札幌市議会 > 2016-03-24 >
平成28年第一部予算特別委員会−03月24日-09号
平成28年第二部予算特別委員会−03月24日-09号

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  1. 札幌市議会 2016-03-24
    平成28年第二部予算特別委員会−03月24日-09号


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    平成28年第二部予算特別委員会−03月24日-09号平成28年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第9号)               平成28年(2016年)3月24日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  しのだ 江里子      副委員長   坂本 きょう子     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  こんどう 和雄      委   員  長 内 直 也     委   員  細 川 正 人      委   員  小須田 悟 士     委   員  佐々木 みつこ      委   員  こじま ゆ み     委   員  阿部 ひであき      委   員  伴   良 隆     委   員  中 川 賢 一      委   員  松 井 隆 文     委   員  小 野 正 美      委   員  大 嶋   薫     委   員  三 宅 由 美      委   員  桑 原   透     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  林   清 治     委   員  かんの 太 一      委   員  成 田 祐 樹     委   員  本 郷 俊 史      委   員  國 安 政 典     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  小 口 智 久     委   員  竹 内 孝 代      委   員  村 上 ひとし
        委   員  池 田 由 美      委   員  田 中 啓 介     委   員  松 浦   忠      委   員  石 川 佐和子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○しのだ江里子 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  議案第10号 平成28年度札幌市病院事業会計予算について質疑を行います。 ◆成田祐樹 委員  市立札幌病院における今後の運営及び病床再編、研修医の動向、周産期について、それぞれお伺いしたいと思います。  昨年の決算特別委員会でも指摘させていただきましたが、市立札幌病院は、急患、新患をふやすなどの努力が見られている一方で、診療報酬の削減や消費増税による材料費の負担増、DPCによる在院日数の短縮などにより厳しい運営を強いられています。これは全国どこの病院でも課題となっていることですが、これらを改善していくためには、経営改善により一層取り組んでいかなければなりません。  市立札幌病院において、新年度は稼働率を75.8%と設定しておりますが、病床再編後の747床における稼働率に当てはめると3ポイント以上上昇させなければならず、昨今の病院運営の厳しさを考えると簡単なことではないというふうに思います。稼働率が3%上がると収支に大きく貢献しますが、なかなか難しい問題ではないでしょうか。  そこで、新年度の稼働率を現状よりよい数字に設定した根拠について、まずはご説明をお願いしたいと思います。  また、その理由について、病床再編も要因として含まれると思いますが、病床再編が稼働率にどう影響するのか、変更した病床の役割も含めてご説明をお願いしたいと思います。 ◎蓮実 経営管理部長  平成28年度予算において病床利用率を現状より高く設定した根拠と病床再編病床利用率に与える影響についてお答えいたします。  まず、平成28年度予算では、昨年度末の病床再編において増床した緩和ケア内科の患者数が通年で増加すると見込んだこと、新入院患者数が26年度実績から27年度決算見込みにかけての伸びと同数の約700人増加すると見込んだこと、平均在院日数については26年度実績から27年度決算見込みにかけて大きな変動がないので27年度決算見込みと同数と見込んだため延べ入院患者数が増加すると見込んだことの3点により、現状より高い病床利用率となっております。  次に、病床再編病床利用率に与える影響や変更した病床の役割についてお答え申し上げます。  昨年12月に行った病床再編では、今申し上げました緩和ケア病床をふやしたほか、術後の患者に手厚い医療を提供するハイケアユニット、救急患者や予定外の入院患者受け入れを専門とする臨時入院病床、短期の入院患者を専門に受け入れ短期入院病床の設置などを行いました。これにより、患者の状態に応じて効果的・効率的に対応できるようになったことに加え、地域の医療機関からの急な入院依頼をスムーズに受け入れ体制づくりを進められたことから、このたびの再編は病床利用率の向上につながるものと考えております。実際に、1月以降は、前年同時期に比べ、新入院患者数延べ入院患者数ともに増加しております。 ◆成田祐樹 委員  新年度の稼働率について、病床再編と直近の利用状況から算出したということで理解させていただきました。とりわけ、病床再編については、総務省が出している新公立病院改革ガイドラインにも明記されている部分でもあり、より効率的な病院運営において意味のあるものだと考えております。新年度は、ぜひ、こういった地域連携や病床再編の利点などを生かして、経営改善取り組みをより一層進めていただきたいと思っております。  次に、研修医の数についてお伺いしたいと思います。  研修医が来ることによって、医療の新たな担い手の育成が行われたり、病院内にも活気が出ると言われております。しかし、市立札幌病院の近年の研修医の数は、平成24年は22人、平成25年も22人でしたが、ここ2年間において、平成26年は13人、平成27年は12人と非常に少なくなっていると聞いております。  近年は、臨床研修制度が導入されたことを機に、他の自治体病院民間病院においても、研修医の先生に対して自分たちの病院を選んでいただくためにさまざまな努力をしており、競争が激しくなっているため、今までのように研修先に選んでもらうことが難しくなっていると聞いております。  一方で、小樽市立病院のように、一時期、研修医がほとんどいない時期がありましたが、並木昭義病院局長が就任してからは、議会からの要望もあり、教育や研修にかける予算を3倍にするなど大胆な予算配分を行ったことで、研修医の人気も上がり、医師数が大幅にふえたことで運営面において息を吹き返したケースも見られております。  市立札幌病院は、極めて高度な医療に特化した病院を目指すことから、スキルアップを目指している研修医の先生方にいつも選ばれる病院でなければなりません。また、その研修医を育てる立場にある多くの先輩の医師については、常に最新の技術や情報に触れることができる環境を準備していかなければ、高度医療機関としての役割を果たせないのではないかと考えております。  そこで、お伺いしますが、市立札幌病院の研修医の募集に関連して、直近ではどのような取り組みを行い、新年度の研修医は何人になるのでしょうか。  また、研修医の先生方に選ばれるためには、指導に当たる先生方への配慮も必要であり、最先端の医療技術と教育を用意するためには相応の支援が必要かと思いますが、新年度以降どのように対応していくのか、見解をお聞かせ願えればと思います。 ◎甲谷 病院局理事  研修医確保と指導医師についてご説明いたします。  研修医の募集に向けた近年の取り組みにつきましては、平成26年度に臨床研修センターを設置し、研修環境の整備や募集活動を強化するとともに、昨年5月からは、臨床研修センター専用外来診察室において救急患者受け入れも開始して、研修医に必要なプライマリーケア研修を強化しております。また、院内に分散していた研修医室を集約してスペースを拡張するなど、さまざまな取り組みを進めてまいりました。その結果、新年度の1年目の研修医数につきましては、定数10名を充足するいわゆるフルマッチを果たしまして、2年目の研修医と合わせて19名を確保することができました。  次に、指導医に対する支援についてです。  指導医に対しては、学会参加や専門医資格の更新費用、指導医講習会への参加費用などを支援しております。病院全体で研修医を指導するという方針のもと、多数の科が分担して勉強会や手技指導を行うこと、外来診療指導医の交代要員を確保することなど、指導医負担の分散化を図っているところでございます。来年度以降につきましても、これまでの取り組みをさらに進めていくとともに、指導医向けの研修や専門医資格取得支援をさらに充実させるなど、より一層、指導医に対する支援を強化してまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  昨年、ことしと研修医が少なかったので非常に気になっていたのですが、来年度は19名まで戻るということや、研修医室の集約やスペース拡張など環境向上に力を入れ、改善を図っている最中であることを認識させていただきました。また、指導医向け研修専門医資格取得支援など、医師がさらなるスキルアップをできる環境にすることは、回り回って市民に対して高度な医療を提供することにつながるため、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思っております。  最後に、総合周産期センターについてお伺いしたいと思います。  札幌市内には、総合周産期母子医療センターとして市立札幌病院、地域周産期支援センターとして北大、医大、天使病院、手稲渓仁会病院など6カ所、特定周産期としてコドモックルなど合計八つの周産期母子医療センターがあり、周産期にかかわる多くの事案についてご尽力をいただいております。  しかし、石狩管内に隣接する管内において、現在、周産期母子医療センターが機能していない状況の場所が1カ所あります。それは後志です。小樽協会病院は、昨年7月より、産科医が2名減ったことによって新規の分娩の受け入れを休止いたしました。それによって、既に後志から札幌への産科の救急搬送のケースが複数出てきております。  例えば、小樽の路上で倒れた健診未受診の妊婦が切迫早産で北大に搬送され、さらに、病院に行ってみたら逆子だったという重篤なケースがあったそうです。とりわけ後志管内は交通の便が悪く、島牧村や寿都町といった地域からの搬送には冬季では3時間近くかかる場合もあります。  また、ヘリ搬送ができればいいのですが、産科救急では極めて難しいというふうにも言われております。以前に、八戸市のドクターヘリが10分かからないからと妊婦をヘリに乗せたところ、お産が急速に進んでしまって、あってはならない空中分娩に至ってしまったという報告も聞いております。突如、お産が進むケースを考えると、陸路を選択せざるを得なく、時間がかかることから札幌に到着する際には母子ともにかなり危険なケースになる場合が出てくるかと思われます。当然、そのような状態の患者、いわゆるハイリスク分娩受け入れ札幌市内の周産期センターは非常に負担が重くなってくるわけです。  さらに、3月末には、小樽協会病院の小児科の診療部長が退職されると聞いておりまして、これで小児科の人員も減ることとなります。さらに、これは小樽の市長が一体どう考えているのかわからないのですが、周産期センターに対する予算を毎年1,000万円ぐらい計上していましたけれども、次年度は予算計上しなかったとも聞いております。  そういった総合的なことを含めると、小樽協会病院の周産期センターとしての状況は非常に厳しく、再開も非常に厳しいのではないかと考えます。よって、今後は、産科救急だけではなく、小児の救急に関しても後志管内から札幌への搬送がふえることが想定されるため、札幌市内の周産期センターへの負担はより大きなものになるのではないかと考えております。重篤なケースがふえれば、それだけ一時的に受け入れがクローズになってしまう周産期センターが発生することも考えられるため、本来、札幌市民が受けられると思っていた救急医療が受けられないケースが出てくる可能性も否定できないわけであります。  そのため、市立札幌病院における総合周産期母子医療センターに対しては、より一層の期待と負担の両方がかかってくることから、産科、新生児科、小児科、また、状況によっては救急の先生方に対するよりよい環境整備や、他の公的病院では支給されている助産師の手当の検討など、周産期センターに対してしっかりとサポートしていかなければ、多くのハイリスク分娩を扱っている現場は疲弊してしまうのではないでしょうか。  そこで、お伺いしますが、今後、後志における周産期センターの再開については極めて厳しく、札幌に重篤な状態で搬送されるケースがふえることから、総合周産期母子医療センターを持つ市立札幌病院においては、センターに対する支援や環境整備をより行っていく必要があると思いますけれども、病院局の見解をお聞かせ願えればと思います。 ◎蓮実 経営管理部長  当院におきましては、道央医療圏で唯一の総合周産期母子医療センターとして、札幌市内はもとより、後志、空知、胆振、日高を含む道央医療圏の関係機関と連携しているところであります。日夜、緊張度の高い環境に置かれる当該センターに対しては、職員が最大限に能力を発揮できるよう、さまざまな環境整備が必要であると考えております。特に医師の確保は極めて重要であり、従来から大学医局と連携した人材育成などに取り組んできたところでありますが、現在、小児科、新生児内科の医師は定数を満たしており、欠員を生じている産婦人科においてはことし5月に1名を増員する予定となっております。  また、助産師手当につきましては、他の政令指定都市で支給している自治体病院が少ないことから現在は支給しておりませんが、給与を含む処遇については引き続き必要な調査研究を行ってまいりたいと考えております。  