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平成26年経済雇用対策・新幹線等調査特別委員会−01月22日-記録

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  1. 札幌市議会 2014-01-22
    平成26年経済雇用対策・新幹線等調査特別委員会−01月22日-記録


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    平成26年経済雇用対策新幹線等調査特別委員会−01月22日-記録平成26年経済雇用対策新幹線等調査特別委員会  札幌市議会経済雇用対策新幹線等調査特別委員会記録            平成26年1月22日(水曜日)       ────────────────────────       開 会 午前10時1分 ○芦原進 委員長  ただいまから、経済雇用対策新幹線等調査特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、村山委員からは欠席する旨、また、こじま委員、猪熊委員からは遅参する旨の連絡がございました。  それでは、議事に入ります。  札幌市観光まちづくりプラン(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者より説明を受けます。 ◎可児 観光文化局長  本日は、現在策定中の札幌市観光まちづくりプランにつきましてご説明させていただきたいと思います。  この観光まちづくりプランにつきましては、昨年10月に策定された札幌市の新たな総合計画である札幌市まちづくり戦略ビジョンの観光分野の個別計画という位置づけを持つものでございます。また、平成23年1月に策定した札幌市の経済施策の方向性が示されている札幌市産業振興ビジョンの観光分野でのアクションプランとしての性格を有するものでもございます。このたび、新たなプランを策定するに当たり、庁内議論を経ましてパブリックコメントとして提出する案ができ上がりましたので、この調査特別委員会におきまして事前にご報告させていただきたいと思うものでございます。  それでは、内容につきまして、観光コンベンション部長よりご説明させていただきたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  それでは、私から、お手元の資料に沿って、観光まちづくりプランの内容についてご説明させていただきます。  資料につきましては、A3判2枚物の資料1と書かれた概要版とA4判の本書、資料2を配付しておりますけれども、基本的には概要版でご説明させていただきますので、適宜、本書と見比べながらお聞き願いたいと思います。  資料1−1【概要版】札幌市観光まちづくりプランマスタープラン編>(平成25年度〜34年度)ですが、このプランは、マスタープラン編アクションプラン編の2部構成になっておりまして、ここでは、マスタープラン編ということで第1章から第4章まで、本編では44ページまでの内容を記載してございます。  まず、左上の第1章 観光まちづくりプランの策定に当たってですが、本書では7ページでございます。  人口減少、少子高齢化、経済の低成長、さらには、インターネットによる個人手配旅行の増加、旅行目的の多様化、LCCや北海道新幹線といった新たな来訪手段の登場など、観光を取り巻く時代、環境の変化ということで、今回はこういうものに対応するために札幌市の観光まちづくりプランを策定したところでございます。  ちなみに、こういった観光の総合計画につきましては、板垣市政の時代ですが、平成2年6月の札幌市観光基本計画のとき以来でございます。  四角のくくりにある今回のプランに関する基本的事項でございますけれども、本書の8ページに書いてございますが、これは、まちづくり戦略ビジョン産業振興ビジョンの部門別計画であること、国際戦略プランシティプロモート戦略の考え方を反映したものであること、それから、先ほども言いましたとおり、マスタープラン編アクションプラン編の2部で構成されていること、また、今回の計画期間につきましては10年間ということで平成25年度から34年度となっております。さらに、この具体的な戦略の中身であるアクションプラン編につきましては、前期と後期に分けておりまして、本書では前期5年間の取り組みを提示させていただいております。それから、PDCAサイクルにより、毎年度、見直しを行う情勢適応型の計画となっております。  これは、本書9ページの6のプランの点検・見直しを見ていただきたいのですが、ある意味ではこのプランの特徴的なところ、目玉となるべきところでございます。図にもありますとおり、観光を取り巻く環境といいますか、社会経済情勢は日々刻々と常に変化しております。厳しい都市間競争の中で、札幌が観光客にとって魅力的なまちであり続けるためには、こういった時代の変化に的確に対応して弾力的かつ機動的に展開していくプランであることが必要です。そういう意味で、今回は情勢適応型のプランということで、基本的に当プランの統計データやその分析は、毎年度、更新します。それから、数値目標、さらには基本方針も、必要に応じて、適宜、見直しを行っていきます。また、アクションプラン編におきましては、PDCAサイクルを導入して、原則、毎年度、点検、評価を実施し、時流に沿った新たな取り組みを追加、補強し、削れるものは削除していくような進捗管理を徹底していくことにしております。ですから、つくりっ放しではない、どんどん成長、進化させていくプランであるというのが今回のプランの特徴でございます。
     次に、第2章 現状分析でございます。  これは、本書の10ページから15ページに、統計データを踏まえ、いろいろな数字で現状分析が示されております。そして、現状分析を踏まえた今後の展開ということで、現状と課題についてここに7点ほど載せております。  一つは、観光客の入り込み数です。本書の16ページから17ページでございますが、ここでは、道内循環を高めることはもちろんのこと、海外を含めた道外観光客の誘致の取り組みや閑散期の集客対策が必要ということを課題として挙げております。  それから、外国人の宿泊者につきましては、本書の18ページからになりますが、東アジア圏からの観光客の増加やリピーター対策に取り組むことに加え、昨今は東南アジア圏を有望市場としておりまして、そこからの誘致強化を図ることが必要であるとしております。  それから、MICEにつきましては、20ページでございますが、高い経済効果、安定した通年需要、世界に向けたPRなど、MICE自体にさまざまな効果が期待できますので、今後は積極的な推進策の展開を必要としております。  次に、観光イベントにつきましては、本書の21ページですが、イベントの集客力を高めるためにはマーケティングや新たな魅力創造、認知度を高めるためのプロモートが必要です。特に、首都圏を含め、三大都市圏において人口の6割以上を占めていることから、そういったところを中心にしたプロモートが必要だというふうに考えております。  それから、交通環境につきましては、23ページからになりますが、直行の航空便の就航が効果的であること、あわせて、道内周遊を促進するためにもバスやレンタカーなどの2次交通の充実が必要となってまいります。  それから、経済効果につきましては、25ページからですが、これをさらに高めるために、札幌にいらっしゃる観光客数を増加させるとともに、宿泊日数の延長や付加価値の向上といった1人当たりの観光消費額を高めるような取り組みが必要だろうということでございます。  最後に、観光客評価につきましては、27ページからになりますけれども、来札観光客の感想、評価を、満足から感動に変えて、ぜひ、再び札幌に来たいという評価を多く得ることが必要というふうに考えております。  次に、真ん中の第3章 観光まちづくりの目指す姿につきましては、本書の29ページからになります。  このプランが目指す目標像としましては、地域の魅力あふれるまちづくりと観光振興の一体的推進ということで、創造都市にふさわしい観光まちづくりの実現、これが目標像でございます。この目標像を達成するためには、ここに書いてある三つのステップの循環が必要でございます。基本的には、真ん中の産民学官が連携し、観光、まちづくりのそれぞれの担い手が有機的に機能していく、そのためには、地域の特性を生かした魅力の創造、市民が都市観光をみずから楽しみ育てる環境づくり観光関連産業の持続的成長を支える担い手づくり、こういった三つのステップの循環が必要となってまいります。  そこで、この目標像の実現に向けた基本的考え方につきましては、30ページからになりますが、市民は楽しんでいながら観光客に伝わっていないものが多いことから、私どもとしては、札幌版のニューツーリズムを展開する必要があると考えました。新しい観光イメージを普及させるための具体的取り組みということで、これまでの定番観光ではなくて、札幌らしい新たな観光資源、新たな観光スポット、そういうものを創出してこういったさっぽろツーリズムを展開していくと。札幌ならではの魅力を生かした観光コンテンツを総称するものとしてさっぽろツーリズムと表現して、いわば札幌スタイルの観光版としてやっていきたいということでございます。その流れとして、ここに図示しておりますけれども、札幌の魅力を市民が楽しんで、それを市民がブログ、ツイッター、フェイスブック、LINE等で発信していき、来訪者がまたそれを楽しむ、ふだん、市民が楽しんでいるものを観光客にも提供していく、魅力再発見といったものを観光客にも提供していくということでございます。  そして、その目標像の実現に向けた数値目標は、34ページに掲出してございます。  観光客の入り込み数としましては1,500万人ということで、10年間で200万人、国内からは110万人、海外からは90万人の増加を目指しております。それから、観光消費額につきましては4,700億円ということで、消費単価10%の向上、平均滞在日数0.5日の延長を目指しております。それから、「ぜひ、また来たい」という評価を45%から66%にと。現在、「また来たい」と答えている人は42%ですので、その半分の21%を「ぜひ、また来たい」のほうにシフトして、45%と21%を足して66%、3人に2人を「ぜひ、また来たい」という数値にしたいと思っております。  