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  1. 札幌市議会 2013-03-14
    平成25年第二部予算特別委員会−03月14日-07号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成25年第二部予算特別委員会−03月14日-07号平成25年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第7号)               平成25年(2013年)3月14日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  伊 藤 理智子      副委員長   長谷川   衛     委   員  武 市 憲 一      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美     委   員  長 内 直 也      委   員  細 川 正 人     委   員  小須田 悟 士      委   員  佐々木 みつこ     委   員  こじま ゆ み      委   員  北 村 光一郎     委   員  小 竹 知 子      委   員  伊与部 年 男     委   員  猪 熊 輝 夫      委   員  福 士   勝     委   員  畑 瀬 幸 二      委   員  大 嶋   薫     委   員  恩 村 一 郎      委   員  林家とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  小 川 直 人     委   員  林   清 治      委   員  植 松 ひろこ     委   員  本 郷 俊 史      委   員  谷 沢 俊 一     委   員  芦 原   進      委   員  丸 山 秀 樹
        委   員  宮 川   潤      委   員  小 形 香 織     委   員  伊 藤 牧 子      委   員  松 浦   忠     委   員  堀 川 素 人       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○伊藤理智子 委員長  ただいまから、第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、國安委員からは、芦原委員と交代する旨、届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち、農業委員会関係分について質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費について質疑を行います。 ◆植松ひろこ 委員  私からは、新卒未就職者人材育成事業中小企業雇用発信事業について、それぞれお伺いいたします。  初めに、新卒未就職者人材育成事業、いわゆるジョブスタートプログラムについてお伺いいたします。  北海道労働局が発表した札幌圏の1月の有効求人倍率は0.55倍と、全国の0.8倍と比べても依然として低い水準が続いております。厚生労働省が公表した昨年12月1日現在の大学卒業予定者の内定率は、全国で75.0%、北海道・東北地区で73.9%と、それぞれ前年同期比で3.1ポイント、4.4ポイントの増であり、また、ことし1月末現在の新規高等学校卒業者の内定率につきましても札幌圏で72.9%と、前年の同期比で10.8ポイントの増と、新規卒業者就職内定状況は、数字だけで捉えれば改善しているようにも感じられます。しかしながら、札幌市内の大学の関係者からは、まだまだ就職の決まらない学生がかなり多く存在し、しかも、年が明けてからは、ことし3月に卒業する新卒者の求人がほとんど来なくなってきているなど、厳しい話も聞いております。  このジョブスタートプログラムは、民主党政権時代に、緊急雇用として各自治体に配分した財源をもとに、本市は2010年度から実施しております。この事業は、内定を得られないまま卒業を迎えた新卒者にとりまして、最後のとりでとも言える就職支援施策となっているともお伺いしております。資料によりますと、今年度実施した同事業は、大学、短大、専門学校などの新卒未就職者を対象としたもので89%、高校の新卒未就職者を対象としたもので87%を超える方が就職しており、また、それぞれ大学等で45%、高校の新卒未就職者対象では51%を超える方が正規雇用をされていると聞いております。  このように、就職率、正規雇用率は、資料を見ましても、過去3年の実績からしましても、毎年それぞれ改善されており、上昇しておりますが、その要因につきまして、本市としてどのように捉えていらっしゃるのか、お伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  新卒未就職者人材育成事業における就職率、正規雇用率が上がっている要因につきましては、もちろん、経済状況がよくなっていることによる部分があるとは思いますけれども、事業の運営に関してお答えいたしますと、まず、この事業の委託事業者の決定に当たり、公募型プロポーザルを実施しております。人材サービス会社等応募企業各社は、過去の事業実績や内容を踏まえ、年々レベルアップした企画を提案しており、その中から優秀提案を選定しているということが挙げられます。そのほかに、札幌市といたしましても、当該事業を実施する中で、人材育成スキルや情報を蓄積することにより、委託事業者に対してより適切な指導・助言を行えるようになっていること、さらに、複数の事業者に委託することにより、事業者間で競争意識が生まれ、就職率向上に有効な研修カリキュラムカウンセリング方法などについてのスキルアップが図られたことなどが挙げられます。また、実習先の企業開拓によりまして、社会人としての基礎を習得した研修生を職場実習で見きわめた上で採用できるなどのメリットが浸透し、ジョブスタートプログラム事業を活用したいと考えている企業が多くなったことも要因の一つではないかと考えております。 ◆植松ひろこ 委員  受託企業、本市がそれぞれ年々スキルアップを図っており、また、それにより、プログラムに参加したいとおっしゃってくださる企業もふえてきたことが要因のようでございます。  私も、実は、先週、3月6日にエルプラザにて開催された本年度のこの事業の合同説明会に足を運びまして、事業対象者である大学、短大、専門学校等の新卒未就職者を、直接、目の当たりにいたしました。会場はほぼ満席でございまして、後から確認しましたところ、当日は190人余りの参加者があったとのことでしたが、私の目の前の新卒未就職者の方々は、就職活動がうまくいかず、余り元気がなく、落ち込んでいるふうにも若干感じ取れました。  来場した人数は、先ほど190人と申し上げましたが、今回のこの事業の定員は180人となっており、もう既に超過をしておりますが、さらに、この合同説明会に参加をする以外にも、委託された人材サービス会社へ直接申し込みを行う方法もあるというふうにお伺いいたしました。希望される方全員が参加できるのが理想ではありますが、予算もあることですし、なかなかそううまくもいかないかと思います。  定員を超過した申し込みがあった場合には、各事業委託者が選考して参加者を決定することになっているとお伺いしておりますが、選考に当たりまして、札幌市としては、どのように考え、委託先事業者にどういった方を選考してほしいというふうに伝えているのか、お伺いいたします。  また、この事業は今年度で4年目となりますが、今までの事業成果を分析した上での本事業の評価をお伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  1点目の定員を超過した際の選考についてでございますが、研修生の選考方法はそれぞれの受託事業者により異なっておりますけれども、札幌市としては、この事業の目的が早期就職の支援であることから、申込者の就職したい、正社員になりたいという意欲を重視しておりまして、事業者に対してもその旨を伝えているところでございます。  2点目の今までの事業の評価についてでございますが、参加した方の90%近くが就職していること、また、この事業に参加した研修生を採用した会社が3年間で528社ございまして、多くの企業に人材を供給できたことから、一定の成果を上げたものと評価しております。 ◆植松ひろこ 委員  事業に参加するに当たって、就職したい、正社員になりたいという意欲があることが最も大切ということでしたが、私も同感でございまして、就職をつかみ取るには、まず、就職するんだという意欲があることが第一と考えております。また、新卒未就職者の多くの方が就職するということは、逆に言えば、500社を超える企業がこの事業から人材を得られたということであり、こういった点からしても、私もよい取り組みだと考えております。  しかしながら、2013年度は民主党政権時代に自治体に配分した財源で事業を実施できるとお伺いしておりますが、それ以降については財源の確保のめどがなく、継続実施できるか、わからないと聞いております。  今までもご質問したとおり、この事業は、若い未就職者の方にとって大変よい事業であると思っております。2014年度以降も新卒未就職者の就職支援策は必須であると思いますので、当然、財源確保について国に対して求めていく必要があると認識しておりますがいかがか、お伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  今後も新卒未就職者に対する就職支援事業は必要であると認識しておりますが、給与を支給しながら就職を支援するこの事業は、国の財源措置がなければ、本市単独予算での実施は非常に難しいと考えております。財源措置につきましては、これまでも政令指定都市市長会などを通じて要望してまいりましたが、平成26年度以降につきましても同様の事業を実施できますよう、引き続き国に対して要望してまいりたいと考えております。 ◆植松ひろこ 委員  私もあらゆる機会を捉えて要望してまいりたいと思っておりますが、本市としても、ぜひとも要望していただきたいと思います。  こういった予算ということになりますと、どうしても数字にとらわれがちになります。しかしながら、参加した方の声を聞きますと、たとえ就職に結びつかなくとも、今後の人生においてとても貴重な期間であったとか、また、私は、受託先企業の方から、ほぼひきこもりのような状態から何とか高校を卒業した子を、数カ月、1年もたたないうちに社会に出ていけるようにするには本当に大変であるというお話もお伺いしましたので、ぜひとも、このプログラムの趣旨を理解していただけるよう求めます。  次に、中小企業雇用発信事業についてお伺いいたします。  この事業は、2012年度の新規事業でありまして、その内容については大変期待をしており、昨年の予算特別委員会において私も質問いたしました。  この事業のコンセプトは、採用意欲はあるものの、求職者に対して効果的に情報を伝えることができずにいる中小企業と、企業や業界のことをよく知らずに、どうやって就職先を探せばよいのかわからない求職者とのマッチングを支援するためのサイトを開設するものでございました。楽しみにしておりまして、ことし1月のサイトオープン時に、早速、拝見しましたところ、レイアウト的にも見やすく、職種別にも検索できるようになっており、特に中小企業の情報収集ができない若者にも利用しやすいものとなっているのではないかなという感想を抱きました。また、市内の中小企業の中には、知名度がなく、また、自社のホームページの開設や、民間の求人情報誌求人情報サイトへの掲載も費用の面から難しいとされている企業も多くあることから、このように無料で企業情報のPRを行えることは非常に有意義であると考えております。今後は、多くの求職者に本サイトを定期的に閲覧、検索していただけるようになることが望まれているかと思います。  そこで、サイトの開設に当たりまして、多くの求職者がサイトを閲覧し、さらには、その方々に定期的に見てもらえるようどのような工夫をしたのか、お伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  中小企業雇用情報発信事業について、このサイトの開設に当たりましては、単に企業の求人内容を紹介するのにとどまらず、スライドショー形式で会社の雰囲気が伝わるような画像を表示するとともに、実際に働いている方の1日を紹介するなど、その企業の魅力を伝え、求職者が仕事内容をイメージできるよう配慮いたしました。また、お知らせ欄を設け、札幌市が主催する合同企業説明会やセミナーなどを周知したり、「なぅ先生のお仕事役立ち情報」というコーナーを設けまして、職種ごとの仕事の特徴や、求人倍率などの情報提供も行っております。これらは定期的に更新をして、サイトを閲覧する求職者に目新しい情報を提供することで、何度も見てもらえるようなサイトづくりの工夫をしたところでございます。 ◆植松ひろこ 委員  企業の紹介の仕方とか、なぅ先生による職種の解説を行うコーナーをつくって定期的に更新するなど、多くの方に何度も見てもらえるようさまざまな工夫をしているとのことでありますが、残念ながら、現在の掲載企業数は8社、求人数は78件でございます。サイトの閲覧数は、今のところ4,325件としますと、1日当たり100件余りの閲覧数かと思いますが、もっと掲載企業をふやしていかなければ、せっかくサイトを訪問してくれた利用者が離れてしまうことが当然懸念されます。また、同時に、利用者が離れてしまっては、掲載企業もふえていかないのではないかと考えております。  そこで、今後、まずは掲載企業をふやしていくためにどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  掲載企業をふやすために、今後、定期的に経済情報さっぽろへ掲載するなどによりまして市内の中小企業へ周知してまいります。また、このサイトへの掲載企業は、就業サポートセンター正社員求人を出している企業といたしておりますので、当該企業に直接働きかけることが掲載企業数の増加に有効と考えます。そのことから、平成25年度は、就業サポートセンター求人開拓業務受託企業に対し、業務仕様の中で、新たに本サイトへの掲載企業数の目標を設定し、掲載企業数増加のための働きかけを強化していきたいと考えています。 ◆植松ひろこ 委員  今年度から、具体的に就業サポートセンターのお仕事の開拓時にこちらの掲載も勧めていくとのことでした。掲載企業数をふやしてからオープンするというのは、雇用というのは流動的な部分もありますので、なかなか難しいと思います。お話をお伺いしましたところ、まずは今年度からサイトづくりに取り組んでいくという流れであったかと思いますが、掲載企業をふやすことが就業サポートセンターの活性化にも同時につながっていくと思いますので、ぜひとも相乗効果が得られるよう行っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆芦原進 委員  私は、労働費のうち、雇用促進費予算10億1,277万6,000円に関連して2点質問させていただきます。  一つはSkipさっぽろ、二つ目はあいワークという2点でございます。分けて質問させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。  Skipさっぽろ、スキップと聞いたら、何か軽やかで、うれしそうに、るんるんして歩いているさまを想像しましたが、スキルアップの言葉を短くしてスキップと、非常にうまい表現をされたなと、まず、褒めておきたいと思います。  私は、平成23年9月にSkipさっぽろを開設したと聞いておりますが、目的は、資格取得、もちろんスキルアップ講座、セミナーですね。それから、現場実習、職場に行って勉強する。こういうことを通して、産業振興ビジョンに掲げられた食、観光、環境、健康・福祉の重点4分野に、正社員またフルタイムの社員としての就職を支援することを大きな目的としているということでございます。  資料をいただきましたら、平成23年度の7カ月間の実績では、286人が事業に参加し、そのうちおよそ45%の128人が就職しています。さらに、その中で正社員やフルタイムの就職者は111人、約87%と非常に高率です。24年度の実績は、今2月末の段階ですが、296人が事業に参加し、そのうちおよそ52%の153人が就職した。さらに、そのうち、正社員やフルタイムの就職者は141人、約92%と、非常に着実に伸びている、こういう評価ができるのではないかと私は思います。  しかし、我が会派の丸山委員から、平成24年の3定決算特別委員会において、事業の効果が十分とは言えない、職場実習の活用について、いま一度、見直しが必要ではないかと質問させていただきましたところ、そのとき、市から、求職者が希望する企業を実習先として確保することなど、求人企業に対して積極的に働きかける、このように答弁がありました。  そこでまず、最初の質問ですが、今年度、市は具体的にどのような見直しを行ったのか、また、その結果、現在の職場実習の参加状況はどうなっているのか、お伺いいたします。 ◎入江 雇用推進部長  Skipさっぽろの職場実習について具体的に見直した点でございます。  実習先の確保において、従前は、就業サポートセンターへの求人登録企業全般にアプローチをしておりましたが、見直し後は、職場実習が適していると思われる業界や求職者が希望する実習企業に的を絞って積極的に働きかけたことで、求職者と企業のマッチング率を高めることができました。また、職場実習が有効と思われる若年者により一層Skipさっぽろを活用してもらえるように、ヤングハローワークやジョブカフェに対し、連携の強化を依頼したところでございます。  その結果、実績でございますが、2月末現在の職場実習状況は、実習参加者が15名、実習参加日数にして212日となっており、このほかに調整中の方が8名いらっしゃいます。これで十分とは言えませんが、平成23年度の実績である実習参加者延べ6名、実習参加日数53日と比較いたしますと、一定程度、活用されるようになったのかなと認識しているところでございます。 ◆芦原進 委員  今、答弁がありましたように、平成23年度と比較して職場実習が活用されていると。数字は余り自慢できるほど大きなものでありませんが、伸びているということでありました。  しかし、実習を希望しながら、希望する実習がない、こうして諦めてしまう参加者も多くいるように私は聞いております。もちろん、これらの参加者は、職場実習を経験せずとも就職できるのであれば非常に幸いです。しかし、なかなかそうはいかない。やはり、Skipさっぽろの支援を続けていく必要があるなと。先ほどお話がありましたように、職場実習は、求職者と企業がマッチングできている、求職者にとっても企業にとってもよい取り組みだと私は思います。