札幌市議会 2012-10-25
平成24年第二部決算特別委員会−10月25日-07号
平成24年第二部
決算特別委員会−10月25日-07号平成24年第二部
決算特別委員会
札幌市議会第二部
決算特別委員会記録(第7号)
平成24年(2012年)10月25日(木曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 33人
委 員 長 峯 廻 紀 昌 副委員長 佐々木 みつこ
委 員 武 市 憲 一 委 員 鈴 木 健 雄
委 員 高 橋 克 朋 委 員 五十嵐 徳 美
委 員 長 内 直 也 委 員 細 川 正 人
委 員 小須田 悟 士 委 員 こじま ゆ み
委 員 北 村 光一郎 委 員 小 竹 知 子
委 員 伊与部 年 男 委 員 猪 熊 輝 夫
委 員 福 士 勝 委 員 畑 瀬 幸 二
委 員 大 嶋 薫 委 員 恩 村 一 郎
委 員 林家とんでん平 委 員 長谷川 衛
委 員 小 川 直 人 委 員 林 清 治
委 員 植 松 ひろこ 委 員 本 郷 俊 史
委 員 三 浦 英 三 委 員 谷 沢 俊 一
委 員 國 安 政 典 委 員 丸 山 秀 樹
委 員 宮 川 潤 委 員 小 形 香 織
委 員 伊 藤 牧 子 委 員 松 浦 忠
委 員 金子 やすゆき
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開 議 午後1時
○峯廻紀昌 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
それでは、議事に入ります。
最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち、
農業委員会関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。
次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。
◆小須田悟士 委員 私は、ことしの第1回定例会において、第3次札幌新
まちづくり計画に基づく5万人の
雇用創出プランの問題点を、一部、追及しました。5万人もの新たな雇用創出がどれほど大変なのか、実際の雇用関係の数値を見ると簡単にわかることは、既に本会議でも指摘したとおりであります。
繰り返しますが、札幌市内の全就業者数は約84万人なので、新たに5万人の雇用創出ができたなら、全体の5.9%の雇用が増加するわけであります。すると、今現在、5.5%を超える完全失業率は一気に解消され、何と就業率100%が達成される夢のような状況になるわけであります。
しかしながら、市民の期待は裏切られてしまったように思います。すなわち、5万人雇用創出の中身は、
ハローワークと共同で行う
就職あっせん紹介業務や就職支援事業の支援人数をカウントしただけの数字だということであります。 そこでまず、質問の第1点目でありますが、
就業サポートセンターとあいワークなどの利用者数及び就業者数であります。
平成23年度の雇用推進費として、約9億5,400万円もの予算が、
ハローワークと連携した
就業サポートセンター事業や
若年求職者人材育成事業などに支出されております。札幌市は、平成26年度には利用者数17万人、就業者数5,200人を目標としていますが、平成23年度の目標人数と利用者実績、その分析結果をまず教えていただきたいと思います。
そして、2点目でありますが、
あいワーク利用者のニーズに合わせた改良、改善についてであります。
まちづくり計画では、あいワークなどを各区役所に設置することにより、国保や各種生活支援と連携できるメリットを強調しておりましたが、非常に便利になった、本当に助かったという声が私のもとには余り届いていない感じがあります。むしろ、退職して次の就職に困った、何とかならないかという声が私のもとにたくさん来ております。
そこで、平成23年度1年間の
あいワーク利用者の声やニーズをどのように把握して、見直す点などをいかに改良、改善していくつもりか、これもあわせて質問いたします。
3点目ですが、就職支援事業の費用対効果について伺います。
雇用状況をはかる普遍的な指数は、もちろん
有効求人倍率と完全失業率であります。それらを改善することが、本当の雇用対策なのであります。しかし、常々、雇用が第一とおっしゃっております市長からは、その目標数値が一度も示されたことがありません。
札幌圏の
有効求人倍率は、平成23年2月の0.35倍から平成24年2月には0.47倍となり、0.12ポイントは上回っていますが、全国の0.73倍はおろか、全道の0.54倍にも遠く及ばない状態であります。また、完全失業率も、全国的には4.8%から4.5%に0.3ポイント改善されておりますが、ご承知のように北海道は5.3%から5.5%と、逆に0.2ポイント悪化している状態であります。つまり、
就職あっせん支援事業に多くの予算をつぎ込んでも、札幌市の雇用状況は全然よくなっていないというのが私の見た考えであります。
具体的に指摘しますと、札幌市は、
就業サポートセンターSkipさっぽろ事業などに総額約80億7,700万円の事業費で約5,000人近くが就職する成果を得た、そう言っておりますが、そうすると、1人の就職紹介ができたことに約18万円の予算がつぎ込まれております。
札幌市では、
有効求人倍率と完全失業率の改善に全く効果がなかったとも言えるような事業の費用対効果についてどのように評価しているのか、以上、3点まとめてお伺いいたします。
◎入江
雇用推進部長 まず、1点目は、平成23年度の進捗状況ということでございますが、北区の
就業サポートセンターや、既に開設していた厚別区と手稲区に加え、11月から新たに白石区と豊平区にあいワークを開設いたしましたことから、利用者数で14万3,018人、就職者数で4,349人となっております。利用者数、就職者数ともに一定の評価ができるものと認識しております。
2点目は、あいワークのメリットについてでございます。
あいワークは、身近な区役所で就職活動ができ、区役所の福祉部門との連携が図りやすく、幅広く求職者を支援できるといったメリットがあると認識しております。
次に、利用者のニーズの把握でありますが、
就業サポートセンターにおいて、年1回、
利用者アンケートを実施しております。また、各施設においては、
関係者ミーティングを開設するなどいたしまして、利用者からの意見、要望を共有し、より利用しやすい施設となるよう改善に努めているところでございます。
3点目は、費用対効果のご質問でございます。
厳しい雇用情勢の中、求職者それぞれの状況に応じた支援を行うためには、相当時間の研修、あるいは複数回のカウンセリングを行うなど、さまざまな取り組みが必要でありますことから、一定程度の費用はかかるものと考えております。委員のご指摘のように、何人就職できるかがその効果であるとした場合、就職者数はその時々の雇用情勢の影響を受けるなど、思いどおりの効果を上げられない面もございます。
いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今の厳しい雇用情勢の中、一人でも多くの方が就職できるよう工夫し、効率面にも配慮しながら事業を行ってまいりたいと考えております。
◆小須田悟士 委員 1人の就職紹介につぎ込まれる予算18万円のうち、札幌市が負担しているのは5万円足らずだということでありますけれども、ご承知だと思いますが、近い将来、国は
ハローワーク的な事業を全面的に自治体に移していきたいという有力な考えがあるはずです。そうなった場合、この18万円すべてを市が負担する状況になる可能性が高いわけですから、そこはしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
次に、市長の雇用創出に対する考え方についてお伺いいたします。
市長は、さきの
予算特別委員会で、5万人雇用創出の意味は、若者の
就職ミスマッチングの解消などを図るものが大半であり、いわば主観的な雇用創出であると答弁しております。客観的な就職場所をふやすことは、国の政策や新幹線のような
大型プロジェクトに頼らざるを得ないという答弁でありました。つまり、お金も時間もない中で札幌市にできる雇用創出は主観的なものしかない、そういうふうに私は受け取ったわけであります。雇用創出に主観的なものと客観的なものがあるという学説は、私は今まで聞いたことがありません。法律家である市長の言葉かなと、そう疑問に思いました。
それから、市長は、9月に
河村名古屋市長の表敬訪問を受けた際に、名古屋の製造業の誘致を打診されたとの報道を拝見いたしました。それは、市長が言うところの客観的な雇用創出の努力をしているのだろうと、ここの点についてはひとまず安心したわけであります。しかし、
河村名古屋市長からは、本当に企業誘致をしたければ、減税など積極的な誘致政策をしっかりしなき
ゃいけんわなとの持論を展開されたようであります。私は、河村市長は余り好きではありませんが、もっともだなという話もちょっとしましたので、河村市長はいいことも言うなというふうに思いました。
新規の雇用創出は、国のお金や新幹線などの
大型プロジェクトに頼らざるを得ませんとか、名古屋市に製造業誘致をお願いする前に、札幌市の知恵と努力で企業誘致や雇用創出ができることがあるはずではないかと私は思います。例えば、丘珠空港の活用です。9月にHACに関するシンポジウムがあり、その中では、滑走路の路面を整備するだけでLCCのチャーター便の
就航実現可能性が語られ、その整備費は約9億円というふうに言われております。その事業を実施する場合の費用対効果はどのくらいになるのか、試算をしてみる価値はあると思います。
では、約9億円のお金をどこから捻出するのだということでありますが、これも、例えばですけれども、市電のループ化事業は約30億円です。これをもっとコンパクトにして、何も4丁目にこだわらないで、5丁目に移動するとか、少し計画を見直し、コンパクトにして事業を絞り込んで9億円をそちらの方に振り分けるとか、できるはずではないか、そう思います。丘珠空港の活用拡大と市電のループ化では、その費用対効果のポテンシャルがどのくらい違うかは明白であります。
また、これも前から言われていることですが、札幌ドームの周辺一帯は農業試験場の広大な用地であります。その立地は、36号線に面し、地下鉄福住駅並びに
高速インターチェンジに近く、新千歳空港へのアクセスがいいわけであります。190万都市札幌にとって貴重な空間であることから、これまでにも、商工会議所やJCなどがさまざまな保全・活用構想をつくってきました。しかし、いずれも青写真を描くだけでありました。札幌市がもっと真剣に札幌市全体の都市機能の強化や産業振興を考えていくならば、都市計画の変更などを行って、民間開発などの誘致も進めることもできるはずではないでしょうか。
先般、伊与部委員が北5西1地区再開発の私案を言っておりましたが、これも民間開発の話であります。つまり、国の政策や
国家プロジェクトに頼らずとも、知恵を出していけば大きな雇用創出につながるまちづくりのアイデアはたくさん出てくると思うのであります。
そこで、市長に2点お伺いいたします。
第1点は、雇用が最重点課題と位置づける市長が、雇用状況を的確にあらわす
有効求人倍率及び完全失業率の改善目標をなぜ設定しないのでしょうか。それがなくては、市長の本気度が疑われるはずであります。
第2点目は、丘珠空港やドーム周辺では、もっと民間活力を誘導し、生かすようなまちづくりを考えていけば、大きな雇用の創出につながるプロジェクトも実現の可能性が高いと思います。市は、そのような
雇用創出効果が高いまちづくりをどのように実現していくつもりなのか、お伺いしたいと思います。
◎上田 市長 当然、
有効求人倍率あるいは完全失業率も一つの指数だというふうに思いますし、雇用状況をあらわす大きな目安になると思いますけれども、ご承知のように、この指数は、札幌市の努力によって反映されるものでは必ずしもないというふうに思います。例えば、景気の問題ですが、これは全国的な問題でもあります。北海道特有の問題もあります。あるいは、国の為替状況、国際的な日本の経済的な位置、今回のような中国との関係、韓国との関係といったことも景気の変動に大きく反映してくる、そのことによって
有効求人倍率が変わるということもまたあります。これは、札幌市が努力を怠ったから
有効求人倍率が落ちたというようなことではないというふうに思います。また、国が雇用政策を立てる、先ほどのような新幹線の関係だとか、あるいはもっと大きなプロジェクトを立てるとか、さらには国際的な関係も改善して景気がよくなるとか、そういうことでの上下のぶれというのは、まさに札幌市の努力を必ずしも反映するものではないというふうに考えております。そういう意味から、札幌市の努力によってできる政策がどの程度効果を生むのかということをはっきりさせるためには、私どもが掲げておりますやり方の方が、より皆様方のご批判、評価にたえることになるのではないか、そんなふうに考えているところでございます。
主観的あるいは客観的というお話がございましたが、今、若い人たち、特に就職を希望される方々が、どういう仕事が自分に向いているのかというようなことについて、的確なアドバイスをし、そして教育を受ける、そういう現場、場所をつくっていくことは雇用政策としては非常に大事なことであります。そこで、
就業サポートセンターということで、ここは中高年の皆さん方が重点的ではありますが、仕事探しの上では、単にプログラムを見ているだけではなくて、いろいろご指導させていただく、あるいはアドバイスをさせていただく場として非常に重要な役割を果たしてきていると私どもは考えておりますので、そういう側面からご評価いただきたい、こんなふうに思っているところでございます。
それから、
雇用創出効果が高い事業、今、具体的に丘珠空港とかドーム周辺でというご指摘がございました。確かにそれは一つの方法でもあると思いますし、私どもも全く興味がないというふうに申し上げているわけではありません。
ただ、空港の問題については、いろいろな委員会のいろいろな場面でもご議論いただいておりますように、国の施設であることが一つ、そして、ANAがなぜ出ていったのかということを考えると、施設があれば北海道内の航空事業が喚起されてやっていけるのだというところまでなかなか確信が持てないというところも一つございます。そういうふうなこともあって、どこに重点を置いて何をなすべきかという優先順位の観点から言いますと、非常に重要な点だとは思いますけれども、即9億円、10億円をつぎ込んでジェットに対応できる基盤を整備することに向くかどうかとなりますと、そこは政策判断としてなかなか難しいところがあるかなと。
ただ、議論をしっかりやっていくことは非常に重要なことだと思います。また、延長の問題については、東区の皆様方も相当な議論を詰めて10数年前に一つの結論を出した経過もございます。それらも含めて、時代の変化、それから、これからの空港利用について北海道とも十分に議論しながら、道内の
航空ネットワークの必要性、そして、それを振興していくためにどういうことが可能なのかということもあわせて議論させていただきたい、こんなふうに思います。
そして、効率的な、さらに、
雇用創出効果が高い、そういう産業をどう育てていくかということについては、もちろん私どもも大変重要な関心事でございまして、このことについて、一昨年の1月27日に
産業振興戦略ビジョンを立てました。食あるいは観光、そして環境問題、さらには保健、衛生といった4分野ですが、これは、これからの私どもが抱えております人口構成の問題、人口が減少していく時代の流れの中にあって、何が大事なのか、そして、付加価値の高い仕事をするにはどうしたらいいのかということを踏まえた上で、これらの4分野について、特に、私ども北海道の強み、札幌市の強みを生かして産業を振興をしていきたいということを目標にしたものであります。さらに、その4分野を横ぐしにして創造都市さっぽろと掲げているところでもございます。これらについても、今まで同じ仕事をやっていても、そこから新たなものを発見していく力を、市民あるいは事業者の皆さん方が発見できる、そして、力を出すことができるような文化をつくっていくことが創造都市の品位だというふうに考えております。ぜひ、そこら辺もご理解いただきまして、
雇用創出効果の高い事業になるように、そして、付加価値の高い産業が札幌市に生まれるように努力していきたいということをお話し申し上げて、答弁とさせていただきます。
◆長谷川衛 委員 私からも、雇用対策について質問いたします。
ただ、私としては、雇用対策のうち、求職活動の関係をいかに整備していくかということで、あいワークに絞って質問していきたいと思います。
札幌市の雇用情勢は、2012年8月時点では札幌圏の
有効求人倍率が0.50倍となっております。昨年同月が0.38倍でしたから、雇用状況もやや回復していると言えます。しかしながら、まだ、多くの求職者が職を求めて
ハローワークなどで求職活動をしているのが現状であります。
札幌市内には、中央区、豊平区、東区に3カ所の
ハローワークがありますが、私の印象ではいつも混雑している状況であります。先日も、久しぶりに中央区にあります
ハローワーク札幌を訪問いたしました。状況を視察してまいりましたけれども、ちょうど電車通にあるのですが、本当に、通るたびに、まず駐車場に並ぶ車がいつも列をつくっています。認定日かどうかでも随分と差はあるのでしょうけれども、特に込んでいるのが週明けの月曜日だとか月初めで、とにかくすごい込み方です。
たまたま私が行ったのも月曜日の午前中でしたので、込む時間帯でした。ただ、入ってみますと、1階は手続をするホールですからさほど込んではおりませんでした。2階に上がっていきますと、ここは求職者用のホールになっております。たくさんお話を伺うつもりで行ったのですが、何せ、続々と求職者が入ってきます。あそこは検索機が大体40台ぐらいありますが、満杯であき待ちの方がかなりおりました。こういうことを考えますと、求職者の方々は、収入が少ない中で求職活動をしているわけですから、
ハローワークに通うとしても、時間的にも金銭的にも負担が生じているのが実態であります。
札幌市では、北海道労働局が市内で開設している
ハローワーク以外にも、今、北区では
就業サポートセンター、清田区、西区にはジョブガイド、白石区、厚別区、豊平区、手稲区には先ほど話がありましたあいワークがありまして、職業相談、紹介業務を行っています。札幌市は、第3次札幌新
まちづくり計画の中で、職業紹介を行っていない
職業相談コーナーを
ハローワークとの連携により設置するあいワークに移行して、すべての区で職業相談、紹介業務を行うことができるように体制整備を図るというふうにしています。この計画に基づき、これまで、厚別区、手稲区に加えて、昨年度は白石区と豊平区にあいワークを設置したところであります。
そこで、最初の質問ですが、今回、新設した白石区と豊平区のあいワークの利用状況、それから、
職業相談コーナーからあいワークに移行したことに伴う効果について、1点目に伺います。
引き続いて、もう一つの質問になりますが、計画からいきますと中央区、東区、南区についても新
まちづくり計画の中であいワークに移行するとしておりますけれども、現在は相談コーナーだけで運営されています。市の職業相談員は配置されておりますが、残念ながらまだ週3回しか開設しておりません。そして、肝心の
ハローワーク相談員の配置もありませんし、求職検索機も設置されていません。これでは、求職者が求める職業紹介としてはなかなか満足できる状況とは言えないのではないでしょうか。
そこで、2点目の質問ですが、残る中央区、東区、南区のあいワークの開設はどのような状況なのか、開設するのであれば、その開設時期も含めて伺いたいと思います。
◎入江
雇用推進部長 まず、白石区と豊平区のあいワークの利用状況と効果についてであります。
昨年11月からことし3月までの5カ月間の実績として、利用者数は、白石区が4,960人、豊平区が3,339人で、就職された方は、白石区で84人、豊平区で92人となっております。
職業相談コーナーでありましたときは、白石区、豊平区ともに年間の利用者数が1,400人程度でございましたので、あいワークになったことで大幅な利用者増となっており、多くの求職者の利便性の向上に寄与したものと考えております。
次に、残る中央区、東区、南区の
あいワーク開設に向けた状況と開設時期でございますが、南区につきましては、平成25年2月に開設することに向けまして北海道労働局と準備を進めているところでございます。しかしながら、中央区、東区につきましては、国に対して働きかけておりますが、現段階では開設の見通しが立っておりません。
◆長谷川衛 委員 今、白石区、豊平区のあいワークの利用状況等を聞きました。どういうふうに判断するかはさまざまだと思いますけれども、相談者に対して、率としては低いかもしれませんが、84人、92人の方々が就職に結びついているということは、私は、かなり大きい数値ではないかなというふうに思いますし、やはり効果は出ていると思います。
それから、もう一つの質問の三つの区のあいワークへの移行ですが、やっと、南区も2月開設に向けて準備を進めているということでした。既存の
ハローワークを利用する南区の求職者にとっては、大変よくなるなというふうな思いです。ご存じのように、南区の端は定山渓の方までですから、相当な距離です。交通の便等を考えますと、南区役所にあいワークができますと大変便利になるなというふうな思いでいます。
しかし、残念ながら、私の居住区であります中央区、それから東区については、開設の見通しが立っていないという今の答弁でありました。
そこで、質問ですが、中央区、東区におけるあいワークの必要性をどのように考えているのか、また、この2区に
あいワーク開設の見通しが立たない理由についてお聞かせ願いたいと思います。
◎入江
雇用推進部長 初めに、あいワークの必要性についてでございます。
あいワークは、区役所の
住民サービス機能と
ハローワーク機能を一体的に実施することで、求職者に対する支援をワンストップで行うものであります。先ほどのご質問にお答えしましたとおり、白石区や豊平区のようにあいワークの開設によりまして求職者の利便性が向上し、利用者も増加いたしますことから、すべての区での設置が必要であると考えております。
なお、中央区、東区に開設の見通しが立っていない理由でございますが、あいワークの整備に当たりましては、
ハローワークの
全国ネットワークシステムの導入などに国の負担が大きいこと、それから、
ハローワークと自治体との
一体的実施箇所がほかの自治体に比べて札幌では既に多いことなどが理由であると伺っております。
◆長谷川衛 委員 理由として、札幌市が他都市と比べると多いというのは、結果としてそうなのだろうと思います。
ただ、私はきょうの新聞報道を見たのですが、北海道と厚労省の北海道労働局が協定を結んだと。これは、雇用対策の上で、特に北海道対策といいますか、雇用状況が非常に厳しい地域です。それから、三井新厚生労働大臣の思い入れもかなりあると思いますけれども、この協定が結ばれたということは、今後、札幌市にとってこの辺を有利に働かせていけるのではないかなというふうに考えますので、国へも積極的に働きかけをしていただきたいと思います。
さて、もう一つ、これにかかわっての質問ですが、今回の代表質問で、我が会派の中村議員から、生活保護受給者で稼働可能な方への就労支援について質問いたしました。その質問の中身は、あいワークにかかわって質問したわけでありますが、回答は、あいワークにおいて受給者に特化して就職に向けたセミナーを実施する、こういう答弁がありました。まだまだ始めたばかりの事業でありますので、現段階でその効果を求めることは難しいと思いますけれども、生活保護受給者においては、さまざまなメニューを用意して支援することが必要だというふうに我が会派では主張しています。そういった意味では、あいワークで行うセミナーはかなり意義があることだなというふうに私は思っております。
そこで、この件についての質問です。
生活保護受給者に対する就労支援のセミナーは10月から開始しているということでありましたけれども、現段階、本当にわずかな期間でありますが、これまでの状況についてお聞かせください。
◎入江
雇用推進部長 就労支援セミナーについてでございます。
就労支援セミナーは、あいワークを開設しております白石、厚別、豊平、手稲の4区におきまして、就労経験の有無などを勘案いたしまして、生活保護受給者の方々の参加対象を30歳以上と29歳以下の二つのグループに分けて実施することとしており、現在、30歳以上の方へのセミナーを始めたところでございます。各区とも、10月から12月にかけて全体で10回のセミナーを予定しておりまして、現在、4区とも初回のセミナーを終了したところでございます。29歳以下につきましては、1月から開始する予定でございます。各区とも10名、合計40名の参加を予定していたところでございますが、現時点では、白石区7名、厚別区10名、豊平区9名、手稲区8名、合計34名となっております。
今後は、あいワークが中心となりまして、各区保護課の就労支援相談員とも連携を図りながら事業を進めてまいりたいと考えております。
◆長谷川衛 委員 今、4区ともようやく始まったばかりということでした。セミナーに参加するということは、やはり、前向きな方々だと思うのです。何とか就職して頑張っていきたい、こういう方々だと思います。現在、定員40名に対し34名が参加登録となっているようですけれども、一人でも多くの方が働く喜びを得ることができるように取り組んでいただきたいと思います。
生活保護受給者の就労支援という意味では、中央区も保護受給者が結構多いのですが、全市で見ていきますと、東区は最も多い区なのです。保護率も、東区は白石区に次いで非常に高い地区であります。そう考えますと、今はないあいワークを整備して、保護受給者の就労支援を開始すべきであると私は思います。
先ほどの答弁では、簡単にあいワークを整備することができないということでありました。しかし、ただ国の対策を待っていただけでは、いつあいワークに移行できるのか全くわかりませんので、当面、現行の
職業相談コーナーを少なくとも週3日から5日にふやすとか、何とか現状を打開できるような工夫が必要ではないのかなと思います。
そこで、最後の質問になりますけれども、あいワークの整備における国の対応を待たずに、札幌市独自であいワークと同様の施設を整備することができないものでしょうか。仮に難しいとするならば、あいワークが整備されるまでの間、何らかの措置が必要と考えますがいかがか、この点についてお聞かせください。
◎入江
雇用推進部長 あいワークは、身近な区役所で
ハローワークによる職業紹介が可能な施設ということでございますので、
ハローワークと連携せずに、札幌市単独で整備することはできません。
しかしながら、委員がご指摘のとおり、整備するまでの間の対策も必要でございますので、
職業相談コーナーの充実、あるいは、出張
ハローワークの実施など、求職者支援につながる取り組みを検討してまいりたいと考えております。
◆長谷川衛 委員 最後に、一つだけ要望を申し上げます。
経過措置は経過措置として頑張っていただきたいのですが、最終的にはあいワークを何としても設置してもらいたい。そのためにも、先ほども言いましたが、道と厚労省の労働局が協定を結んだというのは初めてだと思うものですから、ここの部分を生かして、まだ設置されていない中央区、東区のあいワークの設置に向けて札幌市も何とか努力していただきたい、そのことを求めて、質問を終わります。
◆丸山秀樹 委員 私からは、職業能力開発サポート事業について質問させていただきます。
さきのお2人から就業率、雇用情勢等については既にお話がございましたが、私も、決して就職しやすい社会になったとは言えないと感じているところでございます。
そうした、引き続き、厳しい雇用情勢の中、再就職を目指す求職者にとっては、いろいろなメニューの中から自分に合ったものが選べるというSkipさっぽろ事業、また、札幌市の
就業サポートセンターでの事業、これは大変に有効な事業だというふうに私は思っております。
過日も何度かここを紹介させていただいたことがございますが、非常にいい施設だと思っております。同じ北24条のサンプラザ内にあるということで、まずSkipさっぽろに行っていただいて、就職支援、またスキルアップ、職業実習などの話を聞いて、そこにそぐわないとなると、非常に丁寧に説明をしていただいた上で、そのすぐ隣にある
就業サポートセンターもご紹介いただけるという状況です。ここは
ハローワークのほかに民間のキャリアバンクとリーガルマインドも入っておりますが、正直言うと、利用されている方にかなり評判がいいというお話を何件も伺っておりまして、ここはそうした連携がよくとれているのだなということも実感しておりますので、ぜひ有効に活用できればなというふうに思っている施設でもございます。
また、セミナーなんかもあったようですが、ここの魅力として、20歳から60歳までという幅を設けていただいたり、また、女性に特化したセミナーも別に設けております。実は、きのうあったのですね。そこにも1人行っていただきましたが、その後も就職相談に乗ってもらえたということで、非常に有効な施設だろうと思います。
そこで、私も何度か議会の中で質問させていただいておりますが、Skipさっぽろ事業について質問させていただきます。
Skipさっぽろ事業については、昨年9月の開設以来、資格取得やスキルアップ講座、職場実習などを通して、産業振興ビジョンで示す重点4分野に正社員やフルタイム社員での就職を目指すというものでございます。資料もいただきましたが、平成23年度の実績では240人の募集に対して286人がスキルアップ事業に参加して、そのうちおよそ45%の128人が就職したことを資料で確認させていただきました。さらに、就職した128人のうち、およそ87%の111人が正社員かフルタイムで就職できたというふうに伺っております。厳しい雇用情勢の中、また、安定した雇用を望みながらもなかなか希望をかなえられない求職者が多い中で、このような成果を上げたということは、一定の評価ができるものと思います。
そこで、質問いたしますけれども、市は、このような実績をどのように分析、評価しているのか、お伺いいたします。
◎入江
雇用推進部長 平成23年度のSkipさっぽろの実績といたしましては、今ご指摘のとおり、私どもといたしましても、この数字は事業の目指す成果をおおむね得られたものと考えております。また、128人の就職者のうち、約80%の103人が当初予定の産業振興ビジョンの重点4分野への就職であったことにつきましても評価できると認識しているところであります。
しかし、Skipさっぽろにつきましては、職場実習ももう一本の柱となっておりますが、職場実習については、延べ参加者が6名と少なく、当初の見込みを大きく下回りました。これにつきましては、参加者に職場実習のよさが理解されていなかった、あるいは、資格を取得しただけで就職活動に入る方が当初の見込みより多かったこと、加えまして、職場実習は資格取得講座と並行して行うものと想定しておりましたが、資格取得を先行して、その後に実習を希望する方が多かったため、実習の時期が求人の多い1月から3月に重なってしまって就職活動を優先せざるを得ない状況となった、こういったことが原因ではなかったかと考えております。
◆丸山秀樹 委員 職場実習については、ちょうど求人の多い時期と重なったということもありましたが、実績が低かったなという実感が非常にいたします。
また、私は、平成24年第1回定例会の
予算特別委員会でも指摘いたしましたけれども、せっかく正社員で就職しても、求職者が描いていた仕事内容や職場環境と違うということで早期に退職してしまうなど、非常にもったいない状況がございます。このようなことが起きないように、事前に業界の理解を求めるなどの取り組みを求めさせていただいたところです。また、企業としても、新規の雇用には慎重で、経営者は即戦力となる人材を求めております。そのため、資格取得やコミュニケーション能力の向上は再就職に非常に有効なことから、積極的に取り組みを行うことについても要望させていただきました。
