○こじまゆみ 委員長 異議なしと認め、議案第8号中関係分及び議案第17号の2件は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時37分
再 開 午後2時40分
――――――――――――――
○こじまゆみ 委員長 委員会を再開いたします。
次に、札幌市
まちづくり戦略ビジョン<戦略編>
パブリックコメントの報告についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎渡邊
市長政策室長 札幌市
まちづくり戦略ビジョンにつきましては、平成23年から
総務委員会を中心に数多くの意見を賜り、策定作業を進めさせていただきました。改めまして、お礼を申し上げたいと思います。
本日は、戦略編の策定に当たり実施した
パブリックコメントにつきまして、その結果の概要と、これに基づく修正点についてご報告させていただきます。具体的な内容につきましては、
政策企画部長からご説明させていただきますので、引き続きご審議のほどをよろしくお願い申し上げます。
◎石川
政策企画部長 それでは、私から、
まちづくり戦略ビジョンの戦略編につきまして、
パブリックコメントを終えましたので、その概要についてご報告をさせていただきます。
お手元の資料、1枚目の資料1をごらんください。
この資料は、今回の
パブリックコメントの概要をまとめたものでございます。まず、上段枠内の1.
パブリックコメントの概要でございますが、今回は、
まちづくり戦略ビジョンのうち、主に行政が優先的、集中的に行うことをまとめた戦略編の案につきまして、市民からの意見を広く募集したものでございます。
次に、2.意見の
募集期間につきましては、7月16日から8月14日までの30日間でございます。
その下の3.主な周知方法でございますが、
ビジョン編と同様に、広報さっぽろやホームページ、
広報テレビ番組などで戦略編の概要をお知らせした上で、
札幌駅前通地下歩行空間の
大型映像装置なども活用しながら
パブリックコメントの募集をPRしたところでございます。
続きまして、右のほうに目を転じていただきまして、4.
キッズコメントの実施についてでございます。こちらも、
ビジョン編と同様に、
子ども向けのわかりやすい冊子を作成した上で、市内全ての小・中学校及び
児童会館に配布するなど、
子どもたちから広く意見を募集いたしました。さらに、今回の
キッズコメントにおける新たな
取り組みといたしまして、子どもの意見に対する保護者からの感想などを記入していただく欄を設けたところ、子どもがまちの未来を考えるよい機会になったという感想や、まちの将来について家族で話し合うことができたなど、親子で札幌の未来を考えるよい機会になったという感想が多く寄せられたところでございます。
また、その下の5.地域や経済界への説明などにつきましては、6月から8月にかけまして、各区の
連合町内会長会議などにお伺いして直接ご説明させていただきましたほか、今回の
パブコメでは、新たに
大学生向けの
ワークショップを開催いたしまして、将来を担う若い方も含めて、より多くの方から意見をもらうための
取り組みも行ったところでございます。また、
中小企業家同友会との意見交換でありましたり、
商工会議所会員企業への情報発信などを通じて、経済界の皆様からも多くの意見をいただいたところでございます。
続きまして、資料の中段以下の左側をごらんください。
期間中に寄せられました意見数についてでございます。
まず、
大人向けの
パブリックコメントにつきましては、
ビジョン編を大きく上回る252人から579件の意見が寄せられました。
意見の内訳につきましては、一番下の表をごらんください。
この表は、左側に戦略編の構成を分類しておりまして、右側には
パブコメの件数と比率、そして、ご意見が多かった順に上位5番目までの順位を記載しております。ご意見が最も多かったのは、
創造戦略2の
共生社会創造戦略でありまして、地域における多世代交流の促進などが盛り込まれております。次に多かったのは、
創造戦略3の
地域マネジメント創造戦略で、町内会や地域の
まちづくり活動の活性化などに関する内容となってございます。3番目は、第2章の戦略を支える都市空間でございまして、拠点への都市機能の集約などが盛り込まれてございます。以下、
創造戦略7の低
炭素都市創造戦略、そして、
創造戦略1の
地域福祉力創造戦略と続いてございます。
一方、右に目を転じていただきまして、
キッズコメントにつきましては、609人から1,093件の意見が寄せられました。こちらは、
募集期間が学校の
夏休み期間と重なっていたこともありまして、授業で取り上げられることが難しかった状況にもかかわらず、
児童会館や各ご家庭から大変多くのご意見が寄せられたところでございます。
大人向けの
パブコメと同様に、意見内訳を下の表に分類してございます。最も多かったのは、
創造戦略2の
共生社会創造戦略でありまして、地域のイベントやごみ拾いに参加したいといった意見が寄せられております。次に多かったのは、
創造戦略7の低
炭素都市創造戦略で、子どももお年寄りも楽しめる公園が欲しいといった意見などが出されております。3番目は、
創造戦略8の
次世代型エネルギー創造戦略で、節電などに
取り組みたいとの意見が多く寄せられまして、以下、
創造戦略1の
地域福祉力創造戦略、
創造戦略4の
札幌型産業創造戦略と続いてございます。
資料1のご説明は、以上でございます。
1枚おめくりいただきまして、資料2の戦略編の当初案からの変更点についてでございます。
この資料は、
意見募集期間中に寄せられました大人の方の意見のうち、戦略編に反映させたものをまとめたものでございまして、左側に意見要旨を、右側にどのように変更したかということを記載したものでございます。
本日は、時間の都合上、代表的なものを数点ご説明させていただきます。
まず、1ページ目の中段の3番をごらんください。
これは、災害に対する備えに関しまして、過去に札幌で発生しております水害などへの対策も意識すべきではないかという意見がございまして、これに対して、災害の例示として「水害等の地域特性に応じた災害」という表現を追記いたしました。
また、一番下の5番でございますが、オータムフェストのようなイベントを通じて世界に食の魅力を発信してはどうかという意見が大学生の
ワークショップにおいて出されておりまして、これに対しましては、具体的な
