――
――――――――――――――――
〇
欠席議員(なし)
――
――――――――――――――――
〇説明員
市 長 上 田 文 雄
副 市 長 生 島 典 明
副 市 長 秋 元 克 広
副 市 長 井 上 唯 文
交通事業管理者
交 通 局 長 若 林 秀 博
水道事業管理者
水 道 局 長 長 利 秀 則
病院事業管理者
病 院 局 長 富 樫 正 樹
危機管理対策室長 相 原 重 則
市長政策室長 渡 邊 光 春
総 務 局 長 板 垣 昭 彦
市民まちづくり局長 池 田 佳 恵
財 政 局 長 藤 原 知 朗
保健福祉局長 加 藤 敏 彦
子ども未来局長 大谷内 則 夫
環 境 局 長 長 岡 豊 彦
経 済 局 長 荒 井 功
観光文化局長 可 児 敏 章
建 設 局 長 宮 浦 哲 也
都 市 局 長 高 橋 稔
会 計 室 長 山 崎 亘
消 防 局 長 佐 藤 有
教育委員会委員 阿 部 夕 子
教育委員会教育長 町 田 隆 敏
選挙管理委員会委員長 笹 出 昭 夫
選挙管理委員会委員 湊 谷 隆
選挙管理委員会委員 小 谷 俵 藏
選挙管理委員会委員 常 田 豊 明
人事委員会委員長 大 塚 龍 児
人事委員会事務局長 堀 口 洋 一
監 査 委 員 藤 江 正 祥
監 査 委 員 窪 田 もとむ
監査事務局長 吉 澤 政 昭
――
――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事 務 局 長 本 間 章 弘
事務局次長 出 井 浩 義
政策調査課長 東 館 雅 人
議 事 課 長 吉 田 雅 博
調 査 係 長 森 譲
議 事 係 長 深 井 貴 広
委員会担当係長 斉 藤 匡 朋
委員会担当係長 八 代 吟
書 記 太 田 真 司
書 記 大 山 佳 洋
――
――――――――――――――――
〔午後1時1分開会〕
○議長(
高橋克朋) ただいまから、平成25年第3回
札幌市議会定例会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。
――
――――――――――――――――
○議長(
高橋克朋)
出席議員数は、68人です。
――
――――――――――――――――
○議長(
高橋克朋) 本日の
会議録署名議員として
北村光一郎議員、林家とんでん平議員を指名します。
――
――――――――――――――――
○議長(
高橋克朋) ここで、
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(本間章弘) 報告いたします。
本日、市長から提案されます議案第17号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案、議案第18号 札幌市
災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例案につきまして、去る9月12日、議長は、
地方公務員法第5条第2項の規定により、
人事委員会の意見を求めております。
これに対し、昨日、
人事委員会委員長から意見書が提出されましたので、その写しを各
議員控室に配付いたしました。
また、市長から、法人の
経営状況説明書、
公立大学法人札幌市立大学平成24
事業年度の
業務実績に関する評価結果が、
教育委員会委員長から、平成24年度
事業教育委員会事務点検・
評価報告書が、
監査委員から、
監査報告2件が、
人事委員会委員長から、職員の給与に関する報告及び勧告の写しがそれぞれ提出されましたので、各
議員控室に配付いたしました。
本日の
議事日程、
陳情受理付託一覧表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
〔一覧表は
巻末資料に掲載〕
――
――――――――――――――――
○議長(
高橋克朋) これより、議事に入ります。
日程第1、会期の件を議題とします。
(こんどう
和雄議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
高橋克朋) こんどう
和雄議員。
◆こんどう
和雄議員 会期設定の動議を提出いたします。
本定例会の会期を本日から10月31日までの43日間とすることを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
高橋克朋) ただいまのこんどう
議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
高橋克朋) 異議なしと認めます。
したがって、本定例会の会期は、本日から10月31日までの43日間と決定されました。
――
――――――――――――――――
○議長(
高橋克朋) 次に、日程第2、平成24年第1回
定例市議会議案第27号 札幌市
公契約条例案撤回の件を議題といたします。
お手元に配付のとおり、9月12日付で市長から
議案撤回の依頼文が提出されておりますので、説明を求めます。
上田市長。
(
上田文雄市長登壇)
〔依頼文は
巻末資料に掲載〕
◎市長(
上田文雄) 議案の撤回についてご説明を申し上げます。
本件は、平成24年第1回
定例市議会において提案をいたしました議案第27号 札幌市
公契約条例案の撤回についてでございます。
公契約条例案につきましては、平成24年第1回
定例市議会におきまして継続審査となって以降も、時間をかけて
関係業界の方々と幅広く議論をし、そして
意見交換を行い、共通認識を深めるとともに、条例案に対するさまざまなご意見をいただき、また、議会でも多くのご議論をいただいたところでございます。これらの議論において、条例案に
基本理念の規定がないということや、企業の視点も盛り込むべきではないかなどのご指摘やご提案をいただきました。これらを真摯に受けとめ、検討を重ねたところでありますが、これらの経過を踏まえまして、さきに提案させていただきました条例案を撤回させていただきたい、このように考えたところでございます。
なお、見直し後の条例案につきましては、できるだけ早い時期に議会にご提案をさせていただきたいと考えております。
以上で、議案の撤回についての説明を終わりますけれども、何とぞご承認くださいますようにお願い申し上げたいと存じます。
○議長(
高橋克朋) これより、質疑に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
まず、松浦 忠議員。
(松浦
忠議員登壇)
◆
松浦忠議員 私は、市政改革・みんなの会を代表いたしまして、ただいま市長から
公契約条例案の撤回が提案されたことに対しまして、質問をいたします。
まず、今、市長が
撤回理由として述べられた二つがありました。一つは
基本理念、二つ目は企業に対する考え方ということが撤回の理由でありました。私は、この条例は、札幌市としては、初めて、働く人の生活権、こういうものを認めた条例ということで、これは画期的なことだなと実は思っておりました。今、
基本理念という話がありましたけれども、実際に現場で働く人たちの賃金をちゃんと保障する、それは、何も特別に今よりも高い賃金を払うということではなくて、きちっと積算されている、そして契約書に盛り込まれている賃金、これを、元請になったところが中抜きをして、100円出したやつを40円ぐらい中抜きして、さらにまた、その経営者が会社の必要経費を取って、労働者に渡る賃金は本当に安くなる、生活ができないと。これが実態ですから、したがって、これを正そう、最低限、これだけは払いなさいよと、こういうことですから、これは、理念はしっかりしたすばらしい条例だ。
