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平成27年第二部議案審査特別委員会−07月07日-03号
平成27年第一部議案審査特別委員会−07月07日-03号

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  1. 札幌市議会 2015-07-07
    平成27年第一部議案審査特別委員会−07月07日-03号


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    平成27年第一部議案審査特別委員会−07月07日-03号平成27年第一部議案審査特別委員会  札幌市議会第一部議案審査特別委員会記録(第3号)                 平成27年(2015年)7月7日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  長谷川   衛      副委員長   村 上 ひとし     委   員  三 上 洋 右      委   員  勝 木 勇 人     委   員  高 橋 克 朋      委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  よこやま 峰子     委   員  宗 形 雅 俊      委   員  飯 島 弘 之     委   員  北 村 光一郎      委   員  小 竹 ともこ     委   員  村 松 叶 啓      委   員  村 山 拓 司     委   員  福 士   勝      委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  ふじわら 広昭      委   員  恩 村 一 郎     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  小 川 直 人     委   員  山 口 かずさ      委   員  中 村 たけし     委   員  松 原 淳 二      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  涌 井 国 夫      委   員  福 田 浩太郎     委   員  好 井 七 海      委   員  前 川 隆 史
        委   員  わたなべ 泰行      委   員  伊 藤 理智子     委   員  太 田 秀 子      委   員  平 岡 大 介     委   員  堀 川 素 人       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○長谷川衛 委員長  ただいまから、第一部議案審査特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、五十嵐委員からは、遅参する旨、届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第8款 消防費 第1項 消防費の質疑を行います。 ◆村山拓司 委員  消防団の充実強化についてお伺いいたします。  一昨年の12月、議員立法による消防団を中核とした地域防災力充実強化に関する法律が公布、施行されました。この法律は、東日本大震災の教訓を初め、その後も全国各地で頻発する大規模自然災害の発生を受け、こうした災害の被害を軽減するため、地域防災力充実強化を図ることを目的として制定されたものであります。法律では、地域防災の中核を担うのは消防団であり、欠くことのできない代替性のない存在であると明記され、消防団員の処遇改善を初め、装備や教育訓練の充実など、多岐にわたる内容が盛り込まれました。さらに、昨年2月、総務省消防庁の告示である消防団の装備の基準についても改正され、無線機や救助活動資機材などが新たに消防団に必要な装備として追加されたところであります。  この法律を踏まえた対応については、平成26年第1回定例市議会予算特別委員会において我が会派の北村委員が質問したところ、消防局から、消防団の装備については、実際に活動している消防団の声を聞きながら進めることが重要であり、消防団と消防局において必要な装備について検討を開始する、特に、双方向の情報伝達体制確立に向けた本格的な検討を開始するとの答弁があったところであります。  また、札幌市においては、昨年9月、大雨に見舞われ、33年ぶりとなる避難勧告が出されたことは記憶に新しいことと思います。その際は、975人もの消防団員が消防署に参集するなど、災害に即時対応できる体制を確保するとともに、被害が大きかった地域では災害対応も行ったとお伺いしております。こうした状況や法律の制定から2年が過ぎようとしている中、このたび、新たな消防団の装備として無線機が配備される予定となっております。  そこで、1点目の質問ですが、無線機の配備に当たり、これまで消防団とどのような検討を行ってきたのか、お伺いします。  また、2点目の質問ですが、無線機を配備することにより、どのような効果が期待できるのか、あわせてお伺いいたします。 ◎中塚 総務部長  ただいま、消防団の充実強化についてのご質問がございましたので、お答え申し上げます。  まず、1点目は、無線機の配備に当たっての消防団との検討経過についてということでございます。  市内の各消防団長を構成員とする10消防団連合協議会及び各団の本部長を構成員とする札幌市消防団の充実強化に関する検討委員会におきまして、平成25年度から検討を開始したところです。まず、課題の整理を行ったところ、大規模な災害時におきましては、携帯電話の使用が大幅に制限される可能性が高い中で、消防団員がお互いに情報の伝達を行う手段を持っていないことが安全な活動を行う上で一番の課題であると認識されました。その上で、課題を解決するための具体的な装備の検討に移りまして、さまざまな情報伝達の手段について、その性能や費用対効果を踏まえて検討いたしました。このような過程を経て、デジタル簡易無線機特定小電力トランシーバーの2種類の無線機を組み合わせて配備することが極めて有効であるという結論になったものでございます。  ご質問の2点目は、無線機の配備により期待される効果についてはどうかということでございます。  デジタル簡易無線機につきましては、各消防署に立ち上がる消防団の指揮本部消防団員が参集する分団の詰所、あるいは現場などがお互いに情報伝達を行う、いわゆる長距離通信用のものでございます。一方、トランシーバーは、災害現場の中で活動する消防団員がお互いに情報伝達を行う短距離の通信用のものとなります。この長距離用短距離用の二つの無線機を組み合わせることによりまして、大規模災害時に消防団の指揮本部から災害現場消防団員に対して活動の指示、命令及び必要な情報を伝達することができるものでございます。さらに、災害現場消防団員からも現場の状況を消防団の指揮本部へ報告することができるものでございまして、指揮命令系統に従って必要な情報をお互いに双方向に伝達することで、より迅速、的確な災害活動が可能になるものと考えております。  今、私は、現場という言葉を使いました。委員はご存じかと思いますが、消防の世界では「現場」と書いて「げんじょう」と呼びます。ただ、本日は議会でございますので、私からは一般的な呼び方で申し上げさせていただいております。  また、刻々と変化いたします災害現場の状況あるいは気象情報など、重要な情報をタイムリーかつ一斉に周知することで消防団員の皆さんの安全も確保できます。このように、今回の無線機の配備につきましては、大規模災害における消防団の組織的な活動体制の強化とあわせまして、消防団員安全確保という大きな二つの効果が期待できるものと考えているところでございます。 ◆村山拓司 委員  消防団との検討経過、無線機の配備による効果についてはわかりました。  次に、消防団の教育訓練についてお伺いいたします。  今回の法律では、消防団の装備充実のほか、消防団の教育訓練の充実についても盛り込まれております。地域防災の中核として消防団の役割、存在が今まで以上に大きくなる中、その充実強化を図るためには、装備の充実のみならず、教育訓練の充実、すなわち人材育成にも力を注ぎ、この二つを並行して進めることが重要と考えます。  消防団員は、ふだんは仕事や学業を持つ身でありながら、いざ災害が発生すると、その最前線で活動することが求められております。こうした災害活動の礎となるのは、消火訓練各種資機材取り扱い訓練などを初めとする教育訓練ではないかと思います。私自身も、この春、消防団員となりましたが、学ぶことがたくさんあり、まさに教育訓練の重要性を痛感しているところであります。装備を充実するだけでなく、教育訓練にもしっかりと取り組むことで、初めて組織的活動体制が強化され、地域防災力充実強化が図られることとなります。  このたび、消防団に無線機を配備する予定となっておりますが、無線機は、これまでに配備されていない装備であり、消防団員にとっては初めて手にするものです。したがって、配備とあわせて十分な教育訓練を実施しなければ、せっかくの無線機を生かすことはできないものと考えます。  そこで、質問ですが、無線機の教育訓練を含め、地域防災の中核を担う存在である消防団の教育訓練についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎中塚 総務部長  消防団の教育訓練についてのご質問でございます。  教育訓練というのは、火災などの災害対応を初めとして、市民の皆様方に対する防火指導、あるいは応急手当ての指導といった消防団活動を行う上で必要不可欠な知識や技術を身につけるためのものでございます。消防学校で実施する全体研修のほかに、各消防団におきまして、地域の実情に応じて年間の計画を立てて教育訓練を実施しているところでございます。消防団員の皆様方というのは、先ほど委員のお話にもありましたとおり、ふだんは仕事あるいは学業を持つ方々でございまして、教育訓練についても効果的かつ効率的に行っていくことが重要であると認識しているところでございます。  このたびの消防団の充実強化については、大規模災害に的確に対応できる消防団体制を構築することが最終的な目標だと考えておりますが、無線機の配備につきましても、機器の取り扱いのみならず、大規模災害における消防団の役割や運用体制についてもご理解していただくことが重要と考えております。そのため、消防団員の階級や役割に応じて、段階を踏んで体系的かつ重点的に教育訓練を実施させていただき、大規模災害に対応できる消防団の体制を構築してまいりたいと考えているところでございます。 ◆村山拓司 委員  札幌市の消防団は、現在、消防団員約1,900名という組織体制で、災害対応のほか、日常的な活動では防火指導応急手当て指導に積極的に取り組み、住民から高い評価を得ているところでございます。  これからも、消防団と消防局が連携して一貫した教育訓練を継続して実施することで、将来を担う消防団員の育成にしっかりと取り組んでいただくことを要望し、質問を終わります。 ◆好井七海 委員  私からは、ジュニアバイスタンダー育成事業についてお伺いいたします。  この事業については、応急手当て普及啓発の新たな取り組みであると伺っているところでありますが、まずは、市民の応急手当ての受講に関して、2点ほど質問させていただきます。  私は、以前、医療関係の仕事にかかわっており、これまでも定期的に応急手当て講習を受講しております。また、応急手当ての必要性については十分認識しているつもりであります。突然、目の前で意識がなくなり、呼吸も心臓もとまってしまった状態にある重篤な人の救命には、その人のそばに居合わせた方、いわゆるバイスタンダーによる速やかな胸骨圧迫や人工呼吸、さらにはAEDを使用した応急手当てを行うことが重要であります。  札幌市における平成26年の救急車の現場到着の平均時間は6.5分であり、救急車到着までの空白時間帯にいかに早く応急手当てに着手できるかが命を左右する大きな要素となります。この空白時間を埋めるため、札幌市では、市民が応急手当ての技術を学べるように平成6年から応急手当て講習を実施しているようですが、平成17年からは一般市民でもAEDを使用できるようになったことから、AEDの使用を含めた講習内容に変更したと聞いております。