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平成24年災害・雪対策調査特別委員会−07月31日-記録

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  1. 札幌市議会 2012-07-31
    平成24年災害・雪対策調査特別委員会−07月31日-記録


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    平成24年災害・雪対策調査特別委員会−07月31日-記録平成24年災害・雪対策調査特別委員会  札幌市議会災害雪対策調査特別委員会記録            平成24年7月31日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時2分 ○村山秀哉 委員長  ただいまから、災害・雪対策調査特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、鈴木委員からは、遅参する旨、連絡がございました。  それでは、議事に入ります。  札幌市地域防災計画等の見直しについてを議題とし、資料に基づき、理事者より説明を受けます。 ◎山崎 危機管理対策部長  私から、去る7月11日に開催されました札幌市防災会議において承認されました地域防災計画等の見直しにつきまして、当日使用した資料に基づきましてご説明させていただきます。  まず、札幌市地域防災計画原子力災害対策編策定方針等についてでございます。  スクリーンをごらんいただきたいと思います。  お手元の資料につきましては、右肩に議案第1号の資料1と記載されたものをご用意しております。スクリーンの表示と同じものでございますので、見やすい方をごらんいただければと思います。  さきの東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故を受けまして、原子力防災に関して、札幌市として必要な対応策の検討を進めてまいりました。これまでの検討状況を踏まえまして、具体的な策定方針等について説明させていただきます。  まず、計画策定に当たっての背景、目的でございます。  福島第一原子力発電所の事故によりまして、約60から100キロメートル先に位置する福島市においては、放射線量の異常数値の観測や、農産物の出荷制限等の影響を受けております。一方、札幌市は、泊発電所から40ないし80キロメートル先に位置しておりまして、事故が発生した場合は、放射性物質の飛散のみならず、避難者の受け入れも含めまして災害対応の必要性が生じるということになります。そこで、市民の生命、財産を守るため、また、市民の不安を軽減し、無用な混乱を生じさせないためにも、万全の体制を整備することが必要になるものでございます。  こちらの図でございますが、札幌市と福島市のそれぞれの原子力発電所との距離を示しております。それぞれの中心部から原発との距離は双方とも約70キロメートル前後でございまして、万が一、泊発電所に大きな事故が発生した場合には、福島市の状況を踏まえますと、放射性物質拡散等の影響を受けることは避けられないというふうに考えております。  続きまして、計画の構成案でございます。  大きくは、総則、災害予防、応急対策、災害復旧の四つに分類いたしまして、一つ目の総則につきましては、計画の目的や災害等の想定などが盛り込まれることになりますけれども、災害想定につきましては、現時点では福島市の被害をベースにすることになろうかと考えております。また、二つ目の災害予防でございますが、情報収集を初めとする各種体制の整備など、三つ目の災害応急対策は、事故時の放射性物質の測定や防護措置としての屋内退避など、四つ目の災害復旧につきましては、放射性物質による汚染の除去、風評被害等の軽減対策などについてそれぞれ整備するものでございます。  現時点で予定している主な検討項目についてご説明いたします。
     まず、総則の次の災害予防でありますが、事故や異常時の情報収集、市民等への情報伝達、放射線モニタリングや除染などの各種体制整備のほかに、原子力防災に関する知識や心構えなどの市民等への普及啓発などを想定しております。  続きまして、三つ目の柱となる災害応急対策でございます。事故発生時の状況に即しまして、情報等の収集及び連絡、応急対策活動情報被害情報等の収集、放射性物質による影響の早期把握や、これに伴う屋内退避などの防護措置への対応、食品などの放射性物質の測定、そして、被災地住民の避難の受け入れなどが挙げられます。  最後は、四つ目の柱となる災害復旧についてでございますが、放射性物質による汚染の除去、各種制限措置の解除、被害状況調査放射線モニタリング継続的実施とその情報提供、風評被害等の影響の軽減対策の実施などを検討していく予定でございます。  続きまして、地域防災計画における位置づけでございます。  今回の原子力災害対策編につきましては、原子力災害の性質を踏まえますと、広範囲、あるいは、大規模な防災対応が想定されますことから、札幌市地域防災計画地震災害対策編風水害対策編雪害対策編に続く四つ目の対策編として位置づけたいというふうに考えております。  なお、事故災害対策編の中に、放射性同位元素等事故対策計画というものがございますが、これにつきましては、所要の改正を行うことを予定しております。  その理由についてご説明をいたします。  当初は、この計画の大幅改正を視野に入れて検討を進めてまいりましたが、対象となる災害が放射線取り扱い施設の損壊及び火災、放射性物質の輸送中の事故などでございまして、原子力災害対策とではそれぞれ関係法令が異なっていること、また、想定被害の規模の違いから情報連絡体制や対応策に大きな差異が生じることが考えられます。したがいまして、原子力防災に関しましては、新たに札幌市地域防災計画原子力災害対策編を策定することといたしまして、放射性同位元素等事故対策計画につきましては現行を維持し、原子力災害を適用除外とするなど、所要の改正を行いたいというふうに考えております。  続きまして、今後の進め方でございます。  検討体制といたしましては、原子力や放射線などの専門家による有識者会議及び庁内関係部局による策定検討委員会を設置いたしまして、具体的な計画策定に向けた検討を進めていきたいというふうに考えております。有識者会議のメンバーにつきましては、多様なご意見をいただくため、原子力や放射線だけでなく、防災全般や社会心理学など幅広い分野の専門家にお願いする予定でございます。また、市民意見の反映につきましては、原子力防災に関するシンポジウムの開催や計画の素案に対するパブリックコメントを実施したいというふうに考えております。  なお、本市の防災計画の検討を進めるに当たりまして、北海道地域防災計画と整合性を図る必要がありますので、必要に応じて北海道と協議及び調整を図ってまいりたいというふうに考えております。  続きまして、計画策定スケジュールでございます。  防災会議でこの議案の承認をいただきまして、早速、今月から計画素案の作成や検討作業に入っております。10月から11月ごろにかけてシンポジウムパブリックコメントを実施したいと考えております。最終的には、今年度中に計画を策定するということでございますので、来年2月ごろには本年度2回目の防災会議を開催し、その場で最終計画案を審議していただく予定としております。また、最終計画案防災会議で承認いただきましたら、3月ごろをめどに計画を市民に公表したいと考えております。  なお、国や道の動きに関してでございますが、国につきましては、新聞報道等によりますと、9月ごろに原子力規制委員会が発足しますので、この発足に伴いまして、国の防災基本計画が改定され、また、原子力防災に関する新たな防災指針が決定される見込みでございます。道におきましては、この国の動きに合わせる形で、秋ごろに北海道地域防災計画の改定が見込まれるところでございます。計画策定に当たっては、これらの国や道の動向に合わせまして必要な調整などを図ってまいりたいと考えております。  以上、札幌市地域防災計画原子力災害対策編策定方針等についての説明を終わります。  次に、札幌市の津波対策につきましてご説明いたします。  お手元の資料では、右肩に議案第1号の資料2と記載されているものでございます。  初めに、これまでの進捗状況についてご説明いたします。  昨年の防災会議では、国や北海道の動きと並行いたしまして、北海道による日本海側の津波浸水予測が見直された場合、速やかに計画を策定できるよう、津波災害対策に関する事前調査を行っていくというスケジュール防災会議にお示しし、ご了承をいただいたところでございます。その後の状況でございますが、北海道による津波浸水予測の見直しについては、太平洋側の予測が去る6月28日に公表されましたけれども、日本海側につきましては、津波堆積物調査を今年度も継続する予定とのことでございます。  札幌市におきましては、昨年度に津波対策の事前検討を実施いたしまして、札幌市域における標高図等を市民の皆様への情報提供として公表いたしました。  次に、昨年度行いました事前検討の具体的な内容についてご説明いたします。  主な検討項目はごらんのとおりでございますが、この中で、本市域における津波防災対策を検討するために作成した基礎資料についてご説明いたします。  まず、標高図でございます。これは、津波防災対策を検討する上で、札幌市域の標高情報が重要であることから作成したものでございます。東日本大震災以降、ご自宅の標高を知りたいという市民からのお問い合わせが非常に多かったということで、ホームページでもこれを公表いたしました。あわせまして、住所ごとの標高の数値を検索できるデータも公表しております。  ごらんの図は、およそ標高10メートル以下の平地部分を中心にした標高図でございます。これ以外に、市全体図、それから、各区の拡大図がございます。  配付資料にはございませんが、一例として、手稲区の拡大図をスクリーンにお示しいたします。  色分けでございますが、低地は赤色といたしまして、高くなるにつれて黄色、緑色から青色へというふうに変化させております。標高10メートル以下は1メートル間隔で表示いたしまして、10メートルから40メートルまでは10メートル間隔、それ以上はグラデーションということで表示いたしております。  次に、避難用施設について調査、整理した結果でございます。  1点目でございますが、避難の際に使用が想定される津波避難ビルの候補といたしまして、市内の中高層建物を抽出し、階数ごとに地図上に整理いたしました。  上の図をスクリーンに拡大します。  スクリーンの地図に黒い丸印で示しているのが7階以上の建物でございます。ごらんのとおり、低い土地には避難ビル候補が比較的少ないことがわかります。  2点目といたしまして、安全に避難するために必要な避難路を定める際の基礎資料とするために、道路のデータを整備いたしました。避難計画を作成する場合には、幅員だとか、あるいは、高台までの距離等を勘案し、避難路を選定することになります。  下の図をスクリーンに拡大いたします。  スクリーンの図は、手稲区を拡大したものでございますが、赤い矢印で示すように、鉄道を横断する道路が限られております。このため、高台に続く道路の数も限られていることがわかると思います。  次に、津波対策を進めていく上での課題についてご説明いたします。  1点目といたしまして、日本海側の津波浸水予測の見直しの完了時期が不透明であることが挙げられます。北海道は、東日本大震災以後、津波堆積物調査を行っておりますけれども、太平洋側と比べて調査が進んでいないことから、見直しの時期が明示されていないのが現状でございます。  2点目は、市民の津波に対する不安が大きいということでございます。大震災以降、今でも、ご自宅の標高だとか津波予測の見直しの時期はいつなのかというようなお問い合わせが寄せられている状況でございます。このような市民の不安をできるだけ早く払拭することが必要だというふうに考えております。  次に、3点目の課題である本市域と東日本大震災の浸水区域の類似性についてご説明いたします。  ごらんの左の図は、横軸が海岸線からの距離、縦軸が浸水面積の累積割合となっております。右の図は、横軸が標高、縦軸が浸水面積の累積割合でございます。東日本大震災では、全浸水区域面積の90%は、海岸線からの距離が3キロメートル以内の地域、または、標高10メートル以下の地域で占められており、海岸から近く、標高の低い地域に被害が集中したことがわかっております。  配付資料にはございませんが、これを札幌の状況に当てはめてみますので、スクリーンをごらんいただきたいと思います。  スクリーンの図は、このたび公表した標高図でございます。  今お示しした赤い色のラインが標高10メートルの線でございますが、ごらんのように、東区、北区、西区、手稲区の、札樽自動車道よりも北側の大部分が標高10メートル以下の地域となっております。  今あらわれた灰色のラインは、札幌市の行政区域界の線でございます。  海岸線から3キロメートルのラインがごらんの黒い線でございますので、手稲区の一部が海岸から3キロメートル以内に入っていることになります。  次に、スクリーンにお示ししている地図は、国交省の国土審議会より昨年公表された資料でございます。  今あらわれた、丸印で囲まれた区域の石狩湾から札幌市域の一部が赤色となっております。これは、海岸線から10キロメートル以内、かつ、標高30メートル以下という条件の地域で、大津波が発生した場合、東北地方と同様に大きな被害が発生する可能性が示唆されております。  次に、今後の展開でございます。  現時点では、浸水予測を踏まえた地域防災計画の見直しや、避難計画の策定には着手できない状況でございます。しかし、不安に思われている市民が多いことや、被災地域との地形的類似性を勘案いたしますと、何らかの対策を行うべきというふうに考えております。  市民の皆様の津波防災に関する意識を醸成することが重要でありますので、当面は、津波防災に関する啓発を行っていきたいと考えております。そのため、防災や津波に関する専門家である学識経験者や、防災関係機関、平地にお住まいの市民の代表者などによります10名程度の検討委員会を立ち上げまして、パンフレットの作成や啓発方法などについて検討していただくことを考えております。  最後に、検討スケジュールでございます。  この秋をめどに、津波対策検討委員会を設置いたしまして、年度内にパンフレット作成等の啓発方法などを検討していただく予定としております。引き続き北海道の動向を注視し、地域防災計画等の策定に向けた準備も進めまして、平成25年度以降は、浸水予測見直しの結果が発表されたら地域防災計画の見直しの検討というふうになろうかと考えております。  津波対策に関する説明は、以上でございます。  