委 員 小 形 香 織 委 員 池 田 由 美
委 員 平 岡 大 介 委 員 堀 川 素 人
委 員 石 川 佐和子
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午後1時
――――――――――――――
○よ
こやま峰子 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
それでは、議事に入ります。
本委員会に付託されました全案件に対する討論を行います。
◆松井隆文 委員 私は、ただいまから、
自由民主党議員会を代表して、第一部
予算特別委員会に付託されました平成29年度
予算案並びにその他諸議案について賛成する立場で、簡潔に討論を行います。
我が会派は、昨年11月、平成29年度の
予算編成に当たり、特に
地域経済の活性化による住みやすい
まち札幌を目指し、本市が抱える重要な諸課題に対し、
スピード感を持って効率的な執行を図り、市民の負託に応えるよう
政策提言書を提出したところであります。
平成29年度は、
市長任期の折り返しを迎え、着実に課題を解決し、成果を上げる最も重要な一年であり、我が会派も、積極的な
予算規模による
事務事業の推進を図ることが必要であると考えております。今回の平成29年度
一般会計予算額は、過去最高の9,965億円となり、
特別会計、
企業会計も合わせた全会計では1兆6,532億円となったところでありますが、道からの権限移譲の影響を除くと、
一般会計では前年度比1.7%減の9,207億円、全会計においても1.5%減の1兆5,775億円とのことであります。
我が会派は、これまでも繰り返し、積極的な投資によって雇用回復や
所得環境の改善を図り、個人消費や民間投資を力強くするため、
建設事業について毎年1,000億円規模を確保するとともに、都心の再開発など、これからの札幌のまちを再構築する
大型事業を積極的に展開すべきと主張してきたところであります。
このたびの平成29年度予算における
建設事業費を見ますと、
一般会計では1,121億円となり、1,000億円は確保したものの、前年度比で171億円、13.2%減となっており、いささか物足りなさを感じるところであります。今後は、北海道全体の
人口減少が進み、近い将来、札幌市の活力衰退にもつながる憂慮すべき事態も考えられるため、札幌市が先頭に立ち、しっかりと経済の活性化を図り、雇用の場の確保と
雇用環境の充実に努めるとともに、
人口減少対策の面からも、積極的な
予算規模による
地域経済の活性化の推進を図るなど、北海道全体の推進役としても積極的にかかわることを期待するところであります。
また、予算における歳入面においては、今後の景気・
経済動向によっては歳入不足も考えられ、慎重な見きわめが必要でありますことから、これまでも、我が会派が提言しております税の涵養策を初め、さらなる自主財源の増収に向けた対策を検討すべきと指摘するところであります。
次に、あえて大きく指摘する課題でありますが、麻生球場の保全業務をめぐる官製談合を初め、
円山動物園における不正契約、アスベスト問題における不適正処理、時間外手当の不正受給、
児童相談所の
非常勤職員や教職員の
わいせつ行為など、連続して不祥事が続いている現状はまことに遺憾であり、市民の信用を著しく失墜する行為であります。事務手続の見直しや部局間の連携はもとより、職場風土の改善や
管理職等のさらなる資質向上に向け、積極的に対応を検討するなど、危機感を持って新たな視点に立った
市役所改革を推進するよう強く求めるところであります。
それでは、我が会派として、本
特別委員会の質疑を通じて指摘しました事業や懸案事項の主要なものについて、昨年11月に政策提言しました内容に沿って述べてまいります。
最初に、新たな
都市づくりについてであります。
まず、札幌駅周辺の
まちづくりについてであります。
札幌市の都心の顔と言うべき都心部のリニューアルは、札幌市の政策の中で最も重要な課題であり、特に新幹線の札幌駅
ホーム位置は、道都札幌の象徴にふさわしい場所にあることが必要であることから、今後も、関係者と緊密に連携し、早急に
ホーム位置を決定し、
事業展開を図るとともに、
札幌延伸に向けた
新幹線ルートについても、電気、通信や
地下鉄東西線の延伸等への影響も十分検討し、市民の不安解消に向けてしっかりと対応すべきであります。さらに、
MICE施設の整備で話題となっております
中島公園周辺の
まちづくりについても、都心における自然と文化の薫り豊かなエリアであり、積極的な
まちづくりの展開や開発の誘導について、主体性を発揮し、対応すべきと考えます。また、都心部の
まちづくりが話題となっておりますが、
都市計画マスタープランに掲げられている
地域交流拠点や
高次機能交流拠点の
土地利用と新たな
まちづくりについても、早期の具現化に向け、鋭意検討すべきと考えます。
次に、
丘珠空港の利活用については、3月26日からFDAによる静岡便が毎日運航となったところであり、検討会議における空港の
認知度アップや
交通利便性の向上等の議論を加速化し、札幌市として、
丘珠空港を核とした
まちづくりの
グランドデザインを早期につくり上げ、札幌市の強力なリーダーシップのもと、推進を図るべきと考えます。
次に、ファイターズの新
球場構想につきましては、現在、月寒の
共進会場跡地や北大構内が候補地として検討されており、先日、八紘学園の候補地の了承が得られたとの報道もあったところでありますが、新
球場構想は、札幌市の
まちづくりの重要課題であるため、土地の活用や
交通計画も含め、しっかりと球団と協議を進め、
札幌市民はもとより、道民にとってもよい結果が導き出せるよう十分な検討を期待するところであります。
次に、清田区における交通渋滞の解消と地下鉄の
延伸検討については、
冬季オリンピック・
パラリンピック招致における
札幌ドーム周辺の
土地利用を検討することが必要でありますが、
地域交流拠点の
機能向上のためにも、早期に
渋滞緩和策と
地下鉄延伸について決断すべきと考えます。
2点目は、
観光振興についてであります。
まず、(仮称)
札幌博物館整備推進事業については、博物館の立地場所として市民や観光客が利用しやすく、集客が見込めることが重要であるため、札幌の魅力を伝える文化・
自然ゾーンと一体整備することにより、札幌に対する興味や関心を高める内容とすべく検討を推進すべきと考えます。
次に、
札幌市民交流プラザについては、巨額の
財政投資と市民の期待や満足感にそごが生じないよう、そして、後世の負の資産とならないよう、しっかりとした経営感覚と共通認識を持ち、真剣に投資効果を上げるよう強く指摘いたします。
3点目は、住みやすい
まち札幌についてであります。
まず、
パートナーシップ制度についてでありますが、今回の制度について、報道などでは
パートナー認証制度と表現されているところもあるため、市民に正しく理解されるよう、
