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平成30年第二部予算特別委員会−03月14日-05号
平成30年第一部予算特別委員会-03月14日-05号

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  1. 札幌市議会 2018-03-14
    平成30年第一部予算特別委員会-03月14日-05号


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    平成30年第一部予算特別委員会-03月14日-05号平成30年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第5号)               平成30年(2018年)3月14日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  こじま ゆ み       副委員長   村 上 ゆうこ     委   員  三 上 洋 右       委   員  宮 村 素 子     委   員  勝 木 勇 人       委   員  こんどう 和雄     委   員  長 内 直 也       委   員  よこやま 峰子     委   員  飯 島 弘 之       委   員  阿部 ひであき     委   員  伴   良 隆       委   員  村 松 叶 啓     委   員  村 山 拓 司       委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美       委   員  ふじわら 広昭     委   員  桑 原   透       委   員  長谷川   衛     委   員  しのだ 江里子       委   員  林   清 治     委   員  松 原 淳 二       委   員  かんの 太 一     委   員  涌 井 国 夫       委   員  國 安 政 典     委   員  好 井 七 海       委   員  小 口 智 久     委   員  前 川 隆 史       委   員  伊 藤 理智子
        委   員  太 田 秀 子       委   員  池 田 由 美     委   員  堀 川 素 人       委   員  石 川 佐和子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○こじまゆみ 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、特にございません。  それでは、議事に入ります。  第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第9項 学校整備費まで、第12款 職員費 第1項 職員費中関係分及び議案第29号 札幌市立学校教育職員退職手当条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆村山拓司 委員  私からは、子どもたち札幌市民憲章に対する認知についてと学校トイレの洋式化について、2点質問させていただきます。  初めに、札幌市民憲章についてであります。  札幌市民憲章は、人口増加や都市化により、人と人との結びつきが薄れ、市民の連帯意識や道徳心が低下してきたことから、市民が毎日の生活を送る上で心のよりどころとなるものを市民自身の手によってつくろうという考えから、市民各層の代表者によってつくられたものでありまして、札幌をより豊かで明るく住みよいまちにすることを念願して、昭和38年11月3日に市民の総意として制定されました。  本市では、平成26年に、今後10年間を見据えた札幌市教育ビジョンと前期5年間に取り組む札幌市教育アクションプランから成る、幼児期から生涯を通じた教育施策を総合的に示した計画である札幌市教育振興基本計画を策定いたしました。今後、10年間を見据えた札幌市教育ビジョンでは、札幌市の教育が目指す人間像として自立した札幌人を掲げておりますが、自立した札幌人とは、札幌市民憲章の前章を中心とした考えに基づくものであると推察いたしました。  そこで、質問ですが、教育委員会として札幌市民憲章をどのように認識しているか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  教育委員会として市民憲章をどのように認識しているかというご質問についてでございます。  市民憲章は、札幌をより豊かで明るく住みやすいまちにすることを念願し、市民が毎日の生活を送る上で心の支えになるものとしてつくられたものでございます。  教育委員会といたしましては、市民憲章のできた経緯や理念を子どもたちに伝えていくことは大切であるというふうに認識しております。 ◆村山拓司 委員  続けて質問させていただきますが、子どもたち札幌市民憲章をどのように学んでいるのか、お伺いいたします。 ◎引地 学校教育部長  子どもたちはどのように市民憲章を学んでいるかということについてでございます。  学習指導要領においては、小学校3年生の社会科に自分たちの住んでいる身近な地域についての学習が位置づけられており、札幌では、市民憲章が掲載されている副読本などを活用しながら、市民憲章について学んでいるところでございます。また、市民憲章にうたわれている理念は、札幌市の教育が目指す人間像と相通ずるものであり、子どもたちは、義務教育9年間を通してふるさと札幌の歴史、文化、環境等の理解を深めているところでございます。 ◆村山拓司 委員  小学校3年生で学ばれているということでありました。  教員は、子どもたちに対して札幌市民憲章を実際にどのように教えているのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  市立学校の教員に対しては、市民憲章を意識しながら指導に取り組めるよう、全ての教員に配付している学校教育の重点に市民憲章やその活用例を掲載しているところでございます。加えて、小学校3年生の社会科の教員向け指導の手引においては、地域の発展に尽くした先人の働きについて教える中で、市民憲章についても触れる指導例を示しております。こうした資料をもとに、市民憲章にも触れながら授業を進めているところでございます。 ◆村山拓司 委員  教員の皆様にも、子どもたちに教える重点項目に上がっているということでございました。  では、札幌市民憲章を認知している子どもは実際にどれぐらいいるのか、お伺いいたします。 ◎引地 学校教育部長  子どもたち市民憲章認知度についてでございます。  札幌市の子どもたちの市民憲章についての認知度を直接調査したものはございませんが、今後も、さまざまな機会を通して、市民憲章を意識しながら、国際的な視野を持つとともに、ふるさと札幌への思いを心に持つ子どもを育んでまいりたいというふうに考えております。 ◆村山拓司 委員  私は、小学校で札幌市民憲章について学んだ記憶がほとんどなくて、成人になってから、自分で調べて初めて札幌市民憲章の全文を知りました。また、きょう質問するに当たって、昨日、20人近くの私の知人に札幌市民憲章を知っているかというアンケート調査を行ってみたところ、見た記憶はあるが、内容までは知らない、あるいは、全く知らないという方ばかりでした。ちなみに、内容を答えられた人は20人中1人もおりませんでした。  自立した札幌人を育成するためにも、小学校からしっかりと札幌市民憲章について学んでいただきたいと思います。また、小学校3年生の授業で教えているのであれば、ぜひ、小学校、中学校の皆さんにも札幌市民憲章を実際に理解しているかといったアンケートをとっていただきたいことを要望して、質問を終わります。  続けて、トイレの洋式化について質問させていただきます。  洋式化が図られているかどうかの判断基準は、学校全体の児童生徒数に応じた洋式トイレの個数を満たしているかどうかであると聞いておりますが、改めて、現在の整備基準について確認させていただきたいと思います。 ◎平野 学校施設担当部長  学校施設のトイレ洋式化の整備基準についてでございます。  現在の整備基準につきましては、学校全体の児童生徒数に対しまして、男子は50人当たり1個、女子は20人当たり1個以上となるように洋式トイレの整備を進めているところでございます。この基準は、一般的に用いられております整備基準のうち、休憩時間に利用者が集中する学校施設に必要と示されている大便器の数と同等のものでございます。 ◆村山拓司 委員  現在は、男子は50人に一つ、女子は20人に一つを基準に、児童生徒数に応じて洋式トイレの必要個数を割り出すということであります。この整備基準で学校トイレの様式化がなされているという学校であっても、学校ごとのフロア単位で洋式トイレの個数が多いフロア、あるいは少ないフロアなど、各フロアのバランスを欠いている場合があるというお話もお聞きしております。  そこで、質問ですが、トイレの洋式化が完了している学校について、フロアごとの児童生徒数に対する洋式トイレの充足率を把握されているのか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  トイレのフロアごとの充足率の把握についてでございますが、現在、学校全体として洋式トイレの必要個数が不足している学校について、できるだけ早急に洋式化を図ることを目指して進めておりますことから、各学校のフロアごとの充足率までは把握しておりません。 ◆村山拓司 委員  フロアごとの充足率までは把握していないということでありました。  洋式化が完了しているとされている学校であっても、洋式トイレが少ないフロアでは子どもたちが不便を強いられている状況もあり、このような視点からもトイレの環境整備を図っていく必要があるのではないかと考えます。現在進めている洋式化の取り組みは、改築などによる学校を除いて平成31年度の完了を目指しているとのことでありますけれども、これに続いて、平成32年度以降も、フロア単位でバランスを欠いている学校などについて、きちんと状況把握を行い、フロアごとの充足率が満たされるように対応を進めていくべきだと考えますがいかがか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  フロアごとの充足率が満たされるように整備を進めていくべきではないかというご質問でございます。  学校全体といたしまして、洋式トイレの必要個数が満たされている学校でありましても、フロアごとで見たときに少ない場合があることは私どもも承知しております。こうしたことも含めまして、施設面で困っている場合には、毎年度、各学校に照会している修繕要望として声が寄せられているところでもございます。  トイレの洋式化につきましては、これまで学校全体の児童生徒数に応じた必要個数の確保に全力を挙げてきましたが、今後、学校から寄せられる修繕要望を踏まえまして、個々の状況に応じて対応を検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆村山拓司 委員  現在進めている洋式トイレ整備水準達成後においても、引き続きよりきめ細やかな整備を行うことで、子どもたちにとってさらに利用しやすいトイレの実現を目指していくべきだと思います。また、学校は、万一の災害時には基幹避難所になるなど、子どもたちだけではなく、お年寄りや体の不自由な方も利用する施設でありますので、可能な限り利便性の高いトイレの環境整備が重要だと考えます。  そのために、フロアごとの充足率を把握していないということでありますので、まずはフロアごとの充足率を把握する必要があると思いますし、また、これについて進めていくことを要望しまして、質問を終わります。 ◆松原淳二 委員  私からは、図書・情報館について、何点かお伺いしたいと思います。  いよいよ、本年10月7日、北1条西1丁目の札幌市民交流プラザ内に札幌市図書・情報館がオープンいたします。札幌市民交流プラザは、本市における多様な文化芸術活動の中心的拠点として重要な役割を持つものと認識します。そして、その中に、図書・情報館ができるということであり、我が会派としても、札幌市の中心部に新たにできる図書館がどのように機能していくのか、非常に期待しているところでございます。  先日、私は、財政市民委員会の委員として建設中の市民交流プラザを視察してまいりました。ガラス張りで光あふれる札幌文化芸術交流センターと、そこに隣接する図書・情報館に、期待はさらに高まったところでございます。  そこで、最初の質問ですが、まず、この図書・情報館にはどのような特徴があるのか、お伺いいたします。 ◎前田 中央図書館長  図書・情報館の特徴についてでございますが、札幌市図書・情報館は、都心にふさわしい図書館を目指すものでございまして、貸し出し機能に重点を置いた本市の既存図書施設と異なり、調査、相談や情報提供を主とする課題解決型図書館として整備いたします。  事業といたしましては、仕事や暮らしに役立つ図書や情報の提供を行うとともに、札幌の魅力発信や知的空間の創出に関する機能を備えるものでございます。札幌の魅力発信といたしましては、1階フロアに札幌や北海道に関連する図書をそろえるとともに、大型ディスプレーにより、札幌市のオープンデータを使用したCG映像や、札幌の魅力を表現した映像を放映する予定でございます。また、知的空間の創出といたしましては、打ち合わせや交流などにお使いいただけるスペースを設けるほか、電源や無線LANなどの利用が可能でございまして、パソコンなどを持ち込んで使用いただけることとなります。  最後に、課題解決型図書館として一般的な図書館と異なる点といたしましては、図書・情報館の蔵書は貸し出しを行わず、管内での閲覧をお願いするものでございますから、いつ来館しても全ての図書を利用していただけます。  なお、図書・情報館以外の図書館の蔵書につきましては、大通カウンターなどと同様に、貸し出しや返却ができるカウンターを図書・情報館内に整備いたしまして、利便性を図らせていただきます。 ◆松原淳二 委員  既存の図書施設とは異なって、仕事や暮らしに役立つ図書、そして、情報の提供を行うほか、札幌の魅力発信、知的空間を創出する機能があるということでございます。1階のフロアについては、オープンデータなども利用しながら魅力を発信したり、打ち合わせや交流などができるということで、先ほども触れましたが、ガラス張りの交流センターと隣接することでそういったものの相乗効果も期待できるのではと思っております。  その中でも、図書・情報館の大きな特色として今あった蔵書の貸し出しを行わないということで、私たちが今まで抱いてきた図書館像とはかなり異なるのかなという印象を持ちます。そして、課題解決型の図書館ということで、利用者がいつでも全ての図書資料を利用できるように貸し出しをしないという趣旨については理解するものの、全て館内で図書を見なければいけないということで、当然、1人当たりの在館時間も長くなるのではないかということが容易に推察されるのかなと思います。たくさんの方が来館される際に混雑が予想され、十分な調べ物ができないことも危惧されるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、このような予想される混雑に対してどのように対策を講じるのか、お伺いいたします。 ◎前田 中央図書館長  予想される混雑への対策でございます。  来館いただいた際に支障なく図書資料等を利用いただくため、図書・情報館の座席のうち、一定の割合は予約席とし、本市の図書館として初めて導入する座席管理システムによってインターネットで事前に確保していただけるようにいたします。また、このシステムの導入により、事前に席が確保できるだけではなく、予約席につきましては、利用時間の定めを設けることとしておりますので、特定の方が席を長時間独占するようなことも少なくなり、より多くの方に利用していただけることにもなろうかと考えております。 ◆松原淳二 委員  今、一定の割合の座席を予約席とする、そして、座席予約システムによって事前に確保できるということですが、本市の図書館では初めて導入され、それにより、事前に席が確保されて多くの方に利用していただけることになります。今までのお話を聞いていると、やはり、これまでの図書館像を大きく変える新しいコンセプトが盛り込まれ、図書・情報館にはさらに期待が高まるところでありますけれども、その新しさゆえに利用者には混乱や誤解が生じるのではないかというところも危惧されますので、利用者、市民へのしっかりとした周知も必要ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、利用者や市民の皆様への周知をどのように行うのか、お伺いいたします。 ◎前田 中央図書館長  利用いただきます市民の方々への周知についてでございますが、まず、今までの取り組みといたしましては、計画策定時から図書館のホームページでお知らせしてまいりました。また、仕事に役立つ図書や情報の提供、いわゆるビジネス支援を重点的に行うことにつきましては、本市の図書館としては新しい試みでございますので、さまざまな機会を捉えてビジネスパーソンへの周知にも努めてきたところでございます。  新年度からは、ホームページの内容をさらに詳細なものとするほか、具体的な利用方法等を盛り込んだパンフレットの一般配布や、中央図書館や区役所ロビー等での施設紹介パネル展などを行ってまいります。また、ビジネス支援という観点から、ビジネスパーソン、さらには起業を志す方々へも、今後とも積極的に周知を行ってまいりたいと考えております。 ◆松原淳二 委員  今の答弁で、ビジネスパーソンというキーワードがよく出てきております。ターゲットが今までとは少し違う形になるのではないかと思います。そういった点をしっかりと周知していただきながら、蔵書の種類であったり、ターゲットが少し違う面について、利用者にもわかっていただかなければいけませんし、市民の皆さんにもわかっていただかなければいけないと思います。  札幌の都心にできる新たな施設として、市民交流プラザはみんなが楽しみにしております。そして、その中に設置される図書・情報館は、今までにない全く新しいコンセプトの図書館ということで、私たち自身も大いに期待しておりますが、その新しさ及び先進性を利用者に正確に伝えていくことが大切だと思いますので、しっかりPRを行っていただきたいと思います。  また、先ほどの答弁にもあったように、会社等に勤めている方だけではなく、みずから起業したい方々、事業を起こそうとしている方々への支援も非常に重要と考えておりますので、その点もしっかり行っていただきたいと思います。  専門書やビジネス書籍といったものは比較的高価なものが多いと聞いていますし、一方的な資料ではなく、多方面から複数冊の資料を参照しなければいけないとか、周期も非常に速いということもあって、中小企業や個人の方にとっても大変喜ばれる施設となります。札幌市としては、起業を目指す方々、そしてビジネスパーソンに対して情報を提供するためにも、特に経済、観光の雇用支援といった関係部局とも連携していただきながら、こういった施設がうまく活用できるようにしっかり行っていただきたいと思います。  そもそも、課題解決型図書館といったものについては、中央図書館の一部のコーナーを見せていただいたことはございますが、私自身もまだしっかりと理解しておりません。理解するのは、これができてからいかに活用されるかだと思います。ビジネス、さらには医療や法律といった種類の蔵書もあるそうですが、個人で買うことが難しい書籍もありますし、また、大きな医学書を買ったとしてもごく一部しか見ることがございませんので、ビジネスパーソンだけではなく、家計の一助にもなると思います。そういったことで、多くの皆さんに広く活用されながら、交流、そして文化芸術を発信する拠点の一助となっていただきたいということを求めて、私からの質問といたします。 ◆好井七海 委員  私からは、教員の働き方改革における給食費の公会計化についてと、高等学校における通級による指導について、支援の必要な子どもの読書環境について、3点質問させていただきます。  初めに、教員の働き方改革における給食費の公会計化についてお聞きします。  昨今、全国的に教員の多忙化が問題となっておりますが、我が会派は、これまで教員が子どもと向き合う時間の確保が求められているといったことから、教員の負担軽減について取り上げてまいりました。それは、教員の働き方改革が教育の質の向上に直結するからであります。今後、英語教科などの導入により学習指導要領が改訂されるなど、教育現場の状況も変化していき、国による教員の働き方改革の緊急対策が求められることを踏まえると、札幌市としても、今までと同じ考えや施策ではこれからの時代に対応することはできないと考えます。  さきの第1回定例市議会の我が会派の代表質問に対して、教育長から、現在、学校においては、学習指導や生徒指導に加え、部活動や保護者対応などもあり、授業準備や子どもと触れ合う時間が十分とれない状況も見られる、今後、教員が子どもへの指導に専念し、教育効果が十分上がるように環境整備を一層推進したいとの答弁がありました。  平成29年12月には、中教審において、新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導、運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について、中間まとめが行われました。この中間まとめには、これまで学校教師が担ってきた代表的な業務のあり方に関する考え方について、大きく三つの視点で整理されています。一つは、基本的には学校以外が担うべき業務、二つ目は、学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務、三つ目は、教師の業務だが、負担軽減が可能な業務とされ、その一つ目の基本的には学校以外が担うべき業務の中に、学校徴収金の徴収管理があり、地方公共団体が担っていくべきとの記載がなされております。  学校徴収金の徴収管理の中でも、学校給食費については、公会計方式にし、徴収管理業務地方公共団体の業務とすることで学校の負担軽減を図った例もあります。また、学校給食費については、公会計化することを基本とした上で、文部科学省においては、公会計化導入に向けたガイドラインを作成し、各地方公共団体に公会計化を促す必要があると言及されたところでもあります。このことから、学校の負担軽減に学校給食費の公会計化が一定程度寄与することが見込まれることがわかっております。しかし、現在、札幌市立の小・中学校の学校給食費は、学校長が取りまとめ、これを管理している、いわゆる私会計とのことです。  そこで、質問ですが、私会計では、徴収管理業務は基本的に学校が行うため、学校負担の軽減は難しいと思われることから、公会計化による学校負担の軽減が必要と考えますけれども、札幌市は、公会計化について、そのメリット・デメリットを含め、どのように捉えているか、お伺いいたします。 ◎平野 学校施設担当部長  給食費の公会計化について、メリット・デメリットも含め、どう捉えているかというご質問でございます。  学校給食費を公会計に移行した場合、給食食材の購入費用を札幌市の予算に計上することとなりますことから、給食食材の調達の安定化が見込まれるとともに、学校における事務におきましても一部が軽減されることを期待できるものと考えております。一方、公会計に移行するに当たりましては、新たに徴収管理のためのシステム開発、それから、徴収に関する事務を学校と札幌市がどのように役割分担するか、このほか人員配置を含めました体制の構築などについて考慮する必要がございます。また、公会計化いたしました他の自治体の中には、公会計化前に比べて給食費の未納率が高くなるという状況も見られておりますことから、収納率の維持・向上に向けた対策を講じる必要があるものと認識しているところでございます。 ◆好井七海 委員  さまざまな問題があるのは理解できました。  給食費の公会計化は、教育現場の負担軽減を図るのみならず、給食食材購入の安定化が見込まれるとのことで、このことは、学校給食費として保護者らに負担いただく費用と札幌市の支出がそれぞれ予算にしっかりと計上されることにより、保護者や市民から見たときの透明性が向上し、いわゆる給食費の見える化につながることもメリットの一つであることがわかりました。一方で、徴収管理業務を自治体で実施するための準備として、システムに要する費用のほか、人員体制や学校と札幌市の役割分担の明確化も必要とのことから、費用もそれ相応のものが見込まれると推察いたします。公会計化は、ただ単に札幌市の予算に位置づけることが目的ではなく、学校の負担軽減にしっかりと寄与することが重要であり、公会計化により、学校負担の軽減と高い収納率を上げている例もあるとのことですから、先進的な取り組みを行っている自治体への聞き取りも有効であると考えます。  そこで、質問ですが、学校における働き方改革はまさに喫緊の課題であることを考えると、公会計化に向けてしっかりとした青写真を描く必要があると考えますけれども、札幌市は公会計への移行をどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎平野 学校施設担当部長  公会計への移行についての認識でございます。  公会計への移行に当たりましては、費用面や業務の効率化を見定めるとともに、収納率の維持・向上につきましてもしっかりとした対策が必要であると認識しているところでございます。