札幌市議会 2015-02-17
平成27年第 1回定例会−02月17日-03号
議 員 伊 藤 理智子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 こんどう 和雄
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 恩 村 一 郎
議 員 大 嶋 薫
議 員 三 浦 英 三
議 員 本 郷 俊 史
議 員 涌 井 国 夫
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 宮 村 素 子
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 小 野 正 美
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 福 士 勝
議 員 猪 熊 輝 夫
議 員 西 村 茂 樹
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 年 男
議 員 堀 川 素 人
議 員 松 浦 忠
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――――――――――――――――
〇欠席議員(1人)
議 員 植 松 ひろこ
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〇説明員
市 長 上 田 文 雄
副 市 長 生 島 典 明
副 市 長 井 上 唯 文
交通事業管理者
交通局長若 林 秀 博
水道事業管理者
水 道 局 長 長 利 秀 則
病院事業管理者
病 院 局 長 関 利 盛
危機管理対策室長 相 原 重 則
市長政策室長 渡 邊 光 春
総 務 局 長 板 垣 昭 彦
市民まちづくり局長 池 田 佳 恵
財 政 局 長 藤 原 知 朗
保健福祉局長 瀬 川 誠
子ども未来局長 岸 光 右
環 境 局 長 長 岡 豊 彦
経 済 局 長 荒 井 功
観光文化局長 可 児 敏 章
建 設 局 長 吉 岡 亨
都 市 局 長 高 橋 稔
会 計 室 長 上 野 輝 佳
消 防 局 長 佐 藤 有
教育委員会委員 池 田 官 司
教育委員会教育長 町 田 隆 敏
選挙管理委員会委員長 常 田 豊 明
選挙管理委員会委員 湊 谷 隆
選挙管理委員会委員 小 谷 俵 藏
選挙管理委員会委員 笹 出 昭 夫
人事委員会委員長 大 塚 龍 児
人事委員会事務局長 堀 口 洋 一
監 査 委 員 藤 江 正 祥
監査事務局長 吉 澤 政 昭
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――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事 務 局 長 本 間 章 弘
事務局次長 小 島 祐 司
政策調査課長 東 館 雅 人
議 事 課 長 酒 井 欣 洋
調 査 係 長 森 譲
議 事 係 長 深 井 貴 広
委員会担当係長 斉 藤 匡 朋
委員会担当係長 八 代 吟
書 記 太 田 真 司
書 記 下 間 孝 洋
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〔午後1時1分開議〕
○議長(高橋克朋) ただいまから、本日の会議を開きます。
出席議員数は、64人です。
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○議長(高橋克朋) 本日の
会議録署名議員としてこんどう和雄議員、
村上ゆうこ議員を指名します。
――
――――――――――――――――
○議長(高橋克朋) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(本間章弘) 報告いたします。
金子やすゆき議員は、所用のため、遅参する旨、届け出がございました。
昨日、市長から、坂本恭子議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので、その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程、質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――
――――――――――――――――
○議長(高橋克朋) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第51号まで、第53号から第58号まで、第60号から第66号までの64件を一括議題とします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
三浦英三議員。
(
三浦英三議員登壇・拍手)
◆
三浦英三議員 私は、ただいまから、
公明党議員会を代表いたしまして、市政の諸課題につきまして、順次、質問を行います。
最初に、上田市政12年の成果と課題についてお伺いをいたします。
上田市長3期目の任期も、残すところ、わずかとなりました。これまで、大都市札幌のかじ取り役としてご尽力いただきましたことに、心から敬意を表したいと思います。ご苦労さまでした。
昨年の第4回定例市議会の代表質問におきまして、我が会派の芦原議員が、上田市政を象徴する取り組みを中心に3期12年を振り返ったところであります。その中で、特に、上田市長がこれまで一貫して掲げてきた市民自治の推進について、また、財政規律を重視してきた上田市政の経済対策と公共投資の考え方について、上田市長ご自身の評価と残された課題の認識を伺ったところであります。
市民自治の推進についての市長ご自身の評価は、
自治基本条例の制定を初めとした市民自治の土台を築き、徹底した市民との対話を積み重ねてきた結果、札幌のまちに市民自治の理念がしっかり根づいてきたと実感しているとのことでありました。市長は、常日ごろから、新たな
ごみ分別ルールと家庭ごみの一部有料化に取り組んだ結果、家庭ごみの大幅な減量につながり、篠路清掃工場の廃止に至ったことを、市民一人一人の協力による市民力結集のたまものと言われます。44年ぶりの民間出身の市長として、この12年間、対話型市政を徹底し、市民目線で市政を担ってこられた
上田市長ならではの成果と言っても過言ではないと私は思っております。
また、経済対策と公共投資の考え方につきましては、上田市長は、公共投資について、拡張から維持へと大きくかじを切り、経済施策においても、都市のにぎわい創出や魅力アップなど民間投資を誘発して、札幌経済の活性化に努めてきたとのことでありました。さらに、将来のまちづくりの財政需要を見定め、市債残高の縮減を初め、さまざまな行財政改革を実行した結果、持続可能な財政構造への転換を図ることができたというご自身の評価でありました。
上田市政のこの12年間は、
リーマンショックに伴う世界的な経済危機や、国政における2度の政権交代、そして、何よりも福島第一原発事故を含む東日本大震災など、地域経済や自治体経営に与える影響の大きな出来事が幾度となく起きた激動の時代であることに鑑みると、確かに難しい財政運営を強いられた時期であったと思います。しかし、今後は、人口減少、超高齢社会の到来に伴い、経済規模が縮小するとともに、脱原発依存社会を目指して、新たな
エネルギー社会の構築に挑戦しなければならない、まさに時代の転換期を迎えます。
このため、札幌市では、次の時代を見据えて、市民と共有する札幌市
まちづくり戦略ビジョンを策定いたしました。これからは、人口減少、超高齢社会や公共施設の大量更新に対応するため、誰もが住みなれた地域で安心して暮らせる、歩いて暮らせるまちづくりを推進するとともに、札幌のみならず、北海道全体の発展のため、北海道新幹線の札幌延伸や
冬季オリンピック・
パラリンピックの招致を見据えたまちづくりに取り組んでいくことが必要であり、札幌市
まちづくり戦略ビジョンが目指す都市像の実現に向けて積極的な投資をすべき時代がやってくると考えます。
そこで、質問ですが、190万都市のかじ取り役として上田市長がこれまでの12年間でなし遂げてきた成果と、これからのまちづくりの課題を踏まえ、次の市長に特に託したいことは何か、お伺いをいたします。
次に、財政問題について、2点お伺いをいたします。
1点目は、骨格予算の規模についてであります。
自公連立政権は、デフレ脱却を最重要課題と位置づけ、金融緩和、財政出動、成長戦略を3本柱として、果敢に経済成長に取り組んでいるところであります。平成27年度は、この効果を中小企業や家計、市民一人一人につなげ、経済回復の実感を地方でも得られるようにすることが最重要課題であり、我が公明党では、「“活気ある温かな地域づくり”をめざして」と題してさまざまな提案を行っているところであります。
具体的には、地方で仕事をつくり、生活できるようにすることが肝要であり、ひいては、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえ、出生率を引き上げることが大切であると認識をしており、国においては、魅力あふれる「まちづくり、ひとづくり、しごとづくり」を推進するとして、前年度比0.5%増の96兆円の予算案を国会に提出したところであります。
こうした国の予算に呼応して、地方においても、経済回復が実感できるような予算を編成することが期待をされておりますが、札幌市においては、市長選挙及び
市議会議員選挙を控えた骨格予算であることから、平成27年度の一般会計当初予算は、昨年度から1.4%減の8,722億円となっております。市長は、提案説明において、地域経済に影響が生じないよう所要の建設事業費を計上するとともに、福祉施策や
市民生活関連施策など市民生活に影響の大きい事業については支障が生じないように配慮したとしております。
国が景気回復、経済成長に力強く取り組んでいる中、骨格予算とはいえ、地域経済や市民生活への影響に考慮したことに関しては理解をしております。一方、国の平成27年度予算において、国と地方のプライマリーバランスの赤字を平成22年度の半分とするという
財政健全化目標の堅持も掲げております。札幌市においては、平成15年度以降、市債の残高を4,800億円程度削減するなど、財政の健全化への努力については一定程度評価をしているところであります。
ところで、市長は、さきの平成26年第4回定例市議会の提案説明において、開催費などの経費は確かに少ない額ではないとしながら、行財政改革を実行してきた結果、現在の財政状況において、オリンピック・
パラリンピックの開催に係る経費は決して負担できないものではないと述べておられますが、今後の行財政改革について言及されなかったことがいささか残念であり、これまでの行財政改革はあたかも今後の大規模投資のために行ってきたかのように、また、今までの姿勢を転換するかのように聞こえたところであります。市民生活や都市の安全、発展に対する必要な投資は行うべきであり、オリンピックについても、まさに子どもたちへ夢を与えるものとして我が会派も未来への投資として必要であると考えていますが、それと同時に、行財政運営の見直しを途絶えずに続けることが大切であり、市政の基本であると考えております。
そこで、質問ですが、平成27年度予算は、骨格予算とはいえ、史上2番目の規模となっていますが、その要因は何か、お伺いをいたします。
2点目は、肉づけ予算に向けた留保財源についてであります。
市長は、提案説明の中で、
臨時財政対策債を含む広義の地方交付税については1,415億円を見込んだが、当初予算には1,365億円を計上し、残余の50億円は肉づけ補正等の財源として留保との説明をされています。この50億円は、今回の予算案に計上されている市税や地方交付税などの一般財源総額4,676億円に対して1%ほどの額であります。前回の市長交代時、平成15年度骨格予算においては、180億円と今回の3倍の留保財源を用意しております。当初予算案は地域経済に影響が生じないよう考慮された予算とのことでありますが、景気回復への取り組みはもとより、地域づくりや安全・安心な市民生活へのさらなる対応については、肉づけ予算で行うことになります。そのことから、新体制のもと、新たな取り組みを行うための財源が50億円というのは少な過ぎるのではないかと懸念をしております。
そこで、質問ですが、肉づけ予算に向けた留保財源が少なく感じますが、その規模についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。
次に、北海道の人口減少問題への対応についてお伺いをいたします。
昨年11月、北海道・札幌市行政懇談会、いわゆる道・市懇談会が開催をされ、深刻化する北海道の人口減少問題に北海道と札幌市が連携して取り組むために、対応策を協議し、推進する場を設けることを、高橋知事と上田市長が合意をいたしました。かねてから、札幌市と北海道との連携の重要性を指摘してきた我が会派としましては、大いに評価をしているところであります。
道・
市懇談会終了後の新聞報道では、「道・札幌市、人口減で共闘」という見出しのもとで、札幌市には道内人口の約3分の1が集中する一方、多くの大学卒業生らが就職などで道外に転出しており、札幌からの道外流出をいかに抑えるかも課題となっているという指摘がなされていました。
この人口減少問題をめぐっては、増田元総務大臣が座長を務める日本創成会議から、昨年5月、将来消滅する可能性のある自治体が、政令市の行政区を含め、全国で896市区町村に上り、道内では全体の8割近くを占める147市区町村に達するとの試算結果が示され、日本国中に衝撃が走ったことは記憶に新しいと思います。また、国においては、昨年9月、人口急減、超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対して、政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的、持続的な社会を創生できるよう、まち・ひと・しごと創生本部を設置し、昨年11月、地方創生をなし遂げるべく、まち・ひと・しごと創生法を制定いたしました。さらに、昨年12月、人口の現状と将来の姿などを提示する長期ビジョンと、今後5カ年の目標や施策などをまとめた総合戦略を策定したところであります。
一方、札幌市においては、こうした国の動きを待つことなく、創成会議の試算結果発表前から、既に、人口減少局面に間もなく突入することに危機感を持ちながら、これに対応したまちづくりの基本指針、札幌市
まちづくり戦略ビジョンを策定したものと理解しております。この
戦略ビジョンでは、札幌市の人口が2015年前後をピークに減少に転じ、その後、10年間で1.3%減少するという将来見通しを示しているほかに、国立社会保障・
人口問題研究所が公表する北海道と道内他市町村の人口の将来見通しでは、北海道の人口が10年間で札幌市の減少率を大きく上回る7.9%も減少することを明示しております。まさに、
戦略ビジョンが訴える道内連携という札幌市の取り組み姿勢の原点がここにあると受けとめております。
北海道においては、1997年をピークに既に人口が減少しており、それに起因する諸課題に対してさまざまな取り組みを進めてきたところですが、2040年までに道内約半数の市町村の人口が6割未満になると見込まれることなどから、改めて人口減少問題への対応を道政の最重要課題と位置づけ、今年度内に北海道における人口減少問題に対する取り組み指針を取りまとめる予定と伺っております。
こうした一連の動きがあって、先ほど申し上げたように、人口減少問題への対応に関する道・市懇談会での知事と市長との合意に至ったものと理解をするところであります。その懇談会では、上田市長から、冒頭の挨拶において、人口減少は容易な問題ではない、北海道全体の活力を生むために札幌は何ができるかという視点で道内連携を進めていきたいと述べたことが報じられておりました。
そこで、質問ですが、北海道全体の人口減少は札幌市にどのような影響を与えると考えているのか、まずは、基本的な認識をお伺いいたします。
また、北海道全体の人口が減少する中にあって、札幌市が北海道と連携をし、どのような方向性で取り組んでいくこととしているのか、お伺いをいたします。
あわせて、道・市懇談会後、北海道と札幌市とはどのような協議を進めているのか、その状況もお尋ねをいたします。
次に、札幌市の認知症施策についてお伺いをいたします。
認知症高齢者の増加については、医療・介護・福祉分野のみならず、地域社会全体の喫緊の課題となっております。厚生労働省が先ほどまとめた推計では、日本全体の認知症高齢者数は、10年後の2025年には最大で730万人に達するとの推計値の発表がありました。この数は、65歳以上の高齢者の5人に1人という割合になります。認知症をいかに予防するか、また、認知症になっても安心して暮らしていくためにはどうしたらよいのか、こうした課題は、日本にとどまらず、先進各国の共通の課題でもあります。平成25年には、ロンドンでG8認知症サミットが開催をされ、その後継イベントとして、昨年11月には日本で会議が開催されるなど、認知症は国際的な関心事となっているところであります。
このたび、政府は、認知症の推計値を踏まえ、認知症施策を総合的に推進するための国家戦略案をまとめました。この認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランの基本的な考え方には、「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けること」と明記されており、また、認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができるような環境整備を関係省庁が連携して取り組むこととしております。
この方針は、まさしく地域包括ケアの考え方であり、我が党においても、これまで地域包括ケアシステム推進本部を設置して、政策提言を行ってきたテーマでもあります。今後10年間の国家戦略においては、認知症の人の視点に立って理解を深めること、適時適切な医療、介護等を提供すること、65歳未満で発症する若年性認知症の施策を強化すること、さらに、認知症患者を含む高齢者に優しい地域づくりも進め、徘回で行方不明になる人の早期発見、保護のために、地域での見守り体制を整備することや、詐欺などの消費者被害を防ぐための相談体制を設けることなども盛り込まれており、認知症の人に優しい地域づくりが求められております。認知症の人に優しい住みよい地域を目指すということは、全ての住民の暮らしやすさにつながるものであり、高齢社会を迎える札幌市の重要課題と考えているところであります。
そこで、質問ですが、札幌市においては、2025年の認知症高齢者をどのように推計し、認知症国家戦略をどのように受けとめているのか、お伺いをいたします。
また、第6期介護保険事業計画には、認知症施策をどのように位置づけ、どのような取り組みを充実強化していくつもりなのか、あわせてお伺いをいたします。
次に、子ども・子育て支援新制度での子ども施策について、2点お伺いいたします。
1点目は、待機児童対策の取り組みについてであります。
我が会派は、札幌市の未来を担う子どもの施策が大切であるとの考えから、これまで子どもの最善の利益を実現するための権利条例の制定を初め、児童会館などにおける放課後児童健全育成事業や、子育てサロンを初めとした地域における子育て支援事業の充実、さらには、ブックスタート事業による幼児期における読み聞かせ活動の推進など、多くの取り組みを進めてきたところであります。これらのさまざまな取り組みを進めてきたことで、さっぽろ子ども未来プラン全体の成果指標である子どもを産み育てやすい環境だと思う人の割合を初め、多くの指標が上昇してきており、成果を上げているところであります。
その一方で、急速な少子化の進行とともに、家庭、地域における子育て力の低下、子育てにおける孤立感、負担感の増加、児童虐待問題の深刻化、さらには、多様化する保育ニーズへの対応、質の高い幼児期の学校教育、保育の提供といった課題も残されているところであります。
このような中で、平成27年4月からは、子ども・子育て支援新制度がスタートしますが、この新制度は、地域や子ども・子育て家庭の状況に応じて、幼児期の教育、保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進することを目指したものであります。消費税の10%への増税が1年半延期にはなったものの、予定どおりこの4月からスタートすることになっており、そのための財源も確保されていると聞いております。札幌市においても、実効性のある取り組みを進めていくことが求められることになります。
こうして、新制度がスタートをし、さまざまな保育サービスを充実させていく中にあっても、やはり、待機児童は速やかに解消しなければならない問題と考えます。これまで、札幌市は、待機児童の解消を喫緊の課題として取り組んできました。第3次新まちづくり計画においても、当初の整備予定が4,000名分であったところ、5,469名分を確保する予定で現在進められているところであります。新制度では、市民を対象としたアンケート調査を実施し、必要な保育サービスを把握した上で、今後5年間における幼児期の学校教育や保育、地域子ども・子育て支援事業についての需給計画を策定することが市町村に求められており、札幌市においても、現在、パブリックコメントを実施している新・さっぽろ子ども未来プランにおいて需給計画を策定しているところであります。
そこで、質問ですが、現在策定をしている子ども・子育て支援事業計画の中において、待機児童対策についてどのように取り組もうとしているのか、お伺いをいたします。
2点目は、放課後児童健全育成事業についてであります。
放課後児童クラブは、新制度において、地域子ども・子育て支援事業の一つとして位置づけられ、需給計画を定めることとされるとともに、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定めることとされ、さきの平成26年第3回定例市議会において、札幌市における基準条例が成立したところであります。
