札幌市議会 2014-02-28
平成26年第一部予算特別委員会−02月28日-02号
平成26年第一部
予算特別委員会−02月28日-02号平成26年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第2号)
平成26年(2014年)2月28日(金曜日)
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●議題 付託案件の審査
●
出席委員 33人(欠は欠席者)
委 員 長 村 山 秀 哉 副委員長 宝 本 英 明
委 員 武 市 憲 一 委 員 三 上 洋 右
委 員 鈴 木 健 雄 委 員 五十嵐 徳 美
委 員 長 内 直 也 委 員 小須田 悟 士
委 員 佐々木 みつこ 委 員 こじま ゆ み
委 員 飯 島 弘 之 委 員 北 村 光一郎
委 員 伴 良 隆 委 員 川口谷 正
委 員 西 村 茂 樹 委 員 福 士 勝
委 員 畑 瀬 幸 二 委 員 ふじわら 広昭
委 員 三 宅 由 美 委 員 長谷川 衛
委 員 しのだ 江里子 委 員 林 清 治
委 員 植 松 ひろこ 委 員 涌 井 国 夫
委 員 三 浦 英 三 委 員 芦 原 進
委 員 丸 山 秀 樹 委 員 井 上 ひさ子
欠 委 員 坂 本 恭 子 委 員 伊 藤 理智子
委 員 小 倉 菜穂子 委 員 石 川 佐和子
委 員 堀 川 素 人 委 員 金子 やすゆき
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開 議 午後1時
○村山秀哉 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
坂本委員からは本日から3月13日まで欠席する旨、
谷沢委員からは
芦原委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
議事に先立ちまして、審査方法についてでありますが、質疑者及び答弁者は起立して発言を行うこと、答弁者は冒頭に職及び氏名を名乗ってから発言を行うこと、なお、同一委員への答弁が継続する場合は最初だけでよいことといたします。また、質疑及び答弁は、簡潔を旨とし、前置きなどは極力省き、内容の重複等も避けながら、終了時刻は午後5時をめどとし、審査日程を予定どおり消化できるようにご協力をお願いいたしたいと思います。
それでは、議事に入ります。
議案第1号 平成26年度札幌市
一般会計予算中関係分ほか、付託議案13件を議題といたします。
初めに、平成26年度札幌市
一般会計予算中歳入のうち、
一般財源、第2款 総務費 第1項
総務管理費中会計室及び
財政局関係分、第3項 税務費、第10款 公債費 第1項 公債費、第11款 諸支出金 第1項
財産取得費、第2項 他
会計繰出金中
財政局関係分、第13款 予備費 第1項 予備費、議案第8号 平成26年度札幌市
基金会計予算及び議案第9号 平成26年度札幌市
公債会計予算について、一括して質疑を行います。
◆
長内直也 委員 工事の入札不調が大変大きな課題となっておりますが、こうしたものの解消にもつながる対策につきまして質問させていただきたいと思います。
工事の入札不調について、我が会派でも、
飯島委員が昨年の第3回
定例市議会の
代表質問で取り上げております。昨年の
決算特別委員会、あるいは、今回の議会の
代表質問でも質疑をされておりまして、解決に向けた対策が非常に緊急を要した課題かと思っております。これまでの質疑の中にありまして、業界からも不調の原因といったことについてさまざまに意見聴取しているところでありますし、また、札幌市としても、平成26年度の
早期発注分から対応していきたいと答弁をされているところであります。
私がいつも思っておりますのは、確かに
会計年度として4月から3月ということは大原則でありますけれども、札幌は北国の
積雪寒冷地であり、雪を抱えた我がまちにとっては、やはり4月から始まって3月に全てが終わることに無理があるということは事実だと思います。いかにそういったものを解消するかということも、入札不調を初め、そういったことの解消にもつながることかと思います。また、よく年末に雪が降ってから、今ごろひっくり返して工事をしているという批判もされたり、あるいは、厳冬期に工事をせざるを得ないということは、製品というか、品質の問題にもなってきます。また、余計な金額がかかって、当然ながら、請け負う業者にとっても、仕事をしてもなかなかもうからないという現状もあると思います。
そういったもろもろのことから、やはり、札幌は北国であり、そして、これだけの多くの雪が降る
積雪寒冷地であるということを特に考えながら独自に対策をするべきではないかというふうに思っております。例えば、ある業界の方とも話をしたのでありますが、さっき申し上げましたとおり、まだまだこうやって雪が残っていますが、
会計年度が3月までということで、それまでに工事を全部終わらせなければならないのが大原則でありますけれども、これを年度をまたいで4月や5月ぐらいまでの間に仕上げてくれというような柔軟性を持ってもいいのではないかという話をしておりました。私は、非常にいいことだと思います。これから
早期発注について質問させていただきますけれども、
早期発注というものと、逆に、このように後に延ばすことが可能になればと。これは、国に対して要望しなければならないことがあるかもしれませんが、ことしは本州でも大雪が降りましたので、これを機会に、北国の札幌は冬の間にいかに大変な苦労をしているかということは今まさに理解されやすい時期でありますから、ぜひ、こういったことも今後の課題として訴えていっていただきたいと思います。
そういうことで、まず、
早期発注についてお伺いしたいと思っております。
以前から質問もしておりますし、また、
早期発注をしてほしいというさまざまな要望もしてきたところでありますけれども、その都度、市の側としても
早期発注に努めているというふうに聞いておりました。そんな中で、今、申し上げましたとおり、入札不調が大変増加したということで、再び
早期発注への
取り組みが注目されているところであります。
そこで、入札事務を所管する管財部、そして、特に
早期発注を求めて実行してきた
工事発注を所管する部局、この両者が
共通認識に立つことが必要であると思っております。以前ですと、発注の所管と入札の所管が一緒でありましたが、今は分かれておりますから、当然ながら、この両者の間での
共通認識が必要だと思っております。
そこで、管財部と
関係部局との間で
早期発注の必要性について
共通認識に立っているのかどうか、まず、この点をお伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 早期発注の関係につきましては、昨年3月に定めた札幌市
工事請負契約に関する基本方針で可能な限り
早期発注に努めることとしており、工事を所管する
関係部局に対して適切な
取り組みについて通知をしているところでございます。また、
管財部長と管財部の
工事管理室長、建設局や都市局などの
工事担当部長で構成いたします札幌市
工事等一般競争入札参加資格審査委員会におきまして、調達案件の
入札参加資格の審査をする際、入札不調の原因と対応等についても議論をしており、その中で
早期発注の必要性について認識を共有してきたところでございます。
◆
長内直也 委員 今ご答弁をいただきまして、可能な限り
早期発注を求めてきた、そしてまた、両者が同じ認識のもとで動いているのだということでありました。
そこで、きょうは、
建設局土木部の
浦田部長にも来ていただいておりますが、積雪の影響を特に受けやすい
公共事業を所管しているということでありますので、
早期発注に関して土木部ではどのように取り組んでいるのか、お伺いしたいと思います。
◎浦田
建設局土木部長 土木部における
早期発注の
取り組みについてお答えいたします。
土木部では、今般の入札不調を受けまして、
関連業界団体と意見交換を重ね、有効な対策を検討してまいったところでございます。業界からは、委員のご指摘にもありましたが、雪解け直後の着手や積雪前の竣工が可能となるような工期設定であれば受注は可能であるという意見を数多く頂戴いたしております。土木部としても、これらの要望を重く受けとめ、できる限り
早期発注に努めることが入札不調を解消するために重要な施策と考えているところでございます。
平成26年度におきましては、ゼロ市債、
補正予算等を活用して
早期発注に努めており、今のところ、昨年度を上回る
早期発注の件数を確保できる見込みとなっているところでございます。
◆
長内直也 委員 今、
浦田部長からご答弁をいただきましたが、一生懸命に取り組んで、昨年よりも件数もふえているのだということでありまして、業界のそういったさまざまな要望もしっかり受けとめてやっていただきたいというふうに思っております。
また、先ほども申し上げましたとおり、後に延ばすという方策もぜひ検討していただきたいというふうに思っております。何よりも、以前から、4月、5月はどうしても仕事があいてしまうということで、結局、そこで働く労働者も、一旦、退職してもらわなければならないとか、通年雇用ができないということにもつながってきます。市長も労働者の賃金を上げると言っておりますが、当然ながら、企業がしっかりと利益を出すことができなければこうしたこともできなくなるわけでありますから、ぜひ、一層進めていただきたいと思っております。
次に、
人手不足の解消ということについてお伺いしたいと思いますが、その中で、特に
現場代理人の効率的な活用についてお伺いしたいと思っております。
人手不足と言いましても、やはり、工事には担当するさまざまな責任者が必要になってくるわけでありますが、
主任技術者や
監理技術者、あるいは
工事現場の運営を担当する
現場代理人、そしてまた
技能労働者など、さまざまな職種の人が携わっております。特に、
主任技術者、
監理技術者は、元請企業と3カ月以上の直接
雇用関係がなければ配置できない仕組みになっていることや、あるいは、
現場代理人についても、
工事現場の適正な運営を確保するため、本市におきましては元請企業との直接
雇用関係を求めているということであります。しかし、これだけ工事が減ってきて、これから景気が上向いていくとは言っても、当然ながら、人材確保というのは大変難しく、企業としても課題なのであります。特に中小の企業にとっては、これは入札に参加できないということにもつながってくるわけでありまして、ぜひ、こういったことを緩和してほしいということであります。
また、今の時期にあって、国のほうからも
公共建築工事の円滑な施工確保についての通知があったということで、
人手不足への当面の対策として、
主任技術者の専任の
取り扱いの緩和、あるいは、
現場代理人の
常駐義務の緩和などについて適切に対応するように求められてきているということであります。具体的には、
現場代理人は現場の運営を担当する役割を担っておりまして、やはり、常に現場にいるということが大原則なのでありましょう。しかし、約款の中で、現場に常駐しなくてもよい場合には、
発注機関が認めればほかの現場と兼任することもできるということがありまして、こうしたことを適切に運用していくことが求められているのかなというふうに思っております。
先ほど来申し上げておりますとおり、すぐに人をふやすことができない小さな
建設事業者にあっては、今ある人材の中でそうしたものを有効に活用させていくことができれば、受注機会をふやすことにつながっていくのではないかと思っております。
そこで、質問でありますが、本市が発注する工事においても
現場代理人の
常駐義務の緩和ができることになっておりますけれども、その具体的な
運用方法についてお伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 現場代理人の常駐緩和につきましては、札幌市
建設工事請負契約約款におきまして
現場代理人の
常駐義務の緩和を求める規定を設けており、これを具体的に運用するため、平成21年4月から
現場代理人の兼任に関する
取り扱いを定めて兼任を認めており、平成23年4月に
取り扱いを一部変更し、現行の適用基準としたところでございます。現行の基準につきましては、2件までの兼任を認めておりまして、主な要件としては、
施工担当課が告示で指定した工事であること、組み合わせる工事は同じ
施工担当課の工事であること、設計金額が2件を合わせておおむね2,500万円未満であることで、これらの全てを満たす場合に兼任を認めているところでございます。
◆
長内直也 委員 ただいま緩和に関する
運用方法ということをご答弁いただきました。1件
当たり建築以外では2,500万円以上ですか、
建築工事であれば5,000万円以上の工事については、建設業法で工事の技術上の管理を担う
主任技術者を専任で配置しなければならないと定めておりまして、建築以外であると2,500万円未満、5,000万円未満の
建築工事であれば
主任技術者は他の工事と兼任してもよいということになっているわけであります。
しかし、実際のところ、そんなに人がいないわけでありますから、
主任技術者が
現場代理人を兼務している工事が多いというふうにも聞いているところであります。
主任技術者の金額と同じように、
現場代理人の兼任の基準を引き上げれば、さらなる人材の
効率的活用が進んで、限りある人材をやりくりして入札に参加することができるのではないかということであります。
そこで、
現場代理人の兼任について、現在の
運用方法を拡大すべきと考えますけれどもいかがか、お伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 現場代理人の兼任要件の拡大につきましては、私どもも
人手不足を起因とする入札不調の対策の一つになり得るものであると考えているところでございます。そこで、兼任の金額の制限を
主任技術者の専任基準と同額まで引き上げるとともに、企業局も含めた
本市発注工事の中で兼任できるよう
取り扱いを見直したいと考えておりまして、準備が整い次第、早期に実施してまいりたいと考えております。
◆
長内直也 委員 ただいまご答弁をいただきました
主任技術者と同様に、こうした
現場代理人の兼任についても
運用方法を拡大していくというような方向が示されました。私は非常にいいことだと思います。最初から申し上げましたとおり、非常に特殊な環境の中にある我が市でありますから、こうしたことを一つ一つやっていくことによって、いいものをつくっていただく、成果として残していただくためにも、そして業界が発展し、まさに賃金も上がっていく、そうした方向をぜひお考えいただきたいわけであります。今後とも、入札不調の解消につながる
早期発注も含めて、
取り組みをより強化していただきますように、また、途中でも申し上げましたけれども、仕上がりを4月、5月に延ばして年度をまたぐようなことも、特殊な環境下にある北国の寒冷地でありますから、ぜひ、お考えいただいてお願いしたいというふうに思っております。
◆林清治 委員 私からは、本市の今後の
財政運営の考え方について質問していきたいと思います。
2014年度予算案は、
上田市長3期目の総仕上げとして、第3次札幌新
まちづくり計画に盛り込まれた事業の本格化などにより、
一般会計の
予算規模が、市政史上、最大となるとともに、
建設事業費が10年ぶりに1,000億円台となっております。この予算に対応するための財源として市債や基金の活用・拡大を図っていますが、さきの
代表質問においては、我が会派の
長谷川議員からの今後の
財政運営への影響についての質問に対し、市長からは、
行財政改革推進プランの
ベンチマークなどの範囲内におさまるものであり、将来世代へ過度な負担を残さないように配慮したとの答弁がありました。2014年度予算における市債や基金の活用・拡大はプランに沿った計画的なものであることが明らかになり、ひとまずは安心しているところでございますが、持続可能な
財政運営という面ではやや心配が残っていると言わざるを得ないというふうに思っております。
予算案と同時に発表された今後の
中期財政見通しによると、2015年度以降についても3年間で合計564億円の
財源不足が生じるとの見通しもあるということであります。この
中期財政見通しは、一定の仮定条件に基づく推計であって、特に
建設事業費については、
市民交流複合施設関連事業を除くと2014年度と同額と試算していると聞いております。しかしながら、
建設事業費の増減の見通しを持って今後の
財政運営を考えることも重要であるというふうに考えております。
そこで、最初の質問でありますけれども、2015年度以降の
建設事業費をどのように見通しているのか、お伺いしたいと思います。
また、2015年度以降の
財源不足に対しては、
行財政改革の
取り組みだけで解消することは難しいのではないかと予想され、引き続き、市債及び基金を活用していく必要があると考えております。市債及び基金の活用に関しては、さきの市長答弁のとおり、
行財政改革推進プランに基づき、残高の管理が行われていますが、このプランも2014年度が最終年度であります。
そこで、質問ですが、
行財政改革推進プラン終了後の2015年度以降における市債及び基金の活用について、現時点における考え方をお伺いいたします。
◎小西
財政部長 ただいまご質問がありました今後の
建設事業費の見通し、それから、市債と基金活用の考え方の2点についてお答え申し上げます。
まず、今後の
建設事業費につきましては、
市民交流複合施設の整備が平成29年度まで継続すること、また、築後30年以上経過した
市有建築物が更新時期を迎えてまいりまして、長寿命化に資する維持修繕や更新の需要も今後見込まれることから、今後も一定程度の
建設事業費の規模は必要になるというふうに認識してございます。
次に、市債や基金につきましては、将来世代へ過度な負担を残さないよう配慮しながらも、これらを有効にかつバランスよく活用すべきものというふうに考えてございます。その上で、市債や基金の活用に当たりましては、
財政規律維持の観点から、
行財政改革推進プランで設定した
ベンチマーク等の達成を目指すことが基本というふうに考えております。
平成27年度以降につきましては、その考えを継続しつつ、中長期的な視点で、健全な
財政状況を保つためにはどの程度の残高が適正なのか、検討していく必要があるというふうに考えております。
◆林清治 委員 今後も
建設事業費は
一定規模が見込まれるということであります。また、市債や基金の活用に当たっては、将来世代への責任を果たす
財政運営は現在もやっておりますが、今後も継続していただきたいと思っております。
次に、
補正予算の運用など機動的な
財政運営についてお伺いいたします。
刻々と変化する
社会経済情勢や、近年、増加している自然災害など、突発的な事態に的確に対応していくためには、弾力的かつ機動的な
財政運営が必要であると考えております。予算についても、当初予算が全てではなくて、年度内のさまざまな状況に応じて年間を通じて必要な
予算措置を講じる必要がございます。現実に、今年度においても、
一般会計の当初予算は8,524億円だったところ、7度にわたる
補正予算を組み、現在の予算額は約9,030億円となっております。特に、きのう議決した
補正予算のように、大規模な
経済対策の実施や大雪への対応など、適時適切な
予算措置の重要性がますます高くなってくると思います。
そこで、次の質問ですが、こうした
補正予算を含む機動的な
財政運営の重要性をどのように認識し、今後の
財政運営に生かそうとしているのか、まず、お伺いします。
また、