また、平成25年から、多くの市民が応急手当て講習を受講しやすい環境を整えるため、時間を気にせず個人で学べるインターネットでのウェブ講習などがあるようですが、救命講習体系が新しくなったこの年の第3回定例市議会決算特別委員会において、我が会派より、4月からの6カ月間でどれくらい受講しているのか質問したところ、ウェブ講習は約1,400人、救命導入講習は約6,100人、救命入門コースは約2,100人であるとの回答をいただいたところであります。  そこで、1点目の質問ですが、あれから2年がたち、現在までにどのくらいの市民が新たな講習を受講しているのか、そして、その実績について具体的にお伺いいたします。 ◎萬年 警防部長  新たな応急手当て講習受講実績についてでありますが、新設した平成25年4月からの2年間で、ウェブ講習は576人増の1,989人、救命導入講習は1万3,972人増の2万77人、救命入門コースにつきましては6,369人増の8,488人が受講したところでございます。 ◆好井七海 委員  応急手当ては、私も毎年受けてきましたが、反復継続した受講が必要であると思います。昨年度実施した市民アンケートでは、以前、講習を受講した方のうち、ぜひ継続して受講したい、または、機会があれば継続して受講したいと継続受講を希望する方が89.9%もいたようです。  そこで、2点目の質問ですが、消防局では、このような方々に対するフォローアップ的な再講習について何か取り組まれているのか、お伺いいたします。 ◎萬年 警防部長  応急手当て講習フォローアップについてでございますが、今年度から実技を中心とした短時間の講習を再受講できるよう、救命実技フォローアップ講習を新たに設け、実施したところでございます。  具体的には、交通の利便性に富む白石区の札幌市民防災センターにおきまして、2カ月に1回の割合で、学校やお勤め帰りの方でも容易に受講できるよう、夕方6時からの約1時間で実施しているところでございます。 ◆好井七海 委員  大変受講しやすい環境を整えていただき、また、受講者数がたくさんふえていることをお聞きして大変安心いたしました。また、新たな技術についても容易に反復してフォローできる体制としたことは、市民がいざというときに自信を持って応急手当てを行うことができ、今後も市民からのニーズに柔軟に応えられるよう工夫していただきたいと思います。  さて、次に、ジュニアバイスタンダーについてです。  昨年の第3回定例市議会決算特別委員会において、我が会派の丸山議員の質問に対して、少年期から救命に対する意識づけを行えるよう、消防局で現在行っている市内の小学校4年生を対象とした「教えて!ファイヤーマン」や中学生を対象としたジュニア防火防災スクールの中で命の大切さを学べる体制を構築したいとの答弁がありました。全国的にも小・中学生普及啓発が進められている中、平成21年には、東京都内で、深夜、就寝中の父親が心肺機能停止状態になったところ、小学6年生の長男と高校1年生の長女が連携して胸骨圧迫を行い、救命したという奏功事例があったと聞いております。  そこで、質問ですが、このたびの補正予算小・中学生を対象にした救命に関する指導の強化及び指導に必要な資機材の購入として650万円が計上されておりますが、消防局では、少年期からの応急手当てについてどのように普及啓発を行っていくのか、また、このことが、今後、将来にわたってどのように展開されていくのか、お伺いいたします。 ◎萬年 警防部長  少年期からの応急手当て普及啓発と将来展望についてでございます。  少年期から命の大切さを学ぶこと、そして応急手当てを学ぶことが重要であるとの視点に立ち、今年度から新たにジュニアバイスタンダー育成事業として、小・中学校において多くの児童や生徒が応急手当ての実技を体験できるよう取り組んでいくところでございます。  具体的には、現在、消防の仕事を学んでもらう小学生向けの「教えて!ファイヤーマン」、中学生向けジュニア防火防災スクールを実施しておりますが、この中で応急手当てのカリキュラムを取り込めるようにするものであり、先般、小学校長会及び中学校長会において説明したところでございます。とりわけ、中学校におきましては、保健体育の授業の中で胸骨圧迫などの実技を中心に実施できるよう、このたび貸し出し用訓練人形の整備を図りたいと考えているところでございます。  このように、学校教育の場において、少年期から応急手当てに関する体験的な学習に取り組むことにより、将来、多くの市民が応急手当てをできるような安全で安心なまちづくりを目指してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆好井七海 委員  より多くの市民が応急手当ての技術を学ぶことが可能となるよう、今後、さらに受講しやすい環境整備に継続的に配慮していただくとともに、救急車が到着するまでの間、速やかな応急手当てが多くの方々に実施され、高い救命率の維持・向上につながるよう尽力していただきたいと思います。これからの時代を担っていく若い人たちが少年期から命の大切さや応急手当ての必要性を学び、技術を身につけることはとても重要な取り組みと評価しますし、このことにより、児童生徒を通じて、ひいては保護者や地域住民応急手当てへの興味や関心の向上につながることが期待できると私は確信しております。そして、将来的には、より多くの市民が行うことで札幌市の安全・安心に大いに寄与するものと考えますので、ぜひとも応急手当て普及啓発を推進していただくことを要望し、質問を終わります。 ○長谷川衛 委員長  以上で、第1項 消防費の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時21分       再 開 午後1時23分     ―――――――――――――― ○長谷川衛 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費危機管理対策室関係分の質疑を行います。 ◆村松叶啓 委員  私からは、札幌都心地域帰宅困難者対策推進費避難場所環境整備費について伺います。  最初に、帰宅困難者対策についてであります。  平成23年3月の東日本大震災の際、首都圏の主要駅などの交通結節点周辺で起きた大量の帰宅困難者による混乱は、大都市における都市基盤整備等の脆弱性を露呈いたしました。この教訓から、国土交通省では、震災時における帰宅困難者等安全確保を図ることを目的に都市再生特別措置法を改正し、都市再生安全確保計画制度を創設したところであります。  これを受け、国や北海道、札幌市、民間企業などで構成される都市再生緊急整備協議会において、昼間の人口や都市機能が集積する都心部を対象とした安全確保計画を平成26年3月に策定しました。この計画では、一斉帰宅の抑制、一時滞在施設等の確保、帰宅困難者等への情報提供の3点を重点的に推進することとされました。また、この計画では、雪まつりの観光客による影響も考慮して帰宅困難者の想定を行っており、その結果は、冬季の平日最大で9万6,000人、そのうち、屋外に滞留を余儀なくされる者の数は、平日最大で3万8,000人、また、休日最大では4万6,000人としております。  そこで、質問でありますが、1点目に、現時点における一時滞在施設確保状況と想定される帰宅困難者に対する過不足について、2点目に、安全確保計画策定後、一時滞在施設の確保を含む帰宅困難者対策についてこれまでどのように取り組んできたのかについて、また、3点目に、今回の補正予算によって取り組む事業の具体的な内容について、以上3点をお伺いいたします。 ◎小田原 危機管理対策部長  帰宅困難者に関して3点ご質問いただきましたので、順番にお答えいたします。  まず、一時滞在施設確保状況についてでございますが、安全確保計画では、地下街、地下歩行空間市民ホールなどの13施設を一時滞在施設に位置づけており、合計で3万9,000人分となっております。想定では屋外滞留者4万6,000人分が必要と考えておりますことから、7,000人分が不足することになります。また、被害状況によっては全ての施設が使用できるとは限らないことからも、さらなる確保が必要と考えているところでございます。  次に、2点目の都市再生安全確保計画策定後の取り組み状況についてでございます。  昨年10月に、計画における対策を適切に運用するための実行組織として、計画区域とその周辺地域に所在するホテルや大規模商業施設を含む民間企業交通事業者、警察などで構成する札幌市都心地域帰宅困難者等対策協議会を設立し、ことし2月には部会において具体的な対策について協議を開始いたしました。  なお、先ほど申し上げました一時滞在施設の不足につきましては、今後、協議会に参加するホテルなど民間施設にもご協力いただき、その拡大を図ってまいりたいと考えております。  最後に、3点目の今回の補正予算により取り組む事業の具体的な内容についてでございます。  民間施設も含めた多くの一時滞在施設を確保するための具体的方策、一時滞在施設の適切な運用体制や外国人を含む観光客などの帰宅困難者へ提供すべき情報の入手、連絡、提供手段、さらには、関係機関の連携方法などの検討を行い、一時滞在施設ガイドライン情報提供ガイドラインの作成を目指すものでございます。 ◆村松叶啓 委員  ただいまのご答弁によりますと、現状では、一時滞在施設の確保に7,000人ほどの不足があるとのことであります。また一方では、ホテル等との協議やガイドラインの作成を進めるとのことでありますので、そういった取り組みに期待するとともに、一層の努力を求めてまいりたいと思います。  また、外国人を含む観光客が帰宅困難者となった場合の情報提供についても検討していくとのことでありますが、今後とも、観光に力を入れていく札幌市にとりましては、多くの方々に安心してお越しいただくためにも必須条件と考えますので、この点にもよりよい工夫を図られるよう求めておきたいと思います。  次に、帰宅困難者対策用応急救援備蓄物資についてであります。  札幌市では、東日本大震災以降、応急救援備蓄物資の増強を進め、食料対策として第3次地震被害想定で算出された最大食料需要数13万3,000人に対して、1人当たり2食分の26万6,000食を備蓄しております。また、寒さ対策として、発災直後の最大避難所生活者の11万700人に対して、寝袋と毛布を1人各1枚ずつ配給できるよう備蓄しております。今回の補正予算では、この食料を1人当たり現在の2食から3食分までふやし、寝袋については性能が劣る旧型の寝袋を高規格型の新型に置きかえるものと聞いております。  そこで、質問いたしますが、これらの応急救援備蓄物資には帰宅困難者への給付分が含まれているか否かについて、また、含まれていないのであれば、今後の備蓄計画の有無についてお伺いいたします。 ◎小田原 危機管理対策部長  帰宅困難者用備蓄物資についてお答えいたします。  これまでの応急救援備蓄物資には、帰宅困難者への給付分は含めておりません。しかしながら、帰宅困難者対策としましては、先ほどお答えいたしました一時滞在施設の確保とあわせて冬期間の寒さ対策も必要と考えております。  このため、高規格型寝袋への更新に伴い、コンパクトで都心部における備蓄に適した圧縮タイプ旧型寝袋とエマージェンシーシートについて、安全確保計画で整備を予定している都心部の倉庫に配備することを計画しているところでございます。また、食料につきましても、現在、賞味期限が5年のものを4年間備蓄した後、5年目を迎えた分を啓発用として各種訓練等で配布しておりますが、今後は、増強により5年目の食料がふえることになりますので、これを啓発用とは別に帰宅困難者用として活用する考えでございます。 ◆村松叶啓 委員  私は、帰宅困難者対策の備蓄に関しては、都心部に所在する企業等に備えを呼びかけていく必要があると感じておりますが、一方で、公的な備蓄も不可欠であると考えております。帰宅困難者用の備蓄についても、ただいま計画があるとの答弁があり、一安心したところでございます。  5月30日に小笠原諸島で発生いたしました最大震度5の地震でも、首都圏では鉄道の運休によって夜半まで相当の混乱が続いておりました。一方、札幌市では、想定する最悪のシナリオが冬季で震度7であることを考えますと、公共交通機関やライフライン停止により帰宅困難者等の混乱はより厳しいものになると考えられます。このため、これからもしっかりと対策に取り組んでいただくよう求めまして、私の質問を終わります。 ◆松原淳二 委員  私から、今回の補正予算に計上されている市災害対策本部の訓練について、何点かお伺いさせていただければと思ってございます。  これまでも、過去の阪神・淡路大震災、そして東日本大震災などを契機に、防災に対する意識というものが高まっています。