札幌市議会 2017-03-22
平成29年第一部予算特別委員会−03月22日-07号
平成29年第一部
予算特別委員会−03月22日-07号平成29年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第7号)
平成29年(2017年)3月22日(水曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 32名(欠は欠席者)
委 員 長 よこやま 峰子 副委員長 中 村 たけし
委 員 武 市 憲 一 委 員 宮 村 素 子
委 員 高 橋 克 朋 委 員 五十嵐 徳 美
委 員 細 川 正 人 委 員 小須田 悟 士
委 員 佐々木 みつこ 委 員 阿部 ひであき
委 員 伴 良 隆 委 員 中 川 賢 一
委 員 松 井 隆 文 委 員 福 士 勝
委 員 大 嶋 薫 委 員 ふじわら 広昭
委 員 恩 村 一 郎 委 員 三 宅 由 美
欠 委 員 長谷川 衛 委 員 村 上 ゆうこ
委 員 かんの 太 一 委 員 成 田 祐 樹
委 員 本 郷 俊 史 委 員 國 安 政 典
委 員 前 川 隆 史 委 員 小 口 智 久
委 員 竹 内 孝 代 委 員 伊 藤 理智子
委 員 小 形 香 織 委 員 池 田 由 美
委 員 平 岡 大 介 委 員 堀 川 素 人
委 員 石 川 佐和子
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開 議 午後1時
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○よこやま峰子 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、丸山委員からは、前川委員と交代する旨、届け出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第2款 総務費 第1項
総務管理費中関係分及び第2項 市民生活費中関係分について、一括して質疑を行います。
◆
村上ゆうこ 委員 私は、2017年度の新規事業である女性が輝く
まちづくり推進事業に関して、2点質問いたします。
まず、押さえておかなければならないのは、
世界経済フォーラムが毎年公表している日本の
ジェンダーギャップ指数、日本語に訳すと
男女平等指数と言いますが、その
国別ランキングを見ると、日本は余りにも下位にありまして、とりわけ政治と経済分野における著しい男女間格差が順位を大きく下げていることがわかります。昨年2016年は、日本の
男女平等指数が144カ国中111位という結果にもなっています。
その不名誉な実態を挽回すべく、安倍政権は、成長戦略の重要な柱の一つとして女性の活躍推進を掲げ、2016年4月には
女性活躍推進法が施行されました。また、保育の受け皿確保の強化や
放課後児童クラブの受け皿拡大なども整備が進められてきています。この法律や施策は、働く女性が職場で個性と能力を発揮できる社会、また、子どもを持って働く女性が仕事と育児を両立しやすい社会にするためのものとして出発したと私は受けとめています。
しかしながら、今日、日本の
労働力人口が減少していく中、こうした施策や取り組みは、
労働力確保のために女性を活用したいという面ばかりがクローズアップされている傾向にあるのではないかと私は感じています。このことが、活用できる女性と活用できない女性に仕分けされたり、子育て中の女性が男性並みの働き方を強いられることにつながったり、女だって身を粉にして必死に働くのが当たり前というような風潮になったりしたならば、結果として取り組みの成果も上がらないのではないかと考えます。現に仕事を持つ現場の女性からも、子どもがいるのに、長時間労働が可能な男性社員と同じだけ働くことを求められる、職場の仲間の理解がなかなか得られにくいなど、今のままでは子どもを育てながら仕事を続けていくのが困難だといった声もまだまだ上がっているのが現実です。
育児中の母親が子どもを抱えて男性と同じく働くことや、女性のみが育児も仕事も完璧にこなすことを求められる状況を変えるためには、
男性労働者も含めた長時間労働の是正を初めとして、雇用にかかわる社会的な
考え方そのものも変えていくことが求められると思います。そして、札幌市において、真に女性の活躍を推進していきたいというのであれば、女性を活用するという考え方に立つのではなく、女性が社会のあらゆる場で、自分らしく生きるためには、どういう取り組みを行えばよいのかということを第一に考えていただきたいと思っております。
そこで、1点目の質問ですが、このような国の動きなどがある中で、本市としては、女性が輝く
まちづくり推進事業にどのように取り組もうと考えているのか、伺います。
◎中田
政策企画部長 女性が輝く
まちづくり推進事業に取り組むに当たっての考え方についてお答えいたします。
女性が輝く
まちづくりを推進することによりまして、女性一人一人が、みずからの意思に基づき、仕事や家庭、地域社会などのさまざまな場で活躍することができるまちをつくっていくことが重要であると考えております。しかしながら、その実現に向けましては、長時間労働や男性の家庭における家事、育児、介護の役割が不足していることなど、さまざまな課題が重なり合っているものと認識しているところであります。
このため、これまでのさまざまな取り組みや社会的環境を女性の視点で改めて捉え直すことで、課題の解決に取り組み、女性がその希望に応じて活躍できる
環境づくりを進めていきたい、そのように考えております。
◆
村上ゆうこ 委員 本市における女性の活躍は、あらゆる立場や環境に置かれている女性の希望をかなえることに主眼を置いて女性の視点で捉え直すということであり、このような考え方で取り組みを進めることについては、私も賛同するところです。
ただ、女性が地域や職場で活躍しようと考えても、現実の社会においては、日本型の雇用慣行を初めとしてさまざまなハードルにぶつかることが容易に想定されます。例えば、現在でも女性の出産、育児という当たり前の
ライフイベントを組織運営上のマイナスと捉えている企業は多数あるものと推測されますし、そうした職場環境に置かれている女性は、結婚や出産を諦めるか、あるいは仕事を諦めるかの二者択一を迫られている現状もあると言われております。もちろん、女性の活躍が実現するためには、女性たちがみずからハードルを乗り越えていこうとする意欲や覚悟を持つことも必要です。ただし、そうした意欲を持つ女性たちが孤立し、ハードルを乗り越えようとする際にさまざまな悩みを抱えることも多く、その下支えが求められているものと考えます。
そこで、2点目の質問ですが、女性活躍の実現に向けて今回の事業を進めていくに当たり、みずからハードルを乗り越えようとする女性たちを支えることについてどのように考えていくのか、伺います。
◎中田
政策企画部長 女性が希望に応じて活躍できる社会を実現していくためには、みずからハードルを乗り越えようとする女性の存在は大きな役割を担っているものと思っております。こうした女性を支えていくためには、女性の
スキルアップを支援することや、同じ立場、経験を有する女性が互いに交流し合い、気軽に相談できるネットワークを整えることが有効であると考えております。
今後、この取り組みを進めていくに当たりましては、こうした認識のもと、女性の視点を生かしながら、行政のみならず、民間企業の取り組みも含めて、意欲ある女性を支援する効果的な施策を検討していきたいと考えております。
◆
村上ゆうこ 委員 要望になります。
新年度から始まる女性が輝く
まちづくり推進事業は、札幌市内で活躍する女性たちと秋元市長が同じテーブルに着いて意見交換をし合うということですが、市長には、ぜひ、札幌に住む女性の課題についてしっかり把握していただきたいと思います。先日の
市長記者会見でも、女性が社会のあらゆる分野で活躍することが今後の市政運営における大切な視点になると力強く語っておられました。また、本市においても、既に、女性が職場や地域で能力を発揮することができるように、
男女共同参画室や
雇用推進部、
子ども未来局、
教育委員会などにおいてさまざまな施策に取り組んできましたし、札幌市
男女共同参画センターでは、女性の地位向上に向けて現在もさまざまな発信や取り組みを続けており、あらゆる立場の女性たちのよりどころになっています。このように、これまでも、さまざまな環境に置かれている女性たちの声を酌み取り、施策に反映してきたと認識しておりますが、女性があらゆる分野で活躍するためには、まだまだ行政主導で支援を続けなければならない現状にあります。
私は、女性たちが働き続けることや子どもを産むこと、育てることに迷いが生じることのないよう、男女を問わず、全ての働く人たちのワーク・ライフ・バランスを大きく推進することが最重要と考えております。そこを十分に意識していただきながら、今後も、行政主導で、札幌市内のあらゆる企業や、そこで働く男女の労働者に対しての働きかけや支援を積極的に進めていただくことを求めまして、私の質問を終わります。
◆竹内孝代 委員 私からも、女性が輝く
まちづくり推進事業について質問させていただきます。
昨年、公表された平成27年国勢調査結果によりますと、札幌市は、全人口に占める女性の割合が53.4%と、他の大都市と比較しても女性の割合が高いことが特徴です。今後、人口減少が見込まれる中で、女性人口の割合が高い札幌市において、女性の力を最大限発揮できるように推進することは、人材の確保のみならず、企業活動を初め、行政や地域にも女性の持つ多様な価値観、柔軟な創意工夫をもたらし、まち全体に活力を与えることにもつながるものと考えています。
女性が活躍できる社会の実現を目指して、札幌市が率先して各種の取り組みを進めていこうとする姿勢については、これまでその重要性を訴えてきた我が会派としても評価しているところです。
先日の報道にもありましたように、札幌市における女性の有業率は21大都市の中で19番目となっており、その低さもまた札幌市の特徴であると考えられることから、今後、この事業を進めるに当たっては、本市の特徴をよく踏まえて取り組むことがその効果を上げる重要な視点であると考えます。
そこで、質問ですが、来年度の女性が輝く
まちづくり推進事業について、札幌市の特徴を踏まえてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎中田
政策企画部長 女性が輝く
まちづくり推進事業の
取り組み内容についてお答えいたします。
この事業では、社会で活躍する女性と秋元市長が参画する(仮称)さっぽ
ろ女性応援会議を設置いたしまして、女性活躍の推進に関する意見などをいただくとともに、市役所庁内の女性職員による
プロジェクトチームを立ち上げ、応援会議で出された意見も参考にしながら、施策の検討に女性の視点を取り入れていきたいと思っております。
札幌市の女性の就業に関する特徴といたしましては、委員がご指摘のとおり、有業率が低いことが挙げられております。その内容をより詳細に見ますと、全国と比較いたしまして、30歳から34歳、30代前半の有業率が特に低くなっており、結婚や出産を契機に離職する方が多いものと推測されます。そのため、仕事についていない子育てママや、起業や就業を志す方などを含むさまざまな女性との意見交換や、市民を対象としたアンケートを実施することによりまして、応援会議において有業率が低い要因についても把握し、今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 庁内、庁外で女性を中心とする会議体をそれぞれ設置し、
女性ならではの視点から活躍を推進する施策を検討していきたいということでした。また、札幌市の特徴を踏まえていくということでしたが、他都市の取り組みを調べてみましたら、埼玉県のウーマノミクスプロジェクトのように、経済分野に特化した取り組みを進めている自治体は数多くありますけれども、分野を特定することなく女性の視点から広く施策の検討を進める今回の事業は、札幌市ならではの取り組みになるのではないかと大いに期待しております。
しかしながら、この取り組みが真に実のあるものとなるかどうかは、会議に参加する方によるところが大きくて、その人選が非常に重要になるものと考えます。働く方や子育てする方など現場の貴重な声、また専門的視点からの声など、さまざまな視点を持って幅広い分野から人選すべきと考えます。
そこで、質問ですが、(仮称)さっぽ
ろ女性応援会議では、どのような分野の方を構成員としようとしているのか、現時点での考えについてお伺いいたします。
◎中田
政策企画部長 (仮称)さっぽ
ろ女性応援会議の構成員についてお答えいたします。
この応援会議では、女性が仕事や家庭、地域社会など、さまざまな場でそれぞれの希望に応じて活躍できる社会をつくるため、広い分野から参画を得て、経験や知見に基づいた意見をいただきたいと考えております。
現時点では、会議の構成員といたしまして、起業家や経営者、民間企業の管理職の方、地域で活躍されている方、さらには
商工会議所や労働組合などからも参画いただきまして、人数としては7名から8名程度とすることを考えております。また、今回の取り組みでは、北海道外から見た札幌の特徴や課題を把握することなども重要であると考えておりまして、道外委員の選定も含め、今後、具体的に検討を進めていきたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 幅広い分野からさまざまな視点で意見交換が行われるということで、期待しております。
ただ、こういった視点で施策を検討していくことはもちろん重要ですが、ここ数年のうちに人口減少の局面を迎える札幌市が女性の活躍のための
環境づくりを進めるに当たっては、時間をかけずに迅速かつ具体的に事業を構築し、実行していく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、今後、会議で出されたさまざまな意見を踏まえ、女性が輝く
まちづくり推進事業に取り組むに当たり、女性の活躍に資する事業をどのように構築し、速やかに実施していく考えなのか、お伺いいたします。
◎中田
政策企画部長 今後の事業の構築についてお答えいたします。
まず、(仮称)さっぽ
ろ女性応援会議で出されたご意見などを女性の視点からしっかりと受けとめることが重要であると考えまして、庁内においても女性職員から成る
庁内女性プロジェクトチームを設置いたします。また、実務面での実効性や政策面での位置づけ、財政面での裏づけを確保していくため、産業振興、雇用、子育て支援、
男女共同参画部門など、関係する事業部局と私
ども企画部門や財政部門から成る推進体制をつくっていきたいと思っております。また、この取り組みを進めるに当たりましては、まず男性側の意識を変えていくことが必要であると考えておりまして、推進体制のメンバーにおきましてもそうした意識を共有していきたいと考えております。
新年度以降、直ちにこうした
体制づくりに取りかかり、平成30年度予算への計上を目指しまして、
庁内女性プロジェクトチームと推進体制が連携しながら具体的な事業の構築を進めてまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 平成30年度予算に反映できるような事業として、早速、進めていくということでした。
これまで
女性活躍推進について何度も取り上げさせていただきましたが、私は、女性が輝く
まちづくりを推進することは、一人一人が活躍できる
まちづくりをさまざまな角度から進めることであり、こうした取り組みを通して、女性のみならず、男性や高齢者、障がいをお持ちの方などまで含めて、幅広く一人一人が社会の大切な人材として活躍できる社会の構築につながっていくものと考えております。今後の取り組みに期待していることを申し述べて、私の質問を終わります。
◆
佐々木みつこ 委員 私からは、
日本ハムファイターズ新球場構想について伺います。
さきの代表質問において、私は、
日本ハムファイターズの新球場提案に向けた検討の進捗状況について質問いたしまして、市長からは、複数箇所の候補地において
土地所有者と協議しているとのことであり、調整がつき次第、提案していきたいというご答弁でした。また、時期については、今年度中、あるいは新
年度明け早々に提案できるよう協議しているとのことで、そろそろその時期に差しかかってきており、提案の内容も固まっている状況ではないかと思われます。
また一方、最近の一連の報道では、候補地として
共進会場跡地周辺や北大構内、真駒内公園などが取り沙汰され、その地権者との交渉内容に関しても、八紘学園が市に対して土地の提供を承諾した、あるいは、土地の提供は困難と回答したとか、また、市が八紘学園に正式に用地提供を依頼したと、具体的な提案が固まったかのようなものもあります。さらに、先週には、4月から就任予定の
北大次期総長が新
球場構想候補としての見解を取材されるなど、情報がやや混乱している状況が見受けられます。
このように、これは市民の関心の高い事柄でありますので、きょうは、事実確認を含めて、ここで何点か質問させていただきますが、まず、地権者との交渉状況はどのようになっているのか、また、候補地の選定は固まったのか、お伺いします。
◎村瀬
プロジェクト担当部長 地権者との交渉状況と候補地の選定についてでございます。
まず、候補地につきましては、現在、
共進会場跡地周辺及び北大構内の2地区を中心に、複数案として提案していきたいと考えております。それぞれの
関係地権者である北海道や八紘学園、北海道大学とは、これまで候補地とすることのご理解をいただけるよう協議を進めてきたところであり、全ての地権者からの了解がとれ次第、
ファイターズに提案する考えでございます。
◆
佐々木みつこ 委員 ただいま、新球場の候補地として、
共進会場跡地周辺及び北大構内を中心に複数案を提案していく考えということでしたが、そのうち、
共進会場跡地周辺についてさらに質問させていただきます。
報道では、
共進会場跡地周辺については、
共進会場跡地全体で約12ヘクタールあるうち、札幌市が北海道から取得を予定している約8ヘクタールに加えて、八紘学園の敷地のうち、現在、
雪たい積場として借りている約5ヘクタールを候補地として想定していると出ておりました。一方で、平成28年11月に、
日本オリンピック委員会、JOCに提出した
冬季オリンピック・パラリンピックの
開催提案書におきましては、
共進会場跡地のうちの約8ヘクタール部分は
メディアセンターの建設場所として記載されており、仮に、この約8ヘクタールを新球場の候補地として提案する場合には
メディアセンターの建設場所の再考も必要となります。
そこで、質問ですが、現在、地権者と協議中とのことなので言えることと言えないことがあるとは思いますけれども、今回、
共進会場跡地周辺の候補地はどの範囲で提案しようとしているのか、また、
共進会場跡地の約8ヘクタールが候補地に含まれているのであれば、
冬季オリパラの
開催提案書との関係はどのように考えているのか、伺います。
加えて、
共進会場跡地については、現在、北海道が既に民間への売却手続を進めている約4ヘクタールの部分がありますが、
ファイターズに提案するに際して、この部分はどのようにするのか、伺います。
◎村瀬
プロジェクト担当部長 八紘学園跡地周辺の候補地としての考え方についてでございます。
まず、候補地の範囲でございますが、
共進会場跡地周辺におきましては、現在、北海道から取得を希望している約8ヘクタールの部分と八紘学園から
雪たい積場として賃借している約5ヘクタールの部分を合わせた約13ヘクタールの範囲とすることを想定しております。
次に、
冬季オリパラ開催提案書との関係でございますが、
共進会場跡地の約8ヘクタール部分につきましては、
冬季オリパラの
開催提案書に
メディアセンターの建設場所として盛り込んでいたところでございます。今後、
共進会場跡地周辺での新球場建設が決まった場合には、
メディアセンターは別の場所を探していくことになると考えております。
最後に、
共進会場跡地の約4ヘクタール部分の扱いでございますが、この部分につきましては、昨年10月に、北海道により策定された
共進会場用地の
土地利用方針の中で民間に売却することとされ、これに基づき、ことしの2月から民間売却に向けた公募手続が既に進められているところであります。このような中、現時点では、当該地の活用を確定できる段階ではないことから、新球場の候補地の範囲に含めることは難しい状況と考えております。
◆
佐々木みつこ 委員
共進会場跡地周辺における候補地の範囲については、
共進会場跡地の一部と、
雪たい積場として八紘学園からお借りしている土地を合わせて候補地として想定していることは理解いたしました。今、
ファイターズ側の土地に関する要望、意図が見えない中での難しい提案の段階ではありますが、ぜひ、球団にとってよい提案を、そして、北海道、札幌市及び地権者の将来もそれぞれ配慮した提案をお願いしたいと思います。
また、ただいま候補地の一つである
共進会場跡地の提案の方向性について明かせる範囲で詳しく伺いましたが、その上で、先ほどは候補地として複数案を提案していきたいとのことでございました。
そこで、質問ですが、候補地を一つに絞り込むのではなく、なぜ複数案としようとしているのか、伺います。
◎村瀬
プロジェクト担当部長 候補地を複数案とする考え方についてでございます。
現時点では新球場構想に関する条件が示されている段階ではなく、具体的には、提案提出後に始まる実務者による協議で明らかになるものと想定しております。最終的に候補地を絞り込むに当たりましては、
ファイターズが考える具体的な条件を伺った上で、それぞれの候補地における課題を整理する必要があることから、まずは、候補地は複数案ということで提案していきたいと考えております。
◆
佐々木みつこ 委員 現段階で、候補地を複数案で提案しようとする考え方はわかりましたが、これまでの報道や話を聞くところによりますと、
共進会場跡地周辺や北大構内のほかにも幾つかの土地が候補地として取り沙汰されておりました。
そこで、なぜ、
共進会場跡地周辺と北大構内の二つの地区を候補地として選定したのか、お伺いします。
◎村瀬
プロジェクト担当部長 候補地を2地区としたことについてでございます。
候補地の選定に当たりましては、まず第一に、新球場の開業を早ければ2023年とすると、現に建物が建っているなど土地利用がなされている場所は難しいと考えたものでございます。加えまして、既存の公共交通の利便性、周辺の道路環境や住環境などの視点も含めて検討を行い、この2地区が適当と判断したところでございます。
◆
佐々木みつこ 委員 本日は、候補地の選定状況や考え方について、事実確認を含めてお聞きいたしましたが、提案に向けた検討としてはまさに佳境の段階と思われます。また、候補地として挙げられた側も、今後の経営計画に大きくかかわることである事項と考えます。
ファイターズ側の態度が明確に把握できない状況ではありますが、新球場は3万人から4万人が利用する施設となり、札幌市にとっては、土地の活用及び交通計画を含め、
まちづくりの重要な課題になります。引き続き、
ファイターズとしっかりと協議を進めた上で、候補地となったほうの経営見通しもしっかり立つよう、また、札幌市民にとってよい結果が導き出せるよう、検討を進めていただくことを要望しまして、質問を終わります。
