札幌市議会 2017-12-05
平成29年第 4回定例会−12月05日-02号
議案第7号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案
議案第8号 札幌市
職員給与条例の一部を改正する条例案
議案第9号 札幌市児童会館条例の一部を改正する条例案
議案第10号 札幌市
農業体験交流施設条例の一部を改正する条例案
議案第11号
札幌市立学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案
議案第12号 公の施設の指定管理者の指定の件(
区民センター等)
議案第13号 公の施設の指定管理者の指定の件(
男女共同参画センター等)
議案第14号 公の施設の指定管理者の指定の件(区体育館等)
議案第15号 公の施設の指定管理者の指定の件(麻生球場等)
議案第16号 公の施設の指定管理者の指定の件(
スポーツ交流施設)
議案第17号 公の施設の指定管理者の指定の件(
ジャンプ競技場及び
札幌オリンピックミュージア
ム)
議案第18号 公の施設の指定管理者の指定の件(
札幌国際交流館)
議案第19号 公の施設の指定管理者の指定の件(
札幌留学生交流センター)
議案第20号 公の施設の指定管理者の指定の件(
教育文化会館)
議案第21号 公の施設の指定管理者の指定の件(時計台)
議案第22号 公の施設の指定管理者の指定の件(旧永山武四郎邸及び旧三菱鉱業寮)
議案第23号 公の施設の指定管理者の指定の件(
市民ギャラリー)
議案第24号 公の施設の指定管理者の指定の件(札幌ドーム)
議案第25号 公の施設の指定管理者の指定の件(
社会福祉総合センター及び
ひとり親家庭支援セン
ター)
議案第26号 公の施設の指定管理者の指定の件(若者支援施設)
議案第27号 公の施設の指定管理者の指定の件(
健康づくりセンター)
議案第28号 公の施設の指定管理者の指定の件(救護施設)
議案第29号 公の施設の指定管理者の指定の件(第二かしわ学園等)
議案第30号 公の施設の指定管理者の指定の件(
母子生活支援施設及び保育所)
議案第31号 公の施設の指定管理者の指定の件(児童会館及び
こども人形劇場)
議案第32号 公の施設の指定管理者の指定の件(こどもの劇場)
議案第33号 公の施設の指定管理者の指定の件(
養護老人ホーム等)
議案第34号 公の施設の指定管理者の指定の件(
老人デイサービスセンター及び
老人福祉センター)
議案第35号 公の施設の指定管理者の指定の件(
リサイクルプラザ)
議案第36号 公の施設の指定管理者の指定の件(
産業振興センター)
議案第37号 公の施設の指定管理者の指定の件(ユース・ホステル)
議案第38号 公の施設の指定管理者の指定の件(
エレクトロニクスセンター)
議案第39号 公の施設の指定管理者の指定の件(
札幌コンベンションセンター)
議案第40号 公の施設の指定管理者の指定の件(
農業体験交流施設)
議案第41号 公の施設の指定管理者の指定の件(都市公園)
議案第42号 公の施設の指定管理者の指定の件(芸術の森及び
本郷新記念札幌彫刻美術館)
議案第43号 公の施設の指定管理者の指定の件(
札幌コンサートホール)
議案第44号 公の施設の指定管理者の指定の件(路外駐車場)
議案第45号 公の施設の指定管理者の指定の件(
札幌駅前通地下広場及び北3条広場)
議案第46号 公の施設の指定管理者の指定の件(市営住宅)
議案第47号 公の施設の指定管理者の指定の件(
北方自然教育園)
議案第48号 公の施設の指定管理者の指定の件(生涯学習センター及び
教育センター(開放施設))
議案第49号 公の施設の指定管理者の指定の件(資料館)
議案第50号 公の施設の指定管理者の指定の件(月寒公民館)
議案第51号 公の施設の指定管理者の指定の件(青少年山の家)
議案第52号 公の施設の指定管理者の指定の件(定山渓自然の村)
議案第53号 公の施設の指定管理者の指定の件(青少年科学館及び天文台)
議案第54号 札幌市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第55号 札幌市
文化芸術振興条例の一部を改正する条例案
議案第56号 札幌市
道路附属物自動車駐車場条例の一部を改正する条例案
議案第57号
札幌市立学校教育職員特殊勤務手当条例の一部を改正する条例案
議案第58号 財産の取得の件(NTT大通2丁目ビル建物)
議案第59号 損害賠償及び和解に関する件
議案第60号
公立大学法人札幌市立大学の中期目標を定める件
議案第61号 平成30年度
当せん金付証票の発売限度額を定める件
議案第62号 市道の認定及び変更の件
――――――――――――――――――
〇出席議員(67人)
議 長 山 田 一 仁
副 議 長 三 宅 由 美
議 員 村 山 拓 司
議 員 村 松 叶 啓
議 員 松 井 隆 文
議 員 中 川 賢 一
議 員 成 田 祐 樹
議 員 かんの 太 一
議 員 岩 崎 道 郎
議 員 松 原 淳 二
議 員 竹 内 孝 代
議 員 わたなべ 泰行
議 員 前 川 隆 史
議 員 平 岡 大 介
議 員 田 中 啓 介
議 員 中 山 真 一
議 員 伴 良 隆
議 員 阿部 ひであき
議 員 小 竹 ともこ
議 員 北 村 光一郎
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 小 口 智 久
議 員 好 井 七 海
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 池 田 由 美
議 員 太 田 秀 子
議 員 村 上 ひとし
議 員 石 川 佐和子
議 員 飯 島 弘 之
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 宗 形 雅 俊
議 員 よこやま 峰子
議 員 小須田 悟 士
議 員 山 口 かずさ
議 員 小 川 直 人
議 員 しのだ 江里子
議 員 長谷川 衛
(伴 良隆議員登壇・拍手)
◆伴良隆議員 私は、ただいまから、
自由民主党議員会を代表し、今定例議会に上程されております各種諸議案並びに市政の諸課題について、順次、質問をいたします。
質問に先立ち、一言、申し上げます。
本市職員の不祥事が相次いでいる件ですが、市民の信頼を大きく損ねたことは極めて遺憾であります。我が会派は、市職員の不祥事があるたびに綱紀粛正と再発防止の徹底を求めてきましたが、依然として不祥事が続く現状です。
そこで、さきの第3回
定例会代表質問で我が会派が取り上げた内部統制制度を、処分の厳格化を含め、早急に構築されるよう改めて強く求めておきます。
それでは、質問に入ります。
最初に、まちづくりのうち、札幌の都市像について、大きく5点伺います。
まず、1点目は、
長期総合計画のあり方についてであります。
昭和46年に札幌市基本構想を定めて以来、一貫して、北方の拠点都市、新しい時代に対応した生活都市を札幌市の都市像として掲げ、まちづくりの基本的方向と重点施策を定めた20年分の
長期総合計画をもとに計画的なまちづくりがされてきました。
一方、平成32年までの第4次
長期総合計画の終了前に策定された平成25年から平成34年までの
まちづくり戦略ビジョンでの目指すべき都市像では、北海道の未来を創造し、世界が憧れるまち、互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまちとし、
長期総合計画を引き継ぐことになりました。この
まちづくり戦略ビジョンを札幌市を取り巻く社会経済情勢など時代の変化を踏まえた新たな将来ビジョンとしていますが、
長期総合計画を終えずに策定された上に、目指す都市像が10年では、長期にわたるこれまでの計画的なまちづくりの一貫性や連続性に不安を感じます。市民のためのまちづくりやすぐれた都市づくりのためには、一貫した考えのもとに継続して行われることが大変重要であり、毎年度の予算編成においては、社会変化に柔軟に対応した新たな施策を盛り込むべきではないでしょうか。
そこで、質問でありますが、長期的な視点、展望を持ったまちづくりにおける最上位の構想や長期的計画の重要性、必要性について、市長のご認識とお考えを伺います。
また、
まちづくり戦略ビジョンが平成34年度に終了することを見据えて、これまで一貫して長期計画で掲げてきた基本理念である北方の拠点都市、新しい時代に対応した生活都市という二つの都市像をどのようにつなぎ、創造し、未来に受け継いでいくお考えか、市長に伺います。
2点目は、北方拠点の国際都市さっぽろについてであります。
北海道は、古くから本州とは大いに違う歴史を刻み、地理的位置や地形からおよそ3方より交わった類いまれな自然や文化を形成してきました。こうしてつくられてきた気質や文化は、もうすぐ創建150年を迎える札幌にも連綿と受け継がれているものと感じます。独特な北方気候と現代的な四季感のある文化と開放的で自由な気質を持つ札幌人は、道外の人々には新鮮で魅力的だと聞きます。
また、北方圏をリードする都市として、北の風土を生かし、国際性を持って生活の快適性を求めてきた先人たちの努力は、冬の都市市長会や
オリンピックなどによって花開き、冬を資源と創造の源泉とした快適な冬の都市として国際的にも開花していきました。積雪寒冷地だけに、市民生活の質の向上は、開拓精神を持つ市民の力なしにはなし得ず、あるいは、国際交流や
コンベンションによって得た知識や方法で新しい時代に対応した生活都市を創造し、つくり上げてきました。
こうした
北方拠点都市札幌の国際性を生かし、今後も、
姉妹都市交流や
コンベンションにおいても、都市が相互に理解し、協調し、補完することによって市民によるまちづくりと暮らしやすさにつなげていかなければなりません。また、札幌の緑と水、土地と建物、四季の都市といった唯一無二の札幌らしさを市民が誇りにし、住みよい快適なまちをつくっていくことを基点に据えた上で札幌を変えることが、来訪者に感動を与え、余韻を残すものと考えます。
そこで、質問ですが、札幌の魅力や暮らしやすさとは何でしょうか、また、それらを充実させていくにはどうしたらよいとお考えか、市長に伺います。
3点目は、
冬季オリンピック・
パラリンピック、
通称冬季オリパラに向けたまちづくりと投資のあり方についてであります。
正式立候補前にIOCとの事前協議ができるのは来年10月までであり、本市はさらなる開催経費の縮減を進めていますが、過大な施設など負の遺産がないように厳しく当たらなければなりません。また、
国家的プロジェクトとして国のさまざまな政策や支援が今後どうなるのか、対話や要望を継続しながら、開催時期も含め、慎重に見きわめる必要があります。一方で、
冬季オリパラ後も長期にわたり利活用するものは、
冬季オリパラを契機に改修、整備するという観点で投資のあり方も考えていくべきです。
このような考え方は、大会に直接関係する施設に限らず、例えば、新幹線の札幌延伸や
都心アクセス道路の整備、市街地再開発事業などといった
大型プロジェクトや、
パラリンピックと高齢社会との共通課題でもあるバリアフリーや雪対策に連動させるなど、札幌全体を新たなステージに導き、市民の暮らしやすさを実現するまちづくりにつなげていかなければなりません。
オリンピックは、単に
スポーツイベントではありません。世界の
ウインタースポーツ都市にした昭和47年札幌冬季五輪は、人とまちをつくり、市民と都市の質も上げた
コンベンションそのものであったと思います。
そこで、質問ですが、
冬季オリンピック・
パラリンピックにかかわる投資を見越し、今後の健全な財政運営をどのように計画し、取り組んでいくのか、まず、伺います。
また、脈々と受け継がれてきたこれまでの長期的なまちづくりの構想や計画をもとに、札幌が目指す都市像への市民理解と市民参加を経て、
冬季オリンピック・
パラリンピックなどの
コンベンションを札幌市民の暮らしやすさの向上につなげていくべきですが、市長のお考えを伺います。
4点目は、大通・
創世交流拠点と大通公園のあり方についてです。
現市政に移行し、今まで日の目を見なかった事業が今めじろ押しとなっていますが、先行取得した大通東2丁目街区や、大通公園を含む大通東西街区の都市の軸と大通・
創世交流拠点の一体的なまちづくりは非常に重要です。
さて、札幌の顔である大通は、類いまれな幅、長さを持った東西一直線の軸であり、それに並行した緑の軸である大通公園は、当初は南側住宅群との防火帯を果たし、市民農園などを経て今の姿となり、雪まつりなど市民文化に根差した取り組みや催しと両立してきました。
しかし、ここ最近は、我々市民さえ近づきにくい公園になったとの声を聞きます。確かに観光資源としての活用は理解しますが、あたかも
イベントスペースと誤解されるような状態では、札幌の中心にある一直線の緑の軸という元来の価値を見失い、札幌らしい都市の中の緑の息遣いも感じない息苦しい空間となりつつあるのではないでしょうか。新旧の建物が周囲の環境と調和し、ビルのはざまの中にも人が憩い、緑に癒やされ、山を見渡し、高い空を見上げられるような安らぎと潤いある、秩序あるまちづくりは、世界的に評価が高い本市姉妹都市のポートランドなどでも大切にしていると聞きます。
そこで、質問ですが、大通公園は、札幌市民にとって元来どのような意義と価値を持っていると認識されているか、まず、伺います。
また、大通公園の
にぎわいづくりとの両立を踏まえた上で、緑と憩いの空間をいかに保ち、つくっていくべきと考えているのか、そして、そのためには、景観や建築物や各種イベントといった周辺環境についてどのような課題認識を持っているのか、それぞれ伺います。
そして、札幌の都市形成の基点、中心軸とも言える大通地区として、大通公園や東1丁目と東2丁目も含めた東西の都市の軸が秩序と調和を保った空間形成となるよう、現状の実態と課題を精査した上で、過去と未来が一直線でつながる長期的視点で計画、整備すべきですがいかがか、伺います。
5点目は、創成東地区についてです。
創成東地区は、まちづくりの可能性を秘めた貴重なエリアです。醸造業を初め、札幌のものづくりを支え、そうした労働者や貧しい子どもたちの教育を担った歴史を持ち、今でもその名残を何とか残しながらまち並みを形成しています。こうしたエリアのまちづくりでは、まちの成り立ちを大切に守りながら、地域住民との協議を踏まえ、札幌市としての主体的なかかわりが非常に重要です。
そこで、質問ですが、再開発をきっかけに、創成川を境に創成東西が好循環するにぎわいのある洗練されたまち並みにしていこうという今、
創成東地区ならではの歴史を振り返り、地域の文化や文化財といった古きよきものを知り、守っていく姿勢と取り組みが大切ですがいかがか、伺います。
次は、地域振興について、大きく2点伺います。
まず、1点目は、地域課題の解決に向けたマネジメントについてであります。
地域ごとの課題を解決するには、一人でも多くの市民が課題を認識できる
きっかけづくりとともに、課題解決への道筋を設け、目標を一つずつクリアできる仕組みと市民みずからの行動が確実に進むよう、市役所が積極的に調整役を担っていくべきであります。例えば、本市除排雪の対象外である間口の雪問題に関し、町内会などに本市が小型除雪機を貸し出す事業を私が提案しましたが、雪問題の改善だけでなく、助け合いや見守りといった波及効果も生まれつつあるようです。一方、市として、全市各エリアの課題を早期に把握し、対処すべきとの私の主張で立ち上げられた庁内横断組織である
地域課題調整会議の取り組み成果は見えず、地域課題の解決に対し、市役所組織の縦割りの弊害があるのではと感じざるを得ません。
そこで、質問ですが、地域交通や地域包括ケアや地域内雪処理や
ごみステーションのあり方など、地域ならではの問題に対し、計画に準じて制度化し、事業化していくという順序がよくありますが、こうした地域性のある問題の解決には、まず、現場である地域で実際にやってみて検証し、よりよい取り組みにつなげ、市全体に広げていくという事例づくりの積み上げによって、既成概念や現行の制度や事業を超えた新たな取り組みに挑戦するような行動実践型の姿勢と順序をもっと取り入れていくべきと考えますがいかがか、伺います。
また、地域に身近な行政機関である区役所も、地域の実情を積極的に把握しながら、地域課題解決に向けた組織横断的な取り組みを進めていくことが非常に重要ですが、地域の特性や課題に応じたまちづくりを進めていくために、区役所のマネジメント力をもっと強化する必要もありますがいかがか、伺います。
2点目は、町内会に関する新たな条例についてです。
さきの第3回定例会における我が会派の飯島議員の代表質問を受け、町内会活性化に資する新たな条例制定について、具体的な検討を進めることが市長より明らかにされました。町内会は重要な地域組織であり、我が会派は、町内会を最重要視し、支援してまいりました。しかし、市民意識や社会状況が変化し、少子高齢化が進む中、町内会加入率の低下や担い手不足などで活動に困難が生じてきています。
そこで、先人たちが積み上げてきた町内会の役割をきちんと評価し、新条例の検討においては、新たな担い手が参加しやすい環境づくりとともに、町内会を中心に地域の活動団体同士が連携し、地域コミュニティ全体を活性化していく視点が大事であり、町内会を初め、市民の幅広い意見をしっかりと反映していかなければなりません。
そこで、質問ですが、条例制定に向けた今後の具体的な検討の進め方とスケジュールについて伺います。
次は、交通施策について、大きく2点伺います。
まず、1点目は、丘珠空港のまちづくりについてであります。
丘珠空港の高い価値とさらなる利活用の必要性は、我が会派のこれまでの主張だけでなく、広く経済界や市民・道民も認めているところでございます。およそ今年度より始まったFDA丘珠−静岡便の毎日運航も、10月末に一旦終え、千歳−静岡便を含めた前年度の搭乗率実績にも増して約74%と好調であり、今後の丘珠空港のさらなる利活用への大きなステップとなりました。
しかしながら、当初からの課題でもあった札幌、北海道の利用者率が伸びず、市や空港ビルを中心とした今年度の取り組み強化にもかかわらず、結果には結びついていません。広く市民・道民が丘珠空港を利用するためには、まず、空港の周辺住民の適切な理解のもと、さまざまなご協力をいただくことよって市民理解が進み、ひいては周辺のまちづくりに良質な波及効果をもたらすものと私は考えてきました。
そこで、親近感や安全・安心とともに利便性を実感するには、これまでのPRの取り組みに加え、FDAやHACなどの丘珠便に実際に乗っていただいてこそ、地元地域として丘珠空港の価値を見出せるものであり、そのためのきっかけが具体的に必要と考えております。
そこで、質問ですが、丘珠空港の利活用は、空港周辺のまちづくりにいかに寄与するものとお考えか、改めて伺います。
