札幌市議会 2012-10-12
平成24年第一部決算特別委員会−10月12日-03号
平成24年第一部
決算特別委員会−10月12日-03号平成24年第一部
決算特別委員会
札幌市議会第一部
決算特別委員会記録(第3号)
平成24年(2012年)10月12日(金曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 34人
委 員 長 山 田 一 仁 副委員長 しのだ 江里子
委 員 宮 村 素 子 委 員 勝 木 勇 人
委 員 こんどう 和雄 委 員 村 松 正 海
委 員 村 山 秀 哉 委 員 よこやま 峰子
委 員 宗 形 雅 俊 委 員 飯 島 弘 之
委 員 川田 ただひさ 委 員 阿部 ひであき
委 員 伴 良 隆 委 員 川口谷 正
委 員 西 村 茂 樹 委 員 小 野 正 美
委 員 ふじわら 広昭 委 員 三 宅 由 美
委 員 桑 原 透 委 員 宝 本 英 明
委 員 山 口 かずさ 委 員 村 上 ゆうこ
委 員 中 村 たけし 委 員 涌 井 国 夫
委 員 芦 原 進 委 員 阿知良 寛 美
委 員 福 田 浩太郎 委 員 井 上 ひさ子
委 員 坂 本 恭 子 委 員 伊 藤 理智子
委 員 小 倉 菜穂子 委 員 石 川 佐和子
委 員 金子 やすゆき 委 員 木 村 彰 男
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開 議 午後1時
○山田一仁 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、堀川委員から、金子委員と交代する旨の届け出がありました。
それでは、議事に入ります。
初めに、第2款 総務費 第1項
総務管理費中
市長政策室関係分の質疑を行います。
◆坂本恭子 委員 私は、
指定管理者制度について質問したいと思います。
この問題については、私ども日本共産党は、議会の中でも繰り返し質疑してきておりますけれども、2003年の
地方自治法の改定によって、官から民へという大きな流れがつくられました。本市では、2006年度にこの
指定管理者制度を導入されました。そして、今では、510の公の施設のうち418、82%もの施設に
指定管理者が導入され、政令市でもトップクラスになっております。この2006年の一斉導入の際の経費について、
財政効果額ということで出していただきましたけれども、15億3,900万円の効果額ということで、率にすると11.9%縮減されているということです。
そういう中で、私どもは文書質問を行っておりますけれども、公の施設における職員数の中の正規職員と非正規職員の割合です。2009年には合計3,169人いる中で、正規の職員が1,144人、36%、翌年は34%、そして、今回出していただいた文書回答では33%が正規職員、こういう結果が出ております。
また、改めて、今回、賃金の問題についても文書質問をいたしました。つい昨日、手元に届きました。施設全体では、時間当たりの平均賃金ということで出していただきましたが、正規職員は1,486円で、これに対して非正規職員は904円という結果になっています。とりわけ市民が多く利用するレクリエーション・
スポーツ施設においては、正規職員が1,844円であるのに対して、非正規職員が817円と半額以下になっている、賃金の格差が歴然だということが今回の文書回答でも明らかになっております。
指定管理者制度における
不安定雇用、とりわけ低賃金の実態というものをどのように認識しているのか、改めて、この点について伺いたいと思います。
あわせて、公の施設というのは、行政が設置する施設ですから、こういう公の施設で年収が200万円にも満たないような
ワーキングプアが生まれている実態について、どのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。
◎平木
改革推進部長 2点のご質問かと思います。
一つは、
指定管理施設の労働者の賃金に関する認識ということだったかと思います。
今回、文書でご質問いただいて答弁をさせていただきましたが、非正規職員全体の1時間
当たり平均賃金は、ごらんのとおり904円となっておりまして、
最低賃金法に基づく最低賃金を200円程度上回っている状況になってございます。かつ、働いている方々全員が最低賃金を満たしていることも確認させていただいてございます。
しかしながら、904円というのはあくまでも平均ですので、最低賃金、あるいはそれに近い賃金の方もいらっしゃることは事実でございます。これらの方の賃金の水準につきましては、今後、議会でも議論をいただいております
公契約条例の結果なども踏まえながら考えていきたいというふうに思ってございます。
それからもう一つ、公の施設の管理で
ワーキングプアを生み出している状況ということでございますけれども、
指定管理者制度につきましては、公の施設の管理におきまして、
民間事業者などの力を生かしながら、
市民サービスの向上と効率的な施設運営を図ることを目的にするものでございまして、その目的を達成するために、各事業者から提案いただいて事業を実施しているものでございます。これまでも非正規雇用の問題などもご指摘いただいているところでございますけれども、
市民サービスの向上、効率的な施設運営ということと労働条件の改善ということのバランスをどうとっていくかというのは、非常に難しい課題であるというふうに認識しているところでございます。
◆坂本恭子 委員 最低賃金はクリアしている、けれども、あくまでも平均904円ということですから、中にはぎりぎりの人もいるだろうというご答弁です。それから、もちろん
公契約条例を前提として、そこでは最低賃金の引き上げも図りながら、労働者全体の環境も賃金のレベルも上げていくのだと、これは当たり前のことであります。私どもは、
公契約条例の早期制定を求めながら、議会の中でもこの問題も取り上げてきているわけです。
公の施設ということですから、住民の福祉、市民の生活、こういうものを支えていく施設であります。ですから、そこで市民が良質なサービスを受けるということはもちろんですけれども、そこで働く方たちの雇用の問題ということです。ここで働く人は札幌市民であり、同じくサービスを提供される側にもなるわけですから、私は、その双方をクリアしていくということは、今の答弁にもありましたけれども、
指定管理者制度それ自体の問題だと思うのです。サービスを提供しながら効率的な運営を図っていくということで、両立できないものが制度として今できてきているということなのです。
指定管理者制度を導入するかどうかは行政が決めていくものですから、そのことについてのあり方も議論していかなければならないと思いますし、今、現にある
指定管理者制度の改善というものも求めてまいりました。
運用ガイドラインなども作成しながら、労働環境の充実も図っていきたいというご答弁が繰り返しありますけれども、依然としてこれが不十分だということは、私は、今回の文書質問の中でも明らかになっているというふうに思っています。
そこで、札幌市の
公契約条例の制定を求める会という市民団体で、
指定管理者40団体を対象にした調査が行われました。これは新聞報道もされましたが、結局、有期雇用で働いている方の収入水準が極めて低いということがこの調査の中でも明らかになっております。100万円未満の方が62%、200万円未満、いわゆる
ワーキングプアと言われる方たちが8割を超える状況になっています。そして、有期ですから、雇いどめへの不安もありまして、これは5割の方が不安だとお話ししていらっしゃいます。生活費で精いっぱい、体調が悪くても病院や歯医者に行くこともできない、何年も病院にかかっていないという30代女性の声、あるいは、20年働いているけれども、新卒との給与差が1〜2万円しかない、これは40歳代の女性の声です。こういう状況が蔓延していることが、今回の
公契約条例制定を求める会の調査からも明らかになっております。私は、こういう状況は行政としてしっかりと直視していかなければならないと思っています。
制度自体が労働環境にマイナスの影響を与えているというのは、すなわち4年ごとの更新ですから、有期が前提になっているわけですね。私は、やっぱりここでの改善を進めていかなければならないと思います。民間活力、あるいは民間のノウハウの活用ということを言いながら、結局、
指定管理者制度は、経費削減、そして、そのしわ寄せが働く者に負わされているという実態だと思います。
改めて、こういうところを踏まえた上で、今の
指定管理者制度の中でどうやって正規雇用をふやしていくのか、促進していく対策を具体的にお持ちなのかどうなのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
◎平木
改革推進部長 お答えいたします。
指定管理者制度につきましては、先ほどもお答えさせていただきましたけれども、
市民サービスの向上と効率的な施設運営を図ることを目的とするものでございます。今後の制度運用の検討に当たりましては、まずはこの観点を念頭に考えていく必要があるというふうに思っているところでございます。また一方では、厳しい経済情勢を背景にしながら、
指定管理施設のみならず、
経済活動全般で雇用環境が厳しいというようなことも認識しているところでございます。
また、今のお話の中でも非正規雇用が多いというご指摘をいただいているところでございます。非正規雇用の関係につきましては、委員のお話にもありましたが、
一定期間ごとに指定更新を行うというもともとの制度が持っている課題という部分もございまして、先ほどもお話ししましたように、その部分と制度の目的とのバランスをどのようにとるかという観点からも大変難しい課題だと思っているところでございます。
ただ、本市におきましては、これまでも、
指定管理者の募集時に前の管理者の労働者を引き続き雇用する提案を求めまして、それを出していただいたところには選定の際の加点要素にするという取り組みを行ってきておりまして、今後も制度運用の中で可能な範囲において検討していきたいと考えてございます。
◆坂本恭子 委員 今の答弁にもありましたけれども、本当に景気全体が厳しいですから、雇用が本当に大変というのは、公の施設の
指定管理者が抱えている問題だけではないというのはもちろんです。けれども、ここの底上げを図っていくということで、経済全体、札幌市の雇用全体が引き上げられていくことにもつながっていきますので、やはり、いい循環を生み出していかなければならないと思います。難しい課題だと言いながら、引き続き可能なことについては検討していきたいというご答弁がありましたが、私どもは、議会の中で何回かこの問題を取り上げてきておりますけれども、そこで終始しているのが非常に残念でなりません。事業者に対して引き続き労働者の雇用を続けるということについて選考の段階で加点をしていると言うけれども、働く実態で見ると、3対7ですから、やっぱり非正規雇用の職員の数が圧倒的に多いということになりますね。そこを根本的に変えていく必要があるというふうに思います。
2016年度にはまた改めて一斉大更新が行われていきますから、私は、
運用ガイドラインや選定の内容なども含めて新たなものをつくっていく必要があるのではないか、そのためには、今年度に着手して、来年度はそれを具体的に検証しながら改善策を練っていくようになっていく時期だと思います。
そこで、2009年でしたか、幾つかの事業者を対象にして
サンプリング調査を行ったと思います。給与のこと、雇用の形態、あるいは勤続年数、細かいことについての
サンプリング調査を行いました。これが継続して行われていないということで、今回は、文書質問において
公契約条例との絡みもあって賃金のことだけは出てきておりますが、私は、どういう規模になるのかわかりませんが、この
サンプリング調査を改めてやるべきではないのかなと思います。この点についてどういうふうにお考えになっているのか、見通しをお聞かせいただきたい。
それから、改めて、
指定管理者制度の概要を読み解きました。札幌市では、4年という期間で
指定管理者の募集を行っていますが、法令などでは、この期間を定めるというものは全くありません。全国的に見ると、3年から5年というようなことで行われていると聞いています。あるいは、札幌市においても、施設のあり方検討という前提などがあって1年とか2年という短い公募になっているところがあります。
北海道自治体ユニオンなどを含めて、組合の側からは、指定期間はできるだけ長期にすること、この場合、一定期間、5年ごとなどの業績審査を行い、継続か否かの判断をするシステムをつくることという要望が8月に出ています。これに対して、10月段階での回答を私も手に持っていますけれども、こういう公募の期間ですね。そもそも4年という期間が妥当なのかどうかという見直し、検討などを今行っているのかどうか。組合からの要求もありますから、検討していくおつもりがあるのかどうか、この点について伺いたい。
国も改善をすべきということを求めていますから、札幌市も2016年度に向けて少し抜本的に調査をやって改善していくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
◎平木
改革推進部長 サンプリング調査の件と指定期間の関係と二つでございます。
サンプリング調査でございますけれども、大変申しわけございませんが、私も今ちょっと手元になくて、細かくどういう調査をということは申し上げられません。
ただ、今回は、委員のご発言の中にありましたように、
指定管理施設の労働者の方々を対象にして1時間当たりの給与がどのぐらいになっているかという調査をさせていただきました。そのほかにも、通常の業務・財務ケースの中で調べていることとか、いろいろなこともございますので、今後、私どもが検討していくに当たりまして、その内容や時期、必要性などを勘案しながら考えてまいりたいというふうに思います。
それから、指定管理の期間の関係でございます。
長期にというご意見でございますけれども、例えば、長い、短いによって、どちらもメリット・
デメリットがございます。長くしますと、そこでの人材の確保とか育成ということをある程度のスパンで計画的にできるとか、そうやっていくことで
指定管理者の方々にノウハウの蓄積ができるとか、そういうメリットがあります。その反面、同じところにずっとお願いするということになれば、場合によっては新しいアイデアがなかなか出づらくなるのではないかとか、さらには、新たにそこでこういうサービスをやりたいのだという工夫をお持ちの業者がいらっしゃった場合に、その機会がなくなってしまうとか、そういうメリット・
デメリットがございます。そんなようなことも踏まえながら、今後どういう形がいいのかと考えてまいりたいと思ってございます。
◆坂本恭子 委員 私どもは、
指定管理者制度そのものに反対していますから、本来であれば、市民がさまざまな
サービス提供を受ける公の施設については、本当に公の責任としてこれを全うしていくのが一番のことであると思いますし、そこで働く者の権利が守られるのはしかるべきだと思います。市の皆さんが働いているのと同じ内容の仕事をしているのに、非正規、有期、そして賃金も上がらない、もちろんボーナスもつかない、低賃金で抑えられているという実態は、やはり野放しにはできないし、このままそれを蔓延させるわけにはいかないというふうに思います。
官製ワーキングプア、公の施設でこういう低賃金の労働者を生まないという努力として、
サンプリング調査なども含めて必要な時期に内容や時期を検討していくということでしたけれども、私は、ここはしっかりと腰を据えて2016年度に向けて取り組んでいただきたいと思います。
それから、今、低賃金のお話を申し上げておりますけれども、例えば、社会保険の加入がどうなっているのか、年金の加入状況がどうなっているのか、
法定福利費というものについても労働者にとって極めて大事な雇用条件です。賃金、生活水準を守っていく上で、また、安定的に雇用を守るというところで非常に重要な観点だというふうに思いますが、この間、こういう議論というのはなかなかされてきておりません。ですから、ぜひ、こういう視点も持って
官製ワーキングプアを生まないような内容の修正、制度の
あり方自体もしっかりと見直していくことを求めて、終わりたいと思います。
◆
石川佐和子 委員 私からは、行政評価への市民参画について伺います。
昨日の北海道新聞をごらんになったかと思いますが、
市民自治推進会議の報告の記事がございました。市が設置する審議会や委員会で委員を市民から公募している割合が3割弱で、ここ数年頭打ちになっている、また、市民公募をしない理由におきましては、法令などの規定があるとか、高い専門性が求められるということが示されておりました。その意見の中で、第三者の観点を持ってみればもっと公募できるのではというふうな指摘があったと書かれておりました。財政状況が非常に厳しい中ではありますけれども、市民が主体のまちづくりを進めていくためには、制度や運営を生活者の視点で変えていくことが必要であり、さまざまな場面での市民参加、とりわけ行政評価への市民参加を欠かすことはできないというふうに思います。
札幌市におきましては、これまで、第三者機関の外部評価である
行政評価委員会の設置を初め、
市民事業仕分け、また
ワークショップなど、市民参加型の行政評価の取り組みを行ってきたことは知っているところであります。
そこで、質問しますが、今年度は、テーマを設定し、市民と
評価委員会の連携を強化した取り組みと聞いています。その件につきまして、内容と、経年を踏まえた工夫を行ってきたということなので、その経緯と、ことし見込んでいる効果、今後の方向性について、まず伺います。
◎平木
改革推進部長 行政評価の外部評価の経過についてのご質問でございます。
行政評価におきまして、外部の方に評価をしていただくことにつきましては、評価の客観性とか信頼性を確保するためにも、また、市民の方に市政に参加していただくという市民参加を進めるためにも重要な役割を担っていると考えてございます。このため、先ほどのお話にもありましたが、平成17年度から
行政評価委員会を設置して外部評価を進めてきたところでございます。これに加えまして、市民に、直接、評価に参加していただくことを行うために、平成22年度には、いわゆる
事業仕分けの手法による市民評価を、それから、23年度には
ワークショップといった形での市民参加の取り組みを実施してきたところでございます。
今年度におきましては、これまで別個に行ってまいりました
行政評価委員会と市民参加の取り組みを連携させて実施してきているところでございます。具体的には、
行政評価委員会が特に市民の方の意見を聞くべきと判断しましたテーマにつきまして、市民参加による
ワークショップを行いまして、この取り組みの結果を踏まえて、
行政評価委員会が最終的な評価、提言を行うこととしております。その効果として期待しているところでございますが、
行政評価委員会の専門的な議論の中に、市民参加の取り組みによって得られる率直な市民意見を取り入れることで、市民感覚に近い、より実効性のある効果的な外部評価となることを期待しているところでございます。
また、今後の方向性につきましては、行政評価において市民参加の機会を設けるということは、繰り返しになりますが、極めて大切なことと考えております。一方で、その方法はさまざまな方法があると考えておりまして、今年度の実施状況を検証しながら、よりよい市民参加の手法を検討した上で取り組んでまいりたいと考えてございます。
◆
石川佐和子 委員 この間、さまざまな市民参加の手法について、
外部評価委員の皆さんの意見とあわせて、その参加が広がるようにということで取り組まれたことは、今のお話の中でありましたし、また、そうしたことをさらに広げていくという方向性も伺ったところであります。
こうした内部評価と外部評価があって、その内部評価の中で、2011年度の
事業評価調書がホームページ上で公開されておりまして、それを拝見させていただきました。その中で、
行政評価制度が事業の改善に役立っていると感じている職員の割合が示されていますが、2009年度が66.7%、以降、64.7%、64.3%と、ここ3年間、少しずつ減少している結果になっています。2007年の
自治基本条例の制定以降、今、答弁にもありましたように、市民参加、市民自治を進め、とりわけ行政評価においてもさまざまな手法を試みられているということでありますけれども、そこにかかわっておられる職員が、行政評価が事業の改善に役立っていると思っている人が減っているという結果に、私はちょっと残念だなと率直に思っているところです。
そこで、
行政評価制度をどのように評価しておられるのか、改めて伺います。
◎平木
改革推進部長 行政評価制度の評価でございますが、
行政評価制度は、より効果的かつ効率的な行政運営を推進することと、市政に関する透明性を確保することを目的に実施してきております。このうち、効果的・効率的な行政運営の推進の面では、毎年度の取り組みによりまして一定の見直しによる効果額を生み出してきているところでございます。一方、市政の透明性の確保の面では、1次評価から2次評価の結果のみならず、市民参加の取り組みとか、
行政評価委員会の結果、これらをすべて公表させていただきまして、市民への情報提供に努めているところでございます。また、さらに、先ほどご答弁させていただきましたが、市政への市民参加といったことも進めてきております。このように
行政評価制度につきましては、事業の改善、見直しや市政情報の市民との共有に一定の役割を果たしてきているというふうに考えております。
しかしながら、委員がご指摘のとおり、
行政評価制度が事業の改善に役立っていると感じている職員の割合が伸び悩んでいるという状況でございます。各職場におきましては、
行政評価制度は、毎年、まずはみずからの事業を振り返るためのツールであって、それを生かすためには、やはり、各職員の意識が大事になってくるというふうに考えております。このため、今後、
行政評価制度の実施に当たりましては、改めて、制度目的の周知を図り、それから、
評価調書作成等の場合でも、より一層、職場を挙げて取り組むことで、行政評価が事業の
見直し改善に役立ち、あるいは役立っているという実感につながるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
◆
石川佐和子 委員
行政評価制度がありますけれども、それは、行政評価の実施要綱に基づいて行っているということで、それ以外に確立した仕組みがない状況で、その中で、試行錯誤しながら市民の参画を促す取り組みをされてきたというふうにも伺っています。そういう中で、職員の皆さんの意識がそこになかなか表現されていなかったということが非常に残念だったわけです。さらに、職員の意識の向上とか制度の目的の周知とか、そういうことに取り組まれるという答弁でありましたので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
また、行財政改革推進プランにおきましては、行政評価を簡素でより効果的な仕組みとなるよう検討するというふうにうたっております。その言葉のとおり、簡素であっても、市民との情報共有は充実していくべきと思います。今申し上げました
事業評価調書を公表していることは、情報共有として非常に重要だと思いますが、事業担当部の職員が行う評価の公表において、今後、もっと市民にわかりやすい調書づくり、また、丁寧な情報公開などをさらに充実していくべきではないかと考えますけれども、その点に関してはいかがでしょうか。
◎平木
改革推進部長 行政評価につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、1次評価以降のさまざまな資料をホームページや市政刊行物コーナーで公表しているところでございます。その中でも、特に1次評価の調書でございますが、これは札幌市がやっているすべての事業につきまして、その内容とか事業費を含めて掲載しているものでございまして、市民への市政情報の提供という意味での意義は大きいものであるというふうに考えております。
しかしながら、市民の皆さんとの情報共有を進めていくためには、単に公表すればいいというわけではなくて、その情報提供の内容や質をより一層高めるとともに、市民の方々にとってわかりやすい情報提供を進めることが重要であるというふうに考えております。したがいまして、今後も、評価調書の作成やその結果の公表に当たりましては、市民の方々向けに評価調書の見方といったような解説をつけるとか、あるいは、調書の記載内容が市民から見てわかりやすいかどうかということを発表する前に精査するとか、そういった取り組みをすることによりまして、市民から見て、読みやすく、わかりやすいものになるように努めてまいりたいと思っております。
◆
石川佐和子 委員
事業評価調書の見方とか、わかりやすさを事前に精査するということを伺いました。そうしたことを積み重ねていくことが、行政評価への市民参画を広げていく効果につながっていくと考えますので、積極的に取り組むことを求め、さらに、市民へのわかりやすい情報提供、市民の視点に立った見直しを心がけていただきたいことを要望して、終わります。
◆金子やすゆき 委員 私からは、出資団体改革の中で、これらの法人に金融機関の出身者が多数おられることにつきましてお尋ねさせていただきたいと思います。
本市の出資団体の中で、ここの役員に金融機関の出身者がどれくらいおられるのかということを事前に改革推進部に調べていただきました。そうしましたところ、延べ団体数で20団体の49の役員ポストに、金融機関、すべて銀行でありますが、人材をお迎えして座っていただいていることがわかりました。
そこで、お尋ねしたいのは、本市の出資団体の役員として金融機関の方をここに入っていただいているのはどういう理由があるのか。そして、どうしてこんなに多くの金融機関や銀行のOBがここに入ってもらわなければならないのか。また、この方々は当然、銀行や金融機関の籍は抜いてきておられるのだと思いますけれども、まさか銀行に籍を置いたまま来られている方はいらっしゃらないでしょうねということをまずお伺いさせていただきます。
◎平木
改革推進部長 金融機関の方々の本市の出資団体の役員への就任ということでございます。
基本的には、出資団体はそれぞれ独立した法人でございまして、役員の候補者の選定に当たりましては、各団体において必要とする知識とか経験といった人材を求める条件を設定した上で候補者を選定し、財団法人においては評議員会、株式会社においては株主総会といった場での承認、決定という手続をとっているものでございます。私どもとしては、そのような手順を踏んで決定された内容でございますので、基本的には尊重したいと考えているところでございますが、そういった手順を踏んだ中で今のような就任の状況になっているものと思ってございます。
それから、現職で役員をやっている方はいないのですよねということでございますが、先ほど委員からお話がありました人数の中には、非常勤の役員なども入っておりますので、そんな中では現職の方になっていただいているポストもあるということでございます。
◆金子やすゆき 委員 今のご説明ですと、各出資団体がおのおのの判断でそうしているのだという説明だったと思います。私がお尋ねしたいのは、その手続がそうだ、それぞれの団体の株主総会、理事会で決まっている、こういうことではなくて、金融機関の方になぜそこに天下りという形で入ってもらわなければならないのか、そこの理由についてお尋ねしているのでありますが、いかがでしょうか。
◎平木
改革推進部長 金融機関のOBの方の就任の理由でございますが、各団体におきましては、業務の性質上、財務に精通している金融機関のOBの方に団体の健全性の維持とか向上に向けた指導的な活動を期待しての就任依頼ということで聞いているところでございます。
◆金子やすゆき 委員 財務の専門家というのは、確かにおっしゃるとおりだと思います。銀行に長くお勤めになっているということであれば、金融、経理、財務、そういったところは大変お詳しいのだろうと、これは普通にわかることです。それでは、出資団体の業務についてどこまでご存じなのだろうかというと、そこの部分につきましては、ほかの方々と変わるところはないのだと思うのですね。財務の役員だけについていらっしゃるのならわかります。しかし、私は先ほど49の役員ポストにと申し上げましたが、この中で常勤役員に入っている方が12名おられます。残り37名が非常勤ということで、非常勤の役員については銀行に籍を置いた方が来られているということでございますけれども、常勤の役員については籍を置いている人はいないということですね。
そこで、常勤の役員が12人いますが、この中で代表権を持っている方もおられます。企業経営の中を見ると、企業経営というのは必ずしも財務だけではございませんから、お金を稼いでくる営業的な面で出資団体の業務の中身に精通している方と言えるかどうかわかりません。その部分について、あくまで財務の専門家ということでお迎えしているのであれば、本当に代表権をすべて与えて業務を完全に任せてしまう方が、金融機関のポストとして来ている方で本当にふさわしいのだろうかということに疑問を持つわけでありますが、そこのところは改革推進部としてどのように整理されておられますか。
◎平木
改革推進部長 出資団体の役員の人選に当たりましては、各出資団体におきまして、先ほどもお話ししたように、人材に求める知識、経験等の要件はもちろんのこと、あわせて、当該団体との出資の関係、取引の状況等を勘案しながら最も適当と思われる候補者を各団体において選任しているというふうに考えてございます。
いずれにいたしましても、出資団体は、それぞれに独立した法人でございますので、その役員候補者の選定方法等についても各団体において判断すべきものと考えてございます。
◆金子やすゆき 委員 おっしゃっているのは、手続論としてはわかるのです。出資団体というのは本市の組織ではございませんので、その中で意思決定が行われるというのは確かにそうなのです。
しかし、私がこのようにお尋ねしているのは、出資団体というのは、先ほども議論の中にございましたけれども、そこの業務運営の透明性を高めていくのだ、あるいは、業務の効率性を向上させていくのだ、そういうところで改革推進部が取り組まれているのだろうと思いますので、その中で、金融機関からかくも多くの人を役員として迎えなければならないところについての問題意識をお感じになっていらっしゃらないのかなと。そこのところを何度もお聞きしているわけです。
そこで、各団体の判断だということで詳しく理由を説明していただけないのですが、常勤役員の各出身の金融機関の名前も調べていただいております。そうすると、12名の常勤役員ポストの中で、北洋銀行から6名、北海道銀行から1名、日本政策投資銀行から5名と、この三つの銀行からのみ役員が来られておりますけれども、どうしてこの3行だけに絞られているのか。銀行はほかにも多数あると思うのですが、どうしてこの3行だけから人を招いているのか、これについてご存じでいらっしゃいますか。
◎平木
改革推進部長 繰り返しで恐縮でございますが、役員の人選に当たりましては、各出資団体で適任者を選定しているところでございます。
◆金子やすゆき 委員 ちょっと話が平行線になってまいりまして、なかなか意見がかみ合わないので、質問はもうこれくらいにしようと思いますけれども、一般的に民間企業で考えますと、銀行から天下りを受け入れるというのは必ずしも喜ぶべきことではないのですね。本来であれば、その組織の中で生え抜きの方が役員に上がっていく、あるいは、外部から本当に優秀な方を招いてくるのだろうと思うのです。銀行から人が入ってくるというのは、一般論で申し上げますけれども、経営が芳しくないときに人材を銀行に求めてくる、こういうことが多いのだろうと思います。ですから、私は、これだけ多くの方が銀行から天下ってこられている、また、これをそのまま迎えていて本市として問題点を感じていないというのは、余り正しい姿勢ではないのではないかと思わざるを得ないわけであります。出資団体は、ご承知のとおり、札幌市民の財産でありますから、その出資団体の経営を改善することを考えれば、やはり、市民の目線に立った方にやっていただくべきだろうと思いますし、銀行に籍を置いた方が来られるのは、どうしても出身の銀行の利益に沿った形で意思の判断をされるのではないかなという懸念もあるわけであります。
もう一つ指摘させていただきたいのは、全国的な流れ、あるいは各地方自治体の流れですが、国で言いますと、独立行政法人ではそこの役員については公募をするというのが何年も前から始まっております。また、自治体でも、例えば大阪府では、何年も前から、大阪府の出資団体、出資法人の役員は、原則、民間から公募するのだというふうにやっておられます。やはり、世の流れとして透明性、公平性ということから考えると、やっぱり、市民がわかりやすい、あそこの団体、あの出資団体の役員にどうしてこの方がいらっしゃるのかということが説明できる形でなければならないと思うのですね。今、理事者からご答弁がありましたけれども、各出資団体が定めていますということではやっぱり理由にならないと思いますので、そこのところは、ぜひ、役員にはどういう方を招いたらいいのかというあるべき姿を、あわせて、今申し上げた人材の公募についてもご検討いただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。
◆よこやま峰子 委員 私は、二地域居住事業についてお伺いいたします。
平成22年度から始まったこの事業については、これまでも何度か特別委員会で取り上げられてまいりました。この事業は、首都圏を初めとした道外在住の、いわゆるクリエーティブクラスと言われる、パソコンとインターネットのウェブ環境があれば仕事ができるウェブデザイン、建築家やライター、著述業などの場所にとらわれない創造的職業の方々を対象に、札幌への体験移住モニターを募集する事業であります。ことしで3年目を迎え、本年も、去る9月7日から10月5日の1カ月間、応募した中から選ばれた5組10人の方々が札幌での生活を体験し、それぞれの地元に帰ったと聞いております。私も、ホームページ上でこのモニターの方たちの札幌における生活ぶりを拝見したところであります。
今、日本全体が人口減少に転じている中で、札幌市も人口の伸びがほとんどとまっている状況であり、ここ10年以内に札幌も人口減少の時代に入ると予想されております。こうした状況で、札幌市に人口を呼び込む施策を進めることは、経済活性化の面でも大変重要なことであると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市の二地域居住事業の目的、ねらい、そして、経費を含めた事業の内容についてお伺いいたします。
また、さらに一歩進んで、その実績もお聞かせいただきたいと思います。
二地域居住というのは、例えば、夏は札幌で働き、冬は自分の居住地で働くといった形で、週末のみを札幌で暮らし、平日は地元でというように、二つの生活拠点を持ち、住み分けながら働くような生活様式も想定されますし、さらに、移住ともなれば、完全に札幌に住居を構えることになります。
しかしながら、実際には、どちらも実現にはなかなかハードルが高いと思われます。なぜかと申しますと、費用の面、住宅事情や、特に冬場の生活に不安を持つ方が多いのではと想像されるからです。そこで、こういった移住政策を進める上では、ターゲットの設定や、その実施手法についてのしっかりとしたビジョンが大切であり、そこが定まっていないと効果も半減し、なかなか移住や二地域居住に結びついていかないのではないかと考えます。
そこで、2点目の質問として、二地域居住事業のこれまでの実績に基づき、札幌市が掲げる目的や目標が達成されたと考えておられるのか否か、そのあたりの認識をお伺いいたします。
◎酒井 プロジェクト担当部長 二地域居住事業につきまして、まず最初の質問は、二地域居住事業の目的とねらい、そして、経費も含めた事業の内容、また、その事業の実績ということと、2点目は、この事業の目的、目標が達成されたのかということで、2点のご質問とお聞きいたしました。
まず、この事業の目的とねらいでございますが、この事業は、まちの魅力を効果的に内外に発信することを目的としたシティプロモート事業の一つととらえてございます。二地域居住は、移住の前段階としては非常に効果的な方法というふうに考えておりまして、地域消費の拡大や交流人口、定住人口の増加によるまちの活性化につながるものというふうに考えてございます。この事業の目的は、一つ目といたしまして、札幌での生活を通して得られました札幌の魅力、二地域居住の魅力を体験居住者が持つ豊富なネットワークや影響力を生かして内外に発信してもらおうということでございます。また、二つ目といたしましては、今後、二地域居住や移住施策を推進していく上での参考資料となる意識実態調査を行おうという2点を目的とねらいとしております。
次に、経費も含めた事業内容でございますが、ご質問にもございましたように、いわゆるクリエーティブクラスと呼ばれる、場所にとらわれない創造的な職業を持ち、発信力や情報感度の高い層をターゲットに、2週間から1カ月程度、市内の賃貸マンションにお住まいいただいて、基本的には自由に札幌ライフを体験していただくということでございます。滞在期間中に2〜3回にわたりまして札幌の魅力を味わっていただけるような体験事業を初め、札幌への移住検討を後押しするための生活上の情報提供などを行ってまいりました。費用につきましては、平成22年度は決算額で596万6,000円、23年度は決算額649万円でございます。
そして、実績でございますが、二地域事業の初年度となります平成22年度は、1月から2月にかけて約1カ月間の滞在期間で実施いたしまして、74組の応募があり、うち5組6名が体験居住を行いました。続く平成23年度は、8月から9月の夏場に行いまして、約2〜3週間の滞在期間で実施いたしまして、47組の応募の中から6組9名が体験居住を行ったという実績でございます。また、今年度は、9月から10月の初秋に1カ月間の滞在期間で実施いたしまして、60組の応募がございまして、そのうち5組10名が体験居住を行ったところでございます。
事業実施の際には、テレビや新聞で取り上げられるなど、マスメディアでの露出を通じて注目を集めることができたのではないかというふうに考えております。また、それぞれの季節ごとの札幌の魅力を、モニター参加者がブログであるとかフェイスブック、ツイッターなどさまざまな方法で発信していただけるよう取り組みました。事業終了後、参加者のうちの2組2名が実際に札幌に移住を決めたほか、1名が札幌でのNPO活動に参加するなどの成果も得られたと考えてございます。
そして、2点目の札幌市としてこの目的や目標は達成されたのかというご質問についてでございますが、この事業の目的である情報発信につきましては、先ほど申しましたようなソーシャルメディアを積極的に活用し、発信に努めた結果、平成23年度の体験モニターホームページの3カ月間での累計アクセス数が1万3,000件を超えており、多数の方に閲覧いただけたことに加えまして、各種メディアにも取り上げられるなど、一定の成果が上がったというふうに考えてございます。また、昨年度の実施分も含めまして、3年間の事業成果を取りまとめることで、来年以降の事業展開の参考資料として活用していくことを考えているところでございます。
◆よこやま峰子 委員 いろいろ伺いましたが、私がこの事業について非常に疑問を感じるのは費用対効果の面であります。札幌市は、この事業に年間500万円から600万円もの事業費を支出しておりますが、今のご答弁によりますと、平成22年度、23年度の2年間で11組15名の方々が札幌での生活を体験したとのことですけれども、わずか11組の方々の札幌生活のために1,000万円以上の事業費が使われているのであります。その結果として、札幌への移住者がわずか2人というのでは、費用対効果の面から言うと余りにも少な過ぎると思います。移住や二地域居住という高いハードルに固執しないで、交流人口の増加に主眼点を置き、例えば、長期滞在型観光をねらった札幌のPRに財源を投入する方が効果があるように思います。同じお金をかけるなら、そういった方面への働きかけの方が多くの方へのPRとなり、費用対効果も上がるのではないかと考えます。
また、定住者人口の増加として移住策を進めるのであれば、ほんの数組に対して手厚く事業費を投じるのではなく、事業費を広く薄く助成して、より多くの方々が札幌の生活、魅力を体験できるような枠組みをつくるとか、あるいは、定住や長期滞在型観光を検討している人々へそれぞれのニーズに応じた情報提供を充実させるとか、相談窓口を設けるとか、こういうような支援の仕方もあると思います。また、これからのねらい目として、リタイアした団塊の世代も十分に視野に入れてターゲットとすべきではないかと考えます。
そこで、質問ですが、この事業は効率的かつ効果的事業であったと思われているのか、今までの検証も含めた認識をお伺いいたします。
また、今後の二地域居住事業を今の形のままで続けられるのか、あるいは新しい形をお考えになっていらっしゃるのか、今後の方向性についてもお伺いいたします。
◎酒井 プロジェクト担当部長 この事業は、まず、効率的・効果的な事業だったのかというのが1点目のご質問で、2点目は、今後、この事業をこのまま続けるのか、どうするのかというご質問だったと考えております。
まず、1点目のご質問でございますが、この事業につきましては、モニターに選ばれた方々に最長1カ月程度の居住機会を提供し、実際に札幌に住んでいただいて、生活環境であったり、都市環境、仕事環境などを体験していただくものでございますけれども、モニター参加者が移住あるいは二地域居住をすることだけが目的ではなくて、モニター参加者が札幌に実際に住んでみて、市民の目線で短期間の観光ではわかりにくい札幌暮らしの魅力を伝えていただく、いわば広報的事業の役割も持ち合わせているというふうに考えてございます。また、二地域居住や移住政策を推進していく上での参考とするための意識実態調査を行ったり、滞在中に参加者から移住等の実践に向けた課題を直接聞くことも本事業の目的でございます。先ほど申し上げましたこれまでの実績をかんがみれば、主な目的である情報発信については効率的・効果的に行うことができたものと認識しているところでございます。
