現在、
地下鉄、
路面電車では、身体障がいの方や知的障がいの方、あるいは、その
介護人や
付添人の方に対しましては、基本的に
運賃の50%
割引を行っております。しかし、精神障がいのある方につきまして
運賃割引は行ってございません。
◎
天田 保健福祉局障がい
保健福祉部長 私からは、
札幌市における
障害者手帳の
所持者数と私
どもが
実施している障がい
者交通費助成制度の概要につきましてご説明させていただきます。
まず、
障害者手帳の
所持者数でございますが、
平成24年度末現在におきまして、
身体障害者手帳が8万7,500人、知的障がいのある方に交付しております
療育手帳が1万4,507人、
精神障害者保健福祉手帳が1万9,405人でございます。重複障がいにより複数の
手帳の交付を受けている方もいらっしゃいますが、この3障がいの
手帳を単純に合計いたしますと12万1,412人となります。
なお、
札幌市の
障害者手帳の
交付者数でございますが、年々
増加しておりまして、5年前の
平成19年度と昨年度と比較いたしますと、障がい者全体としては21%の
増加となっております。これを障がい別に見ますと、身体障がいの方が12%、知的障がいの方が37%、精神障がいの方が65%となってございます。3障がいともに
増加しておりますが、特に精神障がいの方の
増加が著しい
状況にございます。
次に、
札幌市における障がい
者交通費助成制度の
内容につきましてご説明いたします。
まず、
運賃割引につきましては、
交通事業者が
乗車料金を割り引くことにより、
利用者の負担を軽減するものでございます。一方、
交通費助成制度につきましては、
市内に居住する障がいのある方の
社会参加を
支援するために、
交通費の一部を公費により
助成するものでございます。
札幌市におきましては、3障がいの
制度の
手帳のうち、その
程度を
重度、
中度、軽度の3段階に区分いたしまして、
重度及び
中度の方に対して
助成の
対象としてございます。
障がいの
程度別に
助成の
内容をご説明させていただきます。
まず、
重度の障がいの方、いわゆる
身体障害者手帳の1・2級、
療育手帳の
重度、そして、
精神障害保健福祉手帳の1・2級の方が該当いたしますが、
助成内容は、
福祉乗車証、
タクシー利用券、
自動車燃料券です。
タクシー利用券につきましては
年額3万9,000円が
上限になります。
自動車燃料券、いわゆる
ガソリン券ですが、
年額3万円が
上限となります。この3
種類から一つを選択していただき、給付しております。
なお、
福祉乗車証につきましては、
札幌市内の
地下鉄、市電、
民間バスを無料で
利用できるものでございます。
また、
中度の障がいの方、
身体障害者手帳の3級・4級、
療育手帳の
中度、
精神障害者保健福祉手帳の3級が該当いたしますが、この
助成内容につきましては、
ウィズユーカードを
年額4万8,000円を
上限として交付しております。または
タクシー券、
年額1万3,000円、または
ガソリン券、
年額1万円分、この中から一つを選択して給付しております。
なお、
札幌市の
交通費助成制度につきましては、
地下鉄南北線が開通いたしました昭和46年に開始いたしまして、これまで幾多の
改正を経て
平成22年4月に
現行制度としております。この
制度の
改正に
当たりましては、1年以上の時間をかけて障がいのある方などのご意見を伺ったり、さらに、議会でのご
議論をいただき、
利便性の向上や
社会参加の促進、そして、障がい種別による
助成内容の
格差是正という
観点から
見直しを図ったものでございます。
◆
阿部ひであき 委員 ただいまの
答弁で、障がいによる
手帳所持者は年々
増加していて、特に精神障がいの
手帳の
所持者の
増加が著しいと。また、
札幌市
交通費助成制度においては、障がいの
程度に応じた違いはありますが、
福祉乗車証や
ウィズユーカード、
タクシー券や
ガソリン券が選択できる
制度となっており、この
選択制度によって障がいのある方がご自身の
状況に合わせて
利用する形になっていることはわかりました。
札幌市として、障がいのある方への施策の展開はさまざまありますけれ
ども、
交通費という
観点では、
交通局と
保健福祉局の
取り組みを個別に考えるというよりは、トータルで見ていかなければならない面もあると思います。そこで、仮に、精神障がいのある方への
運賃割引を
実施した場合、この部分での
影響額は幾らになるのか、伺いたいと思います。
また、精神障がい3級の方の中には、1級、2級の方と同様、
