観光につきましては、
主要地下鉄駅や
大通公園などにおけるWi−
Fi環境の整備や、
雪まつりのつど
ーむ会場における
開催期間の延長、
ホワイトイルミネーションの
会場拡大などに取り組んできたところ、昨年度の
外国人宿泊者数は過去最多の191万8,000人を記録するに至りました。今年度からは、札幌を訪れる方々の満足度をより高めるため、民間の小売店や飲食店などのWi−
Fi環境整備を支援するほか、来年2月に開催される2017
冬季アジア札幌大会において、
子どもたちによる
応援グッズの作成や、
地元住民の協力による炊き出しなど、市民・企業・行政の総力を結集した
おもてなし活動に取り組んでまいります。また、今年度は、このほかにも、経済やまちの活性化につながるさまざまな
取り組みを展開してまいります。
7月末に開催した札幌市主催の
国際会議、世界冬の
都市市長会議では、
環境技術と旅行をテーマに、
ビジネス交流会として個別の
商談会を初めて開催し、企業の
海外展開の
機会創出を図ったところであります。さらに、来月に予定されている映画、音楽、
IT先端技術の三つの分野が複合した
国際ビジネスコンベンション、No Mapsの開催を支援することで、新たな
ビジネスを生み出す機運を盛り上げていくとともに、
IT産業の集積といった札幌の強みを生かし、
情報通信技術の活用による暮らしの
満足度向上を目指す(仮称)札幌市
ICT活用戦略を策定いたします。来年3月には、札幌市では初となる障がい
者スキーの
国際大会、2017
IPCノルディックスキーワールドカップが開催されます。この大会を成功に導くことで、
冬季オリンピック・
パラリンピック招致への大きな弾みとしてまいりたいと思います。
私は、ことし1年を全力でさまざまな課題に取り組む躍動の1年とする決意で、市政を運営しているところであります。引き続き、市民の皆様、そして
市議会議員の皆様方を初めとする多くの方々の一層のお力添えをいただきますようお願い申し上げます。
それでは、平成27年度各
会計決算につきまして、その概要をご説明させていただきます。
平成27年度は、
市議会議員及び市長の選挙が行われたことから、当初は
骨格予算とし、選挙後に肉づけ予算を編成いたしました。当初予算は、義務的な経費や従来からの継続的な事業などのほか、札幌市の
まちづくりの指針である札幌市
まちづくり戦略ビジョンに掲げる
取り組みのうち、間断なく進める必要のある事業を中心に編成いたしました。また、肉づけ予算については、私の
施政方針の四つの
まちづくりの柱である、雇用を生み出す力強い街、女性が輝き
子どもたちが健やかに育つ街、いつまでも安心して暮らせる街、魅力と活力にあふれた暮らしやすい街に沿った
取り組みを中心に編成いたしました。
この予算の執行に当たりましては、収入においては、常にその状況を把握し、増収に向けて鋭意努力するとともに、可能な限り
早期収入に努め、支出においては、庁内や他団体との連携を図りながら、職員一人一人の
創意工夫と努力により、効率的かつ合理的な執行と経費の節減に努めたところであります。
この結果、各会計とも、予算に計上した事業につきましては、ほぼ所期の目的を達成することができたと考えております。
札幌市の
財政状況につきましては、
地方交付税への依存度は依然として大きく、また、
義務的経費である
社会保障関連経費が引き続き伸び続けているなど、今後も予断を許さない状況が続くことは疑いがありません。このような状況の中でも、私が描く未来の札幌の姿の実現に向けて、札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2015における
まちづくりの
取り組み及び
行財政運営の
取り組みを着実に実施してまいりたいと考えております。
次に、主要な事業の執行結果につきまして、
アクションプランの体系に沿いまして、その概要をご説明いたします。
第1に、暮らし・コミュニティについての施策の成果であります。
互いに支え合う
地域福祉が息づく街の実現に向けた施策につきましては、
特別養護老人ホーム及びホーム内の
福祉避難場所用スペースの整備を促進するため、
事業者への補助を行ったほか、高齢の方などが住みなれた地域で
医療サービスを受けることができるよう、
在宅医療の推進に向けた検討や
在宅医療を担う人材の育成に取り組むとともに、
高齢者用肺炎球菌ワクチンの
予防接種や
歯周疾患検診について、
対象者へ個別に通知を行うことにより疾病の予防と受診率の向上に努めるなど、
健康寿命の延伸に向けた
