札幌市議会 2016-02-23
平成28年第 1回定例会−02月23日-02号
質疑・討論はなく、採決を行いましたところ、いずれも全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(
鈴木健雄) 次に、
厚生委員長 丸山秀樹議員。
(
丸山秀樹議員登壇)
◆
丸山秀樹議員 厚生委員会に付託されました陳情第8号 札幌市
動物愛護センター新設に関する陳情について、その審査結果をご報告いたします。
主な質疑として、
動物愛護の推進に当たっては、市民が気軽に足を運べる拠点が必要であり、調査費の計上など、新たな施設の整備に向け、一歩踏み出すべきと考えるが、どうか。また、機能を集約し、利便性の高い場所に移転すべきと考えるが、一元化した場合、福移支所についてはどう活用するのか。動物と触れ合う効果が注目される中、広く市民に親しまれる拠点が必要と考えるが、地域に根差した
施設づくりについてどう認識しているのか。
動物愛護の精神は、青少年の健全な育成に寄与することから、教育的な効果も見据えて施設の設置に取り組むべきと考えるが、どうか。多くの動物が無責任な飼い主や販売業者の犠牲になっている現状を踏まえ、愛護や福祉の精神を根づかせる取り組みが必要と考えるが、どうか。基本構想の実現に向け、利便性の悪い既存施設では困難であり、新たな拠点を整備すべき時期であると考えるが、どう検討を進めるのか。新たな拠点の整備に当たっては、他都市の例を参考に、市民の多様なニーズに応えられるよう複合的な施設を検討すべきと考えるが、どうか。
動物愛護センターについて、陳情者の思いや他都市の事例を踏まえ、命の大切さを伝える拠点を市民に身近な施設として整備すべきと考えるが、どうか。新設に当たっては、財政負担の軽減の観点から、国の補助制度のみならず、基金の設置等、市民や企業から寄附を募る方策も検討すべきと考えるが、どうか。動物の福祉向上に向け、施設の設置とあわせ、新たな体制も整備すべきだが、ボランティアの活用を含めた
枠組みづくりについてどう進めていくのか等の質疑がありました。
これらに対し、理事者からは、
動物愛護センターの新設については、陳情の趣旨や新たな
条例可決後に設置する協議会の意見等を踏まえ、既存機能を充実強化していく観点から検討していきたい、他都市において、複合的な機能を有する施設があることは認識しており、今後の
動物管理センターのあり方について、先進事例も踏まえて検討したい旨の答弁がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、陳情第8号は、全会一致、採択すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(
鈴木健雄) ただいまの各
委員長報告に対し、質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木健雄) 質疑がなければ、討論に入ります。
通告がありますので、発言を許します。
松浦 忠議員。
(松浦
忠議員登壇)
◆
松浦忠議員 私は、ただいま上程されている議案のうち、契約案件にかかわる議案について討論をいたします。
全案件について賛成でありますが、その中で、議案第46号
多重無線ネットワークシステム更新工事請負契約締結の件であります。
これは、消防関係の無線のシステムであります。これを契約する相手となる落札者ですが、
日本電気株式会社というところが落札ということになって契約相手になっております。ここの落札率を見ると99.73%です。1回目は札幌市の予定価格を大幅に超えております。2回目はここであります。
問題は、応札しているのが日本電気1者なんですね。実は、調べてみますと、今回の取りかえが3回目であります。初回も、2回目も日本電気なんです。都市局の
電気設備課は
見積もりをとっております。
見積もりを何者からとったかといったら、5者から
見積もりをとっているんです。ところが、入札の参加は1者なんですね。さあ、皆さん、これを何と見るかなんです。私は、これは、民間における談合の疑いが強い、一般的にはそう見て当たり前なんです。
これは、実は、私はこれだけで指摘しているのではないんですよ。今まで、水道局の蓄電池の取りかえ工事がありました。何年か、1者ずつ続いたんです。それで、私は、これを厳しく指摘しました。いわゆる談合によって参加しない。そうすると、当然1者に落ちるんです。したがって、こういうことについて、きちっと業界に指導して―同じ水道局で案件が違う場合は参加しているんですから。何かといったら、ずっとA者が納めたバッテリーのところはA者しか参加しない。B者のところはB者しか参加していないんです。
見積もりは、全部とっていて、出ているんです。したがって、このことを札幌市長はきちっと調査して、そして、市民の前に明らかにせんきゃだめです。
これは、1者しか来ていないから、本来は、議会として、この件について言えば、やっぱりきちっと調査をして、なぜこうなるのかと、本来、議決にかける前に調査しなきゃならぬことなんです。こういうことについて、議会も全く取り組まれていない。こういうことで、私は、やむなく賛成はするけれども、問題の指摘はきちっとして、今後こういうことが札幌市が行う入札の中で行われないようにしなきゃならぬということで、このことを指摘しているんです。
そして、今回かかっている案件の中の第47号、第48号について言えば、これはそれぞれ落札者を決定していますが、この落札率を見ても、一つの建物のほうは88.42%、あるいは、また、もう一件のほうは80.9%と非常に低い落札率で落札されております。なぜかといったら、この案件は国際入札の案件だと。したがって、国際入札ですから、札幌市の基準外なので、
最低制限価格を下回っても拘束することができないということなんですね。これについてはいろいろ議論があったとしても、少なくとも先ほど指摘しております議案第46号の日本電気の件については、ぜひ、市長として調べて、そして、しかるべき時期に答えを求めますから、ちゃんと答弁をできるようにしておいていただきたい。
特に、この中で私が指摘したのは、所管の
電気設備課長に、この案件の可否を決める上で検討したいので5者の
見積もりを提出してほしいと言ったら、いわゆる業界の慣行だとか、あるいは、今まで私たちがやっている仕事の慣行の中で、入札契約後3カ月以内は会社名などを明らかにして
見積もりは提出できません、こう言うのです。こんな決まりはどこにもないんです。業界の慣行だとか職場の慣行なんていうことでやったら、一体、札幌市という自治体は誰が何によって運営しているのか、このことが問われます。このことも指摘しておきたい。
きょうは、大変お気の毒なことに、秋元市長におかれましては
インフルエンザにかかられて療養中ということでありますから、
職務代理者は町田副市長でありますから、ひとつ、しっかりと市長に報告をして対応していただきたいということを求めておきます。
それから、これは議会運営にかかわることでありますけれども、我々の会派は、市長が3日間という医者の診断書で限定の休養期間であれば……
○議長(
鈴木健雄)
松浦議員、発言の内容が通告外にかかっていますので、ご注意願います。
◆
松浦忠議員 (続)本来、この本会議は開くべきではありません。
このことを申し上げて、私の討論といたします。(拍手)
○議長(
鈴木健雄) 以上で討論を終了し、採決に入ります。
議案4件は可決することに、陳情1件は採択することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
鈴木健雄) 異議なしと認めます。
したがって、議案4件は可決することに、陳情1件は採択することにそれぞれ決定されました。
――
――――――――――――――――
○議長(
鈴木健雄) 次に、日程第2、議案第1号から第45号まで、第50号から第60号までの56件を一括議題とします。
ただいまから、代表質問に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
小竹ともこ議員。
(
小竹ともこ議員登壇・拍手)
◆
小竹ともこ議員 私は、ただいまから、
自由民主党議員会を代表し、今定例会に上程されております諸議案並びに市政の諸課題について、順次、質問をさせていただきます。
質問に先立ちまして、去る1月31日にご逝去されました民主党・伊与
部年男議員に対しまして、改めて哀悼の意を表しますとともに、心からのご冥福をお祈り申し上げます。
それでは、質問に入らせていただきます。
本日、市長が
インフルエンザのため欠席することが判明しましたことから、急遽、発言通告をいたしました市長の政治姿勢のうち、行財政問題、動物園問題の提言に対する取り組み並びに市民の負託を受けた市長と議会の関係を後日に延期し、代表質問をさせていただきます。
初めに、地域経済の活性化について、何点か質問をさせていただきます。
まず初めに、企業の誘致について伺います。
本市では、これまで
コールセンターや
本社機能誘致など一定の成果を上げておりますが、今後、
人口減少対策として質の高い雇用の確保や税収増を実現するためには、やみくもに誘致活動を行うのではなく、例えば、理系人材の雇用が多く見込める企業や札幌で一定の集積が見られる
食品製造業の誘致を積極的に進めるなど、戦略的な誘致に取り組むことが重要であります。
また、誘致の実現に向けては、地道な営業活動はもとより、全庁の各種施策に企業を引きつける視点を大胆に取り入れ、
まちづくり全体の中で魅力の高い立地環境を戦略的に実現することも同じく重要であります。例えば、
リスク分散による企業の地方移転を想定した場合、単に地震が少ないことを訴えるだけではなく、そうした特徴を生かして災害に強い
まちづくりを積極的に進め、札幌の優位性を高めるべきではないでしょうか。
さらに、立地環境の整備に当たっては、さまざまな規制の緩和などにも積極的に取り組むべきであり、例えば、札幌の足腰を支える製造業の誘致では、工業用地の確保が容易でないとの声もある中、用途地域の規制緩和など、土地利用のあり方について企業目線で検討することも一つの方策です。
そこで、質問ですが、市長は、今後、
企業誘致を戦略的に進めるに当たって、どのように全庁的に取り組んでいくお考えか、伺います。
また、
企業誘致は、北海道でも積極的に取り組んでおり、その立地先には当然ながら札幌市も含まれることから、北海道としっかり連携していくことが重要と思いますが、市長のお考えを伺います。
さらに、
企業誘致に加え、昨今では、例えば石屋製菓が北広島市に工場を増設するなど、
市内製造業が新たな製造拠点の場を市外に求める事例が見受けられ、問題であると感じております。これについては、
市内製造業の
設備投資動向などの
ニーズ把握が基本になると考えますが、今後、いわゆる
市内製造業の流出防止のため、
企業ニーズの把握を含め、市長はどのような対応を行っていくお考えか、あわせて伺います。
民間企業は、景気回復の流れを受けて、過去最高水準となり、得られた利益を従業員に配分し、設備投資に回してさらなる業績の拡大を図っています。こうした好循環の実現こそがこれからの札幌市経済にも求められるところですが、企業が必要な人材を確保することは難しさを増しつつあるところです。
一方、我が国全体で見た場合、失業中で就業を希望する方々は約650万人、パートから常用雇用への転換など就業時間の拡大を希望する方々は約300万人、合わせて約950万人が希望する就業を実現することができていない状況にあります。こうした方々の希望を実現することができれば、国民所得は10兆円から14兆円程度増加すると政府は試算しており、家計の可処分所得の底上げを経て消費の拡大につながることにもなります。特に、就業を希望しながらも就業に至らなかった女性や高齢者が占める割合は大きく、950万人のうち、560万人が女性であり、90万人が高齢者です。こうした方々の就労をいち早く実現できれば、企業の人手不足解消の一助となることはもちろんのこと、消費拡大による経済活性化も十分に望めるのではないでしょうか。
札幌市は、女性の人口比率が高い一方で、就業率は低迷しております。高齢者についても、全国平均と比較して就業率は下回る状況が続いているところです。しかし、逆を言えば、大きな可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか。一億総活躍社会の実現に向けて、道内の人口が集中する札幌市が率先した取り組みを進めることは非常に重要と言えます。
そこで、質問ですが、札幌市経済の活性化のため、就業を希望する女性や高齢者の雇用についてどのように考えているのか、伺います。
次に、商店街活性化の今後の方向性について伺います。
商店街は、商業活動により地域経済を支える存在であるばかりではなく、近年は、さまざまな
まちづくり活動を通して地域におけるコミュニティ活動の担い手としての役割も担っております。しかしながら、商店街は大型店舗の出店やインターネット販売の増加などにより売り上げが落ち込む傾向にあり、一部には百貨店における売り上げの回復や雇用情勢の改善といった明るい兆しがあるものの、その恩恵は多くの商店街まで広がっている状況にはありません。また、ピーク時の平成11年には、札幌市内に49あった商店街の法人組合が、その後、組合の解散等によって、現在は28まで減少しております。
そのような厳しい経済・経営環境にありながら、市内には地域の町内会や大学などのさまざまな団体の方々と連携し、イベントの実施やコミュニティカフェの運営、地域の名物商品の開発などに取り組んでいる元気な商店街も数多くあります。例えば豊平区の豊平商店街では、札幌市の支援制度を活用し、商店街を舞台に子どもたちに対してさまざまな学びの場を提供することで、地域住民が商店街の店舗を知る機会が生まれ、新たな集客につなげております。しかしながら、商店街によっては、空き店舗や未加入店舗の増加による担い手不足のほか、地域の人口減少に伴う集客力の低下といった課題を抱えている場合もあり、こうした課題は商店街によってさまざまであります。
そこで、質問ですが、地域の商店街によってさまざまな課題、問題がある現状を踏まえ、今後、商店街を活性化させるためにどのような考えを持っているのか、伺います。
次に、観光振興対策について伺います。
我が国の外国人観光客入り込みは、ここのところ、空前の活況を呈しており、本市においても、平成27年度上期の外国人宿泊者数が86万人余りと、前年度比44.3%増の過去最高を記録したところであります。これは非常に結構なことではありますが、一方で、外国人観光客の急増に伴い、宿泊施設やバス駐車場の不足などといった新たな課題が浮上してきたほか、訪問客のニーズや消費行動も多様化の様相を見せているなど、札幌の観光振興への取り組みは、さきの平成27年第3回定例市議会の代表質問で我が会派の中川議員からも指摘させていただいたとおり、これまでの単に魅力を伝える段階から、産業戦略として現実的、客観的に課題に対処し、経済効果を高めていく段階へと施策の軸足の転換点を迎えていると考えます。
そのような観点から、今後、観光振興上、速やかに向き合うべき課題について、3点ほど質問させていただきます。
まず、1点目は、宿泊施設の不足について伺います。
このところ、宿泊施設の不足が各方面で取り沙汰されておりますが、これは、民間の設備投資判断などに左右される部分が大きく、行政として即時的な対応が難しい課題である中、国や一部の自治体では民泊の拡充などに活路を求める動きも出てきており、先日の市長記者会見においても、大規模イベント時における民泊の可能性について言及があったところであります。
