札幌市議会 2018-05-25
平成30年総合交通調査特別委員会−05月25日-記録
◎浅村
新幹線推進室長 要
対策土の
受け入れ地の確保についてお答えいたします。
札幌市では、引き続き、
ホームページで候補地を募集するとともに、北海道や他市町村などの自治体、庁内関係部署と連携を図りながら、札幌近郊を含む
候補地の幅広い情報収集に努め、鉄道・
運輸機構と連携協力しながら、早期の
受け入れ先確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。また、
建設発生土の
受け入れ地の確保に際しては、関係する住民の皆様へ要
対策土に関する基準や
対策工等について丁寧な説明と
情報提供を行い、ご理解が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆かんの太一 委員 最後に、要望ですが、今の答弁では、
ホームページで募集したり、北海道等、ほかの自治体との連携も含めながら、早期の
受け入れ地決定に努めるということでしたけれども、
新幹線建設事業の円滑な遂行のためには、市民の安全・安心を第一に考えた中で、
建設発生土の
受け入れ地の確保は最優先に進めていかなければならない課題であると考えます。
建設発生土については、どの自治体も
受け入れ先の確保について苦労しているとのことですが、先行している道南の
新幹線トンネル工事では、地元の自治体、住民の協力のもと、
受け入れ地の確保が進んでいると聞いております。引き続き、北海道や他市町などの自治体と連携を図りながら、速やかに
受け入れ地を確保していただきたいと思います。
また、要
対策土については、先ほどの説明のとおり、さまざまな
対策工があるとのことですが、札幌市として、住民が不安にならないように事業を進めていくことが最も重要であると考えます。特に、
発生土の調査にかかわるデータ等の各種資料については、鉄道・
運輸機構に対して積極的な公開を求めていくべきであり、そのことが市民の安全・安心の確保につながっていくものと考えます。
札幌市においても、鉄道・
運輸機構と連携しながらしっかりと対応していくことを求めて、私の質問を終了いたします。
◆涌井国夫 委員 先ほど説明がございましたが、
札幌市内でもいよいよ
新幹線工事が発注され、
用地補償については、鉄道・
運輸機構からの委託を受けて札幌市が
地権者との交渉に当たるなどの事業が始まって、その期待感が増してきている状況でございます。また、2年半にわたって議論されてきた
北海道新幹線札幌駅
ホーム位置も、いわゆる大東案に決まりまして、今後は札幌駅周辺の
まちづくりをしっかりと進めていかなければならないと思うわけでございます。
そして、開業まで十数年という期間があるものの、将来、今現在の子どもたちが成人を迎えるころに、
新幹線が開業することを考えれば、その機運を盛り上げるために、例えばチ・カ・ホに
新幹線の常設展示コーナーを設置するなど、市民が身近に感じられる方策を検討していただきたいと思っております。
さて、先ほど説明があったとおり、中央区
盤渓地区採石場へ運搬する
新幹線トンネル工事から発生する掘削ずりについては、重金属の含有量、溶出量が基準値を満たした対策の必要のない土、いわゆる無
対策土とされております。しかし、
受け入れ地周辺住民の皆さんの中には、運搬される土について、対策が必要な土か、そうではない土かをどのように判断、判別するのだろうか、また、周辺に左股川、琴似発寒川がございますが、その河川の水質に影響がないのだろうかと心配している方もいると聞いております。
そこで、質問ですが、札幌市としては、このような住民の心配に対してどのようにして安全・安心を確保していくのか、お伺いしたいと思います。
◎浅村
新幹線推進室長 建設発生土に対する安全・安心の確保についてお答えいたします。
冒頭にご説明いたしましたとおり、鉄道・
運輸機構では、施工前、施工中に行う
ボーリング調査によりまして、
新幹線建設発生土の無対策、要対策の判定については、重金属
委員会での審議、検討を踏まえて行うこととしております。札幌市といたしましては、この判定の根拠を確認いたしまして、適宜、住民の皆様へ
情報提供していきたいと考えております。また、札幌市が行っている盤渓川での水源パトロールや採水、水質検査の結果につきましても、住民の皆様に