福祉乗車証がもらえるようになれば、
運賃割引の問題はほぼ解決するという声もあるやに聞こえておりますけれ
ども、
札幌市
交通費助成制度において精神障がい者3級の方にも
福祉乗車証が選択できるようにした場合、その
影響額は幾らになるのか、これらをあわせてお聞きして、私の
質問を終わりたいと思います。
◎
中田 事業管理部長 私からは、
交通局におきまして精神障がいの方へ
運賃割引を
実施した場合の
影響額についてお答えしたいと思います。
仮に精神障がいのある方に対して
割引を行った場合、あくまでも推計ではございますが、
年間2億円
程度の
減収になるものと想定しております。この内訳といたしましては、障がい
者交通費助成制度において交付されている
福祉乗車証を
利用する分として
保健福祉局から
交通局に支払われている
負担金が
減額となります。そして、
助成用の
共通ウィズユーカードの
利用に伴う
乗車単価が
減額となり、この2
種類を見込んでいるところでございます。
福祉乗車証につきましては、現在、5,756人の方に
助成しておりますが、この
方々の
年間の
平均乗車回数171回に
平均単価の
減額分の120円を掛け合わせた金額約1億2,000万円が
減収になると推計しております。また、
助成用の
共通ウィズユーカードにつきましては、現在、4,324人の方に
助成しておりますが、この
方々の分の171回の
平均乗車回数に
減額分120円を掛け合わせた約9,000万円が
減収になるものと推計しております。
◎
天田 保健福祉局障がい
保健福祉部長 私からは、現在の
札幌市
交通費助成制度におきまして、精神障がい3級の方が
福祉乗車証を選択できるようにした場合の
影響額についてご説明させていただきます。
平成24年度の
利用実績に基づきまして、
中度障がいに該当し、現在、4万8,000円が
上限となっている
ウィズユーカードを選択した精神障がい3級の方が
福祉乗車証を選択すると仮定いたしまして、この3級の方に交付した
ウィズユーカード1人
当たりの
平均助成額と、
福祉乗車証を使用しております1・2級の方の
乗車証1枚
当たりの
助成単価の差額を掛け合わせて試算いたしますと、2億5,000万円の増額となる
見込みでございます。
ただし、
助成内容を3障がい
同一とすることとしておりますので、
精神障害者保健福祉手帳3級の方だけではなく、同じ
中度障がいである
身体障害者手帳3級・4級、
療育手帳の
中度の方にも
福祉乗車証を
助成対象とする必要がございます。この場合につきましては、3障がいの
影響額を合計いたしますと、私の試算でございますが、約5億円の増額となる
見込みでございます。
なお、これらの試算につきましては、従来、
ウィズユーカードを選択している
中度障がいの方が現在の
福祉乗車証の
利用者である
重度障がいの方と同
程度に
福祉乗車証を
利用するという前提で算定したものでございます。
重度障がいの方よりも比較的障がいの
程度の軽い
中度障がいの方は
利用頻度が高いことが予想されますし、
先ほど答弁いたしましたように、障がい
者数は年々
増加してございます。これらを加味いたしますと、
影響額につきましてはさらに
増加する
可能性がございます。
◆
林家とんでん平
委員 私からも、少し
お話をお聞きしたいと思います。
私は、自分の子
どもが障がいを持っております。途中から障がいを持ちまして、今は全く動けません。だんだん歩けなくなってきて、しゃべれなくなりました。途中で障がいを持ったものですから、
公共交通機関を使いながらという時期もあったわけです。
居住地も変えてきましたが、
交通費がこうなるのだ、ああなるのだとだんだんと変わっていくさまを、きょうの
陳情者のように
当事者としていろいろと考えてきました。
先ほどの
陳情者の
趣旨説明でおわかりのように、精神障がいのある方は、病院に通うことが必要でして、2週間に一度は行かなければなりませんし、薬ももらわなければいけないということがあると思うのです。さらに、
地域で暮らすということですが、国も
地域移行の
仕組みを構築しようとして進めてきております。これは、
札幌市もそうだと思いますが、そのためには、通院のほか、さまざまな
社会参加がとても必要になってくると思うのです。それを
支援するという
観点から、精神障がいのある方の
公共交通機関の
運賃の
負担軽減はとても重要であると思うのです。
そこで、精神障がいのある方に対する
バス運賃割引については、昨年7月に、国が定める