また、そもそも、空港や便の利用者増を図ることが丘珠空港利活用の必要十分条件ですから、例えば、丘珠空港周辺住民を初め、札幌市民に対する何らかの料金サービスを行うなど、さらなる利用促進につながる取り組みをしてこそ、利用者増とともに空港やまちの活性化につながっていくと考えますが、こうした実際的な活用手法についていかがお考えか、伺います。
また、本市と隣接する石狩市や当別町、そして小樽市などといった各自治体の特徴や魅力を踏まえ、協力していくことで、都心隣接空港である丘珠空港の優位性がさらに生かされるものと考えます。
実際に、本年6月の石狩市議会において、丘珠空港活性化について質疑があり、石狩市側は、丘珠空港は重要な防災拠点であり、産業拠点である石狩湾新港を有することでのビジネス需要など、地域経済活性化も見込まれるため、各方面の検討状況を情報収集しながら、北海道や札幌市などと連携を図るべく働きかけをしていきたいとの内容でご答弁されています。
そこで、質問ですが、丘珠空港を基点にした地元丘珠地区から札幌市内、そして市外周辺地域とのまちづくりに向けて、周辺自治体との積極的な連携のもとに、総力で丘珠空港の活用と活性化につなげていくべきですが、本市側の考えと今後の動きについて伺います。
2点目は、国道5号の改良であるいわゆる
都心アクセス道路についてです。
都心アクセス道路は、市内外の往来車がいかに創成川沿いの動線を通じて都心と高速道路や周辺地域と往来しやすくするかという重要な公共投資です。一方、その道路から市内都心にアクセスするためのスムーズな車の出入りや都心部内の車の混雑解消といった課題については、まちづくりの主体である本市としては事前に相当検討しておかなければなりません。都心部では、碁盤の目のように歩道、自転車道、車道、市電の軌道、そして地下歩道が縦横にあり、そのあり方が常に議論されています。特に、冬季の車の混雑渋滞は慢性的な問題であり、こうした都心部の交通のあり方について丁寧な検討を行いながら、
都心アクセス道路の計画を進めるべきではないでしょうか。
そこで、質問ですが、
都心アクセス道路の計画を進めていく上で、
都心アクセス道路の計画内容がよりよいものとなるよう、車の乗り入れを含めた都心部の交通のあり方を改めて整理、検討しておく必要があると考えますがいかがか、伺います。
次に、歴史・文化について、大きく2点伺います。
歴史を正しく知り、伝えていくためには、残されたものや情報を適切に守っていくことが不可欠です。札幌市には長い歴史があるにもかかわらず、歴史がないとよく聞きますが、歴史的資産の収集、保存や研究、活用がうまくいっていないことが原因だと私は考えております。歴史的資産は、総じて、収集され、系統的に整理、保存と研究がなされ、私たち市民に大切に活用されなければなりません。
そこでまず、1点目は、本市博物館の建設についてであります。
博物館の建設は、長年にわたる紆余曲折を経て今日の活発な議論に発展し、機は熟したと言えます。博物館は、私たち市民の知の拠点であり、都市への愛着や誇りを育むなど、市民の根幹をなす最重要の公共施設です。よって、博物館があるその位置も、さまざまな歴史的観点から市の成り立ちを意識した地点に構えるべきであり、博物館の特性を生かした経営の視点や、観光も含めた内外の来館者のアクセス性や回遊性も意識しておかなければなりません。
(仮称)札幌博物館基本計画においては、北1条西12丁目街区、いわゆるさっぽろ芸術文化の館跡地を建設候補地として位置づけていますが、一方で、中島公園に整備する案も検討しているという話題もありました。
そこで、質問ですが、計画で位置づけた候補地や他の場所の話題もある中で、本市ならではの博物館の建設場所とはどのようにあるべきとお考えなのか、伺います。
2点目は、文化財についてです。
文化財は、そのあるがまま、ありのままの姿に人は心を打たれ、今を立ちどまり、昔に思いをはせ、未来を望むものであり、そのためにも、元来の場所に本来の姿で残っているか、それに近い状況、状態で守られていなければなりません。
しかしながら、本市を見ますと、時計台移転問題、遠友夜学校資料の譲渡問題、札幌市資料館の活用問題など、歴史の威厳を軽んじる議論や取り扱いを市民は目の当たりにしてきました。文化財がもともとあった場所やその本来の姿にこだわることは非常に重要であり、市所有の文化財は、市としての責任を全うすべく、所属を変えることなく、さまざまな手法を駆使し、市民固有の財産として守り、活用すべきです。さらに、そうした姿勢からつくり出された丁寧かつ工夫された文化財の公開、活用によって、市内外の人々に感銘を与え、子どもから大人までの教育的発展とともに、観光資源として経済的効果も期待できるでしょう。
そこで、質問ですが、文化財の調査や収集、保存、そして研究や活用において重視すべき要点とは何か、ご見解を伺います。
次は、スポーツについて、大きく3点伺います。
まず、1点目は、市民スポーツについてです。
市民がスポーツに親しみ、健康づくりを行う重要な場である公的なスポーツ施設に関し、私は、多くの方々からご要望や厳しいご意見を受けてまいりました。その内容はさまざまで、スポーツをする場そのものの数や位置の問題に始まり、施設の老朽化に伴う維持管理、施設修繕などに関する問題や、競技種目によっては利用できる施設が限定されるといった問題など、市内のスポーツ施設のあり方は喫緊の課題です。
そこで、市内にある既存の官民全てのスポーツ施設はどこに何があるのか、その質や機能性がどうなっているかなど、市内スポーツ施設の資源を総合的に勘案し、一定のエリアでスポーツ施設の何が充足して何が足りないのかを分析し、整理し、市有建築物配置基本方針を踏まえ、丁寧にスポーツ施設対策を組み立てていくことが重要であると、私はこのように以前から主張、提言してきました。市側も、これを受けまして、施設配置活用計画の策定を進めるとし、国のスポーツ施設のストック適正化ガイドラインを踏まえ、先月初めに計画策定に向けた調査業務委託がされたところです。
そこで、質問ですが、市民にとって身近なスポーツ施設には、今、どのような課題があると認識されているのか。
また、そうした課題を受けた施設配置活用計画策定の意義や趣旨、計画策定の工程と目標年度についてもあわせて伺います。
さらに、そうした市側の認識や計画の内容をより有効なものとしていくためには、本市としての市内スポーツ施設のあり方議論を市役所内外でもっと積極的に行っていくべきですがいかがか、伺います。
2点目は、プロスポーツについてであります。
プロスポーツは、楽しみや感動、そして夢を与えるだけでなく、プロスポーツ選手との交流や指導などを通じて子どもたちの健全な育成にも寄与し、未来のオリンピアンやプロ選手などといった人材の輩出にもつながります。また、プロスポーツ団体があることで、施設使用料といった直接的な経済効果を初め、購買や飲食などといった間接的な経済効果もあります。
さて、北海道日本ハムファイターズについてですが、これまで、ホーム移転の問題が、都度、話題となり、建設予定地もさまざまな候補があるようです。そもそも論にはなりますが、ファイターズが北海道に拠点を移し、札幌をホームにして以来の官民挙げての取り組みや効果、プロスポーツ団体であるファイターズの総合的な意義と価値を見詰め直し、まちづくりや子どもたちの未来といった長期的な視点を持って市民共通の理解を広げていくことが、まず、大切なのではないでしょうか。
そこで、質問ですが、北海道日本ハムファイターズが北海道、札幌に根づいていくための市側と球団のこれまでの努力はどのようなものだったのでしょうか。
また、ファイターズが札幌にあることの意義と価値、そして、効果とはどのようなもので、経済的効果は具体的にどれぐらいでしょうか。
そして、そうした意義や価値や効果について、本市と球団が共通の認識を持って協力し合い、市民ともそれらを共有していくことが建設地の議論の過程にそもそも必要であると考えますが、いかがでしょうか。
さらに、市内残留に向けた本市の今後の具体的な動きはどうなるのでしょうか、それぞれ伺います。
3点目は、ラグビーワールドカップ2019についてです。
札幌ドームでの大会対戦カードもいよいよ決まり、オーストラリアやイングランドなどといった強豪国のカードが組まれ、本市も各イベントを通してPRを展開してきました。こうした対戦カードの国を含め、海外から多くの観戦者が訪れれば、滞在期間も長く、経済効果も期待できますし、札幌を訪れた観戦者によい印象を持って帰国してもらえれば波及効果も期待できます。しかしながら、大会組織委員会による調査では、ラグビーワールドカップの認知度は51%ということもあり、今後はもっと積極的にPRしていかなければなりません。
そこで、質問ですが、ラグビーワールドカップの認知度や機運をいかに盛り上げるのか、また、海外からの観戦客をいかに取り込むのか、それぞれ伺います。
次は、人づくりのうち、教育と子育てについて、大きく3点伺います。
私がとても大切にしている教育の概念は、生きる力ということでございます。知・徳・体と言われる学力も道徳心も体力も、全てはその子自身が社会で自立し、強く生きていくためにあります。こうした知・徳・体という基本的な資質や能力を備えないと、応用・発展的な技術、技能を身につけることは難しく、仮に身につけたとしても有用に発揮されにくいと言えます。そのためには、学ぶ楽しさや意欲をまず養い、学年に応じて学ぶ意義を身につけ、みずから学ぶ自覚と習慣を育む環境づくりが大変重要であります。
そこで、1点目は、学びの基礎について、学力、体力、道徳、ふるさと教育について順次質問しながら、家庭での習慣づくりについても伺ってまいります。
まず、学力についてであります。
国が言う学力を本市ではあえて学ぶ力と言いかえているようですが、基礎的な学力なくして、本市が目標にしている考える力や課題解決能力は達成できません。これは、学力だけでなく、例えば、スポーツや芸術においても応用・発展的な技能習得と発揮には基礎的な学習が大切と言われています。
また、基礎的な学力には読解力が不可欠です。本市は、学校教育の大きなテーマの一つに読書を掲げ、読書習慣の定着に伴い、読解力も向上してきています。しかし、全国的には、語彙力を含めた読解力不足が問題になっており、本市の中にも読解力が伸び悩んでいる児童生徒もいるのではないでしょうか。英語教育が低年齢化にある中で、特に日本固有の基礎的言語である国語の読解力に不足が生じると、基本的な生活それ自体に支障を来すだけでなく、他の学習分野にも影響を及ぼすことになります。
そこで、質問ですが、基礎学力においてどのような課題があり、どのように改善を図っていくのか、伺います。
また、読書習慣の改善傾向も踏まえ、読解力のさらなる改善、向上をどのように図っていくのか、伺います。
続いて、体力についてです。
体力づくりは、命と健康そのものであり、生活習慣や運動をしっかりしていると、学力や礼節においても効果を発揮すると言われ、部活などで体を鍛え、人間関係を経験することは社会人としての生きる力につながるとの声も多くあります。
そこで、質問ですが、昨年度の全国調査で本市の児童生徒の体力合計点平均値は全国平均を下回っていますが、今後どのような方向を目指して改善を図っていくのか、伺います。
続いて、道徳についてです。
道徳は、小・中それぞれ平成30年度から平成31年度にいよいよ特別な教科化となりますが、道徳授業を通じて子どもたちが考え、議論し、道徳心を深めることは、自分や家族や社会のさまざまな状況に良識を持って対応できることにつながり、さまざまな社会で自立して生きていく大人としての資質と、考えや行動に深みや伸びやかさを持たせ、まさに生きる力となるでしょう。
そこで、質問ですが、道徳の特別な教科化に向けて、札幌の児童生徒のいわゆる道徳観、道徳性について、現状をどのように認識しているか。
また、各学校・学級が共通の認識を持って道徳授業を行うために、本市としてどのような方針で進めていくのか、それぞれ伺います。
続いて、ふるさと札幌への思いを養う教育についてです。
札幌の子どもたちが住んでいる地域を知り、愛着を持てば、日常生活に地域住民のきずなや思いやりを感じ、社会性を持つことにつながります。子どもたちが将来も札幌を愛し、住んでくれればうれしいですし、他の地域や国に住んでも人のきずなや文化を大切に生きていくことでしょう。
しかしながら、全国調査によると、札幌の子どもたちが地域に参加している割合は全国平均をはるかに下回っているなど、ふるさと札幌を知り、愛するには、家庭は無論、公教育側のさらなる努力が必要です。
そこで、質問ですが、ふるさと札幌の学びにおける課題についてどのように改善していくのか、伺います。
続いて、家庭での習慣づくりについてです。
札幌の子どもたちも、不規則な睡眠や食事、そしてゲームやインターネットのやり過ぎなど、生活習慣に大きな問題が生じています。学習も運動も、学校の取り組みと家庭での習慣づくりがうまく組み合うことに意義があります。
これまで、私は、学校側の責任の重要性は当然ながら、ふだんの養育、育成の場である家庭側の責任の重要性を強く訴えてきました。市教委は、これに呼応し、さっぽろっ子「学び」のススメをつくり、各学校、各家庭に配付し、それに基づいた取り組みが各学校で工夫されてきていることと思います。
そこで、家庭での学習や運動といった習慣づくりについて質問ですが、これまでの半年間でどのような変化、改善が見られたのか、また、学校側の取り組みが全学校、学級で総じて質的に向上していくために今後どのような方向性を持って取り組んでいくのか、伺います。
2点目は、主に家庭事情などで恵まれない環境にいる子どもについてです。
子どもの生まれや育ちは、概して外部要因によるもので、子ども自身の責任とは言いがたいものです。子どもは、何ぴとであっても、公平かつ適切、相当な教育的福祉を受ける権利を持ち、例えば経済的事情などの不利な条件があれば、社会や大人は、子どもに対し、合理的配慮を持ったさまざまな対応を全力で行うべきと考えます。子どもが、夢や希望を持ち、具体的な目標に向かい、努力できる可能性を妨げることなく、むしろ恵まれない環境にいる子どもたちの未来への可能性を見出し、引き出し、子どもの生きる力を磨き、輝かせることこそ、社会的意義であり、大人としてのやりがいであります。
そこで、質問ですが、主に家庭事情などで恵まれない環境にいる子どもたちが、自身の可能性をみずから意識し、理解し、そして、諦めることなく、夢と希望を持ち、目標に向かい努力できる教育的福祉とその環境づくりについて、本市としてどのように考えているのか、また、どのようにしていくべきか、伺います。
3点目は、待機児童対策についてです。
待機児童対策は、今も続く重要課題です。待機児童対策は、言うまでもなく、単に子どもの預かりだけでなく、預けられた施設でその子に合った育ちと緩やかな学習を得ることができます。また、預けた親も、収入はもちろん、仕事のキャリア継続や新たな仕事への挑戦、さらには、預かり施設の更新、新設や保育士などの人的資源の育成、雇用や質的向上など、待機児童対策は結果的にさまざまな効果を生むものと言えます。
一方で、できれば家庭のそばで子どもを育てたいとする人々の価値観や家族文化も尊重しなくてはと私は考えています。本市は、待機児童解消を目的としたさまざまなニーズ調査を行っていますが、養育や子どもの育ちの変化、親の収入やキャリアアップの状況、子どもの人口動態や預かり施設の中長期的な経営課題など、視野を広げた総合的な調査・分析を本市は行うべきではないでしょうか。
そこで、質問ですが、待機児童対策によってどのような効果があるとお考えでしょうか。
また、待機児童対策による養育を中心とした政策効果の検証をしっかり行っていくべきですがいかがか、伺います。
さて、政府・与党は、人づくり革命として、保育、幼児教育の無償化に向けた制度の議論、検討を始め、待機児童ゼロに向けた保育施設の拡充や保育士の処遇改善などを打ち出し、来年度は幼稚園の2歳児受け入れも導入される見通しです。また、全世代型の社会保障制度などが提唱されるなど、今後も子ども・子育てをめぐる議論や動きがさらに活発化していきます。大きな制度設計は国が方針を定めていくことですが、限りある財源の中でどういった制度になることが望ましいのか、隠れ待機児童や保育士等の就労者確保をどうしていくのか、市の現状に即して考えるべきであり、市や関連産業として必要と目される事柄を想定し、対処しておくべきです。
そこで、質問ですが、国の子育て施策の大きな転換が想定される中で、それらに迅速に対応していくために、本市としてどのような対応が必要か、伺います。
次は、健康と福祉について、大きく3点伺います。
まず、1点目は、健康都市づくりについてです。
健康とは、人の年齢にかかわらず、高齢者から子どもに至る幅広いテーマであり、心身ともに健康でいるためにはさまざまな要素があります。こうした健康づくりに関しては、地域でもいろいろな取り組みがされており、そのためのノウハウを持った地域資源である人や団体が多数あります。人は、年齢を問わず、それぞれの判断で自由に健康づくりの取り組みや場を選んでいますが、一方で、いろいろな健康づくりの取り組みが個々に関連性や連動性があったほうがより市民にわかりやすく、効果的であると考えます。
また、健康づくりを支え、健康な生活をつくる環境づくりとして、健康に関するさまざまな地域資源や人々をつないでいくことは、まさに健康都市づくりの一環であり、健康づくり基本計画、健康さっぽろ21(第二次)にも既に掲げられているところです。また、平成30年度に次期計画を策定予定の地域福祉社会計画では、地域の保健福祉にかかわる施策を総合的に推進することを理念とし、健康づくりについても地域の人々や関係団体をつないでいくことがテーマの一つです。
そこで、質問ですが、市民の健康力、予防力の向上に向けた健康づくりに関する官民の取り組みが一体として地域ごとに共有され、利用者にとって効果的な健康づくりとなるよう、本市として、地域での健康づくりに積極的な人や団体とその取り組みをどのように把握し、見える化していくのか、伺います。
また、そうした人や団体といった地域資源を総動員すべく、もっとしっかりと協力していくべきですが、地域福祉社会計画などの関連計画への今後の反映のあり方についていかがお考えか、あわせて伺います。
2点目は、高齢者施策のあり方についてです。
人にはそれぞれの価値観があり、満足とする質も人それぞれです。生きがいややりがいは固有のもので、まして、年齢によって施策や制度や事業が中長期に固定化されることは、人や社会の可能性を鈍化させ、硬直化させてしまいます。高齢社会から円熟した高齢社会に向かっていく今、社会の変化に迅速に対応すべく、高齢者の概念を政策的にも整理し、高齢者が生きがい、やりがいを自覚し、より元気に生き生きと過ごせる環境づくりを急ぐべきです。あわせて、先輩である高齢世代が培ってきた経験、知識と技術、技能は、後輩側である働き世代などの若い世代にとっても貴重な財産であり、若い世代と高齢世代が互いに求め合い、助け合う環境をつくっていくことも高齢者の生きがい、やりがいにつながるはずです。
