札幌市議会 2013-10-01
平成25年(常任)財政市民委員会−10月01日-記録
1点目は、
公的年金の
特別徴収制度の
見直しについてでありますが、現在、
公的年金を受給されている65歳以上の方を対象に、年6回の
年金支給の際に
住民税を
特別徴収しております。2月に天引きされた
住民税額と同額を翌年度の4月、6月、8月の3回で天引きする仮
徴収と、その残額を10月、12月、2月の3回で天引きする本
徴収によって
特別徴収するということになっております。この制度は、2009年10月から開始されて5年を迎えようとしているところでありますけれども、その間にいろいろな課題も生まれてきていると思います。
そこで、今回の
改正の概要及び
改正理由について、まずお伺いしたいと思います。
続いて、2点目の
住宅ローン控除の延長、拡充についてであります。
住宅投資は、
内需拡大の柱であり、
地域経済への
波及効果も大きいことから、
消費税引き上げに伴う対応として
住宅取得に係る措置について質問させていただきます。
住宅取得については、
取引価格が高額であることから、来年の4月から予定されている
消費税引き上げに伴う対応として、
所得税において
住宅ローン控除の延長、拡充が行われているところであります。このたび、
個人住民税における
住宅ローン控除の制度についても
改正され、控除の延長及び拡充が行われるところでありますが、その概要と
改正理由、また、市税の収入にも影響があると思いますので、この
改正に伴う
減収見込み額をお伺いしたいと思います。
◎畠山
税政部長 公的年金の
特別徴収制度の
見直しと
住宅ローン控除の延長、拡充についてのご質問でございます。
まず、
公的年金の
特別徴収制度の
見直しの概要と
改正理由についてでございます。
現在の制度では、
医療費控除等によりまして
年税額が前年度と比べて大きく減少した場合でありましても、4月、6月、8月の仮
徴収税額は、前年度の2月分の本
徴収税額と同額であります。一方、10月以降の本
徴収では、
年税額から仮
徴収税額を差し引いた残額を天引きすることとなりますため、仮
徴収税額に比べ、本
徴収税額は大きく減少することとなります。逆に、次の年度におきましては、大きく減少いたしました2月分の本
徴収税額と同額が4月から仮
徴収されますことから、一旦、生じた仮
徴収税額と本
徴収税額の乖離はその後も繰り返され、解消されないものでございます。こうした課題を改善すべく、札幌市でも
政令指定都市市長会などを通じて制度の
改正について要望してきたところであります。
このたび、
地方団体等からの要望を踏まえ、年間の
徴収税額の
平準化を図るため、仮
徴収税額を前
年度分の
年税額の2分の1に相当する額とし、この額を3等分して、4月、6月、8月に天引きするよう制度の
見直しが行われました。このことによりまして、例えば、
医療費控除等により大きく
年税額が減少した場合、その年度の仮
徴収税額と本
徴収税額においては乖離が生じますものの、翌年以降、徐々に乖離が減少いたしまして、3年以内には本
徴収税額と仮
徴収税額が
平準化されることとなるものでございます。
次に、
住宅ローン控除の延長、拡充の
改正概要及び
改正理由についてでございます。
個人住民税における
住宅ローン控除は、平成19年の
税源移譲に伴って導入された制度でございまして、
所得税から控除し切れなかった
住宅ローン控除額を
個人住民税から控除するというものであります。今回の
改正で、対象となる期間を4年延長し、平成26年から平成29年末までに入居した者を対象にするとともに、
消費税の
引き上げに伴い、平成26年4月以降の
控除限度額を現行の
所得税の課税総
所得金額の5%から7%に拡充することとしております。具体的な金額で申し上げますと、現行の
控除限度額は
市民税が5万8,500円、
道民税が3万9,000円、合計9万7,500円であるものが、拡充後は
市民税が8万1,900円、
道民税が5万4,600円となりまして、合計で13万6,500円となります。
なお、
個人住民税における
住宅ローン控除は申告不要とされておりまして、
確定申告書等に基づき、
市町村において
控除額を計算の上、自動的に控除が適用されることとなります。
改正の理由についてですが、
消費税引き上げに伴う対応といたしまして、
住宅取得は
取引価格が高額であることから、平成26年4月からの
消費税率引き上げ前後における
駆け込み需要及びその
反動等による影響が大きいことを踏まえ、一時の
税負担の増加による影響を
平準化し、緩和する等の観点から、特例的な措置として税制上の措置を講じることとしたものでございます。
次に、
住宅ローン控除の延長、拡充に伴う
減収見込み額についてでございます。
今回の
改正によりまして、年間で約3億3,400万円の減収を見込んでおります。
なお、この
減収額は、現行の
住宅ローン控除の
減収額と同様に、全額、
国費負担で補填されることとなっております。
◆
林清治 委員 ただいま答弁をいただきましたが、
公的年金の
特別徴収制度については、
税制改正により仮
徴収と本
徴収との税額の乖離が大きかった問題が解消されるということであったと思います。今まで、多くの場合、仮
徴収と本
徴収の金額の乖離がなかなか
平準化できなかったものが、3年目からということではありますけれども、1回の
天引き額が
平準化できるというような答弁がありました。また、
住宅ローン控除についても
所得税と同様に、
消費税引き上げに伴う対応として、
個人住民税においても
住宅ローン控除が延長、拡充されるという説明がありました。
公的年金からの
特別徴収の対象となる方は、65歳以上の
年金受給者、
高齢者で、
札幌市内で約10万人を超えると聞いております。今回の
改正内容については、やはりわかりやすく周知を図ることが大切であるのかなと思っております。それから、
個人住民税における
住宅ローン控除も、
市町村へ申告しなくても適用になるという説明でございました。この
制度改正も、市民に直接かかわるものであるために、周知が大切であるというふうに考えております。
そこで、次の質問ですが、
制度改正の
周知方法をどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
