委 員 宮 川 潤 委 員 小 形 香 織
委 員 伊 藤 牧 子 委 員 松 浦 忠
委 員 堀 川 素 人
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午後1時
○
伊藤理智子 委員長 ただいまから、第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、國安委員からは、芦原委員と交代する旨、届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち、
農業委員会関係分について質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。
次に、第5款 労働費 第1項 労働費について質疑を行います。
◆
植松ひろこ 委員 私からは、新卒未
就職者人材育成事業と
中小企業雇用発信事業について、それぞれお伺いいたします。
初めに、新卒未
就職者人材育成事業、いわゆる
ジョブスタートプログラムについてお伺いいたします。
北海道労働局が発表した札幌圏の1月の
有効求人倍率は0.55倍と、全国の0.8倍と比べても依然として低い水準が続いております。
厚生労働省が公表した昨年12月1日現在の
大学卒業予定者の内定率は、全国で75.0%、北海道・東北地区で73.9%と、それぞれ前年同期比で3.1ポイント、4.4ポイントの増であり、また、ことし1月末現在の
新規高等学校卒業者の内定率につきましても札幌圏で72.9%と、前年の同期比で10.8ポイントの増と、
新規卒業者の
就職内定状況は、数字だけで捉えれば改善しているようにも感じられます。しかしながら、札幌市内の大学の関係者からは、まだまだ就職の決まらない学生がかなり多く存在し、しかも、年が明けてからは、ことし3月に卒業する新卒者の求人がほとんど来なくなってきているなど、厳しい話も聞いております。
この
ジョブスタートプログラムは、
民主党政権時代に、緊急雇用として各自治体に配分した財源をもとに、本市は2010年度から実施しております。この事業は、内定を得られないまま卒業を迎えた新卒者にとりまして、最後のとりでとも言える
就職支援施策となっているともお伺いしております。資料によりますと、今年度実施した同事業は、大学、短大、専門学校などの新卒未就職者を対象としたもので89%、高校の新卒未就職者を対象としたもので87%を超える方が就職しており、また、それぞれ大学等で45%、高校の新卒未
就職者対象では51%を超える方が正規雇用をされていると聞いております。
このように、就職率、
正規雇用率は、資料を見ましても、過去3年の実績からしましても、毎年それぞれ改善されており、上昇しておりますが、その要因につきまして、本市としてどのように捉えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
◎入江
雇用推進部長 新卒未
就職者人材育成事業における就職率、
正規雇用率が上がっている要因につきましては、もちろん、経済状況がよくなっていることによる部分があるとは思いますけれども、事業の運営に関してお答えいたしますと、まず、この事業の
委託事業者の決定に当たり、
公募型プロポーザルを実施しております。
人材サービス会社等の
応募企業各社は、過去の事業実績や内容を踏まえ、年々レベルアップした企画を提案しており、その中から優秀提案を選定しているということが挙げられます。そのほかに、札幌市といたしましても、当該事業を実施する中で、
人材育成スキルや情報を蓄積することにより、
委託事業者に対してより適切な指導・助言を行えるようになっていること、さらに、複数の事業者に委託することにより、事業者間で競争意識が生まれ、
就職率向上に有効な
研修カリキュラムや
カウンセリング方法などについての
スキルアップが図られたことなどが挙げられます。また、実習先の
企業開拓によりまして、社会人としての基礎を習得した研修生を
職場実習で見きわめた上で採用できるなどのメリットが浸透し、
ジョブスタートプログラム事業を活用したいと考えている企業が多くなったことも要因の一つではないかと考えております。
◆
植松ひろこ 委員
受託企業、本市がそれぞれ年々
スキルアップを図っており、また、それにより、
プログラムに参加したいとおっしゃってくださる企業もふえてきたことが要因のようでございます。
私も、実は、先週、3月6日にエルプラザにて開催された本年度のこの事業の
合同説明会に足を運びまして、
事業対象者である大学、短大、
専門学校等の新卒未就職者を、直接、目の当たりにいたしました。会場はほぼ満席でございまして、後から確認しましたところ、当日は190人余りの参加者があったとのことでしたが、私の目の前の新卒未就職者の方々は、
就職活動がうまくいかず、余り元気がなく、落ち込んでいるふうにも若干感じ取れました。
来場した人数は、先ほど190人と申し上げましたが、今回のこの事業の定員は180人となっており、もう既に超過をしておりますが、さらに、この
合同説明会に参加をする以外にも、委託された
人材サービス会社へ直接申し込みを行う方法もあるというふうにお伺いいたしました。希望される方全員が参加できるのが理想ではありますが、予算もあることですし、なかなかそううまくもいかないかと思います。
定員を超過した申し込みがあった場合には、各
事業委託者が選考して参加者を決定することになっているとお伺いしておりますが、選考に当たりまして、札幌市としては、どのように考え、
委託先事業者にどういった方を選考してほしいというふうに伝えているのか、お伺いいたします。
また、この事業は今年度で4年目となりますが、今までの事業成果を分析した上での本事業の評価をお伺いいたします。
◎入江
雇用推進部長 1点目の定員を超過した際の選考についてでございますが、研修生の選考方法はそれぞれの
受託事業者により異なっておりますけれども、札幌市としては、この事業の目的が早期就職の支援であることから、申込者の就職したい、正社員になりたいという意欲を重視しておりまして、事業者に対してもその旨を伝えているところでございます。
2点目の今までの事業の評価についてでございますが、参加した方の90%近くが就職していること、また、この事業に参加した研修生を採用した会社が3年間で528社ございまして、多くの企業に人材を供給できたことから、一定の成果を上げたものと評価しております。
◆
植松ひろこ 委員 事業に参加するに当たって、就職したい、正社員になりたいという意欲があることが最も大切ということでしたが、私も同感でございまして、就職をつかみ取るには、まず、就職するんだという意欲があることが第一と考えております。また、新卒未就職者の多くの方が就職するということは、逆に言えば、500社を超える企業がこの事業から人材を得られたということであり、こういった点からしても、私もよい取り組みだと考えております。
しかしながら、2013年度は
民主党政権時代に自治体に配分した財源で事業を実施できるとお伺いしておりますが、それ以降については財源の確保のめどがなく、継続実施できるか、わからないと聞いております。
今までもご質問したとおり、この事業は、若い未就職者の方にとって大変よい事業であると思っております。2014年度以降も新卒未就職者の
就職支援策は必須であると思いますので、当然、財源確保について国に対して求めていく必要があると認識しておりますがいかがか、お伺いいたします。
◎入江
雇用推進部長 今後も新卒未就職者に対する
就職支援事業は必要であると認識しておりますが、給与を支給しながら就職を支援するこの事業は、国の財源措置がなければ、
本市単独予算での実施は非常に難しいと考えております。財源措置につきましては、これまでも
政令指定都市市長会などを通じて要望してまいりましたが、平成26年度以降につきましても同様の事業を実施できますよう、引き続き国に対して要望してまいりたいと考えております。
◆
植松ひろこ 委員 私もあらゆる機会を捉えて要望してまいりたいと思っておりますが、本市としても、ぜひとも要望していただきたいと思います。
こういった予算ということになりますと、どうしても数字にとらわれがちになります。しかしながら、参加した方の声を聞きますと、たとえ就職に結びつかなくとも、今後の人生においてとても貴重な期間であったとか、また、私は、
受託先企業の方から、ほぼひきこもりのような状態から何とか高校を卒業した子を、数カ月、1年もたたないうちに社会に出ていけるようにするには本当に大変であるというお話もお伺いしましたので、ぜひとも、この
プログラムの趣旨を理解していただけるよう求めます。
次に、
中小企業雇用発信事業についてお伺いいたします。
この事業は、2012年度の新規事業でありまして、その内容については大変期待をしており、昨年の
