札幌市議会 > 2017-10-13 >
平成29年第一部決算特別委員会−10月13日-04号
平成29年第二部決算特別委員会−10月13日-04号

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  1. 札幌市議会 2017-10-13
    平成29年第一部決算特別委員会−10月13日-04号


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    平成29年第一部決算特別委員会−10月13日-04号平成29年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第4号)               平成29年(2017年)10月13日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  しのだ 江里子      副委員長   伴   良 隆     委   員  三 上 洋 右      委   員  宮 村 素 子     委   員  勝 木 勇 人      委   員  こんどう 和雄     委   員  長 内 直 也      委   員  よこやま 峰子     委   員  こじま ゆ み      委   員  飯 島 弘 之     委   員  阿部 ひであき      委   員  村 松 叶 啓     委   員  村 山 拓 司      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  ふじわら 広昭     委   員  桑 原   透      委   員  長谷川   衛     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  林   清 治     委   員  松 原 淳 二      委   員  かんの 太 一     委   員  涌 井 国 夫      委   員  國 安 政 典     委   員  好 井 七 海      委   員  小 口 智 久     委   員  わたなべ 泰行      委   員  伊 藤 理智子
        委   員  太 田 秀 子      委   員  池 田 由 美     委   員  堀 川 素 人      委   員  石 川 佐和子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○しのだ江里子 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、前川委員からは、わたなべ委員と交代する旨、届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第9項 学校整備費までについて、一括して質疑を行います。 ◆池田由美 委員  私からは、就学援助制度についてと学校統廃合について質問いたします。  最初に、就学援助について質問いたします。  就学援助制度は、経済的理由によって就学が困難と認められる小・中学生の保護者に対し、学用品費、修学旅行費、給食費などを援助する制度です。子どもの貧困が課題となっている中で、就学援助制度の充実は重要であり、子育て世帯の願いとなっていると考えます。  最初に、認定基準額一般限度額について伺います。  国は、2013年、平成25年に行われた生活保護基準の引き下げの影響ができる限り他制度に及ばないようにするという基本的な考え方を示しました。本市も、一般限度額について、生活保護基準額に連動させず、2015年から3年間は生活保護基準の引き下げ前に定めた認定基準額を使用しています。間もなく3年が経過しますが、来年度の認定基準額がどうなるのか、市民が不安に感じているところですけれども、就学援助審議会では2018年度以降の一般限度額についてどのような答申が出されているのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  一般限度額の今後の基準についてでございます。  今回、提出された就学援助審議会の答申におきましては、依然、低い状況にある直近の生活保護基準額をもとにすると、就学援助対象者の大幅な減につながり、影響が大きいことから、現在の一般限度額を維持すべきとされたところでございます。  本市といたしましては、一般限度額のあり方について、就学援助審議会答申の趣旨を踏まえて検討を進めてまいりたいと考えおります。 ◆池田由美 委員  検討していくという答弁でした。答弁にもありましたが、本当に依然として低い生活保護の基準であります。ここに連動していくと、受けられない方が大幅に出てくる、影響が大きいというのは言われていたとおりだと思います。来年度からも、引き続き生活保護基準額に連動しないことを求めておきたいというふうに思います。  次に、持ち家世帯への特別限度額について伺います。  持ち家世帯での特別基準額に関しても答申が出されておりますが、どのような内容であったのか、また、答申を受けての本市の取り組みについて伺います。 ◎引地 学校教育部長  特別限度額のあり方についてでございます。  今回の答申におきましては、就学援助制度は、あくまで直近の家計状況が子どもの就学費用を賄える状況にあるかを判断するものでございますが、住宅所有世帯と非所有世帯との間に生活状況の顕著な違いを見出せないとされたところでございます。その上で、財源の確保が可能な状況にあるならば、住宅所有世帯に適用する特別限度額を廃止し、非所有世帯に適用する一般限度額と同額とすることが望ましいとされたところでございます。  特別限度額廃止に当たりましては、新たな費用が発生することから、財政状況などを考慮しながら慎重に対応してまいりたいと考えております。 ◆池田由美 委員  答申の中では、あくまでも直近の家計状況が子どもを就学させるのに必要な費用を賄える状況にあるのかを判断するものであるということでした。持ち家世帯と非持ち家世帯の違いが余り見られていないということも答申の中で言われたということですから、廃止に向けて検討していってほしいというふうに思います。  労働環境の悪化によって、今、不安定雇用が広がっています。その中で、突然のリストラや、その後の仕事の環境によっては、雇用契約が1年であったり低賃金であったり、持ち家であっても生活実態が変わらざるを得ないのが今の状況ではないかと思います。特別限度額が廃止されることで、より細やかに支援が行き届くと考えますので、持ち家世帯への特別限度額は来年度から廃止することを求めておきたいと思います。  次に、支給費目の追加について伺います。  2015年に北海道教育委員会が道内179市町村を対象に調査して集計した資料によりますと、PTA会費は111、クラブ活動費は100、生徒会費は97市町村で実施されています。クラブ活動費生徒会費については、道内の多くの自治体で取り組まれております。  今回の審議会では、費目の拡大についてはどのような答申が出されているのか、また、答申を受けて本市がどのように費目の追加を進めていくのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  支給費目の追加についてでございます。  今回の答申におきましては、クラブ活動費生徒会費PTA会費の追加を求める内容となっておりまして、その中でも中学生全員が加入する生徒会費については特に優先度が高いと示されたところでございます。  支給費目の追加につきましては、答申の趣旨を踏まえて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆池田由美 委員  答申では、クラブ活動費生徒会費PTA会費の費目の追加について、努力するべきだと言っていたということです。その中でも生徒会費を優先させたいというご答弁でしたが、答申では、貧困対策を強化すべきだという認識が広がっている中で、就学援助受給者の負担軽減のために費目の追加に努めるべきだと言われていたというふうに思います。PTA会費クラブ活動費についてもしっかりと検討して進めていってほしいなというふうに思います。  そして、今、検討したいと言っているのは生徒会費の来年度からの追加ということだと思いますが、こういう理解でよろしかったでしょうか。 ◎引地 学校教育部長  生徒会費を優先的に検討していくということでございます。 ◆池田由美 委員  他都市や北海道の市町村ではたくさんの費目が追加されてきている中で、生徒会費を優先して検討していくということでしたが、来年度からは、子どもたちのためにしっかりと追加していく方向で制度を拡充していってほしいと思います。  文化やスポーツなど、クラブ活動でのさまざまな経験は子どもたちの大きな財産ともなりますので、引き続いて、クラブ活動費PTA会費も、子どもたちの豊かな教育、育ちといった立場で検討して早急に進めていただくことを求めておきたいと思います。  次に、小学校入学準備金の3月支給について伺います。  ことしから中学校の入学準備金が3月支給となりまして、保護者から大変喜ばれております。小学校の3月支給についても、非常に待たれているという状況です。小学校の3月支給についても来年から実施すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  中学校における入学準備金の入学前支給についてでございますが、昨年度、小学校6年生の就学援助世帯に対して、試行的に3月に中学校の入学準備金を支給したところでございます。  入学準備金を受給した生徒が市外に転出した場合、返還に応じてもらえるのかといった懸念もございましたが、市外転出者は当初想定していたほど多くはなく、大きな混乱は生じておりません。一方で、入学前支給の案内は3月初めに行いましたが、就学援助の対象要件に該当していたにもかかわらず、それまで未申請で案内後に急いで申請してきたと思われる世帯も数十件あるなど、周知期間についての課題も見られたところでございます。  今後につきましては、小学校の入学前の支給も含めて、周知期間をしっかりと確保した上で、小学校6年生の就学援助世帯に対してまず入学準備金の支給を行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆池田由美 委員  保護者としては来年3月からやってもらいたいのだといった願いが非常に強いわけですけれども、今のご答弁は、周知期間などさまざまな準備などがあって来年はやれないということをおっしゃったのかどうか、お聞きしたいと思います。 ◎引地 学校教育部長  来年3月からの小学校入学前の支給についてでございますが、先ほど申し上げました中学校入学準備金の試行結果を踏まえまして、小学校入学準備金の入学前の支給を行う場合には、まずは、就学援助を必要とする家庭にしっかりと情報が行き届き、申請漏れを防ぐための十分な周知期間を設けることが重要であると認識しております。  なお、周知を行う場合には、小学校へ入学予定の全家庭に対して行う就学時健康診断の案内を利用することが有効であると考えておりますが、今年度の就学時健康診断は間もなく実施が予定されておりまして、準備期間を確保できない状況にございます。  しかしながら、就学援助審議会において、小学校入学予定者に対する入学前支給を求める内容が答申されておりますことから、他都市の事例も参考にしつつ、引き続き、できるだけ早い段階で支給できるように努めてまいりたいと考えております。 ◆池田由美 委員  周知不足であり、小学校の入学準備金の来年3月支給が難しいといったようなご答弁だったと思いますが、私は、がっかりするお母さんたちの顔が本当に目に浮かびます。昨年は、小学校と中学校の実施を一遍にしませんでしたね。ただ、私は、中学校の実施のときには、小学校での実施も想定して取り組んでいたのだと考えるのですね。ですから、早くから準備もできたはずだというふうに考えています。ことしは中学校の実施で、来年は小学校でも実施されるとすごく期待されております。先ほど、11月の就学時の健康診断を周知に利用したいとおっしゃっていました。そういうことも考えたら遅くて難しいということなのでしょうけれども、私は、やはり、保護者の願いに応えてあらゆる手を尽くして小学校の3月支給を実施すべきだと思います。  貧困の調査では、制度を知らないと答えていた世帯が多くあったということです。貧困対策としても、今ある制度の充実と周知が本当に重要だと私は考えています。市内の幼稚園や保育施設と連携して卒園する年長の子のご家庭にお知らせを配付していくとか、申請用紙を学校以外の幼稚園や保育所に置いていくなど、また、周知の部分では、沖縄ではテレビコマーシャルをやっているのですね。私は本当にいいコマーシャルだと思うのですが、そういった周知の方法もあると思います。保健センターや小児科の病院などと連携するとか、やるべきことはたくさんあるのではないかなというふうに思います。こういうやるべきことに早急に取り組んで、小学校の入学準備金の3月支給を来年度から実施すべきだと重ねて申し上げておきたいと思います。  次に、学校統廃合について質問いたします。  「建築とまちづくり」という雑誌がありますが、そこに奈良女子大学の中山 徹教授の「地域の再編と小中学校の統廃合」という論文が掲載されております。この中で、都市部においては、小学校区を日常生活圏と考えるのが適切だと言っております。その理由として、一つ目は、日常的な行動は徒歩を原則とするからで、徒歩で無理なく移動できるのは小学校区だからと言われています。そして、二つ目には、地域で住民がまちづくりについて共同で議論できる範囲はおおよそ小学校区であるから、三つ目には、小学校区を単位にさまざまなコミュニティ組織がつくられているといった理由を挙げています。  ですから、学校などの公共施設は、規模よりも配置を重視することが重要であり、こういった地域コミュニティーが守られることが学校にとっても大切なことだと考えますがいかがか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  小学校については、規模ではなくて、生活圏、コミュニティーを基準とした配置にすべきではないかといったご趣旨のご質問だったと思います。  