委 員 小 形 香 織 委 員 伊 藤 牧 子
委 員 松 浦 忠 委 員 堀 川 素 人
委 員 木 村 彰 男
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午後1時
○
細川正人 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
山口委員からは欠席する旨、よ
こやま委員からは
飯島委員と、
宗形委員からは
小須田委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、議案第6号 平成24年度札幌市
水道事業会計利益処分及び決算認定の件について質疑を行います。
◆松浦忠 委員 3点について質問いたします。
一つ目は、
職員管理について、二つ目は、国指定の難病対策について、三つ目は、
ヒ素対策工事に関連してであります。
最初に、
職員管理についてお尋ねをします。
毎年4月1日に
定期昇給が行われます。これは、俸給表といいますか、
職員給与表があって、普通に勤務した人は所定の給料が普通に上がります。特に成績が優秀な人については、全体の15%を成績優秀と認めて特別に加算して昇給する制度になっております。
そこで、お尋ねします。
平成24年4月1日で
特別昇給させた人は何人いるか。そして、15%ですから、平均でいくと6年に1回です。そのうち、非常によくやっているということで連続で
特別昇給させた人、あるいは、6年ではなくて、5年や4年や3年とか、最短で何年で
特別昇給させたか、こういう人が何人いるか。さらに、仕事の上で注意が足りなかったとかで適正な仕事を執行できなかったということで処分した人は、平成24年度では、どういう処分で何人いるか、そして、この人の
定期昇給の扱いはどういうふうにしているか、
特別昇給の扱いもどうしているか、この点についてお尋ねします。
◎森
総務部長 昇給制度は、従前は、委員が今お話しされたように、
定期昇給に相当する
普通昇給と
勤務実績等に応じた
特別昇給の2本立てでございました。それが、平成19年4月に国に準じて
給与構造改革を行いまして、それに伴い、
昇給制度も市長部局に応じて改正してございます。したがいまして、現在は、
普通昇給と
特別昇給という区分はなく、それぞれの
勤務成績に応じて
Aランクから
Eランクまでの号俸ごとに
勤務成績に応じて昇給が行われる制度になっております。
したがいまして、
特別昇給はないものですから、連続でということは、それぞれ
勤務成績に応じてその号俸が決まることになります。そういう意味では、最短で何人かは、手元に資料がないのでわかりませんけれども、毎年、1年に1回、
人事評価を行っておりまして、そこで職員の行動、活動が外にあらわれますので、それに基づいて、業績、能力、意欲を評価し、
昇給区分を判定して、それを参考にしながら昇給の号俸数を決定していくことになっております。当然、処分につきましてもその評価の一つの要素となっております。
この基本的な運用は、市長部局では給与条例の第13条に基づいてこの
昇給制度を運用しておりますけれども、
地方公営企業の水道局につきましても市長部局の運用に準じて取り扱いを行っているところでございます。
◆松浦忠 委員 処分のほうは後で答えてください。
そうしたら、
ABCDEとなったら、絶対評価なのか、
相対評価なのか。絶対評価ならば平成24年度は
ABCDEで何%ずつ昇給したか、
相対評価ならばどういう配分比率になっているか、それについて答えてください。
◎森
総務部長 絶対評価か
相対評価かということでございますが、
人事評価は、平成9年に、絶対評価と
相対評価の項目を合わせた運用の制度に改正しております。客観的な基準に基づいて能力等を判定して職員の育成につなげようという趣旨の中で絶対評価が導入され、従来の
相対評価から離れて、育成的な形での
人事評価に運用を変えております。ですから、絶対評価か
相対評価かで昇給が決まるわけではなく、今お話のありました内容で、
人事評価にあらわれた勤務実績に基づいて
昇給区分を決めていくということでございますので、あくまでも
相対評価と絶対評価を合わせた全体的な評価を行って判定しているということでございます。
◆松浦忠 委員 では、この
ABCDEについて、平成24年4月1日のものを
パーセンテージで示してください。
◎森
総務部長 人事評価の結果に基づいてそういう区分が決められておりまして、当然バランスはありますが、手元に
パーセンテージの詳細資料を持っておりませんので、改めてご説明させていただきたいと思います。
◆松浦忠 委員 市長、何で私がこういうことを尋ねるかといったら、かつて、札幌市
職員組合の書記長をやった猪熊さんが私の横にいます。そして、猪熊さんの後に大長さんという大変長期間にわたって書記長をやられた方がいます。この人のときに、
職員組合がコンピューターを買って全職員の
昇給管理をしたのです。そして、市長と話をして、基本的に順番で上げるということをやったのです。成績のいい者も悪い者もなく、順番で上げるということでした。
公務員法に基づく減給、停職、免職、戒告といったような処分を受ければ別ですが、そうでない限りはということだったのです。
私が問いただしたのは、そういうふうに変えたのは知っているけれども、大体、決算の認定を求める議会に当たって、一番大事な職員の評価について問われて、用意もしていないなんていうのは、私にしたらびっくりする。そういう経過がずっとあって、札幌市
職員組合と市長の間で来ています。自民党も、今までの経過の中で職員の評価についていろいろなことを言いました。自民党の議員の皆さんは、特に熱心にいろいろ言っておりました。しかし、変えてみて、それがどうなっているのかということが大事なのですよ。形は変えたけれども――これだったら、
ABCDEならCが普通だとなる。昔、私が小学校1年生に上がったときの昭和21年は
相対評価でした。そうすると、1は一番できない者で1割です。5が1割です。2と4が2割で、3が6割と。こういうような
評価比率がありました。
したがって、形は変えても、職員が意欲を持って、俺も頑張ってやれば
Aランクに行けるかもしれない、連続で行けるかもしれないと、これが大事なのですよ。
公営企業ですから、株主は市長ですよ。管理者は、株主からあなたが社長をやりなさいと言われて託されて、職員を使って業績を上げる。
公営企業の場合、業績を上げるというのはどういうことかといったら、できるだけ少ない人数で水道業務を正常に遂行するということです。そのことについて、この程度のことを聞かれて誰も答えられないのは、私はちょっと心配だな。
そこで、市長、私はこういうことが企業運営の上で最も大事な部分だと思うのですけれども、市長はどういうふうに認識していますか。私との質疑を聞いていて、市長が任せている管理者以下はこれでいいと、決算議会に臨むに当たってこれでいいと市長はお考えですか、それとも、これはまずいと考えるか、市長の見解を聞かせてください。
◎上田 市長 ご指摘のように、人事に関して答えろと言われれば、準備があればもちろんお答えすると思いますが、公務員というのは聞かれると正確に答えなければならないという性質を持っていると思います。大まかにわかっていても、正確に言おうとすると言えないということだろうと思います。そんな意味で、事前にそこのところと言っていただければ、きょう、正確なことをお答えできたのではないか、そんなふうに思ってお聞きしておりました。
それから、
人事評価が絶対評価か
相対評価かという問題ですが、もちろん、真面目にやっていただいている方を勇気づける意味合いにおきましては競争的なことも大変重要だとは思います。しかし、公務員の仕事にはさまざまございまして、非常に評価しづらい部門も確かにあるのではないかと思います。一生懸命にやっていても表にあらわれない仕事も大事な仕事としてあるように思います。そこのところを業績ということでカウントするだけでは、なかなか公平な人事はできないのではないかと思います。
そこは、そういうさまざまな要素が入って
総合評価をするところだろうと思いますので、
松浦委員はそのことを十分にご承知だとは思いますが、工夫をしながらよりよい
人事評価を試みているのだろうと思います。私の見解は、そういうことでございます。
◆松浦忠 委員 市長は、選挙で
職員組合に支援してもらっているから言いづらいのかというふうに私はおもんばかっているのです。市長は、ちゃんとわかっているのだと思うのです。
私のところに、何か質問はないですかと来たのが11時半です。ほかの何人かのところには、質問、答え、再質問、答えと書いた紙を持っていって、一生懸命にそれを読み合わせているという様子も見受けられるけれども、私のところには全然来ないのですよ。だから、差別をするなと言っているのです。私は、質問してほしいことを書いて持ってこいと言ったのです。それで、答えが足りなかったら、これも答えてくれと言うからと言ったのです。だから、準備しなければならないのは僕のほうではなくて、そちらが準備して早く持ってくれば私もそのとおりにやるのに、直前に言ってこられて、間に合わないからといって質問した私の準備が悪いみたいに言われたら困るのです。市長、ここだけは間違えないように頼みますよ。
そこで、先ほど何で15%と言ったかというのは、皆さんにわかりやすく説明するためにそのことを引用したのです。
ABCDEについては、市長が言うようなこともあるでしょう。あるとしたら、全体の
定期昇給の枠は、改正前のようにみんなは1号俸ずつ上がり、そのほかに
特別昇給が15%あると。ただ、お金で言うと、
特別昇給の予算枠というのは改正前よりもふえてはだめなのです。その枠の中でうまく
さじかげんをして、みんなに意欲を持たせるというのが改正です。これは改めて正しくするのであって、改悪ではないですから、その効果がどういうふうに出ているかを問いただしたかったなと思うのです。
それでは、
総務部長、今のように改正して、
ABCDEになって、Eの人、一番最下級は何人ぐらいいるのです。
パーセンテージにしたらおのずとこれぐらいかなというものはわかりますか。
◎森
総務部長 勤務成績に応じた競争原理を導入することによって、職員が意欲を持ち、活性化しながら活動できるのではないかというお話だろうと思うのです。
しかし、先ほども申しましたように、
人事評価の中では、
評価項目について単に絶対評価、
相対評価でやるだけではなくて、業績を評価する際に
目標管理を導入しております。これは、職員とことしの業務はこういう取り組みでという目標を立てて、所属長が進行管理をしながら評価につなげていくシステムになっておりまして、そういう意味ではその中で意欲を喚起するような指導・助言をやっていきますが、たまたま、どうしても意欲や業績が上がらない、能力も改善できないとなるとDとかEが出てまいります。
したがいまして、逆に言いますと、それは率で決まるものではないものですから、今、その部分の資料が手元になくてお答えできませんけれども、そのような形で動いているということでございます。
○
細川正人 委員長
松浦委員が聞いているのは、
Eランクはいたのか、いないのかということを聞いていると思います。そのことについてはどうなのですか。それもわかりませんか。
◆松浦忠 委員 市長、きょうの議会が終わったら
総務部長の評価をしてください。管理者は技術職の人ですから、そこはなれていないと思うけれども、事務方の人で、会社の実務的な総責任者ですからね。非常に心もとないです。こういう実態だというのは、この場にいる皆さんもおわかりだと思います。
後ほど、資料を提出してください。
そこで、先ほど
総務部長が答えた中で非常に気になったことがあります。絶対評価と
相対評価がある、だから評価が難しいとか難しくないと言いました。
例えば、10項目がありました。絶対評価が4項目あって、
相対評価が6項目――
目標値管理でもいいですから、それが6項目ありましたと。そうしたら、その結果、必ず点数が出るのですよ。3月で1年間が終わり、4月の昇給のときに個人個人の点数が出るわけですよ。点数の高い順にAからずっと行くでしょう。何点まではAだとか、何点まではBだとか、こういうような管理をしていないのですか、しているのですか。
◎森
総務部長 現在の
人事評価のシステムと申しますのは、業績、能力、意欲のそれぞれについて項目を定めて……(「それだって成績が出るじゃないか」と呼ぶ者あり)
○
細川正人 委員長 静粛に願います。答弁を続けてください。
◎森
総務部長 (続)その中で評価の基準を定めまして、例えば知識などがどういう状況にあるのかという項目について、