札幌市においては、放課後児童クラブの利用者は年々増加をしてきており、近年は多様な働き方や女性の社会進出を支援する動きが広まってきていることや、国においても女性の社会での活躍を推進しており、今後、ますますその必要性が高まっていくものと思われます。次代を担う人材育成のため、全ての児童が安全・安心に過ごし、多様な体験、活動を行うことができるよう、国においては放課後児童クラブの定員を平成31年度末までに約30万人分を整備することとしております。
そこで、質問ですが、これら新制度や国の動きを踏まえ、今後、放課後児童健全育成事業についてどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いをいたします。
次に、家庭ごみの収集について、2点お伺いをいたします。
1点目は、家庭ごみの収集業務の効率化についてであります。
平成21年7月の新ごみルール導入以降、札幌市のごみ量は大幅に減少したところでありますが、平成26年3月には、市民力を生かしてさらなるごみ減量・リサイクルを推進するため、札幌市の一般廃棄物処理基本計画、いわゆるスリムシティさっぽろ計画の改定版が策定をされました。この改定計画においては、家庭から出る廃棄ごみ量の減量目標を政令指定都市トップとなる1人1日当たり380グラムに設定するなど、高い目標を設定するとともに、発生・排出抑制や生ごみ減量・資源化など各種施策を一層強化して取り組むこととして、市民にさらなる努力を求める内容となっております。そして、この計画に基づく取り組みの成果として、今年度のごみ量は過去最低であった平成22年度の1人1日当たり404グラムを下回るペースで推移するなど、さらなるごみの減量に向けて大きく前進をしているところであります。
しかしながら、このことは、市民のごみ減量のための努力の積み重ねによる結果であり、我が会派は、これまでも、市民に新たな努力や負担を求めるのであれば、市も、当然にして、さらなる清掃業務の効率化など、行政としての内部努力をすべきであると主張してきました。
先日、公表された平成26年度の行政評価による指摘事項と改善・見直しの検討結果では、家庭ごみ収集業務の民間委託を拡大して、平成30年度までに現在の直営車の台数を73台から48台まで段階的に削減し、直営の比率を現行の3割から2割まで引き下げるとの考えが示され、これによる平成27年度の見直し効果額は約1億3,000万円を見込んでいるとのことであります。具体的にさらなる効率化の姿勢を見せたことについては、大いに評価をするところであります。
そこで、質問ですが、家庭ごみの収集業務の効率化について、どのような考えのもとに今回の判断に至ったのか、お伺いをいたします。
2点目は、ごみステーション問題についてであります。
現在、市内には、約4万5,000カ所のごみステーションがあり、それぞれ利用する市民が管理をしております。市内のごみステーションの状況は、ごみパト隊が地域と相談をし、連携をしながら重点的に改善を図っていることもあり、以前に比べると汚れがひどいごみステーションが減るなど、全般的にかなりよくなってきていると感じているところであります。
一方、きちっと管理されているように見えるごみステーションについても、ごみステーションの管理を特定の個人が担っていたり、除雪などを高齢の方が大変苦労されて行っているなど、声として上がりにくくても、管理上のさまざまな課題を抱えたところは多く、そうした負担を軽減してほしいとのニーズは潜在的に多くあるものと考えております。
こうした課題を解決するために、一部の地域では、自発的に住民間で協議して、ごみステーションの管理を交代で行うルールを決めたり、最近では、より負担の公平を図るため、ごみステーションの設置場所自体についても利用者間で半年程度の輪番制としているところもあると聞いております。また、ごみステーションの利用者数を減らして管理をしやすくする目的で、共同住宅には専用ごみステーションの新設をお願いしたり、歩道上のごみステーションを複数に分散することにより、地域一帯のごみステーションを小規模化する町内会も出てきていると聞いております。超高齢社会の到来を見据えると、ごみステーション管理体制について、無理なく継続できる仕組みをそれぞれの地域で構築していく必要があるのではないかと考えておりますが、福祉や防災などさまざまな課題を抱えた地域が、とりわけごみステーションの管理上の問題を取り上げて自発的に解決していくのは、現実的には難しいと思うのであります。
そこで、質問ですが、市は、今後、ごみステーション管理体制の充実に向けて、積極的に各地域を支援していくべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。
次に、民間建築物の耐震化の促進について、2点お伺いをいたします。
1点目は、要緊急安全確認大規模建築物所有者への働きかけについてであります。
本年の1月17日で、阪神・淡路大震災から20年が経過をし、新聞、テレビの特集などでその恐ろしさが改めて伝えられました。また、3月11日には東日本大震災から4年を迎えようとしていますが、その復興もなかなか進まず、傷跡はいまだ癒えておりません。こうした甚大な被害を及ぼす大地震に対する備えの重要性をいま一度認識しなければならないと思うところであります。地震国日本では、南海トラフの巨大地震や首都直下型地震の発生も予測され、大地震は、いつ、どこで起こってもおかしくない災害であります。札幌市においても、札幌市地域防災計画では、過去の大地震の痕跡などをもとに、市直下を震源とする地震を想定し、最大震度7を予測しております。
このような状況の中、なかなか進まない耐震化をより一層加速させるための施策として、平成25年11月に、建築物の耐震化の促進に関する法律、いわゆる耐震改修促進法が改正されております。この改正法では、不特定多数の方が利用する病院、店舗、ホテル等の建築物や、避難弱者が利用する学校、老人ホーム等の建築物等で、旧耐震基準で建築をされた一定の規模以上のものを新たに要緊急安全確認大規模建築物として定めたところであります。要緊急安全確認大規模建築物の所有者には、耐震診断を行い、その結果をことしの12月31日までに札幌市に報告する義務が課せられており、その耐震診断の結果は、建築物の名称とともに公表されることになっております。また、報告期限までに報告されなかった場合は、建築物の名称や所有者名が公表されるとともに、罰金が科せられることになっております。
そこで、1点目の質問ですが、要緊急安全確認大規模建築物は市内に約80施設あるとお聞きしていますが、耐震診断結果の報告は現在13件にとどまっていると伺っております。報告期限まであと1年を切っている状況で、この数字は少ないと思われますが、公表に向けて建物の所有者に対してどのような働きかけを行っていくおつもりなのか、お伺いをいたします。
2点目は、耐震診断後の耐震改修についてであります。
耐震改修は、所有者の努力義務となっておりますが、耐震診断の結果、耐震性が低く、耐震改修が必要であると判断されれば、特にホテルや旅館、商業施設などは、施設の性格上、速やかな改修が望まれることになります。しかし、経営状況が厳しい所有者から多額の改修費はとても出せないとの声が上がっており、耐震診断の結果が公表された後、耐震改修が進まなければ風評被害等につながり、札幌の経済や観光にマイナスの影響を及ぼすおそれがあるのは明らかであります。
平成25年10月には、市長宛てに、市内のホテルや旅館などから構成される北海道ホテル旅館業連絡協議会から、耐震診断や耐震改修のために事業者負担軽減のための補助制度の確立や、耐震診断結果の公表までの期間延長などの要望書が提出されました。また、2017年の冬季アジア大会の開催、2026年の
冬季オリンピック・
パラリンピック招致を目指している本市にとっては、ホテルや旅館など要緊急安全確認大規模建築物の耐震改修は、本市の観光産業にとっても重要な課題であると考えます。
我が会派からも、昨年の第1回定例市議会において、耐震改修促進法改正に伴う本市の対応について代表質問を行い、耐震改修に係る補助制度の拡充について求めたところであります。
これらの状況を踏まえ、平成27年度予算案では、要緊急安全確認大規模建築物の耐震設計と耐震改修工事に対する補助が新たに創設をされ、設計は7棟分3,500万円、工事は1棟分2億円の予算が計上されており、これまでに比べて支援策が拡充したことは評価をするところであります。
そこで、質問ですが、来年度予算の要緊急安全確認大規模建築物の耐震改修に係る耐震設計7棟分3,500万円、耐震改修工事1棟分2億円は、来年度の補助事業の予算として不足はないのか、お伺いをいたします。
また、要緊急安全確認大規模建築物の耐震化を円滑に進めていくために、市は、今後どのような対応を考えているのか、あわせてお伺いをいたします。
次に、今後に向けた公共交通利用促進の取り組みについてお伺いをいたします。
札幌市交通局が昨年策定いたしました、今後5年間の地下鉄事業と路面電車事業の経営に当たっての方向性や取り組みを取りまとめた札幌市交通事業経営計画においては、目指す1日当たりの乗車人員の目標として、地下鉄は60万人、路面電車は2万5,000人と設定しているところであります。この経営計画では、人口減少や少子高齢化の進展といった人口構造の変化を意識し、高齢者や子育て世代を初め、誰もが安心して快適に市営交通を利用することができるよう、エレベーターの増設やトイレの設備改良など、これからの時代に合ったお客様サービス向上の取り組みを計画に盛り込んでおり、これまで以上に多くの市民に市営交通を利用していただき、目指す乗車人員を達成しようという意気込みを強く感じるところであります。
地下鉄、路面電車の乗車人員は、平成24年度以降、
リーマンショックなどに起因する落ち込みから回復をし、上向き傾向にありますが、人口減少社会に移行していく中にあっては、目指す乗車人員を達成し、維持し続けることはなかなか容易なことではないと考えます。札幌市が1月20日に発表した昨年の人口動態統計によれば、既に札幌市の全区で人口が自然減になったとのことでありますので、定住人口の増加が期待できない人口減少期においては、交流人口、すなわち札幌を訪れる人たちを対象にした利用促進策が必要ではないかと考えます。
幸い、札幌市には、毎年、国内外から多くの観光客が訪れております。現在の円安を背景に、海外、特にアジア方面から外国人観光客は急激に増加をしており、国土交通省が1月に公表した平成24年度の訪日外国人旅行者数は1,341万人と過去最高に達しており、さらに、国土交通省が策定をしている観光庁アクションプランでは、2020年までに2,000万人の訪日外国人旅行者数を目標に掲げておりますので、今後ますます外国人を中心に観光客がふえ続けることと期待をしております。
これら国内外からの観光客の方々を一人でも多く地下鉄や路面電車に誘導することができれば、乗車人員をさらにふやすことができると考えるところであります。人口減少社会の到来を見据えたとき、市民を対象にした利用促進の取り組みはもちろん大切ではありますが、観光客など札幌を訪れる人々を対象にした利用促進の取り組みを進めていくことが、目指す乗車人員の達成のためにも重要な意味を持つことになると思うのであります。
札幌市
まちづくり戦略ビジョンにおいても、外国人観光客の受け入れ環境の向上がうたわれ、無線通信環境の充実や多言語対応の促進などが施策として掲げられておりますが、交通局においても、こうした情報化や国際化に対応した利用促進の取り組みを進めていくことが必要であります。最近は、ツアー用の貸し切りバスではなく、個人で行動する観光客もふえてきているようでありますが、それら観光客の多くは、スマートフォンなどの情報端末を活用して情報を収集しながら観光を楽しんでいると聞いておりますので、移動の拠点である地下鉄駅に無料のWi−Fi環境が整備されれば、交通情報や観光情報をインターネットから自由に取得することが可能となり、公共交通によってスムーズに市内の観光地を訪れることができます。東京都交通局と東京メトロでは、2020年の東京オリンピックを見据えて、既に昨年12月から地下鉄のうち143駅で無料Wi−Fiサービスを開始したと聞いております。札幌市も、2026年の
冬季オリンピックに立候補することを表明しているのですから、今から外国人観光客の受け入れ環境の向上を図っていくことは必要であると思うのであります。
そこで、質問ですが、観光客を対象にした利用促進について、移動中に交通情報などにスムーズにアクセスできるような環境をどのように整備していくお考えか、お伺いをいたします。
次に、これからの国際教育のあり方について、国際観光都市さっぽろの将来展望の観点からお伺いをいたします。
昨年夏に発表された市の統計では、平成25年度に札幌を訪れた外国人宿泊者数は105万5,000人に上り、過去最高を更新しました。これは、前年度比で54.9%増という大幅な増加であります。増加した要因としては、円安や新千歳空港国際線の新規就航、増便等が挙げられるそうですが、私も、まちを歩いていると外国人観光客の姿を目にすることがふえたことを実感しております。また、2026年開催の
冬季オリンピック・
パラリンピックの開催地として招致が実現すれば、各国の選手や応援団など多くの方が訪れることになります。札幌は、これからもますます国際観光都市として大きく羽ばたいていくものと思います。
このような中、平成25年12月、文部科学省は、2020年の東京オリンピック・
パラリンピックを見据え、グローバル化に対応した英語教育改革実施計画を策定し、小学校3年生からの外国語活動の導入、中学校では英語の授業をオールイングリッシュで行い、高校では授業において生徒が英語で討論できるレベルを目指すという内容の発表をしました。
我が会派では、現在、小学校において行われている外国語活動の学習が始まる以前から、小学校の外国語活動は、英語教育の基盤となることはもちろん、児童が自分の思いを英語で伝えられた、あるいは、英語を通して相手の思いを理解できたという経験の積み重ねが重要であると、市議会の場で繰り返し主張してきたところであります。このたび、国の方向性が発表されたことに、会派としては歓迎をしているところであります。
聞くところによると、岐阜市教育委員会では、小学校の英語教育の進め方について、民間企業と協働で市の文化や地理などに関する英語教材を作成し、使用するなどしており、加えて、平成27年度からは、これに準拠した電子教科書を独自に作成し、教室に設置されている50インチモニターを用いた学習を全ての小学校で行うとのことであります。
なお、この岐阜市は、平成16年度から、既に小学校1・2年生においても市内の学校で英語教育を進めていましたが、平成27年度からは、英語科として教科化することでさらに充実させるものと聞いております。このことからすると、私は、札幌市でも、国の計画から一歩を踏み出し、より実践的な英語教育を先駆けて展開する必要があると考えるのであります。
そして、もう一つ、私が外国語を学ぶときに大切にしたいと思うのは、その心であります。自分の国の伝統文化に根差した自分がいて、異なる文化を持つ人々を受容し、共生することのできる心を身につけることであります。それをもとにするからこそ、我がまち札幌を誇りとしながら、世界の方々へすばらしいおもてなしができる人に成長していけるのではないかと思います。そうした意味で、国際観光都市を標榜する札幌市において、これからも外国人と出会う機会が増加することから、札幌市の将来を担う子どもたちに、英語教育や国際理解教育を通して、他者と積極的にかかわることのできるコミュニケーション能力を身につけさせることが必要と考えております。
そこで、質問ですが、英語教育及び国際感覚を身につける国際理解教育について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
最後に、2026年
冬季オリンピックの招致とまちづくりについて、2点お伺いをいたします。
1点目は、競技施設の集約的配置についてであります。
昨年の11月に、上田市長は、2026年
冬季オリンピック・
パラリンピック招致を正式に表明いたしました。1972年の冬季札幌オリンピック開催時には、大会を契機に、地下鉄南北線が開通し、地下街が整備をされ、下水道が飛躍的に普及をし、ビル街がたくさんできました。また、札幌新道、道央自動車道、札樽自動車道など、市域の内外に及ぶ交通ネットワークが幅広く整備をされました。まさに道都札幌をつくるとの意欲に燃えてさまざまなインフラ整備を短期間で実現して、大会を成功させ、北方圏を代表する大都市に発展させました。我が会派としても、前回の「町ができる」から、今回はまちが変わるチャンスと捉え、オリンピック招致には全面的にバックアップしていきたいと考えているところであります。
市長は、昨年10月に、オリンピック開催に必要な経費とその負担を示しながら、市民理解を求めてきたところでありますが、その試算では、開会式などを行うメーン会場を札幌ドームに想定して、建てかえが必要な競技施設や選手村、メディアセンターなど具体的な建築場所等は未定のままとなっております。
そこで、1点目の質問ですが、これら関連施設の建設場所について、競技施設の一部には富良野やニセコなど道内連携も視野に入れているとのことでありますが、市内で確保すべき施設については、可能な限り札幌ドーム周辺に関連施設を配置していくことがコンパクトな大会にしていくために望ましいと考えますがいかがか、お伺いをいたします。
2点目に、オリンピックの開催によるまちづくりについてであります。
平成25年度に、我が会派が実施をしました地下鉄東豊線延伸の可能性とまちづくりに関する調査研究の報告書から質問させていただきます。
この調査によりますと、札幌ドーム周辺、特に豊平区の東月寒から清田区の北野、清田地区にかけて、未利用地や高度利用の余地のある土地が存在することが明らかになっております。そして、これらの地域には発展の余地があることを指摘し、このエリアをスポーツ・健康拠点として位置づけ、札幌ドームを中核としてスポーツの感動とともに進化するまちづくりを提案しております。具体的には、札幌ドームは、年間300万人の利用者があり、重要な集客資源となっておりますが、現在は単体として存在し、その波及効果を存分に地域に還元しているとは言いがたい状況にあると指摘をされており、日本ハムファイターズ球団と連携協力して、健康づくりスタジアムやスポーツ医療なども含む複合型の商業施設や、多世代交流型の集合住宅などを整備するファイターズタウン構想を提案しております。
こうした手法は、実際に広島市のマツダスタジアムや、横浜市の横浜スタジアム周辺のまちづくりに見られ、それぞれ広島カープ球団やDeNAベイスターズ球団と協力して、住居や大型スポーツクラブ、イベント広場などを整備し、見る、体験する、買う、住まうなどの機能を集約する複合型エンターテインメントの創出を目指しております。仮に、オリンピック開催が決定をし、選手村やメディアセンターなどが札幌ドーム周辺から東月寒、清田区方面にかけて建設されるとすれば、ファイターズタウン構想は、これらの施設の後利用問題を解決しながら、地下鉄の清田区方面への延伸にも道を開くものとして十分検討の価値があると思っているところであります。
今回、正式なオリンピック招致決定に伴い、改めて、この調査研究が日の目を見ればと期待しているところでありますが、この構想の策定に欠かすことのできないのが、日本ハムファイターズ球団などプロスポーツの持つ民間活力の活用と、札幌ドーム周辺に広大な敷地を有する国や北海道との調整であります。
そこで、質問ですが、今後、招致に向けて施設の後利用も含む具体的な開催計画を策定する際には、プロスポーツ事業者と連携をした民間活力の積極的な導入による地域の活性化を図るべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。
また、そのために、国や道の敷地も含めた東月寒、北野、清田方面までの大胆なまちづくり構想を進めるべきと思いますがいかがか、お伺いをいたします。
ここで、私ごとですが、一言、述べさせていただきます。
私は、今議会で議員を引退いたします。今期で、我が会派の同僚3名を初め、同期の村松議員や多くの先輩議員を含む実に15名の皆さんが引退をすると伺っております。4期16年間、議員の皆さん、市長を初め、理事者の皆さんと札幌市政にかかわらせていただいたことに対し、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
あわせて、私は引退しますが、4月の選挙に挑戦される皆さんが全員再選をされ、再び議会で活躍されますことを祈念しまして、私の質問を終了させていただきます。ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(高橋克朋) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 10項目のご質問がございましたので、私からは、私の札幌市政12年の成果と課題についてというご質問、それから、財政問題、北海道の人口減少問題等について答弁をさせていただきます。その余は、担当副市長並びに教育長からも答弁をさせていただきます。
三浦議員、ご質問に先立ちまして、冒頭に心のこもったご挨拶を頂戴いたしましたこと、まことにありがとうございます。
そしてまた、最後にお述べになりました決意、本当にありがたく拝聴させていただいたところでございます。まことにご苦労さまでございました。私からも、議員の活動に対して、心からの敬意を表させていただきたいと存じます。
さて、ご質問に対する答弁でございますが、3期12年の評価と課題についてということでございます。
これまで、札幌市は、歴代市長の堅実な市政運営のもとで発展をしてまいりましたが、私が市長を務めたこの12年は、三位一体改革や、あるいは、世界的な金融危機の影響等によりまして、地方財政が大変厳しい状況にあったということでございます。このような状況におきまして、私は、地方債の大量発行による公共投資を続けていては自治体経営はもたないと判断いたしまして、市債残高の縮減や、あるいは、職員数の削減などの行財政改革に努めることで、持続可能な財政構造への転換を図ることができたと考えているところでございます。
次の市長には、これから人口減少、超高齢社会を迎える札幌だからこそ、未来を担う子どもたちに過度な負担を残さないように、引き続き規律ある財政運営に心がけていただきたい、こんなふうに期待をしているところでございます。また、そのような中にあっても、誰もが住みなれた地域で安心して暮らせるように、歩いて暮らせるまちづくりに向けたまちの再構築を図るとともに、
