札幌市議会 > 2012-10-12 >
平成24年第一部決算特別委員会−10月12日-03号
平成24年第二部決算特別委員会−10月12日-03号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2012-10-12
    平成24年第二部決算特別委員会−10月12日-03号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成24年第二部決算特別委員会−10月12日-03号平成24年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第3号)               平成24年(2012年)10月12日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  峯 廻 紀 昌      副委員長   佐々木 みつこ     委   員  武 市 憲 一      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美     委   員  長 内 直 也      委   員  細 川 正 人     委   員  小須田 悟 士      委   員  こじま ゆ み     委   員  北 村 光一郎      委   員  小 竹 知 子     委   員  伊与部 年 男      委   員  猪 熊 輝 夫     委   員  福 士   勝      委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  大 嶋   薫      委   員  恩 村 一 郎     委   員  林家とんでん平      委   員  長谷川   衛     委   員  小 川 直 人      委   員  林   清 治     委   員  植 松 ひろこ      委   員  本 郷 俊 史     委   員  三 浦 英 三      委   員  谷 沢 俊 一     委   員  國 安 政 典      委   員  丸 山 秀 樹
        委   員  宮 川   潤      委   員  小 形 香 織     委   員  伊 藤 牧 子      委   員  松 浦   忠     委   員  堀 川 素 人       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○峯廻紀昌 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、金子委員からは、堀川委員と交代する旨、届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第2号 平成23年度札幌市病院事業会計決算認定の件中病院局関係分について質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私から、不妊治療の男性専門外来の開設についてと、認定看護師、サーティファイド・ナースについて、2点質問させていただきます。  まず最初に、不妊治療の男性専門外来の開設について質問いたします。  不妊の夫婦は、最近、増加傾向にあり、現在、日本では10組に1組が不妊であると言われており、その数は100万人にも上ります。また、女性だけでなく、男性が原因の不妊も50%近くあると言われ、実際に女性からの相談の中で比率が上がってきているのが男性が原因の不妊治療についてであります。さらに、この男性不妊の割合は年々増加の傾向にあり、ストレス社会や公害などの体のホルモンバランスを崩す環境、加工食品の添加物や、外食続きの偏った栄養バランスが増加に拍車をかけているのではないかと指摘されております。結婚年齢の上昇も一因として挙げられると思いますけれども、女性の場合は、自分自身の体の状態をチェックし、それを改善しようという意識の高い方が多いのですが、その一方で、男性は、不妊治療の精神的な敷居の高さが災いしてか、心理的なストレスやプライドなどから検査や治療を余り積極的に受けようという動きが見られないという状況にあるとも伺っております。  そうした中、不妊の悩みを抱える夫婦に対して、札幌市では、国の補助制度を利用し、札幌市保健所内に不妊専門相談センターを設置しております。同センターは、不妊治療の専門知識を持つ医師、カウンセラー、保健師が無料で相談に応じており、昨年、1年間にセンターで対応した相談件数は、医師によるものが19件、カウンセラーが14件、保健師に至っては1,767件に上り、そのうち電話での相談が693件、面談での相談が1,074件もあったとのことです。  このような状況から、不妊に悩む夫婦がいかに多いかがわかります。また、現在、不妊治療は保険適用外となっており、体外受精、顕微授精など特定不妊治療は高額の治療費がかかることから、経済的負担の軽減を図るために助成制度がございます。この助成制度は、1回、最高限度額15万円、初年度は年3回までが助成限度で、2年目以降は年2回、通算5年で10回までが限度となっています。  ちなみに、平成23年度の札幌市における助成申請実績は延べ1,223件、利用者平均で助成金額は13万円でした。  こうした相談事業や助成制度の充実も大切なことですが、肝心の医療機関の実態を見てみると、札幌市内においては、体外受精のような特定不妊治療を行う専門医療機関として札幌市から指定されている施設は16施設であります。この中には江別市、石狩市の2施設も含まれますが、男性不妊治療の専門外来を開設している医療機関は市内に3カ所程度ということであり、十分な不妊治療の支援環境とは言えない状況にあると思います。  ことしの7月に不妊に関する番組を放映いたしましたNHKには、男性不妊だが、専門の病院が近くにないなど、男性不妊に関する声が多く届きました。あるカップルは、男性側に乏精子症という問題があるのが発覚したものの、顕微授精を繰り返すしか方法がないと言われ、3回試みるものの、うまくいかず、1年後、他県の男性不妊専門医のもとで最先端治療を行い妊娠、男性不妊専門医に行き着くまでの母体への負担を考えると、もっと早く男性不妊専門医に出会えればと夫がコメントしていたということでございました。  このような状況を踏まえて質問させていただきますが、私としては、道内で唯一の総合周産期母子医療センターの指定を受けている市立札幌病院においてこそ、総合病院としての特性を生かし、不妊治療の診療科、特に男性専門外来を設置して、不妊の悩みを持つ患者の期待に積極的にこたえていくべきと考えますがいかがでしょうか、お答えいただければと思います。 ◎富樫 病院事業管理者  市立札幌病院における男性不妊専門外来の設置についてお答えさせていただきます。  委員がご指摘のとおり、札幌市の保健所でも数多くの方々から不妊に関するご相談を受けている現状から、男性不妊専門外来設置の必要性や重要性については十分理解しております。しかしながら、男性不妊専門医は全国で40人程度と非常に少ないため、医師の確保は極めて難しい状況にあり、当院におきましても不妊治療の専門医が在籍していない状況にあります。したがいまして、現時点では、男性不妊専門外来を設置する考えは特にございません。  なお、不妊に悩まれる男性患者から治療のご相談があった場合には、男性不妊の専門外来を取り扱っている医療機関への紹介や情報提供などを通じて、患者に対する不妊治療の支援を行っていきたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  重要性については認識しているけれども、現時点では、専門医がいないということで、不妊治療に関しては男性専門外来を開設する考えはないということでございました。  しかし、先ほども申し上げましたとおり、確実にニーズが高まっている状況でありますので、専門医の確保も大変でしょうけれども、市立札幌病院としても前向きに取り組んでいただきたいというふうに思います。また、これまでの間、患者から不妊治療に関する相談があった場合には、今までどおり、親身になって相談に応じていただくよう、この点につきましては要望させていただきたいと思います。  次に、認定看護師についてお聞きしたいと思います。  我が会派は、本年8月に、静岡県立静岡がんセンターを視察し、そこで看護師のスキルアップと病院経営について伺ってまいりました。同センターは、診療科は36科、病床数は615床で、市立札幌病院とほぼ同規模と見ていいと思いますが、特徴的なのはこの病院の看護師の専門性と能力の高さでございました。具体的に言いますと、平成24年7月現在、各分野の認定看護師33名が在籍しており、この数は、単独の病院としては、静岡県内だけでなく、全国的に見ても最大級の人数であります。  認定看護師とは、皮膚・排せつケア、緩和ケア、がん化学療法看護など、特定の分野で熟練した看護技術を持ち、実践指導、相談の役割を果たす力のある者として、日本看護協会が実施する試験に合格することで認定されるもので、水準の高い看護実践を通して看護師に対する指導、相談活動などの役割が求められております。同センターの説明によりますと、認定看護師を積極的に養成し、在籍させることは、看護師のモチベーションアップや看護師確保に大変有効であり、加えて、医師の業務負担を軽減し、さらに、医師と看護師によるチーム医療体制の確立に寄与するものであると言います。つまり、認定看護師をふやすことは、その病院の医療の質を向上させ、患者からの信頼を得ることにより、病院経営に大きく貢献することにつながるのであります。  私は、病院の資本は人材であると思います。この人材の育成こそが病院の将来を握ると言っても過言ではありません。このたび、静岡がんセンターの取り組みを伺い、看護師の人材育成策として大いに参考になるのではないかと確信したところでございます。  そこで、質問ですが、認定看護師の必要性についてどのような認識をお持ちなのか、また、市立札幌病院における認定看護師の在籍状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎荒木 看護部長  まず、必要性についての認識ですが、政策医療、がん医療、高度で専門性の高い医療を提供するという当院の役割を果たすためには、看護師が熟達した看護技術と知識を用いて患者の療養生活を支援しなければなりません。したがいまして、特定の分野における高い看護実践能力を有する認定看護師は必要不可欠であることから、計画的に育成をしているところでございます。また、診療報酬制度において認定看護師の配置が求められる項目がふえてきていることから、病院経営の観点からも必要な人材と考えております。  現在の在籍状況ですが、11分野14名となっております。分野ですが、救急看護、皮膚・排せつケア、緩和ケア、感染管理、がん化学療法看護、小児救急看護、糖尿病看護、集中ケア看護、がん性疼痛看護、透析看護、新生児集中ケア、以上11分野となっております。 ◆丸山秀樹 委員  認定看護師については必要不可欠であるというお話で、既に11分野14名が在籍しているということであり、早い段階からその必要性を認め、実際に在籍数をふやしていることについては評価させていただきたいと思います。  認定看護師の在籍をふやすと、看護師のスキルアップなどの人材育成につながり、その病院の医療の質を向上させることになりますが、ここで重要となるのが、認定看護師をいかに有効に機能させていくかということになろうかと思います。在籍させることで得られるような診療報酬があるとも伺っておりますが、静岡がんセンターでは、認定看護師の活動が職場全体の看護スキルを向上させ、さらに、医師の負担軽減につながっております。  そこで、質問ですが、病院そのものの医療水準を向上させるまでの本質的な効果をきちっと得ていくため、市立札幌病院では、日々、実際の看護業務の中でどのような工夫をなされているのか、お伺いいたします。  また、在籍させることで得られる診療報酬はどのぐらいになるのか、あわせてお伺いいたします。 ◎荒木 看護部長  診療報酬制度上、専従配置が算定要件となっている認定看護師の場合は、専門分野の業務ができるよう関連部署に配置しております。診療報酬制度上、配置が算定要件ではない認定看護師につきましては、一般スタッフと同様に通常の看護業務を行うこととしておりますが、月に2回から4回程度は、認定看護師として当部署以外への組織横断的な相談、指導、実践活動ができるよう時間調整を行っております。  また、在籍することで得られる診療報酬ですが、認定看護師の専従、専任配置が算定要件となる診療報酬項目の関連においては、今年度4月から9月までの6カ月間、約4,770万円の収益がありまして病院経営に貢献しております。 ◆丸山秀樹 委員  今、実は4,700万円ほどの収益もある、診療報酬を見ても病院にとって大変必要であることがわかります。  今後においても着実にふやしていっていただきたいと思いますが、静岡がんセンターではさらに踏み込んだ取り組みを行っておりますので、紹介させていただきたいと思います。同センターでは、みずから設立した認定看護師教育機関認定看護師教育課程を実施しており、資格取得のため、東京など遠くの研修機関まで派遣する経費などをかけることもなく、受講される職員の負担も極めて低く済むというように伺っております。  そこで、質問ですけれども、市立札幌病院では、認定看護師1人当たりの養成費用と養成期間はどのぐらいなのか、旅費、宿泊費等の派遣滞在費用の内訳とともにお伺いいたします。  また、今後、認定看護師をどのように増員していくお考えなのか、あわせてお伺いいたします。 ◎荒木 看護部長  認定看護師の養成費用と期間についてですが、養成期間といたしましては、通常、約6カ月です。研修費は75万円前後ですが、旅費や滞在費などの諸経費につきましては、認定看護師の養成期間の場所によって異なりまして、道外の場合は約200万円となります。  今後の育成計画ですが、当院の提供する医療の方向性から必要と考える分野を選定した上で、年に2名程度を育成する計画としております。 ◆丸山秀樹 委員  今お話がありましたが、道外での研修の場合は1人当たり約200万円、うち受講費に約75万円をかけて派遣しているということですけれども、経費のほとんどは旅費、宿泊費等の滞在費用であります。また、派遣看護職員については、6カ月間ほど研修期間があるということで、家族のもとを離れなければならず、職員にとっても大きな負担となるのではないかと思います。  私は、静岡がんセンターのように、市立札幌病院を認定看護師の教育機関として教育課程を実施してはどうかと考えております。市立札幌病院がこれに取り組むことは、地域の医療水準向上に貢献し、なおかつ、みずからの看護職員の積極的な育成につながり、先ほど申し上げたさまざまな利点はもとより、教育機関併設の病院であることが働き手から見た病院の魅力にもつながり、看護師募集時において他の医療機関に対してイニシアチブを得ることにつながるのではないかと思います。  そこで、伺いますが、市立札幌病院では、今後、認定看護師の教育機関としての機能を併設する考えはないのか、お伺いいたします。 ◎荒木 看護部長  認定看護師の教育機関には、組織の中で独立した部門での運営が望ましいという要件があります。しかも、専任の教員が必要となります。当院は、医療機関であるため、現在のところ、教育機関としての機能を併設する考えはございません。 ◆丸山秀樹 委員  独立した部門を持たねばならない、また、専門性を持った方もいなければならないと、いろいろなハードルがあることは私も承知しておりますけれども、認定看護師の教育機関を設置するということは、養成費用の問題以上に多くのメリットが挙げられるように思います。ぜひとも将来のために検討していただきたいことを要望させていただきまして、私の質問を終わります。 ◆宮川潤 委員  私は、差額ベッドの問題と消費税の損税について質問します。  市立病院の差額ベッドの問題ですが、昨年3月から、4人部屋でも差額ベッド料を徴収することになりました。私は、病院は命を守るところでありますから、無差別、平等な医療が提供されるべきだと考えております。命の重さは、皆、同じであります。  差額ベッド以外の医療の提供という点では、格差なしで提供されているものと思いますけれどもいかがか、まずこの点を伺います。  差額ベッド料は1年間で1億2,200万円の収入になっているそうですが、病院全体の収支は、昨年度、2億2,600万円の黒字です。差額ベッド料を取らなくても黒字だということです。  私は、公立病院においては、もうければいいというものではないと思っています。むしろ、民間の病院では提供できない収益性の低い分野でも必要な医療を提供することが公立病院の役割だと思いますが、この点についての認識をお聞かせください。 ◎江本 経営管理部長  1点目の公平な医療の提供についてということでございます。  差額ベッドは、保険適用外の追加的な医療サービスの一部でございます。それ以外の医療サービスにつきましては、そのほとんどが保険適用のものであるため、当院といたしましては、患者に対して公平で格差のない医療を提供しているものと考えております。  次に、2点目の低収益分野における当院の役割についての認識でございます。  当院は、急性期に対応した公立病院としての責務から、民間の病院としては不採算の領域と言われている救急、周産期、それから精神等の医療領域については政策的医療として重点的に行っております。 ◆宮川潤 委員  公平で格差のない医療を提供する、それが公立病院としてあるべき姿、果たすべき役割だと、確かにそうだと思います。  公立病院は、赤字でもいいと単純に言うことはできませんけれども、収益にこだわってばかりというわけにもいかない、それでもだめだというふうに思います。差額ベッドの中にも格差があって、1日1万2,600円の部屋から、4人部屋の差額ベッド料は1日2,100円です。私は、4人部屋で差額ベッド料を取るというのは聞いたことがありません。普通は、個室とか、せいぜい2人部屋で、4人部屋で差額ベッド料を取っているところが市内にあるのか、この点についてお聞かせください。 ◎江本 経営管理部長  市内で4人部屋の差額室料を徴収しているかどうかというお話でございますが、市内の公立病院では当院だけのようでございますけれども、正確には把握してございません。 ◆宮川潤 委員  ないのですよ、調べたところでは。やっぱり、差額ベッドというのは、普通、個室か、せいぜい2人部屋なのですよ。  さて、差額室の場合は、テレビや冷蔵庫などを無料で使えるということになっています。一般病床では、テレビ、冷蔵庫の使用は有料になっています。しかし、患者が差額ベッドの使用を希望していないにもかかわらず、差額ベッドしかあいていない場合、あるいは、治療上の必要から差額ベッドを使用する場合は、差額室料は徴収しないことになっています。そういう場合は差額室料がかからない、テレビ、冷蔵庫の使用についても無料ということになって、一般の病室の患者と比べて不公平が生じることになります。また、同じ差額ベッドの部屋でも、希望してその部屋に入った患者と、差額ベッドを希望していないけれども、病院の都合で差額ベッドを使用している患者の場合は、テレビ、冷蔵庫が無料で使えるというのは同じですが、差額室料を払って入っている患者と払わないで入っている患者がいるということになり、やはり不公平が生じます。  私は、患者負担はふやすべきでないという考え方で、差額ベッドそのものを考え直すべきではないかと思いますけれどもいかがか、伺います。 ◎江本 経営管理部長  差額室料につきましては、療養環境の改善や患者サービスの向上につながることはもちろん、今後も収入増による財政上の効果が十分に期待できると考えているため、現時点においては見直す考えはございません。 ◆宮川潤 委員  導入している理由は、やはり財政上の効果だと思うのですよ。しかし、民間の病院でもやっていないような4人部屋でも差額室料を取る。しかも、不採算部門でも役割を果たすべき、そして、公平で格差のない医療を提供する役割があると言っている公立病院が、民間でもやっていない4人部屋での差額ベッドということは、これは見直すべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。  次に、消費税の損税について伺います。  病院として仕入れる医療材料等には消費税が課税されていますから、病院は消費税分を業者に払います。ところが、医療費は非課税ですから、仕入れに際して払った分を転嫁することができませんので、損税になります。  まず、昨年度決算において、損税の金額が幾らだったのか、お示しください。  そして、今後、消費税率が10%に増税されたら損税が幾らになるのか、あわせてお示しください。 ◎江本 経営管理部長  平成23年度決算の損税の金額を申し上げますと、収益的支出に含まれる消費税分約4億2,942万円のうち、課税売り上げ割合の2.8%に相当する約1,202万円を差し引いた残りの約4億1,740万円がいわゆる損税となっております。  消費税が10%に上げられた場合、これがどうなるかということでございますけれども、病院局の負担額は先ほど申し上げた4億1,740万円でございましたので、その2倍の8億3,480万円となります。 ◆宮川潤 委員  昨年度、病院事業会計は2億2,600万円の黒字だったということでありますから、消費税が10%になると、新たに損税の額が4億1,740万円ふえるということですね。2億円の黒字だったのが、消費税10%になると2億円程度の赤字に転落するということになります。これは、市立札幌病院だけの問題ではなくて、すべての病院で損税が拡大することになり、病院経営も大変になるでしょう。国民医療を守る点でも大きな問題になると思います。国における損税対策を実施していただく必要があると思います。  一番はっきりしているのは、消費税増税をしないということであります。第2番目には、病院の仕入れを非課税にするという方法です。第3には、損税相当分を国が補てんすること、そういったことが考えられますけれども、損税対策の必要性についてどのようにお考えなっているのか、伺います。 ◎江本 経営管理部長  消費税率の引き上げによる対策の必要性について、現状では、支払いに係る消費税のうち、課税売り上げ割合分しか差し引くことができないことになっておりますので、税率の上昇に見合う診療報酬の増額がなければ負担額が増加することになり、病院経営を圧迫することになると考えております。  しかしながら、厚生労働省は、現在のところ、診療報酬等の医療保険制度で対応するとしておりますので、適正な診療報酬の引き上げがなされれば影響はないものと考えております。 ◆宮川潤 委員  そのとおり、その分だけ補てんされるかのような診療報酬の引き上げがあればいいのですが、私は、損税がふえるということになると、明らかに経営危機に陥る医療機関がふえることにもなりますから、全国自治体病院協議会などを通じて国に必要な対策をとることについて要望するとともに、市内の公立・民間医療機関にも呼びかけて協働できる可能性を追求すべきと考えますけれどもいかがか、伺います。 ◎江本 経営管理部長  現在、診療報酬の引き上げを求めることにつきまして日本病院団体協議会などでも議論されておりまして、国に対して要望を行っておりますので、その推移を見きわめたいというふうに考えてございます。 ◆伊藤牧子 委員  私からは、地域医療について質問いたします。  これからの地域医療を進めていくには、地域医療支援病院の役割は大きいと考えます。地域医療支援病院は、地域の医療機関にかかる患者の紹介や逆紹介などによる医療連携のほか、病床、医療機器等の共同利用、救急医療の提供、地域の医療従事者への研修等を通じてかかりつけ医を支援する能力を備える病院です。私が2009年1定の予算特別委員会において地域医療支援病院の承認に向けた取り組みについて質問したときには、紹介率40%や逆紹介率60%の目標を大きく下回っていました。また、道央圏の地域医療支援病院は、札幌社会保険総合病院だけでしたが、現在はKKR札幌医療センターと斗南病院が承認され、3病院となっています。  地域医療支援病院については、前計画の新パワーアッププラン、今回のステージアッププランにも承認を得ることが目標として掲げられており、要件の一つである紹介率などについて、前プランの検証では逆紹介率が目標に達していなかったと評価されています。前プランの目標はその当時の紹介率、逆紹介率が30%未満であったことを考えると、やや高い目標と思いましたが、2011年度実績をお聞きしますと、紹介率44.4%、逆紹介率が46.6%と大きく伸びており、最近ではさらに伸びていると聞いております。ここは、地域医療支援病院承認の大きな要件の一つですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  そこで、質問ですが、現在、地域医療支援病院の承認要件の一つである逆紹介率の目標が達成されていない状況ですけれども、今後、地域医療支援病院の承認に向け、具体的にどのように取り組むのか、あわせて、どのような見通しをお持ちなのか、お伺いいたします。 ◎関 副院長  まず、逆紹介率向上への取り組みについてお答えいたします。  平成21年から、チラシやホームページなどにより、患者にかかりつけ医を持つことをPRするとともに、地域連携パスの導入、拡大などを行ってまいりました。また、今年度、新たに、患者に安心して転院していただくために、地域連携センターにかかりつけ医相談専従看護師を配置し、医療機関の情報提供や転院相談への対応を強化いたしました。その結果、逆紹介率は、今年度9月までの累計で58.7%と目標値に近づいております。今後もこれらの対策を継続し、逆紹介率の目標達成に向け、全職員が一丸となって取り組んでまいります。  次に、他の承認要件ですが、開放型病床による共同診療の実施がございます。これにつきましては、準備委員会を設置し、検討を始めたところであります。また、地域医療従事者に対する教育支援につきましては、今後、地域公開型の研修の充実を図っていきます。  なお、地域医療支援病院承認の見通しですが、今のところ、計画どおり、平成25年の承認申請を目指していきます。 ◆伊藤牧子 委員  逆紹介率が58.7%、そして、平成25年の承認申請を目指すということですので、ぜひ、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。紹介率、また逆紹介率というのは、市立札幌病院と他の医療機関との信頼関係がなければアップしないと思いますので、それも含めて丁寧にしっかりと取り組んでいただきたいなと思います。また、地域医療支援病院として承認されますと、市立札幌病院ステージアッププランにある地域医療支援病院入院診察加算として1億7,700万円の増収が見込まれ、経営基盤が強化されることにもなりますので、来年度中には申請されるということですけれども、その目標に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次に、在宅支援に対する取り組みについて伺います。  現在、札幌市における、65歳以上の高齢者は、増加を続け、2025年には全人口の30.5%、約58万人に達する見込みであり、高齢者特有の疾病特性や終末期等に対応した医療ニーズの増大が見込まれます。また、札幌市の医療に関する意識調査の結果によりますと、市民が重要と考える医療対策については、高齢者等入院施設、介護・老人保健施設等の整備、救急医療体制の整備、病院連携が上位を占め、超高齢社会に対応した医療・介護機能の充実、安心できる医療体制の構築が共通の課題認識となっています。  このような状況の中、国は、医療費の総額抑制と高齢化による人口構造の変化に対応するため、在宅医療を推進しており、高齢者や障がいのある人が住みなれた地域で安心して暮らすためには、包括ケアと言われる介護施設、訪問看護ステーション、地域の病院、診療所、そして地域住民などとの地域、医療、介護の連携がかぎとなります。  そこで、質問ですが、地域医療の拠点として、在宅支援における地域医療支援病院の役割をどのように認識し、また、在宅医療への支援提供体制をどのように構築されようとしているのか、伺います。  あわせて、地域の医療従事者等の人材育成、研修等について伺います。  市立札幌病院は、道央圏の救命救急センターや総合周産期母子医療センターなど、集中治療を行う施設を有する急性期医療を担当し、市民の命を守る重要な役割のある基幹病院です。しかし、ICUやNICUなどの集中治療室に入院される極めて重症な方の中には、身体に重い障がいを負って退院される方も多いのではないかと思います。退院後は在宅医療へと移行することになると思いますが、担当するかかりつけ医とともに、そこで大きな役割を果たすのが日常的に多くかかわる訪問看護ステーションの看護師や介護サービスを行う介護従事者であると考えます。重症心身障がい者や、病気やけがで重度の障がいを負った方などへの医療、介護については、高度な技術や看護の能力が必要であり、これを担う方々へのスキルアップのための教育、研修は、今後の地域医療、地域包括ケアを考える上で重要な課題だと考えます。この人材育成、教育、研修を行うには、高い臨床経験と教育能力が必要であり、このような役割を地域医療支援病院が担うべきであり、私は、これを目指す市立札幌病院も担うべきだと思っております。  そこで、質問ですけれども、地域医療支援病院の役割の一つに、地域の医療従事者等への研修等を通じた地域医療の充実・向上があり、これを目指す市立札幌病院として、重度の障がいのある人の地域生活を支援するために、医療・介護従事者の人材育成、教育、研修などに取り組むべきと考えますが、お考えを伺います。 ◎関 副院長  まず、在宅支援における地域医療支援病院の役割をどのように認識し、在宅医療の支援提供体制をどのように構築するのかというご質問にお答えいたします。  当院には、急性期総合病院として、救急患者、重症患者、あるいは、専門医療及び入院医療を主体とした役割があります。したがいまして、地域医療支援病院承認後も、在宅医療を直接的に担うのではなく、在宅療養支援病院や慢性期病院などで重症化した患者の入院治療や診療支援などの後方支援が当院の役割というふうに考えております。  支援体制の構築ですが、現在、準備を進めています開放型病床はその一環でありまして、地域の医師と当院医師の共同診療によって診療支援及び継続診療につながるものと考えています。また、当院から在宅医療に移行する患者の退院前カンファレンスの場を利用して、地域の医療スタッフへ医療技術の伝達を図る体制をつくっていきます。加えて、電話支援体制として、地域からニーズの高い皮膚・排せつケアについて、認定看護師による相談を先行して始めたところであります。  それから、2点目の地域医療の充実・向上の観点から、重度の障がいを負った患者を担当する医療・介護従事者への研修、育成の取り組みについてという点ですけれども、まず、当院では、現在、地域の医療従事者を対象に、院内研修会など、年間約30回以上の公開型研修会を実施しています。  その中で、連携する地域の医療機関、訪問看護ステーションの看護師に対しては、地域における看護の質向上への貢献を目的に、看護職員の研修、講演会等を公開しています。一つは、看護部研修会、講演会の公開です。今年度は、退院支援や看護課程等13のプログラムを公開しており、これには、道央圏のみならず、道北や道東などからの参加施設もあります。二つ目は、認定看護師による公開セミナーの開催です。認定看護師の専門領域における高い看護実践能力を生かした企画で、院外参加者のニーズに即したテーマを選定し、実施しています。三つ目は、北海道看護協会と協力し、近隣の医療機関、訪問看護ステーションなど、院外の看護師の研修、実習を受け入れており、講義形式のほか、実地訓練が中心の安全管理や感染管理、救命救急センターでの研修など、教育効果の高い方法で実施しております。これらには延べ116施設、247名が参加しています。これらの研修は、医療依存度の高い重度の障がいのある患者を担当する訪問看護ステーションスタッフなどのニーズに対応し、スキルアップにも有効なものと思います。  今後は、地域の医療従事者を対象とした病院としての育成・研修プログラムを充実させ、地域の医療の質の向上に貢献してまいりたいと考えています。 ◆伊藤牧子 委員  今後の在宅医療というのは、これからの高齢社会を支える大きな力となると考えておりますので、これまでの市立病院の経験を生かして、ぜひ地域医療を支えるような取り組みを進めていただきたいと思います。看護師とか介護従事者等へのさまざまな支援体制ということで、これからの地域医療を支えるには、看護師といった方たちの力、またスキルアップが本当に必要となりますが、今お聞きしまして、少しは安心というか、これからもぜひそのような取り組みを進めていただきたいなと思います。  最後に、地域医療連携に関して質問いたします。