このほか、低出生体重児の出産などに伴うご家族の心理面のサポートや、出生時の心理発達検査などを担う専門職である臨床心理士を配置するなど、チーム医療体制を整えてきたところでございまして、今後ともより一層の環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  産婦人科医の1名増員や臨床心理士の配置、チーム医療体制の構築ということで、周産期センターとしては心強い支援でありますが、一方で、先ほど指摘させていただいたハイリスク分娩などのケースがふえることで現場の負担がふえることが考えられます。健診未受診妊婦による感染症のリスクもありますし、また、近年は、外国人観光客がふえていることから、言葉も通じず、健診の状況もわからない妊婦の受け入れも想定されます。また、産科には多い訴訟リスクなど、周産期の現場ではさまざまな厳しい要素を抱えながらの業務です。  ぜひ、さらなる環境整備助産師手当も含めて、特に、助産師手当については、他の政令市の話もされておりましたが、政令市ごと医療資源や環境が違うこともありますので、画一的に当てはめるのではなく、市立札幌病院もしくは石狩、札幌の状況を勘案しながら前向きに検討していただくことを要望して、質問を終わりたいと思います。 ◆竹内孝代 委員  私からは、市立札幌病院治療体制など、2点についてお伺いいたします。  まず、1点目として、脳脊髄液減少症の治療についてお伺いいたします。  脳脊髄液減少症は、交通事故などの激しい衝撃で脳と脊髄を循環する髄液が漏れ出し、激しい頭痛や目まいなどを引き起こす病気です。外見からはわかりづらいため、周囲の理解がなかなか得られなかったり、重篤になったため、寝たきりになって職を失った方もいるなど、患者や家族が抱える苦しみはとても大きなものがあります。  私も、同じ清田区にお住まいで、小学校での子ども同士の衝突事故により、頭蓋骨骨折という大けがをして脳脊髄液減少症と診断され、入退院を繰り返し、何年も治療を続けているお子さんを抱えるお母さんからさまざまなご相談を受け、大変なご苦労を目の当たりにいたしました。  このたび、この脳脊髄液減少症の治療に有効なブラッドパッチ療法、硬膜外自家血注入療法保険適用が決定し、4月から適用される運びとなりました。ブラッドパッチ療法は、髄液が漏れている硬膜の外側に患者自身の血液を注入して漏れをとめるもので、厚生労働省研究班の調査では、治療を受けた9割の患者に効果が認められているものです。現在、この療法は、一定の診断基準を満たせば入院費などが保険適用となる先進医療に指定されていますが、全額自己負担すると数十万円に上るなど多額の費用がかかり、患者に大きな負担を強いておりました。  そうした中、我が党では、2006年にいち早く対策チームを立ち上げ、長年、国会議員、地方議員が総力を挙げて、患者団体と連携し、治療法の確立やブラッドパッチ療法保険適用を政府に要望してまいりました。そして、このたび、ついに全ての関係者の努力が実を結び、保険適用となり、報道等でも大きく取り上げられたところであります。  本市においては、平成24年の第2回定例会の我が会派の代表質問で、市立病院として先進医療の申請を行い、この治療を行うことについての考えを伺ったところ、実施症例がなく、申請は困難であるとの答弁でした。その後、市立札幌病院と意見交換をする中で、ブラッドパッチ療法を経験した医師がおらず、確保が難しいこと、さらに、脳脊髄液減少症の診断を行うには、脳槽シンチグラフィーなどの専門的な検査を行うことになり、検査機器類をそろえる必要があるとのことでした。  そこで、質問ですが、現在、市立札幌病院にはブラッドパッチ療法を経験したことのある医師がいるかどうか、あわせて、診断に必要な検査機器があるかどうか、お伺いいたします。 ◎関 病院事業管理者  ブラッドパッチ療法についてのご質問でしたが、経験した医師、それから検査機器の有無についてお答えいたします。  まず、質問の1点目ですが、1名の医師については、少数の症例ではありますけれども、ほかの病院で、硬膜外自家血注入、いわゆるブラッドパッチ療法の処置を経験したことがございます。  それから、2点目のご質問ですが、診断に必要な検査機器につきましては、CTミエログラフィー脊髄MRI、脳MRI、脳槽シンチグラフィーですけれども、全て当院にございます。 ◆竹内孝代 委員  ただいまの答弁で、現在はブラッドパッチ療法を経験したことのある医師がいること、あわせて、診断に必要な検査機器もそろっていることがわかりました。  そこで、再質問ですけれども、このたびの保険適用を契機として、ぜひ、市立札幌病院でもブラッドパッチ療法、硬膜外自家血注入療法を実施していただきたいと考えておりますがいかがか、お伺いいたします。 ◎関 病院事業管理者  当院においてブラッドパッチ療法を実施するかどうかというご質問に対してお答えいたします。  この疾患は、症例数が少なく、また、診断も非常に難しいと言われておりまして、専門としているごく少数の医療機関が対応しているのが札幌市の現状でございます。したがって、現時点では当院で実施する予定はございません。従来どおり、同疾患が疑われる患者の診断や治療の相談については、取り扱っている専門の医療機関へのご紹介を行っていきたいというふうに考えております。 ◆竹内孝代 委員  今の答弁では、現時点では、市立札幌病院で実施するのではなく、専門的に診療している医療機関に紹介するということでした。しかし、このたびの保険適用の実現というのは、多くの患者にとって長年の悲願であり、報道等でもありましたが、今後の治療に大きな希望をもたらすものであります。  治療件数がふえれば、病気のメカニズムの解明にも寄与でき、研究の促進に貢献することも期待できます。また、診断のための検査を行うことにより、病院の検査機器の有効活用も図ることができ、ついては、市立札幌病院でもぜひとも体制を整えてブラッドパッチ療法を実施することを強く要望して、次の質問に移ります。  次に、がんの治療についてお伺いいたします。  先月、政府の新年度予算案について厚生労働省より直接説明を受ける機会がありました。その中で、公明党によるがん対策の提案によりさまざまな法案が実現してきた旨のお話を聞いてきました。特に、我が党の主導により、2006年にがん対策基本法が制定されてはや10年が経過しました。  国のがん対策は、がん対策基本法と、それを受けて翌年に策定されたがん対策推進基本計画によって本格化し、2012年には第2期の基本計画が策定され、現在まで取り組みが進められています。この基本計画では、重点的に取り組むべき課題として、一つは放射線療法化学療法手術療法のさらなる充実とこれらを専門的に行う医療従事者の育成、二つ目としてがんと診断されたときからの緩和ケアの推進、三つ目としてがん登録の推進、四つ目として働く世代や小児へのがん対策の充実の4項目を掲げています。このうち、放射線療法は、がんに放射線を当て、がん細胞を破壊してがんを消滅させたり小さくする治療ですが、近年、特に注目すべきものであると聞いております。  そこで、質問ですが、手術療法化学療法に比べて放射線療法には一般的にどのような特徴があるのか、お伺いいたします。  また、市立札幌病院で行っている放射線治療について、年間の患者数、近年の推移について、あわせて、市立札幌病院における治療体制についてもお伺いいたします。 ◎向井 副院長  まず、質問の1点目である放射線治療の特徴についてお答えいたします。  放射線治療は、手術と同じように、がんとその周辺のみを治療する局所治療ですが、切らずに治すと言われているように、臓器の機能や形態を残して治療することができるのが最大の特徴で、手術に比べて身体的な負担が少ないと言われております。また、脳や骨に転移した場合に生じる苦痛を和らげることにも有効であるという特徴もございます。  次に、質問の2点目ですが、当院で新たに放射線治療を行った患者数は、平成14年度までは年間200人前後でしたけれども、平成15年度からは徐々に増加いたしまして、平成20年度からはおおむね400人から500人と横ばいで推移しております。平成26年度では414人で、1日に当たりにすると約50人の患者の治療を行っております。  次に、当院の治療体制については、放射線専門医2名のほか、放射線治療専門認定技師、治療を物理的・技術的知識で支える医学物理士放射線治療品質管理士がん放射線療法看護認定看護師といった専門スタッフがそろっており、チームとなって安全でより精度の高い治療を行うように努めております。  治療用装置につきましては、平成25年度に高精度放射線システムを導入し、従来に比べますと、がんにより多くの放射線を照射でき、かつ、正常組織に当たる放射線を軽減することができる強度変調放射線治療、IMRT、患者の位置精度をCT画像などで確認する画像誘導放射線治療、IGRT、呼吸に同期いたしまして治療を行う呼吸同期放射線治療なども行っております。 ◆竹内孝代 委員  ただいまの答弁によると、放射線治療というのは、患者の身体への負担がより少なく、がんによる苦痛を和らげ、ひいては患者の生活の質の向上にもつながるとのことでした。また、その患者数は年々増加していることもわかりました。さらに、市立札幌病院は、放射線治療専門医を初めとして多くの専門のメディカルスタッフを擁しており、チーム医療により患者が安心して治療を受けることができる体制があることもわかりました。  この充実したスタッフと機器類などの資源を生かして、地域のかかりつけ医を利用するがん患者が安心して最善の治療を受けられるよう、市立札幌病院には地域の医療機関をサポートする役割があると考えます。  そこで、質問ですが、放射線治療に関して、地域連携という観点から市立札幌病院がどのような役割を果たしているのか、お伺いいたします。 ◎向井 副院長  放射線治療に関して、地域連携という観点から市立札幌病院が果たしている役割についてお答えいたします。  当院は、地域の医療機関との役割分担と連携のもと、地域完結型医療の構築を目指しておりまして、その中で、高度な急性期医療の提供を担っております。具体的には、急性期の治療を必要としている患者について、地域のかかりつけ医からご紹介いただき、治療が一段落して病状が安定しましたら、再びかかりつけ医に引き継ぎをさせていただいております。  放射線治療科では、新規患者の大部分がこのようにご紹介された患者であり、かかりつけ医からの要請には入院治療も含めて迅速に対応し、その後も何かあればご相談をお受けするなどして地域医療に貢献していきたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  最後に、私から2点の要望をさせていただきたいと思います。  まず、1点目は、これからの医療に必要なチーム医療という考えに立った取り組みの強化についてです。  先ほどの答弁の中で、放射線治療に係るチーム医療のお話がありましたが、医療の高度化に伴い、より質の高い医療を患者に提供するためには、医師だけではなく、サポートしている多様な職種とも連携し、情報と意見を交換しながら、患者個々の課題に対応していく必要があると考えます。このチーム医療の考えは、今後よりふえると予想される認知症の方へのケアにも求められており、ぜひとも認知症においてもチーム医療の実施を進めるよう求めます。  2点目は、がん対策に対する地域連携協力体制の強化についてです。  がん対策は、がん対策基本法が制定されてからのこの10年で大きく進歩しており、予防啓発も含め、取り組みも多岐にわたっております。具体的には、がん検診の受診率の向上、放射線治療などの医療技術の高度化、がん登録の制度化、胃がんの原因となるピロリ菌除菌の保険適用拡大などです。ご承知のとおり、がんは日本人の死因1位となり、2人に1人が生涯のうちに何らかのがんになる時代を迎えています。先日の予算特別委員会の保健所関係において、我が会派の涌井委員の質問に対し、館石医務監より、がん対策に非常に有効なピロリ菌検査、除菌について今後さらに積極的に取り組みたいとの力強い答弁もいただいたところです。  ついては、市立札幌病院におきましては、専門的ながん医療の提供を図るとともに、地域がん診療との連携協力体制を強化し、市民の健康を守る病院としての役割を果たしていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  まず、病院の経営については、国が定める診療報酬が定期的に改定されまして、これによって収支の状況が大きく変わる状況にありますけれども、今までも、内部的な人件費、物件費などの節約をどう図るかということに取り組んでこられて、それは相当数実践されてきて、かなり絞り込んでおられます。したがって、そういう面での内部的な努力というのは、ほぼ限界に近いところまでやってくれているなというふうに私は評価しております。  そこで、まず一つは、人の空腹を満たす食堂についてです。これは、長い間閉まっていましたが、その後、再開されましたので、この食堂の経営状況はどうなっているか、お尋ねします。  それから、二つ目は、診療に関してですが、札幌市の年齢構成は、60歳以上の方がだんだんとふえてきております。当然、病院に入院される高齢者の割合も多くなっているというふうに私は承知しております。  高齢者には、大きく分けて二つの疾患があると思います。一つは脳の問題、もう一つは関節、分ければ内臓と三つに大別されますけれども、とりわけ脳と関節の問題です。  まず、関節の関係です。膝あるいは肩、腰などの関節回りのつなぎ目を痛めている人が多いと思いますが、この治療ではリハビリを求める人が相当多いと思います。また、医療的にも、医師はリハビリを推奨することが多いと思いますが、リハビリ室が狭くて、かつて私がリハビリ室を広げてもらうように求めまして、その結果、リハビリ室が広くなりました。  そこで、そのリハビリ室を利用している状況の中で、今のリハビリ室で大体間に合っているのか、それとも、これからも高齢者がふえますので、これからリハビリ室が手狭になるというふうに判断されているか、二つ目にお尋ねいたします。  それから、三つ目は、認知症と言われる患者がふえてきていることです。