◆成田祐樹 委員 私からも、
日本ハムファイターズの新球場構想についてお伺いいたします。
先月末の代表質問における我が会派の質問に対して、秋元市長から、
ファイターズへの提案に当たっての観点として、候補地の立地環境として、既存の公共交通網を生かすことに加え、新球場によるにぎわい創出や周辺地域の
まちづくりへの波及効果を重視していくといった答弁があったところであり、本日はその答弁を掘り下げた質問を何点かさせていただきたいと思います。
まず、1点目として、札幌市みずからが候補地選定を行っていることの考え方についてお伺いします。
今回の新球場構想の件については、日本のプロ野球12球団のうち、巨人、ヤクルト、日本ハム以外の九つのチームは球団と球場の一体運営を行っており、
ファイターズとしてもそのような運営体制を目指すために、自前の球場を持ちたいということではないかと推察しております。一方で、現在の状況を見ますと、
ファイターズが球場建設の適地を探しているということではなく、北広島市が名乗りを上げて候補地を示している、また、札幌市においては、市みずからが候補地を選定し、地権者と協議しているというような動きになっており、このことについて違和感を覚える人も少なからずいるのではないかと思います。
しかしながら、九州では、福岡ソフトバンクホークスの2軍の本拠地、練習場の移転に際して、5県にわたる34自治体が誘致合戦を繰り広げたという事例がありました。このことは、それぞれの自治体が我がまちにプロスポーツがあることによるさまざまな効果を期待してのことだったのではないかと思われます。
そこで、最初の質問ですが、今回の
ファイターズの新球場構想について、札幌市みずからが候補地選定や地権者との協議を行い、提案を行おうとしていることについて、どのような考えによるものなのか、お伺いします。
◎村瀬
プロジェクト担当部長 新球場構想に対し、札幌市が候補地の選定を行っていることの考え方についてでございます。
札幌市といたしましては、プロスポーツが持つ力を最大限に生かしながら、球場を基点に、札幌のまち全体に活気を広げていきたいと考えております。また、国の動きといたしましても、平成28年6月に閣議決定いたしました日本再興戦略や、同年11月にスポーツ庁が策定したスタジアム・アリーナ改革指針によりまして、スポーツ施設を従来の単機能の施設から商業施設などの複合的な機能を組み合わせた交流施設への転換を目指す取り組みが進められているところであります。
このようなことも踏まえまして、新球場の建設を契機に、官民連携による
まちづくりを進めていきたいと考えているところでありまして、その側面から新球場の適地を検討する必要もあることから、札幌市が候補地の選定を含めて提案を行うことを考えているものでございます。
◆成田祐樹 委員 今お答えいただきましたが、これまで、13年の間に札幌に根づいた
ファイターズとともに、新球場建設を契機に新たな
まちづくりを進めていくためには、
ファイターズには何としても札幌に残ってもらう必要があり、今回、候補地を含めて提案していくことは理解できる方針だというふうに思っております。
ただ、その候補地ですが、昨年にこの問題が出て以来、多くのマスコミにおいて北大や
共進会場跡地、真駒内などさまざまな場所が取り上げられています。また、市内の他地域においても手稲区や西区八軒などの住民から新球場の建設を求める要望書が提出されているほか、多くの市民からもさまざまな要望があることも伺っております。
しかしながら、先ほどのお答えにもありましたが、
ファイターズが望む2023年、7年後の新球場開業という時間軸に合わせると、公園や建物などで既に利活用されている場所は難しいのではないのかと考えます。特に、都市公園法を見ると、第16条に、「公園管理者は、次に掲げる場合のほか、みだりに都市公園の区域の全部又は一部について都市公園を廃止してはならない。」とされており、その第1項には、「都市公園の区域内において都市計画法の規定により公園及び緑地以外の施設に係る都市計画事業が施行される場合その他公益上特別の必要がある場合」、また、第2項には、「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」などとあり、仮に公園を廃止して、民間資本の球場や商業施設をつくるとした場合、かわるべき公園をほかにつくらなければならない可能性が高いわけで、果たして間に合うのか、そんなかわりの場所があるのか、疑問が出てくるところです。
さらに、公共交通による大量輸送が可能であることなどの前提条件も必要でありまして、そうすると、新球場の適地はおのずと限られてくるのではないかと思います。
こうしたさまざまな制約がある中でも、候補地を含めた提案に当たっては、やはり札幌だということを示し、集客面でもメリットのある提案だと思ってもらう必要があるのではないかと考えますが、今回の提案には具体的にどのようなことを盛り込む考えなのか、お伺いいたします。
◎村瀬
プロジェクト担当部長 提案に盛り込む内容についてでございます。
今回の提案につきましては、新球場の建設を契機としまして、候補地全体を食、農とスポーツの融合によるにぎわいや交流の拠点といった広場的な空間を目指していくことを基本とした上で、札幌市と
ファイターズがパートナーとしてともに取り組んでいく内容も盛り込んでいく考えでございます。
そこで、具体的には、新球場建設を捉えた札幌市のかかわり方といった基本理念や、プロスポーツの力を生かすという観点からのソフト事業の取り組み例、そして、候補地における整備コンセプトといったものを盛り込むことによりまして、
ファイターズにとって札幌市内で新球場を建設することの魅力を最大限に感じられる内容にしていきたいと考えているところでございます。
◆成田祐樹 委員 食、農、スポーツということで、いかにも北海道らしい提案かなというふうに思います。今お答えいただきましたように、新球場の建設を契機に、
ファイターズとともにハードとソフトの両面から取り組みが進んでいくと思いますが、そうであれば、市民の関心もさらに集まることから、より丁寧な説明が必要なのではないかと思います。
一方で、この件については、
ファイターズとの交渉事でもあり、また、他都市との競争事でもあるので、有利に進めていくためにも今の段階では全てをつまびらかにすることはできないのではないかと推測しておりますが、今後、
ファイターズとの協議が進み、市内のどこかということが決まって具体的な計画が進んでいく段階になったときには、その内容を市民に示していく必要があるのではないかと思っております。
そこで、お伺いしますが、今回の提案はその内容を明らかにできない段階ということを前提にすれば、どのような位置づけになると考えればよいのか、また、今後の市民に対する説明についてもどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎村瀬
プロジェクト担当部長 提案の位置づけと公表についてでございます。
今回の提案につきましては、土地の所有形態や費用負担といったことに触れるものではなく、協議の入り口として新球場に関する札幌市の基本的な考え方を提示するためのものという位置づけになると考えているところでございます。
また、ご質問の中にもあったとおり、他都市を含めた交渉事でもあることから、今回の提案についての公表は考えておりません。
しかしながら、今後、
ファイターズとの協議を経て具体的に計画が進められることとなった場合につきましては、当然、その内容は市民にも説明していく必要があると考えております。
◆成田祐樹 委員 今のお答えで、今回の提案については、
ファイターズとの本格的な実務者協議を始めていくための入り口ということであり、今後、協議を進めながら内容を固めていくものと解釈しておりますが、北広島市が昨年12月に既に提案書を提出している状況も踏まえ、おくれを取り戻すためにも、まずは一刻も早く実務者協議に入れるよう、提案書の提出に向けた準備を進めていただきたいと思います。
1点要望させていただきたいのですが、先ほど、候補地として答弁に出ておりました八紘学園に関してお話しさせていただきますと、
雪たい積場として借りている場所を新球場の候補地にするという話ですから、当然、なくなってしまう
雪たい積場のことも考えなければなりません。雪対策室などの関係部局としっかりと連携をとることを求めたいと思います。
また、市内での新球場建設が具体的に進むことになれば、これだけ市民の関心の高い事柄なので、より丁寧な説明をお願いしたいということも求めまして、この質問を終わります。
◆前川隆史 委員 私からは、婚活事業について伺います。
婚活事業については、昨年1月に策定されましたさっぽろ未来創生プラン策定過程におけるたび重なる質疑の中で、若者の希望をかなえるための支援として、その必要性を熱く、強く語って訴えてまいりました。正直言って、多くの反対意見をいただきましたし、今でもいただいております。しかし、若い世代の皆さんや、また親御さんの世代からも、幾度となく、実現してほしいとの声を直接いただいてまいりましたので、心を折らずに取り組んでまいったところでございます。
そうした中、昨年、南区において婚活事業が行われ、女性55名、男性53名、計108名が参加して、セカンドチャンスも含めて合計37組、74名のカップルが誕生、反響も成果も大変に大きかったのではないかと思っております。
しかし、南区のみの事業でございましたので、これはこれでよかったのですが、やはり、市を挙げての事業として取り組んでいただきたいと引き続き訴えてまいりました。その熱意が伝わったのか、来年度予算案の中に若者出会い創出事業として男女の出会いの機会を創出する事業が盛り込まれており、私としても大変大きな期待を寄せているところでございます。
そこでまず、1点目の質問でございますが、来年度予算案に盛り込んだ婚活事業のさっぽろ未来創生プランにおける意義についてお伺いいたします。
◎中田
政策企画部長 来年度予算案に盛り込みました婚活事業のさっぽろ未来創生プランにおける意義についてお答えいたします。
さっぽろ未来創生プランは、昨年1月に策定しておりますが、結婚、出産、子育てを支える
環境づくりの施策の一つとして結婚の希望をかなえる支援を掲げているところであり、今回の予算案に盛り込まれた若者出会い創出事業は、この施策を推進するものであると考えております。ここ数年、他の自治体におきましても同様の取り組みを進めている状況に鑑みますと、個人の理想とするライフプランの実現に向けた行政の支援方策の一つであるものと考えております。
◆前川隆史 委員 20年前には、行政が婚活事業に取り組むということは、特に人口が100万人を超えるような大都市では考えられないことでしたので、札幌市が若者の結婚の希望をかなえるための支援に新たに取り組む意義は、若い世代へのメッセージ性も含めて、大変意義が大きいと思っております。
昨年、内閣府では、ニッポン一億総活躍プランの施策として、少子化対策としての婚活支援に関する検討会を立ち上げました。この検討会は、各界で活躍する女性が半数を占めていたそうですが、その中で結婚の希望をかなえる環境整備としての企業や団体の取り組みについての議論がなされ、昨年12月に提言が取りまとめられました。この検討会では、結婚や恋愛は個人の自由な意思決定に基づくもの、それから、結婚という価値観を押しつけるものであってはならないという大前提を確認し合った上で、若者の希望をかなえる環境整備という趣旨で行った検討会であります。これは、裏を返せば、国がそこまで議論を重ねなければならないほど、日本の人口減少、少子化に危機感を持っている、そのあらわれなのではないかと思います。
さて、さっぽろ未来創生プランでは、札幌市の未婚率が高いことに触れられております。高い未婚率が本市の少子化の要因となっていることはもとより、独身の継続により、社会とのかかわりが薄れ、また、豊かな家庭生活を送ることができないと感じる方が増加することなども昨今は懸念されております。こうしたことは、未婚のみならず、離婚した結果、独身を継続せざるを得ない方にも当てはまるものと言えます。
そこで、2点目の質問でございますが、札幌市の生涯未婚率及び離婚率の推移はどのようになっているのか、また、他の政令市との比較も含めてお伺いいたします。
◎中田
政策企画部長 札幌市の生涯未婚率及び離婚率の推移についてお答えいたします。
生涯未婚率とは、50歳の時点で結婚したことがない方の割合でありますが、政令市に移行した時期である1975年と2015年を比較いたしますと、男性では2.2%だったものが23.4%に、女性は4.7%だったものが19.4%に、それぞれ大幅に上昇しております。この水準は、男性は全国平均と同水準であり、東京都区部を含めた21大都市の中で12番目とほぼ真ん中の位置にございますが、女性は全国平均の14.1%を上回っており、21大都市の中では3番目に高い水準となっております。
また、人口1,000人当たりの離婚率につきましては、1975年以降、同年の1.93を最小値とし、2001年の2.99を最大値として増減を繰り返してきており、直近の2015年では2.31となっております。この数字は全国平均の1.81を上回っており、現時点では、21大都市の中で比較した場合、大阪市に次いで2番目に高い水準となっております。
◆前川隆史 委員 札幌市の生涯未婚率が上昇してきており、特に女性の上昇が高いのかなと思います。また、現在は、男性は4人に1人、女性では5人に1人が未婚であること、また、離婚率は全国平均を上回っておりまして、21大都市の中では大阪市に次いで2番目に高い水準であることがわかりました。
先ほど申しましたとおり、独身の継続にはさまざまな懸念があることに加え、このまま生涯未婚率や離婚率が上昇し続けることは、高齢単身世帯の増加に拍車をかけるものとも言えます。
そこで、3点目の質問でございますが、高齢単身世帯の現在の割合と将来の見通し、そして、単身世帯増加による課題認識についてお伺いいたします。
◎中田
政策企画部長 札幌市における高齢単身世帯の現在の割合と将来の見通しについてお答えいたします。
平成27年の国勢調査の結果によりますと、高齢単身世帯は10万4,650世帯となっておりまして、一般世帯に占める割合は11.4%となっております。前回、平成22年の国勢調査の結果を踏まえて平成24年5月に推計した数値によりますと、2035年には、高齢単身世帯は13万9,000世帯、一般世帯に占める割合は15%を超えるものと見込まれているところであります。
高齢単身世帯の増加によりまして、高齢者の社会的な孤立などの問題が深刻化することを危惧しており、地域における人と人とのつながりと支え合いが重要になってくるものと認識をしております。
◆前川隆史 委員 話は戻りますが、札幌市の婚活支援を市民の皆さんに報告すると、大変に評判がよろしいです。どんな話をするよりも喜んでくださる方が多いという印象を持っておりまして、これからの時代はそういうことをやらなければだめなのだ、頑張れと、地域の皆さんからも非常にエールをいただいております。
そういう中で、批判を恐れず申しますと、よくご要望をいただくのが中高年のシニア婚活も頑張ってほしいという声で、中高年のパートナーづくりも支援をしていただきたいというお話でございます。最初、私もこれにはさすがに戸惑いましたが、話を聞いてみるとジョークなどではないようでございまして、事実、民間の結婚相談所でも中高年の登録者が急増しているそうでございます。中高年の婚活に参加する方の結婚したい理由で最も多いのは、老後をひとりで過ごすのは寂しいというのが半数を超えていて、多くの独身の中高年が社会とのつながりを求めて婚活を始めております。
ちなみに、登録している方は60代以上が一番多いそうでございます。
ただ、中高年の婚活につきましては、きょうはこれ以上申し上げません。非常にアゲンストも強いかと思いますし、私もまだ腹が決まり切っておりません。もう少しよく熟考して、今後の質疑に備えていきたいと思っております。
本日はありがとうございました。以上で、質問を終わります。
◆中川賢一 委員 私からは、ソーシャル・インパクト・ボンドなど、新しい官民協力の仕組みを活用した社会的課題の解決手法について質問させていただきたいと思います。
近年、社会構造が大きく変わり、また、行政セクターの財政事情が悪化の一途をたどる中、貧困や医療、介護、保険などといった社会的課題の解決に向けて、行政と民間事業者が連携して事業を組み立て、民間が実施した事業成果に応じて行政が成功報酬を支払っていく、いわゆるソーシャル・インパクト・ボンド、略してSIBという仕組みがあります。こういった仕組みを活用し、公共的サービスの生産性の向上、財政負担の軽減を図るという取り組みがイギリスなど欧米を中心に始められております。我が国におきましても、福祉や就労支援などの分野でパイロット事業として導入を検討する自治体が出始めるなど、ここ数年、急激に関心が高まりつつあります。
こうした社会背景のもと、私は、昨年の第4回の定例議会の代表質問におきまして、札幌市の行政課題の解決にこうしたソーシャル・インパクト・ボンドなどの仕組みを活用できないか、ぜひ研究、検討していくべきではないかと提案して、活用の可能性を研究していきたいという前向きなご答弁をいただいたところでございます。
今後、限られた財源をより有効に使い、社会的課題を効率的に改善していくことが避けられない中、こういった新しい手法を活用していけるのか、スピード感を持って検討し、取り組んでいくことが重要と考えておりまして、そうしたフットワークのスピードで、今後、自治体間の住みやすさに格差が生じてくるものと考えます。
そこで、質問ですが、新年度を迎えるに当たり、ソーシャル・インパクト・ボンドなど新しい手法の研究に具体的にどのように取り組んでいくおつもりか、お考えを伺います。
◎中田
政策企画部長 ソーシャル・インパクト・ボンドなどの今後の研究についてお答えいたします。
現状におきましては、ソーシャル・インパクト・ボンドは、我が国における行政サービス提供手法の一つとして確立しているものとは言えないところでありますが、民間の資金やノウハウを活用してさまざまな社会的課題を解決する上で有効に機能する可能性を有しているものと認識しております。
札幌市におきましては、政策課題に対応した中長期的な施策などの企画立案のために、民間シンクタンクなどの知見を活用しながら都市政策研究を行っているところでありまして、ソーシャル・インパクト・ボンドにつきましては、先行事例の内容を収集、分析するとともに、研究テーマの一つとして取り上げることも検討していきたいと考えております。
◆中川賢一 委員 ぜひ、本市の社会的課題の解決に取り込んでいけるのか、検討、研究を進めていただきたいと思います。
ソーシャル・インパクト・ボンドについては、民間の投資を活用する仕組みですので、一般的には国や自治体の財政的なメリットにばかり目が向きがちでございますが、民間事業者の高い専門性を活用することで事業の質や効率性を高める効果が期待できるとともに、独立した評価機関によって投資家の目にも耐え得る厳しい事業検証がなされますので、仕組み全体として事業の成果とか投資効率に対する責任のレベルも向上するという効果が期待されます。そういったメリットもあり、国におきましても、まち・ひと・しごと創生基本方針2015や経済財政運営と改革の基本方針2016などにおいてSIBの仕組みや可能性について触れられており、2017年度に向けて政府として導入の道を探る動きも見られているというふうにも伺っております。
これまでの国内におけるパイロット事業などの取り組みを見ますと、横須賀市の特別養子縁組の推進事業とか、福岡市など7自治体が実施した認知症予防事業、兵庫県尼崎市のひきこもり対策事業、さらにはがん検診の受診率の向上や起業家支援など、さまざまな取り組みが進められているようでございまして、そのうち、婚活事業なども出てくるかもしれません。それでも傾向的には福祉に関連する分野への取り組みが多いように見受けられまして、今の段階ではこういった部分がなじみやすいのかなと考えますが、本市でも、いろいろな政策、行政課題を掲げている中で、こうした事業手法がなじみやすい分野が恐らくあるのではないかと考えます。
そこで、次の質問でございますが、今後、調査研究を進めていく場合、どのような分野が有望で中心となっていくと考えられるか、見解をお伺いしたいと思います。
◎中田
政策企画部長 ソーシャル・インパクト・ボンドの研究分野についてお答えいたします。
これまでに国内外で取り組まれているソーシャル・インパクト・ボンドの適用事例を見ますと、対象となる分野は広範囲にわたっていると認識しております。国内におきましては、公益財団法人日本財団のパイロット事業として幾つか取り組まれておりますが、委員からもお話がありましたように、尼崎市が取り組んだ生活保護世帯の若者を対象とした就労支援事業、福岡市など7自治体が取り組んだ認知症予防事業などの事例がありまして、そうした分野が今後の研究分野として想定されると考えております。
いずれにいたしましても、本市が取り組むに当たりましては、どのような分野に可能性があるか、今後、検討を進める中で考えていきたい、そのように考えております。
◆中川賢一 委員 ぜひ、いろいろな分野で可能性を探っていただければと思います。
公共性の高い分野に対し、民間のスキルや資金などを活用して事業の質や効率、さらにはサステーナビリティーを高めていくという考え方は、今後、どんどん広まっていくのではないかと考えられるところでございまして、実際に国も大きく期待しているようでございます。今もお話がありましたように、国や日本財団などのモデル事業なども含めて、現在、いろいろなセクターや資金提供者などがSIBの活用に向けて試行錯誤をしながら進めておりますので、本市も、手法や資金調達のルートなど、情報に対してアンテナを高くして、住民サービスの充実と効率的な課題解決に向けて新しい発想でスピーディーに進めていくよう申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
◆石川佐和子 委員 私からは、女性が輝く
まちづくり推進事業について伺います。
前段の質問におきまして、女性の有業率の低さという札幌市の課題、特色を踏まえた取り組みとすることや、(仮称)さっぽ
ろ女性応援会議の内容なども明らかになったところであります。
女性活躍推進法が施行され、男性にも関係がある長時間労働の是正、女性の積極登用などが打ち出されておりますが、女性の活躍を実現するためには、私は、まず、男性が生き方や考え方を変えることが必要であるというふうに考えています。現実的な壁としては、育児は母親の仕事というような子育てのみならず、介護、家事などにおける固定的な性別役割分担意識がいまだ根強くあり、家庭や地域、職場の中で女性が抱えている問題の解決を阻んでいると考えます。例えば、数字的なものを申し上げますと、札幌市の男性職員の育児休業取得率は、2015年度で9.3%、目標の数値13%以上にはまだ到達できていないところです。また、市職員の女性管理職割合は15%が目標ですが、11.9%となっています。いずれも2019年度を目標としており、より積極的な取り組みが求められると思います。