今後、国において作成が予定されております公会計化導入に向けたガイドラインや、他都市における先行事例なども参照させていただきながら検証を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆好井七海 委員  給食費の公会計化については、これから検証するとのことですが、こうした取り組みが働き方改革の一つとして教育現場にしっかりつながるものと考えますので、今後は、児童生徒と向き合う時間を十分に確保し、教育の質の向上を図ることを重要視するとともに、業務適正化のあり方検討など、教職員の多忙化解消に向けての具体的な対策を行うべきことを求めて、この質問を終わります。  次に、高等学校における通級による指導についてお聞きします。  発達障がいなどのある児童生徒が学習、生活上の困難の改善や克服へ、通常学級に通いながら別室で授業を受ける、いわゆる通級指導について、文部科学省は、平成30年度から高校の教育課程に加えることとしました。この高校での通級指導の制度化に向けては、党文部科学部会が積極的に推進し、平成26年度のモデル事業の実施を経て、平成28年12月の省令改正へと至ったものであり、全国の各自治体において積極的に推進しているものであります。  義務教育終了後のほぼ全ての子どもが高校へ進学している一方で、支援が必要な子どもは特別支援学校の高等部などに進学しない限りは、その困難の改善、克服に向けたサポートを受けることは大変難しい状況にあります。小・中学校で通級指導を受けている児童生徒数は年々増加しており、平成28年度の全国での対象数は10年前の約2.4倍に当たる9万8,000人に上るとされておりますが、この制度化を受け、本市でも、困難を抱える子どもが高校においても継続した支援を受けられるよう体制を整備すべきと考えます。  平成29年4定の我が会派の代表質問において、多様な教育的ニーズを支える施策について、国の制度変更などを受け、札幌市ではどのように取り組んでいく考えなのかとの質問に対し、高校における通級指導については、その効果的な運用方法を検討しているところとの答弁がありました。  そこで、質問ですが、北海道においては、平成30年度から上士幌高校、北見北斗高校において通級による指導を行うと聞いておりますけれども、札幌市においても取り組むべきと考えます。平成30年度、札幌市では高等学校における通級による指導について、どのように取り組むおつもりなのか、お伺いいたします。 ◎引地 学校教育部長  札幌市の高等学校における通級による指導についてでございますが、札幌市におきましても、平成30年度から大通高校において通級による指導を開始するめどが立ったところでございます。  高校における通級指導は、初めての取り組みとなりますことから、まずは生徒の指導効果をしっかりと把握できる大通高校の在校生を対象として実施することとしております。通級指導の実施に当たっては、対象となる生徒の実態の把握や指導内容の検討、教材等の開発とあわせて生徒本人や保護者の理解も必要なことから、準備が整い次第、指導の開始を予定しているところでございます。 ◆好井七海 委員  本市でも新年度からスタートする準備があるということですが、高等学校における通級による指導については、障がいのある生徒が高校に入っても継続して専門的な支援を受けることができ、本人の学校生活の充実や高校の特別支援教育の推進にも寄与するものと思いますので、スムーズに開始できるよう進めていただくことを求めて、この質問を終わります。  次に、支援が必要な子どもの読書環境について伺います。  昨年度、文部科学省から、これからの時代に合った学校図書館のあり方を示した学校図書館ガイドラインが示され、学校図書館の整備充実について通知がありました。次期学習指導要領では、子どもたちが自主的に、そして協同して学ぶアクティブラーニングの推進などを踏まえ、学校図書館には、子どもたちの読書活動や読書指導の場としての読書センターの役割に偏りがちだった機能に加え、学習活動の支援や授業の内容を深めるための学習センターとしての機能、さらに、子どもたちや教職員のニーズに対応した情報活用能力を育成するための情報センターとしての役割があると明記しております。  そこで、本市としても、今後の学校教育を考えた場合、さきのアクティブラーニングの視点からの学びの実現に加え、外国語教育、特別支援教育への対応など、主権者教育、プログラミング教育、防災教育、国際理解教育など、学校教育への新たなニーズに応えられる図書館としていくことも重要な課題であると考えます。  そこで、質問ですが、今回示された学校図書館ガイドラインについて、どのように考え、取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎引地 学校教育部長  学校図書館ガイドラインについて、どのように考え、取り組んでいくかについてでございます。  学校図書館ガイドラインは、学校図書館を、一層、組織的、計画的に利活用するための指針であり、新しい学習指導要領における主体的、対話的で深い学びの視点からの授業改善を進める上でも重要であると認識しております。  札幌市においては、学校図書館が、これまでの読書センターとしての役割に加え、課題探究的な学習を効果的に進める場としての役割を果たすことで、本ガイドラインの趣旨が実現できるものと捉えております。学校図書館の役割や位置づけに関する周知や、学校図書館司書相互の情報交換などにおいて子どもの豊かな読書活動を促すとともに、課題探究的な学習の効果が上がるような学校図書館の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  さまざまな取り組みについては理解できました。  このたびの学校図書館ガイドラインには、学校図書館の運営について、校長の役割として、学校図書館の館長である校長のリーダーシップによって教職員の連携を図りながら、計画的、組織的な運営を求めています。さらに、司書教諭や一般教諭、学校司書や地域ボランティアの人が互いに連携協力して取り組むよう促されております。  そこで、特に支援が必要な子どもの読書環境について伺いたいと思います。  ガイドラインでは、発達障がいを含む支援が必要な児童生徒の自立や社会参画に向けた主体的な取り組みを支援する観点から、児童生徒一人一人の特性に合わせた読書補助具、支援機器の活用を求めています。例えば、点字図書、音声図書、拡大文字図書、LLブック、マルチメディアデイジー図書、外国語による図書、読書補助具、拡大読書器、電子図書などの整備も有効であると示されています。
     そこで、本市として特別な支援を必要とする子どもの読書活動を推進するための取り組みについて、どのように考えているのか、また、充実強化するためにどのようなことに取り組んでいるのか、お伺いいたします。 ◎引地 学校教育部長  特別な支援を必要とする子どもの読書活動の推進と充実の強化の取り組みについてでございます。  学校においては、児童生徒一人一人の発達の段階や障がいの特性を把握し、その子の状態に応じた読書活動や学習活動を推進していくことが重要であると考えております。現在、特別支援学級等では、図書館の本を活用して国語の時間に読み聞かせを行ったり、自宅や学級で読書するために興味・関心のある図書を借りたりするなど、実態に応じた取り組みを進めているところでございます。また、文字の認識が困難な児童生徒に対しては、音声教材を活用したり、文章の内容理解が困難な児童生徒に対しては、具体的な写真等を用いた図書を活用したりしております。さらに、学校では、タブレット端末の整備を始めており、実際に文字を拡大したり、音声、画像、映像等を取り入れたりするなど、児童生徒の実態に応じて効果的な教材等を活用する取り組みを推進しているところでございます。 ◆好井七海 委員  一人一人の特性に合わせた活用をして取り組まれているということでありました。  文部科学省の調査によりますと、平成28年5月1日現在、全国999万人の小・中学生のうち、特別支援学校や特別支援学級に在籍したり、通級による指導を受けて特別支援教育で学んでいる児童生徒は約38万人で、3.88%と言われております。また、通常の学級に在籍している発達障がいの可能性のある児童生徒の割合は約6.5%であり、1クラス2~3人が学習場面などで何らかの困難さを抱えていると言われております。  近年、こうした特別な支援を必要とする子どもたちにLLブックが期待されております。LLブックは、写真や絵やピクトグラム、絵記号などを組み合わせてつくられている資料で、LLとはスウェーデン語のレットラストの略であり、優しく読めるの意味で、知的障がいや自閉症、ディスレクシア、識字障がい、読み書き障がいの方に有効であると言われております。  そこで、本市として、LLブックの導入についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎引地 学校教育部長  LLブックの導入についてでございます。  本市においても、特別な支援を必要とする児童生徒数は増加傾向にあり、児童生徒の実態に応じた図書資料等を用意して子どもの効果的な指導に努めていくことが重要であると考えております。そのためには、音声教材やいわゆるLLブック等の記号や文字を組み合わせたわかりやすい図書資料について、教員がその有効性を理解していく必要があり、今後もより一層の啓発を図ってまいりたいと考えております。  また、教員が効果的な図書を把握するために、特別支援コーディネーター研修会等で具体的な図書資料や学校で取り組まれた実践事例などを示しながら、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた図書資料等の活用が進むよう努めてまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  最後に、要望になりますが、まだ数が少ないこともあり、図書館同士の連携を図りながらの取り組みも必要ですし、部屋を設けて子どもへの対面朗読にも取り組んでいただきたい。次期学習指導要領では、学校図書館に学習センターとしての役割が期待されることから、障がいの有無にかかわらず、子どもたちがともに学ぶインクルーシブの教育などの新たな対応を求めています。国の障がい者サービス担当職員向け講座など、職員研修を通じてスキルを高めながら一層の学校図書館機能を充実していけるように求めて、全ての質問を終わります。 ◆伊藤理智子 委員  私からは、外国語指導助手、ALTについて質問いたします。  外国語指導助手、ALTは、業務委託で実施していますが、2016年、落札した業者がALTの人数を集められず、派遣開始が2カ月おくれの7月にずれ込んで、小・中学校の子どもたちの英語の授業に大きな影響があり、我が党は、ALTの果たす役割と業務委託の問題について質問を行いました。  引き続き、ALTの課題について伺いたいと思います。  新年度予算では、外国語指導助手関係費に4億8,200万円が計上されています。7人増員して114人で進めるというものです。2016年10月から社会保険の適用が拡大し、正社員の4分の3以上の勤務時間を超えたら社会保険に加入するという被保険者資格取得の基準が明確化されました。例えば、正職員が週5日勤務、40時間労働であるとすれば、週30時間以上働いている場合はパート、アルバイト勤務であっても社会保険の加入対象になるということです。また、短時間労働であっても、短時間労働者の五つの要件がありますが、週の所定労働時間が20時間以上あること、雇用期間が1年以上見込まれること、賃金の月額が8万8,000円以上であること、学生でないこと、常時501人以上の企業に勤めていること、これらの加入要件の変更によって、今までは社会保険の加入対象外だった人も加入対象になるケースがふえると見込まれております。  ALTの勤務条件は、1日最大で6時限の業務を遂行することになっていますので、社会保険の対象となるALTがいると考えますが、ALTの社会保険の加入状況について、法律の改正があったことを周知し、社会保険について適正な運用となるように促すべきと考えますけれども、どのように対応しているのか、伺います。  また、委託費の中に社会保険加入にかかわる経費も見込まれているのか、伺いたいと思います。 ◎引地 学校教育部長  ALTの社会保険の適用についてでございます。  適用法令を遵守し、契約の履行をしなければならないことは、契約上、明記してございまして、社会保険につきましても、受託者において、関係法令にのっとり適切な運用がなされているものと認識してございます。  ALT契約に要する経費につきましては、賃金等に加え、社会保険料も含んで積算しているところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  委託費の中に社会保険料の分も積算されているというご答弁だったと思います。社会保険加入要件について、該当する条件を満たしていれば加入させるのが義務となっておりますので、対象となるのに、知らなくて加入していないというALTがいないように周知を徹底することを求めておきたいと思います。  2年前の代表質問では、ALTの果たす役割と業務委託の問題についてただし、直接雇用にするべきと求めました。当時、教育長は、ALTは、子どもたちが英語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度や能力を身につけるとともに、外国の文化について理解を深めるなどの役割を果たしている、業務委託については、雇用の安定化につながるよう契約方法等について工夫する、ALTの雇用形態は引き続き検討すると答えました。その後、契約方法は1年から2年間の契約へと変更になりましたが、ALTの働き方について1年契約というのは変わっていません。  我が党は、業務委託ではなく、直接雇用にするべきと求めてきましたが、雇用形態についてはどのように検討してきたのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  ALTの契約方法等について、どのような検討をしているのかということについてでございます。  現在の契約につきましては、受託者が必要な人数を早期に確保し、安定的にALTを配置できるよう、前回より2カ月前倒して入札を行うとともに、平成29年度から2年間の複数年契約とするなどの見直しを行ってきたところでございます。  今後に向けましては、他都市における契約形態のほか、契約方法を変更した場合の影響等を引き続き調査研究しまして、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  混乱を招かないように早目に入札することや、2年契約に見直してきたということですが、直接雇用についてはまだ検討中ということだと思います。  子どもたちの英語授業を豊かにしていくためには、担任教員との綿密な話し合いのもとで進めていくことが本来のALTの仕事であり、業務委託では、担当教員の指導のもと、担当教員が行う授業にかかわる補助をすることや、授業前に担当教員が作成した指導計画、学習指導案に基づき、授業の打ち合わせを行うとともに、教材の作成等を補助する、授業中は担当教員の指導のもとに担当教員が行う授業を補助する、また、授業後は、担当教員とともに、みずからの業務に関する評価を行い、改善方法について話し合う、これがチーム・ティーチングで行うことであり、綿密な話し合いをして打ち合わせをするということは偽装請負になることから、ALTの仕事に業務委託はふさわしくないため、直接雇用にするべきだということを指摘してきました。  ALTが働いている現場の教師にも、直接、チーム・ティーチングでの課題となっていることについて教育委員会として声を聞いているのか、また、今後どう対応していくのか、伺いたいと思います。 ◎引地 学校教育部長  現在のALTを配置している学校の教員の意見を踏まえた今後のALTの活用についてでございます。  民間委託によってALTを配置している学校からは、授業担当者が作成する業務報告書を月ごとに提出してもらい、それにより、ALTの成果及び課題について把握しているところでございます。報告書によりますと、民間委託によるALTの活用は、子どもの英語によるコミュニケーションの意欲を高めるとともに、異文化への理解を深めることに効果的であり、教師自身が指導方法について学ぶ機会としても有効であるとの意見が寄せられてございます。一方で、現在の契約方法では、教員はALTに対して直接指示することができないなど、運用における不便な点についても聞いているところでございます。  今後も、このような教員の声を踏まえた上で、子どもたちへの教育効果がより高まるよう、ALTの活用方法について、引き続き、検討してまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  子どもたちのことについて、本当に、どういう英語の効果があったのか、ALTの先生と現場で直接話すことができないという声が現場からも出ているということですので、ぜひ、業務委託ではなくて、先生たちとともにしっかりと子どもたちに授業をできるように改善を行っていただきたいと思います。  英語を母国語とする人の発音を直接聞くなどの英語教育や国際理解、文化交流など、本市の子どもたちの教育にとってALTは本当に重要な役割を果たしていると考えます。業務委託によって、担当教員と互いに協力して授業を進めるチーム・ティーチングが機能しないことは、教育現場ではあってはならないことだと考えます。委託契約のALTは、本市の直接雇用のJETのALTと比べて給料が低いことや社会保険にも加入していないALTがいるなど課題が多いことから、一日も早く直接雇用にするべきであるということを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、市立学校における楽器の有効活用について質問したいと思います。  学校においては、授業で使用する教材用楽器のほかに、小学校におきましてはスクールバンド用の楽器、あるいは、中学校及び高校では吹奏楽部用の楽器があると認識しております。各学校によって保有している楽器の種類や量は異なると思われますけれども、これらの楽器が果たしてどういう状態にあり、また、有効に使用されているのか、気になるところであります。楽器類は、授業あるいは部活動等で活用するのがほとんどであると思われますが、中には倉庫等で多数の楽器が眠ったままになっている学校も数多いのではないかと思われます。  そこで、質問でありますが、全市の学校でどのくらいの量の楽器があり、また、その使用、保管状態をどの程度把握しているのか、伺いたいと思います。 ◎平野 学校施設担当部長  学校にある楽器の実態把握についてでございますが、学校における楽器類につきましては、配分予算での学校購入によるもの、PTA予算での購入、さらには、部活動、保護者会による購入などによって構成されております。このため、種類も量も学校ごとで異なっておりまして、教育委員会といたしまして、使用や保管の実態を把握しているものではございませんが、全市的には相当量の楽器を保有しているものと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  私も、今の答弁にありましたように、相当量の楽器があるのではないかというふうに思います。正直、把握し切れないぐらいではないかと。  以前、高校のほうに視察に行ったときにも楽器がありました。多数ありまして、見たのは琴だったと思いますが、アコーディオンもあったと思います。  学習指導要領の改訂あるいは教科書の採択がえによって音楽の授業で扱う教材も当然変わりますし、また、少子化によってスクールバンドあるいは吹奏楽部も縮小したり、中にはなくなってしまうこともあると思います。そうした事情によって使われなくなる楽器が出てくるのはやむを得ないことであります。しかしながら、そうした使われなくなった楽器がいつまでも倉庫に眠ったまま廃棄されるのを待っているのであれば、そのままで果たして本当にいいのかどうかと感じられるところであります。  昨年設立されたあるNPO法人でありますが、アコーディオンの再活用事業を始めたそうです。経年劣化等の理由で廃棄となるアコーディオンを学校などから回収して、それを修理、点検した後、児童施設や高齢者施設でコンサートを実施したり、さらに、アコーディオンは電力を必要としないことからどこでも演奏が可能でありますので、発展途上国等の教育支援での活用も検討しているということでありました。こうした事業は、地域の活性化あるいは福祉振興といったことにも寄与していることから、私は非常に有益なものであると考えます。  そこで、質問ですが、学校で長期間使用されていない楽器はどの段階で廃棄を判断するのか、また、アコーディオン以外にどのような楽器があり、それらの取り扱いについてはどうなっているのか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  長期間使用されていない楽器の廃棄の判断、それから、アコーディオン以外の楽器の取り扱いについてでございます。  長期間使用されていない楽器につきましては、先ほどの委員のお話にもありましたとおり、指導要領の変更などに伴って、それ以降、使用する見込みがないことが確実な場合は廃棄となります。そのほかにも、使用時に経年劣化等により壊れてしまい、修理不能と判断した場合にも廃棄になると考えます。  また、学校には、アコーディオン以外に、ピアノや鉄琴、ホルン、ギターなどさまざまな楽器がございますが、同様な理由で使用しないことが確実または修理できないと判断した場合には廃棄処分となるところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  楽器というのは高額なものでありますので、私は、使用しなくなったということで廃棄したり、また、長い間、校内に眠らせておくのは、正直、非常にもったいない話ではないかと思います。  そこで、学校における使用されていない楽器の取り扱いについて、先ほどのようなNPO法人の例もあることから、今後、こうした団体とのタイアップを含め、楽器の有効活用を図ることは大切であると考えますがいかがか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  使用されていない楽器の有効活用についてでございます。  学校における楽器類につきましては、授業や部活動等での使用のために保有しているものでございますから、一時的に使用しない楽器があったといたしましても、児童生徒の使用に供することを考えるのが第一義となります。ある学校で使用されなくなった楽器でありましても、別の学校で使用することもございまして、その場合はそれらの学校間で管理がえを行って有効活用されているところでございます。  学校での使用に耐えられなくなって廃棄となるような楽器につきましては、有効に活用したいという団体がありましたら、その団体の活動内容や使用目的などを十分お聞きした上で、関係規定に基づき、適宜、対応してまいりたいと考えているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  ぜひ、適宜、対応していただきたいと思います。  テレビの話題でありますが、アコーディオンというのは、最近、演奏者が減少したり、あるいは、材料の入手がなかなか困難となってきているために生産も徐々に減少してきている、それによって、近い将来、世界的にも品薄になるということであります。また、最近は、アコーディオン以外にも、日本古来の楽器である三味線などは、他国の材料の買い占め等々の理由によってなくなるとまで言われております。  そうした今の楽器の状況等々に鑑みますと、アコーディオンに限らず、楽器というのは、特殊な形状の部品もあって、一旦、壊れた場合にその部品を手に入れることも苦労するという話もよく聞くところであります。廃棄を待つ楽器が多数存在するということから、そうしたさまざまなことを考え、また、何らかの形で使用できる可能性もありますので、やはりこれを有効利用するべきであると思います。アコーディオンに限らず、学校で使用しなくなり、廃棄となる楽器について、今後、壊れても修理して活用したいと申し出る団体等が出てくる可能性は十分考えられます。そういった団体がいきなり学校へ行って要望しても、学校では判断がつかないことも考えられますし、学校によっては異なった対応をするのも問題があるように思います。  そこで、全体を統括する教育委員会で、廃棄する楽器に対する取り扱いルールといったものを定めて全市の学校に配信していくべきであると考えますが、廃棄となる楽器の取り扱いについて、学校に対する周知のあり方をどのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎平野 学校施設担当部長  学校に対する周知のあり方についてでございますが、先ほどご答弁させていただいたとおり、学校での楽器の保管、廃棄の状況はさまざまでございますことから、教育委員会で廃棄後の統一的な取り扱いを定めることは難しいものと考えているところでございます。  しかしながら、学校で楽器を廃棄する際には、教育委員会に報告がなされることとなっておりまして、各種団体から有効活用の申し出があった場合には、その対応について今後検討してまいりたいと考えております。また、各学校に直接そのような申し出があった場合には、教育委員会と協議するよう周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  ぜひ、柔軟に対応できるように、今後の検討も含めて、余り時間を置かずに取り組みを進めていただきたいと考えます。学校に周知する際も、例えば、年度初めにこういった取り組みもありますということを定期的に文書として配信するなど、情報共有といったこともしっかり構築していただきたいと思います。先ほど述べたような昨今の楽器の状況等々もありますので、今後、使用されなくなった楽器をただ倉庫に眠らせるばかりでなくて、有効活用の取り組みを進めていただけるよう、このことは非常に重要であるということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 ◆しのだ江里子 委員  私は、札幌市教育振興基本計画の改定について伺います。  