冬季オリンピック・
パラリンピックの招致など、札幌のまちを次のステージへと押し上げるプロジェクトも推進してほしいものだ、こんなふうに考えているところでございます。
そして、札幌市は、この札幌市
まちづくり戦略ビジョンの都市像に掲げております北海道の未来を創造し、世界が憧れるまち、それから、互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまち、この二つを市民一人一人の創造性とこれまで培ってまいりました市民力を結集して実現していってもらいたい、こんなふうに考えているところでございます。
財政問題についてご質問がございました。
骨格予算の規模についてご質問でありますが、平成27年度の骨格予算は、地域経済や市民生活に支障のないよう十分に配慮をするとともに、札幌市
まちづくり戦略ビジョンに掲げております間断なく進めるべき必要のある事業につきましても盛り込んだところでございます。
このうち、市民生活に密接に関連をいたします扶助費は、一般会計の予算規模が市政史上最大となりました平成26年度予算と比較してもさらに伸びている、そういう状況にございます。また、道路、街路事業などの社会基盤整備事業につきましては、札幌が積雪寒冷地であることから、工期の制約や、あるいは平準化に配慮いたしまして、前年度当初予算のおおむね65%を計上させていただいたところでございます。このほか、市民交流複合施設を初めとした都心と拠点のまちづくりの推進の取り組みなど、これまで検討し、そして、準備を重ねてまいりました事業が本格化することもございまして、平成26年度予算に次いで市政史上2番目の予算規模となったところでございます。
肉づけ予算に向けた留保財源についてお尋ねでございますが、骨格予算における留保財源は、平成23年度が30億円、平成19年度が20億円、平成15年度、私が交代したときでありますが、これが180億円となっております。この平成15年度でございますが、180億円ということで、今回の留保財源50億円と比較して3倍ほどの規模になるわけでありますけれども、この平成15年度の骨格予算における留保財源は、除雪費の多くを肉づけ予算で追加することとしておりました。当時、この予算案を審議された議員の皆様方はよくご承知だと思いますが、そういうものでございまして、当時と比較して、この除雪費のほか、義務的な経費でございます扶助費の額及び予算に占める割合というものも大変に増加している状況の中にありまして、実質的には50億円程度の留保財源ではなかったか、このように考えているところでございます。
今回の予算では、50億円という財源を留保したことに加えまして、財政調整基金を支消せず、現行の行財政改革推進プランにおけますベンチマークでございます100億円を超える126億円を残しているところでもございます。
新市長のもとでは、これらの財源のほかに国庫支出金あるいは市債などを活用することによりまして、一定規模の肉づけ予算を編成し、さまざまな政策に対応することが可能だ、このように考えているところでございます。
3項目めにご質問がございました北海道の人口減少問題への対応についてでございます。
北海道全体の人口減少が札幌に与える影響についてということでございますが、例えば、札幌市の主力産業の一つでございます卸売業、この卸売業の年間商品販売額というものは、北海道の道内人口の減少に比例する形で既に低下傾向を示すなど、地域消費型の経済行動になっておりますこの札幌にとりまして、道内人口の減少は札幌の経済に深刻な影響を与えるということが懸念をされているところでございます。
さらに、札幌の魅力は、豊かな自然や食などの北海道の魅力に支えられているものでありまして、道内地域の衰退というのは札幌のブランド力の低下にも直結する極めて重大な問題だと認識いたしております。だからこそ、札幌市
まちづくり戦略ビジョンに、北海道の発展なくして札幌の発展はないという考え方を明確にいたしまして、道内連携の取り組みを強化し、強力に推し進める所存でございます。
北海道の人口減少問題における札幌市の取り組みの方向性についてというお尋ねでございますが、道内各地域の豊かな資源と札幌の都市機能というものを結びつけることによりまして、新たな付加価値を創出するなど地域経済の活性化に貢献してまいりたい、このように考えております。
また、現在、道内から多くの若年層、若者たちが道外に転出しているということを踏まえまして、今後、北海道の各地域でいわゆる人口ダム機能というものが発揮されるように、道内中核都市との連携を一層深めながら、北海道全体の人口流出を阻止する取り組みというものを進めてまいりたいと考えておりまして、これらについては、昨年11月の道・市懇談会でも高橋知事と認識を共有したところでございます。
次いで、北海道と札幌市の協議状況についてお尋ねでございますが、昨年の道・市懇談会の後、直ちに課長級の北海道と札幌市による人口減少問題対策協議会というものを設置いたしまして、その中で、民間企業を巻き込みながら官民一体で道内連携を推進するための知恵を生み出す場の創設のほか、公的研究機関の誘致や、あるいは、国際線直行便の誘致などについて、具体化に向けて検討を進めてきたところでございます。これらの結果につきましては、新年度に策定をいたします札幌版の人口ビジョンと、これを踏まえた総合戦略の中でしっかりと位置づけをすることで、北海道全体の人口減少の緩和に貢献してまいりたい、このように考えているところでございます。
10項目めにご質問がございました2026年
冬季オリンピック・
パラリンピックの招致とまちづくりについてということでございます。
まず、競技施設の集約的配置についてということでございますが、オリンピック・
パラリンピック開催に当たりましては、施設の配置をコンパクトにすることもさることながら、経費をいかに節約するか、抑制するかということが重要な課題である、このように認識をいたしております。競技施設や選手村、メディアセンターなどの関連施設は、選手や大会関係者の利便性への配慮等が求められる一方で、大会閉会後の市民利用や、あるいは後利用というものを見据えた整備計画とすることが肝要でございます。競技施設等の具体的な配置につきましては、来年度に策定いたします開催概要計画に盛り込むこととなるために、その策定にあわせて検討することといたしております。
オリンピック・
パラリンピック開催によるまちづくりについてというご質問でございますが、開催概要計画の策定に当たりましては、競技施設等の後利用を検討する上で、プロスポーツの持つ集客力を生かすということも重要な観点の一つであると考えております。また、オリンピック・
パラリンピックの招致は、札幌の新たなまちづくりの起点と捉えておりまして、計画の策定に合わせてさまざまな分野の意見を取り入れながら、将来の札幌のまちづくりについて検討を深めていきたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(高橋克朋) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私からは、6項目めの家庭ごみの収集、7項目めの民間建築物の耐震化の促進、8項目めの今後に向けた公共交通利用促進の取り組み、以上3点についてお答えを申し上げます。
まず、家庭ごみの収集についてでございます。
1点目の家庭ごみの収集業務の効率化についてでございますが、家庭ごみの収集業務につきましては、安定的かつ確実な収集体制の確保を前提に検討を重ね、民間への委託を進めてきたところでございます。
一方、近年、多発をいたします大規模災害を鑑みてみますと、迅速に判断を行い、適切な初動対応が可能となる直営による一定の体制が必要であると、改めて認識をしているところでございます。
そこで、このたび、他都市における事例や積雪寒冷地である札幌市の特性も踏まえまして、市民生活の維持に最低限必要な体制として、非常時にはごみパト隊にも収集業務に当たらせることを前提といたしまして、直営車を50台程度とする判断に至ったものでございます。
次に、2点目のごみステーション問題についてでございます。
ごみステーションにおける不適正排出などの課題につきましては、これまでも、地域の方々とごみパト隊が連携して解決を図るなど、一定の成果を上げてきております。しかしながら、ご指摘のとおり、特定の方に管理の負担が偏るなど、課題も少なからず見受けられるところでございます。ごみステーション管理は、排出をする市民お一人お一人がその責任を負うものでございまして、各自がその責任を果たすことによって適正排出が保たれるものと考えております。
今後、ごみに関するさまざまな情報を地域の皆様にお伝えをするクリーンミーティングなど、地域との意見交換の場を積極的に活用いたしまして、市民一人一人がごみステーション管理を担うことについて一層の理解を求めてまいりたいと考えております。あわせまして、地域の実情に応じました持続可能な管理の仕組みづくりがなされますよう、よりきめ細やかな支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、民間建築物の耐震化の促進についてでございます。
まず、所有者への働きかけについてでございますが、要緊急安全確認大規模建築物の所有者に対しましては、平成25年11月の法改正以降、文書や電話などで個別に連絡をとりながら耐震診断の実施を促してきたところでございます。現段階では、報告件数は13件にとどまっておりますが、80施設のうち、半数以上が耐震診断を実施済み、または実施中であるということを把握しておりますので、これらは順次報告される見込みでございます。残りの耐震診断未実施の所有者に対しましては、建築士による技術的な相談窓口や補助制度の活用、中小企業向けの経営相談や融資制度の紹介など、期限内の報告に向けて早期に対応していただけますよう、引き続き働きかけを行ってまいりたいと考えております。
次に、耐震診断後の耐震改修についてでございます。
1点目の来年度の補助事業の予算額についてでございますが、耐震改修につきましては所有者の資金計画や施設の休業時期等により流動的な部分もございますけれども、所有者からの聞き取りや建物の利用状況から、工事規模や事業スケジュールなどを見きわめまして、来年度の利用が見込まれる件数、額を計上したところでございます。
2点目の耐震化を円滑に進めていくための対応についてでございます。
ホテルや旅館、百貨店などは、札幌市の観光、経済を支える施設でありまして、その耐震化は重要な課題であると認識をしております。そのため、新たに創設する補助制度では、建てかえや複数年度にまたがる工事も補助対象に含めることなど、従来よりも活用しやすいものとなるよう検討してまいりたいと考えております。今後も、相談等を通じまして、所有者の意向を十分に把握した上で、国に対しても補助事業の拡充を働きかけながら、より一層の支援に努め、耐震化の促進を図ってまいりたいと考えております。
次に、8項目めの今後に向けた公共交通利用促進の取り組みについてでございます。
近い将来、札幌市におきましても人口が減少に転じることが予測されております中、観光客を対象といたしました地下鉄等の利用促進策がますます重要になってきていると認識をしております。
交通局では、かねてより外国人観光客へのサービスアップといたしまして、駅の案内表示や利用案内のパンフレット、ホームページなどについて外国語表記を進めてきたところでございます。今後は、国内外の観光客に対しまして、より時代のニーズに合った情報環境の整備が必要であると考えております。
現在、大通駅の一部で試行中の無料Wi−Fiサービスを、今回の補正予算でも盛り込まれております国の交付金を活用しながら、平成27年度には大通交流拠点周辺や、さっぽろ駅、すすきの駅を初めとした主要な駅にも拡大をしていく予定でございまして、また、携帯情報端末向けのホームページも新たに構築してまいります。今後も、観光客を初め、札幌を訪れる方々のニーズを的確に捉えまして、より一層のサービスアップにより利用促進を図ってまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(高橋克朋) 井上副市長。
◎副市長(井上唯文) 私から、4項目めの札幌市の認知症施策について、5項目めの子ども・子育て支援新制度での子どもの施策についてお答えをいたします。
まず、4項目めの札幌市の認知症施策について、札幌市の2025年の認知症高齢者の推計と認知症国家戦略の受けとめについてであります。
札幌市の認知症高齢者は、平成26年5月末で4万8,200人、65歳以上の高齢者の10人に1人でありますが、厚生労働省が従前から公表している方法で算出をいたしますと、2025年には8万3,000人余り、65歳以上の高齢者の7人に1人と推計されるところであります。国家戦略、新オレンジプランは、認知症は、今や、誰でもかかり得る疾患であり、予防、早期発見、治療のほか、見守りや居場所づくりなど国全体で取り組むべき総合的な施策を示したものであると認識をしております。
札幌市におきましても、この戦略は極めて重要であると受けとめており、この方針に基づきまして、今後とも、認知症の人と家族の声に耳を傾けながら、認知症になっても安心・安全に暮らせる地域づくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、第6期介護保険事業計画の認知症施策の位置づけと取り組みについてであります。
札幌市の認知症施策は、三つの柱を掲げており、認知症の方と家族への支援体制の充実、市民理解の促進、医療・介護関係者の資質の向上とネットワークの構築について取り組んでおります。次期介護保険事業計画におきましては、これらを重点施策に位置づけますとともに、新規事業も実施していくこととしております。例えば、医療や介護サービスにつながっていない認知症の方を医師などの専門職が訪問して支援をいたします認知症初期集中支援チームの立ち上げや、認知症の人と家族の居場所づくり、地域住民との相互理解の場となる認知症カフェの拡大に向けた取り組みなどでありまして、住民や専門職、民間事業者など地域が一体となった取り組みとなりますよう、それを目指してまいりたいと考えております。
次に、5項目めの子ども・子育て支援新制度での子ども施策についてお答えいたします。
まず、待機児童対策の取り組みについてでありますが、子ども・子育て支援事業計画は、今後、保育所等を利用したいという潜在ニーズも取り込んで需要を見込み、平成30年度当初までにその需要を満たすよう、各年度の保育サービスの供給量を定めたものであります。供給量の確保に当たりましては、今後の就学前児童数の動向を踏まえ、幼稚園の認定こども園化を初めとした既存施設の活用を優先することなどを基本方針としたところであります。
新制度開始後は、各年度、計画に基づき、保育サービスの供給を図ってまいりますが、計画策定時に想定していないニーズが発生するなど、供給量が不足する場合も起こり得るものと考えております。こうした場合は、その要因を検証し、必要となる保育サービスの供給量を確保できるよう適切に対応してまいります。
次に、放課後児童健全育成事業についてであります。
放課後児童クラブの利用者は年々増加をしておりますが、ほぼ全ての小学校区での児童クラブの開設や民間児童育成会の支援により、利用意向調査を踏まえた今後5年間の需要に対する供給量は確保しております。一方、既存の老朽化した児童会館等の再整備の必要性や、地域によっては、利用児童が多く、放課後児童クラブの過密化などの課題があることも認識をしております。今後は、小学校と併設した児童会館の再整備や基準条例に基づく事業運営を推進するとともに、民間児童育成会を含めた放課後児童クラブのあり方について検討を進め、量の確保及び質の向上を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(高橋克朋) 町田教育長。
◎教育長(町田隆敏) 私からは、9項目めのこれからの国際理解教育のあり方についてお答え申し上げます。
グローバル化の進展するこれからの社会におきましては、国際共通語となっている英語の必要性はますます高まっており、学校教育における実践的な英語教育の推進が重要と認識するところでございます。そのため、今後は、小学校におきましても、英語教育の充実を積極的に図るとともに、これまで取り組んできました外国語指導助手、いわゆるALTを活用した指導をさらに進めてまいります。
また、真の国際交流を実現するためには、三浦議員がご質問のとおり、言葉だけではなく、世界の多様な文化等を理解し、尊重することが重要であり、英語教育とあわせて国際理解教育の一層の充実に努めてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(高橋克朋) ここで、およそ20分間休憩します。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後2時20分
再 開 午後2時46分
――
――――――――――――――――
○副議長(ふじわら広昭) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
坂本恭子議員。
(坂本恭子議員登壇・拍手)
◆坂本恭子議員 私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について質問いたします。
最初は、市長の政治姿勢について伺います。
質問の第1は、総選挙の結果と小選挙区制についてです。
昨年の総選挙で自民、公明の与党が3分の2を超えましたが、それは、小選挙区制がもたらした虚構の多数と言うべきものです。自民党は、小選挙区で233議席と、小選挙区全体の76%の議席を獲得しました。しかし、その得票率は48%です。また、政党への支持を直接争う比例代表では、自民党の得票は33%にとどまり、有権者比で見ると絶対得票率はわずか17%にすぎません。安倍首相は、国民から背中を押してもらったと、集団的自衛権の法制化や憲法改正の暴走に前のめりですが、国民がそのような白紙委任を与えたわけでないことは明らかです。
1点目は、小選挙区制についてです。
大政党有利に民意をゆがめる小選挙区制は、選挙制度のあり方として重大な欠陥を持っていると考えますが、市長の見解を伺います。
2点目は、選挙制度のあり方についてです。
多様な民意がそのまま議席に反映されることが求められると考えます。民意が正確に議席に反映される比例代表制が最も望ましい選挙制度だと考えますがいかがか、見解を伺います。
質問の第2は、政府の来年度予算案についてです。
政府予算案は、消費税増税による景気悪化に苦しむ国民に、社会保障削減でさらなる負担の追い打ちをかけるものとなっています。介護報酬の減額、生活保護の住宅扶助費と冬季加算の削減、マクロ経済スライドの発動による年金削減、高齢者医療の窓口負担増、介護の利用料引き上げなどです。
1点目は、消費税についてです。
昨年の消費税8%への引き上げで8兆2,000億円の増収となりますが、社会保障の充実に充てられるのは1兆3,000億円程度と、増収分の2割弱です。高齢化に伴う社会保障費の自然増分は1,700億円削減しています。消費税収入がふえたのに、社会保障費の自然増まで削減するというのは余りにも無慈悲で、社会保障のためという看板まで投げ捨てるものだと考えますが、いかがですか。
2点目は、大企業減税についてです。
政府予算案は、大企業には法人実効税率を2年間で3.29%の引き下げ、1兆6,000億円もの減税を行います。円安による物価高で苦しむ国民には、消費税増税と社会保障の削減を求め、史上最高の利益を上げる大企業に減税というのは余りにも不公平で、道理に合わないと考えますがいかがか、お考えを伺います。
質問の3点目は、軍事費についてです。
軍事費は、過去最大の4兆9,801億円で、2014年度の補正と合わせると5兆円を超え、オスプレイV−22や水陸両用車の購入、米軍新基地建設など、海外への攻撃能力を高めるものとなっています。集団的自衛権行使の法整備とあわせ、海外で戦争する国づくりの危険を示すものと考えますがいかがか、伺います。
質問の第3は、消費税に頼らず、暮らし第一で経済を立て直す政策についてです。
私ども日本共産党は、さきの総選挙で、消費税に頼らずに財源を確保し、暮らし第一への転換で日本経済を立て直す政策を発表しました。我が国では、株取引における利益が分離課税で税率20%と低いため、所得が1億円を超えると税負担率が下がるという逆転現象が起きています。大企業が支払う法人税の実質負担率は、さまざまな優遇によって14%と極めて低く、中小企業の25%に比べて著しく不平等になっています。研究開発減税、連結納税制度、受取配当益金の不算入など、大企業には数々の優遇税制があります。これを改め、もうけや所得に応じた税制改革と歳出の無駄を削れば、消費税に頼らなくても20兆円程度の財源を生み出すことは可能です。富裕層や大企業への行き過ぎた優遇を改め、所得や資産に応じて負担する応能負担の原則に立った税制改革が必要です。
また、低賃金、不安定の派遣労働は臨時的、一時的な業務に限定すること、非正規と正社員の均等待遇を実現することが必要です。さらに、最低賃金の大幅引き上げで、大企業の内部留保を社会に還元し、内需拡大を図っていくべきです。あわせて、国と自治体が発注する事業について、賃金や労働条件の基準を定める公契約法、条例を制定すべきだと考えます。
消費税と税の応能負担、非正規労働者の処遇改善、公契約法についていかがお考えか、伺います。
質問の第4は、過激組織イスラム国による蛮行と、それを口実にした改憲の動きについてです。
イスラム国を名乗る過激組織による日本人殺害事件は、大きな悲しみと衝撃を与えました。私ども日本共産党は、この残虐非道な蛮行に怒りを込めて糾弾します。
安倍首相は、この問題を機に、邦人救出のための自衛隊派遣や、アメリカなど有志連合による空爆の後方支援は憲法上可能などと口にしています。さらに、次世代の党の議員が憲法9条改定を求めたのに対して、自民党は既に改正案を示していると述べ、来年の参議院選挙後に憲法改正の発議を行うと述べました。
自民党の憲法改正草案は、現憲法の前文にある「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」という文言を削除し、憲法9条を投げ捨て国防軍を創設するもので、日本を全面的に戦争のできる国にするものです。