予算特別委員会において私も質問いたしました。
この事業のコンセプトは、採用意欲はあるものの、求職者に対して効果的に情報を伝えることができずにいる
中小企業と、企業や業界のことをよく知らずに、どうやって就職先を探せばよいのかわからない求職者との
マッチングを支援するためのサイトを開設するものでございました。楽しみにしておりまして、ことし1月の
サイトオープン時に、早速、拝見しましたところ、レイアウト的にも見やすく、職種別にも検索できるようになっており、特に
中小企業の情報収集ができない若者にも利用しやすいものとなっているのではないかなという感想を抱きました。また、市内の
中小企業の中には、知名度がなく、また、自社のホームページの開設や、民間の
求人情報誌、
求人情報サイトへの掲載も費用の面から難しいとされている企業も多くあることから、このように無料で
企業情報のPRを行えることは非常に有意義であると考えております。今後は、多くの求職者に本サイトを定期的に閲覧、検索していただけるようになることが望まれているかと思います。
そこで、サイトの開設に当たりまして、多くの求職者がサイトを閲覧し、さらには、その方々に定期的に見てもらえるようどのような工夫をしたのか、お伺いいたします。
◎入江
雇用推進部長 中小企業雇用情報発信事業について、このサイトの開設に当たりましては、単に企業の求人内容を紹介するのにとどまらず、
スライドショー形式で会社の雰囲気が伝わるような画像を表示するとともに、実際に働いている方の1日を紹介するなど、その企業の魅力を伝え、求職者が仕事内容をイメージできるよう配慮いたしました。また、
お知らせ欄を設け、札幌市が主催する
合同企業説明会やセミナーなどを周知したり、「なぅ先生のお仕事役立ち情報」というコーナーを設けまして、職種ごとの仕事の特徴や、求人倍率などの情報提供も行っております。これらは定期的に更新をして、サイトを閲覧する求職者に目新しい情報を提供することで、何度も見てもらえるような
サイトづくりの工夫をしたところでございます。
◆
植松ひろこ 委員 企業の紹介の仕方とか、なぅ先生による職種の解説を行うコーナーをつくって定期的に更新するなど、多くの方に何度も見てもらえるようさまざまな工夫をしているとのことでありますが、残念ながら、現在の
掲載企業数は8社、求人数は78件でございます。サイトの閲覧数は、今のところ4,325件としますと、1日当たり100件余りの閲覧数かと思いますが、もっと
掲載企業をふやしていかなければ、せっかくサイトを訪問してくれた利用者が離れてしまうことが当然懸念されます。また、同時に、利用者が離れてしまっては、
掲載企業もふえていかないのではないかと考えております。
そこで、今後、まずは
掲載企業をふやしていくためにどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎入江
雇用推進部長 掲載企業をふやすために、今後、定期的に経済情報さっぽろへ掲載するなどによりまして市内の
中小企業へ周知してまいります。また、このサイトへの
掲載企業は、
就業サポートセンターに
正社員求人を出している企業といたしておりますので、当該企業に直接働きかけることが
掲載企業数の増加に有効と考えます。そのことから、平成25年度は、
就業サポートセンターの
求人開拓業務の
受託企業に対し、業務仕様の中で、新たに本サイトへの
掲載企業数の目標を設定し、
掲載企業数増加のための働きかけを強化していきたいと考えています。
◆
植松ひろこ 委員 今年度から、具体的に
就業サポートセンターのお仕事の開拓時にこちらの掲載も勧めていくとのことでした。
掲載企業数をふやしてからオープンするというのは、雇用というのは流動的な部分もありますので、なかなか難しいと思います。お話をお伺いしましたところ、まずは今年度から
サイトづくりに取り組んでいくという流れであったかと思いますが、
掲載企業をふやすことが
就業サポートセンターの活性化にも同時につながっていくと思いますので、ぜひとも相乗効果が得られるよう行っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。
◆芦原進 委員 私は、労働費のうち、
雇用促進費予算10億1,277万6,000円に関連して2点質問させていただきます。
一つは
Skipさっぽろ、二つ目は
あいワークという2点でございます。分けて質問させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
Skipさっぽろ、スキップと聞いたら、何か軽やかで、うれしそうに、るんるんして歩いているさまを想像しましたが、
スキルアップの言葉を短くしてスキップと、非常にうまい表現をされたなと、まず、褒めておきたいと思います。
私は、平成23年9月に
Skipさっぽろを開設したと聞いておりますが、目的は、資格取得、もちろん
スキルアップ講座、セミナーですね。それから、
現場実習、職場に行って勉強する。こういうことを通して、
産業振興ビジョンに掲げられた食、観光、環境、健康・福祉の重点4分野に、正社員また
フルタイムの社員としての就職を支援することを大きな目的としているということでございます。
資料をいただきましたら、平成23年度の7カ月間の実績では、286人が事業に参加し、そのうちおよそ45%の128人が就職しています。さらに、その中で正社員や
フルタイムの就職者は111人、約87%と非常に高率です。24年度の実績は、今2月末の段階ですが、296人が事業に参加し、そのうちおよそ52%の153人が就職した。さらに、そのうち、正社員や
フルタイムの就職者は141人、約92%と、非常に着実に伸びている、こういう評価ができるのではないかと私は思います。
しかし、我が会派の丸山委員から、平成24年の3定
決算特別委員会において、事業の効果が十分とは言えない、
職場実習の活用について、いま一度、見直しが必要ではないかと質問させていただきましたところ、そのとき、市から、求職者が希望する企業を実習先として確保することなど、
求人企業に対して積極的に働きかける、このように答弁がありました。
そこでまず、最初の質問ですが、今年度、市は具体的にどのような見直しを行ったのか、また、その結果、現在の
職場実習の参加状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
◎入江
雇用推進部長 Skipさっぽろの
職場実習について具体的に見直した点でございます。
実習先の確保において、従前は、
就業サポートセンターへの
求人登録企業全般にアプローチをしておりましたが、見直し後は、
職場実習が適していると思われる業界や求職者が希望する
実習企業に的を絞って積極的に働きかけたことで、求職者と企業の
マッチング率を高めることができました。また、
職場実習が有効と思われる若年者により一層
Skipさっぽろを活用してもらえるように、
ヤングハローワークやジョブカフェに対し、連携の強化を依頼したところでございます。
その結果、実績でございますが、2月末現在の
職場実習状況は、
実習参加者が15名、
実習参加日数にして212日となっており、このほかに調整中の方が8名いらっしゃいます。これで十分とは言えませんが、平成23年度の実績である
実習参加者延べ6名、
実習参加日数53日と比較いたしますと、一定程度、活用されるようになったのかなと認識しているところでございます。
◆芦原進 委員 今、答弁がありましたように、平成23年度と比較して
職場実習が活用されていると。数字は余り自慢できるほど大きなものでありませんが、伸びているということでありました。
しかし、実習を希望しながら、希望する実習がない、こうして諦めてしまう参加者も多くいるように私は聞いております。もちろん、これらの参加者は、
職場実習を経験せずとも就職できるのであれば非常に幸いです。しかし、なかなかそうはいかない。やはり、
Skipさっぽろの支援を続けていく必要があるなと。
先ほどお話がありましたように、
職場実習は、求職者と企業が
マッチングできている、求職者にとっても企業にとってもよい取り組みだと私は思います。せっかく
就職実習を希望して頑張っているのに実習先がないということに関しては、どうにかしていただきたいな、何とかしてくださいねと、このように私は思います。
そこで、再質問ですが、
実習受け入れ企業の開拓の工夫、また、
現場実習をより効果的な取り組みとするために、平成25年度に向けて見直し等を考えているのか、いないのか、お伺いしたいと思います。
◎入江
雇用推進部長 平成25年度に向けた見直しについてでございます。これまで、
Skipさっぽろの
職場実習先の開拓は、
就業サポートセンターの求人開拓とあわせて行っていたところでございますが、すぐにでも働いてほしいという企業のニーズと、採用まである程度の実習期間が必要な