学校は、一義的に子どもたちが健やかに学ぶための場でございます。教育委員会は、子どもたちに良好な教育環境を提供することが重要と考えておりまして、一定の学校規模を確保した適正な配置をすることが必要と認識しているところでございます。 ◆池田由美 委員  子どもが学ぶ場というところで、良好な教育環境を適正につくっていくことが大事なのだという答弁だったというふうに思います。  現在、南区や厚別区などでは統廃合が進められておりますが、学校がなくなることで地域の避難所がどうなるのだろうか、学校の跡地はどうなっていくのだろうか、子どもの登下校の安全は大丈夫だろうか、そういった保護者の不安の声があるように、学校規模だけで統廃合を進めることは、先ほども言いましたけれども、住民の生活圏を壊すことにつながるというふうに思います。住民の生活が不便になるといったことにもつながると考えますがいかがか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  学校が統合されると、生活が不便になるのではないかという趣旨のご質問だったと思います。  確かに、地域の方々にとりまして、避難所の関係などは重要なものだと認識してございます。ただ、先ほども申し上げましたけれども、学校は子どもたちが健やかに学ぶための場でございますので、教育委員会といたしましては、子どもたちに良好な教育環境を提供することが重要と考えておりまして、一定の規模を確保することが必要と考えているところでございます。 ◆池田由美 委員  子どもたちに良好で、ある程度の規模の教育環境の場を提供していくことが大事なのだということで、先ほどの繰り返しの答弁だったと思います。  今、学校現場では先生たちの多忙化が問題となっていますが、少人数だと切磋琢磨できない、良好な教育環境ではないということなのかなと思います。しかし、保護者や子どもたち、そして先生たちも含めて、少人数の教育であればきめ細やかに対応できるという声が多く出されていると私は聞いています。保護者や子どもたちも、そういうきめ細やかな対応を求めているのだろうなというふうに思っています。ただ、適正な規模の学校であっても、大きな問題として学校の先生が足りないといったところで、非常に多忙化につながっているのだろうというふうに思っております。  こういった中で、少人数学級でのアンケートなどでは学習意欲が向上したという評価がなされていると聞きますから、少人数であってもさまざまな工夫で豊かな教育になると思います。そういった意味では、人の配置を含めて、進めてみることが大事なのではないかなというふうに私は思いますので、ぜひそういったことも検討していくことを求めておきたいと思います。  本市においても、今、地域コミュニティーの組織が非常に弱くなってきているといった声も聞かれるようになっています。そして、そういったことが課題にもなっているというふうに思います。そういったときに、統廃合によって地域コミュニティーの単位を変えてしまうとか、小学校との関係を変えていくようなことを進めれば、コミュニティーの力がますます弱まることにつながりかねないと思いますがいかがか、伺います。 ◎平野 学校施設担当部長  学校統廃合によってコミュニティーの力が弱まっていくのではないかといった趣旨のご質問かと思います。  確かに、地域の方々にとりましては、コミュニティーの形成等は非常に重要な問題だと認識しております。ただ、教育委員会といたしましては、繰り返しの答弁になりますけれども、学校はあくまでも子どもたちが健やかに学ぶための場と考えておりまして、そのために一定規模の確保は必要だというふうに考えております。 ◆池田由美 委員  市民が利用する学校や保育園、幼稚園、学童保育、高齢者のデイサービスやグループホームなどの公共施設の整備は、私は、やはり、規模よりも配置が重要だと思います。特に学校は、コミュニティーの中心であり、地域を規定する重要な役割があります。学校がなくなることは、住民のこれまでの生活圏が崩されていくことにつながるし、日常生活が不便になってまいります。このように、コミュニティーが壊される学校統廃合はやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、子どもの学習意欲と各学校における学力向上策について質問します。  先日訪問した秋田県の教育委員会におきまして、全国学力・学習状況調査の全国の平均正答率との比較について、当然、こういう話が出てくるわけですけれども、そういう話もさることながら、子ども全体の学習する意欲をいかに高めていくかという話が話題の中心であったなというふうに思っております。よくよく考えてみれば、新聞報道等では、全国の平均正答率と比較して、それよりも上だったとか、あるいは下だったということのみに焦点が当てられて結果のよしあしが語られることが多いです。しかし、改めてそういうことを考えますと、子どもの学習する意欲をどう高めていくのか、そしてまた、学習意欲のある子どもをどういうふうに伸ばしていくのかという視点は非常に重要ではないかと思うところであります。知識や技能を身につけることはもちろん大切ですし、平均正答率が学力の一面を捉えるのは確かなことですが、学びに向かう原動力となるのは、やはり意欲ではないかというふうに思います。時代がどのように変化しようとも、挑戦する気持ちなど、子どもの学習意欲を高めることが重要であると改めて考えさせられまして、我が札幌の子どもたちにも、ぜひ、意欲を持って日々の学習に取り組んでほしいと願うところでもあります。  そこで、早速、質問ですが、本市においては、子どもの学習意欲を高めるためにこれまでどのように取り組んできたのか、また、今年度の全国学力・学習状況調査の結果から本市の子どもの学習意欲をどのように捉えているのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  札幌市の子どもの学習意欲を高めるためのこれまでの取り組みと、今回の調査からの学習意欲の捉え方についてでございます。  札幌市においては、これまで、学ぶ力の育成に向けて、基礎的、基本的な知識及び技能、思考力、判断力、表現力等とともに、学ぶ意欲をバランスよく育んできたところでございます。具体的には、子どもの興味・関心を生かし、授業の中に体験的な活動や話し合い活動を取り入れるなどして、わかる・できる・楽しい授業を充実させ、学ぶ意欲の向上を図ってきたところでございます。今回の調査結果では、小・中学生ともに学習における課題に対してみずから考え、取り組むことや、自分で計画を立てて勉強している子どもの割合が上昇するなど、意欲を持ってみずから進んで学習に取り組む子どもがふえてきているものと捉えております。 ◆阿部ひであき 委員  子どもの学習に対する意欲が高まってきているということでした。  現在、社会の変化というのは非常に加速度を増し、複雑かつ予測困難になってきている中で、子どもたちの生き方に影響するものがあるわけであります。そうした社会にあって、子どもたちがさまざまな変化を柔軟に受けとめて、感性を豊かに働かせながら、どのように社会や人生をよりよいものにしていくかということを主体的に捉え、考えて、さらには学び続けていく、そうした意欲を高め、育んでいくというのは非常に重要なことであるというふうに思います。子どもの意欲を育むためには、何といっても日常の授業が楽しくて充実したものでなければならず、次にこうしたい、または学びたいと思うようなものでなければならないと考えるところであります。  そのためには、全国学力・学習状況調査から見える課題も踏まえて、子どもの学習意欲を高める取り組みを充実させていくことが求められていると考えますが、本市においては、さらに子どもの学習意欲を高めるために、今後どのような取り組みを進めていこうと考えているのか、伺いたいと思います。 ◎引地 学校教育部長  学習意欲の向上のための今後の取り組みについてでございます。  今後は、みずから疑問や課題を持ち、主体的に解決する課題探究的な学習を一層推進することで、一人一人の子どもが学ぶことの意義や喜びを感じ、積極的に学習に取り組み、他者と協働しながらみずからの考えを広げたり深めたりするなど、学びに向かう力を育んでまいりたいと考えております。また、今年度、小・中学校の全ての家庭に配付したさっぽろっ子「学び」のススメのより効果的な活用を促し、学校と家庭が連携して子どもの伸びを認め、意欲を高めていくことができるような取り組みをさまざまな機会を通じて働きかけてまいりたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  今後も、学習意欲を高めていく取り組みを充実させていくということであります。  しかしながら、子どもの学習意欲の高まりには、それぞれ個人差があります。また、各学校における学力向上の取り組みにも、それぞれの地域の実情、あるいは、子どもたちの状況等々によってさまざまな違いがあるものと思われます。これまで、子ども一人一人の学習意欲を育むのは主に学校だけの責務であると考えられていたところでありますけれども、これからは、目指す子どもの姿を学校と家庭、あるいは地域が共有して、社会とのかかわりの中で子どもたち一人一人の学びを実現していかなければならないと思います。本当に、その意欲をどうやって伸ばしながら、そしてまた、学習する段階でさまざまな違いがあるわけですから、そうした中でつまずいてしまっている子どもたちに対して、どのように階段を駆け下がって、その子の学習意欲をまた高めていくか、底上げをしていくかなど、個々の状況に応じた対応をしなければならないことも確かでありますし、何よりも、これは学校によって差があっては非常に困るわけであります。そして、地域の実情や子どもが置かれている状況が異なる各学校においてその指導のより一層の充実を図っていくためには、それぞれの学校の取り組みに対して、家庭や地域との連携はもちろんのこと、教育委員会による支援も必要であると考えております。  そこで、質問ですが、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた各学校における学習意欲を含めた学力向上の取り組みについて、教育委員会としてどのように支援していくのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  教育委員会としての各学校への支援についてでございます。  各学校におきましては、札幌市が示す全国学力・学習状況調査の分析結果と改善策及び学校独自の調査なども含め、総合的に自校の状況を分析、検証した上で、学ぶ力の育成に向けた計画を作成し、日常の取り組みの改善に生かしているところでございます。  教育委員会といたしましては、各学校の学ぶ力の育成に向けた取り組みの実施状況やその成果を共有し、それぞれの課題に応じた指導方法の工夫、改善が効果的かつ継続的に行われるよう、きめ細やかに支援していきたいというふうに考えております。 ◆阿部ひであき 委員  ぜひとも、そのようにきめ細かく対応していただきたいというふうに思います。当然、同じ札幌市内にありながら、それぞれの地域性、あるいは、学校によって開きがあるようではいけないわけであります。  ただ、私が本当に大丈夫なのかなと今まで思い続けているのは、やはり、学校任せになっている部分が非常に大きいということであります。余りにも学校に任せ過ぎると、その辺の責務が非常に曖昧になり、環境差、学力差を是正するのが非常に困難になってしまうのではないかというふうに思います。私は、そうしたバランスをしっかりとっていくことが、教育委員会としての大事な仕事の一つではないかというふうに思います。  そうしたところは、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえて、教育委員会に主体的に働いていただいて、そして動いていただきまして、各学校における学習意欲を含めた学力向上の取り組みをこれからもしっかりと支援していただきたいし、取り組んでいかなければならないと指摘したいと思います。  また、平均点以下とか以上という新聞報道がよくありますが、平均点をとろうと思ったら平均にはいかないのですね。やはり、より上を目指して初めて平均にいくか、いかないかという部分もあると思いますし、何よりも、学校で勉強する、あるいは学習することのおもしろみを感じられるよう、これからもより探究的に取り組んでいただきたいとお願いして、私の質問を終わりたいと思います。 ◆長谷川衛 委員  私からは、かねてより全国的な課題となっております教員の長時間労働について質問していきたいと思います。  まず、1点目は、教員の長時間労働に対する認識についてであります。  現在、大手企業の長時間労働による過労自殺問題をきっかけに、企業の三六協定を無視した時間外勤務の常態化とずさんな労務管理の実態が社会問題化しています。ごく最近でも、NHK職員の過労死や新国立競技場の建設作業員の過労自殺など、苛酷な長時間労働の実態は目に余るものがあり、労務管理のずさんさ、そして管理者の意識の低さに驚くばかりであります。長時間労働は、正常な日常生活を破壊し、精神障がいを発症することは、これまでも多くの事例から明らかになっています。しかし、私たちが目に触れる事例はごく一部であって、決して特殊な例ではありません。  さて、私は、以前から、教員の多忙化問題と、その対策について取り上げてまいりましたが、残念ながら、余り効果があらわれていないのではないかと危惧しています。2016年に連合総研が実施した勤務実態調査によりますと、過労死ラインと言われる月80時間以上の超過勤務をしている教員が小学校で72.9%、中学校で86.9%という驚くべき実態が明らかになりました。文科省も本年4月に教員勤務実態調査の結果を公表いたしましたが、この結果では、小学校では33.5%、中学校では57.6%となっております。札幌市教育委員会においても2015年2月に教員勤務実態調査を実施しており、調査項目に違いはあるものの、持ち帰り残業を含めた時間外勤務の月平均は、小学校で66.9時間、中学校で66.8時間となっています。これはあくまでも平均値ですから、学校によっても個人によっても大きな差があることを認識しなければなりませんが、いずれにしても長時間労働が常態化していることは明らかであります。  