一方で、大規模イベント時以外の通常期においては、本当に宿泊施設の不足が深刻なのかと言われると、中には、旅行エージェントなどが早期に大量の予約確保をしているだけで、直前の大量キャンセルでホテル事業者が大変な損失をこうむっているケースが指摘されるなど、必ずしもその実態がしっかりとつかめていないというのが目下の状況ではないかと思われます。
いずれにしても、現実に外国人の観光客が急増している中、札幌市としても宿泊に対する需要と供給のバランスの問題にしっかりと向き合わなくてはならない時期を迎えていることは間違いなく、今後、具体的な対応策を検討するに先立って、まずは、実態を的確に把握するよう努めることが第一歩と考えており、改めて、市長の認識について伺いたいと考えております。
そこで、質問ですが、市内の宿泊施設不足の状況を本市としてはどのように捉えているのか、その認識をお伺いします。
あわせて、その認識を踏まえ、今後どのように対応していくのか、その考えを伺います。
2点目は、公衆無線LAN環境の拡充について伺います。
ICT化が進む中での観光振興について、スマートフォンが全世界的に広く普及し、大半の外国人観光客にとっても必携の日常ツールとなっている今日、旅行客が食事やショッピング、観光スポットなどの情報を入手する上でも、また、事業者側が効果的に旅行客を誘導するためにも、Wi−Fiなど公衆無線LANの通信環境の整備が重要な鍵となってきております。今年度、札幌市は、地下鉄の主要駅や大通公園、定山渓などにおいて公衆無線LAN環境を整備されましたが、旅行者の利便性向上はもとより、観光戦略にICTを効果的に活用していくといった点でも、より広範囲なスポットで通信環境を充実させていくことが望まれます。
そこで、質問ですが、観光振興の観点から、市内公衆無線LAN環境の拡充に関して、今後どのように取り組んでいくのか、その方向性を伺います。
3点目は、MICE施設の考え方について伺います。
市長は、経済波及効果の高い国際会議や学術会議などの誘致強化に向けて、都心部へのMICE施設の整備を公約に掲げるなど、並々ならぬ意欲を示しておられると認識しており、我が会派としても、札幌の国際都市としての存在感の向上や観光、国際ビジネスチャンスの拡大につながるものと大いに期待をしているところであります。
ただ、一口にMICE施設の整備と言っても、世界的に国際会議誘致競争が激化する中、札幌の特徴や強み、弱みなどを踏まえ、真に利用者や訪問者のニーズに応えるような施設を整備し、的確に戦略展開することが不可欠であります。本市では、今年度、1年をかけて将来のMICE施設整備に向けて施設のあり方や立地場所などについて調査検討を実施し、来年度は施設整備の具体的な計画づくりに着手すると伺っております。
そこで、質問ですが、今回の調査結果を踏まえ、札幌に必要な施設の機能や規模、立地条件などについて現段階でどのように判断しておられるのか、伺います。
次に、冬季オリンピック・パラリンピック招致とスポーツ推進及び冬季アジア大会について、何点か質問をさせていただきます。
まず、冬季オリンピック・パラリンピックの広域開催について伺います。
昨年12月14日の冬季五輪招致・スポーツ振興調査特別委員会で提示されました候補地検討案では、スキーのアルペン競技についてはニセコと富良野を、スピードスケートについては既存の屋内リンクがある帯広の明治北海道十勝オーバルを候補地の一つとするなど、一部競技の広域開催案が示されたところであります。
昨年12月11日に、秋元市長は、北海道の高橋知事や冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致期成会の高向会長らと文部科学大臣やスポーツ庁長官に対して札幌招致に関する国の支援を要望したところでありますが、その際に、高橋知事は、オール北海道で誘致したい、広域開催に関心のある市町村があれば声かけなど必要なことはやっていくというコメントがあったと聞いております。
一方で、1月10日の新聞報道によると、道が所有する真駒内屋内・屋外競技場については、オリンピック・パラリンピックの競技施設の候補になっているものの、知事は、今の段階では修繕による長寿命化を図ることとしており、建てかえの考えはないと発言をしております。北海道としては、道内の市町村で開催する広域開催には積極的でありますが、真駒内屋内・屋外競技場の建てかえなどによる札幌での開催には消極的であるようにも見えます。
昨年の第4回定例市議会の代表質問において、我が会派の松井議員からの質問に対し、市長からは、冬季オリンピック・パラリンピックを招致し、ウインタースポーツ都市として札幌をさらに飛躍させていきたいとの答弁をしております。また、今回の定例市議会において、冬季オリンピック・パラリンピック基金の設置が提案されており、将来の投資に向けた備えが始まるとのことであります。競技施設の整備など必要な投資はしっかりと行い、札幌を世界に誇る真のウインタースポーツ都市へと発展させ、その効果を全道に波及させていくことが、北海道の地方創生につながっていくことになると考えます。
さらに、開催概要計画の日本オリンピック委員会への提出に向けて、北海道との間で道立施設のあり方や費用負担などの課題について議論していくことになるとも思いますが、今後、日本国内、そして世界へと招致レースを競っていくためには、北海道と札幌市が一枚岩となって招致を進めていくことが肝要であります。
そこで、質問ですが、市長は、北海道内での広域開催についてどのような考えを持っているのか、伺います。
また、今後の北海道との協議の中で、施設整備の費用負担などについて札幌市としてどのようなスタンスで臨むつもりか、あわせて伺います。
冬季オリンピック・パラリンピック招致に向け、市民が生涯にわたりウインタースポーツに親しんでもらうために、私も平成26年第1回定例市議会での代表質問で言及しておりますが、我が会派は、特に子どものウインタースポーツ振興が非常に重要であると考えております。平成26年度の札幌市の調査では、満20歳以上でウインタースポーツを年1回以上実施した人の割合が12.6%と、ウインタースポーツ都市としては大変寂しい数字となっており、こうした課題を解決していくためにも子どもの関心を高めていく取り組みが必要となります。
また、札幌市スポーツ推進計画では、ウインタースポーツを楽しむ機会を充実することを掲げており、市民のウインタースポーツへの関心を高めることは重要でありますが、そのためにも競技の裾野拡大や競技力向上につながる取り組みもまた重要であると思います。競技力の向上は、札幌にゆかりのある選手がオリンピック・パラリンピックに出場し、活躍をすることにもつながり、市民、とりわけ子どもたちに感動とスポーツへの憧れを抱かせるとともに、冬季オリンピック・パラリンピックの2度目の札幌開催への思いの醸成にもなっていくものと確信をしております。さらに、アジアで初めて冬季オリンピックを開催した札幌市、我がまちが率先してウインタースポーツ振興を図ることが、アジア、そして世界におけるウインタースポーツ都市としての地位を確立することにつながります。
そこで、質問ですが、冬季オリンピック・パラリンピック招致に向け、子どものウインタースポーツ振興やオリンピック教育の推進がその鍵を握る重要なものであると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
次に、冬季アジア大会の成功に向けた取り組みについて伺います。
2017年に、札幌市と帯広市において、第8回冬季アジア大会が開催されます。冬季アジア大会は、アジア地域における冬季スポーツの発展を図ることを目的として、第1回大会が札幌で開催された総合国際スポーツ大会であり、現在では30の国と地域、1,500人もの選手が参加する大規模な大会へと成長し、現在、ウインタースポーツにおけるアジア地域の注目度はますます高まっており、2017年の札幌での冬季アジア大会を皮切りに、2018年に平昌で、2022年には北京で冬季オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、ウインタースポーツの競技人口が増加することも予想されております。
冬季アジア大会は、2度目の冬季オリンピック・パラリンピックに向け、札幌の名をアジアにとどろかせる絶好の機会となるとともに、国内競技連盟との強固な信頼関係構築や、国際競技連盟との新たなネットワーク構築など、冬季オリンピック・パラリンピック招致につながる重要な大会と考えております。
昨年10月の段階では、大会運営費が69億4,000万円になるとの試算を示し、招致段階の試算から2倍近くの費用となるなど、大変甘い見込みであったと指摘せざるを得ませんが、一方で、スピードスケートの競技日程の短縮や国際映像信号制作費の圧縮など費用縮減に努め、現時点で約6億円程度の費用を圧縮することができるとのことであります。この大会運営費は、オリンピック・パラリンピック招致に向けた未来への投資の側面もあると考え、多額の費用をかけることからも、ぜひ、北海道とも連携して大会成功に向けてしっかりと取り組み、成功へと導いていただきたいと考えております。
我が会派は、多くの市民、道民が観戦することはもちろん、ボランティアとして参加し、感動を共有できるなど、まちが一つとなるような大会とし、冬季オリンピック・パラリンピックを札幌で再び見たいという機運が醸成されることこそが冬季アジア大会の成功であると考えております。
そこで、質問ですが、冬季アジア大会の成功に向けて、今後、収入の確保が大きな課題であると考えますが、どのような方針で取り組んでいくのか、伺います。
また、冬季アジア大会を冬季オリンピック・パラリンピック招致につなげるためにも、道民、市民を巻き込み、北海道全体の盛り上がりが不可欠であると考えますが、大会成功に向けてどのような取り組みを行っていくのか、伺います。
次に、出産・子育て環境の充実について、幾つか伺います。
まず、妊娠・出産包括支援事業についてです。
近年、核家族化や地域のつながりの希薄化などにより、地域において妊産婦の方やその家族の方を支える力が弱くなり、より身近で妊産婦を支える仕組みが必要となっております。国は、妊娠、出産を経て子育て期にわたる切れ目のない支援の強化を図ることを目的に、妊産婦の相談に基づきコーディネートを行う母子保健相談、妊婦に対する助産師等の専門家による相談支援、さらには、退院直後の心身の不調や育児不安に対し、家族からの援助が受けられない産婦にきめ細かい支援を行う産後ケア事業などから成る妊娠・出産包括支援事業を平成27年度から事業化したところであります。中でも、産後ケア事業については、出産後の入院期間が短くなった近年、母体の回復に不安を残しながら地域や家庭で孤立して育児に向き合わなければならない産婦が少なからずいる現状としては、重要な事業であると考えます。札幌市は、昨年9月より初妊婦訪問事業を実施し、平成28年度からは産後ケア事業などのコーディネートを行う母子保健相談員を保健所に配置し、妊娠期から出産直後の、特に支援が重要とされる時期への支援を充実させるとのことであり、大いに期待するところであります。
そこで、質問ですが、産後ケア事業の対象者は、産後に心身の不調や育児不安があり、家族からの援助が受けられない産婦と定義されておりますが、対象者についての把握はどのように行うのか、伺います。
また、産後ケア事業を有効に機能させるためにどのようなことに取り組むのか、あわせて伺います。
次に、子どもの育児環境について伺います。
札幌市では、子育てしやすいまち日本一を目指し、さまざまな子育て施策を展開し、幅広く保育サービスの充実を図るとしており、市長公約においても子育てを大きなテーマとして掲げ、待機児童ゼロを目指し、保育所の定員を増加させる施策など、子どもの育児環境の充実に力を注いでいるところであります。
もちろん、こうした施策が大切であることは言うまでもありませんが、あくまでも親の目線に立ったものであり、一方で、子どもの目線、例えば小さなうちはできるだけ親と一緒に過ごしたいという欲求に対し、十分に応えていく施策も必要ではないかと考えます。女性の中には、子育てが一段落したら1年ですぐに仕事に復帰し、自分のキャリア形成を考えていく方もおられますが、子どもが3歳ぐらいまでは自分の手で我が子をじっくりと育てたいと考える方もおられると思います。しかし、実際には、思いどおりの期間を休むことができず、退職される事例も少なくないと聞いております。仕事と子育ての両立において、女性の考え方や生き方が尊重され、自由に選択できる職場環境や社会風土を築いていくことも大切なことなのではないでしょうか。
特に、育児休業を取得することは、子どもが親に育てられているという子育てという観点だけではなく、親も子育てをすることによって育っていく親育ちの観点からも大変意義があるものと考えます。
平成24年度の札幌市が実施した市民アンケートによれば、札幌市において有効と思われる少子化対策について聞いたところ、71.8%の人が労働環境の改善や保育所整備など仕事と子育てを両立できる環境の整備と回答しており、仕事と子育ての両立を目指すワーク・ライフ・バランスの取り組みを、より一層、社会全体に広めていくことが重要であります。また、北海道労働局の調査によれば、札幌圏で育児休暇を取得した人は、平成22年度9,763人でありましたが、平成26年度は1万5,913人と大幅に増加しており、データ的にも女性が仕事と子育てを両立する傾向がうかがえるところであります。
こうした傾向をさらに加速させていくためには、労働者側の視点だけではなく、育児休業の取得のしやすさが、ワーク・ライフ・バランスの達成とあわせて、特に女性の離職を防止し、多様な人材を活用していく上で企業側にも大きなメリットがあることなど、意識を変えるための施策が重要であると考えます。
そこで、質問ですが、このようにしっかり休める環境があるからこそ、子どもを2人目、3人目と産み育てたいという強い意欲にもつながるものと考えられることから、就業している方が育児休業をとりやすい環境を醸成していくため、どのような取り組みを推進していく考えか、伺います。
次に、私立幼稚園や認定こども園に対する特別支援教育補助事業について伺います。
札幌市の私立幼稚園等には、市内の幼稚園児の95%以上が通園し、幼児教育の主体を担っており、私立幼稚園等が果たす役割は大変に大きく、幼児教育の質的向上には適切な補助が不可欠であると考えます。このことから、私立幼稚園等の補助制度については、我が会派としても、議員連盟を組織し、毎年、私立幼稚園連合会とともに充実を要望するなど、これまでも力を入れてきたところであります。
子どもたちが幼稚園や認定こども園に通う幼児期は、生活や遊びといった体験を通して情緒的、知的に発達し、社会の一員としてよりよく生きるための基礎を獲得しながら、生涯にわたる人間形成の出発点となる極めて重要な時期であります。この重要な時期において、特別な教育的支援を必要とする児童、いわゆる要支援児については、できるだけ早い時期から一人一人のニーズに応じた適切な支援を行うことが大切であり、その後の望ましい発達を促すことにつながるものと考えます。
現在、札幌市が実施している要支援児の就園と適切な保育環境の整備を促進するために、要支援児の保育に携わる教諭の人件費相当額を補助するという私立幼稚園等特別支援教育事業費補助事業については、要望の効果もあり、平成22年度に創設された経緯があります。事業開始時は、教諭1人分の人件費相当額を補助するものでありましたが、現在は教諭4人分まで補助対象が拡充されており、要支援児の受け入れも今年度は1,500人を超えていると聞いております。
