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平成27年第一部予算特別委員会−02月24日-02号
平成27年第二部予算特別委員会−02月24日-02号

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  1. 札幌市議会 2015-02-24
    平成27年第二部予算特別委員会−02月24日-02号


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    平成27年第二部予算特別委員会−02月24日-02号平成27年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第2号)               平成27年(2015年)2月24日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  桑 原   透      副委員長   佐々木 みつこ     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  こんどう 和雄      委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  長 内 直 也     委   員  よこやま 峰子      委   員  飯 島 弘 之     委   員  北 村 光一郎      委   員  伴   良 隆     委   員  伊与部 年 男      委   員  川口谷   正     委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  林家とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  しのだ 江里子     委   員  宝 本 英 明      委   員  村 上 ゆうこ     委   員  中 村 たけし      委   員  涌 井 国 夫     委   員  三 浦 英 三      委   員  芦 原   進     委   員  國 安 政 典      委   員  福 田 浩太郎
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  伊 藤 理智子     委   員  石 川 佐和子      委   員  松 浦   忠     委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○桑原透 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、阿知良委員からは、國安委員と交代の旨、届け出がございました。  また、陳情提出者から資料の提出がございましたので、お手元に配付しております。  議事に先立ちまして、審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので、ご報告いたします。  質疑者及び答弁者は、起立して発言をしていただきます。答弁を行います部長及び課長は、冒頭に職、氏名を名乗ってから発言をしていただきます。答弁が続行する場合は、最初だけで結構です。また、効率的な審査を行うため、質疑及び答弁は簡潔を旨とし、前置きは極力省き、内容の重複等は避けながら、定められた審査日程のとおり進めることができるようにご協力をよろしくお願いいたします。  それでは、議事に入ります。  議案第1号 平成27年度札幌市一般会計予算中関係分ほか、付託議案18件及び陳情第224号 介護保険料引き上げ中止を求める陳情を一括議題といたします。  初めに、陳情第224号 介護保険料引き上げ中止を求める陳情につきまして、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩します。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時2分       再 開 午後1時9分     ―――――――――――――― ○桑原透 委員長  委員会を再開いたします。  それでは、第3款 保健福祉費 第3項 老人福祉費、議案第7号 平成27年度札幌市介護保険会計予算、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分、議案第18号 札幌市介護保険条例の一部を改正する条例案及び陳情第224号 介護保険料引き上げ中止を求める陳情について、一括して質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  私から、ただいま陳情がございました件について質問させていただきたいなと思っております。  介護保険料については、全国の市町村で、3年に1度、第1号介護保険料の改定が行われますが、新聞報道によりますと、次期保険料基準額全国平均で月額5,550円程度に上昇すると見込まれているとのことでございます。札幌市においては、先ほども陳情の方がおっしゃっておりましたが、今回の介護保険条例の改定案で、第1号保険料の基準額が月額5,177円となっており、これは、現在の4,656円と比べて521円増加するというふうになっています。  そこで、質問でございますが、次期保険料の増加について、全国的な状況も含め、その要因についてお聞かせ願いたい。  あわせて、札幌市として増加抑制のためにどのような工夫をしたのか、お伺いいたします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  保険料増加の要因と増加抑制の工夫についてということでございます。  増加の要因については、全国の状況と共通しておりますが、要介護等認定者数の増加に伴い、施設、在宅等の費用が増加しているほか、国が定める65歳以上の第1号被保険者全体の負担割合が引き上げられたことなどから、第1号被保険者全体で負担する費用が増加しているものでございます。一方、費用を負担する65歳以上の第1号被保険者数高齢者数の増により伸びておりますけれども、費用の伸びのほうが大きいことから、第1号保険料の基準額は上昇するものでございます。  札幌市では、増加抑制のために、介護給付費準備基金残高のほぼ全額に当たる約14億円を繰り入れることとしておりまして、できる限りの負担軽減を図っているところでございます。  なお、委員からもお話がございましたが、現時点での国の試算値でございますけれども、次期保険料全国平均は月額5,550円程度で、これは、現在の保険料から率にして11.6%の上昇でございます。一方、札幌市の場合、次期保険料の月額が5,177円でございまして、現在の保険料から11.2%の上昇となっており、金額では全国平均を下回る見通しで、増加の割合は全国平均とほぼ同程度の見込みという状況でございます。 ◆北村光一郎 委員  今回の制度改正においては、これまでの給付費の5割の公費に加え、特別に公費を投入し、65歳以上の低所得者について保険料の軽減を強化する法改正が行われました。これは、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の一つとして、消費税引き上げ分を財源として実施するものであります。具体的な軽減幅や対象者については、昨年末に消費税引き上げの延期という大きな判断があったことを踏まえ、ことし4月から、そして消費税が10%への引き上げの時点からというように段階的に拡大していくことが見込まれています。  そこで、質問ですが、新たな低所得者の負担軽減について、消費税増税時の拡大を先取りして市独自にことし4月から実施した場合、本市の負担は幾らになるのか、お伺いいたします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  市独自で拡大実施した場合の負担増というお尋ねでございます。  今回、新たに設けられました低所得者の保険料軽減制度は、法令の定める範囲内で一般会計から繰り入れを行い、その繰入額の50%を国が、25%を都道府県と市町村がそれぞれ負担する仕組みとなっているところでございます。現在、最も所得の低い新たな第1段階の方に対しまして50%の軽減を行っておりますが、政府予算案によりますと、4月から、公費負担により、これをさらに55%に拡大し、将来の消費税の増税時には対象者及び軽減幅をさらに拡大する予定と認識しているところでございます。  仮に軽減拡大時に想定される対象者及び軽減幅で札幌市が独自に先行して軽減を実施した場合、平成27年度の単年度で申しますと、市の負担は16億円程度増加することになるというふうに認識しているところです。 ◆北村光一郎 委員  今の予算よりも16億円ほどふえるというご答弁でございました。  市独自で低所得者の方々への軽減拡大を先取りしてしまうということは、今の答弁のとおり、平成27年度において相当な市の負担になるということでございます。  ここで、最後の質問といたしますが、全国一律の制度として財源負担のあり方が定められている介護保険制度の中で、このように札幌市だけの負担で保険料の負担軽減を図るとどのような問題が起きてくるのかということをお伺いして、質問を終わりたいと思います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  市独自で低所得者の負担軽減を図ることについての問題というお尋ねでございます。  介護保険制度は、ご存じのように、高齢者と現役世代が負担する介護保険料と、国、都道府県、市町村による公費負担のほか、利用者負担で必要な経費を賄うというように、財源負担のあり方が法令で明確に定められた社会保険制度でございます。札幌市として独自に保険料を軽減することは、保険者と行政、利用者が重層的に支え合う介護保険制度の趣旨から適切ではないというふうに判断しているところでございます。新たな低所得者の負担軽減の実施につきましては、法令に基づき、適切に実施してまいりたいというふうに考えております。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、陳情に直接は関係ありませんけれども、よりよい介護の仕組みについてということも含めまして、とりわけ、認知症カフェの普及についてお尋ねしていきたいと思います。  言うまでもなく、札幌市の人口は減少していく見込みでありますけれども、ご高齢の方は今後もふえ続けていきます。先日も代表質問の答弁でございましたが、札幌市では2025年に認知症の方が8万3,000人を超えるという推計で、これは7人に1人に当たるということであり、もはや、誰もが共通の課題として考える必要があるときを迎えていると思うわけでございます。  私も、先日、あるご相談を受けました。生活保護を受けていらっしゃる方の相談対応時のことですが、ケースワーカーの説明がよくわからないということ、また、詳しい内容は言いませんけれども、あるとき、保健師と2人で来られたときに、侮辱を受けたというふうに感じたそうなのです。  1時間ほどいろいろ話をしていますと、私なりに認知症の方なのだなということを理解いたしましたが、ご本人は全く自覚がありません。私もよく知る方で、普通のときもある方なのです。どうしようかということで、相談者の近所の方にお伝えしようかと思ったのですが、プライベートなことですので、なかなか伝えられなかったということもございました。やはり、一般の方にとりまして、認知症という病気はまだまだ隠したい病気であり、また、認めたくない病気ということで、家族以外の人に相談をしたり、医療機関を受診することがなかなかできないでいる実態かというふうに思います。老々世帯、あるいは単身世帯で、お子さんがいたとしても遠かったり、また、近くにいたとしても、家族で認知症の方を背負っていくのは余りにも負担が大きいということは、皆さんにもご理解いただけるものと思います。2月7日には、認知症の奥様の介護疲れによる大変に痛ましい事件も発生いたしまして、報道の範囲の情報でありますが、ご家族だけの努力、また、行政サービスだけの支援では、防ぎ切ることはなかなか難しいというふうにも感じているところでございます。  本年1月に国が発表しました新オレンジプランでは、戦略の柱として7項目が示されておりまして、認知症の人や家族の視点の重視、また、認知症の人に優しい地域づくりなどが求められております。このプランの中に認知症カフェ取り組みが位置づけられておりまして、認知症の人や家族が特別な手続なしに気軽に立ち寄って相談ができる取り組みとして、今後も期待が寄せられるというふうに考えております。  札幌市におきましても、さきの代表質問において三浦議員ががっちり質問させていただきました。認知症施策次期介護保険事業計画の重点施策に掲げ、今後、取り組みを充実強化するというご答弁もいただきました。その中で、認知症の人と家族の居場所づくり地域住民との相互理解の場となる認知症カフェを拡大して、地域の方や専門職の方や民間事業者など、地域が一体となって取り組みを推進するというお答えでございました。  そこで、お尋ねしたいのですが、今年度、認知症カフェモデル事業をやっていただいております。どんな方法で実施をして、そして、参加者などからどんな反応があったのか、また、そうした状況を踏まえて、今後、どのように拡大していく予定なのか、お伺いしたいと思います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  認知症カフェモデル事業への参加者の反応と、また、今後の拡大をどういうふうにしていくかというお尋ねでございます。  今年度のモデル事業は、認知症の人と家族の会や社会福祉法人、医療法人など四つの法人等と、また、札幌市認知症支援事業推進委員会との共同開催により実施しているところでございます。認知症支援事業推進委員会とは、認知症サポート医だとか家族の会の代表、介護サービス関係者、有識者、区職員等により構成されまして、札幌市独自に設置しているものでございます。  認知症カフェは、四つの法人等によって、きょう現在まで延べ9回開催し、認知症の方、また家族、地域住民等を合わせまして、延べ370人のご参加をいただいているところでございます。認知症カフェの開催回数や実施方法は、法人等が主体的に決定しておりまして、認知症支援事業推進委員は専門職として相談に従事しているところでございまして、札幌市の行政の立場は、開催にかかわる広報とかボランティアの調整、実施内容に対する助言などの支援を行っているところでございます。  家族介護者地域住民からの反応につきましては、専門職との出会いの場や気軽な相談の場として認知症の理解を深める機会になっており、特に、開催場所となっているグループホームとか介護施設の職員に接することにより、身近に感じていただく機会にもなっているというふうに伺っているところでございます。各法人からは、地域貢献の機会や認知症の方と家族のニーズを把握する機会になっているという意見もいただいているところでございます。  今後の話でございますが、今回のモデル事業を契機にいたしまして既に定期開催している法人もございまして、ほかの法人からも認知症カフェについて取り組みたいとの問い合わせもあるところでございます。行政のほうでは、一定の要件をいろいろ整理して示しまして、札幌市の方針に合致する認知症カフェについて、いわば登録制とし、法人等の自主運営を支援する形でぜひ拡大してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  わかりました。札幌市の独自の取り組みであり、国が推奨している地域包括ケアの方向性に合致するというふうに思います。住民の方々の参加、そして事業者との協働など、自助や互助を生かした取り組みだというふうに評価したいと思います。  そこで、今も自主運営を支援していきたいというお答えがございましたけれども、今後、認知症カフェを実施したい法人等に対して、運営方法やノウハウの提供などを具体的にどのように支援していくのかということについて質問したいと思います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  具体的にどのような支援を考えているのかというお尋ねでございます。  認知症カフェを実施したい法人等に対しまして、運営方法、また、ノウハウに関する情報交換の場がやっぱり必要となってくるというふうに認識しているところでございます。ことしに入りまして、去る1月29日、モデル実施の報告会を開催し、立ち上げまでの経緯や当日のプログラム、運営方法等について実施法人等から報告していただいたところでございます。報告会には94名の参加者がいらっしゃいまして、そのうち社会福祉法人等の関係者が50名で、アンケート結果では、既に類似の取り組みを開催している方が13名、今、開催を検討中だと回答している方は22名という結果でございました。  平成27年度からは、札幌市の登録要件を満たす認知症カフェに対しまして、認知症サポーター養成講座受講者の中からボランティアを派遣するとともに、引き続き、市民への周知だとか、または、主催者の情報交換の場を設けるなどの支援を行っていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  わかりました。  先ほどもございましたが、介護保険の制度は、財源も非常に難しく悩ましい中で、本当に工夫と努力をしていただいていることは評価させていただきたいと思います。  今までお話ししてきたことから少し展開しますが、こういう既存の事業所、施設を利用してやるというのは本当に大事なことで、ぜひ進めていただきたいのです。ただ、これは、ハードルが高いというか、理想が高いのかもしれませんけれども、理想としては常設のカフェはぜひあったほうがいいなと思うのです。これは非常に成功したと思いますけれども、日時限定のカフェでありまして、私も、人を集める労力は大変なものがあったというふうに実際に聞いております。日程が合わず、参加できない方もいらっしゃいます。常設であれば、思い立ったときに、ご本人、ご家族もふらっと立ち寄ることもできるわけでございます。また、こうしたサロンの事業というのは、認知症に限らず、介護予防の場であったり、または、高齢者の活動の場であったり、有償ボランティアの場であったり、コミュニティーの再生の場であったり、もしかしたら、子どもと高齢者の接点になるというふうにも思うわけでございまして、歩いて通えるところに低額で利用ができるサロンというのはとてもニーズが高いと思います。  保健福祉局としては、シニアサロンモデル事業というものも実施していただいておりますが、ぜひ、局全体として、また、市民まちづくり局などサロン事業を展開している部局とも連携していただいて、身近な地域にたくさんの常設サロンができるように、そして、その自主運営をできるように、国からの予算がない中で私も非常に申しわけなく思いますけれども、ぜひよろしくお願いしたいということで、質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からは、今、介護保険料引き上げ中止を求める陳情者の発言がありましたことと、それから、利用料の減免についてもあわせて質問したいと思います。  先ほどからの議論もありますが、私どもも、この間の代表質問でこの問題を取り上げてきました。国において、低所得者の負担軽減制度が設けられました。これは、この間、本当に政令市が一致して何度も何度も国に声を上げてきていまして、やはり市民の厳しい状況がそこにあるということなのですね。しかし、何度も働きかけているのに、国は介護保険料の低所得者措置をほとんど見送りました。先ほどの陳情者の話を聞いて本当にそう思ったのですけれども、やっぱり、何度も年金が下げられる中で、1日2食の食事にかえている方もおられました。アベノミクスのもと、円安の影響も受けての物価高、消費税の8%増税、医療費の負担増、年金の削減と、市民の暮らしは本当に大変になっています。ですから、国は当初の計画で第1段階は軽減率を50%から70%に拡大することを表明していましたが、これが55%で抑えられ、第2段階、第3段階はそのまま据え置かれたというのは大変厳しい状況だというふうに思うのですね。  そこで、本市は介護給付費準備基金の14億円をこれに充てましたが、これは評価できるというふうに思います。上昇を抑制したということですね。しかし、本市独自で減免をやったら16億円というお金を試算しながら、一般会計からの繰り入れについては検討されなかったのですか。これについて伺いたいと思います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  一般会計からの繰り入れは検討しなかったのかというお尋ねでございます。  今、委員からお話がございましたように、いろいろ給付費がふえることによりまして負担増はありますが、介護給付費準備基金など14億円を取り崩しまして、できる限り上昇抑制を図ったところでございます。  介護保険制度は、保険料と、国、都道府県、市町村による公費負担のほか、利用者負担で必要な経費を賄う給付と負担の関係が明確な社会保険制度でございます。札幌市が一般会計から独自に繰り入れを行い、保険料を軽減することについては、被保険者と行政、利用者が支え合う介護保険制度の趣旨から適切ではないというふうに考えているところでございます。  札幌市としては、引き続き、介護保険制度の周知を図る中で介護保険料についてもご理解いただけるよう丁寧に説明を行うとともに、低所得者減免所得激減減免などの制度を活用し、個別に減免の必要な方々にも対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  政令市が足並みをそろえた対策はとられていないですね。