取り組みを進めました。
また、初妊婦の方に対し、
母子保健訪問指導員が
家庭訪問を行い、出産や育児に関する相談を実施したほか、心に悩みを抱える
子どもや発達障がいの
子どもがより適切な支援を受けられる環境を整備するため、医療、福祉、保健及び
教育機関の連携を図り、
児童精神科医療の体制を強化したことに加え、障がいのある方が安心して
地域生活を送ることができるように
相談支援体制を強化いたしました。
さらに、
学校施設の
耐震補強を行うとともに、
屋内運動場等の天井の
落下防止対策を実施したほか、小・中学校34校に
備蓄物資配置場所等を整備し、備蓄する食料を増強するなどの
避難場所の
環境整備を進めました。
次に、誰もが生涯現役で活躍できる街の実現に向けた施策につきましては、
待機児童解消のため、
認定こども園や保育園の定員増及び
賃貸物件を活用する
保育所や
小規模保育の
拡大等により、全体として1,026人分の
保育定員の増加を図るとともに、多様な
保育ニーズに対応するため、
認可保育所とほぼ同水準の預かり保育を行う
私立幼稚園への補助を拡大するなど、
幼児教育・保育及び
子育て支援の量の拡充と質の向上を図りました。
また、
生活困窮者の自立を支援するため、市内に
相談窓口を設置し、
生活困窮世帯に対して就労などの問題に関する
相談支援や
住宅確保などのための給付金の支給など、幅広い支援を実施いたしました。
さらに、
高等支援学校の
市内北部への偏在を解消するため、旧
真駒内小学校敷地に新設する
市立札幌みなみの
杜高等支援学校の設計を実施するとともに、
子育て環境の
充実強化と
地域コミュニティーの維持・向上を図るため、旧
真駒内緑小学校の跡施設の活用を進めたほか、特別な
教育的支援が必要な
子どもに
学習活動における支援や
日常生活動作の介助などを行うため、学びのサポーターを増員し、その配置時間数も拡大いたしました。
加えて、不登校やいじめなどの課題に対応するため、
スクールカウンセラーの配置時間の拡大やスクールソーシャルワーカーの
体制拡充を実施いたしました。
次に、地域の課題を地域の力で解決する街の実現に向けた施策につきましては、
地域活動の中核を担う
町内会を支援するため、
町内会同士の交流や
情報交換などを目的としたシンポジウムや講座を開催したほか、
町内会への加入を促進するための
支援策について、
条例等の
法的整備も視野に入れ、
調査検討を進めました。
また、老朽化した
北白石まちづくりセンターの建てかえを行ったほか、地域の商店街による
地域課題解決に向けた
取り組みの支援を実施いたしました。
さらに、
幹線道路と
生活道路を中心に
交差点排雪を強化するとともに、持続可能な
除雪体制の再構築に向けて、現状の
除雪体制の効果や課題について検証を進めました。
今後とも、社会全体で
子どもを育むとともに、誰もが安心して暮らせるように、市民それぞれが自立し、お互いを尊重し合いながら社会に参加できる
環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
第2に、産業・活力についての施策の成果であります。
北海道経済の成長をけん引する街の実現に向けた施策につきましては、中国などアジアを中心とする海外からの
観光客の誘致や、
都心部における
外国語対応観光サインの新設、
円山動物園などの
観光スポットにおけるWi−
Fi環境を整備するなど、
外国人観光客の
受け入れ体制を強化いたしました。また、集客力の向上に向け、さっぽ
ろオータムフェストやつど
ーむ会場でのさっぽ
ろ雪まつりの
開催期間を1週間延長したほか、札幌を訪れる
観光客の
宿泊需要と消費の拡大を図るため、北海道と連携をし、
プレミアムつき旅行券を発行いたしました。
さらに、
免税対応等の
外国人向けサービスを強化する
モデル事業を都心の
商業施設で実施したほか、
健康関連産業における新たな
事業化に向けた支援を実施いたしました。
加えて、国内での
ホッキョクグマの繁殖を持続可能なものとするため、新たに海外から個体の
受け入れを可能とする
ホッキョクグマ・
アザラシ館の建設に着手いたしました。
次に、国内外の活力を取り込む街の実現に向けた施策につきましては、企業の誘致と次世代を見据えた
産業育成の
取り組みとして、
本社機能や食・
バイオ産業等の誘致を進めたほか、新たな製品や
サービスを創造するため、
IT産業と
バイオ産業との連携を促進するとともに、
IT企業の
海外展開の支援を実施いたしました。また、
中小企業者の創業や
海外展開等を促進するため、