会話が成り立たないとか、誰が見ても認知症だということであれば対応の仕方があるのでしょうけれども、初期の入り口的な状況は普通の人にはなかなかわかりづらいです。恐らく、市立札幌病院にもそういう患者の来診が数多くあると思いますが、これらを判定するに当たって、私は、日帰りだけでは難しいのではないかと思います。3日なり5日なり、あるいは1週間なり入院してもらって、継続的にずっと観察する中で一定の判断がされていくのではないかと思いますが、これらについてどういう対応をされているか、お尋ねいたします。 ◎蓮実 経営管理部長  まず、職員食堂、外来食堂の経営状況についてお答えいたします。  今、12月までの売り上げのデータが手元にありますけれども、大体290万円から12月で300万円をちょっと超えるぐらいです。想定が大体300万円でしたので、一旦は順調に稼働しているという評価をしてよろしいかと思います。 ◎関 病院事業管理者  2点のご質問がございましたが、入院患者の中で高齢者の占める割合がふえてきているのではないかということで、それに対して、1点目は、特に関節の問題で、今現在、使われているリハビリ室が広さとして十分かどうかというご質問でした。  リハビリ室のスペースをかなり広げておりまして、私どもの病院としては急性期リハビリを積極的にやろうというふうに考えておりまして、心臓リハビリ並びに脳神経絡みの難病の方のリハビリなど、いろいろ応用しております。現状のスペースが十分かどうかというご質問については、今のところは、スペース的には間に合っていて、職員も労働環境が改善したと評価してくれていますので、満足できる状況ではないかというふうに考えています。  もう1点は、認知症についての対応はどうかというご質問でした。  当院には、認知症の専門医として教育を受けた人間が精神医療センターに3名おりまして、そういう人間が認知症についての専門医療を行っております。ただ、精神科だけで行っているかというと、決してそうではなく、一般の診療科に入院している患者の中に認知症を合併している患者が結構含まれております。そういう患者は、一般診療科の中で手術医療を受けた際に、認知症の患者特有の術後のせん妄などのいろいろな問題が起きてきます。そこで、それに対しては、精神科の医師たちがリエゾンチームを組んでいて、4月からは認知症ケアチームを準備してチーム医療として対応することにしております。  これについて、先ほど委員から経過観察をするのも市立札幌病院でというご指摘がありましたが、私どもとしては、急性期の病院でありたいということから、治療を目的に紹介していただくのであればもちろん受けますけれども、経過観察という点に関しては、私どもの病院のそばにクリニックで開業している先生たちもいらっしゃいますので、そういったところをご紹介するという対応をとらせていただいています。 ◆松浦忠 委員  リハビリについては、民間病院はさまざまな規模がありますが、高齢者の中にはかなり不満を持っている方がいらっしゃいまして、充実している施設がどうも少ないようです。市立病院でありますから、採算的にどうなのかというところはあると思うのですが、市立病院であるがゆえに、リハビリの体制をきちんととって、民間病院のリハビリはどうも十分ではないから市立病院に行こうということで患者が市立病院に集まってくる環境をつくってほしいなと思っているのです。
     そのために、国の定める点数では赤字になる、これだけのことをすれば赤字になるというのであれば、それはそれできちんと提示していただいて、そして、市民の要望がそれだけ高いということになれば、当然、市長も予算の中でそれに対応する配分をしていくことになると思うのです。したがって、私は、そういう観点で、どの程度をどういうふうにすればいいかというものを秋の議会までに出していただきたいと思います。これが一つです。  それから、私が先ほど経過観察について質問をしましたが、市立札幌病院で診断して診断書を書いた結果、判定したものを経過観察という意味で言っているのではないのです。入り口の人は、極めて微妙なのですね。例えば、家族が、困った、どうしようということがあって市立札幌病院を受診します。そうすると、市立札幌病院で3日なり1週間なり入院して、診断するのに、24時間なり、ある程度の経過観察をします。そういう形の中できちんと症状を診断する。それによって、今度は、家族はどういうふうに対応するかということが定まると思うのです。  この入り口のところは、家族にとっても本人にとってもなかなか難しいところだと思うのです。私は、初期段階の的確な診断をそういう形でやってもらうことがいいのではないか、病院としてそういう対応ができないだろうかということを求めている質問なのです。お答えください。 ◎向井 副院長  認知症について、私からお答えさせていただきます。  認知症につきましては、委員がご指摘のように、初期診断がなかなか難しいという問題は確かにございますが、そういう患者については、例えば自宅から入院に変わるだけで症状が非常に悪化したりすることがございますので、むしろ患者にとって有益ではないということも多々あります。また、最近、画像診断が非常に進歩してきておりまして、外来で画像診断を簡単にできるものがたくさんありますので、そういうものを使って診断することは非常に容易になってきております。それから、外来での問診と画像診断を組み合わせることによって多くの診断は大体可能になっております。入院は患者にとって影響が余りよくないことが考えられますので、まず入院して診断ということにはならないと思います。  ただ、外来はきちんと対応していかなければいけないと思っておりますので、市内の病院からご紹介いただければ精神医療センターで対応していきますし、画像診断については地域連携センターを通して我々のところで現在も受けておりますので、今後も行っていきたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  副院長は随分断定的に言われるのですが、私は、率直に言うと、今の発言は余り信用しないのです。なぜかといったら、人間の体、特に脳の部分は、いまだに誰もがわからぬのです。余りそう断定的に言われると、なお信用しなくなります。  実は、2002年に、世界で初めて老年病科という講座を開設した東京大学、その開設に当たった小澤利男先生という方がいます。後に高知医科大学の教授になられ、さらにまた、日本でただ一つの東京都の老人医療センターという700ちょっとのベッドがある施設がありまして、65歳以上を専門に診療するところですが、ここの院長もやられた方です。私は、2002年に、当時の院長に、高齢者の総合診療科を市立札幌病院で開設するために、その方をお招きして市立札幌病院の先生を対象に札幌で講演会をしてはどうかと働きかけました。しかし、検討した結果、先生方が誰も乗ってこないということで、市立病院ではしませんでした。今言うように、急性期病院だからと言うのです。  ところが、現実に、市立札幌病院の患者の年齢構成からいったら、入院も外来も高齢者が圧倒的に多いわけですよ。そうすると、いや応なしに総合的な診療技術を身につけないと、受診者の判断すらもおぼつかないというのが今の実態ではないですか。患者の側が体のあらゆる部分の疾患を抱えるようになりました。そして、医療は、非常に細分化、専門化していきました。したがって、そうした疾患についてそれなりに勉強しないと判断がつかないという状況になっております。そういうことからすると、私はそういうような診察の仕方をすることが必要だと思うのですよ。  なぜ言うかといったら、今笑っている先生がどういう勉強をされてきたのかはわかりませんよ。例えば、おとといの北海道新聞の読者の声の欄に載っていましたが、北区の70歳代の男性が、腰の関節が痛くて幾つかの整形外科に行ったけれども、治らなかった。ただ、幾つか行った中のある整形外科の先生から、いわゆるストレッチ体操をしなさいということを教えられて、それをやって3年になって、今は全く痛みがなくなったと言っているのです。市立病院の皆さんですから、市立病院のことは言いません。したがって、その程度が診察できる医者の技術なのです。皆さんはそこを勘違いしないでくださいよ。(「勘違いはあんただよ」と呼ぶ者あり)  いいから。黙っていなさい。  委員長、静かに発言しようと思ったら雑音がうるさい。静粛にさせてくださいよ。(「何を質問しようとしているかわからない」と呼ぶ者あり)  皆さん、札幌市の税金を投入してやっている市立病院なのですから、患者や家族の側が求めていることに対して、もう少し真摯にそれを聞く。  私は、少なくとも、40年前から、小児科に対極する高齢者の総合診療のことをずっと調べて、勉強もし、取り組んできました。しかし、今の市立札幌病院の体制を見たら、それぞれの先生が、自分の余暇の時間にでも勉強してそういうことをということに進んでいるのかといったら、この診療体制の組み方からいったらそうなっていない。だから、私は言うのですよ。これは、きのうきょうに言っている話ではないのですよ。 ○しのだ江里子 委員長  松浦委員、質問に入ってください。 ◆松浦忠 委員  (続)状況説明をせんきゃわからぬから言っているのですよ。(「その状況説明もわからん」と呼ぶ者あり)  わからん人はわからんくていいの。少なくとも、お医者さんは私の言うことがわかるはずだ。わからんかったら、逆に私に質問してください。 ○しのだ江里子 委員長  松浦委員、質問に入ってください。 ◆松浦忠 委員  (続)したがって、私は、初期の認知症に対する診療体制をきちんとつくってやっていかないと、市民の困った問題に応えていけないのではないですかということを言っているのですよ。そういうことについてきちんとやる、あるいは、その方向に向かって検証してみるということがあって、初めて私もそうかということになりますよ。でも、さっきみたいな答えだったら、何をわかったふりをしているのですか、どこまでわかっているのということですよ、私に言わせたら。(発言する者あり) ○しのだ江里子 委員長  静粛に願います。 ◆松浦忠 委員  (続)患者が負担している市民病院ですよ。そこに勤務する医者というのは、もっと謙虚にならなければいけない。人間の体にはわからぬことがたくさんあるのですよ。そのことについて意見があれば、きちんとそれを受けとめて、それじゃ、言っていることは実態としてどうなのか、検証してみようと、こういうことがあって初めていいわけですよ。  したがって、私は、ぜひひとつそういう方向について検証を求めたいのですが、院長、いかがですか。 ◎関 病院事業管理者  委員がおっしゃることは、大分理解できました。  委員がおっしゃられたように、初期の認知症の患者を抱えられているご家族は、非常に不安な思いをしながらずっと生活されているのだろうと思います。これは、がん患者についても全く同じことが言えまして、今、私どもは、認知症の患者、がん患者に対してどのような対応をとっていくかということを考えているのですが、がん患者に関してはチーム医療、認知症の患者に関してもやはりチーム医療が大切だろうと考えております。先ほど委員がおっしゃられたように、ある一つの診療科だけではなくて、また、医者だけではなくて、社会福祉士やリハビリの方など、いろいろな方が連携してそこに対応していく必要があるだろうというふうに考えております。実際問題として、認知症の患者に関しては、4月からチームを立ち上げて行おうというふうに計画しております。 ◆松浦忠 委員  そこで、市長、病院がそこまで踏み込まないのはなぜかといったら、診療報酬との関係で、実際に診察をしながら、状況を見て、最終的には5日なり1週間かかって診断を下すということになると、今の診療報酬の点数の内容からいったら収入が極めて少なくなるからです。しかし、私は、そういう問題はある意味で研究的な部分になるやもしれませんが、市立札幌病院はそういうことについて取り組むべきだと思うのです。ただし、そういう患者を入院させて、診断しながら、一部は治療も含めてやりながら経過を見ていく、そして最終的に診断結果を出すということになると、そのために病床を何床か使うわけですから、それによって、普通の治療をしている急性期の患者だったら1日の収入の平均がこのぐらいになるというものから何割かが落ちます。  そこで、私は、これらに対して市として一般会計から補填することが必要だと思いますが、市長のお考えはいかがですか。 ◎秋元 市長  一つは、病院の経営的な面で収支を改善していくことに努力していかなければならないことは大前提だと思います。一方で、救急医療、周産期医療の分野など、民間病院ではなかなか扱えないようなものは、収支の差だけでは考えられず、市立病院という公立病院の役割としてあると思います。  例えば、今のお話の中でも、札幌市内あるいは道内のことを考えたときに、市立札幌病院はどういう役割を果たしていくのがいいのか、当然、あわせて経営における収支のバランスはもちろんでありますが、果たしていかなければいけない役割について必要なことがあれば公的病院としてやっていくこともあろうというふうに思います。具体的にどの部分をどうこうということではありませんが、そのように考えているところであります。 ◆松浦忠 委員  これは、市長一人がどうこうということではなくて、予算というのは、市民が何を求めているか、そこにきちんと予算を配分していくことが我々議員の務めでもあり、市長の務めでもあります。そして、市立札幌病院の院長以下、治療に当たる皆さんの務めは、市民が抱えている医療上の一番の課題は何か、その課題にきちんと目を向けて取り組んでいく、これが必要なことだと思うのです。  今、認知症の問題というのは、患者の数からいっても、年齢的な予備群からいっても、最大の課題であります。したがって、今、市長からも答弁があったように、院長、ぜひそういう方向で取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがですか。 ◎関 病院事業管理者  認知症に対する取り組みは、今後、老齢者がふえてくる時代にあっては、非常にポピュラーな問題になってくるのではないかと認識していますし、それに対応するには、ある程度、専門の医療を施す必要があるだろうというふうに考えています。