委 員 井 上 ひさ子 委 員 伊 藤 理智子
委 員 石 川 佐和子 委 員 松 浦 忠
委 員 木 村 彰 男
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開 議 午後1時
○芦原進 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、猪熊委員、中村委員からは欠席する旨、また、飯島委員からは川田委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち
農業委員会関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。
次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。
◆しのだ江里子 委員 私は、
フレッシュスタート塾事業と
実践型地域雇用創造事業の2点について伺わせていただきます。
まず、
フレッシュスタート塾事業について質問させていただきます。
9月19日発表の内閣府
月例経済報告によりますと、全体の景気は、このところ、一部弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いているとあります。片や、9月12日発表の
北海道経済産業局管内経済概況では、緩やかな
持ち直し基調にあるものの、一部には弱い動きが見られるとあり、札幌圏の8月の
有効求人倍率は0.8倍と、前年同期より0.11ポイントふえてきてはいるものの、国の0.97倍と比べますと、依然として低い水準が続いているなど厳しい状況です。また、厚生労働省及び
北海道労働局の2014年3月卒の
大学卒業予定者の
就職内定状況調査や、
高校新卒者の
求人求職内定状況取りまとめ等によりますと、2014年3月卒の
大学新卒者の就職率は94.4%と、前年同期より0.5ポイント上昇しているものの、
北海道地区においては89.1%と、5.3ポイントも全国平均より下回っています。
高校新卒者の
就職内定状況を見ても、全国平均では98.2%と、前年同期よりも0.6ポイント上昇している一方、
北海道地区においては95.4%と、2.8ポイントも全国平均を下回っておりまして、札幌圏に限って申しますと89.8%と、全国平均から実に8.4ポイントも下回るなど、まだまだ厳しい状況と言えます。
また、2012年度の総務省における
就業構造基本調査によりますと、日本の非
正規雇用者数は2,000万人を突破し、北海道内では95万6,800人となり、全労働者数に占める非
正規雇用者数の割合は、全国の38.2%に対して北海道は42.8%と、4.6ポイントも高く、都道府県別で見ますとワースト2で、また、2012年までの5年間の伸び率で申しますと全国1位という不名誉な結果となっています。
将来を担う若者が明るい夢や希望に邁進し、充実した人生を切り開いていくためには、
正社員就職による自立や安定した生活を送れるようになることが何よりも重要だと考えます。昨年、2013年3定で、新卒未就職者に対する
就職支援事業、
ジョブスタートプログラムについて質問させていただきました。
民主党政権時代に創設されました
重点分野雇用創造事業によりまして、各自治体に配分された財源をもとに、札幌市でも2010年度から実施してまいりました。2014年度以降は、札幌市が独自で、
ジョブスタートプログラムで培ったノウハウを生かし、工夫をしながら、効果的で効率的な支援を検討することが明らかになり、大きな希望を持っておりました。新卒者の
正社員就職を目的に本年度から実施したのが
フレッシュスタート塾事業と聞いております。本年1定でも、私どもの会派から、
フレッシュスタート塾事業の概要及び
実施スケジュールについて伺いましたところ、卒後1年目の新卒未就職者を対象に、
早期正社員就職の支援を目的として座学研修と職場実習を5月から実施するという答弁がありました。
そこで、質問ですが、今年度のこれまでの実施状況及び現段階での実績についてはいかがか、伺います。
◎白岩
雇用推進部長 まず、今年度のこれまでの実施状況についてでございます。
本年5月から、大学、高校などの新卒者70人を研修生として迎え、1カ月間の座学研修と2カ月間の職場実習を行い、就職に結びつけております。就職が決まらなかった方に対しましては、その後、個別支援を行ってきたところであります。
次に、現段階での実績といたしましては、研修の途中で
公務員志望等による進路変更をした4人を除く66人中、
正社員就職をしたのは29人であり、これに非正規社員も含め、就職した人数としては54人となっております。
◆しのだ江里子 委員 今のご答弁で、70人の方たちがこの塾に参加され、途中で進路変更した4人を除く66名の中で、正社員が29名で、非正規を入れると54名になったということでした。
この事業は、3社の人材会社に委託しながらも、札幌市が主体的にかかわることで、より効率的で、まさに効果的な支援を行うということでありました。これまでは、委託事業といいますと、委託先にある程度任せっきりということが多かったのではないかと思われます。しかし、今回の事業では、市の職員がみずからの経験や学んできたことをもとに積極的にかかわっていくという気概を持って仕事に当たっていると伺っております。
そこで、質問ですが、これまでのこの事業への市職員のかかわり方についてお聞かせください。
また、研修生からはどのような声があったのか、あわせてお聞きします。
◎白岩
雇用推進部長 まず、これまでの市職員のかかわりについてでございます。
これにつきましては、研修生の募集や
研修カリキュラムの組み立てについて私どもが主体的にかかわり、3日間にわたる合同研修に関して全ての運営と実施を担当させていただきました。また、
座学研修期間中に、市職員が全研修生と個別面談を行い、各種の
研修習熟度を確認したり、思いや悩みをじっくりと聞き、相談に応じたりするなど、モチベーションを持続させる取り組みもあわせて実施してまいりました。このほか、
職場実習期間中には、
実習先企業の中から15社を選定の上、訪問させていただき、経営者の方々から忌憚のないご意見をお伺いしたり、研修生の実習の様子を確認したりするなど、市職員が積極的に直接かかわってきたところであります。
次に、研修生からの声についてでありますが、代表的なものを三つご紹介したいと思います。
研修生からは、市長がこの事業に対して大いに期待を持っていることがわかり、大変感動した、
正社員就職をあきらめてフリーターにならず、本当によかった、税金を使ってこういった事業を支援していただいていることに感謝の気持ちでいっぱいである、今後は、自分が
正社員就職をすることにより、税金をたくさん納めて札幌市に恩返しをしたいなどといったように、事業目的に沿った成長が感じられる声が多数寄せられておりまして、一定の成果を実感しているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 札幌市の職員が募集の段階から主体的にかかわり、研修の組み立てを行ったり、
研修生全員と面談を行ったり、実習先15社の企業を訪問して経営者の声も聞いたりするなど、まさに積極的な取り組みをしていただけたという姿勢は大変よくわかりました。また、上田市長が、初めて、このような新卒未就職者が集まる場面でご自分の思いをみずから大変熱く語ったというお話も聞いております。こういった市長を初めとする市職員の積極的なかかわりが評価されたということが、今ご答弁がありました三つの事例ということで、研修生からの感謝の声にあらわれていると思います。
ところで、この事業は、先ほど話がありましたように、5月から1カ月間の座学と2カ月間の職場実習でありまして、8月にはもう既に終了しています。また、
研修生全員が就職できている状況ではない中で、
人材育成会社への委託期間も間もなく終わると思われます。
そこで、質問ですが、今後の
取り組み内容はどのようにされていくのか、伺います。
◎白岩
雇用推進部長 今後の
取り組み内容についてでございます。
事業者との
委託契約期間は10月末で終了いたしますが、引き続き、札幌市として年度末までしっかりとかかわっていくこととしております。具体的には、就職の決まっていない研修生に対しまして、
就職相談窓口の紹介や別の研修事業への案内などのサポートを継続してまいります。また、希望者に対しましては、再度、個別面談を行い、現在の状況を確認したり、動機づけや助言を行ったりするなど、できる限りのサポートをしてまいりたい、このように考えております。
◆しのだ江里子 委員 要望です。
この事業は、1年目であったと思いますが、予算も含め、まさに札幌市の単費でやっていて、さまざまな課題があったと思いますけれども、自治体が主導して若者の就労支援を行っていくということは余り例がないことだと聞いております。まさに札幌方式のやり方ですが、札幌市の若者の雇用に対する支援について積極的な姿勢で取り組んでいただいていることに関しては大いに期待しております。今のご答弁で、年度末までしっかりかかわっていただくことが理解できました。まだ就職できていない研修生は12人ほどいらっしゃいますが、この研修生お一人お一人については、現在の置かれている環境やこれまでの企業との面談状況とか職場実習などの経験もそれぞれ違うと思いますので、一人一人に寄り添った親身な対応をぜひお願いしたいと思います。
国全体としての雇用状況とか就職状況がよくなっているかに見える中でも、実際には就職できない新卒者が依然いるということは大変深刻な問題となっております。このように卒業したばかりの若者に対する
就職支援事業は、ますます重要になってくると考えます。大学とか高校の中での
キャリア教育というのはおおむねホワイトカラーを目指すことが中心となっているように思いますが、それぞれの特性から、例えば手に職をつけるほうが向いている若者もこの中にはきっといると思います。私は、ぜひ、札幌からすばらしい職人が生まれるようなサポートなども進めていただきたいと考えます。ぜひとも、内容を充実強化させて、2015年度、来年度もこの取り組みを進めていただくことを求めて、この質問は終わらせていただきます。
次に、
実践型地域雇用創出事業、いわゆる
パッケージ関連事業について質問させていただきます。
経済の発展に伴う安定的な雇用の確保は、市民の安心な暮らしの実現に欠かせないものです。そのためには、雇用の受け皿となる企業の経営基盤が強化され、
