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平成26年(常任)厚生委員会−01月31日-記録

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  1. 札幌市議会 2014-01-31
    平成26年(常任)厚生委員会−01月31日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
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    平成26年(常任)厚生委員会−01月31日-記録平成26年(常任)厚生委員会  札幌市議会厚生委員会記録            平成26年1月31日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午前9時58分 ○國安政典 委員長  ただいまから、厚生委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  障がい児(者)医療福祉複合施設機能の一部変更等についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎瀬川 障がい保健福祉担当局長  昨年11月28日の厚生委員会におきまして、札幌市の児童精神科医療あり方にかかわる市精神保健福祉審議会からの答申内容対応スケジュールについてご報告させていただいたところでございます。  本日は、その答申に対しまして、札幌市としての具体的な対応方針を定め、現在、平岸で整備を進めております障がい児(者)医療福祉複合施設機能を一部変更することにいたしましたので、その内容等をご報告させていただきます。  詳細につきましては、関係部長から、逐次、ご説明申し上げます。よろしくお願いいたします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  私から、障がい児(者)医療福祉複合施設機能の一部変更等につきましてご説明申し上げます。  お手元に配付させていただいております資料1をごらんいただきたいと思います。  現在、保健福祉局が中心となって進めております障がい児(者)医療福祉複合施設計画等につきまして、計画を進める上で生じた諸課題の解決を図りつつ、発達障がい児へのより一層の支援体制の強化を図るため、その機能の一部について変更等を行うことといたしました。  まず、1の変更前の障がい児(者)医療福祉複合施設整備計画等の概要についてでございます。確認までにご説明させていただきます。  (1)のこの複合施設化計画につきましては、医療保健福祉等が一体となって子どもの心と体の両面からの健康増進を図ること、とりわけ、近年、市民ニーズが急速に拡大しております発達障がい児の早期発見早期治療に対する支援体制の充実を図っていくことを目的に進めてきたものでございます。具体的には、旧市立札幌病院静療院成人病棟の大規模改修等を行いまして、まず、医療機能として1の児童心療センター、2の発達医療センター、障がい児通園施設機能として3のかしわ学園、4のひまわり整肢園相談判定機能として5の知的障害者更生相談所、さらに、敷地内の別棟となりますが、障がい者の通所施設機能として6の第二かしわ学園を集約するものでございます。  次に、(2)の障がい児・者施策保健福祉局への一元化についてでございますが、障がい者への切れ目のない支援体制の構築を目指しまして、本年5月の複合施設の開設に合わせまして、現在、子ども未来局が所管しております児童療育施策保健福祉局に移管することとしたものでございます。  しかしながら、このたび、2に記載しております3点につきまして、これまでの計画を一部変更することとし、その変更内容及び理由についてご説明申し上げます。  まず、1点目の児童心療センター事業内容再編でございます。
     児童精神科医療あり方に係る札幌市精神保健福祉審議会からの答申を踏まえ、この答申の中で指摘のありましたさまざまな課題を整理しつつ、札幌市全体としての機能の向上を図り、ふえ続けるニーズ対応できる体制を目指すため、児童心療センター機能再編を行うことといたしました。  この詳細につきましては、後ほど、資料2に基づきまして、木原児童心療センター管理担当部長からご説明させていただきます。  次に、2点目の発達医療センター移転及び児童心療センターとの機能統合の時期の延期でございます。  現地の工事は順調に進んでおり、かしわ学園ひまわり整肢園、第二かしわ学園、そして知的障害者更生相談所につきましては、予定どおり本年4月から5月にかけて移転いたします。一方、発達医療センターにつきましては、移転に伴い、通院が困難となる方々への対応が当初からの課題となっており、その対応に時間を要すること等を勘案いたしまして、発達医療センター移転、統合を平成27年4月に延期することといたします。  なお、この件につきましては、昨日開催されました文教委員会におきまして、子ども未来局から別途ご報告させていただいております。  