きょう、理事者としてこちらにお座りになっている皆さんも男性ばかりとお見受けいたしますし、この事業の担当をなさっている方も全て男性と伺っておりまして、この事業の趣旨から言いましても女性がいないことを私は非常に残念に思っております。質問に入りますが、この事業は、女性の社会進出に必要な施策や支援を女性の視点から考えるということであります。社会全体で応援していくという意気込みの全部を否定しませんが、応援という第三者的で人ごとのような言い方ではなく、そういう社会を女性、男性がともにつくっていく、つくることができるように支え合うことが重要であると考えますけれども、どのようなスタンスでこの事業を進めていくのか、伺います。
◎中田
政策企画部長 女性が輝く
まちづくり推進事業を進めるに当たってのスタンスについてお答えいたします。
女性がより活躍できる社会をつくるためには、男性と女性、行政と企業、経営者と被雇用者など、属性や立場の異なるさまざまな主体が目標を共有し、支え合いながら、互いに役割を果たすことが重要であると考えております。
本市といたしましては、この目標の共有に向けた働きかけはもとより、活躍を望む女性への支援や民間企業の取り組みへの支援、女性や男性の意識醸成といった女性の活躍推進に向けた
環境づくりを主体的に進めていきたい、そのように考えております。
◆石川佐和子 委員 今のご答弁を伺いまして、目標の共有というのは本当に大事なことだと思っています。女性、男性が力を出し合って支え合うのが当たり前の社会となることを目指す、私は、まずその確認が大前提だと思います。そして、そういう社会を目指すとしても、現実的にはさまざまな問題がありますので、そうした問題を女性の視点で考えようと、私は、そういう順番でないと困難を抱えている女性の耳にはなかなか届かないのではないかというふうに考えます。
また一方で、女性だけの問題にしてしまっては、決して解決にはならないというふうにも思います。男性の皆様は余り気がつかないかもしれません。しかし、男女の性差別は幼いころからの環境の中にもあって、例えば、クラス名簿は男子が先で女子が後ということに何の疑問も持たなかったり、男らしさや女らしさを求められたり、あるいは、女性だけにお茶くみをさせたり、そういう性差別や性別役割分担意識が実際にはびこっていて、男女平等意識が育ちにくい環境がいまだにあると思っています。
そこで、質問ですが、このような状況の中で、女性が希望に沿った生き方を実現するためには、女性の自己決定権を十分尊重した上で、あらゆる場面で男女平等の意識を醸成するとともに、女性の力を発揮できる環境を整備することが重要だというふうに考えますけれども、この事業を展開するに当たって、具体的にはどのような効果が期待できるのか、伺います。
◎中田
政策企画部長 今回の女性が輝く
まちづくり推進事業は、これまでのさまざま取り組みや社会的環境を女性の視点で改めて捉え直すことによりまして、女性の活躍に向けた施策を構築していくものであります。この事業に取り組むことによりまして、女性も男性も仕事や家庭、地域社会などのさまざまな場で平等に活躍することができ、女性自身の自由な意思に基づき、その個性や希望に沿って生き生きと輝きながら暮らすことができるまちをつくっていくことができるものと考えております。そして、このことが、ひいては、性別、年齢、障がいの有無などの違いがあっても、それぞれが自立し、お互いを尊重し合いながら、誰もが安心して暮らせるまちの実現につながっていくものと考えているところであります。
◆石川佐和子 委員 今の答弁のようなことが実現できれば本当に望ましいと思いますが、これまでのことを考えますと、なかなか難しいのではないかと想像しながら聞いておりました。
(仮称)さっぽ
ろ女性応援会議の構成員や内容については、前段の質疑の中で示されたところでありますが、こうした会議を推進し、議論を深めていくに当たっては、当事者である女性の意見を広く求めることは当然でありますが、男性の意見も重要と考えているところです。
そこで、最後の質問ですが、子育てや介護、家事、仕事など、女性が抱えている困難さを明らかにするためにさまざまな意見を広く募ることが重要と考えますが、どのように取り組むのか、伺います。
◎中田
政策企画部長 今回の事業を進めるに当たりましては、さまざまな立場の方の意見を幅広くお聞きいたしまして、課題をしっかり把握していくことが必要であると思っております。
そこで、(仮称)さっぽ
ろ女性応援会議を初め、女性社員や子育てママなどとの意見交換あるいは市民アンケート調査など、さまざまな手法を用いて、たくさんの意見をお聞きしてまいりたいと思っております。また、意見を伺う際には、ヒアリングなどになれていない方もいることが想定されますので、例えば、複数の同様の立場の方に集まっていただいた上でグループヒアリングの機会を設けるなど、忌憚のない自由な意見をいただくことができる工夫を凝らしていきたい、そのように考えております。
◆石川佐和子 委員 ぜひ、そうしたさまざまな工夫をして、広く意見を募っていただきたいと思います。
先ほど
世界経済フォーラムが発表した日本の
ジェンダーギャップ指数のお話がありましたが、本当に日本の状況は世界の非常識になっているというふうに強く感じます。このたびの事業を、女性が本気で抱えている課題、問題を共有して、男女がともに働き、育児や社会活動に参加できるワーク・ライフ・バランスの実現を図る取り組みとするように強く求めまして、私の質問を終わります。
○よこやま峰子 委員長 以上で、第1項
総務管理費中関係分等の質疑を終了いたします。
次に、第7款 土木費 第4項 都市計画費及び第5項 都市開発費中関係分について、一括して質疑を行います。
◆前川隆史 委員 私からは、地下空間におけるICT活用実証実験事業についてお伺いいたします。
この事業は、札幌駅前通地下歩行空間、チ・カ・ホを舞台として、人流情報や属性情報を収集、集積し、ビッグデータとして分析、活用するための事業でございます。現在は、モノのインターネット、いわゆるIoTや人工知能、ビッグデータなど、情報通信技術が急速に発展し、産業構造が大きく変わろうとする第4次産業革命の時代と言われております。
こうした情報通信技術は、地域の住民、行政、企業のデータを利活用して、住民サービスを充実し、地域における新たなビジネス、雇用の創出、地域の課題解決を図るための効率的・効果的なツールとしての期待が高まっており、国もその活用を強力に推進しております。また、日々、世界中から、ICTを活用してビジネスモデルが変わった、作業効率が飛躍的に上がったなど、時代を先取りする挑戦のニュースが次々と舞い込んできております。
昨年12月には、国や自治体、民間が保有するデータを適正に、また効果的に活用することで、豊かな地域社会の形成、新事業の創出、国際競争力の強化などを目指す官民データ活用推進基本法が成立するなど、ビッグデータをさまざまな課題解決に活用するための環境整備が進みつつあります。札幌市としても、産業振興や雇用の創出、市民サービスの向上のために、ビッグデータを活用し、積極的、先進的に取り組んでいただきたく、強く思うところでございます。
そこでまず、本事業に関連しての質問ですが、今年度策定される札幌市ICT活用戦略において、ビッグデータの活用についてどのように考えているのか、また、チ・カ・ホで実施する取り組みをどのように位置づけているのか、お伺いいたします。
◎一橋 ICT戦略・創造都市推進担当部長 札幌市ICT活用戦略におけるビッグデータ活用に対する考え方及び地下空間におけるICT活用実証実験事業の位置づけについてお答えいたします。
ビッグデータ等の新たな情報通信技術は、ものづくりやサービス、人々の生活を劇的に変化させるものでありますことから、その変化に迅速に対応し、他都市に先駆けて取り組んでいく必要があると考えております。ビッグデータの利活用は、新たな価値の創造や利便性の向上にもつながりますことから、ICT活用戦略の中でも重点的な取り組みとなるイノベーション・プロジェクトとして積極的に取り組むこととしております。
チ・カ・ホでの取り組みは、イノベーション・プロジェクトにおける先行的取り組みに位置づけしており、その成果は、ビッグデータを収集、管理するために構築する札幌市ICT活用プラットフォームの検討に生かしてまいります。
◆前川隆史 委員 私は、この間、札幌の
まちづくりを前進させていくためにも、都心部でICTを積極的に活用すべきと訴えてまいりまして、この事業についても、幾度も質問し、ご答弁いただいたところです。
札幌のチ・カ・ホについては、昨年の決算特別委員会でも紹介させていただきましたが、ニューズウィークが、外国人が発見した日本の新名所に挙げており、そのスタイリッシュでごみ一つない空間は清潔なハイテク国家の象徴だとして、ぜひ足を運ぶべきだと日本の新観光スポットとして大きく紹介しておりました。こうして海外から高い評価をいただいた今このときを逃さずに、最先端ICT活用を推進するハイテク国家として売り出し、ブランディングを推進することによって、都市観光機能を質・量ともにグレードアップさせ、観光客のみならず、市民に対してもサービスや満足度の向上へつなげていくべきだと考えます。
昨年の決算特別委員会では、札幌都心の地下空間で、センサーや双方向のデジタルサイネージなどのICT機器により、人の流れや属性などの情報を集積、分析することで、主に誘客・案内、マーケティング、防災支援の3分野での活用が期待でき、情報収集に当たっては、プライバシー保護を徹底することが極めて重要であるとの答弁をいただきました。
このようにプライバシー保護を大前提として事業を進めておられると思いますが、最近の新聞、テレビの報道を見てみますと、どうもカメラによるデータ取得に偏った報道が先行している感もあり、プライバシーや個人情報は大丈夫なのかといった不安感が市民の中に増してきているのではないかと危惧しております。ただ、このままだと、せっかく海外の人たちが気づかせてくれた札幌の新たな魅力を鮮度の高いうちにさらに磨きをかけていくチャンスを逃し、本来、実験で行おうとしていた事業目的が達成できなくなるのではないかととても懸念しているところです。
そこで、質問ですが、現段階において、どのようなセンサーにより、どのようにデータを取得する予定なのか、お伺いいたします。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 地下空間におけるICT活用実証実験事業において、どのようなセンサーにより、どのようなデータを取得する予定なのかというご質問でした。
まず、この実証実験におきましては、チ・カ・ホにおいて、性別や年代などの属性データについて、ビーコンの設置により、スマートフォンにアプリを入れ、使用条件に同意した方についてデータを取得させていただくことを想定しております。また、赤外線センサーの設置により通行量データを把握するとともに、それをアプリから得られる情報と組み合わせることで、人の流れ、いわゆる人流データを把握する、さらに、チ・カ・ホの北2条交差点広場西側に設置するデジタルサイネージにおいて、双方向のやりとりが可能となるように、画面に触れると反応するタッチセンサーを設置したいと考えております。
なお、これまでさまざまに議論されてまいりましたカメラセンサーについてですが、この事業においては、当面、札幌市として設置することはいたしません。ただ、大学等の研究機関や民間企業が研究やイベント目的として北2条交差点広場を使用する際に、カメラセンサーを含むさまざまなセンサーを設置できるようなしつらえは整えるつもりでございます。
◆前川隆史 委員 それでは、取得したデータについてはどのように活用していくおつもりか、お伺いします。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 取得したデータの活用についてでございます。
現在、企画を検討している段階ですが、市民や観光客へのサービスとして、性別や年代、好み、使用言語など、個人の属性に合わせた店舗情報や観光情報をスマートフォンに発信することが可能になります。また、防災対策として、人流の急激な変化を押さえることによっていち早く異変を察知するほか、通常時の人流データは当然ですが、緊急警報発生時の人流データなども蓄積し、ビッグデータ分析を行うことで、より効果的な避難誘導計画の策定などに活用していけるものと考えております。
◆前川隆史 委員 今回の実証実験におけるデータ取得は、人流情報、属性情報が中心となっている、そして、そのために、ビーコン等のセンサーを設置して、その属性に合わせて、観光客や市民の興味、役に立ちそうな店舗情報や観光情報の発信、防災対策等に活用していく予定であり、ビーコンについては、スマートフォンにアプリをダウンロードして、使用条件に同意した人のみが対象となるということでございました。また、タッチセンサーのお話もございました。タッチセンサーを使用して、北2条交差点広場のデジタルサイネージの双方向性を確保し、研究機関や民間企業が北2条交差点広場を使用する際には、カメラセンサーを含むさまざまなセンサーを設置できるようにするということでもございました。そういう意味では、チ・カ・ホはまさにICTのショーケースのような存在となりますが、デジタルサイネージは、ショーケースにふさわしく、市民や観光客にすごいなと注目してもらえるようなものとしていくべきではないかというふうに思います。
そこで、質問ですけれども、平成28年第4回定例会で可決された補正予算ではデジタルサイネージを設置することとなっておりましたが、このデジタルサイネージについて、いつ、どういったものを設置しようとしているのか、お伺いいたします。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 デジタルサイネージの設置について、いつ、どういったものを設置するのかというご質問でございます。
デジタルサイネージについては、北2条交差点広場西側に、60型の横長ディスプレーを縦2面、横6面つなげて、合計12面、縦約1.5メートル、横幅約8メートルのマルチディスプレーとしたものを今月末までに設置する予定です。このデジタルサイネージについては、北2条交差点広場の東側の既存のデジタルサイネージとも連動させて映像を表示することができます。また、マルチディスプレーは、12面全てを一体的に運用して全体で一つの映像を表示できるほか、最大で4種類の映像、静止画を組み合わせて表示することができるようにするものでございます。
◆前川隆史 委員 1日5万人以上が通行するとも言われるチ・カ・ホに1.5メートル掛ける8メートルの巨大なディスプレーが設置されると、大変多くの人の目を引くことになるのではないかと思います。また、ただ一方的に情報を流すだけではなくて、双方向のやりとりを実現しますので、ICT活用のショーケースとして札幌市が最先端のICT活用に取り組んでいることを象徴的にあらわす場所にもなるのではないかというふうに思います。
そこで、最後の質問ですが、デジタルサイネージを具体的にどのように活用するおつもりか、お伺いいたします。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 私どもが設置するデジタルサイネージを具体的にどのように活用するのかというご質問でございます。
デジタルサイネージについては、これまで行ってまいりました創造都市さっぽろの発信空間の役割を引き続き果たしていくとともに、スマートフォンのアプリと連動させて、属性や使用言語に応じた情報ということで、例えば、スマートフォンの使用言語が中国語であれば、中国語の情報を表示、発信できるようにする、また、デジタルサイネージの前に立った人に対して双方向のやりとりを行い、相手の意思表示に合わせて表示する内容を変化させて情報を発信したり、さらには、防災の観点からも緊急情報をより効果的に発信できるようにしていきたいと考えております。
こういったことにより、効果的な情報提供が可能となるとともに、市民や観光客にとって、これまでより有益な情報が得られるものと考えております。
◆前川隆史 委員 今回の実証実験は、最終的には民間施設へ波及させていくことを目標としていると伺っております。今後、民間活力の導入にぜひご配慮いただきながら、力強く事業を進めていただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。
◆伊藤理智子 委員 私からも、地下空間におけるICT活用実証実験事業について質問いたします。
この実証実験事業費5,000万円の予算の特定財源として地方創生推進交付金が2分の1となっています。実証実験を行う目的は、産学と連携した技術革新の創出やビジネスの活性化を図るなどとなっており、内容は先ほど議論がありましたような中身になっています。先ほどカメラ型センサーについては札幌市として行わないという答弁がありましたが、当初、私たちがいただいた資料では人感センサーとビーコンを使っての実証実験だということでした。
そこで、今回、札幌市は、なぜカメラ型センサーを使った実証実験を行わないことにしたのか、まず、その理由をお聞かせください。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 札幌市は、なぜカメラを設置しないことにしたのかということについてでございます。
札幌市としては、今回の地下歩行空間での取り組みにおいて、カメラを含めたセンサーでデータを取得することについてさまざまな検討をしてまいりました。今回、双方向性を確保する手段として、行政が設置するセンサーとしては、カメラではなく、タッチセンサーがふさわしいと判断したところでございます。
◆伊藤理智子 委員 理由になっていないですね。
この間、道新でも報道されましたし、市民の皆さんも、顔認証だと個人情報が流出するのではないかという不安の声が大きく広がってきた中で、予算議会に向けて私たちに出された当初の資料にはカメラ型センサーが盛り込まれていました。しかし、直前になってそうしないとなったことについて疑問を持ったものですからお聞きしましたが、余りはっきりとした理由になっていないなと思います。市民の皆さんは、今回の実証実験において、市民に関する個人情報が本当に保護されていくのかという大きな不安や懸念を抱えていると思いますが、その点についてはどのように認識されているのか、伺いたいと思います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 最初の答弁がわかりづらいということで、大変申しわけございません。
市民が抱いている不安感を解消するために、どのように個人情報を保護していくのかというご質問だと思います。
私ども札幌市では、今回の実証実験において、そもそも個人情報を取得する予定はございません。一方、そうは言いながらも、プライバシー保護というのは非常に重要なことだという考えから、来年度早々になりますが、原則として公開によりまして、プライバシー保護やシステムの専門家から第三者意見をいただきながら万全を期していく考えでございます。
◆伊藤理智子 委員 今回の実証実験では、個人情報はとらず、カメラ型センサーは盛り込まないことにしたということで、移動ルートや滞留状況、年代や性別だけということだと思います。市民にとっては、今回の実証実験ではやらないと言ったとしても、今後は、当初予定していたように、顔認証や市民の体形や好みなどについても情報取得がさらに拡大されていくのではないかという懸念があると思いますが、その点についてはいかがか、伺います。
また、移動ルートや滞留状況、年代、性別の情報は蓄積していくわけですから、そうした情報が漏れることはないと言い切れるのか、悪意を持って盗み取ろうとする者を防ぐことができるのかという懸念もありますが、この点についてはいかがか、伺いたいと思います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 2点あったかと思います。
まず、現在は考えていなくても、今後、収集する情報を拡大していく考えはあるのかということでございます。
今回の実証実験を上回る情報の収集は、当然、現在は想定しておりません。仮に、今回、実証実験で得る情報以上の情報を利用するケースが発生した場合にあっては、当然ながら、先ほど申し上げた第三者意見聴取等々の必要な手続を行っていくべきと考えております。
次に、データプラットフォームから情報を盗むといいますか、悪意を持った人に対して防ぐ手だてはあるのかという質問でございます。
これについても、セキュリティーを含めた情報の管理方法について、先ほど来申し上げておりますプライバシー保護やシステムの専門家から第三者意見をいただき、万全を期していく考えでございます。
◆伊藤理智子 委員 余りよくわからないというか、市民の皆さんは、その答弁を聞いて、じゃ、安心だねとなるのか、私は、ならないな、かえって不安になるなというふうに思います。
そこで、戦略をつくる過程で、「(仮称)札幌市ICT活用戦略」策定検討有識者会議が第4回目まで行われておりますが、私はその議事録を読ませていただきました。その中で、ある委員から、センサーやカメラをチ・カ・ホに設置してという話がありましたが、プライベートなことが筒抜けになるのではないかというリスクや、悪い印象を与えてしまうことを和らげるために、例えば笑顔をセンシングすると。センシングというのはさまざまな情報を計測、数値化することだそうですが、センサーを設置して笑顔をセンシングすれば、きょうのスマイルバロメーターは50でした、きのうから2%アップですみたいに、そこを通るときはみんながにこにこするみたいになれば楽しいし、データをとることが一つのエンターテインメントとして受け入れられるのかなと発言しております。プライベートなことが筒抜けになるというリスクや悪い印象を与えることを和らげたとしても、市民の情報が漏えいするかもしれないというリスクが解消されるとは思えません。初めは、問題ない、楽しい取り組みだと市民に印象づけながら、ビッグデータにどんどんと情報が蓄積されていく懸念は拭えないと考えます。
情報漏えいや悪用される懸念など市民の不安が拭えない状況がある中で、なぜ、札幌市が率先してやる必要があるのか。本来、民間企業がチ・カ・ホで実証実験をやりたいと言ったら、自治体として慎重な対応をとるべきであり、やるべきではないという判断に立つこともあり得る問題だと思います。安全だと言い切れない事業を本市が積極的に推進することは問題だと考えますがいかがか、伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 個人情報保護という観点で、完全ではない状況でこの事業に取り組むことについて問題があると思うが、いかがかというご質問かと思います。
先ほどICT戦略の関係で答弁させていただきましたが、ビッグデータの利活用は、新たな価値の創造や利便性の向上にもつながるという観点から、現在策定中の札幌市ICT活用戦略のイノベーション・プロジェクトとして今回のチ・カ・ホにおける実証実験を位置づけており、そこで積極的に取り組むことにしております。
本実証実験においては、人や企業、情報が集中する都心部に、個人情報に該当しない人流情報や属性情報などのいわゆるビッグデータを収集するセンサーや、双方向に活用できるデジタルサイネージを整備いたしまして、大学等の研究機関や民間企業にも活用していただこうというものでございます。そうすることで、市民や観光客へのサービスや防災機能を向上させるとともに、都心の魅力向上やイノベーションの創出、都心ビジネスの創出による産業の活性化などにつなげていきたいというものでございます。