せっかく就職実習を希望して頑張っているのに実習先がないということに関しては、どうにかしていただきたいな、何とかしてくださいねと、このように私は思います。  そこで、再質問ですが、実習受け入れ企業の開拓の工夫、また、現場実習をより効果的な取り組みとするために、平成25年度に向けて見直し等を考えているのか、いないのか、お伺いしたいと思います。 ◎入江 雇用推進部長  平成25年度に向けた見直しについてでございます。これまで、Skipさっぽろの職場実習先の開拓は、就業サポートセンターの求人開拓とあわせて行っていたところでございますが、すぐにでも働いてほしいという企業のニーズと、採用まである程度の実習期間が必要な職場実習マッチングさせることは非常に難しい面もございました。そこで、25年度からは、Skipさっぽろ事業の受託事業者に実習先となる求人企業を開拓させることで、より参加者の希望に沿った職場実習企業の確保につながるよう見直す予定でございます。  また、これまでは、最初に個々人の支援プランを作成する段階で、資格取得が必要なのか、職場実習が必要なのかを確定し、支援を開始しておりましたが、平成25年度からは、月に2回実施しているカウンセリングの中で、支援プランの策定後であっても、職場実習が就職に有効と判断される参加者には、その都度、積極的に実習を推進するよう見直す予定であります。これらによりまして、より一層の職場実習の活用が図られると考えております。 ◆芦原進 委員  参加者の希望に沿った見直しをするということですので、大変期待しております。このSkipさっぽろそのものをさらにスキップしていただきたい、こう要望いたしたいと思います。  続きまして、あいワークについて質問させていただきます。  先月の2月1日に、南区にあいワーク南がオープンしました。これで、あいワークは白石、厚別、豊平、手稲と合わせて5カ所になりました。あいワークの利用状況を見ますと、2月末現在で既に厚別区と手稲区で利用者が2万人を超えています。また、就職者数も、厚別区では昨年同時期の39%増の786人、手稲区でも昨年の同時期に対して34%増の711人となっています。平成23年度に開設した2区のうち、白石区では、利用者が1万人を超え、就職者数が365人となっており、私の区である豊平区では利用者が約8,000人、就職者数が226人となっております。また、あいワーク南は開設1カ月ですが、およそ700人が利用して、既に5名が就職を決定している、こういう状況であります。  市内における求職者の職業相談、紹介窓口は、先ほどありました北区の就業サポートセンターを初め、清田区と西区のジョブガイドを含めて、10区中8区に就職紹介の可能な施設が区役所やその隣接施設に開設されております。残る中央区、東区にはそれぞれハローワーク札幌ハローワーク札幌北があることから、これで市内全ての区にハローワークとの連携による職業紹介が可能な窓口が一応整備されたことになっております。このことは、ハローワークが遠くて利用しづらい地域に暮らす求職者にとっては、就職活動を行う上で非常によいことであります。私の息子も非常に助かりました。区役所が私の家の前ですから、しょっちゅう区役所に行って相談しておりました。なかなか就職はかち得ませんでしたが、でも、身近にあるというのは本当にこれほどいいのかと。遠かったら行きません、うちの息子なんか、特に。それが行ったということは、地域に密接しているということだと思います。  そこで、質問でございますが、これまであいワークを整備してきたことによる効果についてどのように認識しているか、伺いたいと思います。 ◎入江 雇用推進部長  あいワークを整備したことによる効果についてでございます。  例えば、白石を例に挙げますと、職業相談コーナーでありました平成23年4月から10月までの7カ月間の月平均利用者数は54人でしたが、あいワーク移行後の平成24年の同じ時期の月平均利用者数は1,262人と、20倍を超えております。あいワークに移行したことにより、多くの求職者の方々に利用される施設になったと認識しております。このことは、単に開設日が週3日から週5日の常設となったことだけでなく、ハローワークと一体的に事業展開することで、膨大なハローワーク求人情報を自由に検索でき、さらに職業紹介まで可能になったことによるものと考えております。  また、区役所内もしくは隣接した施設に開設することで、生活にお困りの方、特に区役所の福祉部門を利用される方にとりまして利便性が向上したと認識しております。区役所もしくは隣接した施設にありますあいワークは、就職活動を続ける一般求職者にとりましても、また、何らかの理由で生活に困り、区役所に相談に訪れる区民にとりましても、就職を支援するという観点で大きな効果があると認識しております。 ◆芦原進 委員  1例として白石区でしたが、平成23年と24年の比較では20倍にふえているということでしたので、やはり身近にあるというのは大切だなと思いました。  再質問に移ります。  あいワークは、国が行った出先機関の原則廃止に向けたアクションプランの募集に対して、市民に身近な市役所にハローワークによる職業紹介サービスの提供が可能な職業相談窓口を設置し、区役所のさまざまな機能と連携しながら、利便性が高く、求職者に向けての総合的なサービスを一元的に提供する、先ほど答弁にありましたように、このことを目指して平成23年3月に札幌市が提案したものと伺っております。すばらしい提案だと思います。  そういうことであれば、先ほど言った中央区と東区はあいワークがありません。ハローワークがあるからよいというものではないのではないでしょうか。区役所機能と連携、特に求職者支援と密接にかかわるであろう区役所の福祉サービスとの連携を図るには、他区と同様に、区役所にあいワークの整備が必要であり、ぜひともアクションプランが実現するよう事業を推進していかなければならないと私は思います。  しかしながら、このアクションプランは恒久的な事業ではないのですね。時限的というのでしょうか、3年程度、平成23年から25年度の時限的なものと伺っております。国がこの3年間の事業を検証した結果、アクションプランが終了もしくは縮小となった場合、国の財源の手当てなくして、ハローワーク相談員の配置や求人検索機能設置などの事業の継続が難しいと考えます。決してこういうことがないように我々も国に要望してまいりますが、もしそうなった場合、非常に難しいかなと思います。もしそうなった場合、年間およそ2万人もの利用者が訪れる厚別区や手稲区のあいワークが閉所ということになってしまう事態も想定できます。多くの求職者に利用されているあいワークがなくなることは、求職者の就職活動の負担を増加させ、ひいては、求職期間の長期化につながっていかないとも限りません。  そこで、再質問でございますが、札幌市が提案したアクションプランの推進状況はどうなっているのか、また、利用者実績からいくと、求職者ニーズは非常に高く、必要性は十分にあると考えますが、今後、市は、あいワークの維持存続に向けてどのように働きかけていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎入江 雇用推進部長  アクションプランの進捗状況についてでございます。  このプランでは、ハローワークと一体的実施のあいワークを、就業サポートセンターが設置されている北区を除く9区に、順次、整備していくこととしております。現在は、職業相談コーナーを開設していて職業紹介ができない中央区と東区の2区におけるあいワーク整備に向けて、北海道労働局を通じ、厚生労働省に強く働きかけているところでございます。  また、既存のあいワークの存続についてでございますが、あいワークは、多くの求職者の方々に利用されており、札幌市の雇用施策にとって存続は不可欠であると認識しております。しかしながら、委員が指摘のとおり、これは国の予算措置を要することでございます。このことから、今後は、国の方針や、それに伴うさまざまなメニューを踏まえ、あいワークの存続を図ってまいりたいと考えております。 ◆芦原進 委員  要望で終わりますが、Skipさっぽろもあいワークも、両事業は、いずれも若い人には大変大切な事業でございます。特に、あいワークは3カ年でその事業が切れますけれども、私たちもしっかり国に働きかけていきたい。我々も、国会議員と連携をとって何とか継続していくように努力してまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。 ○長谷川衛 副委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち、経済局関係分について質疑を行います。 ◆林清治 委員  私からは、コンテンツ特区の取り組みと、新規事業である札幌型スマートファクトリー化推進支援事業について質問していきたいと思います。  最初に、コンテンツ特区についてでありますが、この特区は、アジアにおけるコンテンツ産業拠点都市の創造を目標に掲げ、映像制作者が最も映像を撮りたい都市をつくり、札幌、北海道を舞台とした映像が多数撮影されて、それらの作品が世界中の人々に見られることで、地元コンテンツ産業の振興はもちろん、観光を初めとする多様な産業に波及し、地域全体の活性化につながるものと期待しているところであります。  2011年12月に指定を受けた札幌コンテンツ特区ですが、昨年5月には、具体事業を推進する組織としてさっぽろ産業振興財団の中に札幌映像機構、SASが設置されております。そのような状況の中で、札幌コンテンツ特区が掲げる成果目標に関する進捗状況についてお聞きしたいと思います。  まず、札幌市における今年度のロケなどの撮影誘致状況と代表事例の経済効果についてお伺いしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  初めに、札幌コンテンツ特区の平成24年度の撮影誘致の状況でございますが、事例といたしまして、インドのテレビ局によります北海道の農業技術と札幌観光を紹介する番組とか、あるいは、台湾のテレビドラマ「白色之戀」の放送に合わせたロケ地や観光地の紹介の番組、あるいは、タイのテレビ局によります車椅子のキャスターが札幌の食や環境を体験取材する番組などの撮影が行われたところでございます。  代表事例の経済効果についてでございますが、昨年9月下旬から約1カ月間、撮影が行われました「探偵はBARにいる2」でございますが、映像制作助成金の実績報告書をベースとしますと、5,100万円の経済効果というふうに推計しております。これに加えまして、補助対象となっていない撮影隊の飲食に伴う経済効果、あるいは、今後、映画が公開されることによる観光増進などの波及効果が期待されるところでございます。 ◆林清治 委員  我が会派では、先日、札幌映像機構の最高執行責任者である井上俊彦理事長からお話を聞いたところでありますが、撮影誘致の効果として3点挙げられております。第1としては、撮影隊による経済効果、これは、特に、飲食や宿泊だけでなくて、雇用にかかわる効果が、今、世界的に大きくあらわれていると言われております。例えば、撮影のときの警備員とか、もしくは、撮影が多くなってくれば、大道具、小道具のそういう製作などを含めた経済効果であります。第2には、パブリック・ディプロマシー、これは、意味的には民間人レベルによる外交と言われているものです。映像により他国を知り、その国に憧れを持ち、訪問することもふえてくる、そういうふうに言われているところであります。第3は、シビックプライドと言われるもので、自分のまちに愛着を持つことができる、また、この映像により地域の付加価値が高まるなどの効果が大きくあると言われております。  そして、アジア30億人の市場を共有しようというのが、今、世界的な潮流になっていると言われています。アジア諸国同士でのマーケット共有という意識が強くなる中で、日本は、国内市場が大きかったため、アジアと一緒に取り組もうという考えは薄く、アジアのネットワークから外れていた現状があります。しかし、札幌は、アジアの中では大変評価が高く、興味を持たれている都市であります。観光客誘致などにアジアをターゲットとする取り組みを強化する必要が高まっております。そのような中で、2月に開催された雪まつり会場において、タイ国の政府観光庁との間で趣意書を締結したところであります。今後の成果獲得に向けて期待感が高まっているところでもあります。  そこで、次の質問ですが、タイ国の政府観光庁との趣意書締結に基づく今後の対応と施策推進に向けた庁内連携についてお伺いします。 ◎川畑 産業振興部長  タイ国政府観光庁との趣意書締結でございますが、今、ご紹介いただきましたとおり、これは、市内企業からの寄附をきっかけに、平成23年度から互いの魅力を映像で紹介する取り組みを進めておりまして、昨年10月に新千歳――バンコク間に直行便が就航したことに伴いまして、今後のさらなる交流推進のために、本年度、雪まつり会場における趣意書締結の運びとなったものでございます。  今後の対応と趣意書締結に基づく庁内連携につきましては、平成25年度、タイにおいて、観光、食、映像コンテンツの振興を目的としたセミナーや観光PRイベントを観光文化局において計画しているところでございます。このような動きと連携いたしまして、札幌の映像がタイで発信される機会をふやしてまいりまして、札幌をプロモーションし、タイからの観光客誘致につなげるよう、さらに関係部署との連携を強化してまいりたいと考えております。 ◆林清治 委員  先般行われた雪まつりにおいても、今、答弁にもあったとおり、タイとの直行便とか、タイにまつわる雪像の制作などにより、多くの観光客がタイから訪れたとも聞いているところであります。大きな成果が出てきているかなと思いますが、今後の期待も高まっている状況でございます。そして、今後、さらに庁内連携を強めていただきたいなというふうに考えるところです。  コンテンツ特区に関しては、昨年の第1回定例会の我が会派の代表質問で、撮影、制作を支援するため、国に対して規制緩和や権限の移譲、そして許認可申請窓口の一元化を進めて、ワンストップサービスを可能とすることが重要であると訴えているところであります。ワンストップサービスを進めるために重要であるのはリエゾンオフィサー制度ということですが、札幌映像機構ではコンテンツ特区の一つの柱であると位置づけて、本来であれば、今年度中に制度設計及び認定、研修を行う予定としておりました。  そこで、次の質問ですが、特区の推進体制、市有施設での撮影対応、そして、リエゾンオフィサー制度の進捗状況についてお伺いしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  1点目の特区の推進体制についてでございますが、これまでも庁内の会議におきまして情報提供や撮影に際しての協力依頼などを行ってきているところでございますけれども、これをさらに加速させるために、市長を本部長とする特区推進本部を立ち上げることを予定しております。また、市有施設での撮影につきましては、指定管理者が管理している施設も含めまして、円滑に撮影を行うための関係規定の整備、あるいは関係部署との調整を進めているところでございます。  さらに、リエゾンオフィサー制度につきましては、現在、基本的な制度設計を行っているところでございまして、今後、関係者のご意見を伺った上で制度を創設し、来年度の早い段階で研修、認定を行いたいと考えております。 ◆林清治 委員  今の答弁ですが、市有施設等の撮影の円滑化を図ること、そして、指定管理者が管理している施設も含めて調整しているということでございました。そして、一番大事ですけども、リエゾンオフィサー制度の認定は本当に重要であります。予定よりおくれていることは大変残念な状況でありますが、早い時期に研修、そして認定をし、活動を開始していただきたいというふうに考えております。  観光産業への波及については、経済局としての取り組みだけではなくて、観光文化局やシティプロモーションの推進本部との連携が重要になります。市長を本部長とする特区推進本部の立ち上げということでございますので、今後、庁内各部局へ横串を刺して連携を深め、効果的な取り組みとしていくことが必要であると考えております。  そこで、次の質問です。体制が整備されていく中で、新年度の取り組みも検討されていると思いますが、新年度予算の中での主な取り組みについてお伺いしたいと思います。  また、新年度予算の中で、国からの財政支援をどのように活用しようと考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  平成25年度予算での主な取り組みについてでございますが、本年度の事業で培いましたネットワークを生かしまして、映画の国際共同制作や国際共同流通などを促進するための体制を整備すること、そして、アジアの若手映像人材の育成、あるいは、商品を映像の中に写し込むことにより販売促進を図ってまいります、いわゆるプロダクトプレイスメントにつながる映像制作などを実施してまいる予定でございます。札幌市の予算によるこれらの事業をベースといたしまして、国の財政支援を活用し、さらなる事業展開を図ってまいりたいと考えておりまして、過日、市長が内閣府、経済産業省を訪問いたしまして、今年度の事業報告と来年度の財政支援措置の要望を行ってきたところでございます。 ◆林清治 委員  このような質問をする中で、随時、答弁をいただいておりましたが、現在の札幌市としての取り組みはまだまだ弱いと言わざるを得ないのかなというふうに思っております。新年度における予算、人的補充の今後の推進に向けて、まだ不安がなくならない状況なのかなというふうに思っております。  これは、先ほども言ったとおり、本当に、経済局のみならず、全庁一丸となって、せっかくかち取った特区を最大限に活用しなければなりません。本市としても、現在進めている創造都市としての取り組みや国際芸術祭の開催、MICE総合戦略についてもこの特区制度を最大限に活用すべきと考えております。  さらには、この特区の推進に向けた市民への情報提供、市民を巻き込んだ取り組みとすることも大変大事だと思っております。ロケーションの誘致促進は、市民生活にもさまざま関連していく事項であると思いますし、撮影された札幌のまち並みが国内外に露出してプロモーションされていくことは、市民の郷土愛の醸成にもつながっていくだろうと考えられます。市民とも一体となってこの特区を推進していく姿勢を明確にすることが、今、求められていると思います。推進本部体制の構築により加速的に特区の取り組みが進むことを期待申し上げて、コンテンツ特区に関する質問は終わらせていただきます。  次に、札幌型スマートファクトリー化推進支援事業について質問させていただきます。  東日本大震災から2年が経過して、少しずつではありますが、被災地の復興も進んでいます。こうした中で、我が会派では、低炭素社会の実現を目指し、節電、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの導入拡大に取り組む必要があることをるる訴えてまいりました。言うまでもなく、電力は私たちの暮らしと産業を支える血液と言うべきものでありますが、多くの電力を使って生産活動を行っている製造業においては、これまで電力エネルギーが比較的安価で安定的に供給されてきたという前提が崩れ、エネルギー利用の効率化が喫緊の課題となっております。市内の製造業は、昭和30年代後半から造成されてきた工業団地を中心に集積が図られてきているところでありますが、国内消費の停滞や、今後予想される電力需給の逼迫、また、検討されている電気料金の値上げ等、製造業を取り巻く環境は一層厳しいものとなっております。
