札幌市議会 2012-03-21
平成24年第二部予算特別委員会−03月21日-08号
平成24年第二部
予算特別委員会−03月21日-08号平成24年第二部
予算特別委員会
札幌市議会第二部
予算特別委員会記録(第8号)
平成24年(2012年)3月21日(水曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 32人(欠は欠席者)
委 員 長 桑 原 透 副委員長 三 浦 英 三
委 員 勝 木 勇 人 委 員 高 橋 克 朋
委 員 村 松 正 海 委 員 長 内 直 也
委 員 村 山 秀 哉 委 員 小須田 悟 士
委 員 佐々木 みつこ 委 員 五十嵐 徳 美
委 員 阿部 ひであき 委 員 小 竹 知 子
委 員 伴 良 隆 欠 委 員 伊与部 年 男
委 員 川口谷 正 委 員 福 士 勝
委 員 小 野 正 美 委 員 大 嶋 薫
委 員 恩 村 一 郎 委 員 峯 廻 紀 昌
委 員 しのだ 江里子 委 員 山 口 かずさ
委 員 中 村 たけし 委 員 植 松 ひろこ
委 員 涌 井 国 夫 委 員 阿知良 寛 美
委 員 福 田 浩太郎 委 員 丸 山 秀 樹
委 員 宮 川 潤 委 員 伊 藤 理智子
委 員 伊 藤 牧 子 委 員 松 浦 忠
委 員 金子 やすゆき
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開 議 午後1時
○桑原透 委員長 ただいまから、第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、飯島委員からは
五十嵐委員と、川田委員からは阿部委員と交代する旨、届け出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第2款 総務費 第2項
市民生活費のうち関係分について質疑を行います。
◆
伊藤理智子 委員 私は、
中央体育館建設基本構想について質問いたします。
中央体育館を北4条東6丁目の
北ガス跡地に移転新築する方針が出されました。1966年に開館された現在の
中央体育館は、地下鉄の駅に近いことなどから利便性がよく、年間5万人の市民が利用している体育館です。しかし、開館から46年が経過しており、老朽化が進み、耐震化についても昭和56年度以前の旧基準の設計で、耐震性能が著しく劣っているという問題があるということです。
相撲室や弓道室もあり、いろいろな
スポーツを楽しむことができる
中央体育館ですけれども、今回の移転新築の計画で、せっかく新しくするのですから、利用する市民や
スポーツ団体などの声、要望をよく聞いて、要望や意見を取り入れた体育館にしていくべきと考えますが、
中央体育館の移転新築に向けて、今までどのように市民や利用者、
スポーツ団体の声を聞いてきたのか、また、今後どのように要望や意見を聞いていくのか、まず、お伺いします。
◎高橋
スポーツ部長 市民意見の関係でございます。
市民意見の募集につきましては、あした22日から来月の20日にかけまして
パブリックコメントを実施する予定でございます。
パブリックコメントの実施につきましては、既に報道機関に投げ込みを行っておりまして、あしたからはホームページで案内するほか、広報さっぽろ4月号でも案内を予定しております。資料につきましては、区役所や
まちづくりセンターのほか、
各区体育館でも配布をしております。ふだん、体育館を利用されている方々など、多くの市民の皆さんからご意見をいただきたいと考えております。
また、先般、札幌市体育協会の役員に対しましても
基本構想案の説明を行ったところであり、来月30日には
加盟競技団体52団体に対しましても説明を予定しており、改めて各団体からもご意見をいただきたいと考えております。
皆さんからお寄せいただきましたご意見を踏まえながら、必要な修正を加え、基本構想を確定したいと考えております。
◆
伊藤理智子 委員 今、あしたから1カ月間、
パブリックコメントとか体育協会の声を聞く、そして、広報さっぽろの4月号や、区役所、体育館、
まちづくりセンターなどにも資料を置いて広く市民に伝えていくというようなことでしたけれども、体育協会に参加しているのは、今、部長が言った52団体だというふうに聞いております。参加していないいろいろな
スポーツ団体もあると思うのですね。また、
中央区民の声などもあると思うのです。例えば、私たちが聞いているところでは、
ウオールクライミングの施設も新しくできる体育館につくってほしいと
スポーツ部に要請したという声も聞いておりますけれども、こうした施設についてどのように検討してきたのか、伺います。
また、
中央区民の体育館としての機能の要望も地域からずっと出されてきている問題だと思います。区民団体の要望や
町内会単位などでも意見を寄せてくれというような受け身の姿勢だけではなくて、今まで体育館の整備について出されていた要望についても、今後もしっかりと聞いていくという姿勢を
スポーツ部として持つべきだというふうに思うのですがいかがか、伺います。
また、体育館の
バリアフリー化についても、
スポーツを行う障がい者や障がい者団体などからよく意見や要望を聞いて、使い勝手のいい体育館にしていくべきだと思うのです。さらに、障がい者の方々が
スポーツ観戦をするだけではなくて、障がい者が行う
スポーツについても対応できる機能を持たせる、そういう要望もしっかりと聞いていくべきだというふうに思いますけれどもいかがか、伺います。
◎高橋
スポーツ部長 まず、新たな機能というふうな話がありました。
現在の
中央体育館は、弓道や相撲など武道系の専用室を多く有していることが特徴の一つでございまして、60年続いている剣道の朝げいこなどが行われている場所でもございます。また、さまざまな
サークル活動などを含めまして、館内では約40種目の
スポーツが行われており、多くの市民の皆さんが
スポーツに親しんでおられます。このたびの
基本構想案におきましては、現有機能の継承を基本的な考えとしておりまして、新たな
中央体育館におきましても、現在ある専用室や利用方法を維持するような考えでおります。
クライミングウオールにつきましては、市内では、北海きたえーるのほか、民間施設にも設置をされております。北海きたえーるにつきましては、他の占用利用で利用できないときもあるとは聞いておりますが、基本的には、毎週火曜日の夜に一般開放が行われており、さらには、
北海道山岳連盟が占用利用する形で木曜日の夜間にも一般開放が行われております。毎回30名から40名ほどの利用があるとお聞きしています。新たに
クライミングウオールを設置することにつきましては、現有施設で不足しているかどうか、競技人口のほか、民間施設の利用状況も踏まえながら検討する必要があると考えております。
また、もっと市民の皆さんの意見を聞くべきというような話がありましたけれども、今後も市民の皆さんにご意見をいただく機会を設けてまいります。この機会を通じまして、障がい者の
スポーツ団体の方を初め、いろいろなご意見をちょうだいしたいと考えております。また、いただいたご意見につきましては、市としてもしっかり受けとめ、十分検討して計画を進めてまいりたいと考えております。
なお、障がいのある方の意見についてですが、札幌市におきましては、施設を整備する際に、障がいのある方や高齢の方などによる
バリアフリーチェックを実施し、意見を求める
バリアフリーチェックシステムを運用しておりますことから、この実施要領に基づきまして、設計段階や施工段階においても障がいのある方からご意見をいただきたいと考えております。
また、
中央区民の利用の話も出ておりました。新しい体育館には、区民利用の多さを考慮いたしまして、体育室の面積を
バドミントンコートが4面配置できるように広げたいと考えております。
バドミントンや卓球はどこの体育館でも市民利用が多い種目でございまして、これにより区民の皆さんにより多く利用していただけるものと考えております。また、新しい体育館は、大会利用が多くなるものと想定しておりまして、区民の皆さんの一般開放を確保するため、体育室の利用については運用面で工夫していきたいと考えております。体育室のほかにも、区民利用を考慮いたしまして、新たに
トレーニング室や
ランニングコースを設置する予定でおります。これらの施設は、お年寄りの方でも気軽に利用できる施設であり、生涯
スポーツの振興といった観点からも、
中央区民を初め、市民の皆さんにより多く利用していただけるものと考えております。
◆
伊藤理智子 委員 今の答弁の中で、
ウオールクライミングについては、きたえーるでもある、民間でもやっているというようなお話がありましたけれども、新しい
中央体育館に
クライミングウオールをつくってほしいという要望も出されているというふうに思うのです。これについて、先ほど、現有施設でどういうふうに活用していけるかなどを含めていろいろ検討する必要があるというような答弁だったと思いますが、今後も検討していくのかどうかということを、確認の意味で改めて伺いたいと思います。
それから、区民の声、要望をいろいろ取り入れて進めていくということで、基本構想の中では、
中島体育センターが担ってきた
中央区民の利用も含めて、市民のだれもがいつまでも
スポーツに親しむことができる環境を実現するというふうに位置づけているということでした。ただ、札幌市全体の
体育館機能としてももちろん必要ではありますけれども、各区すべてに体育館がありますから、中央区民の皆さんからは、
中央区民にとっての体育館という要望が強く出ているというふうに思います。今後、大きな大会や
プロスポーツなんかもしていけるような設備になるということですから、ぜひ、地域の方の要望もきめ細かく取り入れていただきたいというふうに思います。
それから、障がい者については、
バリアフリーチェックの実施要領に基づいていろいろなご意見を聞いていくということで、これはしっかりと進めていただきたいのですけれども、障がい者の方がいろいろな
スポーツに取り組んでいますね。車いすでのバスケットとかバレーボールとか、いろいろな競技人口もふえていると思うのですけれども、そういう方たちの要望も具体的に受けとめながら進めるべきだというふうに思いますが、これについていかがか、伺います。
◎高橋
スポーツ部長 まず、
クライミングウオールの設置につきましては、先ほどお話ししましたけれども、今後、検討してまいりたいと考えております。
あと、障がい者の
スポーツ団体のお話につきましては、今後もしっかり話を聞いてまいりたいと考えています。
◆
伊藤理智子 委員 移転して新しくつくられるということですから、市民の期待も非常に大きいと思うのです。今までも、
中央体育館が建てかえ、改築されるというようなこともあって、いろいろな
スポーツ団体の方々からは、いろいろな機能を取り入れてほしいという要望も出されていると思います。
パブリックコメントとか、現在使っていらっしゃる札幌市の体育協会の皆さんの意見をしっかり取り入れていくことももちろん大事ですけれども、アマチュアの
スポーツ団体の方とか障がいのある方からもっと具体的に話を聞いてほしいということがあれば、そういう意見も柔軟に聞きながらこの構想を進めていっていただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わらせていただきます。
◆松浦忠 委員 私は、二つあります。
一つは、
中央体育館を建てる場所の問題、もう一つは、内容についてであります。
まず最初に、内容について質問いたします。
体育館ということは、当然、建物ができ、使う人たち、そしてまた指導する人がいるというふうに思うのですけれども、最初に、局別施策の概要の80ページに
体育振興指導費というのがあって、ここに
スポーツ推進委員費として1,355万6,000円が計上されていて、委員定数281人とありますが、現在、何人が委員に指定されていて、この委員の方々に指導費として1人
当たり幾らお支払いになっているか。
もう一つは、推進委員の皆さんの平均年齢が何歳ぐらいか、そして、最高齢が何歳ぐらいか、これについてお尋ねします。
次に、体育館の内容ですが、今までに、
各種スポーツ団体から、一通り、意見は聞いたということは報告がありましたけれども、具体に、書面で市にこういうことをしてほしいというふうな提出があった団体は何団体で何という団体か、これを示していただきたいと思います。
それから、
トレーニング室について、私の聞いているところでは、あらゆる競技の選手が体力、筋力の向上に使えるように一つの
トレーニング室で充実したものにしてほしいということで市の方にはきちっと要望を上げてある、こういうことなのですが、その上がっている要望について、特にこれは難しいというものがあったら示していただきたいと思います。
◎高橋
スポーツ部長 まず、札幌市
スポーツ推進委員についてのご質問でございました。
スポーツ推進委員というのは、
スポーツ基本法に基づき、市町村が委嘱する非常勤の職員でございまして、札幌市では定数が281名となっておりますが、現員数は264名となっております。この方々に対する報酬は、月額3,600円、年額で4万3,200円となっております。
年齢のお話が出ていましたが、詳細な資料は手持ちにありませんけれども、およそ平均年齢は50歳程度、最高齢は68歳だと記憶しております。
次に、要望書のお話でございました。
各競技団体から
中央体育館に関しまして要望書が出ているのは、昨年8月に、
札幌ウエイトリフティング協会から要望書をいただいております。今のところ、要望書として上がっているのはこの1団体でございますが、
中央体育館建設の基本構想の検討におきましては13の競技団体からヒアリングを行っておるところでございます。
あと、重量挙げの話が出ておりました。
重量挙げ室につきましては、
中央体育館のほかに西区体育館にも設置されておりまして、
中央体育館は、西区体育館に比べまして3分の1程度の面積しかありませんし、トレーニングマシーンもございません。このため、競技団体である
札幌ウエイトリフティング協会から、スペースが狭いこと、さらには筋力や心肺能力を高めるのに必要な
トレーニング機器と
トレーニング室を確保してほしいといった要望をいただいているところでございます。
そこで、新しい
中央体育館には、
重量挙げ室の機能とあわせまして、平均で年間1万人を超える利用があり区体育館で人気の高い、
トレーニング室を設置し、競技者の日常の練習場や他の競技のウエートトレーニングにも利用可能な施設としたいと考えておりまして、今後とも
札幌ウエイトリフティング協会などの競技団体とも協議してまいりたいと考えております。
○桑原透 委員長 もう1点、答えましたか。
トレーニング室の関係で、難しい要望があったのか、なかったのか。
◎高橋
スポーツ部長 失礼しました。
ウエイトリフティング協会からの要望事項につきましては、すべて何とか対応するような形で考えております。
○桑原透 委員長 それ以外はないということですか。
◎高橋
スポーツ部長 はい。
◆松浦忠 委員 特に、
ウエイトリフティング協会の一人は、北海道で1人しかいないプロの指導者の方であります。国際大会でも、長年、
外国人選手のトレーニングコーチをされてきたというような中から、そういう要望が出されたというふうに私は承知しておりますので、ぜひひとつ、いいものをつくっていただきたいということを求めておきます。
さて、この
スポーツ推進委員の方です。これは、もともと札幌市が学校開放を始めたころから、名前は違うけれども、こういった制度を設けて、わずかですが、お金を出してやってきておりました。どちらかというと、全体的に高齢者が目立ちます。学校開放なんかでいうと、競技に参加している人たちは高齢化しております。若い人はなかなか入ってきません。
そこで、私は、この委員のメンバーも、別に定年制ということではないのですけれども、ある程度若い人たちも委員に加えて、そして、人のつながりで見ているところが多いですから、同じような階層の人たちが参加するような仕組みを、人の入れかえを含めて考えるべきではないかなというふうに思うのですが、今まで入れかえなどをしようというふうなことで取り組まれたことはありますか。
◎高橋
スポーツ部長 スポーツ推進委員の話でございましたけれども、
スポーツ推進委員の皆さんは、長年、区のいろいろなイベントだとか、例えば、
札幌マラソンだとか
札幌国際ハーフマラソンといったいろいろな大会にもご協力をいただいておりました。そういう面では、それぞれ貴重な経験をお持ちの方もいらっしゃると思っておりますので、年齢要件だけで入れかえという観点については、今までなかったということだと思います。
◆松浦忠 委員 私は、各種大会などでいろいろ競技に協力いただくと、判定委員になったり、審判になったり、いろいろな形でやられるわけですけれども、それはそれとして、やっぱり
スポーツのすそ野を広げていくと。今の学校開放なんかには私もかかわっているのですが、見ていると、なかなかすそ野が広がっていかないという現状にあって、では、何で集まってきているかといったら、ほとんど人間関係で集まってきているのですね。そういう意味でいったら、そこら辺も、今後は入れかえていく必要があるのではないかなというふうに私は感じているものですから、ぜひ、今後はひとつ検討いただきたいと思います。
そこで、今度は場所の問題であります。
まず最初に、きょう出席をいただいておりますみどりの
施設担当部長の北原さんにお尋ねいたします。
札幌市では、地下鉄を、特に東西線などを建設したときに、いかにたくさんの人に地下鉄に乗ってもらうかということで、路線バスは、全部、地下鉄駅を発着にする、乗り継ぎにすると。こういうことで、かなり地域の反対があった場所もあるけれども、白石、厚別方面もそういうふうに切りかえました。しかし、今日、地下鉄は、職場の勤務形態の変更だとか、あるいは、職場が中心部から郊外型に拡散するというようなことと相まって、定期券なんかの数も減り、乗車人員が減少してきております。そこで、東西線の建設当時から、市の公共施設は可能な限り
地下鉄沿線に集中させる、こういう方針で来ていたことはどなたもご承知かと思うのです。
そこで、新しい体育館をつくる場所ということですが、中島公園の中、
パークホテルの横に3番出口をつくりました。
Kitaraに行くお客さんが便利なようにということで地下道を延伸して、あの公園の中に、ちょうど
パークホテルの横ですから、
パークホテルの専用かと思うぐらいの位置に3番出口をつくっておるわけであります。私は、あの少し先に、床面積7,000平方メートルと計画されているこの体育館をつくるべきでないかと。それは、地下鉄の乗降と同時に、例えば、大会なんかに出る人は、大会前にああいう公園の中を
ランニングなどして、そこで精神統一して英気を養う、そして競技に挑むということで、環境的にも非常にいいのではないかと考えて、かねてからそのことを提唱してきました。
そこで、北原部長にお尋ねするのは、公園に関する法律でこういう建物などについて一定の制限がありますが、この公園について、公園に関する法律上、床面積7,000平方メートル前後の建物を建てることができるのか、できないのか、これについて、まずお尋ねします。
◎北原
環境局みどりの
施設担当部長 今、
中央体育館を中島公園に建てる上で法律上の制限等を含め支障はないのかというような趣旨のご質問かと思います。
中島公園を初めとする都市公園につきましては、国の
都市公園法で管理のあり方とか施設のあり方について規定されております。委員がお尋ねの建築物に関しましては、
都市公園法の第4条で、一つの都市公園に設けられる公園施設としての建築面積の総計は敷地の100分の2、つまり2%を超えてはならないというのが基本原則になっております。ただ、政令で特別な場合を定めておりまして、その範囲内でこれを超えることができるという規定があります。
今回の
中央体育館の場合ですが、もし公園内に置くとすれば運動施設に該当いたします。運動施設につきましては、政令による特例の範囲内ということで100分の10、10%まで許容範囲とする特例が設けられております。現在、これは、運動施設だけではなくて、教養施設、休養施設も合わせて10%なのですが、中島公園内には、
中島体育センター、
Kitara、こぐま座など、運動・
教養施設等を合わせまして、現在、1万1,645平米ほど建築物がございます。これは、中島公園の面積が23万6,000平方メートル余りでございますので、10%ということから見れば、現状は約5%弱になっております。
中央体育館の想定面積が約7,000平米というふうにお聞きしておりますので、これを含めても、
建築面積自体は
都市公園法の規定に抵触することはないというふうに理解しております。
◆松浦忠 委員
都市計画部長の星さんに出席していただいておりますが、今、
中央体育館を中島公園に建てたときに、
都市計画法上の支障、いわゆる法律に触れるものが何かあるか、ないか、この点についてお尋ねします。
◎星
市民まちづくり局都市計画部長 中島公園は、今、用途地域が第1種住居地域という用途地域を指定しております。これは、
建築基準法の別表の方で、まず観覧場をつくることができない、それから、3,000平方メートルを超える大
規模集会場になると思いますけれども、それも建築できないということですので、現用途地域の中では、今、計画されている体育館は建築できません。
◆松浦忠 委員 この
都市計画法は、
地方分権一括法の中で、要件などを地方の条例で定めるというような中に含まれる法律ですか、どうですか。
◎星
市民まちづくり局都市計画部長 都市計画法による都市計画というのは、さまざまな種類がありますけれども、地方分権の一連の流れの中で市町村に決定権限が移行されてきております。現在は、用途地域の決定権限は札幌市にあります。
◆松浦忠 委員 その移行された中で、地方が条例などで定める場合、いわゆる国側に従うべきもの、基準とすべきもの、それから参酌すべきものというふうに三つありますけれども、どれに当たりますか。
◎星
市民まちづくり局都市計画部長 用途地域の
決定権限自体が札幌市にございますので、札幌市の判断でどこにどの用途地域を指定するということが決定できます。
◆松浦忠 委員 それでは、苗穂地区の再開発を担当している
都心まちづくり推進室長の八柳さんにお尋ねいたします。
苗穂地区の再開発の中に、なぜ、線路より南側の、豊平側の
北ガス跡地を含めたのか。一般的には、苗穂地区の再開発事業というのは、苗穂駅前地区、いわゆる豊平川の東橋の方ですね。あそこは、一定の再開発というか、一般的な言葉で言えば再開発されております。なぜ、あそこのところまで含めたのか、線路からいわゆる北側だけでなかったのかということについてお尋ねします。
◎八柳
市民まちづくり局都心まちづくり推進室長 今お話があったのは、苗穂駅前の再開発ではなくて、北4条東6丁目の北ガス工場跡地のお話だと思いますので、それについてお答え申し上げたいと思います。
この地域につきましては、平成14年度に国の方から緊急整備地域に指定されてございます。その指定の区域として、北ガス工場跡地を中心とする地域が指定されたものでございます。その地域の中で、地元の方でまちづくりのいろいろな検討を行った結果、現在、委員からご指摘のあったような形で再開発を進めようというような区域になったものでございます。
◆松浦忠 委員 今、北ガスの跡地は、平成14年に国の方から指定があったと言うけれども、国ではないのですよ。札幌市が国に指定してくださいと言って申請したから、国から申請が認められて指定されただけなのですよ。
私は、あそこのガスタンクを移したときから一貫して市側に話していたのは、いわゆる線路の南側、北ガスの跡地については、まさにあれは北ガスの事業の都合によって石狩に移った、したがって、あの跡地をどう利用するかについては、北ガスがきちっと考えてやるべきことだと。あの辺一帯の全部が再開発かといったら、そうではないわけですから、まさに、あそこの救済のための話ですから、それは、北ガスという土地の所有者が考えてやるべきことだということを私は言ってきました。
今回、苗穂地区の区画整理、再開発について、都市局の審議の中で、一体、苗穂地区を区画整理して、現在、何世帯、何人がお住まいになっていて、それを区画整理することによって何世帯、何人に変わるのか、このことを尋ねたら、担当部長は、そこまでは検討していませんと。では、秋の議会までにきちっと答えが出るようにしておいてくださいと言って都市局のところでは終わったのですけれども、その計画の元締めである八柳室長のところで、そういうことについて検討されて数字をお持ちであれば答えてください。なければないと答えてください。
◎八柳
市民まちづくり局都心まちづくり推進室長 確認ですけれども、今、委員からお話があったのは北4東6の区域の開発ということでよろしいでしょうか。
◆松浦忠 委員 苗穂全体です。
◎八柳
市民まちづくり局都心まちづくり推進室長 苗穂については、担当が異なりますので、今、数字等は持ち合わせていません。
◆松浦忠 委員 私は、北ガスのところについて言えば、それは、本来、北ガスという企業がやるべきことです。皆さん、JR東京駅の丸の内側は、今、再開発でたくさんのビルが建っています。それぞれの企業が、自分の持っている幾つかのビルを全部建てかえて高層にして、そして、都内に散在する自分のビルも含めて集積を図ろうとしています。みんな、民間がやっています、これは。私は、何も札幌市がそこに金まで出してやる必要はないと。
なぜ、私がそれを言うかといったら、いわゆる北ガスというのは、私が1983年に議員になったときには、北ガスと札幌市は、特別、大した関係がなかったのです。ところが、札幌市の総務局長をして交通事業管理者をされた長部さんという人が北ガスに監査役で天下りました。(「関係あるのかよ」と呼ぶ者あり)関係あるから言っているんですよ、今。聞きなさい。
それで、以降、助役で最初に天下ったのが高橋さん、そして、今の田中賢龍さんと、こういうふうに行っています。(発言する者あり)
○桑原透 委員長 質問中です。お静かにお願いします。
◆松浦忠 委員 (続)こういう癒着の中で再開発をする。そして、体育館をそこに持っていく。地下鉄からはかなり遠い。非常に、体育館の場所としては最適ではありません。中島公園のところにつくることができるわけですから、そして、そのことによって地下鉄も乗車人員が確実にふえていくわけですから。
そして、私が前から言っていたのは、この体育館について、なるべく駐車場は小さくして公共交通に乗って来てもらう。したがって、駐車場について言えば、物を搬入する車あるいは障がい者の人でどうしても車で来なければならぬ部分だけにする。私はこういうことをずっと言ってきたのですけれども、今回のものを見たら、結局は北ガスを助けるための位置設定になっている。そして、再開発事業の決定もそういうことになっている。まさに、これは、企業と札幌市の癒着以外の何物でもない。そして、地下鉄の乗車人員増への貢献も、全くゼロとは言わぬけれども、極めて必然性が薄い。
一方で、この都心まちづくりの中で、いわゆる地下歩行空間と言われているJR札幌駅と大通間を、ここに多額の……
○桑原透 委員長 松浦委員、質問に入ってください。
◆松浦忠 委員 (続)質問に入る前に、ちゃんと状況を説明しなかったらわからんから説明しているのですよ。
○桑原透 委員長 そろそろまとめて質問に入ってください。
◆松浦忠 委員 (続)そして、やった結果、毎年、乗車人員が減って3億円も赤字が出ている。減収になっている。それを一般会計で補てんしている。これを、何ら補てん策を講じるような場所の選定をしないで、またこういうことをすることについて、これは全く論外の話だ、これは。
こういうことについて、担当の丸田理事に尋ねますけれども、なぜこういうことをきちっと判断した上で場所の選定をしなかったのか。少なくとも、私は、以前からこうやるべきだと指摘しています。そうしたら、いいですか、少なくとも北ガスの跡地につくった場合と、それから中島公園につくった場合と、どちらがどうで、こちらがこうと比較する資料ぐらいは持って説明する、こういうことが普通じゃないですか。それが、全く、そういう説明もされないで、ここに予定しておりますと。こういうことで市民に意見を聞きますと言っても、市民の皆さんは、一般的には、どこにつくっていいか全くわからないです。わからぬ中で意見をくれと言っても、意見は出てこないのですよ。
したがって、なぜ、中島公園につくった場合の案を出さなかったのか、この点についてお尋ねします。
◎丸田 観光文化局理事 今、委員から段々の質問がございましたけれども、我々も、地下鉄利用、都市計画、緑、再開発、まちづくり効果といったようなことを比較検討しながら総合的に判断したものでございます。
◆松浦忠 委員 総合的って何ですか。私にはわからんな。私は、具体的に、あなたが観光文化局の理事になる前から、体育館構想が出たときから検討して、そして、
スポーツ部には中島公園にということを言ってきているのです。したがって、総合的だなんていうのは、言葉だけではないですか、総合というのは。いとへんにハムでしょう、これ。それの下に心がつくだけで、それだけの話でしょう。もっとわかりやすく、だれが聞いてもわかるように、比較した結果、こっちが優位だからこっちにしましたと。そして、広報に出すにも、こういう案がありまして、比較検討した結果、こっちはこういうふうに優位で、こっちはこういうよさがあるけれども、この点で劣るから市はこっちにしました、皆さんの意見を聞きますと、これがいわゆる市民の意見を聞くことであり、市側としての意見を問う出題の仕方でないですか。どうですか。
◎高橋
スポーツ部長 中央体育館の建設予定地についてでございますが、北4東6地区は、現在地にほど近く、利用者を初め、周辺の武道具店を営んでおられる方などに対する影響も少なく、移転の影響が少ないものと考えております。特に、現在の
中央体育館は、市中心部に位置しておりますことから、平日の夜間、学校帰りや仕事帰りに利用されている市民が多く、地下鉄3線のほか、JR札幌駅からも徒歩圏内にある北4東6地区は、市民の皆さんが利用しやすい場所として建設予定地にふさわしいものと考えております。また、これまで、再開発が検討されながらも、なかなか具体的には至らなかった北4東6地区のまちづくりの起爆剤にもなると考えておりますし、周辺の再開発とともに、都心のまちづくりの重点地区である創成川以東地区のまちづくりを大きく前進させることができるものと考えております。