そこで、再質問になりますが、平成24年度にどのような見直しを行ったのか、その見直しの結果とどのような効果があったのか、お伺いいたします。
◎入江
雇用推進部長 まず、コミュニケーション能力の向上についてでありますが、委員のご指摘のとおり、求職者が企業に採用されるに当たりまして重要なことであると認識しております。このため、今年度から、新たに参加者のコミュニケーション能力に応じた3段階の講座を設けまして、参加者全員が受講することとしております。
次に、早期離職の防止、職場定着の取り組みについてでありますが、参加希望者がその業界を理解した上で事業に参加できますように事前に説明会を開催するなど、工夫したところであります。特に、介護職を希望する参加者につきましては、事前の職場見学会や受講後の職場実習を必須とする見直しを行っておりまして、結果として、受講前や受講中など比較的早期に自分の適性を理解し、希望職種の選択肢を広げるなどの効果もあらわれております。このことは、効率的な就職活動にもつながりますし、ミスマッチによる早期離職の防止にも効果を発揮する、そのように認識しております。
◆丸山秀樹 委員 コミュニケーション能力については、3段階に分けて参加者の必須の条件にしたということで、これは大変向上されているものと思います。また、実習については、比較的早期に自分の適性を理解して希望職種の選択肢を広げる効果もあったということでございました。
職場実習に限って言えば、効果的な事業となっているかどうかというと、そういう事業にはいまだなっていないように私は感じます。職場実習は、再就職に当たって求職者にとっても企業にとっても非常によい取り組みであると思いますので、いま一度、状況を分析して見直しを図ることが大事なのではないかと思います。
そこで、再々質問しますけれども、職場実習の今現在の実施状況と、職場実習をより機能させるための取り組みについてどのように考えているのか、お伺いします。
◎入江
雇用推進部長 初めに、職場実習の実施状況についてでありますが、9月末現在で実習を終了している方が2名、実習中の方が3名、実習先や日程を調整中の方が14名おります。そのほかに、調整に至っておりませんが、先ほど申し上げました介護職希望の31名の参加を予定しております。
今後は、求職者が希望する企業を職場実習先として確保するとともに、求人企業に対し、社員の採用前に適性を見きわめることができるなど、こういった職場実習の利点を理解してもらえるように積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
◆丸山秀樹 委員 調整中の方が14名ということでしたけれども、実習を終えた方、実習中を含めると実質はまだ5名ぐらいというお話でした。資格を取ることで就職へのハードルをクリアするのは当然で、本人が自信をつける意味においては資格を取ることは大変効果があると思いますけれども、厳しい雇用情勢ですので、正社員やフルタイムを目指す求職者にとって、現場を直接見るという意味で就職に係る職場実習は大変大きな要素になるのではないかというふうに思います。
また、Skipさっぽろの事業を進めるに当たって、職場実習のよさが求職者や企業に伝わっていないところが多分にあるように感じます。職場実習は、現場を見るという点で就職するには大きな意味がございますので、有効に活用できるように参加者と求人企業の理解を深めてもらうような効果的な取り組みをぜひ進めていただくことを要望しまして、質問を終わります。
◆小形香織 委員 私は、企業向け若年層雇用安定助成金について質問したいと思います。
この事業は、25歳から34歳までの若年層について期間の定めのない雇用を促進するために、市内の中小企業に対して、年度途中で採用する場合に、1人採用したら20万円を助成金として市が支給する、こういう内容の制度です。正規の職員を採用した場合に、企業に対して直接助成金を出すという事業は、最初、2011年1月に補正予算がついて、そのとき、高卒未就職者就職応援事業という名前で、1月から3月までの間で1人採用したら80万円、50人分の枠で補正予算をつけたものがありました。そして、その当時の実績は、その3カ月で22名だったということです。その後、年度がかわって、新年度となる2011年7月から、企業向け若年層雇用安定助成金という形で昨年度から始まっています。この中身は、1人20万円、そして全体では200人分の予算という形になったわけです。
そのときの実績は、18の企業が25名を採用して、決算額としては1,036万円というふうになっています。200人分の雇用を期待したけれども、実際には25名だったということですので、昨年度のこの事業についてどう評価されるのか、まず、伺いたいと思います。
◎入江
雇用推進部長 2011年度実績の評価についてでございますが、25名の若年層の雇用創出につながったとは申せ、支給件数は非常に低調でございました。低調の原因は必ずしも明確ではございませんが、私どもといたしましては、周知が十分でなかったことも一因と考えまして、代表質問での答弁でもございましたとおり、事業主への働きかけや国の助成金を取り扱う雇用助成金さっぽろセンターでの周知を開始したところであります。また、一部の助成金利用企業からは1事業主当たりの支給人数の上限を上げてほしいというご要望もありましたことから、2名であった上限を10名にいたしました。さらに、手続が煩雑であるという声もございましたことから、手続を簡素化し、助成金制度をより利用していただけるようにこういった見直しを行ったところでございます。
◆小形香織 委員 今のご答弁で、低調で、その原因が明確でないというふうにおっしゃいました。私は、この事業はとても大事だと思うのです。雇用推進部が就労支援としてやっているさまざまな事業の中で、採用した中小企業に対して市が助成金を出すという性質のものは一つしかないですから、これをもっと促進していくべきだというふうに思います。
原因が明確でないというところで、私は、昨年の
決算特別委員会でも、その前の議案審査特別委員会でも、企業側のニーズがどこにあるのか、きちんと調査するべきだということを求めていますけれども、それについては調査を実施されたのか、そこを伺いたいと思います。
◎入江 雇用推進部長 ニーズ調査の実施についてでございますが、助成金に関するお問い合わせや申請されるときの機会をとらえまして、企業のニーズ把握に努めてまいりました。その結果、先ほど申し上げたような見直しを行ったものでございます。
◆小形香織 委員 具体的に聞きますが、先ほど、人数上限のことと手続が煩雑だという声があったから、それにはこたえましたとおっしゃっていましたけれども、申し込みのときにどんなふうに話を聞いたのですか。目的意識を持って、どういうところを変えたらいいかという意識を持って聞いたのか、その中身を聞きたいのですけれども、お答えください。
◎入江 雇用推進部長 この助成金につきましては、8月に始まりましたけれども、やはり、出足が悪いと申しますか、利用が低調でございましたので、窓口に指示いたしまして、どのような問い合わせ内容で、どのようなご要望があるのか、それを聞き取るようにという指示をいたしております。
◆小形香織 委員 企業が問い合わせてきた件数などはお聞きしていますけれども、そもそもの問い合わせに至らない部分も随分あるだろうというふうに思うのです。中小企業にとって要件の緩和がこの事業に対するニーズなのか、それとも、1人当たりの額をもう少しふやしてほしいということなのか、どこにニーズがあるのかがよくわからないというのが私が説明を受けての印象なのです。ですから、申し込みをしようと思った人からは幾つかの声や何かが出るでしょうけれども、そこに至らなかった理由は何なのかというあたりの調査が必要なのではないか、どこをどうすれば助成金を受けようと企業が踏み込むことができるのか、悩んでおられるポイントを経済局の方できちんとつかむ必要があるというふうに思うのです。
そのためには、先ほどさまざまな形というふうにおっしゃいましたが、先方が問い合わせてくるのを待つのではなくて、もう少し別な方法で積極的にニーズをつかむことをやっていくべきだと思いますけれども、その点でお考えがおありでしたらご答弁ください。
◎入江 雇用推進部長 こちらにアプローチのない方も含めて、市内の対象中小企業全部の雇用を把握することは困難であると思います。ことしにつきましては、助成金についてお問い合わせをいただきながら申請に至っていない企業に対して、後日、その理由についてお尋ねしていきたいと考えております。連絡先などを控えるようにして、どうして申請に至らなかったのですかということを組織的に調べたいと思っております。
◆小形香織 委員 これからされるということですが、なぜ申請に至らなかったのかという聞き方よりは、むしろ、どうすれば改善できるのかという積極的な姿勢で、すべての企業に声がかけられるような、それぐらいの勢いでやる必要があると思うのです。中小企業の皆さんも、正規の職員を採用するのは非常に重たい仕事だというふうに思います。だけど、後継者が欲しい、会社の中で新陳代謝を図りたい、そういう考えもお持ちのはずですから、積極的なやり方というのを進めていくと。
私は、一つ提案したいと思うのですが、企業向けのご案内を見ると、対象事業主の中に、札幌市が掲げる四つの重点分野の事業を行っていることが条件になっていますが、私は、こういうふうに挟めないで、もっといろいろな企業が手を挙げられるようにしたらいいのではないかなというふうにも思っています。いずれにしましても、この事業に中小企業の皆さんがどういうニーズを持っておられるのか、もっと幅広く、本腰を入れて調査していただくことを求めたいと思います。
◆松浦忠 委員 私は、費目的に言うと、労働費の関係ですが、その前に、まず最初に、法人の経営状況説明書という分厚いものが出されております。
ここで、労働費で聞くのがいいのか、あるいは商工費がいいのか、まとめて商工費の方がいいのかなと思うのですけれども、これは労働費になりますが、まず、法人の関係で財団法人札幌勤労者職業福祉センターというのがあります。ここで、234ページに基本財産の運用利息26万円が計上されているのですが、これはどういう運用をされているのか。
私はなぜこういうことを全部の法人について聞くかといったら、昨今、預けた当時は安全だなと思った預け先も、このごろはこういう経済情勢の中で極めて変動しております。したがって、まずは、どこに、どういう形で預けて26万円の利益が発生したのか、この点について、1点目にお尋ねいたします。
◎入江
雇用推進部長 234ページの財団法人札幌勤労者職業福祉センターにおける基本財産の利息収入に当たるものですが、この財団の基本財産は北海道債と北洋銀行の定期預金で運用しております。
◆松浦忠 委員 次に、同じく、勤労者融資資金貸し付けで北海道労働金庫に4億円を貸し付けておりますが、平成23年度に4億円を貸し付けて、労働金庫の経営上、この4億円がどういう役割を果たしたのか、この点についてどう検証されているか、お尋ねします。
◎入江
雇用推進部長 労働金庫の経営にどう寄与したかという検証は、特にしてございません。勤労者への融資が円滑に進むようにということで4億円をお預けしてまいりました。このことは、勤労者への融資に当たって少なからずプラスに寄与したものと考えております。
◆松浦忠 委員 これは、私が以前からずっと取り上げて、私が取り上げたころはたしか8億円の融資でしたね。それを、今の労働金庫の資金事情からいったら必要ないのではないかということで、暫時、ここまで減らしてきたわけであります。
税金を貸し付けるというのは、それ相応のきちっとした理由と、貸し付けたことによってその成果が上がっていく、これがなければ貸し付けを継続する意味合いはないわけですね。今、それについて検証していないということですが、貸し付けの意味合いが本当にどうだったかという検証なくして税金を貸し付けるということは極めてよろしくないことであります。したがって、この点については、後日で結構ですから、きちっと検証して、書面にてお答えいただきたいと思います。
ところで、今年度でこの融資は終わりでしたか。どうでしたか。
◎入江
雇用推進部長 平成23年度で終了しております。
◆松浦忠 委員 わかりました。
それでは、勤労者対策促進費あるいは雇用推進費など、類似のものもたくさん使われております。最初に、小須田委員の質問でもありましたが、その中で、私は、雇用推進部の委託事業の一覧表という資料を提出いただきました。総額8億3,941万1,589円の事業で、ここに17社が参加しておりますが、この中で幾つか抽出して質問したいと思います。
まず、いただいた資料の中で、就活ワンポイントセミナー運営業務(その1)、キャリアバンク株式会社151万8,300円、同じく(その2)株式会社東京リーガルマインド札幌支社161万700円、また別なところで、職業能力開発サポート事業費、職場実習企業など開拓事業(その1)キャリアバンク株式会社149万4,150円、(その2)株式会社東京リーガルマインド札幌支社143万9,589円、こういうふうにして、同じ事業を分けて出しているのですね。これを分けて出した理由、これは何ですか。
それから、高卒新卒未就職者人材育成雇用プログラム事業委託業務Eコース、ヒューマンアカデミー株式会社9,135万円、そして、高卒新卒未就職者人材育成雇用プログラム事業委託業務Fコース、キャリアバンク株式会社9,172万940円というふうにあります。こういうふうにして、コースの頭文字が違うから違うのかなと思うのですが、今言った三つを一つの事例として出しましたけれども、この中身はなぜこうやって分けなければならなかったのか、これを1点お尋ねします。
それから、二つ目は、例えば、高卒などの人材育成プログラムの9,100万円のところです。これなんかは、どういうような内容で実施して、実施したことによって実施前と実施後ではどういうふうに変わっていって、それが今後の就職活動につながるという評価をされたのか、その辺のところをお答えいただきたいと思います。
◎入江
雇用推進部長 まず、1点目は、就活ワンポイントセミナーをキャリアバンク株式会社と東京リーガルマインド札幌支社に分けて発注しているのはなぜかという点でございます。
これは、北24条にございます
就業サポートセンターで、協定に基づいて民間の職業紹介業務をやっていただいておりますキャリアバンクと東京リーガルマインドですが、この
就業サポートセンター関連事業ということで、女性中高年の就業支援、就活ワンポイントセンター、それから求人開拓、この四つの業務をキャリアバンクとリーガルマインドにやっていただいております。これは、なぜ二つかという意味で申しますと、2社に競い合っていただきたいということがございます。
それから、2点目は、高卒未就職者人材育成雇用プログラムです。
このほかにもございますが、これらは、いわゆる緊急雇用のプログラムでございまして、高卒について申しますと、高卒未就職の方を人材派遣会社などが社員として雇用しながら、座学の研修あるいは実地研修をしていただき、就職活動を支援してこの間に就職していただくといったような内容の事業でございます。これも、1社にすべての高卒未就職者を任せるということではなくて、競っていただくという意味で、この場合で言うと3社に委託してございます。
内容については、今申し上げたように、人材派遣会社の契約社員ということで、高卒未就職者は8カ月ですが、一定期間、社員として雇っていただいて、その間に、座学の研修、職場実習などをやっていただき、就職を支援するという内容でございます。
○峯廻紀昌 委員長 内容はわかりましたけれども、実施前、実施後、就職につながったのかという点もあったと思います。
◎入江
雇用推進部長 (続)失礼いたしました。
高卒で申しますと、3社にお願いしておりまして、48人の定員に対して38人が就職した、あるいは、57人を受け入れて49人が就職した、52人を受け入れて46人が就職したと、3社それぞれそういう成果を上げているところでございます。正規雇用の者が14人、22人、14人、契約社員が12人、15人、26人と、それぞれ成果の波はございますが、7割、8割の方が就職に至っているという成果でございます。
◆松浦忠 委員 大変、就職率が高いですね。
私は、実は、これをもらって見たときに、これだけのお金を使って、高校を卒業した方は、小・中学校9年間は全額を税金で教育する、高校もほぼ税金で教育をする、12年間、教育をしているわけですね。それで、私は、結果としてこれだけの就職率があったとすれば、こういうやり方ではなくて、まず、本人たちにどういうところに就職したいかと希望を聞いて、そういう企業が希望すれば、研修生として、研修費はこちらで持つよ、使って仕事を教えてあげてください、そして、適している人がいて、もし要るなら使ってくださいと。こういうことの方が本人は入っていきやすいのではないか、それから、企業も、実際に受け入れて、その中で、よし、これは使おうということになったら真剣にいろいろなことを教えるのではないか、そうすると、それが、より企業にもいいし、働く側の人にもいいということになると私は思うのです。そういうことの方がいいのではないかなと、私は前々からそういうふうに思っていたのです。
例えば、白石区で、ふるさと会の皆さんなどが中心になって、丁稚奉公なんて昔の言葉を使って、中学生ぐらいに職業体験訓練をさせたりしているのです。私は、だれが考えてもその方がいいと思うだろうし、企業に聞けばその話に乗ると思うのですが、そういうふうにだれもがわかるようなことをどうしてやらないのかなと。
これについて、企業に対して、こういう方法でやってみたいけれども、希望はどうだろうかというようなことについて、商工会議所などを通じて加盟の中小企業などにそれぞれ意向調査したことはありますか。
◎入江
雇用推進部長 ご指摘のような意向調査をしたことはございません。
しかし、先ほど申し上げたような高卒未就職者の事業について申しますと、人材派遣会社が給料を払いながら講習を施しまして、その方々が事業の後半には実習に出かけることになっております。この実習に出かける先につきましては、求人を出していて、そして、高校生を採用したいというところで、もちろん実習に行く生徒の意向も聞きながら、企業を決めて、面接をして、行っていただいて、実際に職場で仕事をし、そして、採用に至るか、至らぬかということをやっているところでございます。
◆松浦忠 委員 これは雇用対策ですからね。会社の固有名詞を挙げてちょっと悪いけれども、この中を見たら、一番受注率の高いのはキャリアバンクが1億3,620万2,090円、16%を受注しております。私は、これを見たら、こういった会社の失業対策の一環も含まれているのかなと思っているのです。ここの会社の失業救済対策もやっているのかなと。
私がさっき言ったように、小・中学校9年間は、教科書も無償で支給して、父母が負担するものが若干あったにしても、基本的には憲法に基づいて国家が責任を持って教育をやっているわけですよ。そして、高校だって、ほぼそれに近いところに行っている。それだけ教育して、職がないとなれば、本人が希望するところ、あるいは企業が必要とするところ、そこに入れてやるのが一番の早道だと思うのです。そして、そこで研修期間が終わって、お互いに合わなければそこの会社に就職しない、こういうことだと思うのですよ。
したがって、よく就職でミスマッチなんて言います。私は、1946年に小学校に上がったけれども、小学校に上がる前まで、余り横文字なんて新聞でも使わないし、親も使わないし、敵国語ですからね。それがだんだん横文字がふえてきて、私が一番最初にミスマッチと覚えたのは、ボクシングの試合でこの選手とこの選手を組み合わせるのはミスマッチだと。何だといったら、こちらはチャンピオンなのに挑戦者が全然弱い、勝つのが決まっているのに、大体、チャンピオンのタイトルを防衛するため、自分を利するための試合の組み方だ、ミスマッチだと、こういうことをラジオでボクシングの解説者が話すのを聞いたのが、私が最初に聞いたミスマッチという言葉なのです。ただ、それは英語ですから、日本語にどう訳するかは、要は解釈ですから、何とでも訳せます。決め事ですからね。
したがって、就職するということは、希望するところに必ずしも行けないけれども、学校が終わって大人になったら、自分でご飯を食べて生きていかなければならぬわけですから、そういうことも会社に入って仕事をすることによっていろいろなことをきちっと学んでくるわけですよ。そういう中で、自分がどう仕事をして生きていくかということを覚えると思うのです。それは、座学ではなかなかわからぬ話ですよ。例えば、よく禅の修行をするなんて言って禅道場に行って修行される方もいますけれども、それは1週間や10日やったってわかる話でないです。そんなことで、私は、このやり方を変えた方がいいのではないかと。
昨今、国の方も、予算編成の中で、今回の震災対策なんかを見ても、いろいろ言われているのは、何でもいいから必要な予算を持ってこい、後から追加となったら、国民も国会もそれぞれ意見があるから、だから最初のうちに持ってこいと言ったのだと、この間、元大蔵省のお役人でいわゆるキャリアだったある人がラジオの座談会でそんな話をしていました。これだって、実態として合わなければ、国側ときちっと話をして、札幌市はこういう方向でやらせてもらえんかというようなことだって言って、そこは全くできないことではないと私は思うのですよ、今の国の予算の流用の仕方からしたら。
したがって、何のためにその人たちを、新たにまたこれだけの税金をかけてお世話をするかといったら、その人が一生ご飯を食べるところに、まず、自分で食べる入り口につかせてあげるということなのですから。したがって、そういうことを考えてきちっと調査するということが大事だと私は思うのです。
そこで、市長にお尋ねしたいのですが、私は、本人の努力と運もあって卒業前に就職も決まり、卒業と同時に就職できた人はいいけれども、多くのできなかった人に対しては、今、私が言ったような方向は大事なことだと思っているのです。少なくとも札幌市が税金を使って事業をするときには、国側にもきちっとそういう話を上げて、そして、そういう金の使い方もできるようなことなどを含めてやらせるべきだと思うのです。
市長に尋ねる前に、もう一つ部長に尋ねますが、国は、こういうやり方以外は認めないと言っているのですか。今、私が言ったようなやり方について、認めないと言っているのかどうか、これを答えてください。
◎入江
雇用推進部長 緊急雇用の仕事につきましては、人件費が半分を占めるといったような条件がございます。ただ、松浦委員がおっしゃったように、求人を出している企業に働きに行く、そこでお互いの相性を見るというようなことは、今、実際にやっておりますし、それについては別に規制があるわけではございません。
◆松浦忠 委員 今の方式で就職が決まるということは、必要があるから求人してくるわけです。そうしたら、今言ったキャリアバンクだとか何かに関係経費を払って、何を教えているか知らぬけれども、訓練して、そしてまた職業をあっせんするのだったら、そんなものは除いて、その分の経費をたくさんの人に充てて必要なところにあっせんしてあげる、このことの方がより効率的だと思うのです。今聞いたら、これは札幌市の裁量の範疇でできるということなのですから。
そこで、市長にお尋ねしたいのですが、市長も雇用問題には非常に頭を悩ませておられることは私もよくわかっています。皆、思いは共通です。お互いに向かい合っているみんなは、ここの部屋にいる人はね。しかし、執行権は市長の側にあるわけですよ。したがって、こういうことについて、我々に、一々、こういう予算が来たから、これからこういうことで考えていきたい、議員の皆さんも何か意見はありますかと常任委員会の開催を求めて意見を聞かれたということは私の記憶にないです。そういうことからいったら、これは専ら市長の専権事項でおやりになっていることだというふうに思うのです。
そうだとすれば、今言ったようなことについて、市長は、直接、商工会議所を通じてもいいし、いろいろな業界の集まりを通じてでも、そういう意向調査をして、そして、本当にその意向に沿ったようなやり方をしてあげることが本当の意味での企業に対する支援だと私は思うのです。今後、そういうやり方をぜひやっていただきたいと思うのですけれども、市長、いかがでございましょうか。
◎上田 市長 先ほど、丁稚奉公のお話がございました。白石区で、小学6年生でしたでしょうか、その方々を対象に、商店街、ふるさと会の皆さん方が大変なご努力をされて始められた、小さいころからの職業体験、教育で、地域一丸となってやられているという話を私も就任当初にお聞きしました。そして、実際に見学させていただいたこともございますが、すばらしい取り組みだというふうに考え、それを全市に広げるということで、今、全市の学校において職業体験教育といったものが実施されていると思っているところであります。
そういう中で、義務教育の9年間、さらにはほとんどが高校へ進学されて、そこまで教育をしても、実際の職業につくことができるかどうかとなりますと、現場のお話では非常に難しい状況にあると我々は聞いているところであります。それは、仕事をすることについての意識といいますか、そこの基本がまだできていないということで、そこから鍛えていただける企業があれば、それは一番いいことだというふうに思います。ただ、そこにたどり着くまで、例えば、コミュニケーション能力だとか意思疎通、あるいは、組織としての会社の中で、働く皆さん方との間の意思伝達、敬語の使い方も含めて、あるいは、極めて初歩的なことになりますと履歴書の書き方まで指導しなければいけないような状況もあります。あるいは、現状認識の中で、北海道特有のことではなくて、国全体の職業教育のレベルがなかなかそこまで達していないような状況の中で、どう工夫して職業能力を身につけさせるかということが課題でありまして、その点をこういう事業によって賄っているわけであります。そして、先ほど来、成果についてもご報告されておりますが、7割、8割の就業が可能になっているという成果が上がっているわけでありますので、これはこれとして私はご評価いただきたいと思います。
そして、就業意欲なり就業しようという状況まで能力が高まっていない、備わっていない子どもたちを育てるぞという意欲的な企業があらわれていただければ、もちろんそれを排除するわけでもありません。商工会議所等との連携の中で、そういう事業者がいるかどうか、手を挙げていただくようなこともやっていいことだと思いますので、参考にさせていただきたいと思います。
◆松浦忠 委員 それから、このごろ、職人の仕事が少なくなったのです。例えば、菊水なんかにもあるのですが、札幌市内に溶接などの訓練校というのがあります。いわゆる職人方の訓練校で、大工なら大工のですね。このごろはそういう職種の人の仕事が減ったせいもあってか、訓練校が開店休業みたいな状況になっております。私は、こういうところも改めて活用して、例えば、大工になりたいというなら、希望者には大工の訓練校なんかに入ってもらって教育を受けさせるとか、そういうように実践に役立つようなことを多面的にいろいろやる必要があるのではないかなというふうに思いますので、ぜひひとつ、こういう点も活用してやっていただきたい、このことは、ぜひ求めておきます。
大分時間がたちましたから、幾つかあったのですが、この辺でやめておきます。終わります。
○峯廻紀昌 委員長 以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします
次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち、経済局関係分の質疑を行います。
◆植松ひろこ 委員 特定子会社の誘致についてとコンテンツ特区産業の振興について、それぞれお伺いします。
初めに、障がい者雇用を推進するための特例子会社の誘致についてお伺いします。
特例子会社とは、障がい者の雇用に特別な配慮を行うなど、一定の要件を満たした上で、厚生労働大臣の認定を受ける子会社で、特例としてその子会社で雇用されている障がい者を親会社で雇用しているとみなすことが認められる制度であります。特例子会社制度は、企業グループでの適用も認められていることから、大手の企業グループの場合は、特例子会社における障がい者の雇用数も多くなる傾向にあります。
特例子会社は、2012年現在、全国で349社設立されているとのことですが、市内には、特例子会社の事業所はまだわずか五つしかございません。私が以前勤めていた会社も特例子会社を持っており、私が働いていた職場の清掃業務などを行っており、このことより、私も障がい者雇用の推進について関心を持ってまいりました。今週、二つの事業所を視察してまいりました。車いすが通れるスペースではなく、車いすがすれ違えるスペースが設けられる、視覚や聴覚に障がいがある人も一つの標識で非常口がわかるようになっている、また、テーブルの高さが車いすの人用に調節ができる、こちらは高齢者にも適用できるなどという部分もあったのですが、そういったさまざまな工夫がされておりましたし、仕事の中でも、責任者として障がいのある方が登用されているなど、まさに同じ目線でお仕事をされているなというふうに感じてまいりました。
このように、私は、障がい者の雇用の推進について、今後も力を傾けて取り組んでいただきたいという観点から質問いたします。
札幌市では、ことし7月よりコールセンターやバックオフィスの立地補助制度を一部改正し、特例子会社も誘致対象に加えたとのことでありますが、企業誘致で特例子会社を明示している自治体は珍しいとのことであります。コールセンターやバックオフィスの誘致につきましては、立地件数も札幌市は全国有数と言われており、雇用者数も総計2万人を超えるなど成果を上げていると思いますが、このたび、障がい者の雇用にも着目して特例子会社を誘致対象としたことは、一定の評価をすべきものと考えております。
そこで、特例子会社を誘致することとした経緯について、まずはお伺いします。
また、特例子会社に立地補助金を補助するに当たっては、事務所内をバリアフリーにすることや障がい者の雇用人数などについて何か条件を付しているのか、あわせてお伺いいたします。
◎川畑 産業振興部長 1点目の特例子会社を誘致することとした経緯についてでございますが、民間企業に義務づけられている身体障がい及び知的障がいの方の法定雇用率が、平成25年4月に1.8%から2%に引き上げられることとなっておりまして、障がい者雇用の一層の拡大が企業に求められております。加えまして、全国の特例子会社の半数以上が首都圏に集中しておりまして、そちらでは次第に人材確保が困難になりつつあり、今後、地方での特例子会社の増設が見込まれることから、このたび特例子会社の立地について優遇する制度を設けたものでございます。
2点目の立地補助金の支給要件でございますけれども、新規の常用雇用者が20名以上であることを主な条件としております。ご質問にございましたバリアフリーとか障がい者の割合については、国が特例子会社を認定する際の要件としておりますので、本市の立地補助制度におきましては、特段、支給の要件に定めてはおりません。
◆植松ひろこ 委員 先ほどの答弁にもございましたが、障がい者の法定雇用率が1.8%から2.0%に引き上げられるとともに、障がい者の雇用が義務づけられる対象企業も、現在の従業員56名以上の企業から50名以上の企業に拡大されるとのことでありますが、このままでは障がい者雇用の状況は改善しないのではないかと懸念するところであります。また、さきの報道によりますと、道内では企業の半数が障がい者雇用率をまだ達成できていないとのことでもありました。
このように障がい者雇用がなかなか進んでいかない原因としては、会社側の障がい者に対する理解が十分ではないことなどが挙げられます。また、障がい者雇用といいましても、身体障がい、知的障がい、精神障がいと障がいの状況はさまざまであり、それぞれ配慮する観点も異なるものがあると言えます。特例子会社は障がい者雇用のノウハウなども豊富だと考えられますことから、特例子会社が市内に多く立地することによって、市内企業も障がい者雇用に関する理解が進んでいくものと考えます。こういった面からも、特例子会社の誘致を進める意味はあるのではないかと考えております。
