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  1. 札幌市議会 2015-05-18
    平成27年(常任)経済委員会−05月18日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成27年(常任)経済委員会−05月18日-記録平成27年(常任)経済委員会  札幌市議会経済委員会記録            平成27年5月18日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後2時18分     ―――――――――――――― ○しのだ江里子 委員長  ただいまから、経済委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  議事に入ります前に、一言、ご挨拶させていただきます。  さきの本会議で経済委員長に選出いただきましたしのだ江里子でございます。  札幌市は、秋元市長とともに新しいステージに入りました。市長は、就任に当たりまして、二つの新しい姿を挙げられました。その一つである世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街は、まさに、経済委員会が目指す姿であると私は考えます。  また、2026年冬季オリンピックパラリンピック招致に向けた取り組みも始まりました。  とはいえ、経済・雇用状況は至って厳しい状況でありまして、札幌市の発展のために当委員会におけます議論も大変重要になってまいります。  甚だ微力ではございますが、皆様の特段のご協力をいただきまして円滑に経済委員会を進めてまいりたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――― ○しのだ江里子 委員長  それでは、議事に入ります。  最初に、副委員長の互選についてお諮りいたします。  ご発言はございませんか。  (林委員委員長」と呼び、発言の許可を求む) ◆林清治 委員  副委員長指名推選の動議を提出いたします。
     副委員長には、中川賢一委員を推薦することの動議であります。 ○しのだ江里子 委員長  ただいまの動議のとおり、中川賢一委員を副委員長とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○しのだ江里子 委員長  異議なしと認め、副委員長には中川賢一委員が選任されました。  それでは、中川副委員長、ご着席の上、就任のご挨拶をお願いいたします。 ○中川賢一 副委員長  ただいまご選任いただきました自民党中川賢一でございます。  まだまだ当選したて新人議員でございまして、至らない面が多々あろうかとは思いますが、委員の皆様、そして理事者の皆様のご協力をいただきまして、しのだ委員長をしっかりお支えするよう頑張ってまいりたいと思いますので、どうかご協力のほどをよろしくお願いいたしたいと思います。どうもありがとうございます。(拍手) ○しのだ江里子 委員長  次に、議案第2号 専決処分承認の件(一般会計予算の補正)及び議案第3号 専決処分承認の件(訴えの提起)を議題といたします。  理事者から、補足説明を受けます。 ◎西田 スポーツ部長  議案第2号及び第3号につきましては、札幌ドームでのファウルボール事故の訴訟に関する一般会計予算の補正及び訴えの提起にかかわる専決処分承認の件でございますが、私から補足説明させていただきたいと思います。  前後しますが、まず、議案第3号のファウルボール事故に関する訴訟の概要につきまして、議案の15ページをごらんください。  4の(2)事実及び争点についてでありますが、平成22年8月21日に札幌ドームで開催された北海道日本ハムファイターズ埼玉西武ライオンズの試合を観戦していた女性にファウルボールが衝突し、女性は右眼球破裂等の傷害を負い、損害賠償請求を提起されたものでございます。  次に、同じページのイでありますが、原告は、札幌ドームでのプロ野球の観戦では、どんなに注意を尽くしても回避し得ない打球があることを前提として安全設備を設けるべきであったのに、札幌ドームは通常有すべき安全性を備えていなかったと主張されました。これに対しまして、16ページの下段をごらんいただきまして、ウでありますが、札幌市は、ファウルボールによる危険性があることは通常の判断能力のある者であれば容易に認識でき、他の球場を見ても、内野席全体に打球を物理的に遮断する設備を設置している球場は一つもなく、札幌ドームに設置された安全設備安全対策により観客の安全確保が適切に行われていたことから、札幌ドームは通常有すべき安全性を備えていると主張してまいりました。  平成27年3月26日の第一審判決では、被告3者の主張が退けられ、原告側の主張がおおむね認められる判決が出されました。  18ページにありますが、判決の理由としましては、観客は打者が打つボールを見逃すこともあり得るので、ボールを見ていない観客が全くいないことを前提とした安全設備の設置、管理にはむしろ瑕疵があり、また、札幌ドームフェンス等ファウルボールの飛来を遮断できるものではない等、通常有すべき安全性を欠いており、もともとの設置に瑕疵があった、加えて、原告がファウルボールの行方を見ていなかったことは原告の過失ということにはならず、過失相殺をするべきではないというものでした。  最後に、控訴の理由等でありますが、19ページの5、控訴の趣旨以下をごらんください。  札幌市を含む被告3者は、札幌ドームプロ野球の試合を開催する球場として通常備えるべき十分な安全性を有しており、球場の運営における安全管理は適切になされていると判断し、平成27年4月7日に控訴いたしました。  