評価者ごとに差が出ないように基準を定めて絶対評価をします。そういうものを積み上げた中で、結果的に絶対評価の総体のボリュームが決まります。ただ、当然、同じ点数でも微妙に評価が分かれる部分がありますので、その部分を
相対評価でバランスをとりながら全体の運用をしているものでございます。そういう意味では、点数で全てが並ぶという……(発言する者あり)点数で並べるだけの仕組みにはなっていないということはご理解いただきたいと思います。
◆松浦忠 委員 何回聞いてもわからない。だから、それは後で説明を求めることにして、また別の機会にします。
そこで、処分です。いろいろな処分があると思います。
公務員法に基づかない、あるいは、訓戒処分などで文書による注意とかがあるけれども、そういう処分を受けた人に対して、昇給のときの評価は重きをなしますか。例えば、100点の中で何点ぐらいの減点になるか、こういうような基準を決めてやっていますか。そして、それが平成24年度では実際に何人いたか。
◎森
総務部長 勤務成績については先ほどの
人事評価の中で全体を見ますけれども、
懲戒処分があった場合、昇給については別の枠の中で昇給の延伸が行われる仕組みになっております。
◆松浦忠 委員 その
懲戒処分というのは、免職はだめだけれども、
地方公務員法に基づく戒告、減給、停職の3段階が昇給に大きく影響するのか、それとも、口頭注意とか文書による厳重注意と言葉を使い分けているけれども、市長独自のものも評価の対象になるのか、ならないのか、答えてください。(「よくわかっていないんじゃないのか」と呼ぶ者あり)
◎森
総務部長 今申し上げた昇給の運用についての処分の位置づけと
人事評価はちょっとずれております。そこの部分は、
地方公務員法上の
懲戒処分があった場合には昇給は延伸になります。ただ、事実上の処分、今おっしゃられたような中身については
人事評価の中で評価されることになります。
◆松浦忠 委員 そうすると、こういう不都合があった、これについては厳重に文書で注意した、口頭で注意したと記者会見などでよく言うけれども、一般的には相当な注意を受けて、本人の昇進にも影響するのではないかぐらいに市民は思うのですよ。だけど、今聞いたら、何だかわからない。あるのか、ないのかもわからないということですね。これは、
総務部長とこれ以上やりとりしていてもわからないから、市長、あした以降、
総務部長の評価をしてください。
総務部長として適しているのかどうかを評価してください。これを市長に求めておきます。
次に、国が難病に指定している
キタキツネによる
エキノコックスという病気があります。札幌市内でも、
キタキツネが生息している地域で沢水を飲料水として飲んでいる盤渓という地区があります。このことについて、
堀川議員も私も、早く何とかしようということで一緒に取り組んできました。今、
盤渓地区ではトンネルの道路改良もやっていますから、山に上がるように水道局は加圧できるように
中継ポンプ場もつくっております。しかし、入っていく道が私道であるために、権利調整が難航してなかなかできておりません。
実は、
関係地権者から隧道の
用地買収をするときに、建設局と水道局が協力して解決を図り、水道管が入るようにしてあげてほしいと強く求めたのですが、建設局はトンネルを掘るための土地買収が終わったらそれで終わり、水道局は所管ではありませんという感じで終わっているのです。水道局に言ったら、用地問題を解決すれば何とか入れますよということなのです。そんなことで、何年もいろいろと言っているのですが、いつまでたっても解決しません。そして、その人たちは難病にかかる危険にさらされながら、毎日、その水を飲んでいます。
そこで、私は水道局が乗り出して難渋している地権者との
問題解決を図るべきではないかというふうに思うのですが、これについて水道局ではどのようにお考えになるのか、お答えを求めます。
◎高橋
配水担当部長 札幌市におきましても、
エキノコックスの虫体が確認された経緯がございまして、特に調整区域内の沢水や井戸等に
エキノコックスが混入する可能性があるため、
エキノコックス症対策の一環として配水管の整備にもこれまで取り組んできているところでございます。
盤渓地区におきましても、道道
西野真駒内清田線に布設されている配水管から分岐している路線3線につきまして、布設用地の地権者から地上権の設定の内諾であるとか
土地使用貸借契約を終えたところから、随時、配水管の整備をしてきているところであります。
平成25年度におきましても、用地関係の手続を進めながら、鋭意、整備に取り組んでいるところでございます。
◆松浦忠 委員 ほかのことはいいのです。私は、盤渓という具体の話をしているので、そこのところを答えてください。できていないのは事実ですから。
加圧のための
中継ポンプ場をつくって、もう3年になります。建設局も、隧道の用地問題を解決するときには我々も協力するといって水道局とも一体となってやっていたけれども、
用地買収が終わってしまったら、建設局は、はい、さようならと、水道局も用地をちゃんとしなかったら入れられないのだと、水道局では、あそこまで
設備投資をして加圧する
中継ポンプ場もつくったのに、全く一滴も水を売れないままにこうやって何年も放置しているとなったら、経営の面からもこれはいかがなものかとなるのです。全く売り上げの上がらない支店をつくって、建物をつくって、商品を並べて、戸を閉めたままですからね。これでいいのかという問題もあるのです。難病問題ばかりではなくて、経営上の問題もあるのです。指摘は二つあるのですよ。
こういう点について、水道局ではもうちょっと真剣に取り組んで、お客さんが買いに来られるように戸をあけるかと、そして、駐車場がなかったら、水道局で駐車場を整備するかと、こういうことをしなかったらだめなのですよ。そこまで持ってきたのはよくやってくれていると思っていますが、そこから先も――建設局が逃げたとしても、一緒にいたのですから、女房は逃げても子どもを抱えたお父さんがいるわけです。そうしたら、歌ではないけれども、そのお父さんが子どもを育てなかったら。
これは、ぜひ水道局にやってほしいのですが、どうですか、
問題解決に取り組んでもらえますか、もらえませんか。
◎高橋
配水担当部長 ポンプ場を新設して、それを通じて給水することを念頭に置きまして、今おっしゃっているのは、恐らく滝の沢線の方面かと思いますが、そちらに給水すべく、町内会の皆さん、関係している
土地所有者とも協議して、未処理用地があるものですから、水道局として、将来的に水道管をしっかりと管理していけるように、地権者の同意が得られるように、町内会の皆さんとともに交渉を進めているところでございます。
◆松浦忠 委員 町内会の皆さんは、もう5〜6年前、私と
堀川議員と皆さんで集まって話をして以来、ずっと一生懸命にやってきて、町内会の皆さんではどうにもならないのです。町内会の皆さんに言っても、皆さんは市役所にしてほしいと言っているのです。だから、町内会の皆さんとするのではなくて、私たちが解決しますと。場合によっては、どうしてもこの土地を買ってくれないのだったら俺は通さないと言うのだったら、水道局がその分を買い取って、水道局の
管理用地として通してやるぐらいのことをしなかったら、これは単なる水販売ではないのです。今の医学では解決できない国指定の難病に罹患する可能性のある地域に住んでいる人たちをどう救済するかなのです。したがって、そういう危険にさらされている人を上田市長は放置するのか、それとも、手を差し伸べて何とか救済しようとするのか、あなた方の会社の株主の真価が問われる事案なのですよ。それに対してどういうふうに取り組むのか、その取り組み方を私は求めているのです。
管理者、私が今言ったように、場合によっては、ほかの人には同意をしてもらって、抵当権の設定をするのもよし、どうしてもという人がいたら、その部分だけは土地を買い取っても水道を通す、その危険から救ってあげるという考え方に立つのか、立たないのか、答えてください。
◎長利
水道事業管理者 エキノコックスへの対策ですが、水道の使命であります公衆衛生の向上あるいは生活環境の改善に寄与するという水道の目的がございますので、
給水区域内で給水の申し込みがあった場合には、当然、正当な理由なくして拒むことはでませんから、私どもではできるだけ多くの市民の皆さんに良質な水道水を供給できるように努めているところでございます。
ただ、正当な理由の一つに、
給水区域内であっても配水管がまだ設置されていないような場合があるだろうと思います。また、委員もおっしゃっておりましたように、経営上の問題も確かにございます。
水道事業は、
地方公営企業といたしまして独立採算の原則にのっとって経済性を発揮した事業経営を求められているところでございます。こういった観点からすると、
配水管布設という
設備投資をして、それに見合った
給水収益が得られるかどうか、
給水収益がしっかり見込まれないと需要者の皆さんのご理解はなかなか得られないのではないかと思っております。
そういったことから、盤渓のように、なかなかわかりづらい面というか、いろいろな要件があって、居住されている方が飲料水、生活用水に窮しているとか、それから、要望度、必要度が高い、予算が許される範囲で費用に見合ったものになるかとか、そういう一定の要件を満たす場合には布設をします。それは委員もご承知のとおりだと思いますが、そういった一定の要件に照らして十分に行ける場合は、受益者の負担、あるいは、公平性の観点からも納得がいくようなことであれば、多くの方に水道水を使っていただきたいので、そういった趣旨でこれからも進めてまいりたいと考えております。
◆松浦忠 委員 委員長から、理事会で、きょうは人数も多いから簡潔にと言われましたので、簡潔にやっているつもりです。だけど、答えるほうが全然簡潔に答えていないのです。今、私が尋ねたのは、盤渓に水道を引っ張ったのは、難病を解決するために市道にずっと引っ張ったのです。そして、加圧して山の上に上げることは目的に沿ってやってくれているのです。問題は、山の上に上がっていく私道で、一部の地権者が、経済的な理由から、どうしても買ってくれなかったらと。この方は、目が不自由なひとり暮らしの方で、私も、何年か前、元旦の日に伺ってよく話を聞きました。そうしたら、一時は市役所に勤めていたけれども、今はやめて、目が不自由で収入がないという困窮度合いも話していました。
あそこの場所で、水道管を通すためにその人の分を買ったとしても大したお金ではないのです。せっかくあそこまで投資して難病にならないように対策を講じようと言っているのですから、どうしてもそこだけを買わなければできないというのだったら、きちんと買い取って、その旨を決算報告の中で我々に提示すれば、議員もみんな理解します。そういうことをきちんとやっていただきたいということなのです。今は、やるともやらないとも答えないのです。だから、時間ばかりがたって困るのです。
そういうことをやっていただきたいのです。引っ張ってから、ああやって何年も放置しているのですよ。本当に、皆さんは、これを何とかしてくれと私に言っているのです。
堀川議員と私がずっとかかわっていて、ばんけいバスが営業をやめたと言って以来ですよ。それなのに、わずかのことで――これはやっぱりやってほしい。
それからもう一つ、ちなみに、管理者にお尋ねします。
こういうような地区について、問題があるから買い取っていいか、悪いかということを今まで誰か市民に聞いたことがありますか。聞いたことがあるのだったら、その人は買い取るなと言ったか、言わないか、教えてください。
◎長利
水道事業管理者 水道局が用地を取得するに当たって、今回の例のように、いいか、悪いかという確認をしたことはないと思っています。
◆松浦忠 委員 これは、そんなに大したお金ではないですし、これによって水道局の経営を左右するような問題でもありません。ここに住んでいる人たちは、190万人からしたら比率は少ないでしょう。しかし、その人たちが一旦難病にかかったら、命を終えるまでの間、難病を抱えての身体的苦痛、精神的苦痛を考えると他の人は理解できないぐらいのものだと私は思います。そういうことからいったら、ぜひともやっていただきたいということを強く求めて、これについては終わります。
最後に、定山渓温泉の豊平川にかかっている橋の付近で、地下から湧出している水の中に相当量のヒ素が含有しております。その下流は白川の取水口のところに流れ込みます。その対応のために、今、堰をつくって、その水を白川の浄水場の下流まで持ってきて、可能な限りヒ素を取り除いて豊平川に戻すというトンネル工事をやっていますが、その隧道工事からヒ素を含んだ物質が出ます。ただ、こばやし峠の隧道工事では、ダイナマイトを仕掛けて、壊して、それを別トンネルの中に封じ込めるということをしていますが、ここの工法は違っていて、ここでは、粉々にして、水で汚泥化して外に搬出し、また脱水して汚泥として処理するということでやっています。
