札幌市議会 2014-12-03
平成26年 第4回定例会−12月03日-02号
平成26年 第4回定例会−12月03日-02号平成26年 第4回定例会
平成26年 第4回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 2 号 )
平成26年(2014年)12月3日(水曜日)
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〇議事日程(第2号)
開議日時 12月3日 午後1時
第1 議案第16号、第18号、第19号(市長提出)
(3件に対する委員長報告等)
第2 議案第1号から第15号まで、第17号、第20号から第23号まで、諮問第1号(市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第16号 白石区
複合庁舎新築工事請負契約締結の件
議案第18号 損害賠償及び和解に関する件
議案第19号 損害賠償及び和解に関する件
日程第2 議案第1号 平成26年度札幌市一般会計補正予算(第5号)
議案第2号 平成26年度札幌市
後期高齢者医療会計補正予算(第1号)
議案第3号 平成26年度札幌市公債会計補正予算(第4号)
議案第4号 平成26年度札幌市
軌道事業会計補正予算(第1号)
議案第5号 平成26年度札幌市
高速電車事業会計補正予算(第1号)
議案第6号 公の施設の指定管理者の指定の件(都市公園)
議案第7号 公の施設の指定管理者の指定の件(自転車等駐車場)
議案第8号 公の施設の指定管理者の指定の件(札幌駅前通地下広場)
議案第9号 公の施設の指定管理者の指定の件(札幌市民ホール)
議案第10号 札幌市附属機関設置条例等の一部を改正する条例案
議案第11号 札幌市
土地利用審査会条例の一部を改正する条例案
議案第12号 札幌市
障害者福祉施設条例の一部を改正する条例案
議案第13号 札幌市
子ども心身医療センター条例案
議案第14号 札幌市児童福祉施設条例の一部を改正する条例案
議案第15号 札幌市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案
議案第17号 財産の処分の件議決変更の件(工業団地用地)
議案第20号 平成27度当せん金付証票の発売限度額を定める件
議案第21号 市道の認定及び変更の件
議案第22号 専決処分承認の件(一般会計予算の補正)
議案第23号
札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案
諮問第1号 異議申立てに対する決定に関する件
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〇出席議員(68人)
議 長 高 橋 克 朋
副 議 長 ふじわら 広昭
議 員 伴 良 隆
議 員 阿部 ひであき
議 員 小 竹 知 子
議 員 北 村 光一郎
議 員 川田 ただひさ
議 員 植 松 ひろこ
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 山 口 かずさ
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 石 川 佐和子
議 員 金子 やすゆき
議 員 木 村 彰 男
議 員 飯 島 弘 之
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 宗 形 雅 俊
議 員 よこやま 峰子
議 員 小須田 悟 士
議 員 宝 本 英 明
議 員 小 川 直 人
議 員 しのだ 江里子
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 小 倉 菜穂子
議 員 伊 藤 牧 子
議 員 村 山 秀 哉
議 員 細 川 正 人
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 長谷川 衛
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 林家とんでん平
議 員 三 宅 由 美
議 員 阿知良 寛 美
議 員 芦 原 進
議 員 谷 沢 俊 一
議 員 伊 藤 理智子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 こんどう 和雄
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 恩 村 一 郎
議 員 大 嶋 薫
議 員 三 浦 英 三
議 員 本 郷 俊 史
議 員 涌 井 国 夫
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 宮 村 素 子
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 小 野 正 美
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 福 士 勝
議 員 猪 熊 輝 夫
議 員 西 村 茂 樹
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 年 男
議 員 堀 川 素 人
議 員 松 浦 忠
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〇欠席議員(なし)
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〇説明員
市 長 上 田 文 雄
副 市 長 生 島 典 明
副 市 長 井 上 唯 文
交通事業管理者
交 通 局 長 若 林 秀 博
水道事業管理者
水 道 局 長 長 利 秀 則
病院事業管理者
病 院 局 長 関 利 盛
危機管理対策室長 相 原 重 則
市長政策室長 渡 邊 光 春
総 務 局 長 板 垣 昭 彦
市民まちづくり局長 池 田 佳 恵
財 政 局 長 藤 原 知 朗
保健福祉局長 瀬 川 誠
子ども未来局長 岸 光 右
環 境 局 長 長 岡 豊 彦
経 済 局 長 荒 井 功
観光文化局長 可 児 敏 章
建 設 局 長 吉 岡 亨
都 市 局 長 高 橋 稔
会 計 室 長 上 野 輝 佳
消 防 局 長 佐 藤 有
教育委員会委員 阿 部 夕 子
教育委員会教育長 町 田 隆 敏
選挙管理委員会委員長 湊 谷 隆
選挙管理委員会委員 常 田 豊 明
選挙管理委員会委員 小 谷 俵 藏
選挙管理委員会委員 笹 出 昭 夫
人事委員会委員 濱 田 雅 英
人事委員会事務局長 堀 口 洋 一
監 査 委 員 藤 江 正 祥
監査事務局長 吉 澤 政 昭
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〇事務局出席職員
事 務 局 長 本 間 章 弘
事務局次長 小 島 祐 司
政策調査課長 東 館 雅 人
議 事 課 長 酒 井 欣 洋
議 事 係 長 深 井 貴 広
委員会担当係長 斉 藤 匡 朋
委員会担当係長 八 代 吟
書 記 太 田 真 司
書 記 下 間 孝 洋
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〔午後1時1分開議〕
○議長(高橋克朋) ただいまから、本日の会議を開きます。
出席議員数は、66人です。
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○議長(高橋克朋) 本日の会議録署名議員として伴 良隆議員、國安政典議員を指名します。
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○議長(高橋克朋) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(本間章弘) 報告いたします。
去る11月27日、議長は、議案第13号 札幌市
子ども心身医療センター条例案及び議案第14号 札幌市児童福祉施設条例の一部を改正する条例案につきまして、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めております。
本日の議事日程、議案審査結果報告書、質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
〔報告書は巻末資料に掲載〕
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○議長(高橋克朋) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第16号、第18号、第19号の3件を一括議題とします。
委員長報告を求めます。
まず、総務委員長 小須田悟士議員。
(小須田悟士議員登壇)
◆小須田悟士議員 総務委員会に付託されました議案第18号及び第19号 損害賠償及び和解に関する件の2件について、その審査結果をご報告いたします。
これらは、本市の業務用自動車による車両への追突事故にかかわる損害賠償の額を定め、和解するためのものですが、質疑・討論はなく、採決を行いましたところ、いずれも全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(高橋克朋) 次に、財政市民委員長 山口かずさ議員。
(山口かずさ議員登壇)
◆山口かずさ議員 財政市民委員会に付託されました議案第16号 白石区
複合庁舎新築工事請負契約締結の件について、その審査結果をご報告いたします。
質疑・討論はなく、採決を行いましたところ、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(高橋克朋) ただいまの各委員長報告に対し、質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(高橋克朋) 質疑がなければ、討論の通告がありませんので、採決に入ります。
議案3件を可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(高橋克朋) 異議なしと認めます。
したがって、議案3件は、可決されました。
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○議長(高橋克朋) 次に、日程第2、議案第1号から第15号まで、第17号、第20号から第23号まで、諮問第1号の21件を一括議題とします。
ただいまから、代表質問に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
宗形雅俊議員。
(宗形雅俊議員登壇・拍手)
◆宗形雅俊議員 私は、自民党・市民会議を代表いたしまして、市政の諸課題について、順次、質問をさせていただきます。
まず、「わたしたちは、時計台の鐘がなる札幌の市民です。元気ではたらき、豊かなまちにしましょう。空も道路も草木も水も、きれいなまちにしましょう。きまりをよくまもり、住みよいまちにしましょう。未来をつくる子どものしあわせなまちにしましょう。世界とむすぶ高い文化のまちにしましょう。」これは、ご存じのとおり、札幌市民憲章であります。
まず、この市民憲章について質問をいたします。
札幌市民憲章は、昭和38年11月3日に制定され、当時、人口増加や都市化により人と人の結びつきが薄れ、市民の連帯意識や公徳心が低下してきたことから、市民が毎日の生活を送る上で心のよりどころとなるものを市民自身の手によってつくろうという考えから、市民各層の代表によってつくられたものであり、今でもその精神は通じるものと思っております。
札幌市民憲章が制定された翌昭和39年には、憲章を普及啓発する活動母体として200以上の団体等を構成団体とする
札幌市民憲章推進会議が発足し、これまで、
市民憲章実践優良者表彰などの各種事業を通じ、市民憲章の普及啓発に努め、昨年には、札幌市民憲章が制定されて50周年に当たり、記念事業も行われたところでもあります。私も、議員になり、常任委員会委員長のときには、この推進会議総会にも参加させていただき、推進会議の長年にわたる普及啓発の功績に敬意を払うものでもあります。
しかしながら、会合の始まりに市民憲章の唱和をしている老人クラブもあると聞いておりますけれども、片方で、札幌市民の方々がふだんの生活の中でどこまで憲章を意識されているのか、私も、小・中学校で市民憲章の唱和や意義といったものを教えられた記憶がございますけれども、その後、議員になるまで全く意識をしてこなかったというのが正直な気持ちでもあります。
また、市民憲章が50年以上の歴史があり、市民の心のよりどころであるわけですが、市庁舎の正面入り口、市役所の顔と言うべき1階ロビーに市民憲章が掲げられておりません。今、まさに人と人の結びつきが薄れ、市民の連帯意識や公徳心が低下してきた時代だからこそ、改めて市民憲章の意味、意義を市民の皆様と、再度、共有していくべきではないかと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市民憲章の持つ意味、意義をどう認識しているのか、改めてお伺いをいたします。
また、「先ず隗より始めよ」というように、毎日とは言わないまでも、各部署の朝礼時での唱和や職員研修などのときに、憲章の意義をどう政策や事業に反映させていくかといった取り組みなどを取り入れたらどうかと提案いたしますけれどもいかがか、お伺いをいたします。
加えて、教育現場において、札幌市民憲章の扱いを聞いたところ、小学校3年生の副読本に札幌市民憲章が掲載されているが、学習として市民憲章に触れるどうかは各学校で判断するものであり、教育委員会としてその実態を把握していないということであります。
札幌市の教育が目指す人間像で自立した札幌人がうたわれております。札幌人とは、札幌の豊かな自然や社会、文化の中で学び、生活した経験を持つ者が、その恵まれた環境の中で育まれる創造力や豊かな心などの総合的な素養を生かし、ふるさと札幌の思いを心に持ち、伝統や文化を尊重しながら、国際的な視野を持って、札幌を初め、さまざまな地域や国で活躍する人と定義づけております。まさに、この底流にあるのは、札幌市民憲章ではないかと思うわけであります。私は、制定から50年以上も続く札幌市民憲章は、札幌人としてのアイデンティティーとして位置づくものと考え、教育現場においても、しっかり子どもたちにこの意味を考えてもらいたいのであります。
そこで、質問でありますけれども、教育委員会にも、札幌市民憲章の意義と、教育が目指す自立した札幌人という人間像を形成するため、市民憲章に通じるものがあると思いますけれども、その認識をお伺いいたします。
さらには、小学校の学習活動の中でひとしく市民憲章の意義や意味を考える場面をつくるべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。
次に、冬季オリンピック・パラリンピック開催についてお伺いをいたします。
昨年の第3回定例市議会で、我が会派からの冬季オリンピック・パラリンピックの招致に対する代表質問に対し、市長が、平成26年度予算に調査費を計上し、資料を整え、議論を進めるという答弁をされてから1年余りが経過し、今定例会の議案説明の冒頭、市長から、札幌市として冬季オリンピック・パラリンピックの招致を進める決断を表明いたしました。
冬季オリンピック・パラリンピックの招致を望んできた我が会派としては、ようやく、市民の札幌招致への願いを込めた圧倒的な意向を受けとめ、市長が判断したことについては大いに評価をするところでもあります。
190万人を超える人口を擁する大都市となった札幌ですが、その都市基盤が整備されたのは、まさしく1972年のアジア初の冬季オリンピックとなった札幌オリンピックの開催が契機であったことは事実であり、高速道路や地下鉄、地下街という現在の都市機能を担うインフラが整備され、これまでの札幌の発展を支えております。
また、競技会場となった大倉山・
宮の森ジャンプ競技場や真駒内屋外・屋内競技場、月寒体育館、美香保体育館といった競技施設も整備され、今日でもなお、冬季スポーツの振興や選手の競技力の向上に大きく貢献しており、
ウインタースポーツシティーとして世界に知られるようになったのも1972年の札幌オリンピックがもたらした財産でもあります。
ことし10月に実施された1万人市民アンケートでは、回答者の3分の2に当たる66.7%がオリンピック招致に賛成しているとの結果でありました。その反面、招致に反対する方々もおり、その割合は約2割という結果にもなっております。
さきに公表された開催経費には、具体的な計画が未定なことからインフラ整備が含まれておりませんが、計画の具体化に伴い、その経費も明らかになってくると思いますから、その内容については支持率にも大きく影響が出るのではないかと考えます。
2022年の冬季オリンピック・
パラリンピック開催都市として立候補したノルウェーのオスロでは、住民の十分な支持が得られずに、政府の財政保証が受けられなかったことなどから招致を断念したという報道がありました。また、1984年の
冬季オリンピック札幌招致では僅差でサラエボに負けておりますけれども、このとき、環境保護団体からの強い反対があったこともオリンピック招致を逃した一因とも言われております。
今回、市が行った調査では、開催経費が4,045億円、札幌市の負担が715億円に対し、経済波及効果が北海道内で7,700億円、雇用誘発数が6万1,000人と見込まれるという結果になっております。これはインフラ整備を除いた効果であり、インフラ整備を含めますとさらなる大きな経済波及効果や雇用増が見込めることになります。
今後、冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けては、JOCとの連携のもと、札幌で再び開催したいという機運を日本全体で醸成していくことが必要となります。そのためには、まずは、地元札幌の市民・企業・行政が一体となって取り組むことが不可欠であり、さらには、財政面などから招致に懸念を持つ方々へ丁寧で十分な説明を行い、招致に懸念、反対する方々の理解を得る取り組み、努力が必要であります。
そこで、質問でございますけれども、市長は、招致の決定を行ったとしても、任期はあと残り5カ月余りとなります。一人でも多くの市民にオリンピックの効果を実感してもらうことが必要と考えますが、今後、かつての札幌オリンピックが札幌にもたらした効果を含めて、さらなる機運醸成や財政上のメリットについて広報を具体的にどのように行うのか、市長の認識をお伺いいたします。
また、昨年決定した東京オリンピック・パラリンピックも、1回は招致に失敗し、当時の石原慎太郎都知事の強いリーダーシップのもとで招致活動に取り組み、安倍総理も含め、日本全体、政府一丸となり成功したことを考えると、今後のIOCへの活動を早期に進めるために、JOCだけではなく、政府関係者に対してもアプローチや対策が急務であると考えます。
残り任期の中で、市長はどのように取り組むのか、あわせてお伺いをいたします。
次に、南区のまちづくりについて、2点お伺いをいたします。
まず、真駒内駅前地区のまちづくりについてであります。
この真駒内駅前地区につきましては、平成23年第3回定例会の私の代表質問において、真駒内駅前地区のまちづくりに関する質問で、真駒内駅前
地区まちづくり指針を策定していくと答弁があり、平成25年5月にその指針が策定をされました。この指針では、駅前地区の土地利用再編については、多くの人が利用しやすいように行政・公共サービス機能を地下鉄駅に近づけて配置する、生活利便機能や滞留・交流空間等の充実のため、民間活力の導入を検討することなどが基本的な考え方として打ち出されております。
去る10月19日には、指針の実現化に向けた議論のさらなる活性化を図ることを目的に、真駒内の未来を考える
まちづくりアイデアコンペの
公開プレゼンテーション審査が行われ、私もその場におりましたけれども、にぎわい創出や少子高齢化への対応等、さまざまな観点から貴重な提案があったところであります。
真駒内駅前地区のまちづくりを検討するに当たっては、指針でも明記されておりますけれども、単に真駒内地区のみの問題としてではなく、南区全体の拠点としてどのような機能を持たせるべきかという観点が重要であり、今後、南区全体の地域振興に駅前地区がどのような役割を果たすべきかという観点が重要なポイントであると考えております。特に、私が強調したいのは、真駒内駅は乗降客が1日当たり約2万9,000人という非常に多くの方々が利用しており、それに対応した環境整備をしていくことが重要と考えます。利用者の方々にとって、移動や乗り継ぎをしやすくすることが必要でありますし、利用者を素通りさせてしまうのはまことにもったいないと感じているところでもあります。
言うまでもなく、南区には、文化芸術に身近に親しむことのできる芸術の森、景観がすばらしい石山緑地や
滝野すずらん丘陵公園等、
札幌シーニックバイウェイ藻岩山麓・定山渓ルートに指定されているように、各地域に多くの見どころがあります。中でも、定山渓温泉は、市民の古くからの憩いの場所であるのみならず、多くの観光客が訪れ、年間100万人以上の方が宿泊をするという道内でも最大級の温泉地でもあります。その南区の玄関口であり、多くの交通が集中する結節点でもある真駒内駅前地区において、南区の魅力を知ってもらい、このような多くの名所やさまざまな行事に足を運んでいただくために、駅を利用する多くの方々に情報提供を行う拠点機能等を駅前地区にも持たせるべきではないかと考えるところでもあります。そのことが南区全体の活性化、にぎわいにもつながっていくと考えているところであります。