◎畠山
税政部長 制度改正の周知についてでございます。
今回の
制度改正は、委員のご指摘のとおり、市民に直接かかわる
改正でありますことから、広報さっぽろや本市の市税の
ホームページへの掲載や
納税通知書に
お知らせ文書を同封するなどいたしまして周知を図りたいと考えております。特に、
公的年金の
特別徴収制度は内容が複雑でありますことから、よりわかりやすい周知が必要であると考えているところでございます。具体的に申しますと、
公的年金からの
特別徴収の対象となる方が
医療費控除等を申告するために
住民税申告の手続で来庁されることも多いですので、
制度改正のリーフレットを作成し、対応する職員がよりわかりやすく丁寧に説明することを考えております。
◆
林清治 委員 ただいまの答弁では、広報さっぽろの活用、
ホームページへの掲載など、さまざまな方法で周知を図るということでございました。先ほど申し上げたとおり、この
改正内容は市民に直接かかわるものでありますし、対象となる市民が知らなかったということがないように、徹底を図っていただきたいと思います。
特に、年金からの
特別徴収について、答弁にもあったとおり、口で言ってもなかなかわかりづらいものであります。市民と接する部署の職員がしっかりと中身を理解して、誤解を与えないように配慮し、最終的には市民の天引きされる税金の
平準化が図れる
大変メリットのある制度なので、その部分をしっかりと説明しながら、市民からの苦情や問い合わせが殺到しないような周知の
取り組みを求めておきたいと思います。
◆
宮川潤 委員
市税条例改正概要ということで資料を頂戴しておりますが、この中の、
個人市民税の3番、
公社債等に対する
課税方式の
変更等ということで、
株式譲渡益などについて損益を通算できる
仕組みがございますので、その点について質問したいと思います。
現行の制度では、上場されている株式の
譲渡損益と非上場の株式の
譲渡損益については通算することができます。一方で利益を出して、もう一方が損を出した場合、通算しないで仮に別々という考え方をするならば、利益を出したほうでは課税され、損を出したほうは課税されないということになるので、
片方分だけが課税されることになります。しかし、損益を通算することができるということですから、通算してプラスとマイナスの両方を合算して、損になっていれば課税はされないし、利益があったとしても差っ引きになりますので課税される金額が少なくなることになります。
この
損益通算という
仕組み自体、
投資家の利益を守るためにこのような
仕組みをとっているのだと思いますけれども、このたびの
改正案で
損益通算についてはどう拡大されるのか、伺います。
2点目は、損益が通算されることで本市の市税が影響を受けると思いますが、具体的な影響はどの程度と見込んでいらっしゃるのか、お示し願いたいと思います。
3点目は、今回の
損益通算の拡大によって減税の恩恵を受けるのはどういう人なのか、伺います。
◎畠山
税政部長 金融所得課税の
一体化についてのご質問でございます。
まず、1点目の
損益通算を含む
改正の概要についてご説明させていただきます。
公社債等に対する
課税方式の変更についてでございますが、
公社債等が
特定公社債等と
一般公社債等に区分されまして、
特定公社債等の
利子所得等については現行の
源泉分離課税の対象から除外されて
申告分離課税の対象とされました。また、
特定公社債等の
譲渡所得等につきましては、現行の
非課税の対象から除外し、
申告分離課税の対象とされたものでございます。
一般公社債等の
利子所得等につきましては、現行のとおり、
源泉分離課税となりますけれども、
譲渡所得等につきましては
非課税の対象から除外し、
申告分離課税の対象とされました。
もう1点目は、ご質問にもございましたが、
損益通算範囲の拡大についてでございます。
申告分離課税を選択した
上場株式等の配当及び
上場株式等の
譲渡益間、これは、現在認められている
損益通算の制度でございますが、これにつきまして、
特定公社債等の
利子等及び
譲渡損益まで
損益通算の範囲を拡大し、3年間にわたる
繰り越し控除が可能とされました。また、
一般公社債等の
譲渡損益と非
上場株式等の
譲渡損益の
損益通算が可能とされております。一方、
上場株式等の
譲渡損益と非
上場株式等の
譲渡損益での
損益通算ができません。
それから、2点目の
改正に係る
影響額でございます。
課税方式の変更及び
損益通算等の
改正によります
影響額は、株価の動向を初めといたしましたさまざまな要因によりまして大きく変化いたしますため、国におきましても
影響額は見込んでいないところでございます。本市におきましても、同様に
影響額を見込むことは困難でございます。
最後に、
改正により恩恵を受ける
可能性のある方でございます。
先ほど申し上げましたとおり、今回の
改正によりまして、
金融資産の種類によりましては新たに
損益通算と3年間の
繰り越し控除が可能となるものがある一方、
公社債等の
譲渡所得等につきましては
非課税から課税となります。また、
上場株式等と非
上場株式等の
譲渡損益間での
損益通算ができないこととされております。
◆
宮川潤 委員 複雑な
仕組みではありますけれども、
損益通算については範囲を拡大するという趣旨でありました。
影響額はよくわからないということでありますが、いずれにせよ、
損益通算ができるということは、複数の種類の株式を所有していることになりますので、それだけ投資に余裕のある人でなければ恩恵を受けることができないということであります。
私は、ぎりぎりで暮らしていらっしゃる方だと、今、そういう人が多いのですが、投資に余裕がない人が大半だと思います。ですから、そういった方は、減税の恩恵は受けられるものではありません。余裕のある、投資に回すお金がある人を対象にした減税です。この点は明らかにしておきたいと思います。
○宝本英明
委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
◆
宮川潤 委員 私は、そもそも、
担税力と課税の仕方については根本的な
見直しが必要だと考えています。その中心的な問題の一つは、
株式譲渡益を