介護保険の趣旨から照らして適切でないと言いましたけれども、介護保険制度そのものは給付がふえれば保険料にはね返る仕組みになっています。特養ホームが足りない、待機者は12月末時点で6,140人、特養ホームはふやさなければならない、しかし、ふやせば保険料が上がる、これでは見直しのたびに保険料が引き上げられます。この仕組みでは、国の補助金をふやすなどの改善がなければ高齢者にとって苛酷な負担になっていくと思いませんか。低所得者の軽減は待ったなしなのです。  そこで、私は、国民健康保険料のように一般会計からこれを繰り入れて手だてをとるべきではないか、また、国が制度の抜本的な改善を図るまでの間、本市が低所得者対策として対応すべきではないか、また、これを進めるに当たって、先ほど、趣旨から照らして適切でないとおっしゃったのですが、国が自治体の減免をだめだというふうに言っているわけではないと思うのですけれども、この辺について伺いたいと思います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  保険料の負担軽減のために独自に一般会計から繰り入れを行うことは、保険料と公費のそれぞれを一定の割合で負担することが法令で定められている介護保険制度上、想定されておらず、国においても不適切な保険運営というふうにしているところでございます。制度の中で新たに設けられた公費による低所得者の保険料減免については、介護保険法において、政令で定めるところにより行うこととされておりまして、今後、政令で示される軽減割合などを踏まえまして、適切に実施してまいりたいと考えているところでございます。  なお、政府予算案に示されている軽減の一部実施が確定した場合、本市においては、最も所得が低い新たな第1段階の方の保険料は今の保険料の金額とほぼ同程度の水準まで軽減される見通しでございます。 ◆井上ひさ子 委員  適切ではないというご答弁でしたね。国が自治体に減免をだめだと言っているのかという質問にそういうご答弁がありましたが、これは、法令上、禁止はされていないのですよ。適切ではないとおっしゃいましたけれども、禁止されていないのですよ。ですから、国が低所得者軽減措置を一方的に見送った中で、自治体が住民の暮らしを守る上で対策をとるところが出てきているではないですか。私は、これは住民の福祉を守る上で当然のことだと思うのですね。だから、今、いろいろなお話もさせていただきましたが、待機者が特養に入りたいと待っている、特養をつくれば保険料にはね返る、だから、今、無届け有料老人ホームやお泊りデイなどがふえてきているのですよ。私は、これでは高齢者は安心して暮らせないというふうに思います。  在宅介護か施設介護かは選択の自由、こう言って始まりました。しかし、介護保険料を払っても特養に入れない、本当に破綻しているというふうに思いますよ。介護保険料の高騰を抑えながら、特養ホームを初め、基盤整備を拡大して皆さんがおっしゃる持続可能な制度とするには、国の負担割合を大幅に引き上げる以外にないのです。その間、先ほど陳情者が陳情されておりました低所得者の減免について、私は本市としてこれを早く実施すべきだ、そのことを強く求めておきたいと思います。  あわせて、利用料の減免についてです。  今、年金生活の方が多くなっています。とりわけ国民年金で暮らしている方々は、保険料も高くて利用料も高い、何とかしてほしい、こういう声が切実に来ております。2014年に実施した介護認定の意向調査で、生活保護を受けていない非課税世帯の第2段階では、負担ではあるが、何とかやりくりしている、31.5%、負担が苦しくてやりくりが難しい、7.1%に上っています。第3段階では、何とかやりくりをしている、45%、やりくりが難しい、1.6%と、負担感を訴えています。  先日、私がお話をした方ですが、夫がアルツハイマーで小規模多機能施設に通っている、1月の利用は、限度ですが、1万6,712円、毎日、食事代が500円ずつかかってくる、そこで1日通いと午後からとを組み合わせて何とかやってきた。年金の金額を聞きましたら10万円でした。保険料も利用料も何とかならないのか、国民年金で暮らしている者には高くてたまらない。私のところだけではなくて、こういうことがいろいろなところで今起こっているというふうに思うのですね。介護保険制度の中では救済できないこういう問題があります。利用したくても負担が重くて利用できない、利用抑制が起こっているのではないですか。  今後、ますます高齢化して、年金が引き下がる、医療費が負担増になる、こういう中で利用できなくなるのではないかと私は思うわけですが、どのように認識されていますか、伺います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  サービスの利用抑制が起こっているのではないかということで、市の認識についてのお尋ねと理解します。  介護保険のサービスの利用料につきましては、所得の段階とか要介護度などに個人差があると思いますけれども、委員からもお話がございましたように、平成25年度のアンケート調査によりますと、利用料に何らかの負担感をお持ちの方というのはある程度の割合でいらっしゃると認識しております。一方で、同時期の同様のアンケートで、介護認定を受けても介護サービスを利用していない理由についても伺っておりますが、いざというときにとりあえず申請して認定を受けたとか、また、サービスを利用していなくても今現在は自分で生活できるからといった理由が上位を占め、必ずしもサービス利用料が負担になることが上位になっていないデータもございます。ただ、委員からもご指摘がありますように、高齢者などの情勢は厳しいものがございまして、各家庭の事情に応じて日々の生活におけるいろいろな節約に精いっぱいのご努力やご苦労を重ねながら家計のやりくりをされておられる方も少なからずいらっしゃるのだろうと思っているところでございます。  低所得者に対しましては、介護保険制度上、収入に応じた利用料負担の軽減策を講じているところでございますけれども、例えば、生活困窮により使いたいサービスを受けることができないと判明した場合には、他の福祉サービス制度につなぐなど、高齢者お一人お一人の生活状況に応じた丁寧な対応をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  私は、やっぱり、現場の中でどういうふうになっているのかということをしっかり把握していただきたいと思うのですね。年金を受けながら暮らしている方々がおられます。この方はサービスを受けている方ですが、受けている方々の中でもこういう抑制が出ています。  この方は夜中に動き出しますから、奥さんは、常時、ソファの横で寝ています。それで、お金がかかるけれども、1日でもショートステイをお願いしたいと言うのですが、これもひどいのですけれども、ショートステイはその体制がとれない。それはなぜかというと、2カ月先まで待たされているのですね。入れないということもあります。そして、今度は食事代もかかりますから、ここでもまた利用者負担が発生します。こういうことなので、利用したくても利用できない。まさに、受けている方々の中でもこういう抑制が広がってきているのですよ。  こういうときにどうするのかといったら、先ほど他の福祉制度とおっしゃいましたけれども、これは他の福祉制度と併用できるものはないのですよ。生活保護制度につないでいくということでしょう。そういう制度だと思うのです。でも、私は、介護保険の前にあった高齢者福祉制度などと連携してやれば、こういう方々も幾つかの制度の中からサービスを受けれます。例えば、市でやっている地域の支援事業で、おむつの支援とかがありますね。この方は、ああいうものを受けられないのですよ。生活保護世帯の方でも利用料は1割負担ですから、受けていなくても1割負担ですから、こういう制度が今の介護保険制度なのですね。ですから、先ほどの保険料の引き下げ、それから利用料の減免、これは待ったなしの課題だというふうに私は思います。  他市町村では、こういう減免をやられているところがありますね。そういう中で、私は、札幌市においてもこのような減免が必要だというふうに思いますが、これについて伺っておきたいと思います。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  繰り返しのお答えになりますけれども、介護保険制度は、高齢者と現役世代が負担する介護保険料と、国、都道府県、市町村による公費負担のほか、原則1割の利用者負担で必要な経費を賄う給付と負担の関係が明確な社会保険制度でございます。一方、低所得者の方に対しては、介護保険制度上も収入に応じた利用者負担の軽減策を講じているところでございまして、例えば、利用者負担が高額にならないように、一定額を超える負担については高額サービスとして払い戻すなど、制度上、可能な限りの配慮をさせていただいているところでございます。さらなる利用者の負担軽減策につきましては、その財源の全てを札幌市が負担し、独自に実施することになりますことから、被保険者、国、都道府県、市町村、利用者が重層的に支え合う社会保険制度の趣旨から適切ではないというふうに考えているところでございます。  生活困窮により使いたいサービスを受けることができない場合のご相談につきましては、高齢者お一人お一人の生活状況に応じて適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆井上ひさ子 委員  これで終わりにしたいと思いますが、お金がなければ、どんなに介護保険制度があっても、やっぱり利用できないです。高齢者は、今、暮らしを守るのに必死になっていると思うのです。ですから、きょうのように、こういうたくさんの方々から陳情が市議会にも出されているというふうに私は思います。一刻も早く低所得者に対応するよう、そして、保険料の引き上げは中止すべきことを求めて、質問を終わりたいと思います。 ◆松浦忠 委員  私は、介護保険、そして、介護のあり方について質問いたします。  まず最初に、行政は介護問題をどのように捉えていくか、ここのところがまず大事だと思うのですね。実は、国は、平成5年と10年に、終末期医療に関する意識調査等検討委員会報告書というものを出しておりまして、それらに基づいて、平成12年3月に医療経済研究機構から終末期におけるケアに係わる制度及び政策に関する研究の報告が出される、こういう経過なども出てきております。これらの関連の中で注目すべきは、平成12年7月に、大阪市の医師会、502名のお医者さんが加入していますが、この医師会が、初めて、患者と家族に対して終末期医療への対処の仕方についてアンケート調査を行いました。これは、全国で初めてであります。そのとき、アンケートの内容と集計結果、そして、それぞれ記載された自由意見などをまとめた2分冊の本がありますが、当時、私は、1セット2,000円で大阪医師会から政務調査費で購入して、市の保健福祉局の関係の方とか市立病院とか、いろいろなところに配りました。そして、健康寿命増進の取り組みだとか、いろいろなことに取り組んで、議会でも取り上げてきました。  この中で、注目すべきは何かといったら、植物状態になった場合の延命治療の継続に関する質問項目があって、医師、本人の場合は「続けてほしい」という人はわずか2.4%、ところが、家族は「続けてほしい」が6.5%とおよそ2.5倍になっているのですね。大阪医師会では、理屈では割り切れない情というものがここにあるということが一つの分析として出されております。  それから、もう一つは、自由意見に関する意識調査ですが、502人の方がいろいろ書かれた自由意見の中で、在宅医療実現困難の理由というのが全部で27項目列記されております。その中の一つに、介護する家族の負担が余りにも大きい、継続的に長くはやれないということなどがありますが、27項目をずっと見ていくと、なるほどなというものばかりです。したがって、在宅介護は無理だというのがこのときの大阪医師会の結論なのです。ところが、厚労省は、在宅介護だ、在宅介護だと言っております。しかし、実際に高齢者の介護をしてみると、在宅というのはなかなか至難なことだというふうに思います。  そこでまず、最初の質問は、皆さん方は、今の介護保険の制度で、この先、どのぐらいまで今の制度を維持していけるという予測を立てているか。  なぜ、私がこういうことを聞くかといったら、人口の年齢別構成を見ればわかるはずですが、それらから推察して、この先、どのぐらい今のような水準で介護保険を維持していけるというふうに考えておられるか、まず、お尋ねします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  委員のお話のとおり、介護保険制度は、従来、家族が主に担ってきた寝たきりや認知症の家族の介護を、社会保険の仕組みによって社会全体で支える制度として平成12年に創設されたものでございます。それがいつまで持続できるかということについてですが、私どもとしましては、介護保険制度を初めとする社会保障制度を超高齢社会においても持続可能なものにしていかなければいけないというふうに考えているところでございます。例えば、今、国で議論されているところで言いますと、税と社会保障制度の一体改革としてさまざまな取り組みを行っておりまして、その中では集中と選択というようなことも言われておりまして、私どもといたしましては、持続可能なものとしていくべく努力していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  中学生ぐらいになると、統計だとか、いろいろなことを学校で習いますから、日本の総人口に占める年齢別の構成割合で見ていけば、中学生ぐらいだったら大体の予測がつくのですね。皆さんは、大人だから予測がつかないのです。つかないのではなくて、つけてはまずいからつけないのです。  私は、これはもたないと思います。なぜもたないかといったら、今、サービスつき高齢者向け住宅というのがたくさん建っておりまして、どこもあいています。なぜかといったら、入居するのに最低15万円です。夫婦2人だとしたら、そのほかにもろもろを入れて37〜38万円ぐらいなかったら、あるいは40万円近い所得がなかったら、30万円を払っていくことは難しいだろうと思うのです。  こういうお金の実態の中で、札幌市ができることとして、介護を受ける側の人にどういうような取り組みを独自にしてきたのか、その点についてお尋ねします。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  委員からのお尋ねでございますが、まず、サ高住の現状については、私どもは全てがあいているという認識を持っておりません。それは、各民間事業者によるものですから、充足しているところもあれば、あいているところもあるのかなと、また、所得が高い方向けの住宅もあれば、低所得者向けにやっている部分もあるのかなというふうに思っているところでございます。  私どもといたしましては、多くの市民ができる限り住みなれた地域で暮らしたいというふうに望んでおりますので、その手だてをとるために、あくまでも施設サービスと在宅サービスの充実を一つの基本として今までやってきておりますし、今後ともその充実に向けて努力していきたいというふうに思っているところでございます。 ◆松浦忠 委員  抽象的な話になってきて、余り聞くとまた大変でしょうから、細かいことは聞かぬことにします。  そこで、私は、前々から考えており、また提起もしておりましたが、人の終末期に関しては、終わりまで全てお金でやっていくということは到底できません。金でできなければどうするのだということになると、今度は、金ではなくて、人手でということになります。金で人手を雇ってやるのは無理だ、しかし、人手はあると。元気な人がいるわけで、元気な高齢者もいます。人手はある。そうすると、金ではなく、人手を活用する仕組みというものを介護保険の運営者である札幌市長は考えなきゃだめだ。  それが、先般、私が代表質問で市長に質問したことです。言葉としては介護ポイント制という言葉を使いましたけれども、もっとわかりやすく言えば、介護の手間がえ制度なのです。元気な人は、1時間、介護に従事したら、自分の介護が必要になったときに、1時間、無償で介護を返してもらえる、手で返すという手間がえ制度という言葉があります。これを介護のいろいろな仕組みの中の一つとしてつくっていかなければだめです。
     市長は、さきの答弁で、今後の介護制度のいろいろな方式の中でこれを参考にしていきたい、取り入れていきたいということを言っています。私は、この間、何であの問題で再質問、再々質問をしなかったかといったら、本会議でやったのでは再々質問で終わりですから、質問の内容を酌み取り、そして答弁の内容を酌み取って、お互いの意見が一致する方向に向かっていくには時間がなさ過ぎる、だから、この間はあれでやめておいたのです。きょうは時間に制限がありませんから、少し質疑をしたいと思います。  私は、やっぱり、札幌市がかかわって、介護保険を運営している札幌市長がかかわって、一つの介護のあり方として手間がえ制度をつくらなければだめだというふうに思うのですよ。それには、札幌市が関与している札幌市社会福祉協議会が主体になってそういう制度を実験していく、試していくことが必要です。私は、この間の代表質問でそのことを提案しているのです。これは、突如として言ったことではなくて、私は、このことについて、健康寿命増進の取り組みの調査をしたりしてずっと提案してきておりますが、行き着くところはやっぱりここなのです。  これについて、市長からは、取り入れていきたいというふうに答えがありました。私は、その実験の事業主体は社会福祉協議会ということで提案しておりますけれども、このことについて、市長の意見をどのように補足するのか、改めて答弁を求めます。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  介護手間がえ制度についてのお尋ねというふうに思っております。  これからの超高齢社会におきましては、地域での支え合いとか、いろいろな支え合いが大変重要でありますが、やっぱり、介護は、人の体、また生命にかかわる仕事でございまして、一定の質や専門性を確保する必要があるというのがまず基本にあると思います。ただ、研修等をしっかりやった上で、介護の周辺的な領域、お手伝いはボランティアでも可能というふうに私どもも考えております。  そうしたことから、札幌市では、平成25年10月から、先ほど委員のお話にもありました札幌市社会福祉協議会への委託によりまして、ポイント制のボランティアとして介護サポートポイント事業を開始したところでございます。これは、介護保険施設における介護の周辺的なお手伝いに参加いただき、金銭に換算できるポイントを付与する仕組みでございまして、これがまず1点でございます。  2点目は、今の委員のご提案にあったように、札幌市でも、ためたポイントで将来の介護サービスを利用する仕組みに類するものといたしまして、同じく社会福祉協議会による地域支え合い有償ボランティア事業におきまして、平成2年から時間預託制度として実施していたところでございます。時間預託制度というのは、自分がボランティアした時間を、将来、自分に介護が必要となったときに預託した相当分を利用できるものでございます。  しかし、実は、時間預託の利用者が少なく、どういう状況かというと、平成20年から22年の3年間で、その事業に登録した750名のうち、時間を預託する、つまり金銭の支払いではなく預託することを選択された方は3名のみでありました。また、過去に預託した時間を活用する方もほとんどいなかったことから、平成23年度をもって時間預託制度というものは一旦打ち切りにしまして、以降は金銭の支払いによる有償ボランティアとして今も継続しているところでございます。  いずれにいたしましても、委員のご指摘のとおり、今後の超高齢社会における介護のあり方を考える上で、ボランティアの力を活用することは大変重要なことというふうに私どもも認識しておりまして、ボランティアの輪を広げていくためにはさまざまな工夫が必要であろうというふうに思っております。そういう意味で、今後、仕組みづくりを考えていく上で十分に参考にさせていただきたいと考えているところであります。 ◆松浦忠 委員  参考にするって、あなた、あと何年、市役所におられるの。そして、その職に何年いると思っているの。そういうことを言うということは、何もしないということなんだよ。市役所の部長職で4年といた人はいないんですよ。2年か3年ですよ。局長もそうですよ。4年なんていた局長はいない。過去に一番長かったのは、大刀さんという交通事業管理者が十何年いたな。今の地下鉄方式を導入した人です。あの人は異例中の異例で、あとはいない。  そういう場当たり的な答えをするのではなくて、それでは、先ほど、2年か3年でやめたという制度ですが、ほとんどいなかったと。実は、市がやったその前に、いろいろな機関がボランティアを募集してやったのですが、私が聞いていたのは、みんながボランティアの講習会に行くというのですよ。講習を受けて、終わった後に、さて、ボランティアに参加するかといったら、参加するのは1割いるか、いないかだと。私は今から20年前にこういう話を聞いている、実態として。それは何かといったら、自分の身に切実に迫っていないからなのです。したがって、もう今は、こうやって切実に、これだけ―私も1月24日に75歳になって後期高齢者になりましたが、みんな、切実に迫ってくると、やっぱり真剣に考えんきゃいかんなということになるわけですよ。  そこで、きょう、陳情を出された方々も傍聴席の方々もいらっしゃいますが、お見受けすると、皆さん、お元気な方がほとんどですね。やっぱり、お金でどこまでもち切るかということをきちんと示す。