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平成27年(常任)総務委員会−11月05日-記録
平成27年(常任)財政市民委員会−11月05日-記録

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  1. 札幌市議会 2015-11-05
    平成27年(常任)財政市民委員会−11月05日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
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    平成27年(常任)財政市民委員会−11月05日-記録平成27年(常任)財政市民委員会  札幌市議会財政市民委員会記録            平成27年11月5日(木曜日)       ────────────────────────       開 会 午前11時     ―――――――――――――― ○小川直人 委員長  ただいまから、財政市民委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  都心まちづくり計画素案についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎浦田 都市計画担当局長  本日は、現在策定中の都心まちづくり計画について、その素案を報告させていただきます。  現行の都心まちづくり計画は平成14年度に策定されたものでありますが、ただいまこれを見直し、新たに20年間の計画として検討を進めているところでございます。計画見直しに当たりましては、平成26年度から学識経験者民間事業者から成る策定協議会を立ち上げ、民間事業者を含めた市民皆様方への意向調査もあわせて実施するなど、目標や将来像、取り組み方向性を整理してきたところでございます。今後は、本日の議論も踏まえた上で、展開プログラムなどの検討を行い、計画案を取りまとめ、改めて財政市民委員会にお諮りした上で計画を策定してまいりたいと考えております。  それでは、詳細につきまして、高森都心まちづくり推進室長から説明させていただきます。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  私から、お配りしております資料に基づきまして、都心まちづくり計画素案についてご説明申し上げたいと思います。  それでは、表紙をおめくりいただきまして、資料の1枚目でございます。  まず、資料上段都心まちづくり計画を見直す背景についてでございます。  都心を取り巻く環境は、生産年齢人口減少に伴う経済活力の低下や、災害に強い都市づくりへの社会的要請などの変化が起きてございます。また、札幌を取り巻く社会情勢は、激しさを増す都市間競争への対応の必要や、広域交通アクセス強化の必要、北海道新幹線札幌延伸などの変化が挙げられます。また、オリンピック時期の建物の更新ピークの到来やオリンピック招致の高まりなど、都心まちづくりの新たな機運が芽生えております。そのような中、札幌まちづくり戦略ビジョンなどの新たな上位計画が策定されまして、上位計画に合わせて都心まちづくり計画見直しの時期に来ていると考えているところでございます。  これらの環境が変化する中にありまして、資料に記載の札幌市・都心ポテンシャルを生かし、北海道及び札幌を牽引する都心の役割を果たしていくために、資料上段右側でございますが、ここに掲げるとおり、世界が目を向ける成長戦略の発信、北海道札幌持続可能性を先導する都心強化札幌の風土・気候を活かしたライフスタイルの提案、まちづくり実効性を高める連携・協働を提案という大きく四つの視点を持って計画を見直すものでございます。  次に、都心まちづくりの目標と戦略についてでございます。  都心まちづくりの目標は、記載のとおり、国内外から活力・投資を呼び込む札幌都心ブランドの確立と、コンパクトな都心ライフスタイルワークスタイルの実現の二つを置いております。その上で、都市計画マスタープランに定める札幌市全体のまちづくりの理念であるS・M・I・L・Es(スマイルズ)、つまり、サスティナビリティー、マネージング、イノベーション、リバブル、エコノミー、エンプロイメントを踏まえて戦略的にまちづくりを進めまして、経済成長と低環境負荷の実現を目指すものでございます。