しかしながら、残念なことに、昨年の御嶽山の噴火、そして広島の土砂災害では多数の死傷者が発生してしまいました。また、5月の口永良部島の火山噴火では、いまだに住民の避難が続いていることなど、国内でも大きな自然災害が次々と発生している状況にございます。  このような中、昨年9月には、札幌市においても大雨の特別警報が発表となり、33年ぶりの市災害対策本部を設置し、土砂災害や洪水の危険箇所に避難勧告を発令するなどの対応がなされてきたわけでございますが、昨今の気象状況を鑑みると、市役所職員の災害対応能力といったものの向上がますます重要であると認識してございます。  そして、阪神・淡路大震災、東日本大震災はともに冬期間に発生した災害で、厳冬期の災害も想定しなくてはなりません。特に、札幌のように3分の1が雪に覆われ、雪とともに暮らす私たち札幌市民にとって、一分一秒の対策のおくれが命に直結する、大きく影響を及ぼすことを意識しながら、災害発生に当たって一刻も早く災害対策本部を立ち上げて、その指揮のもとに取り組み、そして情報収集を行っていかなければいけないと思ってございます。こういった不測の事態に対して、迅速で的確な災害対応を行うためには、平時の訓練の積み重ねが必要であり、その積み重ねによって初めて実践的な行動がなされるものではないかと思ってございます。  そこで、お伺いさせていただきます。  札幌市では、これまでも大規模な地震などを想定した本部の訓練を行ってきたと思いますが、その概要についてお教えください。 ◎小田原 危機管理対策部長  札幌市災害対策本部訓練の概要についてお答えいたします。  本部訓練につきましては、5年に1度実施することとしており、前回は平成22年度に行っております。22年から5年目に当たる今年度も本部訓練を実施する予定でございます。また、市の本部訓練を行わない年度につきましては、持ち回りにより担当区を決め、区災害対策本部訓練を実施しております。市の本部訓練では、本部長である市長を初め、市役所内部組織と防災関係機関が一堂に会し、厳冬期の地震被害を想定した災害時の活動、情報収集・伝達及び関係機関との連絡、連携について、実践に結びつく内容の訓練を行い、防災対応力の強化に努めてきたところでございます。 ◆松原淳二 委員  今の答弁にもありましたが、市の本部訓練が5年に1度ということでは余りにも少ないのかなと私は感じております。  札幌市が定めている地域防災計画は、市民の命、財産を守るため、防災対策はもとより、市民や事業所の役割、また、北海道庁や道警、自衛隊などの防災関連機関や、電気、ガス、電話などのライフライン企業、さらには、他の自治体との連携や協力によって災害に強いまちづくりを進め、大災害にも対応する防災対策の確立を目指すことを目的としております。  昨年9月に発生した豪雨の際には、幸いにも人的な被害は発生しませんでしたが、避難場所開設のおくれ、市民等への不十分な情報提供、職員の参集おくれなどの課題が散見されたと聞いてございます。特に、市からの避難情報については、市民の迅速な避難行動に直結する重要な事柄でございまして、市が実施した豪雨対応の検証でのアンケート結果でも、避難勧告の情報を入手した手段としてテレビが最も多い結果となっていることから、マスコミとの連携協力体制も必要不可欠と考えております。今年度の本部訓練は、地震を想定した訓練と聞いております。昨年9月に発生した雨の課題やアンケートの結果なども十分意識し、この経験を無駄にすることなく、次に生かすための訓練にする必要があると考えてございます。  そこで、質問でございます。  今年度に予定している本部訓練の概要について、また、昨年9月の課題をどのように生かしていくのか、お伺いさせてください。 ◎小田原 危機管理対策部長  今年度に予定しております本部訓練の概要についてお答えいたします。  昨年9月の豪雨に伴う本市の対応について検証作業を行った結果、市民への情報提供、災害対策本部の運営などに課題があることが明らかになったため、すぐに対応できるところから見直しを進めているところでございます。  訓練のあり方につきましては、本市の組織及び職員の災害対応力の不足が指摘され、本部訓練が5年に1度であり、職員の異動周期が4年前後であることを考慮いたしますと、その経験が十分に蓄積されないため、今年度から本部訓練を毎年実施することといたしました。あわせて、区本部訓練につきましても、各区において毎年実施することといたしました。また、従前の訓練は、参加者に被災状況や訓練の流れをあらかじめ周知し、手順を確認しながら実施しておりましたが、今年度の訓練では、シナリオを事前に周知せずに行うブラインド型の手法を取り入れ、より実践性を重視した内容といたしました。さらに、テレビ局等との連携による市民への情報提供の強化も課題とされましたので、前回参加の防災関係機関に加え、マスコミの方々にもご参加いただき、市民等への情報提供について協力・連携方法の検証を図るなどの変更を加えました。  以上申し上げましたように、昨年9月の豪雨対応を踏まえ、本部訓練の強化・充実に生かしていく予定でございます。
    ◆松原淳二 委員  ただいまの答弁で、今年度の訓練については、より実践的な内容、そして課題解決に向けた取り組みが生かされているということで、災害対応能力の向上に資する取り組みが図られると大いに期待したいと思ってございます。  冒頭にもお話ししましたが、災害対応には、平時の訓練の積み重ねが重要でございます。そして、客観的な視点、観点から訓練の検証を行って課題の洗い出し、そして見直しを行うPDCAのサイクルが重要であり、これをより効果的に発揮させることで災害対応能力の強化が図られると思っております。札幌市民の生命・財産、さらには暮らしを守ることに直結すると考えてございます。  そこで、質問ですが、今後、将来にわたり、本部訓練をどのように進めていくか、お伺いいたします。 ◎小田原 危機管理対策部長  今後の本部訓練の進め方でございますが、本部訓練につきましては、大規模地震のほか、さまざまな災害に対応できるよう、洪水や土砂災害などの風水害の想定も含め、毎年、計画的に実施していきたいと考えております。また、委員がご指摘のとおり、訓練の実施による課題の洗い出しと見直しは必要であると認識しておりますことから、今年度の訓練では、外部評価者を配置し、専門的見地から検証と評価を行い、その結果をマニュアル等に反映させるなど、次回の本部訓練にその反省点を生かしていく予定でございます。こうした取り組みを継続的に実施することにより、技術と経験を蓄積し、継承することで災害対応力の強化を図っていきたいと考えているところでございます。 ◆松原淳二 委員  民間の会社では、大きな訓練の前段に訓練を行ったりしております。一部は訓練のための訓練と思われがちではございますが、不測の事態というのはただでさえ混乱するもので、それにいかに対応するかは、災害対応の経験やふだんからの訓練の積み重ねといったものが不可欠と考えます。  加えて、大きな災害から遠ざかるに従って記憶の風化、そして訓練の形骸化につながるおそれがございます。ぜひ、目的意識を持って継続した取り組みとしていくとともに、部局単位など小規模の訓練も並行して毎年確実に行っていただくことを最後にお願い申し上げて、私からの質問とさせていただきます。 ◆平岡大介 委員  私からも、避難場所環境整備事業について質問させていただきます。  前段でもお話がありましたが、昨年8月には広島で大規模な土砂災害、9月には御嶽山の火山噴火もありました。全国的にも、ゲリラ豪雨などの1時間50ミリを上回る降雨がここ30年間で1.3倍に増加しているというデータもあります。また、全国各地で地震も頻発しております。こういった状況の中、避難場所の整備は防災対策の中でも重要であり、住民の命を守る大きな役割があります。阪神・淡路大震災は1月、東日本大震災は3月に起こり、今回の事業も厳冬期を想定した事業内容です。  質問の第1は、避難所の開錠についてです。  昨年9月11日の水害時に、朝早く住民が避難所に着いたときに鍵があいていなくて大変だった、また、対応がおくれたというお話がありました。これが、気温が氷点下になる厳冬期であれば、寒い外で長時間待たなくてはならなくなり、特に子ども、お年寄り、障がい者、けがをしている方であれば、命にかかわる大きな問題となります。  そこで、避難所に着いたときに鍵がなくて避難所に入れないという昨年の水害時の教訓を生かし、災害が起こったら迅速に避難所の鍵があけられるよう改善されたか、伺います。  次に、寝袋の性能及び備蓄配備計画についてです。  本事業では、寒さ対策として高規格寝袋を配備するとしていますが、その性能、機能はどのくらいのものなのか、検証を行っているのであれば、その内容、結果について伺います。  また、今回、9,440個の旧型の寝袋を高規格寝袋に更新するとしておりますが、全避難所へいつまでに幾つ配備するのか、まずは以上2点を伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  避難所の開錠の関係と高規格寝袋の関係についてでございます。  まず、避難所の開錠についてでございます。  小学校では、教頭などが鍵を保管しており、避難所開設に際しましては、区災害対策本部からの連絡により参集して開錠することになっております。このため、危機管理対策室といたしましては、小・中学校等の基幹避難所の施設管理者名簿を毎年度当初に作成し、施設管理者と区役所において緊急連絡先の情報を共有し、速やかに開錠できるよう努めているところでございます。さらに、昨年9月の豪雨対応検証では、施設管理者未到着時の開錠手法の確立が課題とされたことから、区役所でスペアキーを保管することや、地域住民が開錠することも想定して、暗証番号キーを学校体育館に設置することをあわせて検討し、教育委員会など関係部局との協議を進めているところでございます。  次に、高規格寝袋の関係でございます。  高規格型寝袋は、一般的なものより中綿を増量し、新幹線のシートにも採用されているクッション材を使用するなど、断熱性や寝心地などの性能を格段に向上させたものでございます。その性能の検証につきましては、平成25年度に大学提案型共同研究で、厳冬期の2月に、昭和40年代に建てられた断熱性能の低い学校体育館において無暖房で宿泊実験を行いました。この研究報告では、札幌市が備蓄する高規格型寝袋と毛布の性能につきましては、短期的な避難における寒さ対策としては十分であるとの評価がなされたところでございます。また、高規格型寝袋の更新につきましては、今後、5年程度で基幹避難所への配備を終えたいと考えております。 ◆平岡大介 委員  まず、寝袋についてですが、厳冬期でも寒さをしのぐ効果があるということでしたけれども、まだまだ古い寝袋もたくさんあるということですので、早急に更新を進めていただきたいと思います。  次に、1点目の鍵について再質問させていただきます。  答弁では、暗証番号キーを導入し、先に着いた住民が災害対策本部へ電話して暗証番号を聞くと聞いておりますけれども、地震の場合は電話が使えなくなることを想定した対策も検討すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎小田原 危機管理対策部長  暗証番号の伝達の関係でございます。  おっしゃるとおり、電話が不通の場合は電話での連絡が難しいことになります。そういうことから、地域住民への周知ということで、地域の自主防災組織にあらかじめ番号を交付することも視野に入れ、セキュリティー上の問題や地域の実情など、関係部局や地域のご意見もお聞きしながら、今後、具体的な方法を検討してまいりたいと考えております。 ◆平岡大介 委員  災害というのは、いつ起こるかわからないものですので、早急に対応していただきたいと思います。  次に、高齢者や障がいを持つ方への対策について伺います。  避難場所の小・中学校ですが、学校のトイレがバリアフリー化されていないなど、高齢者や車椅子の方は、長時間、体育館で過ごすことが困難になります。また、特に、高齢者に対しては特別な寒さ対策が必要だと考えます。  そこで、質問ですが、避難所における高齢者、障がい者への配慮、特に寒さに弱い高齢者に対する寒さ対策についてどのように検討しているか、伺います。  次の質問は、住民への備蓄物資の使い方の普及啓発についてです。  せっかく整備した物資も、使い方がわからなければ宝の持ち腐れになってしまいます。住民が物資を利用することも考え、備蓄物資の使い方について住民への普及啓発はどのように進めていくのか、見解を伺います。  