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  1. 札幌市議会 2015-06-24
    平成27年(常任)文教委員会−06月24日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成27年(常任文教委員会−06月24日-記録平成27年(常任文教委員会  札幌市議会文教委員会記録            平成27年6月24日(水曜日)       ────────────────────────       開 会 午後2時12分     ―――――――――――――― ○小竹ともこ 委員長  ただいまから、文教委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、陳情第3号 札幌市の保育子育て支援の拡充と予算増額を求める陳情議題といたします。  陳情第3号は、本日が初審査ですので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時13分       再 開 午後2時31分     ―――――――――――――― ○小竹ともこ 委員長  委員会を再開いたします。  それでは、質疑を行います。 ◆平岡大介 委員  私からは、2点伺います。  まずは、保育士処遇改善についてです。  今回の陳情書にも、保育労働者の大幅な賃金改善を行ってほしいとありますが、全国保育協議会調査では、保育士の2人に1人が非正規雇用で働いています。本市も例外ではなく、2013年のデータでは、正規職員1,866人に対し、非正規職員は1,891人です。給与面では、厚生労働省調査で、全職種平均給与月額が393万円に対し、保育士は262万円と、131万円少ないと発表しています。
     私も、東区にある保育所労働実態についてお話を聞きに行きました。20代の女性です。5年近く臨時職員で働いているが、正職員になれない、今、働いている正職員がやめて、そこで初めて正職員になる審査を受ける、給料もほかの業種と比べるとアルバイトのほうがいいと思うが、子どもたちの成長にやりがいを感じて何とか頑張っていると話してくれました。  厚生労働省は、2017年、平成29年度末の時点で、全国で約7万4,000人の保育士が不足してしまうと試算しています。ベネッセコーポレーションのシンクタンクであるベネッセ次世代育成研究所による2012年の第2回幼児教育保育についての基本調査では、園の運営上、保育者確保課題であると答えた保育所は、4年前の調査よりも11ポイントふえ、公営保育所私立保育所ともに47%以上と半数近くに達しました。早期辞職する保育士も多く、保育士の職についた半数以上が5年未満で離職しています。また、せっかく資格を取得していても、約半数の方は保育所に就職しておらず、資格を取得していて保育士の職につかないいわゆる潜在保育士は、厚生労働省調査では全国で60万人以上いると言われています。  このような保育士人材不足について、本市では把握していますか、まずはその点について伺います。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  保育士不足の認識についてでございますが、保育士確保状況につきましては、主に有効求人倍率等状況によって把握させていただいております。保育士有効求人倍率は、平成26年12月時点全国平均では2.06倍、同時期の札幌では1.54倍ということで、全国ほどではないですけれども札幌市においても保育士確保は厳しくなってきている状況であると認識しているところでございます。また、保育現場からも、年度途中における人材確保が困難になってきているという声を聞いているところでございます。 ◆平岡大介 委員  人材不足の原因は、先ほど私が述べたような雇用実態にあるのではないかと思うのですけれどもいかがお考えでしょうか。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  雇用実態ということでございますけれども、現在、新制度に移って、公定価格ということで各保育所経費を支出しておりますが、その中で、正規、非正規というところの実態があるのは私どもも認識しております。やはり、こういった職場において、実際には受け入れの判断という部分もあるとは思いますけれども現場においても安心して働ける職場づくり取り組みをしていただきたいと思いますし、私どもも、いろいろな機会を通して各保育所にそのように働きかけていければと思っているところでございます。 ◆平岡大介 委員  厚生労働省調査保育士として就業を希望しない理由としては、47.5%の方が賃金が希望と合わないと答えております。新制度公定価格の中に、今年度から保育士処遇改善のための国からの加算がありますが、その分が確実に保育士に渡っていることを確認するとか、また、調査するというお考えはありますか、お願いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  処遇改善関係経費確認についてでございます。  加算の適用を受けるに当たっては、今年度から、事業者職員経歴等を記載した申請書賃金改善に向けた計画書北海道に提出することになっておりまして、北海道から認定を受けて、最終的には年度終了後に北海道に対して実績報告書を提出するという流れになっております。ただ、この手続の中で、札幌市を経由することとなっておりますので、札幌市を経由する段階で賃金改善状況確認できると我々は考えております。  また、この制度は、報告が虚偽だった場合には罰則が適用されるということもありますので、こういった部分を踏まえて現場から適切に申請が上がってくるのではないか考えているところでございます。 ◆平岡大介 委員  しっかりと確認調査をしていただきたいのですが、あわせて、一時給付のような形ではなく、基本給が引き上げられるように指導すべきと私は考えておりますけれども、そういった考えはありますか。  また、国庫負担による処遇改善を行うよう国に意見書を上げるお考え、また、本市独自で改善策を講じるお考えがあれば教えていただきたいと思います。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  まず、1点目の基本給の引き上げの件でございます。  これは、昨年度保育士等処遇改善臨時特例事業補助金においても、保育士確保観点から、恒常的な処遇改善が望ましいということで、基本給ベースアップについて賃金改善を働きかけたところでございます。そういう意味では、今年度も同様に、基本給ベースアップによる賃金改善を引き続き各保育所に働きかけてまいりたいと考えているところでございます。  それから、国への対応でございますが、職員処遇に関しましては、公定価格基準によるところが非常に大きいので、まずは国において改善を図るべきものと認識しておりますけれども札幌市といたしましても、さらなる処遇改善に向けて、例えば大都市主管局長会議などを通じて国に要望してまいりたいと考えているところでございます。 ◆平岡大介 委員  先ほど、陳情提出者からも、保育士離れが非常に深刻であるといった話も出ていました。