります。
議案第27号及び第28号は、訴えの提起の件であります。
これらは、市税の滞納者がみずから所有していた不動産を信託に供する等のほか、温泉権を第三者に譲渡したことにより、それぞれ本市の租税債権の正当な行使を妨げたことから、これらを詐害信託等または詐害行為として取り消すことを求めるため、訴えを提起するものであります。
このほか、議案第16号、第29号及び第30号につきましては、いずれも議案末尾に記載の理由により、ご了解いただけるものと存じますので、説明を省略させていただきます。
次に、諮問第1号 審査請求に対する裁決に関する件は、生活保護費の費用返還決定を受けた者が返還すべき額を納期限までに納付しなかったため、地方自治法の規定に基づく督促処分を行ったところ、審査請求がなされましたことから、これを却下する裁決について議会の意見を求めるものであります。
なお、報告第1号及び第2号は、平成29年度決算に係る健全化判断比率及び各公営企業資金不足比率に関する報告であり、報告第3号から第6号までは、
市営住宅に係る訴えの提起及び調停、本市の業務に関して発生した事故に係る損害賠償及び和解並びに工事請負契約の金額変更に関する専決処分の報告であります。
以上で、ただいま上程をされました各案件についての説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(
山田一仁) お諮りします。
ただいま説明のありました議案等35件のうち、議案第1号から第18号まで、第26号から第30号まで、諮問第1号の24件につきましては、議事の都合上、その議事を延期することとし、議案第19号から第25号まで、第31号から第34号までの11件につきましては、これよりその議事を続行したいと思いますが、ご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山田一仁) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
これより、議案11件に対する質疑に入りますが、通告がありませんので、質疑を終了します。
(
小須田悟士議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
山田一仁)
小須田悟士議員。
◆
小須田悟士議員 委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案11件を、お手元に配付の議案付託表のとおり、関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
山田一仁) ただいまの
小須田議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山田一仁) 異議なしと認めます。
したがって、ただいま議題とされている議案11件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。
――
――――――――――――――――――
○議長(
山田一仁) ここで、委員会審査のため、会議を休憩します。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午前10時38分
再 開 午後3時
――
――――――――――――――――――
○議長(
山田一仁) これより、会議を再開します。
ここで、
事務局長に諸般の報告をさせます。
――
――――――――――――――――――
◎
事務局長(出井浩義) 報告いたします。
議案審査結果報告書は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――
――――――――――――――――――
○議長(
山田一仁) 委員長報告を求めます。
まず、総務委員長 林 清治議員。
(林 清治議員登壇)
◆林清治議員 総務委員会に付託されました議案第31号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)中関係分について、その審査結果をご報告いたします。
本件は、台風21号及び
北海道胆振東部地震により被害を受けた施設の修繕等に係る経費の補正を行うものですが、質疑・討論はなく、採決を行いましたところ、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(
山田一仁) 次に、財政市民委員長 小竹ともこ議員。
(小竹ともこ議員登壇)
◆小竹ともこ議員 財政市民委員会に付託されました議案9件について、その審査結果をご報告いたします。
最初に、工事請負契約の締結に関する議案第19号から第25号までの7件についてですが、主な質疑として、
市営住宅新築工事について、施工場所である伏古団地周辺は地盤が軟弱であると聞いているが、過去の事故を踏まえ、どのような安全対策を講じたのか。東白石小学校改築工事に係る請負契約に当たり、再度の告示でも入札参加者が1者のみとなった要因をどのように考えているのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、いずれも全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第31号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)中関係分及び議案第32号 平成30年度札幌市
公債会計補正予算(第2号)についてですが、主な質疑として、災害義援金の配分について、できるだけ速やかに被災者へ届けることが必要だが、どのようなスケジュールを想定しているのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、いずれも全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(