情報提供していきたいと考えております。
今後も、市民の安全・安心の確保に向けて、どのような対応が可能か、検討を継続してまいりたいと考えております。
◆涌井国夫 委員 私が住んでおります西区
盤渓地区は、非常に自然豊かなところでございまして、搬入される
トンネル発生土は無
対策土であるとはいえ、下流の琴似発寒川には西野浄水場があり、西区民は生活用水として使用しております。本市として、当該
採石場のたまり水などを河川に流す際は、水質汚濁防止法などの水質基準を徹底して遵守することが必要でございます。そのためにも、水質検査の回数あるいは検査項目の追加など、サンプリング調査を行い、万全な体制で河川環境の監視を強めていく必要があるというふうに思っております。さらに、
トンネル発生土の対策につきましては、札幌市としても鉄道・
運輸機構の調査をしっかり確認していくとのお話でございますので、ぜひともしっかり対応していただきたいと思っているところでございます。
さて、
札幌市内における
新幹線事業は初めてでございまして、市街地にこれほど長大な
新幹線トンネルを整備するという事例は全国的にも珍しいことから、市民へのわかりやすい情報公開が大事でございまして、このことは非常に重要なポイントだと思います。現状では、工事中の
生活環境への影響、あるいは、将来どう整備されていくのかといったようなことについて、情報が不足しているのではないかと思う市民もおりまして、札幌市としてそれに応える必要があると思いますがいかがか、お伺いしたいと思います。
◎浅村
新幹線推進室長 新幹線建設事業に関する市民への
情報提供についてお答えいたします。
委員がご指摘のとおり、工事の進捗や
建設発生土の取り扱いといった現況について、あるいは、
新幹線開業後のまちの将来の姿について、市民に
情報提供することが必要であると認識しております。そして、そのことが、
新幹線工事及び札幌延伸に対する市民理解を深めることにもつながっていくものと考えております。
札幌市といたしましては、引き続き、各媒体を用いた啓発活動や
ホームページ掲載内容の工夫、地域への回覧による
情報提供を行うほか、必要に応じて関係住民の皆様への直接説明の機会を設けることによりまして、きめ細かい情報発信に努めてまいりたいと考えております。
◆涌井国夫 委員 繰り返しになりますが、
建設発生土に含まれる自然由来の重金属については、その存在自体を心配している市民が少なからずおられるのも事実であります。しかしながら、札幌市では、もともと自然由来によるヒ素を含む土壌が広範囲に分布しているという地域特性がございます。また、先ほど別紙3の資料で説明があったとおり、これらの自然由来の重金属は、人間も含めた全ての動植物にも微量は存在しているものであり、我々が日常的に口にするものにも多く含まれているとのことでございます。要
対策土においては、適切な対策を講じなければならないのはもちろんではございますが、札幌市及び鉄道・
運輸機構においては、これら自然由来の重金属に対する科学的に正しい認識についても、市民にもっと積極的に啓発することで市民の不安を払拭する必要があります。
もう一つは、要望ですが、要
対策土については、安全な対策をしっかり施した上で、道内の道路工事の盛り土などに利活用することを考えていただきたいと思います。また、さまざまな課題はあるかと思いますが、その際、新たな国の補助制度を活用できるように国に働きかけていくよう強く要望して、質問を終わります。
◆村上ひとし 委員 工事における住民の不安や懸念に対してどう対処していくのかという問題がさまざまな形で質疑されておりますが、私は、まず、工期にとらわれず、安全・安心かつ自然を保全する対策を十分に行うという進め方が何よりも重要だというふうに思います。
北海道新幹線の札幌開業は、既に当初計画より5年前倒しで進められておりますが、さらに前倒しをすべきだという意見もあるように聞いておりまして、今現在、どんな状況で札幌市域の
トンネルの掘削工事が始まるのかということをよく見きわめる必要があると思います。
昨日の我が党の代表質問でも、
北海道新幹線の札幌延伸についてとともに、延伸効果と
トンネルの掘削に伴う残土処理問題について取り上げました。
函館北斗−札幌間211キロメートルの8割が