そこで、質問でありますけれども、そのような南区全体の活性化を図っていくため、真駒内駅前地区の土地利用再編について、真駒内駅前
地区まちづくり指針がまとめられ、アイデアコンペも行われましたが、今後、指針の具現化に向け、どのように検討し、進めていくお考えか、お伺いをいたします。
また、現在、観光魅力アップ構想を策定中である定山渓エリアを初め、
札幌シーニックバイウェイ藻岩山麓・定山渓ルートの中にあります藻岩山、芸術の森、石山緑地、
滝野すずらん丘陵公園など、真駒内駅前地区は南区の多くの観光名所へ向かう拠点であることから、観光振興につながるような情報提供や気持ちの高まる機能などの充実を図るべきと考えますけれどもいかがか、見解をお伺いいたします。
二つ目の質問でございますけれども、南区の道路網整備とバス路線網の充実についてであります。
今後、真駒内駅前地区の土地利用再編の議論をしていく上では、この地区のみならず、南区全体のバス路線網や道路交通網整備により、公共交通の利便性を向上させていくという視点が重要と考えております。特に、南区については、先日、貫通式がありました
盤渓北ノ沢トンネル、いわゆるこばやし峠のトンネル開通による道道西野真駒内清田線の供用開始を平成28年度に目指しております。また、豊平川通南進も札幌市総合交通計画に盛り込まれ、検討が進められているところでもあります。
盤渓北ノ沢トンネルの開通により、南区−西区間のアクセスが改良され、円滑な交通を確保できることが期待されますが、沿線住民の中には、南区内において交通量が増加することで五輪通等の交通渋滞の問題が生じるのではないか、また、そのことが五輪通を通るバスの円滑な交通に影響を与えるのではないかという懸念があります。また、豊平川通南進についても、都心へのアクセスを容易にし、国道230号の混雑緩和や定山渓の観光振興等の効果が見込まれる重要な事業であると認識しておりますが、一方で、南進により既存のバス路線網にどのような影響があるのか、地域の方々の関心も、今後、高まるのではないかと考えるところでもあります。
南区は、ご承知のとおり、人口減少が進み、少子高齢化の進行も著しく、通院や買い物等、生活の足をバスに頼っている方も少なくなく、今後、一層ふえていくことが見込まれております。これらの方々にとっては、極力、近隣で買い物や医療等の生活サービスを受けられることが重要であり、足の確保は大変重要な将来への課題でもあります。
そこで、質問でありますけれども、
盤渓北ノ沢トンネル開通に伴い、懸念される五輪通の交通量増加への対応について検討する予定はないのか、お伺いをいたします。
また、豊平川通南進の整備については、これまでも検討経過をお聞きしているところでありますけれども、実現に向け、今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、お伺いをいたします。
さらに、移動手段を持たない高齢者の方でも、区内で必要な生活サービスを充足できるという観点から、よりきめ細かく円滑な交通が可能となるバス路線網を検討していくべきと考えますけれどもいかがか、お伺いをいたします。
次に、今後の空き家対策についてお伺いをいたします。
私は、平成23年の第3回定例市議会の代表質問において、札幌市でも年々増加をしている空き家の問題が、今後、大きな行政課題となるものと考え、代表質問をいたし、それ以来、数回にわたり、不適正空き家等の対策に関して、質問や要望を重ねてまいりました。
それに対し、本市も、当初は、関係部局による空き家対策プロジェクトチームをつくり、課題の整理や情報共有から始まり、空き家対策マニュアルの作成、不適正管理の空き家対策を検討する専門の係の設置など、全庁横断的な体制の構築に向けて協議を開始するなど着実に対応を進めてきましたが、やはり、適正に管理されていない空き家に対し、行政が有効な防止対策と改善策を実行できる法的な根拠が必要なことから、我が会派においても、空き家対策プロジェクトチームをつくり、不適正管理の空き家対策への課題解決に向けた協議や条例等の検討なども重ねてまいりました。
一方、国においても、不適正管理の空き家対策は国内全域にわたる大きな課題として議員立法の動きもあり、我が会派の空き家対策プロジェクトチームも、中央に出向き、その制定に向けた内容や動向について意見交換をしてきたところでもあります。そのような経緯の中、さきの臨時国会において、自民党が中心となり、議員立法として空き家等対策の推進に関する特別措置法を成立させたところであります。
そこで、質問でありますけれども、この法律が成立したことを踏まえ、適正に管理されていない空き家に対し、どのように対応をしていこうと考えているのか、札幌市としての意気込みを含めてお伺いをいたします。
一方で、空き家等対策の推進に関する特別措置法に、そのまま放置すれば、倒壊等、保安上、著しく危険となるおそれのある状態などの空き家に対し、勧告や命令、行政代執行をできる規定がありますが、こうした権力的な対応はあくまでも最終的な手段であり、それだけで空き家問題が解決に向かうことは非常に難しいと考えております。そのため、同法においても、空き家やその跡地の活用のために必要な対策を講じるよう努めるものとするという規定を盛り込み、総合的な対策をとることを市町村の努力義務としております。
そこで、質問でありますけれども、空き家やその跡地の活用のために必要な対策に関して、本市としてどのように考えているのか、お伺いをいたします。
さらに、空き家等対策の推進に関する特別措置法には、空き家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、国が出す基本方針に即して空き家等対策計画を定めることができるとされております。この対策計画についても、一口に空き家対策と言っても、地域性や特性もあることを考え、その策定は市町村の自主性に委ねられております。
そこで、質問でありますけれども、本市が総合的かつ計画的に空き家対策を進めていくためには、対策計画を策定していくべきと考えますが、空き家等対策計画の策定についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。
次に、まちづくりと公共施設の配置基本方針に対する考えについてお伺いをいたします。
札幌市まちづくり戦略ビジョン<戦略編>では、人口構造の変化に伴う新たな市民ニーズや市有建築物の大量更新に対応し、市有建築物の効果的・効率的な再配置を進めていくことを掲げており、これを受け、市では、昨年度から市有建築物のあり方検討を進めてきたところでもありますが、昨年の第3回定例市議会の代表質問において、我が会派の飯島議員が、市有建築物の基礎調査結果から、札幌市が急成長を遂げた時期に大量に整備された施設が一斉に更新時期を迎えるこの機会にこそ、これまでの考えにとらわれない施設配置の再構築を図ることが必要であるとの視点に立ち、基本方針策定に向けた基本的なスタンスや施設配置の方向性をお伺いしたところ、検討委員会の議論を踏まえ、従来の考え方、枠組みにとらわれない施設配置の再構築に向け、検討するとの答弁があったところであります。
札幌市では、今年度、既に札幌市市有建築物の配置基本方針の案を固め、年内にはパブリックコメントを反映させた上で基本方針を公表すると伺っておりますが、我が会派としては、この公共施設の再構築に関する取り組みを、今後の人口減少や超高齢化社会の到来を見据えて、魅力的な札幌のまちを再構築していく重要な取り組みとして評価をしているところでもあります。
しかしながら、総論としての方針を各論として実施するに当たり、例えば、具体的モデルとしてイメージされている学校施設を中心とした複合化において、学校の適正規模をどのように判断され、複合化を検討されているのか、少子高齢化と人口減少と言いつつも、行政区や地域における人口流動など、結果としてしかあらわれていない不確定な要素などもあり、計画段階と実施段階における変化にどのように対応されるのか、さらには、不特定多数が利用する施設との複合化により、学校の安全はもちろんのこと、第一に教育環境が守られるかなど、庁内協議を含め、課題が多いものと懸念するところでもあります。大切なのは、方針策定はもとより、その方針が絵に描いた餅にならないよう、人口減少・超高齢化社会を見据えて、今から着実に公共施設の再配置を進めていくことが重要であると考えるところでもあります。
そこで、質問でありますけれども、基本方針を策定した後は、具体的にどのように再配置を実行に移していくつもりなのか、その実行プロセスをお伺いいたします。
また、現在、北区民センターが、耐震改修工事に伴い、休館中でありますが、施設は一度改修すると耐用年数が数十年延びることになり、基本方針で掲げる公共施設の集約化はそれだけ先延ばしになってしまうことが危惧されるところでもあります。効果的・効率的な再構築を進めるためには、こうした個別施設の改修等と集約化や複合化のタイミングを合わせることが非常に重要でありますが、学校は教育委員会、市営住宅は都市局の所管となっていることなどから、公共施設の所管部局は複数にまたがっており、再構築を進めるには、長期的ビジョンのもとで、それら関係部局が情報共有を図りつつ、緊密に連携する横断的な組織体制が不可欠であると考えております。
そこで、質問でありますけれども、再構築を実行に移していくに当たり、どのように庁内の連携した推進体制を整えていくのか、お伺いをいたします。
さらには、行政側の推進体制もさることながら、基本方針における基本理念では、「市民が創る公共施設」というスローガンが盛り込まれているところでもあります。これまでのように、画一的な施設配置により対応できた拡大局面とは異なり、今後は、地域ごとに人口構成や課題が異なっていくことから、再構築に当たっては、計画段階から地域住民とともに必要な施設を考えるなど、地域性を踏まえた丁寧な合意形成がより求められるものと考えます。
そこで、質問でありますけれども、今後、個別の再構築においてどのように地域住民と合意形成を図っていくのか、お伺いをいたします。
次に、建設業界の人手不足についてお伺いをいたします。
近年、全国各地で異常気象に伴う災害が頻繁しており、ことし8月に広島市で発生した豪雨災害による74人にも及ぶ死亡者が出たのは、記憶に新しいところでもあります。北海道においても、去る9月11日に、初めて大雨特別警報が発令され、本市においても、33年ぶりとなる避難勧告を六つの区、約78万人を対象に発令いたしました。この豪雨は、山間部に雨が集中したため、直接の人的な被害はなかったものの、過去に例がないほどの大雨が短時間に降り、住宅の浸水や土砂崩れ、河川氾濫などを引き起こしておりました。南区や清田区では、短時間に降り注いだ雨により、道路の一部が削られ、交通規制を余儀なくされました。また、真駒内御料札幌線では、厚別川の増水により、道路の半分が流失するなど甚大な被害が発生をいたしました。この道路につきましては、7日後には片側交互通行により、その4日後には、応急対策の上、全面開通されましたが、このように早急な復旧ができたことは、ひとえに災防協を初めとする地元建設業界の迅速な対応のおかげであります。
一方、冬期間の市民生活に直結する除排雪事業についてですが、特に、ここ数年は、大雪や低温の傾向が顕著であり、平成22年度の北区、東区を中心とした大雪、続く平成23年度には低温による融雪のおくれ、そして、平成24年度には大雪と低温が相まって過去最大の排雪を記録するなど、作業に従事する方々の苦労、負担もこれまでにないものとなっております。さらには、作業員の方々は、夜間の除雪作業が終了しても日中には市民対応に負われるなど、まさに、昼夜を問わず、札幌市の冬季の市民生活を支えております。このように、災害対応や除排雪事業など、一年を通じて市民の安全・安心を守り、経済活動を下支えしているのは、地元で活躍していただいている建設業者にほかなりません。
そのような中、近年、建設業界では、経営体力が低下し、中長期的な経営の見通しが立たない状況であり、新たな採用を抑制するなど雇用の安定が図られていない業者も多いのが現状であります。事実、北海道の建設業就業者数は、ピーク時の平成9年の35万人から平成25年度には23万人となり、約3分の1が減少しております。特に、型枠工は、平成19年に3,600人いた者が、昨年の平成25年では1,700人と半分以下まで減少しております。また、他の工事技術者も同様な傾向であり、ほかの産業に比べ、著しく高齢化が進んでおります。この状況が長きにわたって継続すると、現場の高齢化がさらに進展し、これまで市民生活を支えてきた技術の伝承がなされず、さらには、市民生活を支えている建設業者がいなくなり、安全・安心な市民生活が立ち行かなくなるのではないかと危惧もしているところであります。
一方、政権交代以降、公共事業は回復基調にあり、工事の量もふえておりますけれども、これまで、人材、資機材などの投資を抑えてきた建設業者においては、急激な需要の増加に対応できないなどの声もあります。加えて、震災復興事業の労務賃金が相対的に高い等の理由による道内の建設業の東北地方への流出や、2020年の夏季東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う施設やインフラ整備などにより、現在でも不足している人材、資機材にさらに拍車がかかる懸念もあるところであります。
このような中、建設業者からは、工期遵守が困難な場合があり、幾つかの工事では工期延期をせざるを得ない状況にあるとも聞いております。また、このように余裕のない中、工期内に竣工するため、無理に作業を進めると品質管理や安全管理に支障を来す場合があるのではないかと危惧をしているところでもあります。
そこで、質問でありますけれども、建設業界の人手不足、特に若年層の就職者が少ないことについてどのように認識し、どのように取り組んでいくのか、また、人手不足による工期への影響について、実態をどのように認識し、今後どのように対応していくのか、あわせてお伺いをいたします。
さらに、公共工事における利益の確保に加え、中長期的な事業量の確保及びこれらの見通しを示していくことが、厳しい状況の中、市民生活、経済活動を下支えしている地元建設業にとって極めて重要であると考えております。折しも、本年度、品確法が改正され、我が会派といたしましては、地元建設業の経営安定化に資する多様な取り組みが講じられることを期待しております。
そこで、質問でありますけれども、今般の品確法改正を受けた札幌市の取り組みについてお伺いをいたします。
次に、国際芸術祭についてお伺いをいたします。
札幌市は、平成18年、創造都市さっぽろを宣言いたしました。札幌の魅力をもとに、創造性に富む市民の力で国内外の交流により、新しい産業や文化を生み出そうとするものとして、その象徴的な事業として、都市と自然が調和した固有の都市環境を生かした国際芸術祭を定期的に開催したいと、平成24年に基本構想ができ上がりました。
札幌国際芸術祭については、これまで我が会派が何度も質問をしてまいりました。私も、有料会場を初め、各会場に足を運び、都市と自然というテーマを頭に置いて作品の鑑賞をしてきました。
市長も、過去の答弁で、現代アートはその表現なりを伝えるのが難しいところでもあり、実際に見て、市民の心に伝わること、ビジュアルに伝えることに最大限の努力をすると言われておりました。言われるとおり、私も全体的に理解できない難解な作品が多く、都市と自然というテーマと作品の結びつきがいまだ理解できないものがたくさんあったというのが印象でもあります。
さらには、連携事業も数多くありました。札幌国際芸術祭は、結局、何だったのかと疑問を持たざるを得ません。私は、国際芸術祭の企画が持ち上がったときから、札幌市民の皆様と共有を図れる企画なのか、一握りの方々のための芸術祭ではないかと思い、その後の企画を注視してまいりました。
まず、開催目的について、札幌国際芸術祭基本構想で、文化芸術に満ちた札幌独自のライフスタイルの創出、札幌らしい文化芸術を支える人づくり、文化芸術の力による札幌の魅力再発見と新たな価値創造、創造都市さっぽろを牽引する多様な人材の集積・交流の四つの開催目的を挙げております。
そこで、質問でありますけれども、まず、創造都市さっぽろを宣言いたしましたが、札幌の市民の皆様がそのことをどう認識し、もしくは理解をしているのか、市民の皆様とどの程度共有を図れているのか、その認識をお伺いいたします。
また、今回の芸術祭が終了し、その総括で、四つの開催目的が達せられたのかどうか、その評価を具体的にお示し願いたいと思います。
今回の国際芸術祭は、来場者目標30万人に対し、47万8,200人と目標を大きく上回ったということでありますが、札幌国際芸術祭の来場者数評価は、北海道立近代美術館や札幌芸術の森美術館の有料会場の来場をもって評価すべきであると改めて主張をいたします。
有料会場入場者数目標7万人、そのうち、対価を払っての来場目標者数を6万人としておりましたが、有料会場への来場者に対し、途中からシャトルバスの無料化をしたにもかかわらず、対価を払って来場された方は5万2,000人と、目標に対して86.7%、全体の来場者数の達成率と相反して目標を下回っております。
芸術祭期間中、同時期にシティ・ジャズ、PMF、大通夏まつり、オータムフェストなどがありましたが、期間が重ならない8月の下旬の入り込み数は、重なる期間と比べると来場者が少なかったという実績であります。芸術祭に札幌市民の皆さんの関心が本当にあったのか疑問であり、どちらかというと、芸術祭に来たというよりは、ついでに無料会場に足を踏み入れたという評価が正しいのではないかと思います。その意味では、私は、来場者数の評価についてどうしても異議を挟まざるを得ません。
さらに、来場者アンケートの結果では、芸術祭の総合評価として75%の方々が評価をしているとさきの代表質問でも答弁がありましたが、来場していない市民の方々の評価には全く言及していない面を考えると、自己満足に終わっているのではないでしょうか。
そこで、質問でありますけれども、来場者数に関し、全体の来場者数が目標を超えている実績を公表いたしましたが、対価を払っての来場者数は下回っております。その差をどう評価しているのか、お伺いをいたします。
また、さきの平成26年第3回定例会の我が会派の小須田議員の代表質問の答弁で、有料会場の来場が下回ったことに言及し、工夫の余地があったものと考えていると答弁をしておりますけれども、何が課題で、その工夫の余地とは何か、あわせてお伺いをいたします。
一方、経済効果についても、48億円の目標に対し、11億円を上回る59億円に上るとの推定値を公表いたしました。この経済効果についても、さきに述べました芸術祭期間中、シティ・ジャズ、PMF、夏まつり、オータムフェストなどが重なり、無料会場の来場者数が大幅に寄与したことを考えると、そこに来場された人たちが経済効果を押し上げ、重複してカウントされているのではないのか、疑問を持たざるを得ません。
そこで、質問でありますけれども、経済効果の推定値について、芸術祭を目的に来場した人たちの純然たる数値なのか疑問であり、どのような根拠で算出された効果なのか、お伺いをいたします。
次に、さきの決算特別委員会で我が会派の伴議員からも言及したと思いますが、私からも、札幌国際芸術祭のロゴデザインの酷似問題についてお伺いをいたします。
先般、札幌国際芸術祭の公式ロゴデザインと、とある薬品ヘルスケア会社の商品ロゴと酷似をしているという報道があったところでございます。札幌国際芸術祭のロゴデザインは、公募の上、選考され、その後、弁理士へ商標登録上の類似ロゴの確認依頼をした上で、採用の発表とロゴデザインの商標登録をしたとのことでもあります。
薬品ヘルスケア会社の商品ロゴは、商標登録をしていないようでありますけれども、その商品ロゴは、ロゴの選考以前に使われていることは明らかであり、手続上、問題ないにしても、一度疑念を持たれたものを今後も国際芸術祭の公式ロゴデザインとして使用していくには疑問を呈していきたいと思います。
そこで、質問でありますけれども、作品は未発表のものとしておりますが、選考過程の中で十分調査をしたと言い切れるのか、お伺いをいたします。
また、このように酷似していると報道された公式ロゴマークを今後も使用していくのか、その見解をお伺いいたします。
次に、札幌市の経済・雇用についてお伺いをいたします。
札幌市は、これまで、人口増加から来年度をピークに人口減少が始まり、人口減少の問題は、経済活動を牽引する担い手や消費者の減少につながるため、産業振興の面においても、人口減少・少子高齢化社会を見据え、戦略の構築やこれら人口減少の急速な変化による経済環境の影響や外的要因の変化に対応できる足腰の強い経済基盤の確立が急務であります。
本市は、雇用の場を確保、創出し、市民に働く機会を提供することによる企業活動の活性化を通じて、企業の売り上げ増加や就業者の収入増加を図ることが市税の収入増につながり、ひいては、市民サービスが向上することで市民にとって快適で安心できるまちづくりの実現を目指し、平成23年1月に札幌市産業振興ビジョンを策定いたしました。そのビジョンでは、食、観光、環境、健康・福祉の四つの分野を重点的に取り組むことにより進めようとしております。