最後に、札幌市の避難場所環境整備についてご説明いたします。  お手元の資料では、右肩に議案第1号資料3と記載されたものでございます。  初めに、平成23年度の取り組みでございます。  避難場所の環境整備につきましては、昨年度の防災会議におきまして、寒さ対策や避難場所指定のあり方について調査検討を行うということでご報告させていただきました。  そのような中、避難場所環境整備について、第3次札幌新まちづくり計画に計画事業として位置づけもしたところでございます。これは、東日本大震災を踏まえまして、寒さ対策、食糧対策、避難場所整備計画の見直しという内容でございます。このうち、寒さ対策と食糧対策につきましては、避難場所整備計画の見直しを待たずに対策が可能なものということで、平成23年度から増強、充実をしているところでございます。  それぞれの取り組み状況につきましてご説明いたします。  まず、寒さ対策でございます。  寝袋、毛布につきましては、これまでの想定避難者数に対し、全員分は用意をしていなかったところでございましたけれども、これを、それぞれ全員に支給できるよう、平成26年度までに11万700人分を整備することにしております。寝袋につきましては、昨年度は4万個購入しておりまして、今年度の購入分と合わせますと避難者全員分がそろうことになります。  次に、食糧対策でございます。  被害想定における食糧の最大需要でございますが、阪神・淡路大震災のデータをもとにいたしまして、想定避難者数の2割増しということで13万3,000人を想定しているところでございます。1人1日2食といたしまして、平成27年度までに26万6,000食を整備することといたしまして、毎年、6万6,500食を購入する計画としております。賞味期限が5年の食糧を備蓄しているところでございますが、賞味期限が切れる年度のものにつきましては訓練の際に配付してご試食をいただくなど、防災意識の普及啓発用として有効に活用しているところでございます。  続きまして、避難場所整備計画の見直しでございます。  昨年度の防災会議では、東日本大震災の課題として、寒さ対策、物流機能の停止による物資の不足、停電、通信障害による情報の遮断、福祉避難所の不足の4点を課題として報告いたしました。これを踏まえ、平成23年度から基礎調査を実施しておりまして、その内容は、寒さ対策のための暖房機種及び必要台数の調査、各政令指定都市避難場所備蓄物資の整備状況、被災地職員へのヒアリングなどでございました。  次に、平成24年3月の中央防災会議の報告についてでございます。  この会議の専門委員会からの報告では、東日本大震災における被災者の生活環境の対策といたしまして、ごらんの5点が課題とされております。  その中で、特に、避難場所の環境整備に関係があるものといたしまして、黄色く色づけした項目がございます。3点目の生活環境の確保では、トイレの不足、更衣室や授乳室設置の必要性が指摘されております。また、4点目の健康管理では、感染症の蔓延の懸念や持病の悪化などが課題として挙げられているところです。  続きまして、平成24年度の取り組みでございます。  今ご説明いたしました基礎調査及び中央防災会議の報告を踏まえまして、札幌市避難場所基本計画及び札幌市避難所運営マニュアルを策定する予定でございます。策定に当たりましては、学識者、市民委員、学生、公募委員などで構成する検討委員会を設ける予定でございます。  その中で、計画については、避難場所指定のあり方、避難場所での寒さ対策、備蓄物資配置のあり方、水の確保、トイレ対策、感染症やストレス対策など、また、マニュアルにつきましては、避難所の運営方法、運営組織や役割分担、特別な支援が必要な方への適切な配慮などをご議論いただく予定としております。  最後に、スケジュールでございます。  9月に検討委員会を立ち上げまして、11月末までの議論を経まして計画の素案を作成し、12月中ごろにパブリックコメントを実施する予定でございます。来年初めの防災会議にその状況を報告し、年度内に計画を公表する予定でございます。来年度以降は、この計画に基づきまして避難場所の環境充実を図りたいと考えております。  避難場所環境整備については、以上でございます。  以上のとおり、7月11日に開催された防災会議におきましては、原子力災害対策津波対策避難場所環境整備の3点について、ただいまと同じようなご説明を申し上げまして、見直しの進め方等について承認を受けたところでございます。 ○村山秀哉 委員長  それでは、質疑に入ります。 ◆伴良隆 委員  私は、大きく2点質問させていただきます。  まず、1点目は、本市における収容避難場所備蓄物資のあり方、その他、津波対策について、もう1点目は、本市における原子力の適切な情報提供のあり方について質問させていただきます。  1点目から、順次、質問させていただきます。  資料2の3−2の課題(3)にある海岸線からの距離や標高数値、また、東日本大震災の浸水区域の類似性を参考にいたしますと、現時点であっても、手稲区に始まり、西区、北区から東区までに津波の影響が生じることを仮定することができます。また、現在、あるいは、近々であっても、何らかの津波対策が必要ではないかという市民の不安の声がある以上、計画策定を待たずして、例えば、暫定的に津波避難ビルを指定し始めるなど、こういった地域の方々や施設に対して本市としてどのような対策ができるか、まず伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  津波避難ビルについてでございますが、高さや耐震性能など、安全性を確認した後に指定するように考えております。現状では想定する津波の高さや浸水範囲がわからないということで、指定することはできないというふうに考えております。また、津波危険地域全体の避難人数を把握いたしまして、それを収容できる避難ビルの数を確保する、あるいは、避難ビルごとに人数を割り振りすることを考えますと、その割り振りもできないというふうに考えます。  このようなことから、津波浸水予測が見直されていない現時点におきましては、暫定的であっても避難ビルを指定することは困難であるというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  では、次の質問であります。  市内の収容避難場所について、避難所指定を受けながら備蓄物資がほぼゼロというところが実に約540カ所あり、これは、本市収容避難場所全体の9割近くにもなります。  そこで、備蓄物資がほとんどないか、あるいは、全くないという多くの本市収容避難場所は、どのような理由、また経緯で避難場所に指定したのか、伺います。  また続けて、実際に災害が起きたときには、当然、避難者がこういったところに来るわけでありますが、備蓄物資がないこれらのような避難場所は、どのようにして避難所としての機能を発揮させていくおつもりなのか、特に、備蓄物資の確保という点からその方法を具体的に伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  避難場所の指定についてでございます。  従前から、原則として、50名以上収容可能で、給食の施設があれば収容避難場所として指定してまいりました。一方、備蓄物資につきましては、備蓄スペースが確保できた学校などの市有施設に配置をしてきたということでございます。  なお、委員がご指摘のように、備蓄物資が配置されていない避難所がありますけれども、現在、協定を結んでいる運送業者による近隣の備蓄倉庫からの配送などで対応することを想定しているところでございます。 ◆伴良隆 委員  地域では、指定をされているにもかかわらず物がないという状況は、端的に四角四面に見たときには、実際に非常に不安の声もあるわけであります。実際に市民の声を聞いて指定してきたというふうには聞いておりますけれども、不安も生じているのであれば、また改めていろいろな形で地域に説明なり注意喚起をしていただきたいなというふうに思います。  次に、応急救援備蓄物資についてでありますが、資料3の2及び3にあったように、避難場所整備計画の見直しは継続しながらも、並行して備蓄物資の増強に努めています。避難場所整備計画をもとにした備蓄物資の配置方針は、確かに現時点では明白にはできない状況ではありますが、現在増強中の寝袋などを含め、これまでどのような考え方で備蓄物資を配置し、今後、どのような見直しを行う方針か、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  備蓄物資の配置についてでございます。  小・中学校につきましては、余裕教室を備蓄庫として活用したり、体育館に隣接した倉庫を整備したりなど、これまでも備蓄箇所数をふやしてきたところでございます。また、小・中学校以外でも、市有の公共施設や備蓄倉庫に物資を保管しており、各区の人口に応じて物資を配置しているところでございます。今年度は、新たに40校に備蓄物資を配置することも考えております。どのような品目をどこに配置するのが適切なのかということにつきましては、検討委員会において議論をしていただき、方向性を整理していきたいというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  私は、さまざまな議会の場を通じて、常々、応急給水の問題を指摘してきております。その問題は、応急給水体制が比較的手薄になっている地域への対策であります。  そこで、質問であります。  さまざまな応急給水方法がある中で、本市が今まで示してきたさまざまな給水支援が見込めない場合を想定したときに、収容避難場所の水の確保は今後どうあるべきと考えていますか。  また、私は、平成24年の予算特別委員会で、小・中学校の受水槽設備の多くが構造的な面から災害時に応急用給水に利用することは困難であると水道局に指摘しておりますが、これについて本市はどのように考えているのか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  まず最初に、給水支援等が全く見込めない場合の水の確保についてでございます。  市民の皆さんに自助による水の備蓄をしていただくことのほかに、水道局が整備している応急給水ポイントまでとりに行っていただくことになるというふうに考えております。  2点目の収容避難場所となる学校の受水槽にたまっている水の活用方策についてでございます。  今年度から、教育委員会、水道局、私ども危機管理対策室の3者で連携いたしましてこの活用方法について検討を開始いたしました。この検討を踏まえまして、検討委員会において水の確保について議論していただきたいというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  要望でありますが、私は、今後も、これらの問題について状況に応じて指摘し、行政として何ができるか、前向きな議論をしていただきたいと思っております。答弁からは、各課題を検討している行政の努力も伝わってまいりますが、引き続き、その動きをとめることなく、避難場所に対するさまざまな市民の不安を少しでも解消できるよう、各部局と一層連携し、この問題の解決に向けて頑張っていただきたいと思います。
     それでは、2点目の質問に参ります。  本市における原子力の適切な情報提供のあり方についてであります。  本市のある職員が私に教えてくれた非常に含蓄に富んだ言葉がございます。それは、災害時など、いざというときの正しい判断のために必要なのは正しい恐怖心だということであります。しかし、残念ながら、原子力のあらゆる情報に関して、本市にも見受けられるような一部の人間たちの思惑による政策判断や、一部の報道による恣意的な情報で、誤った、あるいは、必要以上の恐怖心、つまり正しくない恐怖心を与えられています。そのことによる風評被害は、厳しく追及され、正していかなければならないと私は思っております。今、市民が必要としている原子力の情報は、これらの主観的で恣意的な情報ではなく、物的事実とそれに基づく客観的な正しい情報であります。  そこで、質問に入ります。  市民の防災意識の高まりもあって、危機管理対策室も防災への対応で、大変少ない人数でご苦労されていると聞いております。  まず、改めて確認でありますが、札幌市では、さまざまな防災の観点から、市民に対してどのような啓発活動に取り組んできているのか、また、今後の予定も含めて伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  防災に関する市民への啓発活動についてでございます。  ホームページを活用した情報提供や、主に地震への備えを内容とする、年間100回ほどの出前講座、さらには、さまざまなパンフレット、ハザードマップなどを活用した普及啓発に現在取り組んでいるところでございます。防災においては、その対象となる事象について正確な情報、知識を身につけることが重要であるというふうに考えておりますので、今後もより一層充実させていきたいというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  仮称札幌市地域防災計画原子力災害対策編の策定方針について、その背景の三つ目に、市民の生命、財産を守るため、また、市民の不安を軽減し、無用な混乱を生じさせないためにも、万全の体制を整備することが必要である、このようにしています。災害時、復旧時のそれぞれに質の高い安全・安心を確保するためには、災害時の初動や、あるいは、2次災害への冷静な対応、また風評被害の防止のため、市民の正しい知識とそのための正しい情報が必要であります。  そこで、質問でありますが、原子力や放射線、日常生活の放射線量や、それが及ぼす人体への影響など、本市は、東日本大震災の前と後で、これらの正しい知識と正しい情報の普及のためにどのような情報発信を行ってきているのか、それぞれ伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  原子力等に関する情報発信についてでございます。  昨年の事故前までは、原子力や放射線等に関する情報発信については行っておりませんでした。しかし、事故後につきましては、市民の不安や関心の高まりを考慮いたしまして、主に放射線の人体への影響といった内容につきましてホームページにおいて情報発信を開始したところでございます。  またあわせて、大気だとか水道水、下水道汚泥、食品、学校給食食材の放射性物質の測定もいたしまして、その結果についてホームページ等において公表しているところでございます。 ◆伴良隆 委員  災害後に、あわせて検討しているという流れを確認することができました。  札幌市の地域防災計画地震災害対策編を見てみますと、地震災害の対策編ではありますが、平常時についてはこのようにあります。