そこで、そのヒ素を含んだ部分はどのような処理を考えているか、お尋ねします。
◎酒井 給水部長 ただいま豊平川水道水源水質保全事業に関してご質問をいただきました。
この事業につきましては、委員がおっしゃるとおり、湧出するヒ素を含む水をバイパス管を通して定山渓側から白川浄水場の下流側に流す事業でございます。先ほどありましたように、こばやし峠はじか掘りをしておりますが、ここについてはシールド工法を用いて行っております。委員のおっしゃっているシールド工法とは若干違っておりますけれども、ここは、延長が10キロメートルぐらいございまして、札幌側の約半分につきましては、開放型のシールドと申しまして、筒型のところに歯型のシールドマシンを設けてじか掘りしております。逆に、定山渓側の半分につきましては、密閉型のシールド工法と言いまして、地下水があるので、それを抑えるために、密閉して添加剤で固めながら掘っていくという工法ですが、いずれもシールド工法でございます。
委員がおっしゃったとおり、この場所につきましては、私どももボーリング等の調査をして、全てではございませんが、場所によってはヒ素を含む重金属が含まれていることを調査で知り得ております。全体量としてどのぐらい出るかは、これから掘って調査をしながら決まることでございますけれども、先ほど申しました密閉型のシールドから出る基準値を超過した汚泥は産業廃棄物扱いとなりますので、産業廃棄物の最終処分場で処理してまいりたいと考えております。
◆松浦忠 委員 まず、一つは測定です。掘る前に地質をボーリングして探索採取して、分析して濃度をはかるのか、それとも、掘って出てきたものの濃度をはかるのか、どちらですか。
◎酒井 給水部長 掘りながら、その土砂の性状を調査することを考えております。
◆松浦忠 委員 私の聞いている質問に答えてください。
私は、掘る前に探索採取、ボーリングで土砂を採取して、分析して、その数値に基づいてその区間を処理していくのか、それとも、掘って土砂になったものを分析するのかを聞いているのです。
◎酒井 給水部長 掘った土を一時保管して、それを調査しながら掘ります。
◆松浦忠 委員 掘る前に先に採取して分析するのと、掘った後に攪拌するのとでは、攪拌したほうが薄まるのですよ。ですから、掘る前に採取して、それを分析、判定して、一定濃度以上のものについてきちんとしていくということでなければだめだと私は思います。そういうやり方でやったら、どんな濃いものでも、大きな貯留施設に入れて攪拌してしまったら、希釈されて薄くなるわけですからね。そこなんです。したがって、掘る前にやらなければだめだと思うのですよ。
部長は、ヒ素というものは、砂糖と同じように、水をたくさん入れれば甘さがなくなる、うんと入れれば全くなくなる、何かによって分解されれば糖分がなくなってしまう、これと同じように、薄めていけばヒ素というのは何かに分解されて全くなくなるとお考えですか、それとも残るとお考えですか。
◎酒井 給水部長 趣旨として当たるかどうかはわかりませんけれども、例えば、ヒ素が含まれている水を薄めていけば薄まっていくという答えでよろしいのでしょうか。
◆松浦忠 委員 もうちょっとわかりやすく言うと、ヒ素というのは何かを配合することによってゼロになるのか、ならないのかを聞きたかったのです。
◎酒井 給水部長 含まれているヒ素はゼロにはならないと考えております。
◆松浦忠 委員 だとすれば、測定方法として、掘る前にボーリングをして、地質に含まれている量が国の定める基準とどうか、そして、それを超えるものについてはきちっと管理するような対策をとるようにすべきだと思うのです。これは、こばやし峠で市長は最終的にそういう判断をされました。したがって、水道局といえども、会社であったら1人しかいない大株主がそう判断しているのですから、同じような判断に立ってやらなければうまくないと思うのです。
これについてはどうですか。
◎酒井 給水部長 試験の方法ですが、ヒ素の含まれている石がシールドマシンで粉々に崩れるということではなく、ある程度の固まりで出てきます。その固まりを環境省令に基づく試験方法によって測定いたします。多分、委員は泥状になったものを持ってきて、それをはかるように思われているのかと思いますが、含まれている石を粉々にして、それを試料にして溶出試験をしたデータをとるということでございます。
◆松浦忠 委員 部長が考えるのは、掘り進んでいくところ、例えば、直径2メートルなりの自動削岩機で掘り進んでいって、その2メートルの岩石に含まれるヒ素の量はどの部分をとっても同じだと考えているのですか。
◎酒井 給水部長 全てが同じかどうかはわかりませんので、そのサンプリングをこれからどのようにとっていこうかということはこれからの検討課題となっています。
◆松浦忠 委員 もうちょっと基礎的な、本当に初歩的なことを尋ねます。
それでは、ヒ素というのは、どういうふうにして地表に近い部分の岩石なり山を形成している部分に、あるいは、地表に存在するようになったのですか。これについて、おわかりだったら答えてください。
◎酒井 給水部長 ヒ素は、自然界の岩石や土壌の中に無機ヒ素という形でどこにでも存在しているものだと、私は存じております。
◆松浦忠 委員 私は、小学校1年生程度のそもそものことを聞いているのです。これは、地球の中の溶岩というか、どろどろになって燃えている部分がありますが、ここの中に地表にある全ての物質があるわけです。そして、それがずっと上に出てくるときに、岩の裂け目などを通って地表に出てきますが、その段階でそれぞれ付着していくわけです。だから、鉱脈があるわけで、それぞれの場所によって含有率、付着率が違います。ですから、事前にボーリングをして、採取して、その上できちんと分析試験をして、対策を立てながらやらなければだめではないですかと言っているのです。
これは、別にこういうことを詳しく習ったのではなくて、こばやし峠のときに専門家からいろいろ教えてもらって、私と
堀川議員が泊まり込みで一生懸命に勉強して、熊本の先生に教えてもらって、なるほどなとわかったのですよ。
したがって、今のように、自然界に存在しているなんて、そんなことはみんなが知っていることなのです。そもそものことを言っているのです。したがって、上がってくる過程のところを掘っていくわけですから、より精度の高い調査方法にしなければだめではないですかと私は言っているのです。
このことについては余り詳しく調べていないようですから、これ以上質疑をしても時間ばかりかかりますから、後ほどおいでください。私が詳しく指南いたします。そして、少なくとも市長は、去年の11月13日に決断したこばやし峠の対策を下回るようなことはしてはだめです。
それから、きょう、産廃に関係する粟崎部長にもおいでいただきましたから、一つだけ質問します。
こういうような水銀やヒ素など、日本でも重大な公害となっている重金属について、産業廃棄物の管理型と言われる構造の中で、こういうことを想定してつくっているか、いないか、そして、今の管理型の耐用年数は何年となっているか。さらに、札幌市内でも全国でもどこでもいいですから、管理型でつくったものの中で漏水があったか、なかったか、検証をしたところがあるか、ないか、この三つについて答えてください。
◎粟崎 環境局清掃事業担当部長 管理型の処分場について、ヒ素を含んだものの受け入れについて想定しているかということでございますが、これは、国の基準の上では認められていると認識しております。
それから、管理型処分場の耐用年数についてでありますが、特に耐用年数は明確に定められているものではないと思いますけれども、いずれにしても、浸出水などの状況が周りの自然界の状況と変わらなくなるまで管理は続けなければならないと定められてございます。
また、実際に漏水などかあったかどうかでございますが、札幌市内にある管理型の処分場につきましては、使用開始後30年以上が経過しているものがございますけれども、もう既に埋め立てを終了しているところにつきましても浸出水の状況等については問題ございません。
◆松浦忠 委員 問題ないというのは、どういう方法で下の水を採取して問題ないと判断しているのですか。
◎粟崎 環境局清掃事業担当部長 廃掃法の省令で維持管理の基準が定められてございます。その中には、管理型の処分場の中の水分はもちろんのこと、その周辺部分についても定期的に調査することが定められておりまして、それに基づいて問題がないと認識してございます。
◆松浦忠 委員 ちなみに、お尋ねします。
札幌市では、管理型のプールがありますが、そのプールの底から何メートルぐらい下の水を採取していますか。わからなかったら、わからないでいいです。
◎粟崎 環境局清掃事業担当部長 深さ的には6メートルから9メートルぐらい下の地下水層を採取して検査することにしております。
◆松浦忠 委員 どちらかというと、下に浸透しないで、9メートルから上ぐらいのところに流れていく水脈があるのならわかるのですよ。しかし、それがなくて、ずっと深くに下がっていって――水は、水脈がなければ下がっていって、下の水脈を通って流れることもあります。ですから、それだけでは破れているのか、破れていないのかを判断するまでいかないのではないかと思うのです。もしそれを調べるとすれば、そこから1メートルないし2メートルのところで、水を採取する管を横に打ち込んで、そういう中で調べて、同じ深さの外側の水と比べて数値が変わっていないということであれば正常に機能していることになります。
そういう点では、国が国がと言いますけれども、多くは言いませんが、3.11の福島をもってして、国がということが何であるかということを言えると思います。札幌市内においては札幌市長の責任でやらなければいけませんから、今の隧道から出るヒ素の問題を管理型でこうしますと絵図面をもらいましたけれども、私は、これでは全くだめだと思っています。少なくとも、市長が去年の11月13日に決断したこばやし峠と同等ぐらいの安全基準で考えていなかったらヒ素や水銀の扱いはだめだと思います。
もう時間がありませんし、1時間もやりました。これは私のせいばかりではなく、答える側のせいもありますけれども、長くなりましたからここでやめます。後ほど、私の質問に答える資料を持ってきて、どう対応するか、場合によって採取実験もしなければなりませんが、それらについて求めていきますので、きょうはここでやめます。
◆阿部ひであき 委員 私からは、災害対策の充実について質問したいと思います。
ことしも、各地で豪雨による水道被害が相次いだようであります。厚生労働省の調べによりますと、7月18日と22日に、山形県の村山広域水道において、豪雨の影響で水源の原水が濁り、取水を停止し、村山市など4市2町において最大約5万6,000戸が断水となったということであります。また、7月22日には、山口県、島根県においても、豪雨により土砂が流出し、配水管が破損し、また流れてしまい、最大約5,600戸が断水となり、最近では、北海道にも上陸した台風18号の影響で厚岸町のポンプ施設が水没し、最大約4,000戸が断水しています。
断水した事業体は、近隣自治体や自衛隊などから応急給水を受けてその場をしのいだということでありますが、水道はまさにライフラインそのものでありまして、断水による市民生活への影響ははかり知れないものであります。とりわけ災害弱者、防災行政上は災害時要援護者と呼ばれる方々が数多く集まっている場所、例えば、医療機関や高齢者施設、そして、避難場所として指定されている学校などを優先して給水タンク車を手配したとのことでありますけれども、今回の山形県の大雨では、続けて2回断水し、1週間近く不自由な生活が続き、その間の生活は大変不便であったと推察されます。
そこで、早速、質問でありますが、同様な豪雨を受けた場合の本市における備えについて、まず、伺いたいと思います。
◎酒井 給水部長 豪雨への対策についてお答えいたします。
札幌市におきましても、最近では、平成18年あるいは平成22年に、豪雨等によりまして河川が著しく濁りまして2,000度を超える原水の濁度上昇を経験しております。このような高濁度の水に対しましては、浄水場における取水量調整や薬品の注入量の増加などの対策を講じることによりまして、比較的短期間であれば対応可能であると考えています。また、管路の流出や損傷に対しましては、現在進めている管路の耐震化や更新によりまして、管の抜け出し防止などの対策を強化しております。さらに、万一の断水に備えまして各種マニュアルを整備し、迅速に対応できる体制についても確保しているところでございます。