それから、右の35ページに行きまして、第4章 観光まちづくりの基本方針でございます。  ここでは、SWOT分析によりまして札幌の強み、弱みを網羅した課題等を整理しておりまして、四つの基本方針を36ページの総括表に明示してございます。  その基本方針と施策の方向性でございますが、まず一つは、札幌らしい都市文化やライフスタイルの魅力を生かした観光の創造です。これは37ページから38ページでございますが、その中の施策の方向性として八つの黒ポツがございます。特に重要視しているのは、指のマークで示されたところでございますけれども、一つは、ソーシャルメディア等を活用した市民による札幌の魅力発信の取り組みを広げること、それから、開拓期の文化財などを活用してまちづくりの物語を伝える歴史文化観光を創出する、飛びまして、円山、藻岩、モエレ、歴史的構造物などにつきまして、観光資源としての魅力を高めるため、観光の視点を取り入れた地域マネジメントを行うこと、そして、都心アクセス道路の機能強化や北海道新幹線早期札幌延伸、それから新千歳空港の就航便の誘致など、札幌へのアクセス環境の向上を目指すとしております。  それから、基本方針の二つ目でございますけれども、受入サービスおもてなしの向上と着地型観光事業者の育成ということで、ここでは六つの黒ポツで施策の方向性を示してございます。特に、二つ目の富裕層の観光ニーズに対応するために、宿泊施設の充実等に対する民間投資を支援すること、それから、ムスリム対応など配慮が必要な外国人観光客受け入れ環境の向上を進めること、飛びまして、札幌国際プラザを中心としたMICE誘致受け入れの体制を強化する、こういった点でございます。  それから、三つ目でございますが、来訪者の滞在・周遊・再訪を促進する情報提供機能の強化ということで、これは三つの黒ポツがございます。特に、真ん中の案内標識や観光マップ等の多言語表示や無線通信環境の充実に取り組みますということで、最近言われておりますWi−Fi設備の充実といった視点でございます。  それから、四つ目としまして、札幌・北海道の魅力を生かし、共に未来を創造していくプロモーションの展開ということで、ここでは五つの黒ポツがございます。まず一つは、北海道の発展なくして札幌の発展はないとの考え方のもと、道内他市町村と連携を深めながら札幌・北海道の観光の魅力を発信していくこと、それから、先ほど言いましたが、さっぽろツーリズムの普及推進でございます。それから、海外向けのプロモーション活動や国内外のホテルとの連携強化、あるいは、アフターオリンピックの誘致など、海外観光客の誘致活動に取り組むこと、そして、道内市町村との連携のもと、さまざまなツーリズムを提案する周遊キャンペーンの実施や、各種体験プログラムを活用した修学旅行の誘致などを積極的に展開するということで、これら四つの基本方針と施策の方向性についてご紹介いたしました。  次に、2枚目に移りまして、本編では45ページからになりますが、5章から7章はアクションプラン編でございます。これは、前期5年間で特に重点的に推進していく具体的な取り組みでございます。  まず、第5章 重点施策でございますが、47ページからでございます。  重点施策の1としては、観光イベント魅力アップということで、ここでの取り組み内容は4点ございます。  一つは、雪まつりの魅力アップということで、アート性を持たせる取り組み、他会場の魅力アップ、効果的な開催期間の検討ですが、例えば、つどーむ会場の時期を分けるとか、中華圏の旧正月に合わせるような検討がございます。それから、オータムフェスト魅力アップについては、会場の広がりを持たせてまち全体ににぎわいを創出するということで、次回からは西10丁目、11丁目のほうにも会場を拡大したいというふうに思っております。それから、首都圏におけるプロモーション活動の積極的展開は、認知度が低いので、こういったPR、周知を徹底するということでございます。それから、札幌広域観光圏の周遊促進ということで、特に長期滞在促進を目的としたモニター制度の実施です。昨今は、釧路など道東のほうで避暑、休養を兼ねたような長期滞在がふえておりますので、札幌市も今後はそうしたことを目指していくということでございます。それから、国際的な文化・スポーツイベントを契機とした観光客誘致ということで、2017年の冬季アジア大会等を契機とした冬期間のスポーツツーリズムの推進、あるいは、東京オリンピックや、ことし開催されます国際芸術祭を契機とした誘客促進に努めてまいりたいと思っております。  その成果指標でございますが、48ページにございますとおり、まず、雪まつりの観客数は、平成24年の237万人から5年後には300万人にしたい、それから、オータムフェストの道外認知度も、現在は7.6%ですが、これを20%まで高める、それから、主要イベントの観客数は、現行の918万人から1,000万人にするということでございます。  次に、重点施策の2は、集客交流拠点魅力アップということで、本書の50ページからになります。  取り組み内容としましては、定山渓地区の魅力アップということで、現在、平成26年度中の策定を目指して定山渓の魅力アップ構想の策定にかかっております。それから、周辺観光資源との連携につきましては、例えば八剣山、豊平峡等、地域との連携を図っていく、それから、首都圏に向けたPRなどもやっていきたいと思っております。そして、夜のさっぽろの魅力アップというのは、札幌観光というのは薄野を中心にした夜ということがございますので、そこで魅力的なソフト事業を検討してまいります。それから、新たなエンターテインメント空間づくりの検討ということで、薄野ゼロ番地をブロードウェイ化するなど、そういったことも検討していきたいと思っております。それから、観光都市にふさわしい都心のまちづくりということで、これはハード面からのアプローチでございますが、既存の観光資源を生かした都市空間の形成、地下歩行空間ネットワークによる回遊性の向上といったものを目指しております。それから、さまざまな観光資源の魅力アップでは、都心、円山、藻岩、モエレなどさまざまなエリアの魅力を活用した観光商品の開発とか、再開発事業時には民間投資を誘発したいということで、ここでは外資の導入も考えております。それから、歴史、文化などをテーマとした新たな観光コンテンツの創出、あるいは、集客交流施設の耐震化等に対する支援の検討といったものを念頭に考えております。  ここでの成果指標でございますけれども、50ページに書いておりますとおり、観光客の平均滞在日数を現行の3.5日から4日にしたい、定山渓温泉の宿泊客数を現行の119万人から130万人に増加させる、それから、滞在中のおもてなし満足度も90%に高めたいというふうに考えております。  次に、重点施策の3でございますけれども、MICE誘致の推進ということで、本書の52ページからになります。  取り組み内容としましては、MICE誘致基盤づくりとしまして、新たなMICEの総合戦略の策定、民間活力を活用したMICE施設のあり方の検討、そして、札幌国際プラザMICE誘致推進体制の強化といったものを念頭に考えております。それから、MICE誘致を加速させる取り組みとしましては、ユニークベニューやチームビルディングのコンテンツの開発もございますが、インセンティブツアー誘致サポート制度の創設といったものを考えております。それから、海外ネットワークや大学連携を活用した取り組みとして、国際プラザネットワークを活用した共同誘致プロモーションの実施、大田のマーケティング公社やタイのTCEBといったところとの連携がそれぞれございますので、そういったネットワークを活用してまいりたいと考えております。  この成果指標につきましては、52ページにございますとおり、国際会議の開催件数を100件に高めたい、それから、インセンティブツアーの誘致・支援件数も50件まで高めたいと考えております。  最後に、重点施策の4でございますけれども、インバウンド誘致の推進についてでございます。  取り組み内容としましては、外国人受け入れ環境の整備ということで、特に、コールセンター外国人対応体制の強化、無料公衆無線LAN環境の充実、ムスリム対応の促進、外国人富裕層のニーズに対応するような民間設備投資への支援策の検討などを考えております。さらに、有望市場の誘致強化としましては、閑散期の誘客促進などを目的として、タイ、インドネシアシンガポールといった東南アジア諸国の有望市場をターゲットにいろいろなプロモーションなどを展開していきたいと思っております。また、観光アプリ観光ホームページも、今、タイの人が非常に札幌に来ておりますので、タイ語対応を図っていく予定でございます。それから、インバウンド誘致を加速させる取り組みとしましては、国際交流員によるダイレクトマーケティングということで、来年度はシンガポール人国際交流員として招いてそういった仕事をやらせたいと。それから、北海道と連携した国際定期便就航誘致の促進ということで、タイは直行便が昨年10月からデイリーで飛んでおりますが、今後はシンガポールのLCCのスクートやインドネシアのガルーダ、この辺を念頭に誘致促進に努めたいと考えております。  その成果指標でございますけれども、54ページにございますとおり、外国人の宿泊者数につきましては、平成24年度が過去最高の68万人でございましたが、これを5年後には115万人まで高めたいと思っております。それから、東南アジアからの宿泊者数も現行の8万人から20万人、そして、外国人観光客の満足度も90%まで高めたいと考えております。  次に、左下の第6章の個別事業でございますが、ここは、第4章で示した四つの基本方針ごとに個別事業を各所管別に明示したものでございます。  一つ目の札幌らしい都市文化やライフスタイルの魅力を生かした観光の創造としましては、雪まつり魅力アップ事業藻岩山魅力アップ事業、さらにはスポーツツーリズム推進事業など、再掲を入れて54事業が掲載されております。二つ目の受入サービスおもてなしの向上と着地型観光事業者の育成につきましては、例えば、おもてなし推進レベルアップ事業外国人観光客受入環境整備事業など27事業です。三つ目の来訪者の滞在・周遊・再訪を促進する情報提供機能の強化につきましては、ICTを活用した札幌まちめぐり事業、さっぽろオータムフェスト事業など26事業を記載しております。そして、四つ目の札幌・北海道の魅力を生かし、共に未来を創造していくプロモーションの展開につきましては、さっぽろツーリズム推進事業有望市場誘致強化事業MICE誘致強化事業など30事業です。