本市には高齢者対象の制度や事業が多数ありますが、こうした一連の高齢者施策は始まった当初から一定の年数を経てきており、改めて高齢者の生きがい、やりがいをもとに、地域貢献やセカンドキャリアなど、高齢者のよりよい社会参加と活躍、そしてまちづくりにつなげていくためにも、各種高齢者施策と事業のあり方については積極的な検証と議論が大いに必要と考えます。
そこで、質問ですが、これまでの高齢者施策の概念を改めて整理、確認するとともに、これまでの高齢者施策と事業を世代を超えて積極的かつ丁寧に議論、検証し、より生きがい、やりがいに結びついた施策、事業につくりかえていくことも視野に、全世代が活躍する円熟した高齢社会を目指していくべきですが、いかがお考えか、伺います。
3点目は、認知症施策についてです。
国の新オレンジプランによりますと、我が国の認知症高齢者は、2025年には700万人と高齢者の5人に1人が認知症となる可能性があると推計され、世界共通の課題でもあります。また、正常と認知症の中間の状態である軽度認知障がいについては、厚労省は平成24年時点で約400万人と推計しており、この軽度認知障がいのときに予防の取り組みを行うことで、回復したり発症をおくらせることができると言われています。よって、今後は、認知症ケア体制の構築とともに、予防に向けた取り組みが大変重要であり、そのためには、医学的なアプローチと生活の活性化という両方の観点でのアプローチが必要ではないでしょうか。
そこで、質問ですが、認知症の予防に向けた札幌市の今後の方向性について伺います。
また、認知症は、判断能力が不十分になることで、日常生活や病院受診といった悩みから重大事故といった命にかかわる危険まで、本人はもとより、家族や周辺にさまざまな影響を及ぼします。また、顕在化した問題だけでなく、人知れず自分や家族が認知症なのではとの不安や、在宅生活の継続に不安を抱える市民も多くいるのではないでしょうか。このような現状を踏まえ、本市は、認知症サポーター養成講座など、認知症の市民理解を高める取り組みを広げているところです。
そこで、質問ですが、今後は、認知症の方々とその家族を地域全体で支えていくようなまちづくりが必要ですがいかがか、伺います。
次は、市役所の職員について、大きく2点伺います。
まず、1点目は、人材育成と職場づくりについてです。
市役所職員は、市政を執行する者としての意義や責任を理解し、市民のために奉仕することが基本かつ最大の責務です。しかし、在職期間が経過するうちに、次第に自覚が薄れるせいか、役所組織や職員個人のためと考えられるような対応が目につくことがあります。新規採用職員は公務員の使命と心構えを研修していますが、その当時を振り返り、再認識する統一的な機会はあえてつくられていないようです。当たり前のことをわざわざとりたててやる必要がないこともわかりますが、夢と希望を持って市に奉職した原点に職員が立ち返られるような取り組みがあってもよいのではと私は思います。
そこで、質問ですが、市職員が、総じて、市民への奉仕の精神と夢ややりがいを持ち、札幌の発展に意気盛んに邁進し続けるためには、いかなる人材育成や職場づくりが必要と考えているのか、伺います。
2点目は、職員の人事配置についてです。
本市職員は、市政発展の牽引役となるべきであり、その人の専門性や技能が生かされる人事配置がなされるべきです。例えば、海外に赴任した経験者は、その国々の言語や文化に精通しており、そうした専門性や技能は市政発展に有効に発揮されなければなりませんが、経歴と今の所属を照らし合わせると疑問に思うケースがあります。確かに、広い範囲の知識や能力を持ついわゆるゼネラリストを育て、配置することも不可欠ですが、特殊な専門性や技能を持ついわゆるスペシャリストを育て、配置していくような適材適所も今後必要であります。
そこで、質問ですが、特殊な専門性や技能がより生かされるような職員育成や人事配置について、今後どのようにしていくべきと考えているのか、伺います。
次は、経済問題について、大きく3点伺います。
まず、1点目は、働き方改革についてです。
人手不足が次第に広がり、さまざまな問題が顕在化してきています。人手不足を解消するには、働き手を確保すること、生産性を向上していくこととともに、限られた人で効率的に働くことが主に必要です。
そこでまず、働き手の確保策についてですが、都心で働いた後に出身地の札幌に戻って働いたり、首都圏などの出身者が札幌に移住し、就職するといったUIターンがあります。我が会派の提言を踏まえ、本市は、札幌UIターン就職センターを昨年4月に開設し、大学生を初め、社会人のUIターンの取り組みを推進しています。働き世代が札幌に戻ったり移住したりして働く理由は、仕事そのものや住みやすさはもちろんですが、出産や育児、あるいは親の介護というライフスタイルの変化といったこともあります。ですから、こうしたUIターン希望者に必要な各種情報を適時適切に提供したり、企業とのマッチングをきめ細やかに行うといった支援体制をもっと強化すべきです。
そこで、質問ですが、UIターンを希望する社会人の背中を押して、多くの人に札幌での就職を決めてもらうためには、今後どのような取り組みを強化していくのか、伺います。
続いて、生産性向上についてですが、仕事における労働生産性を向上していくには、効率的な事業運営が必要です。例えば受け付け業務は、対面も大事ですが、その業務内容から、IT化、つまり情報通信化したり、AIといった人工知能のロボットを使うことも見かけるようになりました。また、ビッグデータを使うことで、人手を要する情報の収集や分析、そして企画を手早く供給、入手する動きも加速しています。本市も、ICT活用戦略を策定し、ビッグデータの蓄積と発信に向けた体制とシステムづくりが全国に先駆けて動き出しました。こうした動きと連動し、さまざまな分野の各事業者も、情報通信化や人工知能の利用、そして、物がインターネットで相互につながるIoT化が進むよう、本市も一層取り組んでいくべきであります。
そこで、質問ですが、IT化による生産性向上、つまり、仕事の効率を上げ、サービスを高め、利益を確保するといった改革について、市内各事業者のどのような取り組みをどのように支援していくのか、伺います。
また、本市業務としても、人の手は大事ですが、役所の単純業務を中心に、どこまでICT化できるか、聖域なく検討し、導入できる業務があれば早期にICT化していくことが必要と考えますがいかがか、伺います。
また、ICT化とは別に、例えば、ふだんの会議時間を極力短くするなどといった、官民問わず、ちょっとした工夫でできる働き方改革もあります。こうした働き方の小さな工夫や削減の積み上げは、経費、人件費の節約、節減だけでなく、サービスの充実にもつながり、高価なシステムや新たな人件費が生じることなく仕事を回し、生産性を向上できることもあるのではないでしょうか。
そこで、質問ですが、お金をかけずにできる働き方改革について、まずは市みずからも働き方改革を実践しながら、官民のそうした取り組みを広めていくべきですがいかがか、伺います。
2点目は、食産業についてです。
札幌の強みは、冷涼な気候や豊富な自然に囲まれた北海道の都であることです。北海道の食料自給率はカロリーベースで約200%であり、質がよく、新鮮な素材そのものの価値も高く、国内だけでなく、アジアなど対外需要の堅調を見ても、加工などを含めた6次化で付加価値を生み出すなど、さらなる付加価値化が必要です。
しかしながら、北海道が全国に占める農水産物産出額のシェアと比べ、農水産物が各産業の生産活動によって生み出される北海道の粗付加価値のシェアは全国を下回っており、人も食料もたくさん集まる道都札幌としての農水産品の高度な活用は大変重要な役割です。そのためには、道内生産者と市内製造事業者とのマッチングや、市場のニーズと反応を取り入れ、札幌の都市機能を活用するような食の付加価値向上への取り組みとともに、成功した事例や商品を、さまざまな機会や媒体を駆使し、有効に情報発信していかなければなりません。
そこで、質問ですが、札幌の食ブランドを構築していくために、加工などをして付加価値を高めた商品が企業や消費者につながるような情報発信を今後どのように強化していくのか、伺います。
3点目は、観光産業についてです。
観光は裾野が広い産業で、国も本市も重視していますが、観光客がどこの何に魅力を感じるかが大切な要素です。私が札幌に来たときに感じた魅力は、東京と違い、雄大な自然に囲まれ、都市機能がコンパクトにできていることで、実は、札幌市民にとって日常の環境そのものが道外、海外では憧れであり、観光資源そのものだと私は思っています。ですから、こうした札幌そのものの魅力を維持していくことは、観光にとっても基本かつ重要であり、私たち市民のふだんの暮らしの側にある自然や歴史、そして文化を大切にしていくべきと、私はいつもそう思っております。
確かに、観光の利便性を高めたり、観光資源を魅力的に見せることは産業手法として大変重要ですが、自然に囲まれた都市風景や市民の生活、文化といった本来の姿を変えれば、一時的にははやっても、札幌らしい独自性が失われ、観光資源としての魅力が薄れ、飽きられるどころか、実際に暮らす札幌市民の愛着や誇りまで損失してしまうと私は思います。
そこで、質問ですが、観光資源の魅力づくりにおける本市の基本的姿勢についていかがお考えか、伺います。
札幌では、市内に宿泊する外国人観光客がここ5年間で3倍増加していますが、平成24年度から27年度まで30%から50%であった増加率が、平成27年度から28年度にかけては9%台と鈍化しています。また、訪日外国人観光客は、団体旅行から個人旅行に、購買中心のモノ消費から体験型観光中心のコト消費にシフトしており、四季の体験や歴史・文化体験、自然体験などに対する関心が高まってきています。都市機能と自然が調和した魅力と、四季の食や観光企画などの豊富な観光資源を有する札幌として、外国人観光客の増加とともに、再訪問に向けた観光資源を札幌らしく生かしていかなければなりません。
そこで、質問ですが、外国人観光客に何度も札幌を訪れてもらうためには、札幌らしく観光資源を磨き、有効に活用することが重要であると考えますが、外国人観光客の再訪問を促進するために今後どのような取り組みを進めようとしているのか、伺います。
次は、財政問題について、2点伺います。
まず、1点目は、事業の財政的見直し改革についてです。
札幌の財政力は政令市の中でもほぼ最下位であり、国からの交付税によって何とか成り立っているのが実態です。その割には、政令市としての権限は大きいため、行政事務が多く、義務的経費全体は保健福祉費関係のとまらぬ増大で財政全体を圧迫しています。総人口とともに生産年齢人口の減少で市税収入の大幅増は見込めず、国の交付税に過度な期待ができない中で、義務的経費外のいわゆる本市が自由に使えるお金はごく限られています。
しかし、本市の政策的経費における事業を見渡しますと、例えば、モデル事業やスタートアップ事業といった単発的な補助が分野ごとに並んだり、相談支援事業を相談内容ごとで委託事業者を分けたり、ステップアップや自立を図るべき各事業の連続性、関連性が薄かったり、人気で始めた補助金やイベント事業の質が変わっても見過ごしたりするなど、整理、見直しが必要と思える事業がまだまだあるようです。政策性や公益性を実現することは本市の基本かつ最高の責任ですが、そのための事業が合理的かつ効果的になるように最大限に改革すべきです。
そこで、質問ですが、行政の責任領域と役割を再検討し、民間や地域の力を十分に生かしながら、事業の質が重複したり連続性、関連性に欠けるなどの事業は、今後必要とされる市民サービスに新たに対応し、展開できるような事業になるよう、もっと柔軟かつ積極的に組みかえ、事業効果を大きくしていくべきですが、今後どのようにおのおのの事業を再評価し、改善していくのか、伺います。
2点目は、公共施設の再構築についてです。
市内の市街化はほぼ終わり、世代交代などによる市民ニーズや生活様式の多様化が進んでいます。一方、1970年代に建てられた公共施設の老朽化による建てかえ更新や保全の費用は、このままでは約20年後に年間700億円というピークを迎え、今後60年間で2兆7,000億円という巨額な費用を要する計算です。確かに、短期間に過度な負担が生じないよう、長寿命化や建てかえ更新時期の平準化といったストックマネジメントが始まっていますが、市営住宅や市民利用施設や学校や役所などといった公共施設においては、今後のあるべき機能性を維持しながら、機能を複合化し、効率的な施設運営を行う取り組みを着実に進めるべきです。
そこで、提案も込めて、3点質問です。
まず、公共施設と機能の自治体広域連携についてです。
本市が隣接する自治体は11市町村あり、最近は札幌市側から市外に通勤・通学する人々も多いなど、生活圏は自治体境界線をまたいでいます。こうした隣接自治体間では、市民がふだん利用する公共施設から消防、救急といった施設に至るまで、住民サービスの機能としては重複する部分も多くあるのではないでしょうか。
そこで、質問ですが、自治体間の境界線に必要以上にこだわらず、生活圏にある公共施設の機能性を各自治体が協力して磨き、分かち合えば、選択と集中が図られることで機能性が維持または向上し、結果的には効率的・効果的な公共施設の再構築につながるのではと考えますがいかがか、伺います。
続いて、公共施設の再構築を総合的にマネジメントする専門部署を新たに設置することについてです。
本市は、おのおのの公共施設を所管している部署が施設整備・保全の管理運営をおおよそ行っていますが、多種多様な数多くの公共施設の再構築には、財産経営の視点と縦割りを排した議論と判断ができる総合的なマネジメント機能が今後は必要です。
そこで、質問ですが、公共施設の再構築を財政面と財産経営の視点で判断し、組織横断的に企画調整できる総括的な専門部隊を庁内に設けるべきですがいかがか、伺います。
続いて、市民との情報共有と合意形成についてです。
公共施設を再構築していくには、利用者を初め、地域住民の協力と理解が不可欠です。
そこで、質問ですが、未来の世代に過度な負担を残さぬよう、長期的な視点に立ち、新たな時代に対応した公共施設の効果的かつ効率的なあり方について、世代にかかわらず、市民が一緒に議論し、理解し、進めていくためには、市長はどのようなビジョンを持ち、いかにリーダーシップを発揮していくのか、伺います。
最後に、北区の諸課題について、5点伺います。
1点目は、雪対策についてです。
北区は、例年、降雪量が多く、大きな日常課題です。例えば、創成川通から屯田防風林と麻生駅を直線で結ぶ南北区間は、冬季の朝夕の大渋滞が大きな問題です。これを解消すべく、私が長年要望してきた区間除排雪の拡充が昨冬から実施されるとともに、麻生9丁目交差点から下水処理センターにかけての雪山除去で見通しを確保し、新琴似6番通からの右折車停滞を改善すべく、右折専用信号機も先月に設置していただきました。こうした取り組みの中で気づいたことは、雪道になれない12月中の大雪時にこうした重要幹線道路の雪を前倒しで除排雪すると、年明け以降の除排雪事業についても地域住民の理解や協力が比較的得やすいことです。
そこで、質問ですが、確かに冬期間の限られた予算の中で事業執行のタイミングに慎重な判断があることは承知ですが、大雪時などには除排雪を積極的に前倒しして行うやり方は今後も有効なのではないかと思いますがいかがか、伺います。
2点目は、河川管理についてです。
北区の屯田地区や新琴似地区は、下水の高度処理水により、せせらぎの復活を行い、自然あふれる環境になりました。一方で、これらの河川は、一般的な河川と比べ、栄養価や水温が高く、流れも緩やかで、水草は高いもので2メートル近くにもなり、上流からのごみが川面や土手両側にたまり、不法投棄まで助長されている現状です。また、市が散歩道とした川岸の雑草刈りも年1回では追いつかず、せせらぎと散策の河川域とした本市の姿勢に見合った管理とは言いがたい状況です。
私も、地域の方々からの情報や苦情があるたびに、土木センターにごみ清掃や川底掘削、草刈りなどの対応を要請しており、周辺住民も機会を捉えてみずから清掃していますが、下流の一部区間で一時的に対応しても解決できず、河川の適切な維持管理を強く求める声が多くの方々から寄せられています。
そこで、質問ですが、こうした北区屯田地区や新琴似地区の河川について、市の管理のあり方や住民とのかかわり方について今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
3点目は、道路の改良についてです。
東15丁目・屯田通のうち、通称屯田3番通から創成川通との交差点は、交通量が大変多く、夏冬問わず、長蛇の渋滞です。これは、創成川橋梁部分が右折と直進、左折の実質2車線のみで、北区太平側との道路接続が曲線になっていることも主な理由と考えられます。そこで、こうした状態を何とか解消すべく、新たな交通量調査や橋、道路の構造研究を行うなどしながら、周辺住民にも納得いただけるような方向を本市に模索していただいています。
そこで、質問ですが、東15丁目・屯田通と創成川通の橋梁を含めた道路改良について、現在どのような方向性を持っているのか、伺います。
4点目は、地下鉄駅エレベーターについてです。
麻生駅は、1日平均乗降客数の最新数値でさっぽろ駅、大通駅に続く3番目であり、こうした最重要駅の一つにもかかわらず、地上接続のエレベーターは駅南寄りの1基のため、駅北側の住民を中心に日増しに要望や不満の声が高まっています。特に、麻生駅のように、乗降客も大変多く、地域交流拠点である駅には構造上の課題などが解決できるような再開発を駆使するなど、乗降客数を勘案した優先順位でエレベーターを設置できるような工夫と取り組みを全力で行うべきと考えます。
そこで、質問ですが、地下鉄駅へのエレベーター増設については、今後どのような考え方で整備箇所を選定していくのか、伺います。
また、麻生駅のエレベーター設置は優先度が特に高いと考えますが、どのように取り組みを進めるのか、伺います。
最後に、北区役所エリアの今後についてです。
北区役所は、耐震、耐久性において当面は問題がないそうで、北区役所が将来どの地域にあるべきかも含め、建てかえ等の議論はおよそ10年先だと聞いています。一方で、隣接する札幌サンプラザの建物自体の耐久性や中期経営計画と優良な機能性から判断しますと、北区役所と同じく、建てかえ等の議論は10年先と見通すことができそうです。
そこで、質問ですが、およそ10年先からの建てかえ議論とはいえ、今の北区役所とサンプラザなどを含めたエリアを一体として考え、官民の市民サービスという機能性を適切に維持しながら、土地・建物の高度な有効活用を図るなど、北区役所エリアの今後についてさまざまな視点からの長期的な研究をそろそろ始めてもいいのではと思いますがいかがか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終了いたします。皆様のご清聴、長らくありがとうございました。(拍手)