雇用創出力が高められることが重要だと考えます。また、企業で働く側にとっては、それぞれの能力を生かし、やりがいや充実感を得ながら働くことが重要であり、このことが個々人の自立した生活につながっていくと考えます。
一方、求職中の方に関しては、働く意欲や能力を引き出すとともに、札幌の将来を担う地域経済の支え手としてしっかりと育成していくことが望まれます。企業側にとっても、意欲が高く、すぐれた人材を雇用することができれば、生産性の向上につながり、ひいては、社会全体の活性化に結びつくことになろうと思います。行政には、地域の特性を踏まえ、地域みずからの創意工夫や発想を生かした雇用施策を実施するための牽引役が期待されているものと考えます。
このたび、地域の特性を生かし、地域の創意工夫によって
雇用対策事業を策定するという国の枠組みを活用した3年間の
実践型地域雇用創造事業、いわゆる
パッケージ関連事業が本年6月に札幌地域として採択されたと聞いております。
政令指定都市などの大きな都市が選定されることが少ない中で、札幌地域は2005年から既に4回目ということでありまして、全国的にも例のないことと伺っております。
そこで、質問ですが、まず、今回の
パッケージ関連事業の目的と、この事業を実施するための組織体制はどのようであるのか、伺います。
◎白岩
雇用推進部長 まず、今回の
パッケージ関連事業の目的についてでございますが、これは、札幌が持っている魅力と強みを生かし、地域の産業を担う事業者の雇用拡大や求職者の人材育成による就業促進を通じて雇用を創出していくことであります。
次に、この事業を実施する組織体制といたしましては、札幌市や
札幌商工会議所、
北海道中小企業家同友会、
札幌観光協会などの七つの団体で協議会を構成しており、採択のあった6月から運営いたしております。
なお、代表は札幌市長が務めているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 今のご答弁で、組織体制としては7団体ということで、札幌市や
商工会議所、
中小企業家同友会、
札幌観光協会などの団体で構成されていて、地域での雇用拡大とか、求職中の方の就業促進を通して雇用の創出を目指していく事業であることがわかりました。
先ほどの
フレッシュスタート塾事業でお話ししましたように、8月の
有効求人倍率は、全国と比べると本当に大変低く、札幌圏は0.81倍ということでした。こういった中で、新しい雇用を生み出す事業は大変力強いものと私は考えます。
そこで、質問ですが、今回のこの事業の概要についてお聞かせください。
◎白岩
雇用推進部長 事業の概要についてでございます。
この事業では、雇用創出に関して大きな潜在力が見込まれる観光、食、創造及び都心活性化という四つの重点分野を設定しており、全体を通じて17の講座やセミナーを実施しているところであります。具体的な内容を申し上げますと、事業主を対象とした
雇用拡大メニューにおきましては、
観光サービスのレベル向上を目指す
観光客おもてなし実践講座や、
北海道ブランド食品の販売促進と販路拡大を目指す食の販路拡大を学ぶ講座などを行っております。また、求職者の方を対象とした
人材育成メニューにおきましては、企業の情報の正しい
取り扱い方法を学び、
IT活用スキルを身につける
IT推進担当者育成セミナーや、カフェの経営、運営を目指す女性を支援する女性のための
カフェ起業講座などを行っております。さらに、
就職促進メニューにおきましては
合同企業説明会などを、また、
雇用創出実践メニューにおきましては
ムスリム旅行者向けの食の
メニュー開発を行っております。
◆しのだ江里子 委員 まさに、
札幌戦略ビジョンと連動しておりまして、今後、雇用に大きな潜在力が見込まれる四つの重点分野で17の事業を推進していくということでした。事業主が対象である観光客の
おもてなし実践講座であったり、また、食の販路拡大を学ぶ講座など、このような事業を推進していただいて札幌地域全体に波及させていくことを念頭に置いた取り組みをぜひお願いしたいと思います。
私も、このリーフレットをいただきましたが、非常に興味深いものがたくさんありました。まさに、札幌が得意とするところ、そして、札幌がこれから進めていくところがたくさんありまして、これは、事業者にとっても、そしてまた求職者にとっても非常に有効なものであろうと思います。
最後の質問ですが、この事業の目的は、札幌市内において新たな雇用を生み出すということですけれども、3年間での数値目標について伺います。
また、その目標達成に向けての決意について伺います。
◎白岩
雇用推進部長 まず、3年間での数値目標についてでございます。
今年度から平成28年度までの3年間で、参加者数1,720人を目指して事業を進めてまいります。また、この参加による
雇用創出効果としましては389人の新規雇用を数値目標として掲げております。
次に、目標達成に向けての決意でありますが、
協議会会員が一丸となって取り組むことはもとより、市内の関係企業に対しては、ダイレクトメールなども活用して事業への理解と参画を強く働きかけていくこととしております。また、求職者に対しては、参加促進のためのチラシやポスターを工夫、充実させるほか、ホームページにつきましてもわかりやすさを重視して作成するなど、広く市民の関心を引くような周知、PRに努めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、さまざまな取り組みを積み重ね、必ずや、目標の達成を実現していきたいと決意を新たにしているところであります。
◆しのだ江里子 委員 今、必ずや達成させていくという大変強いご意向を聞かせていただきました。
パッケージ関連事業については、参加する人数が1,720人、そして389人の雇用を創出するということで大変意義深い事業であると思います。この周知等々に関しては、例えば求職者などにはSNSなども使ってぜひPRをしていただきたいと思います。採択を受けるに当たって、4回目の申請ということで大変なご苦労があったと思いますが、今後においては目標の実現こそが何より重要であると考えます。ぜひとも、この事業を通じて新たな雇用を生み出し、札幌地域を活性化させていただき、市民の安定した暮らしや、まさに笑顔に結びつくように事業を進めていただくことを求めて、私の質問を終わります。
◆
福田浩太郎 委員 私からも、
実践型地域雇用創造事業、いわゆる
パッケージ関連事業について、的を絞って質問させていただきたいと思います。
今、質疑にもありましたが、このたび、地域の特性を生かして地域の創意工夫によって
雇用対策事業を策定するという国の枠組みを活用した3年間の
実践型地域雇用創造事業、いわゆる
パッケージ関連事業が平成26年6月に札幌地域として採択されました。これは、札幌市や
経済団体等の7者で構成するさっぽ
ろ地域雇用創造協議会においての採択であり、しかも4度目ということで、本市にとって大変喜ばしいことであります。ご担当者の努力に感謝したいと思います。
潜在力の見込まれる有望な分野で、事業主と求職者の双方に講座やセミナーなどを通じて効果的な働きかけや、知識、さらにスキルの付与を行っていくことは、非常に有意義なことであると考えます。この事業は、先ほどもありましたように重点4分野から成りますが、その柱の一つに観光分野があります。観光と言えば、国外からの観光客においては、昨年7月にビザが緩和されて以降、
東南アジアからの入り込み客数が大幅にふえていると聞いております。直行便が就航したタイを初め、観光客数の増加が期待されるマレーシア、シンガポール、
インドネシアなど
東南アジアは、
イスラム教徒の方々である
ムスリム観光客が多いわけでありますが、中でも、
インドネシアからの入り込みは前年比で64.3%も増加しているのであります。その
インドネシアは、2億4,700万人の人口の約9割がムスリムであると言われておりまして、今後も来札者の増加が見込まれるところであります。
そこで、質問いたしますが、
パッケージ関連事業において、この中でもとりわけ今回の目玉と言えるのは、
ムスリム旅行者に対する取り組みを推進するというものであると考えますけれども、これはどういった事業を行うのか、お伺いいたします。
◎白岩
雇用推進部長 ムスリム旅行者に対する取り組みの推進につきましては、具体的には四つの事業を実施してまいります。
一つ目は、
東南アジア諸国からの観光客に対する
おもてなしを学ぶとともに、観光業界への就職を目指す
求職者向けの講座です。二つ目は、観光分野に関係する旅行業、宿泊業及び飲食業などの事業主の方々を対象に、
受け入れ促進に対する知識や理解を深め、実践力のある人材を育成することで雇用拡大を図る
事業者向けの講座です。そして三つ目は、
ムスリム旅行客の増加による
ビジネス機会の拡大と、それに伴う雇用の増大を目的として、ムスリムに配慮した料理のメニューを開発し、提供する飲食店等を増加させるとともに、
東南アジアを中心とした
ムスリム旅行客の誘致を図り、観光産業の雇用の創出に結びつける実践事業を行ってまいります。最後に、四つ目でございますが、
ムスリム旅行者に対応したメニューを成果物として広く事業者に公開し、活用を促す
事業者向けのセミナーであります。
ただいま申し上げましたこれら四つの事業を通して、
ムスリム旅行者に対する効果的な取り組みを積極的に進めてまいりたい、このように考えております。
◆
福田浩太郎 委員 四つの事業があるということで、特に後半の二つについては、
東南アジア諸国からの観光客の習慣や好み、さらには、
ムスリム対応などの
おもてなしに関する知識の習得及び理解が新たに必要になってくるということであり、そして、観光客の中でも特に
ムスリム旅行者を誘致して、観光産業での雇用創出につなげていくということでありまして、そのことは理解いたしました。
ムスリム旅行者を誘致するに当たりましては、文化や習慣の違いから、主に礼拝や食事などに関して配慮を要します。礼拝については、1日に5回、太陽の動きに従った時刻に体を清めた上でメッカの方向に向かってといったような所定の方法で行いますので、
パッケージツアーなどにおけるお祈りの時間の確保なども求められているようであります。また、食事については、豚肉やアルコールが禁止されるなどの制限があり、「日本への旅行で心配なことは」との問いに、多くの
ムスリム旅行者は、「自分たちにとって安心な食事をとることができるか不安である」と答えるようであります。
ムスリム観光客の受け入れに際し、私は、食事に関する不安を払拭することが最も重要なことだと捉えております。さらに、食に関しては、高品質な道産食材を活用した魅力的な料理の提供という観点も欠かせないものと考えます。しかし、