一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款に、身体障がい、知的障がいに加えて精神障がいもやっと明記され、3障がい
同一の
観点でその意義は大きいと実感しております。これは、今のように、
陳情者が
当事者として熱心な要請があったから実現したと思うのです。
しかし、残念なことに、この
約款には
強制力がないのです。精神障がいのある方に対する
運賃割引の
実施については、
バス事業者の判断に委ねられており、
バス事業者の
経営判断によって
実施の有無が分かれてしまう
状況にあります。ですから、
地域によって
利用に格差が生じる
可能性が出てきているわけですよ。
こうしたことから、ことしの第2回
定例市議会で、精神障がいの方の
運賃割引制度普及に向けた
取り組みや、
約款改正とその趣旨の徹底に向けた
働きかけを広く
関係機関に行うよう政府に求める
意見書を
札幌市議会として提出しました。それはおわかりのとおりです。ですから、我々会派は、今後の政府の
動向をとても注視しております。その一方、全国の
状況を踏まえながら、広い視野を持って
検討を進めることが必要だと思うのです。
そこで、
質問します。
精神障がいの方に対する
公共交通運賃割引について、他
都市はどのような
状況なのか、また、障がいのある方に対する
交通費助成制度について、他
都市ではどのような
状況にあるのか、お聞かせください。
◎
中田 事業管理部長 私からは、
公営交通事業者の
運賃割引がどうなっているかという
状況についてお答えいたします。
公営交通事業者が
地下鉄事業を運営しているところは、
札幌を含めて
政令市で八つございます。
札幌を除く七つの
政令市の
事業者の
状況でございますが、
仙台市におきまして、宮城県及び
仙台市が発行する
精神障害者保健福祉手帳を所持している方に対して
運賃割引を
実施していますけれ
ども、それ以外は
公営交通事業者みずからが精神障がい
者割引を
実施している例はないと聞いております。
◎
天田 保健福祉局障がい
保健福祉部長 私からは、障がいのある方に係る
交通費助成制度が各
都市でどうなっているかにつきまして、承知する範囲でお答えさせていただきたいと思います。
実は、
指定都市20市におきましては、何らかの形で
交通費助成が
実施されております。ただし、その
内容につきましては、例えば、
公営交通に限られる、または、
民間バスも含めて幅広く
助成する、そして、
タクシー券、
ガソリン券な
ども選択できるなど、さまざまでございまして、各
都市の
状況につきましてその水準を単純に比較することは非常に難しいことでございます。
そこで、
札幌市につきましては、
福祉乗車証または
ウィズユーカードなどの
乗車券か、
タクシー券、
ガソリン券のいずれかを選択できる
制度にしてございまして、この点で他の
政令市との比較をしてみますと、
バス、
地下鉄等の
乗車券による
助成につきましては、
札幌市を含めて14市、
タクシー券につきましては20市全市、
ガソリン券につきましては7市で
実施されております。このうち、
札幌市と同様に、3
種類から選択できる
制度を持っておりますのは
仙台市と浜松市となっております。また、
地下鉄を持つ
政令市8市に限ってみますと、全ての
自治体で
乗車券の
助成が行われております。このうち、
仙台市、横浜市、名古屋市、京
都市、神戸市の5市につきましては、精神障がい3級の方につきましても
無料乗車証の
助成の
対象としていると聞いております。
なお、
札幌市と他
都市の
交通費助成制度を障がい者1人
当たりの
予算額に置きかえて試算してみますと、
札幌市につきましては、全国的には
トップクラスに位置しております。また、
札幌市の
交通費助成制度につきましては、
先ほど答弁いたしましたように、
平成22年度の
制度改正によりまして、個々の障がいの
状況に応じた選択肢の幅を広げたり、
助成を受けやすくするなどの
見直しを図っておりまして、
交通費助成を
利用される方の割合は格段に高まっていると考えております。
以上のことから、
札幌市
交通費助成制度につきましては、
単純比較はできませんが、他
都市と比べても決して遜色のない
助成水準であろうというふうに考えております。
◆
林家とんでん平
委員 ただいまの
答弁の中で、まず、精神障がいの方に対する
公共交通運賃割引は、他
都市ではごく一部にとどまっている
状況ということです。そして、
平成22年の障がい
者交通費助成制度についてありましたが、私もかかわっておりましたからよく知っておりますけれ
ども、全国と比べると
トップクラスであるという
答弁でございました。