ただ、お金だって、日本の財政からいったら私はもう限界に来ていると思いますよ。  安倍晋三総理大臣は、何だか知らんけど、1,000円のものを買ったら1,100円のものを買えるなんて、胃袋は同じなのに、それで景気がよくなるような、何か、間違って、誰が考えても理屈に合わぬようなことを政策だなんて言って借金をしてばらまいているけれども、そんなことをやるよりも、今の介護の問題にどう取り組むか、そのためにかかるお金を出すことのほうが大事なのですよ。  したがって、私が言うように、具体的にきちんと施設を用意して、社会福祉協議会に、この施設は無償で貸しますから何年間か実験しましょう、これを使ってまずやってみましょうと。そして、その期間の施設そのものの運営に係る基本的なもの、例えば電気、水道、ガスといったものは全部見ましょうとか、あと、専門職の医者だとか看護師だとか薬剤師だとか、どうしても雇わなければならぬ人は退職した65歳以上の人を雇うとか、こういうふうにする。  そして、一般の介護ですが、介護に試験なんて要らないんです。かつて、我々が子どものころは、じいちゃん、ばあちゃんはみんな家で死んでいった。うちの母さんも介護しましたが、試験を受けていなかった。また、受けようと思っても制度がなかった。要らないんだって。国に対して、札幌市で新しくそういう仕組みをやるから、資格なしでもこうやってやるから、それを特別扱いにしてください、特区にしてください、こうやって申請すれば、国も、今、一番困っている問題だから、ああ、それはいい、やれ、金も少しなら出してやるぞと、こうなるんです。みんながやり出したら金を出してくれないけれども、一番先には出してくれるんですよ。私は、そういうことを言っているのです。  私は、誰もが振り向かないころにこれを見つけて、大阪まで行って医師会の話を聞いて、そして、政務調査費で40冊ぐらい買って、市役所から市立病院から、あちこちにみんな配りましたよ。だけど、全然、見向きもしない。これはいつのことかといったら、平成12年の話だ。もう、皆さん、そんなものはどこに行ったか、恐らく人事異動の整理でもってリサイクルの紙に行ったのではないかな。  ですから、そういうことについては、きちんと施設を用意して、そして、実験としてやる。そうしなかったら、この介護の問題というのは、人ごとではなく、私もあなた方も、みんななのです。自分のこととしてしっかりとやらないと、今、議場に座っている方の中には30歳代の若い方もいらっしゃいますが、今度、その方々には負担となってくるのです。したがって、みんなでこのことを考えなければだめなのです。やらなければだめなのです、実験を。  いかがですか、まず、社会実験ですよ、これ、日本で初めての。 ◎菱谷 高齢保健福祉部長  委員のお尋ねは、何点かあるのかなというふうに認識しております。  順番にお答えをしますと、まず、介護の専門性のところですが、介護は、心身の負担が大きく、長期化、中・重度化、また認知症など複雑化した場合には家族だけでは対応し切れないため、専門的なスキルを持った専門職による介護が必要とされているところでございます。また、仮に家族が担っている部分をボランティアに託すとした場合、体にかかわるお世話には、プライバシーの問題があったり、抵抗感を持つ人も少なくなく、短期間で信頼関係を築くにはある程度専門的な知識や技術などの後ろ盾が必要なのかなと考えております。つまり、専門的な部分とそうではない部分のすみ分けがあるのかなというふうに考えているところでございます。  それから、もう一つは、施設のことで、どういう施設か、今の質問からは、正直、私も理解しにくい部分がありましたけれども、いわゆる介護が必要で在宅生活が困難な方に対しましては、もうご存じだと思いますが、特別養護老人ホームなどの介護保険施設、それから、認知症の方に近い環境でお世話するグループホームなど、計画的に整備しているところでございます。また、自宅と施設の中間的なものといたしまして、有料老人ホームだとか軽費老人ホームだとかケアハウス、また、先ほどお話に出ましたようなサービスつき高齢者向け住宅、また、高齢者向けのその他の賃貸住宅など、さまざまな住まいが整備されておりまして、それこそ、個々人の生活や所得、お考えに応じて選択されているものと認識しております。  これらについては、基本的に民間によって整備、充足されてきているものでありますし、私どもといたしましては、現在、札幌市において行政が整備すべき情勢にはないというふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  市長が、それをこれからのものに取り入れていきたいと本会議で言っているんだよ。今、札幌市として考えていないと言ったら、市長はもうやめるからあの人の言ったことは我々は守らんのだと。俺の人事権も4月1日のあと1回で終わりだ、俺はここに来てまだ1年だ、もう1年あってあの人に人事を振るわれることはないからそれでいい、こう聞こえるのだよ。これは、そういうことでないんだよ。  それから、身体にかかわることだから介護を受ける人との信頼関係とあなたは言うけれども、実験というものは今だってやっているでしょう。医薬品の実験は、今でも、患者の同意のもとに実験させてくださいと言って薬を投与して人体実験をやっていますね。実験というのはそういうものなのですよ。  だから、そういう施設をつくって、そこに入って介護を受ける人は、こういう資格のある人はこの人で、これとこれに当たります、資格のないこういう人たちがあなたの身体的介護をします、それでいいですかと言って、同意書を書いて、はいと言った人に実験をするんですよ。それが実験というものなんですよ。  今、医薬品でやっているでしょう。それから、もう一つ、医薬品以外だって、今の医療技術の中では知り得ない病気などが出たときに、これもまた、手術も含めて、患者の同意のもとに実験していますね。いろいろと人の体で、その病気を解明するために。その一環なのですよ、私が言うのは。したがって、これは、やっぱり、そういうことでやらなければだめなことなのです。  これ以上、あなたと質疑をしていると時間がかかるから、あなたはやめて、今度は、局長、あなたは市長のそばにいるから、市長会議、副市長会議、局長会議に出ていてよくわかると思うけれども、これは、そういう形で踏み出してやらないと、今みたいな形でずっと先送りしてきたことでここに来ているんですよ。  日本が戦争に負けて、敗戦となって外国から兵隊がたくさん帰ってきた。満州鉄道から引き揚げてきた、樺太鉄道から引き揚げてきた、それらにかかわる日本人がみんな引き揚げてきた。そして、戦後すぐに結婚したら、昭和23年から25年ぐらいに子どもが生まれて第1次ベビーブームになりましたが、これはそのときからわかっているのです。ですから、いまだに部長のような答弁をしていたら、みんな生きる希望がなくなる。きょう、陳情されている方々に希望を与えるには、金だけでなくて、こういうことにも協力してください、そうすると、お金に頼らず、こういう形でみんなが安心して旅立っていけますよと、私はこういう実験をしなさいと言っているのです。したがって、これについてあれこれ言っているということは、公務員として市民に奉仕するという、公務員法に書かれている職務専念義務に欠けると言わざるを得なくなってくるのです。  局長はまだ2年あるから、ちゃんとやらないと次の昇給時期には副市長が査定して昇給が4号俸から3号俸になるよ。答えてください。 ◎瀬川 保健福祉局長  私どもは、介護の制度を所管している部署でございますので、介護保険が破綻するということを前提に物事を考えるわけにはなかなかいきません。やはり、私どもとしては、高齢者の皆さんが、できるだけ長く住みなれた地域で安心して住みたい、生活したい、生きたいということで、地域包括ケアと申しますが、そういう考え方のもとで、介護保険制度を核に置きつつ、それを補完していくような良質なサービスも充実していかなければいけないというふうに考えているところでございます。  そうした観点から申しますと、委員からご提言がございました介護の手間がえ制度というものにつきましては、委員に異論はあるかと思いますけれども、支え合いの推進という意味で補完機能としては大変重要なものだというふうに私どもは理解しているところでございます。したがいまして、代表質問で市長がお答えいたしましたとおり、私どもとしては、委員のご提言の趣旨はしっかりと受けとめさせていただいた上で、この制度を設けることについては、今後、提言の趣旨を踏まえて、まずは市民ニーズを含めたさまざまな視点から調査検討をさせていただきたいと考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  調査検討と、360度でいい解釈のできる広範な答弁ですが、今の答弁をしっかり生かすようにさせるためには、やっぱり今度の選挙で私が戻ってこなければだめだ。戻ってきて、局長もまだ2年いるから、どこに異動しても訪ねていって、ひとつ、局長と、こういう話でいかなきゃだめだということがしっかりわかりました。  そこで、これをどこでやるかといったら、私は、やっぱり私が住んでいる白石区でやるのがいいと思っています。なぜかといったら、私が皆さんに一生懸命に呼びかけて実験をやりますから。場所は白石区のどこだといったら、ちょうど区役所の跡地です。あれを全部とは言わぬから、あそこはいろいろなものに使えばいいので、あの一部を使ってやるのがいいなと私は考えているのですよ。  したがって、これ以降は、新しい市長と残られる瀬川局長とともに―井上副市長は特別職ですからね。新しい市長にかわったなんていうことになると、井上さんは、有能だけれども、再任されない可能性がありますからね。したがって、あと2年ある局長と新しい市長としっかり話をして、そして、多くの市民の賛同をいただく中で、ぜひ実験を始めていきたい。私は、ここでそのことをかたく決意したことを表明して、終わります。  ありがとうございました。 ○桑原透 委員長  以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計予算等の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時19分       再 開 午後2時21分     ―――――――――――――― ○桑原透 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第1項 社会福祉費中関係分の質疑を行います。 ◆村上ゆうこ 委員  私からは、福祉のまち推進事業の地域見守りネットワーク推進会議について質問いたします。  札幌市の高齢化率は2015年1月1日現在で23.8%となっていますが、10年後の2025年は、30.5%、市民の約3割が65歳以上の高齢者になることが予想されております。高齢者人口が増加する中、高齢者の単身世帯や高齢者の夫婦世帯もふえ続けております。高齢者の方々の中には、元気に活躍して地域に積極的にかかわる方がいらっしゃる一方で、無縁社会という言葉が話題になったように、人とのかかわりが少なく、また、地域とのつながりも弱く、地域社会から孤立する高齢者の方々もおられ、今後、こうした方々もふえていくものと予想されます。  札幌市においては、これまでも不安を抱える高齢者や障がい者など、支援を必要とする市民の方々について、その孤立を防ぐために身近な地域における住民同士の見守りや支え合いを推進してきたところです。こうした札幌市の見守り活動の取り組みについては、今から21年前、1994年4月から民生委員の皆様によるひとり暮らし高齢者等巡回相談から始まっております。そして、2003年には、市内全域の88地区に設置されました地区の福祉のまち推進センターなどにおいて、町内会や自治会など地域住民の皆さんに福祉推進委員や福まち協力員となっていただいて見守り、安否確認活動も開始をされ、それぞれに創意工夫しながら着実に実施されて現在に至っております。また、新しいところでは、2013年から宅配事業者等による民間事業者の見守りも実施されていると聞いております。このように、さまざまな関係機関・団体による見守り活動が展開されてきていることは、札幌市まちづくり戦略ビジョンに掲げる地域福祉力創造戦略において掲げられた、市民が孤立することのない地域づくりや、つながりと支え合いによる安心で魅力ある地域づくりの実現に、大いにつながりがあるものだと考えております。  そういった中で、今年度、札幌市では、福祉のまち推進事業の一環として、これまで見守り活動に力を入れてきた関係機関・団体を中心にして、より充実した見守りを新たに目指すための地域見守りネットワーク推進会議を立ち上げたとお聞きいたしました。  そこで、質問ですが、地域見守りネットワーク推進会議を立ち上げた目的と会議の概要について伺います。 ◎木下 総務部長  地域見守りネットワーク推進会議の目的と概要についてお答えいたします。  この会議は、福祉のまち推進センターが実施いたします見守り活動を支援していくため、関係機関とのネットワークを構築し、連携を深めることを目的として平成26年度から設置したものでございます。推進会議の構成は、札幌市社会福祉協議会を事務局といたしまして、委員15名で構成され、地域関係として地区福祉のまち推進センター、民生委員児童委員協議会、関係機関としまして賃貸住宅及びマンションの各管理組織、地域包括支援センター、障がい者相談支援事業所、このほか、札幌市と見守りに関する協定を締結している事業者、学識経験者、北海道警察、さらに、札幌市の関係部局としまして保健福祉局、都市局、消防局が参加しております。  平成26年度は、8月と12月の2回、開催いたしまして、見守りに関して関係機関が相互に協力できる事柄を整理し、情報の共有化を図っております。 ◆村上ゆうこ 委員  多くの関係機関・団体が入っているということで、目的及び概要については承知をいたしましたが、再質問させていただきます。  札幌市において、それぞれの見守り活動がより活性化するような支援をしていくことが重要だと考えますが、それにとどまることなく、今後、ますます高齢化が進むことに伴い、より一層、複雑多様化する地域の課題に対応していくことが大切です。そのためには、関係機関・団体同士の連携をさらに強化する体制づくりが必要であると考えます。  そこで、質問ですが、今年度の見守りネットワーク推進会議によって具体的にどのような成果が得られたのか、お伺いいたします。 ◎木下 総務部長  今年度の会議の成果についてお答えいたします。  8月と12月の会議では、各団体の実施状況と、特に見守り事業に関して取り組んでいる事業などを報告し合いまして、お互いの事業が連携できる可能性について協議いたしました。その結果、会議のメンバーがお互いに気軽に相談し合える顔の見える関係性の構築や、お互いの事業についての理解が得られたというふうに考えております。今後の具体的な連携につながるきっかけとなっているものと認識しております。 ◆村上ゆうこ 委員  ただいまの答弁の中でお話しされた全市レベルの会議としての地域見守りネットワーク推進会議における成果の数々を、もっと市内全域にも波及させ、実際の活動にも結びつけていけるようにするために、連合町内会とか単位町内会といったもっと細かい地域レベルでの連携が求められてくるのではないかというふうに私は思っております。  そこで、質問ですが、全市レベルから地域ごとの連携を図っていくという観点からも、今後、この会議をどのように展開させていくのか、伺います。 ◎木下 総務部長  推進会議の今後の展開についてでございますが、委員のお話のとおり、区レベル、地区レベルでの連携が福祉のまち推進事業の見守り活動の推進のためには必要であると考えております。  推進会議の狙いは、まずは全市的な枠組みとしてのネットワークづくりでありますけれども、区、地区レベルに所在するさまざまな関係機関のネットワークづくりにつなげて実践的な取り組みを行っていくことが極めて重要であると考えております。そのため、平成27年度に向けまして、地区レベルのネットワークを生かせる取り組みの検討を行っております。その取り組みを推進会議において報告し、検証することによりまして、順次、地区レベルでのネットワークの拡大につながるよう、さらに協議してまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  早急に、区、地区レベルまで下げてやっていただきたいと思っております。  要望になりますが、超高齢社会を見据えて、孤独死、孤立死を防ぐためには、地域ぐるみでお互いに助け合う日常的な支え合い活動や住民同士の見守り活動が、今後、ますます重要になってきます。常日ごろの近隣の支え合いが、非常時には大いに力を発揮することにもなると思います。見守りは、支える側、そして、支えられる側、それぞれが日ごろからお互いの信頼関係を培いながら、こうした信頼関係を基礎に据えていくことが大事だと思います。  しかし一方では、人と人との関係が希薄になってきている現状もありますし、プライバシーに関する住民の意識の高まり、お互いにプライバシーに余り干渉しないようにするという社会的な流れもあって、見守りが必要な高齢者を見つけ出したり日ごろの生活状況を把握したりすることが困難だったり、また、支援を受けることや他者とかかわることを望まない高齢者もいらっしゃいます。こうした方々にどのように対応していくのかなど、さまざまな課題がございます。  そうした中において、今年度立ち上げた地域見守りネットワーク推進会議の果たす役割は大変重要なものであると考えます。私も、地域見守りネットワーク推進会議につきましては、活動内容や課題など地域の情報を地域団体や関係機関で共有する仕組みづくりに際して大いに寄与できるものと期待しています。  支援を必要とする高齢者や障がいのある方たちが住みなれた地域や自宅で少しでも安心・安全に暮らせる温もりのある地域福祉社会の実現のためには、さまざまな関係機関がそれぞれの特性を生かしながらお互いに協力し合う仕組みをつくり、それを維持していくことが大切です。地域住民と関係機関が連携することは、本当に大変意義のあることだと思います。地域の実情は実にさまざまであると思いますが、引き続き、このネットワークづくりを推進し、強化していく中で、地域での見守り活動が活性化するよう、本市の支援をしっかりと継続することを求めまして、私の質問を終わります。 ◆芦原進 委員  私は、平成26年度に引き続いて平成27年度も実施されることになりました臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金について、簡単ですけれども、2点質問したいと思います。  ご存じのように、消費税というのは逆進性があり、所得の低い人ほど負担感があるということで、公明党は8%導入時に簡素な給付、10%時に軽減税率を主張しました。軽減税率は、今、与党で検討中でございますが、実現されると思います。  そうした中で、やはり、所得の低い方は負担感が高いということで、極力、何とかそこに手を差し伸べていこうというのが簡素な給付でありますし、この給付金であると思っております。この件につきましては、私は、4定で給付事業について質問し、指摘もしてまいりました。特に、未受給者対策という課題がありました。いろいろ努力されました。締め切った後に、なぜこんなに早く締め切るのだというようなご意見、まだできないですかという要望等があったことも紹介しました。ただ、札幌市としては、他の政令指定都市を見ますとかなり高いほうです。どこまでが高いという線引きをすればいいかわかりません。100%が一番高くて、これはいいのです。しかし、そうはまいりませんが、50%ちょっとの政令指定都市もありましたので、そこからすると札幌市は大変頑張ってくれたなと、私は職員の皆さんのご苦労に対して敬意を表したいと思っております。  この二つの給付金については、ご存じのとおり、今、申し上げましたが、消費税率の8%から10%への引き上げが平成27年10月から29年4月に先送りになったことに伴って実施されます。1月14日に閣議決定され、平成27年度予算に、今年度も引き続いてやろうと。要するに、消費税が延びましたので、もう一度、平成27年度もやろうということで、支給経費が予算案に盛り込まれておりますし、今、通常国会で審議されておりますが、平成27年度の臨時福祉給付金は対象者1人につき6,000円、子育て世帯臨時特例給付金は対象児童1人につき3,000円が支給されると聞いております。  そこで、1点目の質問ですが、今、言った6,000円、3,000円ということはわかりましたけれども、ほかのことで今年度と比べて事業の制度で変わっているものがあれば教えていただきたいと思います。 ◎木下 総務部長  平成27年度の給付金事業についてお答えいたします。  平成26年度の制度との相違点でありますが、まず、臨時福祉給付金については、ただいまの委員からのご質問にもありましたとおり、26年度の給付金の対象期間につきましては、26年4月から27年9月までの1年半分であったのに対しまして、27年度は27年10月から28年9月までの1年分になっておりますことから、給付金額が対象者1人につきおよそ3分の2の6,000円となる状況であります。さらに、前回は老齢基礎年金受給者等への加算がありましたが、今回は行われないことになっております。  次に、子育て世帯臨時特例給付金については、給付金額が対象児童1人につき3,000円となっているほか、平成26年度は臨時福祉給付金の対象者には給付されないとされておりましたけれども、27年度は両方の給付金を受給できるということになっております。また、子育て世帯臨時特例給付金の申請手続については、児童手当の現況届を活用して、より簡易なものとするよう厚生労働省から通知があったところであります。 ◆芦原進 委員  1年半分から1年ということで、その分だけ少なくなりましたのは理解できましたし、臨時給付金と子育て支援の給付金の両方を受給できなかったが、今回はそうではないと、子育てをされている世帯にとってはある意味では非常に朗報かなというふうに思います。  そこで、ちょっと質問をかえますが、今後のスケジュールについてどういうふうに考えておられるか、お聞きしたいと思います。 ◎木下 総務部長  給付金のスケジュールでありますが、両方の給付金とも10月以降に給付を行うように厚生労働省から通知を受けているところであります。このため、札幌市では、臨時福祉給付金につきましては、8月から9月ごろに申請手続を開始しまして、10月上旬ぐらいから、順次、給付したいと考えております。また、子育て世帯臨時特例給付金につきましては、先ほども申し上げましたが、児童手当の現況届を活用して、より簡易な申請手続とするよう厚生労働省から通知があったことから、6月の児童手当現況届に合わせて申請手続を開始し、10月上旬から、順次、給付していきたいと考えております。  なお、市民の皆様への周知につきましても、より効果的な時期、手法などを検討した上で行ってまいりたいと考えております。 ◆芦原進 委員  今、答弁いただきましたが、臨時給付金は8月、9月に申請して10月ぐらいからと、子育て支援も10月ぐらいからということで、大体同じ時期にやられるということですから、できるだけ早く対象者に支給できるように頑張っていただきたいなと思います。  最後ですが、消費税は、所得の低い世帯ほど重い負担感がある逆進性の強い税であり、給付金は、その負担を緩和するための経済的対策と言われております。これは、我が党が政府に実現を求めて実施してきているものでございますが、4定の代表質問でも言わせていただきましたけれども、何のために支給されるのかという給付の趣旨をしっかりと考えますと、給付率はやっぱり100%を目指すのが本来の姿であります。ただ、そこまでは求めません。いろいろな事情があって無理があると思います。しかし、それに近づく最善の努力はするべきだと思います。私は、それが行政の責務ではないかと思うのです。  今年度の給付事務においても、事業開始当初から、個別のお知らせ、広報さっぽろ、新聞広告、ポスター掲示などさまざまな手段で市民に周知を図ってきたことは聞いております。しかし、それでも漏れたということがあるわけですね。先ほど、来年の支給事業では効果的な時期、費用について検討したいというご答弁もありましたので、未受給者対策もしっかりやっていただいて、来年度は早目に広報に努めていただきたい。一回経験しているわけですから、同じ轍は踏まないというのが原則であります。行政としては、大体は伝えたよということで終わるのです。そうではなくて、伝わった、私はこういう視点が大事だと思います。伝えましたではなく、伝わったという視点にもう一度踏み込んで市民周知の方法を検討していただくことを求めまして、質問を終わりたいと思います。 ◆木村彰男 委員  私は、1点ですが、子どもの自殺予防対策についてです。昨年の3定でも築島精神保健担当部長にお聞きしておりますが、ここでは、その後といいますか、本年度の予算案に含まれる対策の詳細をお聞きしていきたいと思っております。  私は、3定の際、教育委員会の方に来ていただいて、保健福祉局との連携について担当者にご質問させていただきました。保健福祉は連携を求められたほうで、教育委員会は求めたほうでございますから、求めたほうが連携されていないと言うわけはありませんから、連携はあった、連携は整った、うまくいった、こう言っていらっしゃったわけです。これに対して、保健福祉側として、その連携は教育委員会と同じ認識なのか、もしくは、認識が異なっているのか、まず、それについてお聞きかせください。 ◎築島 精神保健担当部長  教育委員会との連携に関する保健福祉局の認識ということでございます。  子どもの自殺対策にかかわる取り組みといたしましては、教育委員会が主催する教職員を対象とした研修への講師派遣等を行っております。特に、平成25年度からは、教育委員会との共催で、全校の教職員を対象に子ども理解にかかわる研修会というものを実施しておるところでございます。さらには、個別対応についての相談に対する助言や、教育委員会が主宰する子どもの命を守る連携協力会議での緊急に対応を要する事例の検討への参加等も行っているところでございます。  平成26年度の子ども理解にかかわる研修会におきましては、参加者の9割以上の先生方が、子どもと接する際に自殺予防の視点を取り入れていきたいと思うとアンケートに回答してくださっていることなど、一定の理解と効果が得られていると評価しているところでございます。ただし、自殺対策の成果は短期間ではあらわれにくく、若年層の自殺を防ぐためには今後も教育委員会等と連携し、研修等の地道な取り組みを継続的に行ってまいることが重要だと考えているところでございます。  現時点におきましては、平成26年度のこれまでの基本的な枠組みを生かしつつ、これまで実施してきた内容を検証しながら、教育委員会とも引き続き積極的に連携して自殺予防に取り組んでまいりたい、そのように考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  去年の部長のご答弁とそうずれていないと思いますね。私は、実は、平成25年度、26年度と連続して児童の方が亡くなり、その3年前までも亡くなっておりまして、非常に心配していました。このように、5年連続して子どもが自死していることを踏まえていくならば、私の理解ですけれども、連携が不十分であったか、もしくは、教育委員会のプログラムに、何らかの問題といいますか、まだまだ改善すべき余地があるのではないかというふうに思っているわけでございます。  そこで、部長が今お話になっておりましたように、例えば、教職員の方々を集めた講習などで自殺のサインを見逃さないようにするとか、去年言っておられたお話でいくと、ゲートキーパー的な役割を担う先生をふやそうと。これは、量的なものなのか、その方の質を上げていこうとするのかという問いも実はご担当の方にしておりますが、この辺について部長のお考えをお聞かせください。 ◎築島 精神保健担当部長  こうした取り組みはずっと続けてきているところでございますが、その中で、自殺をしてしまう子どもがまだまだ出ている、そして、昨年も2名の児童生徒のとうとい命が失われてしまったことにつきましては、まことに残念なことだと認識しております。  自殺は、それぞれが抱えるさまざまな要因が多重的に複雑に絡み合って、危機的な状況にまで追い込まれた末の死であります。子どもがみずから死に至るまでの背景は複雑な事情がある場合が多く、単純に原因を特定できるものではございません。そんな中で、制度の見直しや相談支援体制の整備といった社会的な取り組みによって自殺を減らすことは可能であると広く認識されているところでございまして、私どももそのような認識に立つところでございます。  そのようなことで、今、委員がご指摘のとおり、自殺のサインに気づくこと、未遂者の再度の自殺企図を防ぐためのさまざまな取り組みなど、それこそ、学校の先生方一人一人が自殺予防の入り口のゲートキーパーになっていただく、そういうことを目指してまいりたいということで事業を進めてきております。そんな中で、自殺対策の取り組みを進めてきた効果が少しずつあらわれて、全国的にも、そして札幌市においても少しずつ減少傾向にあることは、私どもの努力が少しずつ実ってきているものではないかとうれしく思っておりまして、ますます気を引き締めて、さらにこの取り組みを強化してまいりたいというふうに考えるところでございます。  そして、これを広げていくか、深めていくか、また来年度ということでございます。現在、当初予算に含まれているものは非常に基本的な部分でございまして、電話相談の時間延長のための委託費428万円余りでございます。しかし、決してこれにとどまるものではございません。こうしたゲートキーパーをさらにふやす、そして、深めることを含めた事業につきましては、今後、国や道から補助金の内示があった後に改めて補正予算を組みまして、その中でさらに対策をしてまいりたい、そのように考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  前にも、この場ではなく、教育委員会との関係でしたが、子どもが自殺した場合には、教育委員会で委員会をつくってその検証をいろいろやっているのですね。例えばいじめが原因しているようなことがあった場合など、私もそういうレポートも見せていただいていますが、子どもの自殺の原因を特定するのがなかなか難しいということは、それを見てわかりました。だからこそ、教育委員会だけでこの問題を解決するのは難しいという観点に立って、先ほど言いましたように、保健福祉局に限りませんけれども、地域とか親御さんたちとの連携の話をずっとしてきているわけです。  今、部長がお話しになっている、自殺者の数が減っているというデータも確かにあります。実は、自殺における大きな問題というのは三つありまして、健康の問題であったり、家庭の問題であったり、もう一つはやはり経済の問題ということなので、経済が多少上向いてまいりますと、経済的な困難さから自殺する方が少し減ってくるというのは、一般の成人者については私もわかります。ただ、子どもの場合は、経済的な原因なのか、健康が原因なのか、なかなかわかりません。  そこで、教育委員会は、ことし、北海道大学と連携共同研究をやっていくのですね。これは、向こうの予算でこちらと関係ありませんから、これ以上突っ込んで聞きません。しかし、部長が先ほどおっしゃったゲートキーパーの話とか、実際にリストカットするとかして自殺未遂をしたようなお子様を直接見ていただくようなことも含めて、寄附講座の対象になっている共同研究者というか、大学の先生とはいろいろお話し合いをしていくと、そういう構えで向こうでは予算ができているのです。ところが、今、部長がおっしゃったように、私は事前に課長とも打ち合わせをしていますが、こちらは、今の段階では電話の相談ということで四百数十万円しか予算がついておりません。  これは、主には成人者の電話相談の話をしているわけで、子どもの問題についてはほとんど何も手がついていないというか、つまり、向こうから何か言ってきたら、それに対応して人を出す、こういう話にしかすぎないのですよ。  私が担当の方に向かって言ったのは、要するに、どういう施策を組んで目指す方向に向かってやっていこうとしているのか、例えば、ゲートキーパーを量的にふやそうとしているのか、質的に上げようとしているのか、または、違うことをやろうとしているのか、皆様方の腹の中にどういう方針があるのか全くわからない。これについてお聞かせください。 ◎築島 精神保健担当部長  当初予算に四百数十万円しか出ていないということと、その余のことの方向性についてのお尋ねでございます。  自殺対策の予算につきましては、平成21年に国が100億円の地域自殺対策緊急強化基金を造成しまして、平成26年まで基金から10分の10の補助を基本とする事業展開を進めてきたところでございます。札幌市の自殺対策は、そうした財源的な裏づけで進めてきたところでございます。  国におきましては、今通常国会で成立いたしました平成26年度の補正予算に、新交付金として地域自殺対策強化交付金25億円を計上し、これを27年度分の自殺対策として活用するように繰り越すこととしたわけでございます。これは、子ども等を含む若年層向け自殺対策や経済情勢の変化に対応した自殺対策など、特に必要性の高い事業に関して、地域の特性に応じた効率的な対策を後押しする狙いであると説明されているところでございます。
     この新交付金に関する詳細は、つい先週、課長会議において示されたばかりでございまして、今後、まだいろいろ情報を集めなければならないのですが、若年層対策などで従来の10分の10の補助が維持されるほか、地方の財源とも組み合わせて4分の3とか2分の1といった補助率が新たに設けられたことが特徴でございます。  こうした中、札幌市の平成27年度当初予算における自殺対策事業費におきましては、例年と同様、電話相談事業を平日の夜間、土・日・祝日も時間延長して行うための428万円余を計上しているところでございます。しかしながら、自殺対策は、それのみにとどまるものではございません。国の新交付金を活用した平成27年度の事業展開につきましては、第2回定例会の補正予算に計上すべく準備を進めているところでございます。その中では、委員ご指摘のような子ども、若年層対策を強化するような内容も国のメニューの中にございますので、当然に含まれてくるものでございます。  こうしたことで、新交付金の詳細や配分枠等について、北海道と緊密な情報交換を行った中で、従来の基金事業の実績、評価も踏まえ、教育委員会を含む庁内関係部局や庁外の関係機関との連携を活用いたしまして、若年層対策を初めとするより効果的な事業執行を検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  これで最後にしますが、部長、要するに、予算的裏づけがないから何もできないということを言っているのか、それとも、自分たちの腹にこういうものがあって、昨年度の総括を受けてどういう方向に向かっていこうとするのか。部長の言っている電話を受けるというのは、子どもだけではなくて、成人者も含めた全体の自殺対策の一つなのです。だから、そういうものを包含していることはわかるし、もちろん、それも大切なのだけれども、今、ここで取り上げている児童生徒についてはまた別な視点が必要ではないかと申し上げているわけです。大きな予算の中でやりますというのはわかるけれども、先ほど言いましたように、教育委員会は大学との共同、提携ということで新しく一歩踏み出しているわけですね。部長のところでは、例えばそういうものにどういうようにコミットするのか、やり方として新しく出てきているのですから、最後にそれについてお聞かせください。 ◎築島 精神保健担当部長  今回、国が示しました新交付金におきましては、子どもを初めとした若年層と、これは必ずしも学齢児や未成年に限ったものではなく、40歳未満のヤングアダルトも含みますが、そうした方々の自殺予防について特段の事業を行うようにと求められるものでございます。その考え方は札幌市も同じでございまして、ヤングアダルト、未成年者、学齢児を含む若い方々の自殺予防については、特段の重要性があるものだと認識しているところでございます。 ○桑原透 委員長  以上で、第1項 社会福祉費中関係分の質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時56分       再 開 午後3時21分     ―――――――――――――― ○桑原透 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第4項 生活保護費の質疑を行います。 ◆石川佐和子 委員  私からは、ホームレスに対する生活困窮者自立支援事業について、1点伺います。  ホームレス支援につきましては、2005年策定の札幌市ホームレスの自立支援のための取り組み方針に基づき、生活保護制度を前提とし、総合的に実施していると認識しております。現在策定中の札幌市生活困窮者自立支援計画では、国の方針を踏まえ、ホームレスなど住居を持たない方に対しては、一時生活支援事業を通じて支援を行うというふうにしております。北海道におきましては、2014年3月、北海道ホームレス自立支援等実施計画が改定され、ホームレス対策等支援事業として、NPO法人に補助金を交付し、緊急一時的な宿泊場所の提供や居宅生活への移行など、支援を行ってきたところと聞いております。  札幌市では、5団体が北海道からの補助金の交付を受けておりまして、うち、4団体が一時的な宿泊場所の提供や居宅生活への移行支援を行っているところです。法の施行後は、こうしたNPO法人による支援の取り組みが札幌市の自立相談支援事業及び一時生活支援事業に位置づけられるということであります。  ホームレスと一言で言いましても、その定義は時と場合によってさまざまに解釈され得るものでして、ホームレス自立支援法ではこう書いてあります。都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設をゆえなく起居の場とし、日常生活を営んでいる者と定義されておりますけれども、生活困窮者自立支援法の中では、さらに広く、いわゆるネットカフェで寝泊まりをしている方など、定まった住居を持たない方までが対象と想定されているところであります。そうしたことを踏まえると、効果のあるホームレス支援を行っていくためには、ホームレスに特化した自立相談支援事業による専門的な支援がより一層重要になってくるのではないかというふうに考えているところです。ホームレスの方が社会とのつながりを回復していくためには住まいの確保が不可欠であることから、さきの代表質問におきまして、早期把握や支援の拡充を求めて、地域とのネットワークづくりを進めていくという答弁をいただいたところであります。  そこで、質問いたします。  今年度、これまで2回にわたって行われました社会福祉審議会低所得者専門分科会では、札幌市における生活困窮者への自立支援のあり方について、自立相談支援事業をホームレスに対しても積極的に展開できるような体制づくりを検討するべきというような議論があったと聞いておりますが、札幌市はどのような体制で支援を行うおつもりか、お考えを伺います。 ◎中村 生活保護担当部長  委員のご指摘のとおり、一口にホームレスと言いましても、その生活の態様は個々人によってさまざまでありまして、自立相談支援事業によりそれぞれの課題に応じた適切な支援プランを作成し、自立に向けての効果的な支援を行っていく必要があるというふうに考えております。  札幌市が四つのNPO法人に業務委託をして行うホームレスに対する自立相談支援事業におきましては、各団体の役割分担を明確にし、NPO法人が運営している各シェルターの空き状況を相互に共有し、支援の初期の段階で相談者に最も適した支援を提供できる団体へつなげる可能性を考えております。また、これらの団体間の連携を円滑に行うため、例えば、支援が困難なケースについては、先ほどの四つのNPO法人が相互に意見を出し合いながら支援プランを決めていくなど、協力して課題を解決していくような仕組みについてもあわせて検討しているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  札幌市が業務委託をして四つのNPO法人に支援の施策をお願いしていくということで、今、その中で相互に連携しながら、効果的な体制づくりを進めようしていることを伺いました。これまで生活困窮者自立支援ネットワーク会議なども行われておりまして、そうした中でもこうした関係ができているのではないかというふうに思うところです。  先ほども申し上げましたが、ホームレスの方々は、それぞれが個別の背景を持たれております。いわゆるネットカフェで寝泊まりするような定まった住居を持たない方と比べまして、路上生活をされている方々への支援はより困難なものになるというふうに予想しております。また、本人がみずからSOSを発することができず、路上生活が長期になり、状況が深刻になる前に、やはり早期に支援につなげていくことが重要だというふうに思います。  そこで、再質問ですけれども、ホームレスの方に対する早期支援は重要だと今申し上げましたが、どのように取り組むのか、伺います。 ◎中村 生活保護担当部長  ホームレス支援に関しては、路上生活が長期化すると自立に向けての支援がより困難になりますことから、できるだけ早い段階で支援を開始することが重要であると考えております。そこで、これまで札幌市が行ってきた巡回相談や総合相談会をホームレスに対する自立相談支援事業に含める形で、先ほどの四つのNPO法人に業務委託をした上で、ホームレス状態にある方を見つけるとともに、支援するまでを一体の業務として実施することにより、これまでよりも早い段階で支援できるような体制を構築したいというふうに考えているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  これまで行ってこられた巡回相談などをNPOの支援事業と合わせることで、より早い支援ができるのではないかというお答えだったと思いますので、そうであることを期待します。  札幌市のホームレスの特徴を見たときに、やはり北海道のホームレスの現状と関連していると思うのです。職を求めて、道内他都市あるいは道外から札幌市に出てきた、ところが、職が見つからず、札幌市でホームレス化するという構造があるというふうに聞いております。  北海道の第3次北海道ホームレス自立支援等実施計画を見ますと、調査を行っておりまして、2013年1月の調査では、ホームレスの方が札幌で36人、函館で7人、苫小牧市で1人、上富良野町で1人の合計45人です。その前年度の2012年度の同時期では、合計で45人で同じです。そのさらに前の年の2011年度では、合計で71人と確認された数字が報告されておりまして、確かに人数は減少しております。ただし、札幌市以外では、一時的な宿泊場所などの支援が少なく、支援を求めて札幌市にやってこられるホームレスの方がいることもNPOの方から聞いているところであります。これらの状況を踏まえますと、札幌市単独でのホームレス支援にはおのずと限界があるといいますか、厳しいものがあるのではないかと考えます。  そこで、質問です。  一時生活支援事業は札幌市が実施する事業でありますけれども、私は、札幌市以外から支援を求めてこられるホームレスの方へも対応していくべきと考えますが、どのように取り組むのか、また、北海道との連携による広域的な視点でのホームレス支援が必要と考えますが、どのように取り組むおつもりなのか、伺います。 ◎中村 生活保護担当部長  札幌市に限らず、求人や一時的な生活を送る場所が充実している大都市へホームレスの相談が集中する傾向にあることは、一般的に指摘されているところでございます。都市の中でも、政令指定都市の大阪や横浜、また東京23区ではホームレスが多いように聞いております。道内では札幌市が一番大きいので、札幌市外から支援を求めてやってくるホームレスについては、みずからの意思で札幌に来て、仕事を探して、仕事がなかったということで生活相談に訪れた場合には、札幌市が支援を行っていくことになります。生活困窮状態になって、まず最初にその管内にある行政機関等へ生活相談を行った場合には、当該管内を所管する福祉事務所設置自治体が支援を行うことになります。  国の示すホームレスの自立支援等に関する基本方針では、都道府県は広域的な視点から市町村が実施する各種施策の調整や支援を行うとされております。生活困窮者自立支援法の施行を踏まえまして、国の基本方針が近く改定され、これに対応して、北海道のほうでも北海道ホームレス自立支援等実施計画を改定する見通しでございます。札幌市といたしましても、その内容を踏まえた上で、どのような連携ができるのか、あわせて検討を行っていきたいというふうに考えております。 ◆石川佐和子 委員  答弁の中にもありましたように、確かに札幌は大都市ですけれども、本州に比べますとホームレスの方の人数は桁が違うと思います。しかし、支援が必要なホームレスの方にとっては命にかかわる本当に大きな問題でありますので、今ご答弁にありました北海道との連携も課題の中に入れまして、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  NPO法人の方のお話を伺いますと、札幌市以外の自治体の警察からこういった支援をしている団体があるという情報を聞いて、個人の方がNPOに直接連絡が来るといったように、支援を求める声が後を絶たないと聞いています。そうした方が実際にどれぐらいいるかというと、一時宿泊受け入れ人数は2014年4月からことしの1月20日までの間で239人と伺っております。やはり、調査の実数よりも支援を求めている方がたくさんおられるということだと思います。  生活困窮者自立支援事業は、札幌では行いますけれども、道内のほかの自治体では行わないところも多いと聞いておりますことから、こうした状況を踏まえて、ホームレスの方への早期支援を充実させるために、関係機関との連携はもとより、北海道と連携して広域的な視点での取り組みをさらに進めていただき、北海道へも働きかけを行っていただきたいと思います。  さきの代表質問で、私どもは、ホームレス支援を行ってきたNPO法人が引き続き支援を継続できるように本市の取り組みを求めまして、必要な予算を確保したという答弁がありました。受け入れできない状況にならないよう予算をしっかり確保するとともに、当事者の尊厳と生活の回復をともに支え合うために、当事者に寄り添いながらホームレスに対する生活困窮者自立支援事業を進めることを強く求めまして、私の質問といたします。 ◆北村光一郎 委員  私からは、生活保護扶助費と保護動向について質問させていただこうと思います。  保健福祉局より、今までの扶助費の決算額という資料をいただきましたが、平成21年度に1,000億円を超えまして、人口がふえ、リーマンショックもあったのでしょうか、順調に扶助費がふえてきた、札幌市はしっかりと補助をやっているのだと、私はそういう捉え方をしております。  その予算をずっと見せていただくと、平成26年度では1,350億円から減額し、また国庫に返すという形で補正を組んだことがあります。その中でちょっといかがなものかと思ったのは、補正後の平成26年度予算額が1,325億5,000万円で保護率は38.4パーミル、一方、平成27年度予算では、予算額が1,316億5,000万円で保護率が38.6パーミルですから、実は保護率が0.2パーミル上がっています。それにもかかわらず、予算額は9億円減少しております。順調に上がってきた数字から見ると、一般的には1,300億円を超えるぐらいで推移するものかと思っていました。  そこで、まず最初に、どのような理由でこの金額になったのか、ご説明いただきたいと思います。 ◎中村 生活保護担当部長  平成27年度予算案の被保護人員数等の推計方法は、夏と冬で被保護人員や世帯数の増加傾向が異なりますことから、それを考慮いたしまして、夏については平成26年4月から10月、冬についてはその前の年の平成25年11月から平成26年3月の各月の対前月増加率を用いて算出してございます。平成26年度補正予算は、決算見込み数値でございますので、平成26年10月までの実人員数や実世帯数と、平成26年11月以降は推計した人員数や世帯数を用いた決算見込みをもとにしたものでございます。算出方法や編成時期が異なりますことからこのような状況になったと考えておりまして、年度末にインフルエンザの流行等による医療扶助費が増加した場合にも対応できるものと認識しております。 ◆北村光一郎 委員  ご説明をありがとうございました。大体わかりました。要するに、当初予算で余分にとってあるということで理解させていただきます。  続きまして、保護動向についてです。  保護率を見ますと、資料によりますと、リーマンショックのあった平成20年度の保護率が28.7パーミルから急激に伸びまして、21年度は31.3パーミル、22年度は33.8パーミル、23年度は35.9パーミル、24年度は37.6パーミル、25年度は38.3パーミル、そして、26年度は予測で38.4パーミルと、若干落ちつきを取り戻したのかなというふうに見ておりますが、27年度の予想でも38.6パーミルと、依然、増加している傾向が見られます。札幌市の予算を見ますと、その他の生活支援者も含めて困窮者支援で十数億円のお金を就職活動やボランティア活動等に予算を割いていますが、今、経済がよくなりましたので失業率は下がっていますし、また、札幌市の対応がしっかりできていると思いますので、失業による増加は落ちついていると思いますけれども、依然、0.2パーミル増加している要因とは何なのか、お答えいただきたいと思います。 ◎中村 生活保護担当部長  生活保護世帯の内訳といたしまして、生活保護に至る原因として高齢者や傷病、障がい、母子以外に、その他がございますが、稼働年齢層を含むその他世帯数が、平成25年12月では1万1,399世帯、平成26年12月では、1万879世帯と520世帯減少しております。一方、高齢者世帯数は、平成25年12月では2万229世帯で、平成26年12月は2万1,502世帯と1,273世帯が増加しております。このようなことから、その他世帯は減少したものの、高齢者世帯が増加したことにより生活保護受給世帯が増加しているというふうに考えているところでございます。 ◆北村光一郎 委員  ただいまの答弁で、高齢者の増加が主な要因ではないかというふうに言われました。  札幌市は、ことし、平成27年に人口のピークを迎え、その後、減少し、高齢者人口は約48万6,000人、高齢化率は25.1%と増加の一途をたどる予測をされております。こういう状況の中で、今後、札幌市の保護動向はどのように推移していくと考えられるのか、また、このことにどのように対応していかれるのか、この答弁を聞かせていただき、私の質問を終わりたいと思います。 ◎中村 生活保護担当部長  委員のご指摘のとおり、札幌市の人口動態からも高齢化は進んでいくというふうに考えられまして、このことに伴い、就労を求めることが困難な高齢者世帯の増加により、生活保護受給世帯の増加傾向は続くものと考えられます。  一方、稼働可能な生活保護受給者に対しては、これまでどおり、就労支援相談員の活用などの就労支援事業を実施して、生活保護からの自立を促しているところでありますが、高齢化による生活保護受給世帯の増加は、札幌市に限らず、全国的にも同様の傾向が見られ、生活保護制度の枠内のみで対応することは難しいことから、政令指定都市市長会の意見でも国に対して抜本的な対策を求めているところでございます。 ◆木村彰男 委員  私は、大きく3点、まず、さっぽろまなびのサポート事業について、2番目は、ことしからこの事業が生活困窮世帯にまで広がっていくことになっておりますので、この点について、3番目は、今回、札幌の中心部につくられる自立支援センターについてお聞きします。  さっぽろまなびのサポート事業については、私は代表質問でもお聞きしていますが、生活保護受給者のお子さんが通ってくるわけです。私が2月13日に五輪児童会館に行ったことを申し上げたと思います。そのとき、本当は中学生が2人来るのだったものが、1人しか来ておりませんで、1人は不登校だったようです。そこに2人の教員の役割の方とさっぽろ青少年女性活動協会の職員が2人おりまして、そのうちの1人が元校長でミニ児童会館の館長でしたから、1人のお子さんを4人で見ていました。  私も申し上げましたけれども、12月段階で全区での対象者が2,626名でございます。うち、登録者が217名、8.3%しかないわけであります。これについては、井上副市長が、たくさん来ているところもあるというようなことをおっしゃいました。仮に、そこは登録者が100%だったとしましょう。そうだとしても、全体として見れば8.3%で1桁です。これは、平成24年度に西区から始まりまして、25年度に5区、26年度に全区に広げていってこの結果になっているわけです。  もしたくさん来ているところがあるとすれば、なぜほかの区もたくさん来るように横に展開できなかったのか、まず、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  まなびのサポート事業、我々は通称まなべぇと呼んでおります。確かに、本事業につきまして、対象が生活保護受給者の中学生と限定されております中で、大きく周知することが非常に困難です。生活保護受給者の子どもだということが外にわかるようには到底できませんので、ケースワーカーが一戸一戸を家庭訪問しながらそれぞれの中学生の状況について、塾には行っていない、行かせられないというような話も聞きながら、まなべぇという制度があるよと声をかけて参加を促しているところでございます。全区に展開するようになってから、委託業者でもこのようなパンフレットをつくりまして、それをお母さんやお父さんにお話ししてお子さんに伝えていただけるようにしています。ただ、家庭訪問するときは子どもが学校に行っている時間なものですから、なかなかお子さんに直接お話をできないところが我々としても非常に難しく思っているところでございます。  そういう中で、委員のご指摘のように、非常にばらつきがございます。南区は、高齢化率が高いこととお子さんの数が少なく、受給率も低く、我々としても非常に苦労しているところでございます。現在、会場については、各区均等に3会場ずつ全部で30会場を配置しているところでございますが、来年度は各区の参加見込み数を踏まえた会場数の配置を予定しておりまして、今後、東区や白石区等の多い区では会場数を多くするなど工夫をしてまいりたいというふうに思います。  この事業は、貧困の連鎖を防ぐために学習習慣を身につけるための支援を行うことに加えまして、一人一人が大切な存在であることを再確認できる居場所を提供することを目的にしております。そうした目的を達成することができるよう、今まで実施してきた中での課題を踏まえ、多くの中学生に参加してもらえるような事業となるよう、今後とも努力してまいりたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  先ほども言いましたが、ことしから、就学援助世帯にまでその枠を広げようとしております。そうすると、先ほど言いました2,626名よりふえます。さあ、何名ふえますか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  まだ募集しておりませんので、何名ふえるかというのはちょっと。  (「そうじゃなくて、対象者が何名になるかを聞いているのですよ」と呼ぶ者あり)  対象者は、約3倍の8,000名を超える数になるかと思います。ただ、周知方法といたしましては、生活保護受給者のようにパンフレットを持って訪問するわけにはいきませんので、教育委員会と連携をとりながらどのような周知方法がいいのか、工夫してまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  今、2,600名ですが、それが3倍ぐらいになります。対象者がかなりふえます。その人たちは、今言われたように就学援助家庭ですから、学校の先生が働きかけるというわけで、教育委員会からそういうものが行くのか、皆様方から行くのか、まだわかりませんが、この方々は、生活保護は受けていないけれども、何らかの援助を受けております。したがって、子どもは、自分の家が貧乏だということはわかっています。それで、学校の先生に呼ばれてまなべぇの話をされるわけですが、二の足を踏むと思いませんか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  現実的な周知方法については、これから教育委員会とお話をしますけれども、子どもの気持ちに寄り添って十分に配慮してアプローチしてまいりたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  今、生活保護のご家庭の子どもで8.3%しか登録がないわけですね。今、部長から、対象となる就学援助世帯は3倍あるというお話ですが、最終的な登録目標者数は何%ぐらいを考えておりますか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  就学援助世帯と生活保護世帯で何%の目標というのは、今のところ、この場でお答えすることは難しいです。ただ、会場のキャパの問題もございますが、30会場で十分対応できる数だというふうに我々として踏んでおります。 ◆木村彰男 委員  要するに、全員が来ても、そこで対応できるという話なのですね。  実際は、現在、8.3%の登録者数しかおらず、出席率は62%です。登録者数の6割の方しか来ていません。ですから、今の出席率からいけば、今の形で100%で見ていてもあきますね。  その中で、部長がおっしゃったように、居場所づくりということも言っているのです。片方で高校進学ということも言っているのです。これは、中学校3年生のことをおっしゃっています。我々のときもそうでしたが、今の受験というのは、3年生だけではなく、高校入学には1年生、2年生の内申書も必要になります。つまり、3年生のときに行って一生懸命頑張ればいいという話ではありません。  ですから、居場所という概念と高校受験というのは、私はいささか矛盾するのではないかと思うのですが、これについてはいかがですか。 ◎中村 生活保護担当部長  対象者は、中学校1年生から中学校3年生までとしております。委員のご指摘のように、中学校3年生になって急にそこに集まって学力が上がるかというと、そうではありません。ですから、この事業を始めるときも内部で議論いたしましたが、中学校1年生から対象にしようとしたのはそういった理由からです。  まず、生活保護受給者にもさまざまな事情を抱えた方がいらっしゃいまして、塾に行かせたくても行かせられないお子さん、もしくは、学習習慣をつけることから始めなければいけないようなお子さんまでいます。そういう中で、お母さんが外に働きに行って居場所がないなど、個々の事情によっていろいろとありますけれども、今やっている中では、まなべぇに集った子どもたちが、そこに集うことが後ろめたいことがあるような状況では決してございません。逆に、君のところもそうなのだということで、新たな友達関係ができ、自分の得意、不得意なものを出し合うなど、参加している人はすごくよかったというような感想を持っています。ですから、これからは、親御さんを通じて、お子さんにまなべぇの意義をさらに深めていくことが我々の課題ではないのかなというふうに考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  今、高校の入学者数は全体では99%なのです。生活保護世帯は95.8%ですから、そのポイント差は4ポイントから5ポイントです。これを埋めるという話なのか、今言ったように、いろいろなお子さんがいるのは私も聞いています。私は友達がいないのだと言った横で、何を言っているのだ、私が友達じゃないかと、1年間、一緒にやってきた子がそういうふうに言ったということも係の方からお聞きしております。ですから、今、部長がおっしゃったことは私もわかります。  ただ、これはある新聞の記事でございますが、予算の問題もあって指導役の大学生のボランティアを減らすこともあるようです。そういうときに、今の教えているあり方と多少異なったカリキュラムというか、先ほど言ったように、子どもたち同士で先輩が後輩に教えることも含めて、単にドリルを持ってきて勉強するだけではないありようもあると思います。  そこで、平成27年度から予算が減らされるけれども、対象者がふえるという中で、どのようにされようとしているか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  委員がおっしゃいますように、高校の進学率は、生活保護受給世帯は一般世帯に比べて低うございます。そこの部分に対して、負の貧困の連鎖を防止するという意味合いもございまして、子どもたちに進学する意欲を持たせよう、そのために、ボランティアの大学生が近くにいて身近に目標ができるようにしようと。単に、学校に行って、学校の先生からこの勉強をしなさい、このドリルをしなさいと言われるのではなく、一生懸命に勉強すればこういった大学生になれるんだ、もしくは、大学生のような生活ができるんだと、そうした身近な目標ができることも非常に大きな効果の一つだと考えております。そういったことから言いますと、当然、進学率を上げると。まなべぇに参加した子どもの高校進学率の目標は100%を目指しておりまして、生活保護受給世帯に限らず、就学援助の対象世帯の方々に対しても、進学に対するハードルを低くする意味合いで今後ともやっていきたいと思います。  人数的には、確かに予算もございますので規模は小さくなっておりますが、会場数は減らしておりませんので、そこで十分にのみ込める形になっているのではないかと考えております。 ◆木村彰男 委員  私もいろいろとお聞きしたのですが、生活保護のご家庭の場合、親御さんについて、学校には進むけれども、中退した人が多いということもデータ的にあるようです。ですから、高校に進学して、卒業していただかないと、今、部長がおっしゃった貧困の連鎖を断つところに結びついていかないように思います。  これについては、新しい事業として展開していくので、どのぐらいが参加するかはもちろんわかりません。ただ、なるべくたくさんの方に参加していただいて、今申し上げたような方向で貧困の連鎖を断ち切れるような方向でやっていただければ一番いいなと思います。  次に、生活困窮者の件ですが、これは、去年から部長とずっとお話をしておりました。昨年はデータが余りそろっておらず、よく見えていなかったのですが、厚別区と豊平区における1月31日までの生活支援の状況が新しく出てきました。これについては、当初、全区につくるようなお話もありましたが、その方針を変えて、今回、まちの中に新しいものをつくって一つにまとめ、二つをクローズするということになっているかと思います。  厚別区と豊平区のものを見て大きく違うのは、豊平区のほうは、プランの策定においても、就職についても、厚別区より大変多いのです。私が最初にどうして厚別区と豊平区が選ばれたのですかとお伺いしたときに、生活保護率が全区の中で平均的なところにあるということだったと思うのです。  そういうことで選ばれた厚別区と豊平区の二つのモデル事業だったわけですが、なぜこのように数値が変わったとお考えになりますか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  厚別区と豊平区は、保護率は全市平均に近くなっております。ただ、実数で申し上げますと、豊平区は厚別区の生活保護受給者数の倍ございます。支援員の数についても、厚別区の場合は主任相談員を含めて4名で、豊平区は8名で、もともと規模が違うところが一つあると思っております。 ◆木村彰男 委員  豊平区のほうはキャリアバンクで、厚別区のほうは社会福祉協議会です。最初に部長といろいろお話をしてきましたが、就労機会なり情報を持っているのはキャリアバンクのほうが多いのではないかとお話ししたことがあると思いますけれども、これについてはいかがでございますか。 ◎中村 生活保護担当部長  委員のご指摘のとおり、キャリアバンクは人材派遣会社でございますので、確かに就労支援の手法は社会福祉協議会よりもノウハウは多く持っていると考えております。 ◆木村彰男 委員  今回、事業者のコンペをやりまして、キャリアバンクが一番高い点数でしたので、キャリアバンクを中心に支援業務を継続してやっていくというふうに伺っております。  しかし、この相談内容を見てみますと、最後のプラン策定まで行く例ももちろんありますが、就職が決まってしまったら、ある意味ではもう相談しなくてもいいというか、相談終結という言葉を使っていて、そういう形になっているようにも見えるのです。  そういう中で、私も見せていただきましたが、プランをつくるに当たって相談にはたくさんのシートがありましたよね。その中には、今まであなたが人生を生きてきて一番感動したことは何でしたかというような質問もあったのです。相談員がそれらを集約してその方のプランをつくっていくことになるのですけれども、早い話、就職してしまえばそのシートはどうなってしまうのかと私は思っていたのです。  