(「
なし」と呼ぶ者あり)
○
議長(
鈴木健雄)
質疑がなければ、
討論に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
まず、
池田由美議員。
(
池田由美議員登壇・拍手)
◆
池田由美議員 私は、
日本共産党を代表して、ただいま議題となっております
議案について、第37号、第38号、第39号、第51号、第57号の5件に
反対、残余の
議案15件に
賛成の
立場から、
討論を行います。
今回の
補正予算は、
歳入歳出それぞれ57億9,406万9,000円の追加となります。その財源は、
国庫支出金などの
特定財源38億円余、増収が見込まれている
市税と繰越金で19億円余となっていますが、その際、
議案第57号
基金条例の一部を改正する
条例案に関連し、
オリンピック・
パラリンピック基金造成のために30億円の
一般会計からの歳出の
予算を組んでいることは問題です。
オリンピックは、いかなる差別もなく、友情、連帯、フェアプレーの精神で、相互に理解し合い、スポーツを通して平和でよりよい世界をつくることに貢献するものです。同時に、
札幌招致に当たっては、何よりも
市民が主人公の姿勢を貫き、
基金設置も含め、
市民との十分な合意を築きながら進めることが重要と考えます。また、
施設建設に当たっては、過度な投資とならないようにすること、
開催後の
施設の後
利用について十分な活用を図る見通しを持つこと、このことも基本とすべきです。
現在、
オリンピック・
パラリンピックの
開催のための
事業総額は示されておらず、2014年10月に本市が実施した
市民意見募集では
賛成が約6割、
反対約4割で、同時期に行った1万人アンケートでは
開催費用や
維持費などの
財政面への強い関心が示されています。また、北海道新聞社が昨年11月に行った
調査では
賛成55%と、
前回調査より13ポイント減り、
反対は44%と14ポイントふえています。大多数の
市民が
賛成しているとは言いがたい中で、30億円の
基金造成を図ることは時期尚早と考えます。
条例案には、
冬季オリンピック・
パラリンピックの
招致及び
開催のための
事業に資すると記されています。
市民合意を得て
招致活動を進めることと、
招致活動を進めた後の
開催の可否とは別の段階のことであり、不確定な要素が多い中で、
開催も含んだ
条例となっていることは看過できません。
日本経済の長期にわたる景気の底冷えで
市民の暮らしは一層厳しく、年金や介護、子育てなど
福祉の充実は切実です。国が
社会保障の削減を進める中で、せめて
札幌市政で
福祉施策の充実を図ってほしいとの願いが広がり、
国保料の
引き下げや
子ども医療費の
通院無料化の
年齢枠拡大の陳情が議会に提出されています。
子どもの
医療費の
通院無料化を1学年拡大するのに必要な
費用は約4億円、
国保料の1世帯1万円の
引き下げは30億円と試算されており、
オリンピック基金造成の30億円が
市民の願いと合致しているのか、疑問と言わざるを得ません。
よって、
市民合意が十分とは言えない今、
基金造成を図る
議案第57号には
反対です。
議案第51号
一般会計補正予算(第5号)には、
オリンピック基金造成のほか、
マイナンバーに関する
予算が組まれています。
マイナンバー関連システムを運用する
地方公共団体情報システム機構、J−LISは、1月13日、18日、19日に
システム障害を起こし、一部の
自治体で
個人番号カード発行などの
業務が滞りました。その後、21日、22日、25日にも
システム障害があり、
個人番号カードの
ICチップのふぐあい、
中継サーバーの動作不安定などが原因とされています。また、香川県で、2人の男性に同じ
番号が割り振られていたことが2月14日に報道されています。
今回の
補正では、
債務負担行為でも
マイナンバーに関する
補正を行おうとしています。本市に保管されている
社会保障と税、災害に関する
個人情報を2017年7月から国や他の
自治体などから
照会を受けた際に
情報提供するための
システム改修と、それに伴う
テスト費用7億円で、当初
予算と合わせると10億円となります。
市民の
個人情報の流出を防ぐ方法などはなく、