昨年12月に公表された秋元市長の施政方針を踏まえた中期実施計画であるアクションプラン2015では、要支援児の人数によって定められている補助条件を細分化するなど、平成29年度からのさらなる拡充が計画されていることから、我が会派はできるだけ早い段階での拡充を求めていたところであります。平成28年度予算案では、教諭4人分の補助条件を要支援児16人以上から13人以上に条件を緩和するとして計上しており、アクションプラン2015の計画が一部前倒しされた内容となっております。
そこで、質問ですが、今回の計画前倒しはどのような理由によるものなのか、伺います。
また、今後の要支援児に対する支援のあり方についても、あわせて伺います。
次に、地域の
まちづくり推進について伺います。
少子高齢化、人口減少を背景として、地域課題はますます複雑多様化してきていると言われており、それらの課題に対応していくためには、それぞれの地域の特性に応じた
まちづくりを進めていくことが求められています。
これまでも、各区においては、地域の
まちづくり活動を支援するさまざまな取り組みが行われてきました。豊平区を事例として紹介いたしますと、豊かな自然やスポーツ・文化施設に恵まれた環境を生かし、札幌ドーム、カーリング場などでスポーツイベントや区民向けの体験会などを開催し、また、地域や学校、プロスポーツチームと連携して区の魅力を発信する、あるいは、区にゆかりの深いリンゴを活用するなど、豊平区の個性を生かした事業を多くの地域の方々と連携しながら実施されているところであります。さらには、TOYOHIRA「おもてなし特区」推進事業として、2026年の冬季オリンピック・パラリンピックの招致を見据え、地域の機運の醸成と活性化を図るため、豊平区の来訪者に対し、地域、企業、商店街と連携してさまざまなおもてなしの取り組みを展開しています。
先日、月寒体育館で行われた男子アイスホッケーの平昌冬季オリンピック予選では、豊平区のシンボルでありますリンゴをかたどったボードとカードを用意し、多くの来場者がおもてなしや応援のメッセージを書き込み、選手や大会関係者からも大変好評を得たとのことであります。また、区のキャラクターのこりんとめーたんがアイスホッケーにチャレンジした様子をDVD化し、地下歩行空間などでも上映するなど、区の魅力を大いにPRし、活躍してくれたところであります。
これらの事業展開は、元気な豊平区を発信し、活気ある
まちづくりの取り組みであり、大いに推進していくべきと考えますが、一方では、限られた予算の中で工夫を凝らし、いかに成果を上げるべきかなど、効率的な執行に苦慮しているところでもあります。
さらに、このような地域課題に的確に対応していくためには、町内会が中核となりながら多様な活動主体が連携して担っていくことが重要でありますが、特に町内会においては、従前から担い手の不足が大きな課題として認識されております。このため、市としても、新たな担い手を確保、育成するために対策を講じておられるとのことでありますが、いまだ担い手不足の現状にあり、この問題の解決は一朝一夕にできるものではないと考えます。そのような状況の中で、これまで実施してきた事業に加えて、新たな事業展開を図る際には、地域の方々の負担感も増すのではないかと懸念されるところであります。
そこで、質問ですが、予算案においては、区の裁量事業にかかわる予算額が前年度より2割増しで計上されておりますが、区の予算執行における大変さを考えた場合、今後の区予算の継続性についてどのように考えているのか、伺います。
あわせて、地域における担い手の負担感を軽減するための方策について、新しい人材の発掘を含め、どのように考えているのか、伺います。
最後に、教育の諸課題について、幾つか質問をさせていただきます。
まず初めに、札幌市の子どもの体力向上策について伺います。
今年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査、いわゆる全国体力テストの結果が昨年12月に公表され、札幌市の結果について伺ったところ、全国平均よりかなり低く、最下位に近い結果であるとのことでありました。札幌市は、学力はほぼ全国平均と同程度と聞いておりますが、体力については予想をはるかに下回る結果とのことに非常に驚いております。体力は、運動能力を高めることばかりではなく、学力向上の取り組みを進める際にも粘り強く頑張り続けるために必要不可欠なものだと思うとともに、札幌市の未来をつくる子どもたちの体力がこのように低い状態であることは非常に大きな問題だと捉えております。
昨年の第1回定例市議会で、我が会派の伴議員が札幌の子どもたちの体力が大きく向上してこなかったことについて質問いたしましたが、教育長からは、冬期間の運動量が不足する北海道特有の地域性が一因であるとの答弁がありました。
札幌市の子どもたちの体力の現状を重要な課題として捉え、我が会派において編成されたスポーツ振興プロジェクトチームとして、私も、全国体力テストの結果が高い福井県と広島県を調査いたしました。どちらの県も、体力向上の取り組みを大変重要なことと位置づけ、さまざまな取り組みを行い、各学校においては、体力向上計画を作成し、PDCAサイクルを意識した具体的な取り組みを進めており、自校の子どもたちの体力の現状や取り組みの成果を検証するために独自の体力テストを実施したり、教育委員会から県の平均を各学校にフィードバックして自校の結果と比較、分析したりするなどしております。また、福井県においては、札幌と同様に冬場にかなり雪が降りますが、冬期間の運動量を確保するために室内運動を推進して成果が出ているとのことであります。
こうして見てみると、現状をしっかりと把握し、具体的な取り組みについてPDCAサイクルを回しながら進めることが、体力向上につながっているのではないかと感じたところであります。本市教育委員会でも、これまで縄跳び運動の推奨などさまざまな取り組みを進めていると聞いていますが、やはり、各学校の状況把握やPDCAを踏まえた計画が不足しているのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、教育委員会では、札幌市の子どもの体力についてどう認識し、子どもの体力向上についてどのように取り組んでいくのか、伺います。
また、各学校において、PDCAサイクルに基づいた改善策を進めるに当たっては、市独自の体力テストを実施している福井県や広島県のように、子どもの体力の状況を把握し、計画を見直すためのPDCAのCに当たるチェック機能を充実することが重要だと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市においても、市独自の体力テストを全児童生徒に実施するなどして各学校が子どもの体力を正確に把握し、その結果を踏まえた改善策を進めるべきではないかと考えますがいかがか、伺います。
次に、グローバル人材の育成について伺います。
現在、国家や地域といった枠を超えて、人、物、金、情報などの移動が地球規模で盛んになり、政治や経済などさまざまな分野での境界線がなくなっていく、いわゆるグローバル化が日本においても急速に進んでおり、北海道、札幌市においても、企業の海外展開や海外の消費者を視野に入れた販路拡大、外国人観光客の誘致を通した観光産業の振興といったグローバル化に対応したさまざまな動きが見られるところであります。
このように変化が激しく、将来の変化を予測することが難しいグローバル社会を生きていくためには、学校で学んだ知識を覚えるだけではなく、みずから課題を見つけて、そのよりよい解決に向けて他者と共同しながら取り組んでいく力や、英語が使えることはもとより、生まれ育った地域の歴史、文化、習慣等に対する理解を踏まえつつ、他国の多様な文化や価値観の尊重を前提としたコミュニケーション力がこれまで以上に重要になってくるのではないかと思われます。
そのためには、学校教育全体を通してこうした力を育成していくことが求められることになりますが、とりわけ、昨年開校した市立札幌開成中等教育学校においては、6年間を通した学びの連続性などの中高一貫教育の特色を生かして、国際標準の教育プログラムである国際バカロレアを活用した課題探究的な学習に6年間取り組むことで、豊かな国際感覚や課題発見、解決力など、グローバル社会を生きていくために必要な力を身につけることに取り組んでいると承知しております。
とはいえ、こうした力は一朝一夕に身につくものではなく、成果を焦る余り、子どもたちが課題探究的な学習に不適応を来すことのないように、入学当初から時間をかけて丁寧に指導していくこともまた重要な視点ではないかと考えているところであります。
そこで、質問ですが、この1年間の開成中等教育学校の取り組みについての現状と今後に向けての展望についての認識を伺います。
また、開成中等教育学校の取り組みをどのようにして札幌市立学校全体の取り組みにつなげていくのかについても、あわせて伺います。
次に、子どもの学びのための一体的な施設整備について伺います。
我が会派では、学校における進路探究学習、いわゆるキャリア教育について、体験的な学びを通して勤労観や職業観を形成するほか、自己肯定感や自己有用感を高める効果があるとして、その重要性に注目してきたところであります。
これまでも、各学校では、職場見学や職業体験、専門学校等の施設を利用した職業体験講座等を実施していると伺っておりますが、平成25年第3回定例市議会で、我が会派の飯島議員による代表質問において、今後は、特に小学校段階からのキャリア教育を充実させるため、効果的な進路探究学習を可能とする専用施設の必要性があると言及し、当時の町田教育長から、小学校段階からの進路探究学習を充実させるというご答弁をいただいたところです。施設を設置にするに当たっては課題もあり、簡単ではないことは理解できますが、もう一歩踏み込んで検討を進めていっていただくことを期待しております。
また、早期に設置を期待している施設がもう一つあります。それは、札幌市博物館であります。札幌市に博物館を建設しようという動きは古く、昭和61年から検討を開始し、途中、行革の一環で事業の凍結があり、再び平成27年3月に(仮称)札幌博物館基本計画が策定され、とうとう札幌市も建設に向けて動き出そうかというところでした。ところが、この基本計画に掲げた候補地の北1条西12丁目街区は、その後、MICE施設の候補地としても取り上げられるなど、計画策定以降の具体的な建設計画の動きが見えてこないところです。
博物館は、札幌の自然、歴史、文化の独自性について体験的に学ぶことができ、子どものみならず、大人も一生涯にわたって学べる生涯学習の場であり、一日も早く設置することが望まれます。これらの施設は、未来を担う札幌っ子の育成、そして、札幌市民が我がまちに対する愛着と誇りを育むために最適な環境を提供できるのではないでしょうか。
また一方で、本市には、多くの子どもたちが科学を楽しみながら学習に取り組むことができる青少年科学館があり、体験的に理科を学ぶ点で博物館と関連する部分があります。
そこで、我が会派としては、これらの施設を交通利便性の高い場所に複合的、一体的に整備することで建設等にかかわる費用負担の軽減を図りつつ、市内はもちろん、道内の子どもたちに対し、体験活動を初めとする魅力ある学習環境の提供ができるものと考えます。他都市に類を見ない複合的な教育関連施設を整備し、未来ある子どもを大切にする姿勢を示すことが道都札幌の責務であり、市長の目指す子どもたちが生き生きと健やかに育つまちになるのではないでしょうか。
そこで、質問ですが、キャリア教育施設及び博物館の今後の建設に向けた意気込みと、青少年科学館を含め、一体的に整備することについての札幌市の見解をお示しください。
以上で、私の質問の全てを終了させていただきます。ご清聴いただきまして、まことにありがとうございます。(拍手)
○議長(
鈴木健雄) 答弁を求めます。
町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 秋元市長が
インフルエンザに罹患しまして、本会議に出席することがかないません。所管の副市長、教育長が分担して答弁をさせていただきます。
私からは、1項目めのうち、地域経済の活性化についてと観光振興対策について、それから、2項目めの冬季オリンピック・パラリンピック招致とスポーツ推進及び冬季アジア大会について、それから、教育の5項目めの教育の諸課題についての3点目、子どもの学びのための一体的な施設整備についてお答えいたします。ほかの項目につきましては、板垣副市長及び長岡教育長から答弁させていただきます。
まず、1項目めの市長の政治姿勢についての2点目、地域経済の活性化についてでございます。
1点目の
企業誘致及び
市内製造業の流出防止についてお答え申し上げます。
戦略的に
企業誘致を進めるには、立地環境の魅力を高めることが重要であり、人材確保、オフィスビルや工場用地の確保、企業の研究開発を後押しする産学官連携などの面で全庁の関連施策を総動員し、誘致につなげていく考えでおります。
北海道との連携につきましては、これまでも本社機能の誘致で成果を上げており、今後も、北海道の中で札幌市の強みを生かせる本社機能や研究開発機能の誘致を中心に協力して取り組んでまいります。
市内製造業の流出防止につきましては、
企業誘致同様に重要との認識のもと、補助制度等の支援に加え、現在、アンケート調査を行うなどの動向把握に努めており、今後、
企業ニーズを踏まえ、効果的な方策について検討してまいります。
2点目の就業を希望する女性や高齢者の雇用についてでございますが、女性や高齢者の雇用の実現は、企業の人材確保に資するだけでなく、市民所得の底上げによる消費の拡大など札幌市経済の活性化につながるものと認識しているところでございます。昨今、こうした方々の雇用については、企業の関心も高まっていることから、今後は、求職活動のきっかけとなるセミナーを各区で開催するほか、経済団体と連携しながらきめ細かな就労支援を行い、誰もが活躍できる環境づくりに努めてまいります。
3点目の商店街活性化の今後の方向性についてのご質問でございますが、商店街は、地域住民にとって必要不可欠な存在であると十分に認識しているところでございます。商店街がみずから考え、独自に取り組む活性化事業に対する補助制度を今年度創設したところであり、これにより商店街の存在感や魅力が高まることを期待しております。こうした取り組みが広がるよう、成功事例等を商店街同士で共有するほか、より多くの事業者が取り組みに加わるように商店街の魅力を積極的にPRしてまいりたいと考えているところでございます。
次に、市長の政治姿勢についての3項目めの観光振興対策についてでございますが、1点目の宿泊施設の不足についてでございます。
ホテルへの聞き取り調査によりますと、人気のコンサートや雪まつり期間中など、特に予約が困難となる時期があり、さらなる観光客の受け入れを目指すためには、宿泊施設の不足が課題の一つであると認識するところでございます。今後は、再開発等の機会を捉え、ホテル誘致の働きかけを行うことに加え、閑散期のイベントの魅力向上やMICE誘致を積極的に進めていくことにより、民間事業者の投資意欲を喚起してまいりたいと考えております。
次に、2点目の公衆無線LAN環境の拡充についてでございますが、現在、市内の公衆無線LANの整備環境について、宿泊施設、観光施設、交通拠点を中心に調査を行っているところでございます。この調査結果を踏まえ、来年度は、民間施設に対する公衆無線LAN整備の助成制度を新たに創設し、通信エリアの拡大に努め、利用者の利便性を高めてまいります。