分離課税にしているということであります。
累進課税であれば、所得の高い人ほど税率が上がるはずですけれども、国税庁の統計によれば、所得の合計が1億円を超えると所得全体に占める
税負担の割合が下がっていきます。それは、1億円以上という高額な所得がある場合、賃金や報酬よりも株式や
土地譲渡など税率の低い収入が多くなるからです。本来は、配当や
譲渡所得などは、
勤労所得と合わせた
総合課税を原則とすべきです。そこに至る前の段階でも、
株式配当は適正な税率へ
引き上げるべきであります。
現在10%、来年から20%に
引き上げる予定ですけれども、イギリスでいいますと42.5%、フランスは34.5%、ドイツは26.4%であり、日本は国際的に見ても低く、
欧米並みにすべきであります。
今回の
条例改正案は、
上場株式等の配当、
譲渡所得に対する
損益通算を国債、
地方債等の
利子益、
譲渡所得にも拡大しようとするものであります。これは、多くの
金融資産を保有する大
資産家ほど恩恵を受けるものであります。
税は、所得の再分配を行い、貧富の差を縮小する機能を期待されるものですが、今回の措置はそれに逆行するものであります。本来の税の役割から見ても、
格差社会が深刻化し、是正が求められている点からも、今回の
条例改正は賛成できるものではないことを申し上げて、討論といたします。
○宝本英明
委員長 ほかに討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第19号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(
賛成者挙手)
○宝本英明
委員長 賛成多数であります。
よって、議案第19号は、可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第29号 財産の取得の件(
災害救助用エコ毛布)を議題といたします。
理事者から、
補足説明を受けます。
◎木村
管財部長 議案第29号の
災害救助用エコ毛布の取得の件についてご説明させていただきます。
物品名は、
災害救助用エコ毛布(
真空パック包装)でございます。
災害発生時に
避難場所にて
避難者に対し配付することを目的として、4万5,600枚を購入するものでございます。
地方公共団体の
物品等、または
特定役務の
調達手続の特例を定める政令の規定による
一般競争入札を行った結果、
契約予定金額は1億3,645万8,000円、
取得先は
株式会社ムラカミとなっております。また、
納入期限は、平成26年1月31日でございます。
○宝本英明
委員長 それでは、質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第29号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 異議なしと認め、議案第29号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時22分
再 開 午後1時23分
――――――――――――――
○宝本英明
委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第9号 平成25年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)中
関係分を議題といたします。
理事者から、
補足説明を受けます。
◎小西
財政部長 私から、議案第9号 平成25年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)のうち、
財政局関係分について
補足説明させていただきます。
今回提案いたしております
補正予算は、市政の喫緊の課題に対応するものといたしまして、
待機児童解消対策や
環境対策に資する
事業費を追加するとともに、昨年度の
大雪被害への対応及びこれから迎える冬への対策のために所要の経費を追加するほか、新たに
国庫補助の見通しを得たものや、年度内に新たな
予算措置の必要が生じた
経費等につきましてその予算を追加するものであります。
このうち、本
委員会に付託されております
財政局関係分ですが、歳入については、今回の補正に必要な財源といたしまして、平成24年度からの繰越金7億3,465万2,000円を追加するとともに、本年7月の
普通交付税額及び
臨時財政対策債発行可能額の決定を踏まえまして、第12款
地方交付税を55億9,088万4,000円追加し、第23款 市債のうち、
臨時財政対策債を39億9,300万円減額するものでございます。
また、第3表の
地方債の補正については、まことに申しわけございませんが、
正誤表により追加させていただいたところでございますけれども、ただいまご説明させていただきました
臨時財政対策債の
限度額を変更するものとなっております。
◎浅野
地域振興部長 私からは、同じく、議案第9号のうち、
市民まちづくり局関係分につきまして説明させていただきます。
議案の26ページをごらんください。
上から3行目の
市民生活費のうち、
区役所費につきまして5,000万円の補正を行うものであります。
具体的内容につきましては、環境・
エネルギー対策や昨年度の
大雪被害への対応のために、
区役所や
まちづくりセンター、
地区センター等の修繕に必要な経費に充てるための予算を追加するものであります。
○宝本英明
委員長 それでは、質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第9号中
関係分を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 異議なしと認め、議案第9号中
関係分は、可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第12号 平成25年度札幌市
公債会計補正予算(第3号)を議題といたします。
理事者から、
補足説明を受けます。
◎小西
財政部長 議案第12号 平成25年度札幌市
公債会計補正予算(第3号)についてご説明させていただきます。
このたびの
公債会計の
補正予算につきましては、
一般会計の補正に伴う市債の整理を行うものでございます。
