札幌市議会 2014-03-17
平成26年第一部予算特別委員会−03月17日-07号
平成26年第一部
予算特別委員会−03月17日-07号平成26年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第7号)
平成26年(2014年)3月17日(月曜日)
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
●議題
付託案件の審査
●
出席委員 33人(欠は欠席者)
委 員 長 村 山 秀 哉 副委員長 宝 本 英 明
委 員 武 市 憲 一 委 員 三 上 洋 右
委 員 鈴 木 健 雄 委 員 五十嵐 徳 美
委 員 長 内 直 也 委 員 小須田 悟 士
委 員 佐々木 みつこ 委 員 こじま ゆ み
委 員 川田 ただひさ 委 員 北 村 光一郎
委 員 伴 良 隆 委 員 川口谷 正
委 員 西 村 茂 樹 委 員 福 士 勝
委 員 畑 瀬 幸 二 委 員
ふじわら 広昭
委 員 三 宅 由 美 委 員 長谷川 衛
委 員 しのだ 江里子 委 員 林 清 治
委 員 植 松 ひろこ 委 員 涌 井 国 夫
委 員 三 浦 英 三 委 員 谷 沢 俊 一
委 員 丸 山 秀 樹 委 員 井 上 ひさ子
欠 委 員 坂 本 恭 子 委 員 伊 藤 理智子
委 員 小 倉 菜穂子 委 員 石 川 佐和子
委 員 堀 川 素 人 委 員 金子 やすゆき
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午後1時
○
村山秀哉 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
坂本委員からは本日から3月26日まで欠席する旨、
飯島委員からは
川田委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
第2款 総務費 第2項
市民生活費中関係分及び議案第37号
住居表示を実施する市街地の区域及び
当該区域における
住居表示の方法を定める件について、一括して質疑を行います。
◆
石川佐和子 委員 私は、
町内会活動の活性化に向けた支援について伺います。
札幌市におきましては、
上田市長の就任後、
自治基本条例、
市民まちづくり活動促進条例、また、
市民まちづくり活動促進基本計画のもと、市民が主役の
まちづくりを進めるため、市民の自発的な活動に対し、さまざまな支援を行い、札幌市は
取り組みを進めてきたというふうに認識しております。
ことしの冬も、各区におきまして、スノーフェスティバルや雪中運動会が実施されるなど、
まちづくり活動の事例も1,000事例を超えています。連絡所の時期と比べて10倍以上の増加であると伺っているところです。町内会や自治会を中心とした地域の
まちづくり活動は、このように着実に広がっており、
市民自治による
まちづくりが充実してきているのではないかというふうに感じております。
昨年、清田区の
北野まきば町内会では、高校生が
町内会役員に就任して話題となりました。この町内会では、若者が役員になったことで、新たな
イベントが生まれたほか、周りの役員が
高校生役員を支えるために
町内会活動に取り組む意識が高まったと聞いています。
このような若者の町内会への参加に触発されまして、例えば、北区においても、
マンションの自治会におきまして、役員が一軒一軒呼びかけを行った結果、大学生と高校生が町内会の
イベント企画に参画し、それが
きっかけで役員にもなって活動を継続しているということがありました。また、北大の学生で構成される
ボランティアサークルが
町内会組織の部会として位置づけられるなど、
町内会活動の新しい
担い手づくりに積極的に取り組む町内会もあり、
町内会活動の活性化の兆しが見てとれるのではないかというふうに思っています。
しかし、こうした
町内会活動の活性化が進みつつある地域は、まだごく一部でありまして、多くの町内会では、
町内会活動の
担い手不足や役員の高齢化、固定化、人材の発掘や育成、町内会への
加入促進など、
町内会活動に取り組むに当たっての課題に直面しているというふうに感じています。町内会、自治会の数は増加しておりますけれども、町内会の加入率は年々減少し、25年前は83%でありましたが、ことしの1月1日の数字を見てみますと、70.48%という状況にもなっています。こうした現状を
まちづくりセンターや区、また本庁が課題として共有し、一体となって
取り組みを進めるべきというふうに考えます。
そこでまず、伺いますけれども、多くの町内会は、活動の
担い手確保や役員の発掘、育成、また町内会の
加入促進などさまざまな課題を抱えておりますが、こうした現状を札幌市はどのように認識し、また、どのような
取り組みを進めてこられたのか、伺います。
◎小角
市民自治推進室長 さまざまな課題を抱える町内会の認識と
取り組みについてのご質問でございます。
まず、町内会の現状に対する認識についてでありますが、札幌市では、これまでも、
町内会長への
アンケートなど、さまざまな機会を通じて町内会の
現状把握に努めてきたところでございます。最近では、
町内会活動の
ノウハウを掲載した冊子でございます
町内会活動のヒントの改訂に当たり、昨年9月から11月にかけまして各区の
町内会関係者にお集まりいただき、
ワークショップを通じて町内会が抱える今日的な課題等を集約したところでございます。その結果、
町内会役員の固定化や未
加入世帯の増加、
町内会活動への関心の希薄化、さらに
賃貸住宅に暮らす若者や
子育て世代の活動への参加が少ないことなど、多種多様な課題が顕在化していると認識しているところでございます。
次に、このような課題に対するこれまでの
取り組みについてでございますが、札幌市では、
町内会活動の担い手の確保や
加入促進が図られるよう、これまで、
まちづくり参加入門教室などの講座の開催や、
町内会運営の参考となる
ノウハウをまとめた冊子の配布、さらには、
不動産関連団体等との連携による
町内会活動のPRや加入の呼びかけなどの
取り組みを実施してきたところでございます。また、平成25年度からは、
地域活動に触れる機会が少ない若年層を主な対象といたしまして、
町内会活動の意義や魅力を紹介し、参加などを促す
CM放送や
パネル展の開催など、町内会を取り巻く課題の解決に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。
◆
石川佐和子 委員 今、町内会の多種多様な課題を会長の
アンケートなどを通して明らかにしながら、解決に向けた
取り組みを伺いました。
札幌市の町内会の数は、現在、2,200を超えると伺っています。そうした中では、個々の地域で住環境も当然異なっておりますし、これらに応じて課題も本当にさまざまではないかというふうに想像するところです。実際のところ、それぞれの町内会に年間の
事業計画があると思いますけれども、そうしたものを実行するだけでもかなりの時間と労力を要し、じっくり振り返ったりする余裕がないのではないかということを現状として感じています。
先ほど実例として申し上げました、
人材不足に困って、役員がどうしようかと悩んで一軒一軒の
マンションを回って人材を発掘したように、
地域ごとの状況や特性に応じて課題を解決する方法も当然異なってくるというふうに思います。そういう中で、まずは、個々の地域が取り組むべき課題を整理し、地域が主体となって課題に取り組んでいくことが
市民自治の原点であるというふうに思いますし、それぞれの
町内会自体の
取り組みの改善や強化が必要ではないかと考えるところです。札幌市におきましても、町内会みずからが主体的かつ積極的に
課題解決に取り組めるよう、きめ細かい支援を行うことは、
市民参画の
まちづくりを進めるために大変重要なことだと考えます。
そこで、もう1点伺いますが、
町内会活動の活性化に向けて、それぞれの町内会が個々の課題を抱えている状況に対し、札幌市はどのように支援を進めているのか、また、それに対してどのような成果があったのか、伺います。
◎小角
市民自治推進室長 各町内会が抱える多様な課題への支援とその成果についてのご質問でございます。
まず、個々の町内会が抱える多様な課題への支援についてでありますが、委員からご指摘がございましたとおり、
都市機能や住環境によって町内会が抱える課題もさまざまであり、全市的な
取り組みに加えて、それぞれの町内会が持つ固有の課題を解決できるよう支援していくことが必要と認識しているところでございます。このため、平成25年度から、町内会みずからが
担い手確保や
加入促進に取り組む活動を支援するため、
町内会役員等による
ワークショップを開催し、対象となる町内会の課題や地域の特性を踏まえた
取り組みの検討などを実施してきたところでございます。現在、
麻生連合町内会など三つの町内会を
モデル地区として実施しておりまして、現状の
課題認識の整理や次年度以降の
取り組みの具体化などを進めているところでございます。
次に、その成果についてでございますが、ご参加いただきました
町内会役員の方からは、町内会を取り巻く
住民ニーズの変化を再認識できたことや、喫緊に取り組んでいくべき課題等が明確になったとの意見をいただいており、一定の成果があったものと認識しております。また、
地域イベントの企画に
子どもたちの意見を取り入れることや、
子育て世代の
まちづくり参加を促す
意見交換会の実施など、今後につながる
アイデアも出されているところでございまして、次年度以降、
町内会活動の活性化に向けた
取り組みが期待されるところでございます。
◆
石川佐和子 委員 今、ご答弁にありました麻生の町内会というのは私が住んでいる北区の町内会でありまして、新年の交礼会のときに、会長がご挨拶の中でそうした
取り組みはとてもよい効果があると言っていただいたのを今思い出しております。
町内会や自治会は、加入率が減少しているとはいえ、全市の7割の世帯が加入している組織でもありますから、地域の
まちづくり活動の重要な存在であるというふうに思います。夏祭りなどの行事を通して地域の親睦を深め、高齢者の見守りや
ごみステーションの管理など地域で安心して暮らすための仕組みをつくり、日々、活動しています。こうした活動は、行政に言われて行っているのではなくて、
市民自治による
まちづくりを進めていく意識を持って行っており、私は、こうした活動の活性化を通し、市民力、また地域力が高まっていくものと考えています。そうした中、
市民参画あるいは試行錯誤の中で手応えとやりがいを感じるところから公共性が生まれてくるというふうに考えています。札幌市によるきめ細かい町内会、自治会への支援の拡充を期待するところでありまして、この点は強く求めておきたいと思います。
また、
町内会活動への支援が急がれる中では、同じような課題を抱えて活動している町内会の
取り組み事例を共有して、町内会みずからが
課題解決に取り組む
環境づくりが今後より重要になるのではないかというふうに考えます。例えば、これも北区の
マンションの自治会ですが、住民の困り事を
アンケートを通して調査し、その結果、高齢になって買い物に行けないとの声が多かったことから、
買い物代行の可能性を探るために、他の町内会の
取り組み事例を得ようと
インターネットで検索したりしています。また、北区のことばかりで恐縮ですが、北区でスーパーが閉店し、買い物ができなくなったことが報道されたことを
きっかけに、西区の
個人商店が地域に声をかけて、
町内会長たちが自主的に
買い物プロジェクトをつくり、熱心に話し合って、この4月から
移動販売が実現することになったと、先日、報道されていました。こうした、企画の段階からそれぞれが主体的に参画し、
アイデアを出し合い、取り組んでいる前向きな事例は、本当によい事例として新聞や
インターネットなどからも情報を得ることはできると思いますけれども、札幌市も、地域が抱える課題を把握し、それに応じた
情報提供を行い、ともに
町内会活動の充実を目指すべきというふうに考えます。
そこで、最後の質問ですけれども、札幌市として、今後、町内会の活性化に向けた支援を積極的に行うべきと考えますが、どのように展開させていくおつもりか、伺います。
◎小角
市民自治推進室長 今後の
町内会活動の活性化に向けた支援についてでございます。
町内会の
課題解決に取り組む活動への支援につきましては、地域内での話し合いを積み重ねて
課題解決への
取り組みを検討していきますことから相応の時間がかかりますが、具体的な実施に至るまで継続的な支援が必要と認識しているところでございます。
このことから、現在の
モデル地区には次年度以降も支援を継続いたしますとともに、新年度は、これまでの地区とは異なる
地域特性を持った
モデル地区を新たに2地区程度選定いたしまして、
課題解決の
ノウハウを蓄積してまいりたいと考えております。また、こうした
取り組みの過程や成果などは、同様の課題に悩んでおられる他の地域の参考となりますことから、事例集の作成やホームページへの掲載などを通じて積極的に他の地域にも
情報提供してまいりたいと考えているところでございます。
◆
石川佐和子 委員 課題の解決に向けた
ノウハウを蓄積し、そうした情報をぜひ積極的に地域の一人一人と共有していくような
取り組みを進めていただきたいと思います。
地域の中ではさまざまな自主的な活動が行われておりますけれども、本当に
まちづくりセンターがそうした活動のかなめになっていると思います。とりわけ
まちづくりセンター所長の働きは、
地域活動の相談相手とか
コーディネート的役割を果たす上でとても重要だと考えます。しかし、
まちづくりセンター所長は、長い間そこにいるというわけでもなくて、顔も覚えてようやくお話ができるようになったときに異動になって困るという声も地域の方々から伺っています。そうしたことから、
まちづくりセンター所長が
地域づくりのかなめとなって、腰を据えて
まちづくりに取り組めるようにしていただくことを強く求めたいと思います。
今後も、
町内会活動の活性化に向けた札幌市の支援の拡充を強く求めて、私の質問を終わります。
◆川田ただひさ 委員 私からは、
アイヌ住宅建築費等貸付金、また、
アイヌ施策全般について、何点かお尋ねしたいと思います。
早速、質問でありますけれども、
アイヌ住宅建築費等貸付金について、昨年度と本年度の実績、見込みについてどのような状況になっているのか、お伺いいたします。
◎長谷川
市民生活部長 昨年度、本年度とも、
貸し付けの実績はございません。
◆川田ただひさ 委員 ゼロということでございます。今年度については見込みということですが、3月も終わりが近づいていますので、ゼロと判断してよろしいのかなと思っています。
そこで、
アイヌ住宅建築費等貸付金の4,050万円は、ここ数年、変わらない数字になっていますが、国、道の補助金も入っているということでございますけれども、どのような根拠でこのような数字が出ているのか。
続きまして、もう1点は、
アイヌ住宅建築費等貸付金の現在の滞納額についてお伺いしたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長 貸付金の予算額につきましては、過去の
貸し付け実績から
住宅新築、宅地取得のための
貸し付けの件数をそれぞれ3件と見込んでおります。
それから、貸付金の現在の滞納額につきましては、平成25年度末の
見込み額になりますが、約4億8,100万円と考えております。