札幌市では、市民、企業等に対してさまざまな媒体及び手法で防災知識・技能の普及啓発を行っていく、また、市職員に対して、防災に関する知識を取得し、判断、行動ができるように職員研修で防災教育を推進するというのが平常時防災の観点であります。  そして、発生直後、あるいは、発生後、復旧にかかるまででありますが、それについて読み上げますと、混乱防止情報、生存関連情報等を中心に、広報車、インターネット、携帯端末、コミュニティーFM等による札幌市からの直接広報のほか、避難場所の避難者向けに伝達された情報の張り出し掲示等による広報を行う、また、広範囲かつ迅速に市民への情報提供を行う、また、生活の再開時期からの広報ということであれば、段階に応じた情報を適切に広報する、また、さまざまな方法で避難者への広報に努める、このようにあります。  そこで、伺いますが、市民がいざというときに正しく判断して行動できるよう、今後、原子力や放射線、日常生活の放射線量や、それが及ぼす人体への影響などの正しい情報を、よりわかりやすく、より迅速に市民に伝えられるようにすべきでありますけれども、こういった情報の今後のあり方についてどのように考えているのか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  原子力とか放射線に関する今後の情報伝達についてでございます。  啓発とあわせまして、災害発生時における市民への情報伝達方法の整備につきまして、今年度新たに策定する原子力災害対策編に位置づけをしたいというふうに考えております。私どもも、啓発活動による正しい知識の普及を図りながら、万一の際の災害情報等の伝達体制を整備していくことが必要だというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  例えば、情報媒体、伝達のツールであるホームページ、これは本市のホームページでありますが、私も興味を持って見せていただいたところ、放射線、原子力にかかわるような情報をなかなか見つけづらかったのです。私が下手なのかどうかはわかりませんけれども、このホームページは、トップページからのワンクリックで防災、防犯、消防のページになるわけでありますが、今、申したとおり、原子力の基礎知識も含めて、正直、災害について全体的にわかりづらいといった声もありますし、私もそう思っております。当然、ホームページを使えない方もいるので、基本は、皆様方がご苦労されている出前講座など、市民が直接触れることのできる情報伝達手段によって普及啓発を行うことが最も重要であると考えます。こういった情報伝達手段の内容をよりよいものにしていくことは、職員の皆さんのふだんの努力によってなし得るはずであります。  私自身も、市政報告会をやっている中で、災害ということについて原子力というものを論じるときがございます。市政報告のときなどは、私もこういったホームページなどから引用していますけれども、2000年の国連科学委員会報告、あるいは、国際放射線防護委員会の2007年勧告等と書いてありますが、こういったわかりやすい図をごらんいただきながら説明しているわけであります。確かに市のホームページでもリンクで張ってありますので、何とか行き着くこともできます。そこには、1人当たりの年間の自然放射線量であるとか、あるいは、皆さんもよく乗る飛行機であるとか、当然、胸のエックス線であるとか、あるいは、ご病気になったときのCTスキャンといったときの数値が非常に客観的に端的にわかるような図があります。  あるいは、私も、この前、議員団で被災地の瓦れきを見てまいりましたけれども、そこで実際の数値をはかってまいりまして、非常に興味深い数値がございました。また、本市の各フロアもはかってまいりました。それはまた後に報告いたしますが、いずれにしても、そういったことは客観的な事実がありますから、それを市民の方々に伝えますと、そうか、聞いていた話と随分違うな、思っていたものと随分違うなと、こんなような非常に冷静な判断を得られるのだなというふうに感じたわけであります。  そこで、質問でありますけれども、防災対策は、さまざまな媒体及び手法で防災知識の普及啓発を図るべきで、原子力については、例えば出前講座の内容やホームページを見直すなど、市民へ正しい知識と正しい情報を普及し、必要以上に恐怖心をあおったり風評被害が起きないよう、適度で適切な啓発を今後行うべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  原子力に関する適度で適切な情報提供ということでございます。  原子力や放射線といったテーマでは、例えば、人体への影響といった点につきましても、いろいろな見解があったり、市民に対してどのような情報提供を行うのが適当なのかという判断をしなければいけないということで、難しい面も含んでいるというふうに考えております。ただ、いずれにいたしましても、防災に関しましては、災害時に無用な混乱を招かないために、委員のご指摘のとおり、必要以上に恐怖心をあおることは適切ではない、あるいは、常に正しい知識、あるいは、情報のわかりやすい発信という点を強く意識して私どもも取り組んでいく必要があるというふうに考えております。必要に応じて各分野の専門家の方々に助言をいただくなどしながら、情報提供についても進めていきたいというふうに考えております。 ◆伴良隆 委員  人体へのいろいろな影響ということになりますと、議論が分かれるところだというのは私も承知しておりますが、私は、事実を事実として正確に迅速に伝えていただきたいということを申し上げているので、改めてご了解いただきたいと思います。  要望でありますが、危機管理対策室は、平常時の防災はもとより、災害後に市民が冷静に対応できるよう、特に原子力に関しては、今後は、適度で適切な情報提供、注意喚起について加速度的にしっかり取り組んでしかるべき結果を出していただきたいことを望みまして、質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私からは、地域防災計画の見直しの経過とスケジュール原子力災害対策編の策定について、そして、避難場所基本計画の策定について、3点質問させていただきます。  昨年の東日本大震災に伴う福島第一原発事故から1年4カ月が経過し、先週7月23日に、福島第一原発事故に関する政府の事故調査・検証委員会が最終報告書を取りまとめました。報告書では、東電と国は原発で過酷事故が起きないという安全神話にとらわれたと指摘し、この事故について、今月5日に報告書を提出した国会事故調が東電や規制当局、政府による人災と断定したのに対して、政府事故調は複合的要因が背景にあるとの言及にとどまっています。  このような中で、福島県内の一部にはいまだ立ち入りが厳しく制限される地域があるなど、極めて大きな被害が発生しております。特に、原子力災害についてはこれまでの想定を大きく超えたものとなっており、放射性物質は目に見えないという特殊性もあってその不安は全国に広がり、震災瓦れきについても、その広域処理は国の方針の不備もあって日本じゅうで不安をぬぐえない状況があり、また、巨大津波による被害は甚大で復旧計画はまだまだこれからという状況にあります。  札幌市では、東日本大震災を受け、昨年7月の防災会議において札幌市地域防災計画の見直しについての検討が始まり、1年たった今月の防災会議において原子力災害対策編の策定方針や津波対策の取り組み、避難場所整備などがようやく決まったとの説明をいただきました。  一方、他自治体では、震災後早々に地域防災計画の見直しの検討委員会などを立ち上げて、できるところから見直しを進めているところも多く見られます。例えば、大分県では、東日本大震災を教訓として、広域かつ大規模な災害が発生した場合には県と市町村が一体となって対応する必要があるため、昨年5月9日に、県と市町村で構成する大分県地域防災計画検討委員会を立ち上げ、見直しに着手し、災害に上限はない、何よりも人命との思いを共通認識として、過去最大最高の地震・津波想定のもと、12月には素案ができ、ことし3月27日には平成23年度大分県地域防災計画を公表しています。  また、福岡市では、有識者、市民を含む福岡市地域防災計画見直し検討委員会が昨年6月13日にスタートし、ことし7月20日には第5回が行われまして、第4回までの議事録とか資料などはホームページにアップされ、だれもが見ることができます。この中では、津波、液状化対策の見直し、充実はもちろんのこと、新設の原子力災害対策については、福岡市が玄海原発からおよそ40キロから60キロメートル圏内に位置することで、万が一、原子力災害が発生した場合に備え、市民の健康、財産などを保護するため、緊急時において迅速かつ効果的な防護措置が講じられるよう、まずはできることから具体的な取り組みを進め、実効性のある平成24年度防災計画を策定しておりまして、今後、国の防災指針や福岡県地域防災計画などとの整合性を図りながら、平成25年度原子力災害対策をさらに充実させていくとしています。  北海道におきましても、先月6月7日に開催された北海道防災会議におきまして、東日本大震災で得られた教訓や、国の防災基本計画の修正を踏まえまして、地震・津波対策を中心とした防災対策全般を拡充するため、北海道地域防災計画本編及び地震・津波防災計画編の修正を決定しています。  札幌市におきましても、昨年7月の防災会議以降、原子力防災や津波災害に対しての検討を進めてきたとのことです。しかし、今ほど紹介した自治体とは異なりまして、この1年間の札幌市での見直し検討の経過というものが市民には非常に見えづらいものとなっています。例えば、昨年7月の防災計画を受けまして10月5日に実施されたこの調査特別委員会での原子力事故対策検討スケジュールの説明におきましては、平成23年度から有識者による検討、本市への提言と関係部署会議が行われるということでしたけれども、実際にはこの夏以降に延びておりまして、その経過などもわからず、市民からは札幌市は防災計画の検討を行っているのかとの問い合わせもいただいております。  そこで、質問ですが、昨年からことしにかけて、防災計画の見直しに向けてどのような検討をされてきたのか、また、見直しに関する検討経過について、どのような形で市民に提供していくおつもりなのか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  委員がご指摘されました他都市の状況でございますけれども、液状化だとか長周期の地震動対策などにつきまして、被害想定自体の見直しを行っている状況であるというふうに私たちは認識しているところでございます。  札幌市におきましては、平成20年度に、市域に最も大きな被害をもたらす直下型地震による第3次地震被害想定を取りまとめました。これを踏まえまして、平成22年度には地域防災計画地震災害対策編を大幅に見直したところでございます。さらに、液状化の危険度図につきましても、あわせて市民に公表しているところでございます。札幌市におきましては、今のところ、その想定を見直すような新たな知見だとか調査結果はないと判断しておりますので、地震対策編の見直しにつきましては必要ないというふうに考えております。  しかしながら、津波対策については、札幌市自体に計画がございません。そういう中で、北海道による日本海側の津波浸水予測見直しの公表の時期が未定ということがあって、本市としては、その結果を待つことなく、計画策定の事前準備として昨年度に基礎調査を実施したところでございました。そして、ことし6月には、市民への資料提供といたしまして、市域の標高図と住所ごとの標高データの公表、あるいは、ことしは津波検討委員会を立ち上げて津波対策についての検討も行うこととしております。  また、原子力防災につきましては、昨年度、東日本大震災に伴う原子力防災対応についての情報収集を行いました。その対応内容や課題を整理するために調査も実施したところでございます。この調査結果をベースにいたしまして、今後、本格的な計画策定に向けた詳細の議論を進めていきたいというふうに考えております。  計画の策定に当たりましては、専門的な知見を有する有識者から助言をいただくことも考えているところでございます。これらの有識者会議や津波検討委員会の状況につきましては、一般公開もいたしますし、その結果についてはホームページなどで公開もしていきたいというふうに考えております。委員のご指摘のように、札幌市は国や道との関連もあって若干おくれている部分もありますけれども、私どもなりに進めてきたこともありますので、ご指摘のとおり、市民にわかりやすい経過の公表等についても今後努力をしていきたいというふうに考えております。 ◆しのだ江里子 委員  平成23年度は基礎調査とか情報収集をなさってきたということで、市民に関しては、検討委員会の内容を一般公開し、またホームページでも公開するなど、市民がわかる方法をとっていただけるということで、一歩前に進んだかなと思います。  次に、原子力災害対策編の策定についてです。  原子力災害対策編を策定するに当たっては、先ほどもいろいろご報告いただきましたように、その専門性とか特殊性を踏まえますと、原子力や放射線などの有識者から意見を聞くことは極めて重要であると考えます。  そこで、質問ですが、庁内での策定検討委員会のほかに、今回、有識者会議も設置するということですけれども、この会議にはどのような方が参加されるのか、そして、策定検討委員会有識者会議それぞれの役割分担はどのようになっているのか、また、これまでの検討経過を踏まえて、計画の重要なポイントはどのようなことと考えていらっしゃるのか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  まず最初に、有識者会議の委員についてでございます。  原子力安全工学や放射線関連、大気汚染、拡散などの本計画策定に密接に関連する分野だけでなく、防災全般や社会心理など、幅広い分野の専門家にお願いしているところでございます。  また、策定検討委員会有識者会議の役割分担についてでございますが、策定検討委員会は、庁内の関係部局からなる委員会でございまして、計画案の具体的な内容についての検討を行うことにしております。これに対して、有識者会議につきましては、策定検討委員会でつくった計画案に対しまして、随時、専門的な立場からのご意見をいただくというものでございます。  また、3点目は、計画の重要なポイントということでございました。  泊発電所の状況、あるいは、放射性物質の飛散状況を初めとした各種情報収集、そして、市民等へ速やかに情報提供する体制の構築、また、他市町村からの避難受け入れ、事故後の風評被害対策などが重要なポイントというふうに考えております。 ◆しのだ江里子 委員  庁内の検討委員会は具体的な案を検討するということで、それに対して、有識者会議では、専門的な意見を加味して精査していただく形になると思います。  