     高齢化に伴い、合併症や複数の病気を持つ高齢者がふえており、広く疾病をカバーできる市立札幌病院のような総合病院の役割は大きいと思いますが、地域の医療機関の中には、現在の病気から治療する病気をなかなか特定できない、適切な診療科に紹介できないという医療機関も多いと聞いております。また、多くの病院で診療科が専門化、細分化しており、どの診療科に行けばいいのか、発症原因の追及を図り、適切な治療へと結びつけるような判断をすることは経験豊かな医師にとっても大変難しいと聞いております。また、国も、8月に、専門医のあり方に関する検討会中間取りまとめにおいて、総合医、総合診療医を専門医として位置づけるとし、今後、養成、認定を図ると聞いております。現在、地域医療支援病院の札幌社会保険総合病院や勤医協札幌病院のように総合診療科を設けている病院もふえており、患者にとっては、診療科のたらい回しがなくなる、また、治療費の削減や時間短縮の利点もあります。  そこで、質問ですけれども、今後の高齢患者の増加や疾病の特定が難しい紹介患者などに適切に対応するため、市立札幌病院に総合診療科を設置すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎関 副院長  総合診療科の設置についてですが、当院では、受診する診療科の選択に悩まれている患者のために、受診相談窓口を設置し、相談に応じています。ただ、併存疾患を多く抱える患者が増加していることや、診療科の専門領域の細分化もあって、患者の訴える症状に応じた診療科を選ぶことが難しくなっているとの報告を受けています。このため、それぞれの専門診療科の連携・調整や、患者の状態を総合的に診て最適な医療提供のできる総合診療医の必要性については十分認識をしています。  しかし、総合診療医は、一領域にとどまらず、幅広く、豊富な医療知識と正確な身体所見をとる問診の技術を要するため、その人材確保が極めて難しく、また、国の検討会で総合診療医を専門医として位置づけることは取りまとめられましたけれども、その具体的認定要件や育成方法についてはまだ何も決まっていない状況であります。現状では、総合診療科については、現在進めているステージアッププランの期間で行うことは難しく、次期計画以降の課題というふうに考えております。 ◆伊藤牧子 委員  総合診療科は次回のプランに回すということですけれども、私も、今のお医者さんの教育機関の中で、総合的にいろいろな病気を診察できるようにする教育というのはなかなか難しいのではないかなと思います。  ただ、私も、札幌社会保険総合病院に行きましたら、最初に診断を受けて、そして、自分がどの診療科に行くのかというのを最初に適切に教えてくれるというところでは、時間においてもいろいろなメリットがあるのではないかと思いますので、次回のプランではぜひ設置していただきたいなと思います。  今後の高齢化社会では、施設中心の医療、介護から、在宅医療、介護が進められ、かかりつけ医など、地域医療を支援する病院として、市立札幌病院の役割は一層重要になってくると思います。来年、地域医療支援病院の承認を目指すからには、ぜひ、道央圏の中心となって、地域の中で安心して暮らせる在宅医療支援体制をつくってくださることを要望しまして、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  私は、決算書にかかわる質問が1点と、もう1点は、基本的には決算書になりますが、自動販売機の設置にかかわる点と、二つについて質問いたします。  最初に、決算書にかかわることでありますけれども、決算書の38ページ、39ページについて質問いたします。  まず、38ページに重要契約の要旨というのが載っておりまして、これは、診察機器の購入であります。ここに13件の契約金額が載せられておりますが、一番金額の大きい2億1,525万円、全身用コンピュータ断層撮影装置についてお尋ねします。  この募集方法ですが、入札でやったのか。入札だと思うのですが、何社応募して、そして、これ以外に応募したところのそれぞれの金額がどうであったのか、それを一つ、代表して示していただきたいと思います。これが一つ。  次に、39ページに、企業債及び一時借入金の概況というのがありまして、本年度借入高、地方公共団体金融機構から11億1,100万円を借りておりますが、ここを選んだ理由は何か。  続いて、5億円の北洋銀行です。特に金利ですが、これを見ますと、例えば遠軽信用金庫だとか苫小牧信用金庫などからも借り入れておりますけれども、金利は他の金融機関と比べてどうであったのか、この点が2点目であります。  まずは、これについてお願いいたします。 ◎江本 経営管理部長  まず、1点目の全身用コンピュータ断層撮影装置の件でございますが、これは、1社でございまして、WTOの契約になってございます。購入金額は2億1,525万円となっております。 ○峯廻紀昌 委員長  もう1点、借入金の関係は。 ◎江本 経営管理部長  (続)起債の関係でございますけれども、借入先は、地方公共団体金融機構と総務省の割り当てで、借入額が1億9,400万円というふうになっておりまして、利率が0.6%となってございます。1社でございます。 ○峯廻紀昌 委員長  金融機関を選んだ理由も説明してください。 ◎江本 経営管理部長  (続)27社の入札で北洋銀行を選んでいるということになっています。 ◆松浦忠 委員  まずは、最初の全身用コンピュータ断層撮影装置は、日本では東芝しかつくっていないのですか。そして、WTOで国際調達ですから、国外でつくっているところもないのですか。  なぜこういうことを聞くかといったら、1社のみというのはどう考えても変だなと。入札したもので、それで決まる、どう考えても変だ。(発言する者あり)随契ではないんだね。一応は入札です、これは。応札が1社ですから。  こういうことについて、私は何回もこれにかかわる質問をしているのです、病院で。かつて、全国的に話題になりましたけれども、たしか静岡かどこかの方だと思うのですが、市町村合併で市立病院が四つになって、非常に赤字が大きいということで、市長は、条例をつくって管理者を公募した。東京の民間病院の経営者が応募しまして、そして、その条例は、経費を節減した分の何%かを特別ボーナスで給料のほかに払うということでした。そして、その方は、1年目に、たしか1億円を超えるボーナスをもらったということで、大変話題になったのですよ。何でそうなったかといったら、機器なのです。役所で購入している機器は、90数%、ほぼ100%近い額での入札だと。ところが、東京の自分が経営している病院は半額ぐらいで買っているということで、そこで、自分の病院の納入業者に言って、おれの言っている値段で入れろと言ったら大した安くなったのですね。それで、1年目に1億円を超えるボーナスをもらったのです。これは全国的に話題になりました。  これは、私は、やっぱり、ここ1社しかつくっていない、世界特許でここしかつくれないというものなら何ぼ言われてもしょうがないけれども、入札するにしても、そうやってつくっているところにちゃんと声をかけて、そして、ぜひひとつ入札に参加してくれということをしないと、まさに、WTOだと言いながら国際的談合かと、こういうことになってしまって、それを容認しているということになるのですよ。やっぱり、入札する側は、病院が求める機能を有した機械をつくっている会社に、ぜひ参加してくれという声をかけて、ちゃんと競争が生じるような状況をつくってやらないと、これはちょっとまずいと思うのですよ。  そういうことで、入札関係について具体的に担当している責任者はどなたですか。その方は、どういうことでこういうように1社が応募してきたものを1社で決めるようなことに至ったのか、責任者の見解を伺いたいと思います。  それから次に、北洋銀行は27社の入札で決まったということですね。最初の地方公共団体金融機構のものは、よく聞き取れなかったので、どういう経緯なのか、もう一回答えてください。 ◎富樫 病院事業管理者  昨年の医療機器選考は私が担当しておりまして、当時、320列のCTを持っていたのは1社だけというように理解しております。 ○峯廻紀昌 委員長  もう一つ、地方公共団体金融機構の関係で答弁漏れがあります。 ◎江本 経営管理部長  企業債の関係でございますけれども、地方公共団体が知っている団体であって、長期間に低利で行うものであるため、1社になってございます。 ○峯廻紀昌 委員長  質問された内容の答弁になっておりません。  木原経営企画課長が答弁しますか。答弁できないならできないと言っていただけますか。  松浦委員、今ちょっと答弁を持ち合わせていないという状況でございますので、今の質問に対しては保留する形でよろしいですか。 ◆松浦忠 委員  私は、別に細かいことまでは皆さんに話していませんけれども、事前に全部、細かいことを話して答えも出るようになっていたら、ここでやるのは幼稚園の3歳児の劇みたいなものでしょう。私が聞いているのは、少なくとも、決算書に書いていることについてのみですよ。これに書いていない細かなことを聞いているのではないのです。書いていることぐらいについてはやっぱり答えていただきたいなというのが私の気持ちです。  特に、地方公共団体金融機構というのは、地方自治体が出資してつくっている機構で、私は前から言っているのですよ。この機構そのものが、今の日本の金融事情、金融機関の数、こういうことからいったらもう役割が終わっているから廃止するべきだと私は思っているのですよ。  そして、結局は、機構を存続させるために、こうやってまた金を借りて使う、そこのために全体の税金がそこに消耗されていく、こういうむだなことに手をかしてはだめですよ。そして、手をかすにしても、少なくとも入札をして、いろいろな金融機関に参加してもらって、それよりもうんと利息が安いというならそれは理屈が立つけれども、今のこういう自由金利の時代において理屈の立たぬことをやっちゃだめですよ、やっぱり。病院が黒字でどんどんもうかっていて、困っている金融機関を少し助けてやるかというぐらいの余裕があるのなら、私はそんなことは言いませんよ。けれども、これを見たら、それなりに病院の経営も苦労しているところがありますから、そういう意味で尋ねているのです。  今、手が挙がっていますね。 ◎江本 経営管理部長  まず、出資している団体で経営が安定していることと、30年間、長きにわたって低利で借りられる、それから、前身が公営金融公庫でございまして従前から借りている、この点で1社と契約を結んでいるということでございます。 ◆松浦忠 委員  30年というのは、部長が今そう言ったから私はあえて言うけれども、ここの26ページに企業債明細書というのがありますね。これをずっと見たら、借り入れ金利もここに書いてあります。平成24年の借り入れ金利は利率0.11%ですよ。25億円借りて0.11ですよ。多少金利が上がったとしても、いろいろあったにしたって、何にしても入札できちっとやるべきですよ。  それは、院長はお医者さんであったにしても、いわゆる地方自治法の公営企業管理者です。市長が株主で、市長が出資していて、そして、院長は、出資会社の、言ってみれば資本系列下の社長ですから。その資本を出資している市長の親会社に対して、赤字をさらに増大させるような経営の仕方というのは、親会社の社長をここに呼んでいますけれども、社長としてはちょっと困ったなということだと思うのです。僕は、別にこのことについて市長に質問しませんよ。市長にこれでいいのかいと言ったら、市長は困ったなと言うよ。だから質問しない、これは。そういうことで、私は、やっぱりきちっとやっていただきたいなということなのです。  それから、コンピュータ断層撮影装置は、日本では東芝1社かもしれませんが、この機能を備えたものが世界にないのかどうか。私はそんなことはないと思うのです。あると思うのです。やっぱり国際入札するわけですから、そういうものを探して、そして機能のあるところと。それからもう一つは、その機能がもしこれしかなかったとしたら、これと類似するものでどの程度違うのか。競争性を持たせないで入札することについて説明にたえられるのかどうか、やっぱりこのことが私はあると思うのです。  余り聞きません。質問はしませんけれども、私の聞いている本当のところは、そこまで聞きたいところなのです。でも、これは聞かないで、私の質問の本当の意味は何だといったら、そこだということだけお知らせしておきます。それで、やめておきます。  もう一つ、これにかわって、26ページの企業債の金利です。追加しておきますけれども、ここで一番古いのは平成5年の4.4%があります。そして、平成20年からはコンマ以下に下がっているのです。私は、借入金利の安いものへの借りかえに、どういうふうに取り組んできて、どうなっているか、もう1点、これについてお答えいただきたいと思います。  後でもいいですよ。 ○峯廻紀昌 委員長  部長、今、答弁できますか。 ◎江本 経営管理部長  5%以上が借りかえの対象になっておりまして、病院では、平成21年に実施して、現在その対象になっているものはございません。 ◆松浦忠 委員  5%以上が対象というのは、だれが決めているのか。 ◎江本 経営管理部長  総務省が決めているそうでございます。 ◆松浦忠 委員  札幌市の財政局長も総務省から出向してきているけれども、少なくとも、赤字の自治体病院の経営について、せめて経営判断の一つで赤字の何がしかを減らせるのは借入金の借りかえだと思うのですよ。それに対して、全国の自治体病院の協議会があると思うのですけれども、そういうところで、総務省に対して、金利が何%以外はだめだなんて言わないで、もう少し下げて、あるいは全廃して自由に借りかえさせてくれないかと、こういうようなことを市立札幌病院として意見具申して協議したことがあるのかどうか、これについて。 ◎江本 経営管理部長  そういう協議をやったことはございません。 ◆松浦忠 委員  経営管理室長ということで、いわゆる局長職の人が実質経営の責任を持ち、院長先生は医療の方の全般を見ていると。事務方の経営管理室長に局長職を配置しているのは何かといったら、こうした事務に精通した人がこういうことを見ていくということで配置しているわけです。したがって、こういうことについて、やっぱり、国に対して言うべきことはきちっと言う、そして、できるだけ病院の赤字の解消を図っていく、私はこれが必要だと思うのです。そういうことについて、以降、きちっと国側に申し入れて、あるいは、自治体病院の協議会があるなら協議会で相談して、一人だけで言うのが嫌だったら、みんなで言ったら言いやすいですから、ぜひひとつ、そうやっていただきたい。予算のときにまた質問したら、その結果はこうだったということを聞かせてもらえるように取り組んでいただきたいということを求めておきたいと思います。  次に、自動販売機の関係について、幾つかお尋ねしたいと思います。  金子議員が文書質問でこのことを質問しましたら、答弁書をいただきました。これを見ますと、市立病院には本院で34台の自動販売機がありますが、そのうち33台は株式会社フクリ企画サービスが管理者として設置して、4,544万6,290円の売り上げがあります。そして、どこがこの機械を設置しているかといったら、札幌市職員福利厚生会が病院と設置契約をして、実際はその下請でフクリ企画サービスがやっている、こういうことなのです。  そこで、この賃料なのです。賃料を見ますと、福利厚生会に対して1台1万8,900円で契約しています。一方、交通局は幾らでやっているかといったら、およそ1台9万8,000円何がしの場所代で契約していると。病院が2万円として、交通局はおよそ5倍近い賃料をもらっていると。  これは、どうして職員福利厚生会にはこんなふうに安くして、交通局では、例えば地下鉄の東西線で言うと、相手は北海道キヨスク株式会社で42台、こっちは1台およそ9万8,000円、片や1万9,000円ぐらいだと。こういうことについて、病院が契約するときに、同じ企業管理者が設置されている交通局だとか、ほかもあると思います。そういうところとの比較だとか何かをされなかったのかどうなのか。一つは、比較をしたのか、しなかったのか、もう一つは、どうしてそんなに安く福利厚生会と契約をしたのか、入札でしたのか、随意契約なのか、これを答えてください。 ◎江本 経営管理部長  自動販売機の取り扱いについてでございますが、まず、どうしてこんなに安いのだというお話ですけれども、目的外使用許可という手法でその設置を認めております。ですから、月単位で平米に応じてその金額になっているということでございます。  それから、比較したかどうかということについては、現在、私どもとしては、契約の更改というものが次年度に予定されておりますので、それに向けまして目的外使用から貸し付けにできるよう準備をしている最中でございます。 ◆松浦忠 委員  市立病院の売店のことなど、こういった問題は、かつて堀川議員が全部調べて、そして、議会でもかなり取り上げ、それから、市立病院側ともいろいろ話し合いをして相当に改善を求めたはずなのです。でも、なぜこうなっているのか。不可思議でならないのです。  そして、その実質的な相手が職員福利厚生会です。ここにはいまだに札幌市から多額の補助金が入っているのです、億単位の。そして、そこに、なおかつ安くと。この自動販売機の設置と職員福利厚生会とどう関係あるのですか。どう関係あるのか、この点についてお答えください。 ◎江本 経営管理部長  確かに、自動販売機の設置については、患者、職員を含めて、利便性の向上につながっているというふうに考えておりますけれども、議会での議論、それから、最近の市民の考え方の変化といったものも考えますと、従前のやり方ではやはりいろいろと疑念を招くなということもありまして、今、貸し付け制度で入札という形で設置できるように準備をしているということでございます。 ◆松浦忠 委員  私は何回も指摘しているけれども、北海道は、職員互助会に対して、税金で補助金を出すというのはもう早くにやめているのです。札幌市だけがいまだに続けている。これも、堀川議員が代表質問でも取り上げ、そして、当時の田中賢龍副市長と堀川議員は個別に相当話しておりました。そして、最初は3分の1減らすとか、半分にするとか、だんだん減ってきて今日に至っているのですけれども、道と比較しても、同じ地方公務員でありながらまだ税金を入れている。さらに、自動販売機で職員がお茶を買って飲むのに、職員の利便性向上、福利厚生の一環として、さらにまたこの福利厚生会に安く場所を提供している。こういうことというのは、どう考えたって理屈に合わぬ。  そして、これは実際にどこがやっているかといったら、札幌市職員組合が出資して、最初の会社設立のときには、社長も右近さんという衛生局長がなって、当時の職員組合の委員長の佐藤一博さんという人が常務になって始まった会社です。私が議員になってからです、これは。1983年以降に始まった会社ですよ。そして、その会社が、いろいろ言われても、次々次々とどこかここかにかすめて、皆さんと一体となってかすめて、潜り込んで、いわゆる市民の税金を食っているのです、税金を。そうやって、職員組合出資の会社と、そして、いまだに札幌市から税金で補助金をもらっている職員の福利厚生会が、そして、こういうことを決定する権限がある病院の事務方の皆さんが一体となっていまだに続けている。これは、どういったって理解のいく話ではない。この問題は、院長だとか副院長、いわゆるお医者さんの職種の人の問題ではない。経営管理室長以下事務方、皆さんの問題だ。こういうことについて、きちんとしないでどうするのですか。  そこで、市長にお尋ねします。  市長は、いわば出資している子会社の5人の社長を抱えています。企業会計ですから、会社に例えるとですね。当然、こういういろいろな共通する事項については、お互いに経営努力をしているところを見習って、そして、より1円でも経費の節減を図って経営効率が上がるようにと、私はこういうふうな指導がされていると思うのですけれども、どの部分が足りなくてこういうような事態が発生しているというふうに市長は認識されていますか。その点について、今の質疑の中から市長はどう感じられたか、何が足りないかということについて、市長の所見をお尋ねしたいと思います。 ◎上田 市長  事業管理者それぞれの経営の仕方ということで、創意工夫に基づいてやられていることだというふうに思いますが、経費節減、そして収益を上げるためにあらゆることを考えて、その職場、職場といいますか、事業の特質を踏まえて、そして努力をしていくということになろうかというふうに思います。それは、交通局で指摘され、あるいは総務局で指摘され、あるいは病院局で指摘され、一つ一つ指摘をされればやるという体質ではなくて、他山の石と言ったら変ですが、同じような問題があるのであれば、それを素直に検討し直すというふうな体質を備えていかなければならないというふうに思います。  今回の病院局の場合には、今まさに検討中といいますか、来年度の更新時期に向かいましてご指摘のようなことを改善していこうという努力をしている最中でございますので、こういうことをこれからもさらに検討、連携、情報交換、さらにみずから改善していくように努力していきたいと。その努力は、きょう、もう一回指摘されて、足りなかったことは認めざるを得ないのではないか、そんなふうに思います。 ◆松浦忠 委員  市長、私はこう思うのです。例えば、出資団体なら出資団体で、集中的に経費節減に向けて改善に取り組むということで、その部門をつくって市長は指揮して取り組まれます。しかし、今まで、企業会計に対して、市長部局でこういったような問題を全部洗いざらい出して、そして改善指導をしていくというのは、私の記憶ではいまだないのですよ。そこで、市長、この際、いろいろな意味で財政的にも非常に厳しくなってきておりますから、市長政策室などにそういう担当の部門を設けて、五つの企業会計の中身を洗い出して、まずはできることについて全部やってもらう、こういうようなことも私は必要ではないかなと思うのですよ。  この辺について、ぜひそれをやってみたらどうかと思うのですけれども、どうでしょうか、市長。 ◎上田 市長  貴重なご意見だというふうに思いますので、前向きに検討させていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  そういうことで、経営に関しては、また重ねて聞くのも嫌でしょうけれども、経営管理室長、あなたが中心になっているわけですから、ぜひひとつ、あなたを中心にして、管理者以下、医療職の皆さんは、患者の治療のために全力を挙げる、事務職の皆さんは経営のために全力を挙げる、こういうことを特にしっかりやっていただきたい。  私は、お医者さんの世界は、医療の世界は、全力を挙げているのか、3分の1でやっているのか、それはわかりません。素人ですから見当がつきません。しかし、少なくとも事務的なこういう経営の問題について言えば、前々から指摘しているのに、いまだにこんなことがあるということは極めて情けない。これをしっかりとやっていただくことを求めて、終わります。 ◆小川直人 委員  私からは、市立札幌病院の健全経営に向けまして、市立札幌病院ステージアッププランを推進する立場で、より効果が上がるように補強する意味を込めて、高度医療技術の活用について伺ってまいります。  初めに、新パワーアッププランの取り組み経過の評価についてお伺いしたいと思います。  市立札幌病院では、国の公立病院改革ガイドラインに基づき、平成21年に新パワーアッププランを策定し、医療の質の向上と経営基盤の強化に取り組み、診療体制の強化や病床数削減などの成果を上げてきました。その結果、平成22年度には、桑園地区に移転新築後、初めて純利益を計上し、平成23年度決算報告では、前年度より減少したものの、約2億2,300万円の純利益となっております。  そこで、最初の質問ですが、新パワーアッププランの取り組み結果をどのように評価しているのか、お伺いいたします。 ◎江本 経営管理部長  新パワーアッププランの取り組み結果の評価についてでございます。  新生児集中治療室、NICUの6床増、それから精神医療センターの設置、そして、診療科のセンター化を進めてきたことなどによりまして、当院の使命、役割を果たすことができた、かように考えてございます。また、財政面においても、総合入院体制加算の算定や業務委託の一括発注など、収入増加に継続的に取り組んだ結果、プラン目標より2年早く経常収支の黒字化を達成いたしました。一方、地域医療支援病院の承認には至っておりませんので、地域医療機関との機能分化、連携などでは課題を残しておりますが、新パワーアッププランの掲げた取り組みについては、全体的に、おおむね初期の目標を達成できたものと考えております。 ◆小川直人 委員  今、新パワーアッププランの成果については、病院の皆さんが一丸となって取り組んできた成果が出て、2年早く黒字化したと、また、課題としては、地域の医療機関との連携といったことが残されているという答弁だったと思います。  私も、この成果については一定の評価をするわけでありますけれども、市立病院は、公共医療機関として、引き続き良質で高度な医療を将来にわたり安定的に供給するとともに、経営の健全化、収益の向上が同時に求められているというふうに思います。そして、市立病院では、新パワーアッププランの取り組み成果をもとに、平成24年度を初年度とする3カ年の経営計画であるステージアッププランを策定し、現在、パブリックコメントに付されているところでございます。  このステージアッププランでありますけれども、札幌市は、市内における人口10万人当たりの病院数、病床数、医療数は、ともに政令指定都市で最も高い数字であると分析されておりますし、急性期病院に位置づけられているDPC、入院医療費の定額払い制度でありますが、この対象病院につきましても、平成20年度は18病院だったものが24年度には33病院と増加しております。これらの数字から見てみましても、札幌市というのは医療資源が集積している、そういったことが言えるのではないかと考えております。  一方、市立札幌病院におきましても、今、高齢化が急速に進展している中で、高度急性期医療を担う技術を備えたスタッフや高度医療機器の充実を図っているところであります。その中で、先ほども議論をされておりましたけれども、億を超えるような高額な医療機器が有効に活用されているのか、これは、病院の経営上、極めて重要な視点であると私は考えております。  そこで、質問ですが、市立札幌病院における高度医療機器の活用状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎江本 経営管理部長  高度医療機器の活用の度合いについてでございます。  当院は、放射線機器を中心といたしました高度医療機器を整備しておりまして、現在、画像検査等に使用するものとしては、昨年度、更新いたしました320列CTを含めましてCTが3台、MRIが2台、DSAが1台、シネアンジオが2台あり、放射線治療機器については2台設置しており、このうち1台を今年度更新することで、IMRT、強度変調放射線治療と言われる最新の治療が可能となります。  これらの機器の活用状況として、高度な画像処理や手術、診療支援については、320列CTを用いた心臓CTA検査は昨年11月から460件、手術支援では49件、DSAでは脳血管手術が平成23年度40件と多くの手術や診療支援に貢献しております。このほか、高度医療機器についても多くの検査、診療に使用しております。また、札幌市医師会地域医療室を通じまして、地域の医療機関からの画像検査依頼も数多く受けておりまして、平成23年度は520件、24年度9月までで307件と、機器の共同利用も進めているところでございます。現在、緊急検査にも即時対応できるよう検査の効率化を図ることで、地域医療機関からの検査依頼にもこたえられるよう努めているところでございます。 ◆小川直人 委員  今、部長から使用回数についての答弁がいろいろありました。それから、地域医療機関からの要請も受けているということでありまして、また、放射線の関係については今年度1台更新するということでした。  私は、数字だけを聞いてもぴんとこないのであります。今、部長が言われた数字を利用率なり稼働率といった尺度で考えてみると、今言われた数字は、病院の状況、機器の使用状況においてこの機器の能力としてまだ50%しか使っていないだとか、いろいろやればまださらに使えるのだとか、そのように、わかりやすく言うとこの数字に対する検証についてどのように考えているか、お伺いします。 ◎江本 経営管理部長  検査の枠というものがございまして、その枠に対する使用の状況という点では、ほぼ満度に埋まっているところでございます。 ◆小川直人 委員  今、部長から、満度に埋まっているというふうに答弁があったのですが、私の認識は、この高度機器はまだ稼働できるというふうにいろいろな情報として聞いたのです。それは、私の情報が違っていたのか、今、部長が言われた答弁が正確なのか、恐縮でありますけれども、どちらなのか、もう一度、確認したいと思います。 ◎松村 放射線部長  検査の枠につきましては、それぞれ決められた枠をほぼ満度に満たしています。ただ、ちょっと難しくなってしまいますが、放射線のアイソトープを使った治療というのがあります。これについては、枠がまだ50%ぐらい残っていまして、治療というのは、特殊な検査で、余りまだ需要がないといいますか、検査のオーダーが来ればいつでも応対できますという状態にあります。 ◆小川直人 委員  検査の枠は満度ということですけれども、アイソトープの治療についてはまだ50%ぐらい受け入れできるという今の答弁だったと思います。  市立札幌病院では高度医療ができるということでありますが、今、部長が言われたみたいに、これはまだ十分に伝わっていない部分があるのかなというふうに思います。そういったことで、今、50%にとどまっているような状況ではないかなというふうに感じました。  