◆川田ただひさ 委員 この点については、私が一番最初にお聞きして、他会派、また我々の同志もいろいろとお聞きしていますが、毎年2,000万円ずつ上がっていっております。今年度の見込みについてはとうとう5億円の大台に乗るかなと思ってはいましたが、そこまではいかないで、とりあえず小幅な形になっておりますけれども、約100万円ほどふえているということであります。
アイヌ住宅建築費等貸付金の金利などについてはどのような状況になっているのか、この点ついてお聞きしたいと思っております。
また、昨年度と本年度はゼロということでございますし、滞納額も非常に大きいわけでございますが、今後も
アイヌ住宅建築費等貸付金を必要とするのか否か、その見解についてもお伺いしたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長 貸付金の金利につきましては、
制度改正が昭和52年からになります。固定で年2%の金利になって、それを継続しているところでございます。
それから、今後も
貸付金制度を続けるのかというご質問だったと思いますが、この制度につきましては、国、北海道の施策として展開されている事業でございまして、札幌市としても一緒になってやっております。委員からお話がありましたとおり、確かに滞納の方もいらっしゃいますが、お借りになって返済している方も多数いらっしゃいます。これから家族を持ってお家を建てられる方もいらっしゃると思いますので、そういう観点から今後も継続していく考えでございます。
◆川田ただひさ 委員 確かに、これからお家を建てられる方もたくさんいらっしゃるわけでございます。
そもそも私がどうしてあえてお聞きしているかといえば、アイヌという限定の仕方についてもいろいろと不可思議なところがありますけれども、昭和52年以来、限定した形で、また、バブル期があったり、いろいろな時代を経ても2%ということで借りられているわけでございます。そういう意味で、果たして、
アイヌそのものについて一体どういった形になっているのか、私も事あるたびに質問してきたわけでございます。そういう中で、
アイヌ協会札幌支部以外にもアイヌの方はいらっしゃいます。その
数値データについては以前もお話ししましたので割愛いたしますが、この方々について、今の制度で言えば、当然、
住宅貸付金も借りられると思うわけでございます。
そこで、対象者というのは、誰がどういった形で判断して
貸し付けを行うのか、そして、協会以外の方々で今までに借りた人がいるのか否か、その点についてもお聞きしたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長 アイヌ協会の会員以外の方の認定方法というご質問だと思います。
それにつきましては、ご本人様の
戸籍謄本、直系尊属でございます祖父母、曾祖父母の
戸籍謄本を提出してもらいまして、最終的には札幌市が認定するという要領になります。
それから、現在まで
アイヌ協会の会員以外の方のご利用はございません。
◆川田ただひさ 委員 そういうことでございます。しかしながら、全体で言うと、前もお話ししましたように、全てが会員になっているわけではありません。というよりも、全員というわけではありませんから、人数的にはある意味では限定されているわけであります。協会以外の方は借りていないということを考えますと――先週、私のところにメールが来まして、ハーフの方ですが、私たちは自助努力で生きているのだから協会だけが優遇されるのはどうなのかということでございます。今の見込みでは滞納額が4億8,100万円ありますが、そういう意味で協会の
札幌支部長に責任はないのでしょうか。そういったことについてもお尋ねしたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長 滞納につきましては、滞納されている個々の方の責任でございまして、支部長に責任があるというふうには考えません。
◆川田ただひさ 委員 しかしながら、この前もお話ししましたけれども、いわば支部長が確認などもされるわけでございますね。そういう意味で、責任がないというのはちょっとどうかなと私は思っている次第であります。
結局のところ、アイヌに限定した形で、日本人よりも
優遇措置をしているということでございますけれども、アイヌの方も日本人でございます。
日本国民なわけでございます。そういう意味で、非常に不思議を抱いている方もたくさんいらっしゃるわけでありますけれども、そもそも日本の法律の条文でアイヌの名称を使用して差別していたことがあるのか否か、この点についてお尋ねしたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長 アイヌ民族を差別した法律があったかどうかというご質問だと思いますけれども、これにつきましては、札幌市としては判断しかねるところです。ただ、我が国が近代化する過程において、多数のアイヌの人々が、法的にはひとしく国民でありながらも、差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を厳粛に受けとめなければならないことは
国会決議でうたわれているところでございます。
◆川田ただひさ 委員 いみじくもご回答があったように、法的に差別された実績はないわけでございますね。
国会決議でもそう言っているわけでございます。すなわち、
優遇措置をすることについては、私は、もうそろそろ使命を終えているものだと思っております。そういうことを考えたときに、このことがさらに発展するとどういうことになっていくかということでありますけれども、これは一部ですが、アイヌの方々の中に、土地を奪われたのだということで補償などを求める動きもあります。
これは、2012年に
アイヌ民族シンポジウムという集会が行われたときに、これは札幌市が主催しておりますけれども、「
アイヌ民族の権利と補償問題を考える」というタイトルの講演がありました。こういったことが助長されると、例えば、一部の方においては自治権を要求するといったところまで至る人たちもいるわけであります。私は前にも言っていますから何回も言いますけれども、北海道の中に、我々
日本民族は、これはある意味では
先住民族なわけでございます。そういうことで考えれば、こういった動きは非常にどういったことなのかなというふうに疑問を感じざるを得ないわけでありますけれども、札幌市としてはそういったことを支持されるのかどうなのか、この点についてお伺いしたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長 先住民族の権利に関する
国際連合宣言というものがございます。この中では、
先住民族の権利や補償のことについてうたわれております。今、委員がおっしゃられたことにつきましては、そういうことを研究されているのではないかというふうに思います。研究をすることについては、何ら問題がないのではないかと考えます。
◆川田ただひさ 委員 私は、支持しているのかどうなのかとお伺いしたわけでございますけれども、研究をしたり、いろいろなことを言うのは、日本は自由な国ですから、別にそれを問うているわけではありません。この部分については、札幌市としては、研究するということで認めているということなのでしょうか。その点について、もう一度、はっきりとお伺いしたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長 研究する分には問題はないのではないかと思います。それを実際に実行するとか要求するとなりますと、法律的な問題が出てきますので、違う段階の話になるかと思います。
◆川田ただひさ 委員 札幌市が主催しているわけでございますから、研究する分にはいいのだという話でございますけれども、この点について、私は、支持していると思われるような行為については考えていただきたいなと思っている次第であります。
何回も言いますけれども、北海道は、我々
日本民族も長年にわたって住んでいるわけでございます。そういう意味で、文化として……(発言する者あり)いやいや、そうですよ、皆さん。そういうことで考えれば、アイヌの方々の文化を継承する点についてはいいと思いますけれども、補償とかの部分については、私としては非常に疑問を感じざるを得ないわけでございます。
そういう意味で、そういうふうに非常に疑問を感じている市民も多数いらっしゃいますので、この点については事あるたびに質問してまいりたいと思います。今後もいろいろとお聞きいたしますので、よろしくお願いいたします。(発言する者あり)少数ではないですよ。この点については結構多いですよ。
これで、質問を終わります。
◆植松ひろこ 委員 私からは、女性の視点を取り入れた避難所運営についてと、
まちづくりセンターの自主運営について、それぞれお伺いいたします。
初めに、女性の視点を取り入れた避難所運営についてお伺いいたします。
男女が互いにその人権を尊重し、喜びも責任も分かち合いつつ、ともに個性と能力を十分発揮できる社会、すなわち男女共同参画社会の実現にはまだまだ課題が多くあるのが現状です。特に、このような課題は、災害時に、より一層、顕著になってあらわれるものです。
阪神・淡路大震災においても、NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべの方などから、女性への配慮が足りない避難所運営や女性の人権侵害にも当たる事例などがあったという報告があり、さきの東日本大震災で女性の視点の欠如が社会的に課題であるとやっと指摘されました。中でも、男女別のトイレや更衣室の設置、授乳室の設置など、女性のプライバシーや安全・安心の確保の必要性について指摘されております。このようなことから、国では、昨年5月に、東日本大震災を含む災害対応における経験をもとに、男女共同参画の視点から、必要な対策、対応について、地方公共団体が取り組む際の指針となる男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針を策定したところです。
そこで、今年度、男女共同参画室では、女性の視点を取り入れた避難所運営に関する資料を作成したということですが、札幌市として、この資料を作成した必要性と意義をお伺いいたします。
◎長谷川
市民生活部長兼男女共同参画室長 女性の視点を取り入れた避難所運営の必要性と意義についてのご質問でございます。
平常時はもとより、災害時におきましても男女共同参画の理念が実現されることが必要と考えますが、混乱した避難所では、男女共同参画の意識が薄れて、特に女性や子どもへの配慮に欠けることが多いと、これまでの東日本大震災等々で指摘されてきたところでございます。そこで、災害時の避難所においても、男女がともに安心して生活できますよう、男女別仮設トイレの設置、単身女性や女性のみの世帯にも配慮した女性エリアの設定など、ハード・ソフトの両面にわたって女性の視点の必要性を具体的に盛り込んだ資料を作成したところでございます。こうした資料を作成することによりまして、混乱した中でも女性や子どもに配慮した避難所運営や行動ができると考えたところでございます。
◆植松ひろこ 委員 資料を作成した必要性と意義については評価いたします。
しかし、こうしてせっかくよい資料を作成しましても、それが避難所運営にかかわる人たちに伝わらなければ意味がありません。作成したからには、災害発生時にその考え方が生かされていく必要があります。
そこで、作成した資料がどのように活用されるのか、お伺いいたします。
◎長谷川
市民生活部長兼男女共同参画室長 作成した資料の活用でございます。
危機管理対策室では、区役所職員や教職員に向けて、あるいは地域住民も含めて避難所の運営研修を行っておりますが、このたび作成しました資料をその研修プログラムに取り入れていただきました。具体的には、避難所運営を図面上で模擬体験するHUGという訓練がございます。今回作成した資料を事前に見ていただきまして、知識を吸収してもらった上で、更衣室や授乳室をどこに設けるかなど、そういった実践的な研修を12月から1月にかけて9回行ったところでございます。
◆植松ひろこ 委員 仙台市の女性から聞いたことでございますが、子どもがチョコレートを食べてアナフィラキシーショックを起こしてしまったそうです。区役所や消防署にはアレルギー対応食品の備蓄があったのに、避難所には配付されていませんでした。また、避難所では、段ボールの山の奥にアレルギー対応食品が行ってしまい、探し出すことができなかったとのことです。命にかかわることでもありますので、エピペンを用意するなどのアレルギー対応が必要とのお話でした。
今回、危機管理対策室が実施した研修プログラムの中に女性の視点を取り入れた避難所運営に関する資料を取り入れたことで、実際に運営に携わる区の職員や避難所になる学校の教職員、そして、地域の人たちに対する理解が深まったことは、災害時における男女共同参画の推進にとっては大きな前進であります。しかし、地域におきましては、特に防災にかかわる人たちにはまだまだ男性が多いという現状もあることから、来年度には、今年度の
取り組みからさらに一歩進めた
取り組みを期待しております。
そこで、このような2013年度の
取り組みの流れを受けまして、2014年度ではどのような
取り組みを行うのか、お伺いいたします。
◎長谷川
市民生活部長兼男女共同参画室長 今後の
取り組みについてのご質問でございます。
今回作成しました資料は、全ての部局に対して既に情報提供したところでございます。今後も、各区で行われる防災訓練等においてこの資料を活用されますよう、その必要性と有効性も含めてPRを引き続いてしっかり行ってまいりたいと思います。
もう一つは、ことし10月に札幌市で日本女性会議を開催いたしますが、市民を初め多くの方にご理解をいただくために、防災における男女共同参画という分科会を設けます。具体的には、被災地であります仙台市からも
情報提供をいただきまして、女性の視点を取り入れた避難所運営の
取り組みと課題について、
ワークショップ形式で行う予定にしております。
◆植松ひろこ 委員 調べましたところ、札幌市防災会議の女性委員の割合はわずか14.1%です。答弁にもありましたが、ことしは北海道で第31回日本女性会議が開催され、仙台市からも
情報提供をいただく札幌市がこのような低い数字であることは大変恥ずかしいことであります。
2010年に国で策定した第3次男女共同参画基本計画の中の今後取り組んでいくべき喫緊の課題の一つに、政府のあらゆる施策に男女共同参画の視点が反映されるようにすると明記されております。先ほどのような低い数字というのは、この考えが部局や区の中に根づいていないからだと考えます。男女共同参画の重要性を重々理解して施策を進められますことを求めまして、こちらの質問は終わります。
続きまして、
まちづくりセンターの自主運営についてお伺いいたします。
まちづくりセンターは、1972年の札幌市の政令指定都市への移行以来、地域の住民活動の振興や地域要望の集約などを行う窓口として設置されていました連絡所を、
市民自治による
まちづくりを推進する地域の拠点とするために、2004年4月に機能転換及び名称変更を行い、設置しております。その後、これまでの地域の主体的な
まちづくりの活動支援を積極的に行っています。また、各地域におきましても、連合町内会などを核とした地域の活動団体のネットワーク組織である
まちづくり協議会などが多くの地域で設立され、地域の主体的活動を展開しています。
そのような
地域活動が進む中で、一部の地域の方から、