山田一仁) 次に、文教委員長 丸山秀樹議員。
(丸山秀樹議員登壇)
◆丸山秀樹議員 文教委員会に付託されました議案第31号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)中関係分について、その審査結果をご報告いたします。
主な質疑として、災害復旧を要する子ども育成関連施設について、
子どもたちの安全な居場所確保が重要であり、補修工事はいつまでに終了する見込みなのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、議案第31号中関係分は、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(
山田一仁) 次に、厚生委員長 村上ゆうこ議員。
(村上ゆうこ議員登壇)
◆村上ゆうこ議員 厚生委員会に付託されました議案第31号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)中関係分について、その審査結果をご報告いたします。
主な質疑として、民間が運営する老人福祉施設等の災害復旧に係る補助金について、災害発生から1カ月以内という限られた申請期限がある中、手続の不備が心配されるが、どのような対応を考えているのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、議案第31号中関係分は、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(
山田一仁) 次に、建設委員長 伊藤理智子議員。
(伊藤理智子議員登壇)
◆伊藤理智子議員 建設委員会に付託されました議案2件について、その審査結果をご報告いたします。
最初に、議案第31号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)中関係分についてですが、主な質疑として、里塚地区の道路被害が甚大な中、長期間の通行どめは生活再建への影響が大きく、応急対策には早急に取り組むべきだが、冬期間の除雪作業を含め、地域住民の当面の生活基盤をどう確保していく考えなのか。公園施設や街路樹に多くの被害が出ている中、将来的な改良的復旧も視野に入れながら、地域住民が一日でも早く安心して公園を利用できるよう取り組むべきと考えるが、今後の見通しはどうか。被災者への応急仮設住宅の供与に当たっては、家族構成によって必要な部屋数や面積が異なることから、事情に応じて対応すべきと考えるが、利用できる住宅はどのように決まるのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、議案第31号中関係分は、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第34号 平成30年度札幌市
下水道事業会計補正予算(第2号)についてですが、主な質疑として、
市内各地で地震による被害が生じる中、下水道施設においてもマンホール浮上による交通障害や滞水などが発生しているが、今後どのように復旧対応に取り組んでいくのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、議案第34号は、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(
山田一仁) 次に、経済観光委員長 佐々木みつこ議員。
(佐々木みつこ議員登壇)
◆佐々木みつこ議員 経済観光委員会に付託されました議案2件について、その審査結果をご報告いたします。
最初に、議案第31号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第2号)中関係分についてですが、主な質疑として、今後の観光PRに当たっては、災害時でも観光客が安心できる札幌市の充実した対応や対策を国内外に周知していくことが重要な要素の一つになると考えるが、どう認識しているのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、議案第31号中関係分は、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第33号についてですが、質疑・討論はなく、採決を行いましたところ、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(
山田一仁) ただいまの各委員長報告に対し、質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山田一仁) 質疑がなければ、討論に入ります。
通告がありますので、発言を許します。
太田秀子議員。
(太田秀子議員登壇)
◆太田秀子議員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております議案第19号から第25号、第31号から第34号の11件に賛成、とりわけ災害に関する議案について、討論を行います。
9月6日未明に発生した
北海道胆振東部地震から20日が経過しました。改めまして、このたびの震災でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災されました全ての皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