この有識者会議は、原子力に密接に関係している方たちだけではなくて、社会心理学にかかわる方が含まれるということは、本当に今回の福島の様子を見ましても、大きな心理的影響を与えるということを私たちも見聞きしておりますので、そういった意味からも有識者会議の構成員を人選していただけたものと評価したいと思います。  今回の原子力災害対策編の策定に当たっては、国では、昨年の事故以後、原子力災害に対する防災の考え方を根本的に見直すための検討を進めてきておりますが、原子力規制委員会を中心とする新しい原子力規制の組織体制の発足も9月ごろに予定されるなど、原子力防災に関する新しい方針がいまだ示されていない中で、札幌市の原子力防災計画の検討を進めていくことになります。  原子力災害対策計画の検討に当たって大事なのは、その前提となる被害想定をどのように考えるかであると思います。しかし、有識者会議は設置されますが、国からは防災に関する新たな見地とか必要な資料提供がないと言ってもいいと思うので、こういった中で検討を進めざるを得ない状況を考えますと、限定的な検討範囲、また内容になってしまうのではと危惧するところです。そのような中で、昨年起こった福島第一原発事故によります実際の被害の状況をとらえ、福島市の経験、知見を本市の原子力防災計画を検討していく上で参考にするということは、現実的で重要な視点であると考えます。  そこで、質問ですが、昨年の事故以降、札幌市としても福島市に入り、福島市の事故による被害状況とか、それらへの対応状況などについてさまざまな形で調査されてきたと思いますけれども、具体的にはどのような状況であったのか、お聞かせください。 ◎山崎 危機管理対策部長  福島第一原子力発電所の事故に対する福島市の被害状況といたしましては、放射線量の異常数値の観測だとか、これに伴う農産物の出荷制限や市場取引価格の大幅下落、観光客の激減などの被害が発生していると聞いております。また、対応状況といたしましては、学校や公園を初めとする放射線量の測定作業、それから、除染活動、あるいは、観光や農業などの賠償請求の支援、「がんばってます!福島」キャンペーン事業の実施など、福島市としてさまざまな取り組みを実施しているというふうに聞いているところでございます。  福島市の被害対応状況のさらなる調査につきまして、必要に応じて検討もしていきたいというふうに考えております。 ◆しのだ江里子 委員  福島市は、まさに被災地でありながら、周辺市町村から1万人を超える避難民の受け入れも行ったと聞いています。県庁所在地として、また県の中心都市として、福島第一原発事故の際に福島市が果たした役割とか機能、さらには、県との関係性などを考えますと、それを北海道に置きかえた場合には、地域的な距離では福島原発は福島市が60キロから100キロメートルにあったこと、札幌市は泊原発から40キロから80キロメートルと、ほとんど同程度という以上に、やはり札幌市としては福島市に学ぶべき点が多々あると考えます。  そこで、これまで被害状況の調査をいろいろされてきたと伺いました。1年4カ月がたちまして、さらなる検証とか実態調査も必要と思うのですが、そのあたりはどのようにお考えか、お聞かせいただけますか。 ◎山崎 危機管理対策部長  先ほど、福島第一原発の福島市の被害状況、あるいは、その対応について答えさせていただきましたけれども、我々としても、これだけで十分だというような認識を持っているわけではございませんので、さらなる福島市の状況調査につきましては、必要に応じてその実施に向けて検討していきたいというふうに考えております。 ◆しのだ江里子 委員  ぜひ、さらなる検証とか実態調査をしていただきたいと思います。福島市は、防災計画がない中であのような大きな事故が起きて、これまで対応してきた中では本当に想定外のことが多々あったと思います。できたこと、そしてまた、十分な対応ができなかったことなどを検証して、そして、今後の計画が整備されていくものと考えますので、札幌市の計画においても大いに反映されることを求めます。  次に、国や道との連携についてですが、国、道の新たな原子力防災計画が出されていない中で、札幌市は原子力防災計画の検討を進めていくことになりますが、当然、国、道との防災計画の整合性が必要不可欠であることも事実です。  そこで、質問ですが、その動向を注視していく必要があると思うのですけれども、検討を進めていく上でどのように国や道と連携していくのか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  国や北海道に対しましては、その動向を注視するとともに、随時、必要に応じて情報収集なども行っていきたいと考えております。特に、北海道とは、原子力災害に係る計画の策定過程において頻繁に意見交換や調整を行っていきたいというふうに考えております。 ◆しのだ江里子 委員  必要に応じてということでしたが、ぜひ、密に連携をとっていただきたいと思います。  次に、避難場所基本計画の策定についてです。  避難場所基本計画の策定に当たっては、学識者や市民意見から成る検討委員会を立ち上げ、検討していくということですが、委員会では幅広い視点での議論をするべきで、特に、避難場所の運営に関しては女性の視点に配慮することが大切だと考えます。  そこで、質問ですが、検討委員会のメンバーはどのような考え方で選ばれるのか、また、この中で女性委員の参画率はどの程度となる見込みか、お教えください。 ◎山崎 危機管理対策部長  避難場所検討委員会のメンバーについてでございます。  防災教育だとか市民防災あるいは地域防災を研究されている大学の教授の方、あるいは、福島県で実際に避難場所運営を行った経験者の方、あるいは、障がい関係者及び障がい者の支援者、住民組織の代表、ボランティア団体の学生など、さらに、このほかに2名の公募委員を加え、合計13名で検討委員会を設置することで考えております。  札幌市といたしまして、避難場所運営に関しましては、委員のご指摘のように女性の視点が重要であるという認識を持っておりますので、その中で検討委員会の女性の参画率ということを考えましたら、5割前後は女性になるというふうに考えております。 ◆しのだ江里子 委員  この検討委員会の委員は、本当にさまざまな方たちが13人参加されるということで、大変中身の濃い検討委員会になると思います。さらに、この中で女性の参画率が5割を超えるということは、本当にほかの都市では今までできなかったことで、そういった意味から札幌市が目指すところは大変すばらしいものが見えてくると思います。  いち早く地域防災計画の改定を行いました大分県では、見直しの過程において、被災地から大分県へ避難された方々の実体験、そして、被災地で支援活動にかかわった職員の意見、また、被災地に派遣され、災害救助をされた自衛隊とか海上保安庁などの防災関係機関の方々からのアドバイスも加えまして、昨年12月16日に素案を発表し、その後、防災会議幹事からの意見とか、教育、福祉関係者などを対象とした説明会での意見などを反映し、国の防災基本計画とのすり合わせを行った上で、ことし3月27日に公表しています。  そこで、質問ですけれども、被災地から札幌市にはいまだ1,500人近くの方たちが避難されてきておりますが、計画の策定に当たっては、こういった避難をされている方から意見を聞かせていただくということは有意義なことであると思うのですが、いかがか。  あわせて、札幌市からは、これまでに延べ1,000人以上の職員が被災地に派遣され、さまざまな業務に従事し、貢献されてきています。今もまだ現地で貢献している職員の方がいらっしゃるということは、私たちもよく伺っております。中でも、保健師は、避難場所において健康相談業務に従事してきておりまして、その経験、意見などを聴取し、避難場所基本計画の策定にぜひとも反映させるべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  避難者からの意見聴取についてでございます。  仙台市では、平成23年11月から12月にかけて、1万5,000人の被災者の方々を対象にアンケート調査を実施しております。調査項目につきましては、地震後の避難行動、それから、震災後の生活、避難所に関する意識、避難所の生活などに関するものでございました。私どもは、この調査結果の提供を受けておりますので、こういった調査結果についても計画策定の参考としたいというふうに考えております。  委員からご指摘のあった札幌市への避難者1,500人につきましては、3分の2の方が福島県からの自主避難の方と推測しております。その1,500人の方たちが避難所で過ごされた経験があるのかどうかという情報はありませんので、私どもとしては、とりあえずは今ご説明した仙台市からのアンケート調査の方を参考にさせていただきたいというふうに考えているところでございます。  また、2点目は、計画への保健師の意見反映についてということでございました。  研修会等において派遣された保健師の方の体験報告を行うなどしておりまして、情報提供、情報共有を図っているところでございます。また、平成24年3月の中央防災会議の報告におきましても、先ほど申し上げたように、避難場所での感染症の蔓延、あるいは、被災者の持病の悪化などが課題とされているということでございますので、被災地派遣の保健師からの意見も参考に計画の策定を進めていきたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  確かに、平成23年に仙台市がなさった1万5,000人のアンケートも大きなウエートを占めると思います。しかし、私は、やはり生の声を聞いていただきたいと思います。紙には書けないことがたくさんあります。そういったところをしっかりととらえていただきたいと思います。保健師の意見に関しても、まさに実際に行って状況を把握された方たちの生の声ですので、それを私たちの地域防災計画の中にしっかりと取り込んでいただきたいと思います。  先ほど、避難場所基本計画検討委員会が9月から11月までの開催予定で、パブリックコメントを経て、来年2月の防災会議での報告をもって公表するというご報告がありました。  昨年の平成23年第3回定例議会の代表質問で、私は、東日本大震災を教訓とした避難所の運営について、女性への配慮という観点から質問を行い、小澤元副市長の答弁では、今後、被災地へ派遣した職員へのヒアリングを行うとともに、被災地での実際の対応について調査を実施し、避難所運営のマニュアルの改定に着手いたしますということでしたけれども、1年近くたちますが、残念ながら進んでいるようには見えません。  昨年7月20日に、内閣府男女共同参画会議基本問題・影響調査専門調査会は、政府に対して、予防、応急対応、復旧、復興というすべてのプロセスにおいて、男女共同参画の視点を取り入れていくための提言を行いました。その後、昨年12月に中央防災会議防災基本計画が決定され、その総則におきましては、地域における生活者の多様な視点を反映した防災対策の実施により、地域の防災力向上を図るため、防災に関する施策、方針決定過程及び防災の現場における女性の参画を拡大し、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制を確立する必要があるとしておりまして、女性層の消防団員への参加促進、それから、自主防災組織への女性の参画促進なども盛り込まれています。  札幌市防災会議ですが、国の災害対策基本法の規定に基づき、組織を定めることが決められていますが、いわゆる充て職中心でありまして、7月6日現在、62人中、平成20年4月に上田市長が防災上必要と認めた4人中2人を含めて、女性は5名しかいません。それぞれの区でも地域防災会議がありますが、これにおいても同様と考えられます。また、この2名の所属する団体は、市民まちづくり局所管でありながら、規定第5号、札幌市の部内の職員においてもともに男女共同参画を推進する市民まちづくり局からはどなたも参加していないことを見ても、今までどおりの縦割りのいびつなものであると私は思います。そしてまた、こういった災害・雪対策調査特別委員会においても、危機管理の方たちはおそろいでいらっしゃいますけれども、当然、保健福祉局であったり、市民まちづくりの方も参加すべきと思いますが、現在の段階では参加されていないわけです。  7月11日の札幌市防災会議の議事録を拝見しましたが、ほとんど原局からの説明報告で終始しておりまして、上田市長がごあいさつで自由闊達なご議論を求めたのですけれども、これには甚だ遠い内容でした。しかし、62名の方たちが一斉に会したところで議論ができるかというと、極めて難しいと思います。3.11までは、防災会議は余り実感のないセレモニー的な会議体であったと思います。しかし、これからは、いかに実効性のある会議とするのかを市民に見せていかなければならないと考えます。他都市では、専門委員会とか部会を設けているところもありまして、その動向で市の計画の内容とか進捗動向を目にすることもできます。札幌市は、早急に防災会議の委員構成とか、会議のあり方を検討すべきであると指摘させていただきます。  災害は、本当にいつ来るかわからないですし、あした来るかもわかりません。地域防災計画は、策定した後に市民に周知していただき、市民がこれに対応できるように実践していかなくてはならないということになりますと、今のスケジュールのままですと、まだまだ先になってしまうことを心配いたします。市民の不安の払拭を果たすためにも、一日も早く改定していただくことを求めます。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、原子力災害対策津波対策、そして、避難所環境、避難場所整備について、前段の議論と少し似た部分がありますけれども、少し形をかえて簡潔に質問させていただきたいと思います。  初めに、原子力災害対策について、3点続けて質問いたします。  今回、議論されております原子力災害は、あってはならない災害でありますし、また、我が党としては、今後、原発については新設、増設しないという立場でありますけれども、それが正式に決まった場合、廃炉までの期間のために準備をしなくてはならない計画だろうというふうに思います。ただ、万が一、起きてしまった場合、その状況に応じた対策をしっかりと行うことが重要であるというふうに思います。  昨年7月末と8月の後半に、福島県を2度訪問させていただきました。見た目は何も変わらない福島県が、放射能に汚染され、私どもの身体に影響を与えることがあるという不安から、何とも言えない息苦しさを感じたものであります。また、本来は子どもたちが駆け回る学校のグラウンドに行った際に、立入禁止のロープが張られていまして、雑草が生えていたことに衝撃を受けたところであります。その訪問のときのことを通じて、質問してまいりたいというふうに思います。  