海外プロモーションの
取り組み事例を追記いたしました。
1枚おめくりください。
上から2段目の7番ですが、企業、事務所に併設された保育所をより多くの企業で導入できるように支援すべきではないかという意見が出されており、これに対しては、
地域型保育の具体的な事例として「
事業所内保育など」という文言を追記いたしました。
次に、その下の8番ですが、
ソーシャルビジネスの
立ち上げ支援に関しまして、起業した
経験者同士の
グループ化の必要性に関する意見が出されました。そこで、
取り組み事例として、「
起業者同士の交流の場」ということを追記したところでございます。
さらに、1枚おめくりください。
中段の12番ですが、
再生可能エネルギーの一つとして
木質バイオマスも例示してはどうかという意見が出されまして、これに関しては、これを包含した大きな概念として「
バイオマスの熱利用など」という文言を追記してございます。
さらに、その下の13番ですが、市有施設に
太陽光発電やLEDだけではなく、
分散型電源なども積極的に導入すべきではないかというご意見に対し、「
創エネ意識の醸成」と、「
分散型電源」という文言を追記したところでございます。
このように、大人の方々からいただいたご意見に基づきまして、14項目について変更を加えたところでございます。
資料2の説明は、以上でございます。
続きまして、資料3をごらんください。
この資料は、
キッズコメントによる当初案からの変更点についてまとめたものでございます。
今回の
キッズコメントでは、非常に多くの
子どもたちから意見をいただいたところでございますが、戦略編の方向性に賛同する意見が多く、また、
子ども自身が主体的に
まちづくり活動などに参加したいという意見も多く寄せられてございます。そこで、こうした
子どもたちの活動意欲を尊重し、意見が多かった
創造戦略におきまして、子どもみずからが主体的に取り組むための機会の創出や環境整備を行うことを中心に追記いたしました。
初めに、一番上の段、1番の
地域福祉力創造戦略でございます。これは、
子どもたちから、地震などの災害に備えて学校で防災を学んだらいいという意見が多く寄せられております。そこで、災害時に主体的な行動ができるよう、成長段階に応じて
災害活動支援教育の充実を図る旨の記述を追記したものでございます。
次に、2番の
共生社会創造戦略につきましては、町内の人と公園のごみ拾いをしたいといった意見が非常に多く寄せられましたことから、
子ども自身が
児童会館の
子ども運営委員会などを通じて
まちづくり活動に主体的に取り組む機会を創出、拡大する旨の記述を追加したものでございます。
さらに、3番の
札幌型産業創造戦略では、子どもの視点から道外や海外の皆さんが楽しめるイベントをつくっていきたいといった意見が多く寄せられたため、子どもを含むさまざまな世代の視点を生かして観光資源を発掘、創出し、その魅力を活用していく
取り組みを新たに追加してございます。
次に、1枚おめくりいただきまして、4番の低
炭素都市創造戦略につきましては、自然との共生とみどり豊かな
都市づくりの推進の中で、外で思いっきり遊べる公園が欲しいという意見が多うございましたので、子どもの主体性や創造性を育む
プレーパークなどを拡充していく
取り組みを追加してございます。
最後に、5番の
次世代型エネルギー創造戦略では、自分でできるエコ活動を実践したいなどの意見が多かったので、環境教育の
取り組みの中に、体験を通じて考えながら学び、環境への配慮を実践していくための学習機能の強化などについて記述を追加したところでございます。
このように、
子どもたちから多くの意見をいただきましたので、
子どもたちの主体的な活動に結びつく
取り組みを中心に反映させていただいたところでございます。
資料3のご説明は、以上でございます。
続きまして、資料4をごらんください。
この資料は、今後のスケジュールについて記載したものでございます。
まず、一番上の段にあります議会という項目の左側をごらんください。
戦略ビジョンに関しましては、平成23年5月に1回目のご審議をいただいてから本年2月の
ビジョン編の議案審議まで、7回の
総務委員会を開催させていただいたところでございます。また、今年度に入りましてからも中間報告や
パブコメの開始報告をさせていただきまして、本日でちょうど10回目の開催となってございます。本日は、
パブコメの意見を踏まえて、所要の修正を加えた原案報告をさせていただきましたけれども、今後につきましては、本日のご審議を踏まえて、議会からのご意見を反映させた後、戦略編の原案を確定して、改めて議会にご報告をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
資料4のご説明は、以上でございます。
なお、別冊の
参考資料を配付させていただいておりますけれども、
参考資料1は、大人の
パブコメの概要と市の考え方をまとめたもの、
参考資料2は、
キッズコメントの概要と市の考え方です。また、
参考資料3は、今回の変更点をアンダーラインを用いて示した戦略編の案を添付してございますので、こちらにつきましては、後ほどごらんいただければと思います。
○こじまゆみ 委員長 それでは、質疑を行います。
◆伴良隆 委員 今の報告を受けて、3点質問させていただきたいと思います。
本市が抱える目に見えづらい問題点、欠点とは何か。私は、
まちづくりビジョンの策定に当たり、各種議論をかいま見ながら、この計画だからこそ、本市の幾つかの
各種問題点を裏づける現
市政運営を確認できたと思っております。
以下、順次、質問してまいりたいと思います。
まず、
パブリックコメントの
やり方そのものについてであります。
本
まちづくり戦略ビジョンに限ったことではありませんが、
パブリックコメントのあり方については、私は、平成25年
予算特別委員会にて、
パブコメの
実効性いかんについて質疑させていただいております。そして、各部署で
パブコメの対象や意義などから、その実効性を事前に検討し、その上で意義ある
パブコメをやらなければならないことを指摘してまいりました。
戦略ビジョンの
パブコメは、市民意見の件数とともに、先ほどご説明がありました対象の範囲につきましても、一定の評価ができると考えているところであります。