なお、控訴期限が4月9日であり、議会を招集する時間的余裕がなかったため、市長において専決処分を行ったことについて承認を求めるものであります。  次に、お戻りいただきまして、7ページ以降の議案第2号、一般会計予算の補正について説明させていただきます。  第一審では、原告の損害賠償請求を認めるとともに、この仮執行も認めることとされたため、札幌市は、控訴とともに、第一審での判決に基づく強制執行の停止の申し立てを行ったところ、被告3者が共同担保により保証金4,200万円を供託することを条件に第一審判決強制執行の停止を認める決定がなされたため、早急に補正予算を組んで供託し、強制執行を停止させる必要があり、議会を招集する時間的余裕がなかったため、市長において専決処分を行ったことについて承認を求めるものであります。  なお、被告3者が共同で供託する保証金4,200万円につきましては、裁判所から3者の負担割合が示されていないことから、被告3者で協議を行い、共同担保負担割合として均等に負担することとし、札幌市は1,400万円を負担することとなったものであります。 ○しのだ江里子 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆佐々木みつこ 委員  4年前の事故ではございますが、女性に右眼球破裂などの傷害を負わせているということで、大変痛ましい事故であります。  今回の訴えの提起について、少しお伺いしたいと思います。  今回、札幌地裁の判決では、試合における注意喚起が不十分で、札幌ドームプロ野球球場としての安全性を欠いており、瑕疵があると判断されております。このような事件はほかの球場でもあるとお伺いしておりますが、ほかの球場で発生した同様のケースの判決では球場側の瑕疵を認めた例はないと伺っており、札幌ドーム安全設備安全対策にほかの球場よりも大きな不備があったのではないかとも思われますけれども、その観点で事故の状況をもう少し具体的にお伺いします。  まずは、どのような席で、どのような打球が当たったのか、事故の状況をお伺いします。  また、フェンスネットの高さなどの安全設備について、裁判の中でも重要な要素として取り上げられていると思いますが、ほかの球場と比較しての札幌ドーム安全設備の状況を伺います。  あわせて、注意喚起などの試合中の安全対策の内容についてお伺いします。 ◎西田 スポーツ部長  まず、事故当時の状況についてでございますが、原告は1塁側内野席フェンスから10列目のところで観戦しておりまして、時速約130キロメートルのライナー性ファウルボールが、1塁側フェンスの上をグラウンド面から高さは約5.75メートルで通過して、打ってから約2秒で到達し、この打球の行方を見ていなかった原告の顔面に衝突したものでございます。  次に、フェンス等安全面における他球場との比較でありますが、グラウンドからフェンスネットまでの高さにつきましては、最も低い横浜スタジアムで1.52メートルでありまして、一方、最も高い明治神宮野球場で5.4メートルとなっております。  なお、札幌ドームフェンスの高さは2.9メートルでありまして、全国的には平均的な高さが確保されているところでございます。  次に、事故当時のソフト的な安全対策でございますが、他球場と同様に、球団がビジョンや笛を使用してファウルボール危険性を周知しておりまして、球場の設備や対策は、国内の他球場と比べて特段見劣りするものではないというふうに考えてございます。 ◆佐々木みつこ 委員  ただいまのご説明は、ほかの球場と比較して設備及び注意喚起の方法も遜色がないということでございましたが、どうなのでしょうね。私は、ちょっと見せていただいたら、ナゴヤドームだとフェンスは5メートル、ヤフオクドームでも5メートル、西武ドームでも3.2メートルと結構高いフェンスにしているところも多いのではないかなと思います。札幌ドームフェンスが2.9メートルで防球ネットが2.1メートルと聞いていますが、この防球ネットは、このとき使用していなかったのでしょうか。 ◎西田 スポーツ部長  このときには使用しておりません。  実は、札幌ドームを設置したときには2.1メートルのネットをつけていましたけれども、臨場感を求める観客の声とか、そういったことを踏まえて、日本ハム側の要請によりまして札幌ドームとして平成18年に撤去しております。 ◆佐々木みつこ 委員  事故発生は4年前ですけれども、これから控訴審でさらに戦っていくというお話でしたので、まだまだ時間はかかってきます。しかし、私は、その司法判断を待たずして、市民、観客を守る上でもさらなる安全対策が必要ではないかなというふうに考えます。臨場感も必要かとは思いますが、やはり安全性も大事です。  そこで、質問いたしますが、今回の事故の後、あるいは地裁の判決を受けて、どのような安全対策に取り組んできたのか、伺います。 ◎西田 スポーツ部長  事故後の安全対策についてでございますが、球団は、ファウルボールによる事故を繰り返さないため、事故以前は試合開始前やファウルボールが飛んできたときに実施していた場内アナウンス大型ビジョンによる注意喚起を、各イニング終了後にも実施して注意喚起の回数をふやしたり、新たに球場内のコンコースやスタンドなどにおいて注意喚起の横断幕やサインを掲出したほか、係員によるプラカードを使用した注意喚起など、さまざまな方法によりファウルボール危険性の周知を行っているところであります。今後とも、他球場の先駆的な取り組み状況を調査するなど、いかに安全対策を強化できるか、関係者と協議してまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  アナウンスとか、イニングごとビジョンでの喚起とか、横断幕を掲出されているということでありますが、その中でもこういった事故が起きているわけでございます。