ここでは、個別事業としまして、今回、再掲を入れて延べ137事業を掲示したところでございます。  最後に、右端の第7章の観光まちづくりの展開に当たってということで、今後、観光まちづくりの実現に向け、特に踏まえるべき視点として六つの視点を出しております。  一つは、道内連携の積極的な推進ということで、先ほども言いましたが、北海道の発展なくして札幌の発展はなしという考え方のもと、近隣市町村や中核都市との連携、さらには、道内の経済循環の向上といった視点でございます。  二つ目としては、産民学官が連携して取り組む体制づくりということで、おもてなし委員会国内観光プロモーション実行委員会国際観光誘致事業実行委員会、さっぽろツーリズム推進会議のほか、NPOや大学も含めて有機的な連携が必要だという視点でございます。  三つ目としまして、海外における人的ネットワークの積極的な活用ということで、これまで、札幌市では、PMFや短編映画祭、サッポロ・シティ・ジャズ等、こういったもので築き上げた人的なつながり、人脈がございますので、こうしたものを活用して札幌の魅力を発信していきたいということでございます。  それから、四つ目としまして、ターゲットを意識した事業展開ということでございます。ファミリー層、若年層、中高年層、道内、道外、外国人といったそれぞれの観光客のニーズに合わせて、ターゲットに応じた調査、そして、それらの層に効果的な情報発信と事業展開をしていくということでございます。  五つ目としまして、札幌の観光の動態を把握するための情報の整備ということです。観光の統計というのはなかなか難しいのですが、これからは、サンプル数を多くして、極力、精度を上げて多角的な分析、検証をしていきたい、そういったことをしながら情報の整備をしていきたい、さらには、大規模イベントの経済効果といったものを中心に調べていきたいと思っております。  それから、六つ目としまして、札幌市における推進体制の強化ということで、観光まちづくりという視点は、ハードもソフトも含めて全庁的に取り組むべきものでございます。特に、MICEやインバウンドの推進は組織体制が肝要ということで、庁内関係部局と連携強化を図って組織見直しも逐次検討していきたいという視点です。  今後は、この六つの視点で観光まちづくりの展開に当たっていきたいと考えております。 ○芦原進 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  私から、ただいま説明いただきました観光まちづくりプランに書いてある内容について、3点ほど質問させていただきたいと思います。  ただいま説明された中で、私は、実に多くの部局との連携が必要であると感じました。さきに議論されている総務局国際部が策定中の国際戦略プランでも、国際観光、MICE誘致受け入れ強化が取り上げられています。また、道産品の海外輸出や物産展との連携で言えば、産業振興ビジョンを所管する経済局と切り離せない関係でもあり、実際に、4月からは、経済局に新たに国際経済戦略室を設置し、フード特区やコンテンツ特区などの取り組みを観光に生かすべく、観光コンベンション部の課長職も兼務発令されるとのことであります。国内観光の誘致では、東京事務所と一体となったプロモーションも必須でありましょう。また、昨年11月に認定されたユネスコ創造都市ネットワークとの関係でも、メディアアートを活用した観光の魅力アップが考えられており、その象徴的イベントである文化部が所管する国際芸術祭は、観光客の誘致にどうつなげるかが課題となっています。このほかにも、冬季アジア大会や東京オリンピックなどの国際イベントをどう観光に結びつけていくか、多くの観光事業者が関心を持っているところでありましょう。インフラ面についても、都市計画や都市景観を所管する都市計画部、地下歩行空間の活用や新たな北3条広場などにかかわる都心まちづくり推進室、駅前通を走ることになる路面電車担当部、直行便誘致やLCCの就航、丘珠空港の活用などは空港担当部、新幹線推進室もまさに観光と連携していくべき部局でもあります。このように数え上げれば切りがないほどの関係部局があり、行政の縦割りを超えた庁内連携が本当に機能するのかどうか、非常に不安を感じています。特に、観光事業者からすれば、どこが窓口になって全体を牽引するコントロールタワーになってくれるのかが非常にわかりづらい、私もそう思うのですが、そういう声も聞こえてきます。  そこでまず、一つ目の質問ですが、このプランを推進していくに当たっての庁内の推進体制について考え方をお聞かせください。  次に、二つ目は、MICEの推進についてであります。  日本政府観光局の集計によれば、本市での国際会議の開催件数は、2012年が61件であり、前年の73件から大きく落ち込んでいます。この厳しい状況は2013年度以降も大きく変わっていないと私は聞きました。これは、1万人を超えるような大規模MICEを誘致したくてもホテルなどの受け入れ環境がないことや、大規模展示場が会議場に接近していないため、医療機器の展示などとセットになっている医学界などは会場選定の段階で札幌を断念するケースもあると聞いています。  例えば、ライバルである福岡市などは、海を埋め立てた広大な土地にホテルと会議場、展示場を一体的に整備するとともに、福岡空港からの直結アクセスを実現し、これにより2012年には252件の国際会議の開催に成功しており、今や東京都に次ぐ全国第2位の開催件数を誇っています。展示施設の規模を検証すると、札幌では、5,000平米を超える展示施設はアクセスサッポロや札幌ドームなど会議場やホテルから離れた場所にしかなく、コンベンションセンターの大ホールでも2,600平米しかありません。一方、福岡マリンメッセは、1万平米の展示施設と会議場やホテルが隣接しており、施設面での差は明らかです。  そこで、2点目の質問ですが、MICEは、夏、冬にかかわらず通年需要が期待でき、開催後も観光でリピートする呼び水効果があるとよく言われていますが、札幌市として、このような施設面での弱点についてどのように分析し、今後どうしたいと考えているのか、お伺いいたします。  最後の3点目でございますが、札幌市民の観光とのかかわりについてであります。  今回のプランは、まちづくりプランとなっており、行政や観光業者だけでなく、市民がこれにかかわって役割を担っていくことが大事であると書いてありました。まさに、市民が観光資源についての知識を持ち、このまちのよいところを外に向かって発信していこうというプロモーションの意識を持たなければ、個人旅行客にシフトしたこれからの観光は成立しないと捉えるべきです。  しかし、実際上はどうでしょうか。私も含めてですが、市内の観光資源についても、道内観光地の情報についても、札幌市民は意外と知らないのではないかと私は思っていますし、足を運ぶ機会も少ないのではないかと感じています。雪まつりやYOSAKOIソーラン祭りに行かない人、藻岩山や羊ケ丘に行かない人、札幌の歴史や文化を語れない人はたくさんいます。こういう市民にも札幌観光の魅力を知ってもらい、発信してもらうための方法が必要と考えます。  そこで、3点目ですが、市民が北海道、札幌の魅力を知り、みずから楽しみ、それを発信していくための方策についてどうお考えか、お聞かせ願いたい。 ◎高野 観光コンベンション部長  質問は3点ございましたが、まず、このプランを推進していくための庁内の推進体制についてでございます。  委員がご指摘のとおり、観光振興にはさまざまな部局が関連しておりまして、部局間の連携が極めて重要になってくるというふうに認識しております。そこで、基本的には、観光まちづくりの観点から、数値目標を管理する観光文化局が責任を持って関係部局の調整を行いまして、庁内の推進役を担っていきたいと考えております。特に、観光分野は経済や国際的な視点を重視していく必要があることから、今後は経済局や国際部との連携をより深めてまいりたいというふうに考えております。  それから、MICE施設の弱点と今後の方針についてでございます。  MICE開催に当たっての拠点となる施設につきましては、近年、海外だけではなくて国内の他都市でも充実を図っているところでございまして、参加者の利便性を高めるために会議場、大型展示場、ホテルを一体的に整備している都市も数多くございます。現在も、仙台市や横浜市、福岡市、神戸市等では新たなMICE施設建設の具体的な計画を立てておりまして、それぞれ都市間競争に打ち勝つための積極的な取り組みを行っているところでございます。そこで、札幌市としましても、来年度から、MICE主催者のニーズや最新の動向等を踏まえましてMICE施設に関する現状と課題について分析を行うとともに、MICE施設のあり方について検討してまいりたいと考えております。  それから、札幌市民の観光とのかかわりについてでございます。  観光まちづくりを進めていく上では、札幌市民が北海道、札幌の魅力を知ることが非常に重要であると認識しております。そのために、まず、取り組むべきこととしまして、既存のイベントを市民が見たい、参加したいと思うようなイベントにしていくとか、既存の観光施設を市民みずから行きたいと思うような施設にしていくことが大事だと考えております。具体的には、これまで行ってきました雪まつりのプロジェクションマッピングや藻岩山のリニューアル整備事業などもそういった考え方に立って取り組んだものでございます。また、今後は、市民は知っているが、観光客には知られていない、眠っている観光資源を可視化していく取り組みとしまして、冒頭の説明でもお話ししましたけれども、さっぽろツーリズムを進めてまいりたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、最終的には、マスメディアやフェイスブックなどのソーシャルメディアを活用しながら、これらの魅力が多くの市民から口コミで広がっていくようにと考えているところでございます。 ◆北村光一郎 委員  ただいま3点についてお答えいただきましたが、例えばMICEについては、具体的な会場設営その他を計画しているという話は聞かれなかったので、その辺をもっと頑張っていただきたいと思います。  それから、市民広報については、やはり文化というのは学生の時代から少しずつでも教えていかなければいけないと私は思っています。その辺は5年間でできるかどうかちょっと疑問かなと思いますけれども、関係部局との取り組みをしっかり進めてこのプランを生かしていただくことをお願いしまして、私の質問を終えさせていただきます。 ◆中村たけし 委員  私からも、何点か質問させていただきたいと思います。  観光まちづくりプランでは、観光分野における札幌市の目標像として、3章に書いているように、産民学官が連携する観光まちづくりということを大きな目標にしているところです。その目標像を実現するための取り組みとして、一つには地域の特性を生かした魅力の創造、二つ目には市民が都市観光を自ら楽しみ育てる環境づくり、三つ目には観光関連産業の持続的成長を支える担い手づくりを示して、この三つをステップとして循環させていくと書いています。このようにまちづくりと観光振興を一体的に推進していこうという考え方は最近の観光行政のトレンドとなっている理念であって、ぜひ、これを着実に進めて、ここ札幌を世界に誇れる観光都市にしてほしいと思います。  先ほどの説明では、このプランにおいて目標像の達成に向けた数値目標が幾つか掲げられていて、その一番最初に年間来客数に関する数値目標があります。ここで、平成24年度、2012年度の実績は1,304万人ですが、10年後の平成34年度には1,500万人を目指すということで、10年間で200万人の観光客を増加させることになります。これまでの過去の実績では平成18年度の1,410万人が最高ですから、これを大きく上回る目標を掲げております。そして、その内訳は、34ページにあるとおり、道外客では約80万人増加させ、海外客では68万人を157万人に倍増させるということで、極めて意欲的な数値目標だというふうに捉えているところです。これを実現性の高い目標にしていくためには、その裏づけとなる事業や取り組みがもちろん大切で、連動させていくことが必要であるというふうに思います。  そこで、最初の質問ですが、現行の約1,300万人から200万人の増加分はどのような取り組みを想定して積み上げられた数字であるのかということをまずお聞きします。 ◎高野 観光コンベンション部長  10年間で200万人の観光客を増加させるという数値目標の根拠についてでございます。  観光客の入り込み数増加の内訳としましては、海外からの観光客は90万人の増加、道外、道内からの観光客は110万人の増加を見込んでいるところでございます。  まず、海外からの観光客を増加させる取り組みとしましては、東南アジア諸国など海外の有望市場に対するプロモーションの強化などを想定しております。内訳としましては、新千歳空港のキャパシティーなども考慮しながら、直行便による来札者で約30万人、そして、羽田空港や成田空港等の経由便による来札者で約60万人の増加を見込んでおりまして、そういったものを積み上げたものでございます。  また、道内からの観光客につきましては、雪まつりやオータムフェストなど既存の観光イベントや、定山渓地区や薄野地区といった多くの人々を引きつける観光エリアのさらなる魅力の向上などによりまして約30万人の増加を見込んでおります。さらに、道外からの観光客につきましては、先ほど申し上げた取り組みに加えまして、首都圏におけるプロモーションの展開やMICEの誘致促進などによりまして約80万人の増加を見込んでいるところでございます。 ◆中村たけし 委員  来札観光客1,500万人を達成する取り組みについてはわかりました。域内循環を高めて道内観光客を呼び込むことはもちろんですけれども、外貨を稼ぐという意味では道外、海外からの誘客が大事だというふうに思います。ぜひ、これを積極的に進めていただきたいと思います。  次に、アクションプラン編の今後の体験型の取り組みについてお伺いいたします。  今回の観光まちづくりプランの中で、アクションプラン編において、今後5年間、重点的に進めていく取り組みを重点施策という形でまとめていますが、重点施策の中の観光イベント魅力アップ集客交流拠点魅力アップについては注目しているところです。観光分野における都市間競争が厳しくなっている中、観光客を増加させるためには、リピーター対策というものが極めて重要になってくると今言われています。一方、札幌は、さまざまなアンケートを見ても、魅力的なまちとして国内外から高く評価されている都市です。つまり、一度行ってみたい場所というふうに魅力を感じていただいていますが、これを、一度行ったら満足する場所ではなくて、何度でも行きたい場所にしていくことが必要になってくると思います。そのために、札幌市を訪れていただいた観光客の満足度を高めて、ぜひまた来てみたいというふうにいかに思わせるかが重要であって、これについては体験型の観光を充実させることが効果的であるというふうに考えています。  札幌市は、先ほどからお話がありますが、雪まつりやオータムフェストといった観光イベントがあったり、定山渓地区やモエレ、さとらんど地区といった観光エリアなど、豊かな自然環境と都市機能が調和していて、都市観光を進める上で魅力的な観光資源がたくさんある都市だというふうに感じています。そこで、これらの観光資源と体験型観光を組み合わせることによって、観光客に感動を与えて再来訪意欲がより高まって観光客の増加につながるというふうに考えます。  そこで、質問ですけれども、観光イベントや観光エリアなどの体験型観光の取り組みについてどのようにお考えになっているのか、お伺いします。 ◎高野 観光コンベンション部長  体験型観光の取り組みについてでございます。  これまでも体験型観光を取り扱う観光事業者の育成やPRには努めてきたところですけれども、今後も、例えば、雪まつりにおけるスケート体験など雪と触れ合うような体験、それから、定山渓における果物狩りやカヌー体験、さとらんどにおける収穫体験などを旅行の中にうまく組み込んでいけるよう情報提供に努めてまいりたいと考えております。また、既存のイベントやエリアの魅力アップを検討する際に、新たな体験メニューを充実させてまいりたいというふうに考えております。 ◆中村たけし 委員  体験型を充実させるのは大変重要だと思います。今お話しされた果物狩りであったり、また、せっかくカーリング場ができましたから、カーリングを体験していただいたり、そうした体験をすることによってまた来たいという気持ちが芽生えると思います。  最近の統計から見ると、これは社団法人日本観光振興協会というところが出している数字ですが、個人旅行の旅行形態がふえているということです。少し数字が古いですが、団体旅行は2007年の36%から2010年には22%と約14%下がっているのに比べて、個人旅行は、2007年は57.4%ですが、2010年では75%と約4分の3が個人旅行となっていて、こういうふうに旅行形態が団体旅行から個人旅行にシフトしていることがわかります。ですから、こうした個人旅行のお客さんが求めるニーズはこれまで以上に多様化していくことも考えられますから、そこをよく分析して今後は体験型観光の充実を進めていただきたいというふうに思います。  そして、次に、体験したことを、ソーシャルメディアを活用して魅力の発信に向けた取り組みにつなげていただきたいと考えるのです。概要版の4章の1に、ソーシャルメディア等を活用し、市民による札幌の魅力発信の取り組みを広げますというふうに目標として書いています。体験したお客さんは大きな感動があると思いますので、観光客が自分で体験した思い出や感動をツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを活用して世界中に発信することになると、札幌の魅力がさらに増幅されてPRされるということで、ソーシャルメディアは貴重な存在というふうに考えています。先ほども申し上げましたが、ソーシャルメディアの活用が大きな目標として掲げられていますから、多くの観光客を呼び込む方策としてさらに取り組まなければいけないというふうに考えます。  そこで、質問ですが、ソーシャルメディアを活用した市民による魅力発信に向けた取り組みについて、具体的にはどのようなことを考えているのか、お伺いします。 ◎高野 観光コンベンション部長  ソーシャルメディアを活用した市民による魅力発信に向けた取り組みについてということでございます。  今年度、観光ホームページのようこそさっぽろを全面リニューアルしまして、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末でも見やすいようにレイアウトを変えましたほか、海外観光客が情報を発信しやすいように、全てのコンテンツを多言語対応し、各記事でフェイスブックやツイッターに投稿できるようにしているところでございます。加えて、フェイスブック版のようこそさっぽろを強化しまして、旬な話題をタイムリーに発信できるよう、ソーシャルメディアを中心にした情報発信の取り組みに当たりまして、海外観光客向けにも専属の外国人ライターを登用したほか、在札外国人によるブログも開始しまして、市民によるコメントや口コミによる拡散ができるような環境を整えているところでございます。 ◆中村たけし 委員  そういった取り組みをさらに進めていただきたい。それから、Wi−Fiのお話もありましたが、観光客が来たときに無線LANがすぐ使えるように進める取り組みもこのプランの中にありましたから、積極的に進めていただきたいというふうに思います。  最後に、観光プロモーションについてお伺いします。  先ほど来お話があるように、札幌には魅力的な観光資源があるというふうに考えています。しかし、そういったものがあるということで安心していては、今はほかの都市も政府と一体となって観光に力を入れて観光客の誘致に取り組んでいるところですから、工夫していかなければこの競争に勝ち抜いていけないと思います。  そこで、魅力ある札幌市の観光を着実にプロモーションしていくことが極めて重要であると思いますし、札幌市としてもその認識をしっかり持ってほしいなというふうに思っています。これについては、行政だけのPR活動とか、市民の口コミによる発信だけに頼っていても限界がありますから、札幌の魅力を道内や道外に対して積極的かつ効果的に売り込むセールスマンをしっかりと見つけていくことが大事だと思います。例えば、東京事務所を営業拠点としてもっと活用すること、本州の旅行代理店や航空会社と連携した取り組みを行っていくこと、映像コンテンツを制作する業界と連携して、札幌の旅行がテレビ番組で流れて自分も行ってみたいと思ってもらえるように、札幌をもっともっと露出させる具体的な方策が必要だと思うところです。  そこで、質問ですけれども、札幌の観光プロモーションの具体的な展開についてどのように考えているのか、お伺いします。 ◎高野 観光コンベンション部長  札幌の観光プロモーションの具体的な展開についてでございます。  まず、国内向けとしましては、旅行会社等を札幌市に招いて、体験観光等の現地視察会を兼ねた観光商談会を開催することとか、旅行関係事業者とタイアップしたプロモーションの展開を考えてございます。また、映像や写真素材をより充実させまして、ホームページでの発信はもとより、その利用や露出を商談会等の機会において積極的に働きかけてまいりたいと考えております。特に、首都圏に対するこれらの取り組みに当たりましては、委員からお話がございましたが、東京事務所の強みを生かした現地事業者との独自の連携事業を含めまして、今後とも効果的なプロモーションを継続してまいりたいというふうに考えております。  次に、海外に対するプロモーションでございますけれども、今年度は、誘客の効果を高めるために、日本政府観光局や旅行会社、航空会社などと連携を図って、有望市場の誘致強化事業としてタイ・バンコクで初音ミクのラッピング列車を運行するなど、極めて特徴的な事業を実施したところでございます。今後も、タイ、シンガポールインドネシアなどの東南アジアをターゲットとして、引き続き効果的な事業を実施してまいりたいというふうに考えております。 ◆中村たけし 委員  今回の質問で、最初に数字の根拠についてお伺いしましたが、それを実現するために、体験してもらう、そして発信してもらう、それをプロモーションにつなげていくということであります。今ほど言ったプロモーションについても、海外からの誘客に向けて――MICEにつながるものですけれども、そういったところだったらぜひ札幌に行きたいというふうな、インセンティブツアーにもつながることですから、そういったことでお金をたくさん落としてもらう。団体旅行よりも個人旅行のほうがお金を落とすというふうに言われています。だから、札幌にお金を落とす仕組みをつくっていくためにも、そういった個別の政策を連携させて、旅行客誘客の増大に取り組んでいただきたいというふうに申し上げて、質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、質問させていただきます。  今回のプラン案では、新たな観光コンテンツを総称するものとしてさっぽろツーリズムという表現をしております。札幌らしい、札幌ならではの魅力を市民が探し、知り、楽しむことで市民が情報発信をして、来訪者もその魅力を楽しむことでさっぽろツーリズムを展開していくということであります。また、目標像といたしまして、産民学官が連携する観光まちづくりの実現というものを掲げておられます。ここ札幌の地域住民の方々や働く方々、大学などで研究する方々にどう力を発揮していただくか、活躍していただくかがこのプラン案の重要な特徴と思います。この特徴を成功させるためにということで、3点に絞って質問させていただきたいと思います。  まず、1点目としまして、まち全体として観光への意識を高めていくための方策についてであります。  札幌の活性化に向けて、観光が戦略的産業であるというのは、我々議会や理事者の方々、そして経済界のリーダーの皆様には共通の認識だと思います。外国人観光客は日本全体で年間1,000万人を突破いたしまして、多くの市民の皆様も観光への期待が高まってきているかと思いますが、これまでの過去を振り返りますと、バブルの時代に推進された観光開発プロジェクトの多くが破綻している現実への不安や、観光に地域経済を牽引していく力が本当にあるのかという懸念があるのも事実かと思います。そこで、観光がいかに地域の経済力を総体的に高め、安定した雇用を維持、創出していく地域産業であるかを多面的に調査・分析して、そこから得られる実証的で説得力のあるデータをもとに、産民学官が意識を高め、こぞって観光まちづくり、さっぽろツーリズムの展開を進めていくことが肝要かというふうに思っております。  この計画では、前段のほうにデータが載っておりまして、観光消費額を平成22年度の3,689億円から平成34年度には4,700億円までふやすことを掲げております。3,689億円の観光消費額は、4,274億円の生産波及効果を生じさせ、市内経済への貢献度は4%程度と高いわけであります。この雇用創出効果は3.5万人であり、税収効果は102億円に及ぶことから、観光産業は札幌経済を牽引する重要な産業であると言えると思います。
     そして、この経済効果を質の高いものとしていくには、域際収支を改善させること、外貨獲得ということで、特に道外客、海外客に多く訪れてもらうことに加え、道内の域内循環を高め、観光客が消費したお金が市内、道内にとどまり、循環していくことが大切であります。例えば、食事やお土産も市内、道内で生産されたものであること、つまり地産地消にこだわっていくことが大事です。しかし一方では、飲食店やホテル、お土産店が地産地消にこだわるにはコストがかかるのも事実であります。観光の経済波及効果を多く享受する宿泊業、飲食業、交通事業者、お土産等の製造者が、札幌は観光のまちなのだという意識を持ち、観光客がふえることで自分たちに大きなメリットがあることを自覚することが、おもてなし力を高め、質の高い観光消費につなげていくことになると考えます。  そこで、1点目の質問ですが、観光まちづくりを掲げるに当たり、まち全体として観光への意識を高めていくための方策についてどのように考えているのか、お尋ねいたします。 ◎高野 観光コンベンション部長  まち全体として観光への意識を高めていくための方策についてということでございます。  これまでも、札幌商工会議所の観光委員会や市内の観光関連事業者で構成しますおもてなし委員会、札幌ホテル旅館協同組合との協議の場など、さまざまな場面を活用しながら札幌市の観光の取り組みをPRし、協力をお願いしてきたところでございます。今後につきましても、市内企業が一丸となって観光誘致に取り組む必要がありますことから、各業界に対して積極的に働きかけるとともに、市としても、税源の涵養や雇用の確保を図る観点から、これまで以上に観光まちづくりを意識できるような取り組み、例えばサッポロビールでやっておりますビールでまちづくりさっぽろなどもそうですが、そういった取り組みを積極的に打ち出してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  ただいまの答弁は理解いたしました。ぜひ、それを進めていただきたいと思います。  ただ、少し要望させていただきますけれども、例えば、経済効果が高いということで所得形成効果、雇用効果、税収効果がありますが、これらの数値は一体どれくらい高いものなのか、一般市民の方々はなかなかわかりづらいと思うのです。他産業と比較するなど、わかりやすく説得力のある表現が必要ではないかというふうに思います。  また、26ページの産業別経済波及効果でありますけれども、私も驚いたのですが、観光消費額がゼロの不動産業も実は生産波及効果や雇用効果が高いこと、直接的には関係ないと思われている一般的な商業にも高い雇用効果を生んでいること、こうしたことをどれぐらいの方々が知っているのかというふうに思います。これらのことが広く理解され、例えばコンビニエンスストアやガソリンスタンドで働いている従業員の方々に自分たちも観光産業の一員なのだという意識が芽生えたとすれば、旅行者に対する的確な情報提供やホスピタリティーによって地域の魅力も増していくと思います。  また、もう1点、域内循環を高めることは大変重要だと思います。どれだけ地元の経済によい影響を与えていくか。トータルな観光消費というのは、今回の案にも載っていますが、来訪客数、消費単価はもちろん、域内調達率の高さを加えた三つで決まると言われております。域内循環も欠かせないポイントでありまして、このことが域内産品のブランド化を進め、観光地域としてのブランド力の向上にも寄与することをぜひご理解いただくことも必要なのではないかということを指摘させていただき、これらのことに留意していただいて、まち全体の観光意識を高めていただきたいと思います。  次に、2点目でありますが、各区が個々に持つ観光資源の活用について伺っていきたいと思います。  この計画では、イベントやエリアの魅力アップが幾つか重点的に語られております。札幌市全体として取り組むには投資の重点化が図られる必要があることは理解できますけれども、その投資先はどうしても中央区に偏り過ぎているように感じられます。51ページをごらんいただきますと、エリアの魅力アップということで載っているのは中央区周辺で、モエレは入っておりますが、私の地域から言わせれば取り残されたような感じがしないでもありません。大通公園でのイベントが多いのは仕方がないですが、各区でもそれぞれの地域の魅力を伝えようと努力しておりまして、観光まちづくりの視点で考えるのであればこういった地域の取り組みにもっと目を向けるべきであるというふうに考えます。例えば、私の地元である手稲区では、手稲山の魅力を伝えるべくさまざまな取り組みを積極的に行っております。そういうものは、この計画には掲載されておりません。  そこで、質問の2点目ですけれども、10区が個々に持つ観光資源をもっと引き出し、地域が積極的に観光にかかわっていくことが大事と考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎高野 観光コンベンション部長  地域の魅力資源についてでございますけれども、地域の魅力あふれるまちづくりと観光振興を一体的に進めることは私どもとしても重要と考えておりまして、各地域のまちづくりと連携した観光資源の魅力アップを図るなど、札幌の地域特性を生かした取り組みについて今後も検討してまいりたいというふうに考えております。  特に各区による取り組みにつきましては、質問にございました手稲区での取り組みのほか、例えば、南区におけるシーニックバイウェイの取り組み、東区における札幌黄のPR事業、西区におけるコトニジャズの取り組みなど、各区の実施プランの中で観光に資するものがございます。そうしたものについては、このプランは毎年更新していきますので、アクションプランの中に組み込んでまいりたいというふうに考えております。 ◆福田浩太郎 委員  さっぽろツーリズムということで、地域、市民が大事だと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  最後に、ウインタースポーツの観光資源化についてもお尋ねしたいと思います。  