◆伊藤理智子 委員 私が言っている懸念や市民の皆さんの不安、マスコミが指摘していることなどについて、きちんと答えていただきたいと思います。心配があると言っているのに、メリットや札幌市がやろうとしていることを答えるのでは、議論が平行線でかみ合っていないというふうに思います。
我が党としては、科学技術を否定するものではありませんが、市民の情報が危険にさらされる懸念があることや、本来は民間企業が行うべき取り組みであり、行政が率先して行うべき事業ではないと考えています。巨大企業の市場調査に行政が手をつけるべきではなくて、市場調査は民間の努力でやってきていることですし、民間企業がやるべきことです。本来、実証実験をチ・カ・ホで行いたいと言われたら、自治体として断るのが行政としての役割です。
今回の実証実験では、移動ルート、滞留状況、年代、性別だけになっていますが、今後、さらに顔認証や市民の体形や好みなど対象を拡大していくことが懸念されます。また、ICT活用戦略の中では、チ・カ・ホだけでなく、札幌ドームや大規模な公園、観光スポット、駅等の交通関連施設など、札幌市のあらゆる場所で実証実験を拡大していくことも示されており、問題だと考えます。最も個人情報を守らなければならない行政が、国家戦略の旗振り役となってビーコンなどを設置し、しかも、その情報を民間に渡す実験など、決してやってはならないということを強く求めて、私の質問を終わります。
◆松井隆文 委員 私からは、まず、新幹線ルートに関して質問させていただきます。
さきの代表質問の答弁におきましては、現在、新幹線沿線地域にお住まいの方を対象として、市内地下ルートの検討状況や市の考え方をお伝えする説明会を開催しているとのことでありました。
そこでまず、開催されたこの説明会の概要を伺います。
◎田中 新幹線推進室長 説明会の概要についてでございます。
説明会は、中央区、西区、手稲区の新幹線ルート沿線地域の皆様を対象として、計7回開催し、約400名の皆様に参加いただいたところでございます。説明会では、前回説明会以降の経過や検討中の地下ルートの概略、市街地でのトンネルの工法としてシールド工法を検討していること、地下ルートに対する札幌市の考え方などについて説明いたしました。また、今後、建設主体の鉄道・運輸機構主催で、事業の実施に関する説明会が開催される予定であることをお伝えするとともに、新幹線建設本格化に当たってのご協力を地域の皆様に改めてお願いしたところでございます。
◆松井隆文 委員 では、このたびの説明会では、その地域からどのような質問や意見があったのか、伺います。
◎田中 新幹線推進室長 地域からの質問や意見についてでございます。
説明会では、地下ルート化にご理解を示されるご意見を多くいただきました。一方で、地下ルートになった場合の事業費や事業の詳細スケジュール、用地協議における条件などの用地取得に関するご質問をいただきました。さらには、情報提供を丁寧に行うこと、また、地下水や地下鉄などと新幹線工事の関係に関するご意見、札幌早期開業を求める声なども寄せられたところでございます。
◆松井隆文 委員 ただいまのご答弁にございましたような質問とか意見が寄せられたということであります。
聞くところによりますと、地下鉄東西線を手稲に延伸するに当たりまして、万が一にもこの新幹線ルートが支障とならないのかという質問や不安の声が、手稲区における3回の全ての説明会において寄せられたとのことであります。市民にとっては、それだけ重大な関心事であると言わざるを得ないわけであります。
そこで、質問ですが、新幹線が地下ルートになった場合、市街地ではシールド工法を検討しているとのことでありますが、その工法が地下鉄東西線延伸の際のさまざまなインフラ工事に支障となるような影響を地盤等に与えることがないのか、伺います。
◎田中 新幹線推進室長 シールド工法が地盤に与える影響についてでございます。
シールド工法は、市街地の地下トンネルを掘削する際に採用されている一般的な工法の一つでございます。鉄道・運輸機構からは、シールド工法によって地盤に影響を与えたり、地下におけるさまざまなインフラ工事が困難になることは生じないものと考えていると伺っているところでございます。
◆松井隆文 委員 ただいまご答弁いただきましたように、まさに、地下鉄延伸工事では通路、電気、通信などのさまざまなインフラ工事が必要となります。地下鉄東西線を手稲方面に延伸する際に、新幹線のルートが支障となるような影響はないのかというリスクを想定して、札幌市のほうから鉄道・運輸機構に対してしっかりと確認していることは、とても重要な意味を持っていると思いますし、大変評価するところであります。
地下を掘る工事に伴って、市民にはさまざまな不安が生じることがあろうかと思います。札幌市としても、そうした不安を解消し、想定されるリスクには、今後もしっかりと対応していただくことを求めまして、次の質問に移らせていただきます。
次に、札幌全体の都市計画の観点から、第2次都市計画マスタープランを受けた今後の土地利用について、大きく市街地の内側と外側の二つに分けて順に質問いたします。
まず、市街地の内側について伺います。
国においては、平成26年に都市再生特別措置法を改正し、新たに立地適正化計画を制度化いたしました。この計画は、一定の人口密度の維持を目指す区域を居住誘導区域に、医療、福祉、商業等の都市機能の集積を目指す区域を都市機能誘導区域に設定し、両区域の中で行われる開発を誘導する優遇策を講じられるようにする一方、区域の外で行われる開発については、必要に応じ、市が事前に勧告して区域内への誘導もできるようにするものであります。
この新たな計画制度の創設を受け、札幌市は、昨年3月に第2次都市計画マスタープランとして策定すると同時に、全国に先駆けて新たに札幌市立地適正化計画も策定したところであります。札幌市の立地適正化計画では、中央区一極集中となる人口の偏在を是正すべく、副都心である手稲駅周辺などを含め、地下鉄の沿線などを集合型居住誘導区域に設定するとともに、多くの人が利用する公共施設等の集約を図る区域として都心と拠点を都市機能誘導区域に設定しております。今後はこの新たな計画を受け、事前届け出制度を初めとしたさまざまな土地利用の誘導策を講じ、札幌ならではのコンパクトシティの実現が求められます。
そこで、立地適正化計画の策定から1年を経た現在の取り組み状況について質問いたします。
まず、法に基づく事前届け出の状況について、勧告制度の運用も含めて伺います。
また、届け出制度以外にも、土地利用に関する誘導策を講じているのか、あわせて伺います。
◎八柳 都市計画部長 私から、立地適正化計画の実現に向けた取り組みの状況についてお答えいたします。
1点目の事前届け出制度の運用状況についてでございます。
立地適正化計画策定後、約4カ月の周知期間を経まして、昨年8月1日から届け出を受け付けており、先週末の3月17日現在で届け出件数は68件となっているところでございます。これらの届け出は、集合型居住誘導区域の外で行われている住宅開発等に関するものでございまして、勧告等は行っておりません。
立地適正化計画は、誘導区域外の開発を禁止するものではないという制度趣旨を踏まえまして、私どもといたしましては、事前届け出制度を通じて民間の建築動向を把握するとともに、申請者である市民や事業者には、札幌市の都市づくりの考え方を理解、協力していただく一つのきっかけにしていただくことがまずは重要と考えております。
2点目の事前届け出制度以外の土地利用の誘導策について、何かやっているかというご質問でございます。
第2次都市計画マスタープラン及び立地適正化計画におきましては、地域交流拠点の魅力向上を今後の都市づくりの重要な柱の一つとしているところでございます。そのため、本年1月から、地域交流拠点等開発誘導事業を立ち上げ、容積率の割り増しと補助金を組み合わせて民間の土地利用を誘導し、拠点の魅力向上を図っていくこととしてございます。
◆松井隆文 委員 この事前届け出制度は、誘導区域外の施設立地を禁止するものではなくて、建築動向の把握と計画内容周知の契機として市が捉えているということは、法の趣旨からも妥当なものだというふうに考えているところであります。また、事前届け出の状況にあらわれておりますとおり、集合型居住誘導区域の外側、つまり地下鉄駅周辺以外の地域についても居住ニーズは存在し、これらの地域の生活利便性や交通利便性を確保することも重要であります。
その視点から考えますと、地域交流拠点のみにとどまらない市街地全体を俯瞰した土地利用の誘導策も必要であり、用途地域などの全市的なルールについても、第2次都市計画マスタープラン及び立地適正化計画を受けた見直しが必要であると考えます。
そこで、質問ですが、用途地域について、市はこれまで定期的に見直しを行ってきているとのことでありますが、今後の用途地域の見直しのスケジュール及び進め方について市の考えを伺います。
◎八柳 都市計画部長 用途地域の見直しのスケジュール及び進め方についてお答えいたします。
前回の用途地域の全市見直しは、平成24年に実施したところでございます。委員のご指摘のとおり、都市計画マスタープラン、立地適正化計画を受けた見直しの必要性は認識しているところでございます。そのため、次の見直しにつきましては、平成29年度から30年度の2カ年をかけて行う予定としております。
次に、見直しの進め方についてでございますが、まず、平成29年度に用途地域等の指定に関する運用方針の見直しを進めまして、平成30年度には、新たな運用方針を踏まえて、用途地域等の見直し手続を行う予定で考えております。また、それぞれの段階におきまして、都市計画審議会での議論を経るとともに、パブリックコメント等による市民意見の聴取を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
◆松井隆文 委員 近年、食品製造業などの企業が市外に流出するといった事態とか、インターネットショッピングの普及に伴う物流環境の変化など、工業、流通業を取り巻く課題も生じてきているところであります。
これら工業、流通業は、地域経済の活性化に不可欠な存在である一方、住環境とのバランス、調整が必要であるという性格から、本市の市街地の中では業務適地を探すことが困難であるという側面もございます。今後、用途地域の見直しを進めていくに当たっては、工業、流通業の指定も踏まえて、経済観光局が取り組む予定の実態調査の結果を生かすなど、必要な連携をしっかりと行い、着実に見直しを進めていただきたいというふうに思います。
それでは、次に、市街地の外側、すなわち市街化調整区域の土地利用について伺います。
今後、人口減少社会においては、むやみに市街地を外側に拡大していく時代でないことは理解できますし、調整区域では自然環境や農地の保全が求められていることも承知しております。しかしながら、人口が減少する中でも、なお札幌が活力を維持していくためには、市街地の外ならではの地域特性を生かして積極的に魅力を創造していく視点も必要であると考えます。
市は、昨年3定の代表質問における我が会派の市街化調整区域の土地利用に関する質問に対して、市街化調整区域の保全と活用の方針の見直しを検討していると答弁されておりますが、見直しに当たっては、市街化調整区域の積極的な活用という視点を取り入れ、部分修正ではなく、抜本的な改正を求めるものであります。
そこで、質問ですが、市街化調整区域の保全と活用の方針についてはどのように見直しを進めていくのか、伺います。
◎八柳 都市計画部長 市街化調整区域の保全と活用の方針の見直しの進め方につきましてお答えいたします。
先ほど答弁いたしました市街化区域内の用途地域等の見直しと合わせまして、市街化調整区域の保全と活用の方針につきましても、平成29年度から30年度の2カ年にかけて同時並行で見直しを行ってまいりたいと考えております。
見直しに当たり、市街化調整区域につきましては、自然環境の保全や農林業との調和が求められ、特に慎重な検討が必要であることから、委員のご指摘も踏まえまして、都市計画審議会でさまざまな角度から議論していただくこととして、この議論を経て全体を見直してまいりたいというふうに考えております。市街化区域と市街化調整区域の方針を一体的に見直し、それぞれの地域の特性を生かした土地利用を誘導することによりまして、第2次都市計画マスタープラン及び立地適正化計画に掲げる都市づくりの基本目標の実現を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
◆松井隆文 委員 第2次都市計画マスタープランと立地適正化計画という新しい二つの計画を受けまして、市街化区域と市街化調整区域の土地利用の方針の見直しに同時に着手するという市の姿勢は、評価するところであります。特に、市街化調整区域の保全と活用の方針については、コンパクトな都市づくりの重要性は理解するものの、札幌の活力向上という視点を取り入れ、より積極性を持った方針となるよう抜本的な見直しを重ねて求めまして、私の質問を終わります。
◆かんの太一 委員 私からも、地下空間におけるICT活用実証実験事業についてお伺いいたします。
先ほどから前川委員や伊藤委員からも言及がありましたので、実証実験の内容については省きますが、先ほどありましたように、この実験は、札幌市で現在策定しているICT活用戦略においてイノベーションの創出につながる先進的、分野横断的な取り組みとして位置づけているイノベーション・プロジェクトの一つとして実施しようとするということであります。これまでの札幌市のITの集積や北海道大学など先進的な研究をなさっている大学との連携等を考えても、今回、この実証実験を実効性のあるものにすることは、札幌市の産業の創造性に非常に大きく寄与するものと大いに期待しているところであります。
しかしながら、先ほど来の答弁を聞いていると、プライバシーの保護という点で、やはり、不安を払拭できるようなしっかりとした答弁になっていないのではないかというような印象を持って聞いておりました。私は、基本的に、この事業を実効性のあるものとして進めていただきたいと考えておりますので、プライバシー保護についてしっかりとお答えいただきたいと思います。
まず、最初の質問ですが、どのようにしてこの事業を新ビジネス創出へとつなげていくのか、どういうお考えなのか、お伺いいたします。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 ただいまプライバシー保護の関係のところがわかりづらかったというご指摘をいただきましたが、これは、改めて答弁したほうがいいということでしょうか。
◆かんの太一 委員 改めて、答弁してください。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 まず、ビジネス創出につなげる考えがあるかというご質問についてお答え申し上げます。
この事業は、人や企業、情報が集中する都心部において、人流情報や属性情報などのいわゆるビッグデータを収集するセンサーや、双方向に活用できるデジタルサイネージを整備いたしまして、大学など研究機関や民間企業にも活用していただくものでございます。そうすることで、市民や観光客のサービスを向上させ、都心の魅力向上やイノベーション創出、新ビジネス創出による産業の活性化などにつなげていきたいと考えております。
◆かんの太一 委員 この事業を展開することによって、観光等にも寄与してさまざまな新ビジネスにつながることが感じられました。
札幌市は、他都市に先駆けて情報化構想を策定するなど、ICTを活用した
まちづくりに早くから取り組んできた都市でありまして、今後も積極的に先駆的な事業を推進することで、今後ますます厳しさを増す都市間競争を勝ち抜いていくべきと考えます。都心の魅力向上、イノベーションの創出、新ビジネス創出による産業活性化という大きな目標が達成できるよう、事業を力強く進めていただきたいと思います。
先ほどの前川委員とのやりとりの中で、北2条交差点広場のデジタルサイネージには双方向性を確保するタッチセンサーを設置して、カメラセンサーについては、札幌市としては当面は設置せず、研究機関や民間企業が北2条交差点広場を使用する際に、カメラセンサーを含むさまざまなセンサーを設置できるようにするとの答弁がありました。
そこで、質問ですが、この事業において、当面、札幌市としてカメラセンサーを設置せず、研究機関や民間企業がカメラセンサーを含むさまざまなセンサーを設置できるようにすることとした理由をお伺いします。
また、それらの団体に使用させる場合であっても、プライバシー保護の重要性は何ら変わりありません。
そこで、この場合のプライバシー保護についてはどのようにお考えか、お伺いします。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 まず、札幌市として、カメラセンサーを設置せず、研究機関や民間企業がカメラセンサーを含むさまざまなセンサーを設置できるようにした理由でございます。
まず、本実証実験における札幌市が設置するセンサーとして、相手方の意思を最も確実に把握できるデジタルサイネージのタッチセンサーがよいと判断いたしました。一方、大学等研究機関や民間企業から、研究やイベントなどの目的に応じて、カメラセンサーも含めた必要な機器を持ち込み、設置できるようにしてほしいという要望が寄せられました。取得しようとする情報は多様であり、センサーの性能も日進月歩であることから、研究機関や民間企業は、その目的に応じてさまざまな機器を設置できる備えとすることが、より効果的な情報が得られるものと考えたところでございます。
次に、研究機関や民間企業が利用する場合におけるプライバシー保護の考え方ということでございます。
これらの団体が利用する場合においても、プライバシー保護の重要性は変わらないと認識してございます。したがいまして、カメラセンサーを活用したデータ取得を行おうとする場合は、取得データの使用目的の明示や事前の告知、単にチ・カ・ホを通行する人が写り込むことのないようなカメラの撮影範囲の工夫などの必要な対策が行われるかどうかを確認して、使用の可否について適切に判断してまいりたいと考えております。
◆かんの太一 委員 改めて言うまでもないことですが、センサーで情報を収集するに当たっては、プライバシー保護のための対策を徹底することが極めて重要だと考えます。
コンピューター等のICT技術は、既にブラックボックス化しているため、札幌市がデータ収集方法の使用を決定するに当たって、プライバシー保護上、センサーの配置やプログラムが問題ないかどうかを見きわめるため、専門的、客観的見地からの判断を要するのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、データの収集方法がプライバシー保護上問題ないか、どのように判断しようとしているのか、伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 データの収集方法がプライバシー保護上問題ないか、どのように判断しているのかというご質問でございます。
私どもが設置するセンサーの仕様や情報収集の方法について、現在、その素案を取りまとめている最中でございます。この素案の取りまとめが終わり次第、来年度早々ぐらいになるかと思いますが、原則として公開しながら、プライバシー保護やシステムの専門家から第三者意見をいただく予定です。また、この素案については、市民の皆様からも意見をいただく場面を用意して、それら市民意見を反映させた上で整備内容を決定し、周知、公開していこうという考えでございます。
◆かんの太一 委員 最後に、要望です。
質問の中で、プライバシー保護について重ねて言及いたしました。一部報道でも、その点について懸念があるとの論調で報じられましたが、私としては少し偏りがある報道だと思います。今後は、個人を特定するようなデータ収集ではなく、プライバシーはしっかりと守られているという説明を、より丁寧に市民に対して行うべきと考えます。
ビッグデータの収集、また人工知能の活用などは、第2次産業が脆弱であるという札幌の産業構造を考えた場合でも、新たなサービスや事業を展開する上で大きな力になり得ると私は考えます。この実証実験が札幌の産業創造性に寄与する実効性の高いものとして展開されることを要望して、私の質問を終了いたします。
◆竹内孝代 委員 私からは、地域交流拠点
まちづくり及び総合交通計画について質問いたします。
平成28年3月に策定されました第2次札幌市都市計画マスタープランでは、主要な地下鉄駅、JR駅の周辺で、地域の生活を支える拠点のほか、区役所を中心に、区の拠点としての役割を担う地域を地域交流拠点として位置づけ、人が集まる場所としての魅力を高めることが求められるとしています。さらには、昨年9月には、地域交流拠点等における緩和型土地利用計画制度等の運用方針を策定し、地域交流拠点等において、民間の開発を促進することで機能強化を進める方針を示され、私も、将来的に人口減少が懸念される中、コンパクトな都市を目指す上で地域交流拠点が果たす役割はとても大きいものであると考えます。
そのような中、地元清田区では、これまで熱心に地域の
まちづくりに取り組む方々に支えられ、ことしの11月で分区から20周年の節目を迎えることになりました。区民の間では、今後の
まちづくりに対する期待感がますます高まり、札幌市がさまざまな地域の再開発等の施策を進めている中で、清田区の
まちづくりをどのように考えているのか、なかなか伝わってこないとの厳しいご意見も寄せられているところです。
清田区については、都市計画マスタープランで、最寄り地下鉄駅までのルートを中心に、バスネットワークの形成、地域交流拠点である清田区役所周辺について、バス待ち環境の改善など、公共交通サービスの利便性向上を掲げております。清田区誕生20年という節目に際して、本市は、清田区の現状と課題に着目し、区役所周辺を主要な拠点として、その機能強化に向けて積極的に取り組む必要があると考えます。特に、新年度予算では地域交流拠点
まちづくり指針検討事業費として440万円が計上されておりますので、今後に期待しているところです。
そこで、質問ですが、地域交流拠点という観点から、清田区役所周辺の
まちづくりを推進するため、これまでどのような取り組みをしてきたのか、また、今後どのように取り組むお考えなのか、お伺いいたします。
◎八柳 都市計画部長 清田区役所周辺の
まちづくりの取り組みについてお答えいたします。
まず、これまでの取り組みについてでございますが、清田区の公共交通の主体となっている路線バスの利便性を高めるため、清田区民の方々とワークショップを行い、バス事業者と連携を図りながら、バス待ち環境の改善など利便性向上の取り組みを行ってきたところでございます。
また、今後の取り組みといたしましては、委員のご質問にもございましたが、地域交流拠点等における緩和型土地利用計画制度等の運用方針を策定いたしましたので、ことし1月から地域交流拠点等開発誘導事業の運用を開始しているところでございまして、清田区役所周辺についても対象区域としております。この事業におきましては、快適な歩行空間やにぎわい、交流が生まれる滞留空間の創出等に取り組む民間の開発を、容積率の最高限度の割り増し、事業費の補助などによりまして手厚く支援していくこととしております。さらに、バス停留所に近接して設ける待合空間などの乗り継ぎ移動環境の向上のための取り組みについても支援することとしておりまして、今後、本事業を積極的に
まちづくりに活用する考えでございます。