そこでまず、最初の質問ですが、札幌市立学校における教員の長時間労働について、札幌市教育委員会はどのような認識を持っておられるのか、また、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、伺いたいと思います。 ◎檜田 教職員担当部長  教員の長時間労働の認識についてでございます。  教育委員会では、従前から、学校と連携しながら、教員の業務負担の軽減に向けた取り組みを進めてきたところでございますが、依然として多忙な状況にあることから、改めて、教員の長時間労働対策は喫緊の課題であるというふうに認識しております。  これまでの教育委員会の取り組みといたしましては、先行して多忙化対策に取り組む学校にヒアリングを実施し、その上で、その取り組み事例等をまとめた冊子、「教員の負担軽減に向けて」というものを平成28年3月に作成し、各学校に周知いたしました。各学校では、これを参考にしながら、校務支援システム、あるいはICTを活用した業務の効率化、また、定時退勤日の設定、外部人材の活用などの取り組みのほか、会議の縮減や資料のペーパーレス化による見直しについて、実情に応じて取り組みを進めているところでございます。  さらには、今年度、試行実施した夏季休校日は、8月10日、14日、15日の3日間を設定いたしまして職員の休暇取得を促進いたしました。その結果、98%に当たる310校におきまして1日以上の休校日が設定され、多くの学校で週休日と休日を合わせた連続休暇の取得が可能となり、教員の働き方改革の一助になったと考えているところでございます。 ◆長谷川衛 委員  今、部長から答弁がありましたが、今年度、初めて夏季休校日を設けたということであります。非常に厳しい現状の中で学校を閉じて、要するに先生方が有給休暇をとりやすくしたということです。しかし、私が聞くところでは、一般の方は、学校が休みだから先生もお休みがふえたという認識が結構多いのです。僕が、あれは先生が有給休暇をとっているのですよと言ったら、えっと驚くぐらいで、一般の保護者はなかなかわかっていないと感じました。ただ、これは、教育委員会としても苦肉の策だろうというふうに感じております。  いずれにしても、今、教育委員会として、教員の長時間労働対策は喫緊の課題だと認識しているということでしたので、そうであれば、これをいかに縮減していくか。これは、労務管理ですから、学校任せにしておけば学校間によって相当な差が出ると私は認識しています。ですから、過度な超勤にはやはり歯どめをかけていかないと、教育という仕事はどこまでも切りがなくなりますので、私は、教育委員会が労務管理をしっかりと指導しなければならないというふうに思っています。  長時間労働の要因となるものは多岐にわたりますし、一つ一つやっていると一日かかってもなかなか難しい課題でありますので、きょうは、この実態を把握する上で、この間、問題になってきました時間外労働の中にある本務と本務外、いわゆる本務業務と本務外業務と呼ばれていることについて質問していきたいと思います。  確かに、言われるように、本務と本務外の線引きは難しいです。グレーな部分がかなりあります。しかし、だからといって、本務外労働が本務を上回ってしまうような実態がもしあるとしたら全く本末転倒と思うのです。私は、この問題を解決していくためには、本務外労働をうやむやにすることはできないということと、小学校と中学校の体制というのは子どもの発達段階によって随分違いますから、やはり、それぞれの課題を整理していく必要があるというふうに思います。  そこで、2点目の質問は、小学校のほうではどういうことが問題になっているのかということであります。  小学校教員の一日というのは、まずは早朝勤務です。登校指導を含めて、かなり早い時間から先生方は出てきます。早朝勤務に始まりまして、学級担任が自分のクラスの授業を全部受け持っていますから、休憩時間はありません、給食指導もあります。ですから、主にその先生が1人でびっしり授業を教えていくわけです。一部、教科専任をとっている学校もありますけれども、ほとんどは担任が教えています。そして、生徒個々の観察や悩み相談は日常で非常に大事なものであります。それから、先ほど質問にありました子どもが楽しく授業を受けるための教材研究、そして授業の準備、これも非常に大事であり、時間のかかるものであります。そのほかに、細々しておりますが、成績処理、要するに丸つけをしたり、小テストの問題をつくったり、そういうことも日常で必要です。そのほかに、打ち合わせや会議、学級会や児童会の指導、こういうことに追われている毎日であります。  今、この中で特に問題になっているのは、保護者対応に随分時間がかかるということで、これは随分変わってきたなというふうに思います。私も長年教員をやってきましたけれども、当時は、逆に親がいろいろ支えてくれたという記憶が強いのですが、最近は非常に細かい要求が多いです。そして、共働きも多くなっていて連絡がとりづらいとか、少子化で我が子しか見えない保護者も結構おりますから、相当な時間がかかると言われています。このように、本務だけでも一日にこれだけあります。
     そこで、何とかならないものかなということで、長時間労働の原因となる本務外労働についていろいろと調べてみたところ、私は、小学校で顕著にやられている公開研究会、いわゆる公開研というものが非常に気になりましたので、教育委員会から、過去10年ほどの学校の公開研究会、周年記念の研究会などの実施状況の資料をいただきました。そうすると、学校間の格差はあるものの、私は、開催学校が多いことに正直驚きました。今年度は、札幌市立小学校のおよそ4分の1に当たる53の小学校で実施予定となっております。例年も同程度の実施校であると聞いておりますし、多い学校では2年置き、3年置きに実施しているという実態が明らかになっています。  私は、研究会が悪いと言っているわけではありません。子どもたちにわかりやすい授業をするために研究するのは、ごく当たり前のことだろうと思います。ただ、私は、基本は個人研究だと思っています。まず、自分がしっかりした実力をつける。教壇に立つのは自分です。子どもたちが、わかりやすくて、ああ、なるほどな、楽しいなと思えるように、余裕を持って教えなければなりませんから、自己研さんは必要です。  しかし、私が気にしているのは、公開研の公開というものなのです。私も、いわゆる周年研の経験がありますが、公開するということは人に見せるということですから、ふだん着のままどうぞというのではないのです。人に見せるためには、いわゆる研究以外にさまざまな要素が絡んできます。例えば、どうやって駐車してもらおうか、どうやってたくさんの人に来てもらおうか、どこの教室を使って、どうやって運営していこうかと、いわゆる研究の中身ではないものに相当な時間が費やされます。そうすると、忙しくて、目の前にいる子どもを見失ってしまう危険があるのです。会議、会議、さあ、打ち合わせだ、今度はブロックごとの打ち合わせですと、こういう会議が何回も繰り返されます。会議をするためには、提案するための資料をつくらなければなりません。資料をつくるといっても、難しいですから、なかなか学校ではできない、家に帰って資料をつくって次の日の会議に臨むということで、かなりの時間を費やして公開研当日を迎えることになります。ここまで手間のかかることなのです。ただ、これは本務外ですから、きっちり分けなければいけないのに、ある意味では研究という名に弱い教員を縛っている、私はここに大きな問題点があると思います。長時間労働になっている学校が決して多いとは言わないけれども、少なくとも、ちょっと行き過ぎている学校があるのではないかという声も聞いています。  そこで、私が言いたいのは、研究のためと言いながら時間外労働を強いられている実態がないのかどうか。先生方の中にも小さいお子さんを持っている先生がたくさんいます。親の介護をしている先生方もいます。本務は当たり前であっても、もし長時間の時間外勤務によってそれが阻害されていたら、それは大変なことで、人権侵害ですよ。  そういう観点で、2点目の質問になりますが、小学校の公開研究会の準備と勤務時間等の関係について現時点でどのような認識を持っておられるか、また、今後どのように取り組まれようとしているのか、お聞きしたいと思います。 ◎引地 学校教育部長  小学校における公開研究会の準備と勤務時間の関係についての認識及び今後の取り組みについてでございます。  子どもたちに変化の激しいこれからの社会を生き抜いていく力を着実に育むためには、個々の教員の授業力等の向上が必要であり、公開研究会はそのための研修方法の一つとして各学校が主体的に実施しているものでございます。教育委員会といたしましては、公開研究は、教員が授業を公開して他校の参会者からさまざまな視点による意見をもらう貴重な機会であり、授業改善に有効であると認識しております。  一方で、公開研究の実施に当たっては、授業の準備等が勤務時間外に及ぶなどの状況も見受けられ、昨年度、各学校へ校内研究・研修の手引を配付し、計画的な企画運営について示したところではありますが、現在の教員の多忙な状況からその対策をより一層進めることが必要であると認識しております。  今後、この手引を一層活用し、公開研究会の意義や目的について教職員の共通理解を図るとともに、時間の有効活用や諸準備の精選等により、教員の負担軽減がより進むよう各学校に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  今後努力をしたいということでしたが、私は、何も公開しなくても研修は幾らでもできると思います。いわゆる校内研修はどこでもやっています。そして、切磋琢磨し合っています。公開というものがどうやって結びついていくのか、私は理解しかねるところがあります。例えば、開校50周年なので、一つの節目として周年記念で今までやってきたことを発表しませんかと、こういうことをやることが往々にしてあることは理解していますけれども、頻繁に公開していくという意味は、私はいまだに理解できていません。  現状は、長時間労働で、ゆとりがなくて、子どもに寄り添えないと言われているのです。そう言いながら、一方で研究会に追われていたらおかしいと思いませんか。そういう意味で、引地部長には、過度なものがないかどうか、もう一度、ぜひ調査と分析をしてもらいたい、このことを強く求めておきたいと思います。  次に、3点目になりますが、今度は中学校の実態分析と対策について、ここでは長時間労働の原因の一つとなっている中学校の部活動について質問したいと思います。  言うまでもなく、部活動については、学校教育において貴重な位置づけにありまして、多くの教員が精力的に取り組んでいると思います。一方で、日々の練習や練習試合、土曜・日曜・祝日の大会の引率などに多くの時間を必要とするため、現状の実施頻度、活動水準では顧問の負担が大きくなっているのではないかと懸念しているところです。また、少子化による生徒減によって教員数が少ない上に、業務は減っていないことに起因しているところもあります。  中学校においても、本務業務だけでも多忙な中で、学校事情でやむを得ず部活動を担当しなければならない教員の現実も見過ごすわけにはいきません。これまで、教育委員会は、外部顧問制度や外部指導者の拡大などの取り組みを強化してまいりましたが、まだ決して十分なものとは言えません。今後、教員がゆとりを持って児童生徒に向き合う時間を確保していくことがますます必要とされる中、部活動についても、学校現場の実情を踏まえながら必要な見直しを行っていくことが重要ではないかと考えております。  そこで、最後の質問になりますが、中学校の部活動について、教育委員会として現時点でどのような認識を持っているのか、また、今後の取り組みについてもあわせて伺います。 ◎檜田 教職員担当部長  中学校の部活動の認識、そして、今後の取り組みについてお答えさせていただきます。  部活動は、学校教育活動の一環として、文化、スポーツに親しむ能力あるいは態度を育み、知力、体力の向上、健康増進、生徒の自主性、協調性、社会性を伸長するなど、大きな役割を果たしているものと認識しております。一方で、平成29年4月、文部科学省では、中学校における部活動の従事時間が10年前の調査時と比較して増加していることを公表しておりまして、全国的に練習時間が長時間に及んだり、あるいは、休養日が設定されていない部活があるなどの課題が社会的にも取り上げられているところであります。  教育委員会といたしましても、このような傾向が札幌市の一部の部活動にも当てはまる実態があることは認識しておりまして、生徒の健康面、安全面はもとより、指導に当たる教職員の心身の健康維持等への影響を懸念しているところであります。このような状況を受けまして、札幌市立学校の部活動における練習時間あるいは休養日の設定等を含めまして、生徒、教職員双方の負担を踏まえた部活動のあり方について、現在、精力的に検討を進めているところでございます。  教員が子どもと向き合う時間を確保することは、充実した教育実践につなぐためにも重要であると認識しておりまして、今後も、学校と一層の連携を図りながら、引き続き多忙化解消に向けた取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆長谷川衛 委員  今、答弁がありましたけれども、教育委員会としてもさまざまな努力をしていることは理解しています。  ただ、ご存じのように、部活動を担当する教員は、自分も技術を持って知識もある教員がいる反面、全く知識も技術もないけれども、保護者や子どもたちの何とか部を潰さないでほしいという思いの中で引き受けている先生方が圧倒的に多いのです。そういう先生方が何に苦労しているかというと、せっかく善意で引き受けたけれども、結構、文句を言われるのです。先生、何やっているの、あんな指導では生徒が伸びないでしょうということも言われます。でも、我慢しながら、子どものためにということで努力している、このこともひとつ忘れないでいただきたいというふうに思います。  最後に、要望になりますが、私が、今回、長時間労働の問題を取り上げましたのは、長年、自分も教師をやってきて、真面目に取り組む教師ほど、子どもたちのため、子どもたちのためと言いながら抱え込み過ぎて疲弊していくのです。