野球を観戦するというのは、本当に野球を大切に思って一生懸命見ている方もいれば、ただの娯楽で来ている方もいらっしゃると思うので、必要な注意喚起はもっともっとしていかなければいけないのかなというふうにも思います。  そこで、観客の安全性の確保について万全を期したい観点から、少しお伺いしたいと思います。  楽しい観戦時に不幸にしてこのような事故が起きたときには、日本ハムファイターズと観客の間に交わされる契約に基づいてどのような責任があるのか。通常、私は余り見に行かないのですが、皆さんは、野球観戦に伴い、リスクを負っていることをわかっているのか、お伺いしたいと思います。  ファウルボール事故において、球団と観客との間でどのような契約約款が締結されているのか、お伺いします。 ◎西田 スポーツ部長  ファウルボール事故が起きた場合の日本ハムファイターズと観客との契約約款についてでありますけれども、一般社団法人日本野球機構が定めている試合観戦契約約款によりまして、ファウルボール事故による損害については、主催者及び球場管理者は、みずからの責めに帰すべき事由がなければ、観客がこうむった損害の賠償については責任を負わない、いわゆる観客の自己責任となってございまして、チケットの裏面にもその旨が記載されているところでございます。  このたびの裁判におきましては、ファウルボール事故による損害は、主催者及び球場管理者の責めに帰すべき事由であるとされ、さらに、この約款が観戦者の利益を一方的に害するものであるから、それ自体無効といった判断も示されておりまして、他球場での同様の事故におけるこれまでの判決とは違う内容であることから、球団としても高等裁判所へ控訴したところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  そのような契約約款があること自体、通常、まだ認識されていない方も多いのではないかと思っております。自己責任ということがチケットの裏にも書いてあるということではございますが、事故のないように、また注意喚起をもっともっとしていただくように、球場を設置及び管理している側からも球団側のほうに要請していくことが必要ではないかなと思います。  しかしながら、今回、保証金を供託することによる専決処分は妥当として承認するものの、裁判の行方にかかわらず、ほかの球場の安全対策先進事例を取り入れるなど、もっともっと工夫や改善を重ねることは施設設置者としての本市の責任であることをお伝え申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ◆伊与部年男 委員  まず、委員長、本件については、基本的には、委員会として、現地調査に行ってその場に立って判断しなければ、想像で物をしゃべったって話になりませんよ。何というのか、前は、即刻、現場へ行って調査したよね。(発言する者あり)だから、現場へ調査をしに行ったらどうですか。これがまず一つ。  それから、2番目に、専決処分はしようがない。だって、これは裁判所で決定しているんだから。裁判所の決定というのは、聞かざるを得ないでしょう。裁判所の決定を議会で覆すなんてことはできませんよ。こんなもの、当然でしょう。  そこで、訴訟を行って、今度、控訴するということなんですが、財源が問題なんだわ。専決処分でもって1,400万円だね。4,200万円を3等分するわけだから1,400万円だね。この財源は、財政調整基金で出すというわけでしょう。しょっちゅう、財政調整基金を使うんだわ。札幌市は財源がないから、すぐに基金を使う。  そこで、一つ質問したいのは、基金会計というのは21あるんだ。だから、財政調整基金でなくて、21の基金会計の中にスポーツ振興基金というのがあるから、スポーツ振興基金でこの種のものに対応したらいかがかと私は思います。  こんなことに、一々、それは自己責任だなんて言っていたら、野球の選手はファウルボールなんて打てない。日本ハムの中島なんて、もう打つたびにファールだからね。意識的に、真ん中へ来たって、一歩下がってファウルを打ったりするんだから、野球の選手だって、もうたまったもんじゃないですよ。見ているほうも大変だと思うけれども、見ているほうは、今、佐々木委員が言っているような、何というのか、観客として行くのは、そうだな、テレビで見ていたほうがよっぽどいいんだ、そういう人は。なぜ行くかといったら、臨場感ですよ。迫力を求めて、非常に臨場感を持って現場で実際に見られる。ここに高い金を出して見に行く価値があるんだ。それがなかったら、家でテレビを見ていたほうがずっといいんですよ、率直に言って。こんなことで、一々、ファウルボールが危険だからどうだとかこうだとかと言ったら、野球の選手もファウルボールを打てないし、見ているほうも、いつ飛んでくるかわからない。これは、日本ハム森本稀哲が打った球なんだわ。森本稀哲は、それ以降、ファウルを打てなくなって他球団に移ったんだ。それで打てなくなったんだ。 ○しのだ江里子 委員長  伊与部委員、質問に。 ◆伊与部年男 委員  そういうことで、財政調整基金ではなく、スポーツ振興基金で出しなさいと私は言いたいんですけれども、いかがですか。 ○しのだ江里子 委員長  まず、委員長にご提案いただきました先ほどの現地調査ですけれども、検討させていただきます。 ◎西田 スポーツ部長  財源の問題で、大きく二つ、スポーツ振興基金を使ってはどうかということと、財政調整基金を使うのはなぜかということかと思います。  まず、スポーツ振興基金につきましては、札幌市の基金条例におきまして、スポーツ振興基金については、スポーツの振興に資することを目的とする旨、定められておりまして、これまで各種スポーツ振興事業への助成とか札幌ドームの改修といったことに充当してきたところでございます。今回の供託金につきましては、損害賠償にかかわるものでありますので、スポーツの振興に資するという基金の目的に必ずしも合致するかどうか微妙ということで、一般財源である財政調整基金からの支出としたということでございます。  