そこで、特例子会社の誘致について、現段階での実績はどうなっているのか、あわせて、今後、具体的にどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
また、障がいのある方のうち、特に精神障がい者については就労が困難であると聞いておりますが、特例子会社における障がい種別の雇用者数はどうなっているのか、お伺いします。
◎川畑 産業振興部長 初めに、特例子会社の誘致実績でございますけれども、本年7月の制度改正後に立地したものはまだございませんが、新設や増設につきまして数件のお問い合わせをいただいているところでございます。
また、誘致に向けた具体的な取り組みでございますけれども、先月、9月でございますが、首都圏で障がい者雇用の勉強会をされている企業の集まりがございまして、そちらの方で、本市の立地制度とか障がい者への支援制度といったものをご説明いたしまして、そのときに関心を示された企業に個別の訪問も行っているところでございます。さらに、今後は、全国の特例子会社、または、新たにこれから特例子会社を設立する可能性のある企業の方々にアンケートを実施いたしまして、例えば、立地の意向を把握し、その後の誘致活動につなげてまいりたいと考えております。
また、特例子会社に勤めていらっしゃる障がい種別の雇用者数でございますけれども、全国ベースの昨年6月の数値でございますが、総数で1万883人となっております。そのうち、身体障がいが4,871人、知的障がいが5,311人、精神障がいが701人となっております。
◆植松ひろこ 委員 特例子会社における障がいの種別につきましては、精神障がいの人数が圧倒的に少ないというのが現状でございました。現在、雇用義務の対象外となっている精神障がい者について、雇用の義務づけが検討されているとのことですし、障がい者雇用におきましては、障がいの種別にかかわらず雇用が進んでいくことが望ましいと考えます。特例子会社においては、少ないとはいいましても一定の精神障がい者が既に雇用されている実態もあるようですので、特例子会社の立地により、精神障がい者も含めた障がい者雇用が拡大することが期待できると思いますので、ぜひ実績を出していただきたいと思います。
また、補助金により運営が成り立っている状態の会社がまだ多いようですので、新規だけではなく、継続して、大きな木となるような企業に育っていけるように、ぜひとも、福祉だけではなく、経済の観点からも補強するような補助事業を行っていただきたいと思います。また、障がい者のサポートなどにつきましては、保健福祉局など関連する部局とのかかわりが強くなっていくことが考えられますので、こちらの連携もしっかりとっていただくことを求めまして、こちらの質問を終わります。
続きまして、コンテンツ特区産業の振興、特に映像産業の振興についてお伺いいたします。
まずは、札幌国際短編映画祭についてお伺いします。
今年度で7回目の開催となった札幌国際短編映画祭は、9月12日からの6日間にわたり開催されました。今年度は、世界93の国と地域から2,723の作品の応募があった中、87本のコンペティション対象作品が上映されたほか、それとは別に、東日本大震災をテーマとしたドキュメンタリー作品などを特集したアフター3.11や、北海道在住または出身の監督を対象としたコンテンツ作品の上映、初音ミクの生誕5周年を記念したプログラムの上映などが行われました。また、マーケットイベント会場では、映画祭に参加している監督たちによるミーティングのほか、最新映像機材等の紹介、フランスのコンテンツバイヤーによるショートフィルム業界の現状や可能性に関するプレゼンテーションなどが行われました。
私も、会場にて上映作品を鑑賞するとともに、アワードセレモニーにも参加させていただきました。アワードセレモニーには、海外からの著名な審査員や映画監督のほか、コンペティションにノミネートされた若い映画監督や出演者、スタッフ、チケットを購入された一般市民の皆さんなど、300名近い方が参加されており、国際色豊かなイベントとして着実に根づいていることを実感いたしました。
そこでまず、ことしの札幌国際短編映画祭の観客動員数とその結果をどのように分析しているのか、お伺いします。
◎川畑 産業振興部長 ことしの短編映画祭の観客数、また、その分析についてでございますけれども、観客数につきましては、映画祭本体のほか、関連イベントなどを含めまして約1万3,000名となりまして過去最高でございます。昨年度と比較いたしまして約2,900名、27%の増加となっております。
ことしは、事前のPRを進めまして、大通公園や円山動物園、あるいは市役所のロビー、図書館といった場所で上映会を開催しまして多くの方にごらんいただきましたほか、市内の小学校や児童会館でもポスターの掲出などを新たにお願いしたところでございます。また、上映会場の札幌プラザ2.5のある狸小路商店街では、これまで同様に映画祭のバナーやポスターを掲出いただきまして商店街を挙げて周知にご協力をいただいております。このような取り組みを行いました結果、報道機関に取り上げていただいたり、雑誌、新聞、ホームページなどに掲載していただく回数もふえております。ことしは、各種イベントや施設と連携しまして市民の皆さんに短編映画祭を見ていただく機会を多数提供しましたので、こういったことが映画祭の認知度向上につながったものと考えております。
◆植松ひろこ 委員 さまざまな場所や広報手段により市民の皆さんに周知を行い、観客動員数も過去最高であったとのことでありました。しかしながら、映画祭開催後の新聞の投書に、映画祭の作品に対する称賛の声とともに、会場にはまだまだ空席も目立ち、文化都市さっぽろとして、市民のみんながこの映画祭に愛情をかけ、大事に育ててほしいとの声が寄せられておりました。
私は、この映画祭は、札幌が世界に誇れる映像都市として発展していくための象徴的なイベントであり、映像産業の振興はもとより、市民文化の振興や国際交流、地域振興、映像教育や人材教育のためにも貴重なイベントであると考えております。この映画祭が市民の皆さんと一体となって創造都市さっぽろを推進していく契機となるよう、より多くの市民や観光客の皆さんに短編映画の魅力を知っていただき、来場していただけるよう、さらに積極的な周知を図っていかなければならないと考えております。
また、来年4月に、コンテンツ産業を振興していくための施設であるデジタル創造プラザ、通称ICCが産業振興センターに移転する予定ですが、新たなICCにおいては、例えば、映画祭の受賞作品を市民の皆さんにごらんいただく機会を設けるなど、短編映画のファンをふやしていく取り組みも図っていただく必要があると考えます。
そこで、今後、さらに市民の皆さんに札幌国際短編映画祭を知っていただくための取り組みについてお伺いします
また、新たなICCにおいて、映画祭の周知に関してどのような取り組みを考えているのか、あわせてお伺いいたします。
◎川畑 産業振興部長 先ほども少し申し上げましたが、ことしは、特に市民の皆さんに映画祭を知っていただくという取り組みに力を入れておりまして、アンケートの結果では、これは昨年と同じですが、初めて来場された方が4割を超えておりまして、確実に参加者のすそ野が広がっているものと考えております。また、作品を楽しめたと回答された方が全体の7割を超えておりましたので、実際に見ていただくと多くの方が短編映画に魅力を感じていただけるものと考えております。今年度の映画祭は終了いたしましたけれども、来年度以降のPRに向けまして、引き続き、図書館における上映会などを予定しているところでございます。
また、ご意見にありましたように、来年度、産業振興センターにオープンいたします新たなICCにおきましても、1階にオープンスペースもございますので、そうしたところを活用した上映会を実施するなどさまざまなイベントを行い、あるいは、ほかの施設とも連携いたしまして短編映画の魅力を知っていただき、投書のご意見にありましたように、市民を挙げて映画祭を育てていく、そういった取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。
◆植松ひろこ 委員 次に、コンテンツ特区についてお伺いします。
先週末まで札幌でロケが行われていた映画撮影を我が会派で視察し、エキストラとして参加もしてまいりました。朝早くからの撮影にもかかわらず、1,500名を超えるエキストラが参加し、道行く人々も大変興味を持ちながら通行している様子がうかがえ、映像が持つ人を引きつける力というものを実感いたしました。
札幌市は、民間調査会社が全国1,047の自治体を対象に行った地域ブランド調査2012において、3年連続で全国で最も魅力的なまちに輝いており、観光に来たいという観光意欲度においては調査開始時から6年連続で1位を獲得し続けております。
先日の代表質問で、我が会派より、映像は他産業へと波及する効果が極めて大きいことから、札幌の国際的なブランド化や観光、貿易といった産業へ波及させるため、どのような取り組みを行っているのかと質問したところ、例えば、旅行会社等との連携による観光客誘致を行っていく旨の答弁がありました。私は、映像が人を引きつける力を持つこと、札幌市が観光の面で大変魅力的な都市であることを踏まえまして、映像をより積極的に活用することでシティPRを行い、国内はもとより、さらには海外からの多くの観光客誘致につなげることができると考えております。
そこで、札幌の映像を活用し、シティPRや観光へ結びつけた具体的な事例と今後の取り組みについてお伺いします。
◎川畑 産業振興部長 まず初めに、映像を観光PRなどに結びつけた事例についてでございますけれども、ことし2月に台湾のテレビドラマの撮影が札幌、北海道で行われておりまして、その放映が10月中旬から始まっております。このドラマの主な視聴者は台湾の若い世代と想定されまして、新たな観光客層の開拓につながると考えましたことから、札幌市では、北海道と連携しまして、そのドラマのエンディング、終わった直後にロケ地や観光地の映像を放映し、PRを行う取り組みを支援しているところでございます。こういった取り組みによりまして、ドラマの舞台となった店舗では、そのドラマにちなんだ記念グッズの開発が行われたり、また、商品が台湾の雑誌で紹介されるなど、映像を活用した商品開発、あるいは、観光客誘致のよい事例になるのではないかと考えております。
今後の取り組みでございますけれども、委員もエキストラで参加された映画につきましては、まだ公開前でございますので詳細には申し上げられませんが、この作品のプロモーション効果を最大限に生かして、映画の舞台となった施設の集客を図るといったシティPRや観光につなげる取り組みを行ってまいりたいと考えております。
◆植松ひろこ 委員 最後に、札幌国際短編映画祭と札幌コンテンツ特区のかかわりについてお伺いします。
ことし1月に策定された札幌型ものづくり振興戦略では、本来の製造業に加え、IT産業、バイオ産業とともに、コンテンツ産業も含めて札幌型ものづくり産業と位置づけ、これらの産業のさらなる振興を図っていくこととしております。その中で、コンテンツ産業においては、コンテンツ産業を活性化し、国内外に札幌の魅力を発信することで創造都市さっぽろを実現していくことを目指し、映像産業に携わる人材の育成や映像コンテンツの販路拡大・開拓などを図っていくこととしております。6月に認定を受けた札幌コンテンツ特区の計画を見ますと、具体的な事業展開として、映像コンテンツの国際商談会への出展、コンテンツ産業人材の発掘、育成が盛り込まれており、まさに札幌型ものづくり振興戦略に沿った形での事業展開がされていることをうかがうことができます。
私は、先ほども述べたとおり、札幌国際短編映画祭は、産業振興や人材育成等のさまざまな観点から重要であると考えており、同様に、映像を通じた産業振興を目指す札幌コンテンツ特区も意識しながら取り組みを行うことで、その相乗効果を生み出すことが必要であると考えております。
そこで、最後の質問として、今後、札幌国際短編映画祭と札幌コンテンツ特区との相乗効果を生み出すためにどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎川畑 産業振興部長 コンテンツ特区と短編映画祭のかかわり、取り組みについてでございますけれども、札幌コンテンツ特区におきましては、例えば、韓国・釜山広域市に事務局を置いておりますアジア・フィルムコミッション・ネットワークと共同で、アジアの若手を対象とした国際的に活躍できる映像人材を育成するためのワークショップの実施を予定しております。また、アジアを中心としまして複数の国際マーケットに出展いたしまして、道内で撮影された映像コンテンツの海外市場への流通を支援しております。
そこで、例えばでございますが、短編映画祭の受賞者がコンテンツ特区の国際ワークショップに参加して、さらなる経験の蓄積、あるいは国際的なネットワークの構築を図るといったことも可能と考えております。また、短編映画祭に応募いただいた北海道ゆかりの作品を、コンテンツ特区で実施する国際マーケットに出品、販売するといったことも考えられますので、今後、一層、相乗効果を発揮するよう、一体となった取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◆植松ひろこ 委員 札幌国際短編映画祭とコンテンツ特区が一体となった取り組みを進めていくというお話でしたが、両事業が十分に連携することで相乗効果を生み出すことは、私も大変重要なことと考えております。今後、両事業のマーケット時期を合わせることにより、さらなる相乗効果を生み出すことが可能であると私は考えておりますので、ぜひこれを検討していただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆丸山秀樹 委員 私から、商店街再生事業、商学連携事業についてお伺いいたします。
商店街再生事業の質問に当たりまして、産業振興課より、商店街の現状についてのデータをいただきました。そのデータによりますと、商店街は、平成6年に札幌市内で138あったときをピークに減少しておりまして、現在その数は93となっており、ピーク時の67.3%となっております。また、会員数も、統計をとり始めた平成10年は6,856店舗でしたが、現在では4,133店舗となっており、会員数はピーク時の60.2%で、2,723店舗がなくなっております。この背景には、大型店の出店攻勢による競争の激化や、商店街及び個店の老朽化、店主の高齢化と後継者不足、さらには、顧客、いわゆる常連客も高齢化して客数が年々減少傾向にあることも背景として挙げることができると思います。
本市は、これまで商店街再生事業等に取り組んでまいりました。例えば、商店街活性化に向けた計画づくりや空き店舗活用、さらには商店街クーポン券など、さまざまなメニューを設けて商店街の支援を行ってきたことは認識しておりますが、その後の商店街の継続的な活性化につながった事業は少なかったように感じます。私は、商店街活性化の取り組みは、商店街、各個店の売り上げと店側の張り合いにいかにつながるかが重要だと思っております。
そうした中、今年度から、商店街と学生が連携して実施する事業の支援メニューが新設されました。それが、学生の皆さん、商店街を元気にするアイデアをくださいというものでございます。
そこで、質問いたしますが、本事業の概要とそのねらいについてお伺いいたします。
◎川畑 産業振興部長 商店街再生事業、商学連携事業のねらい、概要についてでございます。
本事業は、商店街の活性化に向けまして、学生アイデアコンテストを実施して、そのコンテストで選ばれた優秀なアイデアを活用しまして、実際に商店街が事業を実施される場合の経費について支援させていただくものでございます。アイデアの応募に当たりましては、学生さんの側が商店街と事前調整の上、ご提案いただくこともできますし、そうでない場合は、後ほど学生と商店街とのマッチングを行うこととしております。
本事業をきっかけとしまして、商店街が若者の新たな発想を取り入れていただき、商店街再生に向けた事業展開を図っていただく、これが本事業のねらいでございます。
◆丸山秀樹 委員 先ほども申し上げましたとおり、昨今の商店街は非常に厳しい状況下にありますことから、そのような中で、地域の商店街及び個店の特性を生かしながら学生の新たな発想をどう取り入れるかは、大変興味深いところでございます。
私は、商店街と大学が連携するに当たって、単発あるいは短期間で終わってしまうのではなくて、継続的にかかわることができる体制づくりが重要であると考えます。また、商店街は、学生を単なるアイデアコンテストの応募者としてとらえるのではなく、商店街と各個店の活性化を推進する上でのパートナーとしてとらえること、また、大学側も、地域貢献と教育の実践の場として、双方に価値のある取り組みにしていく必要があると思っております。
そこで、質問ですけれども、この事業を進めていくに当たり、商店街と大学が継続的かつ対等な連携体制を構築するための工夫が必要であると考えますがいかがか、お伺いします。
◎川畑 産業振興部長 商店街と大学の継続的な連携体制構築についてでございますが、ご質問にございましたように、これまでも商店街と大学が連携している事例はございますけれども、例えば、学生が単にイベントの手伝いをするもの、あるいは、学生から一方的にアイデアを提案するものなど、一過性の取り組みとなっているものもなくはございません。
そこで、本事業では、アイデアの募集に当たりまして、学生個人の応募ではなくて、研究室やゼミなどの組織単位での応募に限定させていただきまして、先生の指導も必要条件としております。このことによりまして、学生が翌年以降に入れかわっても継続的な連携体制を維持することが期待できるものでございます。
また、商店街の側で補助金を申請いただくに当たりましては、その企画内容や収支計画などについて大学の同意を得ることとしておりまして、両者が対等な関係で主体的に事業を行っていただくことができるように工夫したところでございます。
◆丸山秀樹 委員 継続性を図る募集要件というのは、私は適正な判断であると感じます。
学生のアイデアコンテストを開催することでどのようなアイデアが出てくるかは大変楽しみですが、そのアイデアの募集期間は昨日までだったと伺っております。
そこで、学生のアイデア募集に対して何件の応募があったのか、また、本事業は今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。
◎川畑 産業振興部長 アイデアの応募状況と今後の進め方でございます。
ご質問にありましたように、昨日、締め切りまして11件の応募がございました。今後は、11月10日にコンテストを開催いたしまして、グランプリと準グランプリを決定した後に、受賞したアイデアをもとに商店街が事業化を進めていただくこととなっております。
◆丸山秀樹 委員 11件と大変多い応募があったというふうに思いまして、びっくりしました。
私は、商店街活性化対策として、商店街全体に対する支援は、例えばクーポン券や買い物券など、当然、ある一定の効果を得られる支援は今までもありましたけれども、今回、大学と連携するに当たりましては、これは審査の基準の一つになると思いますが、個店が本来有している魅力や価値を引き出して高めていくような取り組みに期待したいと実は思っております。商店街を元気にし、魅力アップを図るためには、各店舗の魅力がいかに再発見されるかが実は最も重要な要素ではないかと思っております。商店街を形成する各個店の店主は、この道何十年のベテランぞろいです。店側が日常的に当たり前と思っているノウハウの中にも、消費者が感じるプロのこだわりやわくわく感というのも実際にございます。そうした各個店が持つノウハウをいかに引き出して、選択と集中で店のセールスポイントにできるか。消費者も多様化しており、こだわりを持って確かなものを求める消費者も少なくないことから、そのマッチングを学生の感覚で取り入れることでいかに結びつけられるかがこの事業の勝負どころの一つにもなろうと思って、大きな期待を寄せているところです。
また、商工会議所の中小企業相談所が市内に5カ所設置されておりますが、商店街再生のノウハウや、道内はもとより、再生に成功した全国の地域なども情報としてつかんでおります。ついては、産業振興課の商店街担当者は係長以下4名だと伺いましたが、そうした中小企業相談所との情報交換を密にしていただくとともに、机上だけではなくて、市内を初め、道内、道外の参考となる事例をじかに見て、個店に対して見る目が肥えた商店街再生のプロ集団になっていく必要があるのではないかと思います。そうした流れを継承できる課内体制の充実を図ることが、商店街再生を考える上でも大変重要であると申し上げまして、私の質問を終わります。
◆伊藤牧子 委員 私からは、札幌発の環境産業創出事業について質問いたします。
政府は、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう取り組むとした新たなエネルギー政策の実現に向け、太陽光や風力といった再生可能エネルギーや省エネの導入目標を盛り込んだグリーン政策大綱や、電力市場の競争を促進するための電力システム改革戦略など、年末をめどに取りまとめる方針を確認しました。これまでの成長戦略の議論、エネルギー政策の見直し議論を受け、多くの自治体では環境・エネルギー分野での産業振興に向けた計画、戦略づくりの動きが強まっています。
札幌市では、環境・エネルギー関連産業の振興については、今後も発展が見込まれる分野であり、札幌産業振興ビジョンにおいて、環境は札幌市の経済の成長を牽引する重点4分野の一つとしています。また、企業も、環境・エネルギー分野が持つ大きな可能性に対する期待は大きく、持てる技術、ノウハウを活用して環境分野に進出する地域の企業もふえつつあります。環境産業において、日本ほどさまざまなすぐれた技術を持つ中小企業が集積している国は見当たらないと言われています。
そのような中、札幌発の環境産業創出事業は、新
まちづくり計画にも盛り込まれ、経済局として環境に関して初めて取り組んだ事業と聞いております。グリーンイノベーションの担い手として地域企業の活性化を図ることは、札幌市の技術や人材の地域定着、蓄積にもつながり、地域経済の発展にとっても非常に重要な意味を持つ事業と考えます。
そこで、質問ですが、2012年度から札幌市の委託事業である札幌発の環境産業創出事業を開始しましたけれども、その事業の目的と実施状況について具体的にお伺いいたします。
◎川畑 産業振興部長 まず、札幌発の環境産業創出事業の目的でございますけれども、地球環境問題が世界共通の課題となっておりまして、さらに、震災や原発事故以降、エネルギーのあり方についての議論が高まっている中で、環境・エネルギー産業は将来的にも成長が期待される産業と認識しておりますことはご質問にございましたとおりでございます。そうした中で、本事業は、市内に集積しております大学などの研究機関が持つ研究シーズを市内の企業によって事業化に結びつけ、積雪寒冷地でありながら190万人もの人口を擁する札幌の特色を生かした札幌発の環境関連産業を創出する、このことを目的とするものでございます。
次に、事業の実施状況でございますが、提案を公募しましたところ、13件の提案をいただきまして、4件を採択いたしております。
採択した事業の概要でございますけれども、まず、1件目は、寒冷地での普及が進んでおります高断熱・高気密住宅用のヒートポンプに対応した暖房・冷房機器の開発でございます。2件目は、地下鉄や下水道あるいは公共施設などの廃熱、換気するときに出る熱を利用しました融雪システムの開発、3件目は、温泉熱の有効利用を図るための低コストで腐食性のないプラスチック製熱交換器の開発、そして、4件目でございますが、寒冷地における電気自動車普及の最大の課題とされております冬季航続距離の低下を解消するための電気自動車用の温水ヒーター開発でございます。
◆伊藤牧子 委員 現在のところ、四つの事業が採択されているということです。採択された研究開発は、札幌の積雪寒冷地に適用できるかどうかという非常に重要な取り組みだと思います。
環境省の12月の環境経済観測調査の北海道版によりますと、北海道で現在実施している環境ビジネスは、産業廃棄物処理、高効率給湯器、リサイクル素材、下水・排水処理サービスが上位を占め、今後進出したいと考えているビジネスは、再生可能エネルギー、太陽光発電システム、地球温暖化対策ビジネスを挙げています。再生可能エネルギーには、小型風力、小規模水力、また小型太陽光発電など小規模地域分散型事業もあるため、大手が参入しづらい市場もあり、中小企業にとっては新たなビジネスチャンスを見出しやすいと言われています。そうしたことからも、今後、環境産業に参入する企業もふえ、関連ビジネスの新規展開、拡充など激しい競争も予想されます。技術革新が進む中、現在、研究開発が進められている四つの事業についても、そこから生み出される技術や製品の実用化、製品化はスピード感を持って進めるべきと考えております。
そこで、再質問になりますけれども、この事業については、今年度、四つの事業が採択され、調査研究が進められていますが、今後どのように展開していくのか、伺います。
◎川畑 産業振興部長 事業の今後の展開についてでございますけれども、現在、調査研究を進めている四つの事業につきましては、事業化の可能性あるいは市場性、今後の発展性といった観点から、今年度末に二つに絞りまして、新年度は、実証実験を含め、実用化、事業化に向けた支援をさらに2年間実施する予定でございます。あわせまして、北海道や経済界との連携により、今回、選考されなかった事業も含めまして、全国規模での環境ビジネスの展示会などに出展支援ができないかと検討しているところでございます。単に技術や製品開発のみの支援で終わらせることなく、その後の販路開拓も含めて総合的に支援を行うことで、早期の実用化を目指してまいりたいと考えております。
こうして開発された技術や製品が札幌発のものとして全国に発信していくことで、例えば、気象条件に類似性のあります東北地方など、活用の範囲にそういった広がりが期待できるのではないかと考えております。
◆伊藤牧子 委員 今、四つの事業から二つの事業に絞って実用化を目指していく、2年間はさまざまな研究開発、実証実験をしながら、また、販路拡大にも支援していくというご答弁でした。私もそのとおりだと思います。札幌市としてこれから環境産業を進めていくということは、今おっしゃられたように、単なる大学と企業の技術開発で終わらないよう、販路開拓という出口を見据えた上での支援、すなわち需要を促し、供給に結びつけるような取り組みが必要と考えます。
環境産業は、さまざまな既存産業とかかわり合いを持ち、また、人々の生活に密着した地域性の高い産業とも言われています。環境産業に取り組んでいる長野県飯田市は、2009年、環境モデル都市として認定され、市民出資で太陽光発電に取り組んでいることで有名です。2009年から2014年にかけて市内の防犯灯のLED化を実施する計画を立て、この製品化に関して、地元企業にLEDの開発を依頼したところ、複数の企業が連携して共同開発を行い、LEDの特性を生かし、コスト、規格、デザイン等のさまざまな課題を解決し、2種類の製品開発に成功しました。さらに、グレードアップしたLED新商品を、地元だけではなく、地域外へと積極的な販路拡大を行っています。このように、飯田市は、中小企業を取り巻く大変厳しい環境の中で、地域、行政、企業が一体となった取り組みにより、地域経済の活性化につながっています。
第3次産業が大部分を占め、極端に製造業が少ない札幌市において、今後、環境産業を振興していくには、札幌市が進める環境施策と連動したインセンティブのある取り組みを進めるとともに、企業間のコーディネート機能も果たすことが重要と考えます。そのためには、まず、札幌市内の企業の実態調査を行うべきと私は考えます。
そこで、質問ですけれども、環境産業の振興を図っていくためには、市内の環境産業がどのように集積しているのか、どんな技術力があるのか、どのような分野に強みがあるのか等、実態調査による把握を行い、市内の中小企業の実情に応じた取り組みが必要と考えますがいかがか、伺います。
◎川畑 産業振興部長 環境産業に関しまして、市内の企業の実情把握ということについてでございますが、先ほどのご質問にございましたように、環境省の調査によりまして、今後実施したい環境ビジネスあるいは期待できる分野について企業の意向が明らかになっております。一方で、個々の企業が持つ技術というものはアンケート調査での把握は難しいものがございますので、今後は、企業や大学、あるいは研究機関などへの訪問を重ねることによりまして実情把握に努めてまいりたいと思います。そして、札幌発の環境産業創出に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◆伊藤牧子 委員 表面上ではなかなかわからないということで、実態調査に1件ずつ歩くのは難しいと思いますけれども、本当に埋もれている企業とか技術があると思いますので、ぜひ札幌市の環境産業の現状を把握していただき、これからの産業の振興に役立たせていただきたいと思います。また、札幌発の環境産業創出事業において、選出された事業は2年後に製品化されるということですので、ご答弁にありましたように、ぜひ、販路拡大、そしてマーケティングなど、今後の環境産業の広がりにつながるように取り組みを進めていただきたいと思います。
札幌発の環境産業創出事業については、採択されたものも含め、どちらかというとエネルギーの有効活用に関する技術が大半を占めています。一方では、福島原発事故により、脱原発依存を目指す札幌市としても、再生可能エネルギーの導入は重要な課題です。先ほどの環境省の調査によると、今後10年先に有望と考えられる分野は再生可能エネルギーであるとの回答をした道内企業が他を大きく引き離して1位となっています。今後、再生可能エネルギー政策が札幌市の経済の活性化につながるよう、企業の技術開発、人材育成など、将来を見据えた札幌市の環境産業の振興を進めていただくことを求めまして、私の質問を終わります。
○佐々木みつこ 副委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時13分
再 開 午後3時34分
――――――――――――――
○峯廻紀昌 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆金子やすゆき 委員 私からは、3点、まず一つがさっぽろコンテンツマーケット創出事業、それから、2点目が緊急海外プロモーション事業、3点目がロケーション受入環境整備事業、この3点の問題につきまして、順次、ご質問させていただきます。
まず、1点目のさっぽろコンテンツマーケット創出事業についてであります。
札幌国際短編映画祭の作品上映権の売買を仲介するインターネット上の仮想空間でのサービスということでありますが、これまで、この事業を始めてから1億円を超す経費をかけておりますけれども、昨年までのところでは販売実績がわずか600万円しかないという問題を昨年度の
決算特別委員会で私は質問させていただきました。その際、当時の産業振興部長であられた本間部長からは、このようなご答弁をいただきました。知名度の向上、販売力の強化等の営業努力を続けると。それから1年間たちまして、平成23年度は、具体的にどのような取り組み、営業努力を行い、どのような販売結果が得られたのか、まずお尋ねいたします。
◎川畑 産業振興部長 平成23年度のコンテンツマーケットについてでございますけれども、23年度は、主に携帯電話とかスマートフォン向けに短編映画を配信する商談などを行っておりましたが、条件の折り合いがつきませんで、契約に至った実績はない状況でございます。
◆金子やすゆき 委員 私は、今、具体的にどのような取り組みを行い、どれだけの結果が得られたのかということをご質問したのですけれども、もう少し丁寧にご説明いただけませんか。