札幌は、冬が観光の閑散期となっておりまして、冬季に魅力ある観光資源をつくっていくことは、昨今、成長著しい東南アジアの観光客を誘客してくる意味においても非常に重要であります。また、札幌の観光の特徴でもあろうと思います。そこで、ウインタースポーツを観光資源としてもっと打ち出していくべきではないかと考えるわけでございます。スキーやスケートといった定番に加え、カーリング体験やスノーシュー体験など、さまざまな体験メニューもつくりやすく、まさに、冬季アジア大会やその先の冬季オリンピックを見越して、市民の機運を高めていくためにもウインタースポーツ体験ができる施設をもっと活用、PRしていくべきと考えます。  そこで、最後の質問でありますが、この計画において冬期間のスポーツツーリズムをどのように取り上げているのか、お尋ねしたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  冬期間のスポーツツーリズムということで、ウインタースポーツの観光資源化ということでございます。  今回の観光まちづくりプランにおきましては、冬期間の集客交流を促進するため、今後、開催予定の冬季アジア札幌大会、世界女子カーリング選手権大会などを契機としまして、歩くスキーやカーリングなど観光客でも気軽に楽しめるスポーツの体験事業やPR活動を積極的に展開することを掲げております。また、これ以外にも、例えば中島公園で行っている歩くスキーの無料貸し出しなど、市内で行われているさまざまなウインタースポーツの取り組みを観光情報として今後も発信してまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  積極的に取り組んでいただいているということでありますけれども、苦言を言わせていただきますと、取り上げ方がまだまだ足りないというふうに思います。市内のスキー場やスケートリンクなど、もっとアピールするぐらいのつもりで記載をお願いしたいと思います。特に、オリンピックを経験している手稲山スキー場、あわせて、定山渓とセットにした札幌国際スキー場などは、海外の観光客にも強くアピールできるポイントだと思っております。そうした視点を加えていただきたい、そして、どうも人任せな感じもしますので、札幌市の主体的な取り組みとして計画に盛り込んでいただけるように要望して、質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からも、1点だけ質問させてください。  今、観光まちづくりプランに関する基本的な事項ということで、まちづくり戦略ビジョン産業振興ビジョンの部門別計画として位置づけられたということも報告されました。それから、国際戦略プランシティプロモート戦略の考え方を反映している、全体的に全庁を挙げて取り組まれるというすごい中身になっているなと思います。そういう面で、私は、こういう観点も大事ではないのかなということで1点だけ質問したいと思います。  現在、外国からの方々は台湾、香港、中国、韓国などからが多いと聞いていますが、先ほどのプラン案の説明の中でも、また、この間の新聞報道を見ても、ビザの発給要件の緩和、タイの直行便の増便などを追い風に東南アジアにも北海道ブランドが浸透してきたことが報道されています。誰もが行ってみたい、住みたくなる都市札幌を目指すために、私は、何よりも、平和で安全、差別を生まない、許さないまち、安心して過ごすことができるまち、これは、短期間で来られる方々にとっても本当に大事なことであり、積極的にこのことを発信することが大事だと思います。  この間、すごく心配しているのは、安倍首相の靖国神社参拝、また、改憲を考える、こういうことで東アジアでの緊張が高まっていますし、アメリカ政府も失望したと異例の発言です。ですから、私は、日本が引き起こした戦争に反対して、二度と繰り返さない、憲法第9条を守るという観点も大事だなというふうに思い、それが国際的信頼を得られるのではないかというふうに思うのですね。  札幌は、札幌市民憲章もあります。それから、核兵器廃絶の平和都市宣言も行っています。こういう平和の問題は、もっと大きなことで、それが前提になっていると思うのですが、全体を通してこの辺をもっと位置づけたらいかがかなと思ったものですから、この辺についての考え方を伺いたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  平和なまちであることが念頭にあると思うのですけれども、観光は、平和でなければ成立しないものですし、異文化を楽しむ気持ちがなければ成立しないものであると考えております。したがって、今、外国人観光客が増加している中で、札幌市といたしましても、多言語対応やムスリムといった異文化への対応など、さまざまな形でおもてなしの心を表現して、さらには、安全・安心な観光を楽しめることを積極的にアピールしているところでございます。  札幌は平和都市宣言ということをやっておりますけれども、ここのPRは平和事業の取り組みとして所管の地域振興部で判断してやっておりますことから、私自身の判断の中ではお答えできないのですが、今、委員がおっしゃったような考え方も踏まえた上でこういった取り組みを進めてまいりたいなというふうに思っております。 ◆井上ひさ子 委員  安全・安心なまち、そういう角度でアピールしているということはわかります。しかし、さまざまな外国籍の人が来られますし、文化や宗教の違い、生活習慣が違う人など、差別なく安心して過ごせることが大事だと思います。私は、こういう計画ができたからうまくいくというふうに思いませんし、市民も日々の積み重ねの中でその辺を考えなければならない、そういうことが大事だと思います。  この間、残念なことに、せっかく札幌に来たのに、ヘイトスピーチが流されていることがあります。それで心配しているのは、近く雪まつりが行われますが、これには海外の方々が多く来られて、知名度も高いお祭りですけれども、来られた方々に嫌な思いをさせますし、国際的な信頼を失ってしまうと思うのです。私は、こういうことは本当にやめさせてほしいというふうに思います。この間もいろいろなことがあったと思いますが、どのような対応を考えているのか、伺いたいと思います。  ぜひ、毅然とした対応をしていただき、親切なまち札幌、来た方が本当に楽しめるまち、来てよかったと言える状況を日常的につくっていくべきではないかと思いますので、この辺の考え方についても伺っておきたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  ヘイトスピーチへの対応についてということが論点だと思います。  基本的には、雪まつり会場内ということではなくて、道路において警察の許可を得て行われるデモ行為に関しましては、札幌市には警察権限がないことから対応はできかねますけれども、私どもといたしましても、そうした行為が観光客にマイナスのイメージを与えるとしたら憂慮すべきことであるというふうに捉えております。ヨーロッパなどでは処罰をもって厳しく規制する法律を制定している国もありますけれども、日本では今のところございません。また、こういったヘイトスピーチは、個人に具体的な損害が出ないと民法上の不法行為が成立しません。例えば、威力業務妨害罪や名誉棄損罪、侮辱罪といったものに当たりません。個人が具体的な被害を受けた場合のみ適用されるということで、憲法上の表現の自由も抵触してきまして、その辺の線引きがなかなか難しいのです。  ただ、いずれにしましても、私どもとしては、多文化共生の観点から、札幌市民がおもてなしの心で海外からのお客様を歓迎していただくことを強く望んでいるところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  今、表現の自由とかとおっしゃいましたけれども、私は、そういうことがあるからといってヘイトスピーチを許してはならないというふうに思うのです。そして、それを許さない世論を強めていくという意味では、行政としてもしっかり対応していただきたいと思っています。こういう視点も大事にしていただいて、札幌が魅力的で、来られた方が安心・安全で、また次につながっていく観光都市であってほしい、そのことを申し上げて、終わりたいと思います。 ◆小倉菜穂子 委員  私からも、何点か質問いたします。  今回のプランでは、先ほどから何度も出てきておりますが、観光まちづくりという新しい概念が示されております。市民が住み続けたくなるようなすてきなまちづくりは観光客も楽しめる、そういう考え方を今後の観光振興の柱に据えて取り組んでいただきたいと思っているところです。しかし、現在、どこの自治体も同様の考えのもとに観光振興に取り組もうとしておりまして、より多くの方に札幌を訪れていただくことは本当に容易ではない、相当の工夫が必要だなというふうに感じているところです。  そこで、このプランでは、時計台やラーメンなどのこれまでの定番観光だけではなく、新しい観光イメージを普及させるためにさっぽろツーリズムを展開していくとのことで、この言葉も、先ほど来、各委員から出ております。これは、札幌ならではの魅力を生かした新たな観光コンテンツの総称ということでありますが、私は、その具体的な取り組み内容がいま一つイメージしづらいなといった印象を持っています。今後、この取り組みをしっかりと進めていくためには、さっぽろツーリズムにおいてどんなことを進めていくのか、市民にしっかりとわかりやすく示していく必要があるだろうというふうに考えています。  そこでまず、質問ですけれども、この新しい観光イメージを普及させるため、さっぽろツーリズムの具体的な展開策についてわかりやすく伺いたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  さっぽろツーリズムの具体的展開についてということでございます。  さっぽろツーリズム推進会議を設置して、これまでの観光関連の民間業者、団体にとどまらず、食関連の事業者や体験観光事業者、NPO、大学など、新たな分野からの参加を得ながら、新しい観光コンテンツの創造や、提供していくためのネットワークづくりに取り組んでいく予定でございます。この推進会議では、新しい旅の目的となる観光資源についてのアイデア出しを行いまして、着地型旅行商品の開発やプロモーションの実施につなげていきたいと考えております。  