しかしながら、一方で、その対象範囲が果たして最善だったかといえば、そうではないのではないか、つまり、関係する団体などともう少し協議すべきではなかったかとの声がございます。項目によっては、一部の団体に意見を積極的に求めながら、他項目ではそれほど積極的ではなかったという本市の対応に実際に差があったと聞いているところでございます。
そこで、
戦略ビジョン<戦略編>の
パブリックコメントについて、
市長政策室は、どのような考え方に基づいて
コメントを分類し、おのおのをどう反映させたのか、まず、伺います。
◎石川
政策企画部長 パブリックコメントの分類と修正の方向性についてお答えいたします。
このたび、大人の方々からいただきました
パブコメの総数は579件で、その意見は大きく四つに分類されると考えております。まず最初に、ご意見の趣旨が
戦略ビジョンの方向性と合致いたします賛同意見が516件で、その割合は約89%となっております。続きまして、例えば、地域の利便性を高めるために地下鉄を延伸すべきだといったご意見や、先ほどもご紹介しました
ソーシャルビジネスの
立ち上げ支援は
経験者同士の
グループ化が必要だというように、
戦略ビジョンの方向性には賛同しながらも、戦略編には盛り込まれていない項目に関する提案などが25件で、全体の4%程度でございます。一方で、新幹線の整備や路面電車の延伸、さらには、脱
原発依存社会を目指すことに対する反対表明のように戦略編の方向性に対する否定的なご意見が15件で、約3%となってございました。このほか、文言がわかりにくい、もしくは、記述内容や文章構成に関するご指摘が23件で、全体の約4%でございます。
そこで、修正に当たっての基本的な考え方でございますが、この戦略編は、本年2月に議決をいただきました
ビジョン編に示す都市像や基本目標などを実現するための
都市経営戦略として策定するものでありますことから、いただきましたご意見のうち、
ビジョン編に示す方向性に合致するもので審議会の答申には盛り込まれていなかった新たな提案などについては極力取り入れるとともに、文言がわかりづらいといったご指摘に対しても、市民によりわかりやすい表現へ修正することとしたものでございます。一方で、
ビジョン編の方向性に合致しないものや、
事業採算性などから総合的に検討いたしました結果、現時点では事業執行が難しい、修正の必要がないと判断したご意見につきましては
原案どおりとさせていただいたところでございます。
以上の考え方に基づきまして、今回の修正は、
戦略ビジョンに掲げる目標の実現化を一層推進すると判断した提案につきましては9件、加えまして、市民にわかりやすい表現へ修正したものが5件、合計14件の追記、修正を行ったということでございます。
◆伴良隆 委員 この
パブコメに関して言えば、長い段階を経て内容に基づいていろいろな議論がされてきましたので、
パブコメも当然それに基づいた内容で修正していく姿勢だったということであります。
私は、
パブコメの課題としていつも感じることですが、
パブコメでの市民や団体の意見が、かくも完成に近い段階でどれほど反映されるものか、一方で、議会との折衝、つまり、議会の声を聞く姿勢と労力などと比較し、
パブコメへの対応はどの程度であるべきか、その
さじかげんが本当に難しいと同時に、
市政運営を担う行政の皆さんの議会に対する姿勢に重要な問題をはらんでいると考えているところであります。
次の質問に移りたいと思います。
我が会派が、以来、ずっと主張してまいりました
まちづくり計画の本来のあるべき姿についてであります。
本計画は、読みやすい読み物という感想が内外で非常に多くございます。これは、褒め言葉かといえば、残念ながらそうではなく、つまり、数カ月か数年ベースでの各部署の事業の羅列にすぎないのではないかという批判的な声であります。むろん、日々、やらなければならないことはとても大切でありますが、我が会派では、前年度の
総務委員の飯島議員が主張されましたように、あるいは、現
総務委員長のこじま議員がいつもおっしゃいますように、現状の対策としての対症療法だけではなく、結果的に現状を打破する
未来創造型の対策、つまり
根本療法が足りないと申してまいりました。この計画の書き方がどうこうという小さな視点ではなく、我が会派は、こうしたそもそもの意気込みや姿勢を問題だと考え、
未来創造型の対策、つまり、
根本療法がイの一番に出されていないことを引き合いに、本計画の見直しを強く指摘してまいりました。
これに呼応して、現状案の54ページにささやかながらも1ページ分触れていただいたのは評価しているところでございます。しかしながら、何度も申し上げますとおり、現状への対策などは、極端な話、どこの自治体でも行っているものでありまして、この計画内容に似通った計画は日本のどこにでも散見されると言っても過言ではありません。
まちづくり戦略ビジョンは、
長期総合計画にとってかわる計画でありますから、パラダイムの転換はもとより、計画をつくること自体に意義があることもまた確かでありますけれども、札幌というまちの強み、弱みをしっかりと分析、把握し、その上で、現状を克服するための独自性のある大目標、つまり花火を何にするのか、
冬季オリンピックなのか、新幹線なのか、それとも
丘珠空港なのか、こうしたことについて、本当の意味で
リーダーシップが発揮できていない現市政を私はもどかしい思いで見ております。そして、本計画が行政計画とはいえ、現状への対策、対症療法から抜け出せていない原因は、小手先、小わざしか選ばない市政の
リーダーシップと、それに甘んじている行政があるのではないかと私はにらんでおります。
そこで、そのうちの一つの例を取り上げて伺いますが、例えば、
丘珠空港のさらなる活用について、
戦略ビジョンではどのような位置づけをされているのか、確認のために伺います。
◎石川
政策企画部長 丘珠空港につきましては、これまでも議会の代表質問でも市長が答弁を申し上げておりますとおり、札幌圏と道内の各都市を結び、ビジネスや医療、さらには観光を初めとした生活や
経済活動などを支える
公共交通インフラとして重要な役割を果たしていると認識しております。また、この
戦略ビジョンの審議会におきましても、
丘珠空港の有効活用が必要だという意見があったところでございます。
そこで、経済の分野である
創造戦略5の
都市ブランド創造戦略におきまして、道内循環を高め、道外需要を取り込むための
基盤づくりとして、道内や国内外からの
アクセス性を高め、人、物、情報などの流れを加速させるため、