◎川畑 産業振興部長 販売に当たりましては、コーディネーターと業務委託契約をいたしました。これ自体は販売の取り組みではございませんが、昨年に委員からご指摘がございましたことを受けまして、平成24年度から、委託する業者の選定方法を特命随意契約から企画提案型のプロポーザルに変更しております。
また、それに当たっての公募につきましては、財団法人さっぽろ産業振興財団のホームページに掲載して募集をしたところでございますが、事前説明会には2者参加したものの、実際に企画提案を提出したのは1者のみでございました。そのコーディネーターに販売を委託いたしまして、首都圏における営業など販売活動を行っていただいたわけでございます。
その主なターゲットといたしましては、先ほど申し上げましたように、携帯電話、スマートフォン向けに配信できないかという商談を行ってきたところでございますけれども、残念ながら、契約には至っていないというのが現状でございます。
◆金子やすゆき 委員 今ご説明をいただきましたけれども、私は、そのようなことは質問しておりません。今、せっかくおっしゃっていただきましたので、そのコーディネーターの話であります。昨年も取り上げさせていただきました。委託先であるさっぽろ産業振興財団からこのコーディネーターに対して随意で不明朗な委託が行われているのではないかというご指摘をさせていただきました。その結果を踏まえて、コーディネーターの部分については公募を行った、こういうご答弁だったと思います。
そこで、そのコーディネーターというのはなぜ必要なのかというと、この事業そのものは、インターネットのホームページで、人を介さずに、いわゆるバーチャルというのでしょうか、仮想の空間で取引をする。そのためにコンピューターの投資が必要だ、あるいは、コンピューターのハードの投資、ソフトの投資が必要だ、それでこれまで1億円以上かかってきた、こういうシステムの事業ですね。今、川畑部長がおっしゃったのは、そのシステムに頼ることなく、コーディネーターという人に頼ることによって商談を行い、携帯電話のサイトの業者と商談を行ったものの、残念ながら契約に至らなかった、こういうお話のように聞こえました。
私がお聞きしたかったのは、人を介して商談がどうだったかということではなくて、このシステム自体にどのような工夫を加えて、このシステム、インターネット上の取引でどれだけの成果を得られたのですかということを最初にお尋ねさせていただいたのですけれども、もう一度、ご答弁いただけますか。
◎川畑 産業振興部長 スポットライツシステムを活用した販売活動ということでございますけれども、コンテンツマーケットといたしましては、登録が前提で、それから商談に至るという仕組みでございます。平成24年度から登録料金の見直しを行いまして、昨年度まで1年間5万円のところを5,000円ということで減額したところでございます。この料金の見直しに当たりましては、過去に登録いただいた企業様などに金額の妥当性や登録の意思についてヒアリングを行って設定したものでございます。
そして、先ほど申し上げたコーディネーターにこのシステムへの登録ということで営業活動を行ってもらいましたけれども、バイヤー登録数は残念ながら伸び悩んでおりまして、今年度でございますが、新規は3件ということで、具体的な商談にも至っていない状況でございます。ただ、現在、登録を検討されている企業もあると聞いておりますので、その部分は継続して営業努力をしてまいりたいと考えております。
◆金子やすゆき 委員 昨年、私がこの場でご質問させていただきましたときに、インターネット上で仲介する取引市場のバイヤーと言うのでしょうか、コンテンツを買ってくれるお客さん、バイヤーの数は、去年はたしか6件、6者だというご説明を伺いました。そして、ことしは、これが3者になったというふうに今のご答弁は聞えたのですけれども、そのようなことでよろしかったでしょうか。
今のお話しですと、バイヤーになるために必要な登録料は5万円だったものを、ことしから5,000円に引き下げたと。引き下げたんだけれども、バイヤーの数は6者から3者に減ってしまったということになりますと、どうしてこんなことになったのでしょうか。それをどんなふうに分析しておられるか、教えていただけますか。
◎川畑 産業振興部長 登録が伸び悩んでいるというか、むしろ、残念ながら減っているという状況でございますけれども、コンテンツ販売の状況をいろいろお聞きいたしますと、ネットを介して、直接、ネット上だけで取引するというよりも、やはり、その間に人が入って取引されることが多いというのは、先日、金子委員からもお伺いしたところでございます。このコンテンツマーケットのシステムだけを媒介とした販売活動というのは、少々、限界に達しているのかなという感想を持っております。
◆金子やすゆき 委員 今、システムに頼った取引は限界に来ているのではないかという大変衝撃的なご答弁をいただきました。
この事業のそもそもの始まりは、人に頼らずに、コンピューター上でこういう映像の売り買いができるのではないか、これができれば、札幌に集まってきたいろいろな短編映画祭のコンテンツ、あるいは、さまざまな映像コンテンツが、国内で、あるいは世界に売っていけるのではないかということで、これだけ多額の投資を行って業務を続けてきたのだろうと思います。
しかし、ことしでちょうど4年ですね。この4年の間に、インターネットの環境も大分変わってきたのではないかと思います。こういう動画のインターネットのサイトといいますと、有名なところで言えばユーチューブとか、あるいはユーストリームとか、そういったいろいろなサイトがあります。今は、こういう小さな携帯電話にカメラがついておりまして、それでもって簡単に個人でも無料で世界じゅうに動画配信できるという時代でありますから、この事業のように、まず、サイトにアクセスするだけでお金がかかる、見るだけでお金がかかるというシステムはやっぱり時代おくれなのだろうなというふうに思うわけであります。商売の基本というのは、まず、お客さんに注目してもらって、お店に入ってきてもらって、お店の棚に並んだものを見てもらって、そして、気に入ったら買っていただくということですから、まず、お客さんをどれだけ集めるかということだと思うのです。この事業というのは、せっかくつくったこのサイトに、バイヤーである企業がそこを閲覧するだけでお金がかかるという仕組み自体が、そもそも商売の根本的なところから少しずれていたのではないかなというふうに思わざるを得ないのであります。
よく殿様商売という言葉がありますけれども、民間企業の立場に立ってみれば、これはおのずとわかることであります。コンピューターの世界だけで商いが成立するというのは、古今東西、なかなかあり得ることではないのではないかというふうに思うわけであります。例えば、仮にこれが民間企業が始めた事業であれば、最初の4年間に1億円、そして、昨年度も2,500万円使っておりますし、ことしも2,500万円使っているのだと思いますが、延べ1億5,000万円も投じて、平成23年度は1件の取引もなし、それから、バイヤーも逆に減ってしまって3者しかない、さらに、このホームページは、札幌市が著作権を持っているホームページですけれども、市民は閲覧することができないホームページであります。
今、部長から答弁がありましたように限界に来ているということでありますけれども、この後の展開につきまして、どのようにされていくお考えなのか、決まっているところがあればお示しください。
◎川畑 産業振興部長 決まっているというより、ただいまの時点での検討の考え方でございますけれども、ご承知のように、スポットライツシステムは、登録して作品の検索や売買の交渉ができるマーケット機能と、作品の応募を受け付けして蓄積していくアーカイブ機能の二つで成り立っております。このシステムのうち、マーケット機能につきましては、バイヤー登録件数は今ご報告申し上げたとおりの状況ですので、廃止を含めて見直しをしなければならないと考えております。しかし一方、アーカイブ機能につきましては、毎年2,000本以上応募いただいております映画祭の作品を受け付け、管理して審査していくために必要でありますことから、こちらの方は今後も維持していくことを考えております。
◆金子やすゆき 委員 マーケットのところについては成果が出てこないので廃止をする、一方で、作品をアーカイブする、アーカイブというのは作品をためておくということですね。ビデオテープで言いますと、ビデオテープを棚に並べておく、この部分については継続するということですね。いずれにしても、これはお金がかかっているのですよ。短編映画祭に集まってきた映画のフィルムを棚に並べておくだけだったらお金はかかりませんけれども、このシステムを入れておくことによって毎年2,500万円かかってくるのです。これは、もともと、2,500万円かかっても、それ以上の取引が得られるのであればいいのではないかと思って始めたことだろうと思うのですけれども、売り上げが上がらないからその部分はなしにする、そして、目的を変えて生き残りをしますというように聞こえたのですが、そのような理解でよろしいのですか。
◎川畑 産業振興部長 例えば、マーケット機能のみを廃止し、アーカイブといいますか、映画祭の応募作品の受け付けと審査、その後の作品の管理という部分につきましては残していくというお話を今申し上げましたけれども、そちらだけにした場合の費用は、初期投資はかかると思われますが、これまでよりは低額な費用で運営できるのではないかと、今、検討しているところでございます。
◆金子やすゆき 委員 ということは、また新しいシステムをつくるということですね。先ほどから何回も申し上げておりますが、これまでこの事業に1億円以上のお金がかかっております。昨年来、行財政改革推進プランにおきまして、保育料の値上げを含め、ことしからも市民にさまざまな負担を求めているところであります。財源がない、乏しいということで市民負担を求める中で、このような事業に関しては、ある意味、言葉は悪いですが、必ずしも成功でなかった、失敗と言っても過言でないと思いますけれども、このようなことについて、きちんと反省をせずに形を変えてまた生き残りを図っていくのだということになりますと、やっぱり、意思決定の仕方としてはおかしいのではないかと思わざるを得ません。
公務員の皆さんですと、始めた事業を途中でやめる、廃止するというのはなかなか難しいのかもしれません。そういうふうに失敗し、失ったところについては潔くあきらめ、新しい方向性を探っていくのだ、失敗した事業はやめるのだと、これは、多分、むしろ政治の役割になるのではないかと思います。きょう、こうして上田市長にお越しいただいております。市長もここまでこの事業の詳しいところはもしかしたらお聞きになっていらっしゃらないのかもしれませんけれども、この場の議論をお聞きになられて、このように多額の税金が使われていて結果が出ていないこういった事業は、私はもうことしでやめにすべきだと思います。
市長、この事業のこれまでの成果についてのお話をお聞きになられて、どのようにお考えか、また、来年度、どういうふうにされていくのか。今、川畑部長からは違う枠組みでやっていこうかという話もありましたけれども、どのようにお考えになられているか、上田市長のお考えを伺います。
◎上田 市長 映画祭も、年々、たくさんのご応募をいただいて、90ほどの国から毎年3,000本弱のフィルムが届いております。こういったものをどう有効に活用するかということについては、やはり真剣に考えなければならないというふうに思います。できれば、それが発展するための契機として、国際映画祭から、札幌だけではなくて、世界的に非常に有名な映像作家が札幌にも登場するというようなことを、今、我々は夢見ているわけでありますし、そういうフィルムメーカーを育てていこうという努力をほかの場面でもしているところでございます。
そういうことも含めまして、今、一つ一つの事業の成果が上がっていないということについては、数字で見ればそうかもわかりません。ただ、これのアーカイブ機能とマーケット部分を分離して、一部は取りやめるというふうなことが合理的かどうかということをもう少し様子を見るのか、あるいは、少し方法を変えるのかというようなことは、やはり総合的に検討されなければならないというふうに思います。委員がご指摘のように、今、ユーチューブなどでただでコンテンツがたくさん手に入ってしまう状況の中で、そのクオリティーというのはここでしかとれないというイメージをきちんと訴えることができるような、完成度の高いものしかここに置かない、そして、ここに入っていけば必ず検索できるというようなシステムを今持っているわけでありますので、これを有効に活用するニーズというものがどうなのかということについては、もっともっと精密に議論をさせていただきたいというふうに思うところでございます。
◆金子やすゆき 委員 映画祭の発展につきましては、私も、市長と同じく、ここには大いに期待を持っているところでありますけれども、このシステムは映画祭自体と直接関係はないわけであります。アーカイブすると申しますけれども、これは、あくまでテープをパソコンの中にデータでしまっておくだけの話でありますから、これを市民に公開するということではないと思うのですね。市民は見ることができないのですよ。このサイトは、あくまで登録料を払った人しか見らないのです。私は、市民の方が見られるようにした方がいいのではないかという話を去年の委員会でさせていただきました。しかし、結局、そうはなっていないですね。5万円を5,000円に引き下げたと。せっかくこうやって映画祭で集まってきたコンテンツ――コンテンツも、監督とか、あるいは映画の制作会社が著作権を持っていますから、すべてを札幌市のホームページ上で公開していいものなのかどうなのかはわかりませんけれども、現実としては、オープンなものではなくて、クローズなもの、一部の業者しか使えないものなのですね。
今、市長のお話を聞くと、そこをよりオープンな形に市民に公開していくように聞こえたのですけれども、そのような形でご検討されていくということでしょうか。
◎上田 市長 このサイトをオープンにするかどうかについては、もっといろいろ議論しなければならないことだというふうに思います。著作権の問題と、どう管理するかと、管理することとたくさん使っていただくことが相矛盾しないような方法はないかというふうなことを今考えていなければならないと思います。その上で、今集まっているものを見ていただくチャンスをより多くつくっていくといいますか、上映会等々をしっかりやっていくようなことで認知をしていただく努力を続けていくことは必要であろう、こんなふうに思っているところでございます。
◆金子やすゆき 委員 今のご答弁を聞きますと、仕方がないかもしれませんが、市長は、この事業の内訳、細かい数字の部分をお聞きになっていらっしゃらないのだろうと思います。毎年2,500万円かかっている事業の大部分はシステムのリース代なのですね。5年間のリース契約をしてしまったという説明を聞いておりますが、リース期間がまだ残っているので続けなければならない、そういう事情で続いている業務ではないかというふうに思うわけであります。
今、いろいろなお話を伺いましたけれども、現実としては、この4年間やってきて、短編映画祭のアーカイブ業務としても特に成果を得られていないということでありますので、これにつきましては、潔く来年度の予算への計上をやめ、中止することを求めたいと思います。
次に、2点目の質問に移ります。
2点目は、緊急海外プロモーション事業についてであります。
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故の影響を受けまして、私たちのまちでも、海外に関連した食品の輸出、あるいは、観光客誘致の分野で深刻な風評被害が発生しております。こうした風評を払拭するために、アジアを初め、海外に札幌が安全・安心であることをインターネットで情報発信していくという事業であります。
この事業を通じてどのような取り組みを行い、どれだけの成果があったのか、また、具体的に、アジアの地域、中国、台湾を初め、各国ではどれだけの人にこのインターネットの番組を視聴していただいたのか、その視聴者数も含め、判明しておりましたらお示しください。
◎川畑 産業振興部長 緊急海外プロモーション事業で構築したサイトの閲覧数でございますけれども、8カ月間で訪問者数が2万2,608件、閲覧数は5万230件でございました。このうち、海外からのアクセス数は5割でございました。この事業の成果といたしましては、道庁や市の本体のホームページに先駆けて外国語で情報提供したという点で、風評被害の払拭に一定の貢献をしたものと考えております。
国別のアクセス数のご質問につきましては、担当課長よりお答えさせていただきます。
◎田中 産業振興課長 国別のアクセス数についてお答えいたします。
アクセス元の国・地域が把握できた数としましては、2万2,300ほどの母数となっておりまして、うち53%が日本から、大きなところでは、中国からが9%、アメリカから7%といったような状況でございます。残りを申しますと、香港が5%、台湾が4%、シンガポールが4%などとなっております。
○峯廻紀昌 委員長 部長、成果、視聴者数はいいのですが、どのような取り組みをしたかというところがスタートの質問なのですよ。その部分を答弁してください。
◎川畑 産業振興部長 緊急海外プロモーション事業の内容でございますけれども、委員からもご指摘がありましたように、震災後の風評被害による食品輸出や観光客の落ち込みを回復するために、札幌の安全や安心といったことを発信した事業でございます。
なるべく頻繁な映像コンテンツの更新を心がけまして、金子委員もご存じだと思いますけれども、話題を呼ぶようなキャラクターとか有名人の方の情報も載せて求心力の向上を図ったところでございます。また、ご意見にありましたように、放射線の測定値に関しても掲載いたしまして、札幌の安心・安全を発信したところでございます。
◆金子やすゆき 委員 アクセス視聴者数約2万人ちょっとというお話で、うち、海外が半分ということですね。日本でごらんになった視聴者の方が約53%、残りが海外ということです。そうすると、2万人の約半分ですから、海外からごらんになった方が1万人ぐらいということになるのでしょうか。
660万円を投じてつくったこのインターネット上の番組、サイト、ホームページなのですが、海外から1万人の方が見てくださったということは、単純に割り算をしていきますと、海外の人には1人当たり600円かけてこの動画を配信したという計算になります。それから、中国からのアクセスが約9%というご説明でした。そうすると、2,000人くらいの中国の方が見てくださったということになるのだと思うのですが、ご承知のとおり、中国は13億人の国民がいらっしゃいます。
ずばり、お尋ねいたします。
先ほど一定の成果があったというふうにお答えになりましたけれども、これは成功だったのか、失敗だったのか、いずれですか。
◎川畑 産業振興部長 繰り返しになりまして恐縮でございますが、例えば、札幌市役所のホームページの外国語ページの閲覧数というのは、同じ時期で比べますと11万5,000件でございます。単純に比較はできませんが、ずっと掲載している市のホームページに比べますと、やや知名度が劣ると思われる緊急海外プロモーションの本ウェブサイトの閲覧数は一定の数を獲得できたのではないかと考えております。
◆金子やすゆき 委員 札幌市のホームページは11万件あるけれども、この事業は約1万人の方しかごらんになっていないのですね。けたが一つ少なくて、1割に満たないということだと思うのですが、これでも一定の成果があったというふうにお考えなのでしょうか。
インターネットというのは、100人の人が見ても、100万人の方が見ても、かかるコストは同じなのですよ。だから、せっかくつくったホームページですから、できるだけ多くの人に見ていただくことが必要だったと、できるだけ多くの方に海外から見てもらうという努力が必要だったと思うのですけれども、具体的にどんな努力をなさったのか、あるいは、ここが足りなかったのではないかという反省点も含めまして、何かお考えがありましたらお聞きしたいと思います。
◎川畑 産業振興部長 まず、このホームページの事業としての意義というのは、いち早く緊急的に立ち上げたということを申し上げたいと思います。また、その努力といたしましては、繰り返しで恐縮でございますが、注目を引くようなキャラクター、あるいは有名人の方々に出ていただきまして、海外で注目されているような方のお名前で見ていただくように努力をしたところでございます。
◆金子やすゆき 委員 今、いち早くこの取り組みをしたというご説明をいただきました。本当にそうでしょうか。
この事業は、昨年の第2回臨時会の補正予算で提案され、可決された予算であります。昨年の5月19日の臨時会の最終日に可決されたわけでありますが、この事業は、実は、経済局が行っている緊急海外プロモーション事業と、それから、観光文化局で行っている同じ緊急海外プロモーション事業と、局が二つに分かれております。経済局が行ったこの事業は、5月19日に議会で議決を受けて、このサイトがオープンしたのは7月12日であります。一方、観光文化局が行った事業ですが、観光文化局は、この予算で動画をつくりました。札幌のまちはみんな安全に暮らしていますということを紹介する動画をつくったのですけれども、こちらは、5月19日の議決の後、5月23日には契約の締結を行い、5月26日には、早速、映像の撮影に入った、すぐ行動を起こされたということを聞いております。随分、取り組みの差があるのではないかなということを指摘させていただきます。
それから、このサイトは、今るる申し上げたように、残念ながら余り多くのアクセスは得られなかったわけですけれども、私も拝見させていただきましたところ、非常に魅力的なコンテンツが盛り込まれています。札幌の放射線の現況について、安全だということが図解でわかりやすく示されていたりとか、あるいは、観光情報が動画で載っていたりとか、見ごたえのあるコンテンツが非常に多数ありました。また、日本語だけではなく、英語、中国語、韓国語と多国語で作成されております。せっかくつくったこのサイトですけれども、これは現時点で閲覧することができません。
なぜかと聞きましたら、ことしの3月末でサイトはもう閉鎖してしまったということなのですね。せっかくつくったサイトなのに、もったいないなと思うのです。この震災後の風評というのは必ずしも収束したというふうに思われないのですけれども、なぜこのサイトを閉めてしまったのでしょうか。
◎川畑 産業振興部長 震災の風評被害の払拭という当初の目的は一定程度達成したことと、先ほどご指摘いただきましたように、今後もたくさんのアクセス数をいただくためには継続的なコンテンツの更新が必要になってまいります。その分、費用もかかってまいります。このため、当初の目的は一定程度達成したと判断いたしまして公開を終了したものでございます。
◆金子やすゆき 委員 私は、この事業の契約書を事前に拝見させていただきました。契約書の中には、この事業で作成したコンテンツにつきましては、これは単年度の事業ですから、平成23年度以降、事業が終わった後も、つくったコンテンツの著作権は、業者ではなく、札幌市に移転することが契約書に盛り込まれています。はっきり言うと、その中では、再利用できるような形でコンテンツ著作権の引き渡しをしてくださいという契約条項になっているのです。
しかしながら、それをなさらずに平成23年度末で閉めてしまったというのはどうにももったいない話だし、どうして当初の方針から変わってしまったのかなというふうに思うのですけれども、その経緯を教えていただけますか。
◎川畑 産業振興部長 当初の方針から変わってしまったというふうには考えておりません。今後も魅力あるホームページを運営していくためには、管理費に加えて、コンテンツの制作費というか、費用がかかってまいりますので、その費用対効果を考えて終了したものでございます。
◆金子やすゆき 委員 わかりました。確かに、おっしゃるように維持していくのはお金がかかります。
そこで、私は、ここで一つご紹介させていただきたいホームページがあります。札幌市がつくった海外向けのフェアに札幌の元気を発信していくこのホームページと全く似たようなサイト、ホームページがあります。名前が「THE POWER OF HOKKAIDO」というホームページであります。この「THE POWER OF HOKKAIDO」というホームページは、昨年7月に、北海道から日本の元気を発信していくウェブサイトであるということで、札幌のさまざまな観光情報とか、あるいは、例えば中央卸売市場ではこんなふうに新鮮で安全な生産物が手に入るとか、こういう動画があったり、美しい映像があったり、非常にすばらしいホームページです。そして、これは、日本語だけではなくて、中国語、韓国語と多国語でつくられております。
コンセプトが非常によく似ているものですから、私は、これはてっきり北海道か国の補助金をもらってつくったのだろうなと思いまして、国にこれを尋ねました。そうしたら、国の担当の方がおっしゃるには、国はそれには補助金を出していないということなのです。とある民間企業、あるいは、団体、企業の方が幾つか集まりまして、札幌の企業ですが、こういった風評被害で札幌のみんなも困っている、何か自分たちができることはないのかということで、もう銭もうけではなく、あくまで非営利ということで自発的にホームページをつくったということなのですね。
このホームページは、昨年7月に立ち上がって、いまだに更新が続いております。お金をもうけるということではなくて、本当に純粋に、札幌のまち、北海道に元気になってもらいたい、そういう善意で、当然、コストは民間の会社、団体が負担しておりますけれども、もともと財源も乏しいので自主的につくっているということを言っておりました。
私は、「THE POWER OF HOKKAIDO」の担当の方に連絡をとることができましてお話を聞いたのですけれども、例えば、映像をつくるのであれば、自分のハンディカムを回して、出演者もギャラはなし、みんなボランティアでつくるのだ、編集も自分たちでやる、載せるのも自分たちでやると。サイトのホームページの使用料はかかりますので、月何万円かはかかるのでしょうけれども、それぐらいは負担できると。
そういう善意のサイトがある一方で、本市は、こうやって660万円のお金をぶらぶらぶら下げて立派なホームページをつくったのですが、1万件ちょっとしか見てもらえず、予算が尽きたら事業も終わりというのは、随分、悲しい話だなというふうに思うわけであります。
ここで、再び上田市長にお尋ねしたいのですけれども、札幌市がつくったこのホームページのコンテンツというのは、今は公開していないのですが、札幌市にございます。権利は札幌市にありますから、例えば、このコンテンツを札幌市の今持っているホームページにそのまま載せるということであれば特にお金はかからないと思うのですね。実際にパソコンを操作する手間はかかりますけれども、それぐらいしかかかりません。具体的な作業、パソコンの操作は、もし私でよければボランティアでさせていただきたいというふうに思います。せっかくつくったこのコンテンツを、何とか有効利用、再利用を図る方法はないものかと思うのですけれども、そのようなことをどのようにお考えか、市長に伺いたいと存じます。
◎上田 市長 1年前につくったものでありますので、内容について、現在も見ていただける内容なのかどうかということで、そういう手直しが必要だ、あるいは新しいものに更新が必要だというようなことであれば、その費用対効果の問題もございますので、慎重に検討させていただきたいというふうに思います。
◆金子やすゆき 委員 おっしゃるように、著作権、写っている方の権利などもありますので、全部が全部、そのまま使えるものかどうかはわかりません。しかし、例えば、つくったコンテンツの中では、定山渓の温泉街を紹介するものとか、余り権利に関係ないだろうと思われるものもあります。せっかくつくったものですから、もったいないという気持ちで一部でも再利用していただけることを要望したいと思います。
それでは、質問の3点目に移らせていただきます。
3点目は、ロケーション受入環境整備事業についてであります。
これは、いろいろな映像、映画、ドラマなどのロケで使えるであろう札幌市内の施設を整備する、また、これが円滑に進むように環境を整備する事業として、昨年度は1,512万円を支出いたしました。
平成23年度は、この事業でどのような成果があったのか、確認のため、お伺いいたします。
◎川畑 産業振興部長 まず、平成23年度の事業の実施内容をご紹介いたします。
今の委員のお話と重なってまいりますけれども、この事業は、映像ロケーション誘致を拡大するために、ロケの国際化対応などをテーマといたしまして、ロケの受け入れに精通した事業者が魅力的な施設を持っている施設管理者と有償によるマネジメント契約を結びまして、その施設でのロケ撮影が、遵法的に、法律を守り、かつ安全に行われるような体制の構築に取り組んだ事業でございます。平成23年度は6件の施設と契約しておりますが、21年度からの3年間で、札幌市近郊の27施設と契約を締結いたしましてロケ撮影の紹介などを行った事業でございます。
◆金子やすゆき 委員 平成23年度は6件の施設とロケの契約を結んだと。契約というのは、ロケさせてもらえませんか、いいですよと、これが契約ですね。それから、契約を結んだ中で、平成23年度はその施設で何件のロケが行われましたか。
◎川畑 産業振興部長 契約の中身でございますけれども、具体的な映像の撮影というよりは、この施設でのロケのお話があったときに、いろいろ円滑に進むようにお手伝いしたいのですが、どうでしょうか、そちらの施設の魅力のPRにもつながりますよということで契約を結んだものでございます。
具体的な撮影の件数につきましては、担当課長からお答えさせていただきます。
◎松川 ものづくり産業課長 平成23年度につきましては、3施設においてロケの撮影が行われております。
◆金子やすゆき 委員 ロケが3件行われたというご説明でした。この事業には、冒頭に申し上げたように1,500万円以上の予算が投じられております。そして、ロケの成果が3件しかないというのは、随分少ないという印象を率直に思うところであります。
ロケといいますと、私も、わずかな期間ですが、そういう映像をつくる会社に勤めていたことがありますけれども、番組をつくりたいというときにロケの申し込みをします。ここで取材をしたいと。普通は、ディレクターがその施設を訪ねまして、番組の趣旨、制作の趣旨を説明して、協力していただきたいと、直接、施設の方にお願いするわけであります。そこに業務を委託している仲介の会社が入ることによってどんなメリットが発生するのか、お知らせいただきたいと思います。
今の説明ですと、そのロケの仲介は有償だというお話だったと思いますけれども、1件のロケを仲介してもらうのに、この1,500万円以上とはまた別に制作会社から手数料を徴収するということでしょうか。
◎川畑 産業振興部長 ロケの仲介に当たりましては、受託者が制作会社から手数料をいただくという形になっております。
○峯廻紀昌 委員長 メリットについては。
◎川畑 産業振興部長 (続)メリットについては、文化的価値の高い施設を所有されている方々にとりましては、万一、心ない方々のロケ隊が来た場合に、施設の管理に支障を来すと。具体的に申しますと、火災とか損傷といったことがあるのではないかという不安を持っていらっしゃり、また、実際に、例えば土地が踏み荒らされたといったような事例も聞いたことがございますけれども、そういったときに、その施設を守りながら、また、安全・安心を守り、法律を守りながら、仲介の者がコーディネートいたしますよということで、施設の方が安心感を持ってロケ場所として提供いただけるような、そういったメリットがあるものでございます。
◆金子やすゆき 委員 そういう不届きな撮影隊を抑止するのがこの事業の目的なのでしょうか。私は、それはちょっとうなずけないところであります。普通に考えて、そんな不道徳な撮影隊がいるとは私は余り聞いたことがございません。そもそも、そこを仲介する業者に手数料を払わなければいけないということだったと思いますから、手数料を払う人が悪いことをするというのはちょっと考えがたいですね。また、ロケの独占権を締結したということではないと思いますから、別にそこの仲介業者を通さなくても、直接、ロケを行うことは可能なのですよね。