財政調整基金から支出することにつきましては、損害賠償に関係する支出というのは突発的に生じるものでございますので、これまでも、ほかの事案での賠償金等については一般的に一般財源を充当しているというふうに聞いておりまして、今回の事案についても、特定財源ではなく、一般財源として財政調整基金を充当するということで、財政当局とも協議の上、決めさせていただいたところでございます。 ◆伊与部年男 委員  基金というのは、常に目的基金だから、21の基金は全て目的基金ですよ。目的基金だけれども、今、部長が言っているような内容なんだから、そうしたら、スポーツ振興基金というのは具体的に何に使うのですか。スポーツ振興のために使うというわけでしょう。これだって、自己責任だとかなんとかって言うけれども、結果的にはスポーツ振興に入りますよ。安全性をきちんと確保して、そして、選手と見ている人が一体となってスポーツを楽しむ、これはスポーツ振興の原点でしょう、はっきり言って。  スポーツ振興基金があるのに、何で使わないのか。これは、どうも理解に苦しむな。 ◎西田 スポーツ部長  改めての答弁になりますけれども、絶対に基金が使えないかということになると、そうではないかもしれません。  ただ、比較の問題として、これまでのほかの事案の例とか、今、委員からスポーツ振興基金はどんなことに使っているのかというお話もございましたけれども、スポーツ振興に係る助成金とか、ウインタースポーツの活性化に関する事業とか、トップアスリートを支援する事業とか、あるいは、先ほど申し上げました札幌ドームの改修、これまではそういったものに充ててきておりまして、賠償金に充てた例はもちろんございませんということで、比較の問題として一般財源を使うのがよかったのではないかと判断したところでございます。 ○しのだ江里子 委員長  伊与部委員、恐れ入ります。  本日は、議案第2号と第3号の議案にかかわることを中心として質疑をお願いしたいと思います。それ以外のことは、どうぞ、ほかの機会によろしくお願いいたします。 ◆伊与部年男 委員  やめろと言うならいいよ。特別委員会でやればいいんだから。  ただ、一言、言っておく。  あなたは一般財源と言うけれども、財政調整基金だって基金なんだよ。財政調整基金一般財源で、ほかの基金は特定財源だと、こんなの、誰が決めているの。基金は基金でしょう。財政調整基金は基金なんだから。 ◎西田 スポーツ部長  大変失礼しました。  特定の目的のものではない財政調整基金を使わせていただいたということでございます。 ◆坂本きょう子 委員  私も、非常に大きな関心を持って判決の行方を見ておりました。私ども議員としても、スポーツ議連というのがありまして、年に1回、家族であるとか知人、それから職場の仲間を誘って観戦に行きますので、3塁側ですけれども、私自身も何回か日本ハムファイターズ戦を観戦しています。やっぱり、先ほど来のお話に出ているように、高いお金を払ってというお話もありましたが、臨場感というか、実際に球場に足を運ぶというのはテレビでは味わうことのできないスポーツ観戦だと思います。その一方で、見に行きまして、ファウルボールが飛んでくると必ずサイレンのようなものが鳴ったりとか、電光掲示板に表示されたり、あるいは、1回、2回の間で注意喚起がなされていることは十二分に承知しています。けれども、家族連れだったり、ご高齢の方で、たまには札幌ドームに行ってみようかというようなことで、やはり、娯楽的な要素が極めて高い観戦もあると思います。そういう中で、今回の事例を見せていただきまして、また、どういう判例があるかということも事前に資料をいただきました。そうすると、内野、外野を問わず、ファウルボール眼球損傷、失明というケースもありますし、中には、バットが折れて、それが顔に刺さって数十針を縫うというような、実は危険と隣り合わせのスポーツ観戦だったんだなということを改めて感じています。  先ほど自民党の委員からもお話がありまして、約款もあるということですけれども、そもそも損害賠償の判例については、先ほどちょっとお話しされたように、原告敗訴ということで、まさにおっしゃる自己責任というところからの三つの判決が出されておりました。今回の地裁の判決というのは、これとは全く反対の立場で、観客側被害者原告側には瑕疵は一切ないのですという中身だったと思います。そういうことでは、球団とか球場管理者である札幌ドーム、あわせて本市にも損害賠償しなさいという判断ですから、全国的にも大きなニュースとして取り上げられていて、これからどちらの判決が出るにしても大きな影響を与えると注目されているところだと思います。  そこで、事故が起きてから実際に裁判が起きるまでは2年ほどのスパンがありますので、まず最初に、事故当時、被害者に対してどのような対応、事故時の対応をしてきたのか、そのことについてできるだけ詳しくお聞かせいただきたいと思います。 ◎西田 スポーツ部長  事故当時における被害者への対応状況ということでございますけれども、ファウルボールの衝突によりまして原告がけがをされたことに気づいた警備員がすぐさま現場に駆けつけまして、担架で札幌ドーム医務室に運んだ後、札幌医大に緊急搬送され、手術を受けております。 ◆坂本きょう子 委員  事故時に、けがに対してどういうふうに対応したかということではなかったのですが、それでは、それも含めて、今回の裁判は非公開ということなので、どこまで踏み込んでやっていいのかわかりませんけれども、まず、10列目にいらしたということです。1塁側ですから、当然、通常の打球だと左に当たると思いますが、右に当たっているのは何らかの動作があったからだというふうに思います。10列目にいらして、先ほどあったように130キロメートルで右目に当たったということであれば、それ相応に被害者、原告の何らかの行為ということがあると思います。