それはわかるのですが、今回の
陳情を踏まえて、今後、さまざまな視点で取り組むことが重要かなと思っております。例えば、
地下鉄などで
割引を
実施している場合、
運賃割引による
影響額や
公共交通ネットワークを形成している
バス事業者との連携など、整理すべき
課題も多いと思うのです。
そこで、
質問ですけれ
ども、
地下鉄などで
割引を
実施するに当たって、
交通局においてどのような
課題があると認識しているのか、お伺いいたします。
◎
中田 事業管理部長 私から、
地下鉄で
割引を
実施した場合の
課題についてお答えしたいと思います。
まず、
札幌市の
交通体系は、
バス、
地下鉄、
路面電車の3
事業が一体となって
公共交通ネットワークを形成しており、
乗り継ぎ割引などの
運賃制度、あるいは、
ウィズユーカード等の
乗車カードにおいても密接な
関係がございます。そういったことから、各
事業が歩調を合わせて
運賃割引を行うことが重要であるというふうに認識しております。それから、
乗り継ぎ割引の
関係で申しますと、
バスと
地下鉄の間で
運賃割引の
足並みがそろわない場合、
改札機や
券売機などの
システム改修により対応するためには多額の費用と相当の期間が必要となるほか、
料金制度も複雑になることが懸念されるところでございます。
さらには、3,000億円以上の
企業債残高を抱えるなど厳しい
経営状況にございますので、
先ほどご
答弁させていただいたように、
運賃割引を
実施することで
乗車料収入が
年間2億円ぐらい
減収になることもございますので、
経営に及ぼす
影響についても慎重に見きわめていく必要があると考えております。
◆
林家とんでん平
委員 予想はしておりましたが、
課題はかなり多いのかなと思いました。
一方、
札幌市において、
平成24年3月に策定されたさっぽろ障がい
者プランがありますね。その中で、障がいのある方の
地域生活を
支える
取り組みを進めていくということがあると思います。
地域でどうやって
支えていくか、これが
プランの中にうたわれていると思っております。障がいのある方の
社会参加を進めていくことは、
先ほどの
趣旨説明でもおわかりのとおり、日々の
生活の中でいかに外出の
機会をふやしていくか、これは、行きたいという人とそれを
支える人がいて、それが
札幌市の
プランであって、それを進めていくことがとても重要であると思うのです。障がいのある方がスムーズに外出できる
仕組みがつくられると、単に外出の
機会がふえるだけではなく、このことによって住みなれた
地域で安心して暮らせることができまして、
地域社会への
参加の
機会もふえていくと思うのです。
こちらの
陳情の中にも書いておりますが、私たちは、障がいがあっても人間らしく生きたい、いつもそう願っていますとあります。こういう
支えがあることによって、やっと
健常者と同じような
生活ができるのだということかなと思うのですね。そのために、
保健福祉局のみではなく、市全体として取り組んでいく必要が出てくるのではないかと思うのですよ。
そこで、
質問ですが、精神障がいの方の
社会参加の促進に向けて、
運賃割引の
観点を含め、
交通局はどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
◎
中田 事業管理部長 今、
林家委員から
お話がありましたとおり、障がいのある方の
地域生活を
支え、
自立と
社会参加を促進していくことは大変重要であると考えております。そのときに、
地下鉄、
路面電車のみならず、
バスやJRを含めた
公共交通機関は
社会参加を促進するための重要な基盤であると我々も認識しているところでございます。全庁的に取り組んではいかがかという
お話もございましたので、今後につきましては、きょうの
議論も踏まえまして、庁内の
関係部局と連携しながら、
札幌市全体としてどのようなことができるかについて
検討していきたいと考えております。
◆
林家とんでん平
委員 ぜひ、そうしていただければと思います。
きょうは、
保健福祉局と
交通局の2局にお越しいただきましたけれ
ども、全庁的なことが障がいのある方にとって
支えになるのではないかと思うのです。
縦割りでありますと、なかなか
支えにつながっていかず、どこかに壁ができてくるところがありますので、ぜひ、全庁的に連携をとりながら、障がいのある方の立場に立って
検討を進めていくことを要望して、私の
質問を終わりたいと思います。
◆
福田浩太郎 委員 私からも、
質問させていただきたいと思います。
先ほど陳情者の
方々の