3点目のMICE施設の考え方についてでございますが、今年度、札幌市に求められる施設のあり方について、学会の主催者や関係者等からヒアリングを実施したところでございます。その結果によりますと、5,000人から1万人程度のMICEを開催するには、基調講演を行うメーンホールや大小さまざまな会議室、大規模な展示ホールが同一エリアにあることが求められております。また、施設周辺には、宿泊施設や飲食店の集積、交通アクセスのよさも求められていることから、主催者や参加者の利便性を考慮し、都心部での施設整備が必要と認識するところでございます。
次に、大きな2項目めの冬季オリンピック・パラリンピック招致とスポーツ推進及び冬季アジア大会についてのご質問にお答えいたします。
まず、1点目の冬季オリンピック・パラリンピックにおける道内での広域開催についてと、2点目の施設の設置主体や費用負担についての道との連携についてのご質問は、一括でお答え申し上げます。
オリンピック・パラリンピックの開催につきましては、アスリートを初めとする来訪者の利便性や、さらには、大会運営の効率性を考慮すると、オリンピック憲章に規定されているとおり、1都市開催が原則であると認識しております。しかしながら、地理的な要因で札幌市内で実施できないものや既存施設の活用が見込めるもの等、現在、一部の競技につきましては例外的に広域開催の検討を進めているところでございます。
次に、施設整備における費用負担につきましては、例えばボブスレーなど国内で数カ所しかない施設に関しましては、国に対して例えばナショナルトレーニングセンターとしての整備を北海道と連携しながら要望しているほか、その他の施設につきましては、過去のオリンピックの事例を参考にしながら、北海道に対して応分の費用負担について強く要請してまいりたいと考えているところでございます。
次に、3点目のウインタースポーツ振興とオリンピック教育の推進についてのご質問でございますが、札幌の未来を担う子どもたちがウインタースポーツを楽しむ文化を醸成していくことは、冬季オリンピック・パラリンピック招致を成功させ、真のウインタースポーツの拠点として飛躍するためには極めて重要であると認識しております。
そこで、新年度は、ウインタースポーツを体験する機会の充実を図るため、新たにスキー場リフト料金等の助成を行うほか、大倉山にあるウィンタースポーツミュージアムをオリンピック教育の拠点としてリニューアルするなど、今後とも子どもたちがウインタースポーツを楽しむことができる取り組みを積極的に展開してまいりたいと考えております。
次に、4点目の冬季アジア大会の開催費用の見直しについてと、5点目の大会成功に向けた道民、市民への機運醸成策について、一括してお答え申し上げます。
大会収入の確保につきましては、既に国等に対する財政支援の要請を行ったほか、入場料収入の確保を図るため、日本オリンピック委員会、JOCに対しましてトップ選手の参加を強く求めているところでございます。加えて、組織委員会が中心となり、企業協賛や寄附の申し入れを関係者に対して行っているところであり、今後は、市長を先頭に、私たちも積極的に企業や経済団体等に要請活動を行うことで、大会収入の確保に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えるところでございます。
また、この大会を北海道全体で盛り上げるため、既に新聞全道版での広告を行うなど、幅広いPR活動に着手したところであり、大会ボランティアについては、今後、北海道や関係機関の協力も得ながら道内全域から募集してまいりたいと考えております。
次に、5項目めの教育の諸課題についての3点目、子どもの学びのための一体的な施設整備についてのご質問でございますが、キャリア教育につきましては、子どもたちが実際の職場での見学や体験等を通して望ましい職業観や将来への夢を育むことは非常に重要と認識しております。
また、(仮称)札幌博物館につきましては、来年度以降、展示事業基本計画を策定するなど、その実現に向けた取り組みを進めていく所存でおります。引き続き、未来ある子どもたちに魅力的な学習環境を提供できるよう、本日のご提案も含め、総合的に検討してまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(
鈴木健雄) 板垣副市長。
◎副市長(板垣昭彦) 私からは、大きな3項目めの出産・子育て環境の充実について、それから、4項目めの地域の
まちづくり推進について、この2項目についてお答え申し上げます。
まず、3項目めの出産・子育て環境の充実についてであります。
妊娠・出産包括事業についてでありますけれども、1点目の産後ケア事業対象者の把握につきましては、母子健康手帳交付時に行う面接や初妊婦訪問、母親教室等から得られた情報をもとにしまして把握することとしております。
2点目の産後ケア事業を有効に機能させるための取り組みについてでありますけれども、支援が必要な妊産婦を漏れなく把握し、産科医療機関との情報を共有する体制整備について、さらに取り組んでまいりたいというふうに考えております。具体的には、昨年11月に設置いたしました医師会や助産師会、産婦人科医会等で構成する妊娠・出産包括支援事業推進連絡会におきまして、出産後に支援を必要とする母子を把握した場合は産後ケア事業の医療につなげていただくよう依頼したところでありまして、今後は、妊娠期からの支援の必要性について、関係者と認識を共有し、妊婦が安心して出産を迎えられるよう妊娠期からの切れ目のない支援を充実させてまいりたいというふうに考えております。
次に、育児休業をとりやすい環境を醸成するための取り組みについてであります。
いわゆるワーク・ライフ・バランスの取り組みは、市民一人一人が豊かで幸せに暮らすために基盤となるものというふうに認識をしております。また、企業にとりましても、優秀な人材を確保し、生産性を向上させる職場環境の整備は大変重要でありますことから、札幌市では、これまでも、育児休業を初めて適用した企業に対しまして20万円の育児休業取得助成金を支給するなど、企業の取り組みを促進してきたところであります。さらに、平成28年度予算におきましては、育児休業を取得した際に代替要員を確保した場合、年額60万円を限度に助成する新たな制度を盛り込んだところでありまして、こうした取り組みを通じて育児休業を取得しやすい環境整備が図られるよう、企業に積極的に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
次に、私立幼稚園等に対する特別支援教育補助事業についてであります。
1点目の計画の前倒しをした理由でございますけれども、当該補助事業につきましては、要支援児4人につき教諭1人という公立幼稚園の配置基準に準拠いたしまして、要支援児の受け入れ人数に応じた補助区分を設けて実施してきたところでございます。要支援児の受け入れ人数が増加傾向にある中で、現在、要支援児が9人から15人の区分で教諭3人分の補助をしている園のうち、13人から15人を受け入れている園が急増しておりまして、これらの園の負担を軽減するため、早急な受け入れ環境の改善が必要であるというふうに判断をいたしたところであります。また、アクションプランに盛り込んでおります平成29年度からの要支援児が17人以上の区分で教諭5人分の補助区分創設に向けまして、教諭を確保する観点からも段階的な拡充が適当と考えまして計画を一部前倒ししたものでございます。
2点目の今後の支援のあり方についてでございますが、アクションプランに基づき、この事業を着実に実施していくとともに、要支援児の受け入れ状況を見据えつつ、関係団体の意見も聞きながら、特別支援教育の質的向上に資するよう努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、大きな4項目めの地域の
まちづくり推進についてであります。
まず、区の特性を生かした
まちづくりについてでありますけれども、アクションプランに掲げました地域の課題を地域の力で解決するまちを実現すためには、区や地域の特性を生かした
まちづくり活動を促進していくことが重要だろうというふうに考えております。このため、平成28年度予算では、各区がその特性や実情に応じた
まちづくりにさらに積極的に取り組めるよう意を用いたところであります。
具体的には、区の
まちづくり関係予算につきまして、地域の多様な主体間における連携の構築や地域課題の解決に資する取り組みに対する支援の新設を図ったほか、アクションプランにおける各区の独自事業につきましても十分に盛り込んだところであります。今後も、区の
まちづくりがアクションプランに基づき適切に執行されますよう、必要な予算措置に努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、地域における担い手の負担感を軽減するための方策についてでありますけれども、担い手の負担感の軽減には、地域活動の中核であります町内会における人材育成とともに、新たな担い手確保に向けた地域の多様な活動主体との連携促進、参加の裾野を広げていくことが必要であるというふうに考えております。
その具体的な取り組みといたしまして、町内会の担い手育成では、今年度から実務的なノウハウを提供するセミナー、講習会の開催や専門家のアドバイザー派遣などの取り組みを開始したところであります。また、活動主体間の連携促進に向けては、学生サークルや企業、市民活動団体など、さまざまな活動主体を地域と結びつける取り組みについても進めておりまして、今後も地域ニーズを踏まえながらさらなる充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(
鈴木健雄) 長岡教育長。
◎教育長(長岡豊彦) 教育の諸課題について、私から答弁させていただきます。
1点目の体力の向上策についてでございます。
体力は、生涯にわたる健康維持のほか、気力を充実し、知性を高めていく基盤となるものでございまして、これからの変化の激しい社会を生き抜いていくためにも、体力を向上させることは極めて重要であると認識しております。
各学校においては、これまでも全国調査の対象である小学5年生、中学2年生に加え、他の学年でも独自の調査を実施するなどして体力の状況把握に努め、その改善を図ってきたところでございます。しかしながら、運動が好きな子どもの割合は高いものの、全体的に体力が全国平均を下回っており、特に敏捷性や持久力の向上、運動習慣の確立などに課題があると認識しております。
平成28年度は、全ての学校と教育委員会が一体となって、冬期間を含め、年間を通じ、継続的に運動に取り組む機会を充実するなど、新たな改善策を推進してまいります。また、家庭と協力して運動習慣づくりを進めるとともに、スポーツ関係団体などとも連携して運動の意義や楽しさを広く啓発するなど、市民ぐるみの取り組みに力を注いでまいります。
次に、2点目のグローバル人材の育成についてでございます。
グローバル人材の育成に当たっては、地域の文化を知り、外国の方々と交流して多様な文化を理解する学習や、みずから課題を見つけ、解決策を考え、他者と協力し、行動する学習などの積み上げが重要と認識しております。
開成中等教育学校では、国際標準の課題探究的な学習に取り組んでおり、まずは、1年生が、定山渓を実際に訪問し、地域の課題を追求する学習などを通して、その大切さや楽しさを学んだところでございます。2年生以降は、引き続き、生徒一人一人の学びの状況をしっかりと見守りながら、交流する人や場所の範囲を道内外や海外へと徐々に広げることで豊かな国際感覚を育む取り組みを充実させていく予定でございます。
このような国際バカロレアを活用した学習を6年間積み上げていくことで、将来、解決が難しい課題に直面した場合でも、主体的に粘り強く課題解決に向けて挑戦できる人材を育ててまいりたいと考えております。また、開成中等教育学校の先駆的な授業やワークショップを公開するなど、積極的に取り組みの成果を発信し、他校と共有することで、国際的な視野で学び続ける人材の育成を市立学校全体で進めてまいります。
私からは、以上でございます。
(
小竹ともこ議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
鈴木健雄)
小竹ともこ議員。
◆
小竹ともこ議員 段々のご答弁をいただきまして、ありがとうございます。
私からは、再質問を1点させていただきたいと思いますが、その前に、二つ申し上げます。
1点は、妊娠・出産包括支援事業なんですけれども、対象者についての把握をどうされるかという質問をいたしました。それでも、なお、未受診妊婦ですとか、ある意味、最もリスクが高く、ケアが必要と思われる妊産婦の方のフォローをどうしていくかといったような大きな重たい課題もあるかとは思いますけれども、ご自分の体調も含めて育児などに不安を抱える産婦に対しての支援をしっかりと充実していただきたいということを申し上げたいと思います。
そして、もう1点は、子どもの学びのための一体的な施設整備についてのところなんですけれども、博物館については、場所の選定のことも含め、大きな課題はあるかと思いますが、先ほど、私どもの提案も含めてという答弁もいただきました。スピード感を持って、ぜひ強く推し進めていただきたいと思っております。
そして、再質問ですが、札幌市の子どもの体力向上についての質問をいたしました。このことを再質問させていただきたいと思います。
札幌市の子どもの体力の現状が、昨年12月に公表されたものでは、全国平均よりかなり低く、最下位に近いといったことは、非常に驚きもしましたし、残念なことであると思っております。私どもの会派では、これまでも、議会において、子どもの学力、体力の向上についてさまざまな議論をしてまいりましたが、会派内で編成されましたスポーツ振興プロジェクトチームにおいて、先ほどの質問でも申し上げましたけれども、昨年10月の全国体力テストにおいて小・中学生ともに7年連続全国1位、学力テストにおいては秋田県と1位を分け合っているという福井県と、それから広島県と、両方を視察してまいりました。
福井県の背景には、共働き率が全国1位というのがあって、これは、学校への信頼が厚く、安心して働ける環境にある、そして、県民性として忍耐強く一生懸命な気質であると。さまざまな背景があるかと思いますけれども、何より、体力テストについては、昭和38年から県独自の体力テストを実施されており、小学校4年生から高校3年生まで全学年、そして県内の全学校で実施しているということです。さらに、最も大事な点としては、県平均のデータを各学校にフィードバックして、各学校で自校の結果を他校や他の県と比較して、それを分析して、考査して、効果のあった取り組みを今後の対策として検証しているといったことが成果につながっているのではないかと私は感じました。
札幌市においては、単に体力テストを実施するということだけではなく、体力が低いレベルにある子を底上げしていかなければならないといった課題もあるかと思います。
そこで、質問させていただきますけれども、体力向上の成果につながるために、先ほども申し上げた検証、PDCAのCに当たる部分のチェック、検証をしっかりとするべきと考えますけれどもいかがか、あわせて、教職員の指導力向上に向けてどのような対策をされていくか、この2点について質問させていただきたいと思います。
○議長(
鈴木健雄) 長岡教育長。
◎教育長(長岡豊彦) 体力の向上について、成果があらわれていない、その取り組みと指導力の向上についてというご質問だったと思います。