ムスリム観光客にとって安心で、しかも、
札幌ならではの魅力的な
料理メニューの開発を進めていくことは、いろいろ苦労もあるというふうに思います。
そこで、再質問でありますが、こういった料理のメニューの開発を進める上での課題をどのように捉えているのか、お尋ねいたします。
◎白岩
雇用推進部長 料理の
メニュー開発を進めていく上での課題につきましては、大きく三つございます。
一つ目は、豚肉やアルコールなどの禁じられているものに関する理解はもちろんのこと、旅行で札幌を訪れる
ムスリム旅行客の食べ物の嗜好についてどのようなニーズがあるのか、断食中や断食明けなどの時期も含め、受け入れ側が適時適切にどのようなものを提供できるか、しっかりと検討するということであります。二つ目は、
ムスリム旅行者にぜひ食べていただきたい高品質な道産食材を活用した、まさに
札幌ならではの優位性が発揮できるメニューを開発し、それを成果物としてしっかりと打ち出していくことであります。そして、三つ目といたしましては、できるだけ多くの事業者の参画を得るために、いかにして開発したメニューを広めていくか、また一方で、どのように
ムスリム旅行客に周知を図っていくかであると考えております。
◆
福田浩太郎 委員 今お聞きして、やはり、私どもにはなかなかわからない、難しい課題が3点あるのだということを承知いたしました。繰り返しになりますが、お答えにもあったように、ぜひ、自然豊かな北海道が有する高品質で安全な食材を利用した
札幌ならではの優位性を発揮できるメニューを開発していただきたいと思います。
先ほどのご答弁の課題の三つ目として、このメニューができた後、どうやって広めていくかが非常に重要になってくるということでしたが、私も同様に考えております。
そこで、最後の質問でありますが、料理のメニューの導入促進に係る効果的な進め方についてお尋ねいたします。
◎白岩
雇用推進部長 料理のメニューの導入促進に係る効果的な進め方についてでございます。
実践事業で作成したメニューを成果物として公開するセミナーを利用し、可能な限り多くの事業者に周知を図っていくとともに、メニューの導入を検討する企業に対しましては、先行投資の意味合いも含めて、この取り組みにおける意義の重要性についてしっかりと認識していただけるようPRを強化してまいりたいと考えております。
その上で、自分たちがこれらのメニューを活用して新たなお客様にいらしていただくという
おもてなしの気持ちを持ってもらい、関係者が連携してこの事業を進めていくことは、ビジネスチャンスにつながることでもあり、大変重要な取り組みであると考えております。また、効果的に取り組みを進めるために、既に東京、横浜及び京都といった先進都市に職員が赴き、直に視察及び関係者からの聞き取り調査を行ってきたところであります。このほか、
ムスリム対応を推進している国内他都市に対するアンケートや電話調査もあわせて行っているほか、
東南アジアで旅行商品を造成する旅行会社や札幌市内在住のムスリムの方々の意見も集約するなどしてこの事業を効果的に推進する上での一助にしてまいりたい、このように考えております。
◆
福田浩太郎 委員 最後に、要望になりますけれども、事業者においては、先行投資をしていくという気構えも必要であり、また、関係者が連携して新しい旅行客に
おもてなしをしていくという気持ちを持つことが必要であることについても承知いたしました。また、既に、横浜や京都などの先進都市に視察に行き、
ムスリム対応に係る取り組みについて直接情報を得ており、それらをしっかり生かしていただいているということですから、今後の取り組みの展開が非常に楽しみであると感じました。ぜひ、札幌が
ムスリム旅行客に対する
おもてなしの先進地域となって、
東南アジアからたくさんの観光客に来ていただくとともに、すばらしい思い出をつくっていただき、さらにはリピーターになっていただけることを心から願いまして、質問を終わります。
◆石川佐和子 委員 私からは、若年層職場定着支援事業について伺います。
若者の就職に関しましては、この間、七五三現象と言われるなど、早期離職が大きな問題になっていると認識しているところであります。厚生労働省の
北海道労働局の資料で2010年3月に卒業した方の就職後3年以内に離職をした率がありますが、これを見ますと、全国では大学で31.0%、高校では39.2%となっています。これを前年度の2009年3月の離職率と比べますと、大学では2.2ポイント、高校では3.5ポイントもふえている状況にあります。一方、北海道における2010年3月に卒業した方の就職後3年以内の離職率は、大学で37.3%、高校で51.0%となっておりまして、全国と比べて大学では6.3ポイント、高校で11.8ポイントも高い状況になっています。これを計算してみますと、北海道ではおよそ3人に1人が3年以内に離職しているという非常に憂慮すべき状況になっていると思います。
仮に若者の皆さんが早期離職をして、一度、フリーターなどの非正規雇用になりますと、当然、その時点で
キャリア教育が十分にできなくなりますし、さらには、正社員への転換がより難しくなるという現実的な問題に直面いたします。また、離職している期間が長く続きますと、社会とのつながりを持ちづらくなり、ひきこもりにつながる場合もあるというふうに聞いております。さらに、企業側にとっても、バブル崩壊後、採用人数の減少やリストラによる人員不足などで経営を支える中堅社員が不足しているという課題もあって、若手社員が定着していないことは採用コストにとどまらない大きな損失になっていると思います。それどころか、社会としての持続可能性が失われてしまうのではないかというような危機感も持っているところです。こうしたことから、札幌市が取り組んでいる若年層職場定着支援事業は、若者の早期離職を防ぐための一つの支援として大変重要であり、意義があると考えております。
そこでまず、若年層職場定着支援事業は2008年から実施していると伺っておりますが、2013年度の
取り組み内容とその実績についてお聞きします。
◎白岩
雇用推進部長 まず、2013年度の
取り組み内容についてでございます。
昨年度は、若手社員の就業意欲の向上を図る講演会を1回、若手社員の不安や悩みの早期解消法を身につける宿泊研修及びそのフォローアップ研修を各1回実施いたしました。また、人事・人材育成担当者向けに、若手社員への指導方法を学ぶ講座及びコミュニケーション力を身につける研修につきましては、それぞれ2回開催したところでございます。
次に、実績についてでございます。
講演会等の各研修の合計として定めた参加者数の目標300人に対しまして、合計303人の事業参加という実績となっており、目標を超えることができました。ただいま申し上げた取り組みを通じて、参加者に対して就業意欲の向上や悩みに伴うストレスとのつき合い方などを学ぶ機会を提供することができたことにより、一定の効果を上げることができたものと考えております。
◆石川佐和子 委員 昨年度については、若者の早期離職を防ぎ、職場の定着に向けたさまざまな取り組みをしていることと、少しではありますが、目標数値を上回ったということを伺いました。
ただ、やめる若者の皆さんは、仕事がつまらないというふうによくおっしゃいます。本当はそうした若者の皆さんに研修に一番来てほしいのですが、来てもらえなければ、せっかくのそうした事業も実効性が伴ってこないのではないかというふうに思います。先ほども言いましたように、
北海道労働局の資料からも明らかですが、この間、就職して3年以内にやめてしまう若者が後を絶ちません。一方ではブラック企業とか非正規雇用のような問題もありますが、気持ちの持ち方やきっかけづくりができ、仕事を続けることができるのであれば、本当はそれにこしたことはないと思います。企業内における若手の社員を取り巻く問題としては、上司を初めとする中高年層との意識のギャップ、さらには、これに伴ってコミュニケーション自体がとれていない現状もあるというふうにお聞きしております。
働くことの意識調査結果というのがあります。これは、ある法人が、昭和44年以来、46回も続けているということで、ことしは新入社員2,203人を対象に行った調査結果です。それを見ますと、就労意識については、「社会や人から感謝される仕事がしたい」「仕事を通じて人間関係を広げていきたい」について、「そう思う」と肯定的に答えた割合がともに95%以上で最も高く、一方で、「仕事をしていく上で人間関係に不安を感じる」については67%となっており、新入社員にとって職場の人間関係への期待や不安を見てとれる結果となっています。また、人間関係では、「先輩と後輩など上下のけじめが大切だ」と91%が答えており、これが最も高い数字です。こうした結果から、遠慮がちといいますか、さまざまな悩み事を抱えていても、先輩に相談しづらい、あるいは、できないのではないかと感じるのであります。企業側としても、若者が最終的に退職を申し出るまでそうしたサインとか予兆をつかみ切れず、将来性のある大切な人材を失っていることになっていると感じます。やはり、若い方々は、先輩、後輩に上下のけじめをつけているような状況がありますから、同じ目線に立った相談相手の存在を求めているのではないかというふうに考えます。私は、若年層職場定着支援事業で行っている各研修や講座においても、こうした受講者のニーズをよく踏まえて内容の構築を図るべきだと考えます。
そこで、さらに伺いますが、今年度はどのような工夫を行っているのか、お聞きいたします。
◎白岩
雇用推進部長 今年度の工夫についてでございます。
今年度の事業につきましては、あす29日に開催する講演会から始まる予定であります。研修全般を通して、講師には若くて講師経験が豊かな方を選定しておりまして、まさに、若者の目線に立ち、若者の心をつかむような内容とすることで高い研修効果が得られるようにしてまいりたいと考えております。研修内容につきましては、講義形式重視ではなく、グループ討議をより多く取り入れ、情報交換や悩み相談を充実させることによって、若手社員と人事・人材育成担当者が相互に気づきを得られるような内容としております。さらには、企業や立場の枠を超えた人間関係の構築もあわせて図られるようにしていきたいと考えております。
このほか、周知、PRの方法につきましては、今年度から市内企業にチラシを送付するなど、直接アプローチもしていくこととしたところでございます。