制度開始前に十分に周知を図り、環境を整えた上で制度をスタートさせるべきと考えます。
次に、
公共施設のトイレの洋式化についてでありますが、
地区センター等の
公共施設は、災害時の
地域避難場所としての機能もあることから、防災上の利用や
保全計画の観点からも、
洋式トイレへの改修についてできるだけ早急に対応すべきであります。
次に、冬期間の火災発生時の対応については、消火・救助活動におくれが生じないよう、道路幅の確保等にしっかりと対応し、備えることが必要であるため、消防局と
雪対策室との連携を強化し、市民の安全に取り組むべきと考えます。
次に、
高齢化社会に対応した
ごみ収集のあり方についてでありますが、高齢化の進展に伴い、介護を要する方が増加し、
家庭ごみ収集における
ごみステーションへの排出が困難なケースが懸念され、将来的に非常に重要な課題となることから、戸別収集の議論について、地域の見守りや民間に開かれた
事業拡大の観点などを多角的に捉え、
ごみ収集のあり方を鋭意検討すべきであります。
4点目は、女性の活躍を支援する
子育て環境の整備充実についてであります。
まず、企業みずからが
保育サービスを取り入れた就労形態を推進することは、本市の
待機児童の解消や
保育環境の充実にとって重要であり、企業にとっても
人材確保策として非常に有効なことから、仕事と子育ての両立を支援する観点で、
経済観光局など関連部局との連携強化を図るべきと考えます。
次に、
留守家庭児童の放課後時間を有意義なものとするため、
児童会館等の
学習支援などの
取り組みを充実するとともに、全ての
子どもたちの安心・安全な活動場所として積極的な展開を図るよう期待するところであります。
5点目は、
市政執行についてであります。
まず、
公共施設等の
ストック管理についてであります。
公共施設等の
総合管理計画や
固定資産台帳の整備は、行政資産の
戦略的活用の面から重要であることから、
行政施設の利便性や施設の効率運用を高める視点に立って総合的な
資産マネジメントを実施するなど、今後の進め方について積極的に検討すべきと考えます。
次に、札幌市の
コンプライアンスについてでありますが、今年度の
懲戒処分件数の増加は、
不正当事者のみならず、管理監督する者も含め、責任は重大であることから、職場内の
コンプライアンスの確立に力を注ぎ、職員の意識改革を徹底することを強く求めるところであります。
次に、
アイヌ住宅建築費等貸付金事業についてでありますが、この事業は、
生活向上に関する施策の一つであり、国、道の制度のもと、全道的に展開されておりますが、効果的かつ具体的な収入未済の問題解決が進まない中では、
新規貸し付けは
財政健全化に逆行するものであり、廃止の方向で検討すべきと強く指摘するところであります。
最後に、
教育環境等の推進、充実についてであります。
まず、学校と家庭が連携した
教育推進の
取り組みでありますが、子どもに望ましい生活習慣や学習習慣を身につけるための一番の基礎は家庭であることから、学校側として積極的にアプローチし、学力や体力と同様に、習慣についても目標値を設定し、取り組むべきと考えます。
次に、
インターネット利用の安全教育と相談体制についてでありますが、利用による教えの要素と、一方で、
学校現場における相談の要素が重要であることから、警察や専門業者、児相や
子ども相談の
関係部局、あるいは
民間団体等を含め、緊密な連携により被害を拡大させない方策を検討すべきであります。
次に、
小学校プールのあり方については、
学校プールの利用率が低い実態にあるため、施設の効率的な運用の観点から改善の余地があると考えられることから、
学校プールの
配置見直しや
プール学習の
効率的実施を早急に検討すべきと考えます。
このほか、学校敷地内の除雪につきましては、
児童生徒の
安全確保とともに、災害時の避難場所としても重要であることから、学校除雪の
担い手確保に向けた対策を工夫すべきと考えます。
以上、申し上げました内容を含め、我が会派が
特別委員会を通じて特に重要な項目について議論し、多くの指摘をしてまいりました。その多くの課題について、市長を初め、各理事者におかれましては、事業の実施に当たり、我が会派の
各種意見等を十分しんしゃくされ、今後の
市政執行に当たられますよう強く求めまして、私の討論を終わります。(拍手)
◆成田祐樹 委員 私は、
民進党市民連合を代表して、本
予算特別委員会に付託されました全ての議案に賛成する立場で、討論を行います。
2017年度予算は、
秋元市長の
任期折り返しとなる重要な年の予算であり、
アクションプランに掲げる
計画目標を着実に達成し、公約に掲げた施策を実現していくために、一層
取り組みを加速させる必要があります。
2017年度の予算案では、札幌市の
財政状況は、
義務的支出である扶助費の増加や、
市債発行額増による公債費の増加が見込まれる中、今後の
財政見通しは全く楽観視できないとしつつも、
社会経済情勢の変化や喫緊の市政の課題に対して機動的に対応するため、子ども・
子育て支援の
取り組みや
経済活性化、
観光振興の
取り組みについてもしっかりと対応していくことが求められています。就任からの2年間、
スピード感を持って
市政運営に当たっていることは、新市長のかじ取りに注目していた市民に対し、安心感を与えることにつながったものと評価しているところです。
また、就任以来、一貫して取り組んできました
待機児童対策では、2016年度に、
保育所整備による
保育定員を拡大するとともに、
保育人材の確保に向けた保育士・
保育所支援センターを開設したほか、今定例会に提出された2017年度予算案においても、
アクションプランを大きく上回る1,000人以上の
保育定員の拡大を盛り込んでいます。
さらに、
交差点排雪の強化や
特別養護老人ホームの定員拡大など、
市民生活に密着したきめ細やかな政策から、先日終了した
冬季アジア大会、
IPCノルディックスキーワールドカップの成功を契機にした2026年
冬季オリンピック・
パラリンピックの
札幌招致に向けた
取り組みなど、札幌のまちの将来に大きくかかわるダイナミックな施策まで、財政規律を堅持しながら幅広い
取り組みを進めており、
秋元市長の
バランス感覚にすぐれた政治手腕が大いに発揮されているものと考えています。
今後、我が会派としては、
秋元市長とともに、札幌の魅力と存在感をさらに高め、より豊かな形で次世代に引き継ぐことに力を注ぎ、活発な意見、提言を行っていくこととします。
それでは、第一部
予算特別委員会において、我が会派の各委員が取り上げた各局の課題について、提言を含めて、順次、述べてまいります。
初めに、財政局に関する課題です。
今後の
入札制度等について、次の5点の改善を求めます。
1点目に、新年度から
現場管理費の算入率の90%への引き上げと設計業務の成績重視型の導入、2点目に、予定価格の90%とする上限値の見直しと
最低制限価格のさらなる引き上げ、3点目に、新年度から建設業の