2006年に改正された教育基本法では、各地方公共団体は、国の教育振興基本計画を参酌し、地域の実情に応じた教育振興基本計画を定めるように努めることとされており、札幌市では、この定めに基づき、札幌市教育振興基本計画を定めております。札幌市教育振興基本計画の役割は、札幌市の教育の目標や方向性を明らかにするとともに、それらに基づき、教育に関する施策を総合的、体系的に進めていくという大変重要なものです。現行の基本計画は2014年度に施行されたものですが、策定に当たっては、幼児期から生涯を通じて一貫した教育理念を掲げるとともに、社会全体でその実現に向けた機運を醸成することを目指し、変化する社会経済情勢や複雑化、多様化する教育課題により的確に対応できるよう、それまでの教育施策が再構築されました。  この計画は、10年間を計画期間とする札幌市教育ビジョンと前期、後期各5年間を計画期間とする札幌市教育アクションプランとで構成されています。教育ビジョンにおいては、札幌市の教育が目指す人間像として自立した札幌人が掲げられ、その実現のための基本的方向性として、自ら学び、共に生きる力を培う学びの推進、多様な学びを支える環境の充実、市民ぐるみで支え合う仕組みづくりの三つが示されております。これらの基本的方向性に基づく前期の教育アクションプランでは、わかる・できる・楽しい授業の推進を初め、課題探究的な学習の推進や知の拠点としての図書館の充実、地域に開かれた学校など九つの重要項目が定められ、14の基本施策と37の施策が展開されているところです。前期のプランは2018年度で計画期間が終了することとなっており、来年度中には後期のプランを策定するものと思います。  そこで、質問ですが、前期のプランに基づく取り組みの状況について、現段階でどのように捉えていらっしゃるのか、伺います。 ◎山根 生涯学習部長  前期の教育アクションプランに基づくこれまでの取り組み状況についてお答えいたします。  計画期間を1年余り残す現時点で、計画にございます全ての事業、取り組みが既に着手済みとなっているところでございます。学校教育の分野では、全市立学校におきまして、それぞれの実情に応じて作成いたしましたさっぽろっ子「学ぶ力」育成プログラムに基づく取り組みを進めておりまして、特に課題探究的な学習の推進に力を入れてきました。また、さっぽろっ子「健やかな身体」育成プログラムを全市立学校ごとに定めまして、体力の向上につきましても推進するとともに、体験活動や道徳教育なども充実させ、知・徳・体の調和のとれた育ちを目指してきました。さらに、道内初の普通科職業コースを設けた高等支援学校を新設するとともに、市立小・中学校への特別支援学級の整備を進めるなど、特別な支援を必要とする子どもに寄り添った取り組みを着実に進めてきたところでございます。また、生涯学習におきましては、札幌市えほん図書館及び札幌市図書・情報館の整備のほか、地域の教育力を生かすサッポロサタデースクール事業などに取り組んでまいりました。  これら前期の教育アクションプランに掲げた取り組みにつきましては、毎年実施しております教育委員会事務点検・評価を活用いたしまして、PDCAサイクルで改善を図りながら着実に推進してまいったところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  前期の教育アクションプランについては全ての事業に着手済みで、学校教育においては、まさに知・徳・体の調和のとれた取り組みをされていたということで、これに関しては認識するところです。  現計画の策定以来、地方行政の組織及び運営に関する法律や学校教育法など関係法令の改正、そしてまた制定がありました。例えば、学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールの導入など、地方教育行政における新たな動きを促すような法整備が行われたところです。こうした全国的な動きは、昨今の教育課題や社会経済情勢を初めとする教育を取り巻く状況の変化を受けたものであると捉えており、これらについても十分踏まえながら、後期の教育アクションプランの策定を進めていくべきと私は考えます。  そこで、質問ですが、現行の基本計画策定以降の教育を取り巻く状況の変化をどのように認識され、改正に向けて課題をどのように捉えていらっしゃるのか、伺います。 ◎山根 生涯学習部長  計画策定以降の状況変化と課題の認識についてでございます。  現計画策定後の数年間にも情報化やグローバル化が加速するなど、社会は大きな変化の中にあり、それらを乗り越えて豊かな人生を送るための力を子どもたちに育むことがますます重要となってきております。また、新たな学習指導要領等への対応を含めた学校運営や教育課程の面はもちろん、子どもが安心して学び続けられる環境の充実といった面からも、地域や家庭と学校との連携をさらに深めていくことが必要と認識しているところでございます。  これらのほか、学校における働き方改革の要請、また、市民の生涯にわたる多様な学びのニーズに応えていくことなども含めまして、後期の教育アクションプランの検討に当たって十分考慮してまいりたいと考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  今、まさに、子どもたちを初めとした大きな社会の変化の中にあると思います。こういった中で、後期の教育アクションプランの役割というのは大変大きなものがあると思います。札幌市教育振興基本計画は、教育委員会が所管する学校教育と幼児から高齢者までの生涯学習全般を広く対象とする計画です。計画改定に向けては、教育委員による多角的な見地からの協議がなされるものと思いますけれども、教育はまちづくりの根幹であり、市民の関心もひときわ高い分野であることから、市民の意見にも幅広く耳を傾けていただくことが重要だと考えます。  そこで、質問ですが、計画の改定はどのようなプロセスで進めるおつもりか、伺います。 ◎山根 生涯学習部長  計画の改定に係るプロセスについてでございます。  現在、計画改定の骨子案をまとめるため、前期の取り組み状況や教育を取り巻く状況の変化などを踏まえまして、後期におきまして特に力を入れて取り組むべき施策について検討しているところでございます。  この骨子案につきましては、学識経験者や学校関係者、公募委員などで構成いたします検討会議におきまして、それぞれの知見や経験に基づきました多様な立場からのご意見を伺うことを予定しております。また、パブリックコメントや子どもたちを対象としたキッズコメントなどを通じ、市民の声を幅広く取り入れながら後期のアクションプランを策定し、時代に即した教育施策の推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  今、まさに骨子案に取り組んでいらっしゃるということでした。  札幌市教育振興基本計画の改定に向けて、学識経験者や学校関係者、公募委員などで構成する札幌市教育振興基本計画の改定に向けた検討会議を設置され、札幌市の学校教育や社会教育に関し、広く意見をお聞きする機会を設けることとしたということで、ホームページを拝見しますと、もう既に公募委員も決まったということであります。今後開催される検討委員会で出された意見については、その後のパブリックコメントとかキッズコメントで寄せられた意見とあわせて、後期の教育アクションプランにしっかりと生かしていただくことを求めます。  先ほどのご答弁で、前期のアクションプランに基づく取り組みを着実に推進させてきたこともあり、これについては理解してまいりたいと思います。  教育振興基本計画の進行管理に当たっては、地方教育行政法の定めに基づく教育委員会事務点検・評価が活用され、効果的な教育行政の推進を図るとともに、学識経験者の知見を活用し、結果については報告書として札幌市議会に提出し、市民に公表し、その結果を次年度以降の施策の推進や改善に反映することで、より着実に計画を進行させることとされております。  私も、平成28年度の事務点検・評価の報告書を拝見させていただきました。この中にはやはり気になった点が幾つかございました。例えば、外国の人と交流したいと思う子どもの割合が小学校5年生では微増でしたけれども、中学校2年生、高校2年生では当初値よりも大きく下がっていることなどが言えると思います。先ほど、伊藤委員からもALT事業についてのお話がございましたが、私たち札幌市においてはALT事業をしっかりと充実させてきたと思われますけれども、これはまさに札幌市の若者の内向き志向につながっているのではないかと危惧するところがあります。その他関連する指標については、全国と同様の傾向を示しているものも多く、社会の状況が影響している面も大きいと思いますが、子どもたちの状況を多角的な観点から見きわめた上で取り組みを進めていく必要があると考えます。事務点検・評価の結果については、先ほど部長からもお話がありましたように、PDCAサイクルで次年度の取り組みの改善に役立てているということですが、当然のことながら、後期の教育アクションプランにもしっかりとつなげていただくことを求めます。  また、コミュニティ・スクールも、全国各地で地域の特色を生かした取り組みが進められておりまして、札幌市においても、学校と家庭、地域とのつながりを強める取り組みをこれまで以上に推進していく時期に来ているのではないかと考えます。まだ、課題もあると聞いておりますが、札幌市の子どもたちが健やかに成長・発達するために、育ちをどのように支え、進めていくのか、しっかりと研究していただき、前進していただくことを求め、私の質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、SNSを活用した相談体制の構築についてお伺いいたします。  先月、2月27日の本会議での小口議員の代表質問においてもSNSを活用した相談体制についてお伺いいたしましたが、ことしに入ってから全国の自治体でもかなり動きが出てきておりますので、きょうはもう少し具体的にやりとりをさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。  皆さんもご案内のとおり、子どもの不安や悩みの相談につきましては、これまで面談とか電話、メールによる相談事業が全国的に行われております。しかし、昨年10月に、神奈川県座間市で、男女9名の遺体がアパートで見つかるという余りにも痛ましい事件が発覚いたしました。さらに、被害者は全て15歳から25歳という若い世代で、SNSの一つであるツイッターを通じて犯人と知り合い、殺害されたという事件でございます。  国も、二度とこのような悲惨な事件を起こしてはならないと、いまや、若い世代のコミュニケーションツールとして完全に定着しているとも言えるSNSを活用した相談体制について、緊急的に整備を急いでいると承知しているところでございます。文科省では、早速、平成29年度の補正予算にLINEなどSNSを活用した相談体制の構築事業を計上しました。総額2億円で、20カ所でございます。さらに、現在、参議院で審議中の来年度予算案にも同様の予算案が盛り込まれております。このほか、厚労省も、自殺対策で、今現在、補助メニューを活用した事業を全国で展開しておりまして、札幌市の男女共同参画のほうでもこのメニューに基づいて事業を行っていると承知しております。  私も、昨年12月に、全国に先駆けてSNSを活用した相談事業で成果を上げた長野県の教育委員会を訪問しました。昨年、長野県が2週間限定で行った中高生対象のLINEを活用したいじめ・自殺相談、その名も「ひとりで悩まないで@長野」と言いますが、これについて調査してまいりました。長野県の担当者いわく、昨年は1年間の電話相談件数が県全体で259件だったが、LINEを使った相談を受け付けたところ、何と、わずか2週間で1,579人のアクセスがあった、ただ、相談体制の限界もあって実際の相談件数は547件だったそうでございますけれども、そこまで相談件数が上がった、このようにおっしゃっておりました。また、長野県の担当者は、これまで、長野県は若者の自殺の件数が非常に多いことが悩みだった、今回、こうしたSNSを活用しての相談事業を行って、若者がさまざまな悩みを一人で抱え込まずに打ち明ける機会になっただけでも相当な意味があったと思っていると、しみじみと語っておられました。  この長野県の取り組みは、全国的にも大変注目されまして、現在、全国の自治体でSNS相談事業の設置に向けて動き出しておりますし、国も異例とも言えるスピード感で緊急の補正予算を組むに至っております。やはり、時代の変化を的確に捉えて、子どもの悩みを受けとめるツールとしてSNSを活用した相談窓口の設置を積極的に進めるべきと思います。  そこで、最初の質問でございますが、SNSを活用した相談体制の構築が求められてきた背景についてどのようにご認識か、お伺いいたします。 ◎和田 児童生徒担当部長  SNSを活用した相談体制の構築が求められてきた背景についてお答えいたします。  平成30年2月に公表されました国の調査によりますと、スマートフォンを利用している子どもの割合は、小学生で3割程度、中学生で6割程度、高校生では9割程度との実態が報告されております。多くの子どもがコミュニケーションの手段としてスマートフォン等を日常的に利用しておりまして、電話やメールによる相談とあわせて、SNSを活用した相談窓口の可能性について検討されているものと認識しているところでございます。 ◆前川隆史 委員  さまざまな不安や悩みを抱える子どもに対して、相談体制の充実には、もちろん、今お話ししたSNSだけではなく、相談に係る多様な選択肢を用意して問題の深刻化を未然に防止していくことが必要であると思います。教育委員会においても、現在、24時間体制で電話やメールでの相談を受け付け、子どもや保護者に相談窓口の周知を行っているほか、学校にはスクールカウンセラーを配置するなど、子どもが安心して相談できる体制づくりに努めていることは承知しているところでございます。  そこで、質問でございますが、札幌市教育委員会における相談体制の成果と課題についてお伺いいたします。 ◎和田 児童生徒担当部長  教育委員会における相談体制の成果と課題についてでございます。  教育委員会におきましては、子ども一人一人に相談体制のカードを配付するなどして周知に努めているとともに、スクールカウンセラーの配置を充実させていることから、電話相談やスクールカウンセラーへの相談件数が年々増加しているところでございます。そのような中、不安や悩みを誰にも相談できない子どももいることから、個別の教育相談の中で悩みを抱え込まずに相談することの重要性を伝えるなどして、きめ細かな対応に努めているところでございます。 ◆前川隆史 委員  今、相談件数も着実に伸びているというお話もございましたが、これまで、また現在も含めて、教育委員会がきめ細かな対応に努めてきていただいていることに対しては敬意を表したいと思います。  しかしながら、悩みを抱える子どもにとっては、やはり、先ほどからお話が出たような時代の変化がございまして、使いなれているコミュニケーション手段であるSNSを活用した相談窓口があれば、いつでも気軽に相談ができる、そういったことにつながってくるのではないかと思います。  ちなみに、私は、息子が1人おりまして、高校2年生ですが、私が息子にメールを送っても、100%、返信は返ってきません。でも、LINEで送ると、なぜか、ほぼ100%で返信が返ってきます。実は、きのう、控室で午後8時過ぎまでこの質問を黙々とつくり、やっとできまして、家で一杯飲もうかなと思って帰りましたら、たまたま息子の友達が我が家に来ておりまして、勉強という名目でゲームしておりました。そこで、これ幸いに、おじさんの話を聞いてくれないかということで、相談事業等について率直に聞いてみました。  ちょっと耳が痛い部分もあるかと思いますが、我慢して聞いてほしいと思います。  まず、日ごろ自分たちが使うことも含めて、メールでの相談はどうだいと聞きますと、メールなんてないに等しいとまず即答されました。きっぱりと、誰も使っていませんというお話でございます。私は、メールもLINEもそんなに変わらないでしょう、文字をぱちぱち打って送って返すのに何がそんなに違うのかと聞いたら、誰も使っていないのだからわざわざ使う必要はないでしょうと明快なご答弁をいただいて、私はぐうの音も出ませんでした。
     次に、電話はどうなのだと聞きましたら、そもそも電話すら使っていません、電話を使っていないから、電話帳もありませんと。スマホに電話帳の機能は入っているけれども、お父さんとお母さんの名前だけで、友達の番号を聞くこともないし、教えることも一切ないと言っていました。  私は何も言い返せなかったのですが、今の子どもたちが悩み相談で面談に行ったりメールすることはないと思いますよと言っていました。これは私が言ったのではないですよ。子どもたちが言っていました。  そして、私が聞く一方だったのですが、今度は逆質問をされました。新しい技術がとっくに普及しているのに、何で使わないの、子どもがつながれないやり方でどうして結果が出るの、実際に結果が出ているのと聞かれまして、私は全く答弁できずに、何かぼちぼちいいみたいなんだというふうに答弁したのですが、そんな話です。  最後に、実は私もショックを受けたのですが、私の息子の友達が5~6人いて、親しい親友だった同級生が、昨年JRで身を投げて命を絶ったという事故があった、そのときの葬儀の様子がショックで今でも忘れられない、顔も見られなかった、報道等は控えられていたけれども、僕たちは真相をわかっているつもりですと。そして、こうも言っていました。もし、おじさんが言うようなSNSの相談体制があれば、もしかしたら相談していたかもしれないと思うと、このように素直な心で明快におっしゃっていたので、お伝えしたいと思います。  もちろん、子どもたちが言った言葉や私が聞いた話が、全国の子どもたちの平均的な思いや意見を象徴しているとは言いません。今の相談体制もすばらしいし、件数も伸びています。しかし、プラスアルファで、今の時代の子どもたちの立場に立った取り組みも検討していかなければいけないのではないか、このようにしみじみと思った次第でございます。  そこで、最後の質問になりますが、教育委員会として、SNSを活用した相談体制の構築について、今後どのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎和田 児童生徒担当部長  SNSを活用した相談体制の構築についてでございますけれども、SNSを活用する子どもからの相談につきましては、スマートフォン等を所有しない子どもへの配慮も必要であるとは存じますが、委員のお話にもございましたとおり、スマートフォンが子どもたちにとって身近な存在になっていることから、より気軽に利用できる相談窓口の一つとして考えられるものと認識しております。  教育委員会といたしましては、子どもが一人で悩みを抱え込まずに相談することがやはり重要であると捉えておりまして、今後、先行事例における成果や課題等を踏まえて、SNSの活用を含めた多様な相談体制のあり方について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆前川隆史 委員  検討を進めるという言葉がありましたが、私は、進めるというところが非常に心にしみ込みましたので、どうか、ギアをハイトップに入れて最高のスピード感で検討を進めていただけるように、よろしくお願いしたいと思います。  長野県がLINE相談の検証をしておりますが、成果として上げていたのは、一人で悩む子どもたちに潜んでいた潜在的な相談したい気持ちを掘り起こすことができた、これは、SNSが気軽にアクセスできる相談ツールとして有効だったと言っていました。また、悩みの芽を早期に摘み取って、子どもの悩みを解決可能な時期に解消し、深刻な事態に陥ることを回避できることにつながったのではないか、このように総括しているとおっしゃっておりました。これは、電話相談に比べて子どもたちの身近にある相談がふえたということにもあらわれていて、一番多かった相談内容が学校の成績と恋愛だそうです。この事業の名称はいじめ・自殺相談なのですが、一番多かった相談が成績と恋愛で、2番目が友人関係と自分の性格の悩み、3番目がいじめの悩み、あわせて学校と先生に対する悩み、4番目が家族に対する悩みだったそうでございます。  また、皆さんがどう思われたかわかりませんが、今回、国では、非常に早い対応をしました。実は、昨年12月にはすぐに国に呼び出し、この内容はどうだったのかと相当緻密かつ綿密に長野県から聞き取りをやっています。そして、年明けにはもう自分たちの事業を立ち上げて、全国に通知し、2月には補正予算を成立させています。また、手を挙げた全国の自治体は、LINE株式会社とかカウンセリングセンターと一緒に昨年暮れに全国協議会を立ち上げ、新しい取り組みですからしっかり情報交換してやっていきましょうということで研修会も行うなど、そういった動きも既に始まっております。  実は、この間の新聞報道にもありましたが、本市では、何と、男女共同参画センターが2016年からLINEを使った相談事業、ずばりガールズ相談を既に始めておりました。先般、私たちが東京のLINE本社に伺ってきたときも、2016年の時期にやっていたのは札幌市の男女共同参画センターだけです、大したものだ、すごいですねと褒められてきました。また、これをやり始めたきっかけは、若い職員からの提案でした。これからの若い人は電話なんかではだめだ、LINEでコミュニケーションをとっている、こういうものを使おうということで男女共同参画センターのこの事業が始まったそうで、大変すばらしいと思いました。  先日の読売新聞にも掲載されていましたが、今、SNS上には、若者の死にたいという投稿やツイッターのつぶやきであふれ返っているそうです。また、主要先進国の若者の死因第1位は、他国が事故なのに対して、日本は自殺が第1位で突出しています。先般、文科省の担当者が来まして、SNSの相談事業は若者の命を守る最後のとりでだと考えております、だから、今、真剣にスピード感を持ってやっています、このようにおっしゃっておりました。  確かに、SNSの相談事業は課題もたくさんあると思います。だからこそ、札幌市の教育委員会の中だけで協議するのではなく、先ほどお話ししたように、全国の協議会も立ち上がり、情報交換をする仕組みもいち早くできておりますので、そういったところも含めて、厚労省や文科省とも連携を深めて、スピード感を持って情報を収集し、検討を進めていただきますよう重ね重ねお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私からは、給食の食物アレルギー対応についてと就学援助制度について質問いたします。  最初に、給食の食物アレルギー対応について、3点質問いたします。  食物アレルギーは、患者の約8割を乳幼児が占めるとも言われますが、本市は、政令市の中でも食物アレルギーを持つ児童生徒の割合が高く、小学生では2013年からほぼ横ばいですけれども、中学生ではふえる傾向にあります。遠足のときに子ども同士でお弁当やお菓子の交換を禁止する学校もあると聞いていますが、それほど注意が必要であり、アレルギーがふえているということだと思っています。  そこで、質問いたしますが、学校では、給食での食物アレルギー対応についてどのように行われているのか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  学校給食における食物アレルギー対応についてでございます。  食物アレルギー対応につきましては、学校給食における食物アレルギー対応の手引を作成しておりまして、この手引に基づき、安全・安心な給食提供に努めているところでございます。学校給食の提供におきましては、アレルギー原因食品を除いた除去食、それから、当該給食のかわりとなる代替食の一部提供をしております。また、そういう対応が困難な場合には、家庭からお弁当などを持参していただいているところでございます。それらの選択につきましては、学校給食アレルギー対応依頼書を作成いたしまして、これにより保護者と学校で確認を行っていただいております。 ◆太田秀子 委員  続けて、伺います。  今、除去食などで対応しているということで、全く給食を食べられないとか、一部除去すれば食べられるとか、さまざまだということを伺いました。  質問ですが、家庭からお弁当を持参している、または、食べられないものを自己除去する児童生徒数はどれぐらいいるのか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  家庭から弁当などを持参している児童生徒数でございますが、今年度調査したものによりますと、毎日、弁当を持参している児童生徒は96人、また、主食、副食の一部を持参している児童生徒は1,639人となっております。 ◆太田秀子 委員  私も、学校給食における食物アレルギー対応の手引をネットで見てみましたけれども、そこには、アレルギーを持つ子も含めて、全ての児童生徒が給食時間を楽しく過ごすことができるよう、手引を活用して取り組むことと書かれております。給食のアレルギー対応としての手引ではありますが、食物アレルギー対応食の配慮事項に、弁当の場合として、子どもが持参した弁当は、衛生面や安全面を考えた適正な保管場所、方法を決めて給食開始まで保管する、弁当はアレルギー原因食品と同等の栄養価を確保できる食品選択と献立を保護者に考えてもらうなど、お弁当に関しても記述されております。  また、保護者も、お友達の給食と同じのものを食べさせたいと努力している方も多く、小麦アレルギーのため、パンが食べられない日は米粉でパンを焼いて持たせるなどの工夫をしています。しかし、持参したものを温められないために、メニューによっては冷たいまま食べることがつらいというお話も聞いています。