引き続き、民間の開発等の機会を捉えまして、公共交通の利便性向上に努めるとともに、人が集まる場所としての魅力を高めることを目指していきたいというふうに考えてございます。
◆竹内孝代 委員 今、答弁がありましたが、今後、清田区の区役所周辺が地域交流拠点としてその役割を果たしていくために、今お話がありました民間の開発等の機会を捉えて地域の魅力向上を図ることが重要であると私も考えます。
一方で、そのような動きを誘導していくためには、拠点へのアクセス性を向上させることが必要であり、軌道系交通機関のない清田区においては、地下鉄延伸が果たす役割はとても大きく、また、このことは区民の長年の願いでもあります。区選出5人の市議全員が同じ思いであり、これまで地下鉄延伸の促進期成会とともに、毎年、歴代の市長に要望書を提出してまいりました。
地下鉄延伸に向けて、難しいと考えられる事項は、前回の総合交通計画策定時代の調査からの情報であり、最新の状況を調査するとともに、建設費用や運営試算について、今後はコスト縮減の観点等からもその可能性を検討していくべきと考えます。加えて、今後は、札幌市総合交通計画の見直しが予定され、地下鉄などの公共交通ネットワークを検証することになっており、今回の平成29年度予算案においても、総合交通計画見直し検討費1,800万円が計上されているところです。
そこで、2点質問しますが、清田方面に地下鉄を延伸するとした場合のクリアすべき課題をどのように考えているのか、伺います。
加えて、総合交通計画の見直しにおいて、今後どのように検討を進めていくのか、お伺いいたします。
◎山形 総合交通計画部長 まず、1点目の清田方面に地下鉄を延伸する場合のクリアすべき課題についてでございます。
地下鉄を延伸するためには鉄道事業法による許可が必要であり、開業後おおむね30年で黒字化のめどを立てることが求められることから、採算性を確保することが大きな課題でございます。そのためにも、最も重要なことは多くの人に地下鉄を利用していただくことであり、また、コスト縮減の観点からも考えていく必要があるものと認識しております。地下鉄の建設やその後の営業には多大な費用を要することとなりますことから、事業採算性などを慎重に検討していく必要があるものと考えております。
次に、2点目の総合交通計画見直しにおけます今後の検討の進め方についてでございます。
平成29年度は、行政関係者や有識者、各種関係団体との意見交換のほか、アンケート調査などにより交通に関する課題やニーズを把握し、計画見直しの視点や方向性について検討する予定でございます。また、人口予測や地下鉄、バス等の利用状況をもとに公共交通網の将来需要予測を行うなど、計画改定のための基礎データを整理したいと考えております。平成30年度には、計画改定に向けた協議会を設置する予定であり、その協議会におきまして、公共交通ネットワークの検証などを行ってまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 改めて、さまざまな可能性を検討していくことが重要であると考えております。
札幌市の地域交流拠点づくりの観点から、また、大切な市民の利便性、また、大型商業施設が相次いで建てられ、増加し続ける観光客や近隣市町村との交流、さらには、今後控えている国際競技大会が札幌ドームで開催される観点からも、ますます人や物の交流が盛んになる清田区への地下鉄延伸に向けて、具体的かつ積極的に再検討を始めるべきだと強く求めまして、質問を終わります。
○よこやま峰子 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時8分
再 開 午後3時30分
――――――――――――――
○よこやま峰子 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆小形香織 委員 私からは、代表質問でも取り上げました都心アクセス道路について質問したいと思います。
秋元市長のもとで、具体的に出されてきた創成川通の都心アクセス道路の計画にかかわって、私どもは議会のたびに質問してまいりました。
地下を通せば、総額1,000億円もの費用がかかる事業であります。創成川通の渋滞は、混雑度0.87と4段階ある混雑度の中で最低ランクの混雑度1.0未満であり、深刻な渋滞は発生しにくいこと、少子高齢化と人口減少による交通量減少時代であること、本市が期待される効果としている石狩湾新港からの物流貨物はLNG、液化天然ガスや木材チップなどで都心部に入ってくるものではなく、物流による連携強化の根拠にならないこと、観光客の移動負担の軽減になるという本市の主張の具体的根拠が示せていないことなど、本市はどの質問に対しても明確な答弁を避けたままです。
そのような中で、本市は、1,000万円をかけて、昨年10月に創成川通の機能強化と題したパネル展を実施し、パンフレットの配布とともにアンケート調査を行いました。今定例会の代表質問で、この都心アクセス道路にかかわるアンケート調査について質問いたしました。市長は、賛否を問うアンケートではない、現状に対する課題を把握し、今後の検討の参考にするために行ったもの、自由記載欄の記載があったのは474件で、そのうち、建設に対する疑問や反対の意見は約3割程度と答弁されております。
具体的に質問に入ってまいります。
このパネル展のアンケート調査について質問したいと思いますが、市長が答弁で述べられた474件というのは、アンケートの設問で言いますと、B4の都心アクセス強化についての意見の数のことであると考えます。このアンケートは非常にシンプルなつくりで、最初のAという項目で回答者の属性を知る、そして、Bという項目の1から4が本市が聞きたい設問となっております。いずれも、幾つでもチェックをつけてくださいという複数回答が可能なものとなっています。そのB1からB3の三つの設問にもそれぞれ自由記載欄があり、B1には69件、B2には128件、B3には113件、自由記載欄に意見が書かれておりました。つまり、B4の自由記載欄474件のほかに、B1からB3の自由記載欄を合わせますと784件の記載があったこととなります。
そこで、伺いますが、この784件の意見はどのようなものであったのか、建設を求める意見、中止を求める意見など意見全てをある程度のグループに分けると、どのようなものがどのような形で分布していたのか、それぞれの主なものはどのような趣旨のものであったのか、伺いたいと思います。
◎山形 総合交通計画部長 ただいまのアンケートの結果についてのご質問でございますが、委員のお話のとおり、三つの質問項目には、その他自由記載ということで自由な意見を記入する四つの箇所がございます。その件数は、今、お話がありましたとおり延べ784件ありまして、私どもの数え方でいきますと、建設に対する疑問や反対の意見は3割程度、あるいは、事業に対して賛成と捉えられるような意見は3割程度、残りは分類が難しいさまざまな意見というような結果になっております。
◆小形香織 委員 全体では1,004通の回収数で、そのうち延べ784件の自由記載があったということです。札幌市がつくったアンケートの形態を見ると、多分、本来は必要なところにちょんちょんとチェックだけしていただくつくりのアンケートだったのだろうと思うのです。しかし、わざわざ700を超える数が記載されているところに、私は、市民の積極的な意思表示があったのではないかというふうに思うのです。つまり、市長は賛否を問うアンケートではないとおっしゃいましたが、実際にはそういうふうに多数の意見が記述されています。
このことについて、いかがお感じになっているのか、伺いたいと思います。
◎山形 総合交通計画部長 アンケートの結果についてでございますが、趣旨としては、市長がせんだっての代表質問で答弁いたしましたとおり、都心アクセス強化に期待する効果とか現況道路に感じる課題などを把握して、今後の検討の参考にするために行ったものでございます。
しかしながら、一方で事業費の懸念などさまざまなご意見があったということもまた事実でございますので、今後は検討の進捗に応じて市民に情報提供を行い、ご意見を聞きながら進めてまいりたいと考えております。
◆小形香織 委員 都心アクセス道路をつくることが前提になっている質問がほとんどだという声や、あるいは、市民グループからは、費用対効果を明らかにした上で、本当に必要かどうかを含め、整備の是非について市民意見を聞くことを求めますと、秋元市長宛てに文書による要望も出されております。
また、私も一通り全部読みましたが、やはり、このアンケートの設問そのものに選ぶところがない、設問自体が意味をなさない、あるいは、創成川通よりも36号線の混雑を解消してほしい、また、アクセスを強化しようとしているのだと思いますが、ここは特に問題がない場所だと思いますなど、いろいろと書いてあるわけですね。やはり、本市がつくったアンケートに対しても、これで公平なのかという厳しい目が向けられているというふうに思います。
昨年度は、このアクセス道路にかかわって調査費用約500万円を使い、今年度は1,000万円を使う、そして、次年度の予算にはまた創成川通機能強化検討調査費500万円の予算を組もうとしております。これでトータル2,000万円にもなりますけれども、今度の調査費500万円を使って何をしようとお考えなのか、伺いたいと思います。
◎山形 総合交通計画部長 平成29年度予算500万円の内容のご質問だと思います。
平成29年度は、昨年12月に設置いたしました国、道、市で構成される札幌都心アクセス道路検討会において、構造の概略検討を行うこととしております。札幌市といたしましても、札幌駅交流拠点の
まちづくりを踏まえたバスターミナルなどとの接続に関する検討であるとか、あるいは、市民理解に向けた取り組みも行っていく予定としております。
◆小形香織 委員 これまでも市民からのご意見をいただきながら進めたいとおっしゃっていたので、そうしたことを進めるのは当然かというふうに思いますけれども、しかし、同時に、また調査ですか、いつまでこの調査を続けるのか、調査費だ、検討費だといってどんどん費用をかけ続けるのではないかという疑念も生じます。とりわけ、今回のパネル展で行われたアンケートのように、アクセス道路をつくることが大前提で、反対する立場の人が記入できる欄がない、誘導的なアンケートはやめていただきたいと思います。
同時に、問題は、混んでもいない道路を、あたかも混んでいるかのように見せて、建設が必要だと思わせようとする本市の姿勢にあるのではないでしょうか。実態は、最初に申しましたように、混雑度0.87の最低ランクの混雑度であります。新たな道路は必要ありません。そこにわざわざ新しい道路をつくって車を呼び込み、渋滞を起こす策をとろうとするから、こういう調査、検討が必要になってくるのではないでしょうか。
今、進めている調査、検討というのは、結局、車がふえることを前提にして、渋滞がどの程度になるのかという推計をしているにすぎません。車を呼び込む施策をとりながら渋滞を抑えようなどというのは、本末転倒であります。渋滞が起こらないようにするには、まず、道路をつくらないこと、そして、車から公共交通へと移動手段を切りかえるような策を進めることでありまして、新しいアクセス道路は必要がないということをはっきり申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
◆中川賢一 委員 私からは、都心の
まちづくりに関して、中島公園駅の周辺エリアの今後について、何点かお伺いしたいと思います。
まず、中島公園駅周辺のエリアに関することで、パークホテルの建てかえについてでございます。
これは、所有者である株式会社サンケイビルの事業でございますが、先日、一部の新聞におきまして、この建てかえに伴い、本市はMICE施設を整備する方向でサンケイビルと協議しており、今月中にも方針を発表し、2022年ころの開業を目指しているという内容の報道があったようでございます。
そこでまず、この報道の事実関係について、MICE整備を所管しておられる観光・MICE推進部長に確認したいと思いますが、MICE施設整備に関する現在の検討状況に照らし合わせて、整備場所の検討状況、施設の供用開始の時期、施設の規模感、そういったものについて、それぞれどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
◎森 経済観光局観光・MICE推進部長 MICE施設整備に関する新聞報道についてでございますが、パークホテルを運営するグランビスタホテル&リゾート及び株式会社サンケイビルから、ホテルの建てかえに合わせて国際会議場整備についての提案がありまして、現在、私ども経済観光局、
まちづくり政策局と共同で協議を行っていることは事実でございます。
しかしながら、一部の報道にありますように、年度内に候補地についての方針を発表する状況には至っておりません。また、2022年度ころの供用開始は難しいと認識しているところでございます。
現在、MICE施設整備についての基礎検討を行っておりまして、医学系を初めとする国内学会が大規模化していることを踏まえ、施設の規模については、5,000人以上の学会や国際会議の開催を想定しつつ、周辺の既存施設も活用しながら、1万人程度の会議まで対応することとしたいというふうに考えているところでございます。
これらに対応することを基本としながら、会議の主催者や関係者からのヒアリング調査等も踏まえ、新年度のできるだけ早い時期に候補地についての方針を決定し、来年度中に施設整備の基本計画を策定したいと考えているところでございます。
◆中川賢一 委員 報道されたとおり、サンケイビルとグランビスタのほうからそのような提案があって実際に協議しているけれども、選択肢の一つであって、報道の中で示されたような具体的なことはまだ決まっていないということで確認させていただきました。MICEの施設に関しては、ここ数年、ずっと検討を続けておられて、市内での期待感もございますので、来年度中の基本計画策定という話もございましたが、早急に方向性を打ち出していただきたいということをまず申し上げたいと思います。
私は、昨年の第4回の定例議会の代表質問におきまして、今後、本市がいかに国内外の活力を取り込めるまちとなっていくのか、そのための
まちづくり、特に、都心部分の姿がいかにあるべきかというテーマにつきまして、外貨を稼げる
まちづくりという観点でいろいろ指摘させていただきました。
そういった意味で、今回、MICE施設の整備場所として、報道でも話題になりました中島公園駅周辺エリアでございますが、緑豊かな公園を擁し、歴史的な建物等も多く、自然と文化の薫りが豊かなエリアでありながら、駅前通の終着点という都心の要衝でもあり、薄野にも近いという大変恵まれた貴重なエリアでございます。ところが、札幌市としては、これまで、このエリアにおいて積極的な
まちづくりの展開とか開発の誘導などをしっかりと行っていないようにもうかがえます。しかし、実際には、今お話しさせていただきましたパークホテルの建てかえ以外にも、その道路を挟んだ向かいには、ヤマハセンターの跡地利用という大型の案件もございますし、周辺には、時間貸しの駐車場が無秩序に点在しているなど、民間にとって開発のポテンシャルが非常に高い魅力的な地域であり、都心の
まちづくりの中で重要な役割を果たし得るエリアとして、本市がしっかりとしたビジョンに基づいて向き合っていくべきではないかというふうに考えるわけでございます。
そこで、
まちづくりのほうに戻りまして、次の質問でございますが、都心の
まちづくりの観点からこのエリアをどのように評価しておられるのか、お伺いしたいと思います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 中島公園駅周辺の
まちづくりに関して、どのように評価しているかという内容のご質問でございました。
私どもは、昨年5月に第2次都心
まちづくり計画を策定したところでございますが、この都心
まちづくり計画におきまして、にぎわいの軸である札幌駅前通の南端の中島公園駅周辺を起点として軸の強化を進めていくこととしたところでございます。このエリアには、中島公園はもとより、Kitaraや豊平館、鴨々川、豊平川などなどといった地域特有の資源がございます。また、薄野との隣接性も資源の一つだと考えておりまして、これらの既存資源を生かしてにぎわいと豊かな環境を体感できる都市観光、交流の場の強化を進めていくことは、都心の
まちづくりを進める上で非常に重要であると考えております。このような観点から、中島公園駅周辺地区は、駅前通の南端の起点となる新たな拠点を形成するポテンシャルを有していると高く評価しているところでございます。
◆中川賢一 委員 都心
まちづくり計画の中でと非常にかたい位置づけをお伺いいたしましたけれども、いずれにしても、非常に有望かつポテンシャルのある地域だというようなお話だったと理解させていただきました。
このエリアに関しましては、今後、市が何かをするといっても、公共資産として中島公園がありますものの、実際に開発の対象となりますと民間所有のものが中心でございまして、民間主導の開発にならざるを得ないというふうに考えます。そういう環境の中ではございますが、本市としましても、今後の
まちづくりを考えたときに、中島公園駅周辺のポテンシャルをいかに生かしていくかということで、ビジョンをしっかり持って民間の動向等に適切に関与し、対応していくべきだというふうに考えるところでございます。
そこで、もう1点、質問させていただきますが、今後、民間のプロジェクト等が起きてきた場合に、札幌市としてはどのような誘導や支援があり得るのか、現時点で考え得るものをお伺いしたいと思います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 民間プロジェクトが起きてきた場合、現在どのような誘導支援などがあると考えているのかというご質問でございます。
先ほど拠点形成のポテンシャルを高く評価していると答弁いたしましたが、この拠点形成を図っていくためには、ご指摘にもありましたが、民間による開発の動きを適切に捉え、対応していくことが非常に重要になってくると考えております。そのためには、まずは、第2次都心
まちづくり計画を踏まえまして、札幌市として、中島公園駅周辺の具体的な
まちづくりの方向性について検討を進める必要があると考えております。
その方向性に基づきまして、具体的には、都市再生緊急整備地域の拡大あるいは都市再生整備計画の策定の可能性についても検討を行いまして、民間プロジェクトの動向に合わせた協議、支援に対応していきたいと考えているところでございます。
◆中川賢一 委員 いずれにしましても、市として、地域のポテンシャルにふさわしい方向性、ビジョンを早々に固めて、主体性を持って進めていただきたいと思います。
◆三宅由美 委員 私からは、真駒内駅前地区の
まちづくりについて質問いたします。
真駒内駅前地区については、平成31年度の
まちづくり計画策定を目指して検討を進めていることは承知しています。計画策定後は、駅前地区にある公共施設の建てかえ、再配置をすることになると思われます。真駒内地域の新たな顔づくりとなる計画になるので、魅力的な駅前地区になるよう、しっかりと検討を深めていただきたいと思います。
一方で、地域住民からは、真駒内駅周辺におけるバスやタクシーなど、現状の乗り継ぎ環境の改善を求める声も多く、平成28年第4回定例市議会代表質問におきまして、岩崎議員からも、待合環境を含めた交通結節点としての機能の検討と早期対応を求めたところです。
まちづくり計画の策定に向けた計画をしっかり進めていただくことは重要ですが、例えば、平成23年度に駅前の道警公宅の一部敷地を取得して整備した駐輪場のように、現状の課題や要望に対して迅速に手当てしていくことも必要だと考えております。
駅前地区を観察していますと、タクシーに乗って真駒内駅に来た方はできるだけ改札に近いところでおりたいところですが、駅前はバス乗り場が並んでおり、タクシーからおりる場所がございません。また、駅前の平岸通に関しては、夕方になると送迎の車が列を連ねたり、冬季になると凍結した横断歩道を歩くことになります。特に高齢者や障がい者などは、そのような現状に対して不便や危険をとても感じていると考えられます。そして、つえをついて、歩くのが不自由なお年寄りは、交差点の中にタクシーをとめておりている、それでも危なっかしくて私は思わず手をかしたこともございます。
そこで、質問ですが、タクシーおり場の確保や駅前の駐停車対策、また、歩行環境の整備など、真駒内駅前地区の当面の交通対策に早急に取り組むべきと考えますがいかがか、伺います。
◎八柳 都市計画部長 真駒内駅前地区の当面の交通対策についてお答えいたします。
今後、将来の
まちづくりの方向性を示す
まちづくり計画の検討作業を進めていくと同時に、委員からお話がありましたように、現状の交通課題についても迅速に対応していくことが非常に重要であると認識しております。このため、それぞれの課題につきまして、関係部局や関係機関と協議を行うとともに、地域の方が不便と感じていることを少しでも改善できるように、当面の対策について検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆三宅由美 委員 地域の方からは、やはり、体の不自由な方を乗せて駅まで行くのだけれども、どこでおろしていいかわからない、あるいは、高齢者が本当に困っているのだという声を数多く聞きますので、よろしくお願いいたします。
次に、先ほども触れましたが、真駒内駅周辺は夕方になると多くの送迎車両が停車しています。平岸通に停車車両が並ぶのは、南区の拠点である真駒内駅前の光景として望ましいとは思えず、また、停車する時間が長引けば、交通ルールの面からも決して適切ではありません。
真駒内駅前には、道警公宅の建物が数棟建っておりますが、敷地内には大きな空き地となっている部分もあり、そこを有効活用できないかと思います。数棟建っている建物も、電気がついていないことで数世帯しか入っていないことがわかりますけれども、そういう現状です。場合によっては、道警からその部分を借りる方法もあるかもしれませんが、この用地は、真駒内駅前直近の至便かつ重要な位置にあり、
まちづくり指針においても、将来の公共施設の用地と想定される公共・民活エリアに相当しています。このことから、先行的にこの土地を取得した上で、平岸通沿いの駐停車対策を初めとする当面の活用も図りながら、その先には、この土地を含めた駅前地区一帯における公共施設の再編計画を検討していくことが重要と考えております。
そこで、質問ですが、真駒内駅前地区の
まちづくりを進めていくに当たって、駅前の道警公宅用地が不可欠と考えておりますがいかがか、伺います。
◎八柳 都市計画部長 真駒内駅前の道警公宅用地についてお答えいたします。
南区の拠点である真駒内駅前地区の機能を高めていくに当たっては、地下鉄駅の目の前に位置する道警公宅用地は、非常に重要な土地であると認識しております。このため、当該用地につきましては、委員のご指摘の当面の活用についても考慮しながら、具体的な公共施設等の再配置計画、あるいは事業手法等を検討していく中で見きわめてまいりたいというふうに考えてございます。
◆三宅由美 委員 何点か、要望をお伝えしたいと思います。
真駒内駅前地区の
まちづくりを進めるに当たり、道警公宅用地を重要な土地と認識されているとのご答弁をいただきましたので、今後もその認識に立って
まちづくりに取り組んでいただきたいと思います。