社会保険適用が始まることや、
竣工検査等で必要以上の書類提出を求められることが多々あるので、担当職員に対する実効性のある研修会の開催、4点目に、元請業者に対し、下請業者への
手形支払いは60日以内及び現金での速やかな支払いを指導すること、5点目に、国に対し、
大都市補正の対象拡大を強く働きかけることの5点を要望いたします。
次に、総務局に関する課題です。
指定管理者制度については、導入から10年が経過し、本市も、
指定期間を次期更新時より4年から5年にするとのことで、一定の評価をするところです。質の高い
公共サービスを確保、継続するためには、安定した雇用や労働条件の確保など、
労働環境の維持・向上が最も重要です。
指定期間を延ばすことにとどまらず、今後もさまざまな
取り組みの継続や実施を求めます。
基幹系情報システム再
構築事業については、
基幹系情報システムの
維持管理にとどまらず、札幌市の
情報システムや
ネットワークのあり方を含めた市役所のシステム全体で最適な形を目指す役割を担ってもらうという視点を大切にして、CIO、
最高情報責任者の採用を積極的に検討していただくことを求めます。
次に、
危機管理対策室に関する課題です。
冬期間の
防災対策については、市民に対し、
普及啓発をさらに進めていただくとともに、災害時の受援体制については、札幌市
応援者受入計画の実効性を確保するため、訓練などを通じて習熟度を高めていただくとともに、人や物の
受け入れ体制について、民間との具体的な協議を早期に進め、構築していただくことを求めます。
次に、消防局に関する課題です。
応急手当ての
普及啓発については、自信を持って
応急手当てができるよう、若い世代への
普及啓発をより一層実施し、社会に出るまでに身につけてもらうことで、将来的には、全ての市民が自信を持って
応急手当てができる社会を目指していくことを要望いたします。
次に、
市民文化局に関する課題です。
札幌国際芸術祭については、開催まで4カ月余りとなり、市民への周知や準備にも拍車がかかってきていると思いますが、
ゲストディレクターの大友氏の芸術祭にかける意気込みを庁内の
関係部局が一丸となって受けとめて、さらに、
旅行関連業界など
関係団体にも働きかけを強化して、札幌市のまちを挙げて市民の皆様とともに盛り上がっていけるイベントとなるように、引き続きの
取り組みを要望いたします。
次に、
教育委員会に関する課題です。
性差別のない教育については、男女を分け隔てしないことが重要です。出席簿などの並び順、整列の順番、名前の呼び方など、一見小さなことと思われがちですが、日常の積み重ねが差別意識を植えつけるのではないかと考えます。特に、名簿は、男女別ではなく、
男女混合名簿を普及させていくとともに、
性的マイノリティーの子どもにとって、性で分けない
学校環境の整備を行っていくことを要望いたします。
教員の時間外勤務の改善について、
厚生労働省が、ことし1月、使用者が労働時間の適正な把握をするための
ガイドラインを公表したことを踏まえ、
教育委員会は、校長、教頭を対象とした研修会を開催し、
ガイドラインの周知徹底と、今後、時間外勤務の正確な把握をどのように行うかの手法を示すとともに、他都市の事例を参考に、時間外勤務の改善を行うことや、
修学旅行引率業務に伴い発生する時間外勤務の回復措置は、
関係団体と協議し、各
学校現場で実効性のある改善を要望いたします。
青少年科学館関係については、
山崎名誉館長の来札回数増に向けた
取り組みにおいて、同科学館と連携強化するとともに、今後の展示物の更新、展示のあり方を示す
基本構想策定のみにとどまらず、
基本計画及び
実行計画を策定することを要望いたします。
次に、
まちづくり政策局に関する課題です。
真駒内駅前地区については、2019年度の
まちづくり計画策定を目指して検討を進めていますが、現状の住民の声を聞き、迅速に取り組んでいくことも必要です。高齢者や障がい者が不便や危険を感じていることや、周辺道路には送迎車両が列をなしていることなどが課題として挙げられます。駅前の道警公宅の先行取得を行い、この問題の早期解決を図ることを要望いたします。
女性が輝く
まちづくり推進事業においては、これまでのさまざまな施策や制度を女性の視点で検証し、見直していくとのことですが、札幌の女性が希望や意欲を持ちながら社会のあらゆる分野で活躍するためには、行政、企業が一体となってワーク・ライフ・バランスの
取り組みを早急に進めることが必要と考えます。男女ともに生き方を見詰め直すきっかけとしての
新規事業になるよう求めます。
大通東1街区の再開発については、大通公園、テレビ塔、
創成川公園など札幌市にとって重要な観光・
交流資源が集積していますので、これら既存資源の魅力や価値を維持・保全するために、同街区と隣接する
かんぽ生命保険所有地の確保も含め、
創成川東西の一体的な景観やまち並みの形成が図られていくことを要望いたします。
次に、
子ども未来局に関する課題です。
子ども・
子育て支援事業計画については、就学前児童の保育や教育の場をどのように提供するのか、
待機児童問題の解消も含め、非常に重要な課題を検討するものです。見直しに当たっては、保護者の
保育サービスに対するさまざまなニーズに応えるため、きめ細やかな選択肢を提供できるような検討を進めていただくとともに、保育士・
保育所支援センターにおける
取り組み強化をさらに図られるよう要望いたします。
フリースクール支援の拡充については、平成29年度に
補助限度額の拡大が実現しましたが、
子どもたちが安心して過ごすことのできる
居場所づくりと多様な学びの推進に向け、今後も実情に即した継続的な支援を求めます。
子ども食堂への支援については、市民の主体性を尊重し、市民の支え合いの
ネットワークを支援する
取り組みを力強く進めていくことを求めます。
次に、環境局に関する課題です。
新たなルールに基づく
スプレー缶の排出、収集、処理について、当初予定のことし7月から実施できるよう万全の準備を行うとともに、年間約680万本の処理を行うので、万が一、何らかの理由で処理が滞った場合に備え、さまざまな角度から安定かつ確実な処理作業ができるよう、事前に対策を講ずることを求めます。
駒岡清掃工場の更新について、多くの
廃棄物処理プラントメーカーが参加したくなる手法を取り入れるとともに、
初期建設コスト及び
維持管理コストも含め、低減が実現できる評価手法を導入することを求めます。
以上が、
特別委員会において、我が会派に所属する委員が提言、要望を交えて行った質疑です。市長を初め、各理事者におかれましては、各委員の指摘、提言について、来年度予算はもとより、今後の
市政運営に積極的に反映させることを求めて、私の討論を終わります。(拍手)
◆竹内孝代 委員 私は、ただいまから、
公明党議員会を代表し、本
特別委員会に付託されました平成29年度各
会計予算及びその他の諸議案に賛成する立場から、討論を行います。