その一方で、全国各地におきまして、これまでの想定を上回るような被害が生じていることを踏まえますと、市民の皆様への安定・安全給水のさらなるレベルアップが私どもに求められていると認識しております。そのため、水道局といたしましては、施設や管路の耐震化あるいは更新はもとより、水源の分散化や施設の多重化など、総合的に施策を展開し、持続可能で災害や事故に強い水道システムの構築に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。
◆阿部ひであき 委員 災害被害を軽減させるために本市の水道局が行っている水道管の耐震化については、市立札幌病院を含む市内13カ所の災害時基幹病院への水道供給ルートの耐震化を既に終えたということでありますし、今後もその他の医療機関などの災害時重要施設へ接続する配水管の耐震化を着実に進めていることは把握しているところであります。また、被害の影響範囲を最小化し、復旧対応を迅速化するために、平均して給水人口約1万5,000人を1単位として給水エリアをブロック化し、あるいは、供給するルートの二重化、さらにはループ化を図るなど、より安全な水道システムを構築するために計画的に促進したさまざまな対策を講じてきていると伺っています。
しかしながら、本市は、道内最大の約193万人もの人口を抱える大都市であります。そうした大都市でありながら、水源が豊平川に98%依存する一極集中のあり方には少なからず不安を抱くものであります。さきの村山広域水道が被災したときと同じ程度の豪雨により、万が一、広範囲に被害を受けた場合、断水となるであろう市民の数は比べようのないほど多大であることは容易に推察されるところであります。どのような対策を用いても完璧な対策と言い切れるものではなく、断水という状況は本市でもあり得るものかと考えます。
そこで、質問ですが、本市において断水となった場合の対応をどのように考えているのか、伺いたいと思います。
◎酒井 給水部長 断水時の対応についてでございます。
水道局では、断水被害が生じた場合の応急給水施設といたしまして、市内33カ所に緊急貯水槽を整備しているほか、14カ所の配水池へ地震時に自動的に閉じる遮断弁を設置いたしまして市民の皆様の水道水を確保しております。応急給水活動につきましては、各区の災害対策本部と連携を図りまして、応急給水を必要とされる方々の情報を収集した上で、応急給水施設や給水タンク車などを用いて、適宜・適切に行うこととしております。
一方、札幌市地域防災計画で想定しております最大の地震災害が発生した場合には、応急給水量はおおむね確保しているものの、給水作業については他都市や自衛隊の応援が必要とされる状況にございます。そのため、近隣市町村につきましては、日本水道協会を通じて、また、19大都市につきましては、全国の政令指定都市等の協議会を通じまして、それぞれ災害時相互応援協定あるいは覚書などを締結いたしまして、災害時に給水タンク車の応援を受けられる体制を確保しているところでございます。
◆阿部ひであき 委員 最大規模の地震による水道被害では、主に他都市などからの応援隊による応急給水を想定しているということでありますけれども、相互応援協定を締結したからといって、すぐさま実効性が上がるとは思えないところであります。
本市の人口の多さを考えると、道内の事業体から給水タンク車による応援を受けたとしても、その規模では対応できる対象が限られることが容易に考えられます。さらに、北海道は他の県と陸続きではないため、そこからの応援給水の体制構築には他都市と比べて時間がかかるのではないかとも考えます。また、先ほど耐震管の布設の進捗状況はありませんでしたが、別途聞いたところによると、大体19.9%ですから、約20%にすぎないとも聞いているところであります。つまり、断水という事態の際には課題が多く、さらに今後とも対策の充実が求められるものと考えます。
そこで、どんな方策があるのか、調べますと、国内各地では近隣自治体間、事業体間で緊急時に相互融通できる連絡管を整備して広域的に対策を講じていることがわかったところであります。このことは、東京都と川崎市あるいは横浜市などのほか、京都市や大阪市、福岡市など、大人口を抱える政令都市で見られる取り組みであります。
連絡管という形であれば、給水タンク車の数と直接関係がなく、連続的に水道水を供給することが可能であります。これは、先ほど触れました山形県の村山広域水道の件でありますが、受水団体の断水のときに、山形市は同様に受水団体の一つでありました。内容は少々異なりますけれども、管を結んで連絡するという発想のもとで断水を回避したと聞いています。山形市は、三つの水系を水源としていまして、一つは先ほど言った村山広域水道、それから、蔵王ダムを水源とする水系と最上川から取水する水系であります。災害当時はまだ整理中でありましたが、これら三つの水系のうち、村山広域水道水系を含む二つで相互融通する連絡管を緊急使用し、蔵王ダム水系の水を村山広域水道水系に供給し、断水を回避したと聞いております。
このケースは、直接、他の自治体間との連絡管ではありませんけれども、間接的に自治体間を接続する連絡管となっております。この連絡管を使用することにより、山形市は、村山広域水道が取水を再開し、用水供給を開始した後も、他の断水被害を受けた受水団体の状況を考慮し、広域水道からの受水を受けずに運用を続け、そのため、それらの受水団体は村山広域水道からの供給量を確保でき、一定程度の恩恵を受けたとのことであります。このように、近隣自治体と水道を融通することが可能である連絡管は、災害時に近隣自治体が受ける被害を軽減して、住民の生活への影響を小さくするのに最も有効なものであることがわかります。
もちろん、近隣自治体と水道管を接続することになりますと、どちらがどの範囲で費用負担をするのかという財政面の課題、あるいは、供給量の不均衡との課題、維持管理、実際の水運用の面においてもさまざまな課題があります。整備は容易なことではないとは理解しますけれども、札幌市だけではなく、道央という広域圏全体での災害対策のあり方の一つとして検討する価値があるのではないかと考えるところであります。
そこで、質問でありますけれども、現在、水道局では、他都市、特に近隣自治体とこのような広域的な連携についてどのように考えているのか、伺います。
◎酒井 給水部長 水道局におけます他都市との広域連携についてでございます。
水道の災害時におきましては、まず、他都市などとの相互応援協定に基づく給水タンク車による応急給水が広域連携の基本となっており、札幌市といたしましても応急給水作業の実効性を高めるために計画的、継続的に訓練を実施しております。一例を申し上げますと、ことしにつきましては、7月4日に実施いたしました日本水道協会道央地区の多数の
水道事業体が参加いたしました災害時相互応援訓練を初めといたしまして、8月30日には、厚別区で札幌市が実施いたしました総合防災訓練に江別市や北広島市の参加を得て応急給水訓練を行っております。また、10月29日、30日には、仙台市にて新潟市と3市で実施いたします災害対策合同訓練に札幌市から職員8名を参加させるとともに、給水タンク車をフェリーにて搬送し、実践さながらの応援給水訓練を行う予定としております。
このような訓練を実施する一方で、お話のありました緊急時用の連絡管のように相互融通できる管路の利活用につきましても、給水機能の向上に一定の効果があると考えております。札幌市につきましては、石狩西部広域水道企業団から受水する段階で構成団体である近隣市町と水道管で結ばれ、効果が発揮されるものと期待しているところでございます。
今後は、ご指摘の点も踏まえまして、隣接する事業体との連携力を高める観点から、管路を用いた相互融通、あるいは、運搬給水拠点を効果的に活用した給水活動などの広域的な連携方策につきまして検討を深めてまいりたい、このように考えております。
◆阿部ひであき 委員 さまざまな応急給水作業をやられていることはわかります。しかし、完璧なものはなかなかないのが事実であります。やはり、一番心配なのは、先ほども触れましたが、本市におきましては、一つの水系に98%が偏っているという体制で、万が一、もともとのところがやられてしまったときにどれほどの影響があるのか、我々としては非常に懸念するところであります。そのように被害が甚大になる可能性を秘めているのだということは、改めて、ここでしっかりと話をさせていただかなければならないと思います。
さきの東日本大震災の例をまたずとも、水は生活に必要不可欠なものであります。災害時や事故発生時においても必要な量を、公助、すなわち行政の対策だけではなく、自助として市民みずからが備蓄することを促す必要もあるかとは思いますけれども、市民が安心して暮らせるためには、災害時でも行政ででき得る最大限の対策はこれからも講じていかなければならないと考えます。応急給水施設の整備を行っていても、本市単独では断水の対応ができない場合を想定して、応援隊が比較的短時間で到着するであろう近隣市町村との連携を高めて相互に恩恵に浴するという視点も含めて、今後とも災害対策の充実に向けて取り組みを進めていかなければならない、このことを改めて指摘申し上げて、私の質問を終わります。
◆中村たけし 委員 先ほど
松浦委員からも若干質疑がありましたが、私からも豊平川水道水源水質保全事業について質問させていただきたいと思います。
この事業の必要性につきましては、この議会でもたびたび取り上げられておりまして、我が会派でも、2006年、平成18年の第1回定例市議会で取り上げて以来、質疑を行ってまいりました。札幌市の水道水源は、先ほどもありましたが、98%を豊平川に依存しておりまして、その上流に位置するダムは、支笏洞爺国立公園や国有林野に囲まれた良好な環境にあることから、良質な水が蓄えられております。
しかしながら、浄水場までに流下する過程で、ヒ素を含んだ自然湧水が流入しております。ヒ素は、古くは、1953年、昭和28年に森永乳業が製造した粉ミルクにヒ素が混入しており、1万3,000人もの乳児が被害に遭われ、130名もの乳児が亡くなっています。そして、被害に遭われた方はいまだに後遺症に苦しんでおります。このように、ヒ素は人体に多大な健康被害を及ぼす化学物質でございます。
札幌市におきましては、水道水は、この物質を浄水場で可能な限り取り除いております。凝集して、それをろ過するわけですが、健康に影響のある物質の濃度が他都市と比べて高いのです。当然、基準値以下ですが、高い状況にあるので、抜本的に水道原水の水質改善を図る必要があるということでバイパス事業を進めているということでございます。
そこで、極力、浄水場でヒ素などを取り込まないようにするために、定山渓の玉川橋近傍で自然湧水を含んだ水をせきとめ、バイパスを用いて、途中で下水処理水も取り込みながら、浄水場の下流まで迂回させるということでございます。このことで、浄水場では良質な水を確保できるということでございます。こういった水質保全の面もありますし、今ほど、阿部委員から災害時の給水の問題がありましたが、さらに、さまざまな水質汚染事故や災害時には、水路を切りかえて豊平峡ダムから清浄な河川水をバイパス管に取り込んで浄水場まで直接導水することによって良質な水源を確保することが可能になります。このように、通常時の水質保全に加えて、事故災害対策を両立する全国的にも前例のないものでございます。水道水の安全性をこのように格段に高めて、より強い水道システムを構築するという面がございますから、この事業は、札幌市民にとって極めて有益であるので、大変重要な施策であると考えております。
近年、全国各地では、ことしも台風などの大雨の影響によって、道内では厚岸町、先ほどもありましたが、道外では山形県、京都府などで濁り水による大規模な断水事故が発生したという報道がございます。改めて、水道は札幌市民に欠かせないものであると感じたところでございます。
我が札幌市においても、昨今は気候変動の影響を受けてか、平成18年度及び22年度には、集中豪雨により以前には見られなかった泥水のような濁り水が発生しております。このときは、幸い、水質悪化が短時間でおさまったために、浄水処理を継続することができ、断水事故にはなりませんでしたけれども、まさに全国各地で断水が起こっていますから対岸の火事ではないと思います。そのために、よりよい水質を目指して、事故や災害時にも強い水道にするため、できるだけこの事業を早く完成させていただきたいと思います。
そこで、平成24年度に橋梁部分のパイプを着工して着実に進めているようですけれども、完成時期を含めて、今後どのように進めていくのか、お伺いします。
◎酒井 給水部長 豊平川水道水源水質保全事業の完成時期を含めまして、今後どのように進めていくのか、進捗状況についてお答えいたします。