一方、中島公園につきましては、平成4年に策定いたしました再整備基本構想において芸術文化・歴史ゾーンに位置づけられておりまして、芸術文化・歴史発信の場として長い時間をかけて機能の純化を図っております。また、札幌市のみどりの基本計画では、まち中の緑の創出について、都心部での取り組みを喫緊の課題としておりまして、都心部の樹林率の向上を目標にしております。中島公園は、都心の貴重な緑のオアシスでございまして、緑のまとまった空間として重要な公園でもあります。
いずれにいたしましても、候補地の選定につきましては、総合的に判断し、北4東6地区に優位性があると考え、建設予定地と決定いたしました。
◆松浦忠 委員 今の説明でよくわかったのは、何がわかったかといったら、まず一つは武道具店がそばにあると。確かに、あの辺には武道具店がありますよ。だけど、武道具店のために
スポーツ施設をつくるのではないのですよ。武道具店は、必要があれば、そこに店を出してくるのですよ、近いところに。商売上、必要だとなったら。それはちょっと違うな。これが一つ。
それから、二つ目は、苗穂地区の再開発、まちづくりのために体育館と。それでは、いいですか、一つ、具体の失敗例を出します。豊平区の下水道庁舎です。札幌市があそこを再開発したときに、市があの辺一帯の再開発を主導したのです。そうしたら、結局は、土地があるけれども、マンションも建たない。それで、当時、魚住助役は、あそこに下水道庁舎を建てようということで庁舎を建てたのですよ。そして、今日、どうなっていますか。建設局と統合して、新しく下水道管を引っ張ってくる工事ももう少なくなった、職員も大幅に少なくなって、本当にゆったりというか、あそこは閑散としているような建物になっています。もっとわかりやすく言えば、こっちの水道局の庁舎と統合してもいいぐらいになっているのですよ、いる人からいったら。あれは完全に失敗ですよ。
そういうような、いわゆる再開発だとかなんかに体育施設あるいは市役所の庁舎を持っていって建てて、単にあいている場所を埋めていくというやり方は、それで再開発がうまくいったかといったら、いっていない。言ってみれば、目的外だ、これは。だから、理由としては、全く目的外の話をしている。
札幌市が今一番困っているのは何だといったら、地下鉄で、毎年260億円ぐらい、どうやって稼いでも稼いでも、職員の皆さんが一生懸命に働いているけれども、建設したときの借金を払うには260億円ぐらい足りないから、市民の皆さんが納めている市民税あるいは固定資産税など、市長が使えるお金の中から多額の補てんをしているわけでしょう。それを、いかに――そして、さっき言った駅前の地下歩行空間で3億円がまた減った。これらをどうやって穴埋めするかと。言ってみれば、ここは地下鉄で行かなかったら行けないよという場所につくるのですよ。そして、トラックでの荷物の搬入だけにする。こういうふうにすれば、市の総合的な計画の中にもちゃんと合致するし、それから、
スポーツ施設として、そういう公園の中で、試合に入る前の事前の調整、心身の調整にも、公園内でということは、代々木公園を見てもそのとおりだし、そういうことなのですよ。したがって、私は、そういうことでの場所というのは合理性がない、こう思うわけです。
そこで、市長にお尋ねしますけれども、今のとおり、私の意見を申し上げました。答弁もありました。私は、まだ決定したわけではなく、これは一つの案として出したわけであります。しかし、少なくとも、私が数年前から提案していたもの、具体的に今のようなことを示して提案していたものへの対案が全く示されていない。選択肢が市民に与えられていない。これでは、私は、市民への問いかけ方としてはまずいと思うのです。少なくとも、この点について、やっぱりきちっと問いかけをして、その上で市民がどういう選択をするか、こうあるべきだと思うのですよ。
したがって、さっき
都市計画部長が言ったいわゆる規制なんかについても市長の判断のところにゆだねられているわけですから、法律的には、分権法で。したがって、それはできるわけでありますから、ぜひ、私はそういうような問いかけ方をきちっと市民に示すべきだと思うのですけれども、市長、いかがでしょう。
◎上田 市長 従前からの経過もよく勉強させていただいておりますけれども、中島公園というのは地下鉄の使い勝手がいいといいますか、そういうことでの一つのご提案だというふうに考えております。これは、かなりの程度、検討させていただき、なかなか厳しいという判断の上で、ほかに代替地はないかというようなことで、考え方の順番としてはそのような考え方で今回の提案をさせていただいているというふうに心得ております。
中島公園は、やはり、都心の中の緑の拠点施設でもございます。ここは、
Kitaraをつくったときから、今後、どうするのかという議論が相当されたというふうに私は聞き及んでおりますけれども、その段階で、集客施設をつくることは公園の本来の機能からして消極に考えるべきであるというふうな合意がなされたと私は聞いております。その上で、職員による庁内での議論がなされて、これからのまちづくりといったものを考えたときに、今回の場所といったものが選定をされたというふうに私は理解しているわけであります。もちろん、大なたを振るって、分権法等の規制改革の中で、市長の特段の判断があれば用途地域の変更等が可能ということにはなりますけれども、段々の議論の中で、札幌市の長期的なまちづくりにおける中島公園のあり方ということが議論され、それをひっくり返す材料は、今、持ち合わせていない、こういうふうに理解しているところでございます。
◆松浦忠 委員 市長、これは、北ガスが移転したときから、あそこは札幌市に活用してもらうという話が専らあったのですよ。そして、私が、さっき、なぜ天下り再就職の話をしたかといったら、以前は北ガスにそんな形で人は行っていなかったのです。そして、長部さんが行き、その後、そうやって行き出して、今度は助役が行きと。そういう中で、いわゆる熱供給公社について、札幌市は経営をする人的能力がなくて、それで実質的に北ガスに経営権を移譲するという経過がありました。
したがって、私は、今、出されてきている結論というのが、そういう一連の流れの中でここに誘導されていっている。そして、公園についても、最初は
Kitaraをつくるときにだっていろいろ議論はありました。そのもっと前を言えば、あそこに野外プールがあったのです。あの野外プールを廃止するときにも大いなる議論がありました。私もこれに参画しました。中島公園については、そうやって今までいろいろな議論を経てきております。
しかし、今、札幌市にとって、この地下鉄が、毎年毎年、働いても働いても、260億円の欠損を出さないでやるとしたら一般会計から補てんをしなければならないという、言ってみれば問題のある最大の企業ですよ。その企業を、一方ではさらに問題を大きくするようにしながら、もう一方では、それを埋めるような提案をしたら、今度は、連綿と続いている天下りの、いわゆる北ガスに利するようなことで、買い上げてやると。緑が少なくなると言うのだったら、創成川から東の方には大体が大きな公園というのはないのですよ。そうしたら、北ガスのところを買い取って札幌市が公園にすればいいじゃないですか。そうしたら、向こうの方も公園ができて大した喜ぶじゃないですか。そして、その分、こっち側の方が少なくなっても、こっちの方の面積が多いわけですから、ここで1万ぐらい少なくなっても問題ないじゃないですか。公園というのは、1カ所で大きいものでなくて、分散しなきゃいかんのですよ。人が歩いてきて、憩うのが公園ですから、分散という考え方だってあるわけですよ。したがって、そういう考え方も全く検討しないで、ただ、今のような話の繰り返しだ。
私が市長に求めているのは、職員が、職員がと、職員は、大体、自分の行き先も含めて考えてきているというのは、私はずっと30年見ているけれども、やっていることは変わらないのですよ。やっぱり、市長が選挙で選ばれて、特に、札幌市では戦後初代の民選の高田富與さん以来、40年ぶりに民間人出身の上田市長になった。やっぱり、ここで、そこのところの考え方がきちっと変わっていくということであっていいのではないですか。そして、市民の意見を聞くということに対して、こっちの案にした、こういう案があったけれども、我々はこう決めた、皆さんどう思いますかと、そういうことをなぜ問わないのですか。自分の決めたものだけを出して、意見を下さいと、これでは公正な……
○桑原透 委員長 松浦委員、同じ質問になっています。松浦委員、まとめて質問してください。
◆松浦忠 委員 (続)わかった。
公正な問いかけになっていないんじゃないですか、市長。どうですか、市長。
市長に意見を求めている。部長ではない。市長。
◎高橋
スポーツ部長 繰り返すようでございますが、建設予定地につきましては、地下鉄から1キロ圏内、徒歩10分圏内でございます。また、敷地面積のほか、移転による地域の方々に与える影響等々を総合的に判断して決定したものでございます。
◎上田 市長 この議論は、多分、先ほどのプールの話も
Kitaraの話も、私が就任する前の話でありますけれども、議会で十分に議論がされたというふうに考えております。その議論の延長線上で今回の我々の案をつくらせていただいたということでございますので、そこを総合的と一言で言っておりますけれども、中島公園の使い方についてどのようにあるべきかということは、大通公園と同じ時期に札幌市につくられた100年の歴史のある公園の使い方の問題でありますので、その時々の必要性ということに対応することも大事でありますが、市民の理解というものを歴史的に反映しながら、十分な検討をさせていただいた上で今回の案を提出させていただいているということでございます。
◆松浦忠 委員 市長ね、私の問いかけているのは、そういう意見もあった、これについてどう思うかと、少なくとも二つなり三つなりを出して、そして、その上で市民の意見を聞く、市はこれを選択したという問いかけの仕方をすべきでないですかということを私は聞いているのです。なぜ、そういう問いかけの仕方をしないのですかと私は言うのですよ。
◎高橋
スポーツ部長 何度も繰り返すようでございますが、札幌市として最適な
基本構想案を提示させていただいたということでございます。
◆松浦忠 委員 この問題はこれで最後にしますけれども、市長、こういうものを問いかけるときには、やっぱり、幾つかの案があった中でこれを選んだ、皆さんの意見を寄せてくださいと。我々はこれを選んだけれども、皆さんの意見の中で、我々が排除した意見の方をやれということが圧倒的に多かったら、民意に従うわけですから、そういうことも付して、そして意見を求めるというのが客観的な意見の求め方だと私は思うのですよ。
したがって、改めて、ホームページなどを通じてそういうことを掲示していただくことを求めて、この件については終わります。
◆金子やすゆき 委員 私からは、サッポロ・シティ・ジャズ、PMF、この2件の問題につきましてご質問させていただきます。
まず、サッポロ・シティ・ジャズにつきましてお尋ねいたします。
私は、事前に、文化部から、サッポロ・シティ・ジャズの2010年の決算書をいただきまして、数字の方をざっと拝見させていただきました。大ざっぱに申しまして、2010年度は1億5,000万円ぐらいの売り上げがありまして、若干の利益が生まれるほどの経費があるわけでございますが、よく数字を見てまいりますと、支出の明細の中に租税公課という欄があります。その租税公課の中に、2009年度開催分法人税という記載がございました。これは2010年度の決算です。通常、法人税というのは、その年度の税をその年度に払うのが普通でありますので、前年度の法人税を払っていると、何かあるのだろうということでお聞きさせていただきましたところ、平成19年度から21年度まで、サッポロ・シティ・ジャズは、収益事業を営んでおきながら法人税を納めていなかったというご説明を聞きました。法人税を納めていないばかりでなく、付随する法人道民税、事業税、本市に入るべき法人市民税も払っていなかった、こういうことがわかりました。その結果、国税からは、無申告加算税を課せられ、納付している、こういうことでございます。
これは、どういう経緯なのか、まず最初に、その点をご説明いただきたいと思います。
◎杉本 文化部長 今のシティ・ジャズの件でございます。
平成22年度決算で計上されている法人税は、今、委員ご指摘のとおりでございますが、平成19年度から21年度までの期限後申請による法人税というものでございます。平成22年度に、公認会計士の方から、今後の事業の拡大とか組織の永続性を考慮いたしまして、コンプライアンスを重視して、法人格を有しない任意団体として届け出をするべきだという助言に従いまして申告したということでございます。そのために、平成19年度にさかのぼって過年度分の法人税を支払ったことによるものでございます。
◆金子やすゆき 委員 私がお聞きしたいのは、平成19年度、20年度、21年度と収益事業を営んで、納税の義務というのはそれぞれの年度にあるわけですから、この3年間、どうしてきちんと申告して納税しなかったのか、これをお聞きしているわけであります。
このシティ・ジャズは、芸術の森の中に事務局が置かれております。芸術文化財団の理事長が実行委員長を務めておられ、また、札幌市観光文化局の幹部の方もここの実行委員会に名を連ねておられますけれども、市の補助金を受けている団体がきちんと納税してこなかったということについて、これはなぜなのか、そこをお聞きしているわけでございますが、いかがでしょうか。
◎杉本 文化部長 確かに、その点に関しましては、事務の至らないところがあったということでございます。その部分につきましては、先ほどもちょっと申しましたが、やはりコンプライアンスということを重視して、おくればせながらではありますけれども、過年度分もさかのぼって支払ったということでございます。
なお、この部分につきましては、平成23年6月に開催された実行委員会において、法人税の計上についても説明して了承を得ておりますし、それから、札幌市も実行委員会の開催前に報告を受けて了承しております。
◆金子やすゆき 委員 1点、事実関係を確認したいのですが、税金を納めていなかったことにつきまして、これは文化部として掌握していたということですか。私が、きのう、きょうと文化部と話をしたところでは、これについて知らなかったという話でありますけれども、どちらが正しいですか。
◎杉本 文化部長 過年度においては掌握しておりませんでしたけれども、それに気づいて、それを訂正した平成23年6月の実行委員会の前においては、報告を受けて了承しております。
◆金子やすゆき 委員 そうすると、平成23年6月の段階でこれは知っていたけれども、特に外には公表などはしておられなかった、こういうことでよろしいですね。
◎杉本 文化部長 平成23年の6月時点におきましては、その前には報告を受けて了承しておりましたが、23年6月の実行委員会においてご説明して了承を得ているということでございます。
◆金子やすゆき 委員 もう一回、お尋ねいたします。
文化部として、平成22年度決算のところで、過去3年間さかのぼって納税申告を忘れておりましたと、この事実を掌握したのはいつですかという問いかけでございます。
◎杉本 文化部長 平成23年6月の実行委員会の前に報告を受けて、そして、了承しております。
◆金子やすゆき 委員 ちょっと困ったことになりまして、私が、きょうの午前中に、当該法人無申告加算税などの領収書の日付を見せていただきましたところ、平成22年中に納付しているのですね。ですから、2010年度の決算で出てきているのですけれども、今の話ですと、1年またいだ23年の6月時点で報告を受けた、こういう話でございますが、この1年間は、その事実をきちんと把握して対処されてこなかったということになりますでしょうか。
◎杉本 文化部長 済みません。訂正いたします。
平成22年の実行委員会の前に報告を受けて、了承を受けていると。
○桑原透 委員長 課長でもいいですよ。きちんとした答弁をお願いします。
平成22年なのか、23年なのか、いつなのか。
◎杉本 文化部長 平成22年6月の時点で報告を受けて、了承しております。
◆金子やすゆき 委員 いずれにしても、今、平成24年に至っているわけですから、ここに至るまで、こういった市税すらきちんと納めていないということにつきまして、その事態を知っておきながら市民にも発表しないというのはいかがなものかと。これを納税者が聞いたら、どれだけの憤りを覚えるかというふうに私は思うわけでございます。この実行委員会というのは、非常にあいまいな組織でありまして、この会計をだれがやっているのか、監査はだれがやっているのか、また、きちんとした会計士あるいは税理士がチェックされているのか、この辺がよくわからない中で運営がなされております。コンプライアンスという言葉がございましたけれども、非常に強い疑念を覚えるとともに、もう一回、この事実関係をきちっと調査していただきまして、市民に公表していただきたい、このようなお願いをさせていただきたいというふうに思っております。
それから、シティ・ジャズに関連しまして、もう一つ、スポンサーとして入っておられる企業のことをお尋ねしたいと思います。
企業協賛金が4,776万円、これは2010年の決算で受け取っておりますけれども、いわゆる大手のパチンコ店の会社が冠スポンサーとしてこのイベントに協賛でついておられます。パチンコも一つの文化ということを考えますと、それもありなのかなという気はしないでもありませんが、札幌市が補助金を出しているそのイベントの冠スポンサーがパチンコ店というのは、やはり性格的になじむのかどうかというところを私は疑問に思います。
札幌市として、このスポンサーにつきまして、どのようにお考えでしょうか。
◎杉本 文化部長 協賛金を出す会社としてパチンコ店が適さないとは必ずしも言えないのではないかというふうに考えております。(「冠だぞ」と呼ぶ者あり)冠であっても。
◆金子やすゆき 委員 構わないというのは、一つのお考えであるかと思います。
今回、このスポンサーについていらっしゃる大手全国チェーンのパチンコ会社、売り上げ2兆円を超える全国屈指の会社でございます。ご存じのとおり、パチンコといいますと、多重債務ですとか、さまざまな社会問題という指摘も受けておりまして、いわゆるギャンブルとして射幸心をあおる、こういう業種からスポンサーとして多額の収入を受けている、そこに札幌市が補助金を与えていることにつきまして、私は、やはり問題ではないかと思っております。
過去のことにつきましては今さら言っても始まりませんけれども、平成24年度以降、この文化事業としての公益性、公共性、あるいは、市民がどのように見るかということを考えると、パチンコ店につきましては協賛のご遠慮をいただいた方がよいのではないかと思いますけれども、いかがお考えですか。
◎杉本 文化部長 必ずしも、パチンコ店であったから協賛してはいけない、冠をつけてはいけないとか、そういうことは考えておりません。ただ、その企業が、今、委員ご指摘のように非常に社会的な問題を起こしたとか、そういうことであれば、それはやはり適切ではないというふうに考えてございます。
◆金子やすゆき 委員 考え方の問題ですので、問題ないと言われている人に問題があると言っても平行線になりますので、この話は先に進めてまいります。
このシティ・ジャズというイベントは、普通に申し上げますと、ホワイトロックということで、大通公園で夏場に大きなテントを建て、有名なジャズアーチストを招きまして、私は大変よいイベントだと思います。テントの中に行きますと、食事を楽しんだり、あるいはお酒を飲んだりしながら、ふだん、なかなか札幌で聞くことができないジャズを聞くことができるようになっているわけであります。ただ、よくよく考えてみると、このイベントを楽しんでもらうというのは観客の方だけでありまして、観客以外の方には、特に、実際にテントに足を運んでいる観客以外の一般市民には何らのメリットがないものなのですね。
ちょっと話がそれるかもしれませんけれども、今回の平成24年度予算の中で、保育料値上げという問題が出ております。保育料の値上げにつきまして、市側はどう説明しているかというと、受益者負担という言葉を使っておられます。便益を受ける人に多少なりとも負担をしてもらいたい、こういうご説明の考え方からすると、このジャズのイベントは、市が補助金を出すものでなくて、観客の方々に負担していただければよいのではないかなというふうに私は思うところでございます。
シティ・ジャズの売り上げは、先ほど申し上げましたけれども、年間で1億5,000万円ありますが、その中で札幌市が出している補助金が約1,200万円ちょっとということで、1割にも満たない水準でございます。その一方で、経費の方の数字を眺めていきますと、広告費で1,700万円、食料費が約270万円、謝金が270万円、それから、コンテストで優勝した方の海外渡航費が460数万円と大盤振る舞いで経費が出ていっておるわけであります。これだけお金を使って決算でしっかり利益が出ておりまして、法人税も課されている、こういう仕組みになっております。経費をしっかりやりくりすれば、札幌市の補助金は多少なりともカットをしても成り立つのではないかと思いますけれども、この補助金に対する考え方を改めてお伺いいたします。
◎杉本 文化部長 サッポロ・シティ・ジャズは、こう言っては何ですが、札幌市としては非常に模範的と言ってもいい事業かなと。つまり、補助金自体の割合は、今、委員もおっしゃいましたように1割にも満たない。そして、9割の部分につきましては民間の方たちが自前で事業をやっている、独立して自立してやっている、そういう事業でございます。そういう意味で言えば、補助金につきましても、全体の1割でございまして、決して多いものではないというふうに考えております。
◆金子やすゆき 委員 自立してやっておられる、模範的というご説明をいただきました。きちんと税金を払った上でそれをおっしゃっていただきたいと思うところでございます。
続きまして、PMFのお話もあわせてご質問させていただきます。
PMFの方も、非常に経営が健全に行われておりまして、こちらの補助金が、昨年と比べますと500万円ふえて、1億8,900万円ということであります。平成22年度決算の数字を見ますと、約5,000万円ほどの収支の差額、黒字が出ておりまして、特定資産への繰り入れも行っております。
平成23年度のPMFの収支につきまして、まだ年度の途中かと思いますけれども、大まかに現況をお聞きしたいところでございます。23年度は、ご存じのように為替が大きく動きまして、一時期、大変な円高が横行いたしました。ことし1月、日銀が事実上のインフレ目標を導入してから円は少し戻っておりますけれども、PMFは、ご承知のように、海外のアーチストの旅費とか、外貨で払っている部分が多いと思いますので、円高でそこそこの経費を削減できているのではないかと思います。
まず、平成23年度は、円高のメリットがどれだけありましたか。把握されておりましたらお答えいただきたいと思います。
◎杉本 文化部長 円高のメリットは、今、資料を持ち合わせておりませんが、外貨建てで支払いをした額につきましては、全体の22%を外貨建てで支払っております。
◆金子やすゆき 委員 22%ということですから、平成23年度でいいますと、円高の影響で前年度よりもそこそこのコストを削減できているのではないかと思われます。
私は、どうしてこのような話を申し上げたかと申しますと、PMFというのは、財務諸表の中で貸借対照表を見ていきますと、大変健全な財務体質を誇っております。ここの財団の資産が4億3,000万円になっておるわけでございますが、その中の正味財産が4億円ということで、8割、9割ぐらいの正味財産で、いわゆる内部留保、自己資本に近いと申しますか、このようなものを持っておられます。4億3,000万円の総資産の中で、現・預金と有価証券、これらを加えただけで4億円ということでありますので、大変なキャッシュリッチであります。
そこで、きょうは改革推進部にご出席をお願いしております。こういう公益法人の内部留保の持ち方につきまして国の指針があるということを伺っておりますので、まず、国の方針はどのようなものであるか、また、これに照らしてPMFの持っている内部留保についてどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。
◎岸 市長政策室改革推進部長 ただいまは、委員から2点のご質問かと思います。
まず、財団等の内部留保に係る国などの基準がどのようになっているかということと、それに照らしてPMFの内部留保というか、その資産をどのように見ているかということかと思います。
まず、1点目の国の基準でございますけれども、財団等の団体が公益事業を適正に継続的に行うためには、ある程度の内部留保を持つことは必要でございます。公益法人に対する国の指導・監督基準では、この内部留保とは、総資産から、財団の基本財産であるとか、公益事業を実施するために有している基金、法人の運営に必要不可欠な固定資産、将来の特定の支払いに充てる引き当て資産と、そして負債相当額などを控除したものとなってございます。また、その水準といたしましては年間の総支出の30%以内が望ましいとされておりますけれども、この水準は、各団体の財務状況によって異なるものでございますので、一律に定めることは困難なことから一つの指針として規定されているというふうに理解してございます。
したがいまして、内部留保の水準としては、当該指針を目安としながらも、団体における過去の収入の変動などを考慮しつつ、社会経済情勢の変化等が生じた場合であっても、当該法人が実施している公益事業を、当面、支障なく実施できる程度にとどめることをめどに、各団体の事業運営状況等を勘案して判断すべきものではないか、このように考えているところでございます。
それから、2点目の実際のPMFの内部留保ということでございますけれども、委員のお話にもございましたが、平成22年度の決算ベースの中では、総資産は約4億円を超えるような額になってございます。この中から、先ほど申し上げたような国の指導・監督基準に従いまして、その資産から控除するものとして、基本財産あるいは負債相当額、法人の運営に不可欠な固定資産、それから、団体の安定的な事業運営の備えとして積み立てている特定資産等を控除して、PMF組織委員会のいわゆる内部留保としては約8,700万円というふうな理解をしているところでございます。
◆金子やすゆき 委員 8,700万円が内部留保ということのご説明でありました。
私がこの財務諸表を拝見いたしますと、現金、預金、証券で4億3,000万円の総資産の中で、4億円の流動性の資産を持っておられるということですけれども、お金に色はついておりませんので、ここからここまでが財団の運営にどうしても欠かせないものだとか、あるいは、ここからここまでが内部留保だというのは、これは非常にわかりづらい話であります。今、改革推進部長からご説明いただきました公益法人の設立許可及び指導監督基準という国が定めた運営指針がありまして、ここに難しい言葉でいろいろ書いてありますが、わかりやすく言うと、公益法人というのは、税制上の優遇を受けていたり、あるいは、その非営利性などをかんがみて、不当に中にお金をため込み過ぎてはいけませんよという決まりが書いてあるのですね。その決まりはどれぐらいなのかなというと、総資産の3割ぐらいにしなさいという指針が国から定められております。
ところが、今申し上げたように、このPMFについては、総資産の中の内部留保は、今、改革推進部長は8,000万円ほどしかないと言いましたが、私の目には4億円以上あるように見えるのですね。ですので、これだけ多額の内部留保を抱え込んでいるというのは、やはりちょっと持ち過ぎなのではないかなというふうに思うわけでございます。
ここのところにつきまして、文化部としてはどのようにお考えになっておられますか。
◎杉本 文化部長 今、委員からご指摘のあった部分でございますけれども、先ほどのお話にもございましたが、内部留保というものは、PMFの総資産のうちから、財団法人における基本財産、法人の運営に係る不可欠な固定資産、それから負債相当額、そして、PMFが予期しない収入の減少とか、あるいは支出の増加の発生、あるいは周年事業への対応などのために積み立てております特定資産、そういったものを全部差し引いて、その残りが内部留保であろうというふうに考えております。それで、先ほど改革推進部長からもご説明があったように、8,700万円何がしのお金が内部留保であるというふうに考えてございます。
◆金子やすゆき 委員 わかりました。
私は、この市議会議員という職に去年の春からつかせていただきまして、昨年の夏に開かれました上田市長主催のPMFの歓迎レセプションに出席させていただきました。そのときのことを思い返しますと、会場は市内の一流ホテルの大きな宴会場でございまして、外国人の音楽家の方々、企業のスポンサーの皆さん、また、多くの関係者の方がいらっしゃって、非常に優雅な雰囲気の中で歓迎レセプションが行われておりました。豪華な料理が並び、クラシックの調べがあって、正直、芸術文化に全く縁遠い私にはちょっとふつり合いな場所だなというふうに思ったわけでございますけれども、そのとき、私は、あわせて、実際にあれに幾らぐらいのお金がかかったのだろうかと少し疑問に感じたことを今思い出すところでございます。
今、歴代の卒業生が日本全国あるいは世界においても大活躍なさっているというPMFの成果は伺っているところであります。関係者の方々のご努力のたまものだと思いますし、そのPMFの存在自体を全く否定するものではございませんけれども、一方で、札幌市民の懐、札幌市民の生活が非常に厳しくなってきているということは、この際、指摘させていただかなければならないと思っています。企業の倒産が続いて、職を求めてハローワークに並んでいる市民も大勢いらっしゃいます。また、ことしの予算は、先ほど申し上げましたが、保育料の値上げとか、あるいは児童クラブの有料化とか、さまざまな手数料の値上げによって市民負担を求めていっておる中で、市民に負担を求める前に、まず、やるべきことがあるのではないかなというふうに思うわけでございます。