例えば、パスタの麺は食べられるけれども、ミートソースが食べられない場合、親は食べられる食材でパスタソースをつくって持たせますが、麺に冷たいソースをかけて食べることなどがあるというお話です。  そこで、質問いたしますけれども、お弁当等の対応については温めて食べる工夫ができないのかどうか、伺いたいと思います。 ◎平野 学校施設担当部長  お弁当などの対応について、温めて食べるような工夫はできないのかというご質問でございます。  先ほど委員からもご指摘がありましたとおり、食物アレルギー対応の手引におきましては、弁当などの場合には、衛生面、安全面を考えた適正な保管場所、方法を決め、給食開始まで保管するとなっております。各学校では、児童生徒の食物アレルギーの状況や対応する職員の体制を考慮いたしまして、保護者同意のもとで、安全面を最優先した対応を行っていただいているところでございます。同様に、例えば電子レンジ等で温めることにつきましても、他の食材と接触する可能性もございますことから、あくまで安全面を配慮した上でそれぞれ個別の対応をしていただいております。 ◆太田秀子 委員  それぞれ個別に対応していただいているというお話でした。  学校給食は、一般的には昼食として子どもたちのおなかを満たす食事と捉えられがちですが、学習指導要領では教育の一環とされ、授業で使う教材や文房具などと同列に教育の必需品とされています。給食が食べられない場合のお弁当であっても同じだと思っています。アレルギー対策は、お話があったとおり、私も安全が第一であると思います。用心深く慎重な取り組みでなければなりません。そのご苦労もよくわかります。それと同時に、手引にあるように、全ての児童生徒が給食時間を楽しく過ごすことができる、できればどの子も温かい給食、お弁当を食べられるように、引き続き、工夫をしていただきたいと申し上げて、次の質問に移ります。  就学援助制度について、4点質問いたします。  2016年、全国で生活保護以下の収入で暮らす子育て世帯が過去20年で倍増しているとの報道があり、子どもの貧困の深刻化が明らかになりました。私は、子どもの貧困対策の一つとして就学援助制度の拡充も大事だと考えております。  そこで、質問いたします。  就学援助制度のお知らせは入学説明会など2月に行っておりますが、申請は、新学期や入学時だけではなく、年度途中でも申請することができます。本市では、年度途中での申請がどのような割合であるのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  年度途中で就学援助を申請した方々の数についてでございます。  平成28年度の就学援助を申請した児童生徒数は、2万2,043人となっております。このうち、年度途中に申請した児童生徒数は1,668人で、申請者全体の約7.6%に当たります。 ◆太田秀子 委員  約7%が年度途中だということで、割と多いほうかなと思いましたが、2016年に本市が行いました札幌市子どもの貧困対策計画の策定にかかわる実態調査によりますと、就学援助制度を利用したことがある、利用していると答えた世帯が166世帯であるのに対し、制度を知らなかったと答えている世帯は30世帯でした。就学援助の本市の認定基準は、その収入が生活保護基準の1.1倍までとされています。本市の生活保護の補足率は、2015年のデータを見ますと38.2パーミル、3.82%です。生活保護を利用できる収入しかなく、生活保護基準以下で暮らしている世帯のうち、3.82%しか生活保護制度を利用していないという数字です。そして、就学援助の受給率は、2016年度の資料ですが、15.28%です。  そこで、伺いますけれども、就学援助の申請を促すために、入学時や毎年度の進級時だけではなく、学期ごとなどにもっと細かく知らせるとか、学校のお便りに載せてもらうなど、年度途中でも制度の周知を行うべきだと思いますがいかがか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  就学援助の申請を促すために、年度当初だけではなく年度途中でも制度の周知を行ってはどうかというご質問についてでございます。  年度の途中に児童生徒が転入した際や、家庭の経済状況の変化を把握した際などには、各学校において就学援助の案内を行っているところでございます。今後も、時期や方法なども含めまして、就学援助制度のより効果的な周知のあり方について検討してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  転入してきた際には案内を行っているということでしたが、知らなかったという世帯もありました。該当しないだろうと思っている方もいると思うのですが、方法も含めて、もっと多くの方に周知していただきたいと思っています。  次に、入学準備金について伺います。  中学生の場合は、2017年3月から入学前支給が実現してとても喜ばれています。小学校入学も、入学の準備をする時期に支給してほしいと期待されております。  そこで、小学校入学準備金の入学前支給を早期に実施すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  小学校入学準備金の入学前支給の早期実施についてでございます。  小学校入学準備金の入学前支給については、現在、申請の手続や支給方法などの検討を進めているところでございます。実施に当たっては、十分な周知期間を設けた上で、さまざまな機会を通して援助を必要とする家庭にしっかりと制度の内容をお知らせすることが重要であると考えております。今後とも、小学校入学時における家計の負担を軽減するため、入学前支給に向け、引き続き準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  今、検討を行っているということです。周知期間も長くとりたいということですので、早くその結果を出して進んでいただきたいと思います。  子どもの貧困対策計画の策定にかかわる実態調査では、家計の状況について、ぎりぎりと赤字を合わせた割合は62.6%にもなっておりました。制度を周知して、今、該当するけれども、利用していない人に利用してもらうことも大事ですし、入学準備金を前倒しで支給することも大事です。そして、基準に該当しないけれども、生活が大変だという実態について、本市がどうしていくのかが問われると思うのです。  そこで、最後の質問ですが、就学援助基準は生活保護基準の1.1倍です。この基準を拡大するか、もしくは、社会保険料などを控除する前の収入を基準にして1.1倍としているところを、社会保険料などを控除した後の所得の1.1倍にするなど、認定基準を拡大すべきだと思います。  また、2017年、札幌市就学援助審議会の答申でも出されましたけれども、持ち家世帯に適用する特別基準の廃止、クラブ活動費やPTA会費など支給費目の追加を実施すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  認定基準額の拡大、持ち家世帯に適用する特別基準の廃止及びクラブ活動費やPTA会費などの支給費目の追加についてでございます。  就学援助の認定基準や支給費目につきましては、就学援助審議会の答申を踏まえて決定しているところでございます。就学援助の認定基準や支給費目のあり方につきましては、答申の趣旨を踏まえ、今後も引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  答申の趣旨を踏まえてということですので、持ち家の特別基準は廃止したほうがいいのではないかという答申が出ていますから、ぜひご検討ください。  代表質問で、我が党の子どもの貧困対策の質問に対して、副市長は、困難を抱えている子どもや世帯の暮らしの支援に力を尽くしていく所存と答弁されました。市長は、市長提案説明の中で、子どもの貧困対策計画の策定に伴う支援の充実や札幌の未来を担う子どもたちへの投資を積極的に進めてまいりますと述べています。これらの答弁や説明を実行するために、まず、就学援助の拡充で家計を直接支援するべきであると申し上げ、私からの質問を終わります。 ◆こんどう和雄 委員  私からは、学校施設の耐震化の取り組みについて質問させていただきます。  私は、市民に対する公約、政策の一つとして、災害に強く安全・安心で住みよいまちづくりを掲げて活動してまいりました。市議会では、耐震化プロジェクトのメンバーの一人として、全議員のご協力をいただき、平成18年2月21日、札幌市住宅耐震化促進条例を議員立法によって条例制定にこぎつけたという経緯がございます。この間、学校施設の耐震化にも全力投球して、おかげさまで、私の地元豊平区では、昨年8月4日、中の島小学校が50周年を記念して改築を完了いたしました。平成30年には、月寒東1条16丁目にある羊丘小学校が改築工事に着手いたします。  学校の耐震化は、言うまでもなく大切な子どもたちのとうとい命を守ることと、もう一つ、学校は災害時に地域の大切な避難場所となります。先日、3月11日、東日本大震災発生から7年が経過いたしました。熊本地震は4月14日で2年を迎えます。私は、東日本のほうには4回、そして熊本には2回にわたり、つぶさに視察してまいりました。忘れてはならないのは、平成17月1月17日に発生いたしました阪神・淡路大震災でありまして、神戸市が大変な打撃を受けました。154万人の神戸市民がいらっしゃいますが、地震によって6,434人のとうとい命が亡くなっております。約24万棟に及ぶ建築物が倒壊等による甚大な被害をもたらしました。この教訓を踏まえまして、同年10月に建築物の耐震改修の促進に関する法律が制定されました。その後も、全国各地で大地震が頻発しておりまして、平成16年10月に発生した新潟県中越地震を契機に、平成17年11月に耐震改修促進法が改正されました。Is値が0.6以上であれば建物が倒壊あるいは崩壊する危険性が低いと判断されますが、耐震改修促進法の改正を踏まえて、札幌市では、平成18年2月に議員立法により札幌市住宅耐震化促進条例を制定したことを契機に、市内の住宅や建築物の耐震化支援を行い、災害に強いまちづくりを推進してきたところであります。また、市有建築物については、平成19年1月に、緊急かつ重点的に耐震化を進めるための市有建築物耐震化緊急5カ年計画を策定し、鋭意、耐震化を進めてまいりました。  札幌市内には、本当に起きてはいけませんが、月寒伏在活断層による最大震度7クラスの地震が想定されております。とりわけ、きょう質問いたします学校施設については、平常時の利用はもとより、災害時の拠点施設としての機能保持の観点から耐震性の確保が最も重要で、それを強く求められております。また、東海地震や首都直下型地震についても、発生の切迫性が指摘されて、一たび地震が発生すると大変甚大な被害が及ぶことは間違いないと想定されております。  そこで、学校施設における耐震化の状況についてお伺いします。  学校施設の耐震化については、鋭意、計画的に進めていただいており、平成33年度には全ての学校の耐震化が完了する予定と伺っております。現時点において、予定どおり進められているのかどうか、まず、確認いたします。 ◎平野 学校施設担当部長  学校施設における耐震化の状況についてでございますが、耐震化のうち、補強工事によるものについては平成27年度に完了しており、現在は改築による耐震化を計画的に進めているところでございます。現時点におきまして、耐震化が完了していないのは全部で9校ございまして、このうち、7校につきましては既に工事あるいは設計に着手しております。また、残る2校につきましても、来年度から設計を始め、予定どおり平成33年度には工事を終える見込みとなっております。 ◆こんどう和雄 委員  学校施設の耐震化については、答弁いただきましたとおり、ぜひ、計画をおくらせることなく、目標の100%達成を推進していただきたいと思います。  ところで、建物本体の耐震化が完了している施設においても、大規模な地震時には天井材や壁材あるいは窓ガラスなど、いわゆる非構造部材と言っておりますが、これが破損して落下するなどのより大きな被害が生じております。私が窓ガラスの落下防止に関する事例を調査して判明したことは、平成17年3月に発生した福岡県西方沖地震において、市街地にあるビルのガラスが割れ、道路に大量に落下する事態が発生しました。これを機に、地震発生時の窓ガラスの落下、飛散による人身事故の危険性が改めてクローズアップされ、問題視されるようになりました。こうした非構造部材の安全対策の重要性は、以前より指摘されております。文部科学省では、これに対して、平成28年に起きました熊本地震における被害の状況を踏まえ、学校施設における非構造部材の安全対策の着実な実施について示しているところでございます。  そこで、最後の質問ですが、非構造部材の安全対策について、現在の取り組み状況をお尋ねいたします。 ◎平野 学校施設担当部長  ご質問のありました非構造部材の安全対策の取り組み状況についてでございますが、非構造部材のうち、落下などが生じた場合に重大な事故につながる可能性の高い屋内運動場や格技場などの大規模空間の天井につきましては、今年度までに全ての学校で落下防止対策が完了しております。その他の天井材、それから、壁材、窓ガラスなどの非構造部材につきましても、文部科学省より示されております具体的な点検項目に基づきまして、今年度より学校と連携しながら定期的な点検を実施しているところでございます。  今後、これらの点検結果に基づきまして、必要な修繕などを進めていくほか、予防的な維持、保全のための基礎資料として活用することで、学校施設のより一層の安全確保が図られるものと考えているところでございます。 ◆こんどう和雄 委員  最後に、要望で終わります。  学校施設の安全対策については、着実に取り組まれていることがわかりました。ありがとうございます。  本市においても、約320もの学校施設がございます。また、老朽化が進んでいる施設も数多くあることから、全ての学校施設について安全性を維持していくことは、教育委員会にもご苦労が多々あるのではないかと思います。先ほどのお話のとおり、学校施設は、言うまでもなく、地震などの災害発生時において、子どもたちのとうとい命を守り、あるいは、避難施設にもなるものでございます。こうした役割を担うという意味では、本当にご苦労ですけれども、これからも安全性を確実に担保していただかなければなりません。私どもも、今後も引き続き最大の応援をさせていただきますので、効果的・効率的な手法を工夫しながら学校施設の確実な安全確保に努めていただくことを求めまして、午前中の質問を終わります。 ○こじまゆみ 委員長  ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後0時2分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○村上ゆうこ 副委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆長谷川衛 委員  私からは、算数にーごープロジェクト事業について、もう一つは、教員の長時間労働対策について、2項目を質問させていただきます。  最初に、算数にーごープロジェクト事業についてであります。  札幌市における少人数指導、算数にーごープロジェクト事業は、2016年に5校、2017年には10校の研究推進校において実践研究が進められてまいりましたが、この2年間の研究成果を踏まえて、新年度から小学校全校で実施するとしています。  我が会派では、これまで、文教委員を中心にしながら、3校の研究実践校を数人で視察してまいりました。私も、手稲区の前田小学校において5年生の授業を参観してきました。このクラスは、38人のクラスを19人ずつのクラスに分けて、分数割る整数という単元を担任の先生と講師の先生が同じ教材を使って展開する授業でありました。両方とも授業を半分ずつ見せていただきましたが、感想としては、やはり19人という非常に少ない人数での授業でしたので、子どもが疑問に思ったことや考えたことを積極的に発表しやすい、そんな環境が整えられているなという感想を受けました。また、指導者の目が一人一人の学習状況に行き届いて、一層、個に応じた適切な指導が可能になるなということも感じたところでございます。  そこで、最初の質問でございますが、これまでの研究成果を踏まえ、算数にーごープロジェクト事業を5・6年生という高学年において全小学校で行うことの目的について、改めて伺いたいと思います。 ◎引地 学校教育部長  算数にーごープロジェクト事業の目的についてでございます。  小学校高学年になりますと、協同的な学び合いがより効果的に進められるようになることに加え、算数の学習においてはより論理的な内容となることから、5・6年生を対象に25人程度の少人数による指導を行うことで、学習への意欲や論理的思考力を高めることを本事業の狙いとしております。  なお、研究推進校におけるモデル研究においては、主体的に学習に取り組む態度や、学んだことを活用して解決に向かう力が育まれるなどの成果が見られたところであり、来年度は全ての小学校で導入することとしております。 ◆長谷川衛 委員  今、引地部長から答弁がありましたが、私は、やはり少人数指導というのは大きな意義があるなということを改めて感じています。後ほど述べますが、基本的には、一部だけではなくて、全てを少人数でいろいろ教えられるのが理想だと思いますが、なかなか壁が大きいと思います。  もう一つ、私の考えでは、5・6年生を選んだというところに大きな意味があるのではないかと思っています。ご存じのように、特に、算数は好きになるのも嫌いになるのも極端な教科なのですね。一番好きな教科は何ですかと言ったら、やはり算数が多いのですよ。それから、一番嫌いな教科はと聞いても算数が多いのです。分かれ道になっております。特に5・6年生の分野というのは、小数、分数、それから、割合、比例、反比例、拡大図、縮図など図形の問題が出てきて、これが意外と大きなつまずきになってしまい、算数が嫌いになることによって勉強全体が嫌いになっていきます。ですから、5・6年生というのは、何ていうか、大きな意味を持っている非常に大事な年齢なのですね。そこに焦点を当てたことは、私は大変いいのではないかと評価しております。  さて、次の質問ですが、今後、この事業の目的を達成するためには、子どもがさまざまな考えを出し合いながら、学び合い、高め合う中で意欲や思考力を向上させていくことが重要だというふうに思います。目的から考えれば、本事業における少人数指導のためのグループの分け方として、いわゆる習熟度別によるものはなじまないと私は考えております。  モデル校の授業では、どの教室においても、テレビ画面に字やグラフ、表などの資料を提示して子どもの疑問を引き出すとともに、疑問の解決に向けた思考を促すことを意図した共通の教材を用いて授業が行われていました。同じ教材を用いる中でも、子どもの実態に合わせて教師が指導の方法を創意工夫することが重要だと私は考えています。また、指導者の個性が発揮されることも当然のことであります。  しかし一方で、全ての学校、教室で、本事業専用の共通教材を使用した指導を行うとなると、ややもすると授業が画一的な指導にならないのかなという懸念もあります。教師によっては別の教材を使用することも考えられ、にーごープロジェクト事業の共通教材に寄らず、教師が子どもの実態に合わせて創意工夫して指導する授業も必要ではないかというふうにも私は思います。  そこで、質問ですが、算数にーごープロジェクト事業においては、少人数グループをどのように編成していくのか、また、専用の教材の活用に対する考え方について伺いたいと思います。 ◎引地 学校教育部長  算数にーごープロジェクト事業におけるグループ編成と教材の活用についてでございます。  本事業は、個々の意見を出しやすい少人数の中で、多様な考え方に触れながら学習を進め、学ぶ意欲や思考力等を育むものであり、習熟度によらず、25人程度のグループを編成することとしております。本事業用に作成した共通の教材は、5・6年生の算数のほぼ全ての授業について準備しておりますが、本事業においては1年間に行う算数の授業の6割から7割程度で活用することを想定しております。共通の教材は、全ての先生方が少人数のよさを生かした課題探究的な学習を効率的に進めるために作成したものであり、この教材の意義を共通理解した上で、子どもの実態に合わせて工夫を加えたり新たな教材を開発したりして、より一層、授業の充実を図ることが大切であると認識しております。 ◆長谷川衛 委員  今、答弁がありましたが、専用教材は、準備はしているが、大体7割ぐらいで活用するということでした。  ただ、私は、事前に今回の推奨単元の一覧をもらいましたが、見ると、やはり大事な分野を網羅しているな、先ほど私が申し上げたようなつまずく単元がきちんと網羅されているなと思って、安心しております。  ただ、ご存じのように、さっき言ったような5・6年生の単元は、過去から、非常に熱心にいろいろ取り組んでいる先生が多いのですね。ですから、教材にしても教具にしても、いろいろ開発している先生が結構多いのですよ。シェーマと専門的に言っていますが、画面ではなくて、プラスチック板を使ったり、実際に目に見える物や水槽を使ったり、さまざまな方法がありますので、やはり、せっかく築き上げてきた先生方のそうした実践というのはぜひ生かしてほしい、このことを要望しておきたいと思います。  次に、来年度から算数にーごープロジェクト事業を全ての小学校で導入することとなりますけれども、講師の確保は大丈夫なのかなと。かなりの数が必要ですし、また、新たな取り組みということもありますから、先生方への負担がふえると、またもう一つの労働の問題との関係があって、余りふえると困るなという思いもあります。今後、全ての学校において、指導に当たる学級担任や講師が戸惑うことなく円滑に導入が進み、子どもへの一層の教育効果につながるものとなるよう、授業の狙いや運用方法について十分な周知を進める必要があると考えております。  そこで、この項目の最後の質問ですが、今後、教育委員会として、全ての小学校において算数にーごープロジェクト事業を円滑に運用できるようにするために、講師の確保を含め、体制づくりにどのように取り組んで行く予定なのか、伺いたいと思います。 ◎引地 学校教育部長  算数にーごープロジェクト事業の体制づくりについてでございます。  体制づくりにつきましては、1人の非常勤講師が1週間に28時間指導した場合、76名分となる予算を計上し、学校の協力を得ながら退職教員等を非常勤講師として配置することとしております。また、各区には、非常勤講師がお互いの実践を情報交換したり、指導方法の研修を行った際の取りまとめ役となる講師も配置する予定としております。