産業振興ビジョン策定当時は、民主党政権下で、全国の有効求人倍率が0.51ポイント、札幌圏の有効求人倍率は0.36ポイントでありました。しかし、その後、自民党政権となり、アベノミクスが本格始動してからの直近の数字では、全国の有効求人倍率が1ポイント、札幌圏が0.84ポイントでありますけれども、中央区、南区などを含む職業安定所の管内では1.01ポイントと、策定当時から大幅な改善が見られております。
さらには、札幌の景況感を把握する企業経営動向調査の数字を見ると、市内景況判断、BSIは、産業振興ビジョン策定前の平成22年度上期にはマイナス33.5ポイントが、直近の26年度上期は、消費税増税があったにもかかわらず、18ポイントの改善が見られ、ここ札幌でも着実にアベノミクスの効果があらわれております。
安倍政権において、9月に、まち・ひと・しごと創生本部を設置し、地方再生に向けた取り組みを加速させようとしたところでもあり、アベノミクス効果を地方にも着実に波及させていくためには、地域の事情を最も把握している地方自治体が、国の動きに同調しながら地域の独自施策を進めていくことが重要であります。ビジョン策定前との比較において、社会経済状況は大きく変化をしていることから、長期的な景気低迷を背景とした雇用の確保という消極的な観点から、改めて攻めの姿勢を出していくことが必要と考えます。
産業振興ビジョンの中でも、経済情勢、社会情勢の変化に応じて柔軟に見直しを図ると明記をされておりますけれども、そこで、質問であります。
今、有効求人倍率やBSIの改善を挙げました。産業振興ビジョン策定時と比べ、現在の社会経済状況をどのように認識しているのか、お伺いをいたします。
また、その認識を踏まえ、今後、どのような視点で中長期的な経済施策に取り組んでいくお考えか、あわせてお伺いをいたします。
次に、札幌市のエネルギー施策について、2点お伺いをいたします。
第1点目ですが、本市は、未来につなぐ子どもたちへ安全で安心して暮らせる社会を引き継ぐため、エネルギー政策の方向性を示す札幌市エネルギービジョンを策定いたしました。この中で、目指す姿の具体的な将来像として、まちづくり、ライフスタイル、産業の三つのテーマを示しております。
本市には、高気密・高断熱住宅など、寒冷地に適した住宅技術が開発、蓄積され、市内の大学を初めとする研究機関が集積し、多種多様な知的財産が蓄積をされておりますが、本市経済に占める事業規模はまだまだ大きくありません。雪冷熱、建物排熱、地中熱、積雪寒冷地型太陽光パネルなど、地域特性を生かした独自エネルギー機器など、札幌型環境産業の創出と拡大をどう描いていくのか、関心があるところであります。ビジョンの中にも、人と技術が集積する札幌の強みを生かした環境負荷低減と経済発展の両立を盛り込んでおります。
そこで、質問でありますけれども、新たな価値を創造する札幌型環境産業創出や規模拡大に向けた今後の取り組みをどう進めていくのか、お伺いをいたします。
第2点目として、最近注目をされております水素についてであります。
エネルギーの大部分を海外の化石燃料に依存している日本にとって、水素は、エネルギーの有効活用やエネルギー効率の向上により、エネルギー供給源の多様化や環境負荷の低減に資すると言われております。これまで、水素は、主として工業用に利用されてきましたが、最近、市民生活においても、定置用燃料電池や燃料電池自動車の形での実用化が進んでおります。燃料電池は、燃料である水素と空気中の酸素を電気化学反応させ、電気と熱を発生するシステムであり、利用段階では反応物として水しか排出せず、クリーンであります。また、化学反応から直接エネルギーを取り出すため、エネルギーロスが少なく、電気と熱の両方を有効利用することでさらにエネルギー効率を高めることが可能でもあります。札幌市内においても、北海道ガスが一般家庭向けに燃料電池の販売を3年前から開始しており、補助金実績等から市内では200台の普及が進んでいると聞いております。
一方、燃料電池自動車は、既存のガソリン車と同程度の機能を持ち、走行中の排出は水のみであり、電気自動車と比べ、航続距離が500キロメートル以上と長く、充填時間も3分程度で済むという特徴があります。先日、国内自動車メーカーが2014年12月から販売開始すると報道があり、販売価格は約720万円で、国の補助金約200万円を差し引いても約520万円とまだまだ高価であり、何よりも水素スタンドの普及がなければ一般ユーザーへの普及につながらないわけであります。
経済産業省は、産学官から成る水素・燃料電池戦略協議会を設置し、ことしの6月に作成した水素・燃料電池戦略ロードマップでは、2015年度内に燃料電池車の市場投入に向け、4大都市圏を中心に100カ所のステーションを整備することを目指しており、また、東京都が中心となって、2020年の東京オリンピックの輸送手段として燃料電池車、燃料電池のバスの導入の検討が始まっていると聞いております。北海道内では、先日、室蘭市が水素をエネルギー源とする燃料電池自動車の公用車への導入などの方針を決めたと報道があったところでもあります。
そこで、質問でありますけれども、持続可能なまちづくりを目指す札幌市において、今後の水素利用における認識についてお伺いをいたします。
次に、高齢者福祉についてお伺いをいたします。
高齢化社会と言われて久しいわけでありますけれども、高齢者福祉のニーズは多様であり、それに対応した事業と費用は増加し続けております。片方で、財政面からその事業費の抑制とバランスをどう図っていくかなど、健全で、かつ積極的な高齢者施策が今求められております。そのため、これからの必要な対策として、健康で自立して生活ができる人、社会で生き生きと活動できる人たち、いわゆる元気な高齢者をいかにふやしていく取り組みをしていくのかが今後重要な課題であり、一方では、自立が難しくなりそうな方々には有効的な予防策を展開する必要があります。
昨年の第4回定例市議会代表質問で、我が会派の佐々木委員からも、生涯現役としての高齢者が活躍し続ける新しい社会の仕組みづくりの実現に向けた質問もあったところでございます。
私ども自民党・市民会議の福祉プロジェクトチームは、こうした現状を踏まえ、国の介護保険制度改正における動きを注視するとともに、他自治体にも視察に出向き、本市にとってとても参考になる事例にも触れてまいりました。
その中でも、福岡県では、高齢者の年齢にかかわらず、それぞれの意思と能力に応じて生涯活躍し続けるために、70歳現役社会の実現を掲げ、再就職や地域ボランティア活動といった選択肢が多い社会を目指しております。こうした活動を支援するため、県が平成24年に設置した70歳現役応援センターは、高齢者の求人開拓と求職のマッチングや、高齢者を積極的に受け入れる企業への加点や、社会参加を受け入れる地域への補助を県が行うことにより、高齢者自身の意識改革と社会参加の拡大だけではなく、高齢者の力を必要とする企業や地域の掘り起しにもつながっております。
また、鹿児島県枕崎市では、各地区で市民が指導員になり、手軽で簡単な筋力トレーニングによって筋力の低下を防ぐ教室を運営して高齢者の自主的な健康づくりを目指したり、社会参加活動に対し、地域商品券に交換できるポイントを付与したり、みずからの健康維持や介護予防に取り組むことで、自分の健康をつくるのは自分次第という意識が高まり、この10年で住民が主役の健康づくりが確立されつつあるそうです。
札幌においては、65歳以上の高齢者の約4割が社会参加に至っておらず、高齢者の豊富な経験、知恵、技術をまだ十分に活用し切れていないのが現状であります。高齢者福祉事業の成果を生み出すためには、介護、医療といった受け身的な高齢者福祉だけでなく、各人が健康で、かつ幸せで長寿に過ごせるよう、その世代の人々が社会に参加し、活躍していくために、今までの高齢者政策・事業の概念を再検討し、これからの地方再生に向けていく観点からも、真に元気な高齢者とはどうあるべきかを本市福祉行政として明確にし、市役所はもとより、市民全体の意識改革を図っていくべきだと提言をいたします。そのことにより、高齢者はもとより、将来、高齢者になっていく市民も含め、心身の健康づくりを市民一人一人がみずから実践していく社会こそが、これからの札幌に必要なことではないでしょうか。
そこで、質問でありますけれども、健康長寿社会の考えのもと、高齢者一人一人に適した多様な社会参加で生きがいを感じ、力を発揮できる社会を構築すべきと考えますが、その認識をお伺いします。
また、元気な高齢者をふやし、実際に活躍できるような仕組みづくりと支援について積極的に取り組むべきと考えますが、今後どのような取り組みが必要であるとお考えか、お伺いをいたします。
次に、予防接種と感染症対策についてお伺いします。
日本の予防接種の状況は、平成19年、20年に、日本ではワクチン接種回数が十分でなかったことが一因となり、中・高生や大学生を中心とした麻疹が流行し、急遽、この年代を対象にしたワクチンの追加接種が開始されるなど、依然として麻疹患者の発生とその対応が続けられております。また、定期接種を実施しているものの、平成18年、熊本県では、就学前のワクチン未接種の3歳男児が日本脳炎にかかり、一命は取りとめましたが、一時、重症となり、平成21年にも、やはり、ワクチン未接種の7歳男児が日本脳炎患者として報告され、このような事例を防ぐために、対象となる人がしっかり接種を受けていただく必要があります。
近年、日本においても、定期接種の種類はふえておりますけれども、小児の肺炎球菌やヒブの感染による細菌性髄膜炎等の重篤化、高齢者の肺炎球菌による肺炎の発症が多いことから、小児の肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンは昨年の4月、高齢者の肺炎球菌ワクチンはことしの10月から定期接種となったところであります。
反面、子宮頸がん予防ワクチンでは、昨年4月から定期接種が始まったものの、重篤な副作用の報告を受け、厚生労働省は、昨年6月に積極的勧奨の一時見合わせを決定し、さらに、ことし8月には副反応報告制度により、厚生労働省に報告された患者について、健康状態の追跡調査を行うとの発表があったわけでございます。
このような我が国の予防接種制度については、安全性と副反応など、ワクチンに対する誤解や対応の不備もあり、この必要性と安全性が市民にきちっと伝わっていないことが危惧されるわけであります。また、無料化しているワクチンの種類も多くなかったため、日本では、ワクチンの接種率が他の先進国に比べて低くなっております。ワクチン接種による副反応調査は、しっかりと因果関係を明らかにしていただき、感染による重症化の危険性が高い病気をワクチン接種により防いでいくため、定期接種化の推進を図る必要があります。
ことし10月の末には、札幌医師会、小児科医会は、日本脳炎ワクチンの定期接種化の早期実現を求める要望書を、直接、上田市長へ提出されたと伺っております。この日本脳炎ウイルスは、感染しても症状が出ない不顕性感染が多い中、けいれん、意識障害が見られる重篤な脳炎は、感染者の1,000人から5,000人に1人くらい発生し、致死率は20%から40%で、発症者の45%から70%に後遺症が残ると言われております。この予防には、ワクチン接種が有効であり、全国では、予防接種法による定期接種として、原則、公費により無料で予防接種が実施されておりますが、北海道では、予防接種法第5条第2項により、予防接種を行う必要がないと認められる区域と、全国で唯一、定期接種の対象外の区域に指定されております。
札幌市は、194万人の人口を有する北海道最大の都市であり、観光客やビジネス客等の人の往来が多く、道外からの転勤等で転入する方や、札幌市から本州方面へ進学、就職等で転出をしております。さらには、温暖化等の影響もあろうかと考えますけれども、北海道においても豚の血清抗体検査で陽性事例もあり、この札幌で日本脳炎に感染する可能性は十分にあると言えます。これら人口移動を考慮すると、可能な限り、早急に日本脳炎ワクチンの定期接種化を行うべきであります。
そこで、質問でありますけれども、札幌市において、日本脳炎ワクチンの定期接種化に向けて、現状はどのようになっているのか、また、今後どのように対応していくのか、お伺いをいたします。
次に、感染症についてお伺いいたします。
人、物の往来は短時間で大量に世界を移動することになり、地球上のどこかで発生した感染症は世界中を容易に駆けめぐるようになりました。このようにグローバル化が急速に進む現代において、海外からの感染症の流入を水際で阻止することは大変難しいことであり、抗生物質等の容易な入手により、感染症の原因となる細菌やウイルスの薬剤耐性化は急速に進化し、これまで以上に感染症による健康被害の脅威にさらされていると言えます。この危機的な状況に対応するためには、感染症に対する現状を再認識し、情報の公開と共有、そして標準化した対処法等、国境を越えたグローバルな対応が求められております。
日本国内において、ことし8月に海外渡航歴のないデング熱患者が発生いたしました。その後、患者の血を吸った蚊を媒介して感染が広がっており、これまでは海外での感染に注意を払っていた感染症が、海外に行かずとも、国内でも感染するものとなりました。
また、エボラ出血熱では、10月に、西アフリカの滞在歴があり、発熱症状があった疑似症患者が発生し、11月も同様の事例が2件発生するなど、国内発生を想定した早急な対応が必要となりました。このように、1類感染症であるエボラ出血熱が国内に入り、発生した場合、検疫所での入国時の対応、医療機関への対応の周知、そして疑似症患者の移送、入院勧告、処置等、各自治体が標準的対応を徹底し、感染症の拡散防止に努めなければなりません。札幌市では、市立札幌病院が、唯一、このような1類感染症の患者を受け入れる病院として指定をされておりますけれども、発生した場合、迅速に対応できるよう万全の準備が必要となります。このように、エボラ出血熱を疑う事例は、現在のところ、本州で発生をしておりますけれども、札幌にいつ入るか、わかりません。連絡や報告体制等の標準的対応フローは確立し、訓練されているのか、懸念があるところでもあります。
加えて、エボラ出血熱に限らず、新型インフルエンザや新たな未知の感染症の発生、さらには、感染症に限らず、医薬品や食中毒、その他から生命や健康を脅かす事態に対応できる健康危機管理対策をしっかり確立し、新型インフルエンザ等、新たな感染症による健康危機管理体制の強化も必要と考えます。
そこで、質問でありますけれども、エボラ出血熱を疑う患者が札幌市内で発生した場合の対応について、現時点でどのような準備をされているのか、お伺いいたします。
また、感染症健康危機管理体制の強化についてどのように考えているのか、これについてもあわせてお伺いをいたします。
最後に、本市の学力向上に向けた取り組みについてであります。
先日、道教委より、全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの結果の概要が公表され、札幌市の全国学力テストの結果も掲載をされました。文部科学省の実施要領に沿って、全国、全道、札幌市の平均正答率が学習領域別にレーダーチャートと呼ばれるグラフを用い、わかりやすく示されており、本市の結果と評価については、全道の平均正答率との比較でやや上回っており、全国との比較ではおおむね平均並みといったところに位置していることがわかるわけであります。ところが、グラフ化されておりませんけれども、全国トップレベルである秋田県と比較すると、その差は歴然としており、平均正答率が10ポイントほど低い教科もあります。
私は、小・中学校における教育は、心身の健全な育成と義務教育としての基礎学力を着実に身につけ、加えて、札幌市の教育目標である自立した札幌人として国際的な視野を持つことなどを掲げている以上、それなりの学力を求められているのではないでしょうか。
我が会派は、学力テストの結果公表を主張してきましたけれども、それに対し、本市教育委員会は、札幌の子どもたちの学力は全国平均値にあるとして、何か平均でよいような答弁の印象を常々持っておりました。しかしながら、全国トップレベルとの差については、問題意識をしっかり持ち、本市の子どもたちの学ぶ力を養い、確かなものにしてほしいと望むことは、保護者の方々の切なる思いではないでしょうか。
全国トップレベルと差があるという事実は、違う観点に立てば、本市の子どもたちはまだまだ学力の伸び代があり、その余力が大いにあるという見方もできるわけであります。学力テストの結果が平均であることに胸をなでおろすのではなく、基礎学力の定着はもちろん、子どもたちの可能性を最大限に引き出し、学力向上に向けてさらなる取り組みを強く求めるところであります。
そこで、質問でありますけれども、まず、本市学力テストの結果は全国平均を目標にしているのか、お伺いいたします。
また、学力テスト全国トップレベルにある自治体の取り組みと成果をどのように認識しているのか、お伺いいたします。
加えて、その認識に基づき、今後どう取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
○議長(高橋克朋) 宗形議員に申し上げます。
通告時間を超過しておりますので、まとめてください。
◆宗形雅俊議員 (続)はい。
それでは、時間が来ていますので、あと二つです。
以上、学力向上のお話をしましたけれども、いわゆる学力の底上げというのも我々が取り組んでいるところでございます。
そこで、本市の習熟度に合わせた教育のあり方について、その認識とその取り組みについてどう行っていくのか、お伺いします。
さらに、地域と連携して取り組んでいく方策もあると思いますけれども、その見解についてお伺いをいたします。
最後に、これは前文はないんですけれども、本市の反転学習を初めとするICT教育についての認識と現状をお伺いします。
また、今後、本市の教育に取り入れていく可能性についてもお伺いをいたします。
以上で、私の質問を全て終了いたします。ご清聴、ありがとうございます。(拍手)
○議長(高橋克朋) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 12項目のご質問がございましたので、私からは、市民憲章についてとオリンピック、それから、5項目めのまちづくりの公共施設の配置基本方針案について、それから、国際芸術祭について、札幌市のエネルギーの施策について答弁をさせていただきます。その余は、担当副市長並びに教育長からも答弁をさせていただきますので、お聞きいただきたいと存じます。
まず、札幌市民憲章について、その認識についてということでお尋ねでございます。
札幌市民憲章は、市民の心のよりどころであるとともに、目指すべきまちの姿である、このように基本的に認識をいたしております。札幌市では、そのような認識のもとに、平成18年に自治基本条例を制定いたしましたけれども、その前文にも、「私たちには、この気高い市民憲章を札幌の心としながら、先人の築いたまちを、更に良いまちにして未来の世代に継承していく責任があります。」と明記をしているところでございます。
市民憲章が制定されましたときから既に半世紀がたちましたけれども、多くの方が札幌市民憲章の精神を実践し、そして努力をしてきたことで現在の札幌がある、このように考えております。私たちは、今の札幌を生きる者として、その精神を引き継ぎ、誰もが住みよいまちづくりを目指し、今後も邁進していかなければならない、こんなふうに考えるものでございます。
市民憲章の意義を反映させるための取り組みについてというご質問でありますけれども、市民憲章の唱和というのは朝礼などで強制するべきものではない、こんなふうに考えておりますけれども、市職員が市民憲章の趣旨をしっかりと理解するということは極めて重要だと考えております。このため、現在、各職場の執務室の壁面や、あるいは、本庁舎の各階のエレベーターホールに設置をしております液晶表示板などにおきまして市民憲章の主文を掲示しているほか、新採用の職員研修で使用しておりますテキストにもこれを掲載いたしまして、受講者への周知を図っているところでもございます。
今後は、さらに、市民自治によるまちづくりについて学ぶカリキュラムの中で、市民憲章の精神について理解を深める機会というものを設けるほか、職員に市民憲章の趣旨を一層周知していくための方法について検討し、実施してまいりたい、このように考えております。
市民憲章の教育、それから学習につきましては、教育長から答弁をさせていただきます。
2項目めの冬季オリンピック・パラリンピックの開催についてでございます。
さらなる機運醸成や財政上のメリットに関する広報についてということでご質問でございますが、冬季オリンピック・パラリンピックを招致し、開催することによる札幌市のまちづくりや、あるいは経済に及ぼす効果というものを多くの市民の皆様方に実感していただくためには、広報さっぽろや、あるいはホームページはもとより、あらゆる媒体や機会というものを活用いたしまして情報発信に努めるということが必要であるということは認識を共有させていただいているところでございます。
特に、札幌には、オリンピックのすばらしさを体験しております、オリンピック競技に出場された選手の皆さん方、これはオリンピアンというふうに言われるそうでありますが、多くのオリンピアンや、あるいは競技関係者というものが多数在住をされております。これらの方々の協力を得るとともに、今後、札幌で開催されます各種の国際大会を通じまして、より効果的な情報発信というものを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
