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平成26年(常任)文教委員会−01月30日-記録

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  1. 札幌市議会 2014-01-30
    平成26年(常任)文教委員会−01月30日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
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    平成26年(常任文教委員会−01月30日-記録平成26年(常任文教委員会  札幌市議会文教委員会記録            平成26年1月30日(木曜日)       ────────────────────────       開 会 午前9時59分 ○井上ひさ子 委員長  ただいまから、文教委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、継続審査となっておりました陳情第49号 札幌市の保育・子育て支援拡充予算増額を求める陳情については、1月16日付で取り下げとなりました。  それでは、議事に入ります。  発達医療センター移転等に係る方針変更等についてを議題とし、資料に基づき、理事者より説明を受けます。 ◎大谷内 子ども未来局長  本日は、発達医療センター移転計画等につきまして、方針を一部変更いたしましたので、その内容をご報告させていただきます。  発達医療センターは、障がいのあるお子様と保護者皆様にとって大変重要な施設でありますので、平岸複合施設への移転当たり子どもたち最善利益を実現するためのサービスの提供のあり方につきまして改めて検討させていただき、このたびの方針変更をさせていただくものでございます。  なお、移転により通院が困難になる方への対応につきましては、利用される皆様からのご意見やご要望を聞きながら、できるだけ早い段階対応策を決定すべきところでありましたが、利用者皆様市民皆様委員皆様に大変ご心配をおかけしましたことにつきまして、深く反省いたしているところでございます。  今後の体制につきましては、一部にまだ検討中の部分もありますので、利用者皆様のご意見を丁寧に十分にお聞きしながら、よりよいものとなるように検討を進めてまいりたいと考えております。  詳細につきましては、児童福祉総合センター所長難波よりご説明いたします。よろしくお願いいたします。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  私から、発達医療センター移転に係る方針変更につきまして、お手元の資料に沿いましてご説明させていただきます。  このたび、発達医療センター平岸の障がい児者複合施設移転する件に関しまして、利用者方々からのご意見、ご要望を踏まえ方針変更をいたしました。これは、全ての利用者により多くの訓練機会を提供できる、サービスアップを図る体制整備するとの考えに基づくものでございます。  まず、1 方針変更内容と背景についてでございます。  方針変更点は、三つございます。  まず、(1)訓練場所変更についてでございます。  平岸複合施設移転した場合に、移動距離の問題から通院が困難になるとのご意見につきましては、平成23年の利用者説明会などで把握しており、この対応策として、当初、平岸複合施設のほかに、東区にございますみかほ整肢園で補完的に訓練を行うことを検討しておりました。みかほ整肢園は、肢体不自由児を通所により支援している施設でございます。ここの利用者は3時までに退園することになっておりますので、3時以降の時間帯に訓練実施が可能だったためでございます。しかし、この方針変更し、平岸複合施設のほかに実施する訓練場所を、現在の児童福祉総合センターの中といたしました。具体的には、現在の施設に専用のスペースを残すことで、9時から17時のフルタイムで実施することとしたものでございます。