まちづくりセンターの運営を地域に任せてほしいとの声が出されてきました。このことは、2001年に市内各区で実施された区の目指すべき方向性にかかわる各区検討会の実施報告書の中に記載があったのを確認しております。当時は桂市長時代でありましたが、1年間議論して出された地域からの意見がまとめられたものが2001年に出された区の目指すべき方向性という冊子です。こうした意見の多くは、
上田市長になってから検討、実施されています。実施された中で最も地域の自主的な施策である
まちづくりセンターの自主運営は、地域の地域による地域のための住みよい
まちづくりのさらなる発展を支援するため、地域のことを最もよく知る地元の方々に
まちづくりセンターの運営を委託し、拠点として活用していただくために実施したとお伺いしております。
そこで、
上田市長就任以降の
まちづくりセンター自主運営に至る議論経過と自主運営の目的について、改めてお伺いいたします。
◎小角
市民自治推進室長 まちづくりセンター自主運営に係る議論経過と自主運営の目的についてでございますが、
まちづくりセンター地域自主運営制度につきましては、連絡所から
まちづくりセンターへの改編に伴う
地域活動の活発化や、地域からいただいた声を踏まえまして、市では平成19年度から本格的な検討を開始したところでございます。具体的には、自主運営のあり方について、平成19年8月に設置いたしましたアドバイザー会議におきまして、地域の代表者や公募市民、学識経験者の方々にご議論いただき、ここでの議論を踏まえて庁内の関係部署でも検討を重ねますとともに、その内容については、適宜、各連合町内会にも報告させていただき、ご意見をいただきながら制度の構築を図ったところでございます。
こうした過程を経まして、平成20年度から制度の運用を開始したものであり、その目的は、地域を最もよく知る住民に
まちづくりセンターを運営していただくことによりまして、活動の中核を担う人材を地域で確保しながら、創意工夫を生かした
まちづくり活動をさらに進めていただくことにございます。
◆植松ひろこ 委員
まちづくりセンターの自主運営に至る経過や目的についての答弁がありましたが、
まちづくりセンターの自主運営の委託先としては、区域を包括する連合町内会等を中心とした地域のさまざまな団体により構成される地域横断的な団体である
まちづくり協議会等を対象として実施されました。
まちづくりセンターへの委託業務は、直営と同様の業務であり、業務マニュアルに沿い、市民サービスレベルは直営の
まちづくりセンターと同様に維持されています。委託料としては人件費と事務費相当額を支払っていますが、直営で市の職員を所長として配置しているところと比較して少額となってはいるものの、地域交付金としまして基本額200万円と世帯数に応じた加算額を交付することにより自主運営を行うことができ、
まちづくりセンターごとに
まちづくり協議会が地域の特色ある事業を展開されていると聞いております。
2008年10月に東区元町
まちづくりセンター、2009年1月に南区澄川
まちづくりセンター、同じく、3月には南区石山
まちづくりセンター、翌年4月には月寒
まちづくりセンターが自主運営を初め、現在、8カ所で自主運営が実施されており、ことし4月には9番目として南区の簾舞
まちづくりセンターが自主運営を開始します。
そこで、2008年からスタートした
まちづくりセンターの自主運営ですが、地域に対する自主運営化へ向けた
取り組みを市役所としてはどのように進めてきたのか、お伺いいたします。
◎小角
市民自治推進室長 地域に対する自主運営化に向けた市役所の
取り組みについてでございます。
自主運営化は、地域の発意によって実施されますことから、まずは多くの地域に関心を持っていただくことが大変重要と考えております。このため、各連合町内会の役員の方々を対象といたしまして、自主運営に移行した地域による近況報告会を毎年開催しており、自主運営を実施して感じるメリットなどの生の声を直接伝えていただいているところでございます。さらに、地域の方々に幅広くわかりやすく自主運営の活動の様子を知っていただけるようDVDなども製作いたしまして、全ての
まちづくりセンターと連合町内会に配付したほか、その映像は市のホームページ上でも公開しているところでございます。このほか、職員が直接地域に出向きまして、制度内容を説明するとともに、質問にお答えする出前説明の実施や、関心を持つ地域の方に自主運営
まちづくりセンターを現地訪問していただき、意見交換の場を設けるなどの
取り組みを行ってきているところでございます。
◆植松ひろこ 委員 自主運営に向けた
取り組みをご答弁いただきましたが、先日、南区石山
まちづくりセンターを訪問しまして、
まちづくり協議会会長やセンター所長にお話をお伺いいたしました。石山地区の
まちづくり協議会では、ホームページやフェイスブックの作成をしており、さまざまな地域の情報を発信しています。また、交通安全、子育て支援、
まちづくりなど多くの独自事業を実施しており、地域の参加者も年々多くなってきているとお伺いしております。このように、自主運営以降の地域の活性化に大きく貢献しているなと感じて帰ってまいりました。
そこで、次の質問ですが、自主運営状況を地元で見ていて、事業運営に対していろいろ相談を受けていると思われる区長にお伺いしたいと思います。
本日は、各区の区長が出席なさっておりますが、自主運営している
まちづくりセンターが一番多い吉岡南区長にお聞きしたいと思います。
質問ですが、自主運営により、その地域の活動や
まちづくりにどのような変化や効果があったのか、お伺いいたします。
◎吉岡 南区長 自主運営化による地域の変化や効果についてのお尋ねでございますが、まず、1点目といたしまして、地域の多様な団体が参画する
まちづくり協議会が
まちづくりセンターの運営を担うことで、地域でより活発な議論が行われ、スピード感のある
取り組みにつながっているということがございます。
2点目として、自主運営することで交付されます地域交付金の活用により、地域が策定した
まちづくりの目標である
地域活動ビジョンの実現に資するさまざまな事業が、地域の特性を生かしながら、地域みずからの手で効果的に展開されていることを感じているところでございます。
具体的には、ご質問にもございました石山
まちづくりセンターを初め、自主運営している地区におきまして、高齢者に優しい
まちづくり、地産地消による環境に優しい
まちづくりとして、農業が盛んな南区の特性を生かし、地域住民が歩いて出かけられる朝市が活気を持って開催されている地区がございます。安全・安心な
まちづくりとしては、DIG、災害図上訓練でございますが、この手法を用いるなどしながら、より幅広い効果のある防災訓練を実施した地域、あるいは、防災マップ、安全・安心マップを作成した地域もございます。また、地域の魅力を高める
まちづくりとして、アイスキャンドルの光で冬のまちを彩る雪あかりの
取り組みを地域一体となって実施されるなどしているところでございます。このように、地域の多様な団体が連携いたしまして、幅広いテーマでの主体的な
まちづくりが進められ、地域力の向上が図られていると認識しているところでございます。
◆植松ひろこ 委員 今、区長から答弁がありましたように、
まちづくりセンターの自主運営のメリットは多くあると思います。多くの連合町内会が自主運営している連合町内会や
まちづくり協議会から実施後の状況を聞いており、関心を持っている地域が多数あるとも聞いております。自主運営によって、
まちづくりセンターに地域の方を雇用し、長い期間、
まちづくりセンターに勤務することにより、地域への愛着が強まり、
まちづくりへの意識も高まり、そして、地域の市民の
まちづくりへの参加を促すなど、多くの効果があることは明らかです。
まちづくりセンターの自主運営化は、今後もさらに拡大していく必要性は高いと感じております。
そこで、こちらは、吉岡南区長に続きまして、池田市民
まちづくり局長にお伺いします。
今後、
まちづくりセンターの自主運営の拡大に向けてどのように進めていくのか、お伺いいたします。
◎池田 市民
まちづくり局長 自主運営化の拡大に向けました今後の進め方についてのご質問でございます。
札幌市は、今後、人口減少の時代を迎えることが想定されておりまして、さらに進んでいく少子高齢化への対応は全ての地域共通の命題となっておりますけれども、これに伴って生じてくる具体的な課題というのは地域の状況によって異なるものでございます。このため、それぞれの地域がその状況に応じてみずから課題を解決しようとする
市民自治の
取り組みは、札幌市を将来も住みよいまちとしていく上でますます重要となるものであります。
まちづくりセンターの地域自主運営制度は、自分たちの地域のことは、自分たちで考え、決め、行動するという
市民自治の理念を具現化するものでございまして、地域の
まちづくりをより活性化させていく上で有効な選択肢の一つであるというふうに考えます。このため、自主運営のメリットにつきまして、より多くの地域に知っていただけますよう、引き続き、今後もさまざまな機会を通じてPRしてまいります。そして、各区との情報共有を密にしながら、関心を寄せていただいた地域に対しましては、出前説明とか先行地区の現地視察など、地域のニーズに応じた支援を柔軟かつ的確に行っていくことで自主運営の推進を図ってまいりたいと考えております。
◆植松ひろこ 委員 答弁からも明らかなように、自主運営のメリットは多くあります。実施地域では、自主事業が拡大し、地域の活動や
町内会活動に参加する市民もふえています。また、そのことが
町内会活動の担い手育成にもつながっている実績もあるとも聞いています。そして、
まちづくりセンター自主運営に関心を持っている連合町内会もあるというのは事実であります。
札幌市としましても、こうした自主運営を検討している町内会や
まちづくり協議会への丁寧な説明と、実行に至るまでの支援などの
取り組みを主体的に行い、
市民自治の推進を進めていただくことを求めまして、私の質問を終わります。
◆丸山秀樹 委員 私からは、NPOによる地域ネットワーク事業について質問いたします。
本市の人口は、これまで一貫して増加傾向にありましたが、平成27年前後をピークに減少傾向に転じ、かつて経験したことのない超高齢社会を迎えようとしております。
こうしたことなどを見据え、昨年、本市では、今後10年間の新たな
まちづくりの指針となる
まちづくり戦略ビジョンが策定されました。主に行政が優先的、集中的に取り組むべきことをまとめた戦略編では、さまざまな活動主体間のネットワーク構築を掲げ、これを踏まえ、策定作業を進めている第2期
市民まちづくり活動促進基本計画案においても、さきの財政市民委員会で報告があったとおり、多様な活動主体間の連携促進を基本目標の一つに据え、複雑多様化する地域課題をさまざまな団体がそれぞれの強みを生かしながら解決していく
環境づくりを進めていくこととしております。
私の地元の厚別区は、南区に次いで高齢化率が高く、特に、青葉地区は38.8%、もみじ台地区は37.9%と市内でも一、二という40%に迫る地域であり、地域コミュニティーの中核を担う町内会においては、長年、
担い手不足などの課題を抱えている状況にあることから、今後、さまざまな団体との連携が期待され、特にNPOの重要性が高まってきております。
そのため、私は、平成23年第4回定例市議会の代表質問で、本市がNPO法人の所轄庁となるに当たり、地域課題の解決に取り組むNPO法人等の発展を後押しする必要があると指摘させていただきましたが、昨年11月、厚別区では、高齢者が安心して住み続けることができるよう、厚別区役所や町内会、地区民児協、NPO、そして警察などの関係機関により、地域の見守りネットワーク会議が立ち上がったことは評価するところであります。また、昨年度からは、NPOによる地域ネットワーク事業が開始され、厚別区で2事業が採択されております。
そこで、質問ですが、平成25年度のNPOによる地域ネットワーク事業について、各団体がどのような役割分担をしながら実施されているのか、お伺いいたします。
◎小角
市民自治推進室長 NPOによる地域ネットワーク事業の平成25年度の実施状況についてでございます。
平成25年度は、厚別区の青葉地区ともみじ台地区、そして南区の計3事業を採択いたしまして、事業立ち上げのための補助金を交付いたしました。この補助を
きっかけに、各地域におきまして持続可能な連携事業が展開されているところでございます。
具体的には、まず、青葉地区におきましては、高齢者や障がい者支援の専門性を有するNPOが、地元企業から場の提供を受け、子育て支援を行うNPOと協力して地域住民の日常生活上の困り事などに対応するワンストップの相談窓口を整備し、町内会が広く住民にこの相談窓口の周知を行うなどの役割分担で事業が実施されているところでございます。
また、もみじ台地区では、地域住民の交流促進等を目的とした野外サロン事業について、NPO法人が地元の大学の協力を得ながらプログラム内容の企画等を担当し、町内会が住民の呼びかけや運営スタッフとして参加し、企業に打ち合わせの場を提供するなどの役割分担で実施されているところでございます。
さらに、南区では、若者が中心となり立ち上げたNPO法人が、町内の農家から遊休農地の提供を受けまして、学生ボランティアとともにコミュニティファームを整備し、子ども向けの農業体験や食育
イベントなどで地域を活性化する事業を展開しており、今後は、地域企業の協力を得て、ファームで生産した作物の販売等も検討されていると聞いております。
◆丸山秀樹 委員 ただいまの答弁で、厚別区の2事業と南区の1事業が事業立ち上げの補助金交付を受け、地域ネットワーク事業に取り組んでいるとの説明がありました。
先日、青葉地区の
まちづくり会議に出席した際、今、答弁がありました事業が地域の支え合いの重要な
取り組みの一つとして紹介されておりました。その名称は、わ・わ・わあつべつというものでございました。青葉地区の
まちづくり会議は3月6日の夜に開催されましたが、堀澤厚別区長を初め、自治連合会役員、社会福祉協議会、民生委員、さらには二つの大学からも教授が参加されておりました。会議の中で、町内会連合会より、高齢化の進展により支え合い支援のなり手不足による機能不全が起きており、自治会、町内会の運営が難しくなってきているとの報告がありました。
さらに、住民にとっては、日常生活にかかわる困り事や悩み事も多岐にわたっており、支えを必要としている方が多くいることも事実であります。例えば、高齢者やひとり暮らしではなかなか難しいちょっとした力仕事や、話し相手、買い物や家事、入院のためのお手伝い、けがや病気、幼いお子さんをお持ちの産前産後のお手伝いなど、世代を問わず気軽に相談できるワンストップサービスのNPOの存在は、地域から大変歓迎されているのであります。
会議の中で、自治会の役員から、うまく利用していきたい、困ったときに相談に乗ってもらいたい、わ・わ・わあつべつという名前が住民の間で合い言葉となって浸透できるとよいという発言まであったところであります。
現在、札幌市内には、900近くのNPO法人がさまざまな活動を展開しております。これだけ数が多くなる中、本市としては、NPOの所轄庁として、今後、事業内容からNPOに対し適正な評価や検証をいかに行っていくかが重要になってくると思いますが、NPOが持つ専門性や機動性が地域コミュニティーの中核である町内会とうまく結びつき、地域の
課題解決につながっていけばよいのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、こうした点を踏まえ、平成26年度はどのような事業を展開される予定か、お伺いいたします。
◎小角
市民自治推進室長 平成26年度の事業展開についてでございます。