残り任期でどんなことをやるのかというお尋ねでございますが、冬季オリンピック・パラリンピックは国家的な事業でございます。大会の招致と開催に当たりましては、国の支援が不可欠であるということでございます。今後、JOC、日本オリンピック委員会はもとより、国を初めとする関係機関などへ札幌市の意向をしっかりお伝えいたしまして、また、国際大会の開催を通じまして国際競技連盟の理解なども得ていきたい、こんなふうに考えております。
特に、来年3月には世界女子カーリング選手権大会が札幌で開かれます。ことしの2月のソチオリンピックの際に、私は女子カーリングの国際競技連盟の会長にお目にかかってお話をしておりますが、来年3月においでになりますので、そういう方々にも札幌市の立場というものをしっかり訴えさせていただきたいと存じます。さらには、この間、私が就任して以来、FISノルディックスキーの世界選手権もございましたが、私どもはこういうところと関係を持っており、その人脈というものを通じまして、札幌スキー連盟や競技団体とも連絡をとりながらしっかりアプローチしていきたい、こんなふうに考えているところでございます。
5項目めのまちづくりと公共施設の配置基本方針案についてでございます。
まず、方針策定後の実行プロセスについてということでお尋ねでございますが、このたびの配置基本方針案は、人口減少や超高齢社会の到来を見据えて、将来の負担にも配慮しつつ、地域コミュニティーに必要なサービスを維持・充実させるために、公共施設の概念を抜本的に見直すということで、札幌を新たな時代に対応した魅力あふれるまちへと再構築しようとするものでございます。今後は、この基本方針の方向性に基づきまして、公共施設に係ります各部門別の計画の見直しを行うということで、人口構造の変化を見据えた中長期の整備目標というものを設定してまいりたいと考えております。
特に、小学校の複合化に当たりましては、児童数の推移などを踏まえた学校の施設整備計画を策定した上で、当面、複合化を進める具体的な地域等については、次期の中期実施計画の中で位置づけを行いまして、順次、複合化に向けた地域住民との協議というものを積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
庁内の推進体制についてお尋ねでございますが、配置基本方針案の策定に当たりましては、例えば、小学校の複合化モデルプランの策定におきまして、地域住民や、あるいは施設管理者などによりますワークショップを開催した際には、学校を所管いたします教育委員会に加えまして、市民まちづくり局や、あるいは子ども未来局、さらには、地域の実情を把握しております区役所など、さまざまな関連部局の職員が参加をするなど、庁内の連携体制というものを構築しながら議論を進めてきたところでございまして、方針策定後も引き続き庁内連携を密にいたしまして再構築に向けた取り組みを加速してまいりたい、このように考えております。
地域住民の合意形成についてでございますが、配置基本方針案では、市民がつくる公共施設を基本理念に掲げまして、今後は、地域住民が施設サービスの受け手という立場にとどまることなく、行政と市民が地域に必要な施設をともに考えてつくり出すという考え方への転換を位置づけたところでございます。したがって、今後、小学校の複合化などの取り組みを進めるに当たりましては、市民へ十分な情報提供を行うことはもちろんでありますが、各地域において、町内会やPTAを初めとした地域住民、さらには施設管理者などを含めました意見交換を行うなど、施設整備の青写真を描く段階から多くの市民に参加をいただきまして、地域のニーズに応じた丁寧な議論を進めてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
7項目めの札幌国際芸術祭につきましてお答えをいたします。
まず、創造都市さっぽろ宣言への市民理解についてということでございます。
札幌市は、創造都市さっぽろ宣言で表明をいたしました、市民の創造性を生かして新しい産業や文化を育むまちを目指すという意思を具体化するために、市民が身近に文化芸術に親しみ、創造性を育む機会の創出に取り組んできたところでございます。
創造都市さっぽろの市民理解についてでございますが、アンケートなどで定量的な把握をしているわけではありませんけれども、この間、地下鉄コンコースをアート作品展示空間とした500m美術館、そして、単なる通路ではなく、芸術文化の発信拠点と位置づけました札幌駅前通地下歩行空間、チ・カ・ホの整備をするとともに、あるいは、札幌の歴史を振り返り、そういうことを目的にいたしました30メートル写真館を整備する、さらには、国際短編映画祭、さっぽろアートステージの開催など、これらを通じまして市民理解を深め、そして、市民に受け入れられてきたというふうに私どもは理解をしているところでございます。
芸術文化がもたらす感性の刺激というのは、人々の物の見方を変えてさまざまな考えを生み出す効果があり、その多様性こそがまちの発展の大きな力になると私は信ずるところでございます。創造都市とは、このような多様性を生かし、持続可能なまちの発展を目指す取り組みでございまして、今後も、市民とともに成長させていくべきもの、このように考えている次第でございます。
基本構想で挙げております四つの開催目的の達成についてはどうなのかということでございますが、具体的には、世界10カ国64組の多彩な芸術作品を、札幌市の文化財、そして観光資源を最大限活用しながら展開し、そして、札幌の魅力を広く発信することができた、このように考えております。また、坂本龍一ゲストディレクターを初めとした国際的に活躍するアーティストや、あるいはキュレーターとともに、この札幌市内のアート関係者や多くの市民ボランティアが一体となって芸術祭をつくり上げてきたこと自体が、札幌の文化芸術を支える人材育成・交流に大きく貢献したものと考えているところでございます。
加えて、モエレ沼ガラスのピラミッドに展示されましたメディアアートの作品が文化庁メディア芸術祭において今年度のアート部門優秀賞を受賞したほか、サッポロ・エホン・カイギを初め、本を活用した二つのプロジェクトが全国図書館大会で先進的な取り組みとして紹介されるなど、芸術祭で生み出された作品が次々と高い評価を受けて、文化芸術の分野での札幌の存在感、プレゼンスというものが高まったというふうに私は考えております。
このように、基本構想の目標について一定の成果があったと認識をしておりますが、これらの成果を積み上げてより確かなものにしていくためにも、今後の継続的な取り組みが重要であると考えておりまして、それが、議員が冒頭にお示しになられました札幌市民憲章の第5項目にございます「世界とむすぶ高い文化のまちにしましょう」、こういう目標に私たちが近づくことになるというように信じているところでございます。
有料会場の来場者についてということでお尋ねでございます。
1点目の来場者数の評価についてと2点目の来場者数の課題と工夫の余地についてということでございますが、札幌国際芸術祭は、さきにも述べましたとおり、芸術文化が発信をする価値観の多様性というものを寛容に受けとめることで、市民の物の見方を変え、あるいは、創造性を喚起するということで、札幌の魅力の再発見や、あるいは地域課題を考えるきっかけをつくっていく、文化芸術に支えられた持続可能な発展につながることを目的としたものでございます。したがいまして、来場者数の評価に当たっては、一人でも多くの方々に参加をしていただくということが重要だと考えておりまして、対価を払って来場された方の人数に限った評価ということは考えていないところでございます。
また、美術館の来場者数が目標に到達しなかったということにつきましては、開催前の早い時期から美術館の企画展示の魅力というものを十分に伝え切れなかった、そして、市民の関心を高められなかったということが主たる原因だと私は考えておりまして、この点は、主催者といたしましては十分な反省をしなければならない、こんなふうに考えているところでございます。
次回の芸術祭に向けては、今回の経験を生かしまして、作品の魅力を伝える工夫など、広報戦略をしっかりと強化をしていきたい、こんなふうに考えているところでございます。
経済効果の算出根拠についてでございます。
札幌国際芸術祭の経済効果額の算定に当たりましては、アンケート調査等によりまして来場者が市内で消費をした総額を推計した上で、産業連関表を活用いたしまして波及効果を測定しているところでございます。イベントの経済効果の算出におきましては、当該イベントを主目的とした純然たる来場者の把握というのは極めて困難であるということから、現実的には総来場者数に基づいて消費額を求めるというのが一般的な手法でございます。実際に、横浜トリエンナーレ、あるいはあいちトリエンナーレを含めまして、全国で開催されますイベントの経済効果の測定におきましても同様の手法が広く活用されておりますことから、今回の経済効果の算出方法というものが他の事例と比較いたしまして妥当性に欠けるものとは考えておりません。何かほかにいい方法があるのであればお教えいただきたい、このように思います。
公式ロゴデザインについてでございます。
1点目の選考過程における調査でございますが、ロゴマークについては、アートやデザイン、広報プロモーションの専門家による審査を行ったものでありまして、さらに、商標登録上、類似のものがないのかの調査も実施しておりますことから、調査方法に問題はなかったものと考えております。
なお、本件につきましては、弁理士、弁護士にも相談をした結果、類似しているとは言いがたい、著作権その他の権利侵害はないとの見解が示されているところでございますので、念のため、付言をさせていただきます。
2点目のロゴマークの継続使用についてということでありますが、今回のロゴマークにつきましては、札幌国際芸術祭2014として公募をし、採用したものでありますので、継続してこれから使用するということは前提としたものではありませんが、次回以降もこれを使いたいという実行委員会等の判断がある場合には、それはまた別途考えることになりましょうし、著作権者の了解を得なければならないものだというふうに思います。しかし、原則的には、2014という形で募集をして、今回のロゴマークというふうに我々は考えているということでございます。
次に、札幌市のエネルギーの施策についてでございます。
札幌型環境産業の創出や規模拡大に向けた今後の取り組みについてということでありますが、札幌市では、これまで、札幌型の環境産業の創出に向けまして、雪の乱反射というものを利用した両面太陽光パネルだとか、あるいは、温泉の排熱を再利用する機器など、新製品や、あるいは新しい技術の開発を支援してきたところでございます。これらの事業活動を産業として成長させるためには、多様な製品開発や、あるいは技術の蓄積、それらを担う企業群の広がり、あるいは厚みというものが求められるところでございます。そのためには、市民や企業の環境負荷低減に向けた意識の高まりというのはもとより、再生可能エネルギー関連製品や、あるいは、省エネサービスなどの積極的な利用に向けた具体的な行動へと促すことが必要だと考えております。
したがって、今後は、国の環境施策の動向を注視しつつ、庁内の幅広い部局の連携のもとに、市民や企業に対しまして環境負荷軽減に向けた行動を促すとともに、製品開発から販売に至る一連の事業活動を支援してまいりたいと考えております。これらの取り組みを粘り強く続けることによりまして、札幌型の環境産業を主要な産業へと育ててまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
水素利活用の認識についてでございます。
水素は、利便性やエネルギー効率が高いとともに、さまざまな方法で製造することが可能なものでございまして、また、利用段階での温室効果ガスの排出がないなど、多くのすぐれた特徴を有しているものでございます。特に、再生可能エネルギーの宝庫であります北海道におきましては、風力や太陽光によって発電した電力の余剰分というものを水素に転換をするということで、変動調整にも役立てることが期待されるものでもございます。その一方、普及拡大に向けましては、水素ステーションなどの供給体制の整備、あるいはコスト面、安全性にかかわる制度面などの問題がある、このように認識をいたしているところでございます。
札幌市では、北海道が実施をしております北海道水素エネルギー勉強会に国や関連企業とともに既に参加をしておりまして、情報収集に努めているところでありまして、今後も、水素の利活用に向けまして、国、北海道、民間事業者との連携を深めて積極的にかかわっていきたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(高橋克朋) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私からは、3項目めの南区のまちづくりについて、4項目めの空き家対策について、6項目めの建設業界の人手不足について、以上3件について回答を申し上げます。
まず、南区のまちづくりについてでありますが、最初に、真駒内駅前地区のまちづくりについてであります。
1点目の真駒内駅前
地区まちづくり指針の具体化に向けた今後の進め方についてでありますが、まちづくりの議論をより一層活性化させる必要があるために、アイデアコンペの作品の展示等を通じてまちづくりのご意見をいただいたところでございます。今後も、アイデアコンペの作品を活用して、地域の方々や関係機関とともにまちづくりの議論を深めますとともに、旧真駒内緑小学校を活用して地域の交流促進を図りながら、まちづくり指針の具体化に向けた取り組みを持続的に展開してまいりたいと考えております。
2点目の南区の観光振興につながるような機能の充実についてでございますが、札幌市の観光資源であります定山渓や芸術の森などを訪れる人々の滞留や交流を促すなど、南区の魅力資源の入り口にふさわしい場を形成できるよう、観光振興の視点も盛り込みつつ、真駒内駅前地区の充実に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、道路網整備とバス路線網の充実についてでございます。
1点目の五輪通の検討についてでございますけれども、議員のご指摘のとおり、
盤渓北ノ沢トンネル開通によりまして五輪通の交通量の増加が想定されるところでございまして、それを見越しまして、ことし10月に、トンネル開通前の交通状況を把握するため、交通量調査を行ったところでございます。
今後も、トンネルの開通に伴う交通量の変化に対応しまして、五輪通の交通の円滑化を確保するため、調査検討が必要であると考えているところでございます。
次に、2点目の豊平川通の検討についてでございますけれども、豊平川通の南進につきましては、豊平川の堤防敷地を基本として検討を進めているところでございます。堤防上の限られた狭い敷地であるなどの地形的な制約から解決すべき課題は多いところではございますけれども、計画の実現に向けて、河川管理者等の関係機関との協議を進めまして着実に検討を行ってまいりたいと考えております。
3点目のきめ細かく円滑な交通が可能となるバス路線網の検討についてでございますけれども、現在、モデル地区におきまして、地域住民、バス事業者及び行政の3者によりまして、地域の実情に合ったバスネットワークのあり方でありますとか利用促進の取り組みの推進などについて協議を実施しているところでございます。
この取り組みの結果を踏まえまして、平成27年度に地域の交通体系の確立に向けた基本的な考えとなります札幌市地域交通基本方針を策定する予定でございます。この基本方針の策定の後、順次、市内各地域において地域協議を行いまして、地域の交通計画を取りまとめることにしておりまして、人口減少や高齢化率が顕著である南区においてもこの取り組みを進めていく考えでございます。
次に、空き家対策についてでございますが、まず、空き家等対策の推進に関する特別措置法の成立を踏まえた札幌市の対応についてでございます。
適正に管理されていない空き家への対応は、札幌市においても重要な政策課題でございます。そのため、今年度、空き家対策検討委員会を立ち上げて検討を進めてきたところでございます。このたび、空き家等対策の推進に関する特別措置法が成立したことによりまして、このような空き家に対して法的根拠を持った対応ができるようになったところでございますので、札幌市としての対応基準や庁内体制を早急に整備し、空き家問題の解決に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、空き家やその跡地の活用のために必要な対策についてでございます。
空き家やその跡地を活用することは、地域の課題解決や活性化につながりますことから、そのための仕組みづくりは空き家対策の重要な柱になると考えているところでございます。そこで、例えば、民間の不動産関連団体やNPOなどと連携をいたしまして、空き家やその跡地を流通に乗せたり、町内会などによる地域での活用を促す仕組みを構築するなどの対策を検討してまいりたいと考えております。
次に、空き家等対策計画の策定についてでありますが、総合的かつ計画的に空き家対策を進めていくためには、空き家等対策計画を策定し、地域の実情に合わせた実効性のある取り組みを進めていく必要があると考えております。したがいまして、今後、国から示される基本指針などを踏まえ、速やかに積雪寒冷地である札幌市の地域特性にも十分配慮した計画の策定に着手をいたします。
次に、6項目めの建設業界の人手不足についてでありますが、まず、若年層の就職者が少ないことへの認識及び取り組みについてであります。
若年層の就職者が少ないことへの認識についてでありますが、建設業は、全国的に見ましても著しく高齢化が進んでおりまして、若年層の就業者の割合も他の産業に比べて低いことから、将来の安全・安心な市民生活を守る上で重要な課題であると認識をしているところでございます。
次いで、取り組みについてでございますが、札幌市といたしましては、建設業を志望する若者を対象としたインターンシップ制度を行いました。一方、業界団体では、現場見学会やPR漫画冊子の作成など、それぞれに取り組んできたところでございます。来年度からは、より一層の連携を図りまして、札幌市と業界団体が共同で現場見学会を実施するなど、担い手の育成に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、人手不足などによる工期への影響に対する認識及び対策についてでありますが、まず、工期の延期についてでございます。
工期は、積算基準等に準拠し、適切に設定をしているところでございますけれども、人材、資機材の不足等の要因によりまして、一部の工事では安全管理、品質管理を確保することで工期にしわ寄せが来てしまい、結果的に工期延期で対応している実態がございます。
次に、対策でございますけれども、今後は、現場特性や状況に応じ、より一層適切に工期を設定するとともに、現場着手までの十分な準備期間を確保した工事発注等、工事の円滑な進捗と適正な施工に資する取り組みを進めてまいりたいと考えております。
最後に、品確法改正を受けた取り組みについてでございます。
改正品確法の理念として新たに掲げられました、公共工事の将来にわたる品質確保とその担い手の中長期的な育成確保、このことにつきましては、札幌市におきましても重要な課題であると認識をしております。今後、国から示されます品確法の運用方針を見据えながら、若手技術者の育成や地域インフラの整備に貢献する地元建設業の健全な発展に向けまして、総合評価落札方式のさらなる活用など、入札契約制度の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(高橋克朋) 井上副市長。
◎副市長(井上唯文) 私から、8項目めの経済・雇用対策について、10項目めの高齢者福祉について、11項目めの予防接種と感染症対策についてお答えをいたします。
まず、8項目めの経済・雇用対策についての現在の社会経済環境の認識についてでありますが、雇用情勢に持ち直しの動きが続いているなど、ビジョン策定時と比べますと、厳しいながらも札幌の景況感は回復基調にあるものと認識をしております。
一方で、札幌の事業所数、従業員数は、ビジョン策定前に比べて減少しておりまして、若年層を中心とした人口流出や出生率の低下による生産年齢人口の減少によって地域経済の活力が著しく低下するのではないかという危機感を強めているところでもあります。
次に、今後の経済施策についての考え方であります。
これまで以上に雇用の場を創出する企業立地や創業支援の取り組みが重要になるとともに、今後の道内市場の縮小を見据え、道外、海外への販路拡大支援など、外需獲得に向けた取り組みにも力を注いでいく必要があるものと考えております。また、雇用施策につきましては、これまで就労に結びつけることを重視してまいりましたが、今後は、正規雇用につなげていくなど、求職者のニーズに応じた支援策が重要になるものと考えております。
次に、10項目めの高齢者福祉についてお答えをいたします。