○議長(山田一仁) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で、大きく5項目についてご質問をいただきました。私からは、1項目めのまちづくりについて、それから、4項目めの財政問題についてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましての答弁は、担当の副市長、それから教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、1点目のまちづくりについてお答えをいたします。
1項目めの札幌の都市像についてお答えをさせていただきます。
まず、1点目の
長期総合計画のあり方についてであります。
札幌市は、これまで、将来を見据えた計画的なまちづくりを進めてきており、これを進める上で、長期的な構想や計画は重要なものと認識をしております。
現在定めております都市像は、北方圏ならではの暮らしや文化の魅力を高めつつ、世界へのアピールを強めるなど、これまでの都市像の考え方を受け継ぎながら、社会経済情勢の大幅な転換期を捉えて、市民と共有できる将来のまちの姿として定めたものであります。今後とも、都市像に代表されるまちづくりの基本的な考え方を発展的に継承し、将来を見通したまちづくりを進めていく考えであります。
次に、2点目の北方拠点の国際都市さっぽろについてであります。
札幌は、高次な都市機能と利便性をあわせ持つ大都市でありながら、雪を含む四季の明瞭な自然環境を有することがその魅力であり、豊かで暮らしやすい市民生活につながっていると考えているところであります。
こうした札幌の魅力を一層磨き上げ、充実させるためには、長期的な視点とターゲット、目標を明確にした戦略性を持ちながら、市民や企業などと連携を図り、取り組んでいくことが重要と認識をしております。
3点目の
冬季オリンピック・
パラリンピックに向けたまちづくりと投資のあり方についてであります。
まずは、投資を見越した健全な財政運営の計画についてでありますが、札幌市の財政見通しが今後厳しさを増していく中で、公共施設の更新需要が本格化していくことを踏まえますと、優先する事業の厳選をこれまで以上に徹底する取り組みが不可欠であると考えております。そのような中において、
冬季オリンピック・
パラリンピックにかかわる投資を見越しつつ、健全な財政運営に取り組んでいくためには、中期財政フレームの期間を超えるようなより長期の財政見通しを立てた上で、計画的に対応していくことが重要だと認識をしております。
次に、長期的なまちづくりの構想と計画についてでありますが、
冬季オリンピック・
パラリンピックなどの大規模事業は、長期的なまちづくりの観点から取り組むことにより、都市像の具現化や市民生活の向上に大きく寄与すべきものと考えているところであります。したがいまして、市民や企業などにその意義や効果をしっかりと伝え、ともに取り組んでいくことが不可欠であると認識をしております。
4点目の大通・
創世交流拠点と大通公園のあり方についてであります。
大通公園は、緑や憩いの場として利用されてきたほか、各種催しが開かれるにぎわいの場としても利用されてきており、古くから憩いとにぎわいの場としての意義や価値を有する市民の大切な財産であるものと認識をしております。今後も、市民ニーズを適切に捉えながら、都心部の貴重な緑と憩いの空間を大切にしつつ、大通公園が将来にわたり市民に愛され続けるよう守り育てていく考えであり、周辺環境につきましては公園と連携した空間形成等が重要であります。
第2次都心まちづくり計画の中で、大通は、潤いある緑を中心に新たな価値を生み出す空間創出ということを目指しており、まずは、大通東1丁目から西4丁目の沿道地権者とともに共有すべきまちづくりの方向性を検討中でありまして、今後もこの議論を進めてまいりたいと考えております。
5点目の創成東地区についてであります。
この地区は、開拓期からものづくりのまちとしての役割を担ってきた地区であり、旧サッポロビール工場や酒造工場等の魅力的な歴史資源を有しているところであります。この地区のまちづくりの考え方といたしましては、都心の利便性を享受しながら、人間性豊かな生活を実現すること、起業等により地区の新たな活力を創造する取り組みを促進することなどを掲げているところであります。今後も、これらの方向性に沿って地域との議論を重ねながら、既存資源を生かしたまちづくりや人づくりを進めることで、創成東地区の魅力や価値の向上を図ってまいりたいと考えております。
次に、地域振興についてお答えをさせていただきます。
1点目の地域課題の解決に向けたマネジメントについてでありますが、複雑多様化する地域課題に対応するためには、地域住民がみずから問題点を共有し、そこに市も積極的にかかわりながら、課題解決の実践事例を積み重ねていくことが重要であると認識をしております。そのため、地域による課題解決の事例づくりを後押しし、その成果を、
地域課題調整会議なども活用しながら、組織横断的な取り組みや施策への反映につなげてまいりたいと考えております。
また、区のマネジメント力の強化につきましては、これまでも、アクションプランにおいて区ごとの施策を盛り込んだほか、区の自主執行予算における裁量権を拡大するなど積極的に取り組んできたところであります。今後も、他都市の先進事例などを参考にしながら、区の機能やマネジメント力の強化に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
2点目の町内会に関する新たな条例についてであります。
現在、新たな条例を幅広い視点から検討するために、外部委員会の設置に向けた準備を進めており、公募委員等の選考後、年明けから本格的な検討に着手したいと考えております。あわせて、市民ワークショップや町内会へのアンケート等を実施し、検討に反映させていくこととしております。その後は、外部委員会の検討結果を踏まえ、市の方針を決定し、パブリックコメントなどの手続を経た上で、来年度中には条例案を提出させていただきたいと考えております。
3項目めの交通施策についてお答えをさせていただきます。
1点目の丘珠空港のまちづくりについてであります。
丘珠空港の利活用を図ることによる空港周辺のまちづくりへの寄与でありますが、丘珠空港の利活用を図り、さらに空港利用者がふえるということが丘珠周辺地域のにぎわいにつながっていくことに期待をしております。
また、市民の丘珠空港の利用増に対する実際的な活用手法についてでありますけれども、道内路線は、ビジネス利用が多く、休日の利用が少ない、また、道外路線につきましては、札幌側からの利用が少ないという状況にあります。このような状況を踏まえ、航空会社などとも連携をしながら、市民・道民に丘珠便を知っていただくよう、また、路線の利用へつながる効果的な手法についても取り入れてまいりたいと考えております。
次に、周辺自治体との連携による丘珠空港の活用と活性化についてでありますが、周辺自治体の声もお伺いしながら丘珠空港の活用を呼びかけるなど、周辺自治体との連携を深めてまいりたいと考えております。
2点目の
都心アクセス道路についてであります。
都心部における道路構造等の検討に当たりましては、渋滞の一因となっております通過交通と都心へのアクセス交通の機能分担を図るなど、効果的な対策について、国や北海道と連携を図り、検討を深めていくことが重要であると認識をしております。また、北海道新幹線の札幌延伸を見据え、札幌駅バスターミナルの再整備等のまちづくりを進める上でも、公共交通や歩行者ネットワークなどの観点も含め、円滑な都心交通環境の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、歴史・文化についてお答えをいたします。
1点目の博物館の建設場所のあり方についてであります。
現基本計画におきましては、博物館の立地条件として、市民や観光客が来訪しやすい場所であること、訪れた人が札幌の魅力や成り立ちを実感できる環境が周囲にあること、さらには、展示や収蔵などに必要な規模を確保できることなどとしており、この考え方に変わりはございません。
今後は、現在策定中の展示・事業基本計画を検討していく過程の中で建物や土地の必要規模が明らかになってまいりますので、その内容を十分吟味した上で、建設場所の本格的な検討を進めてまいりたいと考えております。
2点目の文化財の収集、保存や研究、活用などの要点についてであります。
文化財につきましては、文化財相互の関連性や地域住民の愛着なども含めた視点から調査、収集することが大事であり、保存に当たりましては、市民の協力も得ながら、文化財の価値を損なうことなく後世に継承することが重要であると認識をしております。また、文化財の研究や活用に当たりましては、確実な保存を前提としながらも、積極的な情報発信、さらには、鑑賞や体験を通じて地域振興や観光振興につなげていくことが重要であると考えております。
5項目めのスポーツについてお答えをいたします。
まず、1点目の市民スポーツについてであります。
スポーツ施設配置・活用計画につきましては、施設の老朽化や多様化する市民ニーズなどの課題に対応するため、施設維持から機能重視へという考えのもと、スポーツ施設の今後のあり方について、基本的な方向性を示すものとして検討を進めているところであります。今後は、更新に伴うライフサイクルコストの分析や市民アンケートなどを行った上で、有識者を交えた議論を深めながら、次期中期実施計画の策定年度までには計画を取りまとめてまいりたいと考えております。
2点目のプロスポーツについてであります。
北海道日本ハムファイターズと締結いたしましたまちづくりパートナー協定に基づき、これまで札幌市は、札幌ドームの大型ビジョン拡充など、野球観戦を楽しめる環境整備を行い、一方、ファイターズとしては、少年野球教室の開催を初め、さまざまなファンサービスの実施など、市民に愛される球団となるよう、ともに取り組みを重ねてきたところであります。この結果、今や、ファイターズを応援することが多くの市民にとって生活の一部となっており、球団の存在意義や価値及びその効果は、市民にも広く共有されているものと認識をしております。
なお、民間の調査では、経済効果額は260億円超と試算をされているところであります。
こうしたことから、さまざまな課題がありますものの、球団が市内にとどまるよう、引き続き市内での新球場建設の実現に向けて協議を進めてまいりたいと考えております。
3点目のラグビーワールドカップ2019についてであります。
今後とも、チケット販売などに合わせたPRに努めるほか、来年4月に札幌ドームで初めて開催するテストイベントでは、多くの市民に来場していただく催しをあわせて実施するなど、認知度や機運を高めてまいりたいと考えております。また、海外からの観戦客の取り込みにつきましては、例えば、札幌で試合を行う各国大使館などに対し、札幌の魅力をPRするとともに、旅行代理店などとの連携による観光ツアーの企画販売など、積極的な集客に努めてまいりたいと考えております。
大きな四つ目の項目の財政問題についてお答えをさせていただきます。
まず、事業の財政的見直し改革についてであります。
財政見通しが厳しさを増していく一方で、喫緊の市政課題にも機動的に対応していくためには、既存の事業についても、手法や効果の見きわめといった検証を常に行いながら、より市民ニーズや課題に合った事業への選択と集中を図る必要があるものと認識をしております。
そのような考え方から、平成30年度の予算編成においても、今後の事業構築に際して、まず、現状分析を前提とした客観的な統計データ等に基づいて事業の必要性や効果の検証を行うとともに、事業展開に際しても、サービスを受ける市民のニーズにより適合したものとするため、部局間の垣根を超えた事業の再構築についても検討するよう指示をしているところであります。
次に、公共施設の再構築についてであります。
1点目の公共施設及びその機能における自治体間の連携についてであります。
近隣市町村との間でお互いの状況に応じて公共施設の機能を広域的に活用することは、行政運営の効率化と住民利便性の向上を図ることができる場合もあり、これまでも一部施設において取り組んできたところであります。札幌市周辺の多くの市町村で人口減少が進む中、圏域としての魅力や活力を維持しつつ、行政サービスの効率化の必要性が高まっておりますことから、今後、さらに自治体間でどのような連携が可能か、検討を進めてまいりたいと考えております。
2点目の公共施設の総合的なマネジメントを行う部署の新たな設置についてであります。
公共施設の更新需要が本格化していく見通しを踏まえますと、全庁的な視点で公共施設のマネジメントに取り組むことは喫緊の課題と認識をしております。他都市の先進事例などを踏まえ、札幌市においても、どのような体制で取り組むことがより適切か、検討を進めてまいりたいと考えております。
3点目の市民との情報共有と合意形成についてであります。
人口減少社会や市民ニーズの変化などを踏まえますと、既に札幌市市有建築物の配置基本方針で示しているとおり、施設自体の維持から機能の維持という考え方にシフトしていくことが重要であると認識をしております。
こうした公共施設のあり方の議論を進めるため、その利用者であります市民の皆様に、公共施設の配置状況や利用状況、必要経費などさまざまな適切な情報を発信し、課題を共有していきながら、このことに取り組んでまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(山田一仁) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな2項目めの人づくりについての3点目、市役所の職員についてのご質問と、大きな3項目めの経済問題についてお答え申し上げます。
まず、人づくりについての質問の3点目の市役所の職員についてのご質問でございますが、そのうちの1点目の人材育成と職場づくりについてでございます。
職員が意識高く業務に当たるためには、職員としての初心や心構えを再認識する機会を持つことは大変重要なことと認識しているところでございます。研修などを通しましてそうした機会を設けるとともに、管理職に対しても監督者としての心得を浸透させるための方策を検討するなど、部下の意欲、能力を引き出すマネジメント力を向上させることで、職員が持てる力を最大限に発揮できる職場づくりに努めてまいりたいと考えるところでございます。
さらに、時代に合った人材育成や職場づくりを進めるために、採用や人事ローテーション、職員研修など、将来に向けた人事施策全体の見直しについても検討してまいりたいと考えるところでございます。
次に、2点目の職員の人事配置についてのご質問でございますが、職員の育成に当たりましては、業務に精通することはもちろんのこと、その知識や能力を有効に活用していくためには、多様な経験を積ませることも重要であると認識するところでございます。それとともに、高度化、専門化する行政課題に的確に対応していくためには、専門分野を中心に、関連する分野の経験も積ませる人事異動を行うことで、幅広い視野と専門性を備えた職員の育成に努めてまいりたいと考えるところでございます。
次に、大きな3項目めの経済問題についてのご質問でございますが、そのうち、1点目の働き方改革でございますけれども、そのうち働き手の確保策についてです。
札幌UIターン就職センターでは、相談員が、直接、求職者のスキルや生活状況を聞き取り、きめ細やかな支援を行っているところでございます。社会人の方からは、育児や親の介護などさまざまな相談が寄せられており、ライフスタイルに合わせた支援が重要であると認識しております。今後は、東京にいる相談員との連携を密にし、求職者に寄り添った、いわゆる伴走型の支援を進めてまいりたいと考えております。
2点目の生産性向上についてのご質問でございますが、まず、IT化による生産性向上への支援についてでございますけれども、これまでも、経済団体と連携しながら、顧客管理や在庫管理の効率化といった経営上の課題を解決するため、業務管理システムの導入などを支援してきたところでございます。今後も、企業ニーズを的確に捉え、より一層、支援策の充実を図ってまいります。
次に、行政の業務におけるICT化についてですが、これまでも、市民の利便性向上を念頭に、パソコン等による市税のクレジットカード納付など、各種手続の電子化に取り組んできたところでございます。今後も、市民交流プラザに開設予定の図書・情報館にインターネットによる座席予約管理システムを構築するほか、障がいのある方のために音声を文字変換できるタブレットを区役所に導入するなど、利用者の立場に立った行政サービスを目指し、ICT活用による効果的な業務を推進してまいりたいと考えるところでございます。
次に、ICT技術によらない業務効率化の取り組みと普及についてでございますが、札幌市といたしましても、職員の発想や提案による改善事例を全庁で共有し、日常業務の改善に努めているところでございます。また、現在、札幌市における仕事の効率化を図るため、外部のコンサルタントを導入し、仕事の進め方の課題を調査・分析するとともに、働き方改革に向けた具体的な取り組みを検討しているところでございます。これらの取り組みのうち、官民で共通できるものにつきましては、民間企業における取り組み事例とあわせて、さまざまな機会を捉えて市内事業者に広く普及させてまいりたいと思います。
次に、2点目の食産業についてでございますが、北海道の豊富な食資源の付加価値向上につきましては、札幌の経済にとって極めて重要であると認識するものでございます。
そこで、国の内外における物産展や商談会のほか、観光イベントを通じて積極的に情報発信を行っております。今年度は、新たに、都心の百貨店の協力を得まして、販路拡大を目的としたテストマーケティング事業を行ったところでございます。今後は、北海道が運営するアンテナショップどさんこプラザに札幌市が支援した加工食品企業の情報提供を行うなど、北海道と連携して情報発信を強化してまいります。
次に、3点目の観光産業についてのご質問でございますが、そのうち、1点目の観光資源の魅力づくりにおける基本姿勢についてでございますけれども、これまでも、四季折々のイベントの魅力を高めたり、札幌、北海道の食や全国的に認められた夜景の魅力を活用したりするなど、札幌の特色を生かした観光施策を展開してきたところでございます。今後とも、札幌の自然、風土や歴史、市民の暮らしに根差した都市文化の魅力を市民の皆様とともに育て、多くの観光客の皆様に体験していただけるよう、観光の魅力づくりに取り組んでまいります。