◆石川佐和子 委員 若者の目線に立ち、若者の心をつかむような内容にする、また、さまざまな工夫をすることを今の答弁から知ることができましたので、私は、そうした工夫が功を奏することを期待したいと思います。このほかにも、異なる世代間におけるコミュニケーション能力を向上させるために、伝える力や聞く力を強化するようなカリキュラムを充実させるなどして、ぜひとも、研修目的に沿った高い効果が得られるような内容にしていっていただきたいということを要望したいと思います。
若者の就職に関しては、就職することと同様に、就職した後、その職場にしっかりと定着していくことが重要であることは言うまでもないことだと思います。そのためには、就職した若者や雇用する企業が抱えている課題やニーズをしっかりと把握する必要があるというふうに思います。こうした観点から、昨年、2013年の3定の代表質問及び
決算特別委員会におきまして、私どもは、若年層の職場定着がより図れるようにするための実態調査の必要性について質問し、また、要望してきたところであります。
そこで、最後の質問ですが、各研修に参加した若者の皆さん及びその所属企業に対する実態調査について、今後どのように行っていくお考えなのか、お聞きいたします。
◎白岩
雇用推進部長 まず、研修参加者に対する実態調査についてでございます。
研修参加者に対する職場定着の実態調査につきましては、平成26年度の参加者から実施することとしております。この調査は、定着調査という性質のため、1年後の平成27年度の状況から3年間にわたって職場定着に係るアンケート調査を行ってまいります。調査の内容といたしましては、継続就労しているか否か、雇用の形態はどのようなものか、離職していた場合、その理由は何かといった項目としたいと考えております。
次に、所属企業に対する職場定着の実態調査についてでありますが、企業に対しましては、職場定着に係る取り組み状況についてのアンケート調査を行うことを考えております。
全国的に少子高齢化及び急激な人口減少の課題に直面する中、札幌においても、国立社会保障・人口問題研究所の予測では、来年をピークに人口減少に転じる見込みであり、人口減少社会がすぐそこまで迫っており、その対策は喫緊の課題です。ところが、札幌では、低迷する景気動向から、依然として20代から30代の生産人口の道外転出超過が毎年3,000人から4,000人と大きく、仕事先を本州などに求める傾向が顕著になってきています。また、そのことと相関して、実質市内総生産も減少し、経済規模の縮小という悪循環が危惧されます。
こうした若い世代を引きとめられる、地域における魅力ある多様な就業の機会の提供が重要な鍵となります。全国の多くの自治体では、人口減少防止、そして増加策の一助として企業誘致にしのぎを削っていることは、私ども会派が何度も指摘しているところでございますが、札幌市の企業誘致も、東京事務所と連携しながら首都圏を中心に誘致活動をしていると伺っています。
そこで、質問ですが、まずは、平成25年度の企業誘致の実績として誘致企業数や雇用数を伺います。
また、そのうち、首都圏からの進出企業数はどのくらいの割合になっているのか、伺います。
◎小野 産業振興部長 企業誘致の実績についてでございますが、平成25年度は、新設が14件、増設が7件、合計21件の立地がありました。業種別の内訳は、コールセンター、バックオフィスが新設3件、増設1件の合計4件、IT、コンテンツが全て新設で8件、ものづくり関連企業が新設3件、増設6件の合計9件でございました。これに伴い、356人の雇用が創出されております。また、首都圏からの進出は、新設14件のうち11件であり、8割近くを占めているところでございます。
◆佐々木みつこ 委員 企業誘致の主な実績は首都圏であることがわかりました。しかし、首都圏以外にも、例えば2番目に大きい経済圏の関西圏や、製造業で全国1位の製造品出荷額である中京圏といった地域からの企業進出の可能性はもっと考えられると思います。北海道庁においては、大阪や名古屋にも事務所を開設して幅広く誘致活動を展開していると伺っていますが、本市も、首都圏に加えて、関西圏、中京圏の誘致活動をもっと強力に進めていくべきではないでしょうか。
そこで、質問ですが、関西圏や首都圏以外の地域に対する誘致活動についてどのように考えているのか、また、具体的に取り組んでいることがあるのか、伺います。
◎小野 産業振興部長 首都圏以外の地域に対する誘致活動についてでございますが、札幌圏設備投資促進補助の対象として、本年7月に北広島市に立地を表明した中北薬品株式会社は、自然災害リスクの分散を念頭に置いて名古屋市から進出するものでございます。こうした事例からも、首都圏以外に誘致の対象を広げていく必要があるものと認識しているところでございます。
また、誘致活動の具体的な取り組みについてでございますが、今年度は、名古屋を中心とした東海地方の製造業2,000社にダイレクトメールを送付したほか、11月に開催される国内最大級の展示会であるメッセナゴヤに、北海道や近隣自治体、道内企業と合同で企業誘致のブースを出展する予定でございます。
◆佐々木みつこ 委員 努力されていることはうかがえましたが、例えば、先週のテレビで北海道庁の企業誘致の取り組みが報道されていました。たまたま私も見たのですが、企業誘致のバスツアーとして、福岡から誘致して小清水町に進出した煎餅工場の視察には全国から9メーカーが参加していました。道庁の誘致担当者によりますと、そのテレビの中でインタビューに答えていましたが、土地・建物のあっせんや原料調達サポートも北海道庁としてやっているということでした。札幌市も今の体制で工夫しながらDMなどで誘致活動を模索していることはわかりましたが、本腰を入れてやるのであれば、関西や中京などにもっと誘致拠点を設け、各地の人脈を広げ、数値責任を持って活動を展開することが必要ではないかと考えます。しかし、今のところ、まだまだ本気の取り組みをしているとは言えないため、もっと危機感を持って取り組む時期ではないかということを指摘しておきます。
ところで、営業で獲得したのかどうかわかりませんが、札幌への立地を獲得できた企業がある一方で、立地に至らなかった企業もあると思います。立地に至ったよい情報ばかりではなく、立地に至らなかった要因分析、情報収集こそ、今後の誘致活動をより効果的に進める上で大切なことであると考えます。
そこで、質問ですが、最近の誘致活動の中で札幌立地を見送った企業がどのくらいあったのか、その理由にはどのようなものがあり、その理由を今後の誘致活動にどのように生かしていくつもりか、伺います。
◎小野 産業振興部長 札幌を選ばなかった、立地を見送った企業の数とその理由についてでございます。
誘致活動においては、企業訪問や展示会等を通じ、数多くの企業と接触しておりますけれども、具体的な折衝に至る事例はごく一部でございます。その中で、折衝に至りながらも最終的に札幌が選ばれなかった事例は、平成25年度に把握できたところでは10件程度でございます。また、企業はさまざまな要素を総合的に勘案して投資を判断するものであり、札幌を選ばなかった理由を一概には言えませんけれども、企業からの聞き取りでは、例えば、希望する条件を満たすビルにあきがなかったことや、ほかの地域のほうが初期コストが低かったことなどを理由に挙げている事例がございました。
次に、今後の誘致活動への生かし方についてでございますが、札幌市が対応できるものについてはしっかりと対応し、応えてまいりたいというふうに考えております。また、先ほど申し上げた事例については直ちに解決できるものではありませんけれども、誘致対象企業のニーズをしっかり把握し、不動産事業者を初めとする民間企業の方々の力もおかりすることにより、可能な限りそのニーズに応えられるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、基本的には自然災害リスクの低さや人材の質の高さといった札幌の強みを訴えることで、例えば、BCP対応を進めたり、優秀な人材を求めるような札幌に長く根づいていただける企業に対して、これまで同様、積極的に誘致活動を展開してまいりたいというふうに考えております。
◆佐々木みつこ 委員 成功事例のほうを申し上げますが、このたび、製造業の誘致例として、医療器具を海外に輸出している埼玉県の株式会社ユニシスが、札幌圏設備投資促進補助金の対象として、昨年7月、北広島市への立地を表明しました。新聞記事によりますと、進出に至ったきっかけとしては、震災の際の供給リスクを懸念する海外の顧客からBCP対応、事業継続対応を求められたものであり、本市の営業結果というよりは、海外の顧客からの後押しがあったという状況でございます。また、決断した要因には、製造物は注射針ですが、海外への輸出物であり、かつ、小型軽量の注射針という性質上、輸送面でのハンディも少なく、製造上のリスク分散という意味では優位であったということを伺っております。
先般のアクサ生命の事例もそうですが、本社機能、情報機能の災害リスク分散、リスクヘッジの視点、そして、たくさんの上質な雇用の獲得と比較的安価な用地獲得の利点は、これからも札幌圏への企業誘致の有力な強みであると考えます。本市への企業誘致、営業展開を成功させるには、ユニシスやアクサのような災害リスク回避が絶対重要であるマターをどこの企業が持っているのかを見つけて、ピンポイント的にどしどし営業攻勢をかけることが必要であり、そのため、本市には、複数拠点を持つことも含めて、ネットワーキング力及び情報収集力の強化が必要であり、そのことが効果的な誘致活動のキー・ファクター・フォー・サクセス、KFSになると考えます。
また、今、実際に立地に至らない企業の分析も伺いましたが、重要だと考えます。他都市に移転や立地した企業は、コストとか場所といった問題があるというお話がありましたが、税法とか輸送や交通などさまざまな問題もあると考えます。どうして札幌に来なかったのかを分析して、支援制度なども随時見直す柔軟な対応も必要だと考えます。そういった意味からも、全庁的に感度を磨き、事務所拠点の増加も含めて、人口、税収、雇用増と本市に元気と活力をもたらす企業誘致を検討していただきたいことを求めて、この質問は終わります。
次の質問ですが、地元企業の海外輸出支援について質問します。
東アジア及び
東南アジア地域は、昨今の経済成長が著しく、生活水準が向上しています。ひところは考えられなかったことですが、最近、札幌のまちの中にも中国、台湾、タイ、香港、シンガポールの方々がたくさん見られるようになり、その方々の大半が、「白い恋人」と書かれ、「白い恋人」が何個も入った大きな紙袋を両手に下げて歩いています。先日のニュースでも報道されていましたが、北海道、札幌の食は、日本全国の中でも人気が高いのみならず、最近はアジアでの物産展でも大変にぎわっており、中でもスイーツに関する人気が急上昇していると聞いています。アジア圏では、伝統的に甘いお菓子、スイーツなどを日常的に食する習慣がありますが、現地生産のお菓子とは品質も味も全く異なる日本製のスイーツは、アジア地域のライフスタイルの変化に伴い、需要が高まっているということが言えます。