平成25年度の事業公募時に開催した事前説明会には、約40のNPOが参加いたしまして14の事業提案がありますなど、多くのNPOが地域課題に強い関心や意欲を持っていることがうかがい知れましたことから、26年度は、補助対象を7事業にふやして他の地域への広がりを期待しているところでございます。一方で、平成25年度応募事業の中には、地域課題に対して、NPOらしい視点で創意工夫がなされておりますものの、地域との連携や役割分担などの面で必ずしも明確に整理されていないものも散見されましたため、これまで以上にNPOに対する地域の理解醸成や、町内会など多種多様な団体同士をコーディネートしていく仕組みの必要性を強く感じたところでございます。
このため、平成26年度の事業では、地域との連携は未構築ながらも、課題の解決に意欲を有するNPOの専門性や熱意が伝わりますよう、地域に対する
情報提供を充実いたしますとともに、町内会等とのマッチング支援を新たに行い、NPOと地域が互いの強みを持ち寄り、助け合いながら地域課題に取り組めるように支援してまいりたい、そのように考えているところでございます。
◆丸山秀樹 委員 ただいまの答弁で、平成26年度は補助対象事業を7事業にふやしていくということでございました。また、これまで以上にNPOに対する地域理解の醸成を図る中で、コーディネートやマッチングを図り、地域課題の解決に取り組むとの答弁でありました。
私は、
まちづくり会議の後、日を改めまして、先ほど述べましたわ・わ・わあつべつを視察し、お話を伺ってまいりました。代表者は女性の方で、民生委員を15年経験したことを生かし、非常にフットワークも軽く、さまざまな人間関係によって介護や福祉、子育ての専門アドバイザーとネットワークを結んでおられました。このNPOは、決して全市的な活動をしようとすることを考えているのではありません。この地域に限定し、地域に根差した活動を通じて町内会の役に立っていきたいと語られておりました。私は、ふだんから、地域での会合で、市内でも高齢化が進む厚別区は、決して悲観的な地域ではなく、高齢社会に向けての先駆的なよい
取り組みを行うことができれば、今後の札幌市のモデル地域にしていくことができると訴えさせていただいているところであります。そして、高齢者の「高」は、高い年齢を差す人のことを言うのではなく、幸福の「幸」、幸でよわいを重ねる人になっていただかなければならないと思っているところでもあります。
現在、このわ・わ・わあつべつには、総務省を初め、全国から大変多くの自治体関係者が視察に訪れるとともに、大学研究も盛んで、慶應大学の教授も研究に訪れているようであります。私は、個人的には、こうしたNPOの
取り組みが各区に一つはあってもよいのではないかと思っているところでもあります。
最後に、要望になりますけれども、今後は、こうしたNPOと地域が連携した好事例を他の地域にも広く周知し、さまざまな団体同士が知り合い、そして理解を深め、補い合って相乗効果が発揮できるような事業展開を求めるとともに、この事業は立ち上げ時の単年度限りの補助ではありますが、資金面以外でも、札幌市において引き続き団体同士のコーディネートなどの側面支援を継続していただくことを要望し、質問を終わります。
◆伊藤理智子 委員 私からは、平和都市宣言普及啓発事業について伺います。
札幌市は、1992年に、「戦争のない平和な世界を築くことは人類共通の願いです。この切なる願いにもかかわらず、平和に対する脅威、特に核兵器の脅威から、人類は今なお自由ではありません。私たちは、戦争こそ地球環境を破壊する最大のものであり、平和にまさる市民福祉はないとの考えのもとに、人類がひとしく平和のうちに暮らせる世界が実現されることを願っています。私たち札幌市民は、日本国憲法が掲げる平和の理念に基づき、非核三原則を守ることを誓い、信義と公正を重んずる全世界の市民と相携えて世界平和の実現を望みつつ、ここに札幌市が核兵器廃絶平和都市であることを宣言します」と、平和都市宣言を行っております。そして、平和都市宣言を広く市民や
子どもたちに伝えていくために普及啓発事業を行っておりますけれども、2014年度は具体的にどのような
取り組みを行っていくのか、伺います。
◎浅野 地域振興部長 来年度の平和事業の
取り組みについてお答えいたします。
来年度は、今年度と同様に、市内の小学5、6年生と中学生を対象に平和をテーマとした詩や絵を募集する平和へのメッセージ募集事業を行うほか、8月の平和月間には、平和へのメッセージ募集事業で優秀賞を受賞した小・中学生から成る平和訪問団の派遣や、平和都市さっぽろPR
イベントを開催する予定です。また、札幌駅前通地下歩行空間と市役所1階ロビーでは平和
パネル展を開催し、原爆関係のパネルや被爆資料の展示を行う予定です。これらに加えて、来年度の平和都市さっぽろPR
イベントでは、子どもにも大人にも関心を持ってもらえるような戦争や平和をテーマとした映画の上映会も計画しているところでございます。
◆伊藤理智子 委員 新年度もいろいろな
取り組みを行うという答弁でしたけれども、私は、2012年の決算特別委員会で、平和バーチャル資料館について質問して、札幌市に在住されている被爆体験者の動画を平和バーチャル資料館で掲載するべきと求めました。今回、この提案が平和バーチャル資料館で実現されました。早速、私もこの動画を見ましたけれども、広島で爆心地から約1.7キロ離れた場所での被爆直後の体験談が鮮明な記憶によって伝えられております。この方は、生き残って、人間の犯した罪、戦争がどんなものか、いかにむごいか、たくさんの人に教えていきなさいと神様が命をくださった、戦争は人殺しでしかありません、正しい戦争なんて絶対にないとお話ししております。この映像ライブラリーで紹介している札幌市民の戦争体験談をたくさんの方に見ていただきたいと思いました。
ほかにも、私は、2013年の決算特別委員会で、平和訪問団を沖縄に派遣したことで、
子どもたちからは、命と引きかえられるものは何一つない、人の命はとうとい、世界の平和のために問題があった場合は話し合いで相手と理解を深めて問題解決していきたいといった感想があり、沖縄を訪問して戦争の悲惨さ、平和のとうとさを学んできたという大きな成果があったことから、沖縄への平和訪問団としての活動についても続けていくべきと求めました。さらに、平和について、市民や
子どもたちが平和のとうとさや戦争の悲惨さを学び、考えてもらい、次世代へ継承していく上で深く学べる
取り組みを進めていくべきと求め、ノーモア・ヒバクシャ会館、道内の戦争遺跡や歴史に触れることで、過去の記憶を未来につなげ、次世代に継承していけると求めましたけれども、こうした提案について2014年度の
取り組みにどのように反映していくのか、伺います。
◎浅野 地域振興部長 まずは、平和訪問団の沖縄派遣についてお答えいたします。
今年度実施いたしました平和訪問団の沖縄派遣につきましては、ただいま委員からご紹介もありましたように、過去の戦争の記憶をたどるだけではなく、現在の平和を脅かす課題についても学ぶことができ、大変有意義なものであったと評価しているところであります。一方、核廃絶をうたった、先ほど委員からご紹介いただきました平和都市宣言を行っている札幌市といたしましては、宣言の理念を
子どもたちに伝えていくことが責務でありますので、来年度は被爆地であります長崎市を派遣先とする予定であります。こうした考え方に立ちまして、平成27年度以降は、沖縄県と長崎県を隔年ごとに訪問することも検討したいと考えております。
次に、ご要望いただいた
子どもたちに対する平和事業の
取り組みについてお答えいたします。
先ほどお答えいたしました8月の平和月間に行う
イベントでは、平和派遣団の派遣報告、大学との連携により制作いたします平和へのメッセージの合唱曲の披露を行うなど、小・中学生が日ごろの平和学習の成果を発表できるような子ども参加型の
イベントとする予定であります。特に、来年度は、小・中学生の発表に加えまして、市の内外及び海外で核廃絶を訴える活動を行っている高校生の活動報告も行う予定であり、より多くの
子どもたちが集い、平和について学ぶ場としたいと考えております。
◆伊藤理智子 委員 平和訪問団の派遣事業については、新年度は長崎に行かれるということで、沖縄についても今後検討していくということでした。核兵器廃絶という意味では広島や長崎も非常に重要ですし、沖縄で戦争の悲惨さを学ぶことも体験としてすばらしいものだというふうに思いますので、どちらも取り組めるように検討していただきたいと思います。
それから、8月の平和月間にいろいろな
取り組みを広げていくということですが、今、こういう
取り組みが非常に重要になってきているのだなというふうに思います。平和についてのさまざまな
取り組みは、当事者として参加する人たちはもちろんですが、その企画に関心を持って参加してもらうことで、市民や
子どもたちに平和の大切さやとうとさ、戦争の悲惨さを知ってもらい、次世代へ継承していく大きな
きっかけになるというふうに私は思っております。
今後も、本市が平和についていろいろな
取り組みをしていることをさらに広く周知していくことが大切だと思っておりますが、どのように周知されていくのか、伺います。
◎浅野 地域振興部長 平和事業の
取り組みの周知についてお答えいたします。
平和事業の
取り組みにつきましては、札幌市教育委員会が発行して市内の各小・中学校に配付されている平成26年度札幌市学校教育の重点という冊子の中の平和に関する教育の充実というページにおきまして、ホームページ、札幌市平和バーチャル資料館や、平和学習資料、札幌市民の戦争体験が紹介されるなど、教育現場での周知が図られているところであります。また、今年度に引き続き、多くの人々が往来する札幌駅前通地下歩行空間で開催いたします
パネル展の会場内で札幌市平和事業の
取り組みを紹介する予定であります。
今後も、教育委員会と連携していくほか、
パネル展や、先ほどもお答えいたしました映画の上映のような幅広い年代が集える
イベントを企画いたしまして、多くの方に参加していただくことにより、広く市民の皆さんに平和事業の
取り組みを周知してまいりたいと考えております。
◆伊藤理智子 委員 ぜひ、札幌市は平和に関する
取り組みを非常に一生懸命やっていることをたくさんの方に周知していただきたいと思っております。
そういう中で、ことし行われた雪まつりでは、ヘイトスピーチが行われた状況もあります。この会場で、聞くにたえない言葉を叫び立てて絶叫するヘイトスピーチがあったということは、国際平和のために本当によくないことであり、差別を助長していくとんでもないことだと私は思っております。平和都市宣言の趣旨にも反するものだというふうに思いますけれども、平和普及事業を行っていく部局としてどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
◎浅野 地域振興部長 平和普及事業を行っている部局としての考え方を申し上げたいと思います。
平和都市宣言を行っている札幌市といたしましては、世界の市民と相携えて世界平和の実現を望むとうたっている宣言の理念を実現させるために、国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的違いを認め合い、信頼関係を築いていくことが重要であると認識しているところであります。
さきの代表質問において市長が答弁いたしましたように、近年、札幌市内においても、特定の人種や民族の存在を否定するいわゆるヘイトスピーチが行われておりますことは、極めて遺憾であると認識しております。
今後も、平和事業を展開していくことにより、人種や文化などの多様性を尊重し合えるような社会を目指していきたいと考えております。
◆伊藤理智子 委員 国際社会の中で、札幌市が平和を大切にしながら、そして、多くのいろいろな国々の人たちと本当に信頼関係を結びながら発展させていくことを発信していく上でも、非常に重要な部署だと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
悲惨な戦争は二度と繰り返さない、平和な社会を築いていきたいというのは、多くの市民の願いだというふうに思います。しかし一方で、戦争をする国づくりをしようとする動きや、他国との関係を悪化させる人種差別など、平和を脅かす問題が出てきている中で、本市の取り組む平和都市宣言普及啓発事業はますます重要な役割となっていることから、しっかりと
取り組みを進めていくべきであるということを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆こじまゆみ 委員 私からは、平成26年度事業の中に戦略的地域カルテ・マップ構築推進事業というものが新規で上げられておりまして、その中で札幌市が平成26年度に構築を予定している地域マップシステムについて質問させていただきます。
今月で東日本大震災から丸3年が経過しましたが、この震災は多くの市民が地域の
まちづくりを改めて考える
きっかけとなり、防犯や防災を初め、子どもや高齢者の見守りなど、将来にわたって安心・安全で快適に暮らせるための
まちづくりに取り組む住民の意識も高まったと感じております。こうした意識を地域の
まちづくりにつなげていくためには、やはり、地域の
まちづくり活動の根幹を担う町内会、自治会が活性化していくことが必要であり、地域の現状と
住民ニーズに合った活動に取り組んでいくことが重要です。
札幌市内には、平成26年1月1日現在で2,209の単位町内会と、90の連合町内会で結成されており、約65万世帯の方々が町内会に加入されております。
加入世帯は1.3ポイントと微増しているものの、単身世帯の増加や世帯の構成員の減少、町内会への関心が希薄になっているため
町内会活動への参加者の減少傾向など、社会情勢の変化や住民の価値観の多様化に起因すると考えられますが、町内会の加入率は約70.5%と、年々、低下してきているようです。
一方で、町内会は、
ごみステーションの設置管理、生活道路の除排雪、防犯、防災、交通安全活動、高齢者の見守りなどの地域福祉活動、子育て支援、文化活動、また、市との協議、地域における各団体との連携や交流事業など、多岐にわたるさまざまな活動を担っていただいております。しかしながら、個人情報保護の観点から、住民の情報の把握がしにくく、住民交流への呼びかけが難しくなっておりますし、役員を引き受けていただく方がいなくて、限られた役員の方々が多様な町内会の活動や事業を担うこととなり、負担も増大していると伺っております。このように、日々、目の前の課題に追われているため、客観的に地域の現況を捉える機会、また、将来的な地域像を見据えながらじっくりと
まちづくりを議論する機会は必ずしも多くはありません。
こうした点から、札幌市が公表している地域カルテ・マップは、
まちづくりセンターの区域ごとに統計データや住民基本台帳の数値が整理され、また、次年度には人口の将来推計、医療機関、商業施設などのデータを追加されるとのことから、より地域の
現状把握と今後を見据えた地域の
まちづくりを議論する参考資料として有効なものと感じております。この地域カルテ・マップの活用については、これまでに延べ93の地域に札幌市が
ワークショップの開催やオリジナルマップの作成といった支援をしていますが、特に、住民が地域課題を共有するためのマップづくりが多いと伺っております。厚別区においても、一部の町内会では、地域独自で防災福祉マップをつくり、
まちづくり活動に生かしている事例もあり、課題を把握し、共有する上で、マップづくりは地域のニーズを把握するツールとして有用性が高いものと考えます。