公明党は、かねてから、若者や女性、国民一人一人が輝き、活躍できる希望社会を実現すること、そして、暮らしの現場にあって、働き方の仕組みを変え、保育や介護分野における人材の確保などを推し進め、
人口減少、
少子高齢化という日本の構造的な問題に立ち向かわなければならないと主張しているところであります。
本市においては、財政の健全化に留意しつつ、その
財政状況を市民に発信し、理解を得ながら、真に札幌の未来への投資につながる事業について計画的に実施していくことが大変重要であります。
このたびの予算案は、
秋元市長の
任期折り返しとなる重要な年の予算であり、女性の
活躍推進については、子ども・
子育て支援と経済・雇用という二つのポイントに大きくかかわる重要な施策です。また、暮らし・コミュニティの政策分野においても、誰もが安心して地域で生活するための
環境づくりに取り組むとしていますが、高齢化が進み、今後、
介護ニーズも高まる中、市民が地域で安心して生活していける
環境づくりは不可欠な施策と考えます。ぜひ、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街の実現に向け、強力に事業を推進していただきたいと思います。
これらのことから、私たちの会派が述べてきました提言、要望等を踏まえ、今後の事業執行に反映されることを望みます。
それでは、本委員会を通じて、私たちの会派が取り上げてまいりました主な諸課題等について、順次、局別に提言、要望を含めて述べてまいります。
最初に、財政局です。
地方公会計改革については、新たな仕組みづくりに全力を挙げるとともに、効果的な活用方法を検討し、財政の見える化を進め、適切な分析と
予算編成及び執行に反映していくことを求めます。
次に、この4月から開始する市税のクレジットカード納付についてですが、利用のメリットや手数料などの情報を含めて周知を図るとともに、来年予定されている市税証明書コンビニ交付について、セキュリティー対策を図ることと、札幌市全体としてマイナンバーカードを利用できるサービスの周知に力を入れていただくことを求めます。
次に、総務局です。
効果的な広報活動について、今後、芸術祭やラグビーワールドカップなどのイベントを控えていることから、今回の
冬季アジア大会での効果の検証を十分に行い、より市民と一体となって楽しめる手法に取り組んでいただくとともに、市民への情報発信についての
取り組みを強化することを要望いたします。
次に、消防局です。
ICTを活用した消防と医療の連携強化について、高齢化の進展に伴い、救急出動も増加の一途であることから、タブレットなど情報端末機器の機能拡張性を意識するとともに、隊員の負担軽減にもつながる開発を要望いたします。
次に、
危機管理対策室です。
今後増加していく更新時期が迫った備蓄食料については、防災訓練時のみならず、地域のさまざまな行事等でも配布するなど幅広い啓発活動に有効活用すること、また、備蓄物資のあり方について、女性などの当時者目線からの意見を反映した検討を行い、一層の充実を図ることを求めます。
次に、
教育委員会です。
不登校対策は喫緊の課題であり、早期対応の重要性を踏まえ、身近な場所で迅速かつ丁寧な支援を行うためにも、教育支援センターもしくは相談指導教室を10区全てに設置すること、さらには、相談支援パートナーの小学校配置の拡充を強く求めます。
また、学校図書館司書配置事業について、司書の資質向上を図る研修の充実や実践交流を含め、能力開発とやりがいの向上につなげるとともに、あわせて、平成31年度までの全中学校配置を着実に進めることを求めます。
また、全ての高校生が希望する教育を受けられる環境整備の重要性から、授業料の無償化と同様に、通学費の負担軽減を図るために、対象者拡大等について積極的に取り組むことを要望いたします。
また、これまで我が会派が強く推進してきた公立中学校夜間学級につきましては、陳情が、先月、2月27日の本会議において、全会一致で採択されていることを十分にしんしゃくしていただき、一日も早い設置を改めて強く求めておきます。
次に、
市民文化局です。
パートナーシップ制度については、転出入の多い札幌市が行うことは、政令指定都市としても初の試みで、大変意義があることから、市民意識の醸成にもつながり、全国にも波及していくことを期待いたします。
また、犯罪のない安全で安心な
まちづくり推進事業、交通安全対策についてでありますが、国道36号を擁する札幌の東の玄関口である清田区において、人や物の交流はさらなる発展が予想されるため、より一層の治安対策強化に向けて、清田警察署の早期設置を強く求めておきます。あわせて、防犯カメラの設置推進につきましては、安全で安心な
まちづくりの推進に向けて、モデル地域からの開始など、町内会等による設置補助の早期着手を要望いたします。
次に、「(仮称)丘珠縄文遺跡公園」整備事業についてですが、オープンに向けてしっかりと準備を進め、高齢者から
子どもたちまで幅広い市民が縄文文化の魅力を体験できる
取り組みを進めていただきたいと思います。また、アイヌ施策の推進につきましては、これまでアイヌ民族が育んできた共生、共存の自然を大切にする心が多くの市民や観光客の心に刻まれるようなすばらしい空間となるよう整備を進めることを求めます。
また、賃貸アパートに関する消費生活相談では、サポーター制度を導入して見守りの裾野を広げる
取り組みは評価するところでありますが、高齢者や若者による消費者トラブルも絶えないことから、今後の課題として指摘しておきます。
次に、
まちづくり政策局です。
女性が輝く
まちづくり推進事業については、本市の新年度予算の注目すべき事業であり、早ければ平成30年度予算に反映できるように取り組むとのことでありましたので、全庁を挙げて推進していただくことを要望いたします。また、区結成20周年の節目を迎える清田区における諸課題を踏まえ、
地域交流拠点づくりの推進と
地下鉄延伸について、具体的かつ積極的に検討すべきことを強く求めておきます。
次に、創成東地区の
まちづくりの推進について、魅力的な
まちづくりを目指し、ポートランド視察の成果を生かし、回遊性の向上と都心部との適切な接続を視野に入れた魅力的な創成東地区整備となることを求めます。
次に、
子ども未来局です。
ひとり親家庭への就業支援については、多くの困難を抱えている家庭は、就職に対する考え方もさまざまであるため、自立のための就職や転職に向けた幅広い選択肢を提供できるように支援策を講じていくよう求めます。
また、子育て情報サイトとスマホアプリを開設する子育て情報提供強化事業では、市民の使いやすさ向上と幅広の周知に向け、開始までしっかりとした準備を進めることを求めます。
次に、認可保育所等への補助金について、保育士処遇改善及び
待機児童対策、さらには保育の質の向上を図る観点で、拡充も含めた補助金制度の見直しを継続して取り組むことを求めます。
また、子どもの
居場所づくり促進事業については、
