今回の
陳情にもございますように、他
都市では
最高段階の
負担割合を
札幌市よりも高い
水準に
設定しているところも多いようでございまして、
政令市の中では、
最高段階、
負担割合ともに最も低い
水準だという
お話でございます。これは、
都市によって
所得段階の
構成や
人口構成などがさまざまでございましょうから、各
都市の事情に応じて
設定しているものだと推察するところでございます。
そこでまず、
札幌市の
所得構成について確認させていただきたいと思います。
本市の
最高段階である第10
段階で
合計所得が500万円以上の世帯というのは、ことし4月現在、約1万2,000人で、65歳以上の第1号被
保険者に占める
割合は2.4%とお伺いしておりますが、これは、他の
政令指定都市と
比較しますとどういった
状況にあるのか、その
あたりをご
説明いただきたいと思います。
◎
岡島 地域包括ケア推進担当部長 合計所得に関する
政令指定都市の
比較についてでございますが、
介護保険料の
段階設定につきましては、各
政令指定都市によって異なりまして、
合計所得金額500万円以上の
構成割合につきましては、今のところ、国の
集計資料がございませんので、
比較は困難な
状況にございます。
国が
標準としている
最高段階の
合計所得金額は290万円以上と定められておりますので、国の
集計があるこの条件と
比較しますと、
平成27年度末現在で、
札幌市が6.0%、
政令指定都市平均が8.1%と、
札幌市は2.1ポイント低く、他
都市よりも
合計所得290万円以上の方の
割合は低い
状況にございます。
◆
中川賢一 委員 札幌市が
設定している500万円以上での
比較はなかなか難しいということでございました。国の
標準が290万円ということで、その方々の
所得が高いかどうかわかりませんけれども、そこで他の
政令指定都市と
比較すると、
所得の高い層の
割合は低いというご
説明だったと受けとめます。
では、実際に、高
所得者層への
負担割合を高めた場合にどういった
影響が出てくるのかという点について具体的に伺いたいと思います。
これは、
最高段階の
所得の額や
負担割合をどうシミュレーションしていくかによって当然変わってくることになりますが、その
あたりを承知の上で、とりあえず
政令指定都市の
標準的なレベルで想定してみるとどうなるのか、お伺いしたいと思います。
20市の
実態を拝見しますと、数的に見ても、
合計所得金額の
最高段階は500万円から1,000万円のレンジで、
最高段階の
負担割合も2.0倍から2.6倍ということでございますので、例えば中間的な800万円でその真ん中の2.3倍と仮定した場合、
基準額にどのような
影響があるのか、およその
試算をお伺いできればと思います。
◎
岡島 地域包括ケア推進担当部長 所得段階と
負担割合を
見直した場合の
影響についてでございますが、
札幌市における
合計所得金額800万円以上の
高齢者は、
平成29年4月1日現在で約7,000人で、第1号被
保険者全体の1.4%
程度でございます。
次期介護保険料につきましては、これから
サービス量等を見込んで
試算いたしますので、現時点では
基準額にどのぐらいの
影響があるかについて具体的にお示しすることはできませんけれども、現在の
保険料で
試算いたしますと、
月額にして数十円
程度引き下がる
見込みでございます。
◆
中川賢一 委員 月額数十円
程度ということですが、あくまで仮定の
試算でございますので、それがどういった
影響になるのかということは、ここではなかなか評価しがたいと思います。いずれにしても、
介護保険料の
考え方については、現在
策定作業が進められている
次期介護保険事業計画の中に盛り込まれていくことになると思います。
最後に、もう1点確認させていただきたいと思いますが、こうした
段階設定も含めて、
平成30年度以降の
次期介護保険料の額の
設定につきまして、今後どのように
検討を進めて決定していくのか、その
あたりをお伺いしたいと思います。
◎
岡島 地域包括ケア推進担当部長 段階も含めて、
次期介護保険料の
検討をどのようにしていくか、あるいは決定していくかというご
質問についてです。
まず、
介護保険料につきましては、
介護給付等対象サービスや
地域支援事業の
見込み量等を定める
市町村介護保険事業計画を策定いたしまして、その
内容に基づいて算定することとされております。今後は、
学識経験者や保健、医療、福祉の
関係者及び
市民委員などで
構成される
介護保険事業計画推進委員会でご意見をいただく
予定となっております。その結果などを踏まえて、
暫定介護保険料や
段階等も盛り込んだ
次期計画案を第4回
定例市議会でご報告させていただきます。また、
パブリックコメントも
実施するとともに、国から示される
介護報酬の
改定なども反映させまして、
保険料段階及び
負担割合とあわせて
介護保険料を算定いたします。
最終的には、来年の第1回
定例市議会において
介護保険条例の
改正案として
