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  1. 札幌市議会 2016-10-07
    平成28年第一部決算特別委員会−10月07日-02号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成28年第一部決算特別委員会−10月07日-02号平成28年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第2号)               平成28年(2016年)10月7日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  小 川 直 人      副委員長   阿部 ひであき     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美     委   員  細 川 正 人      委   員  小須田 悟 士     委   員  佐々木 みつこ      委   員  小 竹 ともこ     委   員  伴   良 隆      委   員  中 川 賢 一     委   員  松 井 隆 文      委   員  福 士   勝     委   員  ふじわら 広昭      委   員  三 宅 由 美     委   員  長谷川   衛      委   員  山 口 かずさ     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  中 村 たけし     委   員  かんの 太 一      委   員  成 田 祐 樹     委   員  本 郷 俊 史      委   員  國 安 政 典     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  小 口 智 久     委   員  竹 内 孝 代      委   員  伊 藤 理智子
        委   員  小 形 香 織      委   員  池 田 由 美     委   員  平 岡 大 介      委   員  堀 川 素 人     委   員  石 川 佐和子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○小川直人 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  議事に先立ち、審査方法についてですが、質疑者、討論者及び答弁者は起立して発言を行うこと、答弁者は冒頭に職及び氏名を名乗ってから発言を行うこと、なお、同一委員への答弁が継続する場合は最初だけでよいこととします。また、質疑及び答弁は簡潔を旨とし、前置きなどは極力省き、内容の重複等も避けながら、審査日程を予定どおり進めることのできるようご協力をお願いいたします。  それでは、議事に入ります。  議案第1号 平成27年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分を議題といたします。  最初に、平成27年度札幌市一般会計歳入歳出決算中、歳入のうち一般財源、第2款 総務費 第1項 総務管理費中会計室及び財政局関係分、第3項 税務費、第10款 公債費 第1項 公債費、第11款 諸支出金 第1項 財産取得費、第2項 他会計繰出金財政局関係分、第13款 予備費 第1項 予備費、平成27年度札幌市基金会計歳入歳出決算及び平成27年度札幌市公債会計歳入歳出決算について、一括して質疑を行います。 ◆中川賢一 委員  私からは、財政問題における本市の扶助費増加の状況、そして、その要因についてお伺いしたいと思います。  さきの代表質問におきましても、今、隣におります我が会派の松井議員が本市の深刻な扶助費の増加について指摘するとともに、その対応について質問したところですが、昨今の社会情勢や国の制度に基づく部分が多いことなどから、なかなか改善が困難な課題であるというご答弁を市長からいただいております。  そういった現状認識につきましては一定の理解を示さざるを得ないところですが、本市は、扶助費の割合が3割を超えているということで、政令指定都市の中でも下から2番目と、他都市と比べても極めて厳しい状況にあります。そしてまた、この問題は、我が党が目指す一億総活躍社会の実現などとも密接に絡むテーマでもありますので、本日はもう少し掘り下げて議論を行いたいと思います。  今後、高齢化などに伴う社会保障費の増加が避けられない中で社会保障制度を維持していくためには、国、地方ともに並々ならぬ努力、そして取り組みを一体となって行っていく必要があります。本市の扶助費は、既に指摘しているとおり、増加の傾向が続いており、極めて深刻な水準に達しております。例えば、生活保護費などは、リーマンショックを契機に大きく伸び、現在も高い水準にあるところでございます。  そこで、まず最初に、実態の確認から始めさせていただきますが、扶助費の直近10年間の動向とその要因についてお伺いしたいと思います。 ◎小角 財政部長  扶助費の増加の動向と要因についてでございます。  まず、扶助費増加の動向につきましては、扶助費決算額は平成17年度の1,636億円から一貫して増加傾向にあり、10年後の平成27年度は2,803億円と、10年間で1,168億円、およそ7割の増となったところでございます。  扶助費増加の要因についてでございますが、この間、初期におきましては、例えば、平成21年度の扶助費の増160億円のうち、委員からもお話のありましたリーマンショックを背景とした生活保護費の増が110億円を占めるなど、社会経済情勢の影響が大きな位置を占めるものと認識しております。  しかしながら、近年におきましては生活保護費の伸びは鈍化しており、例えば、平成27年度におきましては、扶助費の増130億円のうち、生活保護費による増加は1億円弱にとどまっているところでございます。これにかわる近年の増加要因といたしましては、平成22年度の子ども手当の創設とか、平成23年度の障がい者に対する各種支援の充実、さらには、平成27年度の子ども・子育て支援新制度の実施など、主に児童福祉や障がい福祉分野を中心とした国の制度改正による施策の充実が大きく影響したものと認識しているところでございます。 ◆中川賢一 委員  扶助費は、この10年間、一貫して増加して7割ぐらいふえているというお話でございました。その要因としては、本市特有の事情もあるのでしょうけれども、景気動向や社会情勢の影響が極めて大きいというようなお話でございました。  政権交代後のアベノミクスの取り組みにより、就業者数の増加、そして実質賃金の上昇など、雇用、所得の環境は大きく改善しているところですが、一方で、本市の生活保護費は一貫して高い水準にあります。伸びは少し鈍化しておりますが、まだまだ高い水準にあるのは間違いないところだと思います。  生活保護事務の適切な実施や生活に困窮している方への自立支援に一層取り組んでいくことで、こういった部分の適正化を進めていただける面がまだまだあるのではないかということは指摘させていただきたいと思います。  また一方で、児童福祉や障がい福祉の分野では、国の制度改正に伴いまして、一定程度、施策も充実してきており、その結果、地方の扶助費が増加してしまう面があるのは確かだと思います。  国が目指している一億総活躍社会の実現のためには、今後、こういった分野により一層取り組んでいかなくてはなりませんので、国が必要な制度改正を行って、同時に適切な財政措置があわせて行われていくことも地方としては非常に大きいのではないかと考えます。扶助費のうち、生活保護制度につきましては、国の制度としてある程度確立しているようですが、一方で、代表質問でも取り上げた生活困窮者自立支援医療助成といった施策に対する国の財源措置といったものは、現在のところ、まだまちまちであるというふうに認識しております。  そこで、次の質問ですが、今、挙げた扶助費に対する国の財政措置に関して、その内容と評価についてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。 ◎小角 財政部長  扶助費に対する財政措置についてのご質問でございます。  ただいま委員がお示しされた施策のうち、生活保護につきましては、扶助費の4分の3に対して国庫負担がなされるとともに、残る4分の1についても地方交付税の算入対象となっているところでございます。一方、生活困窮者自立支援につきましては、平成26年度までの生活困窮者自立促進支援モデル事業のときには、全額、国庫補助がございました。しかしながら、平成27年度の生活困窮者自立支援法施行後は、地方負担が生じているような状況になっております。また、医療助成につきましては、地方単独事業でございますが、助成することが医療費の増に波及するという考えのもと、これに伴い、国保への国庫負担金、道負担金が減額されているような実情もございます。  このように、国が新たな制度を導入した部分や、地方にとって負担増要因となっている分野につきましては、国の施策の充実とともに財政措置の改善が必要なところもあるものと認識しているところでございます。 ◆中川賢一 委員  いろいろな施策によってそれぞれの財政事情は異なっている状況であり、また、それに伴って新たな地方負担も発生していくことになります。各自治体の事情に合わせて積極的に単独事業に取り組むことで、かえって国費が減額になる場合があるなど、地方財政の健全化を意識しながら必要な事業を展開していくためには、国の財政措置についてまだまだ改善が必要な点があるというふうに改めて理解させていただきます。  こういった施策の中でも、例えば、医療助成につきましては、先ほどお話がありました国費の減額措置についても、地方の要望などを受けて見直す動きがあると伺っております。国におきましても、地方創生や一億総活躍社会実現の観点からこういった議論を進めておりますので、地方自治体であり、かつ、人口や産業が集積し、指定都市である札幌市が適切な財政措置などを国に働きかけていくべきであると考えますし、さきの代表質問におきましても市長からそういったご答弁を頂戴したところでございます。  そこで、最後に質問させていただきます。  国への働きかけについては、これまでも各部局においていろいろな機会を捉えて行っていると考えますが、財政部門として、財政措置に関する国への働きかけについて、どのような観点で行っているのか、また、今後行っていこうとしているのか、そのあたりについてお伺いしたいと思います。 ◎小角 財政部長  財政措置に関する国への働きかけについてでございます。  本市では、指定都市の一員として、翌年度の国家予算編成や中期的な税財源の拡充など、これまでも幅広いテーマについて継続的に制度要望を行ってきたところでございます。その中におきましては、税財政や大都市制度関係の提案に加えまして、個別の行政分野に関する提案も行っているところでございますが、この中には、生活困窮者自立支援医療助成に対する財政措置の拡充など、国が進める一億総活躍社会を実現する上で本市としても重要だと認識している事項を積極的に盛り込んでおります。今後とも、時宜を捉えた内容で、指定都市が連携してあらゆるレベルで国に対して働きかけを行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  るるお話しさせていただきましたが、本市の場合は扶助費の負担が特に深刻な状況ですので、今後、避けることのできない社会保障費の増加に対して、これまで以上に努力や働きかけをしていくことは極めて重要なのではないかと考えるところでございます。当然、各施策ごとに関係部局が担っていかなければならない部分も大きいとは思いますが、財政部門として国の財政措置に対して連携した提案を行っていくことは、本市の財政健全化はもとより、地方が一億総活躍社会の実現に取り組んでいく上でも大変意義深いことではないかと考えるところでございます。  我々としても引き続き必要な働きかけを行っていきたいと考えておりますので、本市として、より効果的な要望や提案ができますよう、財政当局がリーダーシップをとって活動していっていただくことを求めたいと思います。 ◆かんの太一 委員  私からは、先日の我が会派の代表質問に引き続きまして、財政問題について、4点質問させていただきます。  1点目は臨時財政対策債の状況と認識について、2点目は財政指標の状況と臨時財政対策債が指標に与える影響について、3点目は除排雪経費に対する特別交付税措置について、4点目は今後の財政運営に対する考えについて、順次、質問いたします。  まず、臨時財政対策債の状況とその認識についてお伺いいたします。  平成27年度の市債発行額は809億6,500万円でしたが、そのうち臨時財政対策債の発行額は520億円となり、実に64.2%が臨時財政対策債の発行となっております。臨時財政対策債は、前年度の593億4,200万円よりも73億4,200万円減少したとはいえ、依然として多額の発行であり、平成22年度から年500億円規模の発行額が続き、平成28年度予算においても505億円の予算が計上されているところです。  そこで、質問ですが、臨時財政対策債の残高は現在どのようになっているのか、また、本市として、臨時財政対策債の発行額や残高が多額になっている状況に対してどのような認識を持っているのか、まず、お伺いいたします。 ◎小角 財政部長  臨時財政対策債の状況と認識についてでございます。  臨時財政対策債の残高につきましては、平成27年度末で4,191億円となり、前年度末から326億円の増となったところでございます。また、平成28年度の当初予算を反映させた場合の平成28年度末残高は4,493億円となり、平成27年度末から302億円の増となる見込みでございます。  次に、臨時財政対策債の発行額や残高が多額になっている状況に対する認識についてでございます。  国の厳しい財政状況が続く中で、地方財政の必要額を確保するためにこのような状況になっているところでございますが、地方の財源不足は、本来的には地方交付税の法定率の引き上げによって解消すべきものと考えております。この点につきましては、指定都市共通の要望でございます、いわゆる白本、青本などの要望を通じてこれまでも強く国に対して要望しているところであり、今後とも、他都市と連携を図りながら粘り強く働きかけを続けてまいりたいと考えているところでございます。 ◆かんの太一 委員  ただいまの答弁で、臨時財政対策債の平成27年度末残高が4,191億円ということで、平成28年度の発行額、償還額を予算額で算定した平成28年度末残高は4,493億円となる見込みであるということでした。平成27年度末の一般会計の市債残高が9,906億円ですので、実に約4割が臨時財政対策債の残高となっている状況です。臨時財政対策債地方交付税振りかわりであり、その元利償還額は後年次に、全額、交付税措置されるとはいえ、この状況は憂慮されるべきことと思われるので、今の答弁にあったとおり、国に対して臨時財政対策債の廃止について積極的に働きかけをしていただきたいと思います。  次に、財政指標の状況と臨時財政対策債が指標に与える影響についてお伺いいたします。  財政指標には、自主財源の多さを示す財政力指数や、義務的な経費の一般財源に占める割合を示す経常収支比率に加え、実質公債費比率や将来負担比率といった財政健全化判断比率がありますが、これらの比率は、まさに札幌市の財政状況を客観的に示すものであり、財政運営を行っていく上で留意すべきものと思われます。