本計画は、赤枠で表示したエリアを対象としております。
創成川以東の
卸センター地区など、駅周辺で開発動向がある街区を含めた幅広の設定としております。
次に、下に移りまして、2 目標と基本方針のうち、1.の
まちづくりの経緯でございます。
下に三つの囲みで表示しておりますが、今回の計画は、1979年の
鉄道高架化に係る1次構想、1992年の
駅南口区画整理に係る2次構想に続きまして、いわば3次構想として策定されるものとなります。
次に、その下の2.目標と基本方針でございます。
まず、目標でございますが、2点、
北海道札幌の
国際競争力を牽引し、その活力を展開させる起点の形成と、
北海道新幹線札幌開業を見据えた再整備の確実な推進を挙げております。また、基本方針としましては、先導街区
整備基本構想の考え方を継承しまして、基本方針1として
街並み形成、2として交通関係の基盤整備、3として機能集積、そして4として環境配慮・防災の四つの柱を立てるとともに、その下に表示のとおり、
エリアマネジメントによって取り組みを推進していくことを位置づけております。
続いて、資料の右側に移りまして、3 現状・課題と取組の方向でございます。ここからは、基本方針の四つの柱ごとに課題と取り組みをまとめております。
まず、1.
街並み形成についてでございます。
現状・課題としまして、1点目の北海道の玄関口として
にぎわい空間や滞留空間を充実させる必要や、2点目の創成川に面した
東西市街地の一体的な
街並み形成などを挙げました上で、記載のとおり、取り組みの方向を1から10の10項目で整理をしております。
主な項目をご紹介いたしますと、(1)の1として新幹線駅施設と周辺開発の連携を掲げるとともに、右下にイメージ図もございますが、4として
南口駅前広場と
創成東地区との結びつきを高める
オープンスペースの形成を位置づけております。
次に、その下の2.基盤整備でございます。
現状・課題としまして、2点目の駅南口のバス乗降場の分散や、4点目の
乗りかえ経路の段差を挙げた上で、取り組みの方向は1から8としてまとめております。主な項目といたしましては、(1)の1として新幹線駅につながる
歩行者動線の確保や2の
創成東地区との連携、さらに、(3)の4でバスターミナルの再整備などを位置づけております。また、(4)の7としてバリアフリーに配慮した
歩行者動線の整備も位置づけております。
続いて、2ページ目をごらんください。
次に、3.機能集積でございます。
現状・課題としまして、2点目に国際水準のホテルや高
機能オフィスの不足などを挙げた上で、取り組みの方向は1から8で整理をしております。このうち、(1)の1では、
エリア特性に応じた機能の配置といたしまして、図で色分け表示をしておりますとおりのゾーニングの考え方を位置づけております。札幌駅を中心としまして、黄色で表示いたしました
高次都市機能集積ゾーンは、居住機能ではなく、国際水準のホテルや高
機能オフィスなどの機能の集積を図る一方で、創成川の東など、緑色で表示された
複合市街地形成ゾーンでは、居住機能も含めて多様な機能の立地に対応する考え方でございます。
続いて、下に移りまして、4.環境配慮・防災でございます。
現状・課題といたしまして、1点目の
地域冷暖房ネットワークが整備されていることなどを挙げた上で、取り組みの方向は1から6として整理しております。具体的には、環境配慮といたしまして(1)の1
省エネビル化への誘導、防災としては(2)の5
業務継続性の向上などを挙げておりますが、これらの取り組みは、いずれもことし3月に策定いたしました
都心エネルギーマスタープランの考え方も踏まえたものとなっております。
続いて、結びの章となります4 計画の推進でございます。
まず、1.(1)
先導プロジェクト等の位置づけをごらんください。
冒頭でも触れましたとおり、この計画は、
市街地総合再生基本計画として再
開発事業等の
予定エリアを明示する必要がございますので、ここで位置づけをしております。図の右に凡例がございますが、赤枠は、事業化を推進する
先導プロジェクト街区として、北5西1、西2街区のほか、北8西1地区、そして
卸センター地区を位置づけております。また、黄色の表示は、
事業化促進エリアといたしまして、地権者等による
事業化検討の機運を醸成し、事業化を促進するエリアとして位置づけた上で、このうち、緑の点線枠で囲んだ北4西3、北5東1の2地区につきましては、
事業化検討街区といたしまして地権者等による
事業化検討の機運が高まっている街区であることを位置づけております。
なお、着色表示のないその他の街区におきましても、
事業化検討の熟度に応じて適切に調整、支援を行ってまいります。
また、交通施設に関しましては、青色で表示しておりますが、4の
新幹線関連施設から10の
歩行者ネットワークまでを位置づけております。
さらに、図の下の(2)事業化にあたって重視すべき視点といたしまして、1民間施設と都市基盤とが連携を図ることや、2容積率の緩和等を含めた
各種事業手法を適切に活用すること、そして、3
社会経済状況等の変化に応じて計画の柔軟な推進を図ることを位置づけております。
次に、2.
ロードマップでございます。
上段が民間開発、下段が基盤整備の
取り組みフローとなっておりますが、この計画の策定後、相互に調整を図りながら必要な
都市計画決定を行いまして、
新幹線札幌開業を見据えて整備を進めることを位置づけております。
最後に、3.取組体制でございます。
(1)の基本的な考え方といたしまして、官民協働の
まちづくりを位置づけるとともに、(2)の当面の取り組みといたしまして、昨年2月に設置した
まちづくり協議会を継続して情報共有を図り、(3)の中長期的な体制といたしましては、
エリアマネジメント組織のあり方を検討していくことを位置づけております。
計画案の内容は以上となりますが、最後に、今後のスケジュールについて補足させていただきます。
本計画案につきましては、来月の8月8日から9月6日まで
パブリックコメントを実施いたします。その後、その結果を踏まえまして、必要な修正を行った上で9月中には決定したいと考えております。
○林清治 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
北村光一郎 委員 それでは、私から、札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)について、2点質問させていただきたいと思います。
まず、1点目でございますが、札幌駅周辺では、これまで、
鉄道高架事業、札幌駅
南口土地区画整理事業などの駅周辺の基盤整備を契機とし、周辺街区の
まちづくりの考え方や整備指針についての計画が示され、それに基づく
まちづくりが進められてきました。このたびの札幌駅
交流拠点まちづくり計画については、
北海道新幹線札幌開業を見据え、拠点の再構築へ向けた目標や取り組みの方向を明確にし、それを市民や企業、行政等が共有し、今後の
まちづくりを協働で推進するための指針として策定するものであるとお聞きしました。道都札幌の玄関口にふさわしい
まちづくりを推進する上で、基本となる重要な計画であると認識いたしました。
本計画については、平成24年に有識者を中心とした委員会でまとめられた再
整備構想案における提言内容を踏まえているほか、平成29年に策定した先導街区
整備基本構想の考え方を踏襲して作成しているものと思いますが、一方で、この
まちづくり計画は、当初、平成29年度中に取りまとめることとしていたはずです。
新幹線ホーム位置など検討に当たっての前提条件が整わなかったことから、今年度に策定時期を先延ばしし、検討を継続してきたと認識しております。ことし3月に
新幹線ホーム位置がいわゆる大東案に決まり、新幹線駅が北5西1に設置される予定となりましたが、それに伴い、
まちづくり計画の内容も現駅前提のものから変更されるものと思います。
そこで、1点目の質問ですが、
新幹線ホーム位置が大東案となったことで、今回の
まちづくり計画案にどのような内容を反映することとなったのか、まず、お伺いいたします。
◎稲垣 札幌駅
交流拠点推進担当部長 ホーム位置の決定に伴う