この事業は、
水道事業者がみずから水道原水を改善するためにバイパス管を布設するということで、委員もおっしゃっておりましたが、全国的に見ても前例のない事業でございます。そのため、環境調査等を初めといたしまして、さまざまな基礎的調査や検討を踏まえた設計を慎重に進めてまいりました。これらの検討に基づきまして、事業の実施に向けて、河川管理者であります北海道開発局、あるいは、国有林の管理者であります北海道森林管理局などとの協議に時間を要しておりましたが、ようやく許可を得るに至っているところであります。
工事につきましては、先ほど委員からもお話がありましたが、平成24年度から橋の建設に着手しておりまして、今年度は橋を支えるための基礎である橋台の建設工事を進めているところでございます。来年度は、引き続き橋をかける工事を行うとともに、トンネル工事の発注を予定しているところでございます。今後とも、関連工事等を含めまして、さまざまな設計や工事を並行して進めることで工期短縮を図るなど、計画的かつ効率的な事業の実施に努めまして、平成32年度の完成をめどに進めてまいりたいと考えております。
◆中村たけし 委員 平成32年度に完成ということでありますから、早期に着実にこの事業を進めていただきたいと思います。
この事業の工事区域は、先ほども申し上げましたが、国立公園や国有林野内に位置しておりまして、自然が豊かな地域でございます。そして、平成19年度、2007年度までに希少動物等のさまざまな調査を行ってきたと伺っております。いわゆるアセス法やアセス条例で対象とされている事業ではありませんが、自主的に環境影響調査を行い、十分環境に配慮した事業を進めてきたと感じています。
私自身、貴重な自然環境、生態系を保全するために、極力、環境への影響を与えないように工事を行っていくことが大切であると考えております。現在進めている豊平川に橋をかける工事に引き続いて、今ほどありましたように、平成26年度、来年度から大規模なトンネル工事の発注を控えておりまして、今後は国立公園内における工事を本格的に進めていくことになります。
そして、先ほど
松浦委員からもご指摘がありましたが、ヒ素を含む土砂がこの工事によって出てくるということがありますから、多くの方が心配されて、その処理の問題が大きな課題になるというふうに思います。この事業は、慎重に進めてもらいたいと思いますが、この工事を進めるに当たって、ヒ素を含んだ土砂の処理について、先ほどは産業廃棄物の処理業者に任せて産業廃棄物の処分場に運び込む処理になるというお話がありましたけれども、このめどがたっているのであれば、もう少し具体的にお聞かせください。
◎酒井 給水部長 先ほどお話がありましたトンネルから発生する掘削土についてでございます。これにつきましては、先ほどのやりとりでもございましたが、事前の土質調査の結果から国の基準値を超過するヒ素等が含まれている可能性がございます。このため、施工中に掘削土を分析、確認しまして、基準値を超過した土を適切に処理することとしております。処分先につきましては、こばやし峠のような方法ができないかとか、あらゆる方面からの検討を進めましたが、なかなか時間を要する結果となります。また、こばやし峠のような方法をとろうとしても、非常に小さい2メートルの断面の横にトンネルを掘るといたしましても、長時間の掘削、多大な費用をかけなければできないということもありまして、現在のところは既存の産業廃棄物の最終処分場へ搬入するという方向で固めております。
これにつきましては、札幌市にも最終処分場がございましたが、空き処分容量がないということで、近郊の最終処分場を職員が実際に視察に行って見ておりまして、一定量の処分する行き先があることも確認しております。また、そこの各自治体の職員の方々ともお話をしながら進めているところでございますので、今後とも市民に不安を与えないように適切に土砂の対応を進めてまいりたい、このように考えております。
◆中村たけし 委員 今ほど答弁がありましたように、適切に進めていただきたいと思います。札幌市民は当然のことですが、産業廃棄物を受け入れる自治体への配慮も十分に行って、市町村との連携、または、処分を行う業者との連携もしっかり進めてこの事業を進めていただきたいというふうに思います。
そこで、このバイパス事業ですが、先ほどから環境に配慮するというお話をしておりますけれども、札幌市は環境首都・札幌を掲げておりまして、太陽光発電などの新エネルギー普及による環境負荷の低減を進めております。そして、水道局におきましても、水道水を供給する過程によってさまざまな角度から環境負荷の低減に努めていると感じています。
その主な取り組みとして、昭和59年から導入している藻岩浄水場内における水道管の水圧を活用した水力発電、平成22年には配水センターに太陽光発電を設置するなど、水道局としても、このように施設更新などに合わせて計画的な新エネルギーの導入を検討し、さらなる環境負荷の低減を図っていくことが必要だと考えます。
そして、このバイパス事業は、豊平川の一部である定山渓に設置する取水堰から白川浄水場の取水口の下流まで、ポンプなどの動力を使わない自然流下の方式によってバイパスする事業ですが、取水堰は標高252メートルで、バイパス後の白川浄水場の標高が167メートルですから高低差が85メートルあります。導水に必要な10キロメートルの高低差を差し引いても約70メートルの高低差を有していまして、これは、現在稼働中の藻岩浄水場における水力発電の高低差45メートルよりも大きい高低差ですので、当事業においても一定の発電の可能性があると私は思います。
そのため、当事業においても藻岩浄水場と同様に高低差のエネルギーを利用した水力発電を導入することによって環境負荷の低減と事業への付加価値の創出が考えられますけれども、検討状況はどのようになっているのか、お伺いします。
◎酒井 給水部長 水力発電の導入に向けた検討状況でございます。
今後も良好な水資源を将来に引き継いでいくため、環境負荷の低減は特に重要な視点と考えております。このため、水道システムに内在する余剰水圧を利用した水力発電のさらなる導入について検討を重ねているところでございます。
本事業におきましても、高低差を利用し、水の持つエネルギーを有効に活用できることから、藻岩浄水場で行っております水力発電と同程度以上の発電が可能であり、500キロワット台の発電量が見込まれております。水力発電の導入に当たりましては、バイパス管を流れる水の流動変動が大きいため、効率的な水力発電の運用方法、あるいは、発電規模を適切に設定する必要がございますので、引き続き、その実現に向けて積極的に検討を進めてまいりたいと考えております。
◆中村たけし 委員 古いやり方ですが、500キロワットもの発電ができるということで大変重要な新しいエネルギー源ができるということですから、しっかり取り組んでいただきたいと思います。そして、その発電をしたときには、どのように使うのか、今の段階から明確にしておくことも必要かというふうに考えます。
いずれにしても、平成32年度までに重要なバイパス事業が完成するということですから、一刻も早く着実に進めていただき、市民の皆さんが心配のないように事業を進めることが大事だと思いますので、その点を強く要望しまして、質問を終わります。
◆阿知良寛美 委員 私からは、
水道事業5年計画の進捗状況と次期中期計画について質問させていただきます。
水道局では、平成16年に、おおむね四半世紀を見据えた札幌水道長期構想を策定しております。この長期構想では、利用者の視点に立つことを基本理念に四つの目標を立てております。目標1として、安全で良質な水の確保、施策としては水源の確保と水源保全の強化、さらには水質管理の強化です。目標2としては、安定した水の供給で、効率的な施設整備と維持管理、総合的な危機管理システムの確立です。目標3として、利用者に満足される水道ということで、利用者サービスの充実です。目標4として、健全経営のもと自律した水道ということで、経営の健全化、効率化、さらには、活力ある人材・組織づくり、環境に配慮した事業運営の推進ということが施策の基本方向として掲げられております。
その長期構想で掲げられた目標を実現するための中期的な事業計画として、平成18年から21年までの白川第3送水管の新設、さらには、水道記念館の再整備、藻岩小水力発電所の整備など、主要な予定事業を盛り込まれた札幌水道経営プランが立てられております。それに引き続き、22年から26年までの平岸配水池の耐震化などが盛り込まれている
水道事業5年計画を作成し、現在、計画的に事業を進められていると思っております。この5年計画について、22年の第1回定例会で代表質問をさせていただいておりますが、計画に掲げられた事業のうち、主要となる施設設備につきましては、安全・安定給水を将来まで持続していくための重要な取り組みと理解しておりますけれども、この間、東日本大震災が発生しており、必要な事業が計画的に実施されているか、非常に気になるところでございます。
そこで、質問でありますが、現在の5年計画で掲げた事業のうち、安全・安定給水にかかわる主な事業の進捗はどのような状況にあるのか、お伺いいたします。
また、この5年計画は、終盤といいますか、あと1年となりました。この時期を迎えたことから、平成27年度から始まる次の計画策定に取りかかる時期に来ているのではないかと思っております。計画の策定に当たっては、水道を取り巻く情勢の変化を的確に捉え、施策や事業を企画立案するとともに、事業運営の見通しを加えるなど、局内はもちろん、局外においても多くの検討を重ねていく必要があろうかと思います。
そこで、二つ目の質問は、次の計画策定に向けた今後のスケジュールについて、現在どのように考えているか、お伺いいたします。
◎森
総務部長 まず初めに、札幌市
水道事業5年計画の平成24年度末の進捗状況のうち、安全・安定給水にかかわる事業の進捗状況はどうなっているかというご質問でございます。
水道事業5年計画の計画3年目に当たりまして、主な事業が進んできておりますので、内容についてお答えさせていただきます。
まず、水道施設の耐震化の状況でございますが、配水池の耐震化につきましては、本市最大の平岸配水池を構成いたします四つの池のうち二つ目の池の工事に着手している状況でございます。そのほかの配水池につきましても、常盤高台配水池などの耐震化工事を進めておりまして、配水池の耐震施設率は目標の84.3%に対して66.5%の進捗となってございます。
続きまして、管路の耐震化率でございます。目標の20.7%に対して19.9%となっております。そのうち、導水管、送水管、配水本管をあらわしております基幹管路、重要な管路となりますが、こちらの耐震化率は、目標の36.3%に対しまして、現時点におきまして36.6%の進捗となっております。
また、本市最大の浄水場であります白川浄水場から基幹配水池の平岸配水池まで水道水を運ぶ動脈となります送水管の複数化と耐震化を目的といたしまして、白川第3送水管新設事業を行っております。布設延長全11キロメートルのうち、計画期間中の目標でございます4.6キロメートルに対しまして、一部、事業の前倒しを行い、4.5キロメートルを布設している状況でございます。いずれの事業も、計画期間中の目標達成に向けまして鋭意進めている状況でございます。
次に、2点目の次の計画策定に向けたスケジュールはどうなっているのかというご質問でございます。
次期中期計画につきましては、市営企業調査審議会の水道部会においてご意見等をいただきながら検討してまいりたいと考えております。まずは、札幌市の
水道事業の現状分析と対処すべき課題について水道部会においてご意見をいただきたいと考えているところでございます。その後は、来年夏ごろまでに水道部会で集中的にご議論をいただき、素案を作成いたしますとともに、パブリックコメント等の市民意見を踏まえながら、来年度中には完成させたいと考えているところでございます。
◆阿知良寛美 委員 掲げた目標はおおむね順調に進捗しているということだろうと思いますし、次期中期計画につきましては現状と課題を整理しながら来年度中にはというご答弁だったと思います。
札幌市では、平成25年2月に札幌市まちづくり戦略ビジョン<ビジョン編>を策定しております。その中では、人口減少社会など、本市を取り巻く社会経済情勢の変化が予想されており、それを踏まえた10年後のまちづくりの姿と方向性が示されております。また、国においても、人口減少社会の到来や東日本大震災の経験など、水道を取り巻く状況の変化を踏まえ、平成25年3月に、持続や安全、強靭を目指すべき方向性と捉え、これら三つの観点から50年後、100年後の水道の理想像を示して、それを具現化するため、当面の間に取り組むべき方策などを示した新水道ビジョンを策定したところでございます。