先ほどの答弁でもあったとおり、臨時財政対策債が多額に及んでいる状況を踏まえますと、財政指標に与える影響が非常に気になるところでございます。  そこで、質問ですが、財政指標の平成27年度の数値と、これらの数値は他の政令指定都市との比較でどうなっているのか、また、こうした数値の状況についてどのように捉えているのか、伺います。  さらに、臨時財政対策債が各種の指標に与える影響についてもあわせてお伺いいたします。 ◎小角 財政部長  財政指標の状況と臨時財政対策債が指標に与える影響についてでございます。  財政指標の数値と他政令市との比較につきましては、平成27年度の本市の財政力指数は0.718となっており、20市ある政令市の中では下位から2番目の位置にございます。また、経常収支比率は91.6%で、上位から5番目という状況でございます。そして、実質公債費比率は4.9%で上位から2番目、将来負担比率は61.8%で上位から7番目という位置を占めているところでございます。  次に、これらの比率の状況についてどのように捉えているかについてでございます。  札幌市は、大都市の中では自主財源が得にくい経済構造にある中で、過度に借金に依存することがないような財政運営に努めてきた結果、財政状況の健全性につきましては比較的良好な数値を保っているものと評価しているところでございます。  3点目に、臨時財政対策債財政指標に与える影響についてでございますが、臨時財政対策債地方交付税振りかわりでありますことから、札幌市の財政の健全性を判断する各種の指標ではその影響分が除かれる形で算出されることとなっておりますので、基本的には指標が悪化するといった影響はないものと考えております。 ◆かんの太一 委員  ただいまの答弁のとおり、各種の財政指標は、他都市との比較において、財政力指数のように余りよくないものがある一方で、実質公債費比率や将来負担比率のように上位に位置しているものもあるとのことでした。また、これらの比率に対しては、自主財源が非常に得にくい経済構造の中においても、過度に借金に依存しない財政運営に努めてきている結果であるとのことでした。さらに、臨時財政対策債は、基本的には各種の指標に影響を与えないとのご説明でした。  しかし、臨時財政対策債も、本市の借金であることに変わりないものです。国から発行可能額を示されるものであり、本市独自の努力だけではどうしようもない面もありますが、臨時財政対策債の状況にも留意しつつ、バランスのとれた財政運営をしていく必要があると考えます。  続きまして、除排雪経費に対する特別交付税措置についてお伺いいたします。  本市の財政力指数は、他政令市との比較で余り高くないとの答弁がありましたが、そのような中でも、市民生活に直結する財政需要には適切に対応する必要があります。本市は、積雪寒冷地の都市であり、除排雪にかかわる財政需要は言うまでもなく大きく、除排雪経費に対しては地方交付税による財政措置がなされています。具体的には、普通交付税において当該団体の標準的な所要額を措置するとともに、実際の所要見込み額が標準的な所要額を超える場合には、特別交付税により措置する仕組みになっているとのことであります。特別交付税は、全国総額がおよそ1兆円ですが、除排雪経費のみならず、災害関連経費や地域医療の確保に要する経費、地域交通の確保に要する経費などさまざまな財政需要に対応するものです。  近年は、地震や豪雨などの災害が多発していると感じておりますが、本年も、4月に熊本地震が発生したほか、8月から9月にかけた四つの台風により、道内を初め、全国各地に甚大な被害がもたらされました。特別交付税全国総額が決まっている中、災害関連経費の所要額が増大することで、除排雪経費に対する財政措置が不十分になることがないか、懸念しております。  そこで、質問ですが、除排雪経費に対する特別交付税の決定状況と災害の多発による影響についてお伺いいたします。 ◎小角 財政部長  除排雪経費に対する特別交付税措置についてでございます。  まず、除排雪経費に対する特別交付税の決定状況につきましては、除排雪経費分の内訳が示されないことから、特別交付税総額となりますが、ここ5年間の決定額としては22億円から31億円の範囲で推移しているところでございます。  次に、災害の多発による影響につきましては、委員のご指摘にもありましたとおり、特別交付税全国総額が決まっている中で、各地域におきましては、災害に対する財政需要が高まっていると認識しているところでございます。しかしながら、他方で、特別交付税は、その年の降雪の状況や災害以外の財政需要といった諸事情を考慮して決定されますことから、災害の多発による影響のみを抽出して推測することは、現状では極めて困難というような状況となっております。  いずれにいたしましても、除排雪経費普通交付税特別交付税を合わせて十分に措置されるべきであると認識しておりますことから、国に対しては、本市の実情をよく説明し、適切な交付税措置がなされるよう求めてまいりたいと考えております。 ◆かんの太一 委員  除排雪経費に対する特別交付税について、他の自治体の災害状況が与える影響を算出することは困難とのことですが、本市における除排雪経費は、まさに市民生活を守っていく大切な経費です。したがって、国に対しては、地震や台風による災害を受けた自治体の復旧費用を確保することはもちろんですが、代表質問の中でも市長から答弁があったとおり、ぜひ、積雪寒冷地である本市の状況についても、財源確保に向けて臨機応変に訴えていただきたいと思います。  最後に、今後の財政運営についてお伺いいたします。  これまでのやりとりのとおり、本市の財政は、臨時財政対策債の増額傾向や各種の財政指標に見える脆弱性、また、全国的な災害が与える除排雪経費等への今後の影響など、見通しがつかない要素が多く散見されます。  そこで、質問ですが、このような中、今後の札幌市の財政のかじ取りをどのように行っていくお考えなのか、ことしの6月に財政局長として就任された中垣内財政局長にそのお考えをお伺いして、私の質問を終了いたします。 ◎中垣内 財政局長  ただいま、委員から、今後の財政運営に対する考えについてのご質問をいただきました。  先ほど来、委員からご指摘いただいておりますが、地方財政をめぐる動向については、本市も含めて非常に厳しいということで、これまでにも増して留意が必要というふうに考えております。例えば、国で策定している経済財政運営と改革の基本方針の中では、歳出と歳入の両面の改革を進めることにしておりまして、地方財政につきましても、歳出の効率化を推進するという観点からの取り組みが進んでいるところでございます。  あわせまして、平成27年度の国の決算におきまして、国税の収入が7年ぶりに予算額を下回りました。かつ、それと基調を同じくして、平成29年度の地方交付税の概算要求におきましても、近年に増して深刻な財源不足が見込まれている状況でございます。こうした動向を踏まえますと、本市の来年度の財政見通しは決して楽観視できるものではないというふうに認識しております。一方で、行政需要のほうですが、公共施設の更新需要といったこともございます。あわせまして、都市の活力や経済の活性化を促す取り組みも必要になってまいりますので、そうした未来の投資も着実に進めていくことが重要と考えております。  したがいまして、アクションプラン2015に掲げた取り組みにつきましては、中期財政フレームに基づいて財政バランスを重視しながら着実に推進していくこととしており、将来に過度な負担を残さないような財政運営に努めることが基本でございます。このような中で、一定の金額枠を局や区の自由裁量に委ねるものを局マネジメントと言いますが、この局マネジメントによる柔軟な事業構築を通じて、アクションプラン策定後の社会経済情勢の変化や喫緊の市政課題についても的確に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます ◆竹内孝代 委員  私からは、財政状況のわかりやすい見せ方、いわゆる財政の見える化について質問いたします。  豊かな市民生活など安定した社会を築いていくためには、税の役割は欠かすことができないものです。したがって、行政としては、市民の方々にご負担をいただいた税金がどのように使われているのか、また、資産の状況や無駄なく効率的に使われているかなど、わかりやすく的確に示し、理解を得ていく必要があります。  私自身、地元である清田区の地域住民の方々との対話の中で、念願の地下鉄延伸や札幌オリパラ招致などについて住民の関心も高く、必ずと言っていいほど話題となる財政問題については理解することが難しいとの印象をお持ちである一方、もっと詳しく知りたいとのニーズも高いと感じているところです。  そこで、質問ですが、本市では、これまでも財政状況をわかりやすく市民の皆さんへ説明するようにさまざまな努力をしているとは思いますけれども、これまでの取り組み状況について伺います。 ◎小角 財政部長  財政状況のわかりやすい見せ方についてでございます。  本市の財政状況を市民の皆さんに対してできる限りわかりやすくお示しするために、札幌市の財政状況を家計に例えたり、あるいは、市債の役割を解説したさっぽろのおサイフという冊子を平成15年度から発行するとともに、あわせて、小・中学校へ出向いて、市税の仕組みや札幌市の財政状況について解説する出前講座を平成23年度から年15回程度実施してきているところでございます。  また、平成9年度決算から企業会計的手法を取り入れた財務諸表を作成しておりまして、普通会計や全会計の貸借対照表や行政コスト計算書のほか、本市の関連団体を含めた貸借対照表や行政コスト計算書も作成して、市のホームページで公開しているところでございます。さらに、事業別の行政コスト計算書なども作成するなど、本市の財政状況や資産の状況、あるいは事業の効率性などをできる限りわかりやすく伝えるための工夫を重ねてきたところでございます。 ◆竹内孝代 委員  我が会派でも推進してきたさっぽろのおサイフのほか、学校への出前講座を開催するなど、さまざまな形で札幌市の財政状況についてお伝えしていることはわかりました。また、約20年前から企業会計的手法を先駆的に取り入れていることは、大変評価したいと思います。引き続き、市民の皆さんにとってなかなか取っつきにくい財政の内容について、よりわかりやすい形で情報提供していただくようお願いいたします。  現在、国においては、地方公会計の整備を促進しており、企業で行われる会計方式を導入し、貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書の4表を作成し、公表することが必要となります。これらの財務書類は、複式簿記、また発生主義により作成するため、減価償却費や退職給与引当金など各種引当金なども計上することから、現在の官庁会計ではなかなか見えにくい行政コストの把握や、資産や負債などのストック情報も一体的に把握することが可能となるものです。このようなことから、現在の単式簿記、現金主義である官庁会計を補完するものとして、財務状況をわかりやすい形で見せることにつながるものと期待されているところです。  先ほどの答弁にもありましたとおり、本市では、既に企業会計的な手法による財務諸表を作成して公表しており、直近でも平成26年度決算版の財務書類をホームページで公表している状況です。その中身を見てみますと、社会資本形成の世代間負担率、また、地方債償還可能年数、受益者負担比率など、多くの指標を求めて他都市との比較を行ったり、また、企業会計も含めた全会計や、出資団体などの関連団体と連結した貸借対照表や行政コスト計算書も作成するなど、かなり細かなものとなっているという印象を受けます。企業会計的な見方は、減価償却費や引当金など、見えないコストも算定することができることが最大のメリットであると思われます。そして、現在、総務省では、全ての地方公共団体に対して、原則として、平成27年度から平成29年度までの3カ年で統一的な基準による財務書類を作成するよう要請し、全国的に公会計改革への取り組みがスタートしたところです。  そこで、次の質問ですが、これまで本市が取り組んできた企業会計的手法による財務書類について、どのように進めてきたのか、また、どのように評価しているか、伺います。  また、現在、国が進めている統一的な基準との違いについても伺います。 ◎小角 財政部長  これまでの財務書類と統一的な基準についてでございます。  現在の財務諸表につきましては、複式簿記、発生主義の考え方を用いて作成しておりますものの、毎年の決算数値から成る決算統計をもとに作成する方式をとっておりまして、統一的な基準による財務諸表に比べて、資産価値の把握の面でまだまだ課題を残していると認識しております。また、本市は、これまで総務省で示す方式によってはいるものの、過去からの経緯の中で全国には複数の方式が存在している状況でございまして、現状では他の自治体との比較は完全にできないといった課題も抱えております。  今後作成する統一的な基準による財務諸表につきましては、固定資産台帳を整備した上で作成することが前提となりますことから、より実態に即した資産価値をあらわす財務諸表の作成が可能となるとともに、全国の他自治体が同じ基準で作成し、公表することとなっておりますことから、他自治体との比較によって、より客観的、定量的な財政運営の評価につながることが期待されると考えているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  現在までの財務書類の状況についてはわかりました。現在の基準は、自治体によってばらばらであったり、固定資産台帳の整備を行っていないことから、なかなか正確な資産の状況を把握できないといった課題もあるということでした。統一的な基準の導入によって、より精緻な把握ができ、適切な評価ができることを期待したいと思います。  最後に、今後整備していくこととなる統一的な基準による財務書類についてお伺いいたします。  先ほどの答弁のとおり、現在作成している企業会計的手法による財務諸表に関しては、できる限りわかりやすい形で分析するなどの工夫はありますが、まだまだ完成した財務書類をホームページで公表することにとどまっていると思われます。総務省が示している地方公会計マニュアルにおいては、統一的な基準による財務書類の活用事例として、将来の施設更新必要額の推計、また、行政評価や予算編成への活用など多くの事例を掲げております。その中には、すぐに取り組むことが難しいものもあるとは思われますが、前向きに検討していくべきものもあると考えます。  今から10年前の2006年度に、公明党が財政の見える化の重要性を訴え、全国に先駆けて複式簿記を導入した東京都では、行政の無駄の削減に大きな効果を上げ、財政赤字からの脱却を図ることができました。まさに、公会計の改革とも言えるものと思われます。  そこで、質問ですが、統一的な基準による財務書類について、本市ではどのような活用方法を考えているのか、お伺いいたします。 ◎小角 財政部長  統一的な基準による財務書類の活用の見込みについてでございます。  先ほど答弁いたしましたように、統一的な基準による財務書類につきましては、他都市比較を行いやすくなる特徴や、資産の総量や老朽化の度合いなどを把握していくことが可能となります。これによりまして、本市の財務状況を他都市と比較、分析することにより、本市の強みや弱みを知り、財政運営に生かすこととか、あるいは、現在の資産の総量や老朽化状況を数値化することで、今後の公共施設の更新需要への把握、対応の検討などにも活用することができると思います。  現在、国においてもその活用方策について研究がなされているものと承知しておりまして、その動向も踏まえながら、さらなる活用の余地があるかどうかや、市民への見える化を進める観点も含めて、新たな基準による財務諸表の活用方法を積極的に検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  行政を行うに当たって、市民の皆さんに税のご負担をいただくためには、行財政に対する住民の信頼が何よりも大切だと思います。本市においても、まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015において、行財政運営の取り組みの中で歳入歳出の改革を進めるとしており、市民の皆さんにご協力をいただき、市民サービスの水準や受益者となる方の負担を見直すものも含まれるとしております。ぜひ、統一的な基準による財務書類に関しては精力的に準備を進めていただき、作成後は、財政の見える化を心がけ、市民の皆さんへわかりやすく公表するとともに、本市としても、事業の適正な評価と無駄の削減等の効果のために有意義に活用していただくことを求めて、質問を終わります。 ◆伊藤理智子 委員  私からは、本市発注工事に携わる労働者の適切な労働環境の確保について質問いたします。