     今後、教員や非常勤講師などを対象とした説明会や研修会を開催するほか、教師用リーフレット等を配付するなどして、本事業の円滑な運用に努めるとともに、本事業の検証、改善を進め、より教育効果を高めてまいりたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  チームを組んでやることになりますが、やる過程の中でまた課題が見えてくるかもしれませんので、やはり、次に生かせるような取り組みを行ってほしいというふうに思います。  トータルで考えますと、最初に言いましたように、本来、少子化と言われる中で、国が標準法を変えて学級編制基準や教員定数に大胆に踏み込んでいかなければならぬことで、なかなか難しい課題だと思います。やはり、理想は25人ぐらいのクラスが一番いいですよ。ただ、皆さんも知っているように、そのためには財源、人材確保というさまざまな課題があることを承知しておりますので、やはり、国にはしっかりと意見を言ってほしいと思います。  ただ、もう一つ、実は、私は、このモデル事業を始めたときに非常に疑問を持っていました。にーごープロジェクト事業には賛成できないなと。なぜかというと、下手をすると、モデルということで何年間も研究推進校だけで進めていくのではないかなと。10年も20年もモデル校でやるのなら意味がないので、やるのであれば全校で実施してほしいと思っていました。財政局も来ておりますが、今回、思い切って踏み出したということを私は高く評価しておりますし、今後も、5・6年の算数だけではなくて、やれるところを少しずつ広げてほしいということも要望しておきたいと思います。  この件については、終わりたいと思います。  次に、昨年の第3回定例会の決算特別委員会の中でも取り上げました教員の長時間労働対策について質問いたします。  まず、1点目は、小学校の公開研究会の準備と勤務時間との関係についてであります。  教員の長時間労働対策について、私は、小学校においては、公開研究会の進め方について課題があると指摘いたしまして、公開研究会の準備と勤務時間との関係の認識と今後の取り組みについて質問したところであります。答弁では、公開研究会は、授業改善に有効であるが、授業の準備等が勤務時間外に及ぶなどの状況もあることから、公開研究会の意義や目的を校内で共有するとともに、時間の有効活用や諸準備の精選によって教員の負担軽減を図るよう、各学校に働きかけるとの答弁でありました。これに対して、私からは、教育委員会として、公開研究会の実施にかかわり、長時間労働になっている状況がないかどうか、まずは調査することを求めたところであります。  そこで、質問ですが、公開研究会の実施にかかわる長時間労働の実態をどのように把握しているのか、また、それに対してどのような取り組みを行ってきたのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  小学校における公開研究会の実施に係る長時間労働の実態と取り組みについてであります。  今年度、公開研究会を開催した小学校のうち、20校を対象に調査を実施したところ、会議の削減や資料の精選等の計画的な取り組み、特定の教職員に業務が集中しない役割分担の工夫など、負担軽減を図っていた事例が見られました。しかしながら、勤務時間外に運営に関する会議等を行っていた学校もあり、改善すべき課題があると認識しております。  これまで、公開研究会の実施につきましては、その意義や目的に加え、教職員の負担軽減について、各種研修会等を通し、学校長に対して周知するとともに、札幌市教育研究推進事業において、各学校の研究担当者に対し、校内研修を計画的、効率的に進めるよう示してきたところでございます。今後も、各学校において、工夫、改善を図った事例を紹介するなどして教員の授業力の向上を図りながらも、教職員の負担が軽減されるよう引き続き働きかけを行ってまいりたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  この対策として、引地部長も、それから檜田部長からも、会議などの場でこの辺の指導を行っていることは私も聞いております。  ただ、私が心配するのは、前回もお話ししましたが、やはり、今、本務が大変なのです。本務とは何かというと、目の前にいる子どもたちをいろいろ観察しながら、子どもたちが置かれている状況をよく見る、そして、何か心配なことがあれば子どもに働きかける、声をかける、それから、授業の準備をする、保護者への対応をする、本当にやらなければならないことが山積みです。そんな中で、教師は研究というのは好きですから、研究していれば誰も文句を言わないだろうという気持ちはあるのでしょうけれども、私が言っているのは、極端な公開研究会を頻繁に行うとどうなるかということです。これは、皆さんも実態調査をしてわかったと思いますが、特定の学校はやはり相当な長時間労働になっているし、校務外労働もかなり多いと思います。  私は、現実に調査して、もしこういう学校があるとわかったならば、一般論ではなくて、やはり、学校の労務管理をやるべき校長に対して直接指導を行ってほしいと思うのです。これを見放してしまうと、悩みを抱えて、またさまざまな問題が起きるのですよ。ですから、その辺は事前にしっかりと把握してほしいと思うのです。  私は、自分の経験から言うと、研究会で忙しくなればなるほど、生徒をほったらかすのです。私も、目の前で見てきましたし、自分はそういうふうにしないだろうと思っているけれども、してしまうケースもありました。それは、提出しなければならない、あれも書かなければ、これもやらなければならないというときに、子どもが「先生、先生」と言って来るのです。「うるさい」と言うのですよ。「おまえら、ちょっと後にしろ」と言うのが往々にしてあります。やはり、今、本当に子どもに寄り添わなければならないと言われているときに、それも本務外のためにそういうことが起きてはならないということを私は言いたい。ですから、この辺でしっかりとした実のある取り組みを行ってもらいたいと思います。  次に、2点目は、中学校の部活動についてであります。  今後、教員がゆとりを持って児童生徒に向き合う時間を確保していくことがますます必要とされる中で、部活動についても、学校現場の実情を踏まえながら必要な見直しを図っていくことが重要であると考えます。札幌では実施しておりませんが、先日、名古屋市では小学校の部活動を全廃するとの報道があって、今、大きな社会問題になっています。小学校でもやっている都市が幾つかあるようでして、これは、教員の多忙化を解消するとともに、どのようにして授業に向き合う時間を確保するかということで、今後、私は注目しています。  3定の決算特別委員会では、部活動における練習時間や休養日の設定を含め、生徒と教職員双方の負担を踏まえた部活動のあり方について、市教委として精力的に検討を行うとの答弁をいただいたところであります。  そこで、質問ですが、3定以降、市教委として、中学校の部活動に対してどのような取り組みを行ってきたのか、伺いたいと思います。 ◎檜田 教職員担当部長  3定以降、市教委として中学校の部活動に対してどのような取り組みを行ってきたかということについてでございます。  教員の長時間勤務や多忙化の問題につきましては、昨今、全国的に喫緊の課題となっておりまして、一部の部活動においては、休養日の未設定や長時間の活動が常態化している等の傾向も依然として見られ、生徒への安全面、健康面、指導に当たる教職員の心身の健康維持等への影響が懸念されているところでございます。  教育委員会といたしましても、部活動の狙いや目的を保ちながらも、生徒、教職員双方にとって過度な負担が生じない部活動を実現していくことが必要であると認識しております。  こうした状況を踏まえまして、札幌市立学校における文化系部活動を含めた全ての部活動の練習時間あるいは休養日の設定の基準を定め、昨年11月に各学校に通知し、平成30年4月から本格的に実施する予定にしております。現在、各学校では、生徒、保護者への説明など、本格実施に向けた準備を進めているところでありまして、教育委員会といたしましても、各学校と連携をとりながら基準の浸透、定着に向けた取り組みを着実に進めてまいります。 ◆長谷川衛 委員  部活動については、これまで、市教委がさまざまな観点から検討を進めながら非常に努力していることは十分承知しております。  ただ、きょうの新聞報道では、スポーツ庁の有識者会議で中学の運動部指針案というものを了承したようであります。この中身ですが、今の答弁にあったように、子どもにとっても教員にとっても休養することが大事なので、過度な活動にならないようにという指針とともに、私が注目しているのは、この後半部分で述べられておりますこれからのあり方で、やはり、社会体育というものを視野に入れて検討しなければならないということをこの指針で打ち出しております。  この点では、根本の問題がなかなか解決しないということで大きな原因になっているのは、ある意味では中体連です。私も、議員になってから、校長先生を含めて、中体連の中心になっている先生方と随分長くにわたって意見交換してきましたが、やはり彼らも困っているのですよ。というのは、中体連というのは、歴史的にはもともと地方から始まったのです。戦後、教師の善意で、子どもたちが何とか元気に健やかに育ってほしい、スポーツを通して健全な育成をしようということで始まったのです。そのうちに大会をやろうということになり、地域で大会が始まって、そして、それが全国の大会になっていきました。ところが、問題なのは、全国という組織ができてしまったために、規定も全て上が決めて、引率は必ず教師が行きなさいとか、教師がつかなければだめというふうになってしまっています。その壁がなかなか取り払われないので、この問題というのはなかなか解決しづらい問題なのです。  しかし、学校教育ではアスリートを養成するわけではありません。もちろん、保護者には強くしたいと思う方もいますが、でも、それは、はっきり言うとクラブチームや社会体育の分野なのですよ。ですから、ここのところで私が今注目しているのは、名古屋の今回の問題も、スポーツ庁の出した問題も現状ではもう限界だと出ているわけですから、やはり、教育委員会では、これからは、いかに社会体育へスムーズに移行していくかということを念頭に置いてもらいたいなというふうに思います。  最後の質問になりますが、勤務時間の部分では、現在、国会では働き方改革関連法案の審議が行われておりますけれども、参考となるデータの信憑性が問題になりまして、裁量労働制にかかわる法案を取り下げる経過も今は見られています。昨年12月に文部科学省から公表された学校における働き方改革に関する緊急対策では、タイムカードなどを活用した客観的な勤務時間把握に努めるように示されています。しかし、実態把握は大事なことでありますが、タイムカード方式がよいのかどうか、実態に即して考えるべきであります。また、単に勤務時間を把握しただけでは教員の毎日の作業がふえるだけで、負担軽減にはつながらないのではないかとも考えます。  そこで、質問ですが、勤務時間の把握を含む教員の負担軽減に関する検討状況は現在どうなっているのか、また、今後どのように取り組んでいくつもりなのか、伺いたいと思います。 ◎檜田 教職員担当部長  教員の勤務時間の把握を含む負担軽減に関する検討状況と今後の取り組みについてでございます。  平成29年12月に文部科学省から公表されました学校における働き方改革に関する緊急対策では、タイムカード等により客観的な教員の勤務時間管理を徹底し、勤務時間に関する意識改革を図ることが示されております。  教育委員会におきましても、これまで勤務実態調査を行ってまいりましたが、多忙な学校現場におきまして、教員の勤務時間を適正に把握し、過重労働を未然に防止していくことは必要であると改めて認識しているところであります。  こうした状況を踏まえまして、私ども教育委員会では、まずはエクセルファイル等を活用し、全学校共通の様式、手法による在校時間把握を来年度中には開始できるように調整を進めているところでございます。教育委員会といたしましては、単に在校時間を把握するだけにとどまらず、実態を詳細に分析した上で、各学校の実情を踏まえながら、例えばですが、業務時間外であることをお知らせする電話機能の導入を検討するなど、実効性のある多忙化解消に向けた取り組みをさらに進めてまいりたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  今、部長からエクセル方式という話もありましたが、正しい勤務実態を把握するのは当然必要なことであります。それはタイムカードがいいのか、エクセル方式がいいのか、やはりじっくりと時間をかけて議論して、現場の実態に即したものにしてもらわないと、上がこう言ったからこれでいきますというふうになると、またなかなか問題であります。  勤務実態を把握するということは、当然、これは労務管理での基本ですから、どんな方法であろうが、把握しなければなりません。一つには、長時間労働をいかに解消していくかという問題もありますが、もう一方では、変な話、実は私も何人かの先生の校務災害の申請を経験しておりますけれども、校務災害申請のときに必ず勤務実態を聞かれます。ただ、特に多くの真面目な先生は、長時間労働をやむを得ないものと思っているのです。例えば問題児を抱えたり、日々、さまざまな大変な思いをしている先生方がいて、自分で記録をつけるようにしなさいというのはもう20年も前から言っているのです。何時に行って、何時に帰って、どこで何をしたかだけはちゃんと記録してくださいよと。これは、やはり、教育委員会としても労務管理をする側としても大事なことですから、その上で子どもに寄り添えるためにどう時間を生み出していくか、このことを考えるための方式を現場に即して模索していただきたい、このことを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ◆小口智久 委員  私からは、午前中に松原委員からも質問された札幌市図書・情報館について質問いたします。  我が会派は、多くのビジネスパーソンが活躍する札幌都心において、図書館の持つポテンシャルを生かし、時代に即応した支援を行うビジネス図書館をかねてより提言してきました。平成20年には、ビジネス支援図書館の整備に関する調査研究を行い、また、平成29年第1回定例市議会においても、丸山議員が代表質問したところ、図書・情報館は、多くの人々が行き交う魅力と活力のあふれる都心の新たな交流施設、情報拠点として整備していくとの答弁をいただきました。  札幌市図書・情報館は、気軽に寄れて頼りになる知的空間が誕生しますという触れ込みで、仕事や暮らしに役立つ図書や情報の提供を大きな目的として整備しております。また、ミーティングルームや各種専門的な相談にも対応できる司書も配置され、課題解決型図書館とのことで、私もビジネスパーソン時代に図書館を活用して仕事をしてきた経験から、今後はかなり便利になるなと感じているところでございます。例えば、通常の図書館ではミーティングルームはありませんので、書籍、または借りられないものについてはコピーをとりながら、また、打ち合わせは会社に戻ってから行いますので、そのディスカッションの中で新たに知りたいことが発生した場合、再度、図書館に行って調べなければならないというタイムロス、手戻りみたいなことが生じることがありましたので、それが減っていくのではないかと思っています。また、専門性の高い書籍や文献をひもといていきますと、さらにリファレンス、参考文献を読みたくなるのですが、そのとき、従来の図書館では、外部の専門機関との連携がほとんどないということでございますので、再度、自分で調査、調整して、道立図書館、北大図書館、また学協会などを渡り歩いていくといった非効率な仕事をしてきた覚えがあります。  このようなことから、今回、図書・情報館が目指す専門性の高い仕事や、医療、法律などの暮らしにかかわる複雑な課題の解決には、外部の専門機関にも協力を求める必要があり、関係機関との連携が必須と考えます。そのためには、調査、相談を受ける図書館員が問い合わせ内容を的確に把握するとともに、その解決に向けて最適な機関を選択し、紹介することなどが重要であり、まさに図書・情報館の職員と連携先の専門機関が協力することで質の高い対応が実現するものと考えます。  そこで、質問ですが、専門機関との連携についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎前田 中央図書館長  図書・情報館と専門機関との連携についてでございます。  委員がご指摘のとおり、図書・情報館が取り扱う図書や情報といたしましては、マーケット情報や資格取得に関するもの、医療、健康、法律に関するものなど、専門性の高いものが想定されるところでございまして、これらに関する図書館業務を実施していくためには、我々としましても専門機関との連携は必須であると考えているところでございます。  このようなことから、開館前の準備期間におきましては、市内にどのような専門機関があるかの調査から始め、訪問等により各種機関との関係を構築してまいりました。そして、日本政策金融公庫や行政書士会など、それぞれを招請してセミナーなどの図書・情報館のPRも兼ねたイベントを10回以上実施してきたところでもございます。開館後につきましては、連携をさらに密に図ることとし、共催によるセミナー等を館内において毎月開催することや、さまざまな分野の専門家に来てもらっての出張相談など、図書・情報館ならではの新たな試みを行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆小口智久 委員  ただいまご答弁いただきました連携についてですが、マーケット情報、また資格取得に関するもの、医療、健康、法律、専門性の高いものが想定されますので、まずは札幌市内のどのような専門機関があるのか調査を始めて、また、訪問しながら関係を構築していった、さらに、日本政策金融公庫、行政書士会などとPRも含めたイベントを行ったということでした。そして、開館後も、専門家の出張相談など、新たな試みをさらにまた行っていきたいということでございます。  そういう中で、これらの連携を調整しつつ、さらに現役ビジネスパーソンの調査、相談に直接応えていくのは図書・情報館に配置される職員であります。その役割は大きいと考えられるため、職員数や力量とともに職員の十分な配置が重要であると思います。  そこで、質問ですが、業務に当たる職員の体制はどのようなものか、また、その育成についてどのように考えているのか、伺います。 ◎前田 中央図書館長  図書・情報館の職員の体制とその育成についてお答え申し上げます。  まず、図書・情報館の職員体制についてでございますが、当該施設は、課題解決型図書館として調査・相談対応が主要な業務となる専門性の高い図書館でございますので、その調査・相談業務には司書資格を持った図書情報専門員が従事するものといたしております。そして、この専門員は、本市の他の図書館よりも高い割合で配置することといたします。  次に、職員の育成についてでございます。  図書情報専門員の一部は、既に開館準備のための業務に従事しておりますことから、これまでも、ビジネス支援サービスに関する講習会の受講や先進的な図書館の職員を招いての研修等を行ってまいりました。開館後は、このような研修等を継続的に行うほか、日々の相談対応の内容をまとめ、これを使った勉強会を行うことで、ノウハウの蓄積を図るなどにより司書の育成に努め、図書館サービスの向上に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  今ご答弁いただきましたように、司書資格を持った専門員を他の図書館よりも高い割合で配置する、また、育成についても、講習会の受講、また先進的な図書館の職員を招いての研修会を行ってきて、開館後も継続的に行う、また、日々の相談内容をまとめてノウハウを蓄積し、司書の育成に努めて図書館サービスの向上に当たるということでございました。  最後に、要望になりますが、札幌市図書・情報館は、地域の知的情報拠点に位置づけられ、新しいコンセプトでは調査・相談課題解決型ということでございますが、これは全国的に見ても先駆的サービスであります。全国に発信するに足るオンリーワンの魅力を持った図書館施設だと私も思います。  ビジネスを成功させる鍵は、いかに最新の情報を多角的に収集し、分析するかにかかっております。札幌の経済、産業を支えていくのは多くの中小企業であり、誰もが情報を手に入れやすくすることで、情報のハンデをなくすことが図書館の役割と考えます。この施設が大いに利用されるよう、従事する職員たちの育成にも引き続き努めていただきたい、そして、何よりもこうしたサービスが図書館で受けられることを効果的にアピールすることを要望しまして、私の質問を終了いたします。 ◆伴良隆 委員  3項目やらせていただきます。一つが給食再開の体制づくりについて、もう一つがいじめ防止のための組織と措置について、最後に、約3年における教育行政について伺ってまいります。  まず、給食再開の体制づくりについてでございます。  一昨年10月から11月に起きたアスベスト問題による学校給食停止によって、給食のそもそもの必要性や停止時の危機管理、そして給食費に至るまで、さまざまな問題、課題が浮き彫りにされたことは記憶に新しいところでございます。簡易給食や温食や副食、そしてお弁当など、給食停止後は各学校の対応はばらばらで、市教委も現場も混乱の中で大変な苦労をしましたが、時を経て熱が冷め、この苦労が忘却されることを私は当時大変危惧しておりました。  そこで、私は、当時の文教委員会で、非常時の学校給食再開に向けたさまざまな状況判断を瞬時に行えるよう、給食再開までの順序や流れといった体制づくりを今後検討していくべきではと、このように質疑させていただきまして、市側も、多くの反省点があり、学校給食の提供を基本に据えた課題の洗い出しを行い、状況に応じてどのように対応をとるべきか、できるだけ早く検討するとのご答弁がございました。  そこで、質問でありますが、当時からこれまで、どのような課題の洗い出しをどう行い、いかなる検討をされてきたのか、それぞれ伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  給食再開の体制づくりに向けたこれまでの検討状況についてでございます。  学校給食の停止に伴いまして、臨時の供給校から給食提供を行う際に必要となる運搬用のコンテナ、二重食缶などの機材の調達、その運搬体制については昨年度の実施例から課題を洗い出すとともに、機材の調達や準備等について検討を行ってまいったところでございます。その結果、これら機材につきましては、昨年度において、臨時の親学校となった学校に引き続き分散して配置を行うことに加えまして、使い捨て食器につきましても継続して一定数をストックするなどの体制といたしました。また、関係した学校の栄養教諭、栄養士を中心に、給食が再開されるまでの間における非常用給食の提供内容、ガス釜による温食提供のための献立など、現場での工夫や苦慮した事柄を聴取することにより、早期に給食を再開するための検討を行ってまいったところでございます。 ◆伴良隆 委員  現場での聞き取りとともに、今できることを改善してきている、進捗があるというふうなご答弁でございました。  続けて、今後の予定についての質問でございます。  喉元過ぎればというようなことがないようにしていくための体制づくりでございますが、それでは、今後の予定として、どのような検討を行い、給食再開の体制を取りまとめるのか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  今後の取り組みについてでございます。  まず、平成29年度、今年度の改築校より、ボイラーが使用できない場合でも給湯が可能となるガス管の配置を既に開始しております。また、運搬体制につきましては、給食運搬業務の受託者を初め、運送業界との情報交換を引き続き行いながら、効果的な手法などについての検討を継続いたします。  これまで、早期に給食を再開するための検討を行ってまいりました結果、事業継続のための学校と教育委員会、それぞれの役割分担や標準的な取り扱いについて、一定程度、整理ができたところでございます。今後は、各学校と認識の共有化を図ることによりまして、緊急時に対応できるよう備えてまいりたいと考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  当時の部長からの答弁で、給食は非常に大切なのだ、給食の再開が基本なのだということについて念を押されたわけでございます。当時、極端な事案であったように思いますが、こういったことが起きまして、市民もそうですけれども、非常につらい思いをしましたので、教育長に対し、事業継続の考え方、危機管理のあり方についてある意味での先進都市となっていただきたい、このようにお願いしたところでございます。今後も、鋭意、現場の声をたくさん聞いていただきたい、その中で体制をつくって残していただきたいというふうに思います。  次は、いじめ防止のための組織と措置について伺ってまいります。  いじめだけに特化したものではなくて、教育委員会と学校と地域がふだんから連携する仕組みは、本市におきましては、教育委員会が各学校を通じて地域と構築されて機能している、このようになっております。一方、平成24年の滋賀県大津市の自殺事案を受けて、平成25年にいじめ防止対策推進法並びにその方針や調査ガイドラインが策定され、いじめか否かの判断はいじめられた児童生徒の立場になって考えること、また、いじめの認知は、特定の教職員のみによることなく、学校によるいじめの防止等の対策のための組織を活用して行うことなど、いじめの概念や対応をもっと広く捉え、積極的に認知し、いじめの芽を摘み取り、いじめ自体も取りこぼさないとの意図が同推進法には強く反映をされています。  そこでまず、2点質問でありますが、1点目は、いじめ対策推進法の周知と同法に基づく取り組みによる積極的ないじめ防止と解決について、市内市立学校、保護者、地域社会とどのように取り組んでいるのか、伺います。  それから、2点目の質問の前に、札幌市いじめの防止等のための基本的な方針、これは恐らく答弁に触れられるだろうと思いますが、私もこの内容を拝見してまいりましたけれども、認知の大切さが伝わりにくいと私は思います。文字面としても非常に少ないです。ですから、地域社会も含めて、学校のほうから、また、認知というものの大切さがどう伝わっていくか、その概念がこういった方針の中においても伝わるようにしなければいけません。  しかし、実際に伝えることが大事でありますので、2点目の質問は、初期段階で積極的にいじめを認知すること、つまり、いじめの発生件数ではなく、認知件数を上げていく重要性を学校、保護者、教育委員会を含む行政等の全ての関係者にどのように理解されているとのご認識か、以上、2点伺います。 ◎和田 児童生徒担当部長  教育委員会と学校、保護者、地域との連携と認知の重要性など、いじめの取り組みの理解についてお答えいたします。  本市においては、いじめ防止対策推進法に基づく札幌市いじめの防止等のための基本的な方針を関係部局と連携して策定し、札幌市全体でいじめ防止に取り組んでいるところでございます。また、いじめの認知におきましては、ささいな兆候であっても、つらい思いをした子どもの心に寄り添い、いじめではないかとの疑いを持って対応を進め、各学校においてはいじめを積極的に認知することが重要である旨を働きかけているところでございます。  各学校におきましては、札幌市の基本方針に基づいて学校ごとに方針を策定し、地域の方々や関係機関が集まる会議、例えば中学校区健全育成推進会議の中で、基本的な方針や取り組みを説明するなどしていじめ防止に努めているところでございます。その上で、地域の方々や関係機関と、いじめは絶対に許されないものであるといったことや、周囲の大人が早期に子どものわずかな変化に気づき、対応することの大切さを共通理解し、連携して対応することによりましていじめの早期発見につながっていくものと認識しているところでございます。 ◆伴良隆 委員  何がいじめかという見きわめは非常に難しいかと思います。ただ、一つ言えることは、しっかりその兆候を捉えていこうということで、市内一円の皆さん方で同じ共通の認識を持っていただくこと、当然、担任の先生も学校長もそうですが、そういったことかと思います。私は方針のほうでも申し上げましたが、今のご答弁ではその辺は学校側、地域のほうにしっかりと伝えていると思います。  それでは、現状について確認してまいりますので、3点伺ってまいります。  1点目は、本市学校において、1,000人当たりのいじめの認知件数の推移はどうなっているのか、伺います。  2点目は、仮にいじめの認知件数がゼロ件であったとき、これはおよそ各学校ごとという意味でありますが、それを公表し、検証することで、認知漏れがないか、確認しているのかどうか、伺います。  3点目は、いじめの早期発見のために、調査時期や中身についてどのような工夫を行っているのか、以上、3点をそれぞれ伺います。 ◎和田 児童生徒担当部長  いじめの認知件数の推移といじめの積極的な認知や早期発見のための取り組みの3点についてお答えいたします。  平成28年度の1,000人当たりのいじめの認知件数は、全国平均で23.9件となっておりますが、本市におきましては、それを上回っておりまして、ここ数年、増加傾向にございます。認知件数の増加につきましては、各学校がきめ細かくいじめに対応しているという成果である、そのように認識しているところでございます。  教育委員会といたしましては、いじめが的確に認知されているかを各学校に確認するなどしておりまして、今後は、いじめの認知件数がない学校については、認知件数の公表も含め、いじめの適切な対処に向けて一層働きかけてまいりたいと考えております。  また、いじめの早期発見に向けましては、全市一斉の共通様式によるアンケートに基づきまして、担任が面談を行うなどして一人一人の子どもの状況を把握しているところでございます。加えて、各学校独自の調査を実施するなどして、実態に応じ、年間を通していじめの早期発見・早期対応に取り組んでいるところでございます。 ◆伴良隆 委員  いじめは絶対にあってはならない。いじめはだめです。しかし、いじめを認知すること、見つけようという行為は積極的にしなければなりません。当然、認知件数ゼロ件という報告があったときに、果たして本当に大丈夫だろうかということもまた同じ行為でありますので、公表を含めて検討してまいりたい、また、さまざまな工夫もとり行われている、このようなご答弁でありました。  次に、いじめ防止等のための機関連携の組織体制と取り組みについて、2点伺います。  いじめ防止対策推進法では、地方公共団体はいじめ防止等に関係する機関及び団体が連携する組織、通称いじめ問題対策連絡協議会を置くことができるとしていますが、本市はどのように組織しているのか、伺います。  それから、学校や保護者はもとより、警察、法務局、都道府県、文部科学省との連携による外部の視点をいじめ解決にどのように取り入れているのか、それぞれ伺います。 ◎和田 児童生徒担当部長  いじめ等の対策連絡協議会の組織と関係機関等との連携についてお答えいたします。  本市におきましては、法務局や警察、人権擁護委員会等の関係機関及び心理等の専門家や学校関係者を構成員といたしまして、札幌市いじめ等対策連絡協議会を設置しているところでございます。毎年、年2回の協議会を開催しておりまして、本市のいじめの防止や対応にかかわる連携、相談体制の充実等について、それぞれの関係機関や専門機関としての立場からご意見等をいただきながら意見交流を行っているところでございます。  また、各学校の具体的な対応におきましては、いじめの問題について、学校全体でその解決に取り組み、必要に応じて弁護士等の外部の人材や法務局等の関係機関と連携しているところでございます ◆伴良隆 委員  かわいい子どもたちのことですから、当然、一義的には担任の先生や学校が対応していく、これは非常に大切であります。しかし一方で、その裏腹にあるのは、もしかしたらそれが抱え込みということにならないか、そういう心配がないように、各学校の先生方も、さまざまな外部の視点、あるいはサポートがあるのだという共通の認識のもと、今、動いているということの裏づけだった、このような答弁だと思いますが、引き続き、機関連携をしていただきたいと思います。  続けて、こういったことの中で、外部機関と連携した具体的な制度について質問してまいります。  学校内外における児童生徒の安全の確保及び非行防止の取り組みを支援するため、退職した警察官を学校の要請に基づいて派遣するスクールサポーター制度がございます。スクールガードリーダーとはまた違う事業目的である本事業は、北海道側の事業ながら本市において比較的多く活用されていると聞いております。平成29年度2月末現在、札幌市立小・中学校16校、延べ711回と聞いております。  警察といいますと、非行や犯罪の発生から事後対応というイメージもあるようでありますが、本制度の事業目的は、学校内外における児童生徒の問題行動等の未然防止や安全確保及び非行事案等への行動連携としておりまして、活動内容は、防止や支援といった活動から啓発や情報の共有や分析、そして発信としており、あくまで予防または防止といったところに力点が置かれているわけでございます。そもそもいじめは、結果的に暴力を含む非行や自殺に至る可能性を十分にはらんでおり、そうした重大事案になるずっと前の兆候をいかにさまざまな目、つまり知見によって認知するかが極めて重要であります。  そこで、質問でありますが、本市はこうした外部の視点を得るスクールサポーター制度をどのように活用し、効果があると評価されているのか、伺いたいと思います。 ◎和田 児童生徒担当部長  スクールサポーター制度の活用についてでございます。  各学校におきましては、児童生徒の問題行動の改善を目的に、退職した警官であるスクールサポーターを必要に応じて養成し、教職員と連携した見守り活動を行っているところでございます。加えて、スクールサポーターによる助言を生かして、校内の生徒指導体制を見直すなどして、いじめを含めた問題行動の未然防止が図られているところでございます。 ◆伴良隆 委員  今のご答弁で、問題行動という言葉のキーポイントを押さえていただきました。非行とは一体何なのかということもそうでありますが、やはり、問題行動という言葉遣いがポイントになろうかというふうに思います。
     これは、まだ合計8人と、人も限られていると聞いておりますし、道の事業ですからどんどんやってくださいとはなかなか言いづらいところもありますが、しかし、いいものはいいということで、今、評価も受けましたので、その辺は、ぜひこれからも引き続き連携して未然の防止に向けて活用していただきたいと思います。  これまでの一連の質疑というのは、いじめが起きそうなとき以降の対応についてでございました。しかし、そもそも子ども自身がいじめを正しく理解し、かかわることがないように、自己意識を持てる育みがまずもって大切であります。  そこで、質問でありますが、平成30年度以降、小・中それぞれで道徳が教科化されますけれども、教育委員会や学校ではどのような取り組みによっていじめ防止につなげようとしているのか、伺います。 ◎和田 児童生徒担当部長  学校や教育委員会の道徳科の今後の取り組みについてでございます。  道徳科におきましては、いじめの防止につながる内容が全学年に位置づけられておりまして、子どもが自分の行動を振り返るなどして考えを深める学びを着実に積み上げてまいります。加えまして、学校教育全体及び家庭、地域との連携におきまして、子ども一人一人が他者への思いやりの気持ちを持って支え合いながら、よりよく生きようとする態度を育んでまいりたいというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  これからの教科化ということでございますので、模索もあろうかと思います。私も代表質問で取り上げましたが、さまざまな工夫も必要ですけれども、今、おっしゃった中の特に家庭といったところで、多分、そういう単元もあろうかと思いますので、自分はひとりではなく、身近には近親者がいるわけですから、そういったことも含めて、ぜひ、教室内外でこういった道徳の授業を活用しながら、結果的に命の大切さ、自分の大切さ、人への思いといったことを育むように頑張っていただきたいというふうに思います。  いじめの関係は、これで終えます。  それでは、3点目でございますが、約3年における教育行政についてでございます。  我々議員の任期も3年を過ぎようとしているところでございます。私は、この3年間、教育行政ということを語るほどたけているわけではございませんが、議会上は、いろいろな議論の中でいいコミュニケーションをとることができ、前向きな議論をできたというふうに思っております。そういう意味では、教育長を初め、皆様方の努力があったと思いますし、教育長の実直さと毅然とした態度があったかなというふうにも考えているところでございます。  そういった中で、子どもたちの現況において、私は、個人的に、当初から生きる力ということは非常に重要だと思ってまいりました。どんなときでも、生きる力というふうに思います。そのために何が必要かということを大人が育む教育行政でありますが、ちょっと残念な数字もございます。人の役に立つ人間になりたいと考えているか、あるいは、自分にはよいところがあると考えているか、そして、将来の夢や目標を持っているか、この辺ではまだまだ課題もありそうでございます。しかし一方で、難しいことでも失敗を恐れないで挑戦しているか、この辺はいい傾向も見てとれます。さまざまな課題もありますが、いい方向に向かっていることもございます。  教育というものは中長期的なものでございますので、恐らく結果が出てくるのは大変難しいのだとは思います。しかし、ここは議会でございますので、そこはしっかりとやっていただきたいわけでありますので、以下、あわせて3点について、私は教育長のご所見を全般的に伺いたいと思います。  まず、1点目でありますが、主にどのような課題について、どのような成果を得たとお考えでしょうか。それから、教育行政の今後として特に力を入れるべき課題とは何でしょうか。そして、教育行政が最も大切にすべきことは何でしょうか。それぞれご所見を伺いたいと思います。 ◎長岡 教育長  3点のご質問がございましたが、丸めて一つでお答えさせていただきたいと思います。  成果ということでございますが、教育は、百年の大計ということで、右から左にすぐに成果があらわれるものではないのかなと。しかしながら、私も、3年間、一生懸命務めてきたつもりでございまして、知・徳・体の調和のとれた育みについて、胸を張って成果があらわれたというところまで言うつもりはございませんが、多少なりとも前進したのかなというふうに考えているところでございます。それは、学テの問題であるとか、先般公表された体力についてであります。まだ、水準は低うございます。しかしながら、取り組みの芽が出て、これから少しずつ育っていくところなのかなと思っておりまして、今後も取り組みの手を抜くことなく進めていくことができたらいいのかなと思っております。  そこで、課題というか、今後とも取り組まなければいけない問題として、今、伴委員がおっしゃったとおり、私は、子どもたちにいかに生きる力を備えさせることができるかというところだと思っております。先ほど前川委員が質問の中でおっしゃったとおり、昨年、神奈川県座間市で大変痛ましい事件が起こっております。翻って、本市札幌においても中学校1年生が立て続けに事件を起こしたことがございまして、私たちが生い育った時代環境とは違う社会なのだなということを痛切に感じたところでございます。  そういう中で、やはり、生きる力をより多くの子どもたちに育みたいと。私の好きな言葉の一つに、「子どもの心は人と人の間で育つ、育った花は愛である」という言葉があります。今の子どもたちは少子化と言われておりまして、どんどん子どもが少なくなってきて、当然、昭和50年代にピークを迎えた小学校も、今は学校規模が非常に小さくなってきております。子どもの世界ももちろんそうですし、大人の世界もそうですけれども、やはり、おとなしい人がいればきかない人もいる、優しい人もいれば乱暴な人もいる、本当に人それぞれで、十人十色のさまざまな人たちがいて、子どもたちがそういう経験をなしに社会に出るのは私は非常にかわいそうだなと思っております。そういう面でも、小学校のうちは大きな集団の中でそれぞれがいろいろな経験をして、何度も言っておりますが、協調性、社会性、将来大人になるときにはそういったものを身につけてたくましく羽ばたいていただきたい。そういうことで、私は、人と接する数だけ生きる力が育まれるものだというふうに考えております。  それから、もう一つ、家庭との連携が重要だということで、この3年間、進めてきております。こう申し上げますのも、やはり、社会環境の変化、それに伴って家庭教育の低下ということが言われてきております。我々は、それを家庭のせいにするのではなく、いかにして家庭への発信を強めて、子どもたちの置かれている状況に対して学校教育とどう連携していくのがいいのかということで、生活習慣の確立も含めて、家庭に現状を理解していただいて連携して取り組む、そういうことが求められているのであろうと考えて力を入れてきたつもりでございます。  理念ばかりではなくて、学校規模の適正化の取り組みもそうですし、それから、家庭を巻き込むツールとしてさっぽろっ子「学び」のススメを作成して、昨年3月に各学校等を通じて全家庭に配付しております。また、これでいいということではなくて、これからも、それを工夫して、目を向けていただけない家庭に対して、いかに目を向けていただける努力をしていくかということが大事かなと思っております。これは、引き続き力を入れてまいりたいと考えております。  最後になりますが、今言ったように、生きる力、自分を大切にする、他者を思いやる、そういった生きる力を身につけることができる教育、夢を応援する教育、それから、たとえ何度転んでも立ち上がることができるよう応援する教育、これらについて、これからも札幌市教委として継続的に取り組みを進めていければいいなと考えております。  私としましては、この3年間、形としてあらわれたものはなかなかないのかもしれませんけれども、全力を尽くしてきたつもりでございますし、また、今後も粘り強く取り組みを進めていければいいなと思っております。 ◆伴良隆 委員  私が聞いたから答えざるを得なかったかと思います。この際、今のご答弁に関してどうこう申し上げるつもりはありませんが、今おっしゃったような理念、そして取り組み、成果、また課題もあろうかと思いますけれども、残すところまだ少し時間があるようでございますので、ぜひとも、それが続きますようにまだまだご尽力いただきたい、このようにお願いと感謝を申し上げまして、私の質問とさせていただきます。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、3項目質問いたします。  1項目めは、市立小・中・高等学校などの消防用設備点検業務について、2項目めは、札幌市青少年科学館活用基本構想について、3項目めは、同青少年科学館の年間パスポート導入についてであります。  最初は、1項目めの市立小・中・高等学校などの消防用設備点検業務についてです。  初めの質問は、適切な基準に基づいた予算の確保になっているのかということであります。  学校の消防設備点検は、建物の維持管理上、また児童生徒の安全上からも、非常に大切な業務と言えます。これまで、平成26年及び平成29年の決算特別委員会において本業務の積算方法の見直しについて質問してまいりました。  そこで、質問でありますが、新年度予算案の中に消防用設備点検業務予算が計上されておりますけれども、この金額は国土交通省の建築保全業務積算基準に基づいた予算額が確保されているのか、改めて伺いたいと思います。 ◎平野 学校施設担当部長  新年度の消防用設備点検業務についてでございますが、国の積算基準をもとにいたしまして、実績業者からの見積書などを徴取するなど市場動向の把握に努めるとともに、近年の労務単価の上昇なども加味いたしまして、業務品質の確保に配慮した積算額とする予定で事務を進めているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  答弁では、国の基準をもとに、関係業界からも見積もりをとり、それに近づけるように努力をしているということであります。  いろいろな過去のいきさつがありますので、状況はそれなりに理解したいと思いますが、以前も指摘したように、北海道庁の石狩教育局の積算基準と予算の確保では、札幌市は2倍も開きがあります。それは、業界に参考見積もりをとるだけではなくて、みずからが先ほど申し上げた国の基準に基づいた積算をしてしっかりした予算を確保していく、そのための取り組みを予算要望のときから内部で行い、そして、財政局に対してもしっかり要望していかなければならないと思うわけであります。  次の質問に移りますが、昨年の決算特別委員会で、この改善に向けた検討や、関係部局と協議するという答弁がありました。  そこで、改めて伺いますが、短期間でありますけれども、どんな検討及び関係部局との協議を行ったのか、伺いたいと思います。 ◎平野 学校施設担当部長  これまでの検討状況についてでございます。  まず、当部の場合、対象施設が学校なのでその数が非常に多いことから、例年、いわゆるスケールメリットを加味して妥当性のある積算額を算定できるように取り組んできたところでございます。  ただ、先日もご答弁させていただきましたとおり、この積算方法については、他部局でも同様に消防用設備の点検等を行っておりますので、同様の業務の入札方法等の調査を行いました。その結果といたしまして、今、同じような業務を実施している他部局におきましては、国の算定基準に基づいて積算を行っている場合が多いと認識しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  いわゆるオール札幌という中で、教育委員会は他部局と違った状況にあることを改めて認識されたということであります。  3点目の質問は、国交省の基準によらない積算では、一概には言えませんが、労働基準法や最低賃金法に反する低額な業務委託になる可能性があります。  そこで、教育委員会としては、今後、どのくらいの期間で札幌市の他部局が発注する国土交通省の建築保全業務積算基準と同様に予算を確保していくのか、そこに近づけていく期間というのはどのくらいを見ているのか、伺いたいと思います。 ◎平野 学校施設担当部長  今後の見直しの時期等のご質問でございます。  はっきりと年次を申し上げるのはなかなか難しいところでございますが、国の積算基準をもとにいたしまして、さらに、市場動向とか先ほど申し上げたスケールメリットなどさまざまな角度から検討を行い、本業務に見合った適正な積算額を算定できるように今後も引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げて、次の項目の質問に移りたいと思います。  先ほども申し上げましたように、教育委員会が他部局とかなり乖離があるという状況の背景には、過去に国もそういう傾向がありましたが、マイナス5%シーリングなどという形で、ほとんどの管理的な部門の予算を毎年カットしてきたことが一つあると思います。そういう中で、近年は、いろいろな職種で働く方々の最低賃金制の問題、そしてまた、いろいろな労働環境の整備ということが問われてきておりまして、国も、毎年、法律で定められた職種の単価を改善してきております。他部局では、そうしたことをしっかり受けとめて反映してきているわけであります。  教育委員会も、そういう努力はされておりますが、やはり、予算要望等をするときに、教育委員会内部としてそのことを共通認識として持たれているのかどうか。財政局もそうしたことが十分わかっていると思いますが、そうしたことに対して車の両輪のごとくしっかり取り組んでいかなければ、幾ら生涯学習部の中で頑張っても、教育委員会の中で孤立したり、財政部への予算要望の中ではじかれてしまう可能性があると思います。我々もしっかり応援させていただきたいと思いますので、ぜひとも、できる限り早期に他部局と同様の積算基準に基づく予算を確保していただきたいと思います。  二つ目は、消防点検の業務は国家資格取得者が行いますが、こうした資格者を常用雇用している企業が適切な価格で落札できる状況を確保するためにも、今後は最低制限価格を設定することも必要だと思いますので、そうした契約を扱う部局ともしっかり連携していただきたいと思います。例えば、庁舎内の電話交換などについて、以前は最低制限価格が設けられておりませんでしたが、いろいろなやりとりの中でそうしたところに最低制限価格が設定されておりますので、ぜひともそうしたことも今後の課題として取り組んでいただきたい。  三つ目は、現在、市内を五つのブロックに区分して入札を行っております。部長の答弁でも、地域を二つの区ぐらいに分けていくとスケールメリットというのが出てくるかもしれませんけれども、今後、私どもとしては、市長の公約でもあります地元企業の受注を拡大していくためにも、5ブロックというものをもう少し細分化してはどうかと。石狩教育局と札幌市を単純に比較はできませんが、向こうは多くてもせいぜい40校ぐらいが平均的な受け持ちの学校になっております。しかし、札幌市の場合は、そのくらいの数字もありますが、70校近く受け持っている学校もありますので、ぜひともそうしたことをしっかり受けとめて改善を求めておきたいと思います。  次は、2項目めの札幌市青少年科学館活用基本構想についてであります。  最初の質問は、現在策定中の基本構想の進捗状況と内容などについてですが、現在、策定中の基本構想がどのような状況になっているのか、改めて伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  基本構想の進捗状況とその主な内容についてのお尋ねでございます。  この2月から3月にかけまして、学識経験者や企業、学校関係者などを委員といたしました有識者会議及び社会教育委員会議におきまして、基本構想の施策の方向性についてご意見をいただき、その内容を踏まえまして、現在、骨子案を作成しているところでございます。その有識者会議の議論の中では、来館した子どもたちを受け身ではなく能動的発想に導くような展示物が望ましいという意見とか、展示について札幌、北海道ならではのテーマ性を持たせるべきなど、多くの貴重なご意見をいただいたところでございます。今後、庁内議論を重ねまして、来年度中に基本構想を策定する予定でございます。  続きまして、基本構想の主な視点でございますが、私どもは、現在策定中の基本構想について主に三つの視点で検討を加えてございます。1点目は、展示物の老朽化を迎え、時代や社会状況を踏まえた展示物や施設・設備の機能の充実を図る必要があること、そして、2点目は、昨年、新たに策定いたしました第3次生涯学習推進構想の理念、あるいは、今後、新さっぽろ地区の再開発が実施され、周辺のまちのにぎわいづくりの取り組みが進められようとしておりますが、そのような状況を踏まえまして、科学館も科学に関して市民の誰もが学べる環境づくりを進める一助となること、そして、3点目は、学校教育における理科教育の重要性を踏まえて、科学館を理科授業で活用しやすくなるような施設・設備や学習プログラムを充実することでございます。  また、この基本構想は、更新整備の計画という位置づけではなくて、科学館の今後のあり方を明らかにするとともに、展示物、施設・設備の更新等に当たっての基本的な考え方を整理するものでございますので、現段階では特段の計画期間は設けない方向で整理しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  私の間違いで質問項目が抜けましたので、改めて、今の答弁を踏まえて質問させていただきたいと思います。  改めて質問する項目としては、基本構想を策定するに当たって、以前、有識者会議及び社会教育委員会議からも意見をお聞きしていくというふうに報告を受けておりましたけれども、その点は策定する段階でどのように取り組まれているのか、まず、1点目に伺います。  2点目は、今、部長の答弁では、策定中の基本構想というものは、方向性を示すものであって、具体的な期間を定めるものではないということであります。しかし、少なくとも私なりの解釈では、やはり、この基本構想は、昨年3月に作成された第3次生涯学習推進構想が上位計画になるのではないかと思います。そして、その中でも科学館は生涯学習関係の施設の一つとして具体的な表現として出されております。私は、必ずしも第3次生涯学習推進構想と始まりから終わりまで全部一致する必要はないと思いますけれども、ある程度はそうしたものと連動していかなければ整備が進まないというふうに思いますので、改めて、この二つの関係について質問したいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  有識者会議でどのような議論があったかというご質問かと思います。  先ほどもご答弁の中で若干触れさせていただきましたが、学識経験者、学校教育関係者といったメンバーの方々から、それぞれの専門的な知見から大変意義のある示唆に富んだご意見をいただいております。現在の科学館も、当初は雪とか冬というテーマを持ってスタートいたしましたが、そういう札幌独特のテーマ性を何か持たせた特徴のある科学館というコンセプトであれば、観光資源としても活用できるのではないかというようなご意見もございました。また、学校教育により活用しやすいような、例えば、1学級40人全員が入れるような実験スペース、あるいは実験器具を整備して、より一層、学校利用がしやすいような配慮をした整備ができないかというように、さまざまな観点からのご意見をいただいているところでございます。それらの意見については、なるべく今回の基本構想の中に取り込んで反映してまいりたいと思っております。  それから、2点目のご質問の計画期間のお話でございます。  委員のお話にもありましたとおり、青少年科学館基本構想の上位計画というか、私どもとして、今後の札幌市の生涯学習推進の道しるべとなる第3次札幌市生涯学習推進構想を2026年度までの10年間の計画期間を持って定めてございまして、青少年科学館の基本構想につきましても、この計画期間内に一定程度の成果を出したいと考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひとも、第3次生涯学習推進構想の期間とある程度連動した取り組みを求めておきたいと思います。  次は、有識者や社会教育委員会議などの意見も聞いて取りまとめるということでしたけれども、札幌市の青少年科学館名誉館長である山崎直子さんのご助言やご意見もしっかり受けとめる必要があるのではないかなと思うわけであります。  