札幌市議会 > 2014-10-28 >
平成26年第二部決算特別委員会−10月28日-07号
平成26年第一部決算特別委員会−10月28日-07号

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  1. 札幌市議会 2014-10-28
    平成26年第二部決算特別委員会−10月28日-07号


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    平成26年第二部決算特別委員会−10月28日-07号平成26年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第7号)               平成26年(2014年)10月28日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 31人(欠は欠席者)     委 員 長  芦 原   進      副委員長   よこやま 峰子     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  こんどう 和雄      委   員  山 田 一 仁     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  長 内 直 也     委   員  佐々木 みつこ      委   員  川田 ただひさ     委   員  北 村 光一郎      委   員  伴   良 隆     委   員  伊与部 年 男      委   員  川口谷   正   欠 委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  林家とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  長谷川   衛     委   員  しのだ 江里子      委   員  宝 本 英 明     委   員  村 上 ゆうこ    欠 委   員  中 村 たけし     委   員  三 浦 英 三      委   員  谷 沢 俊 一     委   員  阿知良 寛 美      委   員  福 田 浩太郎
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  伊 藤 理智子     委   員  石 川 佐和子      委   員  松 浦   忠     委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○芦原進 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、猪熊委員、中村委員からは欠席する旨、また、飯島委員からは川田委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。 ◆しのだ江里子 委員  私は、フレッシュスタート塾事業実践型地域雇用創造事業の2点について伺わせていただきます。  まず、フレッシュスタート塾事業について質問させていただきます。  9月19日発表の内閣府月例経済報告によりますと、全体の景気は、このところ、一部弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いているとあります。片や、9月12日発表の北海道経済産業局管内経済概況では、緩やかな持ち直し基調にあるものの、一部には弱い動きが見られるとあり、札幌圏の8月の有効求人倍率は0.8倍と、前年同期より0.11ポイントふえてきてはいるものの、国の0.97倍と比べますと、依然として低い水準が続いているなど厳しい状況です。また、厚生労働省及び北海道労働局の2014年3月卒の大学卒業予定者就職内定状況調査や、高校新卒者の求人求職内定状況取りまとめ等によりますと、2014年3月卒の大学新卒者の就職率は94.4%と、前年同期より0.5ポイント上昇しているものの、北海道地区においては89.1%と、5.3ポイントも全国平均より下回っています。高校新卒者の就職内定状況を見ても、全国平均では98.2%と、前年同期よりも0.6ポイント上昇している一方、北海道地区においては95.4%と、2.8ポイントも全国平均を下回っておりまして、札幌圏に限って申しますと89.8%と、全国平均から実に8.4ポイントも下回るなど、まだまだ厳しい状況と言えます。  また、2012年度の総務省における就業構造基本調査によりますと、日本の非正規雇用者数は2,000万人を突破し、北海道内では95万6,800人となり、全労働者数に占める非正規雇用者数の割合は、全国の38.2%に対して北海道は42.8%と、4.6ポイントも高く、都道府県別で見ますとワースト2で、また、2012年までの5年間の伸び率で申しますと全国1位という不名誉な結果となっています。  将来を担う若者が明るい夢や希望に邁進し、充実した人生を切り開いていくためには、正社員就職による自立や安定した生活を送れるようになることが何よりも重要だと考えます。昨年、2013年3定で、新卒未就職者に対する就職支援事業ジョブスタートプログラムについて質問させていただきました。民主党政権時代に創設されました重点分野雇用創造事業によりまして、各自治体に配分された財源をもとに、札幌市でも2010年度から実施してまいりました。2014年度以降は、札幌市が独自で、ジョブスタートプログラムで培ったノウハウを生かし、工夫をしながら、効果的で効率的な支援を検討することが明らかになり、大きな希望を持っておりました。新卒者の正社員就職を目的に本年度から実施したのがフレッシュスタート塾事業と聞いております。本年1定でも、私どもの会派から、フレッシュスタート塾事業の概要及び実施スケジュールについて伺いましたところ、卒後1年目の新卒未就職者を対象に、早期正社員就職の支援を目的として座学研修と職場実習を5月から実施するという答弁がありました。  そこで、質問ですが、今年度のこれまでの実施状況及び現段階での実績についてはいかがか、伺います。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、今年度のこれまでの実施状況についてでございます。  本年5月から、大学、高校などの新卒者70人を研修生として迎え、1カ月間の座学研修と2カ月間の職場実習を行い、就職に結びつけております。就職が決まらなかった方に対しましては、その後、個別支援を行ってきたところであります。  次に、現段階での実績といたしましては、研修の途中で公務員志望等による進路変更をした4人を除く66人中、正社員就職をしたのは29人であり、これに非正規社員も含め、就職した人数としては54人となっております。 ◆しのだ江里子 委員  今のご答弁で、70人の方たちがこの塾に参加され、途中で進路変更した4人を除く66名の中で、正社員が29名で、非正規を入れると54名になったということでした。  この事業は、3社の人材会社に委託しながらも、札幌市が主体的にかかわることで、より効率的で、まさに効果的な支援を行うということでありました。これまでは、委託事業といいますと、委託先にある程度任せっきりということが多かったのではないかと思われます。しかし、今回の事業では、市の職員がみずからの経験や学んできたことをもとに積極的にかかわっていくという気概を持って仕事に当たっていると伺っております。  そこで、質問ですが、これまでのこの事業への市職員のかかわり方についてお聞かせください。  また、研修生からはどのような声があったのか、あわせてお聞きします。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、これまでの市職員のかかわりについてでございます。  これにつきましては、研修生の募集や研修カリキュラムの組み立てについて私どもが主体的にかかわり、3日間にわたる合同研修に関して全ての運営と実施を担当させていただきました。また、座学研修期間中に、市職員が全研修生と個別面談を行い、各種の研修習熟度を確認したり、思いや悩みをじっくりと聞き、相談に応じたりするなど、モチベーションを持続させる取り組みもあわせて実施してまいりました。このほか、職場実習期間中には、実習先企業の中から15社を選定の上、訪問させていただき、経営者の方々から忌憚のないご意見をお伺いしたり、研修生の実習の様子を確認したりするなど、市職員が積極的に直接かかわってきたところであります。  次に、研修生からの声についてでありますが、代表的なものを三つご紹介したいと思います。  研修生からは、市長がこの事業に対して大いに期待を持っていることがわかり、大変感動した、正社員就職をあきらめてフリーターにならず、本当によかった、税金を使ってこういった事業を支援していただいていることに感謝の気持ちでいっぱいである、今後は、自分が正社員就職をすることにより、税金をたくさん納めて札幌市に恩返しをしたいなどといったように、事業目的に沿った成長が感じられる声が多数寄せられておりまして、一定の成果を実感しているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市の職員が募集の段階から主体的にかかわり、研修の組み立てを行ったり、研修生全員と面談を行ったり、実習先15社の企業を訪問して経営者の声も聞いたりするなど、まさに積極的な取り組みをしていただけたという姿勢は大変よくわかりました。また、上田市長が、初めて、このような新卒未就職者が集まる場面でご自分の思いをみずから大変熱く語ったというお話も聞いております。こういった市長を初めとする市職員の積極的なかかわりが評価されたということが、今ご答弁がありました三つの事例ということで、研修生からの感謝の声にあらわれていると思います。  ところで、この事業は、先ほど話がありましたように、5月から1カ月間の座学と2カ月間の職場実習でありまして、8月にはもう既に終了しています。また、研修生全員が就職できている状況ではない中で、人材育成会社への委託期間も間もなく終わると思われます。  そこで、質問ですが、今後の取り組み内容はどのようにされていくのか、伺います。 ◎白岩 雇用推進部長  今後の取り組み内容についてでございます。  事業者との委託契約期間は10月末で終了いたしますが、引き続き、札幌市として年度末までしっかりとかかわっていくこととしております。具体的には、就職の決まっていない研修生に対しまして、就職相談窓口の紹介や別の研修事業への案内などのサポートを継続してまいります。また、希望者に対しましては、再度、個別面談を行い、現在の状況を確認したり、動機づけや助言を行ったりするなど、できる限りのサポートをしてまいりたい、このように考えております。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  この事業は、1年目であったと思いますが、予算も含め、まさに札幌市の単費でやっていて、さまざまな課題があったと思いますけれども、自治体が主導して若者の就労支援を行っていくということは余り例がないことだと聞いております。まさに札幌方式のやり方ですが、札幌市の若者の雇用に対する支援について積極的な姿勢で取り組んでいただいていることに関しては大いに期待しております。今のご答弁で、年度末までしっかりかかわっていただくことが理解できました。まだ就職できていない研修生は12人ほどいらっしゃいますが、この研修生お一人お一人については、現在の置かれている環境やこれまでの企業との面談状況とか職場実習などの経験もそれぞれ違うと思いますので、一人一人に寄り添った親身な対応をぜひお願いしたいと思います。  国全体としての雇用状況とか就職状況がよくなっているかに見える中でも、実際には就職できない新卒者が依然いるということは大変深刻な問題となっております。このように卒業したばかりの若者に対する就職支援事業は、ますます重要になってくると考えます。大学とか高校の中でのキャリア教育というのはおおむねホワイトカラーを目指すことが中心となっているように思いますが、それぞれの特性から、例えば手に職をつけるほうが向いている若者もこの中にはきっといると思います。私は、ぜひ、札幌からすばらしい職人が生まれるようなサポートなども進めていただきたいと考えます。ぜひとも、内容を充実強化させて、2015年度、来年度もこの取り組みを進めていただくことを求めて、この質問は終わらせていただきます。  次に、実践型地域雇用創出事業、いわゆるパッケージ関連事業について質問させていただきます。  経済の発展に伴う安定的な雇用の確保は、市民の安心な暮らしの実現に欠かせないものです。そのためには、雇用の受け皿となる企業の経営基盤が強化され、雇用創出力が高められることが重要だと考えます。また、企業で働く側にとっては、それぞれの能力を生かし、やりがいや充実感を得ながら働くことが重要であり、このことが個々人の自立した生活につながっていくと考えます。  一方、求職中の方に関しては、働く意欲や能力を引き出すとともに、札幌の将来を担う地域経済の支え手としてしっかりと育成していくことが望まれます。企業側にとっても、意欲が高く、すぐれた人材を雇用することができれば、生産性の向上につながり、ひいては、社会全体の活性化に結びつくことになろうと思います。行政には、地域の特性を踏まえ、地域みずからの創意工夫や発想を生かした雇用施策を実施するための牽引役が期待されているものと考えます。  このたび、地域の特性を生かし、地域の創意工夫によって雇用対策事業を策定するという国の枠組みを活用した3年間の実践型地域雇用創造事業、いわゆるパッケージ関連事業が本年6月に札幌地域として採択されたと聞いております。政令指定都市などの大きな都市が選定されることが少ない中で、札幌地域は2005年から既に4回目ということでありまして、全国的にも例のないことと伺っております。  そこで、質問ですが、まず、今回のパッケージ関連事業の目的と、この事業を実施するための組織体制はどのようであるのか、伺います。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、今回のパッケージ関連事業の目的についてでございますが、これは、札幌が持っている魅力と強みを生かし、地域の産業を担う事業者の雇用拡大や求職者の人材育成による就業促進を通じて雇用を創出していくことであります。  次に、この事業を実施する組織体制といたしましては、札幌市や札幌商工会議所北海道中小企業家同友会札幌観光協会などの七つの団体で協議会を構成しており、採択のあった6月から運営いたしております。  なお、代表は札幌市長が務めているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  今のご答弁で、組織体制としては7団体ということで、札幌市や商工会議所、中小企業家同友会札幌観光協会などの団体で構成されていて、地域での雇用拡大とか、求職中の方の就業促進を通して雇用の創出を目指していく事業であることがわかりました。  先ほどのフレッシュスタート塾事業でお話ししましたように、8月の有効求人倍率は、全国と比べると本当に大変低く、札幌圏は0.81倍ということでした。こういった中で、新しい雇用を生み出す事業は大変力強いものと私は考えます。  そこで、質問ですが、今回のこの事業の概要についてお聞かせください。 ◎白岩 雇用推進部長  事業の概要についてでございます。  この事業では、雇用創出に関して大きな潜在力が見込まれる観光、食、創造及び都心活性化という四つの重点分野を設定しており、全体を通じて17の講座やセミナーを実施しているところであります。具体的な内容を申し上げますと、事業主を対象とした雇用拡大メニューにおきましては、観光サービスのレベル向上を目指す観光客おもてなし実践講座や、北海道ブランド食品の販売促進と販路拡大を目指す食の販路拡大を学ぶ講座などを行っております。また、求職者の方を対象とした人材育成メニューにおきましては、企業の情報の正しい取り扱い方法を学び、IT活用スキルを身につけるIT推進担当者育成セミナーや、カフェの経営、運営を目指す女性を支援する女性のためのカフェ起業講座などを行っております。さらに、就職促進メニューにおきましては合同企業説明会などを、また、雇用創出実践メニューにおきましてはムスリム旅行者向けの食のメニュー開発を行っております。 ◆しのだ江里子 委員  まさに、札幌戦略ビジョンと連動しておりまして、今後、雇用に大きな潜在力が見込まれる四つの重点分野で17の事業を推進していくということでした。事業主が対象である観光客のおもてなし実践講座であったり、また、食の販路拡大を学ぶ講座など、このような事業を推進していただいて札幌地域全体に波及させていくことを念頭に置いた取り組みをぜひお願いしたいと思います。  私も、このリーフレットをいただきましたが、非常に興味深いものがたくさんありました。まさに、札幌が得意とするところ、そして、札幌がこれから進めていくところがたくさんありまして、これは、事業者にとっても、そしてまた求職者にとっても非常に有効なものであろうと思います。  最後の質問ですが、この事業の目的は、札幌市内において新たな雇用を生み出すということですけれども、3年間での数値目標について伺います。  また、その目標達成に向けての決意について伺います。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、3年間での数値目標についてでございます。  今年度から平成28年度までの3年間で、参加者数1,720人を目指して事業を進めてまいります。また、この参加による雇用創出効果としましては389人の新規雇用を数値目標として掲げております。  次に、目標達成に向けての決意でありますが、協議会会員が一丸となって取り組むことはもとより、市内の関係企業に対しては、ダイレクトメールなども活用して事業への理解と参画を強く働きかけていくこととしております。また、求職者に対しては、参加促進のためのチラシやポスターを工夫、充実させるほか、ホームページにつきましてもわかりやすさを重視して作成するなど、広く市民の関心を引くような周知、PRに努めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、さまざまな取り組みを積み重ね、必ずや、目標の達成を実現していきたいと決意を新たにしているところであります。 ◆しのだ江里子 委員  今、必ずや達成させていくという大変強いご意向を聞かせていただきました。  パッケージ関連事業については、参加する人数が1,720人、そして389人の雇用を創出するということで大変意義深い事業であると思います。この周知等々に関しては、例えば求職者などにはSNSなども使ってぜひPRをしていただきたいと思います。採択を受けるに当たって、4回目の申請ということで大変なご苦労があったと思いますが、今後においては目標の実現こそが何より重要であると考えます。ぜひとも、この事業を通じて新たな雇用を生み出し、札幌地域を活性化させていただき、市民の安定した暮らしや、まさに笑顔に結びつくように事業を進めていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、実践型地域雇用創造事業、いわゆるパッケージ関連事業について、的を絞って質問させていただきたいと思います。  今、質疑にもありましたが、このたび、地域の特性を生かして地域の創意工夫によって雇用対策事業を策定するという国の枠組みを活用した3年間の実践型地域雇用創造事業、いわゆるパッケージ関連事業が平成26年6月に札幌地域として採択されました。これは、札幌市や経済団体等の7者で構成するさっぽろ地域雇用創造協議会においての採択であり、しかも4度目ということで、本市にとって大変喜ばしいことであります。ご担当者の努力に感謝したいと思います。  潜在力の見込まれる有望な分野で、事業主と求職者の双方に講座やセミナーなどを通じて効果的な働きかけや、知識、さらにスキルの付与を行っていくことは、非常に有意義なことであると考えます。この事業は、先ほどもありましたように重点4分野から成りますが、その柱の一つに観光分野があります。観光と言えば、国外からの観光客においては、昨年7月にビザが緩和されて以降、東南アジアからの入り込み客数が大幅にふえていると聞いております。直行便が就航したタイを初め、観光客数の増加が期待されるマレーシア、シンガポール、インドネシアなど東南アジアは、イスラム教徒の方々であるムスリム観光客が多いわけでありますが、中でも、インドネシアからの入り込みは前年比で64.3%も増加しているのであります。そのインドネシアは、2億4,700万人の人口の約9割がムスリムであると言われておりまして、今後も来札者の増加が見込まれるところであります。  そこで、質問いたしますが、パッケージ関連事業において、この中でもとりわけ今回の目玉と言えるのは、ムスリム旅行者に対する取り組みを推進するというものであると考えますけれども、これはどういった事業を行うのか、お伺いいたします。 ◎白岩 雇用推進部長  ムスリム旅行者に対する取り組みの推進につきましては、具体的には四つの事業を実施してまいります。  一つ目は、東南アジア諸国からの観光客に対するおもてなしを学ぶとともに、観光業界への就職を目指す求職者向けの講座です。二つ目は、観光分野に関係する旅行業、宿泊業及び飲食業などの事業主の方々を対象に、受け入れ促進に対する知識や理解を深め、実践力のある人材を育成することで雇用拡大を図る事業者向けの講座です。そして三つ目は、ムスリム旅行客の増加によるビジネス機会の拡大と、それに伴う雇用の増大を目的として、ムスリムに配慮した料理のメニューを開発し、提供する飲食店等を増加させるとともに、東南アジアを中心としたムスリム旅行客の誘致を図り、観光産業の雇用の創出に結びつける実践事業を行ってまいります。最後に、四つ目でございますが、ムスリム旅行者に対応したメニューを成果物として広く事業者に公開し、活用を促す事業者向けのセミナーであります。  ただいま申し上げましたこれら四つの事業を通して、ムスリム旅行者に対する効果的な取り組みを積極的に進めてまいりたい、このように考えております。 ◆福田浩太郎 委員  四つの事業があるということで、特に後半の二つについては、東南アジア諸国からの観光客の習慣や好み、さらには、ムスリム対応などのおもてなしに関する知識の習得及び理解が新たに必要になってくるということであり、そして、観光客の中でも特にムスリム旅行者を誘致して、観光産業での雇用創出につなげていくということでありまして、そのことは理解いたしました。  ムスリム旅行者を誘致するに当たりましては、文化や習慣の違いから、主に礼拝や食事などに関して配慮を要します。礼拝については、1日に5回、太陽の動きに従った時刻に体を清めた上でメッカの方向に向かってといったような所定の方法で行いますので、パッケージツアーなどにおけるお祈りの時間の確保なども求められているようであります。また、食事については、豚肉やアルコールが禁止されるなどの制限があり、「日本への旅行で心配なことは」との問いに、多くのムスリム旅行者は、「自分たちにとって安心な食事をとることができるか不安である」と答えるようであります。  ムスリム観光客の受け入れに際し、私は、食事に関する不安を払拭することが最も重要なことだと捉えております。さらに、食に関しては、高品質な道産食材を活用した魅力的な料理の提供という観点も欠かせないものと考えます。しかし、ムスリム観光客にとって安心で、しかも、札幌ならではの魅力的な料理メニューの開発を進めていくことは、いろいろ苦労もあるというふうに思います。  そこで、再質問でありますが、こういった料理のメニューの開発を進める上での課題をどのように捉えているのか、お尋ねいたします。 ◎白岩 雇用推進部長  料理のメニュー開発を進めていく上での課題につきましては、大きく三つございます。  一つ目は、豚肉やアルコールなどの禁じられているものに関する理解はもちろんのこと、旅行で札幌を訪れるムスリム旅行客の食べ物の嗜好についてどのようなニーズがあるのか、断食中や断食明けなどの時期も含め、受け入れ側が適時適切にどのようなものを提供できるか、しっかりと検討するということであります。二つ目は、ムスリム旅行者にぜひ食べていただきたい高品質な道産食材を活用した、まさに札幌ならではの優位性が発揮できるメニューを開発し、それを成果物としてしっかりと打ち出していくことであります。そして、三つ目といたしましては、できるだけ多くの事業者の参画を得るために、いかにして開発したメニューを広めていくか、また一方で、どのようにムスリム旅行客に周知を図っていくかであると考えております。 ◆福田浩太郎 委員  今お聞きして、やはり、私どもにはなかなかわからない、難しい課題が3点あるのだということを承知いたしました。繰り返しになりますが、お答えにもあったように、ぜひ、自然豊かな北海道が有する高品質で安全な食材を利用した札幌ならではの優位性を発揮できるメニューを開発していただきたいと思います。  先ほどのご答弁の課題の三つ目として、このメニューができた後、どうやって広めていくかが非常に重要になってくるということでしたが、私も同様に考えております。  そこで、最後の質問でありますが、料理のメニューの導入促進に係る効果的な進め方についてお尋ねいたします。 ◎白岩 雇用推進部長  料理のメニューの導入促進に係る効果的な進め方についてでございます。  実践事業で作成したメニューを成果物として公開するセミナーを利用し、可能な限り多くの事業者に周知を図っていくとともに、メニューの導入を検討する企業に対しましては、先行投資の意味合いも含めて、この取り組みにおける意義の重要性についてしっかりと認識していただけるようPRを強化してまいりたいと考えております。  その上で、自分たちがこれらのメニューを活用して新たなお客様にいらしていただくというおもてなしの気持ちを持ってもらい、関係者が連携してこの事業を進めていくことは、ビジネスチャンスにつながることでもあり、大変重要な取り組みであると考えております。また、効果的に取り組みを進めるために、既に東京、横浜及び京都といった先進都市に職員が赴き、直に視察及び関係者からの聞き取り調査を行ってきたところであります。このほか、ムスリム対応を推進している国内他都市に対するアンケートや電話調査もあわせて行っているほか、東南アジアで旅行商品を造成する旅行会社や札幌市内在住のムスリムの方々の意見も集約するなどしてこの事業を効果的に推進する上での一助にしてまいりたい、このように考えております。 ◆福田浩太郎 委員  最後に、要望になりますけれども、事業者においては、先行投資をしていくという気構えも必要であり、また、関係者が連携して新しい旅行客におもてなしをしていくという気持ちを持つことが必要であることについても承知いたしました。また、既に、横浜や京都などの先進都市に視察に行き、ムスリム対応に係る取り組みについて直接情報を得ており、それらをしっかり生かしていただいているということですから、今後の取り組みの展開が非常に楽しみであると感じました。