一つ目は、何が理念として欠けていたのか、その欠けていた点を具体的に示していただきたい。
二つ目は、企業に対する考え方なんですが、これは、
上田市長も弁護士を長くやっておられたから、いわゆる賃金の不払い問題だとか、あるいは、会社間の取引の金を払う、払わぬという紛争など、数多く手がけてこられてきて、いわゆる
資本主義社会における経営者とはいかなるものかということは十分に理解されていると私は思うのです。
したがって、この中で、経営者の理念というのはどんなことが欠けていたのか、どんなふうなことが。2点目は、そのことについて質問をいたします。
それから、三つ目であります。
去年の1定は2月に招集されました。実質、3月が
審議期間で、この間、およそ1年7カ月ぐらいの時が過ぎております。私は、市長が誰とどんな話をしているのかということについては議会に報告がありませんからわかりませんでしたが、新聞などで見るところでは、専ら、
商工会議所の
経営者部会だとか、いわゆる
経営者側との話を盛んにやっておりました。大体、ここで合意を得るということは無理な話なんです。何かといったら、
経営者側に、余りもうけないで、そこそこ出してやれよという話なんですから、これはもう全く相入れない話で、随分、理屈に合わぬことをやっているなと、私はこう見ておりました。
さて、そこで、
経営者側との話の中で、何が問題だというふうに経営者から具体に出てきて、札幌市は、その問題を解決できる方策をその1年7カ月の間の協議の中で見出したのか、今回の撤回に当たって解決の方策を見出したのか、そのことについて具体に説明をいただきたい。
以上、3点であります。
○議長(
高橋克朋) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(
上田文雄) 3点ご質問がございましたので、1点目の理念の問題であります。
議会でもご指摘がございましたが、この条例は、
労働単価を決めるというものでありますけれども、私
ども発注者も公契約の一方の当事者でありまして、私
ども発注者の責任といったものについての考え方というものが述べられていないということについては、少しく問題であろうというふうに考えているところでございます。
もう一つ、次の企業に関する問題につきましては、やはり、企業が発展していくということが大事な視点であるというふうに思います。そういう意味におきまして、企業が
事業活動を継続することができる、あるいは、発展していくことができるような、そういう契約のシステムなり、あるいは、
公契約条例によってもそのことが心配なく経営できる、こういうことをこの条例の中に書き込むべきではないかというふうな視点があるというふうに思っております。
基本的には、税金を使ったお仕事をしていただくわけでありますから、その税金でお仕事をしっかりしていただくということ、そして、その仕事をして会社がうまく回るということ、さらに、そこで働いておられる方々の生活がしっかり守られるということ、その結果、その方々がお金を消費に回していただいて地域の
商工業者にお金が回っていく、こういう税金の循環というものが図られるということをより明確にこの条例の中で示していくことで多くの皆様方にご理解をいただけるようになるのではないか、こんな考え方でございます。
3点目につきましては、秋元副市長のほうからお答えをさせていただきます。
○議長(
高橋克朋) 秋元副市長。
◎副市長(秋元克広) これまでの業界との協議の関係でどういうことが問題だったかということでございました。
これまで、1年以上にわたりまして、
関係業界、
工事関係、それから
業務関係の業界の団体の方々と議論を進めてまいりました。これまでの
関係者協議における主な意見は、今の市長からのお答えの中にもございました部分もありますけれども、
公契約条例の
基本理念の関係でありますとか、企業の
健全育成や発展、
経営環境、こういった視点が欠けているのではないか、
発注者責任等の明確化、企業の安定化といったこと、さらには、
一定期間のペナルティーの猶予であるとか、
一定期間後には条例を見直すべきであるというようなこと、それから、清掃、警備等につきましては、
条例対象の労働者、公契約ということでございますので、公共調達にかかわるところで働く労働者の方々と、
民間企業の仕事をお受けになって、そこで賃金を受けられている方に差が生ずるというような懸念がある、こういったような意見が業界との話し合いの中で出されてきたところでございます。
その解決の方策という意味では、理念の問題、あるいは、企業の
健全経営に関するところ、こういったところにつきましては、条例全体の理念として理解ができるということもございまして、
一定程度、業界からのご指摘についても理解ができ、それは対応が可能かなというふうに考えてございます。
さらには、
入札改善のことです。
経営との関係で申しますと、入札にかかわるさまざまな改善、こういったことを前提として、企業の経営安定、そして雇用の安定ということになるのではないかということにつきましては、私どもは、これまでも、入札の改善、
入札条件、こういったことについて、
最低制限価格の緩和でありますとか、こういったものについても取り組んできたところでもございますし、今年度につきましては、
労務単価の上昇というようなことで積算の部分にも取り組んできたところでございまして、業界の方々からのお話について、
一定程度の解決といいますか、ご理解をいただけることをやってきたのではないかというふうに考えてございます。
以上であります。
(松浦 忠議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
高橋克朋)
松浦議員。
◆
松浦忠議員 今、るる答弁がありました。市長から、発注者の責任、これが述べられていない、
企業発展の仕組み、これが条例に入っていない、こういうことでした。
この二つですが、発注者の責任は何だといったら、それは、きちっとした積算をして、基準で定めた単価で、いわゆる
労務単価であれば
市場調査によって決められる単価、こういうものをきちっと守っていく、あるいは、時によって高騰する場合があったらそれを適用させていく、こういうことですね。私の長年の経験からいったらそうだと思うのですよ。そこは、その程度のものだと思うのです。
それから、
企業発展の仕組みですが、そんなことまで条例で本当に入れられるのだろうか。
そこで、一つ目は、発注者の責任ということで市長は再提案を考えているようですが、下げる以上は、頭の中ではもうおよそのものが大体まとまっていると思うのです。そこで、発注者の責任というのは具体にどんなことを考えているのか、お答えいただきたい。
二つ目には、
企業発展の仕組みはどんなことを考えているのか、これを答えていただきたい。
それから、三つ目は、今、秋元副市長が答えましたけれども、
入札条件の改善はどんなことを考えているのか。
入札条件について言えば、今まで、
一般入札ということで、いわゆる
指名競争入札における札幌市側の恣意的な指名を避けて、誰もが公平・平等に参加できるようなものに改善してきました。これは、私は大変よかったと思っています。その中で、
最低制限価格を設定して、そして、これをだんだん上げてきて、必然的に落札率が上がる仕組みをつくってきました。これ以上、具体にどんなことを今考えておられるのか、それを答えていただきたいと思います。