新たな観光コンテンツの例としましては、開拓の歴史に触れられるまち、国内におけるビール発祥の地、あるいは、カフェ文化、バール文化、アニメ文化など、札幌市民が楽しんでいるものや、従来の旅行業界以外の広がりのあるコンテンツ等を考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  観光の目的も大変多様化している中にありまして、今、さっぽろツーリズム、着地型観光というお話、また、最後のほうにカフェやバールといった言葉も伺いました。こうしたことについては、本当に大事だなというふうに思っています。こうした地域の魅力発見については、私ども市民ネットでも、2011年に、札幌の観光振興に向けて市民がまちの魅力を再発見することが必要であって、そのために身近にある札幌の魅力を掘り起こす、そんな地道な取り組みを行うべきだというふうに求めてきたことから、そうしたこととも合致するものと考えています。  一方、今後、来訪者にとっていかに魅力的なコンテンツを提供できるかがポイントになってまいります。そのため、プランの74ページを拝見しますと、観光まちづくりの展開に当たって今後重点的に取り組むべきこととしてターゲットを意識した事業を掲げております。私は、例として、子ども連れの家族旅行であるとか、女性観光客を呼び込むための取り組みを初め、現在は自然の資源やエネルギーを惜しげもなく投入する時代にはない中、今後は、観光にもエネルギー、また自然、持続的な環境という視点をより一層取り込んでいく必要があるというふうに思っています。そうしたニーズをしっかりと捉えていくことが、住んで楽しい、訪れて楽しいという観光まちづくりの理念につながるものというふうに考えます。  そこで、1点目の質問ですけれども、さっぽろツーリズムを進めていく上で、今申し上げた子ども、女性の視点、また環境首都という視点を生かして札幌の観光資源を創出していくことが重要と考えますが、その点についていかがか、伺います。  また、2点目として、観光分野は、ホテルや飲食業などの観光事業者はもちろんのこと、観光ボランティアや一般市民などさまざまな人々がかかわりを持つ分野であって、観光まちづくりを実効性あるものにしていくためには、さまざまな主体がこのプランを共有して協働で取り組むことが大切であるというふうに考えています。  友人に、札幌でこうしたプランができるよという話をしたときに、みんなはそういうことをよく知っているのですかというようなことを聞かれたこともあります。やはり、市民一人一人の意識が重要であって、そうしたことは来訪者の札幌に対するイメージに大きな影響を与えますから、今後はいかに市民と一緒になって観光振興を進めていくかが大変重要であるというふうに考えます。  そこで、2点目の質問ですが、このプランを進めるに当たって、市民を巻き込む取り組みについて伺いたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  まず、1点目の子どもや女性の視点、また、環境首都という視点を生かした新たな観光資源の創出ということでございます。  委員がおっしゃいましたとおり、さっぽろツーリズムを進める上で、子どもや女性の視点、環境首都という視点を生かした観光資源を創出していくことは極めて重要であるというふうに考えております。例えば、子ども連れで旅行する地域として札幌市が選択されるように、子ども連れで楽しめる施設などの情報を提供したり、食と体験をテーマとした観光商品の開発やプロモーションなどについて検討したり、また、女性の視点を生かしてエステやスイーツを観光資源としたり、さらには、環境の視点では、ホワイトイルミネーションでも環境に配慮してLEDやバイオディーゼル燃料を使用しているところでございます。今後も、こうした視点を積極的に取り入れまして観光資源の創出に取り組んでまいりたいと考えております。  それから、市民を巻き込んだ推進体制づくりについてでございます。  これまでも、市民による観光ボランティアや雪まつりの雪像制作のボランティア、ホテルやコンビニ、大通エリアの商店街によるSAPPORO(サッポロスマイル)のバッジをつけてのおもてなしのキャンペーンなど、市民と連携したさまざまな取り組みを行ってまいりました。一方、最近では、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを使って観光情報を得ようとするような方がふえておりまして、ここでは市民と観光客がお薦め情報を教え合うなどの光景が見られておりますことから、今後は観光情報の発信においてもこのようなソーシャルメディアを有効に活用してまいりたいと考えております。  また、札幌市民が楽しんでいる新たな観光資源を可視化していく取り組みとしまして、先ほども申し上げましたが、さっぽろツーリズム推進会議を設けて、興味・関心の高い市民にも参加してもらいながら、一緒に新しいツーリズムを創出してまいりたいと考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  一つ目の質問ですけれども、今、観光業界の中でも女性社員の活用を積極的に行おうとしていると聞いています。これまでも、女性は食べることが好きなので、おいしいものを食べる場所を教えましょうとか、そういうことがあったと思います。また、つくり方はどうかとか、そして、ちょっと残念ですけれども、最近では、食材の組み合わせ方がわからないとか、献立の立て方に悩んでいるという女性が、若い世代だけではなくて、40代以上の中にもふえていると聞いています。もちろん食以外にも注目すべきですが、そうしたニーズをしっかりと深く掘り下げて生かしていただければと思います。  また、環境については、観光を一生懸命進めようということは、たくさんの人が動きますので、エネルギーをたくさん使うことにもつながります。そんな中にありますので、環境への配慮というのは、観光においてもより一層注目すべきテーマであるというふうに思いますし、ここに関心を持ってこられる方も確かにいらっしゃるはずだなと思っています。  子どもの目線でということでは、雪まつりには子どもたちがよく行くと思うのですけれども、今、市民まちづくり局では、どサンこパスdeまちめぐりロゲインと言って、まちのおもしろいものをみんなで見つけようという取り組みがあります。それから、少し小さくなると、ちょうどこれから始まりますが、地域で行われている雪中運動会とか、私が知っているところでは、公園でやっているプレーパークとか生き物調査など、大人にしてみると、何でここまで来てそういったところに行くのかと思うようなところでも、子どもの記憶の中には残るものだというふうに私は思っています。そうした生活に密着したもの、また、お住まいになっている地元に帰ってから自分の生活に生かせそうな体験をすることも着地型観光と言えるのではないかなと私は思っております。そういった意味では、先ほど他部局との連携ということも出てきましたが、これまでとはまた違う形で、ほかの部局との連携ということにも着目して一層強化して取り組んでいただきたいというふうに思っています。  2点目の市民を巻き込んだ取り組みについても伺いましたが、そうしたことを進めていくためにも、市民の皆さんの意識の改革がきっと必要なのだろうというふうに思っています。また、このプランには道内連携の積極的な推進が掲げられておりまして、札幌市民が道内を観光してその魅力を知ることが重要ともしています。札幌市が観光客を受け入れるばかりではなくて、札幌市民も観光客として道内を訪ねることが今後の北海道観光を進める上で重要だと考えているところです。  この間、観光についていろいろ調べている中で、世界経済フォーラムのダボス会議というのが2013年3月にありましたが、そこでの国際比較によると、日本は、いろいろなところでは、結構、順位が高いけれども、観光親和性ということでは140カ国中77位と低いと述べられておりました。私は、札幌市であるとか、札幌市民はどうなのかなと、そういったところにも興味がありますが、そうしたことから、今現在、札幌市民が観光についてどんなふうに考えているのか、知る必要があるなと思っているところです。  そこで、最後の質問ですが、市民の意識改革や、道内連携を進める上でも、札幌市を訪れた人の観光動態を調べるだけではなく、札幌市民の観光というものの捉え方や、ご自分はどんな観光地をどんなふうに訪問しているのか、また、訪問したいのかなどを調べる必要があるというふうに私は思うのですけれども、札幌市のお考えを伺いたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  市民の観光意識、観光行動に関する調査の実施についてでございます。  委員のご質問にございましたとおり、観光まちづくりを実現するためには、市民の観光に対する意識を高めていくことは重要であると考えておりまして、そのためにも、札幌市民の観光意識や観光動態について現状把握を行う必要があると認識しております。これに関しましては、平成22年度の市民アンケートにおいて観光に関する意識調査を行っているところでございますが、前回実施のアンケートからある程度の年数が経過していることや、今回、まちづくりと観光を一体的に進める観光まちづくりの考え方を新たに取り入れたことなどを鑑みまして、今後、札幌市民の意識、動態調査について改めて実施していくことも検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  調査をされるということでしたので、お願いしたいのですけれども、今おっしゃった平成22年度の観光についてのアンケートは私も見た上で今回の質問をしております。それは、札幌市は観光地だと思いますかとか、札幌市の中に観光資源がたくさんあると思いますかとか、札幌市の中をどう思いますかというように、あなたはこの札幌市についてというスタンスのアンケートだったのですが、それも必要ですけれども、今、私が申し上げたのはちょっと違うニュアンスなのです。  実は、観光親和性ということについて、親和性とは難しい言葉だなというふうに思って、この間ずっと考えていました。外国の人を受け入れるのが苦手とか、そういった意味合いもあるようにも思えたのですが、ずっと考えていくうちに、日本というのは、みんなの生活の中で観光に対する優先順位が余り高くないのではないか、低い一面もあるのではないかというふうに思ったのです。日本の観光親和性が低いのであれば、私は、ほかの自治体に比べて親和性が高いまちになることが札幌市にとって重要だというふうに考えておりまして、札幌市民のその辺の考え方がわかる調査をしていただきたいと申し上げたいのです。  