これもまた、先日見たテレビですが、日本のスイーツのアジアへのお土産人気が特集になっていました。空港でアジアの方々のスーツケースをあけると、いっぱいになった日本のお菓子があり、箱買いで大量に買いつけるアジアからの観光客の姿を見て感動しましたが、私自身もアジアの友人にお土産を持っていくときには、今は「札幌農学校」や「ジャガポックル」などのお菓子をたくさん持っていくようになっています。
一方、さっぽろスイーツは、9年目となる推進協議会の活動もあり、国内での認知度も徐々に高まってきていますが、次のステージとしては、先ほどの「白い恋人」の例にあるように、海外にさっぽろスイーツの認知度と評価を高めていくことにあるのではないでしょうか。そのことが、スイーツの本場の札幌に行ってみたいというインバウンド誘致を進める上でも非常に有効であると考えます。
経済局では、アジア圏等経済交流促進事業として昨年度は2,600万円余りの決算が計上されていますが、お聞きしますと、市内企業の海外物産展や商談会支援に取り組まれているとのことでした。
そこで、質問ですが、当事業における物産展や展示商談会の昨年度の具体的内容、実績がどのようなものであったのか、中でも、特にスイーツ関係について企業の参加数と実績について、あわせて伺います。
さらには、スイーツの海外展開に関してどのような可能性があるのか、伺います。
◎山田 国際経済戦略室長 まず、1点目のアジア圏との経済交流促進事業の昨年度におけます具体的内容と実績についてでございますが、消費者に直接物販を行う物産展の開催支援におきましては、香港、上海、台湾、バンコクの4地域のデパートや高級スーパーで、延べ132社が出展し、約4,200万円の取引となったところでございます。特に、スイーツ関係につきましては、延べ41社が出展し、1,900万円程度の取引となっており、全体の約4割を占めているところでございます。また、輸出に関する商談の機会を創出するため、香港とバンコクの2地域で合計3回、展示商談会などへの出展支援を行い、延べ29社が参加しており、このうちスイーツ関係は7社が参加いたしました。
2点目のスイーツの海外展開の可能性についてでございますが、委員のお話にございましたとおり、日本のスイーツは、特にアジアにおいて安全で安心な素材が使われているという評価を受けているだけではなく、品質も高いといった評価も受けております。高価格で販売される付加価値の高い商材であると認識しております。ことし8月に開催されました食の見本市である香港フードエキスポでは、出展したスイーツ企業の商品が完売するほどの人気を博しておりまして、札幌や北海道のブランド力を活用することでさらに需要を伸ばすことができる有望な領域であると考えているところでございます。
◆佐々木みつこ 委員 物産展で40%を占める売り上げ成果があった、また、高付加価値による潜在力を評価しているということでした。食品の輸出は、このような単発の物産展やPR、直販だけではなく、次の段階では、継続的に店頭に並ぶ日常的な需要喚起と輸出手続をして、それぞれの地域に応じた規制をクリアし、好みに合わせる改良などが必要であろうと考えます。
そうした中で、昨年度から新規事業として取り組まれた輸出仕様食品製造支援事業について伺います。
この事業では、採択案件は昨年、ことしと9件ずつであり、お菓子関係はそのうち2件ずつという状況です。補助金の上限は、経費の2分の1で、経費には製造費用のほか、手続やマーケティング費用、交通費なども含めており、100万円が上限とのことです。どこの国の人であっても、初めて見る、必要不可欠でもない、安くもないほかの国の食べ物を買って食べることは勇気が必要です。そのハードルをクリアするためにはスイーツの事業展開にもイメージ戦略やメディアPRなどが必要になると考えますが、そのような取り組みに100万円の上限ではいささか不足ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、輸出仕様食品製造支援事業に関して補助金額が適切であると考えているか、伺います。
また、海外でのPRやさらなる事業展開について企業を支援することができるのか、できるとしたらどのような支援があるのか、あわせて伺います。
◎山田 国際経済戦略室長 まず、1点目の輸出仕様食品製造支援事業の補助額についてでございますが、この事業は、輸出拡大の意思がありながらも、海外市場向けの商品開発まではなかなか踏み切れていないといった中小企業を後押しし、輸出促進のきっかけをつくることを目的としております。この補助事業の制度設計時に行いました商品開発における企業ニーズに関するヒアリングとか、補助対象企業のこれまでの実際の取り組み状況などを考慮いたしますと、現行の補助額は適切な額なのではないのかなと感じているところでございます。
2点目の海外展開におけるさらなる支援についてでございますが、例えば海外での展示商談会への出展や、今年度から実施しておりますけれども、海外での店舗展開を支援するための外食産業海外展開支援事業への参加を促すといった支援が考えられるところでございます。また、市内企業の海外での販路拡大を目的としまして、映画やテレビ番組などに自社商品やサービスを映し出す手法によるPRを促進するための助成金、それから、市内クリエーターやコンテンツ産業との連携によるPRパンフレットやテレビCMの政策などに活用できる補助制度を創設しております。こうした支援メニューについてもさらなる周知を図り、継続的かつ複合的な支援によりまして効果的な事業展開を応援してまいりたいと考えております。
◆佐々木みつこ 委員 まずは背中を押すということだと思いますが、そういったきっかけも必要ですけれども、こういった制度があるということももっと営業してもよいのではないかと考えます。業界新聞や業界の会合でのPRももっともっと進めていくべきであると私は思います。
また、スイーツの製造ですが、零細企業もかなり多くございまして、なかなか海外まで目が行かないというところも多いと思います。私の地元の白石区でも、国際競争力を持ちそうな非常においしいスイーツの商品づくりをしているところがあります。地下街でも地元スイーツはたくさん売られていますが、こうした地元の有望店全てに声をかけて、輸出のきっかけ、ノウハウ事例を伝授、支援していけば、スイーツは札幌の海外展開の最重要商材になるのではないかと期待しております。
また、これらの製造業は、人や資金の余裕がないことも考えられますので、例えば奨学金のような形で投資資金的支援も一考できるのではないかと考えます。さきの企業誘致のような人・物・金に来ていただくとともに、札幌の企業が海外で稼いでくることも札幌経済の発展のためには必要な支援であると考えます。北海道庁でも同時にアジア圏でプロモーションをしていると聞いていましたが、昨年、私がタイを訪問していましたら、北海道の観光プロモーションのテレビコマーシャルを至るところで見ました。画面には、薄野のニッカのビルやジンギスカンを食べる人たち、ラーメン横丁、ソフトクリームなど札幌の食を楽しむ札幌市内の映像が満載でございましたが、アナウンスされているのは北海道というCMでして、残念ながら札幌という言葉は聞かれませんでした。ぜひ、札幌というまちのブランドの存在感と印象がアピールできるように、事業の中での連携や配慮もして、より企業活動の支援になるようにしていただきたいことを指摘して、質問を終わります。
◆
福田浩太郎 委員 私からは、地域と連携した商店街の活性化について、具体的には商学連携事業と、先ほど質疑がありましたが、商店街地域連携促進事業について別な観点から質疑をさせていただきたいと思います。
地域の商店街は、地域住民の消費生活を支える身近な存在であると同時に、コミュニティカフェの運営や高齢者向けの生活支援サービスの実施などにより、良好な地域コミュニティーの醸成に重要な役割を担っていると思っております。しかし、昨今、商店主の高齢化や後継者不足などにより、商店街活動を担う人材を確保することが困難になってきている商店街もふえてきておりまして、結果として商店街そのものの解散や活動を中止する例もあることから、新たな担い手の確保は喫緊の課題となっております。
私の地元の手稲区では、北海道科学大学が、町内会、小学校やその保護者など多くの人を巻き込みながら、郷土愛を育むなど、まちづくりにも大いに資する有名なていね夏あかりに加えまして、手稲区役所及び手稲区連合町内会連絡協議会との三者間で地域連携協定を締結し、防災や除雪・清掃活動などさまざまな分野で地域のまちづくり活動に協力をいただいております。このような地元の大学と連携した地域活性化の取り組みは、商店街活動においても生かすことができると考えるところであります。
経済局では、平成24年度から商学連携事業として商店街活性化に向けた商店街学生アイデアコンテストを実施しておりまして、コンテストの結果、グランプリや準グランプリを受賞したアイデアを事業化するための支援を行っておりますが、これは、商店街と大学が連携した地域活性化の取り組みの実例であると認識しております。
そこで、1点目の質問でありますが、これまで実施した商店街学生アイデアコンテストの結果、学生が実際に商店街活動に参加するなど、アイデアを実現できた事例としてどのようなものがあるのか、お尋ねいたします。
また、今年度の実施に当たって、何か工夫、改善した点があれば、あわせてお伺いいたします。
◎小野 産業振興部長 1点目の学生のアイデアを実現できた事例についてでございますが、過去2年間でグランプリ及び準グランプリを受賞したアイデアが4件あり、全て事業化されております。事例といたしましては、発寒北商店街において、商店街が運営するコミュニティカフェを利用して、小樽商科大学の学生が小学生向けに理科の実験とか英会話などの体験型の学習教室を開催することで、地元の小学生とその保護者が商店街を訪れる機会の創出を図ったものとか、東海大学の学生が窓口となり、北24条商店街において子どもたちの職業体験を実施することで地域の方に商店街への愛着を持ってもらうイベントの開催などがございます。