トンネルになりますが、そのうちの7割について、いまだに残土の
受け入れ先が決まっておりません。先ほどの浅村室長の説明でも、札幌で発生する
建設発生土、要
対策土の
搬入場所については、現在、鉄道・
運輸機構、札幌市において
候補地を選定中のために未定であるということでした。しかし、工事だけは開始するということであります。
また、
JR北海道は、4期連続の赤字で、しかも、過去最大を更新しています。とりわけ、
北海道新幹線の赤字額は前年比2倍となる約103億円の見込みになっております。こうした状況に、さすがに、財務省も、
JR北海道における維持困難路線の今後の拡大を懸念しているほどであります。これが現時点の
JR北海道の経営実態でありまして、経済効果という点でも北海道が行った試算は過大な見通しであると言わざるを得ないと思います。
さらに、地震が多く発生する時期に入っておりまして、専門家の中には、災害が発生した場合に長い距離の
トンネルの耐久性や安全性について指摘する方もおります。
このような状況下で、現時点の札幌開業5年前倒しが本当に可能なのかという懸念や不安を抱く市民がいるのは当然であります。さまざまな懸念や不安がある中、
札樽トンネル富丘、
星置工区の入札が公告されて、札幌市域内のシールド工区についても発注の見通しが公表され、いよいよ工事が本格化するということが先ほどの説明でありましたが、言うまでもなく、工事は、安全対策や環境保全策など、住民への正確な
情報提供と住民の理解と納得のもとで進められなければなりません。
発生土の運搬につきましても、この5月に、札幌市及び鉄道・
運輸機構により、
運搬経路となる西区の各地域に対して運搬概要を記した回覧の配架が行われたということでした。先ほど、住民説明会でどんな意見があったのかという質疑に対し、
福井地区から冬期の
交通量がふえる問題などが出されたということでしたが、当然、今後は住民からの問い合わせがふえてくると思われます。
そこで、まず最初に、現時点ではどのような問い合わせがあるのか、お伺いいたします。
◎浅村
新幹線推進室長 発生土運搬に関する回覧配架後の市民からの問い合わせについてお答えいたします。
回覧配架につきましては、5月ということでまだ日数がたっていないこともございまして、これまでのところ、札幌市及び鉄道・
運輸機構への市民からの問い合わせは合わせて4件いただいております。内容といたしましては、道路の渋滞に対する懸念及び川の水質汚染に対する懸念についてでございます。
◆村上ひとし 委員 4件の問い合わせがあったということですが、まだ5月ですから日数が少ないということで、これからいろいろ工事が進捗する中で問い合わせも当然ふえてくると思われます。
2016年に、八雲町の立岩
トンネルで掘削した要
対策土の仮置き場において、基準値を超える鉛を含む濁水が外部に流出する事故が起こりました。当初、鉄道・
運輸機構は、
周辺環境に影響を及ぼさないよう安全管理や水質監視を徹底すると説明しておりましたが、実際にこのような事態が発生しておりますし、このときに北海道に情報が入ったのも相当時間がたってからだったと聞いております。
札幌でも、
トンネルの掘削工事によって要
対策土が搬出された場合、有害物質による身体あるいは環境への影響について不安を感じる住民は当然いらっしゃるわけであります。特に、
札樽トンネルの追分通付近から
トンネル出口となる石山通までの住宅密集地の地下は
シールド工法で掘削するということです。その
発生土が要
対策土か無
対策土かを判定するために、いずれにしても
発生土の仮置き場が必要になってくるだろうと思いますが、その場合の環境への影響です。特に、昨今は、ゲリラ豪雨というか、集中豪雨が多発する気候でもありますので、仮置き場から地下水への流入、河川への流入ということにも当然対策をとらなければならないと思います。また、仮置き場から要
対策土を搬出する際、トラックなどで搬出すると思いますけれども、風雨によって有害物質が拡散する心配はないのかといったことなど、実際にトラックが住宅地を走り出したときに、当然、住民のさまざまな不安がふえてくると思います。工事が始まってからも、鉄道・
運輸機構に連絡が入る場合があったり、札幌市に入る場合があったり、あるいは北海道に入る場合も想定されますが、住民からの問い合わせ等に対して、たらい回しとならないように丁寧に対応することが必要だと思います。