これまで、体力の向上につきましては、各学校において取り組みを一生懸命してきたところでございますけれども、残念ながらその成果があらわれていないということは、大変残念なことだと私どもも認識してございまして、非常に重要な大きな危機感を学校とともに共有しております。
というのも、昨年12月に、お話のございました全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果が明らかになりました。ご質問にもございましたとおり、全国でも最低レベルということでございまして、そこからスタートというわけではないにしても、それをきっかけに、さまざまな機会を捉まえて各学校と体力の向上についてお話をして、そしてまた取り組みをお願いしてきてございます。
私どもも、体力向上に向けて、健やかな身体の育成プログラムというものを各学校でつくっておりますけれども、新年度からは教育委員会も学校と密接にかかわってこのプログラムを作成しまして、できるところからスタートしてまいりたいと。各学校によってそれぞれの置かれている立場もいろいろとあろうと思いますので、そういうことも含めて、できるところからスタートしてまいりたいと思っております。また、体力向上に向けた効果的な取り組みの情報を全学校で共有して、そして、おっしゃるとおり、検証しながら、その結果を教職員も共有して一体となって取り組みを進めてまいりたいと、言葉だけではない決意を持って新年度を迎えたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(
鈴木健雄) ここで、およそ30分間休憩します。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後2時29分
再 開 午後3時
――
――――――――――――――――
○副議長(恩村一郎) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
中村たけし議員。
(中村たけし議員登壇・拍手)
◆中村たけし議員 私は、民主党・市民連合を代表して、本定例会に秋元市長が上程されました諸議案並びに当面する課題について、順次、質問をいたします。
質問に先立ちまして、去る1月31日に急逝されました我が会派の故伊与
部年男議員のご冥福をお祈りするとともに、武市憲一議員の追悼演説、市長、議長を初め、各会派の弔意に対して、心よりお礼を申し上げます。
それでは、質問に入ります。
初めに、本格予算編成に対する基本的な考え方について伺います。
秋元市長が本定例会に上程されました2016年度の予算は、市長就任後、最初の本格予算であり、昨年12月に策定された中期実施計画である札幌市
まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015を具体的に実行に移していくためのスタートとなる予算編成で、経済の活性化や子育て支援など、この計画に盛り込んだ政策的事業が着実に計上されています。
市長は、さきの提案説明において、全ての市民が活躍でき、札幌の経済が躍進し、札幌が大きく飛躍していくための道筋をつけていくと所信を述べられました。2016年度の予算は、人口減少・超高齢社会の進展や、1972年の冬季オリンピック札幌大会を契機に整備が進められた都市基盤が一斉に更新時期を迎えるなど、転換期を迎える札幌にとって、今後、10年先、20年先の札幌の
まちづくりを進めていくための礎となる重要な予算であると受けとめております。そして、未来の札幌の姿を実現するための四つの重点課題である雇用を生み出す力強い街、女性が輝き子どもたちが健やかに育つ街、いつまでも安心して暮らせる街、魅力と活力にあふれた暮らしやすい街に力点を置いた点については、時代の変化、社会の要請に即した、まさに一歩先を見据えた予算となっており、評価しています。
このようにアクションプランに沿って予算を編成した結果、一般会計においては、予算規模が9,365億5,000万円となっており、過去最高だった前年度に比べ、さらに355億1,300万円の増と大きく伸びています。この予算が伸びた要因は、子ども・子育て支援新制度に関する児童福祉費や、障がい児通所給付を初めとする障がい福祉費の増などにより、扶助費が前年度より135億4,800万円伸びています。加えて、市民交流プラザや再開発補助などの大型事業を予算に盛り込んだ結果、建設事業費が前年度比278億9,100万円増の1,291億6,800万円計上されていることにあります。
扶助費については、子育て世代や高齢者、障がいがある方への支援などの義務的経費で、国の制度の変更やサービス利用者の増加などを要因とするものです。一方、建設事業費は、将来の札幌を見据え、将来への投資として計上されたものと認識しており、今回計上されている建設事業費は、これまで手がけてきた事業が本格化することを考慮すると、その規模が大きくなることは理解できます。しかし、新年度予算が前年度よりこれだけ大きく伸びると、市長が建設事業に重きを置いた予算であるようにも見えます。
また、アクションプラン2015では、計画期間における歳入や、この計画の対象外となっている経常的経費、さらには、この計画の対象となる政策的事業の見直しを推計した中期財政フレームを設定し、毎年度、収支の進捗管理を行うことを掲げ、施策の推進と健全な財政を両立するバランスを重視した財政運営を進めるとしております。しかし、このように、年々、予算規模が大きくなってくると、持続可能な財政運営が維持されるのかといった懸念もあります。
そこで、質問ですが、2016年度の予算において、どのような考えを持って予算の編成を行われたのか、また、持続可能な財政運営の視点も含めて、その基本的な考え方を伺います。
次に、機構改革について、2点伺います。
1点目は、市政の総合的な企画調整機能についてです。
秋元市長は、札幌市が直面する多くの課題を克服し、市政運営を円滑に進めるために、大規模な機構改革を実行することとしました。このことについては、さきの第4回定例市議会における我が会派の代表質問において、札幌の持続可能な社会の実現に向けた組織体制の構築について質問したところ、秋元市長から、中長期的な視点を持った政策立案部門と市街地開発や交通などの計画策定・事業実施部門が一体となった組織体制が必要との答弁があり、今回の機構改革で
まちづくり政策局が新設されたことは評価をしています。
一方、この大規模な機構改革により、全庁的な企画調整機能を担っていた市長政策室が結果として廃止されております。人口減少というこれまで経験したことのない社会環境の変化に柔軟に対応するためには、雇用の安定化や子育て環境の充実など、さまざまな施策を分野横断的に進めていかなければなりません。また、都心や拠点などそれぞれの地域の置かれている状況を考慮しながらまちを効果的に再構築していくなど、部局をまたぐ課題も今後増加していくことが想定されます。
そこで、質問ですが、複数の部局間にわたる課題を解決するための調整機能などは今後も引き続き重要であり、これまで市長政策室が担ってきた市政の総合的な企画調整機能については、今後、どこが担っていくのか、伺います。
2点目は、スポーツ局新設の目的についてです。
現在、札幌市では冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けた取り組みを進めていますが、招致の実現に向けては、市民の理解を深め、招致機運の醸成を図ることが重要です。2017年には冬季アジア札幌大会、2019年にはラグビーワールドカップの開催も決定しており、札幌の魅力を伝える絶好の機会が訪れています。これらのチャンスにより、さまざまな国と地域から多くの人々が訪れることによって集客交流が促進され、経済の活性化が図られるとともに、国際大会の開催実績を積み重ねることにより、札幌の国際的地位の向上につながるものと考えます。国際スポーツ大会の誘致、開催による札幌の活性化を図ることが大切です。
また、四季を通して市民が気軽にスポーツに触れられる環境づくりや、札幌の持つ豊富なスポーツ資源を生かしたさまざまな施策を積極的に進め、市民スポーツの振興を図ることにより、高齢者の健康づくり増進、子どもがウインタースポーツに触れる機会をつくることに取り組む必要があります。
そこで、質問です。
スポーツを
まちづくりに積極的に活用していくべきと考えますが、今回の機構編成でスポーツ局を新設した目的について伺います。
次に、先月末に公表されましたさっぽろ未来創生プランの推進について伺います。
全国的な人口減少、少子高齢化という傾向の中、札幌市においても人口減少局面に入ることが見込まれています。札幌市
まちづくり戦略ビジョンに掲げた人口減少の緩和の具現化のため、我が会派では、市民・企業・行政などのさまざまな主体が連携し、札幌市の現状と課題を共有しながら、次世代に良好な形でまちを引き継ぐことを提言しています。
秋元市長は、経済的な不安を軽減し、結婚、出産の希望をかなえることで、子どもがふえ、経済が活性化し、さらなる雇用の創出につながるという好循環の確立を実現したいと決意を述べていますが、本プランの計画期間に実効性のある施策を行い、未来を担う次世代の若者が希望を抱くことのできる札幌をつくり上げていくことができるかにかかっていると考えます。
本プランは、人口ビジョン編、総合戦略編の2部構成となっており、人口ビジョン編では、札幌市の人口動態の分析などを行い、現状の把握と課題を明確にしました。この分析では、就職や転職を契機とした20歳代の若年層を中心とする首都圏への人口流出、転出超過、全国と比べて少なくなっている予定子ども数を実現できない最大の理由として、収入が不安定であることが明らかになっています。このような現状から、結婚や出産を望む市民の希望がかなえられる社会の実現を目指す、地域に定着できる環境づくりを進めるという目指すべき札幌の将来を実現するための基本的方針が導き出されたところです。
こうした札幌の将来像を具現化するため、総合戦略編では、安定した雇用を生み出す、結婚・出産・子育てを支える環境づくりの二つを基本目標として定めました。また、未来創生アクションとして、グローバル展開、まちの魅力アップ、若者の希望実現、安心子育て、人材の育成の五つのアクションによって札幌の魅力を向上し、企業、人材、プロジェクトを引きつける札幌を実現するとしています。この五つのアクションの方向性に沿い、より具体的な展開が望まれます。
プランの策定に当たっては、経済界や労働団体、学識経験者らで構成する有識者会議からの貴重な提言や、結婚、出産、育児に関する意識調査などを行うとともに、未来を担う将来世代である大学生などが参加した20代、30代中心のワークショップの実施、プランに対するパブリックコメントなどを実施し、多様な意見をプランに反映する試みもなされました。パブリックコメントにおいては19歳以下と20代の若者世代の意見提出数が突出して多く、札幌の未来像を若者世代も真剣に考える契機になったことは、評価できる点だと考えます。
さまざまな考察と取り組みによってつくり上げられたさっぽろ未来創生プランですが、その推進に当たっては、市民・企業・行政などの連携、札幌市の都市機能を生かした北海道内の他の自治体との関係強化、若い世代や女性が
まちづくりに積極的に参加できる取り組みなど、さまざまな主体と連携していくことが肝要です。
そこで、質問ですが、さっぽろ未来創生プランの推進に当たって、さまざまな主体と連携して取り組むために今後どのように進めていくのか、伺います。
次に、持続可能な都市づくりに向けた取り組みについて、2点質問をします。
1点目は、第2次都市計画マスタープランと立地適正化計画についてです。
第2次都市計画マスタープランについては、今後、札幌の人口が減少に転じると予測されているほか、超高齢社会の到来、生産年齢人口の減少による経済規模の縮小などといった社会経済情勢の変化に対応するために現行のマスタープランを見直すものであり、都市づくりの基本目標や、その実現に向けた取り組みの方向性を全市的視点から取りまとめた計画であると認識しています。また、立地適正化計画は、2014年に都市再生特別措置法が改正されたことにより、市町村が策定できるようになったもので、計画には居住誘導区域と都市機能誘導区域を定めることとされています。
札幌市においては、第2次都市計画マスタープランの基本目標を実現するために、市街地内の人口密度の適正化や公共交通を基軸とした各種都市機能の適切な配置を図ることを目的として策定するものと聞いています。この立地適正化計画については、国土交通省によると、現在、220の自治体が策定に向けた取り組みを行っており、その中でも、札幌市を含む3都市が計画案を公表した段階となっており、札幌市が、法改正後、速やかに策定に向けて取り組み、短期間で計画案を取りまとめたことは、一定の評価ができると考えています。さらに、都市再開発方針についても、第2次都市計画マスタープランと立地適正化計画に掲げる都市づくりを推進するために見直すこととし、これら三つの計画は今後の都市づくりにおいて非常に関係が深いことから、一体的に策定作業を進めてきたものと理解しています。これら三つの計画については、2014年度から都市計画審議会に検討部会を設け、これまで13回の会議を重ね、パブリックコメントを実施し、最終的に3月に開催される都市計画審議会で審議された上で年度内に策定する見込みとなっています。
第2次都市計画マスタープランは、これまでのマスタープランとは異なり、人口減少下における都市づくりの方向性を示す初めての計画であることから、今後の持続可能な都市づくりを進めていく上で非常に重要なものになります。基本目標のうち、特に、コンパクトな都市という考え方は、市民・企業・行政などにおいてしっかりと共有すべきものです。
第2次都市計画マスタープランと立地適正化計画に掲げたコンパクトな都市は、一見すると市街地を縮小していく考えのようにも見えますが、昨年の市議会における答弁では、現在の市街化区域全体について居住機能を維持するとのことでした。一方、国の資料を見ますと、コンパクトシティは、医療、福祉、商業などの都市機能を交通結節点の周辺などに集約するために誘導していくとともに、郊外に拡散した市街地を都市の持続性の観点から縮小していくといった、いわゆる都市の縮退を進めていく考えにも受け取れます。このようなコンパクトシティの考え方と、第2次都市計画マスタープランと立地適正化計画で掲げたコンパクトな都市では、国の基本方針と考え方が異なっているように見受けられます。
そこで、質問ですが、第2次都市計画マスタープランと立地適正化計画の基本目標に掲げているコンパクトな都市についての考え方を伺います。
2点目は、都市再開発方針についてです。
札幌市では、1981年の都市再開発方針策定以前から市街地再開発事業に対する支援を行ってきており、再開発事業の目的とされている既成市街地内の良好な住宅供給、地区内の住環境の改善や、防災上、危険な密集市街地等の整備、改善など、市街地の発展に寄与してきたと考えます。また、都市再開発方針は、第2次都市計画マスタープランや立地適正化計画が掲げた方向性を再開発という側面から担う役割を持っていることから、非常に重要なものであると認識しています。
今回の第2次都市計画マスタープランにおいては、各地域交流拠点の特性に応じた都市開発の誘導などが取り組みの方向性の一つとして上げられており、拠点の機能強化を図ることで都市全体の発展につなげていく考えが示されています。また、立地適正化計画の策定に当たっては、実施した地域別の将来人口推計では交通利便性の高い地下鉄駅周辺でも人口減少が予想されることもあり、人口密度の維持、増加を図るために、地下鉄駅周辺の集合型の居住機能を誘導する区域に指定しています。