そして、きょうは、PMFの理事長でもある市長にご出席いただいております。考え方の話でありますが、こういった文化芸術というところで、シティ・ジャズのこともございましたけれども、特にPMFに関して申しますと、これは世界の若い音楽家の育成ということを一番のテーマに挙げておられます。海外、外国人の――外国人だけではないかもしれませんが、世界の音楽家の育成のこと、それから、一方で札幌市民の子どもの育成のこと、どちらを選ぶのかという市長として大変重い決断であってこういう予算が出てきているのだと思うのです。しかし、私も一人の子育て世代の代表として、こういう文化芸術というのはもちろん大切ですけれども、その前に足元を見ていただきたいという願いがございます。そういったことを踏まえまして、この予算のそれぞれにつきまして、市長としてどのようにお考えになっているか、ここをお尋ねさせていただきたいと思うわけでございます。
◎上田 市長 委員のお気持ちを十分にそんたくした上での話としてお聞きいただきたいというふうに思います。
私は、札幌にとりまして、PMFなり、あるいは、新しく始まりましたシティ・ジャズというのは、札幌の価値を高める非常に大きな事業だというふうに思っております。もちろん、市民の皆さん方の日常生活の中で、保育料が上がる、あるいは、電車賃がどうなるのかということまで含めて、非常に大きな負担感が高まるばかりというのは事実でございますが、それに応じて収入が上がっていくかどうかということについては不透明な部分が非常に大きいという状況の中にあって、文化事業というものをどう考えるのかというようなことが論点なわけであります。
私は、文化というのは、すぐにお金につながるというものでは決してありませんし、また、それを期待した文化事業というのは、多分、クオリティーというところが疑われるだろうと、そんなふうにも思います。しかし、だからと言って、金があればやればいい、金がなければやめればいいというものでもない。やはり、我々の生活の中での潤いを与えるという大きな作用があります。そして、まちの品格と言うと言い過ぎかもわかりませんが、まちというものがどういうことを大事にしているのかということについて社会的に評価を受ける際に、大きな資源になっていくだろう、そんなふうに考えます。
ですから、シティ・ジャズについて、今もさまざまなご意見をお伺いいたしましたけれども、できるだけ税金を使わないで合理的に運用していくこと、そして、札幌市のシティ・ジャズは一つの前の歴史がございます。子どもたちのジャズバンドを育てていくというような事業も芸術文化を下支えする大きな活動になって、今では世界的に評価されているというふうなこともございまして、それが札幌のジャズを育てる一つの下地にもなるというふうなこともございます。そして、このまちにはジャズを楽しむ大人たちがたくさんいるということで、このシティ・ジャズが5回目、6回目を迎えようというところまでやってきて、そこそこの観客の皆さん方、そして、鑑賞していただける方々も10万人を超えるというところまで今来ているということでございまして、非常に成功しているモデルの文化事業ではないかなと、こんなふうに思います。
さらに、PMFは、そういう意味では世界的に評価されているものであるということは、これは委員もご承知だというふうにお聞きいたしましたので、るる申し上げることは余りいたしませんけれども、既に世界のメジャーなオーケストラの中には必ずPMF卒業生がいるというところまで来ているとお聞きいたしております。札幌で学んだということを彼らに誇りに思っていただける、そういうふうにしていくことが、世界で札幌の価値を高めていく、評価を高めていくことにつながっていくのだ、私はこのように考えているところでございます。卒業生が、実は私はPMFの出身者だと言えないような状況になってしまっては困る。したがいまして、クオリティーの高い教育音楽祭というものを維持していくことが本当に大事なことだと。だれも振り向きもしないというふうな音楽祭であっては、札幌が力を入れていく意味もありませんし、これまで2,500名ほどの修了生がおられますが、その方々も、実は、PMFで、札幌で1カ月学んだということを自慢して言うことができない、誇りに思えない、こういうことにもつながります。
その意味では、財政が非常に厳しく、そして、スポンサーの皆さん方も、ビッグスポンサーも本当に厳しい経済状況の中で削減ということが非常に大きな課題になっておりますし、また、地元の200社から300社に上る企業の皆さん方も、10年続けてきたのだけれども、ことしだけは勘弁してくれというふうなところに追い詰められているということもよくお聞きいたします。そういうことも含めて、我々は、経費を節減しながら、クオリティーを下げないように最大限の努力をしていきたいということは本当に申し上げておきたいというふうに思います。
そして、世界の演奏家を育てるということと同時に、札幌の聴衆、そして、札幌市に住んでいる人たちが、PMFがあることによって誇りを持てる、あるいは、音楽というものを聞くことができるチャンスに恵まれるということは非常に大事な事業だというふうに考えております。今、アウトリーチと言いまして、ビッグバンド、オーケストラの全員がというわけではなくて、いろいろなセクションの方々が出かけていって、小学校なり中学校なりで小学生や中学生と一緒に演奏するようなこともされておりまして、非常にいい効果が出ているというふうにも言われているところでございます。そんなことも含めまして、経費節減は当然のことでございますけれども、PMFの質を下げないでしっかりと頑張っていくことに努力させていただきたい、このように考えるところでございます。
◆小竹知子 委員 私からは、ことし9月に豊平区月寒にオープンいたします通年型のカーリング場について質問いたします。
昨年3定の決算特別委員会におきましても、私から、その普及振興策について質問いたしました。カーリングの人気や知名度は上がっているとはいえ、愛好者は市内で1,000人に満たないと聞いております。そうしたことで、利用者の見込み人数とか、施設の稼働率、年間の経費を含めて安定した運営ができるのか等々、大変不安視されている方もいると聞いております。そうしたことで、決算特別委員会では、カーリング人口のすそ野を拡大していくために、レベルに合わせた教室の実施など、積極的な振興策を考えているとの答弁をいただきました。
そこで、質問ですが、現段階において、来年度は具体的にどのような普及振興策を実施されるのか、お伺いいたします。
◎高橋
スポーツ部長 カーリング人口を拡大するための具体的な普及振興策についてお答えいたします。
カーリング場のオープン当初から、積極的に普及振興策を行ってまいります。まずは、オープニングイベントを開催いたします。通年型のカーリング場オープンを多くの市民の皆さんに知っていただくとともに、関心を持っていただき、会場に足を運んでいただくような内容を検討中でございます。
次に、体験型の普及活動といたしまして、市民向けの体験会を年30回程度、そして、1期5回の教室を年7教室程度、開催する予定でございます。実際にカーリングを体験していただける機会を数多くつくることによりまして、カーリングの楽しさを実感していただくとともに、カーリング人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。
また、さまざまな機会を活用しましてカーリング場のPRを実施していきたいと考えております。特に、歩行者が多い札幌駅前通地下歩行空間を利用したPRを行うことで、より多くの市民に施設の利用を呼びかけたいと考えております。
◆小竹知子 委員 親しんでもらうことで興味を持っていただくということは、大変大切なことだと考えます。とにかく体験の機会を設ける、カーリング場に行く、氷の上に立ってみる、ストーンやブラシを持ってみる、そして、競技を体験することで底辺の拡大が図られると思いますので、ぜひ実行していただきたいと思います。また、全市をターゲットにPRしていくことはもちろん大切なことであると理解はしますが、カーリング場ができる月寒地区においては、特にこの施設を歓迎し、オープンを心待ちにされている方も多いと聞いております。地域住民の方々にも積極的に利用促進を図っていくことが、カーリング場の有効活用、また稼働率向上に有効であると考えます。
そこで、質問ですが、地域住民との連携によるカーリングの普及振興についてはどのように考えているのか、お聞きします。
◎高橋
スポーツ部長 地域住民との連携によるカーリングの普及振興についてお答えいたします。
委員ご指摘のとおり、施設の近くにお住まいの方に気軽に訪れていただくことは、施設の稼働率の向上、さらにはカーリング人口の拡大につながるものと考えております。今年度も、ウインター
スポーツ活性化推進事業の一環といたしまして、カーリング場の近隣小学校であるあやめ野小学校の5年生を対象に、美香保体育館においてカーリングの体験型授業を実施いたしました。今後とも、近隣の小学校には、授業に取り入れていただけるよう働きかけ、子どものときからカーリングに親しんでいただき、将来にわたるカーリング人口の拡大につなげていきたいと考えております。
また、地域の方にも、先ほどご説明しました体験会等に参加していただき、だれもが気軽に実施できる、まさに町内会のレクリエーションでも取り組めるような
スポーツであることを理解していただくことが重要であると考えております。カーリング場ができることによりまして、地域の活性化にもつながるような普及振興策を実施してまいりたいと考えております。
◆小竹知子 委員 これも決算特別委員会で申し上げたことですが、特に、子どもたちが小さいときからカーリングに触れる、体験するということは、やがて札幌からオリンピック代表選手を生み出すという大きな夢につながっていくと思います。
道内で最もカーリングが盛んである常呂町の教育委員会にお伺いしました。常呂町では、平成2年から、小学校において、冬の体育の授業でカーリングが取り入れられ、現在では中学校、高等学校においても取り入れられているとのことです。こうした取り組みは、オリンピック代表選手の輩出に結びついて、平成10年の長野冬季オリンピックでは5名、平成14年アメリカのソルトレークシティーオリンピックでは4名、さらには、平成18年のイタリア・トリノオリンピックでは、チーム青森に所属した3名が日本代表選手として常呂町から誕生しております。
札幌においても子どものころからカーリングを体験できる環境づくりをぜひ整備していただきたいと思いまして、教育委員会にお尋ねしましたが、まずは施設の完成がなされてからというお返事でしたので、ぜひとも、今後は教育委員会との深い連携で取り組んでいただくことを強く要望して、質問を終わります。
◆しのだ江里子 委員 私は、大きく三つ質問させていただきます。
札幌ドームのネーミングライツについて、カーリング事業費について、そして、古代の里にかかわります質問をさせていただきます。
まず、札幌ドームのネーミングライツについて質問いたします。
開業10年を過ぎました札幌ドームは、サッカーのコンサドーレと野球の日本ハムファイターズという二つの
プロスポーツチームの本拠地となっておりまして、可動式のサッカーグラウンドを持つ世界で唯一のスタジアムであり、ここで、私たちは、自分たちのチーム、球団として応援するという新しい文化が生まれました。最大5万人を超える大規模なコンサートが、年間、多数開催されておりまして、全国からドームツアーを目がけて観客が集まり、また、室内の展示スペースとしては北海道最大であり、2月には高さ36メートルの巨大ジャンプ台をつくりましたスノーボードの国際競技会トヨタビッグエア、そして、つい先日には北海道で初めての札幌モーターショー2012が開催され、12万5,195名のモーターファンを集めました。まさに、ドームのスケールを生かしたさまざまな演出で、インパクトのある展示会とかセレモニーが多数開催され、市内外から多くの方が訪れているところです。
私どもの会派も、今まで、ネーミングライツについて注視してまいりました。ネーミングライツの協賛金は、札幌ドームの将来の維持・保全に充てるために始めるものと聞いております。2010年12月の経済常任委員会での私どもの会派の三宅委員と当時の
スポーツ部長とのやりとりの中で、保全計画が未策定にもかかわらず、希望金額を年額5億円以上とした理由や、当時のネーミングライツの導入例では高額ではないかと思われることと、応募の見込みについて質問しておりました。部長からは、国際的にも知名度が高い施設であることから5億円という金額を設定し、応募の見込みについては、問い合わせもあり、国内外に知名度が高い施設なので応募はあるとの答弁がありました。
そこで、質問ですが、その後、2回にわたりましてネーミングライツの募集を行ったと伺っておりますけれども、今までの経緯をお聞かせください。
◎高橋
スポーツ部長 札幌ドームのネーミングライツ協賛企業の募集に係るこれまでの経緯についてお答えいたします。
札幌ドームのネーミングライツにつきましては、これまで、平成23年の1月と2月の2回にわたりまして協賛企業の募集を行ってまいりました。この募集では、札幌市が希望する条件といたしまして、金額は年額で5億円以上、期間は5年以上とさせていただきました。しかしながら、1回目の募集には応募があったものの、札幌市の希望を満たすものではなく、2回目の募集では応募がありませんでした。その後、昨年3月に発生しました東日本大震災の影響からいまだ経済情勢が厳しいと考えておりまして、募集については見合わせているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 平成23年の1月と2月に、2回、公募したけれども、実際には希望する条件に合致するところがなかったということでした。
昨年の東日本大震災の影響で札幌経済に大きな影響があるということは本当に実感できます。そのような中で、5億円を5年間というような多額な協賛金とも言えるネーミングライツに手を挙げる企業が果たしてあるのか、ないのかは、本当に厳しい状況だと考えます。しかし、じっと待っていてもチャンスはめぐってこないと思います。
そこで、質問ですが、今後の方向性を市としてはどのようにお考えなのか、伺います。
◎高橋
スポーツ部長 札幌ドームのネーミングライツ協賛企業の募集に係る今後の取り組みについてお答えいたします。
先ほど委員ご指摘のとおり、札幌ドームの将来にわたる改修等の財源を確保するために、ネーミングライツによる協賛企業の協力は必要であるものと考えておりますので、経済状況や企業の動向を踏まえながら、ネーミングライツの協賛企業の再募集の時期を判断したいと考えております。また、再募集の際には、希望金額や希望期間などの募集条件の見直しも含めて検討してまいりたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 ネーミングライツは必要なものであり、そしてまた、再募集に向けて条件の見直し等を考えていただけるということでした。
札幌ドームは、市民の夢や希望を担いまして血税を投入しているエンターテインメント施設ですから、市民にいつまでも愛され、そして、札幌市の
スポーツ振興とか地域経済活性化に一層寄与する施設であり続けなくてはいけないと思います。それを維持するためには、大型映像表示装置とか人工芝の更新とか、そしてまた、設備機器の更新、改修などに向けて莫大な費用の投入が必要になりますが、ネーミングライツの募集に向けては、本当に不退転の思いで進めていただきたいと思います。
お話を伺っておりましたならば、次のシーズンというようなお話もありまして、いろいろ状況を聞かせていただきましたが、次のシーズンなどと考えずに、決まったときから名前を変更すればいいと考えます。昨年の12月、一般紙が8回にわたり札幌ドーム徹底研究を掲載し、大きな反響があったと聞いています。この中にも、ネーミングライツにかかわる項目がありまして、札幌ドームをフランチャイズとしている日本ハムファイターズとかコンサドーレ札幌に、今までの2回のネーミングライツ応募に関しての報告はされていたが、日ハムとしてはもっと一緒にドーム運営を考えていきたいとの意向があったということも書かれていました。私は、この記事を見まして、大変もったいないなと思いました。せっかく札幌ドームを盛り上げようとする企業があるならば、一緒になって考えていくべきであると思います。この記事では、
スポーツ政策論を専門とされている早稲田大学の間野義之教授から、
スポーツビジネスというのは、自治体と球団、チームがパートナーでないと成立しないとの指摘もありました。札幌ドームは、まさに、日本ハム球団もあり、そして、今期、1部に昇格しましたコンサドーレ札幌もあるわけですから、ともに将来の札幌ドームを協議する場を設けるべきと考えます。
12月26日の最終記事に、札幌ドーム副社長である生島副市長が、このネーミングライツについて、世界経済が大きく動いている中、5年、10年先を見通せる企業を見つけることが難しい、道内企業に頑張ってもらいたい、ネバー・ギブ・アップだとおっしゃっております。
そこで、改めて、副市長から決意を伺いたいと思います。
◎生島 副市長 札幌ドームも昨年で10年を迎えまして、本当に道民、市民の皆さんに親しまれる施設でございます。これからも、その活用をどんどん図っていかなければなりません。ただ、そこで、どうしても、今、委員からご指摘があったように、設備の入れかえでありますとか補修でありますとか、多額のお金がかかってまいります。私自身は、ネーミングライツで得られるお金というものは、本当にのどから手が出るほど欲しいという気持ちでございます。
そのためには、一つは、札幌ドーム自体の媒体としての価値、商品価値を上げていくことが大変重要だなというふうに思っております。そのときには、今お話がありましたように、札幌ドームを一番使っていただいている日本ハムファイターズ、そしてコンサドーレ札幌、こういう関係者の皆さんとともに、手を携えて、ネーミングライツが確保できるように、繰り返しますけれども、ネバー、ネバー・ギブ・アップで取り組んでまいりたいというふうに思います。
◆しのだ江里子 委員 ありがとうございます。
次に、カーリング事業費についてです。
今、小竹委員からもいろいろご質問がありましたが、まさに、2006年のトリノ、そして2010年のバンクーバーオリンピック以来、日本でのカーリングの認知度が一挙に高まっています。日本シニアカーリング選手権大会が3月8日から11日まで、北海道妹背牛町カーリングホールで開催されまして、ユーストリームで試合の様子を見ることができ、視聴数も4日間で2万を超えているというのには大変驚きました。また、1月には、韓国で開催されましたパシフィックアジアジュニアカーリング選手権で、日本女子代表の札幌国際大学チームが優勝し、3月3日からスウェーデンで行われた世界ジュニア選手権に参加、終盤に強豪カナダとチェコを破り、6勝3敗となったものの、スウェーデンにタイブレークで負け、決勝トーナメント進出はなりませんでしたが、大いに健闘し、試合の様子は、今度はユーチューブでライブ放映されていました。いよいよ9月にオープンする通年型の札幌のカーリング場では、5シートを整備することになっておりまして、多くの大会などに使用されることが期待されます。
カーリングは、その競技の特性から、氷の状態がプレーに大きく影響するため、国際大会を初めとした各種大会の開催や合宿を誘致するためには、全国有数の施設として認知してもらうことがまず重要と考えます。また、北海道銀行フォルティウスや、先ほどの札幌国際大学など、現在、さまざまな大会に出場し、活躍している札幌市内のチームに今後も一層活躍をしていただくためにも、地元で質の高い練習を行うことのできる環境を整えることが求められます。そのためには、カーリング場の氷のコンディションを常に高水準の状態に維持することが何より重要であります。
そこで、質問ですが、カーリング場の指定管理者については、氷の維持管理など、専門的な施設管理を適切に行うことができる団体が選定されるようになっているのでしょうか。また、これまでの経過、今後のスケジュールについて、あわせて伺います。
◎高橋
スポーツ部長 カーリング場の指定管理者の申し込み資格と選定スケジュールについてお答えいたします。
1月23日に、外部委員6名と市内部委員1名で構成する選定委員会を開催し、募集要項についてご審議をいただき、募集資格やスケジュールなどを決定いたしました。この募集要項に基づきまして2月7日に事前説明会を実施し、その後、2月24日から3月26日まで申し込みの受け付けを行っているところでございます。
申し込み資格といたしましては、他の施設の指定管理者と同様に、団体や代表者の欠格条項等を定めているほか、カーリング場としての高水準のコンディションを確保、維持するため、日本カーリング協会アイスメークライセンス取得者もしくは同等の資格者等で実務経験を有する者の配置を条件としております。また、選考に当たりましては、外部委員に、競技団体や指導者、競技者の方をお願いしておりますので、専門的見地から審査していただくこととなっております。
なお、今後のスケジュールでございますが、先ほど申し上げましたとおり、3月26日まで申し込みを受け付け、4月中旬以降に選定委員会を開催し、指定管理の候補者を選定し、第2回定例市議会に指定議案を提出することとなります。議決後、7月に指定管理者と協定を締結し、8月1日から指定管理者として業務を行い、9月中旬に供用開始の予定でございます。
◆しのだ江里子 委員 カーリング場の指定管理者というのは、アイスメークライセンスの実務経験を持っていなければならないということで、やはりきちっとした方が管理をされるべきものだと思います。
この施設を有効に活用していくためには、カーリング人口を拡大し、多くの市民に利用していただくことが最も重要であるということは、先ほど小竹委員からもお話がありました。さまざまな大会を開催することも、知名度を上げるとともに、施設の稼働率向上につながると考えます。また、一流の選手を目の当たりにする機会がふえることは、カーリングの普及振興策となりますとともに、競技力アップにもつながると思います。日本カーリング協会のホームページを見ますと、カーリングの試合は11月から4月に集中しておりまして、国内大会はもちろんのこと、国際大会もメジロ押しのようです。
そこで、質問ですが、今現在、招致を考えていらっしゃる大会はあるのか、伺います。
◎高橋
スポーツ部長 現在、招致を考えている大会についてお答えいたします。
札幌市といたしましても、大会を開催することが、日本全国、さらには世界に、札幌にカーリング場があることを知っていただくとても有効な手法であると考えております。このことから、現在、札幌カーリング協会、北海道カーリング協会と協力し、大会の招致を行っているところでございます。
現時点では、平成24年度北海道選手権の開催が決まっておりますが、今後は、日本選手権の招致、さらには、2013年の招致はならなかった世界女子カーリング選手権についても、2015年の大会開催に向けまして、再度、招致を図りたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 既に大規模大会の招致に向けて行動を開始していらっしゃるということは、評価させていただきます。国内大会の開催はもちろん施設の大きなPRとなってきますが、世界大会を開催するということは札幌の経済効果にも大きな影響があると考えますので、ぜひとも2015年の世界女子カーリング選手権の招致は成功させていただきたいと思います。
そこで、質問ですが、2013年大会の落選を踏まえまして、2015年大会招致にはどのように対応していかれるのか、伺います。
◎高橋
スポーツ部長 2015年世界女子カーリング選手権の大会招致につきましてお答えいたします。
2013年の大会がラトビアに決定した理由につきまして日本カーリング連盟に確認いたしましたが、明確な理由はわからないということでございました。しかし、大会開催の決定については、施設、とりわけ氷のよしあしが評価を大きく左右すると言われております。前回の招致の際には、施設ができておらず、氷の評価ができない状況でございました。また、施設がどのようなものか理解されていなかったため、それが大きなハンディになったものと考えられます。次回は、実際に施設ができ上がることから、各国のカーリング連盟に対しまして、札幌市カーリング場の周知を図っていきたいと考えております。また、国際大会等におきまして、日本代表選手に札幌のカーリング場のすばらしさをPRしていただくよう、働きかけも行ってまいりたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員 2013年大会はラトビアに決まり、そしてまた、落選の明確な理由はわからなかったけれども、やはり氷のよしあしであるということが今のご答弁の中でありました。何より、実際にその施設があって、そこに足を運んでいただいて氷のできなどを見ていただくのが一番早いかと思います。
カーリングは、新興の競技であるだけに、今までは競技可能な施設が非常に少なく、そして、競技人口も、先ほどのお話の中でもありましたが、1,000人程度と非常に少ないということですけれども、老若男女を問わず楽しめる競技であるために、今後のさらなる普及発展の可能性を秘めていると私は考えます。
カーリング競技規則の冒頭に前文として掲載されております「The Spirit of Curling」、カーリング精神によりますと、技術と同じぐらい、しきたりを重んじる
スポーツであるため、フェアプレーはカーリングに欠かせない要素と考えられています。ゲームを通じて、よき
スポーツマンシップ、思いやりのある態度、そして誇り高い振る舞いが求められ、この精神は、ルールの解釈や適用の仕方に生かすべきであるのみならず、アイスの上にあるとなきとにかかわりなく、すべての参加者が行いの鏡とすべきものであるという言葉がありました。このような精神のもとで行われるカーリング競技というのは、本当にすばらしいものと期待しております。
札幌市カーリング場で練習とか試合に励まれた選手たちが、2014年、ソチオリンピックに参加できるかもしれません。また、多くの市民がカーリング競技に親しむことができるように、ぜひとも普及に努めていただくことを求めます。
最後ですが、(仮称)古代の里整備事業の公開シンポジウムと今後の市民参加について、伺います。
さとらんどの遺跡公園整備につきましては、昨年の第3回定例会の代表質問におきまして取り上げさせていただきまして、多大な関心を持って見守ってまいりました。このたび、第3次札幌新まちづくり計画におきまして古代の里整備事業として位置づけられ、今後の取り組みに私も大いに期待を寄せているところです。
さとらんどの遺跡公園整備予定地には、今から2,300年前の縄文時代晩期の遺跡が現状のままで保存されていることが確認されております。縄文時代は、自然と共生して争うことをしなかった時代として、その精神性に学ぶべき点が多いものと、現在、世界じゅうから熱い注目が寄せられています。
ちょうど、ただいま、北海道開拓記念館では、「縄文の祈りと心」というフレーズのもと、道内初の国宝指定を受けた土偶を初め、国宝土偶3点などが展示、すぐれた縄文文化が紹介されておりまして、先日、13日、来場1万人を超えたと報道されたところです。3体の国宝が展示されている最終日、18日、先週の日曜日でしたが、北海道には珍しいぐらいたくさんの観客が押し寄せる中で、私も、学生インターン3名とともに拝見させていただきまして、縄文時代の価値観とか文化の豊かさを再確認し、私たちのルーツでもある縄文人の知恵や工夫、願いなどを身近に感じてきたところです。
さて、さとらんどの遺跡につきましては、市民へのPR活動として、遺跡公園整備予定地と少し離れた、同じさとらんど内のさとらんどセンター内において、既に発掘された土器やパネルなどを、常時、展示しておりまして、年に1回、イベントも行われております。昨年の秋になりますが、私が訪れましたときには、親子連れが土器のパズルとか火おこしを楽しんでいる姿を間近に見まして、遺跡公園として整備されることに対して期待が膨らみました。しかし、実際に訪れた市民の方に伺いますと、さとらんどに縄文遺跡があるということは、まだまだ知られていないのが実情だと感じました。
一方、道南の伊達市に北黄金貝塚公園があります。毎年、札幌市内の7,000人に及ぶ子どもたち、小学生たちが北黄金貝塚公園に行きまして、勾玉づくりなどの体験学習の中から、縄文文化の背景を知り、哲学を学び、自然との共生を身近に触れてきています。遺跡は、自分の住む土地の歴史を知る資産です。札幌に定住し始めたのは縄文人だと言われており、この貴重な縄文遺跡を遺跡公園として整備することによって、札幌の子どもたちが実際の遺跡に触れることができ、札幌の歴史を体感する機会が生まれ、ふるさと札幌に対する誇りや愛着をはぐくむことに極めて大きく役立つものと考えます。
そこで、質問ですが、去る3月3日、初めて公開シンポジウムを開催したということですけれども、どのような趣旨で開催され、また、その内容はどのようなものであったのか、伺います。
◎杉本 文化部長 去る3月3日に、(仮称)古代の里遺跡公園整備について、市民への周知を目的といたしまして、遺跡の保存と整備、活用というテーマで、遺跡の整備について他都市の事例報告を交え、5名の講師による公開シンポジウムを開催いたしました。当日は、さとらんどの遺跡を紹介するパネルとか、実際に遺跡から出土いたしました土器のほかに、函館市内の縄文遺跡から出土いたしました、今、委員がおっしゃった中空土偶のレプリカを展示して好評を得たところでございます。
シンポジウムの内容につきましては、北大の小杉教授による基調講演を初めといたしまして、昨年10月にオープンした道内初の国宝中空土偶を展示する函館市縄文文化交流センターとか、あるいは、すぐれた遺跡公園として知られる仙台市縄文の森広場の事例などを紹介してございます。また、5名の講師による公開討論の場では、さとらんどの遺跡公園整備につきまして、それぞれのご専門の立場から、遺跡整備の意義や市民参加の重要性などの貴重なご意見をちょうだいしておりまして、今後の整備の進め方に生かしてまいりたいというふうに考えております。
◆しのだ江里子 委員 3月3日の公開シンポジウムは、保存と整備、活用という内容で進められたということでした。残念ながら、私は伺うことができなかったのですけれども、5名の先生方からいろいろなご意見があり、まさに充実した内容のシンポジウムだったということです。この中でも、市民参加の重要性が講師からの提言にあったということを聞いております。市民参加を含めての検討は、私も、今後ますます大切なことになると思います。