次に、2点目の今年度の実施に当たって工夫、改善した点についてでございますが、これまで実施してきた中で、商店街関係者からは、学生にもっと商店街のことを知ってもらいたい、学生からも、事前に商店街の現状や課題を勉強してアイデアを考えたいという要望が多く寄せられていたことから、今年度の実施に当たっては、事前に商店街から取り上げてほしいテーマの募集を行うとともに、商店街の方と学生が意見交換を行うワークショップを開催したところでございます。その結果、今年度に応募のあったアイデア6件のうち、5件がこのワークショップに参加した学生から出されたものとなっております。
◆
福田浩太郎 委員 ただいまのご答弁によりますと、アイデアを実現し、事業化された事例が既に幾つかあるということであり、非常に学生のアイデアが盛り込まれたよい事業かなと思います。また、工夫、改善した点といたしまして、事前に商店街からのテーマ募集を行ったり、学生や商店街の関係者を集めてワークショップを開催したということでした。アイデアを求める側とそれを考える側とのミスマッチを防ぐことで、それぞれの商店街や地域の課題、実情に即したアイデアが生まれたり、地域の方々と学生とのつながりをつくることができて、よい工夫だというふうに思います。
先ほど申し上げた北海道科学大学による地域のまちづくり活動においても、私は、かねがね地元の商店街と連携した取り組みができないかと考えていたところであります。ただいまの答弁を聞きまして、大学と商店街との連携にとどまらず、地域の町内会やさまざまな団体の方々が新たなつながりをつくり、連携して一緒にまちづくりに取り組んでいくべきであると強く感じたところでございます。
そのような観点から申し上げますと、経済局で昨年度から取り組んでいる商店街地域連携促進事業は、商店街を中心に、町内会や大学、NPOなど地域の多様な人材が集まり、創造的なアイデアを考える場の構築を支援するものであり、まさに、地域の多様な団体の連携や新たな人のつながりを生み出したものと理解しております。さらに、今年度は、昨年度の話し合いの結果、生まれたアイデアを、商店街の方々が地域団体等と連携して事業化する場合の支援も行うと伺っているところであります。
そこで、2点目の質問ですが、今年度、商店街地域連携促進事業によってアイデアが事業化された例と、この取り組みの効果についてお尋ねいたします。
◎小野 産業振興部長 商店街地域連携促進事業によりアイデアが事業化された例と、この取り組みの効果についてでございます。
平成25年度にアイデアを考える場づくりを行った九つの商店街のうち、現在、八つの商店街が事業化に着手しております。事例といたしましては、伏古商店街において、商店街の名物をつくるアイデアとして、地域の特産品である札幌黄を使ったタマネギアイスを地域住民や地元の大学生と協力して開発し、当該商店街だけではなく、近隣の商店街でのイベントでも販売するなど、広がりを持った事業に取り組んでおります。また、麻生商店街においては、北区だけではなく、石狩や当別との交通結節点という特徴を生かし、それらの地域の特産品を広く販売するマーケットを開設し、地域の方々のみならず、これまで通過していた人たちにも気軽に立ち寄っていただける事業に取り組んでおります。
この事業の効果としては大きく二つあると考えており、一つは、これまで商店街の方だけでは思いつかなかったようなアイデアが生まれるなど、新たな視点での活性化に向けた取り組みが始まっているところでございます。もう一つは、商店街の方がさまざまな地域団体の方々と一緒にアイデアを考え、そして事業化に取り組むという過程において、地域の連携や人のつながりが強固になり、商店街活動にかかわる新たな人材の発掘という効果が生まれていることでございます。
◆
福田浩太郎 委員 多様な人材が集い、多くの人が商店街を訪れる、よい事業ではないかというふうに感じました。
商店街を取り巻く環境は大変厳しいわけでありまして、商店街の方々は、既に、商店街活動だけでなく、地域のまちづくり活動にも積極的に取り組んでおられる事例も多いと伺っております。商店街が今まで以上に地域に必要とされ、地域コミュニティーの一翼を担っていくためには、地域の中で、その存在感を発揮していくことが肝要であります。手稲区における北海道科学大学と地域との連携を初め、市内でも地域のさまざまな団体が連携して地域課題の解決に取り組んでいる例があることと思います。答弁にあった事例のように、今後は、各商店街や大学を初めとしたさまざまな地域の団体等と連携して、まちづくり活動に取り組みながら活性化を図っていく必要があると考えるところでございます。ただいま質問した商学連携事業と商店街地域連携促進事業は、いずれも、商店街に新しいアイデアや人材を生み出し、大学を初めとした地域団体と連携して活性化に取り組むことを支援する事業であり、北海道科学大学の事例も含め、今後このような取り組みが拡大していくことを大いに期待するところであります。
そこで、最後の質問ですが、経済局として、今後、商店街が地域とより一層連携しながら活性化を図っていくためにどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎小野 産業振興部長 地域と連携した商店街活性化の今後の取り組みについてでございますが、これまで実施してきた商学連携事業や商店街地域連携促進事業を通じて、商店街の活性化のためには、地域のさまざまな団体等と積極的に連携して取り組むことの重要性を改めて認識しております。
しかし、現行の制度では、地域と連携した商店街の取り組みを支援するメニューが限定されていることから、今後、商店街が地域と連携した活性化事業により幅広く取り組んでいけますよう、支援制度の再構築を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆
福田浩太郎 委員 要望でありますけれども、商店街が今後も活性化していくためには、先ほど来申し上げているように、商店街の方々だけでなく、学生や若者など多くの人材を巻き込みながら、加えて、大学を初めとした多くの地域の団体と連携して取り組んでいくことが重要であると考えます。
経済局においては、商店街の方々はもちろん、地域や学生の声も聞きながら、よりよい事業となるよう、区役所を初めとした関係部局とも連携をしていただいて、今後も事業の改善や構築を図っていただきたいと思います。大学や地域のさまざまな団体と連携協力して活性化に取り組んでいる商店街も既にありますけれども、そのような取り組みが全市的に広がることを切に希望いたしまして、質問を終わります。
◆木村彰男 委員 私は、1点、エレクトロニクスセンターの改修工事についてお伺いいたします。
私は、ことし3月17日の予算特別委員会で、エレクトロニクスセンターでのウエットラボ仕様改修工事についてお聞きしています。こちらのほうに、パンフレットといいますか、リーフレットがあります。1億5,200万円をかけて改修した施設に1件の入居者もなく、大変心配していることを述べた際、ご担当の川畑産業振興部長は、いとも楽観的にいずれご入居いただけると断言されています。この発言に対して、私が、10月の第3回定例会
決算特別委員会までに空室をどれだけ埋めることができるかと重ねて質問したときに、部長は、明確には目標値を申し上げられませんと居直っております。委員会審議で逃げ回っていたことがきのうのことのように思い出されます。
私は、本年度の第3回定例会でもう一度お聞きします、そのとき半分埋まっていなかったら、その理由をお聞きしますと述べています。その日がきょうです。先ほどから部長のお姿を探しているのですが、川畑産業振興部長はこの委員会におられないようなので、どなたか、川畑部長にかわってお答えいただきたいと思います。
空室は半分埋まりましたでしょうか、お聞かせください。
◎小野 産業振興部長 今の半分埋まっているのかというようなご質問でございますが、残念ながら、入居は依然としてゼロ件でございます。
◆木村彰男 委員 私は、ことし5月26日、エレクトロニクスセンターに行き、ウエットラボ仕様の部屋を視察させていただいております。大変立派な施設でございます。大学の研究室と言ってもよいかもしれません。中はスケルトン渡しと伺っておりますので、水道、ガス等の設備は利用者がおつけになるというご説明がありました。また、助成制度もあるとおっしゃっておりましたが、私の見る限り、初期投資といいますか、入居の前にかなりお金がかかるのではないかなという印象を受けたのであります。
そこで、質問でございますが、スケルトン渡しになるために、先ほど言いました電気設備とか水道設備、ガス設備、それからインターネットの接続のような工事があると思いますし、また、そこで出た産業廃棄物の処分費用なども、当然、初期費用という形で見なければなりません。そこで、それらの初期費用は幾らぐらいかかるのかというご質問です。
それから、撤退されるときは原状回復していきますので、これらのものをもとに戻します。だから、入った以上、出ることを前提にすると、ダブルで二つの費用を見ておかなければいけないと私は思ったのですが、その費用は幾らほどに見込まれておりますでしょうか、お聞かせください。
◎小野 産業振興部長 入居に当たりまして、スケルトンということで、基本的には何も造作をしていない、ウエットラボで使える状況にはなっているけれども、設備的には何もないという状況でお貸しするということでございます。初期費用は、その使用形態によって幾らかかるかは千差万別といいますか、いろいろなケースがございますが、一般的なケースで申しますと、給排水設備で約30万円ほど、ガスの設備で約25万円ほど、電気は来ていますのでそれほど費用はかからない、インターネットもそんなに大きな額ではないと思います。ですから、少なくとも50万円程度かかるということは言えます。
それから、退去するときに原状回復する費用でございますが、次に入居が見込まれる企業が同様の設備を使う場合、必ずしも全てきれいに原状回復する必要はないかもしれませんが、一般的には、もしさらの状態に戻すのであれば同程度の費用がかかるのではないかというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 当然、次にどのようなところが入るかはわかりませんけれども、私は、かかった費用分ぐらいは撤退のときにもかかるという前提で、一応、こういう重要事項は入られる方にご説明しなければいけないという認識なのです。