そこで、私は、高度医療機器のPRをもう少ししていってはどうかというふうに思っております。公共医療機関というのは余り宣伝してはいけないと言われていると聞いておりますけれども、例えばホームページや広報でも、ただ市立病院からお知らせと小さく書くのではなくて、どんと、こんなすばらしい機械が入りましたよ、ぜひ市立病院に来て診療を受けてください、検査を受けてくださいというようなPRも大事ではないかなというふうに思います。そして、そういった広告を見た市民の皆さんが、市立病院にそういうものが入ったのだったら、今のかかりつけのお医者さんに相談して紹介してもらって行ってみようとか、自分から市立病院に積極的に行ってみようというマインドが出てくるのではないかなというふうに思います。また、市立病院というのは市民の財産であると、これは当然でございますが、そういったことから言いますと、やはり、市民によく知ってもらい、来てもらい、そして検査、診療の形で市民に還元していく、それが市立病院としての大事な役割だというふうに思っております。  市立病院では、私が今申し上げたようなPRに関する取り組みについてどのような認識をお持ちか、お伺いいたします。 ◎江本 経営管理部長  今、委員からお話があったとおり、確かに広告制限はございますけれども、広報活動の重要性は認識しておりますので、各診療科の医療技術、それから、手術などの紹介、及び、今年度、整備しております外来化学療法室の拡張や高度医療機器の導入、稼働に際しては、機器の地域での有効利用を目的に、連携広報誌「かざぐるま」というものがございますが、それを通じて714ある連携医療機関へお知らせするなど積極的なPRをしていきたいと考えております。また、高度医療機器というのは地域における共有資産と考えまして、機器の導入の周知、利用の拡大に向けて、院内掲示の見直し、ホームページへの掲載などを通じまして、患者、連携医療機関への広報、こういったものを充実させていきたいというふうに考えてございます。 ◆小川直人 委員  今の答弁の中身で、714の医療機関と連携していくということがあったと理解してよろしいですか。  私から、今、市民への周知ということをお願いしたのですが、部長からは、医療機関との連携と。最初に申し上げましたように、市立病院としてこういったことがこれから大事なことであり、それがステージアッププランにも出ておりますが、この周知も非常に大事だというふうに思います。お医者さんが、何かあったら医大とか北大に紹介するのではなくて、そういう機器が市立札幌病院にあるとわかれば、すぐに市立札幌病院を紹介するのではないか、そういった作用が起きてくるのではないかなというふうに思いますので、その辺もしっかりとやっていただきたいなと思います。  それから、ステージアッププランにかかわる昨年度の数値を見てみますと、入院患者の22%、外来患者の17%が市外の患者であります。高度医療を積極的にPRすることについては、今、市内向けには市民や医療機関のことを議論させていただいたのですが、市外からも患者を呼び込む可能性がこの数字から読み取れるのかなと感じました。私は、そのことによって、高度医療機器の活用、さらには収益の増につながっていくものと思っているところであります。  そこで、さきの代表質問における上田市長の答弁の中で、先進的な医療を活用し、地域経済の活性化に結びつける視点は重要であるという認識が示されまして、先端医療の産業化に向けた前向きな市長の思いと、この方向性は合っていると私は思っております。  そこで、質問ですけれども、ステージアッププランにおいて収益性を上げていくためには、今申し上げた視点も必要ではないかなというふうに思いますけれども、市立札幌病院の高度医療技術や高度医療機器を収益に結びつけるためにどのような取り組みを図るつもりか、お伺いいたします。 ◎江本 経営管理部長  高度な医療技術や高度医療機器を活用して収益増加へ結びつける取り組みについてでございますけれども、当院は、地域完結型医療を目指して地域医療機関との連携を推進してございます。特に、収益の大部分を占める入院患者の確保、増加は、今後の収益増加に欠かせないものになります。当院の医療技術、医療機器などの情報を連携医療機関や医療提供が必要な患者に確実にお伝えすることが大事だ、このように考えております。  そこで、公開研修会や診療科ごとの談話会、研究会を通じた顔の見える連携、交流に努めるとともに、市民公開講座などによる情報発信も行っております。今年度は、全診療科の体制、実績、手術件数などをまとめた冊子を作成いたしまして連携医療機関にお送りするとともに、総合的な診療統計や臨床資料の作成、公表を予定しており、市内外における広報活動を強化してまいりたいと思っております。また、新たなプランでは、高度な医療技術を活用できる施設整備に加えまして、今後の老朽化による大規模改修に合わせて、当院の担うべき医療機能を見据えた施設整備や医療機器の導入とともに、医療技術者、従事者の人材育成も図りまして、当院の医療技術、医療の質の向上と、収益の向上につながる施策を検討してまいりたい、かように考えてございます。
    ◆小川直人 委員  今、部長から答弁いただきました。私もすべて頭に入り切らない部分もありましたが、札幌経済圏というのがあって、市内だけでなくて、近隣を含めてという考え方はほとんどオーソライズされているというふうに思います。医療においても、先ほど僕が言ったように、市内にとどまらず、JRの交通アクセスがいいところだと、桑園駅までですからすっと入ってこられるわけです。そういった点からも、市内プラス近隣の札幌圏を重視すべきではないかと思うので、今、答弁をいただきましたけれども、その辺もこれからの取り組みの中にしっかり取り込んでいくようにお願いしたいと思います。  それから、高度医療の中で、放射線治療ですが、先ほどの答弁の中でアイソトープ治療という話がありまして、今年度に導入する計画があるということでした。  エックス線、放射線というのは、医療現場においては、病気をいち早く発見し、治すのに非常に活躍しておりますが、これは、目に見えない体の状態や臓器を正確にとらえ、私たちの健康を守ってくれることは皆さんもよく知っているわけであります。この放射線治療は、医療機器から出る高エネルギーのエックス線を使用いたします。お話を聞きますと、前立腺がんで7,200ミリシーベルトの放射線を照射するということでありました。7,000から1万ミリシーベルトの放射線は、全身に浴びると死に至るというレベルで、この7,200ミリシーベルトというのは非常に高いレベルであります。しかし、これはがん細胞に部分的に照射するということで、人体にはそれほど影響はないというふうに言われております。この治療法は、切らなくてもいいということで、体への負担が非常に少ないと言われておりまして、市立札幌病院でも積極的に活用されているというふうに聞いております。  そこで、質問ですけれども、この放射線医療機器のステージアッププランの期間における導入計画ですが、今年度中に1台ということでありました。そして、これは高額と言われておりますが、どの程度の額の医療機器なのか、そういったことも含めてお聞かせいただきたいと思います。 ◎樋口 副院長  当院は、平成7年に移転新築しまして17年がたちました。当時、整備しました放射線医療機器につきましては、だんだん老朽化しておりまして、毎年、平準化した投資規模の中で順次更新を行ってきておりますが、まだ未更新のものもございます。そこで、平成24年度から26年度までのステージアッププラン期間内には、放射線医療機器の更新計画としまして、今年度は放射線治療システム、来年度以降は血管造影エックス線装置、一般エックス線装置の更新を予定しております。  また、現在、予定としましては約7億円を見込んでおります。 ◆小川直人 委員  これから、さらに2台、7億円程度の予算を見込んでいるということでございます。  次に、放射線の安全管理についてもお伺いしたいと思います。  放射線の人体への影響につきましては、多くの議論があることを私も承知しておりますが、検査や治療が必要な医療の場合は、放射線については半減期が短いということでございますので、管理の上で適切に使えば全く問題ないというふうに私は考えております。しかし、先ほども言ったように、高いレベルの放射線を扱っているわけですから、その安全管理並びに廃棄物の処理については厳格に行わなければならないというふうに思っております。  そこで、質問ですけれども、市立札幌病院における放射線の安全管理と放射性廃棄物の処理の実態についてお聞かせいただきます。 ◎樋口 副院長  まず最初に、放射線の安全管理についてです。  放射線は、安全基準を遵守して使用することが何よりも大切であり、以前から、人体への影響がないように、法律や規則が整備されまして、国家資格を持った専門家と測定機器により厳重に管理することになっております。実際に、市立札幌病院でも、検査、治療に関しては、放射線の通り抜けを防止するためのシールドを配置するとともに、放射線源からできるだけ離れるように距離を確保し、放射線を当てる時間を短くするよう、原則を守っているところでございます。  それから、病院の放射線検査・治療時に発生する放射性廃棄物の処理についてでございますが、放射線検査・治療の際に使用される注射器、チューブ、瓶等が放射性廃棄物に該当します。これらを可燃物、難燃物、不燃物に3分類し、それぞれ専用の容器に入れて専用保管庫に保存します。保管した廃棄物は、年1回、日本アイソトープ協会に委託して、同協会において安全に処理、保管されております。また、RI、ラジオアイソトープ検査で採取した血液や使用した検査液などRIを含む廃液は、RI廃水として処理されます。廃水は、一たん、雑排水槽、貯留槽、原水槽、希釈槽から構成される装置にためて、放射線量をモニタリングしながら安全領域まで下げてから下水道に放流しております。非常に安全にやっております。 ◆小川直人 委員  最後に、私の考えを述べて質問を終わりたいと思います。  私は、先日、市立札幌病院に行かせてもらいまして、放射線管理区域を視察させていただきました。その感想としては、しっかり放射線の管理をされているなと思いました。  とはいえ、私も、行って説明を受けてそういうふうに思いました。やはり、市民の方は、そういった情報というのは余り知らないのではないかなと思います。今、こういった放射線の問題は市民の皆様も敏感になっている部分もありますので、どういった機会をとらまえるかは別にして、市立札幌病院における放射線の管理、取り扱いについてどのようになっているのか、お知らせすることも大事なことでないかなというふうに思います。  それから、先ほど話が出ていたアイソトープ治療ですけれども、これは、放射性同位体を体内に入れて放射線をがん細胞に当てて治すということです。放射線を体に入れるということは、体から放射線が出ていきます。それと、体に入れますから、当然、排便の中に放射線が含まれることになると思います。現場で聞いたお話によりますと、さっき言われたように、流れてきた放射線の部分をちゃんと処理する能力はまだまだあるということです。先ほど聞いた高度医療機器の使用状況についてもアイソトープは50%ということでありますし、これから2台更新するということでありますから、僕はもっともっと活用すべきだと思います。これは、市立札幌病院のセールスポイントというか、売りになる、目玉だというふうに思いますので、ここのところをこれからのステージアッププランの中でしっかりと進めていっていただきたい。そして、市立病院は公共医療機関でありますが、やはり経営ですから、経営という感性をしっかり持ちながら進めていただきたいと思います。  ステージアッププランの策定に当たってのところで、最後に事業管理者が決意を述べられております。まさにそのことは大事だというふうに私も思いますので、着実に取り組んでいただいて成果が上がることを期待して、質問を終わります。 ○峯廻紀昌 委員長  以上で、病院事業会計中関係分の質疑を終了します。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時54分       再 開 午後3時15分     ―――――――――――――― ○峯廻紀昌 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費及び議案第2号 平成23年度札幌市病院事業会計決算認定の件中保健福祉局関係分について、一括質疑を行います。 ◆小形香織 委員  私は、児童心療センターについて質問します。  児童心療センターは、2014年のオープンを目指して、(仮称)障がい児(者)医療・福祉複合施設に移行していこうというさなかだと思いますけれども、そうした中で、今月の5日に「医師の大半辞職へ」という見出しで報道がありました。私は、この事態は、理念がないまま寄せ集めをする空き部屋対策に終始してきたことが根っこにあるのではないかというふうに思っています。  事の発端は、病院局の会計を黒字化するために、不採算部門の静療院児童部門を切り離したこと、このときから、医療だとか福祉という考えではなくて、お金の問題が中心となって物事が動き出したのだろうというふうに思うのです。成人病棟があいたところに、静療院の向かい側にある肢体不自由児通園施設のひまわり整肢園、そして知的障がい児通園施設のかしわ学園、知的障がい者生活介護事業所の第二かしわ学園、あと中央区にある肢体不自由児等の医療機関である発達医療センター、知的障がい者相談判定機関、知的障害者更生相談所のまあち、これらをいかに詰め込んでいくか、どうやって効率よく動かしていくか、そして、かしわ学園などが移転してあいた土地をどうやって売却して金にするか、これが本音なのではないのかなと思うのです。1カ所に集めることに特別な意味であるのではなくて、一つの建物でどうやって連携して機能を高めるか、そういう移転、改築に向けた業務がふえていった、そして、そこで働くことになる医師やその他の職員が幻滅していったのではないかなというふうに思うのです。しかも、医師不足です。あそこは、重度の障がいを持った子どもたちが集まるところですから、激務になることは明らかだと思うのですよ。  五つの施設を旧静療院、新しい施設へと統合するに当たって、昨年度も議会でいろいろな会派の方が質問しています。その答弁では、療育に対して中核的な役割を担う施設を目指すとか、同じ場所で専門的な支援提供を得る重要な役割を果たすといった整備方針だとか機能連携なんかについてお答えがあったようです。しかし、私は、現場の医師やその他職員の方々と話し合うことが不十分だったということがそもそもの問題だったのではないのか、こう思うのですが、この点いかがか。  また、医師の退職問題もそこから派生したものなのではないかと思いますけれども、ご見解を伺います。 ◎天田 障がい保健福祉部長  児童心療センターにつきましては、委員もご承知のとおり、この沿革といたしましては、市立札幌病院の精神科のうち、特に児童のいわゆる心のケアが必要なお子さんとか発達障がいのあるお子さんの診療を専門に行うもので、全国でも4カ所のみとなっている非常に貴重な医療機関でございます。特に、自閉症児のための専用病床でございますのぞみ学園を併設いたしまして、これまでも多くの重度の自閉症児を受け入れて治療及び福祉的な支援を実施してきてございます。そういった面では、この施設については非常に重要な施設と認識しております。  そこで、今のご質問の中では、複合施設についてご指摘がございましたが、これは、単に経営面だけで検討しているものではございません。あくまでも、市民サービス向上の観点からどういった形がいいのかということであります。その第1点が、確かに経営を病院局から一般行政病院に切りかえたこと、いわゆる一般行政病院でございます。さらに、保健福祉局、子ども未来局といった福祉分野が抱えているさまざまな課題をどういうふうに解決していくのか。そういう二つの視点から検討した結果、医療機能については発達医療センターと統合することにより児童精神科、小児科との医療の連携を図っていく、さらに、福祉と医療ということで、基本的にはそれぞれの機能は独立したものとなりますが、現地における統合によって連携が図られるというふうに考えております。そういった意味から、今、複合施設化を検討しているところでございます。  一方、今回の医師の退職については、新聞報道のとおりでございます。事実でございますが、これは、直ちにこの問題と関連しているというふうには考えてございません。  それから、センターの運営体制といたしましては、この4月に成人部門から児童部門が分離いたしまして児童部門のみの医療機関となりましたので、そういった面では、成人部門と切り離されたことによりまして一時的には確かにスケールメリットはなくなりました。そういったこともあって医師の宿直がふえるなど課題はあったと認識はしておりますが、医師への個別の聴取を行った中では、そうした宿直、日直の増加が直接の退職の理由というふうにはなっておりません。  なお、退職の理由につきましてはさまざまありまして、1名は開業を予定されているものでございます。また、残る3名の医師につきましては、精神科医師として、子どもだけではなく、認知症の対応も含めて広く知識を身につけたいといった理由のほか、この4月からの児童心療センターの運営体制についての問題認識も理由となっております。 ◆小形香織 委員  今、最後に、複合施設への、何ておっしゃいましたか、問題認識も理由になっているとおっしゃいましたか。その前に、直ちに関係しているものではないというふうにおっしゃったけれども、5人いる医師のうち4人が一斉に3月末で退職するという意向を示しました。私は、これは偶然に起こっていることではないと思うのです。だって、そもそも大変困難な仕事ですよ。そこに、何とかしようという志の高い方々が集まっておられる。それが、自分たちが退職したらどういうことになるかというのは重々わかっている、その上でこういうことなっているという点では、関係したものではないという答弁は私は納得できないです。やっぱり、背景があるのですよ。そこに踏み込んでいかなかったら、この先、また同じことが起こるのではないかというふうに危惧するものですから、だから、私はここで取り上げて質問したいと思っているのです。  きちんと一つずつひもといていかなければならないと思うのです。例えば、現場と本庁の事務方サイドとの間で何らかの見解の相違が生まれていたのだろうというふうに思いますし、結局、その相違が修復されないまま蓄積されていって、そしてこういう形になったのではないか。だから、静療院が成人部門と児童部門とに分けられるという話があったときから、例えば、児童精神科の医師だけで児童部門をやれるわけがない、切り離すのは無理がある、現場のお医者さんからそういう声があったのではないのですか。改めて、こういうことを考えていく必要があるというふうに思います。  これから、新しい複合施設で実現しようとする事務方サイドのイメージと、実際に現場で医師などから見る必要な障がい児医療の施策に、ギャップがあるのではないのかなと。あるいは、保健福祉局は、病院局や子ども未来局も含めて、もう一度、利用している子どもたちや親たちの願いに本当にこたえられる施設になるのかどうかという目で見るところに立ち返る必要があるだろうというふうに私は思うのですよ。  この間、議会でも、利用者や入院している子どもたち、その家族の声を聞けと何回も求めていて、議事録などを見ますと、聞きましたというふうな答弁があります。しかし、そうは言っているけれども、実際のところ、こういう施設になりますという説明ばかりだったのではないのかなという気がしているので、その点はどうなのか。そして、現場の職員の声もきちんと聞いたのか、この点について、改めて伺いたいと思います。 ◎天田 障がい保健福祉部長  複合施設化の整備に係る検討の経過というご質問になろうかと思います。  まず、利用されておられる方々は、基本的にはお子さんが多いことから、保護者の方々に対しまして、それぞれの施設ごとにご説明し、ご意見をいただいております。これは、先にこういう施設ということでなく、まず、改善することとしてどんなことを希望されるかというところからスタートいたしまして、それらを踏まえて施設整備計画を組み立て、また意見をいただきまして、さらにそれを練り直すという形で提案させていただいております。  また、職員の意見ということでございますが、これにつきましても、各部局合同の会議を定期的に持たせていただいておりまして、この中できちんと反映させていただくという仕組みもございます。そういった中で、職員の意見を全く聞いていないということではないというふうに思います。ただ、個々の職員の中でそれぞれの見解はさまざまあろうかと思いますが、それらを集約した形で庁内議論を進めているということでございます。 ◆小形香織 委員  そうは言っているけれども、やっぱり、もっと踏み込んで丁寧にやるべきだったのではないかなと思うのですよ。繰り返しますけれども、そうでなければ一遍に4人もやめるなんていうことにはならないはずなのですよ。だから、ちゃんと声を聞くべきだと思うのですが、私はそれができていないというふうに思っています。  質問しますけれども、まず、児童心療センターの所長は、ふだんはWEST19にいらっしゃると聞いておりますが、どのような頻度で現場の声を聞き、あるいは、児童心療センターの現場を見ておられたのか、ここはひとつ聞いておきたいというふうに思います。  それから、成人部門と一緒のときに11名いた医師の体制が、成人病棟が移転した後は6名になるというのが当初の予定だったと聞いています。しかし、実際には5人しか確保できていなかった。これでは現場は対応し切れないということに考えが及ばなかったのか。とりあえず、2014年のオープンまでは医師5人の体制のまま進めるつもりだったのか。さらに、先ほど当直の話がありましたけれども、5日に1回の当直勤務になることへの対策も打たなかったのか、これについて伺いたいと思います。 ◎天田 障がい保健福祉部長  まず、1点目の児童心療センターの所長の勤務状況ということでございますが、センターの所長につきましては、保健福祉局医務監が兼務してございます。まず、通常業務としましては、WEST19にございます保健所に勤務しておりますが、原則として、毎週金曜日、週1回は必ず児童心療センターにて勤務を行ってございます。その頻度につきましては、現場の医師スタッフとも十分相談して決定したものでございます。  なお、その他の日も勤務することはもちろんのことでございますし、日常的に職員の方から医務監を訪れ、決裁、報告、相談等を受けているものでございます。  2点目でございますが、先ほどご答弁させていただきましたように、確かに、今回、常勤職5名のうち4名の医師が退職表明していることは事実でございますけれども、その理由はさまざまでございます。その中でも、確かに、センターの運営体制に係る問題意識ということも伺っておりますが、退職の主たる原因というふうには聞いてございません。  それから、医師の配置でございますが、児童心療センターの前身でございます静療院児童部門につきましては、従来、常勤医師3名の体制でございました。本年4月の一般行政病院化に備えまして計画的に体制強化を図ることといたしまして、昨年度は医師1名を増員しております。さらに、本年度も、夜勤体制を視野に入れて常勤医師1名の増員、さらに非常勤医師の増員も図ることとしてございました。  しかしながら、児童精神科医師は全国的にも非常に少ないという実態もあり、医師の確保が非常に難航いたしまして、4月当初につきましては現行の5名体制となったものでございます。現に、夜勤体制等につきましては常勤職5名体制で行っておりますけれども、4月以降も引き続き、医師の確保に向けて努めているところでございます。 ◆小形香織 委員  個人のやめる理由はそれぞれで、それが主たる理由だという認識のようですけれども、それでは繰り返し同じことが起きるのではないかというふうに私は思うのです。よく話を聞くこととか、あと、今回、医師が一斉に退職の意思を示したという点で言うと、私は、これは全体の中ではまだ氷山の一角なのかもしれないと思うのです。ほかにも、心理士だとか作業療法士の方々など専門的なスタッフがいらっしゃいますけれども、同じ複合施設にしていく渦の中にいらっしゃるわけですね。そういう人たちにも、似たような要素が同じくあるのではないかという目で、もう一度、手を打つべきなのではないかと思うのですけれども、どうですか。 ◎天田 障がい保健福祉部長  このセンターには、医師以外の技術職員として、看護師、心理士、その他の技術職員が配置されております。私も、所管の課長職を中心に、いろいろなミーティング、意見交換等をさせていただいておりますが、他の職種の職員について退職をするような動きは聞いてございません。  それから、センターの運営につきまして、やはり、基本的には、各スタッフから十分意見を聞く場は必要だというふうに考えております。当院におきましても、現にスタッフミーティングとか運営会議を定期的に開催しておりますので、そういった場面で現場スタッフからの意見を伺うという形をとらせてきております。  しかしながら、このたびの事態を考えますと、非常に急な状況でございますが、やはり、退職の意向を表明しているスタッフも含めまして、十分に意見を聞きながら、センターの改善すべきところは改善し、よりよいセンターを目指していく必要があると考えております。 ◆小形香織 委員  今のところ、ほかの職種の方から退職の意向は聞いておられない、だけど、声は聞くというふうに今ご答弁なさったのかな、そういうふうに理解しました。  ただ、昨年11月に、厚生委員会で静療院の視察に行きました。そのときに、いろいろ説明をしてくださった部長がこう言いましたよ、3者痛み分けですと。子ども未来局と保健福祉局と病院局それぞれが痛み分けをしたのだ、その結果がこうなのだというふうな説明をしていました。私は、痛みを分けるのではなくて、痛みを解消できるまできちっと話をするべきだったのではないのかというふうに思うのですよ。先ほどから声を聞いたと言っておられますが、やっぱり、現場には、さまざまな不満だとか、もっとこうしたいという思いがたくさんあるけれども、実現できない、そういうところがあるのだろうというふうに思うのです。だから、私は、きちんと話を聞くべきだと言っているし、今回の事態を受けてもやるべきだというふうに改めて思うのです。  ご承知のとおり、ほかにかわりが務まる病院がないという大事な施設なわけですよ。だからこそ、そこに十分な人を配置していかなければならないということが最も重要なことだというふうに思うので、もう一度、改めて、こうなるからという説明ではなくて、どういう施設にしたいのかという理念についてきちんと話していく上で、現場の医師の声をきちんと聞く場を設けるべきだと思うのですけれども、その点はどうですか。 ◎天田 障がい保健福祉部長  庁内の会議につきましては、私どもの保健福祉局が所管をさせていただいておりますが、子ども未来局も入っていただいた上で継続的な議論をさせていただいております。この中には、医師職も入っていただいております。そういった面では、意見反映はさせていただいていると思います。  ただ、さまざまなご意見をいただく中、それをどういうふうにまとめていくか、これは非常に難しい、そういうことも実は現実でございます。建物、ハード面をどうしていくか、もう一つ、ソフト面ではどうしていくか、その両面で、スタッフ、それから利用者の方々のご意見につきましては引き続き伺いながら、よりよい整備計画を進めていきたいと考えております。 ◆小形香織 委員  医師の皆さんそれぞれの声を聞くのに医師職も入っているというのは、1人か2人はいらっしゃるのかもしれないけれども、ほかの皆さんの声を聞いているのかどうか、今のご答弁ではよくわからなかった。現場の医師全員の声をきちんと聞いていくべきだと思うけれども、どうかというふうに聞いたのです。 ◎天田 障がい保健福祉部長  医師全員の意見を聞く方法は、いろいろあるかと思います。全体会議の中ですべての医師がそろった形での庁内議論というのは、診療等もありますので、現実的にはなかなか難しいということがあります。そういったことから、診療部門につきましては、児童精神科部長をトップといたしまして5名の医師が配置されておりますので、当然、医局の中で十分議論した上で、児童精神科部長または担当の医長がこの会議に出席し、その中で議論に参加してもらっているということでございますので、他の医師からの意見を聞いていないということにはならないというふうに思っております。 ◆小形香織 委員  聞いていないかどうかではなくて、聞くようにしたらどうだと言っているのです。  最初に理念がないままでこういうふうに進めて、やっぱり空き部屋対策で複合施設をつくっていくような形にしようとすると、こういうふうな痛み分けの話になっていくのだろうというふうに思うのですね。  今、私のところに、児童心療センターがなくなってしまうのではないかという不安の声だとか、どうしたらいいのかという声が既に寄せられています。当然、医師の確保は急いでやっておられると思いますけれども、私は、もう一度考えたらいいと思う。今回の医師退職問題というのは、児童心療センターにいる医師が、複合施設化に向けて、一つは、やっぱり疑問であり、そして悲鳴だったのだろうというふうに思うし、警鐘を鳴らしているのだと受けとめるべきだというふうに思います。もう一度、最初からよく議論をして計画を練り直すべきだというふうに思う。そのことを強く求めて、質問を終わります。 ◆伊藤牧子 委員  私は、重症心身障がい者受入促進事業について伺います。  札幌市内には、2012年3月末時点で約11万6,000人の障がいのある方がいます。障がいのある方は、その適性に応じ、地域の中で自立した日常生活を営むことができ、共生社会を実現するためには、その障がい特性や個々のニーズに応じたさまざまな支援が必要であり、その中でも、重度の身体不自由と知的障がいが重複する重症心身障がい者に対する支援が重要な取り組みだと思っています。  近年の医学の進歩により、かつては助からなかった乳児を救えるようになる一方で、重篤な医療的ケアを必要とする重症心身障がい者がふえています。重症心身障がい者が在宅で生き生きと地域生活を続けるためには、家族の手厚い介護が欠かせないのが現状で、24時間、気を抜くことのできない人工呼吸、気管支切開、胃瘻などの医療ケアを行っており、その負担は非常に大きなものになっています。生活介護や短期入所施設の存在は、重症心身障がい者の在宅生活を支える根幹をなすものですが、医療的ケアに対応できる事業所が少ないため、受け入れるところが少なく、多くの利用者にとって身近な地域で医療的ケアのできる事業所の充実が求められていました。  そうした中、札幌市では、安心して日中活動等に参加しながら、充実した地域生活を送ることができるよう、重症心身障がい者や事業所を支援するために、2012年より、医療的ケアを必要とする障がい者を受け入れるために、看護師を加配した事業所に対して最大3年間の補助を実施する重症心身障がい者受入促進事業を創設し、今年度は合計4,500万円を計上しています。  そこで、質問ですが、重症心身障がい者の地域生活を支えるためには、日中活動の場となる生活介護や一時受け入れを行う短期入所の役割が大きいものと考えますけれども、重症心身障がい者受入促進事業のこれまでの補助件数と、そこで医療的ケアに当たる看護師の配置状況について、まず伺います。 ◎天田 障がい保健福祉部長  重症心身障がい者受入促進事業の補助件数と看護師の配置状況についてであります。  この事業は、本年度の新規事業として創設いたしまして、札幌市独自の補助事業として、この4月から実施しております。まず、事業の補助件数につきましては、12カ所の生活介護事業所に対しまして補助を決定しております。  次に、看護師の配置状況についてでございますが、常勤、非常勤を合わせまして、現在、25人の看護師が配置されておりまして、平均いたしますと1事業所当たり2名以上の配置となっております。 ◆伊藤牧子 委員  生活介護事業所が12カ所で、非常勤も含めて25人が配置されたということです。生活介護事業所などでは看護師の配置というのはとても大事な取り組みでして、この事業というのはこれからも大切な事業だなと思っています。  重度心身障がい者に対する支援については、医療的ケアを行う看護師の存在は本当に欠かせないものですが、私が訪問した生活介護事業所では、この事業のお金で看護師を配置することができて大変よかったとおっしゃっていました。ただ、初めて重症心身障がい者の看護に携わるという看護師も少なからずいることや、また、現場で研修を受けながら対応できるようになるなどのお話を伺いました。やはり、私は、今後、看護師など医療従事者のスキルアップを図るためには、重度心身障がい者の看護に対する研修の充実や知識、情報を共有する機会を設けるなど、重症心身障がい者の受け入れ環境を整備していくことが必要だと考えております。  一方、この事業は、生活介護と短期入所事業所における重度障がい者の受け入れ促進を図ることを目的としています。2012年10月現在、札幌市内では、生活介護106事業所、短期入所52事業所が障がい者の支援に当たっています。今回、この促進事業を利用した事業所は12件と大変少ないと思いますが、利用者にとってこの事業がどのように認知され、また利用されているのか、事業所にとって看護師加配は大きな課題となっておりますので、今後、この事業を検証する上で利用実績なども重要な指針となると思います。  そこで、質問ですが、今回、補助することとした12の生活介護事業所の2011年度、2012年度を比較した在宅の重症心身障がい者の利用実績とその評価について伺います。 ◎天田 障がい保健福祉部長  本年度、補助を決定しております12事業所におけます在宅の重症心身障がい者の利用実績とその評価についてであります。  まず、利用実績についてでありますが、本年4月から8月まで、この5カ月間を昨年とことしで比較させていただきたいと思います。  事業創設前、昨年、平成23年度では、利用人数が延べで961人、利用日数が6,424日となっております。これに対しまして、事業創設後の本年、平成24年度では、利用人数が延べ994人、利用日数が7,395日となっております。結果、利用人数では約3%、利用日数では約15%の伸びとなっております。  また、この事業の実績についての評価でございますが、5カ月間という短期間の比較とはなりますが、利用人数、利用日数ともに伸びている状況にございますので、事業の成果を上げているものと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  5カ月間という短期間ですけれども、利用人数、また利用日数も伸びているということで、やはりこの事業というのは大切だと思いますし、重症心身障がい者やご家族の方にとっても、まだ5カ月ですが、この事業というのは評価できるのではないかなと思います。  ただ、短期入所事業者の申請はまだゼロ件ということで、お話を聞きますと、これから申請する予定の事業所が1件程度と伺っているのですけれども、やはり、重症心身障がい者が地域生活を維持するためには、何よりも家族が心身ともに健康であることが一番だと思います。家族の健康を保つためには、日々の介護による精神的、肉体的な負担を軽減する必要があり、重症心身障がい者の一時受け入れ先となる短期入所により、家族のレスパイトが図られることがとても大事だと思っています。  そこで、質問ですが、重症心身障がい者受入促進事業により、重症心身障がい者を受け入れる短期入所事業所の数をふやす必要があると思いますけれども、今後、短期入所事業者に対してどのように周知を図っていくおつもりか、伺います。 ◎天田 障がい保健福祉部長  短期入所事業者に対する周知についてでございます。  重症心身障がい者及びそのご家族にとりましては、短期入所事業は、家族の入院などによる緊急時の一時的な受け入れ先として特に重要でございます。また、家族の心身両面の負担を軽減する、いわゆるレスパイトと申し上げますが、このレスパイトが図られるという観点からも、その役割は非常に大きく、受け入れ可能な短期入所事業所をふやすことが非常に重要と考えております。  当初、短期入所事業者に対しましてアンケート調査を実施いたしましたところ、約4割近い事業者が、この補助金の交付を受ければ当事者の受け入れについて検討したいというふうにご回答いただいておりました。しかしながら、今のところ、まだ、申請には至っていないのが現状でございます。今後、これまで行っております札幌市のホームページでの周知に加えまして、市内すべての短期入所事業所、現在52カ所ございますが、このすべての短期入所事業所に対しまして個別に、かつ丁寧な事業説明を行うなど、PRをより一層進めてまいりたいと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  補助金が出たからといって、即、そういう人たちを受け入れるのはなかなか難しい事業所もたくさんあると思います。5カ月間ということですけれども、事業実施後のアンケート調査も行ったということですので、事業所の受け入れ状況や看護師の配置状況を十分把握するとともに、また、利用者や家族の声を聞くなど、継続して事業の効果を検証し、個々のニーズに合ったよりよい支援となるよう取り組みを進めていただきたいと思います。  今後は、在宅で医療的ケアを必要とする重症心身障がい者も年を重ね、また、親の高齢化も進みますので、親の亡き後も引き続き安心して生き生きと暮らすことができるよう、地域生活を支援する体制づくりが必要だと思います。家族にかわって医療的ケアを行う看護師、そして介護者は、大変重要な存在です。重症心身障がい者や家族が安心して医療を任せられるよう、医療従事者のスキルアップも図る必要があると思います。  先ほど、私は、病院局に、地域医療の充実のため、市立札幌病院が医療従事者の研修とか教育などを幅広く行うべきだということを質問いたしました。市立札幌病院はこれから地域医療支援センターとして動いていくというか、地域医療をますます充実させていく病院ですので、ぜひ、市立札幌病院と連携を図りながら、地域の看護師、そしてまた介護従事者のスキルアップを図っていただき、医療ケアの必要な重症心身障がい者に対する支援体制の構築を求めまして、私の質問を終わります。 ◆堀川素人 委員  私から、平成23年度の決算では5億円以上の補助金を出しております社会福祉協議会について質問させていただきます。  社会福祉協議会が果たしている役割というのは大変大きなものがありまして、この健全な運営というのは、札幌市の地域福祉にとって欠かすことができないものである、そう考えております。  そこで、質問いたしますけれども、社会福祉協議会と言われるものが札幌市に11ありまして、その11の関係は、それぞれが社会福祉法人です。例えば、札幌市社会福祉協議会、南区であるならば南区社会福祉協議会と、全部で11あるのですが、なぜ11という社会福祉法人をつくって、札幌市がそこに補助をなさなければならないのか、このことについて、まずお聞かせ願いたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  まず、なぜ11の社会福祉協議会があるのかという点についてでございます。  ご承知のとおり、市の社会福祉協議会ですが、まず、これが一番大きな母体となる組織でありますけれども、これは昭和27年に任意で設立されまして、その後、社会福祉法に基づきまして法人格を取得した形で現在に至っております。その後、札幌市は政令指定都市に移行いたしました。そのために、区に社会福祉協議会というものができましたけれども、こちらの方は法人格を取得する前から任意団体として設立されて存在したところでございます。  次に、社会福祉協議会に対する補助につきましては、札幌市としては市社会福祉協議会に対する補助一本で交付しております。そして、それは、実際には区の社会福祉協議会で福祉のまち推進活動というような形で事業が行われているために、市の社協を通じて各区の社会福祉協議会にも補助金が行っている、そういうふうな状況でございます。 ◆堀川素人 委員  11の社会福祉法人が必要な理由というのは、どういうふうになりましたでしょうか。 ◎渡辺 総務部長  区の社会福祉協議会でございますけれども、これは、連合町内会単位に、いわゆる地区の社会福祉協議会というものがございます。地区社会福祉協議会というのは、それぞれ区の中でばらばらに活動していましたが、やはり、ばらばらに活動するのではなくて、市社協のもとで、区として連携してやっていくことによりまして、市民により身近な地域での効果的な地域福祉活動というのでしょうか、それができるようになるのではないかという考えで、地域住民の代表者の方々の判断によって設立されたというふうに聞いているところでございます。 ◆堀川素人 委員  11の社会福祉法人は、札幌市社会福祉協議会というのが母体だと。母体というよりも、それがありまして、各地で、そういう慈善団体というのか、社会福祉団体としていろいろ活動していた、それを法人化して再編した方がいいという国の考えがあって、法改正などの中で各区に社会福祉法人がつくられていったと。  なぜ、各区につくることが地域の社会福祉にとって大事なのか、この理由はどうしてなのですか。
    ◎渡辺 総務部長  区の社会福祉協議会の法人化でありますけれども、先ほど言いましたように、市民により身近な地域で効果的な地域福祉活動を実施するために法人格を取得することが有効であるということで、代表者の方々がそうした判断をされて平成5年度から9年度にかけて法人化が行われました。例えば、地域から活動のための寄附金を集めることにつきましても法人格を持った方が社会的信用性が得られるとか、そういった考え方で法人格を取得したということで理解しております。 ○峯廻紀昌 委員長  渡辺部長、法人化についてではなくて、なぜ11カ所が必要なのかという部分での質問の中身もあると思うのです。 ◎渡辺 総務部長  先ほどもちょっと説明しましたけれども、各区ごとに地区の社協を束ねるための法人が必要ではないかということで、10区ありますので11カ所できたというふうに理解しております。 ◆堀川素人 委員  これは、どうも必ずしもそうではなくて、要するに、地区に一つずつつくっていくということは、社会福祉法人というのは、社会福祉をやっている事業者とボランティアの力をかりて地域福祉ということを成り立たせるのだ、こういうことの中で、そういう人を身近な地域でつくっていく、札幌市のように大きくなったら各区に置いてやった方が身近にそういう人方を集められるであろう、そして、そこの地域の特殊性だとか、そういうものを生かしながらつくり上げていく中で、それはどうしても必要なことだということでつくられてきているわけです。  そうするならば、次に、今度は実態の問題になりますけれども、ここに部長以上の幹部と言われる人が13名います。そのうちの12名は、きっとあなた方は違うと言うかもわかりませんが、札幌市から天下りしてそのポストに座っているわけです。そして、区の事務局長という人がその区の中では一番偉いというのか、高い地位にあります。この人方のすべてが札幌市からの天下りなのですよ。  どうしてこういうような人事になるのか、教えていただきたい。 ◎渡辺 総務部長  区の社会福祉協議会の事務局長についてでありますけれども、確かに、現在、10名の方がすべて札幌市のOBでございます。  実は、過去にはプロパーの職員が務めていることもありますので、区社会福祉協議会の事務局長が必ずしも市のOBでなければならないということではないというふうに思っております。市のOBが採用されて就任しているというのは、プロパー職員の中で、事務局長にふさわしい人材の数の問題とか、あるいは、報酬を含めた経費の課題などをそれらの団体が総合的に判断した上でのことというふうに考えているところでございます。 ◆堀川素人 委員  断っておきますけれども、この団体というのは、間違いなく別法人ですよ。別法人ですけれども、これができてきた、組織的に整理されてきたと言うのか、これは札幌市の指導で行われているのですよ。だから、半官半民の団体だ、こう言われているのです。確かに、札幌市社協にも、役員と言われて、経営を全体に見る部門があって、その人方は理事と言われる。それから、地区の社会福祉法人にも理事と呼ばれる人方がいて、会長がそれぞれいてと、こうなっています。しかし、こういうものができてきたのは、国の法整備もありますけれども、それをやっていきなさいという国は自治体にそれをさせたのですよ。  そのことをこれから証明しますけれども、先ほど言いましたように、各区の10人の事務局長は、全員、札幌市のOBである。そのほか、札幌市社協には部長が1人いまして、2人ですか、わかりやすく言うならば、トップは常務理事ということで、給料をもらっている中ではその人がトップになる。その人が局長職から今の地位についている。それから、あそこで主体的に各区を動かしている部長もいますけれども、その人も部長職から移った人で、そして、各区の職員全員が札幌市社会福祉協議会の職員じゃないですか。さっき言いましたように、なぜ各地域にそういう社会福祉法人をつくったかといえば、自然に集まるボランティアや事業者のエネルギーを社会として利用させてもらいたいということでつくっているわけですよ。今の形は、そうではないのですよ。札幌市社会福祉協議会というのは、上部団体になって、下部団体として地区の社会福祉協議会をある意味では服従という関係の中で使える形になっている。ですから、それは何なのかといったら、職員は、全部、札幌市社会福祉協議会の職員がやっているからですよ。  こういう形で、本来、法が求めた、地域のボランティアや地域福祉を担おうとする事業者のエネルギーが出てくるような仕組みになっていない。中央にぼんと大きなのがあって、そこがすべてを支配して、そして、札幌市の天下りが全部を支配している、こんなことでは法の精神が生かされていると言えないのではないですか。どうですか。 ◎渡辺 総務部長  各区の社会福祉協議会の設立は、先ほどもお話ししましたとおり、それぞれの区の実情とかが独自でございます。ですから、それらの事業内容につきましては、各団体の皆さんが役員になっていまして、理事会の中で方針を決め、そして、市社協から派遣されてくる事務局長を中心とする事務局がそれ用の事務を行う、そういう体制になっているわけでありますから、区社協はすべて市社協のコントロールのもとに仕事を行っているものではございません。  それから、区の事務局ですけれども、確かに、地域においては、活動されているのはボランティアの方々でございます。しかしながら、区社協においても、実は市から委託しているさまざまな業務もございますし、それぞれのさまざまな業務を行っていかなければなりません。この場合に、各区社協で人を雇うというよりも、市社協で雇った人間を配置することが効率的ではないかということで、このような組織体制になっているというふうに理解しているところでございます。 ◆堀川素人 委員  組織を運営するときの経済の合理性からいけば、今、言うようなやり方で、ある意味では命令、服従というような関係でやったら効率はいいですよ。ところが、この組織をつくって何を引き出すかといったら、地域のエネルギーを引き出すわけですよ。そうするならば、本当の意味で、地域の社会福祉協議会に大きな力を与えなければならぬし、力が発揮できるような仕組みをつくらなければならぬというのは当たり前のことではないですか。それがなされていないのではないですか。  今、私が何でこの問題とかかわったかといえば、本当に困っている人方の意見を吸い上げるような仕組みになっているのか。確かに、いろいろな仕事をやっています。やっていて、それなりの役割は果たしているのですよ。全部が全部、だめだなんて言っているのではないです。ただ、本来の力を発揮させるべく仕組みをつくろうとして、実際には動いていないということですよ。それが、天下りという非常に安易な関係の中で、5年間の約束でそこに座っていなさいと。僕にすれば、事務局長なんか要らんですよ、そんなに、10名も。そうするならば、何を言いたいかといったら、要らない者を置いているのは税金のむだ使いになるということなのですよ。なおかつ、本来、出すべきエネルギーが生まれてこない。民生委員の人がどれほど苦労しているか。本来は、民生委員がやることではない、行政がやるべきことを民生委員がやって、民生委員がやるのが当たり前だみたいにして使っていて、民生委員の人は非常に怒っていますよ。こういうことをわかっているのか、わかる組織になっているのかといったら、なっていませんよ。  大学を出てか、高校を出てか、それで役所に入る。世の中でもって恵まれていると言われる職業につく。そこで何十年間か過ごす。その人方が、一定の共通の価値観というのではなく、ある意味では本当に狭い価値観を持って、集団である場所に行ってその集団の意思を決定していく。扱うのは困った人方の生活の問題ですよ。恵まれてきた人ばかりでずっとやっていて、本当に困った人の心がわかる団体になれるのか。  これは、僕がこの問題とかかわったきっかけですけれども、金に困って、5,000円を貸してくれと言って、社会福祉協議会に飛び込んでいった人がいる。そして、そこでもって貸すわけにはいかないと。当たり前のことですよ。その人だって、5,000円を借りるのに、役所に行ったら5,000円を黙って貸してくれるなんて思っていないですよ。それでも本当に困ったから飛び込むわけですよ。彼のその一つの行動の中に、どれほどの情報が詰まって、それを理解するセンスがあるかどうかなのですよ。だめだめだめと。僕が出ていったら金を借りられることになった、僕がちょっと目を離していたら、借りるお金が少なくなっていた、また僕が行って、これはおかしいじゃないかと言ったらまたはね上がる。(発言する者あり)このような団体をつくったらだめだということを僕は言いたいのです。  今、天下りがこれだけある。区の事務局長10人が10人とも部長職で、札幌市を退職した人間がそこについている。札幌市がかかわらないで、どうしてこういう人事が行われるのですか。札幌市がかかわっていることは間違いない。これについてどう思うのか、もう一回、しっかり答えてくれ。 ◎渡辺 総務部長  社会福祉協議会、区社協もそうですが、これらの組織は、市にとって本当に車の両輪に等しい組織でございまして、地域福祉を推進するために一緒になってやっていかなければならない組織でございます。したがいまして、そこに再就職の職員が行っておりますが、これはそれなりに意味があると思います。ただ、いずれにしましても、これは任意の団体でございますので、そちらの方から求められて再就職しているところでございますので、そういう理解をしていただきたいというふうに思います。(発言する者あり) ◆堀川素人 委員  今、後ろからも声がありましたけれども、僕のきょうの目的は、僕は、今まで天下りのことをたくさん言いましたよ。しかし、なかなか進まない。僕は、市民の皆様に聞いてほしいと思っているのです。ですから、渡辺部長は、今、言うことを何回も言ってください。市民が本当に信用しているのかどうか。市民はあなたの話を信用していませんよ。これは、あなた方ばかりじゃない、札幌市のいろいろなところにある仕組みです。そのうちの一つなのです。答えはいつも同じです。札幌市はかかわっていないと言うけれども、紹介したり何だりしながら、名簿を出したりしながらかかわっている。そうでなかったらできないんですよ、あなた。不可能なことを不可能だと認めることが大事なのです。我々がかかわったからできるのですと。悪ければ、やめればいいじゃないですか。  天下りというのは、さっきも言いましたように、要するに、社会の大事な精神、これをゆがめることなのです、一つは。もう一つは、経済的にも非常にむだの多いものなのです。このむだをやることによって、我々ばかりではなく、そのむだが我々の子孫の負担になってはね返ってくる。だから、そういうむだをやっているような時代じゃない。こう言われて、今、国もその部分について認める。できるか、できないか、できていないですよ、国も。でも、札幌市はすぐそばに主人公である市民がいる。そうしたら、あなたの言う言葉はむなしくて、税金を払いたくないという人をふやしているのと同じだ。  このことを今言って、あなたが、はい、わかりました、悪うございましたと言って謝るわけはないと思っている。でも、あなたばかりじゃない、みんなにたくさん聞いてもらいたい。こういうことがたくさんあって、札幌市がいいまちになるかどうか。人が信用するまちになるかどうか。子どもたちが生き生きとと、市長は口を開けばそのことを言う。本当にそういうふうになるような社会の仕組み、札幌市の仕組みがつくられているかどうかですよ。もう少し子どもに説明できるような社会にしなければならぬ、真剣にこう思わなければならんじゃないですか。  これで終わります。 ◆小竹知子 委員  私は、福祉のまち推進事業のあり方、また、今後の取り組みについて伺います。  この事業は、各地区に設置された福祉のまち推進センター、いわゆる福まち、この後は省略して福まちという言い方をさせていただきますが、福まちを活動の場として、高齢者を中心に、支援を必要とする方の見守りや安否確認活動、ほかにも地域住民の交流の場となるイベントや子育てサロンの開設など、さまざまな活動に取り組んでおられます。超高齢社会に突入した今、だれもが住みなれた地域で安心して暮らすことができる社会を実現していく上で、大変有益な事業であると認識しております。  しかし、平成7年の事業開始から17年が経過しまして、これまで各地域での実情に応じて事業展開を進めてきましたことから、取り組み内容や活動量について、地域による差異、つまりは格差がかなり生じてきていると私は認識しております。  このような点も踏まえまして、福まちに対する一律的な補助金の見直しがなされました。1階部分となる見守り活動や広報活動などに対する基本活動費、それに加算して、2階部分となる福祉マップの作成、研修会、講習会など、地域が主体的に活動されている事業に対して事業加算費という2階建て方式に改変されました。  データをいただきましたが、この改変によりまして補助金の申請状況が変わりまして、申請した合計数は89センターありますけれども、対前年比で減額となっているところが42、そして、増減なしが13、増額になっているところが34ということで、このようにかなり差異が生じているなと。補助金につきましては、20万円から60万円以上まで10万円刻みで、20万円から30万円が4件、30万円から40万円が11、40万円から50万円が21、50万円から60万円が34センターということで一番多く、60万円以上が19となっております。  こういった格差が生じておりますが、それでも、活動に見合った補助金をということで、活動に対して補助金のめり張りをつけるということは、私も妥当なことではないかとは思っております。その一方で、従来の活動の見直しを余儀なくされた地区では、これからどのように活動すればよいかと悩み、その結果、今後、ほかの地区との差異がさらに広がっていくのではないかということが危惧されます。  そこで、1点目の質問でございますが、このように差異が生じてきている現状を踏まえまして、札幌市として、これまでどのような支援策を実施されてきたのかということと、また、実施してきた結果、市としてはどのような課題を認識されているのか、伺います。 ◎渡辺 総務部長  まず、福祉のまち推進事業に対するこれまでの支援策についてでありますけれども、平成20年度から23年度までの間に、活動支援や人材育成を目的といたしました福祉のまち推進センターステップアップ事業を社会福祉協議会に委託して実施したところでございます。支援内容の中心は、ご近所パワーアップ事業と名づけた事業でございまして、地域の希望に基づいてワークショップなどを開催して地域住民の意識を高めるとともに、地域課題の把握と共有を行い、実践活動に結びつけていくという内容でございます。ほかにも、福まち活動における次世代のキーマンとなる方々を養成しようということで、次世代リーダー養成研修とか、地域の福祉活動に興味のある方に対する研修会として福まち学習会というものも並行して行いまして、活動者の発掘と育成を図ったところでございます。  なお、この事業は、平成23年度で終了しておりますけれども、これを契機といたしまして、活動者の育成に関しましては、ボランティア研修センターや区の社会福祉協議会において同様の内容の研修が取り入れられたところでございます。  次に、この事業の実施結果から得られました札幌市としての課題認識についてでございますけれども、地区の福祉のまち推進センターに対する支援は、これまで区の社会福祉協議会にゆだねてきました。そのために、見守り活動を初めとする各地区の活動状況を、直接、把握できていなかったということがございます。その結果、地域に関係する保健・福祉行政との連携が薄くなっている、弱くなっているという状況にありますことから、今後、福まち活動をどう活性化するかという点では、やはり札幌市からの直接の働きかけや支援も必要ではないか、このように考えているところであります。  また、福まち活動には、町内会を初め、民生委員、児童委員を初めとしまして多くの関係者の方々がかかわっておりますため、地域課題を共有しながら、それぞれの役割分担を決めていくための手法というのでしょうか、手段といたしまして、ワークショップなどの有効性が改めて確認できたところでありますけれども、常日ごろから、このような地域での協議の場を設置するとともに、関係者の意見をまとめ上げて実践に結びつけていくコーディネーターが必要でないかというふうに考えているところでございます。 ◆小竹知子 委員  私は、一応、福祉のまち推進事業が市内の全域で展開されるような状況になったことは評価しておりますが、実際の活動状況に差異があるといったことは大変な課題ではないかと認識しております。  ことし3月に改定されました札幌市の地域福祉社会計画ですが、これは、ことし、平成24年度から29年度までの6年間を計画期間としておりまして、福まちについても活動の充実、活性化を施策の一つに挙げております。具体的には、各地域の支え合い活動の状況を踏まえながら、各地域ごとに体制づくりを支援して、全地域での見守り、安否確認活動の実施を目指すとしていますが、実際にはなかなか難しい課題がたくさん残っているかと思います。  この計画が策定されまして半年がたちましたが、札幌市として、福まちの活性化について、そしてまた、さらに支え合い活動を推進していくために今後どのように取り組んでいかれるのか、具体的に伺いたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  地域社会福祉計画が策定されまして、その後の札幌市の取り組みについてお答えいたします。  札幌市では、計画の理念と目標の実現に向けまして、まず、地域で福祉活動や事業に携わっている方、それを支援する方々に呼びかけまして、今後の課題や方策などを話し合っていただく必要があるだろうということで、地域での支え合いの体制の活性化に向けた協議会というものを6月に設けたところでございます。協議会のメンバーといたしましては、福祉のまち推進センターを初めとして、地域で福祉活動を実践している方、それから、高齢者や障がい者に対する福祉サービス事業に従事している方、さらに、弁護士等の専門家に加えまして、社会福祉協議会並びに区役所の保健福祉部で活動支援を担当している職員も参加しているところでございます。  協議の内容といたしましては、見守り、安否確認活動を中心に、計画に沿いまして将来的に充実した地域福祉活動を展開していく上での課題や方策についてご協議をいただいております。会議は、ワークショップ形式で行い、これまで7月と9月に2回開催いたしまして、来月の11月には第3回目を開いて協議会としての考え方をまとめていただく予定となっております。  札幌市といたしましては、これから具体的なことを考えていかなければなりませんけれども、それらの協議結果を踏まえまして、地域での支え合い活動を推進するための具体的な今後の方向性を定めまして、来年度から先行地区で実際の取り組みを開始できるように、現在、検討を進めているところでございます。 ◆小竹知子 委員  私は、地元月寒の福まちの方にたびたびお邪魔しまして、推進センター長であるとか推進員の方によくお話を伺いますが、悩みとか困りなどの相談は社協を通じてということではあるのですけれども、その中で、やはり行政の姿が見えないということをおっしゃるのですね。これからは、行政の方が地域に出向いて、直接、ボランティアに力を注いでいらっしゃる方を支援するような形をとっていかないと、10年後、20年後にこれを維持できるとはとても思えないのです。そうした直接的な意見を聞き取ることは非常に大切なことだと思いますので、そこをしっかりとやっていただきたいと求めて、私の質問を終わります。 ◆長谷川衛 委員  私からは、高次脳機能障がいのある方への支援について、それから、福祉用具の展示のあり方について、三つ目に、全盲の方を対象にした活字読み上げ装置について、以上3点について、順次、質問してまいりたいと思います。  まず初めに、高次脳機能障がいのある方への支援について伺います。  高次脳機能障がいというのは、交通事故などにより頭に受けたけが、脳卒中や低酸素脳症等の病気による後遺症で、麻痺がないのに行動できなかったり、物事を順序立てて行うことができない、または、感情や行動のコントロールができないなど、症状が多岐にわたる認知障がいであります。最近は、マスコミでもテレビの番組でもかなり扱われるようになりましたので、言葉自体の認知度は高まっていると思いますけれども、内容面ではまだまだ認知度が低い、そんな障がいであります。外見上は普通なのに、記憶力が落ちていたり、根気が続かなかったり、判断力が低下して社会生活にうまく適応できなくなることになり、障がいの程度によっては本人ですら気づかないこともあり、周りから理解されにくい障がいの一つと言えます。脳に障がいが生じるという点では、身体に大きな影響を負う障がいでありますけれども、認知面でも大きな影響を受けるものであり、日常生活や社会生活への適応という点では、身体面から精神面までの幅広い支援が必要となります。医療的には、診断やリハビリテーションを中心としたかかわりであるのに対しまして、福祉的には、精神障害者保健福祉手帳等を初めとする制度にかかわるものの、各種福祉制度のはざまにおいて必要な支援が提供されにくく、しかも知識や技術を持つ専門家が少ないことから、医療と福祉の連携が必要不可欠な障がいであると言えます。  高次脳機能障がいに対する支援は、2001年から道と札幌市がモデル事業として取り組みを開始しましたけれども、2005年には、高次脳機能障がいの施策の充実を求める陳情が本議会に提出されました。