次に、今後、この事業をどうするのかということでございますが、ことしで3回目の事業実施を終えまして、モデル事業としての役割は終えたものと私どもは判断してございます。今年度の事業結果も踏まえまして、今後の二地域居住、移住施策の方向性を検討しているところでございます。今、委員からご指摘がありました団塊の世代を対象とした移住施策につきましては、既に道内の各市町村が取り組んでおりまして、パイを奪い合うことは必ずしも望ましいことではないのではないかと。それぞれの役割分担の中で調和をとりながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
いずれにいたしましても、まちの活性化のために定住人口、交流人口を維持あるいは増加させるための方策につきまして、ターゲットの明確化や効率的・効果的手法など、委員からのご指摘も踏まえまして事業の再構築を図ってまいりたい、このように考えてございます。
◆よこやま峰子 委員 まちのにぎわいや活力を保ちながら札幌市をさらに発展させていくために、交流人口や定住人口をふやす取り組みの必要性については十分理解できますし、このモニター事業の目的が、参加者や二地域居住を促進するだけではなくて、対外的な広報、実態意識調査の側面を持つことはわかりました。
しかしながら、私は、先ほども申しましたように、限られた少数のモニターに対し、手厚く補助をする事業のやり方については、やはり改善なさった方がいいなと思います。この事業の目的の焦点をもう少し絞った方が効果もあるのではないかと思います。つまり、定住にはこだわらずに、交流人口の増加に的を絞った事業展開の方が、費用対効果の面でも効果があるのではないかと思います。今後の事業の見直しに当たっては、今、私が申し上げましたような点も含め、今までの事業をしっかりと検証した上で、より効果的な事業として再構築していただくことを希望し、質問を終わります。
◆宝本英明 委員 私からは、大きく2点、札幌駅前通地下歩行空間北2条広場についてと広告事業とネーミングライツについて伺わせていただきたいと思います。
最初に、札幌駅前通地下歩行空間北2条広場について伺いたいと思います。
札幌駅前通地下歩行空間は、昨年3月に開通して以来、平日には平均で約6万人近くの歩行量がありまして、市民から観光客まで多数の方々に利用されているところであります。さらに、その活用法も、単なる通路にとどまっておらず、広場部分ではイベントやアート作品展示などさまざまな活用をされているところであります。10月1日に発表になりましたが、500m美術館等、地下歩行空間は都市部全体を結ぶ地下空間ネットワークとして2012年度のグッドデザイン賞を高評価で獲得するなど、札幌市内のみならず、外からも非常に高い評価を受けているところであります。
そのような評価の高い地下歩行空間の中でも、北2条広場は、創造都市さっぽろの発信拠点として位置づけられておりまして、市民やクリエーターの発表の場として北3条や北大通の地下広場などの商業利用とは一線を画した活用が図られております。
しかしながら、地下歩行空間の真ん中に位置して札幌の顔としての役割が期待されている空間でありながら、まだまだ一般の方々にはその認知度が高まっていないのではないかと思います。昨年度末の3月には、地下歩行空間1周年の時期に合わせて、北2条広場の認知度向上や作品発表の促進を図るため、作品を表彰するアワードとそれに向けた一連のイベントを実施していますし、今年度も、市民の方々が気軽に投稿できる企画や、単なる映像作品の発表にとどまらない企画を積極的に実施していくとのことであります。
そこで、質問ですが、北2条広場空間でのこれまでの取り組みをどのように評価し、そして、活性化に向けて、今年度に入り、どのような取り組みを行っていくのか、伺いたいと思います。
◎酒井 プロジェクト担当部長 北2条広場でのこれまでの取り組みの評価と活性化に向けた今年度の取り組みについてというご質問だったと思います。
北2条広場でのこれまでの取り組みの評価でございますが、最初に、北2条広場は、市民やクリエーターの方々が映像作品を発表する情報発信空間として呼びかけを行い、運営してまいりました。その結果、学生であるとか高齢者、そして、行政と企業の連携作品に加えまして、地元クリエーターの芸術作品など、非常に幅広い年代、分野の方々にお使いいただき、発表していただいて、開設から1年半が経過した9月末現在で延べ56件の作品が放映されるなど、認知度は、徐々にではありますが、高まってきているというふうに評価してございます。
一方、活性化についてでございますが、先ほどの委員のご質問の中にもございましたけれども、昨年度末の3月に映像作品のアワードを実施いたしました結果、映像発表とそれに伴う一体的なイベントを開催することで、歩行者の方々の関心を非常に引いて、多数の方にご来場してもらえる効果があることがわかりました。
こうしたことを踏まえまして、昨年度来、実施しておりますトークイベントや作品発表会などに加えまして、今年度は、さらなる活性化に向けて、ミュージックビデオと一体となった道内のミュージシャンによるライブ演奏を毎月開催する、それから、北海道大学の研究室と連携して次世代の情報アクセスシステムの実証実験を行う、このようなことをして北2条広場の有効活用やにぎわいの創出につなげる取り組みを進めてきております。そして、今、若手クリエーターの方々のアワードへの応募をふやすために、メディア系の専門学校にも声をかけるなど幅広い声がけを行っております。今後も、広場部分を活用したイベント展開を積極的に実施することで、にぎわい創出や活性化につながるよう取り組みを進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
◆宝本英明 委員 今のお話では、今年度に入って、映像の発表だけではなくて、広場部分を利用してミュージックパフォーマンスや実験などと一体的なイベントを行い、活性化に向けた運用を行っていくということでありました。
しかしながら、市民や地元クリエーターなどの発表の場として活用されていることはわかりますが、いずれも発表者側の視点にとどまっていると思いますし、このことが市民の認知度が高まらない要因の一つだと思います。先ほども述べましたとおり、地下歩行空間は多数の方が利用されております。ふだん地下歩行空間を利用する市民の方々の意見を取り入れていくことはもちろんのこと、観光客の方々も目をとめるような情報を提供していくべきではないかと考えております。例えば、札幌には雪まつりを初めとした大規模のイベント、円山動物園や大倉山ジャンプ競技場といった全国でも有名な観光施設が多数ありますので、そことリンクしたものなど、見る側の視点を幅広く取り入れることで、市民、クリエーターの作品の質を高めることにつながると思いますし、札幌の魅力を発信する効果的な場所として活用もできるものと思います。北2条広場は、創造都市さっぽろの発信空間として整備されまして、北3条や大通の広場とは異なる目的で活用されていることから、その特徴を生かしてより一層活性化していくことが必要だと思います。
そこで、質問ですが、北2条広場空間の活性化に向けて、市民や観光客の方々など見る側の視点を取り入れる必要があると思いますけれども、そのことについてどう思うか、また、それを踏まえて、今後どのような取り組みを行っていくのか、伺いたいと思います。
◎酒井 プロジェクト担当部長 北2条広場の活性化に向けた見る側の視点の導入とそれを踏まえた今後の取り組みというご質問についてお答えいたします。
北2条広場は、市民やクリエーターが映像作品を発表し、みずからコンテンツ制作と発信にかかわるいわゆるCGM、消費者生成メディアを活用した運用を行ってきておりますが、映像制作の資質の向上を図るためには、やはり、今、委員がご指摘のように、歩行者の方々など見る側の視点を取り入れていくことも必要であるというふうに考えております。そのため、今年度は、アワード応募作品を市民の方々に評価していただくイベント開催などを通じて市民評価の導入を進めていきたいと考えております。また、作品投稿を促すために開催する
ワークショップの中でもイベントで得られた意見を反映させるとともに、公式ホームページでも紹介していきたいというふうに考えております。
一方、観光客の方々への有益な情報提供に向けてでございますが、インターネットの映像配信サービスを活用した札幌の今の情報を伝えるライブ中継であるとか、観光関連情報を映像と一体的に紹介する広場イベントの開催など、さらに充実していきたいと考えております。
今後も、北2条の特性を生かしまして、市民やクリエーターの映像表現の向上や観光客も含む歩行者への有益な情報提供に努めてまいりたい、このように思います。
◆宝本英明 委員 そういうことでありますので、アワードでの市民の評価の視点の導入や、観光客の方々に役に立つ情報をぜひ行ってほしいと思います。今後も、創造都市さっぽろの発信拠点にふさわしい空間になるよう取り組んでいただきたいと思います。
札幌市は、最近、リニューアルされた東京駅での投影で話題になりましたが、先進的なアート表現であるメディアアートの一つのプロジェクションマッピングを使って創成川公園の魅力向上や他のイベントとの連携によるにぎわい創出を行っています。これらは文化芸術を活用した既存施設の魅力アップやにぎわい創出といった創造都市さっぽろの取り組みの一環です。北2条広場、地下歩行空間全体でも、そういったプロジェクションマッピングなどの新しいアートの手法を活用した魅力向上、にぎわいづくりなどもぜひ検討していただきたいと思います。そのことを要望して、この質問を終えて、広告事業とネーミングライツについて質問させていただきたいと思います。
今回の代表質問で、2011年度決算の状況にあわせて、今後の財政運営についてどのような考え方を持っているのか、伺わせていただきました。その中で、市税などの一般財源が伸び悩む一方、社会保障関係費が依然として増加して、中長期的な視点で見ますと、本市の財政状況は厳しさが増していくということでありました。これに対して、持続可能な財政構造の確立のため、歳出構造を一層スリム化するとともに、市税を中心とした収入の確保により財政基盤の強化を図っていくという答弁でありました。財政構造の改革には、歳出のみならず、歳入の面の対策も、今後、重要性が増しておりまして、その中において、既存の施設や媒体を生かして収入の増加を図ることができる有効な手段として、広告事業があります。行財政改革推進プランにおいても、財政基盤の強化として広告事業の推進が掲げられております。
そこで、質問でありますが、広告事業について、平成23年度の決算においてどの程度の収入があったのか。また、最近の新しい試みとしてどのようなものがあるのか、伺いたいと思います。
◎平木
改革推進部長 広告事業につきましてお答えいたします。
まず最初に、広告事業の平成23年度の決算における収入額についてでございますが、広告事業につきましては、委員からお話がありましたように、行財政改革推進プランや、そのほかに予算編成方針にも掲げるなど積極的な実施を促してきているところでございます。平成23度決算の収入額ですが、例えば、広報さっぽろへの広告とかさっぽろ芸術文化の館でのネーミングライツ、札幌ドームの広告看板掲出での目的外使用料などで約2億6,700万円の収入がありましたほか、広告入りの市民便利帳とか窓口封筒、こういったものを
民間事業者の方に一時負担いただいたことによります約1,000万円の経費の縮減もございまして、広告事業全体では、約2億7,700万円の効果があったところでございます。
次に、広告事業の最近の新しい試みについてでございますが、まず、昨年8月から、本庁舎のエレベーター内で広告の掲出を開始しております。そのほか、昨年4月からは、本庁舎や6カ所の区役所で、順次、広告入りの庁舎の周辺とか広域の地図の現物の提供を受けるようなこともやっております。また、今月1日からは、区役所の戸籍住民課の窓口の番号発券呼び出しに使用する大型モニターを活用しました広告事業を開始しております。これにつきましては、老朽化した機器などを
民間事業者の負担などで更新したほかに、大型モニターを活用した広告料を得ることとしてございます。さらに、本年9月にオープンしました札幌カーリング場では、ネーミングライツを導入したところでございます。
◆宝本英明 委員 今、伺ったところ、広告事業としてさまざまな取り組みをしているという話でした。ぜひ、これからも積極的に行っていっていただきたいと思います。
そこで、ネーミングライツについででありますが、私も、過去の予算特別委員会、
決算特別委員会でも、ネーミングライツは、市政執行のための財源確保の有効策として積極的に導入を検討することを主張してまいりました。札幌市のネーミングライツとしては、これまで、先ほどの答弁にもありましたが、さっぽろ芸術文化の館で年2,000万円、また、カーリング場で年578万円が成立しております。
一方、平成23年1月と2月に札幌ドーム、また、平成21年9月から11月にかけて市民ホールのネーミングライツの協賛企業について募集しましたが、残念にも不調に終わっております。ネーミングライツは、その協賛金額が多額であるとともに、協賛期間も長期化するものでありまして、協賛企業を見つけることが大変困難であることは理解するところでありますが、経済情勢の低迷により、企業もさらに慎重になっているということもわかっております。
ただ、特に札幌ドームについては、施設が完成してから10年が過ぎておりまして、大規模改修も喫緊の課題であると思います。これからは本当にお金がかかっていくのではないかと思います。そうした中、大規模改修の財源確保のためにネーミングライツを導入したいとされておりましたが、一向に進んでいない状況であると思います。皆さんもご存じだと思いますが、札幌ドームは、プロ野球やサッカー、ノルディックなどの国際大会などを開催し、多くの市民にスポーツやイベントを通じて市民の生活に潤いやゆとり、感動や刺激、そして元気を与えている施設でありまして、その保全や修繕などを適切に行って、将来にわたって維持、活用し続ける市民の本当に大切で重要な財産であると考えております。私としては、ぜひ、そろそろ応募条件などを見直していただいて、早期に札幌ドームのネーミングライツの再募集を始め、財源を確保する必要性があると考えております。何も対応せずに時間が過ぎ、本当は得られたはずの収入が失われているのが現状であると思います。平成24年の1定の第二部予算特別委員会でも、我が会派から札幌ドームのネーミングライツについて質問しておりますが、今後はスピード感を持って進めることが必要であると思います。
そこで、質問ですが、広告事業を総括している改革推進部として、現在の札幌ドームのネーミングライツの状況をどのように認識しているか、把握している範囲でお答えいただきたいと思います。
また、所管部であるスポーツ部に対して必要な働きかけを行っていくべきだと考えますが、お考えを伺いたいと思います。
◎平木
改革推進部長 札幌ドームのネーミングライツについてお答えいたします。
札幌ドームのネーミングライツにつきましては、委員のお話にもありましたように、昨年の1月と2月の2回にわたりまして募集を行ったところですが、選定に至らなかったところでございます。その後、3月には東日本大震災が発生いたしまして、その影響から、経済情勢が厳しいことを考慮いたしましてその後は募集を見合わせているところでございます。
しかしながら、スポーツ部では、その間も広告代理店等からの情報収集に努めておりまして、その中では、現在も、多くの企業が広告宣伝費を削減しているためにネーミングライツの応募についてはなかなか慎重な判断が必要と考えている状況であること、また、不透明な経済情勢の中で、企業においては宣伝費を長期固定化させることを敬遠する傾向にあることなど、ネーミングライツに対する企業の意識は厳しいものがあるという情報を得ているところでございます。
スポーツ部としては、こういった企業の動向や経済状況を踏まえ、現在、慎重に応募条件の見直しや募集時期の検討を行っているところでございます。改革推進部といたしましても、札幌ドームを将来にわたって維持していくための財源確保策として、ネーミングライツは有効な方策であると考えておりますので、今後、厳しい経済情勢の中ではありますが、所管部と連携しながらネーミングライツの実現に向けて努めてまいりたいと考えてございます。
◆宝本英明 委員 スポーツ部において、応募条件の見直しや募集時期の検討などに着手しているとのことでありますが、今後の大規模改修の財源確保のためには、札幌ドームのネーミングライツはぜひ必要なことと考えておりますので、協賛企業の再募集について、スピード感を持ってというよりは、スピードアップして改革推進部においてもぜひ調整を実施していただきたいと思います。
最後に、提案というか、要望ですが、ネーミングライツというと、公共施設、特に箱物への命名権との印象が強いところであります。私は、今後はほかの媒体でのネーミングライツを検討してもいいのかなと思います。大型の公共施設のネーミングライツは、その金額も多額でありまして、先ほど話がありましたが、企業もなかなか協賛しづらいと想像されるところであります。しかし、規模の小さな施設や建造物であれば、今後も協賛しやすくなり、企業の地域貢献の機会も拡大していくのかなと、そのように思います。
既に、円山動物園のように、円山動物園施設全体の名称ではなく、アジアゾーンというエリアに対してのネーミングライツを募集して応募団体があったと伺っております。また、私が視察で訪れた神戸市では、市営バスの停留所にもネーミングライツを導入し、地域に密着した利用しやすい市バスを目指しているというお話でありました。
札幌市では、市電のループ化に向けて事業を進めているところでありますが、市電の電停にネーミングライツを入れることにより、市電自体が注目されるとともに、市電利用者や周辺住民の方の親しみがわくのではないかと思います。また、企業の地域貢献の機会の拡大につながる効果もあるのではないかと思います。今後も、広告収入の獲得による財源確保はもとより、札幌企業の地域貢献を推進して、市民の方も企業も札幌へ愛着を持って一緒になってまちづくりを進めていく、そんな意味合いからも、広告事業、そしてネーミングライツに積極的に取り組んでいただくことを要望して、質問を終わりたいと思います。
◆阿部ひであき 委員 私からは、職員の応対等に対する苦情を受けた場合の対応について、端的に伺いたいと思います。
市民の声を聞く課から、職員の応対等への苦情についてという資料がありますけれども、その資料によりますと、平成23年度に本市の広聴部門、すなわち市民の声を聞く課や各区の広聴係へ寄せられた市民の声は、昨年は全体で8,916通あったわけでありますが、市政に関する要望は6,589通、苦情は1,362通に上っております。このうち、職員の応対等に対する苦情は全部で393件あったということであります。
さらに、職員の応対等に対する苦情の内容、項目別の内訳を見ますと、最も多いのは窓口の職員態度が158件、次に電話応対で59件、その他、窓口の言葉遣い、窓口の説明不足、窓口の体制、組織の管理など、いろいろな窓口にかかわるものや駐車場、あるいは電話交換手の応対も含め、すべてそうした窓口業務にかかわるものの項目を一括すると、全体において327件に上って、実に全体の83.2%に及んでおります。
そこで、早速、質問でありますけれども、こうした職員の応対等に対する苦情を受けた場合に、本市の広聴部門ではどのような対応を行っているのか、まず伺いたいと思います。
◎林 広報部長 クレームを受けた場合の広聴部門における対応について、私からお答えいたします。
ただいま委員からご指摘がございましたように、職員の市民応対、接遇についてのクレームは、残念ながら、私ども市民の声を聞く課や、あるいは各区の広聴係の方に相当の件数が寄せられている現状にございます。クレームは、メールあるいは手紙といった方法で寄せられることもございますけれども、その多くは、電話あるいは市民の方が直接来訪されてというパターンが多くございます。その場合には、私どもは、まずはその方のお話をしっかりと伺うことが何よりも大切だというふうに考えてございます。
そうして把握をしました苦情内容につきましては、現場の責任者でございます所管の部長に、これは文書を送ることになりますけれども、クレームの多数は速やかに関係部局の方に伝えることが大事でございますので、文書送付の前に電話でまず一報を入れるという対応を行ってございます。電話や文書を受けた関係部局の方では、改めて事実関係を確認しまして、クレームを言われた方への返答、それから、今後再発をさせないための対策を講じることになります。このような方法で、そのクレームの解決につなげていくという仕組みにしてございます。
さらに、そのクレームをその部局だけの問題にとどめずに、やはり、全庁で共有してそれぞれの仕事に生かしていくことが重要でございますので、広聴部門に実際に寄せられたクレーム、あるいは、そのほかに、逆に市民から感謝されたこととか、あるいはお褒めをいただいたこと、そういった事例もすべて含めて、毎月毎月、職員の対応・接遇レポートという形でまとめまして全庁に情報発信しているところでございます。具体的に申し上げますと、このレポートは、全庁の各部長あてに送付すると同時に、イントラネットのホームページがございますが、それに掲載しまして、全庁の職員だれもが見られるというふうにしているところでございます。
今後も、こうした一連の取り組みを継続しまして、特に、接遇レポートの一層の活用を図ることを各部局に働きかけながら、職員の接遇向上に向けて努力してまいりたい、このように考えてございます。
◆阿部ひであき 委員 今回、その職員の対応・接遇レポートという事例に一通り目を通させていただきましたが、主な傾向として、不親切とか無愛想、冷たい態度、職員の態度に関するものではそういうものがあり、また、ばかにした話し方、ぶっきらぼうな答えと、非常に職員の言葉と話し方によるものが多数を占めている傾向にあるということは、それを見ればわかります。
クレームというのは、あくまでも声が上がった部分でありますし、怒りとかいろいろな思いが、直接、市の方に反映したものではありますけれども、私は、実は声なき声もあるのだというふうに思うのですね。やはり、そうした意識は役所の側も常に持っていなければならないのではないかというふうに思っております。本当に一つ一つの言葉のわずかなボタンのかけ違いといいますか、日ごろの職員のちょっとした配慮や心配りから対応力そのものを向上させると、トラブルへの発展をある程度防げるのではないかというふうに私は感じるのです。
そのためにも、一つの方法として、研修体制を含めて、職員一人一人の自己啓発のあり方や意識改革に対してどう取り組むかということも重要になるかと考えます。本日は、自治研修センター所長である常野所長にもお越しいただきましたが、本市の研修について、こうした具体的な事例を改めて検証して、市職員の対応力向上に役立つ研修を積極的に行うべきと私は考えるのですが、現在の実施状況と今後の取り組みについて伺うものであります。
◎常野 総務局自治研修センター所長 ただいま、市民の皆様への対応力向上に向けました研修について、現在どういうふうに実施しているのかということと、今後の取り組みについてのご質問いただきましたので、お答え申し上げます。
市民への対応力を向上させる取り組みといたしまして、自治研修センターでは、窓口や電話での言葉遣いや応接など接遇に関する研修はもちろんのことですが、相手のご意見や要望の意図を正しく理解いたしまして、求める情報をわかりやすく説明できるよう、対話力を向上させるための研修を実施いたしているところでございます。また、出前形式で各区に講師を派遣して実施している研修におきましては、実際の事例とか苦情などの情報を研修の中身に反映いたしまして実践的な演習を取り入れるなど、より効果の高い研修になるように取り組んでいるところでございます。
しかしながら、職員の対応につきましては、依然として苦情があることを考えますと、取り組みはまだ十分ではないというふうに考えてございます。今、委員からご提案をいただきました点も生かしつつ、よりよい研修内容となるよう、今後も検討を加え、また、その上で各局・区におけます職場研修とか自治研修センターの研修、あるいは、ご提案のあった自己啓発なども取り入れながら効果的に連携させていくことで、職員の市民への対応力の向上を図ってまいりたいと考えております。
◆阿部ひであき 委員 事例によっては、やむを得ないような内容があることも承知しながら、やはり、研修の活用とか、日ごろからの職員の自己啓発といいますか、意識改革といいますか、これによってクレームを未然に防げる事例は数多く存在しております。確かに、所長がおっしゃったとおり、本当に一生懸命に効果が高くなるような接遇や窓口対応の改善、向上に係る取り組みを実施してきているというふうに思いたいところでありますけれども、今、まだこれぐらいの件数があるということは、まだまだ課題点は多く残っているという意識を持って取り組んでいただきたいと思います。
研修についても、恐らく、研修そのものを受けることのできる職員は、職員数から考えるとすべての職員がなかなか受けられないのもわかります。実際にはその数にも限りがありますので、そういう研修受講体制というものを幅広く、特に窓口の方々やそういう業務にかかわる方々を中心に進めていただくことはもちろんながら、ふだんから、日ごろの仕事の中でどうやって自分たち一人一人の意識を高めていくかということが本当に大切なことなのではないかと思います。市民のための市役所という意識の徹底を図っていくことも、また必要なことであるというふうに思います。そして、こうした職員意識の改革、徹底が、ぜひ研修など各種取り組みの実施効果を高めることにつなげていただきたいと考えるところであります。
そういう意識改革に関する取り組みについても、職員研修の充実などと並行して取り組んでいくこともまた重要だと思っていますが、今後の取り組みとして、本市の見解も再度伺いたいと思います。
◎平木
改革推進部長 職員の意識の改革に関する取り組みについてでございますが、これまでの答弁にもありましたように、職員の接遇につきましては、研修の充実などの取り組みを進めてまいりました。その結果、改革推進部で、毎年、本庁の窓口職場における市民のアンケート調査を実施しておりまして、平成23年度の調査で言いますと、例えば、あいさつ、言葉遣い、身だしなみなどの態度に関する問いにつきましては、5段階の選択肢のうち、上から二つの「よかった」「どちらかというとよかった」というのが71.6%、その下の「普通」というのが25.5%となっておりまして、一定の評価をいただけるところまでは来ているのかなというふうに思ってございます。しかしながら、一方で、依然として市民の方から職員の対応に関するおしかりの言葉をいただいていることも十分承知をしているところでございます。
このような状況を踏まえまして、昨年12月に策定いたしました行財政改革推進プランにおきましては、市民が便利さ、わかりやすさ、心地よさを実感できる
サービス提供を目指そうということで、先ほどの答弁にもありました職員の対話力や課題解決能力を向上させる研修の実施などを行うことにしているところでございます。さらに、今年度からは、各局・区が策定いたします局区実施プランにおきましても、基本的な構成を行財政改革推進プランに沿った形にするということで、職員の意識や能力の向上に係る組織の改革とか、市民ニーズに即したサービスの提供に係る仕事の改革といった項目立てをしてプランをつくるように各局・区に通知しまして、意識づけを図ってきているところでございます。今後も、行政運営の改革の実施主体は職員一人一人でございますので、その職員にしっかりと意識を定着させることができるように努めてまいりたいと考えてございます。
◆阿部ひであき 委員 クレーム対応というのは、皆さんも本当にご存じのとおり、一つの事案が発生すると、その事案の解決まで何度も何度も電話をしたり対応したり、非常に膨大な時間と労力がかかり、ついては、そこに係る経費もそれだけかかるということになります。ちょっとした対応の配慮で防げる事案も数多く、こうしたクレーム対応をしっかり検証した後、研修や指導などで極力発生を防ぐ取り組みというのは、クレーム対応に係る人件費や時間、または経費といった観点から見てもとても大切で、必要な取り組みになるのではないかというふうに思います。
年間393件というのが昨年の実績でありますけれども、例えば、そういう職員応対に関する苦情が半分に減るだけでも、市の業務負担の相当な軽減につながると私は思うのですね。私は、こういうことをどうやって防ぐかということをもっと一人一人の職員に知らしめるやり方が必要ではないのかなと思っています。例えば、各部署別に寄せられたクレームの件数をグラフ化して返してしまうと。職員に対して、昨年のデータを数値目標にして、その目標を超えないということを目で見てわかるようにするのも一つの手ではないかというふうに思うのですね。やはり、この課題解決に向けて、そういったところで一つ一つを一人一人の職員に本当に意識づけを行っていく活動にもっと積極的に取り組んでいただきたい、このことを指摘して、私の質問を終わります。
◆中村たけし 委員 私からは、札幌広域圏組合と札幌市立大学について、二つ質問します。
まず、札幌広域圏組合の方から伺います。
札幌のまちづくりを考える上で、広域連携は、近年、特に重要なテーマだと言えると思います。上田市長も、北海道の発展なくして札幌の発展なしと常々おっしゃっておりまして、札幌が道内の市町村と連携して北海道全体の発展を目指していくことが重要であって、近隣市町村との連携や道内中核都市との連携に力を入れていくことはこれからますます必要になってまいります。特に、多くの人や物が市域を超えて移動し、生活課題も複雑化して広域化している昨今にあっては、生活圏を同じくする市町村との連携は大変重要になってまいります。
札幌広域圏は、札幌市を中心として都市機能が充実しております。そして、隣接して、豊かな自然や農業生産地である当別町や新篠津村、空港や港湾などは千歳市や石狩市などと交通・物流インフラなども整備されています。また、大学や研究機関などの知の集積もあるといったことで、さまざまな資源を有している地域でございます。北海道の発展をリードすべき圏域であることは、だれもが認めるところであると思います。この札幌広域圏の中で、札幌と近隣市町村が持つ魅力や資源を生かして、お互いの強みを発揮し合いながら、圏域に暮らす住民の生活を豊かにして圏域全体の発展を目指すとともに、北海道全体の発展に貢献する大きな役割をこの圏域は有していると考えます。
そんな中で、石狩管内の連携についてですが、この管内の8市町村が1997年に一部事務組合である札幌広域圏組合を設立しまして、この間、その構成市町村で造成した基金の運用益を活用して、圏域の魅力を発掘し、圏域の振興に資するさまざまなソフト事業を展開してきています。本市にとっても、札幌広域圏組合がこれからも広域連携における中心的な役割を果たしていく必要があると考えています。
そこで、質問ですが、2011年度の札幌広域圏組合の主要事業としてはどのようなものがあるのか、また、その成果について、札幌市としてどのように評価しているのか、お伺いします。
また、2007年から、上田市長の発案で、札幌広域圏首長懇談会、通称札幌圏G8と呼んでいるようですが、これを開催して、石狩管内8市町村の持ち回りで、毎年、首長が集まって、圏域全体の発展に向けた忌憚のない意見交換を続けているというふうにお聞きしています。首長同士が集まる場ですから、圏域の将来を見据えて、今後の広域連携のあり方を念頭に置いた意見交換をされているのかなというふうに思っています。
そこで、今年度の札幌圏G8において、圏域の今後をどのように見据えた話し合いが行われたのか、あわせてお伺いします。
◎石川 政策企画部長 札幌広域圏組合の平成23年度の主要事業とその成果の評価についてお答えいたします。
まず、人材・文化ネットワーク事業というふうに申しておりますが、札幌コンサートホールKitaraに圏域7市町村の小学6年生約3,000名をご招待いたしまして、札幌交響楽団の演奏など一流の文化芸術に触れる機会を提供する事業を実施しておりまして、構成市町村そのものや保護者からも高い評価を得ているところでございます。また、圏域の魅力をパッケージ化して首都圏の旅行代理店へのPRを行うなど、道外への魅力発信の取り組みも引き続き行ったところでございます。さらに、経済交流を促進するという観点から、札幌市内で圏域の特産品を販売するマルシェの開催です。これは例年やっておりましたが、これに加えまして、平成23年度は、新たに圏域市町村をめぐるウオーキング事業であったり、食や自然など地域資源を生かした日帰り観光ツアーなどを実施したところでございます。
なお、このウオーキング事業には、札幌市民を中心に約400名のご参加をいただいたところでございます。
このように、平成23年度の札幌広域圏組合事業は、圏域内の経済循環を高める取り組みについても充実させるなど、年度計画、いわゆる予算に定めます所期の目的を達成できたものと評価をしているところでございます。
次に、札幌圏のG8についてでございます。
今年度は、江別市で管内の首長が一堂に会しまして、ものづくりにおける高付加価値化を図るために、いわゆる農商工連携について活発な意見交換を行ったところでございます。具体的には、農商工連携の成功モデルとして、全国的にも知られております江別産の小麦を地元で製粉、製めん、販売まで行うという取り組みについて関係者を交えて意見交換を行いまして、今後、圏域全体での農商工連携を目指すことの重要性が確認されたところでございます。
◆中村たけし 委員 そのような人材・文化交流事業、そして経済循環事業、そういった一定の取り組みをしていることは評価できます。特に、今の答弁にありました札幌コンサートホールKitaraに圏域の子どもたちを招待する事業ですが、Kitaraという施設は大きな政令市でしかなかなか持てない施設でありますから、世界に誇るこの施設を活用して圏域の子どもたちが一流の文化芸術に触れる機会を提供するという観点に加えまして、将来、Kitaraのファンを育成するという観点で見れば、構成市町村と札幌市の相互にメリットがあるというふうに考えています。こういった事業は、本当にこの組合事業にふさわしい事業であるというふうに考えます。
また、札幌市民が圏域に足を運んだり特産品を購入することで域内の循環の促進に寄与したり、今ほど答弁がありましたが、圏域の観光資源をパッケージ化して、こういったものを道外に発信するなどの観光振興の事業を実施するということは、圏域が活性化して振興するためには確かに重要なことでございます。
その一方で、札幌圏G8でも話し合われたとおり、農商工連携を行っていくことで圏域の付加価値を高めていくことは大変重要でありまして、もう一歩踏み込んでこの圏域の経済活性化を目指すためには、さらにさまざまな資源の付加価値を高めていく取り組みが必要であると考えます。今、北海道では、経済特区ということで、フード・コンプレックス国際戦略総合特区の取り組みがなされているところでありますが、略称フード特区と連動させて、札幌市と札幌広域圏、そして北海道全体の将来を見据えた取り組みも必要になってくると思います。
本市では、今、札幌の将来を見据えたまちづくりの指針となるまちづくり戦略ビジョンを策定しているところであります。そこで、次の質問ですが、このまちづくり戦略ビジョンにおいて、札幌市は、札幌広域圏をどのように位置づけていくのか、また今後、この札幌広域圏組合にどのような役割を期待するのか、お伺いします。
◎石川 政策企画部長 まちづくり戦略ビジョンにおけます札幌広域圏の位置づけについてでございます。
札幌と北海道の発展は表裏一体の関係にあるという基本認識のもとで、現在策定中のまちづくり戦略ビジョンにおきましては、北海道とともに発展する札幌という基本姿勢を明確に位置づけた上で、札幌広域圏を初め、道内各地域との連携の重要性を明記する方向で、現在、まちづくり戦略ビジョン審議会において検討がなされているところでございます。その中で、札幌広域圏における具体的な施策連携の方向性といたしましては、例えば、技術革新分野の企業誘致であったり、産業の高度化、さらには、広域的な再生可能エネルギーの普及などについて検討がなされているところでございます。
次に、札幌広域圏組合に期待する役割ということでございますが、こうした方向性のもとで、現在、組合では、圏域全体の再生可能エネルギーの賦存量であったり、その活用の可能性につきまして基礎調査を実施しているところでございます。今後とも、こうした圏域全体の将来を見据えた調査研究を行うことであったり、また、その実現に向けまして関係市町村が有機的に連携するためのコーディネート機能を担っていただくことを札幌広域圏組合には大いに期待するものでございます。
◆中村たけし 委員 今ほど、技術革新であったり、エネルギーといった分野で札幌広域圏組合が役割を果たしていくと。今の答弁にもありましたが、有機的につながることはもちろん重要ですので、札幌市は、広域圏の中でリーダーシップを発揮して、真に圏域全体の発展に資する取り組みをこれからもさらに深めてやっていただきたいということを求めて、この点についての質問は終わります。
次に、札幌市立大学についてお伺いします。
地域への貢献というお話をさせていただきますが、市立大学の貢献については、私たち民主党・市民連合の会派は、常任委員会であったり、
決算特別委員会、または予算特別委員会の中で、再三、やっていただきたいということを述べているところです。札幌市立大学自体は、学術研究の高度化等に対応した職業人の育成、また、まちづくり全体により大きな価値を生み出す知と創造の拠点の形成、こういう目的を持って開学してことしで7年目を迎えているところです。
地域に根差した大学として、さまざまな教育研究などに取り組まれている市立大学ですが、札幌市の設置した公立大学ということをかんがみますと、最大の使命は、先ほど申し上げましたように、ここ札幌の地域への積極的な貢献であると考えられます。そして、ことしの4月からスタートしている中期目標においても、地域貢献に関する項目が大項目化されて重点化されております。そういう中で、現在、札幌市では、急速な超高齢化の進行を背景として、地域における看護師に対する需要が高まっていることから、特に市立大学の看護学部に対する地域の期待は非常に大きなものになっていると感じています。
そこで、質問ですけれども、看護学部が昨年度行った主な地域貢献の取り組みについてお伺いします。
また、この春に看護学部を卒業した学生の就職先の市内、道内、道外別の割合もあわせてお伺いします。
◎石川 政策企画部長 市立大学看護学部の地域貢献活動についてお答えいたします。
まず、大学の持つ高度な教育機能を、在学生のみならず、地域に還元するという観点から、道内唯一の認定看護管理者制度の教育機関として指定されておりますけれども、現職の看護管理職を対象といたしました認定講習を実施しておりますほか、平成23年度は、新たに、一度退職された方が戻られる看護職復職支援講習会を実施したところでございます。また、地域課題を解決する役割を担うという観点では、札幌市の自殺対策の一環として実施いたしました札幌市自殺未遂者実態調査などを受託いたしまして、看護という専門的立場から調査結果をまとめたところでございます。このほかにも、市民に開かれた大学という点で、さまざまな一般市民向けの公開講座を実施したところでございます。
次に、この春に卒業した看護学部の卒業生の就職先の割合についてでありますけれども、卒業生91名のうち、就職された方が83名でありまして、そのうち、市内への就職者は51名で61.4%、札幌以外の道内の方が6名で7.2%となってございます。一方で、道外へ就職した方は26名で31.3%となってございますが、この方々は首都圏のいわゆる高度医療基幹病院などに就職した方となってございます。
◆中村たけし 委員 今の答弁で、看護学部が専門性を生かしてさまざまな地域貢献活動を行っていることがわかりました。今ほど答弁がありました札幌市から受託した札幌市自殺未遂者実態調査につきましては、札幌市が抱える課題を市立大学が解決する、いわゆる地学連携のよい例でして、その効果が札幌市における今後の自殺予防に活用されることを大変期待します。また、道内で唯一の認定看護管理者制度の教育機関の認定を受けているという答弁がありましたけれども、これは看護学部の水準の高さをあらわすものでありまして、市内はもとより、道内の看護管理職のレベルアップに大変大きく貢献していることは評価したいと思います。さらに、今、求人欄を見ても、看護師の募集は各病院から大変多くあります。そういったところで、市立大学が看護職復職支援講習をされて、一度離れた看護師の不安を解消して復職につなげるというものであって、看護師不足と言われる今の状況に対応したすばらしい取り組みであるというふうに考えています。
その一方で、今ほど、看護学部の市内への就職割合は、83名中51名で、大体6割ということでありました。冒頭でも申し上げましたとおり、札幌市の設置した公立大学である札幌市立大学の最も大きな使命は地域社会への積極的な貢献であると考えますので、卒業生はもっと市内で活躍する必要があると考えています。
そこで、質問ですが、看護学部卒業生の市内就職率を高めるために、大学ではどのような取り組みを行っているのか、お伺いします。
◎石川 政策企画部長 看護学部卒業生の市内就職率を高めるための取り組みについてお答えさせていただきます。