お話を伺いました。大変なご苦労をされながら、一生懸命、
社会に
参加されようとしていることを改めてお聞きしまして、心に深く感じるところがありました。
これまで、国におきましては、
障害者自立支援法が制定されて、3障がい一律の
支援、そして、措置から
支援ということで、これまでの予算の枠組み、
義務的経費として法のもとに障がい
者支援を行っていくということで、遅いかもしれませんけれ
ども、着実に
取り組みが進められてきているところでございます。
本市におきましても、
先ほどお話があったように、
交通費助成につきましては、厳しい
財政状況の中にあって、サービスの充実、そして3障がい
同一の
仕組みとして改善を進めてきたことも理解しております。私
ども会派といたしましても、
陳情者の思いを何とか実現できないものかと思うところであります。ただ、こうしたことを実現するためには、さまざまな
影響も考慮していかなければならないことも現実でございます。そうしたことから、私からは、
先ほど来の
議論を踏まえて、精神障がいの方への
運賃割引の導入と本市における
公共交通ネットワークとの
関係について
質問したいと思います。
平成23年8月に
改正されました
障害者基本法は、障がいの種別にかかわらず、
自立と
社会参加のための
支援を一層推進することを
基本理念としております。また、
先ほどもありましたが、
平成24年7月には、
国土交通省が定める
バス事業の
標準約款において
運賃割引の
対象に精神障がいの方を加える旨の
改正が行われまして、これは法の
理念の実現に向けた一歩であると認識しているところでございます。
このたびの
陳情は、
地下鉄及び
路面電車に精神障がいの方への
運賃割引を先行して導入することを要望するものでございますが、
札幌市域内では、これら2
事業に加えまして、
民間バス事業との3
事業で
公共交通ネットワークを形成しているところでございます。そうしたことから、
札幌市内の各
バス事業者の
動向も精神障がいの方の
自立と
社会参加の推進に少なからず
影響があると考えているところでございます。
そこでまず、お尋ねしたいと思います。
札幌市内の各
バス事業者における精神障がいの方への
運賃割引の
検討状況について把握しているのかどうか、していればお聞かせいただきたいと思います。
◎
天田 保健福祉局障がい
保健福祉部長 各
バス事業者における
運賃割引の
検討状況について、私
どもが承知する限りでお答えさせていただきます。
まず、私
ども保健福祉局といたしましては、
委員がご指摘のとおり、
障害者基本法の
理念に立ちまして、
福祉部局として国や各
交通事業者に対して精神障がい者に対する
運賃割引の
実施について
働きかけをしてきております。特に、
平成21年以降につきましては、
北海道とも
足並みをそろえて
要望活動を続けてきているところでございます。
とりわけ、
林家委員からもございましたとおり、昨年7月に、
バス事業に係る
標準運送約款の
改正がございましたので、これを受けまして、昨年10月に
市内の
バス事業者3者、
中央バス、ジェイ・
アール北海道バス、じ
ょうてつバスですが、
北海道の
保健福祉部局が呼びかけましてこの3者と
意見交換を行っております。この席上、各
事業者から、
公共交通事業者として障がいのある
方々への
社会的な配慮を行う
必要性については十分に理解しているという認識をいただいております。しかしながら、精神障がい者への
運賃割引につきましては、3者とも、
運賃収入の
減収要因となることから、現段階では
実施は難しいとの見解が示されております。
その背景として伺っておりますのは、各
事業者とも
利用者数の減少や
燃料価格の高騰が続く本当に厳しい
経営環境の中で、過去15
年間、
運賃を据え置いてきており、この間、並々ならぬ
経営努力を続けてきているけれ
ども、
運賃割引の
対象者の拡大は
経営に大きな
影響を与えることから、
運賃割引の
実施については難しいと伺っております。
なお、その後、いずれの
バス事業者につきましても、その
状況、考え方が変わったとの情報は把握しておりません。
◆
福田浩太郎 委員 ただいまの
答弁をお聞きしますと、精神障がいの方への
運賃割引導入に向けて、
平成21年度以降、毎年行っていただいており、また、
約款が改定されてから、機を捉えて
意見交換を行ったということで、
保健福祉局が
北海道と
足並みをそろえて各
バス事業者に対して粘り強く対話を行っているものの、見通しについては不透明だということでございます。
確かに、
バス事業者はどこも