以上2点、お願いいたします。 ◎小田原 危機管理対策部長  2点質問がございましたので、順番にお答えいたします。  まず、高齢者、障がい者など配慮が必要な方への対策についてでございます。  現在、備蓄物資として、身体障がい者用便座や大人用紙おむつを用意しているほか、学校の大規模改修、改築に合わせて玄関スロープと車椅子対応トイレの設置を進めているところでございます。  次に、高齢者に対する寒さ対策についてでございます。  小・中学校では、高齢者や乳児等が優先使用できるための採暖スペースとして体育館以外の教室を指定しており、その暖房用の石油ストーブを備蓄しているところでございます。  次に、住民による備蓄物資の使用についてでございます。  備蓄物資の使用方法に限らず、避難所の運営につきましては、避難所により組織される自主運営委員会によって行われることを目指しており、そのためにはさまざまな普及啓発活動が必要であると認識しております。このため、地域住民を対象とした避難所運営ゲームを取り入れた実践的な避難所運営の訓練、研修を実施しているところであり、この中で、備蓄物資の使用方法につきましても周知し、円滑な自主運営体制の確立を目指していきたいと考えているところでございます。 ◆平岡大介 委員  高齢者の寒さ対策については実施しているということでした。  今後、高齢化が進み、体育館での避難生活が難しい介護が必要な方、また、医療が必要な方への対応が求められてきます。今現在、福祉避難所として四つの団体と協定を結び、215の施設が登録されていると聞いていますが、学校の避難所から福祉避難所へ移行する際に安全、円滑に行われるよう連携していただきたいことを強く求めます。  また、町内会が主導で避難体験を行っている地域も多く、清田区では、まちづくりセンターと協力し、ことしで3回目の宿泊型避難体験を開催していますし、北区でも、暖房や水道、電気が使えないことを想定した避難体験を町内会が行っております。今後も、本市が出前講座などを行い、住民への普及啓発に努めていただきたいと思います。  災害時は、命にかかわるほどの大けがをしていたり、高齢者、障がい者、小さな子どもなどが厳冬期で凍死してしまう危険性など一刻を争う事態が想定されますので、避難所を利用する際に、鍵があかずに入れない、寒さ対策が不十分、備蓄物資の使い方などに不備がないようにしっかりと事業を進めていただくことを強く求め、質問を終わります。 ○長谷川衛 委員長  以上で、第1項 総務管理費危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。  次に、第1款 議会費 第1項 議会費の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時53分       再 開 午後1時55分     ―――――――――――――― ○長谷川衛 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中市長政策室関係分の質疑を行います。 ◆小川直人 委員  私から、国土強靱化計画についてお伺いいたします。  今回の補正予算に国土強靱化地域計画策定費が計上されております。これは、国の国土強靱化基本計画に調和した地域計画を策定するということですが、今まで余りなじみのない国土強靱化とはどのような計画なのか、その基本的なところをお伺いし、さらに、本市が強靱化計画を策定するに当たっての観点について議論させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  今、国において、国家的に甚大な被害をもたらした東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、大規模自然災害に備えた事前防災や減災対策を進めていくことが国家的な重要課題と強く認識されております。こうした中、昨年6月に国が、「強くて、しなやかなニッポンへ」として国土強靱化基本計画を策定、それを受けて、本年3月に北海道が、「道民の命を守り、国全体の強靱化に貢献」として北海道強靱化計画を策定しました。そして、さらに、札幌市が強靱化計画を策定していくということだと認識いたしているところであります。  国が策定いたしました国土強靱化地域計画策定ガイドラインにおきましては、地方公共団体は、国土の強靱化を推進する責務を有している、そして、国の基本計画と調和を図らなければならないとされております。私は、これでは地方の取り組みが国主導の画一的なものになりかねないと危惧をいたしているところであります。防災、減災対策につきましては、それぞれの地域の実情に応じた効果的な取り組みも大変重要であると認識しておりまして、平時から大規模災害に対する備えを十分に行い、被害を最小限にとどめ、災害から市民の財産と生命を守るため、災害に強いまちづくりを進めていくことが政治の責任と認識いたしているところであります。  そこでまず、国土強靱化計画はどのような計画なのか、その基本的な性格についてお伺いいたします。 ◎佐藤 政策推進担当部長  ただいま国土強靱化計画の基本的性格についてご質問がございましたので、お答えいたします。  平成23年の東日本大震災を契機に、改めて事前防災、減災、迅速な復旧、復興についての施策を総合的・計画的に実施することが必要と認識され、平成25年12月に、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法が施行されております。この国土強靱化基本法では、大規模自然災害等から国民の生命・財産を保護するための対策や、経済社会システムの現状のどこに問題があるかを知る脆弱性評価を行い、施策を適切に設定し、計画に定めることとされております。  このように定められる国土強靱化計画は、大規模自然災害などのさまざまな危機を直視して、平時から災害に対する備えを行うものであり、地域が強靱化されれば、地域住民の生命と財産が守られるとともに、地域の持続的な成長が促されるという考えに基づきまして、従来の狭い意味での防災の範囲を超えて、経済やエネルギー分野等も含めたまちづくりの視点を持った計画を目指すべきものと認識しております。 ◆小川直人 委員  ただいま、国土強靱化計画の基本的な性格について伺いました。今までの事前防災とか減災よりも、もっと幅広い意味で今回の強靱化というものが進められているという説明でございました。  さて、札幌市は、これから、少子高齢化の急速な進行に伴う人口減少社会を迎える中で、まちづくりについても転換期を迎えております。さらに、1972年の札幌オリンピック開催を契機に集中的に整備いたしました都市基盤についても、40年以上が経過し、老朽化が進み、その後、その更新時期が一斉に到来することによりまして大きな財政負担を伴う課題を抱えているところであります。  このような大きな課題を抱える中にあって、今年度の一般会計予算は9,010億円と史上最大規模となっておりますが、予算規模の増大要因は扶助費などの義務的経費が大きくなっていることに伴っているものであります。今後は、こうした財政需要の膨らみに対して、人口減少に伴い、生産年齢人口も減少してくることによる税収の縮小が懸念される中で、これから災害に強いまちづくりとして強靱化計画を進める上において、限りある財源を効果的・効率的に活用していくことが求められてくるというふうに思います。したがいまして、選択と集中によって事業を行っていくことが必要だと考えているところであります。  また、政府は、国土強靱化計画に基づいて実施される取り組みに対しまして、関係省庁の交付金、補助金等による支援を講じるとしておりますが、その内容は、交付金の判断に当たっては一定程度配慮するという不透明な表現にとどまっております。このように財源が確定していない中にあっては、事業の選択と集中はより不可欠であると考えるところであります。  先ほどの答弁によりますと、国土強靱化を進めるに当たっては、現状の評価、いわゆる脆弱性評価を通じて施策を設定するとのことでありましたが、計画策定の段階で選択と集中ということをしっかりと認識して進めるべきであると考えております。  そこで、脆弱性評価とはどのようなものなのか、また、脆弱性評価の結果を踏まえてどのような手段で強靱化計画を策定することになるのか、お伺いいたします。 ◎佐藤 政策推進担当部長  脆弱性評価と策定手順についてのご質問でございます。  国土強靱化基本法では、災害に対する脆弱性を分析、評価することは、国土強靱化に関する施策を策定し、効果的・効率的に推進していく上で必要不可欠なプロセスであるとしております。脆弱性評価とは、地域特性を踏まえ、起きてはならない最悪の事態をリスクシナリオとして設定した上で、その事態ごとに現行の施策の推進状況や課題等を整理し、事態回避に向けた対応力について分析、評価を行うものでございます。  北海道強靱化計画では、例えば、地震による建築物の倒壊に伴う死傷者の発生、あるいは、上下水道の長期間にわたる機能停止など21のリスクシナリオを設定しており、札幌市としましても、道の強靱化計画で示されているリスクシナリオを基本として、札幌市における起きてはならない最悪の事態を設定した上で、札幌市の対応力について評価を行っていく予定でございます。  今後、この脆弱性評価の作業を進めるとともに、有識者や経済界などさまざまな立場の方々からご意見を伺いながら対応策について検討し、また、さらには施策の重点化を図ってまいりたいと考えております。 ◆小川直人 委員  リスクシナリオを設定して対応力を評価していくという答弁でございました。現状の評価、分析をしっかり行って、今、私が話したように、これからの財政状況を見据えつつ、選択と集中といったことを念頭に置きながら、効果的な計画をしっかりとつくっていっていただきたいと思っております。  札幌の強靱化計画におきましては、まずは、市民の安全・安心を第一に考えるべきことは言うまでもないと思っておりますが、生産年齢人口の減少に伴い、経済規模の縮小が懸念されている中にあって、札幌の持続的な発展につながるまちづくりを考えますと、これからは経済活性化の観点から雇用の拡大も期待できる取り組みに力を入れていくことも大事であると考えているところであります。  また、札幌は、全国的に見ても大規模災害の発生頻度は少なく、今後、高い確率で想定される首都直下型地震や南海トラフ地震などの国家的規模の災害との同時被災リスクも少ないため、国や企業のバックアップ拠点として注目されておりますので、今回策定される札幌市の強靱化計画に今述べた観点を盛り込み、全国的にアピールできれば、昨年、アクサ生命の本社機能が札幌に移転したように、新たな雇用を生み出し、経済の活性化、ひいては地方創生にも結びついていくものと考えているところであります。  そこで、札幌の強靱化地域計画をできるだけ速やかに策定することで札幌の姿勢を全国にアピールできると考えますがいかがか、お伺いいたします。  また、現在、他都市の強靱化計画の策定状況もあわせてお伺いいたします。 ◎佐藤 政策推進担当部長  他都市の状況及び計画の早期策定についてのご質問でございます。  平成27年6月現在で、全国では、北海道を含めて四つの道県、三つの市で計画が策定済みとなっております。また、政令指定都市では、新潟市のみが策定を終えている状況でございます。現時点では、都道府県とその都道府県内の政令指定都市がともに計画を策定している例はなく、今年度、札幌市が北海道の計画と調和した強靱化計画をいち早く策定することによりまして、札幌市及び北海道が連携して災害に強い地域づくりに積極的に取り組んでいる姿勢を全国にアピールすることができるものと考えております。また、地方創生の大きな目的の一つである首都圏一極集中の是正にも寄与していきたいと思っているところでございます。 ◆小川直人 委員  最後に、要望でこの質疑を締めたいと思います。  今の答弁の中で、策定している団体は全国的にはまだ数えるほどだという印象を受けましたので、札幌市の場合はぜひスピード感を持って策定作業を進めていただいて、札幌の姿勢を全国にアピールして、強靱化の取り組みを経済の活性化にもつなげ、持続的に発展するまちづくりをしていただきたいと思っているところであります。  加えまして、北海道の強靱化計画でも首都機能の代替が可能な札幌圏の都市機能を北海道の強みとして捉えておりまして、札幌と北海道が連携してバックアップ機能の強化を図ることで、企業のさらなる進出を促し、雇用の場を創出するような観点から強靱化計画を策定していくことが非常に大事だというふうに私は今のやりとりで感じましたので、ぜひ、その点も進めていただきたいと思います。  