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  1. 札幌市議会 2016-06-03
    平成28年総合交通調査特別委員会−06月03日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成28年総合交通調査特別委員会−06月03日-記録平成28年総合交通調査特別委員会  札幌市議会総合交通調査特別委員会記録            平成28年6月3日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時33分     ―――――――――――――― ○國安政典 委員長  ただいまから、総合交通調査特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  創成川通機能強化についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎佐藤 都市計画担当局長  創成川通機能強化につきましては、都心と高速道路間のアクセス強化が必要との認識のもと、昨年度から調査費を計上して検討を進めているところでございます。  本日は、検討状況の報告といたしまして、都心アクセス強化必要性創成川通の現況と課題、期待される効果、想定される整備形態及び今後の進め方の4項目につきましてご説明させていただきます。  それでは、詳しい内容は総合交通計画部長の山形から説明させていただきます。 ◎山形 総合交通計画部長  創成川通機能強化検討状況について、お配りした資料に沿ってご説明させていただきます。  それでは、1ページ目の左上をごらんください。  初めに、都心アクセス強化必要性についてご説明いたします。  札幌市では、世界都市としての魅力と活力を創造し続けていくことを未来の札幌の姿として目指しております。そのためには、周辺の空港などから都心へのアクセス強化を図る必要があり、北海道新幹線札幌延伸とも連携した広域的な交通ネットワークの形成が重要と考えております。広域的な交通ネットワークを形成することにより、インバウンド観光客利便性向上コンパクトシティ・プラス・ネットワークの実現、社会資本整備によるストック効果の創出に大きく寄与するものと考えております。  そこで、都心アクセス強化に向け、創成川通機能強化を検討しているところですが、なぜ創成川通を対象として検討しているのか、その優位性についてご説明いたします。  左側中央にある図は、高速道路都心部とのアクセス強化を検討するに当たり、各インターチェンジを比較したものでございます。  札幌北インターチェンジは、市内のインターチェンジの中では最も都心に近い位置にあります。また、千歳方面小樽方面の両方向にアクセス可能なフルインターチェンジであり、多方面とのアクセスにすぐれております。さらに、都心発着交通における高速道路利用について見ますと、約4割の利用と最も割合が高くなっております。また、創成川通は、現道内に河川や緑地帯があり、道路空間に余裕があるため、今の道路区域を有効活用し、機能強化を図ることができるであろうと考えております。
     このようなことから、札幌市といたしましても、これまで、創成川通都心アクセス強化道路軸として各種計画に位置づけ、検討を進めているところでございます。  次に、1ページ目の右上をごらんください。  札幌の都心アクセスの弱さについてご説明いたします。  札幌市は、都心から高速道路までの距離が遠いという現状がございます。四つの図は、札幌市と規模が同程度の政令市について、都心から高速道路までの距離を比較したものでございます。各都市名の右側の数字は、主要駅から高速道路までの距離を示しておりますが、札幌市は、他の都市に比べて都心から高速道路までの距離が遠いということがわかります。  次に、特に、冬期において都心への速達性定時性が確保されていないという弱さがございます。  下段の左側の図では、インターチェンジから主要駅の道路所要時間を棒グラフで示したものでございます。札幌駅から札幌北インターチェンジまでの所要時間は、夏期14分、冬期18分と、他都市に比べ、都心へのアクセス性が悪い状況にあります。  次に、右側のグラフは、札幌駅から札幌北インターチェンジまでの所要時間の分布を示しております。夏期のばらつきが6分となっているのに対し、冬期では所要時間は最大で54分かかっており、ばらつきが42分と非常に大きく、移動にかかる時間が読めないということが大きな課題となっております。  2ページ目をごらんください。  創成川通の現況と課題についてご説明いたします。  創成川通の現況といたしましては、交通混雑交通事故などさまざまな課題がございます。  まず、1点目として、朝と夕方のラッシュ時、冬期積雪時の交通混雑がございます。  創成川通は、都心に向かうほど交通量が多くなり、都心部では4万台以上の交通量があります。また、今回の各検討区間における主要渋滞箇所として、北34条、北24条の交差点など5カ所が位置づけられております。  次に、資料上段の図で旅行速度についてご説明いたします。  旅行速度というのは、信号による停止も考慮した自動車の速度を示したものでございます。この図は、夏期と冬期について、夕方のラッシュ時の旅行速度区間別に示した図であります。こちらの図で赤い色の矢印で示している区間は、混雑の目安とされる時速20キロメートルを下回っている区間であり、夏期は都心側、冬期では全区間で速度が低下していることを把握しております。特に、高速道路のある北34条交差点へ向かう方向については速度低下が発生しております。  次に、2点目として、札幌北第一インターチェンジ出口渋滞がございます。  左側の写真のとおり、札幌北第一インターチェンジ出口においては、札幌新道との合流部がボトルネックとなっており、渋滞が多く発生しております。  次に、3点目として、並行交差道路交通混雑がございます。  