歳出予算を補正するためにはそのための財源が必要となりますが、市債や基金の活用を含め、
補正財源の捻出に係る基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
◎小西
財政部長 まず、1点目の
補正予算を含む機動的な
財政運営についてお答えいたします。
当初
予算成立後の
社会経済情勢の変化や不測の事態などに対応するため、年間を通じて、
補正予算を初めとして、タイミングを逸することなく必要な対応に心がけているところでございます。今後も、
経済対策や災害対応といったその時々の行政課題に即応し、適時適切な
予算措置をしっかりと講じてまいりたいというふうに考えております。
2点目の年度途中の
補正財源についてでございます。
補正財源につきましては、市債を含む
特定財源を最大限見込んだ上で、
一般財源をどう確保するか、その時点におけます歳入の見通しを持って検討することになろうかと思います。一般的には、前年度からの繰越金を優先的に充てるとともに、市税や
地方交付税などは、その時点で予算を上回る見込みが立っている場合には計上を検討することになろうかと思います。また、
財政調整基金の取り崩しなどについても検討材料の一つになろうかと思います。ただ、これは限りのある貴重な財源でございまして、慎重な検討が必要というふうに認識しております。
今後とも、近年行っております
決算見込みに合わせました
歳出予算の減額による財源捻出といった手段も含め、将来の
財政運営を見通した上で最も適切な財源の選択に努める考えでございます。
◆林清治 委員
中期財政見通しにおいて
一般財源の大幅な伸びが見込めない一方で、
社会保障関係費の伸びが見込まれるとともに、
建設事業費についても、今後、
一定規模が見込まれるということで、
補正予算を含め、行政が対応すべき課題がどんどん増加している中にあって、市債や基金については、今後、
生産年齢人口の減少や高齢化の急速な進行を考えた場合、将来世代の負担を考慮し、慎重に活用することが必要であるというふうに考えているところであります。
さきの
代表質問において、市長は、引き続き
行財政改革に向けた
取り組みが不可欠であると答弁しているところでございます。
上田市長ご自身は、初めての選挙で「
札幌あたりまえ宣言」を掲げて
市役所改革に乗り出し、以来、3期11年にわたり、動きをとめることなく
行財政改革を進めてきております。その結果、
事務事業の委託化が相当進むなど、
人口当たりの職員数は
政令指定都市の中で最も少ない水準となっており、また、庁舎の維持管理については冷暖房の抑制や
保守レベルの見直しなどぎりぎりまで切り詰められているなど、市役所の内部努力も既に限界に達しているのではないかなというふうに思われます。
そこで、次の質問ですが、
行財政改革推進プラン終了後の2015年度以降、どのようにして
財源不足を解消しようと考えているのか、お伺いします。
◎小西
財政部長 今後の
財源不足に向けた
取り組みについてお答え申し上げます。
さきの
代表質問でも市長からご答弁申し上げたところでございますけれども、札幌市を取り巻く
財政状況の厳しさは変わらないものと予想されますことから、これまで進めてまいりました
行財政改革の
取り組みについて、手綱を緩めることなく、不断の見直しを行う必要があると思っております。平成27年度以降の具体的な
取り組みにつきましては、今後幅広く検討することになろうかと思いますけれども、引き続き、内部の効率化や基金等の財産の活用についても継続する必要があると考えております。これとあわせまして、事業の選択と集中をより一層進めるとともに、税源涵養に資する事業の展開といったものが今後はこれまで以上に重要になるものというふうに認識してございます。
◆林清治 委員 今までの質疑により、市の考え方はお聞きしました。財源確保に向けては、当然、行政改革が必要であります。今、政府や中央省庁も地方自治体みずからが改革の
取り組みを実施しているかどうかということを評価するようになっております。全国的には景気回復の兆しが見られると言われておりますが、現在、札幌においては、一部の大企業優遇制度や高額資産保持者の優遇制度となっており、全体の景気回復にはなっていないようであり、特に、近年、若い世代の働き方も非正規や派遣などという働き方が多くなり、税収の改善は若干見込まれているところでありますが、長期的に考えると抜本的な財政基盤の回復には至らないというふうに予想するしかないかなと思います。我が会派が従前から主張していますが、財産を費消し、次世代に負担だけを残すような
財政運営は避けなければならないというふうに強く思っているところであります。
最後になりますが、国全体が借金漬けでいいわけがなくて、地方自治体が責任を持った
財政運営を継続していく必要があります。本市においては、今後、
市有建築物の更新なども多くあり、将来の持続可能なまちづくりを目指したまちづくり戦略ビジョンの事業化もしていくこととなります。特に、子育て支援や、省エネと再生可能エネルギーの政策、中小企業支援、そして市内労働者の賃金アップによる経済・景気回復への道づくりなど、市民が期待する課題は多くあります。先ほどの答弁にもありましたように、選択と集中、優先的に財政措置をする必要も高いと感じている部分もございます。今後、市債発行や臨時財政対策債に頼ることなく、さらに健全な
財政運営を検討し、大胆な施策のスクラップ・アンド・ビルド、または市役所の縦割りの弊害を除去し、柔軟な発想により
財政運営を行うことを求めて、質問を終わります。
◆丸山秀樹 委員 私からは、市税の納付方法の拡大について質問させていただきます。
札幌市では、平成18年度に軽自動車税においてコンビニ収納を導入し、平成23年度からは市・道民税、固定資産税にもコンビニ収納を拡大してきたところであり、市民にとりましては大変便利になったと思うところであります。コンビニ収納を市・道民税、固定資産税に拡大する前の平成22年度の市税合計の収入率は94.3%でしたが、拡大後は平成23年度で95%、平成24年度は95.8%となっており、この2年間でも収入率が1.5ポイント上昇しております。これは、当然、徴収を担当されている職員の皆さんの日々の努力によるところが大きいと思いますが、あわせて、納付方法を拡大し、市民にとって納付の利便性を向上させたことも収入率の上昇につながったものと思います。
そうした中、平成26年度の市税予算は、平成25年度の当初予算額を106億円上回る2,807億円を計上しており、前年を上回る市税予算を計上する背景には景気回復の見通しの影響もあると思いますが、その予算額を確保するためには、地道な
取り組みとともに納付方法の拡大策を検討していくことが必要ではないかと思います。今日、市税を初めとした公金収納を取り巻く環境は、パソコンやインターネットの普及により大きく変化しており、インターネットやクレジットカードで納付したいという市民ニーズもふえているのではないかと思います。
そこで、質問ですが、こうした状況を踏まえ、市税の納付方法の拡大について何か検討されていることがあるのか、お伺いいたします。
◎畠山 税政部長 市税の納付方法の拡大についてでございます。
コンビニ収納導入以降、年々、コンビニで納付される方々がふえておりまして、市税の納付方法として市民の皆様に浸透してきているところと認識しております。また一方、インターネットを利用する納付に関する問い合わせが寄せられるなど、委員ご指摘のとおり、納税者の納付方法に係るニーズは多様化しているものと認識しております。
このような市民ニーズに対応するため、新たな市税の納付方法について検討してきたところでございますが、平成26年4月から、モバイルレジによる納付の導入を予定しているところでございます。このモバイルレジと申しますのは、納付書のバーコードを携帯電話、スマートフォンで読み込みまして、インターネットを介して市税を納めることができるというサービスでございます。このモバイルレジの導入によりまして、自宅や外出先などから、いつでも、どこでも、市税を納付できる環境となりまして、納税者の皆様にとって、納付機会の拡大、利便性の向上につながるものと考えているところでございます。
◆丸山秀樹 委員 ただいまの答弁で、納付に対するさまざまなニーズが多様化してきている、そうした問い合わせもあるということで、新たにモバイルレジを導入するということでございました。原則、振り込み手数料がかからないという利点もある制度のようです。携帯電話等のカメラで撮影して、それを利用して金融機関を選択して払っていくという中身になるかと思います。従来、市税の納付は、口座振替をしている方を除き、金融機関やコンビニに出向く必要があったわけですけれども、それが、今回、モバイルレジの導入により、自宅にいながらも、また外出先にあっても、携帯などのインターネットから市税を納付できるとなれば非常に便利ではないかと思うわけであります。
私も、書籍などはインターネットを通して代金決済をしている者の一人ですけれども、最近では、商品の購入から支払いまでをインターネットで済ませる人がふえていることも事実であり、モバイルレジのようなサービスは、ふだんからインターネットで支払いをする人には抵抗感もなく歓迎されるのではないかというふうに思います。こうしたモバイルレジは非常に便利なサービスであると思いますが、納税者にとっては新しい納付方法を示すことになりますので、当然、十分な周知が必要になるかと思います。
そこで、質問ですけれども、モバイルレジの市民への周知について、どのような方法を考えているのか、お伺いいたします。
◎畠山 税政部長 モバイルレジの周知についてでございます。
モバイルレジは新たに導入する納付方法でございますので、その利用の促進には、納税者の皆様に市税の納付にモバイルレジが使えるようになったということを知っていただくのが何より重要なことと認識しているところです。その周知につきましては、モバイルレジが利用できる市・道民税、固定資産税、軽自動車税、これらの納税通知書の発送時にモバイルレジに関するチラシを同封するほか、広報さっぽろ、札幌市のホームページ、地下鉄、市電にポスターを掲示するなどによりまして、市税の納付にモバイルレジが使えるようになったということを広く周知してまいりたいと考えております。
◆丸山秀樹 委員 ただいま、納税通知書の発送時や広報さっぽろなどで周知を図るとの答弁がございました。納税者にとっては、利便性の向上を図るためにモバイルレジのような新しい納付方法を導入することは納入機会の選択肢がふえるわけですから、大変によい
取り組みだと思います。
その一方で、従来からある納付方法であります納期内納付が確実な口座振替についても、さらに推進していく必要があるのではないかと思います。と申しますのは、やはり、口座振替は納期の最終日に口座から引き落としになるために、滞納を未然に防止するだけでなく、納期を過ぎても納付されない方に対する督促状を発送する必要がなくなり、督促に係る経費や事務が生じないからであります。
そこで、質問ですけれども、現在、市税における口座振替の利用率はどのような状況になっているのか、お伺いいたします。
◎畠山 税政部長 市税におけます口座振替利用率でございますが、納税者の方々のうち、どれだけの方が口座振替を利用しているかということをあらわす口座振替利用率は、平成24年度の実績で、市・道民税におきまして13.6%、固定資産税におきましては41.4%となっております。市・道民税、固定資産税を合わせた合計では、ここ数年、31%から32%台で推移しておりまして、納税通知書単位で申し上げるならば、おおむね納税者の3人に1人の方が口座振りかえを利用している状況ということが言えるかと存じます。
◆丸山秀樹 委員 ただいまの答弁で、平成24年度については、市・道民税は13.6%、固定資産税は41.4%で、合計すると31%から32%ということで、納税者の約3人に1人しか口座振替を利用していないとのことでございます。現状ではなかなか利用率が上がらない状況でございますけれども、口座振替の加入促進について何らかの
取り組みも必要ではないかと思うところであります。例を挙げますと、
政令指定都市の中でも、仙台市や堺市などでは、口座振替の加入者をふやすために、口座振替を新規で申し込んだ納税者に抽せんで景品を進呈しており、そういう
取り組みを実施しているところもあるというように聞いております。
そこで、質問ですけれども、口座振替を促進するような
取り組みについて、どのようなことを考えているのかもお伺いいたします。
◎畠山 税政部長 口座振替の加入促進に関する
取り組みでございます。
口座振替納税は、納期内納付率の向上及び安定した市税収入の確保に重要な役割を果たしてきているところでございます。口座振替の加入を促進する
取り組みといたしましては、毎年、納税通知書の発送時に口座振替依頼書を同封しているところでございますが、平成25年度からは、新たにさっぽろまちづくりパートナー企業であります生活協同組合コープさっぽろ及び株式会社ローソンの協力をいただきまして、店舗内に市税の口座振替依頼書を配架させていただくなどの
取り組みを実施したところでございます。平成26年度におきましては、市税収入の確保及び納期内納付率向上を図るためのさらなる
取り組みといたしまして、市・道民税、固定資産税の口座振替新規申込者の方を対象に、抽せんで2,000名の方に図書カード500円分を進呈するという口座振替加入促進キャンペーンを実施する予定でございます。
今後とも、口座振替利用率の向上に向けたさまざまな
取り組みを行いまして、納期内納付率の向上及び市税収入の確保を図ってまいりたいと考えております。
◆丸山秀樹 委員 今、今後もさまざまな
取り組みをするというお話がありました。納めやすい環境を整えることは、納税者の利便性の向上につながることはもちろん、結果として収入率の向上や市税収入の早期確保にもつながるものと思います。
要望になりますけれども、ぜひとも、コンビニ収納、モバイルレジの導入にとどまらず、今後も納税者にとってより納めやすい環境の整備についてご検討していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
◆井上ひさ子 委員 私からは、税の滞納問題について質問したいと思います。
私は、
代表質問で、新年度の予算の基本、それから貧困問題について質問しました。とりわけ、労働者の手取り給与が減ったり、物価が上がり、灯油の価格の高騰など、市民の暮らしは本当に深刻になっています。昨年は、生活保護費が引き下げられ、5万2,000世帯に影響が出ました。年金の支給額も下がり、40万人以上に影響があるというふうに聞いています。アベノミクスによる物価上昇と円安により、ほんの一握りの大資産家は所得をふやす一方で、圧倒的多くの市民の収入は減って、貧困が蔓延してきていると私は指摘しました。それを裏づけるように、私どもは昨年の秋に市内全戸を対象にアンケート調査を実施してきましたが、実に3,100通の回答が寄せられ、7割近くが生活が厳しくなったと回答され、年金が減った、物価が上がった、介護保険料の負担増、給料は上がらないのに税金が上がった、保険料が上がっている、こういう市民生活の厳しい実態が反映されたものになっております。
そこで、1点だけ質問ですが、税の滞納問題についてです。
まず、この間の滞納件数、金額の推移をお示しください。
あわせて、差し押さえ滞納処分の件数の推移もお示しいただきたいと思います。
◎畠山 税政部長 滞納件数、金額、それから差し押さえ件数の推移でございます。
滞納の発生件数とその金額につきましては、平成23年度の件数は24万2,104件、金額は個人道民税も含めまして592億9,100万円、平成24年度の件数は22万2,834件、金額は587億3,900万円、平成24年度は、平成23年度に比べまして件数は1万9,270件、8.0%の減少、金額は5億5,200万円、0.9%の減少となっております。また、決算時点での滞納件数と滞納金額につきましては、平成23年度の件数は9万9,257件、金額は131億6,500万円、平成24年度の件数は8万7,613件、金額は105億9,800万円となっておりまして、平成24年度は平成23年度に比べますと件数で1万1,644件、11.7%の減少、金額は25億6,700万円、19.5%の減少となっております。
次に、差し押さえ件数についてでございますが、平成23年度は8,887件、平成24年度は1万570件、平成24年度は、23年度に比べまして1,683件、18.9%の増加となっているところでございます。
◆井上ひさ子 委員 やはり、市民生活の厳しさが税の滞納にあらわれているなというふうに思います。
私は、支払い能力があって故意に払わない人、これは厳しい指導が必要だと思います。しかし、払う意思があっても、食べるだけで精いっぱい、生活そのものが厳しい、事業がうまくいかない、そのために納税できない人には、やはり、生活を再建させて納税できる指導も必要だというふうに思います。これは、我が党がここで繰り返し求めてきました。取れない税を無理やり取るのではなく、払えるようにして納税させるようにする。ですから、差し押さえは悪質滞納者に限って、資産があるのに払わない、私はそういうふうに限るべきだというふうに思いますが、どういうお考えで差し押さえをしているのか、また、私と同じ考えのところがあるのかどうかも伺います。
◎畠山 税政部長 差し押さえに当たっての考え方ということでございますが、滞納整理におきましては、個々の滞納者につきまして、滞納の原因、収入や資産の状況等を的確に把握いたしまして、その実情に即した措置を講ずる必要がございます。実際に滞納が発生した場合には、納付督励を行い、自主納付を促しますとともに、直接折衝とか財産調査等の手法を通じまして滞納者の実態把握に努めているところでございます。
その結果、滞納者に担税力があるにもかかわらず、正当な理由もなく納税していただけないと判断した場合には、納税秩序の維持のためにも、機を逸することなく差し押さえに着手することとしているものでございます。
◆井上ひさ子 委員 今、担税力のある方ということを言いましたので、本当に資産があって払える方々にはやはり払っていただくことが必要だと私は思うのですね。やっぱり、取れない税金を無理やり取っていくのではなくて、支払いをできるように生活を立て直していく、本市の税政のあり方は、冷たい北風ではなく、暖かい太陽の税政であるべきだと私は思います。
そこで、滞納の差し押さえ件数の目標、皆さんは目標と言わないのかもしれませんけれども、取り組んでいると聞いておりました。その件数は、先ほどの2012年度では1万1,000件と伺っております。
確認させていただきますが、差し押さえは最終手段なので、この1万1,000件以内に抑えていくのが目標なのか、それ以上にもっとばんばん取っていく、そういうことが目標なのか、ここを確認したいと思います。
◎畠山 税政部長 差し押さえの件数について、目標に向けてどんどん差し押さえをしていくのかどうなのかということでございます。
本市の滞納整理事務におきましては、予算額の確保や予算収入率の達成を目標として種々の納税対策を行っているわけでございます。その過程におきまして、担税力がありながら納付に応じていただけない案件につきましては、滞納整理を進めるための組織の事務執行の目安として差し押さえ件数の目標を設定しているものでございます。札幌市では、従前から、財産がない場合や生活困窮の場合には処分停止を行い、また、担税力がありながら納付に応じない場合には差し押さえをという考えにのっとって的確に滞納整理を進めているものでありまして、差し押さえの件数はこれらの
取り組みの結果としてあらわれてきているものと考えております。