職場実習を
マッチングさせることは非常に難しい面もございました。そこで、25年度からは、
Skipさっぽろ事業の
受託事業者に実習先となる
求人企業を開拓させることで、より参加者の希望に沿った
職場実習企業の確保につながるよう見直す予定でございます。
また、これまでは、最初に個々人の
支援プランを作成する段階で、資格取得が必要なのか、
職場実習が必要なのかを確定し、支援を開始しておりましたが、平成25年度からは、月に2回実施している
カウンセリングの中で、
支援プランの策定後であっても、
職場実習が就職に有効と判断される参加者には、その都度、積極的に実習を推進するよう見直す予定であります。これらによりまして、より一層の
職場実習の活用が図られると考えております。
◆芦原進 委員 参加者の希望に沿った見直しをするということですので、大変期待しております。この
Skipさっぽ
ろそのものをさらにスキップしていただきたい、こう要望いたしたいと思います。
続きまして、
あいワークについて質問させていただきます。
先月の2月1日に、南区に
あいワーク南がオープンしました。これで、
あいワークは白石、厚別、豊平、手稲と合わせて5カ所になりました。
あいワークの利用状況を見ますと、2月末現在で既に厚別区と手稲区で利用者が2万人を超えています。また、
就職者数も、厚別区では昨年同時期の39%増の786人、手稲区でも昨年の同時期に対して34%増の711人となっています。平成23年度に開設した2区のうち、白石区では、利用者が1万人を超え、
就職者数が365人となっており、私の区である豊平区では利用者が約8,000人、
就職者数が226人となっております。また、
あいワーク南は開設1カ月ですが、およそ700人が利用して、既に5名が就職を決定している、こういう状況であります。
市内における求職者の職業相談、紹介窓口は、先ほどありました北区の
就業サポートセンターを初め、清田区と西区のジョブガイドを含めて、10区中8区に就職紹介の可能な施設が区役所やその隣接施設に開設されております。残る中央区、東区にはそれぞれ
ハローワーク札幌、
ハローワーク札幌北があることから、これで市内全ての区に
ハローワークとの連携による職業紹介が可能な窓口が一応整備されたことになっております。このことは、
ハローワークが遠くて利用しづらい地域に暮らす求職者にとっては、
就職活動を行う上で非常によいことであります。私の息子も非常に助かりました。区役所が私の家の前ですから、しょっちゅう区役所に行って相談しておりました。なかなか就職はかち得ませんでしたが、でも、身近にあるというのは本当にこれほどいいのかと。遠かったら行きません、うちの息子なんか、特に。それが行ったということは、地域に密接しているということだと思います。
そこで、質問でございますが、これまで
あいワークを整備してきたことによる効果についてどのように認識しているか、伺いたいと思います。
◎入江
雇用推進部長 あいワークを整備したことによる効果についてでございます。
例えば、白石を例に挙げますと、
職業相談コーナーでありました平成23年4月から10月までの7カ月間の
月平均利用者数は54人でしたが、
あいワーク移行後の平成24年の同じ時期の
月平均利用者数は1,262人と、20倍を超えております。
あいワークに移行したことにより、多くの求職者の方々に利用される施設になったと認識しております。このことは、単に開設日が週3日から週5日の常設となったことだけでなく、
ハローワークと一体的に事業展開することで、膨大な
ハローワークの
求人情報を自由に検索でき、さらに職業紹介まで可能になったことによるものと考えております。
また、区役所内もしくは隣接した施設に開設することで、生活にお困りの方、特に区役所の福祉部門を利用される方にとりまして利便性が向上したと認識しております。区役所もしくは隣接した施設にあります
あいワークは、
就職活動を続ける
一般求職者にとりましても、また、何らかの理由で生活に困り、区役所に相談に訪れる区民にとりましても、就職を支援するという観点で大きな効果があると認識しております。
◆芦原進 委員 1例として白石区でしたが、平成23年と24年の比較では20倍にふえているということでしたので、やはり身近にあるというのは大切だなと思いました。
再質問に移ります。
あいワークは、国が行った出先機関の原則廃止に向けたアクションプランの募集に対して、市民に身近な市役所に
ハローワークによる職業紹介サービスの提供が可能な職業相談窓口を設置し、区役所のさまざまな機能と連携しながら、利便性が高く、求職者に向けての総合的なサービスを一元的に提供する、先ほど答弁にありましたように、このことを目指して平成23年3月に札幌市が提案したものと伺っております。すばらしい提案だと思います。
そういうことであれば、先ほど言った中央区と東区は
あいワークがありません。
ハローワークがあるからよいというものではないのではないでしょうか。区役所機能と連携、特に求職者支援と密接にかかわるであろう区役所の福祉サービスとの連携を図るには、他区と同様に、区役所に
あいワークの整備が必要であり、ぜひともアクションプランが実現するよう事業を推進していかなければならないと私は思います。
しかしながら、このアクションプランは恒久的な事業ではないのですね。時限的というのでしょうか、3年程度、平成23年から25年度の時限的なものと伺っております。国がこの3年間の事業を検証した結果、アクションプランが終了もしくは縮小となった場合、国の財源の手当てなくして、
ハローワーク相談員の配置や求人検索機能設置などの事業の継続が難しいと考えます。決してこういうことがないように我々も国に要望してまいりますが、もしそうなった場合、非常に難しいかなと思います。もしそうなった場合、年間およそ2万人もの利用者が訪れる厚別区や手稲区の
あいワークが閉所ということになってしまう事態も想定できます。多くの求職者に利用されている
あいワークがなくなることは、求職者の
就職活動の負担を増加させ、ひいては、求職期間の長期化につながっていかないとも限りません。
そこで、再質問でございますが、札幌市が提案したアクションプランの推進状況はどうなっているのか、また、利用者実績からいくと、求職者ニーズは非常に高く、必要性は十分にあると考えますが、今後、市は、
あいワークの維持存続に向けてどのように働きかけていくのか、お伺いしたいと思います。
◎入江
雇用推進部長 アクションプランの進捗状況についてでございます。
このプランでは、
ハローワークと一体的実施の
あいワークを、
就業サポートセンターが設置されている北区を除く9区に、順次、整備していくこととしております。現在は、
職業相談コーナーを開設していて職業紹介ができない中央区と東区の2区における
あいワーク整備に向けて、
北海道労働局を通じ、
厚生労働省に強く働きかけているところでございます。
また、既存の
あいワークの存続についてでございますが、
あいワークは、多くの求職者の方々に利用されており、札幌市の雇用施策にとって存続は不可欠であると認識しております。しかしながら、委員が指摘のとおり、これは国の予算措置を要することでございます。このことから、今後は、国の方針や、それに伴うさまざまなメニューを踏まえ、
あいワークの存続を図ってまいりたいと考えております。
◆芦原進 委員 要望で終わりますが、
Skipさっぽろも
あいワークも、両事業は、いずれも若い人には大変大切な事業でございます。特に、
あいワークは3カ年でその事業が切れますけれども、私たちもしっかり国に働きかけていきたい。我々も、国会議員と連携をとって何とか継続していくように努力してまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
○長谷川衛 副委員長 以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。
次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち、経済局関係分について質疑を行います。
◆林清治 委員 私からは、コンテンツ特区の取り組みと、新規事業である札幌型スマートファクトリー化推進支援事業について質問していきたいと思います。
最初に、コンテンツ特区についてでありますが、この特区は、アジアにおけるコンテンツ産業拠点都市の創造を目標に掲げ、映像制作者が最も映像を撮りたい都市をつくり、札幌、北海道を舞台とした映像が多数撮影されて、それらの作品が世界中の人々に見られることで、地元コンテンツ産業の振興はもちろん、観光を初めとする多様な産業に波及し、地域全体の活性化につながるものと期待しているところであります。