次に、ウエットラボ仕様というのはP2仕様になっているのですね。そこで聞いていても私は詳しいことがよくわからなかったんだけれども、P2仕様にこだわったといいますか、これに一つの物差しを当てたわけですね。そこで1億5,200万円をかけております。私はちょっと計算しました。部屋の数は、一番小さい72.9平方メートルの部屋が8室あります。それから76.54平方メートル、97.20平方メートル、153.30平方メートルの部屋が各1室で合計11室となります。この合計11室を坪単価で割り直してみますと、1坪55万2,000円くらいで、実は戸建ての住宅が1軒建つぐらいの坪単価になっております。先ほど言いました一番小さい部屋が22坪でございますから、計算すると1,214万4,000円で、普通の中古の小さいマンションぐらいだったら買えるくらいの値段になっておりまして、これをP2仕様ということで想定したわけです。
1,214万円というのは、投資というか、P2でなければいけなかったことも含めて、今考えて利用金額として高いと思っているか、安いと思っているか、お聞かせください。
◎小野 産業振興部長 P2仕様というものがバイオ企業が入居する部屋のしつらえとして高いか、安いかということでございます。
全国的にバイオに関する実験をするのに、P2仕様というのは下から2番目の仕様でございまして、特別に高機能なものではなく、また、北大ビジネス・スプリングの入居企業からもそのような同等の機能が必要だと。ビジネス・スプリングもP2仕様ということで、企業のニーズから最低限この水準は必要かというふうに思っております。それが高価かどうかというお話になりますと、必要な投資というふうに考えているところでございます。
◆木村彰男 委員 ここの家賃は平米2,450円、共益費を含むと書いてございます。これで計算していくと、先ほどの22坪のお部屋の家賃は17万8,605円という計算になります。この17万8,605円の部屋に入っていただいて、先ほど言いました1,214万4,000円の元を取ることになりますと、計算すると68カ月、5年間ぐらいかかります。今、1年たって入っていないという状況ですから、平均すると、1室当たり200万円ぐらいずつ損失していることになります。1年間では2,000万円です。来ていただこうと思って予算をかけた、税金をかけた、投資した、けれども、大きい部屋や小さい部屋がありますが、今言ったように1室当たりでそういう費用が今のところは回収できていないという状況になっております。もちろんそれを回収するためにやっているのではなくて、企業の誘致であるとか、雇用であるとか、バイオということでやっていらっしゃるわけですから、そういうものが前提にならない企業に入っていただくことにはなりませんが、当然、一刻も早く全室を埋めていただくご努力がなければならぬことになります。
先ほど一つも入っていないということですが、現在、折衝されているというか、一応いろいろなアンテナは張っていろいろなところから情報が来る、私の理解だと、そのうち折衝が3件くらいあって、その中から有望なものが出てきて最後は契約に至るというような感じになると思っているのです。その意味では、折衝がある程度ふえないと、有望なものにもならないし、契約にも結びつかないことになります。今までもいろいろなところから情報を得てそういうことがあったとか、有望になっていたのが潰れた例もあるかもしれませんが、結論から言うと1件も決まっていないわけですね。この辺の経緯について、アンテナを張って得た情報が有望なものに上がって契約の直前のところまで行ったというケースが今までありますか、これをお聞かせください。
◎小野 産業振興部長 委員のおっしゃるところの折衝という企業数は、私どもではこれまで44社と把握しております。44社と折衝しているということでございます。そのうち、入居の可能性がかなり高い先は全部で6社ございました。そのうちの3社につきましては、その後、諸事情により入居が困難になりまして、現在の有望先は3社という状況でございます。
◆木村彰男 委員 私もよく言いますが、「まさか」という坂がありますと。まさかと思っていたらだめになっちゃったという話ですが、こういうビジネスにはつきものでございますから、6社あって3社ぐらいはまだ残っていると。残っているという言い方が正しいかどうかわかりませんが、可能性があるということですね。いなくなっちゃったところの話をしてもしようがないですから、プラスしてまた別の新たな3社といいますか、6社でも9社でもふやしてその中からご契約を結んでいかなきゃいけないということがあります。
もう一つは、先ほど言いました3社なり有望な6社というのは、どういう情報源によってそういうところに上がってきたのでしょうか、これについてお聞かせください。
◎小野 産業振興部長 有望先がどのような情報から得られたかというようなご質問だと思います。
有望先の発掘というか、発見につきましては、私ども及び東京事務所等のさまざまな誘致活動から出てきているものでございます。例えば、道内外でセミナーや展示会をやっているときに個別企業にチラシをお配りしてPRさせていただいたり、それから、個別企業にダイレクトメールをお送りしてご周知させていただいたり、また、マスメディアを使う方法として業界紙などに掲載することによってご周知させていただいたり、食とかバイオのいろいろな関係団体、研究機関等もございますので、それらの方々に周知することで有望企業の情報を得るように努めてきたところでございます。
◆木村彰男 委員 私も、ここにいただいています。ウエットラボ入居企業誘致の方向性というか、方針というか、今までやってきたことと今後のあり方ですね。これを見せていただいておりまして、まず、道内のものと道外のものを分けて書いてあります。DMを送りましたと、今、部長がおっしゃっていたことについて書いております。それから、首都圏のほうにもDMを送りましたということで、首都圏のほうは961社ということも伺っております。
そこで、前にも違うところで話しましたけれども、一斉にDMを送って、DMの総数が下のほうに小さく1,087と書いてあって、計算がちょっと合わないなと思うのですが、これは、一斉に送ったのか、もしくは、例えば500ずつ分けて送ったのか、DMを発送したときのやり方について、どうやって送ったか、教えてください。
◎小野 産業振興部長 委員がごらんになっております961社のDMについてですが、これは、東京事務所のほうで、東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県の食品・バイオ関係の企業リスト2,500社というのがありまして、その中のバイオ全社600社ほど、それから、食関係では、例えば北海道出身の社長がいるとか、北海道の素材を使っているとか、北海道にゆかりのある食品企業が300社ほど、合わせて961社に対して私どもが一斉に送付させていただいたものでございます。
◆木村彰男 委員 川畑産業振興部長は、平成25年10月22日の答弁の中でも東京事務所との連携ということを言っているのです。連携をお話しになった10月の段階で、東京事務所のほうはどうでしたかと聞いたら、同月に依頼は受けたと言っているのですよ。だから、答弁は間違っていないというか、10月に答弁していますから、10月に出した、もしくは依頼したと。そこでDMを一斉に出しています。
そこで、10月に一斉にDMを出した後の企業フォローですが、961社の企業フォローを担うのは東京事務所ですか、経済局ですかと私が東京事務所に聞きますと、経済局だとおっしゃったのですけれども、どのようにフォローされたか、お聞かせください。
◎小野 産業振興部長 確かに、DMを送るという意味は、まず、折衝先がないか、つまり、DMを送ることで興味をお示しいただく企業があるか、ないか、それを発掘するためにまずはダイレクトメールをお送りさせていただいています。そして、おっしゃるような東京事務所と札幌市経済局の役割ということで、そのフォローというのは、もしダイレクトメールで反応があって、首都圏に送っているわけですから首都圏の企業ですので、そこを訪問させていただく余地があれば、それは東京事務所にフォローをお願いする、フォローというか、実際に訪問していただく、東京事務所に依頼するまでのことをフォローと言っていると思いますが、そこの部分は我々が担うというような意味でございます。
◆木村彰男 委員 私がお聞きしたかったのは、例えば961社に札幌から電話かけをしましたかということなのです。どなたが担当なのかわかりません。Aさんなのか、Bさんなのか、わかりません。バイオですから、札幌に移ってくる先の企業の担当セクションに送っていらっしゃる。そうしたら、電話をして、「札幌市の経済局の誰々でございます。皆様方のところにこのウエットラボの仕様のチラシは行っておりますか」「来ていますよ」「どうですか。ご関心はありますか」「どういう条件ですか。金額は幾らぐらいなのですか」、そういう話になったり、あるいは、「うちはもう今は全然考えておりません」とガチャっと切られる、そういうことをやりましたかとお聞きしているのです。おやりになりましたか。
◎小野 産業振興部長 今、委員がおっしゃるような、961社にDMを送った後の電話かけのフォローはしておりません。
◆木村彰男 委員 全くしていないのです。それで、私は東京事務所に聞いたのです。そういうご依頼がありましたから、当然、東京事務所としてはこういうことを言っています。「日々の企業訪問をする中で、食品・バイオ関連企業にウエットラボのPRをしている。また、首都圏で開催されるイベントや企業の集まりなどでもPRしている」、これが依頼を受けたことへの東京事務所の対応です。
そこで、私は、企業名であるとか、日時は一体いつお会いしたのか、訪問したのかを聞きました。そうすると、企業訪問時に説明したのは7社、セミナー等で100社ぐらいの企業にリーフレットの配付はしたと。ただ、個別訪問企業の公表は差し控えたいということで教えてくれませんでした。7社も教えてくれていません。
いいですか。このことからわかったことは、ウエットラボに特化したセールスはやっていないということなのです。これについていかがですか。
◎小野 産業振興部長 東京事務所におきましては、ウエットラボに特化という意味は少し幅があるのかなと思いますけれども、IT、食品、バイオを重点対象の一つとした誘致活動はしています。ですから、誘致対象の企業の中でも、実際に研究施設を設けたいとか、そういうような企業にはもちろんウエットラボということもご紹介しています。そういうものが必ずしも必要ではない企業もいらっしゃいますので、そこは特にウエットラボの対象として特化したお話にはならない、そういう意味だと思います。