また、先日、私は、この委員会で北海道新幹線札幌延伸に伴うまちづくりについて議論させていただきました。そのときに改めて感じたのは、まちづくりを進めていく上で、官と民、市役所と事業者との連携が極めて重要だということであります。この連携なくして事業は進まないと強く思っておりますので、これから災害に強いまちづくり、強靱化計画を策定していく上では、民間事業者や各種団体との連携をしっかり図っていくことを求めまして、私の質問を終わります。 ○長谷川衛 委員長  以上で、第1項 総務管理費中市長政策室関係分の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時9分       再 開 午後2時10分     ―――――――――――――― ○長谷川衛 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中総務局関係分の質疑を行います。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、さっぽろ国際人材育成事業について、数点お伺いしたいと思います。  1972年に札幌でオリンピックが開催されて43年が過ぎました。このオリンピックを契機に、人口の増加と都市の基盤整備が進み、札幌は国際化も飛躍的に進んできたところであります。こうした中、総務省では、今月1日に住民基本台帳に基づく人口を発表いたしました。北海道の日本国籍の人口は17年連続減少、就職や進学先を求めて転出する方が転入者を上回る、いわゆる社会減に歯どめがかからない状況であり、一方で、札幌市の社会増は全国の市町村で最多を記録していまして、東京などの道外への流出と札幌への集中が加速しているという報道がなされたところであります。しかしながら、これからは、札幌の人口も減少に転じ、超高齢社会を迎えるという分析も発表されており、右肩上がりの成長の時代から成熟の時代へ、そして維持・継続しつつ、さらなる発展へと結びつけていく必要があると感じているところであります。  このような人口減少・超高齢社会は、札幌のみならず、全国の都市が抱えている問題であり、経済的にも国内から国外へと各自治体間の競争が激化し、グローバル化を目指すところが多いと聞いております。世界に目を向けてみますと、アジア圏での経済成長は著しく、日本を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。ここ札幌も、こうした流れを敏感に捉え、短期、中期、長期と計画的な施策が求められているのではないでしょうか。  札幌には、外国から多くの観光客が来られています。また、2026年に2回目の冬季オリンピック・パラリンピックの開催を目指しており、グローバル化の流れを好機と捉える必要があるものと思います。そのためには、市民の皆様にもさらに国際理解していただくことが大切であると考えています。特に、私は、これからのまちづくりの担い手である若い世代に、世界へ目を向けてもらい、国際的な札幌人へと成長してほしいと考えており、まさに、今回、予算案に新規で盛り込まれたさっぽろ国際人材育成事業には期待しているところであります。  そこで、質問ですが、まず、本事業の具体的な内容をお聞きしたいと思います。 ◎出井 国際部長  さっぽろ国際人材育成事業の事業内容についてですが、就職や進学を控えた時期にある市立高校生に国際理解の機会を提供し、進路の選択肢を広げるきっかけづくりを目的とするものでございます。これは、三つの事業で構成しておりまして、一つ目は、海外経験の豊富な方々を講師として、高校生を対象に国際理解セミナーを開催したいというふうに考えているところでございます。二つ目は、在札の留学生と高校生が交流する機会を設けまして、異文化の理解に加え、進路選択や海外留学について考える場を提供するものでございます。さらに、三つ目といたしまして、実際に海外へ1年程度の留学を希望する高校生に対しまして、5人を限度に1人30万円を補助金として交付してまいりたいと考えているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  本事業の目指すところの内容については、十分に理解させていただきました。そしてまた、同時に、若者たちへの期待がさらに高まっているところであります。  このような事業は、子どもの貧困問題や経済的な格差が広がっている今だからこそ、一人でも多くの子どもたちが夢を抱き、そして、その夢に向かってチャレンジできるチャンスになる、そういう意味では非常に期待できるのではないかと考えています。一方で、北海道教育委員会でも、国費をもとに、高校生留学促進事業として、10名程度の全道の学生に対して補助を行っているとお聞きしています。  そこで、質問ですが、本事業における補助対象は5人程度とお伺いいたしましたが、私としては、この広い世界で見聞を広めてもらいたいと考えたときに、5人というのは少し少ないのかなというふうに感じました。今後、この枠を拡大するおつもりがあるか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎出井 国際部長  委員がご指摘のとおり、北海道教育委員会におきましても、全道の高校生を対象に同様の事業を行ってございます。私どもの事業は、札幌市立高校の生徒を対象に行うものでございまして、ここ4年間の長期留学を行った実績が多い年で5名程度ということでございます。今回、新規事業でご提案させていただいておりますが、初年度として行う今回は対象人数を5名とさせていただいたところでございます。  今後につきましては、事業実績に加えまして、教育委員会、校長会からもご意見を十分お伺いしながら対応を検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆岩崎道郎 委員  ただいま実績を考慮して検討していくということでしたので、これから一人でも多くのすばらしい若者、高校生に活用していただける事業になってもらいたいと願っているところであります。
     最後に、要望でありますが、先ほども述べましたように、グローバル化の進展ということで、人、物、金、情報が国境を越え、さまざまな分野で今まで存在していた垣根がなくなるとも言われておりまして、そのためにも市民の国際理解がとても必要であります。また、札幌市では外国人の観光客数が100万人を超えたとお聞きしておりますが、近隣諸国の経済状況を鑑みれば、まだまだふえていくのではないかというようにも考えております。そして、これは、私の個人的な見解ですが、若い時代に留学した若者たちは、生まれ育った場所に残らずに、その経験を生かしてどんどん外に出ていってしまう現実があり、こういった事業で育まれた豊かな人材が離れていってしまうことは非常に寂しいことだと思っております。そういった意味で、この事業が成長していくことを期待しておりますが、加えて、札幌で育んだ若い国際人材が将来にわたってここ札幌で活躍してもらえる、そんな環境をつくり上げていくことが大変重要であることを指摘して、質問を終わらせていただきます。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、マイナンバー制度のセキュリティー対策についてお尋ねいたしたいと思います。  ご承知のように、マイナンバー制度は、厳しい財政状況や行政サービスが複雑化する中で必要不可欠なものであると私は考えております。民間での活用も含めた個人認証としての利用はもちろんのこと、所得状況などを正確に把握し、真に支援の必要な方へピンポイントの給付を可能とするものです。また、より段階的に給付を決められるようにもなりますし、さらに、申請主義を脱却して、対象者に行政側からお知らせできるようにもなります。加えて、防災など地方公共団体が条例で定める事務にも利用できるようなものだと伺っております。このように、マイナンバー制度は、複数機関に存在する個人の情報を同一人物の情報である確認を行うための基盤でありまして、社会保障・税制度の効率性、透明性を高め、国民にとって負担の軽減と利便性の向上がなされるとともに、公平・公正な社会を実現するための社会基盤であると考えております。  この制度は、いよいよ10月から、住民登録をしている方全員に番号をお知らせして、来年1月からは、各種手続においてマイナンバーを記載するなど、制度の運用がスタートいたします。さらに、平成29年7月には、専用の情報ネットワークを通じて、全国レベルでの情報連携が行われることとなるわけでございます。  現在、国を初め、各自治体や関係機関などで準備が進められているところですが、ご承知のように、6月初めに、日本年金機構において、外部からの不正アクセスによりまして約125万件もの個人情報が流出したという事件がありました。この日本年金機構の事件により、情報システムでマイナンバーを含む個人情報が取り扱われることに対して、多くの市民が不安を抱いているのではないかというふうに思われます。  そこで、質問でありますが、情報ネットワークを利用したシステムにおいては、日本年金機構の事件のような悪意を持ったサイバー攻撃から個人情報を守る対策が不可欠だと思いますけれども、マイナンバー制度における情報セキュリティー対策はどのようになっているのか、お尋ねいたします。 ◎鈴木 情報化推進部長  マイナンバー制度におきます情報セキュリティー対策についてのご質問でございます。  制度面といたしましては、マイナンバーを利用できる事務が法令で厳密に定められており、違反した場合の罰則も強化されております。また、なりすまし防止のため、マイナンバーを用いた手続を行う窓口では、厳格な本人確認が義務づけられているところでございます。加えまして、第三者機関である特定個人情報保護委員会を設け、制度全般のマイナンバーの取り扱いについて監視、監督することとなります。  システム面といたしましては、個人情報は一元的に管理せず、従来どおり各行政機関ごとに分散して管理されますので、次々と芋づる式に情報が漏れることはない仕組みとなっております。また、行政機関が情報をやりとりするときには、マイナンバーを直接用いるのではなく、別な符号を用いることとしておりまして、その際の通信も暗号化されます。さらに、マイナンバーを使って行政機関が情報をやりとりした記録を本人が確認できる仕組みが設けられ、不正、不適切な照会、提供が行われていないか、みずから確かめることができるようになります。  このように、制度、システムの両面からさまざまなセキュリティー対策が講じられているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  お答えを簡単にまとめますと、本人確認をしっかりやって、当然、番号だけでは情報を得ることができない、なりすましを防いでいくということでございます。また、第三者委員会である特定個人情報保護委員会は、3条機関ということでありまして、非常に強い権限を持つそうでございますが、これによる監視、監督、また罰則を強化していく、そして、国民、市民はそれぞれが自分の個人情報照会記録をみずから確認できるということであります。システムとしては、一つの巨大なサーバーで管理するのではなくて、それぞれの機関が持っている情報を統合せず、芋づる式に漏れないようにする、しかも、情報の通信は暗号化されていて、番号を追うのではなくて符号を利用してそれを集めるということでございまして、制度面でもシステム面でも安全に管理する仕組みが随分考えられてきているなと感じたところでございます。  そういう中で、今回の年金機構の情報流出でありますが、これは、標的型メールによって感染した端末からインターネットに個人情報が流出したということでございます。百数十通送りつけられた標的型メールを開いたのはわずか数人の職員だったようでございまして、年金機構では、職員のセキュリティーリテラシーがそれなりにある程度はあったのかなと思いますが、ただ、組織的な共有はできていなかったように思うところでございます。今回の事件を教訓として、さらに強固な対策を講じていくことが大切でありますし、年金機構、厚生労働省においては、この事件を受け、それぞれ再発防止のための委員会を設置して情報管理のあり方を検証していくということでございます。  札幌市を初め、さまざまな機関では、これまでも、個人情報流出を防ぐためにいろいろな情報セキュリティー対策がなされてきたと思いますが、マイナンバーを含む個人情報はより強固な対策が求められております。  