次に、2点目の外国人観光客の再訪問の促進についてでございますが、札幌が持つ魅力を生かしながら、外国人観光客の興味や関心を踏まえたサービスを充実することが再訪の意欲を向上させることにつながると認識しているところでございます。今年度、来札目的を的確に把握するため、新千歳空港におきまして外国人観光客の動態を調査しましたところ、満足度の高い観光地など、国や地域によっていろいろな特徴が見られたところでございます。これらの結果を観光関連事業者にも情報提供し、既存の観光資源の磨き上げや、国、地域別の関心に合わせたプロモーションの実施など、官民一体となって外国人観光客の再訪問を促進してまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(山田一仁) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡 亨) 私からは、5項目めの北区の諸課題についてお答えいたします。
最初に、雪対策についてでありますが、昨年は、12月に2度にわたる大雪に見舞われましたが、バス路線である琴似・栄町通などの排雪作業を前倒し実施することで、渋滞解消や見通しの改善を速やかに行うことができ、有効であったと認識しております。今後も、同様に、大雪となった場合は、降雪状況や現場状況を踏まえ、冬の市民生活を守るべく、臨機な除排雪作業に努めてまいります。
次に、河川管理についてでありますが、北区屯田や新琴似地区のせせらぎが回復した河川については、全市的な基準による草刈りなどのほか、地域の皆様にも清掃などのご協力をいただいて維持管理をしているところでございます。今後は、地域の皆様と適切な維持管理についての協議の場を設け、課題の解決に向けた方策の検討を行うなど、地域との連携のもと、良好な河川環境の確保に努めてまいります。
次に、道路の改良についてでございます。
東15丁目・屯田通と創成川通の交差点については、平成27年度の交通量調査において渋滞が発生していることを確認しており、課題として認識しております。そのため、渋滞緩和に向け、これまで、橋梁を含めた道路線形や交差点形状について、国道及び河川の管理者と協議を進めてきたところでございます。当該交差点は、国道や河川が近接するなど、現場条件が厳しく、技術的な課題も多いところではございますが、引き続き具体的な実施方法について検討を進めてまいります。
次に、地下鉄駅エレベーターについてでありますが、整備箇所の選定に当たっては、駅の乗降客数のほか、近接する施設の立地状況など、エレベーター設置による整備効果などを総合的に勘案して選定することとしております。
麻生駅の場合、地上部の土地利用状況から公共による整備が困難であり、民間によるエレベーター設置に向けて、周辺権利者への支援制度に関する情報提供や意向把握を行うなど、民間の建てかえ更新を促す取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、北区役所エリアの今後についてでありますが、昭和47年の政令市移行に伴い建設した7区役所のうち、建てかえに着手していない北区を含む五つの区役所については、今後、順次、建てかえを進めていく必要がございます。建てかえに当たりましては、
まちづくり戦略ビジョンや市有建築物の配置基本方針を踏まえ、地域交流拠点として幅広く検討が必要であると認識しており、またあわせて、PFIなどの民間活力の導入についても検討が必要でありますことから、今後は、他都市の事例や民間の動向なども注視しながら、長期的な視点で進めてまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(山田一仁) 岸副市長。
◎副市長(岸 光右) 私からは、2項目めの人づくりについての1点目、教育と子育てについての恵まれない環境にいる子どもたちについて、待機児童対策について、それと、2項目めの健康と福祉についてお答えをさせていただきます。
まず、教育と子育てにかかわっての恵まれない環境にいる子どもについてでございます。
子どもの将来が生まれ育った環境に左右されないよう、現在、子どもの貧困対策計画を策定しているところでございます。多様な学びの機会の創出なども含め、全ての子どもが将来の自立に向けて希望を持てるような環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、待機児童対策についてであります。
まず、その効果としては、子どもへの良質な保育の提供や保護者への支援によって、子どもの健やかな成長に資することのみならず、保護者の雇用面など社会全体にさまざまな効果があると認識をしております。また、効果の検証に当たっては、新・さっぽろ子ども未来プランにおける成果指標や保護者の意識調査などについて、経年変化やクロス分析の活用、さらには、女性の就業率を初めとする経済指標との相関など、きめ細やかな分析を行ってまいりたいと考えております。
次に、国の子育て施策への対応については、常に動向を注視し、関係団体や各施設とともに課題等の把握に努め、とりわけ制度設計にかかわる課題については、他の自治体との連携を図りながら、機会を捉えて、国に対し、要請を行ってまいります。
次に、2点目の健康と福祉についてでございます。
健康都市づくりについて、地域の主体的な健康づくりが連動していく環境整備は、生きがいを持ち、健やかに暮らせる社会の実現に向けて重要と認識しております。各区では、地域の健康づくり団体による協議会などでの情報共有や研修会開催、講師派遣などを通じ、市内の活動を把握するとともに、それらの団体のネットワーク化を支援しております。団体の取り組みは、区ごとにホームページへの掲載や健康イベント、全市的なフォーラムで広く周知をしております。今後、さらに、健康づくりに関心の薄い方々に向けても幅広く周知を進めてまいりたいと考えております。
地域福祉社会計画におきましても、健康づくりを含めた地域の保健福祉の向上を目指しており、さまざまな関係団体が一層協力し合える環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
次に、高齢者施策のあり方についてであります。
高齢者が積極的に社会参加することで、生きがいにもつながり、その活躍が地域社会に生かされる生涯現役社会の構築が必要と考えているところであります。現在策定中の高齢者支援計画では、世代間協調、多様性、公共性の観点で社会参加支援を進めていくこととしております。今後は、これまでの取り組みがより効果的・効率的なものとなるよう、新たな取り組みへの事業費の組みかえも含め、社会情勢の変化に応じた整備を行ってまいります。
次に、認知症施策についてであります。
認知症の予防に向けた今後の方向性については、認知症は生活習慣病との関連が深いとされておりますことから、その発症リスクを低減するため、生活習慣病予防のための学習の場や運動の機会を拡大するなど、介護予防の充実に取り組んでまいります。
次に、認知症の方と家族を支えるまちづくりについてでありますが、札幌市では、医療や介護の専門職だけではなく、一般市民や企業への認知症に関する啓発に取り組んでいるところです。地域の相互理解により、町内会等の住民組織や企業による自主的な取り組みも含め、地域ぐるみで認知症の方と家族を支える取り組みを推進し、市民が安心して暮らせるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(山田一仁) 長岡教育長。
◎教育長(長岡豊彦) 私からは、2項目めの人づくりについての1点目、教育と子育てについてのうち、1点目の学びの基礎についてお答えいたします。
札幌市では、基礎的・基本的な知識や技能を着実に身につけることは大変重要と認識しており、わかる・できる・楽しい授業づくりを進め、その定着を図っているところでございます。今後、身につけた知識や技能を生かして、みずから考え、判断し、表現する学習活動を一層充実させ、学んだことをさまざまな場面で活用できる力を育成してまいりたいと考えております。
また、読解力の向上については、文章を読んで内容を捉えることに加え、読み取ったことをもとに、物の見方や考え方を広げたり、創造性や表現力を豊かにしたりするなどの取り組みを一層充実してまいります。
2点目の体力の向上についてです。
体力は、生涯にわたる健康維持のほか、気力を充実し、知性を高めていく基盤となるものであり、これからの変化の激しい社会を生き抜いていくためにも極めて重要なものと考えております。
札幌市では、学校教育の重点に体力の向上を位置づけ、全ての小・中学校において体力向上の取り組みを強く推し進めているところでございます。今後、取り組みの一層の改善、充実を図り、子どもたちがみずから運動に親しむとともに、体力を向上させ、生涯にわたって健康で豊かな生活を送ることができるよう取り組みを進めてまいります。
3点目の道徳教育の推進についてでございます。
子どもの道徳性を養うには、発達の段階に応じて、他人を思いやる心や人間関係を築く力などを育み、自己肯定感を高めていく必要があると認識しております。
札幌市においては、子どもが互いを尊重し、支え合いながら、よりよく生きようとする態度を育むとともに、自然や美しいもの、それらに感動する心などの豊かな心の育成を図ってきたところでございます。今後、これまでの取り組みを継続するとともに、各学校において、道徳教育の意義や基本的な考え方の共通理解を図り、道徳の学習をかなめとして、教育活動全体を通じ、子どもの道徳性を養えるよう着実に取り組んでまいります。
4点目のふるさと札幌の学びについてです。
これまで、各学校においては、札幌の歴史や文化、自然などを生かし、体験的に学ぶ学習活動や、学校行事等を通してふるさと札幌への思いを育んできたところでございます。今後、地域の方々との触れ合いを深める学習や、ボランティア活動等のさらなる充実を図り、子どもたちの地域に対する愛着を一層育んでまいります。
5点目の家庭での習慣づくりについてでございます。
学校、家庭、地域が子どものよさや可能性を認め、励まし、支えるかかわりを通して、子どもがみずから進んで学習や運動等に取り組む習慣をつくることは重要であると認識しております。
現在、各学校においては、さっぽろっ子「学び」のススメ、これを活用し、教職員と保護者が子どもへの望ましいかかわり方について共通理解を図っているところでございます。今後、学校、家庭、地域が連携をさらに深め、子どもの習慣づくりを進めることで、子どもがみずから生活を律し、よりよいものにしていくとともに、自己肯定感や向上心を高めていけるよう取り組みを進めてまいります。
私からは、以上でございます。
(伴 良隆議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(山田一仁) 伴議員。
◆伴良隆議員 まずは、ご答弁、ありがとうございました。
それぞれの答弁を聞いておりましたけれども、声のトーンから、あれ、やらないのかなと心配になってしまうようなところもありましたが、中身を聞いていますと、前向きに受けとめていただいて、やっていこうじゃないかといったお話が多うございました。
その中で、まず、北区の諸課題とともに地域マネジメントということがございますけれども、今、いろいろな形で前を向いてやっていっていただけるというお話がありましたが、地域の課題というのは、我々もふだんから地域にいますから、当然、声をお届けするのは当たり前なのですけれども、皆さん方のご意見を承って議会で届けていくというのは本当に大変な作業でございます。我々自民党議員もそうですけれども、地域に根差して、地域の課題は地域にある、そしてまた、課題を解決するヒントは地域にあるということもございますので、ぜひ、これからも地域の目線に立っていろいろな問題というものを拾っていただきたいなというふうに思っております。
また、
都心アクセス道路の答弁は、ちょっとわかりにくい部分もあったのですが、要は、都心の交通というものが混雑しないかどうかという不安は、
都心アクセス道路によってこそ、それを解決していくんだといった答弁だったというふうに思いますので、私のほうから、そういうことだということで、自民党会派としても応援してまいりたいというふうに思います。
それでは、質問に入ります。
まず、1点目でございますが、大通地区のまちづくりについてであります。
本市の大通東1丁目街区の空間形成の考え方の中に、オープンスペースと建築物の一体的な利活用とございますが、大通公園でなくてもできるような催し物については、大通東側のオープンスペースを活用して開催することで、大通西側のにぎわいを東側にもつなぎ、延ばしていくという考え方について市長はいかがお考えか、伺います。
2点目は、創成東地区についてであります。
今の答弁で、まちづくり、そして人づくりというほうに結びつけていきたいとありましたけれども、創成東地区は、ものづくりの拠点であったということでございまして、当然、ものづくりにかかわった人も大事であります。その人をどう育てたのか、学びを与えたのか、学び得たのか、こういったものについては創成東のまちづくりで大切にしないのかどうか、これについてお伺いします。
それから、3点目は、丘珠空港についてであります。
丘珠空港の効果的な取り組みは、ぜひやっていただきたい。しかし、丘珠空港のさまざまな取り組みについては、市長のトップセールス、市長のトップとしての動きというものが非常に有効であります。なので、航空会社と連携しながら、市民・道民や隣接自治体、そして道外自治体に対しても、市長みずからが積極的にPRしていくべきですが、市長の意気込みをお伺いします。
4点目は、博物館建設についてであります。
博物館の本質というものは大事にしながら、他の文化財とともに、博物館を札幌のまちを短時間で知れる周遊、回遊の拠点として、観光産業など経済の視点でシティプロモートに活用することもできると思いますけれども、市長の考えを伺います。
先ほど、文化財のほうでも観光と結びつけていくというお話もございました。
それから、5点目は、教育と子育てについてであります。
教育ではありませんけれども、環境に恵まれない子どもたちが基礎からステップアップした学びを得ることで大きな夢と希望を持てるよう、これは主に子どもに関連したということでよろしいかと思いますが、今行われている各種福祉事業の中身においてもっと学びの充実も図るべきですが、市長のお考えを伺います。
以上です。
○議長(山田一仁) 秋元市長。
◎市長(秋元克広) 今、5点ほど再質問をいただきました。
1点目の大通の西側と東側の連携といいますか、オープンスペースの活用ということも含めてということでございますけれども、大通の西側は、高次機能といいますか、これまで非常に開発が進んできた地域であります。東側は、どちらかというと、これからというところになるというふうに思います。そういう意味で、大通での交流拠点、それから、東1丁目の開発によって、西側のにぎわいを東側にどうつなげていくかという非常に重要な拠点になります。
今、北1条西1丁目の開発もそうでありますけれども、これも東側につなげていくための一つであります。大通東1丁目の開発も、大きなオープンスペースということだけではなくて、にぎわいをどうつなげていくのかという非常に重要な事業でありますので、ここは、しっかりと西側のにぎわいと東側がつながっていく、そういうまちづくりとスペースの使い方ということを一緒になって考えていかければいけないだろうというふうに思います。
そういう意味で、創成川の東側の従前の歴史的ないろいろな価値というものの中には、時間軸と人・ものづくりというようなことがございますので、そういった視点を踏まえながら、先ほどご答弁をさせていただきましたように、若い人たちが起業できるような、そういったことも含めて、人材づくり、人づくりということにもしっかり取り組んでいく必要があるだろう、このように考えてございます。
それから、丘珠空港の関係であります。
私自身のトップセールス、これも重要だというふうに思います。これまでも、空港所在地であります静岡県、それから松本市、こういったところと人が行き来をする航空便がありますので、そういったところから、人が双方に行き来をすることについて連携していきましょうということで、昨年も、静岡県、それから松本にもお邪魔をしながらこういう相談をさせていただいております。
当然のことながら、空港をお使いいただいているFDAとも、逐次、いろんな情報交換をさせていただいておりまして、私自身もみずから会長にお会いをする機会が何度もございまして、丘珠便の活用ということについて、今後も周辺の自治体、道内の自治体とも連携をしっかり深めていきたいというふうに思っております。
それから、博物館の件でありますけれども、これは、当然のことながら、札幌のまちの歴史なり、なりわいというものを端的に知ることができるものであります。そういう意味では、札幌市民、道民にとっても、これまでの歴史だとかさまざまな文化ということを知る場でもありますし、観光で来られた方々にとっても、札幌というまちをコンパクトに、端的に知ることができる機会であります。ですから、先ほどもご答弁をさせていただきましたように、観光で来られた方も訪れやすい場所、こういったところで、内容ということもしっかりと考えていかなければいけないだろうというふうに思います。
私からは、以上であります。
○議長(山田一仁) 岸副市長。
◎副市長(岸 光右) 私からは、教育と子育てにかかわってのご質問で、子どもに関連する福祉の事業の中で学びの充実を図るべきではないかというお尋ねだったというふうに思います。
現在、子どもに関連するものとして、生活保護受給世帯やひとり親家庭への学習支援ボランティアなど、子どもの学びを支援する福祉的事業、あるいは、フリースクールへの支援など不登校児への間接的支援も行っているところでございます。今後は、さらに、子どもの貧困対策計画の策定などを通じまして、さまざまな境遇にいる子どもの学びをより充実していくための取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
(伴 良隆議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(山田一仁) 伴議員。
◆伴良隆議員 それでは、これで最後になりますけれども、まず、大通地区のまちづくりということでございます。
当然、東1丁目街区に関しては地権者の方のご協力をいただきたいわけですが、東2丁目の街区にあわせて、さらなるにぎわいを生むような広場として、混雑している大通公園の各種催し物は、そうした広場に移せるものは移し、新たなにぎわいを生みながら、大通公園や創成川公園の緑と憩いの空間を保ち、生かせるように、鋭意、取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、丘珠空港は、おっしゃったとおりでありますけれども、市長のリーダーシップを強く望むものであります。
