札幌市議会 2012-05-08
平成24年(常任)財政市民委員会−05月08日-記録
なお、毎年度、実施する
公共事業労務費調査、いわゆる2省単価の調査でございますが、これにおいて含まれている
札幌市内の職種がおおむね25から30職種でありますので、札幌市で発注する工事における一般的な職種が網羅されているものと考えております。
それでは、
モデル事業の
対象工事について具体的にご説明させていただきますので、2
モデル事業の
対象工事の欄をごらんいただきたいと思います。
まず、(1)
対象工事の概要についてでございます。
具体的な
対象工事につきましては、別紙1の
モデル事業対象工事一覧をあわせてごらんいただきたいと思います。
初めに、工事の
工種等についてでございます。
対象工事については、本市が発注する代表的な種類の工事を選定させていただいております。工種につきましては、建築、下水道、土木、
機械設備、造園の5工種でありますが、そのうち土木については
橋梁工事、
道路工事、
水道工事、また、
機械設備については
水再生プラザの
プラント工事となっており、全部で7工事を予定しております。
次に、
入札予定時期でございますが、現時点での予定でございますけれども、おおむね5月下旬から7月上旬にかけて、順次、
対象工事の入札を行っていく予定でございます。
次に、工期についてでございますが、おおむね120日から240日の間となっております。
なお、工事の竣工時期については、早いもので11月、遅いものでは3月を予定しているところでございます。
また、これらの
対象工事の
入札告示において、次に説明いたします本事業の
調査内容について、
特記事項として実施いただくことを明記いたします。
続きまして、(2)
対象工事の
調査内容についてでありますが、一つ目といたしまして、調査においては、
請負者は
対象工事に従事する
労働者の
作業報酬台帳を作成していただくことになります。具体的には、別紙2の
指定様式を使用して作成していただくことになります。別紙2をごらんいただきますと、
作業報酬台帳には、
労働者の氏名、
従事業種、労働時間、
賃金等の内訳、
作業報酬額、
支払実績賃金単価などを記載していただく予定でございます。これらの項目は、基本的には各企業で作成されている
賃金台帳に基づいて対応していただくこととなりますが、
対象工事における就労時間の把握は新たに必要となるものでございます。
次に、
対象労働者でございますが、今申し上げた
対象工事に従事にする
労働者のうち、
条例案と同じく、
公共工事設計労務単価に定められている51職種に該当する者としております。
なお、51職種に該当しない
現場代理人などの
現場技術者の方は対象とはならないものでございます。
また、この
対象労働者には、
請負者に雇用されている
労働者のほか、工事の下請負人や、
交通誘導を受託する者に雇用される者、そして、
請負契約により作業に従事する者、いわゆる一人親方を含んでおります。
次に、
作業報酬台帳の作成時期でございますが、
作業報酬の支払われるべき日、一般的には
給料日ごとに作成し、また、
事業者ごとに作成していただくことになります。
最後に、提出時期でございますが、実務上の諸課題を検証するため、作成した
作業報酬台帳の写しを、月1回、
請負者から
対象工事の
下請人等の分もまとめて市に提出していただく予定でございます。
本調査におきましては、調査の対象となる
労働者についての
作業報酬台帳を作成していたたぎ、その写しを市に提出していただくことを通じて、それらの
事務作業における課題などについて検証していきたいと考えているところでございます。
○しのだ
江里子 委員長 それでは、質疑を行います。
◆川田ただひさ 委員 私からは、
先ほどご説明いただきました
モデル事業について、さまざまなことを質問させていただきたいと思います。
まず、今回、
モデル事業を行うことについて、どのような根拠に基づいて行うことになったのか、そして、
先ほど業界団体の要望というお話もございましたが、どのような経過でこの事業を定めて骨子を作成したのか、そのことについてお尋ねいたします。
◎木村
管財部長 まず、今回の
モデル事業の経緯でございます。
業界団体の方からご要望をいただき、そのご要望を踏まえまして、
先ほどご説明させていただきましたが、私どもの方で
対象工事の選定をさせていただいております。それから、基本的な
モデル事業の
枠組みにつきましては、
条例案をもとにいたしまして、
条例案の考えに基づく基本的な作業を定めたものでございます。
◆川田ただひさ 委員
先ほど、
業界団体の要望ということで、これらをつくったということでございますけれども、一応、市長も、3月末に
業界団体を訪れ、
使用者、
労働者の双方がプラスになる条例が望ましいとして、
札建協が提案した
モデル事業に前向きに取り組むと言ったわけであります。その一環だというお話ではあります。ただ、
札建協からは、この中身については非常に疑問がある、また、我々は承諾していないというところもお話として聞いております。
そこで、これを実施するに当たって、内容について
札建協との協議をきちんと具体的に行ったのかどうなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
また、今回の事業において1億円以上とした理由についてもお伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 まず、第1点目の
札建協との協議でございますけれども、4月に2度、
札建協の方にお邪魔させていただきまして、この概要についてご説明させていただいているところでございます。今回の
モデル事業につきましては、
先ほども申し上げましたとおり、
一般競争入札で発注するものでございますので、札幌市で選定させていただいておりますけれども、今後も、引き続き、
札建協とは協議の場のあり方や検証の方法などにつきまして
十分協議をしながら進めさせていただきたいと考えております。
また、2点目の1億円以上という部分でございますけれども、冒頭の説明でも申し上げましたとおり、
条例案が
継続審査中であり、
作業報酬下限額を定めて一定の
支払いを義務づけるものではないため、より多くの工事、職種を検証することができるように、おおむね1億円以上の工事から選定させていただいたものでございます。
◆川田ただひさ 委員 私が聞いたところによると、
札建協が検証するべきものというのは何であるかといえば、今回、
事務手続の検証ということであります。しかし、そういったことも当然一つ網羅されるかとは思いますけれども、まず
入札制度であったり、または、総
価契約である市と
受注業者との契約でありますから、
労務単価のみを固定した場合、やはり資材や機材の
調達価格などにも影響を及ぼすわけであります。
最低制限価格の引き上げのための財源でありますとか、
建設業界全体の
重層下請構造、または
積算方法、そういう総合的な施策をきちんと検証して、そして、
業界団体も、また市も、
皆さんがいいような形で検証していくべきであるというふうに要望しているわけであります。私たちも、4月にそういった要望を
札建協から受けているわけであります。
そういった中において、
作業報酬台帳作成上の諸課題を検証するということでありまして、
先ほどご説明がありましたように、台帳の様式も決まって、月1回、これを提出するということでございます。
そこで、その様式で提出して、一体、何を検証し、そして、どのような場面で検証結果を公表しようとしているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 条例案に基づきますと、
作業報酬台帳をつけていただきまして、これで賃金の
下限額が定まれば、それがクリアされているかどうかを確認するという作業になります。ただ、今回、
先ほども申し上げましたとおり、
継続審査中でございますので、特に一定の報酬を義務づけるものではございません。ただ、そういう中でも、
作業報酬台帳をつけ、
先ほど重層化している業界というお話もございましたけれども、そういった中で、どのような課題があるのかといったことも含めて、手続面での検証を中心にやっていきたいというふうに考えているところでございます。
◆川田ただひさ 委員 ということは、この
作業台帳を提出して、市独自で検証しますが、その
検証内容を
業界団体とお話ししたりとかはしないのでしょうか。その点についてお聞きしたいと思います。
◎木村
管財部長 この検証に当たりましては、
先ほども申し上げましたが、協議の場でありますとか、
検証方法でありますとか、そういったことについて引き続き
札建協と
十分協議させていただきまして、
札建協とともに検証してまいりたいというふうに考えております。その結果につきましては、検証の状況を踏まえまして、適時、議会にもご報告させていただきたいと考えております。
◆川田ただひさ 委員 確認ですけれども、
委員会などを開いて、結果について公表するということでよろしいのでしょうか。
◎木村
管財部長 適時、
市議会にご報告させていただきたいと考えております。
◆川田ただひさ 委員
先ほども言いましたが、我が会派に要望のあった
札建協の要望書ですけれども、
公共工事、また
労務単価について対象となる職種が51職種あります。
先ほど網羅しているのだというご説明がありましたけれども、ただ、見習いの方でありますとか、
先ほどは重層的なということも言いましたが、本当にこの
建設業界というのはすべてにおいて非常に奥の深い業界でございます。
そういった中で、このように多岐にわたっていろいろな検証をしていかなければなりません。
先ほどご提示いただいた工事は、3月が最後で終了というお話でございました。当然、
業界団体として、やりながら検証することも必要ですが、終わってから改めて気がつくことや、また、いろいろな問題点も出てくるわけでございます。そういった面では、要望の中にもありましたが、少なくとも1年以上かけて
検証作業をしていく
必要性があるかと思いますけれども、ある程度の
作業工程などを含めまして、いつ、最終的な検証結果を報告するのか、お伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 今のご質問にございました
モデル事業の
検証期間についてですけれども、
事務処理の検証を行うにはやはり一定の期間は必要であると考えております。しかし、今後、毎月、
作業報酬台帳を作成することから、工事が一定程度進むにつれて種々の課題が整理されていくと考えられますので、やはり、検証していく中で見きわめてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆川田ただひさ 委員
モデル事業でありますとか、また、いろいろな部局で計画がつくられるわけでございますが、大抵は、いつごろに計画書をつくりますと
委員会で報告があるかと思います。
先ほどもお聞きしましたが、今の予定でよろしいですけれども、いつの時期に最終の検証結果を報告するのか、お伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 検証の状況、経過につきましては、
先ほどもご答弁させていただいたとおり、適時、必要に応じて
市議会にご報告させていただきたいと考えております。
最終検証結果と申しますか、検証の期間につきましては、それは検証していく中で見きわめられるのかなというふうに思っておりますので、今の時点で定めているものではございません。
◆川田ただひさ 委員 ということは、業界が参加すると、これを提出して、いつになるかわからないものについて、
一つ一つ、いわば工事のたびに、月に1回、報告するということでありますから、もちろん予測して結果として違うという場合もあり得るのかもしれませんけれども、私としては、いつなのかというのはある程度知らしめる
必要性もあるのではないかなと思っている一人であります。
先ほど、全部の工事が終わるのが3月とお話ししておりました。少なくとも来年の3月以降に最終結果報告――
業界団体が納得した上ですけれども、納得しなければそれは検証したということにはなりません。来年3月以降に、この
モデル事業は何であったのかと。後にもまた質問しますけれども、
業界団体が言っているのは、そういった
事務手続とかではなく、もっと言えば、今の
景気状態といったものを含めて、いわば