     建設現場で働く技能労働者の適切な賃金水準の確保について、国土交通省は、毎年、各都道府県と政令指定都市に通知を出しています。国は、ダンピング受注の激化による賃金の著しい低下や、これが原因となって技能労働者が不足し、入札不調が発生していることなどの理由から、この間、建設労務単価を大幅に引き上げてきました。現在、全国では、非正規雇用の拡大などにより、年収200万円以下のワーキングプアが1,000万人を超え、そのことが消費を落ち込ませて景気悪化を招いており、本市経済にとっても大きな問題であると考えます。また、こうした低賃金の広がりの中で、本市でも、多くの若者が、札幌市内で働き、生計を立てていく展望が持てずに、道外へ流出することにもつながっています。  こうしたもとで、本市が発注する工事に携わる労働者の賃金について、下請の末端に至るまで設計労務単価に見合ったものに引き上げていくことが極めて重要になっていると考えますがいかがか、本市の認識について伺います。 ◎前川 工事管理室長  公共工事設計労務単価の引き上げに見合った賃金の引き上げについてでございます。  公共工事設計労務単価は、農林水産省及び国土交通省の2省が合同で、毎年、公共事業に従事する労働者の地域別賃金を職種ごとに調査し、公共工事の積算に用いるものとして決定しております。したがいまして、設計労務単価は、本来、建設労働者に支払われる賃金を定めたものでございますことから、賃金の引き上げは適正に取り扱われるべきものと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  本市では、毎年、元請下請関係実態調査を行っています。2015年度の調査では、元請50社、下請500社に無記名のアンケートを郵送して、契約の方法や雇用関係、下請代金などについて調査を行っております。  2015年度から新しい項目として賃金について調査しておりますが、技能労働者の賃金の引き上げについて、元請企業の回答では引き上げたが45.8%となっていますが、この割合についてどのように受けとめているのか、伺います。 ◎大関 管財部長  平成27年度の元請下請関係実態調査のうち、技能労働者の賃金の引き上げに関する調査結果についてでございます。  元請企業のうち、45.8%が引き上げたと回答しておりますが、対象となる技能労働者がいないと回答した元請企業が33.3%ありますので、これらを除きますと、68.8%が賃金を引き上げたと回答しているところでございます。また、これに、引き上げていないけれども、今後引き上げる予定であると回答した元請企業を含めますと、90.6%が賃金を引き上げた、あるいは、引き上げていないが、今後引き上げる予定であるという回答となっております。一方、下請企業につきましても同様に算出いたしますと、86.3%が賃金を引き上げた、あるいは、引き上げていないが、今後引き上げる予定であると回答しております。今回の調査結果につきましては、元請企業及び下請企業の約9割が賃金の引き上げに前向きであるという認識を持っているところでございます。  今後とも、実態調査を継続していく中で、元請企業や下請企業が適切に賃金を設定しているかどうか、実態の把握に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆伊藤理智子 委員  国は、技能労働者の育成確保には適切な水準の賃金の支払いが極めて重要であるとの観点から、設計労務単価を、2012年度以降、4年間で34.7%と大幅に引き上げています。安定した雇用で本市で働き続けるためには、労働条件を改善していく取り組みが喫緊の課題だと考えます。  この間、本市として、賃金の引き上げに向けてどのような取り組みをしているのか、伺います。 ◎前川 工事管理室長  公共工事設計労務単価の引き上げに見合った賃金の引き上げに関する市の取り組みについてでございます。  国は、賃金調査に基づく設計労務単価の上昇に伴い、平成26年度の新労務単価から速やかに設計金額に反映することを目的に、毎年、適用開始日を年度開始前の2月1日に前倒す取り組みを始めたところでございます。本市におきましても、国と同様に、平成26年2月から引き上げられた労務単価の早期適用を実施しているところでございます。また、本市の入札に参加する全ての企業に対して、定期的に指導文書を送付して、建設労働者に支払う賃金について適切に対応するよう要請しているところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  北海道は、毎年秋に下請状況等調査を行い、道が発注する公共工事で働く技能労働者の積算賃金が公共事業設計労務単価を1円でも下回った事業者に適切な賃金の確保を要請しています。この調査では、9月から11月の道発注の工事の中から対象工事を抽出し、元請と下請についても対象として、面接によって工事ごとに職種と積算労務単価、人工などの記入を求める積算労務単価報告書を提出させております。  2015年度のこの調査では、325社のうち249社が設計労務単価を下回っていたため、道は改善等を行うように指導しております。また、函館でも、元請に積算労務単価報告書を提出させ、設計労務単価と比較して10%以上の乖離がある工事などを対象に、元請及び下請に対して、契約締結方法や下請代金の決定方法、労務単価の設定などを確認するための調査票の提出を求めています。その結果、確認の必要がある場合には、下請に聞き取り調査を実施して、指導が必要となる事案が発生した際には改善を要請し、その後の改善確認も行っていると聞いております。  本市としても、道や函館のような具体的な対策を行っていくべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎大関 管財部長  積算労務単価の確認についてでございます。  札幌市では、入札執行後、落札候補者に設計図書に基づく工事費等積算内訳書の提出を求めて、適正な積算に基づく入札であるかどうかを確認した上で契約を締結しているところでございます。これまでの入札では、落札候補者は、労務費が含まれている直接工事費について、本市の設計金額の9割以上を計上して入札価格を設定しているケースがほとんどであり、設計労務単価と乖離のない単価で積算しているものと認識しているところでございます。  しかしながら、今後とも、北海道を初め、他の自治体の事例を参考としながら、現場労働者の労働環境の向上に資する取り組みを検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  先ほど昨年から元請下請関係実態調査に賃金の項目を追加したとお話ししましたが、これ自体は、今後、賃金についても具体的に把握するということで、大切なことだと思います。  しかし、引き上げたか、引き上げていないかだけの質問では、具体的な聞き方ではないため、1,000円の賃上げでも100円の賃上げでも引き上げたことになってしまいます。少なくとも、どの程度賃金が引き上がったのか、設計業務単価に見合ったものなのかを判断ができるような項目に改善する必要があると思いますがいかがか、伺います。 ◎大関 管財部長  元請・下請関係の引き上げの調査項目の追加についてでございます。  元請下請関係実態調査に新たに賃金に関する調査項目を設定したのは平成27年度からでありまして、賃金の引き上げについて調査したところ、先ほどご説明したとおり、元請企業と下請企業から比較的良好な回答をいただいているところでございます。  これに加えて、さらにより詳細な賃金調査項目を追加することにつきましては、調査にご協力をいただく企業側の負担なども考慮しながら、慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆伊藤理智子 委員  先ほど、低賃金の広がりの中で、本市の若者が、市内で働き、生計を立てていく展望が持てず、道外へ流出することがないように、安定した雇用で働き続けられる賃金を確保していくことが非常に大切になっているということをお話しさせていただきました。本市として、働き続けられる賃金を確保するために何ができるのか、北海道や函館市のような取り組みも参考にして前向きに検討していただきたいと思います。本当に安心して働き続けられ、流出していかないように、札幌市での建設業者の皆さんの技能が本当に確保されていくことを進めていく立場に立って、こうした取り組みについても調査していっていただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、入札契約制度の改善について、3項目質問いたします。  1項目めは多様な入札方式、総合評価落札方式と成績重視型について、2項目めは社会保険等の未加入対策について、3項目めは工事の最低制限価格の改善についてです。  決算議会ですので、具体的な質問に入る前に、平成27年度の札幌市における全会計の公共工事の発注状況を決算ベースで見てみますと、入札件数は1,311件、契約金額は約858億円、平均落札率は89.94%となっております。特に工事量の多い土木工種のみでは、平均落札率は88.6%となっております。  発注内訳件数は、1,311件のうち、WTO案件の入札が4件、残りの1,307件は制限つき一般競争入札となっております。この制限つき一般競争入札のうち、価格より品質確保等を目的とした総合評価方式は76件、成績重視型は190件、一般案件が残りの1,041件となっております。  また、同年度の工事部門のくじ引き入札状況は、発注件数1,311件のうち539件、発生割合は41.1%、このうち最低制限価格でのくじ引き入札件数は507件、39%になっております。くじ引き発生割合の工種別推移を調べてみたところ、平成23年度から平成27年度までの5カ年で比較してみますと、土木では当時31.6%であったものが62.9%、下水道では23.2%が44.2%、舗装では39.1%が87.5%、この3工種では5年間でそれぞれ約2倍になっております。一方、造園では、2.4%であったのが70.5%と29倍になっており、建築を除く主要6工種でくじ引き入札の発生割合が年々高くなっていることは既にご承知のことと思います。  同額によるくじ引き入札の発生要因としては、企業の積算精度の向上や行政側の積算単価の公表など、さまざまな理由が考えられると思います。札幌市が発注する工事などの入札結果や契約制度の改善について審議する第三者機関である札幌市入札・契約等審議委員会においても議論され、くじ引き入札の解消や緩和など適切な入札環境の整備を初め、各入札制度や入札結果の継続的な分析と見直し等について、年度末ごとに同委員会から札幌市に意見書が出されております。  そこで、1項目めの多様な入札方式の一つである総合評価落札方式について伺います。  札幌市は、地域に貢献する優良な市内企業の受注機会の確保や工事等の品質の確保を目的として、総合評価落札方式の発注拡大に取り組んでいます。価格のみを競争するのではなく、企業の地域貢献やこれまでの工事実績なども加味して落札者を決定する総合評価落札方式を拡大していくことは、秋元市長の公約の一つでもあります。札幌市が平成26年度に同落札方式3種類を導入したときの発注件数は28件でしたが、翌年度は5種類に拡大し、約2倍の約63件となっております。  私ども民進党は、くじ引き入札を回避する上で、さらなる件数増の必要性を昨年の決算特別委員会でも取り上げ、その結果、工事系では、今年度当初、中小企業の皆さんが参加しやすい仕組みづくりや多くの企業の発注機会を確保できる一括審査型の新設などにより、現在、8種類となっており、同落札方式の裾野を広げてきております。また、財政局は、これまでの議会答弁の中で、総合評価落札方式の活用は札幌市の入札の喫緊の課題の一つであるくじ引き対策にも効果があると答弁してきております。  そこで、質問の1点目は、ことし8月に開催された入札・契約等審議委員会の資料を見ますと、水道局など企業会計を含む札幌市全体で今年度6月末までの総合評価落札方式の件数は79件となっていますが、直近の市長部局における総合評価落札方式と一般の価格競争方式の発注件数はどのようになっているのか、まず、伺います。  あわせて、質問の2点目は、総合評価落札方式と一般の価格競争方式とではくじ引き入札の発生割合に実際にどのくらいの違いがあるのか、くじ引き対策としての総合評価落札方式の効果について伺いたいと思います。 ◎大関 管財部長  市長部局における工事の総合評価落札方式と一般の価格競争方式の発注件数についてでございますが、平成28年8月末時点で、総合評価落札方式は89件、一般の価格競争方式は583件、合計で672件となっております。  次に、くじ引き対策としての総合評価方式の効果についてでございますが、くじ引きの発生割合を比較いたしますと、一般の価格競争方式では52.8%、総合評価落札方式では24.7%と一般入札の半分以下の発生率となっており、くじ引き対策として一定の効果が認められるところでございます。  今後も、総合評価落札方式の本来の目的に加えまして、くじ引き対策としてもさらに効果を発揮できるよう、調査項目や評価点などを見直しながら実施件数をふやしてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  今、総合評価方式と一般競争入札による発注の件数、そして、くじ引きの割合が明らかになりました。総合評価方式を含めて、昨年度の全会計での発注件数は1,311件でしたが、予算にも限りがありますけれども、ぜひ、一般会計についても前年度に近づける以上の努力をしていただきたいと思います。また、総合評価方式のくじ引きに対する効果は、一般の入札の半分以下になっているわけですから、総合評価方式の拡大もさらに検討していかなければならないと思います。  そういう意味で、次の質問に入る前に、幾つかの提言をしておきたいと思います。  一つは、市長の任期も年を明けると2年になりますので、少なくとも、市長の公約である総合評価方式の拡大については、結果的に多少の増減があったとしても、今後どのくらいの件数を発注していくのか、管財部が発注部局としっかり対応していかなければいけないと思うわけでありまして、そういう中で、具体的に幾つかの見直しの課題などについて指摘しておきたいと思います。  