     資料中段の右側に移りまして、都心まちづくりを支える構造の強化についてでございます。  都心まちづくり計画見直しに当たりましては、現行の都心まちづくり計画が掲げる骨格構造、四つの骨格軸、一つの展開軸、三つの交流拠点、五つのターゲットエリアを定めてございますが、これを継承、発展させることとしております。交流拠点のうち、札幌交流拠点につきましては、東方向に拡充し、創成東へ向けたつなぎを考えたものでございます。大通と創世の二つの交流拠点につきましては、一つの交流拠点に再編し、強化するものでございます。次に、五つのターゲットエリアについては、現行の道庁周辺エリア札幌交流拠点と大通・創世交流拠点を包含する都心強化先導エリアとして再設定し、都心まちづくりを先導、牽引していくエリアとして位置づけます。また、大通公園を軸といたしまして、西側につながるエリアについて、ホテルホールなどの交流施設を生かしたまちづくりを行っていくことを目指して、大通公園西周辺エリアとして新たに設定するものでございます。  資料をおめくりください。  都心まちづくりの主な取り組み方向性についてでございますが、A3判資料を四つに分けまして、都心強化先導エリアと二つの交流拠点形成歩行者優先交通環境形成、低炭素市街地形成とみどり豊かな景観の形成、重層的・持続的な都市発展仕組みづくりの4点で整理してございます。  まず、左上の都心強化先導エリアと二つの交流拠点形成についてでございます。都心強化先導エリアにおきましては、高次なビジネス環境整備エネルギーネットワーク形成を速やかに進め、二つの拠点の相互連携相乗効果を生み出し、都心の価値の向上を目指してまいります。札幌交流拠点は、北5西1、西2街区の一体的整備による札幌シンボル空間の創出や、北海道新幹線高速道路へのアクセス強化などを考慮して交通結節点機能強化を図ります。大通・創世交流拠点は、札幌都市文化を育成、体感できる場として整備を進め、創成東へのゲートとなる空間整備を進めてまいります。  次に、左下の歩行者優先交通環境形成についてでございます。ここでは、歩きたくなるまちの実現を目指しまして、都心内における歩行者ネットワーク公共交通自転車駐車場荷さばきなどの一体的な方向性の検討を進めます。また、アクセスしやすいまちの実現を目指しまして、都心高速道路との間のアクセス強化交通結節点機能強化を図ってまいります。  次に、右上になりますが、低炭素市街地形成とみどり豊かな景観の形成についてでございます。ここでは、都市計画や再開発と連動した世界水準グリーンビル化推進エネルギーネットワーク形成を図るほか、河川、公園、緑地等を結ぶネットワーク形成を図ってまいります。  続きまして、右下でございますが、重層的・持続的な都市発展仕組みづくりについてでございます。ただいま説明してまいりました都心骨格構造ターゲットエリアに基づくそれぞれの取り組み官民一体となって進めていくために、札幌市、専門家民間企業などによりますプラットホームを形成して、戦略や課題を共有した上で都心の一体的なマネジメント推進を図ります。また、エリアごとマネジメントにつきましても、これまで培ってきた札幌駅前通まちづくり会社大通まちづくり会社取り組みの深化を通して推し進めるものでございます。  資料にはございませんが、今後の進め方でございます。  本日の財政市民委員会の議論も踏まえた上で、速やかに関係事業者団体等意向調査、ウェブによる市民意見の調査などを行いまして、展開プログラムを含めて計画案をまとめた段階で、再度、当委員会でご議論いただく予定でございます。その後、パブリックコメントを実施いたしまして計画を策定していく流れになる予定でございます。 ○小川直人 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆村松叶啓 委員  それでは、私から質問させていただきます。  ただいまご報告のありました計画素案によりますと、昭和47年の札幌冬季オリンピックのときに建設された建物の更新ピークの到来を踏まえ、北海道新幹線札幌延伸を見据えた上で、世界が注目するビジネス交流強化エリア形成を目指していくということであり、その進むべき方向については期待したいと考えているところであります。ただ、その一方で、札幌都心部だけが発展するという発想では、バランスを欠き、北海道を牽引する道都としてどうあるべきか、札幌市の10区それぞれが特色を出しながら発展していくためにどうあるべきかという視点も欠かせないものであると考えます。  そこで、3点ほど質問させていただきます。  まず、これまでも、駅前通地下歩行空間創成川公園整備など、都心にはかなりの公共投資をしてきたと考えます。