     このような方針変更に至った経緯を右側に記載してございます。  当初の方針をお示しした7月から11月までの説明会あるいはアンケートの中で、みかほ整肢園訓練実施した場合、時間帯では、特に就学前の子どもでは午前中でなければ訓練に通えない場合が多いこと、場所の面では、特に西区あるいは手稲区方面にお住まいの方はみかほ整肢園に通いづらいとの意見が出されました。また、利用者説明会をする中で、現在の場所実施してほしいとの要望もあり、時間帯や立地、確保できるスペース規模の面などで条件を満たす建物がほかにないことから、最終的に児童福祉総合センターでの実施が適当と判断したものでございます。  次に、(2)訓練機会充実でございます。  訓練回数をふやすことでサービスアップを図ることといたします。利用者のご意見をお聞きする中で、訓練こま数をふやしてほしい、早退や遅刻をしなくても済むように希望する時間帯に訓練を受けたいとの声が多数ございました。成長過程にある子どもにとって訓練の効果は非常に大きく、保護者方々にとって、可能な限り能力を伸ばし、より多くの訓練を受けたいという思いは切実なものでございます。児童福祉総合センター訓練実施するだけではなく、より多くの訓練を受けられるように体制整備いたします。そのため、平成26年度におきまして、訓練を担当する理学療法士作業療法士言語聴覚士の増員を図る予定でございます。  次に、(3)移転時期の延期でございます。  平岸複合施設への移転時期を平成26年5月から27年4月に延期することとなります。訓練場所変更訓練機会充実を図る体制を強化いたしますが、複数箇所訓練実施することにより、担当職員変更が出てまいります。利用者担当職員への信頼は非常に厚く、利用者から、その不安を軽減するためには十分な引き継ぎ期間を要するものでございます。また、障がい児の訓練は非常に専門性の高い業務でありますことから、新たに配置いたしました職員に対して一定スキルアップ期間が必要と考えてございます。したがいまして、利用者に安心して訓練を受けていただける新体制に移行できるよう、約1年間の延期をいたしまして十分な準備を進めるものであります。  次に、2 方針変更が一時保護所拡充に与える影響でございます。  児童福祉総合センターの2階にございます児童相談所の一時保護所は、現在、定員36名ですが、これを50名へ拡充し、また、学習室整備あるいは児童1人当たりスペース確保などを図るために、発達医療センター移転後の3階と4階を改修いたしまして拡充する計画となっておりました。今回の方針変更により、改修スペースの一部を発達医療センター訓練実施場所として活用することとしたため、既に進んでいる基本計画変更する必要が生じてございます。  このことに伴う影響は、次の3点でございます。  1点目は、一時保護所拡充時期の変更でございます。  基本設計変更一定期間を要します。平成26年度に設計業務を行うため、27年度に工事をすることになりますので、一時保護所拡充する時期は27年度当初から28年度当初に変更することとなります。  2点目は、基本設計にかかる経費取り扱いでございます。  平成26年度に一部の設計業務を新たに実施することから、25年度予算に計上しておりました設計費用を26年度に繰り越して執行する必要がございます。  なお、設計変更に伴い、経費の一部増が見込まれるところでございます。  3点目は、仮設一時保護所経費取り扱いでございます。  一時保護所拡充する工事期間につきましては、近隣に仮設の一時保護所を設置することとしており、平成26年度及び27年度設置経費につきまして、25年度3定補正で議決を受けたところでございます。このたびの方針変更に伴い、先ほどご説明したとおり、一時保護所工事期間、つまり仮設一時保護所設置期間変更となりますので、26年度予算におきまして債務負担行為期間を再度設定する必要が生じてございます。  次に、2枚目をお開きください。  3 今後、検討を要する事項でございます。  方針変更に伴い、引き続き検討を要する事項は、主に次の2点でございます。  1点目は、児童福祉総合センター工事中の対応でございます。  平成27年度は、児童福祉総合センターの3階と4階を一時保護所発達医療センターで使用できるよう改修し、あわせて、築20年になる建物全体の外壁補修、設備の更新等保全工事を行います。このため、27年度の1年間については、児童福祉総合センターでは発達医療センター訓練実施することができません。児童福祉総合センター訓練実施するのは28年4月からとなります。この1年間は、平岸複合施設のみでの体制となり、平岸に通えない利用者方々のため、暫定的ではありますが、この対応策が必要となります。  また、平成28年度以降の訓練体制検討でございます。  複数箇所訓練実施するわけでございますが、これに向けて、カルテなどの情報共有、各施設における診療体制引き継ぎ方法等検討し、利用者方々に安心していただける新体制への準備を進めていく必要がございます。これらの検討につきましては、当然のことながら、利用者のご意見、ご要望を丁寧にお聞きしながら進めていきたいと考えてございます。  最後に、4 今後のスケジュールでございます。  