まちづくり指針では、今後、具体化される将来的な取り組みである駅前地区の土地利用再編に加えて、これを先導するものとして、旧真駒内緑小学校のまこまるにおいて既に展開されている当面の取り組みが掲げられています。現在、まこまるには、子どもの体験活動の場であるCoミドリ、それから、ちあふる・みなみ、札幌市立大学COCキャンパス等が入居し、それぞれの事業活動やイベント開催を通じて、多世代交流、南区の地域連携といったにぎわいの創出に取り組んでいるところです。まこまるオープンから2年が経過して訪れる人々も徐々にふえつつあるようですが、以前も要望したように、この施設の位置づけを考えれば、もっと多くの方に利用してもらうことで、より一層のにぎわいが生まれてくると思います。また、各事業者が取り組む
まちづくり活動により多くの地域住民が参加することで、将来の
まちづくりの担い手育成や、
まちづくり活動自体のレベルアップにもつながっていくものと考えます。
そうした
まちづくりの取り組みを続けながら、ただいま質問した交通面や公共施設の再編など、土地利用再編についてもしっかりとご検討いただき、地域と一体となって、駅前地区を中心とする真駒内地域の
まちづくりを展開していくことをさらに期待いたしまして、私の質問を終わります。
◆小口智久 委員 私からは、創成東地区の
まちづくりの推進について質問いたします。
まず初めに、東4丁目線を活用した
まちづくりについて伺います。
創成東地区は、開拓期において、紡績工場などものづくりの場として札幌市の重要な役割を担ってきた地域ですが、工場などの郊外移転や創成川による東西市街地の分断などの影響で、都心にありながらも昔ながらの建物や空き地などが点在し、比較的地価が低廉な地域となっております。近年は、創成川公園の整備による分断要素の解消や、都心回帰の進行など、都心の魅力を享受しているため、質の高いライフスタイルを求める若い世代に人気が高く、人口の伸びが著しいように見受けられます。
札幌市では、平成23年1月に策定したさっぽろ都心
まちづくり戦略以降、創成東地区を都心
まちづくりの重要地区に定め、都心の利便性と人間性豊かなコミュニティーを両立した
まちづくりを目指すこととし、その取り組みを推進しております。また、同戦略以降、創成東地区の
まちづくりを支える重要な東4丁目線をいとなみの軸と位置づけ、市民や来街者の回遊、交流を生み出す魅力的なまち並み形成を進めていくこととしております。
こうした中、このたびの予算案では、創成東地区
まちづくり推進費として、東4丁目線を活用した
まちづくりを進めていくこととしております。
そこで、質問ですが、創成東地区における東4丁目線を活用した
まちづくりとは、どのような取り組みなのか、伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 東4丁目線を活用した
まちづくりとはどのような取り組みなのかというご質問でございます。
創成東地区の地域資源を生かした魅力的な
まちづくりを進めていくためには、創成東地区の地域間を歩いて楽しむことができる
まちづくりを行っていくことが必要だと考えてございます。そのためには、中心に位置する東4丁目線を活用した南北の回遊性を高めるとともに、営みが見える沿道空間の形成を進めることを考えております。こうした通りの実現に向けては、沿道の地権者の皆さんと考え方を共有していくことがとても重要になってまいります。そこで、平成29年度から、東4丁目線沿道の地権者の皆さんとともに、通りと沿道空間の今後のあり方を考える
まちづくり協議会を開催することといたしまして、まずは、大通以北の皆さんへのお声かけから始めていきたいというふうに考えております。
地域の方々とともに、通りと沿道空間が一体となった
まちづくりのあり方の検討を進めまして、魅力的でにぎわいあふれる
まちづくりの実現を図ってまいりたいと考えているところでございます。
◆小口智久 委員 ただいま答弁いただきましたが、歩いて楽しむ南北エリアの回遊性を高めるため、29年度から
まちづくり協議会をつくった上で、通りと沿道が一体となった
まちづくりについて検討していきたいということでした。
そういった
まちづくりの成功例といたしましては、我が会派がさきの代表質問で行ったポートランドの
まちづくりがございます。アメリカ北西部に位置するポートランドは、札幌の姉妹都市でありますが、全米一住みたいまちの各種アンケート結果で上位に選ばれるとのことで、その
まちづくりには学ぶ点が多々あるように思われます。
市長が、昨年9月に視察された折に同行した職員に話を伺いましたが、その魅力的でにぎわいのある
まちづくりには、独自の建築や歩道活用のルールが定められているとのことでした。考え方は、ミクストユース、いわゆる複合利用、そして、ダイバーシティー、つまり多様化ですが、それに従いまして、多様な目的で訪れる人が行き交い、まちが活気づくと聞いております。建物については、上層階が住居スペース、2階から3階がオフィス空間、1階部分は売店やカフェ、ギャラリーなど、まちににぎわいを与える店舗を入れ、その上で1階店舗の前面に大きな窓を設けることを推奨し、各店舗のにぎわいがまちに溶け込むよう図るとともに、道路空間も活用しながら積極的にオープンカフェを設けることで建物や敷地の内外をつなぎ、人々の交流やにぎわいの連続化を図っております。一方で、歩道の活用ルールを定め、人が快適に歩けるような通行空間をきちんと確保することで、まちに人があふれ、魅力と活力に満ちたまち並みの実現に成功しております。私は、これは、先ほどの答弁にありました通りと沿道空間とが一体となった
まちづくりと方向性を一にするものと感じております。
そこで、質問ですが、創成東地区は、ポートランド流の
まちづくりのすぐれた点を札幌に取り入れるためのまさに適地と思いますが、このことについて、市の考えを伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 創成東地区がポートランドで行われているすぐれた点を取り入れる適地ではないかということに関して、どう考えるかというご質問かと思います。
ポートランドでは、まち全体を交流の場として捉え、官民の境なく、にぎわいの連続化を図ることなどにより、人々の暮らしや活動がまちにあふれる魅力的な都市空間の形成に取り組んでいると、私も随行した職員から報告を受けておりまして、委員のご指摘のとおり、創成東地区の
まちづくりの推進に当たりまして、非常に参考になる事例であると考えているところでございます。社会的背景や制度上の違いもございますことから、直ちに札幌市あるいは創成東地区に当てはめることはできないと考えますが、その制度や施策についての調査研究を行いながら、
まちづくり協議会の場などで地権者の皆様にも先進事例としてご紹介していきたいと考えております。
◆小口智久 委員 すぐには取り入れられないということですが、全体を交流の場とするということは同じような考えでございますので、しっかり検討していただきたいと思います。
ポートランドつながりですが、この都市では、さきにお話ししましたミクストユース、ダイバーシティーといった手法で都心部の北にあるパール地区というところを再生させたことがとても有名でございます。これが成功したもう一つのポイントとしては、複合とか多様性ばかりではなく、パール地区と都心部の間にブリュアリーブロックと呼ばれる再開発地域がありまして、都市部とパール地区とのゲートウエー、接続点としてとても大事な役割を担ったと聞いております。
同様に、創成東地区の
まちづくりにおいても、都心部のゲートウエーとなる接続点が重要であり、私は、大通東1丁目街区がゲートウエーの役割を担うものと考えております。大通東1丁目街区を含む創世1.1.1区(さんく)ということでは、既に北1西1街区がリーディングプロジェクトとして佳境を迎えており、それに続く取り組みとして、大通東1丁目街区でも再開発の事業化に向けた検討が進められていると聞いております。大通東1丁目街区は、昨年5月に策定した第2次都心
まちづくり計画において、創成川東西市街地の連携強化や、創成東地区へ都心部のにぎわいなどを波及させる起点として位置づけられており、創成東地区の魅力的な
まちづくりの実現につながるものと考えております。
そこで、質問ですが、創成東地区の魅力的な
まちづくりの実現に向け、大通東1丁目街区のにぎわいをどのように創成東地区に波及させていくのか、考えを伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 大通東1丁目街区のにぎわいをどのように創成東地区へ波及させていくのかというご質問でございます。
創成東地区へのにぎわいの波及につきましては、大通東1街区と接道する創成川以東の大通での取り組みの強化が必要だと考えております。この大通では、既存の大通公園の緑の軸と連携した潤いのある歩行者空間の実現を図ることによりまして、回遊性の向上や都心東西エリアをつなぐ連続性のある空間を目指したいと考えてございます。このため、現在、大通東1丁目街区の空間形成の検討に合わせて、緑空間の充実や歩道幅員の拡幅を行った他都市事例について研究を行っているところでございます。大通東1丁目街区を起点に、生み出したにぎわいにつきましては、この大通や、先ほど答弁した東4丁目線の取り組みなど、創成東地区内のさまざまな取り組みと連携、連鎖を図りつつ、創成東地区内に波及させていきたいと考えてございます。
◆小口智久 委員 最後、私から要望です。
創成東地区の北側で育った私は、学生のころ、都心へ向かう際にはいつも東4丁目線を自転車で走っておりました。交通量も少なく、私にとっては便利だった道ですが、逆に言えば、道が狭く、クランクしている場所があることが難点だったことを覚えております。昔からなじみのあるその思い出の道路が整備され、便利になるということは、当時考えてもみなかったことですので、今から楽しみにしております。
今後は、都心部との接続を適切に行い、魅力的な創成東地区となるよう要望し、質問を終わります。
◆伴良隆 委員 私は、FDA、富士ドリームエアラインズの丘珠−静岡便への対応について伺ってまいります。
現在、丘珠空港の利活用に関する検討会議が、本市はもとより、国や道、経済団体や有識者、そして航空会社なども加わり、丁寧な検討を行っていることを、さきの代表質問で我が会派として取り上げたところでございます。
今さら言うまでもございませんが、丘珠空港や就航先の認知度アップ、交通利便性の向上、空港の各種整備などは、今後も空港の利活用に直結する大変重要な要素でありますけれども、そもそも空港とは、利用客を見込んだ航空会社、つまりエアラインが来てくれなければ元も子もないのであります。こうした中で、幸い、昨年のFDA、丘珠−静岡便が好調だったこともありまして、いよいよ今月の3月26日から毎日運航の週7便となったことは大変喜ばしいことでありまして、FDAの先見性と行動力、そして、地方都市間を結ぼうという熱意に心から敬意を表したいと思います。
しかしながら、FDAは、あくまで民間企業でありまして、収益がなければ撤退せざるを得ず、もしもこのたびの丘珠−静岡便が軌道に乗らなければ、丘珠空港の今後の活性化には絶対に欠かせない頼みの綱がなくなることになります。
そこでまず、質問でありますが、FDAは、昨年の丘珠−静岡便が好調だったことなどにより、新千歳−静岡の5便分も丘珠空港に集約し、この3月からの夏季は週7便にしたことにつきまして、本市としてどのように認識されているのか、伺います。
◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長 週7便の毎日運航化に対する市の認識についてお答えいたします。
丘珠空港につきましては、地域の生活環境を守りながら、使われていない発着枠の活用に向けて路線の誘致を進めてきましたが、その結果、昨年6月に、新規路線である丘珠−静岡線が週2往復で定期便化されたところでございます。6月から10月末までの5カ月間の搭乗率は約7割と好調であったことが、今回の毎日運航化につながり、丘珠空港の持つ潜在力の高さが改めて証明されたものと捉えております。静岡路線が丘珠空港に集約され、毎日運航となったことで利便性がさらに向上し、交流が盛んになることが見込まれ、新たなビジネスや観光などの機会がふえることになるものと認識しております。
◆伴良隆 委員 今の搭乗率のお話で69.9%、約7割でして、新千歳−静岡便は73.7%ですから、遜色がないということでございます。私も、5年ほど前からいろいろと問い合わせをさせていただいておりますが、当時を思い起こしますと、今後の札幌市役所の皆さん方の動きやすさ、あるいは、今のご答弁に象徴されますように状況も大分変わってきたな、よい方向になってきたというふうに思います。
続けて、質問であります。
先ほども申し上げたとおり、搭乗率も大事でありますが、今回は環境基準もクリアしておりますし、市民の理解ということは非常に大切であります。そういう中で、昨年はFDAの便に対してさまざまな取り組みをされてきたと思いますが、丘珠空港の利活用に資するFDAの丘珠−静岡便に対して、本市としてどのような取り組みを行ったのか、伺います。
◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長 昨年の取り組みについてでございます。
札幌市におきましては、まずは路線を知っていただくことが重要であることから、地下歩行空間のチ・カ・ホや地下鉄車内への広告の掲出、各種イベントでの啓発品の配布など、さまざまな媒体を活用して路線の周知に努めてきたところでございます。また、丘珠空港ビルにおきましても、新規就航に合わせまして、搭乗待合室の拡張などの施設整備やホームページのリニューアルなどを実施いたしました。
一方、民間主体の動きといたしましては、北海道と静岡県の経済団体においてサイクルツーリズムを企画し、新たな交流を始めているところでございます。
◆伴良隆 委員 官民が協力してやってきたということでございます。もちろん空港ビルでも施設系のことで頑張っていただいて、HACのご協力もあったように聞いておりますが、総力戦で頑張っていただいた結果がいい数字として出てきて、先ほどのご答弁の潜在力に結びついているわけでございます。
新聞報道等を引き合いに出させていただきますが、当時の丘珠−静岡便について、FDAの専務の久保さんが市長に向けてこのようなお話をされています。丘珠空港は、認知度が低い分、伸び代があり、道民、道外の人にもっと知ってもらい、利用率を上げたい、それから、都心へのアクセスのよさを挙げられ、さらに、新千歳の混雑緩和や利用者の利便性を考え、札幌中心部に近い丘珠に集約したのだというお話でありました。これは、本当に、札幌市といいますか、市役所の言葉を代弁していただいているぐらいのお話だというふうに思います。当然、市長のほうも呼応して、より利用しやすい環境をつくっていきたいということでした。また、空港部署でも、都心部から近い丘珠の利便性の高さをより多くの人に知ってもらう好機だ、そして、札幌
商工会議所と連携して札幌から静岡に向かう観光やビジネス需要を掘り起こしたいと言われておりました。さらに、静岡県の副知事からも、さまざまなスポーツ、ビジネス、観光など、都市間での交流をぜひ進めていきたいというありがたいお話も受けております。
そこで、近々始まるFDAの丘珠−静岡便の週7便ですが、これはわざわざ新千歳から集約しての週7便になりますけれども、本市はどのような取り組みをしているのか、また、今後していくのか、このあたりについてお伺いしたいと思います。
◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長 FDAの週7便の毎日運航に伴う取り組みについてでございます。
昨年の搭乗率は約7割と好調であった一方、FDA利用者の機内アンケートからは、利用者の8割が道外の方であったことが判明しております。このことからも、さらなる利用の促進のためには、まず、札幌市民への路線の周知度の向上を図ることが必要と認識しております。そのため、現在、ことしも継続して札幌市と丘珠空港ビルが共同で地下歩行空間や地下鉄車内に広告を掲出し、毎日運航化をPRしているところでございます。また、3月26日の初便就航時には歓迎対応を行う予定でございます。今後も、引き続き、さまざまな媒体やイベントなどを活用し、継続的に市民への路線周知を行い、さらなる利用の促進につなげてまいりたいと考えております。
◆伴良隆 委員 市でも新聞社でも市民アンケートをされていますが、認知度は必ずしも高くないということでございます。当然、認知度を上げていくために官民でさまざまなPR活動をしていくということで、歓迎のセレモニーもあるようでして、大変よいことだと思います。
搭乗率に関しては当時の目標である65%を超えていて、これはよいことだと思いますけれども、札幌からの利用客にどのように乗ってもらうかという課題もございます。夏季運航は3月から10月いっぱいまでですから、シーズン通しての札幌から静岡までとなりますと、札幌市民の中の認知度が上がっていないこともあって、何か興味を持っていただかないとなかなか難しい部分もあるのかと思います。北海道新聞のアンケート調査の回答でも、知っていれば行きたいとか、航路があれば行きたいとか、価格ももう少し低廉であれば行きたいとあったように、要するにエアラインに来ていただいて、それを市民に知っていただくことが前提だと思うわけでありまして、活性化の検討委員会の有識者からもそのようなご指摘があるようでございます。
ここで、一旦、話題を変えまして、市役所連携はどのようになっているのかということでございます。
私は、1年前に、経済局に対して、北海道内の農水産物は、価値が非常に高いのに、素材がいいのに、どうして粗付加価値が低いのかという質問をして、農水産物にはまだまだポテンシャルがあると指摘させていただきました。その中で、当時の三部農政部長に、せっかくFDAが来るのですから、ぜひ加工物も含めて札幌のいいものを宣伝してくださいと促したわけでございますが、それが現在はどうなっているのか。
きょうは、大変お忙しいところ、万障繰り合わせて長谷川農政部長にいらしていただきました。ありがとうございます。
そこで、農政部長にお伺いしますが、既にFDAと対応されているのかどうかという確認をしてまいります。
やはり、市役所内外で多角的な連携をしっかりやっていただくことが大切です。その中で、付加価値をつけていくということでいえば、都市ブランド、あるいはシティセールス、また、先ほど自治体の交流ということもありましたが、農水産物というコンセプトで考えたときに、丘珠では、既に、空港活性化を目的に、空港ターミナルビルを運営する札幌丘珠空港ビルにおいて、道内各地の農産品や特産品を販売する恒例の産直市を2009年12月から開いております。これは、札幌黄という大変有名なタマネギもございますが、地域の活性化はもとより、丘珠らしさを前面に出したものと思います。
そこで、伺ってまいりますが、本市農産物をもとにしたシティPRなど、FDAの丘珠−静岡便を活用した取り組みとは何なのか、具体的に伺います。
◎長谷川 経済観光局農政部長 本市の農産物をもとにしたこれまでの取り組みと今後の予定ですが、農政部としましては、FDAの丘珠−静岡便就航に当たりまして、丘珠地区周辺で生産されている札幌の伝統タマネギの札幌黄や、それを原料とした加工品の販路開拓に結びつけることで、シティPRあるいは丘珠地区の活性化につなげていきたいと考えているところでございます。これまでも、どのような取り組みができるかにつきまして、行政が仲立ちをしながら、JA、食品加工業者あるいはFDAの営業担当の方を交えて検討、調整を行ってきたところでございます。
検討に当たりましては、実施上の課題も多々見受けられることから、とりあえず可能なことから地道に進めていくこととし、まずは第一弾としまして、3月26日の就航に合わせ、記念品として札幌黄を麺の中に練り込みましたラーメンと、札幌黄のオーナー募集のチラシをセットにして搭乗者に配布することとしております。今後の予定としましては、ことしの札幌黄の収穫、販売がスタートする9月末ごろを見計らいまして販促、PR活動を実施してきたいと考えており、引き続き関係者との調整を進めていきたいと考えているところでございます。
◆伴良隆 委員 今のところはスタートダッシュですが、当然、農産物でございますので、加工も含めて、その生産の時期、あるいは組合との関係もありますから、全てうまくいくということにはなかなかならない部分もあろうかと思いますけれども、農政部として、この機会を捉まえて活用していこう、そして、これを手段の一つとしてやっていこうという姿勢は大変評価できると思っております。また、エア・ドゥなどでは北見のタマネギのスープなどもありますが、皆さんも製品としてご承知のように、札幌黄のスープも非常に人気がありまして、甘くておいしいわけでございます。こうした優位性を生かしてやっていただいている農政部は、本市農業の持続可能な発展を通じて
まちづくりを行うことがミッション、使命でありまして、FDAの丘珠−静岡便をそのための手法の一つとして捉え、模索と取り組みを始めていただいていることは大変すばらしいと思うわけであります。
そういう中で、FDA便への直接的対応は確かに空港担当の役割となりますけれども、丘珠空港は本市
まちづくりの拠点の一つとして組織横断的な重要課題であることから、丘珠空港の将来を左右するこのたびのFDA便に対しては一層の使命感と緊張感が庁内に広く伝わるよう全庁的に努力していくべきであります。
そこで、質問でありますが、空港担当が本市
まちづくりの企画調整部門であることを踏まえ、今回のFDAの丘珠−静岡便の成功に向けて、庁内関係部局とさらなる積極的な連携を進めていく必要があると考えますがいかがか、伺います。
◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長 関係部局との積極的な連携についてでございます。
委員がご指摘のとおり、さらなる利用の拡大のためには、関係部局が連携することが重要だと考え、これまでも協力して取り組みを進めてきたところでございます。具体的には、この春の初便を利用して中国の旅行会社をお招きし、現地視察や体験をしてもらうツアーを組んで新たな観光につなげたり、また、春のFDAの機内誌におきましてサッポロ・シティ・ジャズ、国際芸術祭やPMFを紹介し、文化交流のきっかけづくりを行っているところでございます。
今後も、路線のさらなる利用の拡大に向け、観光やビジネス、そして文化やスポーツなど、さまざまな分野での交流が継続的になされるよう、関係部局が積極的に連携しながら需要創出に取り組んでまいりたいと考えております。
◆伴良隆 委員 昨年も含めて、数年来、非常に順調に進んでいるところだと思います。もちろん、地元の市民の理解というのは非常に重要でありますけれども、FDAを活用したさまざまな取り組みもお伺いしてきました。そしてまた、庁内の連携ですが、私から言われなくても既にやっているというお話でしたので、言わずもがなかもしれません。しかし、10月末にどのような数字になっているかというときに、やはり、札幌市民もそれを非常に盛り上げていたのだということ、また、私たちのまちの空港なのだと自信を持って言えるような状況になっていて、そして、活性化の検討会議がありますが、そこでいい報告ができるような形でぜひとも頑張っていただきたいと思います。