左下の図は、創成川通周辺の冬期の渋滞発生状況の図で、赤い矢印は渋滞を示しており、100メートル以上の渋滞長については数字を記載しております。渋滞長とは、1回の青信号で通過できずに残った車の長さを示すものでありまして、創成川通では740メートルや500メートルと長い渋滞長が生じており、創成川通に交差する道路でも渋滞が発生しております。また、創成川通だけではなく、主要バス路線である西5丁目・樽川通や東8丁目・篠路通などの並行道路においても渋滞が発生している状況にございます。  次に、4点目として、交差点で起きている交通事故についてであります。  今回の検討区間においては、事故危険区間交差点として10カ所が選定されております。また、死傷事故率は全道平均の約6倍と、事故発生割合が非常に高い状況であります。この事故要因としては、交差点面積が大きく、見通しが悪いこと、右折専用車線が設置されていないことが考えられます。  次に、5点目ですが、創成川通にある信号、交差点の密度は、全国、札幌市の平均と比較しても非常に高く、信号でとまる回数がふえることにより、円滑な交通機能が確保されていないと言えます。  最後に、6点目として、右下の写真のとおり、北10条付近では歩道幅員が1.5メートル程度と狭小な区間もあり、創成川通は多くの歩行者、自転車が通行しておりますが、歩道幅員が十分ではない状況もございます。  3ページ目をごらんください。  次に、期待される効果についてご説明いたします。  創成川通機能強化により期待される効果として、六つの観点から整理しております。  1点目といたしまして、暮らしの面では、都心部への通院や買い物などにおけるアクセス時間が短縮されることで、札幌市民のみならず、北海道民からも広く利用され、札幌都心都市機能の維持・向上が期待されます。また、渋滞、交通事故を軽減し、安全で快適な交通環境を確保するとともに、バスなどの公共交通の時間信頼性が向上することが期待されます。  2点目の観光、ビジネスの面では、道内各拠点間の観光周遊支援や、丘珠空港を活用した道内移動支援に資することが期待されます。高速道路までの移動時間の短縮やばらつきを低減することにより、観光に充てる時間が確保できるようになるなど、観光振興の面で効果があると考えております。  こちらのグラフは、観光バス高速道路利用実態を示したものでございますが、都心を発着する観光バスの約6割が札幌北インターチェンジを利用していることがわかります。  3点目の物流の面では、物流の信頼性向上物流効率及び労働環境の改善が期待されます。左側の円グラフは、荷物の受け取り時間を指定している割合を示したものでございますが、現在、時間指定を取り扱う事業者は約9割を占めており、物流において定時性の確保は重要なものとなっております。  右側の棒グラフは、石狩湾新港におけます取り扱い貨物量の推移でございまして、年々増加傾向にありますことから、一大消費地である都心との連携強化は重要なものとなっております。大手物流事業者からは、速達性定時性安全性が確保されれば創成川通を利用する、ドライバー不足の課題を抱える中、時間短縮は長時間労働の是正など大きなメリットがあるといった声がございます。  右上の4点目は、医療の面についてでございます。  こちらのグラフは、多量出血時の経過時間と死亡率の関係を示しておりますが、10分を超えると死亡率が上がり始め、30分を経過しますと死亡率は50%となります。例えば、石狩市などの周辺市町村から札幌の都心部救急搬送されるケースを想定し、約40分かかるとした場合に、搬送時間が10分短縮されれば救命率は約3割上昇することになります。救急医療関係者の声といたしましては、重篤救急患者の救命は一刻も早い治療が必要であり、秒単位で致命率が変わる、そのため搬送時間においては数分の短縮は大きな差であるといった声がございます。  5点目の防災面では、大規模災害時における拠点間の連絡強化が期待されます。  札幌の都心部には、国や北海道中枢機関高度医療施設などの都市機能が集積しており、新千歳空港石狩湾新港などの防災拠点との安定した交通ルートの確保が重要であります。  最後に、6点目のまちづくりの面では、人と環境を重視した交通環境の創出や、沿道地域まちづくり支援が期待されます。  右下の写真は、創成川通アンダーパス連続化後の地上部の状況でございますが、道路整備に合わせて地上部空間活用が図られた事例であり、これらを参考にしながら今後検討を進めていきたいと考えております。  4ページ目をごらんください。  最後に、想定される整備形態と今後の進め方についてご説明いたします。  想定される整備形態といたしましては、高架構造地下構造交差点改良といった方法が考えられます。  まず、高架構造地下構造に着目いたしますと、仮に全線を整備した場合の時間短縮効果といたしましては、夏期は約8分、冬期は約10分の時間短縮が期待されます。また、渋滞、交通事故改善効果が高いだけではなく、創成川通交通容量の増加に伴い、並行道路の車が創成川通に転換するため、周辺道路交通円滑性の向上が見込まれます。また、冬期の所要時間のばらつきが小さくなるため、冬期間における時間信頼性の向上が期待されます。さらに、地下構造とした場合は、降雪の影響を受けることがないため、冬期でも速達性、時間信頼性を高い水準で確保することが可能といった利点がございます。  整備における課題については、共通の課題として、構造物の施工に時間を要することが挙げられます。そして、高架構造とする場合には、景観や日照など沿道環境への配慮が必要となるほか、地上部空間の活用が期待できないことが考えられます。一方、地下構造とする場合は、地下埋設物や河川の移設工事が必要となることが考えられます。  次に、交差点改良についてご説明いたします。  交差点改良の利点としましては、交差点部円滑性向上、そして、右折車両に起因する事故の軽減、交差点ごとの対策が可能であることがございます。  課題といたしましては、整備効果が比較的小さく、また、交通容量が変わるものではないため、並行道路からの交通転換が少なく、周辺道路混雑緩和効果が弱いことが挙げられます。  