入札制度の改革といったことも含めて、幅広い分野できちんと納得し、そして、これからどうしていくのかということを言っているわけであります。最終結果報告というのはそういったことも納得した上で出すべきであると思いますけれども、少なくとも来年の3月以降というふうに考えてよろしいのでしょうか。
◎木村
管財部長 この検証につきましては、
先ほど来ご答弁申し上げていますとおり、毎月、
作業台帳を作成していきますので、工事が一定程度進むにつれまして種々の課題が整理できていくだろうというふうに考えております。あと、
関係団体から、この
モデルのほかに、
入札制度に関していろいろとご要望もいただいております。それにつきましても、あわせて精力的に協議を行ってまいりたいと考えているところでございます。
◆川田ただひさ 委員 ということは、いつになるかわからないということであります。そのことはわかりました。
今回の
条例案について、もう一つ、業界では、これは最初の要望から言っておりますけれども、
協議機関をつくり、そして
作業部会も設けるべきであると。業界の方も積極的に入って、そして、
検証内容も含めて、またはこの条例を超えて――私は、この条例は必要ないと思っております。しかし、本当の意味で
業界団体の
皆さんが健全に
経済活動を続け、また、
労働者の
皆さんも安全に暮らせるといったことを含めて、私は、これは非常に大事だと思います。いわば、この
条例案にかかわる、かかわらないという意味ではなく、札幌市全体の力強い経済をつくるためには必要かと思っていますが、そういう
協議機関または
作業部会といったものを設けるお考えはないのかどうなのか、お伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 協議機関、
作業部会ということでございますけれども、そちらにつきましても、今後、
札幌建設業協会のご要望等も踏まえながら、引き続き協議、検討してまいりたいというふうに考えております。
◆川田ただひさ 委員 それは、ぜひともお願いいたします。
まずは
作業部会などをつくらなければ、検証も勝手に役所で決めてしまうということにもなるので、この部分も早急にきちんと協議をして、いつ、つくるのか、明示していただきたいと思っております。
あとは、この内容について、
業界団体は納得していないと言っております。改めて言えば、この
業界団体は、内容の変更を求めることも辞さないというふうに言っているわけであります。
そういう中で、
先ほど1億円以上ということで、ありとあらゆる業種を調べるということで単価を下げたわけでありますけれども、1億円以上に引き下げられると、
中小建設業協会といったところにも非常に影響を及ぼしてくるわけでございます。そういった意味で、まずは、
中小建設業協会など、
中小企業に対象が広がるというところで、
札建協という
枠組みだけではなくて、もっとその対象に近い
人たちとも協議をしたのかどうなのか、その点についてお伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 中小建設業協会とは協議しておりません。
◆川田ただひさ 委員 当然、
札建協も入っているということは
先ほども言いましたが、ただ、対象が広がるという意味では、今まで自分には関係ないと注目していなかった
人たちが関係してくるわけでありますから、その部分については、どういった形であれ、丁寧な説明が必要かと思います。
先ほども言いましたけれども、この内容は全く承諾できないと
札建協は言っているわけでございます。場合によっては内容の変更というものを考えていないのかどうなのか、
札建協がやっぱり協力できないと言った場合に内容の変更を考えていないのかどうなのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 このたび、
モデル事業として基本的な部分をご提案させていただいていますけれども、この部分につきましては、今、
継続審査中になっている
条例案の
考え方に基づきまして、
必要最低限な
事務処理としてご提示させていただいております。その余の協議の内容とか検証の方法につきましては、冒頭も申し上げましたが、引き続き
札建協とも協議をさせていただきながら検証を進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆川田ただひさ 委員 もう一つは、なぜそのようなことに至ったかという理由としては、
先ほど、この
モデル事業については
強制力はないというお話でした。ただ、少なくとも、今回の
入札段階での
特記仕様書に、いわばこの様式を明示して、そして、これを提出しなさいというふうにあるわけであります。これは、仮に、入札に参加する方がこれに協力したくないと言った場合、ある意味では提出しなくてもいいものなのかどうなのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
◎木村
管財部長 この台帳の提出が入札の条件となっておりますので、
落札者にはその条件を果たしていただくことになります。
◆川田ただひさ 委員 ということは、やはり
強制力があるわけですね。結局、
モデル事業として明示していても、これに参加する場合には、この様式を提出しなければ入札に参加できないわけであります。ということは、
モデル事業とは言っても、結局は、非常に
強制力を持った、ある意味では
公契約条例がもう施行されたかのごとき形になるわけであります。そういう意味で考えると、
強制力はないと言っても、
賃金台帳を提出するというのは、参加しようとする企業の方々からすれば、もしこれを提出しなかったら、次に何かすると
自分たちに何かデメリットがあるのではないかという暗黙の
強制力、または、これを提出しなければ入札に参加できないということ自体、私としては非常に
強制力があるものではないかなと思っているわけです。
この点について、どのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 一連の手続を検証していくという意味で、今回、
特記仕様の中にこの
報酬台帳を作成して毎月提出していただくことを定めておりますので、これは、契約後は契約の義務として履行していただくことになります。
ただ、
先ほど強制力がないというお話をしたのは、要するに、
下限報酬額を定めて一定額の賃金の
支払いを求めるものではないという趣旨で申し上げたものでございます。
◆川田ただひさ 委員 私は、それは十分わかっております。これでバツになっているわけですから、
下限報酬額は別に何も入れなくてもいいのだと、そういう意味の
強制力だと言いますけれども、ただ、私の言っているのは、
賃金台帳を提出するという段階で、
公契約条例があたかももう施行されたかのごとく進めていくことになるということです。
先ほども言いましたが、
札建協はまだ納得していないわけですよ。そういう意味では、そういったものに対して一種の
強制力を持たせるようなことは、全くもって承服し得ないものであります。
どういったことかといえば、結局、条例についてはまだ議会で議決されていないのに、
事業自体は全く別個な事業ではあるけれども、
モデル事業としてくっつけて、これがなければ入札に参加できないというのは、
地方自治法に定める、いわば
地方自治法第14条2項に抵触するのではないかなと私は思っております。ということは、結局、これをしてしまうと、私は、暗黙の
強制力を生んでしまうことになりかねないと思っております。そういった意味でも、私は、いま一度、この
モデル事業によって検証していく前に、どういうような中身でやるべきなのか、きちんと
札建協と
協議機関を設けて、そして、お互いに納得した上で事業を行う、このことこそが重要だと思っていますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
◎木村
管財部長 協議のあり方につきましては、今後も引き続き
札建協の方とも
十分協議をしていきたいと考えておりますけれども、今回の
モデル事業といいますか、この事業の選定は私どもが行いましたが、その前に、入札の形でというようなお話などは、そういった意味では、
札建協の方からのお話も踏まえまして、今回、検討させていただいたものでございます。
◆川田ただひさ 委員 私の言っているのは、まず原局の
皆さんからご提案するのはいいです。けれども、
札建協が納得した上でやると。やっぱり、きちんと
協議機関をつくってから
モデル事業としてやることが一番いいのではないかと思っているわけであります。そういう意味では、今、この段階で、行政が、
報酬台帳を出さなければ入札に参加できないと、ある意味では暗黙の
強制力を持ってやるというのは、非常に拙速でならないと私は思っております。
そこで、私は、
皆さんにお願いしたいことがあります。
札建協以外の業界、例えば、設備や造園も入っているということですけれども、もう一度、各業界の
皆さんに協力を得ること、もう一度、懇切丁寧に説明して、場合によっては内容の変更も含めて、
モデル事業を再検討するべきであると私は思っております。そして、
札建協を含めて、業界側に札幌市の方針というものをきちんと伝えて、そして、
札建協もまた意見、要望を言える、そういった検証機関、
作業部会ですね。
先ほども言いましたが、まずはこれをつくってから、次に
モデル事業をどうするか、どうしないかと。このことなくして健全な
モデル事業とは言えません。
そういう意味では、もう一度、そのことを求めたいと思いますけれども、その点について確認したいと思います。
◎木村
管財部長 まず、
モデル事業を実施していく上で、いろいろな懸念事項などをお示しいただいております。そういったものを検証していく上では、やはり、
対象工事を定めまして、今回のように、もし条例が施行された場合にどういう
事務処理があるのかということに関しては、最低限必要な検証だというふうに私どもは考えております。そういう意味で、まず、私どもの方で最低限必要な検証の場をご用意させていただいて、今後、協議の場なり検証のあり方なりについて
関係団体とも
十分協議させていただきながら進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆川田ただひさ 委員 私は、具体的に
作業部会といったものを設けてやるということでお話ししたわけでございます。当然、この書類を
業界団体に渡して、説明して終わりということが納得を得たということではないわけであります。そういう意味では、
モデル事業を実施するに当たって、
関係団体の納得を得たという確証というのは、
協議機関といったものがあってこそ、そして、そこで出したものこそが本当の
モデル事業だと思っています。
この
モデル事業については、議会の議決を経ていないものに一種の
強制力を与えるということで、全くもって議会軽視が甚だしいと思っているわけであります。そういう視点でこの
モデル事業というものをもう一度再検討して、そして、いいものをつくって報告していただきたいと思います。
これで、質問を終わります。
◆中村たけし 委員 私からは、この
モデル事業の中で、
モデル事業の
考え方、目的、2点目に
モデル事業の具体的な作業の
事務手続、3点目として
業界団体との協議の場のあり方について、大きく3点の質問をさせていただきたいと思います。
まず、
モデル事業の
考え方についてお伺いします。
公契約条例の具体像を明らかにしていくためには、
モデル事業を行いまして、具体的な手続や作業量など、課題や懸念事項を確認して検証していくことがこの
モデル事業の趣旨だと私たちは考えているところでございますが、まず、この
モデル事業の検証は何を目的になされていくのか、基本的なところからお考えをお伺いします。
◎木村
管財部長 モデル事業の検証の内容でございますけれども、受注者から、
対象労働者の
賃金等を記載した
作業報酬台帳を提出していただきます。それに係る
事務処理手続についての課題を検証することが主であると考えており、具体的には、台帳作成に係る職種の
考え方や台帳の記入方法であるとか、下請業者までの台帳確認などについて検証してまいりたいと考えております。
◆中村たけし 委員 この
モデル事業の具体的な個別の作業方法などの確認を行っていくことが趣旨であるというご回答がありました。
続きまして、
モデル事業の
対象工事について、主に
作業報酬台帳の記載方法などをお伺いします。
作業報酬台帳の記載については、
先ほど木村部長から説明がありましたが、