次に、3点目の子ども未来局が所管しております児童療育施策保健福祉局への一元化に係る実施時期の延期でございます。  これにつきましても、発達医療センター移転時期に合わせまして平成27年4月に延期し、準備事務を円滑に進めたいと考えております。  引き続き、児童心療センター事業再編の詳細につきまして、管理担当部長からご説明させていただきますが、この複合施設整備計画全体で見ますと、発達医療センター移転が延期になることや、児童心療センター病棟機能福祉施設化されたとしましても、複合施設計画の当初の目的が失われるものではないということをつけ加えさせていただきます。 ◎木原 管理担当部長  児童心療センター事業内容再編について、私からご説明いたします。  配付しております資料2をごらんください。  まず、1に現在の児童心療センター事業内容と直近の施設整備状況をまとめております。  児童心療センターは、大きく外来診療部門小児病棟部門自閉症児病棟部門に分かれており、各部門において子どもの発達障がい等を対象とした外来診療入院治療を行っております。  なお、各部門とも、現在使用している部分について、大規模改修等を行っております。外来部門は、昨年8月に複合施設整備の一環で改修を終えており、小児病棟部門自閉症児病棟部門についても、平成19年度から平成22年度にかけて施設改修を行っております。  次に、2の札幌市精神保健福祉審議会答申内容及び提起された課題問題点についてでございます。  (1)の審議会からの答申内容でございますが、昨年11月にご説明させていただいておりますので説明を省略させていただきますけれども、囲みの中の1から4が答申の骨子でございます。  続きまして、(2)でございますが、答申において提起された課題問題点をまとめてございます。全体にかかわる部分部門ごと課題問題点に分けて整理しております。  まず、全体にかかわる部分としては、患者が集中し、民間医療機関との連携が不足していたこと、福祉や教育で担うべき領域も含めて医療として行ってきたこと、他の診療科との連携が困難である児童精神科単独での病院運営は不安定であることが指摘されております。次に、各部門ごと課題でございますが、それぞれ、本来、対象である児童への対応が手薄となっていたことなどが指摘されたところでございます。  本市といたしましては、これらの課題問題点は、実施主体実施形態の問題であることから、その解決を図りながら、札幌市全体として児童精神科医療体制の向上を目指すこととし、そのためには児童心療センター機能再編が必須であると考えているところでございます。  続きまして、今回の児童心療センター事業内容再編に関する基本的な考え方として、3の札幌市における児童精神科医療方向性についてでございます。  一つ目でございますが、当センターに集中していた機能を、ネットワークの構築、役割分担仕組みづくりを行い、最も効果的に行うことが可能な他の医療機関福祉施設に担ってもらうことにより、札幌市全体としての機能の向上を図り、ふえ続けるニーズ対応できる体制を目指してまいりたいと考えております。  二つ目でございますが、当センターは、そのために機能再編し、これまで培ったノウハウ整備済み施設を活用することが可能であり、かつ、他の医療機関福祉施設等では実施困難な事業を実施しつつ、他機関へのバックアップも行いたいと考えております。  次のページをごらんください。  4の児童心療センター事業再編内容についてご説明いたします。  これまで当センターで行ってきた事業を左側に、事業再編方向性再編内容事業ごとに右側に整理しております。  まず、児童を対象とした外来診療部門ですが、方向性としましては、診療体制見通しが立った段階で新規患者診察を再開するなど、これまでの治療を継続するほか、市内民間クリニックがふえてきていることもあり、そのバックアップ機能を果たすことを目指すことといたします。  次に、小児病棟部門でございますが、答申で整理されましたとおり、入院が必要な精神疾患のある児童への対応は、小児科精神科等連携しながら治療を行うことが望ましいため、当センターでは行わないこととしたものでございます。健康な育ちの保障による情緒や行動の安定化を目指していた部分と、次の自閉症児病棟部分は、むしろ福祉施設機能とも言えるものであったことから、今後においては、これまでのノウハウや手厚いスタッフを生かして、福祉施設としてこの機能を果たしていきたいと考えているところでございます。  なお、福祉施設化を予定している各病棟ですが、過去に大規模改修等をしており、ほぼそのまま福祉施設に転用することが可能であると考えております。  次に、加齢児も対象としておりました外来診療部門自閉症児病棟での入院治療でございますが、成人期患者につきましては、症状が固定化している場合など民間医療機関福祉施設等でも対応可能な場合も多く、当センターでは行わないとしたものでございます。  次に、地域支援連携機能でございますが、ネットワークを維持するためには、他機関スキルアップに向けた取り組みやバックアップが必須であり、市民向け専門相談広報啓蒙活動等とあわせ、公的機関が行ったほうがスムーズであることから、当センター新規事業として実施するとしたものでございます。  