そして、医務室から救急搬送されて、最終的には実際に医大で手術され、また、かなりの期間にわたって入院もしたのかなと思いますし、日常生活に戻るまでには相当な日数もかかったというふうに思います。  そういうことに対して、札幌市は、事故後における被害者との直接の対応というのでしょうか、例えば医療費の請求ということなどがあります。自動車の事故で言うと、そこに保険会社が入って保険会社が本人と医療機関との間の対応をしながら、最終的に、示談金なのか、和解金なのか、また、入院費、通院費、見舞金というようにいろいろな段取りがあると思うのです。そのあたりでは、今回の裁判は3者に対して起こされているわけですから、球場なのか、球団なのか、札幌市なのか、それぞれかかわり方が違うと思うのですが、当初はどこが対応して、裁判に至るまでの被害者とのやりとりというのでしょうか、そういう経過はどのようになされたのか、改めて伺いたいと思います。 ◎西田 スポーツ部長  まず最初に、前段にお話がありました右目に当たっていることについては、1塁側に座っていますから打球が来ると左目に当たるはずですけれども、ボールが来たときに、隣にいる子どもの様子をうかがっていたということで、そちらを向いたときに右に当たった状況というふうに聞いております。  それから、事故から2年ぐらいたってから提訴されているということで、それまでの間、札幌市、日本ハム札幌ドームそれぞれがどういう対応だったかということかと思いますけれども、野球にしても、サッカーにしても、コンサートにしても、基本的には、観客との間の関係というのは主催者の責任ということで、本件で言うと日本ハムの責任というのが第一義的には出てまいるかと思います。今回、裁判で争点となったのは、日本ハムに対しては主催者としての責任で、札幌市に対しては札幌ドーム設置の責任、札幌ドームに対しては管理の責任ですが、被害者との交渉は、やはり一義的には主催者ということで、まずは窓口を日本ハムに一本化して交渉しておりました。ですから、提訴が起きるまで、札幌市とのお話し合いというか、損害賠償の申し入れとか、そういったお話は札幌市には特段なかったということでございます。 ◆坂本きょう子 委員  わかりました。当初は、日ハム側が対応していたということですね。  今、最後のところで、札幌市は提訴まではかかわっていなかったというお話がちょっとありましたけれども、2010年に事故が起きて、2012年に提訴したということですから、事故から提訴するまでに2年間かかっていて、その中で、例えば慰謝料だとか見舞金とかなんとかについて球団との合意が得られなかったのか。主催者ということですから、注意喚起だとか、観客に対するアピールだとか、約款ということもそこに入ってくるのかもしれなくて、そういういろいろな事情があったのだと思いますけれども、日ハムがどうだということは、今、ここで議論すべきことではないと思いますので、札幌市ということに特化いたします。  そこで、札幌市に対しては安全設備の設置責任ということですね。これは、判決の中でも出てきておりますけれども、当時、提訴して原告になる前の時点で、被害者として、札幌市に対し、安全基準の上乗せであるとか、安全設備のさらなる徹底であるとか、あるいは、それにかかわって失明ということ、また、顔面にもかなり損傷があったんじゃないかなというふうにも思いますが、和解という言葉が適切なのかどうかは別にして、そういうことについて、札幌市と協議をするなり、被害者本人あるいはご家族とやりとりをしたという事実はあるのでしょうか。 ◎西田 スポーツ部長  ございません。 ◆坂本きょう子 委員  相手側から何も言ってこなかったから、札幌市から特段の接近はしなかったということになるのかなと。意図的に接しないということではなかったのかなというふうにも思いますが、私は、やっぱり、そこのところからもう少し丁寧な対応をすべきだったのではないのかな、日ハムあるいは札幌ドーム任せということにするのはどうだったのかなというふうに思います。それは、法律論だとか制度上の問題ではなくて、やはり、公の施設として札幌ドームというものがあるわけです。幾ら指定管理者として札幌ドームがある、あるいは、興行主としての日ハムファイターズ球団があるとはいっても、札幌市として何らかの対話があってもよかったのではないかなというふうに思いますので、その点について、当時と現在のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  それから、裁判ということで、一審については判決が出ています。それを不服として、今回、控訴ということになっているわけですけれども、裁判の中で、今度は原告と被告との間ですが、実際に、裁判所からの和解の提示、あるいは和解の協議というのでしょうか、そういうものがあったのか、なかったのか。さらに、もしあったとすれば、お互いに歩み寄って応じることができなかったのはどういう点があったのか、そのことについてあわせて伺いたいと思います。 ◎西田 スポーツ部長  まず、1点目の訴えの提起までの札幌市としての対応ということにつきましては、繰り返しの答弁になってしまいますが、日本ハム被害者との間で話し合いがされていたという状況の中で、札幌市がその交渉に入ることはしなかったということでございます。  次に、和解の関係です。  まず、一審の中で裁判所のほうから和解の提示があったのかということです。第一審の弁論の終結を宣言した後に、裁判官から、原告及び被告に対しまして、原告の請求金額の半分程度で和解による解決の可能性がないかということは口頭で確認されたところでありまして、これに対して私どもは和解には応じなかったわけです。