今後も、適時適切な差し押さえの執行というのは大事なことだというふうに考えておりますので、行ってまいりたいと考えております。
◆井上ひさ子 委員 事務執行の目安というふうな言い方をされたと思うのですが、何もかも一括して、話を聞くことなく取り立てているというふうには私は思いません。しかし、先ほどご答弁いただいた中にも、2011年度は8,887件、2012年度はもう1万件を超えているのですね。やっぱり、これを見ただけでもすごくて、私にはばんばんやっているように見受けられるのですよ。税の収納率を上げようとすることは私も理解できます。差し押さえの目標とか、皆さんの言う目安、そういうものを掲げて事務の執行の中で内部でやっているというふうに思うのですが、でも、職員の皆さんは真面目ですから、その目標、目安に向かって頑張るのだというふうに私は思うのですね。
私は、本当に市民の暮らし、生活を再建させるために相談に乗って、支援して、税金を払えるようにしていく、それが本来の納税指導のあり方だというふうに思います。昨年の8月から生活保護の基準が引き下げられて、それに連動して、主に福祉施策ですが、64項目の免除とか減免の措置に影響が出てきます。それから、4月からの消費税増税も実施されようとしている中で、市民にとってはより一層暮らしづらくなっている、それが今の状況だというふうに思います。国が次々といろいろ進めていますけれども、私は、今、こういう悪政から市民を守る防波堤の役割が一番求められている時期に来ているなというふうに思います。今後の差し押さえ、滞納処分に当たっては、納税する力があるのに故意に納税しない、先ほどもご答弁いただいたそういう悪質滞納者に限定することを求めて、質問を終わりたいと思います。
◆小倉菜穂子 委員 私は、2014年度予算における
財源不足の解消と市債の残高について、簡潔に質問したいと思います。
まず、2014年度予算における
財源不足の解消についてです。
札幌市においては、財政見通しは依然として厳しいことが予想される中、第3次新
まちづくり計画の総仕上げ、また、戦略ビジョンの本格実施という年度を迎えて、史上最高額の8,848億円の予算となっております。市長からの提案説明では、
行財政改革推進プランに沿って198億円の財源を生み出すとともに、
財政調整基金41億円を取り崩したとの説明がありました。このプランに沿った
取り組みの効果額198億円の内訳を見てみますと、事業執行方法の工夫や企業会計の繰出金の見直しなどの内部努力で94億円のほか、土地開発基金が50億円、まちづくり推進基金30億円、そうした取り崩しも計上されています。
そこで、質問ですけれども、例年以上に基金を取り崩すとしたことを含めまして、2014年度予算における行革の効果をどのように評価しているのか、伺いたいと思います。
◎小西
財政部長 行財政改革に対する評価ということでございます。
土地開発基金やまちづくり推進基金など基金の有効活用額が平成25年度では30億円であったことを考えますと、平成26年度予算で約80億円の取り崩しを計上したことについてご心配の向きもあろうかと思います。ただ、平成24年度から26年度までの累積といたしましては、プラン策定時に想定いたしました取り崩し額210億円を下回る約140億円にとどめることができたといったような認識でございます。
一方、人件費の見直しのほか、高速電車事業会計を初めといたします各企業の経営効率化など、市の内部効率化を優先的に進めまして、これまでの累計では計画を上回る効果を上げるなど、持続可能な
財政運営に向けて着実に歩みを進めることができたものと考えております。
◆小倉菜穂子 委員 着実に歩みを進めることができたということでありました。
大型の予算を組む中でも、公営企業の経営効率化、内部努力、そして、基金の話も出ましたが、210億円を下回る140億円にとどめることができた、そこで済んだということで、その点については理解いたしました。
しかし、先ほどの質疑の中でも、今後も基金を有効に活用するといったようなことが述べられておりました。私も必要なことだというふうには思っていますけれども、基金の活用と言いましても、いずれも限りのある貴重な財源でありますから、私は、息長く大切に生かしていただきたい、いつもそのことを気にかけながら質問させていただいております。
そして、2014年度予算のほうでは、基金の取り崩しであるとか
行財政改革推進プランに基づく、先ほどおっしゃったようなさまざまな
取り組みがありましたけれども、建設債の発行額が一方でふえております。
そこで、市債の残高について伺いたいと思います。
一般会計の市債発行額については、前年度比44億円、4.7%減の908億円となるものの、2014年度末の残高は1兆円を超えて1兆58億円となる見込みとなっております。2005年度から2011年度まで7年連続して減少していた
一般会計の市債残高が、2012年度の決算では増加に転じまして、今、予算ベースでありますけれども、2013年度以降、さらに増加している状況です。今後の
財政運営を考えますと、私としては、市債残高の増加というのが大変気にかかっているところです。
そこで、質問ですけれども、2014年度の市債発行額及び残高の状況についてと、その増減の理由をお伺いしたいと思います。
◎小西
財政部長 まず、市債の発行額の状況でございます。
事業の実施に伴います建設債の発行額につきましては、
市民交流複合施設や学校整備費、路面電車の延伸事業等、第3次札幌新
まちづくり計画に掲げ、これまで検討や準備を重ねてきた事業が本格化したことなどから、平成25年度当初予算比で56億円増の363億円の発行となったところでございます。それから、
地方交付税の振りかえであります臨時財政対策債でございますが、こちらは、国の地方財政計画を踏まえまして、昨年7月に決定されました平成25年度の発行可能額から約10%減、60億円の減と見込みまして、25年度当初予算比では100億円減の545億円としたところでございます。したがいまして、
一般会計の市債発行額は、合わせまして44億円減の908億円となったところでございます。
次に、市債の残高でございます。
建設債につきましては、これまでも、
ベンチマークを定めて発行額を適切に管理するよう努めてきたこともあり、予算額どおりに発行と償還を行うこととした場合、平成25年度末残高見込みとの比較では220億円減の6,172億円となる見通しでございます。また、臨時財政対策債は、近年、地方全体の
財源不足が続いておりまして、現在のところは、発行額が償還額を上回っている状況を受けまして、25年度末残高見込みとの比較では405億円増の3,886億円としているところでございます。したがいまして、
一般会計の市債残高合計では185億円増の1兆58億円となったところでございます。
◆小倉菜穂子 委員 今、市債の発行額と残高の増減内容について、一つ一つ数字を挙げてご説明いただきました。よく言います臨時財政対策債は、これからずっと増加が続いていくのだろうというふうに私は思っていたのですけれども、次の年度は100億円の減であります。それでも残高のほうはふえるといった今のご説明であったかと思います。
臨時財政対策債については、議会でもいつも言われておりまして、元利償還金については、全額、交付税措置されますけれども、借金であることには変わりがないことから、今後も、こちらについては適切な管理が必要だというふうに考えております。
また、
建設事業費ですが、やはり、私たちが感じるところは、当面、大きなプロジェクトが続くだろう、また、公共施設の更新需要の本格化などによって増加していく、そんなことが想定されると思います。
そこで、質問ですけれども、建設債及び臨時財政対策債の今後の残高の見通しはどうなっているのか、伺いたいと思います。
また、市債発行は、将来世代の負担の公平性確保のためということは理解しております。しかし、戦略ビジョンの人口推計などを見ましても、今後20年で約10万人の人口減ということも推計されておりまして、その後も速度を増して減少が続くものだというふうに考えております。
そこで、今後、人口の減少が明らかな中、将来の人口と比較しても公平性が図られるような市債の活用でなければならないと考えますが、今後の市債に対する札幌市の認識を伺いたいと思います。
◎小西
財政部長 まず、今後の市債の残高の見通しについてお答えいたします。
建設債につきましては、今後の
建設事業費の動向にもよりますけれども、平成26年度予算額と同程度の発行額が続くと仮定した場合には、当面の間、残高は減少していく見込みとなってございます。また、臨時財政対策債につきましては、これは、国の
地方交付税の原資や本市の市税収入の動向に大きく左右されますことから、市債の残高の見通しを立てることは不透明な要素が多くて非常に困難だというふうに考えてございます。
次に、今後の市債に対する認識についてお答えいたします。
市債は、世代間の負担の平準化や財源調達の役割を持つものでございまして、将来を見据えた真に必要な分野に対しましては、
財政運営の観点からもこれを活用していく必要があるものというふうに考えてございます。一方、将来世代に過度な負担を残さないよう留意する必要もありますことから、
行財政改革推進プランの中で市債残高についての
ベンチマークを定めておりまして、これにつきましては、達成できる見通しが立っているところでございます。
今後につきましては、現在、将来の人口構造の変化も見据えた公共施設のあり方の検討も庁内で行っているところでありまして、今後も持続可能な
財政運営に留意しつつ適切な市債の管理に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆小倉菜穂子 委員 臨時財政対策債の見通しは不透明ということでありました。いつもそうかと思いますが、経済状況が少しは上向いているのではないかというような言われ方をしている中にあっても、そのあたりは不透明ということであろうかと思います。建設債は、当面、減少が続くというお話でありました。しかし、建設費は当初見込みよりも大きく膨らむようなこともありがちと言ってしまっていいのか、ある場合もありますので、そこの管理はしっかりしていっていただきたいと思います。
市債の役割は、負担の公平性ということでありますが、やはり、今後は、人口増加の中での借金ではなくて、人口減少を見据えて、先ほども人口構造に配慮してというお話がありましたけれども、より一層、計画的に、また慎重に取り組んでいただきたいと思っています。
また、直接こちらのお話にならないかもしれませんが、市債や基金の活用によって建設された施設などについて、やはり、将来世代が喜んで活用できるように、そういった施設があって本当によかったと感じてもらえるようなものにしなければならないなということを改めて感じております。
これまで、規模の小さい自治体の財政の厳しさに長く焦点が当たりがちであったと思いますが、今後、大都市でも、お話しのとおり、
市有建築物等の更新であるとか、また、都市における住民の孤立化による課題への対応など、大都市特有の懸案事項がますます山積しておりますので、
財政運営は予断を許さないものと考えております。
また、最近、国が使用している人口推計では、大分先のことになりますが、100年後には人口が現在の3分の1になるといった推定もあります。そこまでいかなくても、例えば50年先とか、そういったところをしっかり考えたいと思うのですけれども、札幌市は、これまで以上に、未来のまちのあり方について、よくパラダイムの転換と言いますが、パラダイムの転換を市民としっかりと共有して、緊張感を持って考え、そして、持続可能な
財政運営に取り組んでいただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆飯島弘之 委員 私からは、大きく二つの質問、一つは隣接地の固定資産税納付者情報の開示について、それからもう一つは、今定例会の
代表質問でも取り上げられておりますが、労働環境調査について、2点を分けて質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、固定資産税納付者情報の開示についてお伺いさせていただきます。
土地というのは、言うまでもなく、私ども国民、市民の貴重な財産でありますし、また、生活並びに経済活動の基盤でもありまして、土地が有効に利活用されることは大変重要なことであります。土地と言ってもさまざまでありますが、例えば農用地においては、有効活用を進めるべく、現在、農地流動化促進のための国の制度改正が行われているところでもあります。また、札幌市のような大都市において、例えば、再開発事業等の手法を用いて限られた土地を有効活用するべく工夫したりもしております。また、昨今では、マンション建設が盛んで、そのための用地に対する業者の需要が旺盛でありまして、また、地域においては住宅地用地も需要が出てきているというふうに関係業界からお伺いしているところであります。現在、景気回復の兆しが出てきておりまして、また、本市への人口の集積が進むというトレンドもある中、本市経済の活性化のためにも、土地取引の円滑化、そのための環境づくりに対してはしっかりと目を配っていくことが肝要であると考えております。
土地に関連して、土地の境界に関して専門的な見地で取引当事者間の間に立って業務を遂行されておられる職種として、測量士や土地家屋調査士たちがおられます。そして、今回、土地家屋調査士会の皆様方から、その業務遂行においてご相談をいただいております。それは、不動産売買契約書などの作成において、土地売買に伴う境界の確認、設置、また、相続税法施行令第22条第2項による相続税物納時の境界確認及び確認書の添付、また、法務局事務取扱規程における土地分筆登記申請時の境界確認、土地地積更正登記時の境界確認、承諾といった業務を行う際に、隣接地の所有者が不明のため、立ち会いを求めることができなくて、結果、確定できないという状況が往々にして生じておりまして、業務遂行に支障を来しているということであります。
こういった状況で現在行っている調査手段としては、登記簿により隣地所有者の住所、氏名を調査する、住宅地図、電話帳などにより現状を把握する、職務上の請求書により住民票の除票、戸籍等の調査をする、また、近隣での聞き取り調査をするなどにより、隣地所有者を明らかにして職務を遂行しているということであります。しかし、こうしたことをもってしても実質的所有者を特定できない場合があって、結果、土地の取引が進まないということであります。そして、最終的に、その解決策として考えられるのは、これがきょうの質問の本題でありますけれども、固定資産税納付者情報によって納税者の住所、氏名を開示していただければ、実質的所有者を確定でき、業務を進めることができるということであります。
このような悩み、事情は、何も札幌市に限ったことではなくて、全国各地で問題となっております。我が会派で調査したところによりますと、名古屋市において、土地所有者の登記簿上に記載されている住所と現住所が異なる場合であっても、愛知県土地家屋調査士会に所属する土地家屋調査士が特定の様式をもって申請すれば、税務担当部局が把握している土地所有者の現住所の開示を受けることができる
取り扱いになっているということであります。名古屋市は、この個人情報開示の根拠として、名古屋市個人情報保護条例に規定する個人情報を開示できる事例のうち、財産を保護するため、緊急かつやむを得ない場合に該当すると判断し、土地家屋調査士という守秘義務を持った業種に限定して開示しているものであり、これまでの運用において個人情報に係るトラブル等の問題は起こっていないと聞いております。
そこで、質問でありますけれども、札幌市においても、冒頭に申し上げたとおり、土地家屋調査士が土地取引における境界確定をする際に、隣地の所有者と連絡がとれず困っているというのが現状であり、土地所有者の現住所が法務局の登記簿では不明な場合、円滑な土地利用の促進や財産保護の観点から、名古屋市の運用を好事例として同様の
取り扱いをすることが望ましいと考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎畠山 税政部長 土地所有者の現住所に係る個人情報の開示につきましては、登記簿に記載された住所と異なる土地所有者の現住所は、地方公務員法に規定いたします職務上知り得た秘密に該当し、開示できないものと考えております。また、札幌市個人情報保護条例におきまして、個人情報の提供が可能となる場合として、個人の生命、身体、または財産の安全を守るため、緊急かつやむを得ないと認められるときとの規定がございますが、この規定の適用につきましては、火災、地震、津波等の災害による場合のほか、事故、紛争、犯罪等の人為的な危険から個人の生命、身体または財産を守るために、本人から個人情報を収集する時間的余裕がなく、かつ、本人以外から個人情報を収集することについて相当の理由がある場合を言うものとされておりまして、円滑な土地取引に支障があるという理由は、個人情報を開示できる場合には該当しないものというふうに考えております。
したがいまして、札幌市といたしましては、土地家屋調査士会に所属する方に土地所有者の現住所を開示することは、地方公務員法におけます守秘義務に抵触し、札幌市個人情報保護条例に規定する個人情報の提供が可能な場合にも該当しないものと考えられますため、土地家屋調査士の方に登記簿に記載された住所と異なる土地所有者の現住所を開示することは適当ではないものと考えているところでございます。
◆飯島弘之 委員 まず、個人情報保護の
取り扱いについての考え方は名古屋市と違うのだということを確認させていただきました。けれども、地方公務員法の守秘義務ということですと、名古屋市役所の方も地方公務員ではないのだろうか。同じ地方公務員でありながら、札幌市では、地方公務員法上、難しい。名古屋市役所の職員の方は、そういう事情をおもんぱかって精いっぱいの考慮をしていただいているということでありまして、同じ地方公務員でありながらもそういった点が違うのかなというふうに改めて感じさせていただいたわけであります。
個人情報は大変重要でありますので、そういった問題について非常に大切に扱うということはもちろん私も承知しておりますし、また、個人情報でありますから、それが漏れることによって問題が起こることも承知しております。ただ、先ほど申し上げましたけれども、土地家屋調査士というのは、職務上、守秘義務というものを課された立場でもあります。また、先ほども申し上げましたとおり、名古屋市においては、その運用上、それによって問題が起きていないということでありますので、そういった意味で個人情報を悪用することはないのだろう、考えづらいと思うわけであります。また、名古屋市にお聞きしましたところ、名古屋市のケースによれば、その事案を扱う土地家屋調査士から、改めて守秘義務を厳守する旨の誓約書を提出していただいているようであります。あわせて、土地家屋調査士の所属する調査士会の支部長にも承認を求めるという二重のいわゆる安全措置といいますか、セキュリティーを施されているようでもありまして、ぜひ、その点についてご理解いただきたいというふうに思う次第でもあります。
土地に関しては、大もとの法律として土地基本法という法律がありまして、その第2条に土地についての公共の福祉の優先という項がございます。ちょっと読ませていただきますと、「土地は、現在及び将来における国民のための限られた貴重な資源であること、国民の諸活動にとって不可欠の基盤であること、その利用が他の土地の利用と密接な関係を有するものであること、その価値が主として人口及び産業の動向、土地利用の動向、社会資本の整備状況その他の社会的経済的条件により変動をするものであること等公共の利害に関係する特殊性を有していることにかんがみ、土地については、公共の福祉を優先させるものとする」という条文がございます。名古屋市も、この土地基本法をこの制度の根拠、正当性の担保としているわけであります。