こうしたことから、都市再開発方針では、これらの上位計画で示された地域交流拠点や地下鉄駅周辺の目指すべき方向性を認識し、都市づくりの目標をいかに実現していくのかが問われるものと考えます。一方、都心部や地下鉄駅の周辺においては、一定程度の機能集積が図られながらも、老朽化した建物が多く存在するため、円滑な建てかえが進むとは考えにくい状況もあります。
そこで、質問ですが、第2次都市計画マスタープランや立地適正化計画に掲げる都市づくりを推進するため、今回の都市再開発方針はどのようなことに重点を置いて見直したのか、また、今後の再開発についてどのような考えを持って進めるのか、伺います。
次に、
円山動物園の運営改善とアジアゾウの導入について、2点伺います。
1点目は、マレーグマ死亡事案に関連する改善計画についてです。
昨年7月に、
円山動物園が飼育するマレーグマの雌が、繁殖のための同居訓練中に闘争によって死亡する事案が発生しました。
円山動物園では、
動物管理センターからの改善勧告を受けて改善計画を策定、実施しておりますが、解決までに一定の時間が必要な中期的課題の検討については、札幌市の附属機関である市民動物園会議に付託したところです。学識経験者や公募市民から成るこの会議において、合計3回にわたる議論を経て、昨年12月22日、市長に対して事案改善に向けた提言が出されました。
この提言では、組織強化のあり方、人材確保・育成のあり方、開園時間と休園日のあり方の3点が示されました。開園時間と休園日のあり方については、動物の体調確認や動物舎の安全点検、職員の情報共有をより綿密に行うための時間を十分に確保する必要があることから、開園時間は一定程度の短縮を図り、休園日は、現状の年末3日間のみの休園日に加え、一定程度の増加を図るべきであるとなっています。いずれの提言も、今後の
円山動物園の運営を左右する大きな事柄であり、市民の関心が高かった本事案であるだけに、札幌市として真摯に対応することが必要ですが、市民動物園会議の提言内容を精査するとともに、現場の実態をしっかりと把握し、改善を進めていくべきと考えます。
そこで、質問です。
さきに発表された2016年度の定数、機構編成の中で、
円山動物園における動物の診療体制の強化を図るとされておりますが、この点を含め、市民サービスに直結する開園時間と休園日の変更など、市民動物園会議からの提言に対する札幌市の対応について伺います。
2点目は、2018年度を目指して準備が進められているアジアゾウの導入についてです。
アジアゾウは、60年以上生きる長寿の動物です。積雪寒冷地の札幌で、象たちが安心して健康に過ごし、繁殖することができるよう、飼育体制や飼育環境を充実し、万全の準備を持って受け入れる必要があります。さらに、このたびのマレーグマ死亡事案とそれに伴う
動物管理センターからの改善勧告を踏まえると、これまでにも増して一層の配慮が求められます。
そこで、質問ですが、2016年度予算案ではアジアゾウ導入に向けた象舎の基本実施計画などの事業費が提案されていますが、具体的にどのように進めていく考えか、伺います。
次に、災害対策について、2点お伺いします。
1点目は、災害の教訓を生かすための取り組みについてです。
東日本大震災の発生から、間もなく5年を迎えようとしています。1月17日には阪神・淡路大震災から21年を迎え、これらの大震災の記憶を風化させないことが重要であると多くの方々が思いを新たにしたところです。
このような中で、札幌市においては、ことし1月14日に、3年半ぶりとなる震度4の地震が発生し、この本庁舎も大きく揺れ、大地震がいつ、どこで起きるかわからないことが改めて認識させられました。札幌市は、自然災害が少ないまちと言われておりますが、世界各地では大雨や地震などの被害が続いており、市民も大きな災害に対する不安を抱いているものと思います。このため、常日ごろから、災害に備え、いかに被害を最小限にとどめるのかという防災の意識を持ち続け、政策や事業に反映させることが市民の不安解消につながるものと考えます。
しかしながら、大災害に直面していない札幌市では、時間の経過とともに、どうしても市民の記憶は薄れてしまい、災害の痛みだけではなく、そこから学んだ教訓も失われてしまいがちです。
そこで、質問ですが、災害の記憶を風化させず、いつ、どこで発生するかわからない災害に対応し、災害から学んだことを教訓として生かすために、どのように考えて取り組んでいくのか、伺います。
2点目は、災害対策本部訓練についてです。
札幌市では、東日本大震災などの教訓を踏まえ、大規模自然災害等に備えた防災、減災に取り組み、災害に強い都市の構築を目指すため、国土強靱化基本法に基づき、札幌市強靱化計画をことし1月に策定しました。札幌市は、道都として政治・経済活動の中心を担っており、災害に強く安全で安心なまちであることが求められています。また、道内を初め、広域災害時の救援や支援についてもその力を十分に発揮することが期待されていることから、札幌市強靱化計画に位置づける施策をしっかりと進める必要があります。
災害発生時には、危機管理対策室と各担当部局が連携して災害対応に取り組みますが、一昨年9月の豪雨対応では、組織としての初動態勢、災害対策本部の運営体制などに多くの課題があることが浮き彫りになりました。さらに、その後の検証作業では、本市の組織及び職員の災害対応力の不足を指摘されたことを受けて、訓練の実施周期を見直し、指揮命令統制、情報収集・伝達、組織運用などの能力強化に向けて、市災害対策本部訓練並びに各区で行う区災害対策本部訓練を毎年実施することに変更しました。
ことし1月22日に5年ぶりに実施された市災害対策本部訓練は、第3次地震被害想定に基づき、厳冬期の札幌で震度7の地震が発生したとの想定のもと、実践的な訓練を重視し、訓練参加者にはあらかじめ被害状況等を周知せずに行うブラインド型の手法を取り入れ、各訓練場には専門的見地から客観的評価を行う外部評価員を配置するなど、9月の豪雨対応の経験を生かした実践的な訓練を行いました。
そこで、質問ですが、9月の豪雨対応の検証を踏まえ、札幌市としてどのような課題認識のもとで訓練に取り組まれたのか、また、今回の訓練から得られた経験を今後どのように生かしていくつもりか、伺います。
次に、障害者差別解消法に関する施策について、3点伺います。
1点目は、民間事業者を含めた市民全体の普及啓発についてです。
2016年4月1日から、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が施行されます。障害者差別解消法では、国民の責務として、全ての国民が障がいを理由とする差別の解消の推進に寄与するよう努めることを定めることとともに、国及び地方公共団体の責務として、障がいを理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、実施することが定められています。
札幌市は、国が2015年2月に定めた基本方針に基づき、障害者差別解消法を踏まえた札幌市の対応方針を定め、共生社会の実現に向けた札幌市職員の接遇要領の制定や相談窓口体制の明確化、地域協議会の設置など、施行に向けての整備を進めていると聞いています。
一方、実施に当たり、まだまだ課題は多いと言わざるを得ません。何が差別か、合理的配慮はどのように提供すべきかについては、実際の場面では個々の状況に応じて事案ごとに判断するとされており、明確な基準が示されているわけではありません。また、事業者については、各省庁が事業分野ごとにガイドラインを策定しているとのことですが、周知やサポート体制をどのように行うのかなどの課題も残されています。
差別という言葉を耳にすると、糾弾や告発などの厳しい状況を連想する方も多いのが現実です。しかし、私は、この法律の施行は、一人一人の個性を大切にし、差別を受けている人たちの声をしっかり受けとめ、お互いに思い、尊重する共生社会の実現へと大きく一歩を踏み出すものであり、市、事業者、そして、法の直接の対象となっていない市民も含めて、一体となって取り組むことが求められていると考えます。
そこで、質問ですが、今後、特に民間事業者を含めた市民全体への障害者差別解消法の趣旨等の普及啓発についてどのように進めていく考えなのか、伺います。
2点目は、行政機関や施設での合理的配慮の提供についてです。
合理的配慮とは、障がいのある人から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合には、過重な負担を要する場合を除き、障がいのある人にとって日常生活や社会生活を送る上での障壁を取り除く配慮のことです。
さきに述べたように、札幌市では共生社会の実現に向けた札幌市職員の接遇要領を策定し、市職員がこの要領に沿った対応を行います。これまでのように、障がいのある人への対応は社会福祉部門ということではなく、行政サービスの分野で具体的に障がいのある方への合理的配慮を提供するためには、法律の趣旨、職員の接遇要領の内容や障がいの基本的な理解が十分に浸透するよう継続的な研修が必要です。特に、学校などの教育施設や小規模公共施設などにおいては、移動やコミュニケーションを支援するための設備や機器が不足していることも多いことから、十分に配慮された対応ができるように考えなければなりません。
そこで、質問ですが、施設や行政機関での合理的配慮への対応についてどのように考えているのか、伺います。
3点目は、(仮称)札幌市手話・障がい者コミュニケーション促進条例についてです。
同条例は、障がいのある方のコミュニケーション支援の一環として、制定に向けた具体的な検討に着手されたと聞いております。情報取得やコミュニケーションに困難を抱える方がひとしく社会参加ができる社会環境の整備を促進することを目的とされており、我が会派としてもその必要性を強く認識しています。
障害者の権利に関する条約や障害者基本法においては、手話が言語であると明文化されています。条例では、あわせて、聾者だけではなく、情報の取得やコミュニケーションに障がいのある市民全般を対象として情報取得、コミュニケーションの支援の充実を盛り込む予定であることから、多くの障がいのある市民から期待の声が寄せられています。
しかし、その一方で、条例が制定されても実効性があるものになるのかという懸念もあります。札幌市は、条例の検討に当たり、手話・障がい者コミュニケーション検討委員会での意見やその後のパブリックコメントの内容を踏まえながら案をまとめることとしており、既に検討委員会については1回目の会議が終了したと伺っております。当事者たちの意見を尊重する姿勢については評価するところですが、条例が単に理念的な内容にとどまることなく、障がい者がひとしく社会参加ができる環境の整備を促進するためには、実効性のある内容を盛り込むことが必要不可欠です。
そこで、質問ですが、他都市では既に先行して施行されている条例の中には、障がい者に対する具体的な施策が記載されていないものも見受けられますが、どのように実効性のある条例にしていく考えなのか、伺います。
次に、児童虐待防止施策の推進について、3点伺います。
1点目は、児童虐待に対する相談体制についてです。
昨年9月には、手稲区において、4歳の男児が養父の虐待により死亡するという痛ましい事件が起きてしまいました。この事案については、専門家による検証、分析が始まったところと聞いていますが、二度とこのような痛ましい事件が起こらないよう、行政や関係機関、市民が連携して再発防止に取り組んでいかなければなりません。
全国の児童相談所における2014年度の児童虐待相談対応件数は8万8,931件と過去最多となり、札幌市の児童相談所の2014年度の虐待認定件数も1,159件と過去最多の件数となっています。全国的な児童虐待の増加を受け、現在、国においては、児童相談所の体制強化や市町村と児童相談所の役割分担の明確化などについて議論や検討が行われており、近々、児童福祉法などの改正の動きも出ています。
札幌市においても、虐待通告や相談件数の増加によって、児童相談所の児童福祉司など職員1人当たりの件数増やさまざまな負担増が懸念されます。このために、職員が専門性を十分に発揮できているのかどうかについても懸念されます。
また、各区には、子どもの福祉に関する身近な相談窓口として家庭児童相談室がありますが、特に虐待を含む養護相談件数については、相談室が設置された2011年度に1,100件であったのが、2014年度には2,011件と倍近くに増加しています。相談室では、家庭訪問や学校訪問などを実施し、継続的な支援を行っているほか、児童相談所と同様、児童虐待の通告先として子どもの安全確認を48時間以内に行う初期調査にも対応しています。
しかし、家庭児童相談室が設置されて以来、担当職員は主査と非常勤職員のみの体制であり、緊急対応が難しいときは他の職員や児童相談所に応援を頼む場合もあると聞いています。専門的な相談機関である児童相談所に対して、区の家庭児童相談室には、地域の関係機関と連携協力し、児童虐待防止や地域での子どもの見守り支援を率先していく役割が求められる中、家庭児童相談室にも適切な職員配置や専門性を高める研修などの体制強化が必要であると考えます。
札幌市では、2011年に4年間の計画である児童相談体制強化プランを策定し、家庭児童相談室の設置や、24時間365日対応の子ども安心ホットラインの設置、一時保護所の拡充などを推進してきましたが、今後の児童相談体制について改めて検討する時期に来ていると考えます。
そこで、質問ですが、児童相談所や区の家庭児童相談室の体制や児童相談体制の強化についてどのように考えているのか、伺います。
2点目は、要保護児童対策地域協議会についてです。
地域で虐待を受けている子どもなどを早期に発見し、適切な対応を行っていくためには、児童相談所や区役所を初め、学校や保育所、医療機関、警察などの関係機関や、地域の民生・児童委員、青少年育成委員など関係者の日常的な連携協力が必要であり、これら関係機関による子どもを守るネットワークとして、児童福祉法に基づき設置されている要保護児童対策地域協議会の役割が重要視されています。
この協議会では、虐待などにより保護や支援を必要とする子どもたちの状況について情報共有や支援内容の協議を行っていますが、札幌市では、区ごとに年1回の代表者会議、年3回の実務者会議のほか、必要に応じ、個別ケースの検討会議を開催していると聞いています。
国の子ども虐待による死亡事例等の検証結果等についての報告書によりますと、死亡事例の中には、協議会に要保護児童として登録されていなかったり、登録されていても関係機関の情報共有や役割分担が十分に行われていなかった事例があったことが指摘されています。また、全国的な協議会の状況として、虐待件数の増加等により、進行管理するケース数が年々増加し、個別のケースについて関係機関で十分な検討を行えていないとの課題も出ており、札幌市においても、協議会がその機能を十分に発揮しているのかが懸念されます。
現在、虐待ケースや虐待のおそれの高いケースを対象として情報交換や協議を行っているとのことですが、子育てに悩む家庭を地域で支援することが虐待の未然防止につながることを考えれば、今後は、要保護児童のほか、養育支援が特に必要な要支援児童や保護者、養育不安があり見守りが必要な妊婦なども対象として広げていくことが必要であると考えます。さらに、要保護児童対策地域協議会で必要な情報を確実に共有して的確な支援が行われるよう、効果的な運営や活発な活動のできる仕組みづくりが肝要と考えます。