ぜひ、札幌がムスリム旅行客に対するおもてなしの先進地域となって、東南アジアからたくさんの観光客に来ていただくとともに、すばらしい思い出をつくっていただき、さらにはリピーターになっていただけることを心から願いまして、質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、若年層職場定着支援事業について伺います。  若者の就職に関しましては、この間、七五三現象と言われるなど、早期離職が大きな問題になっていると認識しているところであります。厚生労働省の北海道労働局の資料で2010年3月に卒業した方の就職後3年以内に離職をした率がありますが、これを見ますと、全国では大学で31.0%、高校では39.2%となっています。これを前年度の2009年3月の離職率と比べますと、大学では2.2ポイント、高校では3.5ポイントもふえている状況にあります。一方、北海道における2010年3月に卒業した方の就職後3年以内の離職率は、大学で37.3%、高校で51.0%となっておりまして、全国と比べて大学では6.3ポイント、高校で11.8ポイントも高い状況になっています。これを計算してみますと、北海道ではおよそ3人に1人が3年以内に離職しているという非常に憂慮すべき状況になっていると思います。  仮に若者の皆さんが早期離職をして、一度、フリーターなどの非正規雇用になりますと、当然、その時点でキャリア教育が十分にできなくなりますし、さらには、正社員への転換がより難しくなるという現実的な問題に直面いたします。また、離職している期間が長く続きますと、社会とのつながりを持ちづらくなり、ひきこもりにつながる場合もあるというふうに聞いております。さらに、企業側にとっても、バブル崩壊後、採用人数の減少やリストラによる人員不足などで経営を支える中堅社員が不足しているという課題もあって、若手社員が定着していないことは採用コストにとどまらない大きな損失になっていると思います。それどころか、社会としての持続可能性が失われてしまうのではないかというような危機感も持っているところです。こうしたことから、札幌市が取り組んでいる若年層職場定着支援事業は、若者の早期離職を防ぐための一つの支援として大変重要であり、意義があると考えております。  そこでまず、若年層職場定着支援事業は2008年から実施していると伺っておりますが、2013年度の取り組み内容とその実績についてお聞きします。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、2013年度の取り組み内容についてでございます。  昨年度は、若手社員の就業意欲の向上を図る講演会を1回、若手社員の不安や悩みの早期解消法を身につける宿泊研修及びそのフォローアップ研修を各1回実施いたしました。また、人事・人材育成担当者向けに、若手社員への指導方法を学ぶ講座及びコミュニケーション力を身につける研修につきましては、それぞれ2回開催したところでございます。  次に、実績についてでございます。  講演会等の各研修の合計として定めた参加者数の目標300人に対しまして、合計303人の事業参加という実績となっており、目標を超えることができました。ただいま申し上げた取り組みを通じて、参加者に対して就業意欲の向上や悩みに伴うストレスとのつき合い方などを学ぶ機会を提供することができたことにより、一定の効果を上げることができたものと考えております。 ◆石川佐和子 委員  昨年度については、若者の早期離職を防ぎ、職場の定着に向けたさまざまな取り組みをしていることと、少しではありますが、目標数値を上回ったということを伺いました。  ただ、やめる若者の皆さんは、仕事がつまらないというふうによくおっしゃいます。本当はそうした若者の皆さんに研修に一番来てほしいのですが、来てもらえなければ、せっかくのそうした事業も実効性が伴ってこないのではないかというふうに思います。先ほども言いましたように、北海道労働局の資料からも明らかですが、この間、就職して3年以内にやめてしまう若者が後を絶ちません。一方ではブラック企業とか非正規雇用のような問題もありますが、気持ちの持ち方やきっかけづくりができ、仕事を続けることができるのであれば、本当はそれにこしたことはないと思います。企業内における若手の社員を取り巻く問題としては、上司を初めとする中高年層との意識のギャップ、さらには、これに伴ってコミュニケーション自体がとれていない現状もあるというふうにお聞きしております。  働くことの意識調査結果というのがあります。これは、ある法人が、昭和44年以来、46回も続けているということで、ことしは新入社員2,203人を対象に行った調査結果です。それを見ますと、就労意識については、「社会や人から感謝される仕事がしたい」「仕事を通じて人間関係を広げていきたい」について、「そう思う」と肯定的に答えた割合がともに95%以上で最も高く、一方で、「仕事をしていく上で人間関係に不安を感じる」については67%となっており、新入社員にとって職場の人間関係への期待や不安を見てとれる結果となっています。また、人間関係では、「先輩と後輩など上下のけじめが大切だ」と91%が答えており、これが最も高い数字です。こうした結果から、遠慮がちといいますか、さまざまな悩み事を抱えていても、先輩に相談しづらい、あるいは、できないのではないかと感じるのであります。企業側としても、若者が最終的に退職を申し出るまでそうしたサインとか予兆をつかみ切れず、将来性のある大切な人材を失っていることになっていると感じます。やはり、若い方々は、先輩、後輩に上下のけじめをつけているような状況がありますから、同じ目線に立った相談相手の存在を求めているのではないかというふうに考えます。私は、若年層職場定着支援事業で行っている各研修や講座においても、こうした受講者のニーズをよく踏まえて内容の構築を図るべきだと考えます。  そこで、さらに伺いますが、今年度はどのような工夫を行っているのか、お聞きいたします。 ◎白岩 雇用推進部長  今年度の工夫についてでございます。  今年度の事業につきましては、あす29日に開催する講演会から始まる予定であります。研修全般を通して、講師には若くて講師経験が豊かな方を選定しておりまして、まさに、若者の目線に立ち、若者の心をつかむような内容とすることで高い研修効果が得られるようにしてまいりたいと考えております。研修内容につきましては、講義形式重視ではなく、グループ討議をより多く取り入れ、情報交換や悩み相談を充実させることによって、若手社員と人事・人材育成担当者が相互に気づきを得られるような内容としております。さらには、企業や立場の枠を超えた人間関係の構築もあわせて図られるようにしていきたいと考えております。  このほか、周知、PRの方法につきましては、今年度から市内企業にチラシを送付するなど、直接アプローチもしていくこととしたところでございます。 ◆石川佐和子 委員  若者の目線に立ち、若者の心をつかむような内容にする、また、さまざまな工夫をすることを今の答弁から知ることができましたので、私は、そうした工夫が功を奏することを期待したいと思います。このほかにも、異なる世代間におけるコミュニケーション能力を向上させるために、伝える力や聞く力を強化するようなカリキュラムを充実させるなどして、ぜひとも、研修目的に沿った高い効果が得られるような内容にしていっていただきたいということを要望したいと思います。  若者の就職に関しては、就職することと同様に、就職した後、その職場にしっかりと定着していくことが重要であることは言うまでもないことだと思います。そのためには、就職した若者や雇用する企業が抱えている課題やニーズをしっかりと把握する必要があるというふうに思います。こうした観点から、昨年、2013年の3定の代表質問及び決算特別委員会におきまして、私どもは、若年層の職場定着がより図れるようにするための実態調査の必要性について質問し、また、要望してきたところであります。  そこで、最後の質問ですが、各研修に参加した若者の皆さん及びその所属企業に対する実態調査について、今後どのように行っていくお考えなのか、お聞きいたします。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、研修参加者に対する実態調査についてでございます。  研修参加者に対する職場定着の実態調査につきましては、平成26年度の参加者から実施することとしております。この調査は、定着調査という性質のため、1年後の平成27年度の状況から3年間にわたって職場定着に係るアンケート調査を行ってまいります。調査の内容といたしましては、継続就労しているか否か、雇用の形態はどのようなものか、離職していた場合、その理由は何かといった項目としたいと考えております。  次に、所属企業に対する職場定着の実態調査についてでありますが、企業に対しましては、職場定着に係る取り組み状況についてのアンケート調査を行うことを考えております。
     なお、所属企業に対するアンケート調査に関しては、回答内容を踏まえた上で、その後、直接ヒアリングも行い、職場定着に資することとなっている日常的な取り組みについてもしっかりと聞き取り、詳細に把握してまいりたい、このように考えております。 ◆石川佐和子 委員  最後は、要望になります。  先ほどの質疑の中で、札幌圏の求人倍率は非常に厳しいという説明がありましたが、北海道労働局の9月26日付の発表では、道内での求人倍率は1992年8月以来の高水準になっているという数字も出ておりまして、来年も多くの若者が期待に胸を膨らませて就職することが予想されます。そういう中で、私は、初めからやめるつもりで入社する人はいないのではないかというふうに思います。しかし一方で、3年と言わず、就職して1年でやめてしまう割合が一番高いということもこれまでのデータで明らかになっておりますから、ぜひとも、あしたから始まる研修の参加者及び企業からの声をしっかりと聞き取って、その声を今後の施策に十分に生かしていただきたいと思います。  若者の職場定着がしっかりと図られるようにすることは、本人にとってもそうですが、企業にとっても、さらに、社会全体にとっても大変重要でありますし、札幌市が行っているこうした事業は、中小企業単独ではなかなか実施することが難しいので、札幌市が今後も担っていくことの意義は大変大きいというふうに考えます。2015年度から3年間にわたって実態調査を行うということでありますが、あわせて、ぜひ、事業の実効性を検証し、さらに、職場定着支援としてニーズに沿った効果的な内容にしていっていただきたいと思います。若者の皆さんが希望を持って、そして、やりがいを感じながら働き続けることができるよう、今後の施策をさらに充実させていくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○芦原進 委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆宝本英明 委員  私からは、札幌コンテンツ特区の進捗状況等について伺わせていただきたいと思います。  札幌コンテンツ特区は、申し上げるまでもないと思いますが、映像コンテンツ分野における日本で唯一の総合特区でありまして、映像を活用し、さまざまな取り組みを進め、地域経済全体の活性化を図っていくということであります。我が会派としても、この特区の取り組みは、地元の映像関連事業者を初めとした市内企業との連携強化が不可欠でありまして、市民にとって非常に重要な取り組みであることから、たびたび質問を行ってまいりました。  特区の取り組みを進めていくに当たり、札幌市は、さっぽろ産業振興財団内に特区の推進機関としてSAS、札幌映像機構を立ち上げまして、ロケ撮影に係る総合窓口機能を担っていくほか、国内外に向けたロケ誘致活動や国の財政支援を活用した海外への映像コンテンツの販路拡大など、これまでさまざまな取り組みを行ってきております。  ただ一方で、札幌独自の資格制度であるリエゾンオフィサーは、撮影現場のコンプライアンスを重視して将来にわたってロケーション環境を適切に保ち、地域が継続してこうしたことに携わっていけるようにするのが役目であるというふうに私は認識しております。そのリエゾンオフィサーですが、昨年度、創設の予定でありましたけれども、いまだスタートしていない状況であります。リエゾンオフィサーの創設に当たっては、映像関連事業者との連携が必須であると思われますので、いまだスタートしていないということは、市と事業者との連携がとれているのか、非常に疑問を感じているところであります。また、リエゾンオフィサーに限らず、コンテンツ特区のさまざまな取り組みが必ずしも順調に成果を上げていない可能性もあるのかなというふうに思います。  まず最初に、平成25年度のロケ誘致に伴う経済効果の数値目標と実績、映像の海外輸出額の数値目標と実績、それから、リエゾンオフィサー資格制度の進捗及び検討状況について伺わせていただきたいと思います。 ◎山田 国際経済戦略室長  まず、平成25年度のロケ誘致に伴う経済効果についてでございますが、数値目標11億8,700万円に対しまして、実績は13億9,800万円となっております。また、映像の海外輸出額でございますが、数値目標1億3,000万円に対しまして、実績は2,000万円となっております。  次に、リエゾンオフィサー資格制度の進捗及び検討状況でございますが、年内に資格認定のための講習会を行う見込みでございまして、その後、受講者からの申請を経て、遅くとも今年度内には資格を付与する予定でございます。また、現在、映像関係事業者からの意見を伺っているところでございますが、その意見を踏まえまして、当初考えていた内容を一部見直す方向で検討を続けております。例えば、一定の業務経験を有し、所属する法人等からの推薦を得た者を講習会の受講対象とすることなどを想定しているところでございます。 ◆宝本英明 委員  数値目標に対して達成されているものと達成されていないものがあるようですが、特区計画の最終年度となる来年、平成27年度に全ての目標を達成していくためには、より一層、もう一段上の取り組みをしていく必要があるのではないかと思います。  そこで、平成26年度の特区の取り組み状況とここまでの成果について伺わせていただきたいと思います。  それから、たびたび延期を続けてきたリエゾンオフィサー制度は、当初より、若干内容の修正を図っているということでありましたが、関連事業者との調整は適正になされ、制度の効果は予定どおり期待できるのかどうか、伺いたいと思います。 ◎山田 国際経済戦略室長  平成26年度の特区の取り組み状況とその成果についてでございます。  ロケ誘致につきましては、特区の推進機関である札幌映像機構が中心となりまして、道内他地域のフィルムコミッションとのロケ情報の共有を進めております。今後、道内連携によるロケ案件の増加を図っていきたいと考えております。また、国内他都市との地域間連携によって海外メディアを招聘して進める国際共同制作につきましては、現在、京都市とともに、香港のメディアと企画していた案件が具体化しているところでございます。さらに、札幌市映像制作助成金を活用しまして、タイ、ベトナム、台湾との国際共同制作案件を計4件誘致したほか、国内外の映画等の撮影案件も具体化しつつあるところでございます。加えまして、平成26年度は、市内企業による映像を活用した海外販路拡大等の取り組みに対して助成する制度を新たに創設しておりまして、公募によりアジア諸国への旅行商品販売に関する事業を1件採択したところでございます。  一方、海外への映像コンテンツの輸出についてでございますが、ことし6月に、札幌で国際映像商談会を開催し、海外からメディアやバイヤーを招き、国内からは13道府県、44団体が参加し、活発な商談が行われたところでございます。今後は、香港とシンガポールの商談会におきましても、札幌市が国内地域連携の核となり、オールジャパンでの共同出展を予定しております。  次に、リエゾンオフィサー制度に関する関連事業者との調整及び効果についてでございます。  全く新しい資格制度でもございますので、関連事業者からの意見を十分に伺い、慎重に検討を行うことを必要としたことから、制度の修正案をもって映像関連団体等との意見交換を、再度、丁寧に行っているところでございます。先ほどの委員のお話にもございましたが、この制度をスタートすることで、映像関連事業者の法令遵守の意識が高まり、施設管理者も安心して撮影を受け入れることが可能となるなど、撮影を行う側にとっても、撮影を受け入れる側にとってもメリットがあることから、今後、一層の撮影環境の改善が期待され、ロケ誘致の増加に資するものと考えております。 ◆宝本英明 委員  札幌コンテンツ特区の進捗状況についてはわかりました。  今、室長からお話のあったとおり、リエゾンオフィサーは本当にロケ誘致にとって重要なものだというふうに思っていますけれども、私は、これは地元の映像関連事業者としっかり連携していかなければ進めていけないものだと思っておりますので、しっかりその声を生かして進めていっていただきたい、そのように思います。  我が会派でも、映像の力により、世界が憧れるまちさっぽろを実現するための条例、いわゆる映像のまち条例の策定に当たっては、映像業界・関係者へのヒアリングを行い、大変参考となる意見を多数いただいて、事業者の生の声を聞くことの重要性を改めて認識したところであります。この条例については、先般の代表質問で、我が会派の質問に対し、条例に基づく基本計画が特区の計画を引き継ぐことになるという答弁がございました。特区計画は平成27年度までとなっておりますが、映像の力を活用したまちづくりを進めていく上で、特区計画終了後、この基本計画が特区計画を継承していくだけでなく、特区の具体の取り組みについても効果が期待できるものについては平成28年度以降も継続していくことが重要であると思います。  そこで、特区計画期間終了後の取り組みをどのように考えているのか、また、条例に基づく基本計画策定に向けた準備状況と計画の策定時期について伺わせていただきたいと思います。 ◎山田 国際経済戦略室長  特区計画期間終了後の取り組みの考え方でございますが、特区計画期間終了後におきましても、特区で進めてきたさまざまな取り組みにつきましては、これまでの経緯や課題、さらには問題点を十分に評価、検証した上で継続していきたいと考えております。  次に、条例に基づく基本計画策定の準備状況とその策定時期についてでございますが、映像関連事業者だけではなく、映像関連の教育関係者や国内他地域のフィルムコミッションへのヒアリングなど、現在、計画策定に向けた情報収集や検討を進めているところでございます。例えば、これまで以上に積極的に国内外に撮影案件を企画、提案し、ロケ誘致を働きかける取り組み、それから、高校生や大学生に映像関連事業者が映像制作の指導を行い、制作した映像の発表の場を設ける映像人材育成の取り組みなどを計画に盛り込むことを想定しております。  また、計画の策定時期についてでございますが、特区計画を引き継ぐ意味からも、特区計画期間が終了する平成27年度中には策定したいと考えております。 ◆宝本英明 委員  本日の答弁にありましたとおり、札幌コンテンツ特区の計画がおくれていることには危機感を感じております。先ほども申し上げましたが、コンテンツ特区は、日本で唯一、札幌だけが指定された特区でありまして、国中で注目しているところもあると思います。また、この特区指定を獲得するために、これまでの行政の努力はもちろんでありますが、多くの民間事業者や市民の方々の協力があったことを忘れないでいただきたいと思います。コンテンツ特区の取り組みによって得られるものを市民、事業者に確実に目に見える形でもたらすことが行政に課せられた使命であることを感じていただいて、取り組みを加速し、深化させることを強く求めさせていただきたいと思います。  それから、さきの第2回定例市議会で可決された、映像の力により世界が憧れるまちさっぽろを実現するための条例は、映像の力を活用したまちづくりに係る施策を戦略的かつ総合的に推進することによって、本市経済の持続的な発展及び札幌の魅力の周知を図り、もって、市民が誇りを持って暮らす世界が憧れるまちを実現することを目的としています。この理念を具体的に展開するために欠かせないものが先ほど質問させていただきました基本計画策定でありまして、今後の札幌のコンテンツ産業振興を進める上で極めて重要なものと考えております。  この計画が特区計画を引き継ぐことからしても、さらに検討を加速させることは当然でありますが、計画の内容は、市民と事業者、市が協力・連携して真に世界が憧れるまち札幌を実現させるために実効性あるものとしていただくことを、この条例提案を行った議員の一人として切に願うものであります。次の予算特別委員会においても、この計画の具体的な方向性についてお聞かせいただきたいということを要望として述べておきますが、このことを踏まえて、荒井経済局長に映像の力を活用した今後の施策展開についての考えを伺って、質問を終わりたいと思います。 ◎荒井 経済局長  札幌コンテンツ特区というのは、映像関連事業者を初め、関係者の皆様方のご努力、それから、期待の中で指定を受けたというふうに承知しております。先ほど委員がご指摘のとおり、リエゾンオフィサー制度の創設を初め、幾つかおくれているものがあるのもまた事実でありますし、関係業界の期待に十分応えられていない部分があることも十分承知しているところでございます。  今後に当たりましては、リエゾンオフィサー制度の創設については、関係事業者からの意見をお聞きする機会を何度も設けることはもちろんでございますけれども、コンテンツ特区の中に込められた思い、それから、6月の映像のまち条例で議員の皆様から背中を押していただいたという事実もございますので、今後の基本計画の策定に当たりましては、関係者の皆さんの期待に沿えるように、そしてまた、市民の期待にも沿えるような内容にしてまいりたいというふうに考えております。  これからも、議会の皆さんはもちろんですが、業界の皆様、市民の皆さんのご意見を聞きながら、一日も早く基本計画ができるように頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 ◆阿知良寛美 委員  私からは、電気料金値上げによる市内中小製造業者への影響、それからその支援について、1点お伺いいたします。  さきの代表質問でも我が会派から質問いたしましたが、北海道電力の電気料金の再値上げ申請について、今月15日に認可され、11月1日から家庭部門で15.33%、認可が要らない法人部門では20.32%の値上げとなったところであります。北電は、9月に申請した内容から家庭向けで1.70ポイント、企業向けでも3.29ポイントの圧縮をするということですが、来年3月までは激変緩和措置を講じ、家庭向けはさらに2.90ポイント減の12.43%、企業向けは3.84ポイント減の16.48%としたところでございます。  東日本大震災以降、再値上げをするのは全国の電力会社で北電が初めてであり、昨年9月の値上げを合わせると、家庭向けで2割強、企業向けでは3割前後の値上げとなります。北電との契約更新時期の関係で全ての企業の電気料金が11月から上がるのではないようですが、市内企業の9割以上は中小企業で、収益構造が脆弱な中、とりわけ大きな電力を使用するものづくり企業においては事業の継続が困難になるケースも想定されるなど、大変大きな影響が出るものと推測されます。  値上げをするのは北海道だけですから、ここでものをつくって本州のほうに納めると、当然、電気料金を上乗せしたいのですが、価格に転嫁できずに、結局、そこは自社の利益の中でのみ込むということもございます。東区は北丘珠の鉄工団地を抱えていまして、私もそういったものづくりのところに行ってまいりました。月々100万円近くの電気料金の値上げ分は、もう本当にどこにも転嫁することができない。また、鋳物製造業も電気を使いますが、ここなども大変な思いを語っておりました。  そういう中で、札幌市では、昨年度、ものづくり産業が集積する工業団地において、スマートメーターを活用した見える化や、専門家による工場内の生産設備などの運用改善によって電力使用量を削減する等の省エネ支援により、企業の経営基盤の強化を図ろうとする札幌型スマートファクトリー化推進支援事業を実施しております。札幌発寒鉄工団地協同組合をモデル団地として実証実験を行ったところでありますが、団地全体における期間中の電力使用量は、総量では前年比0.4%減にとどまったものの、製品を1単位生産するのに使用した電力量は前年比16.1%減となり、一定の成果があったとお聞きしております。今年度においては、得られたノウハウを他の団地に普及させるため、工業団地向けの補助金を設けたとのことであります。  そこで、質問でありますが、札幌型スマートファクトリー化推進支援事業の今年度の申請状況について、2点目として、省エネの取り組みは工業団地以外へも広げることが必要であると考えますけれども、団地に属さない企業への省エネ支援について、2点お伺いいたします。 ◎小野 産業振興部長  1点目の今年度の札幌型スマートファクトリー化推進支援事業の申請状況についてでございます。  現時点で正式な申請には至っておりませんが、申請が可能な五つの団地組合のうち、多くの電力を使用し、かつ、省エネルギーの取り組みにより効果を見込める企業が立地する二つの団地から具体的な手続についてお問い合わせを受けておりまして、近日中には申請がなされる見込みでございます。また、ほかにも、昨年度の実証実験の結果を踏まえまして、取り組みに興味を持っていただいている団地もございます。それらの団地につきましても、申請の検討をしている状況でございます。  次に、2点目の工業団地以外への省エネ支援についてでございますが、委員のご指摘のとおり、省エネの取り組みにつきましては、工業団地に属する、属さないにかかわらず、企業の経営基盤強化においては大変重要なものと認識しております。また、北海道が実施した調査によりますと、今回の再値上げに対する企業の主な対策としましては、さらなる節電と答えた企業が6割を超えている状況でございます。これらのことから、今般、市内企業の節電への支援といたしまして、省エネ機器の導入に対する補助制度や低利融資制度の紹介など、電力値上げへの対応を含めた経営相談窓口を昨日設置したこと、環境局や札幌商工会議所と連携して省エネ対策についての講習会を開催すること、さらには、製造業向けの省エネ診断コンサルティングを実施することといたしております。次年度以降につきましても、事業者が取り組む省エネ支援につきまして、引き続き支援してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆阿知良寛美 委員  二つの団地がこういった取り組みについて間もなく決まるというお話でありますし、再値上げによってさらなる節電をする企業が6割を超えると。多分、企業の皆さんはこれまでも節電に次ぐ節電を相当されていたのだろうと思うのです。それを、雑巾をさらに絞るみたいなことをやられるわけです。ただ、僕は、今の電気料金の値上げは、さらなる省エネ型の機器への導入といいますか、そういうことにつながるのだろうと思いますので、逆境をプラスに転じるチャンスだろうと思います。そういう意味では、属さない企業にも支援を行うという今の答弁でありますので、それとともに、実は省エネルギーの機器をつくっている企業もたくさんありますから、ぜひそういった産業の振興にも結びつけていただきたいし、また、そういった視点も非常に大事だろうと思います。  