一つは、現在、工事では8種類あると先ほど申し上げましたが、ここ数年、毎年、型式が変わってまいりましたので、今後は、こうした8種類の型式を変えることなく継続させて、その上で、評価項目や配点の見直し、改善が必要だと思います。具体的に申し上げますと、実績評価2型と地域貢献2型がありまして、それぞれ性格が違いますが、これらを比較しますと、手持ち工事の加点の中で、実績2型は工種別になっているのに、地域貢献2型は全工種が対象になっておりますので、こうしたところはぜひとも評価の基準を統一すべきだと思います。  また、成績点についても、1年から5年単位となっていてきめ細かな配慮がされていますが、ある意味では、もう少し簡素化してもいいのではないかと思います。特に、総合評価方式の発注件数については、市内244者、市外80者で324者の土木のBクラスがありますが、ここの総合評価の件数は少ないと思います。A1、A2も出されておりますが、こうした総合評価落札方式はA1からA2、Bクラスまで対象となっておりますので、地元企業が多いBクラスの総合評価をもう少しふやすと同時に、土木のA2でも一括審査の対象となるような工事を発注部局としっかり調整していくべきだと考えております。  以上のことを申し上げて、成績重視型の入札に移りたいと思います。  ことしの予算特別委員会において私ども民進党が提案した3年型の導入を含めて、同入札に参加可能となる工種ごとの等級、いわゆるランク別の基準点の設定方法などについて検討を進めると部長は答弁されております。  そこで、質問ですが、毎年8月のお盆明けから各企業の成績点が再評価されることになっておりまして、ことしは新たな基準での運用が始まっておりますが、どのような観点で今回の成績重視型入札の運用見直しを行ったのか、まず、伺いたいと思います。 ◎大関 管財部長  今回の成績重視型入札の見直しについてでございます。  これまで、工種、等級にかかわらず、20者以上を確保できるラインで成績点を設定していたところでございます。このため、工種、等級によっては、ほぼ全ての企業が参加できたり、また逆に、企業数が確保できずに、成績重視型入札を適用できないというような課題もありました。こうしたことから、今回の改正で工種、等級ごとに成績上位者の一定割合が参加できるように見直したところでございます。具体的に申し上げますと、土木のA1など各工種の最上位等級では上位2分の1、土木A2などの第2等級では上位3分の1程度が参加できるようなラインに成績点を設定し、このように工種、等級ごとにめり張りをつけたところでございます。今回の見直しによりまして、工事の品質確保を図るという成績重視型の本来の目的に加えまして、工種、等級ごとのインセンティブ効果が高まるものと考えているところでございます。  次に、成績点の評価期間についてでございます。  現在、5年型と2年型の二つのタイプがある中で、長期間継続して優良な工事成績をおさめている企業を評価する5年型につきましては、多様な入札方式の活用という観点から、今後とも維持していくことが必要であると認識しているところでございます。一方で、直近で優良な工事成績をおさめている企業を評価する2年型につきましては、今回の見直しに基づく入札が入札参加者数などにどのような影響を及ぼすのか、この点を十分に見きわめた上で、委員がご提案の評価期間を3年に延長することも含めて、引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  今、成績重視型の企業数を割り出していく根拠について答弁がありました。A1、A2まで答弁されたのであれば、Bクラスまでが対象ですから、Bがどんな基準になっているのかも後ほどお答えいただければと思います。  再質問ですが、成績重視型入札に参加可能となる企業数を算定する割合が示されましたけれども、基準点が明らかになっておりません。A1では2分の1、A2では3分の1ということですが、議会としても、どういう状況にあるのか把握しておく必要があると思います。全部の工種では膨大な数になりますので、ここでは、土木の5年型と2年型の等級別に限定して、それぞれ基準点はどのようになっているのか、伺います。  また、先ほど申し上げたように、Bクラスの企業の割合はどうなっているのか、あわせて伺います。 ◎大関 管財部長  参加できるラインの設定の件ですが、土木B等級につきましては、品質確保の効果を向上させることを目的として、上位20%の範囲の者が参加できるラインを考えております。  次に、土木工種の具体的な成績点ですが、原則として、5年型ではA1が80点、A2が76点、Bが74点、2年型ではA1が81点、A2が77点、Bが75点としております。 ◆ふじわら広昭 委員  入札制度にはこれが100%というものがありませんから、一定の検討をして改善してきたことはある程度評価したいと思います。そういう意味では、今後も成績重視型の発注件数の拡大を求めておきたいことと同時に、今、部長から、A1、A2、Bの割合の中で、Bは20%という答弁がありました。しかし、総合評価方式の中で、対象となる地元の企業で言えば244者が成績重視型の企業の対象になってくるわけです。こうした企業数は、地元だけで見てもA1、A2よりもBのほうが多いと思います。そういう中で、片や2分の1、片や3分の1、こっちは20%というのは非常に比率が少ないと思います。確かに、そういう工事が発生するかということもありますが、今後はそういうこともしっかり検討する余地があると思います。  私は、以前から、20者いないと競争性が働かないということで20者以上に設定してきたことについても、見直しをすべきだと指摘してまいりました。今回も、先ほど部長がお話しされておりましたように、そうした割合から企業数に応じて5年型ではA1が80点、A2が76点、Bが74点という下限の数値が設定されていると思います。しかし、品確法や成績重視型の入札の本来的な問題をしっかり捉えるのであれば、このように単純に数字を使って企業数を割り出すようなものであってはならないと思います。札幌市という積雪寒冷地の気象条件、自然条件の中で、さまざまな公共施設が定められた耐用年数をしっかり耐えられるようにするためには、Aの工種の業者にはどのくらいの技術力を求めるのか、そのことをしっかり検討し、その点数をきちっと明確化していくべきだと思います。そして、それを1年や2年で変えるのではなく、少なくとも3年程度は維持して、少しずつ点数を上げて、AクラスなりBクラス全体の成績、技術力をアップしていくような発想で考えていかなければならないと思います。  また、成績重視型の問題点としては、3年型にした場合、今のシステムでは導入は不可能だと思います。そういう意味で、当面、5年型は残すということですから、そのシステムは使いますけれども、2年型の成績重視型を廃止すると判断していると思いますので、速やかに3年型に対応できるためのシステムの改修の検討、準備というものを求めて、次の社会保険未加入対策について質問いたします。  これまで、建設産業は、他産業に比べ、健康保険、厚生年金保険、雇用保険といった社会保険、法定福利を適正に負担しない企業、いわゆる保険未加入企業が多く存在し、技能労働者の医療、年金や失業時など、いざというときの公的保障が確保されていないことが、近年、若者の建設業への入職を避ける一因になっていると思います。また、関係法令を遵守して適正に法定福利を負担する事業者ほど、価格競争で不利になるという矛盾した状況がこれまで生じてきております。  こうした状況の中で、平成23年及び平成24年と、国を初めとする行政や元請企業、下請企業が一体となり、建設産業全体としての枠組みの整備をこれまで進めてきました。具体的に申しますと、平成26年度に、3年後の平成29年度までに事業者単位では認可業者の加入率を100%、労働者単位では少なくとも製造業相当の加入状況を目指す社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインを設定して、元請企業及び下請企業がそれぞれ担うべき役割と責任を明確にしてきました。  国は、平成26年8月から、直轄工事において元請と1次下請から未加入企業を排除する取り組みを行っております。札幌市では、国よりも先駆けて、平成23年度の工事の入札参加資格者名簿の登録審査から企業に社会保険等の加入を義務づけてきましたので、少なくとも札幌市と直接契約を結ぶ元請企業については法令を遵守した労働環境が整備されているものと受けとめております。  しかしながら、建設工事は業態の専門化、分業化による重層下請構造で成り立っているために、ほとんどの工事現場に1次下請以下の多くの下請業者が入っております。札幌市が発注する工事に携わる下請企業は、零細な小規模事業者も多く、まだまだ社会保険等の加入に対する知識が十分とは言えません。  このような中で、国が先行した1次下請から未加入企業を排除する取り組みとの同時進行は、地元建設業界においては、円滑な工事の施工に支障を及ぼし、多くの工事現場に混乱を招くおそれがあるとの懸念があったため、札幌市は、こうしたことに配慮して、これまで2年間、元請企業に対する指導文書などにより、工事現場での下請企業の社会保険等の適正加入を促す取り組みを行ってまいりました。国では、さらなる取り組みとして、平成29年度以降、企業単位での加入率100%を目指して、未加入企業の排除を2次、3次の下請に拡大する意向であることもマスコミ等で報じられております。このたび、その一環として、ことし6月16日付で、総務省と国土交通省は、各政令指定都市の市長と市議会議長宛てに、未加入企業の下請からの排除について速やかに措置を講ずるよう改めて要請しております。  そこで、質問ですが、札幌市は、国からの再度の要請を受けて、今後、社会保険等への未加入対策をどのように進めていこうとしているのか、伺いたいと思います。 ◎大関 管財部長  社会保険等への未加入対策についてでございます。  国の要請を踏まえて、本市におきましても、平成29年度から、1次下請を社会保険等加入者に限定する取り組みを実施する方向で考えているところでございます。あわせて、参加停止措置や工事成績評定点の減点などのペナルティーをどのようにするのかにつきましても、北海道や他の政令指定都市の取り組みを参考に、具体的な内容について現在検討しているところでございます。  また、実施に当たりましては、企業への周知を徹底することはもちろんですが、工事担当部局を初めとする職員が社会保険制度の仕組みを理解することが不可欠でございますので、現場に混乱が生じないよう、社会保険労務士などの専門家を招いた研修の開催なども含めて検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  札幌市も、新年度から、1次下請について適用していくこと、また、発注する部局の関係職員の知識を向上するためにも、社会保険労務士などを活用して対応していくということでありますので、ぜひ、新年度を前に具体的に取り組まれるよう求めておきたいと思います。  部長もご存じのとおり、4人以下の事業所は個人事業主になり、5人以上になれば、法人とみなされます。また、社会保険の中には、介護保険料が適用となる年齢、ならない年齢によって保険料の算定率が違ってきますから、そういうところをきちんとチェックしていかなければいけませんので、ぜひそうした取り組みをしていただきたいと思います。  同時に、今後、2次、3次の下請に社会保険への加入をしっかり徹底していくためにも、これは国の制度改正が必要ですが、現在の法定福利費はどこの自治体も現場管理費の中に含めて算定しておりますので、消費税と同様に、落札金額に対して別枠で計上して精算するような方式をとっていくようにしなければ、こうしたことが明確化しません。そしてまた、産業廃棄物を処理するのと同じようにマニフェストという方式を採用して、将来的には、札幌市が発注したマニフェストの票は、どの下請に行っても最後にまた戻ってきてきっちり確認していく、そうしたことを全国に先駆けて検討していただきたいということを申し上げて、最後の最低制限価格の見直しに移りたいと思います。  秋元市長の公約の一つに、最低制限価格の見直しがあります。  民進党は、以前から、代表質問や予・決算特別委員会等で、工事及び建設コンサルタント業務等の最低制限価格改善について取り上げてまいりました。  昨年の決算特別委員会でも、建設コンサルタント業務の最低制限価格の引き上げについて質疑を行いました。その結果、今年度、札幌市における早期発注案件から、設計、測量、地質調査の各業務について最低制限価格が80%程度に引き上げられ、8月に開催された札幌市入札・契約等審議委員会の資料でも、ことし6月末の平均落札率はいずれも80%を超えており、見込みどおりの効果があったものと評価しているところであります。  一方、札幌市の公共工事の最低制限価格については、この間、私ども民進党が議会で幾度となく取り上げ、提言してまいりました。その結果、土木系及び営繕系の現場管理費は、平成24年4月に80%から85%に、一般管理費は40%から65%に改正されましたが、それからもう既に4年以上も据え置かれております。この間に、国では、2回ほど、具体的には平成25年5月に一般管理費の算入比率を30%から55%に引き上げ、さらに、ことし3月に、4月から現場管理費の算入率を80%から90%に引き上げるという通知を出しております。  札幌市は、先ほど申し上げたように、それまで現場管理費は85%でしたから、国よりも高かったわけであります。これまで、札幌市の最低制限価格は、全国的に見ても、また政令指定都市の中においても一定の水準を保ってまいりましたが、先ほど申し上げたように、ことし4月の国の引き上げによって多くの政令指定都市が国と同様の引き上げを行っており、その結果、札幌市の現行の最低制限価格は、国と同程度、あるいは、政令指定都市の中でも平均的な水準となっております。  札幌市発注の公共工事、特に土木系の工事入札は、非常に競争が激しく、最低制限価格でのくじ引きによる落札率が70%以上を占めており、事実上、最低制限価格付近が契約金額となっております。しかしながら、最低制限価格は、文字どおり、工事の品質確保に最低限必要な金額という概念で設定しておりますので、十分な利益までは含まれておらず、特に地元の中小企業の皆さんからは非常に厳しい経営状況にあるという声が私ども民進党にも届いております。今後、社会保険等の未加入対策の取り組みを着実に進めていく観点からも、私は、現場管理費の算入率を少なくとも国と同様に90%に設定する必要があると思います。  そこで、質問ですが、国の引き上げの趣旨や入札の実態を踏まえ、工事の最低制限価格を改善すべきと思いますけれども、札幌市としての見解を伺います。 ◎大関 管財部長  工事の最低制限価格の見直しについてでございます。  現在、それから将来の公共工事の品質を確保する観点から、これまでも、札幌市では、政令指定都市の中でも高い水準に最低制限価格を設定していたところでございます。一方で、国は、ことし4月に、工事の品質確保を図る観点から、現場に従事する元請企業の全ての技術者の経費を計上することとして現場管理費の算入率を引き上げたところでございます。