     札幌市の全産業に占める製造業の割合は全国に比べると低いものの、製造業は、他の産業への波及効果が大きく、地域社会を支える産業であることから、札幌市としても積極的に製造業支援や誘致を行う必要があると考えております。  そこで、質問ですが、札幌市は、来年度、工業団地を対象に省エネ化を促進する事業を行うと聞いておりますけれども、この事業の狙いと具体的な取り組みについてお伺いしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  札幌型スマートファクトリー化推進支援事業の狙いと具体的な取り組みについてお答えいたします。  ご質問にありましたように、電力需給の逼迫、あるいは、計画停電、電気料金の引き上げといったことが懸念されますことは、企業経営に直接影響を与えますので、電気を賢く使うことで企業の経営基盤強化につなげる、こういったことを目的としている事業でございます。  これまで、工場単体で実施している例は多くございますが、業種や規模などの面でさまざまな工場が集まっている工業団地を単位として電力使用の効率化を図ることにこの事業の新規性があると考えております。具体的には、市内の工業団地の中からモデル団地を選定しまして、電力使用量を測定するスマートメーターを団地内の複数の企業に設置していただき、電力の見える化を図りますとともに、ピーク電力のカットやシフトなどによります削減効果についても実証実験を行う予定であり、電力利用の削減に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆林清治 委員  本定例会の私の代表質問でも触れておりますが、札幌市においては、省エネ対策の一環として、市有施設の設備機械の最適な運転方法を通じてエネルギー削減に取り組んでおります。例えば、こどもの劇場のやまびこ座のロードヒーティング設備の運転方法を見直したことにより大幅な節電に成功し、この取り組みは北海道経済産業局が主催する北国の省エネ・新エネ大賞を受賞するなど、高く評価されております。来年度、工業団地における省エネ化の実証実験を行うに当たって、札幌市が持つこうしたすぐれた省エネのノウハウを活用することも必要ですし、また、事業が目指すゴールを工業団地の関係者との間でしっかり共有しながら進めていくことが必要であると考えております。  そこで、次の質問ですが、この事業を実施する上で、環境局との連携をどのように図っていくのか、また、この事業が目指すゴールをどのように考えているのか、あわせてお伺いします。 ◎川畑 産業振興部長  初めに、環境局との連携についてでございますが、ご質問にございましたように、環境局が蓄積してきた市有施設の省エネに関するノウハウは大変役に立つものでございますことから、今年度、環境局と連携いたしまして、市内の工場施設における電力使用量の予備的な調査を既に進めているところでございます。  事業のゴールといたしましては、工業団地内の個々の企業の省エネを図ることで、団地全体の電力使用量を一定程度削減し、企業経営の圧迫要因となる電気料金負担を軽減することが一つでございます。また、実証実験終了後も、団地内で省エネを継続していくことができる仕組みを構築していきたいと考えております。さらに、電力の見える化による省エネ意識の向上やノウハウといったことを他の工業団地や企業に普及拡大させるとともに、市内製造業全体でエネルギー量の削減、あるいは、CO2排出量の削減といったことに積極的に取り組む都市を目指すことで、市外からの製造業の誘致にもつなげてまいりたいと考えております。 ◆林清治 委員  新年度は一つの工業団地において実施し、さらに、翌年度に別の工業団地に拡大していくというふうに聞いているところであります。先ほど触れたように、札幌市は、製造業の割合が低く、今後の製造業誘致対策も課題となっています。そして、企業経営者もさまざまなコストダウンにより健全経営を模索している状況であります。札幌の工業団地ではこのように市が節電の取り組みを支援しているということで、本市に対して関心を持ってもらい、場合によっては、製造業誘致につながる可能性もあるのではないかというふうに考えております。なかなか簡単にはうまくいかないと思いますが、ぜひともこの実証実験が成功するように取り組みを進めていただくことを求めて、質問を終わらせていただきます。 ◆芦原進 委員  私は、新産業創出費の予算5億9,219万1,000円に関連して、輸出仕様食品製造支援事業について質問いたします。  本事業は、札幌市産業振興ビジョンの食の重点分野の中で、基本施策が五つありますが、その四つ目の道外、海外への販路拡大及びニーズに応じた食品の創出に位置づけられている事業だと伺っております。  よく言われていますが、人口減少、それから少子高齢化がだんだん進んでいくということで、食というのは生きるためには必要ですけれども、食関連の消費需要は逆に先細りになっていく、減少傾向になっていく、こういう見込みがあります。そうなると、やはり市内の食品製造業も環境が厳しくなってくるのではないかなと思います。札幌市内の食品製造業は中小零細企業が多いわけですが、しっかりとした食品、よい製品をいっぱいつくっておりまして、今後の国内市場縮小を見据えて、国内への販路拡大、さらに加えて、海外へ新たな市場を求める動きも実は進んできております。  近年、アジア各国の経済が成長し、市場としての魅力が高まる中、昨年末の政権交代以来、こういうことを言っていいのか、政権交代が円を安くしたのか、そういうときが来たのか、アベノミクスで非常に円安で株が上がっておりまして、景気が回復してきた、こういうふうに言われておりますが、企業の海外展開にとって追い風になってきています。自動車産業のボーナスも、これでいいのかと思うぐらい満額回答したというようなことも言われております。家電のボーナスも、メーカーによってはいろいろあるようですが、追い風になってきているなという状況になってきておりまして、おいおい賃上げもされていくと思います。  札幌においては、先ほども言いましたように、市内の中小零細企業の海外展開を推進するために、海外での物産展、展示、商談会の出展支援を今まで実施してきているところであります。アジア各地での物産展は、北海道ブランドの高い認知度を背景に、現地で大変好評を博していると聞いております。例えば、香港の高級スーパーの物産展は、ことしで5回目を迎えると聞いております。継続した開催によって北海道ブランドの認知度がより一層高まって、年々、売り上げも上昇していると聞いております。  しかし、多くの商品は、物産展などのイベントでは売れるが、その後が問題で、継続的な取引につながらず、今後、海外展開を進めていく上でこういうことが一つの課題と思われます。原因の一つとしては、物産展では日本国内で流通している商品を中心に販売しています。日本で売れているものを出すわけです。それから、賞味期限です。日本は非常に賞味期限がうるさいですが、賞味期限が海外市場のニーズ、要求に合わないというような、ミスマッチとは言えないけれども、ミスマッチに近いようなことが考えられると思います。  一般的には、輸出拡大を目的とした新たな事業展開を行う際には一定の設備投資が必要であります。そのために、札幌市が指定を受けた北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区では、国から設備投資に対する税制、金融上の支援があり、また、札幌市においても、新年度より食関連産業の設備投資に対して独自の利子助成を実施することとなっております。その一方で、輸出仕様の食品開発に対して、1件最大100万円を補助する輸出仕様食品製造支援事業を実施することとしております。100万円というのは、少ないように聞こえますけれども、中小、零細にとっては大変ありがたい。やっぱり貴重な金額だと私は思うのですよ。私は、これはやっぱり評価したいと思うのです。  そこで、質問でございますが、商品開発に対する補助制度を実施する目的は何なのか、まず、そこをお尋ねしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  輸出仕様食品製造支援事業の補助の目的でございますけれども、市内の食品製造業を対象にヒアリングを実施いたしましたところ、既存商品を輸出仕様に改良する経費への支援があると海外展開に取り組みやすい、そういったご要望を多くいただいております。商品改良のためには、原材料とか包装資材の変更、あるいは添加物の使用、または、輸出のための新たな手続や検査などが必要となりますことから、この事業ではこれらの費用を対象として最大100万円の補助を行うこととしたものでございます。このことにより、企業の商品開発を後押しし、輸出拡大に取り組んでいただくことによりまして、今後、設備投資を伴う生産拡大や一層の海外販路拡大へとつながることをご期待申し上げたいと考えております。 ◆芦原進 委員  既存商品を改良したい、そういう声を受けて取り組みましたということでありまして、中小、零細にとっては大変前向きに事業展開ができるなと、私はそう思います。  今言われたとおり、企業のニーズを踏まえてこの事業を検討されたということですので、より多くの市内の中小企業に活用していただいて、まずは商品の開発、それから設備投資、そして生産拡大、このように連動していかなければなりません。企業の海外展開への取り組みがより一層活発になっていくように大いに期待したいと思います。  また、この事業が成果を上げていくためには、開発された商品が海外市場のニーズを的確に捉えているか否か、それが何よりも重要ではないかと思います。そのためには、企業が提案するに当たって、どこの国のどのような所得層を対象にするのか、これを明確にし、どのような製品、商品が受け入れられるのかなどのマーケティングをしっかりとしていかなければならないと思います。一方で、企業の提案が海外市場ニーズに合っているかを客観的に判断する、これは非常に難しいことだと思うのですね。なかなか素人にはできない。そうした意味では、私は、やはり専門家による審査を行うことが必要ではないかと思います。  そこで、再質問でございますが、本事業では、事業の実効性を高めるため、企業にどのような計画の提出を求め、どのような審査をされるのか、お伺いしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  まず、企業からご応募いただくに当たりましては、今、ご質問にございましたが、販売地域をきちんと特定していただくことや、賞味期限の延長をどうするか、あるいは、現地に合った味やパッケージなどをどういうふうに改良するか、そして、販売戦略といった総合的な計画を提出いただくことを予定しております。  次に、審査に当たりましては、実際に海外において日本の商品を輸入しているバイヤー、仕入れ担当の方ですが、こういった方々を審査員とする審査委員会をつくりまして、企業からいただいた計画の妥当性を総合的に評価させていただきたいと考えております。このように海外市場に精通した専門家に審査をいただくことによりまして、対象地域のニーズに適合しているかどうかといった判断に加えて、商品のさらなる改良、改善を図るためのアドバイスもいただくことができると考えております。 ◆芦原進 委員  要望で終わりますが、この事業の対象企業数というのは最大10件までと、予算には限りがありますから、無限大というわけにいかないのはわかっております。しかし、より多くの札幌の中小企業に元気になっていただくためにも、また、未来志向のためにも、やはり、もっともっと活用していただくように予算を拡大していただきたい。これは、1点要望しておきたいと思います。  また、札幌、北海道からの食品の輸出拡大は、市内の製造業が外需を獲得する上で非常に重要なことでありまして、世界各地に札幌、北海道の食の魅力を発信する強力な一つの方法であると私は思います。これによって札幌、北海道の人気が高まり、逆に観光客の誘致にもつながってくるんではないのかと思います。今後も、さまざまな施策を用いて北海道の食を世界各地に、すしのように、刺身のように広げていただきたいことを要望しまして、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  私は、札幌型新エネルギー産業開発支援事業について質問いたします。  2年前の3月11日、東日本大震災により福島第一原発の事故が起こりました。政府はその9カ月後にこの事故の収束宣言をしましたが、現状は収束とはほど遠く、まだ事故の真っただ中にあるのが現状です。メルトダウンした核燃料を冷やすために今も大量の水を送り続け、高濃度の汚染水がどんどん流れ込み、この汚染水をタンクにためるなどの作業に追われております。現場の作業員の内部被曝の不安や、近隣住民がいまだ放射性物質による被曝の危険性から避難生活を余儀なくされているなど、とても収束にはほど遠い。  本市では、地域防災計画の原子力災害編を策定し、泊原発が、万一、事故を起こした際の避難計画をつくりましたが、一番の対策は原発をなくして原子力災害が起こらないようにすることだと思います。そして、原発にかわるエネルギーに切りかえる施策は急いで進めるべき課題だというふうに思っております。既に、道内でも、苫前町や下川町、寿都町などでは、それぞれの地域特性を生かして新エネルギー、自然エネルギーを活用した発電などに取り組んでおります。また、本市は、環境首都・札幌を掲げて地域温暖化を食いとめるためのさまざまな施策などにも取り組んでおります。  今年度の事業で札幌発の環境産業創出事業を実施しましたけれども、この事業と次年度実施を予定されている新エネルギー産業開発支援事業はそれぞれ並行して進めていくものなのか、それぞれの事業の特徴と違いについて、まず、明らかにしてください。 ◎川畑 産業振興部長  二つの事業を並行して進めていくか、また、それぞれの特徴ということでございます。  札幌発の環境産業創出事業は、今年度、開始いたしまして、現在、4件を採択して委託研究を行い、来年度は、この中から2件を選定し、事業化に向けた補助を実施するものであります。ですから、来年度はある意味で並行して進めていくことになります。  それぞれの事業の特徴でございますが、今年度の環境産業創出事業につきましては、環境分野全体を対象としておりまして、大学など研究機関の持つ環境分野に関する技術を市内の企業と結びつけて事業化、製品化を図ることを目的としております。  一方で、新年度に計上しております札幌型新エネルギー産業開発支援事業でございますが、こちらは、電力需給の逼迫や燃料費の高騰ということでエネルギー転換が求められていることから、対象を、環境分野の中でも、特にエネルギー創出関連の事業に特化しまして、この分野で積極的に取り組みを進める市内企業を支援することを目的として新たに実施するものでございます。このターゲットを発電などの創エネルギー分野に絞りましたことから、より多くの開発費や時間を要することが想定されますので、補助上限額の引き上げや、補助期間を単年度ではなくて原則2年間とするなどの措置を講じているところでございます。 ◆小形香織 委員  二つの事業は同時に並行しながら進めていかれるのだということ、そして、今回のものは、とりわけ発電、エネルギーをつくるためのものに特化した事業であるというご説明だったと思います。原発から撤退を進めるための大事な事業だというふうに思っておりますので、ぜひこれを促進させていただきたいと思っています。  同時に、本市の補助を受けて研究する、そして、それを開発するとなれば、ある程度見通しのある研究をしているところというふうになると思うのです。そこで、次年度の予算は4,000万円となっていますが、どのようなところを対象としてお考えになっておられるのか、もう一つ、この制度の全容をあわせてお示しください。 ◎川畑 産業振興部長  制度の概要と想定される申請案件について、一括してお答えいたします。  この事業の対象は、市内の企業を申請主体と考えておりまして、研究機関や市内外の大企業との共同での申請も可能とすること、また、補助の上限は1件当たり最大2,000万円で2件程度の採択を予定しております。想定される案件といたしましては、これまでヒアリングを行いましたところ、10件程度の申請があるのではないかと期待しておりますが、具体的には、積雪時に対応した太陽光発電とか、中・小型の風力発電のほか、バイオマスの発電プラントなどの研究、製造を行っている企業にご応募いただけるのではないかと。また、これ以外の新たなエネルギー関連技術の研究を進めている企業にも申請いただくことを想定しております。 ◆小形香織 委員  再生可能なエネルギーを使った発電の研究を支援することを考えて、2,000万円の上限で2件ぐらいというお答えだったと思います。  こういう自然エネルギーを使った開発ということになると、工学だとか、あるいは環境学だとか、そういう専門的な知識が必要になると思います。支援事業をやりますということで、今の想定では10件ぐらいは手を挙げるのではないかとおっしゃっていましたが、どんな研究プランを持っていて、それが事業化につながるのかどうか、実現できるかどうかを判断することになると、私のような素人だと、その見通しは全く難しくて、判断を持つことができないなと思うわけです。つまり、この研究が本当に事業に結びつくかどうかの見きわめですが、これは、どなたが、どういう形でするのかということと、それから、決定後にチェックがなされるのかどうか、ここを伺いたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  採択事業の決定方法でございますが、審査に当たりましては、内部の委員のほか、技術的な面で専門知識を持つ複数の外部委員から成る審査委員会において決定することを予定しております。具体的には、長年、研究業務に従事されている方々で、特にエネルギー分野とか市内企業の技術に精通している方々などへの委嘱を検討しているところでございます。  チェックの方法についてでございますが、事業期間は最長2年間を予定しておりますけれども、1年目の終了のときに、再度、審査委員会を開催いたしまして、事業の進捗状況や達成度をチェックした上で、2年目も引き続きご支援をすることが妥当かどうか、判断する予定でおります。 ◆小形香織 委員  先ほどのご答弁の中では、市内企業を申請の主体にして、研究機関や大手企業との共同体も可能ということでした。市内企業を支援するのは大変大事な点だというふうに思います。