これは、先月だったと思いますが、北海道で新商品の生産により新事業分野の開拓を行う事業者を知事が認定し、当該事業者が生産する新商品の販売開拓を支援する新商品トライアル制度を実施しております。私もこれを見てまいりました。認定を通じて道がいわゆるお墨つきを与え、これまでにない革新的な商品であることを企業がPRする際の後押しをするとともに、道庁においてもホームページで製品をPRするなどの支援を行うことで、企業の新製品等の開発、販売を促進する取り組みとなっております。ここで取り上げられた製品の中には、省エネ分野でこれまでの発想を超えた革新的な製品もあらわれるなど、効果を上げているものと考えます。  これは、道庁の会議室でやりましたが、札幌市から出向している職員が担当でやっておりました。道庁の各発注部門に呼びかけて、発注部門が来て、これから発注しようとする電気設備とかいろいろあると思いますが、そういうものを取り入れることが可能かどうかという商談会なのです。ですから、そんなにすぐには効果が出ないのだろうと思います。ただ、札幌市内で一番発注額が大きいのは公共工事ですし、量も含めて、発注する金額としては札幌市が一番大きいだろうと思います。そういう中で、中小企業というのは、製品をつくって、さらにこれを使っていただくためにいろいろなコマーシャルを打てばいいのですけれども、それほどの財力もない。ですから、そこを公共がしっかり応援していくという体制が僕は非常に大事だと思います。今回の新商品トライアル制度は道がやっていますが、こういったこともぜひ進めていただきたいなと思います。僕は、委員会とか、皆さん方の打ち合わせの中でも、ホームページに載せるとか、そういうこともぜひやるべきだと再三言っていましたが、道はみんなやっているのですね。やはり、一番身近な皆さんが、今、企業が何に悩んでいるのかしっかり察知して、また、新製品の販路を広げるためにどういう手だてを打ったらいいかということに手助けをすることが非常に大事だろうというふうに思います。  札幌市では、環境分野における製品開発への支援として、平成24年度からは、3カ年の支援を行う札幌発の環境産業創出事業を、平成25年度からは、最大2年間の支援を行う札幌型新エネルギー産業開発支援事業を実施しているところでございます。前段で述べたように、電気料金の値上げは市内中小企業の経営を圧迫することが明白でありますし、負担軽減への支援が積極的に行われるべきだということはもちろんでありますが、企業、市民へのエネルギーコスト低減に結びつく新たな製品開発への支援を行うことは、ニーズが明確な分野での開発企業への支援を通じて市内ものづくり産業の発展に資することに加えて、市内企業、市民が電気料金値上げに対応していく上での間接的な支援にもなると認識すべき重要な取り組みだというふうに思います。  そこで、質問でありますが、札幌市の環境関連の製品開発支援事業では、市民、企業の電気料金負担の軽減に結びつくような案件としてどのようなものがあり、それらは事業化に向けてどのような状況にあるのか、また、事業化に向けた状況を踏まえ、市として製品開発支援事業が終了する次年度以降の支援についてはどう考えておられるのか、説明していただきたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  1点目の環境関連製品開発支援におけます具体的な事例と事業化に向けた状況についてでございますが、現在実施している事業では、積雪寒冷地に適した雪の乱反射を利用する両面太陽光パネルや、温浴施設等で温泉の廃熱を再利用するプラスチック製熱交換器など、市民や事業者の省エネルギーにつながる製品の開発を支援しているところでございます。これらの製品の事業化に向けては、さらなるコストダウンやデータの蓄積を要するものなど、なお解決すべき課題を残しているものがある一方、必要な取り組みは今年度中に終え、早期の事業化が見込まれるものもございます。  次に、2点目の次年度以降の支援についてでございますが、さらなる取り組みが必要なものにつきましては、北海道立総合研究機構や産業技術総合研究所などの試験研究機関との連携を促進しながら、課題解決に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。また、早期に事業化が見込まれるものにつきましては、販路の拡大に向けた支援が重要であり、例えば首都圏で開催される全国規模の環境関連展示会を活用することなどによる支援に加えまして、今後は、市民や道内企業に対してのPRや産業支援機関との連携による販路拡大支援の取り組みも強化してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  新しい製品もできているということでしょうけれども、例えば、先ほど紹介があった雪の反射を利用した両面の太陽光パネルは、これを使うとしたら雪国である東北か北海道しかないわけです。あとは、反射だから砂場もいいのですか。ただ、そういうものを開発したのだったら、札幌の学校などで太陽光パネルを設置していますから、やっぱりそういうところで積極的に使ってあげることが一番の応援になるのだろうと思うのですね。限定的でもいいですから、ぜひ、そういった施策を考えていただきたいと思います。  要望で終わりますけれども、実は、来月の11月19日から21日の3日間、東京のビッグサイトで独立行政法人中小企業基盤整備機構が主催する新価値創造展2014が開かれます。これは、健康長寿社会とか地域コミュニティーの再生に貢献するビジネス、これは住宅、福祉、環境、エネルギーと分かれていて、それから、三つ目がスマートファクトリーということで、部品とか素材、加工の機械機器、ITなど、こういった3部門に分かれて全国で550社が選ばれて向こうのお金で出展するのですね。その中でも特別に12ブースが設けられていて、全国の550社の中から12社が選ばれて特別なブースを与えられますが、その選ばれた12社の中の1社は、今回、北海道から推薦されて札幌市内から出展するというお話を聞きました。それは、まさに省エネで、議会ですから企業名は差しさわりがあるので言いませんが、本当にそういうことを地道にやってきている会社で、大変注目されております。  この広い札幌ですから一生懸命にものづくり産業をやっているところがありますので、行政はそういうところの支援をしっかりやっていただきたい。僕は、育てていくということも行政の役割なのだと思います。金を出すというわけにはなかなかいかないなら、その製品をどう紹介するか、どう広めていくかということを今後はぜひ進めていただきたい、このことを要望して、質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からも、中小企業の支援について伺いたいと思います。  電気料金の値上げ、また燃油の高騰、この春の消費税の増税など、地域の中小企業を取り巻く経済状況は厳しさを増して、先ほどもお話がありましたが、このままでは仕事を継続するのは困難であるという悲痛な声が寄せられています。  本市においては、中小企業振興条例がつくられ、この間、振興策を策定し、実施しております。そして、条例では、中小業者の実態を的確に把握しなければならない、また、その意見を適切に反映するように努力しなければならないことを市の責務としております。私どもも、この間、現場の生の声を聞いて施策に反映させる仕組みをつくるべきと求めてきました。この間の中小業者の実態はとても厳しいと思いますが、どのように把握され、認識しているのか、まず、伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  中小企業の現状の把握と認識についてでございますが、中小企業を中心とする市内2,000社を対象として半年ごとに企業経営動向調査というものを実施しておりますほか、日々の業務の中で企業や業界団体など各方面からの生の声をお聞きするなど、情報収集に努めているところでございます。本年8月に実施した企業経営動向調査によりますと、平成26年度上期の市内景気は、消費税増税の影響などを受けて3年ぶりに下降に転じてはおりますけれども、26年度下期は改善に向かう見通しであるという結果が出ております。ただ、非常に厳しい状況には変わりないというふうに考えているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  下期においては回復傾向にあるということですが、こういうところに電気料金の値上げなどがかぶさってきて、本当に厳しい状況が続くのかなというふうに思います。  先ほども工業団地内での札幌型スマートファクトリー化推進支援事業が報告されましたが、私も、共同で受電を行う企業での施策としてはよかったなと思います。全体では20ぐらいの団地があるでしょうか、私の住む手稲区でも工業団地があり、この間、新しい企業が幾つかそこに入ってきていまして、これからそういうことがすごく期待されます。企業みずからの努力は必要ですが、経営資源はとても限られていると思いますので、同業者や他社との連携、共同開発などに取り組むことはよいと思うのです。  そこで、こういう場合の本市の役割として、この間、どんなことに配慮して進めてきたのか、伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  札幌型スマートファクトリー化推進支援事業を進める上での市の役割と配慮についてでございます。  本事業は、工業団地の各企業が連携しながら電力コスト削減による経営基盤の強化を図り、団地全体の電力利用の効率化を目的とした事業でございます。したがいまして、本事業における工業団地組合や構成企業の役割、連携した取り組みにより得られる効果についての理解を促進し、参加に向けたきっかけをつくることが市の役割であるというふうに考えております。具体的には、団地内企業や組合を訪問いたしまして、昨年度に実施した実証実験の成果や事業の詳細な説明を行うことにより、企業の節電意識の醸成とか団地内の連携が促進されるよう配慮して事業を進めているところでございます。今後とも、団地内での情報共有にとどまることなく、ほかの団地の参考になる取り組みについても情報共有を図るなど、より効果的に事業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆井上ひさ子 委員  お話を聞いて、やはり、現場の中に入りながら、市がそういうきっかけをつくってコーディネートの役割を果たしたのだなと私は思います。企業の創造性を生かして、さらなる環境の整備、それから連携する中では、共同でやっていますから競争なども働いていい方向に行くのかなというふうに思います。  そこで、一つ提案ですが、今は電気を買って仕事をされていますけれども、こういう団地の中ではそこで電気をつくっていくというか、コジェネという方向はどうなのかなと。大きな設備投資が必要かもしれませんが、例えば天然ガスでは排熱を利用して暖房することも可能なのかなというふうに思いますから、この辺は、そういう方々の声も聞いてぜひ検討していただければと思っております。  最後に、先ほども電気料金の再値上げに伴う道の影響予測調査のことを話されました。「経営に何らかの影響がある」というのは92.3%と示されております。その中のアンケートでも、「今まで以上の対策、対応はできない」というのが22.6%もありまして、本当に胸が痛みます。私の地元でも、個人の方々ですが、消費税が8%になったときに転嫁できずにいた方々がおられます。  こういう中で、昨日、支援策として相談窓口を設置したということで、これは融資制度の相談も含まれていると思います。省エネ対策の講習会とか省エネ診断コンサルティングの実施などを行うとなっていますが、これは市内では10社程度になっていました。電気料金だけではなく、燃油の高騰、灯油価格の高騰もあわせて、これで本当にこの年末を乗り切っていけるのか、倒産がふえるのではないかと私どもは心配しておりますので、状況をしっかり把握して対策をとっていくべきだと思いますが、これを最後に聞いておきたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  今後の対策についてでございますが、省エネに関する支援に加えて、従来よりご用意させていただいている小規模企業向けの低利な融資制度が十分に利用されていくことが重要であると考えており、広報媒体を活用してPRするほか、経済団体との意見交換などさまざまな場を通じて周知してまいりたいと考えております。また、今後の電気料金値上げや原油価格の動向等が企業経営に与える影響につきましては、引き続き、企業の生の声をお聞きするなど状況の把握に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  私は、市内の商店街振興組合の振興対策に対するお金の出し方とその効果について質問したいと思います。  局別施策の概要の68ページの産業振興費の4行目から7行目の4行に書かれているおよそ5,700万余のお金は主に商店街の振興対策に使われたというふうになっていますが、主な事業として、どういう事業に全体で何件の補助金を出して取り組んだか、まず、説明いただきたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  商店街への補助金は、平成25年度は何件に幾らかというようなご質問だと思いますが、件数は全体で40件、金額にいたしますと2,836万2,000円になります。 ◆松浦忠 委員  皆さんは、以前から、商店街の振興対策としていろいろと考えて補助金を苦心して出しておられます。出すに当たって、皆さんが意見をくみ上げるのは、札幌市商店街振興組合連合会、いわゆる市商連を介して意見をくみ上げます。その市商連には、大体、札幌市経済局の産業振興部長が事務局長として行っておられて、それに対する事務費などを含めて補助金が出されている、こういう仕組みであります。そういう中で、歴史的に見ると、札幌市が出す補助金、それから、商店街みずからが会費を集めて振興のために使うお金、会の運営上はこういうことが一般的で、あとは特殊な方が寄附されることもあるでしょうけれども、基本的にはその二つだと思います。  ところが、不思議なところから金が出ているものもあるんですよ。何かといったら、大規模小売店舗法、かつては百貨店法がありましたが、それがいろいろ変わってきました。この変わってくる過程の中で、いっときは、大型店の進出が個人商店を中心とする地域の商店街の経営を圧迫するということで、大型店がこういう大きさの店をつくりますよ、こういう内容のものをつくりますよと役所に届け出る前に、商業活動調整協議会と言われるものを設置して、商店街、学識経験者などが入ったり、それから、新たに出ようとする事業者、そして役所も入る中で調整して、この程度の大きさならばいいかということで決めて、申請して商売を始めるということでやってきていました。  その過程の中で生まれたのが何かといったら、進出した大型店が進出した場所にある商店街に特別会員として加入して多額の会費を払う、その会費は、当初、大型店が出ることによって売り上げが下がる、その被害を一部でも補償して、その金を使って商店街がさらに売り上げの回復を図るような施策を講じるという目的で出されてきたのです。私が知っている限りでは出されてきたのです。  これについて、今、私が説明したようなことで違いがあるか、ないか、お答えいただきたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  中小商業者の調整のため、大型店が特別会費としてお金を出していたかというような過去の経緯についての認識ということだと思います。  正確には把握できておりませんけれども、当時の大型店と中小商業者との関係といいますか、大店法を介した大型店と中小商業者との関係を考えれば、そこは、まさに調整のために、中小商業者のために役立つというか、地域全体を盛り上げるためのお金ではなかったかというふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  そういうことでお金が出されてきたのです。ところが、実態として商店街の売り上げ増とか集客増につながるような対策に本当に使われているかといったら、今まで、私は、こういう実態だよと幾つかの商店街の方からいろいろ説明いただきましたし、今般もまたありましたが、ずっと、その対策に使うというよりも、構成員の福利厚生であったり、健康診断だったり、研修会をちょっとやったり、あるいは、どこかに視察に行くというようことで使われていて、余り役に立っていないというのが実態だ、これが内部の人の意見なのです。私も、いろいろ資料を見せてもらったらそう思いました。  そこで、今、白石区は厚別区と分区になっていますけれども、その分区になる前の白石区のときに、札幌市が厚別を札幌の第2の都心にする、東京で言えば新宿みたいにするということで、副都心と位置づけていろいろな事業を展開いたしました。今現在、札幌副都心開発公社というのがあります。その副都心公社が、まず、あそこに大型商業施設をつくるということでサンピアザという貸し店舗をつくり、さらに、つくった店舗の中にダイエーを入れるというようなことをやってきました。  そこで、この副都心公社は、当時の白石商店街連絡協議会に特別会員として入っていたかどうか、入っていたとすればどの程度の会費を納めていたか、これについて説明いただきたいと思います。 ◎小林 都市局市街地整備部長  ただいまのご質問は、当時、札幌副都心開発公社が白石商店街連絡協議会に入っていたかどうか、会費は幾らかということでございます。  副都心開発公社は、設立以来、私ども本市が進める副都心のまちづくりの一翼を担っているところでございます。現在の白石・厚別区商店街連絡協議会でございますが、その会費をまちづくり運動に充てておりまして、公社といたしましても地域貢献が必要と認識しているために会員になっているところでございます。会費につきましては、昭和63年度に加入した当初は年間60万円でございましたが、その後、平成8年度から年間36万円、平成14年1月からは年間18万円となっております。 ◆松浦忠 委員  これは、実はダイエーも入っていて多額の金を出していました。私が議員に出たころは、白石商店街連絡協議会に大型店から集まる金が400万円余りでした。ダイエーは途中で撤退して抜けました。なぜかといったら、大店法が変わりました。今はそういう商調協もありません。わかりやすく言うと、別に地元の商店街の顔色をうかがわなくても自由に出られるようになりました。そこで、ダイエーは再建というようなこともあったりして抜けたのです。  それで、今現在、白石・厚別区商店街連絡協議会特別会員一覧という資料をもらって持っていますが、15社入っておりまして、一番高いところは年会費60万円、一番安いところは6万円、そして副都心公社18万円です。私が副都心公社をいろいろ調べたら、平成14年の年に抜けたいと言ったそうであります。そうしたら、商店街連絡協議会の理事長が来て、何とか抜けないでくれ、じゃ、10万円程度にと言ったら、そう言わないで18万円くれと、36万円払っていたのだから半額にということなのでしょうね。  そこで、この商店街にはこの3月まで七つの単位商店街が入っていましたが、それが一つ抜けて4月から六つになりました。この連絡協議会の収入がどういうことかといったら、特別会員からの収入が294万円ありますが、平成25年の決算でいったらそのほかに42万円の収入があるとなっています。その収入は何かと私が尋ねたら、その収入は、この294万円の中から七つの各加盟商店街に事業振興費として6万円ずつ出して、それが銀行に入ったら、次は請求書を出して6万円の会費を払ってくれといって集めたのが42万円だと。平成25年度決算でいったら、加入している七つの商店街は1円たりとも会費を払っていないのです。そして、294万円のうち、研修会だとか、あるいはパート職員の経費が150万円だとか、そんなことでどう見ても余り商店街の振興につながるようなことになっていません。  そこで、私のところに、これではうまくないのではないかと。振興公社というのは札幌市が筆頭株主で34.5%を出資しており、社長はずっと札幌市が出してきている札幌市の運営会社だ、したがって、わけのない金を18万円出すというのは問題があるのではないか、議会で取り上げてこれはやめさせるべきでないか、こういう指摘が加盟している組合員の中から私のほうに寄せられているのですよ。  それについて、札幌市としてはどう考えるか、一つはこれを問いたい。これはいかがですか。 ◎小林 都市局市街地整備部長  特別会費を払い続けることへの認識についてでございます。  先ほどもちょっと申し上げましたが、公社としても、設立以来の使命と、それから、区商連は地域貢献をしていることもありまして現在も続けているところでございます。その会費がどう使われているかということにつきましては、公社のほうも、現在、書類を提出していただいて確認しながら払っているという状況でございます。 ◆松浦忠 委員  きっぱりと言いますよ。私は、きのう、公社の社長と話しました。これはちょっと問題があるのでないか、どうですかと言ったら、実はやめられるならやめたいのですと言うのです。つき合いがあったものだから、そして36万円のときにやめると言ったら、何とか半分でもと頼まれたから、半分にして納めている、やめろという市民の声が大きくなればそう考えなければならぬかもしれないみたいな調子で話をしているのです。私は、公社の社長は極めて健全な考え方だなと思っているのですよ。やっぱり、筆頭の大株主の札幌市として、抜けるべきだ、払うべきでないときちっと公社を指導すべきだと思います。その納めている18万円が白石・厚別区商店街連絡協議会によって本当に商店街の振興につながっているのなら、私はいいと思います。これは、そもそもは地域貢献で始まった特別会員ではないのです。大型店が来ることによって自分たちの売り上げが減る、その対策を立てるためには金も要る、したがって、被害を与えるダイエーさんよ、大型店よ、少しは俺らの手助けもしてよという金なんですよ。地域貢献の金じゃないんですよ。  今の市内の商店街で、任意の商店街であれ、法人格であれ、自分たちで商売をやってもうけて地域のために還元してあげよう、そんな元気のある商店街はあるか、ないか、振興部長、お答えください。 ◎小野 産業振興部長  市内で頑張っていらっしゃる商店街は数多くあるというふうに認識しております。 ◆松浦忠 委員  頑張って地域貢献している商店街が数多くあると認識しているのだったら、何もここで5,000万円も補助金を組む必要はないんですよ。自力でやればいいんですよ。本郷商店街というのは、かつて、長浜萬蔵さんという牧場をやっていた方が中心になり、付近の農家の人たちと語らって、よし、まちをつくろうと言って、白石ではいち早く、札幌でも早いうちに住宅造成をしたわけですよ。そして、800メートルの一本道の商店街もきちっと自分たちでつくったんですよ。補助金なんか、何ももらっていません。区画整理は一定の決まりの補助金をもらったけれどもね。今、みんな、やれなくなってきたから市に頼って補助金をと。何で、市商連の歴代の専務理事に札幌市の振興部長が行っているんですか。それは、そのつながりで補助金を引き出したいという思惑があるから受け入れている、給料も市から出してくれる、これじゃないですか。  小林部長が地域貢献というようなお話をされたけれども、よく調べてください。これは、資料も全部ありますからすぐわかります。  したがって、私は、振興公社についてはもう即刻脱会すべきだと。その18万円のお金が本当に商店街の振興という目的にきちっとつながっているなら、私はいいと思う。そうでないですから、これは。そして、きのう、私は、何か振興につながっていますかと聞いたら、社長は何と言ったか。白石・厚別区商店街連絡協議会は、1年に1回、副都心開発公社の持っているホテルで研修をやってくれる、会食はしないが、研修で部屋を使ってコーヒーを飲んでくれる、だから、我々のところも何ぼか還元があるからと、これだよ。これが地域振興かい。違うでしょう。商店街みずから自分たちがどう生き延びるかですよ。  これは、ぜひ内容を精査して、小林部長、私は次の3月議会までに抜けるという答えをもらいたいと思います。もし抜けられないと言うのだったら、本当に商店街が振興するためにそのお金を使ってこういう取り組みをやっているということをきちっと証明してほしい。それがされるなら、私は大いに結構です。少なくとも、私は、商店街の関係者から資料をいただき、実態を何年にもわたって説明を受けている、それから、私がこの仕事をさせていただいてもう30年になりましたが、白石の商店街の皆さんともおつき合いをして実態もよくわかっています。それから見ても、ほど遠いな、どう引っ張ってきても商店街の振興というところに結びつかぬ、私の目から見たらそうなっていますので、ぜひ、これは副都心開発公社と話し合っていただきたいということを強く求めて、ここのところは終わっておきます。  そこで、今度は振興部長のほうです。  今、法人格あるいは任意団体であったとしても、商店街という団体は形の上であります。しかし、商店街として全く機能していないところもある。実は、商店街が商店街振興組合という法人格を持ったのは、銀行から融資を受けたり政府機関から融資を受けるときに、法人として融資を受けて組合員に貸すための振興法であり法人だったのですよ。そうしたら、貸したところが潰れてしまい、多額の借金があって商店街振興組合を解散するにも解散できないところが市内に一つあります。それから、札幌市とは関係ない道の管轄では千歳の商店街もそういう状態です。私は、ここで決算についてはあれこれ言いません。使ってしまったから、もうしようがない。言わないけれども、来年の予算を組むに当たって、早急に、まず、任意であれ、法人であれ、市内の商店街組合というそれぞれの団体の構成員、そして、その構成員の中で本当に営業活動をやっているのが幾つ、それから、いろいろな関係があって残っている人――残っている人でこういう人もいるのですよ。商店街に出資金を返してくれと言ったら金がないから返せないと言われた、投げるわけにはいかぬから残っている、会費も取らないから残っている、こういう商店街も結構ありますよ。したがって、それをきちっとまず調べてください。  その次に調べるのは、会費を徴収しているか、していないか。団体としてやるときに、会費は取らなくても、その都度、事業をやるときにお金を持ち寄ってという方法もあります。しかし、お金は全く出さないで、会費も取らないで、補助金だけでやるとしたら、これは果たして振興になるのかな。ならないと思うんですよ。  私は、税金を投入して、商店街に頑張ってほしい、よみがえってほしいということでお金を使うことは大いに結構ですから、そのためには、きちっと実態を把握して、そして、どういう形でお金を出したら本来の目的どおり商店街が元気づいていくか、ここをちゃんとしなきゃだめだと思うのです。私は、今までこれをずっと言ってきたんですよ。はっきり言うと、今までは、注射を打ったときだけ低体温だった体温が上がって、注射液が切れたらまた体温が下がって動けなくなる、全く、注射を打てどもという状態にあるのが商店街の実態なんですよ。ぜひひとつ、早急に調査して、それに基づいて来年度の商店街振興対策費をどういう形で出していくか、これをやるべきだと思うのですが、いかがですか。 ◎小野 産業振興部長  市内の商店街を対象にした実態調査の実施についてでございますが、効果的に商店街振興を推進するという意味からは、委員がおっしゃったように市内の商店街の実態を把握する必要性は認識しております。ただ、委員もよくご承知のことと存じますけれども、商店街振興組合法に言うところの法人と、その対象とならない任意会では、我々が関与できる権限がそれぞれ異なっておりまして、調査をするにしても強制力を持ったものとはなりません。強制力と言うのはちょっとおかしいかもしれませんが、その調査は協力を求めるという範囲にとどまるものでございますので、その実態を完全に把握できるかどうかにつきましては、今、できますとはお答えできない状態でございます。