そこで、再質問でありますが、今回の日本年金機構の事件のような標的型メールへの対策として札幌市が取り組んでいることと今後の取り組みについてお尋ねいたします。 ◎鈴木 情報化推進部長  本市の取り組みについてでございますが、標的型メールへの対策といたしまして、情報セキュリティー研修で標的型メールの見分け方や対処法などを職員に周知しており、これに加えて、実際に模擬メールを全職員に送付する訓練を毎年行っております。また、今回の日本年金機構の事件を踏まえまして、改めて、全庁に対し、基本的なセキュリティー対策の実施を徹底するよう通知したところでございます。システム面におきましても、幾つもの手法を組み合わせて多重的にセキュリティー対策を講じてきておりますが、改めて、それらの対策を点検し、強化、改善の余地がないか、検討を進めているところでございます。  国では、今回の事件の原因の究明、再発防止策を踏まえてセキュリティー対策をさらに強化していくこととしておりまして、本市におきましても、国の対策を見きわめながら、より強固な対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  標的型メールへの対策についても研修で周知していただいているし、また、模擬メールによる訓練も毎年行っていて、今回の事件を踏まえて改めて対策を周知したり、また、システム面においても、幾つもの手法を組み合わせて多重にセキュリティー対策を講じているけれども、さらにそれらを点検して強化、改善の検討をしているということでございました。サイバー攻撃は、次から次へと新しい手法で攻撃してまいります。これらの新たな脅威への対策がおくれることのないように、お答えのとおり、今後、さらなるセキュリティー対策の強化にしっかりと努めていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私は、第2款 総務費 第1項 総務管理費中総務局関係分のうち、マイナンバー制度の導入に関して、個人情報管理の問題と民間活用について、本市の負担と市民の負担について、二つの角度から伺いたいと思います。  日本年金機構から125万件の個人情報が流出し、情報が漏れた人に通知が届いているところです。北海道庁でも、この3月に1万259人分の個人情報が入った外づけハードディスクを紛失する事故が発生しています。このような事故が続き、市民のマイナンバー制度導入への思いは、よくわからなくて不安だ、情報は本当に大丈夫か不安だ、こういう思いだと思うのです。  既に共通番号制度を導入したアメリカでは、なりすましに関する犯罪は2006年から2008年までのわずか2年間で1,170万件、被害総額は1兆300億円にも上っています。韓国では、人口の3倍もの膨大な個人情報が流出し、クレジットや銀行口座が盗まれるなど犯罪の温床になっています。世界では共通番号制度の見直しがもう図られています。  そこで、質問の第1ですが、情報管理について伺います。  先ほどの質疑にも、法令で罰則が設けられているとか、厳格に本人確認をするとか、そういうお話がありましたけれども、委員からも指摘があったとおり、新しいやり方でどんどんやってくるわけです。私は、情報漏えいを100%防ぐ、市民の情報は守る、そういうシステムの構築は不可能だと考えますけれどもいかがか、伺います。 ◎鈴木 情報化推進部長  先ほどの質問でもお答えいたしましたけれども、番号制度におきましては、制度面、システム面の両面からさまざまなセキュリティー対策が講じられております。また、札幌市におきましても、先ほどお答えしたとおり、多重的なセキュリティー対策を講じております。今後も新たな脅威が次々と出てくることがございますけれども、それに対応して……(「もうちょっとゆっくり答弁してください。言っていることが聞き取れません」と呼ぶ者あり)  失礼いたしました。  繰り返します。札幌市におきましても、多重的なセキュリティー対策を講じているところではございますけれども、次から次へと来る新しい脅威という問題もございますので、今後もさらなるセキュリティー対策の強化を図ってまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  意図的に情報を盗む人がいることは、年金機構の情報流出問題で明らかです。先ほどの質疑の中で、年金機構の場合、標的型メールが百数十だったうち、数人が見たというのは意外に少ないということでしたけれども、これでも物すごい被害になっています。私たちの身の回りにも年金が流出したという連絡が届いている人たちがおりますが、今後どうなっていくのかということもまだ見通しが立っていません。番号を変えるといっても、これからどうやって徹底していくのか、それぐらい大変な問題なのです。一度漏れた情報は、流通、売買されて取り返しがつかなくなります。マイナンバー制度にはこのようなリスクがあるのです。市民の個人情報が守られるというものでない限り、マイナンバー制度は実施を中止するよう国に求めるべきだと思います。  次に、マイナンバー制度の民間活用について伺います。  今、国では、マイナンバー制度が施行された後、3年をめどに民間利用も考えていると言っていますけれども、本市でもそのように準備が進んでいるのでしょうか、国からどういう説明を受けているのか、伺います。 ◎鈴木 情報化推進部長  国での検討の状況でございますけれども、預金口座でのマイナンバーの利用につきましては、現在、国会で審議中でございますが、その他の民間活用についても国において検討中と聞いておりまして、その動向を注視しているところでございます。 ◆太田秀子 委員  やはり、国の中ではそういうふうに検討が始まっているということです。民間の利用はまだ国民の中に懸念があるうちはやらない、そういう声も聞いています。しかし、国は、マイナンバーがまだ実施されていないのに、今おっしゃったとおり、もう預貯金の口座とか特定健康診査に利用範囲を広げようとしています。  5月22日、参議院で日本共産党の辰巳議員が、高齢者の金融資産を調べて医療や介護の負担を引き上げることが狙いではないかと質問しました。麻生太郎財務大臣は、社会保障制度を維持するために、負担能力に応じて負担を求めることが必要だと答えています。日本共産党の指摘を認めているということです。社会保障費の抑制、削減を効率的に進めたい、ここに国が国民の社会保障や税の情報を一括管理するマイナンバーの狙いがあるのです。  けさの新聞報道で見ましたけれども、NECや富士通、日立グループなどのシステム大手企業は、企業のマイナンバーを代行で管理する業務に参入して、NECだけでも150億円以上の売上高を見込んでいると報道されていました。個人情報の保護よりも、国民への負担をふやして企業がもうけることが優先される仕組みとなっていることは明らかです。  次に、本市の負担と市民の負担について伺います。  これまで、年金、医療、介護、雇用の情報、納税や給与の情報は、それぞれの制度ごとに管理されていました。しかし、このマイナンバーで一つに結ばれます。大量の個人情報の塊になりますから、悪用されたり流出する危険が飛躍的に高まると言えます。ですから、情報を守るためには、常に莫大な費用と労力が求められることになります。  そこで、質問いたします。  今現在、本市全体でマイナンバー制度の導入について幾らぐらい費用がかかっていますか、そして、今後、どれほどの費用がかかる見込みなのか、お答えください。 ◎鈴木 情報化推進部長  マイナンバー制度導入に伴って必要となるシステムの整備費用についてですけれども、市全体で、平成26年度に約2億9,000万円、平成27年度当初予算で約4億1,000万円、今回の補正予算で約10億円、合計で約17億円となっております。  今後のシステム改修経費は、平成29年7月から予定されております国や他の地方公共団体との情報連携などで未確定な要素も多く、積算できておりません。 ◆太田秀子 委員  今、お話を聞いて驚きました。もう17億円がマイナンバーの導入に使われている、今回の補正にも10億円余が入っているということでした。  ただ、これは、マイナンバー制度を構築する全体から見るとまだ本当に始まったところです。ですから、これからもどんどんお金がかかっていく。メンテナンスなどにもお金がかかるでしょうから、ずっとお金がかかり続けます。費用に見合う利便性があるのか、とても疑問に感じます。  次に、市民負担についてお聞きします。  このたび届く番号は、一人一人が一生使うものだと言われています。このマイナンバーカードを持つのに費用負担はあるのでしょうか、そしてまた、先ほどの質疑でも、自分の情報を確認できるというお話がありましたけれども、自分の情報がどう使われているかを知るために、情報提供等記録開示システム、マイナポータルと言うものがありますが、これらを使用するのに費用がかかるかどうか、お聞かせください。 ◎鈴木 情報化推進部長  マイナンバーカードの交付に関しては市民まちづくり局地域振興部が所管しているところでございますが、初回のカードの交付につきましては無料と聞いております。また、紛失等による再発行とか、有効期間満了に伴います更新費用につきましては検討中と聞いております。  また、ご質問がありましたマイナポータルの利用に当たって費用はかかるのかということでございますが、利用すること自体には費用がかかりませんけれども、パソコンとかカードリーダーの購入が必要となります。 ◆太田秀子 委員  このカード自体、最初は無料だけれども、有効期間が来たらお金がかかると。有効期間というのは5年とか10年でしょうか。いずれにしても、最初だけは無料だということでした。そして、自分の情報を見ようとすればカードリーダーが必要になり、それも自己負担ということです。こうやって市民の負担があるわけです。  では、このマイナンバー制度は、市民にとってのメリットはどこにあるでしょうか、お答えください。 ◎鈴木 情報化推進部長  制度導入に伴う市民のメリットについてでございますが、国や他の地方公共団体との情報連携により、平成29年7月以降、各行政機関の手続で求められる添付書類を減らすことが可能になるとされております。そのほか、札幌市では、今回の補正予算で計上しておりますが、個人番号カードを利用してコンビニエンスストアで住民票等の証明書の交付を受けられるよう計画しているところでございます。 ◆太田秀子 委員  コンビニで住民票などの証明書がとれるということでした。便利になるかもしれませんけれども、年に何度もとるものではありませんし、先ほど伺いましたら、本市の負担はとても大きいですし、市民にも負担を強いて具体的なメリットはないということが明らかになりました。  内閣府がことし1月に行ったマイナンバー制度に関する世論調査では、マイナンバー制度を知っていると答えた人はわずか28.3%でした。そして、知らないとか、名前は聞いたことがあるけれども、内容は知らないと答えた人は70%を超えています。全国421万の事業者が従業員とその扶養家族のデータを管理することになりますが、正しく理解しないまま、従業員の情報管理はできないと思います。  本市が昨年11月から1カ月間行ったマイナンバーに係る住民基本台帳事務に関する特定個人情報保護評価書の意見募集では、18人の市民から意見が寄せられていますが、そのほとんどは、不安だとか、危険じゃないのか、もっと周知してほしい、そういうものでした。18人という数字も、わからない市民が多いということのあらわれではないでしょうか。周知されていない、国民の過半数がわからない、このようなマイナンバー制度の実施は中止すべきであることを申し上げて、私からの質問を終わります。 ◆村山拓司 委員  先ほど福田委員、ただいま太田委員からもお話がありましたマイナンバー制度におけるデータ管理のあり方について質問させていただきます。  ことし10月からマイナンバー通知が始まることで、番号が決まった個人情報は特定個人情報として重要性が増し、これまで以上に個人情報の取り扱いが厳しくなることから、これらのデータ管理を強化していかなければならないと考えます。  札幌市では、情報化推進部において、マイナンバー制度に伴うシステム改修などを行い、情報を管理していくものと思います。情報の漏えいは絶対にあってはならないことですので、札幌市としても十分な対策をしていると思いますが、東日本大震災のような災害が札幌で起きた場合に、データを管理している施設が被害を受けるようなことも想定されるのではないかと思います。