学生の職業選択の自由を尊重するという立場から就職地などを限定することはできませんけれども、委員がご指摘のとおり、当大学は地域社会への積極的な貢献を使命としている観点から、卒業生にはできる限り市内で活躍していただきたいと考えているところでございます。
そのためには、在学中から地域貢献活動への積極的な参加の機会を創出するなどいたしまして、まずは、札幌への愛着を深める取り組みを積極的に展開してまいりたいと考えてございます。また、その上で、地域の医療機関との連携を深めながら、各医療機関の求職ニーズを的確に把握するとともに、就職支援を実施することで一人でも多くの卒業生が市内で活躍できるよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆中村たけし 委員 そういった取り組みは本当に必要だと思います。今ほどの答弁の中で職業選択の自由というお話がありましたが、これは、何も看護師の職業につくことを拒否しているわけではなくて、札幌市内で看護師を行っていただきたいということで申上げているところです。札幌市は、平成23年度であれば市立大学に15億円ものお金を出しているわけです。これは、札幌市の市民の皆さんが払っている税金です。ですから、市民の皆さんが札幌市立大学についてしっかり認知していただいて、そして、その運営に理解を示さないと、札幌市立大学の存在価値はない。看護学部の看護師を育成するだけであれば、ほかに私立の養成機関がたくさんあります。だから、札幌市の役割ということをしっかり認識していただきたい。
今、看護学部の話だけをしましたが、先ほど宝本委員から地下歩行空間のお話がありましたように、デザイン学部についても、札幌にはさまざまな広報媒体がありますから、例えば、地下歩行空間のメディアビジョンや広報さっぽろのデザインをデザイン学部の学生に任せるとかですね。そういうふうに、市長政策室としても、市立大学の学生がさまざまなものにかかわっている、卒業した看護師はこの札幌で働いていると、市民の皆さんがそうしたことをしっかりわかっていただくようにしっかり取り組んでいただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
◆宗形雅俊 委員 まず冒頭に、理事会に、市民まちづくり局と市長の出席を要請したのです。市長のお顔が見えないのですけれども、きっと第二部で……
○山田一仁 委員長 今こちらに向かっています。
◆宗形雅俊 委員 (続)そうですか。人気者だと思うのですけれども、それでは、来るということでございますので、進めさせていただきたいと思います。
私は、空き家等の不適正管理の是正と不適正管理から生じる諸問題の取り組みについて伺っていきたいと思います。
日本の家族構成は、特に都市部においては核家族化と言われて久しいわけであります。それに加えて、超高齢化社会を迎え、単身高齢者世帯が増加している昨今、高齢者が施設入所したり、不幸にして亡くなられ、今まで居住していた住宅は、住む人もなく、また、不動産流通にも回ることがなく、空き家が増加し、その中でも、今、適正に管理されていない空き家等の影響が全国的にも問題になっております。
不適正管理の空き家が老朽化し、積雪の重みや台風、突風による倒壊や損壊、周辺の人々の人命や財産を脅かしたり、空き家への不審者や子どもたちの出入りによる犯罪、非行の温床になる危険性、また、庭の草木の繁茂や、枝が道路まで張り出して交通に支障を与えたり、害虫、害獣の出入りなど、空き家にまつわる相談や苦情は挙げれば切りがないほどであります。また、私もそうでありますが、ここにいる委員も相談を受けた経験のある方が多いのではないかと思います。
このような背景のもと、私は、昨年の第3回定例議会で、放置される空き家対策について代表質問をしたところです。その際、生島副市長から、私有財産であることや法律の課題等はあるものの、プロジェクトチームをつくり検討していきたいと答弁をいただいたところであります。その後、ことしの予算特別委員会の市民まちづくり局関係の質疑においてその検討経過を聞いたところ、空き家対策プロジェクトにおいては、空き家等の相談を受けるなど関連の深い関連部署の課長職によって廃屋・空き家問題対策検討会を開催し、空き家の相談内容やその際の対応を報告、議論して、その際に課題として挙げられたのは、対応に当たっての法的権限が明確でない中、問題が多岐にわたっていること、また、管理責任を負う建物の所有者や管理者の特定が困難であり、管理者が特定された場合でも改善措置に至るまでが容易でないことなど、いろいろな課題な挙げられたところです。また、検討会の中で問題になっている空き家情報や各部局の対応方法についても情報を共有する必要性が議論され、関係部局で把握している個々の空き家について、どのような問題があり、どのような対応を行っているかというような情報共有を依頼して、年度内に取りまとめを予定しているという答弁があったところです。
今回、私は、議会事務局の政策調査課を通じて、市民などからの空き家、空き地に関する相談・苦情など、この3年間の件数や内容の調査を依頼しました。その結果、建物の倒壊や損壊の危険に関するものが年間に大体15件前後、また、雑草の繁茂や害虫の発生といった生活衛生上の相談が大体170件から190件ぐらいあったということです。しかしながら、調査の中で、土木センター等ではその統計資料などがないこと、さらには、札幌市は空き家等に関する正式な窓口がないということで門前払いされているものもあるのではないかと推測しており、潜在的には相当数あるのではないかと思っております。
そこで、私は、さらに他都市の状況を調査するため、このたび、我が会派の有志の何人かと空き家等の適正管理条例を制定している先進3都市に行ってきました。そこでわかったことは、3市とも、空き家等の不適正管理が及ぼす影響、相談・苦情内容など、その都市の特性や地域性によって所管窓口、いわゆる責任の主体となる窓口を決めている、そして、その所管部局が内容によって関連する部署の協力を得て横断的な取り組みで解決を図っているということがわかってまいりました。
また、さきの予算特別委員会の質問において、渡部副市長からは、10年先を見て、札幌のまちづくりの観点から取り組んでいかなければならないだろうと思っているとの答弁もあったところです。
今、本市は、札幌市まちづくり戦略ビジョンを策定中でもあり、この問題は本市においても大きな課題になってくるものと推測いたしておりますし、早急にその対応を考えていかなければならない大きな行政課題と私は考えております。その意味で、今回、組織改革を所管する市長政策室の中で質問したわけでございます。
それでは、質問に移りますけれども、先ほど申しましたが、本委員会に市民まちづくり局地域振興部の野崎部長にも出席要請いたしました。まず、市民まちづくり局に質問でありますけれども、プロジェクトチームの年度内の取りまとめについて、経過を初め、その結果を報告いただきたいと思います。
また、その時点で、今後どう対応し、取り組んでいくおつもりなのか、伺います。
次に、市長政策室に伺います。
空き家等の不適正管理で生じる諸問題について、市長政策室としてどのように認識しているのか、改めてお聞かせ願いたいと思います。
◎野崎 市民まちづくり局地域振興部長 まず、私から、プロジェクトチームの経過及びその結果、それから、今後の取り組みについてのご質問にお答え申し上げます。
まず、プロジェクトチームの経過及び結果でございますが、関係部局の課長級で構成いたします廃屋・空き家問題検討会では、今後の対応を検討するため、各部局におけます空き家問題の相談状況について情報の集約を行うこととし、本年3月に取りまとめたところでございます。その結果、市に寄せられる空き家問題についての相談件数は150件程度あり、多い順から申しますと、雑草の繁茂や害虫、屋根からの落雪や建物倒壊の危険となっていること、また、相談のあった部局においては、空き家の所有者等を調査しながら適正管理を依頼するなど解決に努めていることもわかりました。また、集約した情報の共有についてでございますが、行政情報課や建築安全推進課などの関係部局との調整を今重ねているところでございます。
次に、今後の取り組みについてでございますが、今申し上げましたとおり、空き家問題と言ってもさまざまでございまして、また、本市における対応部局も分かれておりますことから、相談先のわからない市民が最初に訪れることの多い区役所やまちづくりセンター用に空き家対応の手引を作成することを考えているところでございます。これにより、空き家に関する相談があった場合に、速やかに適切な部署につなげたり、また、関係部局と連携した対応が可能になるものと考えているところでございます。
◎石川 政策企画部長 空き家等の不適正管理の問題に対する市長政策室としての認識ということでございます。
ただいま地域振興部長からも答弁がありましたとおり、管理を放置された空き家につきましては、区役所などに対して近隣の住民から相談の声が多数寄せられておりますほか、全国的にも、過疎地域のみならず、高齢化が進む都市部において空き家の不適正な管理が問題になっているというふうに認識してございます。
これらの空き家は、建物の老朽化によりまして倒壊の危険が生じたり、不審者の侵入や放火の危険といった犯罪や、非行の温床にもなりやすいといった安全上の問題、さらに、草木の繁茂や害虫の発生、ごみの散乱というような生活環境上の問題が生じておりますほか、良好なまち並みを阻害するといった景観上の問題が生じるなど、生活環境の保全や安全・安心なまちづくり進める上で重要な課題であるというふうに認識いたしているところでございます。
◆宗形雅俊 委員 今、石川部長から、市長政策室として重要な課題であると認識しているということで、まず課題共有ができたなと確認いたしました。
私有財産でもある空き家は、一義的に所有者や相続人等の関係者が管理すべき問題であることは、私も十分承知しております。ただ、現実には、それを履行しないで、近隣に危機感や危害を与えるおそれがあったり、今お話がありましたが、生活上の衛生や環境に悪影響を及ぼしたりすることがあります。所有者が判明していれば指導等ができるのでしょうけれども、所有者が判明しない、また、相続との関係で権利関係が複雑など、空き家等の及ぼす諸問題の解決に至るまでには大きな課題があるということは私も承知しております。しかしながら、行政の責任として、やはり市民の安心・安全の確保や生活環境の維持・向上、生命・財産を守るという観点から、この問題を解決していく方策も片方で考えていかなければならないと思っているところです。
空き家等の不適正管理の解決は、その内容によって、さまざまな対応が求められます。さきの答弁でありましたが、課題の数々、法的根拠や権限等々、それから、専門知識や法体系を整理し、その解決に向けた法的根拠を持たせる条例などの必要性も感じるわけです。事実、現在、空き家や老朽家屋等の適正管理の条例を定めた自治体は、全国に36市町村あります。政令市としては、さいたま市が本年7月に制定、そして、千葉市では、今、検討中であるとも聞いております。それから、さきにも言いましたが、先進事例の調査先の埼玉県所沢市には、この件では私どもが118件目、それから東京都足立区には80数件の視察や問い合わせがあると聞いております。このような状況から見ても、やはり全国的に関心の高い行政課題だと思っているところでございます。
そこで、いろいろ課題がございましたが、2点質問させていただきます。
空き家等が及ぼす諸問題に対して、本市は、今後どのように対応していくのか。先ほど野崎部長からは手引というお話もありましたが、それは入り口のところでございますので、今後、解決するための具体策があるのか、また、今申しましたように、全国的に条例等を検討している自治体も多いと聞いておりますけれども、本市の条例制定についての考え方、この2点をお伺いしたいと思います。
◎石川 政策企画部長 空き家等が及ぼす諸問題の今後の対応ということでございますが、これまでは、主に、安全や生活環境上、改善を要する空き家の対策の視点を中心に、関係する各部局における対応状況や課題を整理いたしまして、情報共有に向けた取り組みを進めてきたところでございます。一方、今後、人口減少が見込まれます中で、単身高齢者が増加することによりまして郊外住宅地の空き家等が増加し、地域コミュニティーの維持に影響を及ぼすといった新たな課題も想定されるところでございます。したがいまして、今後は、まちづくりの観点から、例えば中古住宅の利活用といった視点なども含めまして幅広い検討が必要であるというふうに考えております。
次に、条例制定についてでございますけれども、空き家等の適正管理に関する条例につきましては、私有財産に対する規制という性格を持ちますことから、慎重な検討を要するものと認識してございます。まずは、現行法令の中でどこまで対応できるかということを整理するとともに、条例制定の必要性とその効果といったことにつきまして、あわせて検討が必要になってくるのかなというふうに考えております。
◆宗形雅俊 委員 今、石川部長の答弁で、この問題は、単なる空き家の不適正管理の問題にとどまらず、今後、高齢化が進展する中、急増するであろう郊外住宅における空き家、空き地の利用という観点、つまり、札幌市の都市構造の問題として考えていく必要があるのではないかと思っております。
先ほど、市民まちづくり局から、プロジェクトチームの検討会の検討内容の報告を受けました。ある意味で、予測された課題の列記ということでありまして、さきの予算特別委員会でいただいた答弁の域を余り大きく出ていないなと思います。私は、そういった課題解決をどうしていくのかということを期待していたのが今回の質問だったのですが、やはり、なかなかそこに進んでいないということです。それから、このプロジェクトチームの検討会は、昨年の3定で質問したときがスタートですから、1年たっているわけですが、お聞きしますと、この間の検討会は2回しか行われていないということを考えますと、この取り組みは、課題は認識しているけれども、精力的に進められたという感じは受けないわけであります。空き家等をめぐる問題は、人口減少が激しい地方から端を発し、都市部を含めて各地で、今、問題化しております。その背景から、条例化の動きも加速していることを考えますと、札幌市の取り組みというのは余りにもスピード感がないのではないかと言わざるを得ません。
そこで、今、戦略ビジョンを策定しており、また、組織改革を所管している井上室長にお伺いしたいと思います。
空き家等の適正管理に関する課題や利活用、さらには都市構造の面から、現在策定中の札幌まちづくり戦略ビジョンにまちづくりの観点からこの課題も位置づけていくべきではないかと思いますけれども、いかがですか。
さらに、ビジョンでの位置づけでもそうでありますが、まずは、早急に、今の対応として、空き家等の問題を統括する、もしくは、主体となる担当部署を新設して全庁横断的に対応すべき問題ではないかと考えますけれども、2点についていかがか、お伺いしたいと思います。
◎井上 市長政策室長 まず、1点目のまちづくり戦略ビジョンにおける位置づけということでございます。
今後、人口減少期が到来いたしまして、特に郊外部におきましては空き家等の増加が想定されますことから、空き家問題は、市民の安全・安心な暮らしを守るという観点などから、将来のまちづくりを進めていく上での重要な課題になるだろうというふうに認識をしております。現在策定中のビジョンにおきましても、住民同士のつながりによる地域コミュニティーの活性化のための場づくりとして空き家の活用という議論がなされてはおりますが、委員の指摘の観点からの議論はまだこれからでございます。今回、議会からも指摘をいただきましたし、また、ことし4月から9月にかけまして各区を回りまして、地域の皆様とビジョンについての意見交換もしてございますが、その中で同じようなご意見もいただいておりますので、まずは、そのことを専門部会の方にお伝えいたしまして、今後の重要な課題として議論していただきたいと考えております。
次に、2点目といたしまして、総括する担当部署の新設、全庁的取り組みということであります。
空き家問題は、市民まちづくり局、それから保健福祉局、都市局、消防局など複数の部局にまたがる課題でありまして、
市民サービスの観点から、空き家に関する対応窓口を明確にすることは極めて重要というふうに認識しております。先ほど地域振興部長からも説明がありましたけれども、手引を作成した対応ということなどもよく見きわめつつ、各部署の役割分担と連携の仕組みを明確にいたしまして、空き家問題に関する総合的に検討する組織体制や、現行での強化も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
◆宗形雅俊 委員 ぜひ、まちづくり戦略ビジョンに位置づけをしていただけるということと、その辺のさまざまな課題の取り組みも早くお願いしたいと思います。
そこで、上田市長に出席要請いたしました。私は、5年たって2回目ではないかと思うのですが、忙しいところ、ありがとうございます。
今、段々のお話、また、昨年の代表質問等々でも聞いてこの問題を認識していただいていると思うのですけれども、核心に触れる前に、一つ、市長に確認したいのです。
市長は、市民とともに考え、ともに悩み、ともに行動する、このことを大切にして市役所全体が動いていく必要があるということをおっしゃっています。また、
自治基本条例の第2条にまちづくりという規定がございまして、快適な生活環境の確保、地域社会における安全及び安心の推進など、暮らしやすいまちを実現するための公共的な活動をうたっております。そして、第10条の2項では、我々議会や議員に対する使命、役割などをうたっております。そういう
自治基本条例の観点から、市長が言っているともにというところは、市政の課題として出てきた場合に、市民の皆さんと考えましょう、悩みましょうということだと思うのですが、逆に、市民から行政課題なり市民の課題だと言ったときにも、これはともにやっていきましょうという理解でよろしいかどうか、まずは市長の考え方を教えていただきたいと思います。
◎上田 市長 当然、市民も札幌市を構成する主人公、主体でありますので、そういう皆様方のご要望、発案、アイデアというものを私どもは十分お聞かせいただきながら、意見交換をし、そして、実現できるものやその道筋を探っていくというのが私の基本的な立場でございます。
◆宗形雅俊 委員 今、段々の議論をしながら、空き家等にまつわるさまざまな問題ということで、昨年も言ったかもしれませんけれども、空き家に対する諸問題についていろいろ相談に乗ってくれといいますか、議会の中で質問をつくりたいということで部局を回りました。しかし、うちではない、うちではないなのですね。当然、空き家について、住宅そのものは都市局になるのでしょうが、そこをもととして、先ほど言いました生活衛生などは保健福祉局ではないかと。いわゆるそういうものをパッケージした中で受ける部署がないのですね。どこからも断られました。そこで、断られないようにするためにどうしたらいいのかと知恵を絞りましたら、昨年3月制定しました札幌市犯罪のない安全で安心なまちづくり等に関する条例、ここに関連した質問をして、市民まちづくり局の方で受けていただいたというのが経緯でございます。
先ほども言いましたが、それから1年間、いろいろな勉強をさせていただきました。私は別に自分のことを宣伝するわけではありませんが、この間、ブログとかフェイスブックなどにこういった問題を提起いたしますと、いろいろな反響がございました。そして、道内の地方の行政マンからも、ぜひ期待しているとか、逆にいろいろな提案をいただいたということがございます。
ただ、具体策となりますとなかなか難しいだろうなと。きょうもきっと入り口論で終わるのだろうなという予想もしているところでございます。これは、なぜ入り口論になるのかといいますと、先ほども言いましたが、いろいろな部署があります。野崎部長は、これから手引をつくってと、入り口論はいいのですね。けれども、これが住宅とか保健福祉にかかわるところをどうコーディネートしていくというのか、コンシェルジュ的というのでしょうか、まず主体的に受ける部局、部署がないわけです。ですから、私がやろうとしても受けてくれないということになります。
しかし、これからこの問題は大きくなるということでございます。考え方も一つありますが、まずは、空き家にまつわることは、どこでもいいと思うのですね。それをぼんと示していただきたいのですが、これを示せるのは、私は市長しかいないと思うのですよ。ある意味で、トップダウンでないとできないと思うのです。そして、この問題について課題があります。個人情報の問題があります。それから、所有者が見つからなかったら、固定資産税の台帳をどうするかとか、こういうものも個人情報の問題になってきます。また、それをどう解決していくのか。例えば、所有者を知るには別に納税額が要るわけではないですね。所在地がわかればいいとか、それを法律とどう整合性をとっていくのかとか、そういう取り組みをやりなさいという市長のトップダウンがあると、皆さんも動くと思うのですね。当然、今までそういった仕事を担っていませんから、これはうちではありません、これはうちではありませんと主体性がなくなると思うのですね。当然、今までもなかったことですから。
そこで、きょう、市長の出席を要請したのは、トップダウンとして、この問題についてどこの部署がしっかり取りまとめて取り組んでくれと。そして、1年で2回しか開かれていませんから、少なくともこれをまちづくり戦略ビジョンまでに合わせろとか、それができてからなのか。ただ、10年も20年も先になったら困りますが、ある程度の中でやってみたらどうだと、そういうことをぜひ市長にやっていただきたいのですけれども、まず、空き家等の問題について市長の認識をお聞かせいただきたい。
また、この課題を担う部署について、先ほど私は新設と言いましたけれども、強化なり、今ある組織の中でどこを主体にさせるとか、そういったものを決めていただきたいと思いますけれども、トップダウンということも含めて、市長のご意見、取り組みをお伺いしたいと思います。
◎上田 市長 空き家の問題については、今まで各担当者からお答えがございましたように、基本的な認識といたしましては、まず、空き家自体の有害性、保安上とか衛生上の問題というように、所有権者が放置していること、不作為によってそれ自体が近隣の皆さん方にご迷惑をかけるということで困ったものだという視点があります。それから、空き家がある、有効活用しないということの問題性です。都市という限られた空間の中でみんなが肩を寄せ合って生活をしているわけでありますから、単に所有権者であるからといってそれを放置しておくことの社会経済上の問題性、そして、まちづくりとの関係での問題性という観点から有効活用するということ、倫理的な意味合いでの所有権者、利用権者等の姿勢を疑問視するといいますか、問題にするような二つからの視点で問題があるというふうに思います。
そういう意味で、先ほど来お答えをさせていただいておりますように、有害性の問題については、ご承知だと思いますが、建築基準法とかあるいは消防法といった各法律において、かなり厳しい要件の中で、所有者に対して勧告をしたり命令を出したり、あるいは、それに従ってもらえないときには代執行するということまで規定がございます。これを発動する前の段階で任意でどこまでできるかということについて、市役所の相談機能と、そして、関係部署の適切な行政の役割、指導・助言等々がどうできるかというようなことについて、今、プロジェクトチームが立ち上がりました。そして、まだ議論が煮詰まっていないようでありますが、どうするべきかというふうな手引等を作成いたしまして、少なくともたらい回しにしないと。ご相談においでになった方について、例えばまちづくりセンターあるいは区役所等でご相談になったときに、あっちへ行け、こっちへ行け、私のところじゃないというふうな状態は解消しようというところまでは話が来ているということでございます。そういう意味で、さばきをするといいますか、市役所内の手続として、相談事項に対してどこでどうしていくかということについては、窓口をつくるということ、それから、どういう手順でやるかということについての合意を形成する手前まで来ているというふうにご理解いただきたいと思います。
まちづくりとの関係から言えば、もちろん、今、地域の中においては、少子高齢社会になっているわけでありますから、地域の中で子どもをどう育てていくのかという問題とか、高齢者の皆さん方の孤立、独居の状況にある方々のコミュニティーをどう形成していくかというような問題に活用できないかという観点から、まちづくりという視点でこの問題に取り組んでいくという考え方でございます。
◆宗形雅俊 委員 これで最後にしますけれども、行政課題というのは一つでないですけれども、ぜひ取り組んでいただきたいなと思っております。
一つ、こんな事例がございました。我々が所沢市に行ったときに、札幌市もそうですが、建物がつぶれそうとか損壊しそうだというのは建築基準法の第8条か何かでできるのですね。ところが、庭の雑草の繁茂というのは、立ち入りの問題を含めて、なかなかできません。実は、所沢市では、住宅街というのは札幌以上に生活道路が狭いし、張り出している木によって交通の支障があるということでいろいろな相談を受けていたところ、そういう条例ができたのですが、そこに住んでいる方が全然見つからないと。所有者はわかっているのですが、本人が見つからない。たまたま親戚の方を見つけ出してきましたが、親戚も行方がわからないということだったのです。とりあえず、その年は、庭を整理して、一応、景観を確保しました。ただ、翌年になっても同じ問題が出ますから、今度は、おかしいということで関係者が捜索願を出して、そして、初めて警察、鑑識が入ったら、その人は孤立死をしていて1年半たっていたということです。ところが、なぜそこで見つからなかったのかというと、結構、資産家だったらしくて、税金などは全部が銀行口座から落ちるものですから、市としては収納されていると。ただ見てみると、年も80歳に近いということでしたが、2年間、国民健康保険の使用形跡がない。私は、ある意味で、ここにヒントがあるのではないかと。逆の意味でですね。こんなことがあったということでございます。
孤立死の場合は、一軒家のみならず、全部のことに言えますけれども、こんなこともあるようでございます。ぜひ、空き家ということではなく、いろいろな形で福祉関係にもつながっていくような話でございますので、早急に取り組みをしていただきたい。さまざまな課題についは私も十分勉強してきておりますし、ここで披露するわけではありませんが、こんな本も出ているようでございまして、空き家等の適正管理条例ということで上智大学の先生が書いているようでございます。こんなものも研究していただいて、よりよいものやっていただきたい。
この件については、また経過を見ていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げて、きょうの質問を終わりたいと思います。
○山田一仁 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩します。
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休 憩 午後3時29分
再 開 午後3時50分
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○山田一仁 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆木村彰男 委員 私は、札幌市立大学について、市民経済の統計分析について、それから、市有建築物の中長期的な再配置について、上田市長のマニフェストの進捗評価表について、行革プランについて、初音ミクについてお聞きしたいと思います。
札幌市立大学芸術の森キャンパスグラウンドの利用促進につきましては、私がことし3月2日の予算特別委員会で質問し、当時の可児政策企画部長から、地域住民の声を聞きながら、貸し出し可能な使用目的、あるいは内容、料金等を検討し、公立大学として地域に親しまれる大学運営をしていただけるよう大学に働きかけをしたいという前向きな答弁をいただいておりました。この間、ご担当の稲木課長と打ち合わせをしている中で、グラウンドでは野球はなかなか難しいということがわかりましたが、どのような競技ができ、利用に当たっての条件、禁止事項等が固まっているようでございましたらお聞かせください。
◎石川 政策企画部長 市立大学の芸術の森キャンパスのグラウンドにつきましては、本年7月より、大学業務に支障のない範囲で地域住民の皆さんへの一般開放を始めたところでございます。実施可能な競技につきましては、グラウンドの面積が小さいこと、それから、フェンスも未設置であるということで、例えばミニサッカーであったりキャッチボールなどの諸スポーツでございまして、サッカー、野球などの利用は不可能な状況になってございます。
利用に当たりましての条件でございますが、基本的には、公園と同様に自由利用でございますけれども、まずは、事前に大学に申し込んでいただいて、大学に申し込めば占用しての利用も可能だというふうにしてございます。禁止事項は、飲酒、喫煙、火器使用、車両の乗り入れ等でございます。
◆木村彰男 委員 この利用につきましては、大学の方にお申し込みいただいてということで伺っておりました。こちらにはデザイン学部もありますが、看板などを設置されるとか、ホームページでこのような条件で貸し出しますであるとか、もしくは、普通の学校であるとかグラウンドのような申し込みといいますか、抽せんをやっているところもあるのですけれども、お申し込みの形態はどのようにお考えになっているか、お聞かせください。
◎石川 政策企画部長 申し込みに当たりまして、募集するという観点からホームページでの掲載はしております。そのほか、地域の方々へは、芸術の森地区でございますので、連町会長を通じて地域の各町内会長の皆さんへも周知を行ったところでございます。
◆木村彰男 委員 ぜひ、南区以外の方にも、南区の方に来ていただくという意味でも、宣伝していただくといますか、そういうことをやっていただければと要望します。
次に、札幌市立大学に関する平成23年度の評価報告書がこちらの方にございますが、独立行政法人の
評価委員会によってなされている評価結果が私の手元に届いておりますので、この中から何点かお聞きいたします。
今後の課題とする項目がございまして、その中に、科学研究費補助金、いわゆる科研費と言っているものがありますが、申請率が低く、研究意欲が乏しい旨の表現があるのですね。このような教員がいるということ自体が私は信じられないのですが、この点について理事者のお考えをお聞かせ願います。
◎石川 政策企画部長 科学研究費補助金の申請率でございますが、日本学術振興会の科学研究費補助金の申請件数を大学の教員数で割ったものが申請率でございまして、いわゆる大学の研究の熱意をあらわす数値として使われているものでございます。開学後の札幌市立大学の申請率は平均で約6割程度で推移してきたところでございますが、申請率が低調な理由といたしましては、新設大学であったこともありまして、これまで、教育カリキュラムの構築であったり、そういうものに労力を割いてまいりましたことから、科学研究費補助金を受けてまでの研究まで手が回らなかったものというふうに我々は認識いたしております。
しかしながら、今後、安定期に入りますので、第2期中期計画の最終年度でございます平成29年度までには、この申請率は80%の数値目標を定めました上で、申請率の向上に努力してまいりたいというふうに思っております。
◆木村彰男 委員 今、数値目標まで出ましたので、それにつきましてはやっていただきたいなというふうに思います。
私は、科研費の申請だけが研究に対する熱意だとは決して思っていないのですね。これは、やはり研究の指標になる英文論文というのがありますが、これらの数値といいますか、どれぐらいの実績が上がっているのか、直近の資料で構いませんので、お知らせください。
◎石川 政策企画部長 英文論文というくくりの集計は大学側でしておりませんで、その数字は持ち合わせてございません。参考までにそれに匹敵するものといたしまして、平成23年度で教員が76名でございましたが、国内外での論文発表が84件、そのうち、国際学会での発表は16件という数字は入手してございます。
◆木村彰男 委員 ぜひ、研究の方も一生懸命に頑張ってやっていただきたいということを要望します。
次に、ちょっと細かい話になりますけれども、学期ごとのキャップ制の導入であるとか、私はちょっと言葉がわからなかったのですが、GPAの活用であるとか、単位制度の自主化について活用に至っておらないというような厳しい判断がこの中でなされているのですね。この原因は一体何なのかということと、それからまた、学生とか卒業生の方からの評価ですけれども、授業評価とか卒業生によるアカデミック・ポリシーの評価及びカリキュラム・ポリシーの評価の仕組みが十分機能しておらないというようなこともコメントされております。
これは、学生側も含めて、先ほどおっしゃったような形でカリキュラムの構築がうまくいってないのか、要するに制度が潤滑に運用されていないのか、どちらかなのかと思うのですけれども、お聞かせください。
◎石川 政策企画部長 履修可能な授業数に上限を設けるといういわゆるキャップ制の導入についてでございますけれども、市立大学の場合、開学以来、これまでデザイン学部の学生などのカリキュラムが、例えば1年間の後半に課題に取り組む実習時間をとらなければならないというようなことから、キャップ制は導入しているのですが、年単位での導入になっておりました。しかしながら、
評価委員会からは、大学教育の質の保証という観点では、やはり学期ごとのキャップ制の導入が望ましいという指摘を受けたところでございます。
次に、GPAと記載されておりますが、これは、履修科目の成績評価の平均を用いた評価ということでございます。この評価制度につきましては、開学間もない状況でございまして、成績評価の基準が各教授、教員レベルで必ずしも統一されていなかったことから、現時点では例えば学生表彰などで試行的に活用していたという状況でございます。
評価委員会からは、やはり、評価基準の統一を図った上で、早期の本格導入を図るべきという指摘を受けたところでございまして、いずれの案件につきましても、来年度、平成25年度の導入に向けまして、現在、準備を進めているところでございます。
続きまして、学生からの授業評価、さらには卒業生によるアカデミック・ポリシー、いわゆる評価でございますが、これが十分に機能していなかったのではないかという指摘をいただいてございます。
学生からの授業の評価であったり、卒業生からの評価につきましては、いずれも実施はしております。しかしながら、今回のご指摘というのは、そのデータを数年度の経年変化で分析をした上での結果を活用していないのではないかという指摘を受けたものでございます。これまで、開学後、授業評価等の結果をいただいてはいますが、データベース化をするまでの段階であったということで、今年度から第2期中期計画がスタートいたしますので、今後は、蓄積したデータを分析して、その結果を授業カリキュラムの見直しに反映させてまいりたいというふうに考えてございます。
◆木村彰男 委員 私どもが大学生のころには、授業を評価するとか先生を評価するなんていうことはちょっと考えられませんでした。我々は単位が取りやすい先生のところに集まるような傾向があったかもしれませんが、今は、このように評価される先生といいますか、教授が大事なのですね。そして、そういう人はやはり研究論文も書いて、そういう先生以外の人はもうやめていただくということで厳しく対処していただきたいというのが私の正直なお願いなのです。札幌が世界に冠たる札幌として発言していくためには、そのような厳しい評価に耐え得るような教員もしくは指導者ということをぜひお願いしたいと思います。
それから、デザイン学部は、メーンの学部ですけれども、コース分けがメディアデザインに偏りがあると指摘されておりまして、キャリア教育との関連において、それについてお聞かせください。
◎石川 政策企画部長 デザイン学部のコース分けでは、特にメディアデザインコースへ偏るという志望のソフト化の傾向が見られておりまして、社会的な要請と学生の希望の間にギャップがあるという指摘を受けたものでございます。これは、メディアデザインの方に偏って、製品デザインや空間デザインの方が余り集まらないという偏重でございます。
今後、空間デザインや製品デザインといったハードのデザインコースにつきましては、例えば企業に向けた
ワークショップを開催するとか、民間企業や各種団体におけるインターンシップの取り組みを積極的に進めることによりまして、学生にとってより魅力的なコースとなるよう積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
◆木村彰男 委員 ちょっと違うのではないかと思うのですね。つまり、学生がそこに集まっていかないということは、例えば、時代におけるニーズからちょっと外れているとか、将来の就職活動を含めて、そちらに行っても自分にとって得るものが少ないのではないかというふうに考えるわけでございます。それを残すのは構わないのですが、やはり、別な選択肢も考慮した上で、既存の授業、カリキュラムに学生が集まらないという現実の方を重視して、これも検討していただくことをお願いしたいと思います。
それから、経理の仕事が現職員数で期限内に遂行する前提でというご指摘があるのですね。これは、裏から読むと、期限内に遂行できておらないと読めるのですけれども、これは何を意味するのか、お聞かせください。
◎石川 政策企画部長 これは、平成23年度の出資団体等監査におきまして、大学の一部財務処理について遅延が認められるとの指摘を受けたことにつきまして、それを
評価委員会において確認したというものでございます。
評価委員会からは、業務量が多いから単純に事務職員をふやすのではなくて、現在の人員で期限内に業務を遂行するためにどうしたらいいかという観点で業務改善に努めるべきという指摘をいただいたところでございます。
そこで、大学といたしましては、平成23年度に業務分析を実施しておりまして、また、今年度実施いたします業務改善手法の検討結果をもとに、25年度からは、例えば事務処理のアウトソーシング化であったり、処理手順の見直しなどによりまして、事務局業務をスリム化して臨んでいきたいというふうに考えてございます。
◆木村彰男 委員 子どもが夏休みに宿題ができなくなってお父さんに手伝ってもらうとかお母さんに手伝ってもらうという話とは全く別でございまして、少なくとも公的機関の業務がその人員でできないことがもうわかっておるのでしたら、当然、これについては何らかの改革をして、次年度からそんなことのないようにぜひやっていただきたいと申し上げる次第でございます。
次に、市長政策室では、札幌市の市民経済に関する数値というものをまとめていろいろ発表されております。私もいただいておるのでございます。こういう指標は、国であるとか北海道であるとか銀行、シンクタンク等、いろいろなところから集めてきているのですね。札幌市の職員がすべての数値について通暁するといいますか、わかって分析をする能力を期待されているわけではないと私は思うのです。ただ、数値を集めることだけを仕事にしているわけではないと思います。
そこで、札幌の現状を分析する上で、これは集められた数字ですが、今、最も効果的な数値とか指標というものは一体何なのかというものを何点か挙げていただいて、それを前提にした上で、今後の方針といいますか、札幌市の施策をどのように立てていくか、その指標をどのように利用していくか、そういうような統計分析の今後の方針というものをお聞かせいただけませんでしょうか。
◎石川 政策企画部長 札幌市におきます統計では、まずは、年齢別、地域別の詳細な人口構成を把握するいわゆる国勢調査、それから、地域別・産業別事業所数、従業者数などの市内産業の基本的構造をあらわす経済センサスという調査がございます。また、経済成長率、総生産、1人当たりの市民所得などを推計いたします市民経済計算という三つを重要な三大統計と位置づけているところでございます。これらの統計指標につきましては、例えば、現在策定中の新たな長期計画であります札幌市まちづくり戦略ビジョンにおける将来人口の推計であったり、札幌の経済戦略であります産業振興ビジョンなど、さまざまな計画策定に活用されているところでございます。
◆木村彰男 委員 私は質問に入れていなかったのですが、ここに「観測気流」という北海道新聞のことしの7月6日のコラムがあって、阿部さんという方が書いているので、ちょっと引用させていただきます。
札幌市が北海道経済を牽引しているという定説は本当かとした上で、札幌は、今、高齢化に向けて進んでいる、それの対策なんかを札幌市が中心的に担っていかなければならない、それがまさに先ほど申しました指標の一つの施策のあらわれと私も考えているわけです。札幌のそういう高齢化に触れまして、医療機関、研究教育機関など恵まれた機能を地方と連携してフル稼働させて、成長のエンジンになるような付加価値の高い産業を育てなければ人口減少、高齢化に備えることはできないとし、今、自立しなければならないのはむしろ札幌の方なのではないか、北海道を牽引するというより、札幌がまさにそういう思想に立脚して、そちらの方向に向かって飛び出していかなければ北海道を牽引することはできないと。
ですから、そういうような指標に基づくような施策、高齢化対策を、ぜひとも石川部長のところから発信して、各局の施策につながるようにこの数値を利用していただきたいということを要望いたします。
次に、市長政策室では、今年度、政策企画部において、市有建築物の中長期的な再配置に係る基本方針を策定するため、市有建築物の基礎的調査を実施しており、施設の現況調査などを行うに当たり、公募型のプロポーザルを行いました。そこで、業者を選定し、472万円で委託契約をしているとお聞きしております。