私が一番危惧しているのは、これから保育士を目指したいという学生、若い方たちが夢を持って就職できるような仕事にしてほしいと考えています。保育士専門性を生かして仕事に誇りが持てるように、今後、処遇改善策に力を入れていただくことを強く求めます。  次に、保育施設について質問させていただきます。  陳情書には、格差のない保育を提供するべきとあります。今回の補正予算で行う待機児童対策のための賃貸による保育所の整備、小規模保育所の増設では、必ずしも園庭があることを条件にはしていません。園庭は、0歳から2歳児にとっても必要であり、子ども発育に大きな影響を与えます。特にまだ歩けない乳児にとっては、安全な園庭で日光を浴び、植物や土などの自然に触れることは、五感を発達させる上でも非常に重要であると、先ほどの保育士の方も言っておりましたが、私もいろいろな保育士から聞いております。  これは一つの例ですが、お昼寝の時間に1人の子どもが起きて泣き出してしまった場合に、園庭があれば、周りの子どもたちを起こすことなく園庭に出て気持ちを落ちつかせることができます。園庭がないところでは、このような対応はできないと考えていますがいかがか、お伺いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  園庭のことでございますが、今回の補正予算で計上した部分についても、基本的には公園で代替することも可能ということにしております。ただ、その場合にあっても、公園の位置や面積だけではなくて、園児が日常的に使用できるとか、安全に移動できるとか、いろいろな観点を踏まえて認可の際に審査しているところでございます。そういったことで、代替園庭を設定している園であっても、私どもとしては、保育の質は一定程度確保されているのではないかと認識しているところでございます。 ◆平岡大介 委員  園庭がないところではこのような対応ができないと思うのです。できませんよね。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  実際に、賃貸型であったり小規模保育部分では、すぐ身近に園庭があるところとないところがそれぞれございます。しかし、仮に今のような想定の場合でも、極端なことを申しますと、例えば、一旦、保育所の外に出てちょっと話すぐらいのスペースはもちろんございますので、すぐそば園庭があるところとないところでは保育の仕方に多少の差が出てくることはあろうと思いますけれども、それでも、それぞれの園が工夫しながら保育に携わっていただいているのではないかと認識しております。 ◆平岡大介 委員  現在の賃貸型保育施設の中には、オフィス、ジム、ダンス教室、マンション、飲食店、薬局、美容室、クリニック、税理士事務所、グループホーム、ドラッグストア、携帯電話販売などが入っている雑居ビルで運営を行っている施設が14カ所あります。このようなビルのフロアに、先ほど私が話した例のような泣いている子どもを出すのは非常に難しいことです。先ほども一部認められておりましたけれども園庭があるとないとでは保育の質に差が出てきます。差が生まれるような保育環境はつくらないように市が保障すべきであり、それが公的保育の役割だと考えます。陳情書にも格差のない保育を実施してほしいと書かれており、施設面での格差をつくるべきではありません。  そこで、質問ですが、市が認可する保育所に関しては、最低限、園庭があることを認可条件としてはいかがでしょうか、お願いします。 ◎野島 子育て支援制度担当部長  園庭認可条件とすべきということでございますが、当然のことながら、園庭そのもの基準面積も定められておりますので、基本的にはその中で認可していくことになります。それが自前のものなのか、離れているかという違いはございますが、いずれにせよ、園庭を設けることは認可のときに最低限必要なものなので、当然、認可条件としてそれが適切かどうか、審査会意見も踏まえながら、これまでどおり認可、整備していきたいというふうに考えております。  これについては、自己所有であっても賃貸物件敷地内に確保することが原則ではありますが、ただ、それだけの理由保育所を整備できないというのはどうかということで、国からも通知が出ております。そういった部分も踏まえて、私どもとしては、一定の要件のもとで園庭にかわる場所があれば、そういった部分認可条件の中で認めて、何とか待機児童解消に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆平岡大介 委員  自前園庭というのは非常に重要なものでありますので、保育士の方からも意見をいただいて、ぜひ検討していただければと思います。  例えば、園庭があれば、夏場にプール遊びや水遊びができます。また、雨が降りそうな日でも、降ってくるまで遊ぶことができ、日が短い季節も暗くなるまで遊べます。公園よりも衛生的で、冬場は安全に雪遊びができます。また、小学校入学前の運動能力の向上や、運動会や餅つき大会などでの野外行事で経験を養うことができます。  本市では、300メートル以内に公園があれば認可の対象としておりますが、同じ条件の横浜市では、公園そば保育施設が次々と建ち、公園児童でいっぱいになり、親子で遊びに来ている子どもたちとのトラブルも起きています。待機児童解消も重要ですが、子ども発育にもしっかりと目を向け、今後は保育の質と量とも改善を図っていただきたいと述べ、質問を終わります。 ○小竹ともこ 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○小竹ともこ 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  ここで、陳情第3号の取り扱いについてお諮りいたします。  取り扱いは、いかがいたしますか。  (「継続」と呼ぶ者あり) ○小竹ともこ 委員長  それでは、陳情第3号を継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○小竹ともこ 委員長  異議なしと認め、陳情第3号は、継続審査とすることと決定いたしました。  ここで、理事者退席のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時46分       再 開 午後2時47分     ―――――――――――――― ○小竹ともこ 委員長  委員会を再開いたします。  次に、委員派遣についてを議題といたします。  お手元に配付の文教委員会行政視察実施案をごらんください。  本委員会に関係する本市の諸課題取り組みについて、道外他都市の事例を調査し、今後の委員会活動の参考とするため、本案を作成させていただきました。  ここで、委員皆様にお諮りいたします。  本案のとおり、行政視察を実施することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○小竹ともこ 委員長  異議なしと認め、行政視察を実施することといたします。  なお、詳細については、適宜、委員皆様にお知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時48分...