提出いたしましてご審議いただく
予定でございます。
◆
小川直人 委員 私からも、
介護保険料の
段階設定につきまして、何点か
質問させていただきたいと思います。
65歳以上の方が
負担する第1号被
保険者の
介護保険料につきましては、3年に1度、
全国の
市町村で
改定が行われております。
介護保険制度開始当初の
平成12年の
札幌市の
保険料基準額は3,141円でしたが、現在は5,177円になっております。
平成30年度から32年度の
次期保険料の
改定におきましては、今
お話があったとおり、第1回
定例市議会で
条例改正として提案されるとの
答弁がありましたが、こういった過去の
状況や今の
状況を見ますと、さらに
増額となるのではないかというふうに思いますけれども、その辺はどのように考えているのか、また、現
段階ではどのような
方向性で考えているのか、お伺いいたします。
◎
岡島 地域包括ケア推進担当部長 平成30年度から32年度の
介護保険料の
改定の
方向性についてどのように考えているかというご
質問かと思います。
保険料につきましては、3カ年ごとの
介護保険事業計画期間におけます
介護給付の
見込み額等に基づきまして、
計画期間を通じて
事業収支の均衡を保つことができるよう
設定することとされております。今後も、要
介護認定者や
保険給付費の
増加が予想されますことから、
次期介護保険料につきましても
増額が見込まれるところでございます。
◆
小川直人 委員 次期保険料につきましては、要
介護認定者や
保険給付費の
増加が予想されることから
増額が見込まれるという
答弁でありました。
そこで、
政令指定都市の
介護保険料基準額を見てみますと、
札幌市は、年額6万2,123円で、
政令指定都市平均の6万8,647円と
比較して6,524円低い額となっております。しかし、昨年、
札幌市が
実施いたしました
高齢社会に関する
意識調査の中では、65歳以上の方の
介護保険料の
負担感についての設問では59.2%の方が何らかの
負担を感じていると答えております。このような
状況につきまして、
札幌市はどのように
認識しているのか、伺います。
さらに、ただいまの
陳情では、高
所得の方の
負担割合の
引き上げ等を求めておりますが、
段階設定と
負担割合について
札幌市はどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎
岡島 地域包括ケア推進担当部長 1点目の
高齢者の
介護保険料の
負担感に関する
認識でございますが、
介護保険料につきましては、これまでも、
施設と
在宅サービスを考慮した
サービス利用者の推計に努め、それに基づいて必要な
費用を見込んで
介護保険料を
設定してきたところでございます。
しかしながら、
委員がご指摘のとおり、6割近い方が何らかの
負担を感じているという結果につきましては、しっかりと受けとめなければならないと考えております。
次期介護保険料につきましては、
増額が見込まれますが、
介護保険制度全体の周知を図る中で、被
保険者の皆様にご理解をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の
段階設定と
負担割合の
考え方についてでございますが、国が示す
標準の
段階は9
段階となっておりまして、
最高段階の
合計所得金額は、先ほども申し上げましたけれども、290万円以上で、
負担割合は
基準額の1.7倍とされております。
札幌市は、被
保険者の
負担能力に応じた
保険料負担となるよう配慮しまして、国の
標準よりも1
段階ふやした10
段階といたしまして、
最高段階の
合計所得金額を500万円以上、
負担割合は2.0倍としているところでございます。
他の
政令指定都市と
比較いたしますと、
札幌市の
段階数や
所得基準及び
負担割合につきましては低い
水準にあることは
認識しておりますが、
所得に応じた
保険料の
負担だけではなく、
サービス利用者の
自己負担も含めて総合的に判断し、
検討してまいりたいと考えております。
◆
小川直人 委員 政令市の中で低いという
認識は
札幌市でもあるけれども、アンケートを見てみるとやっぱり
負担を感じているということで、今の
答弁のとおり、こういった結果もしっかりと受けとめて、これからの
改定に向けて
検討を進めていく、また、
負担感を
軽減することも考慮したいという
答弁だったと思いますので、ぜひ、そういったところに配慮しながら今後
検討していただきたいというふうに思っております。
そこで、私の
最後の
質問ですが、
札幌市では、過去から、第1号の
保険料などの
収入額が
保険給付等の
費用を上回ったことによって生じる
剰余金を
札幌市
介護給付費準備基金に積み立てて
管理運営をしております。前回の
介護保険料の
改定の際には、この
介護給付費準備基金の14億円を活用して
保険料の
上昇を抑えていると
認識しておりますが、
次期介護保険料の
改定に当たりましては、どのような