保守管理や維持に今後も莫大な
費用をかけ続ける
マイナンバー制度は、百害あって一利
なしです。
よって、
議案第51
号並びに関連する
議案第38号
個人番号利用条例の一部を改正する
条例案に
反対です。
議案第37号
農業委員会の
選挙による
委員の
定数に関する
条例の全部を改正する
条例案に
反対する理由についてです。
農業委員会は、
農地を自主的に管理するために、
農業に従事する
人たちが
代表者を選ぶ自治の仕組みでした。今回の
制度改定は、
農業委員を首長が任命することとなり、
農業従事者の
自主性が損なわれます。
農業者の代表である
農業委員は、
農業者や
地域の声を結集し、
農地と
権利移動についての許認可や
農地転用の
業務を中心とした
農地行政の執行を初め、
農地に関する資金や税制、
農業年金などにかかわる
業務も行います。これらの
業務は、それぞれの
地域の
土地利用のあり方を踏まえた
優良農地の確保とその
有効利用を進める上で特に重要になっています。
農業委員会は、みずからの
代表者を選ぶことで農家から信頼され、
農地の
守り手としての役割を発揮します。
地域内の
農業に関する全ての事項について
意見を公表することや
行政庁に申し述べることができる
意見の公表、権利という文言を削除して、
農業委員会の
公選制を廃止して
市町村長の
任命制に変えることは、
行政委員会としての
独立性を奪い、
農地の番人としての
農業委員会制度を形骸化するものであり、
反対です。
議案第39号
市税条例の一部を改正する
条例案は、国の
地域再生法に基づく
固定資産税の
軽減措置によるもので、東京23区の
企業が
地方に
本社機能を
移転または拡充するに当たり、
都道府県知事の
認定を得た場合、税の
優遇措置などを受けることができるという3年間の
時限措置となっています。
政府の
総合戦略は、
本社機能の
移転等と一体に、政府の方針として、
地域限定正社員の
普及拡大を目標にしています。
本社機能の
移転と称していますが、その
内容は、
調査・
企画部門、
情報処理部門、
研究開発部門、
国際事業部門、
管理業務部門などの事務所や研究所、
研修所など、
本社機能の一部を
移転する場合でも
固定資産税を減免するものであり、さらなる大
企業支援策の一環です。
大
企業の
内部留保は3年間で38兆円もふえ、300兆円を突破し、2年連続で
史上最高の利益を上げています。
支援を行うなら、大
企業ではなく、体力の弱い
地方の
中小企業とそこに働く人への
地域循環型経済の構築と安定した
正規雇用の拡大にこそ力を入れるべきです。
今回の
市税条例の一部改正は、さらなる大
企業支援策と、
地方創生を
労働条件の
格差拡大、雇用の
流動化に
利用するものであり、
反対です。
以上で、私の
討論を終わります。(拍手)
○
議長(
鈴木健雄) 次に、
松浦 忠議員。
(
松浦 忠議員登壇)
◆
松浦忠議員 ただいま上程をされております
議案20件について、改革として、まず賛否を明らかにいたします。
議案第38号、第51号については
反対、残余の18件については
賛成であります。
その
反対について、なぜ
反対するかの理由を申し上げます。
既に皆さんもご承知のように、住民基本台帳を中心として、いわゆる住基ネットというものが、
平成13年度から、本市も国の法律に基づいて
予算措置を行い、工事にかかりました。3年間かけて9億5,000万円の工事費で
市民一人一人に
番号を割り当てる、こういう仕組みができ上がったわけであります。
これが、現在、どの程度
市民に普及してきたかといったら、9万9,709枚、およそ5.1%です。
平成16年度からこの運用が始まりまして、昨年まで11年間、運用されました。この11年間の運用期間にかかった維持管理の経費が9億1,000万円余りであります。年にするとおよそ8,300万円、これがほとんど
利用されないで、今もまた、毎年、このぐらいの金がかかっていっている、こういうことであります。
私は、これにはずっと
反対をいたしました。これは、もう相当早くから、こういう制度をつくるということで、国会でも国民的な議論にもなりまして、私は、もうずっと、議員になる前からこういう制度については