○宝本英明
委員長 それでは、質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第12号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 異議なしと認め、議案第12号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時28分
再 開 午後1時29分
――――――――――――――
○宝本英明
委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第23号 札幌市
北3条広場条例案を議題といたします。
理事者から、
補足説明を受けます。
◎若松
都市計画担当局長 私から、議案第23号 札幌市
北3条広場条例案につきまして説明させていただきます。
札幌市
北3条広場は、平成26年7月の
供用開始に向けて、
隣接地で
新設ビルの建設を進めている
民間事業者により整備が進められております。この広場は、
市道北3条線の西4丁目部分を、単なる通過するにとどまらず、
まち歩きが楽しく快適となるよう多くの方々が利用できる広場とするため、これを公の施設に定め、また、その管理に関する規定を定めた
条例案につきまして、本日ご審議をいただくものでございます。
なお、本件につきましては、6月10日の当
委員会で報告いたしました仮称
北3条広場の設置についての素案のとおり、6月20日から
パブリックコメントを実施し、その結果は既に
ホームページなどで公表しております。素案の修正はございませんが、いただいたご意見につきましては、今後の
取り組みの参考とさせていただきます。
引き続き、
条例案の
規定内容につきまして、
都心まちづくり推進室長の高森から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
◎高森
都心まちづくり推進室長 私から、
条例案の
規定内容についてご説明させていただきます。
お手元の議案に沿いましてご説明いたします。
まず、第1条で公の施設の設置について規定いたします。
広場設置の目的は、札幌の都心において市民等に多様な活動や休憩、滞留ができる場を提供し、都心全体のにぎわいを創出することにより、集客交流の活性化と独自の都市文化の創造を促進し、もって札幌の魅力と活力を高めるとともに、より豊かな市民生活を実現するためといたします。
その位置につきましては、中央区北2条西4丁目及び北3条西4丁目を広場の区域といたしております。
第2条では、広場で実施する事業といたしまして、広場を使用に供することと、その他広場の設置目的を達成するために必要な事業の2点を規定いたします。
第3条では、広場の使用時間を午前9時から午後9時までと規定いたします。
第4条から第15条では、広場使用に関する諸事項を規定いたします。
まず、使用の承認に関する事項といたしまして、広場を使用する場合は、あらかじめ市長の承認を受けなければならないこととし、その使用について条件を付すことができることとしております。
また、第5条、第6条におきましては使用料の納付並びに減免及び還付、第7条については目的外使用の禁止、第8条については外部から持ち込む特別設備の設置等の承認、第9条については使用等の不承認、第10条では使用の取り消し、第11条では入場の制限、第12条では行為の禁止、第13条では使用の禁止または制限、第14条では原状回復、第15条では賠償にかかわる規定を設けてございます。
なお、第5条に定める使用料につきましては、別表のとおりといたしているところでございます。
第16条及び第17条では、管理の代行として指定管理者に広場の管理を行わせることができること、そして、その場合には、広場の利用にかかわる料金を指定管理者の収入として収受させるものとする規定を設けております。
附則第1項では、施行期日は市長が定めることを、また、第2項では、使用承認の手続など広場
供用開始前に必要がある準備行為は条例の施行前においても行うことができることを規定してございます。
最後に、第3項でございますが、指定管理者の指定手続について、札幌市公の施設に係る指定管理者の指定手続に関する条例第2条の原則公募という規定によらず、非公募で特定の団体に申し込みを求めることができる旨の規定を設けてございます。
○宝本英明
委員長 それでは、質疑を行います。
◆長内直也 委員
北3条広場の
条例案についてですが、先日の
委員会でも飯島委員から質問させていただきましたけれども、非常に期待を持ってこの広場を見ておりまして、よりすばらしいものを期待しているという前提の中で質問させてもらいます。
指定管理者の選定についてであります。
第16条ですが、当たり前のことが書かれていまして、第1項では、指定管理者に管理を行わせることができるとあります。第2項では、指定管理者に管理を行わせた場合、その後、これは2回目ですが、2回目以降の指定管理者の選定は、1回目のところが良好に行われている場合に限って公募によらないとあります。ここまではいいのですよ。ただ、附則の第3項については、私は議論の余地があると思うのです。最初から全く公募を経ずに非公募にできてしまうことがわざわざ書かれているということであります。
これについては、私の考えでは、公募する前提の中で、公募の条件でさまざまに規定することができるのではないかというふうに思うのです。もしそういうふうに考えれば、附則の第3項はなくてもいいのではないかと私は見ておりますが、この辺について、まず、ご説明をいただきたいと思います。
◎高森
都心まちづくり推進室長 北3条広場の指定管理者の募集方法を非公募とする理由についてということだと思います。
北3条広場にかかわる指定管理者の募集方法につきましては、非公募といたしまして、本市が定める指定管理者制度運用ガイドラインに基づきまして、現在のところ、札幌駅前通まちづくり株式会社を想定しているところでございます。
その理由については、2点ございます。
1点目は、同社は、その設立理念といたしまして、駅前通地区を魅力ある都心の顔として育て、継続的かつ恒常的ににぎわいのある地域づくりを進め、周辺地区との連携を図ることでまちづくりの効果を波及させ、都心全体の活性化を目指すこととしております。それを実現するための目標といたしまして、公共空間を活用していくことを掲げており、これは、