私は、これを随分目の当たりにしてきました。実際に疲弊して病気になっても、たとえ過労死に追い込まれても、公務災害認定が物すごく厳しくて家族は泣き寝入りしているという現実があります。そうならないために、事前にしっかりと手を打って労務管理をしていくことが重要です。  国も、常態化した教員の長時間労働に対してやっと重い腰を上げまして、この現実に認識を示しています。ただ、私から言わせると、根本的な解決には、給特法を改正しなければ残業手当のないまま長時間労働を強いられます。そして、先ほども出ておりましたが、今、学級編制基準、それから教職員の定数法の改善が急がれているというふうに思います。  私が今回取り上げたことは人ごとでなく、実は、私も長時間労働で倒れそうになった時期がありました。1980年代前半、皆さんもご存じのように、校内暴力が吹き荒れました。当時、私はまだ30代前半でしたので、馬力はありましたから、超過勤務は月80時間を軽く超えていました。いろいろとメモをしておりまして、1週間で30時間を超える週もありました。でも、目の前の荒れた生徒たち、そして、生徒間の暴力を見過ごすわけにはいきません。ですから、長時間労働だという意識よりも使命感が強かったのですが、倒れそうになるのですよ。毎日、朝の7時に家を出て、夜の10時、11時に家に帰って、寝て、すぐ朝だとなると、人間はおかしくなってくるのですね。ですから、当時は、病気になった先生がいっぱい出てきましたし、やめた先生もいます。悪循環なのですよ、先生に休まれると出ている先生がまたそこを補っていかなければなりませんからね。  そういうときに本当に困ったのは、誰に助けを求めたらいいのかということです。今でも鮮明に覚えておりますが、よく生きていたな、乗り越えてこられたなと。その理由は、やはり仲間意識なのです。乗り越えていこうやという同僚たちのお互いの支援、そして、校長、教頭が非常に気配りをされ、労務管理をしっかりやって、きょうは早く帰ってくれよ、あとは俺が面倒を見るから帰ってくれと何回も言われました。そういう気配り等があってやっと乗り越えられたのですが、私は後輩たちにそういう思いは絶対にしてほしくないと思っております。  2015年に過労自殺した元電通社員の高橋まつりさんの母親は、どんなに立派な仕事をしていたとしても、労働基準法違反は許されない犯罪だと述べています。やはり、長時間労働の問題は、教育委員会としてもしっかりと受けとめて、教員の労働環境改善に向けてさらに努力されることを望んで、質問を終わりたいと思います。 ◆國安政典 委員  私からは、全国学力・学習状況調査の結果と今後の取り組みについて、先ほど阿部委員からも質疑がありましたので、重複を避けながら簡潔に質問してまいりたいと思います。  まず、札幌市における全国学力・学習状況調査の活用の仕方及び結果について伺ってまいります。  先日、今年度の札幌市における本調査結果の実施報告書が公表されました。また、今年度からは、指定都市別の平均正答率が初めて示されたところでございます。調査の開始から10回目を迎えたわけでありますが、結果を児童生徒の指導に生かす取り組みが定着してきていると感じているところです。数値の公表によって序列化や過度な競争が生じないようにする配慮もされていると思いますし、また、この調査においてはかれる学力は学力の一部であることも認識しているところでございます。大事なのは、調査結果を踏まえて、教育指導の充実や子どもの学習状況の改善などにどのように役立てることができるかということだろうと思います。  そこでまず、質問しますが、札幌市におけます全国学力・学習状況調査の活用及び結果の分析について、確認の意味で伺います。 ◎引地 学校教育部長  札幌市における全国学力・学習状況調査の活用及び結果の分析についてでございます。  札幌市といたしましては、全国学力・学習状況調査の結果から、市全体の学力や学習状況等の傾向を把握したり、成果と課題を捉えたりするなどして、学ぶ力の育成に向けた指導方法の工夫、改善等に生かしているところでございます。  今年度の調査における分析の結果につきましては、小学校において、算数の数や計算の活用に関する問題で昨年度と比較して改善が見られたところでございます。また、小・中学校ともに、国語における読む能力について、昨年度と比較して伸びが見られております。また、読書が好きな子どもの割合が全国平均を上回っており、調査を開始した平成19年度以降で最も高い数値となっております。一方、小学校においては、漢字を正しく書くことや小数の計算等の正答率が低いこと、小・中学校ともに、全国と同様、自分の考えを書くことなどの設問で無回答率が高いことが継続的な課題であると認識しております。 ◆國安政典 委員  活用の仕方、またその結果については理解するところでありますし、小学校・中学校ともに国語の読む能力について伸びが見られることについても高く評価させていただきたいと思っております。  読書の環境整備につきましては、私どもの会派として、これまでも重要であるということを主張してまいりました。そういった意味でも、札幌市の子どもの読書への興味や関心に伸びが見られることは非常に喜ばしいと思っているところでございます。読書の好きな子どもの割合が増加していることと、国語の読む能力に伸びが見られたということは、関連があるのではないかと考えるわけであります。  そこで、質問ですが、読書活動について今後どのように推進していくのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  今後の読書活動の推進についてでございます。  子どもたちの生涯にわたる学びの基盤である読書につきましては、札幌らしい特色ある学校教育のテーマの一つとして今後も重視していきたいと考えており、子どもが日常的に本に親しんだり、授業中に図書館に行って調べ学習を行ったりすることができるような環境づくりが重要と認識しております。今後、小学校においては、図書館ボランティアの研修の充実を図ることで図書館をより使いやすくするとともに、中学校においては、平成31年度までに学校図書館司書の全校への段階的な配置を進めることで図書館を授業でも活用できるようにするなど、読書環境を一層充実してまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  小学校におけます図書館ボランティア、また、中学校の学校図書館司書の配置をしっかりと進めて、今後もさらに充実に向けて取り組んでまいりたいということでしたので、その方向で進めていただきたいと思っております。  一方で、先ほどの答弁にもありました漢字や計算などの継続的な課題については、今後、児童生徒の学習状況等に応じた指導の充実を図るなど、これまた、課題の改善に向けてどのように取り組んでいくのかが重要であると考えております。  そこで、質問ですが、本調査の結果から明らかになった継続的な課題の解決について今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎引地 学校教育部長  本調査の課題を踏まえた今後の取り組みについてでございます。  継続的な課題の改善に向けましては、わかる、できる喜びを実感できるよう、チーム・ティーチングや子どもの興味・関心等に応じた学習など、一人一人の子どもの状況に応じたきめ細かな指導をより充実してまいります。また、子どもの意欲を高めながら、確実に知識及び技能を身につけていくことができるような指導方法の研究と啓発を進めるなど、より一層の授業改善を図ってまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  これまで、全国学力・学習状況調査の結果、また、今後について質問させていただきました。  従来の日本の教育政策におきましては、こういった客観的なデータに基づいた政策議論が乏しかったのではないか、また、確たる根拠がないままに教育政策が構想されたり、変更されたりといったことがしばしば続いてきたという見方もあります。そして、平成19年にこの調査が実施されたわけでありますが、この実施に当たっては、実施前も実施後もさまざまな議論があったと記憶しております。今回で10回目の調査を重ねる中で、おおむね本来の目的に沿った活用が充実してきているというふうに私自身は感じているところでございます。  これまでの取り組みに引き続き、全国学力・学習状況調査を適切に活用していただいて、知識、技能や思考力、判断力、表現力、そして学ぶ意欲などの学力をどの子どもも身につけられるよう、さらに力を尽くしていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私からは、本市教職員の加配定数について、2点質問いたします。  今年度の県費移譲により、本市が、直接、国に対して教職員の加配定数の申請や活用ができるようになるとともに、学級編制が可能となりました。本市においては、この移譲に当たり、新規の加配メニューを創設するなど、既存メニューの拡充を行っていると伺っております。  このうちの専科加配を例に、加配定数の重要性について伺います。  質問の1点目は、加配定数の一例として、専科指導加配について、2016年度は5校、2017年度は9校となっていますが、2016年度の専科加配対象の5校について、取り組み内容とその成果を伺います。 ◎佐藤 調整担当部長  平成28年度における加配定数を活用した専科指導の取り組み及び成果についてお答えいたします。  本市におきましては、学級数に応じて配置する定数に加えて、チーム・ティーチングや個に応じた指導など、教育目的に応じたいわゆる加配定数による教員の配置を行っているところでございます。加配を活用した専科指導につきましては、小学校において、各教員が持つ専門性を生かし、理科や外国語活動等の授業を単独で行うほか、学級担任と共同で授業を行うなど、学校事情に応じてさまざまな取り組みを実施しているところでございます。  専科指導につきましては、子どもにとっては知的好奇心の向上や学習内容の理解が深まるなど学ぶ力の向上につながるとともに、教員にとってもみずからの指導方法の工夫や改善がなされるなど、加配の成果があったものと認識しているところでございます。 ◆太田秀子 委員  今のご答弁から、加配の活用が子どもの学びの向上につながっており、重要であるということがよくわかります。しかし、この加配は、学校がやりたいと手を挙げても、本市が使える枠が決まっていますから、全てに活用できるとは限らないのです。この枠をもっと拡大することを文科省に要望すべきと申し上げておきます。  現在の少人数学級の実施状況は、小学校1年生は、国の学級編制基準が35人のために、全国どこの小学校でも1年生は35人、さらに、学級編制基準の権限を持っていた北海道が独自に小学2年生と中学1年生を35人学級にしており、これによって全道どこの小・中学校でも小学1、2年生と中学1年生は35人以下学級になっています。最終的には国の判断で決定するのですけれども、北海道が加配定数を活用して35人学級の学級編制基準を設けたということで、その判断権限が、今回、県費移譲により本市に移譲されているのです。我が会派としては、これまでも少人数学級の拡大を求めてきているところであり、こうした加配定数を活用して拡大することも必要だと考えております。  2011年に法改正がありまして、小学校1年生の35人以下学級を制度化し、全国的に実施しました。その後、全国連合小学校長会が小学校1年生への35人以下学級導入についての評価を行っております。教員からは、35人以下学級になって、子どもたち学習意欲が向上した、きめ細かい指導が充実した、保護者からは、先生はきめ細かに対応してくれる、子どもが勉強を好きになったなど、大きな効果があったとその結果が出されています。  学習意欲については、先ほどの質疑でもありましたけれども、本市は、子どもがわかる、できる授業の充実や体験的な活動をさせたい、今後は、課題探究的に、そして、一人一人の個に応じた楽しい学びを提供したいと教育委員会は考えているという答弁を聞きました。学校間の差をなくすためには、指導方法などの成果を共有したいともおっしゃいました。後で述べますけれども、やりたくてもできないという背景には、教員の多忙化があるわけです。ここにこそ学校の悩みがありまして、これを教育委員会と共有したいと思っていると思いますよ。教員からも保護者からもきめ細かい対応ができると評価されているように、少人数学級は有効であり、教職員多忙化の改善にもつながると考えられます。  全国では独自に少人数学級の拡大が進んで、47都道府県中10府県で中学3年生まで既に実現しています。本市は、先ほどもありました教員の勤務実態調査を行っております。2015年に、教員の時間外勤務などの実態を調べることや、精神的に負担を感じる業務を把握して、健康管理と時間外勤務の縮減を検討するためと言って、全市立学校や幼稚園の教員を対象に行いました。それによりますと、改めて本市での教員の多忙化が浮き彫りになっています。  先ほど、小学校の先生の具体的な一日の様子について話がありましたけれども、その大変さは本当に心に響きました。休憩時間を余り自由に利用できないとか、全くできないと回答した職員は、全体の87.1%にもなっています。持ち帰り業務の内容は、授業や保育の準備業務が51.4%であり、半数以上の職員が自宅で授業や保育の準備をしているのです。これは、もう放置できない実態となっています。  そこで、質問の2点目は、本市においては、この調査で、時間外勤務等の縮減方法について、人員をふやしてほしいとの要望が昨年の調査に続いて一番多く出されていますけれども、加配定数を活用するなど少人数学級を拡充すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎佐藤 調整担当部長  加配定数の活用等による少人数学級の拡充についてお答えいたします。  少人数学級につきましては、児童生徒に対してきめ細かな指導を行う上で有効であるというふうに認識しております。加配を含めまして、義務教育の一定水準の確保は国が保障すべきであり、少人数学級の拡充については、引き続きさまざまな機会を通じて国に対して要望してまいりたいと考えているところでございます。 ◆太田秀子 委員  文部科学省は、2011年から2012年にかけて公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議というのを行いました。そこでは、義務教育は、一人一人の人生の基礎を培うもので、現在の学校現場をめぐる状況を見ますと、近年の地域社会や学校生活の変化により、学校においては教員が子どもたち一人一人に目の行き届いた指導を行うことが一層求められるのだと報告しています。少人数学級の効果については共有できるという答弁をいただきましたけれども、学習行動や不登校の改善につながったということもここでは報告されているところです。  国が基礎定数でふやすべきだとは、私も思っています。国への要望は、より一層取り組んでいただきたいと思います。それと同時に、教員の勤務実態調査で出された問題点は明らかであり、人員をふやしてほしいということですから、本市としても改善を急ぐべきだということを求めて、私からの質問を終わります。 ◆よこやま峰子 委員  私は、相談支援パートナー事業の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。  不登校については、全国的に増加傾向にあり、低年齢化していると聞いております。札幌市では、不登校などの悩みを抱えている子どもに対応するため、スクールカウンセラーを初めとしたさまざまな人材を配置していますが、小学校におけるスクールカウンセラーの活用時間は年間63時間と少なく、すぐには解決することが難しい課題に、必要とする時間と対応がとれていない現状にあるのではないかと危惧しているところであります。  私は、以前から、不登校の低年齢化に備え、スクールカウンセラーをふやすべきであると提言してまいりましたが、先月の新聞報道によりますと、文部科学省では、全公立小・中学校へのスクールカウンセラー配置を1年前倒しする方針が打ち出されまして、国においてもカウンセラー拡充の必要性が認識されたものと喜ばしく感じるとともに、今後もその動向を注視してまいりたいと思っているところであります。  札幌市では、かねてより課題であった不登校への対応を充実させるため、平成24年度に、心のサポーター配置モデル事業として、小学校2校に相談支援リーダーを、中学校20校に相談支援パートナーを配置し、不登校の子どもに対してきめ細やかな支援を行ってきたとのことであります。24年度以降、3年間のモデル事業を経て段階的に配置校をふやし、平成26年度には相談支援パートナーを全中学校に配置するまでに拡充し、平成27年度からは、相談支援パートナー事業として名前を変更し、継続して実施してきたと聞いております。  学校に配置されるさまざまな人材の役割としては、例えば、スクールカウンセラーであれば、悩みを抱えた子ども及び保護者のカウンセリングや教職員へのアドバイス等を行う、また、ソーシャルワーカーであれば、福祉の専門家として学校と家庭をつなぐ調整役と理解しておりまして、その役割はわかりやすいのです。しかし、本事業で小学校に配置されている相談支援リーダーと中学校に配置されている相談支援パートナーについては、その役割は非常にわかりづらいと私は感じております。  そこで、質問ですが、相談支援リーダーと相談支援パートナーの役割などの違いについて、また、スクールカウンセラーとの連携についてもお伺いいたします。 ◎和田 児童生徒担当部長  相談支援リーダーと相談支援パートナーの役割等の違い及びスクールカウンセラーとの連携についてお答えいたします。  相談支援リーダーは、教育現場での豊かな経験を有する退職校長などが、相談支援パートナーへの助言・指導や、担当校の不登校支援のための組織づくりについてアドバイスを行うなどの役割を担っております。  相談支援パートナーは、各学校にかかわりのある地域の方々や、子どもの健全育成にかかわった経験のある方々などを学校ごとに採用しておりまして、集団になじめず、教室に入ることができない子どもとの信頼関係を築き、校内に安心できる居場所をつくっております。  相談支援パートナーは、心の専門家であるスクールカウンセラーからの助言を受けて、学校が作成する支援方針や計画に基づいて、一人一人の子どもに寄り添いながら、日常的なかかわりを続けております。さらには、関係機関との連携や専門的な心のケアが必要なケースなどについては、学級担任と相談しながら、スクールカウンセラーからの助言をもとに丁寧な支援を行っているところでございます。 ◆よこやま峰子 委員  ただいまの答弁から、相談支援リーダーと相談支援パートナーとの役割の違いについてはわかりました。特に、相談支援パートナーについては、地域の人材を活用し、不登校や教室に入ることができない子どもに対して直接かかわることができる大変身近な存在とのことであり、生徒にとっては心強い存在ではないかと考えます。  しかし、ここ数年、不登校児童生徒は全国的に微増傾向にあり、札幌市内においてもさまざまな不登校対策に取り組んでいるにもかかわらず、不登校児童生徒数は約2,000人に上ると聞いております。不登校児童生徒の数だけを見ますと、相談支援パートナーのかかわりによる効果が上がったと見ることは難しいと言わざるを得ません。  そこで、質問ですが、相談支援パートナー事業の取り組みによる子どもの現状の改善というか、具体的な成果について何かありましたらお伺いしたいと思います。 ◎和田 児童生徒担当部長  相談支援パートナー事業の取り組みによる具体的な成果についてでございます。  成果といたしましては、平成28年度におきまして、相談支援パートナーが支援した生徒のうち約84%に、全く登校できなかった生徒が家庭訪問をすることによって少しずつ登校できるようになったり、教室に入れなかった生徒が行事や授業に参加できるようになったりするなどの登校状況の改善が見られております。また、相談支援パートナーと学習に取り組めるようになったり、先生や友達と会話できるようになったりするなど、人とのかかわりが持てるようになるといった状況の改善も見られております。さらには、学校の中で教室以外にも居場所ができ、子どもの状況が改善することによって保護者の気持ちが安定してまいりまして、子どもへの励ましや登校に向けた働きかけにつながるなどの保護者支援としても効果が見られております。 ◆よこやま峰子 委員  一言で不登校と言っても、ほとんど学校に登校していない子どもから、登校しても教室に入れない子どもまで、その状況は一人一人が異なり、さまざまであるということでした。そうした多様で違う環境にある一人一人の子どもたちにとって、相談支援パートナーが日常的にかかわることによって子どもの居場所ができる、また、保護者の支援につながるということは、私は非常にいい変化ではないかなと思います。  しかし、昨年度の文部科学省の調査では、小学校の不登校児童数が全国で2万7,581人と過去最高であることがわかりました。札幌市においても、平成27年度の小学校の不登校児童数は448人と前年度比の1.25倍となっており、その増加率も中学校を上回っているという調査結果からも、今後ますます小学校に対する不登校対策が求められると推測されます。また、現状をお聞きしますと、小学校201校の約半数となる48%に登校しても教室に入れない児童がおり、これらの児童に対しては、教室以外の保健室や職員室で教職員がかわるがわる対応しており、中には校長先生が対応しているケースもあると伺いました。  このように不登校の低年齢化という現状の中で、現在は、相談支援パートナーは中学校と中等教育学校にのみ配置され、小学校には配置されておりません。私は、不登校生徒数が減少していない中で、中学校で相談支援パートナーがかかわることによって不登校生徒の状態が少しずつ改善されていくのであれば、小学校においても相談支援パートナーを活用して早い段階で対応することが、長い目で見ると効果があらわれてくるのではないかと考えております。  そこで、最後の質問ですが、相談支援パートナーの小学校での活用も含め、本事業の取り組みを今後どのように充実させていくのか、教育委員会のご見解をお伺いいたします。 ◎和田 児童生徒担当部長  相談支援パートナー事業の今後の取り組みについての見解でございます。  不登校の対応につきましては、子どもを取り巻く環境の変化や社会的背景を踏まえて、学校と家庭が一体となった体制づくりをさらに推進していくことが重要であるというふうに認識しているところでございます。  不登校は、小学校のときに登校渋りなどの状況があり、それが中学校になってから顕在化している場合が多いことからも、長期的な視点を持って、小学校段階から、欠席させない、また欠席を長期化させないなどの早期の支援を行うことが大切であるというふうに考えております。  教育委員会といたしましては、今年度、小学校5校において試行的に相談支援パートナーを配置して早期の対応のあり方について検証を行っておりまして、その結果をもとに、小学校における相談支援パートナーの活用を含めた、より効果的な不登校対応に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ◆よこやま峰子 委員  私は、不登校の対応というのは、即効性を求めるのではなくて、子どもの気持ちに寄り添った長期的な視点が必要であろうと思います。子どもたちのその先の人生のためにも、より効果的な支援を継続することが必要であると考えます。  このことから、かねてよりスクールカウンセラーの拡充を訴えてまいりました。ですから、スクールカウンセラーが全ての学校に配置されるのがベストではありますが、人材の確保においても、あるいは経費の面からも、時間がかかり、ハードルが高いとも考えております。また、スクールカウンセラーというのは臨床心理士でありますので、非常勤で、心のケアを重点的に行うために、時間的にも非常に限られた生徒を見ることになるのではないかと懸念いたします。したがいまして、現状における札幌市独自の相談支援パートナー事業は、地域のボランティアである相談支援パートナーが日常的、継続的に子どもにかかわることで、前向きな登校を支えることができる有効な手段と考えており、ひいては、不登校の未然防止や長期化防止という成果を上げるのではないかと、私は期待しているところであります。  しかしながら、一つ懸念されるのは、相談支援パートナーはボランティアでありまして、年齢や立場が非常に多様であることを考えますと、しっかりとした研修等による相談支援パートナーの資質の均一化が大事だと思っております。そのことも踏まえ、今後も、相談支援パートナーを活用することの有効性について、学校にかかわるさまざまな人材と連携を図り、その効果検証に努めていただくよう要望いたします。  あわせて、学校に配置されているさまざまな関係者が一丸となって、小学校における不登校の未然防止や早期対応に積極的に取り組むことができるよう、私は、小学校にも早期に相談支援パートナーを導入し、配置、拡充することを強く要望いたしまして、質問を終わります。 ◆松原淳二 委員  私からは、子どもたちの安全・安心について伺います。  北海道警察生活安全企画課の各種届け出受理状況によると、子どもたちに対する声かけ事案などの前兆事案と言われるものについては、2015年度が289件、2016年度が342件、ことし1月から6月の半年で既に252件発生しております。前年同期から94件の増、59.4%増加している状況にあります。声かけ事案などの数は、増加の一途をたどっている状況です。これに関しては、総体がふえているのか、また、受理件数がふえているのか、その判断はつきかねるところでございます。しかし、未遂に終わっていることなども勘案すると、届け出をするという意識づけがされてきており、これまでの取り組みの成果が一定程度上がっているのではないかと認識しています。  しかし、残念ながら、先日、豊平区で連れ回し事案が発生してしまいました。男性は、既に逮捕されたとの報道でございます。詳細な情報については把握できていませんが、子どもたちと保護者、そして学校関係者、また多くの市民に不安の声が広がったことは事実でございます。声かけ事案などの多くは、子どもたちが多く集う登下校時、また、下校後の夕刻に発生していることから、スクールガードや町内会、保護者などによる登下校時の見守りは、犯罪抑止、事故防止の観点からも大変効果は大きいと感じますが、子どもたちの下校後の行動パターンなども多様化しており、保護者などの心配は尽きないことだと思います。  そこで、1点目の質問ですが、子どもたちを取り巻く安全・安心に関する状況と認識、加えて、これまでの本市の取り組みについて伺います。 ◎和田 児童生徒担当部長  子どもを取り巻く状況と認識、これまでの取り組みについてでございます。  本市の小・中学校で把握している不審者等に関する事案につきましては、ここ数年、毎年500件から600件程度で推移しておりまして、決して予断を許さない状況であると捉えております。本年3月には、関東において子どもが被害に遭う痛ましい事件が発生していることもありまして、子どもの安全・安心につきましては、継続して取り組んでいかなければならないというふうに認識しております。  教育委員会におきましては、スクールガードや地域のボランティアが行う子どもの登下校時の見守り活動をサポートするために、警察出身者をスクールガードリーダーとして委嘱して、防犯上のポイントを助言するなど、各学校の防犯体制がより充実するように取り組んでいるところでございます。また、学校におきましては、保護者、地域、関係機関との連携のもと、登下校時の見守り体制に加えまして、校区内の安全点検や巡視活動を行うなどして、子どもの安全・安心の確保に努めております。さらには、小学校の新入生全員に防犯ブザーを配付するなどしまして、子どもが危険からみずから身を守ろうとする態度や能力を育むための安全教育にも、発達段階を踏まえて繰り返し取り組んでいるところでございます。 ◆松原淳二 委員  札幌ではございませんが、痛ましい事件があったということで、本市においてもそうした事件がないように、これまで以上にこういった取り組みをしていただきたいと思います。  そのためにも、現状をしっかり認識し、さまざまな施策を組み合わせながら、よりきめ細やかな取り組みのさらなる充実を図っていかなければなりません。また、犯罪につながる事案についても、非常に巧妙化しているとの報道もございます。声かけのパターンが複雑化してきている、または、スマートフォンや携帯電話などの普及によって、SNSを悪用したものなど、本当に多岐にわたる状況にあると思います。これまでの取り組みに加えながら、さらに時代の変化に対応した対策も必要だと感じております。