    ◆松浦忠 委員  これで、最後にします。  全てのアンケートは、回答率何%とあるでしょう。私は100%集めろなんて言っているのではないです。全部に出して、そして、それは回収率が何ぼであったか、法人組合が何%、任意団体が何%、そういう分類をすればいいのです。それでも、一定の回答があれば一定の傾向はわかるわけですよ。そういうことをぜひやっていただきたいということを申し上げます。  それから、小林部長、これは、私はどう考えても意味合いがつくれないと思いますし、この15の団体の会費は、60万円の年会費のところは旭川に本社のある家具関係の会社なんですよ。一方、12万円というのはどこかといったら、ニトリホールディングスなんですよ。あの世界のニトリが12万円で、旭川に本社のある家具会社が60万円なんですよ。これは、何を基準にしてこうやって出しているのか、振興公社も何を基準にして18万円出しているのか、こういうことなんですよ。だから、私は、どう見てもこの団体のお金の集め方の基準が何なのかわからぬ。この辺から大体変だなとなってしまうわけです。  したがって、私は、これはもう脱会すべきだということを強く求めておきます。そういうことで、この議会が終わったら早急に副都心開発公社と連絡をとり合って、よくよく商店街の活動内容などを聴取してきちっと決断を下していただきたいということを求めて、終わります。 ◆伴良隆 委員  1点目は、スポーツを活用した札幌産業活性化事業を事例にした今後のスポーツ産業、スポーツビジネスのあり方について、2点目は、商店街振興を図る上での補助事業をもとに、今後の商店街支援のあり方について、3点目は、札幌経済交流室、通称北京駐在員事務所を含めて、ASEAN、極東ロシアを視野に入れた本市としての情報収集ネットワークと企業支援などの今後の国際戦略について、順次、3点について伺ってまいりまして、最後に、局長にも総じてご答弁をいただきたいと思っております。  まず、1点目でございますが、スポーツを活用した札幌産業活性化事業を事例にした今後のスポーツ産業、スポーツビジネスのあり方についてでございます。  これにつきましては、札幌型スポーツ産業創出事業ということで、平成24年度に生まれた事業でございますが、私も、今まで一度質問させていただきました。皆さんもよくご承知のとおりでありますが、札幌型のオリジナルのスポーツを公募型で募集し、それを選定して、その中で実行する場合には補助を行うものでございます。スポーツ部でなく、経済局が取り上げたということは、私は一つ評価できる点だと思っております。  当時の質疑では、私は、スポーツビジネスという考え方の中で、選定する審査会があり、そこでスポーツの振興、札幌らしさというものを議論していくラウンドテーブルがあり、このラウンドテーブルは大きなビジネスモデルをつくっていく上で非常に重要な位置づけになっているということを申し上げました。言ってみれば、札幌のスポーツビジネスの生みの親のような存在でなければならないというふうなお話をしました。当然、ラウンドテーブルのメンバーはしかり、そういった役割が非常に重要ということで、企画であるとか、あるいは営業とか運営まで全てできるような、いわゆるスポーツコミッションと言われますが、そういったものが必要なのだということを主張したわけでございます。それは、これを経済局が担っていくことに対しての評価もありましたけれども、私は危険に思っていたと言いましょうか、生まれたばかりのスポーツ産業創出事業を実際にやっていくのは非常に難しい作業であるというふうに思っておりました。そういう中で、当時の本間産業振興部長のご答弁では、こういったラウンドテーブルというものがしっかりと機能していき、そして、札幌らしい新たなスポーツビジネスをつくっていくのだという意気込みで、また、プロスポーツとの連携ということも出ておりまして、そういう旗を上げたわけでございました。  さて、決算でございます。事業予算、執行額につきましては、平成24年度で780万円のところ執行額が516万円、平成25年度が1,370万円のところ846万円、平成26年度はまだ途中でございますが、994万円のところ719万円となっております。全ての事業が終了したわけではございませんが、3年目の決算時期に来て大方のところが見えてきておりまして、数字を申し上げたとおり執行額は決して高くはありません。  そこで、早速、質問でございます。  私の質疑から1年半たったわけでございます。これまでこの事業を行ってきて明らかになった課題と実施した結果をどう検証しているのか、まず、伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  事業の課題と実施結果の検証についてでございますが、まず、事業の課題につきましては、委員もご指摘されましたように、ビジネスモデルコンテストへの応募数が低調であったこと、すぐれた提案が少なかったことなどにより、当初予定していた件数を採択できなかったことが大きな課題というふうに考えております。スポーツ関連のビジネスにつきましては、スポーツクラブでのレッスンやプロスポーツチームによる活動はもちろん、用具やウエアの新規開発、製造、また、スポーツに役立つ食材の開発など、周辺分野を含めてさまざまな形で行われております。これらと差別化をした上で、継続性や収益性を確保できる新たなビジネスモデルの立案というものが現在の市場においてはやや難しかったものと考えられます。  次に、この3年間の実施結果の検証につきましては、現在、実施中の事業もあり、その結果を見きわめる必要がございますが、ビジネスモデルコンテストを行って優秀者に補助金を交付する方法については、見直す必要があるというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  見直すというふうにはっきりとおっしゃいました。これは、ある種の見直しですから、失敗とまでは言いませんが、やはり、当時、私が危惧していたような形になってしまったわけで、これをどう生かしていくか、これから皆さん方が大切な税金を使っていく姿勢にどうあらわれるかということが非常に重要だと思っております。  私が心配しておりました事業の継続性という部分におきましては、やはり、予算の立て方等でいろいろご意見が出ていたと聞いております。つまり、どういった予算立てをしていくかということに関しては、自主的に財源を持ち、利益を生んで継続していく、これが基本でありまして、そこに募金とか協賛金を見込まれても困ります。  そういう意味でも、スポーツビジネスは非常に難しい部分がある中で、プロスポーツとの連携ということがあります。野球では日ハムがありますし、サッカーもバスケもそれぞれありますけれども、そういったところがそれぞれの部署でスポーツビジネスをやっておりまして、たけているわけでもございます。ですから、プロスポーツとの連携は非常に重要であります。さらにまた、利用者の需要をどうやって見ていくか、こういったなかなか難しいことがありまして、当然、皆さん方もこの2年半で大変苦労されたというふうに思っております。  その中で、私が厳しく問い詰めたい部分は、ラウンドテーブルでございます。私は、このラウンドテーブル、通称スポーツコミッションという形を非常に重要視しておりました。ラウンドテーブルのメンバーを責めるわけではございませんが、ラウンドテーブルの趣旨は、当時、本間部長がおっしゃったように、ここがまさにビジネスモデルをつくっていく原点になるのだということでした。しかし、私も、当時、第1回、第2回と行われたラウンドテーブルの議事録のエッセンスをいただきましたが、内容が一般論的であり、あるいは、応募案件に対して受け身的な発言が目立ちます。つまり、ラウンドテーブルの本来の趣旨を全うできていなかったわけで、実際にここは平成25年から稼働していなかったと聞いております。私は、当時からラウンドテーブルの重要性を言ってきましたが、こういう実態がある中で、今後の見込み、考え方が非常に重要だと思っておりますけれども、皆さん方のこれからの計画づくりの姿勢の中に経済局として預かったスポーツビジネスの考え方のシビアさを感じ取らなければいけないと思います。  そこで、質問でありますが、これまでの実績を踏まえ、スポーツを活用した産業の振興について、経済局としての考え方を伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  スポーツを活用した産業の振興についての今後の考え方についてでございますが、社会環境の変化や健康志向の高まりなどにより、今後、スポーツ産業において新たな需要が生まれてくることも考えられ、これまで採択したものの中にも、規模は小さいながらも成長が期待できる事業がございました。例えば、大人のためのスポーツバイク教室では、アジア地域の富裕層などを対象としたサイクリングツアーを実施しておりますし、また、銭湯を活用したランニングステーションでは、市民の健康意識の高まりやマラソンブームに対応するなど、新たなニーズを捉えたものとなっております。  したがって、スポーツを活用した産業の振興につきましては、現状における難しさは認識しつつも、新たな需要にも対応するような支援のあり方について検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  個人的には大変きれいな答弁だと思います。ただ、この2年半のシビアさということについては、反省すべきは反省していくという姿勢のあらわれだと思いますが、先ほど確かに難しいとおっしゃって、手法の部分で公募型というのは大変難しいということでした。しかし一方で、選定された事業の中では、私も聞いたり見たりしましたが、非常に有望な事業もあり、応募されて事業を担っている方々もそれぞれ精いっぱい頑張っていらっしゃるということも実際にはあって、いい兆しも見えておりますから、あとは、経済局として、これをどのように取り込んでいくかということでございます。  今後、アジア冬季競技大会、オリンピック招致の話も出ている中で、先ほど申し上げたスポーツコミッション、民間の力をどうやって利用していくか、あるいは、協働して組み立てていくかということですが、今回、せっかく補助金の枠がございますので、ラウンドテーブル、スポーツコミッション、こういうところにまずお金を割くべきだと思います。まず、そうしたグランドデザインにお金を割いた上で、アジア冬季競技大会なりオリンピック招致に向けた動きをどうしていくか、こういうふうに戦略的にみずから企画あるいは営業、運営していくスポーツコミッションへ積極的な力を傾けることが私は必要だと思っております。経済局も、行政としてのスポーツへのかかわり方というのは非常に難しい部分があろうかと思いますけれども、申し上げたとおり、この取り組みは厳しく見られていると思いますので、今後の市の姿勢として、反省すべきは反省していただいて、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  それでは、商店街施策に移りたいと思います。  商店街振興を図る上での補助事業をもとに、今後の商店街支援のあり方についででございます。  商店街の施策、あるいは補助については、非常にいろいろな議論がございます。皆さん方も地元の商店街をたくさんご存じだと思いますが、商店街を振興する、お支えしていくために、国もそうですけれども、本市としても多岐にわたる補助事業があります。新しいものとして地域商業魅力アップ事業、商店街地域連携促進事業、それから商店街再生事業、そしてまた国の補助と、それぞれの特徴を持って市も間断なく補助を行っているところだと思います。  こうした補助メニューを見ていて、私も、それぞれのメニューは大変いいと思います。ただ、この補助メニューの中で、スタートラインに立っている商店街なり、商店街振興活性化のきっかけづくりとして活用していくにぎわいづくり事業とか、あるいは集客力アップ事業といったものがありますけれども、果たしてこういった取り組みが商店街の自立なり運営の継続性に本当につながっていっているのだろうか、こういったクエスチョンを覚えます。  そこで、1点目の質問でありますが、商店街に対する支援制度に補助期間を設けている理由は何か、また、支援が終了した後の商店街による取り組み状況は実際にどのようになっているのか、伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  1点目の商店街の支援に補助期間を設けている理由についてでございますが、商店街が活性化事業を立ち上げる際には、初期費用の負担が大きいことや、事業開始後、しばらくは積極的なPRを行ったり、事業実施のノウハウを蓄積する必要があることから、事業を軌道に乗せるまでを支援するという趣旨で一定の補助期間を設けております。  次に、2点目の支援が終了した後の商店街の取り組み状況についてでございますが、地域商業魅力アップ事業については、昨年度で補助が終了した商店街20カ所のうち、同様の取り組みを自力で実施しているところが3カ所、同様の取り組みを国の補助金等を活用して実施しているところが7カ所、取り組み内容を変更して支援を受けているところが6カ所、取り組みを中止したところが4カ所となっております。また、商店街再生事業につきましては、平成23年度の制度創設以降、空き店舗を活用したコミュニティカフェの運営や高齢者向けの朝市などの開催という3件への事業の補助が終了しておりますけれども、その3件につきましては、いずれも自力で事業を継続している状況でございます。 ◆伴良隆 委員  私は、補助そのものを全く否定するわけではございません。また、商店街にぎわいづくり事業、商店街集客力アップ事業は、まさにきっかけづくりの象徴的なものでありますが、今おっしゃったように、自力で継続しているところ、できていないところの数字がはっきりしたわけでございます。それでは、国の補助がなければどうなっていたか、あるいは、市のほかの補助を受けられなかったら商店街は果たしてどうだったのか、こういった疑問が残るわけでありまして、そういう意味で市のご見解をまた改めて聞きたいわけでございます。  そこで、質問でありますが、現在の支援制度というものは、果たして商店街の継続的な活性化事業の取り組みにつながっているものと考えているのかどうか、伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  継続的な取り組みにつながっているかというご質問でございます。  ただいまお答えいたしましたとおり、補助期間終了後においても自力で継続している商店街がある一方で、会員数の減少とか自主財源不足などの要因もあり、事業を立ち上げたものの、補助期間の終了とともに事業を中止した商店街もありますことから、全ての商店街において継続的な取り組みにつながったものとは言えないというふうに考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  やはり、各商店街の個々の事情もありますので、複合的にいたし方ないこともあろうかと思いますので、商店街を責めるわけではございません。  しかしながら、私が申し上げたいのは、商店街のメニューが各種ありまして、さあ、商店街の皆さん、こういうメニューがありますから、皆さん、お好きなものをどうぞというふうにするのか。私は、まずラウンドテーブルに座っていただいて、各地区の皆さん方はエリアがありますから、そういったところで郊外住宅地の商店街はどうあるべきか、麻生地区の商店街はどうあるべきかというふうなことをみずから考えて、みずから課題を精査しながら、そのときに、市が、何かできることはありませんかと手を差し伸べて、そういうことがあるのだったら我々はこういうメニューがございますというふうにやっていくことが今後は大事なのではないかというふうに思うわけでございます。  にぎわいづくり事業がイベント等への補助、集客力アップ事業がクーポン券つき広報誌、独自商品券の発行などへの補助と、これも大切でありますが、単発で終わって継続しなければ意味がないわけでございます。継続性、発展性が今後どうなるのかという意味では、私は、大きく評価できる事業が一つあると思います。それは、新しく立ち上げた商店街地域連携促進事業でございます。これは、市の皆さん方の工夫があって非常に評価できるものだと思います。経済局のほうから、ファシリテーターということで、難しくてよくわかりませんが、コーディネーターというか、皆さん方への仲介役というのでしょうか、そういう意味だと思いますけれども、こういったことが、私が今主張したような地域性、それから、お考えや課題というものを皆さん方から引き出し、きっかけをつくっていって、それを吸い上げてフィードバックして市として何を補助できるかということにつながるものだと思います。事例を挙げましたが、今後はこういうものを広げていくといいましょうか、ほかのメニューを見直してこういうメニューを手厚くしていく、私はこういうことが非常に重要だと思います。  商店街の支援は活性化を図ることがそもそもの目的でございますから、補助期間が終了するとともに活性化に向けた取り組みが終了してしまったら支援の効果も限定的になります。商店街の自立した取り組みを支援する仕掛けが必要でありまして、先ほど申し上げたような商店街へのファシリテーターの派遣など、新たなアイデアを創出する場や地域と一緒に取り組む関係づくりを支援する事業でございますが、このように自立した取り組みに向けた有効的な手法をより拡大していくべきだと思うわけであります。  そこで、質問でありますが、商店街が継続的に活性化事業に取り組むことができるようにするために今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、伺いたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  商店街が継続的に活性化事業に取り組むための方策についてでございますが、本市としましても、他の商店街の成功事例などの情報を積極的に提供したり、事業の計画から実施にわたって適切なアドバイスを行っていくなど、これまで以上にきめ細やかにバックアップを行ってまいります。また、今後は、商店街がみずから活性化事業を続けていけるような仕組みづくりをより一層支援していく必要があると考えており、支援制度のあり方を検討していく中では、委員のご指摘にもございましたように、商店街による活性化事業の継続という観点も十分に踏まえてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  理想は、補助を受けなくてもみずからの力で成り立っている商店街でありまして、地域性はあるでしょうけれども、非常に努力されているのだと思います。これが本当の理想の姿だと思います。札幌市が補助をするからには、継続性という観点から、申請から審査に至るところでどういうふうにチェックしていくか、アドバイスをしていくか、ここら辺のフローもしっかりと精査していただきたい。  それから、補助を受けてから3年なり5年後、途中でも結構ですが、経済局が担当部署としてきちんとその商店街を調査していただく、そして、実際に何がお困りなのか、きめ細かく把握していく、そして、3年とか5年が終わって果たして自力で継続しているのか、ちょっと言葉は悪いですけれども、国あるいは市の補助で綱渡りをしているだけなのではないだろうかとか、そういったことも含めて、やはり手厚くしっかりと調査・検証を行っていただきたいと思います。そして、申し上げたとおり、今後は地域特性とか意向に合った総合的な支援が必要であると思います。みずから考え、みずから行動するという自助という精神がありますが、今後、札幌市経済局がつくる補助メニューの中で、積極性とか自立性といったことも込めてこれからもしっかりとした補助事業を行っていただきたいなというふうに思います。  それでは、最後の質問に移りたいと思います。  最後の質問は、札幌経済交流室、通称、北京事務所を含めて、ASEAN、極東ロシアといった経済発展が著しい地域を視野に入れた本市としての情報収集ネットワークと企業支援などの今後の国際戦略について伺ってまいりたいと思います。  北京事務所は、開設が2003年、平成15年11月でございます。事業費は、一般財団法人日中経済協会に年間3,380万円を負担金として支出しており、7割が事務所の運営費、3割が活動費で、運営費に関しては現地スタッフの人件費を含んでおります。  中国の経済もいろいろと成熟している中で、大切な市の職員が派遣されております。当初、課長職でありましたけれども、中盤は部長職にかわって、そして、今回、課長職に戻りました。実際にPM2.5のこともございますが、健康面での心配もあって非常にご苦労もあると思います。  そういう中で、私は、今回、経済という視点で、拠点とはどういうものが必要なのかといったことについて、順次、質問してまいりたいと思います。  北京事務所、札幌経済交流室に関しては、中国の経済成長といったこと、あるいは当時の観光客の誘致が10年前の開設のきっかけになっております。そういう中で、中国の経済を見定めながら、あるいは観光客の増加を見定めながら、今後どうしていくのかといったことには市民も大変興味があろうかと思います。市議会の議事録を読み返しますと、もう大分前になりますが、直近ではたしか平成19年に議論されて以来、北京事務所の件は議論されておりませんので、10年たった今、果たしてどうなっているのかということで私から質問してまいりたいと思います。  まず、1点目の質問は、北京事務所が設立されて約10年が経過したところでありますが、これまでの活動への評価もあり、課題もあると思いますけれども、その総括について伺いたいと思います。 ◎山田 国際経済戦略室長  北京事務所のこれまでの総括についてでございますが、平成15年に開設以来、10年余りにわたりまして、札幌市内企業の中国への進出、輸出拡大といったビジネス支援、さらには、札幌への中国人観光客の誘致支援に取り組んできたところでございます。例えば、中国からの資材等の調達とか委託製造、ソフトウエアの開発委託といったいわゆるITオフショアビジネスの展開などといったことを支援するために瀋陽、大連における日中企業間のビジネスマッチングを開催したほか、瀋陽市政府との連携のもと、日中企業間のかけ橋となる中国人IT技術者を札幌市内企業で受け入れる仕組みづくりを行ったところでございます。また、近年は、経済成長に伴う所得水準が向上していることとか、訪日中国人観光客に対するビザの交付要件が緩和されたことから、札幌市が重点を置いている食品の輸出拡大やインバウンド推進を図るため、中国国内におきまして道産食品の商談会を開催するほか、旅行展示会での観光客誘致活動をしてきたところでございます。中でも、東日本大震災後には、これに伴う風評被害を払拭するために、現地旅行代理店を北海道に招聘するなどの取り組みを精力的に展開してきたところでございます。  札幌市といたしましては、10年間にわたるこれらの取り組みとか、並行して蓄積した人的ネットワークを通じた情報提供などによりまして、市内企業の中国展開、輸出拡大の意欲の喚起に一定の貢献を果たすとともに、中国からの観光客の増加や震災後の観光客の落ち込みの回復に少なからず寄与してきたものと自己評価しております。  一方、中国ビジネスの支援における課題といたしましては、短期的かつ即効的な成果の創出は必ずしも容易ではないこともわかってきました。それとともに、昨今の外交関係の影響もありまして、市内企業の中国展開の動きもやや落ちついてきたというふうに感じているところでございます。こうしたことから、今後も引き続き、現地パートナーなどとの情報交換を密にして、人的ネットワークのさらなる強化、ビジネス支援に取り組む必要があると考えております。 ◆伴良隆 委員  北京事務所には中国に関する日本企業のビジネス支援、中国人観光客の誘致、国際交流という3本柱があって、経済成長が著しい中国への目と、そして観光客の誘致というきっかけで10年前に始まった中で、3.11も含めて、中国事務所の皆さん方のご苦労もあったかと思いますが、今ご答弁がありましたとおり、私も一定の成果があったと評価できると思います。中国は大きいですけれども、全体としては中国の経済は成長が著しく、また円熟してきたところでもございまして、企業の進出も落ちついてきたというご答弁もありました。  10年間でこういう状況が見えてきましたが、そこで、皆さん方のバイブルである札幌市がつくった札幌市産業振興ビジョンでありますけれども、ここにグローバル化への対応と販路拡大の推進ということで、「地理的に北海道と近接しているアジア諸国やロシアの存在感が増しています。(中略)したがって、今後は中国をはじめとしたアジア諸国やロシアを重要な海外の拠点として、企業の販路拡大を促進するなど、グローバルな視点を持った海外戦略を構築することが求められます」とございまして、これが平成23年であります。そして、国際情勢も著しく変化していく中で、国際経済戦略室が新たに設置され、また、新しく2014年3月につくられたばかりの札幌市国際戦略プランでも、当時、私は総務委員でかかわらせていただきましたが、まさに、戦略展開の基本的考え方ということで情報収集・調査分析の充実とあり、「国際戦略の展開において、札幌の国際競争力を計るデータや、海外についての情報収集・調査分析を充実するとともに、海外マーケティングを強化し、戦略的な事業の企画と実施を進めます」となっていて、その後にターゲット地域の明確化とあります。  国際戦略プランというのは、今までの国際交流という観点から、互恵的関係、それぞれの利益をどうやってウイン・ウインで結びつけていって札幌がその利益を受けるか、こういう戦略に立ったプランで、私は個人的に非常に評価していますが、その中で、まず第1番目に、経済活動の市場として、東南アジア、東アジアと出ていて、「観光や経済などの分野においては、成長著しいアジア地域の活力を取り込んでいくことが不可欠です。(中略)新たな市場との関係構築が必要です」とあります。そして、2番目に、地理的特性を生かした交流、連携ということで寒冷地、中国、ロシア、モンゴルとあって、「札幌の地理的特性を生かした経済連携や環境問題への対応など、北方圏との協力関係の将来性が期待されています」と、このようにございます。これからの経済成長には、10年前に中国を見詰めたように、これから著しい成長が見受けられるASEAN、極東ロシアの経済状況がかかわってきます。また一方では、安定成長に結びついていった中国の経済もありますし、こういう中でどうやってバランスを図っていくか、あるいは、情報ネットワークをどうやって築いていくかということが今後は非常に重要なのであります。  