北3条広場の設置目的と合致していることが挙げられます。
2点目は、札幌駅前通地下歩行空間、チ・カ・ホに設置された駅前通地下広場との一体的な管理運営が必要であることが挙げられます。
北3条広場に隣接いたします駅前通につきましては、都心まちづくり計画におきまして、にぎわいの軸として札幌の目抜き通としてのにぎわい、多様性、美しさの創出を目標として掲げており、さらに、緑を感じる都心の街並み形成計画では、地上と地下それぞれの魅力が相まってにぎわいを創出するメーンストリートの位置づけがなされております。これらを実現するためにチ・カ・ホを設置いたしまして、そこの指定管理を札幌駅前通まちづくり株式会社が行っております。
加えて、都心におきましては、地域の価値向上のため、地域の人々が主体的にまちづくりを行うエリアマネジメントの推進を主要な
取り組みの一つとしているところでございます。駅前通におきましては、札幌の目抜き通にふさわしいにぎわいを創出していくために、地下広場と
北3条広場の管理運営を一体的に行うこと、すなわち、地上と地下が一体となったエリアマネジメントが不可欠であると考えているところでございます。
以上のことから、同社を非公募による指定管理者と想定しているところでございます。
◆長内直也 委員 間違ってほしくないのですが、結果として札幌駅前通まちづくり株式会社を想定することに対してどうこう言うつもりはないのです。ただ、今のお話であれば、この
条例案を提出している中で、順番として指定管理者の選定を先にやってしまっていることになるわけですね。私は、それが違うのではないかと言っているのです。
そうではなくて、私は、基本は公募である必要があると思っていまして、公募の条件の中で、最初の立ち上げから
北3条広場をどういうふうにしていきたいかという思いをどこが一番受けてくれるかというのは本当はその後の話なのです。それを最初から決め打ちしていますから、順番が逆ではないですか。12月に指定管理者の選定と言っていながら、今の話だと先にしているわけでしょう。それは違うのではないかと私は申し上げているわけです。結果として選ばれる者がおかしいと言っているわけではないのですよ。これは間違ってもらっては困ります。そうではなくて、その辺の順序が違うのではないかと私は思うのです。
だから、わざわざ附則にこういうふうにうたうのではなくて、私は、公募する中にさまざまな条件を取り入れればそれで十分なのではないかと思います。そうすれば、公募になっていろいろなところが出たとして、結果がどこに決まるかは別にしても、その中からいい案が出るかもしれないじゃないですか。そういう中で、皆さんが発想できなかったものを一部取り入れていくことができるのだと思うのです。
それを申し上げておりますので、改めてご答弁をお願いします。
◎高森
都心まちづくり推進室長 条例の規定と選定の順序が逆ではないかということについてどう考えるかということかと思います。
非常に難しいところで、非公募とするためには、条例の附則にこのような規定を設けなければ非公募にできないという立てつけでございますので、このような形になっているところでございます。
札幌駅前通まちづくり株式会社を想定していることにつきましては、私どもの考え方といたしましては、これからの地域のまちづくりは、地域の関係者みずからが担い手となり、地域固有の課題やまちづくりの方向性に対応したきめ細やかな
取り組みや、公共空間の管理運営を通じて地域の価値を高めていくことが非常に重要だと考えてございます。このため、繰り返しになりますが、都心におきましては、先ほど説明いたしました地域が主体となったエリアマネジメントの展開を強力に支援しているところでございます。
北3条広場の指定管理者に対しては、この広場の適切な管理はもとより、同時にエリアマネジメントの一翼を担っていくことを我々としては求めているところでございます。
そういう中で、札幌駅前通まちづくり株式会社が先にありきではないかというご意見がございましたが、札幌駅前通の沿道事業者により設立された会社でございまして、会社の設立時の方針で、現在、札幌駅前通地下歩行空間、チ・カ・ホの指定管理を行うなどの各種事業を展開してございまして、これらで得られた収益、利益の全てを配当せず、地域のまちづくりに還元することを実践している会社でございます。
したがいまして、順序が逆ではないかというご批判がございますが、(「ご指摘だ」と呼ぶ者あり)ご指摘もありましたが、このような観点から、私どもといたしましては、駅前通は、札幌を象徴する空間であり、地上と地下が一体となった魅力を備えていく必要があると認識しておりますので、そのためには地下広場と
北3条広場の施設の特性を最大限に発揮するよう一体となって進めることが適当ではないかという考えで、札幌駅前通まちづくり株式会社を選定したところでございます。(「選定したんではないんだって」と呼ぶ者あり)想定しているところでございます。
◆長内直也 委員 あなたの答弁を私がつくりましょう。どういう答弁をしたらいいかを教えますよ。
要は、選定はこれからの話なのですよ。しかし、非公募も利用可能な条例にしています。ただ、今の時点で決め打ちしているわけではなくて、これからチ・カ・ホとの
一体化などを含めた中では公募よりも非公募がふさわしいというときは、この条例の附則や規定に基づいて選定を考えていきたいと。答弁としては、本当はそこまでしか言ってはだめなのですよ。そうでしょう。選定を先に言ってしまっているのだから、私は、それを言っているのです。
その後で、いろいろ検討したけれども、我々の思いを、
一体化を基本にして考えていく、これからは、一本の線ではなく、面として、エリアとして考えていったときには、駅前通という名前のままかどうかはわからないけれども、そういうところと一緒になってやっていくと。ただ、そういうことは後の話なのです。それありきのためにわざわざ条例をつくっているような言い方をしてしまうと、当然、それは言われますよ。それを私が申し上げているのです。
◎高森
都心まちづくり推進室長 ただいまのご指摘は、ごもっともでございます。私の答弁が至らなかったと反省しております。