初めに、郡山市に住む知人宅を伺いました。話を伺いますと、その方は、最初の数週間は、極力、家から出ないようにして注意を払っていたそうですけれども、だんだんとそのことが苦しくなってきて、耐え切れずに外に出るようになったそうであります。余り気にし過ぎないようにしているのだけれども、子どもにどのような影響があるのか非常に不安だと。1年前の話でありますけれども、ちまたのうわさでは、郡山市、福島市などは規模が大き過ぎて避難ができないことから、政府は避難しなくてもいい基準で避難地域を決めたのではないかと、こんなようなことも聞こえてくる、本当のことが知りたいというようなお話を伺ったところであります。  先ほど来のお話にもありましたが、市民に対してどのように危険回避と不安軽減の説明をしていくのか、私も大変重要であると思っております。心配ないということを繰り返すだけではなく、一方で、不安をあおらない説明をどのようにしていくのか。特に難しい内部被曝についての危険性とともに、不安などのストレスによる健康への悪影響なども、わかりやすく、かつ正確な説明ができるように、いろいろな説がある中で、札幌市として、有識者の見解を踏まえて、まとめておく必要があるのではないかというふうに思うところであります。このことについて、まず、お聞きしたいと思います。  次に、風評被害対策について伺います。  福島市では、モモ農家を訪問させていただきました。昨年は、大変立派なモモの実がなっていたわけですが、お話を伺いますと、先ほど報告があったように、基準値を下回っていたとしても価格はひどい状況で今シーズンはあきらめていると、怒りと悔しさを抑えている大変苦しい状況が伝わってまいりました。こうしたことから、私は、そのときに、極論を言えば、風評被害に対抗するにはすべての産品を検査するしかないのですが、それには限界もありますので、検査体制の強化や検査手法の改善はできるだけ進めておくべきであるというふうに思ったのでございます。  そこで、質問ですが、風評被害対策について、どのように食品検査体制の強化を進めていくのか、お伺いしたいと思います。  続けて、除染対策についてもお伺いいたします。  福島市内で、児童公園の除染作業を行っている場面に出くわしました。そこで、作業員の方にお話を伺いますと、国からは何の指示もないために、待ち切れずに自治体独自で始めているということでありました。その手順とは、まず、公園の中に巨大な穴を掘って汚染されていない土を掘り出し、次に、公園全体の表土を約5センチぐらい削るそうであります。そして、その表土は、汚染された土でありますので、先ほど掘った公園の巨大な穴に水を通さない特殊なシートを敷き詰めた上で埋め戻すと。結局、持っていく先がないものですから、公園内に埋め戻すという苦肉の策をとられたわけであります。そして、事前に掘り出した土は削った後の公園内に敷き詰めて、地面のそば、50センチ、1メートルと3通りの高さで線量を計測し、線量が一定以下であれば完了ということです。また、樹木は、水を吸い上げる関係で非常に高い数値が出ることがあって、枝分かれをしている部分が高い数値であることもあるそうでございます。  このように手探り状態で進めておられたのですが、今後、本格的に除染作業が行われてくると、さまざまな知見が得られると思います。その情報をもとに、ここ札幌でも、地理的特徴を生かした除染方法について、作業の担い手となる事業者も交えて検討しておく必要があると思うところであります。  そこで、質問ですが、除染の手法について、情報収集はもとより、作業を行う土木業者などへも理解を得ていくとともに、札幌市の地理的特徴を生かした除染手法についても作業を担う方々と検討していくべきではないかと思いますがいかがか、伺います。
    ◎山崎 危機管理対策部長  まず、1点目の危機回避のため、あるいは不安軽減のための情報提供ということでございます。  放射線に対する不安の軽減についてですけれども、今回の地域防災計画における原子力災害対策編の策定目的の中に、市民の生命、財産を守る、あるいは、市民の不安を軽減し、無用な混乱を生じさせないということをうたっているところでございます。放射線が目に見えないという特殊性とか、人体への影響にも諸説があることなどを十分に踏まえまして、今後の計画策定において、情報提供のあり方について有識者からのご意見もいただきながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  また、風評被害対策ということで、2点目の食品検査体制と3点目の除染体制についてでございます。  これも、委員がご指摘のように、本当に難しい課題が山積をしていて、札幌市だけで判断できる問題かというような状況にもあるわけですけれども、事故が発生した場合に迅速に対応するためには、適切な体制構築が必要不可欠だと我々も認識しているところでございます。やはり、その考え方や方向性については整理していかなければいけないということで、これについても、今後の計画策定の中で検討を進めていきたいというふうに考えております。 ◆福田浩太郎 委員  現時点でのお答えであろうというふうに思って理解をさせていただきます。  続いて、津波対策について簡潔にお伺いしたいと思います。  先ほど説明があったように、日本海側の津波については、予測の見直しがまだ出ていないということで、予定もなかなか立っていないということです。過去の文献では、前回の委員会でもご説明いただいた資料にも書かれていますように、3メートルほどの津波が記されている程度でありまして、また、津波堆積物調査については、今の段階では津波の痕跡はなかなか見つからない状況だということも伺ったところであります。  このように、いつ新しい津波予測が出るかはっきりしない状況ではありますけれども、先ほどおっしゃっていただいたように、市民の方々は大変心配されているところでありまして、海に近い私の地元手稲区では心配されている方が多くいらっしゃるのが実情でございます。よくわからないけれども、とりあえず高台に逃げるしかないと思うものの、先ほどもお示しいただいたように、JRの鉄路が遮っておりまして、道路の数も限られていることから、一層不安が募っているのが実情でございます。  津波も、どのような高さのものが押し寄せるのか、不明であります。最大津波が予測されたとしても、そのとき、どのような高さが来るものなのか、わからないのであります。最大の津波が押し寄せることは非常にまれなことでもあると思いますので、津波発生時の予測に応じた高さの建築物に避難ができるように、臨機応変な避難行動を支援していくことが必要ではないかと私は思うものであります。  今回いただいた資料には、7階以上の高層建築物が避難場所として考えられる場所ということで図示していただいておりますけれども、私は、2階の屋上以上の場所についても、避難ができる建物については、その避難施設の高さを明示したハザードマップのようなものを作成するべきではないかと考えるわけですが、この点いかがか、お伺いしたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  平成23年度の基礎調査におきましては、今後の避難ビル候補として3階建て以上の建物の数と位置について調査したところでございます。ただ、委員も今ご指摘したとおり、津波の浸水範囲と高さが明確でない、来るかどうかもまだはっきりしていないという状況の中で、今の段階で避難施設としてマップを作成して、そこに避難ビルを明示するようなことにつきましては、私たちは、市民に誤解を招くことにもなりかねないというふうに考えるところであります。今の段階では、ちょっと難しいかというふうに考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  確かに、そういう誤解も生じかねないということで、おっしゃるとおりの部分もあると思います。  そこで、詳しくお聞きしたいと思いますが、きょういただいた資料2の4今後の展開の中に、自主避難を促す啓発パンフレット等の検討ということが書かれておりますけれども、そのパンフレット等というのは、どのような内容を考えているのか、お聞きしたいと思います。それぞれの場所の海抜を示すなど、基礎資料を明示した啓発パンフレットのようなものをぜひ作成していただきたいというふうに思うわけですけれども、今、考えている時点での内容をお聞かせいただきたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  今後、津波の検討委員会を立ち上げまして、市民への津波防災啓発について検討していくこととしているところでありますけれども、その中で、委員がご指摘のように、海抜を示した地図だとか、あるいは、津波の一般的な心構え等の普及啓発のためのパンフレット作成について、ぜひ積極的に検討していきたいというふうに思っています。 ◆福田浩太郎 委員  私からも、この資料はぜひ積極的につくっていただきたいということを要望したいと思います。  最後に、避難場所整備についてお伺いいたします。  私の住む町内でも、収容避難場所はどこでしょうかという問い合わせがあったところであります。中学校と小学校が指定されていましたけれども、率直に申し上げまして、私は少ないなと感じたところであります。東日本大震災の避難所の様子をテレビなどで見ていますと、自分の地域の中学校と小学校で果たして足りるのか、足りない場合もあるのではないかというような危惧もするところであります。  そこで、基本的な質問をさせていただきますが、札幌市では、避難者を何名で想定し、また、収容避難場所での1人当たりの広さはどのぐらいのものを考えているのか、伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  まず、1点目の避難者数についてでございますけれども、第3次地震被害想定によるということで、冬の発災当日で約11万1,000人ほど、それから、夏期の発災1日後では約13万6,000人というふうに想定をしております。  また、2点目の避難場所における1人当たりの必要面積でございますけれども、2平方メートルと計算しているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  最大被災者数ということで想定されているということですが、ただ、果たして計画どおりに収容できるのかというふうに思うのです。  ことしの3月に、札幌市社会福祉協議会とボランティアセンターの主催で、復興支援と防災活動についてのシンポジウムが開催されて、参加いたしました。その中で、SONAE仙台防災学習研究所の古橋所長のお話を聞く機会がありました。大変参考になるお話だったのですが、印象に残ったお話の一つに、都心部における収容避難場所の一層の確保ということがありました。仙台という大都市で、多くの人々が活動されている日中時には、とりわけ都心部の避難場所、駅や学校は人があふれ返ってひどい状況であったそうであります。地震がやむと、まちの商業施設に来ていた方々は店舗から外へ出られ、その方々は駅や学校に集中したそうであります。そこで、今後の課題として、商業施設にも避難を受け入れてもらえるように協力をとりつけなくてはならないと語っておられました。  都心部については、帰宅困難者への対応ということできょうの議題ではないというふうに伺いましたけれども、私は、地域の避難場所についても、病弱な方や高齢者、また障がいのある方など、基準の広さでは十分とは言えない方々のことや、長時間にわたる避難を余儀なくされた場合などを考えると、先ほどお答えいただいたような1人当たりの広さでは足りないこともあり得るのではないか、より一層の収容避難場所の確保をしておかなくてはならないのではないかと思ったところであります。  そこで、再質問ですが、商業施設などについても受け入れていただけるように準備を進めていくべきではないかと思います。帰宅困難者への対応だけではなく、地域の避難場所についても、想定を超えた避難場所の環境悪化が生じた場合のために、民間施設などと準避難場所としての協力関係を構築しておくべきではないかということをお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。 ◎山崎 危機管理対策部長  収容避難場所といたしましては、50名以上収容可能で給食施設があれば、市有施設か民間施設かを区別せずに、管理者の同意が得られれば指定しているということでございます。今、ご指摘のあった商業施設につきましても、管理者の同意があれば、収容避難場所として指定は可能であると考えますが、例えば、避難が長期化した場合に、営業再開との兼ね合いだとか、あるいは、損失補償だとか、解決しなければならない問題がまた出てくるのかなと考えるところでございます。  今後、協力関係の構築に関しまして、研究していきたいというふうに考えております。 ◆福田浩太郎 委員  きょうの段階では、これから細かいところを決めていくということで、踏み込んだお答えはできないということは理解をいたします。今後の検討においては、これらの意見もしっかりと踏まえていただくことを要望したいと思います。  我が党では、防災については、ハード整備など公助の着実な強化はもちろんですが、自助、共助、公助のバランスをとりながら、自助、共助の一層の向上が求められると考えております。190万人もの巨大都市札幌の災害対策ですから、小さな危機管理対策室では、到底、手に負えるものではないと思います。先ほども各委員がおっしゃっておりましたが、各区役所や関係部局のさらなる協力や、責任感の向上を私からも求めますし、また、家庭や地域で事前の備えや自助能力が向上するようしっかりと取り組んでいただくことを求めて、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  私からは、原子力災害対策編についてと、避難場所環境整備については二つということで、三つ質問したいと思います。  まず、原子力災害対策編についてですけれども、いただいた資料1の4で主な検討項目が6点挙げられております。その中で、事故、異常時の情報収集体制の整備、そして、市民等への情報伝達体制の整備、私はこれが大変重要だというふうに思っています。福島第一原発の事故のときには、事故直後、政府あるいは東京電力の情報そのものが不正確であったり、錯綜したために、住民が避難そのものをちゅうちょする、あるいは、避難してまた別の場所に避難をするというように転々としたということで、どうしたらいいのか、何を信じたらいいのかわからないという不安を抱えた人がたくさんおられて、今もなおそれが続いている、こう思っています。  泊原発から40キロないし80キロという圏内の本市は、UPZにも含まれておりません。放射能での汚染というのは、何キロだから安全だというようなものではなくて、本当に、どこにどう飛散するのかわからないというものです。