先ほども申し上げましたが、やはり、医者だけではなくて、看護師も含めて、リハビリや社会福祉士などいろいろな者を含めて、チームとして、一人の患者、患者の背景にある家族たちに対応する必要があるだろうというふうに考えております。  委員のご支援、本当にありがとうございます。全力で取り組んでいきたいというふうに考えています。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、経営の観点から、市立札幌病院の医療連携について、また、急性期リハビリテーションについて伺います。  先日、3月13日の道新に「市立札幌病院苦境に」と大きく見出しが載ったところであります。サブタイトルには「競争激化赤字に」、あるいは「患者減少も続く 改善へ地域との連携強化」とあり、どう経営を立て直していくのかが問われるという記事でもありました。先ほど秋元市長からもお話があったとおり、私は、現状に即した市立札幌病院のこれからの立ち位置といいますか、スタンスというものを早期に確立して民間病院との差別化を図っていただかなければ、ただでさえ医療機関が多い本市の中で、後手を踏んで経常損失が膨らむばかりであることを強く懸念するものであります。  そこで、改めて、新聞報道にもありますように、平成26年度の1日当たりの入院患者数が8%減、外来患者数が5%減とありますけれども、まず、この理由を伺います。 ◎蓮実 経営管理部長  平成26年度の入院患者数及び外来患者数が前年度より減少している理由についてお答えいたします。  まず、入院患者数ですが、当院は、地域の医療機関からの紹介や救急搬送などを通じまして、専門的な治療を必要とする患者を受け入れて治療を行い、症状が安定した患者には早期に退院または転院していただくことに取り組んでおります。これは、患者の早期回復が第一であるとともに、いわゆるDPC制度においては、入院日数が長くなるにつれ、1日当たりの診療報酬が段階的に下がるためでもございます。このような取り組みのもと、平成26年度は、平均在院日数は前年度より1.3日短縮することができましたが、新入院患者数は前年度より約230人増加したものの、平均在院日数の短縮による患者数の減を補うほどの増加には至らず、延べ入院患者数が前年度に比べて減少したものでございます。  また、外来患者数の減少につきましては、病状が回復した患者については、地域の医療機関に経過観察をお願いする、いわゆる逆紹介を進めたことなどによりまして、前年度より再来患者数が大幅に減少したことが理由であります。 ◆阿部ひであき 委員  入院については在院日数が1.3日短縮できて、新しい入院患者数も230人増加しながら、在院日数の短縮で減った患者数を補うほどの増加に至らない、そして、延べ入院患者数が減少したということであります。すなわち、入院患者数が減ったということではなく、病床利用率を上げるための取り組みを進めながらも、退院する患者数と新たに入院する患者数のサイクルがうまくかみ合わなかったと解釈すべきでありましょうか。  しかしながら、在院日数が減少したという理由だけでは、病床利用率の減少の言いわけにしかすぎないようにも聞こえるところであります。このことは、以前から対策が必要であると指摘されていたところでもあります。例えば、一日のサイクルの中で、午前中の退院、午後からの入院患者受け入れ体制の徹底を行えば、おのずと病床利用率は上昇するのではないかと考えます。質の高い医療を効率的かつ安全、適正に提供するための手段として開発された診療計画書、すなわちクリティカルパスが導入されているわけでありますから、ルーチンワークとして入退院のこうした対応の徹底というのは十分に可能ではないかと考えるところであります。  さらに、入院時オリエンテーション等を外来において行うことは、民間病院においては既に10年以上も前から取り組まれ、病院を挙げて利用率向上の取り組みが行われているとも聞いております。もっと具体的な戦略を持って取り組んでいかなければ、市立札幌病院を取り巻く状況がますます悪化するのではないかと懸念するところであります。積極的に設備投資を行い、新規患者の獲得に必死である民間病院との差別化を図っていく上で、公立病院でなければできない医療体制の構築はもちろんのこと、日々のルーチンワークの見直しなどを鋭意行っていくことは喫緊の課題であります。さらに、市立札幌病院の経営には市税が投入されているわけですから、経常損益にも十分に配慮していただかなければならないこともあえて追加して指摘するものであります。  私は、平成26年の予算特別委員会市立札幌病院取り組みについて触れ、市立札幌病院の持つ専門性をより生かしていくには、地域の医療機関では対応が難しい患者をより多く紹介していただく、すなわち紹介率・逆紹介率向上に向けた取り組みが極めて重要であると指摘し、紹介型の外来への移行も必要ではないかと質問したところであります。これに対し、病院局は、他の病院等で行われている紹介患者主体の診療体制への移行も視野に入れて取り組んでまいりたいと答弁したところであります。  そこで、質問でありますが、紹介型の外来への移行について、現在までの取り組み状況と成果を伺います。 ◎蓮実 経営管理部長  当院の紹介型外来につきましては、平成26年9月に15診療科において、原則、紹介制を導入いたしました。診療科の選定に当たりましては、患者への影響を考慮し、従前から紹介の多い診療科や待ち時間が比較的長い診療科といたしました。紹介制導入に当たっては、ホームページや広報さっぽろなどにより広く周知を図るとともに、紹介状を持たずに来院される方の受診相談や電話相談を行うなど、患者のご理解をいただきながら、比較的スムーズに導入できたと考えております。  紹介制導入前後の平成25年度と平成27年度を比較しますと、紹介状を持たない初診患者の割合は導入前の5割から3割に減少し、紹介率も50.2%から69%と大幅に増加しております。 ◆阿部ひであき 委員  紹介状を持たない患者の来院の減少は、待ち時間の短縮にもつながってきます。また、1人当たりの患者に対する検査あるいは診療時間の確保が可能となります。こうした取り組みをより広く周知しつつ進めていただかなければなりません。ただし、一般の患者が減少すれば、紹介された患者で収益を上げる努力をしなければ外来部門の収益の減少につながるわけですから、1人当たりの患者の診療報酬上のプラス、すなわち加点をどのようにしたらよりふやせるのか、具体的に対策を講じる必要があります。  このたびの診療報酬改定では、かかりつけ医とのすみ分けがより鮮明になってくると考えられることから、これからは、市立札幌病院自体、患者が来院するのを受け身で待つのではなく、病院全体で一丸となってしっかりと営業活動に取り組むことも必要と言えます。市立札幌病院としての立ち位置、すなわちスタンスの確立にもっと本腰を入れて対処しなければなりません。市立札幌病院の強みは何かを考え、その強みをしっかり生かして、市民にとって役に立つ医療機関としての位置づけを担保していただかなければならないことを指摘するものであります。  次に、紹介制の取り組みと一対の歯車とも言える逆紹介について伺います。  逆紹介についても、これを行わなければ、とりわけ入院病床では新たに治療が必要な患者の受け入れができなくなります。特に、市立札幌病院においては、一般病床を752床から701床へ51床減らしたところであります。減らした以上は、さらに逆紹介の取り組みは重要であり、また、地域医療支援病院としてのスタンスを早期に確立する意味においても、地域全体で患者を診る地域完結型医療を推進する上でも重要であります。  そこで、質問ですが、逆紹介の推進について病院局はどのように考えているのか、伺います。 ◎蓮実 経営管理部長  当院といたしましても、急性期医療が必要な患者を常に受け入れることができる体制の確保と、地域の医療機関との連携及び機能分化を推進するために逆紹介を進め、今年度2月末現在で88.8%と高い逆紹介率となっております。今後は、特に、転院先医療機関、在宅診療医との連携強化・拡大がより重要となってまいりますので、入院早期から退院支援の必要性を判断して、これらの後方医療機関との早期調整に力を入れてまいりたいと考えております。  また、逆紹介が進む中、患者への継続診療を担保する上で、当院と地域の医療機関との情報の共有化がますます重要となってまいります。そこで、ことし1月に、ICTを活用した地域医療情報ネットワークシステム、通称すずらんネットを導入いたしました。このシステムにより、これまで主に紙媒体で提供していた当院の逆紹介患者の医療情報を、患者の同意のもとに地域の医療機関の医師が参照できることとなりました。地域の医療機関がこのシステムを日ごろの診療や救急時に活用することにより、つなぎ目のない医療を提供することができ、当院と地域の医療機関とのさらなる連携強化に寄与するものと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  情報共有に極めて重要なそうしたシステムをこれから使っていくということであります。また、国が病院の機能分化を進める中、市立札幌病院というのは、急性期病院として、その治療を短時間で効果的に行い、早期に適切な医療機関につなぐことが求められております。そのため、回復を促進する上で、治療に加え、リハビリテーションを早期の段階から積極的に行うことは極めて重要であります。  そこで、市立札幌病院における急性期リハビリテーションについて、どのような体制で、どのように提供しているのか、伺います。 ◎蓮実 経営管理部長  まず、ご質問の1点目の急性期リハビリの体制につきましては、現在、リハビリテーション科におきまして、理学療法士13名、作業療法士6名、言語聴覚士4名の合計23名で、1日平均200人余りの患者に対応しております。  次に、どのように提供しているかでございますが、現在、心大血管、脳血管、運動器、呼吸器、がんの5分野のリハビリを行っております。それぞれの療法室等でのリハビリはもとより、手術直後の病室での立ち上がりや言語障がい等に対する病棟での嚥下リハ、発声等の訓練、安静の継続による筋力の低下などを防ぐためのベッドサイドリハビリなど、患者の病状に応じて多様な形でリハビリを提供しているところです。 ◆阿部ひであき 委員  近年、市内の民間大病院は、大胆な設備投資あるいは専門治療を売りにしていることは先ほども触れました。そうした中、他の病院との差別化を図るためには、市立札幌病院が果たすべき役割をはっきりと示して、その役割に必要な設備整備あるいは人材確保を積極的に進めていかなければならないと考えます。  私は、今回、市立札幌病院が目指していく医療体制について随時触れながら質問を進めてきましたけれども、率直に申し上げて、現在のところ、外から見て、市立札幌病院については、どうしても民間の病院に比べてちょっと見おくれする、中途半端さが拭えないというふうに感じております。例えば、急性期リハビリの件一つをとっても、300から500床前後の民間の急性期病院では、リハビリ従事者の数が50名から60名を超えるところもあり、比べると市立札幌病院の23名はまだまだ足りないと考えます。  以前は術後に安静にしていることは常識でありましたけれども、今は手術が終わっても患者を寝かせている急性期病院はほとんどなく、病状にもよると思いますが、手術日に病室に帰ると、まずは立たせることから始まりまして、翌日には歩かせるとも聞いております。早期のリハビリ開始が身体機能の維持や向上に有効で、手術後の回復も早いとの実証結果も得ているところであります。  当然、歩いて入院した人が車椅子で、車椅子の患者が寝たきりの状態で退院することがあってはなりません。また、地域連携の観点から、動けない状態にまで身体機能が低下した、いわゆる廃用症候群の患者の受け入れ先に困るようなことがあってはならないと思います。そのためにも、早期の段階で計画的かつ手厚いリハビリの提供が必要であり、それが地域に帰っても連携した病院で継続されることが望ましいと考えるところであります。  そこで、市立札幌病院のような地域の中核病院の急性期リハビリは今後ますます重要となってくると思いますけれども、今後の急性期リハビリについてどのように取り組もうと考えているのか、伺います。 ◎関 病院事業管理者  今後、急性期リハビリにどのように取り組もうとしているのかというご質問でございました。  委員がご指摘のとおり、早期リハビリの開始、また、質の高いリハビリの切れ目のない提供は、患者の身体機能の回復に大きく影響しておりまして、急性期病院に求められる早く治して早く帰すといった理念に沿ったものであると考えています。このため、平成27年度には、作業療法士を2名増員するとともに、リハビリテーションのスペースを3割拡大して心蔵リハビリ室を新たに設置するなど、機能の充実を図ってきたところであります。平成28年度にも、理学療法士を2名増員することとしております。  また、現在、4階西、10階西の病棟、これは診療部門で言うと心臓血管外科、整形外科になりますが、ここで休日リハビリを実施しているところであります。今後につきましては、365日のリハビリの実施を目指して必要な従事者を確保するとともに、従事者の教育、訓練を進めて、患者に切れ目のないリハビリを提供できる体制を整備し、質の高い急性期リハビリを提供していきたいというふうに考えております。 ◆阿部ひであき 委員  繰り返しになるかもしれませんが、私は、市立札幌病院のスタンスについては、より戦略的、具体的な取り組みを推進して、他の民間大病院に対して差別化を図っていかなければならないと考えます。言葉では地域医療支援病院として、または急性期病院としてと言っても、患者獲得のための競争率の激しい本市において、現時点では他の病院に比べて影が薄いと感じているところであります。  今後、経常収支を年頭に入れながら早期に取り組まなければならないことは、一つは、紹介、逆紹介を通し、連携する地域病院のニーズの把握にしっかりと努めていくこと、さらに、民間の病院が取り組みにくい、採算面で難しい医療体制を充実させること、そして、地域医療支援病院と急性期病院としての両方の立ち位置を構成するために、必要不可欠な急性期リハビリテーション体制を早期に整えること、まずはこれらのことにしっかりと取り組んでいただかなければならない、このことを指摘して、私の質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、市立札幌病院におけるがん患者のサポート体制について伺います。  