従事業種について、2省単価の51職種は一定の熟練工を対象として調査を進めていくということでございました。
作業報酬台帳の
従事業種の記載についてはどのような考えで行う予定なのか、また、同じ作業員でも、熟練した人と見習いの人が現場ではいると思いますけれども、この点については、だれがどのように判断していくのか、お伺いします。
◎木村
管財部長 対象労働者の職種でございますけれども、これは、事業主が作業内容に応じて判断していただくことになります。それぞれの作業内容について、相当程度の技能を有する者については当該51職種の中に入ってまいります。また、見習いとか手元などの未熟練といいますか、そういった方につきましては、
公共事業労務費調査と同様に原則として対象外となります。ただ、各職種の作業について、補助的な業務を行う場合につきましては、その業務の内容に応じて、普通作業員であるとか軽作業員などの職種に分類されるものでございます。
◆中村たけし 委員 次に、
作業報酬台帳の提出時期についてでございます。
月に1回提出してもらうという説明でしたが、条例を制定している他の都市では、給料日に属する月の月末後7日以内などと定めているところもあるようですけれども、当該事業の対象業者が提出しやすいような提出方法を工夫していく必要もあるのかなと考えているところでございます。
作業報酬台帳の提出時期について、月1回の提出としているところですが、いつ、提出することになるのか。また、下請会社などが多くあるということが考えられますが、下請会社の給料日などもまちまちだと考えますので、この点について、どのような提出方法をお考えになっているのか、お伺いします。
◎木村
管財部長 作業報酬台帳の提出時期でございますけれども、
作業報酬台帳につきましては、月1回、市が指定する日までに提出していただく予定ですが、確かに、今ご指摘のように、会社によって給料日が異なる場合がございます。その場合でも、事業所の
給料日ごとに台帳を作成していただくことになりますので、その後、受注者がまとめて提出できる日を指定して提出していただきたいというふうに考えております。
◆中村たけし 委員
作業報酬台帳の提出によって、事業主として
事務作業が増加していくことになるのですけれども、工事において、例えば、
労働者が1日の中で複数の現場で業務をした場合などに、条例の対象となる従事時間、賃金などを抽出して整理していかなければいけないことになります。
労働者が1日の中で複数の現場で業務をした場合など、条例の対象となる従事時間や賃金を抽出して整理するのは膨大な事務量になると考えますけれども、この懸念の解消についてはいかがお考えでしょうか。
◎木村
管財部長 対象の
労働者が複数の現場を担当した場合も含めてですが、このたびの
作業報酬台帳の作成に当たっては、
対象工事に従事した労働時間の把握が必要になります。ただ、賃金に関して言えば、月給制の場合ですと、従事した工事に関係なく単価は同じでございますので、
対象工事に係る月額賃金を区分する必要はないものと考えております。
また、今回の
モデル事業を通じまして、
作業報酬台帳の作成に係る
事務手続について、どのような課題があるのか、今ご指摘の部分も含めまして、十分検証してまいりたいというふうに考えております。
◆中村たけし 委員
公契約条例についての具体像について、業者の方々はまだまだイメージできているわけではないところです。
モデル事業をスムーズに行っていくためには、
対象工事を受注した業者には、当該事業についてしっかり理解を深めてもらうことが何より必要だと思います。
そこで、
作業報酬台帳の記載などについて、落札した業者への丁寧な説明が必要だと思いますけれども、この点は、どのように進めていかれるのでしょうか。
◎木村
管財部長 落札業者への説明でございますけれども、契約締結後、本市から
落札者に対しまして、調査の目的や調査の内容などの詳細を、直接、説明をさせていただくとともに、あわせて、台帳作成時における記載方法に関する問い合わせに関しましても丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。
◆中村たけし 委員 次に、
業界団体との協議の場、あり方についてお伺いしていきたいと思います。
私たちの会派が
札幌建設業協会の方から4月23日にいただいた要望書の中には、
モデル事業の実施に当たって、関係者による
協議機関を設置して、課題や問題点を
協議機関の中で時間をかけて検証していくことが必要などと書かれております。また、附随して、いただいた18項目の疑問点、課題点など、総論として、なぜこのような時期に
公契約条例を制定するのかなど、かなり基本的な事項が含まれております。こうした点につきましては、札幌市では、既にパブリックコメントなどを経て、今、
条例案が議会に提案されて、現在、議会で審議されている最中であって、特定の団体との協議事項としては、私たちはいささか違和感がございます。ただし、
作業報酬の計算方法や、報告作業などの具体的な懸念事項をあぶり出して
札幌建設業協会と協議していくこと自体は、重要なことであることは当然です。そして、そこにこの
モデル事業を実施する意義があるのだと私たちの会派は考えているところでございます。
我が会派は、この協議の場というのは、今述べた懸念される具体的な事項についての検証や協議を行う場であると考えていますが、当局としてはどのような場を持つお考えなのか、お伺いします。
◎木村
管財部長 具体的にどのような形で協議の場を持つか、また、どのような方法で検証していくかにつきましては、今後、ご指摘の趣旨も踏まえながら、
札幌建設業協会と十分に協議してまいりたいというふうに考えております。
◆中村たけし 委員 いずれにしても、この
モデル事業について、議会の中でしっかりと審議を行っていくことが必要になると考えます。そのためには、議会への早目早目の報告が必要であるのは言うまでもありませんから、この
モデル事業の次回の
委員会への報告はいつごろになるのかを含めて、今後のスケジュールについてお示しいただきたいと思います。
◎木村
管財部長 今回の
モデル事業につきましては、
先ほど来ご答弁しておりますとおり、
作業報酬台帳の作成に係る
事務手続の検証を目的としておりますので、一定の検討期間が必要だと考えているところでございます。
検証の内容等につきましては、検証状況を踏まえまして、随時、議会にご報告させていただきたいと考えております。
◆中村たけし 委員 最後に、3点ほど要望させていただいて、終わります。
1点目は、既存の
入札制度の改善についても、同時並行して
関係団体等と意見交換を進めていくことは、
関係団体の不安を払拭するという意味では必要だと思われますので、意見交換を進めていただきたいと思います。
2点目は、
先ほど、団体との協議の場を持つ、どのような場を持つのかというお話をさせていただきましたが、どのような方法で検証していくかについて、今後、
札幌建設業協会と協議をしていくという答弁がありました。ただ、
先ほど来お話ししているとおり、あくまでも懸念事項の検証に関して行っていく協議の場だと。また、この協議の場について、専門家のアドバイスなどを受けられる形も必要だと思います。また、客観的な判断も求められると思いますので、そういった場にしていくことを求めたいと思います。
最後に、3点目ですけれども、これは少し苦言になるかもしれませんが、この間、発注事業について積算ミスや仕様に対する質問への回答ミスが相次いで起こっておりまして、
業界団体から不信を持たれているという事実があります。当該
モデル事業においては、そのようなミスがないようにくれぐれも徹底していただくことを厳しく要望しまして、以上で質問を終わりたいと思います。
◆阿知良寛美 委員 私からも、何点か質問させていただきます。
公契約条例については、3月の予算特別
委員会で、2月下旬と、ここにいらっしゃいますふじわら委員からの提案で、3月21日と、2回の審査をされて、結果的には、受ける側の業界にもまだまだ同意を得られていない、議会の中でも、この
公契約条例について、賛同といいますか、大多数が賛成という形にはまだまだならないということで、ジャンプといいますか、延期になったわけです。
今までのやりとりを聞いていますと、
モデル事業というのは
建設業界からの提案だったと。
建設業界についても、メンテナンスについても、
公契約条例の実施に当たって業界からさまざまな要望が出ているわけです。例えば、今回の
モデル事業は、
賃金台帳とか、そういった書類の流れといったものを検証するにすぎないだろうと思うのですね。業界からこれまで出てきたことに対して、どう検証しようと考えていらっしゃるか、その辺の
考え方を教えていただきたいと思います。
◎木村
管財部長 各
関係団体からは、この
モデル事業だけではなくて、入札に関するいろいろな課題等のご指摘もいただいておりますので、そういったものも含めまして、今、協議しているところでございます。今後も、そういうご要望をきちんと踏まえながら、どのような対応ができていくのか、また、我々としてどのような検証ができていくのかも含めて、引き続き協議をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆阿知良寛美 委員 例えば、今回示された1億円以上の橋梁とか道路とか下水、造園、水道、建築、当然、この中には、下水道なんていうのもそうだし、建築なんかもそうでしょうけれども、電気関係ということも当然出てくるわけですね。そのときに、
賃金台帳をチェックするわけですけれども、電気なんていうのも、物によっては、材工ともという値段なのです。品物に、それこそ労賃も労務費も材料費も入っている。現実にこういったものを使わざるを得ないわけです。こういったものを、例えば賃金に置きかえる場合にどうするのかということも、多分、まだ協議されていないと思うのです。
そういった中で、こういった
モデル事業を実施するということは、結果的にもとと同じで、理解を得られないのではないのかというふうに私なんかは思うのですけれども、その辺はどうなのでしょうか。
◎木村
管財部長 労務費、特に、今、一緒になっているというようなお話の中では、一人親方などが一緒になっている場合もあるかと思いますけれども、そういった場合の確認の仕方といったものも含めて、この
モデル事業の中で検証できればというふうに思ってはおります。
◆阿知良寛美 委員 今、
建設業界とやりとりしましたと言って
モデル事業をやるわけですね。それでは、ビルメンテナンスだとか警備業だとか、そのほかの――今回、橋梁とか道路とか下水とか、
建設業界が含んでいるところもありますけれども、こういった個々の業界と、この間、公契約についての
考え方とか、業界の要望だとか、そういったものをどういうふうに話し合ったのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
◎木村
管財部長 今回の
モデル事業の業種の設定に当たっては、他の業界と協議したものではないですけれども、
札建協からの要望も踏まえまして、主要な工事を選ばせていただいたというのが今回のものでございます。
◆阿知良寛美 委員 であれば、
札建協も、市長が行ったときに、会長が
モデル事業をという話をしたわけでしょう。試行ということなのでしょうけれども、では、協会のそういった思いが何も入らないで
モデル事業を実施したところで、僕は、何の成果も上がらないのではないのか、
公契約条例に理解が示されるのかということを思いますね。
例えば、書類の流れだとか――3月31日の経済新聞に、元請業者との契約は書面が9割以上と書いています。しかし、1次、2次になるとその比率が下がる。3次、4次と下がれば下がるほど、書面による契約の率は少なくなるのだろうと思います。一緒にこのものをつくって幾らだという契約の仕方が非常に多いのです。そうしないと、前も指摘したとおり、細かいやつをずっと書いていくと、これは高いだろう、もっと安くすれと言ってどんどん削られていくから、受ける下請としては一式単価の方が絶対に下げられる率が少ないと言われるわけだね。
そういった多重構造の中で、今言った、一方的に札幌市の
考え方で書類の流れだけを検証するといっても、
先ほど僕が言ったように、
公契約条例に対して、業界が、それはいいものだとか、理解が深まるかというと、僕は深まらないと思いますけれども、その辺はどう思いますか。
◎木村
管財部長 今回、選定させていただきました工事に関しまして、当初、