そこで、質問でありますが、札幌市として経済成長が今後見込まれるASEANを中心とした極東ロシアを含めた国々の重要性についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。  また、中国以外の地域での情報収集や企業支援の方向性についても、あわせて伺います。 ◎山田 国際経済戦略室長  まず、1点目の経済成長が見込まれるASEAN、極東ロシアを含めて、こういった国々の重要性についてでございます。  今後も人口減少、超高齢化社会の進行に伴う国内経済規模の縮小が見込まれますことから、中国を含め、成長が著しいアジア地域などの活力を積極的に取り込んでいくことが必要と考えております。特に、ASEAN各国では、今後、年間所得が5,000ドルを超える中間所得層の拡大が見込まれるとともに、地域内での物、人、投資などの自由な移動を目的とするASEAN共同体の形成に向けて取り組んでいるところでございまして、市場としての魅力や重要性が高まっていると認識しております。  2点目の中国以外の地域での情報収集とか企業支援の方向性についてでございますが、札幌市では、北京事務所以外にも、国や金融機関への派遣を通じて職員がほかのアジア地域に駐在しているほか、北海道や金融機関などの関係機関も極東ロシアも含めたアジア各地に拠点を有しております。こうした人材や団体とのネットワークを最大限活用しながら、引き続き情報収集などに取り組んでまいりたいと考えております。  また、企業支援についてでございますが、これらの拠点に加えまして、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区、通称フード特区と言っておりますけれども、この推進機関がタイやシンガポールに配置するコーディネーター、アドバイザーなども活用しながら、現地の事情に応じたきめの細かいサポートによりまして海外展開を促進してまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  情報のネットワークづくりということでございました。北京事務所も、10年たってそれぞれ実績もあり、ノウハウも蓄積されて、そして、事業概要の結果を見ておりますと、前年度にやったことの繰り返しもできているという状況でもございます。日中経済協会の事務局の組織図を見せていただきますと、国のOB、また出向されている方、また、民間からの出向の方、プロパーの方もそれぞれいらっしゃいます。国のOBは経産省のOBがメーンになっていて、JETROもございますし、それから、北海道の経済交流室も上海にあります。それから、銀行関係では北洋銀行あるいは道銀、札幌市は、北京事務所の札幌経済交流室長として課長が、総務局では北洋銀行に派遣された方が上海の駐在員として係長職として頑張っていらっしゃいます。  何を申したいかといいますと、当然、成長が著しいいろんなところに派遣できるのなら、これにこしたことはありません。しかし、限られた人材の中では、行くのもなかなか難しい。そういう中では、人、あるいはネットワーク、ノウハウをどうやって活用していくかということでございます。私は、国のOBもこれだけいらっしゃるし、札幌市は中国事務所での実績によってノウハウの蓄積もあるのですから、電話1本とまでは言いませんけれども、他の国とのバランスをとりながら、それぞれの人的ネットワークをうまく活用していくことも考えていかなければならないのではないかと思います。そういう意味で、世界各国の企業ニーズや札幌市としての互恵関係などを踏まえ、国や民間といった外部も含めて、人や拠点のネットワークをより有効的、積極的に活用していくことが大変重要であると考えるところであります。  そこで、質問でありますが、外部の組織やネットワークを一層活用し、今後経済成長が見込まれるASEANを中心として、極東ロシアも含めた国々に関して、企業ニーズとのバランスを図りながら、国際戦略プランで示したとおり、戦略的な情報収集を行い、北京事務所も含めて企業支援を進めることが必要であると考えますけれども、札幌市のご見解を伺います。 ◎山田 国際経済戦略室長  戦略的な情報収集、企業支援の必要性についてでございますが、現在、企業の海外展開のニーズにつきましては、随時、市内企業へのヒアリングを実施しているところでございます。そういう中で伺ったニーズも踏まえつつ、札幌市内企業が有する商品あるいはサービスについて、海外展開の可能性を再度分析しながら、国、地域別の戦略的な情報収集、企業支援施策の構築に向けた検討を進めているところでございます。また、その検討に当たりましては、外部のネットワークも活用しながら、各国や各地域の人口推移、市場の有望性や発展性などといった経済情勢、それから、札幌、北海道への現地の期待度、市内企業のニーズ、企業支援の手法など、委員がご指摘のとおり、さまざまな観点を踏まえて総合的に勘案していくことが必要だと思っております。 ◆伴良隆 委員  ベトナム、シンガポール、インドネシア、東南アジアにはいろいろなところがありまして、極東ロシア、姉妹都市もありますけれども、こういったところは経済成長が著しいと認識しているのであれば、戦略的にということは攻めでございますから、内需をどうやって外から持ってくるのかという勝負であります。ですから、いち早く行かなければ、後から行ってもしようがないわけであります。中国事務所のときは、まさにいち早く人を派遣して、札幌らしさというもの、札幌の経済交流地でありますけれども、そういったものを設置したと。同じように、ほかの地域でどうあるべきかということは、人も限られているので、優先順位、プライオリティーをつけていく、そして、人的ネットワークをうまく活用していく、国を活用していく、そして、民間の方々とネットワークを結んで活用していく、こういう戦略的なことが、私は、これから国のバランス、皆さん方の拠点づくりとして必要だと思っております。  私は、今まで三つの質問を長々としてまいりましたけれども、経済局としての各種の補助がありまして、スポーツビジネス、それから商店街施策としての補助、そして、こういった戦略的な中での拠点づくりのあり方の中で、私は、最後に荒井経済局長に全体的に伺います。  経済局は、税金を有効的に使うという意味では、特に経済でございますので、いかにお金を生んでいくかという視点が大変重要な部局であると思います。今まで質疑してきましたように、各種事業をきちんと総括することは当然でありまして、そこからの分析、解析をもとに、経済施策に基づいた各種事業を柔軟に見直して、経済局だけに、経済的な自立性、継続性という観点から各種経済事業について、時勢に合わせて、戦略的に、順次、変化や転換を図っていくスピーディーさが必要であると考えますが、最後に、荒井経済局長にそのご認識について伺いたいと思います。 ◎荒井 経済局長  きょうは、3点のご質問をいただき、私もお話を聞いていて、経済局の役割というのは非常に難しいなということを痛感しております。その一つは、やはり補助金という制度であります。お金を渡して、自立あるいは継続的な事業に取り組むことをご支援する目的で交付しておりますが、実際にそれが本当に有効的なのかどうかといったことについては、先ほどからもお話がありましたように、検証する中で課題もあることが見えてきました。  私がここで思うのは、補助金という手法自体を否定するつもりはございませんけれども、我々が考えている経済の活性化に向けて、地域の活性化に向けてという大きな目的のために、どういう手段をどういうふうに組み立てていったらいいのかといったことであります。それには、本当に時代の変化がありますし、それから、札幌市が置かれている国際情勢なども変わってきておりまして、その中で、どういう手法がいいのかということをしっかり考える必要があるだろう、そして、その利害に関係する方はもちろん、それ以外にも、関心を持っている方々のご意見なども伺いながら、どういう施策が適当なのかといったことを常に考えていく必要があるということを今のお話の中で認識したところであります。  そして、海外展開においても、今は非常に目まぐるしく変わっております。毎日の新聞報道でもあるように本当にいろいろなことが起きております。それに対して的確に反応していくことはすごく大事でありますので、そのための情報収集には、到底、札幌市職員だけでは限りがあります。そこで、我々としても、本当に専門的にやられている国の機関の方、あるいは民間の方々のお話もお聞きしながら、年度ごとの施策展開となりますが、そういったことを生かして的確に施策を打っていくことが求められているというふうに思いました。そうしたことを通じて、限られた大切な財源でありますが、札幌市全体の経済の活性化に向けて有効に使っていくという決意を申し上げて、ご答弁とさせていただきたいと思います。 ○芦原進 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時44分       再 開 午後4時5分     ―――――――――――――― ○よこやま峰子 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆谷沢俊一 委員  私から、食関連産業の振興と地域イノベーション戦略推進事業についてお伺いいたします。  国においては、本年7月に閣議決定いたしました日本再生戦略において、日本再生のための具体策として、デフレ脱却、グローバル化とともに、地域化という取り組み方向を掲げ、この9月には、まち・ひと・しごと創生本部、いわゆる地方創生本部を設置し、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的でかつ持続的な社会を創生することを目指す、このようにしております。  これらの背景としては、言うまでもなく、人口急減、超高齢化、あるいは首都圏への一極集中などの社会構造上の課題がありまして、これからの経済社会を支えていく生産年齢人口の減少に対応し、国、地方の活力を維持していくためには、各地域においてそれぞれの資源を有効に活用しつつ、付加価値の高い製品やサービスを生産し、これまで以上に労働生産性を高めていく取り組みが極めて重要になっていると考えられます。  特に、北海道、あるいは札幌市の魅力を生かした食関連産業の振興は、我が国の食料自給率の引き上げといった国家戦略、また社会的な要請もあって、本市においても産業振興ビジョンの中で重点分野の一つとしております。平成23年には、いわゆるフード特区の指定を受け、その取り組みが強化されているところでございます。その結果、食関連の事業数が相当ふえてきていると言えると思います。今年度の局別施策の概要をざっと見ても、フードイノベーション創造支援事業費、あるいは、今のフード特区、地域イノベーション戦略推進事業費、6次産業活性化推進補助事業、さっぽろスイーツ推進事業、アジア圏経済交流促進事業、輸出仕様食品製造支援事業等々、まさに食品に関する事業が非常にふえてきて、当然、予算額も増加しており、北海道全体を見ても、食にかける期待というのは非常に大きく、各自治体もさまざまな取り組みをしております。しかし、これらの事業が実際にどの程度の効果を生み出しているのか、ある意味では客観的なデータによって検証していくことも重要だろうと考えています。  そこで、質問いたしますけれども、これまで、食分野の振興としてどのぐらいの予算を計上し、どのぐらいの成果が上がっていると考えているのか、過去の推移も含めてお伺いしたいと思います。 ◎小野 産業振興部長  食関連分野の予算と事業の効果についてでございますが、食関連分野の振興のための予算は、平成26年度は約2億4,000万円と、産業振興ビジョン策定前に編成いたしました22年度予算に比べて1億円程度増加しており、重点的に振興を図っているところでございます。市内食品製造業の出荷額は、平成22年度の2,052億円から24年度は2,109億円と約57億円、同じく、粗付加価値額は782億円から897億円と約115億円増加しており、また、健康食品製造などのバイオ関連産業の売上高も270億円から325億円とおよそ55億円増加するなど、本市の施策が一定の寄与をしているものと考えているところでございます。 ◆谷沢俊一 委員  本市は、平成22年度と今年度を比較すると、予算計上額は1億円程度ふえているけれども、食品製造業出荷額、あるいは粗利、バイオ関連産業の売上高等々を見ると経済投資効果が相当出ていることがわかりました。札幌市においても、平成37年には生産年齢人口が大体10万人ぐらい減って113万人前後になるということでありますが、今後も、北海道の中心都市、道都としての役割を担い続け、また、市民の暮らしを生き生きとしたものにしていくためにも、北海道、札幌の特色を生かした産業振興の中でのイノベーションを数多く生み出していく取り組みが求められていくだろうというふうに思います。  今後、北海道、札幌の強みである食分野をさらに発展させていくためには、単に食べるという側面のみならず、健康あるいは医療に結びつけることで生まれる付加価値をこれまで以上に高めていくという視点を持って取り組んでいくことが大切だろうと思います。そういう意味で、平成24年度から、地域イノベーション戦略推進事業を実施しております。この事業では、北海道などと協力しながら、北海道大学を中心としてすぐれた研究者を集めて、食と健康あるいは医療に関する最先端の研究を行っています。  そこで、質問いたしますが、まず、この事業は何を目的として、どのような取り組みが行われているのか、お伺いいたします。 ◎小野 産業振興部長  地域イノベーション戦略推進事業の目的と取り組みについてでございますが、まず、この事業の目的は、食と健康や医療に関する研究を進め、その成果を実用化につなげるための拠点を形成することで、研究者や関連企業の集積、経済の活性化、さらには、健康寿命の延伸とか医療費の削減に寄与することであります。  次に、取り組みの内容といたしましては、例えば、食品がどのような仕組みで健康機能を発揮するのかについて、腸の中を調べることで評価したり、細胞レベルでの働きを調べたりする研究などが行われております。そのほか、感染症のワクチンや運動と健康に関するものなど、合計19テーマの研究が進められているところでございます。 ◆谷沢俊一 委員  北大の施設については、我々も以前に党として視察をしてきましたが、今日、それが地域イノベーション戦略推進事業という形で発展的に取り組まれております。将来的には、研究者や関連する企業がさらに集積することによる経済の活性化とともに、研究成果の活用による健康寿命の延伸や医療費の削減に寄与することを目的として、今、19テーマの研究が進められているということでございました。  今後の成果が期待されるすばらしい取り組みであると期待しておりますが、それぞれの研究テーマでは、北海道産の素材を活用して研究が進められていると聞いております。また、研究成果のうちの幾つかは既に実用化されているともお伺いしております。  そこで、研究の対象になっている素材についてはどのようなものがあるのか、また、実用化された研究成果にはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。 ◎小野 産業振興部長  研究の対象となっている素材と実用化された研究成果についてでございますが、まず、研究の対象となっている素材は、例えばマイタケやカボチャ、ウニ、チョウザメなど、いずれも北海道産の素材の機能性に関する研究のほか、それらの効率的な生産方法なども含めて研究が進められているところでございます。  次に、実用化された研究成果としましては、例えば、タモギダケというキノコに含まれるセラミドと言う成分を使った健康食品とか、それから、機能性成分を多く含むタマネギを活用した健康飲料などの商品化が予定されております。また、研究成果を活用して、民間企業において食品の健康機能の分析、評価を受託する事業も始まっているほか、食の臨床試験を行うことで地域住民の健康管理にも寄与する仕組みが構築されつつあるなど、新たな商品やサービスが生まれ始めているところでございます。 ◆谷沢俊一 委員  一部、商品化の予定もあるということで、素材も北海道らしいというか、北海道の特産物も入っておりまして、それが商品化されることになりますと、北海道特産ということで付加価値もついてくるのだろうと思います。これは、まだ始まってそんなに期間がたっておりませんけれども、やはり、粘り強い取り組みを続けていくことが大事ですし、一つ一つの個別の成果を単に積み上げるだけではなく、事業全体の成果として相乗効果を発揮することで、さらに大きな発展に結びつけることも大切だというふうに思っております。  そこで、これまでの取り組みの結果、事業全体の成果としてどのようなことが上げられているのか、また、そうした成果を踏まえて、札幌市として今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、お伺いいたします。 ◎小野 産業振興部長  1点目の事業全体の成果についてでございますが、健康機能性を持つ素材を探す段階、その機能性を科学的に評価する段階、最後に臨床試験を行う段階といったそれぞれの段階での研究を一連の流れで動かせるようになってまいりました。そのような仕組みができつつあることで国内外からも注目されておりまして、フランスを初めとする海外の団体とも連携が進んでいるところでございます。  2点目の札幌市としての今後の取り組みについてでございますが、食に関する研究開発の拠点という機能を高めていくために、他の機関と連携して支援を続けていくことに加え、札幌市独自の施策として、補助制度の活用や事業化後の販路拡大などの支援を行いながら関連産業の活性化に寄与してまいりたいと考えているところでございます。 ◆谷沢俊一 委員  これからさらに拡大・発展させていくために、素材の探索から新しい商品、サービスが生まれるまで一貫した研究開発がなされているということでした。伺いますと、江別モデルというのがあって、臨床機構というのですか、江別の市民に服用していただいて食の効果を検証している段階だと。一部、札幌市民も協力されていると聞いておりますが、このように、食べ物というのか、健康食品みたいなものの効果が出てくるということが市民にもだんだん定着していくことから、医療分野でも大変期待されています。そしてまた、これがプロジェクトの狙いでもありますけれども、多くの海外の方にも販売するとともに、例えばクラスター事業として拡大していくとか、また、健康のために札幌に滞在していただくメディカルツーリズムのようなことも最終的には考えているようですね。そういうふうにさまざまな可能性が広がる事業だけに、ぜひ、これからも関係機関・事業者を巻き込んで施策の拡充を進めていただきたい、こう要望して、終わりたいと思います。 ◆佐々木みつこ 委員  私からは、札幌市の経済支援施策として、企業誘致活動施策と海外輸出拡大支援策について、2点質問いたします。  まず、企業誘致活動について質問いたします。
     全国的に少子高齢化及び急激な人口減少の課題に直面する中、札幌においても、国立社会保障・人口問題研究所の予測では、来年をピークに人口減少に転じる見込みであり、人口減少社会がすぐそこまで迫っており、その対策は喫緊の課題です。ところが、札幌では、低迷する景気動向から、依然として20代から30代の生産人口の道外転出超過が毎年3,000人から4,000人と大きく、仕事先を本州などに求める傾向が顕著になってきています。また、そのことと相関して、実質市内総生産も減少し、経済規模の縮小という悪循環が危惧されます。  こうした若い世代を引きとめられる、地域における魅力ある多様な就業の機会の提供が重要な鍵となります。全国の多くの自治体では、人口減少防止、そして増加策の一助として企業誘致にしのぎを削っていることは、私ども会派が何度も指摘しているところでございますが、札幌市の企業誘致も、東京事務所と連携しながら首都圏を中心に誘致活動をしていると伺っています。  そこで、質問ですが、まずは、平成25年度の企業誘致の実績として誘致企業数や雇用数を伺います。  また、そのうち、首都圏からの進出企業数はどのくらいの割合になっているのか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  企業誘致の実績についてでございますが、平成25年度は、新設が14件、増設が7件、合計21件の立地がありました。業種別の内訳は、コールセンター、バックオフィスが新設3件、増設1件の合計4件、IT、コンテンツが全て新設で8件、ものづくり関連企業が新設3件、増設6件の合計9件でございました。これに伴い、356人の雇用が創出されております。また、首都圏からの進出は、新設14件のうち11件であり、8割近くを占めているところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  企業誘致の主な実績は首都圏であることがわかりました。しかし、首都圏以外にも、例えば2番目に大きい経済圏の関西圏や、製造業で全国1位の製造品出荷額である中京圏といった地域からの企業進出の可能性はもっと考えられると思います。北海道庁においては、大阪や名古屋にも事務所を開設して幅広く誘致活動を展開していると伺っていますが、本市も、首都圏に加えて、関西圏、中京圏の誘致活動をもっと強力に進めていくべきではないでしょうか。  そこで、質問ですが、関西圏や首都圏以外の地域に対する誘致活動についてどのように考えているのか、また、具体的に取り組んでいることがあるのか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  首都圏以外の地域に対する誘致活動についてでございますが、札幌圏設備投資促進補助の対象として、本年7月に北広島市に立地を表明した中北薬品株式会社は、自然災害リスクの分散を念頭に置いて名古屋市から進出するものでございます。こうした事例からも、首都圏以外に誘致の対象を広げていく必要があるものと認識しているところでございます。  また、誘致活動の具体的な取り組みについてでございますが、今年度は、名古屋を中心とした東海地方の製造業2,000社にダイレクトメールを送付したほか、11月に開催される国内最大級の展示会であるメッセナゴヤに、北海道や近隣自治体、道内企業と合同で企業誘致のブースを出展する予定でございます。 ◆佐々木みつこ 委員  努力されていることはうかがえましたが、例えば、先週のテレビで北海道庁の企業誘致の取り組みが報道されていました。たまたま私も見たのですが、企業誘致のバスツアーとして、福岡から誘致して小清水町に進出した煎餅工場の視察には全国から9メーカーが参加していました。道庁の誘致担当者によりますと、そのテレビの中でインタビューに答えていましたが、土地・建物のあっせんや原料調達サポートも北海道庁としてやっているということでした。札幌市も今の体制で工夫しながらDMなどで誘致活動を模索していることはわかりましたが、本腰を入れてやるのであれば、関西や中京などにもっと誘致拠点を設け、各地の人脈を広げ、数値責任を持って活動を展開することが必要ではないかと考えます。しかし、今のところ、まだまだ本気の取り組みをしているとは言えないため、もっと危機感を持って取り組む時期ではないかということを指摘しておきます。  ところで、営業で獲得したのかどうかわかりませんが、札幌への立地を獲得できた企業がある一方で、立地に至らなかった企業もあると思います。立地に至ったよい情報ばかりではなく、立地に至らなかった要因分析、情報収集こそ、今後の誘致活動をより効果的に進める上で大切なことであると考えます。  そこで、質問ですが、最近の誘致活動の中で札幌立地を見送った企業がどのくらいあったのか、その理由にはどのようなものがあり、その理由を今後の誘致活動にどのように生かしていくつもりか、伺います。 ◎小野 産業振興部長  札幌を選ばなかった、立地を見送った企業の数とその理由についてでございます。  誘致活動においては、企業訪問や展示会等を通じ、数多くの企業と接触しておりますけれども、具体的な折衝に至る事例はごく一部でございます。その中で、折衝に至りながらも最終的に札幌が選ばれなかった事例は、平成25年度に把握できたところでは10件程度でございます。また、企業はさまざまな要素を総合的に勘案して投資を判断するものであり、札幌を選ばなかった理由を一概には言えませんけれども、企業からの聞き取りでは、例えば、希望する条件を満たすビルにあきがなかったことや、ほかの地域のほうが初期コストが低かったことなどを理由に挙げている事例がございました。  次に、今後の誘致活動への生かし方についてでございますが、札幌市が対応できるものについてはしっかりと対応し、応えてまいりたいというふうに考えております。また、先ほど申し上げた事例については直ちに解決できるものではありませんけれども、誘致対象企業のニーズをしっかり把握し、不動産事業者を初めとする民間企業の方々の力もおかりすることにより、可能な限りそのニーズに応えられるよう努めてまいりたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、基本的には自然災害リスクの低さや人材の質の高さといった札幌の強みを訴えることで、例えば、BCP対応を進めたり、優秀な人材を求めるような札幌に長く根づいていただける企業に対して、これまで同様、積極的に誘致活動を展開してまいりたいというふうに考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  成功事例のほうを申し上げますが、このたび、製造業の誘致例として、医療器具を海外に輸出している埼玉県の株式会社ユニシスが、札幌圏設備投資促進補助金の対象として、昨年7月、北広島市への立地を表明しました。新聞記事によりますと、進出に至ったきっかけとしては、震災の際の供給リスクを懸念する海外の顧客からBCP対応、事業継続対応を求められたものであり、本市の営業結果というよりは、海外の顧客からの後押しがあったという状況でございます。また、決断した要因には、製造物は注射針ですが、海外への輸出物であり、かつ、小型軽量の注射針という性質上、輸送面でのハンディも少なく、製造上のリスク分散という意味では優位であったということを伺っております。  先般のアクサ生命の事例もそうですが、本社機能、情報機能の災害リスク分散、リスクヘッジの視点、そして、たくさんの上質な雇用の獲得と比較的安価な用地獲得の利点は、これからも札幌圏への企業誘致の有力な強みであると考えます。本市への企業誘致、営業展開を成功させるには、ユニシスやアクサのような災害リスク回避が絶対重要であるマターをどこの企業が持っているのかを見つけて、ピンポイント的にどしどし営業攻勢をかけることが必要であり、そのため、本市には、複数拠点を持つことも含めて、ネットワーキング力及び情報収集力の強化が必要であり、そのことが効果的な誘致活動のキー・ファクター・フォー・サクセス、KFSになると考えます。  また、今、実際に立地に至らない企業の分析も伺いましたが、重要だと考えます。他都市に移転や立地した企業は、コストとか場所といった問題があるというお話がありましたが、税法とか輸送や交通などさまざまな問題もあると考えます。どうして札幌に来なかったのかを分析して、支援制度なども随時見直す柔軟な対応も必要だと考えます。そういった意味からも、全庁的に感度を磨き、事務所拠点の増加も含めて、人口、税収、雇用増と本市に元気と活力をもたらす企業誘致を検討していただきたいことを求めて、この質問は終わります。  