まちづくり計画案への反映についてのご質問でございます。
本計画は、平成29年2月に地権者等から成る協議会を立ち上げて検討に着手いたしましたが、委員のご指摘のとおり、
新幹線ホームは現在の駅に併設され、利用者の流れも現駅に集まる前提で検討していたものでございます。しかしながら、ことし3月に決定した大東案によりまして、現駅の東側に新たな新幹線駅が設けられることとなりましたことから、周辺の
まちづくりにつきましても、利用者の流れの変化に対応すること、そして、新たな駅を生かすことを重視して進めるべきと考えまして、計画に反映させることといたしました。
その結果、今回の計画案に盛り込んだ内容としては主に2点ございます。1点目は、新たな新幹線駅を前提とした交通基盤の整備についてでございます。具体的には、新幹線駅につながる
歩行者動線の確保といたしまして、各交通施設が相互につながる
乗りかえ動線を整備することを位置づけております。もう1点は、
新幹線駅前における道都札幌の新しい顔づくりについてでございます。具体的には、新幹線駅施設と北5西1街区を初めとした周辺の再開発等を相互に連携させることを位置づけたものでございます。
◆
北村光一郎 委員
新幹線ホーム位置が大東案になったことで、
まちづくり計画においては、新幹線駅につながる
歩行者動線の確保、新幹線駅施設と周辺開発の連携といったところが大きく変わった点とのことで、ただいま説明をいただきました。
私は、これらの中でも、特に新幹線駅につながる
歩行者動線の確保が非常に重要であると考えます。北5西1に設置される新幹線駅と既存の交通機関、特に、1日8万8,000人の乗車人員がある
地下鉄南北線、東豊線とのスムーズな動線をしっかりと確保する必要があるほか、バスや
タクシー等との動線にも十分配慮しなければなりません。地上と地下において、既存の
歩行者動線に新たな動線が加わることとなります。これらを一体的な
ネットワークとして捉え、整備を図ることで、円滑な
歩行者動線を実現することが求められます。
駅前通地下歩行空間の例を見ても明らかなように、円滑な
歩行者動線を確保することは、回遊性や利便性につながり、まちとしてのにぎわいの向上にも資することになります。
そこで、2点目の質問ですけれども、新幹線駅につながる
歩行者動線の確保に当たっては、回遊性やにぎわいの向上といった観点にも配慮することが重要だと考えておりますがいかがか、また、それらをどのように実現していくのか、お伺いいたします。
◎稲垣 札幌駅
交流拠点推進担当部長 回遊性やにぎわいの向上に配慮した
歩行者動線の確保についてのお尋ねでございます。
新幹線駅につながる
歩行者動線の確保に当たっては、回遊性やにぎわいの向上を図っていく観点は、まちの魅力を高めるという観点でも重要なことであると認識しております。そのため、歩行空間とその沿道の機能とが一体となった質の高い
歩行者動線を確保することを重視してまいりたいと考えております。具体の内容は個別の開発に応じて検討していくこととなりますが、歩行空間のゆとりを確保することに加えまして、沿道への利便施設などの誘導や、安心して滞留できる空間の配置などを効果的に行うことで、札幌の玄関口にふさわしい回遊性とにぎわいの向上を図ってまいりたいと考えております。
◆
北村光一郎 委員 ただいま答弁をいただいたゆとりのある
歩行者空間を確保するという部分は、当然、民間の事業者の協力をいただかなければならないと私は思っています。例えば、大きな
吹き抜け空間を確保することがまちの新たな顔になるのではないかなど、札幌市が率先してそのような提案をしていただいてゆとりのある空間を実現することを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
◆成田祐樹 委員 私も、札幌駅
交流拠点まちづくり計画についてお伺いしたいと思います。
札幌駅
交流拠点まちづくり計画については、これまで地権者等から成る協議会において今後の
まちづくりの方向性が議論されており、この計画がベースとなって、道都札幌の玄関口にふさわしい
まちづくりを官民協働で進める第一歩になるものと期待しているところです。新幹線の駅がいわゆる大東案と決まったことで、官民が連携して札幌駅交流拠点全体の再構築を進めるスタートの号砲が鳴ったと思いますので、それらについてしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
新幹線ホーム位置が大東案となり、新幹線のホームが創成川をまたいでいることから、札幌駅交流拠点の中でも
創成東地区の
まちづくりの重要性がより高まっていると考えます。
創成東地区では、計画区域内において
卸センター地区の開発の動きが進んでいると本日の朝の報道でも出ておりましたし、その周辺においては北4東6の再開発も始まるなど、
北海道新幹線札幌開業を見据え、今後さらに
まちづくりを進展させていく必要があると思います。当該地区では、マンションの建設が進み、人口も増加している一方で、そのあたりに居住している市民の方からは、スーパーや子育て支援、医療、福祉などの
生活利便施設が不足しているとの意見も聞こえており、まちとしての利便性やにぎわいを今後さらに高めていかなければなりません。
今回出されている
まちづくり計画では、
南口駅前広場と
創成東地区の結びつきを高める
オープンスペースの形成を図るとしていますが、私は、札幌駅周辺のにぎわいを
創成東地区に波及させ、
創成東地区の今後の
まちづくりを進めていく上では、この
オープンスペースが重要な役割を持つのではないかと考えます。特に、創成川通によってまち並みが東西に分断されていることから、具体的にどのような方策でこれを解消していくかが課題の一つになるのではないかなと考えております。
そこでまず、1点目の質問ですが、
南口駅前広場と
創成東地区の結びつきを強める
オープンスペースの形成の目的と実現へ向けた方策についてどう考えるのか、お伺いしたいと思います。
◎稲垣 札幌駅
交流拠点推進担当部長 南口駅前広場と
創成東地区との結びつきを強める
オープンスペースについてのお尋ねでございます。
まず、形成の目的についてでございますが、
北海道新幹線の札幌開業を見据え、北海道、札幌の玄関口にふさわしい顔づくりを進める上で、委員のご質問の
オープンスペースは極めて重要な要素の一つでございます。その形成の目的は、多くの人が集まる駅前にふさわしい、四季を通じて快適に過ごせる象徴的な公共空間を確保することになります。加えて、第2次
都心まちづくり計画において
ターゲットエリアの一つに位置づけた
創成イースト北エリアの
まちづくりに資するよう、駅周辺のにぎわいを創成川の東に波及させ、
東西市街地の連携を高めていくことも重要な目的でございます。
次に、実現に向けた方策についてでございますが、まずは、今後事業化を図る北5西1、西2の再開発におきまして、質の高い
オープンスペースが実現するよう
関係権利者等と具体的な検討を進めてまいります。また、創成川の東側との連携につきましては、現時点で手法等は定まっておりませんが、計画案では北5東1街区を
事業化検討街区の一つに位置づけており、今後、地権者の意向を確認しながら実現策を探っていきたいと考えております。
◆成田祐樹 委員 今のお答えの中で、
南口駅前広場と
創成東地区との結びつきを強める
オープンスペースは、創成川を挟んだ
東西市街地の一体的な
まち並み形成と
にぎわい創出を目的としていることや、その実現に向けて北5西1の再開発の中で整備を図るとともに、北5東1の開発の動向も踏まえながら検討を進めるとのことでした。一体的な街並みの形成は偏りのない発展を促す上でも重要かと思いますので、ぜひ、効果的な活用を生み出していただきたいですし、今お話しされた地区は、バスなどの
交通インフラの拠点としても期待される街区ですから、そういった意味での将来的な運用も見据えて考えていただきたいなと思っております。
次の質問に移りますが、
新幹線ホーム駅が大東案になったことによって
創成東地区への影響や波及効果はよい意味で大きくなってくるものと考えますし、従前では考えることのできなかった施設利用が出てくるかと思われます。