同時に、研究のときは大手企業と一緒に研究するけれども、いざ、事業化されて会社として進んでいこうという段になったときに、大手企業のほうが体力もあるので、全て吸い取って、一緒に研究した地元の企業を潰してしまうというか、なくなってしまうというか、そういうことが起きないのかなという懸念があります。大きな企業の力をかりるということは、もちろん販路拡大などのために必要なことだと思いますが、研究の段階から会社の事業として軌道に乗るまで、あくまでも札幌の企業を支援していくものにするために、私の持っている先ほどの危惧にどのような形で対策を打とうと思っておられるのか、その点を伺いたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  この分野につきましては開発のスピードが大変問われておりまして、市内の企業がよい技術や製品を持っていても、単独では事業化が難しい場合もあることから、連携化というふうに考えたものでございます。こうした連携によって事業を進める場合には、例えば、技術の提供とか、成果の取り扱い、あるいは知的財産の保全といったことに関して、契約を締結する手法も考えられます。必要に応じまして、北海道経済産業局特許室とか発明協会といった知的財産に関する専門機関からアドバイスを受けるように、こちらも助言してまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  今回、開発支援のための事業ということで予算化されていると思うのですが、ぜひ、札幌の企業を育てていくのだという視点で、今、特許だとか発明の関係での知的な支援をしていくというふうにおっしゃっていましたけれども、それだけではなくて、せっかくかかわってきている企業に対して、この先もきちんと続いていけるような策をぜひ打っていただきたいと思います。規模の小さなところで研究していたり、すぐに事業化するには時間がかかりそうだけれども、先進的な、あるいは独創的な研究をしているところもあります。大規模、小規模も含めて幅広く支援をすることがエネルギーの多様化に資すると思いますので、この事業の周知、あるいは一層の支援強化・拡大を求めて、質問を終わりたいと思います。 ◆伊藤牧子 委員  私からは、新しい働き方であるコワーキングについて伺います。  リーマンショック後、さらに、3.11東日本大震災、福島原発事故を経験し、経済成長だけを追い求める社会に疑問を持ち、これまでとは違った新しい働き方を模索している人もふえています。そうした中、ソーシャルメディアの発達に伴い、コワーキングという新しい価値観、新しい働き方が広まりつつあります。私も関心を持ってまいりましたが、コワーキングとは、雇用形態、勤務形態が多様化したこと、ITが発達したことによって、場所の制約を受けない働き方ができる人がふえてきた結果、そういう人たちを受け入れるネット環境の整ったオフィスやカフェなどを共有し、そこで各個人が独立して働きながら、相互にアイデアや情報を交換し、新たな仕事をつくり出す働き方と言われています。  2000年以降、海外で徐々に広がり、集まる場所であるコワーキングスペースは、海外では2,500カ所に上り、日本国内では関東、関西を中心に全国で130カ所以上、道内で7カ所、札幌市内には既に4カ所、今後はさらにふえると予想されています。  コワーキングは、事務所を借りるには資金が足りない、自宅にこもって仕事をしていては人脈が広がらないなど、若い世代ではなく、私は、特に女性が起業をするためには有効な手段だと思っております。今後、コワーキングは、新しい働き方として、企業への就職ばかりではなく、多様な働き方、多様な起業を実現する動きとして捉えることができると思いますし、札幌市としても積極的に支援していく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、コワーキングという働き方について、どのように認識し、現状ではどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。 ◎川畑 産業振興部長  まず、1点目のコワーキングへの認識についてでございますが、この新しい働き方は、企業や組織の枠を超えて、多様な能力を持つ人が集まり、ノウハウを共有し、連携して仕事をすることで、これまでにない価値や新しいビジネスが創造される可能性がある、そうしたものと考えております。  支援の現状でございますけれども、昨年3月に、北海道経済産業局や北海道大学、北洋銀行などと連携して、札幌コワーキング・サポーターズ、SCSという組織を結成しました。そして、コワーキングという働き方を広く普及させるためのイベントを開催したり、そのメンバーがコワーキングスペースに出向き、そこで利用されている方々の課題に応じて、例えば、弁護士とか中小企業診断士といった専門家をご紹介したり、創業や製品開発に対するアドバイスなどを行っているところでございます。 ◆伊藤牧子 委員  今のご答弁で、札幌市、北海道経済産業局、北海道大学、北洋銀行の四つの機関が連携して札幌コワーキング・サポーターズをつくり、ビジネス課題の解決に向け、いろいろな情報の提供とかイベントを行っていることがわかりました。先ほどお話ししましたように、コワーキングは世界的に広がっている動きであり、海外では、フランスの地方公共団体のように行政の支援によって運営されているコワーキングスペースもあると聞いております。  そこで、質問ですけれども、コワーキングを支援することによる起業支援を本格的に行うとするならば、札幌市としてコワーキングスペースを設けることも検討すべきと考えますがいかがか、伺います。  また、札幌市は、デジタルコンテンツにおける新ビジネスを創造するクリエーターにその活動の場を広げ、資質や才能をさらに発展させることを目的に、インタークロス・クリエイティブ・センター、ICCを設置しました。そして、その機能を高めるために、2013年4月に札幌市産業振興センターに移転する予定です。新しく生まれ変わるICCは、入居スペースや交流スペース、映像制作、編集機材等を設置することにしているということですので、コワーキングスペースの目的と通じるものがあると思います。  そこで、質問ですけれども、創造力や技術力を発揮できるICCを活用し、クリエーターや市内のコワーキングスペースをうまく連携させていく必要があると考えますがいかがか、伺います。 ◎川畑 産業振興部長  1点目の札幌市によるコワーキングスペースの設置についてでございますけれども、市内で新たにコワーキングスペースを設けるといった動きもありますので、今は、民間が運営される、あるいは、新設されるといった動きを引き続きご支援することに注力してまいりたいと考えております。  2点目のICCの活用、あるいは、クリエーターとの連携についてでございますけれども、新たなICCにおきましては、プロジェクトメンバーを募集して、クリエーター同士や他産業との連携を促進するといった展開を予定しておりますので、そこで連携も可能ではないかと考えております。市内のコワーキングベースを利用されている方々にも、新たなICCの取り組みを積極的に発信いたしまして、ICCの情報発信スペースや支援メニューもご活用いただき、起業あるいは新たなビジネスの創出につなげてまいりたいと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  ぜひ、ICCとコワーキングスペースを連携させて、さらなるいろいろな取り組みを進めていただきたいと思います。  先ほど言いましたように、現在、札幌市内には、IT系とかカフェとか多目的スペースを活用した四つのコワーキングスペースがあります。最近できたものづくり系のコワーキングスペースを訪問し、お話を伺ってきました。ウッディ調の居心地のよいオープンスペースとなっており、3Dプリンターやミシンなどが設置されており、今後、レーザーカッター装置も置くということでした。運営している方は、このコワーキングスペースによって同業者や異業種の人との出会いをつくり、仕事への刺激やヒントが得られるよう、これからものづくりで起業したい人の最高のスペースにしたいとおっしゃっていました。  製造業が少ない札幌のものづくりにおいて、大量生産型ではなく、少量多品種型で、社会や消費者のニーズに対応した創造的な製品を生み出す、このようなコワーキングスペースの新しい力や人材が必要ではないかと考えます。現在、札幌らしいものづくりとして、札幌スタイルという製品が認証されています。私は、札幌スタイルというのは、主に観光客向けのブランド品というイメージが高く、市民が日常的に使う製品としてはなかなか垣根が高く、かけ離れているのではないかと思います。やはり、市民のニーズに合った本当に日常的なものとして使われていくためにも、先ほどのものづくり型のコワーキングスペースが女性向けのスペースとして近々開設されるということもお聞きしましたので、今後、このようなコワーキングスペースと札幌スタイルが集積した技術力がさらに連携することによって、札幌市が進めるものづくりの可能性が広がるのではないかと考えております。  そこで、質問ですけれども、これからの札幌市のものづくり戦略において、札幌スタイルとコワーキングスペースを連携させていくことも必要ではないかと思いますがいかがか、伺います。 ◎川畑 産業振興部長  ご質問にございましたようなものづくり型の最先端機器を備えたコワーキングスペースと言いますものは、これまでものづくりにかかわることが少なかった個人やベンチャー企業の発想や創造性を生かすことができる可能性があると考えております。コワーキングスペースと札幌スタイルとの連携によりまして、例えば、そこに集うさまざまな分野の方々が情報交換によってすぐれた製品開発を実現させたり、札幌スタイルに関連する製品が広がる可能性もあると考えております。現在、ものづくり型のコワーキングスペースから札幌スタイルとの連携について打診をいただいておりますので、どのような連携ができるか、検討しているところでございます。 ◆伊藤牧子 委員  これからのものづくりということで、札幌スタイルとコワーキングスペースの連携をぜひ進めていただくよう求めておきたいと思います。  最後に、要望です。  札幌市は、これまで、団塊の世代や女性などの起業を進めるために、起業道場のようなセミナーやソーシャルビジネススクールなど、さまざまな取り組みを行ってきています。今後、労働人口が減少する中、男女を問わず、誰もが働く社会となることが予想されます。そうした中、コワーキングの取り組みは、これまでの会社に就職するような既存の働き方ではなく、多様な働き方への展開につながると思っております。  ご答弁にありましたように、先ほど札幌コワーキング・サポーターズの一員としてさまざまな支援を行っているということですが、札幌市自体としてはアドバイス的な支援にとどまっているような気がいたします。コワーキングスペースのニーズを十分に把握して、さらに、後押しできるような支援に取り組むことを強く求めたいと思います。  また、先日、NHKのクローズアップ現代で、「“3Dプリンター革命”〜変わるものづくり〜」という番組がありました。プラスチックなどさまざまな素材を少しずつ塗り重ね、金型を使わずに直接製品をつくるということで、消費者の求めるオンリーワンの商品を即座につくるというようなことが番組の中で語られておりました。オバマ大統領も、3Dを使ったものづくりをこれからの産業の戦略にしたいということでしたが、3Dプリンターによって今後のものづくり自体が大きく構造変化するのではないかと思いました。  しかし一方、私はこの番組を見まして、やはり、これまで中小企業で積み重ねられてきた技術とか人材が失われていく危険性もあるのではないかと思います。ものづくり産業というのは、今後、こういう大転換の中でこれらの視点も変わってくると思いますので、そういうことを念頭に置きながら、ぜひ、本当に札幌らしいものづくり産業を進めていただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります。 ◆小竹知子 委員  私は、新規事業の商店街地域連携促進事業について質問いたします。  この事業について、予算の概要を初めて拝見したときに、私は目を見張りました。商店街再生事業としましては非常に大きな枠をとっていただいたというのが率直な感想でございます。当初の要求額が410万円、そして、最終査定額が2,010万円と大幅に増額されております。この予算はコーディネーターの派遣料です。1件約200万円で、当初これを2件考えていたところ、各区1カ所でつまり10カ所で商店街の支援を行うということで、2件410万円という予算の要望額が10件2,010万円という最終的な査定になったと説明を受けました。  事業の内容は、この事業名が示すとおり、予算の概要をそのまま読み上げますと、地域の状況分析をもとに、商店街が地域のためにできることを整備し、多様な地域、団体と話し合いをしながら、地域課題の解決に向けた取り組みを企画、実施していくまでを支援とあります。私は、この説明をお聞きしても、いま一つ具体的なイメージが湧きませんでした。  そこで、改めまして、この事業の狙いが何であるのかということと、地域連携というのは具体的にどのような連携をイメージされているのか、伺います。 ◎川畑 産業振興部長  1点目のこの事業の狙いでございますが、ご質問にもございましたけれども、商店街が多様な地域の団体と連携協力しながら、商店街活動を通じて地域課題の解決を目指し、こうしたことにより、地域コミュニティーの担い手として商店街が一層存在感を高めていただく、あわせて、集客力を取り戻すことを狙いとしております。  地域連携の具体的なイメージでございますが、町内会などの地域団体を初めといたしまして、例えば、まちづくりに関心のある学生とか、地域で社会貢献に関心のある企業などが、商店街の方々と一緒に地域の課題や未来像について語り合っていけるような関係を想定しております。こうした話し合いの場がつくられ、連携が行われれば、豊かな発想による事業展開、あるいは、新たな人材の発掘といったことも期待できるのではないかと考えております。 ◆小竹知子 委員  私も組合員となっております月寒中央商店街の事情をお話し申し上げますと、古い土地柄ですので、昔から地域との結びつきが大変強くて、町内会はもとより、学校やPTA関係、また福祉施設などと深く連携協力してさまざまな事業が運営されていまして、そうしたことから、日ごろから互いになくてはならない存在となっています。この事業のことをお聞きしたときには、正直に申し上げますと、今さらとか、もうこれ以上できないというぐらい連携しているといった気持ちがございましたので、この事業の目的がちょっと理解できませんでした。しかし、豊平区から出て札幌市内全体を見渡したときには、やはり、必ずしも連携がうまくとれていない地域、商店街もあることをお聞きしました。組合員組織にもなっていなくて、地域との連携協力を深めていきたいけれども、それをどのように進めていったらいいのかわからないといったことがまた課題になっているとお聞きしました。  そこで、この事業を具体的にどのように進めていくのか、伺います。 ◎川畑 産業振興部長  事業の進め方についてでございますけれども、例えば、地域特性のデータをもとに、札幌市で用意する進行役と商店街の方が、地域の課題、あるいは地域のための商店街、あるいは、ほかのメンバーについても、みずからできることを整理するといったことを初めとして、その内容を一つの材料にして商店街と多様な団体が対話を中心としたワークショップのような形で話し合いを積み重ね、地域の課題解決に向けた取り組みを考えていただく、そういう手順を想定しております。しかしながら、今、ご紹介がありましたように、地域の事情はさまざまであることから、進め方につきましては、柔軟に対応していきたいと考えております。 ◆小竹知子 委員  ただいまの川畑部長のご答弁にありました進行役がコーディネーターということかと思います。  しかし、これは、あくまでも私の勝手なイメージではありますが、商店街にコーディネーターを派遣してといいますと、アンケートをとって商圏やその消費行動を調査・分析し、事業を計画して、最終的には非常に体裁の整った分厚いファイルを置いてコーディネーターはその商店街を去るというようなことで、1年間、絵に描いた餅を描くためにそういったことをされるのかなという感じも正直しているのです。  そこで、過去にもそれと似たような事業をされてきたのではないかと思うのですけれども、その成果についてと、また、今回の事業と過去の事業はどういう違いがあるのかといったことをお聞きします。 ◎川畑 産業振興部長  過去の類似の事業ということでございますが、商店街がコンサルタントに委託してプランづくりを行うものとしましては、商店街計画づくり事業というものがございます。これを活用いただいた商店街の中には、つくった計画に基づき、国の補助を受けてコミュニティカフェの中に子育て支援スペースを設けた事例などがございます。  こうした過去の事業との違いでございますが、新年度の事業におきましては、さまざまな団体、個人や企業など幅広い参加を想定していること、また、参加者みずからがさまざまなアイデアを出し合うワークショップを継続的に開催していくこと、こうしたことが違いだと考えております。 ◆小竹知子 委員  やはり、コーディネーター役の方がその役割をどれだけしっかりと果たしていただけるかということが非常に重要なことかと思います。商店街としましては、当然、先ほど申し上げたように、絵に描いた餅が欲しいわけではなく、食べておいしいお餅が欲しいということだと思いますし、やはり、実効性と収益性のあるものを本当に望みたいと思います。  南区のある商店街の方にこの事業についてご説明申し上げましたら、この商店街を歩いたこともない、もちろん買い物をしたこともない、地域の特性も全く把握していないようなコーディネーターなんか要らないといった厳しい声もありました。  そこで、コーディネーターにはどのような人を考えておられるのかということも含めまして、この事業を進めるに当たって何か特別に工夫されるようなことをお聞きしたいと思います。(発言する者あり) ◎川畑 産業振興部長  コーディネーターを含めた事業の進め方の工夫でございますが、やはり、コーディネーターとしましては、いろいろな方が話しやすい雰囲気をつくれる方、気兼ねなく語り合えるような、そんな場づくりのノウハウを持った方がふさわしいのではないかと考えております。そういったワークショップの運営に当たりましては、誰もが参加しやすい雰囲気をつくること、その上で多様なメンバーを集めること、それから、いわゆるアイデアの押しつけにならないように、参加者から活発な発言をいただくような場づくりをできる方、そういった専門家のノウハウを活用しながら、この事業を進めてまいりたいと考えております。 ◆小竹知子 委員  今、後ろの委員からも声が上がりましたが、実は、月寒の方ではこの事業に対して手を挙げるつもりはありません。でも、先ほども申し上げましたように、やはり、全体的に商店街と地域がなかなか連携できていないところがあるということを実際にお聞きましたので、そういったところでしっかりとということを思いますし、そのコーディネーターという方は、私は職員の方でもいいと思うのです。