したがって、データが守られるようにあらかじめ何らかの対策が必要ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、マイナンバーのような重要な情報を管理している施設では、現在、どのような地震対策を行っているのか、お伺いいたします。 ◎鈴木 情報化推進部長  データの管理に関しまして、現在の地震対策についてのご質問でございます。  情報を管理する施設は、震度6強に耐える構造となっており、機器を設置している部屋では、サーバー等の機器を免震台の上に設置する対策をとっているところでございます。また、当該施設は2系統からの電源供給を受けておりますが、大規模災害時の停電も想定されます。そのため、電源供給が途絶えても、最低3日間はシステムが稼働できる非常用発電設備を導入するため、今回提案しております補正予算において必要な予算を計上しているところであります。 ◆村山拓司 委員  札幌市においても地震時における対策をある程度実施していることはわかりましたが、阪神・淡路大震災では、神戸市庁舎の一部が倒壊し、コンピューターが使えなくなったという事例がありました。また、昨年9月11日に札幌で起きた豪雨では、大雨特別警報が発表され、札幌市の各地で洪水避難勧告などが発令されるほど大規模であり、これまで想定していなかった水害も今後は起きる可能性があると予測しなければいけません。民間では、本社にデータを置くほか、ほかの場所にあるデータセンターを使って管理することで災害時のリスクを回避している企業もあります。  そこで、質問ですけれども、札幌市も、民間に倣い、他都市にも情報を管理できる場所を用意するような対策が必要かと思いますがいかがか、お伺いいたします。 ◎鈴木 情報化推進部長  札幌市におきましても、大規模な地震や水害によってデータを管理している施設が使えなくなるようなことが起きないとは限りません。そのため、情報化推進部では、毎日、データのバックアップを行っておりますが、特に重要な住民情報につきましては、災害時を想定して他都市にバックアップデータを定期的に搬送し、保管しております。この遠隔地保管により、災害の際には、日数は要しますけれども、バックアップデータを用いて新たにシステムを立ち上げて業務を行うことが可能となっております。  これに加えまして、委員がご指摘のように、万が一に備え、他都市にもう一つのデータセンターを設けて運用することも考えられますが、莫大な費用を要するものでございまして、今後の技術の進歩も踏まえ、安全かつ効率的で安価に継続した運用ができる方法につきまして研究してまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  マイナンバー通知は、札幌市がことし10月から実施していく喫緊の事業であり、そのマイナンバーは市民の重要な個人情報であることから、情報漏えいや消失などが絶対に起きないよう、徹底したデータ管理を行っていただきたいと思います。そのためにも、ただいま提案したような他都市にあるデータセンターを活用する方法などを検討していただくことを要望して、質問を終わります。 ○村上ひとし 副委員長  以上で、第1項 総務管理費中総務局関係分の質疑を終了いたします。  次に、議案第10号 札幌市個人情報保護条例の一部を改正する条例案の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時45分       再 開 午後2時47分     ―――――――――――――― ○村上ひとし 副委員長  委員会を再開いたします。  次に、第4款 環境費 第1項 環境計画費及び第2項 清掃事業費について、一括して質疑を行います。 ◆好井七海 委員  私からは、リサイクル事業推進についてお伺いいたします。  札幌市では、昨年10月から、4カ所の地区リサイクルセンターにおいて家庭で不要になった古着の回収が開始され、3月末までの6カ月間で目標の30トンに対して47トンが回収され、順調に回収が進んでいると聞いております。しかし、我が会派としては、より多くの市民の利便性を向上させるためにも、4カ所の回収拠点では少なく、さらなる回収拠点の充実が必要であるとこれまでも主張してきたところであります。  そのような中、札幌クリーニング協同組合が札幌市の古着回収の取り組みに賛意を示し、去る5月22日にクリーニング店における古着回収に関する協定を札幌市と締結したと伺っております。  そこで、質問ですが、クリーニング店との連携事業の仕組みと今後の事業展開について、あわせてお伺いいたします。 ◎富田 環境事業部長  クリーニング店との連携事業の仕組みと今後の事業展開についてお答えいたします。  この事業は、札幌クリーニング協同組合と連携しまして、市民に身近で利便性の高いクリーニング店を古着の回収拠点とすることで古着のリユースを促進するものでございます。具体的には、クリーニング店は、古着の回収拠点として市民から古着を無料回収し、市民に対してはポイントなどの割引を付与します。次に、回収した古着ですが、古着業者に売却し、その売却益は札幌市のさぽーとほっと基金へ全額寄附され、さまざまなまちづくり活動に充てることとしております。また、札幌市の役割といたしましては、クリーニング店に対する支援としてのぼりや回収ボックス等を提供するといったことで、市民・事業者・札幌市の3者が連携した取り組みとなっております。この仕組みが機能するよう、市民の皆様に対しましては、広報誌やマスメディアなどの積極的な活用はもとより、地域団体の活動や、ごみ減量キャンペーンを初めとした各種イベントなど、さまざまな機会を通じて協力していただけるよう働きかけをしてまいります。  次に、今後の事業展開についてでございます。  既に、6月1日から25店舗のクリーニング店において先行的に古着の回収を開始しており、この8月1日からは、合計69店舗が回収拠点となる見込みでございます。今年度中には、回収拠点150店舗を目指してまいりたいと考えてございます。 ◆好井七海 委員  この取り組みは、市民にとっても家庭で不要になった衣服を身近なクリーニング店に持ち込めることで利便性が高く、クリーニング店にとっても集客につながるのではないかと考えます。また、札幌市にとっても、ごみの減量・資源化の促進につながる上、収益をさぽーとほっと基金に寄附されるということで、市民、事業者、札幌市の3者にメリットがある非常にいい事業であると思います。組合に加盟しているクリーニング店は札幌市内に約600店舗あるということですので、150店舗と言わずに、札幌市としても積極的に支援を行い、1店舗でも多くの協力が得られるように連携して取り組みを進めていただくよう要望いたします。  一方、古着を捨てるのはもったいないが、回収拠点まで持ち込むことができず、やむを得ず燃やせるごみに排出しているという声も寄せられており、クリーニング店に持ち込めない方も多くおられるのではないかと思います。こういった方々の利便性の向上にも取り組むべきと考えます。  そこで、質問ですけれども、現在、札幌市では、新たな古着回収の方法として移動回収モデル事業に取り組んでいるとのことですが、どのような事業なのか、また、その実施状況について、あわせてお伺いいたします。 ◎富田 環境事業部長  移動回収モデル事業の内容とその実施状況についてでございます。  移動回収モデル事業は、市民のさらなる利便性の向上に向けまして、現在進めております回収拠点の拡充に加え、より多くの方が参加しやすい方法としまして、地区会館や町内会館等の施設数カ所に臨時の回収拠点を1時間限定で設置いたしまして、移動回収車が各施設を回って地域住民の方から古着を回収するものでございます。  モデル事業の実施状況についてでございますが、去る5月16日に清田区と豊平区の各2カ所において、また、5月23日には東区の4カ所で実施いたしまして、計8カ所の地域で978名もの多くの市民の皆様にご協力をいただいたところでございます。短時間の回収にもかかわらず、効率的に約13トンを回収することができまして、その際に行ったアンケート調査におきましても、今後も利用したいといった意見が97%と非常に高い率でございましたことから、一定の効果があったものと考えているところでございます。  この秋にも、他の地域でモデル事業を実施いたしまして、この5月に行いました結果とあわせてしっかりと検証してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆好井七海 委員  このモデル事業は、市民に身近な地区会館を移動して回収しているので、利便性が高く、効率的に古着を回収できる手法であると思います。現在はモデル事業ということですが、しっかりと検証を行い、本格事業化を目指していただきたい、そのように思っております。  ただし、この移動回収事業は日時が限定されているので、地域への案内の際には、ぜひ、さきに述べたクリーニング店との連携事業も同時に周知をお願いします。そして、今後も、市民のさらなる利便性の向上のため、こういったさまざまな回収拠点を整備し、古着回収の拡充を進めていただくことを要望し、質問を終わらせていただきます。 ◆村山拓司 委員  集団資源回収についてお伺いいたします。  我が会派は、かねてより、集団資源回収の拡充のためにはさらなる奨励金の引き上げが必要であると主張しており、昨年の第3回定例市議会の代表質問においても、リサイクル活動を維持するために奨励金を引き上げるべきと改めて強く求めていたところでございます。このような中で、今回、集団資源回収の拡充に向けて奨励金のインセンティブを付与する制度を提案されたことは、高く評価するところであります。  そこで、改めて確認しますが、今回のインセンティブ制度導入の狙いと制度の内容についてお伺いいたします。 ◎富田 環境事業部長  インセンティブ制度導入の狙いと制度の内容についてお答えいたします。  まず、インセンティブ制度導入の狙いでございますが、回収量が増加した団体に対して奨励金のインセンティブを付与することで活動意欲を高め、近年、減少傾向にございます回収量の増加を図るものでございます。  次に、制度の内容でございますが、平成26年の実績、これは1月から12月の暦年ですけれども、その量と比較して回収量が増加した分に対して奨励金のインセンティブを付与するもので、現行の奨励金1キロ当たり3円に加えて、全体回収量増加分については1キロ当たり3円を、さらに、回収量の少ない布類、金属類、リターナブル瓶の3品目については、回収量増加分1キロ当たり7円を付与する制度としておりまして、本年回収分から適用する考えでございます。 ◆村山拓司 委員  今回、新たに導入されるインセンティブ制度は、市民の皆様の意欲とやりがいを引き出すものとなっていますが、実際の行動につなげるためには、制度の内容を皆様に知っていただくことが何より重要だと考えます。  そこで、二つ目の質問ですが、どのように市民の皆様へ制度の周知を図っていくのか、お伺いいたします。 ◎富田 環境事業部長  制度の周知についてでございますが、集団資源回収の取り組みを持続可能なものとするためには、市民の積極的な協力が不可欠であると認識しております。広報誌やマスメディアの積極的な活用、あるいは、ごみに関するさまざまな情報をお伝えするクリーンミーティングとか各種イベントなど、あらゆる機会を通じて周知を図ってまいりたいと考えております。さらに、若い世代向けには、スマートフォンの分別アプリ、あるいはフェイスブックなどのツールを活用して情報発信を行ってまいりたいというふうに考えてございます。また、実施団体に対しましては、インセンティブ制度により得られるメリットなどをしっかりお伝えすることで回収量の増加につなげてまいりたい、このように考えてございます。 ◆村山拓司 委員  集団資源回収奨励金は、多くの町内会にとって貴重な活動財源にもなっており、地域のコミュニティーの活性化にもつながる非常に有益なものであると認識しておりますので、より多くの市民が集団資源回収に参加するよう、しっかり周知していただくことを求めておきます。  最後に、集団資源回収のより利用しやすい環境づくりについてお伺いします。  札幌市は、これまでも、ホームページやスマートフォンによる回収場所や回収日などの情報提供を行うとともに、昨年は、関係団体に対して回収体制の整備を働きかけるなど、集団資源回収の利用しやすい環境づくりに努めてきたことは評価しているところでございます。しかし、転出入者や単身世帯が多い賃貸マンションや共同住宅は、住民の入退去が頻繁であり、地域の活動である集団資源回収への参加はなかなか難しいのではないかと思っております。特に、札幌市は、他都市からの転入者は約6万人、転出者は約4万人と非常に転出入の多い都市であります。  そこで、質問ですけれども、今後はそういった方々も集団資源回収に参加しやすい環境づくりを進めていく必要があると考えますがいかがか、お伺いいたします。