発達医療センターにつきましては、今ご説明しましたとおり、平成26年度末までは現在の場所実施し、27年4月に平岸複合施設移転改修工事を経まして、28年4月には児童福祉総合センターでも訓練実施できる体制といたします。  なお、障がい児者複合施設全体に係る報告につきましては、あすの厚生委員会で行われることとなってございます。 ○井上ひさ子 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆佐々木みつこ 委員  まず、発達医療センターの障がい児者複合施設への移転に関しては、全ての利用者により多くの訓練機会を提供できる、サービスアップを図る体制整備するということについて、意義あるものと考えていることを申し伝えます。また、今回の移転に関して、平岸複合施設以外の訓練場所をみかほ整肢園から現在の児童福祉総合センターとしたこと、また、より多くの訓練を受けられる体制を整えるように変更したことについても、障がいを抱える子ども保護者思いを考えるとまずは一定の評価ができるものだとは考えます。  しかし、今回、この方針に至るまでの移転事業進め方について問題があったのではないかということで質問させていただきたいと思います。  そもそも、障がい児者医療福祉複合施設については、医療保健福祉、教育が一体となって早期発見早期治療支援体制のために総合センター計画をつくったということでございます。机上の案としてはすばらしい案でありますけれども、実際にそこにいる利用者職員方々考え方などの現状が反映されていない計画だったのではないかと危惧したところでございます。  発達医療センターが現在の児童福祉総合センターから平岸複合施設移転することを決定した際には、現在の北7条西26丁目からは8キロも離れることになりますし、通院困難者が発生することは容易に想定できたと考えられます。こういった大きな変更に対しては、複合施設計画の際に考えられるリスク分析をすべきであったこと、また、計画が決まってからは、利用者も限定していますから、当初から利用者職員、働く方々の声を聞くことができたわけであり、もう少し早くから丁寧にやることができたのではないかと考えます。それであれば現在の方針ももう少し早目に出たのではないかと、返す返すも本当に悔しい思いでございます。もし、現在の方針を初めから打ち出していれば、利用者方々には余計な心配をかけることもございませんでしたし、また、発達医療センター機能児童福祉総合センターに残すことに伴う設計費用の増、イコール市民負担の増といった影響も避けられたのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、発達医療センター通院困難者対策として、初めから今回の方針で臨むことはできなかったのかどうか、お伺いします。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  発達医療センター移転事業進め方の中で、初めから今回の方針をとることはできなかったかというご質問でございます。  平成23年度に実施いたしました平岸施設統合化に係る説明会では、主に学校に通う子どもへの対応につきまして強い要望がございまして、3時以降の時間帯を活用できるみかほ整肢園での訓練実施検討したところでございます。その後、医師退職表明のため、統合予定でございました児童心療センターの存続が危ぶまれた時期があったことなどにより、通院困難者対策につきまして早期説明することが難しかった面もございますが、より適切な判断のためには、可能な限り早い段階から利用者のご意見、ご要望を丁寧にお聞きし、その都度、反映させながら検討を進める必要があったと大変反省しているところでございます。  このたびの方針変更によりまして設計費用の増が生じることとなりましたが、多くのご意見を反映し、障がいのある子どもやご家族へのサービスアップを図ることとしたものでございます。これから詳細を検討していくに当たりましても、利用者のご意見を十分に考慮しながら進めていきたいと考えてございます。 ◆佐々木みつこ 委員  利用者の声を先に聞いて早期にということですので、今後についてはぜひそのようにお願いしたいと思います。  そもそも、親計画というのでしょうか、障がい児者医療福祉複合施設児童心療センター計画進め方想定外の事象が起きて今回の発達医療センターにも影響が出たということでございます。今回、私ども文教委員会発達医療センターについて先に審議して、あす、厚生委員会保健福祉局所管の親計画審議を行うということでございます。しかし、やはり、親計画移転経緯がどうであったのか、それを受けて子計画である発達医療センターについて審議するのが本来的な流れではないかと思います。