融資制度を拡大いたしました。
さらに、MICEの
誘致強化を図るため、
札幌国際プラザ・
コンベンションビューローの
体制強化を図ったほか、
冬季オリンピック・
パラリンピックの招致に係る
計画策定や、
招致機運の醸成を図るための
PR活動等を実施するとともに、
スポーツイベントの誘致を戦略的に行うため、
地域スポーツコミッションを設立いたしました。
加えて、
北海道新幹線の
札幌延伸を見据え、札幌駅
交流拠点の基本的な整備のあり方や、主要街区である北5西1街区及び北5西2街区の整備に向けた検討を行ったほか、都心への
アクセス向上を図るため、
創成川通の
機能強化に向けた検討を行いました。
次に、
産業分野の人材を育む街の実現に向けた施策につきましては、平成27年4月に開校した
市立札幌開成中等教育学校において、
国際バカロレアカリキュラムや、
情報通信機器を活用した課題探究的な
学習モデルの研究を行いました。
また、
子どもたちの多様な学びを支える
取り組みとして、英語教育を推進するため、小・中学校及び高等学校に外国語指導助手を93人配置したほか、中央区の中学校1校に試行配置していた学校司書を全区に拡大いたしました。
さらに、女性中小企業診断士による経営相談や女性起業家交流会の開催等により女性の起業を支援するとともに、ワーク・ライフ・バランスに配慮する職場
環境づくりに取り組む企業の支援を実施したほか、働く女性や企業に対し、出産後の職場復帰に役立つ内容のセミナーを実施するなど、社会全体で
子育てを支える仕組みづくりを進めました。
今後とも、地域経済を元気にし、札幌の未来を担う若い世代が安心して働ける雇用の場を創出していくとともに、札幌の魅力を国内外へ発信する
取り組みを進めてまいりたいと考えております。
第3に、低炭素社会・エネルギー転換についての施策の成果であります。
自然と共生する環境負荷の少ない街の実現に向けた施策につきましては、官民協働や再開発の手法により、
都心部における駐輪場の整備を行うとともに、市道西2丁目線地下駐輪場の工事に着手いたしました。
次に、エネルギー効率の高い持続可能な街の実現に向けた施策につきましては、北1西1周辺街区におけるエネルギーネットワークの構築を支援したほか、燃料電池自動車の普及に向けた調査など、次世代エネルギーの活用に向けた
取り組みを進めました。
また、駒岡清掃工場の更新に向け、高効率なエネルギー回収システムの導入などを盛り込んだ基本計画の策定に着手するとともに、白石清掃工場の発電能力回復のための工事を実施いたしました。
さらに、省エネ技術の普及促進に向け、技術者育成を図るため、省エネ効果の高い積雪寒冷地特有の札幌版省エネ技術の講習会を行いました。
加えて、循環型社会の構築に向け、
町内会等が行っている集団資源回収に対する支援を強化したほか、新たに札幌クリーニング協同組合と連携し、古着の回収を促進いたしました。
今後とも、環境首都・札幌として、自然と共生する快適な都市生活の実現に向け、再生可能エネルギーの積極的活用や効率的なエネルギーネットワークの構築、循環型社会への
取り組みなどを進めてまいりたいと考えております。
第4に、戦略を支える都市空間についての施策の成果であります。
世界都市として魅力と活力あふれる街の実現に向けた施策につきましては、創世
交流拠点の
まちづくりを先導する札幌創世1.1.1区(さんく)北1西1地区市街地再開発事業を推進し、今後の札幌の文化芸術や市民活動の拠点となる市民交流プラザや公共駐輪場の整備を進めたほか、地下鉄白石駅に隣接した市有地に、区役所、保健センター、区保育・
子育て支援センター、えほん図書館などの地域
交流拠点にふさわしい機能を備えた複合庁舎の整備を進めました。
また、新さっぽろ駅周辺地区や篠路駅周辺地区の
まちづくりの推進など、地域
交流拠点の整備に取り組んだほか、苗穂駅周辺地区における南北分断等の地域課題の解消及び都心と苗穂地区の回遊性の向上を図るため、交通結節機能の向上と苗穂駅移転橋上化に向けた整備を行いました。
さらに、民間建築物の耐震化を促進するため、平成25年の耐震改修促進法の改正により、耐震診断の実施と報告が義務化された大規模建築物の耐震改修工事に対する補助制度を新設したほか、北2西3北地区と大通東4地区の優良建築物の整備に対する支援を行いました。
加えて、民間投資を最大限に活用し、都心にふさわしい土地の高度利用を図るため、再開発事業を推進するとともに、災害に強い都市づくりを進めるため、橋梁の長寿命化に向けた補修を行いました。