その理由としましては、原告としては裁判所の和解案に応じる姿勢でございましたけれども、札幌市としましては、札幌ドームが通常備えるべき安全性を有しているため、札幌ドームの設置または管理について瑕疵はないというふうに主張してきたところでございまして、和解案提示の段階では、裁判所から、事故による損害について、札幌市の瑕疵の存在であるとか、あるいは過失割合といったことに特に言及されていないということで、和解には応じられないというふうに回答したものであります。  なお、ほかの被告である日本ハム札幌ドームの2者につきましても、和解には応じないという姿勢であったところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  賠償請求の半分程度ということで和解の提示があり、原告は応じる姿勢を見せたということでいいですね。また、札幌市の瑕疵、過失割合については明示されなかったということですけれども、ここについては、裁判の中で和解の提示ということですから、議論する余地はあったのではないかなというふうに思います。ただ、判決経過については非公開ということなので、それはこの場でも明らかにできないのかもしれないと思います。  しかし、少なくとも一定の瑕疵があり、過失割合がある程度明確化されていれば、もちろん原告側がそれをのめばという前提はありますが、札幌市も含めた3者は和解できる可能性があったという認識でよろしいでしょうか。 ◎西田 スポーツ部長  和解の可能性という意味では、被告側が応じれば、それは可能性があったということなのでしょう。  しかし、先ほどもお話ししましたとおり、私どもとしましては、議案にもありますとおり、地裁の判決というものは、我々が主張してまいりました施設の安全性であるとか安全対策の主張というものが全く認められず、一方的に国家賠償法に基づく公の営造物の設置及び管理に瑕疵があるというふうにされたものでありまして、その瑕疵の判断に事実誤認であるとか、法令違反があるというふうに考えたところでございます。  それに加えまして、野球観戦には、安全性を重視する観客がいらっしゃるのはもちろんでございますけれども、先ほどもちょっとお話しましたように、これに相反して臨場感を重視する観客もいらっしゃいます。その折り合いというのは極めて難しいと思いますが、このたびの安全対策のみを一方的に重視する地裁の判決というのは、全国の球場とか野球関係者、さらには野球ファンにも多大な影響を与える重要なものであるというふうに考えますことから、今後、さらに上級審で審理を深めていただく必要があると判断し、控訴という結論に至ったとご理解いただきたい、なおかつ、和解にも応じるつもりはなかったということでございます。 ◆坂本きょう子 委員  社会的な影響だとか、あるいは、どこまでが安全対策基準なのかというところについては、また見解もいろいろ分かれてくるところだろうと思います。今回の判決では、安全基準の具体的なものについての言及はなかったというふうに聞いていますから、では、どこまでやればいいのか、一体、幾らかければいいのかわからないと。それは、札幌ドームだけの問題ではなくて、さっき三つの判決例があったという話もしましたけれども、あらゆる球場において、とりわけプロが興行として行うもの、あるいは練習試合なども含まれるのか、そこら辺は私にはよくわかりませんが、そういうところにも波及していくものだというお考えはわかります。けれども、とりわけ今回の事例で行きますと、被害者、原告の側に行政である札幌市がもう少し心を寄せるといいますか、歩み寄るという努力が必要なのではないかというふうに思いますので、改めて伺いたいと思います。  控訴することを決めたということで、4月上旬の期限までに控訴という手続をとったので、これから高裁、最高裁というふうに流れていくのだろうと思います。そこで、高裁は大体夏ぐらいからではないかというお話を聞いていますけれども、今後の見通しですね。高裁が始まり、また、それが結審して判決が出るまで大体どれくらいの年月がかかるのか、それから、私の考えでいきますと、最高裁、あるいは、最高裁からさらに棄却、差し戻しというようなことになっていくわけですから、かなりの年数がかかるというふうに思いますので、今、札幌市が控訴すると決めた段階で、これから先の裁判の行方、年数、期間的なもの、見通し、これについてお示しいただきたい。  それから、今、控訴するということで議会にも承認の案件がかかっておりますけれども、今現在、控訴を取り下げることについて、それは安全基準をクリアしていないという瑕疵を認めることになるからということなどを除いて、技術的にというか、控訴を取り下げること、あるいは、改めて原告に対して和解に持ち込むようなことは制度的に可能なのか、札幌市としてどういうふうに判断しているのか、伺いたいと思います。 ◎西田 スポーツ部長  まず、1点目の今後の裁判に係る期間というか、時間の問題ですけれども、楽天球団のゲームで訴訟になった類似の事例で言いますと、地裁から高裁まで約8カ月かかっております。一般的には、控訴審につきましては判決が出るまでに半年から1年程度を要しますし、もし最高裁まで争うことになりますと、判決が出るまでさらに1年以上を要するというふうに聞いてございます。  次に、やるかどうかは別として、和解あるいは取り下げが技術的に可能なのかというご質問かと思います。  技術論的には、取り下げることは可能かというふうに思います。和解につきましても、原告との合意があれば和解をすることは可能ということではございます。  しかし、先ほど申し上げた点に加えまして、仮にですが、札幌市のみが控訴を取り下げたといたしますと、札幌市に対してのみ一審判決が確定いたします。