◆木村彰男 委員 いいですか。私は、今、ウエットラボの質問をしているのですよ。企業誘致の話をしているのではないですよ。企業誘致はもう終わっていますからね。このウエットラボをどうやって埋めようかということで作戦を立てていこうとしているわけですよ。いいですか。去年の10月にDMを出して、ことしの11月まで全く動いていないとしか私には思えないのです。皆様方がですよ。要するに、ただただ向こうからオファーがあるというか、そのオファーだって、今言ったように札幌のウエットラボに入ろうとするオファーじゃなくて、企業としてこちらに来たいというオファーも当然あって、それは皆様方とはまた違う話です。
先ほどから何回も言っていますけれども、ウエットラボのあいている部屋をどうやって埋めるかという話の中で、作戦を立てていかないと入らないですよと言っているのですよ。札幌におられる企業の人は、ビジネス・スプリングというところは期限が決まっておりますという話なんですよ。そして、部長はこういうふうに言っているのですよ。入居期限があるところもあるから、そういうところが出てきたら横滑りしてきてこっちに入ってもらうというような話を去年の3定にしているのです。そのエレクトロニクスセンターに入ってくれる企業というのは、北大ビジネス・スプリングなどで何社あるかですよね。2社や3社でもいいですよ。入ってくれればいいけれども、結果としては入っていないわけです。期限が来たのかどうかもわかりません。その辺の把握をされているのかどうか。
だからこそ、東京に販路を求めてというか、企業誘致も含めてと。ただここを埋めるという話だけではないですよね、さっきから言っていますように。後でも言いますけれども、半導体を含めて、ITということでエレクトロニクスセンターが下り坂になっているので、バイオや食とくっつけてこれを活性化させていこうというもくろみがあるわけですよ、ここに。そのもくろみが、今、これとリンクしているわけだ。これが入らないということは、そのもくろみそのものが崩れていると私は見ているわけですよ。
そう考えていくと、札幌の企業に入っていただくのはもちろんいいのだけれども、方針として、1年たって、DMだけを送って、何のオファーもありませんとただ威張って言っていても入らないと言っているのです、私は。根本的に入るようにするための作戦をどのようにお立てになるか、お聞かせください。
◎小野 産業振興部長 961社にDMをお送りして、そのフォローがない、電話もかけていない、それは確かに事実だと思いますし、その反省はしなければならない部分もあると思います。
ただ、私どもとしましては、まずはより幅広くお声をかけて、その中から折衝先、有望先を見つけていきたいということでございますので、961社には残念ながら反応はございませんでしたが、そのほか、例えば東京で開催されたフードビジネスセミナーとか、北大の食品産業エルム会とか、そういういろいろな機会を捉えてウエットラボのPRをさせていただいているところでございます。ですから、より幅広く案件を発掘したい、有望な案件を見つけたいという方針で活動をしているところでございます。
◎高橋 中央卸売市場長 まず、プランを策定した背景から説明させていただきますが、近年の社会構造の変化、消費者意識の変化、市場外流通の増大などによりまして市場会計の経営状況の悪化が見込まれ、平成28年度には資金不足が懸念されたという背景がございました。そこで、平成23年度に札幌市中央卸売市場経営改革プランを策定し、その取り組み効果によって経営を好転させ、平成32年度末における単年度資金残高の黒字を見込んだところでございます。
このたび、平成25年度の決算及び平成26年度決算見込みに基づきまして収支計画を見直し、検証を行いました。具体的には、26年度以降につきましては、プランの取り組みについては効果額に差が生じましたが、現実的な効果額を見込んでおりまして、また、節電などによる経費の節減など経営の効率化に努めるとともに、資本的収支の建設改良事業につきましては財源として企業債を充てるなど、こうした結果、平成32年度において資金ベースで1,400万円の黒字を達成できるものと考えております。
◆木村彰男 委員 1,400万円のことは、私も後で言います。
私がいただいている資料の平成25年度の場合は、二つの大きな指標があります。役所の言葉なのでちょっとわかりにくいのですが、プラン取得効果額というお言葉を使っていらっしゃいます。野球で言えば得点と私は理解しました。それから、もう一つのプラン取得削減額はコストカットの話だと思います。この二つが両輪のごとく作用してうまくいっていただければいいのですが、25年度の場合、得点に当たるものが4,249万円と、目標値の63%しか行っておりません。それから、コストカットのほうは7,082万円で、目標値の72%ぐらいしか行っていません。だから、当初の経営プランの目標から言うと5,223万円ショートしている、そういう私の理解です。その中で、比較的得点に寄与したとされているのが空室解消策で、うまくいっていると言っていましたが、実は、これも目標に対して46.8%ぐらいしか行っていないのです。
そういうふうにして考えていきますと、私の分析ですが、コストカットについてはなかなか限界があって、コストカットだけをやっていったのでは最終的な得点のところには結びつかないのではないか、つまり、新たな得点源をつくるようなラインナップを新たに項目の中に押し込んで、効果目標ということでさらなる見直しをかけていかないと、今おっしゃっている1,400万円のプラスに行かないのではないかと思います。
さらに、プランを実施してから3年ですか、4年ぐらいたって、野球の試合で言えば中盤戦に入ってきて、底がもう見えてきています。そういう面でいくと、理事者として今の推移の中でよしとするのか、さらなる強化策というか、補強策が必要になると考えているか、これについてお聞かせください。
◎高橋 中央卸売市場長 最終的に平成32年度の予定額につきましては、先ほど説明したとおり、効果として見れば1,400万円を見込んでおりますが、プランで見込んでいた額よりは4,100万円ほど減少しております。この収支計画につきましては、実績値を積み上げて見込んでおりまして、努力目標や期待値のようなものは含めておりませんが、経営努力でプランの予定額に近づけるような努力はしていかなければならない、そう考えております。
◆木村彰男 委員 もう一つ、先に言われてしまったのですけれども、企業債のことなのですね。企業債で平成25年度の札幌市公営企業会計決算審査意見書がありまして、企業債のことについては、平成21年度、22年度、23年度は企業債を発行していません。そして、24年度から2億5,800万円、25年度は3億円の企業債を発行しました。24年度の企業債は何に使ったというと、さっきの生ごみの処理施設で、1,000万円稼ぐと言っていたものに使われています。そして、25年度は、先ほど部長もおっしゃったように建設改良費の財源に充当したというお言葉なのですね。片方で改革プランをやりながら、片方で企業債を発行していくということについて、私の中では矛盾というふうに思うのだけれども、見ていると、それを経営の効率化というカテゴリーの中に入れているのですね。
経営の効率化につなげる企業債の発行とは一体どういうことなのか、教えていただきたいと思います。
◎高橋 中央卸売市場長 建物設備の老朽化に伴いまして、建設改良事業の財源として企業債を充ててまいりました。企業債を財源とすることで負担の平準化が図られますとともに、資金の急激な減少を抑えることができるものと考えております。もちろん資金に余裕がある場合は企業債によらないで借金をしないことが望ましいのですが、そもそもこの経営改革プラン自体が資金不足を回避するような計画でございますので、現段階では企業債を財源とすることが望ましいものと考えております。
◆木村彰男 委員 何を言いたいかというと、はっきり言うと、実は企業債の金利は札幌市から仕送りが来るのですね。だから、市場で自立してやっていこうという経営プランの中で仕送りを当てにするような改革プランというのは、私はどうかなと思って見ております。だから、心配しています。心配していてもよくはならぬわけです。これは、私がやるわけではなく、市場長がやられるわけですから、26年度が終わった段階で数字がよくなっていればいいので、木村には何も言わせないぞというぐらいにやっていただければ結構です。
最後、局長にお伺いします。
この経営改革プランの向こうに、実は、農林水産省の第10次卸売市場整備基本方針であるとか整備計画というものが前提にございます。それから、もう一つは、これも高いのか低いのかはわかりませんが、公営企業会計制度の改正があります。これらを見ていきますと、国の枠組みが変わり、会計の物差しが変わっていきますと、この改革プランの計画遂行は非常に難しい、もしくは、先ほど言いましたが、未達に終わるのではないかと私は危惧しているわけでございますが、最後に、局長に、その危惧は必要ないのかということをお聞かせください。
◎荒井 経済局長 今、委員からお話がありましたように、農水省のほうでは、計画期間の平成28年度から32年度まで第10次卸売市場の整備基本計画が出されまして、ここでは、恐らく市場を取り巻く環境が相当変わっていることを踏まえた上での計画の策定になるかと思います。それから、先ほど市場長から申し上げましたように、いろいろな条件が変わってきていることもありますし、それから、今後の消費税のアップもあって環境が大分変わってくるということもありますので、今回の経営改革プランについては現実的な数字を積み上げてということになりますが、そういった計画の動きを見たりしながら計画プランをもう少し見直すことも考えていこうと思っております。
最終的には、平成32年度の単年度黒字ということは達成できるものと私は確信しておりますけれども、そのよすがというのは、今言ったように状況が変わりますので、それを踏まえた上で考えていくことになるかと思います。
◆木村彰男 委員 この数字を見ていくと、なるべくかたく見ていることは私もわかるのです。ただ、ご担当の方と何回も話したのですが、やはり、目標数字を前倒しで達成するとか、例えば1年早くとか、少し上を見てそれに向かって推進していかないと、この数字そのものを守れなくなると私はいつも申し上げておりますので、その辺を肝に銘じてやっていただくことを希望いたしまして、私の質問にかえさせていただきます。
○芦原進 委員長 以上で、中央卸売市場事業会計決算の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了します。
次回は、30日木曜日午後1時から、観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後6時22分...