保険料上昇の
抑制策を考えているのか、お伺いいたします。
◎
岡島 地域包括ケア推進担当部長 保険料の
上昇抑制策についてでございますが、
札幌市といたしましては、
介護保険財政の安定的な
運営に配慮しながら、
次期計画期間の
介護給付費等を適正に見込んでいきますとともに、
介護給付費準備基金を活用するなど、できる限り
保険料の
上昇抑制を図りたいと考えております。
◆
福田浩太郎 委員 私からも、簡潔に
質問させていただきたいと思います。
先ほど段々の
質疑がございまして、
答弁の中で、
次期の
介護保険料について、
保険給付費の
増加などにより
増額が見込まれるということでした。しかしながら、低
所得者の
負担に対する対応も必要であるというふうに考えております。
そこでまず、お尋ねしたいと思います。
低
所得者の
介護保険料の
負担を
軽減するための
対策について、これまでも
国等でさまざまな
対策を打ってきていると思いますが、その
現状はどうなっているのかということが一つでございます。
また、さきの
答弁で、
所得だけではなく、
サービス利用の
自己負担も含めて
検討したいという
お話も出ていましたが、
介護サービス利用については、既に2割
負担が導入されておりまして、来年8月からは3割
負担も創設されることから、
サービスを利用される方の
負担感も気になるところでございます。
そこで、2点目の
質問ですが、
札幌市の2割
負担者の
現状と
サービス利用者の
負担感をどのように捉えているのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
◎
岡島 地域包括ケア推進担当部長 低
所得者の
介護保険料の
負担軽減策につきましては、
平成27年4月から、最も
所得の低い第1
段階の方を
対象に、
消費税増税分を
財源とした
公費を投入して
負担割合の引き下げを
実施しているところでございます。さらに、国におきましては、
平成29年4月に
予定されておりました
消費税10%への
引き上げの際に、
軽減の
対象者を第3
段階まで拡大するとともに、第1
段階の方の
軽減幅をさらに拡大するとしていたところでございます。
消費税引き上げが
平成31年10月に延期されたことに伴いまして、現在まで
完全実施には至っておらず、
負担軽減の
実施時期が不透明な
状況となっておりますことから、今後も国の動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、2点目の
札幌市の2割
負担者の
現状と
サービス利用者の
負担感についてでございますが、本年7月に
介護保険負担割合証を一斉に発行した際の2割
負担の
対象者の人数は1万43人で、全体の約10%でございます。また、昨年
実施した要
介護(
支援)
認定者意向調査におきましては、
介護サービスの
利用料について
負担であると回答した方は、1割
負担の方で30.1%、2割
負担の方で34.9%という結果から、2割
負担の方の
負担感が大きいものと
認識しております。
◆
福田浩太郎 委員 低
所得者の
保険料の
負担軽減の
現状を理解いたしました。まだ途中
段階であり、また不透明ということですけれども、しっかり注視していきたいというふうに思います。また、2割
負担者の
現状とその
負担感ですが、私も実際に
地域の方から同じような声を聞いているところでありまして、納得のいくところでございます。
これまでの
答弁を聞いていますと、
保険料の
負担とあわせて
サービス利用者の
負担もますます膨らんでくるものと思いますので、今後も、
基金等の
介護保険財政の
状況を十分に考慮した上で、適正な
保険料の
設定がなされるように慎重に
検討していただきたいということを求めて、
質問を終わります。
◆
平岡大介 委員 私からも、何点か
質問させていただきます。
先ほど、今度の
見直しで
増額が予想されるため、それを
利用者の
方たちにご理解いただくというような
お話がありましたけれども、低
所得者にとっては非常に切実な問題であるなというふうに考えておりました。
介護保険制度が2000年にスタートして、
全国の
平均保険料の
基準額は、最初は
月額2,911円でしたが、現在では5,514円となっています。
札幌市でも、3,141円から5,177円と1.65倍にもなっているといった
実態であります。
先ほど、
高齢者は
介護保険料の
負担が重たいと感じているという話がありましたけれども、私は、
介護保険の
スタート時点から指摘されていた構造的な
仕組みの欠陥の問題が今まさに噴出していて、こういった
陳情にもつながっているのではないかというふうに考えております。例えば、ぐあいが悪くなって病院に行きますと、あなたは今月分の診療の
上限額を超えているから、あとは、
全額、
自己負担してくださいということはあり得ません。しかし、
介護保険ですと、支給の
限度額が決められていますので、あなたは、今月、これしか
介護を受けられません、だから計画的に