そうすると、では、この1,500万円の市費を投じて行った事業のロケの結果が平成23年度は3件というのは、やっぱり寂しいと言わざるを得ません。この事業は、過去3年間、行ってきて、平成23年度が最後だと聞きましたが、この3年間で幾らの資金を投じましたか。
また、その間、ロケは累計で何件行ったか、お示しください。
◎川畑 産業振興部長 心ない撮影隊の抑止が目的であるということに関しましては、事業の趣旨ではないと思っております。撮影隊は、大変お忙しい中で、限られた時間の中で、最大限、いい映像を撮られようとするというふうに考えております。そうしたことが施設所有者のお立場と少々違っているものもあるものですから、そこを安心していただくことによってロケの拡大を図るのがこの事業の目的でございます。
3年間の予算額と撮影件数につきましては、約3,600万円ということでございます。
○峯廻紀昌 委員長 件数は。
◎川畑 産業振興部長 (続)平成23年度の3件以外は、今のところ、把握しておりません。
◆金子やすゆき 委員 今ご説明いただきました。それだけのお金を使って、この3年間で3件しかロケがなかったということであります。非常に暗い話になってまいりましたので、この事業を別の観点から取り上げさせていただきたいと思います。(発言する者あり)
もうすぐ終わります。
核心に迫ってまいりますけれども、この業務委託の契約書を事前にものづくり産業課からいただいています。契約書に定められている仕様書、このような業務を行うというその仕様書と、業者が出してきた事業成果報告書には、相違点がかなりあるということを、先日、ご担当者とともに確認させていただきました。本来であれば履行されなければならない仕様が全く満たされておらず、必要な成果物が納品されていないということもわかっております。
具体的に、契約書の仕様書上でどこが満たされていなかったのか、確認のために、ここでお知らせいただきたいと存じます。
◎川畑 産業振興部長 仕様書と履行検査報告書との記載の不備ということでございますけれども、具体的に申し上げますと、仕様書上のパンフレット1,000部を印刷しているということにつきまして、契約書にはのっておりますが、実物を確認していないと申し上げたのは委員にご報告したとおりでございます。また、ダイレクトメールでそのパンフレットを送ったと。今、受託業者が海外におりますので詳細な確認はできませんが、1,500部ほど送ったというふうに聞いてはおりますけれども、実際にどこに送ったかということについては、きょうの段階では情報を把握しておりません。受託業者が海外から帰国次第、それは皆様にご報告できる予定でございます。
また、ホームページでの施設情報の公開ということに関しまして、仕様書上は、当初、施設ごとに所在地域や広さや利用条件を公表することにしておりましたが、その作業を進める中で、ダイレクトに全部を公表することは施設の所有者の方が望まれないということになりまして、メールでお問い合わせいただいた上、一部をお知らせするというふうにしたものでございます。しかし、仕様書上はすべて公開するということになっておりますので、そこにそごがございます。
主なものは、以上でございます。
◆金子やすゆき 委員 契約で業者に委託をした中身、仕様書で定められた必要な業務が履行されていないというお話が、今、三つほどあったと思います。成果物も確認できない。それから、パンフレットは、今、業者は1,500部を発送したと伺いましたが、私の手元にある業者がつくった報告書によりますと、ダイレクトメールの発送は80社だということであります。ちょっとご答弁が違うかと思います。それから、ウェブサイトについても仕様とちょっと違っていたということであります。
役務の契約につきましては、年度末に契約が終わった段階で業者から完了届を出してもらって、その結果をもとに、その契約が適切に履行されたか否か、これは検査を行っている仕組みになっていますね。この検査はきちんと行ったのですか。どなたがこの検査の責任者ですか。
◎川畑 産業振興部長 済みません。先ほどちょっと言い間違いがありましたので、ご訂正させていただきますと、ダイレクトメールの送付は、おっしゃるとおり80社でございます。また、パンフレットは展示会などで配布した分も含めて、およそ1,500部と聞き取りをしております。
また、履行検査報告書上の検査の責任者は担当課長となっております。
◆金子やすゆき 委員 担当課長が検査責任者ということですけれども、この検査は合格だったのですか。今の部長の答弁だと、仕様を満たしていないように思いますけれども、これで検査は合格だったのですか。
◎川畑 産業振興部長 ご指摘のとおり、一部書類に不備はございますが、業務を進める中で、受託者と常に情報交換をしながら事業を行っているということが仕事の中でわかっておりましたので、検査としては合格といたしております。
◆金子やすゆき 委員 それはおかしいでしょう。契約書で定めてあることがきちんと履行されていないのですよ。ふだん、業者と仲よくつき合っているから、それでオーケーと、こんな簡単な話ですか。契約書には上田市長の判こが押してあるのですよ。相手方は業者の代表者の判こが押してあります。それぞれの代表者が判を押して契約を取り交わしているのですよ。その仕様書と全く違うことが履行されていて、必要なものが満たされていないわけでしょう。そんないいかげんなことでこの検査が合格になるのですか。札幌市の役務の履行検査というのはその程度の品質で合格にしているのですか。
◎川畑 産業振興部長 書類に不備があったことは、本当に深く反省しなければならないと思っておりますので、今後、そういう検査業務あるいは契約業務に関しましては改善するよう徹底してまいりたいと考えております。(発言する者あり)
○峯廻紀昌 委員長 静粛に願います。
◆金子やすゆき 委員 一部、不適切な点があったという話です。パンフレットを1,000部ほどつくったのですけれども、つくったかどうか確認していないということですから、一部ではなくて、これは全く履行されていないのではありませんか。
実は、この話は、昨日来、部長ともしておりますので、私から申し上げるまでもなく、先にご説明いただけるのではないかと期待しておりましたけれども、このパンフレットは契約の中で1,000部つくることになっています。その1,000部つくったパンフレットの納品は確認できていない。
そして、この業務を受注したNPO法人がパンフレットの制作を委託した制作会社は、ここのNPO法人が所在する事務所の中にある株式会社でありました。その制作会社の社長というのは、NPO法人の事務局長であり、同じ人物です。このNPO法人の事務局長が、パンフレットを1,000部つくると言って自分の会社に発注しました。その成果物を本市は確認しておりません。さらに、本市の契約書では、パンフレットを1,000部つくりなさいということが仕様書で定められておりますけれども、この受託者であるNPO法人は、1,000部に加えて、さらにもう1,000部、合計2,000部分を自分の経営する制作会社に発注して経費を受け取っております。
このような業務の運営については、いかがお考えになりますか。
◎川畑 産業振興部長 パンフレットの作成をしていないというお話でございましたが、パンフレットは現物を見て、いただいております。ただ、1,000部の数があったかどうかの確認をしていないというところは……(発言する者あり)その証明書類が不備なのはご指摘のとおりでございますが……(発言する者あり)
○峯廻紀昌 委員長 答弁を続けてください。
◎川畑 産業振興部長 (続)そして、NPO法人として受託した事業をこの法人の会員企業に発注すること自体は、全く違法ということではないと考えております。
◆金子やすゆき 委員 違法でないということでありました。
もう一つ、大きな問題があります。
この事業は、緊急雇用創出事業の補助を受けて行っている事業です。緊急雇用ですから、職がない若い方にこの事業を通じて仕事についていただき、1年間という限られた期間でありますけれども、就労経験を積んでもらうことによって継続的な雇用につなげていく、こういう目的で定められた補助金を受けて行っている事業であります。
この事業の中で、受託した業者は2名の方を新規に採用しているということです。2名を採用したのですが、採用した1名の若い方は、これを受託したNPO法人の事務局長の親族だという情報があります。これが事実か否か、事実関係をご説明ください。
◎川畑 産業振興部長 ただいまの点につきましては、個人情報に関することですのでお答えはいたしかねますが、本事業の雇用者の募集に当たりましては、緊急雇用創出事業でございますので、
ハローワークを通じまして募集し、所定の手続を経て採用しているというふうに考えております。
◆金子やすゆき 委員 個人情報に当たるという説明です。
こうやって緊急雇用創出推進事業から補助金を受けたのに、仕事がない若い人に就労の機会を与えるのではなくて、自分が経営する、自分が事務局長を務めるNPO法人で、自分の親族を就職させているということ、これが事実か否かというのは、この議会で予算の執行を点検するという中では、公益上、私は公開されるべき情報だと思います。その方が何さんであるか、何歳であるか、どこにお住まいの方か、そういった詳しいことはお聞きしません。この方がNPO法人の事務局長の親族であるのか否か、お答えいただけませんか。
◎川畑 産業振興部長 恐縮ですが、お答えいたしかねます。
◆金子やすゆき 委員 そうしたら、仕方がありませんね。個人情報ということで、法律の話になりますので、上田市長にお越しいただいておりますから、上田市長、個人情報保護法あるいは本市の情報公開条例、あるいは、この議会の質問のこういった趣旨から考えて、今、私が申し上げた質問にはお答えいただけるものと思いますけれども、いかがですか。(発言する者あり)
○峯廻紀昌 委員長 静粛に願います。
◎渡邊 経済局長 法制課には、個人情報にかかわることでございますので、回答はできないということで聞いています。
ただ、問題は、だれかではなく、今、もし関係者の親族を雇っていることが問題だと委員がおっしゃったことに関しては、先ほど部長がお答えしていましたとおり、この事業はあくまで要件があります。それは、
ハローワークで募集手続をして、それから選考が行われて雇用に結びつく、これについては、我々が確認をしていますし、道にも報告していますので、そこは何ら不正はございません。
◆金子やすゆき 委員
ハローワークで募集し、親族の方は、
ハローワークで紹介状を書いてもらって、それで親族の会社に行きまして採用試験を受けたということですか。これは、随分、不透明じゃないですか。本来はそういう目的ではないでしょう、こういう事業というのは。親族の人を縁故で採用するためにこういう補助金をもらっているんじゃありませんよね。この会社が自分の会社の財源でどんな人を採ろうが、息子さんを採ろうが、娘さんを採ろうが、それはその会社の勝手だと思いますけれども、これは本市の補助金を交付してやっているのでしょう。これって、随分おかしくありませんか。どうですか。
◎渡邊 経済局長 この業務は委託業務で発注してございまして、その委託先で業者がどういう人物を採用するかまで、発注側は言う立場にない。ただ、先ほど申し上げたとおり、緊急雇用なので要件が決まっていますから、そういうものを満たしていれば、それについては、我々は認めざるを得ないということでございます。
◆金子やすゆき 委員 話が平行線になってきておりますので間もなく終わりたいと思いますけれども、これは本来、個人情報なので組織の中で守るべきものだと考えると、私のような議員、あるいは、この議会で取り上げられるべきことではなくて、もっと札幌市役所の中で自浄作用を働かせて行うべきものなのではないですか。
これが生活保護だったら、お金を受け取って保護を受けた方がどう使おうが、それはその方の勝手ですね。でも、これはそうじゃないでしょう、この事業の目的というのは。形式要件を満たしているから違法じゃない、違法じゃなければ何をやってもいいのですか。僕はそうじゃないと思うのですよ。
これは、札幌市がこの事業者と契約を交わしましたね。その契約書の中で、こんな不透明なことがその契約書に違反しないのかどうなのか、そこをお聞きしたいのです。契約書に瑕疵があったのではないかと思うけれども、そこはいかがでしょうか。
◎川畑 産業振興部長 契約書には、今、委員がご指摘の条項がございませんので、契約書には違反しておりません。また、瑕疵があったか、ないかということにつきましては、一般的な業務委託契約の様式を利用しており、なおかつ、緊急雇用創出推進事業補助金の様式に基づいております。
◆金子やすゆき 委員 このNPO法人は、この業務を札幌市から随意で契約を受けております。本来、この業務で新規に採用すべき従業員は親族を縁故で採用していたということであります。
ちなみに、このNPO法人の代表者、事務局長も、この事業の中で報酬を得ているということであります。
これは、まさに補助金の私物化と言われても仕方がないのではないかと思います。残念ながら、これまでのルール、あるいは、今、交わした契約書では違法ではないという説明でありますけれども、上田市長、最後にお尋ねさせていただきます。
こういうようなあり方があるのであれば、やっぱり、これは、市民の目から見ておかしいというふうに思われても仕方がないと思います。今後について、契約書のあり方をもう一度見直し、このような事例が発生しないように契約書のひな形を変えていくべきではないかと思います。いかがでしょうか。
◎上田 市長 形式論と実質論があるというふうに思いますが、形式的には、今、申し上げたような手続については違法ではないという見解でございます。
そしてまた、この委託事業の内容でありますけれども、これは、明らかに不適切な人物を採用している、それは縁故だというふうにおっしゃっているのか、その事業遂行にとって、例えばその人が縁故者であるかどうかということと関係があるのか、ないのか、そこら辺が問題だというふうに思いますので、個々の事例に従って判断されるべきことではないかと。
ただ、世間一般から不公平ではないか、不公正ではないかというふうな疑いを持たれるようなことについては慎重に判断しなければならない、こういうふうに考えるところでございます。
◆金子やすゆき 委員 慎重に判断するというお答えに、私は、正直、がっかりいたしました。
仮の話をします。
私たち市議会議員は、政務調査費を受け取っておりますけれども、その政務調査費で例えば事務職員を採用したとします。これは、
ハローワークに求人募集を出して、自分の家族が
ハローワークを通じて応募してきて、自分の家族に報酬を払ったら、これは世間から批判を浴びますよね。多分、同じことだと思います。慎重に判断するなどとおっしゃらずに、ぜひ、このような市民の誤解を招くような……(発言する者あり)これは一つの例えです。
○峯廻紀昌 委員長 続けてください。
◆金子やすゆき 委員 (続)そのような不信を招くことがないように、ぜひ、制度の見直し、特に上田市長には、法律の専門家として、こういう、不正と言うのか、あるいは不適切と言うのかわかりませんけれども、市民に疑念を持たれることがないように、契約書のあり方も見直していくべきだと思いますので、この点を要望させていただきまして、質問を終わります。
◆小竹知子 委員 私は、商店街に身を置く者として、また、札幌市の商業活性化のため、商店街空き店舗活用事業について質問いたします。
私は、さきの代表質問でも申し上げましたが、商店街は、町内会とともに地域コミュニティーの担い手であり、地域社会の中でともに、子どもをはぐくむとか、お年寄りの見守り、買い物支援なども含め、その存在意義や果たす役割はまだまだ大きいと自負しております。この景気低迷の中、それぞれのお店が、日々、営業努力をし、商店街が形成されているわけですが、シャッターがおりたままの空き店舗の問題だけはいかんともしがたく、商店街側の努力だけでは解決することは難しい状況であります。後継者の不在や、折からの不況による売り上げ不振によって閉店し、空き店舗が目立つようになると、商店街のにぎわいが減り、その魅力やイメージも下がり、当然、集客力も落ち、負のスパイラルとなってしまいます。
商店街も、このような空き店舗の問題については、なかなか有効な策となるものが見出せずにいるところ、本市において、昨年12月から空き店舗への出店者支援制度がスタートいたしました。非常に期待している制度であり、周知の方法を工夫して、より多くの出店希望者、開業者に対して支援し、開業のサポートをしていただきたいと、私はさきの
予算特別委員会でも求めたところであります。その後の制度の活用状況につきましては、昨年度、補助金を交付したのが1件、今年度、補助金交付を決定したのが3件、そのうち1件は既にオープンしておりまして、残りの2件も間もなくオープンする見込みと伺っております。また、今年度、3回目の募集期間中である現在、40件近い問い合わせがあり、申し込み締め切りの来週31日を目がけて申請される業者も多いのではないかとのことで、本制度も徐々に浸透してきたのだなと思っておりました。
ところが、非常に残念なことに、先日、私の地元の月寒中央商店街におきまして、この制度を知らずに出店したという事例が2件ありました。1件が美容院、もう1件が居抜きの物件で開業したたい焼き店であります。先月、当商店街の理事長が私のところへ、例の空き店舗の活用事業が使えるよねと大変喜んで電話をくれたのですが、そのときにはもう既に遅きに失する状態であったわけです。
この制度を利用したい場合には、出店に先がけて、その物件が対象となり、また、その申請が可能かどうか、そして、対象になるのであれば、商店街側から出店推薦書をもらう手続が必要ですが、制度を知らなかったので、当然、申請もしなかったというわけです。この制度を知っていれば、当然、申請したのにと、開業者の方々も、また理事長も、私も、大変悔しい思いをいたしました。
さきの
予算特別委員会で、その周知の方法につきまして、答弁では、市内の主要金融機関、生鮮食品の小売団体、広報さっぽろや本市のホームページで案内することはもちろん、起業セミナー参加者へ直接のPRも行っていくとのことでしたが、現在もなおこの支援制度の存在を知らない出店希望者がいることは大変残念なことであり、なお一層の周知方法の工夫が求められると考えております。
そこで、質問ですが、出店希望者に対する周知方法について、さきの答弁以外に、その後さらに工夫をされたのか、また、されたのであれば、どのような方法が効果的であったのか、伺います。
◎川畑 産業振興部長 商店街の空き店舗活用事業についての周知方法の工夫、あるいは効果的な方法についてでございます。
ただいま委員よりお話しいただきました広報さっぽろへの掲載、あるいは、経済団体が主催するセミナーの参加者へのPRに加えまして、今年度3回目となっております今回の募集からは、店舗物件を仲介している市内の不動産業者約2,000社への周知を行っております。その直後に、不動産業者からお話を聞いて相談に来られた出店希望者もいらっしゃることから、効果的な取り組みではなかったかと認識しております。これまでお問い合わせをいただきました出店希望者の方にその情報の入手経路をお伺いしたところ、広報さっぽろが一番多くございました。また、その次が市のホームページでございました。また、商店街から支援制度の紹介を受けたという方は、具体的な物件を探している段階にいらっしゃるということがあると思うのですが、相談件数と申請件数を比べますと申請に結びつきやすいという傾向も出ております。
◆小竹知子 委員 不動産業者との提携というか、働きかけといったものは、私も求めているところでありました。当然、開業しようとされる方は店舗物件を探すわけですし、その仲介をされる不動産業者への働きかけは非常に効果的だと考えております。そのことについては、これからも継続していただきたいと思います。また、商店街側から支援制度の話を聞いて出店を進めていただくという方法も有効であると考えます。実際に、既にオープンした2店舗につきましても、商店街側からの強い働きかけがあったと聞いております。しかし、こうした働きかけを行っているのはまだまだ少数で、周知も理解も進んでいない商店街も多いのではないでしょうか。
そこで、質問しますが、商店街側も、支援制度の仕組みをよく理解し、積極的に活用していくことが必要だと考えますけれども、今後はどうのように取り組んでいくのか、伺います。
◎川畑 産業振興部長 商店街に向けた周知ということでございますけれども、これまでも、各商店街に対しましては、さまざまな機会をとらえて情報提供をさせていただきました。今後は、実際に出店された事例とか、出店された方の声など、成功事例をご紹介することでさらに商店街で制度をご活用いただき、その結果、出店に結びつくように努力してまいりたいと考えております。
◆小竹知子 委員 商店街というのは、このように活用することで活性化の可能性を探ることができるいい事業がありましても、役員の方もなかなか多忙を極めておりまして、取り組めずにいるといったところがあります。こういった事業について、詳しく調べて理解することはなかなか容易なことではないということで、そこのところをぜひ推し進めていただきたいなと思い、大変期待しております。
また、私は、この事業について、ここにいらっしゃる委員の皆様、また、理事者の皆様にもぜひご理解いただき、皆様の地元の商店街にもきっと空き店舗があるかと思いますので、そこが対象物件になるのか、商店街で事業を始めたいと思っている方がいないかなど、心がけていただければと思います。
冒頭に申し上げましたように、シャッターがおりたままの空き店舗は、マイナスのものでしかございません。私は、この活用事業は、商店街で事業を始めようとされる方に上限100万円の補助金をただ単に交付するといったことではなく、商店街の組合員となり、地域に根を張り、ともに商業活動をする仲間となり、地域商業の発展や地域振興に寄与する人材を発掘することも事業の大きな目的ではないかと考えております。また、補助金が交付された事業者は、経営の安定を図るため、開業後、無料の経営相談を受けることができます。今年度3回目の募集期間は、今月末、来週31日となっております。多くの開業希望者が申請されることによって、より優良な事業者を決定することができることになると思いますし、たくさんの開業希望者によって、それがまた商業活性化になることを期待して、私の質問を終わります。
◆伊与部年男 委員 簡潔に質問いたします。
私は、ハイテクヒル真栄が一つ、二つ目にはアートヴィレッジ、この二つについて質問いたしますが、これは、おのおの産業団地を造成してきたのですけれども、中身が全然違いますので、別々に質問させていただきます。
まず最初に、ハイテクヒル真栄です。
これは、昭和63年、24年前の話ですから、この24年間の話を段々としたら2〜3時間かかるので、20分でやめろと言うから、そこを目安にそれをぐっと凝縮して質問したいのですが、答弁次第では長くなる可能性もあると思います。
いずれにしても、ハイテクヒル真栄がなぜ真栄にできたか、これは非常に奥が深いのですよ。本当に奥が深いのです。
どうしてハイテクヒル真栄ができたかというと、当初は、厚別のテクノパークの売れ行きが物すごくよくてどんどんと売れた。1期工事、2期工事、3期工事は、たちどころに売れた。それで、札幌市は、IT産業をさらに誘致しようということで、どこかに土地がないかと探したら、まだハイテクヒルなんていう名前もついていない真栄の山に土地がある。これはだれが持っていた土地か。亡くなりましたけれども、あの有名な岩澤 靖さんという金星ハイヤー、トヨタの……(「トヨペット」と呼ぶ者あり)トヨペットですか。この人が持っていた。よし、その土地を買おうということで、ここに目をつけて行ったわけですよ。
ところが、この人は、仕手戦で失敗して借金しちゃった。その代償として、だれか、この土地を買う人がいないかと探した結果、大洋漁業がそれを引き受けたのですよ、大洋漁業が。その大洋漁業から札幌市が買おうとして大洋漁業に行った。そうしたら、大洋漁業は売ってくれなかった。どうしたかというと、等価交換だったら差し出しますよととなったわけだ。この等価交換が奥深いんですわ、はっきり言って。ここで、新琴似の中央バスの隣が出てくる。さらに、手稲駅前のオーシャンウイスキーの工場だった土地、手稲の人はよく知っていると思うが、あの土地と両方くれと言った。それで、札幌市は等価交換に乗ったのですよ。しかも、しかもですよ、1億9,200万円、札幌市が追い金を払ったのですよ。
こんな等価交換があるかということで、当時の経済局とがんがんやりました。私は、何で経済局と今ここでやるかといったら、本件は、都市局の市街地整備部が主たる窓口だったのです。私は何回も都市局とやったのだけれども、小澤副市長という人がいて、私が、これは、一部局じゃだめだ、関連するからプロジェクトをつくってということで質問したら、小澤副市長は、わかりました、市役所全庁で考えてみますということで協議して、市長政策室――当時は秋元副市長が市長政策室長だった。それから、都市局、経済局、管財部、こういうことになって協議をした結果、経済局でやれ、こうなったわけだよ。それで、経済局が引き受けて、この土地をどうするかと。
今、NEC、それからリコーですか、この土地は全部売れたのです。売れたのだけれども、これは、アートヴィレッジとはちょっと違うのです。アートヴィレッジは三つ売れたけれども、二つ残っている。ここは全部売れた。そこに問題があるのだけれども、売ったときに契約書を交わします。土地を売った条件として、2年か3年で必ず建物を建てますよという契約書がある。今、20年以上たってもまだ建っていないところがあるのですよ。リコーなんて、そうですね。これは、契約違反でないですか。契約違反じゃないの、これ、はっきり言って。まず、契約違反でないかというのが一つ。
それから、これは、市街化調整区域ですから、都市計画税を払っていないんだ。税金を払っていない。何十億という金を使って分譲団地をつくって、都市計画税を払っていない。もらっていないわけだ。これは法律違反でないと言うんだ、もらっていない方が、払っていない方が。都市でないから、市街化調整区域だから。これは、払っていない。もらっていない。ただ、建物を建てれば固定資産税が入りますね。それだけだと。
そこで、質問したいのだけれども、団地会計というのはなくなりました。4〜5年前になくなった。札幌市内の団地がなくなったから、団地会計はなくなった。それで、私は、都市計画税はもらうべきだと思うのですけれども、いかがなものでしょうか。
もう一つは、やっぱり……(「契約違反だ」と呼ぶ者あり)契約違反はともあれ、20数年間たって、今、これをどうしようと思っているのか。どうするんですか。監査委員の席に座っている窪田先生は土地問題に相当詳しい。包括外部監査もやった人だ。私は29日に窪田先生に質問しようと思っているのだけれども……(「事前通告」と呼ぶ者あり)事前通告しておきますけれども。このハイテクヒル真栄については、全部売れた。NECなんていうのは、中国へどんどん進出していたけれども、中国が混乱してまた帰ってきた。(発言する者あり)答えをもらえと言っているから答えをもらいますけれども、いずれにしても、経済局が担当窓口になったのだから、渡邊局長を中心として、どうしようと思っているのか、これを。
今、民間の企業は、ごめんくださいと訪ねていったって、はい、進出します、買いますなんていうような雰囲気はないですよ。どうしようと思っているのか、これ。黙ってだらだらと、またこれ20年も30年も続くのですか。
この辺でとめて、まず答弁をいただきましょう。
◎川畑 産業振興部長 3点のご質問があったかと思いますけれども、市街化調整区域なので都市計画税をいただけていないのかということにつきましては、平成22年度に市街化区域に編入されましたので、そのように扱われております。市街化区域に編入されております。
それから、大分前に土地を買っていただいた企業が2年以内に事業を開始しないのは契約違反ではないかということでございます。確かに、契約書上はそのようになっておりますけれども、ご購入後に著しい経済情勢の変化がございました。それは分譲当時には予測できなかった変化ということで、現段階におきましては、転売も含めて、団地の趣旨にかなうような活用を図っていただけるという意思を示していただいていることから、やむを得ず、2年ごとに事業開始延長の承認をしているところでございます。
今後どうするかということにつきましては、定期的にお会いしまして、ご活用なされないのであれば、転売なさるご意向もありということですので、そういう土地のお問い合わせがあったときにはそこを紹介していくといった取り組みをやってまいりたいと考えております。
◆伊与部年男 委員 その程度でこの土地を20何年間も放置しておいた。市民の多額な税金を、何十億円も使って分譲した土地ですよ。これが全然活用されていないということになったら、だれが責任を負うのか、これは。民間だったら、担当者はみんな首だよ、率直に言って。札幌市は、経済局長が市長政策室長に横すべりするようなことで済まされるけれども、これは大問題だと思うのですよ。
ハイテクヒルは、今、部長が答弁した程度でしか答弁できないのでしょう、何ぼ質問したって。この辺でやめますよ。みんなも共通の認識で、だめだということですよ。期待はできないという認識です。だから、私は、もっと強化して、経済局だけでなしに、市長政策室も含めて、秋元さん、あなたも入って、もっともっと積極的に企業誘致をしていかなければハイテクヒル真栄の問題は解決になりません。
次に、アートヴィレッジは、さっき言ったように、五つ分譲して、そのうち三つ売れている……(発言する者あり)
○峯廻紀昌 委員長 質問を続けてください。
◆伊与部年男 委員 (続)南区の芸術の森の隣と言ったらわかりやすいでしょう。その芸術の森の隣のアートヴィレッジと、ちょっと発音が悪いかい。(発言する者あり)その五つのうち、二つがいまだに売れていない、これは。ハイテクヒルは売れているけれども、これは売れていないのだよ。全く同じ時期につくった団地ですよ。これも産業団地ですよ。立派なリーフレットをつくってあるのです、すばらしいものを。対象分野は、映画、音楽、芸術関連ソフトウエア、デザイン、そういうものを研究する場所としてつくりますと、こういうことになっているんだ。しかし、いまだに二つ売れていない。これをどうするか。
こういう人たちは、来ませんよ。いまだに来ないんだから。私は、やっぱり、芸術の森に抱かせるべきではないかと思う。今、芸術家は金を持っているから、芸術家の別荘でも建てさせた方がいいんだ。
この前、経済委員会で猪熊委員が問題にしたけれども、擁壁が壊れた件で4,800万円の補正予算を組んだのだから。この土地二つをずっと調べたら、幾らかといったら、一つは実勢価格が3,300万円、一つは4,400万円なのですよ。安いのですよ。貸したら幾らかといったら、一つは年間100万円、もう一つは76万円、極めて安い賃貸料なのだ。こういう土地があるし、芸術家を集めて、ここで知的財産をつくって、すばらしいものをつくったら、こんなもの、1億円や2億円ならたちどころに芸術家の懐に入る。そういう発想で、関連する芸術家を集めて協議したことがありますか。
◎川畑 産業振興部長 ただいまご提案いただきました芸術家を集めての協議ということは、大変魅力的なご提案だと思います。今まではやったことがございませんけれども、今後、そういうことも検討させていただきたいと思います。
◆伊与部年男 委員 魅力的って、あなたも魅力的かもしれないけど、芸術家の魅力と役人の魅力とは違うんだ、これ。芸術とは何かといったら、幅が広いんですよ。無限大ですよ。そういう人たちの知恵を集積して、そして、これを活用するという発想にならないとだめなんだ。経済局は何をやっているんだ。市役所は何をやっているんだ。何もやっていないんだ、はっきり言って、これは。本当ですよ。