都心札幌を代表する顔であることは理解できますが、札幌市全体のまちづくりを考えますと、都心に重点を置き過ぎると都心ばかりが発展し、市民が実際に生活する地区が取り残されていくのではないかという不安を与える懸念もあると思います。都心まちづくり計画においては、都心の発展ばかりではなく、札幌市全体の発展といった目線も非常に重要であると考えます。  そこで、質問いたしますが、今回見直す計画において、都心まちづくり札幌全体の発展にどのように貢献していくのか、お伺いいたします。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  今回の見直し計画について、都心まちづくり札幌全体の発展にどういった役割で貢献していくのかというご質問かと思います。  新たな都心まちづくり計画につきましては、都心の持つオフィス商業施設の集積、公共交通結節点であるなどのポテンシャルを生かしていくことで、都心だけが発展するのではなく、北海道札幌経済産業活性化を牽引する役割を果たしていくべきというふうに考えております。そのため、国内外オフィス機能の誘致を支える高次なビジネス環境整備を進めることや、都心と空港とのアクセス機能強化や、北海道新幹線延伸を考慮した交通結節点機能強化により、市内、道内の各地をつなげていくこと等を盛り込んでいくこととしております。私どもとしては、これらの取り組みによりまして、都心強化の効果を北海道札幌全体の発展に貢献させていくことができるものと考えているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  今、交通結節点としての機能強化というようなお話もありましたが、先ほどの説明資料によりますと、アクセスしやすいまちの実現として、都心高速道路間のアクセス強化を図っていくということでした。また、札幌交流拠点において、ただいまもご答弁いただきましたが、高速道路へのアクセス強化を考慮した交通結節機能強化を図るということであり、これは、日常生活ビジネス、物流、観光とさまざまな効果が期待されるものと思います。このような方向性とともに、豊平川通を介した南方面からのアクセスを考えると、創成川通は、南北からのアクセスをつなぐ通りとしてその重要性を増すものと考えます。  そこで、質問いたしますが、この計画見直し創成川通アクセス強化をどのように考えているのか、伺います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  創成川通アクセス強化についてのご質問でございます。  都心まちづくり計画見直し検討に際しまして、平成26年12月に、投資対象としての札幌都心可能性と課題を探るために、海外の資産運用会社などの民間事業者4社へその意向把握調査を行ったところでございます。その中で、全ての事業者が指摘した投資対象としての札幌の弱みは、都心と空港間のアクセスの弱さというところでございました。このたびの都心まちづくり計画では、札幌北海道経済成長都心まちづくりが下支えするという観点から申し上げますと、都心高速道路とのアクセス機能強化は非常に重要であると認識してございます。  また、創成川通は、都心骨格軸であるだけにとどまらず、札幌の南北の広域ネットワーク機能を向上させるための重要な役割を担っている道路だと考えております。これらの観点から、創成川通アクセス強化は非常に重要と捉えておりまして、計画見直しに当たりましては、創成川通としてつながりの機能を十分に意識したいと考えているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  それでは次に、きょうは新たな都心まちづくり計画についてご説明いただいておりますが、世界が目を向ける都市になっていくことも大切であると思います。  札幌市と姉妹都市提携を結んでいるポートランドでは、日本人マネジャーをキーマンとして、グリーンシティまたはスマートシティとしてのまちづくりを進めており、全米で最も住んでみたい都市とも言われるまでになっております。それらのまちづくりは、情報技術環境技術といった最先端技術まちづくりに取り入れることにより、住民の生活の質の向上や新たな生活様式を普及させるためのものと理解しております。  日本国内においても、そのまちづくりに学ぼうと、不動産開発から上下水道などの基礎的なインフラ整備、そして、スマートインフラと言われるさまざまな先端技術の導入により、高齢者見守りなどの生活サービスの向上や文化芸術の発信ということまでを一貫して行うスマートシティプロジェクトが民間企業を中心として立ち上がっているところであり、国内では、千葉県柏市の柏の葉地区で大きなプロジェクトとして取り組まれているということであります。