万一、泊原発で事故が起きた場合に、正確な情報をいかにして速やかに得て、それを市民に伝えるのかということが最大のポイントだろうというふうに思うわけです。  そこで、先ほどの検討項目の六つのうち、主に二つの部分ですが、私は、得る情報が正確なものであることが必要だと思います。そのためには、やはり、災害直後に科学者あるいは専門家といった方の目が必要だというふうに思います。ですから、災害発生時にどのようにして正確な情報を得ようとお考えなのか、これが正確だというふうに判断する基準がおありなのか、どうされるのか、ここを伺いたいと思います。  それから、避難所環境の整備について、二つ伺いたいと思います。  一つは、長期に避難所生活をすることになるであろう学校体育館についてですけれども、テレビ、パソコン接続の環境、あるいは、災害時に臨時の電話回線などを引くことで避難者への情報提供や連絡体制を整備することが重要な課題だというふうに思いますが、まず、この点についての認識を伺いたいと思います。  既にある学校でこのような整備を計画的に進めること、それから、これからの学校の改築や改修に合わせてこういう視点で工事をすること、この2本立てでやっていくことが大事だと思いますが、その点はいかがか。特に、学校体育館を新築、改築される場合に、避難所として使われることを前提にした設計にすべきだと思いますがいかがか、伺いたいと思います。  それから、避難所環境整備についての2点目ですけれども、私どもは、すべての収容避難場所に応急備蓄物資を配置するように、かねてより求めております。今回実施された各政令指定都市避難場所備蓄物資状況調査で、名古屋市や神戸市など七つの政令市はすべての避難所に備蓄物資が配置されていることがわかりましたけれども、本市では、備蓄物資の配置をふやすために市内の収容避難場所の調査をされたのかどうか、ここを伺いたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  まず、原子力災害対策ということで、情報収集体制、あるいは、それに伴う適切な対応のための体制ということでのご質問にお答えしたいと思います。  まず、泊発電所で事故が発生した場合におきましては、私どもも迅速かつ正確な情報収集体制を構築する必要があると考えております。今後の防災計画策定の中で専門家の方々のご意見を聞く機会が多々あると思いますので、その中で、そういった情報収集体制についても、委員がご指摘のように、どういった情報が正しくて、どういった行動をすべきなのかということを含めて、ぜひご意見をいただきたいというふうに考えております。  なお、適切な対応のためには、同じことになるかもしれませんけれども、我々が判断するのではなく、あるいは、道とか国の指示をただ待つだけではなくて、札幌市も対応について独自に備えなければいけないというふうに考えておりますので、そういった形とか手法についても、あわせて検討委員会の中で有識者のご意見をいただきたいというふうに思っております。  それから、避難場所環境整備についてでございます。  まず最初に、避難場所整備の中で、情報機器の整備といいますか、避難生活が長期化した場合の整備については、今回、東日本大震災でも停電だとか通信障害による情報の遮断が問題になったということでございますので、私どもも、避難場所となる小・中学校にどういった情報提供のための機器類を整備するのがいいのか、今後も研究していきたいというふうに考えております。  またあわせて、避難場所としての体育館のハード面の整備ということでご質問がございました。避難場所としての体育館の整備のあり方については、先ほどからいろいろご批判もありますけれども、他都市の状況も参考に、市内部でも連携をとりながら、札幌市避難場所基本計画検討委員会の中で関係者と議論し、整理していきたいと思います。既に、先行的な事例として、モデルケースということで防災要素を含めた体育館の大規模改築ということも一部やっておりますけれども、そういったことも含めて庁内でも議論を進めていきたいというふうに考えております。  それから、備蓄物資の件でご質問がございました。  備蓄物資についての基本的な考え方といたしまして、私どもも、災害時には、公助だけで済むわけではなく、自助、共助が優先して行われなければ本当の減災につながらないということを何度も申し上げてきたところでございますので、基本的にはそんな形の中で防災協働社会を目指したいと。備蓄物資につきましても、今回、設置する検討委員会の中で、配置の手法だとか、何を備蓄するかというようなことにつきましても検討をしていくことにしているところであります。  また、避難場所での備蓄物資の保管スペースがあるかないかという調査をしたのかということでございましたけれども、昨年実施した基礎調査の中で、市有施設以外の167施設の収容避難場所に対して調査いたしました。その結果、136施設から回答があって、その136のうちの48施設には、広さはさまざまでございますが、保管スペースがあるという回答がございました。 ◆小形香織 委員  まず、原発についてですけれども、今、国や道の動きを待つだけではなくて、独自に備えていくのだというふうにご答弁されました。こういう姿勢が非常に大事だと思いますし、専門家からのご意見も聞きながらということになりましょうが、当然、計画策定の検討の際は専門家が入っておられるのは承知しておりますけれども、災害が発生した直後にアドバイスをいただけるような仕組みが必要だと思っていますので、ぜひ、このことを今後の検討の中に含めていただきたいと思います。  それから、学校体育館については、これからどういうふうにしていくか、検討したいということでした。モデルケースもあるというお話で、寒さに耐えられる保温性の高い体育館にするように設計しているところが既にあるというふうにも聞いています。しかし、とりわけ車いすの方とか身体の弱い方などに対する配慮が非常に大事だと思います。長期の避難生活になった場合に、大勢の中ではなかなか暮らしていけない、そういう弱者への対策を検討されようとしておられるのか、そうした対策をとっておこうとお考えなのかどうか、学校体育館についてはここを聞きたいと思います。  それから、収容施設全体について、昨年は、民間の避難場所については備蓄物資を置けるかどうかの調査をされたというご答弁でした。  しかし、いざ、災害というときに、市民の方は、備蓄物資のある場所だから避難するということではなく、選ばずにとにかく避難場所というところに逃げていくと私は思うのです。自宅近くの避難所が市有施設なのかどうか、あるいは、備蓄物資が置いてあるかどうかなどは考えずに行くわけで、そうしたときに、そこに水や寝袋などの備蓄物資があるかないかということは選べないわけですから、ひとしく置いてあるというのが一番いいと思うのですね。  冬の災害の場合は、すぐに毛布が使えるかどうかなどは命にかかわることになります。そして、避難してくる方は元気な方ばかりではありません。真冬の一番寒いときに災害が起きたことを想定したときに、障がい者や高齢者、病気を持っておられる方にとって、避難場所に毛布が1枚あるかどうかが生死を分けることにもなりかねないと思うのです。ですから、私は、すべての場所に応急備蓄物資を配置することが大事だ、命の補償になっていくだろうというふうに思うのです。  例えば、市内の一部で災害が起きたときには、ほかの地域から備蓄物資を運んでくることが可能だと思います。そういう場合には、まとめて保管しておいて移動の手間を省いて配置していくという考え方になるのだろうと思いますし、そういうやり方を否定するつもりはないのです。  しかし、先ほどのご答弁にもあったかもしれませんが、やはり、東日本大震災のような規模で大地震、水害、猛吹雪などがあって交通麻痺が起きたとき、せめてこうした高齢者や障がい者、病気をお持ちの方々に対してだけでも物資が届くような、そういう置き方が必要だというふうに思います。1カ所の避難所に配置できる備蓄物資の量は、そこに来る避難者全員には行き渡らないかもしれないけれども、少しでもそこにあるという考え方が必要なのではないかというふうに思いますが、その点、いかがか、伺いたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  まず、避難場所における要援護者の方々への配慮についてのご質問だったと思います。  今回の東日本大震災の教訓に基づきまして、中央防災会議の報告の中に、特別な支援が必要な人への配慮が必要だということも報告されております。私どもも、その必要性について十分に認識をしているところでございますので、関係部局と連携を深めまして、どういった形で要援護者の方々へ配慮できるか、例えば、個別のスペースが配慮できるのかどうかというようなことについて検討を進めていきたいと考えておりますし、今回の避難場所基本計画検討委員会の委員からもご意見をいただいて、方針を出していきたいというふうに考えているところでございます。  それから、備蓄物資の配置のあり方についてのご質問でございました。  いろいろな考え方がありますので、それは、私どももこれまでにも述べてきたところでございます。今回は、さまざまな学識者、避難場所のお手伝いをされた経験者の方、あるいは一般公募の市民も含めて、そういったあり方について検討していただくということですので、私どもとしては、いろいろな状況の中でご意見を出していただいて、札幌市としての配置方針というものをなるべく早い時期に決定していきたいというふうに思っております。 ◆小倉菜穂子 委員  私は、原子力災害対策について、簡潔に伺っていきたいと思います。  もう言うまでもないのですが、札幌市は、活断層の問題なども指摘されている泊原発から40キロから80キロメートルに位置していますので、とりわけ本市においては、市民の生命、財産を確実に守るため、原子力防災体制を早期に、そして確実に整える必要があることから、私どもは、これまでも、地域防災計画の中でも特に原発関係の対策について、その検討の課題であるとか、検討委員会をどうするかといったことについて質問させていただいてきたところです。  その中で、当初のスケジュールからはおくれたものの、有識者による検討委員会が設置されたということで、きょういただいている手元の資料にもそこで検討される課題が列挙されております。この検討項目を見ますと、その一つ一つはもちろんどれも大変重要なテーマであると私は思っておりますが、その中で、こうしたことは盛り込まないのだろうかと思った点があったものですから、まず、その点について確認させていただければと思います。  まず、安定ヨウ素剤の配備などを初めとする被曝に関する緊急時の医療体制であるとか、また、健康管理を含めた継続した医療体制の整備についての記述がないと思ったのですが、そういったことは検討課題に入っているのかどうか。また、屋内退避、被災地住民の避難の受け入れといった項目がありますが、放射能汚染が広域に及んだ場合、札幌市民であってもどこにどうやって避難するのかといった避難についての検討はどうなのか。そして、もう一つは、1定の代表質問のときの答弁で、放射能被害想定の札幌市独自のシミュレーション実施について言及されているのですが、これは、いつ、どのように行おうとしているのか。こうしたことの検討はここでどんなふうにあらわされていて、あるいは、これからの検討の中で行おうとしているのか、まず、その点について確認させていただきたいと思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  まず、1点目のヨウ素剤の配備を含む医療体制の整備についてでございます。  原子力災害の医療体制につきましては、各市町村ではなくて、広域的な対応が求められる性質があるというふうに認識しております。したがいまして、医療体制についてこういったことをやりたいということを札幌市だけが考えるのではなくて、特に北海道との緊密な連携が極めて重要であるというふうに認識しております。したがいまして、この計画を進めていく上では、医療体制の整備についても北海道と十分に協議して検討を進めていきたいというふうに考えております。  また、放射性物質拡散のシミュレーションについてでございます。  本来でいけば、シミュレーションがあって、それに対してどういった対応をとるのかというのが防災計画の考え方なのかもしれませんけれども、今、現在、私どもはシミュレーションを入手できておりません。国あるいは道の説明では、国がそれぞれの原子力発電所ごとに拡散シミュレーションを示す予定であり、北海道は、国からのシミュレーションをベースに地域防災計画の修正をするというようなことも聞いているところでございます。したがいまして、札幌市独自のというお話もありましたけれども、国あるいは北海道がシミュレーションを提供しないようなことになればご指摘のようなことも考えるべきかというふうに思っておりますけれども、今現在は、その状況を注視し、最終的には、国が示す放射性物質の拡散シミュレーションをもとに、道も整理をし、私どもも整理をするというふうに持っていけたらいいなと思っているところでございます。  それから、避難想定につきましても、今申し上げたように、本来は拡散シミュレーションをもとにやっていくべきだと考えておりますので、例えば、屋内退避というような防護措置も考えられますけれども、その具体的な手法とか対応策については、今後の策定過程の中でご意見を伺いながら検討していきたいというふうに考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  医療のところは、広域的な対応を考えていくということでしたので、それは了解しました。  避難のことですけれども、札幌市民が避難することも想定する必要があるのではないかと私は思うので、ぜひ、その検討の中で、もしかしたら委員のどなたかがそんなお話をされるかもしれませんが、そういったことも考えていただければというふうに思っています。こちらに避難している方などから聞いた話ですが、福島の市長は、去年の議会で、全市民を対象とする避難計画をつくると答弁したという話も伺っていたりするものですから、もちろん、それをそのまましてくださいということではないですけれども、私は、本市においても実効性のある避難計画を考えることが必要だというふうに思っています。また、福島の現状に照らせば、自主避難の方が札幌にもたくさん来ておられますけれども、そういった検討がされるようであれば、そうしたことについて、札幌の考えというものを明らかにしておく必要があるのではないかというふうに思っています。  シミュレーションについては、今のお考えはわかりましたけれども、国や北海道の取り組みは、これまでもなかなかスピーディーに行われてきていないということがありますので、まず、シミュレーションがないまま計画をつくって、後で出てきたときに、それに合わせて組み立てを変えるということもあると思います。