2011年12月に指定を受けた札幌コンテンツ特区ですが、昨年5月には、具体事業を推進する組織としてさっぽろ産業振興財団の中に札幌映像機構、SASが設置されております。そのような状況の中で、札幌コンテンツ特区が掲げる成果目標に関する進捗状況についてお聞きしたいと思います。
まず、札幌市における今年度のロケなどの撮影誘致状況と代表事例の経済効果についてお伺いしたいと思います。
◎川畑 産業振興部長 初めに、札幌コンテンツ特区の平成24年度の撮影誘致の状況でございますが、事例といたしまして、インドのテレビ局によります北海道の農業技術と札幌観光を紹介する番組とか、あるいは、台湾のテレビドラマ「白色之戀」の放送に合わせたロケ地や観光地の紹介の番組、あるいは、タイのテレビ局によります車椅子のキャスターが札幌の食や環境を体験取材する番組などの撮影が行われたところでございます。
代表事例の経済効果についてでございますが、昨年9月下旬から約1カ月間、撮影が行われました「探偵はBARにいる2」でございますが、映像制作助成金の実績報告書をベースとしますと、5,100万円の経済効果というふうに推計しております。これに加えまして、補助対象となっていない撮影隊の飲食に伴う経済効果、あるいは、今後、映画が公開されることによる観光増進などの波及効果が期待されるところでございます。
◆林清治 委員 我が会派では、先日、札幌映像機構の最高執行責任者である井上俊彦理事長からお話を聞いたところでありますが、撮影誘致の効果として3点挙げられております。第1としては、撮影隊による経済効果、これは、特に、飲食や宿泊だけでなくて、雇用にかかわる効果が、今、世界的に大きくあらわれていると言われております。例えば、撮影のときの警備員とか、もしくは、撮影が多くなってくれば、大道具、小道具のそういう製作などを含めた経済効果であります。第2には、パブリック・ディプロマシー、これは、意味的には民間人レベルによる外交と言われているものです。映像により他国を知り、その国に憧れを持ち、訪問することもふえてくる、そういうふうに言われているところであります。第3は、シビックプライドと言われるもので、自分のまちに愛着を持つことができる、また、この映像により地域の付加価値が高まるなどの効果が大きくあると言われております。
そして、アジア30億人の市場を共有しようというのが、今、世界的な潮流になっていると言われています。アジア諸国同士でのマーケット共有という意識が強くなる中で、日本は、国内市場が大きかったため、アジアと一緒に取り組もうという考えは薄く、アジアのネットワークから外れていた現状があります。しかし、札幌は、アジアの中では大変評価が高く、興味を持たれている都市であります。観光客誘致などにアジアをターゲットとする取り組みを強化する必要が高まっております。そのような中で、2月に開催された雪まつり会場において、タイ国の政府観光庁との間で趣意書を締結したところであります。今後の成果獲得に向けて期待感が高まっているところでもあります。
そこで、次の質問ですが、タイ国の政府観光庁との趣意書締結に基づく今後の対応と施策推進に向けた庁内連携についてお伺いします。
◎川畑 産業振興部長 タイ国政府観光庁との趣意書締結でございますが、今、ご紹介いただきましたとおり、これは、市内企業からの寄附をきっかけに、平成23年度から互いの魅力を映像で紹介する取り組みを進めておりまして、昨年10月に新千歳――バンコク間に直行便が就航したことに伴いまして、今後のさらなる交流推進のために、本年度、雪まつり会場における趣意書締結の運びとなったものでございます。
今後の対応と趣意書締結に基づく庁内連携につきましては、平成25年度、タイにおいて、観光、食、映像コンテンツの振興を目的としたセミナーや観光PRイベントを観光文化局において計画しているところでございます。このような動きと連携いたしまして、札幌の映像がタイで発信される機会をふやしてまいりまして、札幌をプロモーションし、タイからの観光客誘致につなげるよう、さらに関係部署との連携を強化してまいりたいと考えております。
◆林清治 委員 先般行われた雪まつりにおいても、今、答弁にもあったとおり、タイとの直行便とか、タイにまつわる雪像の制作などにより、多くの観光客がタイから訪れたとも聞いているところであります。大きな成果が出てきているかなと思いますが、今後の期待も高まっている状況でございます。そして、今後、さらに庁内連携を強めていただきたいなというふうに考えるところです。
コンテンツ特区に関しては、昨年の第1回定例会の我が会派の代表質問で、撮影、制作を支援するため、国に対して規制緩和や権限の移譲、そして許認可申請窓口の一元化を進めて、ワンストップサービスを可能とすることが重要であると訴えているところであります。ワンストップサービスを進めるために重要であるのはリエゾンオフィサー制度ということですが、札幌映像機構ではコンテンツ特区の一つの柱であると位置づけて、本来であれば、今年度中に制度設計及び認定、研修を行う予定としておりました。
そこで、次の質問ですが、特区の推進体制、市有施設での撮影対応、そして、リエゾンオフィサー制度の進捗状況についてお伺いしたいと思います。
◎川畑 産業振興部長 1点目の特区の推進体制についてでございますが、これまでも庁内の会議におきまして情報提供や撮影に際しての協力依頼などを行ってきているところでございますけれども、これをさらに加速させるために、市長を本部長とする特区推進本部を立ち上げることを予定しております。また、市有施設での撮影につきましては、指定管理者が管理している施設も含めまして、円滑に撮影を行うための関係規定の整備、あるいは関係部署との調整を進めているところでございます。
さらに、リエゾンオフィサー制度につきましては、現在、基本的な制度設計を行っているところでございまして、今後、関係者のご意見を伺った上で制度を創設し、来年度の早い段階で研修、認定を行いたいと考えております。
◆林清治 委員 今の答弁ですが、市有施設等の撮影の円滑化を図ること、そして、指定管理者が管理している施設も含めて調整しているということでございました。そして、一番大事ですけども、リエゾンオフィサー制度の認定は本当に重要であります。予定よりおくれていることは大変残念な状況でありますが、早い時期に研修、そして認定をし、活動を開始していただきたいというふうに考えております。
観光産業への波及については、経済局としての取り組みだけではなくて、観光文化局やシティプロモーションの推進本部との連携が重要になります。市長を本部長とする特区推進本部の立ち上げということでございますので、今後、庁内各部局へ横串を刺して連携を深め、効果的な取り組みとしていくことが必要であると考えております。
そこで、次の質問です。体制が整備されていく中で、新年度の取り組みも検討されていると思いますが、新年度予算の中での主な取り組みについてお伺いしたいと思います。
また、新年度予算の中で、国からの財政支援をどのように活用しようと考えているのか、お伺いしたいと思います。
◎川畑 産業振興部長 平成25年度予算での主な取り組みについてでございますが、本年度の事業で培いましたネットワークを生かしまして、映画の国際共同制作や国際共同流通などを促進するための体制を整備すること、そして、アジアの若手映像人材の育成、あるいは、商品を映像の中に写し込むことにより販売促進を図ってまいります、いわゆるプロダクトプレイスメントにつながる映像制作などを実施してまいる予定でございます。札幌市の予算によるこれらの事業をベースといたしまして、国の財政支援を活用し、さらなる事業展開を図ってまいりたいと考えておりまして、過日、市長が内閣府、経済産業省を訪問いたしまして、今年度の事業報告と来年度の財政支援措置の要望を行ってきたところでございます。
◆林清治 委員 このような質問をする中で、随時、答弁をいただいておりましたが、現在の札幌市としての取り組みはまだまだ弱いと言わざるを得ないのかなというふうに思っております。新年度における予算、人的補充の今後の推進に向けて、まだ不安がなくならない状況なのかなというふうに思っております。
これは、先ほども言ったとおり、本当に、経済局のみならず、全庁一丸となって、せっかくかち取った特区を最大限に活用しなければなりません。本市としても、現在進めている創造都市としての取り組みや国際芸術祭の開催、MICE総合戦略についてもこの特区制度を最大限に活用すべきと考えております。
さらには、この特区の推進に向けた市民への情報提供、市民を巻き込んだ取り組みとすることも大変大事だと思っております。ロケーションの誘致促進は、市民生活にもさまざま関連していく事項であると思いますし、撮影された札幌のまち並みが国内外に露出してプロモーションされていくことは、市民の郷土愛の醸成にもつながっていくだろうと考えられます。市民とも一体となってこの特区を推進していく姿勢を明確にすることが、今、求められていると思います。推進本部体制の構築により加速的に特区の取り組みが進むことを期待申し上げて、コンテンツ特区に関する質問は終わらせていただきます。