市有建築物の再配置、維持・更新に向けて施設のあり方に関する方針策定を念頭に置いているということでございますけれども、担当の課長に何回もこの件についていろいろお聞きしたのですが、何を目指しておるのかというのがよくわかりませんでした。それは、つまり、この計画なり実施策定というのは、これまでおっしゃっていたようなコンパクトシティなる概念、そういうコンセプトとはまた違うのか。また、歩いて暮らせるまちづくりと戦略ビジョンみたいな関係とも違うのか。今回の中長期的な配置方針が、具体的施設の統廃合ではなく、全市的に基本的な考え方を検討するということだけであれば、これまでに行政で蓄積されている既存のデータというものを活用すれば済むことでありまして、これだけのお金をかけて、この時期に調査する必要があるのかという疑問なのであります。
私は、さきの委員会で、村山財政部長もお話しされておりましたが、進めようとする施策が、今、本当に優先順位を有するのか、ほかに代替のやり方はないのか、そういうものを吟味した上で実行する旨、当職に答弁されておるわけです。財政状況が厳しい中、新たな事務事業を行う場合においては、必要性であるとか緊急性、事業手法などを十分検討した上で優先順位を決めて実施すべきであるという意味だと思います。
そこで、質問ですけれども、市有建築物の基礎調査業務を今年度実施しなければならない理由は何なのでしょうか、お聞かせください。
◎石川 政策企画部長 市有建築物の業務をなぜ今年度に実施しなければならないのかということでございます。
まず、超高齢社会の到来、そして、生産年齢人口の減少といった人口構造の変化へ対応をしなければならないこと、さらに、地域コミュニティーの維持、活性化のために、より身近なところで日常生活に必要な機能が提供される、いわゆる歩いて暮らせるまちづくりといったものが今の戦略ビジョンの中でも議論されているところでございます。一方で、昭和40年代から50年代に集中して整備されました市有建築物が間もなく一斉更新期を迎えますことから、建てかえや保全需要が増大することが見込まれている時期でもあるわけでございます。
このようなことから、厳しい財政状況の中であるからこそ、地域に必要な機能を、今後、建てかえに当たって効果的・効率的に配置していく必要があると考えまして、現在あります市有建築物の配置に係る基本的な方針を検討していこうと。それに当たりまして、各施設の現在の利用状況、もしくは、イニシャルコスト、ランニングコスト、さらには類似施設の配置状況等の実態を把握いたしまして、その情報を整理、さらには分析する必要があると考えて、今年度、調査を実施しているものでございます。
◆木村彰男 委員 この件については、担当の課長と何回も議論をして、実際に今持っていらっしゃるデータを1回分析した後、足りなくて空白になっているようなところとか、そういうものに特化しておやりなることはないのですかということも申し上げたのです。課長ともお話をしておりましたけれども、既存のデータを分析して、当然、何人いるということがわかったとしても、どういう階層だとか、どこから来ているとか、そういうものについてはわからないのです。そういうことについてこれからお話をするとか調べるというのはわかるのですけれども、とりあえず、今おっしゃったような何人来ているかということについての既存データ、現在持っている数字をもって一回つくってからでも、私は何も今すぐやっていくような話ではないと思っております。これらにつきましては、やはり、先ほど申し上げたお仕事の優先順位であるとか、そういうものもぜひ考慮してお進めいただくことを私は要望するものでございます。
次に、上田市長のマニフェストというのがございます。これは、去年、市長が3選されてからのものですけれども、それが1年分来ていまして、当然、その前にも1期、2期という形でのマニフェストがあります。そして、部分的には数値目標だけではないようなものもあるようで、マニフェストという今の定義から見ると一般の公約に近いようなものもあるかのごとく伺いました。それはそれでよろしいのでございますが、そういうような上田市長のマニフェストが1期、2期、3期と形を変えて市民の評価にさらされ、そして、それが上田市長の3選にもつながっていると私は思うのです。
そこで、上田市長が今までおやりなってきて、2期8年、プラス1年でございますか、それがずっと未達に終わっているというか、なかなか実現していない、そういうものが何点かありますので、それについてお聞きしていきます。
市長は、1期目から3期目までのマニフェスト、公約では、一貫して市民自治というキーワードとか、子ども、福祉、それから経済の雇用、これは、経済を活性化して雇用を推進するという意味だと思うのですけれども、そういう分野を重点的に上げてやってこられております。市長のマニフェストの項目の中で最も進捗がおくれていると私が判断したのは、やはり経済・雇用対策ではないかと思うのであります。3期目のマニフェストで5万人の雇用創出がうたわれていますが、雇用の把握や数字のとらまえ方、何度も本会議や委員会でいろいろな委員から指摘されているのですね。例えば、正規、非正規のくくりについてもあいまいであるとか、5万人の雇用創出そのものについても、さきの代表質問では1万3,976人の雇用を実現しましたという答弁がありましたが、この数には非正規で短期雇用の就労者なども含んでいるということをお認めになっているわけでございまして、分野別ではどのような実績になっているのかという細かい情報集計はなされておらないのであります。
こういうような雇用実態の把握ができておらないようなマニフェストについて、石川部長のところで管理して、やっているのかやっていないのかみたいなことをマル・バツをつけて評価するということ自体、私は何か矛盾するというか、余り意味がないのではないのかと思うのでございますけれども、ご意見をお聞かせください。
◎石川 政策企画部長 マニフェストの進捗状況ということでございますが、今、具体的に出ました雇用創出5万人ということにつきましては、マニフェストを実現するための中期実施計画であります第3次札幌新まちづくり計画における成果指標、いわゆる“えがお”指標にも掲げているところでございます。これは、いまだに全国的に雇用情勢が厳しい中で、札幌市の完全失業率であったり、有効求人倍率が全国平均と比べても厳しい状況が続いておりまして、少しでも早い就職が喫緊の課題であるという概念から、継続か短期かといった雇用形態にかかわらず、広く雇用機会を確保することを目指しまして雇用5万人という目標を設定したものとなってございます。
市長政策室といたしましては、今後も、適切にこの新まち計画の進捗管理を行いながら、当該目標の達成に向けまして着実に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
◆木村彰男 委員 私は、5万人雇用創出の旗はもうおろすべきと考えております。実現は困難だというふうに考えているわけです。
石川部長は、この5万人雇用の実現を今も信じていらっしゃるか、お聞かせください。
◎石川 政策企画部長 先ほどもご答弁させていただきましたとおり、我々行政計画といたしましての第3次新まちづくり計画に位置づけてございますので、これは着実に実行してまいりたいというふうに考えてございます。
◆木村彰男 委員 5万人雇用創出の目標については、旗をおろさないというふうに伺いました。ぜひとも実現していただくように希望します。
次に、大阪市が進めようとしている1万人の非公務員計画というのがあるのですね。これは平成24年6月に統合本部行革方針というところから出されておりまして、これを見ていると、札幌市の行革プランと非常に類似する思想に立っているというふうにと感じました。これにつきまして担当課長といろいろ話をしていたのですが、札幌市の行革プランというのは、もうのり代がないと。つまり、切るべきところがないといいますか、削減するような余地はもうないのだというようなことを言っておられまして、大阪のような非公務員化というのは、行革プランを含めてもできないというようなことをおっしゃるのですけれども、理事者のご見解をお聞かせください。
◎平木
改革推進部長 大阪のプランとの関係ということでございますけれども、委員がおっしゃっているのは、ことしの7月に大阪市の方で公表した市政改革プランということであるかと思いますが、その中では、大阪府と市の統合を念頭にしながら平成23年10月時点で3万8,000人の市の職員を27年10月に1万9,350人にすることを目指すというものかと思います。
一方で、札幌市におきましては、平成23年12月に行財政改革推進プランを策定してございますけれども、その中でも、人件費の見直しの効果額として35億円を見込んでいる状況でございます。さらに、大阪市で検討して目指している市バス、地下鉄、ごみ収集などの委託、民営化についても、札幌市では、市バスについては完全な民間移譲、地下鉄、ごみ収集についても一部の民間委託を実施しているなど、札幌市もこれまでいろいろな努力をしてきたところでございまして、今後もまずはこの行革プランの実現を目指して進めていきたいということでございます。
◆木村彰男 委員 私も今言おうと思っていたのですが、大阪の場合、市営地下鉄は2015年に民営化すると言っているのですね。これは、今、部長がおっしゃったような一部の民営化の話ですか。それとは全く違うというふうに思うのですが、それはいかがでございますか。
◎平木
改革推進部長 札幌市の地下鉄の場合ですと、地下鉄の業務のうちの駅務の業務とか一部の事務を委託しているということでございます。
◆木村彰男 委員 私が調べた限りでは、2015年の民営化というのは、全面的な民営化というふうに考えて、これは、札幌においてはまだ射程に入っておらないというふうに理解しているのですが、それでよろしいですか。
◎平木
改革推進部長 札幌市におきましては、これまでも委託化を進めてございますので、今後は、その定着度合いとか状況を見ながらということになっていくかと思います。ただ、完全な民間移譲という話はまだ出ているものではございません。
◆木村彰男 委員 今おっしゃったように、まだのり代はあるというふうに私は思っているのですね。ですから、今回の行革プランの中にはもちろん含まれておらないのですが、この問題については持続的にスリム化をしていくということで検討していくようになっていくのだと思います。
それから、担当の課長ともお話ししたのですけれども、人を切る、少なくするということだけではなく、今、役所の方が1人でやっていらっしゃる仕事を、例えば同じ給与で民間の方が2人でやるとか、そういうワークシェアのようなことも射程に入れたようなプランといいますか、そういうようなことも今後考えていくといいますか、大事なものではないかというふうに思うのですが、それについてはいかがでございますか。
◎平木
改革推進部長 今、札幌市でやっている仕事を民間の方が2人でやっていただくという方法についてでございますけれども、これまでも、1人の分を2人でということではございませんが、札幌市がやってきた仕事のうち、民間の方にお願いできるものについては民間の方に委託なりの方法でやっていただくようにしてきたところでございます。
◆木村彰男 委員 そういうことにつきまして、もっともっと推進していただきたいというふうに思います。
次に、さきの予算特別委員会において、札幌市と初音ミクのコラボレーションについて、当時の西野プロジェクト担当部長からるるご説明があり、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社との良好な協力関係ということをご説明させていただきました。その中で、私が初音ミクの住民登録についてお考えをお聞きしたところ、連携協定というものがあることを前提として、今後どのようなことができるか、知恵を出したいというようなご発言がありましたけれども、その後の進捗につき、お伺いさせてください。
◎酒井 プロジェクト担当部長 初音ミクとの取り組みの提案についてお答えいたします。
今、委員がお話しのとおり、初音ミクの生みの親でありますクリプトン・フューチャー・メディア株式会社の方とその後も打ち合わせをしてございます。住民登録の件でございますが、同社の都合もありますので札幌市の一存では決められませんけれども、札幌市では、今お話がありましたように、2010年12月に同社とシティプロモートにおける連携協定を結んでいますことから、まちの魅力向上などについての意見交換を現在も行っているところでございます。その中では、初音ミクから派生したキャラクターの活用でありますとか、インターネット上における世界じゅうの札幌ファンをふやす取り組みのほか、住民登録の件も含めまして意見交換を行っておりまして、今後、具体的に協議を進めることとしてございます。
札幌という都市を内外に発信するために、同社が持っているノウハウを生かしていけるよう、お互いにアイデアを出し合っていきたいと考えているところでございます。
◆木村彰男 委員 雪ミクという別なキャラクターもありまして、ぜひ、雪の降るころまでに何かいいお話が出ていればと思いまして、私の質問にかえさせていただきます。ありがとうございました。
◆涌井国夫 委員 私からは、3点、代表質問の関係で質問させていただきたいと思います。
札幌市においては、札幌だけではなく、北海道全域の食あるいは観光の魅力をどう発信するかという取り組みの中で、道内市町村や
民間事業者と連携したオータムフェストは先月に終わりました。あるいは、狸小路商店街との連携ということで、道産食彩HUG、また、北海道と連携してJR札幌駅構内にできたキタベルという北海道さっぽろ「食と観光」情報館、こんなような取り組みをされながら、アンテナショップも含めて、大札幌が持つテストマーケットの機能を効果的に活用した事例ということで、私は評価をしているところでございます。
今後、北海道全体の発展を考えて、札幌市は何ができるかという観点で考えた場合、市町村間の連携も大事ですけれども、もう一方では、それぞれの地域に根づいている農業生産法人とか、あるいはNPO法人とか、民間で活動して具体的に生産している事業者の人たち、グループ、団体がそれぞれ道内にはたくさんあります。そういう人たちが、札幌の魅力といいますか、大札幌が持っている購買力とか消費力とか、こういった観点から、札幌市に置いてみたいとか、あるいは、どういうふうにしていけば広がるかというようなことがあって、私は全道のいろいろなところへ行くと、そうした活動をしている方たちと話をするとそういう相談が結構あるのですね。そんなところから、ぜひ札幌市でもそうした窓口みたいなところを持っていただけないだろうかというふうな声があります。
そうした視点で代表質問いたしましたところ、市長から、札幌圏G8とか中核都市市長会議などでネットワークの強化を図り、各圏域の市町村、民間団体から直接提案を受ける、あるいは連携を積極的に進めていく取り組みを行っていきたいというようなお話をいただきました。
そこで、その業務は一体どこの部局が窓口となっていくのかというようなこと、そしてまた、実際に連携を進めていくに当たっては、具体的な細かな関係者との協力というようなこともあるものですから、部局がさまざま多岐にわたりますので、どのように対応していくのかについてお伺いしたいと思います。
◎石川 政策企画部長 道内連携についてでございますけれども、今、委員からのご質問にもございましたとおり、さきの代表質問におきまして市長からご答弁申し上げましたとおり、札幌圏の都市機能を北海道全体で活用するという観点から、北海道の各振興局を初め、札幌圏内の市町村、さらには中核都市のネットワークといったものの強化を図りながら、道内各市町村や
民間事業者の相談にも積極的に応じてまいりたいというふうに考えてございます。
その際には、北海道・札幌市行政懇談会でありますとか中核都市市長会議、さらには、札幌広域圏組合の窓口を担当いたします私ども政策企画部がその窓口を担ってまいりたいというふうに考えてございます。具体的には、我々政策企画部が各連携先からのご相談をお伺いした上で、市内の関係機関であるとか庁内の担当部局等の調整役を担いながら、道内連携の推進に向けて努力してまいりたいというふうに考えてございます。
なお、道内の
民間事業者様からの直接ご相談があった場合にも、私どもが連携の窓口を担ってまいります。
◆涌井国夫 委員 政策企画部が窓口になるということでございますけれども、担い手となるのは政策企画部であることを、では、全道の市町村、あるいはさまざまな生産法人などで活動している人たちへ具体的にどういうふうに広報、宣伝していくのか、連携を深めていくのかというような周知が非常に大事だと思います。そうした観点で、具体的な周知方法について伺いたいと思います。
◎石川 政策企画部長 連携体制構築の周知に関してでございますけれども、まずは、北海道・札幌市行政懇談会というものがございまして、この場で、北海道に対しまして私ども政策企画部が札幌市側の窓口機能を担うことをご説明申し上げた上で、道の本庁から各振興局のネットワークを通じまして、連携の可能性のある市町村であったり、
民間事業者にご周知をいただきたいというふうに考えてございます。また、中核都市であったり札幌圏の市町村に対しましては、連携を図ることの重要性をまずはしっかりとご理解いただいた上で、そのアイデアであったり手法について意見交換をしながら、具体の連携につなげてまいりたいというふうに考えてございます。
加えまして、これらの連携の取り組みの進捗状況も見据えつつ、例えば札幌市のホームページにおいて広く道内の
民間事業者様に対してその旨を周知することなども、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆涌井国夫 委員 道内の市町村の思いとしては、北海道の活性化、あるいはまた経済をもっと発展させていくためには、やはり担い手である札幌市がどのような取り組みをするかという努力といいますか、その姿をどう見せるかということが大事だと思うのです。やはり、一つ一つの市町村のそういう声なき声といいますか、要望といったものを酌み取って発展的に担っていくことが、北海道が発展する意味で極めて重要だと思いますので、ぜひ、民間団体からの声をしっかりコーディネートしていく機能を十分に果たして取り組んでいただきたいというふうに思います。
それから、もう一つの大きな柱である地域ポイントモデル事業について質問したいと思います。
このモデル事業は、昨年度から事業化されて、ポイントについては、地域貢献活動の活性化とあわせて、ICカードSAPICAの多目的利用の一環という目的で実施しています。そして、今後、できるだけ多くの市民の方たちに地域活動あるいは地域貢献活動に参加していただくための一つのツールとしても活用の意味があるのだというふうにお聞きしております。
昨年度は、参加登録者の目標が2,500人に対して1,515人の実績とお聞きいたしました。この事業開始時に、元気カフェへの来店者、あるいは都心部での清掃活動、それから、自転車のシェアリングであるポロクルの利用などでポイントがためられるというふうに聞いております。これだけの大都市でございますので、これからの大事な市政を考えていく上で、積極的なまちづくり活動への参加という観点での市民ニーズというのは、きっかけがあれば参加したいという人が7割以上で大変多いということも聞いております。
そこで、質問ですけれども、市民あるいはNPOなど地域貢献活動の実施主体への周知のためのPR活動は、どのような取り組みを行い、現時点で登録者数はどの程度になっているのか、今後、登録者をふやすための施策、取り組みについて具体的な予定はないのか、伺いたいと思います。
◎石川 政策企画部長 地域ポイントモデル事業のPR活動について、まずお答えいたします。
昨年度は、ホームページであったりパンフレットでの情報発信、さらには、ポスターの地下鉄車内への掲出など、昨年10月の事業開始と同時に、交通局などが実施いたします札幌ドームやKitaraでのSAPICAのPRキャンペーンにあわせまして、来場者に地域ポイント会員への登録をお願いし、この取り組みによりまして870人の登録をいただいたところでございます。また、NPOなどの実施主体へのPR活動につきましては、NPO法人約360団体が一堂に会する研修会の会場におきまして周知を図らせていただいたほか、これによりまして、NPOや町内会による地域の清掃活動、さらには、地域の高齢者への生活ボランティアなどを行う団体の登録をいただいたところでございます。
こうした取り組みによりまして、本年9月末現在で2,400人の会員登録となってございますけれども、今年度の目標であります5,000人には達していないところでございます。そこで、間もなく事業実施1周年を迎えますことから、来月をめどに、ポイント割り増しを含む参加促進キャンペーンを実施したいと考えてございます。その際には、町内会であったりNPOへの周知を進めまして、できる限り多くの市民の皆さんがこの機会に地域ポイントにご参加いただけるよう、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
◆涌井国夫 委員 町内会などでは、地域に根差した活動が少しずつ広がっていることはわかります。しかし、参加促進キャンペーンの中で、具体的な年代層というようなことを考えると、もっともっと若い人たちがこうした活動にかかわっていくような方向を示した方がいいのではないかというふうに思います。どちらかというと、町内会活動は高齢化が大変激しいわけでございます。そうした意味からも、ぜひ、若い人たちがこうしたボランティア、あるいは市民活動に積極的にかかわっていく、また、若い人を巻き込んでいくことが大事ではないかというふうに思います。
そこで、若い世代の参加を促進させることについてどのように考えているのか、また、具体的に若い世代への取り組みはどんなことを考えているのか、伺いたいと思います。
◎石川 政策企画部長 若い世代の参加を促すことについてということでお答えいたします。
多世代の交流によりましてまちづくりを活性化するためには、やはり、委員がご指摘のとおり、若い世代の地域活動への参加は極めて重要であるというふうに認識しております。そこで、市民まちづくり局におきまして、若年層を初めとした多くの市民にまちづくり活動への参加を促すためのメールマガジン事業を来月から試験的に実施する予定となっております。そこで、この事業にご登録いただいた方に当部で行っております地域ポイントを発行するという取り組みを新たに実施いたしますほか、若者支援総合センターで地域ボランティア活動をされた方にもポイントを付与するという方向で、現在、調整を進めているところでございます。また、今後、大学のボランティアサークルなどへの周知を図るなど、地域ポイント制度に多くの若者の参加が促進される取り組みを積極的に進めてまいりたい、このように考えてございます。
◆涌井国夫 委員 ぜひ、若い人材が活躍できるまちづくりに資するために、積極的に取り組んでいただきたいと思います。札幌市は、特に札幌市立大学の若い人たちのアイデアなり、あるいは、デザインなどに専門的に取り組んでいる大学でもありますので、そうした有益な人材を活用した取り組みをぜひお願いしたいと思います。
最後に、今、触れました札幌市立大学について質問したいと思います。
この4月から第2期中期計画がスタートいたしました。この中期計画に基づく大学の運営ということで、あわせて、蓮見 孝新学長、新理事長という新しい体制で運営がスタートするということでございます。
私は、こうした大きな一つの転換点といいますか、新しい理事長を迎えて、新理事長のもと、教職員、関係者が心を一つにして、札幌市立大学を目的に合った立派な大学にしようというような意気込みを持つべきだと思っています。ある方が言っていましたけれども、年間決算では15億2,000万円以上の貴重な税金を、毎年毎年、人材育成という観点から札幌市立大学にお出ししているというようなこともあります。こういう事業に対して、市民の皆さんたちは、札幌市立大学がどのような大学なのか、今、少子化とか人口減少時代だとか、そうした新たな課題が到来する中にありますが、ある意味では、その担い手である大学は、今後の札幌市をどのように担っていくのかという点で札幌市立大学の姿というものがなかなか見えてまいりません。
そこで、特に、新理事長、新学長がこちらの方にも来て、講話といいますか、スピーチというのでしょうか、そうした意気込みを市議会の中でもぜひ聞いてみたいところだなというふうに思います。ホームページを見ますと、私は皆さんにわくわくする大学づくりを提案したいとか、さまざまな社会への貢献、人間重視とか、4年間の中でやりたいことをたくさんお持ちのようでございます。そうしたこととか、あるいはまた、教職員に向けての就任のあいさつの中でも大変すばらしい内容のお話をしております。特に、先ほども若干触れておりましたけれども、私は筑波大学のときによい授業をしてくれる教員に選ばれたことがありました、そのためにも、教職員というのは信頼される大人であるべきだ、自分に厳しい人、志を持ってひたすら頑張る人でなければならない、研究、社会貢献、教育を三位一体で強力に進めていただきたいというような期待、決意が語られております。そして、本当にそういうふうなことを考え合わせると、大学は、学生と教職員だけで成り立つ閉鎖的な社会ではなく、学生、教職員、保護者、卒業生、支援者すべてが大学運営に積極的に協力、参加する開かれた社会になるべきだというふうなことで結ばれております。
そうした意味で、現在の新理事長の思いを大学運営にどのように反映させていこうとしているのか、伺いたいと思います。
また、大学がどのようにして経営感覚のある――先ほどもちょっと触れましたけれども、報告書の中で、途中でやめられた事務局職員がかなりいるそうです。しかし、事務職であっても、そのノウハウというのは非常に貴重なのですね。育てて育てて、そしてやめられるというのが一番痛いわけです。また一から教えないといけませんからね。それもある意味では人材です。貴重なそうしたような経営感覚のある事務局職員をどのように育成しようとしているのか、伺いたいと思います。
◎石川 政策企画部長 まず、新理事長の思いを反映させた大学運営ということについてお答えさせていただきます。
今年度から、大学では、第2期の中期計画がスタートしたところでございますが、現在、その実施計画となります新経営戦略の策定を進めているところであります。これは、大学の持つ経営資源をいかに戦略的に投入していくかということについて定めるものでございますけれども、この策定に当たりましては、新理事長が世界に一つしかない個性的な大学をつくり上げるという基本理念を学内に示しました上で、教職員が一丸となってその実現に向けて取り組みを検討している状況にございます。したがいまして、この経営戦略を策定後、確実に実行していくことで、理事長の思いを大学運営に反映させることができるものというふうに考えてございます。
次に、事務局職員の育成についてお答えいたします。
大学経営におきまして、専門知識や経営感覚を持った事務局職員の育成は極めて重要であると認識いたしております。開学当初は、市からの派遣者が中心となりまして事務局運営を行ってまいりましたけれども、徐々にプロパー化を進めておりますことから、これらプロパー職員のスキルアップや能力開発を行っていくことが大学経営にとっても極めて重要となってまいります。そこで、プロパー職員を経営にかかわるさまざまな部署に配置したり、専門的研修に参加させたりすることなどによりまして、事務局職員の人材育成に努めているところでございます。
今後とも、こうした取り組みを継続していくことで、大学運営の一翼を担う経営感覚を持った事務局職員の養成を進めてまいりたい、このように考えてございます。
◆涌井国夫 委員 ぜひ、2期目に入った札幌市立大学が、新学長、新理事長のもとで、本当に心して一丸となって新しい大学をつくり上げていくことを期待してやみません。
もう一つ、先ほどちょっと触れましたけれども、札幌市立大学の顔といいますか、広報という意味で、いろいろ調べますと学生がいろいろ活躍しているのですね。あるいはまた、人口が減ってくる、高齢者しか残らない、そんな中で、札幌市立大学の研究者の先生が寿都町に行かれて一生懸命に地域貢献をやっているのですよ。やはり、札幌市立大学というのは、ただ札幌市だけではなくて、北海道のためにもやっているのだということをよく市民にPRできるような、あるいは、父兄の方にも、うちの娘や息子が札幌市立大学に行ってこんな活躍をしている、こんな経験をしたというようなことがわかるレポートというのでしょうか、ニュースレターというのでしょうか、こうしたような広報活動についてもっと力を入れていただきたいと思います。冊子にしてもいいですから、ただ、ホームページに載せればいいというのではなくて、これはある意味では限られていますからね。そういう意味で、広報活動ということでニュースペーパーみたいなものを送るとか、本当にそんな活動もあっていいのではないかと思いますので、市民向けの広報活動についてどんなふうに考えているのか、伺いたいと思います。
◎石川 政策企画部長 市立大学におけます市民に対する広報活動についてお答えいたします。
大学では、今ご質問にもございましたどおり、これまでも、教育内容であったり、教員や学生が取り組んだ地域貢献の取り組みなどにつきまして、ホームページや各報道機関を通じて情報発信に努めてきたところでございます。これに加えまして、市民に開かれ、市民の力になる、市民が誇れる大学を目指していくという理念のもとで、例えば、市民対象の公開講座の開催であったり、学生が制作いたしました作品の展示会、さらには、産学官を対象とした研究内容の公開発表会など、市民や企業に向けて大学の取り組みを直接PRする場をこれまでも積極的に設けてきたところでございます。
しかしながら、ご指摘のとおり、大学の広報活動につきましては、市民への浸透という観点ではまだまだ不十分な点もありますことから、先ほど来申し上げております第2期中期目標には戦略的、効果的な広報活動の展開という視点を盛り込むとともに、先ほどお答えいたしました経営戦略の中で、今後の広報のあり方につきましても検討することとしてございます。
今後とも、広報活動の充実を図りながら、大学のさまざまな取り組みを広く市民の皆様に積極的に発信していく努力を重ねてまいりたい、このように思っております。
◆涌井国夫 委員 もう終わりますけれども、スタートが大事だと思うのですね。やはり、新体制の中でどのような大学像をこれからつくっていくかというのは非常に大事でございます。そしてまた、市民の皆さん方に広報するということも極めて重要でございます。そうしたことをぜひ念頭に置いてしっかり取り組んでいただきたいということを伝えまして、終わりたいと思います。
○山田一仁 委員長 以上で、第1項
総務管理費中
市長政策室関係分の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を休憩します。
――――――――――――――
休 憩 午後4時51分
再 開 午後4時54分
――――――――――――――
○山田一仁 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第2款 総務費 第1項
総務管理費中総務局関係分及び第12款 職員費 第1項 職員費について、一括して質疑を行います。
◆伊藤理智子 委員 私は、サービス残業の問題について質問します。
2009年の予算特別委員会で、我が党の委員が、本市の職員が削減されている中で、一般行政部門の職員数が政令指定都市で最も少ないことを指摘し、上田市長にサービス残業についてただしたところ、サービス残業はないと思っていると答弁しております。さらに、サービス残業があるのかどうか、本市として実態調査を直接行うべきだと求めていますが、市長は、労働現場をくぐってから議論するべきだというような答弁で、議会からの求めには応じないという態度でした。
そこで、議会での議論をくぐって、労働現場の実態を把握し、話し合ってきたのかどうか、伺います。
さらに、同じ年の
決算特別委員会での我が党の質問に対して、職員部長は、区の関係部長会議などに出席して実態の話を聞いている、予算的には非常に厳しい現状になっていて、サービス残業が起こり得るような懸念も生じる可能性が今後あるという話もあったと答弁しています。その後、2010年の
決算特別委員会では、課長職への調査をしましたが、肝心のサービス残業の有無について確認できる中身になっておらず、問題だと指摘いたしました。
その後、サービス残業の懸念についてどう調査してきたのか、サービス残業がある実態をつかんだのか、どういう対策を講じてきたのか、伺います。
◎谷江 職員部長 平成21年3定のときのお話だと思いますけれども、まず、市長のお話であります。時間外勤務については、勤務条件をめぐる大きなテーマの一つであり、第一義的には職員の過半数の代表である組合と協議されるべき課題であるという趣旨の答弁であったというふうに考えております。組合との協議では、さまざまな職場の勤務実態について訴えかけがなされ、我々としては、場合によっては状況を実地に現場で確認することなどによって厳しい職場実態を把握いたしまして、状況の改善に向け、定数配置の考え方や時間外勤務の適正な管理のあり方などに関して労使協議を行ってきてございます。
それから、お話にもありましたが、平成22年1月に時間外勤務の取り扱いについての調査を行ってございます。いろいろと調査いたしました結果、特段、時間外勤務の執行について大きな問題は見受けられなかったというふうにお答えしているとおりでございます。
また、職員部長の答弁も引用されておりますが、今後、サービス残業が起こり得る懸念もあるが、そのような懸念がなくなるよう努める、このような趣旨でございます。今日の財政状況を背景といたしまして、予算的な厳しさは変わっていないというふうに考えておりますので、私どもといたしましては、より一層、適正に時間外勤務を執行するために、管理職がしっかりとマネジメント能力を発揮して日ごろから計画的、効率的な業務運営に心がけることが重要であると考えておりまして、通知や会議の場などを通じて、各職場の管理職に対し、時間外勤務の縮減を含め、適正な執行管理について周知徹底を図ってきているところでございます。
◆伊藤理智子 委員 組合が出した要求書には、時間外勤務の縮減のため、職場の実態に応じた正規職員の配置や代替人員の確保など、実効ある施策を早急に講じることとして、その中で恒常的に増加傾向にあるサービス残業について、職場実態を十分に把握してサービス残業を抜本的に改善することを求めています。これは、サービス残業があるから改善するよう求めているというふうに思うのですが、サービス残業はないのにこういう要求をしてきたと認識されているのか、伺います。
また、安全衛生委員会の開催についても、この間、我が党は求めてきていました。安全衛生委員会とは、労働安全衛生法に基づき、労働者の危険または健康障害を防止するための基本となるべき対策などの重要項目について、労使が一体となって十分な調査、審議を行うものです。我が党の指摘によって開催数は年々ふえてきておりますけれども、安全衛生規則では、安全衛生委員会を毎月1回以上開催するようにしなければならないとされておりますが、実際には、各部局を合わせて本来は348回やるべきなのに195回、つまり半分程度しかやっていないという現状です。いつまでに毎月の開催まで改善していくのか、伺います。
また、委員会の内容についても、職場それぞれの問題が反映されるものでなければなりません。開催数をふやしてきた中で、委員会の内容について職員にどのように周知してきたのか、伺います。
◎谷江 職員部長 職員組合のアンケートのお話がございました。
こういった組合のアンケートの結果や組合の要求内容については、十分承知しております。厳しい財政状況を背景といたしまして、予算に余裕がない職場や、社会情勢の変化に応じて業務量が増加している職場があることも認識してございます。
そういった中で、サービス残業を防止するためには、計画的、効率的な業務運営による時間外勤務縮減や局・区内の適正な予算の配分、所属長による時間外勤務の事前命令及び事後確認の徹底などに努めることが重要でありまして、区の関係部長会議や全局の庶務担当部長会議など、さまざまな機会をとらえて周知を図っているところでございます。こうしたことに加えまして、毎年の定数査定の中では、各職場から提出されました業務量を分析いたしまして、その結果、業務の委託化や事業の縮小、廃止など人員削減の要素を積み上げる一方で、福祉分野などの行政需要が高い分野については業務量に応じた増減を行うなど、適正な人員配置に努めているところでございます。
次に、安全衛生委員会のお話でございます。
しっかり周知すべきであるということでございますけれども、各委員会では、活動内容等を職員へ周知する取り組みを進めてきております。29の委員会のうち、17の委員会では、委員会の記録を職員向けのホームページに掲載したりメールで配信するなどの電子媒体を用いた情報発信を行ってきてございます。また、パソコン環境がない職場を持つ委員会では紙媒体等による周知を行うなど、各委員会において職員への周知に努めているところでございます。電子媒体を利用いたしました情報発信につきましては、だれもが閲覧できることから、ほかの衛生委員会の活動状況を知る機会にもなりまして、今後の開催の促進につながっていくものと期待してございます。
それから、開催の回数でありますけれども、以前に指摘を受けまして、通知を発出した以降、回数は確実に伸びてきてございます。毎月1回以上は開催するようにしなければならないとなってきてございますので、これについては、開催回数はもちろん、取り組み内容が重要であることから、法令の趣旨を踏まえまして、各委員会の活動の拡充について、適宜、働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。
◆伊藤理智子 委員 サービス残業の有無についてははっきりと言われませんけれども、現場が非常に厳しくなっているという認識は持っているということですから、やっぱり、本当に厳しいという中でサービス残業が起こり得るのだということを受けとめながら、改善のために何ができるのかと、今までも求めてきておりますが、職場の状況をよく調査していくことが非常に大事だというふうに思います。
また、安全委員会も、この間の議論の中で開催がふやされてきたというのは、本当にふえて、意識的に改善されてきているのかなというふうに私たちも思います。しかし、規則では毎月1回以上はやるということですから、まだまだ足りないと思います。そこは、ぜひ積極的に働きかけていただきたい。また、周知も、ホームページで見られるところがふえてきたということですが、各部署の職員の皆さんに意識づけが図られるように、ぜひ働きかけをしていただきたいというふうに思います。
例えば、児童相談所や保育所などは、子どもや保護者と向き合う仕事ですけれども、事務的な仕事の量も膨大だと伺っております。私も、地域の方から子どものことで相談されたときに、児童相談所の担当の方に連絡をしましたが、勤務時間内には連絡がとれず、夜の7時過ぎにやっと連絡がとれました。なぜ時間外になったのかというと、保護者と話すためには保護者の仕事が終わった後に連絡をとらなければならないことや、話の内容によっては深刻で複雑で長い時間がとられ、1人で1時間、2時間と保護者の方とお話をしなければならない、こういう職員の実態があるということをそういう相談の中でわかりました。保育所では、日中は子どもたちに向き合って仕事を行い、事務的な仕事や保護者との懇談、保育会議など、時間外までかかってたくさんの仕事をこなさなければなりません。
このように、日常的に忙しい職場では、サービス残業をしないようにどのような対策をとっているのか。労働基準法の改正によって、1カ月60時間を超える時間外労働については割り増し賃金率を150%にしているということで、本市でも実施していると聞いておりますけれども、こういうふうに恒常的に忙しい職場もたくさんあります。本来ですと、人員を増員して恒常的な忙しさを解消させていくことも重要ですし、さらに、60時間以下でも150%に改善していくべきだと思うのですけれども、ここら辺のことについてはいかがか、伺います。
◎谷江 職員部長 時間外勤務の縮減につきましては、先ほどご答弁を差し上げたとおりでございます。
また、割り増し率の改善につきましては、国あるいは他都市の関係もございますので、札幌市だけ単独で引き上げるのはなかなか難しいのかなというふうに考えております。
◆伊藤理智子 委員 スクラップ・アンド・ビルドということで、職員を減らしながら、一方で、最初の答弁で福祉関係は増員しているというようなこともありました。しかし、現場の実態は私が今示したようにまだまだ大変な状況にあるのだという認識の上で、本当に現場の声を聞きながら積極的に改善していただきたいです。そして、60時間以下でもきちんと労働に見合った保障を行っていくこともすごく大切だというふうに思うのですね。
また一方では、予算がないということから、職員が1時間、2時間の時間外勤務の賃金を請求しづらいという声も聞いております。管理者として指導を徹底するべきだというふうに考えますがいかがか、伺います。
また、長時間労働の改善の問題とあわせて、職場の雰囲気ということで、やっぱり、上司が1時間、2時間と時間外勤務をしても賃金を要求しないということになると、下で働く人たちもしづらい雰囲気になってしまうと思いますので、こういう雰囲気についても職員の声を聞きながら改善する対策を行っていくべきだというふうに思うのですがいかがか、伺います。
◎谷江 職員部長 短い時間の時間外勤務となった場合には、なかなか申告しづらいというようなお話でございます。