四つ目は、こういうことによって経営者も安定する、そして、労働者に渡ったお金できちっと生計を立てられるようにするということをもし可能な限り満たすとすれば、例えば、
労務単価を今よりも何%ぐらい上げればそういうことが可能というふうに考えているか、この4点についてお尋ねします。
○議長(
高橋克朋)
上田市長。
◎市長(
上田文雄) まだ提案をしておりませんので、そういう視点は、我々は内心ではもちろん持っていながらも、現在継続して皆様方にご審議をいただいていた条例案の文面上はなかなか読み取りにくいというようなことがございますので、私どもは、皆様方のご議論を踏まえて、それがしっかり読み取れるようなものにしていきたいという考え方で、原案については撤回させていただきたい、このように考えているということでございます。
もちろん、今ご質問があったような内容につきましては、修正案といいますか、新たな提案をさせていただきますので、盛り込んで提案をさせていただいたところでさまざまなご質問にお答えさせていただきたい、このように考えております。
(松浦 忠議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
高橋克朋)
松浦議員。
◆
松浦忠議員 最後ですから、確認の質問をします。
市長は、現在、こういう警備だとか清掃なんかの業務の人の札幌市が積算している単価は、経営が成り立たないぐらい安いというふうにお考えかどうか、その1点だけ、再々質問とさせていただきます。
○議長(
高橋克朋)
上田市長。
◎市長(
上田文雄) 私どもが積算している単価であれば、生活が成り立たないということはないだろうというふうに考えております。
○議長(
高橋克朋) 次に、
木村彰男議員。
(
木村彰男議員登壇)
◆
木村彰男議員 私は、
札幌市議会みんなの党を代表し、本定例会において
上田市長が撤回されることを決められた
公契約条例案の撤回プロセスにつき、何点かお聞きします。
まず、第1点は、昨年2月22日、私がこの場において代表質問を行い、市長にご答弁をいただいた件です。
私は、市長提案の
公契約条例につき、業界、関連団体の方々の心配、懸念、憂慮をお聞きした上で、市長に次のようにお聞きしました。市長は、反貧困ネット北海道が主催する
公契約条例制定促進のセミナーに出席し、「この条例に敵はいない」と述べられました。この市長発言は、業界が反対しているということを無視した支持グループ内の論議であり、反対者は多数いるのではないかという趣旨のご質問をさせていただきました。これに対する市長のご回答は、「敵はいないと言っているだろう」という市長席からの大きな声のやじでした。議員になって間もなかった私にとって大変印象深いシーンだったのですが、今、振り返り、もう一度、
上田市長にお伺いします。
公契約条例に敵はいないというお考えに変化はありませんでしょうか。
次に、
最低制限価格の改定、引き上げに関する質問です。
札幌市は、業界団体との話し合いの中で、何度も
最低制限価格や低入札価格調査基準価格、落札率の引き上げの申し入れを受けながら、言を左右にしながらそこに踏み込んだ施策をとってきませんでした。しかるに、
公契約条例の提案と歩調を合わせるように、一転、
最低制限価格を引き上げました。
公契約条例よりも先に
最低制限価格の引き上げを含めた入札制度の抜本的な改善に取り組む必要があるとする事業者側の訴えに応えるものでした。札幌
商工会議所が提示した95%以上には及ばないものの、上田市政になってからは初めての大幅アップで、マスコミからは業界に対する懐柔策と評されていました。
私は、この評価とは別の角度で、本条例が審議されていた財政市民委員会及び予算・決算特別委員会で、何度もこの
入札条件の改定による労働者給与、賃金の推移を検証すべきと質問しましたが、理事者側は、できない理由を探し、この調査結果をついにはお答えになりませんでした。私は、モデル7事業を通しながら、公契約によらなくても、労働者の賃金が上昇しているデータは、賃金台帳を通じて知り得たことを確信しています。しかし、そのことを公表すれば、条例を実施しなくてもよいという自家撞着に陥るため、そのことに触れることがなかったと考えています。
そこで、市長にご質問ですが、7モデル事業とは一体何だったのか、その検証は、なぜ
入札条件改定の過程の賃金の把握に至っていなかったのか、お聞かせください。
担当部長は、
最低制限価格の引き上げにつき、いろいろな方法を考えながら見きわめたいと話していました。労働者の給与は上がったのでしょうか、変わらなかったのでしょうか、お聞かせください。
3番目に、
公契約条例に係る
関係者協議についてお聞きします。
この協議には、大きく工事と業務があり、工事には札幌建設業協会、札幌中小建設業協会、札幌
商工会議所が入り、業務には北海道ビルメンテナンス協会、北海道警備業協会の方々が参加されています。私が、1番目の質問の中で、市長にとって
公契約条例包囲網の敵に入るのではないかとお聞きしたグループの方々です。これらの業界のご要請を受け、ご意見を頂戴している中に、この協議の場の中で入札契約制度の改善効果を検証し、今後のあり方について協議するという一項があることに気がつきました。業界の方々は、この検証作業に大変期待していたことがわかりました。
これは、従来、発注者側と受注者側という上下関係で上から目線で見られていた工事、業務の業界の方々が、
公契約条例という土俵を得て、初めて札幌市と対等に話し合いの場に着いたという認識です。私は、このお話を聞きながら、業界の方々がこのカードを簡単に手放すことはないと考えました。それは、ある協会幹部の方の次のような言葉からも推察されます。今までは、業界を代表して会長が頭を下げに行き、陳情を要請しても、担当課長があくびをしながら聞いているような雰囲気でしたが、
公契約条例を俎上に上せてからは態度が一変したそうです。
今、条例撤回を宣言され、再びこの条例を提出されようとしている
上田市長にお伺いします。
業界の方々は、再提出に当たって賛成されますでしょうか、修正案に対して理解を得られるとお考えでしょうか、お聞かせください。
私は、児童クラブの延長料金をめぐる迷走劇の際、次のような発言を本議場で行っています。
公契約条例に触れたくだりがありますので、読み上げます。
理事者は、アンケート結果をとらえて保護者側の理解が得られるものと踏んでいました。保護者としては、無料だった子どもの居場所が、ある日突然、有料となり、時間が来るとお金を払わない児童は帰れということになることを聞いて、大変驚くことになるわけです。強い反対が議員のもとに届きました。市側は、少数会派の意向を無視する形で妥協案を提出しました。政治は、一つの意思を形成していくプロセスと考えれば、妥協も融通も必要であることは言をまちません。しかし、今回の迷走劇を見るとき、そこには、
上田市長3期目のおごり、傲慢、市民に対する謙虚さの欠如が至るところにしみ出たてんまつとしか表現できないのであります。上田市政の金属疲労と言うべきこのようなジグザグは、
公契約条例をめぐる業界との話し合いの姿にも見られる一つのパターンになっているということを理事者は肝に銘ずるべきであります。市民を侮ったり、上から目線で見る政治を改めなければ、政治は不信に陥るであろうことを、私は、昨年の第1回定例会最終日の討論で警告しています。
今、
上田市長が
公契約条例案の撤回を宣言したこの場において、私は、1年半前のこの発言を思い起こすとともに、私のこの考えは今も変わりません。私は、この条例の再提出に反対するものであることを最後に主張し、私の質問とさせていただきます。