次に、札幌型スマートファクトリー化推進支援事業について質問させていただきます。
東日本大震災から2年が経過して、少しずつではありますが、被災地の復興も進んでいます。こうした中で、我が会派では、低炭素社会の実現を目指し、節電、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの導入拡大に取り組む必要があることをるる訴えてまいりました。言うまでもなく、電力は私たちの暮らしと産業を支える血液と言うべきものでありますが、多くの電力を使って生産活動を行っている製造業においては、これまで電力エネルギーが比較的安価で安定的に供給されてきたという前提が崩れ、エネルギー利用の効率化が喫緊の課題となっております。市内の製造業は、昭和30年代後半から造成されてきた工業団地を中心に集積が図られてきているところでありますが、国内消費の停滞や、今後予想される電力需給の逼迫、また、検討されている電気料金の値上げ等、製造業を取り巻く環境は一層厳しいものとなっております。
ところが、今から4年ほど、それよりも前でしょうか、石山のほうから白川に入りましてすぐのところで、木が真っ白になっているのですね。どうして真っ白になっちゃったのか。リンゴの木ですけれども、全滅なのですね。話を聞きましたら、全部、鹿に皮を食われて、全く生きてないというのか、果樹農家経営を続けるとすれば、もう全部植えかえをしなければならぬ、こういう状況を目の当たりにいたしました。
それからも、鹿、熊が結構出てきました。でも、先ほども言いましたように、去年、鹿、熊の出没の話が圧倒的に少なくなったのは、電気柵を農家のみんながつけたのかなと思っています。
そこで、札幌市として補助している電気柵がどのぐらい果樹農家に普及したのか、それから、その電気柵の補助というのは、今、何%になっているのか、お聞きしたいと思います。
◎三部 農政部長 まず、電気柵がどのぐらい普及しているかということでございますが、今、委員のお話にありましたような果樹農家ということで見ますと、今、販売をしている果樹農家が大体30戸ほどありますけれども、その中の17戸ほどが設置を終えているということでございます。
次に、補助率でございますが、現在8割補助ということで電気柵の補助を支援しているところでございます。
◆堀川素人 委員 それでは、もう一つ、果樹に対する被害、それから、果樹ばかりでなく、その辺で同じように畑もつくっていますが、そういうものも合わせて、どのぐらいの被害があって、どのぐらい減少したのか、捉えていたならばお知らせください。
◎三部 農政部長 被害につきましては、先ほども申し上げましたとおり、平成23年の数字でエゾシカによる被害金額が21万1,000円と出ております。この被害の推移を過去に見ますと、平成21年が62万4,000円、平成22年は54万9,000円、今回、23年が21万1,000円ということですので、徐々に減少しており、それが電気柵というふうに限定できるかどうかはわかりませんけれども、一応の効果があったのではないかというふうに考えております。
また、ヒグマに関しては、過去には被害額について特に具体的には上がっておりません。先ほど申し上げたとおり、平成23年の被害額が163万6,000円となっております。ヒグマにつきましては、電気柵の設置によって、平成23年は出没そのものが確認されないというふうに農家の方から聞いておりますので、そうした意味では、忌避効果といいますか、そういった効果はあったのではないかと考えております。
◆堀川素人 委員 農家の方々から聞きますと、これは、初めは5割の補助率で、今は8割になったと。やはり、5割の補助率では電気柵をつける農家が少なかったが、8割にして、今の30戸のうち17戸と大分普及してきました。ただ、熊も鹿も学習能力があって、電気柵がついているところには出てこなくなった、ところが、ところどころ、あいているところに集中して出るんだと、こういうような話を聞きます。熊なんかの場合は、結構、そんなものかなと。
僕も、去年、野生の熊を初めて見ました。ハスカップを食べていまして、それで、僕らが行ったときは、たまたまのぞいて、それで、人が少しずつふえてきましたら、その音がきっと聞こえるのでしょうね、ハスカップの上から立ち上がって顔を出しまして、どうも距離をはかっているみたいなのです。それからまた少しずつ人がふえてきましたら、ようやく裏の山に戻っていきました。熊も厚かましくて、人がそばにいても結構いるんだなと思いました。それは、なれた熊なのか、それとも、なれていなくても大体そういうものか、ちょっとわかりませんが、そんなことで出没するということです。そして、先ほども言いましたように、電気柵のない、あいているところに出てくる。
そうだとしたら、電気柵は効果があるものなら、一定エリアを囲ってやらなければ大きく言えば意味をなさない。こういうことで、30戸あるならば30戸が全体としてつけて地域として防御することが極めて大事かなと思うのです。しかし、いまだに13戸の農家がつけていない状況なのです。
そこで、5割から8割の補助になったのは割合からいってありがたい話ではありますけれども、電気柵については10割の補助をいたしますと言って、数少ない果樹農家が連檐した地域を守ることは極めて大事ではないかなと思っています。電気柵をつけるならば、10割、全部補助しますよと言ってもいいんじゃないかと思っていますけれども、いかがでしょうか。
◎三部 農政部長 電気柵の補助率を10割にしてはどうかということについてでございます。
確かに、最近は、昼間でも肉眼でエゾシカの姿を容易に確認できるような状況になっておりまして、私どもといたしましても、被害が集中しているエリアには、地域を一体的に覆うような防御が早急に必要であるというふうには考えております。このため、私どもといたしましても、これら被害が集中している地区につきましては、例えば、わなによる駆除の方法を探るとか、効果的な電気柵の設置方法を探るとか、あるいは、従来の補助率に上乗せ加算して期限を定めて集中的に電気柵の設置を行うとか、そうしたさまざまな対応策について、今、検討を進めているところでございます。
◆堀川素人 委員 熊、鹿などの野生の動物、それから有害鳥獣と言われるアライグマもいます。その駆除というか、近寄らせないためにはいろいろな方法があろうかと思っていますけれども、電気柵はそれなりの効果があると思われるならば、予算的には極めて小さいものです。予算を2割アップしても小さな予算で済むとするならば、100%補助ということでその一帯につくように集中的にやっていただきたいなと思いますけれども、もう一度、そこの部分について、どうするつもりなのか、どうしたらいいと思っているのか、お聞かせください。
◎三部 農政部長 ただいまも申し上げましたとおり、やはり、エゾシカは今の農家にとりましては本当に深刻な状況になっておりますので、こうしたことへの対策は急いでいかなければならないと思っておりまして、そうしたところで私どももいろいろな方法を検討していかなければならないと思っております。その対応策については、電気柵の導入も含めて、積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
◆堀川素人 委員 近寄らせないために、わなをかけることも一つでしょうし、鉄砲で撃つ駆除の仕方もあろうかと思います。でも、札幌の場合は、ほとんど撃てる場所がないのですね。鉄砲でもって駆除することができない場所なのです。僕も実際に鹿撃ちに連れて行ってもらいまして、野生の動物の神経の細やかさというのか、鋭いことに驚かされます。100メートル以上も離れているこちら側の物音が一つ聞こえてもそれに近づかない、鹿の場合はこういう動物みたいなのです。なおかつ、民家があって鹿を撃てない状態であるならば、近づけない方法をとらなければ被害を防ぐことができないということなのですね。
そこで、もう一つが今、前向きにということを言われたのだと、こう善意に解釈いたします。そして、この2割を上乗せする金額についても、極めて少額な金額です。ぜひとも100%の補助をしていただきたい、こう思います。
また、今、僕が100%と言ったならば、極端に言えば、設計というほどでもないけれども、普通、補助と言ったら、設計から最後の使える状態までを補助対象とするわけです。今、僕の言っているのは、残念ながら、電気を通す機器だけが補助の対象であって、それは、ただそこにばっと敷いて効果があるものじゃなくて、一定の間隔で支柱を立て、それに電線を巻きつけて一定の高さにする、こういう中で初めてその役割を果たすわけです。