まず、健康長寿社会のあり方についてでありますが、札幌市では、介護サポートポイント事業を初め、介護予防、健康づくり、生きがいづくりの観点から、高齢者の社会参加につながるさまざまな取り組みを実施しているところであります。一方で、急速な少子高齢化の進展に伴い、福祉、子育て支援、経済活動などを担う現役世代の不足も懸念をされ、地域活性化の観点からも高齢者の皆様にその意欲、能力に応じて社会を支える側に回っていただくことがより一層重要になると考えております。社会で役割を担い、積極的に行動することは、高齢者にとっても生きがいのある健康的な生活の維持につながり、ひいては介護予防の効果も期待できます。これらのことから、ご質問にありましたとおり、札幌市としても、より多くの元気な高齢者が力を発揮できる社会を目指すべきものと認識をしております。
次に、元気な高齢者をふやし、活躍につなげる取り組みについてであります。
今後は、みずから社会参加の機会を探す高齢者への支援に加えまして、適当な相談先や情報を把握できないためにきっかけを見つけられずにいる高齢者の皆様にも、積極的な働きかけが必要であると考えております。
そこでまず、高齢者の興味・関心や社会参加に焦点を絞った調査を行った上で、行動のきっかけとなる情報をさまざまな活動の魅力を交えて工夫をしながら発信してまいりたいと考えているところであります。また、高齢者が社会で力を発揮するためには、みずからの経験や技術などを再認識し、それを社会で生かす方法を生み出すことができるよう、一人一人に適した活動の場の紹介や助言を行うことも有効と考えております。実現に向けまして、支援の中核を担う人材や教育団体、関係機関のネットワークが不可欠でありますから、ご質問にもあった事例を参考に検討を進めてまいります。
次に、11項目めの予防接種と感染症対策についてお答えをいたします。
まず、日本脳炎ワクチンの定期接種化についての1点目の定期接種化に向けた現状についてであります。
日本脳炎ワクチンの予防接種は、現在、北海道知事の指定により、道内全域が予防接種を行う必要のない区域となっており、その指定については、北海道感染症危機管理対策協議会において、毎年度、検討されているところであります。札幌市も、この協議会の専門委員会に参画をしておりまして、区域指定の検討経過についても承知をしております。この専門委員会が平成26年7月に開催をされておりまして、今年度内に区域指定について、委員会の検討結果が取りまとめられる予定となっております。
2点目の今後の対応についてでありますが、昨今の人口移動などの状況を踏まえますと、北海道が区域指定を解除する可能性は十分にあるものと考えられるところであります。したがいまして、区域指定が実際に解除された場合に定期接種を円滑に開始できるよう準備を進めてまいりたいと考えております。
次に、感染症対策についての1点目のエボラ出血熱を疑う患者発生時の対応についてであります。
現在、流行国への渡航歴や発熱症状から感染が疑われる患者は、疑似症患者として市立札幌病院に搬送することとなります。そのため、連絡体制の確認、患者の搬送や受け入れに関する手順について関係部局で情報を共有するとともに、患者の対応に当たる職員の感染予防対策に関する訓練を実施するなど、疑似症を含む患者発生時に的確に対応できるよう準備をしているところであります。今後も、エボラ出血熱の流行国からの帰国者に関する情報の把握や円滑な患者搬送のため、厚生労働省研究所、北海道警察など関係機関とのさらなる連携について取り組んでまいります。
2点目の感染症健康危機管理体制の強化についてでありますが、新型インフルエンザなど、新たな感染症の流行は市民の健康や生活に大きな影響を及ぼすこととなるため、健康被害の発生と市民生活の影響を最小限にとどめることが重要と認識をしております。このため、今年度改定した新型インフルエンザ等対策行動計画に基づきまして、新たな感染症に対する札幌市の対応マニュアルを改定し、充実させていくことなどによりまして感染症健康危機管理体制を強化してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(高橋克朋) 町田教育長。
◎教育長(町田隆敏) 私から、1項目めの札幌市民憲章についてのご質問の一部と、12項目めの学力向上に向けた取り組みについてお答え申し上げます。
1項目めの札幌市民憲章についての3点目のご質問、札幌市の教育が目指す自立した札幌人と札幌市民憲章の関係についてでございますが、現在、札幌市の教育が目指す人間像である自立した札幌人を実現するために、札幌らしい特色ある学校教育の推進に取り組み、雪、環境、読書を三つのテーマとして全ての市立幼稚園、学校で学習をしているところでございます。この取り組みは、札幌市民憲章と多くの部分で相通ずるところがございます。例えば、未来の札幌を見つめる環境に関する学習につきましては、市民憲章2章の「空も道路も草木も水も、きれいなまちにしましょう。」、また、北国札幌らしさを学ぶ雪に関する学習につきましては、5章の中の「北国のくらしにあった、衣・食・住のくふうをしよう。」を子どもたちが実現するものでございます。
それから、4点目の市民憲章に関する学習についてのご質問でございますが、現在、学校では、子どもたちの目にとまりやすい場所に札幌市民憲章を掲示しており、子どもたちは折に触れて目にしているところでございます。今後は、市民まちづくり局が小学校3年生全員に配付している市民憲章が掲載された学習資料をより一層授業で活用するよう働きかけるなどして、市民憲章に関する学習を推進してまいります。
次に、12項目めの学力向上に向けた取り組みについて、1点目の全国学力・学習状況調査の目標についてのご質問ですが、全国学力・学習状況調査におきましては、全国平均を目標としてではなく、文部科学省による調査の目的に基づき、子どもの学習状況を分析し、課題を明らかにする上での指標として活用しているところでございます。
調査結果では、札幌市全体としては、小学校では全国平均とほぼ同程度ではございますが、中学校では基礎・基本の力であるA領域、活用の力であるB領域ともにはっきり上回っており、義務教育9年間を通して着実な成果があらわれていると認識しているところでございます。
教育委員会といたしましては、これに満足することなく、学ぶ意欲や基礎的・基本的な知識及び技能、思考力・判断力・表現力等の学力の3要素をバランスよく育むこと、このような本来の学力を身につけることを目標に取り組んでいるところでございます。
2点目の他の自治体の取り組みと成果の認識及び札幌市の今後の取り組みについてでございますが、全国学力・学習状況調査で教科の平均正答率が高い自治体の取り組みとして、例えば秋田県では、授業や家庭学習におきまして、子ども自身が課題を立てて取り組むことを重視していると承知しております。
文部科学省でも、自分で課題を立てて調べたことを発表するなどの学習活動を充実することや、調べたり文章を書いたりする家庭学習の定着が教科の学力状況に大きく影響していると分析しております。子どもみずからが課題を立てて学習に取り組むことは、生涯にわたって学び続ける力を育むことを目指す札幌市の教育においても重要と認識しており、各学校における取り組みの充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の習熟度に合わせた教育についてでございますが、特に小学校における算数の少人数指導や習熟の程度に応じた指導、専門の教員が理科や外国語活動などを指導する専科指導を行うことは、学ぶ力を育む上で有効と認識しております。今後、教育委員会として、こうした指導体制のあり方を工夫し、子ども一人一人にとって、分かる・できる・楽しい授業の充実に努めてまいりたいと考えております。また、現在取り組んでいる学生ボランティア等による授業支援や土曜日等に地域人材を活用して行うサッポロサタデースクール事業などの拡大に努めながら、積極的に地域等との連携を図ってまいります。
次に、3点目でございますが、反転学習を含めたICT教育についての認識及び現状と反転学習の導入の可能性についてのご質問でございますが、まず、反転学習とは、情報通信技術、ICTが進展し、パソコンやタブレット端末が普及する中で生まれた新しい授業の形で、従来の学校で教わり家庭で復習するというやり方を反転させ、家庭で動画教材を使って予習をし、学校の授業ではその内容を生かして共同的な学習や問題に取り組むことによって理解を深める学習であります。ICTの活用が必要不可欠な授業形態であります。
学習指導等でICTを有効に活用することは、授業の工夫、改善が図られ、札幌市が目指す、学ぶ力の育成に効果的であると認識しております。現在、教育委員会として、教育用コンピューター、大型デジタルテレビ、実物投影機等の整備に努め、その活用を促しており、各学校におきましては日常的にICTを活用した学習指導が行われているところでありますが、学校で教わり、家庭で復習するという流れを逆転させる、いわゆる反転学習につきましては、札幌市では、現在、導入しておりません。この学習につきましては、一部の自治体で試行的に導入している段階でございまして、その教育的効果や課題について、今後見きわめてまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
(宗形雅俊議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(高橋克朋) 宗形議員。
◆宗形雅俊議員 ありがとうございました。
それで、3点ほど質問をさせていただきたいと思うのですけれども、その前に、2点ほど、ご指摘といいますか、先ほど、公共施設の配置基本計画ですね。今、パブリックコメント等々をやっていると思うんですけれども、今、学校の統廃合、適正配置もやっているところで、地域によっては、相当、考え方というか、地域の考え方があると思うんですね。これまでは、検討委員会、また、子どもたちのワークショップや地域のワークショップをやっていますけれども、まとめながらも、この辺は、例えば、中央区の住宅街と私どもがいる南区の郊外、郊外でも、住宅街の郊外と、正直、まばらなところと、相当、住民の考え方が違うと思うのですね。ですから、これにつきましては、でき上がったとしても、やはり、そういった似たようなところのケースを見ながら、そして、対応がやっぱり違ってくる、それぞれ考え方が変わってくるというと、基本計画がまた崩れていくと思うんですよね。
ですから、そういったことを含めながら、私は、一つの考え方というのは、一つの方向がいい方向ではないのかなと。だから、言っているのは、総論はいいんだけれども、各論に行くと相当ハードルが高い。それから、学校施設においてもやはりセキュリティーの問題ということと、異年齢ができるとか、いろいろなメリット・デメリットが出てくるのですね。それから、地域性とありますので、この辺は、最終的にこれからまとめるのでしょうけれども、この辺を十分、まずは入れて、似たような各地域のさまざまなご意見、改めて、今、パブリックコメントもやっているでしょうけれども、そういったものを十分考慮して進めていっていただきたいなと、まず、その1点を指摘しておきたいと思います。
それから、南区のまちづくり、駅前と豊平川の南進、全く意気込みが感じられません。まちづくり指針ができました。あのときも、にぎわいのあるまちづくりということで、8割の方が駅前を求めています。そういう中で、緑小が、適正の中で、今後、10年間、そのために、今、利活用しようということでやっています。今、生島副市長の、緑小の活用ということがあるのですけれども、それからどうするんですかというのがやっぱりあれなんです。
それから、豊平川の南進は札幌市総合交通計画に盛り込まれました。しかし、遅々として進まない。課題があるのも十分知っています。しかし、なかなか、スタートしてから、現状は何か進んでいないなという感じがあります。これは、次なる課題でもう一つ議論をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
それで、質問です。
市民憲章は、エレベーターの液晶とかに出ています。けれども、あれは内容が変わっていますよね。ぜひ、市長、通じる認識ということですから、入った正面の元気ショップと高層階に行くエレベーターのところの壁がありますよね。あそこに飾ったらどうですか。そんなにかからないと思いますしね。学校でも目立つところに置いていますということですから、やはり、札幌市のアイデンティティーとして市民憲章の一節があそこに掲示されたらどうかなと思うんですけれども、その件についてお答えをいただきたいと思います。
それと、もう一つは、オリンピックです。
先ほど答弁されたとおりだと思うんですよね。広報とか住民が理解するということで、ぜひ、やはり、賛成しているのでも、もろ手を挙げている人と、懸念をしながら賛成するのが多いと思うのですね。ですから、例えば経済効果、やはり、札幌市民の皆さんの生活に密着したもの、それから、雇用なんかもこういった場面ということで、ぜひわかりやすく広報等をしていただきたいと思いますけれども、そういう方向でひとつお願いしたいのですが、その辺がどうかということです。
それから、残り任期の取り組みということで、国際大会の情報発信、それから、過去のオリンピック経験者、競技者が本当にたくさん住んでいらっしゃいます。その活用というか、お願いすることは、私も大変重要なポイントだと思います。
それで、もう一つは、やはり、政府へのいろんな面での働きかけということで、先ほど、JOC関連だとか、また、冬季アジア競技大会も2017年にこっちへ呼んだり、いろんなことで貢献はしていると思います。
もう一つ、先ほど、政府関係者のほうにもあれですけれども、国のほうですね、行政機関に対しての働きかけといったものを、今後、具体的にどうされていくか、市長の意気込みを含めてお聞かせを願いたいなと思っております。
それから、国際芸術祭です。
私は、芸術文化について否定をするものでもないし、やはり、これは醸成していくものだと考えています。ただ、今回、この芸術祭に関してだけ言いますと、一人一人のアーティストの作品というのは、それは感じるものですから、それがどうしたこうしたということの批評はしませんけれども、例えば、前も質問のときに出ましたけれども、道立美術館、片や、徳川美術館展は相当来ていました。こっちは来ていませんでした、比較をするとですね。
そういうことを考えたら、今、いろんな評価を聞いているんですが、ここにかかわった人たちの評価は高い、これはこれでいいと思うんですね。ただ、札幌市民全体がこれをどう受けとめているかという答弁がないんですよね。また、調べてないと思うんです、定量的にもやってないということですから。
ですから、今後、これは次期市長に委ねる話かもしれませんけれども、次に備えて、1万人市民アンケートとかをやりますけれども、やはり、そういったところで一度とってみたらどうかなと。否定とかでなくて、この位置づけというものが必要ではないのかなと思います。これについて、今後、どういうふうにしていくのかといったことをお聞きしたいと思います。
それと、これは、お互いの見解の相違になっちゃうかもしれないけれども、先ほどの経済効果は、確かにいい方法は私もわかりません、正直言って。ただ、先ほど言いましたように、同時期に、シティ・ジャズや大通の夏まつり、それからオータムフェストとか、ましてや、オータムフェストは200万人ぐらいがあの期間で来ているということになれば、そして、チ・カ・ホとか無料来場の入場等を重ね合わせると、前段にお話ししましたけれども、何もないときには少ない。そう考えると、どちらかというと、そちらに来た方の経済効果が大きくて、はっきり数字が出ないのは、これもでしょうけれども、11億円が目標より上回ったということは、これはもう私の勘しかないんですけれども、そういう評価でいいのかなと思うところです。
今後については答えなくていいですけれども、ぜひとも、今後のいわゆる札幌全体に向けたあり方といったものを問うべきでないかということについてお伺いをしたいと思います。
○議長(高橋克朋) 上田市長。
◎市長(上田文雄) ありがとうございます。
市民憲章は、最大の敬意を持って私たち自身が実践をしていく課題でもありますし、子どもたちにも知っていただいて、札幌人として、本当にこのまちを支えていく、そういうメンバーになっていただきたい、そんな期待をしているところであります。
市役所の1階ロビーにというお話でありますが、私どもは、札幌市役所の玄関に入る前に札幌市という大きい門がございますが、そこはごらんになったことがございましょうか。市民憲章がばっちり金文字で書かれたものが掲載をされております。
私も、市役所に入るそのときに、初めてまじまじとその門でわかったわけでありますけれども、多くの市民の皆さん方が市役所においでになる、あるいはその前を通られるときには目につく場所でございます。ぜひ、そういうことが掲載されていることを、これを大事にしているなという先人の知恵でもあろうかというふうに思いますので、あらゆる機会を通じて大事にしたいという気持ちをあらわす、その方法はこれからも探求していきたい、こんなふうに思いますので、その旨、お答えをさせていただきたいと存じます。
それから、オリンピックにつきましては、幾つかご質問がございました。
どういう広報をしていくかというのは、ようやく、私は、この1年ほどの間に、多くの市民の皆さん方におわかりいただけるような、ある程度具体的な計画により、お金がどのぐらいかかるのかということをお示ししながら、ご意見を聴取して、市民議論を一応まとめさせていただいたつもりでございます。そんな意味で、非常にアバウトでありますけれども、オリンピックをやるんだな、やったらこうなるのだなというふうなイメージはお持ちいただいたのではないかなというふうに思います。
これからは、そういう意味で、対外的にも市内的にも、市民合意というような形でまとめさせていただいたわけでありますが、その旨の手を挙げさせていただいたと。これからは、まさに、対外的な活動をしっかりしなきゃならないということと同時に、ご心配の向きの市民の皆さん方に、こんな効果もあるよ、こんなことを頑張んなきゃなんないよねというふうな情報は、本当に懇切丁寧に我々が発信をしていく、そういう責務を持っているというふうに承知をいたしているところでございます。
最大限の努力をいたしますけれども、これから、多分、大分先の話であります。2026年という今から12年後の開催目標ということであります。長い道のりの中で、さまざまな施策がオリンピックに向けて私たちのまちは取り組んでいくことになるというふうに思います。その都度、例えば、建物をどうするか、老朽化した建築物をどうするかというような議論の中でも、オリンピック関連のものが必ず含まれてくるというふうに思います。ぜひ、議会の皆様方にも、その点に注目をしていただきまして、市民とともにオリンピックを迎える、そんな機運というものを、議論の中でしっかりやりながら、不安を解消し、あるいは問題を乗り越えていく力を我々が身につけていく、そういう過程で市民の皆さん方にご了解をいただく、一人でも多くの賛同者、熱心な参加者をふやしていく努力をしたいきたい、こんなふうに考えているところでございます。
残り任期で何をするかということと同時に、これからの札幌市の方向性といたしましては、もちろん、国のレベルで国内で手を挙げただけでございますので、JOCはもとより、国家機関との関係で札幌市の真剣さというものをお伝えする、こういう努力をしなければなりません。私どもは、逐次、さまざまな議論は国の役割を果たしておられる方々にご相談をしながらも、今回の考えをまとめてきたところでございますので、その結果というものをしっかりお伝えして、今後のさらなるご指導なりご支援を頂戴する最大限の努力を重ねていきたい、こんなふうに思っているところでございます。
外国に対しては、国際競技団体等について、先ほど申し上げましたようなアプローチはしなければなりません。既に、過日、大通公園で始まりましたクリスマス市にバイエルン州の代表の方が日本においでになりました。その際に、もうドイツの新聞に出ているよと。札幌が手を挙げたということをドイツの新聞で報告されているということを見せていただきましたけれども、札幌市のそういう意味での国際オリンピックなり冬季競技に対するプレゼンスといいますか、存在感というのは、非常に大きいものがあるのではないか、そんな反応も感じたところでございますので、それを一層確実なものにしていく努力をしたい、こんなふうに考えているとろでございます。
芸術祭につきましては、いろいろなご議論を頂戴しながら、私どもは、本当に、単体の芸術祭ということでご判断いただくのではなくて、先ほどもご答弁を申し上げましたけれども、まさに、この間、2008年に創造都市さっぽろを宣言をし、その施策をずっと続けてきたその延長線上に、一つの区切りとして、一つの私たちの象徴的な事業として国際芸術祭というものに取り組ませていただいたということを申し上げさせていただいているわけでありまして、一つの芸術祭、72日間の芸術祭をどう評価するかということにとどまらない大きなご評価、判断をしていただきたいな、こんなふうに考えているところでございます。もちろん、芸術祭単体でやったときの開催経費というのもございます。それはちゃんと見合っているのかという検証は必要なことだというふうに思いますけれども、ぜひ、大きな目でこれを把握していただきたい、このように思います。