そこで、再質問であります。
個人情報の保護が重要であることはもちろん認識しておりますけれども、円滑な土地取引の実現が公共の福祉に資することと個人情報保護のバランスを考えて、土地家屋調査士に限り、個人情報を限定的に開示することは、今ご紹介申し上げた法律にもありますように、公共の福祉を優先することからも一理あるものと考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎畠山 税政部長 公共の福祉の優先とのバランスということでございます。
土地は限られた貴重な財源でございまして、その利用につきましては公共の福祉を優先すべき場合があり得るということでございます。ただし、札幌市が納税通知書の送付等の目的で入手いたしました登記簿に記載された住所と異なる土地所有者の現住所、これを第三者であります土地家屋調査士に開示することは、先ほど申し上げましたとおり、地方公務員法及び札幌市個人情報保護条例の趣旨に鑑みて適当ではない、このように考えているところでございます。
◆飯島弘之 委員 土地の境界、今、境界というものがポイントでありますが、土地の境界標というのは、隣接する者同士の共有物であるというふうに考えられているということであります。したがって、共有物である土地の境界を確定するに当たって、隣地所有者が特定できないという理由で土地所有者の権利が侵害されることがあってはならないというふうに私は思います。また、隣地所有者不明により地積更正登記ができない場合は課税の公平性を損なう可能性もあるわけであります。国民の財産の基本である土地の境界を明確化することは、活発で安全な不動産取引の推進に寄与するものと考えます。
今回、初めてこの議会においてこの件を議論させていただきましたけれども、この議論を契機に、名古屋市の先行事例を札幌市も調査研究していただいて、ぜひ前向きに検討していただきますことを要望して、この質問は終わらせていただきたいと思います。
次に、労働環境調査についてお伺いいたします。
昨年の第3回
定例市議会におきまして、市長が提案されました公契約条例が否決されました。市長は、本年の年頭の私ども市議会議員に対する挨拶の中で、条例案を成立させることができなかったことに言及されまして、入札制度の改善においてその理念を実現させる
取り組みを進めていきたいと発言されました。そして、条例案が否決されて間もなくのタイミングで、本市は、市長のその意向を受けてだろうと思うのですけれども、工事においては、元請と下請の各受注会社に対して、従事した技術労働者の一番低い日額単価を報告させる労働環境調査を実施しようとしております。
工事のほうの調査については、札幌建設業協会等の建設関係団体に調査実施の提案をしているということでありまして、現在調整中と聞いておりますが、その支払い金額と公共工事設計労務単価との差を調査して、今後の入札制度改正の参考資料とするとともに、調査データを統計処理してその結果をホームページ上に公表するというふうにも聞いております。また一方、清掃、警備等の労働集約型の委託業務においては、調査に関して発注業者に義務づけるということでありまして、既に対象業界である北海道ビルメンテナンス協会、北海道警備業協会に対して通知をしているということであります。その中身は、発注を受けた事業者に対して、契約、仕様の中で、業務従事者全員の支給賃金状況など、労働環境に関する報告をさせるというものであります。
対象業界側の反応でありますけれども、業界側からは反対の声が上がっておりまして、その証拠として、ことし2月17日付で北海道ビルメンテナンス協会、北海道警備業協会から我が会派宛てに反対の要望書が提出されております。また、本日、午前9時30分より開催されました札幌建設業協会の役員と私ども自民党の会派とのこの件に関する意見交換会においても、協会側からは改めて反対の意見を聴取させていただいたところであります。
きょうの9時半から、札幌建設業協会からお聞きした内容の主な点でありますけれども、まず、調査の目的が不明確である、それから、協力要請書は協力依頼とは言えず、強権的、強圧的な命令書と言ってもいい、調査方法に疑問がある、また、内容の公表については慎重に取り扱うべきであるけれども、公表されるというふうに聞いているので、大変恐れをなしていらっしゃるようです。それから、調査の実施時期についても疑問があるといったことで、ここで言うと時間がなくなってしまうので細かくは申し上げませんが、こういった形でお聞きさせていただきました。
そこで、質問でありますけれども、今回の定例会の
代表質問において、私どもの会派のよこやま議員から、この調査の目的は何であるのか、この調査結果をどのように今後の入札制度の改善に生かしていく考えか、市の考えが明確でないことを指摘させていただきました。そして、その考えをお聞きしましたところ、一貫して、入札・契約制度の見直しなどに活用していくの一点張りでありまして、具体的な見直しの内容については
代表質問の場では明らかにされておりません。議事録においても確認させていただいております。これでは、当然、必要以上の事務管理経費をかけて調査に協力しなければならない業界側は納得できないでしょうし、また、我々も、当然、そのチェックのために我々の納めた貴重な税金が札幌市の予算として使われるわけでありますから納得できないわけであります。
この労働環境調査において調査した支払い賃金、特に、今回、工事は一番低い賃金をということで、また、業務においては全員の賃金を報告させるということでありますけれども、今後の入札制度見直しの参考資料にするというのはどういう意味なのか、入札・契約制度をどのように改善していく考えなのか、入札制度の見直しと賃金の報告の関連についてお伺いさせていただきます。
◎木村
管財部長 入札・契約制度の見直しとの関係ということでございます。
まず、業務では、賃金実態を踏まえまして、国で設計労務単価や積算基準を定めていない業務の積算方法等の見直しや、低落札傾向にある業務については低入札価格調査や最低制限価格制度適用の必要性を検討してまいりたいと考えております。また、既に最低制限価格制度を適用しております業務については、制度適用の効果を検証いたしますとともに、必要に応じて入札・契約制度の改善を検討してまいりたいと考えております。一方、工事では、最低制限価格の引き上げや労務単価の上昇による効果を把握するとともに、下請企業への社会保険加入促進や標準見積書の利用促進につながる方策を検討してまいりたいと考えております。
◆飯島弘之 委員 社会保険の加入、未加入については大事なことなので、それは、ぜひきちんと調査していただくことはいいことだと私は思っております。しかし、設計労務単価の単価レベル等について調べるための基礎資料としたいということでよろしいのですか。労務単価についてどうなのか。設計労務単価をどうしたいというのですか。労務単価と、今、支払っている賃金の差を見比べて何をどうしたいというのですか。そこがちょっとよくわからないのです。
◎木村
管財部長 工事に関しまして、平成24年に最低制限価格を引き上げ、その後、25年2月に低入札価格調査の失格判断基準の引き上げを行ったり、国におきましても大幅な労務単価の上昇が行われておりますので、そういった改善の効果を確認したいということを今ご答弁させていただきました。
◆飯島弘之 委員 もう既に単価が上がってきた、でも、実態の給与がそれに伴って上がっているのかどうかを確認したいということなのですか。わかりました。ということであれば、低ければどうにかしたい、低くなければ別にそのまま変える必要もないといったようなことについて検討していくということなのですね。
そうすると、改めてお伺いしますが、調べてみなければわからないのでありましょうけれども、要するに最低賃金以上の支払いです。最低賃金を払っていれば違法ではないわけでありますが、ただ、労務単価が上がっているにもかかわらず、支払い賃金が上がっていない、その辺を調べたいということであれば、聞き方を変えますけれども、最低賃金以上の賃金の支払いを実現、誘導するためにこの賃金の実態調査を実施しているというふうに考えてよろしいのかどうか、もう一度、確認させてください。
◎木村
管財部長 調査をしております内容は賃金だけではございませんで、工事に関しましては、先ほども申し上げましたが、社会保険の加入状況であるとか、そういった標準見積書の仕様等につきましてもあわせて調査をさせていただきたいと思っております。そういった中で、今回の調査につきましては、公契約で働く労働者の労働実態について幅広く把握して、それらを踏まえた労働環境改善の方策や入札・契約制度の見直しに活用していきたいというふうに考えているものでございます。
◆飯島弘之 委員 見直しをするということはずっと答弁していただいていますが、それは、どのような目的で、どのようなことを考えて調査するのですかということです。今の答弁ではちょっとよくわかりませんでした。先ほどのお話の中では、国が単価を上げている中でどうなっているのかというところが本音なのだろうかなというふうに理解させていただきます。
業界側も、はっきり言ってそういうふうに思っているのです。思っているものですから反対しているのです。それで、今ご紹介申し上げましたように、私どもがいただいた業務系の要望書、それから、けさほど来の札幌建設業協会からの反応というものを我々は受けとめておりますけれども、札幌市として、どのように受けとめているのかお聞きしたいと思うのであります。
業界側の反応に対する認識については、先般の
代表質問の際にもお伺いしております。札幌市は、その答弁といたしまして、業界側は懸念を示しているという表現で反対していることについては認められております。しかし、同時に、今後の入札・契約制度の検討を行っていくために必要であると、先ほどの答弁でありますけれども、それを盾に業務に関しては一方的に実施を通告いたしておりまして、また、工事に関しては、検討を進め、できるだけ早期に実施したいというふうにお話をされております。
そこで、質問でありますけれども、調査の目的が調査を受ける側の理解を得られていない。これは、公契約条例と同じ構図であります。しかも、業界と市役所の両方にコストの負担をさせる調査は、私はすべきではないと思うのであります。
まず、工事ですけれども、工事での賃金調査について、先ほどご紹介したとおり、札幌建設業協会では反対の意向を表明しております。これに対して、札幌市は今後どのように対応されていくおつもりなのか、理解が得られなくても調査を強行していくおつもりがあるのかどうか、お伺いいたします。
また、業務のほうでありますが、清掃、警備の関係団体より賃金調査に対する反対要望が提出されておりますけれども、これに対する札幌市の見解をお伺いいたします。
あわせて、業界側の理解が得られなくても調査を実施するお考えがあるのか、お伺いいたします。
◎木村
管財部長 まず、工事についてでございますけれども、札幌建設業協会には協議の申し入れを行っている段階でございまして、早期に協議の場を設けていただきまして、現在、私どもが考えている調査内容をご説明させていただき、意見交換させていただきたいと考えております。建設業で働く
技能労働者の多くは下請企業に雇用されておりますので、札幌市が発注する工事の直接の受注者である元請企業にご協力をいただき、できる限り各企業の負担とならない効率的な調査方法を検討してご理解を得てまいりたいというふうに考えているところでございます。
また、業務に係る支給賃金状況報告書の提出についてでございますけれども、関係団体からもご要望のある労働関係法令の遵守状況の確認を行うものでございまして、これまでも任意で多くの受注企業にご協力をいただいているものでございます。労働集約型の業務におきましては、そこに従事する労働者の労働環境が履行成果に大きく影響いたしますことから、労働環境の実態を把握していくことは必要であるというふうに考えているところでございます。
◆飯島弘之 委員 私が聞いているのは、理解が得られなくてもやるのかと。話し合いをされて協議をするということでありますけれども、協議をして理解が得られるまで、当面は実施しないというふうに理解してよろしいのですか。
◎木村
管財部長 工事に関しましては、今申し上げましたとおり、ご理解を得ていきたいと考えております。また、業務に関しましても、引き続きご理解をいただきたいと思っておりますけれども、支給賃金報告書につきましては既に2月14日告示分から仕様書で求めている次第でございます。
◆飯島弘之 委員 はっきり言っていただけません。業務のほうは、そういうことで強行すると理解させていただきました。それから、工事のほうは、まだちょっと明確になっておりませんけれども、協議をしてから、ご理解をいただいてからということで理解させていただいてよろしいですか。
◎木村
管財部長 ご理解をいただいていきたいというふうに考えております。
◆飯島弘之 委員 何度聞いても同じ答えです。
そこで、時間も限られておりますので、次の質問に行きます。
次に、総合評価方式の評価項目に支払い賃金の項目を導入することについてお伺いいたします。
札幌市は、新年度予算執行における公共調達において、総合評価方式において支払い賃金を評価項目に入れて評価することを、今定例会の日本共産党の
代表質問の中で表明されました。私は、まず、給料が高く支払われることは、公契約条例のときに繰り返し申し上げておりますけれども、いいことでありまして、一般的に企業を評価する一つの指標であることは認めます。例えば、就職を希望する学生が、同じ業界で企業を選ぶ際に、給料が高い企業を志望することは一般的な現象としてあることも承知しております。ただ、学生が企業を志望する際に、単に給料が高いからという理由だけで企業を選ぶものではないということも承知しております。企業の将来性やその社風なども、当然、評価項目に入ってくるでしょうし、何より、その企業が生み出す価値、それがサービスであれ、製品であれ、その生み出す価値に魅力があるかどうか、その価値を生み出す創造性、創造力がその企業にあるかどうかがその企業の評価を決定づけるものだろうと思います。
自治体の公共調達においても同様であって、そういった評価基準に基づいて、長年、自治体は、特に地元企業の育成という観点を重視しながら調達してきたと認識しておりますし、特に、求める成果品の品質を最重点に評価して発注してきた経緯があるのだろうと承知しております。そして、市民が本当に給与水準が高い企業に対して発注を優先させるべきであるというふうに思っているのか、私にはそれは明確にはわかりません。なぜなら、これまで、まだ短い議員生活でありますけれども、市民の方々から、札幌市の入札で給与を多く払う企業に対して優先的に発注すべきだという意見を、私自身、聞いたことがないからであります。むしろ、市民が求める性能を持った公共物、成果品をしっかり安全に提供してもらいたい、そのレベルが高い企業に発注してもらいたいというところなのではないでしょうか。
そこで、4点質問させていただきます。
今定例会の労働環境調査に関しての質疑において、総合評価方式の中で支払い賃金を評価項目として取り入れるという答弁がなされましたけれども、札幌市は、どのような認識のもとにこの賃金という項目を新たに加えることとしたのか、お伺いいたします。
また、支給賃金の評価をどのように具体的に行っていくのかもお伺いいたします。
また、総合評価方式について、まずは政府調達協定に適用する建物の清掃業務に導入したいとの答弁でありましたけれども、いわゆるWTO案件以外のものへ拡大するお考えがあるのか。まずはということで答弁されておりまして、まずはということであれば、行く行くは拡大していくものと考えるのが自然と思いますがいかがか、お伺いいたします。
また、私は、この入札手法こそが、まさに市長の年頭の私ども市議会議員に対するお話のいわゆる公契約条例の理念の具現化であると考えるのでありますけれども、その点の札幌市のご見解をお伺いいたします。
◎木村
管財部長 業務において現在検討中の総合評価落札方式につきましては、労働環境が履行の成果に大きく影響する労働集約型業務を対象とすることから、労働者の賃金を初めとする労働環境などを評価項目に取り入れることを検討しているところでございます。
なお、支給賃金の評価方法については現在検討中でございます。
また、業務における総合評価落札方式の活用につきましては、現在、政府調達協定の適用を受ける建物の清掃業務が低価格受注傾向にありますことから、履行品質の確保や過度な競争の防止を図る観点から、まずは、本業務を対象に導入してまいりたいと考えております。それ以外の業務への拡大につきましては、その導入効果などの検証を踏まえた上で、評価方法も含めて改めて検討してまいりたいと考えております。
最後の理念のご質問でございますけれども、総合評価落札方式は、過度な競争の防止等、履行品質の確保を図るための有効な施策であると考えております。労働集約型業務の場合、労働者の配置体制や研修体制、賃金を初めとする労働環境などを価格とあわせて総合的に評価することで、履行品質を確保し、労働環境の向上につながるものと考えております。
◆飯島弘之 委員 検討、検討、検討ということでありましたので、十二分に検討していただければいろいろな問題点が出てくると思います。ぜひ、検討結果をしっかりと受けとめて、調査をしない、調達方法には取り入れないというような方向で結論を出していただくことを望みたいというふうに思っているところでございます。
この件について、私どもの
代表質問においてよこやま議員からも申し上げておりますが、こういった動きは、議会においては、大変微妙な僅差でありましたけれども、公契約条例が否決をされたわけでありますから、基本的に、否決をされたにもかかわらず、そういった考え方でまたこういった調査物に盛り込みながら実施していくというのは、極めて議会軽視であります。そして、まさに予算議会でありますが、経費をかけて行う労働環境調査なるものは、民意に反した予算の執行、税金の使い方、予算の無駄遣いと言わざるを得ないわけであります。
目的をはっきりと示していただいて、我々が納得できる調査であれば構いません。今みたいな検討、検討だとか、我々が理解できないような目的を持ってやることについては反対であります。今いろいろ言われておりますが、我々も皆様方の見解というものこれから真摯に受けとめさせていただきながらいろいろ検討させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げて、まだありますけれども、この辺でやめさせていただきたいと思います。
○宝本英明 副委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時41分
再 開 午後3時
――――――――――――――
○宝本英明 副委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆ふじわら広昭 委員 私は、入札制度について、5項目質問いたします。
1項目めは入札不調の状況と改善策について、2項目めは政策入札について、3項目めはくじ引き対策としての入札制度について、4項目めは新年度に向けた入札・契約制度の改善について、5項目めは成績重視型入札について、それぞれ、順次、質問いたします。
私は、昨年の3定の
決算特別委員会におきましても入札不調の問題について取り上げてまいりました。その後も、全国的にも入札の不調がどこの自治体でも続いていると思います。
そこで、1項目めの質問でありますが、