科学館というのは、札幌市において、1981年、昭和56年に札幌市の科学及び科学技術に関する知識の普及啓発を通じて、創造性豊かな青少年の育成を図ることを目的として設置された社会教育施設であり、博物館法に基づいて登録されております。昭和56年度に開館し、現在、37年目を迎えています。平成28年度末までの総入場者数は約1,279万人に達しており、同年のみの入場者数は約40万人、過去最高の入場者数はリニューアルオープンいたしました平成26年度の約44万人となっております。  平成28年当時は、科学館には展示物が約244点ありましたが、開館してから35年でしたけれども、展示物をどのように更新していくのかという計画が作成されておりませんでした。私は、平成28年の予算特別委員会で青少年科学館の展示物更新のあり方と必要性について取り上げて以来、この間、質問を行ってきておりますけれども、平成29年の予特で今後の事業展開の方向を定める基本構想策定に向けた作業を進めているという答弁があったわけであります。  新年度において、いよいよ基本構想をまとめることになりますが、山崎直子名誉館長には以前にも天文・地球科学コーナーを再整備した際に監修をいただいておりますので、改めて、基本構想を作成するに当たっては山崎直子さんのご助言やご意見を反映していく必要があると思いますが、どのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  山崎名誉館長の意見の反映についてでございます。  基本構想の策定に当たりまして、名誉館長である山崎直子さんからご意見をいただくために、先般、2月上旬に職員が、直接、山崎さんをお伺いして、構想骨子案の方向性など現在検討している概要についてご説明を申し上げてきたところでございます。今後は、山崎名誉館長から基本構想に盛り込む方向性についてのご意見をいただく予定でございます。いただいたご意見については、今後の構想策定にできるだけ反映させていきたいと考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひとも、山崎名誉館長のご助言を踏まえて、よりよい基本構想を策定していただきたいと思います。  次の質問は、基本構想を具体化していくための整備計画の手法についてであります。  今回策定する基本構想では、先ほどの答弁にもありましたように、今まで課題となっているテーマ、あるいは、老朽化した設備を解消し、展示物の更新に向けたさまざまな取り組みを行っていくことが盛り込まれるものと思います。科学館の展示物の更新に当たっては、その時々の考え方に左右されることなく、基本構想に基づく計画的な展示物の整備が必要であり、同計画があるからこそ財政的に保障された整備が実現可能と言えるわけであります。  そこで、質問いたしますけれども、今後、展示物の整備に実効性を持たせるためにも整備計画は必要と思いますが、どのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  整備計画についてでございます。  基本構想を実現するための具体的な整備内容及びその事業実施スケジュールにつきましては、委員がご指摘のとおり、今回の基本構想と別段の整理が必要なものでございます。それにつきましては、委員のお話にもありましたとおり、財源というものを一定程度見据えて考えていく必要もございますので、札幌市の次期中期計画策定の議論を並行して私どものほうで検討してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  私も別に整備計画という名称にこだわりませんけれども、やはり、今後、来年の選挙が終わると、また新しい市長のもとに向こう5年間の具体的な施策や計画が盛り込まれます。その中に盛り込まれるためにも、内部的な考え方をまとめるものとして、そうした整備の手法についてプランをしっかり持っていただきたいということを求めておきたいと思います。  次に、3項目めは、青少年科学館における年間パスポートの導入についてでありますが、最初の質問は、どのような内容の年間パスポートを導入しようとしているのかということであります。  私は、年間パスポートの導入について、平成28年の予特で質問し、当時の部長から、前向きに検討する、導入したいという趣旨の答弁を受け、その後も引き続き早期導入を促してきました。  そこで、改めて質問いたしますが、現在、導入を考えている年間パスポートの詳細について伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  導入予定の年間パスポートの内容についてでございます。  この年間パスポートは、翌月4月1日からの導入を予定しておりまして、展示室の1回の利用料金が通常700円となっておりますが、2,000円で年間パスポートを購入いただきますと、購入日から1年間は何回でも利用することができるものでございます。当面の間は、プラネタリウムを含めず、展示室へは何回でも入館できるという内容を想定しております。 ◆ふじわら広昭 委員  確かに、段階的に進めることも必要ですが、私としては、青少年科学館の目的などからいきますと、できる限り早い段階で、展示コーナーとプラネタリウムをセットで販売して、多くの人たちに来ていだだくべきだという趣旨で取り上げさせていただいたわけであります。新年度から展示物だけやるということも、一定の評価はしたいと思いますが、なぜ展示室だけになってしまったのかということは、科学館の利用状況等を議会にもきちんと明らかにしていただかなければ理解不足になるところがあると思うわけであります。そういう意味で、科学館のプラネタリウムの観覧者数と利用料金収入及び他都市の導入施設におけるパスポートの仕組みについて伺いたいと思います。  札幌市の青少年科学館のプラネタリウムは、私どもの会派が代表質問及び予算・決算特別委員会で取り上げて、平成27年の第1回定例市議会に補正予算として約5億円が計上され、同年11月から改修工事が始まり、18年ぶりに最新機器ケイロンⅢ、約1億個の星の投影が可能となり、国内外でも最高水準の機器に全面更新され、平成28年4月にリニューアルオープンして、同年で約14万人が観覧をしております。  先日、私は、同科学館を訪れまして、その際にもプラネタリウムを観覧いたしました。当日は、「きょうの星空」ということで、南国の星空を生解説つきで観覧させていただきました。当日は、親子連れや若いカップル、お孫さんと一緒に来られた方がたくさんいらっしゃいました。解説者のソフトな口調で、子どもや大人にもわかりやすい説明を聞き、スタッフ一同が日々たゆまぬ努力をして取り組んでいることを改めて実感いたしました。  投影終了後、スタッフに一般用の投影プログラムは何本ぐらいあるのかと尋ねましたら、15本あるということでした。このように、まだ見たことのないプログラムや、1度見たが、再度見てみたいという市民も多くいると思います。プラネタリウムは、子どもに大きな夢と希望と想像力をかき立て、また、大人にとっても魅力的でリピート効果が期待できるにもかかわらず、今回、新年度からのプラネタリウムの年間パスポート導入は見送り、展示室のみの年間パスポートの導入ということでありますけれども、プラネタリウムを含めた年間パスポートの導入でなければ、科学館の目的や市民サービスの向上にはつながっていかないのではないかと思うわけであります。  そこで、2点質問しますが、質問の1点目は、平成28年度はリニューアル効果で14万人も訪れておりますので通年の状況とは比較にならないと思いますから、平成29年1月から12月までの1年間に置きかえた場合に、プラネタリウムの利用者数、利用料金収入はどうなっているのか伺いたいと思います。  質問の2点目としては、他都市のパスポートの取り組み状況はどのようになっているのか、この2点について伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  プラネタリウムの観覧者数及び利用料金収入、そして、他都市のパスポートの導入状況というお尋ねでございます。  平成29年1月から12月末までの1年間のプラネタリウムの観覧者は11万8,530人、上映で得られた利用料金は約2,200万円となっております。  次に、他都市のパスポート導入施設の仕組みについてでございますが、まず、科学館等を設置している政令指定都市の中で、科学館15館のうち、展示室のみのパスポートを導入しているのは4館、プラネタリウムと展示室をセットにした年間パスポートを導入しているのは千葉、名古屋、神戸、福岡の4館となっております。このうち、千葉と福岡の科学館は、年間パスポート利用者のプラネタリウム観覧を1日1人1回と制限しており、また、大阪の科学館の年間パスポートは展示室専用でございますが、パスポートの提示でプラネタリウムの料金を2割引きとしている例などがございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ただいま、平成29年1月から12月では約11万人の来館者があって、うち、プラネタリウムの収入は2,200万円ということでした。  それぞれの都市の人口や利用状況もありますから一概に比較することはできないと思いますが、この問題を取り上げたときに、市民からも私ども議会にそういうことが伝えられ、当時の部長もそうした声があることは理解しているということでした。そういう意味では、百歩譲って、仮に新年度から展示コーナーをスタートした場合に、プラネタリウムを含めた年間パスポートの導入時期をいつからにするのかということが大きな課題になってくるわけであります。今、科学館があるところで年間パスポートを導入している、していないという状況が明らかになっておりますが、そういう意味では、やはり、札幌市民に対する市民サービスの向上、あるいは、道内で唯一の大きな科学館として大きな役割を担っている青少年科学館ですから、早くこの年間パスポートの導入を実現すべきだというふうに思います。  そこで、質問でありますが、新年度、平成30年度は難しくとも、1年後には導入できるのか、この辺についてどのように考えているのか、改めて伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  今回の年間パスポートの導入は、平成30年4月の指定管理者の更新のタイミングに合わせまして、指定管理者である生涯学習振興財団から市民サービスの向上として提案を受けて実施するものでございます。  年間パスポートの導入は、当然、市民サービスの向上を図るためのものでございますが、一方で、安定した経営の確保のため、大きな収入減とならないような検討も同時に必要なものでございます。また、年間パスポートの導入については、当然、プラネタリウムの座席数や上映回数には限りがございまして、特にゴールデンウイークや夏休みの土・日は現状でも満席で待ち時間が生じるような状況も生じておりますので、そういった繁忙期に一般の方々の利用に支障が出ることがないよう、さまざまな点で配慮する必要があると考えております。  このような点から、今後の年間パスポートのあり方につきましては、この4月からの年間パスポートの導入状況、収入の動向などを踏まえまして、今後さまざまな観点から調査検討をしてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  先ほども答弁いただきましたが、プラネタリウムの年間収入は約2,200万円であります。しかし、展示コーナーを含めた全体の利用料金収入は7,600万円になります。また、青少年科学館の新年度から向こう5カ年の基準管理費の内訳を見てみますと、いわゆる市から支出されるものは消費税を含めて4億3,300万円、そして、今申し上げた利用料金収入7,400万円をもって取り組んでいくということでありますが、実際には利用料金収入は4億3,300万円から差し引くことになっておりますので、実際の基準管理費は3億5,900万円という状況になっております。  確かに、プラネタリウムを入れることによって増減が生じる可能性はありますが、そういうことは展示コーナーでも同じことが言えると思います。そういう中で、今回2,000円にした根拠、あるいは、試算に基づけば、通常の展示室だけの収入は昨年1年間で約3,600万円でありますが、どのくらいの乖離が生じるというふうに判断しているのか、その辺を伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  年間パスポート料金の設定に伴う科学館の収支見通しということであります。  まず、2,000円の料金設定の考え方でございますが、他の公設の科学館、博物館などの年間パスポートの金額設定がおおむね1回の入場料の2倍から4倍に設定されていること、また、せんだって科学館が実施した利用者アンケートによりますと、2回以上来館した方を抽出した平均リピート回数が2.94回、およそ3回程度であったことなどからが1回当たり700円の3回分相当、おおよそ2,000円という金額がパスポートの料金設定として妥当だろうというふうに考えたところでございます。  そこで、2,000円のパスポートを発行した場合の収支見通しでございますが、財団の収支予測によりますと、今のところ、ほぼとんとんか、これまでの収入状況を若干下回るのではないかと試算しております。ただ、逆に言うと、パスポート発行による増収効果みたいなものも期待できると思いますので、現段階では、指定管理者はせんだって契約した5年間の指定管理費用、利用料金収入の範囲でこのパスポートを発行するという前提で試算しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  そちらも、いろいろ試算したり調査していることについては受けとめていきたいと思います。  ただ、そういうことをしっかりやっているのであれば、例えば、展示コーナーとプラネタリウムをセットにした年間パスポートを導入するという判断をする際に、最短でどのくらいの期間が必要なのか、あるいは、最長でどのくらいを要するのかというのは我々としても関心のあるところですので、この点はどのように判断しているのか、伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  プラネタリウムを含めた年間パスポートの導入の時期についてでございます。
     先ほどの答弁と同様になりますが、年間パスポートの導入は、まず安定した経営の確保が前提であること、また、プラネタリウムの受け入れ可能人数に限りがあること、利用者の方々に支障を生じないようにすることなどから、さまざまな点で配慮が必要と考えております。ですから、いつからというよりは、その導入の可否について、当面、4月からの導入状況を見きわめた上で検討させていただきたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  私も、この質問をする際に、いろいろな資料を求めて、生涯学習部、そして科学館の方にもお越しいただきました。そうした説明を聞いている中で私が感じたことですが、今の科学館の受付システムと会計処理するシステムは平成12年ぐらいにつくられて、今では18年もたっていると思います。そういう意味では、部長もいましたけれども、やはり科学館の方のお話を受けとめていくと、定員が200名で、受付にいわゆる待合があって、今もトラブルになることが多少あるようでして、具体的には言いませんが、そうしたことをかなり懸念しているようなのですね。それは当然だと思います。  しかし、そうであれば、早くシステムを改修していくか、前にも問題提起したように、手配りでも可能となると思います。ただ、部長の答弁では今後1年間の状況を見きわめてその時期を判断していきたいということでありますので、そこは私どもとしても大きな関心を持って受けとめていきたいと思います。  改めて確認しますが、年間パスポートによるシステム改修を導入するか、しないかは別にして、システム改修はもう18年たって更新時期を迎えておりますけれども、この費用は教育委員会が負担するのか、あるいは生涯学習財団が負担することになるのか、ここだけ確認していきたいと思うのですけれども、どうでしょうか。 ◎山根 生涯学習部長  受付発券システムの機器更新の際の費用負担についてでございます。  平成12年度に現行システムを入れた際も、札幌市の負担で更新を行ったというふうに伺っております。次に更新するタイミングも札幌市が負担という方向で、場合によっては財団とさまざまな調整を行っていく必要があると思いますが、現段階ではそのように考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  教育委員会の予算でシステムを改修していくということでありましたが、平成28年の決算書を見ますと、生涯学習部の中で科学館に弾力的に運用できる不用額は約2,700万円あります。各年度を調べてみても約2,000万円前後ですが、先ほど申し上げたように、このシステムを導入してから18年になります。そちらでも調べていると思いますが、他都市では独自に開発したシステムもあると思いますけれども、最近は民間のソフトウエア会社が開発したパッケージ型のソフトが多く利用されております。今後、独自のものを開発していくか、安価なパッケージ型を札幌市のものに少し改良して使っていくかという判断がありますが、教育委員会としては予算の関係がありますから、予算要求して、それからいろいろ準備をしていくとなると、私は、5年間の指定管が終わるころでなければ、あるいは、5年間を越えて次のときでなければ年間パスポートを完全実施できないのではないかと危惧するわけであります。  そういう意味では、部長も財政部にいらっしゃって、いろいろなことは当然ご承知だと思いますが、不用額は款項目の目の中で弾力的な運用が可能となっております。先ほどの2,700万円を全部使えないことは私も承知しておりますが、こうした予算の一部を活用して、札幌市としてパッケージ型とした場合にどういうところを直していかなければならないのかといったことも、新年度においてしっかり調査していく必要があるのではないかと思います。  このように、平成29年度、あるいは30年度の不用額の一部を活用して札幌市のシステム改修に向けて調査をされるお考えがあるのか、伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  発券システム更新に向けての調査ということでございます。  不用額が目で2,700万円ですが、生涯学習費の大数は、科学館とかちえりあ、市民ホールなど、社会教育施設の維持管理費用、修繕費用、管理運営費でございます。それらの不用額が集まって最終的にはそのぐらいのロットで決算が出てくることになりますが、当然にして年度当初にそれらの不用額を見込むことは、突発的ないろいろな故障や事故がいつ起きるかわからないということもございますので、施設の維持管理上、なかなか難しいと思います。  したがって、システムの更新につきましては、私どもとしても、次のアクションプランなどで、その必要性について検討していく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  そういう考えであれば、私が先ほど申し上げたように、この指定管の5年間が終わる間にできるか、できないかというのが非常に明らかになったのではないかというふうに思うわけであります。  そこで、きょうは、池田教育委員もお席に座っていらっしゃいます。私は、堅実に行くことは当然大事ですが、やはり、スピード感を持ってしっかりやっていかなければならないと思います。私は、2,700万円を全部使えとも言っていませんし、例えば、そのうちの何十万円か、あるいは、100万円近いお金を確保すれば、当然、どのようなシステムが札幌市にふさわしいのかということがわかってきて、それがあればすぐにそうした対応ができると思うわけであります。教育委員は5人のメンバーがいらっしゃいまして、きょうは、お忙しい中をお越しいただいて大変恐縮ですが、教育委員会の対応についてどのような認識を持っていらっしゃるのか、伺いたいと思います。 ●池田教育委員  プラネタリウムの年間パスポートの導入について、どのような認識を持っているかとのご質問でございました。  プラネタリウムの年間パスポートの導入については、市民サービスの向上と同時に、団体の安定した経営の確保を両立していくことが必要であると認識しております。今後とも、指定管理者と連携して必要な調査を慎重に行うことについて、事務局とも話をしているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ただ、先ほども申し上げましたように、利用料金収入だけで年間7,600万円ございます。私は、この利用料金収入というのは、全てではないですが、一部はやはり青少年科学館のサービス向上に向けてしっかりと活用していかなければならないと思います。なぜ使えないのかという背景は今後も少し勉強しなければなりませんが、私は、先ほど申し上げた札幌市の指定管理者に対する基準管理費に少し問題あるのかなというふうに疑問を感じております。そうでなければ、7,600万円もある中で、市民サービス向上に向けたある程度の取り組みは科学館独自でいろいろ判断できると思いますけれども、そこは本題とそれてしまいますので、改めて別の機会に議論したいと思います。  最後の質問は、年間パスポートを導入するに当たって、私は、以前、企業広告の採用によって経費を削減すべきでないかと提言させていただきました。2年前の質問の際は、円山動物園の事例を紹介いたしました。円山動物園では、年間最低8万枚から10万枚の年間パスポート券を印刷しておりまして、年間約40万円の協賛をいただいて裏面に協賛企業の企業名などを入れておりますが、実際に10万枚近く刷ったとしても印刷費用は10万円近く余っているということで資料の提出を受けております。こうしたものは、たくさん印刷しておいても次に使えないということではございません。ことしは4月から展示コーナーをやりますが、今後、2年目もまた取り組むときにはこうした手法もぜひ導入すべきではないかと思うのですけれども、どのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎山根 生涯学習部長  年間パスポートのチケットへの企業広告の採用ということでございますが、現時点の年間パスポートの販売見込み数は年間約3,500枚を想定しているところでございます。この枚数の少なさから広告効果は限定的と思われますが、今後の販売枚数の動向を確認しながら、その導入の可能性について指定管理者とも検討してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  一つは、今の年間パスポートの関係でありますが、特に小・中学生は、自宅あるいは校区から離れる場合、いろいろなルールがあります。そのため、科学館の近くの子どもたちは友達と来ることが可能でしょうけれども、やはり保護者が同行しなければなりません。しかし、65歳以上など、いろいろな形の減免はしておりますが、そうでない場合もありまして、そうした人たちのためにも、セットで年間パスポートを利用できれば科学館の役割がもっと増してくるのではないかと思うわけであります。また、発行枚数は少ないということですが、多くの市民に関心を持っていただくためにも、平成32年のパスポートについては市民からデザインなどを募集するなど、科学館の話題性をしっかり発信していく必要もあるのではないかなというふうに思います。  最後になりますが、先日、科学館を訪問した際に、山崎直子宇宙飛行士のコーナーも拝見いたしました。その中で、名誉館長のこのようなコメントが掲示されておりました。星や宇宙に興味を持ち始めたのは、子どものころに通ったプラネタリウムであり、中学校3年のときにスペースシャトル・チャレンジャー号の爆発を見て、そうした乗り物があったのだということに気づいたということで、プラネタリウムをきっかけにして自分が今そうした立場にあるという趣旨のコメントでした。  ぜひとも、科学館本来の目的等を含めて、今申し上げたさまざまな課題はあると思いますけれども、少しでも早くセットでの年間パスポートの導入実現に向けて取り組んでいただくことを強く求めて、質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、帰国外国人児童生徒教育支援事業について伺います。  この事業は、小・中学校、高等学校に在籍する日本語指導が必要な帰国外国人児童生徒に対し、日本語指導ボランティアの協力を得て教育支援を行う取り組みです。2006年度から始まっておりまして、私は、2014年の第1回定例議会の予算特別委員会で、子どもの学習環境の充実の観点から、この事業の成果を確認し、ボランティアへの支援など取り組みの充実を求めました。  札幌に在住する外国人はふえてきておりまして、ここ数年は年当たり1,000人以上の増加となっておりまして、母国語が日本語ではない子ども、日本語支援を必要としている子どももふえているのではないかと推測できるところであります。今回、この事業の推移を伺ったところ、支援している児童生徒数は、事業を開始してから2016年度までの10年間で12名から64名と約5倍にふえております。  子どもの日本語学習は、定住あるいは留学や仕事などによって海外から札幌に来られた外国人家庭が抱えている課題の一つでありまして、子どもの学習環境を整える上でその支援は大変重要だというふうに考えます。札幌市の子どもの権利条例の第28条では、民族、国籍等、子ども自身やその家族が置かれている状況を理由として子どもが差別や不利益を受けてはならないとし、十分に日本語を話すことができない子どもたちに対し、必要に応じた日本語の学びを保障しております。  そこで、質問ですが、この事業の重要性をどのように認識しているのは、改めて伺います。  