その一つが、
創成川以東の在来線及び新幹線引き込み線の高架下の利用についてです。大東案によって北5東1まで
新幹線ホームが延びるとともに、新幹線引き込み線は11
月開業予定の新苗穂駅方面へ延びることが考えられ、当然、そこにも高架下というスペースができます。ここで考えたいのは、現在、北4東6で行われている中央体育館などの再開発事業です。大東案によって、
利用可能性のある
新幹線高架下がより東側に延びることで、その街区まで雨にぬれることなく移動できることも考えることができます。そうなると、札幌駅からファクトリーまで、
線路高架下と空中歩廊を利用して歩行空間の
ネットワーク形成が可能になるのではないでしょうか。もちろん、高架下の利用については
JR北海道の意向を酌む必要がありますが、周辺地区では
マンション建設が進み、居住者がふえているなど再開発が進んでいることを考えると、新たな
歩行者動線ができる可能性が高いですし、経営に苦慮している
JR北海道が高架下で新たな
ビジネス展開をできることも考えられます。
先ほども申し上げましたように、この沿線付近に住んでいる東区や中央区の複数の住民を知っておりますが、やはり、周辺に飲食店やスーパーが少ないなどの声も聞くものですから、
創成東地区の地域住民へのメリットも多くあるのではないかと考えます。今回、大東案に決定したことによって、高架下の利用に関しては従前と大きく意味合いが変わったのではないかなと考えるわけです。
そこで、2点目の質問ですけれども、
創成東地区の
まちづくりにおいて、東2丁目以東における在来線及び新幹線の高架下の活用が有効と考えるがいかがか、また、札幌市としてどう対応するのか、お伺いしたいと思います。
◎稲垣 札幌駅
交流拠点推進担当部長 東2丁目以東の高架下の活用についてのご質問でございます。
委員のご指摘のとおり、
新幹線札幌開業に伴う引き込み線の整備のため、新幹線の高架は新たな苗穂駅方面へ延びる予定であると伺っております。
創成東地区におきましては、既存の高架下は既に一定程度の利用がなされている状況ではございますが、新たに
新幹線高架が整備されることに伴い、地域にとって有効に活用されることは望ましいことであると考えます。
新幹線の高架下の活用は、一義的には
JR北海道において検討されるものでございますが、東2丁目の既存の高架下では札幌市が放置自転車の保管場所として利用している区域もございますことから、新幹線の高架整備に伴う影響については慎重に検討する必要がございます。現段階において、
JR北海道から当該区間の高架下の活用について特段の情報はございませんけれども、今後は整備の進捗に応じて情報提供があると思われますことから、札幌市といたしましては、創成東の
まちづくりの観点を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
◆成田祐樹 委員 もちろん
JR北海道という相手のあることですので、当然、相手側の意向等も含めて慎重に話を伺わなければいけないと思いますし、さまざまな状況を勘案していただきたいと思います。しかし一方で、状況が変わったことでそんな使い方もできることから、改めて
JR北海道と情報交換しながら、ぜひ何らかの可能性等を探っていただくことを要望しまして、質問を終わりたいと思います。
◆福田浩太郎 委員 私からも、札幌駅
交流拠点まちづくり計画についてお尋ねしたいと思います。
札幌駅交流拠点につきましては、第2次
都心まちづくり計画において、北海道、札幌の
国際競争力を牽引し、その活力を展開させる起点と位置づけられております。今回の札幌駅
交流拠点まちづくり計画におきましても、この位置づけを踏まえ、道都札幌の玄関口にふさわしい空間形成と
高次都市機能、
交通結節機能の強化を図るという目標を掲げています。この目標に基づきまして、
街並み形成、基盤整備、機能集積、環境配慮・防災の四つの基本方針を定め、それぞれの取り組みの方向を明記しておりまして、今後は、この取り組みの方向をしっかりと踏まえ、官民が連携して
まちづくりを進めていただきたいと思います。
札幌駅
交流拠点まちづくり計画の対象区域については、第2次
都心まちづくり計画における札幌駅交流拠点の区域よりも幅広な設定となっております。北8西1、北6東3周辺、いわゆる
卸センター地区なども含まれております。北8西1や
卸センターでは既に開発の動きが顕在化していることから、これらの地区も含めて拠点全体で
まちづくりを推進していくことについては評価しております。
計画では、こうした地区を
先導プロジェクト街区と位置づけているほか、北4西3など、地権者などによる
事業化検討の機運が高まっている街区を
事業化検討街区としていることに加え、駅南口周辺は、地権者などによる
事業化検討の機運を醸成し、事業化を促進する
事業化促進エリアとして定められております。札幌駅周辺では、1972年の札幌
冬季オリンピックの前後に建てられた建物が多く残っておりまして、今後、一斉に更新時期を迎えることから、民間の開発を確実に推進していく上で、私は、行政による適切な支援、調整は不可欠と認識しているところでございます。
そこで、一つ目の質問ですが、札幌駅交流拠点全体において民間の開発を推進していくために、行政として具体的にどのような役割を果たしていくのか、お尋ねいたします。
◎稲垣 札幌駅
交流拠点推進担当部長 拠点全体で民間の開発を推進するための札幌市の役割についてのお尋ねでございます。
委員のご指摘のとおり、当該
まちづくり計画の対象区域内では、建物の多くが更新時期を迎えておりますとともに、
新幹線札幌開業を見据えた投資意欲の高まりも見込まれますことから、民間による開発の動きが活発化することが想定されます。
札幌市といたしましては、こうした開発の動きを支援するとともに、それぞれの開発が拠点の
まちづくりに資するものとなるよう適切に誘導し、行政としての役割を果たしてまいります。具体的には、市街地再
開発事業等の事業手法や容積率の緩和等に関する土地利用計画制度など、多様な手法を効果的に活用し、街区の特性に応じた調整を図っていく考えでございます。また、周辺地権者等から成る
まちづくり協議会を今後も継続的に開催いたしまして、
まちづくりの動向等に関する情報共有を図ることで、拠点全体で調和がとれた一体的な
まちづくりを官民協働で進めてまいりたいと考えております。
◆福田浩太郎 委員 今お話がございましたが、今回のさまざまな再開発などにつきましては、複数の関係者がいて、それぞれの考え方がありますので、それらをまとめるために、行政としてしっかり知恵と工夫を図りながら調整していただきたいと思います。また、お答えにもありましたが、複雑な制度をさまざまに利用するわけですから、的確に活用できるように支援などもしていきながら、行政が果たす役割をしっかりと果たしていただきたいと思います。
次に、先ほど来のお話にありますように、新幹線の札幌駅
ホーム位置は、ことし3月に国交省を含めた関係5者においていわゆる大東案で合意が得られたところでございます。
JR北海道がことし2月に公表した大東案のイメージ図では、新幹線駅ホームが北5西1から東1にかけて配置されまして、新幹線駅舎が西1丁目に設けられることになっています。新幹線駅舎の位置は、在来線ホームから遠く、また、札幌の目抜き通りである札幌駅前通やチ・カ・ホなどからも離れていることから、私どもは、わかりやすく快適な
歩行者動線の的確な確保が重要だと考えてございます。
札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)では、新幹線駅から駅前通に至る
歩行者動線に位置する北5西1、北5西2の二つの街区を
先導プロジェクト街区に指定して、地権者等による事業化を推進するとしております。これらの二つの街区は、新幹線から札幌駅におり立ったお客様が駅前通に向かう際に最初に通過する動線であり、札幌を印象づける場所にもなり得るというふうに思います。今後、この二つの街区の検討を進める上では、おもてなしの精神を十分に発揮していただいて、利便性の高い