子ども食堂への本市の支援が子どもの貧困対策になるとともに、地域や多世代との温かい交流が図れる場として、長く継続できる後押しとなるよう期待いたします。
次に、若者出会い創出事業についてでありますが、新年度から事業が開始されることは評価いたしますが、行政が見守り、支えているとの視点からも、参加した若者に対するフォローを行っていただくことを求めます。
最後に、環境局です。
フードロス対策についてですが、次期一般廃棄物処理計画の策定の際には、フードロス対策を盛り込むとともに、複数の関係担当局が横断的な連携のもと、効果的な
取り組みを力強く推進することを求めます。
高齢者へのリサイクルの
取り組み推進について、福祉部門などとも連携を図り、ごみの分別やリサイクルについて、高齢者にもわかりやすい周知をするとともに、
ごみ収集事業者の健全育成などにもしっかりと取り組んでいただくよう要望いたします。
また、
円山動物園の停電対策については、災害時停電等における動物の健康管理体制のあり方や配慮など、行動指針を明確にして、万全の体制を整えることを求めます。
次に、環境
基本計画については、次期計画の策定の際に、幅広いリスクを想定した災害に強い
まちづくりの検討を進めていただくことを求めます。
以上が、本委員会の審議において取り上げてまいりました質疑等の概要であります。理事者におかれましては、これらの提言等を十分検討され、今後の
市政執行に反映されることを強く要望し、私の討論を終わります。(拍手)
◆平岡大介 委員 私は、日本共産党を代表し、本委員会に付託されました、議案第1号
一般会計予算中関係分、議案第16号 職員定数条例の一部を改正する条例案、議案第21号 市立学校設置条例の一部を改正する条例案の3件に反対、残余の議案8件に賛成の立場から、討論を行います。
新年度の
予算規模は、
一般会計で9,965億円、対前年度比6.4%増となっています。増加の要因は、県費負担教職員の権限移譲分758億円の影響で、この分を除けば対前年度比1.7%減となります。その他、
特別会計、
企業会計を合わせた全会計
予算規模は、対前年度比3.3%増の1兆6,532億円です。
議案第1号に反対する理由の第1は、マイナンバー制度に関連する予算が4億5,829万円盛り込まれているからです。
我が党は、国家による国民監視と個人情報の漏えいの危険性を指摘してきました。本市が情報漏えいのないよう十分な対策をとると幾ら言っても、情報を盗み取ろうとする者とのイタチごっこで、完全に安全な対策など不可能です。また、システム改修など際限なく税金を投入することとなるマイナンバー制度は、今からでも中止すべきであり、認められません。
反対する理由の第2は、創成川通機能強化検討調査費500万円が計上されているからです。
都心アクセス道路は、全て地下構造で整備した場合には、1,000億円規模の事業費がかかると言われています。市民にとって不要不急の無駄な大型公共工事、すなわち、負の遺産となることは問題です。都心アクセス道路が計画されている創成川通の機能強化は、右折ラインなど交差点改良を中心とした道路整備と冬の除排雪強化策で進めるべきです。
また、パネル展で配布されたアンケートは、賛否を問うものではなかったにもかかわらず、多数の反対意見が寄せられました。アクセス道路建設ありきの誘導的なアンケートは問題であり、今後の改善を求めます。
議案第16号に反対する理由は、事務、業務の改廃等に伴い、職員定数の削減が含まれているからです。
東豊線のワンマン化に伴う運転手の46人の減、学校給食調理業務の一部委託化による20人の減、学校用務員業務の効率化による12人の減、
ごみ収集の委託拡大による6人の減など定数削減が行われることから、容認できません。
議案第21号に反対する理由は、本市の学校規模適正化により、児童数の減少が進む南区石山地区の石山小学校と石山南小学校の2校を廃止し、新たにこれらを統合した小学校1校を設置するからです。小・中学校は、地域の核であり、
まちづくりに果たす役割は重要です。また、少人数学級など、教師が子どもと向き合える環境をつくることも必要です。統廃合ありきの学校規模適正化方針は、地元住民の中に懸念する声があるため、賛成できません。
次に、本委員会で取り上げた諸課題について申し述べます。
まず、
危機管理対策室です。
昨年12月の大雪では、市電が終日運休し、鉄路では約500本、空の便では約300本の運休、欠航が相次ぎ、市長も、災害に近い状況だと述べるほどでした。しかし、札幌市地域防災計画で定められている雪害対策実施本部は設置されませんでした。全国的に異常気象が相次いでいることから、最悪のケースを想定する必要があり、雪害に備えた対策、対応を具体的に検討すべきです。
次は、総務局です。
指定管理者制度の
指定期間は4年間ですが、児童会館の場合、そこで働く臨時職員の雇用期間が3年間となっています。これでは、非公募としている児童や保護者、地域住民との継続的な信頼関係が求められるという理由に反し、専門職であるにもかかわらず、継続して働き続けられないのは問題です。
また、労働契約法が改正され、2018年4月から、通算5年を超えて働いた場合、労働者が申し出れば無期雇用に転換するルールになるため、これを機に指定管理者が臨時職員を雇いどめにすることがないように、本市として事業者への指導を行うべきです。
次は、
まちづくり政策局です。
地下空間におけるICT活用実証実験事業についてです。
本市の行おうとしていた地下歩行空間での顔認証実験について、個人情報が流出するのではないかという市民の不安が広がりました。本市は、カメラ型センサーでの顔認証は行わないことにしましたが、人感センサーや、本人の了承を得てスマートフォンに電波を飛ばして情報を得るビーコンなどの実証実験は行うというものです。初めは問題ないと市民に印象づけながら、ビッグデータとして蓄積しようとするものであり、情報漏洩の対策も万全とは言えず、市民の不安が拭えません。個人情報を最も守らなければならない行政が国家戦略の旗振り役となって率先して進めるべきではないことを強く指摘しておきます。
次は、財政局です。
臨時財政対策債についてです。
新年度
一般会計予算の市債残高1,185億円のうち、臨時財政対策債は600億円を占めています。2001年のスタート時当初は99億6,600万円だったものが、毎年、膨らみ続けていることから、100%返済されるのか疑問です。本市は、国から交付税措置されると答弁しましたが、赤字国債の発行など、国家財政も不安定です。実質賃金の低下など、アベノミクスの破綻は明らかであり、地方交付税の法定率のさらなる引き上げと臨財債の速やかな廃止を、引き続き、国に要請されるよう求めます。
市税の滞納世帯がふえている実態についてです。
2016年の市税事務所での相談件数は、来庁と電話を含め18万9,362件にも上ります。税金が払えない方々は、国保料や公共料金など複数の滞納を抱えていることが考えられることから、