この新水道ビジョンを読ませていただきますと、大変興味深いところがございました。例えば、多様な手法による水供給ということで、こんな文があります。日常生活において飲料水はもちろん必要ですが、地域の実情、特に高齢化した限界集落等においては莫大な水道施設の整備、更新費用をかけることは困難と考えられます。そのような場合、宅配給水や移動式浄水処理装置の巡回など、従来の
水道事業が行ってきた施設による供給とは異なる手法による衛生的な水の供給についての検討もやむを得ないと考えます、こういう文がございました。北海道全域を見ると、こういうことも当然考えなくてはいけないのかと思います。
それから、料金制度の最適化という項目です。水を売って商売にするわけですから、そういう意味では使われないと困るわけです。その固定費として、水道を浄水する場合の薬品費、配るときの費用などが必要ですが、この中には、固定費を意識した料金体系の変更は従量料金単価の適正化を促し、結果として近年増加している企業の地下水水源への切りかえへの抑止にも効果を期待できることから、経営的観点からの対応にもなると考えられます、さらに、一般家庭向けには、水使用量が多い多子世帯の経済的負担を軽減する料金設定など、多様な支援制度を取り入れて、水需要の減少時代に即した新しい料金体系の導入検討が必要と考えますということも出ておりました。
私も、代表質問等で料金のあり方について質疑いたしました。札幌市は従量料金の逓増制でありますから使えば使うほど高くなる料金体系であります。そうしたことから、大口の利用者、例えば札幌市役所も地下水を使っていますね。それから、市立札幌病院も地下水を使っております。そういう部分で、使えば使うほど高くなるものだから、大口利用者は地下水をくみ上げて処理している状況でございます。そして、これから人口減少になるわけです。単独世帯も非常にふえます。水が売れないと商売にならないことから、そういったことを考慮した料金体系にすべきだということを提案してきたわけですから、その意味では、この新水道ビジョンは我が意を得たりという思いで読ませていただきました。
このビジョンの中では、今言ったような給水人口、料金収入の減少や水道施設の更新需要の増大、また、水源の水質リスクの増大、職員数の減少によるサービスレベルへの影響、大震災を踏まえた危機管理の対策が掲げられております。これらの課題は、当然、本市にも当てはまると考えますが、今後の事業運営は非常に厳しい時代を迎えることは間違いないと思います。特に、先ほど来、触れている将来人口は、札幌市は平成27年がピークともう間もなくでありまして、そこから減少に転じていきます。先日、保健福祉局の中で質問させていただきましたが、合計特殊出生率が2.08以上なければ将来人口は必ず減るという統計もあります。札幌市の合計特殊出生率は1.11でありますから、当然、減っていくのは間違いありません。そういったことが予想されることから、本市の
水道事業も、拡張や施設整備から維持・更新、危機管理を考慮した適正な施設規模に基づく水道システムへの転換期を迎える大きな節目になるのではないかと思います。また、従来から言われているように、断水すると市民生活や都市活動に多大な影響を及ぼします。また、生命にかかわる重要なライフラインということもあります。それらを適切に維持管理するためには、長期的な展望を持って計画的に事業を行っていくことが大事でございます。
そこで、質問でありますが、まちづくり戦略ビジョンや新水道ビジョンという上位計画が作成されております。水道局には、さきにお話ししました長期構想がありますが、策定した平成16年ころとは異なる想定以上の大きな転換が求められております。
水道事業においては、これまでにないようなさまざまな課題を抱えることになりますが、次期中期計画はどのような視点で策定していくお考えなのか、お伺いいたします。
◎森
総務部長 次期中期計画の策定に当たっては、どのような視点で計画を策定するのかについてでございます。
現在、水道局内におきまして、次期中期計画の策定に向けた本市
水道事業の現状と課題を整理しているところでございます。委員のご指摘のとおり、新水道ビジョンで掲げられております課題につきましては、札幌市
水道事業にとっても同じような問題を抱えて、対応していかなければならない課題であると考えているところでございます。
特に、白川浄水場や配水管を初めとする水道施設の老朽化に対応するための更新、災害対策のための耐震化に多額の経費が見込まれてまいりますことや、これらの更新等の事業に従事する人員の確保などの問題もございまして、これらに適切に対応していかなければならないと考えております。また、人口減少社会への移行や東日本大震災の経験などの社会情勢の大きな変化を踏まえて上位計画を策定しておりますことから、これらの上位計画に掲げる目標なども踏まえまして次期中期計画の内容を検討していく必要があると考えています。
さらに、次期中期計画の策定におきましては、今後の施設整備のあり方や財政的な観点から新たな水道の需要予測が必要になるものと考えております。したがいまして、水道局といたしましても、目下、まちづくり戦略ビジョンの将来の人口推計に基づく水道の需要予測の検討を進めているところでございます。この検討結果に基づきまして、今後の事業運営に関する課題を掘り下げながら重点的に取り組むべき施策の方向性等について検討を深めてまいりたいと考えております。
また、委員がお話しのとおり、本市水道の理念や目標を定めた札幌水道長期構想は、平成16年に策定いたしましてから9年を経過しております。したがいまして、次期中期計画の策定と合わせまして、長期構想と上位計画で掲げられている目標などの整合性につきましても検証が必要と考えているところでございます。
◆阿知良寛美 委員 最後に、要望で終わります。
長期構想は、先ほどご紹介した新水道ビジョンの中でも取り上げられております施設の耐震化、防災対策、さらには他団体との連携、または利用者とのコミュニケーションの充実など、今後の札幌市が目指すべき方向、さらには基本的な考え方を先取りしたものが盛り込まれているものでございます。しかしながら、今の答弁にありましたように、既に9年がたっているわけで、策定当時とは状況が相当変わっている部分もございまして、原発事故やエネルギーの転換などもあります。その意味では、しっかりとした整合性を検証しながら次期中期計画の策定を行っていただきたいことを要望して、終わります。
◆伊藤牧子 委員 私からは、市民サービスの充実という観点から、電話受付センターについて、簡潔に質問いたします。
水は、命を支える重要なものであり、ライフラインとして水質の安全や水道水を安定的に供給するなど
水道事業は大きな役割を担っています。特に、ハード面においては、災害発生時に水道水を確保するための緊急貯水槽の改修や更新などの整備、また、今後予定されている水道施設の改修や更新、管路の耐震化など、計画的に実施されていくものと思っております。一方、このようなハード面だけではなく、水道局実施プランにも掲げられているとおり、市民生活の向上を図るために、これまで、水道料金等のコンビニエンスストアでの支払いやクレジットカード払いなど、市民にとってより利用しやすい取り組みを実施しています。
また、水道局では、1999年、市民と直接かかわる引っ越し時の使用開始、中止などの受け付け業務をする水道局電話受付センターを局内に開設し、業務を民間委託するなど、当時としては先進的な取り組みだと全国から注目されたと聞いております。現在、NTT北海道テレマートに委託しておりますが、2005年8月よりコールセンターと同様、インターネット、ファクスによる受け付けも含め、24時間無休、365日間対応しており、市民も利用しやすくなり、受け付け件数も増加しているとのことです。
そこで、質問ですが、ことしで開設から14年が経過しましたが、業務状況及び2012年度の受け付け件数、問い合わせ内容についてお伺いいたします。
◎小笠原 営業担当部長 水道局電話受付センターの業務内容と平成24年度の受け付け件数及び問い合わせ内容についてお答えいたします。
まず、電話受け付けセンターの具体的な業務内容でございますが、転居の際の料金精算、水道の使用開始の受け付け、使用者変更の受け付け、口座振替、クレジットカード払いの申込書の発送、道路等における漏水の通報、あるいは、急な水道の故障の相談、その他水道に関する全ての問い合わせへの対応を行っております。
なお、平成24年度におきましては、電話と端末機を24台から42台に増設し、従来の水道料金等の問い合わせに加えて、新たに給水装置や水質関係に関する軽易な問い合わせにも幅広く応じられるよう窓口機能の一層の充実に努めているところでございます。
次に、平成24年度における電話等の総受け付け件数でございますが、約24万件でございまして、そのうちの約14万7,000件が転居と使用開始に係る届け出が占めております。この数字は、出先にある料金課を含めた水道局全体の転居や使用開始に係る受け付け件数の約8割となってございます。また、転居や使用開始以外の各種問い合わせ件数につきましては、約8万1,000件で、料金の支払い方法や給水装置、水質に関する内容も多岐にわたっております。
◎上田 市長 当局からもう少し情報を仕入れてからお答えしたいというふうに思います。
◆松浦忠 委員 市長は優しい人だから、そういうことは余り言いませんけれども、板垣さんならここに青筋を浮かべています。そして、板垣さんならどうしたかといったら、そういう質問をされたら、座った後に指の爪をかむのですよ。あの人は、腹が立ったときに指の爪をかむのです。私は、議会でもそういうことを目にしています。
市長は、非常に人間のできた方でありますから、今のように平然と答えます。聞いている私にしたら、これはちょっと大丈夫か、市長と。これで事故がこの程度で終わっているというのは、北海道神宮か、やおよろずの神のおかげだなと思う以外はないですよ。したがって、これ以上は私も言いません。後ほどでいいですから、部長、どういう評価をしているのか、もうちょっと詳細に聞かせてください。評価表を私のところに持ってきて説明してください。これを求めておきます。
次に、事故についてお尋ねいたします。
平成24年度の事故の一覧表をいただきましたが、まず、少ない電車について二つ聞きます。
平成24年12月7日、西8丁目停留場での車両衝突は、公表理由がその他となっていて、運輸局に届け出をしないでいいものでした。もう一つは、12月28日の電力線設備、西8丁目停留場での架線断線です。
この二つの原因は何であったのか、答弁を求めます。
◎田畑 高速電車部長 12月7日に発生しました西8丁目停留場での車両衝突についてご説明します。
松浦委員は届け出されていないとおっしゃいましたが、これは運輸局への届け出事故に該当しています。
概要でございますが、西8丁目停留場に248号車が事前にとまっておりまして、後方の目標停止位置に停止させようとした8500系の電車が制動をかけましたけれども、冬だったこともございまして、とまり切れず、衝突時の時速としては時速2キロメートルぐらいで停止寸前ではあったのですが、追突してしまいました。そういった事案が発生したものでございます。
◎富澤 技術担当部長 12月28日の架線切断事故でございますが、概要といたしましては、西8丁目で電車が停車している間にトロリー線が断線したということでございます。
その原因につきましては、破断したトロリー線を調査いたしました結果、破断面付近が軟化しており、パンタグラフすり板とトロリー線との間にアークが発生し、アークによる熱影響でトロリー線の温度が上昇し、軟化したため、トロリー線の引っ張りの力によって破断に至ったものと結論づけられております。アークの発生につきましては、トロリー線とパンタグラフすり板間の接触が不安定な状態になって発生したものと考えてございます。
◆松浦忠 委員 電車は、制動距離の判断の誤りですね。運転手の不注意ですね。こういう事故を起こしたら、さっき言った勤務評価で、昇給のときの減点は何点かという評価対象になっているのか、いないのか。その減点は何点か。そして、もしわかるのなら、このランクの中でどこに入っているのか。
次に、12月28日の事故です。これは、何かの拍子でどんと行って車体が上下したとか何かがあって揺れたというならわかるけれども、パンタグラフというのは、一般的には、一定のばねの圧力で、架線に一定の力、いわゆる押し上げる力で摺動しているわけですよ。こういう条件ですね。