丘珠空港の利用促進を図るといった文言を明記しているところでございます。
◆伴良隆 委員
丘珠空港の具体の活用策についての議論は別の場でさせていただいているところでございますので、ここではあえて避けますが、私が申し上げたいのは、空港経営だけではなく、札幌が抱える
まちづくりの難しい現状を打破できる
丘珠空港の
活用そのものを、本市をリードするような政治家や経済界が真っ先に実行すべきであるのに、理論などの言葉ばかりでそこに実行力が不足しているのではないかということであります。
今、やっと、一部の団体みずからがそこを苦慮して切り開こうとしているわけでありますけれども、本市は一体どういう姿勢なのかと、私は不安から不満に変わりつつございます。この
戦略ビジョンでの取り上げ方を見ましても、余りに慎重な書き方で、
丘珠空港にまつわる難しい背景を推しはかったとしても、私は、いまだにこんな消極姿勢で本当によいのかととても残念でなりません。この状態が依然として続くのであれば、これこそ、まさに本市に
リーダーシップや開拓精神が欠如している証拠と言っていいと私は思っております。
それでは、次の質問に移りたいと思います。
次は、
戦略ビジョンの今後のあり方についてであります。
前回の
総務委員会で、
戦略ビジョンで掲げ、目指すとした脱
原発依存社会という造語と、それを本市が独自に原発ゼロとする根拠が全くないことについて、私は本市の姿勢をただし、明らかにされたところであります。こうしたことから、先ほど来質問してきました
パブコメへの対応の課題、
未来創造プロジェクトとうたいながらも、その扱いの順序の前後違いや重みのなさなど、きれいにできている計画のようでいて、まだまだ未完成のものであることは、少なくとも実際にこうした意見が我が会派にある以上、残念ながら、それは紛れもない事実でございます。
一方で、
戦略ビジョンの議会としての扱いに関しましては、
議決対象いかんを含めて聞いているところでございますけれども、どうでもいいというわけではございませんが、私なりにはいいころ合いかなと思っているところも正直ございます。しかしながら、こうして一応の完成を見ようとするときになった以上、大事なことは、決して完璧ではない本計画の書き方や順序、内容、つまり、議会議論や
パブコメの反映の仕方などの課題を今後どう生かしていくかであります。
そこで、伺いますが、時代の変化に合わせて臨機応変に本計画を点検、見直していくことこそ今後に課せられた重要な課題でありますけれども、その必要性についてどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。
◎石川
政策企画部長 今後、札幌市がさまざまな課題に対応してまちの魅力を高めていくためには、
戦略策定の前提となります
社会経済情勢の変化であるとか、また、国の制度の変更等を踏まえて、必要な戦略の見直しを行うことが適当であると考えております。
そこで、議決をいただきました
ビジョン編の第5章におきまして、戦略編における課題認識と
戦略設定は、時代の変化に迅速に対応する必要がありますことから、適宜、中間点検をして戦略の追加補正を行うなど、柔軟に対応すると明記しているところでございます。
これを受けまして、中間点検につきましては、本年の第2回定例市議会で市長が代表質問で答弁を申し上げておりますが、
まちづくり戦略ビジョンの方向性を踏まえながら、おおむね4年に一度、策定いたします中期実施計画の検討時に合わせて行うことが効率的だというふうに考えておりまして、その際には、市民意見も反映しながら必要に応じて戦略編の改定も行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆伴良隆 委員 社会の変化に臨機応変に柔軟に対応していくということでございました。社会の変化は著しく、あと数年以内に本市も大きく考え方を変えなければならなくなる可能性が十分にございます。そういう中で、本計画がどのように解釈を変えられてもたえ得るように、行政の皆さんにはきちんと準備をしておいていただきたいと思います。そのためには、先ほどの質問に答弁していただいたように、時代の変化に合わせて、タイミングもございますけれども、臨機応変に点検、見直しをされていくことが大きなポイントになると最後に重ねて申し添えておきたいと思います。
まちづくり戦略ビジョンに関しましては、今までいろいろな議論があり、いろいろな感想があることは事実でありまして、我が会派も、引き続き、この計画については今後も追及すべきは追及いたします。しかし、当委員会での議論は本日で一応の区切りになるということですので、これだけの膨大な計画策定作業を行った
市長政策室のご担当者を初め、各部局の担当者の長い間のご苦労に対して、本当にお疲れさまでしたと申し添えておきたいと存じます。
◆しのだ江里子 委員 先ほどの
パブリックコメントの報告では、子どもから大人まで多くの市民から意見が寄せられ、特に子どもからは、609人、1,093件にも及ぶ非常に多くの意見が出されたということでした。また、
パブリックコメントの一環として、今回初めて
大学生向けの
ワークショップを開催したことについても触れられておりますが、私ども会派の議員事務所3カ所でも、8月と9月の2カ月間、インターン生を受け入れており、今回参加した学生10名によりまして戦略編に関する
ワークショップを実施していただきました。私も、最初から最後まで見学させていただきましたが、その10名による
ワークショップでも、若者ならではの視点によるさまざまな意見が出され、大変活発な議論が見られました。
大学生向けの
ワークショップでは、11大学45名が参加したということで、さらに活発な議論があったと思われます。
まちづくり計画の最上位である
まちづくり戦略ビジョンは、10年後を目指した基本指針でありまして、今、20歳前後の大学生たちがまさにこの計画を直接担う中心になっていくと思います。策定経過の中で、こうした若い世代の議論を喚起して意見を聞いていったことについては、私は非常に意義深いことだったと考えます。
そこで、
パブリックコメントの報告の中で、
子どもたちを対象とした
キッズコメントで寄せられた意見の分類については先ほど説明がありましたが、
大学生向けワークショップで出された
パブリックコメントはどのような傾向にあったのか、また、具体的にどのような意見が多かったのか、内容について伺わせていただきます。
◎石川