今、就職状況がかなりよくなっていることを考えると、生活保護に至る前の就労支援ということから考えれば、片方にハローワークもあるわけですから、まずそこへ行くという話なのか、ハローワークとは違った形で困窮者をフォローするとすればキャリアバンクの仕事とは一体何なのか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  生活困窮者の支援センターに来られる方は、就職に関しての問題が非常に多いという結果は出ておりますけれども、いろいろな複数の問題を抱えている方が非常に多く、自分で問題を整理し切れない方も非常に多くおります。そこで、相談を受ける中で、仕事に関するものについてはハローワークに一緒に同行してその方の事情を説明するとか、それから、福祉の制度を利用できれば収入を満額取らなくてもいいのではないかなど、一人一人が持っている困難な問題を解きほぐしながら相談に当たるのが生活困窮者の支援センターの目的の一つでございます。ただ単に就職するのであればハローワークに行けばいいというだけの話になってしまいますので、そういったことではなく、あくまでもその方に寄り添って困り事を一つ一つ解決していくことが生活困窮者の支援センターの大きな目的でございます。 ◆木村彰男 委員  一部の新聞では、今まで利用していた方からすると厚別区や豊平区のものがなくなることは困る、一つにまとめられてしまうとなかなかそこに行けないという声も出ている記事がありました。  私は、1年やってみて、総括した上で一つにまとめることについては、それでいいのではないかと思うのです。そのかわり、出張といいますか、出前のような形で、定期的に、もしくは不定期でも、区民センターなどをお借りしていろいろな地区で年に何回かやっていけばいいと思うのです。  それらの予算的な裏打ちというか、年間で出前をやっていこうということは大体お決まりになりましたでしょうか、お聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  1カ所にしたということですが、例えば各区に置きますと2名とか3名の中で問題が共有できないこともございます。現在、考えておりますのは、相談員、主任相談員を含めて21名程度を中心部に置き、それを四つから五つぐらいのチームに分けて、アウトリーチということで10区に巡回相談に行くチームを一つ設けるように考えております。現在は、例えば、ある区で複数の問題が起きたときに対応できないわけです。ところが、1カ所に置いてアウトリーチするチームが一つあれば、そういうこともできますし、それに対するフォローも十分に可能となります。さらに、いろいろな問題が起きたときに、そのケーススタディーを非常に集約しやすくなります。そうすると、相談員そのもののスキルアップにもつながります。  こうしたことから、当初は1カ所で、大通西6丁目のビルを予定しておりますけれども、そこを中心として対応しようと考えております。また、各区などの行政機関、関係機関とも連携をとって、相談者に対して十分な支援をできるように配慮してまいりたいというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  私も、大通西6丁目のビルの8階ということで、ステップという愛称も伺っております。私は、最初、この事業はどういう方向に進んでいくのかと思っていました。ここに相談に来たのに生活保護になってしまった方ももちろんいるとは思うのですが、これが最後の歯どめになって生活保護に陥らないようにと、そういうご支援をやってこられたと思うのですけれども、そうしたことの総括というか、今までやってきたことが生活保護に陥らないものとしてこの方向で確実に間違いないと、そういうことを部長の最後のお言葉として言ってほしいのです。 ◎中村 生活保護担当部長  4月から生活困窮者自立支援法が始まりまして、その一環としての生活困窮者の支援センターでございます。札幌市といたしましては、生活困窮者自立支援法案成立当初から、上田市長も含めて、特別部会の委員として札幌市としての意見も申し上げていたところでございます。今、滑り台社会というふうに言われておりますが、仕事がなくなったらいきなり生活保護ということではなくて、その前のトランポリン機能として、生活困窮者の支援センターが十分に機能を果たせるよう、我々も工夫してまいりたいと考えております。 ○桑原透 委員長  以上で、第4項 生活保護費の質疑を終了いたします  次に、議案第5号 平成27年度札幌市国民健康保険会計予算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分について、一括して質疑を行います。 ◆伊藤理智子 委員  私は、高過ぎる国民健康保険料の問題について質問いたします。  代表質問で、本市が平均保険料を据え置いているものの、加入者には平均保険料が上がったのか、下がったのかは直接関係ないこと、同じ年収でいると国民健康保険料が毎年上がり続けていくことについて指摘し、同じ年収であれば国民健康保険料は上がらないことを基本に国民健康保険料の設定をするべきと求めました。  この間、事例で何度もお話ししていますが、年金200万円の2人世帯では、1992年に国民健康保険料が4万7,000円だったものが、2014年には9万7,590円と2倍以上にもなっていることを示しましたけれども、同じ2人世帯で年金300万円ではどうかということも調べてみました。1992年に国民健康保険料が7万8,380円だったものが、2014年には25万6,660円と3倍以上にもなっています。収入がふえていないのに国民健康保険料の負担がふえていくことで、保険料が払えない世帯、滞納世帯がふえ、本市では手おくれ死が起こっているという実態もあります。
     個人の所得が同じ場合であっても、全体の医療費の上昇や所得の減少により、個人の保険料が上がることは起こり得るもの、同じ所得の場合に保険料が上がらないようにするためには、繰り入れをさらにふやす必要があることから、極めて難しいと今回の代表質問で答弁しております。しかし、保険料軽減のための繰り入れは、1999年に159億6,400万円だったのに、新年度予算では78億100万円だけです。過去に繰り入れしたことがある159億6,400万円を繰り入れれば、国民健康保険料は1世帯当たり2万7,210円下げることができます。  繰り入れをさらにふやすというのではなく、1999年と同じだけの繰り入れをすることがなぜできないのか、まず、お伺いします。 ◎岩井 保険医療部長  国民健康保険料についてのお尋ねでございます。  お尋ねの中にもございましたが、過去の保険料に係る分の一般会計から国民健康保険会計への繰り入れでございますけれども、平成20年度までにつきましては、累積赤字がございましたので、その解消が必要なために多く繰り入れていたという状況がございます。  また、ご質問の中にもございましたが、国民健康保険会計制度というのは、加入者の方に係る医療費を加入者の保険料で賄うのが基本的な仕組みでございます。例えば、平成20年度から平成25年度にかけて、国保加入の方の1人当たりの医療費について比較してみますと、平成20年度は32万2,000円余りの医療費でありましたのが、平成25年度におきましては35万6,000円と、約10.6%の増になっているところでございます。私どもといたしましては、このように全体の医療費が上がる中で、これまでも一般会計からの繰り入れによって保険料の抑制を行ってきているところでございますが、こうした状況の中におきまして、同じ所得の場合に保険料が上がらないようにするためには繰り入れをさらにふやす必要があることから、極めて難しいものと考えている次第でございます。 ◆伊藤理智子 委員  医療費がかかっているから、同じ収入の場合の加入者の国保料を引き下げるようにしていくのは難しいというお話です。しかし、高齢化すると、弱ってきて病気になります。今の国民の実態としては、高齢化の中でいろいろな病気にかかって医療費がふえていく、こういうことは実際起きているわけですから、医療費が多くかかるから大変なのだ、そういう中でどう支援していくか、やはりこれが自治体の役割であるというふうに思うのです。医療費がかかって大変だから繰り入れしていくことができないという考え方ではなくて、市民の命と健康を守るためにどういう支援が必要なのか、どうしたら高過ぎる国民健康保険料を引き下げていくことができるのか、こういう視点に立って考えていくのが皆さんの仕事ではないかと私は思っております。  そして、そういう仕事をしていくことが非常に必要だということで、今、お話しをしているわけですから、医療費が多いから加入者のために引き下げることができないという考え方は本末転倒ではないかなというふうに私は思います。市民の命と健康を守れるのかどうかがかかっている問題であり、どうしたら国民健康保険料の負担増を改善できるのか、社会保障の観点から真剣に検討していくことが求められていると思います。  本市では、2003年度から、保険者支援制度として、毎年、平均すると約13億円が国から出されており、本市の保険料軽減対策費として活用されてきたと聞いております。新年度は、この保険者支援制度が国全体で1,700億円拡充される予定というお話も聞いております。この拡充された分も活用して国民健康保険料の引き下げを実施していくべきだと思うのです。単純にはいかないと思いますが、単純に計算してみますと、1,700億円あれば、全国の国民健康保険に加入している世帯の国民健康保険料を1世帯当たり8,395円引き下げることができるのですね。ただ、この1,700億円の中身についてはいろいろな条件もありますから、自治体によっては分配も違うと思いますので、単純にはいきませんけれども、そういうお金を国から支援されるということですから、札幌市の一般財源の繰り入れと合わせて、本市の国民健康保険料を1世帯当たり1万円引き下げるべきだというふうに考えますがいかがか、伺います。 ◎岩井 保険医療部長  重ねて、保険料について、また、具体的に1万円の保険料引き下げを行うべきではないのかというお尋ねかと思います。  先ほどもご答弁申し上げましたように、1人当たりの医療費が増嵩する中で、加入者1世帯当たりの平均の保険料を据え置きましょう、何とか保険料を抑制していきたいということで、これまで一般会計からの繰り入れを行ってきているところでございます。  仮に、1世帯当たりの保険料をさらに1万円引き下げるといたしますと、平成27年度予算ベースで加入世帯数が約29万世帯なので、約29億円の繰り入れがさらに必要となるところでございます。先ほどのご質問にもございましたように、今般、国のほうでは保険者支援制度を拡充しようという方向性が打ち出されました。具体的な額についてはなお不明でございますが、私どもが平成27年度予算に計上している軽減対策分の繰入金80億円に、先ほど申し上げた1万円の保険料引き下げのために29億円を加えると、総額約109億円の繰り入れが必要となるところでございます。このようにさらに繰り入れをふやしていくことにつきましては、国民健康保険に加入している市民と加入していない市民における負担の公平性などに鑑みると、極めて難しいものと考えております。  国民健康保険制度の加入者の負担感が強いということは、とりわけ札幌市におきましては低所得者が多い、また高齢者が多いということで、それは委員からのご指摘にあったとおりでございます。私どもとしては、加入者の負担感が強いことについては十分認識しておりますけれども、ご理解をお願いしたいというふうに考えております。 ◆伊藤理智子 委員  代表質問でも、今の部長の答弁でも負担の公平性という問題がありました。前回、私が、委員会で、負担の公平性について、国民健康保険料を引き下げるな、不公平だという声が実際にあるのかというふうに聞いたときに、市民からのそういう声は確認されていないという答弁をされましたね。  今現在、社会保険に加入している人も、将来、退職後は国民健康保険に加入することになるから、国民健康保険料が高過ぎるという問題については、加入者だけではなくて、多くの市民が注目していることです。さらに、そういうところにお金を入れるかどうかという問題になったときに、札幌市は、しない言いわけとして負担の公平性を確保すると言っているだけであって、国民健康保険以外の市民も誰もが、国民健康保険料を引き下げて市民の命や健康を守ることに文句をつける人はいないと思うのですけれどもいかがか、伺います。 ◎岩井 保険医療部長  国民健康保険料について、国保以外の方から、不公平ではないかといった具体的な声などを聞かれているか、あるいは、もし引き下げたとしても問題になることはないのではないかというお尋ねかと思います。  保険料の負担の問題につきましては、先ほど申し上げましたけれども、国民健康保険制度の構造的な問題で、やはり、低所得の方が多い、あるいは、高齢者が多く、したがって医療費水準も高いといった問題があるかと思っております。  私どもとしては、その問題につきまして、札幌市あるいは札幌市の国民健康保険という一保険者としてできることは限られているのではないかというふうに思っております。私どもは、これまでも、財政基盤の抜本的な強化に向けて、さまざまな機会を捉えて国に対して働きかけを行ってきたところでございますけれども、やはり、今後とも、他都市とも連携しながら国に対してしっかりと要望を行っていくことが、国保の保険料の負担感が高いことの解消に向けた抜本的な解決策ではないのかというふうに考えているところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  私は、今のお話を聞いていて、財政上の問題ではなくて、政策上の問題だというふうに思います。予算上は、本当にやろうと思えばできるというふうに思うのですね。やる気になれば、財政上では国保料の引き下げはできるということは明らかだと思います。国民健康保険料が高い問題について、今後も国に対して要望していくことは当然だと思いますし、国で改善されるまでの間、市民の命と健康をどう守るのか。同じ収入でいると、毎年、国保料が上がって、加入者の生活は毎年厳しくなっていくことになりますので、ここをどう支援していくのかという視点で考えていくことが非常に大切だと思います。  負担の公平性という言葉で財政上の支援は行っていかないと言っておりますけれども、福祉という観点、社会保障という観点で考えれば、負担の公平性という言葉は市民の中では通用しないというふうに思うのです。福祉は、障がいがある方がいればそういう当事者の方々を、子どもたちがいれば子どもたちを、それぞれ支援していくものです。それは、全部、公平になるかといったら、そうではありません。その当事者、利用者の方々を支援していくことが福祉という観点ですから、そういう意味でも、負担の公平性でできないという言い逃れはできないというふうに私は思います。  命と健康を守る、そういう立場に立って、高過ぎる国民健康保険料を引き下げるべきだということを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆伴良隆 委員  私は、特定健診について質問させていただきます。  札幌市の特定健診は、愛称名がとくとく健診でありまして、私が応募した名前が採用されたということで、大変強い思いを持っております。しかしながら、愛称名は大変いいと思うのですが、受診率がいい感じで向上してこないのはどうしてだろうかという思いが募ってきましたので、質問させていただきます。  特定健診というのは、生活習慣病の予防として行われております。他の政令市と単純な比較をすれば、それぞれの政令市で検査項目が違いますが、直近の平成25年度で政令市の平均が26.3%、札幌市は平成25年度で18.8%であります。また、札幌市は制度開始時が16.0%ですので、過去より少し向上している状況は見られますけれども、やはり低い状況にございます。  私も、今まで議会での質疑をいろいろと聞いてきまして、いろいろな委員がいろいろなご指摘をされておりますが、札幌市としても、少数精鋭のスタッフの中で一生懸命やっていただいて、PRやキャンペーン等もやられております。この愛称名の募集もそうでしたし、PRのチラシ、電話による個別の勧奨、いろいろなイベント、広報、PR、あるいは、夜間の住民集団健診、健診結果の説明会など地域と連携したような取り組みも近年ではあります。それから、平成26年度では、看護師あるいは栄養士などの専門職による60代の方々に対する個別の電話勧奨もあります。そして、これは私も提案させていただきましたが、受診対象者に送られるチラシの中に、生活習慣病になった方のいい意味での体験談も掲載していただいておりますし、5年前には、特定健診の対象者や医療機関に対するアンケート調査も行われていたということであります。  そういう中で、昨年だったと思いますが、アンケート調査をやられているということでございますので、特定健診の対象者、あるいは、医療機関に対するアンケート調査というのは一体どういったことになっているのか、要点を端的に伺いたいと思います。  また、そのエッセンス部分からどのような取り組みが来年度に向けて必要なのか、ご見解を伺いたいと思います。 ◎岩井 保険医療部長  特定健診の対象者及び実施医療機関へのアンケート調査からわかったこと、あるいは、そこから今後どのような取り組みを考えているのかというお尋ねかと思います。  今回行いましたアンケート調査は、今後の特定健診・特定保健指導の取り組みの参考とするために、昨年10月に特定健診の対象者につきましては5,000名、実施医療機関につきましては577機関にアンケート調査を行ったものでございます。  まず、特定健診の対象者へのアンケート結果につきましては、特定健診の存在とか、検査項目、受診方法といった基本的な事柄につきましては8割以上の方が知っているというふうに回答されておりまして、特定健診自体は既に十分認知されてきているものと考えられるところでございます。一方で、一度も健診を受診したことのない方に健診未受診の理由をお尋ねしたところ、1位は忙しくて時間がとれない、2位は忘れていた、3位は生活習慣病で既に定期的に通院しているからといった結果でございました。また、これらの方にどうすれば特定健診を受けるのかとお尋ねしたところ、1位は時間に余裕ができたとき、2位は体調が悪くなったとき、3位はがん検診と一緒に受けられるときといった結果でございました。  このように、健診自体は知っておられても、生活習慣病の早期発見、あるいは早期予防という健診の意義や目的につきましては十分理解されていない方が多かったことから、引き続き、委員のお話にもありました普及啓発活動に取り組むとともに、未受診者には、さまざまな機会を捉えて健診の意義を粘り強く説明し、受診に結びつけていく必要があるものと考えております。また、特定健診の受診率向上に当たりましては、がん検診と同時受診できる医療機関、あるいは、土曜・日曜日に健診を実施している医療機関をより広くPRするなどの取り組みをさらに進める必要があると考えております。  次に、特定健診の実施医療機関へのアンケート結果についてでございますが、来院者に特定健診を受けるように勧奨したという医療機関は全体の39.8%でございまして、特に受診勧奨はしていないとお答えの医療機関は50.1%と半数でございました。先ほど申し上げた特定健診対象者アンケートなどでは、定期的に医療機関に通院しているために特定健診を受けていないと答える方も多かったことから、こういった方々へ医療機関から健診受診を勧奨していただくことは効果があるのではないかと考えております。つきましては、今後は、医療機関に対して、可能な範囲で来院者に受診勧奨をしていただくようお願いしてまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  今は地域包括ということが言われていますし、当然、社会復帰とかいろいろなことで健康を守っていただいている医療機関でも受診勧奨が行われなければいけないというふうに私は強く思っておりますので、少数精鋭ではありますが、ぜひ各医療機関に協力を求めていくようにお願いしたいと思っております。  それから、先ほどアンケートのところで私が気になったのは、これは複数回答ということで市側のご見解もあると思いますけれども、とくとく健診を受けなかった理由の3位までおっしゃいましたが、4位は健康だったからというふうに言っていることです。また、今後、健診を受けるとしたらどのようなときかというのは、2位に体調が悪くなったときとありましたが、予防ということを考えたときに、健康だったから健診を受けないとか、体調が悪くなったときに受けるというのは、体調が悪くなってから受けても意味がないというか、その趣旨としてはどうかということであります。健康だから受けないというのも、健康だと思っていたけれども、実は、見つかったときには重篤化しているかもしれません。健診というのはこういったことを予防するためにありますので、やはり、今、部長がおっしゃったように、意識の部分と、特に特定健診の意義がなかなか行き渡っていないのかなというふうに思います。  私は、単純にとくとく健診だからということで質疑をしているわけではなくて、少子高齢社会を迎えておりますが、生産年齢人口の減少という意味からしても、働き世代の方々の健康を維持していくことは、高齢者の健康を維持していくことと並んで非常に重要な視点であります。当然、ご自身とともに家族を守るということもそうですし、ひいては社会を支えていくためにも、医療費の抑制と税収を維持していくということから長期にわたって非常に大事な視点になると思うのですね。  そこで、意識がなかなか上がってこないとか、忙しいから受けないとか、なかなか時間がないというのはよくわかりますが、青少年に対するいろいろな教育とはまた別に、若い世代に健康に対する意識を持ってもらうことが大切だと思います。