今後とも、民間投資を呼び込む再開発事業を促進するなど、世界都市・道都としての都市整備を行ってまいりたいと考えております。
以上、平成27年度各会計の事業執行の概要についてご説明いたしましたが、議案第1号から第7号までの各
会計決算につきましては、決算書のほかに歳入歳出決算事項別明細書、決算説明書その他の決算に関する書類及び
監査委員審査意見書を添付しておりますので、詳細につきましては、これらを対照、検討の上、ご認定をいただきたいと存じます。
また、議案第6号及び第7号には剰余金の処分案が含まれておりますので、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
以上で、各
会計決算の説明を終わりまして、次に、補正予算その他の諸案件の説明に入らせていただきたいと存じます。
初めに、議案第8号は、平成28年度札幌市
一般会計補正予算であります。
歳入歳出予算の補正項目の第1は、国の補正予算等に伴うものであります。
まず、国の平成27年度補正予算等を活用し、
待機児童の解消を図るための賃貸型の
保育所整備に対する補助、
保育士を目指す人材等の負担軽減のための貸付事業に対する補助及び
保育士の業務負担軽減のためのシステム導入費等に対する補助をそれぞれ追加するとともに、介護従事者の負担軽減を図るため、介護ロボットを導入する
事業者への補助を追加するものであります。
このほか、国の地方創生推進交付金を活用し、民間企業や旅行会社等と連携して設立する予定の夜景観光推進協議会において、夜景観光を推進するための夜景ガイドブックの作成等を行うための経費を追加するものであります。
補正項目の第2は、年度内に新たに予算措置の必要が生じたものであります。
ウインタースポーツシティーとしての札幌のブランド力をより強く世界に発信するため、ことし11月の2016NHK杯国際フィギュアスケート競技大会、来年2月のFISノルディックコンバインドワールドカップ2017札幌大会及び来年3月の2017
IPCノルディックスキーワールドカップ札幌大会に対する開催費補助等をそれぞれ追加するとともに、大倉山ジャンプ競技場のジャンプ台改修、札幌ウィンタースポーツミュージアムのオリンピックミュージアム化に向けた
整備等に係る経費を追加するものであります。
このほか、平成30年度に、
円山動物園にアジアゾウを導入するための象舎建設に係る経費の一部を追加するとともに、平成30年度から実施される国民健康保険制度の改正に伴うシステム改修のための国民健康保険会計への繰出金を追加するものであります。
以上によります一般会計歳入歳出予算の補正総額は27億9,800万円となり、この財源といたしましては、国庫支出金等の特定財源22億4,731万6,000円を充て、差し引き5億5,068万4,000円の一般財源につきましては、繰越金を充てるものであります。
次に、債務負担行為の補正でありますが、先ほどご説明いたしました
円山動物園の象舎建設に関しまして、平成29年度から平成30年度分の工程に係る債務負担行為を設定するほか、後ほどご説明いたします廃スプレー缶の排出方法の変更に伴う廃スプレー缶の処理業務に関しまして、平成29年度から平成33年度までの債務負担行為を設定するとともに、廃スプレー缶の回収及び普及啓発業務等について金額の変更を行うものであります。
また、市有施設の保全業務について、工事期間の延長に伴う期間の変更を行うものであります。
次に、議案第9号 平成28年度札幌市
国民健康保険会計補正予算は、先ほどご説明いたしました国民健康保険制度の改正に伴い、システム改修費を追加するとともに、債務負担行為を設定するほか、国民健康保険料のコンビニエンスストアでの収納代行を平成29年6月から実施するため、収納業務に係る債務負担行為を設定するものであります。
次に、議案第10号 平成28年度札幌市
介護保険会計補正予算は、平成27年度に概算交付された国庫負担金等の額が確定したことに伴い、その超過
受け入れ分について返還金を追加するものであります。
次に、議案第11号 平成28年度札幌市
公債会計補正予算は、先ほどご説明いたしました一般会計の補正に伴う市債の整理を行うものであります。
次に、議案第12号は、
札幌市議会議員及び
札幌市長の選挙における
選挙運動に要する費用の
公費負担に関する条例の一部を改正する
条例案であります。
これは、公職選挙法施行令の一部改正により、国政選挙における
選挙運動用自動車の使用などに係る
公費負担の限度額が引き上げられたことを踏まえ、これに準じて、条例で定めている
市議会議員及び市長の選挙における