質問の1点目は、イスラム国による蛮行を口実にした自衛隊の海外派兵強化や、憲法改悪の動きを許してはならないと思うのですが、市長のお考えはいかがか、伺います。
質問の2点目は、イスラム国などテロを国際社会から一掃するために何が必要かを考える上でも、イラク戦争の歴史的検証が不可欠だと考えますが、見解を伺います。
次に、新年度予算について伺います。
一般会計では、8,722億円の骨格予算とし、次の市長のもとで計上される肉づけ予算の財源として地方交付税50億円を留保しています。この合計8,772億円は、史上最大規模の今年度予算に次いで2番目の規模となります。
質問の第1は、市民に対する値上げについてです。
アベノミクスのもとで、円安の影響による物価高と消費税8%への増税、年金、生活保護の削減、実質賃金の連続17カ月前年度割れなど、市民生活は大変厳しい状況に置かれ、これ以上わずかでも値上げされたら生きていけないという市民がたくさんいます。新年度予算案は、墓地使用料値上げ、厚別公園競技場の補助競技場使用料値上げ、市住家賃減免の縮小、幼稚園保育料を一律8,900円から所得によって最大1万9,900円にするとして、合計では463万9,000円の引き上げを行おうとしています。これらの値上げで合計9,816万円となりますが、市民への負担強化はやめるべきです。
一方、道路占用料は8億2,126万円の値下げとなりますが、中小業者向けの突き出し看板などの占用料を値下げすることに異論はありません。一方、北電、NTT、北ガスなどの大企業の占用料の値下げは2億8,348億円にも上ります。これを据え置くと、市民への値上げは行わなくて済むことになります。市民生活を守ることを第一に値上げはやめるべきと考えますが、いかがですか。
質問の第2は、介護と福祉、環境の重点化についてです。
今後、高齢者人口がふえ、介護と福祉の需要は加速度的に強まっていくことは明らかです。本市の特別養護老人ホームの需要はふえる一方です。無届け有料老人ホームやお泊りデイサービスができ、ショートステイをつないで暮らしているという状況が生まれるのも、特別養護老人ホームが不足しているのが原因です。また、介護と福祉は、労働集約型産業であり、雇用効果も期待できます。特養を初めとした介護施設の整備がおくれおくれになってきた現状を切りかえて、介護と福祉予算の思い切った重点化が求められていると思いますがいかがか、伺います。
また、原発に依存しないエネルギー対策を進め、自然エネルギー活用の産業化を雇用対策と結びつけて進めるべきであり、その予算化を強めるべきと思いますがいかがか、伺います。
次に、福祉灯油と電気代について伺います。
質問の第1は、福祉灯油です。
1月9日に閣議決定した2014年度補正予算案に、地域住民生活等緊急支援のための交付金、地域消費喚起・生活支援型として、自治体が行う低所得者向け灯油購入費助成制度も含む財政支援メニュー例が示されました。年金が削減される中で、生活物価の上昇と消費税増税が重くのしかかっています。灯油価格は、一時期と比べると下がってきましたが、低所得者の生活は依然厳しく、さまざまな支援策が必要なことに変わりありません。市長は、冬期間の暖房費のごく一部が補強されるにとどまるため、実効性が高いとは言えないと答弁されていますが、国は消費喚起と生活支援という枠において灯油購入も対象に含めたわけですから、その効果や必要性を国は認めているのです。
福祉灯油の実施を求め、本市議会に市民から76件の陳情が提出されたことを重く受けとめ、これを機に福祉灯油を実施すべきと思いますがいかがか、伺います。
質問の第2は、電気代についてです。
2011年3月11日の福島第一原発の苛酷事故以後、北電の電気料金は2013年9月に家庭向け7.73%、企業向け11%、昨年11月に家庭向け平均12.43%、企業向け20.32%と2度にわたって値上げを実施しました。昨年4月から消費税が8%に引き上げられ、年金は下げられ、諸物価は高騰し、生活に欠かせない光熱費の値上げと、市民生活は一層厳しくなっています。
オール電化を取り入れた市営住宅に入居しているひとり暮らしの高齢者は、年金が減らされ、体のぐあいも悪く、病気を治すこともままなりません。その上、北電は自分たちの身を切ることもせずに、電気料金を値上げするのは理解できないと憤っています。オール電化を取り入れた市営住宅は、市内11棟で472戸あります。この入居者に対して、値上げ分を支援する施策を講ずるべきではないですか。
また、在宅で呼吸器などの医療機器を必要とする難病患者にとって、電気は生命の維持に不可欠であり、節電はできません。北海道が実施する在宅難病患者等酸素濃縮器使用助成事業は、1日12時間未満の機器使用の場合は月1,000円、12時間以上は2,000円の助成があり、現在、1,440名が認定されています。この助成をさらに引き上げるなど、在宅難病患者を支えなくてはならないと考えます。
これら低所得者、難病患者、子育て世帯や小規模事業者など、生活全般に支援が必要な方々に対して電気料金値上げの影響を抑える支援策を講ずるべきと考えますがいかがか、伺います。
また、一般市民へのさらなる節電と電気料金負担軽減策として、2012年度から2年間、札幌LED推進キャンペーン事業で、LED電球の購入でSAPICAを交付する事業を行いましたが、こうした助成制度を復活すべきです。100ワットの白熱電球と、それに相当するLED電球を比較した場合、約22倍の寿命で、消費電力は5分の1から8分の1程度と少ないため、節電にも温室効果ガス削減にも大きな効果が認められます。一方、その価格は、白熱電球190円程度に対して、相当するLED電球は3,300円と17倍にもなっています。これから新たにLED電球を購入する家庭に対する補助制度を復活もしくは新設すべきと考えますがいかがですか、伺います。
次に、介護保険について伺います。
質問の第1は、介護保険料についてです。
本市の第6期介護保険計画では、新年度から保険料基準額の月額を現行の4,656円から5,177円に引き上げる提案がされています。介護保険料は、国の負担がそもそも少なく、給付をふやせば保険料が引き上がる仕組みであり、制度の根本を正す必要があります。国の公費支出を抜本的にふやすよう求めるべきだと考えますがいかがか、伺います。
また、本市として、保険料の値上げは行わず、誰もが安心して介護サービスを受けられるようにすべきですがいかがか、低所得者への減免制度の拡大を図るべきですがいかがか、伺います。
質問の第2は、介護報酬についてです。
国は、新年度予算の社会保障費の案を決め、介護報酬の2.27%の引き下げの方針を打ち出しました。介護職員の処遇改善で1.65%、中・重度認知症対策で0.56%の加算を含めた上での改定ですから、合わせると実質的には4.48%のマイナスとなり、9年ぶりの報酬の引き下げは過去最大の下げ幅となっています。さらに、特養ホームの基本報酬は6%、施設以外での通所介護の小規模事業所が最大で9%、要支援向けの訪問介護が約5%、通所介護は20%もの大幅削減です。
この改定がこのまま実施されれば、多くの事業者がかつてない深刻な経営難に陥り、介護サービスの大幅な後退を招くことは確実であり、利用者へのサービス低下につながります。高齢化に伴って、今後増大していく介護需要に応えるどころか、事業所の閉鎖や廃業、参入業者の減少によって地域の介護基盤そのものが弱体化し、崩壊につながりかねない事態となるのではないでしょうか。
本市の介護制度を崩壊に導くような方針であり、国に対して撤回をすべきとの立場で、市長自身が先頭に立って国に求めるべきではないですか。どのように対処するおつもりか、市長ご自身のお考えを伺います。
また、介護職員の給与を月額1万2,000円引き上げるとしていますが、報酬全体がマイナス改定で、事業所の収益全体が減少すれば、事業を維持するために正規職員を非正規に置きかえたり、職員をリストラせざるを得ない事態も懸念されます。さらに、人手不足が拡大し、給与は上がっても業務の過密化、労働環境の悪化が離職者をふやし、利用者へのサービスの質の低下を招くことになります。介護の現場には、直接処遇職員、すなわち介護職員だけではなく、ケアマネジャー、看護師、生活相談員、事務員、調理師など間接処遇職員がいますが、これらについては対象外となります。全職員のおよそ半数に及ぶ間接処遇職員については、介護報酬の引き下げにより、逆に給与水準が損なわれる可能性は否定できるものではありません。職員の労働環境が改善されなければ、その結果として、介護の質の低下、あるいは、職員が足りないために空きベッドはあるのに待機者を受け入れられないという入所者抑制、施設建設の中止、新規参入の減少、事業撤退が起きかねません。
このような介護報酬引き下げによって今後想定される事態について、市長はいかがお考えか、福祉型の雇用を拡大させたいと市長はおっしゃっていましたが、地域住民生活等緊急支援のための交付金や地域医療介護総合確保基金を活用して、本市として介護施設で働く職員の処遇改善のために独自の支援策を大胆に講ずるべきと思いますがいかがか、伺います。
質問の第3は、特別養護老人ホームの待機者解消についてです。
本市の待機者は、昨年12月末時点で6,140人と前回調査時よりは減少しているものの、調査を始めてから6回連続でふえ続けていました。待機者の解消は、喫緊の課題です。新年度からの介護基本計画でも、2017年度までに800床の増設計画にはなっていますが、希望する全ての方が入所できるような計画ではありません。現在の特養ホームのベッド数5,458床より待機者が多いのは、異常なことではないでしょうか。本市の特養老人ホームの65歳以上人口当たりの整備率は、政令指定都市で最低です。保険料を払い続けても、特養ホームに入りたくても入れない状況、これは一刻も早く解消すべきです。本市の独自施策として特養ホームの建設をすべきではないですか。
今月2日の朝日新聞の報道によると、東京都知事は、特養ホームの定員を2025年までに現在の4万人余りから6万人にふやすとし、入居待ちゼロ、定員1.5倍目標を掲げ、特養建設にはベッド1床当たり600万円の補助金を出し、1,000億円以上かかる補助金のために基金をつくることにしたそうです。
本市は、いつまでに待機者ゼロを達成するおつもりか、具体的にお答えください。
都知事に倣って、本市でも特養老人ホーム建設を行うべきではないですか、市長の英断を求めます。見解をお聞かせください。
質問の第4は、特養ホームの入所制限にかかわる問題です。
いわゆる特養からの軽度者外しです。現在、入所している方が退去させられることはありませんが、新年度、2015年4月から、一定の条件のもとでの入所特例以外は、どんなに強く希望しても要介護3未満の方は特養ホームに入所することができなくなります。現在の待機者6,140人のうち、要介護1は1,081人、要介護2は1,516人で、この2,597人の行き場所がなくなってしまいます。あってはならないことです。これまで何年も入所を待ち望んでいたご本人や家族にとっては、受け入れがたいことではないでしょうか。
とりわけ認知症については、入所特例がある一方で、介護報酬の加算に示されているように、在宅への誘導がされています。在宅介護での認知症ケアには、家族支援が不可欠です。今月7日、市内東区で71歳の夫が同い年の認知症の妻を殺害するという痛ましい事件が起こりました。妻は、5年前から認知症を患い、近く入院する予定だったとのことですが、夫は介護に疲れ切った、自分も死ぬつもりだったと話し、自身の手首や腹に刃物で切りつけた跡があった、済まん、母さん、病院、もういいわと記した手紙があったと報道されています。このような事件を二度と起こしてはなりません。
認知症を患っていても、介護認定が軽く出るケースは少なくありません。入所特例の適切な対応を改めて事業者に徹底すべきですがいかがか、また、認知症対応型施設の増設を前倒しして進めるべきですがいかがか、さらに、地域での見守り活動など在宅介護をサポートする仕組みづくりに早急に取り組むべきと思いますがいかがか、伺います。
質問の第5は、無届け有料老人ホームについてです。
有料老人ホームは、老人福祉法に基づき、都道府県や政令指定都市などに届けることが定められ、高齢者が入居し、食事、入浴など4種類のサービスのうち、いずれかを提供する施設とされていましたが、2009年に火災・死亡事故を起こした高齢者施設が無届けだったことを契機に、2013年、高齢者が1人でも入居して介護などのサービスを受けていれば有料老人ホームとして取り扱うとの厚労省通知が出されました。
無届けの有料老人ホームは、全国で911施設、北海道所管の市町村で138施設、旭川市で60施設、函館市で39施設であるのに対して、本市が194施設と群を抜いていることが明らかになりました。無届けホームは、認知症、障がい者、低所得の高齢者の介護の受け皿になっています。本市への65歳以上高齢者の転入超過は、2010年から2013年で8,357人、医療や介護などの環境が整っている本市に多くの高齢者が移住しています。ある程度の年金や貯蓄のある高齢者は、有料老人ホームやサービスつき住宅に入居できますが、それ以外の多くの高齢者は、低廉な家賃で暮らし、安心して介護を受けたいと切望しています。
そのようなことを背景に無届けホームが急増していると思うのですが、市内の無届けホームの実態をどのように把握していくのか、消防法、建築基準法上の問題はないのか、事業内容の改善などの指導が必要な施設はないのかなど、具体的な項目を立てて調査すべきと思いますがいかがか、伺います。
また、スプリンクラーの設置はもとより、食事提供での集団食中毒やインフルエンザなどの集団感染などは、届け出施設では報告することになっており、施設側及び本市保健所等の適切な対処が連携して行われていますが、無届けホームへは今後どのように対応するおつもりか、伺います。
次に、高過ぎる国民健康保険料について伺います。
国民健康保険法第1条は、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と、国民健康保険が、住民同士の単なる支え合いではなく、社会保障であると位置づけています。そして、第5条には、「市町村又は特別区の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。」と、他の保険に加入していない住民が国保の被保険者になること、すなわち、国民皆保険制度の受け皿となることを明らかにしています。
ところが、本市の2014年度国保料は、協会けんぽの2倍近くあり、高いことは市長も認めているところです。昨年11月現在、滞納者が17.8%にもなっている保険料であること、病院の窓口で10割払わなければならないために受診抑制が起きている資格証明書の発行が昨年12月で1万859世帯に上っていること、保険料を滞納したために差し押さえが行われた件数が昨年11月で841件にもなっていることは、社会保障制度としてふさわしくない状態にあると言わざるを得ません。
質問の第1は、同じ収入でいると、払うべき国保料が毎年上がっていく問題についてです。
国保料の設定は、必要な医療費を加入者に割り振る仕組みであり、加入者の生活実態が反映するものではありません。保険料が高くなると滞納者がふえ、さらに保険料が上がるという悪循環が起こります。本市では、平均国保料は据え置いているとしていますが、平均保険料が上がったのか、下がったのかは、加入者にはわからないことです。加入者の立場に立つと、自分の収入がふえたか、減ったか、それで国保料が上がったのか、下がったのかということが問題ですが、本市の国保では、1992年度以来、同じ年収でいると、毎年、国保料が上がり続けていくことになります。具体的に申し上げますと、年金200万円で2人世帯の場合、1992年度の国保料は4万7,000円でしたが、同じ条件で2014年度には9万7,590円になっているのです。
同じ年収でいると国保料が上がり続けることが、被保険者にとって大変な負担感につながっていると思いますがいかがか、同じ年収であれば、上がらないことを基本に国保料の設定をすべきと思いますがいかがか、伺います。
質問の第2は、本市財政に照らして、引き下げは可能であるということについてです。
昨年度の一般会計形式収支は、97億円の黒字でした。さらに、基金全体で156億円増嵩しており、資金の余裕があったということになります。昨年度一般会計の黒字分を、全額、国保料の引き下げに活用した場合、1世帯当たり3万2,333円引き下げることができます。また、保険料軽減のための一般会計からの繰入金ですが、2009年度以来、5年連続、全額、使い切らずに余して一般会計に戻しています。その平均額は42億円を超えています。これを残さずに、予算どおり国保会計で使えば1万4,151円の引き下げが可能になります。1999年度の保険料軽減のための一般会計からの繰入金は159億6,400万円でしたが、その後、削減し続け、今年度は半分以下の78億100万円だけになっています。1999年度並みの繰り入れを実行した場合には、2万7,210円の引き下げが可能になります。
一般会計が黒字であったことからも、1999年度並みの繰り入れをするだけでも財政上は国保料の大幅引き下げは十分可能であり、問題は市長の決断です。本市の高い国保料を最低でも1世帯当たり1万円引き下げるべきだと考えますがいかがか、市長のお考えを市民の前に明らかにしてください。
質問の第3は、国保の構造的問題についてです。
総務省統計局の国勢調査などによると、1990年と2010年の比較で、自営業者は6万1,755人から5万3,757人へ7,998人減少し、農林業では4,956人から3,418人へ1,538人減少しています。また、かつて、従業者5人未満の法人では、社会保険に加入するか、国保に加入するかは任意でしたが、現在は社会保険が義務づけられ、国保に加入していた人は脱退、移行しました。一方、完全失業者数は3万3,771人から7万1,834人と大幅に増加しています。さらに、65歳以上人口は23万365人から54万4,567人とふえ、後期高齢者医療制度に14万人程度移行したとしても17万4,000人程度ふえています。国保加入者の中で比較的収入が高いと思われる農林業、自営業、5人未満の法人事業所が減少し、失業者と高齢者が増加してきたため、国保加入者の平均収入は下がり続けているのです。国保加入者の低所得化が進んでいるのに、医療費を割り振って国保を賦課するため、負担が強化され続けています。
これは、国保の構造的問題であり、本来、国が対策をとらなければならないものです。しかし、国は、対策をとるどころか、1984年の国民健康保険法改悪で国庫負担を削減し、さらに、その後も事務費の削減などを続けた結果、国保総収入に占める国庫支出金の割合が減り続け、50%から25%程度まで減少したようです。
本市議会では、昨年の第3回定例会で、国民健康保険に対する国庫負担の増額を求める意見書を全会一致で可決しました。本市として、改めて、国に対して国庫負担の増額を求めるべきと思いますがいかがか、伺います。
国保を必要とし、国保を支える当事者である被保険者の立場に立って国保料の問題を考えることが必要だと思いますがいかがか、伺います。
国が国庫負担を増額するまで、加入者だけに負担を負わせるわけにはいきません。本市としても、応分の負担で加入者の負担を軽減させるべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、保育について伺います。
質問の第1は、本市の待機児童の解消についてです。
市長は、2014年度末までに待機児童をゼロにすると宣言しました。しかし、2014年10月1日時点の待機児童数は1,868人となっています。そのカウントの仕方について、本市では、待機児童の数を、厚生労働省定義の待機児童760人と、それ以外、地方単独保育施策において保育を実施している児童344人、特定保育所のみ希望して入所していない児童603人、主に自宅で求職活動をしている世帯等の児童161人と細かく定義を分けていますが、2013年の決算特別委員会で、本市が解消するとしている待機児童について、保育サービスを必要としている全ての児童を指しているのかとただしたところ、子育て支援部長は、2014年度末までに保育サービスを必要とする全ての児童に必要なサービスを提供できるように保育環境の整備を進めてまいりたいと答弁しました。
2014年度末に待機児童をゼロにするという約束は、保育を必要とする全ての児童を対象にして実行すべきであり、今になって国の定義でカウントする変更は、あってはなりません。待機児童の解消は、あくまでも保育を必要とする全ての児童を対象にしてやり遂げるべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第2は、保育士の処遇改善についてです。
待機児童を解消させるためには、保育所で働く保育士を確保していくことが重要です。しかし、この間、私ども日本共産党が何度も指摘したように、保育士は、社会の宝である子どもたちの全面発達を促すとてもやりがいのある仕事でありながら、給与が低くて大変なため、資格を持っている人も保育士の仕事をしていないという実態があります。厚生労働省の調査で、保育士の平均給与は、他の職種と比べて月に約10万円も低いことが明らかになっています。大学を卒業して保育士として十数年の経験があっても、大卒の初任給にも満たない額にしかならないのが実態です。
こうした中で、国は、保育士の待遇を改善するために、2013年度に保育士等処遇改善臨時特例事業を実施して、本市では、保育士1人当たり平均で月7,633円の給与改善を行いました。基本給で改善した施設が10施設、一時金で支給したのは198施設でした。新年度は、施設型給付費として3%を人件費に活用するために運営費へ加算されることになりました。この加算分が人件費アップにつながるよう、確実に全ての保育所で実施するように本市が指導すべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第3は、子ども・子育て支援新制度についてです。
1点目は、保育時間についてです。
4月から新制度がスタートすることから、幼稚園、保育所等の利用手続が変わります。保育所を希望する場合、保護者が月64時間以上就労しているか、妊娠、出産などの条件に該当するか、しないかで、認定、あるいは、一時預かり事業に移行される認定非該当などに誘導されます。認定されて認可保育所に入所することになっても、保護者の就労時間によって保育を利用できる時間が二つの区分で分けられます。保育短時間の8時間と、保育標準時間の11時間の2種類です。