次の質問ですが、地元企業の海外輸出支援について質問します。  東アジア及び東南アジア地域は、昨今の経済成長が著しく、生活水準が向上しています。ひところは考えられなかったことですが、最近、札幌のまちの中にも中国、台湾、タイ、香港、シンガポールの方々がたくさん見られるようになり、その方々の大半が、「白い恋人」と書かれ、「白い恋人」が何個も入った大きな紙袋を両手に下げて歩いています。先日のニュースでも報道されていましたが、北海道、札幌の食は、日本全国の中でも人気が高いのみならず、最近はアジアでの物産展でも大変にぎわっており、中でもスイーツに関する人気が急上昇していると聞いています。アジア圏では、伝統的に甘いお菓子、スイーツなどを日常的に食する習慣がありますが、現地生産のお菓子とは品質も味も全く異なる日本製のスイーツは、アジア地域のライフスタイルの変化に伴い、需要が高まっているということが言えます。  これもまた、先日見たテレビですが、日本のスイーツのアジアへのお土産人気が特集になっていました。空港でアジアの方々のスーツケースをあけると、いっぱいになった日本のお菓子があり、箱買いで大量に買いつけるアジアからの観光客の姿を見て感動しましたが、私自身もアジアの友人にお土産を持っていくときには、今は「札幌農学校」や「ジャガポックル」などのお菓子をたくさん持っていくようになっています。  一方、さっぽろスイーツは、9年目となる推進協議会の活動もあり、国内での認知度も徐々に高まってきていますが、次のステージとしては、先ほどの「白い恋人」の例にあるように、海外にさっぽろスイーツの認知度と評価を高めていくことにあるのではないでしょうか。そのことが、スイーツの本場の札幌に行ってみたいというインバウンド誘致を進める上でも非常に有効であると考えます。  経済局では、アジア圏等経済交流促進事業として昨年度は2,600万円余りの決算が計上されていますが、お聞きしますと、市内企業の海外物産展や商談会支援に取り組まれているとのことでした。  そこで、質問ですが、当事業における物産展や展示商談会の昨年度の具体的内容、実績がどのようなものであったのか、中でも、特にスイーツ関係について企業の参加数と実績について、あわせて伺います。  さらには、スイーツの海外展開に関してどのような可能性があるのか、伺います。 ◎山田 国際経済戦略室長  まず、1点目のアジア圏との経済交流促進事業の昨年度におけます具体的内容と実績についてでございますが、消費者に直接物販を行う物産展の開催支援におきましては、香港、上海、台湾、バンコクの4地域のデパートや高級スーパーで、延べ132社が出展し、約4,200万円の取引となったところでございます。特に、スイーツ関係につきましては、延べ41社が出展し、1,900万円程度の取引となっており、全体の約4割を占めているところでございます。また、輸出に関する商談の機会を創出するため、香港とバンコクの2地域で合計3回、展示商談会などへの出展支援を行い、延べ29社が参加しており、このうちスイーツ関係は7社が参加いたしました。  2点目のスイーツの海外展開の可能性についてでございますが、委員のお話にございましたとおり、日本のスイーツは、特にアジアにおいて安全で安心な素材が使われているという評価を受けているだけではなく、品質も高いといった評価も受けております。高価格で販売される付加価値の高い商材であると認識しております。ことし8月に開催されました食の見本市である香港フードエキスポでは、出展したスイーツ企業の商品が完売するほどの人気を博しておりまして、札幌や北海道のブランド力を活用することでさらに需要を伸ばすことができる有望な領域であると考えているところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  物産展で40%を占める売り上げ成果があった、また、高付加価値による潜在力を評価しているということでした。食品の輸出は、このような単発の物産展やPR、直販だけではなく、次の段階では、継続的に店頭に並ぶ日常的な需要喚起と輸出手続をして、それぞれの地域に応じた規制をクリアし、好みに合わせる改良などが必要であろうと考えます。  そうした中で、昨年度から新規事業として取り組まれた輸出仕様食品製造支援事業について伺います。  この事業では、採択案件は昨年、ことしと9件ずつであり、お菓子関係はそのうち2件ずつという状況です。補助金の上限は、経費の2分の1で、経費には製造費用のほか、手続やマーケティング費用、交通費なども含めており、100万円が上限とのことです。どこの国の人であっても、初めて見る、必要不可欠でもない、安くもないほかの国の食べ物を買って食べることは勇気が必要です。そのハードルをクリアするためにはスイーツの事業展開にもイメージ戦略やメディアPRなどが必要になると考えますが、そのような取り組みに100万円の上限ではいささか不足ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、輸出仕様食品製造支援事業に関して補助金額が適切であると考えているか、伺います。  また、海外でのPRやさらなる事業展開について企業を支援することができるのか、できるとしたらどのような支援があるのか、あわせて伺います。 ◎山田 国際経済戦略室長  まず、1点目の輸出仕様食品製造支援事業の補助額についてでございますが、この事業は、輸出拡大の意思がありながらも、海外市場向けの商品開発まではなかなか踏み切れていないといった中小企業を後押しし、輸出促進のきっかけをつくることを目的としております。この補助事業の制度設計時に行いました商品開発における企業ニーズに関するヒアリングとか、補助対象企業のこれまでの実際の取り組み状況などを考慮いたしますと、現行の補助額は適切な額なのではないのかなと感じているところでございます。  2点目の海外展開におけるさらなる支援についてでございますが、例えば海外での展示商談会への出展や、今年度から実施しておりますけれども、海外での店舗展開を支援するための外食産業海外展開支援事業への参加を促すといった支援が考えられるところでございます。また、市内企業の海外での販路拡大を目的としまして、映画やテレビ番組などに自社商品やサービスを映し出す手法によるPRを促進するための助成金、それから、市内クリエーターやコンテンツ産業との連携によるPRパンフレットやテレビCMの政策などに活用できる補助制度を創設しております。こうした支援メニューについてもさらなる周知を図り、継続的かつ複合的な支援によりまして効果的な事業展開を応援してまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  まずは背中を押すということだと思いますが、そういったきっかけも必要ですけれども、こういった制度があるということももっと営業してもよいのではないかと考えます。業界新聞や業界の会合でのPRももっともっと進めていくべきであると私は思います。  また、スイーツの製造ですが、零細企業もかなり多くございまして、なかなか海外まで目が行かないというところも多いと思います。私の地元の白石区でも、国際競争力を持ちそうな非常においしいスイーツの商品づくりをしているところがあります。地下街でも地元スイーツはたくさん売られていますが、こうした地元の有望店全てに声をかけて、輸出のきっかけ、ノウハウ事例を伝授、支援していけば、スイーツは札幌の海外展開の最重要商材になるのではないかと期待しております。  また、これらの製造業は、人や資金の余裕がないことも考えられますので、例えば奨学金のような形で投資資金的支援も一考できるのではないかと考えます。さきの企業誘致のような人・物・金に来ていただくとともに、札幌の企業が海外で稼いでくることも札幌経済の発展のためには必要な支援であると考えます。北海道庁でも同時にアジア圏でプロモーションをしていると聞いていましたが、昨年、私がタイを訪問していましたら、北海道の観光プロモーションのテレビコマーシャルを至るところで見ました。画面には、薄野のニッカのビルやジンギスカンを食べる人たち、ラーメン横丁、ソフトクリームなど札幌の食を楽しむ札幌市内の映像が満載でございましたが、アナウンスされているのは北海道というCMでして、残念ながら札幌という言葉は聞かれませんでした。ぜひ、札幌というまちのブランドの存在感と印象がアピールできるように、事業の中での連携や配慮もして、より企業活動の支援になるようにしていただきたいことを指摘して、質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、地域と連携した商店街の活性化について、具体的には商学連携事業と、先ほど質疑がありましたが、商店街地域連携促進事業について別な観点から質疑をさせていただきたいと思います。  地域の商店街は、地域住民の消費生活を支える身近な存在であると同時に、コミュニティカフェの運営や高齢者向けの生活支援サービスの実施などにより、良好な地域コミュニティーの醸成に重要な役割を担っていると思っております。しかし、昨今、商店主の高齢化や後継者不足などにより、商店街活動を担う人材を確保することが困難になってきている商店街もふえてきておりまして、結果として商店街そのものの解散や活動を中止する例もあることから、新たな担い手の確保は喫緊の課題となっております。  私の地元の手稲区では、北海道科学大学が、町内会、小学校やその保護者など多くの人を巻き込みながら、郷土愛を育むなど、まちづくりにも大いに資する有名なていね夏あかりに加えまして、手稲区役所及び手稲区連合町内会連絡協議会との三者間で地域連携協定を締結し、防災や除雪・清掃活動などさまざまな分野で地域のまちづくり活動に協力をいただいております。このような地元の大学と連携した地域活性化の取り組みは、商店街活動においても生かすことができると考えるところであります。  経済局では、平成24年度から商学連携事業として商店街活性化に向けた商店街学生アイデアコンテストを実施しておりまして、コンテストの結果、グランプリや準グランプリを受賞したアイデアを事業化するための支援を行っておりますが、これは、商店街と大学が連携した地域活性化の取り組みの実例であると認識しております。  そこで、1点目の質問でありますが、これまで実施した商店街学生アイデアコンテストの結果、学生が実際に商店街活動に参加するなど、アイデアを実現できた事例としてどのようなものがあるのか、お尋ねいたします。  また、今年度の実施に当たって、何か工夫、改善した点があれば、あわせてお伺いいたします。 ◎小野 産業振興部長  1点目の学生のアイデアを実現できた事例についてでございますが、過去2年間でグランプリ及び準グランプリを受賞したアイデアが4件あり、全て事業化されております。事例といたしましては、発寒北商店街において、商店街が運営するコミュニティカフェを利用して、小樽商科大学の学生が小学生向けに理科の実験とか英会話などの体験型の学習教室を開催することで、地元の小学生とその保護者が商店街を訪れる機会の創出を図ったものとか、東海大学の学生が窓口となり、北24条商店街において子どもたちの職業体験を実施することで地域の方に商店街への愛着を持ってもらうイベントの開催などがございます。  次に、2点目の今年度の実施に当たって工夫、改善した点についてでございますが、これまで実施してきた中で、商店街関係者からは、学生にもっと商店街のことを知ってもらいたい、学生からも、事前に商店街の現状や課題を勉強してアイデアを考えたいという要望が多く寄せられていたことから、今年度の実施に当たっては、事前に商店街から取り上げてほしいテーマの募集を行うとともに、商店街の方と学生が意見交換を行うワークショップを開催したところでございます。その結果、今年度に応募のあったアイデア6件のうち、5件がこのワークショップに参加した学生から出されたものとなっております。 ◆福田浩太郎 委員  ただいまのご答弁によりますと、アイデアを実現し、事業化された事例が既に幾つかあるということであり、非常に学生のアイデアが盛り込まれたよい事業かなと思います。また、工夫、改善した点といたしまして、事前に商店街からのテーマ募集を行ったり、学生や商店街の関係者を集めてワークショップを開催したということでした。アイデアを求める側とそれを考える側とのミスマッチを防ぐことで、それぞれの商店街や地域の課題、実情に即したアイデアが生まれたり、地域の方々と学生とのつながりをつくることができて、よい工夫だというふうに思います。  先ほど申し上げた北海道科学大学による地域のまちづくり活動においても、私は、かねがね地元の商店街と連携した取り組みができないかと考えていたところであります。ただいまの答弁を聞きまして、大学と商店街との連携にとどまらず、地域の町内会やさまざまな団体の方々が新たなつながりをつくり、連携して一緒にまちづくりに取り組んでいくべきであると強く感じたところでございます。  そのような観点から申し上げますと、経済局で昨年度から取り組んでいる商店街地域連携促進事業は、商店街を中心に、町内会や大学、NPOなど地域の多様な人材が集まり、創造的なアイデアを考える場の構築を支援するものであり、まさに、地域の多様な団体の連携や新たな人のつながりを生み出したものと理解しております。さらに、今年度は、昨年度の話し合いの結果、生まれたアイデアを、商店街の方々が地域団体等と連携して事業化する場合の支援も行うと伺っているところであります。  そこで、2点目の質問ですが、今年度、商店街地域連携促進事業によってアイデアが事業化された例と、この取り組みの効果についてお尋ねいたします。 ◎小野 産業振興部長  商店街地域連携促進事業によりアイデアが事業化された例と、この取り組みの効果についてでございます。  平成25年度にアイデアを考える場づくりを行った九つの商店街のうち、現在、八つの商店街が事業化に着手しております。事例といたしましては、伏古商店街において、商店街の名物をつくるアイデアとして、地域の特産品である札幌黄を使ったタマネギアイスを地域住民や地元の大学生と協力して開発し、当該商店街だけではなく、近隣の商店街でのイベントでも販売するなど、広がりを持った事業に取り組んでおります。また、麻生商店街においては、北区だけではなく、石狩や当別との交通結節点という特徴を生かし、それらの地域の特産品を広く販売するマーケットを開設し、地域の方々のみならず、これまで通過していた人たちにも気軽に立ち寄っていただける事業に取り組んでおります。  この事業の効果としては大きく二つあると考えており、一つは、これまで商店街の方だけでは思いつかなかったようなアイデアが生まれるなど、新たな視点での活性化に向けた取り組みが始まっているところでございます。もう一つは、商店街の方がさまざまな地域団体の方々と一緒にアイデアを考え、そして事業化に取り組むという過程において、地域の連携や人のつながりが強固になり、商店街活動にかかわる新たな人材の発掘という効果が生まれていることでございます。 ◆福田浩太郎 委員  多様な人材が集い、多くの人が商店街を訪れる、よい事業ではないかというふうに感じました。  商店街を取り巻く環境は大変厳しいわけでありまして、商店街の方々は、既に、商店街活動だけでなく、地域のまちづくり活動にも積極的に取り組んでおられる事例も多いと伺っております。商店街が今まで以上に地域に必要とされ、地域コミュニティーの一翼を担っていくためには、地域の中で、その存在感を発揮していくことが肝要であります。手稲区における北海道科学大学と地域との連携を初め、市内でも地域のさまざまな団体が連携して地域課題の解決に取り組んでいる例があることと思います。答弁にあった事例のように、今後は、各商店街や大学を初めとしたさまざまな地域の団体等と連携して、まちづくり活動に取り組みながら活性化を図っていく必要があると考えるところでございます。ただいま質問した商学連携事業と商店街地域連携促進事業は、いずれも、商店街に新しいアイデアや人材を生み出し、大学を初めとした地域団体と連携して活性化に取り組むことを支援する事業であり、北海道科学大学の事例も含め、今後このような取り組みが拡大していくことを大いに期待するところであります。  そこで、最後の質問ですが、経済局として、今後、商店街が地域とより一層連携しながら活性化を図っていくためにどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎小野 産業振興部長  地域と連携した商店街活性化の今後の取り組みについてでございますが、これまで実施してきた商学連携事業や商店街地域連携促進事業を通じて、商店街の活性化のためには、地域のさまざまな団体等と積極的に連携して取り組むことの重要性を改めて認識しております。  しかし、現行の制度では、地域と連携した商店街の取り組みを支援するメニューが限定されていることから、今後、商店街が地域と連携した活性化事業により幅広く取り組んでいけますよう、支援制度の再構築を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  要望でありますけれども、商店街が今後も活性化していくためには、先ほど来申し上げているように、商店街の方々だけでなく、学生や若者など多くの人材を巻き込みながら、加えて、大学を初めとした多くの地域の団体と連携して取り組んでいくことが重要であると考えます。  経済局においては、商店街の方々はもちろん、地域や学生の声も聞きながら、よりよい事業となるよう、区役所を初めとした関係部局とも連携をしていただいて、今後も事業の改善や構築を図っていただきたいと思います。大学や地域のさまざまな団体と連携協力して活性化に取り組んでいる商店街も既にありますけれども、そのような取り組みが全市的に広がることを切に希望いたしまして、質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、1点、エレクトロニクスセンターの改修工事についてお伺いいたします。  私は、ことし3月17日の予算特別委員会で、エレクトロニクスセンターでのウエットラボ仕様改修工事についてお聞きしています。こちらのほうに、パンフレットといいますか、リーフレットがあります。1億5,200万円をかけて改修した施設に1件の入居者もなく、大変心配していることを述べた際、ご担当の川畑産業振興部長は、いとも楽観的にいずれご入居いただけると断言されています。この発言に対して、私が、10月の第3回定例会決算特別委員会までに空室をどれだけ埋めることができるかと重ねて質問したときに、部長は、明確には目標値を申し上げられませんと居直っております。委員会審議で逃げ回っていたことがきのうのことのように思い出されます。  私は、本年度の第3回定例会でもう一度お聞きします、そのとき半分埋まっていなかったら、その理由をお聞きしますと述べています。その日がきょうです。先ほどから部長のお姿を探しているのですが、川畑産業振興部長はこの委員会におられないようなので、どなたか、川畑部長にかわってお答えいただきたいと思います。  空室は半分埋まりましたでしょうか、お聞かせください。 ◎小野 産業振興部長  今の半分埋まっているのかというようなご質問でございますが、残念ながら、入居は依然としてゼロ件でございます。 ◆木村彰男 委員  私は、ことし5月26日、エレクトロニクスセンターに行き、ウエットラボ仕様の部屋を視察させていただいております。大変立派な施設でございます。大学の研究室と言ってもよいかもしれません。中はスケルトン渡しと伺っておりますので、水道、ガス等の設備は利用者がおつけになるというご説明がありました。また、助成制度もあるとおっしゃっておりましたが、私の見る限り、初期投資といいますか、入居の前にかなりお金がかかるのではないかなという印象を受けたのであります。  そこで、質問でございますが、スケルトン渡しになるために、先ほど言いました電気設備とか水道設備、ガス設備、それからインターネットの接続のような工事があると思いますし、また、そこで出た産業廃棄物の処分費用なども、当然、初期費用という形で見なければなりません。そこで、それらの初期費用は幾らぐらいかかるのかというご質問です。  それから、撤退されるときは原状回復していきますので、これらのものをもとに戻します。だから、入った以上、出ることを前提にすると、ダブルで二つの費用を見ておかなければいけないと私は思ったのですが、その費用は幾らほどに見込まれておりますでしょうか、お聞かせください。 ◎小野 産業振興部長  入居に当たりまして、スケルトンということで、基本的には何も造作をしていない、ウエットラボで使える状況にはなっているけれども、設備的には何もないという状況でお貸しするということでございます。初期費用は、その使用形態によって幾らかかるかは千差万別といいますか、いろいろなケースがございますが、一般的なケースで申しますと、給排水設備で約30万円ほど、ガスの設備で約25万円ほど、電気は来ていますのでそれほど費用はかからない、インターネットもそんなに大きな額ではないと思います。ですから、少なくとも50万円程度かかるということは言えます。  それから、退去するときに原状回復する費用でございますが、次に入居が見込まれる企業が同様の設備を使う場合、必ずしも全てきれいに原状回復する必要はないかもしれませんが、一般的には、もしさらの状態に戻すのであれば同程度の費用がかかるのではないかというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  当然、次にどのようなところが入るかはわかりませんけれども、私は、かかった費用分ぐらいは撤退のときにもかかるという前提で、一応、こういう重要事項は入られる方にご説明しなければいけないという認識なのです。  次に、ウエットラボ仕様というのはP2仕様になっているのですね。そこで聞いていても私は詳しいことがよくわからなかったんだけれども、P2仕様にこだわったといいますか、これに一つの物差しを当てたわけですね。そこで1億5,200万円をかけております。私はちょっと計算しました。部屋の数は、一番小さい72.9平方メートルの部屋が8室あります。それから76.54平方メートル、97.20平方メートル、153.30平方メートルの部屋が各1室で合計11室となります。この合計11室を坪単価で割り直してみますと、1坪55万2,000円くらいで、実は戸建ての住宅が1軒建つぐらいの坪単価になっております。先ほど言いました一番小さい部屋が22坪でございますから、計算すると1,214万4,000円で、普通の中古の小さいマンションぐらいだったら買えるくらいの値段になっておりまして、これをP2仕様ということで想定したわけです。  1,214万円というのは、投資というか、P2でなければいけなかったことも含めて、今考えて利用金額として高いと思っているか、安いと思っているか、お聞かせください。 ◎小野 産業振興部長  P2仕様というものがバイオ企業が入居する部屋のしつらえとして高いか、安いかということでございます。  全国的にバイオに関する実験をするのに、P2仕様というのは下から2番目の仕様でございまして、特別に高機能なものではなく、また、北大ビジネス・スプリングの入居企業からもそのような同等の機能が必要だと。ビジネス・スプリングもP2仕様ということで、企業のニーズから最低限この水準は必要かというふうに思っております。それが高価かどうかというお話になりますと、必要な投資というふうに考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  ここの家賃は平米2,450円、共益費を含むと書いてございます。これで計算していくと、先ほどの22坪のお部屋の家賃は17万8,605円という計算になります。この17万8,605円の部屋に入っていただいて、先ほど言いました1,214万4,000円の元を取ることになりますと、計算すると68カ月、5年間ぐらいかかります。今、1年たって入っていないという状況ですから、平均すると、1室当たり200万円ぐらいずつ損失していることになります。1年間では2,000万円です。来ていただこうと思って予算をかけた、税金をかけた、投資した、けれども、大きい部屋や小さい部屋がありますが、今言ったように1室当たりでそういう費用が今のところは回収できていないという状況になっております。もちろんそれを回収するためにやっているのではなくて、企業の誘致であるとか、雇用であるとか、バイオということでやっていらっしゃるわけですから、そういうものが前提にならない企業に入っていただくことにはなりませんが、当然、一刻も早く全室を埋めていただくご努力がなければならぬことになります。  先ほど一つも入っていないということですが、現在、折衝されているというか、一応いろいろなアンテナは張っていろいろなところから情報が来る、私の理解だと、そのうち折衝が3件くらいあって、その中から有望なものが出てきて最後は契約に至るというような感じになると思っているのです。その意味では、折衝がある程度ふえないと、有望なものにもならないし、契約にも結びつかないことになります。今までもいろいろなところから情報を得てそういうことがあったとか、有望になっていたのが潰れた例もあるかもしれませんが、結論から言うと1件も決まっていないわけですね。この辺の経緯について、アンテナを張って得た情報が有望なものに上がって契約の直前のところまで行ったというケースが今までありますか、これをお聞かせください。 ◎小野 産業振興部長  委員のおっしゃるところの折衝という企業数は、私どもではこれまで44社と把握しております。44社と折衝しているということでございます。そのうち、入居の可能性がかなり高い先は全部で6社ございました。そのうちの3社につきましては、その後、諸事情により入居が困難になりまして、現在の有望先は3社という状況でございます。 ◆木村彰男 委員  私もよく言いますが、「まさか」という坂がありますと。まさかと思っていたらだめになっちゃったという話ですが、こういうビジネスにはつきものでございますから、6社あって3社ぐらいはまだ残っていると。残っているという言い方が正しいかどうかわかりませんが、可能性があるということですね。いなくなっちゃったところの話をしてもしようがないですから、プラスしてまた別の新たな3社といいますか、6社でも9社でもふやしてその中からご契約を結んでいかなきゃいけないということがあります。  もう一つは、先ほど言いました3社なり有望な6社というのは、どういう情報源によってそういうところに上がってきたのでしょうか、これについてお聞かせください。 ◎小野 産業振興部長  有望先がどのような情報から得られたかというようなご質問だと思います。  有望先の発掘というか、発見につきましては、私ども及び東京事務所等のさまざまな誘致活動から出てきているものでございます。例えば、道内外でセミナーや展示会をやっているときに個別企業にチラシをお配りしてPRさせていただいたり、それから、個別企業にダイレクトメールをお送りしてご周知させていただいたり、また、マスメディアを使う方法として業界紙などに掲載することによってご周知させていただいたり、食とかバイオのいろいろな関係団体、研究機関等もございますので、それらの方々に周知することで有望企業の情報を得るように努めてきたところでございます。 ◆木村彰男 委員  私も、ここにいただいています。ウエットラボ入居企業誘致の方向性というか、方針というか、今までやってきたことと今後のあり方ですね。