札幌都心まちづくりに当たりましては、地権者等権利関係も複雑でございますので、それらの大規模再開発などとは同様にならないかもしれませんが、この計画において、スマートシティのような考え方で取り組んでいく必要もあるのではないかと考えます。  そこで、質問いたしますが、都心まちづくり計画スマートシティのような新しい考え方を盛り込むお考えがないのか、お伺いいたします。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  都心まちづくり計画スマートシティのような新たな考え方を盛り込む考えがないかというご質問でございます。  都心まちづくりを進めるに当たりましては、先進的な取り組みの手法を取り入れる必要性が非常に高いと考えております。とりわけ、今のご質問でご紹介がございました姉妹都市ポートランド成功事例につきましては、コンパクトシティ環境先進都市の実現といったスマートシティ考え方を学ぶ姿勢は私どもとしても大切であると考えております。  都心まちづくりは、一から大規模な都市開発を行うこととは異なりまして、既存の市街地をつくり変えながらまちづくりを進めていく、いわゆる再開発となりますため、民間の再開発のタイミングを捉えて実施していくことになります。したがいまして、新たな計画におきましては、エネルギーネットワーク形成によるエネルギーの効率的な利用や歩行者優先交通環境整備による都心交通最適化、さらには、最先端のテクノロジーであるICTを活用した基盤整備などを民間の再開発と連携しながら率先して導入するなど、スマートシティ考え方を積極的に取り込んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  最初の答弁にもありましたが、都心部というのは、オフィス街ビジネス街としての役割が大きいと思います。ですから、都心まちづくり計画における都心整備というのは、ひいては、そのビジネスを通じて札幌市全体の経済成長を牽引することにもつながっていくべきと思います。また、都心以外の地区にもその経済効果を波及していく役割があると考えます。そのためには、札幌らしい美しいまち並み環境負荷の低減に配慮しながらも、交通アクセス強化スマートシティのような新たなものを取り入れた高次なビジネス環境都市空間形成していくことで、都心としての魅力やビジネス街としての価値を高めていくことが重要であると考えますし、また、そのことは、国内外からの企業誘致本社機能の移転、また投資にもつながっていくと考えます。  今後、計画案をまとめるに当たっては、より一層、札幌市の経済発展に資する都心まちづくりを意識して行うことが必要であるということを申し上げまして、質問を終わります。 ◆山口かずさ 委員  私からは、この計画が進む方向性について、端的に質問したいと思います。  世界都市として今後も国内外から多くの人々や企業を引きつけていくために、魅力と活力にあふれた暮らしやすい街さっぽろを実現するためには、札幌市を取り巻く社会情勢を踏まえるとともに、未来を見据えたまちづくり計画が大切であると考えています。ただいま報告の都心まちづくり計画素案が示した経済成長と低環境負荷を両立し、実現していくという方向性について、高く評価しています。  その上で、この計画が進む方向性について、3点質問させていただきます。  ただいま都心まちづくり計画を見直す背景について説明がありましたが、もう一つ、忘れてはならない視点として、この計画秋元市政となって早々に見直しが行われる計画であるということです。我が会派としては、秋元市政を支え、ともに市民のための政策を実現していく立場に立って、この計画についても議論を進めていきたいと考えています。  そこで、質問です。  今回の計画見直し秋元市長の公約との関係についてお伺いします。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  今回の計画見直し秋元市長の公約との関係についてのご質問でございます。  秋元市長の公約におきましては、雇用を生み出す力強い街さっぽろを掲げておりまして、この公約の実現に向けて、今回見直しを行う都心まちづくり計画においても、札幌都市機能の強みとして、企業誘致などを初めとして、国内外からの活力、投資の呼び込みを行っていくことを重要な柱の一つに位置づけております。また、公約におけますMICE施設の充実、あるいは、国内外及び市内のアクセス向上北海道新幹線札幌駅乗り入れなど、都心をステージとした公約が多数ございます。  