最後に、5の入院治療が必要な児童への対応についてご説明いたします。  現在の入院患者につきましては、治療方針に沿って年度末までに退院予定でございますが、今後、外来診療におきまして入院治療が必要な児童がいらっしゃった場合については、当面、既存の民間医療機関福祉施設協力を得て対応していき、その協力を得るための仕組みづくりは今年度中に行いたいと考えております。  また、答申にもあった市立札幌病院への機能統合にも関連しますが、市立札幌病院においては、現在も急性期緊急避難身体合併児童について入院治療を行うことが可能ではありますが、中長期的に児童精神科外来診療機能専用病床市立札幌病院に新たに設けられるかどうか、来年度中に具体的な方向性について保健福祉局病院局で検討したいと考えております。 ○國安政典 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆よこやま峰子 委員  私は、児童心療センターの来年度からの外来診療制度についてお伺いいたします。  ただいまのご説明によりますと、来年度からの児童心療センターは、入院病棟は休止、外来診療部門は継続実施するとのことでありました。これまで休止していた新規外来診察を再開し、ふえてきた市内民間クリニックバックアップ機能も果たせるよう努めるとのことであります。入院病棟の休止並びに福祉施設化されるということは、専門医の絶対的不足によるもので、いたし方ないことかもしれませんが、大変残念と言わざるを得ません。  一方、外来診察においては、一昨年の秋から休止していた新規患者受け付けが、診療体制見通しが整った段階で再開されることになるとお聞きしました。休止している間、市内民間クリニック患者が殺到し、中には一時的に新患の受け付けを中止せざるを得なかったところもあったと聞いておりますので、こういった状況の中で、来年度から外来診察を継続し、新規の患者受け付け再開を目指すとお聞きして、大変よかったなと思っておりましたところ、先日、唯一の専門医であり、児童心療センターを支えてこられた所長が3月いっぱいで辞任を表明されたとの報道がありました。センター所長がおやめになりますと、4月からは、医師は、昨年夏に5人の常勤医が4名辞職したのに伴って行政部門からセンターに常勤となった2名のみということになります。  そこで、質問ですが、1点目として、現段階において、来年度の児童心療センターはどのような医師の配置となって、また、どのような医療体制になるのか、お伺いしたいと思います。  また、2点目としては、そのような医師の配置と申しますか、医療体制で十分な外来診察が行えるのか、以上2点についてお伺いいたします。 ◎木原 管理担当部長  1点目の現段階における来年度の児童心療センター医師配置見込みについてお答えいたします。  児童心療センターでは、現在3名の常勤医師が在職しておりますが、常勤医師の採用に向けては、以前から、札幌市のホームページや全国自治体病院協議会医師求人求職支援センターの利用などにより幅広く公募しているところでございますが、非常に厳しい状況であります。センター所長退職によりまして2名体制となる見通しであります。このほかに、週1〜2回程度、勤務をしていただける児童精神科非常勤医師を数名採用してまいりたいと考えております。  2点目の外来診療体制についてでございますが、ただいまお答えしたとおり、センター所長退職する予定であり、児童精神科非常勤医師を採用して、現状の外来診療体制の維持に向けて努力してまいりたいと考えております。しかし、児童精神科医師が少ないこともあり、予定どおり採用できない場合には若干の診療体制の低下となることも想定されます。また、新規患者受け付けにつきましては、診療体制見通しがついた段階でできるだけ早期に再開したいと考えております。医師確保につきましては、今後とも引き続き努めてまいります。 ◆よこやま峰子 委員  来年度の診療体制は、退職される所長にかわり、新たに非常勤医師を配しての診察とのことであります。私は、子ども診察において、特に精神的な面、心の診療に関しまして、経過観察医師との信頼関係というのは非常に重要ではないかと考えております。昨年度は4名、さらには1名の常勤医師退職により、外来に通院する子どもたちにとっては、毎年、主治医がかわるという事態になっているわけであります。新しい医師と新たな信頼関係を築くには、また一から始めなければいけなくて、時間や労力を要しますし、子どもたちにとっては本当に大変なことになると思いますので、そういうことでいいのかなと今の事態を非常に危惧しているところであります。  そこで、質問ですが、毎年、主治医がかわるようでは、子ども保護者にとって本当に安心して治療を受けるような体制ではないと思いますので、そうした保護者の不安にどのように対応していくのか、お聞きしたいと思います。 ◎木原 管理担当部長  保護者の不安への対応等についてお答えいたします。  