札建協から、いろいろな工事でもってできるだけ多くの職種が出るようなというご要望もいただいておりましたので、そういったご要望の趣旨を十分踏まえて選定したつもりではございます。今後、
先ほど来ご答弁申し上げているとおり、どういった協議の場を持つかとか、どういった検証をしていくかということに関して、
関係団体の
皆さんとも十分に協議しながら検証を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆阿知良寛美 委員 4月25日の北海道新聞に、連合の集会で、生島副市長が、
早期制定に向けて一生懸命取り組んでいきたいと述べているわけですよ。では、今言ったように、札幌市が、この条例に対して、どれだけ汗をかいているのか、努力しているのかと聞いたら、全然足りないと思うのです、こういう
モデルケースではね。
例えば、もう一つの新聞を見ると、これも4月24日の道新です。「5月から
モデル事業 工事6種類対象」ということで、条例の対象である清掃、警備などの
モデル事業は業界から要望を受けていないと。この文面だと、そのまま読むと、要望を受けていないから、そんなものは考えていないよ、知らないと。
建設業界からは、市長が行ったときにたまたまそういう話が出たものだから、こうやって、形なりにもと言ったら怒られるかもわからないけれども、こういう形でやると。警備とか、こういったものはどうされるのですか。
◎木村
管財部長 清掃、警備につきましては、下請の重層構造が多くはない、そして、職種も多くあるわけではないということで、工事の
モデル事業と同じような形での実施は、現在のところ、関係
業界団体からの申し入れはございません。ただ、今後、要望があれば、協議の上、それも柔軟に対応していきたいと考えております。
◆阿知良寛美 委員 向こうから来たからやるのではなくて、理解を深める努力を――札幌市が提案者なのだから。
皆さんが審議するわけではないのですよ。議会だって、最終的に提案されたものをどうするかと決めますよ。ただ、どれだけ、受ける側の業界の
皆さんだとか、本当に
労働者のためになるかということを見なければいけないわけで、その上で判断するわけです。だから、来たものだけ協議しますとか、そういうことでは、
公契約条例に対しての理解がずっと深まらないだろうと思うのだけれども、どうなのですか。
◎木村
管財部長 先ほどは要望がないということだけで終わってしまいましたけれども、特に、清掃とか警備の
関係団体からは、こういった
モデルというだけではなくて、積算の適正化であるとか、履行の確認の徹底であるとか、
入札制度に関する要望を多数いただいております。そういったものに関しましても、私どもは、真摯に協議をしながら対応していきたいと考えております。今後も、引き続き、いろいろな協議の場の中で、今ご指摘のあったような点につきましても協議をさせていただければというふうに思っております。
◆阿知良寛美 委員 例えば、清掃とか警備となると、
建設業界とは働き方が違うと思います。働く方々の年齢層だとか、多分、働き方が違うだろうと思うのだよ。札幌市は、賃金の調査をしているとおっしゃるけれども、まだまだ足りないと思う。こういうときだからこそ、警備とか清掃で働いている大半が――例えば、札幌市役所の駐車場を見てごらんなさいよ。若い人がたくさんいらっしゃいますか。結構、年配者がいらっしゃると思います。こういったところは、定時から定時までと、長い間、働くかもしれないけれども、例えば、ビルメンテナンスで清掃業務、マンションの清掃をやるだとか、管理人みたいな形で受け付けしている方だとか、そういった方々の働き方を見ると、午前8時から午後5時までだとか、9時から何時までなんていう働き方では多分ないだろうと。そうすると、公契約ということで、業界が言われるように二つの賃金が存在する、労務管理上、大変苦しい、難しいというのが彼らの言い分ですよ。けれども、実際にそういった働き方で、もう定年退職されて年金生活だけれども、まだまだ元気だと。家でごろごろしていても母さんには怒られるし、元気なうちは働きたい、健康のためにもいい、気分的にもいいという形で働いている方もたくさんいらっしゃいます。そういう方々の賃金というのは、多分、最低賃金ですね。それをさらに上げようとされている。そういったときに懸念されるのは、だったら、もっと若い人を、これから子育てで大変お金もかかるという
人たちを採用しようということにもなりかねない。そういったときに、
公契約条例というのは、本当にこの業界を対象にしていいのかという議論も当然起こるだろうと思う。
そういうことについて、今こうやって――1定で議論されて、少なくとも、まだまだ業界の理解が足りない、議会全体もそうだということで、あなた方は時間を与えられたわけです。ですから、それに対して受け身ということには絶対にならないですよ。公契約の成立は余り目指していませんというのだったら、それでもいいですけれどもね。
だから、もっと業界に出向いて、やっぱり実態を知るべきなのですよ。議会としても、そういう期間を札幌市に与えたのですよ。それを勘違いして――勘違いしたかどうかわからないけれども、この新聞の答えどおりだとしたら、業界の要望を受けていません、だから余り考えていませんでは困ると思う。
そこで、今回の
公契約条例の中で、業界の要望として、いろいろな要望があったけれども、一つは、札幌市も
公契約条例の前文でうたっていますが、価格競争の激化で本当に厳しい、
最低制限価格近辺での競争だ、こういうことを改善してもらいたいという要望がありました。札幌市もそれを改善したいということで、工事についても業務についても
最低制限価格を上げた。その結果、今はどんな状況なのか、上げた結果、どのぐらい上がっているのか、その辺はわかりますか。
◎木村
管財部長 平成24年度から
最低制限価格を引き上げておりますので、清掃、警備につきましては既に入札が終わって、事業がスタートしているところでございます。
そこで、
最低制限価格を適用した清掃と設備の運転監視でございますけれども、その3業務につきましては、現在、精査中のため、速報値ということでご理解いただきたいと思いますが、前年度との比較ということで、平成24年度において仕様変更したものを除いた
最低制限価格の引き上げ後の状況についてご説明させていただきたいと思います。
まず、庁舎清掃につきましては、WTOを除いた124件の入札結果となりますが、平成24年度の平均落札率は90.9%、契約金額は約6億4,900万円で、平成23年度の平均落札率79.5%から11.4ポイント上昇しております。金額では約3,000万円の増となっております。また、庁舎警備につきましては、機械警備を除いた57件の入札結果となりますが、平成24年度の平均落札率は89.6%、契約金額は約6億2,800万円で、平成23年度の平均落札率80.8%から8.8ポイント上昇し、金額では約8,700万円の増となっております。三つ目の設備運転監視につきましては、26件の入札結果となりますが、平成24年度の平均落札率は93.5%、契約金額は約4億1,500万円で、平成23年度の平均落札率76.6%から16.9ポイント上昇し、金額では約4,900万円の増となっております。いずれも、
最低制限価格率の引き上げの結果、落札率は大幅に上昇しているところでございます。
◆阿知良寛美 委員 そういう面では、ある程度ですが、業界はもっと上のことを望んでいるわけですけれども、間違いなく契約金額は上がったということです。
ところで、たしか
最低制限価格を設けないものもありましたね。私は、
委員会の中でその質問をして、例えば、清掃業務は、たまたま、さっき言った連合の会合の中で、組合員が、清掃のごみ収集の業務を請け負っている男性のコメントとして、市からの委託料も仕事内容も同じなのに業者によって賃金に格差があるという話で、問題解決のために
公契約条例の制定をと訴えたという記事が載っていました。僕があのときに出したのは電話交換手なのです。区役所なんかで代表電話をかけると女性が出ますが、ああいった交換業務についての落札率はどのぐらいだったのですか。
◎木村
管財部長 平成24年度の電話交換業務の入札状況でございますけれども、平成24年度に入札を行いましたのは、今年度、更新時期を迎えました北区、白石区、清田区及び南区の4件でございます。その平均落札率は74.7%となっております。このうち、低入札価格調査の対象となる
予定価格の70%を下回った入札が白石区と清田の2件でございまして、その平均落札率は56.9%となっております。この2件につきましては、低入札価格調査を行った上、契約の相手方に決定したところでありますけれども、今後、履行検査におきまして
労働者の賃金確認などを厳格に行っていくこととしております。
◆阿知良寛美 委員 白石、清田については平均56.9%と。これは、一応、低価格調査をしたけれども、
落札者として決定したということだね。
私が言っているように、確かに、交換業務というのは国の2省単価にはないのだね。ないから
最低制限価格を設けませんというのが札幌市の
考え方なのだね。けれども、今、公契約で
労働者の賃金を引き上げようという条例をつくろうとしている当人が、現実に56.9%ですよ。これは、何人で幾らぐらいの業務なのか。交換手だって1人ではないでしょう。何人かいて、どのぐらいの金額で出てきたのか。わかりますか。
◎木村
管財部長 今、何人かという細かい数字を持ち合わせておりませんけれども、低入札価格調査をしておりますので、その段階で、積算上の人数がちゃんと配置されるとして、賃金も、当然、最低基準を上回る賃金がきちんと確保されているという計画を確認して契約者としているところでございます。その後も、契約の中に、その計画どおり履行されるか確認するという条項もきちんと入れてありますので、そういった中でその計画がきちんと実行されているということについても確認していきたいというふうに考えております。
◆阿知良寛美 委員 だから、要するに交換手業務だから、ほとんどというか、すべてが人件費なのでしょう。設備はみんなあるわけですから、役所持ちなのでしょう。その
人たちの賃金というか、それは札幌市が積算したものの半分だよ。業務が履行されるかといったら、つながらなくなるわけはないわけで、問題は賃金ですよ。もちろん最低賃金を割ることはないだろうけれども、今、そこを引き上げようとしている札幌市発注の業務ですよ。こういうところを改善しないで、業界に
労働者の賃金を上げてくださいと言ったって、それは向かっていくところが違うんじゃないかいと必ずなりますよ。
だから、
最低制限価格を設けて、上げたら必ず効果が出るというのははっきりしているわけです。そして、国の定めがない職種の業務単価はたくさんあって、その中で何十年も続けている業務なのですから、札幌市独自の単価を策定して、競争ですから、きちっと
最低制限価格を設けてやるべきではないですか。そうしないと、幾ら
労働者の賃金を底上げしようと言ったって、では、あなた方はやっているのですかと言われたら、どうやって答えるのですか。
◎木村
管財部長 この件に関しましては、単価自体は国の定めのないものでございますので、札幌市の単価でもって積算し、このたび、低入札価格調査の対象にして、きちんとした賃金の確保についても確認していこうということで取り組んでおります。
◆阿知良寛美 委員 こういったことは、
最低制限価格を設けていないもの、例えば、水道で言えばメーター交換も設計金額の半分ぐらいで落札している。これは、ほとんど人件費ですよ。こういったものも、札幌市がきちっと
最低制限価格を決めて競わせるということをすれば、賃金だってもっと上がるわけですよ。私は、そういったことをするべきだと思いますし、そのためには、一つや二つの業界と話し合っていくのではなくて、いろいろな業界があるわけですから、そういう業界の
皆さんと真摯に向き合ってこの問題をどうするのだという話をしっかり聞くということが、こういった
モデル事業をやることよりも大事だろうと思うのです。ですから、何回も言いますが、議会としてはこういった
公契約条例の期間を
皆さんに与えたのです。その期間をどう使うか、我々もしっかり見ていきたいと思います。
ですから、今回はやるということでありますから、業界の意見もしっかり聞いて、ほかの業種の方々の意見も聞いて、ましてや、意見を出していない、聞いていないビルメンテナンス、清掃業務、こういった業界も確かに要望はたくさんあるではないですか。その
一つ一つをしっかり検証していくようなことをやらないと、理解が深まったのかというと、そういうふうには簡単に思えないのではないでしょうか。
◎木村