または一緒に審議をしてもいいのではないかと思ったりしますが、私は、審議の深さとしても、効率性としても、順序のあり方について少し検討する必要があるのではないかと思います。  こういったことについて、局長にお伺いしたいと思います。 ◎大谷内 子ども未来局長  この説明会進め方については、ご意見として伺って、きょう、あすで進めさせていただきたいと思います。  全体のあり方について、本来の進め方がどうあるべきであったかということは、今、難波児童福祉総合センター所長から説明させていただいたとおり、本来的には、市民皆様利用者皆様からより丁寧にご意見をお聞きして、児童心療センターの内部でどのような診療を受けたいかという希望を含めて丁寧に進めるべきであったというふうに考えているところでございます。  そこで、今後の話としてお話しすることしかできませんけれども、今回の変更に当たっても全体計画を全て決めてしまったという段階にございませんので、繰り返しになりますが、丁寧に意見を伺い、児童心療センターで、再度、総合的に、複合の障がいを持っておられる方たち診療あり方についてどうあるべきかということを検討しながら、利用者皆様意見を反映するなど、今後に向けて努力していきたいと思います。 ◆三宅由美 委員  発達医療センターは、脳性麻痺などの先天的な病気などによって、お座りができないとか、筋肉の力が弱い、運動障がいがあるなど、主に肢体不自由の子どもを対象として診療訓練を行う医療機関です。これらの障がいがある子どもは、早い時期から継続的に訓練を行うことで、運動機能改善だけではなく、障がいがあるための育ちにくさの軽減が図られることとなっております。このことを考えると、発達医療センター存在意義は大変大きいものであると考えているところです。この発達医療センター移転に際し、利用者意見を踏まえて計画見直しを行ったとのことです。  そこで、お伺いしたいことは、利用者の声はどのようなものがあり、それらの意見をもとに計画をどのように改善したのか、お伺いいたします。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  利用者の声と計画変更についてでございます。  平成25年7月以降に実施いたしました説明会では、平岸への移転賛成する声もあった一方で、訓練体制につきまして大きく二つの意見を得たところでございます。一つは、みかほ整肢園での訓練実施は、通院困難者対策としては不十分であるとの意見でございます。理由といたしましては、実施時間帯が3時以降に限られることから、就学前の子どもが通いづらいこと、西方面利用者にとっては平岸よりも便利とは言えないことなどが挙げられます。もう一つは、訓練回数増への要望でございます。子ども発達を促すため、より多くの訓練を受けたいという希望であるとか、訓練回数が限られているため、学校遅刻や早退しなければ訓練を受けられない状況を改善してほしいという声が多く寄せられたところでございます。  札幌市といたしましては、児童に係る医療統合を目指した本計画理念は適切なものであったと認識してございますが、これらの意見を踏まえ、平岸複合施設のほかに設ける訓練実施場所児童福祉総合センターとして、また、職員を増員して、訓練回数をふやすことにより、身近な場所において全ての利用者により多くの訓練機会を提供できるようなサービスアップを図りたいとしたものでございます。 ◆三宅由美 委員  子ども最善利益を追求する子ども未来局がこのように利用者の声を反映しながら計画見直しを行ったことは、やはり、評価すべきことと考えております。また、平岸移転賛成の方もいらしたということですが、南区の人たちなどは本当に大変な思いをして通っていましたので、当然、賛成の声もあると思います。大きな札幌市ですから、子どもが通学しながら医療行為などを受けるにはやはり2カ所体制が必要だなと思っていたところです。  問題は、平成27年度に実施される児童福祉総合センター工事期間中の対応についてです。児童福祉総合センター工事期間中は、発達医療センターは豊平区の平岸複合施設業務を行うこととなります。そのため、この期間中は、発達医療センター移転に伴い、通院困難となる方がいらっしゃると思うのですが、同期間通院困難となる方への対策についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  工事期間中の通院困難者への対応についてでございます。  工事期間の1年間につきましては、利用者皆様にご迷惑をおかけすることになると思われますが、できる限り訓練機会確保することが必要と認識しております。