選挙運動用自動車の使用並びに
選挙運動用ポスター及び
選挙運動用ビラの作成に関する費用に係る
公費負担の限度額を改定するものであります。
次に、議案第13号は、札幌市
税条例の一部を改正する
条例案であります。
これは、地方税法等の一部改正及び法人市民税の法人税割の超過課税の適用期限の到来に伴うものでありまして、その主な内容についてご説明申し上げます。
まず、個人市民税についてでありますが、日本と台湾との間で租税条約に相当する枠組みを構築することを目的とした日台民間租税取決めの内容を実施するため、日本国居住者が台湾に所在する法人などから支払いを受ける特例適用利子等及び特例適用配当等について、課税の特例を導入するための規定整備を行うものであります。
次に、軽自動車税についてでありますが、燃費性能等にすぐれた三輪以上の軽自動車のうち、平成27年度に取得した新車について税率を軽減する、いわゆるグリーン化特例の適用期限を1年延長し、平成28年度に取得した新車についても税率を軽減するものであります。
次に、法人市民税についてであります。
法人市民税の法人税割の超過課税につきましては、地下鉄建設事業及び下水道建設事業を推進するに当たり、その財源の一部に充てるため、昭和52年から5年間の時限措置として実施し、同様の目的で現在までにその期間を7回延長してまいりましたが、その適用期限が来年1月31日に到来することとなっております。市税を初めとする自主財源に大きな伸びが期待できない一方、扶助費等の
義務的経費が増加をしており、
財政状況は依然として厳しい状況にあることから、今後も、地下鉄建設事業及び下水道建設事業に係る元利償還金に充当する財源を確保するため、現行の法人税割の超過課税をさらに5年間延長しようとするものであります。
これらの改正による市税収入への影響額につきましては、軽自動車税のグリーン化特例の延長により約1億800万円の減収、法人市民税の法人税割の超過課税の継続により、平成29年度に約31億3,000万円、5年度間の累計で約158億5,000万円の増収が見込まれますが、その他の改正については、対象納税者が不明である等の理由により、増減収額は不明でございます。
次に、議案第14号は、札幌市
印鑑条例の一部を改正する
条例案であります。
これは、いわゆるマイナンバー法の制定を受け、札幌市において無料で交付しております個人番号カードを使用して印鑑登録証明書等をコンビニエンスストアの端末機で交付する
サービスを開始するため、新たな印鑑登録証明書の交付の方法を定めるものであります。
次に、議案第15号は、札幌市廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する
条例案であります。
札幌市では、家庭からごみステーションに排出される一般廃棄物のうち、スプレー缶やカセットボンベ、ライターが原因の収集車両火災が多発しており、収集作業効率の低下や作業員の安全確保などが課題となっております。この
条例案は、効果的に収集車両火災を防止するため、原因の一つであるライターを有料指定袋とは別の袋で排出できるよう、清掃手数料の徴収対象から除外するための改正を行うものであります。
なお、収集車両火災防止の実効性をより高めるため、この条例改正とは別に、既に清掃手数料の徴収対象となっていないスプレー缶の排出方法の変更も予定しており、同時に変更することで効果的な市民周知を行うため、施行期日は別途定めることといたします。
次に、議案第16号は、
札幌市営住宅条例の一部を改正する
条例案であります。
これは、下野幌団地及び定山渓団地並びにその駐車場の用途廃止を行うとともに、福島復興再生特別措置法の改正に伴う規定整備を行うものであります。
次に、議案第17号は、札幌市
電車乗車料金条例の一部を改正する
条例案であります。
本市の路面電車事業につきましては、平成24年4月に策定しました札幌市路面電車活用計画に基づき、路線のループ化や新型低床車両の導入などによる利便性、快適性の向上に取り組むとともに、内部効率化による人件費の削減などの経営の健全化に向けた事業を進めているところであります。
普通料金につきましては、平成4年4月から現在に至るまでの約24年6カ月の間、現行の料金を維持してまいりました。しかし、運転手の非常勤職員化等による内部効率化は進んでいるものの、当該計画で見込んでいる利用者負担の見直しが実施に至っていないことに加え、電気料金の引き上げなどによる経費の増加等の影響により、平成27年度決算において約1億3,000万円の経常損失が生じ、累積欠損金は約3億6,000万円となっており、路線のループ化による一定の乗車人員増を踏まえてもなお、今後も収支不足が続き、黒字化は見込めない状況であります。