ですから、できればずっと待っていることがないように、おっしゃったとおり、ぜひ、時と場合を見て、独自のシミュレーションをやることをとどめておいていただきたいと思います。  それから、これから検討委員会でたくさん議論していただいて、さまざまな計画、対策が充実してくるだろうと思いますけれども、どんなにいろいろな対策が図られても、先ほど来出ているように、原発事故に関する情報を即時に把握できなくては、ほかのものをどんなに整えても、それを生かすことはできなくて、市民の命を守ることができないのは当然だと思います。  この検討項目の1番目にも情報収集体制の整備ということがありますけれども、北電からの情報のあり方が重要なことは言うまでもありません。先ごろ、4カ町村の安全協定の関係で、これから後志管内で安全確認協定というものが締結される方向だという報道がありました。この安全協定自体、協定を結ぶ対象自治体が限られるといったことで、そういうあり方がどうかなというふうに私は疑問に思っておりますが、直に北電からの情報を得ようとすると、協定といったことも一つ頭に置いてやっていかなければならないのかなということも一方で考えているところです。本来であれば、協定などによらずに、直に自治体に事故の連絡を出していくのが当たり前だと思っています。  そこで、北電からの正確な情報が一秒でも早く伝えられるように、今後、札幌市は、安全協定を含めて、原発事故情報の確保にどういうふうに取り組んでいくのか。この点については、市長が短いコメントをされているのが新聞にありましたけれども、改めて市の考え方を伺っておきたいというふうに思います。 ◎山崎 危機管理対策部長  ただいまご指摘のように、泊発電所で事故が発生した場合等につきまして、どのような事故が発生したのか、あるいは、事故後の発電所の状況がどうなのかというようなことは、我々も迅速かつ正確に情報収集しなければいけないと考えております。そのために、今、委員がご指摘の協定のことも含めまして、どういうふうに正しい情報を正確かつ迅速に収集すべきなのかということの体制についても、検討してご意見をいただきたいというふうに考えているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  情報の確保には何としても力を尽くしてもらわなければならないというふうに思っていますし、また、事故情報を得るということは自治体や市民の当然の権利だと考えていますので、ぜひしっかりと確実な取り組みを急ぐことを強く求めたいというふうに思います。  最後に、防災の基本は、まずはどのような災害が起こるかを想定することから始まると思いますけれども、昨年3月に自然災害と原発事故が複合的に起こって大変過酷な状況を引き起こしたことからも、そういった複合的な災害の想定は欠かせないと考えて、これまでも予算特別委員会などで質疑をしたことがあります。  中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災した新潟県の原子力防災計画の複合災害時体制整備計画、また、北海道や青森県などの自治体の原子力防災計画の見直しに当たって、私は課題の整理のあたりを拝見してきたのですが、そうした複合的に起こる災害に関する視点が盛り込まれていますし、自治体から国に対して、国の防災基本計画に複合的な災害に対する取り組みを求めるべきだという内容の提言もなされているところです。  原発に限った対策をどう強化しても、大規模自然災害が同時に発生した場合、また、そうした自然災害によって原発が事故を起こした場合、例えば、モニタリング機能が損傷したり、道路が寸断されるとか、資機材等の被災や病院の不足といったことを想定しなければ、原子力防災対策の実効性が向上しないというふうに感じております。さきの予算特別委員会においてもこの点について伺ったところ、原子力災害対策とあわせて検討を進めていくといった答弁でした。  そこで、質問ですけれども、私は、ぜひ、こうした複合災害という視点を原子力災害対策に盛り込むべきと考えますが、これについて、万全の原子力災害対策を策定しようとしている本市の認識を伺います。 ◎山崎 危機管理対策部長  自然災害と原子力事故災害の複合災害についてでございます。  東日本大震災における福島第一原発の例を見てもおわかりのとおりでございまして、極めて重要な課題というふうに認識しているところでございます。その具体的な対応方法や内容につきましては、自然災害と言ってもさまざまな自然災害がございますし、そういった自然災害と原子力災害対策ということについて、例えば、優先順位としてはどういった方法を考えるかとか、あるいは、それを判断する基準はどういうところに置くのかというようなことも含めて、適切に対応ができるように原子力災害対策編に盛り込むことも含めて、有識者の方々のご意見を伺いたいというふうに考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  盛り込むことも含めてということですけれども、想像するに、検討委員の方々も、そういう言い方をされるかどうかわかりませんが、恐らくそういった視点は当然持っておられるだろうなと思います。  政府の事故調査委員会の報告が出ていますが、そうした複合災害の視点の欠如ということが指摘されています。これは、いただいた資料にも、今後、国であるとか北海道、そして札幌市の原子力災害対策の整合性を図ることがしっかりとうたわれておりますが、それをする上でも必要な事柄の一つとなってくるというふうに考えます。それを考えていくのは本当に大変だろうと思うのですけれども、私は、実効性のある原子力災害対策には何よりもこの視点が不可欠だろうというふうに考えています。  最後に、要望ですけれども、資料の1ページにもあるように、そして、先ほども文書の中で使わせていただいたように、万全の対策を目指して取り組むということを大変期待しています。これから計画を策定して、その後、さまざまな実際の取り組みにつながっていくわけですが、いつ起こるかわからない災害のためには、対策の整備に何十年もかけることはできないというふうに考えます。そしてまた、ここまでできたら終わりということがないのがこうした対策の性質でもあると思いますので、計画の策定に当たっては、いつまでに何をやるといったような目標を設定して確実に取り組むことを要望して、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  まず、飲料水の関係であります。  市内には高層マンションなど高層の建物が相当数ありますが、水道の水については、最近建つものは、直接、圧力を加えて上層階まで上げる方式ですけれども、古いものについては地下に受水槽を持っていて、ポンプで圧力をかけて上の方から水を落下させる方式をとっております。  東札幌にダイエーというお店があるのですが、そこの上のマンションは、昭和51年から入居を始めた151所帯のマンションです。このマンションは、去年の震災発生前までは、直圧式の工事をして受水槽をとってしまおうということを考えて、理事会でもそういう方向で行こうと決めていました。しかし、去年の震災発生後に、受水槽は大事だということで考え直しまして、早速、マンションの方で水道業者に頼んで、配管をして、蛇口をつけて、ペットボトルで水をくめるように受水槽の改良を終わらせています。  そういう取り組みを、高層マンションあるいは高層の建物で受水槽のあるところに積極的に呼びかけてきたかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。  そしてまた、そういう可能性のあるところがどのぐらいの数あって、受水槽にためている総水量がどのぐらいあって、人が飲む1日当たりの水の量の平均からしたらどのぐらいの人の分をそこで賄えるか、そういうことについて調査をしていれば示していただきたいと思います。これが一つ目であります。  それから、二つ目は、去年の3.11の事故のときに、病院の入院患者とか施設に入所されている方の対処がなかなか大変で、後からそのことがいろいろ報道されております。それらについて、本市はどういうふうに対策を立てていこうとしているのか、この点についてお尋ねいたします。 ◎山崎 危機管理対策部長  マンションの受水槽の件でございますが、受水槽の活用について、私ども危機管理対策室として直接的にマンション居住者等に呼びかけをしたことはございません。また、受水槽の数とか、その数に基づいて、蓄えた貯水量についても、同様に調査をしたことはございません。  また、2点目のご質問は、病院だとか各種施設に入院あるいは入所されている方々への対応ということですけれども、これは、私どもが直接ということではありませんが、そこの施設と連携をとって収容できる避難場所等に収容する体制をとるように考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  私は、危機管理対策室に何人の職員がいるかと聞きましたら、定員17名のところに19名いると言うのです。19名といったら大変な数です。去年の3月11日に震災が発生してから、およそ1年5カ月が過ぎんとしております。私は、なぜ水道のことを取り上げたかといったら、室長以下、職員の皆さんが自分たちですぐにでも取り組んでやれることがあるのですよ。しかし、そういうことがされていない。この程度のことは、こっちをやっているから、これはできないということではないのです。要は、気づいたものを、即座に、どう調査し、それをそれぞれのところに求めるかという極めて単純な話なのですよ。そういう点で、私は、19人もの人がいながら、こういう基本的、初歩的なことがなぜできないのだろうか、こう思うのです。  そこで、これに関連してちょっとお尋ねしたいのですが、危機管理対策室に19人いらっしゃる職員の中で、一番長く継続して勤務されている方、あるいは、1回はどこかに出ていって戻った場合でもいいですけれども、そういう方は何年の方がいらっしゃいますか。 ◎山崎 危機管理対策部長  申しわけありません。今、正確な資料が手元にございませんので、何年が何人という明快なお答えはできませんけれども、私どもで一番古い職員は5年目になる職員が1名いると認識しております。 ◆松浦忠 委員  去年の福島原発事故のときに、放射能の影響を受けた市町村の中で、ただ一つの自治体は、圧力が上がって放射能を放出する前に、40歳未満の全町民にヨード剤を配って飲ませました。そういうまちがあるのですね。三春町というまちです。私は、何回か、このまちに電話でいろいろ尋ねました。結局、だれがこういう判断のために資料提供をしたかというと、大熊町から避難してきた課長職の人なのです。この人がどこから情報収集をしたかといったら、ノルウェーとオーストラリアの気象研究機関が、福島原発が事故になった途端にいろいろな資料を集めて、放射能が放出したら風の向きによってどの範囲まで行くかということを分析してインターネットで世界に流していたことを知っていたので、電話と机とインターネットを1台貸してくださいと言って、そして、それで得た情報を三春町の副町長を初めとする幹部の皆さんに提供して、その結果がこういうことになったということがわかりました。三春町には、副町長もそうですが、学生時代に山岳部で、学校も行ったのでしょうけれども、冬山登山も含めて1年間に半年ぐらいは山に入っていたという経験の方々が何人かおられて、そして、こういう方が最終的な決断を下していったと。そして、大熊町から責任者として来たこの課長職の人もかつて山岳部員だったと、そういうことがいろいろ聞いた中でわかってきました。  私は、大事なのは何かといったら、人だと思うのですよ。たくさんは要らぬのです。三春町は、たまたま大熊町からたくさんの人が避難してきたから、そのお世話の責任者ということで課長職の人が来て、その人がさっき言ったようなことで情報収集して提供したことによって、副町長も学生時代には山岳部員で経験豊富だったことからそういう判断がなされました。そしてまた、ヨード剤のことについて言えば、三春町に聞いたら、県だとか国に聞いても全然判断を示さないので、三春町で独自に判断しているのですね、ヨード剤を配ること、あるいは、子どもに飲ませることなども含めて。国も県も当てにしていないのです。そして、なぜ当てにしないのかといったら、大熊町から来た課長職の人は、インターネットでいろいろ調べていたら、国は情報を隠しているということが時間を経ずしてわかった、それで、さっきのように外国のことをいろいろ調べて提供したと。  こういうようなことで、私はなぜ市長に来てもらったかといったら、問題は人の配置なのですよ。数ではないのです。事務的な作業をやるのだったら、だれを集めたって、市の職員は有能だからだれでもこなしていくのです。問題は、そういう経験に基づく知識と能力を持った人をきちっとここに配置するかどうかなのです。これが一つなのです。私はそれぞれ聞いてみたけれども、残念ながら、それがされていない。やっぱり、これをきちっとしなければだめだ。まず、これが大事だと思うのです。  そこで、市長、私は、三春町というのは、そういう意味では大熊町の課長職の人が避難してきて運もよかったなと。しかし、ヨード剤を飲ませるまでに、県の指示もなければ何もない。そういう中で、子どもにどうやって飲ませるかとなったら、粉末にして飲まそうとか、保健師たちがいろいろな知恵を出し合って、そこで決めて、最終的には副町長がすべての責任はおれがとると言って町長に進言して、町長が決断すると、こういう話も三春町から聞きました。  私は、そういうような人的な体制が最も大事だと、役所の側に、札幌市の中に。これができていない。この点について、市長、今からでも遅くないですから、私はやっぱりすべきだと思います。そして、職員の中にもしそういう人材が見当たらないとすれば、期限つき採用でも結構ですから、そういう人材をきちっと求めて、そして、場合によっては室長あるいは部長、課長といった責任ある管理職として、指揮命令を下して仕事を進められるところに人材を求めるべきだというふうに私は思います。そうしないと、幾ら市長が――特に、市長は若いときから原子力事故に対する研さんを積まれて大変な識見を持っていることは、私もよく承知しております。その思いを込めていろいろやってみても、現実に市長にかわって職務を執行する室長以下のところでこういう状況では、私は全くだめだと思うのです。  この点について、市長、私はそのことを市長にぜひ求めたいのです。いかがでしょうか。 ◎上田 市長  今、いろいろご説明がありました三春町の事例につきましては、先週まで3週間ばかり、朝日新聞の「プロメテウスの罠」に詳しく取材の結果が書かれておりまして、私も、去年から、極めて的確な、しかも主体的な判断をされた、大変尊重すべきといいますか、そういう対応されたまちの人たちがおられたことは承知しているところであります。