さらに、熊の場合は、余り飛ばないですから、熊が通れないような幅となると、1メートル50もやればもう十分かと思います。ところが、エゾシカの場合は、2メートル程度のものははるかに超えて飛んでしまいます。ですから、それなりの高さの支柱も必要なのです。支柱は、黙ってたたかないでいたら、立つことはないです。やはり、上からたたいて埋めて、それに電線を結びつけて初めて完成ということですけれども、先ほど言ったように電線しか補助がついていません。これは、全体で使うお金のどのぐらいになるか、正確に計算しているわけではないですけれども、それも合わせて考えたら補助率は50%以下だと考えられます。
今、単費でやりますから、なかなかきついとは思いますが、100%の補助率にしてくれというのは、その全体金額からいったら、そんなに難しくないというか、高い割合ではないということも考え合わせて、早急な対策というよりも、補助率をアップして営農に寄与していただきたい、このことを心からお願いいたしまして、質問を終わります。農家は、大変厳しい中で営農しております。
◆
植松ひろこ 委員 先ほど、宮川委員からも新規就農について多少ございましたが、私からは、さっぽろ夢農業人育成支援事業に絞って伺います。
先ほど来ありますように、農業者の高齢化や担い手不足、遊休地の増加など、農業の抱える問題は複雑多岐で簡単に解決できるものではないと考えております。その中で、大都市札幌におきまして、野菜などがどのようにつくられているかを実際に目で見ることのできる機会があるということは大切なことであります。また、子どもたちが日ごろ口にしている食べものがどのようにつくられているか学習すること、最近はこういったことを食農と呼ぶようですが、食農の観点とか、観光農園、市民農園など、市民がかかわり楽しむ場としても農業を守り育てていくことは大事なことであると考えています。
そのため、さきの
決算特別委員会におきまして、農地の出し手と受け手のミスマッチを解消するために、農地利用集積円滑化団体とか元気ファームや観光農園、農地の保全や担い手対策などについて、本市の考え方や取り組みなどについてお伺いいたしました。その後、農業者の皆さんや関係する方々からいろいろなお話を聞き、また、制度についても調べましたところ、やはり、今までの農業者が引き継ぐことができず、遊休化した農地を守り、地域の農業を支えていくためには、新たな就農者の確保、新規就農者対策がとても重要なところであると考えております。
2011年の第1回定例会の代表質問におきましても、我が会派は新たな担い手対策事業について取り上げまして、そちらの具体的な事業がさっぽろ夢農業人育成支援事業であります。この事業そのものは2011年度から始まりましたが、実際に研修農場を開設し、研修生を受け入れたのは2012年度からだとお伺いしております。こういった新規就農への研修事業について取り組むのは、札幌市としては初めてであり、また、残念ながら、研修の途中で1名の研修生がやめてしまわれたとも聞いておりますが、この1年の実績と取り組みについての評価をどのように考えているのか、お伺いいたします。
また、それらを踏まえまして、2013年度はどのように事業に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎三部 農政部長 まず、2012年度の実績と評価についてでございますが、さっぽろ夢農業人育成支援事業は、指導農業者のもとで研修生が実際に農作業に従事しながら、農業の生産技術や経営を学んでいこうというものであります。2012年度は、南区藤野に開設いたしました研修農場に3名の研修生を受け入れて、4月から研修をスタートし、野菜の栽培技術やトンネル資材の設置など、農業経営に必要な実務的な技術習得に取り組んだところでございます。また、JAの管外視察研修や研修地周辺の農家視察を行ったほか、市、JA、
農業委員会などの関係機関が連携して就農サポートチームというものをつくりまして、指導農業者や研修生との情報交換を行うなどしたことから、研修生と地域との結びつきが強くなったというふうに考えております。
しかしながら、1名が研修を途中で辞退するなど、研修生のレベルに合わせた研修のあり方などの難しい面も見えてきておりまして、それに対するサポートなどが課題として浮かび上がっております。
次に、平成25年度の取り組みでございます。
担い手不足が顕著となっております南区滝野地区におきまして、2カ所目の研修農場を開設することとし、既に指導農業者の委嘱を終え、研修に必要なビニールハウスの貸与など、開設に向けた準備を現在進めております。25年度の研修生につきましては、滝野地区で3名、それから、先ほどのお話にありました藤野地区の欠員1名を補充いたしまして、そして、2月に行った選考会を経て、今、それぞれの地区の研修生を決定したところです。
また、これまでの課題を踏まえまして、それぞれの研修生に合わせて適切な指導が行えるように、就農サポートチームと指導農業者が一丸となった体制を整え、研修の状況を継続的に見守りながら支援していきたいというふうに考えております。
◆
植松ひろこ 委員 研修生が指導農業者のもとで実際に働きながら農業技術や経営のノウハウについて学んでいく、札幌市としては、農政部として指導農業者と研修生の双方からお話を聞きながら、農協ともより一層連携を密にし、研修事業をサポートしていく、2013年度の滝野地区におきましては、反省点を踏まえて、しっかりとした支援策を講じていくとのことでした。
しかしながら、こちらの事業は、新たな担い手対策が目的の事業であります。先ほどの答弁で経営についても一部ございましたが、生産技術の伝承、育成もさることながら、つくった農産物を売ることによって経営が成り立っていく、生計を立てることができるようになるということも現実的な課題として存在していると思います。
そこで、多少意地悪な質問かと思いますが、札幌市の進めるこの研修の中で、そうしたマネジメントの点についてどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
◎三部 農政部長 経営を視野に入れた研修ということでございますが、委員がご指摘のとおり、就農後に農業者として経営を安定させていくことが早期に求められますので、生産から販売までを幅広く習得させるよう、
研修カリキュラムの充実には努めているところでございます。具体的には、知事が認定をする認定就農者となるための就農計画や、実際の農業を営むための営農計画の作成を就農サポートチームが役割分担をして支援していく体制を整えたところでございます。また、市場や直売所の視察に加え、研修生みずからが農産物を販売してみる機会を設けるなど、より実践的な研修となるような取り組みを進めたいと考えております。
◆
植松ひろこ 委員 これから将来の経営までも見据えた内容を盛り込んだ取り組みを多々行っていくとのことですので、ぜひ実現していただきたいと思います。
しかしながら、その前提となるのは確実に就農を実現させることであります。研修が終わっても就農地がないということでは、この事業は本末転倒でございます。そこで、農地の出し手が非常に少ないと言われている中で、研修生が望む地域での就農地の確保について、具体的に今後どのように考えておられるのか、お伺いいたします。
◎三部 農政部長 就農地の確保に向けた取り組みについてでございますが、農地を貸すことに漠然とした不安を抱えた農業者が多いことが就農地の確保の難しさの一因となっておりますことから、研修生と地域の農業者が早くから交流を始められるように、就農予定地域に研修農場を開設し、事業をスタートさせたところでございます。3年間の研修期間中に研修生が地域の農業者から信頼を得られるよう、就農サポートチームが双方のかけ橋となってさまざまな場面で支援を行っていくこととしております。
これらの取り組みを通じまして、研修生が新規就農者として人・農地プランに位置づけられ、地域を担う経営体として成長していくよう関係者一同でサポートしていきたいと考えております。
◆
植松ひろこ 委員 ことし3月に策定されましたさっぽろ都市農業ビジョンの今後の重点的な取り組みについての中でも、今の札幌の農業の現状といたしまして、Uターンとか、親世代が農業事業者ではないいわゆる非農家の方のニーズがあるというふうに聞いておりますので、こういった事業を的確に進めまして、市内で就農したいと考える青年の夢を実現させるとともに、市民の共有財産でもある札幌の農業を守り育てていくよう期待します。また、都市農業といいますとなかなか難しい観点かと思いますが、道都札幌市としましても、ぜひとも、食産業の振興など札幌らしい都市農業の姿を目指していただくこともあわせて求めまして、私の質問を終わります。
○長谷川衛 副委員長 以上で、第2項 農政費のうち、関係分の質疑を終了いたします。