管財部長 1点だけ、新聞報道が出た後でございますけれども、私も、ビルメンテナンス協会、警備業協会にはご訪問させていただきまして、趣旨につきまして説明し、また、ご要望があれば対応しますと、それは受け身だと怒られるかもしれませんが、一応、いろいろな意見交換はしてきております。今後も、そういった努力はきちんと続けていこうと思っております。
◆坂本恭子 委員 私からも、何点か質問したいと思います。
今まで、いろいろやりとりがありました。
業界団体からの要望をきちんと聞くべきだ、対応すべきだというようなこともありました。
そこで、今までずっとやりとりを聞いていて、今回の
モデル事業については、
事務処理の手続上の検証をしていくのだということが前面に出ていますね。最低限必要な作業の検証を行っていくのだというお話が繰り返しあったと思います。私は、改めて、今まさに市の姿勢が問われるという委員からの発言もありましたけれども、やはり、今回の
モデル事業に当たって、どのような課題があって、あるいは、どういう困難があるのかと。
公契約条例がスムーズに運営されていくに当たって想定されるいろいろな事象があろうかと思います。それは、手続上の問題だけではなくて、やはり、
業界団体なども含めた協議の場だとか、第三者機関を入れた検証の場だとか、さまざま必要だというふうに思うのですね。これから十分にやっていくのです、その都度、課題についても洗い出しをしていく、協議、検証の場を設けていくのだということで、今、ずっと終始をしていますけれども、私は、本来は、まず、札幌市が、こういう課題がある、こういう要望があるだろうということを把握、想定しながら、
モデル事業を進めていくべきだと思うのです。
なぜこういうふうに言うかというと、私たち日本共産党は、
公契約条例の制定ということについては、一生懸命やってほしいということで、議会の中で繰り返し求めてまいりました。それは、ワーキングプアと言われるような働く形態が広がってきている、そういう中で、まず
労働者の賃金の底上げを図っていくのだ、人間らしく生活できる賃金を保障していくのだということがまず前提にあるということです。それが域内循環というものにつながって、消費購買力がついていく、そういう中で本市の経済を活性化していく、それが経済界全体にいい影響を与えていく、そういう立場で
公契約条例の
早期制定ということを求めてきたわけです。そういう意味では、私は、今の
委員会のこれまでの段々の質疑を聞いていて、やはり、市の側で、しっかりとした覚悟を持って、どういうことをこの
モデル事業で検証していくのかということが欠落しているのではないのかなということを改めて感じています。
改めてですが、最低限必要な作業を行っていくのだ、
事務処理の確認、検証を行っていくのだということで、都度、洗い出しをしていくということで、それは、きちんとスケジュール立てをして、テンポ化を図ってやっていくべきだというふうに思うのですが、ここのところについて、いま一度、より具体的にどういうふうにお考えなのか。一定期間が必要だとか、書類が出てくればその中で検討して、次にどういうふうにしていくか対応していくのだというようなことでは、やはりだめだろうと思うのですよ。
モデル事業を契機に、いかに
公契約条例を――私たちは
早期制定を求めているわけですから、ここに寄与するものにしていかなければならないと思うものですから、改めて、そこについてのご認識を伺いたいと思います。
◎木村
管財部長 今、スケジュールを定めてというお話がございまして、再三のお答えで恐縮ですが、私どもの基本的な
モデル事業の
枠組みというのは、冒頭にもご説明させていただきました。
ただ、
関係団体との協議の場であるとか、
関係団体とのいろいろな協議とか、そういったことを踏まえながら一緒に検証をしていきたいというふうに思っておりますので、やはり、そういった部分を踏まえながらきちんとした検証をやっていきたいという思いから、
先ほど、一定の期間が必要であると。そして、そういう作業をやっていく中で、工事が進んでいけばある程度そういったものが見えてくると思うというご答弁を申し上げている次第でございますので、ご理解をいただければというふうに思います。
◆坂本恭子 委員 見えてくると思うということでしょう。
私は、いついつまでにどうするのかという確固たる信念というか、そういうものを
皆さんがお持ちにならなければいけないと思います。そうでなければ、やっぱり
モデル事業をやる意味が薄らいでいってしまいますよ。
冒頭お話をしたように、どんな課題があるのか、どういう問題点があるのか、そのことを札幌市がきちんと想定して
モデル事業を行っていくということが大事です。どういう時期にどういう協議を行うのか、どういう観点で検証を行っていくのか、まずここをしっかりとスケジュール立てしてやっていく。一定期間が必要なのです、やっていく間にきっと何かが見えてくるはずですということでやっていったら、
業界団体の求めに応じて
モデル事業をやるのですと言ったって、これまで委員の
皆さんが発言されているように、そこで折り合って、では、
公契約条例をいいものにしていきましょうというお互いの協調、協力関係というのは、なかなか厳しいものがあるのではないのかなというふうに思いますね。
そういう意味で、
モデル事業による検証は一定期間が必要だというふうに言っていますけれども、では、そのために何を検証するのか、どういう課題の洗い出しをするのかと、また堂々めぐりのところに戻っていってしまうわけでしょう。私は、そこを明確にしていかなければいけないと思うのですよ。まず、それをきちんとするべきだと思うのだけれども、相変わらず答弁は繰り返しになりますか。
◎木村
管財部長 確かに、冒頭にもご説明しましたとおり、
作業報酬台帳をつけてもらう中で、特に
建設業界の場合ですと多重構造というのがございます。そういった中で的確に
作業報酬台帳がつけられるのかどうなのか、そういったところは十分な検証が必要だと思っております。また、
作業報酬台帳をつけていく上での
事務処理についても、できるだけ負担のないような効率的なものを考えていくということも、その検証の中では非常に重要だというふうに考えております。そういった基本的な部分については、私どももきちんとした考えを持っておりますけれども、さらにいろいろな検証については、
関係団体とも協議しながら進めていきたいというのが我々の考えでございます。
◆坂本恭子 委員 今、基本的なところではきちんと考えを持っているとお話しになりましたでしょう。そのことについては、例えば、今、
業界団体というお話が随分いろいろ出てきていますけれども、
皆さんは、団体の方には理解されているという認識を持っていらっしゃるのですか。
◎木村
管財部長 先ほどからのご質問の中で、十分にそういう認識を持っていただいていないというふうには考えておりますので、そこに関しましては、引き続き、十分ご理解いただけるように我々も協議しながら努力してまいりたいと考えております。
◆坂本恭子 委員 だから、みんなが、議会で報告をすべきだとか、
業界団体ときちんと協議をすべきだと言っているのは、まさにそこのところだと思うのですよ。札幌市の
考え方はこうです、けれども、
業界団体なり、実態として、現場として、できるのだ、できないのだ、やりたいけれども、困難なのだといういろいろな思いがあるわけでしょう。そのところを札幌市がしんしゃくする、あるいは、きちんと把握する、そういう中で今回の
モデル事業の実施というところに入っていくというふうに私は思います。
今の、部長の答弁を聞いていて思ったのが、
賃金台帳、
作業報酬台帳をつけるというのがとても大変でしょう、しかもそれが重層になっていけば、2次、3次、もっと下のところで、例えば、さっきも一人親方の話が出たけれども、そこできちんと
労務単価をつけていけるかどうかというところも大変なのだ、記入の仕方も大変だろうということがあって、今回は
事務処理の確認・
検証作業をこの
モデル事業でまずやらせてほしいのだ、こういうことになるわけですね。私は、今までの各委員とのやりとりを聞いていて、繰り返しの答弁が多かったけれども、やっぱり、そこを順序立てて丁寧に議会にも報告していないと思うし、
業界団体にも、多分、真意というのがなかなか伝わり切っていないのだろうなというふうに思うのです。
今回の
モデル事業に関して言うと、
対象工事が1億円ということになりましたね。それは、さっき、より多くの工事、職種で
検証作業をやりたいのだということがあって、本体条例で5億円というふうにしていたものを1億円にしたということでした。私は、これは評価できると思っています。
そもそも、私たち日本共産党は、すべての市発注の契約について
公契約条例を適用すべきだと言ってきましたので、5億円から1億円にということですから、そういう意味では、これから条例を制定していくときに、ぜひ
業界団体とも話をしながら、どういう設定にしていくのかについても協議、議論していくべきだというふうに思っているところです。
この
対象工事は、1億円以上、あるいは、もっと低くてもいいと思っているのですけれども、この点についても
業界団体などと協議をしていく考えはおありですか。
◎木村
管財部長 モデル事業の選定につきましては、今ご質問にもありましたとおり、いろいろな職種をカバーするという趣旨も含めて1億円以上と設定させていただいておりますけれども、対象範囲の拡大につきましては、条例の施行後、条例の趣旨の浸透状況や実効性の確保状況といったものを考慮して検討していきたいというふうに考えております。
◆坂本恭子 委員 適用範囲の問題ですが、代表質問だとか
委員会でも私どもはずっと議論していますけれども、やはり、札幌市が交わすすべての契約について
労働者の賃金を確認するということは困難だというふうに
皆さんはおっしゃっています。まず、規模の大きい契約に限定して対象となる
労働者の賃金の確認を確実に行って、制度あるいは条例の定着化ということをまず図っていきたいのだ、それを優先的にやっていきたいのだ、それから、適用範囲を拡大できるかどうか検討していくということでした。私は、前提がちょっと違いますけれども、今回の
モデル事業で1億円以上の工事を対象ということですから、またさらに
関係団体とも十分に議論をしながら、ここはぜひ進めていっていただきたいというふうに思うのですよ。
先ほど、阿知良委員からもお話がありましたけれども、庁内清掃、警備業務、それから機械運転、ここでの
最低制限価格が引き上げられたことによって落札率が上がっていますね、発注額も上がっています。
公契約条例を制定しながら、一方でこういうこともしっかりと業界の要望に対応していくのは大事なことだと思います。電話交換の話もありました。大変ゆゆしき状況だというふうに思っています。幾ら低落札の調査を行って適正だからといっても、本当に働く者の権利が守られないような状況、最低賃金ぎりぎりで仕事をせざるを得ないというワーキングプアの状態が解消されないということを、今、行政がみずからやっていることについては、いま一度、考え直していただきたいというか、これも改善しなければならない問題だというふうに思っています。
今回、台帳の提出を月に1回求めるということで、札幌市用の台帳が資料としても添付されていますけれども、ただ単に、事務的な作業にどれくらいかかるのかだとか、果たして記入の方法だとか
考え方がうまく浸透するのかということだけではなくて、賃金というものがここにきちんと書かれてくる、あるいは、現物給与というような形で書かれてくるわけですね。来年の3月まで工事期間があるわけですから、一定期間が3月までということにはならないとお考えなのだろうなというふうには思いますが、
事務処理の課題を中心に検証するだけではなくて、
支払い賃金の実態についても把握できるわけだから、これは検証してやっていくべきだというふうに思います。それが、最終的には、
労働者の賃金を上げていくというか、安定的なものにしていくというか、
公契約条例の
必要性のところにもつながっていくと思うものですから、この点についても検証課題にすべきだと思うのですけれども、いかがですか。
◎木村
管財部長 モデル事業におきましては、再三申し上げておりますけれども、
対象労働者の
賃金等を記載した
作業報酬台帳の作成に係る
事務手続について検証するというのが一番大きな目的ではございますが、同時に、台帳には、今、ご質問にもありましたとおり賃金も載ってまいりますので、
モデル事業の賃金の分布状況についてもあわせて把握してまいりたいというふうに考えております。
◆坂本恭子 委員 賃金の分布についても把握をしていくということですから、本当に、賃金の