これを見せていただいておりまして、まず、道内のものと道外のものを分けて書いてあります。DMを送りましたと、今、部長がおっしゃっていたことについて書いております。それから、首都圏のほうにもDMを送りましたということで、首都圏のほうは961社ということも伺っております。  そこで、前にも違うところで話しましたけれども、一斉にDMを送って、DMの総数が下のほうに小さく1,087と書いてあって、計算がちょっと合わないなと思うのですが、これは、一斉に送ったのか、もしくは、例えば500ずつ分けて送ったのか、DMを発送したときのやり方について、どうやって送ったか、教えてください。 ◎小野 産業振興部長  委員がごらんになっております961社のDMについてですが、これは、東京事務所のほうで、東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県の食品・バイオ関係の企業リスト2,500社というのがありまして、その中のバイオ全社600社ほど、それから、食関係では、例えば北海道出身の社長がいるとか、北海道の素材を使っているとか、北海道にゆかりのある食品企業が300社ほど、合わせて961社に対して私どもが一斉に送付させていただいたものでございます。 ◆木村彰男 委員  川畑産業振興部長は、平成25年10月22日の答弁の中でも東京事務所との連携ということを言っているのです。連携をお話しになった10月の段階で、東京事務所のほうはどうでしたかと聞いたら、同月に依頼は受けたと言っているのですよ。だから、答弁は間違っていないというか、10月に答弁していますから、10月に出した、もしくは依頼したと。そこでDMを一斉に出しています。  そこで、10月に一斉にDMを出した後の企業フォローですが、961社の企業フォローを担うのは東京事務所ですか、経済局ですかと私が東京事務所に聞きますと、経済局だとおっしゃったのですけれども、どのようにフォローされたか、お聞かせください。 ◎小野 産業振興部長  確かに、DMを送るという意味は、まず、折衝先がないか、つまり、DMを送ることで興味をお示しいただく企業があるか、ないか、それを発掘するためにまずはダイレクトメールをお送りさせていただいています。そして、おっしゃるような東京事務所と札幌市経済局の役割ということで、そのフォローというのは、もしダイレクトメールで反応があって、首都圏に送っているわけですから首都圏の企業ですので、そこを訪問させていただく余地があれば、それは東京事務所にフォローをお願いする、フォローというか、実際に訪問していただく、東京事務所に依頼するまでのことをフォローと言っていると思いますが、そこの部分は我々が担うというような意味でございます。 ◆木村彰男 委員  私がお聞きしたかったのは、例えば961社に札幌から電話かけをしましたかということなのです。どなたが担当なのかわかりません。Aさんなのか、Bさんなのか、わかりません。バイオですから、札幌に移ってくる先の企業の担当セクションに送っていらっしゃる。そうしたら、電話をして、「札幌市の経済局の誰々でございます。皆様方のところにこのウエットラボの仕様のチラシは行っておりますか」「来ていますよ」「どうですか。ご関心はありますか」「どういう条件ですか。金額は幾らぐらいなのですか」、そういう話になったり、あるいは、「うちはもう今は全然考えておりません」とガチャっと切られる、そういうことをやりましたかとお聞きしているのです。おやりになりましたか。 ◎小野 産業振興部長  今、委員がおっしゃるような、961社にDMを送った後の電話かけのフォローはしておりません。 ◆木村彰男 委員  全くしていないのです。それで、私は東京事務所に聞いたのです。そういうご依頼がありましたから、当然、東京事務所としてはこういうことを言っています。「日々の企業訪問をする中で、食品・バイオ関連企業にウエットラボのPRをしている。また、首都圏で開催されるイベントや企業の集まりなどでもPRしている」、これが依頼を受けたことへの東京事務所の対応です。  そこで、私は、企業名であるとか、日時は一体いつお会いしたのか、訪問したのかを聞きました。そうすると、企業訪問時に説明したのは7社、セミナー等で100社ぐらいの企業にリーフレットの配付はしたと。ただ、個別訪問企業の公表は差し控えたいということで教えてくれませんでした。7社も教えてくれていません。  いいですか。このことからわかったことは、ウエットラボに特化したセールスはやっていないということなのです。これについていかがですか。 ◎小野 産業振興部長  東京事務所におきましては、ウエットラボに特化という意味は少し幅があるのかなと思いますけれども、IT、食品、バイオを重点対象の一つとした誘致活動はしています。ですから、誘致対象の企業の中でも、実際に研究施設を設けたいとか、そういうような企業にはもちろんウエットラボということもご紹介しています。そういうものが必ずしも必要ではない企業もいらっしゃいますので、そこは特にウエットラボの対象として特化したお話にはならない、そういう意味だと思います。 ◆木村彰男 委員  いいですか。私は、今、ウエットラボの質問をしているのですよ。企業誘致の話をしているのではないですよ。企業誘致はもう終わっていますからね。このウエットラボをどうやって埋めようかということで作戦を立てていこうとしているわけですよ。いいですか。去年の10月にDMを出して、ことしの11月まで全く動いていないとしか私には思えないのです。皆様方がですよ。要するに、ただただ向こうからオファーがあるというか、そのオファーだって、今言ったように札幌のウエットラボに入ろうとするオファーじゃなくて、企業としてこちらに来たいというオファーも当然あって、それは皆様方とはまた違う話です。  先ほどから何回も言っていますけれども、ウエットラボのあいている部屋をどうやって埋めるかという話の中で、作戦を立てていかないと入らないですよと言っているのですよ。札幌におられる企業の人は、ビジネス・スプリングというところは期限が決まっておりますという話なんですよ。そして、部長はこういうふうに言っているのですよ。入居期限があるところもあるから、そういうところが出てきたら横滑りしてきてこっちに入ってもらうというような話を去年の3定にしているのです。そのエレクトロニクスセンターに入ってくれる企業というのは、北大ビジネス・スプリングなどで何社あるかですよね。2社や3社でもいいですよ。入ってくれればいいけれども、結果としては入っていないわけです。期限が来たのかどうかもわかりません。その辺の把握をされているのかどうか。  だからこそ、東京に販路を求めてというか、企業誘致も含めてと。ただここを埋めるという話だけではないですよね、さっきから言っていますように。後でも言いますけれども、半導体を含めて、ITということでエレクトロニクスセンターが下り坂になっているので、バイオや食とくっつけてこれを活性化させていこうというもくろみがあるわけですよ、ここに。そのもくろみが、今、これとリンクしているわけだ。これが入らないということは、そのもくろみそのものが崩れていると私は見ているわけですよ。  そう考えていくと、札幌の企業に入っていただくのはもちろんいいのだけれども、方針として、1年たって、DMだけを送って、何のオファーもありませんとただ威張って言っていても入らないと言っているのです、私は。根本的に入るようにするための作戦をどのようにお立てになるか、お聞かせください。 ◎小野 産業振興部長  961社にDMをお送りして、そのフォローがない、電話もかけていない、それは確かに事実だと思いますし、その反省はしなければならない部分もあると思います。  ただ、私どもとしましては、まずはより幅広くお声をかけて、その中から折衝先、有望先を見つけていきたいということでございますので、961社には残念ながら反応はございませんでしたが、そのほか、例えば東京で開催されたフードビジネスセミナーとか、北大の食品産業エルム会とか、そういういろいろな機会を捉えてウエットラボのPRをさせていただいているところでございます。ですから、より幅広く案件を発掘したい、有望な案件を見つけたいという方針で活動をしているところでございます。
    ◆木村彰男 委員  それでは行かないと言っているのです。1年間やってきて、1年間、同じことをやってきているのです。セミナーもやったのですよ。DMも出しているわけだ。当たっているんですよ。それと同じことを同工異曲でやっていっても埋まらないと言っているんです、私は。やり方を変えないと。  いいですか。ここにも書いてあります。DMの送付5,240社、数をふやそうとしている。いいですよ、ふやしても。しかし、フォローをしていかないとだめだ、電話かけするとか。だから、一遍に出したらだめなんですよ。電話をかけられる量だけ、まず出すんですよ。いいですか。1,000人に出す。電話かけられますか。かけられないんですよ。皆さん方に電話をかけろと言いませんよ。誰かコールセンターみたいなところでもいいんだ。そこにかけるようにするためには、例えば、1回500出して、500に電話をかける。また、500出して500に電話をかける。そこで反応を見ないとだめなんですよ。そういうやり方に変えていかないと、商談に上がるような有望なものが出てこないんじゃないかと言っているんですよ。だから、やり方を変えるか、方向性を変えるようにしていかないと、また、1年たっても埋まらないですよと言っているんです。  私は、それをどうやってやれと言う立場にないですけれども、そういうことは皆様方が考えればいいことだ。ただ、私は、自分で仕事をやっていたときに、DMを送付してお客さんを有望へとだんだん上げていくわけだ。訪問のアポもそこでとる。そこで、初めて上がり込んで仕事に入っていくわけですよ。そういうことをずっとやってきたから、皆様方がやっていること、言っていることでは、これじゃ全くいかんなと。僕がマネジャーだったら、絶対にそれではいかんと言いますね。  それから、さっきも言いましたけれども、川畑部長は、1億5,000万円の回収金にエレクトロニクスセンターの再構築という言葉を使っているのですよ。それは、IT企業振興のノウハウを担ったものだ。エレクトロニクスセンターのことを言っているのですよ。いろいろなネットワークがあると。ネットワークがあるのなら、そういうところのどこかの企業に来てもらって全部埋まっているはずなんですよ。だから、そのネットワークですら有効に作用しているとは私は思っていないわけです。  部長は、こういうふうに言っています。「エレクトロニクスセンターを拠点として、IT産業と食・バイオなどのほかの産業との連携が実現することによって、産業全体」が、ここが問題ですが、「高付加価値化」すると。「高付加価値化し、新たなビジネスが生まれていくような将来像を描いている」、これは部長のお言葉ですよ。勇ましい発言ですね。バラ色の未来、バラ色の将来を夢見ていた。それが去年の10月22日、いいですか。1年たって、きょうは10月28日、その夢物語がまさにどういう結論になっているか、今、部長がおっしゃっていましたね。よろしいですか。完全に絵に描いた餅だ。画餅ですよ。よろしいですか。  局長、最後にお答えください。この敗北を認めますか。 ◎荒井 経済局長  昨年の10月の決算特別委員会は、私も出席しておりまして、そのやりとりは隣で十分聞いております。結論的に申しますと、入っていないという事実は、峻厳なる事実として受けとめなければならないと私は思っております。そして、営業といいますか、お客様に来ていただくという努力について、率直に、私としてはやはり不足していたのではないかなというふうに思います。ここで部下をののしるわけにもいきませんので、セミナーであるとかDMとか東京事務所だとか、それなりにやってきたことは事実でありますけれども、結果が出ていないことについては厳しく受けとめざるを得ないだろうなと思います。  ですから、今後、ウエットラボをどういうふうに埋めていくかということについて、我々としても営業戦略を変えていくことが必要であるということが一つです。それから、もう一つ、ITとバイオの連携の話が出ていましたけれども、私も、セミナーなどでお聞きしますと、例えば、遺伝子解析では膨大な情報があります。これは、ITの技術を使ってやっていくという話は私も聞いたことがありますし、そういった可能性はあるだろうと思います。ただ、その可能性があることと実際に入ることは別でありまして、そこは簡単にはいかないということだと思うのですね。そこで、そうしたIT企業とバイオ企業を結びつけていくような方策についてももう一度考えていく必要があるだろうと思っております。今の2点を含めて、これからしっかり取り組んでいくという決意を申し上げたいと思います。 ◆木村彰男 委員  一つ埋まらなければ、二つ目はないのです。いいですか。二つ埋まって、初めて三つ目が出てきます。だから、まず、先ほど有望に上がっているという三つの企業に入っていただけるように全力を傾注していく。これで全部埋まればもちろんいいですけれども、しかる後にもセールスを続けてやっていく。  だから、埋めていくという作業については特効策がないのです。要するに、地道な折衝から商談へと上げていく、こういう作業を続けながら一つ一つ埋めていかなければいけない。それには、皆様方に危機感がないとだめなんです。つまり、ここがあいていると年間2,000万円ぐらいの損失があると。もしこれが普通のアパートのオーナーだったら、入っていなかったら寝ていられないと言うのですよ。1億何千万円もかけて、ずっと空室なんですよ。今からいきますと、冬は入らないのですよ、言っておきますけれども、雪が降ったら。申しわけありませんけれども、4月にならないと入らないと思うのです、もうこの時期になって。考えてみてください。冬に引っ越しをするんですよ。大変ですからね、冬なんかに引っ越ししたら。だから、今入る人がもしいたら、極端なことを言えば、前に言ったかもしれないけれども、例えば4月までただにしますからと。そういう方法もあると。これは方法ですよ。値段はそれまでにするということを言っていたからあえて言っているだけですが、年末に向けてとか、3月ごろに入っていただけるような方にはそういうことも包含してインセンティブをつけると。私は、そういう努力も必要だということを最後に申し上げて、この質問を終わらせていただきます。 ○芦原進 委員長  以上で、第1項 商工費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に、第2項 農政費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆伊藤理智子 委員  私は、札幌の農業について質問いたします。  都市の農業は、市民に新鮮な農産物を提供し、身近な場所で農業と触れ合うことができる環境があります。また、農地は、緑の環境や酸素の供給、防災機能など都市生活に欠かせない多面的な役割も果たしています。  一方で、本市では、農家戸数の減少や農地の減少など厳しい現状があります。こうした中で、都市農業を発展させるために、市民の意識を高めていく施策を進めていくことが求められていると思います。2013年度版さっぽろの農業では、市民が支える札幌の農業の実現について幅広い市民を対象とした食農教育や農業体験の機会を充実させていくとしておりますけれども、この間、どのような取り組みを行って、どう評価しているのか、まず、お伺いいたします。 ◎三部 農政部長  ただいまの農業体験機会の充実ということについてでございますが、主なものといたしましては、市民農園の開設支援やサッポロさとさらんどでのさまざまな取り組みなどがございます。  まず、市民農園につきましては、市民農園整備促進法に基づく市民農園を開設する農業者を支援しているところでございます。平成25年度は、新たに1カ所ふえまして、合計で22カ所となり、利用率は95%以上と高く、大変好評を得ております。また、サッポロさとらんどでの取り組みでございますが、収穫体験や加工実習、講座、イベントなど多彩なプログラムを展開しているところでございます。平成25年度の来場者数は67万人となっておりまして、平成28年度に向けた年間目標70万人達成に向けて着実に増加しているところでございます。  このほか、新たな取り組みといたしまして、子どもの食農体験の充実を目指して、平成25年から子ども学習農園の整備を進めておりまして、平成27年4月のオープンを予定しております。 ◆伊藤理智子 委員  市民農園とかさとらんどとか子どものための食農教育とか、市民意識を高めるためにいろいろな取り組みをされているということでした。市民が、直接、農業を体験して生産者と交流することで、農産物の生産過程を学び、食の安心・安全の意識が培われるという側面もあると思います。また、交流した生産者も、消費者である市民と直接かかわることで生産意欲を向上させていくことにもつながるというふうに思います。  さとらんどでの体験や市民農園のいろいろな役割も非常に大事な要素だと思いますが、私は、直接、生産者と市民が交流できるように、市内の農家を見学するとか農業交流をする機会もつくって支援していくべきだと思うのですがいかがか、伺います。 ◎三部 農政部長  市内での農家におけます生産者と消費者の交流についてでございますが、私どもも、都市の住民が農家の畑で、直接、作物に触れたり、あるいは農家から苦労話を聞くことで、より一層、農業に対する理解や親しみが深まるものと考えております。このため、生産者と消費者が直接交流をする直売所や観光農園などで札幌ならではのグリーンツーリズムを紹介するさっぽろ農情報ガイドブックを作成して、さとらんどや区役所で幅広く配布し、市民周知について努めているところでございます。  また、農業者が主体となって行う種まきから収穫に至るまでの一連の農業体験の取り組みに対しましても、札幌市も市民への情報提供やそのプログラムづくりにかかわるほか、札幌市主催で果樹園や直売所などを見学する市民バスツアーなどを開催し、直接、市民が農家へ行って交流できるような取り組みを進めてきたところでございます。これらの取り組みは、利用者には大変好評ではありますが、ただ一方、受け入れ側の農家としては、どうしても家族経営が中心となっておりますので負担感が大きいといった声も聞かれており、それが課題というふうに考えております。 ◆伊藤理智子 委員  生産者と市民が交流できる取り組みということで、市内の農家で実施しているバスツアーの事例もあるということでした。畑や農地で作物が生育している様子を実際に見ることで、より関心が高まり、地元の食材を購入しようという市民の意識も高まっていくのかなというふうに思います。生産者も市民と触れ合うことで生産意欲につながるきっかけになると思いますので、市内の農家と市民が交流している取り組みについては、今後もさらに多くの市民に広く周知して進めていただきたい施策だなと思っております。  現状としては、市民を受け入れる体制がない農家があって大変厳しいということでした。これは、やっぱり、高齢化とか後継者の問題、それから人手不足など、さまざまな課題があるのではないかと思います。今後、本市としてどういう支援ができるのか、現場の声をよく聞いて、きめ細かい丁寧な支援をしていくことが重要なのかなというふうに思っております。  また、市内の農家が元気になるためには、本来、採算のとれる価格の実現や農地の基盤整備、販路確保など、農業生産を拡大する条件を広げていくことが大切だと思います。こうした問題は、国に求める対策も大きいですが、本市としてできることとしては、やはり、市民の側に都市農業を理解してもらう、生産者と消費者である市民の結びつきを強めることが大切なのかなと思います。地産地消が多面的に発展できるようなイベントを行うなど、積極的な施策が求められると考えますがいかがか、伺います。 ◎三部 農政部長  地産地消を多面的に発展できるようなイベント等の施策ということでございます。  私どもも、さまざまな機会を捉えて市民と農業者との交流を創出していきたいというふうに考えておりまして、ことしも、札幌駅前地下歩行空間や円山動物園などでマルシェなどのイベントを開催するなど、対面販売を通して生産者と消費者の交流、そして、札幌の農産物に対する農業理解を深めてきたところでございます。  今後とも、さとらんどでのイベント等を通じて市内農業者の出店を促して交流を進めたり、あるいは、市民向けの料理講習会など、食文化といった部分におきましても、札幌の農産物を積極的に使う、あるいは、その講師には農業者に出向いていただくようなことをして農業と市民の交流を深め、地産地消の発展をさらに目指してまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  食の安心・安全や地産地消などさまざまな情報を市民に届けて、市民の財産である都市農業への関心を高め、市民が支える札幌の農業を実現するためにさらに力を尽くしていただきたいということを強く求めまして、質問を終わらせていただきます。 ◆北村光一郎 委員  私からも、札幌市の農業について、農家の側に立った物の言い方ということで、2点ほど質問させていただきたいと思います。  ただいま伊藤(理)委員がお話をされていましたが、市民と農家の方の触れ合いはとても大事なことだなと思っております。ただ、農家にとってはいい迷惑と。観光農園だったら私は許せると思います。観光してもらって、そこで買い物をしてもらってと。なぜこんなことを言うかというと、元農家でございます。残念ながら農業経営で食べていけなくて別な仕事に入ってしまったものですから、弁解ではないですが、ちょっとその辺について言わせていただきたいと思っております。  今、テレビのニュースでは、国際的にはTPPですね。北海道の農業をどう守るのかということで、甘利経済再生担当大臣には本当に頑張っていただいているな、最後に負けなければいいなと思っております。それから、政府としては、関係団体の改革ということで話題に上がりましたホクレンとか中央会を株式会社化したらいいのではないかというのも、農業改革として新しい打ち出し方をしているのかなと。  もう1点、農業政策によって農業というのはどんどん変わってきております。札幌市などは、農家がたくさんあったのですけれども、多分、冬季オリンピックあたりから急激に宅地化されました。市街化されて、30年ぐらい前ですから、昭和60年前後にある程度落ちついた形になったのかなと私は理解しております。減反政策がずっと続きまして、田んぼをどんどん減反しましたので、今、札幌にはほとんど田んぼはございませんね。全部、宅地化されて畑作になっております。そういう現状の中で質問させていただきます。  札幌市の農業は、市民に対する新鮮な農作物の提供はもとより、安らぎや憩いをもたらす多面的機能を有し、発揮しているとしています。しかしながら、都市化が進み、道内のほかの農村地帯以上に農業者の高齢化が進む中、農業を継ぐ人がいないということも先ほど出ておりました。そして、今の札幌市は都市化が進みますから、農地の分散化や遊休地化がかなり起こっている現状があります。  そういう中で、札幌市としては、平成24年から25年度にかけて、25地区の人・農地プランを策定したと前回の私の質問のときにお答えをいただいております。このプランでは、地域の関係者の話し合いをもとに、中心となる農業者を想定し、今後の地域農業のあり方などについて整理したと聞いております。  そこで、質問でありますが、市内の農業は野菜が中心で、立地条件によって作物や栽培形態等に特色があります。25地区はそれぞれ状況が異なると思いますが、それぞれの地区の現状、課題を踏まえて、どのような方向性を示されたのか、お伺いいたします。 ◎三部 農政部長  人・農地プランにおける地区の現状を踏まえた今後の方向性についてでございますが、本市では、農地のまとまりや栽培作物の状況などから市内を25地区に分けて人・農地プランを策定したところでございます。  札幌市の農業の現状は、全道平均と比べても高齢化が進んでおりまして、小規模で分散している農地や土地持ち非農家と言われる方が多いことなどから、担い手への農地の集積がなかなか進んでいない状況にございます。こうした中でも、タマネギ等を主体とする北部・東部地域や、カボチャやスイカが主体の西部地域では比較的まとまった農地が残っております。これらの地域では、中心的な担い手に農地の集積を進め、生産性の向上を図るとともに、タマネギやカボチャなどの主要作物のブランド力を生かして付加価値を高めて販売する取り組みを推進することとしております。  一方で、多品目の野菜や果樹などを主体とする南部等の地域におきましては、農地が点在していることなどから、集積はなかなか難しく、既存の担い手以外に新規就農者や農業法人等の参入が必要な状況にございます。このため、ブランド力のあるホウレンソウなどの振興を図りつつ、新規就農者等の確保を進めながら、多くの消費者を抱える都市の有利性といったものを生かして直売あるいは加工といった取り組みを推進していくこととしております。 ◆北村光一郎 委員  ただいまは札幌としての分析を聞かせていただきましたが、人・農地プランは、担い手への農業集積による規模拡大や農地の効率的利用を主体としてと言いますが、札幌市においては、農地の集約化や農地の保全については、都市地域ならではの難しさがあると私は思います。規模拡大が難しい札幌市において農業を維持していくためには、生産性の向上もさることながら、経営の視点からは都市農業という利点を生かした直売や加工・観光農業など6次化による高付加価値型の農業の展開も重要だと私は思います。例えば、南区においては、フルーツ街道といった産地直売所があります。また、私が住んでいる清田区においても、残念ながら2軒でございますが、イチゴ生産者のイチゴパフェ店や養鶏場生産者のシフォンケーキ店など、自家生産物による加工、販売等の取り組みを行っている農業者がいらっしゃいます。ただ、取り組むに当たっていろいろな許認可等の苦労があったと聞いております。  そこで、質問させていただきますが、難しさを抱える本市の農地の流動化や保全を市としてどのように進めようとしているのか、また、6次化など高付加価値化の取り組みをどのように進めていこうとしているのか、お伺いいたします。 ◎三部 農政部長  まず、1点目の農地の流動化や保全の推進につきましては、これまで、市が仲立ちをして利用権設定等促進事業などを活用して推進してきたところでございますが、農家の農地を貸すことに対する不安感や、あるいは制度の理解不足などによりまして、一部、有効活用されていない農地があることも事実でございます。  このたび、一層の農地流動化の促進に向けまして、平成26年度から国の新たな制度として農地中間管理事業がスタートしたところでございます。この事業は、都道府県段階に設置された農地中間管理機構が農地を借り受けて、必要な場合には簡易な土地改良を行い、担い手がまとまった形で農地を利用できるようにして貸し付けるものでございます。これまでの制度と異なり、機構という公的機関が農地の借り受け主体となることで、出し手側も安心感を持って農地を貸し出すことができ、農地集積に協力する一方、メリットを受けられるという措置もございます。  市は、機構からの農地の掘り起こしや利用調整等の業務を一部受託するとともに、農業委員会や農協等と情報を共有いたしまして、こうした制度の活用を図りながら一層の農地の流動化や保全に力を入れていきたいと考えております。  