本市におきましても、この趣旨を踏まえて、最低制限価格の引き上げについて速やかに検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  速やかに検討してまいりたいということなので、そういたしますと、通常は平成29年4月の早期発注分からと理解いたしますので、それに向けた準備をしっかり行っていただきたいと思います。  しかし、私ども民進党は、最低制限価格を引き上げるとなると、少なくとも0.5%や1%前後で最低制限価格が上がる可能性がありますが、それで今回の市長任期中に最低制限価格を上げたとは理解いたしません。今回の引き上げは、中央公共工事契約制度運用連絡協議会の北海道・東北ブロックというのがあって、札幌市もその会員になっておりますが、そこが主体となって検討し、国土交通省も上げるべきだという判断の中で、ことしの3月中旬にこのようなことに至ったわけです。ですから、決して札幌市が最低制限価格を上げたいということでなったわけではなく、関係機関が上げたわけですから、札幌市が抱える経済・雇用の状況を踏まえていく中で、札幌市としてこれからどのように検討していくのかということが求められていると思います。  そういう意味では、最低制限価格を上げるためには、直接工事費や共通仮設費、現場管理費や一般管理費という四つの経費をいろいろ検討しなければなりません。しかし、それ以外に大事なこととして、今、札幌市も、国と同様に、予定価格の上限・下限率が70%から90%となっておりますが、これは、よほど極端な率にしない限り、それぞれの自治体の裁量権の中で認められております。私が調べた限りでは、札幌市は他の政令指定都市の中でもいい方向に見直しを行っておりますが、そうしたこともあわせてしっかりと行っていただきたい。  札幌市の置かれている経済・雇用のさまざまな状況を踏まえたときに、いろいろな団体が求めるものにすぐには近づけられないとしても、札幌市がどのようにしていくべきかということが求められております。そういう意味では、そうした取り組みは、災害時、あるいは、除雪体制を維持していくためにも極めて重要なことでありますので、そうした視点もあわせて判断材料にしていただきたい。  最後に、財政局長は総務省から来られております。今、大都市補正というものがありますが、これは、共通仮設費と現場管理費の中で舗装工事と電線共同溝工事、道路維持工事と鋼橋架設工事という四つの工事に限定されております。しかし、業界の皆さんや私ども民進党がさまざまな調査をした段階では、大都市補正がこの四つの工事だけというのは少ないのではないかと思います。国土交通省等の判断もありますが、そうした声をしっかりと受けとめて、ぜひ、財政局長から総務省にも上げていただくことを求めて、質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、個人住民税の給与からの特別徴収の推進について質問いたします。  市民が個人住民税を納付する方法は、納税者本人が金融機関で直接支払う普通徴収と、給与の支払い者が毎月の給与から天引きする特別徴収があり、地方税法の規定では、給与所得にかかわる個人住民税は特別徴収をすることが法定義務とされております。しかしながら、全ての給与支払い者が特別徴収を行っているわけではなく、普通徴収となっているケースも少なくないと聞いております。  平成27年度の市税決算状況は、個人市民税は前年度決算との比較で16億5,800万円の増となっており、その主な要因は給与所得の納税者数及び1人当たりの所得割額の増加等によるものと思われますが、個人住民税の納税者に係る納入率は、平成27年度においては98.5%、このうち、特別徴収の収入率が99%と非常に高いのに対して、普通徴収は94.3%と低いことから、特別徴収の納税者数を増加させることができれば、より税収確保につなげることができると考えます。  総じて言えば、個人住民税の特別徴収を推進することは、給与支払い者の法定義務という面だけではなく、本市にとっての収入率の向上、税収確保につながり、従業員にとっても納税に出向く手間がなくなることから、メリットは非常に大きいと言えます。全国的にも個人住民税の特別徴収推進の取り組みが広がっており、北海道内においても道が中心となって各振興局単位で特別徴収の推進を図っていることから、本市においても特別徴収推進の取り組み強化が必要であると思います。  そこで、質問ですが、本市における特別徴収推進に関するこれまでの取り組みと今後の具体的な取り組み強化についてお伺いいたします。 ◎遠藤 税政部長  まず、本市における特別徴収推進に関するこれまでの取り組みについてでございますが、法令遵守や納税者の利便性向上、市税収入の安定的な確保などの観点から、市内法人に対して電話や文書、または直接訪問して特別徴収の実施を勧奨するなど、さまざまな取り組みを進めてきたところであります。しかしながら、運用として、給与支払い者が特別徴収することに了承した場合に限って特別徴収義務者に指定するという取り扱いであったことから、実際には特別徴収をしていない給与支払い者が存在する結果となっております。  次に、今後の取り組み強化の内容についてでございますが、本市では、近年の全国的な取り組み強化や道内市町村の動向を踏まえ、これまでの啓発的な取り組みを一歩進め、平成29年度から従業員数が3人以上の市内給与支払い者を対象に、希望や了承の有無にかかわらず、特別徴収義務者に指定する特別徴収一斉指定を進めることといたしました。具体的には、従業員数の多い給与支払い者から順に、平成32年度までの4年間をかけて特別徴収義務者に指定することとしており、市内約1万3,000社を対象として進める計画としております。 ◆丸山秀樹 委員  今までは、電話や訪問、さらには文書などで了承した場合に特別徴収を進めてきた、また、啓発的な取り組みを進める中で、平成29年度から32年度にかけて1万3,000社に対して、今後、特別徴収の指定を進めていくという答弁でした。  特別徴収の推進については、先ほども申し上げましたとおり、市民にとっても納税の利便性の向上につながるものであり、税収確保の観点からも、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。  その一方で、一斉指定の推進に当たりましては、実際に特別徴収事務を行う給与支払い者の協力が不可欠であり、給与支払い者によっては電算システムの改修など一定の準備期間が必要なケースもあると思います。  そこで、質問ですが、特別徴収への対応が困難な給与支払い者に対して、市としてどのような対応を考えているのか、お伺いいたします。 ◎遠藤 税政部長  特別徴収への対応が困難な給与支払い者に対する本市の対応についてでございますが、給与支払い者が特別徴収を実施するために必要な電算システムの改修に期間を要する場合などには、給与支払い者からの申し出に基づき、指定を延期することとしております。また、指定対象となった給与支払い者であっても、毎月の給与が少なく、住民税を引き切れない方や、雇用期間が1年以内の予定である方などにつきましては、特別徴収を行わないことを認めることとしております。 ◆丸山秀樹 委員  次に、特別徴収の推進における目標と試算についてお伺いいたします。  他の政令指定都市におきましても、それぞれ特別徴収の推進が進められており、例えば平成27年度に特別徴収一斉指定を実施したさいたま市では、個人市民税にかかわる収入率が98.4%から98.8%に向上しております。このことからも、特別徴収の推進が市税の収入率向上、税収確保への効果が高いものと考えるところです。  本市の状況を見ますと、平成27年度の給与所得者数は約68万7,000人、このうち特別徴収の納税者が約51万8,000人となっており、この人数を増加させていくことが税収確保の上で重要であります。
     そこで、次の質問ですが、本市が特別徴収を推進する上で、特別徴収による納税者数などの具体的な目標値や、市税収入における増収額を試算しているのであれば、お伺いいたします。 ◎遠藤 税政部長  特別徴収推進に係る具体的な数値目標についてでございますが、このたびの取り組みによって、特別徴収の納税者数を最大で約61万人程度まで増加させたいと考えております。税収についても、収入率の高い特別徴収の納税者が増加することで、平成31年度までの累計で約2億7,000万円の増収になるものと見込んでいるところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  さきの答弁の中でも、困難な事業者に対しては指定を延期するというような対応も図りながら、約61万人程度になるまでしっかり進めていきたいという答弁でした。また、この税収効果は約2億7,000万円になるということで、しっかりした対応をお願いしたいと思います。  次に、今回の取り組みに関する周知について質問いたします。  今回の取り組みをスムーズに進めるためには、給与支払い者はもちろんのこと、納税者に対しても十分な周知、広報を行い、取り組みの趣旨や目的等をしっかりと理解していただくことが大切であります。  そこで、質問ですが、このたびの取り組みを納税者や給与支払い者などに対してどのような方法で周知するのか、お伺いいたします。 ◎遠藤 税政部長  納税者や給与支払い者などへの周知についてでございます。  まず、納税者に対する周知といたしましては、平成28年度の納税通知書に同封するリーフレットのお知らせの中で、本市において平成29年度から特別徴収を推進することを掲載して周知を図っているところでございます。また、給与支払い者に対する周知といたしましては、市内の給与支払い者約3万社に対して、本年8月に周知用のリーフレットを送付したところであります。特に、平成29年度の指定対象となる給与支払い者に対しましては、例年11月に送付している年末調整関係の書類に指定予告通知書と周知用のリーフレットを同封するなど、さらなる周知を図る予定であります。今後も、広報さっぽろや市のホームページなどを活用するとともに、税理士会などの関係団体に対して協力要請するなど、特別徴収一斉指定に関する周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  納税者や給与支払い者などに対して、年末調整の関係書類にリーフレットを同封して送付したり、市のホームページなどさまざまな方法を使って周知を図っていくということでございました。このたびの特別徴収推進の取り組みは、納税者や給与支払い者等の理解と協力が欠かせないことから、PRはもとより、問い合わせなどでも、単に税法上の法的義務を前面に出して強いるのではなく、個々の抱えている事情や状況に丁寧に対応し、理解を得ながら進めていただきますことを要望し、質問を終わります。 ○小川直人 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時43分       再 開 午後3時5分     ―――――――――――――― ○小川直人 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆池田由美 委員  私からは、本市の市税の納付相談について、それから、自主財源確保について質問いたします。  最初に、納付相談について質問いたします。  2015年の市税の滞納者数は6万157人、差し押さえ件数は1万156件であり、依然として、税金を払いたくても払えないと悩む市民が少なからずいること、そして、市民の暮らしが大変になっていることが推測されます。悪質な滞納者を除いて、市民にとって納付相談は重要な役割があると考えております。  そこで、質問ですが、ことし4月から分割納付猶予や換価の猶予の制度を活用しての窓口の相談が始まっているとお聞きしていますけれども、この制度の目的と利用状況について伺います。 ◎遠藤 税政部長  地方税法に定める納税の猶予につきましては、災害、病気などの限定された要件を満たす場合を対象とする徴収の猶予と、それ以外の事情で事業の継続や生活の維持が困難な場合を対象とする換価の猶予の二つの猶予制度があり、このうち、換価の猶予につきましては、従来、市長の職権による適用のみが定められており、納税者の側からの申請は認められなかったところでございます。これまで、職権による換価の猶予の適用に当たりましては、納税者の実態把握に時間を要するため、早期に要件該当の可否を見きわめることが難しいことから、迅速に対応することを優先して納税者との約束に基づく分割納付を行ってきたところでございます。  この見直しでございますが、納税者の負担軽減を趣旨とする平成27年度の地方税法改正に伴いまして、今年度から、従来の職権による適用に加えて、申請による適用が可能となったこと、また、納税者がみずから提出した書類をもとに納付可能額を計算するため、納税者にとっても納得のしやすい分割納付の金額を算定することが可能となったこと、さらに、換価の猶予の適用を受けやすくなったことに伴い、延滞金の負担軽減をしやすくなったこと、そして、担保の徴取を必要とする滞納税額が50万円以上から100万円以上へと緩和されたことでございます。  申請状況でございますが、平成28年度9月末現在におきまして、徴収猶予、換価の猶予を含めて4,786件の申請がございます。 ◆池田由美 委員  今まで市民から直接申請することができなかったということですが、それができるようになったこと、また、払いやすい納付額で納付するための計画を立てやすくなったという説明でございました。  今、4,786件とご答弁がありましたが、この制度の説明が書いてあるプリントを見ると、非常に難しいなという印象を受けました。また、早く相談に行かなければならないのだなということも、その書類を見て理解しました。制度については、市民にきちんと早く周知されることが大事でありまして、そのことによって、積もり積もって滞納が大きくなる前に相談に行けることをしっかりと保障することになるのではないかと思います。  そこで、市民に対してどのようにして制度を周知しているのか、伺いたいと思います。 ◎遠藤 税政部長  市民向けの制度の周知でございます。  平成28年4月から、申請による換価の猶予制度の新設、導入に伴い、市民向けのPRとして、広報さっぽろ3月号と4月号へ掲載を行い、また、4月から、市民向けリーフレット9,000部を各市税事務所、本庁税政部、東京事務所に配置しております。また、平成28年度版の私たちの市税という冊子の中にも掲載しておりますし、札幌市のホームページからは、市民向けのリーフレットや徴収猶予の申請書、申請の手引などがダウンロードできるようにしております。 ◆池田由美 委員  広報さっぽろなど、さまざまな視点で市民に周知しているということでございます。ただ、インターネットを開いて見ることはとても少ないのではないか、広報さっぽろなどが一番身近かなというふうに思いますので、ぜひ繰り返し載せていただくことを求めておきたいと思います。  次に、納付相談の内容について質問したいと思います。  今、非正規雇用や不安定な雇用がふえてきている中で、生活するのがやっとという方がふえてきているのではないかと思います。電気代やガス代も滞納して生活の見通しが立たない方が税金の納付相談に来られると思いますので、納付相談への対応は、先ほど換価の猶予や分割納付により丁寧にという話もございましたけれども、市民の生活実態に寄り添ってしっかりと納付相談に当たっていただきたいと思いますがいかがか、伺います。 ◎遠藤 税政部長  市民が納付相談しやすい窓口であるべきということにつきましては、私どもも同じ認識でございます。