そこで、質問ですが、要保護児童対策地域協議会の機能強化や活性化について、札幌市としてどのように取り組んでいこうと考えているのか、伺います。
3点目は、社会的児童養護の推進についてです。
子どもが虐待を受けたり、養護事情で保護者が子どもを育てることが難しい状況になったとき、公的な責任のもとで子どもを保護し、養育するのが社会的養護の考え方ですが、その大きな役割を担っているのが児童養護施設や乳児院といった施設です。厚生労働省の調査では、児童養護施設に入所している子どものうち、約6割が虐待を受けていたという結果がありますが、虐待を受けて心に傷を負った子どもたちへの専門的なケアや親子関係の再構築支援を行うことなど、社会的養護には量だけではなく質の充実も求められています。
現在、札幌市では、常時、約700人の子どもたちが児童養護施設や里親などのもとで生活をしています。施設では、入所している子どもたちに対し、自立に向けた適切な生活習慣などの指導や、進学のための学習指導、就職のための就労支援など、施設ごとに工夫して取り組まれていると聞いています。しかし一方では、施設で育った子どもが成人して家庭や子どもを持ったときに、これまで食事をつくった経験がなく、子育てや家事に不安を抱えているといった話も聞きます。より家庭的な環境の中で育つことは、子どもの成長や人格の形成、その後の人生にとって非常に大切なことであると思います。
国では、この施設養護をできる限り家庭的な養育環境の形態に変えていく必要があるとして、施設の小規模化と家庭的養護を推進する方向性を示し、社会的養護体制の割合について、施設が全体の約9割、里親が約1割となっている現状を、児童養護施設等の本体施設を3分の1、地域における小規模のグループホームを3分の1、里親及びファミリーホームを3分の1とする将来像を示しています。国の方針に従い、北海道では、2029年度までに社会的養護体制を国と同様の割合にすることを目指す家庭的養護の推進計画を昨年3月に策定したところです。
そこで、質問ですが、家庭的養護の推進に向けた社会的養護体制の整備について、どのような目標を持って具体的に整備を進めていく考えなのか、伺います。
次に、子どもの貧困対策について、2点伺います。
1点目は、子どもの貧困の実態把握についてです。
札幌市は、アクションプラン2015の主な事業の一つとして、2017年度中に(仮称)子ども貧困対策計画を策定することを掲げました。先月25日に開催された札幌市子ども・子育て会議において今後のスケジュールについて報告がなされ、具体的には同会議の児童福祉部会で議論していくとのことです。この計画の策定に当たっては、来年度予算案では、子どもの貧困対策実態調査として約2,000世帯への市民アンケートの実施や関係団体へのヒアリングを行うこととしており、子どもの貧困対策の推進に向けた取り組みが始まることになります。
札幌市は、全国と比較して被保護世帯やひとり親家庭の割合が高い状況にあるなど、厳しい環境にある子どもたちが多いものと考えられます。そのため、調査の際には、このような厳しい環境にある当事者の声をよく聞きながら、実態の把握に努めることが不可欠です。また、アンケートにおいてどのような調査を行うかによって、その後の施策展開にも大きな影響があると考えます。
そこで、質問ですが、このアンケート調査や関係団体へのヒアリングではどのような調査を行う考えか、伺います。
2点目は、今後の施策展開についてです。
さきのアクションプラン及び来年度予算案では、同じく子どもの貧困対策の強化の一つとして、児童福祉施設に入所する子どもが大学などに入学する場合、進学に際し、必要な経費及び生活費などを支給する大学進学等奨励給付事業が計上されています。この事業費の計上については、札幌市として子どもの貧困対策においてできる取り組みから優先して進めている一つの姿勢として評価できます。
一方、生活困窮者自立支援法を初めとするその他の法定事業以外でも、子どもの貧困対策に資するさまざまな取り組みがあります。例えば、国の子供の貧困対策に関する大綱では、学校をプラットホームとした総合的な子どもの貧困対策の展開として、スクールソーシャルワーカーの配置の推進等による、学校を窓口とした福祉関連機関などとの連携強化がうたわれています。また、具体的な対策を推進していくためには、このような学校と行政との連携だけではなく、企業、NPOや身近な地域組織などとも協働しながら取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、こうした取り組みを見据え、今後どのように子どもの貧困対策に取り組んでいく考えか、伺います。
次に、保育と幼児教育における人材確保について、2点伺います。
1点目は、来年度開設される(仮称)保育士・保育所支援センターについてです。
先日示された2016年度予算案では、保育定員の755人分拡大など、積極的な待機児童対策が引き続き盛り込まれています。この取り組みなどにより、ことし4月時点における国定義の待機児童解消はもちろん、今後は、国定義に含まれていない、例えば特定の保育所などのみを希望し、入園できていない児童等の解消促進も期待しています。
その一方で、首都圏を中心とした保育士不足が札幌市においても顕在化してきています。この保育士不足という状況に対し、昨年の第3回定例市議会決算特別委員会での我が会派の質問に、札幌市としてはアクションプランにおいて保育士・保育所支援センターの設置などの対策を検討しているとの答弁があり、このたびの予算案にもセンター設立に係る経費が盛り込まれました。
このセンターの役割は、潜在保育士の掘り起こしや再就職支援、求人のある保育所と求職者のマッチングなどを予定していると聞いており、その効果については大きな期待を寄せています。こうした人材の確保やマッチングといった機能はハローワークなど既存のさまざまな機関が担っていることから、これらの機関との役割分担を明確にすることが重要だと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市として、どのような認識のもと、このセンター設立を予算に盛り込んだのか、また、このセンターの役割は、ハローワークなど職業紹介を行う既存のサービスと比べてどういった特色があるのか、それぞれ伺います。
2点目は、保育と幼児教育分野における人材の確保の考え方についてです。
同じく、2016年度予算案には、我が会派が来年度予算編成に対する要望書の中で項目として取り上げていた、私立幼稚園等特別支援教育事業の補助対象拡充が盛り込まれました。このことにより、近年、増加傾向にある特別な支援を要する幼児の教育環境がさらに充実していくものと大いに期待をしているところです。
また、国においては、来年度からの公定価格の見直しの中で、新年度に移行した大規模な幼稚園に対して、公定価格に算入できる人件費を増加する方向で検討していると聞いています。これらの動きは、保育所のみならず、幼稚園においても、質の向上を目的とした人材確保が求められていることを示しています。
2015年度から子ども・子育て支援新制度がスタートしたことなどを契機に、札幌市における認定こども園の数も年々増加傾向にあり、4月には14施設ふえて合計37施設となります。こうした状況を踏まえると、秋元市長が掲げる女性が輝き子どもたちが健やかに育つ街の実現のためには、保育所や幼稚園、あるいは認定こども園といった施設の形態にかかわらず、いずれもしっかりと保育や教育の質を担保する必要があり、そのためには、現場で必要とされる人材をしっかり確保できるよう、行政としてもサポートしていくべきと考えます。
そこで、質問ですが、保育所や幼稚園など、保育、幼児教育の現場における人材の確保に向けた考え方について伺います。
最後に、在宅介護の充実と介護人材確保策について、2点伺います。
1点目は、在宅介護サービスの充実についてです。
2015年度の介護保険法改正により、特別養護老人ホームの入所要件は、原則、要介護3以上に変更され、札幌市内の待機者は6,140人から4,555人となりました。その中には、要介護度が重度で、なおかつ介護者がいないなどの理由により、緊急性が高いとされる方が1,200人程度含まれており、制度上の待機者数は減少したとはいえ、特養の入居をめぐる環境は依然として厳しい状況にあります。
一方、民間主導による高齢者向けの住居としては、サ高住と呼ばれるサービスつき高齢者向け住宅といった施設があり、札幌市はその整備数が全国的にも高水準となっています。その理由としては、札幌市の特性でもある積雪寒冷地といった厳しい気象条件や、市外からの高齢者の流入などがあると考えられます。
介護状態が中・重度であるにもかかわらず、特養に入居できない高齢者の中には、自宅で在宅介護サービスを受ける方と、サ高住などの高齢者向け集合住宅に住みながら個別の介護サービスを受けている方がいて、サ高住が一定程度特養の機能を補完する役割を果たしていると言えます。
訪問介護と訪問看護の双方のサービスを24時間体制で受けられるサービスである定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスは、高齢者向けの集合住宅に併設されている場合が多く、現状ではサービス利用者の大半が当該集合住宅入居者となっています。今後、さらなる高齢化が進む中、住みなれた自宅や地域で必要な介護サービスを在宅のまま受けることができるようにすることは、高齢者やその家族にとって大変有効な手だてとなるものであり、札幌市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の中でも在宅介護サービスに対する需要は今後も一定程度ふえていくと見込まれています。札幌市が進めている特養の整備はもちろん重要ですが、施設介護とあわせて、在宅においても高齢者が安心・安全に生活できるように、24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスなどのさまざまな在宅介護サービスの充実を図ることが必要だと考えます。
そこで、質問ですが、在宅介護サービスの充実をどのように図っていく考えなのか、伺います。
2点目は、介護人材の確保についてです。
高齢化の進展に伴い、介護サービスの需要の増加は不可避の状況ですが、安定的に介護サービスを確保していくためには、介護人材の確保が重要な課題の一つです。2015年8月に公表された公益財団法人介護労働安定センターが実施した2014年度介護労働実態調査によれば、介護サービスに従事する従業員が不足していると回答した事業所は全国で59.3%となっており、札幌においても介護人材不足の問題は深刻で、その窮状をよく見聞きします。また、厚生労働省が昨年示した介護職員の需給推計では、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、253万人の介護職員が必要と推計されていますが、確保できる職員は215万人にとどまり、約38万人が不足する見通しです。介護人材を継続的に確保するためには、働きやすい職場をつくるとともに、職員の処遇改善を図ることで離職を防ぎ、職場への定着を図ることが必要です。
そこで、質問ですが、介護職員を確保するために、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終了します。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(恩村一郎) 答弁を求めます。
町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 11項目にわたるご質問でございます。私からは、1項目めの本格予算編成に対する基本的な考え方について、2項目めの機構改革について、3項目めのさっぽろ未来創生プランについて、それから、飛びまして6項目めの災害対策についてお答え申し上げます。そのほかにつきましては、板垣副市長と吉岡副市長からご答弁させていただきます。
まず、1項目めの本格予算編成に対する基本的な考え方についてでございます。
平成28年度予算は、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街の実現に向けて、秋元市長が初めて編成する本格予算でございます。具体的には、福祉、医療、介護などの社会保障関連の取り組みについてさらなる拡充を図ったほか、経済の活性化や子育て支援、これからの札幌のまちを再構築する建設事業など、未来への投資となる取り組みも盛り込んだところでございます。
扶助費の増や、アクションプランで想定していた札幌のまちを再構築する建設事業の増により、予算規模は大きくはなっておりますが、財政規律については、中期財政フレームによりアクションプラン期間全体を通じて堅持していくこととしており、中期財政フレームとの比較では、基金の取り崩し額や市債残高は想定を下回る見込みとなっているところでございます。しかしながら、今後の建設事業の推移によりましては、後年次の市債償還額が増加し、財政の硬直化を招くおそれもあることから、引き続き、将来に過度な負担を残さないよう、バランスを重視した持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
次に、2項目めの機構改革についてのご質問でございます。
1点目の市政の総合的な企画調整機能についてでございますが、複数の部局にかかわる課題に対しましても、まずは、各部局が主体的に連携しながら、それぞれの役割をしっかりと果たしていくことが重要でございます。その上で、市政の総合的な企画調整機能につきましては、新設される
まちづくり政策局において担っていく考えでおります。
次に、スポーツ局新設の目的についてでございます。
冬季オリンピック・パラリンピックや国際スポーツ大会招致の機能を強化するとともに、これらの大会の招致、開催に向けた取り組みにつきましては、今後の
まちづくりの大きな起点として位置づけていきたいと考えております。さらに、誰もが生涯にわたり健康や生きがいを得ることができるような取り組みを進めるなど、スポーツを通じた札幌の
まちづくりを総合的に推進するため、スポーツ局を新設するものでございます。
次に、3点目のさっぽろ未来創生プランについてのご質問でございます。
さっぽろ未来創生プランの推進に当たりましては、これまでも、民間企業と連携したワーク・ライフ・バランスの推進を初め、地域の方々との連携による子育て支援活動や、北海道や周辺市町村と連携した地元定住や結婚への支援などに取り組んでいるところでございます。今後は、プラン策定時に設置しました有識者会議の活用も視野に入れ、経済団体、金融機関、仕事と子育てを両立して活躍されている女性など幅広い分野の有識者から意見を伺いながら、さまざまな主体との連携をより一層広げ、オール札幌で取り組んでまいります。
次に、6項目めの災害対策についてでございます。
1点目の災害の教訓を生かすための取り組みについてのご質問でございます。
災害の記憶を風化させず、教訓を生かすため、災害から学んだことを地域防災計画や各種運用マニュアル等に反映してきたところでございます。また、市民を対象にパンフレットや地域のラジオなどの幅広い媒体を活用した普及啓発、各種研究や訓練を行ってきたほか、東日本大震災が発生した3月11日前後には、国、道、民間企業などと連携し、防災イベントも行っているところでございます。災害の教訓を市民と共有するとともに、地域活動にも反映し、定着させていくことが重要と考えていることから、今後も、さまざまな機会を捉えて効果的な普及啓発などに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、災害対策本部訓練についてのご質問でございます。