政策企画部長 大学生向けワークショップで若者の皆さんから出された
パブコメの具体的な傾向と内容でございます。
今回の
ワークショップでは、参加した学生から合計で75件のご意見をいただいたところでございます。最も多かった意見は、
創造戦略2の
共生社会創造戦略に関するものが15件ございまして、例えば、町内会のことがよくわからないので参加機会をつくってほしいということや、若者が
まちづくりに参加しやすい環境を整えてほしいといった意見が出されたところでございます。次に、
創造戦略7の低
炭素都市創造戦略に関しては、例えば、自転車の安全確保の観点から都心の自転車対策をすべきということや、地下ネットワークの拡大などによります利便性の向上を望む意見が11件出されております。さらには、第2章の戦略を支える都市空間について、観光都市としての観点から、都心部への自動車の乗り入れの抑制やまち並みなどの景観づくりに関する意見が9件となってございました。
このように、今回行いました
大学生向けワークショップにおきましても、大人、さらには
キッズコメントと同様に、
共生社会創造戦略に関する意見が最も多い結果となっております。このことにより、超高齢社会を見据えた中で、子どもからお年寄りまで全ての世代において多世代交流を求める傾向にあることがうかがえたところでございます。
◆しのだ江里子 委員
大学生向けの
ワークショップで、まさに共生社会にかかわる質問や意見が大変多かったこと、また、低炭素社会に向けては都心の自転車にかかわること、観光に関しては都心部の車の乗り入れや景観に関してなど、本当にさまざまな意見が出されたことがわかります。聞いていて最も印象に残りますのは、一般的に地域の
まちづくり活動への関心の低さや、町内会の未加入者が若い人たちに特に多いというイメージが強いですが、町内会や
まちづくり活動に対して積極的に意見を出していこうとしていること、また、こうした若者たちが札幌に多く存在していることに関しては、将来の札幌の
まちづくりを進めていく上で非常に頼もしく思います。実際に話題になっておりますが、清田区とか北区で高校生や大学生が町内会の役員になられたり、また、手を挙げて参加している姿を見ますと、なかなか頑張っているなという思いがしてまいります。
今回お聞きしたところによりますと、この
ワークショップでは、政策企画部の多くの職員がファシリテーター役などでかかわって、参加した学生から生の声を多く聞くことができたということですが、
ワークショップというのは、結果だけではなくて、参加者同士が意見やアイデアを出し合って、意見集約を通じて目的のイメージをともに共有していくという大変大きな効果があると思います。
そこで、質問ですが、
ワークショップを通じてそれぞれの参加者から出された意見の中で、答弁にあった
共生社会創造戦略における地域の
まちづくりへの若者の参加に関して、特に学生や若者の役割という点についてどのような議論があったのか、お聞きしたいと思います。また、今後の
取り組みにどのように生かされていくのかということもあわせてお聞きします。
◎石川
政策企画部長 地域の
まちづくりに関して
ワークショップで交わされた議論をどう捉えていくか、そして、今後どのように取り組んでいくかということです。
今回の
ワークショップの中で学生たちの声を聞きますと、大学のカリキュラムなどを通じて
まちづくりに携わる機会がそれなりにふえているということでした。また、学生も、その機会を捉え、継続的に参加したいと思っているようでございます。しかしながら、一方で、町内会との接点がないという声や、
まちづくりに関する情報をもっと知らせてほしいといった意見が多く出されており、総じて、地域の
まちづくりに関心はあるものの、きっかけがわからないという実態が今回の学生たちの生の声から認識できたと考えております。
そこで、今後、
戦略ビジョンの推進に当たり、こうした学生の声を反映した
取り組みを進めていくために庁内において具体的な検討を始めているところでありまして、例えば、大学や若者活動センターのサークルと町内会のマッチングを進める
取り組みを拡充していったり、フェイスブックなどを活用した若者への発信力の強化などについて新年度から事業展開ができないかどうか、検討を進めているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 若者は地域とのかかわりを余り持とうと思っていない傾向にあるのではと、私は勝手に想像していたのですが、実際に参加した学生などの生の声を聞かせていただくと、イメージと実態に違いがあるのではないかということがうかがえます。ぜひ、若者が地域や
まちづくり活動にもっとかかわりを持っていくことができるように、そして、先ほどのご答弁で町内会との接点を持つことがなかなか難しいということもありましたので、まさにこういったところをしっかりとつなげて、主体的に参加していける環境づくりを進めていただきたいと思います。
私は、
まちづくり戦略ビジョンの策定に関して、これまで一貫して、全ての市民が社会に参加しながら、ともに暮らしていく共生社会の重要性を指摘させていただきました。これまで聞いてきた
パブリックコメントや
キッズコメント、
大学生向けワークショップを総括しますと、大人も子どもも、そして若者からも、共生社会の実現、多世代交流が求められていることが改めて浮き彫りになったと考えます。
共生社会を実現していくためには、子どもからお年寄りに至るまで多世代による交流が極めて重要ですが、例えば、現行の市役所の組織を見ますと、子どもは子ども未来局、高齢者は保健福祉局、地域の
まちづくり全般は市民
まちづくり局や区役所といったように、世代別や目的別に分かれています。公共施設についても、今までは、
児童会館や老人福祉センターというように世代別、目的別に設置されていました。しかし、本当の共生社会を実現していくためには、さまざまな世代が地域の中でお互いを尊重し合い、交流し合いながら暮らしていくことがとても重要であると考えております。また、今回の
戦略ビジョンの中でも、時代の変化に即応した柔軟な組織運営体制の構築とか市民ニーズの変化に応じた市有建築物の複合的利用など、これまでの市役所の概念を変えていくことについて打ち出されていることには大変注目しております。公共施設に関しては、市有建築物のあり方について既に検討が進められているところですし、共生社会の実現に向けた