したがいまして、秋元市長の公約の関係で申し上げますと、新たな都心まちづくり計画は、これらさまざまな公約達成を下支えしていくことを目指して計画を策定したいと考えてございます。 ◆山口かずさ 委員  次に、大通公園西周辺を先導的な展開を担う新たなターゲットエリアとして設定していることについてです。先ほどの説明によると、大通公園を軸として、西に位置するホールホテルなどの交流施設を生かしたまちづくりを展開するために、新たなターゲットエリアとして位置づけていくということでした。  そこで、質問です。  大通公園西周辺エリアターゲットエリアに位置づけた必要性についてお伺いします。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  大通公園西周辺エリアを新たにターゲットエリアと位置づけた必要性についてでございます。  地下鉄西11丁目駅周辺でございますが、裁判所を初めとする国の機関が多数立地しているほかに、質問にもございましたホールホテルなどの交流施設の集積により、大規模な国際会議などが開催されてございます。一方、現在、北1西1で建設中の札幌市民交流プラザのオープン後は、ちょうど大通西周辺エリアに立地しているニトリ文化ホールの閉館が予定されてございます。この後利用の検討を進めるという観点で、改めてまちづくり方向性を検討する必要性が高くなってきていると認識しております。このエリアがこれまで果たしてきた機能を維持するとともに、大通公園の西側の起点といたしまして新たな魅力を加えていくことがこのエリアには求められていると考えておりますことから、新たなターゲットエリアとして位置づけを行うこととしたところでございます。 ◆山口かずさ 委員  3点目は、歩行者優先交通環境形成を行い、歩きたくなるまちの実現を掲げていることについてです。  歩行者環境を充実するために、歩行者自転車自動車荷さばきの共存を整理する必要があるとのことでした。私は、この問題の解決には、都心部通過交通のさらなる減少や、路上駐車対策とあわせて、自転車走行について、都心内で走ってよい場所と押し歩きをするべき場所などについて十分認識してもらうなどの対策が必要だと考えており、しっかりと検討すべき項目と考えているところです。  そこで、質問ですが、今回見直す計画においては、歩行者優先交通環境実現のため、具体的にどのような取り組みを考えているのかお伺いして、私からの質問を終わります。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  歩行者優先交通環境実現のため、具体的にどのような取り組みを行うのかというご質問でございます。  都心部におきましては、自転車の走行と駐輪、自動車の走行と駐車場荷さばきの実施など、限られたスペースの中でそれぞれの機能を確保していく必要がありますが、とりわけ、質問にもございました安心・安全な歩行者空間の確保がまちにぎわい創出などのためにも非常に重要であると考えているところでございます。そこで、関係者が知恵を出し合い、道路空間や時間帯のすみ分けを図ることによりまして交通環境を整理していく考えでございまして、商業者、交通・運輸関係者まちづくり会社、行政などが集まりまして、まずは大通以南商店街地域を中心に検討を始めているところでございます。 ◆前川隆史 委員  ただいま、計画素案についてのご報告を承りまして、何点かご質問したいと思います。  さきの決算特別委員会において、我が会派の好井議員駅前通に関連した質問をさせていただきましたが、先ほどのご答弁にありましたように、札幌都心は高次なビジネス機能が充実した中心地として成長していくという視点は大変大切でございます。それとともに、札幌を訪れる多くの皆様が札幌らしさを感じるようなまちづくり札幌に来てよかったと感じてもらえる空間づくりを積極的に進めていくべきであると考えております。  本日の説明では、歩きたくなるまちを実現していくということでございましたが、私も全く同感でして、まちを歩きたくなるためには、都心の中に訪れてみたい個性的な場所、エリアがあちらこちらに複数存在していることが必要になってくると思います。そうすることによって、今まで札幌に1泊しかしなかった観光客も2泊するようになったり、また、先ほどの村松委員のお話にもあったように、あわせて郊外の観光地の充実を計画的に行っていけば、札幌市の観光地としてのボリュームや魅力も大変大きくステップアップしていくのではないか、このように考えるところでございます。  そこで、2点ほど質問させていただきますが、まず、都心エリアで考えますと、札幌駅前通や大通のある創成川よりも西側は、歩く人が多く、にぎわいも感じられますが、創成川より東側、俗に言う創成イーストは、それらと比べますと、正直、大変寂しいと言わざるを得ない現状だと思います。