そして、次回以降はどうするかということの判断につきましては、そういう議論を通じていろいろな問題点を私は頂戴しながら、市民の皆さん方に、こういう意見もある、こういう意見もあるということをお示ししながらご意見を聞くようなふうにしなければいけないことではないか、そんなふうに考えておりますので、そのような方法を考案していきたいというふうに思います。
それから、経済効果につきましては、本当に難しい議論だと思います。ただ、同時にシティ・ジャズがあり、またPMFがあり、ビール祭りもあるという状況の中で、札幌の魅力の一つとして、やはり、芸術祭というものに取り組んだということが大きな札幌市の価値を上げる、評価を上げるものに役立っていることは、これは間違いないというふうに思います。そういう文化の多重性といいますか、複合的な価値といいますか、こういったものに取り組む札幌市の心意気というものも、私は、大切な評価の対象であり、なかなかお金では計算できない価値というものが、これを続けていくことによりまして、札幌が世界に冠たる本当に高い文化のまちをつくろうという札幌憲章に掲げた目標を達成することになるのではないか、このように理解をしておりますので、ぜひご理解をいただきたい、このように思います。
ありがとうございました。
○議長(高橋克朋) ここで、およそ30分間休憩します。
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休 憩 午後3時11分
再 開 午後3時41分
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○副議長(ふじわら広昭) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
宝本英明議員。
(宝本英明議員登壇・拍手)
◆宝本英明議員 私は、ただいまから民主党・市民連合議員会を代表して、上田市長が今議会に提出されました諸議案並びに市政の諸課題について質問をいたします。
昨日、12月2日に公示され、安倍政権が誕生してから約2年で、再び、師走の解散、総選挙となりました。首相は、アベノミクスの成功を確かなものにするために消費税の再増税を延期する、国民の信を問いたいと解散の理由を語っていますが、先月、共同通信社が行った世論調査によると、首相の解散表明について6割を超える人が理解できないと回答している結果を見ても、多くの国民が納得できるものとなっていないのは明らかです。
首相自身がアベノミクス解散と名づけた今回の総選挙ですが、先月17日に発表された7月から9月期のGDP速報値は2期連続のマイナスとなりました。当初、政府は、景気の落ち込みは限定的で7月から9月期には回復すると言い続けてきましたが、経済失速は明らかであり、まさにアベノミクスの限界だと断じざるを得ません。GDPの過半を占める個人消費が伸びないのは、中間層を無視した当然の帰結であり、政府の経済対策が格差を拡大したことを証左するものです。
札幌市を取り巻く状況を見ても、金融緩和に伴う円安は原材料の調達コストを押し上げ、物価高を招き、中小企業と家計に苦境を強いています。大企業や都市部資産家の富の拡大に偏るアベノミクスの恩恵を実感できる市民がどれだけいるのでしょうか。
選挙戦を前に地方創生を打ち上げていますが、具体的な中身は全く示されておりません。人口減少や超高齢化社会の到来といった時代の転換期を迎える中で、行き詰まりを見せるアベノミクスを転換し、日本の屋台骨を支える中間層に対して直結する政策を打つことこそが唯一の成長戦略になると指摘します。
こうした政治状況の中、上田文雄市長は、2026年冬季オリンピック・
パラリンピック開催都市への立候補を表明しました。上田市長は、招致表明に際して、市民・企業・行政が一体となって札幌のまちを新たな段階に押し上げることができるとし、オリンピック開催を契機に、札幌のまちを再構築する考えを示されました。招致には、財政負担などを初めとする課題も山積しておりますが、市民の理解を得る努力を続けるとともに、次世代に負担を残すことがないよう、過度の商業主義から脱却した札幌らしいオリンピックの開催を提案し、札幌の未来を切り開くものとして2026年に開催されることを我が会派も後押ししていく決意です。
それでは、最初に、財政問題について、2点伺います。
1点目は、2015年度予算の編成についてです。
先ほども触れましたが、11月17日に政府が発表した2014年7月から9月期国内総生産第1次速報では、GDP成長率は実質で年率マイナス1.6%となり、4月から2期連続でのマイナス成長となりました。アベノミクスの限界が明らかとなる中、11月21日には、突然、衆議院が解散され、政府・与党の政権運営は混乱をきわめているところです。この影響を受けて、国家予算の編成が越年することが見込まれるため、本市の予算編成作業にも影響を及ぼすのは必至です。特に、医療、介護の充実、子ども・子育て支援新制度など社会保障政策の実施は遅滞の許されない待ったなしの状況である中、これらの実現が極めて不透明な状況となり、市民生活への悪影響が生じないか、大変危惧しているところです。
さて、札幌市は、10月7日に来年度の予算編成方針を公表しました。来年度は、統一自治体選挙が控えていることから、当初予算は、例年実施している経常的な事務事業や従来の継続的な事業などに係る経費を中心とした骨格予算として編成するという考えが示されています。しかし、本市が積雪寒冷地であることにより工期設定に制約があることや、市民生活や地域経済に与える影響などにも配慮するとの考えもあわせて示されており、市民生活を守ることに配慮されている点について評価しているところです。
一方、統一自治体選挙後に編成される補正予算、いわゆる肉づけ予算においても、まちづくり戦略ビジョンに掲げる目標に向けた取り組みの実現と、新市長公約を実行するためのスタートダッシュが切れるよう、肉づけ予算のための財源を一定程度確保して積極的な予算計上を行う必要があると考えます。
そこで、質問ですが、上田市長の任期最後となる来年度予算についてどのような考えで編成していくのか、伺います。
2点目は、今後見込まれる財政需要への備えについてです。
上田市長は、2003年度の市長就任以来、一貫して厳しい財政状況の中においても、次世代に過度な負担を押しつけることのないように財政運営を行ってきました。具体的には、将来の子どもたちに責任を持ってこのまちを引き継いでいくために、市債残高を縮減する目標を掲げ、さまざまな行財政改革に取り組んできました。その一方で、現在行われている数々の市街地再開発事業など、上田市長就任以来、種をまき続けてきた税源涵養と経済活性化のための取り組みも花開いてきています。
しかしながら、昨今の労務単価、資材価格の高騰や電気料金の値上げ、さらには、消費税増税をめぐる国政の混乱により、地方財政も大きな影響を受けることは必至であり、今後の札幌市を取り巻く経済情勢は極めて不透明な状況であると言えます。2014年1月に本市が公表した中期財政見通しでは、2015年度から2017年度の3年間で564億円の財源不足が見込まれており、超高齢社会の到来による社会保障関係費の増加や、生産年齢人口が減少していく中でいかに市税収入を確保していくかなど、今後の財政運営は決して容易なものではないと認識しています。
さらには、公共施設の老朽化による更新需要や大規模スポーツイベントなどの開催に係る費用などにも備えていかなければならないことを考えると、市民生活の発展や経済活性化のための積極的な投資とあわせて、今後見込まれる巨額の財政負担にも耐えられるような強固な財政基盤を確立していくことが大変重要であると考えます。例えば、2020年東京オリンピック・パラリンピックを開催する東京都では、開催決定より前から、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金を創設し、巨額な開催経費や社会資本整備のための財政負担に備えています。これはあくまで一例ですが、今後見込まれる財政需要を考えた場合、これまでの財政運営手法だけで一時的かつ巨額な費用を捻出していくことができるのか、不安も感じています。少子化対策や教育費などの未来を担う市民のための施策にしわ寄せが及ぶことがないよう、未来を見越したより計画的な財政運営を行う必要があるのではないかと考えるところです。
そこで、質問ですが、今後見込まれる財政需要についてどのように備えていくか、認識を伺います。
次に、大通地区のまちづくりについてです。
札幌の都心部は、JR札幌駅とメーンストリートである札幌駅前通を中心とした業務機能が集積する駅前通地区を初め、札幌を代表する商業ゾーンである大通地区や日本有数の歓楽街を抱える薄野地区、近年のマンション開発などにより人口増加が著しい創成東地区により構成されています。このように、都心の各地区はそれぞれ異なる特性を持っていることから、都心の魅力と活力を高めていくためには、その地区の特性が最大限に発揮されるよう、まちづくりを進めていくことが極めて重要であると考えます。百貨店やファッションビルが集積する大通地区では、地区内の六つの商店街が中心となって、歩行者天国の実施などを通じたにぎわいづくりや活性化の取り組みが行われてきました。
しかし、JR札幌駅南口の再開発による2003年の大型商業施設の開業を契機として、都心のにぎわいの中心が大通地区から札幌駅周辺へとシフトされ、商業売り上げが大幅に減少いたしました。さらに、1972年の札幌オリンピック時の前後に建設された建物が多く、施設の老朽化も一層の追い打ちをかけています。
このような中、危機感を持った地元商店街の方々により、地域の環境や価値を維持・向上させるための自主的な取り組みの展開について勉強会が重ねられ、2009年には札幌大通まちづくり株式会社が設立されました。同社は、積極的にエリアマネジメントに取り組み、歩行者天国のレベルアップや歩道空間を活用したオープンカフェデッキの常設化などを行い、にぎわいをつくる事業を展開しています。
現在、大通地区では、駅前通において歩道から安全に直接乗りおりができるサイドリザベーション方式を採用した路面電車のループ化事業が来年内の開業を目指して進められています。このことは、大通地区を訪れる人の増加、ひいては、都心全体の活性化へつながるものと期待しています。さらに、地下鉄南北線大通駅コンコースでは、大通交流拠点地下広場の整備が進められており、来年の春に整備が完了する予定です。
我が会派では、さきの第3回定例市議会において、創世交流拠点に関して、地域に集積する歴史資産、観光資源を最大限に活用するとともに、大通西2丁目のNTT東日本が所有している土地やその周辺街区も含めて、大通西1丁目、西2丁目街区を一体的に土地利用すべきと指摘しました。路面電車のループ化により沿道のにぎわいを創出させることはもちろんのこと、大通交流拠点と創世交流拠点の整備効果についても、大通公園の南側へと波及させることで大通地区の停滞感を打破していくことが非常に重要と考えます。
現在、大通地区では、地区の再生に向けて札幌大通まちづくり株式会社に加え、商店街の次代を担う若手を中心とした大通地区再生研究会が立ち上げられ、地区の将来像を明確にするとともに、その実現に向けた具体的な取り組みなどについて集中的に議論が行われていると聞いています。その議論をもとに、すぐに取りかかれることを直ちに初め、空間形成など中長期的に検討すべきものについては今後もしっかり議論を深め、札幌市は、それらの地区の取り組みを積極的に下支えしていくべきと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市では、2014年度、2015年度の2カ年で都心まちづくり計画の見直し作業を行っていますけれども、都心まちづくり計画の中で大通地区のまちづくりをどのように位置づけ、取り組んでいこうと考えているのか、伺います。
次に、都心エネルギー施策についてです。
札幌市は、2008年6月に環境首都・札幌を宣言し、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの普及などに積極的に取り組んできました。都心のまちづくりにおいても、地域熱供給ネットワークの構築を札幌駅前通地下歩行空間などの都市基盤整備と連動して進めるなど、人と環境を重視した都心まちづくりを進めてきました。また、今後10年間の新たなまちづくりの基本的な方針として、昨年10月に策定された札幌市まちづくり戦略ビジョンにおいては、低炭素社会と脱原発依存社会を目指した持続可能なまちづくりを進め、世界に誇れる先進的な環境首都を実現していくことを都市像としてうたい、さらに、本年10月には札幌市エネルギービジョンを策定し、具体的な取り組みを進めることとしています。
一方、2011年3月11日に発生した東日本大震災を通じて、災害時でも市民の生活や企業の事業活動を継続するために電力や熱の供給を確保できるよう、都市の自立機能を強化する必要性が再認識されました。札幌市においては、都心の中枢機能が集中し、エネルギー消費量の多い都心において、企業が安定して活動を継続できる魅力的な事業環境を地球温暖化対策と両立して整備し、その先進性やすばらしさを国内外に発信することにより、都心の価値と魅力の向上へとつなげることができると考えます。さらに、今後の都心においては、札幌オリンピックを契機に建てかわった多くの建物の更新が見込まれており、環境性と防災性の高いまちへと再構築を進める絶好の機会が到来すると考えます。
このような現状を踏まえ、札幌市では、都心のまちづくりと一体となった新たなエネルギー供給体制の構築を目指す都心エネルギー施策を2013年度から検討しているところです。この施策では、都心に分散配置した天然ガスコージェネレーションから効率よく電力供給し、その際に発生する排熱を地域熱供給を通じて地域全体で有効利用する方法を具体的に検討しており、その有効性については我が会派がかねてから主張してきたところであります。積雪寒冷地ゆえに、熱需要が多い札幌市は、日本の他の主要都市と比べて電力と熱の相互利用を進める上で有利な条件であり、地域全体でエネルギーを効率よく利用すると同時に、災害にも強い自立したまちづくりを全国のモデルとして実現していくことが、今後、札幌市が都市間競争を勝ち抜いていくためにも非常に有効な方法であると考えています。
現在、都心エネルギー施策のリーディングプロジェクトと位置づけて、北1西1地区及び北4東6周辺地区再開発事業において、天然ガスコージェネレーションを導入した自立分散型エネルギー供給拠点の整備に向けて調整を進めていると聞いています。これらは、今後の都心エネルギー施策の展開を左右する重要な案件であり、確実に取り組む必要があると考えます。都心エネルギー施策は、検討を始めて2年目となりますが、検討の対象としている都心のエリアは、建物の用途や容積率などの土地利用の状況がさまざまであることや、エネルギーの需給状況も異なることから、都心全体を網羅する画一的な施策を策定することは難しいと考えます。
そこで、質問ですが、今後は、現在再開発などが計画されている地区に加え、駅前通沿線など都心の中でも特に機能が集積しているエリアを重点推進エリアと位置づけ、強力に推進すべきと考えますがいかがか、伺います。
また、エネルギーとまちづくりという大きな分野にわたる施策をこれから中長期的に展開していくためには、全体計画や施策の枠組みを具体的に示す実行計画が必要ですが、どのように考えているか、伺います。
次に、市有建築物の環境負荷低減対策についてです。
上田市長は、就任当初から地球環境問題への対応を重要な取り組みとして位置づけ、札幌新まちづくり計画においても、地球環境問題への対応と循環型社会の構築を重点戦略課題に掲げ、市有建築物の環境負荷低減に積極的に取り組んできました。2011年3月には、札幌市温暖化対策推進ビジョンを策定し、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの普及など温暖化対策にも積極的に取り組んできております。中でも、温度、湿度などの室内環境が安定し、風雨や気候変動などから建物の構造を守ることができる外断熱工法を学校や市営住宅などに採用しており、市有建築物への太陽光発電設備など再生可能エネルギー、省エネルギー機器の導入を進め、環境負荷低減に取り組んできています。
外断熱工法は、ヨーロッパやアメリカでは、環境対策、建築物の長寿命化対策、またコンクリート建造物の標準的な断熱対策として数十年前から普及してきています。特に、先進国ドイツでは、建築基準において外断熱工法でなければ新築できない現状となっています。日本国内でも、全国的に、民間建築物、特に集合住宅を中心に外断熱工法の拡大が進んでいます。
このような中で、国土交通省は、2020年の省エネ基準の義務化に向けて、住宅・建築物にかかわる省エネルギー基準の見直し作業を進めていますが、この見直しは、断熱性能よりもエネルギー消費量に関する数値に重きを置いている傾向にあります。住宅では、高気密・高断熱化により、ヒートショックや結露防止など居住者の健康に好影響があることが認められ、高く評価されています。また、省エネ効果も高く、札幌市エネルギービジョンでは、目標達成に向けた重点取り組みの一つに建物、住まいの省エネ化の推進が取り上げられています。個人住宅向けの施策では、札幌版次世代住宅及び省エネリフォームへの補助金なども実施しており、市民理解や利用も拡大しています。
高気密・高断熱建築物の普及拡大により、工場閉鎖となっていた断熱材メーカーの北広島工場が稼働を再開したことや、海外の高層建築物向け高断熱機材メーカーの札幌事務所が開設された事例も出てきています。さらに、札幌市内に気密性の高い窓ガラスやサッシの研究開発を進めている事業所があるなど、新たな需要喚起により経済・雇用対策の効果があらわれています。今後は、さらに、市営住宅や学校施設など市有建築物の高気密・高断熱化を推進していくとともに、民間建築物にも浸透するような取り組みを進めていくことが必要と考えます。
そこで、質問ですが、市有建築物の環境負荷低減へのこれまでの取り組みとそれに対する市長の認識について伺いたいと思います。
また、このような取り組みを今後はどのように進めていこうと考えているのか、伺います。
次に、円山動物園における象の導入についてです。
先日の市長記者会見で、円山動物園に象を導入することが発表されたところです。これからは、導入実現に向けた準備に入っていくということであり、私も非常にうれしく思い、応援してきたかいがあったと考えるところです。
円山動物園では、2007年1月にアジアゾウの花子が天国へ旅立って以降、象が不在となり、間もなく8年がたとうとしています。象の再導入については、これまで導入検討調査を実施しており、今年度中にその可否を判断されるということでした。我が会派は、これまで、一貫して、動物園で本物の象を子どもたちに見てもらうことは重要であると考え、調査検討を綿密に進めていくことを要望し、ぜひとも導入できるようにという強い気持ちで取り組んでほしいと願ってきたところです。
私は、百獣の王と言われるライオン、首の長いキリン、そして、現在生きている陸上動物の中で最大である象は、動物園にとってはなくてはならない三種の神器と言える動物ではないかと思います。象を間近で見ることは、子どもだけでなく、大人にも大きな喜びや感動を与え、同時に、絶滅の危機に瀕している生息地域の現状を伝えることにより、多くの人が地球環境の保全に興味を持つきっかけとなると考えています。
象は希少な動物ということで、原産国の中には輸出を停止している国があるなど、輸入の面においても簡単ではないという状況にあります。近年では、生息地である森林の破壊などの原因により数を減らし、絶滅危惧種となっています。原産国としても、希少動物の象の保全には非常に神経質になっていると聞いています。
そういった状況のもとで輸入するとなれば、単に象を展示するのではなく、繁殖などの学術研究を行い、種の保存に寄与するという取り組みをしていかなければ承認されないものと伺っています。そのため、導入するからには、繁殖が成功するような導入方法が求められています。具体的には、群れでの飼育、雄1頭に対して雌を複数頭入れることや、広い象舎を整えることなどが導入に必要です。そして、原産国の方からも、札幌に象を送ってよかった、市民の皆さんに象のすばらしさを伝えてくれる展示だと言ってもらえるようにしなければなりません。
さて、花子がいなくなってからこれまでの間、円山動物園に来園した子どもたちから、象さんはいませんか、象さんを見たいという声が途切れることなく寄せられていると聞いております。2010年には、札幌青年会議所が子どもたちに象を見せたいということで、借り受けによる象の展示を検討したこともありますし、2012年4月には、市民団体の円山動物園に象を呼ぶ会の皆さんが街頭に立ち、象を導入してほしいという声を署名として約3万筆を集め、市長宛てに届けられています。また、同年6月に実施した市民1万人アンケートの結果では、約半数に近い方々が象の導入に賛成するという結果を得ています。