丘珠空港に関する利活用に関しては、各機関相互の丁寧な議論や検討をもとに、丘珠空港の価値と活用の方向について市民や国の理解を得ていくことが大変重要であります。先ほど、あえて皆さん方は空港担当でありながらもと申し上げましたが、ここにいらっしゃる方々は
まちづくりを企画し、調整をする部門でございます。ですから、私は、最も重要なのは丘珠空港を核にした
まちづくりのグランドビジョンを早くつくり上げることであり、それを実行に移す強力なリーダーシップと迅速な行動力が大変必要であると思っております。
こうしたことに行き着くためには、まずはこのたびのFDAの丘珠−静岡便の成功が絶対条件であることを強く意識していただいて、札幌市民全体で盛り上げ、静岡との行き来が進み、昨年以上の成功をおさめられるよう、本市として必死の覚悟であらゆる手段を最大限尽くすように指摘をさせていただきまして、質問を終わります。
◆ふじわら広昭 委員 私は、大通・創世交流拠点の
まちづくりについて質問いたします。
私どもの会派は、昨年の決算特別委員会及び今定例市議会の代表質問において、大通東1街区の空間形成の検討状況について質問しました。さきの決算特別委員会における答弁では、既に2010年、平成22年に創世1.1.1区(さんく)全体の
まちづくり指針が策定されているので、今後、この空間の創出に当たっては、官民連携による再開発事業を基本として検討を進めていく、また、今回の代表質問では、大通公園や創成川公園と空間的、機能的に連携する新たな都市空間の創出を目指すとのことでありました。
最初の質問は、大通東1街区の空間形成についてです。
創世1.1.1区(さんく)における再開発対象面積は、街区内の一部の中通りを含めて合計で約4.2ヘクタールであります。その内訳は、今、開発が進められている北1西1街区では、約1.1ヘクタール、大通西1街区では約1.2ヘクタール、そして、大通東1街区では約1.9ヘクタールとなっております。
現在、この街区には、ご承知のとおり、北海道電力本社等や北海道中央バス専用ターミナルを初め、竹中工務店所有地には劇団四季の劇場があります。同街区の歴史を調べてみますと、北海道電力所有地は、1910年、明治43年から昭和6年ころまで北海水力電気の社屋として、その後、昭和25年ごろまで北海道配電の社屋として、そして、昭和29年には現街区の東側に北海道電力の変電所、それから、昭和31年には同街区の西側に北海道電力の本社社屋ができております。また、北海道中央バス所有の専用ターミナル地域には、1901年、明治34年に日本清酒の工場がありました。その後、不明ではありますけれども、昭和40年ころまでは日本通運札幌支店大通倉庫と千歳鶴商会が存在しておりました。その後、昭和41年には、北海道中央バス事務所と専用バスターミナル用地として使用されておりまして、このように同街区は明治時代から当時の札幌における商業や経済活動の拠点の一つとして発展してきたところであります。
次期再開発対象予定地の大通東1街区に魅力的で活力あふれる都市空間を創出するためには、景観的な観点での検討も重要であり、大通公園やテレビ塔が持つ観光資源の価値を維持・保全していくためにも、建物も含めた大通東1街区全体で考える必要があると言えます。
そこで、質問でありますが、景観やまち並み形成の観点からの大通東1街区の空間形成について、現時点での札幌市の考え方について伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 大通東1丁目街区の空間形成について、現時点での考え方というご質問でございました。
委員のご質問にもありましたが、創世1.1.1区(さんく)におきましては、平成22年に札幌市も含めた地権者で札幌創世1.1.1区(さんく)
まちづくり指針という
まちづくりの考え方を取りまとめております。その中では、大通公園や創成川の親水空間などと調和した景観形成を目指していくことを共有するような内容になってございます。これを踏まえまして、景観やまち並み形成の観点から、札幌市の貴重な観光資源である大通公園やテレビ塔の魅力や価値を高めていくような建物の配置、創成川公園との連携を意識した空間形成をこの街区で目指していく必要があると考えているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 既存の資源を生かしつつ、周辺と調和のとれた
まちづくりを進めることが大切である、特に、大通公園方向の景観については、区域内の北側に建物を配置して、南側に空間的な広がりを持たせるようなイメージが浮かんできますし、そういうさまざまな取り扱いをされていることも報道されております。
そこで、次の質問でありますが、大通東1街区における札幌市の空間形成の考え方を実現するに当たり、今後どのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 空間形成の考え方の実現に向けた今後の取り組みについて、どのように進めるのかというご質問でございます。
ただいま委員からご指摘がありました空間形成のイメージでございますが、現在、
関係地権者の意見も踏まえて検討を進めておりまして、この空間形成の考え方につきましては、平成29年度に策定を予定している再開発推進計画の中に反映させていこうという考えでございます。また、その実現に向けては、建物配置や街区内の区画道路の取り扱いも含めまして、再開発の検討とあわせて進める必要があることから、これにつきましても、地権者との協議を重ねる中で具体化を目指していきたいと考えているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 新年度に再開発推進計画を策定して、その中で、同街区の空間形成について、とりわけテレビ塔とか大通公園の景観を保全していきたいということではないかというふうに理解いたします。
その際に、私は、景観に対する取り組みは周辺街区も含めて考える必要があると思います。特に、大通東1街区に隣接する大通東2街区のかんぽ生命保険所有地は、現在更地の状態になっており、その動向が注目されております。調べてみますと、創成東地区では東2丁目まで都市計画として高さ制限がなされていません。このような状況の中で、大通東1街区に新たな空間を形成しても、大通東2街区の土地利用によっては、札幌の重要な観光資源に大きな影響を与えることも想定されます。
そこで質問ですが、大通東2街区のかんぽ生命保険所有地について札幌市はどのような認識を持っているのか、伺いたいと思います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 大通東2丁目のかんぽ生命保険所有地について、どのような認識を持っているかというご質問でございます。
このかんぽ生命保険所有地につきましては、都心の骨格軸のはぐくみの軸である大通の上にございまして、創成川東西の市街地の連携強化を図る観点から機能的にも空間的にも重要な役割があるものと認識しております。そして、その土地利用に当たりましては、大通東1街区などの周辺街区と連携して、回遊の起点として創成東地区のにぎわいや緑の連続性を生み出す土地利用が望ましいのではないかと考えております。加えて、大通公園からテレビ塔を望む軸線上にある敷地ですので、大通公園からの眺望の確保という観点からも土地利用に配慮が必要だと考えているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 この場所は、都心の骨格軸をなすところであり、今後の都心の
まちづくりを進めていくに当たっても大変重要な場所という趣旨の答弁がありましたが、例えば、テレビ塔の真後ろに超高層マンションなどが立地するようなことになれば、将来の札幌の
まちづくりに大きな禍根を残す結果にならないかと懸念しているところであります。
そこで、最後の質問になりますが、このような懸念に対して、札幌市としてどのように対応しようとしているのか、現時点での考え方を伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 かんぽ生命保険所有地に関して、どのように対応するのかというご質問でございます。
先ほども答弁いたしましたとおり、かんぽ生命保険所有地の土地利用につきましては、大通東1丁目街区と同様に、大通公園やテレビ塔の魅力や価値を高めることに配慮した土地利用のあり方を考えていく必要があると私どもは考えてございます。このため、当該土地への対応につきましては、かんぽ生命保険への働きかけや都市計画による制限の可能性の検討など、取得も含めて、現時点でとり得るさまざまな可能性について検討を進めているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 今後、建物の高さ制限の可能性や取得を含めて働きかけたり相談していきたいということでした。この場所は、先ほど申し上げたように、札幌市の重要な観光・交流資源が集積する大通・創世交流拠点において、既存資源の魅力や価値を維持・保全しつつ、都心における象徴的な空間を創出することが非常に重要と言えるわけであります。今後、同街区及び周辺街区の再開発に当たっては、ぜひ、創成川の東西の一体的な景観やまち並み形成が図れるような、さまざまな可能性を追求した取り組みを求めて、質問を終わります。
◆小須田悟士 委員 私からは、札幌駅の新幹線ホームについて質問いたします。
今、市民の皆さん方は、先ほどの
日本ハムファイターズの新球場と、もう一つ、札幌駅の新幹線のホームはどうなるのだということが関心事でありますので、それについて何点かお伺いいたします。
一昨年から、JR北海道、鉄道・運輸機構、そして、北海道、札幌市の4者の間でいろいろな協議や議論がされております。例えば、現駅案はもちろんのこと、北側はどうだとか、ゼロ番、12番ホームの増設がどうとか、西側に移そうとか、東側に移そうなど、いろいろな案が議論されてまいりました。そして、ことしの2月2日には、鉄道・運輸機構とJR北海道の両者から、北海道と札幌市に対して、乗客の利便性や工事の工期や施工体制などについてもう少し検討を要するとの報告があったとのことでしたが、3月15日に、JR北海道は、東案を断念、現駅で決着する見込みとの新聞報道がでかでかとありました。しかし、翌日の16日には、今度は、JRの社長が記者会見で、現時点で決定したものではないと説明されました。
札幌市としては、従来から、地下鉄などの乗りかえ、利便性やホーム建設費用の抑制などを重要視して札幌駅への併設を求めてきたことは承知しております。また、今後も札幌駅周辺再開発計画を具体的に進めるためにも、現駅案で決着すれば一安心するのかもしれませんが、状況が二転、三転して、市民からはどうなっているのだろうという疑問の声が出ております。
それを踏まえて、2点お伺いいたします。
まず、第1点目の質問は、現駅案決着の報告についてでありますが、現在までにJR北海道、鉄道・運輸機構から報道にあったような内容の報告があったのでしょうか。
また、2点目は、現在、札幌市内の工事について、札幌市の負担額は330億円から350億円とのことでありますが、現駅案となった場合、その負担額はどのようになるのか、その見通しについてお伺いいたします。
また、現駅案では、新幹線ホーム関連のスペースはかなり狭くならざるを得ないという報道であります。仮に札幌市が新幹線スペースを拡張してほしいと言えば、市の全額負担になるのか、あわせてお伺いいたします。
◎田中 新幹線推進室長 ただいまは、JR北海道、鉄道・運輸機構からの報告についてと、札幌市の負担額の見通し及び市が新幹線スペースの拡張を要望した際の負担についてのお尋ねでございます。
昨年10月に、本市と北海道も含めた4者協議の場におきまして、札幌駅のホームの位置の範囲について合意して以降、両者においては鉄道事業に係る専門的な知見から技術的な検討を行っているものと認識しております。その後、ことしの2月には、両者から北海道と札幌市に対し、両案ともに解決すべき課題があり、成案に至るまでに時間を要しているとの報告がございました。しかしながら、3月15日の報道内容を含めて、現時点で両者から成案として取りまとめたという報告はいただいていないところでございます。
また、現時点で現駅案となった場合の具体的な負担額の見通しや、仮に札幌市が新幹線スペース拡張の要望を行った場合の、札幌市の負担がどのようになるかについても、明らかになってはおりません。
◆小須田悟士 委員 明らかにはなっていないということですね。2月以降、報告はないということであり、すなわち、まだ決着はしていないことと思います。
しかし、2030年度末に札幌までの開業を目指すことは既に決まっているわけですから、先ほどからの話にもありましたように、今後、札幌駅周辺におけるさまざまなプロジェクトの事業検討を進める上では、早急にホーム位置を決定することが求められていると思います。
そこで、質問であります。
今後、JR北海道並びに鉄道・運輸機構からの報告の予定はあるのか、伺います。
また、ホーム位置の問題に対して、市としてどう対応していくおつもりなのか、あわせてお伺いいたします。
◎田中 新幹線推進室長 今後のJR北海道、鉄道・運輸機構からの報告予定と市の対応についてでございます。
ことし2月に報告があった際には、なるべく早いうちに取りまとめて報告したいという話でしたが、現時点におきましては、報告時期についての話をいただいてはおりません。札幌市といたしましては、まず、両者にはできるだけ早く成案として取りまとめていただきたいということを今後も引き続き強く求めてまいりたいと考えております。
また、両者の技術的な検討に際しまして、本市が関係する手続などの協議、調整には、引き続きしっかりと対応してまいりたいと考えております。
なお、成案が取りまとめられた段階で、案の内容について、札幌駅周辺の
まちづくりとの整合性を検証した上で、札幌市として必要な意見を述べさせていただきたいと考えております。
◆小須田悟士 委員 要望であります。
札幌駅周辺は、先ほども申しましたが、道都札幌の象徴にふさわしい場所でなくてはなりません。そのためにも、関係者が密に連携し、事業展開するよう切に要望して、質問を終わります。
◆宮村素子 委員 私は、清田区の交通課題について質問いたします。
秋元市長は、この後も公務が重なっていらっしゃる中でのご出席でして、ありがとうございます。なるべく短く終わりたいと思います。
私からは、2点質問いたします。
1点目は、交通渋滞の解消、そして、2点目は、地下鉄の清田方面への延伸です。
市長は、これから公務があるということですので、まず、地下鉄の清田延伸について先に質問したいと思います。
清田への地下鉄延伸につきましては、私たち清田区の市議5名は、清田区発展のかなめとなる中心核形成に不可欠な課題は地下鉄だという同じ考えを持ちまして、延伸を求めてずっと活動してきたところでございます。そして、札幌の地下鉄50キロ構想の残りの2キロメートルは清田区方面への延伸が妥当だと審議会で結論が出て以来、いまだに進展がない状況であります。追い打ちをかけるように、平成23年度の市の総合交通計画策定の事業採算性の検証結果でも黒字化は困難だという認識が出されまして、一歩も前進しない状況で今日まで経過しているところでございます。
しかし、幸いに、一昨年の市長選におきまして、秋元市長は、地域の中心核をつくる必要性から、東豊線を清田区役所付近まで延伸しなければならないと語っておられました。当選後は、採算性のクリアに向け、
冬季オリンピック・パラリンピック誘致に合わせて、開会式、閉会式を行う予定の札幌ドーム周辺の土地利用を考える、国道36号線と羊ケ丘通の間の土地に選手村や
メディアセンターなどを設置し、その後の活用策も含めて検討するといったご発言がございました。それを受けまして、昨年7月、地下鉄東豊線建設促進期成会連合会の牧野会長並びに市議団も冬季五輪・パラリンピック招致に向けた開催計画の中に、東豊線の清田延伸を位置づけていただきたいと強く要望したところでございます。
オリンピックの誘致は、まだ先の見えない状況下にあります。今こそ、時期を逸することなく、早急に地下鉄延伸について検討を加速すべきと考えますが、市長のお考えを伺います。
◎秋元 市長 地下鉄の清田方面への延伸につきまして、地域住民の皆さんが非常に待望されているという思いは、昨年の要望、それからことしの新年会等で、地域住民の皆さんからいただいているところであります。
まちづくりの観点で申しますと、先ほどのご質問にもございましたように、清田区役所方面に向けての地下鉄等の交通環境の整備ということは、
まちづくりの中で重要な視点というふうに考えてございます。一方で、地下鉄延伸につきましては、鉄道事業としての採算がしっかりととれていく、30年で黒字化を明確に示していかなければ認められないという状況がございます。したがいまして、現状の交通需要という中では、営業の黒字化に向けた数字がなかなか出てこないというのが、先ほどのご質問にもありました平成23年の数字だと思います。
また、昨年、
冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けて、札幌市がJOCに対して開催概要の提案をさせていただいた中に、札幌ドーム周辺の土地利用に関しての提案も入れさせていただいているところでございますが、オリンピック・パラリンピックの招致については、2026年について、IOCから具体的なスケジュールがまだ示されていないということがありまして、日本として手を挙げていくのかというところもまだ不透明なところであります。
いずれにしても、札幌市として、
冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けて、今後も具体的な検討を進めていかなければいけないのは事実でありますので、例えば、選手村のあり方などを検討していく中で、将来的な土地利用を見据えながら、黒字化に向けた可能性があるやなしやということについて検討していかなければならないという状況にございます。先ほど答弁させていただきましたように、現時点においてはその状況にはないというところでありますが、引き続き、この検討を進めてまいりたいと思います。
◆宮村素子 委員 オリンピックということに焦点を当てながら、それに関連する土地の利用、それから、集客なども含めて検討しなければならないということで、市長のお考えとしては、総合的にはまだ清田のほうへの延伸という言葉にはならないのだと感じるところでございます。
しかし、近年、地下鉄の乗車人員というのは、大量ではありませんが、ふえてきているという状況があります。また、今ありました
冬季オリンピックに関しては、2026年の五輪の候補都市にスイスのシオン市が手を挙げました。2018年、2020年、2022年と、オリンピックはアジア地域で開催されることが決まっておりますので、2026年の札幌はかなりハードルが高いのではないかと私は思っているところでございますが、新聞報道によりますと、スイスのシオン市の立候補は想定内のことで、札幌は自信があると書かれてあったかと思いますけれども、そうであることをひたすら願うところであります。
私たち清田の住民としましては、地下鉄の延伸については、札幌市での開催がいまだ不透明なオリンピックとリンクさせる一辺倒な方法だけではなくて、清田区の未来図を踏まえて、地下鉄をどこまで延伸するかということを核にしながら、周辺の人口増、また、どのような施設にどの地域からどういう人たちが来るのかといった、公共施設の設置なども含めたまちの核づくりをしっかりとやっていただきたいと思います。例えば、オリンピックがあれば、確かにドーム周辺の集客力が上がります。しかし、清田にこういった施設があるからとなると、清田の人もそこを利用しに来ると思いますし、ほかの地区の人も延伸した地下鉄に乗って清田まで来るようになります。そういった双方の構図がしっかりとしない限り、ドーム周辺の集客力が上がるだけでは、清田に地下鉄を伸ばす理由づけといいますか、採算性というのは非常に難しいだろうと思うところです。
ですから、清田の
まちづくり、中心核づくりにもっと焦点を当て、それをもとにして採算性をクリアする施策も必要だと私は思うわけでありますが、それについていかがか、市長にお伺いしたいと思います。
◎秋元 市長 先ほど答弁させていただきましたように、必ずしもドーム周辺の土地利用のことだけを捉えているわけでありませんが、いずれにしても、鉄道事業としての今の仕組みの中で採算性をクリアするということは、当然、乗車増が見込まれなければいけないことになりますので、さまざまな
まちづくりの視点は当然のことでありますけれども、そういったことを踏まえて、採算性がしっかりと説明できることが延伸のための大きな条件の一つになってくるというふうに認識しております。
◆宮村素子 委員 なかなか前進がありませんが、地下鉄延伸ということは、いろいろな条件があろうとも、市長が公約としていたことでありますし、市長は政治家でもあります。そういった観点から、今、市長に決断が求められていると思います。地下鉄延伸にはいろいろな問題があり、クリアしなければならないことは私たちもわかりますけれども、そこから一歩前進して、今、清田まで地下鉄を延伸するという決断が市長に求められている最大の事案ではないかと思うわけであります。市長の決意をお伺いします。
◎秋元 市長 地域の方々を含めて、皆さんの熱い思いというのは重々承知しております。その上で、クリアしていかなければならない課題については、しっかりとクリアしていかなければならないものでございます。
◆宮村素子 委員 この件につきましては、以上で終わらせていただきますので、市長、ありがとうございました。どうぞほかの公務にお移りいただきたいと思います。
もう1点、清田区の交通渋滞の解消に向けて、2点目の質問をさせていただきます。
先ほども竹内委員がおっしゃっていましたが、私たちの住む清田区は20周年を迎えます。この間、区民主体の積極的な
まちづくり活動を展開してまいりましたし、清田区として子どもにもお年寄りにも優しい安心・安全なまちを形成してきたところであります。近年は、区内における大型商業施設の立地が相次ぎまして、商工産業の振興による地域発展も目覚ましいものがございます。また、隣接する北広島市の大曲地区においても、大型商業施設や工業団地が立地されまして大変な渋滞を来しているところであります。
一方、平成27年4月に札幌新道の延伸区間が開通いたしましたが、周辺の交通状況はさらに大きく変化しておりまして、里塚、美しが丘地区周辺の幹線道路は著しい渋滞が発生しており、私たち清田区民にとってバスの運行や地域住民の日常の移動に多大な影響が出ているところです。今後の清田区の
まちづくりを進めていく大きな観点として、交通渋滞の解消が喫緊の課題となっております。
そこで、質問いたしますが、里塚、美しが丘地区周辺の幹線道路における交通渋滞解消に向けてどのように対応していかれるのか、伺います。
◎山形 総合交通計画部長 ご質問の里塚、美しが丘地区の交通渋滞につきましては、札幌市としても解決しなければならない重要な課題だと認識しております。
これまで、国や北海道などとも連携しながら、周辺の渋滞状況の調査、分析を行い、渋滞箇所に集中する交通をほかの路線に誘導、分散するため、渋滞情報の提供などの取り組みを実施しております。このほか、渋滞する交差点の改良工事などの対策についても検討しているところでございまして、今年度は、羊ケ丘通と厚別東通の交差点の実施設計を行い、平成29年度に改良工事を実施する予定としております。また、ことしの3月30日には、羊ケ丘通の輪厚方面、国道36号までの延伸区間が全面開通となる予定でございまして、これにより国道36号線の渋滞緩和も期待されるところでございます。