関係部局につなげていくことや、職員の研修を行うことが必要であると求めました。
本市は、生活支援の研修としてゲートキーパー研修を約30名の新入職員に実施したとのことですが、引き続き、他部局との連携も強め、支払い困難な市民の声をしっかりと受けとめる対策を講じるべきです。
特別徴収額の決定通知書へのマイナンバー記載についてです。
本市は、市民のマイナンバーを把握しているのに、あえて事業者とやりとりする必要はありません。民間企業の9割は中小企業であり、規模の小さい事業者が十分なセキュリティー対策を施すのは至難のわざです。東京都内では、セキュリティーの確保が困難だとして、約30の自治体がマイナンバーを記載しない、もしくは一部記載しないとしています。こうした自治体の姿勢を見習うべきです。
次は、
市民文化局です。
パートナーシップ制度についてです。
パートナーシップ制度導入の報道を受けて、市民から本市に1,000件の賛成意見と151件の反対意見が寄せられました。結婚制度の問題ではないか、少子化を招くなどの市民意見について、本市は、権利や義務が生じるものではない、制度導入は少子化に影響を与えるものではないと答弁しました。
本市は、
パートナーシップ制度について、新年度の4月1日から実施する予定だったものを6月1日に先延ばししました。私たちには居場所があるのだということを感じたいとの当事者の声に応え、一日も早くスタートさせるべきです。
次は、
子ども未来局です。
待機児童の解消についてです。
昨年10月の
待機児童数は1,599人でした。この中には、兄弟同じ保育所、家の近くの保育所など、特定保育所のみ希望し、入所していないなど、国定義以外の
待機児童数848人も含まれています。これらの保護者の願いに応えるため、
待機児童対策は、ゼロ歳から就学前まで継続して保育できる認可保育所の増設を迅速に進めるべきです。
子どもの貧困対策についてです。
昨年、本市が行った子どもの貧困対策計画策定のための実態調査の中間報告が発表されました。本市の2歳から高校2年生までの子を持つ世帯の6割が家計が厳しいと回答し、過去1年間に子どもの受診をさせなかったとの回答が1,068人、18.3%との結果でした。今後、新年度に1年近くかけて子どもの貧困対策計画を策定していきますが、計画待ちにならず、生活が厳しいと答えた世帯などに今ある制度が届くように対策を検討するべきです。
また、今後も追跡調査を実施していくことと、誰にも相談できない
子どもたちの実態をつかむため、小・中学校との連携を強めていくことが重要です。全ての
子どもたちを対象にした施策は、必ず貧困世帯の支援になります。小・中学校の給食無償化が貧困対策として有効であり、子どもの貧困対策計画を策定する担当部局として
教育委員会と連携し、実施を目指して具体的に検討していくべきです。
次は、環境局です。
アスベスト問題についてです。
レベル1の吹きつけアスベストがむき出しになっている未措置の施設は、早急に対応すべきです。
また、建物内部のはりなど、封じ込め、囲い込みがなされている吹きつけアスベストについては、直接、アスベストを見る点検ではないことが明らかになりました。これでは、アスベストの劣化を確認できず、異常があったときには飛散しているということになりかねません。専門家による点検を行うべきです。
老朽化した箱型
ごみステーション器材についてです。
2012年度から、札幌市では、ごみパト隊の
ごみステーション管理支援の一環として、
ごみステーションの小規模化及び共同住宅への専用
ごみステーションの設置を促してきました。助成制度ができて間もなく8年がたち、経年劣化や雪などで破損していることなどから、修繕、更新が必要な箱型
ごみステーションが今後ふえていきます。共同住宅の修繕、更新が必要な機材については、ごみパト隊が積極的に助成制度の活用を図り、解決していくために力を尽くしていくことを求めます。
最後に、
教育委員会です。
就学援助制度入学準備金を小学生についても実施するべきですが、本市は、小学生の場合、入学前の転居や書類の受け渡しなどに課題があることを理由に、実施する見通しを明らかにしていません。就学援助の入学準備金を支給した後、転居する世帯については、入学準備金を返還してもらう旨の事前説明で解決することができるため、一日も早く実施する方向で準備を進めていくべきです。
生活保護基準の引き下げに就学援助が連動させられ、対象世帯が狭められるのではないかと不安が広がっています。就学援助制度は、経済的困難を抱える
子どもたちに義務教育を保障する命綱であり、生活保護の基準引き下げに連動させるべきではありません。
学校給食費無償化について、町田副市長は、子どもの貧困は非常に大きな問題、どのようなものを実施していくのか、今後検討していきたいと答弁しました。
子育て支援策としても貧困対策としても、全ての
子どもたちが対象となる学校給食の無償化について、実施する方向で検討することを求めます。
以上で、私の討論を終わります。(拍手)
◆堀川素人 委員 私は、改革を代表して、本委員会に付託されました案件に対して、議案第1号 札幌市
一般会計予算中関係分については反対、その余の議案については賛成の立場で、討論いたします。
アメリカでトランプ政権が登場いたしまして、いろいろな問題を引き起こしております。彼自身の公約を守るために、大変な無理をしながらやっているところでございますけれども、実際にはそれがなかなかできない状態で、アメリカ自体が大変混乱をしている。また、ヨーロッパのほうに目を向けますと、イギリスのEU離脱、難民のヨーロッパ流入と右傾化の問題、ロシアのクリミア併合、中国の南沙諸島、東南アジア等の島への覇権主義、こういうことがあります。また、日本の近くでは、韓国の政治が混乱している。また、北朝鮮では、核問題、そしてミサイルの発射問題と、私は、これまでの経験から、世界の平和に危機が迫っている、初めてそういう可能性を感じております。それは、いい悪いは別として、まさに戦後の価値観の転換を求められるのか、また、平和に対する不透明感が強まっているなというふうに心配しております。
そういう中で、私ども札幌市の平成29年度は9,965億円、やや1兆円にも届かんとする大予算でありますが、この大予算が市民の幸せに合致するように、正確、有効に使ってほしいと願っております。
第1号議案のマイナンバー制度に関する案件ですが、国が笛を吹き、太鼓を鳴らしてのマイナンバーですが、プライバシーの保護もおぼつかない中で、国策とはいえ、無批判に従うことはいかがでしょうか。国家総動員体制につながり、国民の管理強化をもくろんでのことであり、もってのほかであります。利用登録件数においても極めて低調そのものであり、このことから見ても、国民はマイナンバー制度を必要としていません。
よって、我が改革は、反対であります。
次に、平成29年度の予算執行に当たり、ぜひとも触れておかなければならないことがあります。
その第1は、アスベスト問題の処理であります。