    ◎富田 環境事業部長  集団資源回収をより利用しやすい環境づくりについてでございますが、さまざまな方が集団資源回収に参加できる環境整備は、持続可能な取り組みとする上でも非常に重要であると認識しております。  そこで、この7月より、不動産業者、回収業者と連携の上、転出入者や単身者世帯が多い賃貸マンション5カ所において、住民が日時の制約を受けずにチラシ、パンフレットを含む古紙を排出できるマンション古紙回収モデル事業を新たに実施しているところでございます。このモデル事業によりまして、排出状況や回収量などをしっかりと検証した上で、事業化の可能性について検討してまいりたいと考えてございます。  今後におきましても、関係団体と連携を図りながら、集団資源回収のより利用しやすい環境づくりに努めてまいりたいと思っております。 ◆村山拓司 委員  日時の制約を受けずに排出できるというのはよい発想であると思いますので、しっかりと検証してください。また、今後も、関係団体と連携を図りながら、集団資源回収の利便性の一層の向上に努めていただくことを要望して、質問を終わります。 ○村上ひとし 副委員長  以上で、第1項 環境計画費等の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時1分       再 開 午後3時3分     ―――――――――――――― ○長谷川衛 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第7款 土木費 第6項 公園緑化費及び議案第2号 平成27年度札幌市駐車場会計補正予算(第1号)について、一括して質疑を行います。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、札幌市におけるヒグマ対策について、市民の安全確保と適正な共存という視点から質問させていただきます。  熊問題については、我が会派の本郷議員が平成10年に初めて問題として取り上げて以来、何回も質問させていただきました。また、平成24年には、市民まちづくり局地域振興部から環境局みどりの推進部に移り、熊対策調整担当係という専門部署も設置していただき、この専門部署の設置により、熊出没時には地域、区役所、警察、学校などと情報共有の迅速化を図るほか、的確な対応に取り組んでいただいた結果、札幌市におけるヒグマの出没情報は、平成23年度の257件をピークに、平成24年度には167件、平成25年度には105件、平成26年度には89件と年々減少しており、本年6月末では26件と例年の3分の2程度となっております。  しかし、札幌市の熊出没情報の減少に反し、北海道の取りまとめによりますと、札幌市を含める積丹・恵庭エリアでのヒグマの推定生息数はここ10年で増加しているとあり、ヒグマの出没が再び増加する可能性は十分にあると思われます。  そこで、質問ですが、本年度のヒグマ出没についてどのような認識なのか、また、現在のヒグマ対策について伺います。 ◎北原 みどりの推進部長  本年度のヒグマの出没の傾向はどうか、また、現在のヒグマ対策はどういうものかという質問でございます。  1点目の本年度の傾向ということでございますが、今、委員のお話にもありましたように、平成24年度以降、出没情報は減少傾向にございまして、本年度も、今のところ、少な目の数で推移しているところでございます。この減少の要因を特定することはちょっと難しいのですが、特に出没が多かった南区の農地などで電気柵の設置が進んできたことが減少の一因ではないかと推測しているところでございます。  しかしながら、委員のご指摘のとおり、札幌市を含めたエリア全体でヒグマの生息数が減っているという話ではございませんので、今後、私どもとしても、増加する可能性があるのではないかと認識しているところでございます。  それから、2点目の現在のヒグマ対策でございますが、私どもとしては3点の取り組みを行っております。  1点目は、普及啓発でございます。  我々としては、小学校に出向きましてヒグマ講座を実施したり、市民向けのヒグマフォーラムを開催したりしておりますほか、パンフレット、ホームページなども活用してヒグマの生態とかごみ管理の大切さなどを紹介しているところでございます。  次に、2点目は、出没時の対応でございます。  まず、素早い情報伝達が大切だということで、電子メールを活用して出没状況等を素早く地域に流すことを実施しております。それから、ヒグマ対策委員会で定めた基本行動マニュアルに基づきまして、猟友会、専門家と連携いたしまして被害防止に努めているところでございます。  それから、3点目は、市街地への侵入防止の取り組みでございます。  先ほども申し上げたように、農地への電気柵の設置を進めているほか、かつて侵入経路にもなりました河川敷の河畔林の見通しをよくするために下草を刈るなどの取り組みも実施しておりまして、以上3点の取り組みを行っているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  ヒグマの出没情報は、札幌市10区の中でも、南西部に広がる森林に隣接する手稲区、西区、中央区、南区、豊平区、清田区の6区から報告がございます。中でも、南区につきましては、生活圏と森林との接点が長く続いており、出没件数は一番多く、先ほど申し上げた出没情報ですが、平成24年度は全市167件中109件、平成25年度は全市105件中71件、平成26年度は全市89件中50件と、いずれの年度も全市の50%を大きく超えております。南区は果樹園が最も多くあり、これまでそこに繰り返し侵入した経緯もあります。こういった中、南区の住民はヒグマの出没を常に心配しながら生活しております。  そこで、質問ですが、出没情報の最も多い南区での対策について伺います。 ◎北原 みどりの推進部長  南区での対策ということでございます。  委員のお話にありましたように、出没件数の過半数が南区となっております。南区につきましては、管轄する区域も広いことから、それぞれの地域の特性に合わせた対応をとっているところでございます。まず、山の中にある白川、南沢、豊滝といった森につきましては、市民の森として森林レクリエーションに活用していただいておりますが、そうしたところでふんが落ちていたとか姿を見たとか、市民からそういった目撃情報が寄せられることがございます。そうしたところにつきましては、散策路沿いに注意看板を掲示したり、先ほども申し上げましたが、ホームページを利用して市民の注意喚起に努めているところでございます。  それから、山裾エリア、林縁部については、委員のお話にもありましたように、南区には果樹園も非常に多くございます。そういったところでは、先ほどもご紹介しましたが、助成制度を活用して出没の多い場所に電気柵を設置していただいておりますほか、熊の誘因物となるごみ管理の徹底を市民の皆様に呼びかけているところでございます。  それから、市街地周辺部につきましては、危険性が非常に高まるところでございますので、出没情報があった場合、市民の安全確保を最重点に考えて警戒を行っていくこととしております。例えば、ことし4月に、中ノ沢地区の市街地の近くで連続して目撃されたことがございました。この際、私どもとしましては、巡視パトロールを強化するとともに、現場に監視カメラを設置するなどして安全確保のために取り組んだところでございます。  それから、先ほども申し上げましたが、2年前に豊平川の河畔林が熊の侵入経路になった経過もございましたので、昨年度に、大学、地域の皆様と協力して、石山大橋付近の豊平川河畔林の下草刈りを実施したところでございますけれども、これについては今年度も引き続き実施していきたいと考えております。  今後も、区民、市民の安全確保を最優先に適切な対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  最後に、札幌市では、平成25年3月に策定した生物多様性さっぽろビジョンにおきまして、生物の多様性を守り、野生鳥獣との共生を目指しつつも、市街地への出没時には、市民生活への影響があるため、トラブルの軽減を図るとしています。また、一昨年度に北海道が策定した北海道ヒグマ保護管理計画では、農業被害の予防や人身被害の防止に努めるとともに、適正な保護により地域個体群の存続を図りながら、豊かな自然を有する北海道における人とヒグマの共存のあるべき姿に向けて取り組みを進めるとしております。  そして、平成26年3定の決算特別委員会では、出没時の対策と市街地への侵入防止策も新たに検討を進め、近郊のヒグマの生息状況を踏まえた上で、札幌市のヒグマ対策の基本となる計画を策定することが必要との答弁がございました。この計画策定に当たっては、先進事例などを参考にするとともに、ヒグマ生態の専門家の意見を踏まえ、科学的な調査をもとに対策を立案する必要があると考えます。  そこで、2点質問させていただきます。  1点目は、今後策定を進める計画はどういったものを考えているのか、伺います。  2点目は、計画策定の具体的なスケジュールを伺います。 ◎北原 みどりの推進部長  ヒグマ対策の計画の中身と今後のスケジュールということでございます。  まず、策定を予定している計画の内容ですが、本市では、これまで、出没時にいかに安全対策をとるかということを基本に取り組んできたところでございますけれども、今後につきましては、これに加えまして、市街地への侵入防止の取り組みをいかに進めていくかといった観点も非常に重要だと認識しているところでございまして、そういった観点を含めた総合的な計画にしたいと考えております。  そこで、先ほど委員からもご指摘がありましたように、札幌市は面積も広くて、ヒグマの生息域と市街地が長く隣接するようなところも多くございますので、これまでもいろいろとデータを蓄積しておりますが、まずはヒグマ出没情報の傾向と地域特性の関連性についてしっかりと把握した上で、それぞれの地域をエリアに分けていく必要があるだろうというふうに考えております。具体的に申し上げますと、山の中のようにヒグマが生息する区域、一方、市街地を主体としてヒグマの出没を抑制しなければいけない地域、もう一つは、それらの中間に位置する山合いに集落が散在しているような地域がございますので、熊の行動に合わせてどのような対策がとれるか検討し、こういった地域分けを整理して計画にしていく必要があると考えております。その上で、さらに、北海道ヒグマ保護管理計画がございますので、その考え方と整合を図りながら、出没個体の有害性を判定できるような考え方をきちんと定めたり、移動ルートの遮断、見通しの確保など、市街地への侵入防止の取り組みも具体的に取りまとめた計画としたいと考えております。  策定のスケジュールですが、一応、3カ年で考えております。今年度につきましては、まず、ヒグマの動向調査、個体識別調査など、過去に蓄えたデータ分析も含めてしっかり行いたいと考えております。そして、来年度、平成28年度につきましては、研究機関、大学などの専門家の意見も伺いながら、他の地域の取り組みも参考にして基本計画の素案をつくりたいと考えております。その上で、再来年度、平成29年度には市民との意見交換も踏まえて計画を成案にしたいと考えているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  札幌市は、今後、北海道新幹線の早期完成を目指す中、さらなるインバウンドの促進、冬季オリンピック・パラリンピックの招致、2017年の冬季アジア札幌大会の開催など、国内外から注目が高まると考えられます。世界からの注目の中、自然豊かな北海道、その中の政令指定都市として、自然と共存していく先進的なモデルケースの確立が今後の札幌市の魅力づくりの大きな力の一つになると思いますので、今後、より一層のしっかりとした管理計画となることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ○長谷川衛 委員長  以上で、第6項 公園緑化費等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、7月9日木曜日午後1時から、子ども未来局及び教育委員会関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時16分...