ご指摘のとおり、選定作業は、条例が可決されて初めてできる作業でございますので、私の答弁が至りませんでした。
◆
林清治 委員 今回、
条例案の提出があった
北3条広場について、私は、6月10日の
委員会においても質問しておりますけれども、再度、別な観点から質問させていただきたいと思います。
北3条広場が設置されることで、都心に新たな憩いの場、にぎわいの場が誕生することとなり、今後、この広場を効果的に活用して、都心全体、ひいては、札幌の魅力と活力の向上につなげていく必要があるというふうに考えているところであります。この広場は、赤れんが庁舎前のJR札幌駅と地下鉄大通駅という都心のにぎわい商圏の中間に位置しており、市民はもとより、観光客やビジネスパーソンといった多くの来訪者でにぎわう
可能性も有していることから、ここで展開される各種事業に対しては高い集客や宣伝効果をもたらすことが期待できると思っております。
そこで、その使用料金については、これらの要素を考慮した料金設定とすることが適正であると考えておりますが、その一方で、市民活動やボランティア団体などの公益的な活動の支援という観点からも一定の配慮が必要と考えておりますけれども、使用料はどのような考えで設定したのか、また、今述べたような公益的な活動を支援する観点からどのような場合に減免するのか、お伺いしたいと思います。
◎高森
都心まちづくり推進室長 使用料設定の考え方と減免の考え方についてです。
北3条広場につきましては、その位置特性、歴史性、注目度などからも札幌市を象徴する空間となっております。また、都心の骨格軸の一つである北3条通の起点に位置して、さらに、本市の目抜き通である駅前通にも面していることから、今後の都心のまちづくりにおける重要な空間と位置づけているところでございます。
このため、使用料につきましては、単に稼働率を向上させることを目的とせず、また、その運営については空間の質の確保や景観に配慮することが必要になると考えております。そこで、歩行者通行量や施設の管理運営に係る経費、近隣の類似施設の利用料金などをもとに検討を行いまして、民業圧迫にならないよう、バランスを考慮して料金を設定いたしたところでございます。
また、使用料の減免についてでございます。
使用料の減免に関する基準につきましては、今後、要綱等で定めてまいりますが、現段階におきましては、私ども札幌市を含む官公庁が主催する場合、あるいは、市民で構成される団体などが主催する非営利事業などの場合、広場管理者、指定管理者等が主催する事業の場合には、減額または免除といった取り扱いを想定することになるものと考えているところでございます。
◆
林清治 委員 ただいま料金の設定について説明がありましたが、条文にある料金は高いのかなという気もしておりますけれども、場所的なことや大きな面積の広場であることを考えれば妥当なのかなと思います。また、利用者の立場で言えば、広いエリアですので、半面料金が設定されればよかったのかなというふうにも思っています。
それから、今、減免制度についても説明がございました。市民団体などの活動でも有効に活用できるように考えていただきたいと思いますし、また、実施後には利用状況なども検証していく必要があると思っております。
また、広場の周辺は、現在工事中である仮称札幌三井JPビルを初めとして、札幌フコク生命駅前通ビルなどの共同ビルの建築計画も控えております。今後建築されるビルの地下や地上に、にぎわい創出に貢献する機能を有する施設が入居することも考えられ、新たな人の流れが生み出されることが予想されております。今後、地上の広場と周辺施設、そして、先ほど来ありましたように、チ・カ・ホの三つを有機的に結びつけてにぎわいを創出することが極めて重要になってくると考えております。
そこで、チ・カ・ホの広場空間は、
北3条広場と同様、条例で道路上に設置された公の施設でありますが、今後、地上と地下が一体となったにぎわいを創出していく上でそれぞれどのような役割を担っていくのか、お伺いしたいと思います。
◎高森
都心まちづくり推進室長 北3条広場とチ・カ・ホの役割分担についてかと思います。
まず、札幌駅前通地下歩行空間、地下広場、チ・カ・ホでございますが、札幌の目抜き通にふさわしいにぎわいを創出し、集客交流の活性化、新たな産業の育成及び独自の都市文化の創造を図り、市民生活の向上に寄与するという設置目的を掲げております。憩いの空間や交差点広場におきましては、現在さまざまに活用されておりまして、日々にぎわいを生み出しているところでございます。
一方、
北3条広場でございますが、先ほど説明させていただきました設置目的を実現するために、空間の目標像といたしまして、大人の文化を享受できる空間、札幌の美しさを感じられる空間、四季を通じて憩い楽しめる空間の三つの目標像を掲げて検討を進めているところでございます。そのため、
北3条広場につきましては、日常的には、四季折々の景観やイチョウ並木、また木塊舗装といった土木遺産などがございますので、これらの空間が持つ雰囲気や特性を味わうことのできる憩いや滞留の場としつつ、週末などには四季に応じたイベントなどが展開される姿が望ましいのではないかというふうに考えているところでございます。
また、
北3条広場と地下広場は、屋外と屋内という違いがございます。また、広さも異なります。したがいまして、活用の展開もおのずと差別化が図られていくのではないかということも考えてございます。そこで、私どもといたしましては、それぞれの施設の特性を十分に生かしながら、相互に連携、補完をしていき、効果的かつ効率的な運営を行えるよう努めていく考えでございます。
◆
林清治 委員 今、答弁をいただきましたが、これは6月の
委員会でも私が述べておりますけれども、地下と地上部の相乗効果をしっかりと図っていき、札幌駅と大通駅の2大拠点を結んで人の流れをつくり出すという意味で、
北3条広場は本当に都心部の魅力アップに大きく貢献できる広場だと期待を強く持っているところであります。
先ほども議論がありましたけれども、指定管理者なり、周辺の関係団体や関係企業とも連携を強めていくことにしっかり
取り組みながら、
北3条広場の効果を高めていただければありがたいと思っております。
○宝本英明