そのため、4,159万円余について、今は均等に3者で払っておりますが、その全額を札幌市のみが支払うことになってしまうことから、3者の負担割合が示されていない中で、公平性の観点からも現実的ではないというふうに考えているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  総合すると、これから2年ないし3年ぐらいはかかるのではないかということと、あと、最後のところで、今、判決として4,200万円程度の損害賠償請求が出た、3者なので3分の1ずつに案分して札幌市は供託金ということで財調から1,400万円と。今言ったのは、1,400万円が確定してしまうので、それを払わなければならないということなのか。そうでなく、4,200万円全額を札幌市が払わなければならないというお話ですね。改めて、4,200万円ということなのですね。  一審の判決は社会的な影響力等々があり、札幌市としては控訴するのだというお話ですけれども、原告が応じれば、一審確定ということで、札幌市のみの確定、結審ということも可能だということでした。ですから、私は、改めて、安全基準についてどの程度のものが必要なのかと。それは、例えば、さっき言っていた日本野球機構とか、体育施設の安全基準ではフェンスはおおむね3メートルというようなものなどがありますけれども、やはり、今回は130キロのライナーで5.7メートルの高さのものが飛んできているわけですから、札幌市が当初につくっていた5メートルの防球ネットも含めて、その高さには及んでいないということで札幌市に瑕疵があるという話になっていますので、私は、やはり、相応の安全対策をしっかりと講じて和解の道を模索するべきだというふうに思っております。
     しかし、それはしないというのが繰り返しの答弁なので、あえてそこについてはお聞きしませんけれども、今度の裁判、高裁の時点で、また和解提案が出る可能性は十二分に考えられるわけですね。新たな裁判長のもとで、新たな証拠が提出されるのかどうかということはよくわかりませんから、ちょっと仮置きの話で恐縮ですけれども、相応の安全設備の設置上の瑕疵が札幌市にある、そして、札幌ドームの設備を一定程度改善しなさいということで和解案の提示があったときに、それをのむというか、少なくとも球団とドームを含めた3者で協議をしながら、そのテーブルに着くことについてはどうなのか。札幌市の弁護士、あるいは被告の弁護団としての今の議論というのでしょうか、そういう話し合いができる余地について、さっき可能性はあるというふうにお話をされていましたけれども、改めて、そういうところも視野に入れてこれから高裁に臨んでいくのかどうなのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎西田 スポーツ部長  控訴審において和解勧告があれば応じるかという質問かと思いますけれども、その前に、まず、一審判決における和解の状況をご説明申し上げます。  先ほども申し上げましたとおり、裁判が結審してから判決の前、つまり、札幌市に瑕疵があるかどうか、あるいは、どういった安全基準なのかといったものが示される前の段階で、瑕疵の有無の判断がある前に半額でどうですかというお話が口頭であったというのが第一審のときの状況です。ですから、今は、瑕疵があったという仮定のもとに和解に臨むという前提は置けないのかなというふうには思います。  ただ、仮に今後の控訴審裁判所から和解の勧告をされた場合には、その時点での状況に応じて、ほかの控訴人とも協議の上、慎重に対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆坂本きょう子 委員  原告にこれ以上の不利益がこうむらないような形で、また、安全対策ということも判決を待たずしてしっかりやっていく必要があるだろうと思いますので、ぜひ、そこを徹底していただきたいなというふうに思います。  先ほどの質疑の中でも明らかになりましたが、そもそも5メートルあったものが、日ハム側の要請もあり、2.1メートルの防球ネットが外され、2.9メートルのフェンスだけになったということでした。ファイターズはこの連休に3連戦がありましたので、直接、球場には行けなかったので、テレビでしたけれども、なるべくフェンスのところを注目しながら見ておりましたら、やはり、ファウルというのはたびたびありまして、テレビを通じても本当に危険なんだなということを改めて確認いたしました。  そういう中で、例えば、読売巨人軍との試合のときには、読売巨人軍側として、2.9メートルのフェンスに2.1メートルの防球ネットを張ってくれという興行主側からの要請があって、ジャイアンツの試合のときにはそのようにネットを張って試合をしているというふうに聞いています。それについて、興行主側の意図がどういうところにあるのか、危険だからということ、あるいは、スタンドから物を投げ込まれることなども考えてのことだと思いますが、そういう形で興行主によっては個別にネットを高くしている例がありますから、札幌市が札幌ドームに対して、常時、防球ネットを設置するように申し入れることは可能だと思います。また、今現在、もう既に年間の日程等は埋まっていますが、札幌ドームが興行主に対して、追加の契約案件にネットを立てるという条件を付すことも可能だろうというふうに思います。今回裁判になっている5.75メートルには追いつかないけれども、他球場にもあるように5メートルの高さをキープすることは可能だというふうに思います。また、私は野球のことはよくわかりませんが、内野というのはやっぱりライナー性の当たりで入ってくる確率が非常に高いものだと思いますので、そういう危険のあるところには例えばヘルメットを貸し出している球場があるというふうにも聞いていますし、防護ネット防球ネット安全性により配慮してもっとしっかりとした形でゆっくり楽しんでもらえるような席にするとか、さまざまに考えられると思うのですね。それは、瑕疵がある、ないという裁判上の争いではなくて、臨場感を味わいながら安全に見ることができるように、お互いの満足度をいかに高めるかという意味で札幌市がやってしかるべき中身だというふうに思います。