そういった時間外勤務につきましては、たとえ短い時間であっても、当然、所属長による事前命令及び事後確認が必要とされるものでございます。私どもといたしましては、適正な時間外勤務を執行するためには、先ほど申し上げましたが、管理職が十分なマネジメント能力を発揮いたしまして、また、職員一人一人が計画的、効率的な業務運営を意識しながら、適正に時間外勤務を行う職場の雰囲気づくりが必要であるということに関しては同様に考えてございます。
したがいまして、各職場に対しまして通知や会議の場を通じて適正な時間外勤務の執行についての周知徹底を図っていくとともに、本年度は、全庁的にリーフレットを配付し、職員一人一人の意識を高めるように努めてきております。今後とも、各職場におきましては、管理職が中心となりまして、より一層、適正な時間外勤務の執行に向けて取り組むことができるようさまざまな工夫を講じてまいりたい、このように考えております。
◆伊藤理智子 委員 サービス残業は、あってはならない違法行為です。しかし、実態としては、職員の定数削減の影響など、職場によっては業務量が大変な状況になっており、時間外勤務をする職員も減っておりません。私も安全衛生委員会の議事録を見せてもらいましたけれども、なかなか減っていない、どういうふうに解決するのだというような議論も載っておりました。こういうことから、サービス残業がないとは言えない状況であることは明らかだと思うのです。
職員が健康で生き生きと働ける職場環境をつくっていく上でも、長時間労働、サービス残業を生まない職場環境をつくるために、実態を調査する、職員から丁寧に話を聞く、人手が不足している部署には人員を配置すること、安全衛生委員会の開催は規則どおり毎月1回以上位置づけることにしっかりと取り組んでいただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆
石川佐和子 委員 私からは、公文書管理についてお伺いいたします。
2011年4月に、国において公文書等の管理に関する法律が施行されました。札幌市においては、本年6月に公文書管理条例が制定され、来年4月に施行されるとお聞きしております。この条例では、公文書が市民の知る権利を具体化するために必要な共有財産であることや、公文書の適正な管理、保存、利用などを通して、市が市民と情報を共有し、説明責任を果たすことなどが目的として規定されております。条例の施行によって、行政が行っているさまざまな事業を検証するための政策形成過程の記録が担保されることや、市の説明責任がさらに明確になるなど、市民への情報公開が進み、市民が主体のまちづくりがさらに充実していくものというふうに期待しているところです。
こうした条例の考え方を具体化するためには、条例施行後の公文書館の運営を初め、条例を目的に沿ってきちんと運用していくことが重要であることは言うまでもありません。現在、条例に基づいて公文書管理審議会が設置され、公文書の保管期間などの運用等について検討しておられることは承知しているところでありますけれども、2点お伺いをいたします。
公文書館の開設後、館の運営や条例の運用等につきましては、第三者機関である公文書管理審議会による継続的な検証を行うとともに、市民の意見を聞く機会を積極的につくるべきというふうに考えますが、いかがか。
また、そうした仕組みを運用基準として具体化していくべきではないかというふうに考えますがいかがか、伺います。
◎渡邉 行政部長 公文書管理審議会は、公文書の管理にかかわる施策に関する重要な事項につきまして審議していただく役割を担っておりますので、公文書館の運営も含め、条例の運用や公文書管理の全般にわたりまして意見を述べていただくことで継続的な検証が行われるものというふうに考えてございます。
また、この審議会には市民委員の方にも就任をしていただいておりますことから、市民の視点での意見を反映させることができるものというふうに考えてございます。さらに幅広く市民意見を聞く仕組みにつきましては、例えば、公文書館開設後の利用者へのアンケートなども考えられますので、来年度の公文書館の開館、それから、公文書管理条例の全面的な施行に向けまして、どのような手法が考えられるのか、今後、検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆
石川佐和子 委員 公文書管理審議会の中に市民委員の方が1人おられることは承知しております。この後、利用者アンケートを行うという今の答弁でありましたけれども、現在のところは、公文書管理規則に基づきまして文書を作成し、保管、保存、廃棄、または保存期間の延長という大まかな流れの中で文書管理を行っているというふうに聞いています。
そこで、文書の廃棄についてですが、廃棄予定の期限をホームページで確認することができますけれども、5年後あるいは10年後に実際に廃棄する場合の情報周知は行われていないというふうに思います。しかし、条例の目的として、公文書は市民の知る権利を具体化するために必要な共有財産というふうに示されているように、当然、公文書の廃棄についても慎重に行われるべきと考えます。
さきの総務委員会におきましても、公文書の廃棄については第三者が判断すべきという議論があったというふうに聞いています。また、その中で、重要公文書の扱いに関しては、廃棄または特定重要公文書として残すかなどの選別の基準や廃棄の手順への審議会の関与などについて、審議会の意見を聞くということを答弁としておっしゃられておりました。
そういったことを踏まえまして、再度お伺いいたしますが、市民が市政に関する情報入手の機会を失わないようにするために、廃棄対象文書の廃棄時期などを市民が事前に知ることができるシステムをしっかりと構築すべきというふうに考えますけれども、それについてはいかがか、お尋ねします。
◎渡邉 行政部長 公文書管理条例の全面的な施行後は、ただいまのご質問にもございましたように、公文書管理審議会の審議を経て作成いたします基準に該当する重要な文書は、公文書館に移管され、永久に保存されることになってございます。その移管の決定は、各所管課が行いますほか、公文書館側からも移管を求める仕組みとしてございます。したがいまして、廃棄の対象となります文書というのは、各課におきまして公文書館に移管する必要がないと判断され、また、公文書館側からも移管の申し出がされなかったものになると考えております。そして、ただいまのご質問にございましたように、廃棄対象となりました文書が実際に廃棄されるまでの間に、公文書管理審議会がどのように関与すべきかについて、今後、審議会の意見を聞く予定としてございます。
ご質問がございました市民への廃棄文書の情報提供のシステムにつきましても、あわせて審議会の意見を聞くこととしたいと考えておりまして、どのような方法が望ましいのか、その意見を踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆
石川佐和子 委員 重要な文書であると判断したものの移管は周知をしている、また、廃棄の対象になったものについては、公文書館ではなく、現用のところで廃棄をしているというような答弁だったというふうに思います。やっぱり、そういった情報を市民に開示していくことが大事だという思いで今回は質問させていただいております。
先立って公文書管理条例を制定している熊本県知事のお話の中で、行政文書の適正な管理は民主主義の基本だというふうにおっしゃられております。民主主義に問われていることは、いかに少数意見でありましても、それを酌み上げて社会を開かれたものにしていくということで、これは、そうした声に耳を傾ける地道な努力、取り組みによるものが大きいのではないかというふうに考えます。
これは公文書管理のみに限ったことではありませんが、今後、公文書館や管理条例の運用等について、審議会での検証を基本にして、市民の声を聞く機会を設けること、私はシステム化というふうに申し上げましたけれども、そういった仕組みをしっかりと検討し、つくっていくことを要望して、終わります。
◆金子やすゆき 委員 私からは、職員の長時間勤務、働き過ぎの問題につきまして質問させていただきます。
先ほど、伊藤(理)委員から残業の質疑がございました。かぶらないようにご質問してまいりたいと思います。
時間外、いわゆる残業ですけれども、働き過ぎということで、職員の健康上もやはりきちんと管理をしていくことが求められてくると思うのですね。ところが、私ども議員もそうですが、本庁舎の中を見てまいりましても、やっぱり夜遅くまで電気がついて、やっていらっしゃる方が大勢いらっしゃって大変だなと思うわけです。
先ほど、伊藤(理)委員のご質問に対する職員部長のご答弁の中で、時間外を縮減していくためにさまざまな工夫を凝らしておられるというご説明がございました。具体的にどのような取り組みをなさっているのか、まずお伺いしたいと思います。
◎谷江 職員部長 時間外勤務の縮減につきましては、先ほど来、何度か繰り返しましたけれども、年度当初に時間外勤務の縮減あるいは年休取得の促進ということについて通知を出し、あるいは、今回は特別のリーフレットをつくるなどして意識づけを図ってございます。さらに、各庶務担当部長会議などいろいろな会議を通じてその辺の趣旨を徹底するなど、各職員にそのことが徹底されるような通知あるいは指示の仕方をして時間外勤務の縮減に各職場で取り組んでいただけるようにしてございます。
◆金子やすゆき 委員 説明が漠然としておりますが、具体的にどのようなことをなさったのかとお尋ねさせていただいたのです。職員の意識づけをする、管理職の方々にもタイムマネジメントを徹底するという話は先ほどあったと思うのですけれども、残念ながら、現実としては、職員は、きちんと仕事が終わったらすぱっと帰れるという形に必ずしもなっていないのではないかなというふうに外から見ていても思われるのです。もう少し丁寧に、どんなことをなさっているのか、取り組みを一つ、二つご説明いただけませんでしょうか。
◎谷江 職員部長 まず、具体的な取り組みといたしましては、ノー残業デーを実施しております。これまでは毎週水曜日でありましたけれども、各職場においては水曜日と言われても実行できないところがありますので、そのあたりは、めり張りをつけるために各職場の任意の日を設定していただいて、時間外勤務をしないで定時で帰りましょうといった運動をしてもらうようにしてございます。
◆金子やすゆき 委員 水曜日にノー残業デーを設けていると。ノー残業デーを設けるのは確かにいいことだとは思うのですけれども、ちょっと厳しい言い方をさせていただきますと、これは対症療法にすぎないと思うのですね。帰りなさいと言われても、多分、仕事が残っていたら帰れないという現実があろうかと思います。やっぱり、その原因はどこにあって、どうやったら残業を減らしていけるのかと、もっと病巣のところに迫っていかなければならないのだと思うのです。
私は、職員部にお願いいたしまして、事前に数字をまとめてもらったものがございます。それは何かと申しますと、昨年度、平成23年度1年間の中で、これは市長部局だけでございますけれども、時間外勤務が特に多かった市の職員はどんな方がいらっしゃるか、調べていただきました。そうしますと、昨年度で残業が一番多かった方、1位の方は年間で2,083時間の時間外勤務をなさっておられます。ちなみに、2番目の方が1,781時間、3番目の方が1,289時間です。トップの方は2,000時間を超えておりますので、これを1カ月で割り算をすると、約180時間ぐらいになります。平日、ウイークデーは1週間、7日のうち5日ございますので、1日8時間、9時間の残業をしていらっしゃることになると思うのですね。朝8時45分にいらっしゃって、夕方17時15分を過ぎ、そこからまた8時間働いていらっしゃる。これが1年間続いている方がいるということなのです。この職員は、本当に身を粉にして働いていらっしゃって、身体的にも、あるいは精神的にもかなり負担がかかっていらっしゃるのではないのかなと思うわけです。
しかも、今申し上げた残業が非常に多い方3人というのは、実は3人とも総務局に所属しておられます。今、職員部長が時間外を減らすさまざまな努力をしている、工夫をしているとおっしゃいましたけれども、そのおひざ元でこういうことが起きているというのは、やっぱりどうなのかなというふうに思わざるを得ません。
ここで、お尋ねさせていただきたいのですが、このような現実をどのように認識されておられるのか、また、ここまで特定の職員の方が長時間働かなければならない理由は何なのか、お尋ねしたいと思います。
◎谷江 職員部長 総務局の職員の時間外が非常に多いというご指摘でございました。
ご指摘の長時間の時間外勤務を行うことにつきましては、職員の健康面、あるいは家庭生活などにも大きな影響を及ぼしかねないものでありまして、こうした状態についてはできるだけ改善を図る必要があるものと認識してございます。
こういった長時間の時間外勤務が発生する原因でありますが、その原因はさまざまでありまして、一概には申し上げられませんけれども、例えば、法律改正への対応、大幅な制度や事業の見直し、新規事業の立ち上げ、各種基本計画の策定などの業務、あるいは突発的な災害対応の業務などが挙げられます。こうした業務につきましては、その分野に精通し、経験を持った職員が中心となって継続的に行うことが円滑な業務の遂行、達成のために適当な場合があり、業務分担のやりくりや人員増ではなかなか解決しがたい場合も想定されるところであります。したがいまして、こうした業務を担当する特定の職員に対し、やむを得ず時間外勤務が集中する場合があるものと考えてございます。
◆金子やすゆき 委員 法律の改正とか、災害への対応とか、突発的なさまざまなもの、あるいは専門的な知識を求められるところで、やむを得ずそういうことが発生しているのだという説明でありました。
先ほど申し上げたように、このお三方、トップスリーの方は総務局でいらっしゃいますから、どなたかというのは恐らくおわかりになっていらっしゃると思います。なぜそこまで働かなければならないのかというところにメスを入れていくには、今お話があったように、法改正のせいだとか災害のためだとか、そういう漠然としたあいまいなお答えで逃げるのではなくて、なぜそこまでしなければならないのかということをきちんと把握されることが必要だと思うのです。
そこで、あいまいな話ばかりしていても仕方がありませんので、とある人事の専門書から抜粋してきたものですが、いわゆる時間外、残業というのは、大きく分けると3パターンあるということでございます。一つは、一生懸命働いている、最大限の効率で働いているけれども、業務が質・量ともに余りにも多過ぎてとても終わらないという残業です。二つ目は、言葉はちょっと悪いのですが、勤務時間内の仕事は余り効率がよくなくて惰性で時間外勤務を行っている、あるいは、これも言葉がちょっと悪いですけれども、生活費に時間外手当を組み込むような形で残業をしているケースもあると。三つ目は、本人が余りに仕事熱心で向上心が高く、業務に必要以上に高い品質を求めているケースです。
残業というのは大ざっぱにこの3パターンに分けられるそうですけれども、この中でどれに当てはまりますでしょうか。
◎谷江 職員部長 お話の3人の時間外勤務が多い理由といたしましては、この3人でなければできない業務があるということが大きな要因であると思います。
◆金子やすゆき 委員 3人でなければできない業務があるのであれば、先ほど伊藤(理)委員への答弁でもありましたけれども、適切な人員配置の見直しを行うことによって、そこは管理者として特定の職員1人に負担がかからない形にすべきだと思うのです。(発言する者あり)いや、そんなことはないのですよ。
もう一つ、時間外勤務がこれまでどういう形で行われているか、その実態についてもご説明をいただきたいと思うのです。
本市の条例では、時間外勤務につきましては、命令簿に従って事前命令を行うことになっていると思うのですが、これがきちんと徹底されているのか否か。ここまで時間外が多いと、その部分が恒常化していることはないのかと思うのですけれども、いかがでございますか。
◎谷江 職員部長 現在、時間外勤務につきましては、パソコンでイントラネットに入力して管理してございます。基本的に、事前に命令、事後にきちんとした確認、あるいは成果物での確認等々で所属長が直接確認をしているものと考えてございます。
◆金子やすゆき 委員 イントラネットで入れているというのは、ご本人が勤務時間をパソコンで入力しているということですね。私がお尋ねしているのは、上司がどういう形で義務命令を下しているのか、上司の命令で2,000時間も働いていらっしゃるのか、そこはどうなのかということです。
◎谷江 職員部長 時間外勤務命令の決裁もイントラネットでやっております。
◆金子やすゆき 委員 それは事前に行っておられるのですか。
◎谷江 職員部長 よほどの事情がない限り、事前に行うように指導してございます。
◆金子やすゆき 委員 事前に行っておると。ただ、今申し上げたように、ここまで長時間になりますと、きっと毎日の行事になっておられると思うのですね。全市的には私のところにもサービス残業といった声が聞こえてきまして、人事管理を担当しているところのおひざ元でこんなことが起きていては、ご答弁では適正な人員配置を行うとおっしゃっているけれども、残念ながらそうはなっていない。属人的なところに負担がかかっていて、その3人がいないと職務が回らないというのは、持続可能な組織の運営の形と考えるとやはりちょっと問題があるのではないかなというふうに思うのです。
かつては、市役所だけではなくて、民間でも、長時間働いていたら頑張っているねと、長い時間、働く人が評価された時代があったと思うのです。しかし、今はそうではなくて、できるだけ効率よく仕事をするというふうに世の中の流れが変わってきていると思うのです。人事評価の中で、時間の使い方、タイムマネジメントをきちんとやっていくというのは、働く人もそうですが、管理職の立場から、部下の勤務時間管理をして、部下が過労の状態になっていないか、上司の管理能力としてそういったことを把握した上で評価をするシステムにすべきではないかと思うのですけれども、そこはいかがお考えでしょうか。
◎谷江 職員部長 通常の人事評価の中で、そういった観点も入れて評価がなされているものというふうに考えてございます。
◆金子やすゆき 委員 通常の評価の中でなさっているというのは、タイムマネジメントについては評価の対象になっているということですか。
そうなりますと、今、総務局の中でこういう事態が発生しているわけですから、総務局長、職員部長自身の評価にかかわってくる問題ではないかと思いますけれども、いかがですか。
◎谷江 職員部長 単純に時間数がどうのこうのということで評価はできないものと思います。それが実際に効果があるのかどうかといったところまでを含めて、人事評価の中では評価対象になっているという意味でございます。
◆金子やすゆき 委員 私には、何となく人ごとのようにおっしゃっているように聞こえたのが残念でなりません。これだけ長時間働いて、残業時間が2,000時間ですか、やはり、これは、財政的な面で見てもそれなりの時間外手当の支給という形で出てくるのだろうと思います。また、遅くまで働いたらタクシーで帰るということになって、違う意味で経費の負担も出てまいります。電気をつけていれば水道光熱費もかかってきます。働いている本人も、長時間働いて、翌日、また元気に出てこられるかといったら、その仕事能力にも問題が出てくるのだろうと思うのですね。やはり、ここまで長時間の労働については、もうすぐにでも対策を打って改善していただくことが求められるのではないかと思います。
こういう時間外の問題というのは、民間企業でも役所でもどこの組織でも問題となっていて、特効薬というのはなかなかないのだと思います。ただ、私なりに幾つか考えたのですが、やっぱり、できることを一つ一つやっていくということではないかなと思うのですね。一つは、実態を把握するという意味で、特に今の総務局のケースで言いますと、まず、人事当局の方が実際にそうやってご苦労なさっている職員のところに行って、どういう実態になっているのか、きちっと把握していただくことが必要ではないかと思います。今のご答弁は、残念ながらそういった具体的な話がありませんでしたので、どこまで把握されているのか、疑問に感じるところであります。
二つ目は、退庁時刻の管理の問題です。きちんとタイムカードを押して測定しているとかそういうことではなくて、イントラネットも自主申告ベースになっているということですから、そうなりますと、どっちのケースも考えられると思うのです。時間外を少なくつけている、いわゆるサービス残業の問題、あるいは、多くつけていたらこれはこれで問題となりますけれども、やっぱり、職員がどれだけ働いたかということをきちんと正確に把握する仕組みが必要だと思うのです。例えば、パソコンを使う職場であれば、パソコンのオンとオフで本人の出た時間がチェックできると思いますし、勤務時間のきちんとしたシステム的な管理も考えていただかなければならないと思うのです。
それから、先ほど申し上げた管理職の意識改革というところで、職員に早く帰ってもらう工夫をする、そこのところは包括的に評価に入っているというお話だったと思いますけれども、そこを改めてもう一度徹底していただくことがやっぱり必要なのだと思います。
もう一つ申し上げると、職場の文化があります。どこの会社でも役所でも組織や建物が変わればそれぞれ文化も変わったりしますけれども、だらだら残っているのはよくない、特に、遅くまで一生懸命働き過ぎている人がいるのであればみんなで助けるという文化をつくっていただくためには、やっぱり、トップみずから時間外縮減への呼びかけをしていただくことが必要ではないかというふうに思うのです。
これについては、なかなかすぐに答えが出る問題ではないと思いますので、答弁は求めませんが、今、るる申し上げたようなことにつきまして、この場で、今、トップとお話ししましたけれども、ここにいらっしゃる生島副市長に職員の長時間労働の問題を何とか解消していくのだという意気込みをお聞かせいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
◎生島 副市長 今、金子委員がおっしゃったことは、私は一つ一つうなずきながら聞いておりました。今、この時代において、年間の労働時間を2,000時間以下にしようというぐらいのときに、超勤が2,000時間というのは確かに異常なことでございます。我々自身もワーク・ライフ・バランスを世の中に訴えていることもございますので、今、委員からご指摘がありましたことも含めまして、時間外勤務の縮減に向けて努力してまいりたい、このように思います。
◆伴良隆 委員 私からは、大きく2点、質問させていただきます。
まず、1点目でございますが、本市の再任用制度のあり方について、2点目は、本庁舎の維持管理費に関連し、市有掲示板のあり方について質問を差し上げたいと思います。
私から、本市の再任用制度のあり方について質問いたします。
再任用制度については、我が会派の宗形議員が平成20年度の予算特別委員会で取り上げたところでもあります。私もこの件についてとても関心がございますので、宗形議員の思いも込めて質問させていただきます。
私は、長寿命化したこの時代に、60歳で定年退職しても元気で労働意欲の高い方々が大変多く、年金支給開始年齢になるまで働きたいと思うのは当然のことと理解しております。また、私のような世代としても、経験を積んだ先輩方がその英知と技術をいかんなく発揮し、我々世代に教えていただき、継承していくことはまことにありがたいことと考えております。
国においては、65歳定年制の議論もある中、民間においては雇用安定法として再雇用制度を、本市においては地方公務員法の改正に伴って再任用制度を平成13年度に創設し、平成14年度から運用を開始しております。もちろんこの再任用制度自体に反対するものではございませんが、制度やその水準のあり方について提言していきたいと思います。
本市の再任用制度は、採用されますと、管理職では局長職は部長職へ、部長職は課長職へと、定年時の役職から職位が一つ下がる制度であります。それまでの見識や経験、統率力、さらには、若い人材への技術や経験等の引き継ぎなども考慮しているものと思います。また、俸給においても、現職の俸給制度にのっとって支給されています。
そこで、2点伺います。
再任用職員の給与総額、職位別の年収をそれぞれお示し願いたいと思います。
2点目に、札幌市内の民間企業の再雇用で働く人々の平均年収も示していただきたいと思います。
◎谷江 職員部長 まず、再任用職員の職位別の年収でございます。概算ではありますけれども、再任用となった部長職が675万円、再任用となった課長職が540万円、再任用となった係長職が400万円、再任用となった一般職及び現業職は365万円となってございます。
それから、市内の民間企業の再雇用の平均年収については、私どもでは把握してございません。
◆伴良隆 委員 地元企業の再雇用で働く人の年収データがないことはわかりました。
今、答弁を聞きまして、改めて、地元民間企業の給与から見ますと、数字的に見ても高給であると私は感じております。私も地域を回っておりますと、民間企業で働く人は、現下の経済、景気低迷やデフレ経済の中、定昇もままならず、給与は上がらず、逆に下がることもあり、大変苦労をしながら生活しているという切実な話をよく伺います。特に、若者は就職難で、若い働き世代はボーナスも当たらず、人生設計を立てられない日々の現実に夢を追う気力さえ失っている人も私の周りにたくさんいます。民間企業に勤務し、定年を迎えても、再雇用制度がある企業はまだしも、札幌市は中小零細企業が経済を支えており、そこで働き、定年を迎えた方々は、みずから定年後の働き口を探さなければならず、そう考えれば、公務員に再任用制度があることだけでも恵まれているのではないかと思うのであります。
先ほど、地元民間企業での再雇用制度で雇用された人の平均年収を聞きましたところ、データがないということでございましたが、本日の朝刊に若干載っていたようでありますけれども、先日、私も興味深い報道を見ました。それは、再雇用、給与増の動きとのタイトルでありまして、厚生年金支給開始年齢引き上げに伴い、大手企業が検討を始めたとの記事であります。その中で、三菱電機が10%の増額、NTTが年収300万円から400万円の幅にふやし、NTTグループ8社も300万円程度にふやし、優秀な社員は400万程度にする方向とのことであります。さきの答弁で、再任用の部長職で年収675万円、課長職で540万円、一般職で365万円、ハーフタイムはその約半分と、単純比較はできないとはいえ、日本を代表するような企業が増額検討をしても300万円から400万円の年収ということを見ても、公務員の優遇を感じるところであります。
市は、再任用の職能給は定年前と同様の職務、職責を担うので、その原則に基づき、それに見合う給与を支給する考え方をしていると思います。一方、民間で働き、定年後に再び今までの待遇に準じた再就職先を探す人の大変な思いを考えますと、バブル期の民間と公務員との給与の較差の話はさておきながら、このご時勢で65歳まで雇用を保障されている公務員はやはり恵まれているのではないか、このように感じております。また、国での再任用に関する議論の中で、再任用の職能給は、定年前と同様の本格的な職務、職責を担うのであれば、それに見合う適切な給与を支給するとの考え方であります。しかし、さまざまに苦しんでいる民間の方々の見方によっては、公務員みずからが希望する将来の投影、つまり、保身ではないかととらえられてもいたし方ありません。
このようなことを念頭に、行財政改革推進プランの観点からも、本市はいろいろなことを考え、模索し、改革していくべきと考えております。
そこで、質問であります。
例えばでありますが、このような試算をしてみるのはいかがでしょうか。本市再任用の係長職以上の給与を仮に一般職平均給与水準とした場合なら、給与総額削減の試算はどのくらいの数字になるのか、教えていただきたいと思います。
◎谷江 職員部長 再任用となった役職者を、全員、仮に一般職とした場合、今年度にいる数で試算いたしますと、年間の給与総額は35億9,000万円となります。
◆伴良隆 委員 これを実際に差し引きいたしますと、7,155万円の削減額になるという計算であります。多かれ少なかれ、こういった議論はいろいろあると思います。あるいは、費用対効果はどうなのかといった議論も分かれるところだと思います。例に挙げたような水準にすることがいい、悪いということではなくて、このように見直していく中でのさまざまな削減の積み上げが行財政改革の大きな成果につながります。
札幌市の職員給与は、市内にある従業員50人以上の企業の平均給与から勘案して人事委員会からの勧告で決めているとのことであります。今は、現役職員と再任用職員の区別なく決められていることになりますが、その原則があるとはいえ、再任用職員給与は、市内にある企業の再雇用制度で雇用されている人たちの給与実態により即した水準で決めていくのが市民目線に立った改革と考えます。ただ、管理職という職位は、今までの経験や知識等々を生かしてもらうため、再任用職員の給与のあり方は職位の考え方とは切り離して考えていくべきと私は思っております。
そこで、2点、最後に質問でありますが、今まで述べてきたように、本市再任用制度の給与のあり方は、行財政改革推進プランの観点からも、地元企業の再雇用の給与水準とバランスを図ることが必要になってきていると思いますけれども、これについて本市の見解を伺います。
次に、まずは行財政改革推進プランを実施していく本市の姿勢として、あるいは、現在、再任用されている方々への意識向上策の一つとして、担当部局としてもまずは本市民間企業の給与実態を把握していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎谷江 職員部長 2点の質問がございました。
まず、地元民間企業とのバランスでございますけれども、職員の給与につきましては、国や他の地方公共団体、さらには民間企業の状況などを考慮することとされておりまして、再任用職員についてもこの考えによるものと認識してございます。
また、市内民間企業の実態把握でありますけれども、職員の能力、意欲を最大限に引き出せるような再任用のあり方を検討する上でも、市内民間企業における再雇用の給与水準や雇用形態などの把握は有益であると考えております。
一方で、先ほどお話もございましたが、平成25年度からの年金の支給開始年齢の引き上げを控えまして、再雇用制度の充実を検討する企業もあるとの新聞報道もございます。民間においても制度見直しの過渡期にあるというふうに考えますので、今後、その手法についても検討してまいりたいというふうに考えております。
◆伴良隆 委員 今後は、国だけではなくて、他の政令市の再任用制度の改革状況などもぜひ参考にしながら、ご答弁にもありましたように、地元企業のある種の給与状況というもの、これはどういったものかということもまた議論が分かれてきますが、こういったものを把握し、さらに、本市担当部局ごとにそれぞれの権限もございますので、こういったことも勘案しながら、ご自身たちで何ができるかを考えて、議論をして、できることから一歩ずつ行動していくこと、この姿勢を市民は厳しく見守っていると思います。そういう姿勢を目に見える形、具体的な形にしていくよう、今後もぜひ頑張っていただきたいと思います。
それでは、2点目の質問に入りたいと思います。
2点目の質問は、本庁舎維持管理費に関連し、市有掲示板のあり方についてでございます。
私は、労働者がその権利を主張することは憲法で保障されており、特に、一生懸命働く勤労者の労働環境がよりよくなってほしいと、常々、願っている一人であります。一方で、札幌市の公有財産が公平・公正に使用されなければならないこと並びにその手続、管理が適正に行われなければならないこと、このことについて議論したいと思います。
私は、第2回定例議会で、市有掲示板の使用実態として、本庁舎や市役所所有の掲示板に、本市
公契約条例案について、理由なき反対とか、制定を求めて奮闘しようと記した賛成側のみの紙面が張ってあること、同じく、紙面に、
公契約条例は市民感覚から大きく乖離した議会重視と一部経済団体のエゴにより継続審査になったとのこと、こういった実態について、私は、市民が目にするような場所でそういった記事を掲示することは市民感覚としていかがなものかということ、また、市有施設を使用する上で公平性に問題があるとの観点で質問をいたしました。
さて、先ほど挙げた私の代表質問に対しまして、市長が必要と認めて目的外使用許可を与えているものとの副市長答弁がございました。
ここでまず、当該許可の根拠について確認いたします。
札幌市公有財産規則の中で、第15条、目的外使用に掲げる各号のうち、本件はどれに当てはまるのでしょうか。また、それに基づいて、行政財産の目的外使用許可及び普通財産の貸し付けの運用基準1の行政財産の目的外使用許可で言う使用許可の範囲はいずれに当てはまるものとしていますか。
◎渡邉 行政部長 ご質問の目的外使用許可は、札幌市公有財産規則第15条第5号に規定いたします、その他、市長が特に必要やむを得ないと認めるときに該当するものとして許可しているものでございます。
また、ご質問にございました運用基準1の(1)(ウ)でございますが、公有財産規則第15条第5号に該当する場合の例示として掲げられております、職員組合、指定金融機関等の事務室として施設の一部を使用させる場合という規定を参考としているものでございます。
◆伴良隆 委員 承知しました。
次に、同じく、私の代表質問とそれに対する答弁でこのようなやりとりがございました。
質問は、
公契約条例案に対する市民の可否判断は、そのことによって全く影響されるものではないと断言できますか、ご答弁は、掲載されている内容につきましては、目にした市民の受け取り方はさまざまあるとは思います、また、再質問は、市民のとらえ方によっては、影響を受けている可能性がないと言い切れないということですか、ご答弁は、もちろん市民の皆さんが掲示板に接する機会はあるわけでありますから、それによってこういう情報があるなというのはもちろん知るところとなるということでございます、それが――市民への影響のことでありますが、それがゼロというふうに言われますと、ゼロの証明というのは非常に難しいと言わざるを得ないかなと思います、さらに、再々質問は、間接的には影響があるということでよろしいでしょうか、ご答弁は、何もないわけではなくて、何かそこに文字が書いてあれば、これは、ないものに比較すれば確かに影響があるといえばあるぐらいかなというふうに思います、このようにございました。
つまり、この答弁を総括しますと、影響が全くないということはないということであります。
そこで、伺いますが、私の代表質問に対し、組合員への情報提供の範囲に逸脱しない限りにおいては認められるとの答弁がありましたが、先ほど私が挙げた答弁が意味するように、
公契約条例案を制定すべきとの情報によって、たとえわずかにでも市民に何らかの影響があるのであれば、それは組合員への情報提供の範囲内に結果的に市民も含まれているという論理になりますけれども、いかがでしょうか。
◎渡邉 行政部長 当該掲示物の目的につきましては、組合員に対する情報提供であるというふうに考えております。市民の目にも触れる場合がありますことから、もちろん、結果的には市民もこういったことがあるのだなということを知ることとなるとは思いますけれども、掲示物の目的についてはあくまでも組合員に対する情報提供であるというふうに考えてございます。
◆伴良隆 委員 精いっぱいのお答えだと思います。いずれにしても、範囲内に含まれるわけであります。
札幌市は、たとえ間接的とはいえ、
公契約条例案を制定すべきとの情報によって、それこそわずかとはいえども市民に影響を与えている行為を、結局、札幌市みずからが認めていることになるわけであります。現に、
公契約条例を学生や市民に理解を求めている本市市長ご自身の写真まで載せた記事を本年8月と今月、10月にも市役所内に掲示しているのも、現在は継続審議中の条例案を札幌市みずからが市有施設を使って一方の主張を有利に進めようとする姿勢を裏づけるものとも言えます。そして、市有掲示板に関して言えば、当然、こういった札幌市の一方的なやり方は公平性に乏しく、
公契約条例の制定を反対している市民や本市財政部と協議会を設けている業界団体の方々を軽視しており、議会を通じて公平に議論している我々議員側としても当然納得のいかないものであります。
さて、次に伺いますが、仮に、ある市民や市民団体が、
公契約条例を制定すべきとの主張が市有掲示板にあるので、公平性を考え、もう一方の
公契約条例を制定すべきではないとの意見広告を市有掲示板に掲示したいとの申請を本市にした場合、本市としてその申請に対してどのような判断をすることになるでしょうか。
◎渡邉 行政部長 本庁舎内の掲示物の許可につきましては、庁舎の秩序及び規律の維持のために、市が主催、共催または講演するイベント、あるいは、市の事業などに関するものであることを基準としておりまして、ただいまご質問にありましたような意見広告につきましては、個人や団体の利益に資する面もあり、この基準に該当しないと思われますことから、掲示を認めることはできないものというふうに考えてございます。
◆伴良隆 委員 私が聞こうとしている部分で、答えられているようで答えられていないような気がするのですが、秩序を乱さないように、規律を乱さないようにということでありますけれども、それについて、例えば、我々自民党・市民会議の名の下に
公契約条例についていかがなものかといった意見広告を出したいといったときはどうでしょうか。
◎渡邉 行政部長 あくまでも、私どもが管理している本庁舎の市有掲示板ということであれば、ただいまお答えいたしましたとおり、掲載する基準というのは、市が主催、共催、講演するイベント、あるいは市の事業などに関するものとしてございますので、先ほど申し上げましたとおり、この基準には該当しないのではないかというふうに考えております。
◆伴良隆 委員 しつこくて申しわけないのですが、一方の偏った意見を、札幌市が、要するに利益や利潤を追求するものに対して肩を持つというか、そういったことはできないという意味でよろしいですか。
◎渡邉 行政部長 ただいまご答弁申し上げているのは、私どもが管理している庁舎管理規則に基づく市有掲示板の掲載基準についてお答えさせていただいているわけでございますが、最初にご質問のございました組合の掲示板につきましては、この使用許可については公有財産規則に基づき判断する目的外使用許可でございますので、そもそも判断基準が異なっているものというふうに考えてございます。
◆伴良隆 委員 わかりました。議論を先に進めたいと思います。
では、伺います。
そうしましたら、たとえ掲示物が組合員への情報提供であったとしても、市民が見ないことはないし、影響がないとは言えないといった趣旨の代表質問への答弁があったわけであります。また、今のご答弁にあったように、札幌市が一方の意見のみを市有掲示板に掲示することを許可することは、規律を乱すわけでありまして、ある種、申し上げたとおり、一方側の意見の肩を持つことになるわけですから、使用を許可できない、私はこうとらえることができるのです。
では、市有掲示板に今まであった
公契約条例を制定すべきとのお立場で主張されている記事のみが掲載されている実際の状況を、ある種、見逃しているということは、今のご答弁との整合性、つまり、規律というものを考えたときに、整合性を図るとしたら明らかに対応が矛盾しているように感じるのですが、いかがでしょうか。
◎渡邉 行政部長 ただいまご答弁申し上げましたとおり、市有掲示板へのポスター等の掲載と、庁舎の目的外使用許可をした掲示板に対する組合側の掲示では、その判断基準が異なっております。あくまでも市有掲示板に組合のものが掲示されているということではございませんので、そこはご理解をいただきたいと思います。
◆伴良隆 委員 ご答弁は理解しましたが、中身は理解していません。
答弁によれば、つまり、判断基準が異なるという言い方をされましたが、私たちから見ると、組合は特別扱いである、こんなふうに聞こえてくるのですね。それでは、組合の主張する記事内容に反対する意見を掲示したいというもう一方の市民の権利はどうなるのですかということになるわけです。また、記事内容について言えば、組合員への情報提供を逸脱しない限りおいてという理由を用いながら、結果的には
公契約条例を制定しようというある種の政治活動ともとれるような行為に、市役所みずからが加担することを公然と認めているということであります。
行政財産の目的外使用許可及び普通財産の貸し付けの運用基準から、札幌市公有財産規則第15条各号について、その――そのというのは、公有財産、つまり、ここで言う掲示板でありますが、その用途を妨げないと判断されるときであっても、当該財産の目的を妨げる場合もあるので、具体的事例に即して判断することとございます。また、目的外使用許可を行う際の留意事項として、その使用許可面積についても必要最小限にとの記述があり、継続使用については、使用目的等を含め、更新の必要性を判断することとございます。
そこで、伺います。
市有掲示板に関してお聞きしますが、継続使用の際の更新申請に対し、どのような審査を経て許可をしてきているのでしょうか。また、許可後、その掲示板の使われ方について、あるいは、その掲示物の記載内容について、ふだんはどのように把握し、管理を行っているのか、具体的に明示してください。
◎渡邉 行政部長 毎年の更新の際に提出されます申請書、それから、申請書に添付されております図面の記載内容を確認し、業務に支障がないこと、あるいは、使用目的等を含め、許可の必要性を判断の上、所定の決裁を経て許可をしているところでございます。
また、掲示板の管理体制でございますが、掲示板の状況につきましては、警備員が毎日の庁舎全体の巡回警備の中で確認していただいており、その報告によって、必要があれば私ども庁舎管理課の担当者が確認し、対応することとしてございます。