このたび、その処分が出ました。極めて悪質な問題をはらんだ事件であります。札幌市の公務員としての体質を露呈した事件であります。
この問題のキーワードと言えば、虚偽、隠蔽、無責任であることであります。担当課長を中心に、係長も加担し、国に対する報告に虚偽をなし、当時の部長は十分な認識もしないで空印を押す、その部長及び課長は、それぞれ局長待遇、部長として出世をしています。この出世は、取り消されるべきものであります。
次に、この虚偽行為の実行は、課長という管理職、係長以下が暴挙をなし、これを進めた官製虚偽行為であり、公務員倫理はどこに行ってしまったのでありましょうか。嘆かわしい限りであります。
その第2は、隠蔽の体質です。
虚偽の行為とは、ないものをあるかのごとくつくり出す行為であり、隠蔽は、つくり出したものを隠すという行為です。市のOBと親しくつき合うようになってから知ったのでありますが、間違ったことがあっても簡単に謝るなと部下に教える上司がしばしばいるそうであります。また、我々が資料を求めても、都合の悪い資料は催促されてもすぐに出そうとはせず、何度かの求めに応じて初めて差し出す、このようなことは上から下まで徹底しているような気がいたします。
その第3は、無責任の体質であります。
責任を意識しているのか、意識していないのか、意識していないなら、公務員倫理を中心にしてしっかりと学んでいただきたく思います。意識があっての責任放棄または責任転嫁は、市民に対する裏切り行為であることを肝に銘じ、そのようなことがなきよう、厳に慎んでいただきたいと思います。
指摘すべきことはまだまだたくさんありますが、きょうは、討論ということで、このことについてはこれ以上触れません。
このことを申し上げ、改革としての第一部
予算特別委員会での討論といたします。
◆石川佐和子 委員 私は、市民
ネットワーク北海道を代表し、本
特別委員会に付託されました予算案及びその他の議案中、議案第1号 平成29年度札幌市
一般会計予算中関係分については反対、残余の議案には賛成の立場から、討論をいたします。
反対の理由は、歳入歳出予算の総額に国民の監視・管理強化につながる共通番号、いわゆるマイナンバー制度関連事業費が計上されているからです。
7月から、自治体間での情報連携により、マイナンバーの相互利用の試行的運用が始まるとのことですが、マイナンバーカードの全国での交付状況は、昨年12月で971万枚、国が年度末の交付目標としていた3,000万枚には到底及ばない結果となっています。
札幌市においては、カード交付数がことしの2月末で14万2,362枚と、発行率が7.3%となっています。これは、市民にとっては、カードを持つことによる利便性よりも、番号制度への不信感、また、情報漏えい・流出への不安感が大きく、カードの必要性が低いということだと考えます。
日本年金機構、JTBなどの大量情報漏えいはまだ記憶に新しく、プライバシーの侵害など、多くの市民が共通番号制度の危険性を訴え、本制度の廃止を求める声を上げています。札幌市においても、市民の生命と財産を守るために、マイナンバーカードの利用拡大の見直しなど、制度改正を国に求めるべきです。
個人のプライバシー侵害、国による国民の監視・管理強化が強く懸念される共通番号制度に異議を唱える立場から、議案第1号については、反対をいたします。
さて、2017年度
予算規模は、
一般会計で9,965億円、
特別会計、
企業会計を合わせた全会計では1兆6,532億円と、前年度比522億円、3.3%の増となっています。また、市債残高の見込みは、
一般会計が1兆944億円、2012年度以降、6年連続の増、全会計では1兆7,348億円、昨年に引き続き2年連続の増となっています。
これらの
予算編成に反映させた中期財政フレーム2015では、2019年度末においても計画の範囲内におさまる見込みとのことです。しかし、
建設事業費は、少し前の2006年度から2013年度の当初予算では700億円から800億円の計上でしたが、2014年度からは4年連続1,000億円以上の計上となっています。また、地方交付税と合わせて歳入の16.4%を占める臨時財政対策債600億円の計上により残高がさらに増加しており、国内総生産の2倍以上の1,200兆円の借金を抱える国の
財政状況から見れば、今後、過大な負担を市民に押しつける結果になるのではないかと大変危惧するところです。
このような状況の中、安心して子どもを産み育てることができ、また、若者や女性が希望を持って働き、暮らすことができる札幌を実現していくためには、人を大事にするという視点を
まちづくりの根幹に据えるとともに、次世代に負担を先送りしない健全な財政運営を堅持することが重要です。誰もが安心して暮らすことができる札幌の実現を目指し、自治基本条例、子どもの権利条例などを生かし、徹底した情報共有、情報公開による市民参画の
まちづくりを多くの市民とともに取り組むべきです。
このような観点に立ち、本
特別委員会で取り上げました諸課題について、順次、述べさせていただきます。
最初に、財政局についてです。
2017年度予算案では、
建設事業費が4年連続1,000億円以上となる中、オリンピック・
パラリンピックの招致、
MICE施設整備、都心部の
まちづくり、電車の延伸、都心アクセス道路などの
大型事業については、現在は調査費や検討費の段階ですが、2019年度までの
アクションプランの中で
建設事業費を見込んでいないものが多く、財源の手当てがない中で実際に事業に着手するのではと懸念をしています。
事業費が数百億円規模になると思われる複数の
大型事業を同時に実施する場合の収支見通しを市民に示すことは、市民とともに
まちづくりを進める札幌市として必要不可欠のことと考えます。市民感覚を反映した財政規律が求められており、長期収支の推計などを情報公開し、市民意見を募ることを強く求めます。
次に、総務局についてです。
多文化共生社会の実現に向けた市民活動団体との連携については、札幌を訪れる外国人観光客がふえ、2015年度の宿泊者数が過去最高となる中、医療通訳を初めとするさまざまな支援に対応するため、必要不可欠なものです。
日本語が不自由な外国籍市民への行政上の手続や相談を行う札幌コミュニティ通訳制度を2017年度に立ち上げるとのことですが、今後も札幌市と国際プラザの連携を強めるとともに、市民活動団体等との連携強化や支援の拡充を強く求めます。
マイナンバー制度の運用に関して、カード発行においては、地方公共団体
情報システム機構、J−LISのカード管理システムのふぐあい、また、住民票等のコンビニ交付においては、使用している
ネットワークの全国オペレーションセンターでのトラブルのほか、公的機関や民間で繰り返されている大量の情報漏えい、さらに、海外でのなりすまし被害などにより、市民は不信感、不安感を募らせており、プライバシーの侵害が懸念されます。札幌市には、マイナンバー制度の見直しを国に求めるよう、強く要望いたします。
次に、