担当医師変更につきましては、医師人事異動退職によりこれまでも行われてきたところでありまして、その都度、患者保護者に対して、担当医師が事前に説明し、適切な引き継ぎを行い、担当医師変更を進めているところであります。また、児童心療センター治療は、医師看護師臨床心理士等チームを組んで行っておりまして、治療方針が変わったケースは別としまして、担当医師変更されてもそれまでと変わらない治療が継続するものであります。  患者保護者の皆様には、このようなことを丁寧に説明し、さらに、このたびにつきましては現担当医師と新たな担当医師がよりきめ細やかに引き継ぐことを予定しておりまして、不安を払拭していきたいと考えているところでございます。 ◆よこやま峰子 委員  一連の児童心療センターの混乱により、通院や入院していたお子さんの保護者は大変な不便さと不安を感じております。ぜひ、一日も早い混乱の収拾と、勤務する医師がしっかりと定着して長年にわたって働いてもらえるような環境の整備を強く望むところであります。  また、センター所長にかわる専門医確保については、例えば、このたび北大に設置が予定されております寄附講座医師協力を依頼するなど、今後とも最大の努力をしていただいて、患者が心配なく、安心して診察を受けられるような充実した診療体制を目指していただくことを希望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆村上ゆうこ 委員  私は、今後の札幌市の児童精神科医療方向性についてお伺いいたします。  先ほどの説明では、札幌市における児童精神科医療方向性として大きく2点挙げられておりました。A3判の厚生委員会資料2の3番に大きく二つ掲げられております。我が会派としましても、この方向性については、札幌市精神保健福祉審議会からの答申内容にも沿っており、児童心療センターが、今後、安定した運営を継続し、札幌市全体としての機能向上に資する役割を果たしていくように、体制をしっかりつくっていただくことを切に要望いたします。  そのためには、課題も大きく2点あるのではないかと考えております。  まず、1点目として、安定的な医師確保についてです。  これは、移転が延期される発達医療センターも同様の問題を抱えているものと思われますが、この分野を志す医師は全国的にも大変少なく、児童心療センターだけではなく、今後、発達医療センターと2カ所を維持するだけの医師確保も喫緊の課題であると認識しております。  一昨年の児童心療センター医師退職表明以来、医師確保については札幌市が全力を挙げて取り組んだものと考えますが、結局、外部からは一人の常勤医確保もかないませんでした。来年度に設置が見込まれる寄附講座もありますけれども、今後も困難を極めるものと考えられます。  次に、2点目として、ネットワークの構築や役割分担とも大きく関連する部分として、緊急に入院が必要となった児童にどのように対応していくのかということです。  来年度、2014年度の1年間は、入院病棟が休止され、福祉施設もまだ運営が開始されておらず、市立札幌病院専用病床を設置するとしても相当の時間を要する状況であり、当面は民間医療機関にお願いせざるを得ないというのはわかりますが、具体的に民間医療機関で受けてもらえるのか、大変不安であります。  そこで、2点ほどお伺いいたします。  まず、1点目としまして、発達医療センターを含め、今後も医師確保には大変な努力が必要と考えますが、具体的にどのように進めていくのか、お考えを伺います。  2点目として、児童心療センター以外の民間精神科病院において、児童入院患者受け入れ実績のある病院はあるのか、あるとすれば、何カ所で何人ぐらいの受け入れ実績があるのか、お伺いいたします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  私から、児童心療センター医師確保策についてお答えさせていただきます。  児童心療センターにつきましては、昨年度から継続して医師確保に努めておりますが、各委員がご指摘のとおり、大変厳しい状況となっております。  そうした中で、先ほど木原部長からご説明させていただきましたとおり、事業内容再編によりまして、このセンターが今後目指すべき方向性をしっかりと決定し、そして、着実に実施していく中で、医療機関としての魅力を増していくことが一番の医師確保策となるものと考えております。また、現在勤務していただいている医師につきましては、常勤、非常勤を問わず、大変熱意を持って診療に当たっていただいております。さらに、現在の医師と同様に魅力のある医師確保していくことが急務と考えております。  そして、医療機関としての魅力を高めながら、札幌市の寄附により児童思春期精神科精神医学講座を設置する予定の北海道大学や、医師派遣等協力をお願いしております北海道庁とも、より一層、連携を密にいたしまして医師確保に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎難波 子ども未来局児童福祉総合センター所長  私から、発達医療センター医師確保につきましてご説明いたします。  