にぎわいの創出をどのようにしていくかということが大事になると思います。  恐らく、札幌市民にも余り知られていないと思いますが、創成東地区は、個性的な店も多く、歴史的な建物も結構ございまして、歩いてみるとさまざまな発見がある地域だと思います。しかし、余り情報が発信されていないこともあり、大通西地区などと比べると、観光振興を目的とした取り組みエリアとしておくれているという現実もありまして、まだまだ歩いて回っているような人を見かけないのが現実でございます。今後、この地区の魅力を引き出して情報発信等を行うなど、整備を進めていけば大変インパクトが大きく、札幌都心全体の魅力も、点から線へと、そしてまた線から面へと広がって大きく膨らんでいくのではないかと考えるところでございます。その意味でも、創成川の西側から創成東へ人々を導くことが必要となってまいりますので、計画素案にある大通・創世交流拠点において、創成東へのゲートとなる空間整備という取り組みは非常に重要な要素であると思います。  そこで、質問でございますが、創成東へのゲートとなる空間整備はどのように行っていこうと考えているのか、お伺いいたします。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  創成東へのゲートとなる空間整備についてどのようなことを考えているのかというご質問でございます。  現在の都心まちづくり計画の成果の一つといたしまして、創成川公園整備されました。このことによりまして、現実に東西の人の流れが大きく変わったということが挙げられると思います。新たな都心まちづくり計画におきましても、このように人々が積極的に東西を相互に行き交うようなまち並みづくりを継続すべきものと考えております。したがいまして、新たな計画では、先ほどご説明申し上げましたが、再編、強化をする大通・創世交流拠点の目標の一つに東西市街地の連携強化を掲げることとしておりまして、大通公園から創成東へと緑の空間を連続させることなどで西側のにぎわいを東側へも波及させることができるよう、民間開発の動向も踏まえて検討を進める考えでございます。 ◆前川隆史 委員  東西市街の緑の空間の連続性ということで、非常に意味深なお話でございましたけれども、ぜひ進めていただきたいと思います。  続きまして、創成東地区がより魅力を増して多くの人々に来てもらうためにも、玄関口となる空間整備とあわせまして、この地区の魅力をさらに増すまちづくりが非常に重要になってまいります。計画素案においても、取り組みの一つとしてエリアごとマネジメント強化、促進、育成を挙げておられます。創成川よりも西側においては、大通まちづくり会社、また札幌駅前通まちづくり会社の両まちづくり会社がそれぞれ地域の人々と一緒になってまちづくりを行い、まちの魅力アップに取り組んでいるところでございます。創成東においても、昨年度から、まちづくり組織の設立を目指して、地域の人々と勉強会を開催したり、大学とともに発表会を行ったとも聞いております。  そこで、最後の質問でございますが、まちづくり組織と地域の人々がともに行うまちづくりに向けての創成東地区取り組み状況についてお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  創成東地区におけるまちづくり組織と、地域の人々がともに行うまちづくりに向けての取り組み状況についてのご質問でございます。  創成東地区まちづくりを担っていく組織づくりのために、地域住民のほか、昨年度から、同地区で起業している方々とともにまちづくりに関する検討を継続しているところでございます。また、札幌市立大学とも、昨年度から同地区のまちづくりのあり方について共同研究を進めておりまして、先般の11月3日になりますが、中央体育館の外壁に地域住民とともに絵を描くプロジェクトといたしまして、アートイベント「創成東の歴史を題材に壁画を描こう!」を実施するなどしております。  創成東地区におけますエリアマネジメントにつきましては、札幌駅前通地区や大通地区と事情がかなり異なりますため、これらの成果をもとに、いわゆる株式会社形式にこだわらず、同地区の特性に合わせたまちづくり組織を積極的に育成して、都心における重層的な都市発展仕組みづくりを考えてまいりたいと考えてございます。 ◆伊藤理智子 委員  私からも、質問させていただきます。  今後20年間の都心まちづくり計画ということで、非常に重要だと思っておりますけれども、これを見直す背景では、都心を取り巻く課題として広域交通アクセス強化必要性を位置づけています。