歩行者動線を確保するよう努めていただくとともに、市内や全道各地に移動する方々が地下鉄や都市間バスなどの交通機関にスムーズに乗りかえることができるよう、わかりやすい
乗りかえ動線の確保が重要になると思います。
この
乗りかえ動線の確保については、ことし5月の第2回定例市議会において、我が会派のわたなべ議員の質問に対し、市長から、札幌駅
交流拠点まちづくり計画において、利用者にとって利便性の高い交通結節点のあり方を示した上で、より具体的な方策について、関係する交通事業者等と連携し、引き続き検討するとの答弁をいただいたところでありますが、この検討に加え、私どもは、駅前通などへの
歩行者動線の確保についてもしっかりと検討を進めていただきたいと考えてございます。
そこで、質問ですけれども、札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)における
歩行者動線の確保の基本的な考えについてお尋ねしたいと思います。
◎米田 総合交通計画部長
歩行者動線の確保に係る基本的な考え方についてでございます。
北5西1、西2の再開発を初めとする周辺の建物間で相互に協調しながら、地下や地上2階以上のレベルで連続的な
歩行者動線を整備し、既存の
ネットワークも生かしながら、重層的な
歩行者ネットワークを形成する考えでございます。また、個別の建物や施設内におきまして、エレベーター、エスカレーターの適切な配置による縦移動の円滑性確保に加え、わかりやすい誘導サインを配置するとともに、海外からの観光客等に対応した誘導サインの多言語化を推進して、快適で利便性の高い動線を確保してまいります。
◆福田浩太郎 委員 連続性を確保して、また重層的に、そしてスムーズな動線確保をしていくというお話でございました。繰り返しになるかもしれませんが、大東案に決定した以上、駅前通と離れてしまうという物理的な状況は変わらないわけでございます。新幹線を利用される方々が不便さを感じることがないよう、おもてなしの精神を基本に、快適でわかりやすい
歩行者動線を確保していただくことを求めて、質問を終わります。
◆田中啓介 委員 私からも、質問させていただきます。
先ほど福田委員からもありました目的と基本方針では、北海道、札幌の
国際競争力を牽引し、その活力を展開させる起点の形成として、第2次
都心まちづくり計画における札幌駅交流拠点の位置づけを踏まえ、道都札幌の玄関口にふさわしい空間形成と
高次都市機能、
交通結節機能の強化を図るとあります。そして、この目標を実現するために、
街並み形成、基盤整備、機能集積、環境配慮・防災の四つの基本方針を定めております。
そこでまず、札幌駅
交流拠点まちづくり計画における目標と基本方針の中では、市電の延伸も重要な位置づけとなると考えますが、認識を伺います。
◎竹内 公共交通担当部長 市電の延伸も重要な位置づけではないかというご質問かと思います。
路面電車につきましては、CO2の排出量が少なく、有害な排気ガスも出ないことから、環境に優しく、誰もが利用しやすい交通機関であると認識しておりまして、いわゆる札幌市の公共交通
ネットワークを形成する上では極めて重要な位置づけにあるものと認識してございます。
◆田中啓介 委員 世界各都市では、市内中心部への車の乗り入れを禁止しようとする取り組みがどんどんふえてきております。あわせて、路面電車を本当に重要な公共交通、環境資源として重視し、路面電車の導入、また拡大も進んでおります。一方で、日本で初めて路面電車が開業した京都では、今から40年前に全面廃止されました。そして、そのことによって神社、仏閣などの観光に影響を与えて、渋滞を招くことになっております。例えば、京都の主要なショッピングストリートでは、車道は4車線あって交通量が多いのですが、観光シーズンには狭い歩道のために人があふれております。これが、もし車を制限して優先的に路面電車の軌道を確保していたら、京都市中心部で歩行者用のスペースがふえていたと指摘されております。さらに、ことし初めの報道でも、観光客の増加に伴ってバスが定刻どおりに運行することが困難になっていて、バス、市電、地下鉄を統合した交通網があればこれらの問題は緩和されていたというふうに指摘されております。
札幌では、1918年に路面電車が開業し、ことし8月12日に開業100周年を迎えます。札幌の歴史と伝統を生かすとともに、多様な交流を促進し、環境に配慮された
まちづくりなど、札幌の玄関口にふさわしい路面電車の位置づけとすることが重要だというふうに思います。路面電車は、先ほど部長もおっしゃったように、高齢者、また観光客、誰にもわかりやすく、利用しやすく、環境にも優しい公共交通機関です。
そこで、質問ですが、路面電車と
まちづくりの緊密な連携を図ることは、多様な交流を支えて、利便性の高い一大交通結節点を形成する上でも大きな効果が期待されるというふうに考えます。そのことを基本方針に明記すべきだと思いますけれどもいかがか、伺います。
◎竹内 公共交通担当部長 ただいまのご質問は、本計画に路面電車の記述がなぜないのかというような趣旨のご質問かと思います。
都心地域を含めた路面電車の3地域への延伸検討につきまして、現在、各地域の道路の幅員やその附属物及び占有物件の状況、沿道施設の利用や車両の出入りの状況、また、タクシーや荷さばきなどの道路利用の状況など、必要な基礎調査を進めているところでございます。このため、現時点では延伸についての具体的な方向性がまとまっておりませんことから、本計画においては路面電車に関する具体的な記述は行っていないということでございます。
◆田中啓介 委員 まだ基本的な方向性が定まっていないということでしたが、2019年度の札幌市重点要望では、要望事項として、
国際競争力の強化に向けた都市の魅力向上があります。その中の都市機能の充実に向けた都市
開発事業等への支援という部分を見ると、札幌市では、
まちづくりに路面電車を活用することとし、ループ化、低床車両の導入などを進めてきており、今後は、利用者増加等の効果をさらに向上させるため、路面電車施設の整備に対して引き続き十分な財政措置をしてほしい旨、総務省、国土交通省などにも要望しております。札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)の中でも、
国際競争力を牽引するためにさまざまな
高次都市機能を強化するというふうにしております。
そこで、路面電車のあり方は、札幌市重点要望と札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)の整合性を図る必要があると思いますが、ご認識を伺います。
○林清治 委員長 田中委員に申し上げます。
きょうは、札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)に関しての質疑をやっておりますので、そこに特化した中で質問していただければありがたいと思います。今はちょっとずれているかなと思いました。
◆田中啓介 委員 (続)こちらの計画案も道都札幌の玄関口となる交流拠点の
まちづくりということなので、やはり、そこには路面電車も必要なのではないかということで質問させていただいております。ぜひ、お答えください。
◎竹内 公共交通担当部長 先ほどもお答えさせていただきましたけれども、路面電車の延伸検討につきましては、現在、道路や周辺の状況など基礎的な調査を行っている状況でございます。本計画につきましては、現時点において既に具体化が見込まれているプロジェクト等を対象に方向性を示したものでございまして、路面電車については、現在のところ、方向性がまだまとまっていないので記述していないということでございます。
今後の検討におきまして、都心地域への延伸についての具体的な方向性がまとまった場合には、当然のことながら、柔軟に対応していきたいと考えているところでございます。
◆田中啓介 委員 ぜひ、計画の方針にも路面電車の積極的な活用戦略を明記すべきと求めておきます。
次の質問に移ります。
基盤整備の基本方針の中では、各方面と札幌駅とのアクセス性を向上させるという視点で、創成川通の機能強化、いわゆる都心アクセス強化によって各方面と札幌駅とのアクセス性を向上させるとありますが、創成川通はどのような整備形態を想定しているのか、伺います。