発達医療センターは、今後、複数箇所で訓練を実施する方向でございます。このため、医師の増員は必要なものと考えておりますので、現在、このための採用に向けて調整を進めているところであります。 ◎木原 管理担当部長  2点目の市内の他病院における児童入院患者の実績につきまして、私からお答えいたします。  ただいま委員のご指摘にありましたように、病棟休止に伴い、緊急に入院が必要となった患者への対応は、当センターにとりまして重要な課題と考えております。  そこで、私どもが把握できる限りではありますが、札幌市内医療機関における15歳以下の児童医療保護入院状況について調査いたしました。平成23年度、平成24年度、平成25年度上半期の2年6カ月を調べました結果、人数にして156人、市立札幌病院を初めとして十数カ所の主に精神科医療機関入院実績があり、それぞれ1年間で最少で1人、最大で16人の受け入れがございました。そこで、当センターでは、これら入院実績のある医療機関を訪問し、本年4月以降、入院治療を要する患者が発生した場合の受け入れについてご協力を依頼したところ、市立札幌病院を含め、数カ所医療機関でご了解をいただいたところでございます。  いずれにしましても、患者の年齢や症状の程度に応じてスムーズな受け入れをしていただけるように努力したいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  札幌市内にも多少の児童入院患者受け入れた実績があり、なおかつ、数カ所ではありますけれども、既に協力をいただける旨の了承を得たということでございますので、少し安心しました。  最後に、ネットワークの構築に関連して、また、その内容や今後のスケジュール等についてお伺いしたいと思います。  札幌市精神保健福祉審議会からの答申内容のうち、最も重要であり、かつ相当の困難を伴うのが児童精神科医療に関するネットワークの構築だと私は考えております。ネットワークというのは、かかわる全ての機関が相互に協力し合う必要があり、役割の押しつけ合いなどがありますと、せっかくつくったネットワークが崩れてしまいます。本当に、最初の仕組みづくりが大変重要であるのではないかと考えます。  そこで、2点伺いますが、1点目に、札幌市精神保健福祉審議会からはどのような内容ネットワークを構築すべきと答申されているのか、改めて、要点をお伺いいたします。  2点目には、児童精神科医療に関するネットワークづくりについて、これまでの進捗状況と今後の想定スケジュールをお伺いいたします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  1点目のネットワーク内容についてでございます。  札幌市精神保健福祉審議会からは大枠の内容について答申されており、その要点をご説明させていただきます。  答申の中では、現状では医療、教育、福祉等関係機関役割が必ずしも明確となっていないことから、それぞれの役割分担を明確化し、その上で、医療を中心として各機関同士連携機能を強化させることを目的に、関係機関を1次から3次機能に分化することとしております。まず、一般の小児科精神科クリニック児童発達支援事業所等を第1次機能と位置づけ、相互に連携をしながら必要に応じて2次機能につなげることとしております。また、2次機能は、専ら子どもの心の診療を行っている医療機関等が担うものとし、児童精神科クリニックや一部の小児科病院等を想定しており、患者状況によって3次機能につなぐものとしております。また、3次機能は、新たに設置する子どもの心の連携チームが担うものとし、児童精神科医師協議会札幌精神科医会、そして福祉施設関係団体等構成メンバーとして、入院が必要な患者を適切な医療機関につなぐ調整、いわゆるトリアージを行うものとしております。また、答申では、これらの1次機能から3次機能が、縦のつながりだけではなく、横のつながりを持ち、相互に連携協力し、子どもの心の連携チームの活用や相互連携による支援技術の向上等を目指すこととしております。  このことによりまして、医療に集中していた負担を軽減するとともに、子ども状況に合ったサービス選択の仕組みづくりを行うものでございます。  次に、2点目のネットワーク構築の進捗状況と今後のスケジュールについてでございます。  ネットワークの構築につきましては、先ほどご説明申し上げましたとおり、大枠につきまして札幌市精神保健福祉審議会からの答申にございましたが、その実現に向けた具体的な手法やネットワークの細部を検討する必要がございます。このために、外部の民間医療機関医師や、福祉関係者を構成メンバーとする検討会を来月中に立ち上げるべく現在準備を行っているところでございます。  今後の検討スケジュールにつきましては、近々に立ち上げる予定の検討会議での議論にもよりますが、私どもといたしましては、この審議会からの答申にありました関係機関、行政組織、福祉施設等構成メンバーとしたネットワークの中心となる子どもの心の連携チームを、来年度のなるべく早い時期までに立ち上げたいと考えております。