このため、現状におきましても、納税者から納付の相談を受けた場合、納付困難な事情や収入状況、生活状況などを十分に聞き取るとともに、具体的な納付方法について誠実に相談に応じることとしております。各市税事務所では、全職員を対象に接遇研修を実施しており、今後も、親切、丁寧な納付相談に努めてまいりたいと考えております。 ◆池田由美 委員  今、丁寧な納付相談を徹底しているというお話がございましたけれども、私のところに相談に来る方の多くは、納付相談に行くときに、自分が払っていないという後ろめたさもありますから、非常に敷居が高くなっています。そういう中で納付相談に行ったときに、威圧的に対応されてしまって、本当は払えないと思う金額での納付計画で約束してしまう、そして、また払えなくなるということで私のところに相談に来る方が非常に多くいらっしゃいます。つまり、相談に行って納付する約束をするのですが、やはり払えなくて滞納をふやしてしまうという悪循環を生んでいる実態があるように感じています。  そこで、生活ができないほどの無理な計画にならないような相談と対応が本当に必要だと思いますが、換価の猶予や分割納付はそのようになっているのかどうか、伺いたいと思います。 ◎遠藤 税政部長  納付計画の作成に当たりましては、個々人の方の収入状況や財産状況、また、生活状況をしっかり把握して納付計画を作成し、納税者が納めやすい計画をつくっていっていると考えております。 ◆池田由美 委員  しかし、現に、給与の差し押さえが始まりそうで苦しいとか、約束した納付金額が払えなくておくれてしまっている中で、再度、市税事務所に相談に行くことができない、また威圧的な態度で言われたらどうしようとか、そういう不安を抱えている実態があるのだと私は感じておりますので、先ほど職員にも徹底していると言っておりましたが、丁寧に相談を進めていくようにさらに周知徹底していく必要があると思います。  そういう中で、差し押さえをちらつかせることで安心して相談できるような信頼関係をしっかりとつくれていない状況があると思いますが、その辺はいかがでしょうか。 ◎遠藤 税政部長  市税の差し押さえにつきましては、地方税法では、督促状を発付した日から起算して10日を経過した日まで完納しなければ差し押さえを執行しなければならないと規定されておりますけれども、本市におきましては、緊急の場合を除きまして、督促状発付後も、催告書を送ったり、あるいは、必要に応じて納付督励を行い、自主的な納付を促すとともに、納税者から相談を受ける期間を確保する取り組みをしております。ですから、早期に完納が見込めなくて、かつ、差し押さえ可能な財産を有しているときに差し押さえを執行するという取り扱いにしております。 ◆池田由美 委員  市民の納付状況、納付計画が本当に生活に見合っているのかどうか、市民の暮らしにしっかりと寄り添いながら、払える額での納付計画を持つ、そういうふうにこれからもしっかりと進めていくこと、そして、こういった相談がなくなって、どの方も安心して納付相談に行けて、少しずつでも納付して解決していくようになることを求めて、次の質問に移ります。  次は、来年度から始まる税金のクレジット払いについて質問したいと思います。  利便性があると思いますが、安易にクレジットで払うことができるようになりますから、お金がなくても今払ってしまおうという形でクレジットを使ってしまう方がふえていくのではないかと心配しております。雪だるま式に借金がふえていくような心配がないのかどうか、市としてどのようなことを懸念しているのか、伺いたいと思います。 ◎遠藤 税政部長  納付相談者に対するクレジットカード納付のご案内についてでございます。  クレジットカード納付につきましては、口座振替や金融機関、コンビニでの納付に加えて、納付方法を多様化して納税者の利便性向上を図ることを目的として導入するものであり、各市税の納期限を経過したものについてはクレジットカードでの納付はできないこととしております。ですから、滞納整理の手段としてクレジットカードで納付するものではありませんので、市税の納付相談においてクレジットカードでの納付を勧めることはしないようにしたいと考えております。 ◆池田由美 委員  納付相談に来られる方には勧めないという答弁でございました。相談に来られる方は、本当に生活が大変なために支払いが困難なわけですから、そういうことを勧めないということをしっかりと周知していただきたいと思います。また、市民にとっても、気軽に使うことで払えなくなっていくことがないように周知していってほしいと思います。  最後に、自主財源の確保について質問いたします。  自主財源には、市税のほかに、例えば道路占用料があります。それを見ますと、北電は、2006年には総額で6億5,000万円でしたが、2015年は総額2億8,000万円と、10年間で約3億5,000万円も減っており、NTTは、6億9,000万円から3億円へと約4億円減っており、2社合わせて7億5,000万円も減っている状況です。また、真駒内の自衛隊基地の基地交付金では、本来の固定資産税で計算すると9,787万8,000円ですが、交付金として入ってくるのは6,617万円と3,170万円も少ない状況であります。  こういう点をしっかりと見直して、市税の確保、自主財源の確保に努めていくことが大事ではないかと思いますが、いかがお考えか、伺います。 ◎小角 財政部長  厳しい財政状況の中、委員からお話のございました使用料、手数料、あるいは基地交付金等の自主財源につきましては、安定的な市政運営を行っていく上では大変貴重な財源と考えております。このため、自主財源の確保につきましては、昨年策定したまちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015におきましても、財政運営の取り組みの中で位置づけておりまして、税源涵養の取り組みや公有財産の有効活用など幅広い取り組みにより、必要な市民サービスを持続的に提供できるよう収入の確保に努めていくこととしているところでございます。  ご質問の中にございました国の制度に基づく基地交付金などにつきましては、これまで、その趣旨に基づいて適切に措置されますよう拡充等について国に対して要望しているところでございます。また、道路占用料、あるいは、これまで議論のございます法人市民税の超過課税などに関しましては、本市を取り巻く経済状況や他の自治体の状況、さらには、対象に与える影響などを総合的に勘案し、決定すべきものと認識しているところでございます。 ◆池田由美 委員  道路占用料などは国の区分の変更や基準額の引き下げなどの兼ね合いがあるのだなと思いますが、2015年には、国基準が余りにも低いということで、条例によって独自に引き上げているとお聞きしております。国に対して要望を強めるとともに、支払う能力や体力のあるところにはしっかり負担してもらうなど、財源確保をしっかりと進めていくことを求めておきたいと思います。  そして、納付相談では、払えないような納付計画を持たせるべきではなく、今後の暮らしや営業にしっかりと見通しを持ちながら、納付能力に合った納付計画にしていくべきであります。差し押さえありきの相談では、安心感はなく、信頼関係は築けません。市民の生活や営業の大変さをしっかりと丁寧に聞き取り、今後も信頼関係を築ける納税相談にしていくべきと申し上げて、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  私から、マイナンバーに関係することについて質問したいと思います。  昨年10月から、日本に住民登録のある人全員に12桁の番号を割り振って、その個人番号を国が管理する社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度が国によって始められました。当初、便利さだけが強調されておりましたが、年金情報の大量の流出とか、あるいは、カードの発行に当たっては、大もとのJ−LISのシステム障害が2カ月以上も続くなど、トラブルが相次ぐ事態となっております。  私ども日本共産党は、これは国家による国民の監視だということと、個人情報の漏えいの危険性が非常にあることから、当初から制度の導入に反対してきたところでございます。これに関係して、本市ではどのようなお金が使われたのかという点で質問したいと思っております。本市の場合は、昨年度のスタートに合わせて、2014年度からシステム改修などを進めており、私の計算では大体20億円ぐらいだと思います。  まず、質問ですが、今年度も含めて、マイナンバー関係で幾ら使ったのか、それぞれの年度別の支出額などについて明らかにしていただきたいと思います。 ◎小角 財政部長  社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度に対応するためのシステム開発関連経費についてでございます。  平成26年度から、住民基本台帳、市税の賦課徴収、保健福祉や国民健康保険の業務システムなどで所要の改修を実施しておりまして、その執行額は、26年度におよそ2億6,000万円、27年度におよそ10億3,000万円となっております。また、システム改修以外では、個人番号カードの作成及び交付に係る経費の執行額として、平成27年度におよそ5億9,000万円を執行しているところであり、これには、業務量増に対応するための臨時職員の人件費や対応窓口設置のための事務費などが含まれております。 ◆小形香織 委員  システムで大体10億円ぐらい組んでおりまして、それを含めて昨年度までに18億円ぐらい使った、そして、平成28年度、2016年度予算では交付のための窓口関係で2億円ぐらいですから、マイナンバーに関しては今年度も含めて20億円を超えるお金が使われようとしているということだと思います。  システム改修の点で言いますと、システム改修は業務委託ということで入札されております。入札とは言っても、同じ業者が、2014年度では1億3,500万円ぐらい、2015年度、平成27年度では約5億3,000万円と、かなりの額の委託契約金額になっておりますので、IT産業としてはおいしい新制度だとも言えるのではないかと思っております。  それから、マイナンバーに関する窓口の運用で5億9,000万円程度というご答弁がございましたが、それらシステム改修や窓口運用だけではなくて、もっとさまざまなところで、特に職員の皆さんがご苦労されているのではないかと思います。システム障害でカードの交付に大分混乱があったときには、職員の皆さんは随分と遅くまで働いておられました。遅くまで働くと、当然、電気もつけることになるわけです。  このようにほかにも波及する経費、人件費などがありますが、マイナンバーに関しては国から全額が出ると言われておりますけれども、これらは国において見込まれているのか、ちゃんと払われているのかどうか、お聞きしたいと思います。 ◎小角 財政部長  先ほども申しましたとおり、個人番号カードの作成及び交付に係る経費につきましては、交付に関する夜間の入力処理やそれに係る人件費、あるいは、臨時職員の雇用経費を含めて交付された事務費の中で見られております。 ◆小形香織 委員  人件費はある程度見られているということでしたが、市の職員が残業した場合のお金は含まれているのかどうか、それから、電気代などはどうですか。 ◎小角 財政部長  交付の入力等に伴う超過勤務手当相当の経費につきましては、国の事務費等補助金の中で見られております。電気代などの庁舎の部分につきましては、それだけを切り離して算定することが難しいということで、今のところ、特出しの対象とすることはない状況になっております。 ◆小形香織 委員  いろいろとかかる経費があるわけで、ここまでがマイナンバー関係で、ここからはそうではないというふうにきれいに切り分けられないだろうと私も思っております。  そこで、今回、20億円ぐらいかかるとなっていますが、今後、マイナンバーに一体幾らぐらいかかっていくのか、私自身も見通しを持っておきたいと思いますので、どの程度の期間にわたってどのぐらいの費用がかかると見通しておられるのか、伺いたいと思います。 ◎小角 財政部長  個人番号を利用した公共団体間のデータ連携に係る改修につきましては、完了が平成29年度になることから、29年度のテスト運用等の経費を含めましてまだかかる見込みでございます。また、29年度以降は、システムの運用や市民へカードを交付するための費用が継続的に生じることになりますが、データ連携の活用方法等につきましては国でもまだ検討中の部分もございますので、総額を見積もることは現時点では難しいと考えております。 ◆小形香織 委員  何かに使う予定はあるけれども、幾らなのかはわからないということでした。  次に、システム改修の質問に移りたいと思います。  予算上で見ますと、特定財源として、国からストレートに来るものが大きな部分を占めていると思いますが、決算を見てみますと、一般財源の割合が予算のときよりも多くなっている傾向があるように見えます。  2014年度、平成26年度と2015年度、平成27年度のシステム改修について、特定財源と一般財源の予算と決算はどのようになっているのか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎小角 財政部長  システム開発経費に係る財源についてでございます。  平成26年度と27年度の合計額で申し上げますと、予算では、支出額16億8,000万円のうち国費が12億2,000万円となっておりました。一方、決算では、実際の支出額、決算額が12億9,000万円となっておりまして、このうち国費は4億7,000万円となっております。決算におきまして国費の割合が下回りましたのは、結果として国費の予算総額と全国所要額との差によるものが大きいと推測しておりますが、開発費につきましては、事務の各所管省庁からの国費と合わせまして、地方負担分につきましては地方交付税で措置されることになっております。 ◆小形香織 委員  今の答弁はちょっとわかりにくかったと思います。つまり、2014年度の場合では、特定財源で言うと、予算上は大体2億2,000万円だったけれども、決算をしてみたら1億2,000万円ぐらいのお金が入ってきた、それから、2014年度の一般財源は、当初は9,000万円ぐらいの予算を組んでいたけれども、決算をしてみたら1億4,000万円ぐらいだったということですね。それから、2015年度、平成27年度で言うと、特定財源の予算は9億9,000万円だったけれども、決算をしてみたら3億3,000万円だった、そして、一般財源のほうは、当初の予算では3億6,000万円ぐらいで見ていたけれども、決算をしてみたら6億9,000万円だったということです。まとめておっしゃいましたが、細かく言うとそういうことで、そして、一般財源も含め、全て交付税措置されているのだとお答えになったのだろうと思います。  これは、特定財源のほうはマイナンバーの運用、改修に使えということで出されるものなので、それはそうだと思うのです。しかし、一般財源として入ってくるということは、マイナンバーに必ず使うと約束したわけではなくて、国が地方交付税を幾らにするかと算定するときに、マイナンバーにもこのぐらいかかるだろうなというふうにして入れただけです。ですから、札幌市が支出したお金は、完全に100%国から出ており、札幌市は一円も出さないで済んだのかと言うと、私は、そういうふうにきれいに分けられない、つまり、本市の持ち出しは結構あるのではないのかなと思って見ております。  10月6日の北海道新聞に記事が載っておりまして、8.5%ぐらいのマイナンバーカードの申請になっているということでした。