考古学というのは、技術の歴史をひもとくことと言われておりますけれども、そこから見える縄文人は、あえて技術を進歩させない働きを行いまして、自然との共生のために、みずからをコントロールし、抑制をしていたと思われます。このような縄文文化をこの札幌で体感できるということは本当にすばらしいことであり、愛着を持っていただける市民がふえていくことにつながると思います。
そこで、質問ですが、遺跡公園の整備において、今後、どのように市民へ周知し、参加を求めていくご予定なのか、また、2012年度、平成24年度からの検討委員会の概要について、市民参加の観点も含めて、伺います。
◎杉本 文化部長 今後の市民参加の周知並びに検討委員会における市民参加等についてのご質問でございますが、これまで実施してきておりますさとらんどでの出前展示は、好評を得ておりますことから、今後も継続して行いたいというふうに考えております。さらに、このほかに地元住民向けの説明や市民向けの講演会などを実施いたしまして、まずは、より多くの市民にさとらんどの遺跡について知っていただくことから始めまして、市民参加の機運を盛り上げていきたいというふうに考えてございます。
また、平成24年度に設置予定の検討委員会では、遺跡公園の整備計画全般にわたる基本構想につきまして検討を進めていきたいというふうに考えてございます。基本構想は、遺跡の調査や整備、活用にかかわる多様な内容を検討する必要がありますことから、考古学を初めとして、植物学などの有識者等のほか、広報さっぽろ等を通して広く市民委員を公募いたしまして、24年度半ばを目途に検討委員会を立ち上げたいというふうに考えてございます。
いずれにいたしましても、市民に広く周知を行う活動を積極的に展開するとともに、市民意見を取り入れながら事業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆しのだ江里子 委員 地元住民とか市民に向けての講演会などをさらにしていただき、市民に本当に広く周知していただかなければ、なかなかできづらいものだと思います。札幌市は、北海道の中で縄文遺跡がたくさんあるまちでありながら、今まで縄文遺跡を札幌市の魅力の一つとして生かしていくことはできていなかったと思います。遺跡公園の整備には、多くの市民に参加していただくことが大切だと考えます。先ほどのご答弁にありましたように、地元住民を初め、市民向けの周知活動、それから市民参加の機会を設けていただくことを期待しますし、参加する市民から縄文文化のすばらしさを発信してもらえるようになれば、本当にしめたものだと思います。
18日に行きました北の土偶展の会場では、子どもの観覧者に対してジュニアガイドを配っておりました。これが大変よくできておりまして、自分が見てきた土偶のところをピックアップするのですね。子どもたちがこれを持ちながら会場を回っている様子を見ました。この後ろには、それぞれの土偶にかかわる特徴などが出ていまして、自分がこれを見たことによって土偶というものをとても身近なものとしてとらえている様子が見てとれましたので、この会場にいた子どもたちはよかったなという思いがしました。
検討委員会においても、ぜひとも、市民の意見を反映させ、また、その検討状況を市民に公開しながら進めていただきたいと思いますし、市民と一緒につくり上げることによって初めて市民が誇れるものとなります。このさとらんどに整備されます遺跡公園は、自然と共生するという縄文の哲学とも言うべき豊かな精神性を学ぶ場として私も大いに期待してまいりますので、よろしくお願いいたします。
◆丸山秀樹 委員 私からも、カーリング関連事業と古代の里整備事業の2点について、それぞれ分けて質問させていただきます。
初めに、カーリングについてですが、カーリング場は、本年9月にオープンいたしますけれども、通年型の施設としては、札幌が全国で初めてということで、私もこの施設の完成は非常に楽しみにしているところでございます。また、本市は、新年度から、この施設の有効活用のため、さまざまな普及振興策に積極的に取り組んでいくということで、先ほどの小竹委員の質問に対するお答えからも、オープニングイベント、体験会、また、PR等々に地下歩行空間を利用するなど、そうしたことを伺うことができました。
さて、札幌市内におけるカーリングチームとしては、常呂高校の出身で札幌国際大学に在学している学生チームと、昨年、結成された北海道銀行のフォルティウスがさまざまな大会に出場し、活躍していることにつきましては、テレビや新聞、先ほどはユーチューブまで出てきましたけれども、報道を通じて周知されていることと思います。しかし、それ以外の市内におけるカーリング競技に関する現状や状況について、一体どうなっているのかということについては、余り知られていないのが現状ではないかというように思います。
そこで、まず初めに質問いたしますが、現在の市内のカーリング人口はどのぐらいいて、チーム数は何チームあるのか、お伺いいたします。
◎高橋
スポーツ部長 カーリング競技の現状についてお答えいたします。
札幌市内のカーリング人口ですが、札幌カーリング協会によりますと、昨年末時点の協会登録者数は186名となっております。これは、平成12年度に比べまして2倍を超える登録者数となっており、ここ数年を見ましても、徐々にではありますが、増加傾向にあるところでございます。
次に、チーム数でございますが、今年度の大会への参加チーム数で申しますと、札幌選手権が26チーム、市民体育大会が30チームの参加となっております。
◆丸山秀樹 委員 今のお答えにありましたように、登録されている方はまだ186人、また、チーム数についても、市内では30チームぐらいというお話でございました。
カーリング場を建設するに当たりまして、市長は、将来、札幌市民の中からオリンピック選手を輩出したいと言っておられました。私もいろいろ調べてみましたら、カーリングについては、バンクーバー五輪にチーム青森が出場いたしましたが、選手5名のうち4名は北海道出身者でした。また、その前のトリノ五輪の代表5名も全員が北海道から青森に渡った選手たちだったということでございます。海を渡ってしまう理由は何なのかと調べてみましたら、北海道で競技を続ける環境が乏しいことにあったということでございます。先ほどもちょっと出ていましたように、日本でカーリングが最も盛んなのは北海道と言われていますけれども、中でも名寄市、常呂町などは盛んな地域ですが、これらのまちには選手を支えていけるだけの企業がございません。そもそも就職先の間口自体が狭いという状況です。学生時代はプレーしていた選手たちも、就職を考えなければいけない時期が来ると、まちを離れざるを得ません。道内であれば札幌などの都市圏となりますが、今度は競技に打ち込める施設がなく、競技から離れざるを得なくなる、そのために、行政、地元企業が一体となってカーリングをサポートする青森に渡るしか選択肢がなかったという状況のようでございます。しかも、青森に行ける人数も数人程度でしかないというのが現状のようでございます。
オリンピック選手を輩出するためには、いかに底辺を拡大するのか、競技人口をふやしていくかが大変重要とやはり考えます。競技人口がふえると、新しくつくった施設も有効に活用されることにつながってまいります。また、競技人口をふやすだけでなく、ふえた競技者が継続して技術の向上を図るためには、施設が長く良好に維持管理されることも大変重要でございます。そのための施設の維持管理やカーリング普及事業の費用など、カーリング場が建設されることで新たに必要となる経費については、現在の厳しい財政状況を勘案すると、新たな財源を確保することが必要と考えます。
そこで、質問ですが、先ほども札幌ドームのネーミングライツのお話が出てまいりましたけれども、カーリング場の維持管理費や、また、カーリング普及振興策に取り組むための財源の一部を確保するために、カーリング場についてもネーミングライツを導入するべきではないかと考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎高橋
スポーツ部長 カーリング場のネーミングライツの導入につきましてお答えいたします。
委員ご指摘のとおり、競技人口の拡大を図ることは重要な課題と認識しておりまして、普及振興の事業に取り組むこととしております。また、市民の皆さんに快適に利用していただき、あるいは、優秀な競技者を育成するためには、施設を良好に管理することが重要と考えます。
しかしながら、市の財政は厳しい状況にありますことから、これらの財源を確保するため、カーリング場のネーミングライツの導入について検討してまいりました。その結果、カーリング場は新しい施設であることから市民に浸透している施設名称や愛称がないこと、また、国内有数の通年型カーリング場であり、マスコミなどの注目度も高く、ネーミングライツの価値も十分に期待できることから、ネーミングライツを導入することとし、9月の施設開館に間に合うよう4月中に協賛企業の公募を行う予定となっております。
◆丸山秀樹 委員 今お話がありました注目度を有効に活用していただいて、ぜひ、ネーミングライツに乗り出していただきたいということを求めたいと思います。
次に、古代の里整備事業について、私からも質問させていただきます。
第3次札幌新まちづくり計画において、サッポロさとらんど内に保存されている縄文時代の遺跡を活用して、古代の食と文化を体験できる遺跡公園として古代の里を整備するとありまして、来年度から約2億円の予算が計上されております。
先ほどお話がありましたように、現在、厚別区の開拓記念館で「北の土偶 縄文の祈りと心展」が行われていますが、既に8日間で1万人という入場者数を突破しており、また、新聞などでの連載企画や、道の広報誌などでもさまざまPRされておりまして、大好評であるという状況になっております。
さとらんど内に保存されている縄文遺跡は、市内でも有数の広がりを持つ遺跡ということでありますが、まだまだ市民には知られていないというのが現状でなかろうかと思います。実は、私も、昨年12月、南茅部にあります函館市の縄文文化交流センターを見てまいりました。道内で唯一の国宝もあり、今回もそこから出品されているものが当然ございますけれども、ここは道の駅と一体になった施設でございます。施設内は、照明や湿度などにも大変気を配られておりまして、豊かな自然と調和して共生することによって1万年以上続いた、世界にも類を見ない縄文の文化を通して、縄文人の知恵や工夫を学ぶことができる、また、命を大切にし、循環と再生の営みを続けた、先ほどもありましたように精神性の高さを感じる非常にすばらしい交流センターでございました。また、海や山といった豊かな自然の恵みを日々の食料として、決して一度に取り尽くすことがない。また、循環的に利用できるように自然との調和を図ったということからいくと、これは、ある意味では、現代における食育という観点からも大変学ぶべきものが多いというように私も感じたところでございます。
さきの代表質問で、我が会派の福田議員からも質問させていただきましたが、遺跡公園の整備には大きな期待を寄せているところでございます。また、その整備をしていくと同時に、さとらんどには遺跡があり、ここを遺跡公園として整備していくということで、遺跡が保存されていることに対する積極的なPRや周知活動が必要ではないかと私も思ったところでございます。
そこで、改めて、遺跡公園にかかわって、PRを含めて、平成23年度の取り組み状況はどうだったのか、伺いたいと思います。
◎杉本 文化部長 平成23年度の取り組み状況でございますが、23年度は、9月10日、11日に、サッポロさとらんどで行われましたさっぽろハーベストランド収穫祭に合わせて、出前展示「さとらんどの遺跡展」を開催しております。引き続き、埋蔵文化財センターにて、企画展「さとらんどの遺跡展」も実施してございます。さらに、ことしの3月3日には、先ほどしのだ委員への答弁でもお話しいたしましたけれども、さとらんどの遺跡公園整備に向けて、広く市民への周知を目的といたしました公開シンポジウムを開催しております。また、遺跡公園として整備を検討している予定地は、現在は市民農園及び体験農園として利用されておりますことから、今年度は、それらを移転するための造成工事の基本設計及び実施設計を行っております。
◆丸山秀樹 委員 ただいま答弁にございましたように、遺跡公園として整備していく予定地には、現在、市民農園や体験農園があって利用されているというお話がございました。これが、今回、札幌が古代の里を整備していくに当たっての一つの大きな売りになるのではないのかなというように私は思っております。このことを体験できる場所として、非常に利用価値があるのではないのかなというふうにも感じております。
予算の概要を見ますと、平成24年度は予算の多くが代替圃場の整備に使われるという形になっております。また、検討委員会の設置や運営、さらには遺跡公園の範囲の測量なども今回の予算の中に盛り込まれている状況でございますが、この検討委員会の設置や測量調査など、平成24年度は具体的にどのような整備を進めていくのか、改めてお伺いしたいと思います。
◎杉本 文化部長 平成24年度の進め方についてでございますが、遺跡公園の整備計画全般にわたる基本構想につきまして、検討委員会を設置して検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。また、平成4年度から5年度に、さとらんど造成に先立ちまして試掘調査を行っておりますけれども、現況は当時の状況と大分異なりますことから、ことしの収穫が終了する秋以降に、再度、遺跡の範囲を正確に測量し直す予定でございます。
あわせて、平成23年度に行いました実施設計に基づきまして、約2億円の予算で遺跡公園整備予定地から移転する市民農園及び体験農園を造成する工事を24年度に予定してございます。
◆丸山秀樹 委員 今回、代替圃場の整備をするということで、今まで使っていた場所から移動してしまうということを考えると、そこを利用していた方たちに理解を求めなければいけない部分もかなりあろうかと思います。今まで使っていた土地をならしてきたにもかかわらず、そこから移動しなければいけないことを考えると、そこにも一定の理解が求められなければならないだろうなというように考えます。
しかしながら、農業交流の体験施設であるさとらんどの中で、縄文文化体験、また食育の推進、さらには、調査の結果で何が確認されるかわからないということから考えれば、非常に期待と夢が膨らむところでございます。整備を進めるに当たりましては、さとらんどへの来園者、特に市民農園や体験農園の利用者、また周辺住民に対して、理解を得て進めることが非常に重要でございます。また、そうした配慮を持って進めてもらうようにお願いしたいと思います。この事業が、市民の日常とかかわりながら、新たな相乗効果を生み出すような工夫にも取り組んでいただければと思います。
実際には、これから本格的に事業を進めていく中で、さまざまな課題や、この作業を進めていく上でコンセプトもきっと明確になってくるのではないかと思いますが、どうか、長い展望に立っていただいて、多くの市民に長く愛され、さまざまな人が縄文の精神を学ぶことができる場として、現代にも通じる、そして、食育の場としても、市民が楽しみながら札幌の歴史を体感できる、そうした遺跡公園をつくり上げていただきたいということを願いまして、私の質問を終わります。
◆宮川潤 委員 私は、多目的ホールについて質問いたします。
旧厚生年金会館、現在のニトリ文化ホールが閉鎖された後、北1条西1丁目に予定されている市民交流複合施設に、市民会館の後継施設として2,300人規模のホールが計画されております。市民交流複合施設の目玉となる施設でもありますし、ニトリ文化ホールがなくなった後、北海道の文化活動の中心となる施設であり、プロの音楽家や舞踊家、劇団を初め、アマチュアの文化団体、さらに市民全体の幅広い議論を経てつくられていくべきであります。まず、北海道の中心的文化施設として十分な機能が保障されていること、同時に、使われないむだなものはつくらないこと、往々にして原局が気負ってつくり過ぎることもあると思われますので、懸念しております。どういう使い方をするのか、どういう人に使われるのか、今、見きわめておくことが非常に大事だと思います。
まず、概略的に、このホールにはどういう機能と設備を持たせるのか、オペラホールという位置づけもありますが、それは何面を考えているのか、明らかにしてください。
◎杉本 文化部長 市民交流複合施設に予定されるホールについてでございますが、このホールの機能といたしましては、さまざまな芸術文化、舞台芸術に対応できるホールという機能を考えてございます。
そういった意味で、ホールの面数についてでございますけれども、現在、考えておりますのは、市民が期待する国内外のすぐれた舞台芸術の公演に支障なく対応できる国際水準を持つホールとして、最大で3面舞台という方針で検討を進めております。具体的には、実際に上演する客席正面の主舞台のほかに、客席側から見て主舞台の右側に位置する上手舞台、それから主舞台の奥に位置する後舞台で構成する3面舞台を想定してございます。
◆宮川潤 委員 最大で3面ということですけれども、私は、3面ということについては熟慮が必要だと思います。
ただいまの答弁では、正面とその奥、舞台の背景になるホリゾントの後ろ側にもう1面と、それから上手にもう1面ということですけれども、こういう形でつくっても本当に使えるかどうか、使われるかどうかということが問題だと思います。
まず、現在のニトリホールの主な使われ方ですけれども、ポピュラーと歌謡曲で47.2%と約半分、学会、講演会、記念行事で17.1%、軽演劇、演芸が15.1%、ダンス、バレエが10.1%、オペラは0.8%となっております。最近は、舞台美術の進化が著しく、映像を駆使したものが多いと伺っております。そういう点から、ホリゾントの活用は、今後、可能性を秘めているのだろうと思います。
一方、上手の1面についてですけれども、床全体がスライドするようなものだと相当大がかりになると思いますが、そういうものを考えているのか、伺います。
また、上手の1面は、どういうときに、どういうふうに使うことを考えているのか、さらに、そういう3面の舞台の演出に十分精通した人が北海道にいるのか、伺います。
◎杉本 文化部長 3点ございました。
まず、上手舞台の1面にスライド式の舞台装置を考えているのかというご質問でございました。
確かに、他都市において、主舞台と副舞台が入れかわるスライディングステージというようなものを整備している舞台もございます。しかし、こういった高度な舞台機構を備えたホールというのは、維持管理費も非常にかかるということがございますので、現在のところ、このような高度なスライディングステージというようなものを設ける考えはございません。
それから、上手舞台はどのような形で使うのかというご質問でございました。
このホールは、本格的なオペラ公演だけということではございませんので、多彩な演目を上演することになります。その場合に、多彩な演目の中で多様な舞台演出をするため、それから、次の舞台のための舞台セットを上手舞台の方に置いておくとか、あるいは、次の日の次回公演、例えば、日がわり公演なんかをいたしますと、次の公演のためのセットを前もって用意しておくようなこともありますから、そういうような仕込みとか、あるいは、舞台の中に非常に多数の出演者が出る場合は多数の出演者の待機スペースといったようなことで、舞台芸術の幅とか可能性を広げて質の高い演劇をするためにはそういった多面的な舞台が必要であろう、そういった多面的な舞台を整備することによりまして、上演の幅や可能性が飛躍的に広がることが期待できるのではないかというふうに考えてございます。今後、本市の芸術活動に対して、非常に高額なホールですから、一回これをつくればずっと使うことになりますので、そういう設備をすることが非常に強みになるというふうに考えてございます。
それから、3点目の舞台技術の発展が目覚ましいということで、それに対応できる人材がいるのかということでございましたけれども……(発言する者あり)3面のですか。3面の舞台演出ができるような、そういう技術に対応できるような方がいるのかということでございます。
今後、検討を進めてまいりますけれども、3面の舞台に対応できるような人材を――そういう3面舞台を十分に活用した高度な演出ができるように、全国規模のホールスタッフ研修への参加とか、あるいは、他のホールとの人材交流など、さまざまな機会をとらえまして、今後、そういった3面舞台に対応できるスタッフの育成に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆宮川潤 委員 まず、全国的なホールスタッフの研修などで育成していきたいというのは、それはそれでいいのですけれども、要するに、今はいないということですよ。いないのは当然なのです。そういうステージがないですから、道内には今のところいないのです。
それから、スライドをする方式は維持費がかかるから考えていないということでした。それでは、上手の1面はどう使われるのかというと、答弁の中で多様な演出をするためというふうにおっしゃいましたけれども、これは余り具体的ではない。どんな質問にでもこの答えでいけるでしょう。具体的におっしゃったのは、こうですよ。その後に言った、次の舞台のセットを置いておく、次の日のセットを置いておく、多数の出演者が待機する場所ということであります。そういう使い方であれば、3面という舞台が本当に必要なのかどうか、非常に疑問に思うのです。
3面を必要とするオペラというのは、大体、年に何回できるでしょう。外国から呼んだ場合は3面が必要というのもあるかもしれませんけれども、それ以外では余りないのではないのかなというふうに思います。3面舞台を十分使える演出家、舞台監督は、私も知りません。経済状況を見ても、今後、大がかりな舞台を使う公演がふえるという要素は当分ないだろうと思います。ですから、3面あっても十分活用できないのではないのかというふうに思うのです。しかも、大道具を置いておくとか、人を待機させておく場所というのであれば、主舞台の両そでに広く余裕があればいいということになると思いますし、実際に舞台に上がっている札幌の著名な方などからお話を聞いても、3面というよりも両そでが広い方が使い勝手がいいのだという声も伺っております。
私は、3面にこだわらず、両そでに余裕を持たせるということも検討すべきだと思いますがいかがか、伺います。
また、想定としてということで、大枠の話ですけれども、ホールの維持管理費は年間で幾らぐらいになると想定しているのか、お示しください。
◎杉本 文化部長 両そでを広くすることでよろしいのではないかという委員のご意見でございましたけれども、先ほども少し申しましたが、今、舞台芸術はいろいろ進歩していまして、多彩な舞台演出というようなものをするものが非常にふえてきております。今後、このホールをこれから30年、50年にわたって使うということになりますと、多彩な舞台芸術が来たときにこのホールがそれに対応できないということは、市民がすばらしい芸術に接する非常に貴重な機会を逸する、失うことになるのではないかと。そうであれば、本市の50年を見据えて、すばらしい3面舞台みたいなものをある程度検討していくというのは非常に意義のあることではないか、それが、全国的にもこのホールの強みになるのではないかというふうに考えてございます。
ただ、この3面舞台につきましては、今、決定ということではございませんので、最大3面と申しましたが、今後のホールの配置計画の検討状況によっては、舞台全体のスペースが若干縮小するというような可能性もございます。引き続き、専門家とか関係者などからの意見をお聞きしながら、今後も検討を重ねて、適正な舞台規模を見定めてまいりたいというふうに考えてございます。
次に、維持費でございますが、ホールの規模や機能あるいは設備内容について、現在、検討の最中でございます。したがって、現段階において、ホールの維持管理費については具体的に算定する段階には至っておりません。
◆宮川潤 委員 将来、3面舞台が使われるような芸術を呼ぶことができるかもしれないというのは、そうかもしれないのですけれども、私は、そういう想定でもって施設を拡大していくということには慎重であるべきだというふうに思います。何しろ、今、具体的なことで言われたのは、次の舞台のセット、次の日の舞台のセット、多数の出演者の待機場所が現在の想定できる具体的なことですから、だとすれば、私は、検討し直すことも必要、あるいは、3面にこだわらないことも必要だなというふうに思いますよ。
ホールの維持管理費ということですけれども、今、検討中ということで、答えはありませんでした。私は、大体どの程度という大枠をあらかじめ設定することが大事だと思うのです。それは、年間の維持管理の額によってホールの使用料が左右されるからです。ホールの使用料によって、その公演の入場料が決まってきます。高くなったら客は入りません。高くても客を呼べるアーチストや公演というのは限られてきますから、そういう人でなければ使えないということになり、結局、稼働率が下がるということです。東京のようにたくさんのホールがあるのであればホールの機能分担ということも可能ですけれども、このホールは、特定の機能や役割を果たせばいいというものではなくて、文字どおり多目的な活用が求められるところであります。余り使われないホールというわけにはいかないのです。ホールの中に、あれも欲しい、これも欲しいと機能と設備を優先して考えていくと、維持管理費が膨れ上がっていきます。そうではなくて、よく使われる、稼働率の高い、使いやすいホールをつくるために最初から維持管理費の目安を決めておいて、それとそごのないような設備を整えていく、こういう考え方で今後の検討を進めていくべきだと思いますがいかがか、伺います。
◎杉本 文化部長 維持管理経費でございますけれども、具体的にはまだ算定しておりませんが、最初の方の質問でお答えしましたように、スライディングステージのような高度な舞台機構を備えているわけではございません。それで、単に舞台の面積が広くなったから維持経費がふえるというものではなくて、むしろ、スライディングステージといったような高度な舞台機能だとか、そういうものを備えることによって維持管理経費が高くなるというふうに考えてございます。したがって、本市ではそういうものは設けないというふうに最初にお答えいたしましたけれども、今、最大で3面舞台でございますが、そういうものを備えたとしても、維持管理経費が格段に――確かにご心配はあると思います。しかし、使用料に非常に大きな影響を与えるというふうには考えてございません。
◆宮川潤 委員 質問を聞いていましたか。そういう質問でないのですよ。
どういう機能をしたり、どんな広さにしたら高くなるぞという質問ではなくて、こういう機能が必要だ、ああいう機能が必要だということを先に考えていくと、維持管理費が高くなって、そして、ホールの使用料が高くなって、入場料も高くなって、そこでできるものも限られてくるぞということを言ったのです。ですから、先に維持管理費のめど、目安は、ある程度の大枠を決めておいて、それに見合うような、まず、維持管理費の目安というのは、使われるホール、使いやすいホールということを念頭に置いて、それで維持管理費を定めていく、そして、その維持管理費でおさまるような設備を考える、そういうふうに考える順番のことを言っているのです。そういう考え方も必要ではないかと思うのですよ。設備、設備でいったら、いい設備が欲しいのです。それこそ、年に1回あるいは数年に1回来る公演に必要なための設備もあるにこしたことはないのだというふうに言っていたら、とても維持管理費が高くなってしまって、結局、それは使われないということになっていくのですよ。そうではなくて、考える順番を逆にして、使われることを最優先にと。いいですか。そういう維持管理費の目安を決めて、それにかみ合う、それにおさまる設備という考え方はどうですかという質問なのです。
◎杉本 文化部長 失礼いたしました。
現在のところ、まだ、ホール自体の具体的な設備やなんかも検討中の段階でございますので、今、委員ご指摘のような点も踏まえまして、今後、一緒に考えてまいりたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
◆宮川潤 委員 これからよく考えていくということなので、提案の趣旨を踏まえていただきたいなと思います。
2009年度に策定されたホールの施設プラン、2009年ですから結構前ですが、この中に、もう既にかなり細かいことが書かれています。例えば、プロセニアム、額縁は間口10間、高さ12メートル、奈落の高さ6メートル、オーケストラピット140平米など、もう既に具体的に書かれています。こういうことが伝わったためなのか、さまざまな要望が出るようになってきました。今後、検討することになる個別の問題もあると思いますけれども、舞台を使っている関係者ならではの要望もさまざまあります。
機材や大道具を運んでくる11トンのトラックは、車ごと、トラックごとエレベーターで上がってきますね。搬入口に入ってきますが、私は余り気づかなかったのですけれども、この点で決まって心配されるのは、そのトラックが屋根の上に雪も載せて運んでくることで、ステージや屋内に雪が持ち込まれることについての心配なのです。その処理がとても大変だというふうに伺っておりますけれども、こういった点はどうなのかということです。それから、客席の配置ですけれども、前のお客さんの肩の間から見えるような千鳥配列をしてほしいということとか、客席全体の配置を低くして、特に最前列が低くなると、ダンスやバレエのときの足が見えにくいというような要望も聞いています。こういったことについて、検討していることがあればお答えください。
また、ホールのハード面が重要なのは当然ですけれども、ホールを生かす人材の問題も重要だと思います。ホールを生かすには、プロデューサー、演出家、舞台監督などの力が必要であります。いいホールの使い方、生かし方を熟知している人材は、先ほど人材交流をするなどということもありましたが、東京などから招聘する必要があると思いますけれども、いかがか。