最後に、要望ですけれども、アクションプランを見せていただきますと、さまざまな魅力アップ事業がたくさん盛り込まれておりまして、着実に進めていただきたいというふうに思っております。また一方で、今回も割と細かなお話をしましたけれども、余りお金をかけない取り組みにも知恵を絞っていただきたいというふうに思っています。そうした意味で、先ほど少し申し上げたダボス会議に参加されたJTBの方の参加報告というのがインターネットの中にありまして…… ○芦原進 委員長  小倉委員、申しわけありませんが、もう少しまとめてお願いします。 ◆小倉菜穂子 委員  (続)観光旅行は、今あるがままの自然や都市や文化をほかの地域の人たちが違う見方でその魅力を楽しみ、環境汚染もなく、心の持ちようでその楽しみをさらに深める行動である、何かをつけ加えるのではなくて、新しい見方で魅力を創出することが重要と言っております。私は、このことは今後の観光を考える上で適切な指摘であると思いますので、ぜひ、そういったことも参考にしていただきたいと思います。  観光も都市間競争の時代と言われていますが、パイを取り合うことから、新たな観光を提起して、観光する人、観光客層をふやしてパイをふやす方向で考えていきたいと思います。多くの人が札幌や北海道を訪れたい、住んでみたい、そして、最後の77ページの今後の展望というところには、移住したいと思っていただけるようなということも書いてあります。ぜひ、そういう意気込みを持って取り組んでいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆金子やすゆき 委員  私が最後だと思いますけれども、もうお昼が近いので、はしょってご質問させていただきたいと思います。  今回つくられました観光まちづくりプランは、非常に肉厚で充実したプランだというふうに思います。その中で、二つに絞ってご質問しようと思っているのですが、まず、数値目標の話であります。  非常に力の入った数値目標を立てておられまして、消費額単価を10%上げていきましょうとあります。この先、消費税が上がってきますが、それは含まず、税抜きの真水で10%上げていくのだろうと思いますけれども、付加価値をつけてより稼いでいく、客単価を上げていくという発想は非常に大事だと私も思います。  一方で、観光業界を取り巻く環境は非常に厳しいところがございます。LCCのバニラエアが今月にも就航するということですけれども、バニラエアを使った東京発札幌行き1泊2日で8,800円というツアーが出ております。どうやって利益を出すのだろうというふうに思うのですが、実際の消費者の低価格志向などで客単価はむしろ下がっていくのが実情ではないかと思うわけであります。  そういう中で、札幌市としては、この先、どうやって客単価を上げていこうとお考えなのか、お尋ねしたいと思います。  また、こうやって低価格を求める一方で、アベノミクスの影響でお金があるところはだんだんふえていっている、景気がよくなっているという話もございまして、私も航空機に乗ると実際にこの目でよく見るのですが、既存の航空会社における札幌−東京間では、ファーストクラスやクラスJなどのより高い運賃のほうは満席だけれども、普通運賃の席はがらがらだということがあります。ある意味で消費者のニーズは多極化している部分があると思うのですが、こういうところを踏まえて、どうやって客単価の向上を図っていくのか、お考えをお聞きしたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  今お話がございましたとおり、LCCは、非常に安い運航料金で、さらには安いパックツアーを組んでやっております。正直申しまして、上半期の観光客の動態というのは非常に好調でございまして、特に、外国からの誘客が非常に伸びておりまして、上半期の前年対比で5割以上の伸びとなっております。そこで、客単価ということでございますが、市内、道内、道外、外国人を比べますと、外国人観光客の消費単価が一番高くて、その次に道外、道内、市内となっております。ですから、これだけ旅行客がふえている中で、私どもとしては、外国人や道外観光客といった消費単価の高い層に目をつけていろいろと取り組みを進めてまいりたいと思っております。 ◆金子やすゆき 委員  事前に質問をお伝えしていなかったので、余り具体的な答弁をいただけなかったかもしれません。  客単価については、お金を持っている人を呼んでくるのはもちろんですが、お金を持っている人にどうやってお金を落としてもらうのかというメニューをつくることが大切だと思うのです。第4章にも、富裕層の観光ニーズに対応するということを書いております。しかし、札幌市内には、宿泊施設は多数ございますけれども、本当の意味で世界トップクラスのホテルはないのですね。長い目で見れば、そういったところを誘致していくことも必要だというふうに思うわけであります。  それから、観光メニューのことですが、先ほどのご説明の中で、雪まつりについては知名度が非常に高いけれども、それ以外の例えばYOSAKOIソーラン祭りやPMFといったものの知名度を高めていってマーケティングしていくのだという話がございました。しかしながら、これは私の勝手な意見ですけれども、やはり、そこには限界があると思うのです。人間の好奇心というのは、新しいものを見ることには、行ってみようかな、見てみようかなと思うわけでして、同じものを何回も見てもらうということには限界があります。つまり、何を言いたいかというと、私は、新しい観光メニューをつくっていくことが必要だというふうに思っています。既存のイベントをもっと磨いていくことは大切だと思うのですが、そうではなくて、できれば、無料や安いイベントではなくて、お金を落としてもらえる新しいイベントをつくることが大切だと思います。  これも事前に質問をお伝えしていないので、どんなご答弁をいただけるかはわかりませんけれども、思っておられることがあればお聞きしたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  最初の質問の続きということでもございますが、先ほど、私は、外国人や道外などといった層にターゲットを絞ると言いましたけれども、確かに、委員がおっしゃるとおり、富裕層をどうするか、また、長期滞在を進めることも客単価を上げる重要なものだと思います。それから、既存の定番メニューではなくて、先ほど来申し上げていますように、私どもとしては、新しい魅力、新しいさっぽろツーリズムといったものを展開して、例えばモエレ沼やさとらんどなど、ふだんは札幌観光として皆さんが行っていないところ、札幌市民が楽しんでいるような観光スポット、新たな観光資源といったものの魅力を再発見して、今後は観光客に提供していきたいというふうに考えております。 ◆金子やすゆき 委員  参考になるかどうかはわかりませんが、今お話がありましたモエレ沼とか、既存の施設もそうですけれども、新しいメニューをつくったほうがいいのではないかということで私が言いたいのはこういうことなのです。  この仕事につく前のサラリーマンのときにやっていた話を少し申し上げたいのですが、HTBという会社で仕事をしておりました。イベントも行っている会社でございまして、その中で一つ成功した事例として、「水曜どうでしょう」という番組がありますが、テレビ番組だけではなくて、実際に劇をやってみようということで、水曜どうでしょう祭という祭りを何年かに1回やったのです。そうしますと、特に宣伝したわけではないのですが、見てみたいということで、とんでもない数のお客様がいらっしゃいました。私は、そのときは観光という視点では全く見ていなかったのですが、おもしろいものを見たいというニーズはすごく強いものがあります。そして、祭りの土産のメニューをたくさんつくるのですが、実際に来た方は、皆さん、物すごくお土産を買っていかれるのです。客単価1万円以上で、お客さんがいっぱいの荷物を持ってうれしそうに帰っていかれるのですが、そういうふうに今までになかったものをつくっていくということが大切だと私は思うのですね。  こういうものは、市役所の中の部局の連携とかではなくて、外の人、民間の知恵をかりていくことが必要だと思うのですけれども、観光コンベンション部の皆さんのお仕事の中で、ソーシャルメディアもいいのですが、例えば民間のマスメディアの人の知恵をかりていくとか、外の人とやっていくという部分についてはどんなふうに考えているのか、そのあたりもお聞かせいただきたいと思います。 ◎高野 観光コンベンション部長  今、水曜どうでしょう祭などのお話がございましたけれども、私も昨年行ってきました。委員がおっしゃるとおり、非常ににぎわいがあり、多くの観光客を集めていて物も売れておりました。さらに、去年はGLAYの函館コンサートや、嵐の札幌3日間では15万人を集めておりますし、日本ハムファイターズといったスポーツ的な資源もございます。また、新たな試みとして、オータムフェストも6回目でございますが、今は160万人を集めるようなレベルになっております。  そういったことも踏まえまして、今おっしゃっていたとおり、私ども観光当局としても、これからは、民間活用を踏まえた政策的なプロモーションといったものも積極的に展開して打ち出していきたいと思っております。 ◆金子やすゆき 委員  最後に、要望に近い話になりますけれども、今、成功した事例の話を申し上げました。しかし一方で、失敗したイベントも多数ございます。その一つは、海外から有名なタレントを呼んできまして札幌ドームでイベントをやったのですけれども、大失敗しまして、お客さんは10%も入らなかったというようなこともありました。民間企業ですからリスクは自分たちでとってやっていまして、成功するものもあれば失敗するものもありますけれども、そういったところで民間はいろいろなノウハウを持っています。今は、市役所の皆さんが民間の人と飯を食いながらざっくばらんな話をするのは難しいのかもしれませんけれども、いろいろな意味でそういう知恵を吸収する努力をぜひやっていただいて、このプランの実現、成功に向けて頑張っていただきたいと思います。 ○芦原進 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○芦原進 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前11時54分...