経営状況は厳しいと思いますが、障がいのある方の
自立と
社会参加の促進、そして、
バス事業者の
経営は何としても両立させていかなければならない
課題であると認識しております。一方、
先ほどの
答弁でもありましたが、
地下鉄等で先行して
割引を
実施することは、整理すべき
課題も多く、特に
公共交通ネットワークを形成している
バス事業者との連携は重要であるというふうに考えているところでございます。
そこで、2点目に、この問題について、
交通局としては今後どのように対応していくのか、お尋ねしたいと思います。
◎
中田 事業管理部長 交通局の今後の対応をどうしていくかについて、私からお答えいたします。
交通局といたしましては、
先ほどもご
答弁させていただきましたが、
運賃割引に対応するためには、整理すべき
課題が幾つかあると認識しているところでございます。特に、
バス、
地下鉄、
路面電車の3
事業が一体となって
公共交通ネットワークを形成しておりまして、
乗り継ぎ割引などの
運賃制度においても密接な
関係がございますので、各
事業者が歩調を合わせて
運賃割引を行うことが重要であると考えております。
このようなことから、私
どもといたしましては、精神障がいのある方への
運賃割引につきましては、
バス事業者と一体的に対応することが望ましいという考え方はこれまでと変わりませんが、
先ほどもご
答弁いたしましたように、きょうの
議論も踏まえて、今後何ができるかについては、庁内の
関係部局と連携を図りながらいろいろ
検討していきたいと考えております。
◆
福田浩太郎 委員 現時点での対応については理解いたしました。
確かに、精神障がいの方が戸惑うことなく3
事業を一体的に
利用するためには、各
交通事業者が一体となって
運賃割引が適用されることが望ましいと私も思いますので、
先ほど来申し上げているように、精神障がいの方への
割引の導入は大切な
課題であります。つきましては、
交通局だけではなく、
札幌市として
地下鉄及び
路面電車における
検討とあわせて、引き続き、
バス事業者と連携しながら取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、
バス事業者の
経営は非常に大きな要件だと思いますが、
利用者がふえることによって
経営の改善にもつながっていくわけでございます。
札幌市全体として、公共交通の
利用促進に向け、モビリティーマネジメント等に全庁を挙げて積極的に取り組んでいただくこともお願いいたしまして、
質問を終わります。
◆木村彰男
委員 先ほど部長からご
答弁がございましたが、私がいただいている資料の中では、
平成24年の4定で他会派の
質問があり、それに対して、市長からは、これについては
バス事業者との歩調を合わせて
検討していかなければいけないという
お話があり、それを受けて、昨年に
中央バス、じ
ょうてつバス、ジェイ・
アール北海道バスと
お話をして要請した、しかし、
経営が非常に厳しい中にあって、今回の
陳情の
方々を
対象にすることは難しいという
お話が今あったわけでございます。
そうなってくると、市長が解決すべき
課題の
検討とおっしゃった相手が引き続きそのようなお考えでございますから、相手が変わらない限り、これ以上、
札幌市は何もしないのかということが1点でございます。
もう一つは、当然、
バス事業者の
経営がよくならなければできないということを言っているわけでございますが、
先ほどちらっと
陳情者にも申し上げたのですけれ
ども、例えば、南区の定山渓地区や石山地区、藤野地区からまち場の病院に薬をいただきに来る、病院にかかるとなった場合、じ
ょうてつバスを
利用して来るか、真駒内までじ
ょうてつバスで出て、
地下鉄に乗って中央の病院に来ることになります。
そこで、
先ほども言いましたけれ
ども、全部が
対象にならないとしても、遠くから病院に行かなければならないことについて何らかの立証ができたといいますか、それが担保できる方については、別なカテゴリーで先行してやっていくと。
先ほど調査の中で
検討するといった一つの切り口を聞いているのですが、そのような考え方は持っておられないのか、お聞かせください。
◎
中田 事業管理部長 昨年の4定の中で、確かに、市長からは、いろいろな
課題があるので引き続き
検討するというご
答弁をしております。
課題は、
先ほどお話しさせていただきましたが、
乗り継ぎ割引が適用になっておりますから、
地下鉄のみで
実施した場合にどのような解決策があるか、我々はこれからそこを整理していかなければなりませんし、庁内的にも