一方で、現在、地域カルテ・マップに対する札幌市の支援体制としては、町内会が本庁部局に支援を要請する体制をとっており、地域に近い存在である区や
まちづくりセンターとの緊密な連携体制にはなっておりません。地域の
まちづくり活動への支援については、やはり、身近な区や
まちづくりセンターによるきめ細かい対応が必要であります。次年度は、既に公開している地域カルテ・マップのデータをもとに、職員が地域マップを編集できるシステム構築が予定されていますが、そこには、本庁だけではなく、区や
まちづくりセンターを含めた活用が重要ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、次年度、構築予定の地域マップシステムについて、どのような目的で構築し、また、どのように活用していくつもりなのか、伺います。
◎小角
市民自治推進室長 地域マップシステムの目的とその活用方法についてでございますが、委員からのお話にもございましたとおり、東日本大震災や少子高齢化の社会情勢を踏まえまして、誰もが安全・安心、快適に暮らせるよう、防災、防犯や高齢者の見守りなどに積極的に取り組む町内会、自治会が増加してきているところでございます。こうした
取り組みをより活発なものとしていくためには、見守りルートの検討や防災マップの配付など、地域の情報や課題をマップという形で可視化し、住民と共有することが効果的でございますことから、地域では独自のマップ作成に対するニーズが高まっているところでございます。
こうしたニーズに対して、現行では札幌市が業者に委託してマップを作成し、支援しておりますが、地域の多様なニーズに対応していきますためには、より柔軟で機動的なマップ編集・作成を行うシステムが必要と認識しているところでございます。このことから、このたびのシステム開発では、地域との密接な関係にございます
まちづくりセンターや区役所におきましても、地域独自のマップづくりをシステム上で編集することが可能となる環境を整備いたしまして、地域住民の
ワークショップの資料とか、地域内で啓発するための掲示物など、多様な場面で活用していくことを想定しているところでございます。
◆こじまゆみ 委員 地域の
まちづくりを支援するためには、区と
まちづくりセンター、本庁の温度差がなく、一体となって地域を支援していくべきです。こうして地域独自でさまざまなマップを作成することは、子どもや高齢者の見守りを初め、交通安全や、南区等の熊被害もありましたが、野生動物などの危険箇所等の表示など、市民がわかりやすく、また活動に使いやすい観点から、活用の幅は広がるのではないかと感じています。地域マップシステムについては、地域の議論や課題への対応に対し、機敏に対応できるよう、運用体制について十分な配慮が必要だと指摘しておきます。
それでは次に、システムの運用方法について質問させていただきます。
こうした編集を各
まちづくりセンターや区で行うには、スキル、技術の習得に時間がかかり、また、
まちづくりセンターの中には自主運営化しているところもあることから、多くの関係者が使いこなすための対策も必要になってくると思われます。
そこで、2点目の質問ですが、地域マップシステムの機能を発揮できるよう、
町内会役員等の関係者への
ノウハウの提供などが必要と考えますけれども、札幌市の見解はいかがか、伺います。
◎小角
市民自治推進室長 地域マップシステムの利用に向けた
ノウハウの提供についてでございます。
委員のご指摘にもございましたとおり、システムの取り扱いには、職員のほか、地域の方が運営している自主運営の
まちづくりセンターも関係いたしますことから、専門知識がなくてもシステムの機能が利用できるよう配慮することが必要と認識しているところでございます。
このことから、システムの構築過程でも区から意見をいただきながら使いやすさを追求いたしますとともに、また、イラスト等を使ったマニュアルの整備とか、希望者への研修などについても実施していく予定でおります。また、次年度のシステム構築が完了し、平成27年度の本格運用が開始されるまでの間をテスト期間といたしまして、自主運営の
まちづくりセンターを含めた所長がシステム上の編集を体験できる機会を設けるなど、有効利用に向けて工夫を図ってまいりたいと考えているところでございます。
◆こじまゆみ 委員 システムを構築することで満足せず、地域マップシステムの機能が十分に発揮できるよう、しっかりと対応していただきたいと思います。
最後に、このシステム運用に当たって、区や
まちづくりセンター、本庁との役割分担について質問させていただきます。
見守りが必要な高齢者や子ども110番の家など、地域独自でマップに表示や、プロットする場合は簡易な編集で可能と思われ、
まちづくりセンター所長などでも運用が可能だと思います。しかし、標高などを計算する洪水ハザードマップなど高度なマップ編集が必要な地域課題は、
まちづくりセンターでの対応は難しいのではないかと思います。
こうしたケースも想定し、システムを構築した後も、区や
まちづくりセンター、本庁など、関係機関がそれぞれ連携し、多様な課題にそれぞれの役割を担っていく必要があります。
まちづくりセンターの所長は、地域住民の立場に対して十分な配慮をいただいておりますが、その一方で、
まちづくりのかなめとして町内の諸課題に対応していただいております。本庁部局は、札幌市としての立場から、市内全体を通して、スポット的に単位町内会や連合町内会、あるいは市内10区の87カ所の
まちづくりセンターからそれぞれ要請があった場合に、その都度、対応していただいているものと思います。
そこで、最後の質問ですが、地域のさまざまな課題に対応するために、区や
まちづくりセンター、本庁が状況に応じてそれぞれの役割を担っていく必要があると思いますけれども、札幌市はどのように進めていくお考えなのか、伺います。
◎小角
市民自治推進室長 地域マップシステムの運用における区や
まちづくりセンター、そして本庁の役割分担についてでございます。
町内会などが活用する地域マップは、防災や防犯、見守りなどの用途が多く、これらに対応する簡易なマップ編集などにつきましては、地域とよりきめ細やかな対応が可能な
まちづくりセンターや区役所が主体となった運用をすることを想定しているところでございます。一方で、標高やマップ上の距離の測定など、地域の課題によっては専門的な技術が必要となる場合がございますことから、このような場合には必要に応じて本庁や専門業者が対応するなど、マップ上の表現形態に応じてそれぞれの役割を分担し、関係部局が連携して運用していく予定でございます。
いずれにいたしましても、今後、地域の課題はより多様化し、マップの編集や活用方法についてもさまざまなケースが考えられますことから、地域の創造性に合わせてできる限り柔軟に対応できるよう努めてまいりたいと考えております。
◆こじまゆみ 委員 地域カルテ・マップは、
町内会活動を支援するためのツールであり、地域性を考慮すれば、それぞれがオリジナルのマップとなります。紙マップだとデータ更新のたびに出力しなければならず、データとして確認できるツールであってほしいと私は思います。見守りのツールとしてのマップだったり、子育ての視点からの親子で利用する便利なマップであったりと、さまざまな用途に応じて活用しやすいカルテ・マップにフォームを変更したり、幾つかのスポットを組み合わせたりと、利用する人にとって有用性の高い運用ができるよう工夫していただきたいと思います。また、携帯アプリなどからアクセスして活用するなど、グーグルマップ等がそうなのですが、今後は汎用性を検討していただきたいと思います。また、新たな情報入力の際には、町内の役員の方々等がアクセスキーを持ってできるだけタイムリーな情報の反映となるような工夫も必要だと思います。
しかし一方で、豊平区では、マップをつくったものの、更新作業に追われ、とても手が回らず、かなりの負担増になっている様子を伺っております。カルテ・マップは、つくることが目的ではなく、地域の現状を把握し、地域交流をすることが大切なことであり、そのためのツールとして利用できるものとしていただきたいと思います。カルテ・マップを作成して終わりではなく、今後の運用、市民の活用を検証しながら、情報が陳腐化しないよう、活用される地域のツールとして有用性の高いものであってほしいと思います。
町内運営の課題について地域住民にご意見を伺ってみますと、共通する課題として、町内会に対する理解と協力が必要である、事業等の活性化を図りたい、町内会の役員の
担い手不足と負担の軽減、そして事業の簡素化等が挙げられておりました。地域カルテ・マップは、これらの地域課題を共有するときには出力して
ワークショップ等で活用すると有効だと思われますし、個人で利用するときには、先ほど申しましたように、スマホや携帯等でデータとして確認できれば活用度もアップすると思われますので、ぜひご検討をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
◆しのだ江里子 委員 私からは、DV被害者の住民票の閲覧制限について質問させていただきます。
私ども会派では、女性に対する暴力防止の観点から、DV問題を取り上げ、それらの被害者の支援について、過去、何度も質問させていただきました。DVの加害者である夫や元夫などの追跡は執拗であり、たとえ被害者が加害者のもとから逃げ出すことができても、住民票を請求された場合、被害者の転居先が加害者である夫や元夫に容易に知られてしまう心配があります。そこで、国においては、加害者から被害者やその家族の住民票の閲覧や交付の請求があった場合、不当な目的として拒否できるよう、2004年5月に省令等の改正を行い、現在、それに基づいて各市町村でDVやストーカー被害者の住民票閲覧制限が実施されています。また、2009年5月には、住民基本台帳の担当部局と、その情報をもとに事務を行う部局との連携及び被害者情報のさらなる厳重な管理について徹底を図るように、国から通知が出されております。
そこで、質問ですが、現在の札幌市における住民票閲覧制限の件数とその中のDV被害者の件数、また、他部局との連携について、これまでの状況はいかがなのか、伺います。
◎浅野 地域振興部長 住民票の閲覧制限の状況についてお答えいたします。
まずは、閲覧制限の件数についてでありますが、先月末の時点で札幌市におけるDV、ストーカー等の被害者からの申請に基づく住民票の閲覧制限の対象件数は894件となっております。このうち、DV被害者からの申し出によるものは619件と、約7割を占めております。
次に、他部局との連携についてでありますが、札幌市に申請がありますと、申請者の同意を得て、これまでも、小・中学校の就学事務を所管する教育委員会の学校教育部や、国民健康保険等の事務を所管する区保険年金課などに対象者の住所、氏名等の情報を提供し、連携を図ってきたところであります。
◆しのだ江里子 委員 今お聞きしますと、894件、その中でDV被害者は619件ということで、大変大きな数になっていると思います。そしてまた、他部局との連携については、ご本人の同意を得て、教育委員会の学校教育部、区役所の保険年金課へ
情報提供しているということでありました。
2012年11月に、神奈川県逗子市で、元交際相手の男性に女性が殺害されるというショッキングな事件が起きました。報道によりますと、この事件で逮捕されました探偵業者は、元交際相手であった加害者から依頼を受けまして、逗子市役所の市税担当課から被害者の住所を聞き出し、それを加害者に知らせたとのことであり、また、この探偵業者は、このほかにも、納税者や国保加入者を装って市町村の担当課から電話で個人情報を聞き出していたとの報道もありました。
この事件では、住民票の閲覧制限を行う部署から直接情報が漏れたのではなくて、住民票の情報を用いて事務を行う市税の担当部署から漏れておりまして、被害者の住居情報を得るため、より手口が巧妙化しているということは非常に懸念すべき問題だと考えます。先ほどのご答弁によりますと、まさに、札幌でも多くのDV被害者が閲覧制限の支援を受けておりますが、加害者の手口が巧妙化していく中で、DV被害者を加害者から守るためには、戸籍住民課と他部局とで被害者情報を共有し、加害者に被害者の住所が漏れないよう、より札幌市全体として連携を強化していく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市では、先ほどのお話にありましたように、子どもの就学にかかわる教育委員会、また、区役所における保険年金課との情報連携は行っているということでしたけれども、市税事務所との連携は行われていないと思います。逗子市のような事件が発生したことを受けまして、本市におけるDV被害者の情報連携について、より改善、強化を図る
取り組みが必要と考えますがいかがか、伺います。
◎浅野 地域振興部長 情報連携強化の
取り組みについてお答えいたします。
住民票の所管部局といたしまして、逗子市の事件の状況が明らかになりました昨年11月に、他部局とのDV被害者等の情報連携の強化が必要と考え、働きかけを行ったところであります。その結果、納税者の住所など、税情報を管理する市税事務所に対し、今月から新たに
情報提供を行いまして連携を始めたところであります。
今後とも、DV被害者等の情報を取り扱う部署との連携を密にして、被害者情報のさらなる厳重な管理に努めてまいりたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 今のご答弁で、この3月から市税事務所と情報連携をしていただけるということですが、お聞きしたところによりますと、これは、あくまでも紙媒体によるものであると伺っております。人が行うことにはミスがつきものでありまして、通知漏れとか、紙媒体であれば紛失などが危ぶまれます。また、他都市の例でも、DV被害者であることを職員がわかっていたにもかかわらず、不注意によって被害者の住所が漏れた事例もございました。
内閣府男女共同参画局による2012年男女間における暴力に関する調査報告書によりますと、女性の約3人に1人は配偶者から被害を受けたことがあり、約10人に1人は何度も受けており、約20人に1人は命の危険を感じたことがあるとの報告があります。札幌市においても、女性のおよそ10人に1人が配偶者暴力の経験があると言われておりまして、DVの認識については、2001年のDV防止法施行後、少しずつ広まってきたとはいいましても、被害者の数は一向に減少せず、その対策や支援はまだまだ途上にあると言えます。情報連携に力を入れているということに関しては一定の理解をいたしましたが、一つのミスが大きな事件につながりかねないことや、被害者の情報保護を徹底していただくため、やはり、システム上での改善を図るとともに、申し出を確認した後も適切に対処できるように対応を急いでいただきたいと思います。
このような中で、数多く発生しておりますDVやストーカー事件に対応するために、ことし1月にDV防止法の第3次改正がございました。法の適用範囲が、配偶者に限らず、生活の本拠をともにする交際相手も対象となり、それに伴って、社会情勢の変化により、国の基本方針も改定となりました。2009年から開始した現行の札幌市における配偶者等からの暴力の防止及び被害者の支援に関する基本計画は、今年度で計画期間が終了することになり、現在、新しい計画策定のため、男女共同参画審議会に諮っていると聞いております。
そこで、質問ですが、このようなDV被害者支援における課題や新たな流れを受けて、どのような計画を策定していくおつもりなのか、伺います。
◎長谷川
市民生活部長兼男女共同参画室長 次期DV基本計画をどのようなものにするかというご質問でございます。