一昨年9月の豪雨対応では幾つかの課題が挙げられておりますが、それらは、訓練を含め、災害対応の経験を持つ職員が少ないことに起因したものと認識しております。そのため、今回の訓練は、実際的な災害対応を経験し、理解を深めることを主眼に臨んだところでございます。外部評価員からは全般的に良好な評価を得ており、防災関係機関や報道機関にも参加いただいたことで連携体制の確認ができたほか、本番さながらの記者会見など、貴重な体験が得られたと認識しております。
現在、訓練の検証を行っており、今後、その結果を各種マニュアル等に反映するとともに、防災関係機関等との一層の連携にも努めるなど、災害に備えてまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(恩村一郎) 板垣副市長。
◎副市長(板垣昭彦) 私からは、7項目めの障害者差別解消法について、8項目めの児童虐待防止施策の推進について、9項目めの子どもの貧困対策について、10項目めの保育と幼児教育における人材確保について、11項目めの在宅介護の充実と介護人材確保策についての全5項目についてお答えを申し上げます。
まず、7項目めの障害者差別解消法についてであります。
まず、民間事業者を含めました市民全体への普及啓発についてでありますけれども、障害者差別解消法の趣旨などを幅広く普及啓発することは、共生社会実現のためにも極めて重要だというふうに考えております。今回定めました札幌市の対応方針につきましても、行政が率先して取り組む姿を広く市民に周知することもその目的としているところでございます。
具体的な普及啓発の方法でありますが、札幌市の対応方針等に加え、各省庁が業種別に定めております対応方針につきましてもホームページ等で広く周知を図っていくほか、また、障がい種別ごとの合理的配慮の例などを記載しました市民や民間事業者向けのパンフレットを作成いたしまして、来月上旬には札幌市の全ての登録業者約6,000社に郵送する予定となっております。さらに、外観からは障がいがあるとわかりづらい方などが周囲の方から合理的配慮を受けやすいよう身につけるヘルプマークなどの制度導入についても、検討に着手したところでございます。これらの取り組みなどを通じまして、札幌市全体において障害者差別解消法の目的であります共生社会の実現を目指してまいりたいというふうに考えております。
次に、行政機関の施設での合理的配慮の提供についてでありますけれども、障がいの有無にかかわらず、相手方への思いやりを持って、最大限、丁寧な対応を行うことが札幌市職員の基本的な姿勢であるというふうに考えております。引き続き合理的配慮の提供を行いやすい環境の整備を進めてまいるほか、全ての職員への研修を実施するなどにより知識の向上に努めまして、障がいのある方への対応について十分配慮できるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
(仮称)札幌市手話・障がい者コミュニケーション促進条例についてでありますが、この条例は、情報取得やコミュニケーションに困難を抱える障がい者の方がひとしく社会参加できる環境の整備を促進することで共生社会の実現を図ろうとするものであり、実効性のあるものとする必要があるというふうに認識しております。
既に条例を制定した自治体におきましては、施策を推進するための計画や協議会を設けるなどの例がありますことから、これらを参考にするとともに、現在行われております検討委員会のご意見なども踏まえながら、しっかり検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、8項目めの児童虐待防止施策の推進についてであります。
まず、児童相談体制についてでありますが、児童虐待を初め、子どもに関する養護相談の件数が増加していることから、児童相談所はもとより、身近な相談窓口となっております区の家庭児童相談室の役割が一層重要になっているということは十分認識しているところでございます。
そのため、平成28年度から区の家庭児童相談室に担当係長を配置するほか、7区には一般職を増員いたしまして、区の相談体制を強化する予定となっております。さらに、28年度中に策定する予定の(仮称)児童相談体制強化プランの中で、第2児童相談所の必要性も含めまして児童相談体制の強化に向けた検討を進め、子どもたちの安全・安心を守る環境整備を目指してまいりたいというふうに考えております。
次に、要保護児童対策地域協議会についてでありますが、この協議会は、児童虐待の未然防止や早期発見のほか、配慮を要する子どもたちや子育てに不安を抱える世帯を地域で見守るため、非常に有効なネットワークであるというふうに認識しております。
そこで、体制を強化いたします区の家庭児童相談室におきまして、協議会のきめ細かな進行管理や効率的な運営など、事務局機能をしっかり果たしていくことにより、全体の機能強化を進めてまいりたいというふうに考えております。
さらに、虐待を受けた児童に限らず、今後は、一般的にハイリスクと言われております特定妊婦等も含めまして、養育に不安を抱える家庭にも支援を拡大していくほか、個別ケース検討会議の充実を図るなど、協議会の機能の強化にも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
次に、家庭的養護の推進についてでございます。
札幌市におきましても、北海道の推進計画を受けまして、社会的養護体制整備事業をアクションプランに盛り込んだところであります。国や北海道の方針などに沿いまして、平成26年度の札幌市の児童養護施設の割合71%、地域の小規模グループホーム4%、里親、ファミリーホーム25%となっている割合を、平成41年にはそれぞれ3分の1とすることを目指してまいりたいというふうに考えております。そのため、まずは、平成31年度までに児童養護施設の小規模化を伴う改築工事など3カ所、グループホームの新設7カ所の整備補助を行うほか、里親への委託も推進しながら家庭的養護の充実を進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、9項目めの子どもの貧困対策についてであります。
子どもの貧困の実態把握についてでありますけれども、これから実施いたしますアンケート調査では、無作為抽出をいたしました札幌市内約2,000世帯の子育て世代を対象にいたしまして、世帯構成や住宅の状況はもとより、就業や所得の状況、子どもの学習環境などを調査項目として想定しております。また、関係団体へのヒアリングでは、貧困状態にある子どもやその家族の状況を把握するとともに、必要となる支援策等について意見を伺う予定でございます。これらの調査結果を踏まえ、計画の策定を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、今後の施策展開でありますけれども、子どもの貧困対策においては、ご指摘のように、行政のみならず、学校や身近な組織が相互に緊密に連携しながら対応していくことが不可欠であるというふうに考えておりまして、今後、具体的な対策を進めるに当たりましては、そうしたことを十分に念頭に置きながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
次に、大きな10項目めの保育と幼児教育における人材確保についてであります。
まず、保育士・保育所支援センターについてでありますが、1点目の設立に当たっての認識についてであります。
札幌市の周辺市町村を含んだ地域におけます保育士の有効求人倍率を見ますと、平成27年9月時点では1.5倍となっておりまして、その前年同月の1.1倍の状況と比較しまして、保育士の採用は一層困難になっている状況だというふうに言えると思います。また、今後も認可保育所の新設等を進める予定でありますことから、保育士の確保対策は必須であり、センターの設立を予算案に盛り込んだところでございます。
2点目の既存サービスと比較した特色についてでありますけれども、関係団体等との密接な連携や保育事情に精通した職員の配置により職場体験をあっせんすること、そして、個々の希望に合った情報発信を行うことができるというふうに考えております。さらには、面接日の調整や、結果連絡を速やかに行うよう求人側に促すなど、きめ細かな対応を行いまして利便性を向上させ、求職者が利用しやすいサービスを提供してまいりたいというふうに考えております。
次に、保育と幼児教育分野における人材確保の考え方についてであります。
新卒者はもとより、保育士などとして働く意欲を持つ有資格者が、その能力と技術を生かしてより多くの場で活躍できるよう、環境を整えることが重要であるというふうに認識しております。具体的には、求職者を円滑に就業に結びつけられるようマッチングの場を充実することや、保育士などの養成施設や関係団体との連携の上、人材情報の蓄積などに取り組んでまいりたいというふうに考えております。さらには、現職の保育士などがより長く働きやすい環境を整えるための取り組みなど、国の制度の動向を踏まえながら、さまざまな面から人材確保に資する支援を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
11項目めの在宅介護の充実と介護人材の確保方策についてであります。
まず、在宅介護サービスの充実についてでありますが、札幌市といたしましては、高齢者が中・重度の要介護状態になっても住みなれた地域で安心して在宅生活を送れるようにすることが重要であるというふうに考えております。そのために、今後は、医療ニーズや身体状況に応じて柔軟に対応できるサービスなどに重点を置きながら、在宅サービスの確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、介護人材の確保についてでありますけれども、札幌市では、これまで、介護職員のスキルアップや職場環境の改善に役立つ研修を実施することで職員の定着を促してまいりました。さらに、今年度からは、介護事業者が合同で参加する就職相談説明会を開催しているほか、職員の処遇改善について相談に応じる専門家を派遣する事業なども実施しているところであります。今後も、これらの実施状況を踏まえながら、介護職員の継続的な確保を支援し、働きやすい職場環境の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
私からは、以上でございます。
○副議長(恩村一郎) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、4項目めの持続可能な都市づくりに向けた取り組みについて、5項目めの
円山動物園の運営改善とアジアゾウの導入についてお答えいたします。
最初に、持続可能な都市づくりに向けた取り組みについての1点目のコンパクトな都市の基本的な考え方についてでございます。
国の基本的な考え方におきましては、それぞれの都市によって現状や課題が異なりますことから、目指すべきコンパクトシティの姿はさまざまであるとしており、人口減少が進み、人口密度が低くなる都市では、郊外に拡散した市街化区域の段階的な縮小を検討する必要があるとしているところでございます。
一方、札幌市では、今後、人口減少が予測されますものの、おおむね20年後も市街地の人口密度は一定程度維持される見込みでありますことから、市街地の範囲は現状の市街化区域とすることを基本としているところでございます。その上で、それぞれの住宅地におきましては、日常的な生活利便施設を立地し、都心や地域交流拠点におきましては、多くの人が利用する公共施設や商業・医療機能などの集積を図ることとしております。またあわせて、バスネットワークの維持、改善や公共交通機関の乗り継ぎのしやすさも確保する考えとしております。このようなコンパクトな都市の基本的な考えに基づき、今後も、自然と調和したゆとりある郊外や、利便性の高い都心、地下鉄駅周辺など、地域特性に応じた居住環境を形成してまいります。
次に、2点目の都市再開発方針についてでございます。
見直しの重点につきましては、従来の地域の課題を解決するという都市改善の視点とともに、
まちづくり戦略ビジョン、あるいは第2次都市計画マスタープランなどが目指す都市づくりに向けて、新たに民間投資を戦略的に誘導するという視点を加えて見直しを行っているところでございます。
この戦略的な視点では、都心や地域交流拠点、地下鉄駅周辺を重点的に再開発を誘導すべき地区として位置づけ、さらに、札幌市が推進する取り組みを具体的に示し、支援することで都市の魅力を高めることとしております。例えば、地下鉄駅周辺では、民間開発に合わせて駅コンコースに接続するエレベーターなどの設置を誘導していくこととしており、このことにより利便性の向上が図られ、駅周辺の人口密度の維持、増加に寄与するものと考えているところでございます。
あわせて、今後の再開発につきましては、市民・企業・行政がこれまで以上に連携を深め、民間の再開発事業を推進するとともに、新たに既存ストックを活用したリノベーションなどを含め、地域が主体となった
まちづくりを誘発する取り組みを進めてまいります。
次に、5項目めの
円山動物園の運営改善とアジアゾウの導入についてでございます。
1点目のマレーグマ死亡事案に関連する改善計画についてでございますが、組織強化のあり方については、獣医療体制の強化を図るため、新たに動物診療係を設置するほか、獣医師を増員することとしております。
開園時間、休園日のあり方については、動物舎の安全点検や職員の情報共有の拡充など開園準備を万全に整えるために、開園時間の短縮や休園日の増加についてことし4月1日から実施する予定としております。
また、人材育成・確保のあり方については、より高度な専門性を持った飼育員制度への見直しに向けて検討に着手したところであり、しっかりとした飼育体制を整えるべく努めてまいります。
次に、2点目のアジアゾウの導入についてでございます。
象舎の設計につきましては、これまで、海外の寒冷地にある施設の視察や国際的な象の飼育専門家に助言を求め、慎重に検討を進めてきたところでございます。さらに、さきの
動物管理センターからの改善勧告を踏まえ、象のより良好な飼育環境を実現し、象の重要な飼育要素の一つである水辺環境を一年中確保できるよう、プールを、屋外のみならず、屋内にも設置することを検討しているところでございます。平成28年度は、群れ飼育と繁殖推進に適した施設とすべく、また、魅力的な展示によって効果的な環境教育プログラムが実現できる施設となるよう設計を進めてまいります。
私からは、以上でございます。
――
――――――――――――――――
○副議長(恩村一郎) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日2月24日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(恩村一郎) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
――――――――――――――――
○副議長(恩村一郎) 本日は、これで散会します。
――
――――――――――――――――
散 会 午後4時26分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 鈴 木 健 雄
副 議 長 恩 村 一 郎
署名議員 北 村 光 一 郎
署名議員 松 原 淳 二...