整備形態につきましては、今後、整備効果事業費等を勘案しながら、整備範囲区間ごと組み合わせ等を含めて検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に、今後の進め方についてご説明させていただきます。  まず、平成27年度は、創成川通機能強化に関する基本的考え方の整理を行っており、その成果を取りまとめたものが本日ご説明させていただいた内容となっております。平成28年度は、交通量推計などの補足調査を行うとともに、効果分析の検討をさらに深め、市民の皆様へ情報提供を行っていきたいと考えております。その後、市民の皆様と必要性の認識を共有した上で、事業主体について調整、決定し、平成29年度以降に、構造などの整備のあり方について、市民の皆様と議論を行いながら検討を進めていきたいと考えております。そして、平成42年度末の北海道新幹線札幌延伸の効果を北海道内各地に波及させていくためにも、引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ○國安政典 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆中川賢一 委員  私からは、いよいよ都心アクセス道路の実現に向けて動き出したということは大変結構なことだと思いますので、市民の理解をしっかり得ていくという観点から少し質問させていただきたいと思います。  ことしの4月に発生しました熊本地震などを見ましても、災害発生時の迅速な救助活動捜索活動、また、札幌市を含めた全国からの支援物資の輸送など、緊急輸送道路として位置づけられている高速道路や国道などといった幹線道路が担う役割は、防災上も大変重大であることを痛感させられました。本市におきましても、国土強靱化の観点をしっかり持った上で、必要な交通網整備スピード感を持って進めていかなければならないことを改めて認識させられたところでございます。  我が会派におきましては、災害に強いまちをつくり上げていくためには、国土強靱化と連動した社会資本整備促進が不可欠である、そういった信念のもと、札幌市の国土強靱化に資する重要な施策の一つとして、高速道路と都心とを結ぶ創成川通機能強化の早期の実現について求めてきたところでございまして、本市として、そこに向けて具体的に歩みを踏み出したことは、大変評価したいと思うところでございます。  今回、創成川通におきまして、速度低下や時間信頼性が低いこと、特に積雪寒冷地である本市では冬期間速達性定時性信頼レベルが極めて低いことなどについてただいま報告がございましたけれども、市の中心部と都心から最も近い北インターチェンジまでをつなぐ大動脈におけるこれらの課題をしっかりと把握して、それらを改善、解消するために機能強化していくということは、市民の快適な暮らしや円滑な経済、物流の確保という意味からも、そして、救急、医療、防災といった面からも、これは待ったなしの本市の責務なのではないかなと思うところでございます。  今年度は、この機能強化に関して、さらに必要性の整理や補足の調査検討を行うということでございますので、その点について、まず、お聞きしたいと思います。  今年度行う補足検討調査では、具体的にどのようなことを行い、何を明らかにしていくご予定なのか、主なところをお示しいただければと思います。 ◎山形 総合交通計画部長  補足検討調査の内容についてお答えいたします。  昨年度の調査では、創成川通の現況と課題、機能を強化した場合の効果等につきまして、交通やまちづくり等の観点から把握いたしました。今年度は、その補足調査として、昨年度検討した高架構造地下構造交差点改良による機能強化を行った場合の交通の流れの変化について、周辺道路も含め、把握する予定としております。また、その効果につきましては、走行時間の短縮、燃費向上による走行経費の減少、交通事故の減少を金額に換算するなど、効果を数値化することも考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  そのような交通の流れを幅広い角度から予測して数値でしっかり示していくことは、非常に肝要な姿勢であるかなと思います。市民のこの事業に対する評価は多種多様であると思いますが、そういった数値を持って市民に対して今回の機能強化の意義を丁寧に説明していくことによって、より多くの方々の賛同や納得につながっていくのだと思います。  しかしながら、一口にメリットや効果と言いましても、市民目線からはなかなか具体的にイメージしづらい面があるかもしれません。そういった意味からも、調査検討の成果を市民に示していく際には、それが具体的にどのような効果となってあらわれてくるのか、市民にとって身近でわかりやすいと思われる方法で整理、表現していくなどの工夫が必要なのではないかと思います。  そこで、もう1点、今年度の補足検討調査の結果を踏まえて、創成川通必要性の認識を市民に共有していただくために、多くの市民にとって実感が湧くわかりやすい情報提供に努めていくべきだと思いますが、そのあたりのお考えをお伺いしたいと思います。 ◎山形 総合交通計画部長  市民への情報提供についてお答えします。  昨年度の調査では、主に現況のデータに基づきまして、暮らし、観光、物流など六つの観点から期待される効果を整理したところでございます。今後は、機能強化によります交通の流れの変化がこれらの観点で具体的にどのような効果をもたらすのか、市民生活に身近な指標を取り入れ、わかりやすい示し方を工夫してまいりたいと考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  都心アクセス道路は、今、多くの市民が非常に大きな期待を持っている事業だと思いますので、より多くの市民の方々の賛同が得られるよう、これからもいろいろな工夫をしていただければと思います。 ◆成田祐樹 委員  私も、東区に住んでおりますので、日ごろ、創成川通をよく利用させてもらっておりますが、混雑しているときには別ルートに切りかえても、結局、その道路も混んでいて時間がかかってしまうという経験がたびたびあります。もし創成川通機能強化された場合、創成川通そのもの混雑緩和だけではなくて、当然、信号もいじったりするでしょうから、周辺道路混雑緩和にもつながり、また、それによってガソリン使用量が減少するなど、時間、燃費といった部分で道路利用者にはメリットがございます。それだけではなく、地域住民にとっても、交通安全の面や、騒音、CO2削減など環境面にとっても相当な効果があるのではないかと考えております。  また、視点を広げてみますと、地域や札幌市民に対する効果だけではなく、周辺市町村への効果も相当に生ずるのではないでしょうか。例えば、今回の報告では、機能強化が道内各拠点間の観光周遊支援につながることや、大規模災害時において、空港や港湾等防災拠点間の連絡強化につながること、救急搬送への利用など、周辺市町村にとっても大変多くの部分にメリットを見出せる事業かなというふうに考えております。  ただ、創成川通は国道であることから、国に対するアプローチが重要かと思われます。よって、もしこの計画を推進することになった場合には、札幌市単独ではなく、周辺市町村も巻き込んで国に対して要請を行っていく必要がある事業ではないかと思います。そのためには、周辺市町村に対してしっかりと効果を理解してもらうことが必要なのではないかと考えております。  そこで、お伺いしますが、札幌市は、創成川通機能強化によって得られる周辺市町村への効果をどのように考えていらっしゃるのか、見解をお聞かせ願えればと思います。 ◎山形 総合交通計画部長  周辺市町村への効果についてということでお答えさせていただきます。  札幌の都心は、行政機関や病院、企業などの都市機能を集積しておりまして、周辺市町村ともさまざまなかかわりがございます。例えば医療面におきましては、医療機関診察科目の減少などによりまして、石狩市や当別町では約8割もの患者が札幌市へ救急搬送されるなどの現状がございます。また、物流面におきましては、石狩、当別方面に限らず、千歳方面からも創成川通が利用されております。加えて、創成川通機能強化によりまして、石狩湾新港、新千歳空港などの交通拠点や、周辺市町村を初めとする全道各地との連携が強まることで、札幌の都心を訪れる観光客周遊促進の効果が期待されるなど、その効果が全道に波及していくものと考えてございます。 ◆成田祐樹 委員  国が大きく関与する道路ですから、ぜひ、周辺市町村とは連絡を密にして、札幌都市圏が一体となった事業推進をしていただきたいなと思います。  この事業は、周辺市町村からの視点や、質問の冒頭でお話しさせていただいたような地域住民からの視点など、さまざまな視点で効果を把握して、そうした情報を市民の皆さんに的確に提供していく必要があると思われます。  先ほど、物流や医療関係の話をお伺いしましたが、本当にそのとおりだと思っております。石狩の話もされていましたが、後志もそうですね。この間、第1回定例会で、周産期医療に関して、後志は新規分娩の受け入れを休止していることから、全部、札幌に流れてきていまして、それでかなり負担がふえているという答弁を病院局からいただいておりました。また、後志は整形外科がちょっと弱い状況で、クローズになった場合は患者が札幌に来ます。そういうパターンもあって、広域で見たときには、医療の部分を含めてかなり重要な道路になるというふうに思います。  ぜひ、実際に創成川通を利用する関係者の生の声をより聞いていただきまして、効果的な機能強化が実現できるよう検討を進めていただくことを要望いたしまして、質問を終了させていただきます。 ◆小口智久 委員  私からは、想定される整備形態について質問いたします。  さきの代表質問においても言及しましたが、我が会派では、創成川通機能強化必要性観光面医療面等のさまざまな観点から訴えているところであり、今回、検討状況の報告を受けましたけれども、実現に向けた動きが着々と進んでいると感じております。  まず、高架構造地下構造は、時間短縮などの期待される効果についてはほぼ同等であるものの、高架構造では景観や日照などの沿道環境への配慮や降雪の影響等がある点において、地下構造のほうが有利であると感じております。一方で、地下構造は、地下埋設物の移設が必要となるなど、高架構造に比べて事業費が高額になると想定するところであります。  検討に当たっては整備効果事業費等を勘案しながら進めていくということですが、事業費に重きを置くことで効果が十分得られないような整備にとどまるならば、完成後、本来のアクセス強化の目的が達成できないことになってしまいます。詳細な検討は事業主体が決まった後となりますが、機能強化必要性について本質的な議論を進めていくためには、整備形態による効果の把握が必要であります。  そこで、質問ですけれども、今年度の補足検討においては整備形態を想定した上で進めるべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎山形 総合交通計画部長  整備形態に関する検討の進め方ということでお答えしたいと思います。  平成27年度の調査では、典型的な整備形態の例として、高架構造地下構造及び交差点改良の3案をお示ししたところでございます。今年度の補足検討におきましては、区間ごとの課題を把握した上で、整備範囲区間ごとに形態を組み合わせた複数案を作成いたしまして、交通、まちづくり等の多様な観点での効果について検討を深める予定としております。 ◆小口智久 委員  次に、整備形態の一つである交差点改良について伺います。  右折専用車線がない交差点右折専用車線を設置することが交通の円滑化や事故の軽減に寄与するとの説明でありましたが、正直なところ、本来の目的である都心アクセス強化という観点からは効果が小さいのではないかと感じております。  そこで、質問ですけれども、交差点改良を行うことが交通の円滑化にどのように寄与するのか、また、これだけでは都心アクセス強化の目的を達成できないと考えられますがいかがか、伺います。 ◎山形 総合交通計画部長  交差点改良を行うことによる交通の円滑化都心アクセス強化への効果ということでございます。  現状の創成川通では右折専用車線がない交差点が多く、これらの交差点では右折車が1台でもとまった場合には、3車線の道路が実質2車線の道路となってしまいます。このため、右折専用車線を設置することによりまして交通の円滑化が期待されるほか、右折専用車線がないことに起因する事故の軽減が期待されます。  しかしながら、創成川通には今回の調査区間である約4キロメートルの間に信号が24カ所と多く存在しておりまして、交差点改良のみでは都心アクセス強化に対する効果は限定的なものではないかと考えております。  今年度、交差点改良整備効果につきましても補足検討の中で評価を行いまして、他の整備形態と比較検討してまいりたいと考えてございます。 ◆小口智久 委員  最後に、要望でございます。  先日、小型ジェット機を使って患者や医師を運ぶメディカルウイングの運航拡大の報道を拝見しましたが、ドクターヘリでは対応が難しい100キロメートルを超える距離の患者搬送の取り組みとして、丘珠空港でも試験的な運航をしたとのことでした。多くの方の救命につながるこの取り組みについては注視していきたいと思っておりますが、せっかく空港まで短時間で搬送されてきても、その後、病院まで時間を要してしまうのでは取り組みの効果が薄れてしまいます。この取り組みはまだ本格化されていないようですが、専門性の高い救急指定病院が集積する札幌都心部へのアクセス性を向上させる創成川通機能強化が担う役割は、極めて大きいと考えております。  今回、報告があったように、医療の面以外においても都心アクセス強化による効果は多方面に寄与するものであります。今後の整備形態についてはさまざまな角度から検討していくとのことですが、検討に当たっては、都心アクセス強化の目的を十二分に踏まえ、検討を進めることを要望し、質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  私からは、大きく3点質問させていただきます。  1点目は、創成川通の現況と課題のうち、4の交差点で多発する交通事故、2点目は、期待される効果のうち2の観光、ビジネス、そして、3点目は物流について、順次、質問させていただきます。  まず最初に、資料の創成川通の現況と課題にある4の交差点で多発する交通事故を見ると、創成川通事故危険区間交差点が10カ所あるということで、死傷事故率は全道平均の約6倍ということであります。その主な要因が、交差点面積が大きくて見通しが悪い、右折専用車線が設置されていないということでした。説明を受けますと、右折待ちの車の追突だとか、あるいは、出会い頭の事故が発生しやすいという話もお聞きしております。  そこで、最初に、創成川通での具体的な交通事故の発生状況をもう少し詳しくお伺いしたいと思います。 ◎山形 総合交通計画部長  事故の発生状況ということでございます。  私どもが国道管理者からいただいた資料におきましては、創成川通の事故の種類で多いのは、追突事故が46%、出会い頭事故が22%、それから右折中の事故が13%ということで、この三つだけで8割以上を占めるという累計データをいただいております。 ◆村上ひとし 委員  追突46%、出会い頭が22%、右折に関するものが13%ということですが、この道路というのは、北海道と比較して6倍、また、本市と比べて約2倍も死傷事故率が高いということですが、比較したこの数字は全て国道と考えていいですか。 ◎山形 総合交通計画部長  今回のデータについては、国道区間でございます。 ◆村上ひとし 委員  では、創成川通より死傷事故率が高い道路というのは、北海道でどこの道路なのか、あるいは、市内ではどこの道路か、お伺いいたします。 ◎山形 総合交通計画部長  申しわけございません。その資料は手元にございませんので、差し支えなければ後ほどご報告させていただければと思います。 ◆村上ひとし 委員  今回の資料を拝見して、死傷事故率が高いということが出ておりまして、私は、人の安全と命にかかわる問題であり、早急に解決しなければならないこと、いわゆる優先課題だろうというふうに思っております。ぜひ、道内、それから市内のほかの道路の状況等も、もう少し踏み込んだ調査をして、数字も出していただきたいと思います。
     次に、2点目の質問に行きますが、資料の中で、期待される効果2の観光、ビジネスのところでは、丘珠空港を活用した道内移動の支援として、時間信頼性速達性の向上により、丘珠空港の活用を促進する効果が期待されるとあります。  しかし、時間信頼性速達性の向上、あるいは、公共交通の利用促進、環境問題などを考慮した場合に、例えば、地下鉄東豊線の栄町と丘珠空港の間にシャトルバスを運行するなど、バス輸送の強化で地下鉄への利用を誘導することがさまざまな観点から最も効果が期待されると思いますけれども、認識はいかがでしょうか。 ◎山形 総合交通計画部長  本日報告させていただいております創成川通機能強化につきましては、広域的な交通ネットワークの形成が重要であるとの視点から説明しており、その整備の効果として丘珠空港へのアクセス向上も期待されているとご説明申し上げました。  創成川通機能強化によりまして、都心部から丘珠空港への連絡バスや、あるいは、丘珠空港の場合は乗用車で乗り入れされる方も多いと聞いておりますので、そういった方々の定時性も確保されるとご報告申し上げた次第でございます。 ◆村上ひとし 委員  私は、特に冬期間の問題で考えますと、観光あるいはビジネスで本市を訪れる人は、レンタカーも含めて、どの程度、車を利用するのかなというふうに考えておりますけれども、車の利用については具体的にどんなふうに考えていらっしゃいますか。 ◎山形 総合交通計画部長  このたびの創成川通機能強化の調査につきましては、期待される効果といたしまして、本当に一般的と申しますか、定性的と申しますか、事柄としてこういったことが考えられるということでご報告を申し上げております。