これは、だれがつくったのか。板垣さん時代に土地を買ってつくらせたのだけれども、20数年間だから。隣に芸術の森というすばらしい施設があるんだから、それと関連させた形でもってこれを活用しなかったら、ただ、おいで、おいでなんて言っていたって、そんなの、来るわけがないのだ。何ぼ魅力があったって、おいで、おいでと言ったって、一方通行、だめですよ、これは。双方が恋愛関係にならんとだめなの。
そこで、局長、どうするつもり、これは。(「参ったな」と呼ぶ者あり)参ったでしょう、これ。参っているんだ、これ、はっきり言って。20何年間、参っている。
局長、ゆっくり答弁して。あなたは早口だから、ゆっくり答弁して。
◎渡邊 経済局長 非常に悩ましい問題でありまして、ハイテクヒル真栄、あわせてアートヴィレッジは、毎回のように委員からご指摘を受けています。なかなか妙案がないというのが正直なところであります。
ただ、今言われたご提案は、非常に魅力的で、私もそう思います。ただ、そう言いながらも、既に立地されている企業もいらっしゃいますことと、あそこは調整区域だということがありますので、ハードルは高いと思いますけれども、多分、このままではなかなか進展しませんので、新たな転換というか、利用方法の見直しも含めて、積極的な活用に向けて取り組んでまいりたいと思います。
◆伊与部年男 委員 一言、言いますが、今までの既得権を大事にしているような発想でなくて、大胆な発想を考えてください、これは。それを提起して、終わります。
◆三浦英三 委員 私からは、企業の本社機能等の誘致と本市の誘致体制の強化について質問させていただきます。
最近の雇用情勢を見ますと、北海道全体では、平成24年8月現在で、新規求人数は7.3%増加いたしまして31カ月連続で前年同月を上回り、
有効求人倍率は0.56倍と前年同月を0.11ポイント上回るなど、持ち直しの動きが見えてきております。一方、私たちが住む札幌圏の
有効求人倍率は、0.50倍と改善しつつはあるものの、全国はもとより、北海道全体より下回っておりまして、依然、厳しい状況が続いていると言わざるを得ません。
経済政策、産業振興の大きな目的の一つは、雇用の創出、改善であり、さまざまな施策によって雇用を新たに生み出す新産業を創出していくことはもちろん大事であります。しかし、新産業の育成は時間がかかることも事実でありまして、一方、企業誘致は、確実に市民の雇用を生み出すとともに、進出した企業との取引による地域経済への波及効果も期待できるところであることから、誘致活動はしっかりと取り組みをしていただきたい、このように思っております。
札幌市では、これまでも、コールセンターやバックオフィスなどの誘致を行うことによって約60社で2万人の雇用を生み出してきたとのことですが、そのほか、IT、バイオ、コンテンツ、ものづくりなど、順次、誘致のための補助金を創設しまして市民の雇用を生み出してきたものと私は認識しております。さらに、今年度から、先端技術分野については、近隣の自治体に立地した場合でも補助対象とする札幌圏みらいづくり産業立地促進補助金、それから、先ほど植松委員からも質問がありましたけれども、障がいのある方の雇用につながる特例子会社の誘致についても運用を始めるなど、市民の雇用創出のため、新たな誘致施策を展開していることは一定の評価をしているところであります。
しかし、冒頭で申し上げましたけれども、雇用情勢は厳しい状況が続いております。外国企業の誘致もすべきではないかとの声もあります。また、集積が少ない製造業の立地促進をもっとしっかり進めるべきであるとの指摘も繰り返しなされているところであります。現在、区画整理事業が進められている東雁来地区については、平成26年度以降、まとまった事業系用地の造成が完了する見込みであることから、この地区への誘致活動を強化する必要もあるのではないかと思っているわけであります。企業誘致に関するさまざまな声が寄せられているのは、厳しい経済情勢が長引いていることが背景にあることは明らかでありますが、新たな企業誘致施策とその効果に対する期待のあらわれでもあると前向きに受けとめるべきと私は考えております。
さきの第3回定例市議会代表質問で、我が会派の涌井議員が指摘しました、本社機能等の移転に対する支援制度創設の提案もその一つであります。その質問に対しまして、秋元副市長からは、新たな支援制度の検討と積極的な誘致に取り組んでいくとの答弁がありました。
そこで、質問いたします。
我が会派が提案する本社機能等の誘致について、他都市における誘致制度にはどのようなものがあるのか、まず、お答え願いたいと思います。
また、新たな支援制度についてはどのようにするつもりなのか、現段階で考えていることを伺いたいと思います。
◎川畑 産業振興部長 本社機能の誘致に関する他都市の制度でございますが、政令指定都市のうち、本社機能誘致の対象と明示している都市は、さいたま、千葉、横浜、静岡、京都、福岡の6都市でございます。これらの都市におきしまは、本社機能というものは、工場などと比べて撤退のリスクが低いことや、また、雇用の規模が大きいこと、そして、大企業の本社が立地しますと都市のブランドイメージ向上に資することから、積極的に本社機能の誘致に取り組んでいるとお聞きしております。他都市の制度で対象としている本社機能の要件というのはさまざまございますけれども、例えば、床面積とか投資金額、雇用者数などの立地規模のほかに、機能といたしまして、意思決定、経営企画、統括といったものを有すること、あるいは、本店として登記を行っていることなどが要件となっております。
2点目のこれから考えている新たな制度ということにつきましては、例えばでございますが、本店登記や一定以上の立地規模といったことを要件に、今、既にございますバックオフィスの補助制度よりも限度額を引き上げることとか、補助の制度以外にも、事務所移転に際して従業員の生活を総合的にサポートすることなどが考えられますので、どのような方法が最も効果的かということについて検討を進めているところでございます。
◆三浦英三 委員 今、部長からの答弁で、本社機能の誘致につきましては、他都市にもいろいろな補助制度があるので、それを参考にしながらということだと思います。来年に向けてしっかりと内容を詰めていくということですので、時期を失しないよう効果的な取り組みをぜひとも期待したい、このように思っております。
企業誘致は、誘致補助制度をつくって多少の企業訪問を行う程度では簡単に立地が進むほど甘くはない、私はこのように思っております。全国各地の都市が誘致合戦を繰り広げているところでありまして、中には、多額の補助金を用意したり、誘致後のフォローアップなどにも力を入れている自治体もたくさんあると思っております。補助制度を創設、拡充しましたというだけでは、誘致競争には勝ち残れない可能性が大きく、それに伴う予算や具体の誘致活動、フォローアップを行う人員体制についても、バランスよく充実させていかなければならない、そして、実効性のある誘致につなげていかなければならない、このように私は考えております。
本市の企業誘致の体制については、経済局の経済企画課に立地促進担当の係ということで係長を含めて3名いるほか、東京事務所にビジネス支援担当課長と企業誘致担当の係長職を配置して誘致活動を行っているとのことでありますが、そもそも、東京事務所が企業誘致活動に積極的にかかわるようになったのは、自慢じゃありませんけれども、平成21年の
予算特別委員会で我が会派の福田委員が東京事務所の積極的な活用を求めたこと、さらには、平成22年の
予算特別委員会で本郷委員が東京事務所の機能強化の必要性を指摘したことがきっかけとなっているものと認識しております。札幌市においても、東京事務所における誘致体制を徐々に強化していることは理解しております。
私は、他自治体等の企業誘致の体制を調べてみました。北海道庁については、経済部に立地担当課長を配置し、そのもとに立地推進グループという誘致の営業スタッフとして7名を、さらに、立地支援グループという補助制度担当に5名の体制を整えているほか、東京事務所の誘致スタッフに加えて、名古屋、大阪にも企業誘致担当者を配置して誘致活動を行っているところであります。また、近隣の石狩市や北広島市は、企業誘致室といった体制を整備して専任の部長職や課長職を置いているとのことであり、また、他の政令指定都市についても19の政令都市中15市が誘致担当専門の部や課などを設置しております。
このような状況から見ますと、本市の誘致体制というのは、補助制度はたくさんつくりましたし、パンフレットも立派なのをつくっておりますけれども、営業マンがいない、こういう状況になっているのではないか、強化を一生懸命行ってきた、このように言っても、他の自治体と比べると、本市はまだまだ脆弱であると言わざるを得ないのではないかと思うわけであります。本市も、今後、さらに誘致制度を充実させていきたいとのことでありますので、誘致活動を本格化していくということだろうけれども、このような現在の体制では、本当に効果的な誘致活動ができるのか、制度だけの看板倒れにはならないのかと懸念するところであります。
私は、専任の部長職まで配置することにはならないとしても、せめて、他都市並みに企業誘致の担当課をきちっと設けて専任の課長を配置するなどの強化を図らないと、時期を得た効果的な誘致には結びついていかないのではないかと思うわけであります。
そこで、質問です。
札幌市の誘致体制の強化についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
◎川畑 産業振興部長 誘致体制の強化についてでございますが、雇用情勢が厳しい中、企業誘致の必要性に対する声が高まっているのはご指摘のとおりでございます。先ほどご質問いただきました本社機能に加えまして、先端技術分野、あるいは、フード特区を推進するための食関連産業の振興といったところにも力を入れてまいらねばならないと考えているところでございます。加えまして、企業の立地意向調査とか、地元企業から業界動向とかお取引先の情報をいただくといった情報収集、あるいは、展示会に出展しての情報収集、発信など、そういったことを行いまして、訪問先の新規開拓を行っていかなければならないと考えております。また、企業誘致をめぐって大変厳しい都市間競争が起きているというご指摘でございますので、これまで以上に新規開拓先を見つけ、積極的な企業訪問にも取り組む必要があると考えております。
これらの取り組みを進めていくためには、誘致体制の強化が必要と認識しておりますので、今後、関係部局と協議を進めてまいりたいと考えております。
◆三浦英三 委員 今、部長から答弁がありましたけれども、まずは新年度に向けて体制をしっかりと整えていただきたいと思います。
最後に、要望で終わりますけれども、道庁や近隣の自治体との連携など、しっかりと工夫しながら誘致業務を充実させていっていただきたいと思います。でも、やっぱり、ベースになるのは人員体制が大事だと思います。人員体制を充実しなければ、せっかくの札幌の優位性を生かせないばかりでなくて、リスク分散の動きという今の大きなチャンスを逃がすことになってしまうのではないかと思うわけです。
本社機能等の誘致は、東日本大震災、さらには、さきに発表されました南海トラフ地震の被害想定が契機になって、今、動きが出てきていると考えております。この制度を速やかに整備するのはもちろんですけれども、それを実績に結びつけるだけのマンパワーを用意していただき、しっかりとした体制を構築して、本気で誘致活動を行っていただきたい、そして、ぜひ成果を出していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○峯廻紀昌 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後5時26分
再 開 午後5時50分
――――――――――――――
○峯廻紀昌 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆松浦忠 委員 それでは、夜も更けましたから、できるだけ簡潔に質問していきます。
まず、決算議会で、ずっときょうまで、私が触れる以外は法人の経営状況についての質問がほとんどありませんでしたので、法人の経営状況について少しお尋ねいたしたいと思います。
産業振興部の方で所管しているのは、札幌市中小企業共済センターがそうですね。それから次に、財団法人札幌産業流通振興協会もそうですね。それから、株式会社札幌花き地方卸売市場と三つあります。そのほかに商店街の関係も聞きますけれども、まず最初に、この三つの法人のうち、例えば、財団法人札幌市中小企業共済センターは、37ページに、利息25万円ということで預け金に対する利息収入があります。それから、財団法人札幌産業流通振興協会は、137ページに、利息7万1,672円、次に、株式会社札幌花き地方卸売市場は、529ページに、有価証券として5,000万円あってそこに利息が計上されております。これらは、それぞれどういう方法で預けているか、これをまず最初にお尋ねしたいと思います。
◎川畑 産業振興部長 今、ご質問にございました三つの団体の財産運用につきましては、主に、国債、地方債、その他の円建て債券を中心に運用しておりますが、団体別の詳細につきましては、それぞれの担当課長からお答えさせていただきます。
◎粟崎 経済企画課長 初めに、私から、札幌市中小企業共済センターの基本財産の運用状況についてお答えさせていただきます。
まず、預金等では北洋銀行、北海道銀行でございます。それから、基本財産につきましては札幌市債のみで運用させていただいております。
◎田中 産業振興課長 札幌産業流通振興協会、花き市場につきまして、私からお答えさせていただきます。
まず、札幌産業流通振興協会につきましては、一番大きなのは国債が3億2,500万円、札幌市債が1,000万円、残余は預金となっております。
それから、花き市場でございますけれども、日本国債が6,000万円、北海道債が500万円、それから、株式といたしまして2,000万円、残余は預金となっております。
◆松浦忠 委員 株式というのは、どこの株式を持っているのか。
◎田中 産業振興課長 花き市場が所有している株式でございますけれども、ほくほくフィナンシャルグループの株でございます。
◆松浦忠 委員 ほくほくフィナンシャルグループなるものは、集めた金を一体どういうところで集めた金を運用して……(発言する者あり)ほくほくでないの。いやいや、私はそういうふうに、ホクホクと片仮名で書いてある。英語で書こうと思ったけれども、スペルがわからなかったから。
○峯廻紀昌 委員長 質疑を続けてください。
◆松浦忠 委員 (続)フィナンシャルグループというのは、どういう運用をして、そして、どういうような、例えば、平成23年度は、ここのグループの配当になったのか、利率が何ぼで回ってと。それから、フィナンシャルグループだから、預け入れは一体何年なのか、いつ満期が来て解約できるのか。
◎川畑 産業振興部長 ただいまのお話にございましたほくほくフィナンシャルグループの株式でございますけれども、取得した当時は、平成11年に取締役会で取得を決議しましたが、当時は北海道銀行の発行する株式でございました。
運用につきましては、配当をいただいておりまして、額面3%で予定どおり配当をいただいており、低リスクで安定的な資金運用手段と考えております。
○峯廻紀昌 委員長 預け入れ期間とかは。
◎川畑 産業振興部長 (続)株式でございますので、預け入れ期間については定めがございません。
◆松浦忠 委員 それでは、今度は川畑部長にお尋ねします。
川畑部長は、国際部部長職が前職でありますね。2年間やられて、そして、この職につかれてから、充て職で株式会社札幌花き地方卸売市場の取締役に就任されております。社長は秋元副市長であります。
さて、そこで、この報告書の526ページ、第33期事業年度事業の決算に関する書類を見ますと、花の売り上げ本数では11万8,979――違うな、これは単位が1,000本でもっと数字多いから、ちょっとはしょって、要はここに出ています。
そこで、前年度と比べて2.3%減、金額では3%減になっている。ということは、どういうことかといったら、本数よりもお金の総額が下がっているということは、単価が下がっているということなのですね。しかし、全国は7%ぐらい減となっていまして、まだいいのだというふうに読み取れるようにここに書いております。
さて、今後、こういう景気状況になってくると、皆さんはだんだんと生活を切り詰めていくとなったら、文化だとか芸術、娯楽といったような個人の支出を切り詰めていくわけですね。例えば、昨今のお葬式なんかを見ても、新聞のお悔やみ欄を見ると葬儀済みというのが非常にふえています。それから、家族だけで行う家族葬と。今から15〜16年前は、結構大きな祭壇を飾って、普通の年金生活の方でも50〜60万円の祭壇でした。そして、現職の市役所の職員なんかが死んだら150万円ぐらいの祭壇を使ってと、大体100万円から150万円、こんなのが一般的でありました。それが、今のような状況になってお花が使われなくなってきているわけですね。
そこで、花き市場の今後の見通しをどういうふうに立てておられるのか。この点について、役員会では、決算に当たって、あるいはまた、新年度予算を組むに当たってどういう検討がされたか、これについてまずお尋ねいたします。
◎川畑 産業振興部長 ご指摘のとおり、今後の花きの需要については非常に厳しいものがあるという意見が出ておりました。今は、大きなお葬式をされる方もいますけれども、人口が減少していくだろう、加えて、委員のご指摘のとおり、そういう需要も減っていくだろうと。そういった中で、新たな需要開発をしなければならないということで、市場においてもさまざまなイベントを行っておりまして、地下歩行空間とか、先日は、市役所の職員に呼びかけてお花を持って帰るイベントなども花き市場と一緒にやったところでございますが、さまざまな工夫を凝らしながら需要の開拓をしていこうと話し合っております。
◆松浦忠 委員 話し合っているのはいいけれども、経営ですから、株式会社ですから、例えば、ここから先、5年なら5年をどう見通して、そして、それに対する内部経費の節減はこうやるとか、まずは何でも内部経費の節減ですね。そういったことについて、少なくともこれから先の5年間ぐらい、どうしようと議論しているのか、あるいは、そういうことについては全くしていないということなのか、その辺の経過について、正直に、正確に答えてください。
◎川畑 産業振興部長 正確にとおっしゃられると、記憶が確実でない部分もございますけれども、委員のおっしゃるように正直に申し上げます。今後5年間ということできちっと区切って話し合ったということは、今現在、記憶にはございません。しかし、今後は設備の更新なども必要になってくると考えられますし、そういったことが長期的な課題であるというふうに取締役会で認識していると私は考えております。
◆松浦忠 委員 花き市場は、札幌市が大谷地に第2中央市場をつくる、東部中央市場をつくるということで、広大な土地を確保して、そして、その中の一環としてあの花き市場があの場所につくられていったという経過があるのですよ。したがって、あの花き市場は、区で言うと、厚別区ではなくて、あの市場だけがぐるっと出っ張って白石区になっているのです。私が1983年に当選してからできたものでして、つくるときには分区前でした。できてから、分区は89年ですから、そのときにいろいろな経緯があってああいう区切りの仕方をしたのです。
そして、これは秋元副市長が社長ですが、あそこの花き市場というのはかなり無理をしてつくったのです。中央市場ほどの需要もない、しかし、かなりの投資をする、将来はお花もたくさん売れるだろう、バラ色だなと言ってつくった花き市場なのです。(「魅力ある」と呼ぶ者あり)うん、魅力ある。バラ色。ところが、バラ色でなくて、これは枯葉色になってしまったのです。それが現実なのです。
したがって、やはり、札幌市がきちっと責任を持って、今後、建物も建って27〜28年ぐらいになって相当に老朽化もしてきた、こういうものをどうするかということなどを含めて、早急に計画を立ててきちっとやっていかなきゃならぬことなのですよ。
その辺について、社長はこれからどう考えていくか。今まで考えていなかったものはしょうがない。これからだ。どう考えていくか、まずは社長の考え方を尋ねたい。
◎秋元 副市長 花き市場の社長を兼ねております秋元でございます。
今、委員がご指摘のように、お花の市場の需要は非常に落ちてきておりまして、先ほど部長からもご答弁させていただきましたように、当然、卸の方々、小売の方も含めて会社をつくってきた経緯がありますが、この需要を今後どうしていくのかと。当然、今、経費の節減、その他、販路の拡大というようないろいろな取り組みをしておりますけれども、施設の老朽化のこともありますので、長期的な視点に立ってここをどうしていくのか、いろいろな議論をきちっとしていかなければならないという認識で内部でも議論を進めているところでございます。
◆松浦忠 委員 私はなぜ言うかといったら、最初に無理をしてこれをつくった、そして、こうなってしまった。これは、札幌市は体質として今までずっとこういうことを続けているのですよ。ということは、中央市場を見てごらん、立派だね。しかし、今、中央市場を、あの借金コンクリートを普通の鉄筋コンクリートと呼べるようにどうやってするかということで、今、市場長も四苦八苦しているけれども、せいぜい経費の節減ぐらいしかないのです。ここに至らぬように私が申し上げておきたいのは、よもや、あの建物を建てかえするなんていうことは考えていないと思うけれども、建てかえなども頭にありますか、どうですか。
◎秋元 副市長 現時点では、そういう具体的なところまでお答えする段階にございません。
◆松浦忠 委員 物というのは、きちっと手入れをして修繕をして使っていけば相当長く使えます。したがって、小まめに修繕して、そして、あの建物を長く使う、そのことが花き市場を存続させていくことになっていきますから、そういうことをしっかりと念頭に置いてやっていただきたいと。
私がずっと見ていると、日常的な業務はほとんど専任の専務取締役に任せっ放しであります。日常的な業務はよしとしても、やはり、社長と札幌市から出ている取締役については、経営者としての責任ある方針を節目節目で折に触れて出す、そしてきちっとチェックをしていく、こういうことをやっていっていただきたということを強く求めておきたいと思います。これから先のことでありますから、このことだけは指摘しておきます。
私は、実は、この点については、きょうは、皆さんから、私が今言ったようなことで今も取り組んでおりますという答えが返ってくるかと思ったのです。それはなぜかといったら、秋元さんは初代の市長政策室長です。市長政策室長というのは何かといったら、昔の企画調整局長よりも、市長のすぐそばにいて、もっと権限が集中しているのです。そうしたら、中央市場のあの実態を見ていたら、今、花き市場の社長をやっていて、これをどうせんきゃいかんかということは、社長に就任した途端に考えなきゃならぬ。そういうことが考えられていないということは、極めて――特に、今までの経歴からいって、社長としての職務がいささか……(発言する者あり)怠慢なんて、そんなひどいことは言わないで、怠慢と言えと言うけれども、怠慢とは言わぬから、いささか思慮に欠けるところがあったのではないかと。このことは、優しく指摘しておくから。
続いて、今度は、同じく法人の札幌市中小企業共済センターについて、31ページです。
まず、ここの役員は、これまた秋元副市長が副理事長ですね。この決算の概要報告を見ますと、加入者は減る、そして支出はふえる、こういうことになって、この5年間、平成19年度から23年度までを見たら、新規会員数よりずっと退会数の方が多い。こういう状況の中で来て、そして、残っている人は恐らく定年退職になるぐらいまでいる方が多いのではないかと思うけれども、これについて、今後の運営はどのような方策を持っておられるのか。
これができたのがいつかといったら、これも私が議員になって以降です。ここの初代の専任者はだれがなったかといったら、朝倉さんといって、秘書部長もやって、市民局長をやってやめられた方ですよ。文学者ですよ。板垣市長の若いときには、あいさつ状書きということをやっておられた非常に有能な文学者です。この人が初代で、以降、ずっと来ておるわけですよ。
私が、今、なぜこれを取り上げたかといったら、会社の状況が悪くて、企業年金が減って、もう解散しているところがいっぱいある。そんなようなことがあって、これは持ち切らぬだろうという状況が専らであります。したがって、零細中小企業に勤める方々のささやかな退職金などの望みをきちっと維持してあげるために、今どういうような対策を講じて運営しているのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。
◎川畑 産業振興部長 中小企業共済センターの運営についてでございますが、ご承知のとおり、この財団は、次年度に公益財団法人への移行を目指して準備をしているところでございます。その中で定款の変更も必要となりますことから、あわせて見直しを進めておりまして、会員の拡大に向けて何とか頑張れないかと。例えば、今まで、札幌市内を原則としていたところを、こういう団体のないところ、石狩市などもございますので、そういったところで会員の拡大を図っていく取り組みをしていくと先日の評議員会で聞いております。また、内部の経費の削減にも取り組んでいると聞いております。
◆松浦忠 委員 全体的に企業数が減っているし、会社の経営も厳しく、中小企業に勤めている方の賃金も下がってきて、福利厚生などにかけるお金もいわば切り捨てていかなきゃいかぬと。こういう状況にあって、企業にはこういうような制度に入って負担するだけの余裕がない。それから、本人も、そういう掛金を掛けるだけの生活費に余裕が生じてこないというところがかなり出てきております。そういうことからいったら、今言われたようにどこか周辺に広げても、調整区域の空き地とか、農地や畑地や荒地なら周辺にいっぱいあるけれども、お金を出してくれるようなところはそんなにありません。そういう甘い幻想ではなくて、現実をしっかりと見詰めて、早急にどういうふうに運営していくかという方針をきちっとつくって示してください。そうでないと、これは、まさに札幌市がやると言って始めたことですから、札幌市が。
したがって、このことについて、秋元副市長兼副理事長、副理事長の立場でこのことについてどうしていこうとしているか。川畑部長はここでは何の役職にもついておりません。今はただ市の部長職として答えているだけで、法的に責任があるのは秋元さんでありますから、秋元副理事長、このことについてどうしようとしているか、改めてお答えいただきたいと思います。
◎秋元 副市長 中小企業の共済制度でございます。
今、委員がご指摘のように、退職金でありますとか福利厚生費は、確かに、市内全体の従業員数とか会社数が非常に減ってきておりますので、加入の部分が減ってきているのは事実であります。それをどう拡大していくかということもありますが、一方で、中小企業で働く方々の福利厚生事業だとか退職共済制度といったものは、やはり、きちっと守っていかなければならない部分もございますので、今、委員がご指摘のように、経営をきちっと見ていきながら、こういう制度を維持していくことが重要であろうかと思います。当然、共済センターの事業運営については、経費節減などさまざまなことをとらえながら安定的な運営をしていくのはもちろんでございますけれども、この制度そのものの維持に努めていかなければならない、こういうこともあろうかと思います。
◆松浦忠 委員 もう一つありますけれども、時間がかかりますから、ぜひ、来年の1定のときには、こういう計画、こういう方向性で取り組んでやっていきたいというようなことがそれぞれの法人で示されることを求めておきたいと思います。
続いて、商店街振興に関する質問であります。
私は、長年、札幌市商連に対する補助金の問題について取り上げてまいりました。札幌市商連は、天下りとして札幌市の部長職を事務局長に迎え入れ、多いときには、もう一人、係長ぐらいを事務員で迎え入れるということでやっておりました。
改めてお尋ねしますけれども、平成23年度は幾らの補助金を出して、その内訳は何か、これについて説明を求めます。
◎川畑 産業振興部長 平成23年度の札幌市商店街振興組合連合会への補助金でございますが、実績で1,446万3,000円を交付しております。内訳といたしましては、組織運営事業費が550万7,000円、まちづくり推進事業費が95万6,000円、商店街振興対策事業費、これは人件費でございますが、こちらが800万円となっております。人件費については、3人分でございます。
◆松浦忠 委員 これは、前は1,600万円ちょっとだったのです。行財政改革の中でこのように減ってきたのだろうなと。しかし、人件費の部分は全然減っていないのです。私が最初に質問した数年前も、人件費は3人で800万円だったのです。事業費は減っているのですよ。私は、以前から言っているのです。何も市役所から天下りが行かんくてもいい、天下りのいない商店街はいっぱいやっている、まず、減らすなら人件費の方です。
それについて、なぜ人件費を減らさなかったのか、お尋ねしたいと思います。
◎川畑 産業振興部長 人件費につきましては、これまでは商店街の運営にかかわる基礎的で必要な経費であるということで、この金額を維持しているものでございます。
◆松浦忠 委員 私が今まで減らしてもいいんじゃないかと言っていたのは、数年前に市商連で不明朗な会計処理が発覚しました。臨時職員で雇っていた方が、人員整理で、本人にしたらちょっと不明朗な解雇だそうですけれども、その方が幾つかの商店街に行って、こんなよからぬことをやっているよということでお話をされたと。そのことは、私は、議会で何回か取り上げました。
札幌市から部長と係長をやめた人が2人行っていて、そういうことが起きる、今も部長職でやめた人が行っている。何の歯どめにもなっていない。そして、そのことをただした商店街が、あなた、そんなに文句あるんだったらやめたっていいんだよと言われて、まさにお引き取りくださいみたいな感じで、ならば、おれたちはやめると言ってやめたと。こういうことも言ってきました。なのに、まだこんな形で、事業費を減らして人件費が同じで、何のための補助金なのか。
じゃ、ほかの商店街連合会なんかは、どこどこ商店街とあるところの地区の商店街は、そんな天下りもいなければ、市の職員や公務員の経験者がいなくたってみんなやっている。こういう予算の査定の仕方は全く納得できない、これは。
一つ、川畑部長に聞くけれども、あなたは、就任されてから、市商連に加盟している、加盟していないにかかわらず、札幌市内の商店街を幾つ歩いて商店街の役員と話をしてきましたか、出向いていって。これをお尋ねします。
◎川畑 産業振興部長 残念ながら、それほどたくさんのところには伺っておりませんで、3カ所はきちっと役員の方とお話しする時間をとってお伺いしておりますが、それ以外につきましては、日常的に通るところはございますけれども、それぐらいでございます。
◆松浦忠 委員 その3カ所はどこですか。行かれたところを明かしてください。
◎川畑 産業振興部長 発寒北商店街と石山商店街、そして狸小路の方に参っております。昨日は、せっかく松浦委員からお引き合わせいただいたのでございますが、残念ながら、本郷通商店街に直接伺うことはできませんでした。しかし、専務様にお電話をいたしまして商店街の状況をお伺いしたところでございます。
◆松浦忠 委員 商店街振興のための予算というのを毎年毎年組んで、何の効果も上がっていない。それは何だといったら、今、新任で来て――あなたの経歴をいろいろなもので調べてずっと見てみました。そうしたら、課長職になってからは、総務系統だの人事畑だの国際部部長職とあるけれども、その前は福祉関係の仕事も長くやっておられた。福祉の仕事というのは、いろいろな困った人がいて、来られない人がいれば現場に訪ねていって、話を聞いて、どう手助けできるかということをするのが福祉の仕事ですよね。そういうあなたが、全くやったことのない産業振興畑の部長になって仕事をした。一番しなきゃならぬことは、できるだけ商店街に行って、役員やお店の人に話を聞いて、どういう予算のつけ方をすることが一番効果的かということを聞くのが大事だ。忙しい、忙しいと言ったら、何でも忙しい。予算は何が一番大事かといったら、税金で予算を組むわけですから、予算を組むに当たって、実態を知らないで――少なくとも、あなたは、市長に分任されてあなたに一定の権限が与えられているわけですよ。