また、博物館についても、その本質だけが語られてもまたもったいないですし、いろいろな活用の方法もあります。ぜひ、経済、観光という視点も盛り込んでいただきたいというふうに思います。
そして、北区の諸課題等も、いろいろとあった中で、これはうちの会派のほうでもいろいろな話題が出ております。先ほど丘珠空港のリーダーシップのお話もありましたけれども、我々も会派でさまざまなプロジェクトチームを組んでおりますが、その中で、帰ってきてみんなが口々に言うことは、やっぱり市長のリーダーシップだねということであります。なので、市長という立場にある方のリーダーシップということを強く望むものであります。
最後に、質問であります。
恵まれない環境にある子どもたちでありますけれども、これは市長に伺います。
これを問い合わせたときに、さまざま部署に関係するので、どこがやるのか、なかなか決まらなかったというふうに聞いています。私のほうに返ってくるのがなかなか進まなかった。
そこで、市長、これは、そういう子どもというものがあって、そして、我々も何かをしたいというときには、貧困対策の計画の話で福祉的なことも出ましたけれども、その子のために、縦横無尽に横串を刺して、私が待ったようにではなくて、子どもたちは待たないようにぜひやっていただきたいのであります。全庁を挙げて、その子たちに寄り添い、手を差し伸べていただくような形をとっていただきたいというふうに思いますが、いかがか伺いまして、終わります。
○議長(山田一仁) 秋元市長。
◎市長(秋元克広) 子どもに関する事柄だけではなくて、今、さまざまな事象についていろいろな部局がかかわってくるようになってきています。ですから、これまでもいろいろな場面でお話をさせていただいておりますけれども、一人の市民に対して今どういう政策なり施策、あるいは制度なりがあって、どのように対応していくのかというのは、本当に部局を超えてといいますか、それぞれの制度が横串で通っていかなければいけないというふうに強く認識をしております。
そのためにも、一つの部署で全ての解決はなかなかしづらい部分がありますので、私を中心とした全庁的な組織というものをつくりつつ、子どもの貧困対策、あるいは、恵まれない環境にある子どもたちへの支援ということにもしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。
○議長(山田一仁) ここで、およそ30分間休憩いたします。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後2時57分
再 開 午後3時30分
――
――――――――――――――――――
○副議長(三宅由美) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
成田祐樹議員。
(成田祐樹議員登壇・拍手)
◆成田祐樹議員 私は、民進党市民連合を代表し、今定例市議会に上程されました諸議案並びに諸課題について、順次、質問をいたします。
質問に入る前に、一言、申し上げますが、たび重なる札幌市職員などによる不祥事により、市政に対する市民の信頼は揺らいでおり、厳しい目が向けられております。昨年度の懲戒処分は39人と、この10年で最も多くなっていましたが、今年度も、先月に交通局職員が業務用ICカードの不正使用などで6人が処分され、今日現在で25人が懲戒処分を受けています。
これまで、札幌市は、不祥事の再発防止策として、職場間での情報共有の徹底や職員研修の充実などの取り組みを進めてきたところですが、相次ぐ一連の事態に鑑みると、その対策が十分なものではなかったと言わざるを得ません。今議会の冒頭、秋元市長は、懲戒処分指針の見直しや管理職を対象とした新たな研修を行うことなどを示したところですが、市民の信頼回復に向けて、不祥事に対する危機感を職員全体で共有し、全庁一丸となって不祥事根絶へ向けて取り組むことを強く求めます。
それでは、順次、質問に入ります。
初めに、市長の政治姿勢について、大きく4点伺います。
1点目は、2018年度予算編成に向けた考え方についてです。
2018年度予算は、秋元市長の1期目最後の本格予算となります。少子高齢化が最大の課題と言われる中、人口減少社会の到来を正視して、基礎自治体が行政運営を行うことは容易ではありません。今後、地方自治体の行政運営の資源は減少し、人材の希少化が進むことは確実です。
こうしたことを見据え、秋元市長が掲げる誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街を築いていくためには、持続可能な財政運営に留意しつつ、札幌市
まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015に掲げる計画目標の達成に向けた取り組みを着実に実施しなければなりません。厳しい財政状況の中にあっても、喫緊の課題とされる子育て支援や女性の活躍推進、雇用の受け皿の拡大など、市民の誰もが安心して生活し、活躍できる社会の実現に資する事業について積極的に取り組んでいくことが重要です。
我が会派は、将来にわたる活力の好循環社会を実現するために、教育、子育て支援への予算の集中や、人材育成、仕事と家庭の両立といった人への投資を進めることで、札幌の将来を支える人材が育ち、持続的な成長の基盤強化を図るべきと主張してきたところであり、さきに提出した2018年度予算編成に対する要望書でも、人口減少対策、子どもの貧困対策、女性の活躍推進の3点を重要項目として盛り込みました。
秋元市長においても、魅力的なまち札幌を未来につなげるため、人を大事にすることを原点に据え、子ども・子育て支援や女性の活躍推進といった取り組みに注力してきたところであり、その取り組みについては評価をしています。
しかしながら、このたび発表された平成29年度上期札幌市企業経営動向調査においては、女性の活躍推進に資するための取り組みを行っている企業は48.6%にとどまる一方で、取り組んでいない企業が47.5%に上っており、こうした取り組みが市民や市内企業に浸透し、成果としてあらわれているかといえば、いまだ道半ばと言わざるを得ません。誰もが能力を発揮し、仕事と家庭を両立できる社会を実現する上では、さらなる人への投資を進めていく必要があると考えます。
また、残りの任期で人への投資の成果を上げるためには、資源、財源に限りがある中でも、選択と集中により真に必要な分野を選んで重点的な投資を行うことが必要と考えます。市長の任期も残り1年半を切る中、残りの任期で人への投資にさらに重点的に取り組み、具体的な成果につなげていくことが重要と考えます。
そこで、質問ですが、市長の任期最後の本格予算となる2018年度予算編成に向けた市長の基本的な考え方について伺います。
あわせて、人への投資の中でも、重点分野と考える子どもの育成支援や女性の活躍推進といった分野についてどのような取り組みを進めるのか、また、こうした取り組みをより効果的なものとするためにどのようなことに留意していくのか、伺います。
次に、障がい者施策について伺います。
初めに、障がい者への運賃割引についてです。
障がいの種別、身体障がい、知的障がい、精神障がいにかかわらず、障がいのある人々が必要とするサービスを利用できるよう、サービスを利用するための仕組みを一元化し、事業体系を再編した障害者総合支援法が制定されてから5年目を迎えています。
支援法においては障がいの一元化が図られているにもかかわらず、札幌市の公共交通ネットワークを構成する地下鉄、市電及び一部バス会社を除くバスの運賃割引について、精神障がいのある方は対象となっておりません。秋元市長は、さきの選挙戦の最中に参加した公開討論会において、障がいのある方にとって交通費助成は非常に重要であり、障がいによって差がない仕組みをきちんと保障していくのが重要であると発言をされました。
我が会派としても、かねてより3障がい一元化の実現を求めてきたところですが、精神障がい者の運賃割引は、いまだ実現には至っておりません。昨今の民間交通事業者を取り巻く厳しい経済環境の中で、バス事業者が割引制度を実施することは中長期的な経営判断が必要になることや、市営交通においても経営に与える影響は決して小さくありませんので、しっかりと精査をしながら議論を重ねていくために時間が必要であることは理解しますが、秋元市政がスタートして2年半がたち、市長が掲げる誰もが安心して暮らせるまちの実現を図る上でも、割引制度の実施は早期に取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、3障がい一元化の実施に向けて市営交通が先行して精神障がい者の運賃割引を実施すべきと考えますが、市長に見解を伺います。
次に、(仮称)札幌市手話言語条例についてです。
さきの第3回定例会において可決された札幌市障がい特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例が先日施行されたことは、これまでさまざまな機会を通じて障がい者の社会的な困難を解消することを求めてきた我が会派として、高く評価しています。今後は、障がいのある、なしにかかわらず、豊かにコミュニケーションが交わされ、誰もが暮らしやすい札幌になることを期待しているところです。
そのような状況の中、本定例会の厚生委員会への報告案件に(仮称)札幌市手話言語条例(素案)があります。手話が言語であるとの位置づけは、国際的には、日本も批准している障害者の権利に関する条約においてなされております。また、国内においては、障害者基本法において手話を言語に含むことが明記されています。今後、手話が言語であることについて、手話を使用する当事者の方々が生活するそれぞれの地域で広がっていくことが重要だと考えます。手話言語条例を定めている自治体も全国で約100となっており、障がいの特性に応じたコミュニケーションを促進する取り組み以外に、手話を言語として位置づけることを重視してほしいという当事者の皆さんからは、一日も早い条例制定、施行が求められています。
そこで、質問ですが、市長は、10月の定例会見において(仮称)札幌市手話言語条例の制定について表明されたところですが、この条例を制定するに当たって、市長の考えをお聞かせください。
次に、スポーツ施策について、2点伺います。
1点目は、北海道日本ハムファイターズの新球場建設構想についてです。
北海道日本ハムファイターズの新球場建設構想については、共進会場跡地周辺、北海道大学構内の2カ所を候補地とし、4月13日に市長がファイターズに提案を行っています。その後、提案した候補地での建設実現に向け、札幌市はファイターズとの実務者協議を重ねてきたと聞いていますが、10月25日に開催された北広島市の実務者協議後に、ファイターズから、新たな候補地として真駒内公園を年内に提案してほしいとの意向が示されたと報道があったところです。これに対し、秋元市長は、翌日の記者会見で、真駒内公園は北海道・札幌
オリンピック・
パラリンピック冬季競技大会の競技会場としての整備を優先し、新球場建設構想として具体的な検討に入っている状況にはないと述べる一方で、真駒内公園については、具体的な検討に至っていないものの、できるだけファイターズの意向を尊重したいとも発言したところです。その後、1カ月余が経過し、ファイターズが言及した年内の残り時間も少なくなってきている中で、真駒内公園にかかわる状況が変化してきているのではないかと推察します。
そこで、質問ですが、ファイターズから提案、意向のあった真駒内公園について、今後どのように対応するのか、伺います。
次に、
冬季オリンピック・
パラリンピック招致についてです。
札幌市が招致を進めている2026年
冬季オリンピック・
パラリンピックは、スイスのシオン、カナダのカルガリー、カザフスタンのアルマトイなど、複数の都市が招致を目指していると言われています。一方、立候補を目指していたインスブルックが、10月の住民投票で賛成46.65%、反対53.35%という結果を受け、招致を断念することを表明したことは記憶にも新しく残っているところです。このことは、近年の
オリンピック・
パラリンピック開催に伴う財政的な懸念が世界的に高まっている流れの一つであると考えます。
札幌市においては、
オリンピック・
パラリンピック招致に向けた取り組みは、多くの市民が夢を共有し、市民力を結集させるこの上ない機会であると位置づけ、市民みんなでつくり上げるまちづくり運動として
オリンピック・
パラリンピックを目指しています。
こうした考えのもと、昨年5月に開催概要計画案が公表された際には、約100回に及ぶ出前講座などを通じて市民に対する説明を行い、寄せられた多くの意見を反映した開催提案書をJOCに提出し、現在はさらなる費用削減に向けた検討を行っている最中とのことです。開催費用の削減に当たっては、IOCとの事前協議においても施設の規模などの条件緩和を積極的に求め、札幌らしい持続可能な大会へ向けて準備を進めていくべきと考えます。
来年10月の正式立候補に進む場合には、改めて招致の是非を市民に問うとのことでありますが、その際には、開催経費はもとより、開催によって札幌がどのように変わるのかということについても丁寧な説明を行う必要があります。市長は、常々、
オリンピック・
パラリンピック開催を契機にまちをリニューアルすることや共生社会の実現などを開催の意義として強調してきましたが、そうした理念や意義を正しく広く市民に伝え、理解していただくことが、招致の機運を高めていくことにもつながっていくと考えます。
そこで、質問ですが、今後、賛否を問うに当たり、市民に対する説明をどのように行っていくのか、伺います。
次に、札幌国際芸術祭、SIAF2017について伺います。
SIAF2017は、8月6日に開幕し、10月1日の閉幕までの57日間、市内44カ所を会場に、140組を超えるアーティストが参加し、期間中、変化し続ける展示やパフォーマンスが繰り広げられました。来場者数は目標数を上回る38万人以上に上り、市民を初め、観光客が一般の美術館やギャラリーの展示にはない新しい芸術に触れる機会が創出されたものと感じています。
今回、芸術監督を務められた大友さんは、「芸術祭ってなんだ?」をテーマに掲げ、市民の皆さんと一緒につくり上げていく芸術祭を当初から目指しており、それを体現したのは大風呂敷プロジェクトやコレクティブ・オーケストラなどに代表される市民参加型プログラムであったと考えます。
大風呂敷プロジェクトでは、区民センターやスーパーに設置された回収ボックスに、連日、多くの市民が風呂敷制作の材料となる布や糸を提供し、延べ2,119人の市民が、集まった布を風呂敷に縫い上げ、札幌駅コンコース天井などに1,375枚にも上るフラッグが飾られ、チ・カ・ホの柱巻きやイベント会場にもその姿をあらわしていました。圧巻だったのは、9月30日にモエレ沼公園で開かれたクロージングイベントで、10メートル四方の風呂敷が100枚以上も敷かれ、1万平方メートルを超える全国最大規模の大風呂敷が敷き詰められた中でさまざまなパフォーマンスが繰り広げられ、緑の中に映える色とりどりの風呂敷に市民の力を感じました。
また、コレクティブ・オーケストラでは、楽器ができる、できないに関係なく子どもたちが集まり、1年以上も前からワークショップを重ね、大友氏やSIAF2017の参加アーティストも講師となり、ともに音楽の世界をつくり上げてきました。最終的にはKitaraの大ホールで子どもたちによる即興音楽が公演され、子どもたちの自由な演奏に感動された方も多くいたと聞いています。
こうした市民参加型のプロジェクトを取り入れながら、市民と一緒につくり上げ、開催されたSIAF2017でしたが、一方で、会場が市内各所に点在したために、移動が大変であり、それぞれのつながりやテーマが薄れてしまったとの意見や、前衛的な音楽などが好きなコアな愛好家には好評だったが、市民への広がりという観点も必要との意見も耳にするところです。SIAFは3年に1度の開催で、今後は、他都市で開かれるイベントとの違いを明確にし、札幌らしさ、札幌オリジナルという芸術祭をつくり上げていくことを検討していくことが必要です。
そこで、質問ですが、過去2回の開催では定着、浸透したとまでは言えませんし、今回の検証も途中かと思いますが、次回開催の計画を策定していく上で、これまでの芸術祭に対する市長の所感と今後の方向性についてお聞かせください。
次は、民泊の実施に向けた札幌市の考え方についてです。
家主同居型と言われる民泊は、家主がホームステイの留学生を受け入れるのと同様に、地域行事やイベントなどの参加に付き添うなど、地域文化の振興や国際交流に大きく貢献しています。また、訪日外国人客の急増に伴い、多様化する宿泊ニーズやホテル不足を解消する観点から民泊を活用する必要性が高まることが予測されている中、市民にとっても民泊制度の運用は非常に関心の高いものとなっています。その一方で、残念ながら、不適切な民泊営業により、地域においては騒音などのトラブルが発生し、民泊事業者の適正な運営確保が急務となっています。
このような中、10月24日に住宅宿泊事業法施行令が閣議決定されました。施行令においては、来年6月15日に施行される住宅宿泊事業法において、都道府県または保健所設置市が条例を制定し、民泊の営業日数を制限する場合は、区域ごとに住宅宿泊事業を実施してはならない期間を指定して行うことなどが定められました。国は、具体例として、学校等の周辺において運営に支障を来すほどの生活環境が悪化するおそれがある場合に長期休暇を除く平日を禁止すること、別荘地においてその繁忙期を禁止すること、道路事情が悪い山間集落部などにあり、渋滞が悪化する時期を禁止するなどの三つの例を示しています。
札幌市は、北海道が8月に設置した住宅宿泊事業法に基づく条例に関する有識者会議に、有識者並びに関係団体とともに委員として参画し、条例制定、民泊の運用などに向けた協議を行ってきたところです。その内容については、さきの第3回定例会決算特別委員会での我が会派議員との質疑において明らかになったところですが、民泊の届け出や指導・監督などの関係事務は、北海道にかわり、保健所設置市である札幌市が行うことや、地域住民の相談を受ける総合窓口を北海道と共同設置する方向で検討しているとの考えを示したところです。また、民泊の営業日数の制限については、年内には考え方を整理し、札幌市が独自に条例を制定する必要がある場合は、年度内の制定に向けて取り組むとしています。
我が会派は、北海道の条例にかかわる内容変更を生じた場合にスピード感を持って対応していくためにも、市独自の条例を制定する必要があると考えます。住宅宿泊事業法の施行が迫る中、11月中に示す予定であった民泊制度の運用指針となる国のガイドラインがおくれていると聞いていますが、市民の混乱を招かないためにも、宿泊者や事業者が民泊制度の正しい運用の確保に向けて早急に検討する必要があります。