上田市長、ご清聴ありがとうございます。
○議長(
高橋克朋) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(
上田文雄) 1点目のご質問でありますが、
公契約条例に敵はないという発言、考え方は現在も変わりません。これは、皆さんの誰かが損をして誰かが得をするということではなくて、税金の公平な使い方、そして、それが消費者である一般市民の皆さん方にも利益がある、そういうものにするべきだという考え方からこの条例を提案させていただいているわけでありまして、誰かが得をして誰かが損をしているという話ではないということでございます。
ただ、一般的に、入札制度等について、これまで、発注者責任云々という話も先ほどの
松浦議員への答弁の際にさせていただきましたけれども、私どもの姿勢として反省しなければならないことがあるということも一つございます。それは、地方自治法という法律の中で、最少の経費で最大の効果を上げろというのが地方自治法の規定でございます。私どもは、さまざまな行財政改革をする過程で、発注する仕事、外注する仕事についてもやはりその考え方を徹底していくということがございました。ですから、できるだけ安く落としてもらおうという努力をすることに一生懸命であり過ぎたのではないか、それは、結局、地元の事業者の皆さん方に非常なご苦労をかけ、また、最終的にはそこで働かれる方々の生活をも非常に苦しめていたのではないか、そういう考え方を少し改めていかなければいけないのではないか、それは、
公契約条例という形で、私たちは自分たち発注者の姿勢も変えていかなければならないということをもう少し明確にする必要があるのではないか、そんなふうに考えて、現在提案させていただいている案につきましては、いろいろなこれまでの議論を踏まえて撤回させていただいて、そして、新たな条例案を提示し、皆様方のご理解を頂戴するべく努力をしたい、こんな考え方でいるところでございます。
2点目のご質問については、秋元副市長からお答えいたします。
○議長(
高橋克朋) 秋元副市長。
◎副市長(秋元克広) モデル事業の関係でご質問がございましたので、お答えをさせていただきます。
七つの工事でモデル事業を行いました。これは、工種で申し上げますと、建築、下水、土木、土木の中でも橋梁と道路、それから造園、水道関係、機械設備、プラントということで、種類の違う工事の中でどのような課題があるのかということを調べることがモデル事業の目的でございました。その中では、労働者の賃金実態調査ということではなくて、このモデル事業の目的は、いろいろ賃金台帳をご提出いただくというような報告をいただくことになりますので、そういったことについて、事務手続上、どういう課題があるのか、あるいは、ないのかということについて調査をすることが目的でございます。そういう意味で、例えば職種の分類、いろいろなお仕事をされておりますが、その職種ごとの賃金ということでの分類はどうなのかとか、あるいは、従事する職種というものの分類がどうなのかというようなことで、不都合等がないかどうかということでのモデル事業ということでございます。そういう意味では、事務手続上といいますか、そういったところはおおむね大きな課題はないというようなことで、以前、議会の委員会の中でもご報告させていただいたところでございまして、労働者の賃金ということの調査ということではございません。
労働者の労務費の調査につきましては、工事、さらには業務ということで、これは、
入札改善に向けて取り組むという話の中で、どういう賃金状態であるのかということについては、別途、調査をしております。今年度につきましては、業務について既に各企業からのご報告をいただいて、今、その集計作業を行っているところでございます。
以上でございます。(「答弁漏れがあります」と呼ぶ者あり)
○議長(
高橋克朋)
上田市長。
◎市長(
上田文雄) 3点目のご質問でありますが、修正案は理解を得られるかどうかということでありますが、3点目の修正案はまだ提出しておりませんので、ご理解いただけるかどうかについてはわかりません。ただ、ご理解をいただけるような案を提出するために、現在、最大限の努力をさせていただいているということでございます。
(
木村彰男議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
高橋克朋) 木村議員。
◆
木村彰男議員 再質問させていただきます。
私は、かつて、官製ワーキングプアという言葉または表現を札幌市の公式文書で使用したことがあるかというご質問を委員会でさせていただいたことがあります。お答えは上野部長であったかと記憶しておりますが、結論は、ノー、ないということでした。そのありもしない官製ワーキングプアという言葉を解消するべく、上から目線で上程されたのがこの
公契約条例であると私は考えました。修正され、再提出された条例が頓挫するようなことがあれば、その責めを
上田市長が負うのは当然です。しかし、それは、現段階では仮定の想定となります。
そこで、私は、
上田市長に1点再質問させていただきます。
条例提案から1年半、鳴り物入りで出したものを引き下げるということは、過去の議会でも異例の部類に入ると考えます。ここに至ったプロセスの責任、すなわち市長の政治責任を
上田市長は認容されますか、お聞かせください。(「趣旨不明です。最後の言葉を教えてください」と呼ぶ者あり)
○議長(
高橋克朋) もう一度、最後のところを言ってください。
木村議員。
◆
木村彰男議員 政治は結果責任と考えております。ここに至ったプロセスの責任、市長の政治責任、それを市長はお認めになるか、お聞かせください。
○議長(
高橋克朋)
上田市長。
◎市長(
上田文雄) たくさんのご議論をいただいたということで、私は、大変、民主主義を深化させるための役割を果たさせていただいたというふうに考えております。
それから、先ほど来、上から目線というふうにおっしゃっておりますが、こういう議論を皆さんと本当に議論をし、そして、よきものを求めていくという真摯な態度は持ち続けていきたい、そんな思いでいるところでありますので、決して上から目線で物を動かそうというふうにしているわけではないということだけは、どうかご理解をいただきたい、このように思います。
○議長(
高橋克朋) 以上で質疑を終了し、討論に入ります。
通告がありますので、発言を許します。
堀川素人議員。
(堀川素人議員登壇)
◆堀川素人議員 市政改革・みんなの会を代表し、
公契約条例の
議案撤回、取り下げに反対する立場で、討論をいたします。
この条例案は、平成24年第1回
定例市議会に提案されたものであり、今回も含めますと7定例会、これが継続審議になっていました。先ほど
松浦議員からも話がありましたとおり、この継続期間はおよそ1年7カ月に及ぶものであります。
そこでまず、
撤回理由の説明は、時間をはかっておりましたら、およそ60秒、1分余りであります。あの理由では全く理解できるものではありません。これまで1年半以上をかけたものであり、議会にもきちっと説明をしなければならぬし、市民にも説明をしなければならぬ。こういう時間は十分にあったかと思います。その説明は、ほぼ議会にもありませんし、市民にもありません。マスコミを通して流れる情報がほんの少しあった程度であります。議会及び議員にとっても理解しづらい、市民にとっては全くと言っていいほど理解不能な状態の中で、今回、撤回される、札幌市政を預かる者として、極めて恥ずかしい事態である、こう言って間違いないと思うのです。まずは、市民に対する説明責任、これを市長はどのように考えているのか、その見識が疑われる事態であります。