◆伴良隆 委員 細かいことでありますが、警備員がいつも確認しているということでありますけれども、警備員が全階の掲示板と内容を把握して、それを庁舎管理課に報告しているということでよろしいですか。
◎渡邉 行政部長 毎日、個別に報告しているということではございません。特段、何か異常があれば報告していただいているということでございます。
◆伴良隆 委員 この異常というのは、恐らく、公序良俗に反するようなとか、そういった程度のものだと思いますが、そのようにとらえますと、ご答弁にあるように、一度許可を出せば、その後は庁舎管理課としてその使用方法と内容をみずからは定期的に把握していない状況でありまして、その状況下で、毎年、継続使用許可を出しているということが明らかになりました。つまり、その市有掲示板の記事内容がどのようなものであるか、それが市有掲示板の使われた方として適しているかということさえ見逃してきているのであります。特別扱いだということであります。
ところで、市有財産の目的外使用につきましては、行政財産使用許可申請書を提出し、許可を受けなければならなく、その申請書はA4判1ページの書式が基本でありまして、その書式で申請している内容以外の添付書類があるものと私は理解しております。
そこでまず、伺いますが、行政財産使用許可書について、記載事項の使用、つまり、所在、区分、使用部分、使用面積、使用目的、こういったものに記載されていないものについて、本市はそれに対し、使用許可をすることはできますか。
◎渡邉 行政部長 基本的に、使用許可でございますので、使用するものについては特定をされて申請されてくるものというふうに思っております。
◆伴良隆 委員 この申請書に書いてあるものを許可するということであります。
さて、平成24年1月16日決裁の自治労札幌市役所職員組合の行政財産使用許可申請書の写しを拝見いたしました。この文書の内容は、使用における使用部分で、14階の一部、別紙図面のとおり、使用面積153.92平米、使用目的に事務室とございます。使用予定人員は18名、設備等では、机、いす、パソコン、コピー機、印刷機とあります。その使用料減免以下についての議論はここでは別にしまして、この文面から読み取ると、あくまでも14階の一部について事務所使用についての申請であります。
そこで、伺いますが、当該の行政財産使用許可申請書そのもののどこに市有掲示板についての許可申請が記載されているのか、今、明示してください。
◎渡邉 行政部長 この許可申請書には、使用部分のところに別紙図面のとおりと書いてございまして、別紙で図面が添付されており、その図面の中に掲示板の位置を明示しているものでございます。
◆伴良隆 委員 そうなりますと、札幌市公有財産につきましては、使用許可申請書に記載がなくても、つまり、借りようとしているものの図面さえあれば使用を許可するという正式な見解でよろしいのか、確認したいと思います。
◎渡邉 行政部長 本来、こういう行政財産の使用許可申請書については、もちろんすべてを記載しておくのが適当というふうに思いますけれども、この申請書に関しては添付図面の方に掲示板の表示がされているということで、申請書類全体として申請があったものというふうに判断しているものでございます。
◆伴良隆 委員 公有財産規則であります。私が見る限りでは、この規則と違う、ある種、申請書に記載がないものについて認めている、こういったことであります。
札幌市公有財産規則による行政財産使用許可書の様式、つまり、通常、使用されている様式であり、本件でも使用されている様式のことでありますが、その規則備考に、この様式によりがたいときは、この様式に準じた別の様式を使用することができるとございます。
しかしながら、本件は、市有掲示板の許可申請についてその使用部分を掲示板とした書類は一切なく、関係資料として庁舎管理課から提供された掲示板配置図が添付されているだけであります。掲示板使用の許可申請書がある上で地図が添付されているというのなら私も理解できます。よって、本件は、市有掲示板についての添付資料があろうとなかろうと、市有掲示板について申請していることにならないことは一目瞭然であります。
もっとわかりやすく申しますと、実際に事務所として使用許可申請している本件は、14階の一部とし、それを丁寧に別紙図面のとおりとした上で図面資料を添付しているのでありますから、図面資料があるから申請書に記載がなくてもいいというのは、本件を例にとっても明らかに矛盾しております。
ここで、読み上げます。
当該規則第17条第1項、行政財産の使用許可を受けようとする者は、行政財産使用許可申請書を市長に提出しなければならない、当該規則第18条、市長は、前条第17条第1項に規定する使用許可申請書の提出があった場合は、当該申請書の内容を審査の上、使用を許可することを適当と認めるときは行政財産使用許可書を交付する、このようにございます。
そこで、伺います。
市有掲示板に対する使用許可申請であるはずなのに、それについて正式な記載をした申請書類を出さずに許可を得ようとしていたものと、使用許可対象としての市有掲示板に対する正式な記載をした申請書が存在しないにもかかわらず、市有掲示板の使用許可を出しているもの、このそれぞれは、札幌市公有財産規則第17条、第18条に違反する行為をしてきたのではないでしょうか。
◎渡邉 行政部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、確かに、申請書の本体に掲示板ということを記載していただくのが本来の姿であろうと思っております。しかし、申請書と同時に提出されております添付図面に掲示板の表示をされ、それが一体として申請されていることから、申請書類全体としては掲示板の許可申請もあったものというふうに判断して許可しているものでございます。
◆伴良隆 委員 そのような判断をされたということが事実なのであれば、それはいたし方ないと思います。事実だと思います。
しかしながら、正式にはという言葉を前半で使われたとおり、正式は正式なのですね。例外があるなら例外があるで、これから例外がどんどん広がっていきますよ。そういうご答弁だということであります。きちっと、それが正式なものなのだということをはっきり言っていただきたいわけであります。
それでは、わかりやすく、過去の事案を私から提示、比較したいと思います。
平成18年1月12日に出された行政財産使用許可申請書であります。この中で、使用部分を申し上げますが、14階の一部、掲示板(地下1階、4階から9階、11階から15階)、こういったものがございます。面積につきましては、掲示板を含んだものではございません。また、事務室としてという使用目的がありますので、使用目的に掲示板の機能が記されているものであります。
しかしながら、先ほど例示したものとこれを比べますと、差し引いたら何が残るかといいますと、掲示板については貸してくださいと言っているのです。
そこで、伺いたいと思います。
平成18年度には、使用許可申請書として、その内容が正確ではないにせよ、少なくとも使用部分に掲示板(地下1階、4階から9階、11階から15階)とあるのに、一方で、この平成18年度を除き、少なくとも過去から現在までの10年は使用許可申請書の使用部分に掲示板とございません。これについて、本市はどのように考えていますか。その使用部分に記載して許可申請をしているものと、そうはしていないものと、これはそれぞれどのような申請の違いがあるのか、説明していただきたいと思います。あるいは、その整合性の根拠を明確に説明していただきたいと思います。
◎渡邉 行政部長 確かに、ご指摘のとおり、平成18年1月12日付の行政財産使用許可申請書につきましては掲示板という形で使用許可申請がなされているものでございまして、本来はこういうふうに記載していただくべきものというふうに思っておりますけれども、他の年については附属の添付図面の方に記載しているということで、一体として理解していたものでございます。
◆伴良隆 委員 おっしゃったとおりだと思います。平成18年のものの方がまだより理想に近い形、正式な形に近いということでありまして、先ほど挙げたものについては、やはり、それに比べれば不備がある。精いっぱいだと思います。
ここで、一般論として聞きたいと思います。ほかの担当課で答えていただいても結構でありますが、札幌市公有財産規則に違反している、またはした場合は、本市としてどのような対処、処分がされることになっていますか。
◎渡邉 行政部長 公有財産規則第22条によりますと、これは使用許可の条件ということになりますけれども、使用者が使用許可の条件に違反したときには、市長が使用の許可を取り消すことができるという条文は、公有財産規則上、規定されているところでございます。
◆伴良隆 委員 その他の対応、処分等の規則はのっていませんか。
◎渡邉 行政部長 私は、直接、公有財産規則を所管していないものですから、今、拝見させていただいてそれかなというふうに思ったところでございますが、もし漏れがありましたら、大変申しわけございません。
◆伴良隆 委員 きょうは、法制課はいらしていますか。(発言する者あり)
そうしましたら、それはまた後で私が申し上げます。
本件における市有掲示板の使用許可について、今まで述べましたように、その使用許可に必要な書類不備のため、申請、許可ともに明らかに無効ではないかということ、これを私は主張しておきます。
また、今、部長がおっしゃいましたとおり、
地方自治法第238条の4第9項並びに札幌市公有財産規則第22条によって、使用者が使用許可の条件に違反したとき、ここでは市長でありますが、使用の許可を取り消すことができる、このように付記してあります。
そこで、最後に、副市長に伺いたいと思います。
本件について、そもそも申請者及び許可者が当該規則第17条及び第18条について違反しているのではないかとの指摘について、先ほどの一連のご答弁がございました。このことについて、今現在のところの本市の見解はどうでしょうか。コンプライアンスを推進する本市として、本当にそれは間違いない見解かどうか、改めて調査し、その結果を委員会などを通じて議会や市民に報告するとともに、本市としてしかるべき対応と処分を速やかに行うべきですが、いかがでしょうか。
◎生島 副市長 段々のお話を聞いておりまして、掲示板の申請については、理想的な形ではないということはそのように理解いたしますけれども、先ほど来、行政部長からご答弁していることで、私もそのように理解しております。
◆伴良隆 委員 ご答弁のとおり理解されているということであります。
いずれにしても、書類には違いもあり、そうしたことの中で、さまざまな申請を上げていくときの本市としての公平性の部分で、書類に不備がないかどうか。行政は非常に厳しいわけでありますから、そういったことが浮き彫りになったわけであります。そしてまた、これが特例で認められていたということになればなおさら問題であります。
私は、札幌市公有財産のうち、こういった掲示板使用の実態を例にとっても、先ほどから述べてきたように、公平性や規則遵守の観点から大いに問題があり、また、その事務手続や管理においても、慣例をいいことに手抜きになり、不適正な状態になっていることを指摘しておきます。
また、コンプライアンス推進担当課もよく聞いておいてください。この件は、ほかの事案とも関連づけながら、今後もさまざまな場を通じて問題提起していきたいと思います。
◆宝本英明 委員 私からは、基幹系情報システムの再構築事業について、3点伺いたいと思います。
この再構築事業は、老朽化した基幹系情報システムのリニューアルとあわせて、調達の透明性確保や地元企業の参入機会拡大などを目的として、平成22年に本格的に開発が始まり、3年目に入ったことし7月に、無事、一部のシステムが本番稼働するに至りました。再構築に当たっては、複数の事業者が参加して開発が並行して行われたり、改正住基法施行にあわせて稼働させるため、時期の遅延が許されない厳しい状況の中での作業だったとのことで、大変だったと思いますが、稼働から3カ月がたち、問題なく動いているということで安心しているところであります。
そこで、最初に、分割発注に伴うリスクについてお尋ねしたいと思います。
この再構築事業は、平成27年度末まで開発作業が続きますが、ホームページに掲載されている開発スケジュールを見ますと、住民記録など四つの業務システムが本年7月に稼働しつつ、これとは別に、住民税、固定資産税などの税システムと国保システムなどの業務システムの開発が並行して進められておりまして、これらの業務システムの調達も基本的に工程ごとに総合評価方式での一般競争入札で行われているというふうに伺っております。通常のシステム開発では、開発内容をまとめて1本の発注とすることでシステム間の整合性を確保しやすくするものですが、札幌市は、企業の参加機会の拡大や調達の透明性を確保するために業務を分割して発注しています。国でも1者が独占的に受託することはよくないといったことでありまして、大規模システムの発注は分割して調達しているようですが、これと同じ流れかと思います。
ただ、分割発注は、開発をする際にはそれなりにリスクがあるようで、IT関連の雑誌であります日経コンピュータにこのような記事がありました。これはコピーですが、「55億円無駄に、特許庁の失敗」という記事が載っております。その中で、特許庁の基幹系システム刷新プロジェクトについて、5年がかりで臨んだが、結局は55億円もかけてもシステムは完成しなかったと。そして、その背景としてこう記載されています。システム開発の範囲や工程を分けて委託する分割発注は、調達の透明性や競争性を高める効果がある一方で、発注者は、複数のITベンダーを取りまとめたり、仕様や成果物の粒度を統一したりする必要がある、さらに、設計工程と開発工程を分割する工程分割を導入したが、次工程に渡す大量の設計書などの品質を精査できなかったなど、特許庁のシステム開発が中止になった背景として、分割発注の難しさとそれをカバーすることができなかったことを理由の一つに挙げています。
この状況は、札幌市の基幹系情報システム再構築事業にも当てはまるのではないかと心配するところであります。分割発注は、参加機会の拡大や透明性の確保といったメリットはありますが、複数のシステム開発を管理しなければならず、これらを連携するための開発が複雑になったり、複数の業者を管理する作業がふえるなど、それなりにリスクがあるのだと思います。札幌市の行政サービスの根幹を支える基幹系情報システムの再構築事業でありますから、このリスクをきちんと認識した上で、これに適切に対応しなければならないと思います。
そこで、質問ですが、札幌市として、基幹系情報システムの再構築事業の調達を分割発注する上で、認識しているリスクとそれに対する対策をお聞かせ願いたいと思います。
◎藤井 情報化推進部長 分割発注する上でのリスクとそれに対する対策についてお答えいたします。
システム開発の発注を分割して行いますと、委員がご指摘のとおり、開発にかかわる業者間の引き継ぎや調整を綿密に行う必要がございますので、これに対する作業量が増加することが事業を進める上での大きなリスクになるものと認識してございます。
こうしたことを踏まえまして、基幹系情報システムの再構築事業では、独立行政法人産業技術総合研究所が開発しました、特定の事業者に頼ることなくシステムを開発する産総研包括フレームワークという手法を用いまして、複数の事業者がかかわってもスムーズに開発が進められますように、業務の成果品となる書類やプログラム等を詳細に作成するような開発を行い、効率的に業務を進めております。また、複数の事業者に対する管理業務が手薄にならないように、情報化推進部と業務担当部局が協力しながら、業務の実施期間全体を見据えた体制づくりに努めてございます。
結果といたしまして、ことし7月には住民記録システムなど一部のシステムが稼働し、順調に推移しておりますが、今後とも、先ほど申し上げた点に十分留意しながら、税、国保、福祉などのシステム開発を進めてまいりたいと考えております。
◆宝本英明 委員 今の話では、産総研の手法にのっとって効率よく順調に開発の管理を行っているといったことであると思いますが、分割発注に伴うリスクはゼロではありません。札幌市の行政サービスを担う重要システムの開発であることを忘れないで、常にリスクに気を配ってやっていっていただきたいなと思います。
次に、基幹系情報システム構築後の保守や改修の考え方について伺いたいと思います。
住民記録システムほか幾つかのシステムについては、7月から本番稼働して実際に業務で使われていることは先ほど述べられました。情報システムは、平常時であっても正常に稼働していることを確認したり、小さな修正を行う保守が行われるほか、法制度の変更や事務改善が行われるたびにシステムを改修する必要に迫られることが一般的であります。
本市でも、情報システムの開発が行われた後は、そのシステムの保守や改修は外注により行われているというふうに思います。情報システムの世界では、システム開発を行う事業者が独自技術を使って開発するため、発注者は引き続きシステムの開発を行った事業者と保守や改修の契約をせざるを得ないのが一般的で、自治体に限らず、企業においても情報部門ではいまだそうした傾向にあると思います。
本年7月に稼働した住民記録システム等については、大規模なシステムということで、安定稼働するまでは開発を行った業者が保守を担っていると伺っておりますが、基幹系情報システムの透明性確保という考え方からすると、いずれは保守、改修についても競争入札の形で参入機会が確保されるべきだと思います。地元のIT企業も、本番稼働を迎えたシステムの保守や改修において、今後、競争入札が行われて参入機会が得られるのかどうか、そういったことに注目しているのだと思います。
そこで、質問ですが、基幹系情報システムの開発に関しては、分割発注が行われ、多くの競争入札が行われておりますけれども、開発が終了した後の保守や改修も競争により透明性が確保されるのかどうか、今後の方向性についてお聞かせ願いたいと思います。
◎藤井 情報化推進部長 ただいまのご質問にお答えいたします。
委員のご指摘にもありましたが、情報システムの保守や改修は、開発を行った事業者が引き続き請け負うことが一般的になっております。
しかしながら、現在進めている基幹系情報システム再構築事業では、事業の目的である透明性の確保を業務システムの稼働後も維持することが重要であると認識してございますので、開発が完了し、安定稼働した後には、その保守や改修を行う事業者は競争性を働かせる形で選定していく方向で、調達方法等の検討準備を進めてまいりたいと考えてございます。
◆宝本英明 委員 先ほども言いましたが、事業者にとっても、みずからが開発したシステムではないシステムの保守や改修を受託することは一般的ではありませんので、冒険と感じることがあるのではないかなと思います。札幌市は、今後調達することになる保守業務などについて、いろいろな形で事業者に情報が伝わるようにして、事業者が感じるであろうリスク感を少しでも減らすように努めていただきたいと思います。
最後に、基幹系情報システムの他自治体による利用について伺いたいと思います。
このことについては、昨年の4定で我が会派の代表質問で取り上げましたが、基幹系情報システムが掲げている調達における透明性確保や自治体職員主導での開発といった理念は、他の多くの自治体が情報システムに対して感じている課題の解決につながっていく、そういった考え方だと思います。また、本市のシステムを他自治体が利用した場合には、利用料収入や作業の共同化などの可能性も出てきますので、本市の基幹系情報システムは、開発中の段階ではありますが、今からでも対応を始めた方がいいのではないかなと思います。
昨年の4定の代表質問では、今後、調査検討を進めていきたいという答弁でありましたが、その後、ことし7月に住民記録システムが稼働しておりまして、このことを受けても、札幌市の基幹系情報システムとその開発手法は一定の成果と実績が積み上げられてきたのかなと考えてよいと思います。
そこで、質問ですが、基幹系情報システムの開発が続いている中ではありますけれども、基幹系情報システムが稼働した後、これを他自治体に利用してもらうことについての現在の検討内容と状況をお聞かせ願いたいと思います。
◎藤井 情報化推進部長 新たなシステムを他の自治体にも利用していただく取り組み状況についてお答えいたします。
現在、基幹系情報システムの開発と並行しまして、他自治体が本市のシステムをもとにその自治体用のシステムを構築した場合にどれくらいの作業量や事業費がかかるのか、実際に他の政令市の情報部門に協力をいただきながら調査しているところでございます。このような情報が整理されますことで、他の自治体に本市の基幹系情報システムのメリット等を発信しやすくなると考えております。また、本市の基幹系情報システムの理念や開発稼働の状況を全国自治体の情報部門が集まる会議等で発表するなど、PRにも努めているところでございまして、今後ともさまざまな機会に情報を発信してまいりたいと考えてございます。
◆宝本英明 委員 我が会派では、かねてから、自治体の情報システムは共同で利用して効率的に運営すべきといった考えを打ち出しておりましたが、大きな自治体ではそもそも事務が異なっておりまして、これを合わせるのに時間がかかるので、総務省などが進めている自治体クラウドを政令市が利用することは難しいというふうに思っております。それだけに、今回順調に稼働している札幌市の基幹系情報システムを他の自治体が利用することについては本当に期待しておりますので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
○山田一仁 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後6時30分
再 開 午後6時50分
――――――――――――――
○山田一仁 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆福田浩太郎 委員 私からは、本庁舎及び区役所における庁内禁煙についてと情報公開制度について、簡潔に、順に質問させていただきます。
札幌市は、職場の受動喫煙防止対策指針を平成22年10月1日に施行いたしました。それまでは、快適な職場環境の形成という観点からその対策に取り組んでこられましたが、受動喫煙に対する有害性の認識や国際動向などの環境が変化してきていることから、今後は職員の健康障害防止という観点で対策に取り組むことが必要との前提に立ち、同年2月25日付の厚生労働省通知、受動喫煙防止対策についてを受けて、現在、市として、喫煙室を設置することで喫煙者と非喫煙者を分ける空間分煙から、将来的に札幌市の公共施設を全面禁煙とすることを目指すものとしたものであります。
そこでまず、お聞きいたしますが、当面の取り組みとして、多くの市民が利用する本庁舎及び区役所について、喫煙室の段階的な削減を進め、将来的には全面禁煙を目指すとされておりますが、現在までの取り組み状況を伺いたいと思います。
また、取り組み結果についてどのような効果が出ているのか、あわせて伺います。
◎谷江 職員部長 庁内禁煙のこれまでの取り組みとその効果ということでございます。
受動喫煙防止対策を進めていくに当たりまして、職員の受動喫煙防止対策に対する認識と理解度を把握するため、平成23年10月にアンケートを実施してございます。回答者は約2,500人で、回答率は21%でございました。このアンケート調査の結果、本庁舎と区役所職員の喫煙率はいずれも2割程度でありまして、喫煙職員におきましても、昨今の社会情勢や喫煙による健康被害の把握によりまして、喫煙環境の制限について一定の理解を示していることがわかっております。
また、これまでの取り組みの具体的なものといたしましては、本年1月1日から本庁舎の喫煙室26カ所を13カ所に半減しております。また、この10月1日から、本庁舎及び区役所におきまして、毎月3日のさっぽろMU煙デーは終日の喫煙自粛、そのほか、喫煙の自粛タイムとして毎日午前11時から、また午後2時からの各1時間を設定してございます。区役所につきましては、平成22年10月以降、10区中9区で喫煙室を削減いたしまして、39カ所から29カ所に減少してございます。あわせまして、ホームページやリーフレット配布による情報発信などを行いまして、職員に対する禁煙、節煙の支援策を実施しております。
これまでの取り組みの効果としては、喫煙率の減少が大きく、職員の喫煙状況につきましては、喫煙率は平成21年度の39.3%から23年度は33.6%へ減少しております。また、禁煙を試みた職員も21年度の13.3%から23年度は16.1%に増加するなど、受動喫煙防止や喫煙による健康被害への意識が高まっているものと考えてございます。
◆福田浩太郎 委員 これまでの取り組みについては理解いたしました。
我が会派の先輩議員である小田信孝氏は、これまで徹底して受動喫煙防止策の質疑を行ってまいりました。昨日もお話をしましたが、徹底して取り組んでほしいということでした。
札幌市も、小田氏の提案を受けて、受動喫煙防止対策を実施する施設を認証する受動喫煙防止ステッカーを発行したり、市営地下鉄構内に妊婦への受動喫煙防止啓発を促す電照広告を27カ所設置するなど、さまざまな取り組みをしていただいております。また、他の政令指定都市における庁舎内全面禁煙の状況を見ますと、大阪市や神戸市など全面禁煙を実施している市がふえているようでありまして、札幌市の取り組みは早い方にはならないと思いますが、女性の喫煙率が高く、全国と比べて約2倍となっている本市の現状などから、他都市以上にしっかりと取り組まなければならないと思います。
さらに、喫煙者の権利も理解いたしますが、それ以上に受動喫煙で健康を害している方への配慮は重要だと思います。言うまでもなく、たばこから立ち上る煙には有害物質が大変多く含まれており、喫煙室から出た後の衣服についた煙でも体調を崩す人がおります。吸わない人が受動喫煙の健康被害を受けないための思いやりの気持ちが、今、一層必要と考えます。これ以上はくどくど申し上げませんが、札幌市は模範を示していかなければならないと考えます。
そこで、伺います。
今後、庁内全面禁煙の実施に向けてどのように進めていくのか、伺います。
◎谷江 職員部長 冒頭に委員からお話がございましたように、本市では、職場の受動喫煙防止対策指針に基づきまして、この2年間、本庁舎及び区役所の喫煙室削減に取り組んできたところでありまして、引き続き、受動喫煙防止の観点と職員の健康管理の観点の二つから、ホームページやリーフレットを活用した知識の普及啓発や喫煙職員の禁煙、節煙への支援を行いながら、庁舎内全面禁煙に向けての取り組みをさらに進めてまいりたい、このように考えてございます。
◆福田浩太郎 委員 我が会派といたしましては、職員間における議論を重ねながら、この2年間で着実に進んでいると認識しているところでありますが、より一層の前進が図られるよう、合意を得ながら着実に進めていただきたいことを要望いたします。
続いて、情報公開制度についてお伺いいたします。
市民目線の開かれた市政を推進していくためには、行政運営の透明性を確保し、市民の市政参加を促進することが必要であります。情報公開制度は、このような開かれた市政の推進に不可欠な制度であり、市政に対する市民の理解と信頼を確保し、行政の説明責任を果たすために、原則、公開としながらも、かつ、個人情報の保護を基本として、公文書の公開と市政情報の的確な提供に努めなければなりません。この制度により、行政機関等の透明性と説明責任の向上や職員の意識変革に大きな役割を果たしてきたと考えているところであります。
そこでまず、お伺いいたしますが、札幌市における情報公開の状況とその取り組みについてどのように評価するのか、伺います。
◎渡邉 行政部長 情報公開条例は、平成元年4月の施行以来、20数年が経過しているわけでございますが、毎年、相当数の請求があり、また、請求をされる公文書の分野も、工事、医療・福祉、契約、人事・給与、防災、市税など多岐にわたっておりまして、広く市民に定着しているものと考えております。情報公開制度は、
自治基本条例において位置づけられておりますように、市民への説明責任を果たすための役割を果たしているばかりではなく、職員の意識に市民への積極的な情報提供の重要性を定着させており、市民参加のまちづくりを進めるための市と市民との情報共有に成果を上げているというふうに考えているところでございます。
◆福田浩太郎 委員 広く定着してきており、また、貢献もしているということであります。
続いて、伺ってまいりますが、一方、公開請求権制度の運用には相当の労力と費用を要します。その主なものとしまして、請求書の受け付け、対象文書の特定、検索、公開、非公開の審査、そして、非公開部分を除く作業、決定書の郵送、閲覧の実施、写しの作成に要する費用などがあるわけであります。受益者負担の観点から閲覧手数料を徴収しているのは少数のようでありまして、多くは閲覧手数料を徴収せずに、写しをお渡しする場合についてコピー代金のみ徴収しているようであります。ただ、東京都の例でありますが、閲覧の場合でも1件につき上限100円として手数料を徴収しているようであります。
なお、国では、請求時も閲覧や開示の場合も手数料を徴収しております。
平成11年4月27日の参議院総務委員会附帯決議では、手数料については、情報公開制度の利用の制約要因とならないよう、実費の範囲内でできる限り利用しやすい金額とすること、ただし、本制度が乱用されないよう十分配慮することとあります。また、閲覧手数料の徴収の賛否については、公文書の公開に関する事務は特定の者のためにする役務の提供であり、受益者負担の観点から手数料を徴収するものであるとする考えと、公開請求権が広く一般に知る権利の保障に資するものであることから、それに要する経費は、本来、他の行政事務と同じく公費で賄われるべきであるとの考え方があることは承知しております。
しかし、先日の財政局関連の質疑でもございました行財政改革について、当局は、さまざまな経費の見直しや受益者負担の適正化、効率のよい仕事で残業等を減らして職員コストを縮減したいとお答えになっておりました。例えばですけれども、市民お1人の情報公開請求の際に、個人情報の非公開部分があって公開の際には必ず黒塗りをしなくてはならない場合で、その公開文書数が膨大になるとき、例えば40万枚という数にもなったらコピー40万回では済まない部分もあると思います。40万枚が必要だとして、閲覧する者だけの分を考えますと1枚10円として400万円にもなります。以下、大ざっぱな計算をさせていただきますが、その所要時間が1万4,000時間としますと、1人の職員が7年以上かかる計算となりまして、平均年収で掛けると人件費でざっと約5,000万円ともなりまして、コピー代400万円と合わせて5,400万円になってしまうこともあり得ます。しかし、現状の制度では、閲覧の場合、請求者に何の必要負担も発生しないのですね。こうした場合、果たして本当に市民のためと言えるのかと率直に疑念を抱かざるを得ないのであります。
そこで、再質問ですが、情報公開と行財政改革という市民のためにはどちらも重要な目標体制のために、受益者負担の観点から、閲覧の場合でも写しの作成にかかる少量のコピー代はご負担いただくことが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
◎渡邉 行政部長 札幌市の情報公開制度は、平成元年4月に発足したわけでございますが、発足時におきましては閲覧手数料を徴収してございました。しかし、平成8年4月に、請求者の負担の軽減、あるいは他都市の状況などを勘案いたしまして無料化したという経緯がございます。
委員がご質問のとおり、確かに大量の文書を公開する場合、非公開情報の精査、非公開情報を除くためのいわゆる黒塗り作業のための人件費、あるいは、事務コストがかさむことは事実でございます。しかし、情報公開制度の持つ意義を考えますと、写し等を交付する際の実費以外に負担を求めることは現時点では難しいものというふうに考えてございます。
なお、本市では、市民の求める情報を積極的に提供することを推進しているところでございまして、公文書公開請求があった場合にも、例えば、黒塗りされた大量の文書を閲覧していただくよりも、請求者の求めに合致した資料を作成して提出した方がより簡易で迅速というような場合には、請求者の意思を確認させていただいた上、情報提供に切りかえるなどの対応もしているところでございます。
◆福田浩太郎 委員 そういうご努力は今までもさまざましていただいていると思いますが、ぜひ、今後ともお願いしたいというふうに思います。
最後に、要望ですけれども、情報公開制度を運営していくためには、これまで議論したように、相当の人員を投入して所要の手続を整備していかなければなりません。よって、制度の運営に必要な費用を回収するために、受益者負担の原則及び原価補償主義に基づいて手数料の制度を設けることが考えられるという意見があるわけですけれども、これも一理あろうというふうに私は思っております。
8月22日のわかやま新報の記事を見ますと、和歌山県は、9月の定例議会に公文書の開示に関する県情報公開条例の改正を目指していたそうであります。新たに開示請求者に文書閲覧の費用負担を求めるほか、経済事情などに応じた負担の減免なども行う内容でありまして、県情報公開制度懇話会がまとめた提言に基づいて9月の県議会に条例改正案を提出するということになっていたそうでございます。和歌山県では、開示請求が非常にふえておりまして、行政コストの増大に加え、開示決定後も請求者が閲覧せず、文書が未処理のままとなるなど不適正な請求もあったそうでありまして、コスト負担の不公平が顕在化しているとして制度の見直しを検討してきたそうであります。同懇話会の提言では、請求者に対し、現行の文書の写しの交付に要する必要に加えて、閲覧についても負担を求めるとしております。この点は、検討当初で行ったパブリックコメントで県民から反対意見が寄せられましたが、県は、1回の請求当たり約1万1,700円かかっているとして、コストに大きな差がない写しの交付と閲覧の負担の不公平を是正するためにも費用負担は適当との認識を示したそうであります。こういう事例もあるわけであります。
そこで、私としては、閲覧であってもそのために要したコピー代については請求させていただくべきではないかということと、また、適正な情報公開の制度について札幌市もぜひ検討を行うべきではないかということを申し上げて、質問を終わります。
◆小倉菜穂子 委員 私からは、パワハラ、セクハラの予防について伺います。
近年、職場におけるパワーハラスメント、度の過ぎた叱責や行き過ぎた指導などによって人格を傷つけられ、仕事への意欲や自信を喪失するといったことが当たると思いますけれども、そうしたことが社会問題化しています。2007年には、パワハラが原因とされる精神疾患のもと、自殺に及んだ事件について、東京地裁が初の労働災害認定を行い、2009年には労災認定基準にパワハラが対象となっております。
都道府県労働局へのいじめ、嫌がらせに関する相談は、2002年度の約6,600件が2010年度には3万9,400件と増加していたり、また、2010年に行われています仕事のストレスに関する全国調査によると、セクハラやパワハラですが、労働者の約17人に1人、約6%が職場で自分がいじめに遭っていると回答し、職場でいじめられている人がいるという回答は7人に1人、約15%となっております。さらに、こういったことは企業だけではなくて、2011年度は、その前の年もありますが、国家公務員の苦情相談の概要を見ますと、945件の相談のうち、パワハラ、いじめの占める割合が4分の1と徐々に増加傾向にあることを示しております。この間、徐々に認知や取り組みが進みつつあるセクハラなどと同様に、やはり、厳しい競争であるとか人員削減が進む中、パワハラは働く人だれもがかかわり得る可能性のある深刻な課題であるというふうに考えています。
そこでまず、伺いますけれども、パワハラやセクハラについて、2011年度に職員部で受け付けた相談件数、また、その内容について伺いたいと思います。
また、女性職員が1人で働いている職場がどれくらいあるのか、あわせて伺います。
◎谷江 職員部長 セクハラ、パワハラについての質問が2点でございます。
職員部では、人事課における電話、メールでの相談受け付け、本庁14階の健康相談室における職場の悩み事相談室、そして、中央保健センターにおける職員健康相談室での相談受け付けを行っております。
お尋ねの平成23年度における相談件数ですが、合計でパワーハラスメントに関するものが10件、セクシュアルハラスメントに関するものが8件寄せられております。その内容といたしましては、パワハラにつきましては、職場における無視、暴言、嫌がらせ等に関するもの、セクハラについては、つきまといや体をさわられた、セクハラ発言などの相談があったところでございます。
次に、臨時職員を含む女性職員が1人である職場は、主に清掃事務所や清掃工場、農業支援センターや下水道の水処理センターなど出先の職場に見受けられるものでございます。
◆小倉菜穂子 委員 パワハラのことではないのですけれども、私としては、3年前にこの委員会でセクハラについて初めて伺ったことがあります。そのとき、件数は10年間で出していただいたのですが、セクハラ相談は1999年から2009年までで40件だと答弁をしていただきました。昨年の相談件数は、今、8件と伺って、一概にそれだけで比較はできませんけれども、昨年のセクハラについての相談件数はどちらかというと多かったのかなというふうに私はその数字を読み取りたいと思います。また、パワハラについては初めて伺いましたが、10件ということです。それから、女性職員が1人という職場も、出先のところが中心ということですが、複数あるということで、私としては、例えばセクハラやパワハラなどについてひとりで悩んでいたりすることはないのだろうかとか、相談できる人がいるのだろうかということが気にかかるところです。私は、実際にはどれくらいの人が悩んでいるのか、そうした経験があるのか、それらのことがわからない中でいつもお話しするので、8件や10件というのが多いとか少ないという判断が非常に難しいなというふうにいつも感じているところです。ですから、実際はどれくらいかというところを私自身も知りたいと思いますし、札幌市としてもこれから知っていくべき事柄だろうと思っています。
そんな中、厚労省の委託を受けました職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループがありますが、ことし1月に職場のパワハラの定義と具体例を提示し、3月には職場のパワーハラスメントの予防、解決に向けた提言をまとめております。同省が明文化しましたパワーハラスメントの定義は、ちょっと読みますと、「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」というふうに定義しています。パワハラの影響は、メンタルヘルスを初めとして、組織から内部を破壊する危険性が潜んでいるというふうにもしています。国が初めて公式にパワハラについて見解、定義をしたことの意義というのは、私は大変大きいと思っています。業務上の指導などとの線引きが難しいということで、これまで対応も困難というふうに言われてきましたし、実際にはなかなか難しいと思いますけれども、今月10月1日に厚労省が開設した「みんなでなくそう!職場のパワーハラスメント」というポータルサイトにおいて、そのあたりをわかりやすく説明しています。
そこで、質問ですけれども、今述べましたように、国のこうした提言などもなされておりますが、今、札幌市ではパワハラまたはセクハラの予防にどう取り組んでいるのか。また、しっかりとした予防の取り組みを進めるためには、私は、非常勤職員の方々も含めて全職員にアンケートなどを行って、きちっと実態を把握すべきというふうに考えますが、その点について伺いたいと思います。
◎谷江 職員部長 現在行っているパワハラ、セクハラの防止の取り組みとアンケートの実施ということでございます。
セクハラ、パワハラなどにつきましては、職場における重大な人権問題であるばかりではなく、良好な職場環境を阻害することで仕事の能率を低下させる原因となる場合も多いため、その防止につきましては組織全体で取り組む必要があると認識しております。そのため、新採用職員のテキストや各局・区の庶務担当部長、課長を集めて例年行っております服務管理員等連絡会議のテキストにハラスメントの防止対策に対する記載を盛り込むなど、各種研修等のさまざまな機会をとらえて意識啓発を行っております。特に、服務管理員等連絡会議のテキストでは、委員のお話にあった厚生労働省の円卓会議や提言として取りまとめたパワーハラスメントの行為類型についても触れまして、職員の理解を深めることをねらいとしてございます。
次に、ハラスメントの実態把握についてですが、今後の防止策を検討する上でも必要であると考えますけれども、こういったアンケートの実施に向けては、その調査項目や対象とする職員、さらに、匿名とするか、実名とするかなど、検討すべき課題も多いため、まずは他都市の実施状況等を調査研究していきたいと考えております。
◆小倉菜穂子 委員 行為類型などをテキストにまとめられたということで、そこは新たな取り組みとして進めておられるのだということはわかりました。
先ほど申し上げました国の提言というのは、事業主への留意点として、予防をするために、トップのメッセージ、ルールを決める、実態を把握する、教育する、周知する、そして、解決するためには、相談や解決の場を設置する、再発を防止するなどが挙げられています。そして、それらに早期に取り組むように求めています。ここにもありますように、その状況はもちろんハラスメントの実態を把握する中から見えてくるわけですが、相談したくてもできないとか、相談はしないといった方の理由も明らかになるものと考えます。今は、企業やほかの自治体などでも第三者による相談や調査を行っているところもあります。こうしたことも、アンケートなどをする中で今後の検討課題となるかもしれません。また、アンケートなどの調査をすると、これまで余りハラスメントを意識していなかった方々への周知にもつながるというふうに思っています。