市民文化局についてです。
市民団体等が
公共施設に持ち込むチラシの扱いについては、札幌市の名義後援がないと置けないと断られることがあると聞いています。スペースを上回る数のチラシの配架希望があり、全ては置けない実態があるとのことですが、市民活動をさらに支援するため、チラシの配架についてのルールづくりを庁内に先駆けて実践していくことを強く求めます。
次に、
教育委員会についてです。
学校におけるシックハウス症候群、化学物質過敏症の
子どもたちへの
取り組みについては、これまでの主に建材や塗料、ワックスなどの化学物質に加え、洋服の柔軟仕上げ剤など、人を通じて持ち込まれる合成香料に耐えられないと訴える
子どもたちの声を受けとめ、しっかりと寄り添うことが重要です。個別の配慮はもとより、子どもや保護者等との相談や教職員等への周知など、学習機会を確保するための具体化策を強く求めます。
次に、
まちづくり政策局についてです。
女性が輝く
まちづくり推進事業については、女性を応援するという人ごととするのではなく、女性も男性もともに力を出し合える社会に変えることが重要であり、そのためには、女性の自己決定権を十分尊重した上で、あらゆる場面での男女平等意識の醸成や、女性が力を発揮できる
環境づくりなどを根本に据えて取り組むことを求めます。
地下空間におけるICT活用実証実験事業については、カメラの顔認証によるプライバシーの侵害を危惧する市民の声により、札幌市は、カメラではなく、デジタルサイネージやビーコン等によって情報を収集、蓄積、利用すると変更したように、市民感覚の反映が重要です。市民要望の強い情報化施策として個人情報保護の強化が第1位であるように、ICT活用実証実験においても市民感覚を反映したルールづくりが求められており、第三者意見聴取に公募市民を加えることを強く求めます。
丘珠空港については、騒音や航空機事故の不安を抱えている住民の声を重く受けとめるとともに、滑走路の全長は1,500メートルとする、定期便の運航便数は現在の生活環境を悪化させないことなど、札幌市が空港周辺の生活環境の保全を図ることを住民と約束した空港整備に係る基本的な考え方を今後も厳守することを強く求めます。
次に、
子ども未来局についてです。
地域
子育て支援拠点事業における出張サロンについては、既存の常設サロン事業者等の
事業拡大として理解が得られたところから開始されているとのことです。子どもや保護者の子育ち・
子育て支援のさらなる充実に向け、出張サロンの事業依頼に当たっては、開設の時期や準備期間、事業費などについて事業者の意見に耳を傾け、予定されている出張サロンが今後速やかに事業化できるよう一層の配慮を求めます。
最後に、環境局についてです。
家庭から出される水銀を含んだ使用済み製品、すなわち、水銀を使用した体温計や温度計、血圧計などの回収については、通常は燃やせないごみとして埋め立てされています。しかし、有機水銀が原因となった水俣病を教訓に、常温で揮発する水銀の有害性に鑑み、国際的な条約や法律の改正が進み、水銀汚染の防止に向けた
取り組みが国内外で進められています。札幌市において、体温計などを市内の調剤薬局、地区リサイクルセンターで回収する事業の継続や回収についての市民への周知の徹底を求めます。
生物多様性に関しては、市民参加による生き物調査など、2013年の生物多様性さっぽろビジョン策定後の
取り組みについて一定の評価をしています。
しかし、生物多様性の意味を知っている市民の割合が30%前後と低迷していることから、理解を深める
取り組みをさらに積極的に行うことを求めます。
また、2017年度に予定している動植物データベースの構築に当たっては、札幌の指標種の情報とあわせて、希少種や外来種を初め、生息している動植物データを広く収集し、継続して蓄積することが重要であることから、環境保全に取り組むNPOや活動団体等の意見を聞きながら活用していくことを強く求めます。
以上、要望を交えて、諸課題を述べてまいりました。理事者におかれましては、今後、これらの提言、要望を市政に反映することを強く求め、私の討論を終わります。(拍手)
○よ
こやま峰子 委員長 以上で、討論を終結し、直ちに採決を行います。
この場合、分割して採決を行います。
最初に、議案第1号中関係分を問題といたします。
議案第1号中関係分を可決すべきものと決定することに賛成の委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○よ
こやま峰子 委員長 起立多数であります。
よって、議案1号中関係分は、可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第16号及び第21号を一括して問題といたします。
議案2件を可決すべきものと決定することに賛成の委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○よ
こやま峰子 委員長 起立多数であります。
よって、議案2件は、可決すべきものと決定いたしました。
最後に、議案第3号中関係分、第4号、第8号、第9号、第17号中関係分、第18号、第22号及び第25号を一括して問題といたします。
議案8件を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○よ
こやま峰子 委員長 異議なしと認め、議案8件は、可決すべきものと決定いたしました。
以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する審査を終了いたします。
――――――――――――――
○よ
こやま峰子 委員長 委員会の閉会に当たり、一言、ご挨拶をさせていただきます。
委員会は、本日をもちまして、全議案の審査を終了いたします。
私は、甚だふなれ、力不足の委員長でありましたが、中村副委員長に支えていただきながら、各会派の理事の皆さん、委員の皆さん、そして理事者の皆さん、議会事務局の皆さんのご協力により、無事に議事を進行することができました。
皆様に心より感謝と御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
本委員会における延べ質疑人数は95人、質疑時間は25時間35分となっております。皆様の熱心な質疑、そして活発な議論に対しまして、心から敬意を表するものであります。
何とぞ、理事者の皆様におかれましては、本委員会で取り上げられました各会派、各委員の提言、要望に対しまして、しっかりと受けとめて、これからの
市政執行に反映させていただきますようにお願い申し上げまして、一言、退任のご挨拶とさせていただきます。
本当にありがとうございました。(拍手)
――――――――――――――
○よ
こやま峰子 委員長 これをもちまして、第一部
予算特別委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時13分...