また、事業を行っていく上での課題としてはどのようなことがあるのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  日本語指導の重要性の認識と帰国外国人児童生徒教育支援事業の現状についてお答えさせていただきます。  学校において、帰国外国人児童生徒が、言葉の壁を乗り越え、安心して生活し、学習するために、支援を必要とする児童生徒の実態に応じて日本語指導を行うことは重要と認識しております。  課題といたしましては、教育支援事業につきまして、今年度、小・中・高等学校合わせて27校60名の児童生徒に対して日本語指導ボランティアの方々を派遣し、円滑に学校生活を送ることができるよう、日本語の習得や生活習慣等の理解に対する支援を行っているところでございますが、さらに充実した支援が受けられるよう、環境を整備していくことはこれからも必要だというふうに捉えております。 ◆石川佐和子 委員  ボランティアの方たちの活動が始まって、10年間で5倍の子どもたちに支援していまして、その事業の課題を今伺いましたけれども、今年度は60名、さらにその環境を整備していくというような答弁でありました。  ボランティアの方々や、この事業を利用している学校の先生たちのお話によりますと、支援を必要としている児童生徒がふえているけれども、日本語が全く話せない子どももおりますし、日常会話程度は問題ないという子どももいると、一人一人の教育的ニーズが異なっているということであります。また、外国籍の子どもが常時十数名いる学校もありますけれども、初めて受け入れる学校では、年度の途中での転入という場合も多い中、言葉が通じないということで大変な困難を抱えながら対応しております。また、当該子どもにとっては、そうした不安や困難はなおさらのことであり、大変戸惑っているということであります。  こういう状況の中で日本語指導が行われておりますが、その最初の段階で、日常会話のような初期指導は、この事業と並行して行っている教育センターの日本語教育に通級して学ぶ子どももいると聞いております。しかし、アクセスなどのさまざまな事情で教育センターに行くことができず、この事業で週1回ほどの日本語学習支援のみの子どももいると聞いております。  そういう状況を考えますと、日本語がなかなか習得できない、わからない子どもの初期指導の支援回数がふえざるを得ず、ボランティア活動に関して、1年間を考えたときに、後半の活動資金が足りなくなるのではないかと懸念しながら活動している現状だというふうに聞いております。このボランティアの活動の様子でありますが、二十数名の方たちによる日本語指導の支援は、2016年度で言いますと1,219回で、これは前年度よりも142回ふえております。1回に800円の謝金を支給されておりますが、これは交通費も含めてのことなので、まさに本当にボランティアというふうに思います。事業費予算も伺いましたが、2017年度は100万円ですから、800円掛ける1,219回でほぼ100万円になります。  海外から札幌に在住するような家庭がふえ、支援を必要としている子どもはふえていますけれども、ここ3年間の事業予算を見てみますと、残念ながらふえておりません。また、そういう中で、先ほど私が申し上げましたように、ボランティアの方々の資金不足の不安は一層深まっているのではないかと懸念するところであります。  そこで、もう1点伺いますが、帰国外国人児童生徒の日本語教育をさらに充実していくためには、ボランティアの方々へのサポート環境の充実など支援を拡充していくべきだというふうに考えますが、どのように取り組まれるのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  日本語指導のサポートの充実についてでございます。  教育委員会といたしましては、児童生徒の実態を踏まえたきめ細やかな支援を行うために、日本語での日常会話に不安等を感じている児童生徒に対して、初期の段階での指導を進めていくことは重要であると考えておりまして、重点的に行うことができるよう本事業の拡充に努めてきたところでございます。  今後は、ボランティアの方々に、授業で用いる教科書、あるいは指導資料等を貸与するなどして、サポート体制をさらに充実してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  今、ボランティアの方たちがされていることの重要性に鑑みて、事業の拡大に努めてこられたというふうに受けとめましたが、その内容としては指導資料の貸与ということでありました。  先ほど、私は、ボランティアの方たちが実際に行っている内容、回数を申し上げましたが、そうした活動の実態に合ったものに事業費を設定していくということが重要ではないかなと私は感じております。決してボランティアの方が持ち出しをすることがないように、そうした見直しをしていくべきだということを、まず、求めておきたいと思います。  子どもたちは、新しい環境になれるのが割と早いと言われておりますけれども、それは、やはり本人の努力があって初めて成長するものであって、そのためには支援しているさまざまな人の連携は欠かすことができないと思います。私は、前回、2014年の質問におきまして、学校においては、ボランティアである指導協力者と連携し、子どもの実態に応じた指導計画を適切に作成できるよう支援していくということを、答弁を通して確認いたしました。帰国外国人児童生徒の日本語学習を子どもに寄り添い効果的に行うためには、こうしたボランティアの活動はもちろんでありますが、子どもの日本語指導にかかわっている教育センターであるとか、学校の日本語指導担当教諭や担任、こうした皆さんの連携の充実が大変重要であると思いますし、日ごろ子どもの様子や支援をしている人の気づきを共有することが大変重要だと感じております。  こうした帰国外国人児童生徒を支える人たちの連携について伺いたいのですが、これまでどのように行い、今後どのように行うお考えなのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  帰国外国人児童生徒を支える人たちの連携についてでございます。  これまで、日本語指導が必要な児童生徒への支援がより効果的なものとなるよう、学校とボランティア、教育委員会の三者で、年2回、連絡推進会議を開催し、実際の指導事例に基づいて意見交換等を行うなど、連携を図る工夫をしてきたところでございます。今後は、学校とボランティアが児童生徒の日本語修得の状況を共有し、十分な打ち合わせのもとに支援を行う仕組みづくりを進めるとともに、教育センターで行っている日本語教室の担当者とボランティアの方々との情報交換の場を設けるなど、日本語指導が必要な児童生徒を支える人たちの一層の連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  学校とボランティアの方との打ち合わせというのは、ボランティアの方たちが以前から要望し、子どもたちのためにそれが必要だとおっしゃっていたことであります。今、今後はそうした取り組みをしていくと伺いましたので、連携の強化にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  私は前回の質問の中で触れましたが、日本語指導の新たな体制整備として、特別の教育課程による日本語指導が実施される中、こうしたことも含めた日本語指導のあり方についても検討していきたいという答弁がありました。今回、私は、ボランティアの支援とか、また、連携のことを確認してきましたけれども、現状の課題として、学校には日本語指導教諭がおりますが、指導体制においては、ボランティアの方も含めて、なかなか十分なものではないのではないかと感じるところもあります。また、ボランティアの方たちも、10年間、本当に懸命な努力をされ、その活動は大変貴重でありますが、帰国外国人児童生徒の日本語指導の事業を今後も安定的に進めていくには、ボランティアに頼っている今の状況について、財政の見通しも含めて、指導体制とか指導方法をいま一度しっかりと考える必要があると私は考えますけれども、その点はどのようにお考えですか。 ◎引地 学校教育部長  今後の日本語指導の充実に向けて、ボランティアの方々はもちろん、学校、関係機関と連携をとって、指導方法、教材等も含めて、子どもたちに効果的な、そして指導しやすい方法等を全体会議の中で考えていくことは非常に大事だと思いますので、先ほど申し上げた連携会議、あるいは日本語教室、ボランティアの方々との協議の中で、そういう内容について検討を進めていきたいと思っております。 ◆石川佐和子 委員  ぜひとも、帰国外国人児童生徒の皆さんが安心して学び、そして、ほかの子どもたちとも共有できるように、そういう学びの充実を進めるためにも、ボランティアとか学校関係の皆さん、教育センターの皆さんなどとの連携をしっかり行い、そうした連携をする会議の回数や時間も確保するなど、充実していただきたいと思います。また、連絡推進会議には、日本語指導を必要としている子どもが在籍している全ての学校の担当者も参加できるように、また、事前の情報共有をできるように進めてほしいということを求めます。  札幌市においては、多文化共生社会の実現を目指しておりますので、地域で子どもが安心して豊かに暮らすことができるよう、学校において必要とされている日本語学習支援のさらなる充実を求めて、私の質問を終わります。 ◆中山真一 委員  皆さん、午前中からの長丁場で大分お疲れかもしれませんけれども、いよいよ最後になりましたので、もう少しおつき合いいただければと思います。  私は、英語教育の充実について、本日は小学校での英語教育に絞って伺います。  子どもたちが、将来、飯が食える自立した大人になれるよう、最良の教育環境をつくるのは我々大人の責任であります。今後、人口が減っていく中で、この北海道、札幌において、市民生活を維持・向上させていくには、海外の成長を取り込んでいくことが不可欠であります。だからこそ、市長も、札幌の目指す姿として、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街を実現させるとしております。  加えて、本市は、冬季オリンピック・パラリンピック招致を目指しております。開催時には、今の小・中学生が成人し、大きな役割を担うことになります。子どもたちの国際的視野、そして使える英語力を育むことは、当の子どもたちにとっても、札幌市全体にとっても大変重要であります。  そんな中、2年後の2020年度から新学習指導要領が本格実施され、英語教育が大きく変わることになります。小学校においては、小学校5・6年生の外国語活動が正式教科に、年間の授業時間数は現在の35こまが70こまになります。外国語活動は、小学校3・4年生に前倒しされ、年間35こまの授業を行うことになります。本市は、教育の大綱において、子どもたちの中にある「生きる力」を育み、大きく伸ばすことで、世界の舞台で活躍する「さっぽろっ子」を育てますと定め、取り組みの柱として、ふるさと札幌への思いを持ちながら国際的な視野で創造的に考えることのできる子どもたちを育みますと掲げております。  そこでまず、前提となる基本的な方向性を伺います。  新指導要領の実施を見据え、改めて、本市教育の大綱の理念を小学校の英語教育にどのように反映し、実践していくのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  教育大綱の内容を小学校英語教育の中にどのように反映していくのかということについてでございます。  札幌市においては、世界の人々の多様な生活や文化を理解し、尊重する態度などを育む国際理解教育を推進しているところでございまして、その一環として外国語によるコミュニケーション能力の素地を養う外国語教育の充実は、その大綱の趣旨とも重なり、非常に重要であるというふうに認識しております。 ◆中山真一 委員  今、部長から、国際理解教育というのを進めていく観点からも、英語、いわゆる外国語の教育というのが大変重要であるという認識をいただきました。  本市においては、教育の大綱だけではなく、教育ビジョンにおいても、目指す人間像を自立した札幌人とし、その定義の一つとして、ふるさと札幌を心に持ち、国際的な視野で学び続ける人を掲げております。今、部長からも、大変重要だと認識しているというお話がありましたが、そうであれば、当然、英語教育にも力点を置かれており、子どもたちにとって質・量の両面とも充実したものになっているはずであります。その点を伺っていきたいと思います。  具体的には、まず、量の充実の観点から伺っていきます。  文科省は、2020年度の本格実施に向け、来年度からの2年間を移行期間と位置づけております。この移行期間は、新要領に円滑に移行するために最低限必要となる内容について指導するためのものとして、少なくとも小学校3・4年で15こま、小学校5・6年で50こまの授業時間の確保を求めております。それを受けまして、本市においては、小学校3・4年においては、来年度、2018年度は20こま、2019年度は30こま、小学校5・6年においては、2018年度は55こま、2019年度は60こまの授業を行うと伺っております。  一方、他の政令市を見ますと、新潟、静岡、さいたま、北九州、熊本の5市は、2年前倒しで来年度から全面実施と同じ授業数を確保しております。加えて、福岡市でも、2018年度は一部の学校で、2019年度は全校で全面実施を1年前倒しで行うと伺っております。  これらの自治体が前倒しで実施する理由は共通しております。その理由は、2021年度に中学校での新学習指導要領が本格実施されます。2019年度の小学5年生が小学校時代に教科としての英語を全面実施と同じ時間数で学習した上で、中学にスムーズに入学できるようにするために前倒しで全面実施を行うとのことでありました。その他の全国の政令市以外の都市や都府県でも、前倒しで全面実施する自治体も少なくありません。  そこで、伺います。  本市においては、小学校3・4年では2018年度は20こま、2019年度は30こま、小学校5・6年では2018年度は55こま、2019年度は60こまの授業数とするとしておりますが、このように判断したのはなぜか、特に、2021年度の中学校での新指導要領本格実施を見据えますと、小学校5・6年においては2019年度から本格実施の授業数を確保すべきとも思いますけれども、その点も含めて判断理由を伺います。 ◎引地 学校教育部長  今回、市が示した新学習指導要領の準備期間における外国語活動の取り扱いの方向についてのご質問かと思います。  平成32年度からの新学習指導要領全面実施において、3・4年生に外国語活動が、5・6年生に外国語科が導入されることに伴い、30年度と31年度の準備期間においてはその内容の一部を教育活動に加えることが示されたところでございます。  来年度からの準備期間の2年間におきましては、国が示す指導内容について円滑に移行することができるよう、教育委員会として必要時数の目安等を示すなど、各学校の新たな指導計画づくりを支援してきたところでございます。また、授業時数の増加につきましては、各学校の指導体制づくりに時間を要することや、子ども及び教職員の負担などに配慮しつつ、段階的に授業時数をふやしていく予定としているところでございます。 ◆中山真一 委員  今、私は、質問の中で、いわゆる小学校5・6年においては2019年度から本格実施の授業数を確保すべきと思いますということで、その点も含めて判断理由を伺ったのですが、私が聞いた限りだと、今のご答弁の中ではそこら辺に触れていなかったような気がするので、もう一度、ご答弁いただけますでしょうか。 ◎引地 学校教育部長  5・6年生に英語科が導入されることについて、中学校での教科の英語との接続ということは文部科学省でも重視している点でございます。ただ、私どもとしては、今現在、3・4年生で行われている、話す、聞くことを中心にした活動から、いきなり書く、読むということが入ってきますので、その点は配慮していかなければならないというふうに学習内容の面では考えております。  中身的にも、文部科学省のほうで、最低、この単元は学習しておこうということにつきましては、今回、手引等を編成して、そこは抜かないように接続を図り、もちろん中学校との接続、それから3・4年生、5・6年生への接続も図った指導内容を手引として提示して、これも進めていくことを考えております。 ◆中山真一 委員  今、部長のお話を伺ったところで、いわゆる読む、聞くということから書くということに中身が変わってくるというところも含めてですが、子どもや先生方の移行をスムーズにするために、最低限の内容をちゃんとやりますというお話も伺いましたので、そういうご配慮のもとで進められることがわかりました。  ここからは、英語教育の質の充実について伺います。  まずは、新指導要領実施に向けた教員の不安の払拭、指導力向上に向けた取り組みについて伺っていきます。  特に、小学校の英語教育においては、先生が身近な英語を話すモデルになることが重要であります。一方、小学校教員の多くは、教職課程で英語の指導法を学んでおらず、英語の教員免許を持っている教員も多くありません。当然、教員の英語力も教え方もまちまちになるおそれがあります。新指導要領実施に際し、先生方から不安の声も耳にいたします。当然、子どもに影響が及ばないようにすることが不可欠であります。  そこで、伺います。  教員の不安の払拭、指導力向上に向け、これまでどのように取り組んでこられたのか、あわせて、本格導入に向け、今後2年間、どのような取り組みを進めていくのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  英語を担当する教員のこれまでの研修、また、これからの教員の不安の払拭や指導スキルの向上に向けた取り組みについてでございます。  これまで、本市におきましては、小学校各学校における英語を中心とする教員に対して、3年間かけて、各学校1名の教員に対して研修を実施してきたところでございます。また、昨年度より、札幌市研究推進事業において小学校外国語の部会を立ち上げまして、そちらでも研修を進めてきております。また、教材等につきましても、文部科学省から提供されている教材に、札幌市に合ったものということで、我々のほうでさらに工夫して味つけを加えてきているところでございます。  続いて、来年度以降のことでございますが、外国語科及び外国語活動の導入の趣旨、それから、学習の目標や内容、準備期間に使用する新教材の使い方等について教員の理解が深まるよう、このたび、先ほども申し上げた指導に関する手引きを作成し、配付したところでございます。また、札幌市の教員が学校の枠を越えて授業研究を行う札幌市教育研究推進事業において、小学校外国語の部会も含めた研究部を立ち上げ、新教材や手引を有効に活用するなどして、効果的な指導方法等に関する研修を進めてまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今のお話の中で、これまで3年間かけて各学校の中心となって進めていく先生方の研修を行っていただいたり、これからも独自の手引等を活用されて不安の払拭と指導力の向上を進めていかれるということを伺いました。  それでは、次に、ALT、外国人指導助手の増員配置について伺います。  子どもたちの国際理解を育み、コミュニケーション能力を育成するためには、ネーティブの生きた英語に触れる機会が大変重要であります。特に、教育の大綱でうたっている世界の舞台で活躍するさっぽろっ子を育てるためには、ネーティブスピーカーとの時間を可能な限り確保することが不可欠であります。  来年度からの移行期間の教材も拝見しましたが、ALTとの学習機会によって効果をより高めることが可能となります。本市小学校へのALT配置は、現在21人、来年度は3人ふえて24人となると伺っております。この体制ですと、ALTによる授業は、5・6年生はおおむね月1回程度の実施、3・4年生については、明確な想定はなく、学校によってまちまちの対応となっており、多い学校でも2カ月に1回程度の実施となっております。  本市の小学校生徒1人当たりのALTなどのネーティブ講師数は、政令市20市中17位、他都市に比べて取り組みがおくれているのが現状であります。さらに、他都市においては、今回の指導要領改訂を踏まえ、来年度からさらに増員を加速させております。例えば、福岡市は、新指導要領の本格実施を見据えた先行的取り組みとして、来年度から、小学校5・6年で毎週1回、ネーティブスピーカーの英語授業を実施、3・4年では地域ゲストティーチャーによる英語教育を月1回以上実施するとしております。  一方、本市アクションプランにおいては、ALTについて、2019年度は全中学校で週1回のALTとの授業実施が活動指標となっております。今回の新指導要領の中身、移行期間の状況などは反映されておらず、小学校については想定もされておりません。市長は、常々、アクションプランで想定していなかったことも社会変化に柔軟に対応していくとされております。本市のALT配置は、まだまだ十分とは言えず、2年後の新指導要領全面実施を見据え、スピード感を持って拡充を進めていくことが必要だと考えます。  そこで、伺います。  ALT、外国人指導助手について、新指導要領全面実施を見据えて小学校3・4年、小学校5・6年のそれぞれにおいて、どのように充実を図っていくのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  小学校におけるALT指導の現状と新学習指導要領全面実施に向けた活用の方向性についてでございます。  ALTにつきましては、これまで計画的に増員することにより、児童がネーティブスピーカーの英語に触れる機会をふやし、外国の文化について理解を深め、英語によるコミュニケーション能力の素地を身につけることができるよう取り組んできたところでございます。現在は、5・6年生の外国語活動の授業において、月1回程度、ALTとの授業を実施しており、来年度からの新学習指導要領の準備期間については、3・4年生においてもALTの活用を可能としたところでございます。  今後とも、児童が英語を使って体験的に学ぶことができるよう、ALTの有効活用を図ってまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今のお話の中で、来年度からは3・4年生においてもALTの活用を進めていくというお話がありました。今、有効活用というお話がありましたが、世の中の状況がどんどん変化しておりますので、増員も含めて、スピード感を持って対応していただければと思います。  次に、英語専門教師の配置についてでございます。  英語教育の充実を図るためには、外国人指導助手の活用とあわせて、各学校において校内の体制を構築していくことが大切であります。国の教育施策がかつてないレベルで変化していることもあり、小学校における英語教育はまだまだ手探りの状態でもあります。現場の先生方もご苦労をされているのが現状であります。  現状では、小学校においては、専科担当や担任がそれぞれALTと対応したり、授業を工夫しながら実施されております。学校によっては、英語教育の指導体制や教育課程がうまく機能せず、十分に共通理解が進んでいないケースもあると伺っております。そのため、本市においては、各学校において、英語教育のコーディネート役となり、中心になって校内体制づくりを推進する英語専門教師の配置を進めております。アクションプランにおいては、2019年度までに小学校全校に配置するとしております。新指導要領の中身も明確になり、来年度から移行期間も始まります。配置のスピードアップが求められます。  そこで、伺います。
     英語専門教師の配置について、現状の進捗状況を伺います。  あわせて、新指導要領の移行期間が来年度から始まることを踏まえ、どう取り組みを加速していくのか、今後の取り組みについて伺います。 ◎引地 学校教育部長  小学校英語専門教師配置事業の現状と今後の見通しについてでございます。  今後、外国語を指導する教員が増加することから、学校内において、外国語教育に係る指導体制づくりを推進する英語専門教師を各学校に位置づけることは大変重要であると考えております。英語専門教師につきましては、現在、約7割の小学校で位置づけられており、学校内で学級担任やALT、地域人材と連携を図るとともに、最新の情報提供や研修を実施しているところでございます。  今後は、平成31年度までの全校での位置づけを目指すとともに、英語専門教師を対象とする研修会を実施するなどして、英語教育に係るコーディネーターとしての役割を十分担うことができるよう支援してまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今、部長のご答弁の中で、7割方に配置が済んでいるというお話で、かなり順調に進めていただいているのかなと思いました。  英語専門教師の配置というのは、子どもたちにとっても大変重要だと思うのですが、学校の先生方にとっても不安や負担の払拭というところで大きな役割を出すのではないかと思いますので、大変期待しております。  今のお話にもありましたが、英語教育を通じて国際的な視野や使える英語力を育むことは、子どもたちにとっても、札幌市全体にとっても、大変重要であります。私自身、外国語の方と仕事をする場面もあって、大変苦労しました。その際、通訳を通すだけではなく、直接、外国語でコミュニケーションをとることの大切さを何度も痛感いたしました。札幌の子どもたちのために、今後、これまで以上に社会の変化にスピード感を持って対応し、英語教育の充実を図っていただくことを提言しまして、私の質問を終わります。 ○こじまゆみ 委員長  以上で、第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月16日金曜日午前10時から、市民文化局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時44分...