こう考えますと、この撤回は、先ほどの質疑にもありましたとおり、理念がなかったと言いますけれども、答えの中では立派な理念があったではありませんか。こういう立派な理念を持ちながら、答えるときにはその理念がないという理由でこれを無理くり撤回する。そしてまた、早い機会という、漏れ聞くところによれば、この定例会の中で修正、再提出をする。もし、市長が質疑の中で答えた市民の意見や、また業界の意見というものを大事にするならば、そのための時間をとること。業界の意見は聞いた、こう言っておりますけれども、市民、また労働者の意見を一度も聞く機会なしにまた再提出をするということは不真面目きわまりない、こう考える次第であります。
再提出の理由は、先ほど言ったように理念が欠如しておりました、この条例を制定するのにその条例の理念が欠如していたと。これは、先ほど来、我々も、初めから立派な理念を持っている、こうすべきだ、こう考えておりましたけれども、それを否定するのは極めて不自然な話であり、何としてでも、
公契約条例という、
公契約条例という名前のものを1回提出したのだからどうしても通したい、この一言に尽きるのかな、こう考える次第であります。
罰則規定を猶予する期間を設ける、苦しい企業経営に理解を示すと。この罰則規定などというのは、これは、そのとき制定をしたならばどうするかということで、ある意味ではこの短い期間の中でそのことを考えられます。また、苦しい企業経営の実態というのは、この20年間、または25年間、北海道ではずっと言われ続けてきたことで、このことに配慮していなかったとするならば、本当に、まことに配慮が足りない、こう言わざるを得ません。
これは、本当はそうではなくて、反対する数が多い、議会の中で賛成の数が不足する、だから何とか賛成をしてもらいたいという議会中心主義のやり方が再提出という結果を招いたものである、こう私は考えるのであります。このやり方は、子どもの権利条例、このときと極めて似ているわけです。子どもの権利条例のときは、中身は何にも変わりませんけれども、何を言ったことによって賛成者が多数になったか。これは、子どもの権利条例は、子どもの最善の利益を実現するための権利条例だと、こうタイトルだけを変えたらこれが通ってしまうという不思議なことが起こるわけであります。それに賛成して数をふやした会派がどこであるかは、ここでは触れません。けれども、市民にわからないようなこんな議論を繰り返している議会というのは、また市民に対して大きな不信を与えることになる、これと同じことです。基本は変えない、上辺だけ少し変えることによってこれを通そうとする。これは、まさに市民に対する政治理念の披瀝、これをしなければならない市長のやるべきことではない。
ですから、今回の撤回、取り下げについては、真っ向から反対するものであります。このことを明らかにして、我が会派の討論といたします。
以上であります。(拍手)
○議長(
高橋克朋) 以上で討論を終了し、採決に入ります。
本件を承認することに賛成の方は、ご起立願います。
(賛成者起立)
○議長(
高橋克朋) 起立多数です。
したがって、本件は、承認されました。
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○議長(
高橋克朋) 次に、日程第3、議案第1号から第31号まで、諮問第1号の32件を一括議題とします。
いずれも、市長の提出によるものです。
提案説明を求めます。
上田市長。
(
上田文雄市長登壇)
◎市長(
上田文雄) ただいま上程をされました平成24年度決算を中心といたします諸案件につきまして、逐次、提案の趣旨とその概要をご説明申し上げます。
私の3期目の任期も折り返しを迎えまして、札幌市のかじ取りを託されてから10年が経過いたしました。市長就任以来の10年間、私は、市民自治が息づくまちづくりということを市政の根幹に据え、市民とともに考え、ともに悩み、ともに行動することを通じて、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街を築いてまいりました。この10年間で積み重ねた市民自治の取り組みや、これによりもたらされましたごみの減量や節電の取り組みを例とした市民力結集の成果は、札幌市民の自信となり、今後のまちづくりの礎になると私は確信をいたしております。
札幌のこれからの10年は、超高齢化と人口減少社会の到来というかつて経験したことのない時代に突入いたします。市民・企業・行政が一丸となってこの時代の転換期を乗り越えなければなりません。また、一昨年の原子力発電所の事故を踏まえまして、新たなエネルギー社会の構築にも挑戦していかなければなりません。こうした時代の変化に的確に対応し、市民が主役のまちづくりを実現するために、2年間にわたり、市民の皆様と意見を交わし、経済界、そして議員の皆様から知恵をいただきながら、新たなまちづくりの基本指針であります札幌市まちづくり戦略ビジョン<ビジョン編>を策定し、本年2月に議決をいただいたところであります。
このビジョン編では、札幌の未来をつなぐ子どもたちのために、私たちが目指すべき都市像として、北海道の未来を創造し、世界が憧れるまちと、互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまちというものを掲げております。また、戦略ビジョンの推進に当たっては、北海道の発展なくして札幌の発展はないとの考え方のもとに、北海道全体の発展を常に意識し、他市町村との連携を深めながら、北海道の中心都市としての役割を果たす、北海道とともに発展する札幌を基本姿勢としております。
私たちが目指すこの都市像の実現のために、新たな都市経営戦略として、今後、パラダイムの転換が求められる課題に対し、選択と集中の観点から戦略を持って取り組むべき分野に経営資源を投入するための羅針盤とも言うべき戦略編を策定し、今会期中にも札幌市まちづくり戦略ビジョンを完成させてまいりたいと考えております。
また、来年の夏には、創造都市さっぽろの象徴的イベントとなります札幌国際芸術祭2014を開催いたします。都市と自然というメーンテーマのもとに、市民一人一人がみずからの持つ創造性を喚起する契機となり、それが新たな文化をつくり、活力ある経済発展につながるとともに、札幌の持つ魅力や創造性というものが最大限発揮される芸術祭となるようにしっかりと準備を進め、創造都市さっぽろの実現に向けて取り組んでまいります。
私は、今後とも、市民の皆様やここにおられる議員の皆様方と手を携えて、将来の札幌を担う子どもたちの明るい未来を願い、先人たちがこれまで培ってきたこのまちの魅力と輝きを次の世代に引き継ぐために、全力を挙げて市政運営に取り組んでまいりたいと考えております。
皆様方におかれましては、一層のご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
それでは、平成24年度各会計決算につきまして、その概要をご説明させていただきます。