9月5日、北海道付近を通過した台風21号の影響で、札幌市でも暴風による倒木や家屋の損壊が発生しました。この被害への対応のさなか、翌日は胆振東部で地震が起きました。地震の規模は、北海道で観測史上初めて震度7を記録し、札幌市内における最大震度は、東区で震度6弱、札幌で初めて震度5以上を記録する大きなものでした。
地震直後、大規模な停電や断水、道路の陥没など
市内各地で被害が発生し、特に停電は、
市内全域に及び、復旧までに24時間以上を要した地域が多く、1万人を超える方々が避難を余儀なくされました。停電の影響で信号機が消え、道路交通の安全が確保されず、食料品やガソリン等の物流停止は、市民生活と地域経済を直撃しました。また、エレベーターの停止は、共同住宅など高層階に居住する高齢者と障がい者、妊産婦など災害要支援者を孤立させる事態となりました。
被害の大きかった清田区里塚地区では、地盤が大きく沈下し、家屋が傾くなど、液状化と見られる甚大な被害が発生し、住民は、現在もなお、不安とともに不自由な生活を強いられています。里塚地区の住民説明会では、原因調査に3カ月かかり、本格的な復旧工事は来春という説明に、3カ月では屋根に雪が積もる、家が傾いた状態で暮らすなど不安でしようがないなど、不安と怒りが噴出しました。市長は、復旧の見通しについて、明確に見通すということはなかなかできない状況と述べていますが、冬を控え、不安を抱える被災者の苦しみに寄り添い、一刻も早く里塚地区の復旧に向けたスケジュールを示すなど、最大限の努力をし、被災者の不安に応えるべきです。
このたびの
補正予算案は、台風21号及び
北海道胆振東部地震による被害からの一日も早い復旧、復興を進めるため、被災した方への生活、住宅に関する支援と、被災した公共施設等の復旧に係る経費等を追加するもので、一連の災害に係る復旧・復興工事として、当面、急がれるものです。
委員会では、子ども育成関係施設等災害復旧費、住宅関連被災者支援費、
北海道胆振東部地震災害義援金関係費、観光応援プロジェクト事業費などについて質問をいたしました。
子ども育成関係施設等災害復旧費には、児童会館などを復旧する予算がつき、早く補修を進めるとのことでした。しかし、民間の学童保育には、通常の引っ越し代は支出されるものの、被災しても、このたびの災害復旧費の対象とはなっていません。学童保育所を運営する建物が壊れ、引っ越し先を探しているところがあります。子どもの安全な
居場所づくりのためにも、被災した学童保育所の実情をよく聞き、柔軟に対応すべきです。
住宅関連被災者支援費の内容と手続方法では、応急仮設住宅は、家賃の上限はあるものの、自分で希望する民間住宅を探した場合にも適用されるとのことでした。内容と手続方法など、被災者に広く周知していくべきです。
北海道胆振東部地震災害義援金関係費は、被災された方への義援金の配分を進める上での臨時職員の人件費と事務費であるとのことでした。これから厳冬期を迎えます。義援金は迅速に被災者に届くようにすべきです。また、今後の義援金の配分に当たっては、一部損壊の方への配慮も検討すべきです。
観光応援プロジェクト事業費では、観光振興を進める上で、被災された観光客や宿泊業者の意見が重要であるとの質問に、宿泊業者などとも協議する旨の答弁がありました。風評被害に対応するためのPRにとどまらず、被災時の課題を明らかにし、観光振興を進める上で教訓化すべきであります。
以上、台風21号及び胆振東部地震による被害の復旧等に係る
補正予算案に対して、各委員会で取り上げました。
引き続き、被害の全貌が明らかとなる中、さらに、解決すべき課題は起こります。今後、本市の復旧、復興に係る対策は、迅速かつ被災者の生活再建を第一に、柔軟な対応をすべきことを申し上げておきます。
一日も早く、被災された方々が日常を取り戻すことができるよう、日本共産党としても全力を尽くすことをお約束して、私の討論を終わります。
○議長(
山田一仁) 以上で討論を終了し、採決に入ります。
議案11件を可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山田一仁) 異議なしと認めます。
したがって、議案11件は、可決されました。
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○議長(
山田一仁) ここで、日程に追加して、
意見書案第1号 平成30年
北海道胆振東部地震に関する意見書を議題といたします。
本件は、自由民主党、民主市民連合、公明党、日本共産党、改革所属議員全員及び無所属・坂本きょう子議員、札幌党・中山真一議員の提出によるものです。
これより、質疑・討論の通告がありませんので、採決に入ります。
本件を可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山田一仁) 異議なしと認めます。
したがって、本件は、可決されました。
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○議長(
山田一仁) ここで、報告します。
本日、小形香織議員及び石川佐和子議員から、会議規則第62条第1項の規定による文書質問が提出されました。
理事者におかれましては、小形香織議員の質問につきましては10月1日までに、石川佐和子議員の質問につきましては10月4日までに答弁書を提出されるよう求めます。
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○議長(
山田一仁) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日9月26日から30日までは議案調査等のため休会とし、10月1日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。