保育は、託児所とは違います。子どもたちの全面発達を保障するために、具体的な保育計画を立てて、一人一人の成長・発達を促す役割を果たしています。新制度は、保護者の働く時間に合わせ、短時間での保育を行うことは、本来の保育の役割を保障する上で問題です。既に通っている園児は全て標準時間と認定されるため、保護者からは、これから通う弟だけが短時間保育認定になると、勤務のシフトによっては別々にお迎えに行くわけにもいかず、弟の分は延長保育料を払わなければならなくなる、少ない収入なのに負担がふえるのではないか、短時間保育と標準時間保育は途中で変更できるのかなどの不安の声が出されています。
こうした保護者の不安に丁寧に対応し、延長保育料がふえて負担が大きくなるということがないように対策を講ずるべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、申し込み受け付け期間の変更についてです。
4月からの入所希望の申し込み受け付け期間を11月4日から12月10日までとして、選考結果の通知は2月中旬に行うとのことです。38日間という短期間で、保育を必要とする保護者にきちんと周知して、申し込み受け付けができなかったという保護者はいなかったのか、また、2月の選考で入所できなかった場合、どのように児童、保護者をフォローしていくのか、伺います。
次に、学童保育の大規模化の解消について伺います。
質問の第1は、1小学校区に1カ所という考え方についてです。
学童保育の大規模化の解消に向けて、今年度末に国から要綱が示され、それを受けて2015年度中に本市で学童保育所での児童数と指導員の配置基準について整備していくとのことです。
本市では、民間児童育成会の事業も、児童会館及びミニ児童会館における児童クラブと同じ放課後児童健全育成事業と位置づけて、1小学校区に1カ所という考え方を進めてきました。しかし、今後、国が学童保育の大規模化を解消するために新たな補助制度を進めていくことから、本市の1小学校区に1カ所という考え方についても見直しを行っていく必要があると考えますがいかがか、伺います。
質問の第2は、児童クラブがある小学校区に後から民間学童保育所がつくられたところへの助成を行うということについてです。
2013年の決算特別委員会で私どもが取り上げた事例ですが、2012年4月に民間学童保育所を開設、登録したいと子ども未来局に相談したところ、この校区には児童クラブがあるため助成することはできないと言われ、補助金なしで運営している学童保育所に助成すべきだと求めました。
本市では、民間学童保育所がある小学校区に、後からミニ児童会館での児童クラブを開設することがたびたびあります。2013年度は、5校区で民間学童保育所があるところにミニ児童会館を開設しました。2014年度は、7校区で開設しています。その場合は、民間学童保育所にそれまでどおり補助金が出され、学童保育と児童クラブのそれぞれが特徴を生かして共存しています。しかし、先に児童クラブがあって、後から民間学童保育所ができた場合には、順番が逆になっただけなのに、助成していません。
この考え方を見直して、後からできた民間学童保育所にも助成するべきだと考えますがいかがか、伺います。
次に、雪対策について伺います。
この冬は、ほとんどの区で前年度を上回る降雪量となっています。排雪作業も前倒しで行われていますが、排雪業務が過密になっており、待機中の重機での人身事故も起きています。毎年のように事故が起きているのは問題であり、安全上の対策と万全な体制をとるべきことを改めて申し上げておきます。
この間、気温の差も大きく、ざくざく・つるつる路面、わだちなどが広範囲で発生しています。市民からの問い合わせ、苦情などが前年度と比べても3割も増加していると聞いていますが、どのような取り組みをされたのか、市民の安心・安全、また、市民生活に支障が出ないように早急に対応すべきですがいかがか、伺います。
62億円の補正予算が組まれましたが、大雪の区もありますので、各区の状況を十分配慮して行うよう求めます。
雪たい積場についてですが、既に8カ所が閉鎖になっている状況です。このままで足りるのか、新たな検討が求められると思いますが、どのように対処するのか、伺います。
通学路の安全対策についてですが、北区でも、あいの里西小学校、あいの里東小学校、あるいは篠路小学校など、いずれも、冬期間、歩道が狭くて見通しが悪く、危険な状態です。1月20日の始業式までに通学路の歩道除雪が間に合わない事態も発生しました。
きちんと除排雪を行って児童の安全を確保すべきですが、どのように対処されているのか、伺います。
福祉除雪と屋根の雪おろし支援についてですが、2000年から始まった福祉除雪事業も15年たちました。利用世帯数も年々増加し、2014年には5,150世帯、地域協力員数も3,257人に上ります。協力員の担い手は、町内会などが58%、地域企業が16%、災防協が15%、さらにNPO、福祉施設、学校などとなっています。高齢者もふえ、医療費の値上げなどで、冬期間、入院もできなくなっており、長い冬、じっと家の中で過ごすことを余儀なくされ、閉じこもりや孤独死を生み出す原因にもなっています。
福祉除雪を必要とする多くの高齢者に利用していただくため、どのように普及、PRに努めているのですか。
また、地域協力員について、町内会では高齢化の問題もあります。若い世代に働きかけも行ってボランティアに参加していただいていると聞いていますが、季節的な仕事をしている方や地域企業などの力をかりて体制を強化すべきと考えますが、今後の取り組みについて伺います。
屋根の雪おろし支援についてですが、市内でも85歳の方が屋根から落ちて亡くなっています。雪おろしの作業で亡くなっている方の7割以上が高齢者です。経済的に費用を負担することができない高齢者も多くいます。
このほど、総務省から除雪業者へ除雪委託費を助成するなど、高齢者世帯への支援拡充を決めたとの報道がありました。既に、小樽市では、高齢者や障がい者などを対象に、間口の確保とともに、屋根の雪おろしを、一冬1回、1万円、岩見沢市では一冬2回、それぞれ2万円を上限とした助成を実施しています。美唄市では無料で屋根の雪おろしを実施しています。本市でも、アンケート調査、市民の意見などを調査、参考にしてこうしたサービスを検討してはいかがか、伺います。
次に、精神障がい者の外出支援について伺います。
質問の第1は、交通費助成です。
2月3日、精神障がい者の交通費助成の引き下げ中止を求める旨の陳情が厚生委員会に付託されました。これまで、ウィズユーカードの1万円券には15%のプレミアムがついていました。ことし3月末をもってウィズユーカードが利用できなくなることに伴って、障がいを持つ方がこれまで利用していた交通費助成カードの利用を中止し、新しいカードを交付するというものですが、その際、最大の利用金額をこれまでの5万4,800円から5万2,800円へプレミアム分2,000円を削減するとのことです。
保健福祉局は、助成制度の変更をしたものではないと説明していますが、利用できる最大金額を減らすことについて、当事者の理解も得ないまま進めることに厳しい批判の声が上がるのは当然です。プレミアム分が付与されないことは行政の側の事情であって、障がいを持つ方にとっては交通費助成の削減そのものであり、自己負担がふえる、もしくは、そのことによって外出の機会が減るということにほかなりません。
このような事実上の削減は、撤回すべきと考えますがいかがか、伺います。
また、進め方が余りにも乱暴です。昨年1月に日本が批准した国連障害者権利条約前文には、障がいのある人が「政策及び計画に係る意思決定の過程に積極的に関与する機会を有すべき」と書かれています。しかし、本市のやり方は、意思決定機関に障がいを持つ方々が関与する機会も全くないまま一方的に説明をするというものであり、到底、納得を得られるものではありません。
市内の福祉施設に通う精神障がい3級のある男性は、5万4,800円は施設に通うと2カ月半でなくなる金額です、年金や生活保護で暮らす障がい者にとって2,000円の削減はとても大きいと窮状を訴えました。プレミアム部分の削減が障がい者にとってどれほど重要なことなのか、思いが至らなかったのではないですか。この進め方について反省すべきと考えますが、今後の対処方針を伺います。
質問の第2は、精神障がい者運賃割引です。
国交省の乗り合いバスの標準約款が改定され、精神障がい者も身体・知的障がい者と同じく運賃割引を行う道が開かれる中で、私どもは、繰り返し、その実現を求めてきました。本市は、地下鉄、市電への精神障がい者への運賃割引制度の導入が望ましいとしながらも、バスと地下鉄、市電の3事業が歩調を合わせて運賃割引を行うことが望ましいと、検討段階から進んでいません。
乗り継ぎ割引は、利用客全体の19%程度で推移しています。8割の利用者は、乗り継ぎ運賃を利用しておりません。バス事業者が運賃割引を実施しなくても、本市の地下鉄、市電を先行して運賃割引を実施し、精神障がい者の切実な願いに応えるべきであります。障がい者の運賃割引は、経営に影響するかどうかで実施を決めるものではなく、公共交通機関として保障すべき最低限の福祉制度として国交省が示したものです。これ以上、精神障がい者だけを不利益扱いする運賃割引未実施状態を続けることはやめ、まずは、本市独自でも先行実施に踏み出すべきと考えますがいかがか、伺います。
最後に、民間分譲マンションの老朽化の問題について伺います。
民間分譲マンションは、国民の約1割、1,400万人の人々が暮らし、都市における新しいコミュニティーの場となっており、本市でもおよそ17万世帯が民間分譲マンションで生活しています。良好な居住空間のもとで安心して住み続けたいというのが入居者の願いですが、建物や設備の老朽化、高齢化が進む中で、大規模改修や建てかえに伴う莫大な費用負担、入居者や管理組合での合意形成など、深刻な問題が横たわっています。
本市が老朽化問題に直面する可能性のある築25年を経過した分譲マンションを対象に、2011年に行った札幌市分譲マンション管理実態調査でも、現在のマンションの問題点として、建物の老朽化が60%と最も多く、次いで配管・給水設備の劣化が45.1%でした。北海道マンション管理組合連合会では、外壁の補修や排水設備などの大規模修繕をどう進めたらよいのか、修繕積立金がなく大規模修繕が行えないなどの相談が寄せられています。
以前、市内の分譲マンションで、管理組合の役員をしていた方から訴えがありました。マンションには二つの老いがある、一つは建物の老い、もう一つは入居者の老いですと言い、かさむ修繕費と、いずれ訪れる建てかえへの不安を述べられました。
本市で築25年を経過した民間分譲マンションは、2010年12月時点で1,278棟、6万3,744戸で、それから4年が経過しており、さらにふえていると考えます。老朽マンションへの対策は、本市としても検討が急がれる問題だと考えます。
質問の第1は、本市の施策についてです。
2013年の決算特別委員会での私どもの質問に、老朽化の進行や居住空間の悪化は、居住者はもちろん、周辺の住環境に与える影響も大きいと述べ、札幌市の施策としてどういうところに手を差し伸べていくか検討すべきことと答弁されました。その後、どのような検討がされたのか、伺います。
また、来年度、実態調査を検討されていると伺いましたが、実施はされるのか、また、どのような内容で検討されているのか、伺います。
質問の第2は、昨年12月に施行されたマンションの建替え等の円滑化に関する法律に対する認識についてです。
この法律は、耐震不足と認定された場合、マンションの区分所有の5分の4の賛成で、修繕や建てかえではなく、マンションを解体し、敷地を売却できるとしています。事実上、入居者の生活の安定よりもディベロッパーの利益を優先するもので、反対する5分の1の区分所有者が売却を強制され、生活基盤そのものを失いかねないという問題をはらむものです。そのような認識がおありか、お尋ねします。
質問の第3は、支援体制についてです。
分譲マンションの老朽化は、大規模修繕や建てかえに伴う膨大な費用負担に加え、入居者の年齢や生活実態もさまざまなため、管理組合での合意形成が極めて難しいという問題があります。また、戸数が少ない小規模マンションでは、修繕積立金自体がないという実態もあります。老朽マンション対策は、入居者個人や管理組合だけでは解決が困難という事態が全市的な規模で問題になってくることは明らかです。そのために、入居者や管理組合の悩みや要望に応える相談体制の確立、市内の建設業者に仕事が回る修繕や改修などへの補助制度、適切な管理で長もちさせることなど、総合的な支援体制を整備、確立すべきだと考えますが、いかがですか。
あわせて、管理組合などへの積極的な情報提供、各地区での小規模セミナーの開催など、関心を喚起させることが必要だと思うのですがいかがか、お考えを伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(ふじわら広昭) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 10項目にわたりましてご質問がございましたので、私からは、政治姿勢についてと新年度予算についてお答えをさせていただきます。その余は、担当副市長から答弁をさせていただきます。
まず、私の政治姿勢ということで、選挙制度に対する市長の見解についてお尋ねでございます。
1点目と2点目の選挙制度に対する見解について、まとめてお答えをいたします。
これまでも何度かご質問をいただきましたが、一貫して申し上げてきたとおり、選挙制度というものは、国民の投票の権利を保障するものでありまして、民主主義の根幹にかかわる極めて重要な問題でありまして、多様な民意が国政にしっかりと反映されるということが肝要である、このように考えているところであります。
したがいまして、選挙制度のあり方については、国民にとって最も望ましい制度となるように、国民的な議論と、あわせて、国権の最高機関でございます国会の場で深く議論をされ、決定されるべきものと考えているところでございます。
次に、政府の来年度予算案についてでございます。
1点目の消費税増税分の活用についてでございますが、消費税率の引き上げは、社会保障の安定財源の確保を目的として、国政の場において決定したものでございまして、負担の増大を抑制し、持続可能な制度を実現する観点から、給付の重点化や、あるいは、制度の運営の効率化も同時に行うこととされている、このように認識をいたしております。
国の新年度予算案におきましては、消費税率引き上げによる増収分は、社会保障の充実のほか、基礎年金の国庫負担や、あるいは、後世代への負担のツケ回しの軽減など、全て社会保障の充実や安定化に与えられているものと考えております。
2点目の不公正な大企業の減税についてのお尋ねでございますが、今回の法人課税の見直しにつきましては、現下の社会経済情勢などを踏まえて検討されているものと理解をしております。今後、国政の場においてさまざまな議論がなされていくべきものと認識をしているところでございます。
3点目の防衛関係費についてでございますが、このことは、現在、多くの国民が関心を寄せていることというふうに思われますので、これも国会の場において大いに議論されなければならないことの一つである、このように考えております。
また、集団的自衛権の行使につきましては、これまでも繰り返し申し上げているとおり、憲法の解釈の限界を超えるものでありまして、認められないというのが私の考えでございます。集団的自衛権の行使が必要という議論が少なからず国民の中にあるということであれば、大きな議論を国民とともに行い、安全保障に関する法整備を行う前に、まずは、憲法第96条で定められております手続に従って、その是非を国民に問うべきものと考えております。
消費税に頼らずに暮らし第一で経済を立て直す政策についてという項目でお尋ねでございます。
消費税によらずに財源を確保するということについて、消費税は、税収が経済の動向や、あるいは人口構成の変化に左右されにくい、こういう特徴を持っておりまして、個人及び法人所得課税と比べまして、より安定的な財源と認識をいたしております。
非正規の労働者の処遇改善につきましては、国が労働関係法規を改正し、無期雇用への転換や、あるいは待遇改善を進めているほか、非正規労働者や事業者に対する支援制度というものを実施しておりますことから、今後とも国における施策の拡充を注視していきたい、このように思います。
また、公契約条例、公契約法につきましては、公契約で働く労働者の賃金を初めとする適正な労働環境の確保を図っていくということは、大変重要であると認識いたしましております。それを社会全体で進めていくためには、公契約法の制定というのは有効な施策の一つと考えておりまして、今後の国の動向を注視してまいりたい、このように思います。
次に、イスラム国による蛮行と改憲の動きについてということでお尋ねでございます。
2点質問がありましたけれども、関連をいたしますので、あわせてお答えをさせていただきます。
ISIL、いわゆるイスラム国によって、2人の日本人を初めとして、罪もない人々が捕らえられ、あるいは殺害されるということは、到底、許しがたい行為でありまして、強い憤りを覚えるところでございます。
あわせて、ご家族の方々には、本当に心からお悔やみを申し上げたい、このように思います。
現在、多くの市民、国民は、このISILの行為に大きなショックを受けているところであるというふうに思います。しかし、そのようなときこそ、憲法をめぐる問題や、あるいは、テロへの対応につきましては、なお一層、冷静で慎重な議論が必要でありまして、テロ組織を生んだ複雑な歴史や、あるいは背景など、さまざまな視点からの客観的な検証というものが求められているもの、このように考えているところでございます。
2項目めの新年度予算についてお尋ねでございます。
使用料の改定についてでございますが、使用料・手数料につきましては、公平性の確保などの観点から、適正な受益者負担額というものを設定すべきものと考えております。平成27年度の予算編成におきましても、この観点から、原価計算や、あるいは国の基準単価、他都市の単価等との比較を行った上で改定を行ったところでございます。
介護、福祉、環境の重点化についてお尋ねでありますが、介護施設につきましては、計画的な整備が必要、このように認識しておりまして、現在策定中の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を勘案いたしまして、所要の整備費を計上させていただいております。また、このたびの補正予算に、介護や障がい福祉分野における新たな人材確保策を盛り込んだところでもございます。
エネルギー対策関連では、札幌ならではの環境産業等を振興する取り組みというものを行うほかに、補正予算では、次世代エネルギー普及促進に向けました市民向けの補助を拡充したところでもございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(ふじわら広昭) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私からは、8項目めの雪対策、それから、10項目めのマンションの老朽化の2項目についてお答えを申し上げます。
まず、雪対策についてでございます。
ざくざく路面の対応についてでございますが、今シーズンは、地域の実情に合わせた除排雪に加えまして、特に暖気が多いことから、道路パトロールの結果を踏まえまして路面整正作業の出動回数をふやすなど対応をしておりまして、ちゅうちょなく実施してきたところでございます。今後とも、天候や路面状況に注意を払いながら、適切な路面管理に努めてまいります。
次に、雪たい積場についてでございます。
今年度は、過去最大の搬入となりました平成24年度の搬入量を上回る容量を当初から確保しているところでございまして、現在開設している雪たい積場で対処できるものと考えております。
次に、通学路の安全対策についてでございます。
通学路につきましても、朝のうちに除雪を終えることを基本としているところでございますけれども、1月20日の始業式の日には、北区の篠路、あいの里方面では朝からかなりの大雪になりました。このため、通学時には間に合わなかったわけでございますけれども、日中に緊急除雪を実施いたしまして、翌朝には平常の状態を確保したところでございます。今後とも、時々刻々と変化する気象状況に対応した除排雪に努めてまいりたいと考えております。
次に、福祉除雪事業についてでございます。
まず、1点目の事業の普及、PRについてでございますけれども、広報さっぽろでありますとか、あとは、札幌市及び社会福祉協議会のホームページへの掲載を行うほか、町内会の回覧板なども活用して周知を図ってきたところでございます。今後も、さらにPRに努めてまいりたいと考えております。
2点目の地域協力員の体制強化についてでございますけれども、社会福祉協議会と連携をいたしまして、町内会や地区福祉のまち推進センターなどの地域組織に加えまして、地域企業に対しましても個別に依頼するなど、体制の強化を図ってきたところでございます。今年度は、このような取り組みの結果、協力員が増加をしてきたところでございまして、引き続き確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、屋根の雪おろし支援についてでございますけれども、自力で作業が困難な高齢者や障がい者に対する冬期間の生活支援施策の一つであると考えているところでございますが、まずは、他都市の実施状況等を調査してまいりたいと考えております。
次に、10項目めのマンションの老朽化についてでございます。
まず、分譲マンション対策の検討状況と実態調査でございますが、1点目の分譲マンション対策の検討状況についてでございます。
平成26年2月に、先進的な取り組みを実施しております千葉市、横浜市などに対しまして、分譲マンション支援事業の内容でありますとか課題認識についてヒアリングを実施いたしました。そして、その課題や問題点にいて整理を行ったところでございます。