余りにも知られていなくて、本当に必要な制度なのかという懸念がくすぶり続けているという文章もありました。国民、市民から見れば、トラブルが続いてばかりです。それから、職員から見ると、これで残業が非常にふえました。そして、国からは、一体、いつまでに幾ら入ってくるのか、全額を国が出してくるのかもわからない。特定財源で100%出るわけではないので、マイナンバーの関係で市が使ったお金は、一切、負担なくやれているのかわからない部分があるという点では、本市の財政への影響も非常に大きいし、見通すことができないと思っています。  それから、より根本的には、個人情報の漏えいについては防ぎようがないということですから、私は、途中でやめることもぜひ考えたらよいのではないかと思っております。 ○小川直人 委員長  以上で、歳入のうち、一般財源等の質疑を終了いたします。  次に、第1款 議会費 第1項 議会費の質疑を行います。 ◆石川佐和子 委員  私からは、地方議会議員年金制度廃止後の給付に関する情報公開について伺います。  地方議会議員年金制度は、1961年、昭和36年に任意加入の互助年金としてスタートし、翌年、強制加入の制度となり、都道府県議、市議、町村議、それぞれの共済会が運営してきました。議員として在職12年以上で受給資格者となり、現職議員の掛金と自治体の負担金によって制度が存続してきましたけれども、破綻して、2011年6月1日付で制度は廃止となっています。  廃止となった理由は、市町村合併が大規模かつ急速に進んだことで、議員数が予想を上回って激減したことや、議員定数、議員報酬の削減が進む一方で、議員年金受給者の増加に伴い、財政状況が悪化し、積立金が枯渇したことによります。制度は廃止されましたけれども、年金や一時金受給の資格のある方には、地方公務員等共済組合法の一部を改正する法律により措置され、地方公共団体が全額公費負担することで給付が継続されております。札幌市においても、総務省令で定める一定額の負担金を共済会に納めてきております。  そこで、伺いますが、議員年金制度が廃止になった2011年以降の札幌市における共済会の負担金の推移とその財源について伺います。 ◎泉 議会事務局次長  地方議会議員年金制度の廃止に伴う市議会議員共済会での2011年度、平成23年度以降の負担金額の推移でございます。  平成23年度は4億2,100万円余、24年度は2億9,100万円余、25年度は2億6,200万円余、26年度は2億6,700万円余、27年度は3億2,200万円余となっております。また、その財源につきましては、地方税や地方交付税から成ります一般財源が充てられているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  今、金額を確認させていただきました。おおむね2億円台から4億円台、平均いたしますと3億円ぐらいの負担金になっていることがわかりました。  議員年金制度が廃止になる前の年の2010年から2011年にかけては、制度の廃止に伴う公費負担について新聞報道でも大きく取り上げられてきましたが、最近ではそうした報道を目にすることは余りなくなったと思います。しかし、今、金額をお示しいただいたように、札幌市のみならず、全国の市町村や都道府県での公費負担が続いているということです。  総務省は、制度廃止後は年金受給資格者の一時金の選択を可能にしたということで、公費負担額が増加するものの、その後は減少する見込みであるというような見解を示しておりました。では、全国の合計としてはその見解どおりなのか、あるいは、公費負担額は将来的に今後どのように推移していくかについて確認したいと思います。  そこで、議員年金受給者への支給はいつまで続く見込みなのか、また、その公費負担額の合計について伺います。 ◎泉 議会事務局次長  議員年金につきましては、受給資格がある方がご存命中は基本的に支給されることになります。その支給期間及び公費負担額の合計を算出することにつきましては、現実的に困難でございます。 ◆石川佐和子 委員  人間の一生がどれくらいかというのは難しいこともありまして、算出は困難だというお答えだったと思います。  制度が廃止になるときに、総務省の試算がございました。総務省の試算によりますと、地方議会議員年金制度の給付に要する経費の公費負担額は、制度の廃止後60年ぐらいにわたり総額1兆円を超えるとされております。この金額は、標準報酬月額、議員数、その年の負担金率などを乗じて算出される各自治体の金額を全国で合計したものと思われます。制度の廃止後、受給されている方がだんだん減少し、ゼロになると推定できる約60年間というスパンの中では、単年度ごとの負担額は少しずつ減少していると私は推察しておりますが、先ほどの札幌市の負担額においてもおおむね減少の傾向にあることも確認できました。  そうは言いましても、自治体の財政状況における公費負担の額は決して少なくないと思います。議員年金制度廃止後の措置については、先ほども触れましたが、制度の廃止のときに施行された地方公務員等共済組合法の一部改正、いわゆる廃止措置法の附帯決議では、新たな年金制度の検討を行うことが明記されています。新たな年金制度の復活においては、法整備が必要であって、全国市議会議長会では、地方議員のなり手不足が問題になっているとして、2013年以降、地方議会議員が地方公務員共済組合などのような被用者年金制度へ加入できるよう要望するとともに、加入に向けた推進会議も設置し、検討しているということです。  これまでの議員年金制度は、受給資格は12年以上と公的年金の25年と比べて短いことや、他の公的年金と重複して加入できること、また、同一生計の孫にも遺族年金の受給資格があるなど、特権的との批判の声が高かったと思います。こうしたことを受けて廃止されたからそれでよいというのではなく、廃止後の影響についても市民と情報を共有するべきと私は考えるところです。  仮に新たな年金制度を検討するのであれば、給付額がおよそゼロになる、つまり受給資格のある方がいらっしゃらなくなるまで、あと約五十数年、全体で1兆円を超える公費の投入が続いていくことを踏まえなくてはならないと思いますし、それぞれの自治体の中で市民との情報共有を積極的に行うべきと考えます。  そこで、最後の質問です。  例えば、決算の概要がありますけれども、議会事務局の中で共済会の負担金について項目を分けて記載するなど、市民にわかりやすく情報提供をするべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎泉 議会事務局次長  決算説明書における決算の概要への負担金の額の記載につきましては、今後検討させていただきたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  ぜひ、検討を進めていただきたいと思います。  議員年金が廃止になり、国民年金だけでは暮らしていけないという議員の声もあると聞いています。しかし、多くの市民が、一つの公的年金、しかも、25年以上も掛金を納めなければ受給資格を得ることができないことと比較しますと、これまでの議員年金制度は明らかに特権的ですし、むしろ、公的年金の一元化などの議論をさらに進めるべきと私は考えます。
     いずれにしましても、人口減少・超少子高齢社会に突入し、きょうも厳しい財政状況という言葉が何回も聞かれましたが、さまざまな税金の使い道について市民にわかりやすく情報公開をすることは、市民自治の観点からも大変重要であり、説明責任の一環として議会費の情報公開の拡充を強く求めて、私の質問を終わります。 ○小川直人 委員長  以上で、第1項 議会費の質疑を終了いたします。  次に、第2款 総務費 第4項 選挙費の質疑を行います。 ◆山口かずさ 委員  私からは、選挙を身近に感じてもらうための方策について、特に若い方たちにスポットを当てて質問いたします。  7月に執行された参議院議員通常選挙は、選挙権年齢を18歳に引き下げる改正公職選挙法が施行された後、初めて執行される国政選挙となりました。札幌市では、3万4,000人強の18歳、19歳の若者が新たに選挙権を得て、18歳、19歳の10代の投票率は49.47%と、全市平均の56.55%には及ばなかったものの、20代、そして30代よりも高かったという結果でした。投票率が低下傾向にあると言われる中、特に若年層の投票率が問題と言われる状況にあっては、これは光明ではないかと考えているところです。今回、この結果が一時的なものではなく、今後も継続していくならば、投票率の向上につながるのではないかと考えています。  そのためにはどうしたらいいのか、そのヒントになりそうなものに、ことし7月に公益財団法人明るい選挙推進協会が新有権者等の若年者を対象に行った意識調査があります。この調査によると、投票に行かなかった理由の上位は、面倒だったからが29.4%、選挙に余り関心がなかったからが26.4%というものです。この結果を見ると、投票は難しいものではないし、選挙は特別なことではないといった意識づけが必要ではないかと思っています。さらに、この調査では、親と投票所に行った経験のある人とない人に区分して参議院選挙での投票行動を調べています。その結果は、子どものころに親と一緒に投票所に行ったことがあると答えた人では、半数以上の67.3%の方が投票に行ったと答えたのに対して、子どものころに親と一緒に投票所に行ったことがないと答えた人のうち、投票に行ったと答えた方は44.8%と半数を下回るものです。これらの調査結果から、投票権を得る前から親と一緒に投票所に行くという体験が投票行動によい影響を与えているのではないかと考えています。  そこで、私は、昨年からことしにかけて、選挙権年齢の引き下げのほかにもさまざまな公職選挙法の改正があった中、投票所に入ることができる子どもの範囲の拡大という改正に注目しています。これは、投票所に入ることができる未成年者は乳幼児に限られていたところを、18歳未満の全てに拡大されたものです。  そこで、質問ですが、7月に執行された参議院議員通常選挙は、投票所に入ることができる子どもの範囲が拡大されてから初めて執行された選挙でしたけれども、その実態はどうだったのでしょうか、また、選挙管理委員会として、投票所に入ることができる子どもの範囲を拡大する法改正をどのように認識しているのか、お伺いします。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  投票所に入ることができる子どもの範囲の拡大についての実態でございます。  過去の選挙におきましては調査をしておりませんでしたが、7月の参議院通常選挙では、白石区の標準投票区の投票所である白石区役所をサンプルとして抽出して調査いたしました。選挙人に同伴して入場した子どもの数を調査したところ、投票日当日、1日のみの調査ではございますが、投票者数1,320人、選挙人に同伴して投票所に入場した子どもの数は84人でございました。そのうち、未就学児と思われる者が67人、小学生以上と思われる者が17人でございました。  選挙人が同伴する18歳未満の者は投票所に入ることができると明確に法律に定められたことから、子ども連れの投票がしやすくなり、子どもにとっては選挙や投票に触れる機会が得られるようになったと認識しております。 ◆山口かずさ 委員  小学生以上と思われる方が17人ということでした。年齢はわかりませんが、小学生以上が17人ということなので、極論を言えば、親子でなくても、例えば18歳で投票権を得て、17歳の友達と一緒に投票所に足を運ぶことも可能になったという解釈になると思います。また、早いうちから投票に触れることは、将来、有権者になったときの選挙に対する意識によい影響を与えると考えます。選挙管理委員会としては、法改正により、子どもが選挙や投票に触れる機会が得られるようになったと認識しているという回答でした。しかし、子どもの数を聞くと、まだまだ周知不足だと感じています。  そこで、さきの参議院選挙に当たって、投票所に入ることができる子どもの範囲を拡大する法改正をどのように周知したのか、今後の対応はどのようにするのか、お伺いします。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  改正内容の周知と今後の対応ということでございます。  本市におきましては、ホームページで選挙人の同伴する18歳未満の者も投票所に入れることをQ&A形式で掲載して周知しているところでございます。今後は、さらに、小・中学校に出向いて行う模擬投票、選挙体験事業と称しておりますが、こういった場などを活用して子どもたちに対して直接周知を図ることも考えていきたいと思っております。 ◆山口かずさ 委員  ぜひとも、早いうちから投票に触れて、選挙を身近に感じてもらって、面倒だから、選挙に余り関心がなかったからというネガティブな理由で放棄する人が少しでも減ることを期待しています。選管には、今後もこうした法改正の周知をしっかり行うように求めておきます。  次に、選挙を身近に感じてもらうという観点から、投開票事務のアルバイト募集についても質問します。  若者が投開票事務のアルバイトに従事することは、選挙に関心を持ってもらう、身近に感じてもらうという観点からも意義のあることだと思っています。札幌市でも、そうした観点で、以前から若者にも広く募集を募っていると聞いています。  そこで、質問です。  さきの参議院議員通常選挙において、札幌市では、どのようにしてアルバイトの募集の周知を行い、結果として学生のアルバイト従事者は何人であったのか、お伺いします。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  さきの参議院選挙における投開票事務のアルバイトの募集の周知方法と何人いたのかということでございます。  まず、周知方法でございますが、広く一般の方を対象にしてホームページで募集したほか、学生の応募を促すため、市内の大学や専門学校に募集案内ポスターと申込書を配付して周知を図ったところでございます。その結果、さきの参議院議員選挙では、アルバイト総数3,922人のうち、755人が学生でございました。 ◆山口かずさ 委員  今の答弁を聞くと、3,922人のうちの755人という数字は、決して多くないと感じました。まだまだ学生のアルバイトの割合をふやす余地はあると思います。条件は結構いいほうだと思うので、アルバイト募集の情報をキャッチできたら、従事したいと考える学生も多くいると思いますし、それが選挙に関心を持ったり選挙を身近に感じられるようになることにつながるのであれば、なおさら若い方たちに機会を得てもらいたいなと思います。  では、今後どのような取り組みを考えているのか、お伺いします。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  選挙を身近に感じてもらうための今後の取り組みということでございます。  投開票事務は、多くのアルバイトで成り立っているところがございます。アルバイトは必ずしも若者に限るものではございませんが、若年層の投票率が低い状況にあっては、啓発的な観点からも多くの学生に投開票事務に従事していただきたいと考えております。選挙を身近に感じてもらうことが大事でございまして、今後とも、市内の大学や専門学校に協力を依頼して学生アルバイトの確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆山口かずさ 委員  投票率向上のために、選挙の際に投票に行きましょうと直接訴えるスタイルの啓発は当然大切だと考えてはいますが、それだけではなく、人の意識を変えること、選挙に関心を持ってもらえる、選挙を身近に感じてもらえるような取り組みが大切ではないかと考えます。