最後に、議案第11号 平成25年度札幌市中央卸売市場事業会計予算について質疑を行います。
◆北村光一郎 委員 私からは、中央卸売市場について、3点ほど質問させていただこうと思っております。
今、前段で農業の質疑がありましたが、中央卸売市場というのは、農家と小売業、卸売業の連絡の場所で、かなり大事な場所でもございます。最近は違う仕事になってしまいましたが、昔、農業をしておりましたので、若干、農家の話をさせていただきます。農業というのは、本当に、思い込みと、あとは遺産ですね。要するに、先代が続けていたからこそという思いを持って、食の安心・安全も含めてしっかりと教育をして、絶対にやめないんだと、それぐらいの思いがないと実は農家というのは務まらないなと思います。
もう一点は、人気が出たら、もう応援しなくてもいいんです、自動的にどんどんどんどん発展していきますから。人気が出ない、新しいものをちゃんと獲得して応援していくべきだと、私は、経済局にまずその部分でお話をしたい。中央卸売市場もそうなんですね。人気のあるものはどんどん売れるんですよ。人気のないもの、そして、絶対に必要なものをどう売っていくか、それが大事な部分でありますので、しっかり質問させていただこうと思っています。
原局の方々と打ち合わせをしながら文書をつくらせていただきました。そういうものなんですね。問題点というのをこちらから提案して、原局が一番詳しいので、その内容を私がまた文書にし直す、やりとりの中からいいものをつくっていくというのが論点ではないかと思っていますので、よろしくお願いします。
私からは、今、札幌市中央卸売市場活性化ビジョンというのをつくられているので、この部分の進捗状況と、道産品の販売促進への支援について質問させていただきます。
まず、平成23年度に策定されました活性化ビジョンの推進状況についてでありますが、我が国の生鮮食料品の流通は、近年、規制緩和が一段と進展し、生産地においては、農水産物の輸入自由化の波が押し寄せ、小売店でも大店立地法施行による大型店の出店規制の緩和が進むことなどにより、卸売市場を経由しない取引が拡大をしてまいりました。このような流通環境の変化のもと、全国の中央卸売市場は取扱量が退潮し、市場数も減少傾向にあると説明をいただきました。
札幌中央卸売市場も、ご多分に漏れず、同様の厳しい環境のもと、この活性化ビジョンをつくってきたわけです。取扱量がどんどん減少しました。歯どめをかけるための活性化ビジョンづくりだったというふうに認識しております。その中で、持続可能な強い市場づくりを行う目的で、業界の皆様方と一緒に一丸となって策定されてきたとお聞きしました。
活性化ビジョンには、目標値として、10年後の市場取扱高について、水産では現状維持、青果では3%増を目指すといった具体的な数値が掲げられております。そして、この目標の達成に向けて149項目もの具体的な取り組みが記されております。また、それぞれの取り組みについては、2年以内、5年以内、10年以内と実施までの期限を設定するとともに、市場内に活性化ビジョン推進委員会を立ち上げるなど、その進捗管理体制もしっかり整えられたと聞きました。
そこで、質問ですが、活性化ビジョンの策定から1年半が経過しておりますが、現時点での進捗状況はどうなっているのか、また、どのような取り組みが実施されたのか、まずお聞かせください。
◎元木 中央卸売市場長 1点目の活性化ビジョンの推進状況についてでございます。
現在、活性化ビジョンの全取り組み149項目のうち、約8割の115項目について着手しております。このうち、特に2年以内に実施することといたしました短期的な取り組み42項目につきましては、29項目について実施済み、7項目につきましては継続検討中ではございますが、合わせました36項目、9割の事業について実施のめどがついてございます。おおむね順調に進んでいるものと考えてございます。
次に、これまで実施してきました主な取り組みについてでございますが、市場の販売力の強化に向けた取り組みについて重点的に進めてきているところでございます。例えば、平成23年度から実施しております戦略的経営支援事業補助金を活用いたしまして、卸売業者が量販店のニーズに即した青果物を道内産地と契約栽培する事業など、これまでに四つの販売促進事業が展開されてございます。また、水産物部におきましては、市場の販売力の強化を図るため、近年の量販店の台頭など流通環境の変化に対応した取引ルールの見直しを行いまして、ちょうど今月より実施してございます。
◆北村光一郎 委員 ただいまのご答弁では、活性化ビジョンの取り組み項目のうち、全体として8割、そして、36項目に関してはもう実施に着手されているというお話をいただきました。おおむね順調に進んでいるということでありますが、事柄によっては場内事業者の間で利益が相反することでもありますので、活性化ビジョンの取り組みを進めるに当たっては慎重に議論しなければならないこともあろうと思います。
特に、水産物部において、市場取引のルールを改正したというふうにお聞きしましたが、これは、市場の主要な役割の一つである価格形成機能について見直すことでもありますので、場内事業者の営業活動にも大きな影響を及ぼすことだと考えられます。
そこで、質問ですが、水産物部における取引ルールの改正内容とその効果についてお伺いいたします。
◎元木 中央卸売市場長 水産物部におけます取引ルールの改正についてでございます。
改正の概要といたしましては、今まで全ての魚種につきましてほぼ一律に設定しておりました競り数量の規制を改めまして、例えばケイジといったいわゆる道産ブランド魚などについては競りの数量をふやす一方、サンマなどの大衆魚につきましては、いわゆる1対1の取引である相対取引を主体とするように改正してございます。この改正によりまして、先ほど申し上しましたケイジと言った付加価値の高い道産ブランド魚については価格競争によって売り上げが上がり、生産者の浜の皆様も当市場への出荷意欲の喚起が見込まれる、そういったことがございます。また、一方、大衆魚につきましては、大量の物品の迅速な売買が可能ないわゆる相対取引がございますので、これらが主体となることによりまして、特に量販店の市場からの買高が増加するといったことも見込まれると考えてございます。
◆北村光一郎 委員 ただいま実績をお聞きして、大変いい方向に向かっているのだなという思いをさせていただきました。
ところで、農林水産省の発表によると、北海道の1次産業である漁業生産額と野菜生産額はともに全国1位であります。また、北海道農政事務所が公表している平成22年度における北海道の食料自給率は、カロリーベースで173%であり、これも全国第1位となっています。私は、取引ルールの見直しなど市場流通品の販売促進に関するさまざまな取引を検討されて、今、お話もいただきましたが、本市の市場がもっと道産生鮮食料品のブランド化や海外への販売について拠点的な役割を果たすべきだと考えます。
そこで、質問ですが、場内事業者による海外への道産品の販売促進の取り組みについて、開設者としてどのような支援をされているのか、あわせてお伺いいたします。
◎元木 中央卸売市場長 海外への販売促進についてでございます。
一つには、卸売会社に対して、道産食材の海外取引の拡大を目的とした商談会など、こういったものへの参加についてあっせんを行っているところでございます。ちょうど先日も、水産の卸売会社がジェトロなどが主催いたしましたシンガポールでの商談会に参加してタラバガニなどの商談がまとまるといった成果が上がっております。また、札幌商工会議所などを通じまして、海外からのバイヤー、また、業界関係者の方が市場施設の見学をされる場合、積極的に受け入れておりますが、この際にも、私どもとしては、少しでも商売につながるようにということで、卸会社のほうへ紹介するなど橋渡しをさせていただいております。
今後とも、市場取扱高の増加策の大きな一つとして、場内事業者による海外への販売拡大への取り組みを積極的に支援してまいりたい、このように考えてございます。
◆北村光一郎 委員 最後は、要望、指摘事項で終わらせていただきたいと思います。
北海道経済の活性化には、特に中央卸売市場もそれに当たりますが、品質の高い北海道産の品物の、国内はもとより、海外へのさらなる販路拡大にあると考えています。そして、商社機能との連携をより強めていくことも大事な部分だと私は思っています。市場での環境事業対策は、北海道は雪が多くてことしも大変でしたが、雪氷エネルギーの有効な活用――きょうの新聞でやっていましたが、サケでしたか、サケを雪の中にやると甘みが増したり、越冬キャベツもその例です。そういうような雪氷エネルギーの活用もぜひ市場として検討をお願いしたいと。
最後に、TPPについて、政府では、あした、交渉参加を発表すると言われております。このことについても、政府の対応を注視しながらも、市場活性化推進委員会に検討委員会を設けて市場の対応を先行的に検討するべきことを申し上げて、私の質問を終わります。