それから、舞台装置は、急速に進化しております。コンピューターと映像による演出の比重がふえており、極論かもしれませんが、そのうち大道具はなくなっていくのかもしれないとまで、そうも言われています。映像を生かすなど、新しい演出に精通した人材を生かすこと、札幌で育成することについて伺いたいと思います。
◎杉本 文化部長 4点ご質問があったと思います。
まず、トラックに付着してくる雪への対応についてでございますが、委員ご指摘のように、他都市を巡回するような催し物の場合、北海道の場合はトラックによって大量の雪を持ち込む可能性がございます。トラックの荷おろしスペースの配置とか設備につきましては、現在まだ検討中でございますが、雪おろしや解けた水の排水など、冬場の使用にも十分配慮した施設となるように検討してまいりたいというふうに考えてございます。
それから、客席の配置がございました。これにつきまして、前列に座った観客の頭で後ろの方は舞台が見えにくくなるといったことがないように、前列の客席と後ろの席を少しずつずらしながら後ろの列の客席を配置する。委員がさっきおっしゃいました千鳥配置という配置の仕方でございますが、これを導入する方向で検討しております。
それから、もう一つ、舞台の高さと客席の関係についてお話がございましたが、舞台の専門家等のご意見も参考にしながら、舞台に近い席でも舞台が見えにくくなることのないような客席配置を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
それから、芸術監督やプロデューサーの設置についてでありますけれども、今後、運営についての検討を本格的に行う中で、その必要性を含めて、専門家のご意見も伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆宮川潤 委員 少なくとも、今の北海道内にはなかなかそういう人材がいないということで、育てるとしても一遍には育たないのですよ。ですから、ホールができるときには間に合わないというふうに私は思います。ですから、熟達した人を呼んで、それは、プロデューサー、演出家、舞台監督、そして機材についてもです。操作できる人たちを呼んで、そして札幌でやってもらう、そこに一緒について成長してもらうというか、身につけていただくような方法をとらなければなかなか難しいんだろうなというふうに私は思うので、そういう検討をしていただきたいというふうに思います。
改めて、大きさも、3面あるいは両そでを広くというような点についても検討していただきたいと思いますし、何でも詰め込むというような形、どんな設備も欲しいとばかり考えていては、結果としていいものにならないというふうに思いますので、考えていただきたいと思います。
このホールは、6階の高さにつくるとも言われてきました。現在、それは検討中というふうに聞いております。私は、6階というのは考えられませんし、できれば1階あるいは2階という低いフロアにぜひ下げていただくように、観光文化局からも積極的に発言していただきたいということを申し上げて、終わります。
○桑原透 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時49分
再 開 午後4時9分
――――――――――――――
○桑原透 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆伴良隆 委員 私から、大きく2点質問させていただきたいと思います。
まず、1点目は、野球施設でございます。私は、
スポーツ振興について、こういった観点から質問させていただきます。
この1年近く、私がずっと耳にしてきたことがございます。それは、市内の野球場が込み合ってなかなか思うように使えない、あるいは、施設をもっと整備してほしい、施設をもっとふやしてほしい、このような声であります。それが1度や2度ではないことでありますから、私なりに
スポーツ部所管の野球場や環境局所管の公園野球場などの利用状況を利用者に聞いてまいりましたけれども、利用に至るまでの並々ならぬご苦労があるようであります。本市
スポーツ部の事業概要によれば、
スポーツ部所管の野球場利用者数は、平均してほぼ横ばいのようであります。問題は、施設ごとの混雑度でございます。
そこでまず、伺いますが、
スポーツ部が所管する各野球場の土曜日、日曜日の利用状況について、それぞれわかりやすく教えてほしいと思います。
◎高橋
スポーツ部長 スポーツ部が所管しております野球場は、三つございます。硬式球場は円山球場、麻生球場の二つ、軟式球場は美香保球場となっております。
それぞれの土・日の利用率でございますが、硬式の円山球場は95%、麻生球場は89%となっております。軟式の美香保球場は99%となっており、硬式、軟式のいずれの球場におきましても土・日の利用状況は高くなっております。
◆伴良隆 委員 私も、平日も見た上でですが、麻生球場では平日が8割の利用率だと。今ご説明にあったように、麻生球場、円山球場、そしてまた美香保球場は平日でもほとんどあきがないと言えますし、土・日・祝日は完全にふさがっている、こんなような状況だと言っていいと思います。
そこで、念のため、もう一度、確認させていただきたいのですが、
スポーツ部所管の野球場はかなり厳しい混雑状況だという
スポーツ部の認識でよろしいかどうか、お聞きします。
◎高橋
スポーツ部長 スポーツ部といたしましては、土・日の利用率が高いこと、さらには、先ほど委員からお話がありましたけれども、利用者や団体から不足しているというような声が届いていますので、認識しているところでございます。
◆伴良隆 委員 確認させていただきました。
このように、利用者は減らず、野球場は足りないという慢性的な混雑状態にあると、利用者の認識、そしてまた行政の認識も一致しているということになります。
ちなみに、軟式で利用されている環境局所管の公園野球場も同じような混雑傾向にあると聞いております。
さて、私の手元に、NPO法人北海道野球協議会が平成22年末に札幌市に提出した要望書の写しがございます。これを見ますと、既存施設の老朽化への対応や整備、硬式対応の野球場と屋内練習場の新設を要望されています。しかも、この声は軟式野球団体も同じものであります。一方、平成22年の札幌市
スポーツ振興審議会の
スポーツ施設のあり方についての答申書では、約2万6,000人にも及ぶ野球の競技団体登録者に加え、ソフトボールの競技者、インフォーマルな愛好者も多く、利用施設については、実態を詳細に把握した上で、改善に向けて検討を進める必要があるとしています。
そこで、伺いますが、本市調査によれば、
スポーツ振興の観点から、硬式野球場が不足していることについて既に認識しているとのことでありますけれども、硬式野球場をこれからふやしていくお考えがあるかどうか、伺います。
◎高橋
スポーツ部長 硬式野球場をふやす考えがあるのかというご質問でございました。
先ほどお答えしましたとおり、土・日の利用率が高いこと、また、利用者や団体からの硬式野球場が不足しているという声は認識しているところでございます。
しかしながら、整備には、球場外への球の飛び出しに対する安全対策が必要となるなど、建設費や用地費で多額の費用が必要となります。現在、
スポーツ部では、所管しております体育施設の老朽化に伴います修繕、改修が取り急ぎ取り組むべき課題となっておりまして、新たな硬式野球場の整備に関する計画につきましては、現時点ではないという状況になっておりますので、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
◆伴良隆 委員 今のご答弁で、私も、はい、そうですかというふうになるわけにいかないわけです。ただ、実際の状況についてはお聞きしたとおりでありまして、今、カーリング場やら
中央体育館の建設費などで予算が割かれている状況の中、本市所管の運動施設の修繕、改修もあり、硬式野球場新設は厳しい状況との認識でございました。
しかしながら、
スポーツ振興が目的である
スポーツ部が、このまま、難しい、難しいと言って立ちどまっていてはよくないのであります。札幌市
スポーツ振興審議会の答申では、野球だけではありませんけれども、附帯施設の充実やユニバーサルデザイン導入の必要性を訴えています。さらに、規模のある廃校になった施設を利用したり、民間施設を公園に利用できるような仕組みづくりを求めておりまして、これは、今おっしゃっていたような新設の分、いろいろなハードの部分の整備よりははるかに事業化しやすいはずであります。
よって、私の今の要望としては、一人でも多くの利用者が快適に使える場を提供できるように、既存施設や本市の新事業をよくよく見渡していただいて、現状の利用者混雑の状況、施設整備不足の解消など、
スポーツ部として改善策を議論し、また、現在も続いておる少子高齢社会の将来を見据えながら、今から事業計画を作成していっていただきたいことを要望しておきます。
それでは、次の質問に移りたいと思います。
2点目は、トップアスリートの活用についてであります。
生涯にわたって
スポーツとともに健康で生きるには、子どものときから運動習慣を身につけることが大変重要であります。運動をすることで、子どもは、体力がつくだけではなく、礼儀、あいさつ、規律、チームワークを学び、人間形成に大いに役立つものであります。
一方、札幌には日本ハムファイターズ、コンサドーレ札幌、レバンガ北海道などの
プロスポーツがあり、特にウインター
スポーツでは全国レベルのトップアスリートが活躍されています。札幌市
スポーツ振興計画では、基本施策の中で、市民と、トップアスリート選手や指導者との交流機会の創出として、夏、冬にトップアスリート積極活用事業を行ってきています。
そこで、まず伺いますが、平成23年度に
スポーツ部が子どもを対象に行ったトップアスリート活用事業についてどのようなものがあったのか、お伺いいたします。
◎高橋
スポーツ部長 トップアスリートを活用した事業についてお答えします。
ウインター
スポーツ活性化を目的に、トップアスリートから直接指導を受けることができる事業を三つほど実施いたしました。一つ目は、フィギュアスケートのオリンピック選手でありました渡部絵美さんによる、小・中学生を対象とした子どもスケート事業でございます。二つ目は、スピードスケートのオリンピック選手でありました鈴木 靖さんによる、北園小学校2年生を対象としたスケート体験学習事業でございます。三つ目は、ノルディックスキー複合の金メダリストである阿部雅司さんによる、北園小学校4年生を対象とした歩くスキー体験学習です。
◆伴良隆 委員 ご答弁がありましたとおり、
スポーツの振興においては、教育分野に始まって、また、保育、福祉あるいは経済といった多様な分野とのかかわりの中で進めていかなければなりません。そうした中の課題として、トップアスリートや
プロスポーツ選手をソフトパワーの源泉としてどう生かしていくのか、こういったことが非常に大きな課題であります。
札幌市アーティストバンクなるものを観光文化局で試みているようでありますけれども、このシステムは、私が見る限りでは未完成とはいえ、
スポーツ部でもこれを参考に、札幌市
スポーツ人材バンクという考えを、再度、持ち出してきてほしいのであります。プロ選手やトップアスリートの持っている技術や経験は、
スポーツの資源であり、子どもたちの夢、札幌の財産であります。例えば、地域貢献という形で教育現場や地域
スポーツの指導者として活躍していただくこと、あるいは、雇用という形で彼らのセカンドライフへの手助けをしてあげることなど、札幌市が行政だからできる
プロスポーツの活用策があると思うのであります。
そこで、伺いますが、
スポーツ部は、札幌市を本拠地とする
プロスポーツをどのようにとらえ、位置づけているのか、お伺いします。
◎高橋
スポーツ部長 プロスポーツをどのようにとらえ、位置づけているかについてお答えします。
札幌市に本拠地を置く
プロスポーツといたしましては、サッカーのコンサドーレ札幌、野球の北海道日本ハムファイターズ、バスケットボールのレバンガ北海道がございます。
プロスポーツは、高い競技レベルの試合で、見る人を魅了する力があり、このことは、
スポーツを実践している方にとどまらず、これから
スポーツを始めようという方にも強い動機づけになると思います。また、札幌に本拠地を置くプロチームが活躍することで、札幌への愛着や誇りにつながるものととらえております。さらには、
スポーツと観光をつなげる
スポーツツーリズム推進のための魅力ある大切な資源と位置づけております。
◆伴良隆 委員 しっかり認識されているといった確認ができたと思います。
さて、私が最近の観光文化局の事業を見ておりますと、だれかが好きなせいか、オーケストラなどの音楽分野がどうも目立つような気がいたします。音楽は、文化としても大切でありますし、感性を磨くにも大変よいものでありますが、
スポーツが果たす役割もとても広い分野にわたりますから、もっと
スポーツ部に頑張ってほしいのであります。
そこで、最後に、
スポーツに大変理解があるという生島副市長にも要望いたします。
私は、経済局の札幌型
スポーツ産業創出事業が札幌の
スポーツ発展の新たなステージになると確信をしておりまして、産学民と、官である
スポーツ部や産業振興部、そして、
プロスポーツやトップアスリートが目指すゴールへの動きや意識をネットワーク化する連携体制が必要であると考えます。また、この事業におけるラウンドテーブルを核にして、教育、観光、保健福祉などの分野を総合的に扱い、受け入れ、手配、対応までを専門的に行うワンストップサービスの窓口、つまり
スポーツコミッションを立ち上げていかなければならないと強く思っております。そのことで、いわゆる見る、する、支えるという
スポーツ文化が札幌にさらに根づいていくと思いますので、そのような動きが出てくるようにぜひ応援していただきたいのであります。どうかよろしくお願いいたします。
◆恩村一郎 委員 私からは、局別施策の78ページに載っております次世代型博物館計画策定事業についてお伺いしたいと思います。
博物館建設計画等につきましては、昨年の第3回定例会の決算特別委員会で、丸山委員、伴委員からもこの計画にかかわる質疑が交わされたところでございます。その答弁の中で次世代型博物館という言葉が出されまして、今回の予算案の中に具体的予算づけがされてまいりました。予算額600万円というものです。
そもそも、札幌市における博物館の建設計画は、昭和61年ごろから検討が始まりまして、平成10年に基本計画が提示され、平成12年から長総とあわせて建設計画の策定事業等がスタートしております。そして、ここにございますが、平成13年1月に出されました札幌市博物館計画推進方針に基づきまして、博物館活動を推進するための拠点としての博物館活動センターを中心に資料収集等を始めまして、さまざまな活動が行われてきているというふうに承知しております。以来、10年余り、この間、トータルで大体2億円近い事業費が費やされておりますが、そろそろ形あるものが示される時期に来ているのではないのかな、そのように思っています。
そこで、昨年の決算特別委員会のやりとりから、来年度から次世代型博物館計画策定に向けて動き出すということですけれども、これまでの計画とのかかわりの中で、次世代型博物館についてどのように認識されているのか、お伺いしたいと思います。
また、次世代型博物館のイメージで、具体的に検討しているものがあれば、それについてもお答え願いたいと思います。
◎杉本 文化部長 1点目の次世代型博物館についてどのように認識しているかということでございます。
近年、少子高齢化、高度情報化、環境保全や地域コミュニティーの希薄化など、博物館を取り巻く社会環境は大きく変化しております。次世代型博物館には、こうした状況に対応するための積極的な役割が期待されております。また、次世代型博物館は、高齢者や障がい者を含め、あらゆる世代の市民や観光客などが利用しやすいものであるとともに、自然災害やさまざまなリスクに対応した、より安全・安心な施設であることも求められているというふうに認識しております。
2点目の次世代型博物館のイメージで具体的に検討しているものについてでありますが、次世代型博物館の活動イメージの一つといたしまして、現在、モバイルミュージアムの可能性を検討しております。モバイルミュージアムというのは、博物館の収蔵資料や研究成果などを民間のビルや公共施設などに広く出前展示いたしまして有効活用を図るとともに、地域や学校との協働の可能性を探る試みでございます。今年度は、まち中での展示展開や、市内の小学校2校でスクール・モバイルミュージアムを実施いたしまして、その可能性を探ってきたところでございます。
◆恩村一郎 委員 ただいま、今度の次世代型は、利用しやすいとか、安心・安全といった点に留意した施設であることが望まれるということ、また、イメージとしては、モバイルミュージアム、新しい言葉ですけれども、こういった出前展示的なものを行っていくということで、今年度、試験的にまち中での展示、それから小学校2校を使ってのスクール・モバイルミュージアムということをやられたということです。
このスクール・モバイルミュージアムの具体的な概要と実績について、改めてお伺いしたいと思います。
また、スクール・モバイル展示を見た子どもたちにどういった反応があったのか、その点についても具体的にお知らせいただきたいと思います。
◎杉本 文化部長 1点目のスクール・モバイルミュージアムの概要と実績についてでございます。
今年度は、桑園小学校と東白石小学校の2校でスクール・モバイルミュージアムを実施いたしました。桑園小学校では最先端の火星情報、それから、東白石小学校では800万年前から現代に至る札幌の自然の成り立ちをテーマといたしまして、それぞれ1教室分の展示ユニットを作製して、これを教室に設置いたしました。また、展示ユニットを作製した専門家による特別授業も実施したところでございます。両校とも、全児童が授業で一度は展示室を見学したほか、休み時間とか放課後に何度も展示室を訪れた児童も多数おりました。また、参観日などに来校した保護者や教育の研修会で訪れた他校の教職員も数多く見学しております。
2点目のスクール・モバイル展示を見た児童、そのほかの反応についてでございますが、アンケートをとりましたところ、児童からは、本当に火星に行った感じで楽しかったとか、あるいは、古代の札幌が海だったことに驚いたといったような感想がございました。また、保護者からは、展示テーマに関係した学校図書館の本を選んで授業の中で紹介してほしいといった声や、博物館にはなかなか行けないので、身近なところで展示を見ることができてうれしかったといった声などがございました。さらに、他校の教職員からは、ぜひ全市で展開してほしいといったコメントが寄せられております。スクール・モバイルミュージアムは、新しい知的体験や教育機会をもたらすものとして、児童や保護者、学校関係者に高い関心と満足感を与えたものというふうに考えてございます。
◆恩村一郎 委員 感触は大変よかったということだと思います。博物館といいますと、特定分野の資料等の収集、保存、また、専属の学芸員の方が来訪者に対して展示の形で開示しているといった施設のことを指すというふうに言われております。もともとは、ギリシャ語のムーサ、ミューズの神々に由来するものというふうに言われていますが、広い意味では、美術館とか科学館とか、こういったものはすべて博物館の範疇に入るというふうに言われております。そういった意味でいきますと、現在、日本でも3,000から4,000くらいのそうした施設があると言われています。
そうした中で、これまでの検討を生かして、札幌としての特徴ある博物館建設に向けて、このモバイルミュージアムの手法というのは、ある意味、新しい意味合いを持つというふうに私は考えております。好評を得たというスクール・モバイルミュージアムですけれども、皆さんたちの反応を受けて、今後、さらにどんな展開を考えていらっしゃるのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
◎杉本 文化部長 スクール・モバイルミュージアムの今後の展開についてでございます。
これにつきましては、来年度、3校程度の実施を予定してございます。今年度は、児童のほかには、参観日に来校した保護者を対象として見ていただきましたけれども、新年度につきましては、さらにさまざまな機会を設けまして、さらに数多くの保護者や学校を囲む地域の方々にも見ていただけるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。また、作製した展示キットを複数の学校で順次展示していくような運営のあり方についても検討していきたいというふうに考えております。
◆恩村一郎 委員 ぜひ、いろいろなところで展開していってもらいたいなと思います。札幌というのは、そういった意味での博物館というのがない。私は、学校を出て昭和51年に札幌に戻ってきて、正直申し上げまして博物館がないというのは非常に寂しいなという思いをしました。中学、高校時代には東京の上野の博物館などによく行きまして、非常に楽しみにしておりましたので、そういったものが一切ないという部分では非常に寂しい思いをしていたところです。
今回、40数年ぶりに大阪、東京でツタンカーメン展が開催されます。そういった意味で、札幌にもきちっとした博物館があると、そういったものもこちらへ引っ張ってこられる可能性が随分あるのではないのかなと思うわけです。博物館というのは、本当に子どもたちに夢を与えるものですし、また、子どもたちの探求心を育てていく施設でもあろうかと思います。
今後、計画策定を進めるに当たっては、先ほどもありましたが、学校とか地域、子どもたちなどの市民意見をぜひしっかりと酌み取っていただいて、次の時代を担う子どもたちにとって意義ある博物館づくりといったものを念頭に置いて、これから委員会等をやられると思いますけれども、その中で検討していっていただきたいということを強く願いまして、私の質問を終わります。
◆福田浩太郎 委員 私からは、演劇振興と500m美術館について質問いたします。
札幌の魅力は、都市に隣接する自然と、北海道の恵みが集積する食と言えるわけですが、今後、行ってみたい、住んでみたいまちであり続けるためには、常に新たな魅力を付与することに努めていかなくてはならないと思います。私は、その魅力の一つとして、文化芸術に磨きをかけていくべきであると考えているところでございます。今予算では、演劇振興策と500m美術館という二つのユニークな取り組みが上げられておりますので、このことについてあわせて聞いてまいりたいと思います。
先日、市内の演劇関係者と話す機会がございました。札幌市内には劇団がおよそ80以上もあると言われておりまして、全国的にも高い評価を受けている劇団もあり、演劇が盛んな状況であると聞いております。中島公園近くのシアターZOOやJR琴似駅に隣接しておりますコンカリーニョなど、小劇場を中心に、地元劇団が一年を通して数多くの演劇を上演しておりまして、札幌の文化的な特徴の一つと考えております。
そんな中、特にことしは、市内の劇団がそれまでに蓄えてきたレパートリー作品を、約1カ月間、毎日、公演する札幌演劇シーズンというものが始まり、公演回数は2会場で35回、3,210人の観客数であり、盛り上がりを見せたということであります。私も2回以上観劇しましたが、大変力のこもった迫力の舞台でありまして、プロではない、仕事をかけ持ちした方々で、よくぞここまでの仕上がりにできたというふうに感心したところでございます。
また、昨年4月にオープンした創成川公園に続き、昨年11月には、地下鉄東西線大通駅からバスセンター前駅間を結ぶ地下コンコースに、カジュアルに美術に触れることのできる500m美術館がオープンいたしました。この美術館は、創成川公園のアートワークとともに、都心の東西を文化的な魅力でつなぐものとして関心と期待を持って今後の展開を見ているところであります。
そこで、質問です。
今回の市内の演劇関係者たちにより行われた札幌演劇シーズンについて、その結果をどのように評価しているのか、また、500m美術館について、その期待する効果は何か、また、開館して間もないですが、現段階でどのように評価をしているのか、伺いたいと思います。
◎杉本 文化部長 1点目の札幌演劇シーズンについてでございます。
この事業は、委員のお話にもございましたとおり、地元関係者や多くの企業が力を合わせて取り組んだものでございまして、過去の人気作品を、1カ月間、ロングラン上演するという日本で初めての試みというふうに言われております。入場者数については、当初の目的を達成したと伺っておりまして、事業PRなどさまざまな成功要因があったと思いますけれども、過去に評価の高かった演目の再演であったことが演劇ファンの関心を高めていたのではないかというふうに考えております。これを機会に、地元演劇に対するファン層が一層広がったものというふうに評価しております。
次に、500m美術館についてでございます。
500m美術館の効果につきましては、札幌で活躍する作家や、国内外の作品を年間を通じて展示することで、市民が気軽に芸術文化に触れる機会を提供するとともに、地下コンコースの再生により、地域ににぎわいをもたらすことを期待しているものでございます。
これまでの現段階の評価についでございますが、文化部の調査では、500m美術館開設以降、地下コンコースの歩行者数が平日、休日とも3〜4割増加しておりまして、にぎわいがもたらされているとともに、これまで以上に市民が芸術に親しむ機会を創出できたのではないかというふうに思っております。
◆福田浩太郎 委員 ともに、まずまずの効果を上げているのかなというふうに思いました。
札幌では、観光客は、昼間に市内を見学して、夜は北海道の食を堪能するのが一般的だと思います。しかし、出張で札幌を訪れた人などは、夜の居酒屋に触れるだけで札幌を離れてしまうのが一般的だろうと思います。しかし、例えば、毎晩のように演劇が公演されていると、観光の行程も1泊ふえるかもしれないと思いますし、出張で訪れた人々も食以外の楽しみが一つふえるだろうというふうに思います。また、気軽に見ることのできる500m美術館では、札幌の美術に触れてイメージをよくして帰るかもしれないというふうに思うわけでございます。そうしたことから、演劇も500m美術館も、他のまちにはない札幌市の大きな魅力になり得るものと考えております。
しかし、演劇について言いますと、札幌の演劇界を取り巻く現状というのは非常に厳しいものがございます。この札幌演劇シーズンは、市民グループである、演劇による創造都市札幌実現プロジェクトの主催によるものでございます。この団体は「100人の演劇人が活躍する街をめざして」を合い言葉に提言しております。代表の荻谷忠男氏によりますと、演劇が持つ力と可能性は札幌市民の生活の活力源となるとして、生身で演じ、肉声で迫る演劇は、見る人にとって人生を見詰め直すきっかけとなり、夢や希望や適度な刺激、娯楽を提供しつつ、あすへのチャレンジ意欲や創造をもたらすと訴えております。そこで、このプロジェクトは、札幌を拠点として、演劇の質を上げることに専念できるような環境をつくろう、プロフェッショナル化への支援をしようというふうに言っております。それは、札幌圏には100以上の演劇集団があり、全国のトップレベルにある潜在能力が地域にあるとした上で、しかし、現状では、ほとんどが手弁当で食べていけない演劇青年が運営されているというふうに言われております。せっかく脂の乗り切った40代、50代の俳優でも、経済的、家庭的理由で身を引かざるを得ない、彼ら、彼女らの骨太に人生を語りかけるその演技力を失うことは、市民にとっての損失でもあるというふうに懸念をされております。
私も同様に思いますし、また、演劇振興というものは、小さくとも雇用の場も創出できるというふうに思っております。そして、演劇の質を上げるには、やはり行政の支援は不可欠であろうというふうに思います。さきのプロジェクトでは、公演収益と民間企業からの支援、そして行政からの三つの支援で運営をされるのが札幌でのスタイルではないかというふうにも言っているわけでございます。こうしたことから、私は、演劇も美術も、その魅力を高めていくためには、官民が協力しながら盛り上げていく契機を醸成することが重要であるというふうに考えるわけでございます。
そこで、質問ですが、札幌の演劇振興策について、民間企業と演劇界が協働して取り組んでいる札幌演劇シーズンと力を合わせて札幌の演劇シーンを盛り上げるべきと考えますけれどもいかがか、伺います。
◎杉本 文化部長 演劇振興策についてでございます。
平成24年度は、すぐれた地元演劇作品の公演に対して支援を行って、地元の演劇に対する新たなファン層の開拓と地元演劇関係者の活力向上を図りたいというふうに私どもも考えてございます。札幌の演劇振興に当たっては、これらの目標が達成できるように、委員が言われた札幌演劇シーズンとの連携も視野に入れながら効果的なあり方を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆福田浩太郎 委員 500m美術館についての再質問として、ユニークな企画により特徴づけをしていくべきというふうに考えますが、今後、どのような運営と企画を検討しているのか、聞きたいと思います。
◎杉本 文化部長 500m美術館の今後の運営と企画についてでございます。
平成23年度につきましては、オープニング企画展として、札幌で活躍するアーチスト51名の作品を前期、後期の2期に分けて展示いたしました。新年度、24年度につきましては、年4回ぐらいの企画展を検討しておりまして、委員が言われたように、ユニークな企画、特徴づけが非常に大切だというふうに考えてございます。
そこで、専門家のノウハウを生かすために、その運営主体として、美術関係者や有識者などで構成する委員会を立ち上げる予定としております。企画内容につきましては、市民も制作に参加できるような作品展示とか、あるいは、500m美術館ですから直線的な長い空間を生かした展示など、特徴のある企画を委員会の中で検討していただきたいというふうに考えてございます。
◆福田浩太郎 委員 500m美術館についてですけれども、今ご答弁もありましたが、できるだけ幅広いジャンルで多くの方々に参加してもらえるようご努力をしていただきたいというふうに思います。また、札幌出身の芸術家を育てられるような企画もぜひ検討していただきたいというふうに思います。