もう一つは、トロリー線は結構太くて、小指ぐらいで直径1センチ以上ありますね。瞬間的に電流が流れれば、普通のコンセントでもぱっと抜けばアークと言って火花が散りますね。銅線が断線するほどの火花が散るとしたら、正常な状況では――それも車がとまっているときでしょう。力行運転ではなく、とまっているときです。そうすると、電気はそんなに流れていないはずです。もし切れたとしたら、トロリー線がうんと摩耗して、もう何十回か走ったらすり切れてしまうような状況にあったかと思うのです。その切れたところから両側3〜4メートル以内のトロリー線の直径、摺動する部分と頂点までの直径は何ミリありましたか。
◎田畑 高速電車部長 前段部分の12月7日発生の事故の当該職員についてです。
当該職員につきましては、処分ということではなく、特別指導を行っております。それから、それが評価にどう反映しているのかでございますけれども、勤務評価と業績のところでいじられてはいるのですけれども、これをやったから何ポイント減といったことではございませんでした。
◎富澤 技術担当部長 トロリー線の事故が起きた近辺の状況でございますが、もともと使っているトロリー線の外径は1センチ1ミリでございます。これは、摩耗して7.5ミリまで減った場合は交換するようにふだんは管理をしております。切断事故の起きた近辺の前後の測定結果は9.2ミリということで、摩耗の限界までは行っていないことが確認されております。
そういったことから、摩耗で切れたのではなく、瞬間的に溶けて切れたというよりは、火花による熱で銅線の材料自体が軟化し、引っ張り力に耐えられなくなって切れたというふうに分析されてございます。
◆松浦忠 委員 私は、そちらにいる皆さんみたいにお勉強ができなかったから、大学まで行けなかったけれども、工業学校の電気科を出て、日本国有鉄道で、24年間、仕事をしました。そのうち、設計や現場も含めて実務を20年しました。
私は、トロリー線ではなくて信号制御でしたが、上下ですから電車の連中ともいろいろ議論をしましたよ。どういうふうに考えても、9.5ミリあって、停車中にパンタグラフがちょっと離れてスパークしたぐらいで熱を持って切れるものではないのです。考えられません。私も断言はできませんが、経験からいったら考えられません。これについての原因をきちっと究明しなければいけません。例えば、車両の何らかのふぐあいによって瞬間的に過大電流が流れたことで熱が発生して、強力なスパークが発生して溶けることはあるけれども、停車中に流れる通常の電気ではそれは考えられません。
したがって、そういうことについて、いいかげんなことをしないで、きちっと原因究明をする。自分たちでわからなかったら、車両メーカーも含めて、専門家、あるいは、JRの関係で専門的にいろいろなことをやっている鉄道技術研究所に聞いて原因究明をしないとなりません。
私は、なぜこれについて言うかといったら、JRの今の事故も金がないからいろいろなことをやりませんでした。それで、結果的に今のような状況になってしまいました。今の電車も、きちっとした事故の究明をしないで放置しておいて、やがてこれらが積み重なって大事故につながっていくのですよ。したがって、この原因究明をきちっとしてください。今、わからない人にこれ以上聞いてもしょうがないから、これは、やってください。原因究明をするかどうか、そのことに答えてください。
それから、注意不足によって衝突事故を起こした人への指導は当然です。ちゃんとやれよ、こういう場合はどうしているのか、雨の日だったらスリップするから、何メートル手前でブレーキだなとの指導は当然です。しかし、信賞必罰という言葉があるでしょう。極端に言えば、
Aランクと
Eランクと昇給の差が何ぼ違うのか。
不注意で車両を壊わしたわけです。お客さんが乗っていれば、けが人が出たかもしれません。そうしたら、その度合いによって減点の基準をきちっと決めておくことは、労働者に対する締めつけでもなければ何でもありません。むしろ、正当な評価だと私は思っています。そうしないと、一生懸命に注意を払って事故を起こしていない人は、ばからしくなります。いいかげんにやるかとなってしまう。当たり前にやっている人が当たり前に評価されるのはいいけれども、事故を起こした人も当たり前に評価されたら、当たり前にやっている人がばからしくなる。こういうことにしなくするためには、評価をきちんとしなければだめです。
交通事業管理者、あなたは職員部も経験し、総務局長も経験し、
職員管理の経験豊富な方ですが、今の私の指摘に対して、あなたはどうお考えですか。
◎若林 交通事業管理者 ただいま勤務評価の関係でご質問がありましたけれども、先ほど部長からもお答えしましたように、勤務評価というのは、さまざまな観点から判断して、それを評価させていただくということであります。過失なり不注意で事故や運行に支障を来すようなことがあれば、しっかりとした処分、あるいは、それに伴う注意喚起を行うため、私どもとしての指揮、監督を行います。当然、その一部は勤務評価に反映することにはなりますけれども、そのことによって何点減点するというような勤務制度の仕組みに今の時点ではなっていないということで、これはこれで一つの考え方としてあるかなと思っております。
◎富澤 技術担当部長 トロリー線の切断の原因究明につきましては、この事故に限らず、当然ながら、個々に十分にやっていく必要があると考えてございます。
ただ、先ほど申し上げた内容につきましては、トロリー線に関する専門メーカーや鉄道総研にいた方も含めてアドバイスをもらった結果でございまして、これ以上の調査は難しいのかなというふうに考えてございます。この件につきましては、こういった分析結果に基づいて、今後は適切に管理する方向で対応したいと考えてございます。
◆松浦忠 委員 これは、何も簡単なのだよ。私は、あなた方の立場があるから言わなかったけれどもね。9.5ミリ減った電車線のところにパンタグラフを持ってきて、何アンペアの電流を流したら、スパーク熱によってどの程度溶けるかという実験を繰り返せば、こんなものはすぐに出ます。いいかげんなことを言ったらだめだって。わからぬ者と知らぬ者がやっているのではないのだから、知っている者とわからぬ者、やる気のない者とがやっているんだよ、はっきり言うと。私はわかっていますよ。ちゃんとまじめに答えなきゃだめだ。きちっと実験をして原因究明をしないと、例えば、通勤の時間にそういう事故が起きたらどうしますか。大変なことになるでしょう。仕事はもうちょっとちゃんとしなきゃだめだ。
実験をやるか、やらないか、答えてください。あなたができないと言うなら、私が政務活動費を使ってやって、結果が出たら市長に請求する。これはまじめな話ですよ。やるか、やらないか、答えてください。
◎富澤 技術担当部長 先ほどの見解につきましては、過去に実験をされた結果に基づいた評価と聞いてございます。そういう意味で、私どもで、再度、実験ということにはならないかなと考えてございます。
◆松浦忠 委員 では、過去の資料を持っているのですか。誰がやってもいいよ。JRがやろうが、全国の施設のどこでもいい。やった記録は持っているのですか。
◎富澤 技術担当部長 研究論文になってございますので、後日、説明に上がりたいと思います。
◆松浦忠 委員 研究論文になっていると言うのだったら、事故原因について、私が最初に質問したときに、ここの場所で、誰がこういう実験をやって切れたというような説明をするのが本当でしょう。あなたは、素人を相手にしているからと思って適当に扱っているのではないのですか。素人だって、勉強をすれば玄人になるのだよ。
それでは、後でそれを求めます。
それから、若林交通事業管理者の答弁を聞いて、
職員管理の評価の仕方は、総合的にと言ったって、100点として、1点にして100項目あったらその中に入らなければだめですよ。これは
職員組合との団体交渉とは違うのです。
職員組合なら、そんなことをするなと言いますよ。しかし、ここは市民の代表である議員との質疑です。そんなことで安全が管理できるのですか。勤務評価というのは、基本的には安全管理ですよ。
市長、実態がよくわからないという話ですから、早急に、一般会計も含めて、職員の評価がどうなっているか、評価の表が具体的にあると思います。主観だけでやるのは大変な話です。人がかわればみんなが変わるわけです。ですから、これを出してもらって、きちんと点検してください。そして、場合によっては、私は、この件について市民と一緒に請願を出して、委員会に市長の出席を求めて、この答えを求めて審議したいということも考えます。こんなことではだめです。この点は市長に強く求めておきます。
続いて、経営について少しお尋ねします。
実は、路面電車の会計決算の中で、台車を更新するということでここに計上されております。それから、新車を買ったものも計上されておりますが、台車を購入した会社と新車を購入した会社をそれぞれ明らかにしてください。
◎富澤 技術担当部長 路面電車の台車の購入先は川崎重工でございます。それから、低床車につきましてはアルナ車両株式会社でございます。
◆松浦忠 委員 そこで、お尋ねするのですが、この2社に札幌市を退職した幹部職員が技術指導の関係でぜひ来てほしいと請われてそれぞれ入っておられるか、おられないか、おられたとしたら、どういう役職の人が入っておられるか、お答えください。
◎富澤 技術担当部長 川崎重工には、元技術担当部長の坂氏が再就職しております。アルナ車両株式会社には、該当者はございません。
◆松浦忠 委員 私は、台車のときに皆さんにも求めたと思いますが、きちんとした設計書をつくって、その設計書に基づいて、地場企業育成のために道内の会社に発注するように求めたのですが、設計書はつくったのですか、つくらなかったのですか。
◎富澤 技術担当部長 仕様書、設計書は作成いたしまして、一般競争入札の形で契約したものでございます。
◆松浦忠 委員 かつて、戦後、私は鉄工団地の協同組合で電車をつくったりしていました。そういうこともあって、きちっとした設計書をつくれば、地場の企業も受注できるし、何かあれば地場ですぐに直せるということで求めたのですが、率直に言って、皆さん方は具体にそういう方法をしませんでした。そして、結果的には、技術指導で求められている元技術担当部長が行っている会社が受注されたということですが、これについては、今どき余りはやっている話ではないということだけは言っておきます。このことだけを指摘しておきます。
次に、電気料金が9月1日から値上げになりました。そこで、軌道会計、高速電車会計のそれぞれで幾ら上がって、どういう形でそれを補填していくのか、具体に説明をいただければと思います。
◎中田 事業管理部長 電気料金の値上げにつきましては、9月から上がった影響分は、高速と軌道の両方を合わせて平成25年度は1億3,000万円ほどの影響額がございます。これにつきましては、全体の経費の中でのみ込んでいくこととしております。それから、26年度は、平年ベースで見ますと2億4,000万円ほどの影響額が出ることになりますので、今後は値上げ分も含めた形で予算をつくっていくことになります。
◆松浦忠 委員 そこで、財政部がおられます。電車が走り出してからの会計の決算書を見ますと、高速電車で言うと、おおよそ390億円余の収入があって、支出額は営業費用が310億円余で、営業経費だけで言うと83億円余の利益、収入に対しておよそ21%の利益を出しています。これでいったら物すごい優良企業なのです。ところが、借り入れた金で元本を払っていくとなかなかこういうことにならないということで、ことしも130億円余の繰り入れがあるのですが、今まで、高速電車の運転を開始した年度から平成24年度までに一体幾らの金を繰り入れましたか。
◎山根 企画調査課長 一般会計から高速電車会計へのこれまでの繰出金の合計ですが、手元に資料がございません。一番古い平成20年度決算で言いますと、高速事業会計へは一般会計から156億2,000万円の繰り出しをしております。南北線、東西線建設に係る建設改良の元利償還分が一般会計からの主な繰り出し対象となりますので、資料のあります平成20年度以前につきましては、これより多い額の繰り出しがあったものと考えております。
◆松浦忠 委員 5年分の資料はもらっています。これを見たら、平成23年度を平成22年度と比較すると、繰出金は10億円ちょっとが減になっているのです。以降、大体そのペースで来ているけれども、ここでがくっと14億円余が下がったのは、何がどうしたのですか。そしてまた、ずっと同じペースで来ているものですから、何が変わらないで来ているのか、財政部でも、あるいは交通局でもどちらでもいいですから、わかったら示してください。
◎宇都宮 財務課長 繰出金の減の部分でございますが、資本費負担軽減補助と言いまして、企業債の元金と利子に当たる償還分の補助がございます。その元金償還分が落ちた影響で減額になってございます。