中でも、札幌市は、今は非常にスリム化している行政組織だと思いますけれども、そこを支えている3,000人に上る非常勤職員や臨時職員の方に対してハラスメントに関する細心の配慮が不可欠だというふうに思っていますが、実際にはそうなっていないという現状もあるように聞いているところです。
そこで、質問です。
現在勤務している職員、新採用の職員はもとより、先ほどの答弁の中でも新採用の方のテキストの話がありましたが、また非常勤職員の方々も、すべての職員に対してパワハラ、セクハラなどに関する相談窓口の周知など、一人一人にしっかりと伝えることが重要だと思いますけれども、現在の取り組みと今後について伺いたいと思います。
また、1993年3月にセクハラの要綱が策定されていますが、その中を見てみますと、対象となる職員の範囲などは一切規定されていないといったことを初めとして、私は改善すべき点が多々あるというふうに思っています。早急に見直しが必要と考えますが、どうか。
また、ほかの複数の自治体はパワハラについても既に要綱を策定しています。今回、国のパワハラの定義なども明らかになりましたから、こちらもあわせて策定を急ぐべきというふうに思いますがいかがか、伺います。
◎谷江 職員部長 周知に向けた現在までの取り組みと今後について、また、セクハラ防止要綱等についてでございます。
先ほども申し上げましたが、職員部では、人事課の専用電話、職場の悩み事相談室、健康相談室の三つの相談窓口を設置しておりまして、その手法も面談や電話、Eメールによる相談が可能となっております。これにつきましては、新採用職員のテキストや服務管理員等連絡会議のテキストで周知してございます。また、セクハラの相談についてはイントラネットの職員部のページにも掲載しているところでございます。
今後につきましては、パワハラに関する記載もイントラネットに掲載するなど内容の充実を図るとともに、非常勤職員等も含めまして、職員に漏れなく認知されるよう、さまざまな機会を通じて相談窓口の周知を図っていきたいというふうに考えております。
また、セクハラ防止要綱の職員の定義でございますが、確かに明示されていない状況にはなっておりますけれども、当然に非常勤職員や臨時職員も含めたものとして運用しております。さらに、パワハラに関する要綱の制定につきましては、今後、国の法制化や他都市の動向などを見きわめながら検討していきたいと考えておりまして、その動きにあわせまして、セクハラ防止要綱の改正についても検討していきたいというふうに考えております。
◆小倉菜穂子 委員 特に最初の質問ですけれども、非常勤や臨時の職員はお仕事をされる期間が非常に短いケースなどもありますが、働くためのいろいろな条件を書いた紙などを見せていただくと、なかなかそこまで伝わらないだろうなというようなことを実際に感じます。今、きちっと周知されていくということでしたので、そこのところはぜひしっかりとやっていただきたいというふうに思います。先ほどの要綱のことは最後に言いますが、ハラスメントに悩む状況というのは、職員本人、そしてご家族にとっても、一言で言えることではないほど大変つらいことであると思うのですけれども、組織においては、やはり、士気の低下を招いたり、ひいては
市民サービスの低下につながるなど市政運営においても大きな影響を及ぼすことから、今後は、その予防にしっかり取り組んで、すべての職員が生き生きと働ける職場環境を整備していただきたいというふうに思います。
また、女性の臨時職員が1人という職場があることについては、先ほども言いましたが、職場で気軽に悩みを相談できない状況があるのではないか、そして、皆さんはここから離れた場所でお仕事をされているということでもその辺が気になりますので、簡単なことではありませんけれども、人員の配置のあり方なども今後の課題として受けとめていただきたいというふうに思います。
最後に、要綱の見直しについて、3年前にも同じようにぜひ見直してくださいと申し上げたら、そのときは他自治体の状況を見て検討するという答弁でした。この間、私もほかの自治体の要綱を確認しています。そうしましたら、やはり、時代に合わせて内容が随分充実してきています。すぐに見られますので、ぜひ参考にされて――そこには書いていないけれども、職員は全部を対象にしていますということでした。しかし、自治体によっては、パワハラやセクハラを、職員の間だけではなくて、例えば職員と市民との関係の中でも位置づけようとしていることが書かれている自治体などもありました。いろいろなものがたくさんあると思いますので、私はそれが一番いいかどうかはわかりませんけれども、そうしたこともぜひ参考にされて、今度こそ見直していただくことを求めまして、質問を終わりたいと思います。
◆阿部ひであき 委員 私からは、本市職員の懲戒処分のあり方について、簡潔に質問したいと思います。
本市では、今年度に入ってから、職員の非違行為などに対する懲戒処分が7件行われております。さらには、先日、10月1日には職員が盗撮容疑で逮捕されるという事案も発生し、相変わらず不祥事が後を絶たないというふうに感じております。今回、私は、平成20年度までさかのぼりまして、改めて非違行為と懲戒処分のあり方を検証しましたところ、まず、主な非違行為は、酒気帯び運転、無断欠勤、わいせつ行為や万引きを含む窃取行為、さらには、ストーカー的な脅迫メール送信などが挙げられます。一方、これらに対する懲戒処分の内容を見ますと、免職に至る行為は、平成20年度以降、懲戒処分は全36件ありましたけれども、そのうち8件であり、停職処分は17件、ほかは減給、戒告でありました。
ただ、ここで言えることは、あえて具体例は挙げませんけれども、私は非違行為の内容とちょっとかみ合わない処分があるのではないかと感じております。正直、甘いのではないのかなというふうに思います。現に、市民からも、その処分の甘さを指摘する声が市役所内に多数寄せられていることも周知のとおりであります。
そこで、早速、質問でありますけれども、事件によっては処分のあり方が甘いという批判の声を受けて、その件について、本市としてどうとらえているのかというのが1点目です。
2点目は、処分のあり方を含め、今後、事件を未然に防ぐ対策をどう講じていくのか、伺いたいと思います。
◎谷江 職員部長 まず最初に、委員の質問にもございましたが、先日、西区の職員が逮捕されるという不祥事が発生しました。これまで不祥事防止の取り組みを進めていた中で職員が逮捕されたことは、職員の服務管理を所管する立場といたしまして、まことに遺憾であり、今後、しっかりと事実確認を行いまして厳正に対応していきたいというふうに考えております。
さて、質問は2点ございました。
懲戒処分の内容につきましては、個々の事件の内容、被害の程度、社会に与える影響や非違行為後の対応を含めて総合的に精査して決定しております。これまでの処分の内容につきましては、妥当なものであったと認識しているところでございます。
次に、不祥事防止対策についてでありますが、今年度は、去る5月16日に懲戒処分に関する透明性の確保と、職員の服務義務に対する理解を高め、職員の非違行為を未然に防止するとの目的から、懲戒処分の指針を新たに作成したところでございます。また、その指針の内容や、直近の不祥事事例と再発防止策のポイントなどにつきまして、すべての職場において研修の実施とその結果報告を義務づけております。この研修につきましては、私ども職員部も講師として各局に出向き、直接、訴えるなどの取り組みを進めております。こうした取り組みを継続して行っていくことで、職員の服務規律確保に向けてさらなる意識づけを図っていきたいというふうに考えております。
◆阿部ひであき 委員 私は、何も処分をすべて厳しくしろとは思っていないのです。ただ、ここで本当に取り上げなければならないことは、やはり、いかに防ぐかということだと思います。私は、処分の甘さを指摘する声には真摯に耳を傾けて、処分のあり方をその都度検証することは必要であると思いますし、何よりも、職員が非違行為に至らないために、ふだんから何が必要かということを考えて取り組んでいくことが大切なことではないかというふうに思います。
先ほど5月16日付の懲戒処分の指針を作成したということでありますので、私は、この懲戒処分の指針についても目を通してみたところであります。その指針の中で、目的には、職員の服務義務に対する理解を高め、職員の非違行為を未然に防止するための懲戒処分量定を定めたいわば規律であるというふうにあります。そうだとすれば、例えば、秘密漏えいも、ストーカー行為も、強制わいせつも、酒酔い運転も、同じように免職または停職とするとなっていることは、一つ一つの非違行為に対する処分の甘さを感じるところであります。事案によっては情状酌量をする余地などないはずの事案も、そのほとんどが免職または停職なのです。こういうふうに定めた根拠は何なのか、甚だ疑問に思うところであります。私は、事案によっては厳しい処分を定めることも、職員の非違行為を未然に防ぐ一つの手だてではないのかなというふうに思います。実際には、そういった事案があり、非違行為があれば、一人一人の職員が市役所の看板を背負っているという意識を持ってもらうことが本当に大切なことであります。
また、この指針には、職員の不祥事に対する市長の対応も盛り込むべきではなかったのかなと思います。今まで、こうした事件において市のトップである市長の対応が余りにも見えてこない、こういうふうに感じるのは私だけではないと思います。
そこで、最後の質問にしますけれども、起きてしまったことに対して、同じことを繰り返さない防御の取り組みとして、こうした状況において、みずから襟を正し、綱紀粛正のあり方を含め、市長みずからが積極的に対応する取り組みは検討されないのか否か、伺います。
◎谷江 職員部長 不祥事防止に対する市長の取り組みということでございましたけれども、札幌市では、平成19年度に職員が立て続けに逮捕される実態が発生したことを受けまして、副市長を委員長とする不祥事防止委員会を設置したところであり、その後、毎年、各任命権者を集めた会議を開催いたしまして、全市一丸となって不祥事防止の取り組みを進めているところであります。また、特に社会的影響が大きいと判断される事件が起きた場合には、臨時の局長会議を開催いたしまして、その後の不祥事防止対策について改めて協議し、あわせて市長からの訓示も行っているところでございます。
不祥事防止に向けては、これという決定打はございませんが、研修を通じて法令遵守や公務員のあり方を訴え続けるなど、不祥事防止に向けた取り組みを繰り返し繰り返し行っていくことが重要であるとの市長の思いを踏まえながら、今後も、基本的には不祥事防止委員会を中核として、引き続き、さまざまな不祥事防止の取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
◆阿部ひであき 委員 今、特に社会的影響が大きいと判断される事件のときには市長が訓示を行ったこともあるという答弁でありましたけれども、やはり、組織のトップとしては、事件の大きい、小さいにかかわらず、不祥事をなくすという思いが先にあるべきではないのかなというふうに私は思います。市役所の名前、札幌市職員という名前がプレス発表等を通してマスコミに出る以上、個人的な問題としてはとても片づけられる問題ではないというふうに私は思うのですね。それを市長の言葉でもって職員にしっかり訴えていくと。例えばこの指針にも、そうした市長の決意あるいは取り組みを盛り込むべきではなかったのかなと強く感じるところであります。先ほども答弁にありましたが、せっかくつくった不祥事防止委員会を中核として取り組みを進めていきたいということでありますから、現段階では、これが形骸化しないようにしっかりやっていただきたいと思います。
もう一つは、今回つくったこの指針が本当にしっかり生かされることを念頭に入れて、改めて指針の内容を精査しつつ、また、非違行為を未然に防ぐ規範として、厳しくすることは毅然として厳しく定めておくことが必要ではないかということを改めて指摘させていただいて、私の質問を終わります。
◆三宅由美 委員 私は、海外派遣研修を通じた職員の人材育成について、1点のみ質問いたします。
世界に向けて発信するまち札幌を目指して、札幌市は、文化芸術分野、環境分野などに力を入れてまいりました。そのかいもあってか、国内では多くの分野で先進的な事業を多く行っている市として認められてきております。また、魅力度ナンバーワンにも選ばれているところです。
今、これらの分野では、国家間の交流ではなく、都市と都市が直接結びつく都市間交流が主流となっています。冬の都市市長会の実績や、これから加盟が予定されている創造都市ネットワークなど、札幌市は、国際都市として世界に認知される重要な局面に差しかかっていると思います。そのような状況の中、札幌市におきましては、より広い視野で市政運営ができる国際的な人材の育成が今こそ必要ではないかと考えております。
そこで、お尋ねしますが、海外派遣を通じた職員の育成については、現状でどのようになっているのか、お伺いいたします。
◎常野 自治研修センター所長 海外派遣を通じた職員の育成の現状についてご質問をいただきました。
今年度で申し上げますと、研修派遣として姉妹都市の大田市へ1名、外務省、自治体国際化協会などの他機関へ4名を派遣いたしております。また、研修派遣とは異なりますけれども、日中経済協会北京事務所に1名を業務派遣いたしているところでございます。それらを通じて国際的な人材の育成を行っているところでございます。
◆三宅由美 委員 姉妹友好都市との関係では、今年度はミュンヘン市との姉妹都市提携40周年の記念すべき都市であります。私は、市議会訪問団の一員として9月にミュンヘン市を訪れ、ドイツの先進的な環境・エネルギー施策や路面電車を中心とした交通施策、また、障がい児・者施設、外断熱建築などを視察する機会を得て、今後の施策を考えていく上で大変参考となったところです。このような海外のさまざまな分野における先進事例を学び合い、両市の施策に生かしていく機会が実際にまちづくりに携わる市の職員間にも必要なのではないかと、ミュンヘン市に滞在しているときに強く感じたところであります。
そこで、質問ですが、現在、大田市に職員派遣しているとの答弁がございましたが、姉妹友好都市との職員相互派遣について、今後どのように考えているのか、伺います。
◎今井 国際部長 姉妹友好都市との職員相互派遣につきましては、国際的視点や感覚を備えた職員の育成、姉妹友好都市間の人的ネットワークの構築等の観点から、昨年度より大田広域市と職員相互派遣を行っているところでございます。
来年度におきましては、ミュンヘン市との間で2カ月から3カ月程度の職員相互派遣を行い、両市間の交流の緊密化を図りますとともに、ミュンヘン市の環境等に関する先進的施策を迅速に収集し、札幌市のまちづくりに生かしていきたいと考えております。派遣の時期、期間など具体的な内容につきましては、今後、ミュンヘン市と協議を進めていくこととしております。
◆三宅由美 委員 ミュンヘン市との職員相互交流は2カ月から3カ月にわたるということですが、ぜひ実現していただきたいと思います。
次に、姉妹友好都市以外の海外派遣研修についてお尋ねいたします。
札幌市では、以前、調査するテーマを定めて海外諸都市へ職員が調査に出かけていくという形の海外研修を行っていたと承知しております。
そこでまず、この海外研修は、いつ、どのような理由で実施を取りやめたのか、お伺いします。
また、現在は実施されていない海外研修ですが、私は、環境や交通施策など札幌市が抱えているさまざまな課題を解決していくためには、やはり、海外の先進事例などを学ぶことのできる研修制度が必要ではないかと考えておりますけれども、そのことについてのお考えを伺います。
◎常野 自治研修センター所長 以前に実施いたしておりました海外研修を取りやめた理由は何かということと、今後の海外研修の必要性についての見解を問うというご質問をいただきましたので、あわせてお答え申し上げます。
ご指摘のございました海外研修につきましては、昭和45年から事業を始めまして、随時、その内容を見直しながら実施していたものでございます。平成19年度に事業の見直しを行った結果、職員の海外渡航が日常的になったこと、また、インターネットなどIT環境が充実してきたことに伴いまして、海外の情報収集がある程度容易になってきたことから、一たんの役割は終えたというふうに判断し、20年度以降は実施いたしておりません。
しかしながら、国際化の進展に伴います社会環境の変化や札幌市を取り巻く行政課題がますます多様化しております現在、自治体職員も、国際的感覚や視点を身につけて、それを仕事に生かしていくということが求められております。したがいまして、広い視野を持った国際的な職員を育成していくことの必要性は一層高まっているというふうに認識いたしております。
◆三宅由美 委員 職員の海外渡航が日常的になったことと、インターネットなどIT環境の充実という理由で取りやめたとのことですが、個人的な旅と業務として海外に行くのとでは職員の身につくものに大きな違いがあると思います。また、インターネットで得られる情報も重要ですが、インターネットでさまざまな都市の情報を得たとしても、確信をもってそれを市政に生かすということ、行動に移すということが果たしてできるのかどうか。やはり、自分の身をもってその都市の特徴なども勉強してくることが必要だと思います。
私は、インターネットだけでは限界があると強く感じているところです。札幌市が持つ実際の政策課題の解決に向けて調査を行うとするならば、やはり、現地に赴いて、互いに顔と顔を合わせて生の声を聞くことの意義は大変大きいと思います。まさに、百聞は一見にしかずです。したがって、必要性を認識されているとのことですので、海外研修をぜひとも早期に実現していただきたいと思います。また、国際的な視野を持った職員を育てること、これを図っていくことが、やはり、今、技術革新も本当にスピード感を持ってどんどん進んでいきますので、ぜひ職員にも海外の先進事例をしっかりと勉強していただきたいと思います。
◆ふじわら広昭 委員 私は、2項目について質問いたします。
1項目めは国際プラザについて、2項目めは空調機のフィルターについてです。
最初は、国際プラザについて質問いたします。
財団法人札幌国際プラザは、1991年、平成3年7月31日に北海道運輸局と北海道庁の許可を受け、設立され、公益法人として今日に至っております。主な事業としては、管理事業、機関誌の発行や国際プラザの賛助会員の加入促進、また、市民交流事業では国際交流事業、さらに、これ以外にもコンベンション事業やフィルムコミッション事業などを取り組んでおります。
2011年度、平成23年度の正味財産増減計算書を見ますと、経常収益は1億9,600万円、その内訳としては、基本財産約5億2,000万円の受取利息分が490万円、そして、基金が約12億円ありますが、この受取利息の一部である2,200万円が計上されております。また、札幌市の補助金としても約1億4,600万円、事業収益として1,600万円など、幾つかの経常収益の項目があります。また、経常費用では、事業費、管理費の合計が2億6,100万円となっております。経常収支と経常費用を差し引きますと、約6,500万円の収入不足となっております。この不足分につきましては基金の方から補てんしておりますけれども、正味財産の期末残高は、簿価上だと思いますが、約17億円となっており、これは、先ほど申し上げた基本財産の5億2,000万円と基金の約12億円を足したものがこの額に相当するわけであります。
そこで、質問の1点目でありますけれども、国際プラザが現在所有しております仕組み債の現状として、購入した仕組み債の数と購入額、額面額、償還期間、評価損益、利息はどのようになっているのか、まず伺いたいと思います。
◎今井 国際部長 国際プラザが保有しております仕組み債についてでありますが、同財団は仕組み債を5銘柄保有しております。購入額の総額は6億4,025万円となっておりますが、半期ごとに定期償還される商品も含まれておりますことから、平成24年3月末時点で額面額では総額で5億8,223万円となっております。
次に、償還の期間でございますけれども、5本の銘柄はそれぞれ20年から30年となっておりまして、満期におきまして元本が保障される円建ての債券でございます。
次に、評価損益についてですが、平成24年3月末時点で5,252万円余となっております。国際プラザが保有しております仕組み債は、満期まで保有することを目的としております。当面、資金化する予定はないものでありますので、この評価額は含み損であるものの、実損として生ずるものではないと認識しております。
次に、利息でありますが、平成24年3月末時点で899万円余となっております。
◆ふじわら広昭 委員 20年から30年物で5本あり、購入金額は約6億4,000万円程度であると。調べたところによりますと、今、部長からの答弁がありましたが、簿価額、時価、あるいは、評価損益については若干の増減がありますけれども、横ばいで推移しているのかなというふうに判断するところです。
しかし、運用益の利息を見ますと、平成23年度末では約900万円ぐらいの利息がついているわけでありますが、これは平成22年度と比較いたしますと、22年度は約1,400万円ぐらいの利息がついていまして、23年度は前年度の対比で64%程度の利息しかついていないわけであります。
改めて、こうした仕組み債を購入した理由と、仕組み債の利息の不安定性を踏まえた場合に、堅実に運用できる商品の選択肢があったのではないかと思いますけれども、この点についてどのように考えているのか、伺います。
◎今井 国際部長 仕組み債の購入に当たりまして、札幌国際プラザ資金運用規程の基準の範囲内で、国債等の金利などを考慮しながら、金融商品の性格やリスク等を総合的に勘案して購入したと聞いております。
また、堅実に運用できる商品の選択肢があったのではないかということにつきましては、国際プラザにおきましては、安全性の高い預貯金、国債、地方債の運用を中心としながらも、運用資金の一部を高い収益を期待できる商品に振り向けることで資金のより効率的な運用を実現させることが可能と判断し、仕組み債を購入したと聞いております。
◆ふじわら広昭 委員 ここは仕組み債を目的として質問しているわけではございませんけれども、いわゆる仕組み債とは、債券を担保にした金融派生商品、デリバティブを担保にしてやるわけであります。こういう商品を買う場合、買う側にとっては、発行者にとっての資金調達コストが投資家にははっきりわからないこと、あるいは、複数の金融機関や証券会社がこれに加わってくるわけですが、販売会社にとってはまとまった販売手数料が入ること、また、先ほどの金融派生商品の提供者にとっては、ヘッジポジションによるトレード利益が入るというメリットがあります。投資家にとっては通常の債券で得られないキャッシュフローが得られる可能性もありますけれども、
デメリットとして、複雑ゆえに評価が難しいことなどいろいろ挙げられるわけであります。
そういう意味では、平成19年度、2007年度に札幌市が策定いたしました札幌市出資団体改革プランの中では、国際プラザとしても、2010年、平成22年度から2014年度、平成26年度の5年間で、基金が12億円ありますが、2億5,000万円を取り崩すことが大きな宿題となっているのであります。先ほどの部長の答弁にもありましたように、基金の運用益は昨年度で約2,200万円あって、その全額が事業費というか、経常収支の中に計上されているというふうに推測するわけであります。しかし、平成26年度までの5年間で、こうした基金は実際のものがどんどん減っていくわけでありまして、今からしっかりとした事業の運営を模索していかなければいけないのではないかと思うわけであります。
そこで、国際プラザの自主事業と委託事業について質問したいと思います。
平成22年度や23年度の札幌国際プラザの自主事業収入を見ますと、平成22年度は約320万円、23年度は470万円となっておりまして、23年度が伸びた理由の一つとして、国際会議が地下鉄の一日乗車券を買ったことが150万円のプラスになった大きな要因となっております。国際プラザは、営利を目的とした団体ではありませんけれども、冒頭に指摘したようなことを考えれば、これから国際プラザとしても自主事業や委託事業にもう少し積極的に取り組んでいく必要があるのではないかと思います。
そこで、国際プラザの今年度の自主事業と委託事業の現状と今後の見通しについてどのように踏まえているのか、伺いたいと思います。
◎今井 国際部長 国際プラザの今年度予算におきまして、事業参加料収入や広告料収入といった自主事業収益で214万5,000円、受託事業収益で482万円を計上しておりますが、当初予算で見込んだこうした事業以外にも、公的機関や団体から複数の事業を受託しているところでございます。
国際プラザは、今後も自主事業及び受託事業の収益をふやすために、積極的に財源確保対策に取り組んでいく意向であるというふうに聞いております。
◆ふじわら広昭 委員 部長は、間接的に答えるので歯切れのいい答えができないのはわかりますが、例えば、受託事業も平成22年度は3事業、平成23年度は8事業になって、ふえた5事業は札幌市国際部からの分ということになります。いろいろ努力されていることはうかがえますけれども、今日までこうした自主事業が少なかったり、委託事業も少なかったという状況があるのですが、その原因についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
◎今井 国際部長 国際プラザは、公益財団法人でありまして、一定規模の財源や人員などの経営資源をその設立目的に沿った公益目的事業に充当せざるを得ない側面がございます。
しかしながら、国際プラザは、今後の事業展開におきまして、財団みずからの財源を獲得し、自立した事業を実施していくことが喫緊の課題となっていることを十分認識しており、今後も、自主事業の推進のほか、施設管理を初めとする受託事業の獲得などに努めまして、財団の財政基盤強化を図っていく方針であるというふうに聞いております。
◆ふじわら広昭 委員 確かに、国際プラザ自身の努力も大事でありますが、やはり、札幌市としての適切な指導、また支援も必要だと思います。この点についてはどのように考えているのか、伺いたいと思います。
◎今井 国際部長 札幌国際プラザは、国際都市さっぽろの実現のため、市民の国際交流の拠点としてこれまでも中心的な役割を果たしてきており、国際化の進展に当たりまして、財団の役割はますます大きくなると認識しております。
札幌市としましては、国際プラザの自主性・自立性を高めるため、国際プラザの専門性を生かした寄附金や協賛金の獲得のほか、自主事業及び委託事業の拡大に向けての取り組みに着手するよう指導・助言を行っていきたいというふうに考えております。
◆ふじわら広昭 委員 ぜひとも、札幌市国際部として適切な指導や支援も考えていただきたいというふうに思います。
次に、この項目の最後の質問でありますけれども、市民などを中心とする今後の姉妹都市との交流のあり方でございます。
最近では、大田市を含めて5都市が札幌市と姉妹都市交流の調印をしているわけであります。
質問の1点目は、この間、姉妹都市交流にかかわった市民などがたくさんいらっしゃると思いますが、訪問団に加わった市民の継続した活動の取り組みはどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
◎今井 国際部長 国際プラザは、設立以来、海外諸都市との交流促進と国際的な人材育成など、市民の国際交流の拠点として中心的な役割を担っております。そうした市民交流の一層の促進を図るため、国際プラザでは、姉妹友好都市の市民交流活動にかかわった方々を財団の賛助会員に勧誘し、情報の提供や活動の支援を行ったり、あるいは、メーリングリストの活用により、姉妹都市協会の会員団体に対して情報を提供するなど、継続的に交流活動に参加していただけるよう取り組んでいるというふうに聞いております。
◆ふじわら広昭 委員 姉妹都市交流に参加した人、参加しない人も含めて、個人で賛助会員に加入している方は約600人前後だと思います。そして、企業数、団体数としては160団体ぐらいが現状ではないかというふうに踏まえております。
私は、以前もポートランドの周年行事に参加させていただいたことがあります。そこでは、向こうの方との交流の中でいろいろな意見交換をいたしました。ご承知のとおり、ポートランド市は約20の都市と姉妹都市交流の調印をされているということでありました。どのような運営をしているのかといいますと、例えば、札幌と姉妹交流を希望する団体、市民が日常的に活動をしながら、受け入れや訪問のときも、市が前面ではなくて、そうした団体が取り組んでいるということであります。これを一気に札幌市に持ち込むことはできないにしても、これからの交流のあり方というのは、そうした視点を大切にしながら行く時代に来ているのではないかというふうに思うわけであります。
そういう視点に立って、5都市と姉妹都市の調印を結んでおりますけれども、この5都市と姉妹都市提携を結んでいることをわからない市民もまだたくさんいらっしゃるのではないかと思うのであります。そこで、今後どのような周知をしていく考えなのか、具体的な取り組みなどがありましたら、ぜひ、この間の取り組みも含めて考え方を伺いたいと思います。
◎今井 国際部長 姉妹友好都市との交流のPRについてでございます。
広報さっぽろやホームページによる情報発信を初めとしまして、ミュンヘン・クリスマス市 in Sapporo、姉妹友好都市を紹介するパネル展、国際交流員によります姉妹友好都市を知るセミナーの開催、また、今年度は、新たに小学3・4年生を対象としたミニさっぽろでの姉妹友好都市交流の紹介を行うなど、さまざまな事業、機会を通じてPRを行ってきているところでございます。
今後も、姉妹友好都市に対する市民の理解を高め、交流事業に関心を持っていただくよう、姉妹友好都市との交流PRを積極的に行っていきたいというふうに考えております。
◆ふじわら広昭 委員 要望を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
先ほど、財源問題も指摘いたしましたし、それを少しでもカバーするためには、国際プラザとして自主事業や委託事業にしっかり取り組んでいただく、あるいは、内部の効率化にも取り組んでいただくことが必要であります。また、姉妹都市との今後のあり方を知っていく意味では、幅広いPR活動など、どういった取り組みをしているのかということも市民の皆さんに周知していくことも必要でしょう。また、直接は訪問しなくても、例えば、何かの絵とか、交流をした学校があると思うのですね。そういうものは今は個別の取り組みになっておりますが、もう少しそれを総合的に結びつけるような取り組みが必要ではないかと思います。
いずれにしても、財源の問題、そして、それにかかわる自主事業、委託事業をどういうふうにふやしていくのか、また、今後の交流のあり方をどう進めていくのかというのは国際プラザの大きな課題でありますし、今は市の幹部の方がそこの副理事長として存在しているわけでありますから、専門的な知識や経験で国際プラザの基盤をこれからしっかりとつくっていくために、国際部としてもきちっとした指導を要請させていただきたいと申し上げまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
次は、本庁舎でも使用されております空気調和機、いわゆる空調機のフィルターの質問であります。
ことしの予算議会でも取り上げ、その中で、一つ目には、市場調査の結果、114社にアンケートを送付して、75%に当たる85社から回答があり、本庁舎で使用しております一つの名称であります中・高性能エアフィルターを取り扱っているのは31社であることが明らかになったわけであります。これは、最低20者がなければ適切な入札ができないという札幌市の入札条件をクリアしている状態であると言えます。二つ目には、製造メーカーは、ガラス繊維や化学繊維の両方をつくっている、その販売店の取扱量は75%が化学繊維であるということが明らかになったわけです。三つ目には、ガラス繊維及び化学繊維のどちらかに限定されると経営に支障を来すというのは、中・高性能エアフィルターを取り扱っている31社中7社であることも明らかになりました。その理由としては、限定されると公平性、競争性を損なわれるという意見が7社から出ているわけでありますけれども、この間の議論でも指摘したように、ここ数年来は1者しか入札に応札してきていない状況であります。四つ目として、部長から、改善点としては、JIS規格以外、例えばアシュレイなどの基準も取り入れたり、枠の寸法やフレームの寸法などの情報提供、納入を予定している製品の現品の位置づけなどについても改善していきたいということでありました。また、今後の課題としては、納品する製品の試験結果、いわゆる第三者機関ということが、この間、仕様書にも位置づけられてきたわけであります。また、リサイクルのあり方、そして、環境を重視した製品の仕様判断が今後の課題となるのであります。
そこで、最初の質問であります。
仕様書における第三者機関とは、自社工場など、あるいはグループ会社などがやっている何らかの研究機関、検査機関がありますが、私はそういったものは含まないというふうに思いますけれども、札幌市としては、仕様書における第三者機関とは具体的にどのようなものを位置づけているのか、伺いたいと思います。
◎渡邉 行政部長 仕様書における第三者機関とは具体的にどのようなものかということでございますが、仕様書に示しております性能試験及び難燃性の試験を行う技術力を有し、実績のある者を第三者機関と考えてございます。自社の検査部門というのは、やはり、第三者機関には当たらないだろうと考えているところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 そのように確認させていただきます。
二つ目の質問は、いろいろ調べていきますと、この間、札幌市の基準もいいところを使ってやってきたかと思うのですが、一般社団法人公共建築協会というところがあります。主に、国に製品を納める場合、事前に国土交通省の営繕部に納める製品の検査を届け出るわけですが、そのもとになるのがこの一般社団法人公共建築協会であります。ここの公共建築工事標準仕様書に適合しているという評価は、第三者機関の試験と同等に扱うべきではないかと思うのですけれども、この辺について伺いたいと思います。
◎渡邉 行政部長 一般社団法人公共建築協会の評価書で評価されました製品は、公共建築物工事標準仕様書に適合する品質、性能が確保されていると認められておりますために、第三者機関の試験を受けたものとみなすことができると考えているところでございます。
したがいまして、本庁舎のフィルター仕様に合致する製品が評価されている場合には、評価書及び性能一覧を提出していただくことで特に問題がないと考えてございますので、今後、検討してまいりたいというふうに考えております。
◆ふじわら広昭 委員 第三者機関という位置づけについて、2点ほど確認してきました。
きょうは結論は求めませんけれども、私も、この夏に日本空調機協会にお邪魔してまいりました。ここでも検査をメーカーなどから依頼された場合には受けておりますけれども、独自の検査機関を設けているわけではなくて、同じフィルターを製造しているメーカーの研究室に委託をしているのであります。ですから、私は、製造メーカーがどこかで性能試験を受けて、それを公共建築協会に持ち込む場合には、日本空調機協会に依頼したものは余りふさわしくないと思います。本来であれば、大学など、そうした機関でやるのが適切だと思いますが、そこについては、私どもとしても、さらに調査をして問題提起をしていきたいというふうに考えております。
三つ目の質問としては、以前の質問でもありましたように、これまで札幌市が発注してきた仕様書では、他の販売店、メーカーなどでは枠の外寸、内寸等が明確になっていないところもあって、そういう商品をつくれる自信はあっても、3日間以内にそうしたものを提示するようにとか、そうした状況では対応できないということが言われてきたわけであります。そして、前回の質問でも、部長から、わかりづらいところがあれば手直しをしていきたいという趣旨の回答がされているのであります。
そこで、新規参入者でも対応しやすいように、ホームページなどで事前に品質確認ができる項目を掲載すべきではないかと思うのですが、どのように考えているか、伺いたいと思います。
◎渡邉 行政部長 空調フィルターの購入に当たりまして、製品の寸法あるいは性能の規格など、必要な項目を事前に公表して掲載するということは、より一層の競争性を確保する上で重要な手段の一つと考えてございますので、具体的な情報提供の内容や手法については、ご指摘の内容も含めまして、今後検討してまいりたいと思います。
◆ふじわら広昭 委員 次は、今後の課題の一つでありますリサイクルの問題であります。
以前から指摘してきましたように、ガラスは、今までは産業廃棄物として埋め立て等をしておりますけれども、不織布という化学繊維につきましては、これを高炉還元剤などとして有効活用できるわけであります。今後は、仕様書にリサイクル可能な製品であることを明記することがありますけれども、特に、ガラス繊維フィルターのリサイクルの手順について、札幌市としてはどのように考えているのか、伺いたいと思います。
◎渡邉 行政部長 ガラス繊維フィルターのリサイクルに関しましては、今年度から、新たに、使用済み空調フィルターを産業廃棄物の収集・運搬許可を取得している販売代理店が下取り、最終処分業者のセメント製造プラントに運搬して資源化できるようになったところでございます。
札幌市といたしましては、収集・運搬に関しては事前に運搬車両や運転手について必要事項を提出させることとしており、また、産業廃棄物管理表、いわゆるマニフェストのA表とE表の写しを徴取いたしまして排出量と最終処分の完了を確認することとしてございます。
◆ふじわら広昭 委員 リサイクルをすることについてはいろいろな手法がありますけれども、今、部長から答弁がありましたセメント製造プラントでのものの中では、確かにガラスくずなども原料の中にまぜるようになっております。ただ、私どもが調べた中では、1,500度ぐらいのセメント会社の高炉の中ではガラスは燃えないのです。これは溶けるだけなのですね。皆さんも、例えば小樽などのガラス工房を見学したことがあると思いますが、あそこでは、1,200度から1,300度ぐらいの温度でガラスの原材料を溶かしてグラスとかいろいろなものをつくっています。それより200〜300度高いということではありますけれども、フィルターのガラス繊維にしても燃えるということはないです。どろっとするだけなのですね。そして、どこか冷たいところに出てくると、どろっとしたようなものが残るわけであります。私は、今後も調査しようと思っておりますけれども、リサイクルができるからといって、こうしたセメントのプラント工場に使わなくなったガラス繊維のフィルターを持ち込むことが果たしていかがなものかというふうに問題を指摘しておきたいと考えております。
今までの質問の中で、幾らか改善されてきたところもありますが、これは、やっぱり総務局庁舎管理課だけにとどめておいてはいけないと思います。改善点などについては、市有施設全体に普及していくことが必要だと思うのですけれども、一番多く使っている総務局庁舎管理課としてどのようなことを考えているのか、伺いたいと思います。
◎渡邉 行政部長 施設の維持管理につきましては、もちろん、それぞれの庁舎管理者の権限において行うことではございますけれども、さまざまな情報を市有施設の管理者の間で共有するということは、効果的・効率的な施設管理をする上で重要なことというふうに考えております。これまでの仕様変更につきましては、より一層の競争性の確保、あるいは環境負荷の低減といったことを考慮したものであり、積極的に情報を提供してまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 次に、本庁舎の中で使われているフィルターの使用箇所と使用枚数、また、昨年の交換枚数と現在の在庫枚数はどのようになっているのか、伺いたいと思います。
◎渡邉 行政部長 使用箇所につきましては81カ所、全使用枚数は337枚、昨年の交換枚数は280枚で、現在の在庫数は368枚となってございます。
◆ふじわら広昭 委員 そうすると、翌年度などからの玉突きによって、予備のものもあると思いますが、1年間に使う枚数以上に在庫枚数があるということは、今まで、ある意味では必要枚数以上に購入をしていたということも読み取ることができるわけであります。
今までは、毎年、一定の時期に全部の枚数を交換していたと思いますが、効率的な維持管理をするためには交換時期やフィルターの詰まりぐあいなどをあらわす管理値によって一つの判断がされると思いますけれども、この点について、今、本庁舎ではどのように扱われているのか、伺いたいと思います。
◎渡邉 行政部長 ご指摘のとおり、昨年度までは、よりよい執務環境を確保するために、フィルターの詰まりぐあいをあらわす管理値を超えない場合でも1年ごとに全数を交換していたところでございます。現状としては以上でございます。