◎米田 総合交通計画部長 都心アクセス強化につきましては、高速道路と都心部をスムーズに連携するという目的で検討しているところでございます。
◆田中啓介 委員 観光上、北海道、札幌の魅力、売りというのは、広大な土地、豊かな自然環境、積雪寒冷都市、食文化など、これこそ他都市にはないものであって、
国際競争力を生み出す基盤だというふうに思います。新たな高規格道路の建設というのは、そもそも札幌の魅力に逆行するようなことになります。また、高齢者の早期免許証返納、若者の車離れ、カーシェアリングとレンタカーの利用急増など、既に自動車減少時代になってきております。さらに加えて、地震、豪雨などの自然災害も多発する時代だからこそ、新たな道路建設よりも、既存の道路の補修と建築物の耐震性能強化など、そちらを優先させていくべきで、これが
まちづくりの基本だというふうに思います。
また、環境負荷の低減など、あらゆる点で都心部に自動車を入れない対策が世界のスタンダードです。例えば、2010年、オーストラリアのメルボルンでは、都心部への自家用車の乗り入れが全面禁止されております。計画案の
街並み形成の基本方針では、歩行者中心の回遊性の高い空間を形成するとしていますが、その一方で、都心部に自動車の流入をふやすこととなる道路整備というのは矛盾するというふうに思います。
そこで、緑豊かなまち並みづくり、人と環境に優しく快適な環境形成、また、環境負荷の低減に逆行するような都心アクセス強化、創成川通の機能強化というのは問題だというふうに思いますけれども、ご認識を伺います。
○林清治 委員長 田中委員、都心アクセス道路の関係について、例えば札幌駅交流拠点との関係性とか、そういう質問ならまだしも、議題とはちょっとずれている質問ではないかというふうに私は思っております。
◆田中啓介 委員 (続)基盤整備の取り組みの方向の中で、(1)に各方面と札幌駅とのアクセス性を向上させるということが書かれていて、計画としてはこれを進めていくという中に都心アクセス強化との連携と書かれています。こちらとしては、車がどんどん都心に入ってくることと、一方で歩行者中心の回遊性の高い空間を形成するというのはむしろ逆行することだと思うので、その認識はどうかと聞いておりますが、どうでしょうか。
○林清治 委員長 では、今の関係で、考え方について答弁できますか。
◎米田 総合交通計画部長 まず最初に、本計画における都心アクセス強化についてでございますが、本計画との関連におきましては、
北海道新幹線札幌開業の効果を全道的に波及させるために連携して取り組むものとして位置づけております。都心アクセス道路そのものの効果ということと、本計画において連携するということであって、都心アクセス効果そのものが都心に与える影響であるとか歩行者に与えること云々ではないというふうに認識しております。
◆田中啓介 委員 それであれば、都心アクセス強化との連携ということをここに明記する根拠、意味というのは何なのでしょうか。
◎米田 総合交通計画部長 ただいま申し上げたとおり、都心アクセス強化は、
北海道新幹線札幌開業の効果を全道的に波及させるために連携して取り組むというものでございます。
◆田中啓介 委員 今、
北海道新幹線とおっしゃいましたね。
○林清治 委員長 米田部長、もう一回、ここにのせている意味は、アクセス道路だけではなくて、いろいろな形の全てのアクセスということなのですね。
◎米田 総合交通計画部長 アクセス道路そのものについては、都心と高速道路を接続し、スムーズな交通を確保することによって全道に波及するという意味での強化の施策であるということでございます。
◆田中啓介 委員 創成川通の機能強化のアクセス道路というのはそうなのだけれども、こちらは、札幌駅との連携ということでここに明記されているというふうに思うのです。
○林清治 委員長 今の答弁では、アクセス道路自体、札幌駅交流拠点とのアクセスではない、そういう話で今ここにのせているわけではないという答弁があったと思うのです。田中委員は、そこは関連していますねという質問をさっきから繰り返しているのですが、認識がちょっと答弁と違っていると思うのです。
◆田中啓介 委員 (続)それでは、まず、私どもの主張としては、創成川の機能強化というものが今進められている中で、右折ラインの延長また施設など交差点改良というのが優先すべきと思っております。
もう1点、都心部を流れる川の一つである豊平川は全国有数の急流になっています。北海道開発局が作成した豊平川洪水氾濫シミュレーションでは、総雨量310ミリメートルで堤防が破堤して、約30分後に創成川アンダーパスが水没、創成川通の周辺を北に向かって水没地域はさらに拡大していくとされております。西日本豪雨災害では総雨量が1,800ミリメートルを超えた地域もありました。専門家は、今、地球の温暖化によってこのような豪雨は全国どこでも起こり得るというふうに警鐘を鳴らしております。現在の創成川の機能強化で最も有力視されているのは地下構造であって、西日本を襲った豪雨が札幌駅周辺でも起こらないという保証はございません。
そこで、お尋ねいたしますけれども、増加傾向にある集中豪雨によって浸水あるいは水没する可能性のある地下構造のような建設ということは、本計画案にある強靱で安全な都市環境形成を図るという基本方針から逸脱するというふうに思うのです。
○林清治 委員長 田中委員に申し上げます。
ただいまの質問は、本件の札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)に沿った質問とはちょっと思えませんので、計画案に沿った質問項目になっていなければ質疑打ち切りにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
計画案に沿った質問はございますか。
私としては、話題になっている観点自体が、札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)には沿っていないなというふうに判断したところです。
◆田中啓介 委員 (続)基本方針の4の防災の中で、強靱な
まちづくりの推進とあるのですよね。
○林清治 委員長 札幌駅交流拠点の整備案の中の話ですね。きょうは、創成川通じゃなくて、札幌駅交流拠点の計画案の中での強靱な
まちづくりということの質問ですか。
◆田中啓介 委員 (続)このエリアの
まちづくりについて、地下構造も含まれております。今、災害、特に水害がふえている中で、一方では強靱なと言いながら、一方では地下構造というものもどんどん進めていくとなっているので、矛盾するのではないかと思うものですから、その認識を伺いたいということです。
○林清治 委員長 それでは、今の質問で、札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)の中で、このエリアの地下構造に対しての水害対策ということですね。
それについて答弁できますか。
◎稲垣 札幌駅
交流拠点推進担当部長 防災の観点での計画の考え方についてというご質問ですので、補足させていただきます。
委員のご指摘のとおり、災害リスクの高まりという現状が背景としてあることは、我々としても認識しております。一方で、都心部におきましては、既に地下
ネットワークが一定程度整備されておりますし、それがにぎわいの形成ということにもつながっている状況もございます。今回の計画の中では、基本方針としましては、基本的に災害リスクを念頭に置きながら、都心にふさわしい防災のあり方、あるいは強靱な都心部の必要性という考え方で位置づけさせております。それ以降の具体的な事業を何か位置づけるということではございませんが、例えば取り組みの方向といたしましては、災害時も業務が継続できるような
ネットワークの確立とか、防災に関する観点で考え得る取り組みの方向も幾つか位置づけたところでございます。
水害に特化してということを前提とした検討の掘り下げは今回の
まちづくり計画では行っておりませんが、具体的に、新たな基盤整備、あるいは都市開発、再開発を進めていく段階に当たっては、その段階で得られる知見に応じた必要な対策が求められるのかなと思います。