まず、就労しているがん患者のサポート体制について伺います。  昨今、がん患者はふえております。国立がん研究センターの2008年データによりますと、その3人に1人は20歳から64歳までのいわゆる就労可能年齢でがんにかかっているということです。がん医療の進歩は大変目覚ましく、かつての不治の病から治る病気に変わってきており、がんの治療をしながら働く方も多くなっているということで、仕事を持ちながらがんの治療のために通院をしている方は、2010年度の厚生労働省の調査によりますと全国で32万人以上もいらっしゃるそうです。  しかし、札幌市保健所が2015年に行った事業所向けのがん対策アンケート結果報告では、35.7%、約4割の事業所が、従業員ががんにかかったときのための休暇や休業などの勤務制度を導入していないということでした。また、同じく、市民向けがん対策アンケート結果報告によりますと、33%の方が就業先で働き続けるのは難しいと回答されております。  このように、がんにかかる方がふえている一方で、がん対策が課題になっております。2013年度のがん対策に関する国の世論調査によりますと、政府に力を入れてほしい項目は、第1位ががんの早期発見、第2位ががん医療にかかわる医療機関の整備、第3位ががんによって就労が困難になった際の相談支援体制の整備でありました。市立札幌病院においては、がん診療連携拠点病院として、がん相談の窓口を整備するとともに、さまざまな患者向け、また医療従事者向けの啓発活動を行っていると聞いておりますが、がん治療を行っていく上での相談体制のさらなる充実が求められていると考えます。  そこで、質問ですが、がん相談窓口について、どのような体制で実施しているのか、伺います。  また、就労している方は、具体的にどのような悩みを相談され、就労の継続のために窓口ではどのように支援しているのか、伺います。  さらに、今後はどのように支援の充実を図っていくお考えか、あわせて伺います。 ◎西川 病院局理事  がん相談窓口の体制についてお答えいたします。  当院の相談支援センターでは、国立がん研究センターの研修を修了した看護師2名を相談員として配置し、院内、院外の患者、ご家族からの相談に対応しております。また、相談内容に応じて、医師、薬剤師、緩和ケア認定看護師、がん化学療法認定看護師など、適切な部門、職員と連携して対応する体制をとっております。さらに、最新医療情報や治療で生じる容姿の変化をカバーする製品情報などを求める方々のために、国立がん情報センター監修の各種がんの治療や療養に関するパンフレットや患者会、就労支援などの情報の院内配架、かつら、乳がん手術後用の下着の紹介などを行っております。  次に、就労中の患者の相談内容と就労継続のための窓口での支援についてお答えします。  平成26年にがん診療拠点病院の整備に関する指針が改正となり、がん相談支援センターにおける就労相談業務を新たに開始いたしました。  当院における相談件数ですが、平成26年度、27年度とも5件とまだ少ない現状でございます。相談内容としては、就職面談時に病気についてどの程度伝えるべきか、復職に向けての不安、治療を継続しながら就労できるか、退職したほうがよいかなどの相談がございます。相談窓口では、仕事を続けるか悩んでいる方には、今すぐに仕事をやめる必要はないことを伝えるとともに、治療スケジュールを明確にし、雇用主に相談できるようアドバイスしているほか、北海道がんセンターの社会保険労務士による相談窓口の活用などの情報提供を行っております。  また、今後につきましては、よりさまざまな観点から助言などができるよう、看護師だけではなく、社会福祉士も相談員として育成して支援の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  がんは、非常に身近な病気になってきたと思いますが、今もいろいろな悩みの中身を教えていただきましたように、患者は、がんにかかって初めて病状や治療法について知ることが多いことから、病状の進展や治療スケジュール、治療に起因する合併症などによって仕事にどのような影響が及ぶか予想できないことが多いとも伺っております。また、先ほどの事業所向けがん対策アンケート結果では、がん治療と就労が両立できる職場づくりが必要と考えているものの、およそ7割の事業所が未検討という厳しい実態をあらわにした結果もありまして、がん患者が就労を続けること自体、大変厳しい状況だと言えると思います。  がんにかかっても働き続けることができれば、患者にとって経済的な安定を得られるのはもちろんのこと、社会や人とのかかわりを通じて生きがいを感じるなど、がん治療に前向きに取り組む意欲にもつながると考えるところです。市立札幌病院におきましては、職場との橋渡しになるような支援やがん相談窓口の体制の拡充など、積極的な支援の充実を求めます。  引き続き、市民参加によるがんサポートについて伺います。  昨年の決算特別委員会におきまして、市立札幌病院の緩和ケアの取り組みについて伺いました。その中で、複数の医療施設が患者や遺族の方々1,100名余りを対象に行った調査結果に触れましたが、要望として最も多かったのは、気持ちに寄り添って一緒に考えてほしいということでありました。がん患者や家族の方は、肉体的な痛みだけではなく、がんの告知を受けたとき、あるいは治療の中で再発や転移がわかったときなど、さまざまな場面で強い衝撃を受け、精神的にも社会的にもつらい思いをされているのだと推察します。そうした思いに対しては、医師や看護師などの医療スタッフ、また、先ほど伺ったがん相談の窓口の方々も親身になってお話を聞いてくださり、助言などもされていると思います。  日本においては、がんは死因のトップでもあり、もはや2人に1人ががんにかかると言われており、3人に1人ががんで亡くなる状況と聞いています。このように、がんは特別な病気ではなくて、また、人ごとでもない状況となっている中、市民あるいは患者自身も参加して、互いを支え合うような市民参加型のサポート体制を構築していくことが重要ではないかと考えるところです。  例えば、暮らしの保健室という取り組みがあります。これは、東京都新宿区で、長年、訪問看護に携わってこられた方が中心になって2011年に立ち上げた施設で、医療や介護、がん治療に関することを初め、暮らしの中のちょっとした困り事などの相談を看護師や保健師、薬剤師、栄養士などの専門職が無償で受け付ける相談支援の場になっているとのことです。ボランティアの方も、三十数名が登録されているとのことです。その中では、専門職に相談したり、ボランティアとおしゃべりしたり、お茶を飲んでゆっくりと過ごしているうちに、思い出したように相談事を口にして安心して帰る方もいらっしゃるとのことです。このボランティアは、専門職ではないのですが、ほとんどが在宅看護の経験者で、近所のおばさん的な感覚で話を聞いているとのことですが、その人のことを気にかけている人がいることが大事だということです。  そこで、質問ですが、市立札幌病院では、市民や患者自身も参加するようながん患者をサポートする取り組みを行っているのか、伺います。 ◎西川 病院局理事  市民の方々や患者自身も参加するがん患者をサポートする取り組みについてお答えいたします。  まず、当院では、やさしさサロンかたろーねというがん患者サロンを開設しています。サロンでは、患者やご家族の方など同じ体験をされている方同士が集まり、悩みや不安を語り合ったり、専門の医療スタッフによる病気や治療についてのミニ講座を行ったりしています。年々開催回数をふやしており、今年度は年9回開催いたしました。観葉植物を置くなどして、少しでもくつろいだ雰囲気の中で患者同士がお話しできるように努めています。  また、院内では、ボランティアの会として、やさしさ・ジェントルの方々が、演芸や四季折々のイベント運営、患者、家族との触れ合いなどの活動をされています。当院の緩和ケアチームにも参加していただき、患者とご家族がよりよく過ごすためのサポートをしていただいております。 ◆石川佐和子 委員  やはり、治るようになってきたとは言っても、がんは命にかかわる大変大きな病気ですから、同じ経験をした仲間と気軽に出会える場とか、思いを打ち明けたり相談できる場、相手というのは本当に大切だと感じます。  最後に、要望になりますが、現在、国が進めている地域包括ケアシステムでは、病院、診療所等の機能分担とともに、在宅への流れが加速しています。特に、これまで病院が中心と思われていた緩和ケア医療についても在宅での実施が進んできており、在宅でみとりまで行う方がふえています。  しかし、在宅緩和ケアは、医療や福祉の専門職員が常駐していないことから、患者や家族に社会的孤立、孤独が生じるなどの課題もあると聞いております。こうした課題を抱える在宅緩和ケアにおいて、地域包括ケアを可能とするために、一つには市民のかかわり、地域の力が重要になってくるのではないかと考えます。専門職はそれぞれ専門的な観点で患者と接しますが、市民は、生活者として対等な立場で患者とかかわり、例えば、趣味や関心を通してかかわりを深めることができるのが強みだと思います。  特に、患者がひとり暮らしの場合や同居者の仕事が多忙な場合などは市民や地域のかかわりが大事になり、医療、福祉、看護、ボランティア等が一体となった在宅緩和ケア体制が求められていると考えます。先ほど紹介した暮らしの保健室も、英国のマギーズセンターというがん専門の相談支援機関の取り組みをモデルに始まったと聞いております。日本においては、緩和ケア領域における市民の立場は、あくまで患者としてサービスを受ける立場ですが、英国や米国では、長い歴史の中で緩和ケアにおける市民参加が定着し、地域に根差した活動を行っているとのことです。こうした取り組みについても検討していただきたいと思います。先ほどの答弁の中で、緩和ケアチームにも参加されているということを伺いましたので、積極的にそうしたことを進めていただきたいと思います。  札幌市においても、がんになっても安心して暮らせるよう、がんの治療を継続しながら働く方を含め、がん患者のサポート体制をますます充実させ、地域医療支援病院である市立札幌病院が今後とも患者と地域をつなぐ地域包括ケアの拠点となることを強く求めて、私の質問を終わります。 ○しのだ江里子 委員長  以上で、病院事業会計予算の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時29分       再 開 午後2時31分
        ―――――――――――――― ○しのだ江里子 委員長  委員会を再開いたします。  次に、日程に追加して、水道局質疑時における発言取消の申出についてを議題といたします。  さきに行われました水道局関係の質疑におきまして、理事者の答弁に一部事実と異なる内容があったとして、水道事業管理者より、当該部門の発言を取り消したい旨、あわせて、改めて経緯を報告したい旨の申し出がありました。  このことにつきまして、理事会で協議しました結果、本日の委員会におきまして日程を追加し、水道局より経緯を報告していただき、当該発言取り消しに係る部分について質疑を行うことといたしました。  それでは、理事者より説明を受けます。 ◎渡邊 水道事業管理者  本日は、発言の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。  3月4日の当委員会におきまして、松浦委員から、水道満期メーター取りかえ業務において発生した漏水事故に関する質疑がございました。  この中で、配水担当部長が、今回の作業に携わった者は日本水道協会の配水管施工技能者であると答弁いたしました。これは、事故発生後に受託者から受けました、当日の従事者は水道局に届け出のあった接合工事等資格者1名と作業員1名の2名であったとの報告に基づいて答弁したものでございます。しかし、委員会後の3月8日に受託者に対して従事していた作業員に関して改めて確認しましたところ、実際に作業に当たった者は作業員として届け出のあった2名のみでありまして、水道局への報告が事実と異なっていたことが判明いたしました。  したがいまして、さきの予算特別委員会でのこの部分に係ります発言を取り消させていただきたいと存じます。結果として事実と違う答弁を行ったことにつきまして、深くおわびを申し上げます。  満期メーター取りかえ業務では、仕様書におきまして、安全かつ適正にメーター取りかえ業務を行うために、配水管施工技能者や給水装置配管技能検定合格者などの技能を有するものが現地で作業または監督することを求めております。しかし、今回、このことが守られていなかったことに関しては、水道局として、まことに遺憾であります。今後、メーター取りかえ業務の適正な履行の確保に改めて取り組んでまいりたいと思います。  大変申しわけございませんでした。 ○しのだ江里子 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆佐々木みつこ 委員  3月4日の委員会発言取り消しの申し出で、本日、日程の追加になっております。  ただいま管理者からご報告がございましたが、満期メーターの取りかえ業務の事故について発言の取り消しがあったことに関して、もう一度おさらいをすべく、事故の経過と業務の概要についてお教えいただければと思います。 ◎渡邊 配水担当部長  ただいまのご質問にお答え申し上げます。  業務の概要でございますが、計量法の定めにより、検定有効期間8年が満了となる水道メーターを取りかえるための業務でございまして、毎年10万個から12万個の水道メーターの取りかえを業務委託により分割発注しております。今回、漏水事故が発生したのは白石区における満期メーター取りかえ業務でございまして、メーター取りかえの予定個数は960個でございました。  次に、経過の説明でございますが、事故は、白石区本郷通13丁目にあるマンションにおいて、昨年10月1日午前8時45分ごろに発生しております。事故の状況につきましては、メーターを取りかえるために3階のパイプシャフト内でメーター手前にあるバルブを閉じて水をとめ、メーターを接続するねじを緩め始めたところ、作業範囲外の配管が外れ、水が噴き出したと報告を受けてございます。  