そこで、質問ですが、札幌市としては、民泊営業を制限する区域や期間をどのように考えているのか、また、住宅宿泊事業法の施行に向けてどのようなスケジュールで取り組んでいく考えなのか、伺います。
次に、今年度中の策定が予定されている次期札幌市地域福祉社会計画について、2点伺います。
1点目は、地域福祉の充実についてです。
札幌市では、幅広い市民の主体的な参加と市民・事業者・行政の協働のもとに、安心して暮らせるぬくもりのある地域福祉社会を実現することを目指し、2000年度から運用されている第4次札幌市
長期総合計画における地域福祉分野の施策を具体化する計画として地域福祉社会計画が策定され、さまざまな取り組みが行われていますが、今年度が計画の最終年ということで新しい計画の策定を進めているところです。
本計画は、地域社会の環境変化に対応するため、2012年に改定され、地域組織、サービス提供者、公的機関などのつながりを強化し、地域福祉を漏れなく、切れ目なく、すき間なくつなぐことを目指してきました。
しかしながら、計画策定以降の5年間で地域福祉を取り巻く環境はさらに大きく変化し、厳しさを増しています。2011年と2016年の比較で、高齢化率は20.5%から25.7%へ、介護が必要な方は3万人ふえ、障がいなどによる生活支援を必要とする方も増加傾向となっています。これに加え、困ったときに助け合える親密な近所づき合いがある人のいる方は1割に満たない状態であるにもかかわらず、地域での福祉活動の担い手は固定化され、慢性的に不足しています。
本市の
まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015では、政策目標の一つに、互いに支え合う地域福祉が息づく街を掲げ、それを実現する施策として市民の孤立を防ぐ支え合いの環境づくりを推進しています。
我が会派では、地域とのつながりが弱く、地域社会から孤立する高齢者の方々がおられ、無縁社会と言われるような言葉が生まれる現状を注視し、孤立を生まない地域福祉の充実を求めてきました。昨年6月に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランでは、地域に住む全ての人々が地域づくりや生きがいづくりに参加する地域共生社会を掲げており、その実現のために、市町村には、住民に身近な圏域において、地域住民みずからが主体的に地域課題を把握して解決を試みることができる体制づくりに取り組んでいくことが求められています。家族規模の縮小や住民意識の変化等を背景とした地域社会の変容により、市民が抱えるさまざまな問題が顕在化している中にあって、例えば、介護と育児を同時に抱えるダブルケア世帯や、障がいのある子どもと親の両方を介護する世帯など、複雑多様化する生活課題に応えていくためには、地域の方々に力を発揮していただくなど、地域資源を活用して地域福祉力を向上していくことが重要と考えます。
次期札幌市地域福祉社会計画に向けては、昨年11月からの地域福祉社会計画審議会で、地域福祉にかかわる方、高齢、障がい、児童福祉にかかわる方々を初め、医療・福祉サービスや教育にかかわる方々に、学識経験者と公募市民が委員として参加し、さまざまな課題を全5回にわたって審議してきました。本年10月に審議会から出された計画の答申を受け、今後は、今月下旬以降にパブリックコメントを実施して、今年度中に計画を決定、公表する予定であると聞いています。
そこで、最初の質問ですが、地域福祉における現状や課題をどのように認識しているのか、また、審議会からの答申を踏まえ、現段階でどのような方向性で取り組みを進めていくお考えなのか、伺います。
2点目は、生活困窮者自立支援についてです。
札幌市では、2015年度から今年度までの3年間を計画期間とする生活困窮者自立支援計画を策定し、関連事業の推進に努めてきていますが、2018年度からは、次期札幌市地域福祉社会計画の中に位置づけ、統合する予定と聞いています。本市では、生活保護に至る前の段階にある生活困窮者の自立を支援するため、2015年4月に札幌市生活就労支援センターステップを設置し、さまざまな理由により仕事や生活に困難を抱える方からの相談を幅広く受け付け、経済的な自立へ向けた支援等を行っています。
我が会派は、これまで、何度も生活困窮者自立支援事業の支援のあり方について質問で取り上げ、相談体制の充実や就労訓練の場の確保など、その必要性を訴え、提言してきました。その多くが実現されてきたことについては、評価したいと思います。
我が会派では、ステップを視察した後も、長期間の未就労や多重債務、あるいは、病気、障がいなど複雑な生活課題を抱える方が、回覧板などを見てステップを訪れ、就職活動の準備や段階的な社会参加などに懸命に取り組まれている状況を聞きました。また、昨年度は自立相談を受けた方の就労数が520人と、2015年度よりも着実にふえており、大変有意義な事業であると改めて認識しているところです。
私のところにも、ことしの夏に、労働意欲はあってもなかなか就職先を見つけられない方からの相談があり、ステップを紹介したところ、その後、相談から生活支援、就業支援までのサポートにより、4カ月かかりましたが、つい先月、内定が決まり、大変喜んでおられました。
一方、本市の生活保護動向に目を向けますと、近年の景気回復傾向を反映して受給者数、保護率ともにようやく横ばい傾向になってきたものの、被保護世帯数は2016年度平均で5万4,306世帯に達しており、依然として高水準で推移しています。こうした状況においては、生活保護受給世帯への自立支援とともに、経済的困窮を抱える全ての世帯の自立に向けた支援体制を一層強化することが必要であると考えます。
そこで、質問ですが、今回、生活困窮者自立支援計画を地域福祉社会計画に統合することの意義について、また、次期計画において生活困窮者の自立に向けた支援を推進するためにどのように取り組む考えであるのか、お伺いします。
次に、市街化調整区域の土地利用について伺います。
戦後の高度経済成長の過程で、人口や産業が都市に集中する現象が生じ、郊外部においては、計画性もなく市街化が進み、道路や公園といった安全で快適な都市生活を営むために必要となる施設の整備が行われないままに市街地が形成される弊害が起こりました。こうした中、計画的な市街化を図るために、市街化区域及び市街化調整区域の線引きを行い、良好かつ安全な市街地の形成と無秩序な市街化の防止が図られてきました。
札幌市は、今後、人口減少が予測されていますが、市街地が拡大されることにより、低密度な市街地の形成が懸念されるほか、空き家や空き地の発生、道路や水道など将来的なインフラの維持・更新にかかわるコストの増加も見込まれることから、市街化区域と市街化調整区域の線引きが果たす役割は大きいものと考えます。
一方で、最近問題となっているのが、市街化調整区域の区分前からある、いわゆる線引き前からの宅地についてです。
札幌市では、1970年7月に、都市計画区域のうち、約2万2,010ヘクタールを市街化区域とし、残りの3万4,980ヘクタールを市街化調整区域として定め、以後、6回の見直しを行ってきました。1970年に線引きをする際には、線引き以前から存在していた宅地などを新たに市街化調整区域として指定した地域があります。その結果、それらの地域では開発行為ができなくなり、新たに居住する人が少なくなったことや、既存の住宅地に居住していた方の高齢化が進んだことなどにより、その地域の人口が徐々に衰退し、市民生活を維持できるのかという課題があります。
そうした中、2016年12月、国土交通省の開発許可制度運用指針の一部改正に伴い、市街化調整区域における開発基準の一部が緩和されました。また、これと前後して、全国の自治体においても市街化調整区域の取り扱いに大きな変化が生じています。福岡市では、能古島などの地域で規制緩和が行われ、町内会や自治会の同意を得られれば、観光客を対象にした飲食店や体験型施設を建設することを可能にしており、これが観光の呼び水になっています。浜松市では、市街化調整区域内への工場等の立地が地域振興を図る上でやむを得ないと認められる場合、開発審査会へ付議を認めるよう運用基準の見直しを行うとしています。また、高知県南国市では、高知県から権限移譲を受け、独自に開発許可が出せる条例づくりを進めており、高知大学医学部周辺のにぎわい創出のため、アパートなどの共同住宅や居酒屋などの開発を認める方向で動いていると聞いています。
このように、全国の自治体でそれぞれの都市計画などと整合性を図りながら地域事情を反映した見直しが進められている背景には、市民生活に直結する既存集落の維持や既存ストックの有効活用、防災・減災対策の強化、バス路線など生活機能の維持などといった地域社会の大きな変化の中で、自治体や地域それぞれの苦悩があるものと思われます。札幌市も、国交省の開発許可制度運用指針の改正や各自治体の取り組みを踏まえ、今後の都市計画と整合性を図りながら市街化調整区域の取り扱いをしていくのが重要と考えます。
国交省の運用指針や各自治体の市街化調整区域の緩和策の中身を精査していきますと、既存施設の活用や民間の力の活用といった文言がよく目に入ります。福岡市を見ますと、開発審査会付議基準の中に、地域住民等による合意形成がなされていると認められることといったことや、必要性が市の担当部局から認められること、給水施設を含む新たな公共施設の整備を伴わないことなどを条件として掲げ、審査の仕組みにおいては、民間の自由な発想による取り組みを促す観点から、事前に用途を定めず、目的に適合する建築物を個別に審査、許可するとされています。
私も、就労支援と一体となった住居の確保や体験宿泊型の農業施設など、新たな社会のニーズに応えるための規制緩和がなぜできないのかとの声をよく耳にします。民間活力を活用し、地域課題や市民要望を解決することができるケースがあっても、開発基準の縛りによってそれらが遠のいてしまうのは残念なことです。過度な開発基準の緩和は、無秩序な開発を促すおそれがあることは十分に理解しています。その一方で、人口減少が進む中、札幌市がその魅力と活力を高めていくためには、既存資源や民間活力を活用する視点は重要になると考えます。
そこで、質問ですが、現在、市街化調整区域の土地利用についてどのような方針を持っているのか、また、今後、市街化調整区域の土地利用をどのように考えていくのか、見解をお聞かせください。
次に、創成東地区のまちづくりについてです。
創成東地区は、開拓期から工業の拠点として札幌の発展を支えてきた歴史を持つ地域ですが、都市の拡大成長期のまちづくりに伴い、土地の高度利用が進まないなど、多くの課題が存在する地域となっていました。しかし、近年は、利便性の高い都心居住ニーズの高まりから集合住宅の建設が進み、人口が大幅に増加するなど、まちづくり機運が高まっています。創成東地区には、昨年に策定された第2次都心まちづくり計画において都心まちづくりの一つの大きな軸として位置づけられ、まちづくりを促進しているところですが、我が会派においても、都心まちづくりを進める上で創成東地区の重要性を訴え、提言してきたところです。
さきの第3回定例市議会の決算特別委員会では、大通東1丁目、2丁目に関して、札幌市と関係地権者との検討・協議状況について質問し、大通東1丁目では、地権者による再開発協議会を設立以降、円滑な事業化判断を促す再開発推進計画の取りまとめに着手しているとのことでした。あわせて、大通東2丁目の土地についても、本市が既に取得し、今後、大通東1丁目の検討も踏まえ、効果的に活用していく考えであること等の回答を得たところであり、私は、この土地の活用に当たっては、大通公園からの眺望の確保といった景観への配慮条件などをつけた上で、民間が持つ力を最大限に生かしながら、早急な土地利用を図っていくことが望ましいと考えます。札幌の魅力向上と持続的発展に向けては、大通・
創世交流拠点の整備の柱として、札幌のまちを形成する根幹となる歴史を備える東西の軸として、潤いある緑を中心に、札幌の都市文化や新たな価値を育む空間の創出が求められています。
また、市民の居住性、利便性の向上による創成東地区のさらなる発展のためには、地区を南北に貫く東4丁目線の回遊性向上が重要と考えます。東4丁目線は、北2条東4丁目のサッポロファクトリー西側の変形交差点、いわゆるクランクになっている部分が、事故の危険性が高いとして、2017年1月に国から事故危険箇所に指定されました。これを受け、市は、現在、関係地権者と協議を進め、2020年度以降に直線化を目指していると聞いています。
また、当地区は、従来からある不動産物件を改装、改修し、新たな価値、機能を与えるリノベーションによる活用を進めていくとともに、その取り組みを一定エリアに集積していくことでコミュニティ形成につなげていくリノベーションまちづくりが検討されています。今春、エリアマネジメント活動の実現を目指し、一般社団法人さっぽろ下町づくり社が地元有志によって立ち上がり、リノベーションまちづくりを推進する動きも出ています。
我が会派は、民間主導でプロジェクトを起こし、行政が支援する民間主導の公民連携の新しい形として、リノベーションまちづくりが大きな意味を持つと考えます。こうしたまちづくりの手法は、都心のみならず、地域活性化に取り組んでいる商店街等に活用できることから、その実現に大きな期待を寄せているところです。
そこで、質問ですが、大通東2丁目の土地の活用に当たっては、民間の持つスピード感や柔軟性などを大いに生かすべきだと考えます。単に公共投資を図るだけでなく、民間の事業提案を募ることなども検討すべきと考えますがいかがか、伺います。
また、これまで述べてきたような創成東地区におけるさまざまな動きを踏まえ、今後、当地区においてどのようなまちづくりを進めていく考えか、伺います。
次に、オープンデータの推進について、2点伺います。
1点目は、オープンデータの推進に向けた取り組みについてです。
国においては、2012年に公共データの活用促進に集中的に取り組むための戦略として、電子行政オープンデータ戦略を策定し、戦略の意義や目的、基本的な方向性を掲げるとともに、公共データの活用の推進や環境整備といった具体的な施策、推進体制等を定め、オープンデータ推進に本格的に取り組み始めました。また、2016年12月に施行された官民データ活用推進基本法では、急速な少子高齢化の進展への対応など、日本が直面する課題の解決に向け、官民双方のデータ活用を推進することを目的として、基本理念や、国、地方公共団体、事業者の責務を定めており、官民データの活用のための施策を総合的かつ効率的に推進していくこととしています。さらに、本年5月に閣議決定した世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画においては、データが人を豊かにする社会、官民データ利活用社会の実現に向け、全ての国民がITやデータの利活用を意識することなく便益を享受し、真に豊かさを実現できる社会のモデルを世界に先駆けて実現することとしております。AIやIoTなど先端技術の進展とともに、データ活用が国の成長戦略の柱であり、国を挙げてデータ活用の推進に取り組み、世界の潮流に追いついていこうという姿勢を感じています。
地方公共団体においては、全国に先駆け、オープンデータに取り組んだ福井県鯖江市が有名です。コンピューターが読み取りやすい形式でのデータを公開し、早い時期から、災害時の避難所、AED設置施設の位置、無料Wi−Fiのアクセスポイントの位置情報等の行政データを公開し、そのデータをもとに地元企業等によって多数のアプリが生み出されていると聞いています。また、政令指定都市の中でも、オープンデータに関する先進的な取り組みを行っている横浜市では、2015年度に全国初のオープンデータ自治体サミットを開催したほか、官民協働によるオープンデータ活用を進めており、民間企業との共同研究により、オープンデータを活用した保育施設情報サイトを開設するなど、さまざまな取り組みが進められています。
札幌市でも、オープンデータ推進の取り組みとして、2015年度にオープンデータカタログサイトを開設し、災害時の避難場所情報など87項目のデータを公開しております。しかし、このサイトにおける掲載データ数は少ない上に、データ形式もPDFやエクセルなど閲覧に適したデータが多く、オープンデータの利活用といった観点で見ると、ICT活用を積極的に進めようとしている札幌市の取り組みとしては必ずしも十分ではないと感じています。現在、一般財団法人さっぽろ産業振興財団が主体となり、官民双方のデータ活用を図り、新たな価値創出を促していくことを目的として札幌市ICT活用プラットフォームの構築を進めていますが、地域が一体となってデータ活用を図っていくためには、まずは行政が率先して行政データのオープンデータ化を進めていく必要があると認識します。
そこで、質問ですが、札幌市において、オープンデータの推進に向けた取り組みをどのように進めていくのか、伺います。
2点目は、官民データ活用推進計画の策定についてです。
データは新しい資源と言われ、データを制した国が次世代の先進国家になるとも言われています。国は、第4次産業革命とも言うべき産業環境の変化に対応するため、狩猟社会から農耕社会、工業社会、情報社会に続く新たな社会を生み出す変革を、科学技術イノベーションが先導する取り組みとしてソサエティー5.0を強力に推進し、世界に先駆けて超スマート社会の実現を目指すこととしています。ソサエティー5.0は、第5期科学技術基本計画において日本が目指すべき社会の姿として初めて提唱されたものであり、ソサエティー4.0(情報社会)では、知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であったことから、全ての人と物がつながり、さまざまな知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで課題や困難を克服するとしており、その中心はデータ活用であると言われております。
官民データ活用推進基本法においては、行政と民間が保有するデータ活用を推進していくため、官民データ活用推進計画の策定について、都道府県は義務、市町村については努力義務と規定しており、国の施策と地方公共団体の施策との整合性を確保しながら進めていくこととしています。今後、日本が成長を続けていくためには、地方においても官と民が一体となってデータ活用を推進していく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、官民データ活用推進基本法に基づく市町村における官民データ活用推進計画の策定については努力義務であるものの、札幌市においてデータ活用を一層進めていくためには計画を策定すべきであると考えますが、見解を伺います。
最後に、除排雪についてです。