利用者一人一人のご事情、ご要望をお聞きしながら、例えば他の医療機関の紹介や訪問リハビリ活用など、何らかの通院困難者対策検討してまいりたいと考えてございます。 ◆三宅由美 委員  ぜひ、利用者の声を反映していただきたいと思います。  次に、児童福祉総合センターの中に発達医療センター機能の一部を残すことによる一時保護所拡充計画への影響についてお伺いいたします。  一時保護所拡充は、定員を36人から50人にすると同時に、個室、学習スペース確保児童1人当たり床面積の拡大などを目的に、児童福祉総合センター2階の一部、3階、4階を一時保護所として改修する計画であったと聞いておりました。理事者説明では、この改修部分の一部を発達医療センター訓練実施場所として整備するとのことですが、このことにより一時保護所拡充が不十分となることはないのか、お伺いいたします。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  一時保護所拡充計画への影響についてでございます。  当初、一時保護所として活用しようとしていたスペースにつきましては、児童の生活に直接影響を与えないよう、面接室規模を見直すなどの工夫によりまして、発達医療センター訓練場所活用するスペースとして生み出せるというふうに考えてございます。したがいまして、発達医療センター機能を残した場合でも、児童の部屋につきましては、国で定めた児童1人当たり面積基準を満たした上で定員を36人から50人に拡充すること、また、学習室整備などの環境改善につきましても実現できるというふうに考えてございます。 ◆三宅由美 委員  一時保護所は大変狭いということで問題になっておりましたので、ぜひ、この辺の拡充をしっかり行っていただきたいと思います。  市政を進める上で、市民の声を大切にすることは当然だと考えております。確かに、一時保護所拡充に関して1年間ずれ込むなどの影響はあり、また、設計費用がかさむものの、今回の方針変更は、市民意見を十分に聞き、将来にわたって障がいを抱える子どもたちがより訓練を受けやすい体制整備したということは本当に評価できることだと思っております。児童福祉総合センター工事期間中の対応についても、今後、利用者意見を十分に聞きながら対応していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆涌井国夫 委員  段々のお話を聞いておりまして、私も、当初、平成21年からの札幌市の方針だと伺っておりますが、平岸複合施設に集中的に統合することについては、利用する市民の側から考えると一考するべきところがあったのではないかと率直に思います。確かに、理念は大変高いものと感じております。ただ、普通であれば、時間をかけて医師や関連するさまざまな専門職人たち考え方を十分に酌み取るべきところを、それができなかったことによって一連のさまざまな問題が起きてきたのだろうというふうに思っているところでございます。さまざまな方たちの知見をもって理念をつくっていくのは当然でありますが、あくまでも市民のための施設ということで、そこに通う――血の通ったと言うと語弊がありますけれども、利用する側の意見や声をしっかり酌み取ってつくっていかないと、理念だけでは絶対に成り立たないというふうに思うのですね。ある意味では、1カ所で集中的、効率的にやれば、大変に多様化しているさまざまな困難な課題も一発で解決できる、構築できるのだという思いはあるのかもしれません。ただ、利用者側からすれば、これだけ広い札幌ですので、きちんと複数に配置するようなことも大変大事なことで、今回の変更についてはやむを得ない、当然だ、遅過ぎるというような感じを持っております。  そこで、平成27年度の暫定的な通院困難者対策について、具体的な手法はどんなふうに考えられているのか。今、考えていらっしゃることで、こんなこともというようなところでも結構ですので、お聞かせいただければありがたいと思います。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  委員のご指摘にございましたように、当初の時点から利用者の声を聞きながら進めるべきであったと思って、改めて反省しております。  工事期間中の対応につきまして、現在、具体的にどのようなことをということですが、先ほど三宅委員質問にお答えしたところですが、訓練士がご自宅に出向いて行う訪問リハビリというサービスを市内の医療機関でやっておりまして、今現在も利用されている方がいらっしゃいますけれども、そういったさまざまなサービス活用や、また、ほかにも何かできないか、今回のことを踏まえて利用者と相談して進めさせていただきたいと思っております。 ◆涌井国夫 委員  利用者の側に立ち、その意を酌んで十分な対応を進めていただきたいというふうに思います。特に、こういった子どもは、訓練士とワンウエーではなく、ツーウエーでの信頼関係があって、あの訓練士でなければだめだというようにある意味では強い思いを抱く方も大変多いので、1年間だけやむを得ないということでご理解いただきながら上手に対応していくしかない、こんなふうに思っております。  最後に、1点、あした審議するのでしょうけれども、平岸複合施設について、平成27年4月からスタートというのは遺漏なく進められるのかどうか。スタッフや医師がいないとできないわけですから、複合施設は27年度から順調にスタートするのか、大丈夫かどうかだけをしっかりお話しいただければ、私からの質疑を終わります。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  平成27年度に平岸複合施設全体がスタートするよう、順調に遺漏なく進めなければならないという委員からのご指摘でございます。  この点につきましては、私どもは、このたび変更見直しをしましたが、先ほどのご答弁の中でもお話しさせていただきましたように、計画自体については、趣旨的に適切なものであったと考えておりますので、これを教訓にいたしまして、ぜひとも平成27年度のスタートに向けて進めたいと思っております。 ◆涌井国夫 委員  わかりました。  平岸複合施設については、課題といいますか、ここに至るまでにさまざまなことを乗り越えながら来ましたので、ぜひともその辺を十分に含めて――一つだけお願いしたいのは、複合施設の総合的な責任者、所長なのか、施設長なのかわかりませんけれども、その顔というか、一体、誰が責任を持って全てに取り組んでいくのか。大谷内局長なのか誰なのかわかりませんが、顔が見えるように、そして、実行力のある、非常に高潔な理念を持っている方が施設の管理者としてしっかりとした取り組みをしなければいけないと思います。前の議論で、施設の管理者が1週間に1回しか来られないだとか、それでいいだとか、どうして職員の声が聞こえないのだとか、意思の疎通ができなかったとかありましたけれども、そういうことがないように、高い理念を持っている人が中心軸となって、こういった理念複合施設を運営していくのだということを今年度中につくらないと、また寄せ集めではないかというふうに指摘されかねません。そういうことにならないように、どうか、その辺はしっかり決意して取り組んでいただきたいと思います。 ◆小倉菜穂子 委員  発達医療センターのこれからの移転に際しまして、昨年7月に説明会があり、私も参加しましたが、通園が困難になるたくさんの利用者の声がありました。その時点では、平岸複合施設のほかに、今お話しの東区のみかほ整肢園訓練実施すると利用者説明していましたが、さらに今回、訓練場所児童福祉総合センターに残すことになったという説明があったところです。現在の場所へ残すことについては、説明会の際にもたくさんの方から強いご希望がありまして、私としても、この点は一安心といいますか、ほっとしているところです。一方、児童福祉総合センターにおいては、今後、一時保護所拡充計画されておりまして、例えば療育に使える場所の広さなどを初めとして、訓練診療などを安心して十分に受けられるのかどうかというところが気になっております。  そこでまず、平成28年度以降になりますが、児童福祉総合センターに残った発達医療センターでの診療内容訓練内容についてはどのようになるのか、伺いたいと思います。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  児童福祉総合センターにおける平成28年度以降の診療内容につきましては、これから詳細を検討するところですが、訓練は、現在と同様、理学療法、作業療法、言語療法を実施する予定でございます。ただし、検査機器の関係がございまして、医学的な検査は原則として平岸複合施設での対応となる予定でございます。 ◆小倉菜穂子 委員  検査の部分は、お子さんによって違うと思いますが、何カ月かに一遍、平岸に行くようなことになるけれども、それ以外は大丈夫と受けとめてよろしいでしょうか。  先ほど来、担当職員の増員も計画されているといったお話がありました。子どものリハビリに求められている専門性は大人の場合とまた違うと思いますので、そのあたりの研修等をしっかりと行っていただいて量と質が充実した場となるように取り組んでいただきたいと思っています。  次に、今回、訓練場所が変わったことについては本当によかったというふうに思っていますが、当初、東区のみかほ整肢園訓練すると説明したことから、利用者の中には、みかほ整肢園訓練場所になると期待した方もおられるはずだと思っています。