現在、次のDV基本計画を検討中でございますけれども、課題につきましては、これまでも相談体制を充実させてきたところでございますが、被害に遭っても相談しない方、また、DV被害の認識がない方もいらっしゃいまして、早期の相談に至っていないことが一つの課題だと認識しております。また、今、委員のご指摘にもございましたように、被害者情報保護の徹底、さらに、今回の法律改正によりまして適用対象者が拡大したことへの対応、これらも課題と認識しているところでございます。
次の計画におきましては、被害者の早期相談につながりますよう、相談窓口やDVについての啓発事業を強化すること、また、新たな対象者にも的確に対応するとともに、被害者の情報保護の徹底が図られますよう関係部局の連携を一層緊密にすること、これらのことを次の計画の方向性に盛り込むよう、現在、検討しているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 DVの被害者は、何の落ち度もないのに、加害者からの追跡を逃れるために、住みなれた地を離れ、加害者の影におびえながらひっそりと身を隠して生活しなければならないことも少なくないです。DV被害者に接する職場は、市役所内のさまざまな部局に及んでおります。それぞれの職域があるものの、DV対策を進めていくためには、DVの本質を理解し、DV被害者が抱える悩みや困難を理解していかなければならないと考えます。
一昨年の逗子市以降にも、各地で元交際相手や元同居相手からのストーカー殺人が起きております。そのような状況がある中で、現行のDV基本計画においても、配偶者暴力対策関係機関との連携協力の強化が盛り込まれておりますが、庁内、庁外の研修を強化し、担当当事者としての職員のモラルとかDV問題に対する認識の向上にさらに努めていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。
◆井上ひさ子 委員 私からも、女性への暴力の根絶、DV施策について伺いたいと思います。
本市においては、DV被害者の早期発見、相談支援体制の充実、また、一時保護体制や自立のための支援、DVを未然に防ぐための普及啓発などを行ってきております。しかし、ただいまも議論がありましたが、DV被害は一向に減少せず、増加傾向にあります。とりわけ、児童虐待通告件数はこの2月末までで926件ありましたが、DV関連が204件となっています。
子どもたちがこれに巻き込まれています。
社会経済状況や離婚、病気、男尊女卑の古い考え方もまだまだ残っていると思われますが、この背景や現状をどのように認識しているのか、伺いたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長兼男女共同参画室長 現状と背景ということでございます。
DVの相談件数は、1次計画開始前の平成20年度が1,014件でございました。平成24年度では1,482件と増加の傾向でございます。この背景としましては、DVはどんな事情があっても許されるものではなく、心身に大きな被害をもたらすということ、また、一人で悩まずに相談窓口に行きましょうということで、札幌市を初め、関係する行政機関が啓発活動を積み重ねてまいりました。その結果、DVであることを認識していなかった方、あるいはまた、これまで相談してこなかった方が相談窓口に来られるようになり、そうした関係で相談件数がふえているものと推察しております。
◆井上ひさ子 委員 増加傾向ですが、やはり、一人で悩んで声を出すことができなかった方々が相談窓口につながってきていて、それはすごくよいことだというふうに思います。DVは絶対に許されないという立場で、今、多くの皆さんが取り組まれていると思います。
そこで、未然防止のための施策についてですが、
子どもたちの心身への不安や育ちがとても心配です。あらゆる機会を通して学んでいくことがとても大事になっております。学校における男女平等の教育を含む人権教育の
取り組みなど、男女共同参画さっぽろプランでは目標を掲げて進めておりますが、未然防止に向けた
取り組み状況はいかがか、伺いたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長兼男女共同参画室長 男女共同参画さっぽろプランにおけるDVの未然防止の実施状況ということでございます。
DVは、重大な人権侵害であり、また、犯罪にもなり得る行為であることを若いうちから理解してもらうことが効果的でございます。そうしたことから、平成21年度から若年層を対象にDV未然防止講座を行ってございます。第3次さっぽろプランの初年度に当たります今年度は、2月末現在で、高校8校、大学3校の2,900名に対してこの講座を行ったところでございます。今後も、第3次さっぽろプランの目標値を念頭に置きながら、この講座の実施学校の拡充に努めてまいりたい、そうしながらDVの未然防止に積極的に取り組んでまいりたいと考えます。
◆井上ひさ子 委員 DV被害が拡大して、またストーカー事件が起こる、札幌市においてもいろいろな事件が起こっております。DV防止法の対象範囲を超えて、女性の尊厳、命も奪う痛ましい事件も起きています。
先ほど議論がありましたので深くはお聞きしませんが、適用対象の拡大が行われて、交際相手からの暴力もこれを適用する、今まで以上に対象が拡大されたということですので、1点だけ、これについての本市の対応を伺いたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長兼男女共同参画室長 このたびのDV防止法の改正によりまして対象の範囲が拡大いたしました。これまでですと婚姻関係にある配偶者でしたが、改正によりまして、婚姻関係には至ってはいなくても、一緒に生活をともにする、いわゆる交際相手も対象になります。
この改正によります札幌市の対応ですが、実は、札幌市のDVセンター等では、これまでも、配偶者からの暴力のみならず、交際相手からの暴力につきましても既に相談を受けているところでございます。引き続きしっかりと相談対応を行っていくために、関係する相談窓口の職員に対しまして、今回の法改正の内容について既に周知したところでございます。また、市民に対しても、パンフレットなどを改訂して適用対象が拡大したことをお知らせし、早期相談の有効性などを周知してまいりたいと考えています。
◆井上ひさ子 委員 DVセンターでは、交際相手からの相談も窓口で既に受けているということです。この法律改正を機に、より多くの若い世代の方々が相談に訪れると思いますので、これからもぜひ体制の強化などを進めていただきたいと思います。
最後に、1点、加害者対策について伺いたいと思います。
私は、子どもがDVの問題にかかわってとても心配ですし、親権の問題などもあって離婚が成立しても恐怖がずっと続いていきますし、加害者にとっても、女性を暴力で支配する誤った価値観をずっと持っていくのですね。そうしますと、繰り返されます。
そういう中で、札幌市配偶者等からの暴力の防止及び被害者の支援に関する基本計画の中では加害者更生に関する調査研究等の情報を収集すると書かれておりますが、この間、どのような考えで議論を進めてきたのか、伺いたいと思います。
◎長谷川
市民生活部長兼男女共同参画室長 加害者対策についての札幌市の考え方というご質問でございます。
加害者の更生を含む加害者対策につきましては、現在、国においても調査研究段階でございます。そうしたことから、一自治体として対策を進めていくことはなかなか困難であるというふうに考えますが、来年度から、警察庁におきまして、ストーカー加害者に対する治療の研究をスタートさせるとも聞いております。今後も、国の動きを注視してまいりたいというふうに考えております。
札幌市としましては、被害者だけではなくて、新たな加害者を生み出さないことが大事だと思っております。そうした関係で、先ほどもご答弁申し上げましたが、高校や大学に対してDVの未然防止講座の拡充に努めるとともに、市民に対してもDVの認識を深めてもらうためにパンフレットなどによって啓発を強化していくことをしっかりやってまいりたいというふうに考えています。
◆井上ひさ子 委員 DV防止法の改正と合わせて、こういう更生プログラムが法的に改正されていくのがいいのかなと思うのですけれども、現時点ではまだそういうところに来ていませんので、行政として何ができるのかというのは、研究からなかなか進まなくて、これからだと思います。
本市は、2005年に配偶者暴力相談センターを立ち上げて、相談体制の充実を求めて体制の強化もされ、そして、未然に防止するためのさまざまな
取り組みも行ってきました。手稲区においても、男女共同参画記念講演会や
パネル展などを開いて市民に知っていただく、こういう粘り強い活動がずっと行われております。そういう議論の中でも、加害者対策については、次のさらなる加害者をつくらないために本当に大事だということが語られるのですね。私は、この部局でも関連機関の皆さんが集まればそういう議論もきっとされていると思います。これからの課題だとは思いますけれども、何よりも被害者保護を最優先に考えて、加害者の対策も急務になっているのではないかと思うものですから、一歩踏み出して次の計画に臨んでいただきたいというふうに思います。
○
村山秀哉 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時53分
再 開 午後3時14分
――――――――――――――
○宝本英明 副委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆北村光一郎 委員 私からは、1点、都市計画道路の整備に伴う信号機の設置についてお伺いしたいと思います。
都市計画道路の整備に伴う信号機の設置と道警との協議のあり方について質問いたします。
現在、清田区においては、札幌新道を大曲通から厚別東通まで延伸する事業が進められております。平成27年春には開通する予定と聞いております。新道開通により、都心へのアクセス性の向上が期待されるところでありますが、一方で、終点部の厚別東通では、三里塚小学校の通学路となっていることから、札幌新道が開通すると、児童は上り線と下り線の2カ所で道路を横断することとなるため、登下校中の児童の交通事故が懸念されるところであります。地域住民は、当然、この2カ所の交差点に信号機が設置されるものと考えていたところでありますが、仮にこのような多くの交通量が見込まれる交差点に信号機が設置されないとなれば、児童の交通安全、地域住民の安全・安心の確保は極めて困難であると思われます。
このため、地元では、学校長、スクールゾーン実行委員会及び里・美町連会長名で、この3月に豊平署を通じて北海道警察に要望書を提出されました。札幌新道の延伸計画は10年以上も前から計画されていたと聞いていますが、都市計画段階から信号機等の交通安全施設の必要性について調査検討を行い、早い段階から北海道警察と協議を開始する必要があったと考えます。
そこで、質問ですが、札幌新道のような道路の都市計画を決定する際には、信号機等の設置に関して北海道警察とどのような協議を行ったのか、お伺いいたします。
◎浅野 地域振興部長 都市計画決定時における警察協議についてお答えいたします。
道路の都市計画を決定する際には、交通量予測や道路構造の技術的基準に基づいて計画案を作成し、関係する行政機関との協議を実施すると聞いております。この際、交通管理者であります北海道警察とは、道路の配置や線形、ほかの道路との交差構造などについて協議を行っております。
ご質問のありました信号機の設置につきましては、この段階では協議の対象とはならずに、事業の実施段階で協議を行っていると聞いております。
◆北村光一郎 委員 ただいま説明をいただいたのですけれども、やはり、都市計画段階のときから信号機の設置について検討を行い、北海道警察と協議を行う中で、札幌市の考え方をしっかりと理解してもらうことが重要であると考えています。
そこで、さらに質問ですが、平成27年春の開通に向けて事業が進んでおりますけれども、安全について地域の理解をしっかりと得て事業を実施すべきと考えます。現在、信号機の設置についてどのような協議状況となっているのか、お伺いしたい。
また、札幌市ではどのような観点から信号機設置の必要性を判断しているのか、あわせてお伺いいたします。
◎浦田 建設局土木部長 札幌新道の事業実施段階における信号機設置協議についてお答えいたします。
最初のご質問の信号機設置に係る協議状況についてでございます。
札幌新道の事業に当たりましては、道路の線形や交差点形状を決定するため、道路法第95条に基づく北海道警察との協議を平成23年度から行っております。信号機や横断歩道の設置など交通規制に関する内容につきましては、当該協議を経て、交通管理者であります北海道警察、正式には北海道公安委員会でございますが、こちらが最終決定する事項となっておりまして、交通安全上、信号機の設置が望ましいと判断される箇所につきましては、札幌市から設置方法の提案をするなど、継続的に要望を行っているところでございます。また、地域に対しましては、関係町内会や小学校を通じて協議状況の報告を行うなど、情報を共有しながら事業を進めております。
二つ目は、札幌市が信号機設置の必要性を判断する際の観点についてというご質問でございますが、札幌市では、交差点における自動車、歩行者の交通量や、当該箇所が通学路となっているかどうか、近傍に多くの市民が利用する施設があるかといった周辺地域の状況に加え、地域住民の要望の有無などの要素を総合的に勘案して、交通安全の確保のために信号機の設置が望ましいと思われる箇所について、先ほど申し上げました北海道公安委員会との協議の中で要望を行っているところでございます。
◆北村光一郎 委員 建設局の浦田部長から具体的にご説明いただきましたが、事業実施に際し、札幌市として、信号機の設置等について道警との協議も行っていることはわかりました。しかし、もっと早期の段階から積極的に協議を行い、信号機設置が実現するような対応をとるべきであると考えます。新しい道路ができても、交通量が多い危険な交差点に信号機が設置されないのであれば、実際に安全をどのように確保すればよいのかという地域住民の不安の声が多く寄せられることになります。札幌新道を一つの事例として挙げましたが、各町内会などから信号機の設置を望む陳情が数多く出されている状況の中で、そのほとんどがかなわないままという現状にあると聞いております。
そこで、質問ですが、数多くの地域住民からの信号機の設置要望がある中、それに対し、札幌市としてどのような対応をしていくおつもりなのか、お伺いいたします。
◎浅野 地域振興部長 地域からの信号機設置要望への対応についてお答えいたします。
地域の皆様から信号機の設置要望があった場合には、要望箇所の交通量や危険性等につきまして改めて実態を確認した上で、札幌市の意見を副申書としてまとめ、地域の要望書に添えて北海道警察に提出することで信号機の設置を要望しております。
今後とも、札幌市といたしましては、危険箇所の解消に向けて一基でも多くの信号機が設置されますよう、地域の皆様と連携を図りながら粘り強く北海道警察に働きかけていきたいと考えております。
◆北村光一郎 委員 道警、公安委員会、その話ばかりをされてしまいましたが、札幌市として対応するやり方というのはもっとあると思うのです。例えば、私案として、道から補助が出ていますが、その補助の分を信号機設置のほうに回す、要するに交付金を減らす形になるかもしれませんけれども、札幌市が道と協議すればそういうふうに手当てできる可能性があるのですよ。そういうことも考えながら協議していかないと信号機なんかはつかないです。自分の地元でも、ここはつけてもらったほうがいいとか、5基以上の信号機設置の要望があるのです。そういうことを踏まえると、地域住民の安心・安全を守るためには早期に協議していただきたいという要望を述べさせていただきまして、私の質問を終わります。