第2回定例会補正後の今冬の除雪費の予算額は203億7,800万円となり、札幌市政において初めて200億円の大台を超えたことは、今後の雪対策のあり方を検討する契機になると考えます。北国の豪雪地帯にある大都市として、市民から一番多い相談は除排雪であり、これまで市民からの要望に応えてさまざまな取り組みを行ってきたところですが、年々ふえ続ける除雪費を見ると、将来的に持続可能な除排雪ができるのか、懸念があるところです。
除雪費がふえ続ける背景として、除雪業務の主な担い手である建設業における就業者の高齢化や若年層の新規就業者の減少に伴い、人手不足の傾向が強まり、労務単価がこの5年間で1.4倍にもなっていることが要因の一つとして挙げられます。また、今冬の計画概要を見ると、新たに認定された道路の除排雪や凍結防止剤の散布延長など自然増への対応に加え、近年における初冬期の大雪への備えとして市民用の雪堆積場の早期開設や流雪溝の供用開始を早めるなどの対策強化を図っています。
一方、充実した除排雪をしてほしいという市民要望に応えることは重要ですが、年間200億円を超える除雪費に対する心配があります。また、人件費の上昇など避けられない要因がありますが、除雪費の増加を抑制しながらサービスレベルを維持していくという極めて難しい課題があると考えます。
このような中、本年10月に示された札幌市次期冬のみちづくりプランの策定に向けた提言を見ますと、市民意識の向上や地域との協働による除雪、人材育成支援など、円滑な除排雪を行うための重要な提言がありました。この提言では、ICTの活用にも触れられており、SNSによる情報発信によって苦情・要望対策を行うことや、ナビゲーション、GPS端末の導入により作業効率化が図れるとされています。また、提言には、雪堆積場が郊外にあるため、輸送面からコスト増につながっていることが課題として明記されていますが、この解決に向けて、今後、雪堆積場を市街地近郊に確保する方策を進めることが重要だと考えます。
そこで、質問ですが、除雪費の観点から見て、札幌市次期冬のみちづくりプランの策定に向けた提言をどのように受けとめ、今後どのような方向性で除排雪を進めていく考えなのか、見解をお聞かせください。
以上で、私の質問の全てを終了いたします。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(三宅由美) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で7項目のご質問をいただきました。私からは、1項目めの私の政治姿勢について、5項目めの創成東地区のまちづくりについて、6項目めのオープンデータの推進についてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の副市長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、私の政治姿勢についての1点目の2018年度予算編成に向けた考え方についてお答えをいたします。
1点目の予算編成に向けた認識についてであります。
札幌市の財政状況は、義務的な支出である扶助費の増加が見込まれるほか、国におきましても地方一般財源総額の見直しが議論されており、今後の財政見通しは全く楽観視できないものと認識をしております。そのような中でも、私の任期最後の本格予算である来年度予算におきましては、札幌市
まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015に掲げた目標の達成はもとより、社会経済情勢の変化や喫緊の市政課題にも機動的に対応するため、子どもの育成支援や女性の活躍推進を含む三つの重点分野について、しっかりと財源を確保し、積極的に配分してまいりたいと考えております。
2点目の予算編成における重点分野の推進についてでありますが、まず、子どもの育成支援につきましては、学びの充実や子どもの貧困問題への対応などに取り組むとともに、女性の活躍推進について、子育て環境のさらなる充実や女性の就業支援などに取り組む所存であります。また、女性の社会進出が進んでいることを背景とした保育ニーズに対応し、受け皿の整備と保育人材の確保が喫緊の課題であることに留意をし、子育て環境のさらなる充実に引き続き力を入れてまいります。これらを進める際には、サービスを受ける市民の視点に立ち、部局間の垣根を超えた事業の再構築を図ることにより、多様化する市民ニーズに対応してまいりたいと考えております。
次に、障がい者施策についてであります。
1点目の精神障がい者への運賃割引についてであります。
障害者基本法の理念により、3障がい同一の考えのもと、バスと地下鉄、路面電車の3事業が歩調を合わせて運賃割引を行うことが望ましいと考えているところであります。
しかしながら、バス事業者におきましては、運賃割引の実施は困難との認識を示しておりますことから、将来的には3事業一体での実施を見据えながらも、市営交通が先行して実施する場合の利便性や運用面の課題について検討を進めているところであります。
今後は、障がい者の方々のご意見も踏まえ、これらの課題等について一定の整理を行うとともに、減収に伴う経営への影響を見きわめつつ、割引の実施について可能な限り早期に判断をしてまいりたいと考えております。
2点目の(仮称)札幌市手話言語条例についてであります。
手話は、独自の語彙や文法体系を有する言語であり、意思疎通の手段として使用されるだけでなく、論理や思考といった知的活動の基礎となるものと認識をしております。主に手話を使用して生活する方にとりまして、手話はほかには代替できない必要不可欠な言語であります。
障がい者の権利に関する条例や障害者基本法において手話が言語として位置づけられましたが、手話が言語であることについての市民理解が十分に広まっていない状況にあると認識をしております。このため、新たに、仮称でありますが、札幌市手話言語条例を制定して、市民理解の促進に関し、基本理念や市の責務等を定め、手話が言語であるとの認識を普及していく考えであります。
次に、スポーツ施策についてお答えをいたします。
1点目の北海道日本ハムファイターズの新球場建設構想についてであります。
真駒内公園内の屋外競技場につきましては、
冬季オリンピック・
パラリンピックの招致におけるスピードスケートの競技会場と位置づけておりましたが、現在進めております開催計画の見直しの中で、帯広市での開催を最優先に議論していくこととしたところであります。
そのような中で、施設所有者であります北海道の高橋知事からは、先般の定例記者会見で、真駒内公園での新球場建設について札幌市がファイターズと協議を進めることに問題はないという旨の発言があったところであります。こうしたことを踏まえ、真駒内公園で検討を進めていくことが可能か、北海道や球団の考えも確認しながら協議をしてまいりたいと考えております。
2点目の
冬季オリンピック・
パラリンピック招致についてであります。
招致に当たりましては、市民の皆さんに対し、
オリンピック・
パラリンピックの開催の意義とともに、札幌市の財政負担についても丁寧な説明を行い、ご理解をいただいていくことが何よりも重要と認識をしております。
現在、コストを抑えた持続可能な大会の実現に向け、IOCとの対話ステージに参加をし、開催計画の見直しに取り組んでいるところであります。今後、正式に立候補する場合には、市民に賛否の意向を問うことになりますが、その際には、新たな開催計画を短い期間で多くの皆さんにお伝えする必要がありますことから、従来の広報さっぽろやパンフレットでの周知に加え、例えば、大規模なフォーラムやワークショップなどの開催や、各種メディアにもご協力いただきながら、あらゆる機会を通じてわかりやすく丁寧な説明に努めることで市民の理解を得てまいりたいと考えております。
次に、札幌国際芸術祭、SIAF2017についてお答えをいたします。
これまで開催いたしました2回の芸術祭は、それぞれのゲストディレクターの個性が存分に発揮され、全く趣を異にしたものとなりましたが、その根幹には、芸術祭の基本方針である都市と自然、そして創造都市さっぽろというコンセプトが脈々と受け継がれているところであります。特に、札幌市が有する都市の魅力と自然の豊かさを生かしていくということは重要な視点であり、今回の芸術祭におきましても、薄野や狸小路を初め、多くのまち中を会場として活用したことで、札幌の魅力再発見や多様な価値観が表現できたものと感じているところであります。
一方で、市民全体への広がりといった面におきましては、広報・PR面を含め、まだまだ多くの課題を残しており、会期中も、会場の案内やイベントの告知など、情報発信や進捗管理の面で反省すべき点が多かったと認識をしているところであります。
今後も、市民の創造性を喚起し、まちの魅力を高めるといった基本的な方向性は変わらないと考えておりますが、これまでの2回の教訓を生かしながら、しっかりと評価、検証、総括を行い、次回開催のあり方について検討してまいります。
次に、5項目めの創成東地区のまちづくりについてお答えをいたします。
まず、大通東2丁目の市有地の活用についてであります。
今後の都心のまちづくりにおきましては、市有地を有効に活用する方法として、これまでも採用してまいりました再開発手法や定期借地権方式などにより、民間の持つ力を最大限に生かすことが重要だと認識をしているところであります。
大通東2丁目の土地の活用に当たりましては、大通公園やテレビ塔の魅力や価値を高め、この地区が持つ歴史や文化的なにぎわいなどを念頭に置きつつ、事業提案を募るなど民間活力の導入についても積極的に検討を進めたいと考えております。
次に、この地区のまちづくりの方向性についてであります。
創成東地区では、大通を初め、北3条通や二条市場かいわいを通して、都心のにぎわいを呼び込んでいきたいと考えているところであります。
東4丁目線につきましては、そのにぎわいを受けとめ、まちづくり活動を表出させるまち並みを目指しており、直線化の議論を契機に、南北の回遊性を高めるとともに、地域住民に親しまれる通りとしていきたいと考えております。
また、この地区は、都心に位置しながら、比較的、地価が安価であるということや、歴史資源や遊休不動産が点在しているといった特性があり、民間主導で既存資産を生かしながら企業等のチャレンジの場を創出していく適地であると認識をしているところであります。
創成東地区のまちづくりについて、こうした回遊性の向上やリノベーションまちづくりに取り組みながら積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、6項目めのオープンデータの推進についてお答えをいたします。
まず、オープンデータの推進に向けた取り組みについてであります。
現在、札幌市では、戦略的に情報政策を統括する庁内横断的な体制であります札幌市ICT活用推進本部におきまして、オープンデータの推進に向けた検討を行っているところであります。ことし11月には、推進本部における検討を経て、オープンデータ推進のための基本理念や方向性等を定めた札幌市オープンデータ推進方針を策定し、全庁的な体制により、取り組むとしたところであります。今後、民間企業等のデータ活用のニーズや庁内のデータ保有状況等を調査した上で、より活用しやすいデータ公開に向けて積極的にオープンデータを推進していく考えであります。
次に、官民データ活用推進計画の策定についてであります。
札幌市では、積極的にICTを活用することで、市民の利便性の向上や経済の活性化を図ることとしており、データ活用はICT活用の根幹であると認識をしております。現在構築を進めております札幌市ICT活用プラットフォームは、官民データを活用し、新たな価値の創出を促していく取り組みであり、法の趣旨とも合致していると考えております。
計画の策定によりまして、プラットフォームを中心としたICT活用の取り組みにおける官民データのさらなる活用も期待されますことから、北海道が策定する計画や他都市の策定状況も踏まえつつ、計画策定について検討してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○副議長(三宅由美) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、2項目めの民泊の実施に向けた札幌市の考え方についてご答弁させていただきます。
北海道では、経済関連団体や学識経験者、弁護士などで構成される有識者会議の議論を経まして、小・中学校周辺や住居専用地域など4類型の区域で営業日数を制限する枠組みの素案を取りまとめたところでございます。この素案は、地域の生活環境の悪化を防止するという観点で、札幌も含めた道内全域を対象として検討したものであり、札幌の実情にも応じた内容になっていると判断しているところでございます。
いずれにいたしましても、今後、国から示されるガイドラインの内容を踏まえまして、法の施行期日までに民泊制度を適正かつ円滑に運用できるよう、北海道と歩調を合わせながら対応してまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(三宅由美) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡 亨) 私からは、2項目についてお答えいたします。
最初に、4項目めの市街化調整区域の土地利用についてでございます。
札幌市では、平成16年にコンパクトシティへの再構築を理念とした都市計画マスタープランを定め、これに即して平成18年に市街化調整区域の土地利用について保全と活用の方針を策定しております。この方針に基づき、現在は、市街化調整区域の開発などには自然環境や農地の保全を原則として慎重に対応しているところでございます。
今後は、平成28年3月策定の第2次都市計画マスタープランで位置づけた、新たな価値を創造し、成熟社会を支えるという観点を踏まえた対応も必要と認識しており、今年度から都市計画審議会に部会を設置して、現行の保全と活用の方針の見直しを検討しているところでございます。
これまでの検討では、新たな市街地の形成を行わないという方針を維持することはご理解をいただいている一方、例えばモエレ沼公園周辺などは、その利用者の利便を高める土地利用に柔軟に対応してはどうかとのご意見をもいただいているところでございます。
引き続き、審議会を初め、市民の皆様や事業者などのご意見を伺いながら検討を進め、平成30年秋ごろをめどに方針の見直しを行い、市街化調整区域の土地利用の考え方を示したい、そのように考えているところでございます。
次に、7項目めの除排雪についてでございます。
次期冬のみちづくりプラン検討委員会からは、人口減少に伴う税収の減少などにより、このままでは必要な除雪費の確保が困難になるということへの懸念が指摘されたところでございます。このため、提言書にあるようなICTを活用したナビゲーションによる除雪車の運転操作の支援や、大規模雪処理施設の整備による雪の運搬距離の低減は、大変重要な取り組みであると受けとめているところでございます。
今後は、このような省力化や効率化に向けた取り組みを次期プランに盛り込みますとともに、研究機関やICT企業と連携を図り、日々進歩する最新技術を取り入れるなど、限られた財源の中、持続可能な除排雪体制を確保すべく努めてまいります。
私からは、以上でございます。
○副議長(三宅由美) 岸副市長。
◎副市長(岸 光右) 私からは、ご質問の3項目めの次期札幌市地域福祉社会計画についてお答えをさせていただきます。
1点目の地域福祉の充実についてであります。
まず、地域福祉における現状と課題についてでありますが、ご指摘のとおり、既存の制度のみでは対応することが困難な問題を抱える世帯の増加など、質的にも量的にも変化をしているものと考えております。一方、支援を必要としている方を見守り支える地域福祉活動は、全市的には着実に前進している傾向にあると考えておりますが、地域が抱える課題をみずから解決していく力については、地域によってばらつきが生じている状況と捉えております。
これらを踏まえ、次期計画では、福祉活動を支える人材やネットワーク等の体制が十分に整っていない地域に対して集中的な支援を行うなど、問題を抱える世帯を漏らさず発見し、解決に向け、適切に対応できる力を全市的に底上げしていくこととしております。また、地域だけでは解決の難しい課題に対しては、行政や専門機関などとの連携をさらに強化するため、中核となる機能を整備するなど、新たな仕組みづくりを進めてまいります。
計画の基本理念となるみんなで支え合い住み慣れた地域で安心して暮らし続けるまち さっぽろを目指し、住民組織を初めとして、行政や専門機関がさらに連携を積み上げ、協働して地域の課題を解決できるよう、地域福祉の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の生活困窮者自立支援についてであります。
まず、計画を統合することの意義でございますが、生活困窮者支援のさらなる推進に当たり、さまざまな関連分野と一層連携を図りつつ、個別分野の福祉にとどまらない、地域を基盤とした取り組みを強化するため、地域福祉社会計画の中に位置づけることとしたものであります。このことは、住民団体やボランティア、NPOなどとも協働しながら、働く場、社会参加の場の創出や地域の支え合いの取り組みを進め、多様で複合的な課題を抱えた生活困窮者への包括的な支援を実現していく上で意義のあるものと考えております。
次に、次期計画における取り組みでございますが、現計画の生活困窮者の早期把握や経済的自立に向けた就労支援の充実などの目標を引き続き掲げ、その達成に向けた取り組みをさらに進めるとともに、家庭訪問や出張相談会など地域へのアウトリーチ活動を充実し、身近な相談体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○副議長(三宅由美) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日12月6日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(三宅由美) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
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○副議長(三宅由美) 本日は、これで散会します。
――
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散 会 午後4時44分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 山 田 一 仁
副 議 長 三 宅 由 美
署名議員 小 竹 と も こ
署名議員 村 上 ゆ う こ...