     そこで、2点目の質問ですが、子どもの安全・安心に向けた今後の取り組みについてどのように進めていくのか、お伺いいたします。 ◎和田 児童生徒担当部長  子どもの安全・安心に向けた今後の取り組みについてでございます。  委員がご指摘のとおり、近年は、声かけの手口の巧妙化や、ソーシャル・ネットワーキング・サービス、いわゆるSNS上の成り済ましなどの新しい犯罪被害の発生も増加しておりまして、保護者、地域、関係機関とその傾向を共有して対策を練っていく必要があるというふうに認識してございます。各学校におきましては、これまで取り組んできた安全教育に加えまして、具体的な場面を想定した防犯教室を警察と連携して行うなど、より効果的な安全教育の推進に努めているところでございます。  教育委員会といたしましては、今後も、犯罪被害の状況の変化を的確に捉えまして、子どもの安全・安心について引き続き検討するとともに、各学校の取り組みが一層充実するよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆松原淳二 委員  子どもたちを守るためには、いろいろな視点、立場で考え、検討していかなければならないと思います。手口が巧妙になってきているというニュースなどを聞くと、保護者の心配は絶えないものだと思います。子どもたちが安心して過ごすことができる環境づくりに向け、教育委員会においては、学校と連携し、子どもたちや保護者、地域の声をしっかり聞いていただきたいと思います。  また、その中では、今でもスクールガードのなり手が不足していたり、地域との連携が不安定だという声、また、先ほどちょっとお話もありましたが、防犯ブザーなどについても多機能化を望む声も聞こえてきている状況にあります。子どもたちの安全管理については、一義的には学校単位での取り組みだということは認識しつつも、先ほど来お話があったように、学校任せになっているのではないか、学校に全て任せ切っているのではないかということをやはり懸念せざるを得ないと思います。教育委員会においては、個々の学校の取り組みをしっかり把握して、困っていること、不足していることなどをつぶさに捉えて、解決に向けて一層の連携強化、また、関係機関、関係部局との橋渡し役、パイプ役としても尽力いただきたいと思っております。  また、学校間の連携については、区内では比較的進んでいると聞いておりますが、全市的な連携であったり、優良事例などの情報共有や水平展開といったものにも教育委員会が先導的、主導的に取り組んでいただくことを求めて、私からの質問を終わらせていただきます。 ◆村上ゆうこ 委員  私は、昨年11月7日にオープンしたえほん図書館について、3点質問します。  1点目は、開館から本年9月までの利用状況及び蔵書のさらなる充実についてです。  我が会派では、本年の第1回定例市議会の予算特別委員会において、えほん図書館の開館当初の利用状況について質問しました。その際の答弁で、開館当初から人気が非常に高く、貸し出し件数も予想以上に多くなったことから、蔵書を追加するとともに、蔵書内容も充実を図ったと確認したところです。その後も利用者は順調に増加しており、開館後約5カ月を経た昨年度末の来館者は10万人の大台を超え、当初の目標をクリアしたとも聞いています。  絵本は、他人への思いやりの心を育み、想像力や好奇心を養うなど、子どもの情緒や心を豊かにするものであります。それとともに、幼いときに触れる絵本は、長い人生の中で読書に親しんでいくための大切な入り口となるものでもあり、市民の方々に予想以上に受け入れられたことは大変喜ばしいものと感じています。このえほん図書館も、早いものでオープンしてから間もなく1年になろうとしておりますが、この間の利用状況や蔵書の改善状況についても気になるところです。  そこで、質問ですが、えほん図書館が開館してから9月までの利用状況はどのようになっているのか、また、本年の予算特別委員会で答弁されていた蔵書のさらなる充実についてどのように改善されているのか、あわせて伺います。 ◎前田 中央図書館長  えほん図書館の開館からの利用状況及び蔵書のさらなる充実についてお答えいたします。  えほん図書館のこれまで11カ月間の来館者数は、20万1,000人余りとなってございます。開館当初と比較いたしますと、徐々に落ちついてはまいりましたが、この9月の来館者数は約1万5,000人で、地区図書館よりも多い状況でございます。また、毎週、館内で行う年齢別おはなし会や団体利用の受け入れなど、各種行事の参加者も開館からの累計で9,000人を超えたところでございます。また、図書の貸し出し冊数ですが、順調に伸びておりまして、えほん図書館の現在の蔵書数2万冊余りに対し、累計で約16万冊の貸し出しとなっており、1冊当たりほぼ8回貸し出していることとなってございます。  次に、蔵書の充実についてでございます。  当初の1万5,000冊に対し、昨年度中に2,000冊、さらに今年度に3,000冊を追加し、現在は2万冊余りに達してございます。今後は、本の傷みに応じた買いかえや蔵書の入れかえという観点で毎年1,000冊程度を新しいものに更新することとし、図書館において最も重要である蔵書の充実については今後とも十分に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆村上ゆうこ 委員  2点目は、利用者の年齢構成、満足度、寄せられた声などについて伺います。  ただいまの答弁で、開館1年目から大変ご好評をいただいているとお聞きし、安心いたしました。また、幼児を対象とした年齢別おはなし会や趣向を凝らしたさまざまな行事を実施することによって、発信する図書館としての役割をしっかりと果たしながら利用者の拡大に努めてきたことが認められ、これらの取り組みと成果については大きく評価したいと思います。  このことを踏まえた上で、これからもこのえほん図書館が市民に受け入れられ、長く人気を保っていくためには、利用者の方々がえほん図書館をどのように感じているのか、何を求めているのかということをきちんと分析した上で、その分析結果を将来につなげていくことが不可欠であると考えています。  そこで、質問ですが、えほん図書館の利用者の年齢構成や満足度、さらに、寄せられた声などについてはどのようになっているのか、伺います。 ◎前田 中央図書館長  利用者の年齢構成や満足度、寄せられた声などについてお答えいたします。  利用者は、乳幼児を連れた子育て世代が多数を占め、大人の年齢層は30代が一番多く、続いて40代、20代となってございます。また、お子様は、低い年齢層の利用が多くなっておりますが、特に2歳児以下の割合が高くなってございます。リピーターの割合も多く、例えば年齢別おはなし会の参加者では、2回以上来館された方の割合がおおむね40%となってございます。  次に、各種行事でのアンケートによる利用者の満足度は、大変満足及び満足と回答された方を合わせますと、おおむね90%を超えております。また、来館者の声としては、絵本がたくさんあってよい、また来館したいなどの声が多いほか、授乳室の設備の充実やベビーカー置き場の確保など、さらなる施設の利便性を要望する声もいただいてございます。 ◆村上ゆうこ 委員  3点目の質問です。  利用実態を踏まえた今後の改善及び利用者の維持、増加に向けた取り組みについてです。  えほん図書館が引き続き多くの方に利用されていること、また、リピーターの方々も多いということは、まさに、このような新たな図書館が市民の方々から求められていたことのあかしではないかと思います。また、各種行事の満足度が9割を超えているという結果は、えほん図書館に市民が期待と魅力を感じていることと、えほん図書館が目指してきた乳幼児の読書活動推進という目的も相当程度に果たしてきているものと感じています。  しかし、今後も、この状況に満足することなく、開館から2年目以降も市民に愛され慕われる、そして、何より利用しやすいえほん図書館として存続していくためには、常に新たな魅力づくりについて考えていく必要があると思います。そのためには、現状を踏まえ、今後の課題を把握し、その解決を図っていくことが必要であり、そしてまた、さらに多くの皆さんに利用していただくための工夫をしていく必要もあるのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、これまでの利用者の声や利用実態も踏まえ、今後どのような改善を行っていくのか、また、利用者の維持、増加を図っていくためにどのような取り組みを行っていくのか、最後に伺います。 ◎前田 中央図書館長  利用実態の結果を踏まえた今後の改善及び利用者の維持、増加に向けた取り組みについてお答え申し上げます。  これまでの利用状況から、えほん図書館は、市民の皆さん、特に子育て世代に広く認知されつつあると感じているところですが、これからも満足いただけるよう、環境の整備や事業の充実に努めることが重要であると認識してございます。  このことから、環境の整備といたしましては、利用者からのご意見やご要望を踏まえて、授乳室やベビーカー置き場などの施設の改善を図ることとし、また、事業の実施に当たりましては、例えば、特に人気の高い年齢別おはなし会では参加者が想定人員を大きく上回ることもあり、会場が非常に混雑することから、分散を図ることを検討するなど、きめ細やかな対応にも心がけていきたいと思っているところでございます。また、新たな利用者の確保につなげるため、妊婦を対象とした胎児のための読み聞かせや、お孫さんを連れたシニア世代が子どもと一緒に楽しめる仕組みについても検討するなど、今後とも、えほん図書館の特徴を生かした取り組みを進めるとともに、より魅力ある図書館とするための努力を続けてまいりたいと考えてございます。 ○しのだ江里子 委員長  ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時54分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○しのだ江里子 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、2項目質問いたします。  1項目めは市立小・中・高等学校及び幼稚園の消防設備点検業務について、2項目めは幼児教育センターについてです。  初めに、消防設備点検について質問いたします。  札幌市教育委員会は、今年度から、市立の各学校、幼稚園等の消防用設備点検業務を一般競争入札に変更しております。私は、2014年、平成26年の決算特別委員会において、消防設備点検業務の積算について問題点を指摘しました。当時の担当部長からは、妥当性を持った積算額を選定するために、北海道や他都市の状況をぜひ調査させていただきたいという答弁がありました。  そこで、質問ですが、その後、調査したのか、調査をしたのであれば、その具体的な内容について、まず、伺いたいと思います。 ◎平野 学校施設担当部長  積算額にかかわる他都市調査についてお答えさせていただきます。  今、委員からお話がありましたとおり、平成26年の3定の決算特別委員会の質疑を受けまして、平成27年1月に私どもとして他都市の実態の調査を実施いたしました。調査先は、北海道、政令市と道内の中核市、合わせて1道21都市を対象に行っております。  調査の内容ですけれども、回答をいただけなかった7都市を除きまして北海道と14都市の全部で15自治体から回答がございましたが、いわゆる国の算定要領をもとに予定価格としておりますのは、北海道を含めて全部で10都市、それから、いわゆる業者からの参考見積もりを徴取し、それを予定価格としているのが5都市という結果となってございます。 ◆ふじわら広昭 委員  調査した結果について明らかになりましたが、残念ながら、5都市では業者からの見積もりによって積算して予定額を設定しているわけであります。  私は、この質問をするに当たって、平成26年度、そしてまた新年度になってからも、北海道の教育庁にお邪魔して道の取り組みについて検証してまいりました。北海道教育庁石狩教育局では、高校が中心ですが、石狩南部地区19校、中部地区20校、北部地区16校、計55校を消防設備点検の対象としてブロックを分けておりまして、この落札額は最低で約1,600万円から1,900万円弱となっております。  札幌市教育委員会の場合は、例えば、小・中・高校、幼稚園を合わせて71の施設を担当しているブロックが2ブロック、70校が1ブロック、59校が1ブロック、そして47校が1ブロックという5ブロックに分かれておりますけれども、落札額は1,100万円強から2,000万円強という状況になっております。落札率は、教育委員会の積算額で比較しますと70%から96%となっておりますが、国の標準歩掛かりに基づく積算額との比較では33%から48%となっており、いずれも50%を下回っている状況で、現状は、調査はされたけれども、十分に改善されていないと言えます。私は、まず、国の標準歩掛かり、国土交通省の建築保全業務積算基準に基づいて、予定価格、また経費率についても市長部局と整合性を持った内容にすることが極めて重要と考えております。  そこで、質問でありますが、まず、教育委員会全体として考え方を見直し、札幌市の財政局に予算要求すべきでありますけれども、どのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎平野 学校施設担当部長  積算額の算定方法の見直しについてでございますが、当該業務の委託料につきましては、国土交通省の算定要領をもとに算定しておりまして、さらに、学校数が多いものですから、スケールメリットも加味するために複数業者からの見積もりを徴取して、その額も参考にして積算額を算定しているところでございます。  