この審査では、当時、我が会派の三宅議員から、高次脳機能障がい支援センターの必要性、さらには、地域における日常的で一般的な継続的ケアの必要性について質問いたしましたし、障がい者保健福祉計画へしっかり位置づけるよう要望もしたところであります。  この答弁があってから8年が経過いたしました。この間、障害者自立支援法が施行されまして、高次脳機能障害支援普及事業が都道府県事業となりまして、北海道においては、今、道立の保健所が中心となって支援を行っています。ただ、札幌市は、事業実施者ではありませんけれども、政令市として、特に家族会の方々を含めて、政令市の空白地域になるのではないかという危険性を非常に伴って、この間、見てまいったわけであります。  そこで、一つ目の質問ですが、高次脳機能障がいのある方に対する札幌市における支援体制の現状はどうなっているのか、まず、この点を伺いたいと思います。 ◎鍋島 精神医療担当部長  高次脳機能障がいのある方に対する札幌市における支援体制の現状についてでございますが、他の障がいと同様に、障害者自立支援法に基づく障がい福祉サービスを初めとしたさまざまな制度やサービスを提供しております。精神障害者保健福祉手帳の認定に当たりましては、平成23年3月に診断書の様式が改正され、高次脳機能障がいの症状、状態像の記入が容易となりました。  札幌市において、高次脳機能障がいを含む器質性精神障がいで精神障害者保健福祉手帳を認定した件数は、平成23年度は134名であり、全件数の2.4%となっております。また、障害者手帳の対象要件に該当しない比較的軽度の方に対しましても、精神保健福祉センターや障がい者相談支援事業所における相談支援、地域活動支援センターにおける日中活動サービスの提供など、医療機関とも連携しながら取り組みを進めているところでございます。  中でも、相談支援といたしましては、従来から、精神保健福祉センターにおける心の健康づくり電話相談や区役所での心の健康相談、精神保健福祉相談の一環として対応しております。当センターにおける対応例といたしましては、交通事故による頭部外傷の治療により1年後には単身生活が可能となった方で、新しいことが覚えられない、怒りっぽい、金銭管理が困難で浪費が激しいなどと母親から相談があったケースにつきましては、高次脳機能障がいの診断のための医療機関や相談機関の情報提供を行いました。さらに、平成16年度からは、当センターが実施している精神保健福祉関係職員の転入者研修に、他のさまざまな精神疾患とともに高次脳機能障がいの理解と対応を加えて周知を図ってきたところでございます。  なお、この研修は、毎年、継続して実施しており、区保健福祉課の精神保健福祉相談員や保健師のほか、保護課のケースワーカーなども参加しております。  しかしながら、関係職員の高次脳機能障がいに対する理解は必ずしも十分であるとは考えておりませんので、今後はさらなる理解の促進に努めてまいります。 ◆長谷川衛 委員  今、部長から、この間、札幌市として、市なりにどのような形で支援体制をしてきたかというような答弁がありまして、札幌市はそれなりにやってきたということです。  しかし、残念ながら、札幌市民の方々からは、高次脳機能障がいに対する相談窓口が一体どこにあるのかわからないという相談が家族会にも多く寄せられているというふうに私もお聞きしています。本市における相談窓口は、今説明がありましたこころのセンターや区の保健福祉課とのことでありますけれども、本市で配布している各種資料、さらにはホームページを見ても高次脳機能障がいも相談できますよという具体的な明示がありません。  また、職員体制についてでありますけれども、当事者支援、または家族支援を行う団体において、今、ボランティアの方々が年間で約500件強の相談に応じており、札幌市民からの相談がその多くを占めている状況にあるというふうに聞いております。札幌市では、この高次脳機能障がいに精通した職員は十分確保されていないのではないかというふうに思うわけです。生活支援においては、医療との連携も必要不可欠でありますし、アウトリーチを積極的に行うことも必要です。それから、リハビリテーション科だけではなくて、精神科とも連携できるよう職員の資質向上が図られるべきというふうにも考えます。加えて、本市が委託を行っている市内17カ所の障がい者相談支援事業所においても高次脳機能障がいへの相談支援を行っておりますが、例えば、高次脳機能障がいに特化した事業所を設置する等、障がい者相談支援事業も充実させるべきというふうに私は考えます。  そこで、再質問になりますが、2点お聞きします。  1点目は、本市として、高次脳機能障がいに対する支援体制を充実させるべきと考えますが、今後どのように取り組むおつもりか。  2点目は、障がい者相談支援事業における高次脳機能障がい者への相談支援の充実について、具体的にどのように考えているのか、あわせて伺います。 ◎鍋島 精神医療担当部長  1点目の相談支援体制の充実に向けた取り組みにつきましては、私からお答えいたします。  今後は、相談担当職員等の支援技術の向上が図られるよう研修に工夫を凝らすなど、より充実した相談体制となるよう努めるとともに、当精神保健福祉センターのホームページ上に、高次脳機能障がいの概要や主な特徴をわかりやすく説明し、専門の相談機関や医療機関を掲載することにより、その理解の促進や啓発に努力してまいります。また、区役所において必要がある場合には精神保健福祉相談員や保健師が訪問活動をしておりますが、今後におきましても、相談窓口での適切な精神科医療機関の紹介などがスムーズに行われるよう相談体制の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◎天田 障がい保健福祉部長  2点目の障がい者相談支援事業所における高次脳機能障がい者への相談支援の充実について、私からお答えさせていだきます。  障がい者相談支援事業所は、身近な地域で、障がいの種別を問わず、幅広い相談に対応できるよう計画的に設置を進めてきてございます。相談支援事業所における高次脳機能障がいに係る相談支援の件数を見てまいりますと、平成21年度では257件、22年度では474件、23年度では653件となっておりまして、3年間で約2.5倍に増加しております。相談支援件数全体といたしましては、3年間の伸びが約1.3倍となっており、他の障がいよりも高次脳機能障がいに係る相談件数の伸び率が大きい状況になってございます。  相談支援事業所の中には、医療機関と連携しながらサービスの利用調整を行ったり、日中活動の場として当事者支援を行っている団体、いわゆる事業所を紹介するなど、知識と経験を積み重ねている事業所もございます。一方で、今後さらなる研修が必要と思われる事業所もございます。各事業所の相談員は、日々、誠実に相談に対応していただいておりますが、必ずしも均質な相談支援が行われている状況ではないのかなというふうに思います。  このような現状を踏まえますと、これまで当事者支援や家族支援を行っていただいている団体は札幌市内にも数団体ございますが、こういった団体の皆様のご協力を得ることで、障がいのある方に対する相談支援の充実につながるということも考えられます。一つの方法といたしましては、相談支援事業所の職員に対する研修を実施しておりますが、こういった研修を実施する際には、関係団体の皆様のご協力を得ながら、カリキュラムを設定する、または講師としてお招きするなどの検討をしてまいりたいと考えております。さらに、今後、相談支援の充実を図るためには、身体、知的、精神の3障がいに対する相談対応を基本といたしまして、発達障がいや高次脳機能障がいなど、特定の分野に精通した法人に加わっていただくことも手法の一つと考えます。今後の相談支援事業所の増設に当たりましては、このことも十分考慮しながら設置を進めてまいりたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  回答としてはまだちょっと漠然としておりますけれども、前向きな回答をいただいたというふうには思います。  高次脳機能障がい者への相談支援件数について、今、天田部長から、ここ3年間で2.5倍にふえてきているということですが、高次脳機能障がいの該当者が一体どれぐらいいるのかというのはなかなか難しいのですよね。調査も難しくて、具体的なものがなかなかありません。ただ、いろいろ資料を当たっていきますと、厚労省が2004年に全国で約30万人だというふうな数値を出していました。川崎市では何を根拠にしたか、こういうものを根拠にして約5,600人だというような推計値等が出ておりますけれども、札幌市においても該当する方が相当いると思うのです。ただ、埋もれているというか、家族会の方へもなかなかつながっていけないという方々もいると思いますので、その辺の対応をしっかりとお願いしたいと思います。  横浜市では、既に、高次脳機能障害支援センターを設置しておりますし、川崎市は、本年7月に高次脳機能障害者地域活動支援センターを開設し、NPO法人に委託を始めました。このように、高次脳機能障がいのある方に対して、社会参加の拡大、さらには、個々のニーズに合わせた生活の再構築のための支援が円滑に行われますように、本市としても全力を費やしていただきたい。  この件については最後になりますけれども、家族会の方々に聞きますと、やはり初期の対応が非常に大事なのだと。これがおくれてしまいますと、回復がどんどん難しくなっていくということも聞いております。ですから、できればこの障がいに特化したセンターなどもぜひ考えに入れて、充実を図っていただきたい、そのことを求めて、1点目の質問を終わりたいと思います。  次に、福祉用具の展示のあり方について質問いたします。  今、高齢社会の急速な進展によりまして、歩行用のつえとか車いすといった福祉用具は、いろいろな製品が出回っておりまして、性能がどんどんよくなってきております。今後、福祉用具の需要はますますふえていくものと思われます。  高齢者向けの福祉用具を購入したいときは、さまざまなルートがありますけれども、一般的には、ケアマネジャーに相談しながら、カタログを見て検討する、このようにします。しかし、カタログだけではなく、実際にその製品を見なければ、体の状況その他に合わせて本当に合うものかどうかがわかりません。実は、私も親の介護をしてきましたので、入浴用品、それから車いすのいい製品はないかなということで、インターネットで購入いたしました。なかなかよく見えたのですが、実際に届いてみますと、ちょっとしたふぐあいが結構あるのです。見た目と随分違うなと。格好いい、頑丈そうに見えたものが、来てみると非常にちゃちだったり、あれっと思うことが結構多いのです。そういう面から言うと、やはり、福祉用具は、実際に介護をしている方々がしっかりと見て買えるような展示が必要でないかなと思います。  今、福祉用具を買いたいのだけれども、どこが一番いいのかと私もよく聞かれるのです。どこがいいかと聞かれても、私も、実は、本当にここに行けば絶対に間違いないよというところがなかなか見当たらなくて、今あるとしたら福祉センターあたりじゃないのかぐらいで、余りしっかりした答えをできない状態なのです。中には、聞きますと、量販店などでもコーナーを設けて置いているところもあります。ただ、本当に一画で、特化したごく一部の用品しか置いておりませんから、いろいろなものを目にすることはなかなか難しい現状があります。このような問題は、高齢者に限らず、障がいのある方についても言えることであり、私は、やっぱり行政が情報を集約して発信していくことが非常に重要だというふうに考えます。  そこで、質問でありますけれども、本市では、社会福祉総合センターの4階に高齢者、障がい者向けの福祉用具を展示しているスペースが設置されておりますが、この設置目的、また、設置に対する基本的な考えをまずお伺いしたいと思います。 ◎渡辺 総務部長  現在、社会福祉総合センターの4階に福祉用具展示ホールを設置しております目的、基本的な考え方についてお答えいたします。  この展示ホールでは、4階の180平米の広さの中に250点以上の福祉用具を常時展示しているところでございます。これは、社会福祉総合センターが開設されました平成元年から設置しておりまして、目的といたしましては、用具の普及に資するとともに、高齢者や障がいの方、介護をする方が実際に用具を見たり、あるいは使ったりして、用具選びの参考となるよう、そういうことを目的に設置しているところでございます。  なお、当ホールの展示品につきましては、社会福祉協議会と、札幌圏にございます福祉用具を取り扱っている企業との間で福祉用具関連企業連絡会を設置しており、このホールの運営方法や展示品の内容について協議を行った上で決めておりまして、最新の器具をそろえるように努めているところでございます。 ◆長谷川衛 委員  今、社会福祉総合センターの展示場について説明がありましたけれども、実は、私は、介護をしているときにケアマネジャーなどともかなり前から話をしたのですが、まずここに行っておいでという話ではなくて、大抵は、カタログだとか、そういうものを見せてもらってこの中から選んでくださいということだったのです。でも、先日、私も行ってみて、意外に広いところに意外にたくさん置いていて、ちょっと驚きました。ただ、聞くと、平成元年からということでしたが、何回か、会場が何階かに移りながらやってきたということでした。そこを見ると、車いすが非常にたくさんありました。それから、つえ、ほかに昇降機も置いてあるというのは驚きました。これは結構いいものも置いているなと。それから、少なかったですが、隅っこに入浴用品もありました。せっかくのあのスペースですから、もう少し種類をそろえることもこれから必要だと思います。そして、私がさっき言ったように、存在がまだ市民には定着していない。シルバー人材センターに行く方は、隣ですから、ああ、こんなところにあるのだというのがわかるかもしれませんけれども、ふだん、4階までその目的で上がっていくには、もうちょっと宣伝しないとだめですね。そして、スロープもついていて体験もできる、そして体験用に貸してもくれる、これもすごくいいことだと思います。  しかし、これからの問題点としては、せっかくいいものを置きながら、開館時間を聞くと、平日の9時から5時までなのですと。そうしたら、土・日でも福祉センターはいろいろ行事があるのであいているけれども、そのときはどうしているのですかと聞いたら、閉めていますと。いや、もったいないなと強く思いました。  というのは、介護する側は、必ずしも働いていない人ばかりではないのです。日中は働きながら介護して、土・日、または休みの日に見たいという方も結構います。職員の方、ケアマネジャーを含めて、意外と関係者の方もやっぱり見たいと言うのですよ。実物を見ておかないと勧められないと。そう考えますと、職員も平日は来られないと言うのですよ。土・日の休みのときを使って自分でいろいろ知識を広めたい、そういう声が結構あります。ですから、この辺を何とか克服できないかということが一つです。  それから、福祉用具連絡協議会ですか、これは、何ていうのでしょう、さっき言いましたが、新しくていいものが結構出てきていますので、もう少し民間事業者のノウハウを活用できないものかなというふうに思いました。  そこで、再質問になりますが、社会福祉総合センターの福祉用具展示ホールをさらに充実させていく必要があると思いますけれども、どう考えますか。この点についてお答えください。 ◎渡辺 総務部長  社会福祉総合センターの福祉用具ホールの内容充実についてであります。  今お話がありました開館時間を初めといたしまして、展示品目などの充実につきましては、今後、社会福祉総合センターの指定管理者でございます社会福祉協議会に対しまして、企業とも連携しながらさらなる充実を図るように要請してまいりたい、このように考えております。  また、展示ホールには、展示品ばかりではなくて、介護支援専門員、保健師、介護士等の資格を持った専門の相談員を配置しておりまして、来館だけではなくて、電話による福祉用具や介護用品に対する相談や情報提供も行っております。あわせまして、相談により、不用になりました福祉用具等を必要とするほかの方に譲る福祉用具リサイクル情報提供事業も行っております。こちらの方は、市民を初め、福祉施設の協力によりまして、年間ですけれども、100件程度のリサイクルも行われております。  このようないろいろな機能を持っているものですから、展示ホールとリサイクル事業がより活用されますよう、今後、市民PRにつきましても、社会福祉協議会と連携しながら、例えば、インターネットの活用とか、チラシ、パンフレットを新たにつくり直すとか、そういう意味で効果的な広報に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆長谷川衛 委員  今後、前向きに検討したいということでありますけれども、先ほど社会福祉協議会は別の観点での質問もありましたが、力の見せどころといいますか、市民のための指定管理者だというところをぜひ見せていただきたいと思います。  それから民間活力の活用ですが、札幌市がお金をかけて全部そろえるというのではなくて、せっかくああいう場所を持っているわけですから、民間企業の方々があそこの場所を使って自分たちの持っているものをどんどんアピールしていく、そういう場にする方がいいのではないかなというふうに思います。  それから、リサイクルは、難しいと思いますけれども、もっといい方法はないものかなと。リサイクルは大変だというのはわかります。故障したり修理したり、それをみんなにきちっとどう渡していくかという難しい面があると思いますけれども、この辺もひとつ活用できるように要望して、この2点目の質問を終わります。  最後の質問ですが、1点のみお願いいたします。  全盲の方を対象にした活字読み上げ装置についてです。  先ほど福祉用具の展示のあり方について伺いましたが、障がいのある方に対する福祉用具のうち、視覚障がいのある方が利用されている用具について質問したいのです。  先ほど言いましたように、用具は日進月歩で、今、本当に技術が進んでいます。この中で、視覚障がいのある方が利用している用具についても、今、スキャナー機能を活用して文字情報を音声に変換して読み上げる用具が開発されています。特に、郵便物、印刷物など、活字情報を音声で読み上げる機能は、中途失明者も含めた全盲の方にとっては大変有効なものであると思うのです。  札幌市においても、日常生活用具給付事業の中で障がいの特性に応じたさまざまな用具が給付されており、視覚障がい者向けにも、拡大読書器、前にも質問しました点字ディスプレーなど、高額な製品ではありますけれども、今、日常生活上の利便性に着目して給付がなされているところであります。  しかし、現在、全盲の方を支給対象にした活字読み上げ装置は、暗号化した情報を読み取るのみで、活字情報を音声で読み上げる機能が備わっていないなど、一部、支給品目が現状にそぐわない状況もあるのではないかと考えています。  私は、視覚障がいの中でも、全盲の方を対象とした福祉用具としては、文字にかわって活字情報を音声で読み上げる機能のついた用具こそ、日常生活の利便性を図り、たとえ目が見えなくても生活を豊かにする大切な福祉用具であると考えます。障がい当事者からも、全盲の方への活字読み上げ機能のある用具を給付してほしいというたくさんの要望が我が会派に来ているところであります。  そこで、質問でありますが、日常生活用具給付事業における現状のルールでは支給できないということは私としても一定程度理解いたしますが、全盲の方に対しては、実態に合うように、活字情報を音声で読み上げる機能のある福祉用具を支給できるような制度の改善について検討すべきというふうに考えますけれどもいかがか、1点質問いたします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  全盲の方を対象とした活字読み上げ装置の支給についてでありますが、身体障がい者を対象に給付を行っております日常生活用具は、日々、技術が進歩し、用具の種類も多様化しておりますことを踏まえまして、これまでにも、支給品目や支給対象などについて、例えば、平成23年度に点字ディスプレーの対象要件を盲聾のいわゆる重複障がいから視覚障がい単独の場合でも支給ができる、このような要件の拡大を図っており、随時、検討を加えております。中でも、文字情報である郵便物や印刷物を音声に変換して読み上げる機能を持つ用具は、視覚に障がいのある方、とりわけ全盲の方には有効なものである、このことにつきましては、私どもも委員同様の認識をしております。  一方、視聴覚障がい者を対象とした福祉用具は、一般的に高額なものが多く、文字を拡大して投映する用具であるとか、音声の読み上げを行うような用具は、従来、価格が大体20万円ぐらいする高価なものとなっておりますが、最近では10万円程度の価格帯の製品も開発されてきている状況にございます。  委員がご指摘の全盲の方への活字読み上げ装置の支給につきましては、製品開発の動向や、障がい特性に対応した効果、価格設定や財源措置などの状況も勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
    ◆長谷川衛 委員  価格もかなり安くなってきていますし、開発が進んでいます。ぜひ取り入れていただくことを要望して、私の質問を終わります。 ◆國安政典 委員  私からは、障がい者就業・生活相談支援の充実についてと、もう1点は、札幌市におけます知的障がい者の雇用に向けた取り組みについて、2点、先日の我が会派の涌井議員の代表質問でも取り上げさせていただきましたけれども、それをさらに掘り下げる形で質問させていただきたいと思います。  初めに、障がい者就業・生活相談支援事業の充実についてから質問してまいります。  障がいのある方への就労支援の充実につきましては、札幌市として積極的な取り組みを進めていただきたいと、かねてより強く願っているところであります。障がいのある方の一般就労を円滑に進めるためには、障がいのある方と企業との間に立って就職と職場定着の支援を図る、このことが特に重要であるというふうに思います。そういう取り組みを進める上では、就業・生活相談支援事業所の役割は極めて大きいと認識しているところであります。さらには、その事業所で就職と職場定着を支援する人の問題、マンパワーが大事であるということも、これまで私ども会派は繰り返し主張してまいりまして、特に札幌版のジョブコーチを事業所に配置することを求めてまいりました。  昨年10月、札幌版のジョブコーチであるジョブサポーターが1名配置されました。ことしの6月に、私ども会派といたしまして、配置された就業・生活相談室からびなを視察してきたところでございます。管理者の方、さらにはジョブサポーターの方から直接状況をお伺いしてまいりましたけれども、本当に一人一人の特性に合わせた支援と雇用の拡大に一生懸命取り組んでいることが改めてよくわかりました。また、ジョブサポーターが1名という状況では、迅速な対応を同時に求められるようなときにはなかなか対応が困難であったり、休むこともできない、こういう状況であること、さらには、最近では豊明高等養護学校を初めとする関係者の方々からの派遣要請も多くなっていて、派遣を断らざるを得ない状況にもなっているということも聞いてきたところであります。こういう状況から、就業・生活相談支援事業所の増設だけではなく、ジョブサポーターの複数配置、さらには、その後の計画的な増員が必要であることを強く認識して帰ってきたところでございます。  そこで、最初に確認の意味で、就業・生活相談支援事業所の状況について、2点伺いたいと思います。  1点目は、就業・生活相談支援事業所におけます昨年度及び今年度の相談支援件数、さらには、就職に結びついた件数はどういうふうになっているのか、お伺いします。  もう1点は、就業・生活相談支援事業所に配置するジョブサポーターの活動実績はどのようになっているのか、あわせてお伺いします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  まず、1点目の障がい者就業・生活相談支援事業所における相談支援件数等の状況についてでありますが、昨年12月に支援事業所を1カ所増設し、3カ所体制としております。平成23年度の相談件数でございますが、年間で8,741件でございました。今年度は、4月から8月までの5カ月間で7,510件となっております。これを年度に置きかえて推計いたしますと、今年度の相談支援件数は見込みといたしまして1万8,000件となり、昨年度の約2倍となる見込みでございます。  また、平成23年度の就職に結びついた件数でございますが、これは92件でございます。今年度は、4月から8月までの5カ月間の実績が30件となっております。このまま推移いたしますと、年度内で就職に結びつくであろう件数は70件程度と、昨年度の8割程度にとどまる見込みでございます。現下の厳しい雇用環境ではありますが、昨年度と同程度の実績が確保されるよう、年度後半の取り組みを強めてまいりたいと考えております。  次に、2点目のジョブサポーターの活動実績についてでありますが、昨年10月から就業・生活相談室からびなに1名のジョブサポーターを配置しまして、これまで9名に対して支援を行っております。この9名のうち、4名に対しては、就職に向けた支援として、採用面接の動向であるとか職場訪問等を行うとともに、また、残りの5名の方につきましては、職場定着のための支援として、その方が働く職場を直接訪問し、ご本人、企業双方への助言等も行っております。  加えまして、本年10月からは、この相談室からびなにもう1名のジョブサポーターを追加して配置いたしました。これによりまして、2名がペアを組むことで、例えば、ご本人が抱える不安や不満を解決するための働きかけを、ご本人や企業あるいは家族等に対して早い段階で集中的かつ同時進行的に行うことが可能となります。このように、今後は、ジョブサポーターの活動が特に職場定着の支援において効果を発揮できるものと考えております。 ◆國安政典 委員  相談件数が2倍というふうに大変な伸びがあることがわかりました。それだけニーズがあるということからすると、就職に結びつけるための支援になかなか手が回っていかないのではないのかなという懸念もいたします。実際に結びつけた件数というのも昨年並みということですので、さらに就業・生活相談支援事業所の増設も必要なのではないのかなというふうに思います。  また、ジョブサポーターの活動実績につきましても、現在9名を支援しているということで、大変精力的に活動していると思います。そしてまた、この10月からもう1名、複数配置になったということは、この仕事の性質からしても、また、ジョブサポーターの精神面といったことを考えても大変喜ばしいというふうに考えます。今も答弁にありましたように、今後、就職や職場定着支援のさらなる拡大を図る上では、ジョブサポーターの計画的な増員が課題であるというふうに思います。  そこで、再度、伺いますけれども、就業・生活相談支援事業の今後の施策展開についてはどのように進めるおつもりなのか、お伺いいたします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  障がい者就業・生活相談支援事業の今後の施策展開についてでございますが、第3次札幌新まちづくり計画におきまして、平成26年度までに就業・生活相談支援事業所を4カ所とするとともに、ジョブサポーターを4名配置することとしております。このうち、就業・生活相談支援事業所につきましては、本年10月に厚別区新札幌に事業所を1カ所新設したところでございまして、国が設置するいわゆるナカポツセンター1カ所と合わせまして市内5カ所の体制が整ったところでございます。また、ジョブサポーターにつきましては、現在2名の配置となっておりますが、来年度以降も引き続き増員を図ってまいりたいと考えております。  今後とも、就職等に困難を抱える方々に対して、職業訓練や職場実習の段階から職場定着の段階までの一貫した支援を通じまして、就労先への定着率を高め、障がいのある方が安心して働けるよう、引き続き事業全体の充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  今月から就業・生活相談支援事業所1カ所を増設したということであります。相談支援件数の増加に対して各事業所の負担も少しは軽減されるのではないかなというふうに思いますけれども、私としましては、まだまだ足りないし、スピード感ももうちょっと持っていただきたいというふうに思っております。  この件を最初に取り上げさせていただいたのは、3年前であります。私は、平成21年第2回定例会の代表質問でこのことを取り上げさせていただきました。そのときは、福岡市の例を挙げさせていただいて、当時の話でありますが、福岡では、就労支援センターは市の中心部の1カ所で、8名のコーディネーターと16名のジョブコーチによって年間100名を超える就労を実現しているということでありました。もちろん、地域特性などを考えると、これはそのまま札幌に当てはまるわけではありません。人口も違いますけれども、それよりも人口密度が全然違うというところもあります。そして、平成21年の質問に対して市長にお答えいただきましたが、その答弁は、福岡市のような先進都市での取り組みを十分参考にしながら、札幌市の実情に合った障がいのある方への就労支援策を引き続き検討してまいりたいということでありました。  その後も私は委員会などで何度か取り上げてきましたが、前段の質問にお答えいただいたとおり、昨年10月に初めてジョブサポーターを1名配置して、この10月にさらに1名、3次新まちでは4名にするということであります。要するに、札幌の実情に合わせてということは、広い、大きい札幌でありますので、できるだけ身近な地域にという施策展開なのかなというふうに思っております。そう考えますと、4カ所、もう1カ所ありますが、要するに、障がい福祉圏域ごとにしっかりとこれを配置して、ジョブサポーターも置いていく、それも複数ということでありますので、ジョブサポーターが4名では足りません。最低でも8名、これがまず第一歩として早急にやらなければいけないことなのではないかなと思います。そういった意味で、足りないし、もっとスピード感を持っていただきたいと言わせていただきました。福祉施設から一般就労への移行目標は、平成26年度に200人というふうに伺っております。そういう意味では、常に職場開拓もしていかなければいけないわけでありますから、ぜひこの充実を早く行っていただきたいというふうに思います。  全国的な傾向を見ましても、平成23年度はハローワークの新規求職件数も就職件数も過去最高となっております。さらに、平成25年4月には法定雇用率の引き上げが行われるわけでありますから、さらなる中小企業への支援強化、そしてまた、障がいのある方に対するきめ細かい支援が必要であるというふうに思います。障がいのある方々の就職及び職場定着の支援を円滑かつ確実に行っていくために、このジョブサポーターについては、せっかくスタートしたわけでありますから、計画的な増員を強く求めて、この件についての質問は終わらせていただきます。  次に、札幌市におけます知的障がい者の雇用に向けた取り組みについて質問させていただきます。  これも、代表質問で取り上げさせていただきました。札幌市として、知的障がいのある方の雇用の取り組みを積極的に進めていただきたいというふうに思っております。  札幌市におきましては、平成15年度から、身体障がいのある方を対象とした採用試験を実施しておりまして、市役所や区役所のいろいろな部署で働いている様子を見かけるようになってまいりました。