私は、地元演劇も500m美術館も、札幌の新たな魅力を付与する観光資源になると考えております。しかしながら、札幌市民でも、まだまだその魅力に気づいていない人もいるのではないかというふうに思っております。演劇も美術も、よりよいものに高めていくには、市民レベルの盛り上がりが不可欠であり、また、市外からも来ていただける方をふやしていけるかが振興の成否を分けるというふうに思っております。
そこで、最後の質問ですが、市内はもちろん、市外にも広くこれらを一層PRして発信していくことが重要であると考えますがいかがか、伺います。
◎杉本 文化部長 地元演劇と500m美術館の一層のPRということでございます。
地元演劇につきましては、市民の皆さんにもこのすばらしさというものをもっと浸透させていくことが必要だというふうに私どもも思いますので、札幌市のホームページにおきまして地元演劇のPRをさらに進めるとともに、アートツーリズムの観点から、全国的な演劇雑誌でPRをして、それを活用したいというふうに思っております。
それから、500m美術館につきましては、今後も特徴ある企画を検討しながら、情報発信を欠かさないことが重要というふうに考えておりまして、先般、ちょうど、全国の美術館や美術系マスコミなど400の関係機関に、今回の展示のパンフレットを送付いたしまして、この魅力についてPRしたところでございます。また、最寄り駅である大通駅地下コンコース内での案内表示を強化いたしまして、市民が迷うことなく500m美術館を訪ねることができるようにしていきたいというふうに考えております。
◆福田浩太郎 委員 今さまざまな方策を伺いましたけれども、やはり、PRというものが一番大事だろうというふうに思います。また、こういう事業というのは、ある程度の年月を要することは周知の事実でありますので、ぜひ粘り強く取り組んでいただきたいということもあわせてお願いしたいと思います。
最後に、要望ですけれども、500m美術館については、通路にありまして、不特定多数の方が通るわけでして、今後よりすぐれた作品の出品を作家の方々にお願いしていくためには、100%、作品の保護をすることは難しいにしても、ある程度の保護が必要なのではないかと思っております。結界の設置など、作品の安全管理について、交通局と十分に協議をしてしっかりしていただきたいというふうに思います。
また、繰り返しになりますが、我が会派では、文化芸術が札幌の経済の発展に貢献するよう展開されることを期待しております。そこで、ぜひ、演劇、美術の市民への一層の浸透と、文化芸術を観光資源としてとらえ、それを意識した振興とプロモーションを積極的に展開されることを要望して、質問を終わります。
○桑原透 委員長 以上で、第2項
市民生活費のうち関係分の質疑を終了いたします。
次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち関係分について質疑を行います。
◆伊藤牧子 委員 私は、広域連携による観光振興について質問いたします。
札幌市産業振興ビジョンに示されているように、観光は、これからの札幌の経済を支える重要な産業の一つです。私は、北海道、札幌市観光の活性化のためには、広域連携による観光が重要であると、これまで何度か、議会の中で質疑し、近隣市町村の連携による道外観光客の誘致と滞在を進めるさっぽろ広域観光圏についての方向性を確認してきたところです。
そうした中、昨年3月11日、東日本大震災、また福島原発事故が起こり、直接的な被害はなかったものの、北海道、札幌の観光産業は大きな打撃を受けました。道外客やアジアからの観光客が激減する中、札幌市を訪れる観光客の6割が道内からの観光客であり、また、札幌市民も同様に、全道各市町村の観光地を訪れており、札幌市や北海道の観光を支えているのは道内観光客ということを、私も含めて、改めて、多くの観光関連事業者が理解したのではないかと思います。
そのようなことから、東日本大震災後の新たな広域連携による観光振興の取り組みとして、札幌市が事務局を担い、函館、旭川、釧路、帯広、北見と連携し、道内中核都市観光連携協議会を昨年4月に発足させ、道内観光の活性化を目指し、各都市100万円ずつ負担し、道内中核都市周遊促進事業を始めています。
これまでの北海道の観光産業は、石油ショックやバブル崩壊、有珠山噴火、リーマンショック、新型インフルエンザなどが起こるたびに落ち込み、また回復するというパターンを繰り返しており、観光産業は、災害、社会経済情勢を敏感に反映する、ある意味で基盤が脆弱な産業と言えるのではないかと考えます。東日本大震災の教訓を踏まえ、北海道の観光基盤を支えている、道民による道民観光を進める道内中核都市周遊促進事業は、大変重要な取り組みであると考えております。
そこで、質問ですが、震災があり、年度途中から始まったと聞いていますけれども、この事業の実施状況について伺います。
また、どのような成果や課題があったのか、あわせて伺います。
◎小笠原 観光コンベンション部長 事業の実施状況と成果と課題についてでございますけれども、今年度は、8月から2月初旬までにかけまして、携帯電話のGPS機能を活用いたしましたスタンプラリーを実施いたしました。その間、道内の旅行情報誌への掲載や、観光施設へのポスターの掲出のほかに、テレビやインターネットなども活用いたしまして広く事業のPRに努めたところでございます。
この結果、この事業を通しまして、各都市を訪れた観光客数は延べ1,159人となりまして、1人平均では約2.4都市を訪問しております。また、都市間の移動に必要な時間に応じまして、3時間圏内を日帰り旅行、それ以上を宿泊旅行と仮定いたしまして、観光消費額を算出いたしますと約1,500万円となりまして、初年度としては道内観光の活性化に一定の役割を果たすことができたと考えております。また、携帯電話の機能を活用したということで、観光客の移動に関するデータを収集できたということは、今後の道内観光振興策を考える上での大きな成果だったと考えております。
今後の課題といたしましては、開催期間が観光シーズンのピークを過ぎた時期であったこと、それから、プレゼントに応募するための最低限必要なスタンプ数が多かったこと、また、参加者がGPS機能つきの携帯電話の保有者に限られたということで参加者が限定される結果となったことが課題というふうにとらえております。
◆伊藤牧子 委員 インターネットも含め、いろいろな雑誌などでも広報して成果が上がったということです。そして、取り組みが秋口ということで開催時間が短かったり、また、GPS機能を使って、それだけではなかなか参加しづらい人もいることがあったということです。今、評価をしておられるとおっしゃいましたが、私も、震災後の自粛ムードが広がる中で、急遽、このような取り組みを行い、参加都市を訪れた人が1,159人で、1人平均2.4都市を訪問しているというこの事業について、今後の可能性が期待できるなと思っております。
北海道の観光客は、年間約4,700万人のうち4,100万人が道民で、88%を占めていると聞いています。また、最近の旅行スタイルは、インターネットの普及から、自分で情報を収集し、旅行計画を立てて、チケットの手配まで行うという個人旅行が主流になり、また、観光目的が多様化するとともに、その土地ならではの地域資源を生かした観光が求められています。
以前、大手の観光会社の方が、北海道の観光は、豊かな自然、おいしい食、温泉などのポテンシャルの高い観光地は数多くあるが、北海道の面積は広い、時間がかかるのが問題だと言われている、しかし、それが問題ではない、距離感を縮めることが大事で、行ってみたいと思わせる動機づけが距離感を縮めることにつながると話しておりました。私も、まさしくそう思っております。スタンプラリーで6都市の観光圏をめぐってもらうためには、旧来型の名所や温泉だけではなく、行ってみたいと思わせるような地域の魅力を多様に情報発信して動機づけとなる仕組みが必要ではないかと思います。
そこで、今回の成果や課題を踏まえ、2012年度の周遊促進事業は、より本格的な取り組みになると考えますが、よりよい効果を高めるにはどのように取り組むおつもりか、伺います。
◎小笠原 観光コンベンション部長 効果を高めるための取り組みについてでございますけれども、まず、開催期間につきましては、最も観光需要がふえる4月下旬のゴールデンウイークから11月上旬までのいわゆるグリーンシーズンの約6カ月間で実施したいと考えております。
また、よりスタンプラリーに参加をしやすい仕組みとするために、2点ほど改善に取り組むこととしております。1点目は、携帯電話の応募に加えまして、より幅広い世代の参加ができるようにということで、はがきによる参加の仕組みを取り入れることといたします。それから、2点目といたしましては、集めたスタンプ数に応じて賞品が当たります賞の種類をふやすとともに、新たに季節ごとに指定したスタンプを集める賞を設けるなど、参加意欲を高めたり、旅行回数をふやしたりする仕組みを設けたいと考えております。
◆伊藤牧子 委員 この事業は、5月の観光シーズンに始められ、また、はがきによる参加しやすいメニューに改善する、賞品もふやしていくということで、ぜひ、このような事業をさらに進めていただきたいと思います。
札幌市は、2012年度も100万円の予算を計上し、他都市もそれぞれ100万円負担し、計600万円のスケールメリットを生かした取り組みをされるということです。今、全国のどんな小さなまちや大都市でも、経済活性化のために国内外の観光誘致に積極的に取り組んでおり、今後、観光をめぐる競争がますます激化するものと思われます。6都市が広域の連携を行い、道内観光客をふやすことにより、それぞれの観光圏の地域経済の活性化につながることがこの事業の最大の目的と私は思っております。
そこで、最後の質問ですけれども、道内中核都市周遊促進事業を発展させていくためには、具体的な目標を掲げ、取り組むことが重要と考えますが、2012年度はどのような数値目標を立てるのか、伺います。
また、市民に対し、どのように周知するのか、あわせて伺います。
◎小笠原 観光コンベンション部長 最初に、周知の方法についてお答えいたします。
PR媒体といたしましては、今年度と同様に、雑誌、インターネットなどが中心となりますけれども、ほかの事業者が企画いたします携帯電話を活用したスタンプラリーへ申し込まれた方に、新たに中核都市が行いますスタンプラリーを紹介するような仕組みも設けたいと思っております。また、昨年も一部で実施をいたしましたけれども、観光施設や交通機関などにおけるポスターの掲示やチラシの配架につきましても連携先をふやすなど、事業のPRにも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、数値目標につきましては、実施時期の変更に伴いまして、道内の観光客数の上期と下期の比率などを参考にいたしますとともに、新たなはがきによる参加者を過去の類似事業の実績などから約3,000人と見込みまして、最終的な延べ観光客数は今年度に対して6倍の約7,000人ということで、1人平均の都市訪問数を20%増の2.8都市と想定しております。また、これに伴う観光消費額の推計でございますが、今年度に比べまして4.7倍、約7,000万円を目標にしております。
◆伊藤牧子 委員 市民への周知方法として、他のスタンプラリーとリンクさせるとか、また、ポスターをふやしていくということです。そして、数値目標も、1人平均2.8都市にふやし、また、7,000人にふやしていく、消費額も7,000万円にふやすということで、ぜひ、目標達成に向けて取り組んでいただきたいなと思います。
最後に、要望ですが、今、大震災後、観光産業は大変厳しい状況に置かれており、今後も道内、道外からの観光客を積極的に誘致することが大変重要な取り組みだと思います。一方、北海道の観光客の約9割を道民が占めており、また、北海道観光を支えているという状況からも、私は、足元の道民による道内観光をしっかり進めることも大変重要と考えております。
最近の調査によりますと、道内観光客の消費額は1回当たり1万円強、海外、特に中国からの観光客は12〜13万円と大きな開きがあります。海外からの観光客は、本当に大変魅力のあるマーケットだと思います。しかし、道内観光客の消費額を伸ばす取り組みも必要ではないかと私は思います。
札幌、函館、旭川、帯広、北見、釧路、6都市の観光圏の周遊促進事業を進めることで、札幌市民がそれぞれの地域を訪れる、また、他都市の市民が札幌を訪れる、このことにより、それぞれの地域のさまざまな魅力ある資源を再発見し、リピーターがふえる、そして、この事業における観光消費額7,000万円の目標額ですけれども、さらに大きくしていくこともこれから必要ではないかと思います。今後、高齢化、そして、厳しい経済状況が続く中、道内6都市の経済を活性化させる、さらには北海道全体の経済を活性化させることが大変重要であります。この事業は100万円と大変少ないと思いますが、大きな視点で取り組むことを求めて、私の質問を終わります。
◆松浦忠 委員 YOSAKOIソーランなど札幌観光協会に関する質問が一つと、それから、藻岩山に関する質問と二つあります。
まず、札幌観光協会に関連して、平成24年度は、委託費、補助金などを含めて、札幌観光協会に総額で幾らのお金が出されていくのか、この点を明らかにしてください。
それから、二つ目は、YOSAKOIソーランですが、これへの市からの補助金が幾らで、どこを窓口にして支出をするのか、これを示してください。
そして、YOSAKOIソーランが始まってからこの方、おととしまでは、ずっと同じロゴマークを使ってきたのですけれども、去年からロゴマークが変わりましたね。どうして変わったのか、なぜ前のものが使えなかったのか、この3点について。
◎小笠原 観光コンベンション部長 札幌観光協会への補助金、負担金、委託料、三つほどございますけれども、まず、平成24年度予算で申し上げますと、補助金につきましては4,742万円、負担金につきましては5,008万円、それから、委託料につきましては169万1,000円となっております。
YOSAKOIに対する補助金の関係でございますが、270万円の補助金をYOSAKOIの組織委員会の方に出しております。
それから、ロゴマークの関係でございますけれども、以前のロゴマークの所有権については争いがあるということで、トラブルを避ける意味合いがありまして、新しいロゴマークを使用しているというふうに組織委員会から伺っております。
◆松浦忠 委員 まず、ロゴマークの関係ですけれども、所有権があるという話は私も承知しております。最初、この代表をやっていた長谷川 岳さんは、参議院選挙で当選されて参議院議員になっていますね。このロゴマークの使用について、例えば、一般的に商業的な利用をすることは別にして、いわゆるYOSAKOIソーランの開催期間中にかかわる使用について、所有者の長谷川さんとの合意が全く得られなかったのか、その辺に限定しての話し合いというものをされたのか、されないのか、承知していれば、そのことについてお答えいただきたいと思います。
それから、今までは、YOSAKOIは組織委員会が中心になってずっとやっていました。ことしは、平成24年度に実施するための計画をされて、関係者が集まって既に1回目の会議を持ちました。そのときに、例年参加している地域の方が、行ってみて、ちょっと変だなと感じたことがあると。何を感じたかといったら、従来は、組織委員会が中心になって、札幌市も含めた関係者が集まって、言ってみれば、組織委員会の指揮のもとで話し合いが進められていたけれども、1回目のときは、行ってみたら、それが札幌市とか商工会議所とか観光協会なんかが中心になるような感じを受けた、ちょっと変わったのかなという感じを受けたと言うのです。本来、組織委員会がずっとやってきて、北大の学生が中心になってこのお祭りをつくってきたわけですからね。途中にいろいろなことはあったでしょうけれども、こういう祭り事というのは、政治の政ではなくて、本当のお楽しみの祭り事ですから、これは、あくまでも、当初から取り組んできた、そういう人たちを中心にしてやっていく、そして、札幌市だとか商工会議所だとか、あるいは観光協会というのは、裏方でそれを支える、そういうことが本来あるべきことだと思うのですよ。
私は、この間、見ていて、私が関係したことで一つあるのです。最初に、道路に観客席をつくりましたね。今もやっていまして、公園でやっていますが、あのときに、公園で観客席をつくって、あそこで演舞をするときに、実は、同じ日に北海道神宮のみこしの渡御があって、おみこしさんの行列の皆さんは、常に、あそこで、一回、休憩する。ところが、そのときに、観客席の組み立て作業があるから、みこしはここで休んだらだめだという話がありました。たまたま私の住んでいる菊水地区が当番になって、そして、責任者から、北海道神宮のお祭りというのは長年やっていることなんだから、きのう、きょうの祭りが出てきて、おれらの伝統ある祭りに、おまえ、そこをどけろ、貸さんぞというのはちょっと変でないかという話になりました。私も、当時、観光部長なり商工会議所も含めて話をしまして、それは、組み立ての時間をずらして休ませてもらうという経過もありました。
やっぱり、きちっと、最初から、組織委員会――そしてまた、私が見ていると、大学を卒業して、このお祭りに人生をかけている人もいるのですね、組織委員会の中に。そういう人たちのちゃんとした意気込みを札幌市も観光協会も商工会議所もきちっと受けとめて、トンビに油揚げみたいなことをやらないでやることが大事だと私は思うのですよ。そういう中で、いろいろな組織の分裂があったり、もめごとがあったりということは、私もちゃんと聞いております。したがって、平成24年度については、やはり、組織委員会を中心にして、札幌市と観光協会と商工会議所などが裏方でしっかりバックアップする。そして、組織委員会が組織的にやるだけの体力がないということになれば、どうやってそれを補ってあげるかということをきちっとやるべきだと私は思うのです。
この点について、市は、どのように1回目の会議で――実行委員会というのは、今までなかったものがつくられたと言っているのです。参加した人は、私にそう言っているのですよ。今までは、組織委員会が中心になって、ほかの商工会議所だとか市だとか観光協会は、言ってみればその指揮下にあった。それが、今回は実行委員会がつくられたと言っているのです。そして、見ていたら、実行委員会の中の中心はどうも観光協会みたいに見える、こういうご意見なのです。
札幌市は、これについてどんな受けとめ方をし、そして、平成24年度は、従来どおり組織委員会を中心にして運営をするように市としてもバックアップをしていこうという考え方なのかどうか、お尋ねいたします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 最初にございましたロゴマークの関係でございますけれども、具体のやりとりにつきましては、私どもは承知をしておりませんので、ご答弁できません。
それから、2点目の実行委員会の関係でございますけれども、YOSAKOIソーラン祭りにつきましては、札幌市は、これまでも組織委員会の構成員としては一応入っていたのですが、昨年の9月に、体制の見直しというご提案が組織委員会の方からありまして、従来の組織委員会に加えまして、札幌市、札幌観光協会、それから商工会議所が名前を表に出して主催団体として加わるという形になっております。こうした枠組みの中で、祭りの具体の運営につきましては関係団体で構成されますYOSAKOIソーラン祭り実行委員会が行うこととなっております。
委員のお話の中に、実行委員会はこれまでなかったというお話がありましたけれども、実は、実行委員会はこれまでもございまして、私も実行委員会の中の総務広報委員長を仰せつかったり、私どもの課長も運営の委員長を仰せつかったり、実行委員会としての役割はある程度果たしてまいりました。
今回、改めて見直しをするということにつきましては、今後とも祭りを円滑に運営していくに当たりまして、現在、組織委員会として支援を行っております札幌市などの公共団体の位置づけを、組織上、明確にいたしまして、さっぽろ雪まつりなどのほかの祭りも参考にしながら今回の見直しを提案されたというふうに伺っております。札幌市といたしましては、今後とも必要な支援を行うという姿勢で今回の見直しに賛同したところでございます。
それから、お話にございました、原点に立ち返って、何というのでしょうか、学生が立ち上げたお祭りなので、市はその後ろに立って支援をということでございますけれども、もちろんそういう考えでございまして、民間主体で運営されてきた祭りの趣旨というのは変わりがないわけでございまして、今後におきましても、私どもはあくまでも必要な支援を行うという観点で祭りにかかわっていこうと思っております。
◆松浦忠 委員 ロゴマークについて言えば、私は、ぜひ、組織委員会なり、あるいは、札幌市もその実行委員会に入っている――私は、実行委員会というのは今まで余り表に見えないのですよ。組織委員会だったのです。したがって、組織委員会あるいは観光協会などを含めた皆さんで、参議院議員になられた長谷川 岳さんと話をして、伝統ある一つの商標ですから、マークですから、もし、どうしてもそれを使いたいというのなら、せめてお祭り期間に限って無料で貸してもらうというぐらいの話を改めてしてみるべきではないかなと私は思うのですよ。いやいや、それはそれだ、今度は新しいものを定着させていくのだ、そのマークとはもう決別ですよというのなら、それもまたそれだ。しかし、私は、いきさつからしたら、そんなことでどうなのかなということもあるものだから、その辺は、実際に取り組んでおられる――市内各地で20カ所ぐらい取り組んでおるわけでしょう。だから、そういうところの皆さんの意見も聞いた上で、きちっと長谷川さんと話をして対応する方がいいのではないかなというふうに私は思うので、ぜひひとつ、そのことをその委員会の中でやっていただきたいということを申し上げたいと思います。これは、強く求めておきます。
それから、今、昨年、組織を見直す、雪まつりなどを参考にと言いましたね。雪まつりというのは、だれが始めたかといったら、お亡くなりになったけれども、本人いわく、元市長の板垣武四さんが札幌市の助役になったのか、ならぬのか、昭和25年ですから、秘書部長か課長だったと思うのですが――違う、観光部長だったか。観光だか経済部長だか、そういうものを担当したときに、板垣さんいわく、板垣さんの提案で雪まつりを始めた、こう言っています。以来、今で言う札幌市の観光コンベンション部が中心になってずっとこれやってきたわけですよ。そのうち、観光協会だとか、いろいろなところに中心がだんだんと移っていく、こういうふうに変わってきているわけですよ。
YOSAKOIは、私が聞いている話では、学生たちが民で立ち上げたものを、観光協会、特に梶原さんが専務理事に就任してから、何か、逆に乗っ取られたと、周りがこう言っているんですよ。本人たちでないですよ。参加している20カ所の人たちの中で、私にそう言う人がいるのですよ。長年、ずっと委員会に入ってやっている人が、梶原さんがなってから乗っ取られたと。札幌市もそれに一緒になってやっている、こう言うのですよ。
したがって、ここは、実行委員会と言ったって、実行委員会が何していたかなんて、私は、大体、組織委員会しかわからなかったから、一般的に報道されるものも含めてね。大体、組織委員会しか報道されなかったのだから。それが、去年、雪まつりに倣ってなんていう話になったら、民が始めたものを、学生が始めたものを、逆に、市役所を中心にして官がそれを乗っ取った、私の目にはこういうふうに映るのですよ。
したがって、これは、もう一回、先ほど言ったように、組織委員会に力がないのなら、組織委員会と話をして、お金がかかるのなら、どうやってお金を集めるかという手助けをしてあげるか、あるいは、人的にどうするのか、そういったようなことを含めてきちっと相談に乗って本来のところに戻してあげる。特に、この組織委員会には、大学を卒業して、他の職につかんで、この仕事一筋にずっとやっている方もいるわけですよ。そうすると、この人が、もう心身ともに燃え尽きた、ここから身を退きたい、こういうふうになれば別ですけれども、そうでない限り、情熱を持って人生をかけた人の思いを周りで助けてあげるというのが、私は、これがあるべき姿だと思うのですよ。したがって、きちっと、もう一回、そこに戻すように、実質的に実行委員会をつくったのならつくったでいいですけれども、そこが中心になってやるようにちゃんとしていただきたい。
話によると、そういう意見を言った方がいて、2回目に集まったときはどうなったかといったら、座る席も変わったそうであります。組織委員会のメンバーが後ろの方に下がっていたのが、前に出てきて、何となく変わったのかなという感じを受けたと、参加者の一人はこう言っておりますけれども、私はそういうふうにすべきだと思います。
それについて、いかがですか。
◎小笠原 観光コンベンション部長 学生のほかにいろいろなところがかかわってきた経過につきましては、祭りが20回を超える回数を重ねる中で、だんだんと拡大して定着をして、経費の面でも大変な負担が出てきたということで、運営面とか財政面での負担という部分で札幌市などの公的団体が徐々にかかわってきたというふうに承知しております。あくまでも、民間主導のお祭りということは変わらないところでございまして、公的団体はこれを支援する立場だということは何ら変化のないところでございます。
それから、YOSAKOIにずっとかかわってきた学生たちを尊重するということでございます。これは、全くそのとおりでございまして、何ら学生を排除するものではございません。学生実行委員会は現場で大変頑張っておられるということは承知しておりますので、これはきちんと尊重していきたいと思っております。
◆松浦忠 委員 私が言っているのは、学生のことを言っているのではないのだよ。学生時代からずっとやって、ほかに職を求めないで、YOSAKOIソーラン一筋で、今も組織委員会でやっている人もいるわけでしょう。長谷川 岳さんは途中から別の道に行った。私は、そういう人が人生をかけてやっているこの祭り、その人の人生なのだから、そうしたら、官もほかの商工会議所も観光協会も、その人をどうバックアップして、そして、そういう民の力を引き出して、民でずっと継承していくような、そういう組織運営になるようになぜ力をかさないのですかと私は言っているのですよ。
実質的に、周りで見ている人は、一緒に入ってずっとやっている地域の人は、長年、やっている人は、こう言うのですよ。乗っ取られた、こう言っているのですよ。乗っ取った。こういうふうなことというのは、私も、中身を聞いてみたら、なるほど乗っ取りだなと、こう思うのですよ。よろしくない、これは。そして、お祭り事ですから、政治の政と違うのですから、したがって、官は後ろに下がって、できるだけ民をと。金がなかったら、ある範囲の中で知恵と人的な力をどう集めてやるかということを考えなかったらだめなのですよ。財政的に大変だ、大変だと、52億円も53億円も市民に値上げ負担を強いておいて、そして、祭りを維持するのに、その中から税金を出して、あるいは、役所の人たちもそこへ繰り出していってお祭りが成功だ、成功だと言っていたって、それでは、本当にどれだけの市民が足を運んで見ているか、どれだけの市民がテレビを見ておもしろいと言っているかといったら、だんだんマンネリ化していくのですよ。やっぱり、そういうことを考えた上できちんとやらなきゃだめだと思う。
したがって、このことについて、私は、今の観光コンベンション部の皆さんが取り組んでいる内容、とりわけ観光文化局長をやられた梶原さんが行ってそういうような疑念を持たれるということ――そして、実行委員会の中でこういうことがささやかれているというのですよ。ことしは金をどうするべ、集まらんだろうと。そうしたら、毎年、参加している参加者の中で、今度は専務理事が梶原さんだから、市長とかなり近い関係にあるから、市の方が相当な金を出してくれるんでないかと、こういうこともささやかれているというのですよ。これでは、まさに官のお祭りになってしまう。したがって、私は、ここは、組織の体制のあり方も含めて、もう一回、中身をきちっとつくり直すべきだ、こういうふうに思うわけですよ。
したがって、市長、今のような実態がことしは出てきているわけですよ。大学時代からずっとやっているそういう組織委員会の人たちが、今、経済的な面も含めて、かなり大変になってきていることは私も実態を知っています。しかし、だからといって、札幌市だとか商工会議所だとか観光協会、札幌市の補助金で運営している観光協会、それがあたかも中心になるようなやり方というのは、私は間違いだと思うのです。この点について、私は、従来からやっている組織委員会の人たちを中心にしてことしもきちっと運営していくべきだと思うのですけれども、市長、いかがですか、これは。
◎上田 市長 祭りは、当然、それを一番担っておられる方がしっかりやるべきだというふうに思いますし、役所がそれをサポートするということで運営されるのが一番いいというふうに思います。
委員がご指摘になっているお話は、私は認識をしておりませんので、そのことについては論評できませんけれども、やはり、サポーターとしての役割と、そして、実際に生き生きと学生も市民も参加できるという祭りの運営形態が一番いいわけでありますので、これは実行委員会なり組織委員会の中でしっかり議論されて、また、新しい祭りを――一時、ロゴマークの問題もそうですが、大変な混乱をした時期がございます。ある意味では、その時代を観光協会なり札幌市なりがおさめたという言い方はおかしいかもしれませんが、どうすべきかという議論の中ででき上がってきた形態だというふうに考えております。それが活性化に結びつかないような組織形態であれば、あるいは実施状況であれば、それは自然と正されることになっていくだろう、こんなふうに思います。
◆松浦忠 委員 市長、ロゴマークは、確かにそれは長谷川さんが商標登録をしている、こういうような経緯もありましたよ。しかし、それはそれで、長年やってきた組織委員会の中で、使うか、使わぬかということを決めれば、それでは新たなものをつくっていこうということに必然的になるわけです。僕は、これはそんなに難しいことではないと思っているのですよ。周りにいて、長年、実際に参加している人たちも、地域でやっている人たちも、そういう見方をしているのですよ。