委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第23号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 異議なしと認め、議案第23号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時57分
再 開 午後1時58分
――――――――――――――
○宝本英明
委員長 委員会を再開いたします。
最後に、条例個別指定制度の
パブリックコメント実施についてを議題とし、資料に基づき、
理事者から説明を受けます。
◎池田 市民まちづくり局長 本日は、
個人住民税の寄附金控除の対象となりますNPO法人を条例で指定いたします条例個別指定制度の基準、手続に関する条例の素案についてご報告させていただきます。
この素案につきましては、昨年7月から5回にわたり、外部有識者によります検討を経て、ことし3月に報告書として出された内容をもとに、庁内議論を重ねてまとめたものでございます。来週の10月7日から11月5日まで
パブリックコメントを実施して、次の第4回定例市議会でその結果を報告し、条例の提案を予定しているところでございます。
それでは、市民自治推進室長の小角より素案の内容につきましてご説明いたします。ご審議のほどをよろしくお願いいたします。
◎小角 市民自治推進室長 私から、条例個別指定制度の基準、手続に関する条例素案についてご説明させていただきます。
条例骨子案につきましては、お手元にお配りいたしました資料の7ページ以降に添付させていただいておりますが、資料の前段の5ページまでの部分に素案の概要をまとめておりますので、こちらに沿ってご説明させていただきます。
まず、表紙をごらんください。
この条例個別指定制度は、中段の囲みに記載のとおり、地方自治体が条例でNPO法人を指定し、その法人に個人が寄附した場合に
住民税の寄附金控除が適用される制度でございます。市民が寄附しやすい環境を整え、地域の課題解決の担い手であるNPO法人の財政基盤の強化を図るものでございます。
1枚おめくりいただきまして、1ページをごらんください。
条例個別指定制度のメリットをまとめております。
個人の寄附者のメリットといたしましては、寄附金のうち、2,000円を超える部分の6%が
市民税から控除されます。また、指定されたNPO法人のメリットといたしましては、条例で指定されると国の制度として設けられている認定NPO法人の公益性の判断基準となりますPST基準がクリアされ、認定NPO法人への移行が可能になるということでございます。
続きまして、右側の2ページをごらんください。
指定基準や申請の手続については、各自治体が独自に定め、その基準を満たすNPO法人の申請に基づき、議会の承認を得まして個別に指定していく必要がございます。指定基準、申請手続につきましては、本日の審議を経て、
パブリックコメントを実施し、次の第4回定例市議会で、2ページ中ほどにあります札幌市控除対象特定非営利活動法人の指定の手続等に関する
条例案として提案させていただく予定でございます。
制度導入に当たっての基本的な考え方でございますが、同じページの下段の3にまとめておりますとおり、この制度は
個人市民税の優遇措置を伴うものでありますことから、NPO法人の指定に当たっては、高い公益性や組織運営の健全性に着目いたしますとともに、難病やひきこもり、DVに対する支援など、市民から認知されにくい分野で活動するNPO法人も対象となるような基準を設けたいと考えているところでございます。
おめくりいただきまして、3ページ、4ページには指定の基準案をまとめております。
条例指定に当たりましては、活動に一定の公益性を求める公益要件と、組織運営面の健全性を判断する運営要件を設けることとしております。
公益要件につきましては、3ページの数値基準と4ページ上段の活動基準のいずれも満たすこととしており、このうち、数値基準につきましては、1から4のいずれかに該当することとしております。数値基準につきましては、1として、認定NPO法人の要件である年額3,000円以上、平均100人以上の寄附者を50人以上に緩和いたしましたほか、寄附と同様に、公益性を有していると考えられるボランティア参加人数や一般市民を対象とした催事への参加者数などを2から4の基準として設けております。また、北海道から条例個別指定を受けている場合は、これらの基準を満たすものとして取り扱うこととしております。
右側の4ページをごらんください。
活動基準につきましては、アからウの三つの基準について総合的に判断することとしております。
また、4ページ下段の運営要件につきましては、認定NPO法人制度の運営要件を準用したところでございます。
おめくりいただきまして、次に5ページをごらんください。
審査方法と指定までの流れをまとめております。
審査方法につきましては、公正性や公平性等を考慮し、行政での審査に加え、NPO法人制度や財務会計などに精通した有識者等で構成する審査
委員会を設置することとしております。審査につきましては、書類審査に加え、実態調査やヒアリングも実施することとしております。
次に、指定までの流れについてでありますが、条例による指定には議会の議決が必要となることから、しっかりとした審査を行うため、原則、年2回の指定を予定しております。
次に、5ページの下になりますが、指定の有効期間については5年とし、満了後は更新手続により延長可能としております。また、報告義務として、一般のNPO法人の事業報告書等の提出に加え、役員報酬に関する規定や、資金、資産の譲渡、寄附金に関する情報等も報告させ、広く市民に公開いたします。さらに、市長が報告を求めることや立入検査の実施について規定し、法令違反や指定要件を欠いた場合には指定取り消しを行うことも可能としたところでございます。
以上が基準手続に関する説明でございます。
本日の審議を経まして、来週月曜日の10月7日から市役所本庁舎や各
区役所、
まちづくりセンターなどに資料を配架し、11月5日まで広く市民意見を募集する予定でございます。
○宝本英明
委員長 それでは、質疑を行います。
◆