関係のところと
議論していかなければならないと思っております。
いずれにしても、そのような
課題がございますので、我々としては、今後、
課題解決のために何が必要かということを整理していきたいと思っております。
◆木村彰男
委員 できないということを聞いているわけではなくて、今の
陳情者の思いが、100とは言わなくても、どうすれば徐々にでも実現していくかということを私は考えているわけでございます。もちろん予算もありますし、全体の収支もございます。しかし、どんな条件が整えば、一部の方かもしれませんが、
割引を適用できるような方策がないのか、あるのか、それについてご
検討いただけるという今のご回答でよろしいのでしょうか、お聞かせください。
◎
中田 事業管理部長 庁内的に
関係するところでは財政当局とか、あるいは、
バス事業者とのネットワークを組んでおりますので、市民まちづくり局総合交通計画部も
対象になります。あるいは、隣に座っております
保健福祉局の障がい福祉の
関係も一緒になって考えなければなりません。あるいは、全庁的なことなので、市長政策室ともやることになります。そのような
関係のところと何ができるかを
議論していき、木村
委員がおっしゃるように、100点か零点ではなくて、このぐらいならできそうかということは、今後、庁内的に
検討していきたいと思っております。
◆木村彰男
委員 陳情者の思いやお考えは、今言ったようなゼロか100かという話ではないと思うのです。
札幌市が端緒となって先鞭をつけていくことによって、他の政令
指定都市にもそれが波及していくようなものになっていけば、私は皆様方の一つのご成果だと思いますので、実現に向けてぜひやっていただければと思っております。
○川田ただひさ
委員長 坂本議員、番外ですので、簡潔によろしくお願いいたします。
◆坂本恭子 議員 日本共産党は
委員がいないものですから、きょうは、
委員長のお計らいによって番外で
質問させていただきます。ありがとうございます。
簡潔に
質問したいと思います。
今までの段々の質疑を聞いていますと、
委員の総意としては、
陳情者の願意を酌み取って、ぜひ
運賃割引の
制度を導入してほしいという方向性だったのかなと私自身は受けとめているところです。それぞれの理事者からもご
答弁がありましたけれ
ども、今後は
関係する部局と全庁的に
議論、
検討していきたいということでした。
そこでまず、一つ伺いたいのは、しっかりとしたプロジェクトチームなりを設けて全庁的な
検討を行っていくのか、これからのスケジュールはどういうふうにお考えになっているのか、そこはぜひ具体的にしていっていただきたいものですから、ここを伺いたいと思います。
それから、
バス事業者について
お話がございまして、運営的な問題な
どもあり、非常に厳しいと話しているということでした。
先ほどゼロか100かという話がありましたけれ
ども、3
事業者が歩調を合わせることが重要だということですから、
バス事業者が踏み出さなければ
交通局として単独で動き出すという決断ができないのかどうかという点についてもあわせて伺いたいと思います。
一遍に聞いてしまいたいと思います。
陳情者の
趣旨説明の中で、障がいを持ったご本人たちが混乱をしてしまうからというようなことでなかなか前に進まないとありましたが、自分たちは大丈夫ですという
お話がございました。途中で
制度が変わったり、
事業者によって対応が違うことで混乱を生じてしまう懸念については、私
どもは議会の中では
運賃割引制度を導入すべきということで
バス事業者に
働きかけをすべきと繰り返し
お話ししてまいりましたが、随所で混乱ということが随分と出てきたように感じています。そういう意味では、
当事者が大丈夫だと言っているわけですから、そこのところはクリアされているのではないかと思うのですが、その点についての評価、お考えがあれば改めて伺いたいと思います。
◎
中田 事業管理部長 まず、1点目でございますが、プロジェクトチームをつくるかどうかでございます。
それも含めて、今後、
関係のところと協議することになりますけれ
ども、あえてプロジェクトチームをつくらなくても打ち合わせ等の会議は持てますので、今のところ大丈夫ではないかと私としては考えております。
それから、スケジュールについては、まさにこれから
関係のところとの
議論、
検討に入っていくわけですから、今の時点でどれぐらいという
お話はちょっと難しいのではないかと思っております。
それから、
バス事業者と歩調を合わせるのが最善の策ですが、
交通局単独で判断できるのかどうかについてですけれ