そのための取り組みは、地味に見えるかもしれませんが、とても大切なことだと思っていますので、今後とも選挙が身近に感じられるような方策をとってもらいたいということを求めて、私からの質問を終わります。 ◆小口智久 委員  私からは、若者を中心とした選挙啓発と選挙制度の周知の2項目について質問を行います。  まず、若者を中心とした選挙啓発についてですが、昨年の決算特別委員会では、我が会派から、若者の投票環境向上に向けて、大学や市中心部への期日前投票所の設置に関して質問したところ、10区分の期日前投票所を設置するスペースの確保の面などでなかなか簡単にはできない現状にあることは理解しました。しかし、そもそも我が会派が目指しているのは、若者を含めて、一人でも多くの方に投票に行っていただくにはどうしたらいいのかということであり、その視点から、18歳選挙も踏まえ、選挙の啓発について、順次、質問を行ってまいります。  まず最初に、今回の参議院選挙に際して、若者に対してどのような啓発を行ったのか、伺います。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  今回の参議院選挙に際して若者にどのような啓発を行ったかというご質問でございます。  まず、18歳選挙権が成立した後の初めての選挙ということで、当事者である若者に啓発事業に参画してもらうという視点に立って新たな試みを行いました。具体的には、投票日の周知と投票参加を呼びかける街頭宣伝放送について、北海学園大学の学生に呼びかけて、学生たちに原稿作成から声の出演まで依頼しました。そのほかに、教育委員会を通じて、各市立高校に街頭啓発への高校生の参加を呼びかけて、合計29名の高校生に参加してもらったところでございます。また、18歳、19歳に対して広く啓発を行うために、参議院選挙で新たに選挙権を得る見込みの方々に対して、6月に啓発冊子を一斉に送付するとともに、選挙前には、高校3年生向けに投票の仕方や選挙運動の解説に加えて、17歳では選挙運動ができないことなどを知らせるチラシを新たに作成して、市内全ての高校に送付いたしました。市内の各大学に対しても、同様にチラシを送付したところでございます。  加えまして、今回の参議院選挙はもとより、将来の選挙を見据えまして、有権者となる前の早い段階において、学校教育と連携した啓発が重要と考え、小・中学校ではせんきょ体験授業、高校では出前講座を実施して、児童生徒に模擬投票などを体験してもらっているところでございます。 ◆小口智久 委員  ただいまご答弁がありましたが、若者が参画する新たな試みとして、北海学園大学の学生による手づくりの原稿による選挙参加を呼びかける街頭宣伝放送、また、市立高校生は、たすきをかけながらという話を聞いておりますけれども、29人による街頭啓発もしていたようで、涙ぐましい努力に大人も行くぞという声が聞かれました。また、18歳、19歳への啓発冊子の送付、市内の全高校へ注意事項を書いたチラシを送付したこと、また、小・中学校の体験授業、高校へは出前講座で生徒に模擬投票を行うなど、さまざまな啓発を行ってきたことは理解いたしました。  それでは、今回の参議院選挙で、実際に18歳、19歳の投票率はどうだったのか、他の政令指定都市との比較ではどうだったのか、伺います。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  18歳、19歳の投票率はどうだったのかということでございます。  参議院選挙におきまして、札幌市の投票率について全数調査を行いましたところ、18歳は53.75%、19歳では45.35%となっております。20代前半は、抽出調査でございますが、投票率は34.07%ですので、20代よりは高い結果になったところでございます。また、他の政令指定都市と比較したところ、札幌市は、政令市20市中6番目という結果でございました。 ◆小口智久 委員  18歳、19歳の投票率は20代前半より高く、札幌市は政令市20市中6番目ということでございます。18歳、19歳への啓発は、20代の投票率と比較して効果があらわれているとは思いますが、全体の投票率と比べるとまだ低い状況です。一方、先ほどの答弁にあった学校教育と連携したせんきょ体験授業については、中長期的には将来の投票率向上に向けて意義のある取り組みと考えます。  そこで、質問ですが、今後さらに多くの若者に投票してもらうためにどのような啓発を進めていくのか、伺います。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  若者に対する啓発を今後どのように進めていくのかというご質問でございます。  まず、小・中学校のせんきょ体験授業につきましては、昨年度の実施後のアンケート結果におきまして、ほとんどの児童生徒から、将来、選挙権を持ったら投票に行くと思うという回答をいただきまして、啓発は効果があると認識しているところでございます。今年度は、現時点で31校の実施を予定しております。昨年度実績は16校でしたので、ほぼ2倍の規模でございます。今後も、教育委員会と連携しながら継続して実施してまいりたいと考えております。  もう一つ、18歳の方々に対する啓発といたしまして、これまで、20歳の方々に対して送付していた啓発用冊子を改めまして、18歳の誕生日を迎える月に継続して送付することとしたいと考えているところでございます。 ◆小口智久 委員  せんきょ体験授業を実施した後にアンケートで生徒に聞いたところ、ほとんどの生徒が選挙権を持ったら投票に行きたい、行くぞという言葉が聞かれたということで、啓発の効果が見られることがわかりました。また、授業の実施について、今年度は、昨年の約2倍の31校で実施していきたい、また、啓発の冊子も18歳の誕生日の月に送って本人の自覚を促すとのことでした。若者が行う選挙啓発や、小・中学校のうちから選挙の大切さを教える取り組みは大変意義のあることだと思うので、今後も工夫しながら若者に対する啓発を進めてもらいたいと思います。  次に、選挙制度の周知について伺います。  今や、多くの若者はスマートフォンを使うのが常識となっておりますが、今回の参議院選挙において、投票所でスマートフォンを使っていた若者が従事者から注意を受けていたと聞いております。また、高齢者からは、みずから投票用紙に書けないので投票に行かないという話も寄せられておりますが、公職選挙法では代理投票という制度があるにもかかわらず、その浸透が図られていないのではないかと感じております。  そこで、質問ですが、投票所におけるスマートフォンの使用に関し、何かルールがあるのでしょうか。  また、ルールがあるなら、トラブルが起きないよう周知が必要と考えますが、どのように周知しているのでしょうか。現にトラブルが起きているということは、周知が足りないのではないかと思います。  さらに、代理投票の周知はどのように行っておりますか、伺います。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  スマートフォンの使用についてでございます。  投票所におけるスマートフォン使用のルールでございますが、公職選挙法では、投票の秘密保持、投票所における秩序保持が定められておりますので、札幌市では、投票所内でのスマートフォンや携帯電話での通話や撮影はお断りしているところでございます。特に投票所内での通話は、喧騒にわたる行為になりますほか、特定の候補者の氏名、政党などの名称を大声で言うような場合には投票干渉に当たるおそれもあるため、かたくお断りしているところでございます。  ただし、通話や撮影以外、例えば、候補者の情報を確認するために、ツイッター、フェイスブックなどのSNSやホームページなどを閲覧するといった目的での使用については、歩きスマホはやめるなどの一般的なマナーが守られて他の選挙人の迷惑にならない使用である限りは、投票所内での使用であっても禁止しないという扱いとしているところでございます。  このルールの周知でございますが、私どもが今やっておりますのは、投票所内にイラストと文章で、携帯電話などでの通話、撮影の禁止を表現した張り紙で周知を図っているところでございます。張り紙は、イラストを大きくして視覚に訴えるようなものにしておりますけれども、現状では通話禁止と撮影禁止を1枚の張り紙で表現しておりましてわかりにくい表示でございますので、次回からは、通話禁止の張り紙と撮影禁止の張り紙を分けて、よりわかりやすくなるようにしたいと検討しているところでございます。  それから、代理投票の周知でございますが、代理投票につきましては、ホームページに掲載するとともに、コールセンターでも問い合わせに応じております。また、誌面が許せば広報さっぽろでもお知らせしていきたいと考えております。 ◆小口智久 委員  投票所内でのスマートフォンや携帯電話の通話や写真撮影は禁止している、しかし、候補者の情報を確認するために検索する部分については使用が認められているということでございます。さらに、通話や撮影禁止の張り紙はされているということで、私も見ましたけれども、ぱっと見た感じは、持ち込み禁止に見えるようなイラストでした。今後、通話禁止、また撮影禁止を使い分けたイラストを検討してくれるということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。  また、代理投票については、ホームページ、コールセンター、広報さっぽろでもお知らせしたいとの答弁でした。法律では、より多くの方が選挙権を行使できるよう、さまざまな投票手段が用意されておりますので、今後も、一人でも多くの方が投票できるよう、制度の浸透を図っていただきたいと思います。 ◆平岡大介 委員  今、各委員からも、若者への選挙の対応ということが取り上げられておりましたが、私からも、投票率の認識と大学の投票所開設についてお伺いしたいと思います。  データで見ますと、2009年の国政選挙においては70%を超える投票率でしたが、国政、地方を含めて、2005年の選挙から2010年の5年間では60%台を推移しており、2010年以降から現在までは大体50%台を推移しておりますけれども、まず、その点をどのように認識しておりますか。  あわせて、各委員からもお話がありましたように、前回の参議院選挙から18歳選挙権が施行されましたけれども、年代別で見てみますと、18歳から19歳は約50%で、とりわけ20代と30代の投票率が約30%と大変低い状況です。これをどのように考えているのか、まず、この2点を伺いたいと思います。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  まず、最近の投票率についてどのように認識しているかということでございます。  投票率は、一般的に言われておりますように、そのときの争点や候補者の顔ぶれ、あるいは、当日の天候などにも左右されると言われております。札幌市は、他の指定都市と比べて、比較的、投票率が高い位置にございます。しかしながら、平成23年執行の統一地方選挙以降、札幌市の投票率は6割を切るような状況が続いており、これは満足すべき結果だと思っておりません。  それから、年齢別投票率において、20歳代、30歳代が低いということについてどう認識しているかということでございます。  年齢別投票率を見ますと、従前と同様、20歳代の投票率が最も低く、次いで30歳代が低いという結果となったことは、引き続き課題であるというふうに考えております。一方、18歳、19歳の投票率は、全体投票率には及ばなかったものの、比較的高い結果となり、これについてはよかったと安堵しているところでございます。18歳、19歳の比較的高い投票率をスタート台にして、今後、20歳代、30歳代の投票率も上がっていくことを期待したいと考えているところでございます。 ◆平岡大介 委員  2013年の参議院選挙では、学校等を投票所として利用されたのが5カ所しかありませんでした。しかし、ことし7月の参議院選挙では、校内に設置する自治体が大変ふえて、全国で98カ所になりました。  先ほど、若者の投票意識が低いことが課題であるといった答弁がございましたが、大学での投票所開設は、学生にとって政治参加の意識を向上させることに資するものではないかと考えますがいかがか、伺います。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  大学に期日前投票所を設置することにより、学生の政治参加を促すことに資することにならないかということでございますが、委員がおっしゃるように、大学に設置することは、当該大学に通う学生に対する啓発など、期待できる面はあるものと認識しております。 ◆平岡大介 委員  例えば、青森県では、大学と選挙管理委員会が協力いたしまして、1日だけの開設でしたが、学生が主体となって運営するという全国的にも大変珍しい取り組みが行われました。そして、全国的にふえているということで、本市も、他市の動向を研究しながら、大学等の構内への投票所の開設を積極的に呼びかけていくべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎山道 選挙管理委員会事務局長  学生の政治参加の意識づけと考えるならば、大学に通学する多くの学生が利用できることは望ましいことですが、大学生は、通学する大学の所在する区に住んでいるとは限らず、広く市内外から通ってきていることが考えられます。札幌市の大学に設置する場合には、10区の期日前投票所を大学に設ける必要がございます。そのため、会場として相当な面積が必要となるなどの課題もあると考えておりまして、啓発効果などはあると認識しておりますけれども、総合的に考えますと現状では大学に設置するのは難しいと考えております。 ◆平岡大介 委員  必ずしもその区に住んでいるとは限らない、10区分の面積が必要なのだ、大変難しいといった答弁でございました。  しかし、総務省の報告によりますと、前回の7月の参議院選挙では、2013年の参議院選挙と比べ、期日前投票所が全国で498カ所ふえて、全部で5,299カ所となりました。そして、期日前投票制度が導入された2003年以降、衆参を含めて最多となったということです。また、期日前投票の利用者も全有権者の15.05%となり、2013年の前回の参議院選挙と比べて1.23倍ふえたということでありました。  現在、本市では、各区役所において期日前投票ができるようになっていますが、そのほかに、北区、東区、南区においては地区センターを第2期日前投票所として開設しているところです。我が党は、かねてから、投票率と市民の利便性の向上のために、全区で第2期日前投票所をふやしていくべきと求めており、また、大学での開設も含めて、改めて前向きに検討するように求めて、私からの質問を終わります。 ○小川直人 委員長  以上で、第4項 選挙費の質疑を終了いたします。  最後に、第5項 人事委員会費及び第6項 監査委員費の質疑を行いますが、いずれも通告がありませんので、質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月12日水曜日午後1時から、総務局及び危機管理対策室関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後4時21分...