◆小形香織
委員 私は非常に抽象的だと最初に申し上げたのですが、いただいた
資料を一つ一つよく読んでいっても、どうされたいのかということがはっきりわからないのですよ。
答申の中で、一番最初の「はじめに」の最後のほうに書いてあるのです。結果として、
児童精神科の
病棟も
外来もできず、
医師が
確保できないという理由で
児童心療センターの
機能も低下し、結果として何も残らないという事態だけは避けていただきたい、こういうふうに書いてあるのです。私は、これを読むと、いろいろ検討するけれども、結局、何も残らないということが起こるのではないかというふうに思うものですから、この場でその懸念を強く示させていただきます。
先ほど、天田部長は真剣に議論したいとおっしゃっていましたので、ぜひ真剣に議論していただきながら、
札幌市の積極性というものをきちんと市民に示すべきなのではないのかというふうに思っています。私は、一番欠けているのは理念だと思っているのですよ。つまり、困難を抱える
子どもたちを
札幌市はどのように捉えているのか、そして、その
子どもたちの発達をトータルとしてどのように支援したいと思っているのか、本市の
子どもの権利条例などとの関係でもどのように保障していくのがふさわしいと思っているのか、そのための
医師の
体制であり、
ネットワークの構築だというふうに思います。今、市民と
児童心療にかかわる
部分の信頼が大きく揺らいでいると思いますので、この辺の理念そのものを積極的に示して語っていくことがそれらを回復する大事な道筋だと私は考えていますので、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
◆堀川素人
委員 今までのものを変えて、そしてまた、当初から指摘があって、みんなが危惧した
部分については、やっぱり危惧したことが現実になった中でまた
変更をする、極めてお粗末な結果だなというのがまず一つですよ。それから、
子どもたちの精神
医療の
部分についても、全国的にそうなのかもわかりませんが、
札幌市でもって
診療を受けたいとすると、実際に
診療を受けられるのは2カ月も3カ月も先でなければ予約がとれない
状況ですよ。極めて深刻な事態であっても、2カ月も3カ月も置かれる状態、これが当たり前になってしまっている。これに対する緊迫感というものが足りないのではないか。1億5,000万円で
寄附講座を持ちました。しかし、
札幌市にとって本当にいつそれが生きて使われるのかという保障もなく1億5,000万円の金が出ていく、そしてまた、お医者さんが1人やめる。方向とすれば、たくさんの発達障がいの
子ども方が顕在化している中で、反対の方向でもって混乱していることに対して、しっかりと受けとめなければならないのではないのか。受けとめているのかもわからない。手のつけようがないという状態の中で混乱しているのかもわからないけれども、そのことについて、まず、どう考えているのか、率直に聞かせてほしい。
子ども方や親が深刻に悩んでいる状態、今までも大変手薄で、なお手薄になるような状態、これについてどう考えているのか。そして、本当にどうしたいのか。ただ言葉だけを並べても助かる人間はいないのよ。そのことについて答えてもらいたい。
◎天田 障がい
保健福祉部長 まず、
複合施設化及び
児童療育施策を含めた障がい児施策の
一元化の方針は、理念は正しいけれども、その
方向性に向けて本当に利用者、スタッフの声を反映した形で綿密に準備を進めてきたのかということにつきましては、各
委員からもご指摘をいただいているとおり、結果として、よかれと思って進めてきた現状がそうなっていないということに対して本当に申しわけなく思っております。そういう意味では、まずは
医療の質の向上を前提とした上で、
複合施設の中核となる
医療機関をつくっていくことが基本でございましたので、それがおくれていくことについては、利用者を含めて、大変申しわけないと思っております。
この現状の大きな要素といたしましては、
札幌市として、ここ7〜8年、発達障がいの方々の
早期発見、そして早期支援をしていくことに取り組んできたところでございまして、それを支えていくためにも
児童の精神
医療の充実は必要だというふうに考えております。幸いにして、今、
札幌市内では
児童精神科の先生方がかなり開業しておられる現状ですが、
委員がご指摘のとおり、やはり2カ月、3カ月待ちの
診療になっていることも事実でございまして、これを解決していかなければ、全体として今後も立ち行かなくなるという危機感を持っております。
審議会の中でもそういったご議論がなされ、そして、
寄附講座の設置という
答申をいただいたと考えております。この
寄附講座につきましては、さきの
厚生委員会でもご説明させていただきましたように、その効果があらわれるという意味では、
医師の養成は即効性があるものではなく、6年ないし7年かかるというふうに言われております。そういった面では、
寄附講座をどういうふうに活用させていただくかということは我々としても非常に大きな関心事でございまして、北大の
寄附講座に配置される予定の教官を含めて、現場での
診療にも当たっていただけるという期待を持っております。ただ、現時点ではまだ着任していない
状況でございますから、これを当て込んでという形にはなりませんので、着任後、先生方にもご相談させていただきながら、どういうふうに
診療体制の充実を進めていったらいいのかということについて十分にご意見をいただいて進めていきたいと考えております。
もう一つは、
医療に頼ってきているということです。これは重要なことでありますが、その結果、
診療待ちが非常に多くなっているということがございます。そこで、
札幌市が発達障がい者支援の
体制整備ということで取り組んできていることとして、
早期発見・早期支援を行っていく中で、
医療だけではなく、
医療以外の関係者の
スキルアップを図り、
医療が必要な方については
医療、
医療から次は
福祉で支援していくことが適当な方については
福祉で支援していく、そのように全体の底上げを図っていくという形で
関係機関の
連携も図ってきております。また、いろいろな支援技術も開発しながら、市内にたくさんある
事業所の皆様にご
協力をいただきながら進めてきております。この
方向性については間違っていないと思いますので、今後とも関係者のご
協力をいただきながら進めていきたい、これが改善策につながっていくものと考えております。
◆堀川素人
委員 札幌市は、ある意味では
児童の発達障がいには手厚くやっていただいていたかなと思っていて、これがしっかりと根づいて、これを中心にしてなお一層の充実を図っていかなければならぬ。ただ、手厚いと言っても、ほかの都市と比べてそういうことなので、障がいを持っている
子ども方の数から言うならば少ない状態です。手厚いというのはそういう意味ですよ。ほかの都市と比べて恵まれていたかなと。
しかし、ここに来て、こんな状態になってしまう。例えば、
札幌こころの
センターなんかにいたお医者さんもやめてしまう。これは4人の医者がやめる前ですよ。既にそのころからざわつきがあって、それで、今回また1人やめた。ある意味では崩壊ですよ。この崩壊した状態で、1億5,000万円の
寄附講座を設けたなんて言っても、何の保障もないお金ですよ。大体が、7年かかると言って、7年たったら
札幌市のお医者さんとして来てくれる人がいるのかなと思ったら――大体、7年なんていう数字を出すこと自体がおかしいではないですか。今まで経験のある先生方もいるわけだ。大変立派な先生方がたくさんいたでしょう。そういう先生方を手放してしまった。
寄附講座なんていうのは、私は違う意味で捉えていますよ。ある意味では何の役にも立たない。きっと、こう言ってもいいんじゃないかな。
こういうことをやって市民を安心させようと思ったって、実際に困っている親や
子ども方は何の安心も得られない状態ですよ。こうなってしまってから今すぐどうしろと言っても、これは無理なのでしょう。僕は、今、ここでもって、もう一回、
札幌市がこの
医療体制を立て直すためにみんなが真剣になって取り組んでいただきたい、こういうことを切にお願いしたいですね。
○
國安政典 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
國安政典 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午前10時52分...