特に、就学しているお子さんにしてみれば、学校が終わってから、少しでも近い場所を利用できることにメリットを感じていた方もおられると思います。繰り返しますけれども、現在の場所が利用できるようになったこと自体は本当によかったなと思っていますが、一方で、みかほ整肢園に期待した方に、また変更か、また変わるのかという思いをしていただきたくないのも私の実感です。  そこで、質問ですが、訓練場所として、平岸複合施設のほかに、児童福祉総合センターだけでなく、当初案も生かしてみかほ整肢園でも実施することはできないのか、伺いたいと思います。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  みかほ整肢園において訓練実施できないかということでございます。  みかほ整肢園訓練実施する場合に、訓練する職員平岸複合施設からみかほ整肢園に移動する必要が生じるため、全体の量という観点からいたしますと移動時間帯の訓練機会が減少してしまうことになってまいります。障がいのある子どもとそのご家族にとりましては、できるだけ身近な場所訓練できることが望ましいことは私どもも十分に認識しているところでございますが、医師訓練する職員体制、あるいは、訓練全体の量等を鑑みますと、平岸複合施設児童福祉総合センターの2カ所において充実した十分な医療訓練を提供してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆小倉菜穂子 委員  2カ所で十分な訓練をしていくということで、そこをしっかりやっていただきたいなと思います。  今、そうしたことも含めて、みかほ整肢園での訓練実施は難しいと判断された理由について伺いました。昨年、みかほ整肢園実施するとした際にも、実施することの有効性はその場でもきちんと説明されておりました。特に、北区、東区方面の方の中には期待を持った方がおられるだろうと思って、そうした方にとっては非常に残念な気持ちになるのではないかなということを気にかけておりますので、そのあたりをしっかりと酌み取っていただきたいなと思っています。  そこで、みかほ整肢園での訓練に期待された方々に対して、今後どのような説明をするのか、伺います。  あわせて、最後になりますけれども、利用者にはこうした施設はできるだけ通いやすいところにあることが望ましく、また、この間、利用者から寄せられたたくさんの意見の中にも、各区全てでなくても身近に訓練できる場所と時間の枠をつくってほしいとの声がありました。これは、恐らく、今回、そうした皆さんの声を聞く機会があったので出てきたのだと思うのですけれども、これまでも常々感じておられたことではないかなと思っています。  そのときの市の回答として、市としても、身近な地域でどのように療育体制整備していくかについては、今後検討しなければならない課題として受けとめているとしております。複合施設における機能の集約というだけで療育の体制が整うわけではないというふうに思うので、療育訓練を継続するためには身近な場所確保は本当に重要と考えています。  そこで、身近な地域における療育体制整備について、私は、さらに今後も引き続き検討していくべきというふうに考えますが、市の認識を伺って、私の質問を終わりたいと思います。 ◎難波 児童福祉総合センター所長  まず、みかほ整肢園に期待を持った利用者への説明はどうするかということでございます。  みかほ整肢園訓練実施するということに対して期待された方々に対しては、このたびの方針変更につきまして、大変混乱を招いたということで、申しわけなく考えてございます。札幌市といたしましては、より多くの利用者訓練機会を提供できるよう、サービスアップを図ることを目的といたしまして、今回、北方面にお住まいの多くの方々が通うことのできる場所でございます児童福祉総合センター実施することとしたものでございます。こういったことを利用者に十分に丁寧に説明してご理解をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  また、委員からご指摘のございました身近な地域における療育体制整備につきましては、札幌市としても、利用者のご意見をお聞きしながら、引き続き検討していかなければならない課題であると認識してございます。 ○井上ひさ子 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○井上ひさ子 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前10時48分...