◆畑瀬幸二 委員 私からは、区役所施設に関する整備について、2点伺います。
1点目は、区役所建てかえ計画第1号となる白石区複合庁舎の防災対策について、2点目は、先日、新聞でも報道されていた中央区役所の耐震についてであります。
まず、白石区複合庁舎の防災対策についてですが、私は、かねてから、近年、発生している大震災の教訓から、施設の防災対策や災害対策などとともに、市民の防災意識の向上が大切な課題だと強く感じているところであります。そうした中で、区役所建てかえの1番手として白石区複合庁舎が新年度にいよいよ工事発注されることになりました。この庁舎は、災害が発生したときには対策拠点となることから、多くの方々が注目しているところであります。市においては、今年度、実施設計が進められ、もう間もなくその全容が確定されると聞いておりますので、これまでの検討成果によって具体的となった施設の整備内容について伺っておきたいと思います。
まず、最初の質問ですが、白石区複合庁舎には、防災対策として最終的にどのような設備が設置される計画となったのか、伺います。
◎谷内 区役所整備担当部長 白石区複合庁舎ではどのような防災設備が導入されているのかというご質問でございます。
白石区複合庁舎は、災害時には、区災害対策本部、応急救急センターのほか、ボランティア活動の拠点となることが想定されておりまして、地域の防災拠点としての役割を果たすことが求められているところでございます。そのため、災害時には、速やかに災害対策本部を立ち上げて情報収集を図るなど、初期段階から迅速な対応ができるように構造躯体や設備等に高い耐震性を備えた施設とすることといたします。具体的には、建物などの地震災害を軽減するため、札幌市の施設では初めて免震構造を採用するほか、水道の断水、停電にも一定時間耐えられるよう、100立方メートルの緊急貯水槽による飲み水の確保や、マンホールトイレ、災害対策に必要な電源を72時間確保できる非常用発電設備を設置するなど、災害対策活動を支える庁舎として整備するものでございます。
◆畑瀬幸二 委員 防災対策として、さまざまな設備を設置して
取り組みを進めるとのことであります。その中でも、免震装置を設置するとのことですが、とりわけこれは市有施設としては初めてとなる設備と伺いました。その効果については、初導入ということもあり、私も区民の皆さんも大いに注目しているところであります。
本日は、都市局の京谷建築部長に出席してもらっておりますので、早速、お尋ねしたいと思います。
本市が初採用することになりました免震構造とはどのような仕組みのもので、設置に当たりどの程度の費用が必要になるのか、また、その効果はどのようなものなのか、伺います。
◎京谷 都市局建築部長 初めに、免震構造の仕組みと設置費用についてお答えいたします。
免震構造の仕組みについてですが、大きな地震から建物を守るために、地面と建物の間に免震装置を入れまして建物へ伝わる揺れを減らすものでございます。白石区複合庁舎に計画されております免震構造につきましては、地震が発生したときの揺れを緩やかにしたり、その揺れのエネルギーを吸収して揺れ幅を小さくする免震装置を地下1階の柱の上部などに約60カ所設置して建物の地上部分を支える仕組みとなっております。また、免震構造の設置に要する経費につきましては3億円で、工事費全体の約5%となってございます。
次に、2番目の期待される効果についてでございますけれども、ただいま申し上げました免震構造の導入によりまして、地震発生時の建物の揺れがかなり小さくなります。具体的に申し上げますと、多くの建物が倒壊した阪神・淡路大震災や東日本大震災で観測されました最大震度7が5程度とかなり軽減されまして、柱や壁の構造部材への影響が最低限に抑えられるため、建物自体への大きな被害は発生せず、防災拠点としての機能も維持、確保されるものと考えております。
◆畑瀬幸二 委員 先進技術として、免震装置や避難時に活用できる緊急貯水槽、あるいはマンホールトイレなどを取り入れて、震災に強い庁舎とすることは理解いたしました。
このように、区の災害対策拠点施設を震災に強い庁舎にしていくことは、次の建てかえ区役所にとりましても極めて重要な要素になろうかと思います。加えて、せっかく整備するわけでありますから、その
取り組みを市民の方々に見てもらえるようにするならば、防災への関心を一層高めるよい機会になるものと考えます。
実は、14〜15年前のことでありますが、本市議会訪問団がアメリカのある市庁舎を訪問した折、庁舎の大改修で免震装置を導入し、完成した免震建物の一部を市民が見学できるように工夫しているところがありました。その場を実際に視察できた私どもは、口々に、このような免震装置や見学環境を最初から計画しておくことは地震立国の日本にこそ必要なことだと、大いに参考になったところであります。
そこで、質問ですけれども、免震装置導入の1番手となる白石区複合庁舎の
取り組みを最初から見学できるようにし、防災意識の向上に役立ててはいかがかと考えますが、市の見解を伺います。
◎谷内 区役所整備担当部長 防災意識の向上についてのご質問でございました。
防災対策としまして、免震装置や災害時に活用できるマンホールトイレなどさまざまな設備を設置いたしますが、これを実際に区民に見てもらうということは、委員のご指摘のとおり、災害に対する心構えや事前の準備などの大切さを改めて感じていただく大変よい機会となります。
ただ、これらの設備につきましては、地中に埋設されていたり、耐火被覆のカバーが設置されているものなど実際に見ることが難しいものもありますので、この設備の効果を十分にお伝えし、防災意識が高まる
きっかけとなるよう、具体的な
取り組みについて、今後、検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆畑瀬幸二 委員 新庁舎は、地下鉄施設やバスターミナルとも接続されておりまして、利便性向上や地域コミュニティーの場ともなることが期待されておりまして、私も地域の方々からよく質問を受けることが多いのであります。私どもとしても、早期のオープンを待ち望んでいるところであります。
そこで、質問ですが、複合庁舎は今後どのようなスケジュールで整備が行われるのか、お伺いいたします。
◎谷内 区役所整備担当部長 今後の整備スケジュールについてのご質問でございますが、今年度末で実施設計を終了いたしまして、新年度からは工事発注に関する諸手続を進める運びとなります。具体的には、計画通知に係る手続とともに、工事発注手続を進めることとなります。
なお、建築工事につきましては、WTO、政府調達協定に基づく一般競争入札の対象工事となることを想定しておりますが、議会でのご承認をいただいた後、正式に契約し、工事着工となる見込みでございます。
庁舎の供用開始につきましては、約2年間の工事期間を経まして、平成28年度に開設できるよう
取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆畑瀬幸二 委員 私としても、地域の方々とともに順調に工事が進んでいくことを期待いたしているところでございます。
しかし、ここ最近の工事発注を取り巻く問題、特に入札不調となる工事も多くなってきていると聞いており、契約できずオープンがおくれることを大変心配しているところであります。工事発注に際しましては、WTO案件といえども、入札不調などにより契約がおくれないように配慮し、着実に
取り組みを進めていただくことを強く求めておきたいと思います。
次は、中央区役所の耐震化について質問いたします。
区制が施行された当時に建築された区役所は、今ほど申し上げた白石区役所のほかにも6施設あります。先日、ある新聞に、道内の防災拠点の耐震化について記事が載っておりまして、札幌市の10区役所の耐震化の状況が出ておりました。それによりますと、区役所の中では、現在、建てかえを進めている白石区役所以外では、中央区だけが耐震化されていないことが書かれてありました。確認したところによると、区制施行時に建てられて、耐震診断により耐震化が必要と判断された7区役所のうち、南区と豊平区については緊急耐震化が必要ということで2010年に耐震改修が行われております。また、北区、東区、西区の3区役所については、今年度まさに改修工事が行われおり、現在計画中の白石区役所も含めて、中央区役所以外は必要な耐震化措置がとられているところであります。
そこで、質問ですが、今年度の区役所施設の耐震化事業の中で、なぜ中央区だけは必要な改修工事が行われなかったのか、また、中央区役所の耐震化についてどのように考えているのか、伺います。
◎浅野 地域振興部長 中央区役所庁舎の耐震化の考え方についてお答えいたします。
中央区役所庁舎につきましては、耐震改修促進法で定められました基準を満たしていないことから、できる限り早期に耐震化が必要な施設と認識しているところであります。
耐震化に向けた調査では、改修工事により対応する場合には、ほかの区役所との比較で大規模な改修が必要となることが明らかになっております。具体的には、事務室中央部の現在通路となっている箇所に、天井から床にかけて、アルファベットのVやXなどの形にブレースと呼ばれる鉄骨製の補強材を何カ所も設置しなければならないため、事実上、通路としての使用がなくなるほか、事務スペースとして活用できる面積も減ってしまうなど、改修を行った場合、区役所として活用することが困難になると考えております。このようなことから、今年度の区役所の耐震化に当たっては中央区役所庁舎を対象としなかったものであります。また、一方で、区役所建物の更新には多額の経費が必要となることから、財政負担の平準化を図るためには、計画的に建てかえを行っていく必要があると考えております。これらを考え合わせて、中央区役所の耐震化に当たっては、耐震改修ではなく、建てかえによる対応が必要であると考えております。
なお、建てかえに当たりましては、中央区役所は、独立行政法人都市再生機構、いわゆるURが設置した住宅との合築施設であるなどさまざまな課題があることから、今後、具体的な方針について検討していきたいと考えております。
◆畑瀬幸二 委員 中央区役所については、改修工事ではなく、建てかえにより耐震化を図ることで検討を進めたいとのお話でした。ただ、区役所の上にURの住宅もあり、同社との調整や入居されている方の生活もありますので、札幌市だけで簡単に建てかえますという判断をできないことも理解できるところであります。今後は、URなどとも十分に調整した上で、札幌市として最終的に判断することになるものと思います。そういった意味では、今すぐお答えできることとできないことがあると思いますが、今段階での検討状況について伺っておきたいと思います。
そこで、質問ですが、中央区役所の建てかえについて、これまでどのような検討を行っているのか、また、建てかえに当たってはさまざまな課題があるとのことですけれども、具体的にどのような課題が考えられるのか、伺います。
◎浅野 地域振興部長 中央区役所の建てかえについての検討状況と課題についてお答えいたします。
中央区役所の建てかえにつきましては、現在、課題の整理などを行っている段階であり、現地あるいは移転して建てかえるのかといったことから検討する必要があると考えております。また、現時点で想定される課題につきましては、まず、現地建てかえの場合には、先ほどもお答えいたしましたが、中央区役所はURの住宅との合築施設であることから同社との調整が必要なことや、工事中に使用する仮設庁舎の確保などの課題が考えられます。一方、移転する場合には、移転場所の確保や移転に対する区民の理解が必要になると考えております。
いずれの方法を選択するとしても、多大な経費が必要となる事業でありますので、さまざまな課題について十分検討した上で方針を決定したいと考えております。
◆畑瀬幸二 委員 区役所を建てかえることになりますと、さまざまな課題があると思われます。一度、建てかえると、何十年と使い続けることになる施設でありますし、建てかえに当たっては、十分な検討をした上で慎重な判断が必要であります。
その一方で、現在の中央区役所の状況は、万一の災害の際には大変心配な状況になっているのも事実であります。職員だけでなく、市民の安全を守るということはもちろん、区役所は、万一の際の災害対策拠点施設であるということからも、中央区役所の耐震化については、できるだけスピード感を持って積極的に検討を進めることを強く要望して、私の質問を終わります。
◆川口谷正 委員 私は、札幌市のアイヌ施策について質問いたします。
質問に入る前に、冒頭に、失礼とは存じますけれども、井上副市長あるいは池田局長、長谷川部長から、アイヌ施策に関してのキャリアについて手短にお答えいただけないですか。つまり、今までどういうかかわりを持ってこられたかについて、手短にお答えいただければと思います。
◎井上 副市長 私は、ことしで市役所勤務が36年になりますが、アイヌ施策については、直接、担当したことはございません。清田区の市民部長時代等に、いわゆる区の住民施策の一つとしてアイヌの関係等についてかかわり合ったことはありますけれども、大体はその程度の経験でございます。
◎池田 市民
まちづくり局長 私は、昨年4月に市民
まちづくり局に来ましてからアイヌ施策を所管しております。それから、文化部長をしておりましたときに、埋蔵文化財の関係などでアイヌの方々とお話しさせていただいたことはございます。
◎長谷川
市民生活部長 私も、昨年の春からこちらに異動してきましたので、春からの業務になります。
◆川口谷正 委員 それぞれアイヌ施策にかかわる機会は余りなかったようであります。なぜ、冒頭にそういうことを聞くかというと、やはり、我々の認識というのは、いろいろ実践したり、現場を見たり、そういうようなことを通して認識が深まっていく、理解が深まるというふうに私は思うのですね。したがって、願わくば、そういうキャリアが豊富にあればという期待も半ばあったのですけれども、わかりました。
以下、順次、質問を進めさせていただきますけれども、
先住民族の
アイヌ民族施策を論ずるに当たっては、私は、日本あるいは北海道なり札幌の歴史上のかかわりについて、どうしても最初に押さえておく必要があるのではないかなというふうに思います。先ほども前の方から質問がありました。日本人もずっと前から北海道に住んでいるのだと。それは住んでいたのでしょう。ただ、アイヌの場合は、過去の識者の指摘によると、アイヌは、縄文、続縄文、擦文、中世、近代、こうした流れの中で、ずうっと前、気が遠くなるほど前の時代から住んでおられたわけでありますから、日本人は比較の対象にはならないですね。我々はそういうことをしっかりと認識しなければいけないのではないかと思います。
しかし、そこまでさかのぼってやっていると、幾ら時間があっても仕方がありませんので、明治以降に絞って申し上げたいと思います。
明治に至るまでも、和人とアイヌの有名な戦いがありました。例えば、1457年のコシャマインの戦いは、和人がアイヌの青年を殺したことに端を発しました。1669年のシャクシャインの戦いは、松前藩とほぼ戦争に近い本格的な戦いがあったと記録に残っております。