介護を受けるように、そして、足りない場合は自分で払いなさいというふうに線引きできる
仕組みになっています。
そもそも、
介護認定というふるいにかけられるといったことや、今話したように、
サービスの
上限が決められていて、それ以上は
全額を
自己負担しなければならないといった構造的な問題、そして、低
所得者については、
保険料を納めてお金がなくなってしまうと、
上限以内であっても
サービスを受けられないという
実態が、今、
全国で広がっています。そして、先ほど話しましたように、
見直しのたびに
基準額が上がってきていますから、
負担感もどんどん強くなっているところです。
そこで、
質問ですが、低
所得者が経済的な問題によって
サービスを利用できないという
実態について、
札幌市はどのように
認識しているのか、まず、この点を伺いたいと思います。
◎
岡島 地域包括ケア推進担当部長 低
所得者が経済的問題により
サービスを利用できないという
実態に関する
札幌市の
認識というご
質問でございます。
介護保険制度は、
高齢者と
現役世代が
負担する
介護保険料と、国、都道府県、
市町村による
公費負担のほか、
原則1割または2割の
利用者負担で必要な経費を賄う、
給付と
負担の
関係が明確な
社会保険制度でございます。低
所得の方が
サービスを利用する際には、
制度上、
高額サービス費や、
施設入所の際の食費、
居住費の
自己負担の
軽減などの配慮がなされているところでございます。
札幌市といたしましては、
生活困窮により
介護サービスを受けることができない方につきましては、
生活保護等、必要な
生活相談などにより対応してまいりたいと考えております。
◆
平岡大介 委員 生活保護などにもつないでいくという話がありましたが、
負担は本当に大きくなっていまして、
滞納者数で見ますと、2015年度は、
滞納を理由に預貯金などの差し押さえを受けた
高齢者が今までで最多になっていて、
全国で1万3,371人でございます。
札幌市においても、この年の
滞納者数は2万202人という状態になっていまして、高くて払えず、
高齢者にとって大きな
負担となっている点を解決するための
対策を考えていかなければいけないというふうに思っています。
そこで、伺いますが、ほかの
自治体で
保険料について独自の低
所得者対策を行っているところはあるのかということと、また、独自の
対策を行っているところがあれば、その
内容についても教えていただきたいと思います。
◎
岡島 地域包括ケア推進担当部長 1点目の独自の低
所得者対策を行っている
自治体についてでございますが、
厚生労働省の
平成28年度
介護保険事務調査によりますと、
平成28年4月1日現在、低
所得者に対する
保険料の
単独減免を
実施しておりますのは497
保険者となっており、全
保険者の31.5%に当たります。
次に、2点目の独自の
対策を行っている
自治体がある場合、その
内容というご
質問でございます。
各
自治体の詳細は把握しておりませんが、その
内容は、まず、
個別申請により判定すること、それから、
全額免除は行わないこと、そして、
一般財源の繰り入れを行わないこと、以上の国が示す3
原則を守っている
保険者が
札幌市を含めて453
保険者であり、
単独減免を
実施している
保険者の約9割となっております。
◆
平岡大介 委員 やはり、各
自治体でこういった努力がされていて、この深刻な問題に向き合っていかなければいけない
自治体が多いと感じました。根本的には、前段で
説明したように、国が、
サービスそのものを現物支給する責任を放棄して、
利用者と
事業者をつなぐという役割しか担っていないという構造的な問題があるという点、そして、その中で、多くの
高齢者の
方たちが
保険料は高いと感じている、そして、
介護が受けられないという
実態が今現在浮き彫りになって、
自治体もそれぞれ
対策をとっているというところだと思います。
今回、
段階を細かくしていくという
陳情者からの提案について、ほかの
自治体でやっているのであれば、多分、
札幌市でも可能であるというふうに思いますし、
次期の
介護保険料の
見直しの機会には、ぜひ、これも含めて
検討を行っていただくことが必要ではないかと申し上げまして、
質問を終わります。
○
中村たけし 委員長 ほかに
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
中村たけし 委員長 なければ、
質疑を終了いたします。
それでは、
陳情第245号の
取り扱いについてお諮りします。
取り扱いは、いかがいたしますか。
(「
継続」と呼ぶ者あり)
○
中村たけし 委員長 それでは、
陳情第245号を
継続審査とすることにご
異議ございませんか。
(「
異議なし」と呼ぶ者あり)
○
中村たけし 委員長 異議なしと認め、
陳情第245号は、
継続審査と決定いたしました。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時27分...