     また、三春町というのは、これに限らず、独自のことを自分たちでやるという自治の思想が非常に進んだまちでもございます。例えば、随分前でありますが、教育委員会によって、小学校の子どもたちに対する配慮、あるいは、学校の建物のつくり方、授業の計画といったことについても非常に独自の発想をしていい教育をされている、そういう報告があった注目すべきまちだというふうに私は思っております。まちの人口の多寡はございますけれども、自治体として主体的に物を判断するということについて、本当に先駆的なすばらしい自治をされているまちだと私は思っておりますので、今回の問題も、自分たちの置かれている状況をリアルにしっかり考えることができる職員がそこにいなければいけないのだということは、おっしゃるとおりだというふうに思います。いろいろ統計をとったり、あるいは、情報を集めたりという仕事ももちろん大事でありますので、一定の人員は必要ですが、リアルに物を考えて主体的に判断をするという訓練を怠ってはいけないということだけは、私はおっしゃるとおりだと思います。  ご意見は十分にお聞かせいただきましたので、これまでも、災害については特にそうでありますが、そういうリアリティーのある議論をしようということで議論させていただいておりますが、足らざる分については、おっしゃるようなことも踏まえて対応させていただきたい、このように思います。 ◆松浦忠 委員  細々したことは別にして、そこで、有識者会議なるものの委員9名がけさの新聞に出ました。私は、過去の経歴なども含めて、事前に資料をもらって、見ました。  先ほどから、理事者側の答弁の中に、道だとか国だとかという話が盛んに出てまいります。私は、国も北海道も含めて、今の行政は上に行けば行くほど信頼が薄まっているのではないかなと思うのです。特に、国の原子力規制委員会の委員長候補を新聞で見ると、かつて原子力は安全だと旗を振っていて、事故が起きて世の中から厳しく批判されたら、自己反省した、私が間違っていましたと。そうしたら、また今の政府はその人を委員長にする。この程度の国の行政機関と政府、そして学者、これは全く信頼に足りない。  そこで、私はこれを見て、それぞれにはいろいろあるけれども、一つだけ、どうしてなのかということがあります。3.11の震災以降に、NHKを初め、中央のテレビの多くのキー局から出演を要請されたこの道約40年という病院長がいます。大学を卒業してひたすら放射線治療をして、治療数世界ナンバーワンという人がいます。私は、何でこの人が入っていないのかと聞いたのです。  私は、卒業した学校だとか、体制におもねるとか、そんなことはこれには全く関係ない。190万余の市民の命にかかわることだから、最も適した人を加えるべきだ。私は、9人を外せとは言いませんでした。プラス1にしたらどうだと言いました。室長は、聞いておきます、これだけでした。市長、私は、やっぱり、だれもが認める、そういう経験と――知識だけなら本で得られるのです。大事なのは経験なのです。知識と経験があって応用が出てくるのです、いざというときの対応と応用が。私は、プラス1でもいいから、やっぱりこの人を加えるべきではないかというふうに思うのです。  ことしの春に、局長以上の勉強会の講師ということで市立病院の院長に推薦を要請したら、院長はその方を推薦して、局長以上の皆さんはその方のもとで改めて勉強されたというふうに聞いております。私はこの方を加えるべきだと思うのですが、市長、いかがでしょうか。 ◎長利 危機管理対策室長  先ほどご報告したように、地域防災計画原子力災害対策編の策定に当たっては、災害情報の収集とか伝達の体制整備、あるいは、放射線のモニタリング、防護活動、屋内退避、避難者の受け入れ等々、検討が多岐にわたるということで有識者の委員にはさまざまな分野の専門の先生9人にお願いしたところでございます。委員がお話しのように、放射線の関係については私どもも重要だというふうに認識しておりまして、放射線測定の専門家、公衆衛生、環境疫学の専門家、そして放射線医学の専門家の3人の先生にお願いしたところでございます。  委員が推薦している先生につきましては、お話にありましたように、私も先生の講演を直接聞かせていただきまして、放射線治療の専門医であられまして、知識、経験ともに豊富でございます。原発問題についても大変造詣が深い方であることは十分認識をさせていただいているところでございます。  しかしながら、だからといいまして、絶対的に今回の有識者会議の委員でなければならないような必然性があるというふうには、必ずしも言えないのではないかと判断しているところでございます。  ただ、委員がお話しの先生につきましては、これからも必要に応じてご意見などを伺うなどしていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  今、必然性という話があったけれども、それでは、皆さん、知らないようですから、もうちょっと明らかにしていきます。  9人の委員のうち、北海道大学卒業、または、北海道大学の教職を得て給料をもらっていた人は7人ですよ。そして、それ以外は、弁護士が別な大学、もう一方が名古屋大学の方がいます。それ以外は全部北大、北大の関係者なのです。今、私が言った先生はどこかといったら札幌医大なのです。  では、必然性で聞きますけれども、どういう基準で、何人の方を委員になっていただこうという検討の俎上にのせて、その結果この9人が選ばれたのか、示してください。 ◎長利 危機管理対策室長  北大の先生が多いというふうなご指摘でございますが、先ほど申し上げましたように、さまざまな分野の専門家が必要だということで、それぞれの専門分野で4〜5人ぐらいずつの候補を抽出いたしまして、その中からふさわしいと思う人を選んだところ、結果として北大の方が多くなったということでございます。  委員がご指摘の、今回選定させていただいた放射線の関係の専門家の先生は、日本核医学会の専門医で、かつ、日本医学放射線学会の専門医でもございまして、まさに核医学分野で活躍されている先生であるということで選定させていただいたということでございます。 ◆松浦忠 委員  正直に言おうね。私が事前に聞いたときに、あなたの課の人は私にこう説明しているのですよ。ある北大の先生に相談をして推薦を依頼した、それで上がってきたメンバーです、こう答えているのですよ。私が先ほど指摘した問題というのは、こういうところにあるから指摘しているのですよ、私は。  あなた方は、しっかりと物事を判断する能力を持った札幌市の幹部ですよ。そうしたら、きちっとした基準をつくって、そして、そういう中で、それぞれのいろいろなところから推薦をもらって、自分たちもピックアップしてみて、それで、では、こういうことでこうしようかというのならわかりますよ。しかし、私が事前に聞いたら、実態はそういう話でしょう。北大の先生に推薦してくださいと言ったら、それは、その先生の交友の範囲の中での推薦ですよ。本来からいったら、この中の何人かは、しょっちゅう会議を開くわけではないですから、例えば、実際に福島で治療に当たった先生などに委員になっていただいて、そして、意見をもらうことがよりいいと思うのです。  この中の人たちは、例えば、あなたがおっしゃった准教授の方は、核医学会と言って、あの先生は何を主にやっておられたかといったら、ペットですよ、ペット。核物質を使ってがんのありかを調べる、それの研究者ですよ。私も相当調べているのです。これは、きのう、きょうではなくて、もう何十年も、もうそれこそこの仕事に入る前から、核物質を使ってどういうことをやるかということは。そして、あの准教授の方は、学会の中の役員をやっています。そして、あの人を教えている教授がその学会の日本の会長です。これは何かといったら、みんな見えてくるでしょう、平易な言葉で言わなくても。  そういう形で、192万人の市民のいわゆる防災計画を――恐らく皆さんだっていろいろ調べて、福島といういい先例があるわけですから、防災対策を立てる上でいい先例ですよ。向こうの人には大変気の毒なことですが、札幌市としていい先例です。それがあるから、皆さんだって相当なものをまとめられると思うのですよ。それでもなおかつ足りないものは何かといって示唆を受けるといったら、福島で経験した人以外が示唆するなんてことは、私は相当に困難だと思います。ただ、こういうものをつくってやっているからといって、何でもつくればいい、何となく学会の上の方の人を集めればいい、これではないと思うのだよ。  したがって、9人の批評は時間がないからあれこれと全部はしませんけれども、市長、私は、少なくとも放射線のあの院長をこの中にぜひ加えるべきだ。どうしても皆さんがそういう気持ちになれないのなら、私は、札幌市民に署名活動を展開してでもあの先生を加えるべきだと思っていますよ。  私も、あることがあって、1年間、あの先生のお話をよく聞かせてもらいました。そうしたら、本当にNHKとかが――特にNHKなどは思想的、政治的に偏った人は出したがらない。そのNHKが、唯一、始まった途端に出てくれと言ってきた。私は、やっぱりそういう知識、見識ともにすぐれた人を加えて、192万人の放射能対策をしっかりとやるべきだというふうに思うわけですけれども、市長、どうでしょうか。 ◎上田 市長  おっしゃっている方については私も十分存じ上げておりますし、特に内部被曝についてのご見識が非常に高い方でありますので、私どもも勉強させていただいている方でございます。  ただ、今、防災計画ということでございますので、どちらかというと環境系の学者、研究者が大事ではないかという趣旨で、放射線の測定理論、あるいは、実務に携わっておられた方々、あるいは、人がどういうふうに行動して動くものなのかという心理学的な側面、そういうことが非常に大事な側面になります。よく言われますが、こちらは被曝させて治療しているのかというふうなことをおっしゃっている方でありますけれども、もちろん十分に識見がある方ですので、ご意見を聞くことについては全く問題はない方だと私は思います。ただ、防災計画を立てるためにどうしても欠かせないと断定的におっしゃる必要はないのではないだろうか、そういうふうに思っております。  大変な識見を持った方でありますし、情熱家でもありますので、しばしば我々もご指導いただくということはこれからも続けていきたい、こんなふうに思います。 ◆松浦忠 委員  環境系と言うけれども、私がこの方に伺ったら、例えば、泊原発から小樽へ出てくる道路が対向2車線で、これが狭いと以前から道に言っているけれども、道はさっぱりやらない、あんなことでは、万が一、事故が起きたときにはパニックになるぞと。私は震災を受ける前に聞いているのですよ。  そして、この先生は私にこう言っていましたよ。道にもこういうことについていろいろ意見を求められるから言う、しかし、審議会だとかそういうものをつくったら、おれは全然お呼びでないさと、こういう話です。だから、言ってみれば、役人にとって、やりたくないことをやらなきゃだめだと本当のことを言う人は、何かないかと話だけは聞いておいて、いいことを言うなとなったら都合のいいところだけはその知識をいただいて、そして、それを実現させるためにこうせんきゃいかぬということに必要な会議にはお呼びでない、こういうことなのですよ。今回もそういうこと、同じです。市長は、局長方みんなに勉強をさせて聞かせなければいけないからと言って、市立病院の院長に推薦を依頼したら第一人者だから推薦があった、そうして、いいところだけ聞いたらもう用事はないと。こういうことでは市民の安全は守れぬ。  それから、もう一つ、この中に弁護士が入っています。私は、弁護士を入れるのだったら、今、福島の事故で裁判を起こしている市民の側に立って弁護人になっている方をむしろ入れるべきだと。(「必要ないよ。市長がやればいいんだよ」と呼ぶ者あり)  そうかい、伊与部さん。なるほどな、伊与部さんの言によると、市長にやってもらえばいいと、こう言っているのですけれども、市長も忙しいからね。  例えば、弁護士を入れるとすれば、そういうことなのですよ。したがって、この有識者会議というのは、知らない人がぱっと見たら、いろいろ肩書がついているなと。国の会議にも出ているとか、委員になっているとか、何になっているとかという肩書がついているな、これならば市民からいい人を選んでいると褒められる人たちを選んでいるのです。中身とは別で肩書で選んでいるのです。  私は、これには承知はできない。なぜかといったら、この人たちに日当を払い――これは予算から出すのですからね。大したことがあるかないかは別だ。なおかつ、市長が策定する防災計画の恐らく基本となるような大事な部分、あるいは、欠けている部分を補ってもらうというメンバーですからね。したがって、そういう人を、こういう形でだれかに相談してこうなっていくというように、一人の取り巻きの系列で選んでいくというやり方、これはやっぱりいただけない。  したがって、私はこの点について、あれこれ言わないけれども、一人だけ、最も大事な原子力の問題で、放射能の関係ではその先生を加えることを市長に強く求めておきます。(「言えば言うほどやらない」と呼ぶ者あり)  そういう意固地になってやらないなんて言うなら、それはそれで、広く市民に――こうやって、言えば言うほどやらないと言う委員もいて、そして、市長は、なるほど、やらないな、さすが、ベテランだけあってあの委員が言っていることは合っているな、心理を読んでいるな、しかし、これでいいのか、市民の皆さん、こういうことになるわけですよ。したがって、私は、そういうことではなくてやっぱりきちっとやるべきだと。  最後に、委員長、これは、我々特別委員会として、原子力発電所の事故が起きたら、何といっても一瞬でも早く事故内容の報告を受けることが大事なのです。しかし、今の政府の方針では札幌市は外れている。そこで、政府を当てにしていてもだめですから、まず、我々札幌市議会の災害・雪対策調査特別委員会のできるだけ早い委員会で、全会派一致で議決をして、そして、北海道電力の社長と札幌市長に対して、この防災計画を双方で結ぶべきだ、そして、情報の直接提供をすべきだというようなことを求める意見書を採択して挑むべきだというふうに私は思うわけです。  きょうのところは、委員長にこのことを後日の理事会で取り扱っていただくように求めたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。 ○村山秀哉 委員長  今のご意見は、後日、理事会に諮って検討させていただきます。  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○村山秀哉 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時48分...