支払いの実態、それから、今の契約の積算の根拠がいろいろとあろうかと思うのですけれども、ぜひ、そこに反映をさせるような検証をやっていっていただきたいなと思います。
あわせて、スケジュールの問題も冒頭に伺いましたけれども、明確な期日の目標を持ってやっていくべきだというふうに私は思うのですよ。それと同時に、とにかく
モデル事業をやり続けていかないと理解が得られないので
公契約条例の制定に結びついていかないというような悪循環は、私は断たなければいけないというふうに思います。ただし、それは、十分な検証と協議があって、お互いの意見交換もあって、課題の洗い出しもできて、そして条例制定に向かっていくと。一緒に進んでいかなければならない問題だというふうに思うのですね。
だから、
モデル事業に1年かけます、2年かけます、それでやっと理解が得られて、それから条例制定に向かっていくのかとなると、物すごく長い期間がかかっていってしまうことになるわけです。ですから、私は、今回は、まず
事務処理の課題の検証を行っていき、今、賃金の問題についても把握していっていただけるというお話がありました。しかし、これは、一体のものとして条例を制定して、そして、制定をしても、なおかつ、
業界団体なども含めて、理解を得ながら、条例の中身は幾らでも変えていけるのですから、実態に即したものに変えていくことが可能なのですから、まず条例を制定して、それから
最低制限価格の問題、
入札制度の問題、さまざまな問題がありますので、そういうところを同時並行的にクリアしていく、条例をつくりながら施行して、やりながら改善をしていく、そういう対応をしていく必要があると思うのです。一定期間だとか、ある程度やりながらということではなくて、本当に明確な期限を切って今後のスケジュールを考えるべきだというふうに思うのです。
改めて、この点について、
業界団体などとも議論をしながらということにはなるのでしょうけれども、そこはぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがですか。
◎木村
管財部長 私どもも、当然ながら、
条例案を提案させていただいておりますので、できる限り早期の成立に向けて、今、いろいろと課題をご指摘されておりますが、そういったものに積極的に取り組みながら、ご理解いただける環境づくりに努めてまいりたい、そのように考えているところでございます。
◆木村彰男 委員 私は、大分用意をしてきたのですけれども、かなり出ましたので、別な観点でちょっとお伺いさせていただきます。
上田市長は、
公契約条例が継続審議になった後、4月13日に記者会見をやっていらっしゃって、
業界団体との打ち合わせをしっかりしていくというような旨のお話をしておられます。これは、今般、
モデル事業に協力を求める
札幌建設業協会を指しているのでございましょうか。
◎木村
管財部長 市長記者会見のお話かと思いますけれども、市長がお話しした
業界団体との打ち合わせをしっかりというのは、多分、
札幌建設業協会に限らず、関係の
業界団体としっかり打ち合わせしていくという趣旨であるというふうに私は理解しております。
◆木村彰男 委員 記者会見の中で、
モデル事業という言葉を使わないで、
モデルケースの検証という言葉をお使いになっているのですけれども、これは、
モデル事業以外に何か検証する意図をお持ちなのでしょうか、お聞かせください。
◎木村
管財部長 言葉の違いに関して確認しておりませんけれども、ただ、今、私どもとしましては、
先ほど来申し上げておりますとおり、今回の
モデル事業だけではなくて、
先ほど話題になりました清掃や警備などにつきましても、今後、要望があればと言うとあれですが、そういう要望等も踏まえながら、何ができるかといったことを検討してまいりたいと考えておりますので、そういう趣旨であろうというふうに思っております。
◆木村彰男 委員 同じく、その中で、コメントとしては非常に短いのですけれども、努力を最大限尽くしていきたいということで、つまり、
モデル事業そのものが、言ってみれば
自分たちの努力目標であるというふうにも聞こえるのでございますが、それについてはいかがでございましょうか。
◎木村
管財部長 私どもは、
先ほど来申し上げているとおり、
関係団体とは十分に協議させていただきながら、条例について、より多くの方々の理解をいただいていくというのが、今、我々の重要な責務であると考えておりますので、そういった趣旨ではないかと思っております。
◆木村彰男 委員 この中で、部長も、再三、協議していくということで、その
協議機関のことについて触れているかと思うのですけれども、
作業部会というお言葉も使っていらっしゃいました。この
作業部会もしくは協議していく器といいますか、これにつきましては、中立的な識者も交えた上で、第三者的なものをつくってはどうかというようなことを業界の方がおっしゃっておるのでございますけれども、そのような協議の形といいますか、それについてはいかがお考えなのでございましょうか。
◎木村
管財部長 協議の場のあり方などにつきましても、今後、十分そういうご要望も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
◆木村彰男 委員 今のご質問に関してそういうお答えがあるということについては、これは、業界と市当局だけではなくて、いろいろな方々を交えた機関と理解してよろしいのですか。
◎木村
管財部長 その点について、検討してまいりたいというふうにお答えしたつもりでございます。
◆木村彰男 委員 その中で、当然、検証された事実は、今は手続的なものが多くなってはおりますが、
先ほどは、賃金の分布といいますか、その辺のこともちょっと出てきておりました。私が懸念しているのは、賃金について、具体的にペーパーに出てくる金額とか、正しく書かれてくるとは思うのですが、もし正しく書かれてこない場合、罰則も何もないわけでございます。そして、
先ほどからも出ておりますが、構造的に非常に多重な構造になっていて、例えば、一人親方に対して賃金が支払われておらないとか、もしくは遅滞しているような場合、書こうにも書けないわけでございますね。しかし、そのような事実がもし明らかになれば、これはまずいわけでございますので、払えなくても払ったというような形でのペーパーが出てきた場合、検証の事実として、それが正確な認識として、果たして協議会の中に出せるのかということについては、いかがお考えでございましょうか。
◎木村
管財部長 適正な台帳が提出されるというふうに考えておりますけれども、そういう中で、万が一、そういった実態があるということであれば、
公契約条例は
継続審査中でございますので、私たちの契約約款と申しますか、そういったものに基づいて可能な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 具体的には、
作業報酬台帳以外の台帳を調査したりヒアリングをするということをおっしゃっているのでございましょうか。
◎木村
管財部長 今回の
モデル事業におきましては、当然ながら、台帳をつけていただきながら、そこに関する課題とか問題点などにつきましても、逐次、ご報告いただきたいというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 ですから、今申し上げましたように、
報酬台帳以外の条件といいますか、作業をしていただくわけですけれども、そういうものが派生してくるのでございますね。
◎木村
管財部長 作業報酬台帳以外の作業ということでしょうか。
◆木村彰男 委員
作業報酬台帳の提出を条件にしているわけでございますね。ですから、その
作業台帳だけではわからぬことがあった場合、これを出してくださいとか、作業員の方々の聴取をさせてくださいというようなことも義務化されるのでございましょうかということです。
◎木村
管財部長 あくまでも
作業報酬台帳をつけることが
公契約条例の
考え方でございますので、今回、
モデル事業ということで、そこまでの検証ということで考えております。
◆木村彰男 委員 ちょっと観点を変えますけれども、
先ほど他の委員から出ておりましたが、既に
最低制限価格等が引き上げになっておりまして、契約の金額が上がっているということについては実際に実証されているというふうに考えております。
さて、そうするならば、それらの業種の方々の
労働者の賃金について、これも、ある程度、検証する必要があるかなと。これにつきましても、
先ほど木村部長がおっしゃっているような形で協議していかれるとすれば、これらの方々と、これらの事実的なものを打ち合わせしたり、すり合わせをする、もしくは報告を受けるようなことも必要になってくるケースがあるかと思うのでございますが、それについてはいかがお考えでございますか。
◎木村
管財部長 今回の
モデル事業の中で、最低賃金の効果が検証できるかというと、それはちょっと難しいというふうに思っております。
最低制限価格の引き上げは、今年度でございますけれども、その効果につきましては、今後もいろいろな方法を考えながら見きわめをしてまいりたいというふうに思っております。
◆木村彰男 委員 私は、前にご担当の方とお話ししていたのですけれども、入札と違って継続的に業務が始まっておるので、それについて義務を課すという契約はできないとおっしゃっておりました。だとすれば、
先ほどお話しになっているように、ビルメンテナンスにしても警備業界にしても、業務を委託する形で、これらと同じようなものを工事について出していただくことは、業務委託という観点で行けば、調査という意味で新たにお金も少し発生するかもしれませんけれども、私はある程度可能ではないかと考えておったのでございますが、それもやらないということでございましょうか。
◎木村
管財部長 今、同じ
作業報酬台帳という形でやらないのかというお話でございましたけれども、そちらに関しては、清掃、警備につきましては今年度分は既に発注済みでございますので、そういった中では今は考えておりません。しかし、
労働者の実態の把握という意味では、これまで、庁内清掃に関しては契約時に積算内訳書等の提出を求めておりました。また、庁舎警備や設備運転監視についても、今では積算内訳書の提出もお願いしながら、そこも確認しております。さらに、昨年行いました賃金の実態調査につきましては、受注者の協力が前提となりますことから、関係
業界団体と協議した上で、今年度も実施してまいりたいというふうには考えております。
◆木村彰男 委員
先ほどから出ておりますけれども、そのようないろいろな数字といいますか、事実の把握が、要するに
モデル事業と同時並行するような形で行かなければ――当然、数値を
一つ一つ確認していく作業が必要であって、その事実に対する評価というものは、当然、
理事者側の評価では高くなっているという評価になるか、いや、そんなに変わっていないとか、逆に言うと現状維持であるとか、そういう事実の認識、事実の評価が相互に異なることがあるかと思うのですね。したがって、
先ほど申しましたように、それらの事実を集めた上で、それらが本当に
労働者の賃金として反映されておるのか、おらないのかということについて、やはり時間をかけて検証していくと。
先ほど第三者機関というようなことも言いましたけれども、それが必要になってくるというふうに私は思っておるわけでございます。
それに対して、
先ほどから、時間を決めず、日程的なロードマップも具体的にならない中で、どのような形でそのような認証をされていこうとしているのか、もう一度、確認させてください。
◎木村
管財部長 モデル事業の検証と
入札制度の改善というものに関しまして、さまざまなご要望等もいただいております。この二つにつきましては、当然ながら、同時並行的に、
関係業界とも協議をしながら、そういう改善策等を考えてまいりたいというふうに思っておりますが、
モデル事業の検証としては、
先ほど申し上げましたとおり、
作業報酬台帳という
条例案の手続について十分な検証を行いたいという趣旨でございますので、そこと賃金の実態のあり方、また
入札制度の改善というか、我々としてはどちらも力を入れてやっていきますけれども、それを一体的にやるという場ではないと考えております。
◆木村彰男 委員 一体的にやる場ではないことは私もわかっているのです。公契約を全体に推進していく上で、今の台帳の話というのは、このぐらいの話なのかもしれないわけです。業界も限られているわけでございます。ただ、対象になる業界の方々というのは、これだけ持ってこられて、これだけ検証しましたからと言っても、ご納得は得られないです、はっきり申し上げて。ですから、我々のところ、つまりこれらの業界の方、それらの業界の方のそれぞれが検証すべき数値なり数字をしっかり把握して、それが共有の認識になっておらなければ、