2点目の分譲マンションの実態調査でございますけれども、札幌市では、分譲マンションが抱えます課題や問題点を把握するために、5年ごとに実態調査を実施しておりまして、平成27年度予算にも調査費を計上いたしております。築25年を超えますマンション約1,300棟を対象に、郵送によるアンケート調査を実施する予定でございます。先ほど申し上げました他都市の事例調査を踏まえ、有効な支援策を検討できますように、管理組合の運営や経理、建物、設備の維持管理などについて実態を詳細に把握していく予定でございます。
次に、マンションの建替え等の円滑化に関する法律に対する認識でございますけれども、生命、身体の保護の観点から法律が改正をされまして、耐震性不足の分譲マンションについてマンション敷地売却制度が創設をされたところでございますけれども、これまでの手法と同様に、事前に管理組合の総会などにおきまして区分所有者間で議論をし、合意形成が図られて進められていく手法というふうに認識しているところでございます。
次に、分譲マンションへの支援体制についてでございます。
札幌市といたしましても、分譲マンションは、その合意形成等の困難さに加えまして、改修工事費の確保など、計画的で長期的な取り組みが必要であると認識をしております。現在行っておりますマンション管理セミナーなどの情報提供や、公益社団法人北海道マンション管理組合連合会による相談体制などについては継続をしてまいりたいと考えております。今後、他都市の事例調査や平成27年度に行います実態調査の結果を踏まえまして、管理組合が機能していないマンションへの支援や、大規模修繕や建てかえに必要な合意形成に至る支援など、具体的な支援策を検討してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○副議長(ふじわら広昭) 井上副市長。
◎副市長(井上唯文) 私から、3項目めの福祉灯油と電気代について、4項目めの介護保険について、5項目めの高過ぎる国民健康保険料について、6項目めの保育について、7項目めの学童保育の問題について、9項目めの障がい者の外出支援について、以上6項目につきましてお答えをいたします。
まず、3項目めの福祉灯油と電気代についての、福祉灯油についてと、電気代についての1点目の電気料金値上げの影響抑制策につきましては、一括してお答えいたします。
円安の影響もあり、諸物価が高騰する中、昨年11月には電気料金の再値上げが実施をされましたが、一方、ここ数年にわたり高値が続いていた灯油価格は急速に値下がりをしたところであります。灯油や電気といった生活に欠かせない商品やサービスの価格変動は、あらゆる方の暮らしに影響を及ぼすことから、その価格安定は国において対策を講じるべき課題であると認識をしております。市民の皆様が、さまざまな事情を抱えながら、家計や経営のやりくりに努力をされていることは十分理解しているところでありますので、札幌市としては、市民一人一人の工夫や改善の積み重ねによって節約が一層進むよう、今後ともウオームシェアなどの省エネや節電の普及に力を入れてまいりたいと考えております。
なお、生活全般に支援が必要な方には、既存の福祉サービスの活用についてご相談をいただければと思います。
電気代についての2点目のLED推進キャンペーン事業についてであります。
LED推進キャンペーン事業は、節電効果が格段に高いLED照明を市民の方々に広く知っていただき、購入していただくなど、その普及促進を目的に、平成24年度、25年度の2年間にわたり実施をいたしました。LED照明は、このキャンペーン期間中に飛躍的に技術が向上し、普及が格段に進みましたことから、キャンペーンとしての役割が達成されたものと判断し、事業を終了するに至ったものでございます。今後も、札幌・エネルギーecoプロジェクトなどさまざまな施策により、市民の皆様の省エネ、節電の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
次に、4項目めの介護保険についてお答えをいたします。
まず、保険料についてでありますが、国に対して、他都市と連携して国の財政措置の拡充を要望してきた結果、介護保険法に基づく新たな低所得者の負担軽減制度が設けられたところであり、引き続き、軽減制度の着実な実施を働きかけてまいります。
また、次期保険料につきましては、サービス費用の増加等により、1人当たりの負担額は上昇することになりますが、介護給付費準備基金を取り崩し、できる限りその上昇の抑制を図っているところであります。札幌市独自の減免制度の財源は第1号保険料で賄っており、減免制度を拡大した場合、第1号保険料の基準額がさらに上昇することから、現在と同様の要件で実施してまいりたいと考えております。
札幌市としては、引き続き、介護保険制度の周知を図る中で、保険料についてもご理解をいただけるよう丁寧に説明してまいります。
次に、介護報酬についてでありますが、介護報酬単価の改定につきましては、保険料や利用料に与える影響を考慮する必要がある一方、良質な介護サービスを安定的に提供していくためには、一定の水準を確保する必要があるものと考えております。今回の報酬改定では、制度の持続可能性を高めるとともに、地域包括ケアシステムの基本的な考え方を実現する観点から、基本報酬を引き下げる一方で、中・重度の要介護者や認知症高齢者への対応の充実強化、さらには、介護人材確保の推進のため加算が拡充されているところであります。
札幌市といたしましては、今後の介護サービスの提供状況などを見きわめた上で、必要に応じて国に適切な措置を要望してまいりたいと考えております。また、札幌市では、介護職員等の定着を図る観点から、これまで働きやすい職場環境を整えていくための支援をしてまいりましたが、地方住民生活等緊急支援のための交付金等も活用しながら、来年度から事業所の雇用管理能力の強化に関する研修や、採用力強化を支援する施策などにも取り組むこととしております。
次に、特別養護老人ホームの待機者解消についてでありますが、特別養護老人ホームの入所申し込みをされている方々の介護の必要性の程度、入所希望時期、介助者を含めた生活状況など、申込者を取り巻く状況はさまざまなものと認識をしております。介護基盤の整備に当たっては、利用者の状況に応じた適切なサービス提供ができるようにするため、次期介護保険事業計画においても、現計画と同様、施設と在宅サービスのバランスのとれた計画とする予定であります。特養整備については、介護保険料に与える影響を配慮しつつ、引き続き、入所の必要性、緊急性の高い方が可能な限り早く入所できるように計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、特別養護老人ホームの入所制限についてでありますが、介護保険法の改正を受け、事業者団体と協議し、特別養護老人ホームの入所指針を改正して既に通知をしたところであります。申込者が特例入所の要件に該当する場合は、事業者が保険者市町村に報告する取り扱いといたしましたことから、その報告内容や実地指導を通じて指針が適切に運用されているかを確認する予定であります。
また、認知症高齢者グループホームにつきましては、認知症高齢者の増加などを踏まえ、次期計画において計画的に切れ目のない整備を行うこととし、現計画に比べ、大幅に整備規模を拡大したところであります。一方、認知症高齢者の在宅介護の支援につきましては、これまで、地域包括支援センターにおける総合相談支援などに加え、認知症サポーターなどによる地域での緩やかな見守り等にも取り組んでまいりました。今後、さらに、認知症の方や家族の視点に立って気軽に相談ができる場づくりや、早期の支援につながる体制の整備に向け、医療、介護の専門機関や民間事業者並びに地域住民の連携強化に努めてまいります。
次に、無届け有料老人ホームについてでありますが、これまでも有料老人ホームに該当すると思われる施設に対して、サービス内容の調査や届け出促進のための文書を送付するなどの取り組みを行ってまいりましたが、今後も、関係部局間で情報を共有し、届け出促進の取り組みを継続しながら、さらなる実態把握に努めてまいりたいと考えております。
また、食中毒やインフルエンザなどの集団感染につきましては、患者を診察した医師の届け出や施設からの報告により状況の把握や対応が可能になりますことから、届け出促進の取り組みを通じて、予防方法や報告の必要性について周知してまいりたいと考えております。
次に、5項目めの高過ぎる国民健康保険料についてお答えをいたします。
まず、同じ収入の場合の国保料についてでありますが、国民健康保険制度は、加入者に係る医療費を加入者の所得等に応じて保険料として分担いただくものであります。したがって、個人の所得が同じであっても、全体の医療費の上昇や所得の減収により個人の保険料が上がることは起こり得るものであります。
札幌市としては、これまでも、一般会計からの多額の繰り入れにより、保険料の抑制を行ってきておりますが、こうした状況で、同じ所得の場合に保険料を上がらないようにするためには、繰り入れをさらにふやす必要がありますことから、極めて難しいものと考えております。
次に、国保料の引き下げについてでありますが、今後、医療費がふえ続けると見込まれる中、保険料を引き下げるために一般会計からの繰り入れをさらに増額することは、国民健康保険に加入している市民と加入していない市民における負担の公平性などに鑑みますと、極めて難しいのではないかと思います。
次に、国保の構造的問題についてでありますが、まず、国への要望の件について、国民健康保険は、加入者の年齢構成が高く、医療費水準が高い一方で所得水準が低いといった構造的な問題を抱えており、財政基盤が極めて脆弱な状況となっております。このため、財政基盤の抜本的な強化に向け、これまでさまざまな機会を捉えて国に対し働きかけを行ってきたところでありますが、今後とも他都市と連携しながら国に対してしっかりと要望を行ってまいります。
また、札幌市としての独自軽減につきましては、一般会計からの繰り入れをさらにふやすことになりますので、極めて難しいものと考えております。
次に、6項目めの保育についてお答えいたします。
まず、待機児童の解消についてでありますが、保育サービスを必要とする全ての児童に必要な保育サービスを提供できるよう、保育環境の整備を進めてまいります。
次に、保育士の処遇改善についてでありますが、札幌市としては、新制度における処遇改善加算が全ての保育所で活用され、保育士等の賃金改善が図られるよう、事業者向け説明会などさまざまな機会を通じて働きかけてまいります。
次に、子ども・子育て支援新制度についての1点目の保育時間についてでありますが、保護者の負担が大きくならないよう、現在、既に保育所等に入所している児童や、常態的に延長保育を利用せざるを得ない児童につきましては、保護者の希望により、保育標準時間を利用できる措置を設けたところであります。これらの措置につきましては、入所申込者に周知を図っており、今後、さらに保育短時間認定となった児童の保護者全員に個別にお知らせをする予定であります。
2点目の申し込み受け付け期間の変更についてでありますが、パンフレットの配付を8月から始めたほか、広報さっぽろやホームページへの掲載、各区住民説明会などを通じて必要な方への周知に努めてきたところであります。また、現在、追加で入所可能な施設等を対象に2次募集を実施しておりまして、今後、入所できなかった方には各区の保育コーディネーターが個別に入所可能な施設を紹介するなど、きめ細かく対応してまいりたいと考えております。
次に、7項目めの学童保育の大規模解消についてお答えをいたします。
まず、1小学校区1カ所という考え方についてでありますが、放課後児童クラブの中には、大規模化、過密化しているところがあることは課題として認識をしております。今年度、児童の集団の規模、1人当たりの面積等を定めた放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準条例を制定したところでありますので、その内容も踏まえ、大規模化、過密化の課題に対応するため、同じ小学校区内に放課後児童クラブの複数配置が可能かどうか、検討を進めているところであります。
次に、民間学童保育所への助成についてでありますが、児童クラブがある小学校区に後から民間学童保育所が開設された場合の助成につきましては、本年4月より、届け出制の導入など放課後児童健全育成事業の位置づけが変わりますことから、1点目の1小学校区1カ所の考え方と合わせまして検討してまいりたいと考えております。
次に、9項目めの精神障がい者の外出支援についてお答えをいたします。
まず、交通費助成についての1点目のプレミアムの付与、2点目の今後の対処方針について、あわせてお答えをいたします。
精神障害者保健福祉手帳3級をお持ちの方の障がい者交通費助成制度では、市販されているウィズユーカードのうち、最も利用者に有利なプレミアムが付与されるよう、1万円のカードを購入して利用していただいてきたところであります。ウィズユーカードの販売が終了し、今年度末をもってその利用も終了となりますが、プレミアムの減少は1万円のウィズユーカードを利用している全ての市民に影響を受けとめていただいており、交通費助成制度を利用する精神障がいの方のみに5%のプレミアム相当枠を補填することは困難と考えております。
障がい者交通費助成制度については、昭和46年度の開始以来、利用者の利便性向上のため、民間バス事業者の追加、ガソリン券、タクシー券の追加など、数度の見直しを経て現在に至っており、制度自体の変更を行う場合には、これまでと同様に利用者の声を聞きながら進めてまいります。
次に、精神障がい者運賃割引についてでありますが、精神障がい者の運賃割引については、障害者基本法で3障がい同一の考え方が示されているとおり、札幌市としても実施することが望ましいと考えております。
しかし、バスと地下鉄等との乗り継ぎ利用者が一定割合おりますことから、乗り継ぎに関する利便性の確保は重要であり、バスと地下鉄、路面電車の3事業が歩調を合わせて割引を行うことが基本と認識をしております。また、厳しい経営状況のもと、地下鉄、路面電車の経営に及ぼす影響は、実施に当たっての重要な判断要素の一つであると考えております。今後も、ICカード化の可能性も含めた利用者の利便性や市営交通の経営の将来的な見通しなどを総合的に勘案しながら十分に検討を行い、判断してまいりたいと考えております。
以上です。
(坂本恭子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(ふじわら広昭) 坂本議員。
◆坂本恭子議員 市長に答えていただきたいと思っていたことについて、市長から全くお答えをいただけていない。市長ご自身のお考えを伺いたい、市長の見解を伺いたいということをあえて申し上げておりましたけれども、とりわけ福祉をめぐる分野について、この間の市長の本会議の答弁というものはほとんどなかったというふうに私は思っております。今回、私は、介護の部分などを重点的に担当して書いておりました。最後の市長の代表質問の答弁ですから、ぜひ、ここは市長に答えていただきたいなという思いで、私は、全ての項目に市長のお考えを伺いたいということを書きました。
見事にスルーされたしまったということで、お答えする気がないのか、福祉に関心がないのか、見て見ぬふりをして、そういう福祉の切り捨ての道というものを進んでいくのか。この12年間の総決算ということで各会派から市長に対する質問がありましたけれども、それが、結局、私ども共産党の代表質問に対する市長の総括的な姿勢だったのかなというふうに思うと、大変残念でなりません。改めてご質問をいたしますので、市長からお答えいただけたらというふうに思いますけれども、その前に2点だけ申し上げておきたいと思います。
精神障がい者の交通費助成の問題についてです。
1万円のウィズユーカードが廃止をされる、15%のプレミアムというのは全ての市民に影響があるものであって、そのことについて障がいを持っているからといって分け隔てはできないのだ、市民として一律に説明はしているのだというのが井上副市長からの答弁でした。
どうして、障がい者に対しての交通費助成制度があるのでしょうかという問題なのです。事例の中でも挙げましたが、障がいを持っている方が、仕事をするために、わずかな工賃をもらいに、そして、みんなと社会参加をしているという喜びを得るために小規模作業所に通う、その交通費として使っている、それが2カ月半でなくなってしまう、こういうお話です。年金や生活保護を受けながら、それでも、障がいを持った方が人間らしく生きたい、社会参加をしたいという中でのこの交通費助成制度ですから、私は、プレミアムが全ての市民に一律に付与されていて、これがなくなる、全市民に影響が出るものだから、これは障がい者にとって特段説明するに値しないものだというような答弁というのは、極めて不謹慎だというふうに思います。
そして、今、障がい3級のウィズユーカード2,000円が削減されるという対象の方は、わずか5,000人にも満たないという状況です。1,000万円あれば、この方たちは今までどおりの交通費助成――少ないですよ。それでも、今までどおりの交通費助成が受けられる。交通局にこの負担を求めるのか、保健福祉局に、一般会計にこれを求めるのか、それは行政サイドでお考えいただくこととして、私は、障がいを持った方たちが安心して社会に出ていくことができる状況を切り縮めるという考えに立つことは到底できない、これは、改めて再考していただきたいと思います。
あわせて、運賃割引についてですけれども、これも、3事業者一緒にと、経営の見通しもこれありというお話でした。代表質問の中でも申し上げましたけれども、経営効率が優先される問題ではありません。国交省が、約款を変えて、そして、事業者に対して運賃割引制度をやってくださいということを言っているわけです。そして、先ほども申し上げたように、乗り継ぎという行為については一般利用者の2割にも満たない。バス事業者との足並みをそろえるということで、この乗り継ぎの問題についても、るる、委員会などでも議論がされてきましたけれども、これは、全く、行政側、理事者側の詭弁ということが明らかになっています。ばんけいバスを初め、全国ではさまざまなバス事業者がこれを実行している。そういう意味では、札幌市は地下鉄、市電で先行してこれを行うべきだということを申し上げておきたいと思います。
それで、質問したいのは、介護保険の問題と国民健康保険の問題についてです。とりわけ、特養ホームの増設について再質問をします。
計画的に整備をしていくということ、施設整備をすることによって保険料が引き上がるという構図にあること、こういう議論は、この間、ずっとしてまいりました。とりわけ、特養の整備については、入所の必要性、緊急性の高い方は可能な限り早く入所できるように計画的に整備をしていきたいというお話がありました。それとまた、施設と在宅のバランスというのも考えていかなければならないという答弁がありました。
昨年12月末時点で6,140人の方が待機者として登録されている、入所特例があるにしても、要介護1、要介護2の方は、先ほど申し上げたように2,600人近い方がおられます。差し引きでも3,540人以上の方が待機として残るわけですね、この4月以降。ところが、今、特養ホームは5,450床ぐらいですか。これを3年かけて800床ふやしていくというふうに言いますけれども、3,500分の800ということです。いつまでに待機者をゼロにしていくのか。この意思を持って、計画を持って達成していかなければ、いつまでたっても特養ホームの待機者はなくならない。
そして、先ほど新聞報道も引用して申し上げたように、認認介護、老老介護で認知症の方を在宅で介護しなければならない中で、本当に不幸な、痛ましい、あってはならない事件が起こったということを札幌市はどういうふうに受けとめるのですか。5年間、認知症の状態で、在宅で、介護保険の認定も受けようかという話もあったというふうに聞いています。けれども、ここまで71歳のご高齢の方を追い込んできたというのは、札幌市の介護施策、とりわけ特養ホームなどを含む施設建設に不備があったからではないのですか。これを解決していかなければ、こういう事件は後を絶たないというふうに私は思います。
例えば、保育所の待機児童をゼロにしていこうという計画を立てました。いろいろな課題はあるけれども、待機者数は少しずつ減ってきている、建設も進んできています。特養ホームでも、計画をしっかりと立てて、いつまでにゼロにするのか。このことを先にしっかりと計画を立てて行うべきではないですか。改めて、この点を伺いたいと思います。
2点目は、国民健康保険についてです。
同じ所得でいる場合に保険料が上がらないようにすべきだ、それが加入者から見て平均保険料が上がらないということだということを、さまざまな数字を用いて代表質問でただしました。加入する市民と加入していない市民との区別もあり、一般会計から入れられるお金には限界があるのですというお話だったけれども、先ほど申し上げたように、1999年度には一般会計から約160億円の繰り入れを行っていましたね。これは間違いではないですね。そして、2014年度には、その半分、78億円の一般会計の繰り入れを行っている。しかも、それを使い切らずに、また一般会計に戻している。私たち議会が国民健康保険の会計に移して国保のために使っていいよという決定をしたものについて、余ってしまったので戻しますということにどうしてなるのだろうか。一般会計に余力があるのですから、厳しい思いをしている国保加入者、この方たちの国保料を引き下げるというのが当たり前のことではないですか。
さらに言うと、国保加入者の収入というものは、この間、大幅に下がってきている。そういう中で、資格証の発行、滞納、そしてまた差し押さえというようなもので、本当に市民の福祉が切り縮められている。私は、札幌市が責任を持って国保料の1万円の引き下げ、せめても1万円の引き下げ、これを行うべきだというふうに思いますけれども、市長にぜひ答えていただきたい。
○副議長(ふじわら広昭) 井上副市長。
◎副市長(井上唯文) 再質問いただきましたので、答弁させていただきます。
まず、再質問の1項目めの特別養護老人ホームの待機者の解消についてでございますけれども、特養への入所申し込みをされている高齢者の方につきましては、要介護度、生活状況、入所希望時期など、入所の必要性、緊急性はさまざまでございます。次期計画におきましては、今期計画を上回る10施設、800床の整備を予定しておりまして、引き続き、入所の必要性、緊急性の高い方が可能な限り早く入所できるように計画的に整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