都心アクセス道路の必要性については、我が党の代表質問で、市長は、まずは混雑している区間も含めた現況の課題などを詳細に把握し、整備形態を想定した上で都心部高速道路を結ぶ創成川通のあり方について検討すると答弁しておりますが、計画必要性を位置づけているということは、都心アクセス道路の整備を既に決定しているという捉え方なのか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  都心アクセス強化の道路整備が既に決定しているのかというご質問でございますが、その必要性は認めるものの、今の段階で整備実施が決定しているわけではございません。 ◆伊藤理智子 委員  必要性を認めるというお話でしたけれども、2010年に公共交通方向性について我が党が質問したときに、当時の総合交通計画部長は、都心部自動車交通の35%を通過交通が占めている、この数を減らすことによってかなりの環境負荷を低減できるのではないかと考えている、環境に配慮しながら市民の暮らしを支えて活力ある都市圏を目指すという答弁をしております。私は、現在の都心まちづくり計画に盛り込んでいる都心アクセス道路は、この考え方に全く逆行するものではないかと思うのですが、公共交通方向性考え方が変わったのか、そういうことで必要性を強調するのかということについて伺いたいと思います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  環境負荷低減と逆行するのではないか、考え方が変わったのかというご質問でございます。  先ほどの答弁で言葉が足りなかったのかもしれませんが、先ほど村松委員のご質問に答弁させていただきましたとおり、投資対象としての札幌都心可能性と課題を探るために資産運用会社等の民間事業者意向把握調査を実施しまして、その結果、空港と都心間のアクセスが弱いことを指摘されました。都心高速道路アクセス強化については、今回の都心まちづくり計画の中で、先ほど来、特に経済成長を支えると答弁しておりますように、国内外から人、物、投資を呼び込んでいくに当たりまして、その機能強化は非常に重要な取り組みだと考えております。ただ、アクセス強化の検討に当たりましては、交通を円滑化し、環境負荷を低減していくという考え方には変わりございませんので、そういったことにも十分配慮しながら、総合的に検討してまいりたいということでございます。 ◆伊藤理智子 委員  そうでしょうか。私はそういうふうには思わないというか、車社会になって道路をつくる、車がふえて渋滞が起こる、渋滞解消のために新しい道路をつくるという繰り返しで悪循環が続いてきました。道路整備を進めるときには渋滞解消や環境対策が理由として出されますが、結果として、道路が整備されたことで便利になった自動車は、走行量がふえて、自動車が原因となる環境問題や渋滞は悪化し続けてきたというのがこの間の課題だというふうに思います。  このような問題を解消させるためにも、都心まちづくり計画には、車社会を見直し都心部への車の乗り入れや通過交通を減らしていく施策に力を入れて取り組むべきだと考えます。都心アクセス道路を整備することで、都心ではさらに自動車がふえていくのではないか、これで環境負荷の低減を進めていけるとは思わないのですがいかがか、伺います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  私ども都心まちづくり推進する立場での都心まちづくり計画の素案でございますが、高速道路とのアクセス強化はもとより、北海道新幹線公共交通といったことも含めて、あらゆる交通手段によりまして都心アクセスしやすいまちを実現するという考え方に立ってございます。その考え方は、都心にぎわいを、市民、道民はもとより、国内外から札幌を訪れる全ての方に感じていただくことを目指すものでございます。今、都心への乗り入れ抑制や通過交通を減少させるということでございますが、公共交通を使用することにストレスを感じる高齢者などもたくさんおりまして、先ほど申し上げたように、あらゆる交通手段によって都心アクセスしやすいまちづくりを目指すという考えでございますので、どうぞご理解いただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◆伊藤理智子 委員  今後20年の計画ですから、あらゆる交通を整備していくということは大事ですけれども、私は、これ以上、アクセス道路に市民の大切な税金をつぎ込むべきではないと思います。