そして、その後も、子どもの心の連携チームを中心としながら、市内の精神科小児科クリニック児童発達支援事業所を含めた連携体制の構築を目指し、この連携チームの活用や相互連携による支援技術の向上など、来年度内に一定の形ができればと考えております。  いずれにしましても、委員がご指摘のとおり、このネットワークづくりというのは非常に重要であり、なおかつ非常に難しい課題でございますが、私どもとしては真剣に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  最後に、要望です。  札幌市の精神保健福祉審議会からの答申の中でも触れられておりますけれども、全国的に見ても、札幌市は決して児童精神科医が少ないわけではないということです。これを機会に、関係者が本音で真剣に話し合い、さまざまな不安や不信の払拭をしながら、そして、その結果として全国に誇れる児童精神科医療の提供体制をきっちり整えていただきたいということを切に要望して、私の質問を終わらせていただきます。 ◆小形香織 委員  一昨年に4人のお医者さんが退職されたあたりから、私たちは議会でずっと取り上げてきました。そのときに、利用している市民と現場の職員の声をよく聞いて相互のそごをなくすべきだということを申し上げてまいりました。代表質問においては、当時の渡部副市長が、あり方検討委員会のようなものを立ち上げて声を聞いていくのだとおっしゃられ、それで今回の児童精神科医療あり方の検討委員会が立ち上げられたというふうに認識しています。私は、その議論を全て読んでおりますし、また、答申も読ませていただいておりまして、この委員会は積極的で熱心な議論が行われたという感想を持っておりますが、今回出された札幌市の方針というのは全体として非常に抽象的で、市の対応は漠然としたものであるなという感想を持っております。  質問に入りますが、最初に、今、質疑がございましたネットワークについてです。  このネットワークを立ち上げることについて、答申の中では、札幌市が主体となって設置すべきものだと、はっきりと主体となれと書いていますけれども、いただいた資料ネットワークの構築と一言書いてあるだけなのです。どこが中心になってネットワークをつくろうと思っておられるのか、もし札幌市が本当に中心的にやろうと思うのであれば、私は、ここに、本市が中心的な役割を果たすとか、ネットワークを立ち上げるのに主体となってなど、はっきりとした表現が必要ではないかと思いますが、その点はどう考えておられますか。 ◎天田 障がい保健福祉部長  ネットワークづくりにつきましては、各機関の相互連携ということになってまいりますが、当然、このネットワークを有効に運用するためにはエンジンが必要でありまして、誰がエンジンを担うのかということが審議会答申の中にあります札幌市が中心となってというふうに私どもは理解しております。そういった面では、議論の主導を札幌市が行うということではなく、関係機関の意見を十分に伺った上で、それを取りまとめていく作業がまず必要になってまいります。その上で、連携チームにつきましても、札幌市が直接行うというよりは、関係者の方々に入っていただいた複数の職種によるチームになるかと思いますので、そのチームを積極的にバックアップしていくという意味で札幌市が中心となって動いていくということになろうかと思っております。 ◆小形香織 委員  もちろん複数の人たちに総合的にやっていただかなければならないわけですから、おっしゃっていることはそのとおりです。だからこそ、議論してもらうための積極的な姿勢というものを札幌市が持っていくべきだということを申し上げたかったわけでございます。  もう1点、病院機能のほうについて質問したいと思います。  まず、長期に入院が必要な子どもたち急性期子どもたちに分けさせていただきますが、長期入院子どもたち福祉施設化していくのだということが書かれていますけれども、福祉施設化される施設にはお医者さんや看護師などの職員が常勤されるのかどうか、その辺のイメージを持っておられるのかどうか、伺いたいと思います。 ◎天田 障がい保健福祉部長  福祉施設化につきましては、審議会答申の中では、小児病棟及びのぞみ学園それぞれの方向性について大枠が示された、それがいわゆる福祉施設化ということになりますが、どういう施設にしていくのかということにつきましては今後の議論に委ねられているというふうに考えております。先ほど木原部長から答弁させていただきましたように、これまで児童心療センターが培ってきた整合性を生かせること、これは、当然、専門職種を活用していくことになっていくわけですから、そういった意味でぜひ活用できる道を探っていきたいと考えております。  その上で、医師が常勤するかどうかということになってまいりますが、基本的には、現場には診療機能として外来診療機能が残ります。そういった面では、診療機能として配置される医師医療分野をバックアップしていくという体制、いわゆる福祉施設化したとしても、医療機能がないということではなく、そこで診療機能バックアップできるという意味での福祉施設化になろうかと思っております。  