東区の件につきましてもいろいろとご質問がございましたけれども、あの件につきましては、個人のプライバシーの問題もありますので特に言及はいたしませんけれども、札幌市といたしましては、この考え方に基づきまして整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
再質問の2項目めの国民健康保険についてお答えをいたします。
国民健康保険制度は、加入者に係る医療費を加入者の保険料で賄うというのが原則であります。1世帯当たりの平均保険料につきましては、加入世帯の負担を極力緩和するために、一般会計から多額の繰り入れを受けながら、平成12年度から据え置いているところであります。さらに繰り入れをふやすことは、国民健康保険に加入している市民と加入していない市民の負担の公平性などに鑑みますと極めて難しいと考えておりますので、ご理解をお願いいたします。
以上でございます。
(坂本恭子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(ふじわら広昭) 坂本議員。
◆坂本恭子議員 先ほどの答弁と全く一緒、しかも、市長が答弁に立っていない。議会軽視ですか。
私は、市長に答弁を求めました。そのことについてお答えがない。代表質問、本会議の場ですから、ここはきちんと答弁をしていただきたかったと思いますよ。
そして、先ほども申し上げましたけれども、このことについて、副市長に任せて、市長ご自身がお立ちにならないということは、以前、市長が職員に向かっておっしゃった福祉の心を持てという言葉、やはり、私は、これは市長ご自身に返ってくる言葉だったのだなと、この12年間を見てそういうふうに思います。
これから、予算特別委員会などもございますので、私ども日本共産党は、市民の皆さんの声をしっかりと予算に反映させていきたい、そしてまた、新たに、この議場に、共産党市議団、強力な共産党市議団をつくって、本当に市民のための札幌市議会にしていきたいということを申し上げて、終わります。(拍手)
○副議長(ふじわら広昭) ここで、およそ20分間休憩します。
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休 憩 午後4時28分
再 開 午後4時52分
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○副議長(ふじわら広昭) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
石川佐和子議員。
(石川佐和子議員登壇・拍手)
◆石川佐和子議員 私は、市民ネットワーク北海道を代表し、本定例会に提案されました諸議案並びに市政の諸課題について質問いたします。
国においては、戦後最低の投票率となったさきの衆議院選挙で、安倍政権が継続となりました。国民の政治不信が増幅する中、集団的自衛権の行使容認や、原発再稼働の推進など、国民不在の強権政治が続いています。とりわけ自衛隊の海外派遣など、米国追随の戦争する国づくりに対する国民の不安は増す一方です。平和憲法のもと、70年間、不戦を貫いてきた日本において、憲法9条を守り、生かす取り組みが今ほど求められているときはありません。
市民ネットワークは、誰もが安心して自分らしく生き生きと暮らせるまちづくりを進めるため、参加、分権、自治、公開をキーワードに、市民参画の政治を切り開いてきました。地方分権、市民自治の確立には、市民参加と情報共有を欠かすことはできません。上田市政12年間の取り組みにおいては、市民自治を市政運営の根幹に据え、市民が主役のまちづくりの実現に向けて、札幌市
自治基本条例や市民まちづくり活動促進条例、子どもの権利条例を制定されたことを高く評価いたします。
まちづくり戦略ビジョンや予算編成などさまざまな事業において、子どもを含む意見公募やワークショップなど、市政への市民参加を広げ、人を大事にすることを原点に、子どもに優しいまちづくりを進めてきました。今後、札幌市においては、こうした取り組みの深化を図り、個別条例の制定など、市政への市民参加を保障する仕組みづくりに向け、積極的に取り組むべきと考えます。一人一人の声を市政に反映し、市民みずからが未来を選択できる豊かな市民社会をともにつくるため、市民力、地域力を結集し、さらに市民自治を進めることを要望しつつ、以下、順次、質問いたします。
初めに、環境政策についてです。
質問の一つ目は、再生可能エネルギーの普及拡大についてです。
東京電力福島第一原発事故より4年が経過しますが、いまだ事故の原因究明や検証がなされず、高濃度放射性物質の放出など危機的な状況が続く中、2015年1月末、経済産業省の作業部会は、2030年の電源構成の話し合いを開始しました。原発の割合を20%前後にするなど原発回帰の姿勢に、原発ゼロ社会を望む多くの国民は危機感を抱いています。
市民ネットワーク北海道は、核と人類は共存できないとし、原発に頼らない再生可能な自然エネルギー政策への転換を強く求めてきました。安倍政権が原発再稼働、新・増設へと進めることは、国民の総意を踏みにじるものであり、到底、受け入れることはできません。
国が固定価格買い取り制度を見直す一方で、国内では、2016年4月、家庭向け電力の全面自由化の開始、2020年の発送電分離を見据え、新電力会社として石油、ガス、流通系、情報系など異業種からの参入が相次ぎ、2014年末には468社と広がっています。これまで大手10社の電力会社が地域独占してきた体制が大きく崩れ、今後は、電気を使う市民が、料金や環境負荷への観点から、さまざまな電力会社を選択することが可能になります。
このような中、札幌市においては、脱原発依存、低炭素社会の実現を目指した札幌市エネルギービジョンを策定し、取り組みを進めてきたことを、改めて高く評価いたします。
今後は、2010年度に電力消費量の約40%を占めていた原発相当分の電力の2分の1を、2022年度までに省エネ、再エネ、分散電源に転換する数値目標を、市民、事業者との協働で着実に実行することが最優先課題と考えます。また、ビジョンにおいては、太陽光発電を最も普及拡大できる再生可能エネルギーとして位置づけており、2022年度までに一戸建て住宅の25%に普及させる計画です。再生可能エネルギーの拡大に向け、市民や事業者に対し、さらにインセンティブのある取り組みが不可欠です。
そこで、1点目に、電力の全面自由化を見据え、札幌市エネルギービジョンに掲げた数値目標を達成するために、太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及拡大を進めることが重要ですが、どのように取り組んでいくおつもりか、伺います。
2点目に、札幌市エネルギービジョンでは、札幌市外から供給される再生可能エネルギー発電量も見込んでおり、札幌市近郊の自治体との広域的なエネルギーの有効活用を目指しています。北海道再生可能エネルギー振興機構が道内自治体に行った再生可能エネルギーについての意向調査によると、回答を寄せた179市町村のうち、129の自治体が太陽光、バイオマス、風力など地域資源を有効に活用したエネルギーの地産地消に期待していますと答えています。エネルギーの大消費地であり、北海道経済を牽引する札幌市が、近郊の自治体や道内自治体と連携し、再生可能エネルギーの普及、活用の情報共有や取り組みを積極的に進めるべきと考えます。
そこで、質問ですが、道内における再生可能エネルギーの普及、活用に向け、札幌市近郊自治体や道内自治体との協議会を設置するなど、連携を深めていくべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の二つ目は、市内中小企業への省エネ等の取り組みについてです。
2012年5月より、泊原発3基が全て停止していますが、この間、市民、事業者などの節電、省エネにより、電力不足に陥ることなく、原発がなくても電力は足りていることが実証されています。2014年11月からの北海道電力の電気料金の再値上げは、市民生活や中小企業等に深刻な影響を及ぼしています。依然として厳しい北海道の経済状況において、特に電気を大量に使う製造業等の中小企業では死活問題であり、さらなる省エネ対策やコスト削減は喫緊の課題です。
このような中、札幌市は、2013年9月より、ものづくり産業が集積している工業団地の効率的な電力使用を推進する札幌型スマートファクトリー化推進支援事業を創設し、市内の工業団地における経営基盤強化を図り、さらには、そこに集積した省エネのノウハウを普及させる事業に取り組んでいます。2013年度は、発寒地区第2工業団地内企業を対象に、スマートメーター導入で消費電力を可視化するとともに、省エネコンサルティングの事業者が各企業に設備の運用改善を指導し、工業団地単位での省エネ化を推進しています。全国各地の製造業の企業や工場において、電力逼迫や電気料金値上げに対応するため、節電・省エネ対策を行っておりますが、工業団地単位での節電を含め、エネルギーマネジメントを視野に入れた取り組みは全国的にもまだ少ないとのことです。今後も、脱原発依存、低炭素社会の実現に向け、省エネ対策のノウハウを市内中小企業に広げ、電力使用量削減につなげることが重要です。
そこで、札幌型スマートファクトリー化推進支援事業のこれまでの成果を伺います。
また、この事業を検証し、今後、省エネなどの電力使用量削減の取り組みを市内中小企業に広げるべきと考えますが、どのように進めるおつもりか、伺います。
質問の三つ目は、飲食店等での生ごみの発生抑制についてです。
農林水産省による2011年度推計では、日本の食品廃棄物量は年間1,700万トンで、このうち、売れ残りや期限切れの食品、食べ残しなど、本来食べられたはずのいわゆる食品ロスは500万トンから800万トンとされています。これは、日本における米の年間収穫量に匹敵し、世界中で飢餓に苦しむ人々への食料援助量約400万トンを大きく上回っています。地球温暖化などによる世界の食料需給の不安定化が進む中、食料自給率40%を切る日本として、大量の食品ロスの発生を抑えることは重要な取り組みと考えます。
このような中、市民ネットワークは、大量生産・大量消費社会を見直し、持続可能な社会の実現を目指し、ごみの減量、資源化の取り組みとともに、発生抑制、リデュース、再使用、リユース、いわゆる2Rの推進を求めてきたところです。札幌市においては、食品ロスを含む生ごみの排出状況は、2013年度では燃やせるごみの42.3%を占めており、また、家庭ごみ全体の28.3%、事業ごみの41.0%は生ごみとなっています。今後、さらに生ごみの減量を進めていくためには、生産、流通、消費の過程で発生抑制に取り組むことが重要と考えます。
京都市では、ごみ減量の一環として、飲食店等と連携し、食材を使い切る使い切り、食べ残しをしない食べ切り、ごみを出す前に水を切る水切りの生ごみ3キリ運動を行っています。2014年12月からは、食べ残しゼロ優秀店舗認定制度を開始し、全市を挙げて食品ロスを減らす取り組みを進めています。札幌市においても、生ごみの水切りの取り組みや、健康に限らず、環境にも配慮した食生活推進のためのさっぽろ食スタイル、消費者向け普及啓発、食品ロス削減プロジェクトなどにより、生ごみの発生・排出抑制の取り組みを進めておりますが、依然として飲食店などでの大量の食べ残しの現状を見ると、飲食店などの事業者や来店者が食品ロスを出さない取り組みを積極的に進めるべきと考えます。
そこで、食べ残しなどの食品ロスを減らすため、飲食店等での生ごみの発生抑制に向けた取り組みを進め、事業系廃棄物の減量につなげていくべきと考えますが、今後どのように取り組むおつもりか、伺います。
次に、障がい者政策についてです。
質問の一つ目は、障がいのある方への情報提供など、行政サービスの配慮についてです。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が2013年に制定され、2016年4月から施行されます。法において、差別とは不当な差別的扱いと合理的配慮の不提供としており、行政機関には、合理的配慮の提供が義務づけられるとともに、公共施設や情報のバリアフリー化など必要な環境整備に努めることとされております。とりわけ市民への情報提供、情報共有は、市民自治の根幹でもあり、共生社会の実現に向け、全ての人が必要な情報を得ることができるよう配慮するとともに、わかりやすい形で行われることが不可欠です。
札幌市においても、改定予定の障がい者プランの施策分野に行政サービスにおける配慮が新設されました。市政に関する広報物や、生活していく上で欠かせない各種申請書類等については、点字や音声による情報提供のほか、漢字にルビを振ったり、専門性の高いものには別にわかりやすいものを作成するなどの配慮が不可欠であることは、言うまでもありません。また、福祉関連の情報についてのみ配慮されていればよいのではなく、市民であれば当たり前に入手できる情報全てについて、それを保障していくことが共生社会実現に向けて基盤となる重要な取り組みと考えます。
このたび、札幌市議会においても、視覚障がいのある方々に市議会だよりの点字版、音声版を新たに作成、配布しようと全会派で意見が一致し、来年度中の実施を目指しているところであり、このような取り組みを全庁的にさらに広げるべきです。
そこで、さまざまな障がいに配慮した行政情報の提供等について、保健福祉局のみならず、全庁を挙げて積極的に取り組むべきと考えますがいかがか、伺います。
また、子育て中の保護者の中には、障がいのある方もいらっしゃいます。子どもが学校から持ち帰るお便りを読むことや内容を理解することが難しいという声を伺っており、こうした状況から子育てに不安を抱える当事者の方もいらっしゃることは、容易に想像できます。
そこで、各学校においても、保護者への情報提供のあり方について検討すべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の二つ目は、手話によるコミュニケーションの推進についてです。
手話は、音声が聞こえない、聞こえづらい、音声で話すことができない、話しにくい聾者にとって、コミュニケーションをとり、教育を受け、働き、社会活動に参加し、生活を営むなど、人として成長していくために必要不可欠な言語です。国連総会において障害者権利条約が採択され、手話が言語として国際的に認知されたことを受け、日本においては、2011年8月、障害者基本法改正により、手話は言語と初めて位置づけられました。聴覚に障がいのある方のコミュニケーションの機会は、手話を使えたり手話を理解する市民の増加によって大きく広がります。
この間、札幌市議会においても、国に対して、(仮称)手話言語法の早期制定、(仮称)情報コミュニケーション法の早期制定を求める意見書を採択しています。国の動きに先んじて、鳥取県を皮切りに、石狩市、神奈川県、神戸市など、手話に関する条例の制定が進んでいます。鳥取県では、教育の現場で手話を活用した事業を積極的に展開しており、また、石狩市では、福祉施策的な観点からの取り組みではなく、手話を生かしたまちづくりを進めるなど、各自治体が条例制定を機に手話の理解促進、普及に積極的に取り組んでいます。手話が、コミュニケーション手段としてだけではなく、言語であるとの認識に基づき、手話が身近になるような環境整備を行い、手話により意思を伝え合うことを尊重する社会を実現することが重要です。
そこで、札幌市における手話の理解促進、普及への取り組み状況について伺います。
また、共生社会の実現に向け、市民の誰もが手話を使いやすい環境をつくるため、手話条例の制定に向け、積極的に取り組むべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
次に、生活困窮者の自立への支援についてです。
質問の一つ目は、生活困窮の方の早期把握と生活を取り戻すための支援についてです。
2013年12月、生活困窮者自立支援法が成立し、2015年4月より施行されます。札幌市においては、新しい生活困窮者自立支援制度の実施に向け、2014年1月からモデル事業を進めてきたところです。2015年4月からは、新たに設置する札幌市生活就労支援センターに相談支援員と就労支援員を配置し、生活困窮者の早期把握、相談受け付け、就労支援などを行うとしています。生活困窮の方が抱えている課題は、失業や病気、介護疲れ、虐待、ひきこもり、浪費癖、触法行為など、多様で複合的に絡み合っています。こうした心身や家族、就労、家計などの課題に対し、一人一人の状況に応じた適切な支援が求められます。
このため、経済的自立に向け、就労につなげようとする場合も、本人の状況に応じて段階的に途切れないよう継続的な支援が不可欠です。また、本当に困っている人が、必ずしもみずからSOSを発し、相談できるとは限らず、むしろ、ぎりぎりまで声を出せない人が深刻な状況になる前に早期に発見し、支援につなげることが重要と考えます。
そこで、札幌市生活就労支援センターの設置後、弱い立場にある本当に困っている人をどのように早期に把握し、複合的な課題に対してどのように対応していくのか、伺います。
質問の二つ目は、ホームレス支援についてです。
ホームレス支援については、2005年策定の札幌市ホームレスの自立支援のための取組方針に基づき、生活保護制度を前提とし、総合的に実施しているとのことです。現在策定中の札幌市生活困窮者自立支援計画では、ホームレスなど、住居を持たない方に対しては、一時生活支援事業を通じて支援を行うとしています。札幌市では、ホームレスへの相談支援や宿泊場所の提供などについて、既にNPO法人が北海道の補助事業を活用し、行っておりますが、札幌市生活困窮者自立支援法の施行に伴い、札幌市の一時生活支援事業へ移行すると聞いております。
こうしたNPO法人への相談状況は、近年、若者が増加しており、40歳未満が半数を超えると聞いております。ホームレスになったいきさつはさまざまですが、
リーマンショック以降、厳しい経済社会情勢などの大きな変化に伴い、非正規労働者が全労働者の4割を超える中、不安定な就労状況における解雇などにより収入や住まいを失い、社会から孤立せざるを得ない人が後を絶ちません。支援団体等から、路上で生活をしている人々が自己肯定感を取り戻し、社会の中につながりを回復していくためには、住まいの確保が必要不可欠であるとの指摘があり、また、安心して住むことができて初めて就労や自立を目指していけるという当事者の声も聞いております。支援をしていくに当たっては、一つ一つの課題を当事者に寄り添いながら解決し、当事者の尊厳と生活の回復をともに支え合う姿勢が重要です。
そこで、ホームレス支援については、生活困窮者自立支援法の施行を踏まえ、NPO法人の活動等を含む札幌市のこれまでの実績を生かし、財政面でのサポートもあわせて、さらに支援を拡充するべきと考えますが、どのように取り組むおつもりか、伺います。
次に、子ども・教育政策についてです。
質問の一つ目は、子どもが性の多様性を理解するための取り組みについてです。
誰もが互いを尊重し、自分らしく生きることのできる社会の実現は、全ての人の願いです。性のあり方は一様ではなく、性同一性障がいの人や恋愛感情などの性的な意識が同性や両性に向かう人、身体的な差別が不明瞭な人など、LGBT、いわゆる性的少数者の方々の中には、日常生活や現在の社会制度にさまざまな生きづらさを感じている人が少なくありません。
2012年、電通総研が国内約7万人を対象に実施したLGBT調査では、その出現率が5.2%、自分は当事者かもしれないと感じた時期は中学生との回答が約21%と最も多く、6歳以下も約11%と報告しております。しかし、いまだ性的少数者の存在の認知や理解が進んでおらず、偏見やいじめ、ひいては自殺に至ることがあるとされています。
このような中、2012年改定の自殺総合対策大綱に、性的マイノリティーについて教職員の理解を促進することが盛り込まれたほか、法務省の平成26年度啓発活動年間強調事項にも、性的指向や性同一性障がいを理由とする差別をなくそうとの項目が入り、国は性的少数者への理解を人権教育の課題として捉えています。2013年、文部科学省は、全国の国・公・私立の小・中・高校と特別支援学校を対象に、学校における性同一性障害に係る対応に関する状況調査を実施いたしました。児童生徒本人が自分に性同一性障がいがあると答えた件数は606件としていますが、これは、本人が回答することを了解した数であり、実際はもっと多いと考えるべきです。また、厚労省の研究事業として、性的少数者に関する教員等の意識などを調べるため、2011年から2013年、保育園、幼稚園、小・中・高の教員等を対象に行われた調査によると、約7割の教員が、性的少数者について、子どもたちに教える必要性を感じているものの、授業で教えた経験があるとの回答はわずか14%であり、教員が授業として取り組めていない現状が明らかになりました。
札幌市においては、2013年策定の第3次男女共同参画さっぽろプランにおいて、性的少数者への理解促進を掲げ、2014年3月に性同一性障がいに関してお悩みの方へホームページで相談窓口の紹介が始まるなど、徐々に取り組みが進んでいます。一方、札幌市子どもの権利条例第28条が、子どもが性別による固定的な役割分担にとらわれないこと及び性的少数者について理解することとしているにもかかわらず、新・さっぽろ子ども未来プラン計画素案及び札幌市教育振興基本計画に性的少数者に関する記述がないことは問題です。今後、札幌市が共生のまちづくりを進めるに当たっては、人々が性の多様性を理解し、認め合うことが不可欠であり、そのためには幼児期からの学びが大変重要と考えます。
そこで、1点目に、札幌市及び教育委員会は、性的少数者についての子どもの理解の必要性についてどのように考え、今後どのように取り組んでいくおつもりか、伺います。
2点目として、学校においては、当事者である児童生徒に対し、適切に対応するため、現在どのように取り組み、今後どのように進めていくおつもりか、あわせて伺います。
質問の二つ目は、アイヌ文化の理解の促進についてです。
札幌市は、先住民族であるアイヌの人々への長年にわたる差別や偏見をなくし、アイヌ民族の人権や誇りが尊重される社会の実現に向け、アイヌ施策推進計画のもと、取り組みを進めています。古くから北海道に暮らしてきたアイヌの人々は、自然から得られる食べ物を神からの恵みと考え、狩猟や採集の際に全てをとり尽くさずに、熊やキツネなどの生き物の分を残していたと聞いています。自然の生態系の営みと共存しながら、持続的にその恵みを利用してきたアイヌの人々の伝統的な文化や自然観は、人と自然との共生を目指す上で大変重要な視点であると考えます。