一般会計、市長部局における2013年度、今年度の入札不調件数とその割合、前年度の同時期と比較するとどのような状況になっているのか、まず最初に伺いたいと思います。
◎木村
管財部長 まず、平成25年度1月末の状況で申し上げますが、入札件数が1,284件に対して、入札不調となったものは153件、不調の割合は11.92%でございます。平成24年度の同時期と比較いたしますと、件数で97件、割合で7.15ポイント、それぞれ増加しております。
◆ふじわら広昭 委員 昨年に質問して以降、さらに状況が悪化しているというか、多くなっていることが明らかになりました。
きょうは、前回と同様に浦田土木部長にも来ていただいておりまして、次は
浦田部長への質問となりますが、質問の趣旨は、予算の執行と新年度に向けた改善策についてであります。
昨年の
決算特別委員会において、
浦田部長から、入札不調となった工事予算を他の路線工事に流用して事業の進捗を図ったり、翌年度に予算を繰り越して執行する予定であるという答弁がありました。
そこで、1点目の質問は、入札不調により契約に至らなかった工事の予算をどのように取り扱ったのか、できれば主な工事名なども挙げてお答えいただきたいと思います。
2点目の質問は、新年度に向けた改善策についてであります。
浦田部長は、昨年の
決算特別委員会において、入札不調の主な原因として三つ挙げました。その一つ目は工事の発注時期や工期の問題、二つ目は受注者側の技術者不足の問題、三つ目は工事の設計内容と現場の乖離の3点を挙げました。その対応策として、業界と意見交換を行い、設計と現場で乖離が生じている点について現場の状況を調査した上で対応していきたいという答弁がありました。
そこで、改めて、入札不調対策として、新年度の発注に向けて具体的にどのような対策を考えているのか、2点伺います。
◎浦田
建設局土木部長 私から、入札不調工事の予算の
取り扱いと不調対策についてお答えいたします。
平成25年度におきまして入札不調により契約に至らなかった工事は、主に歩道バリアフリー工事、生活道路整備工事等でございます。これら入札不調工事の予算の
取り扱いにつきましては、
決算特別委員会でお答えしたとおり、基本的には次年度に繰り越して
早期発注によって執行を図ることとしておりますが、一部につきましては、橋梁耐震補強工事、電線共同溝工事などの他事業に充て、これら事業の進捗を図ったところでございます。
続きまして、不調対策についてでございますが、土木部におきましては、関連業界・団体の経営層から現場担当者までさまざまな階層と数多くの意見交換を重ね、有効な対策について検討してまいりました。その席で、業界からは、工事の
早期発注、適期施工が可能な工期設定などに関する要望が多く寄せられ、できる限り
早期発注に努めることが入札不調対策として重要だと考えているという点につきましては、先ほど長内委員にお答えしたとおりでございます。これらのことを踏まえまして、ゼロ市債、
補正予算等を活用して
早期発注に努めるとともに、交付金事業におきましても
早期発注が可能となるよう関係機関に要請しているところでございます。さらに、入札不調案件が多く発生いたしましたバリアフリー工事につきましては、設計と現場で乖離が生じていないか、調査を実施し、改善可能な部分については、既にことしの
早期発注分から積算の見直しに取り組んでいるところでございます。
このほか、橋梁補修工事などについても見直しの要望がございますので、ことし行った意見交換を今後も継続し、検証し、設計のほうに反映させてまいりたいというふうに考えております。
◆ふじわら広昭 委員 予定していた中で不調になったものについては、他の事業に振り向けて予算の有効活用を図ったということが明らかになりました。こうした
取り組みについては一定程度の評価をいたしますが、まだ改善点が幾つかあると思います。
これは、質問ではなくて改善点の要望として申し上げたいと思います。
例えば、橋梁で1,000平米の舗装工事を仮定した場合に、札幌市の発注部局は、1,000平米の舗装工事を一回で全て終える前提で積算をしております。しかし、実際には、橋を全面交通どめにして舗装工事をする許可は、所轄の警察署からほとんど出ないのが現状であります。片側2車線、両側で4車線の橋梁舗装等があるとすれば、通常は、片側2車線の1車線ずつ舗装をしていく工事が基本となる場合が多いと思われます。こうしたことから、アスファルトや必要な資材、またそれに伴う機械類などは、それぞれ他の業者にアスファルトなどを運んできてもらったり、あるいは、機械も、自分が持っているところ、あるいは現場の資材置き場から幾度となく運んだり戻したりしなければならないため、そうした費用がかかるわけであります。このように、実態にそぐわない設計や積算となっており、現場との乖離がありますので、今後とも、業界団体と意見交換を実施する中から、新年度に向けてはこうした課題についても改善するように求めておきたいと思います。
次に、2項目めの政策入札について伺います。
私ども民主党・市民連合は、市議会におきまして、今後も安定した除雪事業を維持していくためには、除雪事業に従事する業者の夏場の事業量確保が必要と考えております。札幌市は、私ども民主党の提言を受け入れて、2007年、平成19年から市の除雪事業に従事している業者を対象としたいわゆる政策入札を
一般会計や企業会計でも実施しておりますが、昨今の厳しい経営状況を考えますと、この政策入札をさらに拡大していく必要があります。企業会計などとの意見交換の中では、やはり、
一般会計における件数などの上積みを図ってもらわないと、そうした連携がなかなかとれないということも言われております。
そこで、質問でありますけれども、政策入札について、今年度の実績と新年度、2014年度の予定についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。
また、除雪事業には、市外業者も地元業者とともに協力し合って大きな役割を果たしていると思いますが、市外業者が参加できる政策入札の件数についてもあわせて伺いたいと思います。
◎浦田
建設局土木部長 政策入札についてお答えいたします。
土木部では、除雪体制を維持していくためにさまざまな
取り組みを進めておりますが、その一環として、平成19年度よりご質問の政策入札を実施しており、徐々にその実施件数をふやしてきているところでございます。平成25年度は、当初計画で65件を予定しておりましたが、3定補正時の追加分と合わせて最終的には68件を実施したところでございます。平成26年度は、さらにこの政策入札をふやしていく考えであり、当初予算の段階で昨年に比べて5件増の70件を予定しております。
このうち、市外業者も参加可能な政策入札につきましては、平成22年度から実施しており、その実施件数も徐々にふやしてきた結果、平成25年度は7件で実施という結果となっております。平成26年度は、市外業者も参加できる案件を前年度のほぼ倍に当たる15件程度実施したいというふうに考えているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 先ほども申し上げましたように、除雪においては、地元の業者と本州あるいは市外の業者が協力して行っております。特に市外の業者で北海道や札幌に支店があるところについては、東北や本州のほうで工事量がふえていますので、工事量が少なくなってきている札幌あるいは北海道の人員を東京のほうに回すようにという会社の動きもありますけれども、やはり、長く札幌の除雪を担ってきた地元の皆さん、そしてまた、市外、本州大手の皆さんも除雪に対する社会的な貢献というものは強く感じているわけであります。そういう意味では、たくさんの企業がありますから、倍にしていただいたことは評価いたしますけれども、とれる、とれないは別にして、そういうチャンスをそうした業者にもしっかり確保していただけることは、今後の除雪体制にとっても大変いいことではないかなというふうに考えております。
次に、3項目めのくじ引き対策としての入札制度について伺いたいと思います。
札幌市は、2010年度、平成22年度に、予定価格を事前公表から事後公表に変えた直後、くじ引きで落札が決定する案件は激減しましたけれども、その後、入札参加企業の積算努力、積算に関する札幌市からの情報提供が進んだことによりまして、再び、くじ引き入札が増加してきております。昨年4月より、各区土木センター発注の生活道路において、くじ引き入札による過度な競争環境を緩和する目的として、入札参加条件の中で、所在地要件の細分化、今までは豊平川を左右に分けて二つのエリアを設定しておりましたが、今年度は冒頭から2エリアを3エリアにさらに細分して取り組んできたわけであります。
そこで、質問でありますけれども、この緩和策を導入した結果、前年度と比べてくじ引き入札の参加状況がどのように変化してきたのか、改めて伺いたいと思います。
◎木村
管財部長 土木工種B等級で発注いたします生活道路工事につきましては、過度な競争を緩和し、適切な入札環境を整備する観点から、今ご質問にございましたとおり、平成25年4月から入札参加条件の地区要件を2区分から3区分に分割したところでございます。この結果といたしまして、24年度と比較いたしますと、1件当たりの入札参加者は40者から19者に減少しておりまして、くじ引き参加者も28者から14者に減少しているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 その効果が出ているということでありますけれども、やはり、全般的に見ると、土木工種だけで申し上げてもA1からCまでありますが、土木工事のくじ引きはまだまだ多い状況になっています。Bクラスが最も多いですけれども、その次にCクラス、そしてA2、A1と、A1においても、私どもが調べた段階において約40%ぐらいのくじ引きがあるような状況になっております。
ここで、再質問として、くじ引き以外で落札を決定する対応について質問したいと思います。
答弁では、1件当たりのくじ引き参加の企業数は少なくなったということでありますけれども、相変わらずくじ引き、運任せの入札には変わりがありません。私ども民主党は、くじ引きに参加して落札できない企業は、積算や施工能力があっても受注できず、企業努力が損なわれているのではないかと危惧するところであります。
そこで、質問でありますけれども、くじ引きに対する札幌市の考え方を伺うとともに、くじ引き以外で落札者を決定する入札環境を検討する考えはないのか、この点について伺いたいと思います。
◎木村
管財部長 くじ引き自体につきましては、法令で認められた適正な手続でございます。しかしながら、応札者のほとんどが同額で応札し、くじ運による落札者決定が多発する状況は好ましいものではないと考えており、これまでもくじ引き対策を進めてきたところでございます。
今後につきましては、積算能力、施工能力にすぐれた企業が適正に受注できる総合評価落札方式や成績重視型入札などのシェアをふやしていくことも検討してまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 今、答弁のあった総合評価あるいは成績重視ですけれども、冒頭に、新年度に向けた入札・契約制度の改善点などについても幾つか挙げられました。例えば、国では、2012年、平成24年から施工パッケージ型という積算の仕方の入札システムを導入し、札幌市でもことしの4月から導入しようとしております。
そこで、先ほどの答弁以外に、新年度に向けて、札幌市における入札・契約制度の改善点としてほかにもあるのか、ないのか、あるのであれば特徴的なものを挙げていただきたいと思います。
◎木村
管財部長 新年度に向けての入札制度の改善についてでございますけれども、総合評価落札方式の入札参加者の拡大を図る観点から、低入札価格調査を実施した場合の調査項目等の提出資料を大幅に簡素化いたしまして、入札参加者の事務負担の軽減を図っております。これに伴いまして、落札決定までの期間も大幅に短縮され、入札参加時に指定した技術者の拘束時間も短くなることから、より多くの入札参加が見込まれるというふうに考えているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 入札の総合評価の
取り組みについて少し見直しをしていくということでありまして、今後、総合評価などの
取り組みを考えていきたいというような趣旨の答弁があったわけであります。
再質問としては、総合評価の参加状況について伺いたいと思います。
総合評価方式の入札におきましては、入札参加者をふやす工夫ということでありますけれども、今年度における技術評価重視型、また地域貢献重視型と、それ以外にもありますが、技術評価重視型、地域貢献重視型の入札参加者数それぞれの参加者の平均、あるいはまた最大、最少の件数はどのようになっているのか、伺いたいと思います。
◎木村
管財部長 平成25年の技術評価重視型の入札参加者は、平均が3.3者、最大が7者、最少が1者でございます。また、地域貢献重視型につきましては、平均が4.4者、最大が10者で、最少が1者でございます。
◆ふじわら広昭 委員 私も、以前、総合評価の状況について質問しましたけれども、当時とそう大きく変わっておりません。札幌市の基本的な入札の考え方は、いい意味で競争性を高めるために最低20者なければだめだと。総合評価の幾つかの工事についても、そうした要素を持っておりますが、実際には、技術評価重視型で最大7者、最少で1者、あるいは、地域貢献重視型で最大が10者、少ないものが1者ということで、以前と全く変わっていない状況であります。
私は、こうした状況を改善していくためには、今後、総合評価の評価点あるいは評価項目をもう少し見直していく必要があるのではないかというふうに思います。先ほどの部長の答弁のように、せっかく価格だけではない総合評価という
取り組みをしていても、なぜ少ない業者しか集まらないのかということでは、今申し上げたように、評価項目や評価点のどこかに今後検討していかなければいけない課題があると思いますので、今後はぜひそうした
取り組みも求めておきたいと思います。
最後に、5項目めの成績重視型入札についてであります。
ご承知のとおり、成績重視型入札は、公共工事の品質を確保するために、本市の工事における過去の工事成績の評定点を平均し、基準点以上にある優良企業への入札を促しております。
そこで、質問でありますけれども、2012年度、平成24年度より、過去5年間の平均成績に加え、直近で良好な成績をおさめた企業を評価する2年型も試行しておりますけれども、5年型、2年型の実施件数の推移について、また、試行結果の検証について、どのようになっているのか、あわせて2点伺いたいと思います。
◎木村
管財部長 まず、1点目の成績重視型の実施件数でございますけれども、ここ2年間の市長部局での実績は、5年型は、平成24年度は115件、平成25年度は106件、一方、2年型につきましては、平成24年度から新たに導入したものでございますが、初年度の24年度は15件、25年度は35件でございます。
次に、成績重視型の検証でございますけれども、平成24年度竣工工事の工事成績点を入札方法別に比較いたしましたところ、全体の傾向といたしましては、総合評価落札方式が最も工事成績点が高く、続いて成績重視型、一般入札という順であり、品質確保の面では一定の効果があることを確認しているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 以前、私が求めた資料の中で、平成25年度のものはまだ正確な資料はないと思いますが、24年度で申し上げますと、土木では、いろいろなランクがありますけれども、工事の成績重視型では75.2点、23年度におきましては75.6点です。コンマわずかの違いでありますけれども、先ほども申し上げましたように、20者を確保するために成績のいい会社から順番に20番まで確保していくわけですね。そうすると、その年度によって同点の点数もあり得ますから、20者以上に膨れることも当然あって、それは構わないわけです。しかし、20者を確保するために、例えば、去年は75点だったけれども、ことしは74点まで下げなければ20者を確保できないという問題もあります。
国会でも間もなく提案されるでしょうか、もう提案されているかもしれませんけれども、これから国会で品確法の見直しが大きな議論になると思います。こうした品確法の視点からいきますと、札幌市として工事の成績でやっていく入札については、当面、3年あるいは5年は、例えば75点とか76点という点数が下限のラインですということをしっかり示していかなければ、本当の意味での成績重視型、品確法に基づいた工事がなかなかできないのではないか。1点やコンマ幾らで大きな違いはないのかもしれませんけれども、やはり、企業としてはその年のばらつきによって目標を定めづらいということもありますので、ぜひともそうした
取り組みをしなければならない時期に来ているのではないかというふうに思うわけであります。
そこで、質問でありますけれども、成績重視型の参加条件であります複数年の一定期間、今は5年と2年ですが、これを3年にするとか、いろいろな考え方はあると思いますが、一本化というか、固定して受注企業が目指す成績点を示すような制度の運用を検討する段階、時期に入っていると思いますけれども、こうした制度運用の検討についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。
◎木村
管財部長 成績重視型入札につきましては、工事成績平均点が高い企業に受注していただくことによって工事品質を確保することを目的としておりますけれども、一方、競争性の観点から、今ご質問にもありましたとおり、応札可能な市内企業が20者以上になるラインを基準点として運用しているところでございます。
この基準点のあり方につきましては、品質確保の趣旨と競争性のバランスの両面が担保できることを前提とする中で、どのような運用が可能か、検討を行ってまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 最後に、今後の改善点などを求めて質問を終わりたいと思います。
まず、1点目は、ことしの1月21日ぐらいだと思いますけれども、建設局の宮浦局長が北海道開発局を訪れて、昨年の決算議会で求めた
早期発注とか、そうした
取り組みについて、大きく2点、開発局に要望してきたことは評価したいと思うわけであります。
先ほど、自民党の長内委員からも
早期発注などの
取り組みについて出されておりましたけれども、今、国の社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金というようなものが基本となって、札幌市からのお金も入れて工事を進めております。やはり、
積雪寒冷地という事情を説明して、発注段階から、国のこうした交付金については、債務負担行為や繰越明許など、繰り越しにも幾つかありますが、そうしたことができるような
取り組みになっていかなければならないと思います。これはすぐできるようで、なかなかできない要素もありますけれども、ことしは、6月、7月の平成27年度の概算要求に向けて、市長あるいは3副市長、そしてまた財政局長や建設局長が連携をとりながら、開発局や国土交通省、財務省などに改善を求めていかなければいけないのではないかと思うので、ぜひ、そうした
取り組みを求めておきたいと思います。
また、2点目としては、総合評価方式の評価項目、評価対象年数、また評価点数ということについて、この1年をかけてどのように見直していくのかという議論を、業界の皆さんとの意見交換も交えながら取り組んでいただきたいと思います。また、成績重視型についても、5年型と2年型がありますが、ぜひこれを一本化していくような検討を求めておきたいと思います。