取り組みの推進に当たっては、これまでの縦割りの行政からの脱却によって、まさにパラダイムを転換していくことが極めて重要であると考えます。
そこで、この
戦略ビジョンの統括責任者であり、さらには、市役所の改革や機構編成の責任者でもある
市長政策室長に質問させていただきます。
戦略ビジョンにうたわれているパラダイムの転換を実現していくために、庁内においても変革を促進していく必要があると考えますが、
市長政策室として、共生社会の実現に向けた庁内のパラダイムシフトをどのように進めていくおつもりなのか、最後に伺わせていただきます。
◎渡邊
市長政策室長 庁内のパラダイムシフトについてであります。
市政運営に当たっては、これまでもそうだったと思いますけれども、人口減少、超高齢化社会、大げさに言うと、我々は、今かつて経験したことのない時代に突入しようとしています。そういう中で、今まで以上に時代や市民ニーズの変化に対応した柔軟な
市政運営が求められているという認識は十分に持っております。この戦略の中でも、例えば、高齢化の進行に伴う福祉ニーズの高まりに対して、
まちづくりセンターにおける地域福祉活動への支援機能を強化し、公助と共助の接点としての役割を明確に位置づけ、多様化する地域課題に対応できる組織づくりを推進していきたいと考えてございます。
また、お話にもありましたけれども、市有建築物のあり方につきましては、現在、有識者等における議論が重ねられているところでありますが、これまでの目的、対象ごとに施設サービスを提供するという考え方から、必要とされる機能に着目して、施設を維持するのではなく、機能を維持するというように、考え方を根底から変えていく必要もあるのではないかと考えているところでございます。
また、一つの部局では解決できない組織横断的な課題がありまして、これにスピード感を持って対応するためには庁内の連携強化がもっと必要だと思っております。さらに、庁内のパラダイムシフトという点では、我々職員のさらなる意識改革も求められていると考えてございます。
いずれにいたしましても、
市長政策室が持っている機能を組織としてフル動員してパラダイムシフトの推進役としての役割を果たし、共生社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
◆しのだ江里子 委員 まさに、おっしゃるとおりだと思うのです。札幌は、今まで、目的別の施設資源や社会資源がたくさんあるために縦割り、個別の活動が中心になっていました。これからは、先ほどの答弁にあったように、機能を維持して、既設の施設をどのようにうまく利用していくかが求められると思います。それには、多世代の意見を受けとめて、それぞれが積極的に活動し、
まちづくりの一端を担っているという実感が持てる、宛てがいぶちではない環境づくりが必要だと思います。
今回参加した学生たちに
ワークショップの後に意見を求めたところ、その中で、学生の1人が、現在自分たちが暮らしている札幌より、将来の札幌の未来が明るくなればいいという願いだった、しかし、
ワークショップに参加して
まちづくり戦略ビジョンについての話や構想を聞いて、未来が明るくなるためには、自分たち札幌市民一人一人が自分の中にあるビジョンをより鮮明にして
まちづくり戦略ビジョンに協力的になっていかなければならないという
コメントを寄せておりまして、まさにこれだと思うのです。
共生社会のように組織横断的な総合的な
取り組みを進めるためには、ぜひ、
市長政策室が庁内を統括して、推進役となって強力に進めていただくことが重要であります。室長のご答弁にありましたように、共生社会の実現に向けて、庁内の意識改革や組織体制づくりを積極的に進めて、全庁が一丸となって取り組んでいただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆伊藤理智子 委員
パブリックコメントで寄せられた意見が252人、579件に及んでいるということで、出されたそれぞれの意見を読ませていただきましたが、市民から寄せられた意見は、修正として盛り込まれたものもありますけれども、盛り込まれなかった中にも、本当に一つ一つ非常に大切な提案だと思うものが含まれていると感じております。例えば、孤立対策についてですが、各地区の現状を把握して、それに合わせた支援が必要ではないかとか、町内会や民生委員、地区福祉の
まちづくり推進センターの連携を進めるためには、個人情報の守秘義務の問題を解決しなければ困難などの意見が寄せられております。それぞれが自分たちの町内会で活動している中で問題意識を持っていたり、課題を感じていることに対して具体的な提案がされたと思っております。こうした
パブリックコメントに対して、市の考え方として回答するだけにとどめず、さまざまな分野の地域の人たちや関係する人たちなどの協力を得ながら、各分野に絞って話し合う機会をつくっていくことが大切ではないかなと思うのです。
そこで、本市の施策に市民意見を反映させていたくために、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、伺いたいと思います。
◎石川
政策企画部長 パブコメを今後の
市政運営にどのように生かしていくかということでございます。
ビジョン編と同様に、今回の戦略編でいただきました
パブコメにつきましては、
まちづくり戦略ビジョンの策定のみならず、今後の
市政運営においても大変貴重なものであると認識しております。そこで、いただいたご意見を
市政運営に生かすためには、その内容を、庁内はもとより、市民の皆様にも共有していくことが極めて重要であるというふうに考えておりますので、
ビジョン編と同様に、戦略編の冊子とあわせまして、全てのご意見とそれに対する札幌市の考え方を掲載した
パブリックコメント意見集を作成の上、区役所や
まちづくりセンターを初め、庁内の各部局にも配付することとしているところでございます。加えて、ホームページにも全ての意見を掲載することで市民の皆様にも広く公開してまいります。
さらに、今後でございますが、今回いただいたご意見は、関係局別に分類、整理をした上で、
市長政策室から庁内の関係部局へ通知することで各部局が今後の
市政運営に生かしていただきたいと考えております。また、その先のこととして、出前講座などがございますので、その際の
参考資料としても活用しながら今後の
市政運営に生かしていきたいと考えてございます。
◆伊藤理智子 委員 今までの