自分たちだけがこの数字を持ってきてこういう評価をしておりますと言っても、これらの方々は、多分、認識がずれておるか、同じ協議の場に立てないと思うのでございますね。
だとすれば、やはり、共有できる数字、もしくは、我々が出した数字は間違いありません、
理事者側からいただいている数字も間違いありませんと、そういう共有の認識に立った上で物事を進めていかなければ、全く同床異夢と申しますか、皆様方はこれでよかったと、努力義務を果たしたのですからやっていきますと言っても、結局、またこの間と同じように、最終的にはご納得をいただけないで席を立つような形になってしまうように私は危惧するのでございます。
それについて、部長はいかがお考えでございますか。
◎木村
管財部長 今ご指摘のとおり、私どもは、
モデル事業に関しましても、例えば
モデル事業の成果といったものについても、当然ながら、各種団体にも情報提供をしてまいりたいと考えております。また、他団体と協議をする
入札制度の問題なんかにつきましても、共通性のあるようなところに関しましてはそういった情報の共有を図るなり、そういった取り組みはしていきたいというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 そういうことについてはおやりになるということなので、私も今の言葉を信用して、やっていただきたいと思っております。
要するに、ペーパーをつくることに関しても、これは入札のお仕事の中に入っておりますという形でございまして、
先ほどからも出ておりますが、1次のものもあれば、下の方にいらっしゃる方のものも全部集めて元請が出すというようなことで書いてございます。例えばですが、こういうものであれば、今は、エクセルといいますか、そういうものをメールで送って、元請が全部把握して、どなたかわかりませんけれども、それを役所に送って簡便に資料を集計すると。一々、集めて、
皆さんがペーパーを拾ってくるというようなことではなくて、それは技術的なことかもしれませんけれども、できるだけご負担のないようにやっていただく形のものにしていただきたい。間違っておるとかということであれば、ご丁寧にちゃんとご説明すると。人件費を余計に加算するようなことはお聞きしておりませんので、協力を求める以上は向こうに合わせるといいますか、こういうやり方でもいいかということであれば、なるべくそのような形にしていただきたいと思うのでございますけれども、いかがでございますか。
◎木村
管財部長 できる限り効率的な手法というのもこの中で検証してまいりたいと考えておりますので、我々の目的がきちんと達せられる中で、できるだけ効率な方法を考えていきたいと思っております。
◆木村彰男 委員 最後ですが、
先ほどから何回も出ておりますように、
最低制限価格の引き上げに伴う給与の検証であるとか、同じく、条例審議の際にも論点になりましたが、他市と比較した落札率の低さの検証も同時に行っていくようなことも今のお答えの中にあるかと思います。これはこれで何かプロジェクトを立ち上げるのか、
先ほどアンケートをとるようなこともお話しになってございますが、具体的に予算化されているというか、何日から始まるというようなことはロードマップとして確立しておるのでございましょうか。
◎木村
管財部長 先ほど申し上げました清掃、警備、設備運転監視の速報値をお示しさせていただきましたけれども、今、仕様の適正化とかを確認する意味で、各発注部局からすべての仕様書を集めながら点検もしております。そういったものについて、点検結果で問題があれば、そういったものも是正していくということは考えております。
◆木村彰男 委員 私は、この条例については慎重であるべきだという立場でずっとお話をしているのでございますけれども、条例が仮に可決されていなかったとして、
最低制限価格等が上がることによって、
労働者の賃金にある程度の影響が出ているといいますか、上がってきているようなことがあった場合は、条例の設定については、もう一度、再考するおつもりはあるのでございますか。最後にお聞かせください。
◎木村
管財部長 私どもは、今、条例をご提案させていただきまして、
継続審査中の中で早期に成立をお願いしたいという立場でいろいろな取り組みを進めているという状況でございます。その旨でご理解をいただければと思います。
◆山田一仁 委員 今、段々の質問等がありましたので、私からも、今お聞きしていると、最終的に、今回のこの
モデル事業というのは、簡単に言うと、いわゆる
賃金台帳の
事務処理のやり方をどうするか、これが一番の目的ですと聞こえるのですが、再度、これだけ確認しますけれども、そうなのですか。
◎木村
管財部長 これも、何度も恐縮ですけれども、条例が制定されていない段階なので、
下限報酬額というものを定めて一定の賃金
支払いを課すものではないですので、条例の手続という面の検証が主なものである、それが基本的なものであるということです。
◆山田一仁 委員 条例の手続ですか。
◎木村
管財部長 今、継続になっております
公契約条例案に基づく手続の検証でございます。
◆山田一仁 委員 言っていることがよくわからないのだけれども、継続だから、これから本格的に
条例案をもう一回審議してもらうための一つの手続ですよということ、それは、
賃金台帳の処理の仕方が手続なのですかと聞いているのです。
◎木村
管財部長 この
公契約条例案の趣旨といたしましては、各事業者に51職種の条例の対象になる
労働者の
作業報酬台帳をつけていただいて、条例が施行されれば
作業報酬の
下限額が定まってまいりまして、その
下限額を下回らないというものを義務づけていくというのが条例の趣旨でございますので、そういうものを確認するという意味で、今回、こういった
作業報酬台帳をつけていく一連の作業を検証していきたいというお話をさせていただいております。
◆山田一仁 委員 それでは、今言う
モデル事業というのは、今聞いたように、僕が何遍も聞いて、
作業報酬台帳が今回の条例の趣旨ですから、これを大事にして、これの
モデル事業をやりますと言っている。それだけのことでの
モデル事業だよね。公契約全体のことを言っているわけではないよね。公契約の中の
作業報酬台帳とか
賃金台帳のつけ方か、つける方法か、検証の仕方か、それだけのことを言っているのですね。
◎木村
管財部長 それだけといいますか、
先ほども申し上げたとおり、
下限報酬額が定まっておりませんし、下限報酬を上回る賃金の
支払いを義務づけるものでもございませんので、あくまでも条例にのっとった手続面を検証しようというものでございます。
◆山田一仁 委員 確かに、条例が決まっていないからといって、条例自体は何も
作業台帳をつけるために、前回、条例を審議したわけではないよね。その中に、もろもろのこと、最低賃金のあり方、そして事業者がどう支払えるか、そういういろいろな問題からこういう
モデル事業となったと。
それでは、申しわけないけれども、業界が
モデル事業と言うのは、どういう要望をされたのですか。どういう認識をされているのですか。特に、
建設業界の要望書はどういうふうに認識されていますか。
◎木村
管財部長 4月24日に私どもにも要望書をいただいております。そういう中では、検証に当たっては、
協議機関の設置、また、
対象工事の選定が重要である、あとは、条例の手続に基づく3回の確認、1年以上の
検証期間が必要であるという要望書をいただいております。
◆山田一仁 委員 その程度ですか。業界はそうではないでしょう。もちろんそういうものもあるけれども、いろいろなものも含めて――本来、今言う公契約の目的というのは何なのですか。最低賃金なのでしょう。最賃が余りにも悪い。我々もそう思う。これをどうにかしようという趣旨はわかります。しかし、現状ではなかなかできないから、いろいろな知恵が出てきたのだけれども、業界、業界でそれをするならば、こういうふうにしたらどうですかという要望が実際に出ているではないですか。たったそれだけの認識でやるから、ただ、こんな手続の
賃金台帳をつくって――今、これを見せてもらったけれども、これだけで何がわかるのか、私はわかりません。形式だけやるようにしか見えないじゃないの。本来の
モデル事業というのは、業界が言っている要望と
皆さん方が考えている要望は、趣旨が違うのではないの。
皆さん方が、ただ
賃金台帳だけでいいと言うのなら、これはまた別ですよ。業界が言ってきている
モデル事業というものを全然認識されていない。だから、
建設業界は反対しているのです。事実なのです。きょうの昼にもちゃんと確認しているのです。こんな
モデル事業なんて、業界は要望していませんよ。ただ、
皆さん方が庁内の
事務手続のやり方がわからないからやらせてくれと言うのなら、これはわからないでもない。それだけの
モデル事業だと言うのなら、それでいいのですよ。その辺はどうなのですか。
◎新谷
契約管理担当局長 関係業界からは、
公契約条例の実施に当たって、いろいろな課題があるという懸念やご不安があるので、
モデル事業を実施してはどうかというご提案をいただいたというふうに承っております。したがって、たまたまこの
モデル事業からは、凝縮されているのは――
賃金台帳作成に当たってどのような課題があるかという手続的なことからすれば、この
賃金台帳をいかにつくるかということに凝縮されておりますけれども、そこから派生するいろいろな課題というものを幅広くとらえていくと。この
モデル事業の実施の目的は、やはり、
公契約条例実施に当たっての業界のさまざまな不安や懸念を解消していくということがねらいだというふうに思っております。
◆山田一仁 委員 新谷局長、そうなのです。そういう意味なら、本当にそうなのです。しかし、これを見たら、単に
事務手続だけです、今、聞いていても。ですから、これではおかしい。
では、今言うように、業界とそういう面をきちっと話し合われないからこうなってきている。今、聞いていると、全部、これから、これからだ。
一つ一つ、これから、これからと。そういうものも含めて、最初から話し合っておけばいいではないですか。何で最初に話したらだめなのですか。最初から、こういうことをこういう方向でこうやっていきたい、こういう
モデルをやってみたい、それが本当の
モデル事業ではないですか。
そして、今回は最低価格も少し上がった、しかし、これの効果はどうなったか、確かに、これも今後を見ていかなければならないことです。しかし、もちろんこればかりではないということも業界が言っているわけです。
さっきの坂本委員ではないけれども、
モデル事業をずっとやれと言うつもりはないが、やるのなら、ある程度の期間の中できちっとやるとするならば、そういうものも含めてきちっと業界と話し合ってやっておけば――例えば、これだけ
モデル事業をやりました、最低価格を上げました、入札で高くなりました、これですべていいわけではないでしょう。やっぱり、いろいろな問題点がまだたくさんあるから、今回の議会でも継続ということでいろいろな問題点が指摘されたわけですから、それも含めてやっていかなければならない。そういうものを含めて、こういう場合だったら、こういう
モデル事業はいかがでしょうというふうにやらなければならぬと思うのですが、この辺のやり方に私は絶対に納得いかないけれども、
皆さん方は納得しているのかどうか、業界が納得していないという認識があるのか、ないのか、その辺はどう思っているのか。
◎木村
管財部長 先ほど来ご答弁しているお話で申しわけございませんけれども、今、私どもは、こういった基本的な部分について
モデル事業の発注をさせていただいて、そういう中で、各
関係団体とは十分に協議をさせていただきながら、ご要望全体を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
◆山田一仁 委員 部長、これから
関係団体と、何でこれからなの。前もって何で言えないのか。協議できないのですか、
関係団体と。もう少しある程度の打ち合わせをしておいたっていいではないですか。すべてとは言いませんよ。だって、事実、さっきの各業界で電気業界、造園業界にはまだ説明にも行っていないではないですか。何でもかんでもやれと言っているのではない。そういう説明もできていないうちに、今言うように、単なる