3点目は、先ほど申し上げたように、新年度から実施される施工パッケージ型がありますけれども、これは、前段に、国独自で、ユニットプライス型と言うのでしょうか、そういうようなものをやってきましたが、いろいろな不都合もあって現在の施工パッケージ型に変わってきた経緯があります。このように国のほうでは先行して試行や本格実施されておりますが、札幌の地元業者の中には、開発局の工事対象とならない、あるいは登録をしていない会社もありますので、ぜひとも施工パッケージ型に対する業界への説明会、そして、さまざまな課題について意見交換をしていただきたいと思います。
最後に、4点目は、設計変更に伴う対応であります。
現場を扱う市の責任者によって、設計変更をある程度認めてもらえる場合と、なかなか認めてもらえない場合があります。私は、以前、田中室長の前任の室長に、年度初めに、企業会計も含めた発注の各部局へ、設計変更にしっかり応じてほしいと申し上げました。その対象にならないものもあるのかもしれませんが、業界の皆さんの設計変更に対する相談にしっかり乗って対応していただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。
◆芦原進 委員 私は、入札について、順次、質問してまいります。
本市の平成26年度予算における建設事業は、
一般会計で10年ぶりに1,000億円台となりました。
補正予算の地域
経済対策分と合わせて、全会計では約1,700億円もの規模になっています。一時、落ちましたね。700億円ぐらいしかなかった時代があって、建設業界等々は非常に大変なときでしたが、大変盛り返してくださいました。
全国的にも、東日本大震災の復旧・復興事業や緊急
経済対策などによる
公共事業等の大幅な増加、さらに、2020年、待望の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた建設投資などに向かって受注量がさらに回復していくであろうと大変期待しております。また、厚生労働省の発表では、有効求人倍率も14カ月連続で上がってきて、1.04まで回復して2007年8月の1.05に近づく勢いであります。北海道もまだまだおくれていると言いながら0.8まで追い上げてきたという状況で、景気回復の足音が少しずつ私どもの近くまで届いてきているような気がいたします。
しかし、非常に長く続いた
公共事業の規模縮小により、また低価格競争が負の連鎖になって、この間、建設業界における中小企業の皆さんは、そのために技術者や労働者を削減しながら経営を維持してきた、そうしないと会社が成り立たないということで涙をのんで対応してきたということだと思います。
また、低価格受注による悪影響というのがあります。特に、重層下請構造とよく言われますが、3次、4次、5次などの末端の労働者にはさらに賃金の低下をもたらしたほか、下請契約の金額では、本来なら法定福利費等の経費を賄うべきところが賄えないために、法令により加入義務のある社会保険に加入したくても加入できないという業者も多く、労働者は、本当はかわりたくないけれども、生活を考えるとより労働条件のよい他業種へ転職したりして建設業界から離れていったという現実となっております。
そのために、仕事はふえたけれども、人手が追いつかない、こういう声があります。労働者不足が深刻な状況であり、公共工事の入札不調も、先ほどふじわら委員からも質疑がありましたが、大変続いており、不調が153件と去年より97件ふえているということでした。
ダブってはいけませんので、私は若干視点を変えまして、大幅にふえている不調数について、先ほどの答弁では市長部局ということでしたが、企業局も含めて、今年度の本市の入札不調はどれぐらい発生しているのか、お聞きします。
さらに、どこに原因があるのか、どう捉えているのかということもお聞きします。
また、不調対策として、本市はどのようなことを考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎木村
管財部長 まず、1点目の企業局を含む札幌市全体の平成25年度の入札不調の件数でございますけれども、平成24年度の88件から約2.5倍の230件に大幅に増加しているところでございます。この原因といたしましては、技術者や
技能労働者などの人手や資機材の不足、予定価格と実態との乖離、発注時期や工期の設定などが不調の原因と捉えているところでございます。
このような状況を踏まえまして、施工担当部を中心に対策を検討してきたところでございますけれども、平成26年度の
早期発注分から、積算や工期の見直し、発注規模の大型化、発注時期の前倒しや平準化に取り組んでいるところでございます。また、
人手不足への対応といたしまして、先ほど長内委員の質問にお答えいたしましたとおり、
現場代理人の兼任要件の拡大を行うことも予定しているところでございます。
◆芦原進 委員 今、答弁いただきましたが、私は、
人手不足や資材の不足と、予定価格と実態との乖離、このことが非常に気になりました。どう乖離しているのかということは大事なことではないかなと思いました。このことは、これ以上問いません。
続いて、社会保険等の加入促進に向けた積極的な
取り組みということで質問させていただきます。
今ご答弁がありましたように、入札不調が続けば、予定した工事だとか事業がなかなか進まない。そうすると、市民生活に大きな影響を与えることが心配されます。特に、いつ災害が起こってくるかわかりません。防災、減災等もしっかりやらなければいけないときに、工事が前へ進まないということになると、市民の生命と財産を脅かすことになってくることもあると私は思います。不調の原因として人材不足を挙げておられましたが、市の不調対策には、企業が雇用を拡大する視点からの対策が打ち出されていないのではないか、こう思います。企業にとって新たな人を雇用する意欲が湧くような施策をもっと考えなければいけないのではないかと思うのです。
経営者の立場からしますと、中長期的な計画が描けなければ新規雇用も設備投資も拡大できないのです。もっと大事なものがあります。それは、経営の根幹をなす資金の調達をどうするのか。やっぱり、しっかりした経営プランを示さないと銀行は融資をしてくれません。下手をすると、逆に撤退されます。私の会社は会社更生法で生き残れなかったのですが、実は、これは銀行の撤退なんですよ。それは、仕事がなかったということが一番です。だから、やはり、役所というのか、行政は、先が見えるように短期、中期、長期に向かってしっかりとしたプランを示していく、このことが実は市民の生活を守ることになると私は思います。
昨年10月にまちづくり戦略ビジョン<戦略編>が策定されました。今後10年間の大きな方向性は示されているものの、企業が意欲をかき立てられるような具体性がないと、その中から読み取れなどと言われたって、中が見えないわけですから読み取れません。大まかでもいいけれども、きちっと具体性を持って示していく、私は、このことが大事だと。そうすることによって、企業はしっかりとした将来計画を描けて、雇用につながり、またさらに設備投資等につなげていけると思うのです。
工事発注部局では、それぞれある程度先までの具体的な計画を持っていると思います。持っていないはずがないのです。持っていると思います。5年くらいのスパンでこんな工事、これくらいの建設事業を予定していると示していけば、経営者もこれだけ仕事量が見込めるのだから人をふやしていこうという意欲が湧いてまいります。市がもっと経営者の視点に配慮することにより、若者の雇用もふえ、熟練技能者からの技能の継承もスムーズに進み、多くの技術者や
技能労働者が育成され、ひいては建設業界の活性化につながっていくと考えます。結局、新たな雇用が進まないと
人手不足も解消できません。入札不調もなくなりません。市民生活への影響も払拭されません。企業が事業量を予測し、事業計画を描けるような
取り組みについて、
一般会計、企業会計、部署を問わず、市全体としてこれからしっかりやってもらいたい。若者を新たに雇用し、一人前に育成するには一定年月を要します。一方では、建設業界から離れていった技術者や
技能労働者を再び呼び戻せば即戦力になります。それは、本市のこういう
公共事業の施工にもつながってくるんです。
そのためには、少なくとも社会保険、雇用保険、労災保険など安心して働ける最低限の公的保障が整備され、働く者にとって魅力的な産業にならなければ、建設業への就職はなかなか見込めないのではないかと考えます。国は、社会保険等の経費に係る法定福利費を確保するために、昨年4月に公共工事設計労務単価を約15%引き上げ、さらに、この2月には7%ほど引き上げました。さらに、国では、社会保険未加入対策として、必要な法定福利費が末端の下請企業まで順々に行き渡るようにするため、元請と1次下請、1次下請と2次下請、そして、順々と下請負契約をする際に、契約金の金額のうち、幾らが法定福利分の経費なのか、きちんと項目別の金額を記入する様式、すなわち標準見積書の活用を進めているところであります。
工事は、重層下請構造で2次下請、3次下請、4次下請と下へ行けば行くほど請負金額も小さくなるが、いまだに一式工事で下請負契約をしている事例が多く、現実には標準見積書の活用は進んでいないと聞いております。本市は、発注者責任として、市発注工事に関する下請負契約については早期に標準見積書を普及させ、末端の労働者まで法定福利費が確保されるような仕組みづくりを強く進めるべきと考えます。
そこで、質問でございます。
例えば、札幌市発注工事のうち、重層下請構造が懸念される一定額以上の工事について、特記仕様書に標準見積書の使用を義務づけるなど、社会保険等の加入促進に向けた積極的な
取り組みは考えていないのか、伺いたいと思います。
◎木村
管財部長 社会保険等の加入促進に向けた
取り組みということについてでございますけれども、工事につきましては、先ほど
飯島委員のご質問にご答弁をさせていただきましたが、今後、関係団体と協議を行いながら労働環境に関する調査の実施を検討していきたいと考えております。この中で、元請企業のご協力をいただきながら、下請企業における社会保険の加入状況を把握してまいりたいと考えております。
また、この調査とあわせまして、標準見積書の活用につきましても要請をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆芦原進 委員 公契約の議論がいろいろとありまして、最終的には否決になりましたけれども、公契約の議論を契機として、市では、税金を原資とする市発注業務において、業務の適正な履行の確保とともに、労働者の賃金、その他労働環境の確保を図る観点から、そのために必要となる適切な単価での入札を業者に要請している。もう一遍言いますよ。適切な単価での入札を業者に要請している、こう伺っております。
これは、阿知良議員から、ぜひ詳しくやってくれと言われておりまして、実は、環境局発注のごみ収集業務でございます。これは、単価はパッカー車1台に作業員3名が乗車して1日当たりの単価を応札するわけでございます。手元に3件の入札の結果をいただいております。これによりますと、3件、3者とも落札された企業は別でばらばらなんです。応札されたのは8者ありますが、三つの工事ともに3回入札しても落札しなかった。3回ですよ。普通、1回か2回で落ちるんだけれども、3回やっても落ちないということは、これではできません、これ以上安くすると、もう会社は赤字でとても対応できませんという限界が私は3回だと思うのです。それでも、まあ、ちょっとそう言わんと一番低い業者の方にちょっと頑張ってもらえないだろうかと言って、そこでいろいろと交渉されたと思います。それで、最低値の業者と話し合いをして、最終的に3回目より低い金額で決定したと。
だから、ここが問題なんですね。これだけでないとできませんというのをさらに低くして落札したということは、できない単価で発注したということになりませんか。矛盾しているのではないでしょうかと思います。このことは、やはり、私は大きな問題じゃないかと思うんです。ここで、先ほど適切な価格での入札のことを言いましたけれども、適切な価格になっていない、そういう中で入札しているのです。
そこで、質問ですが、札幌市としては矛盾行為を行っているのではないのですか、こうお尋ねしたいのですが、いかがでしょうか。
◎木村
管財部長 今ご指摘の環境局で発注をしております家庭ごみ収集・運搬業務につきましては、私どものほうで確認いたしましたところ、ほかの政令市の状況を参考にしながら、労働者の賃金を市の現業職給料表をもとに算出し、これに法定複利費などの労働者雇用に係る費用やごみ収集車の維持管理費、諸経費を加え、予定価格を算出しているとのことでございます。
今後、この業務につきましても支給賃金調査を行っていく予定でございますので、その結果も踏まえながら、引き続き、労働者の労働環境の確保を含めた適切な予定価格の算出を促してまいりたいというふうに考えております。
◆芦原進 委員 わかりました。でも、わかったというのは、私がわかったわけではないですよ。そのリンゴを食ったら、腐っているので腹痛になるよと言われてリンゴを食っているのと一緒やねん。腹痛になるんやから。それでも、腹痛を我慢してでも、言われるんだから、せっかくいただいたんだから食べようと、業者の方は――例えがおかしいのかもわからないけれども、私はそう思うのです。だから、やっぱり、そこできちっとした話し合い、お互いに胸襟を開いた話し合いをしていく。業者は業者で言い分がありますよ。3回やって落ちないんだから、これ以上やったら、会社が赤字になるのはわかっている。発注側も発注側の言い分がありますよ。わかります。だから、そこでお互いが胸襟を開いて納得していく、こういう
取り組みを今後しっかりやっていただきたいと思います。
◆金子やすゆき 委員 私は、物品購入における不適正な経理処理の防止につきましてお尋ねしたいと思います。ちょっと細かいことになりますが、ご容赦をお願い申し上げます。
監査委員からの定期監査の結果に基づいてご質問していきたいと思います。
平成26年1月22日に出されました監査報告第5号の中で、支出事務の(2)ですが、提出された見積書等の
取り扱いが適正でないということで財政局税政部の事務が取り上げられております。
具体的にはどのような問題が指摘されたのか、まず、確認のため、税政部にお尋ねしたいと思います。
◎畠山 税政部長 監査委員からのご指摘でございますが、監査の期間、平成25年9月4日から同年12月16日まで実施した監査におきまして、私ども税政部支出事務の中で、提出された見積書等の
取り扱いを適正に行うべきものというご指摘の中で、具体的な事例としましては、納入業者等から日付記載のない見積書、納品書等、また、役務契約における完了届、請求書等の提出を受けたときに、提出者に記入するよう指導を行わず、本市担当者が日付を記載、または日付印による処理を行っているものが見られたという事例についてのご指摘でございました。
◆金子やすゆき 委員 税政部の中で、物品購入を行った一連の伝票を実は見せていただきました。その中で私が非常に驚きましたのは、1年間で数十件の物品購入を行っているのですけれども、そのほとんどにつきまして、業者から出していただいた見積書、納品書の日付が空欄になっております。今、そこのところで本市の職員が後で日付を入れたのだ、こういうところにつきまして監査委員から指摘を受けた、このような話であります。
このように、市の職員が納品書に後づけで日付を記入するというのは、どのような形で問題となるのか。
それから、これは監査事務局にお尋ねしたいのですが、毎回の定期監査で各部、各局でこの問題の指摘があるように感じますけれども、どのような状況であるか、お尋ねいたします。
◎畠山 税政部長 本来であれば、平成22年8月3日付、行政部長、
管財部長、会計室次長通知によりまして、物品購入等の事務において、本市に提出される見積書、納品書等については、提出日等の日付の記載を必ず確認するとともに、記入漏れがあった場合は提出する者に記入させた上で受領することを徹底する、こういうことを物品購入等に係る適正な事務の執行についてにより通知されているところであります。
しかしながら、先ほど申し述べましたように、税政部において、日付のない見積書、納品書等をそのまま受領して職員が記載または日付印による処理を行っている、このようなことを行うことは不適切な事務処理であり、ひいては、公正な競争が行われていないのではないか、あるいは、物品納入等の際の検査が適正に行われていないのではないかといった疑念を生じさせるおそれもあるということで、直ちに改める必要があるということでございます。
◎堀川 監査事務局次長 日付の指摘についてどのような状況かというようなご質問でございました。
日付につきましては、平成22年の第1回の定期監査から指摘をするような形で実施しております。その間、今お話がありましたとおり、会計室等から文書が出たり、あるいは、いろいろな研修会等で会計室と監査事務局等が一緒になって服膺して、こういうことのないようにということで指導を行っているところでございます。
◆金子やすゆき 委員 民間の事業者がなぜ納品書、見積書を空欄にして出してくるのかというのがとてもなぞなのですね。普通の民間の会社が使っている経理システムであれば、必ず納品書に日付が入ってくるはずなのですけれども、なぜこうなってくるのかというのが一つのポイントかというふうに私は思います。一般的には、売り上げにかかわってくるところですから、そこの日付が曖昧になってくるということは、
会計年度をまたがって売り上げが変わることになった場合、税務署から怒られることもきっとあるのだろうと思います。
今、平成22年の財政局からの通知があるという話がありましたけれども、ちょうど昨年末、平成25年12月27日に、
管財部長、会計室次長の連名で各局宛ての通達が出ております。内容としては、見積書、納品書、請求書等の日付に係る適正な
取り扱いの徹底についてということであります。この中で一つ目を引く記述がございまして、申し上げますと、一部の部局から日付を入れない状態で書類提出を求められるとの苦情が事業者から寄せられている、こういうことが通達の中に書いてあります。
これは、具体的にはどのような苦情が事業者から寄せられているのか、一部の部局とはどこのことなのか、もしわかればお聞きしたいと思います。
◎木村
管財部長 一部の部局という表現をしておりますけれども、私が聞き及んでいるところでは教育委員会の事例であるというふうに聞いております。
○村山秀哉 委員長 具体的にはわかりますか。
◎木村
管財部長 (続)今の時点で具体的には承知しておりません。申しわけございません。
◆金子やすゆき 委員 札幌市から仕事をもらう業者がそのようなことを札幌市のほうから言われて困っているということですから、業者も非常に言いづらいところをそのように申告してきたのではないかと思います。先ほど申しましたけれども、業者にとっては空欄にすることは全くメリットがないわけでありまして、札幌市のほうからあえて不正につながるような操作を行うのは、やはりやめさせるべきではないかと思うわけであります。
それから、最初の話に少し戻りますけれども、税政部の物品購入の中で物品請求書の伝票を拝見させていただいたのですが、私がここでお尋ねしたいのは、どのような体制でこのチェックを行っているのかということを聞きたいわけであります。物品請求書をぱらぱらと拝見させていただきますと、まず、物品を購入する際の担当者の判こが押してあり、それから、係長、課長の判こが押してあり、それから、そのお金を支出するに当たりまして経理担当課の係員、係長、課長と合計六つの判こがあります。つまり、6人の方がその伝票をチェックしているにもかかわらず、多数がこのようになっているというのは、このチェック体制がきちんと機能していないのではないかと思うのですけれども、このあたりはどのような状況であるのか、伺いたいと思います。