市長が記者会見で発表された内容を拝見すると、象にとって快適に過ごせる環境や健康管理ができる設備を整えることで、象本来の生活である家族単位で飼育するという方針となっており、ホッキョクグマだけでなく、アジアゾウについても、円山動物園が国内の動物園を牽引する動物園の一つになるという気概を持って導入の準備をしていただきたいと考えるところです。北海道内には、現在、おびひろ動物園に高齢の雌の象、ナナが1頭しか展示されておりません。そして、これまで道内では象の繁殖に成功したことはありませんが、円山動物園の象の導入は、札幌に住む子どもたちだけでなく、全道の子どもたちにとって大きな希望となると考えています。導入の準備に当たっては、施設などのハード整備だけではなく、飼育体制や展示内容などのソフト面の準備も必要になると思います。また、原産国にとっても、象の展示を通して、その国の現状、特に環境破壊など生息地で起こっていることを市民に伝えることは極めて重要なこととなるはずです。象が札幌に来てくれる日を一日千秋の思いで待ちわびたいと考えていますし、順調に導入準備が進むことを期待したいところです。
そこで、質問ですが、象の導入決定に至った経緯について伺います。
また、改めて、導入の意義についてお聞かせ願いたいと思います。
次に、道内連携による経済活性化についてです。
札幌市は、明治の開拓使の設置から約150年という非常に短い期間に飛躍的に人口が増加し、北海道の人口も札幌市と同様に急激に増加してきました。札幌市の経済は、この札幌、北海道の人口増加を背景として成長を続けてきたものであり、北海道の地域経済と非常に密接に結びついております。
しかし、札幌市の人口は、2015年の約194万人をピークに減少局面に入り、20年後には182万人に減少することが見込まれております。また、北海道の人口は、既に減少傾向にあり、2015年の536万人から20年後には約440万人へと2割程度減少すると予測されています。
このような市内、道内の人口減少などによる道内消費需要の縮小は、札幌市の経済にも非常に大きな影響を与えるものと危惧しているところです。道内他都市の議員などとの意見交換の中では、地域の人口減少や経済の停滞、札幌市への人口集中などを捉え、札幌市のひとり勝ちだといった話が聞かれます。北海道が果たすべき役割ではあるものの、札幌市も広域連携に取り組んでおり、手を尽くしているところでありますが、道内地域にその動きがうまく伝わっていない部分もあるものと感じております。
このような中、札幌市では、昨年策定したまちづくり戦略ビジョンにおいて、北海道の発展なくして札幌の発展はないという考え方のもと、北海道の各地にあふれている魅力ある資源と札幌に多く集積している都市機能をつなぎ合わせることによって相乗効果を生み出し、札幌と北海道全体がともに元気になっていくという札幌の都市像を強く打ち出しております。
上田市長は、この理念を実現するため、約1,400万人の観光客が訪れる札幌市の集客力や札幌圏約250万人の購買力を生かして、道内各地から集められた食を発信するオータムフェストを実施し、今年度は約200万人もの来場者が訪れる一大イベントと成長させてきました。また、北海道のおいしくて安全な食や美しい自然、景観を生かした観光資源など、北海道の魅力ある情報を札幌から恒常的に発信していく北海道のショウウインドーであるHUGの開設や、札幌市に集積する卸売業を活用し、道産製品を道内外へ流通させるための商談会であるキラリ品☆卸隊商談会を開催するなど、北海道各地の産品の販路拡大に向けた各種取り組みを積み重ねてきております。さらには、海外で開催される物産展や商談会に道内主要都市と共同でブースを創設し、企業の海外展開を後押しするなど、今後見込まれる道内市場規模の縮小を補うために、道内自治体との連携による外需獲得に向けた取り組みを果敢に打ち出しております。
そこで、質問ですが、道内連携によるこれまでの各種取り組みによってどのような効果があったと評価しているのか、伺います。
次に、将来的な方向性についてです。
国内市場の縮小傾向が予測される一方で、通信技術の進歩や移動手段の高速化に伴う経済のグローバル化の進展や、アジアを初めとする経済成長が著しい地域において市場としての魅力が高まるなど、札幌市や北海道を取り巻く環境は大きく変化を続けており、北海道の各地域が独自の取り組みによって、これらの変化に対応していくことは難しくなりつつあります。こうした中、昨年、札幌市が実施した道内市町村へのアンケート調査によると、札幌市に求める役割として、特産品などの販路拡大や販売力強化への支援や集客機能の活用などといった声が大きく聞こえており、北海道内の各地は、札幌市との連携に対し、多くの期待を抱いていることがうかがえます。
先ほど述べたオータムフェストに関しては、さきの第3回定例市議会における決算特別委員会において、私の質問に対し、期間延長することも検討するとの答弁をいただいており、札幌市の都市機能を生かした取り組みとして積極的に実施していく姿勢を打ち出しており、高く評価をしております。
私自身、このオータムフェストは、札幌市が道内各地域から求められている役割を担うための象徴的なイベントであると考えており、道内地域との一層の連携を促進するため、例えば、道内各地の地元一押しの料理を集め、コンテストを行うなどにより、各地域の観光資源や商品などをアピールする新たな機会を提供することも有効ではないかと考えております。それにより、イベントでの売り上げはもちろんのこと、各地域の紹介につながるとともに、その後の札幌への出店や、そこからの全国展開などといった広がりも期待でき、全国から札幌、そして道内各地域へと活力が波及していく好循環が生まれてくるものと考えており、まだまだ取り組むべきことが多いのではないかと思うところです。
今後の北海道を取り巻く状況を見通しますと、2016年3月の北海道新幹線の開通や2020年の東京オリンピック、さらには、先日、市長が正式に誘致を表明された2026年の札幌冬季オリンピックなど、札幌、北海道経済にとっても先行きの明るい材料も出てきており、札幌、道内各自治体が一丸となってこれらがもたらす効果を最大限引き出すためには、より一層の取り組みが必要であると考えます。
そこで、質問ですが、今後の道内連携による経済活性化についてどのように考えているのか、伺います。
次に、国民健康保険における医療費適正化の取り組みについてです。
札幌市国民健康保険の医療費については、2008年度で1,470億円であったものが、2010年度には1,544億円、2013年度には1,642億円と増加の一途をたどっています。国民健康保険は、加入者のほぼ半数が60歳以上と構造的に高医療費体質となっています。持続的な運営を行っていくためにも、中長期的な医療費適正化の取り組みが欠かせません。現在のところ、医療費の適正化について市町村の役割は明確でないものの、医療費の傾向分析や払う必要のない支出の管理などしっかりと対処していくことが重要です。
質問の1点目は、国民健康保険におけるビッグデータの活用についてです。
2011年度から、医療機関からの請求書であるレセプトが電子化され、大量のデータ、いわゆるビッグデータが蓄積されています。こういったビッグデータを活用することで、札幌市独自の傾向などさまざまなことがわかることと思います。
そこで、2014年第1回定例市議会において、我が会派の質問に対し、今年度、レセプトデータや健診データを活用した取り組みを進めるとの答弁がありましたが、レセプト情報の分析にどのように取り組んでいるのか、また、今後どのように活用していくお考えか、伺います。
質問の2点目は、第三者行為求償事務についてです。
第三者行為求償とは、国民健康保険加入者が、例えば自動車事故のような第三者の加害行為により、けがをして、国民健康保険を使用し、治療を行った場合に、国民健康保険で負担した治療費を本来責任を負うべき加害者に請求する事務のことです。求償事務を開始するには、事故などの状況を記載した、いわゆる第三者行為による傷病届を被害者から出してもらう必要がありますが、この傷病届の届け出の必要性が被保険者に十分理解されにくいこともあり、傷病届が必ず提出されている状況ではありません。この傷病届の提出については、交通事故の事故情報を把握している損害保険会社がその手続を支援することで、保険者が治療費を確実に請求し、回収することが可能となるため、こうした仕組みが国民健康保険においても必要になると考えます。
このような状況を踏まえ、ことしの第1回定例市議会では、札幌市議会として、国民健康保険の第三者行為求償事務の充実を求める意見書を決議し、内閣総理大臣、総務大臣及び厚生労働大臣に対して、事務の簡素化、傷病届の提出促進が図られるよう、早急に損害保険協会と協議し、標準的な事務処理や様式を定めること、また、その結果を各保険者に通知し、損害保険協会との取り決めの締結を働きかけるなどを求めました。現在、全国的に統一した取り組みとして、国や国民健康保険団体と損害保険協会との間で同様の取り決めの締結に向けた協議が進められているようですが、いまだ実現に至っていないと聞いております。
そこで、質問ですが、このような状況を踏まえ、この第三者行為による傷病届の提出に係る損害保険協会との取り決めについて、札幌市単独で締結するための協議を積極的に進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、待機児童対策と認定こども園についてです。
初めに、待機児童対策についてです。
来年4月から子ども・子育て支援新制度がスタートします。この新制度は、幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていくことを目的としており、札幌市においても確実な実施が望まれるところです。既に11月から幼稚園や保育所の入園の申し込みが始まっておりますが、特に大きな混乱もなく、各区役所や入園を希望する幼稚園での受け付けが行われていると聞いています。その一方で、希望する施設に希望する方全員が入園できるのか、心配もしているところです。
さきに公表された10月の本市の待機児童数は、昨年同時期よりも64人減少しており、これまでの積極的な取り組みの成果が一定程度出ているものと認識していますが、依然として、保育所の入所を希望しながら、それがかなわず、困っている方々が760人となっており、今年度末までに待機児童を解消できるのか、憂慮しているところです。10月の待機児童数を年齢別に見ると、ゼロ歳から2歳までの低年齢児がその8割近くを占め、主に3歳未満児を対象とした保育サービスの拡充が必要ではないかと考えます。新制度では、3歳未満児を対象とした小規模保育事業や家庭的保育事業、事業所内保育事業などを認可事業として新たに位置づけることから、待機児童解消のための多様な保育サービスの提供につながるものと期待しているところです。
そこで、1点目の質問ですが、新制度が始まる来年4月1日での待機児童解消の見通しについて伺います。
2点目は、認定こども園についてです。
子ども・子育て支援新制度の特色の一つに、認定こども園の推進が挙げられています。認定こども園は、幼稚園と保育所の両方の機能をあわせ持つ施設で、保護者の就労状況にかかわらず、入園から小学校就学まで一貫した環境で教育、保育が受けられることや、保護者への子育て支援が充実していると聞いています。
札幌市では、認可保育所の入所を待っている方々が760人いる一方で、市内の私立幼稚園は3,000人以上定員割れをしています。この私立幼稚園が認定こども園に移行することにより、保育の定員が確保され、3歳未満児の保育の受け皿になることが期待できると考えます。
しかしながら、認定こども園に移行する幼稚園は、全国的にそれほど多くなっている状況にありません。これは、幼稚園が幼保連携型認定こども園になる場合、土曜日や長期休暇中の開園、保育所と同様の11時間保育、幼稚園免許と保育士資格の両方を有する保育教諭の配置など、運用面で園の負担が大きいことが要因の一つと推測されます。また、既に認定こども園になっている一部の園では、新制度になることで運営費が大幅に減収になってしまうことから、新制度が始まる前に認定を返上し、幼稚園と保育所に分かれて運営するところもあるとの報道もあり、新制度の趣旨や認定こども園の役割を考えるとこのような事態が起こることは残念であります。幼稚園が認定こども園に移行することは簡単ではないと理解しているものの、待機児童対策という観点から、認定こども園をふやしていくべきと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市は、認定こども園をどのように位置づけ、今後、課題を克服し、認定こども園をふやしていく考えがあるのか、伺います。
次に、青少年科学館についてです。
札幌市青少年科学館は、1981年10月、青少年への理科教育の振興と市民への科学技術に関する情報提供や理解促進などを目的に開館し、ことしで33年目を迎えました。札幌市民はもとより、市外からも修学旅行や社会見学などで多くの来館者があり、道内の先進的な役割を果たす科学館となっています。来館者数は、2012年度末で1,160万人に達し、ことし4月のリニューアルオープン後は、同年度10月の比較で7万人増の33万人に達し、来年3月末には過去最高の年間44万人を超えることが予想されています。
最初の質問は、青少年科学館の展示物の更新計画と山崎直子名誉館長の委嘱期間継続についてです。
未来を担う子どもたちの科学技術への興味や関心が薄れてきている、理科離れが進む中で、宇宙と生命の起源、地球温暖化、地震、火山活動、生命の倫理、情報通信など私たちの身の回りでは科学的な理解なしには対応できない問題がふえてきており、今後、青少年科学館の果たす役割は一層大きいと言えます。
札幌市青少年科学館は、2011年の開館30周年を機に、今後、さらに青少年の理科、科学への興味・関心を高め、創造性あふれる人材の育成に寄与する科学館を目指していくために、スペースシャトルの搭乗経験があり、母校が真駒内曙小学校で札幌に縁があった山崎直子さんに、2013年1月に名誉館長に就任していただきました。就任後は、科学館での講演会や特別展の開催、さらには、天文・地球科学コーナー等への展示内容や事業活動などに貴重なアドバイスをいただいております。
これからの科学館の施策で重要なのは、科学の営みを文化として捉え、特に、子どもたちを科学する文化へと誘い、科学の語らいを続けていくことと言われています。科学館には、現在、244の展示物と体験施設があります。展示物は、これまで96点更新されていますが、まだ、20年以上前に設置されたものや、パソコンで現在のOSに対応していない展示物など、今後、148点の更新などが必要とされております。日進月歩の科学を学ぶ上で、子どもたちに科学を通じて学ぶ楽しさを伝える環境が十分とは言えません。
さきの決算特別委員会で、我が会派の質問に対し、今後の更新については、青少年科学館を活用した理科教育推進のあり方検討調査を踏まえ、検討するとの答弁がありました。しかし、科学館の展示については、科学技術上の知識や法則を展示するにとどまらず、最先端の研究開発に関する展示や体験コーナーを設け、科学技術の成果がいかに社会に役立っているのか伝えることが重要であり、間断なく時代を先取りした対応が重要です。
そこで、質問の1点目は、老朽化し、時代にそぐわない展示物については、今回の天文・地球科学コーナーの更新のように、山崎直子名誉館長のアドバイスと科学館に蓄積されたノウハウなどを生かし、早急に持続可能な更新年次計画を策定すべきと思いますが、どのように考えているのか、伺います。
質問の2点目は、山崎直子名誉館長の任期は2016年3月までですが、科学館が今後とも科学技術と社会をつなぐ役割を果たしていくために、山崎直子名誉館長に引き続き同職についていただくよう早急に要請すべきと思いますが、どのように考えているのか、伺います。
次は、プラネタリウムの更新についてです。
青少年科学館のプラネタリウムは、経年劣化により、年々、故障件数が増加し、小学生の学習投影や家族連れの鑑賞に大きな影響を与えています。いわゆる従来型の星空を投影する光学式のプラネタリウムは、設置後17年が経過し、映像などを投影するデジタル式のプラネタリウムを設置後、9年経過しており、耐用年数が迫っています。また、プロジェクターの製造メーカーが交換部品等の生産を打ち切ったため、故障の内容によっては交換部品がなく、上映に大きな支障があり、学習投影はもちろんのこと、プラネタリウムの運営自体が危ぶまれていると聞いております。
そこで、質問ですが、老朽化し、年々、故障件数が増加しているプラネタリウムの更新を早急に行うべきと思いますが、どのように考えているのか、伺います。
次は、今後の青少年科学館のあり方についてです。
これまで、科学館は、学校ではできない実験や体験などの機会を提供し、理科離れの解消と未来を担う人材の育成に取り組み、大きな成果を上げています。
そこで、質問の1点目は、青少年科学館を活用した理科教育推進のあり方検討調査を現在行っていますが、今後の具体的な方向性について伺います。
また、青少年科学館の管理運営は、市民の生涯学習支援のために設立された公益財団法人札幌市生涯学習振興財団が運営していますが、今後は、青少年科学館が主体的に、子どもたちの理科教育の推進はもちろんのこと、一般市民も含めた体系的な科学教育を担う社会教育施設として、人材育成などを通じて札幌市の科学技術の振興にさらに寄与していくべきと考えます。そのためには、関係部局との連携強化、職員の専門性の向上など運営面での課題も多いと言えます。
そこで、質問の2点目は、身近であり、かつ高度で専門的な理科科学教育を推進するために、学校教育や企業、大学などと連携した青少年科学館の機能強化と、それにふさわしい組織体制で、今後、科学館を運営していくべきと思いますが、どのように考えているのか、伺います。
次に、学校図書館地域開放事業についてです。
超少子化、高齢化の進展、地域のつながりの希薄化、共働き世帯の増加などにより、子どもたちを取り巻く地域力が衰退しています。札幌市まちづくり戦略ビジョンにおいても、今後は、住民同士の支え合いや助け合いが地域課題の解決に重要な役割を担うことが期待されており、そのためには、地域のつながりを深め、町内会など地域コミュニティーを活性化していく必要があるとしています。
さらに、札幌市市有建築物のあり方検討委員会で、小学校を地域コミュニティーの拠点として多世代交流の場を創出と提言しています。第3回定例市議会で、我が会派は、市有建築物のあり方について取り上げ、地域が子どもを守り育てていくことこそが、この時代に忘れつつあるコミュニティーの原点であるとして、学校を中心とした公共施設の複合化の推進を主張したところです。
一方、今後、学校を中心とした地域力強化を図るため、公共施設の複合化というハード面だけではなく、ソフト面の充実が必要です。札幌市教育振興基本計画においても、その基本的方向性の中で、市民ぐるみで支え合う仕組みづくりを掲げ、その施策の一つとして地域と学校が支え合う仕組みづくりを挙げています。
その取り組みとして、学校の図書室を学校教育の場としてだけではなく、地域における身近な文化施設として地域に開放することにより、地域住民の読書活動を盛んにする学校図書館地域開放事業を1978年から実施し、30年以上かけて実施校を拡大しています。この事業は、地域のボランティアを活用して、子どもたちだけでなく、地域住民に対しても図書の貸し出しや読み聞かせなどの行事を行うなど、まさに地域と学校が支え合う事業として高く評価しております。
そこで、質問ですが、現在実施している学校図書館地域開放事業の現状と課題について伺います。
質問の2点目は、地域の拠点としての学校図書館地域開放事業の活用の方向性についてです。
地域にとって最も身近な施設である小学校を地域コミュニティーの拠点とするに当たっては、学校図書館地域開放事業のような地域のボランティアを活用した生涯学習による事業展開が必要です。学校を核として、地域住民などの参画や地域の特色を生かした事業を展開することで、まち全体で地域の将来を担う子どもたちを育成するとともに、地域コミュニティーの活性化を図ることを目的として、来年度から文部科学省では学校を核とした地域力強化プランを行う予定となっており、学校を地域コミュニティーの拠点とする動きが活発化しています。
地域コミュニティーの拠点づくりを進めるに当たっては、既に学校と地域が連携して行われている学校図書館地域開放事業を活用することが有効であり、今後、この事業を拡充していくことが必要であると考えます。その際、単に実施校を拡大するのではなく、学校図書館地域開放事業を核として地域の人が利用しやすくなるような内容の拡充や見直しを行うことが重要です。
さらに、図書館としての機能のみならず、生涯学習や学校支援などの視点が重要であり、既存のさまざまな事業などを組み合わせて推進していくことにより、地域住民が学校に集い、積極的にまちづくりに関与していく環境をつくることが必要と考えます。現在、本市における生涯学習の普及振興に関する事業は、生涯学習振興財団が担っているところですが、学校図書館地域開放事業に対して、その果たすべき役割といったことも、今後、積極的に考えていく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、地域の拠点としての学校図書館地域開放事業の活用の方向性について伺います。
最後に、高校のインクルーシブ教育についてです。
我が国では、本年1月20日に障害者の権利に関する条約を批准しました。この条約は、障がい者の人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進、保護し、確保すること並びに障がい者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障がい者の権利の実現のための措置等について定めるものです。第2条の定義では、障がいに基づく差別とは、あらゆる区別、排除または制限であるとされ、合理的配慮の実施を怠ることも差別とされています。さらに、第7条では、障がいのある児童についてうたわれておりますが、これは、まさしくインクルーシブ教育の理念であると考えます。