パブリックコメントに比べると、随分いろいろ工夫して、どういう意見が出されたかということを市民に広めようという努力はされているのかなと思います。しかし、
パブリックコメントの大切さというか、それぞれの分野で実際に活動されている方の貴重な意見は、随時、深く議論しながら、計画はもうできてしまいますが、どういうふうに施策に生かしていけるかということも必要ではないかと思うのです。
2011年に行われた行財政改革推進プランの
パブリックコメントでは、313人から384件の意見が寄せられ、市営住宅の使用料については、今までどおり減免してほしいという意見が10件中9件出されました。延長保育利用料では、今までどおり無料にしてほしいという意見が29件中29件、児童クラブ利用料については、無料を貫いてほしいなどの意見が57件中57件、保育所保育料では、これ以上の負担増はやめてほしいという意見が216件中214件寄せられました。しかし、これだけ負担増は困るという意見が寄せられていた事実があり、切実な暮らしや子育ての実態が市民からたくさん寄せられていたのに、その声を聞いても負担増を中止しませんでした。
パブリックコメントでせっかく市民の意見をたくさん寄せていただいたのに、それを生かし切れなかったという実績があります。
今回は、
パブリックコメントの数はふえているけれども、私たちの出した意見が札幌市の施策に本当に反映されていくのだろうかと危惧する声が私のところにも寄せられております。特に孤立問題や貧困問題など、私たち日本共産党が今まで指摘し、提案してきた問題については、やっぱり、計画を立てるだけではなく、どうなくしていくかという視点も必要です。今、地域の人たちのアンテナが非常に高くなっていて、こうしたらいいのではないか、こういう課題があるのではないかと意見を言うだけではなく、市電でもそうですし、バリアフリーの問題や
再生可能エネルギーの問題など、いろいろな分野でいろいろな人たちが実践しながらさまざまなアイデアも持っているので、その意見を生かし切るような
取り組みが非常に大事だと思います。
いろいろ改善してきたこともわかるのですが、
市長政策室がきちんとイニシアチブをとって、こういう意見が出された、こういうふうに言っていますといろいろな部局におろすだけではなく、コーディネーター役になってきちんと進めていくことが必要だと思いますけれども、そのあたりのことについてはどのように考えているのか、伺いたいと思います。
◎石川
政策企画部長 今回、
戦略ビジョンが完成しますけれども、完成後における庁内に対しての我々のかかわりについてです。
まず、今回のビジョンには成果指標をあらわしておりますが、毎年、各局からそれにかかわる実績値などを取りまとめながら進捗管理を行っていきたいと考えております。そして、中期実施計画であります現行の新
まちづくり計画と同様に、進捗状況や結果を集計して、広く市民の皆さんにも公表していきたいと考えております。また、
戦略ビジョンに基づきまして今後策定される各部門別計画や重要な施策の展開がございますが、庁内の企画調整会議に付議されることになっており、その主宰は
市長政策室長が担いますので、今後、この会議を通じて
戦略ビジョンの進行管理もしっかり努めていきたいと考えております。
そして、先ほどしのだ委員に室長から答弁がありましたとおり、ビジョンに基づく組織改革や職員の意識改革、パラダイムシフトの推進につきましては、
市長政策室が庁内を牽引しながら、このビジョンの進捗管理をしていきたいというふうに考えてございます。
◆伊藤理智子 委員 今後10年間にわたる札幌市の計画をどう具体的にしていくのかということで、市民の暮らしや福祉、そして、
再生可能エネルギー、エネルギーの安全・安心など、本当に暮らしに直接かかわる問題について進めていくということですから、これができたから終わりではないと思います。今の答弁でそうではないことはわかりましたが、本当に、その都度、市民の皆さんにも周知していただきたいですし、さらに、意見もくみ上げるような双方向の形で深めながら、ぜひ実践していただくことを強く求めまして、終わります。
◆石川佐和子 委員
パブリックコメントに関する質疑が多々出てきましたけれども、私は
キッズコメントについて伺いたいと思います。
室長から先ほどご説明がありましたけれども、今回、平成23年からビジョンづくりが始まりまして、大学生の
ワークショップや
キッズコメントも行いながら、子ども議会でもお話を聞くなどして、直接、子どもに情報を提供して意見を聞いてこられました。私たち市民ネットワークは、この間、子どもの
まちづくりへの参加の重要性を強く訴えてまいりましたので、そうした手法をとりながら意見を聴取してきたことは評価しているところです。
そこで、
キッズコメントの手法についてですが、きょうの
パブリックコメントの概要の報告にもありましたけれども、前回の
総務委員会のときに、
ビジョン編のときと違った新しい
取り組みとして、子どもに渡した
パブリックコメントの書面の中に保護者の方が家庭でその
コメントを一緒に書くことができる欄を設けたと伺いました。そこにどのような感想があったかもここに書かれておりまして、先ほどの報告では、子どもが将来を考えるよい機会になったとか、家族で話し合うことができたというような意見や感想が寄せられたということです。最近の
子どもたちは、結構、時間がないと言うのですね。そうした中で、家庭で子どもと保護者が一緒に考える機会になり、しかも、札幌の
まちづくりについて考える機会が増したということで、当初の目的はある程度達成したと思いますし、子どもがこれからの
まちづくりへかかわる場合においても非常に大きなきっかけづくりになったのではないかと思っております。また、保護者の皆さんからいただいたそうした意見の内容も、当然、戦略編の策定において生かしていくべきだと考えております。
そこで、質問ですが、子どもの意見とあわせて、何名の保護者から意見や感想を寄せられたのか、そして、その内容について教えていただきたいと思います。また、保護者の皆さんからの感想は、どのような形で戦略編の策定に生かされているのか、伺います。
◎石川
政策企画部長 保護者からの感想と戦略編への反映についてお答えします。
このたびの
取り組みでは、
キッズコメントに意見を寄せていただいたお子さんの約4分の1に当たる153名の保護者の皆さんからさまざまな感想やご意見をいただいたところでございます。