むしろ、地域をよく回っていらっしゃるので、実際に見て感じ取った課題を解決できるのは、200万円で委託してやらなくてもという気持ちも正直ありまして、そういったことは指摘したいところです。  この事業で私が期待申し上げるのは、やはり人材の発掘です。これまで、地域でなかなか顔が見えていなかった企業の方であるとか地域の方が、この事業を通していろいろな会議とか――どこの商店街でも、さまざまな事業を運営しながら人手不足というのは共通の悩みだと思いますので、そういった点では非常に期待申し上げております。  先ほどから再三申し上げておりますように、やはり、コーディネーターに丸投げするといったことではなく、ぜひ、この事業をいいものにしていただくためにも、経済局でも地域にしっかりと入って連携していただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。 ◆五十嵐徳美 委員  私からは、企業誘致について、何点か質問させていただきます。  昨年の予特でもお話しさせていただきました。そんな中で、先ほども企業誘致の話で省エネのことがインセンティブにあるような話をしていましたが、改めて確認しておきたいと思います。  企業誘致では、実績を確認したり、今の産業振興ビジョンに重ねていくとどういう成果があるのだということだけであって、過去を振り返ると、自分もついついそういう視点で話をさせていただいておりました。僕は、企業誘致そのものは、手段であるというふうに思っていまして、誘致をすることによる目的がより明確にならないと、その行動であったり手段というのは変わってくるのではないかというふうに考えます。  そこで、今言ったように、産業振興ビジョンは食と観光と環境、健康・福祉というふうに四つの重点分野を決めていまして、企業誘致には短期的、中期的、長期的とそれぞれの視点があって目標設定をすると思いますが、まず、改めて目的を確認したいと思います。  さらには、その目的実現のためにどんなふうに取り組みをしていくのか、お聞かせください。 ◎川畑 産業振興部長  1点目でございますが、企業誘致の目的は、短期的には雇用を創出すること、また、中期的には企業間の取引拡大や技術移転による地域経済の活性化を図ることが目的であると考えております。そして、長期的には、さまざまな産業の集積によりまして多様な人材が活躍できる場を確保することではないかと考えております。  2点目の目的実現のための取り組みについてでございますが、雇用面に着目した取り組みといたしましては、雇用者数の多いコールセンターやバックオフィスなどの誘致を進めているところでございます。また、地域活性化の観点からは、近隣自治体とも連携いたしまして、取引の裾野が広い製造業や、今後の成長、発展が見込まれる先端技術産業の集積を目指しているところでございます。これらの取り組みの積み重ねが多様な人材の蓄積に結びつき、ひいては地域の経済活動を担う人づくりにつながるものと考えております。 ◆五十嵐徳美 委員  役所らしい答弁をありがとうございます。  どうしても、今、企業誘致をすると、コールセンター、バックオフィス、雇用2万人前後の実績があるというふうになっております。実績としては当然上がっているでしょう。
     ただ、1点ちょっと欠けている部分があるのかなと思うのは、それによってこの札幌市に何をもたらすのか、そのことは将来の札幌において何をもたらすのかということが明確ではないのかなというふうに実は感じます。それは、尽きるところ、経済活動が活性化され、人もつくりながら、税収を確保して、経済基盤を確立する中でさまざまな行政サービスを提供していく大きな要素になるのではないか。そういう部分が、多分、欠けているのだと思うんですね。ついつい、実績をつくるがごとく、1年間、単年度制の予算によって、我々もその成果を求めたり、行政もその結果を報告したりというやりとりになっているのかなと実は考えました。  ただ、以前から、我が会派もそうですが、先ほどもものづくり、製造業の話がありましたけれども、札幌市は、1次、2次、3次のバランスを考えたとき、今言う雇用創出の成果に着目すると3次産業、サービス業等々というところが非常に大き過ぎるなと。ことし、近隣自治体に誘致した企業についても補助金を出すというようなことで、新たなる取り組みとしてやっています。その一つの例が札幌型ものづくり振興戦略であったりということでやっているのですが、産業振興部の組織の中でも当時は粟崎課長が中心でやると。今回、新たに企業誘致担当の課長も一つふえたということです。では、果たしてそれだけで本当に――目的を明確にして、どういう産業構造をつくるかによって、言葉では2次産業を厚くしたいというものの、それは形としてなかなかあらわれず、本当にお題目を唱えているだけのように実は伝わり、その実績もそうなのではないかと思うのです。  そこで、製造業と言われる部分の誘致実績をまず確認したいと思います。  そして、昨年も話が出ていました近隣自治体に補助するみらいづくりの補助金そのものの実績がどうなっているか。さらには、平成25年度は、製造業の誘致につながる取り組みとして、具体的にどういうアプローチをして、どういう企業であったり、また、以前の答弁では、東京事務所にも庁舎のOBを使っているとかと言うけけれども、人も生かしながら、そうなのですが、今言う2次産業の裾野を広げていくために、どういう産業とか企業とか、どんなふうに具体的にアプローチしていくか、お示しいただきたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  1点目の製造業の誘致実績でございますけれども、平成24年度といたしまして、新設ではございませんが、増設が食品製造業で2件、エネルギー関連製造業が1件、計3件でございます。このうち、エネルギー関連の製造業1件につきましては、先端的な加工技術に着目をいたしまして、みらいづくりの補助金の対象としているところでございます。  また、誘致のため、どういう分野に行くのか、また、アプローチということでございますけれども、現在、ターゲットとしておりますのは札幌の強みを生かせる食関連産業でして、それはフード特区の優遇措置といったこともございます。また、研究機関が集積しているといったことからバイオ産業、こういったものをターゲットとしまして、製造拠点はもちろんのこと、工場立地につながる可能性のある研究部門の誘致にも取り組んでいるところでございます。具体的な企業のアプローチにつきましては、展示会やダイレクトメールなどで知り合った方々に対し、東京事務所も含めて積極的に企業を訪問するということと、必要に応じて市長によるトップセールスを展開しております。  新年度におきましては、専任課長の配置により体制が強化されますので、現在、市外企業に対する立地意向調査というのを行っておりまして、これのまとまった結果を活用して企業訪問を展開してまいりますほか、これまで以上に地元の企業から情報収集を行い、さらに、金融機関や不動産会社などとも連携しながら効果的な誘致活動を進めてまいりたいと考えております。 ◆五十嵐徳美 委員  具体的に何人ぐらいで取り組めますか。 ◎川畑 産業振興部長  専任課長が実現いたしますと、専任としては課長1、係長1、担当2が札幌にいる人数でございます。このほか、東京事務所の人数も入れますと、専任として5〜6人で取り組むことができると考えております。 ◆五十嵐徳美 委員  やっぱり人が少ないですね。本気で招致をしようと思えば、その情報の集積であったり、アポイントメントを含めて、もちろん、その役割を担う方々は一生懸命やると思うのですが、先ほど来、いろいろな行政サービスの分野があるから、どれに斜傾するのだということがあります。バランスも考えなければいけないと思いますが、本当は、もっともっと人が――将来展望を考えると、今、いろいろな意味で投資をしなければいけない、そんなふうに考えます。  そこで、当然のごとく、昨年も話が出たのですが、例えば、工場を立地するときにはやっぱり土地が必要なのですね。前回の議会のやりとりの中では、自前の工業団地では札幌テクノパーク1区画、札幌アートヴィレッジ2区画、2ヘクタールしかないと。民地のことを聞きましたら、不動産業者の聞き取りでおおよそ10ヘクタールというご答弁をもらいました。  僕は、去年も話をしましたが、もちろん、近郊の安価な土地を利用しながら企業誘致することによって、一方、札幌市民の雇用の場も創出されるという見方もありますけれども、結局、人のふんどしで相撲をとるとか、やっぱり、札幌市内に招致をすることにより、その効果、実績がより深まってくるというふうに思うのです。  当時の本間産業振興部長からは、今年度、改めて土地の関係についていろいろ調査したいというふうにお話をいただきました。そこで、民間の産業用地の状況であったり、市内企業用地の取得ニーズの状況などの調査結果がまずどういうふうになっているかということ、さらには、札幌市が誘致をしたいものの中に工場適地という言葉があるのですけれども、そうなりますと、その工場適地というのは工業専用地域であったり工業地域、いずれにしても用途別にまたその判断も変わってくるのですが、その用途別に把握できていたらその内訳も教えていただきたい。そして、その結果、札幌市内の産業用地の需給状況ですね、求めるものと提供できるものと、そういった結果によってどのように認識しているか、お知らせください。 ◎川畑 産業振興部長  産業用地にかかわる調査結果と需給状況の認識についてでございます。  調査をいたしましたところ、市内に工業系の民間の遊休地が約38ヘクタールほどあるというヒアリング結果が得られております。そのうち、売却や賃貸の意向があるのは約15ヘクタールでございました。その用途地域別の内訳といたしましては、工業専用地域が1.6ヘクタール、工業地域が1.5ヘクタール、準工業地域が12.2ヘクタールで、準工業地域が約8割を占めております。このほか、平成26年度以降に、順次、利用可能となります東雁来の流通工業系の業務地区の約12ヘクタールを加えますと、今後、供給可能な産業用地は約27ヘクタールと見込まれるところでございます。  次に、市内企業に用地取得のニーズについて調査した結果でございますけれども、市内の製造業、卸売業823社から回答いただいておりまして、工場の増設や市内移転のために必要とされる用地は、推計でございますが、30ヘクタール程度ではないかと考えております。市内で移転されるといたしますと、移転元の用地があくこともございますので、現段階におきましては用地の需給状況としてはおおむね均衡しているのではないかと認識しております。また、現在、市外の企業にも立地意向調査を実施しておりますので、今後はその結果も加味し、需給状況を精査してまいりたいと考えております。  なお、工業団地につきましても、近隣自治体や全国の政令指定都市の造成の状況や販売価格、販売状況といった基礎的な情報について調査を実施しているところでございます。 ◆五十嵐徳美 委員  調査した結果ですと、需要と供給でいくと大体とんとんというような、市内の企業の意向調査による結果ですね。今、増設、新設も本州の企業誘致を動かそうとしたり、広大な土地が必要となったときは、今の調査結果では不足することが見込まれます。ただ、それが、石狩市であったり、隣の千歳市であったり、近郊の土地へも進出した企業には補助金を出すということです。一方、今の話を伺うと、札幌市は、当時、工業団地を造成するのは、本州企業の招致ではなくて、市内の工業系を1カ所に集約し、そして、住居区域と工業区域を区別するという施策のもとにそういう工業団地を造成してきていて、本来、もともとよそからそういう企業誘致するという前提がなかったというふうな思いがあります。  ただ、現状は改めて工業団地を造成するという発想もありませんが、あったとしても企画立案から造成、そして分譲を開始できるまでは少なくとも10年はかかるであろうというふうに考えています。そういった現状を踏まえますと、工場適地というものには、今まで札幌市が造成した15の工業団地等と、または、ここに、工業専用地域、適正立地の可能な工業地域、地域計画により工業系の業務地区として土地利用が指定された区域、特別工業地区を言うというふうに書いてあります。  しかしながら、現状、やっぱり進出したい企業は少しでも安いところがいいに決まっているのですね、初期投資を抑えるのに。そのために補助金を出して、少しでも安価に企業が進出できるようないろいろな方法論をどの自治体も持っていますから、前にも言ったように、札幌市だけが優位性を持っているわけではない。  ただ、本市的には、札幌市内に招致をしたい、誘致をしたいというときに、今、部長の答弁で、準工地域が12ヘクタールと。ただ、これについても、当時は、職住接近であったりとか、そういう前提で、1年前にも話をしましたが、ちょうど私の住んでいる真向かいが準工の用途地域であります。もちろん、工場も建っているし、もう既にマンションも建っていたりとか、非常に、用途によっては何でもありですから、極端に言うと。当時は軽工業的なものを誘致しながら集積をしていったのですけれども、だから、時代の変化とともに、公害問題等々、さまざまな騒音対策等々についてもかなり進んでいるのではないかというふうに思っています。  そうなると、工場適地には入っていないのですね、準工業地域。さらには、確認をしたところ、補助金の対象外ですから、企業にとっては、準工業地域を、例えば利用しようとしても、この札幌市がつくっている制度の補助金が該当しないとなると、何らインセンティブが与えられないということになります。  しかしながら、今言ったように、郊外に工場を持っていくなら、条件が合えば札幌市内に集積をしたいという思いがあるし、札幌市も本来はそうではないかというふうに思っているのですね。石狩市を合併して札幌市にしてしまえば、また別問題になりますけれども、そういうことは次元の違う話なのでね。  それで、用途地域は、都市計画上、そうやって線引きをしていますけれども、本来、これはもう都市計画の問題ではなくて、企業を誘致するに当たって、この準工業の用途地域に企業を引っ張ってくるときにこういう補助金も対象にするというのは、経済政策であり、政治判断も含めて必要にはなってくるんじゃないかと。そんなふうに思っていまして、そこで、市内に製造業、尽きるところは、2次産業の裾野を広げて、そして、中期的には商取引の拡大、さらには人材の育成等々、そして、それは札幌市の経済力を強くし、税収確保のためという目的を達成するとしたならば、市内に集積をすることが必要であると判断します。  そうなると、今、繰り返しになりますが、準工業地域の位置づけについて、経済局でどういうふうに考えるのか、教えてください。 ◎川畑 産業振興部長  ご指摘がございましたとおり、現在の立地補助の制度では準工業地域への立地は補助対象となっておりませんので、場合によりましては、札幌に立地促進をするといったときに近隣自治体と比べて不利になることも考えられます。  都市計画上、工場立地が可能となっている準工業地域を、生活環境にも配慮しながら、産業用地としてどういうふうに活用していくかといったことにつきまして、今後、関係部局とも協議をしながら検討してまいりたいと考えております。 ◆五十嵐徳美 委員  部長、真剣にやってくださいね。本当に、そういうことは、さまざまな調整が今度は必要になってきます。さっきの商店街じゃないですけれども、外部に委託してコーディネーターを送ればいいじゃなくて、本来は、札幌市の職員の皆さんが現場に入り込んで、その実態を肌で感じて、そして、さまざまな施策に生かすという気概と、そして、伴う行動がなければ、なかなか成果は上がらないんじゃないかと。  議会でも、先ほど言ったように、実績を確認し、報告し、それで満足してしまっている傾向は否めないなというふうにみずからも反省するところではあるのですけれども、そんな意味で、本当にさまざまなハードルがあると思います。既に住居も混在しているところに、企業を、工場を設置するとなると、住民は反対するかもしれません。よほどそこに雇用の場があって、いいお給料がもらえて、少し我慢してでもその工場にお勤めできるのならいいというふうに考える方もいるかもしれない。一方、操業がうるさくて早く出ていけと言ったりとか、そんなさまざまな課題があります。  ですから、これは本当に経済局が真剣にやってもらわなければならない。全て横断的になるかもしれませんが、ぜひとも、来年の予特で再度質問したいと思いますから、ただ形ではなく、その動いたあかしをまたお示しいただきたく要望して、終わります。 ○伊藤理智子 委員長  以上で、第1項 商工費のうち、関係分の質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時       再 開 午後3時19分     ―――――――――――――― ○伊藤理智子 委員長  委員会を再開します。  次に、第2項 農政費のうち、経済局関係分について質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私から、札幌近郊農業のイメージアップとブランド力を高めるための取り組みについて質問させていただきます。  農家の高齢化、遊休地の増加など、農業の問題は待ったなしで対応していかなければならないテーマですが、現実には、後継者がいなかったり、農地の相続で権利関係が複雑になったりするなど、問題がふくそうしており、なかなか簡単には解決できない問題であります。このような中、本市の農政においては、農地の流動化施策によって農地の集積を図っているほか、さっぽろ夢農業人育成支援事業によって、新たな研修農場を開設して、新規就農者の育成に取り組まれております。この支援事業については、市の独自の取り組みとして期待はしておりますが、研修生が1カ所3人という規模で2〜3年の研修という今のやり方が妥当なのか、その後の就農地確保などについても課題が多いと思っております。  私は、青果物の小売団体に22年間勤務しておりましたが、勤務を通じて感じていたことは、もっと都市近郊農業の魅力を農産物の販売促進につなげられないかということでございました。当然、消費地の近くで農産物がとれるので、輸送距離も短く、収穫した農産物についてもエネルギーを余り喪失していない状態で運ばれますので、その新鮮な状態で食卓に届けることができます。これだけでも付加価値はあると思うのですが、このような札幌の農業の魅力をもっと市民にアピールして、市民に理解してもらうことが大切ではないのかと思います。  そこで、質問の第1点目ですが、本市では、札幌の農業、農産物の魅力をどのように認識しておられるのか、また、これに関連して、市民へのPRはどのように行ってきたのか、伺います。  さらに、周辺都市の農業とあわせて、札幌近郊農業という観点も重要と考えますが、現在、どのような取り組みが行われているのか、あわせて伺います。 ◎三部 農政部長  1点目の魅力についての認識と市民へのPRについてでございますが、市内を見ますと、北東地域のタマネギ、手稲のカボチャやスイカ、また、有明のホウレンソウや南区の果樹など、地域の特色を生かした少量多品目の農産物が生産されていることや、大都市でありながら近郊に農的景観を創出していることが魅力であるというふうに認識をしております。  また、市民へのPRといたしましては、昨年10月にサッポロさとらんどにおきまして、さっぽろ食・農フォーラムを開催し、料理研究家や学識経験者によるトークセッションの後、札幌産野菜を使った料理を実際に味わっていただき、市民の皆様から大変好評をいただきました。さらに、教育委員会と連携し、札幌の農業、農産物を紹介した小学生向けのパンプレットの作成、配付を継続的に行っておりますほか、各種農業イベントでパネルを展示するなど、さまざまな機会を捉えてPRしているところでございます。  次に、周辺都市の農業と連携した取り組みについてでございますが、石狩管内の8市町村と農業団体で構成をいたします札幌圏地産地消推進委員会というものを設立し、平成21年度から管内の農畜産物に係る地産地消の推進に取り組んでおりまして、毎年9月にはサッポロさとらんどでさっぽろハーベストランド収穫祭というものを開催し、4万から5万人のお客さんを集めております。また、サッポロさとらんどの交流館では、各市町村の農産物フェアを継続して開催しているところであり、今後は、各都市を紹介するサテライト機能を充実させるなど、札幌近郊の農産物を含めた地産地消が推進されるよう関係市町村と連携を深めてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  今の説明を聞いていただけでも、例えば、タマネギや花卉、ホウレンソウ、また南区の果樹、大浜みやこ、スイカなど札幌ではかなり多くのものがとれておりまして、実は札幌の農業も実に多様な顔を持っていることがわかると思います。  農産物は、その地域の特性に合わせて育つ自然の恵みであります。例えば、タマネギを育成するには、適する緯度、経度と言われるものがありまして、北海道のタマネギは本州では育ちません。逆に、緯度、経度が同じ地球の反対側で同じようなタマネギがとれるものであります。最近、このタマネギの日本の元祖とも言われている食の世界遺産にもなった札幌黄ふぁんくらぶができましたことは、地場の農業を再確認する取り組みであると大変期待をしているところです。  また、札幌の野菜を小売店が中心となってホテルで試食会を開催したり、生産者と一体となった食べ方の勉強会が開催されるなど、地場の農産物を盛り上げる動きが出てきております。札幌では大消費地に農地があるのですから、もっとこの優位性を生かす取り組みができないものかと考えます。本来、農産物には旬がありまして、その地元の販売店もそのことをよく知っているという状況かと思います。  そこで、質問ですが、例えば、札幌には八百屋の集まりである青果の小売団体が3団体ございます。このようなお店の力をかりて、札幌の農産物について、旬を初め、そのおいしさなど、その魅力を発信する取り組みを行ってはどうかと思いますけれども、市としてはどのようにお考えなのか、お伺いします。 ◎三部 農政部長  青果小売団体と連携した情報発信の取り組みについてございますが、委員がご指摘のとおり、札幌産野菜に対する関心は高まりつつありますので、市場やJAに加え、野菜の旬や魅力を一番知っている青果小売店団体や販売店などとも連携し、情報発信していくことは、より多くの市民の方が豊かな食生活を築いていく上でも大変有用なことと考えております。今後とも、十分に関係者と協議を重ねながら、そうした取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  この小売団体については、組合員数は減ってきておりますけれども、個性的な販売意欲のある組合員も数多くおります。販売の工夫という点で言えば、例えば、昨年より仁木町農協と市内の青果小売店がタイアップしており、プルーンやミニトマトを箱に移しかえずにコンテナで市場まで運び、パッケージコストを抑える取り組みの協議も実は進めており、農協も大変前向きであると伺っております。  また、知っている人は知っておりますけれども、札幌のコマツナは全道一の生産量を誇ります。市が推進し、特産物の一つとして成長させた野菜であります。このコマツナをもっと多くの消費者に使っていただきたいと青果小売団体も随分研究しており、NHKの「とれたて市場だより」などでもPRしているところでございます。コマツナは浅漬けに大変適していることや、例えば、コマツナをざく切りにして牛乳とまぜ、氷とリンゴとレモンを入れてミキサーで撹拌させると、苦みの全くない、色のきれいなおいしいジュースができ上がります。このように簡単に加工することで、農産物の魅力は各段に高まります。最近では、駅前のデパートの地下にあるジュースバーも大変人気でございます。こうした情報をコマツナを包んでいるPP袋に表記すれば、イメージアップと販促のPRに役立つのではないかと考えます。  6次産業化という言葉がありますが、農産物にはそうした付加価値をつけていけば、生産、流通、販売につながる取り組みに広がるものと考えます。このような農産物の付加価値をつける取り組みについても、市では、これまでどのようなことをされてきたのか、そして、今後、どのようなことに取り組んでいこうとしているのか、お伺いいたします。 ◎三部 農政部長  農産物の付加価値をつける取り組みについてでございますが、これまで、さっぽろとれたてっこ認証制度によるサトホロイチゴを使ったジェラートや、また卵を使ったシフォンケーキなど、加工品の認証を行ってきております。また、果樹農家とパティシエをつなぐ農産物見本市、スイーツマルシェと言いますけれども、そうしたものの開催を通じまして農産物の付加価値向上に取り組む農家の支援をしてきたところでございます。今後も、さまざま機会を設けて、このような農家に対してイベント情報を提供したり、また、認知度アップへ向けた取り組みの支援を行うほか、付加価値の向上に関心のある生産者への啓発を行い、札幌の農産物の可能性をさらに広げてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  札幌でとれておりますものは非常に1次加工しやすいものが多いという認識で私もおります。食は、札幌市の産業振興ビジョンの重点分野の一つにもなっております。農業サイドから食の魅力を高めるこれまでの取り組みについては、今、ご答弁いただいたような付加価値をつけることも大事な視点であり、さらに、おいしい料理を食べられたり、収穫体験などを楽しめる観光の観点を加味していくと、市民を初め、広く市外の方にも札幌の農業の魅力を再発見していただけるのではないかと考えます。  この点について、市の見解を伺います。 ◎三部 農政部長  観光の観点を加味した展開でございますが、南区の果樹園では、観光農園としてブドウやサクランボなどさまざまな収穫体験でにぎわいを見せる一方、北方面にありますサッポロさとらんどにおきましては、最近、修学旅行生や海外からの観光客が徐々にふえつつありまして、収穫作業と手づくりの加工体験をセットでするようなコースが人気となっております。このように、札幌の南北エリアには、自然を生かし、人を引きつけるグリーンツーリズム的な展開の可能性があり、現在、農業体験などについて市民がどんな関心を示しているのか、アンケート調査を実施中であります。3月末にまとめるこの調査結果を踏まえ、平成25年度では、札幌の農業や農産物の魅力をより多くの市民に感じてもらえるような体験ツアーなどの事業を企画していきたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  体験ツアーなどグリーンツーリズムを利用いたしまして、本当に札幌市でもさまざまな取り組みを開始しているように感じます。生産、流通、消費の中であらゆる機会を利用して改めて札幌農業の魅力をクローズアップさせ、市民に理解してもらえる取り組みをしていくことが大切であります。食は私たちの生活の基本ですから、どうか自信を持ってすばらしい札幌近郊農業の可能性を追求していただきたいことを求めて、質問を終わります。 ◆宮川潤 委員  新規就農支援とタマネギの札幌黄など、私は、住まいが丘珠なものですから、タマネギの札幌黄などの札幌ブランドについて質問します。  委員会のたびに私は申し上げてまいりましたが、この20年間で、市内の農家の戸数と農地面積はいずれも半分以下に減っています。TPP参加が問題となっています。食料自給率を高めることは、安全な食料を供給することでもありますが、国際紛争に左右されずに安定した国民生活を保障することであり、今後、地域温暖化など気候変動による食料生産の影響があらわれた場合、輸入に頼っていたのでは、どの国も自国の食料供給を優先させるのは当然のことでありますから、自給率の低い国ほど食料危機に対応できなくなるということであります。  先進国の中でもオーストラリア、カナダ、フランス、アメリカなどは100%を超え、日本の40%というのは最低であります。日本がやるべきことは、TPPではなくて、食料自給率を高めることであり、国の政策とともに、それぞれの地域が農業を発展させることが必要であります。本市農業は野菜が中心であり、もともと関税が低いため、安倍政権の今後のいかんに左右されず、農業生産を上げ、農地の減少を招かないように、本市の取り組みが期待されます。  私は、本市農業が発展するためには、都市近郊農業としての特徴をどれだけ生かすことができるかということにかかっていると思います。具体的には、消費地に近いことを生かして新鮮な農産物を供給できること、輸送距離が短いことから、コストを下げるとともにエネルギー消費が少なくすむこと、生産者の顔の見える安心できる農産物を供給できること、そして、生産者と消費者の交流を図れることなどです。生産者と消費者の交流ですが、生産者にとっては消費者の求めていることがわかる、消費者にとっては、おいしい食べ方を初め、農産物に関する知識が得られること、農業が身近になり関心を持つことができるようになります。本市農業の発展のために、地産地消を推進することや、新規就農の支援などが求められています。  私は、昨年の決算特別委員会において、新規就農者の生活費援助を求める質問をいたしましたが、農政部長の答弁で、青年就農給付金制度を活用したいとのことでした。  まず、ここ数年の新規就農者の状況について明らかにしてください。  さらに、活用したいとされた青年就農給付金ですが、効果があらわれているか、今後の見通しを含めて伺います。 ◎三部 農政部長  まず、ここ数年の個人での新規就農者の状況についてでございますが、札幌市内に農外から新規就農した個人は、北海道の調べによりますと、平成19年から23年までの5年間に6名となっております。したがって、年平均1.2名という状況にございます。  それから、青年就農給付金の効果と今後の見通しについてでございますが、青年就農給付金には研修期間中に給付される準備型というものと、独立・自営就農後に給付をされる経営開始型の二つの種類があります。  なお、準備型につきましては、本市を通さず、北海道農業公社が直接給付するものでございます。  平成24年度において、本市で青年就農給付金を受給した者は、経営開始型が1名で、準備型が7名となっておりますが、平成25年度の見通しでは新規就農に向けて準備している者が多数おり、経営開始型の受給者を9名と見込んで予算に計上したところでございます。また、準備型は、市内の先進農家などで研修を行う者が15名以上になると想定しております。  経営開始型、準備型ともに急激に増加している傾向があります。この2カ年だけで判断できるものではありませんけれども、青年就農給付金は有効に働いているのではないかというふうに考えております。 ◆宮川潤 委員  新たな就農者が個人では5年で6人になったということで、非常に厳しい状況だと思いますが、そういった中で新たな給付金制度が今後有効に働く可能性があるというふうにも考えられます。  昨年、この制度ができたときに、利用希望者が全国で殺到したために、ある自治体では、要件を満たしても給付されないかもしれないと伝えて、利用者を抑制しようとしたことが報道されました。まず、利用したいと希望する者がふえた要因について、どのように捉えているのか、伺います。  また、本市の場合、希望者が全員、制度を利用できるのかどうか、伺います。 ◎三部 農政部長  青年就農給付金の希望者がふえた要因についてでございますが、以前から、職業として農業経営というものを開始したいと思い描いていたものの、生活面での不安からその一歩を踏み出せなかった若者たちが、今回、一気に表面にあらわれてきたのではないかというふうに考えております。  次に、制度の予算的な見通しでございます。委員がご指摘のとおり、昨年の5月ごろから要望額の全額を配分することは困難という報道がなされておりましたけれども、本市におきましては、昨年7月の段階で希望者全員につきまして給付の決定を受けており、特に混乱は生じておりませんでした。また、平成25年度に関しましては、2月に成立をした平成24年度補正予算と25年度予算が合わせて執行されることとなったため、本市の希望者全員に給付が可能であると考えております。 ◆宮川潤 委員  農業をやりたいという気持ちがあったけれども、生活面の不安があったために踏み込めなかった人たちが、研修を受けるようになったということでありますから、大変結構なことだと思いますが、そういう人たちが確実に就農に結びつくかどうかという点が問題だと思います。何よりも肝心なのは、本人の意欲でありますけれども、意欲を持ち続けるためには、自分のやろうとしている農業が社会的に重要な役割であることを深く自覚すること、農業経営が成り立つ見通しを持つことなどが重要であり、加えて、直面する課題を乗り越えることも必要です。例えば、農業技術を身につけること、機械や資材を調達することなどです。これらに対する見通しを持って初めて就農が可能になりますが、これらに対する支援についてお聞かせください。 ◎三部 農政部長  研修生に対する支援についてでございますが、研修生に対しては、北海道農業担い手育成センターの就農支援資金を活用できるように、その申し込みに必要な就農計画の作成に協力していきたいと思っております。また、農業支援センター職員が研修地を巡回し、技術的なアドバイスを行うほか、市内で農業経営を開始するのに必要な市の施策や農地法等の知識、また、JAの概要などについても関係機関と一体となって講習会を開催するなど、円滑な就農をサポートしていきたいと思っております。さらに、就農後、ビニールハウス等の農業用施設を導入したいといった際には、新規就農者に対しても農業基盤整備事業を適用することで早期に経営基盤を確立できるように支援をしてまいりたいと考えております。 ◆宮川潤 委員  さまざまな支援で就農者が本当にふえて、札幌の農家の戸数減少、農地の減少に歯どめがかかるというところを目指して、なかなかとまらないとは思うのですけれども、しっかりそちらの方向で頑張ってやっていただきたいと思います。  次に、我が国最初のタマネギである札幌黄についてであります。  病気に弱いといった理由などで、一度は新しい品種のF1にすっかりとってかわられましたけれども、肉厚で火を通すと強い甘みが出るなどの食味が再評価されて、昨年の決算特別委員会では、市民の中で札幌黄ふぁんくらぶが結成されたこと、本市として情報提供やPR、連携を強めていく旨、答弁がありました。イタリアに本部を置くスローフード協会が札幌黄を食の世界遺産に認定するなど、評価が高くなり、飲食店で使われて話題にもなっているようです。  東区内の障がい者授産施設ひかり工房では、札幌黄を使用した食パンや焼き菓子をつくっています。ケーキハウスアルディのツイッターでは、サーモン、ホウレンソウ、札幌黄のキッシュを売り出すと、店頭陳列後1時間弱で完売したそうであります。カリーハウスパークポイントのホームページでは、通年、札幌黄100%のカリーを目指しています。また、ブルックスカレー食堂でも、大量の札幌黄が使われておりますとホームページで紹介しています。  そういった中で、札幌黄オーナー制度というものが始まったそうであります。1口2,600円で札幌黄が10キログラム配送されるし、さとらんどでの収穫体験も組み合わせて行うそうです。  まず、札幌黄の生産についてですが、生産農家の戸数と生産量について明らかにしてください。  農政としては、オーナー制度にどうかかわってきたのか、支援するお考えはあるのか、伺います。 ◎三部 農政部長  札幌黄の生産につきましては、現在、約20戸の生産者で、作付面積は約10ヘクタール、収穫量は約500トンとなっており、最近は横ばいの状況となっております。  次に、札幌黄オーナー制度とのかかわりについてでございますが、この制度は、東区を中心として発足した札幌黄ふぁんくらぶの特別事業として新たに始められたものと承知しております。市民にとっては、札幌黄が確実に届くとともに、生産者にとっては価格と供給先が安定的に得られるもので、農政部としては、東区役所とともに札幌黄を提供していただくJAさっぽろや関係機関との連絡の調整に努めてきたところでございます。このオーナー制度を通じて市民の人気の高まりが続いていけば、各生産者の畑の作付をふやしたり、新たに作付する農家が出てくることも期待できますので、今後、オーナー制度も含め、札幌黄ふぁんくらぶの活動を支援していきたいと考えております。 ◆宮川潤 委員  このオーナー制度は、消費者にもいいし、生産者にとってもいいということで、5日間の間で700口を超える申し込みがあったそうですが、生産者と消費者の結びつきを強める都市型農業発展のためのいい方法の一つだと思います。オーナー登録された方が、より札幌黄とのかかわりを深めていけるようにすることが重要だと思います。おいしい食べ方や加工品の希望などを聞き、消費拡大に結びつける取り組みも重要だと思いますがいかがか、伺います。  また、生産者と消費者、札幌黄にこだわりを持ち使用している飲食店などが交流できる機会を設けるなどの支援も意義があると思いますがいかがか、伺います。 ◎三部 農政部長  消費拡大に結びつける取り組みでございますが、委員が先ほど述べられたように、札幌黄は、現在、カレーやラーメン、スープなどさまざまな商品に加工され、幅広い分野に活用されておりますが、今後もさらにいろいろな食べ方や加工品の開発などが可能な魅力ある食材と考えておりますので、おいしい食べ方や加工品の希望などを聞き、消費拡大に結びつける取り組みとしてオーナーにアンケートをとるなど、札幌黄ふぁんくらぶとの一層の連携を図り、新たな商品化などの気運を高めていきたいと考えております。  次に、生産者と消費者、飲食店などの交流についてでございますが、一般市民や飲食店主などから成る札幌黄ふぁんくらぶでは、オーナーに対して10キログラムの札幌黄を届けるだけでなく、より愛着を持っていただくために生産者などとの交流を予定しておりますので、農政部としてもそれらの活動を支援していきたいと考えております。 ◆宮川潤 委員  札幌の風土や特性に合った農産物を守っていくために、例えば、ブランド化できるような名前をつけることや、その農産物のおいしさや魅力を地元の消費者に伝えていくことが重要だと考えます。北区の太平レタス、清田区のホウレンソウのポーラスター、手稲区の山口スイカ、カボチャの大浜みやこなど、それぞれファンがいらっしゃると思います。愛好者の活動に行政が少し支援することでファンが広がり、こだわって使用する飲食店もふえるのではないでしょうか。  本市農業振興という点からも、札幌黄ふぁんくらぶに続く取り組みを支援すべきと思いますけれどもいかがか、伺います。 ◎三部 農政部長  札幌黄ふぁんくらぶに続く市民の取り組みについてでございますが、札幌には多様で特色ある農産物がありますので、札幌黄ふぁんくらぶのような市民活動がほかにも出てくることは大いに歓迎をすべきところだと思っております。  札幌市としては、このような市民活動の盛り上がりが地産地消の意識につながり、ひいては札幌の農業を振興する大きな力になっていきますので、今後とも、機会を捉えて札幌農業の魅力の発信に努め、食と農にかかわる市民の活動を支援していきたいと考えております。 ◆堀川素人 委員  私から、熊とエゾシカの話をしながら、その被害に遭っている農家に支援をしていただきたいなと思って質問いたします。  質問の初めに、まず、この数年、熊、鹿の出没が相次いでおりますけれども、札幌市では熊や鹿の出没をどういう形でもって把握しているのかということと、それから、野生動物及び有害鳥獣と言うのですか、そういうものの被害もあわせてご説明いただければと思っています。 ◎三部 農政部長  まず、ここ数年の熊や鹿の出没情報を把握しているかということでございますが、ヒグマにつきましては、庁内の連携組織である札幌市ヒグマ対策委員会というものを通しまして、出没情報の共有システムにより常時把握しております。また、エゾシカにつきましては、農業被害が発生した際には、地元農協からのタイムリーな情報提供を要請して把握しているところでございます。  それから次に、それらの農作物の被害状況でございますが、平成23年度の被害状況といたしましては、ヒグマによるものが、面積的には21.9ヘクタール、金額で163万6,000円となっております。サクランボやスイートコーンがその主な被害作物でございます。エゾシカにつきましては、面積が2.3ヘクタール、金額で21万1,000円ということで、主にリンゴやスイートコーンが被害に遭っております。そのほか、アライグマ、キツネ、カラス等による被害が1,800万6,000円ということで、農業被害の総計は1,980万円強となってございます。 ◆堀川素人 委員  熊やエゾシカが接近してくる農地に電気柵をつけるのに、札幌市が補助をしています。こういう中で、熊やエゾシカの出没情報をいつも僕のところに連絡してくれる人たちがいますが、平成23年ころよりその人たちからの情報が圧倒的に聞こえなくなってまいりました。僕の聞いているのは、白川と言うところがありまして、果樹農家が連なって経営を行っている札幌の中でも唯一の場所と思っているのですが、ここは、南区ばかりではなく、札幌市にとっても宝みたいな場所なのですね。僕の住んでいるちょうど向かい側の石山の地域から見ましたから、平均で温度が1.何度は低くて、そこはほかのところから比べてそれだけ高いのですね。そして、自然にも恵まれて、果樹農家がずっと続いてきていて、ぜひとも、これからも果樹農家が代々伝わってほしいなと願っているところです。
     ところが、今から4年ほど、それよりも前でしょうか、石山のほうから白川に入りましてすぐのところで、木が真っ白になっているのですね。どうして真っ白になっちゃったのか。リンゴの木ですけれども、全滅なのですね。話を聞きましたら、全部、鹿に皮を食われて、全く生きてないというのか、果樹農家経営を続けるとすれば、もう全部植えかえをしなければならぬ、こういう状況を目の当たりにいたしました。  それからも、鹿、熊が結構出てきました。でも、先ほども言いましたように、去年、鹿、熊の出没の話が圧倒的に少なくなったのは、電気柵を農家のみんながつけたのかなと思っています。  そこで、札幌市として補助している電気柵がどのぐらい果樹農家に普及したのか、それから、その電気柵の補助というのは、今、何%になっているのか、お聞きしたいと思います。 ◎三部 農政部長  まず、電気柵がどのぐらい普及しているかということでございますが、今、委員のお話にありましたような果樹農家ということで見ますと、今、販売をしている果樹農家が大体30戸ほどありますけれども、その中の17戸ほどが設置を終えているということでございます。  次に、補助率でございますが、現在8割補助ということで電気柵の補助を支援しているところでございます。 ◆堀川素人 委員  それでは、もう一つ、果樹に対する被害、それから、果樹ばかりでなく、その辺で同じように畑もつくっていますが、そういうものも合わせて、どのぐらいの被害があって、どのぐらい減少したのか、捉えていたならばお知らせください。 ◎三部 農政部長  被害につきましては、先ほども申し上げましたとおり、平成23年の数字でエゾシカによる被害金額が21万1,000円と出ております。この被害の推移を過去に見ますと、平成21年が62万4,000円、平成22年は54万9,000円、今回、23年が21万1,000円ということですので、徐々に減少しており、それが電気柵というふうに限定できるかどうかはわかりませんけれども、一応の効果があったのではないかというふうに考えております。  また、ヒグマに関しては、過去には被害額について特に具体的には上がっておりません。先ほど申し上げたとおり、平成23年の被害額が163万6,000円となっております。ヒグマにつきましては、電気柵の設置によって、平成23年は出没そのものが確認されないというふうに農家の方から聞いておりますので、そうした意味では、忌避効果といいますか、そういった効果はあったのではないかと考えております。 ◆堀川素人 委員  農家の方々から聞きますと、これは、初めは5割の補助率で、今は8割になったと。やはり、5割の補助率では電気柵をつける農家が少なかったが、8割にして、今の30戸のうち17戸と大分普及してきました。ただ、熊も鹿も学習能力があって、電気柵がついているところには出てこなくなった、ところが、ところどころ、あいているところに集中して出るんだと、こういうような話を聞きます。熊なんかの場合は、結構、そんなものかなと。  僕も、去年、野生の熊を初めて見ました。ハスカップを食べていまして、それで、僕らが行ったときは、たまたまのぞいて、それで、人が少しずつふえてきましたら、その音がきっと聞こえるのでしょうね、ハスカップの上から立ち上がって顔を出しまして、どうも距離をはかっているみたいなのです。それからまた少しずつ人がふえてきましたら、ようやく裏の山に戻っていきました。熊も厚かましくて、人がそばにいても結構いるんだなと思いました。それは、なれた熊なのか、それとも、なれていなくても大体そういうものか、ちょっとわかりませんが、そんなことで出没するということです。そして、先ほども言いましたように、電気柵のない、あいているところに出てくる。  そうだとしたら、電気柵は効果があるものなら、一定エリアを囲ってやらなければ大きく言えば意味をなさない。こういうことで、30戸あるならば30戸が全体としてつけて地域として防御することが極めて大事かなと思うのです。しかし、いまだに13戸の農家がつけていない状況なのです。  そこで、5割から8割の補助になったのは割合からいってありがたい話ではありますけれども、電気柵については10割の補助をいたしますと言って、数少ない果樹農家が連檐した地域を守ることは極めて大事ではないかなと思っています。電気柵をつけるならば、10割、全部補助しますよと言ってもいいんじゃないかと思っていますけれども、いかがでしょうか。 ◎三部 農政部長  電気柵の補助率を10割にしてはどうかということについてでございます。  確かに、最近は、昼間でも肉眼でエゾシカの姿を容易に確認できるような状況になっておりまして、私どもといたしましても、被害が集中しているエリアには、地域を一体的に覆うような防御が早急に必要であるというふうには考えております。このため、私どもといたしましても、これら被害が集中している地区につきましては、例えば、わなによる駆除の方法を探るとか、効果的な電気柵の設置方法を探るとか、あるいは、従来の補助率に上乗せ加算して期限を定めて集中的に電気柵の設置を行うとか、そうしたさまざまな対応策について、今、検討を進めているところでございます。 ◆堀川素人 委員  熊、鹿などの野生の動物、それから有害鳥獣と言われるアライグマもいます。その駆除というか、近寄らせないためにはいろいろな方法があろうかと思っていますけれども、電気柵はそれなりの効果があると思われるならば、予算的には極めて小さいものです。予算を2割アップしても小さな予算で済むとするならば、100%補助ということでその一帯につくように集中的にやっていただきたいなと思いますけれども、もう一度、そこの部分について、どうするつもりなのか、どうしたらいいと思っているのか、お聞かせください。 ◎三部 農政部長  ただいまも申し上げましたとおり、やはり、エゾシカは今の農家にとりましては本当に深刻な状況になっておりますので、こうしたことへの対策は急いでいかなければならないと思っておりまして、そうしたところで私どももいろいろな方法を検討していかなければならないと思っております。その対応策については、電気柵の導入も含めて、積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆堀川素人 委員  近寄らせないために、わなをかけることも一つでしょうし、鉄砲で撃つ駆除の仕方もあろうかと思います。でも、札幌の場合は、ほとんど撃てる場所がないのですね。鉄砲でもって駆除することができない場所なのです。僕も実際に鹿撃ちに連れて行ってもらいまして、野生の動物の神経の細やかさというのか、鋭いことに驚かされます。100メートル以上も離れているこちら側の物音が一つ聞こえてもそれに近づかない、鹿の場合はこういう動物みたいなのです。なおかつ、民家があって鹿を撃てない状態であるならば、近づけない方法をとらなければ被害を防ぐことができないということなのですね。  そこで、もう一つが今、前向きにということを言われたのだと、こう善意に解釈いたします。そして、この2割を上乗せする金額についても、極めて少額な金額です。ぜひとも100%の補助をしていただきたい、こう思います。  また、今、僕が100%と言ったならば、極端に言えば、設計というほどでもないけれども、普通、補助と言ったら、設計から最後の使える状態までを補助対象とするわけです。今、僕の言っているのは、残念ながら、電気を通す機器だけが補助の対象であって、それは、ただそこにばっと敷いて効果があるものじゃなくて、一定の間隔で支柱を立て、それに電線を巻きつけて一定の高さにする、こういう中で初めてその役割を果たすわけです。  さらに、熊の場合は、余り飛ばないですから、熊が通れないような幅となると、1メートル50もやればもう十分かと思います。ところが、エゾシカの場合は、2メートル程度のものははるかに超えて飛んでしまいます。ですから、それなりの高さの支柱も必要なのです。支柱は、黙ってたたかないでいたら、立つことはないです。やはり、上からたたいて埋めて、それに電線を結びつけて初めて完成ということですけれども、先ほど言ったように電線しか補助がついていません。これは、全体で使うお金のどのぐらいになるか、正確に計算しているわけではないですけれども、それも合わせて考えたら補助率は50%以下だと考えられます。  今、単費でやりますから、なかなかきついとは思いますが、100%の補助率にしてくれというのは、その全体金額からいったら、そんなに難しくないというか、高い割合ではないということも考え合わせて、早急な対策というよりも、補助率をアップして営農に寄与していただきたい、このことを心からお願いいたしまして、質問を終わります。農家は、大変厳しい中で営農しております。 ◆植松ひろこ 委員  先ほど、宮川委員からも新規就農について多少ございましたが、私からは、さっぽろ夢農業人育成支援事業に絞って伺います。  先ほど来ありますように、農業者の高齢化や担い手不足、遊休地の増加など、農業の抱える問題は複雑多岐で簡単に解決できるものではないと考えております。その中で、大都市札幌におきまして、野菜などがどのようにつくられているかを実際に目で見ることのできる機会があるということは大切なことであります。また、子どもたちが日ごろ口にしている食べものがどのようにつくられているか学習すること、最近はこういったことを食農と呼ぶようですが、食農の観点とか、観光農園、市民農園など、市民がかかわり楽しむ場としても農業を守り育てていくことは大事なことであると考えています。  そのため、さきの決算特別委員会におきまして、農地の出し手と受け手のミスマッチを解消するために、農地利用集積円滑化団体とか元気ファームや観光農園、農地の保全や担い手対策などについて、本市の考え方や取り組みなどについてお伺いいたしました。その後、農業者の皆さんや関係する方々からいろいろなお話を聞き、また、制度についても調べましたところ、やはり、今までの農業者が引き継ぐことができず、遊休化した農地を守り、地域の農業を支えていくためには、新たな就農者の確保、新規就農者対策がとても重要なところであると考えております。  2011年の第1回定例会の代表質問におきましても、我が会派は新たな担い手対策事業について取り上げまして、そちらの具体的な事業がさっぽろ夢農業人育成支援事業であります。この事業そのものは2011年度から始まりましたが、実際に研修農場を開設し、研修生を受け入れたのは2012年度からだとお伺いしております。こういった新規就農への研修事業について取り組むのは、札幌市としては初めてであり、また、残念ながら、研修の途中で1名の研修生がやめてしまわれたとも聞いておりますが、この1年の実績と取り組みについての評価をどのように考えているのか、お伺いいたします。  また、それらを踏まえまして、2013年度はどのように事業に取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎三部 農政部長  まず、2012年度の実績と評価についてでございますが、さっぽろ夢農業人育成支援事業は、指導農業者のもとで研修生が実際に農作業に従事しながら、農業の生産技術や経営を学んでいこうというものであります。2012年度は、南区藤野に開設いたしました研修農場に3名の研修生を受け入れて、4月から研修をスタートし、野菜の栽培技術やトンネル資材の設置など、農業経営に必要な実務的な技術習得に取り組んだところでございます。また、JAの管外視察研修や研修地周辺の農家視察を行ったほか、市、JA、農業委員会などの関係機関が連携して就農サポートチームというものをつくりまして、指導農業者や研修生との情報交換を行うなどしたことから、研修生と地域との結びつきが強くなったというふうに考えております。  しかしながら、1名が研修を途中で辞退するなど、研修生のレベルに合わせた研修のあり方などの難しい面も見えてきておりまして、それに対するサポートなどが課題として浮かび上がっております。  次に、平成25年度の取り組みでございます。  担い手不足が顕著となっております南区滝野地区におきまして、2カ所目の研修農場を開設することとし、既に指導農業者の委嘱を終え、研修に必要なビニールハウスの貸与など、開設に向けた準備を現在進めております。25年度の研修生につきましては、滝野地区で3名、それから、先ほどのお話にありました藤野地区の欠員1名を補充いたしまして、そして、2月に行った選考会を経て、今、それぞれの地区の研修生を決定したところです。  また、これまでの課題を踏まえまして、それぞれの研修生に合わせて適切な指導が行えるように、就農サポートチームと指導農業者が一丸となった体制を整え、研修の状況を継続的に見守りながら支援していきたいというふうに考えております。 ◆植松ひろこ 委員  研修生が指導農業者のもとで実際に働きながら農業技術や経営のノウハウについて学んでいく、札幌市としては、農政部として指導農業者と研修生の双方からお話を聞きながら、農協ともより一層連携を密にし、研修事業をサポートしていく、2013年度の滝野地区におきましては、反省点を踏まえて、しっかりとした支援策を講じていくとのことでした。  しかしながら、こちらの事業は、新たな担い手対策が目的の事業であります。先ほどの答弁で経営についても一部ございましたが、生産技術の伝承、育成もさることながら、つくった農産物を売ることによって経営が成り立っていく、生計を立てることができるようになるということも現実的な課題として存在していると思います。  そこで、多少意地悪な質問かと思いますが、札幌市の進めるこの研修の中で、そうしたマネジメントの点についてどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。 ◎三部 農政部長  経営を視野に入れた研修ということでございますが、委員がご指摘のとおり、就農後に農業者として経営を安定させていくことが早期に求められますので、生産から販売までを幅広く習得させるよう、研修カリキュラムの充実には努めているところでございます。具体的には、知事が認定をする認定就農者となるための就農計画や、実際の農業を営むための営農計画の作成を就農サポートチームが役割分担をして支援していく体制を整えたところでございます。また、市場や直売所の視察に加え、研修生みずからが農産物を販売してみる機会を設けるなど、より実践的な研修となるような取り組みを進めたいと考えております。 ◆植松ひろこ 委員  これから将来の経営までも見据えた内容を盛り込んだ取り組みを多々行っていくとのことですので、ぜひ実現していただきたいと思います。  しかしながら、その前提となるのは確実に就農を実現させることであります。研修が終わっても就農地がないということでは、この事業は本末転倒でございます。そこで、農地の出し手が非常に少ないと言われている中で、研修生が望む地域での就農地の確保について、具体的に今後どのように考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎三部 農政部長  就農地の確保に向けた取り組みについてでございますが、農地を貸すことに漠然とした不安を抱えた農業者が多いことが就農地の確保の難しさの一因となっておりますことから、研修生と地域の農業者が早くから交流を始められるように、就農予定地域に研修農場を開設し、事業をスタートさせたところでございます。3年間の研修期間中に研修生が地域の農業者から信頼を得られるよう、就農サポートチームが双方のかけ橋となってさまざまな場面で支援を行っていくこととしております。  