平成24年度は、私の施政方針でありますさっぽろ元気ビジョン第3ステージに掲げる市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街の実現に向けた確かな一歩を市民の皆さんが実感できる予算と位置づけ、札幌市行財政改革推進プランに基づく取り組みなどにより、所要の財源を確保し、第3次札幌新まちづくり計画に掲げる、子どもの笑顔があふれる街、安心して暮らせるぬくもりの街、活力みなぎる元気な街、みんなで行動する環境の街、市民が創る自治と文化の街という五つの政策の柱に沿って積極的に予算を計上させていただいたところであります。
この予算の執行に当たりましては、収入におきまして、常にその状況を把握し、増収に向けて鋭意努力するとともに、可能な限り早期収入に努め、支出においては、他部局や他団体との連携を図りながら、職員一人一人の創意工夫と努力により、効率的かつ合理的な執行と経費の節減に努めたところであります。この結果、各会計とも、予算に計上した事業につきましては、ほぼ所期の目的を達成することができたと考えております。
しかしながら、札幌市の財政状況につきましては、本年2月に公表いたしました中期財政見通しにおいて、平成26年度から28年度までの合計で379億円の財源不足が見込まれるなど、依然として厳しい状況が続いております。したがいまして、この先も持続可能な行財政運営を行っていくために、札幌市行財政改革推進プランに基づき、従前までの手法や考え方にとらわれることなく、歳入・歳出、職員定数、機構等の一体的な改革を引き続き進めてまいりたいと考えているところであります。
次に、主要な事業の執行結果につきまして、第3次札幌新まちづくり計画の体系に沿いまして、その概要をご説明いたします。
第1に、子どもの笑顔があふれる街の実現に向けた施策の成果についてであります。
子どもを生み育てやすい環境づくりにつきましては、保育所の新築、増改築や認定こども園の新規整備等によりまして保育所定員を1,209人分拡大するとともに、家庭的保育事業の拡大や、一定の基準を満たす私立幼稚園及び認可外保育施設に対する運営支援を実施するなど、多様な保育サービスの充実を図ってまいりました。また、児童会館やミニ児童会館、民間の児童育成会において実施しております放課後児童クラブにつきましては、対象学年を従前の小学校4年生までというものから5年生までへと拡大するとともに、開設時間を延長いたしました。さらには、就学前児童の入院、通院と小学生の入院を対象にしておりました子ども医療費助成につきまして、新たに中学生の入院を助成対象といたしました。
次に、子どもが健やかに夢や希望を持って育つ環境の充実につきましては、市立開成中等教育学校の校舎の設計等に着手したほか、不登校やその心配のある子どもへの対応として、小・中学校に新たに心のサポーターを配置するとともに、いわゆるフリースクールへの支援を4団体に対して行いました。
今後とも、子どもを安心して産み、育てることができるまちづくりを目指し、地域に密着した子育て支援体制の充実や、切れ目のない母子の健康支援を推進するとともに、未来を担う子どもたちが健やかに夢や希望を持って育つ環境づくりを進めるために、民間とも積極的に連携しながら、子どもの育ちや学びを支える環境を整えてまいりたいと考えております。
第2に、安心して暮らせるぬくもりの街の実現に向けた施策の成果についてであります。
市民とともに災害に備えるまちづくりにつきましては、市有建築物耐震化緊急5カ年計画の対象外であった市有建築物についても耐震化を進めることとし、学校や区役所等の改築や改修を積極的に実施したほか、東日本大震災の教訓を生かし、各種消防用資機材の整備を行うなど、消防・救助体制を充実強化するとともに、地域が主体となって行う自主防災訓練や簡易型の図上訓練への支援等を通じて地域による防災力の強化に取り組みました。
次に、地域で支え合う、健やかでぬくもりあふれる生活への支援につきましては、特別養護老人ホームの整備について新築費補助を行い、定員を240人分拡大するとともに、一人での通学が困難な子どもを対象とした通学支援を実施したほか、中央図書館に元気カフェを新たに設置しました。
次に、安心のある暮らしの確保に向けた環境の充実につきましては、ハローワークとの連携によるあいワーク南を本年2月に開設して職業紹介体制の充実を図るなど、雇用推進に取り組みました。
また、平年を大きく上回る積雪に対応するために、気象や道路状況を踏まえながら合計3回の道路除雪費の補正を行い、できる限り市民生活に支障を来さないよう適切な除排雪の実施に取り組んでまいりました。
今後とも、災害に強いまちづくりのために、東日本大震災の災害規模などを踏まえまして、計画的な災害対策の強化と地域防災力を高めるための取り組みを推進していくほか、高齢者と各世代が支え合うぬくもりあふれるまちづくりを進めるため、福祉・介護・医療サービスの充実を図るとともに、障がいのある方が生き生きと地域の中で暮らせるように、それぞれのライフステージに応じた一貫した支援体制を整備してまいりたいと考えております。
また、厳しい雇用状況が続く中にあって、安心して働ける環境づくりを進めるために、雇用創出や就業支援の取り組みを推進していくとともに、除排雪体制の維持、安定化に取り組んでまいりたいと考えております。
第3に、活力みなぎる元気な街の実現に向けた施策の成果についてであります。
札幌の経済を支える企業・人の支援ということにつきましては、中小企業者向け低利融資制度であります札幌みらい資金の利率を引き下げるとともに、産業振興資金に短期サポート特別枠というものを設け、1年以内の短期融資の利率を引き下げたところであります。
次に、札幌の強みを活かした産業の育成と企業の誘致につきましては、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区と地域活性化総合特区であります札幌コンテンツ特区の二つの総合特区について、食と健康分野の研究開発支援や映像撮影に係る経費に対する助成制度の創設などを行いました。
次に、文化芸術や地域ブランドを活かした観光・MICEの推進につきましては、雪まつりの大雪像を活用したプロジェクションマッピングの実施や国際シンポジウムの開催などによりまして、創造都市さっぽろの取り組みを引き続き推進してまいりました。
次に、将来を見据えた魅力ある都市の整備につきましては、札幌のまちのにぎわいや魅力的な空間を創出するものとして、路面電車の西4丁目停留場とすすきの停留場をつなぐ路線のループ化に向けた実施設計や低床車両導入のため、軌道事業会計に対し補助を行うなど、札幌の都市機能を高めるための取り組みを推進しました。
今後とも、足腰の強い経済の活力みなぎるまちを目指し、地域の事業者への支援や戦略的な企業誘致を推進するとともに、芸術文化が経済を牽引するという創造都市さっぽろの理念を具体化するために、国内外への積極的な情報発信により観光客の誘致促進を図るほか、都市の魅力を高めて持続的に発展していくために、地域の拠点ごとにその特性に応じたまちづくりを進め、将来を見据えた都市の整備を進めてまいりたいと考えております。
第4に、みんなで行動する環境の街の実現に向けた施策の成果についてであります。
低炭素社会の推進と循環型社会の構築につきましては、原発に依存しない低炭素社会の推進に向けて、再生可能エネルギーの導入に向けた施策の調査検討を行ったほか、各家庭でのLED電球等への交換を促進するための取り組みを実施するとともに、太陽光パネルなどの新エネ機器、省エネ機器導入に対して補助する札幌・エネルギーecoプロジェクトの補助枠を大幅に拡充いたしました。
次に、多様で豊かな自然を守り、育てるまちづくりとして、円山動物園にアジアゾーンを新たに整備するとともに、都心部や地域の幹線の街路樹などを緑豊かに育てる取り組みを実施してまいりました。