◆田中啓介 委員 ここに書かれている
街並み形成の中で言うと、歩行者中心ということでは路面電車はしっかりと延伸を進めていくこと、それとあわせて、強靱な
まちづくりということでは地下構造という問題があります。7月25日の北海道新聞に日本総合研究所の幸福度ランキングの調査結果という記事が出ていて、その中でも、20政令市中、札幌市は道路整備に関しては1位となっておりましたので、私どもとしては、既存施設の維持・更新にもっと力を入れていくべきことを求めて、質問を終わります。
○林清治 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○林清治 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、都心における開発誘導方針(素案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎中田 都市計画担当局長 この後、説明させていただきます都心における開発誘導方針(素案)、それから、その後に説明させていただきます「市街化調整区域の保全と活用の方針」の見直しについて、この二つの案件につきましては、札幌市都市計画審議会のもとに専門部会を設置いたしまして、平成29年8月から都合8回の部会を開催して検討を進めてきたところであります。このたび、内容が取りまとまりましたので、本委員会にご報告させていただくものであります。
都心における開発誘導方針は、札幌の都心において、容積率の緩和などを活用し、良好な民間都市開発を誘導していくための基本的な考え方をまとめたものであります。
詳しい説明は担当部長から行いますので、よろしくお願いいたします。
◎阿部 都市計画部長 私から、都心における開発誘導方針(素案)につきましてご説明申し上げます。
都心における開発誘導方針を策定することに関しましては、平成30年1月24日に開催された
総務委員会にてご報告し、
パブリックコメントを経て、平成30年6月に改定いたしました土地利用計画制度の運用方針に位置づけられており、今回、この方針の素案を取りまとめたことから、その内容をご報告させていただくものでございます。
説明は、お配りしているA3判の資料1をごらんください。
まず、第1章.目的と位置付けでございます。
1−1.目的でございますが、都心において、緩和型土地利用計画制度等の運用の考え方を明示することに加えまして、開発を後押しする補助制度等をあわせて紹介することにより、建築物の建てかえ更新を促進し、都心に関連する各種計画の目標実現に資する民間都市開発を積極的に誘導することを目的としております。
次に、1−2.位置付けでございますが、この方針は、冒頭でご説明したとおり、土地利用計画制度の運用方針に即するものとします。
第2章になりますが、都心
まちづくりを通じて目指すまちの姿でございます。
ここでは、札幌の都心
まちづくりの考え方を紹介するため、第2次札幌市都市計画マスタープランの理念でございますS・M・I・L・Es City Sapporo(スマイルズ シティ サッポロ)のもとに、第2次
都心まちづくり計画で掲げているまちの将来像やにぎわいの軸、札幌駅交流拠点といった都心の骨格構造及び都心強化先導エリア、都心商業エリアといった
ターゲットエリアなどについて示しております。
続きまして、第3章.開発誘導の基本枠組みでございます。
ここでは、第2章を踏まえまして、実際に良好な民間都市開発を誘導していくための基本的な枠組みとして、本方針を適用する区域、容積率の緩和の基本枠組み、開発を支える制度などについて示してございます。
まず、3−1.本方針を適用する区域でございますが、下の図をごらんください。
本方針を適用する区域は、原則、札幌市立地適正化計画で定めた都市機能誘導区域、都心とします。
なお、区域外でございましても、この区域に隣接している地区であって、
まちづくり計画を策定するなど
まちづくりの方針が定められた地区については、計画内容に応じて本方針を適用することができるものとしてございます。
右側に移りまして、3−2.容積率の緩和の基本枠組みでございます。
容積率の緩和に当たりましては、スマイルズの実現に向けた本市の
まちづくりに資する取り組みの部分に示す取り組みを評価することとします。
なお、評価する取り組みにつきましては、都心
まちづくりの動向や社会経済情勢の変化に伴い、柔軟に見直すことも検討いたします。
中段でございます容積率緩和の考え方をごらんください。
容積率の緩和に当たりましては、これまでは、左の図のように公開空地の整備を評価したものが主でございましたが、これからは、右の図に示しているとおり、都心に関連する各種計画の目標実現に資するさまざまな取り組みを積極的に評価いたします。緩和後の容積率につきましては、用途地域で指定されている容積率に各取り組みの緩和容積率を積み上げて算出することとなりますが、活用いたします制度に応じて上限を設定いたします。
なお、容積率緩和に当たっての取り組みごとの評価の考え方につきましては、2ページ目をごらんください。
ここでは、容積率の緩和に当たって評価いたします11の取り組みごとに取り組みを誘導する区域や取り組みを誘導する期間、緩和容積率などを示してございます。例えば、3にある高
機能オフィスの整備につきましては、
都心まちづくり計画の内容や、ここ数年、オフィスの空室率が低いエリアなどを勘案して都心強化先導エリアを誘導する区域としております。誘導する期間は、現在、オフィスの空室率が低く、早急な整備が望まれることなどを勘案しまして、札幌市産業振興ビジョンの計画期間でもある2022年度までとして、緩和容積率につきましては最大50%としてございます。また、7にございます低炭素・省エネルギー化推進につきましては、地域熱供給
ネットワークへの接続など、環境負荷の低減に配慮した取り組みを評価することとしまして、誘導する区域としては既存のエネルギー
ネットワークが存在する都心強化先導エリア、誘導する期間については
都心エネルギーマスタープランの計画期間を踏まえて2035年度までとし、緩和容積率については最大で50%としてございます。
再び、1ページ目にお戻りください。
右側中段の3−3.建築物の高さの緩和の基本枠組みでございます。
本方針により容積率の緩和を行う場合、建築物の高さは、原則、高度地区で定める高さ及び用途地域ごとに定める高さの制限である斜線制限の範囲内といたします。ただし、場合によっては、地区計画等を活用することで緩和できる可能性があることを示してございます。
次に、3−4.基本要件等でございます。
ここでは、容積率の緩和に当たり、満たすべき基本的な要件を示してございまして、地区ごとの
まちづくり動向の考慮を初め、そのほか、建築計画が周辺環境や敷地内に及ぼす影響につきまして、関係法令等を遵守するとともに、必要な配慮を行うことなどを示してございます。
次に、3−5.開発を支える制度でございます。
(1)緩和型土地利用計画制度等では、容積率を緩和するに当たり、活用する制度といたしまして、都市計画法に基づくものは主に地区計画や都市再生特別地区、建築基準法に基づくものは総合設計制度について制度の概要を示してございます。
次に、(2)補助制度では、本市で既に運用している補助制度のうち、都心の開発を後押しするものとして、
まちづくりに貢献する建築物の整備や緑化、企業立地に対する補助制度を紹介してございまして、(3)では、現在検討を進めている附置義務駐車台数の適正化などを含む建築物における駐車施設の附置等に関する条例の見直しについて紹介しております。
続いて、第4章.各種手続きでございます。
ここでは、緩和型土地利用計画制度等を活用する際に必要となる都市計画審議会、建築審査会の手続の流れを紹介してございます。
最後に、今後のスケジュールでございます。
補足資料としているうちの(2)見直しのスケジュールの都心における開発誘導方針の部分をごらんください。
本日のご報告後、平成30年8月16日から
パブリックコメントを実施いたします。その後、
パブリックコメントでいただいたご意見を踏まえて、平成30年12月ごろに本方針を策定、公表いたしまして、周知期間を設けた後、平成31年4月から運用を開始する予定でございます。