反対をしておりました。
さて、それでなかなかうまくいかぬということで、今度は、医療だとかいろんなものを取り入れて、全部、国民にまた個人の
番号を新たに振り直す、そして、その取り込む
内容についても、もっと個人の全てのもの、もう本当に病気から資産まで全てのものを取り込んでいく、国家が管理する、こういう恐ろしいものが出てきたわけですね。
これについては、私も
反対しています。これらについて、やはり、これはすべきではない。
そして、これらがずっと出てきたこの経過をたどってみると、昭和と言われる年代、ことしは昭和で言うと91年になるんですが、この年代をずっとたどってみると、まさに、日露戦争があり、昭和に入って
最初に不況があった。さらに、大東亜戦争と言われる米国と英国を相手にした戦争が昭和16年12月8日に始まる。その前の昭和13年に国家総動員法という法律ができて、昭和13年3月31日は、いわゆる天皇の御名御璽で、全ての法律に超越して臣民、国民は全て戦争に協力する、こういうことになっていって今日に至ってきている。
そして、今、戦争に負けて、今の憲法が制定されました。私は、この憲法を何十回読んでも、非常によくできている憲法だなと思っています。いろんな
意見はあります。しかし、少なくとも、日本が、70年間、戦争に参加せず、戦争によっては誰一人として人を殺すことなく来たというのは、やっぱりこの憲法があったおかげと。そして、今、こうやって議会で我々が自由に議論できているのもこの憲法のおかげなんです。
そんなことから考えたら、今の安倍内閣が行っている、昨年、まず行った防衛省設置法の改正、いわゆる文民統制を外すという、そして、それからの一連の法案、こういうことから来たら、やがて、この
番号制度はそういうために使われていくということになることはもう必至であります。
そういうことからしたら、今、ここの水際のところで、我々が、乾坤一てき、踏ん張って、やはりこれに
反対していく、とめさせていく。私は76歳になりますから、今、孫が小学校の2年生、3年生、それから、この4月に小学校に上がる
子どもが2人いますが、大体、この辺が、今度は、英語を教えられて、米軍と一緒になって、前に出て、アメリカの指揮官のもとにゴー、ゴー、ゴーと覚えさせられて、前に進め、進めで行く、こういうことになるなという危惧を私はしております。
そんなことからしたら、今、ここで、皆さん、ひとつここに歯どめをかけてとめようではありませんか。このことを皆さんに申し上げて、私の
反対の理由といたします。
以上で、終わります。(拍手)
○
議長(
鈴木健雄) 次に、石川佐和子議員。
(石川佐和子議員登壇)
◆石川佐和子議員 私は、
市民ネットワーク北海道を代表し、ただいま上程されております市長提案の
議案第38号
札幌市
個人番号利用条例の一部を改正する
条例案、
議案第51号
平成27年度
札幌市
一般会計補正予算の2件に
反対、残余の
議案18件には
賛成の
立場から、
討論を行います。
反対の理由は、国が
個人情報を一括管理する個人
番号制度、いわゆる
マイナンバー制度にのっとり、事務を進めようとする提案だからです。
まず、
議案第38号
札幌市
個人番号利用条例の一部を改正する
条例案についてですが、これは、
札幌市が障がい
福祉サービスの支給決定や、
高齢者理美容サービス
事業等の事務において個人
番号を
利用して行うなどのために、昨年の3定で可決された
個人番号利用条例の一部を改正するものです。また、
議案第51号
平成27年度
札幌市
一般会計補正予算には、
マイナンバー制度関連として、
自治体間の
情報連携をするために
社会保障・税
番号制度対応
システム改修の
債務負担行為補正7億3,400万円が盛り込まれています。
番号法は、
社会保障・税・災害
対策分野の行政事務について限定的に定めていますが、実際の
自治体の事務はこれらのほかに独自の事務を運用していることから、個人
番号を
利用することが必要になる場合は
条例を改正する手続が必要になります。しかし、この個人
番号制度は、もはや限られた分野だけではなく、2018年度から預金口座への個人
番号ひもづけが始まり、官民共用へと
利用が拡大され、ありとあらゆる場面で名前と個人