林清治 委員 我が会派では、これまで機会があるごとにこの条例個別指定制度について質問してきたところでありますが、昨年4月から札幌市でNPO法人の所轄庁事務を開始したことから、NPO法人数は、政令指定都市の中でも横浜市、大阪市に次いで3番目の多さとなっていて、約800を超えるNPO法人があると聞いておりまして、札幌のさまざまなまちづくり活動が多くのNPO法人に支えられているという状況だと思っております。先ほどの説明にもありましたが、難病支援や発達障がい支援、またひきこもり支援といった分野においては、支援の対象者は限定されておりますけれども、行政だけでは行き届かない部分をカバーし、地道な活動を続ける団体が数多く存在している状況であると思います。こうした団体の多くは、活動内容が広く市民に認知されにくいため、寄附などの資金集めに苦慮し、財政基盤が脆弱な状況にあるとも聞いております。そのため、これらのNPO法人が、認定制度や条例個別指定制度を活用し、しっかりと活動が継続されるようにしていかなければならないと考えているところであります。
そこで、質問ですが、既に国の制度としてある認定制度、そして、仮認定制度について、これまでどのような法人が認定されているのか、伺いたいと思います。
あわせて、今回創設しようとしている条例個別指定制度は、これらの制度とどのような関係性があるのか、その位置づけを確認したいと思います。
また、さぽーとほっと基金との関係についてもお伺いします。
◎小角 市民自治推進室長 認定制度、仮認定制度の認定状況と今回の個別指定制度との関係性、さぽーとほっと基金との関係についての3点のご質問でございます。
まず、1点目の認定制度、仮認定制度の認定状況についてでございます。
認定制度につきましては、これまでに子ども向け電話相談や障がい者の就労支援、スポーツの普及や環境保全活動を行う4法人を認定したところでございます。また、仮認定制度につきましては、
高齢者の介護予防や障がい者への乗馬セラピー、中小建設業を対象に札幌QMSという品質認証を行う3法人を認定したところでございます。認定、仮認定のいずれも、他の政令指定都市と比較しても認定法人数はおおむね順調に推移しており、さらに、仮認定から認定への移行という動きも出てきているところでございます。
続きまして、2点目の認定制度、仮認定制度と条例個別指定制度の関係性についてでございます。
国の認定制度は、幅広い税の優遇措置がある一方、先ほども申しましたが、団体の公益性の判断基準となるPST基準と組織運営の健全性の判断基準となる運営要件の両方を満たす必要がございます。これに対して、仮認定制度は、税の優遇措置はその一部となりますが、主に設立5年未満の法人を対象に、1回に限り、運営要件のみで認められる制度となっております。条例個別指定制度は、認定制度のPST基準に変わり、市独自の基準を設けることができる制度で、
個人住民税の優遇措置が付与されるほか、認定への移行をより容易なものとする効果が期待されるところでございます。
これにより、現状では仮認定にとどまる法人につきましても、条例個別指定を活用し、認定を目指すことが可能となります。このように、条例個別指定制度は多くのNPO法人にとって認定への足がかりになると考えられますことから、法人の実態等に合わせ、これら三つの制度の活用を促進していきたいと考えているところでございます。
最後に、3点目のさぽーとほっと基金との関係性についてでございます。
さぽーとほっと基金は、条例個別指定制度と同様、寄附による市民活動団体への財政支援の
仕組みでございますが、NPO法人に限らず、広く任意団体も対象としている一方で、その助成対象は事業に直接的に要する経費に限っているところでございます。これに対しまして、条例個別指定制度は、NPO法人に直接寄附が入り、管理費など特定非営利活動に関連する経費全般に対して幅広く充てられることから、NPO法人の目的等に応じて両制度を使い分けるなど、二つの制度でNPO法人の資金調達力の向上を図っていきたいと考えているところでございます。
◆
林清治 委員 ただいま答弁をしていただきまして、本当に資金集めに苦労しているNPOのいろいろな活動に対する支援になる制度だということでした。
次に、今回示された基準、手続の案は、ことし3月に出された外部
委員会の報告書がベースになっていると聞いております。この外部
委員会の報告書を受けて、札幌市としてどのような検討を行い、今回の案をまとめたのか、お伺いしたいと思います。
◎小角 市民自治推進室長 外部
委員会後の検討経過についてでございます。
外部
委員会では、難病やひきこもり、発達障がいなど、公益性は高いが、市民には認知されにくい分野で活動するNPO法人も制度の対象となるよう配慮すべきとのご提言をいただいたところでございます。
このことを踏まえまして、ことし6月に所管するNPO法人にアンケート調査を実施したほか、提言にもございました難病やひきこもり等の分野で活動されている全NPO法人にヒアリング調査を実施したところでございます。それらの調査結果をもとに、寄附要件の緩和のみならず、ボランティア参加人数や市民を対象とした催事回数などの複数の要件を設け、これらの中から各法人がその事業形態に応じて選択できるなど、公益性の高い活動を地道に続けるNPO法人も条例個別指定制度につながるよう基準づくりを行ったところでございます。
◆
林清治 委員 この条例は、
パブリックコメントを経て、この後の第4回定例会において条例提案される予定になっております。先ほども触れているのですが、札幌のまちづくりは多くのNPO法人に支えられている現状でございます。そして、札幌市では、市民の寄附によりNPO法人の活動を支えるさぽーとほっと基金をいち早く導入し、制度導入後の5年間で約4億円もの寄附がされており、札幌市民のまちづくりに関する関心や期待の高さがうかがえるところであります。先ほどの説明にあった
パブリックコメントの周知に関して、こうした多くのNPO法人などにももう一度関心を持ってもらい、しっかりと意見等をいただけるような工夫も必要なのかなと思っております。
最後になりましたが、この条例個別指定制度が市民の活動を支える制度となることを期待しております。
○宝本英明
委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○宝本英明
委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時15分...