○林清治 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
北村光一郎 委員 私から、都心における開発誘導方針について、2点ほど質問させていただきます。
北海道らしい豊かな緑が感じられる空間の創出に関して、都心における開発誘導方針について質問いたします。
この方針に基づき、民間都市開発を誘導していくに当たり、都心は、国内外からの観光客が多く訪れる場所であり、札幌の顔とも言える場所であることを考えると、都心部の建物の建てかえ更新の機会を捉え、札幌の魅力を享受できるような札幌ならではの都市空間の整備を誘導していくことがこれまで以上に重要になると考えられます。第2次
都心まちづくり計画では、大都市でありながら、身近に北海道らしい豊かな自然環境を備えていることが札幌の都心の有するポテンシャルの一つとして示されており、これが札幌の大きな魅力であると認識しております。先ほど報告がありました札幌駅
交流拠点まちづくり計画(案)の説明の中でも、基本方針の一つである環境配慮・防災の取り組みの方向として緑豊かな
まちづくりの実現が示されていることからも、札幌の顔である都心において、北海道らしい豊かな緑が感じられる空間の創出が必要と考えます。
そこで、質問でございますが、都心部の建物の建てかえ更新の機会を捉えて、札幌の特徴であり、魅力の一つである豊かな緑が感じられるような空間を創出していくことが重要であると考えますが、都心における開発誘導方針ではどのように誘導していくのか、お考えをお聞かせください。
◎阿部 都市計画部長 北海道らしい豊かな緑が感じられる空間の創出に向けて、都心における開発誘導方針での誘導の考え方についてお答えいたします。
委員がおっしゃるとおり、都市と自然が近接していることが札幌の大きな魅力の一つであり、都心においても豊かな緑が感じられる空間の創出は大変重要であると認識してございます。
緑化につきましては、建築行為等を行おうとする場合、札幌市緑の保全と創出に関する条例に規定されている緑化率を満たす必要がございます。これに加えまして、この方針では、容積率緩和に当たって評価する取り組みの一つとして位置づけている質の高い
オープンスペースの整備において、緑が感じられる空間の整備を誘導していきたいと考えてございます。具体的には、
オープンスペースの整備によりまして容積率を緩和する際に、
オープンスペースの質を高める手法として効果的な緑化を積極的に評価することで、事業者等の意欲を喚起してまいりたいと考えてございます。
◆
北村光一郎 委員 ただいま、都心における開発誘導方針では、容積率緩和に当たって評価する取り組みの一つである質の高い
オープンスペースの整備の中で、
オープンスペースの質を高める手法として、豊かな緑が感じられるように効果的に緑化された空間の整備を誘導していくという説明がございました。
札幌の都心部は地価が高く、地権者としては、敷地を有効活用することを考えると、緑化空間を確保しづらい状況にあると思われますので、この方針に基づき、容積率の緩和等を活用することで、民間都市開発を通じた豊かな緑が感じられる空間整備が進むことを期待しております。
さて、札幌の特徴であり、魅力でもあることとして、もう一つ、欠かすことができないのが積雪寒冷の気候です。積雪寒冷地である札幌では、札幌駅地下歩行空間のような、季節や天候を問わず、市民や来街者の安全、快適な回遊を支える地下
ネットワークは都心の重要な資産であると考えます。
冬季オリンピック・パラリンピックの招致に取り組んでいる札幌において、世界中からより多くの方々が訪れる可能性があるという観点からも、地下
ネットワークの拡充はこれまで以上に重要になると考えられます。
そこで、質問ですが、札幌市では、これまでも容積率の緩和等を活用して地下
ネットワークへの接続等を伴う民間都市開発を誘導してきたと認識しておりますけれども、都心における開発誘導方針を策定するに当たり、今後、さらに地下
ネットワークの拡充を促進していくために新しく盛り込まれた方策があるかどうか、お伺いいたします。
◎阿部 都市計画部長 地下
ネットワークの拡充をさらに促進するために、都心における開発誘導方針に新たに盛り込まれた方策についてお答えいたします。
これまでは、例えば駅前通の沿道につきまして、緩和型の地区計画を定め、建物の建てかえに合わせて地下歩行空間への接続や歩道上にある出入り口階段、エレベーターの敷地内への取り込みなどを評価いたしまして、容積率を緩和することで地下
ネットワーク拡充を誘導してまいりました。このような取り組みにつきましては、この方針においても、容積率の緩和に当たって評価する取り組みの一つとして位置づけてございます。
これに加えて、隣接いたします民間建物同士、民間建物間でつなぐ地下通路を建物敷地内に整備することなどについても新たに評価する取り組みとして考え方を整理し、位置づけてございます。これによりまして、地下歩行空間や地下街などの既存の地下
ネットワークの拡充はもとより、民間建物同士の新たな地下
ネットワークとの連携も期待できることから、これまで以上に地下
ネットワークの拡充促進につながるのではないかと考えてございます。
◆
北村光一郎 委員 ただいま答弁をいただきましたが、民間建物同士の接続など、さらなる地下
ネットワーク拡充を促進していくというような案でございます。このような札幌市の考えを民間事業者に理解してもらうことが重要だと思います。今後、さらに民間事業者にこの方針を広く周知していくことを期待いたしまして、私の質問を終えさせていただきます。
◆成田祐樹 委員 私も、都心における開発誘導方針についてお伺いいたします。
今回出された開発誘導方針(素案)を見ますと、都心における民間都市開発の機会を捉え、民間の力を引き出すために容積率の緩和の条件等が記載されております。我が会派としましても、容積率緩和の考え方を整理し、わかりやすく明示されたことで、この方針に基づいた良好な民間都市開発が促されるのではないかと考えておりますし、このような開発が一つでも多く検討され、着工に結びつくことができればよいのではないかと思っております。
そこでまず、確認のために1点お伺いしますが、この方針では最大でどの程度まで容積率の緩和を図れるのか、教えていただければと思います。
◎阿部 都市計画部長 都心における開発誘導方針について、容積率を緩和する際の上限についてお答えいたします。
この方針では、容積率を緩和するに当たりまして、活用する制度ごとに上限を設けることとしております。例えば、都市計画法に基づく地区計画を定めて容積率を緩和する場合は、緩和後の容積率は、市街地環境への影響や都心での緩和の実績などを考慮して、指定容積率の1.5倍を限度としてございます。この場合、都心で指定容積率が最も高い800%の敷地でありますと1,200%が上限となります。また、都市再生特別地区を定める場合におきましては、自由度の高い計画を定めることができる都市計画制度であることから、緩和後の容積率は、指定容積率の1.5倍を上限とせず、個別の計画内容を総合的に判断し、適切な上限値を設定する考えでございます。
◆成田祐樹 委員 まずは1,200%がマックスということで、高層建造物を考えていらっしゃる事業者にとっては非常に魅力的な話ではないかなと考えております。ぜひ、こういった考え方が伝わるような形で発信していただければなと思っております。
そこで、次の質問は、先ほどの札幌駅のお話にも若干つながりますが、新幹線駅が大東案になったことで、従前では考えることが難しかった新幹線駅と
創成東地区における再開発事業との中で歩行空間の
ネットワークを形成できるという話をさせていただきましたけれども、例えば、概要にも載っている北6東3周辺地区、いわゆる
卸センターの
先導プロジェクト街区を考えると、街区と駅を結ぶ回遊性
ネットワークを持てる距離となったわけであります。また、隣接区域においては、建造物が既に老朽化しており、10年後には建てかえになる可能性もある街区も見受けられます。今回の大東案が出る前までは、なかなか隣接街区同士が連動して再開発ということは少し考えにくかったと思いますが、今回の開発誘導方針も含めて、また状況が変わってきたのかなというふうに思っております。そういう中で、今回の開発誘導方針の素案を見ますと、容積率の緩和について、地下や地上