札幌市教育委員会では、2013年度から、文部科学省から委託を受けてインクルーシブ教育構築モデル事業を実施し、共生社会の実現に向けて積極的に取り組んでいると認識していますが、障害者権利条約が批准された今、改めて、札幌市の目指すインクルーシブ教育の方向性について確認させていただきたいと思います。
そこで、1点目の質問ですが、全ての障がいのある児童生徒が障がいのない児童生徒と地域の学校でともに学び合うということが真のインクルーシブ教育と考えますけれども、札幌市も同様の認識でおられるのかどうか、伺います。
先日、我が会派の議員が大阪の学校を視察したところですが、大阪府では、高校段階において、生徒一人一人の障がいの状況に配慮し、その可能性を伸ばすとともに、障がいのある生徒と障がいのない生徒がともに学び、ともに育つ教育を通じて社会参加、自立する人間の育成を図ることを目的として、2001年度より普通科、総合学科のある府立高校4校で、2003年度からは専門学科のある1校を加えて調査研究を始めました。
この調査研究により、障がいのある生徒が授業内容やカリキュラムを工夫することにより高校の授業にも参加できることや、障がいのない生徒とともに学ぶことによりコミュニケーション能力の向上が確認されたことなどから、2005年8月には、大阪府学校教育審議会から、高等学校における知的障害のある生徒の受入れ方策についての答申がなされ、この取り組みが本格的に推進されることになりました。現在は、大阪府立9校、大阪市立2校において、知的障がいのある生徒が生き生きと学び、障がいのある、なしにかかわらず、ともに高校生活を送り、交友を深めていくことを目指し、高校のカリキュラムをベースに指導方法などを工夫した知的障害生徒自立支援コースが設置されております。
また、大阪府では、これとは別に、高等支援学校の生徒が府立高校の生徒と一緒に学び、交友を深めるとともに、本校である高等支援学校の職業に関する専門教科を学ぶことのできる共生推進教室を府立高校内に設置しています。週4日は府立高校に、1日は高等支援学校で学ぶ体制がつくられています。この取り組みを行っている特別支援学校、府立高校は共生推進校と呼ばれ、2006年度から段階的に整備されており、現在は5校、2015年度はさらに2校が整備されるということです。
札幌市において、幼児期や義務教育段階におけるインクルーシブ教育については徐々に進んでいると考えていますが、高校段階においてはまだまだこれからというところであると思います。大阪府と大阪市の取り組みは大変すばらしいものであり、関西各県に広がりつつあり、札幌も大いに参考にすべきと考えます。
そこで、2点目の質問ですが、札幌市では高校段階におけるインクルーシブ教育について、今後どのようにしていこうと考えているのか、伺います。
これで、私の質問の全てを終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(ふじわら広昭) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 11項目のご質問をいただきましたが、私からは、財政問題と市有建築物の問題、円山動物園の象の導入について、そして道内連携について、この4項目を答弁させていただきます。その余は、担当の副市長並びに教育長からも答弁をさせていただきます。
まず、1項目めの財政問題について、2015年度の予算の編成についてお尋ねでございます。
平成27年度の当初予算は、私にとって最後の予算編成ではございますが、新たな体制のもとで編成される肉づけ予算に必要となる財源を確保するために、当初予算といたしましては、継続的、そして義務的な事業などを計上する骨格予算として編成をする方針でございます。例えば、早期発注が必要な公共工事や、あるいは、中小企業向けの貸付金、4月から始まります子ども・子育て支援新制度に係る経費などを計上いたしまして、肉づけ予算が成立するまでの間、市民生活や、あるいは地域経済に影響を与えないように配慮をしてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
今後見込まれる財政需要への備えについてでございますが、公共施設の老朽化への対応や冬季オリンピック・パラリンピックなどの大規模イベントなどの財政需要に対応していくためには、これまでも行ってまいりました経済活性化による税源の涵養策、そして、行財政改革の取り組みをより一層進めるとともに、将来の財政需要に備えた計画的な財政運営を行っていく必要がある、このように考えております。そのためには、市債や既存の基金を活用する従来の手法に加えまして、将来を見越して、計画的な基金造成など中長期的な視点に立った新たな財政運営の手法や、あるいはベンチマークの設定についても検討していく必要があるものと認識をしているところでございます。
それから、4項目めにございました市有建築物の環境負荷低減対策についてでございます。
まず、1点目の市有建築物の環境負荷への取り組みについてでございますが、市営住宅や、あるいは学校施設などの建設に際しましては、断熱性能というものを向上させるために、平成17年度以降に着手したほとんどに外断熱工法を採用いたしました。また、市有建築物の建設や改修に合わせまして、太陽光発電設備、あるいは、雪や地中熱を利用した冷暖房設備、木質バイオマスを燃料といたしましたペレットボイラー等の新エネルギーの導入を図るとともに、LED照明等の省エネ機器を設置しているところでございます。これらの取り組みを先進的、総合的に行ってきた結果、市有建築物の環境負荷低減が進みまして、あわせて、民間への波及も含めて、低炭素社会の実現に向けてトップランナーとしての役割を果たしてきた、このように認識をいたしております。
今後の進め方についてでございますが、外断熱工法を初めとした高断熱化など、これまでの取り組みをさらに充実させるとともに、節電や、あるいは災害対策として注目度が増してきております蓄電池などの分散電源の導入を図っていきたい、このように検討を進めているところでございます。あわせて、今後も、札幌市が他の自治体や、あるいは民間企業に率先して新たな新エネ・省エネ技術の導入に積極的に取り組み、その成果をホームページや、あるいはパネル展などさまざまな媒体を通じて、これまで以上に幅広く発信していく考えでございます。
5項目めの円山動物園における象の導入についてでございます。
これまでの経過についてご質問でございますが、これまでに、札幌市と同じ寒冷地であり、象の繁殖実績がある海外の動物園を参考に、施設や、あるいは飼育方法の検討を行うとともに、原産国におけます国外搬出の可能性について調査をしてきたところでございます。その結果、象たちが生き生きと暮らせる十分な飼育環境を確保し、繁殖に取り組んでいくことで原産国の理解を得られるとの判断をし、そして導入を決定したところでございます。
象の導入の意義についてでございますが、象の導入によりまして、多くの市民に動物の生態や、あるいは生息地のことを伝えて、地球環境や、あるいは生物多様性に対する理解を深めていただくという大きな意義があるものと考えております。施設整備や、あるいは維持管理には多額の経費が見込まれますけれども、市民や企業、そして、これらの皆様方に寄附を募るなど力をおかりしながら、希少動物の命を次世代につないでいくという動物園としての使命を果してまいりたい、このように考えているところでございます。
6項目めにご質問をいただきました道内連携による経済活性化についてでございます。
まず、道内連携の取り組みに対する評価でございますが、これまで、札幌広域圏の首長、市長懇談会などの市長会議だとか、あるいは経済・観光分野におけます道内連携会議の開催、市の幹部職員の地域訪問などによりまして道内の自治体とのネットワークが確実に構築されつつあるところでございます。また、市内卸売企業を地域に派遣いたしまして商談会を行うなどの具体的な取り組みの中では、北海道や地域金融機関との連携によって、企業も含めた重層的なネットワークが形成され、販路拡大などの成果も得られておりまして、札幌・道内企業の活性化に一定の役割、一定の貢献をしている、このように評価をしているところでございます。
今後の道内連携による経済活性化についてでありますが、これまで、さまざまな機会を通じて札幌市が持つ都市機能を全道に発信し続けたことにより、札幌市と道内各地との具体的な連携の取り組みというものが芽生えつつあるものの、その動きはまだまだ緒についたところでございます。人口減少時代を迎える札幌、北海道の経済を支えるためには、道内連携の取り組みを札幌市の経済施策の柱として将来的にもしっかりと根づかせていくことが必要だと考えているところでございます。このため、今後、連携の取り組みをさらにステップアップさせ、札幌市が道都として北海道を牽引していく役割を果たすことによりまして、札幌、北海道の経済というものが一層活性化していくよう努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(ふじわら広昭) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、2項目めの大通地区のまちづくりについて、3項目めの都心エネルギー施策についてお答えをいたします。
まず、大通地区のまちづくりについてであります。
大通地区は、札幌の中心商業地であり、都心全体の魅力と活力を高めていくためには、札幌駅周辺地区とともに均衡のとれたまちづくりを推し進めていくことが必要でございます。このため、ご指摘のとおり、路面電車のループ化を契機とした官民連携によるにぎわい創出に加えまして、大通交流拠点や創世交流拠点の一体的な整備により、その効果を大通公園の南側へ波及させていくことが極めて重要であると認識をしております。
現在、大通地区の事業者などにより構成された再生研究会におきまして、地区の六つの商店街が総力を挙げた路面の魅力の再生などをまちづくりの基本的な方向性とし、各通りの個性が輝き、多様な魅力が新陳代謝しながら発展するまちを目標像に掲げ、その実現に向けて具体的な手法などについて議論をしているところでございます。今後は、こうした議論をさらに深めながら、その成果を都心まちづくり計画の見直しの中に反映をさせ、大通地区のまちづくりに官民が連携して取り組んでまいりたいと考えております。
次に、都心エネルギー施策についてであります。
まず、都心エネルギー施策の推進についてでありますが、都心エネルギー施策の検討対象エリアは、土地利用やエネルギー需給状況がさまざまであり、地域のエネルギー利用の実態に合わせた取り組みを推進していく必要があると認識をしております。
駅前通沿線などは、都心の中でもさまざまな用途の大規模な建物が多く、また、既存の熱導管ピットなども有効活用できることから、エネルギーネットワークの構築に適し、低炭素化の大きな効果が見込まれるところでございます。さらに、まちづくりと一体となって企業のBCP、事業継続計画に対応した事業環境を先導して整備することによりまして、その取り組み効果を対外的にもアピールできるものと考えております。したがいまして、これらの地域を重点推進エリアに位置づけて強力に取り組みを推進することは、非常に有効な方法と考えているところでございます。
次に、都心エネルギーに関する全体計画や実行計画の策定についてでございます。
今後、エネルギーとまちづくりの一体的な取り組みを推進し、確実にその効果を上げていくためには、都心エネルギー施策の全体計画とともに、施策を展開するための官民の役割分担や具体的な取り組みを明らかにする実行計画の策定が不可欠であると認識をしておりまして、現在検討中であります都心まちづくり計画とも連動させながら検討を進めてまいりたいと思っております。
私からは、以上であります。
○副議長(ふじわら広昭) 井上副市長。
◎副市長(井上唯文) 私から、7項目めの国民健康保険における医療費適正化の取り組みについてと、8項目めの待機児童対策と認定こども園についてお答えをいたします。
まず、7項目めの国民健康保険における医療費適正化の取り組みについてのビッグデータの活用についてでありますが、本年度、平成25年度分レセプトについての医療費の分析を行っております。この結果、分析可能であったものは総額約1,432億円であり、その内訳は、高血圧性疾患などの循環器系の疾患が約240億円と最も多く、次いで、がんなどの新生物が約208億円、さらに、統合失調症などの精神及び行動の障がいが約148億円でありました。このように、がんや精神疾患といった保険者だけでは対策をとりがたい疾病も多くあることがわかってまいりました。また、生活習慣病については、発症や重症化の予防が可能であることが多いため、今後は中長期の予防対策を検討する材料としていく予定であります。
次に、第三者行為求償事務についてでありますが、被害者の傷病届の提出を損害保険会社が支援する取り組みは、現在、国民健康保険中央会と日本損害保険協会との間で全国レベルの協議が行われているところであり、この動向を注視しているところであります。現時点では、都道府県など一定規模の団体との取り決めを想定しているようでありますが、今後、状況によっては札幌市単独での取り決めを申し入れるなど、取り組みを積極的に進めていきたいと考えております。
次に、8項目めの待機児童対策と認定こども園についてお答えをいたします。
まず、待機児童についてでありますが、待機児童数の減少傾向は継続しておりますけれども、保育所申し込み児童数が例年よりも増加していることなどから、その減少数は一定水準にとどまっておりまして、楽観できない状況にあるものと認識をしております。本年度は、当初予算で約1,900人分の保育サービスを拡大し、第3回定例市議会における補正予算により、さらなる上積みを計上したところであります。
さらに、現在、保育コーディネーターが幼稚園などが独自に実施ししているサービスの情報収集・提供を行うなど、多様化する保護者ニーズへの対応も強化しているところであります。保育サービスの拡大に加え、これら利用者への支援をさらに充実させるなど、平成27年4月の解消に向けまして最大限の取り組みを進めていく所存であります。
次に、認定こども園についてであります。
認定こども園は、利用者に多くのメリットがあると認識をしていることから、これまでも移行の促進に努めてきたところでありまして、ことし4月の時点では、政令指定都市で3番目に多い15園が設置されているところであります。現在策定中の札幌市子ども・子育て支援事業計画においても、保育サービスの供給策として、既存施設の幼保連携型認定こども園への移行を最優先に位置づけております。
ことし7月に実施した新制度に関する意向調査の結果では、幼稚園や保育所からの移行により、平成31年度までに市内の認定こども園は60園を超える見込みとなっております。こうした事業者の意向を踏まえまして、認定こども園への移行に当たって課題とされている事柄につきまして国に働きかけるなど、その解決を促し、認定こども園に移行しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
以上です。
○副議長(ふじわら広昭) 町田教育長。
◎教育長(町田隆敏) 私から、9項目めの青少年科学館について、それから、10項目めの学校図書館地域開放事業について、11項目めの高校のインクルーシブ教育についてお答え申し上げます。
9項目めの青少年科学館についてでございますが、展示物の更新計画と山崎直子名誉館長の委嘱期間継続についてでございます。
1点目の展示物の更新年次計画の策定につきましては、青少年科学館の展示物の更新については、平成22年に社会教育委員会会議へ諮問し、その答申を受けて、平成22年度から平成26年度までを整備期間として、これまで、順次、整備を進めてきたところでございます。平成27年度以降につきましては、展示物の更新のあり方及び整備計画について改めて検討してまいります。また、このたびの天文・地球科学コーナーは、山崎直子名誉館長の助言を得て整備をしております。科学館のPRや来館者の増加に大きく寄与していると評価するところでございます。
2点目の山崎直子名誉館長の委嘱期間継続についてでございますが、今後の展示物の更新計画への助言等を含め、引き続き名誉館長を引き受けていただきたく、速やかに取り組んでまいります。
2点目のプラネタリウムの更新についてでございますが、プラネタリウムの運営は、学校教育の支援及び市民の生涯学習推進の観点から重要な事業と認識しておりますけれども、更新に当たっては多大な経費が伴うこともあり、適切な更新時期を検討してきたところでございます。しかしながら、経年劣化等の原因により投影が中断する等、ここ最近、故障件数が急増する中、既にプラネタリウム本体機器の製造が終了しているため、修理・補修部品の調達が困難な状態にございます。よって、プラネタリウムの運営に重大な支障が生じかねないことから、今後、速やかに更新しなければならないと考えております。
次に、今後の青少年科学館のあり方についてのご質問でございますが、1点目の理科教育推進のあり方検討調査の今後の具体的な方向性についてでございますけれども、現在、有識者会議を中心とした調査結果を来年春までに報告書として取りまとめているところでございます。これまでの有識者会議では、学校教育に対するサポート機能の強化や、企業、大学との連携強化等について重要な視点として捉え、検討しております。
2点目の科学館の機能強化と組織体制についてのご質問でございますが、有識者会議の結果を踏まえ、今後、必要な施策や事業等を明らかにする中で、将来的にどのような機能や組織体制が求められるのか、検討してまいりたいと考えております。
次に、10項目めの学校図書館地域開放事業の現状と課題についてでございますが、学校図書館地域開放事業は、学校図書館を地域に開放することにより、読書活動を通じて子どもと大人、大人相互の交流の場を広げ、地域社会の教育力向上を目的として昭和53年に始まったものでございます。現在、小学校105校、中学校1校、計106校で実施しており、小学校におきましては、市内の約半数の学校で実施しているところでございます。
課題としては、事業を運営していただくボランティアの確保や地域住民の利用者の拡大であると認識しているところでございます。
学校図書館地域開放事業の活用の方向性についてでございますが、議員のご指摘のとおり、小学校を地域コミュニティーの拠点とするに当たっては、学校図書館地域開放事業のような取り組みが行われている学校から進めていくことがふさわしいと考えているところでございます。地域住民の利用者増に向けましては、開設校の協力を得ながら、事業PRの強化や開館日の拡大等についても検討していきたいと考えております。また、生涯学習や学校支援などの視点のもと、関係機関との連携を含めて、地域コミュニティーの拠点としてどのような事業展開が適切なのか、検討の上、事業を拡大してまいります。
11項目めの高校のインクルーシブ教育についてでございます。
1点目のインクルーシブ教育の認識についてのご質問ですが、インクルーシブ教育は、障がいのある子どもが可能な限り身近な地域の学校で障がいのない子どもとともに学ぶことを目指すものでございます。大切なことは、障がいのある子ども自身が、授業内容がわかり、学習活動に参加している実感や達成感を持ちながら充実した時間を過ごし、生きる力を身につけることであると認識しております。
今後の高校におけるインクルーシブ教育についてでございますが、高校段階においても、障がいのある生徒が障がいのない生徒とともに学ぶことは、双方にとって豊かな人間性などを育てる上で大きな意義を有するものであると認識しております。
これまで、市立高等学校におきましては、発達障がい等への対応を中心とした事例の共有や研修等に重点を置きながら支援体制を充実させてきたところでございます。一方、知的障がい等への対応につきましては、高校入試や教育課程の編成などに大きな課題もございますことから、今後も、大阪府の取り組みや、現在、文部科学省が行っている障がいに応じた特別な教育課程の編成に関する研究の成果などに注目していきたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(ふじわら広昭) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日12月4日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(ふじわら広昭) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
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○副議長(ふじわら広昭) 本日は、これで散会します。
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散 会 午後5時4分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 高 橋 克 朋
副議長 ふ じ わ ら 広 昭
署名議員 伴 良 隆
署名議員 國 安 政 典...