◆松浦忠 委員 元金償還とは、建設債務は毎年減っていくでしょう。そうしたら、どうしてここだけで14億円も落ちて、後のほうはほとんど変わらないで130億円台ぐらいで行っているのですか。私は、それが不思議だと思って質問したのです。
そして、先ほどは電気代の問題で質問したら、電気代が2億4,000万円ふえるのは経常の予算の中でやりくりして組んでいくということでしょう。そうしたら、交通局の予算にはまだ余裕があると。そうすると、一般会計も大変ですから、1億円でも2億円でも繰出金を減らせるなら減らしたほうがいいのではないかということになるわけです。
少なくとも、今年度の電気代は1億3,000万円ですか。恐らく、1億円ぐらいは高速電車事業で、3,000万円ぐらいが電車かなと思うのですが、1億円の金はこうやってやりくりがつくとなったら、まだ甘いのではないかとなりますね。
今年度の9月以降の値上げ分を何から捻出するのか。ただ全体的に、総合的にと言ってもなかなかわからないものだから、ひとつわかるようにお願いします。
◎中田 事業管理部長 まず、財政局からの繰出金の関係でございます。
先ほど来お話しさせていただいていますが、平成26年度から始まる5年間の次期経営計画の策定作業中でございまして、そこで今後5年間の収支見通しをどうするかという数字をつくっていく中で、繰出金についても財政局と協議をさせていただいているところでございます。ですから、その協議の中で整理していくことを考えております。
それから、今回は電気料が1億3,000万円ほど値上げになっておりますが、平成25年度予算をつくる中で、電気料金がある程度上がってくるのではないかという見通しもあったものですから、予備費として幾らか計上しておりましたので、その中でやっていけると考えております。
◆松浦忠 委員 管理者、もうかっている会社なら、予備費を計上していた、見通しを立てていたという話でいいですよ。自分の働いたお金では自分の会社を経営していけない。収入は5分の4しかない。5分の1はよそからお金をもらわなかったらやっていけない会社ですよ。そこが、先々の金がかかることも含めて、どうなるかわからないけれども、予備費でちょっととっておくかなんていうのは違うのではないですか。それだったら、きちんとした予算を組んで、予想できないことが出てきたら、その段階で補正をするのが予算編成の原則ではないですか。違いますか。私は、そこのところは違うと思うな。
管理者、そういうふうにきちんとした予算管理をしていき、人の管理もしていくということが大事なのです。それがきちっとされていない。そして、事故があっても何があっても総合的な評価で影響しない、これでは市民は納得しませんよ。
今度の平成26年度予算は、そんな予備費なんて――不測の事態が起きれば、年度途中はとりあえず流用しながらやれます。そして、直近の議会で補正してもらえばいいのです。議員の役割は何か知っていますか。地方自治法第96条で何と書いてあるかといったら、予算の議決と決算の承認の二つなのです。議員は市民から認められて金を使うということですから、地方自治法にのっとってちゃんとやらなければだめだと私は思うのです。
私の指摘に対して、交通事業管理者はどう認識しますか、答えてください。
◎若林 交通事業管理者 まず、1点、明確にさせていただきたいのは、先ほどの勤務評価の関係で、例えば、本人の不注意の中で事故を起こしたり、注意や処分を受けることが勤務評価に全く反映しないと私が言ったつもりはございません。そういうことも含めて勤務評価を決めていくと申し上げたつもりでございます。私は、正確に言わせていただいたつもりでございます。
それから、経営の関係につきましては、1年間の経営をしっかりしていくためには、将来的なものも見通しながら経営していくことが必要だというふうに思っております。電気料金の関係につきましては、本当にさまざまな工夫をしてその対応を生み出すということで今年度については考えているところでございます。
◆松浦忠 委員 あなた方は、きちっとした経営をするという感覚が希薄だ。どうやって捻出するのか、一覧表をつくって後で説明に来てください。これを求めておきます。
さて、決算書について質問したいことがまだまだあるのですが、時間も大分たってきましたので、このぐらいにしておいて、交通事業振興公社について一つだけ尋ねます。
寒くなってきました。きのう、初冠雪がありました。市職員と公社職員の燃料手当は、単身者と妻帯者でそれぞれ幾らずつになっていますか。
◎中田 事業管理部長 交通事業振興公社の寒冷地手当でございますが、扶養家族のいる世帯主が10万800円でございます。扶養のいない世帯主である準世帯主で6万7,200円でございます。それから、非世帯主で3万3,600円でございます。
交通局の職員につきましては、世帯主が11万6,800円、準世帯主が6万5,300円、非世帯主が4万4,000円となってございます。
◆松浦忠 委員 私がこの問題を取り上げて指摘したときには本当に格差があったのですが、大分直してくれました。これは採用のときの条件もあるから、給料については言いません。しかし、寒さについては市長もみんな同じです。奥さんも赤ちゃんも既にいて、ことし、新規採用になった方もいると思うけれども、寒さはその人にも同じように来るのですよ。寒さには格差がないのです。市長は暖房手当が当たらないと思うけれども、せめてこれぐらいは差がないようにしてあげてよ。そうでないと、寒さを防ぐのまで差がつけられたのではちょっとかわいそう過ぎます。はっきり言うと、これは心の問題です。かわいそうだという心があるか、ないかの問題です。
そこで、交通局の職員と公社の職員を同じにするには、あと幾らあればいいのですか。
◎中田 事業管理部長 仮に市職員と同額まで引き上げた場合の所要額は約432万円でございます。
◆松浦忠 委員 質問するのも情けなくなってきます。管理者、1億3,000万円の電気代のやりくりがつけられるけれども、432万円の金が――まさに差別以外の何物でもないでしょう。寒さだけは差別なくやってくれとずって言っています。
管理者、このぐらいはこの冬から是正してやってくれませんか。それこそ、予算の流用でこのぐらいはできるのではないですか。
◎若林 交通事業管理者 財団職員の寒冷地手当の件についてのご質問でございます。
寒冷地手当は、平成6年に創設されまして、当時の支給額は現行の半分程度でございました。その後、人材確保の観点、あるいは、今ご指摘のありました労働環境を改善する必要性も考慮しながら私どもとしても改善を図ってきておりまして、その結果、全体として市職員と遜色のない金額となっていると考えているところでございます。
◆松浦忠 委員 株主の市長、どうですか。市長は寒さに差があると思いますか。寒さもこの程度の差はあるのではないかと考えるのならば、そう答えてください。これは、やりくりしてこのぐらいは何とかしてあげなければいけないと思うのならば、そう答えてください。
◎上田 市長 暖房手当だけに温かいご配慮だと思います。皆さん方のご意見は十分に検討させていただきたいと思います。
◆松浦忠 委員 市長は、非常に公平で、特に公契約条例があるからね。公契約条例は、差別をしない、最低限、平等にするということですから、公契約条例の理念からいったら市長の言われることはもっともです。(「それは違うだろう」と呼ぶ者あり)違うと山田議員は言っているけれども、差別をしてと言ったら、それは違うね。
○
細川正人 委員長 質問を続けてください。
◆松浦忠 委員 (続)委員長、最後になりますけれども、管理者は、市長の意向を受けて、やりくりして、432万円をやりくりして、暖房手当を追加支給して平等にしてあげてください。そうしたら、みんなは喜んで一生懸命に頑張ると思います。
◆阿部ひであき 委員 私からは、先ほど民主党の中村委員から話がありました安全確保といった点をさらに掘り下げまして、地下鉄駅のエスカレーター、エレベーターの整備状況と今後の取り組みについて、簡潔に伺いたいと思います。
本市において、平成23年度には全ての地下鉄駅にてエレベーターの設置が完了したところであります。これによって、交通局の統計では、車椅子利用者が駅員に介助を依頼する件数が、平成21年度の年間3万5,000人ほどから、全駅1ルート化ができた平成23年度で3万8,000人、平成24年度で4万1,000人と増加しております。このことからも、車椅子利用者にとって利用しやすい地下鉄駅となってきているものと推測されます。
しかし、その一方で、地下鉄駅には多数のエスカレーターやエレベーターが設置されていますが、一たび故障が起きると多くの利用者が不便になるばかりでなく、エスカレーターの急停止やエレベーターの急な故障は市民の安全や安心を脅かす事態にもなります。
そこでまず、質問であります。
特に古くなったり使用頻度が高いとそのような故障が心配であると考えますけれども、駅にはどの程度の昇降機があり、どのくらい使用しているのか、また、開業から長期間の稼働でこれら昇降機の老朽化の問題については、長期的な視点を含めてどのような考えなのか、伺います。
◎富澤 技術担当部長 地下鉄駅の昇降機に関するご質問でございます。
まず、昇降機の使用年数でございますが、エスカレーターの最長年数が37年、平均使用年数で申しますと25年となっております。エレベーターにつきましては、最長で31年、平均で17年でございます。
老朽化についてでございますが、駅にございますエスカレーターは238基が設置されておりますけれども、使用年数が30年以上たち、経年劣化も進んでいるものが約3分の1ある状況でございます。また、エレベーターでは116基ございますが、そのうち3分の1が20年以上使っており、やはり老朽化が進行している状況でございます。
地下鉄駅は、今、委員からもご指摘がございましたように、非常に多くの利用者に使っていただきまして、それだけに昇降機の稼働率が非常に高いことから、少しの故障も許されない状態にあります。したがいまして、これまでの間は、保守管理及び部品交換等を適切に行うことで安全な管理に努めてきているところでございます。
しかしながら、旧式のものにつきましては、メーカーの製造中止などで交換部品の入手が困難なものも出てきておりますので、経年劣化の状況や利用状況など、優先順位に応じて計画的な更新が今後は必要になっていくと考えているところでございます。
◆阿部ひであき 委員 ちなみに、建築基準法第8条では、建物の所有者、管理者、または占有者は、常時、適法な状態に維持するように努めなければならないと定められております。また、昇降機の維持及び運行に関する指針では、建築基準法第8条による昇降機の維持、運行管理に関して必要な事項が定められており、維持・保全が義務づけられているところであります。
答弁にもありましたけれども、少しの故障も許されない状況にありながら、エスカレーターの最長使用年数は37年、エレベーターは31年ということであります。実際の使用頻度による劣化等を勘案した場合、更新するための計画を策定することは喫緊の課題であると言えます。
ちなみに、エスカレーターの場合、私が調べましたが、メーカーの見解によれば、適正な保守点検が行われていれば20年から25年を耐用年数としています。また、建築物維持保全協会のライフサイクルコスト評価指針というものがありますが、これでは適切な保守管理を前提とした計画耐用年数は25年と定められています。また、エレベーターについては、フルメンテナンスで計画耐用年数は25年であります。いかにランニングコストを抑えて、適正なリニューアル時期を見きわめるか、可視化できる長期的な維持管理計画が重要であり、早急な対応が必要であると私は考えます。
そこで、質問です。
昇降機の更新時期を考えているということですけれども、その検討状況はどの程度進んでいるのか、また、工事をするためには、昇降機を停止させることが必要であると考えますが、工事中は利用者に対してどの程度の制約が生じるものなのか、伺います。
◎富澤 技術担当部長 昇降機の更新計画の検討状況でございます。
長期的な更新計画の策定におきましては、機器の劣化状況を踏まえまして、お客様の利用状況、特にエレベーターの場合は車椅子のお客様の利用状況、また、周辺施設の状況などを考慮して優先順位等も検討しながら策定を進める考えでございます。
このことから、当面の更新対象といたしましては、設置年度の古い東西線の複数の駅の昇降機につきまして、国の補助制度も活用しながらエスカレーターやエレベーターの更新工事を検討しているところでございます。その手始めといたしまして、札幌市身体障害者福祉センターが近くにございます東西線の二十四軒駅のエレベーター3基の更新工事を今年度に実施することとしております。