今後も、引き続き、関係機関と連携しながら交通渋滞の解消に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◆宮村素子 委員 交通渋滞に関しまして、平成29年度に里塚霊園に向かう交差点部分の改良工事を行うということでありました。とにかく、区民は曜日によっては車では全然出られない状態が続いておりますので、本当に交通渋滞解消となる改良工事を期待して、私の質問を終わります。
◆石川佐和子 委員 私からは、地下空間におけるICT活用実証実験事業と丘珠空港の2点について伺います。
まず、地下空間におけるICT活用実証実験事業について伺います。
私は、この事業に関して、昨年12月9日の総務委員会において、データを収集するに当たっては、プライバシーの保護を徹底することが極めて重要であるという札幌市の認識を確認いたしました。また、市民が撮影されたくない場合のプライバシーの権利を守ることが重要であることから、実証実験では、その手順や実施状況を公表し、市民がカメラなどの存在や稼働の有無を一目でわかるようにするなど、情報公開、情報共有の重要性を指摘してまいりました。
本日、さきに行われた質疑で、この事業の当初の説明とは変わって、カメラセンサーの設置は民間事業者が行い、札幌市は、デジタルサイネージを設置し、カメラセンサー以外の人感センサー、また、ビーコンを通して情報を収集、集積するということでした。これについては質問がたくさん出ておりましたので、重複を避けて内容について伺っていきます。
1点目としては、今、お話ししたビーコンを通して個人の行動情報を得る、あるいは、情報を個人に配信するに当たって、個人の行動履歴を追跡することになると考えますが、どのように行うのか、伺います。
また、昨年の3定の決算特別委員会では、札幌市がデータを具体的に収集、利用するに当たっては、厳格なルールを定め、責任を持って保存、管理するとの答弁がありました。
そこで、2点目は、民間事業者がカメラ等で映像等の情報を収集すると変更しましたが、そのことも踏まえたルールづくりが必要になると考えますけれども、いつ、どのようにして厳格なルールを定めるのか、伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 ビーコンを活用した個人の行動履歴の追跡の関係と、民間事業者がカメラ等で情報を収集することを踏まえたルールは、いつ、どのように定めていくのかというご質問かと思います。
これまで答弁してまいりましたが、本実証実験においては、まず、大前提として、札幌市は個人情報を収集いたしません。個人の行動履歴の追跡をどのように行うかについては、ビーコンを活用することになりますが、スマートフォンにアプリを入れて、使用条件に同意した方についてのみそうした情報をとることになると考えております。
そこで、これまでの伊藤委員あるいはかんの委員のご質問に対して、十分に答弁できていなかったことも含めて、ここで改めて答弁させていただきます。
まず、カメラの設置を前提として取り組みを進めてきたというご認識かと思いますが、私どもの認識としては、カメラも含めたいろいろなセンサーをどのように設置していくかという検討をしてまいりました。そういう中で、カメラを使った情報収集に関して、一部報道もありまして、市民の間で不安感がかなり高まってきていることも我々は認識しました。それから、我々が個人情報ではないと申し上げて、とろうと意図していたいろいろな情報は、カメラを使わなくても、ビーコンあるいはタッチセンサーでとれることがわかったことから、カメラを設置することなく実証実験を行おうという考えに至りました。その点がこれまできちんと答弁できておりませんでしたので、改めて答弁させていただきました。
答弁を続けますが、民間事業者がカメラで情報収集することを踏まえたルールづくりについて、いつかというご質問です。
まず、大前提として、札幌市が設置する各種センサーの使用や情報収集の方法について、繰り返し答弁しておりますけれども、今、素案を取りまとめている最中で、年度内に取りまとめようと考えておりますが、素案を取りまとめたら、来年度早々にも、原則として公開しながら、プライバシーの保護やシステムの専門家の第三者意見をいただき、さらに、市民の皆様にもその内容を公表しながら意見をいただくことを考えております。
そういう中で、大学等の研究機関や民間企業が北2条交差点広場でカメラセンサーを使ったデータを取得する場合には、その取得データの使用目的の明示、事前の告知、単にチ・カ・ホを通行する人が写り込むことのないようなカメラの撮影範囲の工夫などなど、必要な対策が講じられているかを確認した上で、使用の可否について適切に判断していきたいという考えでございます。
◆石川佐和子 委員 今の答弁の中で、一つ確認したいところがあります。
個人情報はとりませんというお話でしたが、それは、カメラでは写しませんということだと受けとめております。ビーコンは、アプリを配信して、そのアプリを自分のスマートフォンに入れた人にのみ対応するということですが、そのビーコンを通して得られた情報は個人情報ではないのでしょうか。その1点をお答えください。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 ビーコンで得られたアプリのデータの取得者は、一義的にはアプリの制作者になりますので、民間が使用許諾を得て取得した個人情報を含む情報ということになるかと思います。私どもが取得するデータは、それらが加工された情報になるものですから、個人情報とはならないと判断しております。
◆石川佐和子 委員 アプリを通して情報を取得し、それを加工するので個人情報に当たらないという理解でよろしいのですか。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 札幌市に提供していただく情報は、札幌市が加工するのではなく、取得した側が既に加工した状態で私どもにいただくことを考えているので、その情報は個人情報には当たらないという考えでございます。
◆石川佐和子 委員 個人情報保護法が改正されて、行政が取得した個人情報に関してのルールが変わったことは承知しており、そのガイドラインにのっとった答弁だと一旦は理解いたしました。また、新年度に、専門家に第三者意見を聴取して厳格なルールづくりをしていくということで、それに向けたスケジュール、内容を答弁していただきました。
札幌市民のICT活用の状況ですが、平成27年度市民アンケートの中に、ソーシャルネットワーキングサービス、いわゆるSNSを利用している人について、10歳代、20歳代は約8割ですが、50歳代でようやく約3割と、便利と言われているインターネットを利用した技術も、市民にはまだなじみが薄いのではないかと思います。また、そのアンケートの中で、市民が力を入れてほしい情報化施策として、第1位は個人情報保護の強化となっており、活用というよりは、情報化そのものに対する懸念が大きいと受け取れます。
そこで、質問します。
個人の行動や個人を追跡した多種で多量な情報の集合をビッグデータと言うのだと思いますが、これを行政が収集して民間活用に提供することは、私は、市民感覚としてはいかがなものかというふうに考えますが、そのご認識について伺います。
また、第三者意見の聴取についてですが、プライバシーや個人情報の保護に関する専門家などが入られるということでした。私は、確かに専門家も重要だと思いますけれども、市民の視点を盛り込むことが重要だと考えますことから、公募の市民もこのメンバーに加えるべきと考えますがいかがか、伺います。
さらに、札幌市として、今回の実証実験事業に対する市民意見は募っていないと思います。ぜひ、意見を募るべきだと思いますが、どのように取り組むのか、あわせて伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 3点の質問があったかと思います。
ビッグデータを行政が民間活用に提供することの認識について、また、プライバシーや個人情報の保護について第三者意見を聞くことに関し、公募委員をメンバーに加えてはいかがかということと、さらに、実証実験に対する市民意見の聴取というご質問だと理解しました。
まず、ビッグデータを行政が民間活用に提供することの認識についてでございます。
これは、ICT活用戦略でも申し上げておりますとおり、ビッグデータの利活用は新たな価値の創造や利便性の向上にもつながることから、現在策定中の札幌市ICT活用戦略のイノベーション・プロジェクト事業として本実証実験を位置づけ、積極的に取り組むこととしているのが札幌市の考え方でございます。
本実証実験事業は、人や企業、情報が集中する都心部に、個人情報に該当しない人流情報や属性情報などのいわゆるビッグデータ―ここで言う属性情報とは、人の情報のうち、個人を特定できない情報として、性別、生年、使用言語などを考えております。この属性情報などのいわゆるビッグデータを収集するセンサーや双方向に活用できるデジタルサイネージを整備いたしまして、大学研究機関や民間企業にも活用していただくものでございます。そのようにすることで、市民や観光客へのサービスや防災機能を向上させ、都心の魅力向上やイノベーションの創出、新ビジネス創出による産業活性化などにつなげていきたいというのが札幌市の基本的な考え方でございます。
それから、第三者意見の聴取に公募委員を加えるべきということについてでございます。
第三者意見は、プライバシー保護やシステムの専門家から、私ども札幌市が設置するセンサーの仕様、情報収集の方法について問題がないかどうかご意見をいただく場ですので、公募委員を募り、加えることは想定しておりません。
また、市民意見については、先ほども申し上げましたが、私どもの素案ができ次第、第三者意見を聞くのとタイミング的に同じになるか、少しずれるか、今のところは見通しが立っておりませんけれども、素案について周知、公表した上で市民意見を募ろうという考えでございます。
◆石川佐和子 委員 市民意見を募るべきということに対して、私は、実証実験について市民意見を募るべきと伺ったのです。しかし、今のご答弁では、ICT活用戦略について周知、公表したときに意見を募ると聞こえました。実証実験についての市民意見を募るお考えはないのでしょうか。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 私の答弁の仕方がまずかったのかもしれませんが、市民意見については、今、私どもが北2条交差点広場等々に設置するセンサー等の仕様や情報収集の方法の素案を固めてから、それを市民に周知、公表した上で意見を募ることを考えていますということで答弁させていただきました。
◆石川佐和子 委員 説明の資料とあわせて、タイムスケジュール的な資料も事前にいただいております。そこには、第三者意見検証に合わせて意見を募るというご説明もいただいておりましたが、そのタイミングで実証実験についての意見を募るという受けとめでよろしいのでしょうか。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 結果として、そういうことになるかと思います。
◆石川佐和子 委員 最初のご認識を伺ったところ、今回、札幌市の考え方は何回も答弁に出てきましたのでよくわかりましたけれども、市民の視点でそれをどう捉えるかということに関しては、残念ながらご答弁がなかったように思います。そういう感覚をお持ちではないのかなというふうに受けとめました。
次の質問に行きますけれども、国や自治体などの公共機関が保有する情報を民間に開放することをオープンデータと言うそうですが、この実証実験は、札幌市が収集、蓄積しようとする情報を提供するに当たっての先行的な取り組みということです。しかし、私は、これまでの質疑を通して、本当にやっていいものかと改めて疑問に思い、慎重に行うべきと考えます。
この事業は、事前の説明では、3年間にわたり、実証実験が始まるのは8月ごろと聞いておりますが、情報の蓄積期間としては後半の1年半も該当します。ICT機器を活用した事業の発展性からいくと、その使用は今示されている方針にとどまらないのではないかというふうに懸念するところです。
そこで、二つ質問いたします。
今回の実証実験を行う中で、札幌市はカメラを設置しないということでした。しかし、現在の実証実験の内容を変更して個人情報の集積を行っていくのではないかと懸念するのですが、どのようにお考えか、伺います。
2点目に、札幌市が実証実験で多種、多量の情報を収集、集積するに当たっては、2次利用や情報漏れなどのアクシデントが懸念されますが、収集、集積した情報をどのように管理していくのか、伺います。
◎高森 都心
まちづくり推進室長 現在の実証実験の内容を飛び越えて個人情報の収集を行っていくことにつながるのではないか、それから、実証実験で得た情報の管理についてはどのようにするのかというご質問かと思います。
繰り返し申し上げますが、私ども札幌市がこの実証実験において取得する情報は、個人情報ではないという認識でございます。また、今回の実証実験を上回る情報の質・量の収集は、今は全く想定しておりません。仮に、今、取得しようとするデータ以外の情報を取得するケースが発生した場合についても、当然ながら、このまま進めるということではなく、その事柄に関して第三者意見聴取及び市民意見募集などの必要な手続を行った上で決めていくべきだと考えております。
次に、実証実験で得た情報の管理についてですが、セキュリティーも含めた情報管理の方法についても、先ほど来申し上げておりますとおり、プライバシー保護やシステム専門家から第三者意見をいただきながら万全を期していく考えでございます。
◆石川佐和子 委員 この質問について、要望を申し上げたいと思います。
実証実験事業は、ICT活用戦略における札幌市ICT活用プラットフォームにつながっていくと思いますが、そうしたつながりがある以上、私は、情報利用の拡大に大変懸念を覚えております。
札幌市はカメラによる情報収集を行わないなど、当初の説明から大きく変更したことについてのご答弁が先ほどありましたが、マスコミや、そのもとになった市民の不安に思う気持ちを受けとめ、こうした変更があったと受けとめました。ICT活用戦略のパブリックコメントでは、実証実験への反対の趣旨でのさまざまな意見が寄せられておりまして、こうした市民の不安は大変大きなものだということをしっかりと受けとめていただきたいと思います。
マイナンバー制度など、個人番号のひもづけによる国の管理、監視が強まっている中、個人情報の収集、集積、提供を行政が行っていくかもしれないということに、多くの市民が不安を抱いている事実があります。個人のプライバシーの権利や自己コントロール権が守られるという確信がない場合、事業を進めることに私は賛成しかねます。個人のプライバシー権をどのように守られるのか、明らかにすることを今後も強く求めたいと思います。
以上で、この質問を終わります。
引き続き、最後になりますが、丘珠空港について質問いたします。
ことしの2月に、北海道と札幌市で構成している丘珠空港の利活用に関する検討会議の中間報告が公表されました。
この検討会議は、丘珠空港の利活用を進めるとして、そのための課題を整理し、今後の検討項目を、一旦、中間報告でまとめ、取りまとめた項目について2017年度に調査、検討し、丘珠空港の役割、将来像や対応を取りまとめると示されております。この間、丘珠空港の滑走路延長につきましては、現時点では延長は考えていないという札幌市の考え方を確認してきたところであります。中間報告におきましても、延長について検討するとは書かれておりません。
しかし、丘珠空港が住宅に囲まれていること、積雪寒冷地にあること、発着枠の制限など、限りある空港としての当然の制約を改善しようと検討するという踏み込んだ姿勢があり、その結果、延長や増便が出てくるのではないかと危惧しております。最も懸念する点は、市民の生命と財産を守るべき札幌市が、地域の生活環境の保全を示しつつも、空港周辺の住民が航空機事故や騒音等に対して根強い不安感を抱いていることを、この中間報告の中で現状認識として示していないようにとれることです。こうしたことから、私は、中間報告は利活用にのみ主眼を置いていると思わざるを得ません。
また、ことしの3月26日から、毎日運航するというFDAの静岡便は、テスト飛行、チャーター便を経て定期便として増便になります。こうしたことを受けて、市民団体が札幌市に対して、3月14日、騒音のみならず、事故の危険性を伴うとして、FDAに定期便の要望をしないことを強く求めるとともに、滑走路延長及びジェット化を行わないよう要望書を提出しております。しかし、札幌市は、この間、FDAに対して継続して要望を行っており、住民は、今回の検討会議を行うことによって、今後、なし崩し的にさらなる増便になるのではと危惧していると聞いております。
そこで、1点目の質問ですが、札幌市は、このような住民の不安の声をどのように受けとめているのか、伺います。
◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長 住民の方々の不安の声の受けとめについてお答えいたします。
FDAの毎日運航化や丘珠空港の利活用に関する検討会議での議論などによって、地域住民の方々より生活環境の悪化に対する不安のお声をいただいたことは真摯に受けとめております。今後とも、騒音調査を行い、環境基準の範囲内であることを確認していくとともに、ホームページや地域への回覧などを通じて丁寧な情報提供を行ってまいりたいと考えております。
◆石川佐和子 委員 私は、住民が不安を感じて、札幌市に対して自分たちの状況を理解してほしいという要望書を提出するたびに、その受けとめを確認させていただくために質問しておりまして、札幌市のお答えは、不安の声を受けとめており、また、情報提供も行って不安の解消に努めるということを確認してきました。しかし、市民が出した要望書で指摘しておりますように、札幌市がこの中間報告を住民に周知せずに国土交通省や防衛省に提出したことは、市民感覚で言いますと、住民軽視であり、これが不信感となっております。中間報告の内容は、滑走路延長の調査を行うなど踏み込んだ内容であり、そもそもの丘珠空港の位置づけさえも変えようとしているのかとの疑念を抱かざるを得ません。
住民が危惧していることは、騒音もそうですが、もう一つに住宅が密集している空港での事故の危険性があります。2013年の決算特別委員会での質問を通して、丘珠空港が住宅地に囲まれている状況を確認してきましたが、空港周辺の太平、百合が原や拓北・あいの里、篠路、栄東、丘珠地区など、この周辺の人口や世帯数を1998年と比較いたしますと、約20年後のことしの1月には人口が19万8,709人となっておりまして、1万6,734人、約9%の増、また、世帯数は9万4,332世帯と、2万5,205世帯、約36%の増加です。2013年よりも人口、世帯数ともにふえておりますから、空港周辺には小学校、幼稚園、病院、老健施設なども多い中で、その上空をジェット機がさらに飛べる環境ではないのではないかと考えるところです。
また、丘珠空港における直近5年間での民間機、自衛隊機の事故状況につきましては、2015年8月に民間機が胴体着陸するという事故がありましたし、自衛隊のヘリコプターからの部品落下が2012年9月、2013年1月に発生しております。2012年の落下物は重さ2グラムのねじ、2013年のときは約12センチ、26グラムの部品ということです。発見はされませんでしたが、市民にとって、特に航路直下の住民の皆さんには命にかかわることで、大きな不安を与えておりました。また、丘珠空港ではありませんが、ことしの1月19日には、新千歳空港で、民間機が滑走路を曲がり切れず、はみ出して雪の積もった草地に突っ込むという重大インシデントとなる事故もありました。
このように、札幌市が空港周辺の住宅化を進める中、住民は騒音や事故などに大きな不安を抱いていることから、これ以上の環境悪化にならないことを常に求めております。この間、札幌市は、丘珠空港のジェット化を断念し、その後、後継プロペラ機導入に向けて、空港周辺の生活環境の保全を図ることを約束した、いわゆる空港整備に係る基本的な考え方、これは、滑走路の全長は1,500メートルとする、また、定期便の運航便数は現在の生活環境を悪化させないことを基本とするなどの5項目でありますが、これを住民合意としております。しかし、検討会議におきましては、滑走路延長など空港整備も含めた利活用策について検討していると聞いておりまして、住民としては、空港整備に係る基本的な考え方を変更するのではないかという懸念を抱いているところです。
そこで、もう1点伺いますが、こうした過去の経緯を踏まえて、札幌市が空港周辺の生活環境の保全を約束した環境基準を守るという空港整備に係る基本的な考え方に変わりはないのか、市の考え方を伺います。
◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長 空港整備に係る基本的な考え方についてでございます。
空港整備に係る基本的な考え方につきましては、定期便の運航便数を航空機騒音の環境基準の範囲内とし、空港周辺の生活環境の保全を図っていくことを確認したものであると認識しており、現在においてもこの考え方に変わりはございません。
◆石川佐和子 委員 きょう申し上げたさまざまなことは、環境基準でははかることができない住民が抱えている不安によるいろいろな提案であります。
要望を申し上げたいと思いますが、丘珠空港は、皆さんもご存じのとおり、防衛省との共用空港で、日米地位協定により有事には米軍が使用できる空港です。2014年に開催された民間主催の丘珠イベントにオスプレイが飛来したことも記憶に新しいことであります。つい先日、昨年12月に沖縄の東海岸で墜落、大破したオスプレイの事故をテーマに集会がありましたが、オスプレイが丘珠に配備されるのではないかという懸念を市民がおっしゃっておりまして、私も市民が本当にそういう不安を抱いていることを改めて実感いたしました。
2018年度からは、陸上自衛隊に17機のオスプレイの納入が始まりまして、陸上自衛隊での運用を見据え、今月10日には、事故原因も明らかにされないまま、相模原演習場で米軍オスプレイによる訓練を行っており、人ごとではないという懸念が増大しております。米軍普天間飛行場に所属のMV−22オスプレイの県外訓練の拡大が進められており、その移転先として道内が対象になる可能性があるという報道もありました。私は、札幌市として、市民が滑走路の延長は日米地位協定によって軍事利用拡大の懸念が強まることを心配していることもしっかりと受けとめていただきたいと思います。
こうした住民の不安の声を重く受けとめ、住民合意をしたとして示されている空港整備に係る基本的な考え方を厳守することを改めて強く求めまして、私の質問を終わります。
○よこやま峰子 委員長 以上で、第4項 都市計画費等の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、3月24日金曜日午後1時から、
子ども未来局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後5時45分...