引き続き、同様の業務を実施しております他部局、関係団体の積算額等を参考にしながら、妥当性のある積算額を算定できるように今後も検討してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  幾つか要望を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。  まず、一つ目は、この間のアスベスト問題のように、財政局も、人や環境に対する影響の重大性の認識が低いために、教育委員会からの予算要求に十分応えてこなかったことがあると思います。子どもたち、生徒の命と安全にかかわる大事な施設でありますので、教育委員会が国の標準歩掛かり等に基づいて積算していくことはもとより、財政局はそれにしっかりと応えていくべきだと思うわけであります。  二つ目は、ことしから一般競争入札になりましたが、一般競争入札の際には、よほど今までにやったことのないものであれば業者から見積もりをとることはありますけれども、そうでない限り、見積もりをとるのはいかがなものかと思っておりますので、私は、国の標準歩掛かりをもとに札幌市教育委員会が独自にきっちりと積算して、それによって予定額を設定するのが筋ではないかというふうに考えております。  また、三つ目の指摘事項として、地元業者の受注機会をふやすというのは秋元市長の公約の一つでもあります。そういう意味で、地元業者の受注機会をふやすことや、また、発注部局である札幌市教育委員会の業務の効率化を図るためには、歩掛かり単価の見直しとともに、総合評価落札方式による事後審査の一括審査型の入札の導入もあわせて早急に検討すべきです。  また、次の指摘事項としては、先ほども申し上げましたように、現在は5ブロックのエリアとなっており、一つのブロックは最低でも47校、多いところでは71校という状況になっております。確かに、市内ですから、行き来は道教委のような状況になっておりませんが、質の問題を含めて考えますと、ブロックのあり方についてももう少し検討すべきではないかと思います。  いずれにしても、こうしたことについては、関係団体のさまざまな経験や知識も拝聴しながら、しっかりと意見交換をして改善に向けていく必要があると思いますので、このことを強く求めて、この問題については終わりたいと思います。  次は、幼児教育センターについて質問いたします。  札幌市教育委員会は、これまでも、教育全般にわたる長期的な視点に立った理念と方向性を示す札幌市教育推進の目標及び指針を掲げるとともに、札幌市幼児教育振興計画、また札幌市特別支援教育基本計画や札幌市教育推進計画など、五つの計画に沿って発達段階に応じたさまざまな教育施策に取り組んできました。札幌市教育委員会は、2006年、平成18年12月に改正された国の教育基本法に基づき、札幌市は、さきに述べた目標、指針と五つの計画を体系的に結びつけて、これらを札幌市教育振興基本計画と位置づけてまいりました。また、2013年、平成25年6月に国が策定した第2期教育振興基本計画や、札幌市の同年2月及び10月の札幌市まちづくり戦略ビジョン編と戦略編に基づき、平成26年3月、新たに平成35年までの10年間の前期、後期、各5年単位の札幌市教育振興基本計画を策定し、現在に至っております。  同基本計画の幼児期の学校教育の推進施策の中に、幼児教育センターと市立幼稚園におけるセンター機能の充実及び幼稚園訪問支援策などを通した私立幼稚園における特別支援教育の推進等が事業として記載されております。  札幌市は、札幌市幼児教育振興計画に基づき、当時の市立幼稚園17園を各区1園とする取り組みを段階的に進める中で、平成20年度に現在の幼児教育センターを設立し、幼児教育の推進向上に向けた取り組みを行ってきております。幼児教育センターの機能の補完的な役割を各区の市立幼稚園、認定こども園が担うとともに、私立幼稚園等との連携により、札幌市全体の幼児教育の質を高めるための取り組みを行っております。中でも、特に特別支援教育の充実や私立幼稚園などとの連携の推進のために、市立幼稚園、認定こども園に幼児教育支援員という幼稚園教諭を配置しております。  そこで、質問ですが、市立幼稚園、認定こども園の幼児教育支援員の具体的な業務内容とこれまでの成果と課題について、まず最初に伺いたいと思います。 ◎和田 児童生徒担当部長  幼児教育支援員の業務とこれまでの成果と課題についてお答えいたします。  幼児教育支援員は、各区の市立幼稚園、認定こども園におけます研究にかかわったり成果を発信したりするほか、教育相談、幼保小の連携を中心となって推進する業務を行っているところでございます。成果といたしましては、幼稚園等と小学校の接続を意識した行事やカリキュラムの交流によりまして幼保小の連携が深まっていることや、市立幼稚園、認定こども園におけます地域教育相談の件数が増加していることから、保護者にとってより身近な相談先になっているという点が挙げられると考えてございます。また、私立幼稚園等の要請に応じて訪問し、特別な教育的支援を要する幼児へのかかわり方や、個別の指導計画の作成について支援を行っておりまして、特別支援教育の充実にも寄与していると認識しております。  今後、新幼稚園教育要領で示された新たな幼児教育や、これから必要とされる特別支援教育に対応できる能力のより一層の向上が求められていると認識しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  今、役割やその成果などについて示されましたが、調べてみますと、平成28年度の幼児教育センターなどの相談件数1,498件、人数にして1,055人、また、地域の相談件数は同年度で3,554件、1,199人、合計で5,052件、2,254人が何らかの相談に来ております。また、個別指導の関係についても、支援員の皆さんは124の私立幼稚園に訪問して、訪問件数は757件となっております。いずれにしても、部長から答弁があったような成果、そしてまた事業内容であることは受けとめることができますし、同時に、札幌市の幼児教育の推進にとって今後も重要な業務を担っていく人材が支援員の皆さんだと思うわけであります。  そこで、次の質問は、このような重要な役割を担っている幼児教育支援員について、これまでどのような研修を行ってきているのか、伺いたいと思います。 ◎和田 児童生徒担当部長  幼児教育支援員の研修についてお答えいたします。  幼児教育支援員は、新幼稚園教育要領への対応、カリキュラムマネジメントの推進などのほか、幼児教育に関する新たな動向などについて、園内や幼児教育センター主催の研修によって知見を深めているところでございます。また、幼児教育センターにおきましては、教育相談や心理検査に関する技能を高める演習など、特別支援教育の研修も行っているところでございます。加えて、幼児教育支援員全員が定期的に集まる機会を設けまして、幼保小連携の取り組み内容の交流や教育相談に関する事例研究を行い、専門性の向上に努めているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  答弁がありましたように、支援員には、豊富な経験、そしてまた、研修が必要であることは言うまでもありません。そちらからいただいたいろいろな資料を見ていきますと、現在、園長も含めた正規の幼稚園教諭は、市立幼稚園では72名となっておりまして、その平均年齢は48.4歳であります。また、年齢では、20代はゼロ、30代が6名、40代前半が16名、40代後半が同じく16名、そして50代前半が20名、50代後半が14名となっております。そういう意味で、私は、冒頭にも申し上げましたように、今後のこの取り組みには人材確保が欠かせない大きな課題だと思うわけであります。  また、こうしたことは一概に言えませんけれども、例えば、私は、平成11年、1999年の第4回定例会の代表質問で、札幌市における周産期医療の問題について質問したことがあります。そのときに、市立病院の先生から、昭和の時代よりも平成になってから超低体重児の赤ちゃんが生まれる率が高くなっていると教えていただいたことを今も記憶しております。必ずしも超低体重で生まれたから成長過程で障がいが起きるものではありませんけれども、そうしたリスクの確率は高いと言われております。  発達障害者支援法では、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障がい、学習障がいや注意欠陥・多動性障がいなど、これらに類する脳機能障がいと言われているものの症状は、普通は低い年齢において発現すると定義されております。私は、この質問をするに当たって、市立札幌病院で平成28年度に生まれた新生児の数を調べましたが、その数は856人であります。このうち、新生児特定集中治療室、NICUで対応しなければならない新生児は308人、36%となっております。こうした集中治療室は、市内の大学病院などでも取り組まれておりますので、その数はもう少し多いのではないかというふうに推測できます。札幌市私立幼稚園連合会に尋ねてみましたら、そこに加盟する幼稚園は138園で、ここに加盟していないところももう少しあるようですが、その定員は約3万人、現在の在籍児童数は約2万5,000人ということでした。そのうち、何らかの障がいを持っている児童数は、最低で1,500人から多くて2,000人と言われております。  次の質問は、今後、札幌市の教育振興基本計画に取り組む上で最も重要なことは、何度も申し上げておりますように、幼児教育支援員を安定的に確保するために、現在停止している市立幼稚園教諭の採用を行うべきだというふうに考えておりますけれども、どのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎和田 児童生徒担当部長  市立幼稚園教諭の採用についてでございます。  市立幼稚園におきましては、幼稚園教諭が研究実践を行い、市立幼稚園等との連携を推進することによりまして、札幌市の幼児教育の質の向上を図っていると認識しているところでございます。一方、今、委員のご指摘のとおり、子どもを取り巻く社会状況や子どもの状況は刻々と変化していることから、幼稚園教諭の採用につきましては、本市の状況を踏まえつつ、幼児教育に関する国や他都市の動向などを十分注視しながら、今後の市立幼稚園のあり方を含めて検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  札幌市のように幼児教育センターを設けている都市は、そう多くはありません。そういう意味では、札幌市がしっかりとした認識を持って取り組みをしていることは評価できるのではないかと思います。同時に、評価できる面として、幼稚園教育に対して指導主事を置いて、幼児教育センターの皆さん、また各園にいる支援員の皆さんとの連携をきっちりとりながら取り組んでいることも言えるのではないかと思います。  ただ、教育委員会がこれからこうした要求をしていくときに、ややもすると、財政局や職員部は、今いる指導主事の皆さんを現場に戻せばいいのではないかとか、この問題をしっかり受けとめていないがゆえに、そういう短絡的な対応も出てくる可能性があると思います。そこで、議会の中では、改めて、札幌市のこの取り組みは非常にすばらしいものでありますから、さらに充実させて、低体重児などさまざまなリスクを持った子どもたちの状況をしっかりサポートしていくことが極めて重要であると指摘を申し上げておきたいと思います。  そして、もう一つは、今申し上げたように、支援員というのは、私立幼稚園等を訪問して特別支援教育推進の中心となって、札幌市の幼児教育の質向上に欠かせない人材だと思います。そういう意味で、先ほど申し上げた札幌市の教育振興基本計画については、来年度で前期の5年が終わり、平成31年度からの後期5年の策定作業にかかると思いますので、ぜひ、後期計画の中に新たな幼稚園教諭の採用をしっかりと位置づけて、その実現に向けて努力していただきたいと思いますし、我々議会としてもしっかりと応援してまいりたいと思います。そのことを申し上げて、質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、学校の情報化の取り組みにおける電磁波対策について伺います。  今年度までを対象計画期間としている国の第2期教育振興基本計画においては、学校のICT環境の整備として、超高速インターネット接続率及び無線LAN整備率100%を目指すとなっております。札幌市においても、ICTの活用によって子どもの学ぶ力の向上を図り、教育の質を向上することができるよう、ICT機器や教材の整備を進めるとともに、それらの活用の充実を図る環境整備を行っているところであります。  そうした方針のもと、2017年度にはタブレット端末を整備するということで、中学校においてはことしの夏休みに27校が整備済みであり、小学校35校は冬休み中に整備予定と伺っております。各教室1台のほかに、パソコン室のこれまでのデスクトップ型のパソコンも40台全てをタブレット型に切りかえるということであります。  タブレットを用いた授業の教育的効果はさまざまあるというふうに思いますが、一方で、無線LAN形式による電磁波を発するICT機器の整備に伴う健康被害を懸念する声を保護者から聞いております。電磁波による健康被害の因果関係は、公的には明らかになっていないと言われておりますけれども、国際がん研究機関は無線周波数電磁波を発がん性の可能性があると認めるなど、危険性の認識は少しずつ広がっているというふうに思います。また、私たちの身近なところにも、電磁波によって心身の機能障がいを受け、日常生活や社会生活に相当な制限を受けている方がおられることは事実であります。さらに、こうした電磁波の影響は、大人よりも子どもに対するものが大きいと言われています。海外ではこうしたことが既に社会問題になっておりまして、規制などの取り組みが進んでいるというふうに聞いています。  電磁波過敏症の方からは、無線LANによるインターネット接続では無線周波数電磁波の影響を受けるので、子どもの健康被害が心配である、これまでにも増して子どもが学校に行けなくなるのではないかという不安から、電磁波の影響を低減するために有線LANによる接続にしてほしいという声も聞いているところであります。  そこで、ICT環境整備の方法について1点伺いますが、学校でのインターネット接続を有線LANではできないのかどうか、伺います。 ◎山根 生涯学習部長  学校でのインターネット接続を有線LANとすることについてお答えいたします。  無線LANに接続されたタブレット端末は、有線のICT機器と比べて活用の幅が大幅に広がるものでございます。委員のお話にもありましたとおり、国では、無線LANの普通教室への整備について、2020年度までに100%を目指すという目標を掲げているところであります。本市においても、今年度からタブレット端末及び無線LANを段階的に整備し始めたところでありますが、先行して無線LANの整備を始めたモデル校におきましては、タブレット端末を自由に持ち運んでグループ学習で使用したり、あるいは、児童生徒が作成した作品やノートなどを教員がその場で教室の大型テレビに投映して共有したりするなど、大変効果的に活用されているところでございます。  このことから、今後も無線LANを前提としたICT教育環境の整備を進めていくことを予定しているところであり、配慮が必要な児童生徒につきましては個別に対応していく必要があると考えているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  電磁波に過敏な反応をされる方は、もともと化学物質にも過敏症を発症している方がとても多いと聞いております。無線LANの電磁波は、電子レンジの電磁波と同じだと聞いております。電子レンジは、食べ物に含まれている水分を1秒間に20億回ほど振動させることで物を温めるものでありますが、パソコン室でのタブレットの使用時のほか、今、普通教室でもパソコン室のタブレットを持ち出して効果的な授業が行われているというお話がありましたように、そうした授業の最中も電磁波が飛び交う状況にあるわけです。長時間、子どもが電磁波に当たることによって、細胞が振動させられ、さまざまな異変を引き起こし、電磁波に過敏な子どものみならず、全ての子どもや教員も含めて深刻な影響を受けるのではないかと懸念しております。  学校無線LANの導入が進んでいるヨーロッパにおいては、こうした子どもへの影響を特に重く捉えて、2011年には、欧州評議会議員会議が加盟47カ国に対して学校の敷地内では有線LANを優先することと指摘し、2012年には、フランスにおいて、小学校ではWi−Fiを授業での使用に限定し、それ以外の時間は電源を切ることを法律によって決めていると聞いています。このように、諸外国においては、電磁波に関する健康問題や電磁波過敏症を認めており、規制値を引き下げるなどの具体的な対策が打ち出されています。  一方、日本においては、電磁波の規制値というのは諸外国と比較して1万倍以上の開きがあり、電磁波対策はおくれており、改善が求められております。弁護士会や活動団体、また多くの市民がこうした声を上げております。こうした状況の中、学校においては、先ほど学校は一義的に子どもたちが健やかに学ぶ場であるという答弁がありましたように、健やかに学ぶことができるように学校での対応を行っていくべきだと考えるところです。  そこで、伺いますが、既に無線LAN形式でのタブレット端末が設置済みであったり、今年度の冬休みに工事予定の学校がある状況の中、子どもたちの電磁波暴露を最小限にするために、インターネットを使わないときは電源を切ることができる形式での整備とすることはできないのか、また、常時通電するのではなく、使用しないときに電源を切ることは省エネの観点からも有効と考えますがいかがか、あわせて伺います。 ◎山根 生涯学習部長  インターネットを使わないときに電源を切ることができる形での整備及び使用しないときに電源を切ることについてのご質問にお答えいたします。  一般的に、無線LANのアクセスポイントにつきましては、本体のスイッチや電源プラグを抜くことなどで電源を切ることが可能な状態となっておりまして、今後導入するICT機器においても必要に応じて電源を切ることができるように整備してまいりたいと考えております。  使用しないときに電源を切ることにつきましては、タブレットとICT機器の利活用促進の観点からは常時通電することが基本であり、その上で、配慮が必要な場合は個別に対応していく必要があると考えております。無線LANを含むICT機器の使用に当たりましては、今後、健康面の配慮についても情報収集に努めて、安全・安心な教育活動ができるように努めてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  今の答弁を伺っていますと、基本的には電源を入れておくけれども、個別の対応が必要なときには電源を切る対応もしていくように考えているというふうに受けとめました。しかし、電磁波というのは全ての子どもに少なからず影響があると考えられますので、通電が基本とおっしゃいましたが、できるだけ使うときにのみ電源を入れる体制にしていっていただきたいということを強く求めたいと思います。  また、学校での個別の対応というお話でありましたが、なかなか因果関係が明らかになっていない中で、電磁波による体の影響は理解されにくい状況があります。学校の先生の中にもその理解に大きく開きがあり、理解されず、親子が苦しんでいる状況があると私は聞いておりますので、学校の中での理解を深め、個別に対応することをしっかり打ち出していただきたいと思います。  また、国の考え方としては、電磁波障がいが障害者差別解消法の対象にもなり得るということで、合理的配慮の提供も当然行っていかなくてはならないと思います。使わないときには電源を切るということは、まさしくそうしたことにも相当するのではないかというふうに思いますので、学校に対して積極的にそうした対応を行うよう促していただきたいと思います。  学校が全ての子どもにとって健やかな学びとなるように、学校無線LANやタブレットの設置においては、電磁波の暴露が最小限になるように配慮することを強く求めて、私の質問を終わります。
    ◆中山真一 委員  私からも、市立幼稚園の今後のあり方について、少し別の観点から伺いたいと思います。  本市の市立幼稚園は、現在9園です。先ほどもありましたが、研究実践園として札幌市全体の幼児教育の質を向上させる役割を担っていると認識しておりまして、その点は評価するところであります。  一方で、市立幼稚園の定員に対する充足率を見ますと、本年8月時点で平均80.7%と、園によってばらつきはあるものの、おおむね定員割れの状態が続いております。中には、52.2%と充足率がかなり低い園もあります。参考までに、札幌市内の私立の幼稚園の定員充足率を見ますと、新制度移行園で平均94.2%とかなり差があります。市立幼稚園は、市民の財産です。資源の有効活用という点でも、十分に活用されているとは言えないのではないかと考えます。  札幌市では、現在、子ども・子育て支援事業計画の見直しを進めており、改めて保育ニーズの調査を実施いたしました。現状の定員供給量と平成32年のニーズを比較すると、幼稚園のニーズ量は6,828人分もの大幅な余剰が生じることが見込まれております。市立幼稚園においては、今後も定員割れが続くことが予想されます。  そこで、伺います。  このように定員割れが続く状況を踏まえ、市立幼稚園の現状をどのように認識しているのか、お伺いいたします。 ◎和田 児童生徒担当部長  市立幼稚園の現状に対する認識についてでございます。  市立幼稚園は、幼稚園教育要領に基づいた教育実践、特別支援教育の充実に加えまして、地域の幼稚園等と小学校をつなぐ幼保小連携や保護者への子育て支援などの機能をあわせ持ちまして、札幌市全体におけます幼児教育の質の向上を図る重要な役割を果たしていると認識しております。  一方、一部の市立幼稚園の定員充足率が下がっているというご指摘もございますことから、保護者等に園の教育方針を説明する機会を持つほかに、未就学児童を対象に幼稚園で遊ぶ体験やホームページなどを活用した広報などによりまして、市立幼稚園の特色を発信する取り組みを行っているところでございます。 ◆中山真一 委員  今、部長から、現状の定員の状況に鑑みて、情報発信等に努めているというお話がありました。当然、私自身もそういうことは必要だというふうに認識しております。  ただ、お父さん、お母さん方にお聞きしますと、幼稚園の選択というのは、当然、そのエリアの状況にもよりますが、それこそ送迎バスの有無でしたり、給食の状況でしたり、いわゆるご両親の生活の状況によって判断されるものなので、なかなかそう簡単にはいかないだろうなと今のお話を聞いて思ったところであります。地域によってさまざまな状況がありますので、一概には言えないと思いますけれども、今後、子どもの数が確実に減少していきますので、この先、市立幼稚園の定員充足率を回復させることは大変難しいのではないかなというふうに私自身は感じております。  先ほどのニーズ調査によりますと、幼稚園のニーズは減少する一方で、2号認定、3号認定の子どもの保育ニーズは大幅に増加しております。現状の供給量と比較しますと、2号認定の3歳から5歳の保育ニーズは1,148人分の不足、教育ニーズは3,380人分が不足しております。また、3号認定のうち、1・2歳の保育ニーズは2,609人分が不足しております。札幌市のいわゆる潜在待機児童は、本年4月時点で1,674人であります。実際に、子育て世帯のお父さん、お母さんの現状は切実であります。子どもを産み育てたいけれども、経済的には共働きをやめられない、でも、子どもを預けるところがない、この状況を解決することは我々の責任だというふうに思います。  申し上げるまでもなく、少子化は本市にとって最大の課題であり、これにどう対応していくかが札幌の未来を決定づけることになります。社会全体で共働きをしっかり支えていくことが不可欠であり、札幌市が一丸となって取り組むことが必要です。  そこで、伺います。  子どもと親御さんの切実な願いに応えるため、待機児童の課題に対して教育委員会としてこれまでどのような取り組みを行ってこられたのか、伺います。 ◎和田 児童生徒担当部長  待機児童の課題に対する教育委員会の取り組みについてのご質問でございます。  待機児童につきましては、幼児期の子育てのあり方において課題であると認識してございます。教育委員会におきましては、平成26年度より、市立幼稚園全園で就労などのさまざまな保護者の状況に対応した預かり保育を開始しておりまして、そのことにつきましては、待機児童の解消の一端を担っており、子育てに関する保護者支援にも努めているというふうに考えてございます。 ◆中山真一 委員  今、部長のお話にもありましたように、いわゆる預かり保育というものが待機児童解消の一端を担っていただいている部分は私自身も当然評価しているところであります。  ただ、札幌市では、質の高い幼児教育の推進を行うとされておりますけれども、そもそも、その前に幼児教育を受けるための預け先が不足していることが問題だと思います。就学前教育の重要性に対する認識が高まっている中で、必要としているのに教育を受けることができない子どもが少なからずいることも問題であります。今、お話がありましたけれども、幼稚園で行っている預かり保育は、時間が短く、共働きの場合は利用しづらいのが現実であります。実際に、教育委員会子育て世帯の職員の皆さんも、預かり保育だと共働きができないのではないでしょうか。  札幌市では、子ども・子育て支援事業計画の見直しによって、平成31年度末までの2年間で4,000人規模の整備が必要であると見込んでおります。中でも、特に不足する、保育が必要な状況で、かつ教育志向が強いニーズに対しては、主に幼稚園から認定こども園への移行を促すことで対応するとしております。  市は、これまでも、私立の幼稚園に対して認定こども園への移行を促してきましたが、移行は思うように進んでいないのが現状であります。実際に、この3年間で、幼稚園からの移行は33園、全体の25.2%にとどまります。札幌市は、今後も早期の移行につなげていきたいとしておりますけれども、今後も引き続き苦戦が予想されます。そんな中、市立幼稚園は、定員割れが常態化していることに加え、今後の幼稚園のニーズも大幅な減少が見込まれます。私立の幼稚園に移行を促すとともに、札幌市が率先して市立幼稚園の認定こども園化を進めるべきと考えます。  子どもを持つお父さん、お母さんの願いは切実であります。実際に、保育と教育の両方を希望する保護者も増加しております。市立幼稚園がこれまで培ってきた質の高い幼児教育や経験豊かな幼稚園教諭といった貴重な資源や財産を認定こども園という新しい形態で札幌市の子どもたちのために生かしていただきたいと考えます。  そこで、伺います。  今後、市立幼稚園の認定こども園への移行を進めていくべきと考えますが、ご見解を伺います。 ◎和田 児童生徒担当部長  今後、市立幼稚園を認定こども園に移行すべきではないかというご質問についてお答えいたします。  教育委員会といたしましては、施設の形態にかかわらず、幼児期の教育全般にわたりまして責任を持ち続け、幼児教育の推進に取り組む必要があるというふうに考えてございます。子どもを取り巻く社会状況は刻々と変化しておりますことから、国や他都市の動向等を十分注意して、札幌市の現状を踏まえつつ、今後の市立幼稚園のあり方について検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆中山真一 委員  今のお話を伺って思いましたけれども、教育委員会の皆様も、子どもたちのためという思いは同じだと思います。札幌市の子どもたち、お父さん、お母さんをぜひ助けていただきたいなと思います。子ども未来局ともこれまで以上に密に連携して、スピード感を持って、検討も含めて対応していただくことが必要だというふうに思います。  子どもは待ってくれません。幼児教育を受けることができない子どもも、一年一年、成長いたします。教育委員会としても、できることを総動員して待機児童の問題にも早急に取り組んでいただくことをお願いして、私の質問を終わります。 ○しのだ江里子 委員長  以上で、第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月17日火曜日午前10時から、市民文化局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後1時49分...