このため、本年4月、札幌市営企業調査審議会に対しまして、路面電車事業の経営基盤の安定化に向けた適正な利用者負担について諮問をいたしましたところ、去る7月21日、各計画の実施状況に対する評価や取り組むべき方策、利用者負担のあり方などの貴重なご提言を内容とする答申をいただいたところであります。
この答申の趣旨を十分に尊重いたしまして、一層の経営の効率化を図るとともに、利便性、安全性の向上及び利用促進に取り組んでいく所存でありますが、早期に収支不足を解消するとともに、将来的に黒字を維持し、累積欠損金を解消することで経営基盤の安定化を図っていくためには、適切な料金水準を確保することが不可欠であると判断いたしましたことから、今回、所要の料金改定を提案するものであります。
その主な内容でありますが、現行大人170円の普通料金を200円に改めるとともに、それに伴う各種の定期料金等についても引き上げを行うものであります。
なお、今回の料金改定につきましては、国の認可が必要なことから、認可され次第、平成29年度のできるだけ早い時期に実施する予定であります。
次に、議案第18号から第23号までの
条例案6件は、いずれも地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律による市町村立学校職員給与負担法の一部改正により、札幌市立学校の一部の教育職員の
給与負担等に関する権限が北海道から移譲されることに伴い、所要の改正を行うものであります。
まず、議案第18号
札幌市立学校教育職員の
勤務条件に関する
条例案は、本市の教育職員の
勤務条件に関し、必要な事項を定めるものであります。
次に、議案第19号
札幌市立学校教育職員の給与に関する
条例案は、本市の教育職員の給与について定めるものであります。
次に、議案第20号
札幌市立学校教育職員の給与等に関する
特別措置条例案は、本市の教育職員の給与その他の
勤務条件に関する特例を定めるものであります。
次に、議案第21号
札幌市立学校教育職員特殊勤務手当条例案は、本市の教育職員の特殊勤務手当に関し、必要な事項を定めるものであります。
次に、議案第22号
札幌市立学校教育職員退職手当条例案は、本市の教育職員の退職手当について定めるものであります。
次に、議案第23号
県費負担教職員の
給与負担等の
権限移譲に伴う
関係条例の
整備等に関する
条例案は、北海道からの
権限移譲に伴う本市の
関係条例の
整備等を行うものであります。
次に、議案第24号及び第25号は、いずれも工事請負契約締結の件であります。
まず、議案第24号は、市営住宅の新築に係る主体工事でありまして、建物の規模は壁式鉄筋コンクリートづくり地上5階建てで、戸数は40戸、延べ面積は3,680平方メートルであります。
次に、議案第25号は、市営住宅の耐震改修、全面的改善に係る工事でありまして、現在のライフスタイルに対応するため、戸数を減らし、室内の空間を確保するなどのほか、
耐震補強をするものであります。
以上2件の工事請負契約につきましては、地方自治法施行令第167条の5の2の規定による一般競争入札により、各議案記載の請負業者が契約の相手方となりましたので、このたび、それぞれ請負契約を締結しようとするものであります。
次に、議案第27号及び第28号は、いずれも
損害賠償及び和解に関する件であります。
これらは、ことし3月に起きた札幌市の業務用の自動車による車両への接触事故2件につきまして、それぞれ被害に遭われた方と示談交渉を行ってきたところ、このたび、
損害賠償の額について、それぞれ約105万円及び約156万円とする内容で和解のめどが立ちましたので、議会の議決を求めるものであります。
このほか、議案第26号、第29号及び第30号につきましては、いずれも議案末尾に記載の理由によりご了解いただけるものと存じますので、説明を省略させていただきます。
なお、報告第1号及び第2号は、平成27年度決算に係る札幌市健全化判断比率及び各公営企業資金不足比率に関する報告であり、報告第3号から第5号までは、市営住宅に係る調停、札幌市の業務に関して発生した事故に係る
損害賠償及び和解並びに工事請負契約の金額変更に関する専決処分の報告であります。
以上で、ただいま上程をされました各案件についての説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。