これらの取り組みを通じまして、研修生が新規就農者として人・農地プランに位置づけられ、地域を担う経営体として成長していくよう関係者一同でサポートしていきたいと考えております。 ◆植松ひろこ 委員  ことし3月に策定されましたさっぽろ都市農業ビジョンの今後の重点的な取り組みについての中でも、今の札幌の農業の現状といたしまして、Uターンとか、親世代が農業事業者ではないいわゆる非農家の方のニーズがあるというふうに聞いておりますので、こういった事業を的確に進めまして、市内で就農したいと考える青年の夢を実現させるとともに、市民の共有財産でもある札幌の農業を守り育てていくよう期待します。また、都市農業といいますとなかなか難しい観点かと思いますが、道都札幌市としましても、ぜひとも、食産業の振興など札幌らしい都市農業の姿を目指していただくこともあわせて求めまして、私の質問を終わります。 ○長谷川衛 副委員長  以上で、第2項 農政費のうち、関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第11号 平成25年度札幌市中央卸売市場事業会計予算について質疑を行います。 ◆北村光一郎 委員  私からは、中央卸売市場について、3点ほど質問させていただこうと思っております。  今、前段で農業の質疑がありましたが、中央卸売市場というのは、農家と小売業、卸売業の連絡の場所で、かなり大事な場所でもございます。最近は違う仕事になってしまいましたが、昔、農業をしておりましたので、若干、農家の話をさせていただきます。農業というのは、本当に、思い込みと、あとは遺産ですね。要するに、先代が続けていたからこそという思いを持って、食の安心・安全も含めてしっかりと教育をして、絶対にやめないんだと、それぐらいの思いがないと実は農家というのは務まらないなと思います。  もう一点は、人気が出たら、もう応援しなくてもいいんです、自動的にどんどんどんどん発展していきますから。人気が出ない、新しいものをちゃんと獲得して応援していくべきだと、私は、経済局にまずその部分でお話をしたい。中央卸売市場もそうなんですね。人気のあるものはどんどん売れるんですよ。人気のないもの、そして、絶対に必要なものをどう売っていくか、それが大事な部分でありますので、しっかり質問させていただこうと思っています。  原局の方々と打ち合わせをしながら文書をつくらせていただきました。そういうものなんですね。問題点というのをこちらから提案して、原局が一番詳しいので、その内容を私がまた文書にし直す、やりとりの中からいいものをつくっていくというのが論点ではないかと思っていますので、よろしくお願いします。  私からは、今、札幌市中央卸売市場活性化ビジョンというのをつくられているので、この部分の進捗状況と、道産品の販売促進への支援について質問させていただきます。  まず、平成23年度に策定されました活性化ビジョンの推進状況についてでありますが、我が国の生鮮食料品の流通は、近年、規制緩和が一段と進展し、生産地においては、農水産物の輸入自由化の波が押し寄せ、小売店でも大店立地法施行による大型店の出店規制の緩和が進むことなどにより、卸売市場を経由しない取引が拡大をしてまいりました。このような流通環境の変化のもと、全国の中央卸売市場は取扱量が退潮し、市場数も減少傾向にあると説明をいただきました。  札幌中央卸売市場も、ご多分に漏れず、同様の厳しい環境のもと、この活性化ビジョンをつくってきたわけです。取扱量がどんどん減少しました。歯どめをかけるための活性化ビジョンづくりだったというふうに認識しております。その中で、持続可能な強い市場づくりを行う目的で、業界の皆様方と一緒に一丸となって策定されてきたとお聞きしました。  活性化ビジョンには、目標値として、10年後の市場取扱高について、水産では現状維持、青果では3%増を目指すといった具体的な数値が掲げられております。そして、この目標の達成に向けて149項目もの具体的な取り組みが記されております。また、それぞれの取り組みについては、2年以内、5年以内、10年以内と実施までの期限を設定するとともに、市場内に活性化ビジョン推進委員会を立ち上げるなど、その進捗管理体制もしっかり整えられたと聞きました。  そこで、質問ですが、活性化ビジョンの策定から1年半が経過しておりますが、現時点での進捗状況はどうなっているのか、また、どのような取り組みが実施されたのか、まずお聞かせください。 ◎元木 中央卸売市場長  1点目の活性化ビジョンの推進状況についてでございます。  現在、活性化ビジョンの全取り組み149項目のうち、約8割の115項目について着手しております。このうち、特に2年以内に実施することといたしました短期的な取り組み42項目につきましては、29項目について実施済み、7項目につきましては継続検討中ではございますが、合わせました36項目、9割の事業について実施のめどがついてございます。おおむね順調に進んでいるものと考えてございます。  次に、これまで実施してきました主な取り組みについてでございますが、市場の販売力の強化に向けた取り組みについて重点的に進めてきているところでございます。例えば、平成23年度から実施しております戦略的経営支援事業補助金を活用いたしまして、卸売業者が量販店のニーズに即した青果物を道内産地と契約栽培する事業など、これまでに四つの販売促進事業が展開されてございます。また、水産物部におきましては、市場の販売力の強化を図るため、近年の量販店の台頭など流通環境の変化に対応した取引ルールの見直しを行いまして、ちょうど今月より実施してございます。 ◆北村光一郎 委員  ただいまのご答弁では、活性化ビジョンの取り組み項目のうち、全体として8割、そして、36項目に関してはもう実施に着手されているというお話をいただきました。おおむね順調に進んでいるということでありますが、事柄によっては場内事業者の間で利益が相反することでもありますので、活性化ビジョンの取り組みを進めるに当たっては慎重に議論しなければならないこともあろうと思います。  特に、水産物部において、市場取引のルールを改正したというふうにお聞きしましたが、これは、市場の主要な役割の一つである価格形成機能について見直すことでもありますので、場内事業者の営業活動にも大きな影響を及ぼすことだと考えられます。  そこで、質問ですが、水産物部における取引ルールの改正内容とその効果についてお伺いいたします。 ◎元木 中央卸売市場長  水産物部におけます取引ルールの改正についてでございます。  改正の概要といたしましては、今まで全ての魚種につきましてほぼ一律に設定しておりました競り数量の規制を改めまして、例えばケイジといったいわゆる道産ブランド魚などについては競りの数量をふやす一方、サンマなどの大衆魚につきましては、いわゆる1対1の取引である相対取引を主体とするように改正してございます。この改正によりまして、先ほど申し上しましたケイジと言った付加価値の高い道産ブランド魚については価格競争によって売り上げが上がり、生産者の浜の皆様も当市場への出荷意欲の喚起が見込まれる、そういったことがございます。また、一方、大衆魚につきましては、大量の物品の迅速な売買が可能ないわゆる相対取引がございますので、これらが主体となることによりまして、特に量販店の市場からの買高が増加するといったことも見込まれると考えてございます。 ◆北村光一郎 委員  ただいま実績をお聞きして、大変いい方向に向かっているのだなという思いをさせていただきました。  ところで、農林水産省の発表によると、北海道の1次産業である漁業生産額と野菜生産額はともに全国1位であります。また、北海道農政事務所が公表している平成22年度における北海道の食料自給率は、カロリーベースで173%であり、これも全国第1位となっています。私は、取引ルールの見直しなど市場流通品の販売促進に関するさまざまな取引を検討されて、今、お話もいただきましたが、本市の市場がもっと道産生鮮食料品のブランド化や海外への販売について拠点的な役割を果たすべきだと考えます。  そこで、質問ですが、場内事業者による海外への道産品の販売促進の取り組みについて、開設者としてどのような支援をされているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎元木 中央卸売市場長  海外への販売促進についてでございます。  一つには、卸売会社に対して、道産食材の海外取引の拡大を目的とした商談会など、こういったものへの参加についてあっせんを行っているところでございます。ちょうど先日も、水産の卸売会社がジェトロなどが主催いたしましたシンガポールでの商談会に参加してタラバガニなどの商談がまとまるといった成果が上がっております。また、札幌商工会議所などを通じまして、海外からのバイヤー、また、業界関係者の方が市場施設の見学をされる場合、積極的に受け入れておりますが、この際にも、私どもとしては、少しでも商売につながるようにということで、卸会社のほうへ紹介するなど橋渡しをさせていただいております。  今後とも、市場取扱高の増加策の大きな一つとして、場内事業者による海外への販売拡大への取り組みを積極的に支援してまいりたい、このように考えてございます。 ◆北村光一郎 委員  最後は、要望、指摘事項で終わらせていただきたいと思います。  北海道経済の活性化には、特に中央卸売市場もそれに当たりますが、品質の高い北海道産の品物の、国内はもとより、海外へのさらなる販路拡大にあると考えています。そして、商社機能との連携をより強めていくことも大事な部分だと私は思っています。市場での環境事業対策は、北海道は雪が多くてことしも大変でしたが、雪氷エネルギーの有効な活用――きょうの新聞でやっていましたが、サケでしたか、サケを雪の中にやると甘みが増したり、越冬キャベツもその例です。そういうような雪氷エネルギーの活用もぜひ市場として検討をお願いしたいと。  最後に、TPPについて、政府では、あした、交渉参加を発表すると言われております。このことについても、政府の対応を注視しながらも、市場活性化推進委員会に検討委員会を設けて市場の対応を先行的に検討するべきことを申し上げて、私の質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  本日の最後の質問となります。  私は、市場使用料の改定後の状況と市場機能の強化について、2点質問させていただきたいと思います。  まず、1点目は、市場使用料の改定後の状況についてでございます。  私は、昨年の予算特別委員会において、市場使用料の改定について質問いたしました。改定の背景には、業界の内部から、全国一高い売上高割使用料率が卸売業者等の販売意欲を減退されているという意見や、売上高割使用料に偏重して面積割使用料の比重が低い使用料体系において、取扱高が多い水産物部と使用面積の多い青果部との負担のバランスを欠いているとの意見などもあって、これらを踏まえた使用料改定に至った経緯があるということを確認させていただいた次第でございます。  改定の内容は、売上高割使用料率1,000分の4を1,000分の2.5に引き下げる一方で、仲卸業者などより割安であった卸売業者が使用する施設の面積割使用料を引き上げるというものであり、固定的な料金である面積割使用料への組みかえを行うことで、開設者と場内事業者の双方の経営安定化が図られるというものでございました。また、使用料の改定に際しては、その前後で、市場会計としても、使用料収入を減らさず、また、場内事業者との負担総額がふえないよう、競り場内の再編など、最大限の工夫を行うということでございます。  そこで、質問ですが、使用料改定からもうすぐ1年を迎えようとしておりますけれども、場内事業者が負担する使用料はどのようになったのか、お伺いいたします。 ◎元木 中央卸売市場長  場内事業者の使用料負担がどのようになったのかということでございます。  まず、改定前はほぼ5対5でございました売上高割使用料と面積割使用料の割合につきましては、今年度の見込みにおいて、当初、想定していましたとおり3対7の割合となってございます。この結果、東京など全国主要市場とほぼ同じ水準となっているところでございます。また、卸売業者及び仲卸業者の使用料の総額につきましては、平成23年度の実績額が9億8,000万円だったのに対して、今年度は、見込みでございますが、9億8,900万円ということで、改定前とほぼ同一水準となるものと考えてございます。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁におきまして、売上高割使用料の比率が下がり、固定収入である面積割使用料の割合がふえていて、5対5が3対7になったという話がございました。また、改定前後で、卸売業者と仲卸業者の負担がふえていないという説明もいただきましたので、滑り出しは上々であったと考えます。また、今年度の最終的な取扱高は、市場全体で1,622億円を見込んでおり、ほぼ予算を達成していることから、前年度を若干上回るものとの説明もございました。  平成25年度の取扱高は1,632億円を想定しているというふうに伺っております。市場の取扱高は平成22年度を底に上昇傾向にあることから、近年、続いてきました市場の取扱高の減少に歯どめがかかったものであろうと考えられます。このような取扱高の上昇傾向を今後も続けていく必要があることも踏まえ、次に、2点目の市場機能の強化という観点から質問させていただきます。  昨年の予算特別委員会において、競り場等の施設使用の再編に当たっては、施設の有効活用を図りながら市場機能の全体を活性化させる方向で行いたいと答弁されておりました。私が市場に勤務していた際も、市場施設全体として決して効率的な使われ方をしていなかったものと認識しており、施設の有効活用を進める必要があるのではないかと感じていたところでございます。  そこで、質問ですが、使用料改定に伴い、競り売り場を含め、施設の再編をどのように進め、活性化につながったのか、お伺いいたします。 ◎元木 中央卸売市場長  競り売り場等の再編状況についてでございます。  面積割使用料の値上げに伴いまして、青果部の卸売業者が競り売り場の見直しを行いまして、これによって生じた空きスペースを新たに仲卸業者の荷さばき場としてございます。これによりまして、これまで競り場内に点在しておりました、仲卸業者が買い受けた商品を集約して管理することができ、仕分けと配送機能の向上につながっております。また、卸売業者にとりましても、競り売り場の整理整頓が図られまして商品の荷おろし作業の効率化が図られたところでございます。  このほか、配送車両の待機場所など、一部が余り効率的に使用されておりませんでした立体駐車場の1階スペースを、卸売業者専用の荷さばき場や保管庫としたところでございます。これによりまして、これまで市場外の倉庫などに保管していた商品を場内で保管することが可能となりまして、搬入出作業の負担軽減につながってございます。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁で、競り場内において仲卸業者専用の荷さばき場を設置するなど、市場施設の有効活用が図られたとの説明がございました。この趣旨は、卸売業者が使用すべき卸売場の一部を商品保管庫として利用していた仲卸業者に対して一定の受益者負担を求めたものであり、仲卸業者のメリットとしては、商品の集約的管理、市場の重要な機能である分化管理、すなわち仕分けと配送機能が高まったと言えると思います。これは、市場機能の強化に直結しており、市場が一丸となって昨年から進めておりました活性化ビジョンの取り組みを着実に実行しているものと感じることもできます。  しかし、活性化ビジョンに掲げる数値目標を達成するには、さらなる市場機能の強化が必要ではないかと考えるところであります。先ほども少し触れられておりましたが、市場の取扱高が平成11年をピークに減少した要因の一つに、量販店の台頭による市場外流通の増加があります。これを、多種多様でより安全・安心な生鮮食料品の安定供給ができる市場に取り戻し、生産者にとっても量販店にとっても、小売業者、ひいては消費者にとっても魅力ある市場をいかに築いていくかが今後の活性化に向けた課題でないかと考えております。  経営改革プランでは、利用率の低い水産棟北側駐車場について、事業用定期借地権方式による市場用地の貸し付け制度を導入し、平成28年度までに拠点的物流機能を持った施設などの整備を実施する、また、活性化ビジョンでは、仲卸業者の配送機能として北側駐車場の有効活用を検討することが示されております。私は、この北側駐車場の活性化策が今後の市場の取扱高増加にとって大きな鍵になるのではないかと考えているところでもあります。  そこで、質問ですが、北側駐車場用地の活用策について、今後どのように進めていこうとしているのか、お伺いいたします。 ◎元木 中央卸売市場長  北側駐車場用地の活用に向けた今後の進め方についてでございます。  活性化ビジョンや経営改革プランにおいて示しております施設の基本的な方向性をもとにいたしまして、施設を利用する場内事業者から意見を集約するなどして、平成25年度中に施設の具体的な内容を固めていきたい、このように考えてございます。また、この事業は広く事業者を募集して行いたいと考えてございますので、その事業者の選定方法の検討など、用地の貸し付けに向けた諸条件の整理をあわせて行ってまいります。その後、事業者の募集と選定を行い、経営改革プランで掲げてございます平成28年度の実施に向けまして着実に進めてまいりたい、このように考えてございます。 ◆丸山秀樹 委員  最後に、要望となりますが、このような事業は、東京の大田市場、また葛西市場でも行われていると伺っております。持続可能な強い市場の実現に向けて、いわば最後の貴重な土地とも言える北側駐車場用地の活用は、市場の明暗を分ける重要な施策であると認識しておりますことから、今後も注視してまいりたいと思います。  なお、当然のことですが、この実施に当たっては、場内事業者と徹底した議論を交わすことが重要であります。  かつて、私も、平成16年に仙台市場を見てまいりました。平成16年に農水省の補助事業を使って仲卸業者が経営主体となって大手量販店向けの配送センターをつくりました。ところが、どちらかというと、大手量販店に振り回された形で非常に経営を圧迫している状況だったということでございました。どうか、そうした轍を踏まないように、事業関係者の選択についても、より慎重になっていただきたい、また、特に多くの利用者がいる中央卸売市場ですので、そうした市場関係者の話をよく聞いていただきながら、充実した機能あふれる施設にしていただきたい、そうした検討を行っていただきたいことを求め、質問を終わります。 ○伊藤理智子 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計予算の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、次週18日月曜日午後1時から、観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後4時42分...