◆ふじわら広昭 委員 そちらから空気を吸い込む差圧の数値をいただきましたが、それをグラフ状にいたしますと、1年近くそれを使うと、目詰まりして一定の基準値を超えてしまったり、その近くになったりしますね。交換をすると、新しいものですから空気の流れがある程度普通になっていきます。低層階、中層階、高層階のデータをいただくと、取りかえた時点では下がっていますけれども、その月によっては横ばいと。これは、極端に上がることもあるかもしれませんが、横ばいということもある程度は理解します。しかし、専門家に聞くと、下がるということはあり得ないのですね。なぜ、下がるかというと、極端に言うと、空気がどんと一回抜けてしまうのです。本当は、大気中からいろいろな不純物が来ますから、だんだん目詰まりして、差圧はグラフ上で数値がだんだん高くなっていきますけれども、上がったり下がったりしている。これは、専門家に聞きますと、私も前に指摘をしたように、今の札幌のフィルターは枠ごとそっくり交換ではなくて、枠は残してフィルターだけを交換している。そうすると、詰めてはいるけれども、枠とフィルターの間に微妙にすき間があって、そういうところから空気が抜けていってしまってこういう現状が生じているということです。
何カ月に一回、空気測定はしているようでありますが、やはり、これも今後の課題として指摘しておきますけれども、札幌市としては、フィルターだけ交換するのではなくて、製造の段階から空気が漏れるようなことは今より少ないものにしていかなければいけないというふうに思います。これは、来庁した市民や職員や我々議員のところにも換気口からその空気が流れてきているわけでありますから、今後もまたそういうやりとりをしていきたいというふうに思います。
最後の質問であります。
ガラス繊維は洗浄できませんけれども、先ほど、不織布は洗浄可能であるということで、リサイクルした不織布は大体2倍から3倍ぐらい使えるということであります。私もいろいろ調べてきましたが、つくっているメーカーが保障するのではなくて、全国各地に10カ所程度の洗浄メーカーがありまして、その洗浄メーカーが、例えば、うちはこれを洗ってもあと何年保障しますというふうに保障しているところが大半であります。私は、同じリサイクルではありますけれども、セメント工場に持っていってリサイクルするよりも、洗ってもう一回使う方が経費の節減につながっていくというふうに思います。今後、環境に優位性のある不織布だけに、札幌市としてはこれに限定する時期に来ているのではないかと思いますけれども、考え方について伺いたいと思います。
◎渡邉 行政部長 環境負荷の低減につきましては重要なことではございますけれども、本庁舎のフィルターにつきましては、その性能が捕集率90%以上というものがほとんどでございまして、その性能の不織布を洗浄した場合には、その性能、あるいはほかの規格を含めて保障しているメーカーについては残念ながら承知していないところでございますので、洗浄による再生使用については現在考えていないところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 それは、私が調べたところによると、そういうことがあって、極端な言い方をすると、担当している課の方では一方的に特定の業者の情報しか仕入れないでいるからそういう情報にしかならない。だから、中・高性能フィルターではずっとガラス繊維を使っているわけです。ですから、もう少し幅広く情報を収集する必要があります。今、部長は捕集率が90%以上のものになっていると言っていますが、確かに仕様書では90%以上となっているのかもしれません。ただ、先ほど申し上げたように、差圧の数値では、新しく取りかえると、目詰まりしたものが新しいものに変わりますから、一たんはごみをきちっとたくさん拾いますね。しかし、それが一定程度続いたら、がくっと下がったりして何回か上下する。これはいわゆるすき間から漏れているということなので、これで果たして90%以上の捕集率が保たれているのかどうか、非常に疑問なところがあります。
そこで、総務局長にお伺いしたいのです。
環境面も大事にしなければなりません。総務局長はこの春まで環境局長をされてきましたが、今ここで明言する必要はないとしても、私は、なるべく早い時期にそうしたことを判断する時期に来ているのではないかというふうに思うのですけれども、局長としてはどのようにお考えか、伺いたいと思います。
◎若林 総務局長 ただいま、フィルターの不織布の使用について、環境面からのご指摘も踏まえて、どう考えるのかというようなお話がございました。
環境面からの観点も含めて、不織布によるフィルターの使用について、この議会の中でさまざまな議論があり、ご提言があったことは私も承知しているところでございます。それらの議論を踏まえまして、私どもとしても、材質については、ガラス繊維のものに限定せずに、不織布のものも含めたり、あるいは、性能規格や製品寸法を指定する仕様書の改善を図るなど、対応をとっているところでございます。また、今年度からは、先ほどからもお話がありましたように、仕様書にリサイクル可能な製品であることを明記しているところでございまして、私どもとしては、これらにより、公平性あるいは競争性が担保されるような取り組みを図っているつもりでございます。
したがいまして、今後もこうした取り組みをさらに続けることについてご理解いただければというふうに思っております。
◆ふじわら広昭 委員 ここの部分は議論が平行線になるわけでありますが、ガラス繊維は、水で洗ったらガラス繊維が全部ばらばらになってしまって、洗う場合の水の処理の仕方も法律で規制されております。しかし、不織布、化学繊維は、処理の仕方は法律である程度拘束されていますが、ガラス繊維のようなことはないわけであります。そして、少なくとも何回か使えることを考えると、札幌市の財政状況などを含めれば、確かに小さい額かもしれませんけれども、やっぱりそうした判断をしていかなければいけないというふうに思います。
次回にはそうした判断をしっかりしていただくようなやりとりを行いたいというふうに申し上げまして、質問を終わります。
◆木村彰男 委員 私は、姉妹都市との交流について、出張旅費について、職員の不祥事について、山元町に派遣された職員の健康管理について、東京事務所等についてお聞きします。
上田市長、ご多忙のところ、委員会にご出席いただきまして、ありがとうございます。
私のさきの代表質問で、上田市長は、中国瀋陽市との姉妹都市関係につき、日本と中国の政府間に緊張が高まっているこのようなときにこそ、自治体間及び民間レベルでの交流においては冷静な対応が求められるとした上で、瀋陽市との交流事業を推進し、相互理解に根差した友好関係を構築していきたい旨、述べておられます。私は、この発言を受け、国際部に対して、中国瀋陽市、韓国大田市との姉妹都市締結の話し合いの中で、相互の歴史認識、戦後和解の考え方、そういうことについてトップ同士でどのようなお話し合いが交わされ、また、コミュニケとして確認されたのか、それをお聞きしました。しかし、瀋陽市は既に姉妹都市締結が30年以上も前ということで、関係者もなく、コミュニケにもその痕跡をうかがうものはないというようなお答えでした。さらに、私は、最近、姉妹都市として交流を始めた韓国大田市のことをお聞きしましたが、共同声明や締結約定の中でそれをうかがうことはできませんでした。そこで、当事者の上田市長は、大田市長とどのようなお話をし、歴史認識を共有したのか、また、日本の戦後和解につき、そのご見解を伺いたいと思い、本日、お越しいただいた次第でございます。
まず、上田市長にお伺いいたします。
市長は、日本と韓国の歴史認識、とりわけ、36年間の日本統治及び昭和40年、1965年の日韓条約について、大田市長とどのような歴史認識を共有されましたか、お聞かせください。
◎上田 市長 大田市の廉市長には、2004年に初めてお目にかかりまして、一昨年の姉妹都市提携まで約7年の間に何度かお目にかかってお話をさせていただいております。その際に、私は、市長になる前からもそうでありますけれども、外国の方とお話をする際には、自分の態度というものは必ず冒頭で明らかにさせていただくことを習慣としておりまして、特に、韓国、中国の皆さん方とお話をする際、市長という立場になってからはここのところが一番大事なところですので、第二次世界大戦、それから、それ以前の日清戦争以来、あるいは日韓併合、こういうふうなことについてどう考えるかということについてはしっかりとした自分なりの見解を申し上げているところであります。
その上で、特に、韓国につきましては、植民地支配というふうな認識といいますか、これははっきり申し上げなければなりません。その間、戦前ではありますが、大変な苦痛、あるいは、民族としての自尊心を傷つけたということは、私は戦後生まれでありますので直接おわびをする立場ではないかもわかりませんけれども、我々の政府がそういう歴史的な負の遺産を我々自身に与えていることについてはしっかりと反省をしなければならない、そういう意味での認識を持った上でおつき合いをしなければならないという考えを持っていますということは、しっかりと申し上げているところであります。
また、姉妹都市提携に当たりましては、コミュニケのような文書で何らかの合意をする、あるいは、認識を共有したというような合意文書をつくったわけではございませんけれども、札幌で姉妹都市の締結式をした際のごあいさつの文案をつくる際に、そのことを明確に申し上げるということで私はごあいさつを申し上げました。それは、支配をしたことについて我々はしっかりと反省しなければならないということを申し上げて、それに呼応して、廉市長が、その気持ちはわかった、未来志向で行こうではないかというふうな返答のごあいさつがございまして、我々の歴史認識を共有できたというふうに私は認識しているところでございます。
◆木村彰男 委員 ありがとうございます。
次に、日本の戦後和解につき、お聞きします。
私は、ことし9月、上田市長とともにミュンヘン市を訪問させていただき、水谷 章在ミュンヘン日本総領事の貴重なお話を伺うことができました。水谷総領事は、ドイツと日本が戦後ともに敗戦という宿痾の中で、国民の努力によって奇跡の復興を遂げ、高度経済成長を実現した共通の事実を挙げながら近隣諸国との和解に触れられたのであります。それは、ナチスドイツの犯罪、ホロコーストにドイツがどのように向き合い、どのようにその償いをしたかということです。ポーランドにはオーデル・ナイセ線を認め、1971年12月、当時の西ドイツ市長、SPDのウィリー・ブラントがワルシャワ・ゲットー跡のユダヤ人慰霊碑の前にぬかずき、祈りをささげ、その反省の意思を世界に示したことをお話しされたのです。今まさに、EU、ヨーロッパ連合の盟主として、ドイツ国家そのものを希釈しながら、欧州の中原にドイツの覇権を確立して、ユーロ最大の恩恵国として経済発展を持続しているという極めて示唆に富んだ分析でありました。
顧みて、日本の戦後和解は、とりわけ韓国との関係を見ても、日韓条約で韓国に支払われた5億ドルは何だったかをめぐっても今なお争いがあり、戦後67年たった今でも韓国の人々は納得していないのであります。
私は、昨年、上田市長と大田に同行させていただき、その際、市長は、大田市長の廉弘哲氏とともに肩を組み、酒を酌み交わしている姿を拝見しました。これを見たとき、日本の戦後和解は何が問題だったのか、両国民が未来に向かって肩を組み合うことはないのかを考えました。
私は、このことのご見解を市長にお伺いしたいと思います。
◎上田 市長 ちょっと、趣旨が、お答えしにくいのですが、ドイツは、極めて徹底した賠償をしたということで、ああいう契約国家といいますか、非常に確立した損害賠償論というものを、また、理論的に物事を考える民族ということで、代表的な民族意識を持っておられるというふうに思います。そういう意味で、徹底した反省をすることによって新たな国づくりが行われ、今ではヨーロッパの盟主という地位を確立し、あるいは信頼を確立しているのではないかと思います。それに対し、日本の解決の仕方というのはかなり不十分だったねと、水谷総領事は、外務省のお立場からもそのような違いを述べられたのだと思います。
ここは、1965年の日韓条約の際にどういう交渉経過があったのか、どういう必要性に迫られて、また、どのような経過で政府間で話されたのか、賠償金の範囲、国民の個々の損害についてはどうなのか、特に、従軍慰安婦問題等については含まれるのか、含まれないのかというようなことも含めて、今でもかなり解釈が違うという状況をつくっていることは極めて問題だろうというふうに私は思います。これは国家間のことです。
しかし、あいまいだからといって、我々が悶々としてただ座視しているわけにはいかないわけであります。私は、民族、そして国家というものを超えて、その基底にあります基本的な国民、市民同士の交流、あるいは、国家という枠にとらわれない自治体という割と融通のきく組織として、しっかりとしたおつき合いをしながら国民、市民の意思が交流できるように、私たち自治体は、市民交流という形で、あるいは自治体交流という形でそういう作業を担っていくことが大切であると思います。
先ほど申し上げましたような歴史認識等についても、私の考え方をお示ししながら、本当に酒を酌み交わし、肩を組んで、人間的な信頼関係を築き上げていくことが我々のできる行動ではないかと。そんな思いで、まさに未来志向で、私たちも忘れないというふうな気持ちをあらわしながら、しっかりとした信頼関係を結ぶための努力をしていきたい、そういう行動のあらわれをお示ししていたというふうに思っております。
◆木村彰男 委員 大変よくわかりました。きょうは、本当にありがとうございました。
次の質問に移らせていただきます。
北海道内の市町村職員が共済組合の直営ホテルを出張で使う際、宿泊旅費と組合の助成金の両方を得ていたことが報道されておったわけでございますが、これについて、札幌市は、当初、札幌のホテルを出張で使うことはないので札幌市は無関係という態度をとってきました。これに対して、私は、膨大な事務量になると言っていた原局と打ち合わせをして、文書質問の形で総務局、環境局、教育委員会所属職員の三つに限定して調査をお願いしたのであります。そのときに、三つの部署で、出張のときに、共済組合の契約保養施設、これは東京に6施設あるらしいのですが、ここに宿泊し、助成制度を利用した件数は、あくまでも抽出でございますけれども、総務局で342件の出張中14件、環境局で409件の出張のうち5件、それだけ出てまいりました。
そこで、質問ですけれども、現在、札幌市の定額出張旅費は幾らで、この助成金というのは、結局、職員の方に幾らバックされて懐に入ったことになるのでしょうか、お聞かせください。
◎谷江 職員部長 まず、宿泊料の額でありますけれども、職位によって額が変わっております。また、地域によっても変わっておりますが、1万円弱から1万6,000円ぐらいまでの額となっております。
それから、共済からの助成でありますけれども、1人1泊当たり2,500円となってございます。
◆木村彰男 委員 北斗市の場合、出張で直営ホテルに泊まる際、助成制度を利用することは今後も認めるけれども、2,500円を旅費から引いて支給することにしたと。それから、札幌方面に出張する職員には、全員に領収書を明示させ、二重取りがないかチェックするようにするようなことを、今後、指針にするようでございます。
札幌市は、今後どのような形にされようとしているのか、お聞かせください。
◎谷江 職員部長 このたびの調査を受けまして、共済組合の方では、出張の際にそういった施設を利用することは本来の制度趣旨にそぐわないということでありまして、この点につきましては、職員に対して各制度の趣旨の周知が不足していたことが明らかになったということもございまして、今後については、全職員に対しまして、制度の趣旨を理解してもらった上で、適切な利用を行うよう周知徹底を図っております。
◆木村彰男 委員 民間では、私が前に働いていた会社もそうだったのですが、約半数の企業は実費制を導入しておりますけれども、今のお話では、定額制をそのまま維持していこうというふうにも聞こえるのです。もしそれをするならば、やはり、市民の理解が得られる形で、今、ご指導というようなこともございましたが、徹底が必要ではないかというふうに思うのですけれども、いかがでございましょうか。
◎谷江 職員部長 共済組合では、その趣旨を徹底するために、これからは出張では使えないことを明示するとともに、申請書に公費出張ではないことの確認をとるようにしていくと聞いております。
◆木村彰男 委員 ぜひ、徹底をお願いしたいと思います。
なお、先ごろの新聞報道で、ハローワークの職員がかつての妻のために公文書を偽造して生活保護を受けさせていたということがありました。また、芸能人の母親や、近くは、江別の道議会議員の母親が生活保護の不正受給を行っていたようなことも報道されておりました。
札幌市においても、その申請数は確実にふえておりますし、私は、その報道を聞きながら、生活保護にかかわる申請をして、その扶養義務者に札幌市職員がいないのかということで調査をお願いしましたところ、最初は、その担当者は、膨大な申請者がおって、過去帳をすべて調べ出して扶養義務の有無を確認するというのは大変だというお答えだったのです。
私は、ああ、そうかなと思って、それでは、そんな昔のことではなくて、当時は6月か7月だったと思いますが、申請し、支給が決定した方に絞って調査したところ、1人の札幌市職員が出てきたのですね。そうこうしているうちに、同僚の金子議員が同じような調査をして、近日、文書質問の答えが返ってきて、これを見ると、札幌市の場合、平成24年4月1日から8月31日まで5名と出ておりました。多分、私の調査した1名というのはこの5名の中の1人なのかなと思っております。
それぞれいろいろな事情がありますが、私がお伺いした方は、離婚されて、子どもの養育費が振り込まれるということで、生活保護等を受ける必要はなかったようですけれども、何かの事情で養育費がとまったのか、別れた奥様が生活保護を申請されたというふうに伺っております。きょうは、本当は保健福祉局にも来ていただく予定だったのですが、ダブって来られないということだったので、その認識はそういうことでよろしかったでしょうか。
◎谷江 職員部長 扶養義務者が職員である生活保護者がいるということは聞いております。
◆木村彰男 委員 例えば、このように離婚に際して子どもの養育費を振り込むということは、大体、公正証書で交わしている例が多いかと思うのですが、その場合、裁判所の指示によって給与の差し押さえをするということで経過いたしますと、一応、生活保護は打ち切られるという判断でよろしいのでしょうか。お聞かせください。
○山田一仁 委員長 木村委員、その質問は、担当部署ではないからここでは答えられないでしょう。保健福祉の担当でなければ。
◆木村彰男 委員 (続)このことについては、先ほども申しましたように、本日、保健福祉局と何かダブっているということですので結構です。
このような形で、これは金子議員の資料でも出ておりますけれども、札幌市においても、また道、国等々でも、かなりの方が扶養義務者としている中で生活保護を受けているということはここで申し上げておきたいと思います。
次に、職員の不祥事の件でございます。
これは、何回もこの場で、また、本会議でもお聞きしております。先ほど同僚議員からも出ておりましたけれども、直近の西区再任用職員の盗撮に関しまして、現在知り得ている犯罪事実、それから、本人の罪の認否、逮捕後の起訴の有無について、まずお聞かせください。
◎谷江 職員部長 西区職員の逮捕の件は、職員がデジタルカメラで盗撮をしたというふうに聞いております。この職員は、先日、略式起訴で罰金50万円の刑を受けたというふうに聞いております。
◆木村彰男 委員 私が調べた限りでは、過去において、教員が盗撮にかかわったという事案があります。これは、その教員の犯罪の累犯性、または教員の職責ということから懲戒免職になるというふうに承っておりますけれども、この職員の処分につき、理事者のご見解をお聞かせください。
◎谷江 職員部長 逮捕された西区職員の件につきましては、罰金の刑を受けたということでございますけれども、私どもの事情聴取がまだ済んでおりません。事情聴取を行った上で、その内容を確認した上で処分を決定することになるかと思います。
◆木村彰男 委員 南区の職員が窃盗を働き、停職6カ月の処分が8月10日に出されております。この人は、6カ月たちますと、復帰してもとの福祉業務につくことになるとお伺いしております。盗みを働いた人が保険証であるとか個人の情報の記載される書類の多い部署に戻って仕事をされることについて、私の周辺では大変危惧しておる市民がいるのであります。
このような素朴な市民感情に対して、理事者はどのようにお考えになっているか、お聞かせください。
◎谷江 職員部長 懲戒処分を受けた職員は、もとの職場に戻ることが原則的になっておりますけれども、処分は処分ということで、その後は一般の職員として勤務するのは当然のことでありますので、私どもといたしましては、引き続き同じような勤務につけることを原則的に考えていきたいと思います。
◆木村彰男 委員 犯罪に手を染めたようなこれらの職員を含めて、伺うところによりますと、すべての職員は法令遵守の研修が行われているというふうに聞いております。ただ、これだけいろいろな犯罪が起きるということになりますと、行っている研修そのものがどういう内容なのか。例えば、その中身について事例研修をやるとか、犯罪がいかに経済的にマイナスになるのか、家族、友人関係を破壊するのか、そういうような具体的な内容をそれらの研修のときにきちっと行うことも必要になると思います。また、全部を一緒にやることも必要かもしれませんが、研修対象者を、老壮青といいますか、年齢別や年代別に分けて特別にそういう方たちのカリキュラムを設けるといった工夫も必要になるというふうに考えるのですけれども、いかがでございましょうか。
◎谷江 職員部長 研修につきましては、事例をふんだんに入れたり、いろいろな職位に分けたり、各局・区でも大分工夫をしており、それに対して職員部としても出向いて講師を努めるなど協力してやっておりまして、できるだけ実効ある研修になるように努めているところでございます。
◆木村彰男 委員 こういう事案が起きて、私が前に勤めていたところの社規集が出てきたので見てきたのですけれども、罪を犯して国家の刑罰に処せられたときという項目があり、今、振り返ってみると懲戒解雇と書いてあるのです。ただし、情状によっては出勤停止、または減給にとどめるという規定はあるのですが、基本的には懲戒免職ということです。民間の会社というのはみんなそうだと思うのですが、法に照らしてそういう厳しい形で行われているという事実をはっきりと明記した上で、先ほどお話しになられたようなことが繰り返されないようにしていただきたいと要望します。
次に、私は、本年8月20日から24日にかけまして、東北の被災地を視察してまいりました。8月20日に仙台空港から山元町に入り、札幌市から派遣されている高久政行課長を訪問し、震災後、津波被害に見舞われた山元町の復旧、復興の今を見せていただきました。また、海に面した中浜小学校では、子どもたちが体育館の上にあった用具置き場のわずかなスペースに避難して、学校の屋根まで押し寄せた津波を回避して助かったというお話をお聞きしました。生と死は紙一重の距離だったのだなというふうに思いました。学校の前の墓地では、すべての墓石がなぎ倒されて、建っていた住宅も基礎周りしか残っておらず、テレビで見たそのままの姿がそこにあったわけであります。津波の恐ろしさを実感した一日でした。
そこで、私は、山元町及び被災地へ赴き、行方不明の捜索に当たられた職員の方々の健康面のことを質問させていただきます。
山元町の位置ですが、福島第二原発から70.8キロメートルしか離れておらないのであります。私は、現場に行って初めてその近さを知ったのでございますが、日々、放射線の汚染地域で働いておられるわけですから、健康被害が懸念されるわけです。
札幌市としては、どのような健康管理をされておりますでしょうか。とりわけ、放射線量の把握等は自己申告で、しかも、地元職員の前で線量計を出すのははばかれるような状況をお聞きしておりますけれども、実態はどうなのか、お聞かせください。
◎谷江 職員部長 山元町へ派遣されている職員の健康管理ということでございます。
国におきましては、放射線量が1時間当たり0.23マイクロシーベルト以上の市町村を汚染状況重点調査地域に指定しておりまして、山元町も該当することになっております。しかしながら、山元町が測定しております22カ所の数値結果では、基本的には当該数値を下回っておりまして、放射線被害は想定されない地域であるというふうに判断しております。
また、職員の派遣に当たりましては、山元町と協定書を交わしまして、健康管理については山元町が対応することとなっておりますが、派遣職員が安心して現地で勤務できるよう派遣時には各職員に線量計を貸与しているほか、山元町から定期的に放射線の測定結果の報告を受けて安全性を確認しております。
◆木村彰男 委員 放射線についてはそんなに心配していないような認識なのかもしれませんけれども、やはり、長期にわたってケアするメニューを持って見ていっていただきたいというふうに思います。
私は、その山元町を離れて、石巻市、女川町、南三陸町、気仙沼市、そして、まちとして一番大きな被害を受けた陸前高田市を8月24日に視察しまして、奇跡の一本松が遠望できるところにいたのですが、地元のラジオ局のニュースで陸前高田市に派遣されていた盛岡市の土木技師が7月下旬に自殺していたという報道が流れ、ちょうど私がいた陸前高田市の話だったものですから非常に驚きました。この方は35歳で、みずから手を挙げて被災地で働いておったのですが、遺書には、希望して来たけれども、お役に立てず申しわけないということが書かれていたそうです。
私も非常に衝撃を受けまして、札幌市では、多くの消防関係者を中心に被災地に入られて、行方不明者の捜索に当たられた職員の方がたくさんいらっしゃいます。私の知人の身内で若い方ですけれども、捜索中に何度も嘔吐するといいますか、そういう状況になって、札幌に帰ってからもしばらく肉を食べられなかったというようなことをお聞きしました。
このように、派遣された職員は、長期に、しかも過酷な勤務状況であって、精神的にも大きなストレスが残っていらっしゃることを考えますと、やはり、今後とも定期的なケアが必要になるかと思いますが、その点についてはいかがでございましょうか。
◎谷江 職員部長 今ご指摘がありました派遣職員が受けるストレスでありますけれども、これについては相当なものというふうに推測されます。長期的、継続的に心の健康を維持するための対策が必要であることは十分に認識してございます。
本市の取り組みといたしましては、派遣期間中の場合であっても、派遣職員が札幌に戻ってきた場合には、積極的にメンタルヘルス相談を受けるように勧めているところでございます。具体的な内容といたしましては、被災地で受けたストレス度合いの測定と、これをもとに心の健康管理スタッフが個別面談を実施するものでありまして、必要に応じて精神科産業医との面談も行い、派遣職員の精神面でのケアを行っていくことにしております。こういった心の不調につきましては、早期の対応が重要でございます。引き続き、山元町と連携いたしまして、派遣職員の健康状態を的確に把握するとともに、心身の健康保持に十分に配慮していきたいというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 ぜひ、お願いしたいと思います。
次に、上田市長は、6月26日の定例記者会見で、北海道と札幌市が検証を進めている二重行政について、形式的に重複しているように見えるけれども、むだは発見しがたいというようなお話をされております。
私は、ことし、委員会の視察で京都を訪れさせていただいて、二重行政が発生しやすい点につき、京都の関係者と意見交換いたしました。印象に一番残っておったのは、やはり、観光なのですね。京都も、札幌市と同じように多くの観光客であふれ返っているような状況ですけれども、京都市と京都府では同じような看板をつけているといいますか、そういうようなことがあるそうです。これらのことについては、やはり、北海道と札幌市においても十分あり得るなと思って、決して発見しがたいことはないのではないかというふうに思ったのでございます。
現在、ご担当者からは、二重行政を指摘された10幾つかの施設、もしくはそういうところに職員を派遣されてヒアリングを行っているというふうに伺っておりますけれども、その進捗、聞き取りの中身、それらの中間報告というのはいつごろできるのか、お知らせください。
◎渡邉 行政部長 ことし6月に、北海道から道と札幌市との二重行政に関する調査結果の中間報告が発表されまして、その中で、今後、道としてさらなる調査をした上で、年末を目途に最終報告を行うというふうに伺っているところでございます。
この道の調査を行うに当たりまして、道から札幌市に対し、現地調査等についての協力依頼があり、現在はその協力を行っている段階でございます。具体的な現地調査の内容といたしましては、道の中間報告におきまして、札幌市は市内を対象に、道は札幌市を含む広域的な地域を対象としている七つの施策、15の施設のうち、重立ったものについて札幌市と北海道のそれぞれの関連する団体、施設を対象として行っているところでございます。調査内容といたしましては、各施設等の業務やサービスの内容、北海道と札幌市の連携の状況などについてヒアリングを行っているところでありまして、私どもの職員も北海道と札幌市の両方の施設等に同行しているところでございます。
◆木村彰男 委員 これを受けて北海道との改善協議に入ると伺っておりますので、工程表等の具体的なものができましたら、またお知らせいただければと思います。
次に、情報化推進部が所管しているシステムに関して、保守契約、改修契約、機器賃貸契約等がありまして、さまざまな経費がかかっておるわけでございますけれども、私は、今、日本ユニシスとの契約に絞って何点かお聞きしたいと思います。
これら契約の中には、金額が1,000万円を超えて特定随意契約による契約も見られるのでございますが、こうなってくる場合、システムの改修や機器の賃借に関して、最初にそのシステムを開発した業者と長年にわたる随意契約が繰り返されることが行われるわけでございます。これらのことに関してどのような問題意識があるか、そして、これらの経費の見積もりについて、日本ユニシス側といいますか、言い値といいますか、常にそういう形にならざるを得ないのではないかというような懸念もありますけれども、この点についてお聞かせください。
◎藤井 情報化推進部長 ただいまのご質問についてお答えいたします。
まず、当部が所管する情報システムの経費の積算についてご説明いたします。
これらは、業務の内容によりまして、システム補修、システム改修、そして機器賃借としておりますが、契約金額にかかわらず適切な設計額となるよう積算しております。システムの保守業務では、システムの監視、障害対応等を実施しておりまして、委託業者から毎月報告を受け、作業内容、時間の実態を確認し、翌年度の積算に反映しております。システムの改修は、法改正などに対応するために必要な改修を加えるもので、これに要する費用は、外部の専門家とともに業者の見積もりを査定し、適切な積算を行っています。機器の賃借は、情報化推進部に設置している大型汎用コンピューターとその周辺装置のほか、区役所等の現場に専用端末を賃借するもので、これらの機器の費用については、見積もりと市場価格に乖離がないか等を確認しながら積算しています。
次に、特定業者との長期の随意契約の質問でございますが、本市では、日本ユニシス製の汎用コンピューター上で住民情報系のシステムを長期にわたり稼働させてまいりました。このシステムには日本ユニシス社の独自技術が使われているため、随意契約が続いてきたものと認識してございます。
しかし、たび重なるシステム改修でプログラムが複雑化したこと、また、近い将来に稼働限界が来ることが判明したことを契機に、特定事業者の技術に頼らない方式を採用し、平成22年度から基幹系情報システム再構築事業に取り組んでいるところでございます。この再構築事業が完了いたしますと、特定業者との長期にわたる随意契約はほぼ解消できる方向となるものと考えてございます。
◆木村彰男 委員 その新しいシステムができるまで、結局、日本ユニシスとの契約関係は継続いたします。そのときに、私が承っている限りにおいては、見積もりが本当に妥当かどうか、適正な値段かどうかということについて、外部の方に委託して、外部の方のご意見をお聞きしながら、その見積もりの妥当性を決めておるということを伺っております。一般に、建築関係や土木関係の見積もりに関しましては、庁舎の中に専門家の人たちがおって高い、安いという判断をされておるのですけれども、今おっしゃったように、なかなか高度な日本ユニシスのソフトのことについてはわからないということで、外部の方をお呼びして決めていただいていると。
そこで、一般的な意味では問題はないと思いますけれども、例えば、外部の専門家の方が日本ユニシスと何らかの利益関係があるとか、お仕事の関係があるということになりますと、その公正性といいますか、それはわからないわけでございます。本当にお仕事を一緒にやっているかどうか、あるいは、何か発注業務があるかもしれない。そういう状況におきまして、外部の専門家の独立性といいますか、中立性をどのような形で担保されておるのか、お聞かせください。
◎藤井 情報化推進部長 ただいまのご質問についてです。
外部の専門家との契約では、外部の専門家に対しまして、業務の契約期間中及び契約終了後2年間、本市の情報システムの開発案件の受注を禁止しております。これは、国が定めています情報システムに係る政府調達の基本方針で、国が行う調達案件の入札事業者の審査を支援するスタッフが属している企業に対して入札を制限している内容に沿ったものでございます。外部の専門家に対して特定の業者と特別の関係にあるか否か等の確認行為は特に行ってございませんが、外部の専門家が行う見積もり評価等の業務の際には情報化推進部の職員も常に同席しておりまして、万一、特定の業者に対し不公正な判断等を行うようなことがあった場合には、情報化推進部の職員が認識できるものと認識してございます。
◆木村彰男 委員 そのような形で担保ができているというふうに伺いました。
そこで、保守点検、改修等に係る費用、それから、機密でございますから、バックアップをするシステム、そういうようなものについては今はばらばらなシステムを管理されておるということで、日本ユニシスだけではなく、いろいろなソフトの会社との契約が錯綜している中で、むだな経費もたくさんあるというふうに考えています。
ただ、先ほどから何回か出ておりますが、将来は統一的なものに向かって進んでいるという認識をしておりますけれども、そういう認識でよろしいのか、お答えください。
◎藤井 情報化推進部長 先ほど来ご説明、ご答弁を差し上げています基幹系情報システムの再構築事業というものは、まず、本市の情報システムの極めて大きなもので、市民の皆さんの住民記録をもとにした情報の集合体でございます。それにつきまして、全国でも先進的な取り組みとしてオープン化し、いろいろな業者が参入できる取り組みを進めてございますので、まずはこうした取り組みを着実に進めることによってその効果等についても見きわめてまいりたいと考えているところでございます。
◆木村彰男 委員 わかりました。
次に、東京事務所についてお聞きします。
大島所長、遠いところをどうもありがとうございます。
私は、昨年、この委員会でも、インターネット等の情報収集を前提として、地道な取材であるとか、担当者との関係づくりを軽視するような傾向についてはやっぱり問題だというようなことで、再三、述べてきたところであります。そして、東京事務所のシティPR活動、すなわち、事務所にいる少数者でなすべきことは限られるということを前提とした上で、各種団体であるとか、企業、代理店との連携協力、委託関係、そういったものをどのようにして考えていくかということは、当事者として、または所長として常に考えていかなければならないと思っております。
そういう中で、何を改善しなければならないか、今は何が不足しているのか、未達なものは何なのか、そういうことについての原因であるとか、その辺の事情につきましてお聞かせください。
◎大島 東京事務所長 東京事務所におけるシティPR活動についてお答えいたします。
各種団体、企業との連携協力、委託の考え方についてでございますが、東京事務所では、シティPR、ビジネスマッチング、企業誘致のいずれの事業におきましても、北海道や地元の金融機関などの関係団体、企業との連携協力を図りながら取り組んでおります。また、今、委員もご指摘になられましたように、特に、予算も人員も限られている中で効率的・効果的に事業を進めることが求められておりますことから、JTBなどの旅行代理店や旅行雑誌を扱う出版社など、在京の企業とのネットワークづくり、タイアップなどを積極的に進めているところでございます。
◆木村彰男 委員 次に、東日本大震災後、観光事業については札幌市もかなり落ち込んでおったのでございますが、その後の推移、それから、企業誘致等も実績として上げられているかと思いますけれども、その辺の数字の経緯についてお聞きするとともに、先日、テレビを見ておりましたら、「北海道フェアin代々木〜ザ・北海食道〜」という形で、実行委員会主催で24回にも及ぶイベントがあるようでございます。こういうイベントというのは、札幌市だけではなくて、北海道のいろいろな地方の団体が関連しているかと思いますが、先ほど言いましたように、北海道との役割分担、二重行政みたいなことにならないような問題点というのも論点としてはあるのかと思います。その辺の現在の状況等についてお聞かせください。
◎大島 東京事務所長 まず、震災後の実績でございますが、観光客数につきましては、観光コンベンション部が実施している来札観光客入り込み状況調査の数字では、昨年度、道外から札幌に来られた観光客数は、震災直後の上半期は対前年度比10%以上の落ち込みが見られたところでございます。ただ、その後、下半期になりますと、対前年度比でプラスに転じるまで回復いたしております。さらに、企業誘致につきましては、この震災をきっかけに、企業がリスク分散の観点から移転を検討し始めたこともございまして、平成23年度は11社、24年度上半期も既に6社を誘致いたしております。現在も、引き続き、10社程度と交渉を継続いたしているところでございます。
2点目のイベント開催と北海道との関係等についてでございますが、東京事務所では、シティPRや企業誘致などで積極的に北海道と連携を図っているところでございます。特に、企業誘致につながる関係企業からの情報などにつきましては日常的に道の東京事務所と交換して、両事務所の職員が共同で企業訪問を行うことなどもいたしておりますほか、ご指摘のありましたイベント等では共同実施でございますとか職員の応援なども行っており、さまざまな形で連携を図っているところでございます。
◆木村彰男 委員 ぜひ、協力、共同しながら、現在抱えているいろいろな問題についてご解決いただければと思います。
最後に、法制課にお聞きします。
平成24年2月8日に訴えの提起があった住民訴訟、政務調査費返還履行請求事件についてお聞きします。
これは、平成23年10月に住民監査請求がなされて、翌年1月に請求が棄却されたことを受けて、市民オンブズマンを自称する弁護士グループが訴訟を牽引していると聞いていますけれども、現在の訴訟経過と、主任弁護士の着手金、成功報酬、訴訟費用全体等の見積もりはどうなっておるのか、お聞かせください。
◎渡邉 行政部長 まず、訴訟の進捗状況でございますが、これまで3回の口頭弁論が実施されたところでございまして、訴訟の具体的な進捗状況といたしましては、現在は、原告、被告、それから、補助参加をしていただいている補助参加人がそれぞれの主張、立証を行っている段階でございまして、今後、争点の整理が行われ、その争点についての詳細な審理が行われていくものと考えてございます。
また、訴訟委任をしている弁護士の着手金でございますけれども、私どもの訴訟委任をする場合の事務処理を定めました要領に基づく上限額の範囲内で、弁護士と協議をし、31万5,000円ということで決定しておりますが、謝金等につきましては訴訟の結果に応じてということになりますので、訴訟の判決の確定後に算定することになろうかと思います。また、事務的経費として、このほかに職員の人件費、交通費等もかかることになりますが、これらについては特段の積算は行ってございません。
◆木村彰男 委員 次に、この訴訟に自民、民主、共産の議員団が訴訟参加しているというふうに聞いておりますけれども、この議員団と札幌市の法的関係であるとか、訴訟費用の分担等々についてはどうなっておりますでしょうか。お聞かせください。
◎渡邉 行政部長 この訴訟におきましては、
地方自治法第242条の2第7項の規定に基づきまして、市長から関係会派等への訴訟告知を行って、ただいま委員からお話がございましたように、3会派から訴訟参加の申し出をいただいているところでございます。
今回、訴訟参加をいただいている各会派の訴訟上の地位といたしましては、原則として、被告のなし得るすべての訴訟行為を行うことができるわけでありますが、ただ、被告の訴訟行為と抵触する行為でありますとか、訴訟そのものを終了ないしは変更させるといったようなことは行うことができないことになってございます。また、訴訟告知を受けました各会派へは、訴訟参加の有無にかかわらず、判決が確定した場合に、この事件について再び争えなくなるという判決のいわゆる参加的効力も及ぶことになってございます。
また、費用負担の関係でございますが、補助参加していただいている各会派につきましては、代理人への訴訟委任費用等についてそれぞれ負担していただいているところでございまして、特段、何らかの打ち合わせをしているようなことはございません。
○山田一仁 委員長 以上で、第1項
総務管理費中総務局関係分等の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、10月16日午前10時から、環境局関係の質疑を行いますので、定刻までご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後9時11分...