市民ネットワークは、多民族・多文化共生社会の実現を目指し、とりわけ子どものころからのアイヌ文化についての学習機会の充実を求めてきました。学校の授業で副読本を活用して、アイヌの歴史や文化を学ぶだけではなく、札幌市アイヌ文化交流センター、サッポロピリカコタン訪問など体験型の授業は、子どもたちのみずみずしい感性に直接働きかけることのできる意義のある取り組みです。子ども自身が、心から楽しいと感じる体験の中からこそ、アイヌの文化や歴史への関心が広がるものと考えます。
そのため、今後は、より一層、身近にアイヌ文化を知る、触れる機会を、さまざまな工夫のもと、つくり出すことが重要です。中でも、ムックリは、長さ15センチメートル、幅1センチメートルほどの薄い竹の板を彫刻刀などで削り、両端に糸を通して完成する、子どもたちが製作することのできるアイヌ民族の代表的な楽器です。手づくりの楽器で、自分ならではの音色を奏でることは、子どもにとって貴重な体験であり、ムックリづくりは、子どもたちのアイヌ文化の理解につながる大変有効な取り組みと考えます。
子どもたちが、アイヌ民族はともに生きる大切な人々だと実感することができる取り組みを丁寧に積み重ね、アイヌ民族への差別や偏見のない社会を一日も早く構築すべきです。そこで、札幌の全ての子どもたちがムックリを持ち、学校で演奏する機会をつくることや、学校でムックリづくりを体験するなどの取り組みを積極的に進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の三つ目は、学校図書館への学校司書の配置についてです。
2014年6月、学校図書館法が改正され、2015年4月に施行されます。学校図書館の運営を改善し、子どもたちの豊かな人間性を育む読書活動や、探究的な学習の充実等を図り、豊富な図書を有する学校図書館の利活用を進めるため、学校には、司書教諭だけではなく、図書館業務に専従する学校司書を置くように努めなければならないと、学校司書の配置が初めて法的に位置づけられました。
学校図書館は、子どもたちの知る自由を保障し、学校教育をより豊かにするため、欠かすことのできない施設です。市民ネットワークは、代表質問等において、子どもたち一人一人が、知ること、学ぶことの楽しさやおもしろさを体験し、資料提供など教師の授業づくりのサポートなどにより、より豊かな学びができるよう、学校図書館への学校司書の配置を求めてきました。学校司書は、学校図書館の専任職員であり、子どもと本を結ぶ専門家です。
札幌市においては、2012年4月より、中学校1校において学校司書が配置され、本の貸し出し冊数が、配置前と比べ、1.5倍に増加するとともに、学校図書館の役割や司書の専門性がさらに明らかになり、その効果を実感しているところです。学校司書の配置に向けては、国により2012年度から地方交付税交付金として措置されており、例えば、横浜市では、市の独自予算を合わせ、2016年度までの4年間で、小・中・特別支援学校、全500校に学校司書の配置を進めていると聞いております。
学校教育においては、児童生徒が、みずから問題を発見し、解決する学力を重視する方向へ転換する中で、学校図書館の役割は今まで以上に重要になっています。学校図書館を有効に活用し、子どもたちの読書意欲の向上や情報活用能力の育成はもとより、生きる力、学ぶ力を育む取り組みをさらに積極的に進めるためには、司書教諭の配置、学校図書館ボランティアやアドバイザーの派遣に加え、学校司書の配置を欠かすことはできません。札幌市子どもの権利条例においては、学ぶことや適切な情報提供等の支援を受けることなどの権利を保障しており、学校司書の現在の1校配置だけではなく、札幌市の全ての子どもに同じような学びの環境を整えるべきと考えます。
そこで、地方交付税措置の趣旨を踏まえ、札幌市における学校図書館への学校司書の全校配置に向け、取り組みを進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
最後に、都市緑化の推進についてです。
気候変動の問題が深刻化する中、地球規模での自然環境の保全や低炭素型社会の構築、生物多様性の維持など、環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に向けたまちづくりを進めることは喫緊の課題です。
このような中、市民ネットワークは、身近な緑を守り、つなぐことの重要性を指摘し、市民参画の取り組みを求めてきました。札幌市みどりの基本計画においては、札幌市の市街化区域緑被率が18.9%と政令市平均21.9%を下回っており、今後、緑豊かなまちづくりを推進するためには、市街地、民有地の緑化や市民の緑化に対する意識の啓発が重要であり、行政の施策や取り組みだけではなく、緑にかかわる市民の参画や協働が欠かせないとしています。
札幌市においては、市民が緑の大切さを認識し、緑を守り、育てるための知識を深めるという目的のもと、緑に関する各種見本園や相談室などを備えた都市緑化活動の拠点施設として、1979年、豊平公園緑のセンター開設を皮切りに、平岡樹芸センター、百合が原公園緑のセンターの3カ所の緑化植物園が設置されています。老朽化により、平岡樹芸センターが2014年度、そして、2015年度に豊平公園緑のセンターが改築され、新たな施設に生まれ変わります。
近年では、ホームセンターなど、植物を扱う企業の進出やインターネットの普及により、植物を身近で購入できたり、花や緑に関する問題について相談したり情報を得ることが容易になったことなどから、ガーデニングを初めとして、市民の花や緑への関心はより一層高まっています。このような中、緑のセンターにおいては、これまでの花や緑に関する普及啓発や情報発信など従来の機能に加え、花や緑づくりに携わる市民活動への支援や、新たな緑化技術の紹介など、新たなニーズへの対応や専門性の強化が求められています。
このたび、改築される豊平公園の緑のセンターは、市民のボランティア活動への支援機能の強化を初め、新たなニーズに対応する施設となることから、その機能を十分に発揮し、次代に向けた都市緑化の拠点として活用していくことが重要と考えます。
そこで、1点目に、3カ所の緑化植物園には、花や庭木など、その展示物や附属施設などそれぞれに特徴があります。個々の施設単独ではなく、3カ所の施設が連携して取り組むことで、花や緑に関する市民やボランティアのネットワークづくりやスキルアップなど、より一層の相乗効果が得られると考えますがいかがか、伺います。
また、緑のセンターの建てかえを契機に、緑に対する関心を高め、市民とともに都市緑化をさらに積極的に進めるべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくおつもりか、あわせて伺います。
2点目は、百合が原公園緑のセンターについてです。
北区百合が原公園は、緑の拠点として、また憩いの場として市民に親しまれており、近隣にある高齢者施設で暮らしている方々も多く訪れています。
市民ネットワークが、2014年、百合が原公園のバリアフリーについて地域の方々と調査活動を行ったところ、緑のセンターの温室では一部に車椅子の通行できない箇所がありました。また、豊平公園緑のセンター改築に関しては、この間、近隣住民の方から、なるべく樹木を伐採しないで工事をしてほしい、移設される築山を子どもたちが手軽に利用できるようにしてほしいなどのご意見があったと聞いております。こうした声を積極的に生かし、一人でも多くの市民が緑に関心を持てるよう、誰もが利用しやすい施設とすることが大変重要です。
そこで、北区百合が原公園緑のセンターも、建設後30年が経過し、老朽化した箇所があり、バリアフリー対応の観点からも早期に改修すべきと考えますが、その計画について伺います。
また、十分な市民参画のもと、今後の改修工事等を検討すべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
以上で、私の全ての質問を終わります。ご清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(ふじわら広昭) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 5項目のご質問がございましたので、私からは、環境政策と障がい者政策についてお答えさせていただきます。その余は、担当副市長並びに教育長から答弁をさせていただきます。
まず、1項目めの環境政策についての1点目、再生可能エネルギーの普及拡大についてということでありますが、その1点目の太陽光発電普及に向けた取り組みについてお答えをいたします。
エネルギービジョンの目標達成に向けては、今回の補正予算案におきましても国の交付金を活用しておりまして、家庭用太陽光発電の設置に対する補助金を大幅に増額するなど、導入に対する支援を強化することといたしております。今後も、電力自由化や、あるいは固定価格買い取り制度など、エネルギーを取り巻く状況を見きわめながら普及拡大につながる効果的な施策を積極的に展開してまいりたい、このように考えております。
2点目の道内自治体との連携についてということでありますが、札幌市を含む8市町村から成ります札幌広域圏組合といたしまして、再生可能エネルギーの導入拡大を目指し、広域圏内におけます賦存量の調査や関連事業者へのヒアリング、そして事業モデルの検討などを実施したところでございます。また、札幌市は、石狩振興局とも合同で市民や事業者向けの太陽光発電に関するセミナーを開催するなど、これまでも連携に努めてきたところでございます。今後も、エネルギーの大消費地の立場におきまして、北海道や道内自治体と連携を深めまして、さまざまな手法を検討し、再生可能エネルギーの普及拡大に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
市内中小企業への省エネ等の取り組みについてでございます。
1点目のこれまでの成果についてでございますが、平成25年度は、工業団地単位でのエネルギーマネジメントの実証実験を行っておりまして、製品を一定量生産するために必要な電力量を前年比で比較をいたしまして16%減らすことができたという結果が出ております。この結果を受けまして、今年度は、市内3団地におきましてスマートファクトリー化の取り組みを実施しておりまして、工業団地での省エネ活動の拡大につながってきているというふうに思います。
2点目の今後の取り組みについてでありますが、電気料金が高騰する中にありまして、省エネの取り組みというのは、市内中小企業の経営基盤強化に向け、大変重要なものでございます。工業団地にとどまらず、個々の企業にも拡大をするということが必要である、このように認識をいたしております。
そのために、昨年の電気料金の再値上げを受けた緊急的な取り組みといたしまして、現在、市内製造業7社を支援しておりますけれども、平成27年度は製造業以外も対象といたしましてさらに支援を拡充していきたい、このように考えているところでございます。
環境政策の3項目めは、飲食店等での生ごみの発生抑制についてということでご質問であります。
私たちの食生活というのは、自然の恵みを享受することによって成り立っているわけでありますが、食品を無駄にするということは、限りある資源を浪費するということでございまして、飽食時代というような言われ方をすることもございますけれども、そういう時代の環境の中に生きる私たちにとって、改めるべき重要な課題と認識をいたしております。
これまでも、市民に対し、家庭でのごみ減量策としての食材の使い切りなどを呼びかけてまいりましたけれども、今後も、飲食店等の事業者に対しましても、食品ロスについての意識を高めてこの削減の取り組みが進むような、そんな働きかけを行っていきたい、このように思います。具体的には、宴会だとか、あるいは冠婚葬祭等におきまして食べ残しが出ないように料理の提供方法を工夫していただくなど、食品ロス削減に向けた取り組みを事業者と連携いたしまして進めてまいりたい、このように考えます。
次いで、障がい者政策についてでございます。
障がいのある方への情報提供など、行政サービスの配慮についてということでございます。
この項目の1点目の全庁的な情報提供等の取り組みについてでございますが、札幌市では、これまでも、広報さっぽろなどの点字版だとか、あるいは音声版の作成や、あるいは手話動画を採用したホームページの作成など、さまざまな障がいに配慮した情報提供に努めてきたところでございます。今後、障害者差別解消法の施行を踏まえまして、全ての部局におきまして障がい特性に応じた必要な配慮が適切に行われるように、職員対応要領の策定だとか、あるいは、合理的配慮に関する具体例の収集というようなものを通じまして情報提供等のさらなる充実を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
2点目の手話によるコミュニケーションの推進についてでございますが、札幌市では、昭和48年から、聴覚障がいへの理解促進、手話の普及を目的として、手話に関する知識や技能を習得できる各種手話講習会を実施しているところでございます。また、市民レベルでは、手話サークルにおいて聴覚障がいに理解のある市民が主体的に活動し、そして、手話学習者への援助、聴覚障がい者団体への協力、市民への啓発などを行っているところでございます。このように、行政と市民が協働する形で積極的に取り組んできたことが、札幌市の手話通訳者派遣事業の実績が、政令市の中では横浜市に次ぐ件数で、全国的にも高い水準にあるということにもつながっているものと思料されます。
札幌市といたしましては、他の自治体の条例制定の効果に注目するとともに、これまでの行政と市民の取り組みというものをさらに充実させていくことで、聴覚障がいのある方々に対する市民の理解促進や、あるいは、手話の普及などを推進してまいりたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(ふじわら広昭) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私からは、都市緑化の推進についてお答えをいたします。
1点目の緑化植物園の連携と都市緑化の今後の取り組みについてでございます。
現在3カ所ございます緑化植物園の連携強化を図ることは、豊富で幅広い情報の発信や、さまざまな活動の担い手の交流など、市民サービスの向上や新たな利用者の発掘にもつながり、それぞれの機能がさらに高まるものと認識をしているところでございます。また、施設の改築に伴いまして、今後は、ボランティアの方々への活動の支援や、最新の緑化技術等の情報提供といった新たな市民ニーズへの対応を充実いたしまして、より積極的に市民との協働による花と緑のまちづくりに取り組んでまいります。
次に、2点目の百合が原公園緑のセンターの改修についてでございます。
百合が原公園の緑のセンターにつきましては、現在のところ、耐震基準や構造上の大きな問題は生じていないことから、当分の間は計画的に点検、補修を行いながら使用してまいりたいと考えております。
ご指摘のございましたバリアフリーへの対応につきましては、利用者や市民の皆様の声を受けとめながら、ただいま申し上げました補修等の機会を捉えて改善してまいりたいと考えております。
以上であります。
○副議長(ふじわら広昭) 井上副市長。
◎副市長(井上唯文) 私から、3項目めの生活困窮者の自立への支援についてと、4項目めの子ども・教育政策についての最初の質問、子どもが性の多様性を理解する取り組みについての1点目につきましてお答えいたします。
まず、生活困窮者の自立への支援についての、生活困窮の方の早期把握と生活を取り戻すための支援についてでありますが、札幌市生活就労支援センターの開設に当たり、まずは、市民の皆様、生活困窮者支援にかかわる地域組織などへ広く周知を行い、新しい制度、相談窓口を知っていただくことが重要と考えております。
基本的には、支援センターを訪れた方への就労支援を中心といたしますが、社会との関係が薄れ、みずから支援センターを利用することが難しい方を早期に把握し、支援につなげるためには、民生委員や障がい者相談支援事業所、地域包括支援センターなどの地域組織との連携が必要と考えております。また、複合的な課題を抱える方への支援につきましては、支援センターだけでは全てのニーズに対応することが難しいので、地域組織と連携し、複数の機関による支援を行うことが必要と考えております。そのため、支援センターの支援員等が既存の地域組織の会議へ積極的に参加をいたしましたり、生活困窮者への支援について関係者と協議する場を設定したりするなど、地域とのネットワークづくりを進めてまいります。
次に、ホームレス支援についてでありますが、札幌市がこれまで実施してまいりましたホームレス支援は、総合相談会、ホームレス相談員の街頭相談、そして、救護施設などによる緊急的な宿泊所を用意しつつ、最終的には、生活保護の適用により、安定した住居を確保することを基本としたものであります。一方で、生活保護の適用を望まないホームレスなどに対し、北海道の補助事業を活用して、札幌市内の複数のNPO法人が、シェルターと呼ばれる緊急一時宿泊施設を提供することや、居宅生活への移行支援を行っております。
生活困窮者自立支援法の施行後は、これらのNPO法人による支援が札幌市の行う一時生活支援事業に位置づけられますことから、現在取り組まれている支援を引き続き実施できますよう必要な予算を確保したところであります。さらに、今後は、支援の充実を目指し、シェルターの空き状況を相互に共有する体制づくりなど、法人同士が連携をしながら支援に当たることができるよう各団体と協議を行っているところであります。
次に、4項目めの子ども・教育政策について、子どもが性の多様性を理解する取り組みについての1点目、性的少数者の理解についてお答えいたします。
札幌市としては、お互いの違いを認め、尊重し合う社会の形成のため、子どもたちが性的少数者の方々を含めた多様な生き方を理解することが必要であると認識をしております。今後も、教育委員会を含めた庁内連携を図りながら、子ども向けの出前授業といった学びの機会の充実と、人権の理解に向けた取り組みを進めていくとともに、子どもアシストセンターにおける相談受け付け等による当事者の児童等への対応を引き続き行ってまいります。
以上でございます。
○副議長(ふじわら広昭) 町田教育長。
◎教育長(町田隆敏) 私からは、2項目めの障がい者政策について、それから、4項目めの子ども・教育政策についての教育委員会関係分についてお答え申し上げます。
2項目めの障がい者政策についてでございますが、1点目は、障がいのある方への情報提供など、行政サービスの配慮についてのご質問のうち、2点目の学校における保護者の方への情報提供についてでございます。
障害者差別解消法の施行を踏まえ、教育委員会におきましても、学校の教職員を対象とした対応要領の策定などに取り組むこととしております。その中で、保護者の方に対する情報提供についても十分に検討してまいりたいと考えているところでございます。
次に、4項目めの子ども・教育政策の1点目の性的少数者について、そのうち、まず、一つ目の性的少数者の理解についてでございます。
教育委員会といたしましても、性同一性障がい等、性的少数者の理解に関する教育については、人権教育における課題の一つとして、子どもの発達の段階を踏まえ、進めることが重要であると認識しているところでございます。今後、各学校における差別や偏見のない社会の実現に向けた教育活動の充実に向け、各種研修会におきまして性的少数者に関する内容を取り扱うなど、教職員の理解を深められるよう取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の学校における適切な対応に向けた取り組みについてでございますが、各学校では、担任やスクールカウンセラー等の教職員が、児童生徒本人やその保護者の悩みや困りを把握し、必要に応じて医療機関と連携するなどして、子どもの心情に十分配慮し、対応してきたところでございます。今後も、各学校におきまして、性についての不安や悩みを持つ児童生徒が相談しやすい環境を整え、安心して生活を送れるよう、一人一人の状況に応じたきめ細やかな対応に努めてまいります。
次に、子ども・教育政策の2点目のアイヌ文化の理解促進についてのご質問でございますが、各学校におきましては、これまで、アイヌ民族の方に来ていただき、実際に昔のアイヌ民族の道具に触れたり、昔の生活の様子などについて直接お話を聞くなどの体験的な学習を実施しております。今後は、ムックリ等のアイヌ民具の貸し出しの機会をふやすとともに、ムックリの製作や演奏体験など、学校におけるアイヌ文化体験の取り組みが一層充実するよう教育委員会として働きかけてまいります。
それから次に、3項目めの学校図書館司書の配置についてでございますが、現在、モデル事業を行っている中学校では、読書への興味を高める取り組みや、学習支援等のレファレンス機能の充実が図られるなど、その効果が明らかになっております。今後、さらに、有効かつ効率的な配置のあり方や運用方法などにつきまして積極的に検討してまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○副議長(ふじわら広昭) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日2月18日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(ふじわら広昭) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
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○副議長(ふじわら広昭) 本日は、これで散会します。
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散 会 午後5時51分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 高 橋 克 朋
副議長 ふ じ わ ら 広 昭
署名議員 こ ん ど う 和 雄
署名議員 村 上 ゆ う こ...