このときの対応としては、漏水をとめるために建物全体の水をとめられる屋内バルブを探しました。しかし、その位置がわからず、電話で業務の責任者に屋外にある親バルブの位置を聞き、これを閉じる作業に取りかかりましたが、このバルブがかたく、作業に手間取り、被害が拡大したものでございます。  この事故に伴う被害につきましては、3階から1階の居室及び階段等の共用部分を中心に水をかぶり、このほか、玄関にあった靴などに損害を与えました。  これらに伴う補償対応ですが、受託者が非を認め、損害の賠償をするため、10月初めから受託者が加入する損害保険会社と建物のオーナーの間で話し合いが進められました。2月初めからは受託者が以降の対応を弁護士に一任することになりまして、現在協議中でございます。 ◆佐々木みつこ 委員  ただいまのご説明では、事故については10月1日に発生したものであるということでございます。3月4日の審議で、事前に当該委員からもこの件について質問するという通告があったかと思いますが、委員会での答弁が違ったということについては、どうしてこのようになったのか、お伺いしたいと思います。 ◎渡邊 配水担当部長  なぜ、後になってこのような事実がわかったのかというご質問でございます。3月4日の委員会後に関係者立ち合いのもとで現場検証を行うことになり、改めて確認したところ、受託者から、メーターの取りかえの現場に、その作業を行う接合工事等資格者が従事できなくなったことから、契約違反になることをおそれ、資格者が継続して従事していたことにしたと報告を受けたところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  業者の事情もあるかとは思いますが、やはり、議会が始まる前に事実確認をしていただきたいと思うところでございます。  続きまして、今回、追加日程ということで、異例のような形になってしまいましたし、今後の再発防止策についてお伺いしたいと思います。 ◎渡邊 配水担当部長  再発防止についてご質問がございました。  今回の事故では、作業範囲外の配管に損傷を与えたこと、また、万一に備え、親バルブの位置を作業員自身が確認していなかったことなどが問題と認識しております。  このため、再発防止に向け、仕様書に具体的な安全措置を命じるほか、業務説明会において事故事例の説明を強化することとしております。また、接合工事等資格者の従事については、今後はランダムに現場を抽出して従事者の確認を行いたいと思います。 ◆佐々木みつこ 委員  安全措置、再発防止策をぜひ徹底していただければと思います。  議会での答弁や発言は非常に重いものだと考えておりますので、今後はこのようなことがないようにお願い申し上げまして、私の発言を終わります。 ◆林清治 委員  私からも、発言取り消しとなった事案の水道局の指導・監査について簡潔にお聞きしたいと思います。  先ほどの質疑の中で、発言取り消しについての経過が明確になってきたのかなと思います。漏水事故について、先日の質疑ではちょっと不明確だった部分が整理されたと思います。  この事案のメーター取りかえ業務は、受託者が、委託契約に基づき、安全管理などを実施しながらメーター交換の作業を行い、その一方で、業務の的確な履行を確保するため、発注者による指導・監督が同時に行われているものと考えております。今回の漏水事故では、建物に被害が発生したということでございますが、受託者の業務履行上の落ち度を検証して、今後の反省材料にしなければならないと考えております。また、発注者においても同様のことが言えると思います。  そこで、最初の質問ですが、この漏水事故の中で受託者にどんな落ち度があったのか、また、水道局の指導・監督に問題はあったのか、2点についてお伺いしたいと思います。 ◎渡邊 配水担当部長  まず初めに、受託者にどのような落ち度があったのかというご質問でございます。  マンションのパイプシャフトの中でメーター交換の作業をする場合には、限られたスペースの中でほかの配管に影響を与えないよう、安全管理を進めながら作業を行う必要がございます。今回は、パイプシャフト内における漏水発生の可能性について注意が欠けていたことと、いざというときに水をとめることができるバルブの位置を把握できていなかったことから、作業上の安全措置を欠いていたと考えております。  次に、水道局の指導・監督に問題があったのかという点でございます。  契約図書である仕様書において、業務着手時には漏水事故等の発生を防止するための安全管理を求めており、さらに、受託者を対象として業務説明会を開催し、留意すべき事項などについて指導しております。また、受託者から提出されている履行計画書や月報により業務の出来高等を把握しているほか、配管に漏水がある、止水はできないなど、メーター取りかえに支障がある場合につきましては、現地立会を行い、適切に指示しているところでございます。  これらのことから、水道局の指導・監督において問題はないものと考えてございます。 ◆林清治 委員  今の答弁では、水道局の指導・監督には問題がなかったということであります。  私の知り合いの事業者からも、メーター取りかえ工事自体は単純な作業であり、困難はないと聞いているところであります。ただ、その事業者の話の中では、今の答弁にもあったとおり、パイプシャフト、一般的にはメーターボックスと呼ぶこともあるかと思いますが、その配管の設置状況やスペースが建物によって異なることから、少し手間がかかるとか、作業がしにくい場合があると言われておりました。  先ほど理事者からあったとおり、受託者は非を認め、受託者と被害者の間で補償について話し合いを進めているとありました。しかしながら、水道局が発注した業務中で漏水事故が発生し、建物などに被害が生じているのも事実だと思います。  そこで、次の質問ですが、なぜ受託者が補償を行うのか、また、水道局はこの件についてどのようにかかわっていくのかについてお聞きしたいと思います。 ◎渡邊 配水担当部長  まず、なぜ受託者が補償を行うのかという点でございます。  被害者への損害賠償は、民法の規定を踏まえ、また、契約約款第6条において、受託者は、業務の実施に際して第三者に被害を与えたときはその損害を賠償する、ただし、その損害のうち、委託者の責めに帰すべき理由により生じたものについてはこの限りではないとございます。今回の事故は、受託者が作業上の安全措置を欠いていたことが原因であり、水道局の指導・監督において問題はないものと考えております。したがって、受託者の責任において補償すべきものと考えているところでございます。  次に、水道局はこの件についてどうかかわるのかというご質問でございますが、今回の漏水事故は、水道局が発注した業務の中で発生した事案でございますので、今後、再発防止に努めるとともに、発注者としての立場で示談交渉が進展するよう促してまいりたいと考えております。 ◆林清治 委員  ただいま答弁をいただいたところでありますが、まさに、本件漏水事故は、事業者にとっては簡単な作業だからこそ起きた不注意の事故だと思います。事前の調査と担当者への配管作業の注意点などの引き継ぎがきちんとなされていれば防げたのかなと思うところであります。また、水道局の落ち度ではなくて、受託者の落ち度であり、補償に関しては、約款にあるとおり、受託者と被害者の当事者間の話し合いに損害保険会社が絡むもので、まさに民民間の問題であると思いますし、水道局責務ではない事実もあります。  しかし、先ほど答弁があったとおり、今後の再発防止という部分では、今回の漏水事故を教訓に、以降は受託者への指導を徹底することを申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ◆松浦忠 委員  まず、市長、3月4日のときに、市長も出ておられて、私は、市長に現場に行くように求めましたが、一切、答えがありませんでした。  きょうは、被害者の荻 昌弘さんも傍聴においでになっています。  きょう、この事態を受けて、市長は、まず、あなたの補助機関である水道局の、それも事業管理者以下の職員が、事実関係をきちっと把握できるものをしないで、我々議会に対して、うその答弁をして今日の事態を迎えた。私は、これは議会に対する軽視の何物でもないと。  したがって、一つは、被害者の荻さんがおいでになっていますから、そして、我々議員に、市長はどう発言をしようとしているのか。被害者の荻さんと私たち議員に対して、特に指摘をした私に対して、市長は、自分の部下のしでかしたこの不始末についてどう意思表明をしようとしているのか。これを市長に求めたいと思います。 ◎秋元 市長  3月4日の委員会での答弁に誤りがあったということで、きょう、訂正をさせていただいた、改めてこういう場、こういう時間をいただいたということに対しては、申しわけないと思っております。  ただし、松浦委員はそれをうその答弁というふうにおっしゃいましたが、それは、うそという認識があっての答弁ではなく、虚偽の報告、いわゆる偽りの報告を前提に答弁をしたという部分でありまして、そのときの認識については、資格者がいたという報告に基づいて、そういう認識に基づいての答弁ということでございますので、それは、虚偽、うその答弁ということではないというふうに認識しております。  もとより、この作業により、マンションのオーナーの方はメーターを取りかえる作業によって被害を受けたということでございます。そういう意味では、被害に遭われた方の損害が早期に解決されるべきだとは認識をしております。一方で、今の段々の質疑の中でもございましたとおり、軽微な作業の中で、受託者がその作業における過ちを認めているわけでございまして、その補償をするという前提の中で、その損害額、被害額に相違があって時間がかかっているという認識でございます。 ◆松浦忠 委員  これはね、市長、きちっと調べればわかる話です。事故が起きたのは10月1日ですよ。それが起きて、荻さんから相談を受けたのは、しばらくして、ことしになってからですよ。私は去年のうちに相談を受けていますけれども、いろいろ水道局と話しても、具体には、水道局は、3月4日の質疑が終わって、現場検証をする、その前に、私と堀川議員のほうで、管理者に控室にお越しいただいて、当日、作業をした人を現地に連れてきてください、社長も連れてきてください、その作業を見ていた被害者の荻さんも当然いますからと。そして、資格証も持ってきてもらって、資格がある人か、ない人か、そこで確認しようじゃないか、こう言って現地に来ることを求めた。  3月9日になって、朝、管理者も私も点検口の中に入り、荻さんのお宅を借りて関係者が一堂に会して、このときに、管理者から、無資格者だった、こういう話であります。これは、同行を求めなければそれで通ってしまった、同行を求めなければ。  私がなぜこういう不信を持ったかといったら、何で原因も、いわゆるつなぎ目の、ニップルというつなぎ目、空気抜きのところのバルブと本管をつないでいるつなぎ目、これをニップルと言うそうですけれども、これが、その先につながって、横につながっているメーター機のボルトを回したときに、それが外れて水が噴き出した、こういうことですね。じゃ、その状況をきちんと確認しようよと。そして、そのものはどこにあるんだと聞いたら、それは、もう既に投げて、ありませんと。そして、全部補償しますと言ったって、場合によっては、いわゆる設備所有者である荻 昌弘さんのほうの施工不良だったとしたら、それは荻さんのほうに応分の責任があるわけですよ。私は、荻さんから相談を受けてそういうことを荻さんに言ったんですよ。やっぱり、物事というのは公平に判断せんきゃいかぬ。そうしたら、そのとおりですと言うんですよ、荻さんは。  札幌市は、そういうことについて、10月1日の事故発生以来、何一つ確認していないんですよ、言われるまで。当然、こんなことは、もう、3月9日の立会をする前に、あるいは起きたときに、すぐに何が原因かということで、具体に、札幌市がこの作業をやった人を現地に呼んで、どういう手順で作業をやったのか、その手順の再現だとか、あるいは、その資格証をそこに持ってきて、荻さん立会のもとに確認をすればすぐにわかった話なんですよ。本来やるべき発注者としての責任を全く果たしていない。  そして、いよいよ立会を求められて、その前の日に、思い余って社長が白状した。これは、まさに、市長、あなたの監督不行き届きですよ。職員に対する業務の指導の不足ですよ、これは。やるべき業務をやっていない。このことを、まず、あなたはわびなきゃいかんのですよ、荻さんに。それから、質問した私に対しても、これは大変申しわけなかったと、あるいは、ここにいる議員に対しても、申しわけなかったと、この言葉が出てこないで言いわけだけじゃないですか、今のあなたの言葉は。そんなことで、あなたが市民のために全力を挙げているなんて言ったって、誰が本気にするんですか。  もう一回、そこのところを答えてください。 ◎渡邊 水道事業管理者  まず……(「市長だよ、市長に求めてんだよ」と呼ぶ者あり)  なぜ私がお答えするかというと、地方公営企業法の中では、企業管理者ということで、長に留保されている権限というのはほんの一部でありまして、業務執行については私が全て責任を負って、私が地方公共団体を代表していることになっています。ですから、この責任は、あるとすれば、全て私にございます。  そこで、なぜ、技能を有する者がいなかったことを見抜けなかったということでございますけれども、事故発生当日につきましては、緊急に職員が現場に急行しております。その際には、現場初期対応といいますか、被害者対応をそこでやっておりましたので、直接、その場で従事者を確認することはしておりませんでした。その後、受託者に聞き取りをして、届け出のある者が従事したという報告を受けたものですから、それを疑うことなく信用したということでございます。  それから、事故原因でありますけれども、我々の作業の範囲外のことであったことと、受託者が全面的に非を認めておりましたので、あえてそこについては原因究明を行わなかったということでございます。原因究明を行う必要があるとすれば、例えば、被害者と加害者の間に争いがあって、過失割合について何割だという争いがあるのであればそういうことも必要かもしれませんけれども、そのときには受託者側が自分で完全に非を認めて賠償するという姿勢を示したものですから、我々はあえて原因究明しなかったということでございます。  