それが、去年からことしにかけて、札幌市なり観光協会なりというところが、強行にというか、組織委員会は後ろに下がって、わしらがと。特に、観光協会はそういうのが見られると。こういうふうに、長年やっていて、委員会に参加している方から私にそういう意見が寄せられるわけですよ。したがって、そういうことではうまくないので、ぜひ、これは、札幌市として指導をして、本来の組織委員会で長年やっている専任の人がいるわけですから、そういう人たちを中心にして3団体は後ろでバックアップしていくということに努めていただきたい。
これは、学生が参加するとか、しないとかと言っているのではないのですよ。いわゆる、それでご飯を食べてきている人たちがいるわけですから、人生をかけてね。だから、そういう人を中心にどうバックアップするかが、行政なり、あるいは商工会議所なり観光協会なりの役割なのですよ。私は、そのことを求めているのです。また、長年、地域で参加している人たちも、そうあるべきだという意見を私に寄せられているのですよ。
そのことについて、そういう意見があって、これが本来あるべき姿ですから、ぜひひとつ、市長、その点についてはそういう観点でやっていただきたいと私は思いますので、私と意見が違うか、違わぬかだけ、一言。
◎上田 市長 意見が違うのかどうかは、ちょっとわからないのですよね、今のお話では。ですから、一番いい方法を考えていくというのが、祭りを続けていくためには、あるいは、YOSAKOIソーラン祭りというのは札幌市にとっては本当に20年続いた大変な観光事業、資源でもありますので、これが最も活性化する方法として何がいいのかと。そして、そこで活躍をする方々が本当に伸び伸びとやれるように、あるいは、それで生涯をかけてというふうにおっしゃっておりますが、そこら辺の実態がよくわかりませんので、いろいろな工夫をしながら、皆さんが活躍できるような場をつくっていくということをやっていきたい、こんなふうに考えます。
◆松浦忠 委員 それでは次に、藻岩山に移ります。
藻岩山については、私は、当時、佐藤美智夫議員あるいは宮本議員、堀川議員と、当時4人で会派をつくっていたのですが、私たちは今の整備に反対いたしました。最初の原案に反対し、そして、縮小されましたけれども、今の整備の仕方については、これはそぐわないということで反対しました。
私は、1月2日に行ってみました。行ったときに感じたことは、一つは、プラネタリウムは、入っている人が見終わってからの感想を聞いていると、いや、星の数はたくさんあると言われているけれども、全体的に小さいな、これで700円か、若い人たちはこういう感想を漏らしていました。それからもう一つは、レストランに入りました。そうしたら、レストランは、器は非常に立派なフランス料理の器であります。それから、あと、メニュー表を見たら、何か、フランス語みたいな感じの片仮名のメニューがたくさん並んでいました。値段は、結構いい値段でありました。これに対して、年配の方なんかは、どうも我々の来る場所ではないのかな、こんな感想がささやかれていて、耳にしました。
それから、毎日、健康のために登山している人たちですね。最初は休憩室がなかったものを、登山者の意向を受けて、当時、観光コンベンション部長と話をして、これはつくってもらいました。ところが、ここは下がコンクリートタイルなのですね。そうすると、冬は、アイゼンをつけた登山者あるいは靴底にスパイクを打ってある登山靴を履いた登山者が来て傷める。私は、開業前に下見に行きまして、ここに厚さ1センチぐらいのゴム板を敷いてもらえんだろうかということで、早速、札幌振興公社の方で敷きましたと言うから、私は見に行ったのです。そうしたら、薄いゴムの板だったのですね。それでは、アイゼンだとかなんかをつけて入るとすぐ破れてしまう。そこで、どうしてつけられないのかと聞いたら、ドアがコンクリートのタイルの高さでつくられているから、厚い板をつけたらドアがあかないと言うのです。それなら、ドアの下を切ったらいいのでないのかと言ったら、答えが返ってこないのですね。今でも、登山の人は、中へ入るとしたら、アイゼンつけている人はアイゼンを外さなければいかぬということで、どうして、せめてドアの下をちょっと切って、1センチぐらいのゴム板を敷いてアイゼンのまま入れるようにしてくれないのだろうかな、せっかくいい休憩室をつくってくれたのにと、こういう嘆きの声が私のところに寄せられております。
これらについて、私は、せっかくつくったものが、指摘どおり、そぐわなかったなと思うのですが、そこでお尋ねします。
まず、きょうは3月21日ですが、開業してから今まで、当初予定していたことと、実際にロープウエーを使ってレストランまで行って食事をして帰った人の稼働率、プラネタリウムの稼働率、それから、レストランの予定と実績の稼働率、それから、あそこに夜景がよく見える立派な展望席があります。あの展望席は一体どのぐらい使われているのか、これらについてまずお尋ねいたします。
それから、登山者の休憩室は、アイゼンをつけたまま入れるように、1センチぐらいのゴム板を何でちゃんと敷いてもらえないのか、ドアの下をちょっと切ることがそんなに難しいのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
◎小笠原 観光コンベンション部長 ロープウエーの利用状況でございますけれども、昨年12月23日のオープン以来、3月15日までの数字でございますが、事業計画といたしましては14万8,548名、これに対する平成23年度の実績といたしましては11万1,115名となっております。率にいたしますと74.8%ということになります。
それから、プラネタリウムというお話でございましたが、プラネタリウムにつきましては、入場者数は、3月15日まででございますけれども、4,893人ということでございます。席が25席ということでございまして、平均稼働率といたしましては27.48%となっております。
それから、レストランの利用者ということでございますけれども、15日までのトータルでは9,415人となっております。
それから、登山者休憩室のゴムマットの件でございますが、当初、委員から床のことを大分ご心配いただきました。現在、敷き詰めております4ミリ程度のものでございますけれども、登山者の皆さんにだんだんとわかっていただきまして、山に登ったときにはアイゼンを外して建物の中に入ることが大分定着しているということでございました。私も、山に行きまして、実際に登山されている方からお話を聞きましたが、皆さん、外して入るのが常識だということで、床自体は余り傷んでいないのかなというふうに思っております。そんなことがございますので、もし今のものがだめになりまして、相当ひどいというようなことになれば、次はまた考えたいと思いますけれども、今現在の設備で十分対応できているものと思っております。
○桑原透 委員長 あと一つ、夜景の展望席は。
◎小笠原 観光コンベンション部長 夜景が見られる展望席というのは、ソファーのような形になった部分をおっしゃっていると思うのですけれども、あそこの数字は、残念ながら承知しておりません。申しわけありません。
◆松浦忠 委員 結局、当初、私らが指摘したとおり、レストランの造作にしたって、つくりにしたって、どこか高級ホテルの特別レストランみたいな、いわゆる値段の高い、そういうレストランのようなつくりなのですよ。全く、山の上のレストランというような、そういうつくりではないのですよ。したがって、行った人は、二度と行かぬと言っているのですよ、私が聞いている話では。そして、最初は、ご祝儀相場で物珍しいから、みんな、行きますよ。だけど、二度と行かぬと。家族4人で行ったら大体1万5,000円かかるのです。全部入れて、1万5,000円ぐらいかかるのですよ、レストランでちょっとご飯を食べてとなったら。
したがって、まさにこの先の展望はない。あのままでは展望はないということなのですよ。35億円かけてつくった藻岩山のあのレストランは、結局、きちっとした検証もないままに、一部の業者の言うなりにつくったからこういう結果になっているのです。
それでは、具体的に、当初の目的にするための取り組みをどのようにしようとしているのか。この間、北海道新聞が報道しているのを見たら、振興公社は、無料招待するとかと。無料にしたら、なお悪いでしょう、収入がなくて。札幌市だって応分の負担をしているわけですから、どういうふうにして、魅力があって皆さんに来てもらえるような当初の計画どおりの方向に改善しようとしているのか、それについてお尋ねします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 開業からまだ3カ月ということでございまして、現在の時点で先のことをいろいろ判断するのはなかなか難しいかと思いますけれども、振興公社も懸命に努力をしているところでございます。本州方面にも積極的に営業しておりまして、その結果、非常に関心が高いということでございまして、いろいろな旅行商品への組み込みも進んでいるというふうに伺っております。都心部からの交通アクセスの関係でも、例えば、ホテルから藻岩山の方にバスがつながるようになるとか、それから、円山公園からの路線バスが新しく運行されるとか、新しい利便性も向上するものと思っております。
それから、4月に観光道路が開通いたしましてグランドオープンするわけでございますけれども、そこでは、今お話のございましたような、1,000円で上っておりられるような市民向けのクーポンも出したいというようなことで考えております。
集客促進に向けたイベントといたしましても、5月13日に観光道路を
ランニングコースに利用いたしまして、もいわ山ヒルクライムラン531というものを実施いたしますほかに、5月31日から6月3日までの藻岩山の日のイベントを皮切りに、地元との連携強化を図るためにいろいろと準備を進めているところでございまして、今後の観光シーズンに向けて積極的な誘客に努めてまいる所存でございます。
◆松浦忠 委員 どうも言っていることがその場しのぎで、我々が以前に指摘したことがびたりと当たっているのに、反省がない。そして、今みたいなことを言って、はい、1,000円に値引きしますと。片や、当たり前に上がっていったら1,700円です。これをどうするの。そういう差をどうするの。みんな1,000円に下げるの、ロープウエーを。(「3カ月だろ」と呼ぶ者あり)3カ月って、あんた、普通、ご祝儀相場と言って始まりはみんな来るんだよ。始まりはみんな来て、後になったら、もう飽きたと、こうなるのですよ。
そういう点で、私は、レストランのメニューも含めて抜本的に変えないと、あの山の上へ行って、フランス料理風につくって出していますというのは、一体、それが市民にどれだけ受けるのか。3カ月やってみて受けないわけですから、受けなかったら、もうかるようなものに中身を改めていかなければいかんのですよ。これは、いつまでやったら、レストランの中身、献立表なんかを変えるという方向に考えているのですか、何カ月やったら、これが一つ。
それから、先ほど言った毎日登山している方ですが、アイゼンを外すのが常識で、外さないのが非常識なんて、そんなことを言ったら、山登りしている人に気分を悪くされるよ。ということは、皆さん、あそこへ上がっていって、今までも、アイゼンをつけたまま中に入れて、そこでお握りを食べて、あるいは……(「そんなもん、トーシロの登山家だ。そんなもの、相手にしたってだめだ」と呼ぶ者あり)
勝木さん、あなたは議会に出ないで登山しとるか何しとるか知らんけど、議会活動しないで登山しているのかもしらんけどね、議会に出ていても居眠りしていて、やじばかり飛ばしていて、そんなのはトーシロだと言うけど、いいかい、勝木さん、言っとくよ。あそこの登山というのは、夏、多いときは1日1,000人が上がるんですよ、1,000人が。みんな素人ですよ。あなたのような、プロでやっている人はいないですよ。そういうことを言っちゃいかんですよ、勝木さん。健康づくりのためにあの山を愛している人たち、その人にきちっとしたことをする。最初はプレハブでつくりましたよ、前のときに。今回だって、建てかえのときにつくっていなかった。つくっていなかったけれども、登山している人たちからの要望を受けて、私が、当時、観光コンベンション部長なり梶原局長と話をして、設計変更して休憩室をつくってくれた。そこまではいいというの。画竜点睛を欠いているから、私は、あれが破れたではなくて、きちっと履いて入れるようにすべきだと思うのですよ。それに何ほどの金がかかるのか。直す場合に、ドアの下を切って、あけられるように1センチ縮める、そういうことが不可能なのか、可能なのか。可能だとしたら金がどのぐらいかかるのか、それについてお答えください。
◎小笠原 観光コンベンション部長 まず、メニューの見直しについてでございます。
レストランといたしましては、定期的に利用者からのアンケートなどをとっておりまして、いろいろと現状の把握に努めているということでございますけれども、伺いますところでは、現段階で基本的なメニューを変える考えはないと伺っております。ただ、基本メニューの変更ということではなくて、季節限定のメニューなどでいろいろな対応をしたいということと、それから、めん類の要望もあるということで、ラーメンなどの対応はなかなか難しいでしょうけれども、スープパスタというのでしょうか、洋風のめんなどはテークアウトできるようなことも検討しているというふうに伺っております。いずれにいたしましても、営業でございますので、お客様が入らないような状況であればいろいろ工夫をしていくべきものだと思っております。
それから、登山者休憩室のマットの関係でございますが、厚ければいいのかというと、必ずしもそうでもないようでございます。深さがあるものが刺さると、逆に抜けなくて転ぶケースがあるということも伺っておりますので、一概に厚みがあればいいという問題でもないのかというふうに理解しております。現状で、特に問題はないはずでございます。
◆松浦忠 委員 何人の話を聞いたの、あなた。それじゃ、アンケートでもきちっととったか。行って、5人か10人の話を聞いて――あそこに上がる人は、冬だって数百人の人が毎日上がっているのですよ。そういうことをきちっと聞いた上で今のような話をするのならいいけども、3人や5人、あるいは10人に聞いたかもしらぬけれども、そして、それが常識だなんて、それはちょっと、あなた、違うんでないかい。できることは、ちゃんとやるのさ。何をそんなに抵抗するの。むだな抵抗はよせって言うでしょう、昔から。
したがって、これは、きちっと、私の方で政務調査費を使ってアンケートをとるから、そして、それに基づいて、直してくれという要望があったら、私はきちっと直すことを求めます。
それから、食堂について言えば、これは……(発言する者あり)
勝木さん、私もあなたの話で腰を折られちゃうから、ちょっと静かにしていて。(発言する者あり)勝木さん、何、年をとったって。
○桑原透 委員長 続けてください。
◆松浦忠 委員 (続)委員長、ちょっと勝木さんの相手をせんきゃいかんから、私も緩くないんだわ、これ。
○桑原透 委員長 相手にしないでやってください。
◆松浦忠 委員 (続)そうかい、わかった。
だって、勝木さん、発言機会がないんだもの。
それじゃ、私は、特に市民の人に何回も来てもらうことが大事だと思うのです、春夏秋冬ね。そのためには、やっぱり、市民の人があそこへ家族で行って、食べて、1万円札1枚でおさまるぐらい、ダラ銭でもいいからおつりが来るぐらいの料金体系ということを私はやるときから言っていました。そのことも含めて、もうちょっときちっとアンケートをとって、どうやったら市民の人が家族連れで春夏秋冬に来てくれるかと。こういうところにきちっと視点を置かなければ、民間の会社としてもせっかく投資したものを回収できないことになると思うので、この点も含めて、もうちょっときちっとした調査をやっていただきたいということを求めて、終わります。
◆伴良隆 委員 私は、観光における食連携について質問いたしたいと思います。
札幌市は、平成23年策定の産業振興ビジョンで、札幌市の経済の成長を牽引する重点分野として、北海道の豊富な食と魅力的な資源を生かした観光をうたっています。多くの観光客が北海道、札幌市を訪れることから、フードツーリズムやアグリツーリズムといった新たな視点による観光客誘致を進めることで、さらなる道産食品の消費拡大を図るとございます。また、ブランド力の維持・向上のためには、食の安全と信頼の確保に向けた取り組みを促進するとしています。観光分野も多くの産業に関連し、観光客への食事の提供には農業や食料品産業が必然的に関連してきます。
そこでまず、質問でありますが、市では、北海道の食を観光資源としてどのように認識していますか、また、さっぽろオータムフェストは、北海道の食においてどのような役割を果たしているのか、本市の認識をお伺いします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 北海道の食を観光資源としてどのように認識しているのか、それから、オータムフェストの役割についてでございます。
まず、北海道の新鮮な海産物とか農産物は、国内外の観光客にとりまして大変大きな魅力でございまして、北海道、札幌にとりましても重要な観光資源であると認識しております。
また、さっぽろオータムフェストの役割でございますけれども、オータムフェストは、北海道、札幌の食をテーマとしておりまして、道内市町村や民間事業者と連携いたしまして、道内各地域の食のアンテナショップとしての役割を果たし、北海道全体の活性化に貢献することを目的としております。
◆伴良隆 委員 食というものは観光という面から非常に重要だというお話と、また、道内自治体とは連携が非常に必要だということであります。
昨年、2011年のさっぽろオータムフェストの開催趣旨に、北海道、札幌の食をメーンテーマとし、道内市町村や民間事業者と連携して、道内各地域の食のアンテナショップとして役割を果たし、北海道全体の活性化に貢献することを目的に実施するとございます。平成23年度、観光文化局の運営に当たって、観光文化局は、従来の観光文化振興に加え、東日本大震災の影響への対応について、被災地復興への手助けとなるように取り組むとしています。その中で、本年度の最重点取り組み項目の一つに、札幌の新しい観光資源を活用した集中PRなどとしてオータムフェストを挙げているところであります。
そこで、伺いますが、現在、震災瓦れきの安全性の確保を条件に受け入れを検討している自治体、旭川市、江別市、名寄市、稚内市、登別市、根室市、苫小牧市、また、赤平市、滝川市、砂川市、歌志内市、深川市などの中・北空知廃棄物処理広域連合の14市町、さらに、浦河町、奥尻町について、昨年のさっぽろオータムフェストで自治体として参加登録する8丁目会場、札幌大通ふるさと市場への参加状況をお伺いします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 昨年のオータムフェストでの大通の8丁目会場におけます札幌大通ふるさと市場には、98の市町村、団体にご参加いただきました。
また、委員からお話のありました市町村につきましては、旭川、江別、名寄、稚内、登別、苫小牧、それから、赤平、滝川、砂川、歌志内、深川、奈井江町、浦臼町、新十津川町、雨竜町、北竜町にご参加をいただいております。
◆伴良隆 委員 今、震災瓦れきの受け入れを検討している自治体がオータムフェストに参加していることを確認することができました。参加していなかったとしても、提供された食材の産地になっている自治体も実際にございます。先ほどの部長のご答弁においても、北海道の食が札幌の観光にとって大きな役割を果たすこと、そして、さっぽろオータムフェストにおける道内市町村との連携の重要性についてご答弁がありました。
ところで、東日本大震災で発生した瓦れきについて、国は、福島県の瓦れきは県内で集中管理せざるを得ないという意向を示し、岩手、宮城の瓦れきについては、都道府県、政令指定都市に受け入れを要請しており、道内に限らず、全国の自治体が受け入れを表明し始めようとしております。一方、本市はといいますと、上田市長が3月7日の定例記者会見で、放射性物質が国の基準を下回っていても瓦れきを受け入れるつもりはないとしながら、その後、放射性物質を含まない瓦れきは拒否しないと述べています。
そこで、市長にお伺いいたします。
今月16日の第二部
予算特別委員会にて、震災瓦れきの受け入れを表明する道内自治体と今までのような食連携は難しくなるのではないかとの私の質問に対して、上田市長は、道内自治体が震災瓦れきを容認してきたときに食連携がとれなくなることもあり得るとのご答弁を既にされています。
では、震災瓦れきを受け入れる道内市町村と本市の食連携がとれなくなれば、本市の観光施策にどのような影響が出るとお考えになりますでしょうか。
◎上田 市長 悪い影響があると思います。
◆伴良隆 委員 悪い影響が出てくるということでございます。
上田市長は、安全・安心、おいしいという部分は守りたい、このようにおっしゃっています。
今月19日には、政府は、道と札幌市に対し、震災瓦れきの受け入れを要請する野田首相名の文書を直接手渡し、受け入れ要請をしており、環境省は4月6日を回答期限としています。
そこで、また、市長に伺いますが、道内自治体の震災瓦れき受け入れがいよいよ近づく中、震災瓦れきを受け入れる道内、市町村の区域内で生産される農作物や畜産物は、今後、受け入れるつもりでしょうか、受け入れないつもりでしょうか、その受け入れいかんの判断基準も具体的に示していただきたいと思います。
あわせて、震災瓦れきを受け入れる道内市町村のことしのオータムフェストへの参加について、どのようにお考えになりますでしょうか。
◎上田 市長 受け入れるも、受け入れないも、それは消費者の考え方だというふうに思います。そして、オータムフェストで申し込みがあれば、当然、受け入れることになるというふうに思います。
◆伴良隆 委員 消費者次第ということでありまして、札幌への食べ物の流入というのは、流通上、避けられないということでございますね。また、オータムフェストに参加される震災瓦れきを受け入れる自治体については、これは拒否するものではないということでございます。
今のお話を聞いていますと、私としては、なかなか安全性という明確な基準が示されていかないのではないかなと、このように、今、思っております。
ところで、昨年のさっぽろオータムフェストでは、東日本大震災による被災者への応援企画として、福島県北海道事務所による観光PRと物産品販売を実施しています。
そこで、次に、市長に伺いますが、答えられたらお答えください。
福島県産の販売物産品について、上田市長としては、どのような安全基準を持って、当時、大通会場に受け入れたのでしょうか。
◎上田 市長 福島の皆さん方が生産することを許されている、そのものを持ってこられているわけでありますので、そのことについて私どもは何らの拒否をするものでもありませんし、むしろ、私も食べた方であります。福島のリンゴのおいしさ、これは格別なものがございます。私は、1年半、福島におりましたし、あそこは本当に果物が何でもとれます。北と南の接点で、北限と南限のものが重なって最もすばらしい農業地でありまして、私は、そのことを、どれだけ丹精を込めて農民の皆さん方がつくられたかということをよく存じ上げているつもりであります。したがいまして、その農民たちのご努力の成果を私どもが食さないということについては、非常に疑問に思うということでございます。
ただ、一般論として、今、安全基準というふうにおっしゃっておりますけれども、それは、きょうの北海道新聞でも、北海道も国の基準ではだめだということで違う基準を考えられたということが報道されております。事ほどさように、安全というのはわからないのです。それから、長い時間をかけなければ悪い効果がわからないというのも、これも放射性廃棄物の重大特色というふうに言われるものであります。30年、60年と半減期を繰り返しても、これはセシウムだけの話でありまして、違う核種が入っているときにはそんな単位ではない、ずっと後まで続く、そういうものの扱いについて、今、短期間に、私に基準は何だというふうに言われても、それは答えられないのですよ。答えられないのです。その点については、今まで私たち人類が危ないと考えてきたということについて保守的に考えるべきである、余り気張って変わったことをやるべきではないというのが私の考え方でございます。
◆伴良隆 委員 被災地への思いは確かにあるのだというその気持ちは共有していらっしゃるというふうに思います。非常に伝わりました。安全ということは、先々、何が安全なのかわからないという思いも、これは、皆さん方もどこが安全なのかということについては首をかしげるところもあろうかと思います。そういった意味でも、市民の方々に対して市長が心配されているお気持ちもよくわかります。
それはちょっと別にしましても、先ほどの質問に対するお答えを整理しますと、福島県の基準を尊重するものであるということでよろしいかと思います。実際、福島県は、現在までは農林水産物の放射性物質を測定し、暫定規制値を下回っていることを確認して出荷していますとのことであります。この暫定規制値とは、原子力安全委員会により示された指標値でありまして、厚労省から各都道府県知事、保健所設置市長に昨年3月の震災後に通達されたものであります。
さて、次に、質問でありますが、震災瓦れきを受け入れる安全基準と農作物や畜産物などの食産物を受け入れることの安全基準に概念として何か違いはあると思いますか。
◎上田 市長 当然、食するものにつきましては、内部被曝ということを考えなければなりません。ですから、多分、この基準というのはないというふうに思います。非常に難しい。いろいろな学者がおられますので、どれが、通説というのは、多分、ないのではないかなというふうに思います。ただ、外部被曝と内部被曝は違います。口の中に入るということで、肺だとか胃だとかというところでひっかかって停留する場合の放射線量などは全然違う基準で考えるべきだというのは、かなり有力というか、こちらの方はかなり通説に近いものではないかなと、私はそう思っております。ですから、この基準を決めるのは非常に難しいというふうに思いますけれども、より慎重に、そんなに時を急いで結論を出すべき問題ではないのではないかなと、そんなふうに考えます。
◆伴良隆 委員 先ほど、市長は、福島の基準について受け入れた、尊重したということでありましたけれども、一方で、内部被曝という言葉がありましたが、安全性についてはなかなか言いがたいものがあるということであります。少々矛盾しているような感じがします。
16日の第二部
予算特別委員会にて、上田市長は、放射線について勉強しながら慎重に対処したい、このようにおっしゃっています。我々は、市民から、札幌市は一体どうするのかと言われ続けています。上田市長がしっかり勉強することはとても大切だと思いますが、いつまで勉強して、いつまでにその勉強結果を示し、この問題に対処するのか、全く検討がつきません。本市は、19日、国に説明を求めたいとしています。これでは、やはり、国の基準や国の説明ばかりに札幌市の難局を頼っているという見方をされてもいたし方ないのではないかと思います。国の基準がどうこうより、札幌市としての独自の安全基準は何になるのか、本市みずから模索、追求して、早急にその結果を広く市民に公開し、議論し、決断していくことが自治体の責任者としてのあるべき姿ではないでしょうか。
くしくも、今、市長みずからおっしゃいましたけれども、昨日、北海道は瓦れきの放射性物質について国基準よりも厳しい道独自の受け入れ基準を設ける方針を固めたとのことであります。
そこで、最後に、いま一度、伺いたいと思います。
道内の観光における食の連携を後退させないためにも、震災瓦れきの受け入れを拒否するだけではなくて、まず、試験的に震災瓦れきの線量を独自に検証してみて、その都度、結果を市民や道民に公開していく札幌市の姿勢を示していくことが、まさに食の安全に対する信頼を得るための初めの一歩ではないだろうか、市長にそういうお気持ちがあるのか、それともないのか、お聞きいたします。
◎上田 市長 委員がスーパーに買い物に行かれるかどうか知りませんが、よく、納豆だとか豆腐だとかに産地が書いてありまして、そして、遺伝子組みかえの大豆は使っておりませんと表示されているもの、あるいは、表示をされていないものがあります。そういうことを、今、消費者が求めているのですね。食については、特にお子さんをお持ちのお母さん方は本当に真剣に考えておられます。福島からおいでになっている方々のお話を聞きましても、そのことが一番心配だと。そして、北海道は自分たちと同じような環境になってほしくないというふうに、彼女たちは私に本当にそういう考えなのだとおっしゃいます。それは、私は、ある意味ではとても共感できる事柄だというふうに思いますし、それだけ、北海道に避難されている方々の思いというのは北海道に対する信頼だと私は思います。私は、その信頼を市民のものとして維持していきたいというふうに思っているところであります。この製品には放射性物質は含まれていませんなどというばかげた表示をしなくても済む、そういう社会でなければいけない、こんなふうに思います。
そして、何でも実験してみたらいいじゃないかというふうにおっしゃいますが、どこで実験するのでしょうか。私は、放射性廃棄物というものを持ち込みますと、それは単に土の中に埋めればいいという問題ではなくて、これから生き残る放射線というものに対して、30年、60年、100年という間をどう管理していくのかということについて、しっかりと、私どもはそういう用意がある、覚悟があると。我々の税金で、子孫たちも含めて、そういうものが他のものに影響を与えないようにするための準備がしっかりあるということがなければ、危険性のあるものについて、私はこの地で実験をするつもりはありません。
◆伴良隆 委員 考え方の違いのところがありますので、これは議論をしていてもすれ違いになろうかと思います。ただ、大事なところは、今、市長はそういったつもりは、お気持ちはないということでございました。そういった実験なり試験をして、そして、線量をはかって、数値をはかって、それがどれぐらい安全なのかということを市民に公開して議論して決断していく、それはないということですね。(発言する者あり)
○桑原透 委員長 続けてください。
◆伴良隆 委員 (続)そうしますと、今の私へのお答えでは、そのつもりがないということでよろしいですね。基準を設けられないということですね。