しかし、残念ながら、これは身体障がいの方のみで、ほかの障がいの方は対象となっておりません。  一方で、平成18年4月には、前の政権でありますが、当時の厚生労働大臣は、国、都道府県、市町村、独立行政法人、経済4団体、主要な業種団体等に対して障がい者雇用を一層推進するよう要請文を出されております。その中で、最後に特別に書くような形で3行ほどありました。読ませていただきます。特に、公的な機関における知的障がい者の採用が極めて少ない状況にかんがみ、職場実習の受け入れと、採用に向けた具体的な取り組みを実施するようにと、このように求めているわけであります。5年前のお話であります。  そこで、伺いますけれども、札幌市や札幌市の出資団体における知的障がいのある方の実習受け入れ、これはどのように行われてきたのか、お伺いします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  札幌市及び出資団体における知的障がい者の実習受け入れの状況についてでございます。  札幌市におきましては、国における公務部門での障がい者の雇用や実習の受け入れといった施策の動向を見きわめながら、平成19年度から、本庁舎や区役所、教育委員会や出資団体等で特別支援学校からの実習生の受け入れを推進したところでございます。これまでの実習内容の例といたしましては、区役所の総務企画課での選挙かごの整理、健康・子ども課での子育て情報室における遊具の消毒や清掃、保護課での返信用封筒の切手張りといった作業などに取り組んでいただいております。また、今年度につきましては、豊明高等養護学校から1年生を45名、札幌高等養護学校から1年生及び2年生を6名受け入れる予定としております。  これまでの実績を通じまして、実習生からは、適度な緊張感の中で実習を体験することができ、大変有意義だったという感想をいただいております。また、実習受け入れ側の職員からも、まじめに作業に取り組む姿勢に非常に好感を持った、そのような感想をそれぞれいただいております。実習生、職員の双方にとりまして、実習の受け入れの効果は高いものと判断しております。  しかしながら、実習期間が3日間から10日間と短期間であり、就業体験的なものにとどまっておりますことから、具体的な分析、評価までには至っておらず、これが今後の課題であると認識しております。 ◆國安政典 委員  実習生の受け入れを行っているということで、しかも、その効果も高いというお答えでありました。そこで、こういう受け入れにおいてどのような課題があるのかといったことをしっかり分析することが、札幌市において知的障がいのある方の採用を考える上でも参考になるのではないかなというふうに考えます。  国におきましては、障がいのある方などを各府省や各自治体において非常勤職員として雇用し、1年から3年の実務経験を積んだ後に、ハローワーク等を通じて一般企業への就職の実現を図るという、いわゆるチャレンジ雇用という取り組みを平成20年度からの5カ年計画で進めてまいりました。各自治体においても、チャレンジ雇用等のさまざまな取り組みが行われておりますけれども、残念ながら札幌市では行っておりません。  また、違うお話になりますが、横浜市では、独自の事業ということで、平成19年度から知的障害者雇用事業を行っておりまして、ことしの10月1日現在で非常勤嘱託員として7名の知的障がいのある方を雇用しているということも伺いました。  そこで、再質問ですけれども、特別支援学校からの実習生の受け入れにおけるさまざまな課題の分析を進めながら、札幌市としては、まずはチャレンジ雇用もしくはそれにかわる独自の事業、この導入に取り組むべきではないかというふうに考えるのですがいかがか、お伺いします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  チャレンジ雇用等の導入についてであります。  知的障がい者の実習受け入れにおける課題としまして、保健福祉局を中心とした取り組みにとどまっており、市役所全体での実習受け入れとはなっていないと認識しております。また、実習生を受け入れた職場からは、実習期間に行う実習メニューや作業量の確保に苦労しているという意見も寄せられております。このことから、今年度は、特別支援学校の生徒を受け入れる際の指針を策定いたしまして、各区での実習内容の共有化を図ることによりまして実習メニューや作業量の確保につなげ、ひいては、それが庁内のさまざまな部署での受け入れ促進となるような取り組みを進めております。  チャレンジ雇用の制度等により、札幌市役所で障がいのある方を雇用する場合には、一定の業務量の確保や相談支援体制が必要となりますことから、保健福祉局といたしましては、まずは、その前段階として、特別支援学校の生徒に対する実習の充実と、全庁的な受け入れ拡大に努めてまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  知的障がいのある方に対する支援の質がきちんと確保されて、また、どういう仕事をしてもらうかというのは、確かに大きな課題であると思いますけれども、さきにも申し上げましたとおり、ほかにやっている政令市があるわけでありますから、そういった成果も踏まえながら、ぜひ職域の開拓に取り組んでいただきたいと思います。  特に、先ほど申しました横浜市は、毎年レポートが出されておりまして、さまざまな課題も相当整理されておりますし、逆に、職域ということについても、当初、予想した以上に担っていただける分野が広がってきたという話も耳にしております。  いずれにいたしましても、これまでそういう職域の開拓をしてきていないわけでありますから、意識を持ってこれをしないことには前に進んでいかないというふうに思います。職域の開拓というのは、民間企業でも障がいのある方にどのような仕事をしていただくかということで知恵を絞って努力しております。先ほども言いましたように、法定雇用率も上がりますから、札幌市、行政は、みずからが民間企業に率先して障がい者雇用を推進すべき立場にあるわけであります。元気ショップとか元気カフェも意義あることだと思いますし、先ほどの企業とのマッチングも大事かと思いますが、直接、雇用することによって、そのノウハウを民間企業等に情報提供できるとか、さまざまな効果があるというふうに思います。そういった取り組み自体が札幌における知的障がい者の雇用のあり方を決定づけると言っても過言ではないのではないかと思っております。  ぜひ、札幌市におきましても、できるところから取り組んでいただいて、この取り組みを進めるよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  各会計決算説明書の53ページの社会福祉総務費の中で、中国残留邦人等支援事業ということでここに決算額が記載されております。  実は、私が1983年に初当選したころに、中国において、いわゆる日本の占領政策の中で満州国がつくられ、敗戦で日本に帰還できなかった、そういう子どもたちなど、中国の人たちに育てられて、日本に帰りたいということで、日本に来て肉親捜しをして、身元引き受けができた人が日本に帰ってくる、こういう事業が始まった時期でありました。当時、私もこのことを代表質問で取り上げて、時の板垣市長は、札幌市にも清掃事務所に何人か採用すると、全国的にもそういうような取り組みがされた時期でありました。  ここで、中国残留邦人等支援事業費2,395万6,486円、さらにまた、中国残留邦人等生活支援給付金2億9,754万8,164円、これらが支出されているわけであります。この中身は説明受けておりますから省略いたしますが、2億9,754万8,164円は、一般的に言う生活保護に当たるお金です。これは、いろいろな制度の関係があって、生活保護ではなくて、国が特別にこういう形で出しているようになっていると説明を受けております。  そして、113世帯173名がこの対象になっています。皆さん高齢であります。私が気になるのは、この人たちの子どもは、どういう職について、どういう収入状態にあるのか。帰ってきた人たちは高齢になっていますから、恐らく、お孫さんが学校へ行っていると思うのですけれども、やはり、今の日本の教育の実態からいったら、学校だけではなかなか授業を全部覚えることができません。そこで、経済的に余裕のある方は塾に通わせる。余裕のない方はなかなか行けない。そんなことから、市長は、そういう子どもを対象にして学習支援活動をやろうということに踏み出されました。これは、大変結構なことだと私は思っています。  そこで、今、113世帯の子どもがどういうような収入状況にあるか。そして、その子ども、孫に当たる人たちは、今どういうような状況にあるか。私は、こういうようなことを調査して、そして、それらに対する就学支援といいますか、勉強の支援、こういうものをしていく必要があるのではないかなと。孫の世代でそういうことがされて、そして、本当にそれぞれの持っている能力において社会の中で就職されて、初めて戦後処理が終わる、私はこういうふうに認識するのですよ。  そういう点で、まずは、こういうことについて実態調査をしたことがあるかどうか、お尋ねいたします。 ◎渡辺 総務部長  中国残留邦人の方々の子ども、お孫さんに対する実態調査をしたことがあるかというお尋ねでございますが、お孫さん、子どもが、もし仮になかなか生活が難しくて生活保護を受給しているような場合には把握できる可能性はございますけれども、それ以外のケースについては、実態を把握することはなかなか困難な状況にございます。  なお、北海道中国帰国者支援・交流センターというところを北海道で設営しておりますけれども、こちらの方で把握しております2世、3世の方は114名いるというふうに聞いているところでございます。 ◆松浦忠 委員  私は、生活支援給付金を受けている113世帯173名、この方々だけで結構だから、この子どもがどういう状況にあるか、お孫さんがどうなっているか、このようなことを調査して、そして、その調査に基づいて、先ほど話をしたようなお孫さんに対する勉強の支援などをする、こういうことに取り組んでいくべきだというふうに思うのですよ。私は、まずは、やっぱりそういう調査をやるべきだと思うのです。  このごろは、もう30年近くたって、中国の残留孤児が日本に帰国した問題については余り社会的に話題にはなりませんけれども、私は、本当に孫の世代ぐらいの人が生まれたときから日本語を覚え、そういう中で学校へ行って、そして、親の世代あるいはおじいちゃんの世代が日本で生まれて日本で育って日本で就職した人たちと同じような条件になるところまでするのが、本当の意味での戦後処理だなというふうに思っているのですよ。  ぜひ、113世帯の調査をしてほしいなと思うのですけれども、市長、いかがでしょうか。私は、ぜひこれをやってほしいと思って市長に出席を求めたのです。そんなに世帯数が多いわけではないですから、行って面接して、子どもはどうしていますかと聞けば、それは全部わかる話ですから、ぜひやっていただきたいなと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎加藤 保健福祉局長  先に状況だけをご説明申し上げますけれども、ただいまの中国残留孤児の生活に対して、113世帯ということで支援している中身につきましては、生活保護基準とほぼ同じ中身のお金を支給しているところでございます。これは、先ほど松浦委員からのご質問の中にもありましたけれども、国の責任において支給するのだということで、生活保護制度とはまた別の形で支給されているところでございます。  ただ、現実問題として見まして、その子孫の方というか、2世、3世の方が現実的に生活保護を受けている場合もあって、その場合、私どもは、その状態については生活保護の中できちっと把握しているところでございます。  そういう意味では、生活保護を受けていない人は一体どうなっているのかというようなご質問であったかなと思いますが、当初、札幌にお越しになったいきさつと、それから、その後、転居していったり、新しく入ってきたりとか、そういうような住居の移動の問題もあって、札幌市独自でそれをやるのはなかなか難しいのではないかなとは思います。ただ、私としては、やる必要性自体は今後検討しなければならなのではないかなというふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  もうちょっと私の質問の趣旨を説明します。  113世帯、この方々についてのみ、子どもはどういう仕事をしてどんな収入状態にあるか、そして、お孫さんがどういうふうになっているかということを調べてはと。私は、子どもが職についていることにどうしろ、こうしろということを言っているのではありません。少なくとも、日本でおぎゃあと生まれたときに日本語を耳にするという状況の中で生まれ、戦前も戦後もずっと日本に住んで生活してきている人たちの孫と同じような条件に立たせてやりたい、それで初めて戦後が終わるのではないか、私はこう思うのです。わずか113世帯ですから、ぜひ調査をして、そして、その結果によってそういうような対策も立ててほしい、こういうことなのです。  これは、恐らく、全国のどこかでやっているところがあるかどうか、私は調べていないからわかりませんけれども、ぜひやっていただきたいなということで、市長にこのことを要請したい、こういうことなのであります。 ◎加藤 保健福祉局長  申しわけございません。若干訂正させていただきますが、先ほど、中国残留邦人の生活支援給付金を支給している世帯については、私どもの職員が年に1回訪問して実態調査をしているということでございます。今、松浦委員のご質問にございましたように、そこに行って、その状況を聞けばその中で把握することは可能かなと、このように考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  それは生活でしょう、調査しているのは。私が言っているのは、いわゆる帰国1世の孫の世代が、今、就学していれば、その親の所得によって塾に通わせたくても通わせられないと。そのおじいちゃん方が、いわゆる日本の国策で満州国などに行かなければ、日本で仕事をしていれば、また別な状況になっていたのではないかと。だから、少なくとも孫は日本にいた人の孫と同じような状況に置いてあげたい。そして、そこから先は、これはもう同じ条件ですからいいですよと。私は、ここまでが戦後処理だと思うのです。  国はまだそこまではやらないけれども、少なくとも、札幌市として、市長が、それとは関係なく、生活保護などを受給している世帯に、経済的に恵まれない人たちの子ども方にお勉強の手助けをしたいということを施策として出されているから、特にこの人たちのことを調べてそうやってあげてほしいなと思うものだから、いかがでしょうか、市長と言っているのです。 ◎上田 市長  特に、中国からの帰国者ということで、戦争責任との兼ね合いから特段の配慮が必要ではないかというご心配はもっともなお話だというふうに思います。  ただ、生活保護受給者の家庭のお子さん方も、やはり同じような状況が多いということもございます。そういうことも含めまして、ボランティアの皆さん方が学習支援をするなど、それなりの取り組みをされているわけであります。今、毎年一度、支援金を受給されている方には訪問するということがございますので、その中で、お孫さん、お子さんを含めて、どういう生活状況にあるのか、もっとほかに支援を必要としているかどうかということをお伺いすることはやってまいりたい、このように考えます。 ◆林家とんでん平 委員  それでは、私からは、先日、我が会派の代表質問でも取り上げました重度障がい者に対する施策の充実について、ホームヘルプサービスとそれを補完する制度であるパーソナルアシスタンス事業に着目して、3点伺いたいと思います。よろしくお願いします。  質問の前に、実は、私の子どもですが、今、25歳になりますけれども、小学校4〜5年生のときに、車の中で目が回ると。そして、だんだん歩けなくなっていって、今は全く動けない、そしてしゃべれない、そして、昨年は胃瘻の手術をしたという状況にあって、今、そのいろいろな経験をもとに、それらの気持ちを入れながら質問したい、そう思っておりますので、よろしくお願いいたします。  そのような重度の障がいのある方が地域で自立して生活を営むということは、大変なことであります。それには、食事・入浴時、これらは身体介護でございますが、調理、掃除といった家事援助、そして継続的な見守りなど、さまざまな介助が必要であります。居宅でのホームヘルパー等による一対一の支援というのはとても大切であり、必要であります。そして、障がいが重度であればあるほど、ケアの内容も個別的な対応が必要です。ここで大切なことは何があるかというと、ヘルパーによる支援の質の向上にあると思うのですね。質の向上がとても大切であります。  障がいのある方の家族が、いろいろ面倒な手続をしてやっと支援を受けてヘルパーに来てもらうのですけれども、これがなかなか難しいのですね。一人ではしゃべれない、家族が見守っていても、一人で生活をしている方もそういう状況で、言葉が言えなくて伝達方法が難しいということでなかなかマッチしないときがあるのです。それで事業所をかえたりなんかしながら生活をしているのが実態なのです。そういう苦労を重ねながらやっと――言える人はいいのですね。ここがこうだから済みませんがと親の立場で言える人はまだいいのですけれども、言えないで、しょうがないかと生活する方もいらっしゃいます。  そこで、こういうサービス提供は質の問題があるものですから、これは以前もお話ししましたけれども、札幌市ではヘルパーによる支援の向上のためにどのような支援をしていくのか、支援というか、どのように向上させていくのかという、その取り組みをまずはお聞きしたいと思います。 ◎天田 障がい保健福祉部長  ホームヘルパーによる支援の質の向上に係る取り組みでございます。  札幌市では、これまでも、ヘルパー事業所に対する定期的な実地指導、集団指導、監査等の場面を通じて適切な個別支援の取り組みを促してきております。さらに、平成20年度からは、札幌市の独自事業としまして、利用者の障がいの状態や生活環境等に応じた個別支援計画を作成するための事業者向けの研修会も実施してきております。一方、ヘルパー事業所数の増加が非常に顕著でございますが、これに伴いまして利用者の選択の幅が広がっております。反面、事業所とのトラブルについて札幌市にも相談が寄せられるという事例が多く見られるようになってきております。  このため、今年度におきましては、これまでの取り組みに加え、試行的な取り組みとして、事業所の管理者を対象に、トラブル事例の紹介などを交えつつ、適切な支援方法について学ぶための研修会を実施したいと考えております。引き続き、事業所指導の手法を工夫しながら、ホームヘルパー一人一人の支援技術の向上の支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆林家とんでん平 委員  いろいろ努力をしてきた、それから、これからもするというお話はわかりました。やはり、ヘルパーに来てもらいたいという思いがあるのですけれども、一対一ですから、意思の疎通ということ、それは、例えば目配りであったり、それで感じるものというのがとても大切だと思うのですね。そういう研修とか、そういうところがとても大切だなと思うのです。例えば、高齢者のヘルパーをやってきた方々が重度障がい者のところに来ると、対応が全く違うのですよ。そのままやってしまって、何々さん、あのねと大きな声を出すと、びくっとして、もうこれはだめなのです。そういう細かなこと、これはこうだという一対一の対応ですから、そういうところもぜひやっていただきたいと思います。  続いて、重度の身体障がいのある方を対象としたホームヘルプサービスとしては、障害者自立支援法による重度訪問介護がありますけれども、札幌市では、平成18年度から、一部の利用者を対象にして1日当たり24時間が支給されています。私が当選したときは、まだ14時間でした。先ほどお話ししたとおり、私も同じような気持ちで生活しているものですから、実は、これはぜひ24時間できないかと。始終、目を離せないような状況ですから、体交もしなければいけない、2時間ぐらいずつ体交する、命にかかわることですからそういう状況です。それで、3時間ふえて17時間と。次の年もふえて今度は20時間になりました。そして、今は、24時間の対象者が12名おります。  この24時間をお願いしますというときに、いわゆる規則みたいなものがあります。その中に、この病気でなければならないというのがある。これはおかしいと思うのね。この病気でなければ24時間はできないのだよと。例えば、交通事故で24時間必要な方もいます。でも、だめなのよ、これは。私は、障がいというグループの中の差別だと思うのね。そう思いますよ。そこでふるいに落ちた方はどういう制度でやっているかというと、11時間ですよ。今は、24時間の下が11時間なのです。そして、その支給基準の制度が10年間見直しされていないのです。10年間ですね。それで、その10年間に、時間の拡大をしてくれとたくさんの方々が来ているはずです。もちろん札幌市の財政の問題もございます。  そこで、この間、札幌市として、必要な介護時間の確保に向けて、障がいのある方や学識経験者、サービス事業所職員などが勉強会を重ねて、そして、平成22年度に独自施策としてパーソナルアシスタンス事業というすばらしい事業が始まりました。これは、重度障がいのある方の介助に、例えば近所の知っている方々など、ああ、この子は小さいときから知っているよ、こういうときは悲しいときなんだとか、そういう細やかなことがわかる人にパーソナルアシスタンス事業に携わってもらいたい、そういう思いで始まったわけですね。  ところが、24時間の中で11時間ですから、本当は長くあいている時間も欲しいのです。欲しいのですけれども、実態は、パーソナルアシスタンス事業の対象者が、今、札幌市では約280名います。実際に利用されている方は、平成22年度末で20名、23年度末で23名にとどまっております。  ただ、この事業は、国の重度訪問介護では対応することのできない入院時のコミュニケーション支援としても活用することができるメリットがあります。これもよく言われてきたのですが、入院したときは、ぜひお願いしたい、でも、これもかなわなかった。しかし、このパーソナルアシスタンス事業によってこれが実現できたのですね。この入院時の一時利用などを含めると、平成23年度の延べ利用者数が32名となっています。しかし、23年度予算額が1億3,647万7,000円なのですが、決算額がどうなっているかというと、6,778万1,000円です。ということは、まだ利用している方は少ないということなのです。  これは、何かがあるのではないかなと思うのですね。一方で、ぜひいろいろ利用したいということでパーソナルアシスタンス制度が始まったわけですから、なぜここまで利用者数が少ないのかなと思うのです。私としてはとてもすばらしい制度であると思っていますから、たくさんの方々へのPRなどがいろいろ必要なのではないのかなと。  そこで、質問ですけれども、事業開始から2年半が経過しましたが、札幌市では、パーソナルアシスタンス事業の利用促進に向けて今後どのように取り組もうとしているのか、そこをお聞きしたいと思います。 ◎天田 障がい保健福祉部長  パーソナルアシスタンス事業の利用促進に係る取り組みについてでございます。  2点ご説明させていただきます。  まず、1点目でございますが、昨年11月に、従来、本庁の障がい福祉課で決定を行っておりました事務を、住民に最も身近な単位ということで区保健福祉部に移管いたしまして、障がい福祉サービスの申請の機会などに同時にパーソナルアシスタンス事業も申請できる、そういった相談も一体的にできる体制に改善いたしております。  2点目といたしましては、複数の利用者からの声を反映させてつくったものでございますが、繰り越し制度というものを導入いたしました。これは、4月から実施しておりますが、いわゆる支給量は月単位で決定しております。ホームヘルプであれば時間数ということになりますが、この時間数の中で各月に利用していただいております。しかし、介助者の急なキャンセル等で利用できなかったということが出てまいります。そういうときは翌月に繰り越すことができない仕組みになっておりましたが、これを翌月に繰り越して使うことができるようにしました。例えば、体調を崩したとき、手厚いケアが必要になることがあります。もし前月にそれが余っていれば、当月にそれを使うことができます。そういった面では、その月は当月の支給量を超えて利用すると。これは、パーソナルアシスタンス事業の中に取り入れたものでございまして、このような弾力的な運用を可能にしているところでございます。  今後とも、この事業の一層の利用促進を図るためには、区保健福祉部の窓口であるとか、白石区内に設置しておりますPAサポートセンター、これは当事者団体に委託しておりますが、こういったサポートセンターを通じて当事者の方に広く周知に努めることが必要だと思っております。また、私どもとしましても、利用者のご意見を伺いながら、この事業の利便性の向上にも取り組んでいく必要があると考えております。それらを通じまして、重度障がいのある方々の地域での自立生活支援の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆林家とんでん平 委員  とてもいい制度で、今、とてもいいお話を伺いました。これをどのようにPRしていくか。  私の家族は、万年、寝不足です。これは、体交しなければいけないからです。小さいうちはよかったのですが、大きくなると、私より大きいですから2人、3人でかかわらなければいけません。そのために24時間が必要だと。これが私の家の実態なのですが、24時間が必要な方、ふるい落とされた11時間の方、そして、その中で本当に必要だと思っている方々が、今のような制度をよく知って、あとは入り口ですね。相談窓口が複雑であったり敷居が高いような状態だとなかなか難しいのではないかなと。そこをぜひ考えていただきながら充実に向けて取り組んでいただきたい、そう思っております。  パーソナルアシスタンス事業は、私としては大変いいなと思っているのですが、利点もあれば、やはり欠点もあります。どこが欠点かというと、いわゆるたんなどの吸引ができません。これは医療的ケアなので対応することができない、これが問題であると思うのです。家族はそういう何物も持っておりませんけれども、家族は許される。しかし、外から入ってくる方は許されないということがあります。あとは、急なキャンセルがあって、それを受けることがなかなかできないということもありますね。  重度の障がいのある方全員について、生活全般を支えることは無理だということはこういうことでおわかりかと思います。ここで、やはり、重度の訪問介護という公的なホームヘルプサービスと、パーソナルアシスタンス事業のような補完的な施策とがともに充実して車の両輪として機能していかなければ、安心で安全な地域での生活を実現することは困難であります。  さきの代表質問で、渡辺副市長がこう答えました。現行のホームヘルプサービスの仕組みについて、障がいの状態に応じたよりきめ細やかなサービス提供ができるようにするなど、一層の制度の改善が重要だとの答弁でありました。現行の重度訪問介護の支給基準において1日当たり最大11時間と、そして、特別なことで24時間と、この差が13時間あります。私は、この13時間は、もうずっと言ってきましたけれども、何でこんなにあいてしまうのかなと。ここを埋めたいわけですよ。ぜひ埋めてほしいなと。  そこで、質問ですけれども、長時間の介護を必要とする方に対する重度訪問介護について、その充実に向けた具体的な検討に着手すべきだ、そう思っております。10年間で10歳、年をとります。その間、家族の不安、本人の不安もございます。この間を埋めたい、命を守りたい、そういう思いがあるのです。  市長にぜひご答弁いただきたいなと思うのですが、もう一度言います。  長時間介護を必要とする方に対する重度訪問介護について、その充実に向けた具体的な検討に着手すべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。 ◎上田 市長  ただいまは、ご子息の状況を踏まえた重度の障がいをお持ちの方に対する訪問介護事業の必要性、そして、介護時間の延長を含めた極めて深刻な状況についてご質問がございました。  我々も、その実態について深く認識させていただいて、制度と制度のはざまをどうやって埋めるかということで、先ほど来ご質問のパーソナルアシスタンス制度というものも編み出して、有料ボランティアを含めていろいろな工夫を重ねてなるべく充実させていきたい、そんな思いでいるところでございます。  しかし、11時間というところから、なかなか全部を組み合わせてすべての皆さん方にご満足いただける状況でないことはご指摘のとおりでありますし、私どもは、常に制度の充実ということを念頭に置きながら、しかし、財政的な枠組みといいますか、限界といったものも横目に見ながら、壁を破るために努力していきたいという考えでおりますので、ご指摘の点についてはぜひ総合的に検討を進めてまいりたい、こんなふうに考えます。 ◆林家とんでん平 委員  私としては、前向きに受けとめました。ぜひ、今後お願いしたいと思います。  国も、もちろんこの札幌市も、入所施設から地域生活へという思いで来ていると思うのです。ところが、家族は、年々、年をとっていくわけです。例えば、生まれてすぐに障がいを持ったお子さんを見ると、私たちの生活はどうなるのだろう、私が亡くなったらどうなるのだろうということをまず一番最初に考えます。それから、この子の幸せということを考えると思います。先ほども言いましたが、10年で10歳の年をとります。これは、当事者だけではなく、本人だけではなく、家族も年をとる。ですから、不安が倍増するわけです。そのためにも、当事者に対しては、命を守ってほしい、そういう制度であってほしい、そして、家族には将来に安心を与えていただける、そういうような制度にしていただければと、それを願って、私の質問を終わりたいと思います。 ○峯廻紀昌 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後5時57分