それがどういう基準かということは、私は今ちょっと提示できませんが、そういう観点でより高い安全基準、安全設定にしていくべきだというふうに思います。  ふくそうして聞いてしまいましたが、そういうことについては今すぐにでも対応していけることが幾つもあると思うので、今後の検討課題とするとか、あるいは、今、積極的に検討してやっているとか、そうした点からご答弁を頂戴したいと思います。 ◎西田 スポーツ部長  先ほど佐々木委員にもご回答したところですけれども、今回のファウルボール事故の後、まず、球団としてさまざまな安全対策を強化してきたところでございます。  また、ネットの高さについて、委員がご指摘の読売巨人軍の場合は2.1メートルのネットをつけているということであります。これは、日本ハム戦ということではなくて、読売巨人軍対セ・リーグの球団の試合ということで、読売巨人軍が主催者となっている試合ですが、委員からもお話がありましたとおり、ファウルボール衝突の防止のためなのか、逆に観客側から何かを投げ入れられる、あるいは乗り越えられるといったことを防止するためなのか、定かではありませんけれども、いずれにしてもそういう例はあります。  ただ一方で、今、5.75メートルというお話もありましたが、しからば、完全に衝突事故を防止するためには一体何メートルあればいいのかというような基準ももちろんありませんので、今現在、札幌ドームは少なくとも通常備えるべき安全性は有しているというふうに考えておりまして、繰り返しになりますけれども、その設置または管理に関する瑕疵はなかったというふうに考えているところであります。しかしながら、安全性の強化を求める声があることは承知しておりまして、一方で、先ほども答弁しましたように、臨場感を求める声もありますので、これらのバランスを考慮しながら、今後も主催者や株式会社札幌ドームといったさまざまな関係先と協議してまいりたいというふうに考えております。 ◆坂本きょう子 委員  私は控訴には反対ですけれども、控訴によって、裁判の中でまたさらに明らかになっていくものもあると思いますし、具体的な安全基準も示されてくるかと思いますし、それを求めていく必要があるというふうに思っています。  ただ、いずれにせよ、避けられたか、避けられなかったかという事故の問題はありますけれども、やはり、ファウルボール1球で、原告、被害者に与えた傷害、あるいは、子どもさん、ご家族がご一緒に観戦していたということですから、非常に悲惨な状況を目の当たりにしているご家族のご心痛、そしてまた、職場にもなかなか復帰できない状態がまだ続いているのかなというふうにも思います。そういうところに思いをはせて、公の施設で起こった事故、そして裁判まで発展しているということを考えたときに、やはり、札幌市として、きちんと被害者に対してお見舞いの意をあらわすということ、そして、二度とこういう事件・事故は起こさないという不断の努力、研究はしっかりとしていかなければならないと思います。先ほども学ぶ、調査をするというふうにおっしゃっていましたが、興行主である球団はもちろん、日本野球機構、公の体育施設を有している全国の自治体も含めて、そこら辺はしっかりと意見交換しながら、臨場感安全性の担保の両方をしっかりと守っていくことが求められているというふうに思います。そして、私は、札幌市は4,200万円というお金を払ってでも和解に応じるべきだということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ○しのだ江里子 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○しのだ江里子 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。 ◆坂本きょう子 委員  私は、日本共産党を代表して、議案第2号 専決処分承認の件(一般会計予算の補正)、議案第3号 専決処分承認の件(訴えの提起)に反対する立場から、討論を行います。  議案第3号は、2010年8月21日、札幌ドームでのファイターズ対ライオンズ戦を観戦していた方が、ファウルボールを顔面に受け、右眼球破裂等で失明した事故で提訴し、原告、すなわち被害者の請求をおおむね認める判決を不服とし、札幌ドーム日本ハムファイターズ及び本市が控訴するというものです。  判決の中で、本市にはグラウンド面からの防球ネット設置について瑕疵があり、国家賠償法の規定による営造物責任を免れないとあり、本市の安全対策が万全ではなかったとの指摘がありました。本市は、当然、この事故を受けて独自で安全基準を見直し、安全設備の設置を行うべきでした。また、地裁での和解案提示には、札幌ドーム、ファイターズ球団とともに十分協議し、応じるべきだったと考えます。  地方公共団体が、一市民に、長らく不利益を、すなわち、判決文にあるように、右目失明による日常生活の不便や精神的苦痛を与え続けることは許される行為ではなく、控訴もすべきではありません。直ちに3者で協議し、原告との和解の道を模索し、速やかに事態を終息させるための救済措置を講じるべきです。  よって、議案第3号には反対です。  また、控訴のための供託金拠出の1,400万円の補正予算である議案第2号にも反対です。 ○しのだ江里子 委員長  それでは、採決を行います。  議案第2号及び第3号承認すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。  (賛成者挙手) ○しのだ江里子 委員長  賛成多数であります。  よって、議案2件は、承認すべきものと決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時22分...