歩きたくなるまちの実現を進めていく上でも、整備を進めるべきは、市電の延伸を札幌駅方面や創成川以東地域、桑園地域に具体化して取り組むことが本当に市民が足を運びやすくなり、多くの市民に喜ばれて、高齢者や障がい者も都心に来やすい環境をつくれるというふうに思います。財源も限られておりますし、アクセス道路を整備することになりますと、先ほどの決算特別委員会でもやりとりしましたが、1,000億円かかるという試算も出ております。その中で、国が800億円出すと言っておりますが、国のお金も札幌市のお金も市民の税金ですから、そういうところにつぎ込んでいくということではなくて、本当に多くの市民に喜ばれるところに力を入れていただきたいというふうに思います。  もう一つ、都心まちづくり計画を見直す背景の中で、札幌市の都心ポテンシャルとして地震と自然災害に対するリスクの低さを位置づけていますが、何を根拠にリスクが低いとしているのか。初めから地震と自然災害に対するリスクが低いと位置づけたら、災害に強いまちづくり整備するという考え方が軽視されると思いますが、いかがか。  最近起こっている災害、特に東日本大震災では大きな教訓となっているのは、想定外の災害だったということです。想定外の災害で大切な市民の命を失わないためにも、災害に強い都心まちづくり計画にしていくことが大切だと思います。リスクが低いという考え方のもとで都心に人や物を集中させる計画では、想定外の災害に対応できない計画になるのではないかと懸念しますがいかがか、伺います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  札幌は地震災害等のリスクが低いということでそれを軽視するのではなくて、想定外にも備えた考え方で整理すべきではないかということかと思います。  必ずしも、地震災害が少ない、リスクが少ないことを軽視しているものではございません。これは比較論で、日本国内においては、比較的、地震災害が少ないですが、それに加えまして、やはり想定外への備えということも非常に大事になります。都心まちづくり計画におきましても、それらに備えるまちづくりと申しますか、都心は道内の政治、経済、文化の中心になりますので、想定外の災害等によって機能をストップさせるわけにはいかないという考え方に立ちまして、BCP、事業継続機能強化ということも踏まえて、今回の計画の中で十分にその体制を構築していく考えでございます。  また、それは、先ほど来申し上げておりますが、国内外からの投資を呼び込む売りの一つにもなっていくのだろうというふうに考えてございますので、想定外の災害を軽視するのではなく、そういうことにも耐え得るまちづくりを進めるということで都心まちづくり計画を策定してまいりたいと思っております。 ◆伊藤理智子 委員  この文章では、市民がこの概要を見たときに、札幌市は地震や自然災害のリスクが低いのだというふうに思ってしまって、想定外のことへの対応も大事にして整備していきたいとは受け取れないと思います。そうではなく、今、部長がいろいろ答弁されたような思いがおありなら、概要を見たときに、災害に対してもしっかりと危機管理を持った計画にしているとわかるように進めていただきたいと思います。  都心には、昼間人口平均約7万人、雪まつりの時期で32万人の観光客が訪れており、現在、災害が起こったときに都心に足どめされる本市の帰宅困難者に対応する避難計画を検討しています。しかし、今回の都心まちづくり計画では、リスクの低さを前面に掲げておりますから、都心まちづくりを行っていけば、都心に人や物が集中して、想定外の災害が起こったときに大混乱が起こりかねないと思いますので、そこのところをしっかりと考えて取り組んでいただきたいと思います。  ほかにも、都心を取り巻く環境として、超高齢化社会を迎える上で高齢者の施策が都心まちづくり計画の概要の中に具体的に出てこないことも課題があると思います。さらに、都心まちづくりのプラットホームには市民の姿が全く出てこないというふうに思います。誰のための計画なのか。この計画の概要から見えてくるのは、戦略的に都心の大型開発を進めていくという市民不在の大型公共工事に道を開く計画だというふうにも考えられますので、市民都心まちづくり計画は自分たちのまちづくりなのだともっと思える計画にしていくべきだということを指摘して、私の質問を終わります。 ○小川直人 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○小川直人 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前11時50分...