ども、それも含めて
関係のところと協議していくことになります。
そして、4点目は、これまで精神障がいの方の
割引制度を導入することによって混乱が生じるというニュアンスで、
交通局の発言でそう受け取られていたことがあったのかと思っております。私
どもとしては、
制度が複雑になって、わかりにくいのではないかと
お話をさせていただいていたところでありまして、決して、
対象者が精神障がいのある方だから混乱するという意図でそういう言葉を使ったことはございません。きょう、いろいろ
お話しさせていただいた中でも、そのような誤解を招くような表現は適切ではないと我々も考えておりますので、きょうは混乱という単語は一つも使わないでご説明させていただいているところでございます。
◆坂本恭子 議員 プロジェクトチームについては、あえてつくらなくても大丈夫だと思うというご
答弁でした。そして、スケジューリングについては、これからやっていくので、どのくらいということは、現在はご
答弁をいただけないということでした。
先ほども申し上げましたが、私
どもは、
標準約款が改定になる以前から
運賃割引については3障がい
同一でやるべきだと主張してまいりました。議会の中では、そのことについてきちんと受けとめていただき、
検討などについては内部的にやっていただいているものだと理解しておりましたし、それが、前回の代表
質問で、
標準約款が変わったわけですから、いよいよ精神障がいについても導入が望ましいという発言につながったと理解しておりました。これは昨年のことですから、そういう意味では、
バス事業者とのいろいろなやりとりをしながらも、
交通局単独で考える時間は十分にあったはずだと思います。ですから、これから改めて全庁的に
議論をして結論を得ていくのだ、しかも、
バス事業者とも連携をしながらやっていくということでは、今まで一体何をやっていたのかと、そこについては改めて申し上げなければいけないと思います。こうやって、
当事者の方たちが
陳情を出してくださいました。
趣旨説明の中でみずからの言葉で発言する
機会を自分たちでつくってきたことをぜひ重く受けとめていただいて、いつ、どのくらいで決着するかはわからないということではなく、早急に対応すべきだというふうに思います。
それから、
札幌市内では、ばんけい
バス1社が
運賃割引を導入しております。私
ども共産党の
札幌市議団では、ばんけい
バスの本社までお邪魔して
お話を伺ってまいりました。ばんけい
バスは、こう言っては何ですけれ
ども、小さい
事業者ですから、
経営はかなり大変なところがおありで、ほかの
事業をやっているので何とか
バスを動かしていられるというような
お話もありました。その中でも、なお、3障がい
同一で、精神障がいの方たちの
運賃割引もやっていると、それは、
地域に貢献したい、
地域に根差すという会社の
経営理念をしっかり貫いていきたいからだという
お話がありました。
ばんけい
バスは、
地下鉄南北線の真駒内駅、東西線の円山公園駅にそれぞれ系統路線を持っております。あえて混乱という言葉を使わないとおっしゃいましたが、この路線を
利用されている精神障がいのある方の皆さんは
地下鉄の乗り継ぎが必要なわけですが、それぞれの駅などで混乱するような場面があったのか、
交通局としてそれを把握しているのか、その点を伺いたいと思います。
◎
中田 事業管理部長 ばんけい
バスにつきましては、円山公園駅、真駒内駅、もう一つ発寒南駅と接続しております。三つの駅と接続しておりますが、実際に
乗り継ぎ割引の指定駅になっているのは円山公園駅1駅のみとなっております。
そこで、ばんけい
バスで精神障がいのある方に
運賃割引を導入しており、
地下鉄はやっていない、そのことに伴うトラブルが発生しているかというご
質問でしたけれ
ども、何らかのトラブルが発生しているという報告は特に聞いておりません。
◆坂本恭子 議員
当事者の皆さんも、その点については大丈夫だと言い、実際に少ない数ではあるかもしれませんけれ
ども、
運賃割引を導入している
事業者と
交通局の間でもトラブルはないということですから、ここについては全く安心していいということだと思うのです。途中で
制度が変わっても、あるいは、
事業者によって
運賃割引の導入の仕方が違っても混乱はないということです。
先ほど来、3
事業者が歩調を合わせることが重要だということを強調されていらっしゃいましたけれ
ども、私は、その点については、
交通局、
地下鉄と市電を運行している
事業者が先行して行っても全く問題ないことがはっきりしたというふうに思います。