私は、先ほどから黙って答弁を聞いていたら、今まで、ほかの部長方は、後ろを向いて聞いて、ちょっと時間をとってもきちっと答えている。あなたは、課長に答えさせますと。今まで、私は、委員長の指名はあっても、部長の指名で課長に答えさせるなんていうのは初めてです。例えば、委員長から、わからなかったら課長が答えてくださいというのはありましたよ。部長が、全部、後ろを見て、わかるようなことも答えない、不勉強きわまりない。そういうことを含めて、まず、産業振興部長としての仕事をちゃんとしなきゃだめだ。
そこで、長年、市商連に補助金を出している根拠は何ですか。これが一つ。
それから、二つ目は、市商連に加盟していないところについても、例えば、札幌市商連が……(「何回やってんのよ」と呼ぶ者あり)何回って、何回でも質問するのは私の仕事、仕事さ。(発言する者あり)いやいや、私は親切だから。
したがって、札幌市商連だったら、単位商連があって、それぞれの地区商連があって、その商連にはそれぞれ個店が加盟しているわけですよ。わかりやすく言えば、市商連に個店が何ぼ加盟しているか、そして市商連に対する補助金、加盟店数を分母にして、補助額を分子にして、割れば1店当たりの補助金額が出るわけですよ。それと同じようにして、ゆえあって抜けた――私が何回も言っているように本郷通商店街ですよ。なぜかといったら、不明朗な会計について明らかにしなさいと言って理事会でただしたら、そんなに文句を言うんなら、どうぞお引き取りくださいと。これで引き取って、それならば、きちっとこの問題をただし、それからもう一つは、本郷通商店街は、何たって天下りをやめさせろと。それから、我々にも、きちっと同じように、1店当たり10円なら10円でもいいから、我々のところに50店あったら500円くれやと。これが、本郷通商店街が抜けて以来、ずっと言っていることなのですよ。あなたの前任にもその前にも。
したがって、なぜこうしないか、できないか、まず、ここのところ、補助金について。
◎川畑 産業振興部長 市商連に補助金を支出している根拠でございますが、局長決裁によって補助金を交付しております。
また、加盟していない商店街への……(発言する者あり)
○峯廻紀昌 委員長 答弁を続けてください。
◎川畑 産業振興部長 (続)支援でございますけれども、各商店街で取り組まれる事業につきましては、さまざまなメニューがございまして、市商連への加盟、非加盟にかかわらずご利用いただいております。本郷通商店街においても活用いただいていると考えております。
市商連に対する補助金の趣旨といたしましては、個々の商店街の活動のほかに、商店街組合の連合体としての活動をしていただくことが商店街の地位の向上につながるという考えから、連合体としての活動に補助をしているものでございます。
◆松浦忠 委員 局長に聞く。
市商連に補助金を出している根拠は何ですか。あなたが決裁権者ですから、決裁書類がここにあります。根拠は何ですか。局長、答えてください。
◎渡邊 経済局長 法的な根拠ではなく、先ほど申し上げたとおり、市商連は、商店街振興組合法に基づく市内唯一の指導機関として市内の会員商店街を指導・助言する等の社会的役割を担っていることから、その事業費の経費の一部を補助しているということでございます。
◆松浦忠 委員 じゃ、具体的にどういう指導をしているのですか。
◎渡邊 経済局長 例えば、平成23年度の実績で申し上げますと、加盟商店街を対象とした研修を8回ほど開催してございます。そのほか、非加盟の商店街に対しても研修を6回ほど実施しており、さらには、区ブロック会議についても6回ほど開催するなど、さまざまな指導・助言活動をしてございます。
◆松浦忠 委員 本郷通商店街が脱退するまでは内容を言わんかったけれども、脱退してから正直に私に話してくれる。例えば、どこか本州に行きますと言ったら、団体旅行ですと。言ってみれば、観光旅行ですと言うのですよ。どこかの商店を見てくるよ。見てくるけれども、見てきて、それが、札幌市内のどこかの商店街で、ああ、参考になった、これをやったら売り上げが上がったなんていうのは過去に一回もないと言うのです。もし、そういう事例を参考にして商店街がこんなふうにやったというような事例があったら、補助金をそこに使っているのですから、具体的にその事例を示してください。平成23年度にそういうことがあったのか、ないのか。あったら示してください。
◎渡邊 経済局長 平成23年度は、そういった視察はなかったようでございます。
◆松浦忠 委員 じゃ、過去にやっているのですから、私はきのうから言っているのですよ、ちゃんと、このことについて質問しますよということで。そして、なおかつ、川畑部長は、今の役職につく前は産業振興の仕事に一回もついたことがないということだから、それでは、唯一、退会をして、しかし、札幌市内で唯一、市長も議会で認めて、冬期間はそこの一方通行路の除雪も委託を受けてやっていると、それは何かといったら、買い物に来る人が歩きやすく、来やすくするためにということでやっている札幌市内唯一の商店街ですよ。
きのう、私は、親切に、そこに行ってらっしゃいと。そして、専務に、仕事をしていたけれども、ちょっと会ってやってと言って、そうしたら、電話で話して、けさ、専務にどんな話をしたと聞いたら、いやいや、電話で一生懸命頑張りますという話を30分ぐらいしていたという話ですよ。
私は、そういうようなおざなりな、局長も含めて――あなたは、市長から補助金を支出する権限を委任されております。あなたの決裁で出しております。毎年毎年、同じような文章です、これ。商店街は、10年たたなくても、3年でも5年でもたてば、購買する人の年齢構成だとか収入だとか、いろいろなものが変わっていきます。それに対応したことをしなきゃならぬ。税金の使い道だってそういうことなのですよ。それがされないで、10年どころか何十年と同じことをやっている。たまたま去年は観光旅行に行かなかった、視察と称する観光旅行に行かなかった、それだけですよ。
市長、ここまで言ったら市長はわかると思うのだけれども、こういうような補助金の出し方について、もう少し考えんきゃだめだ。市長もおわかりだと思うけれども、もともとが国の制度融資を低金利で借りる、そのときに、個人の担保能力がなくても、法人の組合として保証してその加盟店に金を融資する、これが商店街の法人化のそもそもの始まりなのです。しかし、今では、そんなことをしなくたって、銀行は結構安い金利で貸してくれる。じゃ、政府の方に頼って、何か特別に金融の関係でいいことがあるかといったら、札幌市の資金に頼ってみたって借りたものは返さんきゃいかぬ、こういうことなんです。
したがって、今、もはや、狸小路と、手稲の方だとか篠路だとか清田だとか、そういう周辺部分の商店街とでは置かれている状況が全く違う。そういうことからしたら、もう今の状況からいったら、市商連という組織そのものが必要なのかどうかという時代になってしまっているのですよ。そうしたら、少なくとも、そういう状況にあって、組織を解散するか、せんかは、それは向こうの団体です。しかし、税金を使って補助金を出すことについては、少なくとも札幌市長の権限の中でやるわけですから。そして、これは、何かといえば、集めた税金を、みんなに、役に立つように、少しずつ力のないところに返してあげるよというのが税の制度ですから、そういうことからいったら、例えば、一商店街であったって、きちっと活動して、こういうことでやっているから、500円でも1,000円でも補助をしてくださいということであれば、申請を求めて、そして、申請があれば公平に交付するというのがありようですよ。これは、後で市長に答えをもらう。
それから、もう一つは、本郷通商店街は、6年前から、かつてのNTTの球場を住友不動産が購入してマンションを建てるということでしたが、景気がこんな状況でまだ建っていません。それで、住友不動産がNTTから購入しましたので、私と町内会と商店街の3者で住友不動産から6,000坪の球場跡地を無料で借りて、そのかわり草刈り管理などは商店街がするということで、住友不動産と契約書を交わしております。もうこの冬で6年目になります。そして、近隣の雪なども、商店街がタイヤショベルを借りて、お年寄りなどが買い物に来やすくなるように除雪もしている。この商店街では、市長の英断によって、札幌市で唯一、かねがねこういう取り組みをしているけれども、さらに、歩いて来られる範疇の地域のお年寄りが買い物をするときに、歩道が滑らないように、あるいは、見通しがよくなるように交差点の雪をどけたりという仕事もやっているのですよ。
そのために、今、どうやっているかといったら、商店街の会費収入は、年会費3万6,000円で、130店ぐらいしかいませんから500万円足らずなのです。そこで、何をやってるかといったら、空き地を借りて、駐車場にして貸して大体600万円か700万円ぐらいの利益を生み出して、その金をふだんの運営に使っているのです。そういうことで、努力してやっているのです。
だから、今、商店街では、せめてタイヤショベルのリース料、50万円ぐらいだそうですが、このぐらいは商店街の振興費として補助を出してもらえんかと何年も前から言っているけれども、今のような頑迷な考え方で、全く、産業振興部長、時の経済局長は、聞く耳を持たなかった。黙っていても耳に入ってくるから聞いてはいたのだけれども、でも、何も考えなかった、こういうことなのです
したがって、この点について、けさ、山口専務から、川畑部長は、はいはい、わかりました、一生懸命やります、頑張ります、こう言ったから、ちゃんとその答えを聞いてくれと言われていますから、この点については、川畑部長、ちょっと答えてください。
◎川畑 産業振興部長 山口専務様からは非常に勉強になるお話をお伺いしまして、これから商店街を支援して頑張ってねということでしたので、頑張りますとお答え申し上げましたが、具体的に、除雪機械にかかわるお話について頑張りますと申し上げた意図はないのでございます。
現在の魅力アップ事業といった枠組みでご支援できるかどうかといったところを考えますと、例えば、本郷通商店街はさまざまな助成制度を既にお使いになっておりますので、そちらとの役割分担などいろいろ整理すべき課題があると考えております。また、除雪の区域とか、どこまでを商店街の範囲とするか、あるいは、建設局でお使いの補助事業とのすみ分けと申しましょうか、さまざまな課題があるものと考えております。
◆松浦忠 委員 川畑部長、いいですか、あの事業は、何で除雪事業をやっているかといったら、建設局は反対だったのです。しかし、商店街は、買い物客のために――雪の山をつくっていて、車がちょっととまってたばこの一つも買えない、ジュースの1本も買えないということでは困るということで、あそこの商店街は、今の一方通行に変えたときに、自分たちで歩道のロードヒーティングをしているのです。電気代も払っているのです。そこで、何ぼロードヒーティングをしても、車の人が来て、ちょっととめて3分か5分の買い物をするのもできない、コンビニも寄れぬのでは困るということで、建設局に、ぜひ800メートルを委託してくれと言ったけれども、だめだと、建設局が今やっている方式を1カ所でも崩すと、そこから拡大していくからだめだと、アリの穴方式で拡大していくからだめだと言ったのですよ。そこで、商店街は、除雪の業務ではないんだ、商店街の振興、買い物に来る人のためにやるんだということで、経済局のところでぜひ取り上げてやってほしいと言うから、市長にも出席を願って、取り上げて、その結果、市長が、それであればやりなさいということになってやっている事業なのです。あれは、いわゆる買い物客を呼び込むための事業なのです。建設局の、いわゆる雪はねを一部請け負っている事業ではないのです。結果的には金は建設局が出しているけれども、そういうことで市長が認めた事業なのです。
したがって、今言っているのは、建設局が、どこかの商店街で近隣の生活道路の一部を除雪するという意味合いではないのです。買い物に来る人は高齢化していますから、来る人たちのために、そういう交差点の見づらいところの雪をちょっととったり、つるつる路面のところを……
○峯廻紀昌 委員長 松浦委員、繰り返しになっておりますので、まとめてください。
◆松浦忠 委員 (続)そういうことで、いわゆる商店街の振興対策として、タイヤショベルなどを借りている費用の一部を補助してもらえんか、これが言っている趣旨なのですよ。
今、説明したからわかったかと思うのですが、ぜひひとつ、そのことを理解したら、全部とは言わんでも、例えば、このぐらい補助するよとか、こういう答えがあったら大したいいなという話なのです。(「いや、そうはならない、それ」と呼ぶ者あり)いやいや、こっちで余り言うなや、そんなこと。
○峯廻紀昌 委員長 今のは質問ですか。
◆松浦忠 委員 (続)質問。
◎川畑 産業振興部長 繰り返しで恐縮でございますが、今、さまざまな事業を活用されて事業を展開されているという中で、どのようにすみ分けをしていくのか、可能なのか、整理をしていかなければならないと考えております。
◆松浦忠 委員 先ほどの金子委員の質問ではないけれども、3件ぐらいのことをやるああいうところに1億5,000万円も使って、そして、まだ名前を変えて存続しようなんて考えるぐらいだったら、30万円か50万円の金をここにちょっと回したらどれだけ生きた金になるか、こういうことですよ。したがって、あなた方はそういうことをきちっと考えて、何でもはやりのはんてんを着ればいいかと思ったら、違うって、それは。
そこで、市長、ぜひ、私は、商店街の補助金の関係は、連合会に加盟しようが、しまいが、ちゃんと合理的な計算方法によって、申請があれば補助すべきこと、それから、せっかく市長がやってくれた本郷通商店街の除雪、今、これが寄る年波でそういう状況になっているので機械代の一部をぜひ補助するようにしてほしい、この2点について市長にお尋ねします。
◎上田 市長 商店街が大変重要な役割を担っていることについては、多くの方が共通の認識を持っているというふうに思います。そして、各商店街が、顧客のニーズといいますか、人口減少時代に突入しておりますし、高齢化ということで大変買い物をしにくい、生活を維持するために大変だと、そういう状況に応じてそれぞれ工夫して商店街が地域の一つの核になる、そういう地域、まちづくりをすることに私たちは期待をするところであります。そのために補助金等が有効に活用されること、効果的に活用されることを理念として我々は今後の運営をしていきたい、こんなふうに思います。
今、具体的なお話がございますけれども、本郷通商店街の除雪に関連する具体的な問題につきましては、さまざまな制度を使いながら、非常に創意工夫に満ちた活動をされている事例であるというふうに思います。その事例に加えて、さらにどのような支援ができるかということについては、今後の課題ということでよく考えさせていただきたい、このように思います。
○峯廻紀昌 委員長 以上で、第1項 商工費のうち関係分の質疑を終了いたします。
次に、第2項 農政費のうち、経済局関係分の質疑を行います。
◆宮川潤 委員 それでは、農政の質問を行います。
日本の食料自給率が40%と、他の先進国では考えられない低い状況のままで、食料の大半を輸入に頼っています。世界的に干ばつや洪水など異常気象が頻繁に見られ、地球温暖化により、今後、数十年から数百年後には現在よりも異常気象がふえると考えられております。農業に影響が出れば、自国の食料供給を優先させるのは当たり前であり、食料輸入に頼る国の政策を改めさせるのが根本問題ですけれども、それぞれの地域で農業を守り発展させる取り組みが期待されております。
本市における農政の基本問題は、全国と共通しますが、農地の減少と農業の担い手不足だと考えます。私ども日本共産党は、2年前に、都市農業振興政策を発表しましたが、その中で、採算のとれる価格の実現、農地の基盤整備、販路確保など、農業生産を拡大する条件を広げる、生産者と消費者、住民との結びつきを強め、地産地消の多面的な発展を図る、都市の条件を生かした担い手確保対策を強化するなどを柱立てしました。
本市の農業就業者で65歳以上の占める割合は、2005年の48.5%から5年間で57.3%に増加し、2005年の農業センサスでは後継者がいるとした農家は27.8%しかありません。まず、本市農業における従事者の高齢化、後継者問題についての認識を伺います。
担い手確保についてですが、新たに農業を始めようと思っても、農業で生活が成り立つ見通しが立たず、二の足を踏むことが多いのではないかと思われます。農業で食べていけるようになれば状況は一変すると思いますが、実際に新規就農者が生活できるだけの収入をその年に確保するのは至難のわざであり、数年間、生活費の一部援助が行われるのであれば、新たな担い手確保に大きな道が開かれると思うのですけれどもいかがか、また、機械の購入や農業技術の研修に対する支援も必要だと思うのですけれどもいかがか、伺います。
◎三部 農政部長 まず、新規就農者への生活費の一部援助についてでございますが、本市においても、農業者の高齢化や後継者不足の問題は待ったなしの深刻な状況と認識しておりまして、地域の担い手に農地を集積していくとともに、新たな担い手を育成していくことが非常に大切なことであると考えております。
新規就農者が実際に営農を開始するに当たっては、トラクターやビニールハウスの導入などに高額な初期投資がかかるほか、安定した販売ルートの確保には一定の期間が必要でありますので、就農当初の収入を補完する何らかの支援策があることが望ましいと考えております。そうした意味で、本年度、創設されました国の青年就農給付金は大変有効なものであり、市としても積極的に活用してまいりたいと考えております。
次に、機械の購入や農業技術の研修に対する支援についてでございますが、新規就農に当たっては、ただいま申し上げた収入支援策のほかに、やはり、何よりも技術をしっかりと身につけていくことが求められますので、私どもも本年度からさっぽろ夢農業人育成支援事業というものを始めたところでございます。研修生には、指導農業者が技術的な指導を行うとともに、経済的な支援としては、市から研修奨励金を支給しているほか、視察研修や技能取得研修に要する費用についても助成を行っております。また、機械の購入など、初期の投資に必要な費用につきましては、現在、公益財団法人北海道農業公社によります無利子資金の貸し付け制度等もありますので、市が申請の窓口としてサポートしてまいります。
◆宮川潤 委員 高齢化、後継者対策は待ったなしという認識は、私も同じであります。担い手確保のための経済的支援については、今、幾つかお示しをいただきましたけれども、現在の耕作者が営農を続けていくための支援も必要であります。私は、担い手確保と農地の維持のために、都市近郊農業としての特徴を生かすことと、地域ごとの課題を具体的に明らかにすることが必要だと思います。地域ごとに作物が違いますから、課題も違って当然であります。
タマネギで言いますと、東区丘珠を中心に、白石区米里とか北区篠路まで栽培されております。北区では太平レタスがありますし、南区では果樹栽培が盛んなほかに、滝野、常盤から清田区の真栄、有明にかけてホウレンソウのポーラスター、手稲区では山口スイカ、カボチャの大浜みやこなど、作物の違いもありますし、また、農地の細分化や権利関係が複雑化しているなど、地域の課題をきめ細かく見ていく必要があると思います。
地域ごとの課題について、どのように把握して、どのように対策を立てていくおつもりか、伺います。
◎三部 農政部長 ただいまの地域ごとの課題の把握とその対策についてということでございますが、委員がご指摘のとおり、市内では地域によって営農形態が異なることや土地条件が違っていることなどから、地域ごとに営農の実情をつぶさに把握し、具体的な地域の方向性を定めていくことが重要であると認識しております。
このため、今年度から、人・農地プランの作成に取り組んでいるところでございます。これは、農地の分布状況から市内を25の地域に分けまして、地域の農業者の意向を十分に踏まえた上で、それぞれの地域の関係者で話し合いを行い、原案を作成し、市で設置する検討会で最終的にまとめるものであります。このプランによって、その地域を支える担い手を明らかにするとともに、遊休地を含めた農地の利用集積についての道筋を示すことが可能になるものと考えております。
さらに、国や道のさまざまな支援措置や、市独自の支援策である農業基盤整備事業などを活用し、総合的な対策を講じることによりまして、このプランの実効性の確保を図っていきたいと考えております。
◆宮川潤 委員 25の地域に分けてきめ細かく進めて実効性を確保するということで、ぜひ今後の取り組みを見ていきたいと思います。
地産地消の考え方の広がりとか、輸送コストが少なくて済むことなど、消費地に隣接する都市近郊農業の特徴を生かすことが大事だと思います。生産者の顔の見える販売、農産物直売所を紹介する地図の作成とか、さっぽろとれたてっこの協力店やとれたて便の拡大、学校給食や病院など公共施設での地元農産物の利用拡大、体験農園を通じた市民の農業参加や農家との交流、都市ならではの農業の発展方策が考えられます。また、農作業支援の取り組みも重要と考えます。これらにどう取り組んでいくおつもりか、伺います。
最後に、札幌市の伝統的タマネギである札幌黄が、近年、見直されております。札幌黄は、かつて札幌のタマネギ栽培の主流でありましたけれども、病気に弱い、大きさがふぞろいである、保存性がやや劣ることなど、今ではF1という品種にとってかわられました。しかし、肉厚で、火を通すと強い甘味があるなど、食味が評価されております。市民の中で札幌黄を再評価する動きがあるそうですけれども、本市としても、そのような札幌の農産物を愛する市民、消費者の動きに協力できることはすべきと思いますがいかがか、伺います。
◎三部 農政部長 地産地消を生かした都市ならではの農業の発展方策ということでございますが、札幌市は、これまで、人口190万人の大消費地を抱える都市近郊農業の利点を生かしまして、生産者と消費者との信頼関係づくりを図り、ただいま委員からもるるお話がありました地産地消の推進や、市民の農に触れ合う機会の提供など、振興施策を展開してきたところでございます。今後、これらの取り組みをさらに強化するため、さっぽろ都市農業ビジョンにおける今後の重点取り組みの柱に位置づけまして、さっぽろとれたてっこ農産物やその加工品の拡大、また、小学生の農業体験機会の拡充を目的としてサッポロさとらんどに子ども農園の整備を進めることとしております。これらによりまして、農業体験者数をこのビジョンで定めております10万人にふやすとともに、地域農産物の生産消費の一層の拡大を図ってまいりたいと考えております。
次に、札幌の農産物を愛する市民、消費者の動きに対する協力ということについてでございますが、先ほどからお話のありましたように、札幌市では、風土特性に応じた特色ある農産物が多様に生産されておりまして、それらを守り育てていくことは非常に大切なことであると考えております。札幌黄は、我が国最初のタマネギであり、これを応援する札幌黄ふぁんくらぶというものが、先日、東区を中心に発足しましたことは、地域を支えてきた農業の歴史を知り、地域の農産物を深く理解することにつながる貴重な活動であると認識しております。
本市としては、今後も、このような市民主体の活動に対しまして、農協など関係機関との調整や、必要な農業関連情報の提供に努めるとともに、食のイベント等を通じたPRや連携を進めてまいりたいと考えております。
◆宮川潤 委員 札幌黄ふぁんくらぶができたということで、私は、農地と消費地が近接している都市農業が生き残る新たな道というものを象徴的に示しているというふうに感じています。札幌黄のみならず、先ほども申し上げました太平レタス、ホウレンソウのポーラスター、山口スイカ、大浜みやこなど、一般的な野菜と差別化して一層ブランド化を進めていくことが、地産地消を進めるとともに、農家の意欲も高めて消費者と生産者の結びつきを強めるものと思います。地元農産物のブランド化を強めるという取り組みを今後一層求めて、終わります。
◆松浦忠 委員 それでは、まず一つはクマ対策、それから水利権の関係、この二つについてお尋ねします。
クマ対策については、南区とか西区の山ろく地域だけにクマが出るかと思ったら、昨今は電車に乗りたいといって出てくるということで、クマもだんだん知恵が出てきたのだなと思って感心しているところです。
そこで、まず一つは、さくは補助率を100%にしてあげてほしいなと、これはいかがですかという質問です。
それから、二つ目は、ことしの春か去年の秋か、斜里かどこかあちらの方で、山ろくの畑作農家が、シカが来て困るということで、牧さくの業者と共同で、シカの嫌がる音を出して、音によってシカの侵入を防ぐような実験を行い、何か効果があるというふうなことが言われておりました。私は、クマだって、やっぱり嫌な音があるのではないかなと思うのです。
だれかがそんな実験したという話はまだ聞いていないのですが、知床の方でその実験をした業者は、たしか札幌市内の業者だと思います。そこで、クマが音によって嫌がるかどうか、聞いたって答えてくれないから実験以外にありませんので、その業者に実験をしてもらうようにひとつ取り組んでみていただきたいのですが、いかがでしょうか。
次に、水利権の関係です。
水田農家が、田んぼに水を入れる用水路、それから排水路とありますが、水を引く場合には水利権というのがあります。今、市内で田んぼつくっているところはごくわずかになりました。特に、白石では、過去に川下で1軒、水利権は返上していたのですが、用水路で、明治時代に36軒の方が共同で土地を出し合って共有名義にして残っていたのですが、みんな水田をやめてしまったのです。そこで、その土地を、たまたま古い人が、つくった当時の和紙とじの、例えば、スコップ10丁を共同で買ったとか、お酒を2升買ったとか、そんなノートを私に渡して、済まんけど、金はないから、だれか知り合いに頼んで測量して、これを、それぞれの地先のところに、36軒に登記変更してくれんかと。共用になっていますから、それを真ん中で分筆してそれぞれの地先に登記してくれんかということでした。そして、たまたまある方にお願いして、ボランティアで、3カ月ぐらいかかって、土・日など、あるいは、夏でしたから、朝晩、早く来てもらってやった事例が1件あります。
ただ、南の方に行くと、結構、水利権がまだ残っているのですね。大体、昔は土地改良区などが水利権を持っていたのですが、今は、それはありません。見たら、今は農協が持っているのですね。その水利権について、もう水田をしないということであれば、私はやっぱり整理した方がいいと思うのです。それらについて、土地所有者の方から何か話があったかどうか。
それから、もう一つは、用水路、排水路は共有名義にしてやっているところが多いのですが、そういう土地が残っていて、他に転用するときに、あちらこちらでそれがそのまま残って整理がついていないところが市内に多くあります。私は、今から20年ぐらい前に、そういうところもちゃんと地積更正の測量をかけてその中で用水路、排水路の整理をきちっとすべきでないかと、地積更生が始まった昭和63年のときに言ったのですが、まだまだ市街地の中がということでそのまま置かれております。
しかし、私は、折を見て、そんなにあっちもこっちも全部ではないですから、市街地の中にはそういうものがなくて、あるところは調整区域の中だけに限られていますから、したがって、そういうことについて、農政部で、地図整備をやっている管理測量課だとか、あるいは、道路認定のときに測量する道路認定課だとか、こういうところと相談をしながら、例えば、測量のときに、もう50メートルぐらい向こうまで、ある一定の面積をやったらそういうものが整理できるというようなところがあったとすれば、やっぱり相談してその費用の中でやってもらうと。私はこういうことに取り組むべきだと思うのですけれども、今までそういうことについてどう対応されてきたか、以上の点であります。
◎三部 農政部長 まずは、ヒグマに対する電気さくとか、そういうものの補助率を100%にしてはどうかということでございます。
ヒグマによる農業被害を防ぐ対策としては、札幌市では、札幌市農業基盤整備事業という補助制度によって支援をしてきております。電気さくを設置する有害鳥獣対策事業ということで、今年度、要綱改正をいたしまして、補助対象区域の拡大及び補助率を50%から80%に引き上げたところでございます。これによって多くの方々に利用していただいておりまして、大変好評をいただいております。そんなことで、今、80%にしたところでございますので、当面の間はこれで補助事業を進めてまいりたいというふうに考えております。
それから、シカの嫌がる音をクマに応用できないかということです。
ヒグマについても大変困った問題になっておりますが、シカの場合、LEDを使ってランダムに発光させながら、音も不定期に鳴らすような対策が出たということで、私どもも、早速、弟子屈とか奈井江だとか、いろいろなところで情報を集めております。その中では、当初、やったときには効果があるけれども、音とか光というのはなかなか効果が長続きしないと。これは、カラスでもキツネでも、皆、同じなのですが、やはり動物にも学習効果というのがありまして、なかなか難しいというような情報も聞いてはおります。ただ、委員がご指摘のとおり、それが、今後、ヒグマに対する同様の装置として開発されるかどうかということもありますので、その辺は注視しながら、メーカー、専門家、そして他の地域の情報収集にも努めてまいりたいと考えております。
それから、水利権についてでございます。
農業水利権と申しますのは、河川から取水する権利を取得するに当たって、利用者が河川管理者に対して水利権の申請をするということでございまして、用水路については、取水して農業生産に利用しているところはそのままその利用者の適正な管理をお願いしていただいておりますし、利用の必要性がなくなったものについては、原則としてその権利者が埋め戻す必要があります。
しかしながら、先ほども申し上げましたように、利用されていない用水路が管理もされず残っていることも事実であります。これは、用水路の権利を持つ方の問題ではありますが、私どもといたしましても、委員が言われたお話も含めて、庁内の関係部局と情報交換をしながら必要に応じて対応を検討していきたいと考えております。
次に、水利権の整理についての話があったかということでございます。
水利権につきましては、二つの問題があって、一つは使われなくなった用水の問題と、もう一つは今現在、使っているのだけれども、管理をしていくのが大変だという二つの問題です。現在、使っているところにおきましては、今、耕作者が減ってきております。当初は10人で管理するといって用水の権利を申請していたのが、1戸減り、2戸減りして、今現在、1戸とか2戸というふうになっている場合もあります。そうした方々は、当面、2戸なら2戸、1戸なら1戸で管理せざるを得ない状況にありまして、風水害により自然水などが入ってきたりしたときに、あふれて問題が生じることがあります。そういったときに何とかしてくれないかというような声が実際に聞こえておりますが、基本的には皆さんの責任の範囲でやっていただくということになります。ただ、現在使っているものについては、農用地区域の中であれば、農業基盤整備事業なんかで、一部、応援していくことも可能です。
しかし、使われなくなったところにつきましては、用地の管理利用者が整理をするのが原則でございますので、それについては、皆さんから特に何とかしてほしいといった声は聞かれておりません。
◆松浦忠 委員 それでは、市長にお尋ねします。
実は、クマの侵入防止さくはそんなに古い話ではないのです。クマが出始めたのは本当に数年前からで、南区を中心に果樹園だとか何かが荒らされました。リンゴの木なんかも、リンゴだけをとって食べてくれるのならいいけれども、枝にぶら下がって折ってしまって木をだめにしてしまう。そういうことで、前に市長にも補助金をぜひあげてほしいという要請をしました。これは、最初に堀川議員がこの問題の相談を受けて、当時の担当課長などと随分話し合いをして補助金制度を創設していったということは、私も同じ会派を組んでおりましたからその状況を知っております。