番号がセットになったデータベースが構築されていきます。
日本年金機構での大量
情報流出等があったように、
個人情報が個々に流出されていくと、原則として生涯変わらない個人
番号をマスターキーに個々人の
個人情報が名寄せされ、蓄積され、アメリカや韓国では成り済ましや詐欺犯罪が多発していることは周知のことです。
このような中、
札幌市は、さまざまなセキュリティー
対策をさらに強固にしていくとのことですが、
マイナンバーシステムにおいては、システム上の問題が既に明らかになっており、ヒューマンエラー、
サイバー攻撃やハッカー攻撃等により
情報漏えいが避けられないと言われています。先駆的に
番号制度を実施してきた諸外国においては、
番号のつけ方や目的はさまざまですが、納税や
社会保障など限定的な
番号制度と官民共通の
番号制度とに分かれています。この間、大量の
情報流出、成り済まし被害などから、民間での
番号利用の廃止、ICカード化の撤廃など、
個人情報を守るために制度の見直しを積極的に行っています。
国は、個人
番号制度は、公平で正確な税や
社会保障制度の運用、効率的な行政サービスの実施に必要であり、国民にさまざまなメリットを生み出すと言っています。しかし、個人資産や医療
情報などは重要な
個人情報そのものであり、労働や生活などの活動状況に関する膨大な
情報を国が一括管理・運用することは、国民の監視・管理強化にほかならず、個人のプライバシー侵害の危険性が高まることが強く危惧されます。
個人
番号制度そのものは国の仕事ですが、法定受託事務となっている
自治体としては受けざるを得ない事務
事業となっています。しかし、
札幌市は、さまざまな事務において、批判することなく
番号を
利用するのではなく、
番号制度運用の危険性を認識し、
市民が抱えている不安をしっかり受けとめ、
市民の
立場に立って
市民の権利を守るべきです。
共通
番号制度に
情報漏えいや不正使用の危険性があるにもかかわらず、
札幌市が
市民の
番号利用を積極的に進めることは認めることができません。さまざまな
個人情報をひもづけすることで個人のプライバシーを侵害し、人権侵害が懸念される個人
番号制度に異議を唱える
立場から、
議案第38号、
議案第51号には
反対します。
以上で、私の
討論を終わります。
○
議長(
鈴木健雄) 以上で
討論を終了し、
採決に入ります。
この場合、分割して
採決を行います。
まず、
議案第38号、第51号の2件を一括問題とします。
議案2件を可決することに
賛成の方は、ご起立願います。
(
賛成者起立)
○
議長(
鈴木健雄) 起立多数です。
したがって、
議案2件は、可決されました。
次に、
議案第37号、第39号、第57号の3件を一括問題とします。
議案3件を可決することに
賛成の方は、ご起立願います。
(
賛成者起立)
○
議長(
鈴木健雄) 起立多数です。
したがって、
議案3件は、可決されました。
次に、
議案第36号、第40号から第45号まで、第50号、第52号から第56号まで、第58号、第60号の15件を一括問題とします。
議案15件を可決することにご異議ありませんか。
(「異議
なし」と呼ぶ者あり)
○
議長(
鈴木健雄) 異議
なしと認めます。
したがって、
議案15件は、可決されました。
――
――――――――――――――――
○
議長(
鈴木健雄) お諮りします。
本日の
会議はこれで終了し、明日3月2日から3月28日までは
委員会
審査等のため休会とし、3月29日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議
なし」と呼ぶ者あり)
○
議長(
鈴木健雄) 異議
なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
――――――――――――――――
○
議長(
鈴木健雄) 本日は、これで散会します。
――
――――――――――――――――
散 会 午後1時42分
上記
会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 鈴 木 健 雄
署名議員 勝 木 勇 人
署名議員
ふじわら 広 昭...