特定健診は40歳以上ですけれども、私も26歳ぐらいのときに人間ドッグをフルで受けて、たしかCTもやった記憶があります。ですから、特に20代とか30代の方々は、確かに健康な方々が多いですが、自分は健康だからということではなく、また、心身ということなので心も含めて、やっぱり、いずれは自分たちの体にもいろいろな意味で問題が出てくるかもしれないという意識をしっかりと持っていただくようにすべきだと。つまり、18%何がしという札幌市の状況を一喜一憂するのではなくて、10年、20年という長いスパンで考えた上で、結果的に札幌市の特定健診なり健康に対する意識が高まっている、受診率も高まっている、こういうところで本当に一喜一憂するような視点も大事なのではないかというふうに、私は今までの議論を聞いていて思ったわけであります。  そこで、そういうふうに言い出すと非常に大きな話になってしまいますから、ここは局長に伺いたいと思います。  特定健診は40歳以上で、先ほど部長からお話があったのは中短期のことだと思うのですけれども、いずれは札幌市も他の政令市に負けないくらいに受診率が高まっているとなるには、私は、やっぱり長期のことを考えて、20代、30代の人たちのボトムアップが必要だというふうに思うのです。部署としては、教育もあるかもしれませんし、札幌市では市立大学もあるかもしれませんが、札幌市は、今後、若い人たちに意識を持ってもらう、高めてもらうという姿勢を持って各種の事業に手を出していくようなことを考えていかなければいけないのではないかと思います。ご担当の方としては、上がらないではないか、おかしいではないかと、なかなかつらいところがあると思いますが、そうではなくて、札幌市は長いスパンで取り組んでいくという前向きな姿勢が今後は必要になってくるのではないかと思いますけれども、いかがお考えか、伺いたいと思います。 ◎瀬川 保健福祉局長  伴委員にいろいろご指摘いただきましたが、私も全く同感でございます。鉄は熱いうちに打てというわけではございませんが、40歳になる前のもっともっと若いうちから自分の健康に関心を持ってもらう、健康の大切さの意識を持ってもらうことは重要なことでございます。それがまた、中長期的には受診率の向上に大きく寄与していくことになるのではないかと思っております。  札幌市では、健康さっぽろ21の第二次計画を昨年4月からスタートさせていただいておりますけれども、その目標の一つとして健康格差の縮小を掲げているところでございまして、その中で、特に健康に関心が低いと思われるような若い世代を重視すべき対象者、ターゲットといたしまして、健康づくりの普及啓発に力を入れているところでございます。具体的なことを申し上げますと、例えば、子宮頸がん予防の普及に向けた取り組みの企画段階で女子大生に参画していただくとか、企業と連携するなどして、若者の皆さんが持っていらっしゃるスマートフォンを使った健康情報の発信にも力を入れているところでございます。  今後も、企業あるいは大学などともさらに連携を密にいたしまして、いろいろ工夫させていただきながら、若い世代の健康意識を高めるために、心に響くような形で施策、事業を打っていきたいというふうに思っているところでございます。 ◆伴良隆 委員  受診するかどうかは個人の自由という部分もありますので、余り言い過ぎると強制的な部分もあって、はばかられるわけであります。  先ほど少子高齢化と申しましたが、働き世代、若い世代というのはこれから非常に重要なのです。労働力とまでは言いませんが、非常に重要な世代でございますので、そういった方々に対して、今おっしゃったような形で具体に取り組んでいただくように、各部署で広く横断的にやっていただく中で、結果的に受診率が上がっていることをいずれ見てみたいなと思っておりますので、どうかよろしくお願いします。 ○桑原透 委員長  以上で、国民健康保険会計予算等の質疑を終了いたします。  次に、議案第6号 平成27年度札幌市後期高齢者医療会計予算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金中関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後4時39分       再 開 午後4時41分     ―――――――――――――― ○桑原透 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第5項 健康衛生費の質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  私は、代表質問のときに、札幌市内のお風呂屋さん76軒について、入浴の実態、さらには経営状況など、それぞれ調べておられますかという質問をしたところ、井上副市長からは、平成26年度の公衆浴場経営実態調査結果を北海道保健福祉部からいただいておりますが、これが一軒一軒かどうか把握していないので確認をとりますということになっておりました。  そこで、まず、確認の結果がどういう状況であったか、お尋ねいたします。 ◎飯田 生活衛生担当部長  ただいまお話がありました北海道の調査結果についてでございます。  今お話がありましたとおり、北海道では、毎年、公衆浴場経営実態調査と公衆浴場基本調査というものを実施してございます。これらの調査につきましては、道内の全普通浴場のうち、協力を得られた営業者から、事業収入や人件費、燃料代など詳細な項目について報告を受けているものでございます。ただ、北海道では、個々の施設の報告内容については非公開としておりまして、統計処理されたデータのみ公開しているところでございます。  したがいまして、この統計データからは、札幌市内の個々の施設については把握できない状況でございます。 ◆松浦忠 委員  平成26年度は札幌市内の何軒を対象に調査されていますか。そして、何軒から回答がありましたか。 ◎飯田 生活衛生担当部長  平成25年度につきましては、道内26のうち、札幌市内では14の公衆浴場から回答があったと聞いてございます。 ◆松浦忠 委員  何軒に調査をかけてですか。 ◎飯田 生活衛生担当部長  平成25年度の調査でございます。(「何軒に調査をかけてと聞いている」と呼ぶ者あり)  道内の47施設について調査を行いましたところ、調査協力を得られたのが26施設でございまして、そのうち14施設が札幌市内と聞いております。 ◆松浦忠 委員  札幌市内の14軒のうち、何軒から回答が得られましたか。 ◎飯田 生活衛生担当部長  申しわけございません。  繰り返しになりますが、全道の26施設から回答がございまして、今、14と申しましたが、そのうち15の施設から回答がございました。訂正いたします。 ◆松浦忠 委員  私が聞いているのは、札幌市内のお風呂屋さんの何軒に調査をかけて、何軒から回答があったかを聞いているのです。それを答えていない。 ◎飯田 生活衛生担当部長  札幌市内には76の施設がございますが、そのうち、この調査の対象になりますのは、入浴料の収入や所得税の申告の状況など、幾つかの条件がございまして、それに当てはまる施設というものがございます。その中から、さらに調査に対して協力をお願いいたしまして、その中で15の施設から回答がございました。 ◆松浦忠 委員  もうちょっと質問をわかるようにしてあげる。私の質問の仕方が大分悪いんだな。もう一回言うよ。  平成25年度の調査では、北海道は札幌市内のお風呂屋さんの何軒に調査をかけましたか。その結果、回答は何軒からあったか聞いているのです。あれこれ説明は要らぬからね。 ◎飯田 生活衛生担当部長  北海道からの情報では、札幌市内に幾つの施設に調査をかけたかというのは聞いておりません。そのうち、回答を得たものが15と聞いてございます。 ◆松浦忠 委員  率直に言うと、本会議の前に、皆さんが質問事項を聞きに来たから、私はちゃんと教えたのですよ。そうしたら、本会議での井上副市長の答弁は、事前に聞きに来て、ちゃんと丁寧に教えているのに、全く回答していない。調べていない。今聞いても、またこれだ。もう、ちゃんとやってくださいよ。大事な話なんですよ、これは。こういう実態だから、私は言うのですよ。  そこで、去年、菊水で1軒のお風呂屋さんがやっていけないということで廃業しました。そうしたら、そのお風呂屋さんを利用していた菊水の皆さんは、何とか再開できないかと私に言うんです。だから、私が本会議で求めたことは何かといったら、これは議事録をつくってもらいましたが、札幌市内に今ある76のお風呂屋さんに、1日何人が入って、収入が幾らあって、1年の合計で幾らか、かかる経費は何に何ぼで幾らか、そして、残って自分たちが使えるお金は幾らなのか、生活費に使ったら風呂のお釜だとか壊れたものを修繕する金があるのか、ないのか、こういう経営実態をきちんと調べてくださいと、これを本会議で求めたんですよ。これが一つです。  二つ目は、公衆浴場というものが、何ゆえに―戦争に負けた後、日本を統治したアメリカのマッカーサー元帥が、当時の責任者として、あの当時、いわゆる新円切りかえとかいろんなことで超インフレがあって、そういう中で、国民生活を守るために、食料品とかいろいろなものについて物価統制令が出て、その中にお風呂の入浴料金も入っていたのです。お風呂の入浴料金が何ゆえに入ったかということは、皆さんもご承知のように、日本の風呂の歴史をずっと言うと、ここにちゃんと書いてあるんだよ。だけど、余り話すと遅くなるし、涌井委員がはしょれと言うから、そのとおりにやります。  これを言うと、日本では、歴史にないぐらいの昔から入浴習慣があって、お風呂に入ることによって日本人は衛生上の清潔と健康を守ってきたということで、これは大事な行為なのですよ。だから、物価統制令が廃止された今日においても、そういう統制料金としてこれが残っているのです。  そういう状況から見ると、お風呂屋さんが札幌市内のどういう場所に必要か、そして、合計で何軒必要なのか、こういうことは、公衆衛生は保健所の専任事項ですから、本来からいったら皆さんは知っていなきゃならぬことなのですよ。  先ほどの議論にもあったように、保健福祉局の中で、低所得者の話から、介護保険から、国保の話からいろいろありましたが、そういうことからいったら、どこの地域にはどういう所得階層の人が住んでいるか、そういうことも含めてきちんと調査して、札幌市内には最低でもお風呂屋さんが何軒必要かと。そして、そのお風呂屋さんを民間でやれないならば、公営でやることだってありなのですよ。  例えば、私が議員になった32年前、もみじ台でしたか、市営住宅のH団地がありまして、あそこの団地の中に公衆浴場がありましたね。私は、そこの風呂屋の料金を幾らにするかという議論をした記憶があります。そのぐらい公衆浴場というのは大事なものなのですよ。浴場ばかりではないですよ。公設市場もありました。山口団地とか、もみじ台にもありました。私が議員として出てから、板垣市長のときには、スーパーもできてきたし、もう廃止するかと言って廃止しました。そんな役割があるものを、皆さんはないがしろにしている。札幌は政令指定都市ですよ。  したがって、道庁に任せるということではなくて、法律上、道庁は物価統制令を所管しているところだからやっているけれども、札幌市は、194万人余の市民の最低限の健康を守るということからいったら、きちっとそういう調査をして、どういう支援をするかと。一律に固定資産税3分の2を免除しますとか、私は、この間、平成7年に国の課長から、知事に対して出しているわけのわからない文書を見ましたが、あれなんかは地方自治に対するとんでもない介入だ。固定資産税だとか都市計画税というのは、まさに市町村長の専権事項だ。したがって、札幌市は、そういうことをきちっと調査しなければだめだ。  市町村長が税金をまけるというのはどういうことかといったら、これにはきちんとした根拠がなければだめなんですよ。一律にまけるのではなく、ちゃんと経営状況を把握して、やっていけるところはまけなくていい。いわゆる経営状況によって、ABCでも123でもいいから階級をつけて、そして税金をまけていく、こうでないと税という制度そのものがおかしくなる。  そういうことをきちんとやっていただくために、私は実態の調査をちゃんとやってくださいということを言っているんですよ。やるのか、やらないのか、一言で答えて。 ◎飯田 生活衛生担当部長  ただいまありました銭湯に対する経営実態調査についてでございます。  事業収入や人件費、燃料代など詳細な項目にわたる経営実態の調査には、各営業者の協力が不可欠となりますことから、各営業者はもとより、市内の大半の施設が加入する札幌公衆浴場商業協同組合にも理解が得られるよう、調査の実施に向けて検討してまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  組合、組合と言うけれども、今、組合には3分の2しか入っていないんだよ。公衆衛生を守っているのは組合じゃないんだよ。今、営業をやっている人は、みんな、私企業ですよ、私企業。私企業に援助する必要はないの。公衆衛生を維持するために援助するのですよ。税を投入するんですよ。  ですから、そういうところに相談する必要はないの。やるのは、札幌市長として、保健所長として、きちっと公衆衛生を守るために、76の各事業者に調査用紙を配って、その調査用紙の頭に、目的として、この調査に非協力の人は、現在、減免している固定資産税3分の2を取りやめますと。(発言する者あり)  当たり前ですよ、そんなもの、あんた。何を言っているんだ、あんた方は。  取りやめますと。それは何かといったら、調査に協力しないということは、自分のところは十分にやっていけますよということなんですから。税金を減免するということは、自民党の皆さんが何やら言っているけれども、あなた方は国から来た平成7年の通達を見ていますか。都道府県知事に対して出されているあの文書というのは、何だか、理解をいただくように減免の措置をとられたらよろしいですみたいなわけのわからぬような文章で、それで行政指導して各市町村長は3分の2を減免しているのですよ。こんな地方自治権の侵害なんていうのは、もってのほかだ。  あれは何だといったら、当時の自民党と中央の浴場組合が話をしてやった結末があれですよ。これは、少なくとも日本国憲法と法律に基づいてやっている日本国家の行政ですから、そういう利権的な、集票と結びついた、自民党と癒着している、そういうことが行われていることに対して、この際、きちっと断ち切って、そして、札幌市の公衆衛生を守る、この一点できちっと調査する。(「確信のないことを言うな」と呼ぶ者あり)  確信がある。今までのものを見てみろ。(「確信のないことを言うんでない」と呼ぶ者あり)確信はある。やじは入れんでいいから。文句があったら、後で私のところにおいで。証拠を示して、答えてあげるから。  そういうことで、きちんと調査をする、これが大事なんですよ。  さて、保健所長はいるかな。保健所長。(「答えんでいい」と呼ぶ者あり)  誰だ、答えんでいいなんて言っているのは。誰だ、答えんでいいなんて言っているのは。黙れ。 ○桑原透 委員長  質問してください、松浦委員。 ◆松浦忠 委員  (続)ふざけるな。 ○桑原透 委員長  松浦委員、質問してください。 ◆松浦忠 委員  (続)誰だ、今、言ったの。ふざけるんじゃない、本当に。大事な、真剣に公衆衛生を守る質問をしているのに。出ていけ、そんなやつは。  保健所長、答えなさい。 ◎館石 保健福祉局医務監  保健所長を兼務いたしておりますので、私からお答え申し上げます。  ただいま飯田部長からお答え申し上げましたけれども、仮に経営実態調査を行うといたしましても、相手のあることでございます。したがって、その意図について丁寧にご説明し、理解を得ながら調査の実施に向けて検討してまいりたい、このように考えております。 ◆松浦忠 委員  私が求めているのは、理解を得なくていいと言っているの。なぜかといったら、自分で経営をやっていける人は、税金の減免も要らない、何の援助も要らない、私企業としてやっていきますという人です。そういう人たちは、お上に自分の懐を調べられる必要はないんですよ。困る人だけがちゃんと応じてくるんですよ。そのことをきちっと明記してやりなさいと私は言っているんですよ。  これに答えない方は、今、地方税を3分の2減免しているものもやめますと。今度は、一律3分の2なんていうことではないですよと。札幌市としては、経営実態に応じて、個々の皆さんとそれぞれ話をしながら、一定の階級を設けて、その階級ごとに援助してきちんと経営が成り立つようにしていきますと、こういうことをきちんと文書に入れてわかりやすく書いてやれば、それで応じてくるんですよ。  大体、今まで行政がこんなことで減免なんかしていたこと自体、札幌市長も保健所長も含めて、やっていることが全くでたらめだ。したがって、これをきちんと改める。そして、本当に援助が必要な浴場にはきちんと援助をして、経営を成り立たせて、市民の公衆衛生を守る、これが清く正しく公正な行政であります。どうですか。
     副市長、答えなさい。 ◎井上 副市長  松浦委員から段々のご指摘をいろいろいただいております。  確かに、公衆浴場は市民の公衆衛生に大きな役割を果たしていることはそのとおりだと思いますけれども、一方におきましてはやはり経営ということもございますので、調査につきましては、館石医務監からお話をしたとおり、浴場協同組合ほか、公衆浴場の経営者にご相談しながら検討したいと考えております。 ◆松浦忠 委員  何で浴場組合と相談しなければいけないの。浴場組合に入っているのは3分の2よ。そうしたら、入っていない人たちはどうするの、誰と相談するの。 ◎飯田 生活衛生担当部長  もちろん加入していない方々にも十分説明して、理解をいただきながら実施に向けて検討したいと思います。 ◆松浦忠 委員  これは、理解を得る話ではないのです。単純な話なの。あなた方は、自民党の議員の顔色を見ているからそんな答弁をするんだよ。今まで、自民党の要求に基づいてでたらめなことをやっているから、こういうことになっているんだよ。  したがって、今回は早急にきちっとやりなさい。私は、きょうは市長がいなくてもいいと思ったけれども、こんなことだったら市長を呼んでおかなければだめだった。もう本当に、こんな行政が行われて税金が免除されているなんていうのはとんでもない話だ。このことをきちんと整理して、早急に、年度内に調査結果を出すように強く求めておきます。 ◆北村光一郎 委員  私からも、認識不足だったところもあるのですが、市民から声があって、公衆浴場の男女混浴の年齢制限について質問させていただこうと思います。  札幌市では、札幌市公衆浴場法施行条例において、12歳以上の男女を混浴させないことと規定されております。従来は北海道の条例に基づいて公衆浴場を指導していましたが、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、いわゆる第2次一括法の施行に伴い、平成24年10月から札幌市が独自に条例を制定することとなったと原局からお聞きしております。この年齢制限の規定は、札幌市が条例を制定する際、市民相談等がなかったことを踏まえ、北海道の条例と同じ条文にしたと聞いております。  しかしながら、昨今では、子どもの発育が早まっており、また、インターネットの普及により、性的な情報を容易に得ることができたりという状況を考えると、この12歳という年齢制限を見直すべきではないかと私は思っているところでございます。  そこで、質問でございますが、公衆浴場における男女混浴の年齢制限について、札幌市に対して市民からの要望があるかどうか、伺いたい。  もし要望がある場合、札幌市としてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎飯田 生活衛生担当部長  ただいまご質問がございました1点目の公衆浴場におけます男女混浴の年齢制限に関する市民要望についてでございますが、札幌市公衆浴場法施行条例を施行いたしました平成24年10月以降、これまで2件の要望が寄せられてございます。1件目は公衆浴場の利用者から、もう1件は営業者から寄せられたものでございまして、いずれも女子小学生が男子小学生と居合わせたことで、学校で話題となり、嫌な思いをしたとのことであり、年齢制限の引き下げなどの対応を要望されたものでございます。  2点目の要望に対する札幌市の考え方についてでございますが、公衆浴場は、さまざまな市民が利用する公共性の高い施設でございまして、何らかの家庭の事情により、異性のお風呂に入ることも考えられます。12歳未満の子どもにつきましては、事故防止のため、保護者の監督を必要とする年齢であり、個々人の成長の差が大きい時期でもございます。保護の必要性やほかの入浴客への配慮を踏まえますと、年齢制限の線引きは大変難しい事柄ではございますが、年齢の見直しについては十分な検討を要するものと考えてございます。 ◆北村光一郎 委員  ただいま、札幌市の考え方についてはお聞きいたしました。  私が調べたところによりますと、旭川市など、道内では北海道の条例という形で札幌市と同様に年齢制限が12歳になっているということでございます。それに比べて、ほかの政令指定都市はおおむね10歳としているところが多く、一番低いところは京都市でございまして7歳にしております。年齢設定の違いは各都市の実情によるものと認識していますが、札幌市でも、少ないながらも市民から要望があることや、他都市の状況を踏まえると、条例改正の検討なども必要ではないかと考えております。  ついては、札幌市として、今後、条例改正の考えはあるか、ないか、お伺いいたします。 ◎飯田 生活衛生担当部長  ただいまの札幌市公衆浴場法施行条例の改正についてでございますが、年齢の見直しにつきましては、現在も関係会議の場などを通じて道内の自治体と情報交換を行っているところでございます。