          再 開 午後6時19分     ―――――――――――――― ○峯廻紀昌 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、災害時要援護者避難支援対策についてと、さっぽろシュリーの経営改善の取り組みと今後の方向性について、この2点について質問させていただきます  最初に、その他社会福祉事業総括費で行われております災害時要援護者避難支援対策について質問させていただきます。  災害時要援護者避難支援対策につきましては、平成24年1定の予算特別委員会で、取り組み地区数や、先進的な取り組みを実施している厚別東地区を例に出させていただきながら、普及啓発について質問させていただきました。そのときの答弁としては、連合町内会の地区内で単位町内会が一つでも取り組んでいれば1地区とカウントした場合、32地区で取り組んでいて、24年度には6地区が取り組む予定というお話をいただきました。今年度も既に半年が経過し、取り組み地区数の拡大が期待されるところであります。また、8月21日に、市内の連合町内会や単位町内会、福祉のまち推進センターの役員を対象とした災害時要援護者避難支援フォーラムが開催され、250名が参加されたということでございます。  そこで、質問ですが、現時点で市が把握している災害時要援護者避難支援対策に取り組んでいる地区数を改めて伺います。  また、フォーラムに参加された方に対してアンケートも行われたというふうに伺っておりますけれども、その結果についてお伺いいたします。 ◎渡辺 総務部長  まず、1点目の現時点で札幌市が把握しております災害時要援護者避難支援対策に取り組んでいる地区の数についてでございますが、取り組んでいる地区の数は37地区、今後新たに取り組む予定の地区は12地区と把握しているところでございます。  2点目のフォーラム参加者のアンケート結果についてでございますが、今回のフォーラムでは、時間をかけまして、二つの地区からの実践報告の形で開催したところ、参加者の9割を超える方々から、大変参考になった、あるいは参考になったとの回答をいただいたところでございます。自由記載欄でも、例えば、災害時要援護者避難支援の取り組みはなかなか実現に至らないが、きょうの話を聞いて改めて必要性を感じ、取り組む意欲を高めることができたなどの前向きな感想をたくさんいただいたところでございます。  また、取り組みを推進するために重要と思う事項について尋ねましたところ、取り組みのノウハウや、ほかの地域の取り組みをまとめた手引集の発行が約35%と最も多く、次いで、行政による直接支援が23%、フォーラムのようなほかの地域の取り組みを知る機会の充実が20%という結果でございました。 ◆丸山秀樹 委員  現在実施しているのが37地区、今後も12地区ある、フォーラムのアンケートについても、ノウハウとなる手引書の作成を望むというのが非常に多いと。直接アドバイスをもらいたい、また、より一層のフォーラムの充実を望むという声が寄せられたということでございました。災害時要援護者避難支援事業に取り組んでいく地区は、今後さらにふえる見込みということであり、取り組みが広がりつつあるということは確認させていただくことができました。  この事業に実際に取り組む場合、方法や手順のほかに、取り組む意欲を高めることが最も重要であり、アンケート結果にもあったように、行政の支援や他の地域の取り組みを知る機会を充実させていくことが大変重要であると思います。  そこで、質問ですが、保健福祉局の今後の指針や、地域に身近なところにある区役所ではどのような支援を行っているのか、何か特徴的な支援を実施している取り組みがあるのか、お伺いさせていただきます。  あわせて、本事業に関し、保健福祉局が検証を行っていると思いますけれども、今後どのように展開していくおつもりなのか、あわせてお伺いいたします。 ◎渡辺 総務部長  まず、1点目の区役所からの支援についてお答えいたします。  各区では、地域や老人クラブなどの各団体で開催されます出前講座に講師として赴いたり、これは9区で実施しておりますが、連合町内会の会長会議や区民生委員・児童委員協議会など、地域の関係者に対して事業内容を説明する機会を設けている区もございます。また、特徴的な支援といたしましては、これから独自にフォーラムの開催を予定している区が3区ほどございます。また、区の実施プランの中で、常日ごろの見守り活動と結びつけた取り組みを展開していくことを検討している区も1区ございます。また、委員の地元でございます厚別区では、広報さっぽろ区版に5カ月連続で地域の取り組みを紹介しているところでございます。  2点目の今後の展開についてでございますけれども、先ほどの質問にも関連いたしますが、フォーラムのアンケート結果で要望の多かった事例集を今年度中に作成するとともに、区の保健福祉部とともにこの事業を地域へ説明する機会をふやして地域の取り組みの増加につなげてまいりたい、このように考えております。また、この事業が円滑に実施されますためには、やはり何といいましても、日ごろの近隣関係が築かれていることが大切でありますことから、あわせまして、基本となる日常的な見守りとか安否確認活動を推進する取り組みの支援を行ってまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  各区では、出前講座の開催、また区主催のフォーラムを実施するところもあると。厚別区は、5回にわたって広報さっぽろにも掲載し、その活動を紹介していただいたところでございますが、今後は事例集なども作成して普及啓発に努めていただくというお話を今いただきました。  先ほども出ておりましたが、平成22年度にこの事業を実施しました厚別東地区は、札幌市から町連全体でモデル地区の指定を受けて取り組んでまいりましたけれども、地域全体での努力の結果、平成23年度末で当初の目標に到達したことから、災害時要援護者避難支援の取り組みをさらに進化させまして、平成24年7月には厚別東防災福祉ネットワーク協議会を立ち上げて、8月に札幌市消防局が立ち上げた地域消防助け合いネットワーク協議会のモデル地域の指定を受け、厚別消防署と協定を結ぶところまで至っております。この間、地区内にある地域組織や、私立の学校も含めた教育機関、医療機関、民間事業者との間で地域で独自の防災協定を締結し、今後は活動のテーマを設定して、防災、減災、防火に関する新たな協議を開始することにしております。  一例として紹介させていただきますが、この地域では、平成23年度から、地元の厚別中学校の生徒と協働でDIGの研修についても取り組みを開始しまして、ことしも9月28日の金曜日にそれが開催されました。中学生に対しましても、災害が発生したときは、要援護者を助ける側、支援者となって活動してもらうための自覚を植えつけることができ、大きな成果を得られたと聞いております。また、当日の模様については、10月20日にSTVテレビの札幌ふるさと再発見でオンエアされるということも伺っております。  さらに、厚別東地区が進化させたこの事業は、その具体的な取り組みとして、11月12日になりますが、非常時を想定して、約300人規模で、私立北星大学附属高校において、まきストーブを使って無洗米での炊き出し訓練と非常食の試食をあわせて行うということも伺っております。町連の福祉部、防犯防災部、女性部、日赤奉仕団など、消防署も巻き込んでの地域が主催する訓練となりますけれども、この訓練も厚別東防災福祉ネットワーク協議会が北星大学附属高校との地域での防災協定を結んだことから開催にこぎつけることができたものと思慮されます。当日は、訓練の開始に先立って、北海道教育大学の佐々木貴子教授による防災講演や、防災グッズの展示会、また、消防署の協力を得て、防災資材などの組み立てや煙道訓練などもあわせて行うことになっております。  ちょっと説明が長くなりましたが、以上、このように、モデル事業からスタートした災害時要援護者避難支援事業の取り組みをきっかけといたしまして地域での活動が進んでいくと、保健福祉の枠を超えた地域づくり、防災体制づくりへと発展し、防災と福祉による新たなまちづくりが展開されていく地域も誕生するといういい事例ではないかというふうに思います。  以前にも申し上げましたが、こうした地域の防災力強化の取り組みに関しましては、行政サイドでは、市民まちづくり局、危機管理対策室、消防局、また保健福祉局、区役所など、さまざまな部署が縦割りにかかわっておりますが、いざ、地域がこの事業に取り組む場合には、すべての事柄を関連づけながら総合的に取り組むこととなり、まちづくりセンターへの業務負担が非常に高いということも感じるところでございます。このモデル事業をスタートするに当たり、ここまでの想定は多分していなかったのではないかなというように感じますが、この事業は、やっぱりここまでやらなければ本当の意味で地域の備えにはならないのではないかというようにも感じるところです。災害への備えの市民意識は、より具体的で、しかも、身近に防災意識を高める取り組みを行わなければ危険意識も薄くなっていくものだというように感じます。そのためにも、やはり実践的な啓発活動は欠かせないというように思います。  本来、全国的に待ったなしの防災対策について、今後、各地域での取り組みを持続、継続しながら進化させていくためには、先進的な取り組みを進めている地域を行政内部で研究し、組織横断的な、例えば新たなポストの新設も視野に入れるなど、本格的、抜本的対策も含めて、市民ニーズにかなった全庁的な応援体制を構築していくことが重要であり、相談窓口を明確にして地域へ周知し、支援体制をより一層強化してほしいということを求めまして、この件についての質問を終わらせていただきます。  続きまして、さっぽろシュリーの経営改善の取り組みと今後の方向性について質問させていただきます。  さっぽろシュリーにつきましては、主力の店舗の移転により売り上げが急激に減少したということで、昨年の秋に札幌市に対して緊急要請を行い、昨年の第4回定例市議会において、さっぽろシュリーに対する1,200万円の緊急貸し付けを行う補正予算を議決したところでございます。この補正予算の議決に当たりましては、昨年度の厚生委員会において、各会派がさまざまな観点から質問を行いました。我が会派からは私が質問いたしましたが、事業内容を含め、運営体制のあり方を検討することが結果として障がい者の雇用の安定的な確保につながり、そうした体制が築かれることが35年前に目指した初期の目的の達成につながることを指摘させていただきました。現在、従業員33名中、障がいのある従業員30名が働くこの法人の事業内容や運営体制について、さらなる改善、充実が図られることを求める気持ちは少しも変わっておりません。  そこで、初めに、確認の意味で、さっぽろシュリーの経営改善の取り組みについて、2点お伺いいたします。  1点目の質問ですが、当該法人では、昨年の秋に経営改善計画を策定し、さまざまな対策に取り組むことになっておりましたけれども、昨年度における対策の実施状況がどのようなものとなっているのか、お伺いいたします。  また、2点目の質問ですが、昨年度の収支決算についてどのような状況となっていたのか、あわせてお伺いいたします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  さっぽろシュリーの経営改善の取り組みについてでございます。  まず、1点目の昨年度における対策の実施状況についてでありますが、当該法人において昨年11月に策定いたしました経営改善計画におきまして、人件費の削減、靴修理料金の改定、経営改善計画に係る今後10年程度の行動計画の策定を行うといった具体的な改善策を盛り込んでおります。このうち、人件費の見直しにつきましては、業務員や事務員の賞与の10%を削減するとともに、管理職賞与の50%削減及び給与の25%減額に取り組んでおります。この結果、平成22年度の人件費から500万円強の削減を行っております。また、靴修理料金の改定につきましては、各店舗において事前の周知を行った上で、本年1月から約7%引き上げる料金改定を行ったところでございます。さらに、行動計画といたしましては、本年3月に開催されました理事会での議論、承認を経て、今年度からの人事管理と給与体系の見直し等について着手しております。  次に、2点目の昨年度の収支決算についてでありますが、事業収入は約1億6,700万円、事業支出は約1億7,200万円となり、事業活動収支としては約520万円の赤字となりましたが、昨年12月の1,200万円の緊急貸し付けによりまして、最終的には530万円の当期収支差額として平成24年度に繰り越しとなっております。 ◆丸山秀樹 委員  人件費10%カット等を含めて500万円、また、料金については7%上げたと。行動計画については、人事管理も含めて改善を図ったということで、経営計画で取り組むべき三つの項目について昨年度は目標を達成することができたことを確認させいただきました。また、事業収支自体は520万円の赤字だったとのことですが、緊急貸し付けを行ったことにより、運転資金を確保しながら事業を継続していることもわかりました。  最新の札幌市内の企業経営動向調査においても、景気が以前と比較して上昇していると回答した企業の割合は3期ぶりにふえているものの、景気動向指数はマイナス29.7で、依然として下降していると回答している企業の割合が多いままとなっております。このような社会情勢下で、さっぽろシュリーが事業収支の黒字を確保することは大変なことだとは思います。  そこで、再度お伺いいたしますが、今年度も上半期を終えたことから、今年度の収支状況はどのようになっているのか、また、今後の経営改善の方向性についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎天田 障がい保健福祉部長  今年度の収支状況と今後の方向性についてでございます。  まず、今年度の収支状況についてでありますが、事業収入については、昨年度予算よりも厳しく見積もりまして1億2,200万円が計上されておりますが、本年8月までの作業高をもとに試算いたしますと、現時点では1億580万円となると見込まれております。予算で見込んだ事業収入よりも約1,700万円下回るおそれがございます。  このため、法人では、この9月中旬に臨時理事会を開催いたしまして、危機感を持ってさまざまな検討を行っております。この理事会では、事業収入の増収策についてさまざまな検討を行うとともに、あわせて、収支の均衡を図るために支出の抑制も必要であるということから、従業員の賞与について、生活への影響を考慮しつつも、本当に断腸の思いでありますが、雇用の継続を第一に考えまして昨年度よりもさらなる減額を行うことを検討しているところでございます。加えまして、店舗の賃料の引き下げ交渉等につきましても、まだ実現に至っておりませんが、引き続き、粘り強く交渉を行っております。  札幌市といたしましても、職員向けにシュリーの店の利用を呼びかけたり、事業収入の増加が見込めるような条件のよい公共施設を紹介したり、新たな事業の取り組みやアイデアを提供するような助言を行っております。  また、今後の方向性でございますが、法人の経営改善計画では、今年度から3年間を経営改善に係る集中取り組み期間としております。収入面での改善の取り組みのみならず、障がい当事者が自立し、働く姿を市民の方に理解いただけるような取り組みも重要でありますので、法人としての自主的な取り組みを積極的に進めるよう、引き続き働きかけてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  今、天田部長から、断腸の思いというご答弁がありました。今年度についても、事業収入は当初予算よりも1,700万円ほど下回りそうだということで、大変厳しいとの認識を受けたところです。  障がいのある方の雇用の継続と生活への影響を配慮しながら既に対策を行っているということではございました。ただ、先ほど企業経営動向調査の景気動向指数の話をさせていただきましたが、景気に対する実感が大事でありますように、事業収支が厳しい中にあっても障がいのある方が前向きな気持ちで働くことができるように、モチベーションを高めるような支援もやっぱり行っていただきたいというふうに思います。  一例ですけれども、例えば、頑張って売り上げが大幅に伸びたような店舗があれば、社内報で業績を共有してお互いの意識を高め合うなど、こういうときだからこそ心を一つにする取り組みも必要だというふうに考えます。  また、さっぽろシュリーが出しました新しいチラシを拝見させていただきました。事業の改善計画の中にもありましたように、今後は応援団をつくっていくのだということが出ておりましたけれども、企業の協賛を受けて作成したというふうにお聞きいたしました。こういうさっぽろシュリーの応援団がいることは、事業にとっても大変心強いと思います。今後も応援団をふやして、ぜひともPRの取り組みを積極的に進めるべきだと思います。こうした取り組みを通じまして、従業員が前向きな気持ちを持って、その勢いが波及し合いながら、来店する市民の皆様にも伝えていくことが大事ではないかというふうに思います。事業収支の改善につながっていく一つの手として、さまざまな形で従業員のモチベーションを上げながら、また、それをお互いの情報として共有しながら、さまざまな展開を積極的に行っていただきたいと思います。  これから、シュリーの店はいよいよ繁忙期を迎えるところでございますので、さっぽろシュリーの取り組みのPR等をぜひとも積極的に行っていただきますことを強く要望して、私の質問を終わります。 ◆植松ひろこ 委員  自殺総合対策事業と福祉3団体の再編統合についてお伺いいたします。  初めに、札幌市の自殺総合対策事業につきまして、昨年度も質問いたしましたが、札幌市の自殺者数の状況に余りにも変化がないので、今年度も引き続き質問いたします。  1998年より全国の自殺者数は3万人を超え続け、札幌市の自殺者数もこの年から1日1人以上にもなる年間400人を超え続けている憂慮すべき状況は依然として変わっておりません。厚生労働省の人口動態統計によりますと、最近の札幌市における自殺者数の推移は、2009年は420人、2010年は431人、2011年は434人となっております。また、内閣府、警察庁の自殺の基礎資料では、2009年が484人、2010年が481人、2011年も480人と、いずれの資料からしましても高どまりしている状態となっております。  国では、本年の8月28日に自殺総合対策大綱の見直しを行い、その中で、全国的には自殺率は着実に低下し、地域における高齢者の孤立化防止の取り組みなど、中高年層、高齢者向けの対策が一定の成果を上げているものと考える、他方、若年層では自殺死亡率が高まり、また、学生、生徒の自殺者数は増加傾向にあるなど、新たな課題もあらわれ始めているとあります。学生、生徒の自殺につきましては、先月の9月5日にも白石区での中学生の痛ましく悲しい事件があったことは、まだ記憶に新しいところだと思います。  高齢者等の自殺者数の減少と若年層の増加傾向という全国的な傾向に比べまして、札幌市における自殺者数の高どまりの実態、現状は一体どのようになっているのでしょうか。高齢者または学生、生徒の自殺者数等の現状分析などを明確にしてからでないと、自殺に対する効果的な対策がとれないのではないかと考えています。  そこで、昨年の自殺者数高どまりの実態など、札幌市における自殺者数の現状はどのようになっているのか、また、2011年度は主にどういう内容の事業を実施したのか、あわせてお伺いいたします。 ◎鍋島 精神医療担当部長  1点目の札幌市の自殺者数の現状についてであります。  ご指摘のとおり、平成21年からの3カ年の自殺者数の推移では、内閣府、警察庁の自殺統計による人口10万人当たりの自殺率は、平成22年は25.42、平成23年は25.30と若干低下しておりますが、依然として高どまりの状態であります。前年との比較では、男性が8人減り319人、女性が7人増加して161人であり、23年は合わせて480人の方がお亡くなりになっておられます。  札幌市の特徴としましては、20歳代の女性の自殺者数が12人の増加で目立っております。また、20歳代、60歳代は男女とも増加しております。学生、生徒の自殺者数についてですが、平成21年からの推移では、21年28人、22年16人、23年16人と増加は見られません。また、3カ年で継続して増加しているのは60歳代の男女、70歳代の女性となっております。  2点目の平成23年度の事業内容についてであります。  普及啓発事業の「わたしは、ほっとけない。」キャンペーンでは、商工会議所に所属する企業2万社に対してメンタルヘルス対策の情報をダイレクトメールで発送したほか、3月には自殺予防講演会を実施し、133名の市民に参加していただきました。そのほか、10区のまちづくり事業と連携し、地域に密着した一般市民向けの講演会、支援者向けの研修会等を実施し、延べ2,508名の参加をいただいたほか、巡回パネル展の実施やパンフレットの配布をいたしました。相談支援では、無料相談会を3回開催し、人材養成では、自殺のサインに気づき、関係機関につなげ、見守るゲートキーパーの研修会や講師の派遣などを12回行いました。  成果物といたしましては、精神疾患に関する小冊子を1,000部作成し、各区の保健福祉課を中心に活用しているほか、自殺のサインに気づき、適切な対応を記載したほっとけないカードを3,800枚作成し、庁内の相談窓口関係職員に配付いたしました。  また、他部局における自殺総合対策として、男女共同参画課の男性、女性のための相談事業及び中央図書館において、心の健康に関する資料展示や講演会を開催するなど、4局10事業を実施いたしました。このように、当精神保健福祉センターだけではなく、いろいろな部局、区との連携を図りながら、札幌市の自殺総合対策を展開しているところでございます。 ◆植松ひろこ 委員  札幌市の昨年の現状分析におきまして、全国と比べて高齢者の自殺が減っていないどころではなく、増加していること、また、札幌市では、学生、生徒の自殺者数は増加していないものの、女性の自殺者数が増加していることがただいまの答弁で明らかになりました。  また、2011年度の自殺総合対策事業の実施結果につきましては、ほぼ了解される事柄ではありますが、ほっとけないキャンペーンにありますように、普及啓発に主軸があり、対策の対象者が定まっていないような印象が否めないのではないかと思います。  さきにもありました国の自殺総合対策大綱におきましては、自殺対策基本法の九つの基本的施策に沿った当面の重点施策について、あくまで国が中心となって集中的に取り組まなければならない施策であり、地方公共団体においてもこれらを網羅的に取り組む必要があるということではない、地方公共団体におきましては、地域における自殺の実態、地域の実情に応じて必要な重点施策を独自に設定して取り組みを進めるべきであるとあります。札幌市におきましても、自殺対策の普及啓発を広い市民層に薄く広めるよりも、もう少し実情に応じた取り組みや対象者を特定した対策、効果的な取り組みが必要ではないかと私は考えます。例えば、自殺者数が増加している高齢者や女性をターゲットに自殺対策を展開するなど、方法はさまざまにあると思います。  そこで、今後、主にどういう内容で自殺総合対策事業を進めていくのか、現状の分析を踏まえた対策の取り組みを行う予定があるのか、お伺いします。  また、来年度は、札幌市自殺総合対策行動計画の見直し年次となることから、今まで取り組んできた事業の評価や、札幌市の自殺の現状や実態を踏まえることが必要と考えますけれども、計画の見直しに当たっての考え方及びスケジュールについて、あわせてお伺いいたします。 ◎鍋島 精神医療担当部長  1点目の今後の主な事業内容でありますが、今年度は、昨年度と同様の3,500万円の予算規模で実施いたします。他部局では、児童会館や放課後児童クラブの職員、利用者の保護者を対象とした自殺予防の講演会を実施するなど、6局9事業を実施いたします。また、精神保健福祉センターにおいては、普及啓発事業の規模を縮小し、自殺をより効果的に予防する人材養成事業に主軸を移し、ほっとけないカードを活用した窓口関係職員に対する研修や、一般市民にも拡大したゲートキーパーの養成研修など、今後は人材養成の研修に力を注いでまいりたいと考えております。10区の地域密着型の自殺対策事業についても、そのうち3区が職員、区民のゲートキーパー研修を兼ねて実施する予定であります。  先ほどお答えいたしました、札幌市で自殺者数が増加している高齢者や女性を特定の対象とした対策につきましては、メンタルな問題を抱えた女性を支援対象とした保健医療職及び高齢者にかかわる専門職等の方々に対するゲートキーパー養成研修を実施するほか、直接、自殺予防を訴えるため、老人クラブを通じた普及啓発、女性が多く集まる施設や専門学校等への啓発ポスターやチラシの配布も行う予定であります。  自殺総合対策につきましては、事業の成果が即効的にあらわれるものではありませんが、自殺者数などの実態や現状分析を踏まえて、より効果的な対策や事業についての検討を行いながら、今後とも積極的に地道な取り組みを継続してまいりたいと考えております。  2点目の札幌市自殺総合対策行動計画の見直しに当たっての考え方とスケジュールについてであります。  平成21年度から取り組んできた各事業の効果の検証のほか、今年度、実施する札幌市の自殺の統計分析や実態把握を踏まえることはもちろんのこと、今年度、改正された国の自殺総合対策大綱や、北海道で、今年度、改正する第2期北海道自殺対策行動計画の動向も十分に注視しながら見直しを行いたいと考えております。  また、スケジュールにつきましては、札幌市内の関係団体との意見交換や庁内の合意を得て平成25年12月末までに案を策定し、26年2月末までにパブリックコメントを終えて、25年度末には次期の札幌市自殺総合対策行動計画を策定したいと考えております。 ◆植松ひろこ 委員  2009年当時は、経済問題を抱える中年男性、精神疾患を抱える女性、身体疾患を抱える高齢者をハイリスク層と考え、札幌市は自殺行動計画を策定いたしました。しかし、今もって景気が低迷し続け、就職もままならない若者や生活苦の中年男性、そして、健康問題を抱えたお年寄りや若い女性など、ハイリスク層も微妙に変化してきていると思います。  人材養成事業や普及啓発事業など、こういった事業も意義のある事業だとは理解しております。しかしながら、例えば、横浜にありますNPO法人ヌジュミでは、ギャンブル依存症に悩む女性の社会復帰を支援する取り組みを積極的に行っており、横浜市もこれに対して支援を行っております。また、富良野市では、30代から50代の男性の自殺が多く、その背景には経済的な理由があるということを考え、月に1回ではありますが、はーとまねーセンターという相談窓口を設け、司法書士と保健師がそれぞれ債務や精神の相談に対応する取り組みを行っております。このように、今後は、自殺総合対策行動計画の見直しに当たりましても、今までの事業の取り組みの評価を踏まえ、かつ、札幌市の現状分析とその実情に応じたより一歩踏み込んだ対策について、長期的に、そして継続的に取り組んでいただくことを求めまして、こちらの質問を終わります。  続きまして、福祉関係3団体の再編統合についてお伺いいたします。  2011年の第4回定例市議会代表質問におきまして、我が会派より、社会福祉協議会、在宅福祉サービス協会、福祉事業団の福祉関係3団体統合につきまして質問いたしました。その答弁の中で、本市の福祉のセーフティネット機能をより一層強化するため、団体の事業を有機的に結びつけ、福祉、介護、保健、施設が一体となったサービスを提供できる団体として、業務一元化や執行体制の見直しにより、より効率的な事業の展開が期待され、経営基盤の安定強化も見込まれることなどから、3団体を統合する方向で検討することとなったとありました。本年5月には、各団体の理事会におきまして統合について了承され、3団体において基本的な事項について合意され、その後、各団体と札幌市による組織のあり方などについて、より詳細な協議が続いていると聞いております。  そこで、3団体の統合についてはどのような合意がなされているのか、また、統合が2段階になったと聞いておりますが、なぜそのようになったのか、今後のスケジュールとあわせてお伺いいたします。 ◎渡辺 総務部長  まず、基本合意の内容でございますけれども、社会福祉協議会を存続団体といたしまして再編・統合するとともに、統合の目的を、現在、各団体が実施しております地域福祉推進事業、在宅福祉推進事業、施設福祉関連事業について、総合的かつ有機的に提供できる体制を整備することによって、市民一人一人の暮らしを尊重する福祉社会の実現に資する団体としているところでございます。また、現在の在宅福祉サービス協会及び福祉事業団の財産につきましては、社会福祉協議会へ引き継ぎ、職員につきましては、社会福祉協議会の職員として継続雇用をし、必要に応じて経過措置を設けながら勤務条件を統一していくこととしております。組織体制につきましては、3団体の役割や機能を生かしつつ、地域福祉本部、地域包括ケア本部、介護事業本部の3本部制を導入するとしております。  次に、統合時期につきましては、平成25年4月と26年4月の2段階とすることで合意されております。段階的に統合することとした理由でございますけれども、在宅福祉サービス協会は、公益法人改革に伴いまして、平成25年11月までに財団法人から別の法人格に移行しなければならないために、平成25年4月1日に社会福祉協議会に統合することといたしました。一方、福祉事業団についてでありますけれども、平成26年3月まで長生園などの指定管理者となっておりまして、これら施設においても指定管理の再指定手続を行った場合に利用者に影響が出る可能性もあることから、平成26年4月1日でありますが、現在の指定管理期間の満了の後に統合することとしたものでございます。  なお、現在も、3団体におきまして統合に向けた協議会を設置し、詳細について協議を継続しているところでありまして、来月には最終的な統合案が決定する運びというふうになっております。 ◆植松ひろこ 委員  統合に向けてのスケジュールや内容などは理解いたしますが、市民へのサービス提供と市民にとってのメリットを高めていくことは、今後もご尽力いただきたいと思います。  3団体統合により、新しい社会福祉協議会となることで、具体的に市民へのサービスがどのように変化するのか、特に、訪問介護サービスを利用している1割以上もの方が在宅福祉サービス協会を利用しており、在宅福祉サービス協会は、一般の民間業者では対応が困難なケースについても積極的にかかわっているとの話を聞いています。そのために、職員研修を通じたヘルパーの育成に努め、他の業者に比べて離職者の人数も少なく、利用者が安心してサービスを利用しているとも聞いております。  一般的に、介護関係職場は、雇用者の労働条件が厳しく、働く方からもサービスを受ける方からも、長く働き、介護のエキスパート職員育成が必要であると言われています。そのような状況の中で、在宅福祉サービス協会の存在価値は高いと思われます。統合後も、現在と同様の介護サービスの質が確保されなければならないことはもちろんですが、これまで以上のサービスを提供すべきものと考えております。  そこで、統合することによりまして市民サービスがどのように変わるものと考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎渡辺 総務部長  統合によります市民サービスへの影響ですが、どういうふうに変わるかということについてお答えいたします。  在宅福祉サービス協会と福祉事業団が行っている事業につきましては、社会福祉協議会へそのまま継承されますので、現在のサービスは維持されます。さらに、新しくなった社会福祉協議会では、例えば、福祉のまち推進事業などでの見守り活動の中で、介護保険制度では対応できないサービスのはざまにいるような方を発見した場合には、協力員派遣事業やボランティアによる支援を活用するなどの対応を見込んでおりまして、対応が困難なケースに対するセーフティネット機能が強化されるというふうに考えております。また、多様な職種間の連携によりまして、福祉、介護、保健にかかわる人材の専門技術と知識の向上が図られまして、提供されるサービス水準の向上につながるとともに、福祉的な支援を必要とする方が相談に来られた場合には総合的な対応が可能になるなど、市民サービスの向上にもつながることが期待されると考えているところでございます。 ◆植松ひろこ 委員  サービスレベルの維持と市民に存在する生活福祉課題の全般に一つの組織としてかかわっていくことは意義のあることと思われますので、新しい社会福祉協議会には、団体内の連携を強化しながら、住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、必要な支援の提供と、より一層のサービスの充実に期待いたします。  高品質のサービスを市民に提供するためには、団体職員の雇用の確保に十分な配慮が必要であります。業務の一元化や執行体制の見直しによりまして、より効率的かつ弾力的な事業を展開することで、経営基盤の安定強化を進めていくことも必要であると考えます。  そこで、統合によりどのような効果を見込んでいるのか、お伺いいたします。 ◎渡辺 総務部長  統合によります各団体への経営の効果についてお答えいたします。  現在の各団体の経営状況でありますけれども、社会福祉協議会は、その性格上、収入の多くが市からの補助金、委託料で占められております。一方、在宅福祉サービス協会ですが、市内の数多くの民間事業者と競争しながら介護保険サービスの提供を中心に運営しておりますけれども、国によります制度改正のあおりなどもありまして収入がなかなか安定しにくい面がございます。また、福祉事業団の方は、札幌市からの施設の指定管理業務が大半を占めておりまして、経営的には安定しておりますが、今後、施設の大規模改修があった場合の対応など課題も抱えていると考えております。  このような三つの団体が統合することによりまして、まず、庶務・経理部門などの内部業務を一元化することによって事務経費の軽減や効果的な人員配置を図ることができ、また、事業の範囲が拡大することによりまして経営に関する課題への対応に柔軟性が生まれるものというふうに考えております。さらに、将来的になりますけれども、地域包括事業や介護保険事業などの収益事業の方から自主財源を確保し、これを市民に還元するとともに、よりサービス水準の高い事業運営を図りながら、団体としての独立性が確保されることも期待しているところでございます。 ◆植松ひろこ 委員  現在の各団体の財務状況を見てみたところ、退職引当金の積み立てが十分にされていないなど、将来に向けて心配な要素が見られます。新しい社会福祉協議会の職員や市民に不利益が生じないよう、経営基盤の安定は重要な課題だと思います。  経営に関しましては、社会福祉協議会は独立行政法人であり、札幌市の直接的な関与が難しいことは重々承知しておりますが、適切に団体運営がなされるよう、必要なかかわりは継続していき、先ほど申し上げましたように、効率的な経営と市民に対する福祉サービスの維持・向上、さらには働く職員の雇用条件維持に努めていける体制とすることが重要であるということを強く申し上げまして、私からの質問を終わります。 ○峯廻紀昌 委員長  以上で、第1項 社会福祉費及び病院事業会計中関係分の質疑を終了いたします。  最後に、第3款 保健福祉費 第4項 生活保護費の質疑を行います。 ◆林清治 委員  私からは、生活保護受給者の自立支援対策である就労ボランティア体験事業について質問していきたいと思います。  まず、事業にかかわりの深いケースワーカーの業務に触れてから質問に入っていきたいと思います。  札幌市の保護動向としては、依然、増加傾向にありまして、平成24年8月現在、被保護世帯数5万280世帯、被保護人員7万2,247人となっています。被保護世帯数の増加に伴い、ケースワーカー数は、2010年度は32人、2011年度は43人、そして2012年度50人を増員し体制を強化しておりますが、それでもなお社会福祉法に定める標準数は満たしていない状況にあります。中には100を超える世帯数を担当しているケースワーカーもいる、そういう実態でございます。受け持ち世帯数が増加することで、本来、重要な業務であります受給者との面談や相談を受けることが大変難しくなってきている、そうした実態にございます。  このように、ケースワーカー数が増加しているため、経験の浅いケースワーカーがふえていることはある程度やむを得ないのかなと思いますが、今年度当初には経験年数2年未満のケースワーカーが全体の約55%を占めております。さまざまな指導・援助を必要とする被保護世帯に対して十分なケースワークができないのではないかと懸念しているところでもあります。  また、札幌市を取り巻く雇用情勢は依然として厳しく、長引く不況の中で就職できない期間が長くなっている方々も多く見受けられます。特に、ここ数年の稼働年齢層を含むその他世帯の増加は顕著であり、これらの方々に対しては、個々の状況に応じたよりきめ細やかな就労支援のあり方が非常に重要になってきております。何度繰り返し応募しても就職できずにいるという状況の中で、挫折感だけが残り、求職活動に取り組む意欲をなくしてしまう、そういうような方も多く、また、社会からの孤立感も強く感じ、ますます就職が遠のく状況になっていく、そのような受給者たちの就労支援を行うケースワーカーの負担を軽減するためにも、就労支援策を一層充実させる必要がございます。
     そういった観点から、就職に向けてのステップアップ的な支援として昨年から行っている就労ボランティア体験事業でございますが、このことは大変評価できるものであると考えております。ことしの第1回定例市議会予算特別委員会でも、我が会派の委員から、事業拡大に当たり、厚別区での経験を生かしながら、社会から孤立する方が一人でも少なくなるよう事業の充実をお願いしたところでもございます。  最初の質問ですが、今年度は、厚別区に加え、白石区、豊平区においても実施しているところですけれども、まず、現在の実施状況についてお伺いします。 ◎中村 生活保護担当部長  就労ボランティア体験事業の実施状況につきましては、今年度は、9月までに厚別区は26名、白石区は16名、豊平区は18名の方が事業の参加登録をしております。白石区、豊平区では、今年度からの実施のため、区保護課内部での事業の周知、対象者への事業の案内に少し時間がかかっておりますけれども、7月以降は徐々に参加者がふえてきております。厚別区では4名が就職し、職業訓練に参加し始めた方も出ております。受け入れ事業所は、各区とも15カ所を超えております。また、受け入れ事業所の多くは、介護施設や高齢者施設が多く、ボランティアの内容も、施設利用者の話し相手や配ぜん補助、レクリエーション補助などとなっておりまして、受け入れ先事業所からも、活動が継続するにつれ、事業所にとっても必要不可欠な存在となってきているという評価をいただいております。  今後も、参加者、ケースワーカー、委託事業者支援員の3者が十分に協議しながら、参加者の状況に合ったところを選べるよう、ボランティアメニューを充実させていきたいと考えております。 ◆林清治 委員  ただいま、さきに実施した厚別区では順調に進んでいる、4名が就職したというような話も聞きました。白石区、豊平区においても徐々に参加者がふえているという答弁もございました。大変重要な事業でございますので、また順調に進めていっていただきたいなというふうに思います。  NHKが2010年度から何度も取り上げている無縁社会というものを扱った番組がありまして、この番組において、取材して盛り込めなかった、番組で扱えなかったものを取りまとめて出版した「無縁社会」という本を私は読みました。本当に記者やディレクターが全国を取材して、日本が今どうなっているのかということを小まめにまとめていただいておりますが、その中で、親の介護だったり病気だったり、さまざまな理由で仕事を失い、アルバイトなどで生活を続けていた方が、けがや病気で生活保護受給者となってしまい、社会との縁が切れていく、そうした過程が取り上げられております。その本の中にも、生活保護の生活から抜け出すために、就職活動で苦労されている方、または、そういう受給者を支援するNPOの活動が紹介されております。切れた縁を再度結び、社会とのつながりを強めていく、このように、今、全国でさまざまな取り組みが行われてきております。その中でも、この厚別区の取り組みというのは大変評価できる取り組みだったのかなというふうに私は思っております。  そこで、再質問ですが、白石区、豊平区は、厚別区とは違って大規模区のため、事業を進める上で大規模区なりの課題があると考えております。どのように認識され、また、どのように解決していくのか、お伺いしたいと思います。  また、厚別区において4名就職したとのことでありますが、この事業を通じて、意欲が高まった方にタイムリーに仕事を見つけることができるような道筋づくりが必要と考えておりますけれどもいかがか、あわせてお伺いしたいと思います。 ◎中村 生活保護担当部長  1点目の大規模区においての課題でございます。  白石区、豊平区におきましては、ケースワーカー数が白石区では87名、豊平区では71名と、厚別区の33名からしますと2.5倍以上の大規模区となっております。このことから、ケースワーカーに事業内容を周知するのに少し時間がかかりました。新しい事業を実施するに当たりましては、事前の十分な説明や、資料をわかりやすくするなどしながら、周知を図っていきたいと考えております。事業対象となる受給者も厚別区よりは多いことが予想されますが、受け入れ先事業者数とのバランスを考慮し、現在は年間40名として実施しているところでございます。  今後の参加状況や受け入れ先事業者をどの程度確保できるのかを見通しながら、対象者数をふやすことができるかどうか、検討していきたいと考えております。また、この事業におきましては、受託事業者の支援員と担当しておりますケースワーカーの密接な連携が欠かせないことから、情報交換の場も確保してまいりたいと考えております。  2点目の意欲が高まった方に対する次の道筋づくりでございますが、現在は、就労支援相談員やハローワークを活用しながら支援を行っているところでございます。しかしながら、意欲が高まったとはいえ、すぐにフルタイムでの就労が難しい方もいらっしゃいますので、例えば、仕事につくための基礎的な力をつけるためのセミナーを開催することなどについても考えているところでございます。 ◆林清治 委員  ただいま、この事業を進める上での課題、または克服策ということで回答をいただいております。本当に大変な事業でございます。今後、ボランティア事業に参加する受給者をふやしていくためには、ケースワーカーのかかわりが大変重要になってまいります。  そこで、次の質問ですが、この事業は、第3次新まちづくり計画の中では、来年は6区に、そして、2014年度には10区全部で行うという計画になっております。今後、計画どおりに進めるためにどのような点に考慮しながら進めていくのか、今後の取り組み方針についてお伺いしたいと思います。 ◎中村 生活保護担当部長  今後の取り組み方針でございます。  平成26年度には全区で実施し、対象者を400名とするよう事業を広げるに当たりまして、まず、受け入れてくださる協力事業所の十分な確保が必要となってまいります。現在は福祉施設が多くなっておりますが、参加者のさまざまな状況に応じたボランティア活動を可能とするためにも、多様な協力事業所の開拓が必要と認識しております。現在、協力事業所の開拓につきましては委託事業者が行っておりますが、今後は、さまざまな業種の協力先をふやすために、委託事業者とともに検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、委託事業者の、特に参加者と受け入れ先事業者との橋渡しをする支援員のコーディネーターとしての役割が大きいことから、事業目的をしっかりと理解し、実施できる事業者を選定し、計画どおりに進むように努めてまいりたいと考えております。 ◆林清治 委員  まさに、ただいま答弁いただいたとおりだと思います。私も、先日、NPOである事業者とお話しさせていただきました。本当に苦労してボランティア先の確保に走り回っております。そういう部分で、本当に大変重要な事業であり、そして、本市としても、この事業の意義を重く持ち、今後の推進体制を拡充していく予定であるということも聞いております。  このように共通認識を持っていると思うのですが、最後に幾つかの課題を示して質問を終わりたいと思います。  今後、事業を拡大して定着させていくためには、各区のケースワーカーと事業者のボランティアコーディネーターとの連携が重要であります。そして、ケースワーカーの業務繁忙については、冒頭で私が触れたとおりでございます。来年度においても、ケースワーカーの必要数の増員を図ること、せめて標準数を維持できるような計画を作成することを強く求めたいと思います。これについては、加藤局長も中村部長も同じ気持ちであるというふうに思うのですが、保健福祉局として、職員部なり関係部局に求めて、しっかりとしたケースワーカーの確保をお願いしたいというふうに思います。  そして、ボランティア先の確保についても、事業者にかかる負担は本当に大きいです。本当に走り回っていろいろな事業所に当たって受け入れをお願いしております。事業者は、入札により選定するシステムであります。事業者が交代する可能性があることから、今後は市としてのかかわりもしっかり持っていく必要があると思います。そういう形で、事業者、ボランティア先も確保し、しっかりとした体制をつくっていく、そして、今後の実施の中で、後退することがなく、しっかりと体制整備を進めていく、そのことを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ◆宮川潤 委員  私は、生活保護の職権廃止について質問します。  特に、保護受給者が若者である場合などは就労指導が行われます。その法的根拠は、生活保護法第27条、「保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。」、第2項、「前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。」、第3項、「第一項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。」、このように指導、指示を強制してはならない旨、明記されております。  一方、第62条では、「第二十七条の規定により、被保護者に対し、必要な指導又は指示をしたときは、これに従わなければならない。」と、被保護者に指示に従う義務を明らかにした上で、その第3項で、「保護の実施機関は、被保護者が前二項の規定による義務に違反したときは、保護の変更、停止又は廃止をすることができる。」と、指導、指示に従わない場合、保護の廃止までできることを規定しています。第27条で指導、指示は強制できない、第62条で指導、指示に従わなければ廃止できるとしております。  この二つの条文の解釈について、まずお聞かせください。 ◎中村 生活保護担当部長  生活保護法は、ご存じのとおり、昭和25年にできた法律でございまして、そのときの精神といたしまして、それまでの旧法から基本的人権の尊重ということがうたわれてまいりました。そこの部分で、まず、生活保護はだれでもが受けることができるということがあります。一方、今、委員がおっしゃいましたとおり、指導、指示に従う義務、それから、生活保護の停・廃止までも規定しております。これは、当時の生活保護法の解釈と運用という小山進次郎さんがつくった我々のバイブルのようなものがございますが、その中で、その当時のGHQと今で言う内閣法制局とのせめぎ合いの中で、基本的人権は守らなければならないということで強制してはならないといったような文言が出たと、解説を読みますとそのように書いてございます。  そういったことで、被保護者に対しましては、生活保護法第60条におきまして、「常に、能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り」とありますことから、熱心に求職活動に励むということを指導、指示しております。また、強制してはならないといったことは、その当時の考え方から申し上げますと、例えば、病院を受診してくださいという検診命令というものがございますが、その指示に従わなかった場合に、被保護者の身柄を拘束して病院に連れていくようなことや、例えば、車などの財産処分を指導した場合に、本人の意思に反して強制的に売却するといったようなことが考えられると思います。 ◆宮川潤 委員  一言で言いますと、基本的人権を尊重する、そういう中身であろうと思います。しかし一方で、実施機関の方は変更、停止、廃止はすることができる、こういう解釈であったと思います。  私どもの代表質問で、豊平区で生活保護を受けていた人が、指導、指示に従わないということで廃止された問題を取り上げました。個別の問題だと言ってまともな答弁を避けましたが、プライバシーを侵害しない範囲で、本市生活保護行政の問題として答弁すべきであります。  まず、指導、指示に従わない場合は、口頭による指導、文書による指導、期限を定めた文書による指導の3回の指導の上、弁明の機会を経て、保護の変更、停止または廃止をすることができるとされています。求職活動として、週に1回、求職活動をし、週に1回、区役所に求職活動をしていることを報告することと指導、指示されました。この方の場合で言いますと、8月に10回ハローワークに行ったそうであります。そして、区役所への報告ですけれども、週に1回ずつとはいきませんでした。しかし、1カ月に2回、区役所に行っていました。行ったところ、担当ケースワーカーが外出しており、不在だったから報告できずに帰ったのであります。  私は、ハローワークに行っていないというならまだしも、ハローワークに行っていたのであれば問題なしとすべきだと思います。区役所にとっては、報告がないからハローワークに行っていないのだろうと想定し、保護の廃止を行ったとしか思えません。もしそのとおりであるならば、区役所の判断ミスということになります。判断ミスかどうかは問いませんが、求職活動をしている人でも保護を廃止するのですか。報告がないことだけで廃止するというのは余りにも過酷だと思うのですけれどもいかがか、伺います。 ◎中村 生活保護担当部長  個人情報の関係もございますので、個別の事案、ケースについての詳細を申し上げることは差し控えさせていただきます。  通常、委員がおっしゃいましたように、生活保護法第27条の指導、指示に従わず、生活保護法第62条による職権廃止を行う場合には、まず、口頭による指導、指示を行い、これは、大体が2ないし3カ月ぐらい家庭訪問もしくは来所指示をして、3カ月から6カ月経過しても指導、指示に従わない場合に、文書による指導、指示を行います。その文書の指導、指示をして、3カ月から6カ月ぐらい経過しても指示に従わない場合に、期限を区切った文書の指導を行っております。最終的にこの指導に従わなかった場合に、弁明の機会を付与して、指導に従うことのできなかった理由を十分に聞き取り、福祉事務所として保護を継続すべきか、停止または廃止すべきかを決定することとなります。このように、一般的に、手続的には十分な時間をかけ、慎重に取り扱っているところでございます。  そこで、報告がないということのみをもって職権廃止が可能かどうかということでございますけれども、通常、口頭での指導、指示が既に行われており、その上で文書による求職活動の指導をする場合に、求職活動の内容を、例えば、1週間に1回以上報告してくださいとか、2週間に1回報告してくださいとか、具体的な指示内容が記載されている場合が多いかと思います。このような指示内容が記載されている中で、全く報告がないという場合には、指導、指示義務に違反したと判断して、職権による廃止に至ることもあり得るとは認識しております。当然のことながら、この場合も、廃止に至るまでの間、十分に丁寧な指導を行っていくべきものと考えております。 ◆宮川潤 委員  いろいろおっしゃいましたが、要するに、週1回、報告に来なさいなどということで具体的に指示をされていて、その報告に行かない場合は、たとえ求職活動をしていたとしても報告がないことをもってして廃止できる、こういうことですね。  報告がないことを、求職活動をしていないから報告しないのだと決めつけているのではないのかと私は思うのですよ。保護の変更、停止、廃止などの措置をとるのであれば、求職活動をしていないということを確認してからでも遅くないでしょう。報告に来ないから求職活動をしているか、していないかわからないという状況ではなくて、この人は確かに求職活動をしていない、それを確認してから変更、停止、廃止をしても遅くないと思うのです。豊平区の場合では、3段階の指導と弁明の機会が付与されていましたが、その後にいきなり廃止というのは、私は、幾らなんでもひどいなと思うのです。  質問ですけれども、生活保護は最後のセーフティネットでありますから、それを断ち切ることは慎重の上にも慎重を期さなければならないと思うのですがいかがか、考え方をお示しください。  さらに、求職活動をしているか、していないか、確認されていない受給者に対しては、保護の変更、停止、廃止などの措置をとることに先立って、求職活動状況を把握することについて区役所は最大の努力をすべきだと思うのです。結局、求職活動について確認できないまま何らかの措置をとらなければならない場合があったとしても、廃止の前に停止することも可能なわけです。いきなり廃止ということではなくて、法でも認められている停止という処分をした上で、その後、必要なら廃止という段階に進むということもできると思うのですけれどもいかがか、伺います。 ◎中村 生活保護担当部長  今までも申し上げましたように、廃止に至るまで、弁明の機会を付与するまでに、まず、2〜3カ月の間訪問をして、会えない場合には来所指示もします。それから、手段として、そこに不在の連絡票も入れて、来てくださいと、そういった口頭指導をした上で文書指導をする。いきなり文書指導することはあり得ません。その文書指示は、働いて自立しなさいという言い方ではございません。一般的な話でございますけれども、仕事を見つけてください、仕事を探す努力をしてくださいと。そういった中で、仕事を探す努力をすることを報告していただくというのは、当然、我々としては訪問しているわけでございますから、それについて、どのような求職活動をしたのかということを、少なくとも1カ月に1回は求職活動報告書と、もしくは、区によっては求職状況報告書というものをいただくことになっております。それすら出ない場合には文書で指導、指示をしまして、なおかつ、それでも改善が見られない場合に、期限をつけていついつまでに仕事を探してくださいといったことで指導をしまして、それでも改善が見られない場合に、弁明の機会を設けて来所指示をいたします。その来所指示も、必ず訪問して文書を入れてまいります。その後で、直列のケースワーカー、係長、課長だけの判断ではなく、所としてこのケースはどう取り扱ったらいいかということで、委員がおっしゃるように停止という場合もございます。それは、そのときのケース・バイ・ケースで、停止が適当なのか、廃止が適当なのかということを判断して行政処分を行っているところでございます。 ◆宮川潤 委員  やはり、停止という手段も可能なのです。停止の場合は、廃止と違って、いきなりやめてしまうのではなくて、言ってみれば、一たん停止といいますか、保護そのものは全くなくなってはいないのですけれども、支給しないという状況ですね。そういう手続もあるのに、求職活動をしていても報告がないということで廃止というのは、私はひどいと思う。報告がないことをもって求職活動をしていないだろうというとらえ方は、私は理解できない。  本当に報告を求めたいということであれば、間違いない方法があるのです。それは、保護費の窓口支給です。実際に窓口支給されている人もいます。保護費を受け取りに行って、窓口でいろいろ聞かれたり、いろいろ言われたりして帰るということであります。保護の廃止をする前に窓口支給にすればよいと思うのですけれども、それをしないで廃止と。私は、最後のセーフティネットを簡単に断ち切ってしまう、そういうやり方だと思います。  廃止の前に窓口支給という方法を活用することはできないのか、伺います。 ◎中村 生活保護担当部長  保護費の支給方法には、口座振替と窓口支給の2通りがございます。確かに、訪問をして全然連絡をよこさない場合に窓口支給に切りかえる場合がございますけれども、それがすなわち指導、指示につながるものではございません。これは、保護の実施要領の中に、指導、指示に従わないで、訪問して返事もない者に対して、窓口支給をして来所を指示して事情を聞くようにというような実施要領は書いてございません。  ただ、一般論といたしまして、普通、連絡がとれない場合に窓口支給に切りかえる場合がございますけれども、それ以外に、急遽、保護の程度がその世帯で変わったという場合にも窓口支給に変える場合はございます。しかし、それをしないからといって、今までずっと長い間、指導、指示をしてきたわけでございますので、直ちに停止もしくは廃止を行ったとしても、その前に弁明の機会を設けておりますので、そのことで軽々に判断したということにはならないかと思います。 ◆宮川潤 委員  窓口支給は実施要領にないとおっしゃいました。実施要領にないことはわかっていますよ。実施要領にないことはできないのですか。窓口支給をやっている人はいっぱいいるでしょう。できるでしょう。  窓口支給が指導、指示につながるものでないということもおっしゃいました。できるでしょう。窓口支給で会えなかった方と会えるようになれば、指導、指示の機会になるのではないですか。 ◎中村 生活保護担当部長  窓口支給という手法を会えないケースに対してとることもございます。委員がおっしゃいました豊平区のケースでそれをとったか、とらないかということは、この場では私どもから申し上げることはできませんが、一般的には、その中で、3カ月、半年、それから、その後のまた3カ月、半年という長い間で窓口支給を一回も行わないといったことは普通は考えられませんので、そういった対応をとった場合もあるかと思いますけれども、個々のケースについては差し控えさせていただきます。 ◆宮川潤 委員  つまり、窓口支給はできるのですよ。そして、そういう手法をとることもあるとおっしゃったでしょう。では、なぜ廃止という最も厳しい手段をとる前にやらなかったのだろうかと。もちろん、この場合、廃止が違法だと言っているのではないですよ。3段階の指導と弁明の機会を付与しています。そういう点では、手順が違法だということではないのですよ。ただ、セーフティネットを断ち切る前には十分慎重なやり方が求められるし、市は廃止する前にできることがあったということなのです。たくさんの人に対してやっている窓口支給もやっていない。そして、停止ということも手続上あるということをお認めになりました。それもやっていない。そして、廃止にしている。私は、そういうやり方であれば、仮に廃止になるような人であったとしても、もしハローワークに行っていないというようなことであっても、それは十分確認して、その事実を確認した上で廃止ということでも遅くないと思うのですよ。  ですから、私が具体的な例として挙げた方の場合は、窓口支給だとか停止などの段階がなくて廃止になっているという点では、私は、市としてもっと慎重なやり方というのはできたはずだと。生活保護の廃止に対しては、慎重の上にも慎重に、そういう手順、手続を踏むべきだ。違法かどうかじゃないんですよ。違法かどうかではない。しかし、できることがあるということですよ。  今後、生活保護の廃止ということについては、慎重に、市としてできるような手続をする、今まで以上にそういう考え方をとるべきだと思いますけれども、いかがですか。 ◎中村 生活保護担当部長  先ほど来答弁していますように、家庭訪問による指導、指示で報告を求めて、なおかつ、その後で文書指示、その間も指示をして、その後、期限を設けているという手順を踏んでおりますので、これからも慎重に対応してまいりたいというふうに思っております。 ◆宮川潤 委員  ほかにもできることがあるということですよ。今おっしゃった手順、手続は、法に決められた要領ですか、決められていることなので、それは絶対にやらなければならなのです。それをやらなかったらだめなのです。でも、最低限、だめだということだけではなくて、もっとできることがあれば廃止という手続に至る前にやっていくべきだということですよ。 ○峯廻紀昌 委員長  宮川委員、繰り返しになっておりますし…… ◆宮川潤 委員  (続)違う、違う。僕が言っているのは…… ○峯廻紀昌 委員長  宮川委員が質問されていることに対して…… ◆宮川潤 委員  (続)僕が言っているのは、期限を決めたということではないと言っている。 ○峯廻紀昌 委員長  聞いてください。  それで、理事者は、その廃止に当たっては十分慎重に対応し、停止という方法もあるけれども、要は廃止に至る部分でのケース・バイ・ケースもあるという中で判断していると、そこに行きつくまでは慎重に対応しているという答弁もされておりますので。 ◆宮川潤 委員  (続)その慎重の内容として出されているのは、口頭による指導、文書による指導、期限を切った文書による指導、そして弁明の機会の付与ということですよ、具体的には。  ですから、それは当然だと。しかし、私が求めているのは、そのほかにもできることがあるはずだ、それは、窓口支給であったり停止という手続であったり、そういうこともできるはずだ、ですから、そういう方法を生かすべきだという趣旨なのですよ。もともと法的に決められている手順、手続だけではなくて、さらに慎重にという趣旨なのですよ。答えていないのですよ。 ○峯廻紀昌 委員長  理事者の答弁の中に、質問に対する答弁は入っていると思います。 ◆宮川潤 委員  (続)いや、入っていないです。  だから、停止ということや窓口支給という方法についても今後十分に検討して生かしていくようにする、そういう検討をするというのであれば、私は、答えたことになると思いますよ。あるいは、そういう方法は全くとらないというのも答弁としてはあり得るでしょう。でも、私は…… ○峯廻紀昌 委員長  質問が最初の中身と大分変わってきておりますので…… ◆宮川潤 委員  (続)いやいや、変わっていないよ、私は。 ○峯廻紀昌 委員長  最初は、職権廃止についての質問の中身でありましたけれども、理事者の答弁を受けて、今、ある意味、そういう具体的な話になっていますので。 ◆宮川潤 委員  (続)だから、職権廃止の問題です。 ○峯廻紀昌 委員長  その職権廃止に当たっては……(「委員長」と呼ぶ者あり) ◆畑瀬幸二 委員  議事進行の動議を出させてもらいます。  最後の理事者答弁をもって、これで終了させていただきたいと思いますので、よろしくお取り計らいを願いたいと思います。 ◆宮川潤 委員  私は、ぜひ続けさせていただきたいと思います。 ○峯廻紀昌 委員長  ただいま、質疑終結の動議が提出されましたので、直ちに問題といたします。  ただいまの動議に賛成の委員の起立を求めます。  (賛成者起立) ○峯廻紀昌 委員長  賛成多数であります。  よって、宮川委員の質疑を終了いたします。  以上で、第4項 生活保護費の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、次週、16日火曜日午前10時から、保健福祉局関係のうち、総務部、高齢保健福祉部、保険医療部、保健所及び衛生研究所の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後7時42分...