具体的な施設の配置基準につきましては今後の検討になりますので、現時点で具体的に申し述べることはできませんが、現在、まさに現場スタッフも含めた議論を開始しているところであります。 ◆小形香織 委員  福祉施設化するときに、そこに専門的な医療知識を持った人というのは必要になると思いますので、そのことを視野に入れた配置を考えていただきたいと思っています。  それから、急性期の短期入院ですけれども、いただいたA3判の資料には、はっきりと、短期は児童心療センター以外で行うと書いてある一方で、では、どこで受け入れるのかということについては非常に漠然とした書き方なのです。入院治療を行うことが可能であるとか、あるいは、市立札幌病院に設ける検討を進めるという書き方で、例えば、市立札幌病院急性期子どもたち入院するというような明記がなされていないというふうに思っています。  私は、先ほどのやりとりの中で、緊急には民間に頼むということがあるでしょう。しかし、寄附講座もやって、医師も養成していく中で、やはり、本市の子どもたちの心の診療をするための短期の入院機能を持たなければならないと思うのですけれども、この辺はどうお考えなのですか。急性期子ども対応する本市の入院機能は必要ないとお考えなのか、ここを伺いたいと思います。 ◎木原 管理担当部長  ことし3月に入院病棟を休棟した後は、先ほどお答えしましたとおり、外来に来た患者入院治療が必要になる方については、民間医療機関での受け入れをお願いしていく仕組みをつくりたいと考えております。それ以降につきましては、市立札幌病院保健福祉局専用病床を設けられるかどうか、今後検討していくということでございます。 ◆小形香織 委員  設けるかどうかの検討をしているということですが、私は入院する必要がないとお考えなのかと聞いているのです。 ◎木原 管理担当部長  児童専用病床は必要だと考えておりますので、物理的に市立札幌病院に設けられるかどうかを検討していく、協議していくということでございます。
    ◆小形香織 委員  私は非常に抽象的だと最初に申し上げたのですが、いただいた資料を一つ一つよく読んでいっても、どうされたいのかということがはっきりわからないのですよ。答申の中で、一番最初の「はじめに」の最後のほうに書いてあるのです。結果として、児童精神科病棟外来もできず、医師確保できないという理由で児童心療センター機能も低下し、結果として何も残らないという事態だけは避けていただきたい、こういうふうに書いてあるのです。私は、これを読むと、いろいろ検討するけれども、結局、何も残らないということが起こるのではないかというふうに思うものですから、この場でその懸念を強く示させていただきます。  先ほど、天田部長は真剣に議論したいとおっしゃっていましたので、ぜひ真剣に議論していただきながら、札幌市の積極性というものをきちんと市民に示すべきなのではないのかというふうに思っています。私は、一番欠けているのは理念だと思っているのですよ。つまり、困難を抱える子どもたち札幌市はどのように捉えているのか、そして、その子どもたちの発達をトータルとしてどのように支援したいと思っているのか、本市の子どもの権利条例などとの関係でもどのように保障していくのがふさわしいと思っているのか、そのための医師体制であり、ネットワークの構築だというふうに思います。今、市民と児童心療にかかわる部分の信頼が大きく揺らいでいると思いますので、この辺の理念そのものを積極的に示して語っていくことがそれらを回復する大事な道筋だと私は考えていますので、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ◆堀川素人 委員  今までのものを変えて、そしてまた、当初から指摘があって、みんなが危惧した部分については、やっぱり危惧したことが現実になった中でまた変更をする、極めてお粗末な結果だなというのがまず一つですよ。それから、子どもたちの精神医療部分についても、全国的にそうなのかもわかりませんが、札幌市でもって診療を受けたいとすると、実際に診療を受けられるのは2カ月も3カ月も先でなければ予約がとれない状況ですよ。極めて深刻な事態であっても、2カ月も3カ月も置かれる状態、これが当たり前になってしまっている。これに対する緊迫感というものが足りないのではないか。1億5,000万円で寄附講座を持ちました。しかし、札幌市にとって本当にいつそれが生きて使われるのかという保障もなく1億5,000万円の金が出ていく、そしてまた、お医者さんが1人やめる。方向とすれば、たくさんの発達障がいの子ども方が顕在化している中で、反対の方向でもって混乱していることに対して、しっかりと受けとめなければならないのではないのか。受けとめているのかもわからない。手のつけようがないという状態の中で混乱しているのかもわからないけれども、そのことについて、まず、どう考えているのか、率直に聞かせてほしい。  子ども方や親が深刻に悩んでいる状態、今までも大変手薄で、なお手薄になるような状態、これについてどう考えているのか。そして、本当にどうしたいのか。ただ言葉だけを並べても助かる人間はいないのよ。そのことについて答えてもらいたい。 ◎天田 障がい保健福祉部長  まず、複合施設化及び児童療育施策を含めた障がい児施策の一元化の方針は、理念は正しいけれども、その方向性に向けて本当に利用者、スタッフの声を反映した形で綿密に準備を進めてきたのかということにつきましては、各委員からもご指摘をいただいているとおり、結果として、よかれと思って進めてきた現状がそうなっていないということに対して本当に申しわけなく思っております。そういう意味では、まずは医療の質の向上を前提とした上で、複合施設の中核となる医療機関をつくっていくことが基本でございましたので、それがおくれていくことについては、利用者を含めて、大変申しわけないと思っております。  この現状の大きな要素といたしましては、札幌市として、ここ7〜8年、発達障がいの方々の早期発見、そして早期支援をしていくことに取り組んできたところでございまして、それを支えていくためにも児童の精神医療の充実は必要だというふうに考えております。幸いにして、今、札幌市内では児童精神科の先生方がかなり開業しておられる現状ですが、委員がご指摘のとおり、やはり2カ月、3カ月待ちの診療になっていることも事実でございまして、これを解決していかなければ、全体として今後も立ち行かなくなるという危機感を持っております。  審議会の中でもそういったご議論がなされ、そして、寄附講座の設置という答申をいただいたと考えております。この寄附講座につきましては、さきの厚生委員会でもご説明させていただきましたように、その効果があらわれるという意味では、医師の養成は即効性があるものではなく、6年ないし7年かかるというふうに言われております。そういった面では、寄附講座をどういうふうに活用させていただくかということは我々としても非常に大きな関心事でございまして、北大の寄附講座に配置される予定の教官を含めて、現場での診療にも当たっていただけるという期待を持っております。ただ、現時点ではまだ着任していない状況でございますから、これを当て込んでという形にはなりませんので、着任後、先生方にもご相談させていただきながら、どういうふうに診療体制の充実を進めていったらいいのかということについて十分にご意見をいただいて進めていきたいと考えております。  もう一つは、医療に頼ってきているということです。これは重要なことでありますが、その結果、診療待ちが非常に多くなっているということがございます。そこで、札幌市が発達障がい者支援の体制整備ということで取り組んできていることとして、早期発見・早期支援を行っていく中で、医療だけではなく、医療以外の関係者のスキルアップを図り、医療が必要な方については医療医療から次は福祉で支援していくことが適当な方については福祉で支援していく、そのように全体の底上げを図っていくという形で関係機関連携も図ってきております。また、いろいろな支援技術も開発しながら、市内にたくさんある事業所の皆様にご協力をいただきながら進めてきております。この方向性については間違っていないと思いますので、今後とも関係者のご協力をいただきながら進めていきたい、これが改善策につながっていくものと考えております。 ◆堀川素人 委員  札幌市は、ある意味では児童の発達障がいには手厚くやっていただいていたかなと思っていて、これがしっかりと根づいて、これを中心にしてなお一層の充実を図っていかなければならぬ。ただ、手厚いと言っても、ほかの都市と比べてそういうことなので、障がいを持っている子ども方の数から言うならば少ない状態です。手厚いというのはそういう意味ですよ。ほかの都市と比べて恵まれていたかなと。  しかし、ここに来て、こんな状態になってしまう。例えば、札幌こころのセンターなんかにいたお医者さんもやめてしまう。これは4人の医者がやめる前ですよ。既にそのころからざわつきがあって、それで、今回また1人やめた。ある意味では崩壊ですよ。この崩壊した状態で、1億5,000万円の寄附講座を設けたなんて言っても、何の保障もないお金ですよ。大体が、7年かかると言って、7年たったら札幌市のお医者さんとして来てくれる人がいるのかなと思ったら――大体、7年なんていう数字を出すこと自体がおかしいではないですか。今まで経験のある先生方もいるわけだ。大変立派な先生方がたくさんいたでしょう。そういう先生方を手放してしまった。寄附講座なんていうのは、私は違う意味で捉えていますよ。ある意味では何の役にも立たない。きっと、こう言ってもいいんじゃないかな。  こういうことをやって市民を安心させようと思ったって、実際に困っている親や子ども方は何の安心も得られない状態ですよ。こうなってしまってから今すぐどうしろと言っても、これは無理なのでしょう。僕は、今、ここでもって、もう一回、札幌市がこの医療体制を立て直すためにみんなが真剣になって取り組んでいただきたい、こういうことを切にお願いしたいですね。 ○國安政典 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○國安政典 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前10時52分...