次に、6次化等の農業全体の高付加価値化の取り組みということでございますが、近年、農業者みずからが直売や加工などを行い、農畜産物の付加価値を高めるという動きがあり、大変人気を博しているというふうに聞いております。市では、市街化調整区域内であっても、農産物直売所のほか、加工販売所や体験施設などは都市と農業の交流を図る施設として設置できるよう基準を設けているとともに、その施設整備について支援を行っているところでございます。  今後も、これらの事業や制度に加え、6次産業化を推進する国の支援制度等も有効に活用されるよう、農業者への情報提供や制度説明に努め、農業の高付加価値化によります経営の安定化というものを支援してまいりたいと考えております。 ◆北村光一郎 委員  最後に、要望でございます。  今、6次化についての許認可手続は、各局をまたがなければいけない難しいものですから、どこかでそれを一本化してやっていただくと、より一層、6次化が進むのではないかと思います。札幌にはJAさっぽろという大きな農業団体がありますので、そこを通して、特に市街化調整区域の農業者に対する情報提供並びに意見集約等をしていただければ大変ありがたいと思います。また、農振地区及び市街化調整区域の農業者においては、自由に土地を使えないという二重、三重の縛りがございますので、その辺も考慮いただければと。これは、札幌市として網かけをしてしまった部分があると私は思っていますので、その辺を十分考慮しながら、農業者に対する意見聴取並びに情報提供していただくことを強く望みまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ◆木村彰男 委員  私は、1点、新規就農者の就農支援事業についてお聞きします。  私は、昨年の10月22日の決算特別委員会で、理事者に対して、さっぽろ夢農業人育成支援事業について質問させていただきました。  質問に先立ちまして、私は、南区の藤野、滝野のほうに行かせていただきまして、農園の経営者とか、指導農業者という定義をされておりましたが、現場でご指導に当たっていらっしゃる農業者とも交流させていただきました。そして、研修者がどういう悩みを持っていらっしゃるかということをお聞きいたしましたが、一番は、研修が終わった後に自分が働ける農地が用意されているかということに尽きておりました。  先ほども理事者がおっしゃっていましたが、農地法に基づく農地の貸し借りというのはなかなか難しいと、これは去年も申し上げまして、そこで、それを補完する位置づけにあるということで、農業経営基盤強化促進法に基づく利用権設定等促進事業のことをおっしゃっていました。今ちょっと聞いておりますと、中間管理機構という新たな制度も出てきて借りやすくなっているのかなという気もしましたが、そういうように貸し借りの運用がスムーズに行くようなものもできたということでした。  去年のデータをいただいておりますが、研修されて新規就農した8名のうち、土地を買って農業をやった方が1人、7名は借りて就農したということを承っております。  そこで、この方々の経営形態であるとか経営規模、面積等々はどのようになっているか、まず、お聞かせください。 ◎三部 農政部長  昨年度、平成25年度に新規就農した方が8名いらっしゃいまして、その方の経営内容ということでございます。  まず、8名の方の面積でございますが、少ない方で0.3ヘクタール、いわゆる3反、30アールでございます。これは、農業者として最低限の下限面積の設定がございますので、この下限面積の30アールから、多い方では2.2ヘクタールまでございまして、2.2ヘクタールの方は水田農業をされております。その次に多い方が1.4ヘクタールで、西部地域のカボチャの栽培で、ある程度の土地の面積が必要な方でございます。それ以外の方については、おおむね野菜、花卉等のいわゆる集約栽培で、大体30アールから60アールぐらいの範囲の経営となってございます。 ◆木村彰男 委員  私がお伺いしましたら、必ずしも非農家の方ではなくて、農家出身の方も何名かいます。ご両親が農家をやっていらっしゃるけれども、今度は別な作物をおつくりになりたいということで新しい方向に進もうとしている人もいまして、こういう方も、一応、新規の就農者というカテゴリーに入れていると思います。そういうような方々は大体30アールから50アールで、私が計算すると平均的な年齢は39.6歳です。そして、男性が7人で、女性が1人です。そうすると、自分一人で食べていくか、夫婦で食べていくのかはわかりませんが、30アールから50アールくらいでぽんと投げ出されるわけですね。投げ出されるというか、決意を持って始めていくのだけれども、このぐらいの規模で始めていくことについて果たしてどうなのか。  実は、希望面積が多い方がいるのです。30アールではなくて50アールぐらいとか、もしくは50アールでなくて1ヘクタールぐらいと。しかし、いろいろ条件があるから土地が小さくなってしまう。私に言わせると、もう少し土地が広ければ楽に経営できるのではないかと思うのですが、それについてはいかがでございますか。 ◎三部 農政部長  経営面積のことでございますが、いろいろな栽培方法、いろいろな経営形態があろうかと思いますけれども、基本的に、今、私どもで新規就農者に対して認定をするいわゆる認定新規就農者制度がございますが、その制度において定めている目標の所得につきましては、現在、認定農業者という、いわゆるプロ農家の方が目標とされている480万円の所得に対しまして、その半分の240万円を一定のめどにしてございます。  ただし、現実問題を見ますと、8名の方の平均収入は、今のところ、まだ50万円から100万円前後というような状況でございまして、とてもまだひとり立ちできるものではなく、夫婦で食べていくような所得にはなっておりません。青年就農給付金という国の制度が5年間ございますけれども、まさに、この5年間でいかに200万円から250万円というふうにレベルを上げていくかというのは大きな課題であると認識しております。 ◆木村彰男 委員  事ほどさように大変だということです。  そこで、農協であるとか農業委員会であるとか、農政の皆様方がタッグを組んで就農サポートチームをつくるのだと、ただ単に、ぽんと突き放してやってくださいということではなくて、サポートチームをつくり、そこで就農される方のアドバイスと言っていいのか、経営的なもの、技術的な支援もやっていかれるということを部長は去年もおっしゃっていました。ただ、私もちらっと見せていただきましたが、それがうまくいっているものなのか、これはなかなか大変だなということは、当然、現場に行って働いている様子や農地の状況を見なければわからないと思います。  そこで、それらのサポートチームと就業者とのコンタクトということでプログラムを立てて定期的に回っていらっしゃるかというご質問ですが、いかがですか。 ◎三部 農政部長  定期的なフォロー体制ということでございますが、青年就農給付金の事務手続等も含めて、当然、私どもの職員が定期的に現地に出向いて新規就農者とお話をしております。それから、札幌市農協、いわゆるJAと農業委員会、そして私どもで一緒にタッグを組んだ就農サポートチームがありますが、こちらも、月1回とかそんな頻度ではありませんけれども、定期的に集まりまして、就農地の確保の問題、それから販路の問題がやはり大きいものですから、そういったことについて話を進めている状況でございます。 ◆木村彰男 委員  先ほどちらっと出ていましたが、実は、札幌市内で締結された賃貸借のデータをいただいておりまして、これを見ると、牧草とか飼料畑を除くと155件ぐらいの貸借がありまして、土地を探すことはそんなに難しいとも思えないのです。もちろん、新規の方ばかりではなくて、ずっと長くやっていらっしゃる方もいると思いますが、もしこういう形でたくさん借りられるのなら、サボートチームで就農できる土地を掘り起こしていくようなことも少なくて済むと思うのです。  去年もお聞きしておりますが、こういう実態もあり、かつ、一軒一軒を訪ねて、どこかお貸しいただけるような土地はありませんかというような動きもされております。つまり、来年、研修される方が卒業して就農する土地がもう用意されているという状況がなければ、研修してぽっと行って30アールと言ってもなかなか借りられません。  そこで、現状においては、研修の方々の土地を確保できているという認識でよろしいでしょうか、お聞かせください。 ◎三部 農政部長  研修生の就農地の確保という問題でございますが、平成25年度と26年度には1名ずつが南区で新規就農をしております。この方々につきましては、先ほどの就農サポートチームなどが地域の農業者と本当に話し合いをし、掘り起こしをして当てがついたところです。それから、もう一件、来年度に就農する予定の滝野地区の女性がいますが、この方もおおむね就農地の見込みがついているところでございます。 ◆木村彰男 委員  平成25年度のものを見ていまして、実は8件のうち5件が南区なのですね。私の家の近くも含めて、そういう土地を具体的に確保できて就農に至っています。当然、土地だけではなくて、技術的なものであるとか、まさか手作業で畑を起こすわけにもいかないから、耕うん機も必要だ、トラクターも必要だ、しかし、機械を買うお金がないとすれば、やはり、土地を貸していただいた農家の方と人間関係をつくり、あいているときに貸してもらうとか、そういうことも多分出てくると思いますが、そういうことの後にやっとひとり立ちできる体制もできてくると私は思うのです。この事業は30アールとか50アールですごく小さいように見えますけれども、私は、文字どおりアグリカルチャーで、畑を耕していくようなことがこの事業を通じて継続的に行われることを期待申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。 ○芦原進 委員長  以上で、第2項 農政費のうち、関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第3号 平成25年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  夜も更けてまいりましたので、簡潔に行きます。  それでは、中央卸売市場事業会計決算書に基づいて、この4ページに、費用の構成ということで1年間にかかった経費の主なものを人件費、減価償却費、支払い利息、その他に分けております。  そこで、人件費と支払い利息についてお尋ねいたします。  まず、支払い利息は、全体の経費の15%であります。22ページ、23ページに、平成元年から平成26年、ことしの3月27日に借り入れた利息までの一覧表が載っておりまして、上のほうは4.85%とか6%台、5%、4%とかなり利息が高いのですが、これは、借りかえというのは全くできなかったのですか。 ◎高橋 中央卸売市場長  市場が借りている企業債の関係でございますが、これにつきましては、公営企業の借りかえの対象にはなっておりませんので、5%以上の企業債が若干ございますけれども、残念ながら借りかえはしておりません。 ◆松浦忠 委員  対象になっている、なっていないと言いますが、黙っていたら金を貸しているほうは対象にしないよ。黙っていたら、利子は高いほうがいいんだから。私は、札幌中央卸売市場は借金コンクリートづくりの市場だとよく言うんですよ。ですから、市場長以下、皆さんは、入居の皆さん、仲買の皆さん、小売の皆さんも、あの中で働いているみんなにどうやって働いてもらい、あそこの場所代を取ってこの借金を返すかということなんですよ。ただ、昨今は高齢化でだんだん多くの量を食べないようになってきたわけですから、そうすると、今度はいかにして利息の率を減らすかということになりますが、私はそういう努力をしていないことに前々からどうも変だなと思っていたのです。ですから、きょうはちょっと聞いてみようと思って聞いてみたら、努力していないということがわかりました。  そこで、これからはちょっと努力してよ、まだ間に合うから。例えば2%というものだってありますね。ことし借りたものを見たら0.7%でしょう。借りているのは、財務省と地方公共団体金融機構ということで、全部、国とお役人の仲間内でやって、そして、あそこで一生懸命に荷車を押して働いている人たちが苦しめられている、何か余りよくない構図だね。したがって、市場長はあそこの社長ですから、社長、あした以降、本当に、全国の卸売市場の協会など公共団体がやっているところを通じて、財務省とかこれらの機関に働きかけて、借りかえをして少しでも金利負担を軽くなるようにやっていただきたいと思うのですが、いかがなものですか。 ◎高橋 中央卸売市場長  ご心配いただき、ありがとうございます。  そういう意味では、我々も同じような認識を持っておりまして、平成23年度から、全国中央卸売市場協会というのがございまして、全国の市場から要望を受け、市場についても地方債の基準の適用になるように要望を出しているところでございまして、私どもも同じ意見でございます。 ◆松浦忠 委員  同じ意見だって、ぱっと投げたボールがかなり速いスピードで私のほうに返ってくるんだけど、例えば、水道事業会計、交通事業会計は償還基準が違うんですよ。水道のほうは1,000億円をちょっと切ったぐらいあるけれども、もう借りかえは認めない。交通はまだ認めているんですよ。なぜかといったら、交通は借金の額が多いから、全国的に経営が大変だから、みんなして何とかしろと言っているから。水道は、まあまあ借金はあっても、各企業会計から見たら経営内容はいい、だから、これはもうちょっと金利を変えさせないほうがいい、高く取ったほうがいいなと、向こうでさじかげんをしているのですよ。そうしたら、札幌市の市場会計はずっと借金コンクリートで四苦八苦しながらやってきているのですから、少なくとも札幌市はこのことをずっとやってこなきゃだめだったのです。  それから、市場長に言っておくけれども、副市長以下、担当の人がそこにいるけれども、あなたなんか相手にしていないからね。市場の借金のことなんか相手にしていないから、あそこは会社で社長に全権を持たせてやらしているのだから、まあ、うまくやれや、こんなものだから、あなたが本当にしなきゃだめだよ。あす以降、ひとつ頑張ってやってください。  それから、もう一つ、今度は人件費の9.5%のことです。  以前に、市場法でもって取引のときには必ず職員が立ち会うことになっていて、札幌市も条例で決めて立ち会うことになっていますが、私が指摘するまで早朝の相対取引に立ち会いをしていませんでした。しかし、立ち会いをするようにしました。  そこで、今現在、どういう職種の人が、何時から出て、何人で立ち会っていますか。 ◎高橋 中央卸売市場長  近年、競り時間前の予約相対取引などの割合が増加いたしまして、その取引の監視を強化する必要があることから、卸売市場の専門的な知識と経験を持ついわゆる目ききのできる職員を本年4月から非常勤職員として採用しておりまして、正規職員との情報交換もできたことから、昨年度と比較しまして業者に対する指導件数もふえており、一定の効果があったものと認識しています。 ○芦原進 委員長  松浦委員、ちょっとごめんなさい。  ちょっと質問と答弁が違うように思うのです。 ◆松浦忠 委員  委員長、いいです。もう夜も更けてきたから。 ○芦原進 委員長  何人と時間ということでありましたけれども、質問者がいいということですので、結構でございます。 ◆松浦忠 委員  (続)私は職員がちゃんと出るようにしなさいと言ったのだけれども、職員組合との話し合いで朝早く出るのは嫌だと言って就労を拒否したんです。その結果、今のように、市場を退職した人を任用して、その任に当たったと。  今、市場長の話を聞くと、職員が立ち会っているときより取引のやり方について指摘件数がふえた、そして適正な取引だ、こういうことですから、それはよかったと思うのです。賃金も安いしね。そうすると、今、人件費は9.5%ですけれども、今いる職員の皆さんも、一般行政職で朝8時45分から午後5時15分の勤務をした人が、ある日、突然、市場へ発令になり、早朝に出て行って昼前に帰ると。生活の調子も非常に狂いますし、肉体的にも大変だと思います。したがって、私は、逆に、今の立ち会いの職員をもうちょっと減らして、そういう専門的な仕事をしてきて定年になった民間の人を再任用する。そして、2人出るとしたら、職員1人と専門的な知識がある再任用の1人と2人をコンビにすれば絶妙のコンビネーションになるし、なおかつ、人件費も安くなって9.5%がさらに下がって、市場の経営としても大変いいと思うけれども、どうだろうか。 ◎高橋 中央卸売市場長  早出職員の全面的な非常勤化というお話でございましたけれども、4月から非常勤の配置をして一定の効果が出ておりますし、他都市のほとんどが非常勤のみの早出となっておりますことから、当市場につきましても検討する必要があると考えております。  ついては、今後、非常勤職員の監視・指導状況の推移や業界の意向や委員からのご指摘も踏まえながら、開設者として効果的・効率的な監視・指導体制について検討してまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  最後に、これだけは注意してくださいよ。人件費も安いし、民間で経験の豊かな人がいろいろわかっているから指摘も多いと。今はいいんですよ、職員とやっているから、職員もまざっているからね。これを、非常勤だけに任せると、やっぱり昔一緒にやっていた仲間だから、人間というのは、まあ、いいかということがふえてくるのですよ。したがって、やっぱり職員も必要なのです。早朝勤務で一般行政職に入ったのに市場に異動になったために非常に生活の調子が狂うということもあるかもしれないけれども、一定限は職員も置きながら、そして、人件費の削減とより効率的な業務の運営に当たっていただくことを求めまして、私の質問といたします。 ◆木村彰男 委員  私は、経営改革プランの進捗について、1点だけお聞きします。  私は、中央卸売市場の経営改革プランにつきまして、第1回定例会に引き続き、その進捗の検証を行うべく、今回、質問させていただきます。  ことしの3月17日、当時の元木市場長に対して、リサイクル施設の整備に伴う累計効果額と言っておりましたけれども、4億9,700万円という数字を達成できないことを指摘させていただきました。市場長も、これに対して、8年間の効果額が1億2,000万円にとどまる、4分の1ということを認めたと思います。これは、当初、生ごみを処理して、鶏の餌のようなものを想定しておりますが、飼料をつくって販売収入にする。プラン上は約1,000万円の収入があることを見込んでやり始めましたけれども、400トンぐらいつくれると思っていたものが135トンしかできなかった。それから、売れたものは、平成25年度で鵡川町の養鶏農家に0.5トン、税込みで3,150円、1,000万円の見込みが3,150円しか売り上げがないという惨たんたる成績でした。それから、平成26年度の数字もいただいておりますが、契約ベースで11万6,000円という売り上げしか上がっていない。だから、これを収入といいますか、得点として見ていくことはできないのではないかということを申し上げました。  これらの事実を前提にして、荒井経済局長は、私の主張を一部認めた上で、委員の指摘のとおり、当初のプランと現実は食い違っているので、平成32年度に単年度の資金ベースで黒字という計画になっていますから、もう一回、プランを見直して検証したいと答弁されたと思います。  そこで、3月からですから7カ月たちましたので、その検証の結果、資金ベースで黒字ということは可能になりましたでしょうか、まず、お聞かせください。
    ◎高橋 中央卸売市場長  まず、プランを策定した背景から説明させていただきますが、近年の社会構造の変化、消費者意識の変化、市場外流通の増大などによりまして市場会計の経営状況の悪化が見込まれ、平成28年度には資金不足が懸念されたという背景がございました。そこで、平成23年度に札幌市中央卸売市場経営改革プランを策定し、その取り組み効果によって経営を好転させ、平成32年度末における単年度資金残高の黒字を見込んだところでございます。  このたび、平成25年度の決算及び平成26年度決算見込みに基づきまして収支計画を見直し、検証を行いました。具体的には、26年度以降につきましては、プランの取り組みについては効果額に差が生じましたが、現実的な効果額を見込んでおりまして、また、節電などによる経費の節減など経営の効率化に努めるとともに、資本的収支の建設改良事業につきましては財源として企業債を充てるなど、こうした結果、平成32年度において資金ベースで1,400万円の黒字を達成できるものと考えております。 ◆木村彰男 委員  1,400万円のことは、私も後で言います。  私がいただいている資料の平成25年度の場合は、二つの大きな指標があります。役所の言葉なのでちょっとわかりにくいのですが、プラン取得効果額というお言葉を使っていらっしゃいます。野球で言えば得点と私は理解しました。それから、もう一つのプラン取得削減額はコストカットの話だと思います。この二つが両輪のごとく作用してうまくいっていただければいいのですが、25年度の場合、得点に当たるものが4,249万円と、目標値の63%しか行っておりません。それから、コストカットのほうは7,082万円で、目標値の72%ぐらいしか行っていません。だから、当初の経営プランの目標から言うと5,223万円ショートしている、そういう私の理解です。その中で、比較的得点に寄与したとされているのが空室解消策で、うまくいっていると言っていましたが、実は、これも目標に対して46.8%ぐらいしか行っていないのです。  そういうふうにして考えていきますと、私の分析ですが、コストカットについてはなかなか限界があって、コストカットだけをやっていったのでは最終的な得点のところには結びつかないのではないか、つまり、新たな得点源をつくるようなラインナップを新たに項目の中に押し込んで、効果目標ということでさらなる見直しをかけていかないと、今おっしゃっている1,400万円のプラスに行かないのではないかと思います。  さらに、プランを実施してから3年ですか、4年ぐらいたって、野球の試合で言えば中盤戦に入ってきて、底がもう見えてきています。そういう面でいくと、理事者として今の推移の中でよしとするのか、さらなる強化策というか、補強策が必要になると考えているか、これについてお聞かせください。 ◎高橋 中央卸売市場長  最終的に平成32年度の予定額につきましては、先ほど説明したとおり、効果として見れば1,400万円を見込んでおりますが、プランで見込んでいた額よりは4,100万円ほど減少しております。この収支計画につきましては、実績値を積み上げて見込んでおりまして、努力目標や期待値のようなものは含めておりませんが、経営努力でプランの予定額に近づけるような努力はしていかなければならない、そう考えております。 ◆木村彰男 委員  もう一つ、先に言われてしまったのですけれども、企業債のことなのですね。企業債で平成25年度の札幌市公営企業会計決算審査意見書がありまして、企業債のことについては、平成21年度、22年度、23年度は企業債を発行していません。そして、24年度から2億5,800万円、25年度は3億円の企業債を発行しました。24年度の企業債は何に使ったというと、さっきの生ごみの処理施設で、1,000万円稼ぐと言っていたものに使われています。そして、25年度は、先ほど部長もおっしゃったように建設改良費の財源に充当したというお言葉なのですね。片方で改革プランをやりながら、片方で企業債を発行していくということについて、私の中では矛盾というふうに思うのだけれども、見ていると、それを経営の効率化というカテゴリーの中に入れているのですね。  経営の効率化につなげる企業債の発行とは一体どういうことなのか、教えていただきたいと思います。 ◎高橋 中央卸売市場長  建物設備の老朽化に伴いまして、建設改良事業の財源として企業債を充ててまいりました。企業債を財源とすることで負担の平準化が図られますとともに、資金の急激な減少を抑えることができるものと考えております。もちろん資金に余裕がある場合は企業債によらないで借金をしないことが望ましいのですが、そもそもこの経営改革プラン自体が資金不足を回避するような計画でございますので、現段階では企業債を財源とすることが望ましいものと考えております。 ◆木村彰男 委員  何を言いたいかというと、はっきり言うと、実は企業債の金利は札幌市から仕送りが来るのですね。だから、市場で自立してやっていこうという経営プランの中で仕送りを当てにするような改革プランというのは、私はどうかなと思って見ております。だから、心配しています。心配していてもよくはならぬわけです。これは、私がやるわけではなく、市場長がやられるわけですから、26年度が終わった段階で数字がよくなっていればいいので、木村には何も言わせないぞというぐらいにやっていただければ結構です。  最後、局長にお伺いします。  この経営改革プランの向こうに、実は、農林水産省の第10次卸売市場整備基本方針であるとか整備計画というものが前提にございます。それから、もう一つは、これも高いのか低いのかはわかりませんが、公営企業会計制度の改正があります。これらを見ていきますと、国の枠組みが変わり、会計の物差しが変わっていきますと、この改革プランの計画遂行は非常に難しい、もしくは、先ほど言いましたが、未達に終わるのではないかと私は危惧しているわけでございますが、最後に、局長に、その危惧は必要ないのかということをお聞かせください。 ◎荒井 経済局長  今、委員からお話がありましたように、農水省のほうでは、計画期間の平成28年度から32年度まで第10次卸売市場の整備基本計画が出されまして、ここでは、恐らく市場を取り巻く環境が相当変わっていることを踏まえた上での計画の策定になるかと思います。それから、先ほど市場長から申し上げましたように、いろいろな条件が変わってきていることもありますし、それから、今後の消費税のアップもあって環境が大分変わってくるということもありますので、今回の経営改革プランについては現実的な数字を積み上げてということになりますが、そういった計画の動きを見たりしながら計画プランをもう少し見直すことも考えていこうと思っております。  最終的には、平成32年度の単年度黒字ということは達成できるものと私は確信しておりますけれども、そのよすがというのは、今言ったように状況が変わりますので、それを踏まえた上で考えていくことになるかと思います。 ◆木村彰男 委員  この数字を見ていくと、なるべくかたく見ていることは私もわかるのです。ただ、ご担当の方と何回も話したのですが、やはり、目標数字を前倒しで達成するとか、例えば1年早くとか、少し上を見てそれに向かって推進していかないと、この数字そのものを守れなくなると私はいつも申し上げておりますので、その辺を肝に銘じてやっていただくことを希望いたしまして、私の質問にかえさせていただきます。 ○芦原進 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計決算の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了します。  次回は、30日木曜日午後1時から、観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後6時22分...