事務手続だけと。協力を求めるのなら、お互いに話し合ってこそ協力ではないですか。すぐに協議会をつくるというのはもちろんわかるけれども、それはあしたつくれなくても、話し合いをしていかなければならない。そういうふうに前に進まないでおいて、そういう機会もつくらないでおいて、一気にこういう事業ですよと。ばっと見たら、何の事業か、
自分たちのだ、さあ、書類はこうやって書いてこいやと。協議、協力というのは、部長、どういうものですか。我々がこうやってやるから、あなたは言うことを聞けやというのは協力かい。協力というのは、話し合ってこそで、何とかこういうふうにご協力願いたい、だから今回こういうふうにつけますよ、ですから、入札のときはお願いしますねというのが協力ではないですか。
皆さんの協力は、つくっておいた、知らなかった、こうでなかったら入札はだめです、契約した以上はそれを守って書いてこなければだめだと。これは協力ですか。
◎木村
管財部長 札幌建設業協会の方には、私も何度かご説明させていただいてきています。ただ、十分なご理解に至らなかったというのがきょうのお話なのかというふうに理解しておりますので、その点を十分踏まえまして、今後、それはきちんとした協議をしながら進めてまいりたいと思っております。
◆山田一仁 委員 部長がそこまで言ってくれるのだから、もう一回、建設業協会とちゃんと話し合って、その辺もきちっと筋を通して話し合わなかったら、協力もしろ、あれもしろと一方的に言ったってだめですから、今後のこともあるから、そういうことになろうと思います。
それから、もう1点あるのだけれども、
モデル事業のあり方について、さっきも言ったように、これをもって最後にしてしまうというのか、これだけの
モデル事業で全部やったと言うのですか。本来の最賃をどうするか、低いのか、高いのか、やっぱりこれをつくって上げなければならぬのかという目的の
モデルというのはどこへ行ってしまったのですか。今の状況では本当にだめなのだ、これだけやってもだめなのだ、だから必要なのだと。
先ほど木村委員が言ったけれども、もし世の中が最賃よりぐっと上がってしまったら、実際に条例は要らないわけだよ。バブル時代みたいになってしまえばだけれども、そんなことはあり得ないかもしれないけれども。今こういう状況で、何が悪かったか、何でこんなに賃金が低くなってしまったのか。だから、これを上げてやろう、これはいい話なのです。本当にそうなのです。我々も、上げられるものなら上げてやりたいのです。もっともっと上げてやりたい。しかし、業界はなかなかそう簡単にはいかないという世の中があるから、そのために、
公契約条例というものを最初に野田市がつくったのは、その意味でつくったのです。議会でも何遍もこの説明をしてきた。こういうものをつくらなければ、本当は国が動かなければならないけれども、地方から少し発信させてやろうと野田市が最初につくった。そして、これを少しでも上げようということで、いいことをやってきた。しかし、大きな都市になるといろいろな矛盾があるから、そこではできない。何の矛盾があるかということで、
モデルになってきているわけです。そこを全部検証しないで、書類の書き方だけやって、
モデル事業が終わりました、全部やりました、だから検証ができましたと、まさか、こんなご認識ではないですね。やっぱり、そういう検証というか、
モデルとは言わないが、いろいろなことをやっていくということをさっき言っているけれども、それをどういうふうにやっていくのですか。
◎木村
管財部長 この
モデル事業だけではなくて、入札手続等のご要望もいただいておりますので、そういったものも含めて、私どもとしては対応してまいりたいと考えております。
ただ、今回の
モデル事業での検証につきましては、やはり、条例でもって、例えば、一定額の報酬を払ってくださいというお願いとかができませんので、そういった部分については、やはり、今の中ではそういった検証はちょっとできないというふうに考えております。
◆山田一仁 委員 わかります。当然です。条例で決まっているわけだからね。だから、そこで初めて、やっぱりひどい単価が出ている、ぎりぎりの単価がこんなにいるのだと、今回、わかるかもしれない。これも一つの検証です。しかし、なぜこういうふうになってしまっているのか、やっぱり最低価格だけではないのだ、もうちょっとこういうところを変えていかないと業界も大変なのだ、そういうところを検証しなかったら、
モデルではないですよ。ただ最賃を見たってしょうがないわけです。だからこそ、
公契約条例をつくらなければだめなのだということになるのかもしれない。そういうちゃんとした検証を私はすべきだと思う。
こんな台帳だけではなくて、いろいろなことができると思うよ。最低価格ばかりではなくて、もう一つ、何か違ったシステムを考える。業界のいろいろな要望もあるかもしれないし、全部聞けと言っているのではないけれども、そういうものを変えながら、こういう
モデルも一つやってみました、業界さん、ひとつこういうものを上げてみるが、これでどのくらいになるのでしょうねと、例えばそういう
モデル事業というのは考えていないのですか。最低価格ばかりだけではないということだ。
◎木村
管財部長 入札制度の中においては、当然、最低制限だけではなくて、
先ほどの低入札価格調査なり、あとは品質確保の観点の総合評価なり、いろいろな手法がございます。そういった部分についても、当然、不断に検討していかなければならないものというふうには考えております。
◆山田一仁 委員 検討というか、本当は
モデル事業の中でそういうものも一緒になってやるというのが、それは検討ではなくて、そういうものが
モデル事業の中に一つあってもいいのではないかなというのが僕の考えです。
最後に、もう時間が来てしまったけれども、今回は1億円にしてしまっているのですが、
公契約条例のときには5億円ですね。何で1億円なのですか。やりやすいから1億円なのですか。だれが見たって、1億円をやれば、今までは5億円だったものを今度は1億円にしますよと、勘ぐればそういうふうに見られてしまうのも仕方がないけれども、何で5億円でやるのか。小さい金額より大きい金額の方が、もっと組織が大きいわけだからいろいろなものが見えるではないですか。やっぱり、大きい組織の方が、末端はどんなふうになっているかと、大変なことになってくるから、何で1億円にしてしまったのですか。
◎木村
管財部長 5億円以上の事業というのは、ある程度、数が限られております。そういう中で、今、多くの職種、多くの工事を対象に検討しようということで1億円と考えたものでございます。
◆山田一仁 委員 ある程度、職種が限られていると言ったって、当初、5億円と言ったのだよ、
公契約条例では。そうしたら、5億円でやるべきではないですか。(発言する者あり)ないのかい。5億円はないのに、最初は5億円と提案されてきたわけだ、そうしたら。どっちなの。なかったの、あるの。5億円はあるのか、ないのか、どっち。
◎木村
管財部長 今あるものとしましては、既に開札が済んで、次回、第2回定例会に契約案件としてご提出をするものが2件ございます。ただ、それは、もう既に開札が済んで、仮契約書が決定しております。
◆山田一仁 委員 それだったら、札幌市は何で
公契約条例で5億円が出てきたのか。これも、提案するときにはおかしな話だよ。誤解されてしまう。それでは、これから5億円が、実際に来年――もうこういう時代だから、ことしがなければ来年もない、もしも
公契約条例が通ったって、5億円以上がなかったら、5億円以上なんて提案してこないですね。そうしたら、1億円になるのですかとだれでも思ってしまいますよ、業界は。あえて1億円にしたのだからね。全部やるというなら、全部やるというのでまた提案ですよ。
これ以上、この話はいいけれども、ここのやり方も、もう少し――だから、今言うように、業界にもそういうところを前もってきちっと説明し、こういうことに協力してくださいというやり方をしないと。
公契約条例もそうです。最初につくるときもそうだけれども、ぱっと行って、説明だけして、やりますよと言ったって、こういうものというのは、
労働者ももちろんそうだし、業界も、みんなが納得してつくってこそ初めて価値があるのだから。業界だって、何も払いたくないなんて言っているのではないのです。少しでも高く払えるのなら払ってあげたいという気持ちはある。しかし、利益が出ないからこうなってしまう。その問題点をこれから検証しながら、
公契約条例を本当にどうするかということが大事なことなのです。そのための
モデル事業なのだけれども、今回のこれは、
皆さん方の内部の中の
事務手続上の単なる
モデル事業――
モデル事業とは言わないな。
モデルケースみたいなものです。さっき、市長が何かそう言ったみたいなことを言うけれども、我々からするなら、これは納得できる
モデル事業ではないと思っていますので、その辺だけは指摘して、終わります。
◆ふじわら広昭 委員 私から、要望だけ申し上げて、終わりたいと思います。
一つは、要望の前に、質問ではありませんけれども、議会では、マスコミだとか、議会以外に先に報告、説明して、おしかりを受ける場合が多々あります。きょうの
委員会というのは、あした、5月9日に
モデル事業の入札の告示がされて、
先ほどの資料の別紙にもあったように、二つの工事は5月下旬に入札、開札が行われるということでありますから、いろいろな意見の違いや、まだまだこういう検証も必要だというのは、会派のいろいろな
考え方もあると思います。そういう中で、先だって、きょう、こういう
委員会を開いて議論を深めたということは大きな意義があったと思うわけであります。
そういう中で、要望としては、
札建協からも求められております協議会を早急に立ち上げるように取り組んでいただきたいというのが1点目です。
2点目は、
先ほどの別紙1の
モデル事業の工事を見ますと、建築と下水が5月の下旬に入札と開札の予定になっております。そうすると、6月の第2回
定例市議会の時期には着手金が支払われて、遅くても6月末締めで下請などにある程度のお金が支払われていくわけであります。ですから、
委員長にお願いしたいのは、7月下旬か8月上旬に、この二つの工事において、今、説明のあった
作業報酬台帳の中で、問題点などを含めて、あるのかないのかも含めて、情報提供をいただいて、また議論ができるような
委員会を開催していただきたいなというのが2点目であります。
3点目は、入札の
最低制限価格を下回って低入札調査の対象になっているという事例なども出ておりました。一概に道外業者というようなものを排除するわけにはいきませんが、私ども民主党がいろいろ調べてきた中では、全国組織の大手企業は、札幌の一つの公共事業や業務委託契約で損をしてもいいというような
考え方の中で採算を度外視にしてくるわけであります。そういう傾向の業種というのは、札幌市もある程度わかっているはずでありますから、そういうところについては、業務委託契約も含めて、地元がどうしてもできないという工事であれば別ですが、今までも可能な限り努力はしていただいておりますけれども、これからも地元中心の条件といったものをつけていく必要もあるのではないかなと思っています。
特に、資格者が必要な場合には、私どもはその会社名も承知しておりますが、例えば、資格を持っている人の名前をかりてきて、2〜3カ月はその人の名前というか、人もそこに配置しているのでしょうけれども、数カ月たつと実際にはそうした人が存在していないという実態も札幌市の発注している契約の中にはあります。管財部としては、業務関係は新年度の入札が終わっておりますが、企業会計もありますし、
公共工事などについてそうした資格者が必要な場合には、追跡調査をして、必ずその人間がいるのかどうかということもやっていかなければ、
最低制限価格ぎりぎり、あるいは、それを割って低入札価格の調査をしなければならないという状況がありますので、そうしたこともこの機会に取り組んでいただくように要望して、終わります。
○しのだ
江里子 委員長 それでは、議案及び陳情の取り扱いについてお諮りいたします。
取り扱いは、いかがいたしますか。
(「継続」と呼ぶ者あり)
○しのだ
江里子 委員長 平成24年第1回
定例市議会議案第27号及び陳情第20号を
継続審査とすることにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○しのだ
江里子 委員長 異議なしと認め、平成24年第1回
定例市議会議案第27号及び陳情第20号は、
継続審査と決定いたしました。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後3時16分...