◎上田 市長 だれも言えないというところが、安全ということについては、言えないというところがあるのではないかなというふうに思います。前の法律では、廃棄物についてのクリアランスラインというのでしょうか、それは100ベクレルというふうになっておりましたけれども、そういった問題についても不整合な状況にありますので、そこら辺は、私どもは、非常に悩ましいところだというふうに――何か不正確な答えだというふうに思われるかもしれませんが、状況自体が不正確なのですよ。そういう状況の中で、私は、正確な判断をするのは非常に難しいのだということを申し上げているわけで、意地悪をしているわけでもなければ何でもないわけです。本当に誠実に物事を考えようとしたら、えい、やっというふうには決められない問題だ、こういうふうに悩みの一端を分かち合っていただければうれしいなと、こんなふうに思います。
◆伴良隆 委員 これは、私の質問というか、あれですけれども、私も、この質問は意地悪をしているわけではないのですね。ただ、札幌が、どういう、何の指標を持って、瓦れきだけではなくて、安全というものをはかっていくかと。先ほど表示の話がありましたけれども、やっぱり、私たちもそういった文字であったり情報を見て判断していくわけです。私たちは、札幌市はどういう判断をしていくかということがおぼろげにも全くわからないわけであります。そこを、苦渋しながら、苦しいながら、わかってくれと言いながらも、やっぱり市長は選挙で選ばれた方なのですから、そこを独自でしっかりと判断していかなければ、あるいは、判断することに時間がかかっても、どうにかして判断していきたいのだと、そういうつもりを、気持ちを伝えていかなかったら、私は、札幌市民は納得しないのではないかなというふうに思います。
済みません。私の独断になって申しわけないですが、いずれにしましても、そろそろ閉めたいと思います。
私は、ほかの自治体が、風評被害などがあるかもしれない中で、どうしたら震災瓦れきを受け入れることができるのかという思いで、それぞれの安全基準を判断していく、そういう過酷な選択に立ち向かう姿勢と全く同じ思いであります。札幌は、北海道の人口の3分の1を占める大消費地であります。ところが、このようにいまだ安全基準の判断を具体的に示せないでいます。私は、大いに不安と不満を抱いております。札幌市民、北海道民はもとより、震災被災者もそうであると思いますけれども、上田市長には説明責任をしっかり果たしていただくよう誠意ある対応を望みます。
◆植松ひろこ 委員 私からは、大きく3点、さっぽろ雪まつりの魅力アップ事業について、MICEの推進について、そして、ICTを活用したまちめぐり事業についてお伺いします。
最初に、さっぽろ雪まつりの魅力アップ事業についてお伺いします。
本年のさっぽろ雪まつりの来場者数は、約205万人と、昨年に比べまして約15%の減少となったと公表されております。観光需要が落ち込む冬場におきまして、さっぽろ雪まつりは経済効果が高く、東日本大震災の影響による観光需要の落ち込みからの回復に期待を寄せる中で残念な結果であったと言えます。この要因といたしましては、ことしは例年に比べまして休日が1日少ないこと、インフルエンザの大流行や空知地方の大雪による交通機関の乱れなどが挙げられています。実際に、雪まつりだけではなく、道内各地の冬のイベントにつきましても来場者数の減少が公表されておりますことから、こちらはやむを得ないところもあるかとは思います。加えまして、ことしの雪まつりは、雪像が倒壊し、来場者の方がけがをするという、あってはならない事故があり、世界的に有名なさっぽろ雪まつりの安全性が問われたことにつきましては、非常に残念に思っております。
そこで、雪まつりにおける安全対策でありますが、地球規模の温暖化が問題視されて久しい中、暖かい日が続く可能性もあることを想定いたしまして雪像の安全性を高めていくことは、今後の雪まつりにとって重要なことだと考えます。
雪まつり実行委員会では、倒壊事故の再発防止に向けまして、ガイドラインを作成するとしています。私も、過去に市民雪像を作製した経験がありますが、仲間や家族でアイデアを出し合い、テーマを決め、一緒に雪像を作製することは生涯の思い出となるものでもあり、厳しい冬を楽しむという雪まつりの原点とも言えるべきものであると思います。このガイドラインの必要性は十分に理解してはおりますが、自由がなくなる、型にはめるようなものとなってしまっては、雪まつり本来の魅力喪失になりかねないので、安全性はもちろんのことですけれども、参加者の楽しみや雪像の魅力づくりも考え、慎重にガイドラインを定めていただきたいと思います。
そこで、今回の雪像倒壊事故を受けまして、どのような安全対策を考えているのか、また、ガイドライン作成の考え方についてお聞かせください。
◎小笠原 観光コンベンション部長 雪像倒壊事故を受けての安全対策とガイドライン作成の考え方についてでございます。
今回の小雪像倒壊事故を踏まえまして、市民、観光客の皆様がより安心して雪像をごらんいただけるように、会場における雪像管理はもちろんでございますけれども、小雪像の設計、制作過程におけるガイドラインの作成も含めて安全対策を強化してまいります。
まず、会場の雪像管理でございますけれども、開期中の気温の上昇や雨などの気象状況の変化によりまして、より迅速で円滑に対応するために、雪像点検の方法や体制の見直し、それから補修などを実施する仕組みの充実など、管理体制の強化を図ってまいります。
次に、小雪像のガイドラインにつきましては、雪像の形状に応じた構造やつくり方の工夫など、制作者の自由な発想を尊重しながらも、雪像の安全面とのバランスを図り、作成していきたいと考えております。
なお、この作成に当たりましては、雪像制作に関する豊富な経験と知識、技術を持っております市民雪像制作指導員や学識者の意見などを聞きながら取りまとめをいたしまして、7月開催予定の雪まつり実行委員会で公表したいと考えております。
◆植松ひろこ 委員 市民雪像の製作者にわかりやすく丁寧に説明するとともに、早期に市民雪像の安全対策について国内外に情報提供し、万全を期して取り組んでいただきたいと思います。
次回で64回目を迎える雪まつりではありますが、一部からは新鮮味がないといった意見もあります。これまでも、札幌市や実行委員会では、大通会場におきまして、スケートや歩くスキーなどの体験型の事業を展開しておりますが、やはり雪まつりの主役は大雪像であります。ことしも、世界遺産の建物や震災復興を願うお城、人気キャラクターなど、雪で制作したとは思えないような精巧で芸術性があり、迫力のあるすばらしい大雪像が作製されました。このように、雪まつりの魅力を高めていくためには、大雪像抜きでは考えられないと思います。
その方策としまして、プロジェクションマッピングという、建造物とか人体にプロジェクターで映像を投影し、あたかもその投影されているものが変化しているかのような印象を与えたりなどする映像表現方法があります。これは、今後、発展が期待されているコンテンツの一つでもありますが、このプロジェクションマッピングを今回の雪まつりでは大通5丁目会場に置きまして、課題検証のために大雪像に色とりどりの3D映像が実験的に投影され、多くの来場者の関心を集めていたと伺っております。
2012年度予算では、このプロジェクションマッピングの本格的な実施が予定されておりますが、実施に向けての取り組みに対する考え方についてお聞かせください。
あわせまして、2011年度に実験的に実施したプロジェクションマッピングの課題につきましてもお聞かせください。
◎小笠原 観光コンベンション部長 最初に、大雪像を活用しましたプロジェクションマッピングの考え方でございますけれども、委員からご指摘のありましたとおり、雪まつりのシンボルであります大雪像の魅力は、精巧さや迫力ということになりますが、新たに芸術性の高い映像を組み合わせることによりまして大雪像の魅力をさらに高めていきたいと考えております。このことによりまして、新たな雪まつりの魅力を創出いたしますほかに、この映像をインターネットなどで配信することによりまして、世界に向けて雪まつりや札幌の魅力をPRできるものと考えております。
次に、今回の大雪像を活用したプロジェクションマッピングの課題でございますけれども、映像の発信につきまして、大雪像のテーマの著作権者との事前調整が必要なこと、それから、変化いたします冬の天候に合わせて映像の修正が必要なこと、それから、大通会場の明るさへの対応が必要だということが挙げられております。
◆植松ひろこ 委員 今回、雪まつりでプロジェクションマッピングを取り入れるということで、このプロジェクションマッピングは具体的にどういった表現ができるものか、動画にてほかの作品を幾つか拝見しましたが、それと比較しますと、ことしのプロジェクションマッピングにつきましては残念ながら試行段階であると言わざるを得ないものであったと思います。答弁にもございましたが、来年度は、ぜひとも国内外の観光客を集客する起爆剤となるように課題に取り組んでいただきたいと思います。
次に、MICE推進事業についてお伺いします。
昨年は、約4,800人の参加を数えました国際微生物学連合2011会議といった大規模な国際会議が開催されました。2012年度の国際会議につきましては、1,000名規模のものは数件にとどまっておりまして、開催決定から開催までの期間が長い大規模な国際会議につきましては、まだ震災の影響が残っているものと考えます。
現在、国におきましては、震災の影響なども踏まえまして、観光立国推進基本計画の改定作業を進めているところであります。計画案におきましては、新しく国際会議等のMICE分野を主要施策と位置づけ、観光立国の実現を図ることとしています。札幌市におきましても、MICE分野について、これまで以上に官民の連携を強化して都市間競争に打ち勝っていかなければならないと思います。
そこで、札幌市のMICEの推進における官民連携の強化策についてお伺いします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 MICEの推進における官民連携の強化策についてでございます。
本市のMICEの推進につきましては、札幌MICE総合戦略におきましても官民の連携強化を重視しているところであります。そこで、MICEの推進に当たりまして、そのあり方や方向性を協議いたしますために、学識者やMICEに関連した業界の方々を構成員といたします札幌MICE推進懇談会を設置いたしまして、3月14日に1回目の懇談会を開催したところでございます。
また、今後は、MICEにかかわる各事業を実施していく上で、官民連携を強化するための実行組織といたしまして、宿泊業や旅行業界、NPOなどのMICEに関連する業界と、それから札幌市並びに国際プラザコンベンションビューローを構成員といたします札幌MICE推進委員会を設置する予定としております。
◆植松ひろこ 委員 MICEの推進に当たりまして、官民の連携を強化するために組織を設置するということについては理解いたしました。
札幌市におけるMICE参加者の受け入れとしましては、官民が連携した組織である札幌おもてなし委員会を中心におもてなしの取り組みを行っております。2011年は、大規模な国際会議でありました国際微生物学連合2011会議の参加者に対しまして、市民手づくりの折り紙を配付するとともに、約3カ月間にわたるMICEおもてなし月間を設けまして、その期間中のMICE参加者に対して特別協賛店による特典サービスを提供するものでありました。このような取り組みを通じまして、外国人に限らず、国内の参加者に対し、札幌に好印象を持ってもらうのは重要なことであります。札幌におけるおもてなしの取り組みを定着させ、さらにレベルアップしていくことが、MICEの誘致にとっても必要であると考えます。
そこで、2012年度のMICE参加者に対するおもてなしの取り組みについてお伺いします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 MICEの参加者に対するおもてなしについてでございますけれども、平成24年度も、基本的には今年度と同様の取り組みを行うこととしておりますが、より多くの方におもてなしを実感していただくために、おもてなしの期間を約1カ月間拡大いたしますとともに、取り組みの対象範囲を広げることとしております。特に、特別協賛店による取り組みにつきましては、対象者をマラソン大会などの
スポーツ分野にも拡大することによりまして、5万人以上の参加者が特別協賛店のサービスを受けることができるようになります。また、フェイスブックを活用しました情報発信を行いまして、随時、特典、サービスに関する情報を更新できるような仕組みを取り入れたいと考えております。
◆植松ひろこ 委員 おもてなしの取り組みを盛り上げていくことは、札幌ファンがふえるとともに、市民のMICEに対する理解も一層広がると考えます。MICEの推進に当たりましては、誘致活動と受け入れ基盤の整備の両面があるかと思いますが、こちらの両方の面におきまして官民の連携を強化し、まち全体の取り組みを進めるよう求めます。
最後に、おもてなしに関連いたしまして、海外からのMICE参加者や観光客に対する受け入れ体制についてお伺いします。
外国人観光客からは、観光・文化施設の歴史や概要、そこまでの行き方について多言語による案内が不足しているとの声があります。実際、札幌市が行っております外国人観光客に関する調査結果を見ましても、満足度の低いものとしての1位が市内の移動のしやすさであり、32.8%と最も多くなっております。この問題を解決することにより観光客の満足度を高めることは、リピーターとしてその後の再訪問につながることや、口コミなどにより大きなPR効果を見込めるため、観光客誘致の観点からも重要であると考えます。
札幌市では、2012年度の予算におきまして、国内外の観光客の滞在や周遊を促進するために、スマートフォンなど携帯端末を対象とした観光専用のアプリケーションを開発するICTを活用した札幌まちめぐり事業が計上されております。
そこで、この事業の背景と、この事業により観光客の利便性がどのように向上するのか、お伺いします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 初めに、事業の背景でございますけれども、市が行いました外国人観光客へのアンケート結果によりますと、半数以上の方がスマートフォンなどの携帯端末を所有していること、それから、国内においてもかなり普及が進んでおりますことから、これらを活用した観光情報の提供が観光客の皆さんの満足度を高めるために有効であると判断したところであります。また、京都や沖縄におきましても同様の事業を既に実施しておりますけれども、利用者の満足度は高いというふうに伺っております。
次に、観光客の利便性向上の内容についてでありますけれども、まず、携帯端末を活用いたしまして、日本語のほかに英語、中国語、韓国語によりまして、施設とか食などの情報を観光客のニーズに応じて入手することができるようになります。また、現在地から目的地までの交通情報を含めた道案内も利用できるようになります。加えまして、ソーシャルネットワークとの連携がしやすいという特性を生かしまして、イベントとか期間限定の情報、あるいは災害に関する情報などについても即時に入手することが可能となります。
◆植松ひろこ 委員 観光客にとって使い勝手がよく、まちづくりが促進されるような内容となるとともに、できるだけ早い時期にサービスが開始されるよう期待しております。
現在、この事業は、プロポーザルによる企画提案を行っていると聞いておりますが、その状況と今後のスケジュールについてお伺いします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 企画提案の状況についてでございますけれども、3月19日を企画提案書の提出期限としておりまして、25社からの提案がございました。今後は、3月27日に選定委員会を開催いたしまして企画を決定する予定としております。
次に、今後のスケジュールでございますけれども、早期の運用を目指しまして2段階に分けて考えております。初めに、9月から始まりますオータムフェストの開催前を一つのめどといたしまして、観光施設などの基本情報が組み込まれたアプリケーションの運用を開始いたします。その後、さっぽろ雪まつりの開催前に、食や芸術文化、それからイベントなど、まちの魅力を広く発信するコンテンツを追加する予定としております。
◆植松ひろこ 委員 こちらの事業は、緊急雇用対策等を含めますと合計で3,300万円というなかなか大きな予算になっているのではないかと思いますが、こちらを利用するためには、無線LANの環境についてまだまだ課題があるかと思います。こちらにつきましては、民間により行っていくものであるかと思いますので、環境の整備を強く求めていただくこと、また、市内の美術館など観光施設の中はまだまだ多言語表示に対応しておりませんが、この事業でそういった市内施設の中の詳しい案内ができれば、海外の方もより一層深くその施設を楽しめるかと思いますので、将来的にそういった取り組みについて導入を検討していただくことを求めまして、私の質問を終わります。
◆福田浩太郎 委員 私からは、リゾートウェディングについて、簡潔に伺いたいと思います。
我が会派がかねてから要望しておりましたリゾートウェディングの推進でありますけれども、札幌市では、最も可能性の高いアジア圏からの集客を目的としたロケーションフォトウェディングについて、事業に着手いたしました。このことについては、昨年の第2回定例市議会と第3回定例市議会のそれぞれの委員会で、まだ実績が少なく、それも海外に向けた事業であることから、今後の戦略的な展開に向けた基礎を築く年として、しっかりと情報収集などを行うように要望してきたところであります。
そこで、質問ですが、今年度は、香港からのモニターツアーや、香港ウェディングエキスポへの出展などを実施したということでありますけれども、どのような成果が得られ、また、どのような課題を認識したのか、お伺いいたします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 今年度の事業の成果と課題ということでございますけれども、今年度の事業では、香港から3組のカップルを公募いたしまして、12月に雪の札幌を舞台といたしました初めてのモニターツアーを実施いたしました。各モニターからは、雪景色など四季折々に美しい風景の中で撮影が楽しめる札幌の魅力とか、さらには、日本人らしい気配りや、写真の品質などについても満足できるとの評価をいただいたところでございます。
また、2月の香港ウェディングエキスポへの出展では、会場を訪れました多くのカップルに対しまして札幌をPRすることができたということはもちろんでございますけれども、あわせて実施いたしましたアンケート調査で、札幌、北海道への評価や課題などのデータが収集できたことも大きな成果となっております。
このアンケート調査では、ロケーションフォトの行き先として、札幌市には非常に魅力を感じているものの、撮影の内容やコミュニケーションに不安を感じていることとか、あるいは、航空運賃を含めて商品の割高感があるということがわかりました。これらの結果から、札幌のロケーションフォトに対する事業の知名度や信頼感を高めること、さらには、価格面でも利用しやすい環境づくりをすることが今後の課題であると認識しております。
◆福田浩太郎 委員 モニターツアーや香港ウェディングエキスポへの出展を通して多くのカップルからアンケートをとれたことなど、今後の事業推進に向けて多くの情報が得られたことは有益だったというふうに思います。これからは、来年度以降の事業にしっかりと反映して、より多くの成果を上げるための糧としていただきたいというふうに思います。
平成24年度の事業については、モニターツアーや香港ウェディングエキスポへの出展など、今年度と同様の事業が予定されていると聞いております。
そこで、再質問ですが、平成24年度は、今年度の課題を踏まえて、どのように取り組むおつもりなのか、伺います。
◎小笠原 観光コンベンション部長 平成24年度の取り組みについてでございますけれども、知名度とか信頼感、そして安心感を高めるために、ことし2月に引き続き、夏と秋に開催されます香港ウェディングエキスポへ出展いたしますとともに、ホームページですとかフェイスブックなどで広東語による情報発信を積極的に行いまして、モニターツアー参加者などの協力のもとで、写真の技術、品質の高さなど、香港での口コミ評価の向上にも努めてまいりたいと考えております。また、エキスポへの出展に当たりましては、より興味を引くプロモーションとするために、価格面で特典をつけたモニターツアーとか、あるいは、例えばでありますけれども、ミュンヘン・クリスマス市でウェディングドレスを着てイルミネーションの点灯式を行うなどの特別な商品構成とするキャンペーンなども実施する予定であります。
国内のほかの地域と比べまして旅費が割高な点に関しましては、札幌への観光をビジネスチャンスととらえているような旅行会社との連携とか、あるいは、低価格を売り物にしております航空会社の活用などを検討していきたいと考えております。
いずれにいたしましても、昨年10月に発足いたしました札幌ロケーションフォト・ウェディング協議会とともに、誘客促進に向けた環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
◆福田浩太郎 委員 最後に、要望で終わりますけれども、リゾートウェディングの利用者というのは、魅力的な式場があるからそのまちでの挙式を選ぶのではなく、そのまち自体に魅力を感じるからこそ、そこを挙式旅行の目的地に選ぶものであると思います。ハワイへの挙式旅行が多いのは、ハワイにすばらしいチャペルがあるからではなくて、ハワイそのものによいイメージを抱いているからであろうというふうに思います。来道・来札挙式旅行の利用者をふやすには、的確なニーズの把握に努めていただいて、その期待にこたえる明確なイメージを与えられるプロモーションを展開することが重要であるというふうにご指摘させていただきたいというふうに思います。
また、リゾートフォトウェディングにつきましては、沖縄県が大きく先行しておりますけれども、沖縄にはない季節感を魅力的な特徴といたしまして、北海道及び札幌市はフォトウェディングの人気目的地となる可能性を十分秘めているというふうに思うわけであります。札幌が国内の中でその先進地となるように、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。そのためにも、札幌の地の利を生かして、車での日帰り圏内とはしっかりと連携を図っていただきたいというふうに思います。お聞きをしたところでは、小樽市とは既に連携しているということでありまして、今後ともぜひ協力していただきたいと思います。また、すばらしい景観を有しております富良野市や美瑛町などとも、また、そのほかの地域とも連携して、メニューの多様化、また充実にも努めていただきたいというふうに思います。
ウェディングエキスポというのは、年10回ぐらい行われているようでありまして、来年度は2回出展するということでありますが、すべて出展をするのは無理だろうというふうに思います。ことし出展したときのアンケート調査、また、私どもが取り寄せた、富士株式会社の情報提供による中国富裕層に対するリゾートウェディングについての意識調査によりますと、インターネットから判断している方が大変多いというふうに伺っております。そうしたことから、代理店の活用、それから、インターネットを有効活用して、しっかりとした周知、PRに努めていたただきたいと思います。
また、価格面では、旅行代理店との連携、また、格安航空会社も、とりわけピーチ航空が路線を開航するということでありますので、そうしたところともしっかり連携を図って、ぜひ振興に努めていただきたいということを要望して、質問を終わります。
◆小須田悟士 委員 細かい問題で恐縮ですが、また、定山渓の観光振興についてであります。
さきの代表質問で、定山渓地区の将来的な観光振興の進め方についてお伺いいたしましたところ、地元と一体となって、施設の再整備も含めた基本構想の策定に取り組むとの答弁がありました。私の仲間でもあります定山渓観光協会の青年部のメンバーも本当に喜んでおりました。
といいますのも、今まで、札幌市は、桂さん時代から、何か定山渓に冷たいのではないかという意見がちょっとあったのです。アンケート調査でも共通して出ている意見は、行政からの定山渓温泉に対する位置づけが不明であり、多額の入湯税が定山渓温泉の各施設から納付されているのに還元率が低いと感じているという意見や、中には、行政に無視されているとしか思えないという意見もありました。しかし、ここに来て、私が4年間ちょっと休んでいる間に、観光コンベンション部の皆さん方が定山渓出張所の所長を含めて、窓口になって、定山渓観光協会の青年部の皆さん方としっかりと意見交換させていただいているようでありまして、今後の定山渓地区の活性化に向け、基本構想の策定に大いに期待しているところであります。
定山渓としては、今は、定山渓出張所、いわゆる定山渓
まちづくりセンターの新築、そして、札幌市の老人福祉施設ライラック荘跡地の再開発など、現在、進行している事業もあります。また、今後も定山渓地区の活性化に向けて施設、空間が魅力的に再整備されることを心から念願し、期待するところでもあります。しかし、心配なのは再整備の時期であります。再整備の時期が、将来的な観光振興の基本構想の策定後から少なくとも数年はかかるのではないかと心配しております。
そこで、質問ですが、基本構想の策定はいつごろをめどとしているのか、また、平成24年度は何を実施する予定なのか、まず、この2点をお伺いいたします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 まず、基本構想の策定の時期でございますけれども、第3次新まちづくり計画期間内のできるだけ早い時期に策定する予定でございます。また、平成24年度に実施する事業でございますが、基本構想策定のための基礎調査といたしまして、地元住民の方々や温泉の利用者の方などを対象といたしまして、ヒアリングとかアンケートなどを実施する予定としております。
◆小須田悟士 委員 地元住民である定山渓の連合町内会、また観光協会、旅館組合と、定山渓には各種団体がありますが、今の答弁では、さまざまな角度からいろいろと検討を要する、そして、定山渓の将来像、構想の策定には時間がかかるということであります。時間がかかるのは、ある程度、理解はいたします。
しかし、そうなると、現在、札幌市環境局が管理している公共施設で、散策路として多くの観光客が訪れる二見公園というところがありまして、皆さんも二見公園はよくご存じだと思います。この二見公園の路盤ですが、公園内の木の根が地上に浮き上がって出たり、また、凍結で石畳がはがれたり、破損したりして転倒の危険性が非常に高いところもあり、また、倒木が処理されていないところなど、観光客の利用に際して危険な場所がたくさんあります。先ほど言いましたアンケート調査でも、この二見公園は大変よい場所なのに、整備不良で観光スポットとして魅力を感じられないとか、散策路内にベンチを増設してもらいたいとか、照明が少なく、暗くて心配だという意見があります。
定山渓の魅力は、何と言ってもすばらしい温泉と豊かな自然という意見が圧倒的に多くありました。しかし、自然を楽しむ場が整備されていない状況ですので、せっかくの定山渓温泉の魅力が観光客に十分伝わっていないということになります。札幌市の大切な観光地として、また、国立公園内の温泉街の公園として、こういうことを言ってはあれですが、お粗末と言わざるを得ないのであります。
そこで、質問です。
定山渓について、札幌観光に大きく貢献する大切な集客交流資源と代表質問で答弁いただきましたが、この二見公園やらいろいろな公共施設、老朽化の激しい公共施設に関し、いずれは再整備されると想定した上で、それまでの間の維持管理についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
◎小笠原 観光コンベンション部長 老朽化した公共施設の維持管理についてでございますけれども、観光コンベンション部が所管しております公共施設につきましては、定山渓観光協会に維持管理を委託しておりまして、定期的に施設を点検しているところでございます。観光客の利用に際しまして安全性に問題があると判断した場合につきましては、これまでも必要な補修を実施してきたところでございます。平成24年度におきましては、雪解けを待ちまして老朽施設の安全性の点検を実施する予定でありますけれども、安全性確保の観点から、補修の優先順位や時期、方法などを検討した上で、適切な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
◆小須田悟士 委員 要望でありますが、観光文化局の所管でない点も何点かありますけれども、大変厳しい財政状況は十分わかっている上での改善要望といたします。
まず、1点目は、二見公園ですが、公衆トイレを身障者の皆さんや赤ちゃん連れの方にも利用できる多機能トイレに改修していただきたい。
2点目は、定山渓
まちづくりセンターの新築工事に合わせて、センター周辺の整備、これは、花壇やシンボル時計とか公共的広場、駐車場等の整備も同時に行っていただきたいと思います。
そして、最後の3点目ですが、定山渓温泉のメーンストリートと言える湯のまち町内会、我々は下町と言っているのですが、その下町の定山渓中央線のロードヒーティングです。これは、2〜3年前にやったにもかかわらず、石畳の舗装の欠損や陥没が激しく、観光客が集まったときに転倒が発生したという報告も私の耳に入っておりまして、早急な対応をしてほしいと思います。これは、札幌市の設計ミスにもつながってくるのではないかというようなことも言われておりますので、その点を強く要望して、質問を終わります。
○桑原透 委員長 以上で、第1項 商工費のうち関係分の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、明後日、3月23日金曜日午後1時から、病院局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後6時41分...