今後とも、環境首都・札幌として、原発に依存しない社会を目指し、市民や事業者が環境行動を実践するまちづくりを推進し、省エネルギーやごみの発生抑制などによりまして低炭素社会の推進と循環型社会の構築に取り組むほか、豊かな自然環境や生物多様性を守るため、動植物の保全や市民が動物に親しむ機会を充実するとともに、緑の保全と創出に取り組んでまいりたいと考えております。
第5に、市民が創る自治と文化の街の実現に向けた施策の成果についてであります。
市民の主体的な地域づくりと多文化共生を推進するまちづくりにつきましては、地域や企業のまちづくり活動への参加を促進する取り組みを進めたほか、地区会館の改築や新たに使いやすさの向上を目的とした改修を行うとともに、地域活動を豊かにする拠点の整備を進めてまいりました。
次に、多彩な文化芸術の創造とスポーツを楽しみ健康づくりを推進するまちづくりにつきましては、広く市民に対し、すぐれた演劇の鑑賞機会を提供する取り組みへの支援や、劇団の活動場所を確保するための支援を実施しました。また、通年型のカーリング場を開設するとともに、カーリングの普及のため、市民が気楽に楽しむことができる機会を提供したほか、国際大会誘致の取り組みをしてまいりました。
今後とも、市民の社会的活動への支援や地域活動の拠点整備を推進するとともに、市民が気軽に文化芸術やスポーツを楽しむ環境づくりを推進してまいりたいと考えております。
札幌市を取り巻く状況には依然として厳しいものがありますが、引き続き、市民が主役のまちづくりを進め、市民自治が息づくまちづくりをまちづくりの理念の根本に据えて、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街の実現に全力を傾けてまいりたいと考えております。
以上、平成24年度各会計の事業執行の概要についてご説明いたしましたが、議案第1号から第7号までの各会計決算につきましては、決算書のほか、歳入歳出決算事項別明細書、決算説明書、その他の決算に関する書類及び
監査委員審査意見書を添付しておりますので、詳細につきましては、これらを対照、検討の上、ご認定のほどをお願い申し上げたい、このように思います。
以上で各会計決算の説明を終わりまして、次に、補正予算その他の諸案件の説明に入らせていただきます。
初めに、議案第17号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案並びに議案第8号、第11号及び第13号から第16号までの平成25年度予算の補正は、特別職等の職員の給与等の減額措置に関する議案でありますので、一括してご説明申し上げます。
本年1月に、総務大臣から、各自治体に対しまして、国家公務員の給与の減額措置を踏まえて、国に準じて必要な措置を講ずるよう要請がございました。この要請を受けまして、札幌市におきましても、これまで慎重に検討を重ねてきた結果、市民との信頼関係を将来にわたり維持しながら、ともにまちづくりを進めていく姿勢を示すために、特に、札幌市の行政執行に当たりまして、その行財政改革に重い責任を課せられております特別職等の職員の給与及び一般職のうち課長職以上の職員の管理職手当につきまして減額措置を行う必要がある、そう判断したところでございます。
その内容についてご説明いたしますと、本年10月から来年3月までの間、特別職等の職員に支給されます給料月額、期末手当等につきまして、市長は30%、副市長は20%、常勤の
監査委員及び教育長は10%を減額するとともに、地方公営企業管理者及び一般職の職員のうち課長職以上の職員に支給されております管理職手当について、役職に応じて10%から20%までを減額するものであります。
このたびの補正は、一般会計におきまして、歳出については職員費5,900万円及び企業会計への繰出金100万円の合計6,000万円を減額するとともに、同額の一般財源につきましては財政調整基金からの繰入金を減額するものでございます。
また、議案第13号から第16号までの各企業会計の補正予算につきましては、合わせて1,700万円を減額することによりまして、全会計で7,600万円の減額となります。
なお、このうち、高速電車事業会計の補正に伴う市債の整理を行うために、議案第11号 平成25年度札幌市
公債会計補正予算(第2号)を提出しております。
次に、議案第9号は、平成25年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)であります。
歳入歳出予算の補正項目の第1は、市政の喫緊の課題に対応するものでありまして、初めに、待機児童解消対策の加速化を図るものについてでございます。
本年5月に公表いたしました札幌市の待機児童数は、昨年度よりも531人減少し、398人になったところでありますが、保育を望む全ての保護者が安心して必要なサービスを受けられる環境を整えるために、第3次札幌新まちづくり計画に1,050人分の保育サービスを上乗せすることとし、このたびの補正では、賃貸物件を活用した私立保育所の整備費補助や、同じく、賃貸物件を活用し、法人に委託をして行うグループ型小規模保育事業の実施など、535人分の保育サービスを追加するものであります。
このほか、多様な保育サービスの情報提供、相談等を行う保育コーディネーターを各区健康・子ども課に配置するための経費を追加いたしております。
次に、環境対策についてであります。
昨年度は、電力需給の逼迫が予想される中で、市民の皆様方の不断の努力の結果、計画停電等による市民生活への大きな影響もなく、危機を乗り切ったところであります。今年度に入りまして、電力需給は比較的安定しておりますけれども、低炭素社会と脱原発依存社会の実現を目指して、これまでの節電の取り組みを維持し、さらには拡大させるため、区役所などの庁舎施設について、エネルギー負荷の低減のため、冷暖房空調設備の修繕等を実施するほか、トンネル照明灯のLED化に要する経費を追加いたします。
次に、昨冬の大雪被害への対応及び今冬への対策についてであります。
昨年度の大雪の影響などによりまして破損した道路の改良や、公園、区役所などの修繕に係る経費を追加するほか、この冬の降雪に備えた道路の予防保全及び雪解け後の事後修繕を実施するための経費を追加いたします。また、除排雪経費についても、昨冬の雪の搬入量増による雪たい積場の雪割り等の作業増や、国からの通知に基づく
労務単価の引き上げに対応するための経費を追加いたします。
補正項目の第2は、新たに国庫補助の見通しを得た事項につきまして予算措置をするためのものでありまして、生活困窮者の自立支援のためのモデル事業及び街区公園用地取得に要する経費を追加いたします。
補正項目の第3は、そのほかに年度内に新たに予算措置の必要が生じたものでありまして、来年度に大規模な改修を予定しております児童相談所の一時保護所について、その仮施設を旧若者支援総合センター跡地に設置するため、現存する建物を解体する経費や、東消防署北栄出張所の整備に着手するための経費を追加するほか、補助単価及び支給対象者の増により不足が見込まれる私立幼稚園就園奨励費補助金を追加いたします。
以上によります一般会計歳入歳出予算の補正総額は34億4,750万円となり、この財源といたしましては、国庫支出金等の特定財源11億1,496万4,000円を充て、差し引き23億3,253万6,000円の一般財源につきましては、地方交付税及び繰越金を充てるものであります。