私も実際に3月11日に現場に参りましたけれども、相当狭いスペースなので、そこに触れないでやることは結構大変かなという印象を持ちましたので、特段、原因究明についての必要性は感じなかったところでございます。 ◆松浦忠 委員  市長、今、管理者が、公営企業管理者で、私に業務執行上の責任はありますよと。しかし、札幌市職員に対する包括的な指導・監督責任というのはあなたなんですよ。したがって、そこのところをしっかりとあなたが認識しないで、今のようなことで、それですなんていうことだったら、私はそれでよしとはしません。じゃ、地方自治法の解釈について、もう一回、しっかりと議論しようじゃありませんか。そこのところを間違えちゃだめですよ。  現場―当然、管理者というのは当たり前のことですよ。しかし、市長、あなた自身がやっぱり議会と当事者に謝罪をしなきゃだめですよ、これは。こういうような調査しかしないで議会に臨んで答弁した。なおかつ、その後も、私と堀川議員が具体にそうやって連れてきて現場検証しようということを求めて、初めてこの実態がわかった。それまで、8日になるまで、現場で―それでは、事業管理者に聞きます。市長への質疑は、また最後にします。  それでは、あなた方は、4日から8日までの間に、現場に行って、その作業員に来てもらって、9日にはこの手順をやらなきゃいかぬから、あらかじめ手順の確認をしておこうというようなことをやりましたか、どうですか。 ◎渡邊 水道事業管理者  3月8日に、控室のほうで、委員と荻さんを含めて、3月11日に現地で立会しようという打ち合わせをして、その準備の過程で今回の事実が判明したということでございます。 ◆松浦忠 委員  先ほどの9日というのは訂正して、これは11日ですね。  これは、いいですか、私は、少なくとも10月1日に起きたときに、それ以降にそういうことをしておかなきゃいかぬし、少なくとも4日の委員会で言った以降にはそういうことをしていなきゃならぬのですよ。8日に、さあ、現地へ連れてきてきちっと確認しようじゃないか、こう言って初めてそういうふうになってきたわけでしょう。そういうような、あなた方の事故に対する原因究明の無責任さ、これがこういうことを起こしているんですよ。  それから、ニップルなるものは、荻さんの個人財産ですよ。水道局のものでないんですよ。持ち帰った接続管のニップル、これは個人財産なんですよ。水道局の業務によってその個人財産を持ち帰ったとしたら、水道局の監督のもとにきちっとそれを荻さんに戻させるということをしなくてはいかんのですよ。  また、これを持ち帰ったという行為は、私も何人かの弁護士に聞いたんですが、誰が見ても、それは一般的に証拠隠滅だなと、こう言うんですよ。  したがって、この問題について、そういったようなことについての手順確認もしない、何もしないで、業者が非を認めているから賠償すればいいと。  そして、賠償は、最初は保険会社が来ました。私も、1回、立ち会いました、保険会社に。その後に弁護士が入りました。誰が弁護士を頼んだかといったら、保険会社からの助言によって工事施工会社が弁護士を頼んだんですよ。  それじゃ、これから先の話はどういうことになるかといったら、保険会社と工事会社の契約の中で、例えば、通常の工事をやっていて被害が起きて補償するという契約になっているのか、あるいは、今回みたいに、無資格者が施工した場合には、全部、保険金が出るようになっているのか、その辺について確認しておりますか。 ◎渡邊 水道事業管理者  保険の内容については、確認してございません。 ◆松浦忠 委員  指導すると言っても、そういうこともきちんと確認して、そして、対応できるのか、できないのか、札幌市として被害者にきちんと説明してあげなければならんですよ。  これは、その内容がわからなければどうなるかわかりませんが、一般的に考えたら、場合によっては全額が出ない場合もあり得るわけです。じゃ、その場合はどうするのだということもあるのですよ。民法上の責任云々という解釈だけではないですよ。地方自治体というのは、税金でやっている機関というのは、行政機関は、そういうことも含めて考えなきゃいかぬということですよ。  それから、もう一つ、先ほどの質問者2人の答弁に対して、資格が云々という話がありましたけれども、実際に工具を持ってナットを緩めた人は資格のある人なのか、ない人なのか。 ◎渡邊 配水担当部長  資格は持ってございません。 ◆松浦忠 委員  それでは、その人は、そういう工事に、年数というよりも、何カ所ぐらい従事したというふうに調べてありますか。 ◎渡邊 配水担当部長  経験年数については、給水工事の経験が4年ほどあると聞いてございます。 ◆松浦忠 委員  メーター取りかえの業務に従事して、何個ぐらい取りかえたかという経験については調べていますか。 ◎渡邊 配水担当部長  メーターだけの経験については、確認してございません。 ◆松浦忠 委員  給水工事と言っても、配管の穴掘りもあります。穴を掘って配管だけをつないでいくことを4年やっても5年やっても、それはその経験なのですよ。やっぱり、メーターの取りかえ工事に従事するとなったら、事前の準備としてどういうことをしなければならぬと思いますか。業者が施工する前の準備について説明してください。 ◎渡邊 配水担当部長  現場確認を求めておりまして、既に漏水がある可能性もございますし、水がとまらない可能性もありますので、そういうことを含めて、現状の配管の状況は事前調査で確認してございます。 ◆松浦忠 委員  民間のアパート、マンション、戸建て住宅も含めて、メーターは、全部、水道局のものです。したがって、札幌市が布設している道路の管から民間の建物の敷地内に入っていく、そして蛇口に行くまでの配管図が水道局に備えつけてあります。そして、どこに止水栓があって、どこに点検口があるか、これもちゃんと表示された図面が備えつけてあります。  当日作業した2人は、この図面を持っていたのか、いなかったのか。 ◎渡邊 配水担当部長  当日の作業員は、図面は持っておりませんでした。 ◆松浦忠 委員  メーターの取りかえのときには、こういう図面もちゃんと水道局からもらって、ただでくれるのか、あるいはお金を払うのかわかりませんけれども、水道局から取得して、現場を点検して確認して作業するということになっているのですか、なっていないのですか。 ◎渡邊 配水担当部長  現場の事前確認については、仕様書の中で求めてございます。 ◆松浦忠 委員  あそこの図面を見たら、当然、私と渡邊水道事業管理者が入った階段の下の地下点検口については、きちんと矢印が引っ張ってあって、ここに点検口ありという表示が印されております。そうしたら、そういうことがわかっている人が当たり前のことを当たり前にやれば、私は、とめるのだってもっと早くできたと思うのです、地下に入れば。  そこで、もう1人の作業員というのは資格があったのか、なかったのか。 ◎渡邊 配水担当部長  もう1人の作業員については、給水工事についての経験が12年ほどあると聞いてございます。資格はございません。 ◆松浦忠 委員  じゃ、2人とも無資格だったということですか。 ◎渡邊 配水担当部長  うちで求めている接合工事等資格者に該当する者ではございませんでした。 ◆松浦忠 委員  いわゆるメーター取りかえに従事するのに、資格のない無資格の2人がやっていたということですね。 ◎渡邊 配水担当部長  うちで求めている配管のほうの作業の資格は持っておりませんでしたが、給水工事の経験がございまして、給水装置工事主任技術者という資格は持っておりました。
    ◆松浦忠 委員  それは、2人とも持っていたのですか。 ◎渡邊 配水担当部長  持っていたのは1名でございます。12年の経歴の持ち主が持っていたということでございます。 ◆松浦忠 委員  12年の経歴の持ち主が持っていて、そして、私がどうしても不思議なのは、水が出たときに、階段の下の地下点検口―ああいう構造の建物は、真っ直ぐ給水管が上がり、縁の下の外から入ってきます。そうすると、どこの建物でも大体は階段の下に点検口があるのですよ。戸建ての住宅でも、点検口をつくるのは階段の下です。12年もやっていればこれは常識だと思うのだけれども、そこに思い至らないで、右往左往して、水をとめるのに1時間前後もかかったと。社長が来たのか、誰かが来たのか、来て水をとめたのは誰ですか。 ◎渡邊 配水担当部長  水をとめた者ですけれども、ただいまお話がありましたバルブについては、現地で確認しようとしたのですが、わからなかったので、事前調査をした業務の責任者に電話をして確認しましたところ、屋外にバルブがあるということで、当時従事していた作業員がその作業を開始しました。しかしながら、このバルブが非常にかたくて回らなかったものですから時間を要したところですけれども、最後に閉めたのは、社長、現場責任者が現場に入ってからでございます。 ◆松浦忠 委員  水道局の工事仕様書の中に、道路から敷地内に入った最初のところにある、屋内ではなく、外にある止水栓について、あらかじめ確認して作業にかかるというようなことは示されていないのですか。 ◎渡邊 配水担当部長  仕様書の中には、漏水等の発生について安全措置を講じることと明記されてございます。 ◆松浦忠 委員  極めて漠然としていますね、それは。少なくとも、水道の配水管業務に12年も従事している人は、外に水どめ栓があることはわかっているはずなのですよ。それを見つけることもできなかったというようなことが現実としてあるわけです。そうであれば、水道局の計量器取りかえ工事仕様書について、点検手順などをきちんと明記する、こうしなければいけない。いつも作業をやってわかっている人なら、どこの敷地に行っても、道路のここからだと大体はこの辺に来ているな、この辺にあるはずだと言って探し当てると思うけれども、今のように、12年やっても探し切れなかった人たちだって結構いるわけですよ。そうすると、私は、発注側の水道局の仕様書のつくり方に問題があると思うのですけれども、皆さんはそう思いませんか。  それから、私が4日の委員会で指摘したように、この問題を改善するために、メーター1個ごとに作業点検表をつくっていく。具体に言うと、例えば、大もとの止水栓を確認しましたという欄があって丸をつける。次に、建物の中の点検口の止水栓の位置も確認して丸をつける。その次に、上がっていって、今度は、メーターの前の止水栓のバルブを閉めたら丸、そして、次にナットを緩める、取りかえる、今度は、ナットを閉めるときに管の側のねじ山に水漏れ防止のシールテープを巻いて丸、締結、完了、丸、その後、何分か置いて、10分か何分か、ある一定の時間を置いて水漏れがないか確認して丸、作業開始と終わりの時間を入れる。私は、この間、これをやるべきですよと言ったのですよ。そうしたら、あなた方は、それをやるとは言わなかったのですよ。  ことし、およそ15万戸のメーターの取りかえが予算計上されております。したがって、再びこういう事故を起こさぬためにはそういうことをしなければならぬと思うのですけれども、私の指摘どおりやりますか、やりませんか。 ◎渡邊 配水担当部長  メーターの取りかえ作業でございますが、メーターの手前には必ずバルブがございます。このバルブをとめますと、メーターの交換においては漏水等の問題が発生しない形になります。現場はいろいろでございまして、各現場の状況を踏まえて適切な対応ができるよう、給水装置工事主任者や接合等資格者を配置させておりますことから、その中で必要な手順を考えていくことが適当かと思いますので、手順書というところまでは必要ない、このように考えてございます。 ◆松浦忠 委員  福島の原発もあんな予想なんかはしていなかった。ところが、ああやって大事故が起きたでしょう。予想もしないことが起きるのが事故なのですよ。あなたは、これだけの予想もしなかった大事故を起こしたにもかかわらず、まだ同じようなことを繰り返し言っている。こんなことで、この辞令を見れば、あなたは4月1日からその場所から外れますけれども……(「その話は関係ないって」と呼ぶ者あり)関係あるよ。極めて無責任だから私は言っているのですよ。  これだけの事故を起こしておいて、安全の確認をどうするか、そこの手順書をきちんとつくってやりなさいという指摘をされているのに、まだそういう強弁をして反省もない答えを繰り返す。どうするの、これ。  市長、あなたに尋ねるけれども、私の求めていることが全く無用なことだというふうに思いますか。 ◎秋元 市長  先ほど来の答弁の中でもお答えさせていただきましたように、仕様書の中できちんと確認すること、それから、業務説明会の折にもいろいろな手順を説明している、そういった状況の中でも結果として起きたということであります。  ですから、この事故が起きた原因というよりは、再発防止という意味ではより慎重なことが必要だろうと思います。そのときに、メーターの取りかえというのはそう難しい工事ではなくて、配管のさまざまな状況によって起きたということであります。狭いところの作業だとかいろいろなことがありますから、そういったことに対して、再発防止のためにどうすることがよりこういう事故を防ぐことができるのかについてはしっかり検討させたいと思います。 ◆松浦忠 委員  検討させたいって、市長、ここにいる誰よりも―私は、1959年に日本国有鉄道に入って、線路の中の仕事をずっとしていました。一つ間違えれば命を落とすという仕事をずっとやってきました。したがって、事故防止、安全に対する確認は、誰よりもみずからが経験してきています。私は、今、最小限のことを言っているのですよ。  したがって、そういうことを理解できなくて、市長も余り理解できなくて、水道事業の責任者としてやっているとしたら、これは大変な問題だ。少なくとも今言ったぐらいのことは取り入れて、さらに防止策として何があるかということを検討させるというならわかるけれども、全く無視したような答えというのはいただけぬ。  したがって、市長、もう一回、あなたに求めるけれども、私が指摘していることも含めて、少なくとも平成28年度のメーターの取りかえ前に、早急により安全な対策をきちんと立てて、その対策を織り込んだ契約書で発注するという答えがあるならば私はよしとするけれども、そうでないならば、もっと具体の例を出して市長と質疑するし、あるいは、そちらに並んでいる皆さんのどなたでもいい、答えていただきたい。  