◎畠山 税政部長 このたび監査委員からご指摘のありました件についてですが、具体的にご指摘のあったものは、各課において、直接、物品を購入するというものでございます。具体的には色上質紙の購入に関するものでございますが、直接、色上質紙を購入する課の担当係員が帳票を起案いたしまして、その直属の上司である係長、課長まで決裁をとる。それから、その物品購入について
予算措置がされていることの確認、現時点でこの物品購入することが、予算上、可能かどうかということの確認も含めて、経理担当課の担当係員、係長、課長まで決裁をしているものでございます。当初の伺いの中では見積書等はついていませんが、支出に至るまでの段階で見積書、納品書、請求書等がついてくるわけでございますけれども、その時点で、この6人とも、いずれもがここの部分のチェックを見過ごしたことは事実であろうと思っております。
◆金子やすゆき 委員 大変すっきりとしたご答弁をいただきました。
過ぎたことは仕方がないということで、ぜひ今後に生かしていただきたいと思いますが、今後において、物品購入における適正な事務処理について、監査の結果を受けてどのように行っていくのか、伺います。
◎畠山 税政部長 このたび、監査委員から不適切な事務処理に対する指摘をいただいたことにつきましては、先ほど申し述べましたとおり、公正な競争や適正な物品納入検査が行われていないのではないかという疑念を招くおそれがある極めて不適切な事務処理であったと私どもは重く受けとめておりまして、深く反省をしているところでございます。
その原因につきましては、先ほど述べましたように、私どもの不注意による確認不足に加え、契約事務に関する知識や理解の不足があったものと認識しているところでございます。再発防止につきましては、税政部内で種々検討し、私どもの局長からの指示も踏まえながら、今後、同様の事務処理誤りの発生を防ぐために、監査委員から指摘された事項につきまして関係職員へ速やかに周知いたしましたほか、各課の契約事務担当をしている係長及び担当者を対象といたしました部内研修会を1月14日に開催したところでございます。またさらに、市税事務所を含めた各会議におきましても、契約事務に当たりましては、契約事務の重要性を認識すること及び契約規則を遵守すること、具体的には入札書や見積書など関係書類の適正な
取り扱いを徹底して再発防止を図ったところでございます。
◆金子やすゆき 委員 今、再発防止に向けた
取り組みを伺いました。
この監査を受けて、チェックのミスがあったということですけれども、先ほども申し上げましたが、1枚の伝票について最低6人の方が目を通しているにもかかわらず、これがスルーして通り抜けてしまっている、しかも、1件、2件でなくてほとんど全てだということです。今、勉強会などを通じて適正な事務をきちっと徹底していくということですけれども、1月14日に行われた部内の勉強会というのは、係長、現場の担当者だけが出席しております。ただ、ここの問題でいきますと、私は、現場の担当者の方、係長も当然そうだと思いますが、そこの課をつかさどる課長の責任が最も重いのではないかというふうに思います。その課長がこの勉強会に参加していないというのは、やはり問題に対する認識の甘さを示すものではないかと、ちょっと意地悪な言い方ですけれども、指摘させていただきます。
最後の質問になりますけれども、今、税政部のところだけを取り上げさせていただきましたが、先ほど監査事務局次長からもお話がございましたように、税政部だけの問題でなく、全庁的にこの問題が起きております。ここにつきまして、契約事務を所管する局として、わざわざ業者が日付のところを空欄で出してくることについて、全庁的にどのように事務を正していくのか、まず、考え方を伺いたいと思います。
対策は幾つかあると思いますけれども、私が簡単に思いつくところでいきますと、まず、業者については、日付を空欄で入れてくるのはやめてもらいたいということをきちんと知らせることだと思います。ホームページで公開するなどの方法もあると思いますし、直接、要請する等の方法もあると思います。まして、札幌市のほうから空欄で出してねというふうにすることは絶対にあってはならないのではないかと思います。
また、もう一つは、このようなずさんな事務を行っているのは、私は札幌市の全部局ではないと思います。多分、ほんのごく一部の局でこのようなことが起きているのだろうと思うのですが、このような不適正な事務が頻発するところは、直接、そこの課で物品の請求は行わせないとか、何らかのペナルティーも考えていかなければならないのではないかと思います。
今、私が提案した2点も含めて、このように全庁的な不適切事務の防止についてどのように取り組むのか、最後にお伺いして、質問を終わります。
◎木村
管財部長 先ほどご質問の中にもございましたとおり、昨年12月末に、これらの状況を踏まえまして、適切な事務執行につきまして改めて全局に通知させていただいているところでございます。また、新たに事務を取り扱うことになる担当者向けの研修を毎年度開催させていただいておりますが、そういった中でもさらにしっかり周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
◆金子やすゆき 委員 現場の担当者の責任もあると思いますけれども、何度も申し上げますが、ここは、判こをついているそこの一番偉い人の責任でありますから、現場の人だけでなくて、まず、判この持つ重みをしっかり受けとめていただいて、最も長にある立場の人がきちっと目を光らせるということをぜひお願いしたいと思います。
○村山秀哉 委員長 以上で、歳入のうち、
一般財源等の質疑を終了いたします。
次に、第1款 議会費 第1項 議会費の質疑を行いますが、通告がございませんので、質疑を終了いたします。
次に、第2款 総務費 第4項 選挙費の質疑を行います。
◆芦原進 委員 私は、同僚議員と一緒に、仙台市、横浜市旭区、松本市の選挙管理委員会と選挙の
取り組み等について意見交換し、また、JRや私鉄駅舎施設内や民間商業施設のフロアで、一部を公共施設として常用し、市民活動のために展示場として活用しているなど、スペースを用いて選挙期間中に期日前投票所を開設した現場も見てまいりました。その中で、多くのことを学び、大いに参考になったことを中心に、大きく3点質問させていただきます。
1点目は、選挙の経費について、2点目は、期日前投票所の増設について、3点目は不在者投票指定施設での外部立会人について、昨年の
決算特別委員会に引き続いて、視察先の事例を引用しながら質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、1点目は、選挙の経費について簡潔に質問いたします。
札幌市では、投票案内はがきを個人宛てに送付しておりますが、実は、横浜市では、このように5人セットにして案内状を封筒に入れ、世帯単位で一括して送付して経費削減を図っているとのことでした。本市でも、経費削減になるならば積極的に努力すべきと考えます。これは、1点目です。
2点目は、当日の投票での名簿対照において、松本市では、実は案内はがきにバーコードが打ってあって、バーコードを利用した自動機器で投票用紙を渡している、こういうことをやっておりまして、有権者の利便性だとか事務の効率化が図られていますが、これをどうお考えになるかということであります。
さらに、同じ松本市では、人材派遣によって投票事務を行っています。受託した企業が責任を持って対応することで投開票の事務の安全性、適応性が担保されると考えられるがいかがか、3点お尋ねいたします。
◎新谷 選挙管理委員会事務局長 選挙の経費についてお答えいたします。
まず、第1点目の投票所の案内について、個人単位ではなく、世帯単位で郵送することについてお答えいたします。
選挙の際にお送りする投票所の案内につきましては、札幌市におきましては、委員のご指摘のとおり、有権者個人ごとにはがきで郵送しております。これまでも、郵便料金の割引制度等を最大限活用して経費の節減に努めてきたところでございます。また、最近、一部の指定都市で採用しております、有権者ごとに単票で印刷された案内を世帯ごとの封筒に入れ、宛て先に世帯主名あるいは有権者全員の氏名を連記いたしまして郵送する方法につきましても、他の
政令指定都市と情報交換をして札幌市の方法と比較検討してきたところでございます。
その結果、経費の面では、世帯単位に封書で郵送する場合、郵便区内特別郵便などの割引制度を活用することで郵送経費を削減できる反面、システム改修に係る一時的経費のほか、封筒の印刷、個人別案内状やお知らせ文書の封入、封緘などの新たな経費が生じ、総額の見積もりベースは余り効果が期待できないと試算しているところでございます。また、経費以外の面でも、世帯の一部の方が住民票を移さずに住所とは別な場所で滞在して郵便局に転送届だけを出しているような場合、個人宛ての郵便物ではございませんので、転送されずに案内が本人に届かないケースがある、このようなことも発生いたします。さらに、封入、封緘など新たな作業が生じることで、その作業期間を見越してこれまでよりも早い時点で選挙人名簿のデータを作成する必要があると思われ、作成後から発送までの間に死亡や市外転出などによりまして選挙権の異動があった場合では、抜き取り、差しかえの作業がこれまでどおりできるかどうかという課題も見えてきているところでございます。
このように解決しなければならない課題もありますことから、引き続き、他都市とも情報交換をしながら調査研究をしてまいりたいと考えております。
それから、2点目のバーコードを利用して投票をということでございますけれども、投票日当日でバーコードを利用して名簿対照を行うことをやっているということだと思います。
これにつきましては、各投票所にパソコン等の機器を新たに設置いたしまして、そのパソコンに投票済みの選挙人を的確に把握するためのプログラムを導入した上で、選挙人名簿のデータを取り込む必要がございます。バーコードを利用するメリットといたしましては、投票所の案内はがきに印刷されているバーコードの読み取りによりまして名簿対照を行いますので、選挙人1人当たりの名簿対照に係る時間が短縮されることが期待されるため、選挙人の利便性の向上に資するとともに、有権者の多い投票所では名簿対照に係る事務従事者の削減が可能になると考えられます。
しかし、その一方で、電源や機器に障害が生じても事務処理が可能な体制を構築するためには、名簿対照用のパソコンやバーコードの読み取り機を1投票所当たり各2台設置する必要があると考えております。市内には311カ所の投票所がありますので、合計622台のパソコン等が必要となります。選挙時に一時的に多くの台数を調達するため、突発的な選挙の際には短期間で確実に調達できるかどうか、懸念があるところでございます。また、システム利用に伴う人件費削減効果はございますけれども、機器調達などでそれを超える経費が発生することが見込まれるところでございます。
したがいまして、機器調達等の課題のほか、経費削減効果も見込めないところがございますので、現時点で導入は難しいと考えているところでございます。
それから、投票用紙を自動交付機によって交付をしているということのご質問でございます。
札幌市の場合、統一地方選挙を想定いたしますと、かなり多くの台数の投票用紙交付機を用意しなければなりません。おおむね1,200台程度調達する必要があるのかなと思っております。そういう意味では、多額の費用がかかりますけれども、この交付機を導入いたしましても、投票用紙を交付する人員を削減することはなかなか難しいところでございますので、現時点では、投票用紙の交付機を導入する予定はないということでご理解いただきたいと思います。
それから、松本市における人材派遣の活用ということでございます。
まず、札幌市の投開票事務については、若者など多くのアルバイトが従事しております。アルバイト従事者につきましては、大学生など若い人たちが選挙事務に従事することで啓発の効果も期待しているところでございまして、市内近郊の各大学や専門学校にご協力をいただきながら募集に力を入れているところでございます。
人材派遣につきましては、他の政令市の状況をもとに検討させていただきましたところ、ちょっと問題点がございます。1点目といたしまして、平成24年10月の労働者派遣法によりまして、いわゆる日雇い派遣が規制されております。これによりまして、選挙事務のような極めて短期間の業務におきましては人材の確保が難しい状況になっております。それから、2点目として、アルバイトと比べて経費が高いという二つの課題があると認識しているところでございます。
したがいまして、人在派遣につきましては、今のところ導入する予定はございませんが、従事者の安定確保という観点から今後とも調査研究してまいりたい、このように考えているところでございます。
◆芦原進 委員 るる答弁をいただきました。何か、私は選管のやっていることを正当化しているような質問になったような気がいたしますが、初期投資には必ず金がかかります。しかし、長いスパンで見ると、やっぱりよかったねと、こういう例は結構あるのですね。私は、やっぱりその辺は申し上げておきたいと思います。
それから、投票用紙の自動交付機ですね。これは、全国20の
政令指定都市の中で、設置しているのは14都市あるのです。していないのは札幌も含めて6都市なのです。これは、ある程度の効果があるということで採用されているのではないかと私は思いますので、このことは指摘しておきたいと思います。
では、2点目の期日前投票所の増設について、まず、1点伺います。
期日前投票制度は、2003年、平成15年12月1日から設けられました。期日前投票率は、この10年間で確実に上昇して推移しておりまして、国民、市民の中に投票行為としてかなり定着している感があると私は思います。本市でも、期日前投票の普及促進が投票率や利便性の向上につながっていると思いますが、札幌市の投票率と期日前投票率の推移はどうなっているのか、また、期日前投票の効果を本市選挙管理委員会はどのように評価しているか、まず、お尋ねしたいと思います。
◎新谷 選挙管理委員会事務局長 まず、1点目の札幌市の投票率と期日前投票利用の推移についてということでございます。
投票率と有権者に占める期日前投票者の率、さらに、投票者に占める期日前投票者の率につきまして、期日前投票が本格実施された平成16年の参議院選から、3年ごとに行われている参議院選を例に、順次、ご紹介させていただきたいと思います。
まず、投票率でございますが、平成16年の参議院選は59.16%でございます。19年は61.91%、22年は62.17%、25年は54.63%となります。それから、有権者に占める期日前投票の率でございますけれども、平成16年の有権者数は約151万9,000人、これに対して投票者数が89万8,714人でございますので、これを率にいたしますと7.33%でございます。以下、率だけ申し上げますと、19年は10.78%、22年は11.26%、25年は11.80%となってございます。それから、投票者に占める期日前の率でございますけれども、16年の投票者は89万8,714人でございますので、このうち、期日前投票をしたのは11万1,355人で、これを率に直しますと12.39%でございます。以下、率だけ申し上げますと、19年は17.41%、22年は18.12%、25年は21.59%でございます。
続きまして、2点目の期日前投票の効果をどのように評価しているかについてでございます。
投票者全体に占める期日前投票利用者の割合につきましては、選挙を経るごとに増加傾向にあり、先ほどご紹介したとおり、平成25年の参議院選では投票者全体の21%の方が期日前投票を利用しております。このようなことから、期日前投票の制度が回を追うごとに浸透してきているとともに、投票の方法がふえたことによりまして利便性が向上しているものと考えているところでございます。
しかしながら、例えば昨年の参議院選とその前の平成22年の参議院選を比べますと、昨年の参院選では有権者に占める期日前投票の割合が若干上がったにもかかわらず、投票率は7.5%下がっているなど、制度が浸透いたしまして利用者が増加している状況ではございますが、必ずしもそれが投票率全体を押し上げる効果に直結していない状況にあると認識しているところでございます。
◆芦原進 委員 確かに、期日前投票率がずっと上がっていっても、それが投票率に連動しているかといったら、それは、時の選挙のいろいろな課題、テーマ、国民の関心度によって違いがあります。しかし、期日前投票率が上がることによって、それぐらいに抑えられているという見方もできるということを私は申し上げておきたいなと思います。
次に、2点目の質問に移りたいと思いますが、これからはちょっと気合いを入れていきたいと思います。
本市の期日前投票は、先ほど言われたように選挙の回を経るごとに市民に浸透していることはわかりました。本市の期日前投票所は、現在、10区で10カ所、プラス、北区、南区、東区の各1カ所で13カ所になっております。さらに、私は、公共交通の利便性から、日常生活の空間の中で多くの人たちが集いやすい、そして、投票行動をしやすい都心部で期日前投票所の増設が実現すれば、さらに投票率の増加に連動するのではないかと考えます。
私は、松本市と横浜市旭区、それから仙台市の事例を少し紹介します。
まず、松本市ですが、長野県は全体的に投票率が高いそうです。19市町村、もしくは合併で18になっていますが、松本市は、平成17年9月の衆議院選のときは投票率が67.5%で、これは、最低で18番目だったそうです。翌年の参議院議員選挙も60.42%だったけれども、19市中の19位でした。これはいかんということで、議会で議論になったそうです。何とか投票率を上げていこうということで、期日前投票所を利便性のあるところに設置したらどうかということになり、いろいろ検討されて、松本駅の自由通路に期日前投票所を設置されました。その後、17年9月の衆議院選挙のときには期日前が11.56%だったのが、導入された21年8月30日の衆議院選挙では倍の20%を超えたという状況になってきています。
やはり、利便性の高いところに置くと。ここは、1日の乗降客が3万人おられるようですから、そういう意味では非常に投票の効果がありました。特に、駅前の自由通路で期日前投票をした方は、たくさんある投票所の中でここの投票所が一番多かったのです。全体の30%がここで期日前投票をしているということですから、利便性があるということはすばらしいので紹介しておきます。
次に、横浜市の旭区です。行ったところは全部言います。横浜市は18区ありますが、選管から各18区にもう1カ所を臨時でつくれと。恐らく、これは市長の意見もあるかと思いますが、もう1カ所ずつつくって全部で36カ所にしなさいという通達が選管から来ました。そこで、旭区でも一生懸命に場所を探しました。そして、最終的に候補に上がったところが相模鉄道の二俣川駅です。ここは乗降客も非常に多いということで、ここの1階の狭い会議室、100平米もないぐらいの会議室を使って期日前投票所を設置しました。ここは1日3,000人来たことがあって大変に混乱したと言っておりました。旭区では、もう1カ所の区役所と合わせると全体で3万1,330人が期日前投票したそうですが、臨時投票所で投票した人は54%いたということで、これはやはり利便性ということが感じられます。