やっぱり、今、果樹園をやっている方も経営的にはなかなか厳しい状況にありますから、そういうことからいって、札幌市の農政としてできるだけ早期に100%に上げてやってほしいなと思うのです。何も、お金があるのに農家に力をかしてあげてちょうだいとは私は言いませんよ。私も百姓の出身ですから、百姓の生活、農家の生活がどういうものかというのはよくわかっております。したがって、そういうことからいったら、私は、ぜひ100%にしてあげてほしいなということを市長に強く求めたいのです。
それからもう一つは、かって、私は、平成3年に、ちょうど私が3回目の選挙で落選したときでしたけれども、札幌市がしばらくぶりに農業振興法の適用見直しをしたのです。そのときに、東米里では、ずっと農業振興法の適用地域でしたが、東米里の開拓者が年をとって、実際は違法行為とわかっていながら建設資材置き場に貸していたのです。そこが、ある日、突然に農業振興法の適用地域を外されました。そして、今度は有明に持ってくる、こうなったのです。そういう中で、私の知り合いの兄貴が、実は有明で長く百姓をやっていたけれども、70歳を過ぎて失明して、そして、いわゆる農地から雑種地に転換して資材置き場で何とか生計を立てていきたいと言っていたやさきに、今度は、国の方針による一定面積の確保で東米里の代替で有明に行ったと。説明会ではその人は反対したけれども、多勢に無勢で聞き入れてもらえませんでした。
そのときに市の担当者からどういう話をされたかといったら、食べられないんだったら畑を売りなさい、売って金がなくなったら生活保護という制度があります、こう言われたというのです。私はその弟さんから相談に乗ってくれと言われて、相談に乗ったらそういう話を聞きました。私は、非常に情けないというか、悲しいというか、開墾から始まった百姓が、そして、親子2代か3代続けてやってきて、これでしか飯を食えん、今さら年で働きにも出られんし、農産物をつくってもだめだから、一つ雑種地に転向して資材置き場にでもして借りてもらおう、こういって農業委員会にも相談したやさきにそうなってしまったと。そのとき、結果的にどうしたかといったら、私が市側といろいろ話をしてそれはないよと言って、じゃあ5年後に見直しをしますとなって、有明の一定の区域だけを外して、農地転換もしてもらって、そして、以降、その人は建設資材置き場としての賃料でもって夫婦2人で生計を立てていったのです。
私は、今、ここで何でそんな話をしたかといったら、多くの農家をやっている皆さんは、果樹栽培にしても畑作にしても、まだ体力があって頑張れている人はいいのです。ところが、体力がなくなって、なかなか生計を立てるほど作物をつくれないという方がかなり出てきております。こういう農地について、例えば、300坪なら300坪、1反なら1反、あるいは1反半を単位にして、定年退職した人がそこを借りて家を建てるとか、市の方でそこへ市営住宅を建てるとか、あるいは、その土地を借り上げて借りたいという人に貸して、その賃料で農家を長年やってきた人が夫婦ともに別な新しい世界へ迎えるまで生計を立てていける、私はぜひそういう政策を考えていただきたいと思います。
これは、私は百姓のせがれとして育って、そして私のおいっ子も百姓をやっていますけれども、我がふるさと江部乙に帰ったら、周りの人たちはほとんどみんないなくなっています。生活保護をもらっている方も結構いらっしゃいます。このお盆にも帰ってそういう実態を見てきて、まずは、札幌市内で、自分がこうやって仕事のできる範囲の幸いにして札幌市は大都市でいろいろな方がいらっしゃいますから、したがって、そういうことをやっていただけないだろうかと。試験的にでもいいですから、ぜひひとつ、本当に何戸でもいいですから、来年度にそういうことを試験的にやっていただきたいということを市長に求めたいのですけれども、この2点についていかがでしょうか。
◎上田 市長 クマ対策の補助について100%にという話でありますが、一つは、農地を保全する、作物を守るためにというのは、農業振興という公益的な側面がございますので、それに対して支援していくという意味合いで補助金を出すことは意味があるというふうに思います。ただ、所有者がみずからの生計を立てるための道具としての土地でございますので、今、いろいろな皆様方のご意見をいただきながらそこら辺の折り合いをつけて80%と決めさせていただきましたので、これからの動向やその成果といったものをいましばらく見ていただきたい、このように思います。
それから、農振法の適用の問題につきましては、農業委員会において、農地の現状、それから、まち全体、札幌市全体における農地の配置といったものを総合的に考えてやっていることだと考えております。その例外的な方法として、農地を農地として使用すること、例えば家庭菜園のようなことで貸し出しすることはできないかというふうなお話でございますが、何年か前に委員からもそういうご提案があったことは記憶しておりますけれども、これはもう少し検討させていただきたいと思います。多分、5〜6年前のご提案だったというふうに思いますが、担当部局でも検討していると思いますので、もう少し時間をいただきたいと思います。
◆松浦忠 委員 ことし補助率を80%に引き上げたということですが、農家の所得、生計費を含めた経営状態などを実態調査した上で、ぜひひとつ対応してあげていただきたいと思います。
それから、今、私が申し上げたのは、農振法の適用地域ではなくて、そうでないところが結構あるのですよ。そういうところでぜひ試験的にやってみていただきたいなと。あれは、ことしもありましたが、由仁か栗山かどこかでやっていますよね。
僕は、札幌の場合は、大都市なので、調整区域で山のふもとだと言っても、近いところは、中ノ沢なんかは堤防通を通ったらまちまで30分で出てくるのです。非常に利便性もいいですから、私は、そういうことをやれば、意外と人気があって利用してくれるのではないかなと思っているのです。そういう意味で、ぜひひとつ、農振法の規制のかかったところではないところで、テストケースでそういうことをまずはやってみていただきたい。
そして、札幌市域内に住み、農業でずっと生活してきた、親子2代、3代で来た人たちが――私は、今、どこかで職についている子どもが定年で帰ってきて、またそこでなんてということは言っていません。そうやって農業でやってきた人が、その地で最期まで暮らして、夫婦ともに旅立っていける、そういう最低限の生活ができる方法をひとつ手助けしてあげていただきたいということの要請なのです。
ぜひひとつ、ご検討いただきたいということを求めて、終わります。
◆植松ひろこ 委員 食の安全・安心の確保の観点からも、地産地消の推進は重要であると考えております。札幌市では、さっぽろとれたてっこを推進し、私もその普及について大いに関心を持っています。しかし、全国的な課題でもありますが、札幌市においても、農地の減少、農家の後継者難など、困難な場面を迎えています。
札幌市が昨年まとめた農地所有者に対する農地利用のアンケート調査によりますと、借りたい農地面積83.6ヘクタールに対し、貸したい農地面積は38.3ヘクタールと半数以下、また、売りたい農地面積が52.3ヘクタールに対し、買いたい農地面積は9.1ヘクタールとなっており、農地の受け手と出し手のミスマッチが生じていることが明らかになっております。さらに、地域ごとの出し手、受け手のアンバランスも考えられます。
そこで、札幌市において、農地の貸し借りを行う中間的団体である農地利用集積円滑化団体が設置されていますが、具体的にどのような取り組みを行い、これまでどのような実績を上げてきているのか、お伺いします。
また、農地の遊休化を防止し、その活用を進める方策として、専業的な営業を行うほか、市民が実際に農業体験をする場にするような道もあると思います。このような趣旨も含め、札幌市では、本年度から南区豊滝地区で市民参加型さっぽろ元気ファームモデル事業という新たな取り組みを始めています。
そこで、この元気ファームモデル事業では、どのようなことが行われ、どのような成果が出ているのか、あわせてお伺いします。
◎三部 農政部長 ただいまの農地利用集積円滑化団体の取り組み内容についてでございますけれども、平成23年度から、農地利用集積円滑化団体は、農地所有者から白紙の委任を受けまして、その者を代理し、そして担い手に貸しつけるということで、農地の面的な集積を図る農地所有者代理事業というものを行っております。平成24年10月までに3件、約7ヘクタールの農地につきまして利用権の設定による賃貸借が成立し、農地を集約するとともに遊休化を防ぐことができました。現在も委任を受けている農地が2件ありまして、現在、貸し付けに向けた手続を進めているところでございます。
次に、元気ファームモデル事業の活動内容と成果についてでございますが、今年度からの新規事業といたしまして、南区豊滝の果樹園の一画にあります水田の一部、約2アールを市民参加型さっぽろ元気ファームとしております。元気ファームは、企業による運営資金の提供を受け、NPOによる農業応援団の運営によるもので、6月には、親子13組、42人の参加を得て田植えを行い、7月には草取り、9月には稲刈りの体験を実施いたしました。このことによりまして、農業者の高齢化により農作業が行われなくなる可能性のあった水田を、市民の力をかりて耕作を続けることが可能になったところでございます。
◆植松ひろこ 委員 まだ3件、7ヘクタールという少ない数ではございますが、少しずつ実績が上がっているということは、大変評価できるものと考えております。また、豊滝におきまして、札幌で少なくなった水田の体験ができることは貴重な機会であり、さらに利用者のふえることが望まれますので、この点の努力についてもお願いいたします。
この元気ファームがある豊滝を含め、簾舞から八剣山、小金湯にかけてのエリアは、果樹園などが集中しており、また、乗馬などのアクティビティーをできる施設もあり、地元ではレンタサイクルで周遊する企画が実施されるなど、注目すべきエリアと考えます。
そこで、市民が農業にかかわり、楽しめる場となる観光農園などがこのように集中していることは珍しく、今後、市の財産になるのではないかと考えておりますが、本市ではどのような認識を持っているのか、お伺いします。
◎三部 農政部長 観光農園などが集中しておりますエリアの認識についてでございます。
委員がご指摘のとおり、南区エリアは、リンゴ、サクランボなど多くの種類の果物を収穫体験できる観光農園が多数ありまして、最近では、ブドウの栽培からワインづくりを行うといった農産物に付加価値をつける6次産業化の取り組みも行われております。私どもといたしましても、このエリアは、豊かな農業景観を有する大規模な緑地空間として、本市の貴重な財産であると同時に、地域農業の活性化や、余暇活動を通して市民の農業理解を深める魅力あるエリアとして注目しております。今後、フォーラムなどを開催いたしまして市民意見を取り入れながら、グリーンツーリズム的な展開など、新たな可能性を検討してまいりたいと考えております。
◆植松ひろこ 委員 新たな農地の流動化や市民とのかかわりで農業、農地を守っていく取り組みが進んできているとのことでしたが、同時に、担い手をどう育成するかという観点が重要です。
昨年の第1回定例市議会代表質問で、我が会派より担い手対策について質問をしましたが、これに対し、実効性ある施策を盛り込んだアクションプランをまとめていくことが明らかにされ、ことし3月にさっぽろ都市農業ビジョンの今後の重点的な取組というプランを作成しています。この中で、農地の保全や担い手の育成、支援などが重点施策に位置づけられていることは評価いたしますが、実際に施策を進めるに当たっては、いろいろな課題も出てきて、相互にかかわる施策を総合的に展開していくことが重要と考えます。
この場合、札幌市農業協同組合、農業委員会など、さまざまな主体があると思いますが、どこがイニシアチブをとり、どのように推進していこうとしているのか、お伺いします。
◎三部 農政部長 農業施策を総合的に展開するための主体と推進方法でございます。
中核的な担い手への支援や新しい農業者の育成、農地の保全や経営の安定化を図っていくためには、札幌市を初め、札幌市農業協同組合、同じく札幌市の農業委員会、そして石狩農業改良普及センターなど、関係機関が一層連携していくことが必要だと思っております。このため、平成23年5月に、これらの関係機関をメンバーとして、札幌市農業再生協議会が設置され、その中には、担い手の育成を支援する部会、あるいは、農地の利用集積を促進するための部会など、テーマごとに四つの専門部会が設置されているところです。この専門部会におきましては、関係機関の持つ情報や専門的な知識を持ち寄りまして、幅広く実効性の高い施策の検討を進めているところであります。
今後も、それぞれの機関が連携を強化し、情報の共有を図りながら、重点的な取り組みである担い手の育成や農地の保全、流動化、そして経営の安定対策といったことを着実に進めてまいりたいと考えております。
◆植松ひろこ 委員 南区の観光農園などが集中する地域に対する取り組みは、どんどん前に進めていただきたいと思います。
また、農業の振興については、農業関連のさまざまな法律、地域の特性の違い、関係団体の考え方などがさまざまに絡み合い、難しい面もあるかとは思いますが、まずは、関係団体が同じ方向を向き、力を合わせていくことが大切であると考えますので、この点で札幌市がしっかりとリーダーシップを発揮していただきたいと思います。同時に、酪農を希望する市民などを巻き込んで、幅広く議論し、農や食の理解を広げていく取り組みも欠かせないと思います。
札幌の特産野菜をアピールするさっぽろとれたてっこについては、市内では食、農関係のイベントが多く開催されていることから、その中でブースを設けるなど、市民とともに歩む農業の観点も重要と考えますので、この点を留意していただくことを求めまして、私の質問を終わります。
○峯廻紀昌 委員長 以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。
最後に、議案第3号 平成23年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件について質疑を行います。
◆植松ひろこ 委員 中央卸売市場における環境保全に対する取り組みについてお伺いします。
環境首都・札幌を宣言しているように、札幌市は、常に環境負荷軽減に向けた取り組みを重要視してまいりました。また、中央卸売市場も、これまで、構内運搬車両の燃料の天然ガス化など、環境保全に関するさまざまな取り組みをしてきました。中央卸売市場経営改革プランの基本目標の一つに環境に優しい市場づくりが掲げられていますが、この基本目標の実現に向け、来年3月の稼働を目指し、市場内で発生する生ごみなどを飼料化する資源リサイクル施設の整備を進めていることと思います。
そこでまず、資源リサイクル施設整備の進捗状況についてお伺いします。
また、我が会派より、経済委員会内で、資源リサイクル施設における生ごみの再資源化に関する取り組みについては、市民の方、特に子どもたちに対し、環境教育の一環としてアピールするよう要望いたしましたが、この点についてどのようにお考えか、あわせてお伺いします。
◎元木 中央卸売市場長 1点目の資源リサイクル施設整備の進捗状況についてでございます。
現在、リサイクル設備機器を設置するための既存の廃棄物集積所の増築工事を行ってございます。現在、全体工程の3割程度の進捗でございます。
なお、建屋の完成は、平成25年2月末を予定しております。
また、これに並行いたしましてリサイクル設備機器の製造を行ってございまして、製造した各設備機器は、今後、先ほど申しました建屋の建設状況に応じて、順次、据えつけを行い、平成25年3月中旬に終了する予定でございます。
2点目の資源リサイクル施設での取り組みに関する市民等へのアピールについてでございます。
まずは、当市場のホームページやパンフレット等の媒体を通じまして、フードリサイクルの取り組みを広く周知いたしたい、そのように考えてございます。また、施設の内部には、生ごみを乾燥して飼料化するまでの工程を上から見学することができる見学者通路を設置することとしております。これによりまして、フードリサイクルの工程をより身近に感じていただき、資源の循環や環境保全を通じて、物を大切にすることを考えるよい機会になるものと考えてございます。
◆植松ひろこ 委員 見学ができるようにあらかじめ施設を考えたことに関しては、評価するところであります。来年3月の稼働に向けて、引き続き資源リサイクル施設の整備を進めてもらいたいと思います。
次に、経営改革プランの基本目標の一つである災害に強い市場づくりの一環として導入を行う地下水活用システムについては、先ほど質問した資源リサイクル施設とあわせ、現在、整備を進めていることと思います。
そこで、このシステムによりくみ上げた地下水の具体的な活用方法についてお伺いします。
また、さきの東日本大震災において、水道の途絶により、多くの住民が水道を利用することができず、給水に長蛇の列をつくっていたことから、中央卸売市場に地下水活用システムを導入した際には、一度に多くの住民が円滑な給水を受けることができる工夫をするよう経済委員会内で要望いたしましたが、この点についてどのようにお考えか、お伺いします。
◎元木 中央卸売市場長 ただいまの地下水活用システムの具体的な利用方法及び円滑な給水を受けることのできる工夫についてということでございます。
まず、具体的な利用方法といたしましては、資源リサイクル施設で生ごみの加熱乾燥に用いる水蒸気として活用いたしますほか、市場水産棟の床洗浄などにも活用いたします。また、災害等によりまして水道が途絶した場合には、最低限の業務用水を確保するほか、ただいま委員がお話しのとおり、周辺地域住民への給水にも活用いたします。この地域住民への給水に当たりましては、一度に多くの住民が円滑に給水を受けることができるよう、出水口にアタッチメント方式にて多数の蛇口を設置できる設備とするところでございます。
◆植松ひろこ 委員 今回、整備する資源リサイクル施設は、環境首都・札幌を宣言している札幌市にとって、資源をむだなく使い、ごみの少ない循環型のまちをつくるという理念に合致する取り組みであり、その効果についても期待するところです。
環境保全の取り組みとして、もう一つの大事な取り組みである省エネ対策についてお伺いします。
市場は、冷蔵・冷凍施設が24時間稼働し、深夜から早朝にかけ、売り場や荷さばき場などの照明を多数使うことから、電力を大量に消費する業務施設であるとお伺いしております。このような特性を持つ施設でもあり、今、地球温暖化問題が深刻化している中、農林水産省からも、中央卸売市場においては、温室効果ガスの削減に向けた数値目標を策定し、計画的に取り組むことと示されています。
聞くところによりますと、札幌市中央卸売市場では、東日本大震災の発生以前から自主的に省エネの取り組みを行っており、またさらに、震災後は、活性化ビジョン、経営改革プランのいずれにおいても、環境に優しい市場づくりが市場全体を挙げて取り組むべき課題と位置づけ、ごみの減量やLED照明の導入による電気使用量の大幅な削減などを取り組み事業として挙げています。
ことしの夏は、道内電力需給の逼迫が懸念されたことから、札幌市においても節電対策連絡会議が開催されるなど、全庁を挙げて節電への取り組みを行ってきました。また、北海道電力による計画停電が実施されることとなり、事業者を初め、一般家庭を巻き込み、7%以上の節電やピークカット要請が行われたところです。
そこで、市場におけるこれまでの節電状況と、ことしの夏の計画停電期間中における北電からのピークカット要請に対する対応実績について、お伺いします。
また、卸売市場は、卸売会社、仲卸、小売組合など数多くの関連事業者が入居して利用する施設であることから、市場全体の節電成果を上げるためには、市場関係者と札幌市がしっかり連携するなど、実効性のある取り組みが重要と考えますが、どのように節電活動を進めているのか、あわせてお伺いします。
◎元木 中央卸売市場長 1点目のこれまでの節電状況とピークカット要請への対応実績ということでございます。
まず、節電状況につきましては、平成23年度の1年間は、平成22年度と比較いたしまして、使用量で約35万6,000キロワットアワーの削減、率にして4.6%の削減となってございます。また、今年度の状況といたしまして、9月までの半期では、平成22年度の同期と比べまして、使用量で29万8,000キロワットアワーの削減、率といたしまして7.5%、このようになってございます。
次に、ピークカット要請に対する対応実績についてでございますが、まず、対応につきましては、市場内の送排風機などの各種機械設備の稼働時間とか売り場照明の点灯時間の調整等によりまして、平成22年度の最大需要電力と比較いたしまして、本年の7月から9月の3カ月間はいずれも20%を超える削減率となってございます。
2点目の市場全体としての節電活動の進め方についてでございます。
活性化ビジョンに掲げております環境に優しい市場づくりを推進するために、市場を構成いたしますすべての団体等から選出された委員による環境委員会を設置しておりまして、この委員会が中心となって市場全体の節電活動に取り組んでいるところでございます。また、市場関係者一人一人が節電への意識を一層高めるよう、場内の掲示版やホームページを活用いたしまして、取り組み結果の見える化も図ってございます。今後とも、これらの活動を着実に進めてまいりたい、そのように考えてございます。
◆植松ひろこ 委員 市場全体での節電の取り組みを行ってきたことが下地となり、ピークカットで求められた削減率を非常に大きく上回る実績を上げられたということでした。
私は、先月30日に中央卸売市場で開催された消費拡大フェアを訪問いたしました。3万人を超える方が来場されたとのことで、場内は大変な盛況ぶりでした。野菜、果物の模擬競りやマグロの解体ショーなど、市場ならではの催し物に幾重もの人だかりができておりました。私も楽しませていただいたところですが、通常の市場見学だけでなく、このように市民が数多く集まる機会に、市場が進めている環境に優しい市場づくりの取り組みをしっかりアピールしていただくこと、また、農政部でも要望いたしましたけれども、関係が深いと思いますので、とれたてっこのPRをするコーナーをぜひ設置するように検討していただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆丸山秀樹 委員 最後の質問者となりましたので、なるべく気分よくお帰りいただくように、評価と期待を込めて質問させていただきます。
私からは、市場の取り扱いと市場の活性化に向けた取り組みについて質問させていただきます。
平成23年度における市場の取扱量は41万9,800トン、取扱高は1,611億5,000万円と、いずれも平成22年度とほぼ同水準になっております。取扱金額だけで言いますと7,500万円ほど上回っているということで、近年、減少傾向にあった市場取り扱いに関して、平成22年度を境に状況が変化したように見受けられます。
昨年度は、3月11日に発生した東日本大震災、これに伴う福島第一原子力発電所の事故や、ことしの春先の本州方面における天候不順など、生鮮食料品を扱っている市場にとっては、決して恵まれた状況ではありませんでした。資料も取り寄せましたけれども、全国の主要な中央卸売市場、東京、大阪、名古屋、神戸等々のほとんどの市場が前年比を割り込んでいる中にあって、札幌の卸売市場は前年並みの取り扱いを維持できたということは、市場関係者の皆さんの努力があってのことと推察いたします。
さて、ことしはといいますと、記録的な猛暑の影響によりまして、人工衛星などを使って観測が始まった1985年以来、北海道周辺の海域の平均海面水温が過去最高を記録したということで、水産物におけるサンマやアキサケを初めとした秋の魚の漁獲にも影響が出ていることに加え、青果物におきましては、去る8月に発生したO−157の食中毒事故により、漬物用野菜の消費が低迷していると聞いております。
そこで、質問いたしますが、平成23年度の決算を見る限り、市場における取扱量及び取扱高が底を打ったようにも見受けられますけれども、開設者はこれをどのようにとらえているのか、また、平成24年度の決算見込みはどうなると考えているのか、あわせてお伺いいたします。
◎元木 中央卸売市場長 1点目の平成23年度における取扱量及び取扱高についてでございます。
委員がお話しのとおり、市場の取り扱いは、ここ10年ほどで急激に減少しておりましたが、昨年は、東日本大震災など数々の悪条件にもかかわらず、取扱量、取扱高ともに対前年度を確保できたところでございます。これは、震災に伴う入荷減に対しまして速やかに産地の切りかえを行ったことや、中央拠点市場として道産品を本州方面へ積極的に販売したことなどによりまして、まだまだ厳しい状況ではございますけれども、取り扱いの減少傾向に一定の歯どめがかかったものと考えてございます。
2点目の平成24年度の決算見込みについてでございます。
4月から9月までの上半期につきましては、これも委員のお話にございましたとおり、海水温の上昇、また、O−157による食中毒事故の影響等がございましたけれども、被災地からの入荷が徐々に回復しつつあることもございまして、市場全体では前年度実績を若干上回る状況で推移しております。
さらに、今後の見込みについてでございますが、水産物につきましては、ここに来て海水温が低下したことに伴いまして、アキサケやスルメイカが昨年を上回る状態で入荷してございます。また、青果物につきましては、道産のタマネギやジャガイモが豊作であることから、前年度実績を若干上回るとともに、最終的には予算を確保できるものではないかと考えてございます。
◆丸山秀樹 委員 ただいまのご答弁におきまして、産地の切りかえなど集荷に係る適切な対応や、道産生鮮食料品の市域外、開設区域外への販売などを行った結果、取り扱いの減少に歯どめがかかったとのご説明がございました。平成24年度におきましても、また4月から9月でも上回っていくだろうということでございました。
道産品の市域外販売につきましては、昨年策定した活性化ビジョンで掲げられている中央拠点市場に向けた取り組みであり、その成果があらわれてきているものだと察するところでございます。この市場外への転送、また域外への販売のウエートは、今後も高くなっていくものと私も思っております。
理由は二つほどあるのではないかと思いますが、特に、東日本、東北など産地としてまだしっかりとした基盤ができていない、復興が進んでいないところがあることを考えると、今後、そうした東日本、東北への転送も当然しばらくは続いていくでしょうから、北海道の生産物に対する流通拠点、中央拠点市場としての役割がかなりあるだろうということが1点です。それから、8月20日ですが、道内卸売市場の災害対応ネットワークの発足式が行われたと思います。道内の13市場が締結したということで、道内の地方卸売市場とのネットワークの締結によって他市場への転送も拡大するのではないかという期待も私は持っているところでございます。
その一方で、市場を取り巻く環境はいまだに厳しい状況もございますので、今後も活性化ビジョンの取り組みを精力的に推し進めていかなければならないとも考えます。市場の活性化と市場機能に対する市民理解という点においては、昨年、第3回定例市議会の
決算特別委員会において、活性化ビジョンに掲げられている食育の取り組みのうち、調理実習室の有効活用と、市場見学ルートの見直しや展示室の充実についても質問させていただきました。これに対しまして、理事者からは、栄養科等を持つ市内の大学に調理実習室をサテライト教室として活用していただくとか、円山動物園での施設デザイン研究などで実績がある札幌市立大学の協力を得て見学ルートの見直しを行うという答弁もございました。このような取り組みは、食育や消費拡大を喚起する面からも効果があり、市場の取り扱いの増加においても欠かせないものだと認識しております。
そこで、質問ですけれども、食育に関する取り組みの一環である調理実習室のサテライト教室や見学ルート等の見直しがどうなっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
これに加えまして、活性化ビジョンの目標を達成するためには、今後も、市域外への販売促進のみならず、市域内の消費拡大も非常に重要な点であろうと思われます。多様なニーズに対応できる品ぞろえと対面販売での高い情報提供力をあわせ持つ専門小売店へのサポートも極めて重要であると考えます。
そこで、質問ですけれども、市場の活性化に向けた取り組みとして、専門小売店に対する支援をどのようにされるのか、また、今後どのように取り組もうとしているのか、お伺いいたします。
◎元木 中央卸売市場長 1点目の食育に関する取り組みについてでございます。
本年8月に、藤女子大学の学生90名に参加していただき、当市場の調理実習室におきましてサテライト教室を実施いたしました。この際、市場の新鮮な食材を使用したこともございまして、学生の評判もよく、大学側では来年度以降も継続していきたいとの申し出を受けております。
次に、市場見学ルート等の見直しについてでございますが、展示物のリニューアル、また、場内案内表示の改良等につきまして、今、市立大学の方へ調査研究を委託してございます。これらの結果を見て、可能な限り来年度の予算に盛り込んでまいりたい、そのように考えてございます。
2点目の専門小売店への支援についてでございます。
今年度、市場のホームページやNTTのiタウンページ上に専門小売店を紹介いたしましたマップを掲載しております。また、このほか、昨年に引き続きまして、ぎょれんと連携いたしまして、11月から道産鮮魚の販売促進キャンペーンを展開する予定でございます。特に、水産の小売組合におきましては、飲料メーカーとタイアップいたしました魚食普及活動とか、鮮魚介類などを抽せんでお客様に提供する販売促進事業を展開しておりまして、これらの取り組みに対しまして、私どもの戦略的経営支援事業補助金により支援させていただいているところでございます。
現在、市場内関係団体が、ポイントカードやサービス券の発行事業など、専門小売店の販売力強化に向けた取り組みを検討しておりまして、今後も、これらの取り組みに対しまして積極的に支援してまいりたい、そのように考えてございます。
◆丸山秀樹 委員 最後に、2点要望させていただきます。
先ほどのサテライト事業は、もう既にご計画いただいていることと思いますけれども、これをぜひレシピなどに有効活用していただいてはどうかと思います。これがまた、市場のPRに欠かせない情報提供になるのではないかと思われます。
また、先ほどのお話の中にございました戦略的経営支援事業ということで、やはり異業種とのタイアップ事業が随分あるのだろうと思います。例えば、NTTのiタウンページという話がございましたが、市場では目ききの達人という事業もやっていましたし、店ならではのサービスを情報発信するという事業もやっていたと思います。そうしたこととうまくリンクさせていくことも非常に大事でしょうし、また、飲料メーカーとタイアップした自動販売機もあるように伺っております。自動販売機にお金を入れて魚が出てくるわけではないのですが、魚のPRができる自動販売機を事業協同組合が進めていることも伺っております。こうした異業種とのタイアップ事業も、今後、市場が活性化していく上では大事な役割を果たすのではないかと思います。こうした取り組みをいろいろ模索していただきながら、広げられる手をしっかり広げていただいて事業展開を図っていただくことを申し上げて、私の質問を終わります。
○峯廻紀昌 委員長 以上で、中央卸売市場事業会計の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、次週、29日月曜日午後1時から、観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後7時51分...