主な内容については、例えば、子どものころから将来を考えることは大切だといった子どもの
取り組みに対する感想が全体の約3割を占めております。一方で、その他7割につきましては、戦略編に対する保護者からのご意見でございまして、その多くは、子どもがボランティアに参加する機会をふやすべきといった、子どものころから
まちづくりにかかわる機会の創出を求めているもの、また、子どもがお年寄りと交流できる場所を整備してほしいといった、子どもが健やかに成長するための環境整備を望む声がいただいたご意見の約8割を占めておりました。
そこで、
キッズコメントを受けた戦略編の追記についてですが、子どもの
コメントに加えて、保護者からのご意見も考慮した上で、子どもみずからがさまざまな活動に主体的に取り組むための機会の創出や環境整備を行うことを基本的な考え方として、
キッズコメントに関するものとして施策の追記をさせていただいたところでございます。
◆石川佐和子 委員 子どもの意見にとどまらず、保護者の意見も踏まえて、子どもが
まちづくりに参加する環境整備などを追記したと伺いました。
親子で家庭の中で話し合いができたことは、少しずつかもわかりませんが、
まちづくりに対して参加が広がる
取り組みの一歩になるので、評価したいと思います。特に、
まちづくり戦略ビジョンの基本理念は、札幌の未来をつなぐ
子どもたちのためにと、漠然としていますけれども、子どもということを大きく掲げております。ですから、本当に
子どもたちが希望を持って札幌市で成長していくことができるように、特に子どもに伝わるような情報提供を今後もしっかり行って、
子どもたちとともに
まちづくりを行っていくことが重要であると考えております。そして、そうした思いを子どもも大人も共感することで成長していく一助になるのではないのかなと期待しているところです。そのためには、こうした一連の
キッズコメントのように、今後も
子どもたちが
まちづくりを考えることができる機会を継続的に設けるなど、次につなげていくことが重要ではないかと思います。
そこで、再質問ですが、今後、
子どもたちがともに
まちづくりに参加して札幌の市民としてともに成長していくことができるために、札幌の将来を考える機会をどのようにつくり出していこうと思われているのか、伺います。
◎石川
政策企画部長 子どもたちに札幌の将来を考えるきっかけを提供する
取り組みについてでございます。
一連の
戦略ビジョンにおけます
キッズコメントを通じまして、保護者のみならず、その実施に当たりまして、実際に現場で
子どもたちの指導に当たられた教職員の皆さんからも、
子どもたちが札幌の未来を考えるよい教材になったという評価をいただいているところでございます。
そこで、今、教育委員会とともに、これらの持続的な
取り組みについて協議してございますが、昨年度から、中学校3年生の社会科の授業におきまして、よりよい社会を目指してという新しいカリキュラムが開始されておりますので、その教材としてこのたびの
戦略ビジョンを活用してはどうかというアドバイスを教職員の皆さんからいただいているところでございます。そのため、現在、
戦略ビジョンを題材とした副読本の製作に着手したところでございまして、本年度末より、中学校3年生の授業で活用してもらうことによって将来の
まちづくりの担い手の育成にもつなげてまいりたい、このように考えているところでございます。
◆石川佐和子 委員 今回の
キッズコメントを授業の中で取り組んだことを通して、先生方とそういうつながりができて、既に学校の公民の授業の中で取り上げたり、また、今後は副読本を製作していくということも伺いました。
副読本といいますと、市民
まちづくり局でも
子ども向けの
まちづくりの副読本をつくったときに、学校の先生たちが副読本づくりに参加して、授業の進みぐあいや学年に応じた細かいカリキュラムを考えながらつくられていました。副読本をつくるに当たっては、特に先生たちとの連携を密にとって、
子どもたちにとって本当にわかりやすい、役に立つようなものになってほしいと思いますので、そのような
取り組みを進めていただきたいと思います。
いずれにしましても、子どもに生の声を直接聞く
キッズコメントのような
取り組みが札幌の計画づくりのスタンダードとして進められていることは、とてもいいことだと思います。子どもの権利条例のある札幌市でありますので、こうした授業とか家庭の中で、
まちづくりを題材にして自己肯定感が育まれるような
取り組みに広がればいいなと思っておりますので、今後も頑張って進めてください。よろしくお願いします。
○こじまゆみ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○こじまゆみ 委員長 なければ、質疑を終了します。
札幌市
まちづくり戦略ビジョンは、この
総務委員会で平成23年から3期にわたり合計10回の審議を重ねてまいりました。これだけの回数を重ねた審議は異例でありますが、今後10年間の
まちづくりを進める大きな方向性を定める計画であるということで、この間、各会派の方々によるさまざまな視点、観点からの質疑がなされてきており、議会は市民に対して大変大きな責務を果たしてきたと考えております。そして、本日、戦略編の
パブリックコメント結果が報告され、さまざまな意見が出されたところですが、恐らく、本日が最後の本格的な審議になろうかと思います。
そこで、異例ではありますが、委員長として、最後に、一言、発言させていただきます。
現状打破のために、私たち大人が責任をしっかりと果たしていく、そして、
子どもたちにツケを残さない、私たちはそのためのスタートを切ったと思っております。計画は、つくるのが目的ではありません。計画は、つくったら終わりではなく、策定した後、実際に展開していくところからがスタートであります。理事者におかれましては、きょうの議論を含めて、各会派から出たさまざまな意見も踏まえ、議会が一丸となって議論を重ねてきたビジョンで掲げられている施策を着実に展開していくよう、鋭意努力をしていただきたいと思います。
また、各会派におかれましても、このビジョンの進捗について、今までの審議内容もしっかり踏まえて、今後も継続的によりよい結果を出していけるよう注視、点検していくことをお願い申し上げまして、本日の委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後3時46分...