先ほど申しましたとおり、今後、整備後の交通の流れの変化を想定した後に、初めて量的な変化について皆様方にご報告できると考えておりますので、本日のところは、事柄としてこういったメリットも考えられるという報告ということでご理解いただければと思います。 ◆村上ひとし 委員  事柄として考えているということでありますけれども、他都市との違いの中で、やはり厳冬期の積雪あるいは道路の凍結というのは札幌の大きな特徴の一つだと思うのですが、そういう意味では、冬期間丘珠空港を利用する方の都心へのアクセスの時間信頼性、あるいは、安心・安全な移動を考慮すれば、市としてもできる限り公共交通への誘導が効率的であると、事柄から考えると私はそう思うわけですよ。ですから、そういった部分は、今後、ぜひ検討すべきだということを申し上げておきます。  最後に、三つ目の質問でありますが、資料の期待される効果の3の物流についてであります。  石狩湾新港との連携強化の部分で、取り扱い貨物量の推移のグラフを見ますと、貨物量は毎年増加傾向となっておりますが、石狩湾新港で取り扱われる貨物は、どこに、どれだけ運ばれているのか、お伺いいたします。 ◎山形 総合交通計画部長  現状ではそこまでの詳しいデータは持ち合わせておりませんが、石狩湾新港地域には道内最大規模の冷凍冷蔵庫が集積しておりまして、その容量は全道の3分の1を占めるなど、札幌の食料保管庫としての役割を担っております。したがいまして、一大消費地である都心への安定した輸送ルートの重要性は高まっているということでご紹介させていただきました。  今後、石狩湾新港地域の企業に対しても、創成川通の利用状況などの聞き取り調査を行ってまいりたいと考えております。 ◆村上ひとし 委員  今、詳細なデータは持ち得ていないということでありますが、都心に入ってくる貨物の量や種類がどういうふうになっているのか、あるいは、どの時間帯に入ってくるのかということも今後は追跡調査をして、数字であらわしていくことが必要だと私は思うのですよ。石狩湾新港に入ってくる貨物量がふえているということだけではなかなか納得できないと思いますので、今後、改めて調査をしていただきたいと思います。  それから、ドライバー不足についても触れておりますけれども、ドライバーなどの働き方を中心に規制緩和を行ってきたことが、低賃金や長時間労働が広がってきたことの根本的な要因だと私は思っているのです。ですから、私は、単に時間短縮効果で解決できる問題ではないというふうに思います。  また、きょうは医療の点でも報告がありましたが、札幌で救命率を上げるのに最も必要なのはやはり冬期間の除排雪の強化だと、救急隊の皆さんのお話を伺うとそんなことも話しているようです。ですから、この部分だけ捉えて救命率を上げることに必ずしも直結するのかどうかということも申し添えておきたいと思います。  それから、防災についても、今、全国でいろいろな災害が起こっていまして、高速走行できる道路を新しくつくるよりも、既存の道路の耐震化を図って、迂回する手段をどれだけ大きく広げるかということも重要だと言われております。そういう点からすると、防災に関しても、道路を高速走行できるということで必ずしも解決するのかという疑問もあります。  いずれにしましても、交通事故の発生状況に関する詳しい調査も必要ですし、こうしたデータに基づいて、命がかかわる問題ですから、解決すべき問題を優先して解決していただきたいと思います。  さらに、観光、ビジネスについても、解決するための対策はいろいろあると思うのですが、これも、観光あるいはビジネスで来られる方の冬期間の安心・安全を考えれば、やっぱりシャトルバスなどもあわせて検討していくことが必要でしょう。物流についても、きょうの資料だけではなかなか納得できませんので、さらに踏み込んだ調査が必要だということを指摘させていただきまして、質問を終わります。 ◆坂本きょう子 委員  私からも、何点か質問したいと思います。  創成川通機能強化については、この間、議会でも議論させていただいてきております。そういう中で、きょうの資料もそうですが、まだまだ不十分な資料の出し方ではありますけれども、極めて誘導的なデータの出し方だというふうに私は思っています。まさに1,000億円と言われるような工事で、マスコミが先行してそのように言っておりますが、もうやる気満々、経済界の要請に応える姿勢ありありということかなと私は思っております。  創成川通機能強化は、私も必要だと思っております。私も、ほぼ毎日、この道路を利用しております。時間帯によっては大変混雑します。冬場は、渋滞が大変激しいときもございます。そういう中で、暮らしにかかわる部分での機能強化ということは、もちろん求められているだろうと思っております。  そこでまず、一つ目に伺いたいのですが、今後の進め方というところで、今年度、機能強化必要性について整理していきます、補足調査、検討を行うという中で、事業主体をどうするかという検討項目もあると聞いておりますし、今年度末には事業主体の調整、または決定をしていきたいということでした。ただ、この間、国に要請をしていく、国主導で行っていただくように工事の採択を求めていく、そして、そこに札幌市がかかわっていくというふうなご説明があったかと思いますし、この間、市長などを含め、関係部局の皆さん、それから議会としても、国に対してぜひ事業採択をして、国の主導で事業をやってほしいということでかかわってきたのかなというふうに思うのです。  そこで、改めてですが、市が主体になってやっていく可能性、そこに向けての調整、決定ということを踏まえて、今年度、補足調査、検討をしていくということだろうと思いますけれども、そこについての確認です。  それからまた、市が主体になることで、事業費に係る負担の部分ですが、札幌市の負担分がふえていく可能性があるのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。 ◎山形 総合交通計画部長  ご質問は2点あったかと思います。  まず、事業主体についてでございますけれども、未定でございますが、委員のご指摘のとおり、国に対してより具体的な検討を推進するよう要望していくということで現在動いております。  それから、市の負担額についてでございますが、一般的には国の直轄事業でありますと2割程度と言われておりまして、それ以外のことについては、今の段階ではまだ何も決まっていない状況でございます。 ◆坂本きょう子 委員  決まっていないと言いながら、今年度中には事業主体の調整、決定ということですから、もしこれが北海道、札幌市が自由にやっていいですよということになれば、本来の市の負担割合である2割から大きくふえていく可能性も含んでいるということで、きょうは一旦の理解をしたいと思います。  そこで、機能強化が必要だということは冒頭にも申し上げましたが、創成川通機能強化というのは、市民の足を守るための道路整備なのか、あるいは、先ほど来、出ておりますように、物流、それは物であったり、人であったりしますけれども、こういうものを強化するためなのか、どっちに軸足を置くのかというのはとても重要なことだと思います。この点で言うと、冒頭に申し上げたように、どちらかというと、市民の足、暮らしを守るよりも、やはり、経済界の要請に応えて経済や観光、運輸といったところに軸足が置かれているのかなと思います。  そういう意味では、想定される整備形態高架構造地下構造、それから交差点改良という三つが出されておりますが、限りなく上を走らせるか、地下を掘るのかというようなことになっていくのかなと思いますし、データもやはり誘導的にそういうところで使われているのかなと思います。やはり、高架構造地下構造は、こういう道路整備に当たっては莫大な事業費を費やすことになると思います。30年後、50年後の札幌市がどういう姿になっているのか、そこで創成川通の機能がどういう形で求められるのか、まだまだ予測は不能だと思います。今年度はそれに当たっての調査をしっかりやっていくということでしょうから、それはしっかりと対応していただきたいと思いますけれども、つくりました、できました、しかし、50年、60年たってから、結局、これは無用の長物だったということがあってはならないわけですね。ですから、いかに費用を抑えて効果を上げていくのか、ここにきちんと神経を払っていかなければならないというふうに思います。  そういう意味で申し上げますと、私は、いろいろ効果、課題が出されておりますが、やはり、現時点では交差点改良が現実的な整備形態だと思います。現に、最近、札幌新道、北34条の交差点で南北にわたって右折専用レーンの整備が行われて、完了したところです。そして、実際に運転をしている実感ですが、右折車の混雑状況はかなり改善されています。右折専用レーンができて、どんなに混んでいても信号待ちを2回すれば、そこは確実に車が通り抜けられる状況です。それからまた、北に向かうところは、さらに右折専用の信号が、二つ、大きい通りを挟んで、ないのですね。ですから、新道を北に行くときには、右折レーンも使ってですが、丸々3車線で直進することができます。ですから、これは南に向かっても言えることですが、新道を超えると車の流れはかなり改善される、現にされたというふうに思っています。  そういう意味では、やはり、交差点改良を行っていくことで十分に交通の円滑性が向上すると思います。また、先ほどもちょっとお話が出ておりましたが、冬場の渋滞は、やはり何といっても除排雪の強化をやっていくしかないだろうと思います。開発局なども含めて、お互いに除排雪の役割分担ができている道路だと思いますが、ここをしっかりやっていく、私は、そういうことで十分に機能強化を図れるのではないかと思うのですけれども、この点についていかがお考えになるか、伺いたいと思います。 ◎山形 総合交通計画部長  交差点改良及び除排雪の強化で対応が可能ではないかというようなご質問だったと思います。  まず、一つ、冬期間におきましては、道路の必要な機能を確保する上で、当然、除排雪の強化というのは一つの方法ではあると思っております。しかしながら、冬期間を通じて夏季と同様の路面状況を確保するということは困難だと考えております。  それから、交差点改良を行うことにつきましては、先ほどもご答弁申し上げましたように、交通の円滑化が期待されますが、都心アクセス強化に対する効果としては限定的であるというふうに考えられます。  したがいまして、今後の検討に当たりましては、区間ごとに課題が違うと思いますので、その課題をきちっと捉えまして、整備効果などを勘案しながら必要な対策を検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆坂本きょう子 委員  今、除排雪のところも含めて、交通量自体は変わらないというお話がありましたし、都心と高速道路間のアクセス性向上の効果が少ないと、いただいた資料にも書いてあって、今のご答弁の中でもそこに触れた部分があったと思います。最初に機能強化はどちらに軸足を置くのかという話をいたしましたが、市民の足を守る、暮らしを支えるための機能強化ということであれば市民の理解が得られると思います。  都心と高速道路間のアクセス性向上というのは、この道路をインターチェンジとつなげるということだろうと思いますし、また、近隣のさまざまな生活環境というのでしょうか、道路状況が変わりますから改善に資するという言い方もできるのだろうと思いますが、それは副次的なものでありますので、そのことをもって機能強化とするのではなく、私は、この機能強化というのは、やはり市民の側に立って整備されていかなければいけないと思っております。ですから、創成川通交通容量総体は変わらないという課題がありつつも、いかに潤滑な運行を図っていくのかというところで考えていただきたいと思います。  一方、高架構造のところで課題となっている沿道環境への配慮として、景観や日照、騒音ということが述べられております。