そこで、建設主体である鉄道・
運輸機構と札幌市の間にどのような連絡調整体制があるのか、お伺いいたします。
◎浅村
新幹線推進室長 鉄道・
運輸機構と札幌市の間の連絡調整体制についてお答えいたします。
市民からの問い合わせ窓口といたしましては、札幌市と建設主体である鉄道・
運輸機構が担っておりまして、それぞれに届いた問い合わせ等の内容については、いずれの所管によるものかにかかわらず、内容をしっかり承った上で日常的に情報交換を行っておりまして、適切な対応がとれる体制を構築しているところでございます。
◆村上ひとし 委員 いろいろな意見が出てきたり、問い合わせだけで解決できない局面も想定されると思います。そういう場合には、住民の要望に基づいて、求められる説明会などをその時々で開く必要もあると思いますが、そういうことも含めて検討されるのでしょうか。
◎浅村
新幹線推進室長 住民説明会等への対応ということでございます。
もちろん、住民への直接の説明が必要になる場合については、できるだけ速やかに準備して対応していきたいというふうに考えております。
◆村上ひとし 委員 先ほど、
連絡調整会議を設けているということもありましたし、鉄道・
運輸機構や札幌市もそれぞれ対応していくし、情報も共有する、そして、必要な場合には迅速に説明会などもするということでありました。
札幌市では自然由来のヒ素の土壌が非常に広範囲に分布していることは、本市自体、そういう認識に立っているということであります。そういう点では、基準値を超える有害物質を含んだ膨大な量の残土が排出されることも想定しなければなりませんので、安全・安心の対策を充実させながら、自然環境も保全していくし、住民の理解もしっかり求めていくことが必要だと思います。
いずれにしても、今後、重大な問題がたくさん懸念されますので、決して、札幌開業の期間にとらわれて安全性や
周辺環境の影響に対してぞんざいな対応となってはならないということを申し上げて、質問を終わります。
○
福田浩太郎 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
福田浩太郎 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
ここで、理事者退席のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時
再 開 午後2時1分
――――――――――――――
○
福田浩太郎 委員長 委員会を再開いたします。
次に、参考人の出席要請についてを議題といたします。
この件につきましては、理事会において、
北海道新幹線建設事業に係る諸課題等について調査するため、学識経験者等を参考人として招き、意見交換を行うこととし、お手元に配付しております参考人(案)のとおり、五十嵐敏文氏をお招きすることで合意が得られたところであります。
ここで、委員の皆様にお諮りいたします。
本案のとおり、五十嵐敏文氏をお招きすることとし、
委員会条例第24条の規定に基づき、出席要請を行うことにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
福田浩太郎 委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
なお、日程につきましては、6月28日木曜日午後1時から開催することといたしますので、よろしくお願いいたします。
最後に、委員派遣についてを議題といたします。
この件につきましては、理事会において調査都市や調査項目などを協議し、お手元に配付の行政視察(案)のとおり、7月30日から8月1日までの日程で行政視察を行うことで合意が得られたところであります。
ここで、委員の皆様にお諮りいたします。
本案のとおり行政視察を実施することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
福田浩太郎 委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
なお、詳細につきましては、理事会にご一任願います。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時3分...