これは、戸数にして90万戸、メーターにしたらもっと数があります。その人たちの財産権にかかわる問題なのですよ。それゆえに、私は中途半端な話で終わらせるわけにはいかないと思っているのです。 ◎渡邊 水道事業管理者  今回の事故に関しては、今までるる説明しておりますが、我々が求めていたことを受託者側は実施していなかったところが大きな事故の原因でございます。しかし、今回の事故を踏まえまして、適正な業務の履行について説明会等において改めて説明していきますし、実際に技術者が配置されているかということについては、前段の質疑で冒頭に申し上げましたが、ランダムに現場を抽出して確認してまいりたい、そこで起きないような対策をとってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆松浦忠 委員  私が、この一連の過程の中で管理者以下に、1件の工事を発注して、例えば工期を1カ月でやりますとなったら、不定期に現場に行って、作業をやっている人が資格のある人がどうか、作業手順はきちんとやられているかどうかということを確認する、そういう監督業務をしなさいよと指摘していたはずですよ。  今の話を聞いていると、15万戸近い取りかえ工事を出します、そのうちから、何十件か何件かわからぬけれども、突然行って、どうかと点検をする、こんなふうに聞こえるのですよ。そんなことでは、全く何も用をなさない。1件ごとの工事でそういう点検をしていく、確認をしていく、そして、業者に手抜きをさせないような作業の仕方をさせていく、これが大事なのです。  これについて、どうですか。私は、今まであなた方にこういうふうに言ってきたはずですよ。 ◎渡邊 水道事業管理者  我々は、全ての業務を直営でやれるわけではありません。したがって、そういう能力を有したところに仕事を発注しているわけであります。それは、当然、信頼関係で成り立っているわけで、我々が全件を監督するとなると何のための業務委託かということになりますので、我々に全件を管理しろというのは実質的に不可能でございます。 ◆松浦忠 委員  不可能ということはどういうことですか。職員が足りないということですか。じゃ、何個のメーター取りかえ工事に対して何人の職員が配置されているのか。設計もあるでしょうけれども、点検も含めて配置されているのか。今、私が言うように、例えば、30日間あったら2回でも3回でもいいのですが、1件ごとにぱっと現場へ行ってチェックする、こういうことをやるとしたら、その職員が今の体制では全くできないのか、できるのか、どのぐらい人が足りないのか。少なくともこの事故が起きて私がかかわってから、これらを指摘しているはずですよ。そうしたら、それらについて検討したのか、しないのか、そして、それらをやるとしたらどれぐらいの人間が要るのか、これを明らかにしてください。 ◎渡邊 配水担当部長  現在どれぐらいの職員が携わっているかでございますが、20名でございます。1人当たり5〜6業務を扱っておりまして、戸数で言えば1人5,000戸を持ってございます。 ◆松浦忠 委員  1人5,000戸と言っても、1年間で仕事をするわけですよ。わかりやすく10カ月にしましょうか。月500戸ですよね。それじゃ、業者に平均で1件当たり何個を発注しているか、そして工事期間はどれぐらいでやっているか。平均でいいですよ。 ◎渡邊 配水担当部長  冬場は施工できないものですから、施工は大体4月から11月の期間でやってございます。限られた時間の中で、検定有効期間がもう迫っているものですから、その期間内に集中的にやらなければならないという事情がございます。 ◆松浦忠 委員  じゃ、月平均にすると700戸ですよね。さっきの、業者は1件当たり何個の取りかえで、工期は平均何日間やっていますかという質問に答えていない。 ◎渡邊 配水担当部長  今回のもので、工期は3カ月でございます。数は1,000個、全業務を見ますと1業務当たり平均して大体1,000個です。 ◆松浦忠 委員  そうすると、業者が、3カ月の間に、3回やるか5回やるかは別にして、そういうふうに……(「議論をまとめてくれ」と呼ぶ者あり)  大嶋君、うるさいな、君は。君は当事者ではないんだよ。 ○しのだ江里子 委員長  静粛にお願いします。(「どこに議論が行っているのよ」と呼ぶ者あり)  静粛にお願いします。 ◆松浦忠 委員  (続)どこに行っているか、君は、現場も見ていないし、わからないからそうやって他人ごとみたいに言っているのだよ。これは、あなた、財産権が侵されているのですよ、これ。 ○しのだ江里子 委員長  松浦委員、質疑をお願いします。 ◆松浦忠 委員  (続)あんた、大嶋君も大学を出て勉強してきたのだったらな、憲法第29条……(「民民間の問題だ」と呼ぶ者あり)民民ではないじゃないか、あんた。何が民民だ。 ○しのだ江里子 委員長  松浦委員質疑をお願いします。 ◆松浦忠 委員  (続)民民だなんて言うばかなやつ、終わってから私のところに来い、教えてやるから。(「質問してください」と呼ぶ者あり) ○しのだ江里子 委員長  質問してください。 ◆松浦忠 委員  (続)何が民民だ。札幌市が発注している工事じゃないか。 ○しのだ江里子 委員長  質問をお願いいたします。 ◆松浦忠 委員  (続)質問しているけれども、横でちゃちゃを入れるから私は注意をしているのだよ。 ○しのだ江里子 委員長  周りの方は静粛にお願いいたします。 ◆松浦忠 委員  (続)いいですか、いわゆる一罰百戒という言葉があるように、毎日ついていなくたって、抜き打ちで、その1件のときに、3カ月の間に2回でも3回でも行ってみれば、それでわかるわけですよ。職員が足りないのだったら再雇用して……(発言する者あり)さっき言ったじゃないか、私が。1年に3回やってもランダムだと言っているじゃないか。効果のあることをやらなければだめだから言っているのだよ。  したがって、職員を再任用してもいいでしょう。あるいは、民間で水道工事をやって退職した人を任用して点検に当たらせることだってできるのですよ。そういうことも含めて、必要なことをやらなきゃだめですよ。 ○しのだ江里子 委員長  質問をお願いします。 ◆松浦忠 委員  (続)なぜ、この事故が起きて、ここまでの間に、私と堀川議員が、あなた方に来てもらって、こういう対策についても何度か指摘をしているのに、いまだに何も対策を立てていない。どういうこと、これ。さっきみたいな答弁だったら全くだめですよ、これ。  ということは、例えば……(発言する者あり)  うるさいな、本当に。静かにせえ。(「けんか腰はないでしょう、けんか腰は」と呼ぶ者あり)けんか腰じゃないよ、うるさいからだよ、あんた。(「冷静にやろう、冷静に」と呼ぶ者あり)冷静にやっているよ。冷静にやっているけれども、個人の財産権が侵されている問題に対して、市長を初めとして、君たちが無視したような答弁をするから、私は、これはもうしっかり言わんきゃいかぬということで、腹に力を入れてしゃべっているだけだ、これ。 ○しのだ江里子 委員長  質問をお願いいたします。(発言する者あり) ◆松浦忠 委員  (続)うるさいなら出なさい、うるさい人は。いなくたっていい、あなたは発言もしていないのだから。  いいですか。中央市場は、私の指摘に基づいて、職員では取引の実態監視が十分にできない、こういうこともあって、その業界の人で、退職した人、精通した人を任用して職員と組み合わせてチェックをしたら違反件数が大幅に上がって、そして改善されてきている。ことしも、また1人、民間の経験者を職員に任用してやるということになりましたね。水道局だって、やる気になったら、大した金をかけなくたってできるわけですよ。  個人の財産を侵害するような危険性のある作業に対して、簡単な作業だなんて言うけれども、簡単な作業が荻さんのお宅のような大事故を起こし、なおかつ、個人の所有物である証拠品まで持ち帰って投げてしまう。こういう証拠隠滅行為が行われて、それに対して、市長を初めとして、水道事業管理者以下の皆さんは、業者がそれをどこにどうやって捨てたのかという報告文書すら、私にも出さないし、当事者の荻さんに対しても出していない。こういうことだってやらなければだめじゃないですか。それが発注者の責任ではないですか。  どうなのですか、発注者の責任であるのか、ないのか、こういうことは。 ◎渡邊 水道事業管理者  先ほど来申し上げていますが、我々は、今回の事故について別に何もなかったことにするわけではなくて、何度もお答えしていますけれども、再発防止に向けて、仕様書に具体的な安全措置を明示するほか、業務説明会において事故事例の説明を強化することにしたいという考えでございます。また、資格者の従事については、ランダムに現場を抽出して巡視することを確認しております。ただ、ランダムということがどの程度がいいのかというのは、今後しっかり検討したいと思っています。 ◆松浦忠 委員  そのランダムが、1年のうちにランダムで何回かやるのと、1件の工事の中でやるのとでは大きく違うのですよ。私は、回数は言わないけれども、1件ごとに、抜き打ち的に検査に入りますよ、作業実態の調査に入りますよと、このことによって、業者は、しっかりと安全を守って、作業手順を守ってやるということになるのですよ。だから、私は、体制をつくってそうやるべきではないかと求めているのです。それなのに、今のように、ランダムと言ったら、1年に1回なのか、3回なのか全くわからない。こんなことで、この事故に関して、これからの再発防止策を議論する上であなた方は本当にそれでよしと思っているのですか。1件ごとにきちっとランダムでやりますよということをやらないで本当にいいと思っているのですか。それじゃ、そのときに発生した事故は、札幌市水道局が100%の責任を持って補償をきちんとしますと言い切れるのですか。言い切れるんならいいですよ。どうですか。答弁を求めます。 ◎渡邊 水道事業管理者  我々は、必要な業務の履行を求めて資格を持っている事業者に委託をしてございます。ですから、事故が起きた場合については、先ほどから申し上げておりますが、民法の規定に沿って、なおかつ、契約約款の中でも、第三者被害については、発注者の責めに帰さない事故については本来的に受注者が賠償すべきものということでございますので、我々が全ての責任を持つわけではございません。 ◆松浦忠 委員  民法の規定の話をすると、荻さんのほうは既に弁護士と相談しています。4日に部長の発言がうそだったということがわかった実態を踏まえて弁護士に相談したら、荻さんが相談している弁護士の見解は、札幌市の水道局にも責任はある、割合は別にして、あるというふうに明言したそうであります。私もそう思います。  いいですか、裁判ではなくて、これは、少なくとも、みんなから水道料金という税金に等しいお金を預かって、そして市長が運営しているわけですから、当然、それらについて、事故を起こしたら、その責めは市長にあるんです。(「違う」と呼ぶ者あり)  違うなんて言っている議員は、もうちょっと自治法を勉強しなさい。それから、憲法もきちんと勉強しなさい。(発言する者あり)公営事業というのはそういうことなのですよ。  したがって、市長、あなたは首をかしげているけれども、少なくとも、何の問題もない無辜の市民が、あなたの範疇にある部下職員が発注した工事によって多大な被害を受けているのですよ。これについて、あなたは、まず、わびなきゃだめだ。(「同じだ、さっきと質問」と呼ぶ者あり)  いいから、あなた方に言っているんじゃない。市長に言っているのだよ。 ○しのだ江里子 委員長  松浦委員、質問でよろしいですか。 ◆松浦忠 委員  (続)いいから、ちょっと待ちなさい。  それから、議会に対しても、そういうような調査の不備があった、対応の不備があった、それに対してまことに申しわけなかったという何の言葉も出てこないじゃないですか。出て当たり前の話ですよ、これ。どうですか。(「最初の質問と同じだ」と呼ぶ者あり) ◎秋元 市長  先ほどお答えしたとおりであります。 ◆松浦忠 委員  市長、あなたはここでしらを切っているけれども、こんなことが……(「しらっとしているんじゃないの」と呼ぶ者あり)しらっとしているのをしらを切ると言うんですよ。しらっとして、しらを切っていますけれども、こんなことが市民の間で通用すると思ったら、私は間違いだと思う。私は、早速、この実態を広く市民に知らせたいと思います。そして、市民の意向調査もしたいと思います。したがって、そのときに市民がどう判断するか、判断したことについて、以降、市長は、この問題についてどう責任をとるのか。  それから、もう一つ、これだけの監督不行き届き、調査不行き届きを起こした部下職員に対して、市長は処分などを含めた譴責をする考えはあるかどうか、お尋ねします。 ◎秋元 市長  ございません。 ◆松浦忠 委員  もう一回。 ○しのだ江里子 委員長  ないということです。 ◆松浦忠 委員  ない。  市長、あなたは公務員法をよく読みなさいって。地方公務員法の第30条です。服務のところで、公務員は全体の利益のために全力を挙げて服務しなければならないと。全力を挙げていないでしょう、これ。だからこういう事故が起きるでしょう。(「おまえの判断だ、それ」と呼ぶ者あり)  大嶋君の判断は違うかもしらぬ。私は、あれを読んで、弁護士とも相談したら、何人かの弁護士は、これは全く責任があるよと言っています。  したがって、これは、改めて私は市長に求めておきますから。関係職員の処分、それから市長みずからの譴責処分をきちっとすること、私はこのことを求めて、終わります。 ○しのだ江里子 委員長  以上で、質疑を終了いたします。  ここで、水道事業管理者より申し出がありました発言取り消しについてですが、当職において、該当部分について委員会記録を措置することといたします。  なお、理事者におかれましては、今後とも誠実な答弁に努めていただきますよう、当職からも申し入れをいたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、明日、3月25日金曜日、本会議終了後に本委員会に付託されました全案件に対する討論及び採決を行いますので、ご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時58分...