おもしろいところを紹介します。南区では図書館でやりました。図書館です。考えるといろいろなところがあるのです。港南区は南部公園緑地事務所でやりました。旭区はさっき言いましたね。金沢区はスポーツセンターのロビーです。それから、緑区は長津田消防出張所、最後にもう一つ、泉区は立場バスターミナル内の仮設事務所です。こういうところでも工夫してやっています。
最後に、仙台市です。私は、なぜ仙台市に行ったかといったら、仙台市は5区あって、期日前投票所は全区に対応できる投票所になっているのです。これは、仙台市青葉区のアエルという民間施設の5階部分を市が借りていまして、複合施設になっていて市民がそこに住民票をとりに行ったりしております。また、そこに展示場を設けていて、市民がいろいろな展示をできるコーナーがありますが、そこを使って5区対応の投票所をつくったのですが、ここも大変な効果が出ています。
全国的にはまだまだたくさんあるのです。例えはこの辺にしますが、来年は、私たちにとって大変大切な、市政直結の統一地方選挙があるのですよ。これは市民の暮らしに直結するわけですから大変影響があります。統一地方選の一票の投票行為は、何物にもかえられません。貴重な一票なんです。市民一人一人の4年間の生活を市長、議員に託す選挙なのです。そうであれば、もっともっと投票率が上がるように投票しやすい環境づくりをしていく、私はこのことが大事ではないかと思います。
ですから、来年の統一選に向けて、より多くの市民の民意が反映できる選挙対策が最も肝要だと私は思います。利便性の向上、また投票率の向上の積極的
取り組みを図る意味合いからも、本市の市有施設を活用しての期日前投票所の設置は有効な
取り組みと考えます。既に供用している、日本一と評判が高い札幌駅前通地下歩行空間のイベント広場、また、これから事業が本格化していきます大通交流拠点地下広場や創世1.1.1区(さんく)の仮称
市民交流複合施設等、その他民間施設などに期日前投票所を設置すべきではないかと考えるが、いかがでしょうか。
◎新谷 選挙管理委員会事務局長 地下歩行空間などの市の施設や民間施設などへの期日前投票所の設置についてお答えいたします。
人が集まる場所に期日前投票所があることは、投票の利便性を高めることになり、大変有益なことでありますが、市中心部に設置する場合は、有権者の混乱を防ぎ、効率的に運用する意味で、特定の区だけということではなく、10区全ての期日前投票所を近接するエリアに設置する必要があると考えております。このため、設置する場所の確保が一番の課題となります。これまで、地下歩行空間にあるイベントができる広場に10区の期日前投票所を設置できないか検討を行ってきましたが、解散総選挙や、国会の会期で選挙期日が左右される参議院議員通常選挙などにおきましては、選挙期日が見えてきた時点では既に貸し出しスペースが埋まっており、場所の確保が困難であることが予想されます。また、統一地方選挙を考えた場合、10区の期日前投票所を設置するだけの十分な面積がなく、仮に確保できたとしても、投票の秘密を守り、通行人からの投票への干渉防止という面でも課題がございまして、現時点では設置が困難であると考えております。
なお、大通交流拠点地下広場や
市民交流複合施設につきましても、昨年、
関係部局から情報をいただき、検討いたしましたが、いずれも十分な面積を確保できず、設置は難しいものと考えております。
今後も、民間施設を含め、他に適当な施設がないか、引き続き調査研究を進めてまいりたいと考えております。
◆芦原進 委員 るるできないことのご答弁がありました。でも、やっぱり、先ほど横浜の事例を挙げましたが、消防出張所だとか立場バスターミナルだとか、いろいろなところでいろいろな工夫をしています。私は、
谷沢委員と旭区の二俣川駅の1階の事務所にも行ってきましたけれども、本当に大変ですよ。狭いですが、それでも知恵と工夫を出してやるのです。難しいのは当たり前です。難しいからやらなければ、何も前に進みません。やっぱり、そこは皆さんの知恵で、すばらしいその能力で、一つ一つクリアしていく努力をしていくべきです。うまくいかないので当たり前ですから、それをどううまくやっていくかということを期待して、このことはこれでとどめおきます。
最後の質問の3点目は、不在者投票の件であります。不在者投票指定施設での外部立会人について質問します。
これは、成年被後見人の選挙権回復等のために、公職選挙法の一部が改正されました。平成25年5月31日に公布されて25年6月30日に施行されました。第23回参議院議員選挙から外部立会人制度がスタートしました。訪問した三つの市でも、同様に施行が6月からということで、短期間であったのでなかなかうまくいかなかったけれども、積極的にやりたいという申し出があった病院もあったそうであります。そのようになかなか前に進まないけれども、しかし、やはり病院等の外部施設はそれぞれしっかりと活用していく必要があると思います。
そこで、2点質問します。
1点目は、本市における外部立会人として、どのような立場の人が、また、どのような資格を持っている人が、今、何人、立会人として登録されているのか。
2点目は、来年の統一地方選挙に向けて、外部立会人制度の活用を今後どのように進めていかれるのか、お尋ねして、質問を終わります。
◎新谷 選挙管理委員会事務局長 不在者投票施設におけます外部立会人でございますが、札幌市における外部立会人として、どのような立場や資格の人が何人登録されているかということについてお答えいたします。
公職選挙法施行令では、外部立会人の資格について、選挙権を有している者という規定がされています。このほかの制限はございませんが、不在者投票施設での投票に際し、執行状況を外部の目でチェックするという職務の観点から、公正・中立な立場で従事できる方や投票事務の経験のある方が望ましいと考えているところでございます。
その上で、昨年の参院選挙において、各区選管では、区の明るい選挙推進協会の委員や投票管理者などの経験のある市職員OBなど延べ228人を外部立会人の候補者として事前に選定し、登録したほか、そのニーズに対応できない場合に備え、区の選挙管理委員の派遣も含めて準備をしたところでございます。
2点目の統一地方選挙に向けた外部立会人制度の活用についてでございます。
公正な選挙の執行という面で、多くの施設において外部立会人制度を活用してもらうことが望ましいことでございますので、そのためには、制度の周知と利用の呼びかけが重要であると考えております。統一地方選挙に向けまして、施設説明会での改めての説明や、制度を周知するためのチラシの配布などを通じて施設に対して働きかけをしてまいりたいと考えております。また、明るい選挙推進協会や市職員OBなどに対し、外部立会人としての協力をさらに呼びかけてまいりたいと考えております。
○村山秀哉 委員長 以上で、第4項 選挙費の質疑を終了いたします。
次に、第2款 総務費 第5項 人事委員会費の質疑を行います。
◆しのだ江里子 委員 私からは、札幌市職員採用試験について、幾つか伺いたいと思います。
人事委員会では、2014年度、平成26年度に実施します、2015年、平成27年4月採用の職員採用試験から試験制度を大きく変更すると伺っております。区役所で配布されております制度変更のお知らせですが、これを拝見しますと、多様な行政ニーズに対応するため、公務員志願者に加えて、民間企業を志望する学生や社会人など多様な方々に受験していただけるよう、人物重視で、かつ受験しやすい試験としますとのことでありました。具体的には、それぞれの試験区分で受験資格年齢の引き上げを行うほか、出題する問題も精査し、解答すべき問題数を減らすことなどを予定しているようですが、この試験制度の変更により、多様な人材が受験しやすくなり、結果として幅広い経験を持った人材を確保できることにもつながると思いますので、今回の見直しの大きな方向性については賛同し、そしてまた、大きな期待も寄せているところです。
まず、1点目の質問ですが、今回、このように大きく試験制度を変更するに至った理由をお示しいただきたいと思います。
◎渡辺 人事委員会事務局次長 今回、試験制度を大きく変更した理由についてお答えいたします。
まず、近年の本市採用試験の受験者数の状況についてでございますけれども、受験者数が最も多い大学の部一般事務行政コースで見てみますと、平成25年度に実施いたしました採用試験受験者数につきましては1,418人でございました。また、この25年度から10年前になりますけれども、平成15年度に実施いたしました同区分の受験者数は2,140人でありましたので、10年前と比較いたしますと700人ほど減少しておりまして、約34%の減となっているところでございます。この間、年度によりましては増加した年度もありますものの、総じて減少傾向となっております。これは、本市のみならず、国や他の自治体などの公務員試験についてもほぼ同様の傾向となっております。
受験者数が減少傾向にある大きな要因の一つといたしましては、少子化の影響があると認識しているところでございます。一方、社会経済環境の急速な変化により行政ニーズも多様化いたしまして、本市職員に求められる能力も多岐にわたる状況となっております。
今後は、市民の行政ニーズに対し、的確に、かつ素早く対応できるように、これまで以上に人物を重視した採用が必要と判断いたしております。受験者数が減少する中にありましては、他の官公庁、あるいは民間企業との優秀な人材確保の競合となることは必至でございまして、当委員会といたしましては、本市の将来を担う優秀な人材を幅広く確保するため、試験制度を変更いたしまして年齢の引き上げや試験負担の軽減を行うことで、より受験しやすい試験とすることとしたものでございます。
◆しのだ江里子 委員 10年たつうちに700人も減っており、そしてまた、パーセンテージにすると34%も減っているということは、少子化とはいえ、やはり札幌市を受験しようとする人たちがかなり減っているという現実が見えてくると思います。そうでありながら、行政ニーズに求められるものはまさにいろいろであって、これは行政だからといって甘んじることではないと思います。試験制度変更の背景については理解いたしますが、まさに市民のために活躍する優秀な人材を確保することは私も切に希望するところでありまして、いわゆる勉強のできる人ではなくて、コミュニケーション能力など、市民に沿った感覚にすぐれた方に職員になってほしいということで、目指す方向性としては全く同じであると思います。
採用試験変更の全体的な背景はわかりましたが、社会人経験者の部の試験について、もう少し詳しく確認させていただきたいと思います。
年齢制限を撤廃したことに関しては承知しておりますが、このほかの社会人経験者の部における受験資格要件の変更点と、あわせて、どのようなお考えでそういう受験資格要件にされたのか、伺います。
◎渡辺 人事委員会事務局次長 社会人経験者の部の試験の受験資格要件の変更点と、どのような考えでその受験資格要件にしたのかについてお答えさせていただきます。
少子高齢化が進むほか、社会経済環境が急速に変化する昨今におきまして、市民ニーズが多様化し、本市職員に求められる役割も大きく変化してきているところでございます。こうした市民ニーズの変化に的確に対応するために、民間企業など外部の人材を確保いたしまして、本市以外の組織で培った経験や有用な知識を本市で活用することを目指して社会人経験者の部の試験を実施することとしております。これまでの民間企業等経験者の部の試験と同様に、この試験によりまして、民間企業等を中心に本市以外の組織での豊富な経験を持つ人材を採用することで、これまでの本市職員とは異なる多角的な視点を組織に取り入れるとともに、職員に刺激を与え、組織全体を活性化し、社会経済環境の変化に的確に対応することを期待しているところであります。
これらのことから、年齢制限を撤廃し、豊富な職務経験を持つ人物を採用できるよう、所要の制度変更を行うこととしたところでございます。具体的には、受験資格年齢をこれまでの満28歳以上満36歳未満としていたところから、雇用対策法の趣旨を踏まえまして、年齢制限を撤廃し、満30歳以上から満60歳未満に変更いたしました。また、職務経験期間などにつきましては、従前の5年以上から、直近7年中5年以上といたしまして、また、算入できる職務経験を、週40時間程度を1年間以上継続した期間としていたものから、週30時間以上を1年間以上継続した期間としたことなどがございます。
◆しのだ江里子 委員 今のご答弁で、まさに外部の人材を登用し、組織を活性化していく多角的な視点でというところが大変大きなものであると思います。そしてまた、受験資格要件の変更点が多々ございましたが、これに関しては理解できます。
ところで、私は議員インターンシップの受け入れも行っておりまして、この2月、3月も各議員事務所にインターン生が参加しておりまして、きょうも後ろにはインターン生が傍聴させていただいておりますが、学生から就職についての話を聞く機会が大変多うございます。学生の話を聞きますと、札幌市職員は、転勤がないことと公務員としての安定性から、就職先として根強い人気のある職場であるということに関しては誰しも言うことであります。先ほど受験者数は減少傾向とのお話がありましたけれども、実際に受験する者にとっては、試験を受けてもなかなか合格できないという印象が強いと聞いております。今回、社会人経験者の部と名前が変わっておりますが、以前は民間企業等経験者の部とありまして、この名称変更については、まさに公務員として勤務した期間も職務経験に算入できることから、この名称変更は納得のいくものであります。まさに、民間、公務員と限定せずに、幅広い経験を持つ方にぜひ挑戦していただきたいと思います。
そこで、一つ、私は気になっているところがあります。それは、既に札幌市で勤務されている臨時職員あるいは非常勤職員の
取り扱いについてです。現在、札幌市で雇用されている第2種非常勤職員という職種にある方は935名いて、まさにさまざまな職場で正職員の方たちを支えている、活躍していると言っても過言ではないと思います。今、札幌市の正職員で一般行政部門の職員は1万4,305名ということで年々減ってきておりますから、当然、こういった方たちを支えていくのが非常勤職員であったり、また臨時職員であったりすると思います。
このような方々の中には、本市の職員を目指していたものの、残念ながら合格することができずに、何とか市民の役に立ちたいと臨時職員などとして働いている方であったり、あるいは、臨時職員として正職員の横で業務をする中で、よし、私も正職員になって市民のために働こうと新たな決意をした方など、少なからずいらっしゃるということが私たちの耳に入ってまいります。
そこで、現在、札幌市で臨時職員や非常勤職員をしている方の受験資格はどのような
取り扱いとなるのか、質問させていただきます。
◎渡辺 人事委員会事務局次長 臨時職員や非常勤職員の受験資格の
取り扱いについてお答えさせていただきます。
社会人経験者の部で求める人材につきましては、先ほど回答させていただきましたとおり、急激な社会経済環境の変化に伴う市民ニーズの多様化に的確に対応するために、本市以外の組織で培ったさまざまな経験、言いかえますと外部のノウハウを本市職員として生かしてもらえる方でありまして、基本的には本市以外の組織経験のある方を求めるものでございます。
先ほどなかなか合格するのが難しいというお話もございましたけれども、平成26年度からは、大学の部などの学歴別試験では年齢制限の上限を2歳引き上げるなど、受験者にとりましては受験の機会が2年拡大することになり、本市に採用となる可能性が高まるものと考えております。また、年齢が30歳を超える方につきましては、社会人経験者の部において受験いただくこととなりますけれども、非常勤職員や1年未満の臨時職員の職歴につきましては、先ほど申し上げました受験資格要件からは職務経験期間に算入できないものの、臨時職員などの前後における民間企業等の経験は職務経験期間として算入可能でございます。このように、社会人経験者の部につきましては年齢制限を撤廃するなど、受験機会としては従来より多く提供できているものと考えている次第でございます。
◆しのだ江里子 委員 大学、そして短大と、高校はなかったでしょうか、それぞれ受験年齢が2歳引き上がったことに関しては、大変受験しやすくなったということはわかりますけれども、札幌市としては、あくまでも本市以外の外部のノウハウを注入したいというお気持ちなのだと思います。それはもちろん十分わかるのですが、でも、少なからず、社会人経験者の部の制度変更の内容によりますと、この中には例えばアルバイト、契約社員、臨時・非常勤職員等の雇用形態は問わないという書き方をしてあったり、公務員として経験した期間も職務経験に算入できることとしているというふうに書かれています。札幌市で働く非常勤職員の方たち、例えば区役所であれば年金の窓口にいる方たちは、まさに市民と接して、日々、活動されているわけで、こういった方たちの中にも、やはり、本当にすばらしい方たちがたくさんいらっしゃると思います。
ですから、私は、せっかくここまで引き上げをしたのならば、何とかこういった方たちにも、別に採用してくださいと言っているわけではなくて、受験のチャンスを与えていただければと思うわけです。先ほどの渡辺事務局次長のお話によりますと、現在、市の臨時職員や非常勤職員であっても、直近7年間の中で5年間、週30時間以上の就労であれば受験できるけれども、社会人経験者の部において市の臨時職員や非常勤職員としての経歴は職務経験として算入できないという回答でありました。多様な人材を確保するために年齢制限を拡大する点については本当に評価いたしますが、受験資格の細かな部分、例えば職務経験期間である週30時間以上についてはまだまだ改善の余地があるのではないかと私は思います。
最近は、働き方も多種多様になってきておりまして、朝出勤して夕方帰るとか、働く曜日が月曜日から金曜日までなどというような旧来の形をとっていない企業も多くなってきており、まして自営で仕事をされる方たちの働き方もさまざまです。札幌市においては、非常勤職員が週29時間までであることを考えますと、1時間の差というものがどれほどのものであるのかと思います。先ほど30時間のお話を聞きましたが、先行政令市は、確かに30時間という時間の設定をしておりますけれども、一般企業から比べますと、札幌市は29時間であっても社会保険の義務づけなどをちゃんとしているわけで、そういった意味から、時間というものに関しての考え方は変えていくことができるものであると思います。即戦力となる人材の確保ということであれば、職歴を考える際に、本当にそうした多彩な働き方にもっと適応した受験資格の設定が必要なのではないかと思います。
ただ、2014年、平成26年度の新しい試験制度はこれから実施されるということですので、市民と会話のできる本当に優秀な人材を確保していただきたいと切に願いますけれども、現行の受験資格をこれで決まりとするのではなくて、実施してみて、その結果を検証し、必要に応じて受験資格を判断していただきたいと思います。重ねて、せっかく制度を変更いたしましても、受験していただかなくては本当に本末転倒でございます。試験実施までにはまだ時間がありますので、ぜひとも引き続き積極的にPRを行っていただくことを要望して、質問を終わります。
○村山秀哉 委員長 以上で、第5項 人事委員会費の質疑を終了いたします。
最後に、第2款 総務費 第6項 監査委員費の質疑を行いますが、通告がございませんので、質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会でありますが、3月4日火曜日午後1時から、市長政策室及び総務局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後4時58分...