ネットワークの拡充や、地区ごとの
まちづくりルールの策定といった形での容積率の緩和を狙った場合、もちろん単体の再開発組合や事業者だけでなし得るものではなく、相乗効果を高めるためには、隣接する敷地の地権者との連携が必要となってくるのではないかと考えます。
そこで、お伺いしますが、どのような形で隣接する敷地の地権者等との情報共有や取り組みの連携を促していくのか、市の見解をお聞かせ願えればと思います。
◎阿部 都市計画部長 容積率緩和に当たって、取り組みを評価する際の隣接する敷地の地権者等との情報共有や取り組みの連携の考え方についてお答えいたします。
まず、この方針では、容積率緩和の基本要件としまして、地区計画や再開発事業の決定などを見据えまして、一定の区域内で関係地権者等が
まちづくりの方向性等を検討している地区につきましては、この地区の
まちづくり動向を考慮した計画とすることを位置づけてございます。また、例えば、地権者等の合意のもと、複数の敷地にまたがった一定規模以上の区域で地区計画を定め、空中歩廊の整備を評価する場合は、この区域内において空中歩廊を整備する位置を地区施設として位置づけることで、この整備について一定の担保が可能となります。このことから、隣接敷地との連携が必要となる取り組みを評価する際には、札幌市などが調整役となりまして、事前に周辺の地権者などと
まちづくりの方向性を共有いたしまして、地区計画などの
都市計画決定に向けた話し合いを行うことで取り組みの連携を促していきたいと考えてございます。
◆成田祐樹 委員 今お答えいただきましたが、市が担う調整役としての役割は非常に大きいと思っていますし、ぜひ、調整役として汗をかいていただいて、よい連携ができるようにお願いしたいと思います。
最後に、今回の都心における開発誘導方針の素案ですが、私は非常に見やすいなと思いました。視覚的に大きく出ていて、全てにボーナスがあって、ボーナスをたくさん集めたら容積率が上がるというような部分もあります。多分、地権者や事業者にとっても非常に見やすいものだと思いますし、私も、今後、東区など地域の皆さんにこういったものがあるのですよとお伝えしやすいなと思っております。今回は素案ということですので、本案になったときに、これらも含めて、私も皆さんに周知できればと思いますし、ぜひまた情報共有化を図っていただきたいなということを要望しまして、質問を終わります。
◆福田浩太郎 委員 私からも、都心における開発誘導方針について、2点お尋ねしたいと思います。
初めに、特に新しい考え方で容積率緩和を行う取り組みについて、お尋ねしたいと思います。
北海道新幹線の札幌延伸や
冬季オリンピック・パラリンピック招致など、札幌の都心を取り巻く状況が変化してきている中で、第4次札幌市都市計画マスタープランにうたわれているように、魅力があふれ、世界を引きつける都心を実現するためには、国内はもとより、世界の都市間競争に打ち勝っていかなければならないというふうに考えております。札幌の都心部の建物は旧耐震基準のものが多く、今後、老朽化に伴う建てかえ機運が高まることが見込まれておりますが、容積率の緩和等を活用して、都心
まちづくりに資する民間都市開発を誘導していくための方針を策定することは大変重要であると認識しております。今後激しさを増す都市間競争に打ち勝っていくためには、この方針を策定するに当たりまして、これまで以上に裾野を広げ、前例にとらわれない柔軟な発想が必要になるというふうに考えます。
そこで、質問ですが、今回の都心における開発誘導方針において、容積率緩和に当たり、評価する取り組みとして特に新しい考え方で盛り込んだものとしてはどのような取り組みがあるのか、お尋ねしたいと思います。
◎阿部 都市計画部長 都心における開発誘導方針におきまして、特に新しい考え方で容積率緩和を行う取り組みについてお答えいたします。
この方針を策定するに当たりまして、札幌の都心において実現を求められる取り組みをこれまで以上に幅広く捉え、容積率緩和を活用してこれらの取り組みを実現するための条件などを整理してまいりました。容積率緩和に当たり、評価する取り組みのうち、特に新しい考え方で位置づけられたものとしましては、高
機能オフィスであったりハイグレードホテルの整備、また防災性向上といった機能に着目した取り組みが挙げられます。高
機能オフィスやハイグレードホテルにつきましては、都心のオフィス空室率低下といった経済の視点や海外の富裕層向けのホテルがないといった観光の視点を踏まえて新たに位置づけたものでございます。ただし、これらの機能につきましては、都心において早急な整備が必要であるという考えから、時限を設けて取り組みを誘導することとしてございます。また、防災性向上につきましては、積雪寒冷である札幌の気候などを考慮し、災害等の帰宅困難者対策のための一時待避スペースの確保などといった危機管理の視点を踏まえ、新たに位置づけているところでございます。
○林清治 委員長 阿部部長、今の質問は、これを見直す必要性はどこにあるのだということなので、その部分をもう一度説明していただければと思います。
◎阿部 都市計画部長 (続)失礼しました。
それは、業務施設の拡大という意味でよろしかったでしょうか。
○林清治 委員長 阿部部長、さっきの質問は、これを見直す必要性です。例えばどこかから要請があって見直しをかけているのかとか、そういう意味で言っています。
田中委員、もう一度、質問してください。
◆田中啓介 委員 基本的には、市街化調整区域というのは、良好な自然環境だったり、有用な農地の保全ということがもう大前提で進めてきていて、まさに環境を守ってきていると思うのですが、その中でも、必要に応じて流通業務施設というのは13カ所にふえてきているというふうに思うのです。そして、ふえてきているけれども、一応基準というものにはきちっと合っていて、それは札幌市開発許可等審査基準に基づいて許可しているのですよね。今現在も、既にこの基準があって13カ所にまでなってきているのに、あえて見直しをする必要性がわからないのです。
あわせて、どこかから実際に要望が上がっているのかという質問なのです。
◎阿部 都市計画部長 これから緩和していく必要性というお話でございます。
先ほどのお話で、これまで13カ所で展開してきたことにつきましては、4路線に至るまで路線をふやしてきている中での立地という展開になってきています。流通業務施設立地指定路線については、直近の見直しが平成19年でございましたので、それから既に約10年が経過してきております。その間、道路整備の進展であるとか、周辺土地利用の状況の変化、また、物流業界そのものを取り巻く情勢の変化といったことで、非常に大きく変わってきている状況が見られることから、今日的なニーズに対応するということで指定路線の適正化という形で検討する必要があるものと考えております。
ですから、路線をふやしていくという考え方もございますし、現在指定されている路線をもう一度見直して、土地利用状況等を勘案して一部縮小してもいい箇所があるのではないかといったことも含めて検討していくということでございます。
◆田中啓介 委員 要は、ニーズに合わせた形で、今後、立地する場所に対応したり、指定の路線を新たに変更するということでした。
ただ、先ほど例で挙げた337号線は、今、4車線以上で、開発許可等審査基準に該当する国道に当たると思います。しかし、実際にはそこは13カ所の中には入っておりませんから、こちらも対象となる可能性があると考えていいのですよね。そういうところも含めると、要は開発許可等審査基準というもので今までできているので、あえて見直しをする必要はないのではないかということを指摘して、終わります。
○林清治 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○林清治 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後3時12分...