また、北海道では、公衆浴場のさまざまな課題等を協議、検討する北海道公衆浴場問題協議会の中で、今後、年齢制限についても協議する予定と聞いております。  このようなことから、札幌市では、他都市の状況について情報収集するとともに、北海道の検討状況を踏まえまして、年齢制限の改正に向けて検討してまいりたいと考えてございます。 ◆北村光一郎 委員  回答をありがとうございました。  なるべく早く検討を進めていただければ、大変ありがたいと思います。 ◆中村たけし 委員  私からは、お墓について質問させていただきたいと思います。  市の統計情報によりますと、札幌市の死亡者数は、年々増加傾向にありまして、平成25年度、2013年度は1万6,813人で、平成21年度、2009年度と比べると2,223人ほど増加している状況にあります。そのような中で、お墓の需要もふえているのではないかと思われます。札幌市には、里塚、平岸、手稲平和の市営の3霊園のほかに民間の霊園が3カ所ありまして、本市の墓地需要を満たしていると聞いています。  そこで、質問ですけれども、平成21年度から平成25年度の5年間の市内の墓地の販売数の状況について伺います。 ◎飯田 生活衛生担当部長  ただいまお尋ねのありました平成21年度から25年度までの市内の墓地の販売数の状況についてお答えいたします。  市営3霊園につきましては、新たな墓所区画の造成は行っておりませんが、平成22年度と25年度に市民から返還された区画について使用を希望する人の再募集を行い、その結果、315の区画で新たな使用者が決定いたしました。また、札幌市営の合葬式のお墓である平岸霊園の合同納骨塚では、平成21年度から25年度までの間で約3,400体の使用がございました。一方、民間の霊園では、この5カ年で約6,000区画の販売があったほか、合葬式のお墓も約5,600体の利用申し込みがあったところでございます。 ◆中村たけし 委員  市の再募集ですが、市営霊園の募集の際には抽せんになるというふうに聞いておりまして、民間の霊園でも一般墓所についてある程度の需要があることが今の答弁でわかりました。また、合葬墓についても、一般墓所と同程度の需要があることもわかりました。  一方で、今、お墓を取り巻く環境も変化しているというふうに私は感じています。少子高齢化などによりまして、全国的には、先祖代々のお墓を管理するということに大変悩んでいると聞きます。札幌にお墓をつくったけれども、子どもたちが東京だったり大阪だったり、あるいは、仕事で世界に出ていくことによってお墓を守れないといった状況はよく聞くお話です。  そういった状況の中で、お墓に関する考え方も多様化して、全国的にいろいろなタイプのお墓が出てきています。公営の墓地だと、横浜の市営墓地では、樹木型合葬式墓地といったものがあります。ホームページで見ましたが、これは、大きな樹木を墓標、シンボルツリーとして、土の中に骨つぼごと埋葬するという方式です。これだと、使用者がお墓の維持管理をする手間がかかりません。市が管理をしてくれますし、また、必要な経費も横浜市営墓地の場合は20万円程度で手ごろな価格となっています。  そこで、質問ですが、札幌でもこういった樹木型墓地を導入する予定があるのか、お伺いします。 ◎飯田 生活衛生担当部長  ただいまの樹木型墓地を導入する予定があるのかどうかということについてでございますが、札幌市では、現在のところ、横浜市のような樹木型墓地の導入は予定しておりません。  なお、先ほど申し上げましたが、平岸霊園の合同納骨塚につきましては、無縁のご遺骨のほかに、使用を希望する札幌市民も利用可能な合葬式のお墓を用意しております。札幌市といたしましては、この合同納骨塚がお墓を守る人がいない方のための施設と考えているところでございます。 ◆中村たけし 委員  札幌市内の合葬墓、合同納骨塚は、今、納骨の数をふやせるように平岸霊園のほうで改修していることは承知しています。  私が横浜市の樹木型墓地に着目したのは、ほかの方の遺骨とまざらずに埋葬されるというところです。札幌市の合同納骨塚はほかの遺骨とまざって埋葬されてしまうので、そういうことが好きではないというか、戸惑うというか、それは個人の考え方ですが、まざらない形で埋葬してほしいという需要もあると思うのです。横浜の樹木型墓地は大変人気だったようで、ホームページを見たときには既に募集を終了していて、私は大変需要があるというふうに感じました。これからのお墓は、子孫がいてもいなくても供養されて、子孫に負担をかけないタイプのニーズがあるのではないかなと私は感じています。  そこで、質問ですけれども、札幌市では、墓地需要に対して市民の意識を把握することが必要だと思うのですが、こういった調査をすることを考えているのか、伺います。 ◎飯田 生活衛生担当部長  墓地需要に対する市民の意識の把握についてお答えいたします。  お墓に対する市民の意識につきましては、平成13年度にアンケート調査を行っておりますが、前回の調査から既に十数年が経過して、お墓を取り巻く環境もまた変化をしてきておりますことから、来年度を目途にアンケート調査を実施するなどして市民の意識の把握に努めてまいりたい、このように考えてございます。 ◆中村たけし 委員  大変重要なことだと思いますので、意向調査を行っていただきたいと思います。  今、こうした形でさまざまなお墓のあり方がありますし、考え方も変わってきていると思います。しかしながら、今の事業者もありますし、霊園をつくるのはなかなか簡単ではありませんから、こういったことをうまくまとめて墓地整備を進めていただきたいということを求めて、質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、妊娠期からの母子保健事業の充実についてお尋ねしたいと思います。  昨年5月、日本創成会議では、深刻な人口減少問題に対し、2012年に1.41であった合計特殊出生率を10年後の2025年を目途に1.8とすることを第1の基本目標として設定したことは、皆さんもご承知のことかと存じます。一方、札幌市における平成25年の合計特殊出生率は1.14で、前年の1.11に比べて微増しているものの、低い値で推移しております。少子高齢化が進展する中、未来を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境づくりが一層求められていると考えます。  少子化の背景といたしましては、さまざまな要因が指摘されております。他方、出産、育児に関しては、育児困難や児童虐待の増加などが大きな社会問題でありまして、母子保健事業の果たす役割はますます重要となっております。札幌市においても、児童虐待に関する事件は後を絶たない状況にございます。平成26年9月に発表されました社会保障審議会児童部会の子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について、第10次報告ですが、厚生労働省が把握した死亡事例のうち、心中以外の事例では0歳児が43.1%を占めておりまして、その背景には、望まない妊娠や若年、10代妊娠など、また、経済的な困窮要因、社会的な孤立など、妊婦がひとりで悩みを抱えながら出産に至る事例が多く含まれていることが明らかになっております。健やかな妊娠、出産、育児のためには、支援を必要とする母親の把握はますます重要となっているものと思うところでございます。  そこで、お尋ねいたしますが、札幌市では、産前産後の取り組みとして、母子健康手帳の交付、妊婦健診公費助成の拡大、生後4カ月までの乳児全戸訪問であるこんにちは赤ちゃん事業などを実施してきております。このことは承知をしておりますが、今申し上げた支援を必要とする妊婦や母親の把握はどのように行っているのか、お尋ねしたいと思います。 ◎請井 母子保健・歯科保健担当部長  ただいまの支援を必要とする妊婦や母親の把握についてお答えいたします。  妊娠がわかりましたときは、保健センターに妊娠届を提出していただき、母子健康手帳を交付することとなってございます。札幌市では、この母子健康手帳を交付する際に、全ての妊婦に対して保健師が面接を行う妊婦支援相談事業を平成23年から実施しているところでございます。面接相談の際には、妊娠届についているアンケートに基づいたアセスメントを行い、望まない妊娠ではないか、体調不良や心の問題はないかなど、また、不安に思っている心配事もお聞きした上で相談に応じまして、支援が必要な方につきましては保健師等が支援を開始することにしてございます。また、出産後につきましては、乳児家庭全戸訪問事業におきまして、生後4カ月までの乳児のいる全ての家庭に保健師等が訪問しておりまして、平成24年からは、この家庭訪問にあわせて、産後のメンタルヘルス支援対策として質問票を用いたアセスメントを実施してございます。  さらに、妊娠期から出産後を通して、さまざまなリスク要因から養育に不安があると医療機関が判断した母親につきましては情報をいただくこととしております。これは、保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業でございまして、平成15年度から実施してございますが、この事業の中で医療機関との情報共有を図っているところでございます。そのほか、保健センターでは、電話相談や面接相談を随時行うことによりまして育児不安の解消を図るとともに、支援を必要とする母親を把握できる体制を整えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  さまざまな取り組みをありがとうございます。  妊娠届の時点から保健師による面接相談を行い、妊娠中からの支援が必要と思われる妊婦には訪問指導を実施し、産後の育児まで継続した相談支援を提供しているということで、よい取り組みだと思いますし、何とかやっていただいているのかなというふうに推察いたします。  先ほどの虐待の検証報告でも触れましたが、育児不安は、妊娠中から何らかの問題を抱えている場合が多いのではないかと思います。妊娠中からきめ細やかな支援を開始することが、産後の安心した子育てにつながるのではないかと考えます。母子健康手帳の交付は母親になるという実感を改めて感じる場面でありまして、その際に面接を行い、相談事業を実施するのは大変に重要な事業であろうと思います。  ちょっと脱線しますが、若いお母さんから、サイズが大き過ぎてかばんに入らない、かさばり過ぎるという声も寄せられておりますので、それはお伝えだけしておきます。  それはともかくとしまして、妊婦支援相談事業については開始から4年目を迎えたということでありますが、現在までの実施状況についてお尋ねしたいと思います。  また、今後に向けた取り組みについてもあわせてお尋ねいたします。 ◎請井 母子保健・歯科保健担当部長  妊婦支援相談事業の実施状況と今後の取り組みについてお答えいたします。  平成25年度の実施状況でございますが、妊娠の届け出1万5,259件に対して、面接相談の実施数が1万5,219件となっており、実施率は99.7%でございます。面接相談におきましては、何らかのリスク要因が認められる妊婦の場合には、問題状況がどのようになっているかを専用の質問票などを用いてさらに詳しく把握いたしまして、最終的には、890名の妊婦につきまして家庭訪問等の必要な支援に結びつけたところでございます。  今後の取り組みといたしましては、妊娠期からの切れ目のない支援をさらに充実していくために、平成27年度に庁内のワーキング会議を立ち上げまして、相談事業の検証を行い、妊娠期の支援について検討することとしてございます。 ◆福田浩太郎 委員  890名もの方々に訪問相談していただいているということで、敬意を表させていただきたいと思います。  妊娠期から支援を開始することの重要性を踏まえて、そのための取り組みとして支援が必要なお母様を早期に把握し、切れ目のない支援に向けて努力していただいていることは、本当にすばらしいことだというふうに思います。専門職が切れ目のない支援を行うということは、妊娠期から産後、育児期を通して育児不安の軽減が図られ、虐待の未然防止につながるものと考えます。  また、支援を必要とする親子のニーズや背景は多様であり、行政内部においてはさまざまな部署がかかわることにもなると思われます。庁内会議を行うということでございますが、ぜひ、しっかり検討していただきたいと思います。さらに、地域で親子がともに健やかで幸せな生活が送れるよう、医療機関との連携もさらに密にして、支援を必要とする親子へのサポートを強化していただきたいと思います。  例えば、桑原委員長もよくご存じの病院などでは、産後ケアセンターを自前でやっていらっしゃいまして、この産後ケアセンターも核家族化の時代にはニーズが高いものではないかと私どもは考えているところでございます。こうした産後ケアセンターなどができることで、より一層、切れ目のない母子保健事業の充実が図られますので、産後ケアセンターをぜひご検討いただきたいということを申し上げて、質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、1点、健康づくりセンター3館で重視しているメタボの対象者といいますか、利用勧奨者の数値管理についてお聞きします。  昨年の3定の決算特別委員会で、ご担当部長に、とくとく健診等で生活習慣病予備群となった方々に電話をかけ、健康づくりセンターに来ていただいて利用を促す施策について伺いました。  私も目標の数字等々を1月分までいただいておりますが、年度末を控えて、当初の目標数値を達成できますでしょうか、まず、お聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  健康づくりセンターにつきましては、市内に3カ所ございますけれども、今年度、平成26年度からそのあり方を見直して、なおかつ、生活習慣病の予防の必要のある方など、重視する対象者を設定したところでございます。その人数については、健康づくりセンターは指定管理で運営しておりまして、指定管理業務の仕様書において業務基準として位置づけておりますが、年間の利用者数延べ15万6,000人のうち、今申し上げた重視する対象者の目標は年間で延べ2万8,000人と言って差し支えないと思います。この2万8,000人に対して、26年4月から27年1月までの10カ月間の延べ利用者数が2万2,913人となっております。少なく見ても1カ月当たり延べ3,000人の利用が見込めると思われますので、年間12カ月に直しますと、目標の2万8,000人を下回らないものと見通しております。 ◆木村彰男 委員  私も、この数値管理については強く申し上げており、ほぼ目標数に近づいているという認識かと思います。  部長のところとは違うのですが、とくとく健診も、去年の平成26年5月から12月までで受診者が前年比111.6%とふえておりまして、数値がきちっと管理されて少しずつ上がっているのはいいかなというふうに思います。  同じ3定で、瀬川局長は、中間点、2年目の見直しということに触れていらっしゃいます。ことしはまだ1年目ですが、平成27年4月で1年がたちますから、1年たった方の検査がそこで行われていくと思います。1年たってみて、いろいろご指導した方々に関して、再度、測定されたり、健康の状態を確認するという数値検査なり検証がそこで必要になってきますけれども、まず、どういう形でその検証をしていこうと考えているか、それについてお聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  このセンターを利用したことによる効果、成果の検証の方法です。  この見直しを行う以前に、つまり重視する対象者を設定する以前ですが、健康づくりセンターにおいて、利用の時点と、それから1年後の健診データの比較、分析を一つの調査として行っております。これは、調査対象が185名で、受診から約1年後に再度検査をし、統計的に比較、分析したところ、体重、肥満度、これはBMIという指標でございますが、それから、体脂肪、中性脂肪などが改善されたという効果が見られました。  この検査のように、今回は重視する対象者を設定いたしましたので、効果を測定するためには一定の期間が必要と思われますが、以前に行った調査のように1年程度の取り組みの結果を計測してまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  今出ましたように、既にデータとして出ているものがあります。ただ、そのときは今のようにメタボの対象者の人とは限らず、健康づくりに来ていた人というか、そういう方々を幅広く対象にして、1年後に調査をしたら今のような数値結果が出ているというふうに理解しています。  その意味で、メタボ対策で勧奨してきた方と、それから、健康づくりという一般的な意味で健康を維持したいと考えて来館された方と、そういう面で分けたときにご指導のプランがどうなのか、それぞれ同じようなプランなのか、または違うのか。  特に、メタボ対策でやっていますので、異なったメニューも必要になってくると思いますが、理事者のお考えをお聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  今回は、特にメタボとか生活習慣病を予防する必要のある方を重視する対象者に設定いたしましたから、以前に行った利用者全体の調査を受けて、これら重視する対象者に対しては、見直し後、新たに理学療法士を配置して、障がいのある方、高齢の方など、身体機能のチェックや機能訓練を取り入れた、より専門的で対象者に合った運動指導、それから日常生活の指導を取り入れました。もう一つ、例を言いますと、これまでは希望者のみに実施しておりました栄養指導、保健師からの生活指導については、これら重視する対象者全員に実施するなど、指導内容の充実を図ったところであります。  したがいまして、これらの効果につきましても、一定期間を経過後に分析して、その成果について確認してまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  ここに北海道の健康寿命のことを書いた記事があります。これは、去年の9月に出ていますが、どういうことが書いてあるかというと、この記事では、北海道の健康寿命は男性で32位、女性が34位です。1位の県から見ると、男性で1.71年、女性で2.13年離されているという状況で、健康寿命に関して言えば両方とも下位グループに属していると分析されております。先ほど言いましたように、健康づくりセンターの一つの目標としては、健康寿命を延ばしていこう、それから、メタボ対策をして介護保険の適用などをなるべく抑制していこうという考えに基づいて施策が続けられていると思いますが、この記事で見ると、北海道が下位なのは、喫煙率の高さや、冬場に運動量が下がること、これは子どもに関して教育長からも出ております。また、高齢者の就業率が低いことなどが分析として上がっています。こういう社会的要因のほかに、例えば、所得であるとか、教育年数の高い人のほうが一般に健康に対する意識が高く、栄養バランスのよい食生活や運動にお金をかけることができるなど、これは経済的な一つの局面だと思います。  そういう意味で、健康づくりセンターを利用しないというか、そういうことに無頓着で、ただただ不健康な生活を繰り返して生活習慣病に至るような方に来ていただいて、この施設を利用していただくという課題が最後に残ると思うのです。このように、余り関心の高くない市民を呼び込んでくることについてどのような働きかけを考えていらっしゃるのか、お聞かせください。 ◎高川 健康企画担当部長  委員のご指摘のように、健康づくりセンターに来る方についてはまだ健康についての関心がおありの方なので、運動指導などを心がければ一定の改善は見込まれるのですが、問題は、こういったところに来ない方です。一くくりで言いますと、健康に関する関心が比較的低い方となろうかと思います。健康づくりセンターにつきましては、要介護、要支援の予防が必要な方や障がいをお持ちの方に重点を置いて、また、そのほか、健康づくりに関心の低い人に対しても、医療機関、地域包括支援センター、あるいは、連携している障がい者相談支援事業所などの関係機関とより連携をして、現在もしておりますが、健康づくりセンターの利用勧奨をさらに強化してまいりたいと思います。  さらに、取り組みを広げますと、健康づくりセンターの利用だけにとどまらず、今、企業、団体等と連携して行っている健康づくりの普及啓発や、各区の保健師が行っている地域の保健活動、地域住民と協働した健康づくりの諸活動がありますが、これらを総合的に進めまして、市民の健康増進のための基本計画である健康さっぽろ21で掲げるようなさまざまな取り組みによりまして、多くの市民が健康づくりへの関心を高めるよう働きかけてまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  まずは、先ほど申し上げましたように、年度末に向けて目標を達成できるように一生懸命頑張っていただきたいと思います。  それから、とくとく健診というのは、行政がばらばらにやられているのではなくて、ここにも書いてあるように、看護師とか管理栄養士が相互に関連しているように思うのです。僕は別なところでも言っておりますが、それぞれセクショナリズムで仕事をやっていてもいい結果は出ないと思うので、ぜひ協力し合ってやっていただくことを希望して、私の質問にかえさせていただきます。 ○桑原透 委員長  以上で、第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、明後日2月26日木曜日午後1時から、農業委員会、経済局及び観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時37分...