ちょうどここに係る北区の町内会の方や地域住民など地元の皆さんにお話を伺うと、やはり今でもこの問題を懸念なさっているのです。高架になった場合には、騒音はもちろん、日照の問題が出てきます。あるいは、どういう形であれ工事をするわけですから、工事期間中の騒音の問題もあります。そして、この創成川通の周辺は、小学校や高校、保育園、幼稚園、こういう学校施設が大変多く建っているところでもあります。工事の期間中にそういうところに与える影響について、住民の皆さんは非常に懸念されております。  今回出された資料の中でも、いわゆる環境アセスにかかわるような資料は、調査としては一切上がってきておりません。これらの影響を受けるのはまさに近隣住民の方たちですから、市民との情報共有では数値をわかりやすく示したものをこれから提供していくのだと先ほどの質疑の中で出ましたが、もちろん東区もそうですけれども、やはり、一番最初に道路の近隣に住んでいらっしゃる方たちの声をしっかりと聞いていく必要があると思います。  それから、創成川通が高架になるのか地下になるのかわかりませんが、専用道ができたとして、その分、バスの定時性は確保できる、あるいは、そこを走っていた車が西や東に分かれて南北の動線を使うということですから、総体として交通量が分散されていくというお話もありました。しかし、逆に言うと、生活道路とまでは言いませんが、ある程度の幹線だと、住んでいる地域の道路にまで車が入り込んでくることになります。そうすると、確かに創成川通の路線バスなどの定時性は確保されるかもしれない。けれども、他の車が東西に分散することで、またそこの道路状況が変わっていく、生活環境が変わっていく、こういうことも懸念されます。ですから、そういうことについてもしっかりと調査をして、また地域住民の皆さんにその情報をお返ししていかなければならないと思うのです。  そういう点なども含めて、これから、とりわけ近隣住民の皆さんに対してどういう情報提供をしながら説明していくのか、あるいは、どういう形で理解を得ていくのかということが大事だと思うのですが、それにどういうふうに対応なさるのか、伺いたいと思います。 ◎山形 総合交通計画部長  近隣住民の皆様の意見を聞く必要性ということだと思います。  近隣の方々を初めとする市民の皆様とは、現状の課題や効果について認識を共有していくことが重要と考えております。今後、どのような手段を使うか、意見を伺うことも含めて、情報提供について検討させていただきたいと思っております。また、事業実施時における近隣の方々の工事に関するご懸念も十分承知しておりますので、適切な段階で意見を伺う機会をつくってまいりたいと考えております。 ◆坂本きょう子 委員  適切な段階とおっしゃいましたが、こういうものは、押しなべて、大体決まってからお知らせするパターンが多いと思うのです。私は、これは、やはり住民主体で決めていくというぐらい、札幌市はきちんと丁寧な対応をしていくべきだと思います。先ほど申し上げたように、創成川通だけではなくて、その周辺の道路状況も様相が随分変わっていくのだろうというふうに思いますので、その辺の調査についてもしっかりとやっていただきたいと思います。  そして、何よりも一番大事なのは、市民の足を守っていく、そこでの速達性定時性の確保、そういう意味での機能強化ということを前提としてやっていただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ◆松井隆文 委員  私からは、資料の1ページにおきまして、社会資本整備によるストック効果の創出としても都心アクセス強化は必要であるというふうにございましたので、その点について質問させていただきます。  私も、まさにそのとおりであると思っておりまして、交通ネットワークの整備、そしてインフラの整備というのは、まちづくりの面においても民間投資を促すとともに、産業の生産性向上にもつながるものであります。創成川通機能強化として整備形態を考える上では、事業費だけで判断するのではなくて、広く長期的な視点でまちづくりなどへの効果も含め、総合的に判断することが必要だと考えるところであります。  都心部では、現在、さまざまな再開発が進んでおりまして、今後予定されている北海道新幹線の札幌延伸に伴い、新たな民間投資による開発などがふえていくことが予想され、都心、そして札幌のまち全体が大きな転換期を迎えております。  そこで、質問ですが、創成川通機能強化について、まちづくりというものとの連携という視点において、どのように考えているのか、市の見解をお伺いします。 ◎山形 総合交通計画部長  まちづくりとの連携ということでお答えさせていただきます。  交通ネットワークの整備は、ストック効果といたしまして長期にわたり経済を成長させる効果があり、大きくまちづくりに寄与するものであると認識しております。  整備済みの創成川通アンダーパス連続化事業では、親水空間や広場が整備され、地域に新たなにぎわいが生まれるとともに、東西の歩行者の回遊が促進されるなどの効果も把握されております。  このたびの創成川通機能強化におきましても、都心部周辺においてはこのような事例を参考にするとともに、札幌駅前の再整備などのまちづくりとの連携も十分に考慮して進めてまいりたいと考えております。 ◆松井隆文 委員  世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街さっぽろ、その実現のためにも、創成川通機能強化まちづくりというものは一体不可分でなければならないものでありまして、創成川通機能強化が札幌市におけるまちづくりの面においても十分に効果が発揮されるように検討を進めていくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ○國安政典 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○國安政典 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時35分...