◆丸山秀樹 委員 本日の最後の質問となります。
私は、市場使用料の改定後の状況と市場機能の強化について、2点質問させていただきたいと思います。
まず、1点目は、市場使用料の改定後の状況についてでございます。
私は、昨年の
予算特別委員会において、市場使用料の改定について質問いたしました。改定の背景には、業界の内部から、全国一高い売上高割使用料率が卸売業者等の販売意欲を減退されているという意見や、売上高割使用料に偏重して面積割使用料の比重が低い使用料体系において、取扱高が多い水産物部と使用面積の多い青果部との負担のバランスを欠いているとの意見などもあって、これらを踏まえた使用料改定に至った経緯があるということを確認させていただいた次第でございます。
改定の内容は、売上高割使用料率1,000分の4を1,000分の2.5に引き下げる一方で、仲卸業者などより割安であった卸売業者が使用する施設の面積割使用料を引き上げるというものであり、固定的な料金である面積割使用料への組みかえを行うことで、開設者と場内事業者の双方の経営安定化が図られるというものでございました。また、使用料の改定に際しては、その前後で、市場会計としても、使用料収入を減らさず、また、場内事業者との負担総額がふえないよう、競り場内の再編など、最大限の工夫を行うということでございます。
そこで、質問ですが、使用料改定からもうすぐ1年を迎えようとしておりますけれども、場内事業者が負担する使用料はどのようになったのか、お伺いいたします。
◎元木 中央卸売市場長 場内事業者の使用料負担がどのようになったのかということでございます。
まず、改定前はほぼ5対5でございました売上高割使用料と面積割使用料の割合につきましては、今年度の見込みにおいて、当初、想定していましたとおり3対7の割合となってございます。この結果、東京など全国主要市場とほぼ同じ水準となっているところでございます。また、卸売業者及び仲卸業者の使用料の総額につきましては、平成23年度の実績額が9億8,000万円だったのに対して、今年度は、見込みでございますが、9億8,900万円ということで、改定前とほぼ同一水準となるものと考えてございます。
◆丸山秀樹 委員 ただいまの答弁におきまして、売上高割使用料の比率が下がり、固定収入である面積割使用料の割合がふえていて、5対5が3対7になったという話がございました。また、改定前後で、卸売業者と仲卸業者の負担がふえていないという説明もいただきましたので、滑り出しは上々であったと考えます。また、今年度の最終的な取扱高は、市場全体で1,622億円を見込んでおり、ほぼ予算を達成していることから、前年度を若干上回るものとの説明もございました。
平成25年度の取扱高は1,632億円を想定しているというふうに伺っております。市場の取扱高は平成22年度を底に上昇傾向にあることから、近年、続いてきました市場の取扱高の減少に歯どめがかかったものであろうと考えられます。このような取扱高の上昇傾向を今後も続けていく必要があることも踏まえ、次に、2点目の市場機能の強化という観点から質問させていただきます。
昨年の
予算特別委員会において、競り場等の施設使用の再編に当たっては、施設の有効活用を図りながら市場機能の全体を活性化させる方向で行いたいと答弁されておりました。私が市場に勤務していた際も、市場施設全体として決して効率的な使われ方をしていなかったものと認識しており、施設の有効活用を進める必要があるのではないかと感じていたところでございます。
そこで、質問ですが、使用料改定に伴い、競り売り場を含め、施設の再編をどのように進め、活性化につながったのか、お伺いいたします。
◎元木 中央卸売市場長 競り売り場等の再編状況についてでございます。
面積割使用料の値上げに伴いまして、青果部の卸売業者が競り売り場の見直しを行いまして、これによって生じた空きスペースを新たに仲卸業者の荷さばき場としてございます。これによりまして、これまで競り場内に点在しておりました、仲卸業者が買い受けた商品を集約して管理することができ、仕分けと配送機能の向上につながっております。また、卸売業者にとりましても、競り売り場の整理整頓が図られまして商品の荷おろし作業の効率化が図られたところでございます。
このほか、配送車両の待機場所など、一部が余り効率的に使用されておりませんでした立体駐車場の1階スペースを、卸売業者専用の荷さばき場や保管庫としたところでございます。これによりまして、これまで市場外の倉庫などに保管していた商品を場内で保管することが可能となりまして、搬入出作業の負担軽減につながってございます。
◆丸山秀樹 委員 ただいまの答弁で、競り場内において仲卸業者専用の荷さばき場を設置するなど、市場施設の有効活用が図られたとの説明がございました。この趣旨は、卸売業者が使用すべき卸売場の一部を商品保管庫として利用していた仲卸業者に対して一定の受益者負担を求めたものであり、仲卸業者のメリットとしては、商品の集約的管理、市場の重要な機能である分化管理、すなわち仕分けと配送機能が高まったと言えると思います。これは、市場機能の強化に直結しており、市場が一丸となって昨年から進めておりました活性化ビジョンの取り組みを着実に実行しているものと感じることもできます。
しかし、活性化ビジョンに掲げる数値目標を達成するには、さらなる市場機能の強化が必要ではないかと考えるところであります。先ほども少し触れられておりましたが、市場の取扱高が平成11年をピークに減少した要因の一つに、量販店の台頭による市場外流通の増加があります。これを、多種多様でより安全・安心な生鮮食料品の安定供給ができる市場に取り戻し、生産者にとっても量販店にとっても、小売業者、ひいては消費者にとっても魅力ある市場をいかに築いていくかが今後の活性化に向けた課題でないかと考えております。
経営改革プランでは、利用率の低い水産棟北側駐車場について、事業用定期借地権方式による市場用地の貸し付け制度を導入し、平成28年度までに拠点的物流機能を持った施設などの整備を実施する、また、活性化ビジョンでは、仲卸業者の配送機能として北側駐車場の有効活用を検討することが示されております。私は、この北側駐車場の活性化策が今後の市場の取扱高増加にとって大きな鍵になるのではないかと考えているところでもあります。
そこで、質問ですが、北側駐車場用地の活用策について、今後どのように進めていこうとしているのか、お伺いいたします。
◎元木 中央卸売市場長 北側駐車場用地の活用に向けた今後の進め方についてでございます。
活性化ビジョンや経営改革プランにおいて示しております施設の基本的な方向性をもとにいたしまして、施設を利用する場内事業者から意見を集約するなどして、平成25年度中に施設の具体的な内容を固めていきたい、このように考えてございます。また、この事業は広く事業者を募集して行いたいと考えてございますので、その事業者の選定方法の検討など、用地の貸し付けに向けた諸条件の整理をあわせて行ってまいります。その後、事業者の募集と選定を行い、経営改革プランで掲げてございます平成28年度の実施に向けまして着実に進めてまいりたい、このように考えてございます。
◆丸山秀樹 委員 最後に、要望となりますが、このような事業は、東京の大田市場、また葛西市場でも行われていると伺っております。持続可能な強い市場の実現に向けて、いわば最後の貴重な土地とも言える北側駐車場用地の活用は、市場の明暗を分ける重要な施策であると認識しておりますことから、今後も注視してまいりたいと思います。
なお、当然のことですが、この実施に当たっては、場内事業者と徹底した議論を交わすことが重要であります。
かつて、私も、平成16年に仙台市場を見てまいりました。平成16年に農水省の補助事業を使って仲卸業者が経営主体となって大手量販店向けの配送センターをつくりました。ところが、どちらかというと、大手量販店に振り回された形で非常に経営を圧迫している状況だったということでございました。どうか、そうした轍を踏まないように、事業関係者の選択についても、より慎重になっていただきたい、また、特に多くの利用者がいる中央卸売市場ですので、そうした市場関係者の話をよく聞いていただきながら、充実した機能あふれる施設にしていただきたい、そうした検討を行っていただきたいことを求め、質問を終わります。
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伊藤理智子 委員長 以上で、中央卸売市場事業会計予算の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、次週18日月曜日午後1時から、観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後4時42分...