話を前に進めますけれども、1869年に明治政府は蝦夷地を北海道と改称しまして、当時、北方からロシアの進出が大変懸念されたことから、これに備える形で北海道に対する移住政策、入植政策を展開したわけであります。その一つの姿がいわゆる屯田兵です。うちの会派にも約1名のとんでん平がおりますが、屯田兵は中国の制度であって、時の権力者が遠隔の地に農民、兵隊を兼ねたものを送り込んで、そこで農耕をさせながら、万が一のときは武器をとって戦うという目的ですね。まさに、北海道に来た屯田兵も、開拓をやり、農地を耕し、そして、万が一のときにはロシアに対峙する、こういう任務を担っておりました。かく言う私も、実は屯田兵の末裔でありまして、さかのぼってみればそういう血も私には流れているのだなというふうに思います。
札幌は、1871年に札幌開拓使庁、そして、1872年に札幌本庁と改めまして、北海道の中心地としての歩みを始めるわけであります。1875年に至りまして、政府は、ロシアと樺太・千島交換条約を締結しますけれども、このときに、アイヌは、樺太南部あるいは千島から北海道に移住させられるということが起きております。
また、最初に申し上げましたけれども、ずっと以前から北海道にいたアイヌの方々の名残で、北海道179市町村のうち、約8割はアイヌ語が由来だと言われています。札幌ももちろんそうですね。サッポロペツ、「サツ」は乾くとか乾いた、「ポロ」は大きいとか、「ペツ」は川です。当時の豊平川は大変荒れたようでありまして、しかも、大変な急流ですから、雨が降ったり、雪が解けても、とにかくさっと流れて乾いてしまう川だったようでありまして、そこから出たのではないかなと。諸説がありますけれども、大体、それが一番近いかなと私は思っています。
こうした政府の大規模な移住政策の結果、アイヌは、生活や文化に深刻な打撃を受けるようになりました。土地制度の導入などがあって、独自の文化を制限あるいは禁止される、アイヌ語を話す機会も減ってしまうということで、多数の和人の中でアイヌは差別の対象になっていったわけであります。
これは、外国の例を見てもいろいろ見られます。例えば、インディアン、アボリジナル、ポリネシア、それから、高山族というのは台湾ですね。高山族というのは、植民地時代に日本は高砂族と呼んでおりましたが、正確には高山族と言うべきだと言われておりますけれども、そういうことがありました。
私は、せんだって、去年の12月でしたか、隣の三上委員たちと台湾に行きました。そのときに聞いて驚いたのですけれども、台湾では、高山族にクオーター制で議席を与えるのだそうです。高山と平地の人にそれぞれ1個ずつ議席を与えるということで、
先住民族に対する懐の深さ、寛容な態度にちょっと驚いたわけであります。
そういうことで、我々としては、こうした過去のアイヌに対する文化の破壊、差別、偏見などについて、まずは改めてしっかり認識して物を考えていかなければいけないのではないかなというふうに思います。
さらに前へ進めます。
国や道あるいは札幌市の施策でありますが、1997年にアイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律に基づいて、札幌市はさまざまな施策を展開してきました。その一環として、2003年には札幌市アイヌ文化交流センターを設置しましたが、これは本当に画期的なことだと思います。ただ、このアイヌ文化振興法ですが、恥ずかしながら、1997年までは北海道旧土人保護法なるものが存在しておりまして、実に98年にわたってこうした名称の法律が存在していました。
2007年、先ほども答弁にありましたが、国連で
先住民族の権利に関する国連宣言が採択され、2008年に
アイヌ民族を
先住民族とすることを求める決議が衆参において全会一致で採択され、同時に、政府はアイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会を設置します。この会は、翌年に報告書を提出しますが、政府は、この報告を受けて、2010年に内閣官房長官を座長とするアイヌ政策推進会議における段々の検討の結果、国における新たなアイヌ政策が、今、検討され始めております。実はもう具体化しているものがございまして、民族共生の象徴空間構想ですね。先日、私は、白老のアイヌ博物館に行ってまいりましたが、この場所に、2020年をめどとして国において博物館を建てるという構想のようであります。
さて、この推進会議には、実は北海道の多くの方がメンバーとして入っております。阿部
アイヌ協会副理事長、
上田市長、高橋知事、座長代理に自民党の吉川衆議院議員も入っておられます。大変心強いところでありまして、大いに活躍を期待しているところであります。
余り前置きが長いと嫌われますから、順次、質問に入っていきたいと思います。
まず、1点目でありますが、サッポロピリカコタンの来館状況あるいは評価について伺いたいと思います。
今、サッポロピリカコタンと申し上げましたが、市の表現で言えば札幌市アイヌ文化交流センターであります。立ち上げて10年になりますけれども、この状況についてお答えいただきたいと存じます。
◎長谷川
市民生活部長 サッポロピリカコタンの来館状況についてお答えいたします。
サッポロピリカコタンの1年間の来館者数でございますが、開館後5年間、平成15年度から19年度になりますが、平均して1年間約3万7,000人でございます。平成20年度から24年度の次の5年間は約4万8,000人、25年度につきましては、2月末現在で既に5万4,000人ということで、開館後、最多の来館者数となっております。順調に増加していると認識しております。
サッポロピリカコタンは、見て、触れて、体験してをコンセプトにしまして、
アイヌ民族の昔の生活や歴史、文化を学んでいただく施設でございます。アイヌの方々が製作した生活用具などの展示物に触れることができますし、また、歌や踊り、弓矢遊びやムックリの製作なども体験できまして、このように生活や文化を感じ取れる展示、プログラムが豊富でございます。また、これまでさまざま行ってきましたPRといったこともございまして、小・中学生を初め、子どもから大人まで多数の方にご利用いただいているところでございます。今後も、引き続いて施設の魅力を発信してまいりたいと思います。
◆川口谷正 委員 私も、
アイヌ協会からカムイノミの行事があるので時間があったら来てくださいと言われておりまして、交流センターには、毎年、新年に行かせていただいています。ふだん、なかなか目にすることのできない神事を拝見することができて、参考になります。
その際、カムイノミの神事はポロチセでやります。「ポロ」は大きな、「チセ」は建物、ポロチセでやるということで、40〜50メートル離れたポロチセまで行きまして、建物の中に入っていろりを囲んで神事が始まるわけですけれども、カヤぶき屋根ですから寒いのですね。よくこれで冬を過ごしたものだなと思うくらい、私には寒かったです。
ただ、ポロチセは、カヤぶきですから、長くもちません。改修をしたようでありますが、どんなことに配慮して改修されたのか、お答えください。
◎長谷川
市民生活部長 何に配慮しながらポロチセを改修したかというご質問でございます。
サッポロピリカコタンにございますポロチセを初めとする展示物は、
アイヌ民族の伝統文化を市民に理解いただくことを目的に設置しております。また、ポロチセは、今回、10年に一度の改修でして、技術を継承していく貴重な機会でもございました。
そこで、改修に当たりましては、まず、多数の方がご利用になりますので、施設の安全性の確保に配慮しながら改修いたしました。また、技術の継承という観点から、経験の浅い方、未経験の方にも参加していただきまして、熟練した者が改修方法を丁寧に伝えながら改修を進め、改修の工程を映像記録でも残しました。さらに、市民理解の促進という観点から、市民見学会を開催し、作業の現場や映像記録を見ていただきました。以上の点に配慮しながら、昨年12月に改修を完了いたしました。
◆川口谷正 委員 改修は、安全に配慮しながらということで、当然と言えば当然です。
ポロチセの場合、アイヌの建物は、宿命的に燃えやすいというか、カヤぶきで木材が柱となっていますから燃えやすくて、以前に火事になったこともあるわけですね。ですから、そこは、伝統を守ることと安全との兼ね合いでなかなか難しい面があったのではないかなというふうに思います。しかし、改修を通して伝統的な技術を伝承していくことは非常に大事なことです。あのつくりだとせいぜい10年に1回は改修しなければいけないのではないかなと思いますが、技術の伝承なども含めてこれからも心がけていただきたいというふうに思います。
ただ、アイヌの習慣としては、家の人が亡くなれば一緒に燃やしてしまうという習慣があるやに聞いております。それは、家ごと神のもとへ行くことによって、そこで住まう、家は一人で建てられないのだという考え方があるようでありまして、しばらくその習慣が続いたそうですけれども、明治政府によって禁止されたいきさつがあったようであります。
さて、三つ目の質問です。
北海道
アイヌ協会札幌支部についてでありますが、これまで、文化センターの運営などの点では、
アイヌ協会札幌支部のさまざまな協力、尽力によるところが大きかったと認識しております。ピリカコタンの展示物は、札幌支部の皆さんが制作されたものでありまして、また、そのコタンで行われるさまざまな体験プログラムや行事、さらに、今回のポロチセの改修にしても、伝統文化に関する知識や技術をお持ちの方が一番多いのは札幌支部だと私は見ておりまして、しっかりと責任を果たせるからこそ、できることではないかなというふうに思います。その意味で、札幌市としては、今後、各種のアイヌ施策を行いながらも、その過程で札幌支部の協力は不可欠ではないかと思います。
実は、このたび、北海道
アイヌ協会は、ことし4月、一般社団法人から公益社団法人に移行すると伺っております。北海道
アイヌ協会は、先ほども申し上げましたように、現在、国のアイヌ政策推進会議のメンバーでもありますが、道内の各支部と一体となってアイヌ施策を進めてきたところでありまして、そうした活動の公益性が認められて、このたび、公益社団法人に移行することができるのではないかと思います。それに伴って、札幌支部も札幌
アイヌ協会にかわると伺っております。
そこで、札幌市は、今後、札幌支部あるいは名前がかわる札幌
アイヌ協会とどのようなかかわりを持っていこうと考えておられるのか、お答えください。
◎長谷川
市民生活部長 北海道
アイヌ協会札幌支部についてのご質問でございます。
北海道
アイヌ協会が公益社団法人に移行いたしますが、それにあわせまして、北海道
アイヌ協会札幌支部も札幌
アイヌ協会という名称に変更されます。しかし、組織の目的や運営体制は変わらず、また、札幌地域を代表する団体として引き続き北海道
アイヌ協会の正会員になるということでございます。ですので、札幌支部は、札幌
アイヌ協会になった後もこれまでと実質的に変わるところはなく、今後も北海道
アイヌ協会と一体となってアイヌ施策の推進に取り組んでいくというふうに聞いております。また、札幌支部は、これまで、札幌市のさまざまな事業について誠実かつ着実に取り組まれ、実績を積み重ねてこられました。
以上のことから、札幌市としましては、今後も引き続き札幌
アイヌ協会と連携協力して事業を進めてまいりたいと考えております。
◆川口谷正 委員 財団や社団に対する国の認可はなかなか厳しいものがありまして、私はある財団に今もかかわっておりますが、本当に審査が厳しいです。したがって、
アイヌ協会がこうした形で公益社団法人として認可されることについては、これからまた大いに張り切って活躍してもっといい活動をしてもらいたいなと思います。
四つ目の質問に移りますが、アイヌのモニュメント設置に関してであります。
ピリカコタンの存在もありますが、モニュメントが市の中心部にできることは、より多くの人に知ってもらう機会として貴重ではないかなと思います。今回、設置予定の札幌ステラプレイスに近い駅構内には、この2月には札幌大学のウレシパクラブによってアイヌの彫像を設置しており、この二つがあることで大きな発信ができるのではないかなと考えています。
皆さんもご承知のように、7月には札幌国際芸術祭が予定されておりまして、これともタイアップしてモニュメントを設置することに私は大変期待しておりますけれども、モニュメント設置の意義あるいは効果についてお答えください。
◎長谷川
市民生活部長 モニュメントについてのご質問でございました。
今回設置いたしますのは、立体的なものではなくて、アイヌの紋様を施したタペストリーでございます。
事業の目的と意義でございますが、札幌市のアイヌ施策推進計画では、アイヌの伝統文化を広く伝え、市民の理解の促進を図ることを目標としております。今回のこの事業も、その一環として位置づけておりまして、事業の内容につきましては、有識者による会議を重ねて詰めてまいりました。
具体的な効果ですが、今回設置する場所が、先ほど委員がおっしゃられたように札幌ステラプレイス、それから市役所本庁舎でございます。この展示場所は、市民を初め、道民、観光客が多数いらっしゃいますので、これまで以上にたくさんの方にアイヌの文化を知っていただけるものと考えております。また、展示を開始する時期ですが、札幌国際芸術祭の開催期間中の予定で、国際芸術祭と連動することによりまして大きな発信ができるものと考えています。
さらに、昨年から、国、北海道とともにイランカラプテキャンペーンを行っております。今回のこのモニュメントもその一環と位置づけておりまして、イランカラプテキャンペーンの促進にもつながるものと考えております。
◆川口谷正 委員 大いに期待しております。
最後のほうでイランカラプテキャンペーンという話がありましたけれども、この議場におられる方で、どういう意味か、ぴんとこない方もおられるのではないかなと思います。イランカラプテは、アイヌ語でこんにちはという意味で、北海道に来られる方々に、
アイヌ民族がいたのだ、そして、こんにちはという言葉で皆さんをおもてなししたいという意味を含んでおりますので、札幌市ももう少し積極的にこのキャンペーンに取り組んでいただきたいなというふうに思います。
せんだって、札幌国際芸術祭の概要が発表されまして、ゲストディレクターの坂本氏によりますと、48個人・グループで国際的な広がりを見せているということであります。中でも、これまで
アイヌ民族とかかわってこられた写真家の掛川氏、あるいは伊福部氏の作品を通してアイヌ文化を浮かび上がらせることを考えておられるようであります。あるいは、能楽師の野村萬斎氏と
アイヌ民族による神事も計画されているそうであります。私は、芸術祭に合わせてアイヌモニュメントを内外に発信する格好の機会だと思いますので、札幌市もさらに気合いを入れて取り組んでもらいたいと思います。
最後に、アイヌ施策は、当然のことながら、
アイヌ民族が主体となるべきであります。札幌
アイヌ協会は、道内でも約3割以上の会員を擁するかなめの組織だと言われておりますので、この人数も今後さらに増加する傾向にあるそうです。その分、伝統文化を身につけている方々も大変多いと伺っておりますので、札幌市の責任も重いわけでありますから、今後、
アイヌ協会とのきずなをより強めて事業を推進していただくように求めて、私の質問を終わります。
○
村山秀哉 委員長 以上で、第2項
市民生活費中関係分等の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、3月19日水曜日午後1時から、市民
まちづくり局のうち都市計画部及び総合交通計画部関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
――――――――――――――
散 会 午後4時12分...