次に、債務負担行為の補正でありますが、先ほどご説明いたしました仮設一時保護所の設置について、早期の契約が必要なことから債務負担行為を設定するものであります。
次に、議案第10号 平成25年度札幌市
介護保険会計補正予算は、平成24年度に概算交付されました国庫補助金等の額が確定したことに伴いまして、その超過受け入れ分につきまして返還金を追加するものであります。
次に、議案第12号 平成25年度札幌市
公債会計補正予算(第3号)は、一般会計の補正第3号に伴う市債の整理を行うものであります。
次に、議案第18号は、札幌市
災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例案であります。
これは、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び大規模災害からの復興に関する法律の施行に伴うものでありまして、札幌市において大規模な新型インフルエンザ等が発生した場合、あるいは大規模な災害の発生後、復興の段階に移行する場合に、他市町村等から派遣された職員に対し、新型インフルエンザ等緊急事態派遣手当または災害派遣手当を支給できるようにするものであります。
次に、議案第19号は、札幌市税条例の一部を改正する条例案であります。
これは、地方税法の一部改正等に伴うものでありまして、その主な内容についてご説明いたします。
まず、個人市民税についてでありますが、所得税の住宅ローン控除可能額のうち、所得税から控除し切れなかった場合に行います個人市民税からの税額控除について、その期間を延長し、控除額を拡充しているものであります。
次に、固定資産税及び都市計画税についてでありますが、いわゆるバリアフリー改修工事や省エネ改修工事が行われた住宅に係る固定資産税の減額措置について、その適用期限を3年間延長するほか、札幌市と管理協定を締結した備蓄倉庫に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置を新たに創設することとしております。
その他の改正といたしまして、納期限後に市税の納付等を行う場合に当該税額等に加算する延滞金の割合について引き下げを行うこととしております。
次に、議案第20号は、札幌市
証明等手数料条例の一部を改正する条例案であります。
これは、高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づくサービスつき高齢者向け住宅の登録について、これまでは制度の普及促進を図るために手数料を徴収しておりませんでしたが、このたび、その目的が達成されたと判断したことによりまして、受益者負担の観点から新たに手数料を徴収しようとするものであります。
次に、議案第21号は、札幌市
国民健康保険条例等の一部を改正する条例案であります。
札幌市における国民健康保険、後期高齢者医療及び介護保険の保険料に係る延滞金の割合につきましては、現在、地方税の延滞金の割合に準じたものとしているところでありますが、先ほどご説明いたしました市税の延滞金の割合の引き下げに合わせまして、これらの保険料に係る延滞金の割合についても引き下げを行うものであります。
次に、議案第22号 札幌市
駐車場条例の一部を改正する条例案は、創世1.1.1区(さんく)北1西1地区に係る再開発事業に伴いまして、北一条駐車場のあり方について、移転の可能性も含めて検討してまいりましたけれども、周辺地区の駐車容量が駐車需要を上回ることが見込まれますことから、平成26年3月末をもって当該駐車場を廃止するものであります。
次に、議案第23号は、札幌市
北3条広場条例案であります。
これは、札幌の都心において、市民等に多様な活動や休息、滞留ができる場を提供し、都心全体のにぎわいを創出することにより、集客交流の活性化と独自の都市文化の創造を促進し、もって札幌の魅力と活力を高めることなどを目的として、新たに札幌市北3条広場を設置するものでありまして、使用料や指定管理者による管理の基準など広場の管理運営について必要な事項を定めるものであります。
なお、この広場の供用開始は、来年7月を予定しております。
次に、議案第25号から第28号までは、いずれも
工事請負契約締結の件であります。
まず、議案第25号は、大通交流拠点新規拡張部の新設に係る工事でありまして、拡張部の面積は850平方メートルであります。
次に、議案第26号は、円山動物園アフリカゾーンA棟の新築に係る工事でありまして、主な建物の規模は、鉄筋コンクリートづくり地上2階地下1階建てで、延べ面積は1,780平方メートルでございます。
次に、議案第27号及び第28号は、いずれも市営住宅の新築に係る主体工事でありまして、総戸数180戸、建物部分の延べ面積は1万6,766平方メートルであります。
以上4件の工事請負契約につきましては、地方自治法施行令第167条の5の2の規定によります一般競争入札により、各議案記載の請負業者が契約の相手方となりましたので、このたび、それぞれ請負契約を締結しようとするものであります。
このほか、議案第24号及び第29号から第31号までにつきましては、いずれも議案末尾に記載の理由によりましてご了解いただけるものと存じますので、説明を省略させていただきます。
次に、諮問第1号
異議申立てに対する決定に関する件は、夜間急病センターの使用料を納期限までに納付しなかった利用者に対し、地方自治法に基づく督促処分を行ったところ、異議申し立てがなされましたことから、これを棄却する決定について、議会の意見を求めるものであります。
なお、報告第1号及び第2号は、平成24年度決算に係る札幌市健全化判断比率及び各公営企業資金不足比率に関する報告でありまして、報告第3号から第5号までは、市営住宅に係る調停、札幌市の業務に関して発生した事故に係る損害賠償及び和解並びに工事請負契約の金額変更に関する専決処分の報告であります。
以上で、ただいま上程をされました各案件についての説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(
高橋克朋) お諮りします。
ただいま説明のありました議案等32件のうち、議案第1号から第7号まで、第9号、第10号、第12号、第18号から第24号まで、第29号から第31号まで、諮問第1号の21件につきましては、議事の都合上、その議事を延期することとし、議案第8号、第11号、第13号から第17号まで、第25号から第28号までの11件につきましては、これよりその議事を続行したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
高橋克朋) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
これより、議案11件に対する質疑に入りますが、通告がありませんので、質疑を終了します。
(こんどう
和雄議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
高橋克朋) こんどう
和雄議員。
◆こんどう
和雄議員 委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案11件を、お手元に配付の議案付託表のとおり、関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
高橋克朋) ただいまのこんどう
議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。